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2014年9月 6日 (土)

座席のリクライニングはどこまで?

アメリカと言えば日本と違って航空機による移動がごくごく身近なものになっているお国柄ですが、そのアメリカでこのところ急に機内でのトラブルが多発していると話題になっているのをご存知でしょうか。

リクライニングは悪? 相次ぐ機内トラブル、米国で論争に(2014年9月1日AFP)

【9月1日 AFP】米国では最近、旅客機内の座席スペースをめぐる客同士のトラブルが2件立て続けに起きたことをきっかけに、リクライニングの是非をめぐる論争が過熱している。

 そんな中、誰もが認めるのは、座席のレッグルーム(足元のスペース)が年々狭くなっていく一方だということだ。旅行情報サイト「IndependentTraveler.com」のサラ・シュリクター(Sarah Schlichter)編集長は、リクライニングのマナーについての問題は「何年もの間、議論の的となっている」とした上で、「だがここ最近の騒動は、乗客たちが空の旅にもはや満足していないという証拠のように思える」と話す。

 米国では、席のリクライニングをめぐる乗客同士のトラブルによって飛行機のルートを変更するという事態が、わずか数日間で2度も発生している。

 そのうちの一つは、ニューアーク(Newark)発デンバー(Denver)行きのユナイテッド航空(United Airlines)機で起きたもので、「ニー・ディフェンダー(Knee Defender)」なる器具を使用した乗客が他の客とトラブルになったことが原因で、同便は急きょシカゴ(Chicago)に目的地を変更した。

 この22ドル(約2300円)の器具は、トレーのアーム部分に2つのクリップを装着することにより、前の席のリクライニングを阻止するもの。発明者のアイラ・ゴールドマン(Ira Goldman)氏はAFPに対し、器具の売り上げは「ここ2年半で順調に増加している」と語ったが、具体的な数値は明らかにしなかった。
(略)
 オンライン雑誌「スレート(Slate.com)」のダン・コイス(Dan Kois)氏は「機内で背もたれを倒す行為は、まぎれもない悪だ」と断じ、「見かけはいい人そうな学校教師の背もたれが、私のあごのすぐそばまで迫るため、ほぼ寄り目状態でテレビを見なければいけない」という状況でのフライトについて記している。

 一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のジョシュ・バロー(Josh Barro)氏はリクライニングを擁護し、「私は頻繁に飛行機を利用するが、いつも席を倒す。罪悪感はない」と書いている。

 事実、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)が2013年10月に実施した調査では、エコノミークラスのスペースは、より高い料金を支払うファーストクラスやビジネスクラスの乗客のスペースを広げるために削減されていることが分かっている。

 同紙によれば、長距離線の標準的シート幅は1970年代~80年代は46センチで、その後一時的に47センチまで広がったものの、近年では43センチにまで縮んだという。一方、米国内の鉄道では、一般的に50センチ前後の間隔が取られている。

 この論争に終止符を打つべく、イージージェット(easyJet)やライアンエア(Ryanair)といった格安航空会社は、短距離路線でのリクライニングを廃止した。
(略)
 著名マナースクール「エミリー・ポスト・インスティテュート(Emily Post Institute)」の代表の一人、アンナ・ポスト(Anna Post)氏は「(リクライニングは)支払った航空券の料金に含まれており、背もたれを倒すのを他の乗客がやめさせる権利などない」と話す。

 だが一方で、「正しいことだからといってそれを押し通そうとすると、割に合わない余計なトラブルを引き起こすことがある」として、「誰かにぶつけることがないよう」ゆっくりと背もたれを倒すようアドバイスするとともに、「時には、ちょっと倒すだけで快適になる場合もある」と指摘した。

記事にあります「ニーディフェンダー」なる道具に関してはこちらのサイトに説明があるので参照いただければと思いますが、要するにこれはシート可動部に取り付けてその可動範囲を制限するストッパーであって、直立不動の態勢のままびくともさせないと言った極端な使い方をするのでなければさしたる害がなさそうな小道具にも思えるのですが、まあそういう極端な使い方をしてしまったからトラブルになっているのかも知れませんね。
当初このニーディフェンダーと絡めて報道されたことからあたかも画期的な新商品が登場した結果トラブルが頻発しているかにも思えた話なのですが、その後もニーディフェンダーに関わりなくリクライニング絡みでのトラブルは続いているのだそうで、こうした報道が限界点突破の引き金になったのかどうか、ともかく思いがけず多数の乗客が長年不平不満を貯め込んでいたと言うことなのでしょう。
最初から後ろの人の邪魔にならない程度にリクライニング角度を制限するか、そもそも記事にもあるように短距離路線ではリクライニング不要だとも思えますし、実際に近い将来近距離路線向けには立ち乗りシートが登場すると言う話もありますけれども、ともかく少なくともエコノミー席では少々スペースを広げてもフルフラットは無理なのですから、どこかで乗客同士の折り合いをつけなければならない話です。

日本ではアメリカほど飛行機に乗らないから関係ないじゃないかと言えば全くそんなことはなく、実は以前から新幹線を筆頭に長距離列車の座席で同様のトラブルが起こっているのですが、同じ新幹線と言っても路線によって倒れる角度はかなり違う、そして当然ながらグリーン車の方が倒れる角度は総じて大きい(その分座席間のスペースも大きい)仕様になっています。
本来的には飛行機ももちろんそうなのですが、特に新幹線や自動車のように地上を走っていて事故などで急停車の可能性がある乗り物については安全性の観点からすると断然リクライニングなどさせない方がいいと言う考え方もある一方で、特に仕事での出張などではやはり少しでも背もたれを倒したいと言う需要もありそうで、山形新幹線の背もたれが特に良く倒れる、などと聞くとさもありなんと思ってしまいますね。
前後で同時に同じような角度に倒せばいいと言う意見もあるでしょうが、中には食事をしたり座って作業をした人もいるはずですから机上の空論と言うもので、後ろの人に一声かけてから倒せばなどと言うマナー論も席の配置によっては物理的に困難なのと、何よりそうしたマナーを守らない人がいるからこそ大騒ぎになっていると言う現実があります。
各人各様に工夫していると言う対策の中で面白いなと思ったのは、席を思いっきり倒してくる相手には耳元になるべく近くで大げさに咳やくしゃみなど風邪をひいているふりをすると言うものですが(ちなみに成功率100%なのだそうです)、アメリカでのスペースを巡る仁義なき戦いを見ていると不肖管理人のようにリクライニングは隣の席よりはちょっと控えめな範囲にとどめておくと言うのは、日本人的な小心さの現れに過ぎないとも思えてきますね。

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コメント

いきなりで思いっきり席倒す人ってDQN率高そうだから文句言うの怖いです……

投稿: tama | 2014年9月 6日 (土) 10時03分

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