« 少子化対策が叫ばれる時代に | トップページ | 専門職におけるプロフェッショナリズム »

2014年9月30日 (火)

御嶽山噴火に伴い炎上してしまった人

先日以来の御嶽山噴火が大変なことになっていますが、災害医療の中心として注目を浴びている長野県立木曽病院がなんだか凄いなと感じています。
香川県と同じ広さの木曽郡は現在人口が3万人を割り込み、しかも高齢化率37%と典型的な過疎地という状況なんですが、そこに18診療科259床、職員数209名と言う「木曽2次医療圏唯一の有床病院」が存在していて、救急告示医療機関、災害拠点病院、へき地医療拠点病院、第2種感染症指定医療機関等々様々な指定を受ける文字通り地域医療の中枢として機能しているわけです。
HPによれば平成24年度は「入院患者数62,023人、外来患者数140,733人、救急患者数5,634人、手術件数949件、分娩件数170件(3年平均実績)、在宅医療件数5,847件」だと言いますから立派なものですけれども、設備面にしても都市部の基幹病院並みに揃えていらっしゃるようで、「人工心肺装置を要する心臓・胸部大血管外科だけは対応できませんが(外科部長談)」との言葉も嘘ではなさそうですね。
都市部と違って田舎の方が医療機関の選択肢も少ないだけに救急搬送などもスムーズに進む側面があって、こういう僻地地域医療のモデルケースとしてもなかなか興味深そうな施設だと思うのですが、ともかくも今回の災害における拠点として大変な状況ながらがんばっていただきたいものだと思いますね。
さて話は変わって、その噴火という現象と関連してあちらこちらのマスコミでは「予知は出来なかったのか?」などと様々な言論が飛び交っているようで、正直聞いていてもあまりに後出しじゃんけんで賢しげなことを言われるのは不快な場合が少なくないのですが、そんな中で先日とある人物の絡んだ炎上事件が発生したと話題になっています。

ジャーナリスト江川紹子と有名軍事ブロガーによる「御嶽山への自衛隊投入についての議論」がネットで話題に(2014年9月29日バズニュースジャパン)
より抜粋

噴火した御嶽山に自衛隊を投入することについての是非を巡る議論が話題になっています。
ジャーナリスト江川紹子さんが御嶽山の噴火で救助に自衛隊が投入されたことについてこうつぶやいたことがきっかけでした。

    なぜ、御嶽山に自衛隊派遣なんだろ…。人が必要なら、むしろ警視庁や富山県警の機動隊や山岳警備隊の応援派遣をした方がよさそうな気もするが…。
    — Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 9月 27

これに反応する方が。

JSF₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ @obiekt_JP
@amneris84 火砕流に巻き込まれても平気な装甲車両を持っているのは、自衛隊だけだからじゃないかな。雲仙普賢岳では活躍しましたよ。
2014年9月27日 20:08

江川紹子さんはこの説明に反論。

Shoko Egawa        ✔ @amneris84
@obiekt_JP 装甲車や戦車は、火砕流には勝てません
2014年9月27日 20:10

しかし反論した相手、つまり江川紹子さんに説明してくれた方は有名な「軍事ブロガー」でYahoo!個人ニュースにもページを持っているほどの方でした。

【Yahoo!】Obiektよく分かる軍事ニュース解説

同じ方によるこちらのブログはトップページに200以上のはてブがつく軍事情報サイトです。

週刊オブイェクト

専門家に反論してしまった江川紹子さんですが、「現地で聞いた」という根拠で自説を貫こうとします
(略)

まあ週刊オブイェクトの中の人を専門家と言われるとちょっと違う気はしますし、理由付けとして「NBC防護能力があるので」と言いながらソースとして60式装甲車の事例を持ち出すのも突っ込まれそうな気がするのですが、ともかくも二次災害の発生こそがもっとも懸念されるこの種状況下において、直ちに動員でき最も安全性が高く機動力にも優れる車輛として装軌式装甲車が最適なのは事実でしょう。
以後の一連のやり取りに関しては元記事およびこちらを参照いただくとして、いくら無限軌道の装甲車であっても山頂までは登れないのは当然ですが、途中の中継地点として装甲車を前進させるだけでも避難場所として救助中の安全性を高めることになるし、有毒ガスはもちろん火砕流に対しても無限にではないにせよ一定時間であれば耐えられると言った話が出ることによって、次第にコンセンサスが形成されていくのが判りますよね。
かくして皆が知識を共有し理解を深めていく中で正直江川氏だけが浮いているようにも感じられるのですが、いずれにしてもこれだけの被災者がいる以上使えるものであれば何でも使いたいのが現地の率直な気持ちだろうし、その使えるものの中で最も安全性が高いのが自衛隊の装甲車であることも明らかなのですから、それを否定するならそれ以上の対案を出さないと話にならないはずです。
仮にご本人が熱心に主張するように装甲車でも耐えられないから反対だと言うなら、それ以上にもろい警察や消防の車で行けとは死ねと言うことで、この人は二次災害の何たるかも理解しないままコメントしているのか?と言うことになりますけれども、事を分けて説明してもらったと言うのに対して江川氏が出したつぶやきがこちらで、正直いい歳をした社会人としては認知能力その他様々な観点からいささか残念な発言ですかね。

Shoko Egawa        ✔ @amneris84
自衛隊にかかわると、「ほわい?」と問うただけで、勝手に深読みして「きーっ」となったリアクションがうようよ来るにゃ。その中に、まともな「びこーず」がちらほら。やれやれ…。

Shoko Egawa        ✔ @amneris84
@remua7 残念なことに、まともなミリオタからのリアクションはないのだにゃ。
2014年9月27日 22:45

Shoko Egawa        ✔ @amneris84
@Shinden28 @garfield0802 @Simon_Sin 普賢岳では、「マシでは」ということで投入されましたが、あくまでそのレベルです。頂上付近に残されている登山者を救助することが必要な御嶽山の噴火で装甲車を投入する意味が全く理解できませんね。
2014年9月27日 22:54

Shoko Egawa        ✔ @amneris84
@syoukoy 人に説教する時には、相手の言っていることをきちんと読んでからにしましょう。
2014年9月27日 23:06

本人が「ほわい?」と問うた(とはとても思えない元発言でしたが)ことに対して懇切丁寧に説明してもらったことに対してこの調子ですから、この場合「嫌いなことは調べないで頓珍漢なこと言う」と言うよりは人の話に聞く耳を持とうとしないことの方がジャーナリストとして致命的だと思うのですが、先日亡くなった土井たか子氏なども全盛期にはこの調子で「駄目なものは駄目!」とまるで聞く耳持たずだったことが懐かしく?思い出されます。
この件に関しては思いの外大きく広がってしまったのか江川氏以外にも同様な誤解?をしていらっしゃる方がいらっしゃったのか、小野寺五典元防衛大臣がわざわざこんなコメントを出していますけれども、繰り返しますが相対的に最も安全性が高いのが自衛隊の装甲車であり、現実的に直ちに活用出来る車輛としてこれ以上に妥当な選択枝は見当たらない以上はそれを使うのが当たり前だろうと言うことです。

小野寺 五典        ✔ @itsunori510
今回の御嶽山噴火の救助には自衛隊の装甲車が活用されています。火山灰や噴石が降るような状態では一般的な車両では対応が難しい為です。御嶽山に限らず活火山に近い駐屯地には今回のような場合の為、装甲車が配備されています。重ねて一刻も早い被災者の救出を願います。
2014年9月29日 10:40

根本的な問題として世界中でこの種の大規模災害が発生した際に真っ先に軍隊が出動するのは当たり前の常識なのであって、軍隊が存在しない(ことになっている)日本ではその代役として自衛隊の方々が出動することもこれまた当たり前だと思うのですが、どうも日本では自衛隊出動と言えばとりあえず反対してみる的な方々もいらっしゃるようです。
ちなみにこうした災害派遣に関しては都道府県知事から自衛隊に出動要請を出すことが手順として求められますが、噴火が起こったとされるのが27日正午頃で長野県知事から災害派遣の要請が出たのが午後2時半ですからまずまず迅速に行われたと見るべきで、今も自衛隊出動が遅れたのでは?と言う批判もある(ただし実際はやむを得ない状況だったようですが)阪神淡路大震災の教訓が活かされていると言えるでしょうか。
ともかくも今回の一連のやり取りはあっと言う間に広まり江川氏の名声?をかつてないほど高めたことは言うまでもありませんが、この炎上騒動を受けて例によって一連のつぶやきを削除した上で29日の昼になってこんなつぶやきを出したと言うことですが、これをジャーナリストとして妥当な釈明と受け取るか何かしらの上塗りと受け取るかは微妙なところではないかと言う気もします。

Shoko Egawa        ✔ @amneris84
1)昨日から何度もツイしていることですが、今なお苦情や誤解があるので、改めてツイします。一昨日の自衛隊投入についての疑問は、今回の災害の規模と陸自松本駐屯地の山岳部隊としての能力について、私の無知から生じたものです。自衛隊を災害で派遣することに反対しているわけではありません。
2014年9月29日 13:12

Shoko Egawa        ✔ @amneris84
2)一昨日のツイが、今もRTされ、現在の私の認識であるように思っている方も少なくないようですので、削除いたします。救助の状況や被災者の多さ、現場の困難さを知るにつけ、救助隊の方々が二次災害に遭うことなく、山に残された方々が早くご家族の元に帰れるよう祈るばかりです。(了)
2014年9月29日 13:12

|

« 少子化対策が叫ばれる時代に | トップページ | 専門職におけるプロフェッショナリズム »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

NHK東海
09月11日 19時08分

岐阜県と長野県の境にある御嶽山で、10日昼ごろから火山性の地震が増えていて気象庁は火口付近
では火山灰などの噴出に注意するよう呼びかけています。
気象庁の観測によりますと岐阜県と長野県の境にある御嶽山では、10日昼ごろから山頂付近を震源と
する火山性の地震が増え始め、10日は51回、11日は午後3時までに、71回観測されました。
1日の地震の回数が50回を超えたのはごく小規模な噴火があった平成19年1月以来です。
地殻変動に特段の変化は見られないということです。
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20140911/4518621.html

投稿: | 2014年9月30日 (火) 08時00分

間違いは誰にでもあるけど間違いを指摘された時に
どういうリアクションをするかでその人の人間性が分かりますね。
今回ので江川さんに失望した人は多そう
自分が間違えたのなら相手に難癖を付けずに謝罪しましょう

投稿: うんちぶりぶり | 2014年9月30日 (火) 08時56分

火山国日本でこれを人災にしてしまうと住むところがなくなってしまうんじゃないですか。
ともかく災害が起こってしまったからには救助に可能な限りの手立てを講じるのが当たり前です。
一人でも犠牲者が少なくなるよう自衛隊はじめ関係者の方々の御尽力が頼りです。

投稿: ぽん太 | 2014年9月30日 (火) 09時05分

こいついくつだ?ってのが正直な感想

投稿: | 2014年9月30日 (火) 09時39分

>以後の一連のやり取りに関しては元記事およびこちらを参照

これざっと見たけど、装甲車!ってネタにJSFって人が食いついて、何十も一方的にツイート投げて、なんともという印象

なんだか、どっちもどっちだなあと

投稿: | 2014年9月30日 (火) 09時46分

>装甲車!ってネタにJSFって人が食いついて、何十も一方的にツイート投げて

あの人はこの種の話題での誤報やデマにはどんどん食いつくので有名な人なので、この点は仕方がないのかなと思います。

投稿: 管理人nobu | 2014年9月30日 (火) 10時18分

それにしてもあのごつい機関砲の迫力はすごかった。
以前だったらマスコミは戦車だ戦車だって大騒ぎしてたでしょうね。
ミリオタの息子のせいで最近は戦車、装甲車、自走砲の違いが結構
わかるようになってきました。

投稿: 嫌われくん | 2014年9月30日 (火) 10時29分

「戦艦じゃなくて護衛艦だ」と突っ込まれて「戦うフネなんだから戦艦だ」と開き直ったキャスターがいたなw

投稿: aaa | 2014年9月30日 (火) 11時04分

御嶽山噴火で、またマスコミの取材マナーが叩かれてる…
http://matome.naver.jp/odai/2141186606427820501

投稿: | 2014年9月30日 (火) 12時09分

>この種の話題での誤報やデマにはどんどん食いつくので有名な人なので、この点は仕方がない

愛されてるんですな

投稿: | 2014年9月30日 (火) 13時45分

片山氏ツイートに民主抗議 御嶽山常時観測「民主政権仕分けで外した」は事実無根
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140930/stt14093020430006-n1.htm?view=pc

民主党の福山哲郎政調会長は30日、自民党の片山さつき参院議員が御嶽山の噴火に関連してツイッターで
「根拠を欠いた事実誤認の民主党批判」を行ったと抗議し、撤回と謝罪を求めた。
10月1日に自民党に文書を渡す。海江田万里代表も記者団に「全くの事実無根だ。党利党略で(情報を)流したのは看過できない」と批判した。
 片山氏は28日のツイッターで、長野県の首長の話として「(平成)22年の民主政権事業仕分けで常時監視の対象から御嶽山ははずれ」と指摘。
民主党側は関係省庁に確認したとして「御嶽山は民主党政権下で常時監視の対象から外れていない」と反論している。
 福山氏は記者会見で、参院外交防衛委員長の片山氏の謝罪がない場合、同委の審議拒否も示唆した。
片山氏は産経新聞の取材に「私が言ったわけではない。外交防衛委員長とは関係ない」と語った。

関連
片山さつき氏のツイート(本人認証済アカウント)
https://twitter.com/katayama_s/status/516235245062864897
長野の某町村長と話。22年の民主政権事業仕分けで常時監視の対象から御嶽山ははずれ、政権奪還後漸く予算共々少し戻せたが、この状態では
「予知困難」と気象庁も連絡会も言うだろう。観測体制強化とそれによって得られ得る新データをベースに前広に警戒レベル2「火口周辺規制」を出すべきとの意見

投稿: | 2014年10月 1日 (水) 07時57分

片山さんは事実誤認で謝罪したらしいですよ

投稿: | 2014年10月 1日 (水) 18時17分

火山学者が記者の取材に応じる様子をツイートしたところ、
5000回以上リツイート(転送)されるほどの大反響を呼んでいる。

記者が、火山による被害を出さない方法を聞いたのに対して「火山には登らないことですね」と、
そっけない答えだったのが話題になったようだ。その内容については「正論だ」と賛同する声も多い。

ツイートの主は、2011年1月に爆発的噴火を起こした九州南部、新燃岳(1421メートル)の
研究を20年以上にわたって続けている、鹿児島大学准教授の井村隆介さんだ。
話題になったツイートは、10月1日夜に書き込まれた。

ツイートによると、取材に来たある記者が
「二度と被害を出さないようどうすべきでしょうか?」
と聞いたところ、井村さんは「火山に登らないことですね」と答えた。

記者が「え?」と面喰らっていると、井村さんは
「今回のような噴火は防げない。原因は運が悪かったとしか言えないと思う。
それを避けるためには、火山には登らないことですね」と説明。
その答えを聞いて記者は言葉を返せず、黙ってしまったようだ。
ツイートの中には、井村さんの「コメントにならなくてごめんね」という申し訳なさそうな言葉もあった。

井村さんは「『教訓は?』とか,『今後は?』という話なら,イロイロ答えたよ」ともツイートしており、
記者の質問の仕方に問題があった可能性もありそうだ。
さらに、ツイートされたやり取りは取材のごく一部のようで、噴火予知のあり方について
30分程度話した後の出来事だったようだ。

半日後にはNHKに「火山災害ホームドクター」として登場
偶然にも、ツイートからおよそ半日が経った10月2日朝にNHK Eテレで放送された番組「学ぼうBOSAI」に、
井村さんは「火山災害ホームドクター」として登場している。
その中にも、似たようなエピソードが登場している。

新燃岳が大きな噴火を起こす前の2010年の段階で、地元の宮崎県高原町(たかはるちょう)が子どもに
霧島の自然に触れてもらおうと、ツアーを計画していた。
目的地は新燃岳の火口からおよそ2.5キロの場所を想定していた。
その時点で小さな噴火は起きていたが、立ち入りは可能な場所だった。
町が井村さんにアドバイスを求めたところ、井村さんは「研究者であっても、噴火は容赦してくれない。
僕だって死ぬ可能性がある。そんな場所に、みんなを連れていくわけにはいかない」
などと猛反対し、すぐにコース変更が決まったという。

井村さんは、記者とのやり取りのツイートが話題になった後にも、真意を改めてツイッターで説明しており、
立場は一貫しているといえそうだ。
「今回の事故から学ばなければいけないことは,『活火山の登山には噴火リスクが伴う』ということだと思います。
そのリスクをどこまで許容するかは個人の判断だと思います。研究者はその判断材料を提供できるだけです」

気象庁が「噴火警戒レベル」を設定して監視している火山は全国に30あるが、
「レベル2(火口周辺規制)」以上なのは、活発な活動が続く桜島(レベル3)や、阿蘇山(レベル2)など8つのみ。
御嶽山も、今回の惨事が起きるまでは「レベル1(平常)」で山頂付近への登山は規制されていなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141002-00000005-jct-soci

投稿: | 2014年10月 3日 (金) 19時40分

http://toyokeizai.net/articles/-/49744

投稿: | 2014年10月 6日 (月) 21時38分

【御嶽山噴火】テキサス親父「リベラルの連中は救助活動での装甲車投入に批判的だったが、こいつらは偽善者」
http://www.asagei.com/27153

投稿: | 2014年10月15日 (水) 19時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/60395820

この記事へのトラックバック一覧です: 御嶽山噴火に伴い炎上してしまった人:

« 少子化対策が叫ばれる時代に | トップページ | 専門職におけるプロフェッショナリズム »