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2014年8月18日 (月)

「しゅうかつ」と言っても学生の行うものではなくて

マスコミの言うところの「最近○○がブームで」と言った類の話はどこまで信用していいのか眉唾物なところがありますけれども、ともかくも彼らが言うところではこのところ「終活」と言うものがブームなんだそうで、確かに検索をしてみますとあれやこれやの情報が出てきますよね。
終活とは何かと言えば「人生の終わりのための活動」が正式名称なのだそうで、もともとは週刊誌から生まれ2009年頃から広まり始めたと言うのですけれども、ともかくも自らの人生を終えるに当たってこれはやっておかなければ、と考える活動全てがその範疇となるようです。
例えば長年溜め込んできたHDD内のあれやこれやであるとか、SNS等オンラインでの活動履歴の削除と言ったものの後始末も立派な終活であるわけですが、特にお墓や資産など家族も絡むようなものに関しては当事者のみならず子供や孫世代の関心も高いようですね。

最新の終活事情に関する意識調査で、親世代と子世代に考えの違いが(2014年8月14日介護ニュース)

最新の終活事情とお墓に関する意識調査を実施

日本初のお墓ネット専門店「お墓まごころ価格.Com」を運営する株式会社まごころ価格ドットコムが、60~70代男女300人(シニア層)と、その子世代である30~50代男女300人を対象に、2014年7月24日~25日までの2日間、最新の終活事情に関する意識調査を実施しました。

シニア層の5割が「終活を始めている」と回答

調査によると、シニア層のうち49.3%の人がすでに「お墓やお葬式の準備などの終活を始めている」と回答し、さらに、「将来、終活を実践しようと思っている」という人と合わせると85.7%の人が終活を意識した行動を起こす考えを持っていることがわかりました。

終活について親世代と子世代で考えに違い

この中で、「終活を実践している、または今後終活をする意向がある」と回答したシニア257人に、「誰と終活しているか、またはしたいですか」と尋ねたところ、59.9%のシニアが「独りで」と回答しており、次いで「夫婦で」が36.2%、「子どもや孫と」が6.6%でした。

一方、子世代に「親が終活していたら話して欲しいと思うか」と尋ねたところ、62.7%の人が「話して欲しい」と回答しており、親世代と子世代で終活に対する考えの違いがあることがわかりました。

すでに半数が何らかの終活を行っていると言うのは大変なものですけれども、一般に墓地を用意しておくだとか葬儀関係の手配をしておくと言ったことは昔からある程度行われてきたことですから、そう考えると何も考えず行いもしない残り半数の方が子や孫の世代に全部お任せで大丈夫なのか?と言う考え方もあるかも知れません。
ただ記事では当事者と子の世代間での認識の違いと言うものが取り上げられていますけれども、実際には身寄りがないだとか遠い土地に住んでいる等の事情から相談できる身内がいない高齢者が増えてきているのも問題だし、そもそも葬式一つにしても昔のように自宅で家族中心で行うと言う時代ではなくなりましたよね。
そう考えると実際には終活をしている当事者側が思っている通りのことが、子や孫世代に出来ることなのかどうかと言ったトラブルも起こりかねないわけで、そうした行き違いを解消するためにも生前の契約に従って死後の全てをお任せできる商業的サービスの成立する余地が大いにありそうだとも言えるわけです。

ともかく一昔前であれば無縁仏と言えば何とも寂しいものと言う印象でしたけれども、今やそれなりにお金を持っているが資産を譲るべき身内もいない、あるいは平素から縁遠い身内になど資産をやりたくないと言う人も多いでしょうから、今後このあたりのお金を社会にうまく還元してもらう道も考えていく必要がありそうですよね。
もちろん人生の終わり方は各人なりの考え方でいいのですが、他方で現実問題として若年層のワープア化に対して高年齢層が抱え込む資産額の大きさが新たな格差問題として世間的に議論されている訳ですから、死んだ後のことだけでなく生きているうちに何とか出来る問題も考えた方が建設的だとは言えそうです。
例えば当面使わない資産を持っている高齢者が出資して意欲はあるが金がない若年層支援のために運用されるファンドであるとか、双方の世代にwin-winの関係をもたらす方法論は幾らでもあるんだろうと思うのですが、先日シンプルながらなかなかに実際的なアイデアが実施されていると言うニュースがありましたので紹介してみましょう。

流山市、住み替え仲介 シニア世代と子育て世代(2014年8月12日東京新聞)

 子が独立して広い家の手入れに悩むシニア世代と、広い家を希望する子育て世代のギャップを埋めるため、千葉県流山市は近く、住み替えの相談窓口をつくる。市が紹介した専門業者がチームで相談を受け、さまざまな提案を行う仕組み。住み替えの相談先に困っている人は多いといい、市が介在することで安心して相談してもらい、若い世代の定住も促したい考えだ。 (飯田克志)

 「どこに相談したらいいか分からなかったから助かる」。七月半ば、市文化会館で試験的に行われた住み替えの相談会。参加者の男性(68)は、複数の専門業者にまとめて相談でき、満足そうな笑みを浮かべた。市の担当者は、今秋からの本格運用を前に「より良い制度にしたい」と話した。
 高度成長期にベッドタウンとして開発された市内の住宅街には、定年を迎えたシニア世代が庭付きの一戸建て住宅に多く住む。市は二〇〇三年以降、若い世代の定住戦略を強化。〇五年には都心直結のつくばエクスプレスが開業し、三十~四十代の子育て世代が大幅に増えた。
 ところが、若い世代は子の成長に伴って部屋数の多い住宅を希望する一方、高齢者からは「家が広くて庭の管理に困っている」などの声が相次いだ。住み替えの需要は高いものの、相談先の選択で足踏みしているとみた市は、安心住み替え相談センター(仮称)の設置を決めた。

 センターでは不動産や建築、設計の三業者を中心としたチームを市が紹介。センターは駅に近い物件や高齢者向け住宅などの情報を提供しチームは住んでいた家の検査や賃貸のためのリフォームなどを提案する。条件が合えばチームの各業者と個別に契約する。自治体がここまで関与するのは全国でも珍しいという。
 制度設計にかかわった明海大不動産学部の斉藤広子教授(住居学)は「住み替えのいろいろなメニューを知ることで、シニアが積極的に将来を決め、豊かに過ごせる支援制度になってほしい。結果的に若い人にも魅力のある街になり、空き家、空き地を防ぎ、市の活性化につながる」と話している。

◆品川には相談センター

 高齢化が進む中、住み替えをめぐっては首都圏のほかの自治体でもさまざまな動きがある。
 東京都品川区は二〇一一年、移住・住みかえ支援機構などとともに、八潮地区に住み替え相談センターを設けた。この地区には、一九八〇年代前半に整備された集合住宅に高齢者が多く住む。
 センターでは、住み替えを希望する五十歳以上の家主から持ち家を借り上げ、子育て世代などに転貸する制度を紹介。機構は、板橋区、東京都武蔵野市、川崎市とも連携している。
 神奈川県横須賀市は今年三月、高台の谷戸(やと)地区にある空き家を、市のホームページで紹介する「空き家バンク」を開設した。坂が急で高齢者には厳しいが、見晴らしがよく、坂を下れば駅や商店街も近いため、市は若い世代をターゲットに物件を紹介。都内の会社員らが移り住んでいる。

今や住宅リフォームと言うことはすっかり定着しましたが、実はリフォームの大部分は高齢世帯が行っているのだそうで、もちろん建てたばかりの家をリフォームするのもおかしな話ですけれども、歳がいくに従って変わってくる生活状況や身体的状況に合わせてバリアフリー化等の手直しが必要になってくると言うことでしょう。
身体機能の低下に合わせてトイレや風呂場を改修すると言った判りやすい手直しはもちろんですが、中には使わなく(使えなく)なった二階部分を取り壊して家を狭くすると言った大がかりなことをやる場合もあるようで、確かに無駄に広い住宅は税金も余計にかかると考えると合理的ではあります。
ただわざわざリフォームしなくてもそのままの住宅を使いたいと言う人が一方にいて、他方では高齢者でも使い勝手がよく手頃な広さの物件が別にあると言うのであれば、両者を正しく仲立ちしてやることで大きな利益が生まれるのは当然ですよね(リフォーム業者にとってはまあ、少しばかり残念なことかも知れませんが)。
家というのは長年住み暮らしてきたと言う愛着ももちろんですが資産的な価値も大きいもので、正直どこの誰とも知れない赤の他人とこうした取引をすると言うのは腰が引けてしまうのも当然ですけれども、公的な仲介があってきちんとした手続きの元で進められる話となればもちろん安心感も違ってくるでしょう。

ここでは家と家との交換で双方が幸せになったと言うめでたいお話なんですが、一般的には長年住み暮らした家を離れたくないとか、それ以前に顔見知りの方々と離れて今更見ず知らずの土地に引っ越すのは不安だと言う方々も多いんじゃないかと思います。
持ち家率の高い日本では従来から家に対する愛着が高いと言われていましたが、よくよく考えてみると物理的な家と言う建物への愛着もさることながら、隣近所との付き合いと言う地域コミュニティーへの愛着こそ実は非常に大きいんじゃないかと言う点は、先の被災地からの集団移住の顛末などを見ても伺えるところですよね。
最近問題化している昭和時代に建設されたベッドタウンの老朽化、高齢化問題などが代表例ですが、住宅地などは同じ時期に建てられた家屋が多いわけですから、地域全体で同種の問題を抱えていると言う場合には個別に交渉するのではなく、可能なら住民そっくりまとめて高齢者用物件に移住すると言うやり方の方がいいのかも知れません。
ともかく年齢とともに家や立地と言った物理的ハードウェアに対する要求はどんどん変わっていく、変わらないのはコミュニティーと言う人間同士の関係であると言う大原則を理解した上で話を進めていくことで当事者皆が以前よりも幸せになれ、経済的にも各方面にそれぞれのメリットのある話も見つかるのでしょうか。

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コメント

そういえば故人のPCなんてどう扱ったらいいか判らないですね。
ネットバンキングやってる人には向こうから連絡来るんでしょうか?
オンラインだけの取引って何かあったら面倒ですよねえ。

投稿: ぽん太 | 2014年8月18日 (月) 08時51分

永代供養ってうさんくさいなって感じてるんだけど信用していいんだろうか・・・・

投稿: やまちゃん | 2014年8月18日 (月) 08時59分

ネットバンキングでも現金を出し入れするためのカードは物理的に存在してるから、
口座の存在が全く発覚しないってことはないと思うんだが

投稿: | 2014年8月18日 (月) 10時30分

>永代供養ってうさんくさいなって感じてるんだけど信用していいんだろうか・・・・

まったくお付き合いのない相手を全面的に信用するのは一般論としてどうなのかですが、田舎の檀家つながりで先祖代々付き合いのあるような場合には一通りの供養はしてくれるのではないでしょうか。
まあ自分が死んだ後で拝んでもらうと言う行為に価値を感じないと言う人も相応にいるでしょうから、今後は別な方式の供養の仕方も登場してくるかも知れませんね。
将来的には自分そっくりに育てた疑似人格をオンラインで活動させてくれるサービスなりが登場すれば、それなりに利用希望者は出てくるんじゃないかと言う気がします。

投稿: 管理人nobu | 2014年8月18日 (月) 10時53分

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