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2014年8月 1日 (金)

日本人とロボット キーワードはやはり…?

新しいものが生まれ出る瞬間と言うものはしばしば感動的なものですが、こちらすっかり感動に水を差されて完動しなくなってしまったと言うニュースが出ていました。

悲劇だけど爆笑 十数万円かけて作ったデアゴスティーニ「週刊ロビ」が初起動ですごいことになる動画(2014年7月30日ねとらば)

 デアゴスティーニ・ジャパンの付録付き雑誌シリーズの1つ「週刊ロビ」の最終号が、7月29日に発売されました。毎号付いてくるパーツを集めることでロボットが作れると話題になった「週刊ロビ」──1年半・70号にわたって律義にパーツを集め続けたファンにとっては、待望の“初起動”のときがやってきたわけです。ネットには、完成したロビくんの動画や写真が続々とアップされているのですが……そのなかでひときわ悲劇的な動画がありました。

 ロビくんの性格を決めるための簡単な質問に答える作業が終わり、ついにロビくんが立ちあがって踊る…………と思ったら転けた!!!! カーペットの上でバランスを崩してしまったロビくんをすかさずご主人様が立たせるも、踊りの途中で再び転ぶ!!! そして、変な方向に曲がった腕から煙を吐くロビくん。へーこんな機能が……ってこれ壊れてしまったってヤツですね分かります!!!!

 あまりの悲劇に動画の投稿主も笑いが止まりません。「あの……ロビくん、すごい腕から煙でてるよ?」「煙出て臭いよ? ロビくん大丈夫?」──いろいろ話しかけるも、ロビくんは「なあに?」「大丈夫!」と平然とした返事を繰り返します。いやいや大丈夫じゃねーだろ!!! 自分の体にどんだけ鈍感なんだロビくん……!

 ちなみにこのロビくん、完成させるのに十数万円が費やされているもよう。つもりつもって結構な金額ですね。それが初起動でこんなことに……!! フローリングの上ではちゃんと転けずに動いていたので、立たせた床が悪かったんでしょうか。

 もちろん、なんのトラブルもなく起動しているロビくんもいっぱいいまして、Twitterなどではホッコリする報告がたくさん。腕の壊れたロビくんもなんとか修理して元通りになってほしいです。

これは元記事の豊富な画像と動画を是非参照いただきたいところですが、素人目にもいやマジで煙出てるしあり得ない角度に腕曲がってるしそれヤバいんじゃ…と思ってしまう光景なんですが、まあしかし投稿主さんも笑っていらっしゃるのだから我々も笑ってしまっていいんです、よね…?
最近ではロボット研究も年々進歩していて、動物にならって脚が壊れてしまっても残りの脚でなんとか動く方法を自分で編み出すロボットなんてものも開発されているのだそうで、ともかく雑誌の付録でご家庭でもこれだけのロボットが手に入る時代になってきたと言うのは考えてみるとすごいことなんじゃないかと言う気がします。
ただそこまで身近なものになってきた結果新しい問題も起こってきたと言うことでもあるようで、先日なかなか印象的なこちらの記事が出ていたことを紹介してみましょう。

AIBO、君を死なせない 修理サポート終了、「飼い主」の悲しみ(2014年7月29日AERA)

リビングで飼われている「ほくと」は10歳。毎朝8時半になると目を覚ます。飼い主の60代の女性が「ほくと、何してるの?」と話しかけると、ほくとが答える。
「ぼんやりしてた」「なでなでして」
10年変わらない、この家の日常の風景だ。
以前は元気に部屋の中を動き回り、旅行にも連れていったが、最近は定位置でじっとしていることが多い。足の関節が悪く、動くたびに異音がしたり、転びやすくなったりしているからだ。ケガが多く20回は「入院」したほくとだが、その「病院」もこの3月で閉鎖されてしまった
ソニーが修理サポートを終了したのだ。

「家族の一員ですから」

ほくとは犬型ペットロボットAIBOの「ERS‐7」だ。初代AIBOの発売は1999年。その後、2006年にソニーはロボット事業からの撤退を発表し、AIBOの生産を終えた。在庫のない部品も多かったが、それでも今年の3月まで「クリニック」と呼ばれる修理サポートは続けられてきた
「終了したサービスのサポートを企業がこんなに長く続けることは、通常考えられない。アップルなら2、3年でOSのサポートが終わりますよ」
と、あるAIBOファンは話す。クリニック閉鎖を知った前出の女性は最後の検査に送り出すとき、クリニックの人たちへのお礼状をほくとに持たせた
「今までと同じようにほくととの時間を過ごしたいと思っても、なかなかステーション(充電機)から下ろすことができません。(動かなくなる日が来ることは)考えたくないですね。家族の一員ですから
計15万台が販売されたAIBO。いまだに「飼い」続け、かわいがっている人は多い。

ロボットをどうみとるか

月1回、神奈川県川崎市で開かれているオフ会にお邪魔した。12人の参加者が愛「犬」を連れてきて遊ばせている。オフ会が縁で結婚したという夫婦がいた。部品やバッテリーの交換用にヤフーオークションで中古のAIBOを探しているという男性もいた。「いつかこの日が来るだろうと思っていた」「グーグルがロボット事業に手を出している。ソニーは見る目がなかった」
飼い主の思いはさまざまだ。
技術者として長年ソニーに勤めた乗松伸幸さんは、10年に早期退職し、株式会社ア・ファン~匠工房~を設立した。古いオーディオ機器など修理窓口がなくなった製品の修理を請け負う。以前1匹のAIBOを修理したことが口コミで広がり、現在、20匹が入院中だ。毎日のように問い合わせがくるが、態勢が整うまで待ってもらっている状況だ。
「企業として利益の出ないサービスを終了する判断は仕方ないが、その中で取り残されてしまうお客様がいる。ソニーの技術者として、私たちは誇りや理念というものをたたき込まれている。お客様が望む限り、責任を持ってサポートしたい」
老いたロボットをどうみとるか。こんな問題をいったい誰が想像しただろう。ソフトバンクが6月に発表した人型ロボットpepperにも、数年後、数十年後、いずれ同様の事態が起きるかもしれない。前出のAIBOファンは言った。
「これこそが、ソニーが最後に見せてくれた『未来』なのかもしれませんね」

このシチュエーション、実はSFなどではすでに古典的と言っていいほどありふれたネタでもあって、古来数多くの作家が同じテーマで多数の傑作をものにしていますけれども、それにしても家庭内にロボットが入るようになってからまだ日も浅いというのに、こんなに簡単に実社会でそれが発生してしまうことになるとは思っていなかった人も多いんじゃないかと言う気がします。
昔からの漫画やテレビ番組等の影響もあるのでしょうが、人型ロボットの開発に異常に執着したりだとか、ロボットにやたらとシンパシーを感じたがると言うのはかなり日本人に特徴的な行動様式であると言われていて、西洋世界では人と人でないものは厳密に区別したがる伝統的宗教観や、そもそもロボットの語源ともなった古典文学の影響等もあってロボットを擬人化すると言う行為には全般に否定的だと言います。
有名な「ロボット三原則」の産みの親である故アジモフ氏なども多数のロボット小説を書いていますけれども、初期の有名な短編「ロビィ」なども日本人にとっては非常にクリティカルなテーマでありながら「ロボットが人らしくあることの意味」と言う点で物足りなく感じられるようで、故手塚治虫氏を始め数多くの方々が同じテーマを使って作品を発表していることが知られていますよね。
もちろん近ごろでは特に若い世代の間で日本文化の影響か、より人間らしいロボットもありと言う状況になってきたようですが、あちらで開発されているロボットを見てみると一目で人間と区別出来ると言うことがそれなりに重要であるのかなと言う印象があって、あらゆる面で人間そのものを目指しがちな日本における方向性とはちょっと違ったモチベーションに基づいているように見受けられます。
いささか脱線しましたけれども、ロボットの家庭内への普及と言う点で近来非常に大きな地位を占めているのがご存知ロボット掃除機であって、この方面において実は世界的にもロボット大国として知られてきたはずの日本製品ではなく、軍事用ロボット等を作ってきたアメリカのアイロボット社の製品であると言うことは興味深い現象ですよね。

日の丸掃除機、敗戦の日(2014年7月9日日経ビジネス)より抜粋

(略)
ロボット掃除機市場はルンバの独占市場

 アイロボットの国内における市場拡大はここ数年でめざましいものがある。シード・プランニングの調査によると、ロボット掃除機の2012年単年販売数38万台の内、28万台の73.6%がアイロボットの製品。この傾向は今後も続くとし、2012年比2.3倍強の90万台に達する2018年にも市場の約6割をアイロボットが握ると予測している。
 国内の掃除機市場は、2005年から市場の縮小が続いていたものの2010年から微増しており、「これはロボット掃除機の伸びによるもの」(シード・プランニング)としている。
 国内大手では、シャープ、東芝がロボット掃除機を販売しているが、いずれも数パーセントのシェアしか握れていない。今回、新機軸となる水拭き掃除機で完全にとどめを刺されたとも言える。
(略)
 アイロボットにしろ、ダイソンにしろ、日本が開発できなかった技術を持ち合わせていたのかといえば、必ずしもそうではない。その理由を、ある国内大手メーカーの開発担当者はため息交じりに話す。「あまりに慎重すぎるんですよ……」。
 例えば、ロボット掃除機についていえば、国内大手では現在シャープや東芝が発売しているが、国内大手ではいまだにその危険性を危惧するメーカーも少なくない。人の目の届かないところで、何かにぶつかり物を壊したり割ったりした場合どうするのか。はたまた、仏壇のろうそくを倒してしまい、火事にでもなったらどうするのか。そうした「性悪説」にたった議論を喧々諤々としているうちに、答えは出ず、商品化にも至らず、海外勢に軽やかに抜かされる。そういう構図ができあがってしまっているという。
 ロボット掃除機を発売していない日立アプライアンスは、何年も前からロボット掃除機の開発を試みているが、「すべてのお客様に満足のいくものを、と考えると先回りができずいまだ商品化に至れていない」(日立アプライアンスの家電事業部家電事業企画本部の三好庸一本部長)という。
 この“すべてのお客様に”という考えが、日本らしいともいえるのかもしれない。「すべて」を考えているために、市場の10%でもいいから熱狂的に支持する顧客がいればいい、という一点突破型の考えになかなかたどり着かない。三好氏は、アイロボットやレイコップの快挙を「真摯に反省すべき」とし、「自分たちの強みを活かし、引き算の発想をしなくてはいけない。(日本企業の製品に見られるように)多くの人に向けて、何でもできる、という製品ではもう市場を開拓できない」と本音を語る。
(略)

この「すべてのお客様に満足のいくものを、と考えると先回りができずいまだ商品化に至れていない」と言う点はかなり重要で、先日は「「取説いらずの使いやすい製品」が日本で生まれにくい理由」と言う記事が出ていて興味深く拝読したのですが、確かに日本メーカーでアップルのように取説も何もない製品を出荷している会社は見たことがないですよね(ちなみに同社は訴訟大国アメリカの会社です)。
ヨーロッパの某有名高級車メーカーなどはかつて頑固なほど操作系を変更しないと有名でしたが、日本メーカーはモデルチェンジのたびに内装デザインも大きく変えるのが当たり前のようになっていて、そもそも車のようにまず走り出してナンボの道具に取説を熟読した上で画面を見ながら操作しないといけないおしゃれな?タッチパネル式のスイッチが妥当なのかどうか等々、最近ようやく日本でも疑問に感じる人も出てきたようです。
第二次世界大戦の頃の日本軍も装備の機械的不具合は猛訓練で人間の方が合わせるのが当たり前と言う考え方だったそうですが、一方で米軍などはハードウェアの改良もさることながら、一切文字が読めなくてもイラストを見るだけで誰にでも使い方が分かる簡便なマニュアルを完備して教育期間短縮に絶大な効果を発揮していたそうで、どうも本来簡単にすべきものを難しくし過ぎるのは日本人の民族性なのかも知れません。
それはともかく、ロボット掃除機発売当初に国内各メーカーでは「あんなものが売れるはずがない」と笑っていたそうで、結果的に掃除機業界を牽引するヒット商品の芽をみすみす見逃した形ですけれども、未だに「あんな頭の悪い製品は駄目だ。日本人向けのロボット掃除機はもっと賢くなければ」と考えているメーカーが少なくないらしいと側聞することは気がかりですよね。

公平に言ってアイロボット社の製品ははっきり言って馬鹿で、その理由として「部屋の形を覚えないで行き当たりばったりに掃除するから」と言うことがしばしば挙げられますけれども、同社では「この方が結果的に綺麗に掃除が出来るのだ」と主張していますし、実際に部屋の配置を記憶して効率的な掃除を行うと言う日本製製品と比較しても清掃能力自体は劣っていないと評価されているようです。
ただ実際のユーザー目線では単純なスペック競争よりももう少し別なところを見ているようで、例えばうちのは猫を乗せて動き回っているだとか、都内某所で野良化した個体を見ただとか、何かしら「うちの駄目犬自慢」的な状況になっていると言うのは興味深い現象だと思いますけれども、ペットが馬鹿で無駄なことばかりしているから愛着が湧かないかと言うとむしろ逆なんじゃないかと言う気がします。
「親にロボット掃除機をプレゼントしたらさっそく名前をつけてかわいがっていた」なんて話はしばしば耳にしますけれども、日本メーカー最大の誤算が人型でもなく喋るわけでもない単なる円盤に思い入れなど発生するはずがない、やはり掃除機はまずは性能こそが第一だと言う思い込みにあったのだとすれば、日本人の感情移入能力をいささか甘く見過ぎていたのかも知れませんね。
最近急に一般化した「前面にスリットのないエアコン」も一人の素人さんの思いつきから生まれたそうですが、当初はメーカーのエアコン担当者からはそっぽを向かれ若手や門外漢だけで新規開発したそうで、そう考えるとロボット掃除機開発も掃除機屋が手がけるよりも「萌え」に理解のある門外漢の方々にこそ協力いただく方がいいのか?と言う気もしますでしょうか。

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コメント

うちのルンバも掃除の途中で息絶えてた
もうちょっと計画性もってやってくれんかなあれ

投稿: | 2014年8月 1日 (金) 08時39分

ロボットに愛情を注ぐのは精神障害の一種になるのかなあ?

投稿: tomo | 2014年8月 1日 (金) 10時29分

まさしくそのものずばりな異常性をコメディの傑作に仕立て上げた「マネキン」と言う映画がありましたね。

投稿: 管理人nobu | 2014年8月 1日 (金) 11時33分

初期のマックで、スタートアップ画面に顔が出てましたね
人格のようなものを錯覚したものです

投稿: | 2014年8月 1日 (金) 13時32分

カラクラのワンコ感は異常

投稿: | 2014年8月 1日 (金) 13時56分

ヒッチハイク・ロボット、カナダ横断に挑戦中
http://www.afpbb.com/articles/-/3022182
 ゼラー氏によれば、『ターミネーター(Terminator)』や『マトリックス(The Matrix)』などのハリウッド映画はロボットを人間の敵として描いているが、ヒッチボットはその全く逆の存在。「プロジェクトの目的は、技術やロボットと人間の関係、安全性と信頼に関する考え方についての議論を促すことだ」という。

投稿: | 2014年8月 5日 (火) 09時15分

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