« 日本人とロボット キーワードはやはり…? | トップページ | 今日のぐり:「駅長そば 扇屋」 & 「そば処 神門(ごうど)」 »

2014年8月 2日 (土)

録画視聴率の公表が始まる

先日視聴率低迷でフジテレビが全社員の実に2/3にも及ぶ大異動を行ったと言うニュースがありましたが、テレビ業界と言うものが何かにつけて視聴率次第で動いていると言う話はよく聞くところですよね。
当然ながらこれも善し悪しで中の人からも異論反論もあるようですが、そんな視聴率全盛の世の中で最近にわかに注目され始めているのが録画視聴率(録画再生率)と言う新しい指標です。

ビデオリサーチ 番組の録画再生率初公表 トップは「ルーズヴェルト・ゲーム」(2014年7月14日スポニチ)

 ビデオリサーチは14日、昨年10月から関東地区で試験的に測定していたテレビ番組の録画再生率を初めて公表した。現行のリアルタイムの視聴率に反映されない視聴動向を把握するのが狙い。
 上位20番組中、17番組をドラマが占め、バラエティー番組やスポーツ中継に比べ、ドラマを録画して見る傾向が強いことが明らかになった。

 公表したのは今年3月31日から6月29日の調査結果で、録画番組を放送当日と翌日から1週間以内に再生した割合。
 トップは連続ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」(TBS系)の7・7%(全話平均)。TBSによると、同番組の全話平均の視聴率は14・5%だった。
 再生率の2位は「笑っていいとも!」最終回(3月31日、フジテレビ系)と連続ドラマ「MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~」(TBS系)の全話平均で、ともに7・5%だった。

 ビデオリサーチによると、視聴率調査を実施している世帯とは別の300世帯が対象。家庭に測定機を設置し、音声を基に再生番組を特定した。調査対象世帯が違うため、現行の視聴率と単純に比較はできないという。
 同社はテレビ局などに来年1月からデータの提供を始める予定。

ご存知のように視聴率というデータは元々国内のごく一部地域の非常に限られた人間に依存しているもので、対象が調査に協力する世帯に限るなど世論調査と同様各種バイアスがかかることが懸念されていましたが(今回の記事でも「対象世帯が違うため比較出来ない」など語るに落ちるですよね)、近年これに加えてリアルタイム視聴のみを対象にすることが番組評価として正しいのか?と言う疑問が呈されていました。
録画視聴が一般的になった結果、特にお気に入りの番組ほど録画してじっくり見ると言うやり方を取っている方も多いと思いますが、こういう熱心な顧客層が多い番組ほど見かけのリアルタイム視聴率は低くなるため、ネットなどで大きな話題を呼んでいる番組が思いがけずあっさり打ち切りになると言う奇妙なことも起こるわけですよね。
こうした時代による視聴スタイルの変化に対応した新しい指標の一つとして録画視聴率と言うものに期待する向きももちろん多いのですが、一方で当の業界の中の人からは賛否両論とも言うべき意見の割れた状態であるようで、下手をすると勝ち組と負け組の逆転すら起こりかねないと言います。

「録画視聴率」の指標登場 TV界の常識を激変させる可能性も(2014年7月29日zakzak)

 不調にあえぐフジテレビの社員は「反転攻勢のきっかけになるかもしれない」と鼻息が荒い。一方、昨年開局以来初の視聴率2冠に輝いたテレビ朝日の社員は「せっかくの勢いに水を差される」と警戒する
 7月14日に初めて発表された「タイムシフト視聴率」(録画再生率)への反応は、テレビ各局で様々だ。これまで表に出てこなかった新指標の登場は、これまでのテレビ界の常識を激変させる可能性を秘めている

 タイムシフト視聴率とは、簡単にいえば「テレビ番組が録画でどれくらい観られているか」を示す数値だ。今回公表されたのは3月31日から3か月間に放送された番組のトップ50。ちなみにトップ5は以下の通りだ。

 【1】『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS):7.7%
 【2】『笑っていいとも!最終回』(フジテレビ):7.5%
 【3】『MOZU Season1』(TBS):7.5%
 【4】『アリスの棘』(TBS):7.4%
 【5】『続・最後から二番目の恋』(フジテレビ):6.8%

 このランキングを一読しただけで、大きな傾向がわかる。トップはドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』で7.7%。2位は話題を呼んだ『笑っていいとも!』の最終回だったが、上位はほとんど「ドラマ」で30位以内のうち17番組。一方、バラエティは6番組しかない。
 局別で見ると上位10位のうちフジが5番組を占め、次いでTBSが3番組。日テレ、テレ朝は1番組ずつしかランクインしていない。

 元テレビプロデューサーで、上智大学文学部新聞学科教授(メディア論)の碓井広義氏がいう。
 「以前から『ドラマは録画で』という傾向が強いとわかっていた。今回の公表でそれが裏付けられた格好で、当然ドラマを軸にしている局にプラスになる。キー局で最も有利なのがフジとTBSなのは間違いない」
 それぞれ視聴率で民放3位、4位と不振に喘ぐ両局にとって好材料といえる。一方、苦戦を強いられるのがテレ朝だ。テレ朝関係者がいう。
 「そもそも、タイムシフト視聴率導入に最も消極的だったのはウチだった。ターゲットが高齢者層で、看板番組はバラエティ番組や人気ドラマも『相棒』など1話完結型のストーリーが多い。万年民放4位から、やっと昨年はトップに立った途端に新ルールが出たといわれても納得できない。結局は他局に押し切られたようですが……」
 冒頭で紹介したフジ社員とテレ朝社員の反応の違いは、事前に予想されていたものだったようだ。

録画視聴率の登場でクリエイティブな番組作りが減る懸念あり(2014年7月30日NEWSポストセブン)

 7月14日に初めて発表された「タイムシフト視聴率」(録画再生率)への反応は各テレビ局、テレビマンによって様々だ。反転攻勢のきっかけになり得るという声があがる一方で、バラエティや情報番組の制作現場から懸念が聞こえてくる。バラエティ番組を担当する制作会社スタッフがいう。

そもそもバラエティや情報番組は高いタイムシフト視聴率は望めない。だからこそこれまで通り“表の視聴率”を取るべく作るしかないが、そのために地上デジタルの双方向機能を使ったクイズやプレゼント企画を乱発するばかりの番組が増えかねない

 また、ジブリ作品など超人気アニメの再放送などで安易にタイムシフト視聴率を狙うことが増え、クリエイティブな番組作りの枠がさらに減るかもしれない」

 来年1月には、従来の視聴率と同様、タイムシフト視聴率も数日のタイムラグで確認できるようになる見込みという。この新たな指標がもたらすのは、テレビ番組の活性化か、それともさらなる地盤沈下か──。

まあスポーツ中継などは録画で見ても味気ないものですし、ニュースなども一般的にはリアルタイムで生放送を見た方がいい類の番組なのでしょうが、一方ではドラマやニュース解説系の番組などは録画したものを場合によっては巻き戻し(この言葉もすでに死語だそうですが…)しながら見ることも多いでしょうから、評価の指標として向き不向きと言うことはあるのだと思います。
ただ録画してまで見る価値がない、おまけを餌に視聴者を釣るしか売りがない番組と言うのもそもそも存在価値があるのかどうかで、特に昨今ではゴールデンタイムにどの局も安っぽい同じような構成のバラエティーばかりと言う声があり、ひいてはテレビ離れを招いていると言う指摘もあるわけですから、正直悪貨を駆逐する手段にもなり得ると言うのであれば視聴者的にはむしろ喜ばしいことだと思います。
ただそうした番組が増えると言うのもテレビ局側にとっては制作コストや作りやすさ等々様々なメリットがあってのこととも言えるし、その上で今までの指標ではそれなりに受け入れられていると言うデータ的裏付けがあったからこそ乱発されていたはずで、こういう場合自分達に都合のいいデータを根拠に主張を通すと言うのはどこの業界でもやられていることですよね。
今まで一面的なデータだけでの評価だったものが、全く異なる傾向を示す別評価が出てきたわけですから評価基準そのものが異なってくるはずですが、見ていますとどうも自分達にとって都合のいい評価基準を使うと言う動きもありそうで、それはまあ大抵のものには何か一つくらい取り柄はあるでしょうから指標の取り方次第で何とでも言い逃れは出来るかもですが、ねえ…

そもそも見ている視聴者がどれくらいいるのかと言った数情報の正確性自体はあまり意味がないことなのかも知れずで、特にちょっとした炎上騒動でも起こそうものなら敢えてバッシングのネタを探すために視聴すると言う人々も増えると言う時代ですから、本当のところは単に視聴率の高い低いで評価を云々するのは無理があるはずです。
デジタル化で双方向機能が使えるようになったわけですからリアルタイムで番組の評価をすると言うことも技術的には可能なのだし、テレビとオンラインでの評価を結びつけるようなサービスも始まっているそうですけれども、「いいね」ボタンを押させるくらいならともかくネガティブな評価を伝える機能と言うのはテレビ局側としてはさほどに需要がないと言うことなのかも知れません。
スポンサーサイドとしてはお金を出す以上費用対効果に優れているかどうかと言う点が重要なはずで、アンチが多い番組でもCMを目にする人が多い方が販売は増えるのか、それとも不買運動に結びつけられてしまいかえって売り上げが減るのかと言ったデータの方が重要なんだと思いますが、その点に関して言えば昨今ではスポンサー電突と言うより直接的な行動の方がオブラートに包まない生データに近いのでしょうか。
ただああした炎上騒動もしばしばテレビ局単位でのターゲット選定が行われる傾向があって、仮に真面目な良い番組を放送している場合でも見境為しにCMを出している企業に突撃される場合もあるようですから、これだけ情報流通が発達した時代においても本当の評価を知るというのも実は結構難しいことなのかも知れないですね。

|

« 日本人とロボット キーワードはやはり…? | トップページ | 今日のぐり:「駅長そば 扇屋」 & 「そば処 神門(ごうど)」 »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

デジタル化した昨今で抽出調査方式なのは、不正防止のためなのでしょうか?

個人的には視聴者の「率」より、視聴者の「数」の方が的確に意識を反映できるように感じます。

投稿: 岡山県民 | 2014年8月 2日 (土) 07時56分

そういやこっちからも情報送れるんだっけ>デジタル
それだったら視聴率わざわざ調べてもらう必要ないね
でもああいう調査もでかい利権あるんだろうなあ

投稿: 雨坊 | 2014年8月 2日 (土) 08時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/60077709

この記事へのトラックバック一覧です: 録画視聴率の公表が始まる:

« 日本人とロボット キーワードはやはり…? | トップページ | 今日のぐり:「駅長そば 扇屋」 & 「そば処 神門(ごうど)」 »