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2014年8月19日 (火)

短慮なつぶやきとシリア邦人拘束事件との悲劇的な関係

本日はいささかデリケートな話題である上に情報も錯綜していて、どういったタイミングで取り上げるべきなのかいささか迷うところなしとしないのですが、ひとまず本題よりも先にあちらこちらでSNSによるつぶやきを発端として発生した最近の炎上騒動の事例を紹介しておきたいと思います。

【参考】甲子園西嶋投手の超スローボールは「世の中を舐めている」 岩佐フジテレビ元アナ、ツイッター発言で袋叩きに(2014年8月15日J-CASTニュース)

【参考】「放射線照射した血を輸血している」船橋市議・高橋宏氏、ブログで医療業界への批判をつづり炎上…そして離党へ(2014年8月15日トピックニュース)

【参考】エボラで院長がFBに軽率投稿「エバラは焼き肉のタレ」「ズボラは私」(2014年8月16日スポニチ)

【参考】「アイヌ民族もういない」札幌市議、過激発言連発 批判の声に「本当のことを言うと議員辞めなければならないのか」(2014年8月17日J-CASTニュース)

いずれもそれぞれに考えあっての事でしょうからその内容に関する是非についてはここで議論するものではありませんが、今回に限らず何らかの確固たる主義主張をもってしての発言が世間で受け入れられるところとならなかった、反発の声を上げる人がいたと言うことであればまだしもなのですが、その後の経緯を追ってみるとどうも軽率であった、本意ではなかったと言ったコメントを出し発言撤回に追い込まれている事例が目立ちますよね。
いわゆる馬鹿発見器と呼ばれるSNSと言うものが何気ない個人のつぶやきを極めて強力に拾い上げ拡散するツールになっていると言う現状があり、その現状を理解しないまま安易に利用して炎上騒動を起こしていると言う点でいわゆるネットリテラシーの問題があるのかなと言う気はしますし、特に今回取り上げた事例はそれぞれ公人として実名を出しての行為であると言う点で発言に慎重を欠いたとは言われる余地がありそうです。
ともかくも誰もがスマホを片手にいつでもどこでもつぶやけるこのSNSと言う便利なツール、もちろん使いこなせば様々なメリットがあることは言うまでもないのですが、人間24時間365日慎重に考えて口にすることばかりではないと言うのは当たり前ですから、文字通り何気ないつぶやきのつもりで発信を続けているといずれどこかで炎上騒動にも結びつく危険性が高まってきます。
単にネット上の名無しさんとして炎上するだけならともかく、昨今では個人特定をされ実生活にまで影響を及ぼすと言うケースもまま見られるだけに、特に実名あるいは容易に個人を特定されるような状況下での発信には「この一言が全世界につながっている」と言う覚悟が必要だと思うのですが、先日以来話題になっているとある事件においてこうした覚悟のない発言が極めて重大な結果を招いたのでは?と懸念されています。

過激組織、スパイ扱い=「悲劇的な結末」と投稿-千葉の湯川さんか・シリア(2014年8月18日時事ドットコム)

 【カイロ時事】内戦が続くシリアの北部アレッポで日本人男性を拘束した可能性があるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の関係者によるとみられる投稿が17日、インターネット上で相次いだ。男性は「米国のスパイ」とみなされて拘束され、「悲劇的な結末」を迎えたなどと記載されている。

 ツイッターでは、イスラム国メンバーとみられる人物が「米中央情報局(CIA)のために働く日本人スパイが拘束された。冒険好きな写真家のように振る舞っていたが、悲劇的な結末を迎えた」と書き込んだ。別の投稿には「スパイの名前はユカワ・ハルナ。警備会社の責任者で、写真家ではない」と記載された。
 一方、シリア国内とみられる場所で「ユカワ・ハルナ」を名乗る男性が額から血を流し、ナイフを突き付けられる姿を映した映像が動画サイト「ユーチューブ」に掲載された。
 関係者によると、この男性は千葉市の湯川遥菜さんとみられる。
 撮影した集団に対し、男性は「日本人だ。仕事で来た。写真家だ」などと主張。集団が「なぜ武器を持っているのか」と聞くと「死亡していた兵士から取った」と釈明している。
 在シリア日本大使館(内戦激化のためヨルダンで業務中)は、引き続き男性をめぐる情報の真偽や安否について情報収集を続けている。

【シリア邦人拘束】@rui_louis(安江塁)がイスラム国関係者に身元をばらす。処刑を示唆「湯川遥菜は神の裁きを受けた」(2014年8月18日コレスゴ!)

シリアにて邦人がイスラム国に拘束された件について.
イスラム国(ISIS)関係者と思われるツイッターアカウントで、衝撃的な発信があった。
日本時間18日午前5時25分にツイートされた内容で、湯川遥菜氏を処刑したともとれる以下のような発信がされている。

@OmarJerbi
A Japanese spy Haruna Yukawa was captured by ISIS army and executed by God's Judgment
2014年8月18日 05:25
【翻訳】
「日本人スパイ湯川遥菜はISIS軍に囚われ、神の裁きを受けた」

この展開になったのは、日本人のツイートか!?

▼ツイートした@rui_louisは反省!?

現在アカウントは非公開
▼公開していた時のキャプチャ
(略)

安江塁、ISISに湯川遥菜がPMC社長だと教える。朝日新聞に寄稿するジャーナリスト・通訳、批判の声も(2014年8月18日にんじ速報)

・報告日:
2014年8月18日
・報告事項:
内戦中のシリアで、イスラム過激派組織「イスラム国(ISIS)」に日本人男性・湯川遥菜(ゆかわ はるな、Haruna Yukawa)さんが拘束されたのですが、ツイッターでは湯川さんのプロフィールをISISに教えてしまう人が現れ物議を醸しています。
教えた人とは、安江塁(Rui Yasue)さんというジャーナリスト・通訳の方。ツイッターのプロフィールでは「Translation Service iRtibaT主任通訳」「英語とアラビア語の実務翻訳及び通訳、カメラマンです。たまに中東に取材に行っては講演会やってます」と書かれています。
また朝日新聞の「Asahi中東マガジン」に中東関連の記事を寄稿しているようです。

安江塁さんはツイッターで、ISISのメンバーとみられる男性に対し「This Japanese guy is CEO of a private military company(その日本人男性は民間軍事会社のCEOだ)」などとリプライし、湯川さんのブログ(武器を持っている写真がある)を紹介しています。
安江塁さんはその後ツイッターやFacebookでこの行為について「良くなかったと反省しています」「彼が無事開放されること、美しくかったシリアに一刻も早く平和が訪れること心よりお祈り申し上げます」などとしていますが・・・。
これがどういう結果を招くのか・・・。

また、安江塁さんの他にも、ISISがアップした動画などを通じてコンタクトした日本人がいるという情報もあります。
ネットはそんな安江塁さんに「軽率きわまりないな」「やっていいことと悪いことの区別つかないのかよ」などと批判の声もあがっています。
(略)

記事中にある安江氏が朝日新聞記者であると報じているところもあるようですが、アラビア語を専攻し通訳業の傍ら朝日に出稿もしているフリーの立場にある人物であると言うのが本当のところであるようで、さらには安江氏以外にもISISに「情報提供」を行い後に身元が特定された人物が複数いて、それぞれ事後対応に苦慮していると言う話もあります。
何故彼らがこうした行動に走ったのかと言う素朴な疑問が湧くところなんですが、当の本人が「「イスラム土人が」という書き込みを見て、自分たちを殺しに来た人には怒りも湧くなと思って書きました」と釈明しているように、国内某所の巨大掲示板にあるとあるスレにおける書き込みが発端になったようです。
当時のレスの流れを見ますと日本人が捕縛されたと言う情報が流れる中で当事者が民間軍事会社に所属している等々の情報が発掘され、これらをISIS側に早く教えてやれと煽り立てるコメントが相次いで投稿される、そして実際に安江氏らのつぶやきが為されたと言う状態であったようですが、実際にそれが行われた後になると今度はそれを諫める投稿が多くなっていると言うのも興味深い現象ですよね。

現状では湯川氏の身分もはっきりしないなど不確実な情報が様々に錯綜する中で取りあえず遠い日本から湯川氏の無事を祈るしかありませんけれども、直接的に行動した数人以外にも「こんな奴は殺されて当然ですよねえ」などとつぶやいていた人々も少なからずいたと言うことで、しかもそれらの中には自らの立場を明らかにしている方々もいらっしゃるわけですから、今後の展開次第ではどこまで延焼するのか何とも言い難いものがあります。
特にネット上では今回のような行動が果たして殺人教唆など何らかの罪に問われ裁かれることになるのかどうかが注目されていますが、刑法第61条には「人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。」と規定されていて、この教唆と言う行為は「他人をそそのかして犯罪実行の決意を起こさせること」と定義される共犯の一形式です。
そもそも国外で行われている犯罪行為に対して日本国の刑法がそのまま適用されるものなのかですし、公開されている(本人が公開している)事実をネットと言う公開の場で第三者に知らしめただけで殺人教唆に当たるものなのかも微妙ですけれども、全世界に同時発信されるSNSを始めとするネットの特性が今やこうも面倒かつ重大な事件を引き起こす可能性が出てきたと言うのは大変に注目すべき状況ではあります。
仮に今回のような行動が全く罪に問われることがないと言うことであれば、殺人教唆と言う犯罪行為も第三国の第三者を間に介して行われれば罪に問われなくなると言う抜け道が出来てしまう可能性も出てきそうなんですが、こうも世の中が複雑になってきますと警察の方々も前例のない事態を前に頭を抱える局面が増えてくるんでしょうね。

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コメント

このひと単なるお調子者のミリヲタだったのでは?
http://matome.naver.jp/odai/2140830072586542601

投稿: tomo | 2014年8月19日 (火) 08時40分

交渉がうまくいって無事帰還されることを願っています。

投稿: ぽん太 | 2014年8月19日 (火) 09時02分

中川翔子、捨て猫をめぐる炎上騒動が拡大
http://topics.jp.msn.com/wadai/cyzo/article.aspx?articleid=5486530

投稿: | 2014年8月19日 (火) 09時47分

当事者を知る方々のコメントによれば民間軍事組織云々も大げさだし、主義主張に従って密告したと言うわけでもないようで、これは不幸な行き違いが重なった状況であるようです。
相手側の発表では未だ殺害されたと言う感じではないようですので、ともかく今後の進展を見守るしかありませんが、後で後悔することがないよう投稿前にはもう少し慎重になって欲しいですね。

投稿: 管理人nobu | 2014年8月19日 (火) 12時46分

わざわざ好きこのんで出かけてったんでしょ?
こういうのは自己責任じゃなかったの?

投稿: 毒あるマンボウ | 2014年8月19日 (火) 13時37分

まず、捕縛された人を殺されて当然だと批判する
次に、不利な情報を与えちゃった人を批判する
続いて、救出の交渉の進展状況を批判する
・・・その次は何かなあ

材料に事欠かなくて楽しいってことかな

投稿: | 2014年8月19日 (火) 14時00分

右翼っぽいことがわかってから急にマスコミが取り上げなくなった気がする

投稿: 竜 | 2014年8月19日 (火) 19時00分

勝手に行って捕まったとこまでは自己責任でも、他人のよけいな入れ知恵で首チョンパされるとこまで自己責任かってことでしょ
つか今は同胞救出に努力すべきであっていろいろ文句言うのは無事帰ってきてからでいいと思うんだが

投稿: | 2014年8月19日 (火) 21時18分

安江塁がブログで釈明してる

ツイートの経緯について
http://irtibat-ry.blogspot.jp/2014/08/blog-post.html

投稿: | 2014年8月20日 (水) 07時25分

今こいつが日本で一番無事に帰国することを願ってる人間かもなw

投稿: aaa | 2014年8月20日 (水) 09時46分

交渉の余地はありそうでなにより

投稿: lala | 2014年8月21日 (木) 20時22分

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