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2014年7月19日 (土)

不適切なネット利用

すでに初期の段階からネットで発見され拡散していた通り、ウクライナで発生したマレーシア航空機墜落事故は親露派の自称ドネツク人民共和国によるウクライナ軍用機と誤認してのミサイル攻撃の結果であったらしいと言うことですが、興味深いのは当事者が意気揚々と「戦果」を誇示したつぶやきが発覚の原因になったと言う点です。
同勢力が墜落現場に到着し「100パーセント間違いなくこれは民間機だ」と確認した直後から一連の書き込みはごっそり削除されたと言いますが、ウクライナ政府軍側がこれら書き込みの画面をキャッシュし報道機関に拡散したと言うことで、史上稀に見る航空機事故は思いがけない展開を迎えつつあるようですね。
先日はアメリカ側からの諜報活動に対して抗議を続けてきたドイツ政府側が、今後は盗聴対策のために古色蒼然たる機械式のタイプライターを活用する予定だと言うネタなのか本気なのか何とも微妙な記事まで出ていましたけれども、ともかく今の時代どこから情報が漏れるか判らない時代であるとは言えそうです。
国内で言えば先日以来ベネッセから大量の顧客情報が抜き取られ売られていたと言う事件が大騒ぎになっていて、当然ながら各方面から事件の総括や求められる対策と言ったものが出ている中で、個人的には割合簡単でいて流出経路同定にはそれなりに効果がありそうなこちらの機能などにもちょっと注目しているのですが、そんな中で先日見かけたこちらのちょっとショッキングなタイトルの記事を一つ紹介しておきましょう。

【参考】NHKが大相撲にモザイクをかける日(2014年7月18日日経ビジネス)

ベネッセ問題を含め個人情報管理と言うことをわりにうまくまとめた解説ですが、記事タイトルの解説にもなっている後半部分はもはや決して空想の世界の出来事とは言えない話で、特に20世紀において当たり前に開示されていた個人情報と言うものを何故隠さなければならなくなったのかと言う疑問に関して、それを検索、収集し利用する側の能力が上がったからだと言う答えは理解しやすいのではないかと思います。
この能力が上がったと言うことの一つにはもちろん犯罪行為として行われるハッカーやサイバー攻撃と言われるものがあって、何しろベネッセ事件でも明らかになった通り巨額の収益に直結するのですからかつてのような愉快犯のみならず経済犯が続々参入してくることは今後さらに増えてくるわけで、「狙われたら防げない」と言われるほど攻撃側優位が確立しているのが今のセキュリティ事情であると言えそうです。
ただそうしたプロフェッショナルのみならず素人であるはずの大衆によってとんでもない情報までもが暴き出され白日の下にさらされてしまうのが今日的な恐さで、例えばSNSで何気ないつぶやきをしたことから炎上する、そして過去にアップしたこれまた何気ない発言や写真などから住所氏名から学校名や企業名までもが暴露され実社会での社会的懲罰に結びつくと言う減少は、今や全く珍しいものではなくなりましたよね。
もちろんプロフェッショナルに狙われたら少々の事では防げないにしても、こうした無名の大衆による集団的行為はそもそもの発端としてまず炎上と言う現象が関わってくるだけに、炎上しないことが個人情報保護における一番の根本対策と言えるかと思いますが、逆に言えばネットを焚きつけることでこれだけ何でも出来ると言う時代になりますと、それをもっと積極的に利用しようと言う考え方も出てくると言うことです。

ネットで民意を操作 英の諜報機関が開発したツールとは…(2014年7月17日WIRED)

英国の諜報機関GCHQが、オンライン投票の操作、ウェブサイトのページヴューの増加、Skype通話の盗聴などを行うツールを開発していたことが明らかになった。

ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドは、英国の諜報機関である政府通信本部(GCHQ)が、オンライン投票の操作やウェブサイトのページヴューの増加、ソーシャルメディア上のデータの自動抜き取りなどを行うツールを開発していることを明らかにした。
(略)
最もひどいのは、オンラインメディアの操作だ。たとえば「Clean Sweep」は、GCHQが「個人、あるいは複数の国向けにFacebookのウォールの投稿を装う」ことができるようにつくられている。「Gateway」は、特定のウェブサイトへのトラフィックを増やすことを目的とするもの。「Slipstream」では、GCHQがページヴューを増やすことができる。「Underpass」では、GCHQが「オンライン投票の結果を変える」ことができ、「Badger」は、電子メールのスパム・システムとして、「Warpath」はSMSのスパム・システムとして機能する。「Gestator」は、YouTubeなどのプラットフォーム上のメッセージをGCHQが「増幅」することができる。

各ツールには「ステイタス(状況)」欄があり、「開発中」だったのか、それとも「発射準備完了」だったのかが記されているが、これはスノーデン氏が持ち出した2012年段階のものだ。それ以降、この一覧にはたくさんの追加があったと考えるのが合理的だろう。

GCHQがネット上の特定の動画や記事へのネット上の反応を操作しているというのは懸念すべきことだ。GCHQは、GCHQが考えるところの「平和」を生み出す記事を応援しているのかもしれない。しかし、厳密に検討されていない政治的な目的のために使われている可能性も高い。
(略)

お隣中国では政府が人海戦術でネット上の言論を監視、誘導していることは周知の事実ですし、日本においても某巨大掲示板で工作員と呼ばれるネット世論を誘導しようとした方々の正体が暴露されたことは一度や二度ではありませんけれども、最も手軽なネット世論誘導の手法として特定の立場にたったコメントを多数書き込み、さらにそれに賛同する立場の発言を繰り返すことで多数派を装うと言った手法があります。
ネットにおいては集蛾燈のようにレスポンスが多数集まるところに人が集まり、人が集まれば実際に自ら動いて何かをしてみようとする人も出てくると言うことなんですが、例えばちょっとしたキーワードを仕込んでおけば後はコンピューターが勝手にネットで煽りに煽ってくれると言うのであれば、これほど簡単なことはありませんよね。
特に最近では恐ろしいことにSNSのアカウント乗っ取りと言うことがしばしば起こっていると言われていて、これもひと頃は炎上しかねないうっかり発言をした芸能人が「あれは家族が私のアカウントで勝手に書いたんです(・ω<)」などと言い訳するのと同類のネタであるかのようにも言われていましたけれども、今やその方法論もかなり解明され現実的な脅威であることが明らかになっています。
またネット上で知り合った相手を安易に信用した結果自分のPCを乗っ取られ好き放題個人情報を抜き取られると言った事件も発生していて、これなどは無知による事件と言えば言えるものですけれども、危険なサイトに移動しただけでもウイルスやマルウェアに感染すると言われれば一体どうやってネットを利用したらいいのかと悩ましい方々も多いんじゃないかと思います。
個人レベルで行える一番の基本は何でもかんでも一台のPCやタブレットで済ませるのではなく、少なくとも仕事やネットバンキングなど情報が漏れてはいけないことに使っている機材と私的な目的に使う機材とははっきり分けると言うことからだと思っているのですが、やるなと言われても公的なデータを私的環境に持ち出して流出させてしまう事例が後を絶たないと言うのもやはり個々人の危機感不足が背景にあるのでしょうか。

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コメント

つか大相撲ってポルノだよね?w

投稿: aaa | 2014年7月19日 (土) 09時18分

そう言えばフランス巡業ではその筋の人からの視線が熱かったと聞いた記憶も…

投稿: ぽん太 | 2014年7月19日 (土) 09時52分

 「報道が事実だとすれば今日は国際エイズ学会(IAS)にとって悲しい一日です」。世界最大のエイズ対策専門家集団であるIASは18日、マレーシア航空17便に関する声明を発表した。乗客の身元確認もできない段階での早期声明は、世界のエイズ対策へ与える衝撃の大きさを物語るものだ。

 IASはまた「エイズとの闘いにささげた仲間の献身に応え会議は予定通り開催する。その中で追悼の機会を設ける」とも発表した。

 マレーシア航空17便の乗客283人の中には、オーストラリアのメルボルンで20日開幕予定の第20回国際エイズ会議に参加するヨーロッパのエイズ研究者やエイズ対策の非政府組織(NGO)関係者が多数、乗っていたと伝えられる。乗客の3分の1を超える100人以上が国際エイズ会議関係者だとの報道もある。

 また、報道ではIAS元会長のヨープ・ランゲ博士夫妻も乗客に含まれていると伝えられており、声明は「事実だとすればエイズとの闘いは文字通り巨人を失う」と述べている。

投稿: | 2014年7月19日 (土) 12時21分

ウクライナ政府の公開した音声ファイルが、前日にアップロードされたものだったと?
情報戦の真相はよくわかりませんね...

投稿: おちゃ | 2014年7月19日 (土) 22時26分

真相は闇の中ですが、こうした場合事実がどうであるかよりも周囲がどのように認識するかが重要であると思います。
しかしマレーシア航空は短期間に2機も大型機を失ったわけで、経営的にも非常に大きなダメージではないでしょうかね。

投稿: 管理人nobu | 2014年7月22日 (火) 11時12分

【7月22日 AFP】(一部更新)マレーシア航空(Malaysia Airlines)が、同航空のMH17便がウクライナで墜落したわずか3日後に、別の便に内戦中のシリア上空を飛行させていたことを認め、さらなる非難を浴びている。

 マレーシア航空は21日の声明で、英ロンドン(London)とマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)間運航のMH4便が20日、通常航路に含まれるウクライナ上空がMH17便墜落により閉鎖されたことを受け、航路を変更してシリア上空を飛行していたことを認めた。一方で、この航路は国連(UN)の国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization、ICAO)に承認されたものであるとして、航路変更の正当性を主張している。

 だが、この航路変更について、ツイッター(Twitter)などのソーシャルメディア上では「また航空機を失いたいのか」などといった批判的なコメントが殺到した。

 298人を乗せたMH17便は地対空ミサイルで撃墜されたとみられており、航空各社は、アジア欧州間で頻繁に利用していたウクライナ上空を経由する航路を回避することを決定している。

 MH4便については、航空機位置情報サービス「フライトレーダー24(Flightradar24)」が21日のツイッター投稿で「われわれが確認している中で、シリア上空を通過した大陸横断便はMH4便のみだ」と伝えていた。

投稿: ひょっとして狙ってる? | 2014年7月23日 (水) 09時39分

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