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2014年7月

2014年7月31日 (木)

住吉市民病院統廃合 市当局の描いた素晴らしい計画が全くの白紙に

大阪と言えばこのところ市長絡みのネタばかりと言う印象でしたが、今回は少しばかり毛色の違うニュースが出ているようです。

小児科医の確保巡り、市と対立…病院新設を辞退(2014年7月29日読売新聞)

 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)への統合で2016年3月末に廃止予定となっている大阪市立住吉市民病院(同市住之江区)の跡地について、新病院の開設が内定していた医療法人が辞退の意思を市側に伝えたことが分かった。

 市は事業者を再公募する方針。

 辞退を申し入れたのは、堺市内で病院を経営する医療法人。16年4月、4階建て、病床数100の新病院を開設し、夜間や休日の小児救急も行うとしていた。

 辞退に至った要因は、事業者決定の過程で細かな条件を詰め切れていなかったことだ。公募条件では、新病院は現行と同等のサービスを維持するため、小児科医5人の確保を目指すことになっていた。しかし、確保時期について、「開業時点での人数確保は譲れない」とする市と、「開業後に段階的に目標達成する計画」とする事業者の主張が対立し、溝が埋まらなかったという。

 府市は、約2キロ離れた総合医療センターの敷地内に小児・周産期医療機関「住吉母子医療センター(仮称)」を16年度に開設予定。しかし、市議会は新病院のめどが立つまで関連予算を認めない考えで、計画に遅れが出る可能性がある。

橋下市長、一体どないすんねん?! 大阪市の市民病院跡地への誘致協議が決裂 小児科体制めぐり堺市の医療法人と見解対立(2014年7月29日産経ニュース)

 老朽化のため閉院する大阪市立住吉市民病院(住之江区)跡地への民間病院の誘致で、大阪市の公募で選ばれていた堺市の医療法人が大阪市側に病院新設の辞退を申し出たことが29日、大阪市への取材で分かった。両者は新病院の小児科体制の整備スケジュールをめぐり対立しており、医療法人は市の主張は受け入れられないとして断念したもようだ。市は今後、再公募などを検討するとみられるが、この病院誘致が条件になっていた高度な小児・周産期医療センターの新設計画も暗礁に乗り上げた格好だ。

 公募では「医師5人以上の小児科体制」が決まっていたが、協定書締結に向けた協議の段階で市側が「開院当初からの整備」を要請、医療法人側が「段階的な整備」を主張。折り合わない状況が続き、28日夜、法人から市に病院新設辞退を申し出る文書が届けられた。

 この問題は、橋下徹市長が地域の小児・周産期医療を担っている住吉市民病院を平成28年3月末で閉院させる代わりに、約2キロ離れた住吉区内に高度な医療サービスを提供する「住吉母子医療センター」(仮称)を大阪府と共同整備する構想を表明。市議会も住吉市民病院跡地への民間病院誘致を条件に認め、病院廃止の議案を可決していた。

 市病院局は診療科や病床数などの条件をつけて公募を実施。唯一の応募者だった堺市の医療法人が条件を満たしているとして選ばれ、今年4月にも協定書を結ぶ予定だったが、協議が難航していた。

 市議会の過半数を持つ野党会派は5月議会で「協定書が結ばれておらず、病院誘致が確約されていない」として住吉母子医療センターの整備費の予算を認めず、協定書の早期締結を求めていた。協議決裂の背景には全国的に問題視されている「小児科医不足」があるとされ、市が同じ条件で再公募を行った場合に応募があるかは不透明。民間病院が誘致されずに、住吉市民病院が閉院する事態を懸念する声もあがりそうだ。

橋下市長「大失敗だ」、条件緩和し再公募へ 住吉市民病院跡地の誘致(2014年7月29日産経ニュース)

 老朽化のため閉院する大阪市立住吉市民病院(住之江区)跡地に誘致する民間病院の運営事業者に公募で選ばれた医療法人が病院新設を辞退したことについて、橋下徹市長は29日、「市病院局などに任せていたが、公募条件のハードルが高すぎた。大失敗だ」と述べ、条件を緩和して再公募する方針を明らかにした。

 公募では「医師5人以上の小児科体制」が決まっていたが、協定書締結に向けた医療法人との協議の段階で市側が「開院当初からの整備」を要請。法人側が「段階的な整備」を主張して双方が譲らず、法人が28日に辞退を申し出ていた。

 協議決裂の背景には全国的に問題視されている「小児科医不足」があるとされ、橋下市長は「(市の条件は)あまりに画一的、形式的でハードルが高すぎだ」と分析。8月中に条件を練り直して9月に再公募し、年内の事業者決定を目指す意向を表明した。

 この病院誘致が条件になっている住吉区内への「住吉母子医療センター」(仮称)の新設計画については「(予定されている平成28年4月の開業に)何とか間に合うと思う」と述べた。

まあ催促無しのあるとき払いでは公的な契約としてどうかですから、それなりに条件を付けて公募するのはもちろん自治体としては当然なのでしょうけれども、小児科医5人と言う数字にそこまでこだわるほどの根拠があったのかどうかと言えば、単純に「今までと何も変わりません」と言いたいだけちゃうんかそれ!と言う印象が拭えないところですよね。
そもそもこの住吉市民病院問題に関しては以前にも取り上げたことがありますけれども、大阪で数ある府立病院と市立病院とを統廃合しようと言う流れの中で当初単純に建て替えを計画していた住吉市民病院が近隣の府立病院に統合する話になった、ところが市民病院の跡地に「現行と同等のサービス」提供を謳う民間病院を開院させると言うのですから整理統合どころか、新病院と併せてむしろ大幅な拡大路線と言えそうですよね。
以前にも書いた通りこの市民病院建て替え計画が出た当初から「まずは黒字化させると言う目標に沿って需要を算出する」と言う本末転倒の事前計画が打ち出されていたようで、もちろん最初から赤字を予定しますでは降りる予算も降りないのでしょうが、今の時代に非効率な公立病院が大勢のスタッフを囲い込むと言うことが許されるのかどうかです。
建て替えを断念した後の新計画でも府立病院の方は市民病院からもリソースを統合し拡張する、その上で全く同等のサービスを維持した民間病院を新たに建てると言うのではさすがに人材をどこから調達するのか?と言う話で、それは橋下市長ならずとも市当局の計画には一言あってしかるべきと考えざるを得ないでしょう。

地域の病院で小児科の存続が問題になることは昨今決して珍しいことではなく、以前には埼玉で小児科の連鎖的崩壊なども取り上げたことがありますが、一つには全国的に見ても人材が限られているのですからどこでもかしこでも「住民サービス維持・向上」を合い言葉に(と言うより、下手すると選挙対策で)人材を片っ端から囲い込まれてはたまらないわけです。
特に地方公立病院においては地域内の需要分布と人材がどれだけ確保出来るかを総合的に勘案して計画を立てるべきなのでしょうが、ともすればあちらこちらにいい顔をしようと無計画に要望だけを積み上げたような計画が立てられがちで、医師の意向を無視してでも計画的人員配置を行うと言うのであればせめてまともな計画を立てろですよね。
そして大阪市内のようにもともと医療リソースが潤沢にある地域で公的病院が無闇矢鱈と規模拡大するのもどうなのかで、昨今では都市部の公立病院を廃止すると言うケースも出てきていますけれども、多くの場合赤字垂れ流しの公立病院を無理矢理維持するよりは地域の民間病院の人材確保に補助金でも出した方がよほど効率的に医療が回ると言うこともあるでしょう。
いずれにしても唯一応募があった法人の計画にもダメ出しをしてしまった以上、市側としても公募要件そのものの抜本的見直しが必要になってくるはずですが、その結果そもそもダメ出しした今回の案と似たような「現実的な」ものになってしまった日には、一体市当局は税金を使って何をやっているんだとこれまた橋下市長ならずとも言いたくなる人も増えてきそうです。

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2014年7月30日 (水)

生殖医療と当事者の意志

いわゆる生殖医療も技術的進歩に伴って色々と面倒な状況が起こり得るようになってきていますが、最近こういう動きがあると言うことが報じられていましたことを御覧になりましたでしょうか。

代理出産など容認 法案今秋提出へ 「親を知る権利」課題に 「当事者以外も考えて」(2014年07月26日西日本新聞)

■新訳男女 語り合おう■ 
 代理出産や第三者からの精子・卵子提供による出産を認める生殖医療補助法案を自民党のプロジェクトチーム(PT)がまとめた。通常国会は見送ったが、秋の臨時国会への法案提出を目指している。ただ、医学的危険を伴う代理出産には反対論も根強く、子どもが遺伝上の親を知る権利をどう考えるかなど課題も残る

 「不妊治療の関係者だけでなく、すべての人に考えてほしい」。6月、東京都内で開かれた生殖医療技術の法制化を考えるシンポジウム。横浜市の医師で、第三者からの提供精子による人工授精(AID)で生まれた当事者の加藤英明さん(40)は、そう訴えた。
 加藤さんは医学生だった2002年、血液検査の実習で父親と血縁がないことに気づき、母親から事実を聞いた。「突然、人生のはしごを外された感じ。自分は一体何者なんだろう」。以後、その空白を埋めようと遺伝上の父親を捜し始めた。精子提供者は匿名のため手がかりは少なく、今も見つかっていない。
 シンポでは「生まれてくる子は治療に同意していないのに、一生背負っていく問題。提供者の情報管理やその後の告知ケアなど、少しでも納得できる対応が必要だ」と呼び掛けた。

 AIDは、国内では戦後間もなく始まり、1万人以上が生まれたとされる。1990年代ごろからは、海外で卵子提供や代理出産を依頼する例も増えてきた。そこで厚生労働省の審議会は2003年、国に法整備を求める提言をまとめた。
 しかし、議論が具体化しないまま10年が経過。現在は、第三者からの精子提供を条件付きで認め、代理出産を禁じるとした日本産科婦人科学会の倫理指針があるのみだ。加藤さんは「需要がある以上、生殖医療技術が広がるのは止められない。それなら、きちんと法律の枠組みをつくった方がいい」と指摘する。
 同じくAIDで生まれ、当事者の会をつくった東京都の石塚幸子さん(35)も「60年たってようやく声を上げ始めた当事者に耳を傾けてほしい。このまま卵子提供、代理出産と進んでしまえば、私たちのように苦しむ子どもが増えてしまう」と危機感を募らせる。

 PT案では、生まれつき子宮がなかったり、治療で摘出したりした場合に限って代理出産を容認。医学的に夫の精子と妻の卵子で妊娠できない夫婦は、第三者が提供した精子による人工授精や、提供卵子を使った体外受精などが認定医療機関でできるとした。
 一方、子どもが出自を知るための情報開示制度は「引き続き検討し、必要な措置を講じる」として結論は先送りになった。
 PT座長の古川俊治参議院議員は、出自を知る権利を認めることで精子や卵子の提供者が減る懸念や、誰がどう告知するか、親子関係が突然認知されて混乱が起きないか-などの課題を挙げる。その上で「近親婚を避ける、遺伝病で不利にならないという点で何らかの対処が必要だが、どこまで認めるかは慎重な議論が必要」との見解を示した。
 生殖医療に詳しい明治学院大の柘植あづみ教授は「これまでのシステムは、生まれてくる子や提供者のことはほとんど考えられてこなかった。さまざまな視点を踏まえ、法律を考えていくべきだ」と話している。

記事にも登場する加藤氏の件については以前にも取り上げたことがありますが、ともかくこの生殖医療に関しては誰も彼も一家言あるようで、しばしば「当事者以外も考え」過ぎることが問題を余計ややこしくしているんじゃないかと言う気がしますけれども、その理由の一つとして必ずしも当事者全てが平等に意志決定に関与出来ないと言う特殊事情がありそうです。
例えば以前から信仰心に由来する輸血拒否と言った問題がありますが、現在の日本においては成人のそれについてはほぼ「本人の自由」と言うことでコンセンサスが取れている、一方で本人にきちんとした判断力がない子供に関しては親の信仰にのみ基づいて子供の運命を左右して良いのかと言う観念論や、児童虐待ではないかと言う懸念に基づいて議論されている段階と言えますよね。
生殖医療に関してもやはり親が当事者であることも間違いないし、今現在生きている中で誰が意志決定者になるべきかと言われればこれは親が決めるしかないことなのはもちろんなんですが、その結果生まれてくる子供を全く議論の外に置いておくことが妥当なのかどうかと言う点に関してはもう少し意見が分かれる余地がありそうに感じます。
ただそうした課題が明確化された上で議論されるのであればこれは建設的な方法論策定へと結びついていく道になり得ると思うのですが、例えば最近こういうニュースがちょっとした話題になっていることを例題として取り上げてみましょう。

祖父から精子提供118人誕生 長野の病院、指針違反か(2014年7月28日朝日新聞)

 長野県の諏訪マタニティークリニックが、不妊夫婦を対象に、夫の実父から精子提供を受けて体外受精を実施し、118人の赤ちゃんが生まれたとする報告をまとめた。日本産科婦人科学会(日産婦)の指針では体外受精は事実婚を含む夫婦間に限定しており、第三者からの提供は指針違反の可能性がある。赤ちゃんの祖父が血縁上の父になることで、家族関係が複雑になる恐れもある。

 31日に東京都内で開かれる日本受精着床学会総会・学術講演会で発表する。

 クリニックによると、1996年11月から2013年末まで、無精子症など夫に原因がある不妊夫婦110組に、夫の実父から精子提供を受け、妻の卵子と体外受精させた。うち79組が赤ちゃんを出産し、2回以上出産した19組を含め計118人が生まれたという。

 03年に厚生労働省の審議会がまとめた報告書では、夫婦以外の第三者からの精子・卵子の提供による体外受精は匿名の場合のみ認めたが、夫婦の兄弟姉妹など血縁者からの提供は、家族関係が複雑になるため、当分の間、認めないとした。

 クリニックの根津八紘院長は「身内からの提供を望む夫婦は少なくない。血のつながりがあった方が、良好な家族関係を築きやすい」とコメントしている。

祖父の精子で体外受精、17年で118人誕生(2014年7月28日読売新聞)

 夫婦以外の卵子や精子を使った非配偶者間体外受精の実施を国内で初めて公表した諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町、根津八紘(やひろ)院長)は、これまでに夫婦79組が、夫の実父から精子提供を受け、118人の子どもが誕生したとする結果をまとめた。

 31日、東京都内で開かれる日本受精着床学会で発表する。

 同クリニックによると、1996年11月から昨年末まで、夫に精子がない110組が、夫の実父(50歳代~70歳代)の精子と妻の卵子で体外受精をした。子どもを得た79組中19組が2回以上出産した。移植1回当たりの妊娠率は38%だった。

 非配偶者間体外受精に関する法規定はないが、日本産科婦人科学会(日産婦)は体外受精を夫婦間に限っている。一方、厚生労働省審議会は2003年、匿名の第三者からの体外受精を認める報告書を出し、兄弟姉妹らからの提供は人間関係が複雑になりやすいなどの理由で当面は認めないとした。

 匿名の第三者の精子を妻の子宮に注入する非配偶者間人工授精では、国内で49年以降、1万人以上が生まれたとされる。日産婦も97年に追認している。

 国内の多くの医療機関では、精子がない夫婦が子どもを望む場合、選択肢として非配偶者間人工授精と養子縁組のみを示している

 根津院長は「身内からの提供を望む夫婦は少なくない。カウンセリングを重ねて、慎重に行っている。血のつながりがあった方が、提供者家族も含めて良好な家族関係を築きやすい、出自が明確になるという面もある」と話している。

ちなみに学会指針なるものは無論(そもそも根津先生は以前に日産婦を除名処分になっていたはずですが)厚労省の審議会報告書なるものについても全く強制力はなく、実際にこうした勧告を逸脱した生殖医療が行われているとたびたび問題視されているところですけれども、逆にそれを厭わない根津先生に是非と言う患者もまた少なからずと言う状況なのだそうですね。
法的にこういう場合子供という扱いになるのかどうかは当事者の認知次第なのでしょうが、遺伝子的に見るとこれは子供ではなく弟妹であって確かに家族関係が複雑になりそうだなと思うのですが、逆に血縁関係を重視する価値観に従って考えれば赤の他人の精子提供を受けるよりも、通常の出産と同等以上に家族全員が遺伝子的な関係を共有できると言う点でむしろ望ましいと言う考え方もあるかと思います。
前述のような話に従って考えるならばその複雑な家庭内環境を将来子供が知った場合に受け入れられるかと言った部分が一つ問題になるかと思いますが、これまた世界的なコンセンサス上は受精する以前の段階の配偶子は人ではないと言うことになっていますから、この点は輸血拒否問題と違って処置の結果生まれてくる子供には何か意見をするべき人格そのものが認められていないと言う考え方もあり得るわけです。
しかしながら一方で世間の反応を見ていますとどうもそうした子供の人格、人権といった視点での議論と言うのはほとんど行われておらず、祖父も含め親世代以上の家族内関係の議論に終始していると言う点は気がかりで、中には単純にこうした家族関係をして「気持ち悪い」と言った否定的言動に終始する人も少なくないと言うのは、それこそ子供を得て幸せになるべき当事者の不幸を招きかねない話かなと言う気がしますね。

基本的に子供が何を幸せと感じ何を不幸に感じるかと言うことは本人に聞いてみなければ誰にも判らないことで、当たり前に父親と母親との間から生まれてくれば誰しもハッピーになれるのであれば世の中こんなに多くの家族が積木を崩していないと言うものなのですが、そうであるなら子供の出生条件の差異とその後の幸福度なりとの間にどれほどの関連があるのか、きちんと調べてみないことには良いも悪いも言えないはずです。
ただ一例きりのケースレポートから一般解を導くことなど出来ないし、そんなことをしようとすれば正しい理解を誤ると言うことはサイエンスの世界では常識ですけれども、どうも世の中精子提供によって生まれてきてこんなに不幸だと感じている人がいる!(だから○○すべきだ!)式の議論に結びつけたがる傾向にあるようで、学会までもが大きな声に引きずられがちに見える現状の方がやや奇異な印象を受けますね。
もちろんこの場合一般的なやり方での事後調査による情報収集と言うのも、それこそ家庭内環境を複雑化しかねない危険もありますからなかなか難しいところですけれども、遺伝的問題や法律に関する課題なども含めて決断を下す当の家族内できちんと理解が行われていて、なおかつ完全な自由意志によって合意した上で行われた結果と言うのであれば案外特別な問題は起こって来ないんじゃないかと言う気がします。
逆に言えば当事者の誰かが「こうまでして子供を産まなければいけないのだろうか」等々少しでも疑問があれば行うべきではないと言うことになるでしょうが、本来的に全ての課題をクリアした上でなければ行うべきでないというのはこの種の処置全般を行う上での大前提であって、「もしや嫁が無用のプレッシャーを受けてやむなく同意したんじゃないか?」と言った疑問を一つ一つ晴らしていく責任も根津先生にはあるのだと思いますね。

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2014年7月29日 (火)

結局のところ大事なものは

本日の本題とはまた別の話ですが、先日報道されたこちらのニュースについてご存知でしょうか?

急病で入院の日本人男性、台湾の人々の温かい思いに支えられ帰国へ(2014年7月21日フォーカス台湾)

(桃園 21日 中央社)今月初め台湾の病院に救急入院したまま、現在も回復の見込みが立たない日本人男性が、台湾の人々の寄付と温かい思いに支えられ、あさって23日、医療用専用機で帰国し日本で治療を続けることになった。

この男性(50)は今月5日、台湾での出張を終えて日本へ戻る際に乗った航空機内で意識不明に陥った。同機はただちに桃園国際空港に引き返し、男性を県内平鎮市の私立病院に搬送。脳幹出血による重度の昏睡状態で集中治療室での治療が続けられた。まもなく男性の妻と娘が日本から台湾に駆けつけたが、その後2週間経っても容態の回復は見られなかった
何度も治療の継続を諦めようと考えていた家族は、台湾の人々に励まされ、また日本には高齢の両親もいることから、男性を日本に連れて帰って治療を続けることを決心、23日の帰国を計画した。去年保険を解約したばかりで、台湾での医療費と日本に連れて帰るための専用機の費用162万台湾元(約547万円)など重い負担がのしかかることを覚悟していたが、台湾の友人らの勧めもあって集められた寄付金を使うことになり、20日夜には台湾企業の代表からも寄付が届いた。
これまでの入院期間中には、地元の人が通訳を買って出たり、男性の世話にあたって病院で働くボランティアらが支援したり、病床で日本の歌を歌ってくれたりしたほか、台湾の友人たちが帰国費用の資金集めに奔走し、状況を知った他の入院患者の家族などから少しでも足しになればと数千元の寄付があったりしたという。

男性の妻と娘は、台湾の多くの人々の温かい心に感銘を受け、差し伸べてもらった温かい援助の手に感謝したいと取材陣に対し、何度も深々とお辞儀をしていた。

台湾人男性が日本に恩返し、日本人男性に治療費援助=台湾ネット「日本と台湾は相思相愛」「心温まるニュース」(2014年7月26日レコードチャイナ)

2014年7月24日、台湾出張中に脳幹出血で倒れた日本人男性を救うため、台湾人男性が治療費を援助したことを伝えた台湾メディアの記事に、台湾のネットユーザーからコメントが相次いだ。

この日本人男性は2日に台湾を訪れ、5日に帰国する予定だった。だが、離陸直後の帰国便のなかで脳幹出血を起こして倒れたため、飛行機は台湾の空港に引き返し、男性は病院の集中治療室(ICU)に入った。男性を日本に移送するには巨額の費用がかかるため、男性の妻は台湾の人々に助けを求めた。すると、ある企業の社長が匿名で160万台湾ドル(約540万円)を寄付。以前、日本でけがをした際に多くの日本人に助けられたことから、日本への恩返しのために今回の援助を申し出たという。この記事に多くのコメントが寄せられた。

「日台友好!」
「最近嫌なニュースばかりだったけど、これはいいニュースだ」
「愛は国境を越える!」
「同じ台湾人として誇り。この社長の善意に感謝する」
「台湾は日本が好きだし、日本も台湾が好きだよね」
「台湾の日本への好感度は国同士の問題を超えている」
「東日本大震災で台湾は68億台湾ドル(約230億円)の義援金を提供。四川の震災では70億台湾ドル(約238億円)を中国に送った。日本は今でも台湾に感謝してくれているが、中国は台湾をばかにしてばかりだ」(翻訳・編集/本郷)

記事を読んでみますと情けは人のためならずと言うことになるのでしょうか、ともかく医学的にはもちろん極めて厳しい状況であることには変わりないのですけれども、台湾の方々の暖かい支援の手に同胞の一人として篤く御礼申し上げるしかありません。
この海外における急病と言うもの、以前にも大阪で旅行中に急病となった中国人が600万円余の治療費を未払いのまま帰国し裁判沙汰になった件がありましたが、この場合もきちんと旅行者用の保険に加入していたにも関わらず持病だとして支払い対象外となったことがトラブルの発端だと言いますから、まずは保険をかけておくにしても契約内容の確認が必要だと言えそうです。
日本では大病になろうが健康保険による支払金額の上限もあって、普通に生計を立てている家庭であればまず支払えなくなると言うことはないでしょうが、そもそも諸外国においては医療費自己負担自体が非常に高額であり、特に今回のようにいわゆる末期の治療をどこまで行うべきかと言う判断が金銭的側面からも迫られる可能性があると言う点は理解しておく必要がありますよね。
最近では「マタたび」などと言って妊婦にどんどん海外旅行を勧めるような風潮が一部にあるようですけれども、純然たる医学的リスク以外にも医療経済的なリスクもあると言う点を十分に承知した上で行われるべきものだろうし、それを理解していない方々に安易に国内と同様の感覚で気軽に出歩くことを勧めると言うのもどうかと言うことでしょう。

さて、このところ景気が上向きつつある予兆はあるのに何となくすっきり好景気にまで行かないと言うもどかしさが統計的にも現れていて、その最大の要因として「需要があるのに供給が追いつかない」と言うことが挙げられていますが、例えば建築業界で言えば一つには復興需要によって建築資材自体が不足していると言うのが一点、そして材料があってもそれを組み立てる人材がいないと言うことがもう一点だと言います。
興味深いことに昨今倒産の理由として人手不足を理由にしたものが増えているのだそうで、建築業界や運送業界を中心に幾らでも仕事はあるのに人が来ない、その結果仕事を受注することが出来ないと言うジレンマがあると言いますが、興味深いのはこうした超売り手市場となるべき状況であるにも関わらず賃金は上昇するどころか、むしろ下落傾向にあると言う話もあり、その理由として非正規雇用の増加が挙げられています。
そもそも今の時代若い人材はどんどん減ってきているのですから本来なら好待遇で奪い合いが起きてもおかしくないのに、それを目先のコストカットで人材難を来しているのだとすれば自業自得と言うもので、関連業界においては是非この機会に取引先とも強力に交渉するなどして待遇改善を図っていただきたいところですが、ともかくこうした人材難への当座の手当としてにわかに外国人労働者が注目されているのは周知の通りですよね。
この点で例によって「そんなもの役に立つはずがない」と言う強い反対を受けながら実施されたのが医療・介護業界における外国人労働者の政策的導入なのですが、過去にも何度か伝えた通り言語能力の壁などに由来する国試合格率低迷など様々な問題もある一方で、案外現場での評判は悪いものではないと言う記事が出ています。

医療現場担う 外国人の今 高い順応性、言葉の壁なお(2014年7月24日日本経済新聞)

 医療の国際化と人手不足を背景に、外国人医師や看護師らの受け入れが進んできた。経済連携協定(EPA)による東南アジアからの看護師受け入れは累計で700人を超えたほか、医師についてもこのほど規制が緩和された。独自に日本の医師や看護師の資格を取得する外国人も増えている。医療現場を担う外国人の実情と課題を探った。

<看護師>

 「ご気分はどうですか。何か困ったことはありませんか」。袖ケ浦さつき台病院(千葉県袖ケ浦市)の外科病棟で、流ちょうな日本語で患者に声をかけるのはベトナム人看護師のファム・ティ・ミンフーさん(34)だ。6月下旬から入院している佐久間義子さん(86)は「検査で不安なときも優しく付き添ってくれる。日本人よりも優しいくらい」と厚い信頼を寄せる。(中略)
 文化や習慣の違いもある。思ったことをはっきり口にするベトナム人と違い、日本人は体調が悪くても話さないことがある。ミンフーさんはベトナムの風習や歴史を話して患者と親しくなるよう努める。「信頼関係を作ることが患者のケアにはとても重要だ」と話す。(中略)
 給与体系は日本人と同じ。「受け入れ前の看護学校の授業料や日本語習得にかかる負担などを考えるとコストはかさむ」(同病院を運営する社会医療法人社団さつき会の矢田洋三理事長)が、「少子高齢化による将来的な医療従事者不足を考えると、外国人の受け入れを進めなければならなかった」(同)という。
 東京都八王子市の永生病院は、中国・黒竜江省出身の看護師を12年から主任に起用し、病棟管理も任せている。日本語をマスターし日本の看護師資格を取っただけでなく、日本に帰化し結婚・子育てするなど積極的に根付こうと努力するなかで、「順応性があり能力も高い」(斉藤あけみ看護部長)と評価は高い。
(略)

わざわざ遠い外国の言葉を勉強してでも働きに来ようと言う人々ですからモチベーションが低いはずもなく、適切な機会さえ与えられれば戦力として十分に計算できると言うことでしょうが、こういうことが可能であるのは医療が専門職によって構成されている特殊な職場だからであって、誰にでも出来る一般労働において無原則な外国人導入など行うべきではないと言う考え方もありますよね。
世界的に見るとひと頃には「異文化を受け入れてこそ進歩した社会の証しである」と言う考え方から特に欧米系諸国では移民に対してかなり寛容に受け入れていた時期があった、ところが実際に受け入れてみると様々な問題があることが判り近年では逆に厳しい規制や制限を課す国が増えていて、「移民に反対することはもはやタブーではなくなった(英)」などと言われるほど公のテーマとして語られるようになってきています。
逆にイギリスやドイツと言った必ずしも医療現場の環境が良いと言えない国々から医師が逃げ出していくと言う現象がひと頃話題になっていましたが、そのイギリスなどではアフリカ等第三世界から医師を引き抜いた結果これら地域に新たな医療崩壊をもたらしたと批判されるなど、育成にコストがかかり存在感が大きい専門家に対しては国境を越えての囲い込みが今後ますます増えてくるのかも知れません。
どうせ外国人を呼ぶなら少しでも優秀な人材に来てもらった方がいいじゃないかと言う考え方も一理あるのですが、日本の場合必ずしも労働環境や待遇面で胸を張って素晴らしいと言えるほどのセールスポイントがなく、国際的な人材の奪い合いになった場合にはどうしても不利になるんじゃないかとは外国人看護師導入を議論する段階でも言われてきたことですよね。

前述の運送業界なども過酷なスケジュールを強いられる割に対価が非常に低いと問題視されていて、先日は佐川がamazonと手を切ると言うニュースが話題になっていましたけれども、以前から国政の場でも問題視されるほど労働環境を巡っての問題点が指摘されている中で、これだけ手不足が言われ荷主への発言力が増すべき状況だからこそ雇っている側からも待遇改善のために努力すべきところはありそうですよね。
この辺りを対比してみると医療の場合はお金を払う荷主に当たるのが国(国民)であり、ドライバーに相当するのが医師、彼らに給料を払っているのが運送会社に相当する雇用主たる病院であるわけですが、ドライバーが会社に待遇改善を要求した結果会社が荷主に正当な対価支払いを求め待遇改善にあてると言う真っ当な?行動に相当する動きは、実は医療の世界ではほとんど目立ったものにはなりませんでした。
その代わりに逃散と言われるように待遇の悪い会社(病院)から一斉に医師が辞職していき、待遇のいい会社に移ると言う個人レベルの行動が著効したと言われているのですが、国民の医療費支払いがほぼ上限に達していると考えられている時代にトータルのパイがさほど大きくならないと言う判断と、そして何より手に職を持つ専門資格職としていつでも自分を高く売り込めると言う自信があったと言うことなのでしょうね。
最近では運転免許制度の改正等もあって大型免許を持つドライバーが不足しているそうで、運送業界でも以前よりは現場から声を上げやすい状況にはあるんじゃないかとも思いますけれども、逃散騒動によって何よりも病院自身がそれと自覚せざるを得なかったように、業界としても優秀な労働者をしっかり確保することが目先のコストカットよりも大きなメリットがあると言う認識が必要なんだと思います。
ともかく日本の場合人口が減っていくと言う時代にあって、今後ますます人材不足があちこちで問題化してくるんじゃないかと思いますけれども、国内で奪い合うにしても外国から呼び寄せるにしても結局最後には労働環境や待遇が一番のカギになるのかも知れずですし、少なくとも正社員の首を切って派遣ばかりにしてコストカットなんてやり方をしている企業は労働者から見ればあまり魅力的ではなさそうですよね。

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2014年7月28日 (月)

「血液型と性格は無関係」だとするとどうなる?

古来占いの類は世界各地でそれなりに信用され重用されていて、その方法論も土地や時代、様々な流儀で全く違っているものですが、面白いのは現代社会においても占いの類はそれなりに社会的信用を得ていると言うことなのか、テレビなど公の場においても堂々と本日の○○占いといったコーナーが放送されていたりもしますよね。
そんな中でも特に日本においては何故か相応に「科学的」なものだとして扱われているらしいのが血液型を用いた一連のものだと考えてよさそうなのですが、特にいわゆる血液型性格診断と言うものに関しては占い的なランダム要素が少ないと受け止められているのか、何かしらの統計的調査に基づいた科学的根拠のあるものであるかのようにも考えられているところがあるようです。
この血液型と性格を結びつけると言う考え方は今現在主に東アジア地域で受け入れられているもののようで、数年前に英BBCが日本におけるその実態を(かなり批判的に)取り上げた際には世界的に相当な反響を呼んだようですが、まあ逆に日本人にしても「人間の運命は産まれた時の星座によって決まっている」なんてことを言われれば「はあ?正気か?」と言いたくはなるかも知れません。
その血液型問題に関して最近注目すべき調査結果が出たと大いに話題になっているのですが、まずは一連の記事を紹介してみましょう。

血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査(2014年7月19日読売新聞)

 血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとする統計学的な解析結果を、九州大の縄田健悟講師(社会心理学)が発表した。
 日米の1万人以上を対象にした意識調査のデータを分析した。「A型の人は真面目」「B型は自己中心的」といった血液型による性格診断は、国内で広く信じられているが、就職や人事などで差別される「ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント」の問題も指摘されており、一石を投じそうだ。
 研究成果は6月25日に発行された日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載された。

 縄田講師によると、血液型と性格を結びつける考え方は国内では流布しているが、海外ではほとんど知られていない。1970年代に出版された関連本がきっかけで、その後もテレビ番組などで紹介されたことで広がったという。
 縄田講師は、経済学分野の研究チームが、2004~05年に日米の1万人以上を対象に、生活上の様々な好き嫌いなどを尋ねた意識調査に、回答者の血液型が記載されていることに注目。血液型によって回答に違いがあるかどうかを解析した。
 その結果、「楽しみは後に取っておきたい」「ギャンブルはすべきではない」など、計68項目の質問に対する回答のうち、血液型によって差があったのは「子供の将来が気にかかる」などの3項目だけで、その差もごくわずかだった。このため「無関連であることを強く示した」と結論づけた。
 血液型を巡っては、特定の血液型の人格が否定的にとらえられる例があり、問題視されている。厚生労働省によると、採用面接などで血液型を尋ねられるケースは後を絶たず、同省は「血液型は職務能力や適性とは全く関係ない」として、血液型を質問しないよう企業に求めている。大阪労働局によると、採用試験の応募用紙に血液型などの記入欄を設けていた企業に対し、是正するよう行政指導した例があるという。

血液型と性格は「無関係」…日米1万人調査で判明 日本の根強い“信仰”に冷水、と海外紙報道(2014年7月23日NewSphere)

「ABO式血液型と性格に関連がある」という考えは、日本に広く根付いており、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は「強迫観念に近い」と形容している。
 この血液型性格関連説に“冷水を浴びせる”心理学研究結果が発表された。

【血液型と性格に関連なし】
 日本心理学会発行の『心理学研究』の最新号に、九州大の縄田健悟講師(社会心理学)による『血液型と性格の無関連性』と題する論文が発表された。同氏は、日米10,000人以上を対象に実施されたアンケート調査(2004~2005年)をもとに、血液型によって回答に違いがあるかを検証した。
 その結果、個人の好みや将来の計画、宗教、ギャンブル、恋愛など68項目の内、65項目において、血液型による特定のパターンは観察されず、血液型と性格は無関連であると証明された。特定のパターンが認められた3項目においてさえ、血液型の違いは0.3%以下しかデータの散らばりを説明していない。従って、「血液型と性格に関連性はない」と縄田氏は結論づけている。

【日本で根強い血液型性格説信仰】
 血液型が性格に関連するという考えは、1970年代に日本で急速に広まった。能見正比古氏の著書を始めとする、「血液型と性格が関連する」と主張する多くの本が出版されたことが発端、と『eurogamer』は報じている。
 こうした血液型性格診断では、A型は真面目で几帳面、B型は楽天的でマイペース、O型は社交的、AB型は個人主義、とされる。

【海外ではない習慣】
 海外では血液型と性格を結びつけることはないためか、日本のこうした慣習は新鮮なようだ。例えば、ゲームのキャラクターにも、名前、身長、年齢とともに、血液型が設定されていることに驚く海外ユーザーも少なくない。『eurogamer』は、血液型性格関連説が根強い日本で、血液型はキャラクターの性格を簡潔に表す手段、と分析している。
 さらに、個人の失敗を血液型のせいにする人もいる、とWSJは指摘している。松本龍前復興担当相は「私はB型なので短絡的で本意が伝わらない時がある」と自らの失言を血液型のせいにした(結局、2011年に辞任)。

【血液型別ダイエット】
 また、血液型がなぜ存在するのかに関して科学的な答えは出されていない、とBBCは報じている。一方、海外では、血液型を食事や病気と関連付ける説が広まっている
 1996年、ピーター・ダダモ氏により出版された「Eat Right 4 Your Type」はミリオンセラーとなり、60の言語に翻訳された。血液型に合った食事をすることで、がんや糖尿病等を予防し、老化を遅らせることができる、と同氏は主張している。
 しかし、ベルギーの赤十字がこのダイエット法の効果を調査したところ、「健康に良い事を証明する直接的な証拠はなかった」という(BBC)。
 血液型と性格を結びつけるのは日本独特の慣習といえそうだ。とはいえ海外でも、血液型ベースの“わかりやすい”説明は、受け入れられやすいのかもしれない。どちらも科学的根拠とは無関係だが…。

血液型と性格、統計では「関係ない」 でもヤフー投票は「関係ある」が半数以上(2014年7月21日J-CASTニュース)

   血液型がA型だから几帳面な性格――このような血液型の分類で人の性格を分類する占いを、統計学的に否定する研究結果が出た。読売新聞が2014年7月19日に報じた。
   それでも血液型と性格の関係を信じたい人が多いようで、同記事に関連したヤフーによる意識調査では半数以上が「関係ある」と答える不思議な状態になっている。

「信じてる奴はリテラシーなさすぎ」

   研究成果は九州大の縄田健悟講師が発表した。2014年6月25日発行の日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載されている。日本とアメリカの2か国で実施された無作為標本抽出による合計1万人以上のアンケート結果のデータを二次分析したもの。
   経済学の調査として行われたアンケートの質問項目の中で、一般的な生活に対する態度を示す部分を性格特性とみなして、血液型との関連を調べた。結果、「日本でもアメリカでもほとんどの項目で意味のある違いは存在しなかった。その違いの大きさも極めて小さく,ほぼゼロだと見なせるものであった」としている。
   しかし、血液型占いはメディアに掲載されることも多く、世間話のひとつとして定着しており、「そうは言っても」と性格との関連があると考える人は少なくない。ヤフーが7月19日から実施している意識調査「血液型と性格は関係あると思う?」という質問に21日15時半現在、54.3%が「関係あると思う」と投票。「関係ないと思う」は40.9%、「どちらでもない/わからない」は4.8%だ。血液型と性格に関連性はないとする記事に付けられたアンケートで、過半数が「関係ある」と信じているらしい。

   ネットではヤフーの意識調査の結果に対して、
    「信じてる奴はリテラシーなさすぎ
    「血液型レッテル貼りは勘弁してほしいわ」
    「未だに『STAPがあるのかないのか、それが問題だ』とか言ってる国民にサイエンスは土台無理なんだよ」
といった意見が書き込まれている。
   また、「『血液型と性格は関係ない』という話題を飲み会でしたら嫌われる」「関係ないと思うけど話のネタにはなるからあり」という声もあり、統計的な研究で否定されたからといって、世間での血液型の話題は簡単に消えそうにない。

とりあえず従来の「血液型と性格等との間に関連があることを示すデータは存在しない」と言う言い回しから一歩前進し、科学的にはほぼ関連が否定したと言うソースになり得るデータだと思うのですが、そもそもこんな単純明快なデータを集めるだけのことに21世紀までかかったと言う理由が何なのかと言うことを考えるべきなんだろうと思いますね。
例えば世間で「毎朝の便の形状はその日の運勢に関係する」と言う事を熱心に信仰する一派があって、日夜その証明のためにああでもない、こうでもないと調べていると言うことはあるかも知れませんが、逆に大多数の「んなアホな」と考えている人々がこんな調査に貴重な手間ひまとお金を使ってみようと言う気になるかと言えばまあ、大抵の場合はまともな業績にもならないし…と二の足を踏むでしょうね。
近年日本においても問題になり始めたホメオパシーを始めとする代替医療の類も実はこうした側面があって、単なる砂糖玉などが特別な効果を持つなどと言うことがあるはずがないとそこらの中学生ですら「常識的に」判断してしまう、だからこそわざわざ科学的な手法を用いてネガティブデータを出してみようと言う気に誰もならなかったと言う側面は少なからずあるように思います。

同じデータに対する日本と海外の反応の差と言うものはその文化的背景の違いを反映していると見るべきなのでしょうが、人間をたった4種類のグループに分けることができると言う考え方がこうも受け入れられているのは日本人は何かしらの群れに所属していなければ不安を感じるのだと言う文化論に結びつけた議論は以前からあると言う点で、確かに日本人向けの考え方だと言えるのかも知れません。
今後の研究の発展として例えば現代の日本人全般の行動様式は江戸時代に多くが決定されたと言う説がありますが、血液型なるものがこうまで蔓延してから50年、100年と時間が経って来た場合に、この種の「信仰」の存在自体が人間の行動を規定する文化的背景となって、例えばA型の人はよりA型らしく振る舞うようになってくるのかと言う疑問はありますね。
日本人の性質として広く認識されている諸点の多くは遺伝的差異ではなく環境的・文化的差異に基づくもので、要するに生まれたばかりの日本人を外国文化の中で育てれば日本人らしからぬ大人に育つだろうと言うことですが、少なくとも国内においては将来的に血液型診断にある程度根拠があるとも取れるような行動パターンが定着していく可能性があるとすれば、それに対して今から何か対応しておくべきなのかどうかです。

この種の問題に関しては単純に不快だと言う人もいれば実害を被ったと言う人もいて、社会的にそういう方々が増えてくれば「血液型差別は法的規制すべきだ」と言う運動も盛り上がるのかも知れませんが、今のところは何とか折り合って共存できる範疇には留まっているようです。
いきなり「ところであなたの血液型は?」などと問うてくる相手にしてもそういうモノの考え方をする人なんだなと判断材料にはなるしで全否定することもないのでしょうが、まあ仕事上の付き合いにおいてこの種の話が出てくればゲンナリする局面もあるだろうし、出来るなら同好の士による集まりの場以外では勘弁してもらいたいと言う人もいるでしょう。
それでも血液型診断も一般的な占いの類と同様に、よく見てみれば曖昧模糊としていて何も言っていないに等しいんだから実害はない、初対面の人ととりあえず共通の話題として盛り上がるのにも使えるのだからこれくらい構わないじゃないかと言う考え方もあって、これまた古来外国人が「日本人は顔を合わせれば天気のことばかり言う」なんてことを言うのと同様、単なる挨拶のようなもので放置しておくべきだと言う考え方もあるでしょう。
ただ本格的な登場からわずか数十年でこれだけ社会に浸透したわけですから、逆に言えば天気の話と同様に誰にとっても当たり障りが無い話だからこそ広まったと言う考え方もありだと思うのですが、そうであるならそれを実際の社会活動に結びつけて活用すると言ったやり方は無粋で言うものですし、相手が乗ってこないのにしつこく血液型の話を続けると言うのも野暮だと言えるとは思いますけれどもね。

もちろん基本的なお約束事として誤解してはならないのが、血液型と言うのは人類の間で事実存在する遺伝的差異であり、将来的に例えば血液型の違いによって特定の病気のかかりやすさが変わったりだとか、何かしらの治療に対する反応に違いが出ると言うことが起こり得る可能性は完全には否定出来ないのは言うまでもないですよね。
ただそれは性格だとか個人の相性だとか言った問題とは全く無関係であって、いずれその差異が遺伝子のどの部分に由来するかと言うことは物理的生物学的手法によって解明されるだろうし、その結果対処法もこれまた科学的に取り得ると言う点で「そら見ろ!やはり血液型診断には根拠があったのだ!」と言うソースには全くなり得ないと言うことは記憶しておく必要があります。
その点で今現在血液型と言えば輸血など医療現場における極めて限定的な場合でしか情報としての価値を持たないものであって、しかもこと日本においては仮に本人申告で血液型が○○だと言ったところでいざ輸血をすると言う前に必ず検査室で再検査を行うようになっていますから、日常生活において事前に血液型を明らかにしておく必要がある局面というのはまあそう滅多にはないはずです。
最近では万一事故が起こった場合に備えて等々あの手この手の名目で血液型を記載させる場合もあるようですが、これまた個人情報である以上本当にその情報の収集が必要であるのかと言う再検証と、情報を本来的な目的以外で使用せず公開もしないと言う担保は必要で、最低限一般的な個人情報取り扱いに準じた対応は行っておかないと「血液型をバラされ差別された!」なんて訴訟沙汰にもなりかねないですよね。

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2014年7月27日 (日)

今日のぐり:「焼肉きんぐ 岡山大供店」

先日は一部方面で絶大な反響を巻き起こしたと言うこちらのニュースをご存知でしょうか。

寝たきり72歳女性強姦未遂 タイ人ニューハーフ、脱糞され逃走(2014年7月17日ニュースクリップ)

【タイ】タイのテレビ報道によると、タイ警察は15日、バンコク都トゥンクル区の民家に侵入し、住人の寝たきりの女性(72)を強姦しようとした容疑で、ニューハーフの男(26)を逮捕した。容疑者は犯行を認めている。

 容疑者は都内のカラオケ店ホステス。調べによると、15日早朝、勤務先から帰宅する途中、民家に侵入し、寝ていた被害者に馬乗りになり、強姦しようとしたが、被害者が脱糞したため、逃走した。警察は目撃者の証言から容疑者を割り出し、自宅アパートで逮捕した。

 容疑者は「普段は男と寝ているが、性欲が高まり、相手は誰でもよかった」などと供述した。

もうどこから突っ込んだらいいものやらと言う記事なんですが、結局は突っ込まずに退散したと言う一点でまだしも救いがある事件だったでしょうか?
今日はいろいろとハンパないタイのニューハーフの示した偉大なる男気?に敬意を表して、世界中からあまりに我が道を逝ってしまった人々の話題を取り上げてみましょう。

街中で突然全裸になって踊りだす謎の集団が話題に(2014年7月24日IRORIO)

街頭でゲリラ的に現れ、ダンスや演奏などのパフォーマンスをするフラッシュモブ。
日本でも新たなエンターテイメントの形として目にする機会が増えてきたが、フラッシュモブのふるさとアメリカでは、何と全裸でパフォーマンスする集団が登場した。

全裸のフラッシュモブとは衝撃的だが、まずは話題の動画を見てみよう。
ロサンゼルス内のダウンタウンに突如として現れた裸のダンサーたちに道行く人は興味津々。どのダンサーもカップルでのパフォーマンスが基本だ。
動画の最後には「Romance with No Pants(パンツを履かずにロマンスを)」と意味深なテロップが流れている。

この動画をアップしたのは、アメリカ・ニューヨークに本拠地を置くケーブルテレビ局のVH1。 街頭でフラッシュモブをする裸のダンサーたちは7月18日からスタートした「Dating Naked(全裸デート)」というリアリティ番組の企画の1つとして撮影された。
インターネットの普及で世界中の人とよりつながりやすくなったように見える一方で、現代社会では人と人とが本当の意味での人間関係を築くことの難しさが増したように感じられる。
そんなつながりやすいようでつながりにくい今の社会に問題提起をするべくスタートした番組「Dating Naked」。物理的に服を脱ぎ捨て、裸になることで身体だけでなく心もさらけ出してデートをしたらどうなるのかと人間観察した社会実験系エンターテイメントだ。
まだまだ番組は始まったばかりだが、YouTubeにアップされた全裸パフォーマンスの映像には、公開から1週間で150万回以上再生され、コメントも2000件近く寄せられる勢いとなっている。

その状況は元記事の動画を是非とも参照いただきたいと思いますが、しかしこういうのは公序良俗的にありなんでしょうかね?などと考えてしまっては駄目なんでしょうね。
同じく裸と言うことではこちらも同根なんですが、こちらはやや自己の快楽に率直であった方々のニュースです。

バスタブに浸かりながら高速移動できちゃう「お風呂キャデラック」が超楽しそう! ただしお湯を入れすぎると振動でこぼれまくりそうなので注意(2014年7月23日Pouch)

「あ~あ、お風呂に入りながら移動できたら最高なのにな~」

大学生の頃、ビールを飲みつつ語ったこの夢物語が、なんと時を経て現実のものに! 

車を改造し、中をすべてバスタブに。もちろん走行することだってできちゃう「お風呂キャデラック」を本当に作ってしまったのは、米ロサンゼルスに住むエンジニア、フィル・ウェイカーさんとダンカン・フォースターさん。

彼らは1969年製のキャデラック「ドゥビル」を、6年という歳月、そしておよそ8万円あまりの金額を費やして大改造……って、意外とお安く済みましたね。

お風呂キャデラックにはジェットバスも付いており、乗り心地は抜群。動画を観るに、スピードを出しすぎるとお湯がじゃんじゃんこぼれてしまいそうな点がやや気になりますが、まあそこはある程度調整すれば問題ナシ。なにより乗車している様子がめちゃめちゃ楽しそうですし、なんならちょっと乗ってみたいぞ!

彼らは今後も、世界最速のお風呂自動車目指して、調整を重ねていく予定とのこと。クラウドファウンディングサイト「キックスターター(Kickstarter)」でも出資者を募集しているようなので、気になった方はぜひ、チェックしてみてはいかがでしょうか。

これまた元記事に動画もありますので参照いただきたいと思いますが、しかし妙に状態のよさそうなキャディですよね。
お馬鹿なことと言えば昨今何かと話題になりやすいあの組み合わせを最大限活用したと言うこういうニュースがあるようです。

全身にメントスをつけてコーラにダイブ→やっぱり大爆発(2014年6月19日トゥキャッチ)

 コーラにメントスを加えると爆発することは有名。現在、全身にメントスをつけてコーラの海にダイブするという動画が話題になっている。

 良い子はくれぐれも真似しないように…。

これも画像を見ればすでにお約束の展開が想像できるのですが、しかしこのところこのメントスネタがずいぶんと幅を利かせてますよね。
好き放題やったと言う意味ではこちらも同様なんですが、そこに計画性が加わるとこんな壮大な結果になるようです。

娘のために本気で“王国樹立”、アフリカに主権空白地見つけたパパが建国。(2014年7月15日ナリナリドットコム)

かわいい愛娘から欲しいものをねだられたら、どうも甘くなって断りきれないというお父さんも多いかもしれない。最近、そんな父親の1人だった米国のある男性は、7歳の娘の願いを叶えてあげようと、国際問題にもなりかねない行動に出たという。今年6月、自ら調べて見つけた“どの国にも属さない”とされるアフリカの砂漠の一画へと渡り、旗を立て、自分たち家族による“王国”樹立を勝手に宣言。娘の「王女様になりたい」という願いを、本当に叶えてあげたそうだ。

娘の願いを叶えるための王国を建国したのは、バージニア州アビンドンに住むエレミア・ヒートンさん。彼のFacebookなどによると、彼を思い切った行動に駆り立てたきっかけは、冬のある日、一緒に遊んでいた7歳の娘エミリーちゃんとの会話だった。以前から「王女様になりたい」との願望を持っていた彼女は、その日、父親に「いつか本物の王女様になれるかな」と問いかけ、それを聞いた彼は「なれるよ」と答えてしまったそうだ。

すると、「子どもたちとの約束を守るため最善を尽くす」ことが信条だという3人の子を持つ父は、娘を本物の王女にするために、まず「自分が王様になれる方法」を研究。「どうやって願いを叶えてあげれば良いのか、全然分からなかった」中でも、数週間にわたっていろいろと調べ続けた結果、エジプトとスーダンに挟まれた砂漠の中に、どの国にも属していない「795平方マイル(約2,000平方キロ)」の一画があることを突き止めた。

彼が見つけたのは、113年間にわたってエジプトとスーダンの間で国境線の画定交渉がまとまらず、現状は主権空白地とされている場所。過去にも、この場所を見つけてインターネット上に自分の国にすると主張した人たちがいたそうだが、両当事国だけでなく、「どこの政府にも認められなかった」ため、依然主権空白地のままだという。

しかし、娘の願いを叶えられるかもしれない格好の場所を見つけ出したこの米国の父親は、今年6月にエジプトへ渡航。一画への訪問許可をもらったエジプト政府の「フルサポート」まで受け、14時間かけて目的地にたどり着いた彼は、エミリーちゃん7歳の誕生日である6月16日に「子どもたちがデザインした」旗を立て、Facebookで自分の王国樹立を宣言した。

その後、帰国したヒートンさんは子どもたちと相談して、国の名前を「北スーダン王国」と命名。エミリーちゃんには冠を用意し、家族にはこれから彼女を“エミリー王女”と呼ぶよう取り決めた。父親の計らいで、願いを現実にしてもらった当の“エミリー王女”も「すごい」と喜んだそうで、放牧民がときどき行き交う程度の「人口0人」の地域ながら、早速「子どもたちの食料が足りているか見たい」と話すなど、すっかりその気だ。

ただ、専門家から指摘されるまでもなく、過去の人たちが行った主権主張を「不法」と記しているヒートンさん自身も、本当に自分たちの王国が世界から認められるとは思ってない様子。それでも一方で、「私は子どもたちのためなら何でもすると、彼らに知ってもらいたいんだ」と話す父は、アフリカで自分の国に対する「認知活動を行っていくつもり」と話しており、本当に国を樹立させる努力は続けていくようだ。

さすがアフリカなんでもありだな…などと感心している場合ではないのかも知れませんが、しかしまさかこんな具合に夢が叶ってしまう?とはエミリーちゃんも思っていなかったことでしょう。
昨今色々な意味で存在感を増していると噂のお隣中国から、今度はこんなニュースが飛び出しているようです。

【衝撃】米デルタ航空の機内で異臭 → 中国人客が座席で子供にウンコさせてた(2014年7月24日ロケットニュース24)

飛行機はまさに空の上の密室。乗客の安全を第一に、万全の対策がとられていると信じつつも、不測の事態には地上よりも焦ってしまうものだ。
先日、米デルタ航空の機内で異臭が漂ったそうだ。もしかして、まさかテロ!? ……ではなく、原因は、中国人客が座席の上で子供にウンコをさせていたというのだ。

・飛行機の中でウンコ
アメリカの華僑向け新聞『世界日報』によると、デルタ航空北京発デトロイト行きの機内で悪臭が漂ったという。異臭の発生源は座席。ウンコだった。

・保護者が子供にウンコさせてた
ウンコの主は子供。間に合わずに漏らしてしまったのだろうか……? と、思ったら少し事情が違ったようだ。子供が便意を催したところ、一緒にいた保護者が、座席の上にわざわざ新聞紙を敷き、その上でウンコさせていたのである。

・周囲がトイレに行くよう勧める → 頑なに座席でウンコ
隣の席でウンコなんかされたら、たまったもんじゃない! それより何より、新聞紙を敷く余裕があるなら、トイレにだって行けるはず!! 周囲の乗客は子供の両親祖父母にトイレに連れていくよう勧めたそうだ。
しかし、祖父はそれを拒否。乗務員も駆けつけ制止しようとしたが、それもスルー。頑なに座席から動こうとせず、結局、座席の上でウンコさせ、機内はウンコ臭が充満してしまった。多くの乗客から恨みの声があげられたそうだ。
(略)
・法的に禁止されていないのでどうしようもない
また、ネット上では「機内ウンコに罰則はないの?」という疑問の声もあがっている。これについて、ある香港の航空会社の職員がラジオ・フリー・アジアに明かしたところによると、
    「機内における子供の排泄には何の法的な罰則はありません。だから我々はお客様に勧告しかできないのです。今回のようなケースは中国国内線でも起こります。ある航空会社はお客様に清掃費を請求したそうですよ」
とのこと。結局、一人一人のマナーと教育の問題なので、航空会社としてはどうしようもないとのことである。

しかしあれだけ事細かに規定がある飛行機の中でまさかこんなところに盲点があるとは予想外ですが、そこを敢えて突いてくるとはさすが中国ですかね。
最後に取り上げますのはご存知ブリから、誰もが知っている有名人のその後が大いに話題になっていると言うニュースです。

英元人気司会者、病院で5歳から75歳に性的暴行 60人が被害認め(2014年6月26日産経ニュース)

 英保健省は26日、元人気司会者、ジミー・サビル氏=2011年に84歳で死去=の性的暴行疑惑のうち、公立病院で起きた事案の調査結果を発表した。被害は患者や病院職員など5~75歳に及んでおり、英国であらためて衝撃が広がっている。

 同氏はBBC放送の人気番組の司会などを長年務め、英国で最も有名な司会者の1人だった。死後、性的暴行の被害に遭った女性などから告発が噴出した。

 調査対象は国内28病院で、精神科病院も含まれる。名乗り出ていない被害者もいるとみられるため、被害者総数は不明だが、一つの病院だけで60人が被害を認めた。

 サビル氏は病院を「慈善活動」として訪問しており、院内で自由な移動を許されていた。霊安室にもたびたび出入りしており、遺体に性的行為をした疑いも確認された。(共同)

しかしこの方のニュース、先年来断続的に出てきているのですけれども、まあしかし何と守備範囲が広いのかと感心すべきなのでしょうか?
故人となった後で自らがブリ的に欠けることのない紳士たることを証明し続けるその態度には敬意を表しますが、しかしまだまだこの余波は続きそうですよね。

今日のぐり:「焼肉きんぐ 岡山大供店」

岡山市内も中心部、市役所に近い界隈に最近できたというこちらのお店、全国に手広く展開しているチェーン店だそうで、「大阪王将」や「村さ来」なども同系列なんだそうですね。
開店早々の段階ですがすでに大変な混雑ぶりで予約ありでも待たされることがあるようですが、今回はオーダーバイキングの中でも中間グレードのスペシャルコースを頼んで見ました。

系列に居酒屋などもあるせいかサイドメニューも結構色々とあるようなのですが、ネギポン唐揚げなるものは名前通りのものでここの唐揚げは生姜風味がかなり効いていてまずまず、シーザーサラダはほぼドレッシングをかけた生野菜と言う感じですが、オリジナルメニューの厚切りフライドポテトは形を変えただけと言えばそうなんですが表面積が増えてクリスピー感をアップするいい工夫だと思います。
焼き肉店での定番では野菜クッパは胡麻油風味は香ばしいんですがスープが弱すぎですし、石焼ビビンバは肝心のナムルが物足りない味、カルビラーメンなども麺はインスタントではなく普通の中華麺で、そうかと言ってラーメンとして見ればこれもスープの弱さが目につくと言うもので、唯一キムチ盛り合わせが意外にまともなものだったでしょうか。
ちなみに盛岡冷麺を頼んで見たのですが、個人的にこの冷麺というメニューは時々ある食感過剰な麺が苦手なんですがこちらのものは食べやすい頃合いの加減ですよね。
焼肉の方は値段相応と言うしかないのですが、同じ部位の肉でもタレの味を様々に変えてある工夫あり、下手な牛肉よりも豚肉を出す割り切りもありで、いわゆるいい肉を期待する店ではないので元々の単価の高そうな肉ほど外れ率が高いのは仕方がないのでしょうが、そんな中でこちらの肝臓はわりと臭みがなく食べやすいかなとは思いました。

全般的には特に意外性のある料理や印象に残る料理と言うのもないのですが、メニュー豊富で食べ放題と言う中では比較的そう値段も高い方ではないと言うことで、家族連れなど大人数で来るにはそれなりに重宝しそうなんですが、ただ現状ですと思い立って来てみると言う使い方にはちょっと向かない状況でもありますよね。
この種のオーダーバイキングでこれだけ混み合っているとどうしてもオーダーが通りにくいものですが、こちらの場合意外にもレスポンスは超速で頼む端からどんどん来ると言う感じで、もちろんフロアもそれなりのスタッフを確保しているのでしょうが厨房の中の対応がどうなっているのか、どうも焼肉のメニューの仕立て方などにも工夫がありそうです。
設備面では新しい店舗だけにトイレなどはきちんと整っているのですが、ただせっかくタブレット入力にしてあっても時々オーダーが飛ぶのはご愛嬌と言うものなんでしょうか、うかつに再入力をすると重複しそうで怖いと感じることが一度ならずありましたが、この辺りは落ち着いてくるともう少し改善が期待出来るのかも知れません。

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2014年7月26日 (土)

国民感情を反映したはずの裁判員裁判制度が司法のプロにより否定される?

すでに各方面で大きく報道されていますが、裁判員制度による結論を最高裁がひっくり返したとして話題になっています。

求刑1.5倍判決を破棄(2014年7月24日テレビ東京)

2010年に大阪府寝屋川市で1歳の三女に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた夫婦について、最高裁は一審二審の判決を破棄し、父親の岸本憲被告に懲役10年、母親の美杏被告に懲役8年の判決を言い渡しました。この事件は一審で検察側の懲役10年の求刑に対し、懲役15年の判決が言い渡され、二審もその判断が支持されていました。

最高裁はきょうの判決で量刑判断の公平性をあげ、同じような事件に比べ、突出して刑を重くする場合「その判断が具体的に示されるべき」と指摘し、一審二審ではそれが示されていないと減刑した理由を述べました。最高裁が裁判員裁判の量刑について判断したのは初めてです。

最高裁:求刑超え判決破棄 裁判員経験者の意見は分かれ(2014年7月24日毎日新聞)

 尊重されるべきは市民感覚か、それとも過去の量刑相場か。裁判員制度スタート当初からの議論に24日、最高裁が一つの答えを出した。「他の事件と比べて出した結論なら仕方がない」「被告にも会わず裁判員の判断を否定するのは納得できない」。求刑の1.5倍という裁判員裁判の判決を「不当」とした最高裁の結論に、裁判員経験者の意見は分かれた。【島田信幸、吉住遊、伊藤一郎】

 昨年、知人女性に対する傷害致死罪などに問われた男の裁判で裁判員を務めた岐阜県可児市のアルバイト男性(65)は「他の事件とのバランスを考慮する裁判官の判断で見直されるのなら、仕方がない」と受け止めた。
 男性が裁判員として加わった判決は、懲役15年の求刑を大きく上回る懲役20年。2審で「量刑は相当性を欠く」として懲役12年に減刑され、最高裁で確定した。「個人的意見として求刑を超える判決に迷いがあったので納得はできた。量刑に対する裁判員の意見にも幅があった。裁判員の判断が上級審で変更されるケースがあってもいいと思う」という。
 「プロの裁判官にとっては数ある裁判の一つでも、裁判員にとっては唯一の裁判」。2011年に東京地裁が強盗殺人罪に問われた男に死刑判決を出した際に裁判員を務めた女性は、2審で無期懲役に減刑された際、「市民感情を反映した判断が否定されたことに反感を覚えた」という。今回の最高裁判決についても「被告にも会わず、裁判記録と今までの事例との比較だけで、裁判員の判決が見直されるのは納得がいかない」と語った。
 判決後に取材に応じた岸本美杏被告の弁護人の間光洋弁護士は「無罪主張が認められなかったことは残念」とした上で「市民感覚が反映されるのが裁判員裁判と理解しているが、量刑の判断に基準がないわけではない。破棄は当然」と述べた。
 一方で、ある検察幹部は「検察の求刑は参考意見として出しており、それが常に正しいとは考えていない。検察としては事案に応じて公平な求刑を目指すだけだ」と語った。

 ◇被告に不利判断、裁判官が1人は賛成する必要

 裁判員裁判の判決は、6人の裁判員と3人の裁判官が評議で話し合って決める。意見が一致しない場合は採決して結論を決める。ただし、有罪と決めるなど被告に不利な判断をする場合は、裁判官が1人は賛成する必要がある。量刑を採決で決める場合は最も重い刑を主張した人から順番に数え、過半数に至った人が主張した刑が結論となるが、この際も裁判官が1人は含まれている必要がある
 例えば懲役20年に裁判員3人、懲役16年に裁判員2人、懲役15年に裁判官2人、懲役12年に双方が1人ずつ賛成したと仮定する。このケースでは「懲役16年以上」が過半数を占めているが、裁判官が含まれていないため結論には至らず、裁判官の意見の中で最も重い懲役15年が実際の刑となる。今回の1審でも最低1人の裁判官が懲役15年以上の刑に賛成していたことになる。

 ◇十分な情報提供で評議、適切な結論導かれるとの判断

 量刑問題に詳しい元東京高裁部総括判事の原田国男弁護士の話 最高裁は事件の実態に即した妥当な量刑判断を示した。今回の判決は、検察側の求刑を超える量刑判断自体を否定しているわけではなく、裁判官が裁判員に十分な情報を提供して評議を尽くせば、適切な結論は自然に導かれるとの判断を示したものと言えるだろう。

 ◇先例重視に傾きすぎれば制度の趣旨が損なわれる

 裁判員制度の設計に携わった四宮啓・国学院大法科大学院教授の話 公平性を強調するあまり、先例重視に傾きすぎれば制度の趣旨が損なわれる。量刑傾向を知ることは評議の出発点にすぎず、傾向に従うことがゴールになってはならない。裁判官の説明は慎重でなければならず、裁判員の自由な意見表明を促す努力が必要だ。

裁判員裁判:導入5年 傷害致死事件で「厳罰化」傾向(2014年07月24日毎日新聞)

 裁判員制度の導入から5年。最高裁によると、殺人や傷害致死など主要8罪で、今年3月末までに全体の1.0%に当たる43人の被告に求刑を上回る判決が言い渡された。求刑に法的拘束力はないが、制度導入前の約1年間に裁判官だけの裁判で求刑超え判決を受けたのは2人(全体の0.1%)に過ぎず、割合は約10倍になった。罪名別では傷害致死12人▽殺人8人▽強姦(ごうかん)傷害7人▽殺人未遂6人などが多かった
 求刑の範囲内でも、裁判員裁判では一部の罪で「厳罰化」している傾向がうかがえる。最高裁が2012年、裁判官だけの判決と裁判員裁判の判決の量刑分布の差を比較した。傷害致死事件は裁判官だけの判決のピークが「懲役3年超5年以下」だったのに対し、裁判員裁判では「懲役5年超7年以下」。強姦傷害事件などでも同様の傾向がみられた

 最高裁によると、1審の求刑超え判断が重すぎるとして、高裁が減刑した例は今年5月末現在で5例ある。アスペルガー症候群の男が殺人罪に問われ、大阪地裁が12年7月に「障害に対応できる受け皿が社会になく、再犯の恐れがある」と求刑(懲役16年)を上回る懲役20年を言い渡した事件では、大阪高裁が「受け皿がないとはいえない」と懲役14年に減刑、最高裁もこれを是認した。
 一方で求刑をやや上回る1審判決を高裁や最高裁が支持した例もあり、一定程度までの厳罰化は受け入れられている面もある。
 また、裁判員裁判では更生を重視した執行猶予判決も増えており、量刑に幅が出ているのが実情だ。【川名壮志】

ちなみに過去の判決から見る限り、傷害致死で10年と言うのは決して軽い判決と言うわけではないと言えそうですし、一般的に検察側の求刑に対して満額回答を返すと言うのもそれほど多いわけではありませんから、司法のプロもそれなりに重く罪を考えていると言う受け止め方が妥当かとは思います。
とは言え世間の受け止め方としては最大公約数的に言って「これじゃ裁判員制度の存在意義ないね」と言ったものが最多であるように見えるのですが、基本的に量刑がどの程度が妥当かと言う基準を持っていない素人ばかりが集まって判断するのですから、やはり一定の判断基準として専門家の下した「これくらい」と言う目安は必要だろうと言う考え方は理解出来ます。
この点で制度的な担保として記事にもあるように、いくら裁判員達が過大な量刑を下すべきだと判断しても最低一人は専門家である裁判官が賛同しなければ実際の刑として認められないと言うルールが組み込まれているのだと思いますが、注目すべきは今回の元判決では少なくとも一人の裁判官がこの量刑で妥当だと考え賛同していると言う点で、必ずしも専門家的に全くあり得ない判断とも言えないと言うことでしょうか。
もう一つ、司法判断が過去の前例踏襲、判例重視であると言うことはある意味当然なのですが、一方で時代時代に応じて何が罪として重いか軽いかと言う判断基準自体が変わっていくのも当然で、この点で基本的に明治の時代から続いている刑法の基準が妥当なのかは意見が大いに分かれるところだと思います。
見ていますとどの犯罪行為に対しても厳罰主義と言うわけではなく、やはり今の時代に世間的反発が大きい犯罪に対して、それもとりわけ同情の余地がないと思われるような場合に限ってごく限定的に(増えたとは言っても全体の1%)求刑以上の量刑が出ているらしいと言うのは首肯し得る結果ではあって、司法の専門家側としても自分達の下してきた過去の判例だけを金科玉条視しているばかりでは世間の了解は得られないのでしょうね。

もちろん司法の専門家の判断と世論の動向とが一致しないと言うことは裁判員制度に限らず幾らでもあるわけであるし、基本的に刑罰と言うものは個人の権利を究極的に制限するものである以上は抑制的に行使されるべきと言う大原則はあっていいはずですが、一方で時代時代の変化に応じて刑罰のあり方と言うものも変わっていくべきと言うのもまた大原則ではあるでしょう。
筋論としては昨今の飲酒運転厳罰化などにも見られるように、まずは世論と明らかに乖離している部分に関しては立法の場で議論し法律を変えていく、それに応じて司法の判断を行うと言う筋道が妥当なんだと思いますが、現実問題として今現在も行われている裁判員裁判ではまず検察の行う求刑が裁判員にとっての一つの目安になっていると言うことは否定出来ないように思います。
旧来であれば検察がこの程度が妥当と判断して求刑し裁判官がそれの八掛けくらいで判決を出すと言う阿吽の呼吸が成立していたのかも知れませんが、ある意味で空気を読まない裁判員が「これは厳罰に処すべきだ」と考え過大な量刑を出しやすいタイプの犯罪と言うものが明らかにあると言うことであれば、これに対しては検察側も一定の配慮に基づいて求刑を行っていくのが現実的ではあるでしょうね。
これからも裁判員制度が長く続き判例が蓄積されていくとなれば、その結果データベースそのものの書き換えが行われ量刑の平均値が変わっていくことになるわけですから、長期的に見ると次第に世間の納得する程度の範囲にプロの考える量刑判断も落ち着いていくのかとも思いますが、まあしかしこの機会に犯罪への処罰はそもそもどのような基準から決められるべきかと言う議論はもう一度あってもいい気がします。

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2014年7月25日 (金)

児童誘拐監禁事件に絡んだ余波

先日岡山県で小学生女児が誘拐監禁されると言う騒ぎがあり、その後無事に保護されたものの全国的大々的に報道され改めて児童の安全確保と言うことについて議論を呼んだのは記憶に新しいところですよね。
この件に関しては当然ながら各方面から各人が様々な意見を出しているのですが、それに対して一部方面から少なからぬ反発の声が上がっていると言います。

女児監禁事件、部屋に美少女アニメポスターと報道 「事件と関係ないだろ」とネットで反発の声(2014年7月21日J-CASTニュース)

  岡山県倉敷市で小学5年生の女児(11)が監禁され保護された事件で、逮捕された自称イラストレーターの男(49)の素性がわかってきた。
   容疑者の自宅には美少女アニメのポスターが貼ってあったという証言も報じられたが、ネットでは監禁との関係あるのかと反発する声がでている。

イラスト仕事のためと、部屋を防音仕様に
(略)
   女児が発見されたのは容疑者の二階建ての一軒家の自宅。テレビアニメを見ているところを保護された。そこは2013年12月に防音のための改装工事を行った四畳半の部屋だった。外側から鍵をかけると内側からは開けられないようになっている。8月にリフォームの相談に乗った業者はフジテレビ系「とくダネ」の取材に対し、
    「防音のリフォームをしたいというお話で、イラストの細かい仕事をしていて神経を使うから、音に気を取られたくない」
という要望だったと明かした。
   また、二階にある部屋の一室にはアニメのポスターが貼られていたという。
    「少女アニメのポスターを床と天井と壁にそれぞれまんべんなく貼っていました。普通に服を着たかわいらしい女の子という印象でした。これが私の描いた絵ですよと少女アニメの絵を見せてくれました。かなりうまいなという印象でした」

「アニメ見る奴は犯罪者っていうのを 定着させようとするな」

   アニメポスターが貼られていたこと取り上げる報道に対して、ネットではアニメファンが多いだけに不満の声があがっている。
    「監禁とアニメは関係ないだろ アニメ見る奴は犯罪者っていうのを 定着させようとするな
   「アニメのポスターとかアニメ雑誌とか監禁とは全然関係ないよね。怖いのは監禁部屋を防音工事、外鍵にしてたってこと」
    「だから何!? アニメファンは全員が全員、犯人みたいな人間なのか。アニメファンを敵に回すやうなやり方で大変心外」
   また、山陽新聞が、容疑者は「少女に興味があった。自分の好きな女の子のイメージ通りに育て、将来は結婚したかった」と動機を供述していると報道していることを受けて、
    「アニメというより源氏物語の影響だな」「これって光源氏の源氏物語そのまんまじゃねぇか。もし、アニメなどを規制って話しになったら、まず源氏物語を規制しろって話だよな」
などの書き込みもされている。

岡山女児行方不明事件 アニメファンが窮状訴える(2014年7月21日アメーバニュース)

 岡山県倉敷市で小学5年生の女児が行方不明になり49歳無職の男の家で発見されたが、この際に「アニメのポスターが家に貼られていた」ことが報じられた

 これを受け、ネット上では「アニメファン=変態」のレッテル貼りである! といった批判がされているが、当のアニメファンはどう思っているのか。40代のアニメファン・A氏はこう語る。

「私達は純粋に作品だけを楽しんでいるのですが、メディアが『アニメのポスターがあった』といちいち報じる理由が分かりません。『ガンダム』や『エヴァンゲリオン』や『ルパン』『ジブリ』『アナと雪の女王』のポスターがあっても、『アニメのポスターがあった』と報じるのでしょうか?」

岡山女児行方不明事件 犯人趣味の報道の仕方に「オタクを犯罪者に結びつけようとしている」(2014年7月22日ネタりか)

(略)
 女子児童発見当時の状況として、女子児童は布団の上に寝そべりアニメを見ていたという情報や、その後の取材として男の家の一室にはアニメのポスターが天井、壁に貼られていたという情報、そして男を知る人物からの話として「アニメ好きだった」という声などが伝えられている。
 なお、犯行の動機については、22日報道によると、捜査関係者への取材で分かった情報として、逮捕された男は「好み通りに育て、結婚するつもりだった」と供述していると伝えられている。
(略)
 今回の事件に限った話ではないが、何か事件が起きた際に、犯人の趣味にアニメ、ゲーム、漫画などがある場合、特徴として大きく報じられてしまうことがある。
対し、犯人の趣味が例えばゴルフ、麻雀、好きなテレビがバラエティなどの場合には、ほとんど触れられない、もしくは触れられても軽くしか扱われない傾向が強い。
 こうした報道の傾向について、ネットでは批判の声が高まっている。
中でも「偏向報道」「オタクを犯罪者に結びつけようとしている」という声が最も多く見られた

確かに今回の女の子を囲い込んで自分好みに育てて結婚しようと思った云々と言う犯人の証言を聞いて源氏物語を思い浮かべた人は少なくなかったと思いますが、これに対して古典文学は現代の価値観に照らし合わせて極めて不道徳だから全面的に禁止すべきだ!なんてことを言い出す人はまあ、あまり見たことがないですよね。
以前に猟奇的殺人事件が頻発していると話題になったことがあって、あれに対して「最近残虐なアニメやゲームが増えているのが問題だ!」と主張している人々がわりあい少なくありませんでしたが、「毎週ゴールデンタイムに大量惨殺事件を扱う時代劇は放送禁止にしろ!」と言う意見もこれまたあまり見たことがないと言うのは不自然に感じたものでした。
この辺りはスポンサーとの絡みなどもあってマスコミ各社としても何を叩いていいか、叩いてはいけないかに関して細かい事情があるとも言いますし、特に朝や昼のニュース番組やワイドショーなどはいわゆるアニヲタの方々が見るようなこともまずないでしょうから主要顧客層に受けるような番組作りをするはずで、間違っても「犯人の自宅には韓流スターのポスターが」などと言えるはずもないのは理解出来ます。
ただ見ていますと幾ら好き放題言うにしてもそれはさすがにちょっとおかしいんじゃないの?と思わされる発言もあちらこちらから飛び出しているようで、こういう発想がテレビの中の人たちにとっての常識なのだとすればヲタクどころではなく怖い気がしますね。

漫画家・倉田真由美氏、倉敷の女児誘拐事件で「小さい女の子と成人男性の組み合わせには注視した方がいい」と発言(2014年7月21日トピックニュース)

漫画家の倉田真由美氏が20日放送の情報番組「真相報道バンキシャ!」(日本テレビ系)に出演し、小さい女の子と成人男性の組み合わせを見かけたら「注視し、時には声かけをするべき」と発言した。
(略)
倉田氏は、女児の誘拐事件が最近、続いていることについてコメントを求められると、街中に防犯ビデオの数を増やしたり、大人が「生きたカメラ」となって不審者に目を光らせるべきではないかと指摘した。
さらに、小さい女の子と成人男性の組み合わせを路上で見かけた時には、通り過ぎるのではなく、2人がどういう関係なのか、何が起こっているのか注視した方が良いと発言。
倉田氏は「時には声かけをする、『もしもしどうかしましたか?』って。お父さんだということだったら、『失礼しました』っていうだけの話ですから」とし、「私たちは機械とは違って選別できるじゃないですか。小さい女の子と成人男性という組み合わせは、ちょっと通り過ぎるだけじゃ済まないようにしましょう」と視聴者に呼びかけた。
「小さい女の子と成人男性という組み合わせには注視、時には声かけをする」という倉田氏の発想だと、親や親戚も警戒の対象となってしまうが、司会の福澤朗氏は「それはいい考えだ」と、倉田氏の提案に共感していた。

テリー伊藤「現実とビデオの中の世界を混同」(2014年7月22日トピックニュース)

22日放送の「スッキリ!!」(日本テレビ)でテリー伊藤が、岡山 女児監禁事件についてアニメやビデオと事件を関連付けるコメントをした。
(略)
これを報じたVTRの後、テリー伊藤は「ここ(防音部屋)にポスターが貼ってあったって話があるんですよ、少女アニメの」と、この日の放送では報じられていない情報を口にした。また、「少女監禁ビデオみたいなのがあるから。それを見ていってどんどんどんどん妄想が膨らんでいって、現実とビデオの中の世界とか、自分の中で分からなくなってきた。そういうのも藤原容疑者は当然あるんでしょうね」と、アニメやビデオと今回の事件を関連付けるような発言をしている。
(略)

まあしかしこういう話を聞くと大抵の人間には何かしら趣味があると思いますが、趣味別で犯罪発生率の統計でも取ってみたらいいんじゃないかと思いますし、特に毎日のようにテレビを見る人なんて犯罪発生率が極めて高いんじゃないかと思いますけれども、ああいうものは社会安全上どうなんだろうなと思いますね。
いずれにしても街角の防犯カメラ増設といった話などもそうですが、今の時代安全のために社会のあちこちで対策を講じることが物理的には可能になっている、そしてそれに対して色々な立場から賛成の声もあれば反対の声もあると言う状況で、ただこうした事件が起きるたびにやはり賛成派の意見が次第に増えていくのは仕方がないのかなと言う気がします。
今の時代なら防犯カメラ等の機械的手段による対応の方がいわゆる人の目よりもいいんじゃないかと思うのですが、その理由としてやはり現代で人と人とがあまり不用意に関わり過ぎると余計な軋轢も起こるし、どうしても「あの人はヲ○クっぽいぞ」なんて予断も入る、それだったら最初から機械任せにしておいた方がトラブルが少ないんじゃないかと言う点が挙げられますね。

最近では画像から個人識別をするようなアプリもあって、カメラ映像なども人間が目でチェックするのではなく自動でチェックするようにしておけば見るべきではないものをたまたま見てしまうと言った類の事故もずいぶんと減らせるんじゃないかと思いますけれども、興味深いのは調査をしてみると大多数の方々が防犯カメラ設置には賛成、あるいは設置も仕方がないと言う肯定的な意見であると言うことです。
最近ではさすがに当事者のこうした声を背景に単純なプライバシー侵害論に基づく反対意見というのも旗色が悪いようで、アクティブな方々は権力者のいいように利用されるのが問題なのだ!と言った主張に切り替えつつあるようですけれども、まあカメラに限らず箸や棒であれ何であれ大抵のものは権力者に利用される可能性は否定出来ないわけで、結局日常的なメリットとの損得勘定をどう評価するかと言うことなんだと思います。
いわゆる自動速度取り締まり装置の類なども昨今老朽化が進んで機能していないものも多いそうですが、それでも装置の前では大抵の人が減速して通り過ぎると言った効果があるようですから、別に全部が全部本当のカメラでなくてもカメラっぽいものを設置するだけでもそれなりに抑制効果は発揮出来るものなのかも知れないですね。

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2014年7月24日 (木)

マクドナルド騒動 顔が見えない相手を信用する難しさ

先日「やっぱり中国だなあ…」と思わせるこんなトンデモ記事が出ていました。

期限7カ月過ぎ、カビだらけの肉をファストフード店に供給=作業員「食べても死にはしない」―中国(2014年7月22日レコードチャイナ)

2014年7月21日、京華時報は、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン、ピザハットなどの中国の店舗に、大量の変質した食肉加工品が供給されていた問題で、これらの加工品は中国で優先的に使用されていたと伝えている。

問題の供給元は、米OSIグループの子会社・上海福喜食品有限公司。同社は保存期限の切れた変質した肉類原料を大量に使用し、保存期限シールを貼り替えるなどの偽装工作をしていた。中には期限が7カ月過ぎ、カビが生えた冷凍品まで扱われていたという。同社の作業員は「期限切れだからと言って、食べても死にはしない」と話していた。

こうした肉で製造されたチキンナゲットやステーキ、ビーフパティなどは、主要なファストフードチェーンに販売されていた。特に鶏肉加工品は中国に優先的に供給されていたという。(翻訳・編集/北田)

この時点では言ってみればまあ中国だから仕方ないか…と言うよくあるネタ扱いで終わっていた話なのですが、何しろその出荷先が全世界レベルで各方面に及んでいると言うことであっと言う間に日本でも大々的に炎上してしまったのはすでに各種報道でもご存知の通りですよね。

マクドナルドとファミリーマート、中国の期限切れ肉使用企業から輸入(2014年7月22日ハフィントンポスト)

中国の食品会社が消費期限切れの鶏肉や牛肉を使っていた問題で、日本マクドナルドは7月22日、国内で使用する「チキンマックナゲット」の約2割を該当の会社から輸入していたと発表した。マクドナルドは、21日に該当商品の販売を中止し、タイや中国の別の業者からの食肉調達に切り替えたという。

消費期限切れの食肉を販売していたのは、アメリカの食肉大手OSIグループの中国現地法人「上海福喜食品」。中国の経済紙「第一財経日報」によると、取引先は、マクドナルドのほか、ケンタッキーフライドチキン(KFC)、ピザハット、吉野家、スターバックス、セブン―イレブンなど多岐にわたるという。

マクドナルドとヤムが謝罪、取引先で床から食肉拾う姿報道(2014年7月22日ロイター)

[上海 21日 ロイター] - 米マクドナルド<MCD.N>とケンタッキーフライドチキン(KFC)を運営する米ヤム・ブランズ<YUM.N>は21日、食肉の仕入れ先が保存期限切れの食肉などを供給していたとされる問題をめぐり、消費者に謝罪した。

問題となっているのは米食品卸売会社OSIグループの中国工場、上海福喜食品で、テレビの報道番組で従業員が床から食肉を拾っている姿や、期限切れの食肉を新鮮な食肉に混ぜている姿が放映された

上海市食品薬品監督管理局はこの報道を受けて、20日に同工場を閉鎖した。

マクドナルドとヤムは同工場との取引を中止するとしている。マクドナルドは中国のウェブサイトで、商品が不足する可能性があると明らかにした。調査会社ユーロモニターによると、2社は中国のファストフード市場で売上高ランキングの最上位を占めている。

マクドナルドの中国事業の広報担当者はロイターに対し、「報道で取り上げられた行為が本当ならば、世界中どこでもマクドナルドが絶対に許さない行為だ」と述べた。

マクドナルドと言えば先日は米消費者調査で「一番まずいハンバーガーチェーン」の堂々一位にランクされたように昔からその不味さと不健康さでしばしばネタにされてきましたが、マクドナルドに限らずこの手のファーストフードやファミレスの料理には家庭で再現できない独特の味わい?があるのは確かで、ハマる人にとってはあの独特の味が癖になるのかな?とも思うところです。
ただこの種の大規模量販チェーンの料理と言えば勝手なイメージ的に消毒薬臭くて食べられたものではなくても食あたりだけは出さない「衛生的な」作り方をしてるような気がしていたのですが、コスト削減の結果なのか衛生面においても見た目通りの品質になっていると言うのはどうなのかで、消費者としても今後は価格だけではなく味や健康面にももっと注意を払うべきだと改めて警鐘を鳴らす事件となりそうですよね。
また中の人が言うところによると製造元の工場だけでなく販売現場レベルでの作業も必ずしも衛生的とは言えない部分が多々あるようで、やはり安い時給で流れ作業的に忙しく働かされると言うのはどうしても仕事の質の上では不利なのだろうし、工場にしろ厨房にしろ中の人にとって顔の見えない顧客のためにもっと良いものを作ろうと言う気にならないのは人間の当然の心理と言うものではあるのでしょう。
それでもおもちゃや服飾品などであれば不具合があれば交換します的対応で済むことなのかも知れませんが、食べるものに関してはさすがに一度口に入ってしまうと交換すると言うわけにもいきませんから、近代社会で正義と化した大量生産方式によるコストダウンも用いる対象によって向き不向きはある気はします。

そうした話はともかくとして、今回の件で興味深かったのが中国など第三国で生産を委託すると言った場合に最も重要なのが品質面をどうやって担保するかで、最近では「メイドインチャイナでも外国企業のものなら品質管理がしっかりしているが、中国企業のものは本当に危ない」なんてことを現地の人も言っているそうですよね。
マクドナルドは今回の事件を受けて「我々は欺かれた」と言うコメントを出しているそうで、それは顧客対策としても自分達も被害者であるとの立場を主張することは仕方がないのかも知れませんが、それでは誰が欺いたのかと言えば一つにはサプライヤーの中の人が証言しているようにこのやり方は同社では長年行われている規定の方法であり、上層部の指示の元に行われたと言う問題が第一にあります。
ただむしろそれよりも深刻なのがマクドナルドにしても現地での品質を担保するために第三者機関によるチェックをかけていた、それが機能していなかったことは明らかなのですが、そもそも問題が発覚した現地テレビの報道では監査中には問題の鶏肉を隠しておき、監査が終わった途端にそれを取り出し使うと言う素朴な方法をとっていたのですから、監査自体どれほど形骸化していたのかが問われるところです。
品質チェック機構がまともに働いていないとなればサプライヤーをどこに変えたところで品質を担保することは出来ない理屈で、こうなると消費者としては売っている側が品質を保証しますからと言っても信頼しきれず、とにかく誰が作ったかの生情報を確認しないことには判断のしようがないと感じてしまうでしょうね。
その点で日本でも一部のプライベートブランド商品で「自社が責任を持ってその品質を担保しているから」と言う理由で製造元を明らかにしないと言う方針が問題視されてきて、最近ようやく「その気になれば製造元を知ることが出来る」レベルにまで改善されたそうですが、こういうやり方も品質に対するイメージと言う点でかえってマイナス評価を招くのではないか?と言う危惧もありそうですけれどもね。

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2014年7月23日 (水)

ペナルティの妥当性が議論に

理研・小保方氏に関わる一連の騒動に関連して、そもそも小保方氏の学位論文も盗用なのではないかと言う指摘があり早大で調査が進められていたわけですが、これに対して結局「学位取り消しはしない」と言う結論が出たことが注目されています。

博士号剥奪は「生活破壊」=小保方氏論文で回避理由説明―報告書の全文公開・早大(2014年7月19日時事通信)

 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが2011年に早稲田大大学院から博士号を取得した論文に疑義が指摘された問題で、早大は19日、調査委員会の報告書全文をホームページで公開した。博士号の取り消し要件に該当しないと判断した理由について「(博士号を前提とする就職など)生活および社会的関係の多くを基礎から破壊することになる」と指摘。要件に該当するかどうかは、この点に配慮し「厳格に行われなければならない」と説明している。
 また報告書は、小保方氏を指導した常田聡教授について、指導教員としても博士論文の主任審査員としても義務違反があると認定。「非常に重い責任がある」と指摘しながら、「一般論として述べれば、解任を伴う懲戒処分をもたらすほどのものではない」と評価していた。
 調査委員長の小林英明弁護士は17日に報告書を鎌田薫総長に提出したが、記者会見では概要しか公表していなかった。

 報告書は、博士論文には文章や実験画像の盗用や、意味不明な記載など多くの問題箇所があると認定。「合格に値せず、小保方氏は博士学位を授与されるべき人物に値しない。早大の博士学位の価値を大きく毀損(きそん)する」と厳しく批判したが、「学位授与に重大な影響を与えたとは言えない」として、早大規則の学位取り消し要件に該当しないと判断した。
 鎌田総長は17日の記者会見で、報告書は大学としての結論ではなく、小保方氏の博士論文の扱いや関係者の処分は今後検討すると説明した。小保方氏以外の博士号取得者の論文も調査しているが、結果の扱いは小保方氏の場合と整合性が取れるよう配慮すると述べた。

すでに各方面で指摘されている通り、そもそも早大の学位審査があまりに杜撰であったことが問題の根本にあったと言われればその通りで、その意味でそもそも学位認定に値しないレベルであった、学位授与そのものが間違いであったと言う点を認めたことはもっともなんですが、それでも学位を取り消さないのは現在の生活が学位の存在を前提に成立しているからと言う、ある意味非常に現実的な理由を挙げています。
この「そもそも学位に値しなかったが、今さら取り消しはしない」と言う結論部分には各方面から「学問の府としての早稲田の自殺」だと非難囂々なのはある程度予想されたところなんですが、敢えて早稲田の側に立つなら与えるべきでない学位を与えてしまったのは完全に早稲田側のミスであって、その大学側のミスについて学位取得者側に一方的な不利益変更をするのは筋が通らないと言う理屈は成り立つかと思います。
この辺りは例えば入試に採点ミスがあり本来不合格になるはずの学生を合格させてしまった、その学生は他大学の合格も蹴って入学し卒業もし就職もしてしまった後でこうした事情が判明した場合に「いや、あの合格は間違いだったのだから」と今さら取り消し出来るかと言えばまあ出来ないしするべきでもないと言うのが普通であって、一般論としては今さら学位取り消しは無理だと言う結論だけには整合性はあるかとも思えますね。

ただもちろん、各論として幾らでも突っ込みようがあるのも事実で、早稲田側がこの調査を一つの警鐘として学位審査を今後どのように改善していくかと言うことも社会的信用回復の方法論として問われるところですが、他方で振り返ってみるとこの学位審査と言うもの、全国的に見ても必ずしも厳密な審査が行われていると言うものではなく、特に医学部などでは以前から取る気になれば誰でも取れる程度だと言われていたわけです。
先輩のやってきた仕事の一部をちゃちゃっと簡単に追試だけして自分の仕事のように論文にまとめ、ろくな査読もないような学内雑誌に投稿して学位審査に臨むと言ったことでどれほど学位に相応しい能力が担保出来るものなのかですが、そもそも学位を取ったと言う名目だけが目的でその分野の研究を続けるわけでもない人間が多いのですからある意味害はないと言う考え方も出来るのかも知れません。
そういう意味で厳密に考えてみるとどうもおかしいぞ?と言うことでも長年の風習として続いていると言うことは、先日の広島大の学部試験追試で全員不合格となった経緯などを見ても判るところなのですが、医学部と言うところはどうも全般的に試験の類には緩いのではないか?とも感じさせる事件がまた起きたと話題になっています。

カンニングで6人停学 横浜市立大医学部の実技試験(2014年7月18日産経ニュース)

 横浜市立大医学部で、模擬診察をする実技試験の前夜、学生が試験会場に忍び込んで試験問題を携帯電話で撮影、予想問題として受験者にメールで送るカンニング行為があり、学生計6人が停学処分となっていたことが18日、大学への取材で分かった。

 大学によると「OSCE(客観的臨床能力試験)」と呼ばれる模擬診察などの実技試験。4年生2人の指示を受けた3年生2人が2月28日午後9時ごろ、「忘れ物をした」と警備員にうそをついて試験会場に入り、壁に貼られていた問題4問を携帯電話で撮影、メールで送信した。

 別の4年生2人が問題をメールに書き起こし、受験する4年生95人全員に予想問題として送信した。

 試験当日の3月1日、匿名の告発メールが教授に届き大学が調査。指示した4年生2人と撮影した3年生2人を停学3カ月、メールを送った4年生2人を停学1カ月とした。予想問題として送る前に相談した4年生11人も戒告とした。

ネットなどで見ますと「何故前日から問題を貼り出している?」と言う疑問の声が多いようなのですが、大学にもよるのでしょうが実習試験ですから学生を一室に集めそこから順番に各小部屋に入れ、ところてん式に順次先に進ませながら問題を解かせると言うスタイルが多いようで、本来口頭でああしろこうしろで足りるのでしょうが聞き取りの失敗に備えて壁にも問題を張り出している場合が多いようです。
もともとはこのOSCEと言うものは学科的知識を見るCBTと並んで、学生が臨床実習に進むに当たって求められる最低限の知識や技能を備えているかどうかを確認するもので、普通にやっていれば決して落ちるようなものでもないし、万一落第点を取っても追試験までしてくれるのですからカンニングするほどのことか?とも思うのですが、やはり試験というものにはそのレベルを問わず一定のプレッシャーがあるものなのでしょう。
それはともかくこの問題、すでに試験問題が張り出されている会場に簡単に入り込めてしまったと言う点も問題で、夜間に詰めていた警備員が院内で何が行われているかまで把握しているかと言えばなかなか全部は難しいのも事実でしょうが、少なくともこうした場合には何らかの手段によって立ち入り禁止措置を講じておくべきであったと言う点では、やはり大学側も「その程度の試験」と甘く見ていたと言うことでしょうか。
他方ここで注目したいのは世間的にこんなことをして当然退学だろう、停学処分(実質的な留年)などぬるすぎると言う声が非常に多い点で、中には「こんな小ずるいことをする人間を医師にさせてはならない」と言う声も少なくないようなのですが、医学部の中の人と外部の人との間にいささかの温度差があるようにも感じられますね。

もともとこのOSCEやCBTに関しては大学独自の試験ではなく文科省の指示によって全国一斉にやるもので、その意味では国家試験などと同様の厳密さが本来求められるだし実際各大学ともかなり運営はしっかりやっているはずですが、一方で古来医学部の試験などいい加減なもので、各講座の先輩などからそれなりの情報が事前流出すると言うこともまあ、必ずしも起こらないと言うものでもない話ではありますよね。
この辺りは試験を課す側の先生方にも色々な考え方があって、とにかくそんなところ誰が勉強してるんだよ!と突っ込みたくなるようなマイナーな領域の問題ばかり出してきて学生に不勉強ぶりを思い知らせると言う先生もいれば、大抵の学生は将来別領域に進むのだからこの科目で絶対覚えておくべきことだけ知っていればいいと事前に出題範囲を明示するタイプの先生もいらっしゃるようです。
どちらにせよ全く救済的措置を考慮しない講座の方が珍しいと思いますが、医師という職業の性質上どうせ一生勉強は続けなければならないのだからと言う大前提があるのだとは言え、いささか世間的感覚からすればだらしなくも見えるのだろうし、ましてやこうした明らかにアウトと言う話が公になってくると後輩から「あの学年が余計なことをしたばっかりに試験が何かと厳しくなって」と恨まれることになるのかも知れません。
ただ今回は大学側にも落ち度があったと言う点も考慮されての事後処理なのかも知れませんが、医療の世界も何かと世間並みと言うことが求められるようになってきている中で、あちらこちらで医学部独自の慣行と言うものが炙り出され是正されるようになってきている時代ではあるわけですから、今後は中の人も時代に応じた考え方の変化が必要になっては来るのでしょう。

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2014年7月22日 (火)

日本では超過勤務が当たり前?

先日以来大きな反響を呼んでいるこちらのニュースをご存知でしょうか。

死亡しても会社の責任問わず フィリピン人採用で誓約書(2014年7月13日47ニュース)

 関西地域の介護会社「寿寿」(大阪府東大阪市)が、フィリピン人女性を介護職員として採用する際に、本人が死亡しても会社の責任は問わず、「永久に権利放棄する」との誓約書を提出させていたことが12日、共同通信の取材で分かった。

 フィリピン人の女性職員からは「労働条件が厳しい」との苦情が出ており、宿直勤務を月間13回させた書類も残っている。職員が死亡した場合に会社を免責する誓約書に署名させていた理由や、休日取得などの実態について、厚生労働省が調査に乗り出した。

介護会社、外国人から強制天引き(2014年7月14日デイリー)

 外国人職員に死亡時の免責誓約書を提出させていた介護会社「寿寿」(大阪府東大阪市)が、フィリピン人職員から、法令に違反した積立金を毎月の給与から天引きしていたことが13日、分かった。

 これまでにフィリピン人職員約30人を雇用しており、積立金は給与などとは別の口座で会社が管理していた。職員採用の契約書や覚書によると、フィリピン人職員に貸し付けた日本への渡航費などの返済が焦げ付いた場合に備え、天引きしていたとみられる。

 厚生労働省の大阪労働局は、労働基準法で禁じられた強制的な預貯金に当たるとして、フィリピン人職員や元職員らへの返金を会社に命じた。

いったいいつの時代の話かと言うもので、そもそも死亡しても会社の責任を問わないと念書を書かせるなどどんなブラック企業かと言う話なんですが、興味深いのが当該会社の経営理念として「社会的に弱い立場の方々が泣かされる事の無い社会づくりを念頭に」云々と記載されていることで、なるほど同社の考える理想的社会とはどのようなものか判る気がします。
当然ながら司法畑の見解によればこうした公序良俗に反する契約はそもそも無効であると言うことなのですが、唯一の救いと言っていいのかどうか何とも言い難いのはこれが別に外国人差別だと言うわけでもなく日本人に対しても同様に使い捨てが横行していると言うことで、ネット上では自虐的にこれぞクールジャパンの実態だと言う声も上がっているようです。
先日は夫が自殺したのは職場での過労が原因だと言う妻の訴えが二審で退けられると言う逆転敗訴の判決が出ていましたが、今後は残業代もゼロにしようと言っている折に労働者の心身の健康をどう担保していくのかは非常に重要で、先日は日本での「常識」を海外にまで持ち込んで大失敗した事例としてこんな記事が出ていましたが、現地の状況を示す冒頭部分を引用させていただきましょう。

日本の「残業代ゼロ論争」にモノ申す!(上)残業ご法度なシンガポールで面食らった僕 周囲と衝突して学んだ「仕事圧縮」のオキテ(2014年7月16日ダイヤモンドオンライン)より抜粋

(略)
 日本では先日「ホワイトカラーエグゼンプション」の対象者を「年収1000万円以上」と決めたが、シンガポールでは管理職・専門職だけでなく、事務職、新卒社会人、非正規社員(時給制以外の非正規社員)もホワイトカラーエグゼンプションに近い労働形式にある。

 つまり、シンガポールの多くの職が「残業代ゼロ」の対象なのだ。シンガポール以外の他のアジア諸国においても、管理職以外の専門職・事務職ではかなりの割合でホワイトカラーエグゼンプションを導入している。

 シンガポールの中小・零細企業では、十分な従業員がおらず、1日8時間以上の労働を強いられる会社もあるようだが、その制裁は「手厳しい」の一言に尽きる。企業は、ある一定時間以上の労働を社員に強いると、人材開発省(MOM/Ministry of Manpower)からクレームが入り、営業ライセンスを剥奪されてしまうのだ。こうしてシンガポールでは、過度の長時間労働は「仕組み上」(ここが大事!)できないようになっている。

 もちろん、長時間労働が必要な職種はある。コンサルティング会社、会計事務所、法律事務所などのプロフェッショナル・ファームや医療関係機関などだ。しかし、このような業界はもともと他業界よりも給与水準が高く、また昇進も早い傾向があるので、ワーカーたちも長時間労働を納得済みで入社、勤務しているため問題はないようだ。

 また、スタートアップのベンチャー企業も長時間労働職場として知られるが、株式上場時や企業売却時に多額の収入が入る“ハイリスク・ハイリターン”な仕事であるため、こちらも特別に長時間労働には寛容なようだ。こうして見て来ると、やはりシンガポールでは、「サービス残業は基本、ない」と言えるだろう。
(略)

かなりの長文記事ながら労働観の差異が伺われて興味深いのでご一読いただければと思いますが、要するに基本的に部下に残業させるような上司は無能であり、そんな上司の下で働くと言うことはあり得ないと言う社会常識が制度上も担保されているからこそ残業代ゼロが成立していると言えそうですよね。
日本の場合どのような制度設計が妥当なのかと言えば恐らく全くこれと同様なシステムがベストと言うわけではないのでしょうが、基本的に残業は禁止すると言う大前提がなければ残業代ゼロだからと幾らでも残業させてしまうと言う感覚が日本人上司にある以上、やはり制度的な歯止めなりペナルティなりが必須になるのではないかと言う気がします。
この点でまさに歯止めなき業務量増加がどのような結果を招くかと言うことを示した一つの典型例が医療崩壊を起こした某業界ですけれども、新臨床研修制度によって研修医を安い労働力として酷使せず研修の実を上げさせるように制度設計されたはずが、研修開始後2ヶ月で1/4が抑欝症状を呈していると言う調査結果もあると言いますから困ったものです。
そしてこの研修医の例においても典型的に見られるのが上司を始めとする周囲の無理解で、周囲による早期発見・早期介入どころか何かと言えば「俺の若い頃は」式の叱責ばかりではそれは誰も相談しようと言う気になりませんから、ここでも意識改革がおいそれと進まないからこそ強制力を持った制度が必要であると言えるのでしょうね。

最近の若い世代はもはやバブル以前の頃を知っている世代のような強い上昇志向はなく、身の丈にあったそこそこの暮らしが出来れば十分だと考えていると言う声もあって、確かに大金持ちになるために手段を選ばず努力すると言ったぎらぎらした野心に燃えるタイプは少数派なのかも知れませんが、ではどんな扱いをされても大人しく甘んじているかと言えばむしろ逆である気がします。
日本とアメリカの労働感を語る上で機会の平等と結果の平等などと言う言葉があって、日本が長く総中流社会などと言われてきたのも機会の平等よりも結果の平等を求める傾向が強かったからだと言う意見は根強くあったわけですが、労働の国際化が叫ばれ結果の平等が半ば否定されつつある時代にあっても、やはり最低限これくらいはと言う部分においては担保を求めたがるのが日本人の特質なのでしょうか。
その最低限これくらいはと言う内容についてもちろん金銭的報酬と言うこともありますが、以前よりも労働の内容と言うことも厳しく問われるようになったのが今の時代で、それは21世紀に入ってすでに長いのに今更野麦峠や蟹工船の感覚では通用しないのは当然ですけれども、年を追う毎に強化改善が進んできた労働者の権利意識はすでに残業有りが大前提と言う旧来の感覚には異を唱えているのだと思います。
その点で研修医が9時5時で帰ることに対してすばらしい労働管理を実践していると称讚する上司は未だに稀だと思いますが、では何故おもしろくなく感じるのかと言えばやはり自分がもっと長時間働いていると言う現実があるからで、特に本来労働を自己管理する立場にあるはずの管理職が慢性的に過労状態にあると言うのであれば、やはりこれは何かがおかしいんじゃないかと常識をアップデートする必要があるのでしょうね。

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2014年7月21日 (月)

今日のぐり:「永楽うどん」 & 「らくらくうどん倉敷店」

色々な意味ですごいと感心するべきかどうか微妙な方のニュースが先日出ていました。

英国新記録!運転免許筆記試験に110回落ちた女性(2014年7月16日日刊テラフォー)

普通乗用車の筆記試験は、一般的にはすぐに受かるものだ。だが中には、不思議なくらいに何度も落ちる人もいる。
それでも、イギリス・サウスイーストロンドンに住む女性の右に出る人はいないだろう。
彼女は昨夜受けた筆記試験で、通算110回目の不合格という前人未到の記録を打ち立てた!

110回も筆記試験に落ちるなんて不名誉ではあるが、ある意味スゴい。
もう自分は車の運転には向かないのだと、途中で諦めてしまいそうなものだが、彼女は決して諦めなかったのだろう。それ故の、110回の不合格記録だ。
しかし広く世間を見渡せば、幾度となく筆記試験を受けたのは、彼女だけではない。
ピーターバーグ出身の30歳の男性は、86回落ちた。バーミンガムの41歳の人物は、80回目の筆記試験でようやく合格した。受ければまだ良い方で、ハーバーフォードウェストの27歳の男性は64回挑戦し、まだ合格していない。

イギリスでは、筆記試験1回の料金は31ポンド(約5,400円)なので、何度も試験を受けたら、かなりの出費になる。
言うまでもないが、筆記試験に受かっただけでは免許は取得できない。一般的には、筆記試験よりも、この後にある実技試験の方が落ちる確率は高い。
110回の不合格を記録したこの女性が、いつか試験に合格して免許を取ったとしても、彼女の助手席には誰も乗らないかもしれない。

まあ一般的には一つのことに集中する、何かを成し遂げるまで努力すると言うのは称讚されるべき行為ではあるのでしょうけれども、ねえ…
今日は日々その記録を更新し続けるこれらの方々に敬意を表して、世界中から何かに集中する方々の話題を取り上げてみましょう。

【海外:インド】世界平和を訴え、25年間後ろ向きに歩く男(2014年6月11日日刊テラフォー)

1989年に、地元で暴力事件が相次いで起こったことがきっかけで、マニ・マニサンさんはずっと後ろ向きで歩いて、世界平和を訴えている。
25年経った今、マニさんは、もう普通に歩こうと思っても出来なくなってしまうほど、後ろ向きで歩くことにすっかり慣れた。

マニさんは、地元のアグラハラム村で携帯電話を販売して生活している。
後ろ向きで歩き始めた1989年6月14日以来、マニさんは後ろ向き歩きに関する数々の記録を塗り替えた。
例えば、300マイルの道のりを裸で後ろ向きで最速で歩いた記録は、マニさんが早い段階で塗り替えた記録だ。

記録への挑戦はすべて、世界平和を願うためだ。世界平和を願うには変わった方法だが、とにかくこれがマニさんのやり方なのだ。
「世界規模で、テロの数は増えています。たくさんの衝突が起こり、若者達は間違った方向へ導かれていきます。このような現状を非難するために、私は25年間後ろ向きで歩き続けています。私が願う唯一の事は、世界平和です。」
だが残念ながら、マニさんが後ろ向きで歩き続けたところで、世界は直ぐには変わらない。それでもマニさんは、世界に平和が訪れるまで、決して後ろ向きで歩くことを止めないと誓っている。

それにしても、マニさんは本当にどこでも後ろ向きで歩いている―家、職場、階段、バスの中…。この25年間、後ろ向きで歩いて転んだことなどないかのように、すいすいと歩く。
「今では、普通に歩くことの方がチャレンジです。私の頭は、普通の歩き方を忘れてしまいましたから。こうして後ろ向きで歩くのが、快適なんです。」
それなら、本当に世界平和が訪れ、後ろ向きで歩く必要がなくなった時、マニさんはきっと困ってしまうことだろうが、それもマニさんの本望だろう。

まあこうした場合何故?と疑問を感じてしまえば負けなのかも知れませんが、それにしても世界平和が早く達成されることを願わずにはいられませんよねえ…
ライブ中にはその場のノリと勢いで大いに脱線してしまうと言うこともままありがちなものですが、こちら決して本分は忘れなかったと言うプロフェッショナリズムを発揮された方の話題です。

人気ラッパーがステージ中に簡易トイレへGO! トイレ内でもラップを続け大歓声(2014年7月16日Aol news)

スキルの高い高音のラップとコワモテ巨体にヒゲ面という独特のキャラクターで人気上昇中のニューヨークの白人ラッパー、アクション・ブロンソンが、カナダのオタワで開催された「Bluesfest」というイベントで非常に珍しい場所からラップを披露した。

ステージング中、迫力あるラップを披露しながら客席の近くを練り歩くブロンソン。オーディエンスとハイタッチするなど、その姿は余裕たっぷりに見えるが、実はこの時、彼はあることを我慢している。それは、トイレだ。

一通りオーディエンスの声援に応えた彼は、ラップをした状態のまま簡易トイレへ。そんな意外な行動に、客席からは「トイレ行きたかったのかよ」と聞こえてきそうな笑いが起こるが、驚くのはここから。ブロンソンはなんと、トイレで用を足している最中もラップを継続したのである。

トイレから出てきた彼は、まったく悪びれることなく余裕のポーズ。そのままゆっくりとステージに戻り、ポーズをとってオーディエンスの大歓声を浴びた。

カラダだけでなく、気持ちも大物のようだ。

元記事の方には動画も用意されていますので参照いただければと思いますが、しかしまあステージに上がると何かと大変だろうなあとは思いますね…
同じくこちらもついにやり通したと言う方のニュースではあるのですが、こちら本業は別にあると言う点がポイントでしょうか。

【真似厳禁動画】生粋のメタル野郎! ヘッドバンキングしながら建設作業をする青年がアツい!!(2014年7月16日ロケットニュース24)

ヘビーメタルやハードロックのライブ中に、ミュージシャンや観客が頭を上下に振っているのを見たことはないだろうか? あれは「ヘッドバンキング」と呼ばれるもので、ロックファンにとってはおなじみのアクション。やってみると、会場との一体感を感じられる、それがヘッドバンキングだ。
ただしこのヘッドバンキング、見た目は派手なのだが、首や頭にかかる負担が大きい。ビートにはのれるが体を痛めるという、諸刃の剣なのである。実際に、ヘッドバンキングが原因で脳梗塞になったと言われているミュージシャンもいるほどだ。
そんなヘッドバンキングを、なんと建設作業中にやっているという命知らずがいるらしい。YouTube の動画「Metal Construction」で確認できるぞ!

動画は、長髪姿のいかにもメタル好きの男性が、鏡を叩き割るところからスタートする。内容にふさわしい、ド派手は幕開けだ。それ以降、彼はあらゆる建築作業を見せてくれるのだが、その最中ずーーーーっとヘッドバンキング。ただでさえ危険が伴う建築作業を、頭を揺らしながら行っているのだ。
正確に言うと、首を上下に振っているのではなく回しているのだが、それでも首や頭にかかる負担は相当なものだと思われる。では、なぜ男性は建築作業中にそのような苦行をしているのだろうか?
気になるところだが、その質問を彼にぶつけるのは野暮というものだろう。生粋のメタル野郎に、ヘッドバンキングをするための理由などいらないのだ。強いて言うならば、「それが日常だから」ということか。
とにかく、理由を考えるとワケが分からないが、青年の “メタル愛” だけは痛いほどに伝わってくる。彼のアツい気持ちを、とくとご堪能あれ!

これまた詳細は動画を参照いただきたいと思いますが、しかしやはり彼の場合別なものにもっと集中すべきなのではないか?と言う気がしないでもありません。
もはや古典にして基本中の基本とも言うべきこちらですが、長年の修練の結果がこうして世界新記録として結実したようです。

【神業動画】わずか4分57秒69! 『スーパーマリオブラザーズ』の最速クリア記録を塗り替えた動画がスゴい!!(2014年7月2日ロケットニュース24)

ファミコンソフト『スーパーマリオブラザーズ』といえば、世界一売れたソフトであり、ギネス記録も打ち立てたゲームだ。シンプルだが奥が深く、何度もプレイしたという人も多いのではないだろうか。
以前「たったの500点で全クリ」した動画をお伝えしたが、今回は最速記録に挑み、見事に新記録を樹立した動画「Super Mario Bros. Speed Run in 4:57.69 (World Record)」をご紹介したい。要した時間はわずか4分57秒69。まさに神業である。

・誰しもが挑戦した最速記録
発売から約30年が経とうとしている『スーパーマリオブラザーズ』の最速記録に挑んだプレイヤーは数知れず。ミスをした時点で最初から……いつしか世界では “究極のストイックゲーム” として楽しむ人も増えたものだ。

・常にギリギリ
そして今回の記録もまさにストイックの極みとなっている。常にダッシュし続けるマリオをうまくコントロールして、次々と難所をクリアしていくプレイヤー。思わず目を覆ってしまいそうになるほど、ギリギリで突破していくぞ!

・短縮ポイント
世界記録に挑む人が進むルートはほぼ決まっており、最短の鉄板ルートを通ってクリアする。しかし、今回のプレイヤーは1:58〜のシーンに注目すると、豆の木を出して前方の土管へ入るコースを選択するではないか。
一体どうなるのか見守っていると、次のステージにマリオが登場。なんと木を登った時よりも5秒ほど時間が短縮されているのである! この時間差は大きく、他の動画と比べてもその短縮ぶりは一目瞭然。衝撃の時間短縮となっているぞ!!

・5分の壁を突破
スタートからピーチ姫の救出までにかかった時間はわずか4分57秒69。5分の壁を突破し、未知の領域に足を踏み入れたプレイヤーだが、もちろん神レベルのテクニックも持ち合わせている。懐かしさを感じながらぜひご覧いただきたい一本だ。

これまた動画を見てみますと何やらもうよく判らないほどのレベル差を感じるしかないのですが、それにしても発売以来毎日毎日これをやってきたと言うことなのでしょうかね…
動物ネタを二題続けて取り上げますけれども、まずはこちらも不思議なほどに集中していると言う動画を紹介しましょう。

「トイレを流してじーっとその様子を眺める」を延々繰り返すニャンコさんを発見(2014年7月2日Pouch)

便器の側に佇み、その中をおもむろに覗きこむニャンコさん。一体この子、こんなところでなにをしているのでしょう?
動画サイトYouTubeに投稿されていた映像「Gizmo Flushes」を最後まで観ると、なんとなくですが、こちらのニャンコさんの意図を読み取ることができますよ。

人間さながら、レバーをお手手で引いて、水をジャー! その後すぐさま、便器の中で渦巻く流れをじーっと見物。
またジャー、見る。ジャー、見る。そろそろ飽きたかな~、と思いきや、またジャー、見る。この一連の動きを延々繰り返すニャンコさん。
そのしつこさ執拗さは、「一体何回やる気なの!」とツッコミたくなるレベル。というかもはやそれを超えて、笑ってしまう域にまで達しているかも。映像を撮影している飼い主さんも、実際に噴き出しちゃってるしねぇ。

ニャンコさん、おそらくトイレの中で水が流れる様子が、ツボにハマってしまったのでしょう。ちょっぴり水道代が気になるけれど、あまりにも可愛いのでしょうがない、許してあげるわ。

動画を見ればその執拗なほどののぞき込み具合に感心するやらあきれるやらですが、しかしこれではうっかり家を留守にするのもはばかられますよねえ。
最後に取り上げるのはこちらブリからの話題ですが、あまりに一つのことに集中しすぎた結果我が身も削ってしまったと言う恐るべきニュースです。

性豪モルモットが100匹種付け、メスの囲いで発見時「少し痩せていた」。(2014年7月13日ナリナリドットコム)

英国のある動物園が、予期せぬ出来事に直面している。先日、飼育しているメスのモルモット100匹がこぞって妊娠している事実が発覚し、モルモットの数がこれまでの倍以上に膨れ上がることになった。その原因を作ったのは、メスだけを入れていた囲いの中になぜか1匹だけ紛れ込んでいた、元気すぎたオスのモルモット“ランディー”だ。

動物園の公式サイトなどによると、この出来事が起きたのは、英南部の街バーミンガム近郊にある複合レジャー施設「ハットン・カントリーワールド」。ここの動物飼育スペースには、全部で約300匹のモルモットが飼われていたそうだが、オスとメスの囲いは別々にして、しっかり管理しながら飼育していた。それなのに最近、予想だにしなかった出来事が起きてしまい、職員たちは頭を抱えたそうだ。

5月下旬に行われた検査で、メスのモルモット100匹が妊娠していると判明。その後、職員たちがメスの囲いを調べてみたところ、ランディーと名付けられた2歳のオスが、わら山の中で「疲れて寝ていた」姿で見つかり、「彼が原因だ」と判明したそうだ。しかし、なぜランディーがメスの囲いの中に紛れてしまったのかは不明で、職員の1人は「彼を撫でた子どもが間違ってメスの囲いに入れてしまったか、彼自身がメスの囲いに行こうと必死に抜け出したのかもしれない」と考えている。

ただしモルモットにだって、100匹のメスと生殖行為となれば大変な重労働で、見つけた時は「前より少し痩せたように見えた」と言われるほど、精根尽き果てた様子のランディー。多くのメスに囲まれる生活は、彼にとって至福の時だったかもしれないが、100匹と相手をするとなればそれなりの時間も必要だったとされ、少なくとも数週間はメスの囲いに紛れ込んでいたはずだという。楽しかった(?)メスたちとの時間を終えたランディーは、問題発覚後すぐにオスの囲いの中に戻されたが、彼が起こした行動のために、動物園はその対策に追われるハメになった。

モルモットは妊娠60〜80日程度で、平均4匹の赤ちゃんを産むとされていて、恐らくそう遠くないうちに“ベビーブーム”を迎えるはず。近況を伝える公式ブログは“妊娠報告”後に新たな情報は更新されておらず、また、英メディアでも特に続報は伝えられていない。しかし、生まれてくる赤ちゃんの数は、単純計算でも約400匹前後と大変な数で、きっと出産準備や飼育ための人員確保など、てんやわんやの事態になっていることだろう。

まあしかし、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしと言いますけれども、もはやすっかり満足はしていると言うべきか我が人生に悔い無しと考えているのかですかね。
しかしこうした不幸な事故は往々にして起こりがちな気もしますけれども、日本であればモルモットだけに引き取り手には不自由しないと思うのですが…

今日のぐり:「永楽うどん」 & 「らくらくうどん倉敷店」

倉敷市街中心部を真っ直ぐ南に下った市役所近くに位置するのが「永楽」さんですが、市内でも屈指の人気店として変わらぬ繁盛ぶりであるようです。
メニューなどを見ても先日お邪魔した同じ市内の「なか浦」さんとうり二つで、両社の深い関係を示唆していますよね。

今回はベーシックな「ざる」を頂いてみましたが、見た目は見目麗しく舌触りもいいんですが、やはりコシの強さと言うよりは硬さを感じさせるうどんです。
しかし先日のなか浦さんもそうでしたが、以前に来たときにはこの界隈に多いもっと柔らかめのうどんだったと記憶しているのですが、単なる日差なのでしょうかね?
こちらのうどんつゆも見た目に色合いは濃いんですが、食べて見ると甘さが非常に際立っているのが特徴的という、まさになか浦と同系統のそれです。
ただこちらのうどんの場合長いのでハンドリングに苦労するし、もともとかなり器に多めに汁が入れられているので危うくオーバーフローするところでした(まあ慣れれば一本ずつつまみ上げてたぐりながらまとめればいいんですが
)。
しかし蕎麦の場合元々伸ばすのが大変ということもあるのでしょう、席に座って箸で持ち上げるのにちょうどと言う長さにこだわるものですが、逆にうどんの場合やたらに長く伸ばす方向に進むことが少なくないようで、同じ市内で特産品になっている「しのうどん」のように一杯分イコール一本となっているのもあることは興味深いですね。
これだけの繁盛店ですがおばちゃんたちのいい意味で緩い雰囲気の接遇もあって、繁盛店にありがちな気ぜわしさはないのもいい感じではあります。

さて、その「永楽」さんからすぐご近所に位置しているのが岡山県南部一帯にかなり広範囲に分布しているチェーン店の「らくらくうどん倉敷店」です。
こちらは昔ながらのいわゆる100円セルフうどんの系列ですが、そう言えば讃岐系の安価なセルフ店が増えたせいかこういうタイプのお店も少なくなりましたね。
まずどんぶりに入ったうどんあるいは蕎麦の好きなサイズのものを取りお兄さん(店長?)に渡して暖めてもらうのですが、自前でやらせる店も多いここの行程を自分でさせないのがこだわりなんでしょうか?

ごく一般的なかけうどんにネギと天かすを多めにトッピングしたのですが、まず肝腎のうどん自体は売り文句通り手打ちっぽい形ではありますが、色艶も悪くどんより濁った見た目通りちょっとくたびれた食感で、ザルにした方がまだごまかしが効きそうな感じではあります。
これに合わせてある出汁の味はこれも雰囲気通りと言えばそうなんですが、妙に酸味が強いのは気になったんですが醤油のせいなんでしょうかね?
トッピングと言うよりサイドメニューとして取った寄せあげはクリスピー感を狙って揚げてあったものがすっかり湿気てしまったような食感で、特に見るべきものはないようです。

いかにも昔ながらのセルフうどんという感じで値段が安いのが売りなのでしょうが、今は永楽さん以外にも近隣にセルフの大手チェーン店などもありますしどちらも決して高いお店ではない、そして数少ないお客さんも純然たるうどん喰いと言う顔ではなさそうで、今の時代こういう旧百円系セルフ店はやはり衰退傾向なんだろうかとも思います。
しかしお隣香川の状況から類推するに手打ちか機械打ちかは本来味への影響は少ないと思うんですが、情報網の発達した今でもうまいまずいの評判よりも手打ちうどんの看板一つの方がお客への訴求力があるものなのでしょうかね?

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2014年7月20日 (日)

今日のぐり:「おふくろ亭 本店」 & 「ごはんや 岡山大元食堂」

世の中妙なことを考えつく人はいるものだなと思わされるのがこちらのニュースです。

この発想はなかった…2次元キャラの「透けブラ」を拝める方法が発明される(2014年7月3日トゥキャッチ)

 コナミデジタルエンタテインメントの音楽配信企画「ひなビタ♪」。そのクリアファイルに施した”ある工夫”が、Twitter上で話題になっている。

 キャラクターが描かれたクリアファイルを購入した投稿者。「不思議な形の紙」を用意し、挟んだところ…。

 ブラジャーが透けているように見えるではないか!

 こんな楽しみ方があるとは…。あなたもこっそり試してみる?

その不可思議な方法は元記事の画像を参照いただくとして、確かにかなり絶妙な具合に透けているのは確かであるようです。
今日は不思議な形の紙がもたらした奇妙な効果に敬意を表して、もしかしたら明日にも使えるかも知れない無駄知識の数々を紹介してみましょう。

“青い”静脈、実は“灰色” 目の錯覚と確認(2014年6月25日京都新聞)

 ヒトの腕などで青く見えている静脈の色が実際は灰色であることが、立命館大の北岡明佳教授の研究で分かった。肌の色に影響されて目が錯覚を起こしているのが原因で、正確に静脈注射する技術などに応用できるという。

■立命大教授、肌の色影響

 人間の視覚には、同じ灰色でも、周囲を赤で囲むと青く、青で囲むと赤く錯覚する「色の対比」という現象がある。北岡教授は静脈を見る際にも同様の錯覚が強く起きている可能性があると推測した。

 腕や脚を撮影し、画像処理ソフトで静脈の画像の色を調べたところ、実際は黄色がかった灰色だった。光の三原色である赤、緑、青の割合でも青がもっとも少なく、目の錯覚で青く見えることが確かめられた。

 腕の画像にモノクロ処理を加えると、灰色の静脈だけがくっきりと浮かび上がるため、静脈注射が苦手な看護師の補助などに活用が期待できるという。

 北岡教授は「肌は黄色がかったオレンジのため、灰色の静脈が青に見えるのだろう。『青筋を立てる』という慣用句は、正確にいうと『灰筋を立てる』ということになる」と話している。

いや思わず誰得ですかそれ?と言いたくなるような話でもあるのですが、これはこれできっと文学史を塗り替えるほどの画期的な研究成果と言うものではあるのでしょうかね?
不思議と言えばこれまた不思議とも言えるし、それはそうなっても全然不思議でも何でもないだろうとも言えるのがこちらのニュースです。

おにぎりを超圧縮したら、本当に「食べても減らない魔法のおにぎり」ができるのか?(2014年7月15日ねとらば)

 @dankoromochiさんがTwitterに投稿した漫画「私が妻にしたイタズラ」が話題になっていました。漫画のあらすじは、「妻のために塩むすびを握っているときにふと『おにぎりってどれだけ小さくなるんだろう?』と思い、2合のお米を強く握り普通のサイズのおにぎり2個分に見えるまで圧縮したら“食べても減らない魔法のおにぎり”が誕生した」というもの。このなんともほほえましいストーリー。そして「“食べても減らない魔法のおにぎり”の誕生」という結末。
 漫画のように、おにぎりを超圧縮したら本当に“食べても減らない魔法のおにぎり”ができるのか? どうしても気になったので調べてみました。

 まず、1合はおよそ340グラムのため、2合分となる約680グラムのごはんを用意。1パック300グラム入りのサトウのごはん「新潟県産コシヒカリ大盛」を3パック購入し、2パックと4分の1(合計約670グラム)のごはんを準備します。
 あとは、サランラップにくるんでひたすらニギニギ。愛情をギュ~~~っと強くおにぎりに詰め込んでいきます。
                ――20分後――
 “食べても減らない魔法のおにぎり”の完成です。見た目は普通の塩おにぎり。でも本当は2つで合計2合あるんです。そして、圧縮おにぎりを作るのはかなりの握力が必要だということが分かりました。
 それでは早速、いただきまーす!

 おっと意外とおいしい? ふわっとしたおにぎりの食感はありませんが、モチモチした食べものが好きな人にとってはキライな食感じゃないかも! ただし片手で食べるにはちょっと重い……。なんてったって、おにぎり1個1合分です。
 1つめのおにぎりは20分で完食! 少し量が多い気がしましたが、“食べても減らない魔法のおにぎり”という感じはなく、ちょっと多いかな……というくらいのおにぎりでした。
 そんなわけで2つ目ー!
 45分後……。ごはんの握りのムラがとてもおいしく感じてきます。ごはんの塊部分がモチモチして最高!
 55分後……。
 な~くな~らな~いよ~♪
 100分後!!

 結論:“食べても減らない魔法のおにぎり”の存在は本当であり本当でなかった。“食べても減らない魔法のおにぎり”は紛れもなく存在していた。しかし今はもう、存在していない。

元記事の味のある漫画やおにぎりの運命は別途参照いただくとして、誰がうまいこと(rと言う話でもあるのですが、しかし手軽においしいおにぎりと言う食品の持ち味をこうまで消してしまうと言うのもどうなんだろうかと思います。
職場において無駄に時間を潰したいと言う人も時にはいらっしゃるかも知れませんが、こちらその目的上画期的?と言っていい手法が開発されたようです。

仕事をしているフリして読書タイムが楽しめる文学の新しい形「文学フォルダ」(2014年7月15日GigaZINE)

太宰治の「人間失格」、宮沢賢治の「注文の多い料理店」、堀辰雄の「風立ちぬ」といったさまざまな小説のセンテンスをフォルダ名に設定し、あたかもフォルダを探しているような感じを装いつつ仕事中でも読書が楽しめるというのが「文学フォルダ」です。

文学フォルダとは「文学の文字を、センテンスごとに切り出してフォルダ名にした新しいタイプの文学」です。フォルダ名がまるごと物語になっているので、フォルダを探しているフリをしてスクロールを行いつつ小説が読めるというわけです。

現在ダウンロードできる文学フォルダは全部で20個。夏目漱石の「こゝろ」、新美南吉の「ごん狐」、ヘンゼルとグレーテル、太宰治の「人間失格」「美少女」「走れメロス」、芥川龍之介の「地獄変「羅生門」「蜘蛛の糸」、森鴎外の「舞姫」「高瀬舟」、坂口安吾の「堕落論」、福沢諭吉の「学問のすゝめ」、中島敦の「山月記」、桃太郎、宮沢賢治の「注文の多い料理店」「雨ニモマケズ」、小林多喜二の「蟹工船」、雪の女王、堀辰雄の「風立ちぬ」があります。
(略)

それがどのようなものか想像しがたいと言う方々は是非とも元記事を参照いただきたいと思いますが、まあしかしこれは自動生成で出来るものなのでしょうか、ファイルにして用意する方もご苦労様ですよね。
SNS絡みの話題が二題続きますけれども、まずはこちらのいささか懐かしのニュースから紹介してみましょう。

TwitterのHOMEで「上上下下左右左右BA」を押すと一回転すると話題に(2014年6月23日秒刊サンデー)

Twitter(PC限定)のHOME画面であの有名なコナミコマンド「上上下下左右左右BA」を押すと鳥が一回転するという裏技があるとネットで話題となっている。しかしこの手の噂はほんの釣りネタにしか過ぎないことも多く、スルーされがちだ。ところがこの裏技は実際に存在するとネットでも噂されている。ということで簡単に試すことができるので是非やってみていただきたい。

最初の発信者は北斗の拳・原哲夫さんの妻と結婚したと自ら騒いだツイッター炎上マーケッターで、僕の見た秩序などを運営しテキストサイト業界の一世を風靡した「吉永龍樹」氏。彼が突如「上上下下左右左右BA(コナミコマンド)」を押すと、ロゴの鳥が一回転することが判明」とつぶやくと、多くのユーザが実戦。彼が言うのであればまた釣りに違いない・・・(大変失礼)と信じてやってみたところ本当に回転したのだ。
ちなみに現時点でiOSやAndroidなどのスマホ端末では動作しない。

―コナミコマンドとは

コナミコマンドとは、ファミコンの「グラディウス」などコナミのゲームで使われるお約束の裏ワザコマンド。一部では自機が自爆するなどの仕掛けもあるなど、素人が安易に打ち込むべきではないある意味「いわくつき」のコマンドだ。
世界一有名な隠しコマンドとしても認知されている、。

―ネットの反応

    ・ ネタかと思ったら本当に回ったw
    ・ Twitter運営こんな機能いらないからバグ治せ
    ・ まわった!
    ・ あさイチ見ながらやってました
    ・ そんな手に乗るか……ほ、ほんとだ
    ・ ボクもやったごー
    ・ ほんとだー!!
    ・ 流石、X68k のメーカーさんですな!
    ・ 嘘かと思ったら本当だ!びっくりした。
    ・ twitterWEB版でコナミコマンドを入力してみよう。
    ・ 何度も入力したけど回らない俺の垢鳥
    ・ 釣りだと思ったらマジだった。PCのキーボードで入力。
    ・ おっ!回ったぞ!
    ・ ほんとだーーーー!
    ・ mjd!? 帰ったら試すか。

しかしこういう古くからの情報が未だに通じると言うのも興味深い現象だと思いますが、かつての国民的コメディアンの持ちネタが老若男女誰にでも通じたように共通の文化的背景として機能しているのでしょうかね。
同じくSNSネタをもう一つ取り上げてみたいと思いますけれども、しかしこれは意外なのか当然なのか微妙なところですかね。

人は夜中の2時にエロくなるらしいぞ! Yahoo!リアルタイム検索のビッグデータで明らかに(2014年7月17日ねとらば)

 人は夜中の2時にエロくなることがビッグデータで明らかになりました。Twitterでよくつぶやかれる言葉を抽出し、時間帯ごとに集計すると、人の感情の移り変わりが浮かび上がってきたのです。その結果……「エロい」を含むつぶやきのピークは2時台という調査結果が出ました。

 調査をしたのは「Yahoo!検索(リアルタイム)」を提供しているヤフーです。彼らによると、1カ月間の全体ツイート数は5時台が最も少なく、12時台に一旦増え、その後落ち込んだ後に夜に向け再び上昇し、22時台がピークとなるそうです。では特定のワードのツイート量・割合はどんな風に変化するのでしょうか。調べれば日本人の感情や感覚の推移を可視化できるのでは――というのが今回の目的であります。
 例えば「疲れた」という言葉。1カ月間の調査で“ツイート量”が最も多かったのは22時台でした。ただこれは「全体のツイート量に影響された値」であり、「疲れた」が22台を代表する言葉かというとそうは言い切れません。「疲れた」の時間帯別“ツイート割合”を調べると、ピークは17時台でした。学校や仕事が一段落する夕方、いかにも疲労がたまっていそうな時間帯に増えているのが面白いです。

 続いて、各時間帯を代表するワードを抽出することでTwitterを利用する日本人の24時間の特徴をあぶり出していきます。ちょっと細かいですが、ワードの選定はこんな風にやっているそうです。

(1)ツイート文から形態素解析(文章から意味のある単語などを自動抽出する技術)により抽出したワード(名詞および形容詞)と、Web検索の検索数上位ワードから作成した辞書を組み合わせてワードリストを生成
(2)そのリストを元に2014年2月の総ツイート文からワードを再抽出
(3)各時間帯の総ツイート数に占める各ワードを含んだツイート文の割合を計算し、各時間帯を代表するワードを選定

 時間帯ごとに特にツイート割合が高い傾向にある言葉上位5つは次の通り。例えば朝6時台は「明るい」「眠い」と1日の始まりを感じるワードが並びます。お昼の12時台は「お腹すいた」「もぐもぐ」ですが、13時台になると「満腹」が増えます。17時台になると「帰ろう」や先ほどの「疲れた」がつぶやかれ、18時台には「お疲れ様です」といった言葉も。
 注目は夜中2時台。1位から順に「怖い」「エロい」「やかましい」「たのしい」「だめ」です。ここへ来て「エロい」があらわれた!!! いやー皆さん楽しい夜をお過ごしのようで。ちなみに23時~0時台は「素晴らしい」「だいすき。」「幸せです」など楽しげな言葉が多いのですが、夜が深まるとネガティブなワードが増えていき、4時台の1位は「死ね」でした。

しかしビッグデータ活用で商売の参考にするなんてことは最近決して珍しくありませんが、これは風俗産業は深夜営業した方がいいといった解釈になるのでしょうか?
最後に取り上げますのはこちらのニュースですが、まずは記事から参照いただきましょう。

哺乳類なら体の大きさに関係なくおしっこにかかる時間は約21秒(2014年7月12日カラパイア)

 例えば大きいゾウなら、尿の量もそうとうだから排尿にも時間がかかりそうだし、それに比べて犬なんかはもっとすぐに済みそうな気もしなくもないが、体重が3キロを超える哺乳類なら、ほとんどの動物が排尿にかかる時間は約21秒であることが、アメリカの研究チームの調査により明らかになったそうだ。
 ゾウの膀胱はおよそ18リットルもの尿をとどめておくことができるが、排尿にかかる時間は猫などと大差がないという。

 米 アトランタ、ジョージア工科大学で助教授を勤めるデビッド・フー氏は、自分の子どものおむつ替えをしているとき、ゾウの尿の量ってどれくらいなんだろう?と考えるようになり、今回この研究をするにいたったそうだ。
 動物たちの尿の量を調べるためにフー氏率いる研究チームはインターネットと動物園にて研究を開始した。YOUTUBEで、28の動物の排尿を写した動画を研究し、空のペットボトルを持参してアトランタの動物園を訪ね、16種類の動物の排尿にかかる時間を調べることに成功した。
 その結果、ネズミやコウモリなどの体重が3キロ以下の動物の尿は、流れ出ずに滴となって排出されることがわかった。だが体重3キロ以上の、ヤギやゴリラやグレートデーンズ犬など、それよりも大きいサイズの動物たちは皆およそ21秒前後で尿を対外に排出していることがわかったという。
 フー氏は、ゾウなどの大きい生き物も、膀胱がたった5ミリリットルで最大限になる猫などとそう変わらない速さで排尿しているという事実に非常に驚いたという。
 「まるで大きいプールと小さなバスタブが同じくらいの速さで空になるってことと同じくらい不思議だった。」と語る。

 この現象はそれぞれの尿道の長さが大きく関係していることもわかった。動物たちのサイズが大きくなるにつれ、尿道も大きく長くなっているようである。
 「すべての動物の尿道には共通することがある。尿道の幅と長さの比率が同じなのだ。これはサイズによってそれぞれ器官の大きさも異なるという、動物の世界ではかなり珍しいことなのだ。」とフー氏は説明した。長い尿道があるからこそ、重力によって圧力がかかり、排尿の速度も大きく変化していたのだ。
 研究者たちはこの研究結果が、排出に時間がかかないパイプシステムや貯水槽を作るのに役立つかもしれないと期待している。
 「この現象を用いれば、水量が多いから排出に時間がかかるなどといった問題はなくなります。動物たちは5ミリリットルでも18リットルでもおよそ同じ時間内で済ませているのですから。」と語った。

小さく細い方が当然抵抗も大きいでしょうから、膀胱の能力を高めて排出時間を短縮しているのが「滴となって排出される」状況なのでしょうが、考えて見れば排尿中の生き物は結構無防備ですし、排尿を減らそうと巨大な膀胱を備えておくことも単なるデッドウェイトですよね。
そんなこんなで排出時間21秒程度と言う数字が生存戦略上最も効率的なのかも知れませんが、そうなりますと究極的に効率的なのは寝ている間に排尿しておくと言うことに(以下略

今日のぐり:「おふくろ亭 本店」 & 「ごはんや 岡山大元食堂」

似たようなセルフの食堂を立て続けに行く機会があったのですが、まずは倉敷市南部のコンビナートで有名な水島地区に位置するのがこちら「おふくろ亭本店」です。
見たところはごく普通のセルフ食堂なのですがこれで本店機能があるのかどうか、それとも本社と言うのははまた別なのかと謎が謎を呼ぶのですが、とりあえず駐車場も広いしスタッフも多く活気はありますよね。
カウンターに並ぶお総菜を見てみますとサバやサンマなどもずいぶんと大きいんですが、野菜炒めなども単品料理として成立するサイズでどれも食べ応えがありそうです。

今回はその野菜炒めをメインにいただいてみましたが、割合にしっかり野菜のシャキシャキ感を保った仕上がりですし味も濃すぎないので、妙にのどが渇くようなこともなくさくさくといただけますね。
定番料理のゴボウきんぴらの味はまあ標準的で可もなく不可もなくですが、この手の一品にしては割合に飾り付けにも凝ってるのは好印象です。
ナスの煮浸しはあっさりタレの酢加減も塩加減も強すぎない頃合いの仕上がりで、比較的似たような傾向の味付けが多くなりがちなこの種のお総菜の中で箸休めにもいいですね。
ちなみにこちらのご飯は麦飯と白飯があって、今回は麦を選んだんですが盛り具合からすると小でも普通の定食屋の一杯くらいにはなりそうな感じでした。

味としては特に突出するところもないが害のない味で、全般的にボリューミーで食べ応えも十分ありますが、うどんや蕎麦、冷やし中華と言った手のかかりそうなメニューもあるようですね。
このあたりはさすがに本店を称するだけにこの種のお店としてはスタッフも豊富なのが効いていそうなんですが、他の店舗ではこのあたりどうなっているのかが気になりました。

一方で岡山市街地の一角、市役所からもほど近いあたりに位置するのが「ごはんや 大元食堂」です。
この系列はあちこちで何店か出来ているのは知ってますが、ここは他店と比べると例外的に敷地が狭く駐車場に入れるのがちょっと大変ですかね。
比べて見てまず思ったことにおかずの一つ一つが小さいと言いますか、本来こっちが普通のサイズなんでしょうが魚の一切れ一切れも野菜炒めもちんまりした感じなのが目に付きました。

メインに取った煮サバはとにかく味が濃いのが印象的で、なるべく煮汁に浸さないようにして食べましたが、魚自体はノルウェーサバなのでこの時期でも味は安定しています。
ゴボウきんぴらは薄切りスライスのゴボウを使っていてこれは好みなのですが、味は水準ながら加熱のしすぎなのかゴボウらしい食感が乏しいのが少し残念でしょうか。
これまた定番のヒジキ煮は芽ヒジキなのはいいんですが、これもやたらに醤油辛いのでご飯と一緒に口にしないと大変です。
ご飯は当日精米が売りらしく粒の立った硬めの炊き上がりは及第だが肝心の米自体の味はさほどに…と言うところでしょうかね。
しかし比べて見るとブルーカラーの多そうな水島地区のお店よりホワイトカラーの多いだろうこちらのお店の方がひどく濃い味なのは面白いですよね。

少し気になったのが昼食どきでお客はそれなりに入っているのですが店員は少ないせいか活気はない印象で、麦茶のポットが空だったり色々と手は回ってない様子が伺えます。
またこれも人手不足のせいなんでしょうが会計とご飯の盛り付けを一人二役なのは、特にこの時期ですと色々と危ないと思うのですけれどもね。

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2014年7月19日 (土)

不適切なネット利用

すでに初期の段階からネットで発見され拡散していた通り、ウクライナで発生したマレーシア航空機墜落事故は親露派の自称ドネツク人民共和国によるウクライナ軍用機と誤認してのミサイル攻撃の結果であったらしいと言うことですが、興味深いのは当事者が意気揚々と「戦果」を誇示したつぶやきが発覚の原因になったと言う点です。
同勢力が墜落現場に到着し「100パーセント間違いなくこれは民間機だ」と確認した直後から一連の書き込みはごっそり削除されたと言いますが、ウクライナ政府軍側がこれら書き込みの画面をキャッシュし報道機関に拡散したと言うことで、史上稀に見る航空機事故は思いがけない展開を迎えつつあるようですね。
先日はアメリカ側からの諜報活動に対して抗議を続けてきたドイツ政府側が、今後は盗聴対策のために古色蒼然たる機械式のタイプライターを活用する予定だと言うネタなのか本気なのか何とも微妙な記事まで出ていましたけれども、ともかく今の時代どこから情報が漏れるか判らない時代であるとは言えそうです。
国内で言えば先日以来ベネッセから大量の顧客情報が抜き取られ売られていたと言う事件が大騒ぎになっていて、当然ながら各方面から事件の総括や求められる対策と言ったものが出ている中で、個人的には割合簡単でいて流出経路同定にはそれなりに効果がありそうなこちらの機能などにもちょっと注目しているのですが、そんな中で先日見かけたこちらのちょっとショッキングなタイトルの記事を一つ紹介しておきましょう。

【参考】NHKが大相撲にモザイクをかける日(2014年7月18日日経ビジネス)

ベネッセ問題を含め個人情報管理と言うことをわりにうまくまとめた解説ですが、記事タイトルの解説にもなっている後半部分はもはや決して空想の世界の出来事とは言えない話で、特に20世紀において当たり前に開示されていた個人情報と言うものを何故隠さなければならなくなったのかと言う疑問に関して、それを検索、収集し利用する側の能力が上がったからだと言う答えは理解しやすいのではないかと思います。
この能力が上がったと言うことの一つにはもちろん犯罪行為として行われるハッカーやサイバー攻撃と言われるものがあって、何しろベネッセ事件でも明らかになった通り巨額の収益に直結するのですからかつてのような愉快犯のみならず経済犯が続々参入してくることは今後さらに増えてくるわけで、「狙われたら防げない」と言われるほど攻撃側優位が確立しているのが今のセキュリティ事情であると言えそうです。
ただそうしたプロフェッショナルのみならず素人であるはずの大衆によってとんでもない情報までもが暴き出され白日の下にさらされてしまうのが今日的な恐さで、例えばSNSで何気ないつぶやきをしたことから炎上する、そして過去にアップしたこれまた何気ない発言や写真などから住所氏名から学校名や企業名までもが暴露され実社会での社会的懲罰に結びつくと言う減少は、今や全く珍しいものではなくなりましたよね。
もちろんプロフェッショナルに狙われたら少々の事では防げないにしても、こうした無名の大衆による集団的行為はそもそもの発端としてまず炎上と言う現象が関わってくるだけに、炎上しないことが個人情報保護における一番の根本対策と言えるかと思いますが、逆に言えばネットを焚きつけることでこれだけ何でも出来ると言う時代になりますと、それをもっと積極的に利用しようと言う考え方も出てくると言うことです。

ネットで民意を操作 英の諜報機関が開発したツールとは…(2014年7月17日WIRED)

英国の諜報機関GCHQが、オンライン投票の操作、ウェブサイトのページヴューの増加、Skype通話の盗聴などを行うツールを開発していたことが明らかになった。

ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドは、英国の諜報機関である政府通信本部(GCHQ)が、オンライン投票の操作やウェブサイトのページヴューの増加、ソーシャルメディア上のデータの自動抜き取りなどを行うツールを開発していることを明らかにした。
(略)
最もひどいのは、オンラインメディアの操作だ。たとえば「Clean Sweep」は、GCHQが「個人、あるいは複数の国向けにFacebookのウォールの投稿を装う」ことができるようにつくられている。「Gateway」は、特定のウェブサイトへのトラフィックを増やすことを目的とするもの。「Slipstream」では、GCHQがページヴューを増やすことができる。「Underpass」では、GCHQが「オンライン投票の結果を変える」ことができ、「Badger」は、電子メールのスパム・システムとして、「Warpath」はSMSのスパム・システムとして機能する。「Gestator」は、YouTubeなどのプラットフォーム上のメッセージをGCHQが「増幅」することができる。

各ツールには「ステイタス(状況)」欄があり、「開発中」だったのか、それとも「発射準備完了」だったのかが記されているが、これはスノーデン氏が持ち出した2012年段階のものだ。それ以降、この一覧にはたくさんの追加があったと考えるのが合理的だろう。

GCHQがネット上の特定の動画や記事へのネット上の反応を操作しているというのは懸念すべきことだ。GCHQは、GCHQが考えるところの「平和」を生み出す記事を応援しているのかもしれない。しかし、厳密に検討されていない政治的な目的のために使われている可能性も高い。
(略)

お隣中国では政府が人海戦術でネット上の言論を監視、誘導していることは周知の事実ですし、日本においても某巨大掲示板で工作員と呼ばれるネット世論を誘導しようとした方々の正体が暴露されたことは一度や二度ではありませんけれども、最も手軽なネット世論誘導の手法として特定の立場にたったコメントを多数書き込み、さらにそれに賛同する立場の発言を繰り返すことで多数派を装うと言った手法があります。
ネットにおいては集蛾燈のようにレスポンスが多数集まるところに人が集まり、人が集まれば実際に自ら動いて何かをしてみようとする人も出てくると言うことなんですが、例えばちょっとしたキーワードを仕込んでおけば後はコンピューターが勝手にネットで煽りに煽ってくれると言うのであれば、これほど簡単なことはありませんよね。
特に最近では恐ろしいことにSNSのアカウント乗っ取りと言うことがしばしば起こっていると言われていて、これもひと頃は炎上しかねないうっかり発言をした芸能人が「あれは家族が私のアカウントで勝手に書いたんです(・ω<)」などと言い訳するのと同類のネタであるかのようにも言われていましたけれども、今やその方法論もかなり解明され現実的な脅威であることが明らかになっています。
またネット上で知り合った相手を安易に信用した結果自分のPCを乗っ取られ好き放題個人情報を抜き取られると言った事件も発生していて、これなどは無知による事件と言えば言えるものですけれども、危険なサイトに移動しただけでもウイルスやマルウェアに感染すると言われれば一体どうやってネットを利用したらいいのかと悩ましい方々も多いんじゃないかと思います。
個人レベルで行える一番の基本は何でもかんでも一台のPCやタブレットで済ませるのではなく、少なくとも仕事やネットバンキングなど情報が漏れてはいけないことに使っている機材と私的な目的に使う機材とははっきり分けると言うことからだと思っているのですが、やるなと言われても公的なデータを私的環境に持ち出して流出させてしまう事例が後を絶たないと言うのもやはり個々人の危機感不足が背景にあるのでしょうか。

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2014年7月18日 (金)

脱法ドラッグよりはマシ?

このところいわゆる脱法ドラッグと言われるものが各地ではびこっていて、個人で使用してラリっているだけならまだしも最近では服用後に運転し悲惨な人身事故を起こすと言うケースが相次いでいることから、早期の対策が求められるに至っています。
いわゆる麻薬の類と類似の構造、作用を持ちながら法規制の対象外と言うことで、世間的には合法ドラッグなどと呼ばれる一方で厚労省では違法ドラッグと公式に呼称している点がなかなか迷わしいのですが、現状では薬物そのものを取り締まることが出来ず無承認・無許可医薬品の販売としていわば別件逮捕するしかないわけですね。
当然ながらこうした状況で国としても早急に対策を求められているわけですが、現状と対策を示すこちらの記事を紹介してみましょう。

危険な「脱法ドラッグ」なぜ販売されているのか――「薬物規制」の現状と課題(2014年7月15日弁護士ドットコム)

「脱法ドラッグ」が原因とみられる交通事故が相次ぎ、あらためて、その危険性にスポットライトが当たっている。政府も7月8日に関係閣僚会議を開いて、対策に乗り出したという。
背景には、脱法ドラッグのまん延があるようだ。厚生労働省の研究班が今年2月に発表したデータによると、脱法ドラッグを使ったことがある人は、全国におよそ40万人もいると推計されている。
「脱法ドラッグ」「脱法ハーブ」といった名前からは、違法なドラッグと比べれば「まし」なのではないかという印象も受ける。しかし、国立精神・神経医療研究センターの和田清・薬物依存研究部長は、「脱法ドラッグは無限に近いほど種類があり、使用すれば何が起きるかわからない」「種類によっては、覚せい剤などの違法薬物よりも危険だ」と指摘する。
なぜこうした薬物は、「脱法ドラッグ」というあいまいな呼び名で、世に出回っているのだろうか。脱法ドラッグ問題にくわしい中村勉弁護士に聞いた。

●「脱法ドラッグ」に代わる呼び名を募集中

「脱法ドラッグは、以前から問題となっていましたが、特に2011年上半期から乱用され始めました。最近になって、池袋の暴走事件など、脱法ドラッグを吸引しての交通事故・事件が連続し、大きな社会問題となっています」
(略)
それでは、こうした危険な薬物が、どうしていまも売られているのだろうか?

「『脱法ドラッグ』への規制は、しだいに厳しくなってきてはいます。
2013年3月には、一定の物質を含んだ薬品を一括して指定する『包括指定』が行われ、現在では1300種以上の『指定薬物』が規制対象となっています。
さらに、薬事法の改正によって2014年4月1日からは、指定薬物の輸入、製造、授与、販売などに加え、それまで摘発できなかった『使用』や『所持』も摘発対象にされました。
これを受けて警察でも、指定薬物を所持していたり、使用したという事案については、原則逮捕の方針で摘発に当たっています」
中村弁護士はこのように話していた。

ただ、脱法ドラッグは、次々と新たなものが生み出されるため規制が追いつかなかったり、鑑賞用として売られているため摘発がしにくいといった難点が指摘されている。現在、厚労省や警察などでは、販売業者の取り締まりを強化する方法が議論されているようだ。効果的な取り組みに期待したい。

脱法ドラッグ:「指定薬物」スピード決定…池袋暴走受け(2014年07月15日毎日新聞)

 JR池袋駅(東京都豊島区)近くで乗用車が暴走し男女8人が死傷した事件を受け、厚生労働省は15日、逮捕された男が直前に吸っていた脱法ドラッグの成分を特例で専門家の審議など通常の手続きを省略し、「指定薬物」に緊急指定した。25日から販売や所持が禁止される。同省が薬事法に規定する特例措置を用いて緊急指定するのは初めて。事件発生から3週間でのスピード指定で、脱法ドラッグが原因とみられる事故がその後も相次ぐ状況に対し、強い姿勢を見せた形だ。【桐野耕一】

 ◇初の特例、厳格化

 田村憲久厚労相が15日の閣議後の記者会見で明らかにした。同省は指定薬物に定められる前の脱法ドラッグも中枢神経に有害な影響を与える「無承認医薬品」として取り締まる方針を固めており、田村厚労相は「有害性が以前に比べ強くなりつつある。今後も指定の特例措置を含め、あらゆる法的手段を用いて脱法ドラッグを厳しく取り締まる」と述べた。

 厚労省によると、脱法ドラッグの新たな成分を薬事法上の指定薬物に定める場合、覚醒剤や麻薬に似た幻覚作用のある有害成分を特定した上で、専門家会議で指定薬物に定めるべきかどうかを審議。会議で指定薬物にすると判断した後も30日以上の意見公募手続き(パブリックコメント)の期間を設けるため、通常は手続き全体で最大6カ月かかるという。

 池袋の事件では、男が吸引した脱法ドラッグの一種の脱法ハーブから指定薬物は検出されず、警視庁が捜査の中で幻覚作用があるとみられる二つの物質を特定。厚労省と東京都の研究所で有害性が確認された。同省は事件の社会的影響と再発防止の観点から、通常の手続きを省略して緊急に指定薬物に定める必要があると判断した。

 指定薬物にする省令は25日施行され、この物質を含む脱法ドラッグを販売したり所持したりすると懲役刑や罰金が科せられる。

 脱法ドラッグを巡っては警視庁が10日、全国の警察本部に先駆け「脱法ドラッグ総合対策推進本部」を設置。東京都と合同で都内の脱法ドラッグの販売店44店舗を立ち入り調査した。東京都は警察官だけでも独自に立ち入り調査できるよう、警視庁の要望を受け条例を改正する方針。

記事にもありますけれども、従来であればこの薬剤にはこのような成分が含まれこれこれの作用がある、それは人体に有害であるから規制すべきと言う手順を経て薬物規制が行われていた、しかしそれでは雨後の竹の子の如く新たな薬物が登場する脱法ドラッグには到底対応できないし、そもそも薬品として売っていなかった場合には取り締まり対象外であったわけです。
この辺りを実際の運用がしやすいようにどんどん改訂していっているのが現状だと言うことで、もちろん現場での取り締まりの状況を考えると必要な措置ではあるのですけれども、「指定薬物に定められる前の脱法ドラッグも中枢神経に有害な影響を与える「無承認医薬品」として取り締まる方針」などと言われると、何やら法の不遡及原則に反するのではないか?などとも感じてしまいますね。
基本的には有害物質○○が含まれていれば違法と言ったやり方が納得はしやすいのですが、医薬品の世界でまま見られるように化学式の一部だけを変えて別の物質だが同じような作用がある成分を作り出すことなど幾らでも可能な時代ですし、世界中を見渡してみればどこに思いがけない作用を示す未知の物質が転がっているか誰にも判らないだけに非常に難しい問題だと思います。
ただ現状で問題となっているのはラリったことそのものではなくその結果事故など他人に迷惑をかける行為を起こすことであり、また最近では各種疾患の管理不十分によって事故を起こした場合も責任を問われるようになっていますから、薬物その他原因の如何を問わず正常な判断力を喪失した状態で社会的トラブルを起こせば取り締まると言う方向で考えていった方が良いのかも知れません。
ともかくも脱法ドラッグと法的規制のいたちごっこは今後もそう簡単には終わらないし、市民の側にしても何が規制対象か判らず知らないうちに法を犯してしまったと言うことになる可能性が高まるのは愉快なことではありませんけれども、そんな中で一部の人々の間でこんな話さえ出ていると言います。

取り締まりもイタチごっこ……脱法ドラッグによる事故多発で、大麻解禁への動きが活発化!?- 日刊サイゾー(2014年7月15日19時00分)

 脱法ドラッグを原因とする自動車事故が全国で相次いでいる。6月、池袋で8人が死傷した事故を皮切りに、7月8日には仙台市と豊橋市で、12日には大阪府で2件、さらに同15日には新宿区で、脱法ドラッグを使用した運転者による事故が発生している。

 こうした事態を受け、厚生労働省は17日、池袋の事件で運転手の男が使用していた脱法ドラッグを、薬事法の規制薬物として緊急指定するなど、脱法ドラッグ対策を強化している。
(略)
 そんな中、大手新聞社の政治部記者は話す。

「世界的に医療大麻の解禁や、大麻取り締まりの緩和が進む中、日本でも大麻の効果と害について、超党派の国会議員や有識者を交えた意見交換はこれまでも行われてきた。もちろん、大麻解禁を積極的に目指すものではないが、『大麻をかたくなに禁止して、それより危険な脱法ドラッグがはびこるくらいなら、大麻を解禁したほうがいい』という意見も上がっており、近い将来、大麻解禁に向けた動きが、国会の場で活発化する可能性もある」

 医療大麻は、すでに世界21カ国とアメリカの23州で解禁されている。また、米ワシントン州では8日、コロラド州に続いて、成人への大麻の販売が合法化され、昨年12月には、ウルグアイで大麻の栽培から消費までが登録制で認められるなど、嗜好目的での大麻使用も解禁されつつある。

 一方、日本の大麻取締法では、単純所持でも「5年以下の懲役」という、先進国では極端に重い罰則が設けられている。大麻に関しては、「ダメ。ゼッタイ。」を見直す時期に来ているのだろうか?

脱法ドラッグが蔓延してるから大麻解禁って何じゃそりゃ?と思う人もいるかと思いますが、要するに何が起こるか判らない脱法ドラッグをこれ以上蔓延させるくらいなら、長年使用され社会的にも対処法が確立している古典的なドラッグに使用者を誘導した方が対策は立てやすいと言うことで、ちょうどアメリカなどで大麻合法化が推進されているのと同じ文脈で理解出来そうな話ですよね。
この辺りは以前にも書いたように煙草や酒などと比べて麻薬類のリスクが(種類によっては、ですが)決して高いものではないと言う考え方も根底にあって、健康被害が一定見込める嗜好品をどこまで規制すべきかは国毎にも判断が分かれているところですが、基本的にドラッグを使うような方々と言うのは気持ちよくなれるならば煙草飲みや酒飲みほどには薬の種類にはこだわらないのではないかと言う印象があります。
そして麻薬について必ずついて回る非合法取引による不透明な金銭の流れという問題も、例えば既存製薬メーカーが妥当な価格で安定供給し現状のOTC薬程度の管理を行うなら違法組織に流れる分もさして多くはないだろうと予想されますから、様々な点で違法な行為を減少させ全般として社会的リスクを軽減することが可能であると言う予測も成り立つわけですよね。

この辺りの「禁止した場合と管理下に解禁した場合のどちらが社会的リスクを軽減するか?」と言う命題は別にドラッグ類に限らず成立する話で、有名なところではかつての禁酒法が今や完全に悪法として評価が定着していると言う事例もありますし、現在進行形で議論されているところではいわゆる児童ポルノの類は規制を強化すべきなのかどうかと言うことが、表現の自由とも絡めて問題化しています。
禁止派の意見として一つには実写であれば当然誰か小児が歪んだ性愛の犠牲になると言うことがありこの点は規制反対派も許容しているのですが、コミックなど現実に誰かが被害を受けないものに対する規制が必要なのかどうかが議論が別れているところで、規制反対派の大きな論拠として北欧で児童ポルノ解禁が実際の小児性被害を増加させないと言う報告書が出されたと言う点がありますよね。
結局のところ人間の行動原理などと言うものはやってみなければ判らないと言う部分が多くて、その点でアメリカの大麻合法化の成り行きを日本の立法・司法関係者も注目しているのではないかと思うのですが、現状では大多数の日本人一般の感覚として「次から次へと現れる脱法ドラッグの取り締まりは大変だからいっそ大麻を解禁してみよう」と言う論法は、やや支持を得るに当たっての説得力が弱いのかなと言う気もします。

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2014年7月17日 (木)

そのゆるすぎる行動はどこから生まれているのか

例によって本日の本題に入る前に、職場内の人間関係と言うことと絡んだ少しばかり興味深いケースレポートが出ていましたので概略だけ紹介してみましょう。

【参考】遅刻、早退を繰り返す出産前の職員に不満噴出(2014年7月14日日経メディカル)

ごく概略を簡単に紹介しますと、とあるクリニックで1人の看護師が妊娠し体調不良のため頻回の遅刻早退を繰り返すようになった、院長も無理をしないでいいと言う態度でスルーしていたところ周囲の職員から厳しい批判の声が出てきて驚いたと言うことで、てっきりそんな仕事ぶりでは周りに迷惑がかかるじゃないかと言う声なのかと思いますよね。
ところが実際には遅刻早退を繰り返しているにも関わらず給与はそのまま満額支払われていたことが最大の理由であったと言うことなんですが、興味深いのはこうした院内不満の蓄積に対して慌てて院長が手を打った、その結果何が起こったのかと言うことです。

 このクリニックでは、それまで職員の妊娠、育児といった経験が全くありませんでした。院長は、初めての経験ということでAさんに対して腫れ物に触るような態度で接し、勤怠不良についても何も言いませんでした。事務長(奥様)は自身の出産経験から、過剰な気遣いは不要と思いつつも、院長の指示通り特に注意することなく対応していました。その間に、Aさんはわがままを聞いてもらうのが当然のことと勘違いして、好きなように振舞うようになってしまったのです。

妊婦の時短勤務も「ノーワーク・ノーペイ」の原則で
 妊産婦に対する配慮は、男女雇用機会均等法で規定されています。通院時間確保の配慮や通勤ラッシュが母体に悪影響を与えると医師が判断した場合の時差通勤、時短勤務の配慮をうたったものですが、これらには全て「ノーワーク・ノーペイ」の原則が貫かれています。

 当然のことではありますが、妊婦だからといって自分勝手な勤務を許す法律ではありません。産科医の意見があれば、その意見に従って配慮をしなければならないという規定にすぎないのです。今回、このクリニックでは、最初の対応を間違えてしまったばかりに、Aさん本人に勘違いをさせてしまっただけではなく、職場の雰囲気まで悪化させてしまいました

 このクリニックには、就業規則が整備されており、母性健康管理措置の適用が「無給」として定められていました。忙しく過ぎる日々の中、規則の確認を怠り満額支給を続けてしまったがために、面倒な事態を招いてしまったのです。

 結局、院長がAさん本人と話し合い、産科医の指導内容を文書で提出してもらうことにしました(図1)。そして、産前の休業に入るまでは産科医の指導内容に従って勤務時間を定めること、短くなった勤務時間分の給与はきちんと減額することを納得のいくように説明したのです。このような取り扱いになると決まった次の日から、Aさんは定められた時間通りに勤務するようになったそうです。

今までの体調不良を訴えての遅刻早退は何だったのかと言う話なんですが、人間という存在はつねに環境に適応しながら変わっていく生き物であって、新たな環境に置かれればまたその環境に適応するだけであると言うことを非常に端的に示しているケースであるのかなと言う気がします。
となりますと、誰かが適切でない行動を取っている場合にそれは間違っていると指摘するだけでは駄目で、そうした行動を取ることが本人にとって合目的的であるならその背景となる環境自体を正すことが根本的な対応と言うものであって、世間一般であればともかく少なくとも学生教育であるとか若年社会人教育においては「教えられる側の未熟は教える側の下手」と言うことなんだと思います。
その意味で先日今どきの学生に関するちょっと興味深い記事が二つばかり出ていたのですが、両者を比較しながら読み進んでみていただきたいと思います。

「理系学生へのレポート教育」の現状 「約7割、引用なしのコピペ・丸写し」の例も(2014年7月11日J-CASTニュース)

(略)
   理系に限らず文系も一緒だと思うが「行った事や、その結果&考察した事」をレポートにする能力を学生時代に鍛え上げる必要がある。まあどのみち、卒業論文を書かないと卒業できない。しかし、無垢な新入生に実験レポートを提出させると、縦書きの四百字詰め原稿用紙にレポートを書いてきたりする……「ん?何がおかしいの?」と思うあなた、ズバリ、文系でしょう!!文学小説を書くわけではないので、理系のレポートは横書きのレポート用紙に書くのが常識である。

「ひょっとしてこれが『デジャブ』か……」

   そこで、入学当初はレポートのフォーマットから教え始めて、徐々に内容を充実させていくように指導することとなる。実験レポートは学生の勉強という意味合いも強いので、結果や考察ばかりでなく調べたこともいろいろ書かせる必要がある。

   すると、一部の学生のレポートはその内容の70%ぐらいは引用なしで本の丸写しやネット情報のコピペとなってしまう。どこかで聞いたような話であるが、その場合は、引用する場合のルールや著作権の問題など科学レポートの常識を教え、再提出させることとなる。しかし、高学年になっても「ん?さっきも、これ読んだよな。ひょっとしてこれが『デジャブ』か……」と思わせる数通のレポートが出現することがままある。その場合は、もう一年、同じ実験を行ってもらうという事で。(プロフェッサーXYZ)

ネット世代がはまる剽窃の陥穽 同志社大学教授・三木光範(2014年7月15日産経ニュース)

(略)
 ≪学生のレポート課題で多発≫

 インターネットを使えば、世界中のデータ(実験・調査データ・音楽・画像など)や情報(提案・意見・分析結果・論文・レポートなど)が、いつでもどこでも極めて容易に入手できる。人類の財産を活用するという意味では素晴らしいことであるが、同時に、盗用はもちろん、場合によっては捏造も極めて容易になった。
 大学で、学生たちにレポート課題を出すと、学生たちはまず、その課題に関係するキーワードでインターネットを検索する。すると、世界中のあらゆる情報が瞬時に得られる。それを丸ごと、あるいは、複数のホームページを適当に、切り貼り=コピー(カット)・アンド・ペースト=すれば、レポートが完成する。真面目に作成すれば、半日以上かかるレポートが30分程度で完成する。これで教員から良い点数をもらえるなら、遊ぶ時間が増え、実に効率的な大学生活となる。
 数年前、私が担当する演習で、前年と同じ課題を出すと、前年度に優秀な評価を得たレポートの作成者氏名だけを変えて提出する学生も出てきた。前年度の学生が自分のホームページにそのレポートを掲載していたためである。このことが分かってから、私はレポートに関して盗用が見つかれば厳罰に処するとともに、毎年、課題を大きく変えることにした

 ≪背景に「費用対効果」意識≫

 研究者が執筆する論文、政治家や企業人が書く報告書、学生が作成するレポートなど、コンピューターで生み出される成果物に、盗用や流用が多くなったのはなぜか。なぜネットの陥穽(かんせい)にはまるのか。人々の倫理観が欠如してきているのか。
 私は、理由はコストパフォーマンス意識にあると思う。コストとは自分が消費する知恵、労力、金銭、そして時間である。パフォーマンスとは得られる評価や成果である。盗用、流用に関して得られるパフォーマンスが大きく、コストが低いと感じればそれらはなくならない。教員が「どんな内容のレポートでも字が書いてあり、何かしら実験データ風の図があれば満点です」と言えば、どんなレポートが出てくるのだろうか。
 私は前述の演習のレポートではページ数を4と決めているが、4ページ目が1行だけという学生が出てきたので、4ページ目も80%以上埋めること-と追加注意をすることになった。学生に限らず、多くの人はコストパフォーマンスを追い求め、倫理観とは関係なく、最低限必要なことだけを最少のコストで達成しようとしている。
(略)
 中学・高校で塾に通い詰め、試験の点数を取ることだけに価値を見いだし、その先の大学も研究所も、研究者や即戦力ある学生の促成栽培に励んだ結果、人と人が直接的に接触しなくなり、長い時間をかけての人材養成が常識でなくなり、多くの研究者や学生がインターネットを使いこなし、できるだけコストパフォーマンスの高い論文やレポートを書くようになったのは、必然的帰結である。

 では、どうすれば、盗用や流用はなくせるのか。
 一言でいえば、コストパフォーマンスが良くないと感じさせることである。そのためには、論文やレポートを受け取る側が厳密な審査を行い、盗用や流用を発見する能力を養うこと、そして、それらが発見されたときには提出者が大きなコストを支払うようにすることである。
 さらに、提出する側には、「一時しのぎの成果でその場を乗り越えても、きちんとした成果を自分で出せる能力を身につけないと、いつでも盗用、流用などで人生を乗り切る羽目に陥り、薬物依存と同様に、そのうち人生の転落が始まる」という意識を植え付ける教育を徹底することが重要だ。
 目先の楽と、先々の楽のどちらを優先するのか、これは個人にとっても組織にとっても極めて重要な判断である。インターネットの発達は、われわれの時間感覚を明らかに短くしている。その代償は長い時間が待てないという「目先人間」の増大である。(みき みつのり)

いずれも「あるある」と言いますか、小学校で初等教育を受けていた頃から誰でも当たり前に行ってきたようなことを大学生にもなってまだやっているのだなと笑えば笑える話なのですが、しかし人間であれば誰しも環境に応じて最適解を求める衝動を持つ生き物であると言うのは、特に大学生のような受験競争を勝ち抜いてきた人々においてこそ当然に身についている作法ではないかと思います。
その点で学位の論文を書くまでにきっちりと正しい論文の書き方と言うものを指導されている学生がどれくらいいるのか、見よう見まねでせいぜい書いたもののチェックを受けるだけと言う場合も多かったのではないかと思うのですけれども、同志社の教授にしてからが一切こうした正しい書き方の指導について言及せず淡々と対象療法にのみ徹していると言う点にこそ問題の根本がありそうに思います。
要するにどちらが先かという話でもあるのですが、正しい指導が行われてこなかったから正しい作法が身につかなかったのが問題なのか、それとも正しい作法が身についていない人ばかりだから正しい指導より目先の対象療法になってしまうのかで、この辺りは施設毎の学生のレベルにもよるところで一概にこれが正解とは言い切れませんが、少なくとも初期段階で一度は正しくガイダンスを行うことが今の時代流ではあるでしょうね。
その結果正しい方法論を知っていても出来ない、敢えて行わないと言う学生が出るのもこれまた仕方のないことだし、その段階になって初めて教える側としても教えたのに出来ないのは努力なり才能が足りないからだとか、教えた通りの正しいやり方を外れているから失格だとか言える資格を持てるのではないかと言う気がします。

教育の原理原則に立ち返って考えてみるとそういうタイプの指導を行うのは高校までであって、大学では知らないことは自ら調べて学ぶのが当たり前であると言う古典的立場もまた正しくはあるはずなんですが、ゆとりと揶揄され歯学部学生が分数計算や一次方程式の解き方から学ぶような時代に、そこまで求めるなら大学全入などと温いことを言わず妥当なレベルの選抜を課して自分で求めるレベルの人材は自分で確保しろです。
最近これまた興味深いデータがあって、学力ではなく学ぶ意欲を指標に選抜したはずのAO入試で入学した学生の方が学力選抜を経て入学した学生(5.9%)よりもはるかに高い比率(15.5%)で途中退学しているのだそうで、AO入試自体の妥当性や是非はこの際置くとしても大学の偉い先生方が見て行う学生の評価などさして当てにはならないものなんだなと解釈することも出来そうですよね。
それならそれで入学後に徹底的に鍛え上げてモノになるよう育てると言うのであればまだしも話は判るのですが、やっているのが「4ページ目も80%以上埋めること-と追加注意をする」では小学校の先生じゃないんだからと突っ込みを入れられるのもやむなしと言うもので、これではいつまで経っても日本の大学は学問の府ならぬレジャーランドだと言われる汚名の返上とはいかないでしょう。

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2014年7月16日 (水)

弁護士業界の中の人 いよいよ追い詰められる?

本日の本題に入る前に、以前に島根医大で研修医室に研修医自身が灯油をまいて放火すると言う前代未聞の事件がありましたが、妙なところでその続報が出ているようです。

研修医、病院に爆破予告=業務妨害容疑で再逮捕-島根県警(2014年7月14日時事ドットコム)

 島根大病院の施設に火を付けたとして逮捕された研修医が、研修先の市立病院の爆破を予告する文書を送り付け、病院の業務を妨害したとして、島根県警松江署は14日、偽計業務妨害容疑で研修医佐藤司容疑者(28)=同県出雲市塩冶町=を再逮捕した。容疑を認めているという。

 逮捕容疑は昨年7月27日、研修先の松江市立病院と同市役所に対し、「7月29日から30日にかけて病院を爆破する」と書いた文書を郵送し、患者の避難をさせるなど病院の業務を妨害した疑い。

しかしこういう事件を繰り返す点からするとよほどに追い込まれやすい人物なのか?とも思うし、昨今研修医など超売り手市場でもの凄く立場が強化されているイメージがあるだけに違和感も感じるのですが、卒業年数からすると初期研修医として働いていたようなのに、初期研修の最中に市立病院から大学病院に代わっているのも何か事情があったのですかね。
ともかくも近ごろでは世の中のあちこちで追い込まれてしまう人が目立っている印象で、しかも本来であれば社会的にそれなりの地位にも就いていたはずの方々でさえ大変な状況と言うのが社会階層固定化回避と言う点で評価すべきなのかどうか、何にしろ昔のように学校を出て就職すればその時点で人生行路ほぼ確定と言う時代ではないことは間違いないようです。
中でも昨今あまりに急速な人員増加に伴って人余りが顕著となり、定員すら充足出来なくなった各地の法科大学院が絶讚廃止中と言う弁護士業界などもかつては文系トップエリートと言われた地位から凋落著しいのだそうですが、その結果こうまで追い込まれてしまった人がいると言うのは時代の流れを感じますよね。

多重債務者の斡旋受ける 弁護士ら在宅起訴へ(2014年7月8日産経ニュース)

 弁護士資格のないNPO法人の元代表(49)から多重債務者の斡旋(あっせん)を受けたとして、東京地検特捜部が弁護士法違反の疑いで、弁護士数人と元代表から事情聴取していたことが8日、関係者への取材で分かった。近く同法違反(非弁提携など)の罪で弁護士と元代表を在宅起訴するとみられる。
 弁護士法では、債務整理業は弁護士しか行えないと規定しており、報酬を得て債務者を紹介したり、紹介を受けたりする行為を禁じている

 関係者によると、特捜部の事情聴取を受けたのは東京都内の40~80代の男性弁護士で、少なくとも3人。平成21~25年にかけて、多重債務者の救済を掲げるNPO法人「ライフエイド」(東京都台東区、解散)の元代表から債務者の紹介を繰り返し受けていた疑いがある。
 弁護士は、債務者が消費者金融に払い過ぎた利息(過払い金)の返還請求などを行っていた。弁護士事務所では元代表が派遣した事務員が経理を担当。元代表に収益の一部を送った上で、弁護士には月50万~100万円の報酬を支払っていたという。
 元代表は、過払い金請求業務で得た報酬を申告せずに約1億5千万円を脱税したとして所得税法違反罪で、2月に東京国税局に告発された。

「報酬50万円に飛びついた」 多重債務者斡旋、浮かびあがる弁護士の困窮(2014年7月9日産経ニュース)

 東京都内の弁護士数人が、弁護士資格のないNPO法人元代表の紹介を受けて債務整理を行い、報酬の一部をNPO側が受け取っていた問題。“正義の味方”であるはずの弁護士が、なぜ違法な商売に手を貸したのか。弁護士への取材から浮かんだのは「経済的困窮」から違法行為に手を貸す様子だった。

■赤字で「飛びついた」

 「仕事が減って困っていた。月50万円という言葉に飛びついてしまった」
 平成22年から約2年間、元代表と提携していた50代の男性弁護士は、産経新聞の取材にこう振り返った。「近年は弁護士が増えて仕事が取れなくなった。事務所は赤字状態が続いていた」とも打ち明けた。
 当初、先輩弁護士から「債務整理の仕事をしないか」と誘われた。週3、4件のペースで払い過ぎた利息(過払い金)の返還交渉などを手がけ、多重債務者から手数料などで月300万円を得たこともあったが、実際には事務員が大半を元代表へ送金していたという。この弁護士は「実務は自分でやっていたので違法性はないと思っていた」と訴えた。
 別の40代男性弁護士には「月100万円の報酬」が提示された。当時、弁護士は仕事があまり得られない状況だったという。「事務員に経理を任せていた。帳簿上、すべて自分の報酬になるのかと思っていた」と釈明する。

懲戒弁護士もターゲット

 23年3月まで元代表と提携していた70代男性弁護士は「経理をNPO側に任せるのは危険だと思った」と振り返る。同僚弁護士の業務を引き継いだが、元代表との提携が違法だと気付き約1年で提携を打ち切った。「飛びついて抜け出せなくなる弁護士も多いのではないか」と振り返る。
 元代表は20年以降、少なくとも7人の弁護士と提携。多くは仕事量が減ったり、懲戒処分を受けたりして経済的に困窮していたという。「そうした弁護士に定期的な報酬を確約することで人員を確保し、債権回収をビジネスとして成立させていた」(検察幹部)。

 日弁連の調査(22年)によると、平均的な弁護士の年間所得(中央値)は12年の1300万円から10年間で959万円にダウン「10年前に比べて弁護士間の競争は厳しくなったか」との質問には4割以上が「そう思う」と回答した。
 別の検察幹部は「弁護士数の急増もあるのかもしれないが、弁護士には高いモラルが求められる。困窮しているといって、法に抵触した行為をするのは言語道断だ」と話している。

「クモの糸つかむ思い」仕事に困窮の弁護士(2014年7月10日産経ニュース)

 資格がないNPO法人元代表から債務整理の紹介を受けたとして、弁護士3人が9日東京地検に起訴された。いずれも懲戒処分や高齢が原因で仕事に困っていた弁護士ばかり。宮本孝一被告(46)は取材に「生活に困窮し、クモの糸をつかむ思いだった」と打ち明けた。

 宮本被告によると、平成21年に元NPO代表の小林哲也被告(49)と知り合った。複数回、懲戒処分を受け、借金は膨らみ、当時勤めていた事務所を辞めようとしたころ、「債務整理を手伝ってくれる人がいる」と、知人から紹介されたという。
 小林被告が連れてきた事務員らと一緒に、都内に新たな事務所を開設。新聞折り込みチラシやインターネットを駆使して多重債務者をかき集め、実際の債務整理は弁護士や事務員がこなした。日弁連の非弁提携問題の担当者は「競争激化で、仕事がない弁護士が提携に走る傾向がある。業界全体の問題として、倫理研修を徹底したい」と話している。

まあしかし他人のお金を一手に預かる銀行員などがそうそう食うに困らないほど高い収入を得ているのは何故なのかと言うことを改めて考えさせる事件ではあったのでしょうかね。
食っていく収入の道に困っている、そして今さら他の仕事にも転職できない専門馬鹿(失礼)に対して「金に困ろうが倫理は守れ」と言っても倫理で飯が食えるのかと言う話で、特にこれからは弁護士余りがますます加速して行きかねない時代なのですから、個々人のモラルに依存した努力目標にいつまでも頼っていても仕方がないのかなと言う気がします。
弁護士業界の場合は日弁連のような法律によって強制加入の業界団体があるので、何かあればそちらから処分を下すことが出来ると言う抑制力が働いていますけれども、世の中専門的な資格を持つことで行うことの出来る限りなくグレーな仕事と言うのは決して少なくないわけで、食い詰めてそれらに手を出そうかと考えている弁護士からすれば「偉そうなことを言うなら仕事をくれ」と言う気持ちなのかも知れませんね。

この辺りは弁護士業界内部で仕事の割り振りがどのように行われているのか存じ上げないのですが、医師の世界ですとかつては日々バイトに終われていた研修医が新臨床研修制度導入以後は最低賃金保証の上でバイト禁止になったのも研修に専念出来るだけの収入を保障するのと同時に、研修医時代から金払いのいいバイト先ばかりを飛び回って金儲けに走るのを抑制すると言う目的もあったわけです。
また医局制度が未だ力を持っていた頃は臨床能力上いささか問題ありと思われる人材は大学医局で飼い殺しにしておくとか、看取りだけの老健なりに派遣して世間様の迷惑にならないようにと言った配慮が行われていたものですが、法的に裏付けられていると言う点で医局や医師会などよりずっと権限を振るえるだろう日弁連の方がもっと主体的になって動いていてもよさそうに思いますね。
一国民の立場として考えると食うにも困っている弁護士に金目当ての仕事をされると言うのも怖いのが正直なところですが、もっとも人権侵害などに酷く鈍感で、むしろ自ら進んで奴隷労働に身を堕とすことを何とも思わないどころかマゾ的喜びすら覚えかねない医者と言う人種と違って、法律に詳しい弁護士の先生方であれば強制的な権力によってどうこうされると言うこと自体がひどくセンシティブな問題となってしまうのかも知れません。

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2014年7月15日 (火)

広範囲に広がっている「禁忌」使用法の実態

かつて覚醒剤等の麻薬中毒が社会問題化した時代には白い粉などと言う粋な?言い回しがありましたけれども、最近の医療業界ではあの白い薬が大きな話題を呼んでいるそうです。

鎮静剤、集中治療室の2割が禁忌の子どもに投与 実態調査(2014年7月14日日本経済新聞)

 東京女子医大病院で2歳男児が死亡した医療事故を受け、日本集中治療医学会が実施した鎮静剤プロポフォールの使用実態調査で、人工呼吸器を付けた子どもに同剤を使用している集中治療室(ICU)が約2割を占め、小児専門施設に限ると4割近くに上ることが13日、分かった。人工呼吸器を付けた子どもへの投与は「禁忌」とされているが、医療現場で順守されていない実情が浮かんだ。

 106施設が回答。子どもへの使用で、循環不全などが起きるプロポフォール注入症候群と呼ばれる重い副作用(疑い例を含む)を経験した施設も3カ所あった

 添付文書の禁忌事項は投与を避けるべきケースを明示しているが、法的な拘束力はなく、患者の症状などに応じて医師の裁量で使用することはあるという。調査結果を重くみた同学会は日本麻酔科学会などと連携し、プロポフォールの禁忌使用にどの程度の医学的妥当性があるか検討する研究班をつくる。

 調査は4~5月に実施。日本集中治療医学会が専門医研修施設として認定しているICUと、小児専門のPICU計307施設にプロポフォールの使用状況を尋ね、106施設から回答を得た。

 禁忌の子どもに使用しているとしたのは20施設(19%)。PICUに限定すると、回答した19施設のうち7施設(37%)が使用していた。

 20施設のうち13施設は、投与する子どもの数について「年間5例以下」と答えた。親権者から同意書を取得しているのは3施設だけだった。子どもの年齢や体重で使用基準を決めているのは4施設、投与量の上限を定めているのは5施設だった。

 東京女子医大病院では2月、手術後にプロポフォールを投与された男児が死亡する医療事故が起きた。昨年までの5年間に禁忌の子ども63人に投与していたことも判明、厚生労働省が立ち入り検査して実態を調べている。

このプロポフォールと言う薬、とにかく薬を使い始めた途端にすぐ効く上に薬をやめれば即座に目が覚めると言うくらいに切れ味の良い薬で、手術のみならず検査などでもよく使われる薬ですから愛用している先生方も少なからずいるのではないかと思いますけれども、近年ではかのマイケルジャクソンの死亡の一因ともなったとも言われたことで思いがけず有名になった薬でもあります。
記事中にもありますが添付文書によると胎児に移行することから妊婦への使用は禁忌、小児に対しても麻酔導入など短時間はいいとして人工呼吸中の鎮静に関しては禁忌となっていて、まあしかし手術中に使っていたものを術後にわざわざ切り替えると言うのも大変な話で、実際に少なからぬ施設で今回の女子医大の事件のように手術場からICUに移ってもそのまま使用が続いていると言うことなのだと思います。
実際には麻酔の際には最も頻用される有用な薬で使用に伴う利益も大きいと思われるものですが、ともかくも添付文書上にはっきりと禁忌と書かれている以上は使うべきではないと言う考えの先生も少なくないようで、この辺りは現場の医師達の間でも非常に意見が分かれていると言うのが現状のようです。

「プロポフォールは小児に禁忌」報道で麻酔科医に困惑広がる(2014年7月14日日経メディカル)

(略)
 一連の報道の影響は、当の東京女子医大のみならず、日常診療でプロポフォールを使用している麻酔科医にも及んでいる。「プロポフォールは、小児にも成人にも、麻酔のファーストラインとして使用されている」と、ある麻酔科医は話す。にもかかわらず、同薬が「小児の禁忌薬」と報じられたことで、「うちの子の麻酔にプロポフォールを使わないで」などと言い出す患者家族が出てくるのではないかという懸念が広がっているのだ。

人工呼吸下の小児には禁忌

 実際にプロポフォールの添付文書で禁忌とされているのは、「小児の集中治療における人工呼吸中の鎮静」これとは別に、日本麻酔科学会のガイドラインでは、禁忌として「小児への長期大量投与」を挙げている。プロポフォールを小児に使用することが全面的に禁忌となっているわけではない

 超短時間作用型の静脈麻酔薬であるプロポフォールは、その使い勝手の良さから、小児の人工呼吸下以外の鎮静に広く使用されている。麻酔科医が不足している昨今、集中治療医、救急医、小児科医が鎮静を行うのは一般的。これらの医師は、使い慣れたプロポフォールを用いるケースが多いという。
(略)
 一方で、本来は禁忌である人工呼吸中の小児の鎮静にもプロポフォールを使用している医療機関は他にも存在するとの指摘もある。ある小児麻酔科医は、「人工呼吸器を着けた小児の鎮静にも、プロポフォールを使用している施設は少なくない」と証言する。この医師によると、「やむを得ず使用する場合は、長期投与にならないように総投与量を管理したり、乳酸アシドーシスに十分に注意するなど、厳密な管理下で投与している」という。いずれにしても禁忌例に対してプロポフォールがどのように使用されているのか、その実態は明らかではない

学会は使用実態を調査中

 今回の東京女子医大の事件を受け、関係学会の対応は早かった。

 日本麻酔科学会は4月下旬、会員に対し、「プロポフォール小児の鎮静使用に関する注意」を通知。同学会の「麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン」を遵守するよう改めて求めた。高用量プロポフォールを鎮静で長時間投与すると乳酸アシドーシスが発症し、治療抵抗性の徐脈の発現と不全収縮に至る症例(プロポフォール症候群:PRIS)が誘因されるという報告を提示。適応のある全身麻酔での使用においても、他の薬剤と併用するなどしてプロポフォールの総投与量を減らし、小児への長期大量投与を避けるよう、注意を喚起している。

 また、日本集中治療医学会では、学会員を対象に、小児でのプロポフォール使用の実態を調査中という。関係学会が実態を踏まえた安全対策を示すことを期待したい。

【鎮静剤プロポフォール】 投与の医師「正しい選択」 賛否割れ、女子医大批判も(2014年6月20日47ニュース)

 共同通信のアンケートに、鎮静剤プロポフォールを禁止対象の子どもに使用することがあるとした病院の医師は「患者へのメリットは大きく、正しい選択だ」とした。多くの病院は「禁忌である以上、避けるべきだ」などとして一切使わないと回答。東京女子医大病院で投与を受けた2歳男児が死亡した医療事故については「命を預かる医師として自覚が足りない」と批判も出た。

 「他の鎮静薬の場合、投与を中止すると一時的に意識が混濁し、暴れるなどして自分でチューブを抜いてしまう危険性がある」。子どもが回復し、人工呼吸器を外す予定の日にプロポフォールを使うことがあるとした西日本の病院の医師はこう答えた。「プロポフォールを使えば、こうした危険を回避できる」と利点を強調する。

 アンケートでは、一部の病院で家族への説明がなされていない状況も明らかになった。

 プロポフォールを使用する際に「家族に説明しない」とした大学病院の医師は取材に対し、禁忌薬や慎重投与の薬はたくさんあるとし「いちいち説明するときりがない。説明された方も困るだろう。家族に責任を転嫁している感じもする」と語る。

 同様に使用経験がある別の病院の医師も「禁忌だと言って家族の不安をあおるより『責任を持って慎重に行います』と言う方がいい」と話した。

 一切使わないとした病院からも、さまざまな意見が寄せられた。

 ある医師は「手術の麻酔では一般的に使われている。作用時間が短いので、子どもにも良い鎮静剤となり得る」と指摘。集中治療室(ICU)では厳密な管理が可能として「使用を認めるべきだ」と主張した。

 「使いやすい薬であることは確かだが、禁忌なので避けるべきだ。やむを得ず使用するなら(家族らに)理由を説明して同意を得る必要がある」「『禁忌薬の使用イコール悪』というのは言い過ぎだ」などの声も。

 循環不全などが起きる重い副作用のプロポフォール注入症候群に関し「知らない医師は知らない。(東京女子医大に限らず)どの施設でも医療事故は起こり得る」と懸念する声もあった。

素人目に興味深いのは死者が出るような重い副作用があり使用禁忌になっているにも関わらず、当事者である医師達が妙に危機感がない反応を示しているように見えると言う点だと思いますが、もともと小児においては麻酔・鎮静という行為自体が相応の危険性を伴うものであって、その全体のリスクの大きさに対してプロポフォール注入症候群の発症リスク自体は非常に稀で小さなものであると言う考えがあるのかも知れません。
興味深い点としてこれだけ有用な薬なのですから海外でも小児に対して許可外の使用をされているのですが、ドイツにおいてはICUでのプロポフォール使用に対して使用量や使用時間などきちんと自主的な上限を設定して管理している、それであっても7例の発症が報告されていると言うのを期待されているメリットに対して多いと見るべきか、少ないと見るべきかです。
ただ今回の女子医大の場合は報道によれば明らかに多すぎる量が用いられていたと言うことですから、少なくとも日本においてもこうした副作用があることへの対策として使用量等の施設基準があってもいいはずですし、また今回の事件をきっかけにして多くの医師達が合併症リスクに目を向けることで結果として使用の状況も変わってくることがあるのかも知れません。

純医学的な部分に関してはともかくとして、やはり今回の女子医大の一件で世間の不信感を募らせたのは事件後に遺族を巻き込んだ妙なごたごたが多発したことで、結局は経営者側に楯突いた形の学長が解任されるなど事故そのものが内紛に利用されたかのような印象を与えたのは非常にまずかったと言う印象で、プロポフォールと言う薬剤自体への悪印象がこんなことで広まったのでは麻酔科医もやっていられませんよね。
また報道関係者のみならず医療関係者も含めて未だに「これは異状死だったのだから警察に届け出ないとはとんでもないことだ」式の批判が少なからず出てきたことも注目されますが、先日も取り上げましたように医師法21条に基づく届け出義務と言うものは見た目的に明らかな異常があるかどうかと言う外表異状説に基づくと言うことが確定しているわけで、むしろこの点は誤解であることがもっと報道・告知されるべきだったと思います。
そして今回のように添付文書上禁忌とされている使用法は司法の場においてどう判断されるのかと言う点ですが、一般論として添付文書に禁忌と明示された使用法を敢えて行った場合にはその時点で注意義務違反に問われることが十分に予想されますし、仮に反論を行うにしても禁忌と書かれるに至っただけの大きなリスクを上回るだけの合理的理由があると示さない限りは難しいでしょうね。
その点で日常診療においても禁忌と書かれている使用法が結構普通にに行われていると言う奇妙な現象が以前から指摘されているのですが、JBM的な考え方が今ほど発達していなかった時代に「危ないからとりあえず禁忌と記載しておこう」式に書かれた文書がそのまま残っているのだとすれば、薬剤全般に関してリスク評価をもう一度行うなりして統一的な基準で文書記載を行わないと、現場はいずれ何も出来なくなってしまいますよね。

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2014年7月14日 (月)

あちらこちらからクレームが殺到する時代

昨今では何であれクレームが舞い込まないものはないと言ってもいいくらいで、特にCMのようにイメージアップを狙う意図のあるものではそもそもクレームをつけられると言うこと自体が失敗だと言う考え方もあるのでしょうけれども、そうは言っても箸にも棒にもかからない無難なものばかりでは誰の印象にも残りませんし、また昨今では逆にクレームをつけられることを狙っているんじゃないか?と言われる広報戦略すらあるようです。
別段大騒ぎするようなものでもないと思われていたものがクレームによって打ち切られた、しかもどうやらクレームをつけたのがごく一部の人間に過ぎなかったとなればネット上では「何故打ち切るんだ?!」と論争に発展することがしばしばありますが、特にそれが一般的にはむしろ優良なものであると認識されていた場合には騒ぎが大きくなる傾向にあるのも当然と言えば当然でしょうか。

テレビCM:リアルな就活 批判受け東京ガス放映打ち切り(2014年7月4日毎日新聞)

 就職活動中の女子学生の厳しい日々を題材にした東京ガスのテレビCM「家族の絆・母からのエール」編が、今年2月1日の放送開始から1カ月足らずで打ち切りになったことが話題となっている。当時、就活生やその母親とみられる人から「リアルにできていて心が痛む」などのクレームが寄せられ、そうした声などに配慮したためという。最近になってツイッターなどでこの打ち切られたCMが話題となり、「感動的。見て泣いてしまった」など、打ち切りに疑問を呈する声も上がっている。

 CMは、就活中の女子学生が主人公。志望企業から何十通もの「お祈りメール」(不採用通知、末尾に他社への就職活動の成功を祈念する文が付くことからこう呼ばれる)をもらった末に、ようやく最終面接までこぎ着けた企業からも「お祈りメール」が届く。近所の公園のブランコにぼんやり座っていて、母親に背を押されて号泣。母の作った鍋焼きうどんを食べ、翌朝、スマホに「まだまだ」と打ち込んで再び就活に飛び込んでいくシーンで終わる。

 同社によると、CMの放送期間中、「心が痛む」など批判の電話が数件寄せられたという。このCMの前に流していた「家族の絆・ばあちゃんの料理」編が広告賞の最優秀賞に内定したこともあり、総合的な判断から「母からのエール」編を2月22日で打ち切り、「ばあちゃんの料理」編に切り替えたという。クレームの件数は多くはなかったものの、2月は就職活動が本格化している時期でもあり、就活生の心情に配慮したとみられる。

 このCMをめぐっては、「最後の凜(りん)とした女性の表情、すごくいいなと思う」「(自分が就活をしていた)1年前に見たら嫌な思いしただろうなぁ」などと賛否両論の意見があった。東京ガスには「素晴らしいCMで感動した。なぜ放送を中止したのか」などと尋ねる電話もあったという。【尾村洋介/デジタル報道センター】

このCMに関してはひとまずオリジナルの映像の方を御覧いただきたいと思いますけれども、確かに重い内容ではあるのですが昨今の軽薄短小な時代に珍しく丁寧に作られた内容であるとは言えそうですし、逆にそれだけ作り込まれているからこそ一部の方々にとってはクリティカルヒットになってしまったのかなとも思います。
ちなみにこの東京ガスの一連のCMシリーズに関しては他にもなかなかにユニークかつ妙に心に響くものが多いと一部で評判ではあるようで、まあガス会社のCMとしてこうした作風が妥当なのかどうかはともかくとして、CMとして第一に重要な視聴者の注目を集めるという点に関してはそれなりに仕事はしているなと言う評価になるのでしょうか。
いずれにしても企業側としてはこれだけ話題になったのだからCMとしての役割は十分果たして元を取ったとも言えるのでしょうし、今も動画としては残っていることから見たい人にはいつでも見られると言う点で比較的誰にとっても損がなかったと言う終わり方だと言えますが、これが現物が残っていて活動していて初めて意味があると言った類のものであれば話は別ですよね。
そう言った意味で今日日「ゆるキャラなのに全然ゆるくない」と言ったことは別段珍しいことでもありませんけれども、ゆるくなかった結果ここまでの騒動に発展したと言うケースは少ないんじゃないかと言う騒動が勃発したようで、見たくないと言う一部の意見に対してどこまで配慮すべきなのかと言うことを考えさせる例題として取り上げてみようかと思います。

鳥取城:飢餓キャラ「かつ江さん」 市民の批判で公開中止(2014年7月9日毎日新聞)

 鳥取城跡のマスコットキャラクター「かつ江(渇え)さん」が、その見た目や名前から波紋を広げている。羽柴(豊臣)秀吉による鳥取城の兵糧攻め「鳥取の渇え殺し」(1581年)に巻き込まれた民衆をイメージし、右手にカエルを持つ女性のイラストで、7日午後に市のホームページ(HP)で公開を始めると9日朝までに6万3000件以上のアクセスがあった。市民から「不快だ」などと批判の声も寄せられ、市教委は同日公開を中止した。

 かつ江さんは、鳥取市教委の公募に市内の男性が応募し次点の優秀賞に選ばれた作品。7日からHPで画像を公開して2次利用も認めたところ、アクセスが急増。一方で「行政が飢餓をちゃかしている」「同じ名前の人もいて不快だ」などの声も。市教委は「飢餓を揶揄(やゆ)しているわけではなく、兵糧攻めを考える上でふさわしいと思い採用した」と説明。今後、イラストはそのままで名前だけを変え公開し直すという。

 また市教委はかつ江さんの名前付きのイラストを使い、鳥取城跡を紹介したパンフレットを既に3000部作製しているが、「このままでは配布できないので対応を考える」としている。【川瀬慎一朗】

かつ江さん:批判受け鳥取市HPでの非公開決める(2014年7月10日毎日新聞)

 鳥取市教委は10日、市民から「不快」と批判が出ていた鳥取城跡のマスコットキャラクター「かつ江(渇え)さん」について、市のホームページ(HP)上での公開は今後一切しないことを決めた。9日には「名前を変えて再公開する」としていたが、反響の大きさを受けて変更した。一般に向けてキャラクターの名称や画像の2次使用の自粛を要請する。ただ、HP以外での活用は検討を続け、「キャラクターをなくすことは考えていない」としている。

 10日記者会見した市教委は非公開にする理由として、批判の声が大きかったことや、公開の意図を逸脱して話題が独り歩きすることなどを挙げた。市教委には10日午後6時までに約40通のメールや電話が寄せられ、「市のイメージがダウンする」「市民として恥ずかしい」などの批判の一方、「渇え殺しを知ることができた」などの声もあったという。

 一方、今回の決定について、キャラクターの選考委員だった市民団体副会長の男性(63)は「歴史を学ぶきっかけになるのに、数日間に寄せられた意見だけで中止するのはいかがなものか」と話した。【川瀬慎一朗】


かつ江さん:「公表の仕方や管理ずさん」作成者が不満訴え(2014年7月11日毎日新聞)

 鳥取市教委が公募で選定した鳥取城跡のマスコットキャラクター「かつ江(渇え)さん」が市民らから「不快」などと批判を受け、ホームページ(HP)での公開を4日間で終了した問題で、キャラクターを作成した同市内の男性(40)が11日、毎日新聞の取材に応じ「作品の公表の仕方や管理をしっかりしてほしかった」と不満を述べた。

 作成した男性は、インパクトを持たせるため、色鉛筆を使って荒々しい絵柄にし、名前も、鳥取城であった籠城(ろうじょう)戦「鳥取の渇(かつ)え殺し」を広く知ってもらおうと名付けた、という。男性は市教委の対応について、HPからダウンロードして自由に使えるようにした点を問題視。「ネット上での作品管理がずさんすぎた」と述べ、「もっと市民に説明を尽くしてほしかった」と訴えた。

 一方、市教委への批判や抗議の電話は11日も続いた。キャラクターと同じ名前の中学生の娘をもつ母親は「娘がテレビ報道を見て『自殺する』と言っている」と泣きながら訴えたという。

 平井伸治知事も「不快感を与えた点は反省してほしい」としつつ、「市の認知度を高めることに成功した面もある」と述べた。キャラクターについては「教材(に使う)などでインパクトを持って伝わるのでは」と理解も示した。【川瀬慎一朗】

その映像的インパクトの方は元記事の方を参照いただくとして、ここで留意いただきたいのはシンプルに画像的に不快であると言うこともさることながら、歴史的に悲惨な籠城戦の一つとして知られている鳥取城攻略戦と言う微妙なテーマを扱っていることも批判の対象になっていると言うことですが、そもそも地域の歴史的に取り上げるべきテーマでもあると言う点ではインパクトあるキャラクターであることは相応に意味があるわけです。
ただその使い方としてやはり悲劇的な歴史を象徴するものとして慎重に使うべきものであるとすれば、作者が方向性を選ばず自由に使用できる状況に置いたことを批判していると言うのも理解出来ることで、せっかくインパクトあるキャラに仕上がっているのですからもう少し利用法を考えていけばよかったのに変な方向で知名度が高まってもったいなかったでしょうか。
ただ一般論として何事にも不快だと感じる人はいるもので、特に名前が同じだから不快だと言うのはいささかクレームの付け方としてどうなのかですし、こうした偶然の一致で子供がダメージを受けることを懸念するよりも、いちいちそうしたことを気に病む必要はないのだと言うことを教え諭す契機とした方が、後々社会に出てからも役に立つのではないかと言う気がします。
市としてはせっかくキャラクターとしての知名度が高まったのですから、今後は城の歴史紹介等真っ当な用途に積極的に活用していけば知名度も生かせると言うものですし、忌むべき存在だとして封印してしまうよりも同じ名前を持つ全国数多の子供達にずっとポジティブなメッセージを送ることになるんじゃないかと思いますね。

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2014年7月13日 (日)

今日のぐり:「讃岐うどん なか浦」

先日の一件でにわかに全国区どころか全世界的知名度を誇ることになったあのお方に、意外な方面から暖かい手が差し延べられていると話題のようです。

“号泣県議”のブログに「超大物が応援コメント」の怪(2014年7月9日東スポ)

 世界中が注目する号泣県議こと兵庫県議会の野々村竜太郎議員(47=無所属)が久しぶりに各会派の代表者会議に参加するために姿を見せたが、議会事務局の“手助け”により、マスコミの追及から逃れた。その野々村氏のブログは応援コメントばかり。超がつくほどの“大物”のコメントが付く、その裏とは。

 野々村氏は7日に約1か月ぶりにブログを更新した。タイトルは「取材自粛申し入れについて」。その内容は「議員活動は勿論日常生活にも支障が生じ、人権侵害や居住権侵害等不法行為に当たるような電話、自宅やその周辺まで押しかけての取材等私に対する一切の活動を自粛するよう強く申し入れます」というもの。不自然な政務活動費の説明や謝罪でもなく、自身への取材を自粛するようにマスコミに要請する記述だった。
 まさに自己保身の塊のような内容で県民の一人は「謝る気が全く感じられない」と激怒し、炎上すること間違いなしと思われたが、コメントはなぜか応援ばかりだった。

 応援コメントを寄せるメンバーがすごいことになっている。“偽ベートーベン”の佐村河内守氏(50)や、STAP細胞の理化学研究所・小保方晴子氏(30)、遠隔操作メールの片山祐輔被告(32)、歌手のASKA被告(56)、セクハラヤジ被害の塩村文夏都議(36)と上半期の話題の中心となった人々が「野々村さん、お互い頑張りましょう」などとコメントを残しているのだ。
 さらに驚きなのはサッカーW杯ブラジル大会でブラジル代表FWネイマール(22)を骨折させ、犯罪組織から命を狙われているとされるコロンビア代表DFスニガ(28)から「先生、頑張ってください。私も頑張ります。コロンビアより」と激励コメントも届いていた。他にも野々村氏の高校の後輩の橋下徹大阪市長(45)や猪瀬直樹前都知事(67)や、ウルグアイのかみつきFWスアレス(27)からも応援が寄せられていた。その状況は通常とは違った形の炎上騒ぎになっている。

 野々村氏に対してはテレビやラジオでお笑いタレントの明石家さんま(59)が「オレよりおもろい」とベタ褒めしたり、歌手の和田アキ子(64)が「大好き」と語っている。しかし、もちろんブログコメントに登場する全員がニセモノなのは言うまでもない。では、なぜこのような事態になったのか。それは野々村氏のブログの設定にあった。
 ネット事情通は「おそらく野々村氏はコメントを承認制にしており、批判的なコメントを全てブロックした。今回の騒動でも『クズ』『金返せ』などを完全に拒否されたことが分かり、それを面白がったネット世界の人たちが『どこまでいけるか』を競い合った結果、褒めるコメントを装ったイタズラばっかりになった」と指摘する。
 褒めるコメントの中には野々村氏をイジっている掲示板へのリンクを貼り付けているものもあった。「中には本当に擁護する気持ちで書いた人もいるかもしれないが、コラ画像や、おちょくったイラストも作られるなど野々村氏は完全にネットのおもちゃになっている」(同事情通)。今後もネットで注目を浴び続けるのは間違いない。

ともかくも知名度と言う点においては全国でもトップクラスの地方議員になったと思われますが、さてそれが次の選挙にどのように作用するかは何とも微妙ですよね。
今日は何かと多忙であろう野々村氏に生暖かくエールを送る意味で、世界中から様々なつながり、絆と言うものを示す斜め上なニュースを紹介してみましょう。

なかよしの付録にウソ発見器!? 人に見られたくない日記を隠すためのDVD風ボックスも(2014年7月4日なかよし)

 少女漫画誌「なかよし」8月号(7月3日発売)に「ウソ発見器」が付録として付いているという情報が……な、なんだってー! 確認してみましょう。
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 今回の付録「ウソ発見器つき ヒミツの交換日記セット」は、DVDケースのようなボックスとその中にしまえる交換日記、キラキラシールなどのセット。見た目がDVDケースそっくりなので人に見られたくない日記を隠すことができるというわけです。秘密の1つや2つくらい出てくるお年頃なんでしょうか!

 そして気になる「ウソ発見器」ですが、もちろん何か大掛かりな機械が入っているというわけではなくて、体温によってハートマークが出現する「お遊びウソ発見器シール」でした。なーんだ、びっくりした!

 同誌編集部によると、ウソ発見器は夏休みの自由工作教材として子どもたちに人気があり、読者のリクエストにこたえて企画したそうです。友だちとトランプやボードゲームなどで遊ぶときにこのシールがあれば盛り上がるかも……!?

いやしかしなんと言うのでしょう、表向きなかよしな関係で嘘発見器だの秘密の交換日記だのと言われるといろいろと意味深過ぎる気がしないでもないのですが、最近の子供も大変なんですかね…
いわゆる一つの親バレと言う事件はいつの時代もそれなりに大変なものですけれども、こちらも相当にきついと言うか痛いと言うか…な親バレの顛末が報じられています。

親に成人向けロリ雑誌「LO」が見つかる事案が発生 父親「妹には手を出すなよ」(2014年6月26日トゥキャッチ)

 誰しも親に発見されたくないモノを持っているはず。しかし、とあるTwitterユーザーが父親に”あるもの”を発見されてしまったようで、そのようすが話題になっている。

 ”あるもの”とは、茜新社から発売されている「ロリ」をテーマにした成人向け雑誌「COMIC LO」。父親にから、上記のようなメッセージが来たようだ。
 さらに妹からは、上記のようなメッセージが…。これはつらい…。

 投稿者は開きなおって(?)、「ムカつくからこれからLO毎月買うわ」と投稿している。
 あなたにも似たような経験はある?

どのようなメッセージが来たかは元記事を参照いただきたいと思いますが、むしろこの顛末を公開したことも含めて投稿者氏の勇者ぶりを称讚すべきなのでしょうか。
長年暮らした夫婦の絆と言うものもこれまた尊いものですが、それもまた時と場合によりけりではないか?と言うささやかな疑問を感じずにはいられないのがこちらの記事です。

【海外:アメリカ】はい、チーズ!横転した車の中にいる妻と笑顔で記念撮影(2014年6月30日日刊テラフォー)

完全に横転した車の中に、妻がいる!
一刻を争う深刻な状況だが、夫は愛する妻を救出する前に、車の横に立って記念撮影をした。車の中にいる妻もバッチリ写ったベストショットだ!!

先週の金曜日、ロサンゼルスの自宅にいたベンジャミン・ネウフェルドさんは、外で騒ぎが起きているのを聞きつけた。
「一体、何事だろう?」
外に目をやったベンジャミンさんは直ぐに、騒ぎの渦中にあるのは妻エリザベスさん(85)であることに気が付いた。
エリザベスさんのブルーの車が完全に横転しており、中にはエリザベスさんが乗ったままだった。
どうやら、夫婦の敷地内を走行していたエリザベスさんが縁石に衝突し、その拍子に車が横転してしまったようだ。

急いで家を飛び出したベンジャミンさんだったが、こんな状況に陥りながらも、幸いにして妻は無傷だということが分かった。
それですっかり気持ちが楽になったベンジャミンさんは、「こんなことはそうそうあるものじゃないから」と、横転した車の中にいるエリザベスさんの横に立って、笑顔で記念撮影を行った。
「救急車を待っている間、妻は平然としていたんだよ。普通に会話をすることもできた。
警察と救急隊は妻を車から出すと、車をレッカー移動して、あとは普段通りに戻ったよ。」
この写真はきっと、2人の結婚式の写真の横に飾られることだろう。

その状況は元記事の記念写真を参照いただければ一目瞭然なのですが、しかしアメリカらしいおおらかさと言うのでしょうか、それで元通りでいいんですかねホントに?
お母さんの愛情が時にうっとうしく感じられたことは多くの方々に経験あるかも知れませんが、これはさすがに愛情として以前に人としてどうなのか?と言うニュースが出ています。

合計13万3000キロカロリー! ママが娘のためにバースデーケーキを作ったら、とんでもないデカさのブタさんができあがっちゃったよ!!(2014年6月23日Pouch)

ママというのは子どもの誕生日にバースデーケーキを手作りしたくなるもの。まるいスポンジケーキに白い生クリーム、カラフルなデコレーションに年の数だけのローソク……ママの愛情が伝わってくるかのようで素敵ですよね。
しかし、今回ご紹介するバースデーケーキは、そんなかわいらしいイメージとはまったく違うものすごいスケールのモノ。海外サイト「MailOnline」に掲載されているのは、笑顔を見せる女の子とその隣に立つ巨大なブタさん。なんですが……。
なんとこのブタさん、人形かと思いきや、実はケーキ! ブタの姿をした超巨大ケーキなんです!! しかもその総カロリー、13万3000キロカロリー! あのラーメン二郎のラーメンだって1杯1500キロカロリー程度といわれているのに13万キロカロリーってもう想像できない。
ちょっとお母さん、何してくれてはるんですかッ……!! 4歳児よりブタのほうが身長高いし存在感あるし、これじゃもうどっちが誕生日の主役かわからないよ!

このたび、マリア・ヤングさんが4歳になる娘・ブルックちゃんのために作ったのはペッパピッグというテレビアニメに出てくるブタのキャラクター。旦那さんに木の枠組みを作ってもらい、そのまわりをスポンジケーキで覆い、4日間かけて作ったとか。というわけでこのケーキ、中が空洞ではなくみっしりと中身も詰まってるのがこれまたスゴイところ!
いったいどのぐらいの材料を使っているかというと……。マシュマロ1万1300キロカロリー、ライスクリスピー(マシュマロでかためたお米のパフ)1万4600キロカロリー、卵2800キロカロリー、小麦粉7300キロカロリー、砂糖7800キロカロリー、バター2万5100キロカロリーなどなど。それらを全部合わせると13万キロカロリー超えになるというわけです。
しかし、いくらバースデーケーキとはいえこんな巨大ケーキをブルックちゃんひとりで食べられるわけもなく、切り分けて学校のクラスメートに持って行ったり、旦那さんの職場の同僚に差し入れしたりしたそう。700人分に相当する量らしいので、これでも食べきれなそうですけどね。
いかがですか、このスケール! あまりにすごすぎて唖然としてしまいますが、「誕生日に大きなケーキを思う存分ほおばる」というのは子どもにとってのあこがれ。きっとブルックちゃんにとっては一生、忘れられない思い出となったことでしょう。

その仕上がりは元記事の写真を参照いただくとして、明らかにお嬢さんよりも二回りほど大きいように思えるのですが大丈夫なのでしょうか?
男同士の絆とは時に熱く尊いものがありますが、しかし実際にこういう光景を目の当たりにするとどうなのか?と言うニュースがこちらです。

1つの傘で男4人を雨から守る!新発想の相合傘が話題に!(2014年7月2日gori.me)

相合傘は2人しか入れない。大きい傘であればもしかしたら女の子3人ぐらいなら入るかもしれない。1つの傘に男3人が入るのはきっと物理的に無理があるだろう。そもそも絵としてどうかと思うので却下。
…と言いたいところだが、1つの傘で男4人が収まっている相合傘が話題になっている!なんという斬新な発想だ…これは発想力の勝ちだ!あっぱれ!
男4人による熱い友情と素晴らしい連携プレイによる相合傘
逆にこの相合傘は男4人だからこそできる相合傘かもしれない。少なくとも下になる2人は男であったほうが安定するだろう。

雨が降りしきる中、傘は1つ。男は4人。彼がとった行動とは2人が残り2人を肩車し、上にいるどちらかが傘を持つという新発想。斬新すぎるが、確かに理にかなっている。これであれば上の2人はもちろん、下の2人もある程度雨から守られるだろう。
ただ、隣にいる友人から離れずに真っ直ぐ安定して歩く必要があることを考えると、下の2人はなかなか大変だろう。彼らがどれほどの距離を歩いたのか分からないが、目的地に着くまでに坂道や階段がなかったことを祈ろう。

これまた何とも不思議な画像を参照いただきたいのですが、しかし実際にとっさの降雨でこの発想に至ると言うのはそれなりにすごいものがありますかね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからですけれども、まずは記事から紹介してみましょう。

「スティーブン、アンタはどっちの彼女にも捨てられたのよ!」と巨大広告を出して、二股彼氏に復讐(2014年7月5日日刊テラフォー)

同じの男に二股を掛けられていた女性2人が手を組み、高架橋に広告を出して復讐した。

『スティーブ、アンタはどっちの彼女にも捨てられたのよ!』
7月2日の朝、イギリス・ニューカッスルの幹線道路にこんなバナーが、でかでかと掲げられた。笑顔の2人の女性の写真も付いている。きっとこの2人が、スティーブさんが二股を掛けていた女性たちなのだろうと容易に想像がつく。
言うまでもなく、この道を通る大勢の通勤・通学者に丸見えだ。
地元紙によれば、写真の女性2人はスティーブさんに二股を掛けられていることに気付き、いがみ合うのではなく、友好的に手を組んだそうだ。その結果が、このバナーだ。
(略)
バナーはもう既に撤去されているので、きっと2人の復讐は完了したのだろう。
一度に2人の彼女にフラれたスティーブさんのショックは大きいだろうが、それも自業自得だ。

これまた画像を是非とも参照いただきたいのですが、その結果誰しも一目瞭然に気付くこととして…いやほんと、好きなタイプってあるんでしょうね。
まあしかし今の時代SNS等を介して思わぬところでバレが入ると言うことはままあることで、各方面への絆が強すぎることも時と場合に寄りけりですかね。

今日のぐり:「讃岐うどん なか浦」

倉敷市南部に広がる水島コンビナート近くに位置するこちらのお店、倉敷市内では昔から人気店として知られる老舗なんだそうですが、しかし看板には「讃岐うどん」としか書いていないんですよね。
店自体かなりの大店で昼食の時間帯には道路の向かいにある第二駐車場も含めて満車になってしまいますが、とりあえず今回は何とか空きスペースを見つけることが出来ました。

メニューはごくごくベーシックなものが一通りと言う感じで、今回はベーシックなざるとかけを頼んでみましたが、注文直後に出てきたのがざるの方で、多くの方がまずこちらを食べながら他のメニューを待っているようです。
一見してかなり口径不同のうどんなのが手打ちらしいと言うのでしょうか、表面はわずかに肌荒れしていますが全般に透明感もあり色艶は良好で、茹でてからさほど時間がたっていないことを感じさせます。
しかし以前に一度お邪魔した時には岡山県南部に多い柔らかいタイプの中でも顕著に柔らかめのものだった印象があるのですが、この日に関してはかなり硬めでコシがあると言うよりとにかく硬いうどんと言う印象ですね。
これに合わせる汁の方は一見してかなり黒めの色合いで蕎麦つゆかと思うくらいなんですが食べて見ますと別に醤油くさくはなく、とにかく顕著に甘いのが特徴的です。
こういう甘い味は近隣各所に広まっていて中にはこちらと師弟関係の店も多いのだそうですが、ともかくも好みが分かれそうだが悪くはないと思いますね。
かけの方は出汁の味がよく判る薄口醤油仕立てで、面白いのは讃岐うどんに一般的な煮干し風味よりも昆布だしの味がよく出ていますよね。
今日の硬いうどんならこっちの方がちょうどいい感じになるのかなと思ったのですが、硬さはちょうどよくなったのですがコシの物足りなさがかえって顕著に出てきた感じでしょうか、難しいところだなあと思います。

うどん一つの量は少なめで男なら二つがデフォという感じですが、それでも二杯食べて一般店の一杯分くらいの値段ですから安上がりで、いつも客足が途切れないのもその辺りが理由でしょうか。
接遇面ではフロアのおばちゃん達は忙しいせいかさほどに愛想がないんですが、全体を仕切っているおやじさんはずいぶんと手慣れていて愛想も要領もいいので、さすが繁盛店らしい客の入りながら回転はいいようですよね。
ところでこちら価格帯的にはセルフ並みに安いのですが、相場無視で急に値段が跳ね上がっている上の天ぷらのタネがどういうものなのか、ちょっと気になりました。

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2014年7月12日 (土)

注)当「ぐり研」はお食事会系サイトです

飲食店業界に関して近年ネットの口コミサイトと言うものの勢いは並外れているのだそうで、従来型のガイドブックの類が結局はお金を取っての広告に過ぎずお店の悪いことは書かないと言うことも影響されているのかも知れませんが、外食するならとりあえずはネットで検索してみてからと言う人は少なくないと思います。
そうなると当然ながら?口コミサイトの方でもかなり上から目線になっているようで、各地で飲食店との間にトラブルに発展したケースが出ていますけれども、そうした時代にあって先日口コミサイトに絡んだ一つの写真が他ならぬ口コミサイト利用者の間でも喝采を浴びているようです。

「食べログ 話題のお店」ステッカーを「余計なお世話」とゴミ箱へ  店主の思い切った行動がネットで喝采(2014年7月3日J-CASTニュース)

   街の飲食店で「食べログ 話題のお店」と書かれたステッカーを見かけたことがある人も少なくないのではないだろうか。口コミグルメサイト「食べログ」が選出した店舗に随時送付しているものだ。
   だが、送られた側がみな喜んで貼るかというと必ずしもそうとは限らない。2014年7月1日にはステッカーが届いたという東京都三鷹市のコーヒー店が「余計なお世話です」としてゴミ箱に葬った画像をツイッターで公開。インターネット上で大きな反響を呼んでいる。

「店主GJ」「惚れた」と称賛の声

   注目を集めているのはスペシャルティコーヒーのテイクアウトスタンド「ブルースカイコーヒー三鷹の森店」だ。井の頭恩賜公園の中にあり、緑豊かな森に囲まれた公園のオアシスとして多くの人に親しまれている。
   そんな同店のもとに「食べログ」の運営チームから例のステッカーが届き、店主が1日にツイッターで報告した。ツイートでは2枚のステッカーと「『食べログ 話題のお店』選出のお知らせ」と書かれた文書が写った画像も公開している。
   文書によると「話題のお店」は多くの口コミが投稿されている店を選出するもので、該当するのは全掲載店約77万店のうち9%(約6万9000店舗)という。文書では「わずか9%のみ」「ごく限られたお店にだけ送付させていただいている」などと希少性を強調しているほか、結びには「『食べログ 話題のお店』への選出、誠におめでとうございます」というお祝いの言葉もある。
   だが、店主は食べログから「話題のお店」と認定されることに価値を見出さず、次のツイートで「捨てました。余計なお世話です」として、ステッカーをゴミ箱に入れた画像を公開した。

   思い切った行動はインターネット上ですぐに話題になった。「わざわざ公開しないで黙って捨てればいいのに」という声もあるが、「店主GJ」「惚れた」「男前」「ロックですね」「ブルースカイコーヒー△(編注:ブルースカイコーヒーさん格好いいの意)」などと称賛の声が相次いだ
   食べログは店側が申請していなくても、ユーザーが店舗ページを作ることができる。同店の情報もユーザーが登録したようで、店主はその後「ここのサイトは勝手にシステムに飲食店を捩じ込んで『表現の自由』を盾に不参加を拒否するので、抗議の意味でのせました。全ての飲食店が載せられたくて載っているわけではありません」とツイッターで説明した。

5年前から削除申請するも取り合ってもらえず…

   3日に記者がお店を訪れると、店主の宮地泰隆さんはツイートに至った背景を説明してくれた。
    「もともと匿名ユーザーが評価する商業目的の不透明なサービスには参加したくないんです。食べログには店の情報が掲載された5年ほど前から削除申請をしているんですよ。かれこれ10回以上はやりとりをしていますが、あちらからの連絡といえば『有料会員』のお誘い。それで先日、封筒で返事が来たかと思えば『話題のお店』選出です。ふざけるなー!ってことでゴミ箱写真を…」
と苦笑する。
   同店の食べログページは現在もあり、3.48という高評価がついている。これについて「看板を出してやっているわけですし、店名や住所が載るのは仕方ない。好意的なコメントが付けば単純にありがたいとも思います」としながらも、「それでも、匿名の人から採点されるシステムには参加したくありません。中には『本当に店に来たの?』と思うような誤認情報を書いたレビューもあり、評価システムに強制参加させられる限り、それが野放しにされる事になる」と運営側の対応を問題視する。
   その上で今回のステッカーについては「真面目に仕事して評価して頂いたと思う店もあると思います。でも、揉めている相手にこれ貼れよと送りつけるものじゃないです。そんなサイトにお客さんから預かったお金を支払うなら、もっと店やお客さんのためになるよう有意義に使いますね」と話した。

   同店に限らず、食べログに掲載されることを快く思っていない店は少なくないようだ。2010年9月には佐賀市内の飲食店が、店の最新情報が掲載されていないことから情報削除を求めて佐賀地裁に訴えを起こした。2014年2月には「秘密の隠れ家」をコンセプトとしていた大阪市内のバーが情報削除を求め、運営のカカクコム側が「表現の自由」を理由に拒まれたことから訴訟に発展した。

ネット時代にあっては何をやっても世間の評価がダイレクトに出てくるのは必然ですし、別にネットがなければ誤情報が広まらないわけでもないのですから、口コミサイトだろうがSNSだろうが気に入らなければ放っておけばいいのに…と思わないでもないのですが、まあその辺りも含めて個人の自由というものではあるのだとは思います。
ともかくも今の時代ネット経由での情報拡散は非常に広範囲かつスピードも速いためにどこの業界でもネット対策を重視しているのは理解出来ますが、その一環としてwebサイトを開設したりSNSで自ら発信したりで店側が正しいと思う情報を積極的に出していくと言うことは、間違った情報の拡散を防ぐと言う意味でもそれなりに有効なのかも知れません。
ただその方法論を誤ると一気に炎上と言うネガティブな結果に陥ってしまうのもネットの恐さなんですが、こうした現象が起こりやすい素地としてやはり発信者側がネット特有の文化、フォーマットにやや疎かったのではないか?と思われるケースも少なからずある一方で、そこまで求めると言うのはネットの側にも問題があるのでは?と感じさせるケースもあるようです。

Twitterユーザーが “フォロー返し” をしない飲食店に不快感「商売舐めてますよね」「数年選手でもう天狗ですか?」(2014年7月8日ロケットニュース24)

最近は Facebook や Twitter などのSNSが普及し、知り合い同士だけでなく他人や有名人などとも繋がることができるようになった。
SNSの利用者が増加し影響力が拡大するにしたがって、小さな話かもしれないが、飲食関連でもトラブルが起きているようだ。食べ歩きをする Twitter ユーザーらがある飲食店のアカウントをフォローしたのだが、一部のユーザーが飲食店側にフォローを返してもらえず不快感を示しているようなのだ。
それは、関西の人気グルメブログ『食マニア Yの書斎』に寄せられた意見であるそうだ。管理人の安永さんが、「私もほぼ同意見なので」と、記事「Twitterのフォロー数とフォロワー数を見れば店主の方針が一目瞭然?」内で公開している。大筋は以下のとおり。

・半年間フォロー返しなし
その記事によると、あるTwitterユーザー(仮にAさんとする)が超人気飲食店の新店をフォローしていたそうだ。Aさんは店とは相互フォローだったというが、Aさんの食べ仲間数名は店をフォローしていたにも関わらず、半年間経ってもフォロー返しがなかったらしい。

・客のフォローを返さない店主は商売ナメてる?
それに対し、Aさんは以下のように怒りを表したという。
    「フォロワーはお客さまでしょう? なぜフォロー返しをしないんですか? 何か勘違いしてませんか? 超人気の新店と私は相互フォローしていましたけど、食べ仲間数名もその店をフォローしていますけど、半年経ってもフォロー返しをしてこないらしく、なんだか勘違いしてますよね、商売舐めてますよね」(ブログより引用)
ブログ記事によると、Aさんも、店主のプライベートのアカウントなら「知りません」と問題視していないよう。しかし、店名で登録している限りそれは商売目的であるはず=客であるフォロワーをのフォローを返さないのは「勘違いだ」と不快感を示しているというのだ。

・Twitterユーザーは店に行かなくなったらしい
詳細はブログ記事を確認していただきたいが、Aさんらは、その後、
    「まだ数年選手でもう天狗ですか? 有名人や芸能人にでもなったつもりですか?」
と、全員が店のTwitterアカウントのフォローを外し、店にも行かなくなったとのこと。そして、
    「10年以上お店をやってらっしゃる大御所でもフォローがあればフォロー返しした上に一人一人に感謝のダイレクトメールを送る人がいらっしゃります。商売ってそういうもんじゃないでしょうかね。」(ブログより引用)
と、苦言を呈している。

・真剣に食べ歩く人は意見が違う?
個人的には「店の情報をチェックするためにフォローしてるだけだから、別にまともな接客で美味しい料理を出してくれればそれでいい。たかが Twitter でそんな怒らなくても」と思うのだが、真剣に食べ歩きをしている人は意識が違うと感じられる意見であった。

・管理人の安永さんに聞いてみた
このAさんの意見に関して、管理人の安永さんに詳しく聞いてみたところ、
    「店主からフォロー返しされてないと、ダイレクトメッセージで謝辞や不満を伝えられないんです。せっかく美味しくて、接客や雰囲気が良くて満足しても、謝辞を伝えられないことでストレスを感じ、顧客満足度が下がってしまうように感じてます」
とのことだった。やはり真剣な人に対しては、店側の Twitter 運用にも同じくらいの配慮や努力が求められるのだろうか?

・フォロー返しをしない飲食店は失礼なのか
ただ、安永さんも、フォロワーが数万以上いるような有名店はフォロー返しが難しいのでその限りではない、としている。
果たして、飲食店は客を「フォロー返し」しないのは失礼にあたるのだろうか? ただでさえ仕事の時間が長い飲食業界なので、個人的には大目に見てあげて欲しいと思うのだが……この意見について、アナタはどう思う?

SNSが一般化する以前のBBS文化が一般的だった時代から実は似たような傾向はあって、例えば何かしらが話題になっている場所に当の本人が降臨した場合に当初は相互交流が出来ると言うことで歓迎されるものですが、次第にレスが増えて返信が滞ったりすると途端に批判的な反応が目立つようになってきて、最後は喧嘩別れに終わると言うことはままあるものでした。
まあ店の公式名義でやっている時点でその方法論における損得勘定は行った上でのことだとは思いますが、正直この手の客はリアルワールドでは積極的に囲っておきたい対象ではないと言う判断をする店があってもおかしくないのかな…とも感じる一方で、ネットと言うものは基本的にヲタク気質と言うものとやはり相性が良いのだろうなと再認識させられる事例だとも言えるでしょうか。
リアル世界であれば横のつながりと言ってもせいぜい数人、広くて数十人の範囲ですから影響も知れたものですが、ネットが介在すると一人不満を抱く者がいれば同じ不満を抱く人間が他にもどこかにいると考えるべきで、しかもそれらの人々が仮に絶対的少数派であったとしてもネット上では一致団結して局所的な多数派を形成し一見世論を主導しているように見えることはしばしばあることです。
そうした場合にもちろん大きな声に沿ってカイゼンを計っていくと言うのも一つの対応法ではあるのですが、ネットで声の大きい人々が必ずしもリアル世界での多数派ではないこともあって一部の方々の偏った好みにフォーカスを合わせるほど大多数の既存顧客たるサイレントマジョリティーからはそっぽを向かれ、結局お店が潰れてしまったと言うこともまあ珍しいことではありませんよね。

せっかくネットで双方向に意見を交わせるようになったのに、それがカイゼンに活用出来ないのでは意味がないではないかと言うかも知れませんが、別にネットがない時代から店舗内にご意見を求める紙などを置いている店は少なからずあって、やはりこの場合にも色々と書き込んでくれる人の意見が必ずしも多数派の意見を代弁しているのでもなかったわけです。
飲食店もどんどん新しい店が増えているように感じますが、その一方でそれ以上に潰れていく店の方が多くて店舗数から見ると減少傾向に転じていて、すでに業界としては成長は終わっていると言う厳しい見方もあるようですけれども、そんな中で長年顧客に愛され続いている店と言うのはSNSがどうこうよりもやはりその店独自のぶれない味をずっと提供していて、それに対してここがお気に入りだと言う固定客がついているお店なんだと思います。
それではどんな味が顧客に好かれるのか?と言われてもこれなら絶対と言う正解はないのですけれども、興味深い一つのデータとして繁盛店とそうでない店を比較した場合に繁盛店の方が原価率が2割ばかり高かったと言うのですけれども、もちろん技術としての料理の上手い下手もありますが技術が同レベルなら良い食材を使った方がうまい料理になると言うのは納得は出来る話ですよね。
個人的にはきちんとした食材を正しい方法で扱い鉄板の味を提供するお店もいいなと感じる一方で、ちょっとその食材の使い方はどうなのよ?と思ってしまうほどぶっ飛んだことをやってくれるお店にも行ってみたくなるのですけれども、見ている限りでも安定的にうまい料理を出すよりも安定的にぶっ飛んだアイデアを生み出す方がよほどに難しいことではあるのでしょうね。

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2014年7月11日 (金)

夏の暑い車中に子供を放置するとどうなる?

毎年この時期になると風物詩的に、と言えばいささか不謹慎と言われてしまいますけれども、炎天下の車内に子供を放置した結果大変なことになってしまったと言う事件が多発する時期ではあって、ともかくも近ごろでは店舗側も駐車場見回りなどの対策を講じているとは言え、これだけ事故が多発している中で未だにこうした行為が行われていると言うのは困ったものですよね。
海の向こうのアメリカイギリスなど欧米圏では全般に子供に対する虐待と言うことに非常に厳しいことが知られていて、渡航者の間では日本にいるときのようなつもりでいてはいつ公権力によって強制的に子供から隔離されてしまうか知れないとガクブルされているようですが、最近ではいささか行きすぎて斜め上方向に逸脱しつつあるのでは?なんて懸念もあるやなしやと言います。
個人的には児童虐待の場合間違いであれば後日訂正する機会がある一方で、実は本当の虐待だった場合しばしば介入が遅れれば取り返しのつかない事態になりかねないのですから少し早いか?と言う時期から積極的に介入するべきで、間違いなら間違いで改めて親子関係を考え直すきっかけにしてもいいんじゃないかと思うのですが、逆に言えばそうした介入ミスが起こることを前提とした制度設計は必要だと思います。
ともかく親子の関係に関しては個人個人を重視する西洋と儒教的価値観が背景にある東洋とでもまた考え方が違うようで何がベストかと言われると難しいところですが、ともかく洋の東西を問わずそれはアウトだろうと言う犯罪的行為はあるもので、今アメリカではそうした事件の一つが大きな注目を集めていると言うことです。

炎天下、1歳児の車内放置死は殺人か過失か 父親の裁判に全米が関心(2014年7月4日産経ニュース)

 米南部ジョージア州アトランタ近郊で炎天下の車内に1歳の息子を置き去りにし熱中症で死亡させた父親が訴追され、全米の関心を呼んでいる。地元裁判所で3日、尋問があり「殺人か過失か」をめぐり検察、弁護側の主張が対立した。

 父親はジャスティン・ハリス容疑者(33)。6月18日朝、息子のクーパーちゃんを自分の車の後部座席に固定して出勤。職場に到着して屋外に駐車、仕事を終え約7時間後に戻り、死亡が確認された。当日の最高気温は32度を超えていた。

 ハリス容疑者は出勤途中に保育所に預けたと思い込んでいたと説明したが、捜査当局は状況や言動に不自然な点があるとみて捜査、殺人の容疑で訴追した。

 警察官は3日、容疑者が車内で子供が死亡する事例をインターネットで調べたり、子供がいない暮らしを推奨するサイトを見たりしていたと証言し、殺意を主張した。弁護側は「故意の証明にはならない」と反論した。息子を愛していたという知人の声もある。(共同)

高温車内に1歳児放置し出勤、父親に殺人容疑 米(2014年7月4日AFP)

【AFP=時事】米国で、1歳10か月の息子を高温の車内に7時間放置し死亡させた男が、殺人容疑で訴追された。有罪の場合、死刑となる可能性がある

 ジャスティン・ロス・ハリス(Justin Ross Harris)容疑者(33)には、米南部ジョージア(Georgia)州の勤め先で仕事をしている間、息子のクーパーちゃんを車の後部座席にシートベルトで留めたまま置き去りにしたとして、児童虐待と重罪謀殺の容疑が掛けられている。3日の予備審問では、保釈請求は却下された。
 この衝撃的な事件は米国全土で広く話題を呼び、予備審問は全米の放送網によって生中継された。

 ハリス容疑者は、子どもを託児所に預けるつもりが、そのまま忘れて仕事に行ってしまい、退社後に車を運転し始めて数分経って初めてクーパーちゃんが死んでいることに気付いたため、車を止めて助けを呼んだと主張している。
 これに対し、フランク・コック(Frank Cox)判事は「子どもが死亡し、すでに死後硬直が始まり、車内には死臭が充満していたとの証言もあるのに、車に乗ってしばらくするまで自分の子どもの状態を確認する行動をまったく取らなかった」ことは不可解だと指摘。
 さらに警察によると、ハリス容疑者は自分の息子が車内の高温で死に瀕している間、職場から6人の女性と性的なメールをやりとりしていたという。このうち最も若い女性は17歳だった。
 また調べによると、ハリス容疑者は事件が起きた6月18日以前、インターネットで子どもがいない暮らしや、刑務所での生活を切り抜く方法などについて検索した他、炎天下の車内で動物が死んでいくビデオを複数閲覧したことが明らかになっている。

 担当刑事は、子どもが死んだと知らされたとき、ハリス容疑者も妻のリアーナさんも何も反応しなかったと述べている。だが一方で、ハリス容疑者は子どもを溺愛していたという複数の証言もある。

この裁判、どうも故意による事件性があると考えているようで単純な放置事件とは少し違うようですが、しかし今の時代にネットの履歴からずいぶんと色々なことが判ってしまうものだなと感じますし、公的なニュースなどでもこうした履歴をどんどん取り上げるものですから、仮に無罪となったとしても個人として公人として相当なダメージが残ってしまうんじゃないかと言う懸念がありそうです。
まあ事故が起こるときと言うのは得てしてとんでもない誤解や勘違いがあってのことだと言うのはままあるもので、全くのうっかりであったからこそ職場で私的なメールなどを交わしていたと言う主張もあり得るわけですが、しかし素朴な疑問として保育所の方ではこうした場合に何も確認なりは行わないものなのか、この辺りは再発防止と言う観点からも制度面でどうなっているのか確認していただきたいですよね。
日本でも毎年これだけ同種の放置事件が報道されているにも関わらず同じことを繰り返すのは犯罪的であり、親にはもっと厳しい刑罰を科すべきだと言う声が根強くありますが、一般的にこうした行為で問われる罪としては高齢者の放置などでも時折聞く保護責任者遺棄致死であるとか、より罪の軽い重過失致死と言った罪名になるようです。
興味深いのは過去にこうした罪に問われて何件か裁判沙汰になっているようですが、その多くは執行猶予がついた判決で実刑判決と言うものはかなり例外的であるらしく、例外的に実刑が命じられた兵庫のケースでは両親が口を揃えて事件を隠蔽しようとしたりだとか、石川のケースでは過去にも何度も同様の放置を繰り返しながら改めずとうとう死なせてしまっただとか、単なる放置だけでなくプラスアルファの事情があるようです。
確かに事故と言うものはいつ誰であっても起きることであり、たまたまそれが世間に同種の事故がよくあるケースだったとしても一度の失敗即犯罪とされるのも厳しいものがあるなと思うのですが、現実問題として日本で放置死が問題化するのはほぼ特定の娯楽施設の駐車場内に限ったことであると言う現実を考えると、少なくとも社会の側での対策としてはピンポイントに的を絞ったものが必要だろうなとは思いますね。

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2014年7月10日 (木)

「一般人」は全く一般人ではなかった件

本日の本題に入る前に、一向にその種のものに興味がないので経時的に増減を把握しているわけではないのですが、中の人に言わせるといわゆる芸能人のスキャンダル報道はこれでもずいぶんと減っているのだそうで、その理由を当の芸能リポーター氏がこんな風に語っているようです。

芸能スキャンダル報道、なぜ激減?どうやって取材?その裏側を、井上公造氏に聞く(2014年7月7日Business Journal)より抜粋

(略)
●減少する芸能ゴシップ、スキャンダル報道

--10~20年くらい前まで、どこのテレビ局も朝はワイドショーを放送して、毎日のように芸能ゴシップが報道されていたという印象があるのですが、最近は減ってきているのでしょうか?

井上 減っていますね。昔は取材もすごかった。僕らは夜中の1時、2時だろうが芸能人の家に行って、インターホンを鳴らしていましたからね。今では絶対にありえないです。

--なぜですか?

井上 一番の理由は、2005年に全面施行された個人情報保護法でしょう。そんな取材をやったら一発アウトで番組が終わります。訴えられて終わりです。要はコンプライアンスが厳しくなったのです。僕らがやりたいとかやりたくないという問題以前に、まずは芸能人のプライバシーに対して理解を示さないといけない。だから芸能人の自宅に行くというのは、よほどの時ですね。例えば、何かスキャンダルの渦中にある人の自宅に連日張り込みをしたとして、その人の子供がマスコミにおびえてしまって精神的なダメージを受けると、責任を取りきれないんです。

--そのほかに、芸能ゴシップ報道が減った理由はありますか?

井上 一般の人たちが、芸能ゴシップを望まなくなったという点も大きいです。昔は芸能人を追い回しているような映像がしょっちゅうありましたが、そういう映像が流れると視聴率が上がりました。今では逆に下がるのです。プライバシー云々の問題もありますが、そもそも人に嫌がられて視聴率も下がることをやる必然性がない

 あとは、お金の問題もあります。僕は昔、女優の大竹しのぶさんが演出家の野田秀樹さんと付き合っているという情報を得て、大竹さんの家の前で14日間張り込んだことがあります。14日目でやっと証拠映像が撮れましたが、13日間は空振りだったにもかかわらず、テレビ局にはそれを許す予算があったんですよ。カメラクルーを立て、当時は8時間で15万円くらい、超過分も含めて毎日20万円以上のお金が出ていた。それだけで合計280万円くらい使っている計算になりますが、今のテレビ局の台所事情では絶対にありえません

 今は確実に撮れる案件しか張り込みが許されませんが、そういうものは際どくはないですよね。大スクープになればなるほど、そんなに簡単には映像が撮れるはずがない。プライバシーの問題に加え、視聴率や制作費の問題も考えると、結果的に「もうやめようよ」ということになります。
(略)

個人情報保護法などのルール上の縛りがきついのももちろんでしょうが、今の時代世間の目線が厳しいだけでなく住宅街で深夜に騒ぎでもしていたならば即座にオンラインで生中継でもされかねない時代ですから、芸能リポーターに限らず顔出しで悪いことはやりにくくなった時代ではあると思いますね。
ただここで注目いただきたいのがコスト的に引き合わなくなってきたと言うコメントがあることで、制作費も厳しくなってきた中でただ延々と張り込むだけと言う作業に大きな人件費を投じることが出来なくなってきた、それなら一山幾らのひな壇芸人に適当にスタジオで駄弁らせているか、ネットで流れている素人動画でも集めて流した方がよほど安上がりで視聴率も取れると言う判断にもなるのでしょう。
別に芸能ゴシップなど世の中にあってもなくてもどうでもいいようなものですけれども、一般の報道全般に関しても同様のコスト的制約から取材をおろそかにする風潮があるのだとすれば問題ですし、実際に取材不足をうかがわせるような報道が増えているようにも感じられるのは、必ずしもネットでの検証作業が昔よりもはるかにシビアとなり報道のアラが目立ってきたからと言う理由だけでもないのかも知れません。
ともかくもそうした状況でお手軽に必要な映像を手に入れようとするならどうしてもヤラセ、仕込みと言った作業が増えてくるのも当然と言えば当然なんですが、この方面においてさえあまりに手抜き過ぎるのではないか?と思われるような仕事ぶりが話題になっています。

芸能人裁判、保釈現場でいつもコメント テレビでおなじみ「謎の女性」がネットで話題(2014年7月7日J-CASTニュース)

  逮捕された芸能人が保釈されたり、裁判が開かれたりする際に、テレビの情報番組では警察署や裁判所の前で待つファンの姿をよく映し出している。
   メディアの取材に応じてコメントする人もいるが、その中に「いつも登場する女性」がいるという。いったい誰なのか、まさかテレビ局の「仕込み」か……。正体を巡って謎が広がっている。

ASKA保釈でコメントした女性は押尾学やのりピー裁判でも

    「いつもの人だな」
    「芸能事務所の人なのかな」
    「どんだけこういう場に行ってるんだよ」

   このようにインターネット掲示板で話題になっているのは、ある女性だ。
   2014年7月5日放送の「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)は、覚醒剤取締法違反(所持、使用)などの罪で起訴された、歌手のASKA(本名・宮崎重明)被告が3日、勾留先の警視庁東京湾岸署から保釈された様子を伝えた。このとき、ファンと称してひとりの女性が登場し、「更生していい曲を届けてね」とASKA被告に対するメッセージを送っていた。実はこの人物、別の芸能人の類似の報道でもメディアの取材を受け、放送されていたようだ。
   2009年に覚醒剤取締法違反、保護責任者遺棄で逮捕、起訴された歌手の押尾学受刑者。判決が出される日に、「情報ライブミヤネ屋」(TBS系)の中継は、裁判所前で「ASKA保釈」のときに聞いた女性にコメントをもらっていた。「ミヤネ屋」では、覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた歌手、酒井法子さんの裁判の後でも、この女性にインタビューしている
   芸能人だけではない。首都圏連続不審死事件で逮捕、起訴された木嶋佳苗被告の裁判を、この女性は傍聴。終了後にはマスコミに囲まれながら、死刑判決が出たときの木嶋被告の様子を語っていた
   ネット上では、女性がインタビューに答えるそれぞれの画面を見比べて、「なぜいつも同じ人が答えているんだ」と不思議がる声があがっている。出回っている画像がTBSの番組のものが多いため、テレビ局が「コメント要員」として事前に準備したのではないかと疑う声も出たほどだ。
   女性はいったい誰なのか。

逮捕歴のある有名人との「ツーショット写真」も趣味

   この女性を直撃インタビューした記事が、すでにミリオン出版の2013年4月発売の雑誌に掲載されていた。押尾、酒井、木嶋の各裁判でコメントしていたのはやはりこの女性だったようだ。
   記事では、自分の名前も明らかにしている。芸能人の裁判傍聴だけでなく、逮捕歴のある有名人との「ツーショット写真」を撮る趣味も紹介されていた。掲載されていた写真は酒井さんのほか、複数回の逮捕で服役中の田代まさし受刑者、かつてオウム真理教に所属し、現在は宗教団体代表を務める上祐史浩氏と一緒のもの。酒井さんとは「ファンの者ですが昔から好きでした」と頼むと、サングラスを外して一緒に写真を撮らせてくれたというエピソードを披露。また上祐氏の場合はトークライブに足を運び、以前聞いたオモシロ話を雑談に交えながら撮影を頼んだそうだ。
   ほかにも、トム・クルーズやマイケル・ジャクソン、レディー・ガガといった大物セレブが来日した際にもツーショットをゲットしている。国内海外問わず、有名人好きなのは間違いない。
   よく似た女性が、2010年のサッカーワールドカップ・南アフリカ大会にも姿を見せている。
   時事通信は2010年6月29日、現地ルポとして、決勝トーナメントの日本―パラグアイの試合が行われるスタジアムの「決戦前」の様子を伝えた。ここで登場したのが、「サムライブルー」のユニホームを身にまとい、ブブゼラを吹く眼鏡姿の女性。ルックスは同一人物と言えそうだが、名乗っている名前は、雑誌に登場した時とは名字が異なる。しかし、下の名前の読み方は同じだ。ネットでは、同一人物とみる向きが多い。
   裁判所や警察署はじめ、「お騒がせ有名人」が現れる場所に頻繁にやってくるこの女性。メディア側もいつしか顔を覚えているに違いない。バタつく現場でも「この人ならすぐコメントをくれる」とわかっているので、ついマイクを向けるということなのだろう。

TV番組の街頭インタビューでのサクラ疑惑が指摘された女性とよく似た人物 ASKA被告の保釈時にも登場(2014年7月7日トピックニュース)

テレビ番組の街頭インタビューに登場した女性「秋本志保」さんがTwitterで話題だ。
彼女の名前がテレビに紹介されたのは2009年の酒井法子の裁判傍聴に並ぶ姿の一度だけで、その際に「元親衛隊の一般女性『秋本志保』」さんと報じられ、「彼女のそばにいたいので、裁判所の外にいます」と、インタビューを受ける映像が放送された。
その翌年には、秋本さんにとてもよく似た女性が、押尾学の裁判傍聴にも並んでいる姿をワイドショーにインタビューされ、「マナブの十年来のファンで」などと発言した。
2012年には木嶋佳苗死刑囚の裁判傍聴で、そして2014年の7月3日、ASKA被告の保釈が行われた直後の東京湾岸署前では、ASKA保釈を出待ちするファンとして秋本さんそっくりの女性がテレビ番組のインタビューを受けている
ASKA被告保釈時には、テレビカメラに向かって「更生していい曲を届けてね」と発言している。

この秋本志保さんによく似た女性は、ドラマ「相棒」のファンイベントや、「踊るさんま御殿」の再現VTRにも出演している。
一連の流れからネットユーザーの間では、秋本さんはたまたま街頭インタビューを受けたのではなく、やらせ街頭インタビューへのサクラ出演を仕事にする業界関係者なのではという疑念が高まっているようだ。
また、2010年のW杯では中村俊輔選手の大ファンとして南アフリカに出没して取材を受ける「広島県から来た小比賀志帆さん 31歳」が、秋本さんにとてもよく似ていることが指摘されている。
「小比賀志帆」という名前の女性は、かつて、長野県の田中前知事を追っかけるガングロギャルとしてもメディアに登場したこともあるようだ。

記事から見るだけでも非常に多彩な出演歴を誇る方ではあるようなのですが、特定一社の番組だけでなく他局にもそれなりに登場していると言うことに留意いただきたいと思いますが、しかし毎回同じ人間を使い回すにしてもいささか度が過ぎるのではないか?と言う素朴な疑問も抱くところですよね。
いずれにしてもこれだけ多種多様な番組に映り込んでいる、しかも番組構成に組み込まれて出演も果たしていると言う点で全くの素人第三者ではないことが明らかですし、毎回これだけ登場すると言うことで取材スタッフとも顔なじみであることは間違いないのですから、何らかの意図に沿って狙って出演をしてもらっていると言うことは言えるかと思います。
その意味ですでに一般人とは言えない人間を一般人と称してコメントさせているだけでもすでに問題ですが、そうした仕込みの元で行われている発言が誰の意志を反映して行われているのかと言うことを考えた場合に、こういうことを当たり前にやってしまうテレビ局側の番組作りの姿勢がよく判る事例ではあります。
最近では顔認証も自動で行えるようになってきていると言いますから、こういう時代にはテレビに登場した自称一般人については全員チェックをしていかないといけないのかなとも思うのですが、本来こういう恣意的な印象操作じみた行為は真っ当な中の人からこそ問題視されてもおかしくないと思うのですけれどもね。

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2014年7月 9日 (水)

妊娠そのものが大変な時代における職場でのジェンダーのあり方

先日アメリカでは大学教授が「女子学生が10日間脇毛を剃らなかったら単位認定」なんてことを言い出したそうで、まあジェンダー規範に挑戦すると言う考え方の是非は人それぞれの解釈があるのだと思いますが、そんなアメリカにおいても究極のジェンダー固定化とも言うべき妊活と言うことはあるようなんですね。
ただ見ていますとやや日本における情報とは異なっている部分もあるようなんですが、そのあたりの種明かしをしてみると実は…と言うのがこちらの記事です。

いつか妊娠したい人が知っておきたいタイムリミット 米サンディエゴ州立大学のジーン・トウェンギ教授に聞く米国「妊活」事情(2014年7月3日日経ビジネス)より抜粋

(略)
トウェンギ教授は最新の医学的な研究を調べたり、インタビューしたりして著書を書かれ、「専門研究を見ても30代が悲観する必要はないが、現実的なデータは認識しておいた方がいい」という問題意識で、女性を励ましてこられました。著書によれば、米国では「35歳を超えると妊娠しづらくなる」と言われてきたそうですね。

トウェンギ:そうです。私は今3人の子の母親ですが、社会心理学者でありながら妊娠の現実について調べることになったきっかけは、30代半ばのころ、そろそろ子供が欲しいと思っていろいろと調べている時に、いくつかの「データ」に遭遇して大変混乱したからでした。
 例えば、「35歳から39歳の女性の3人に1人は、妊娠しようとし始めて1年経っても妊娠しない」などという、米国で良く引き合いに出される統計があります。また、American Society for Reproductive Medicine(全米生殖学会)の 2003年版ガイドブックの1ページ目でも、「30代後半の女性に、その後子供が産まれない可能性は30%」などと載っています。
 その一方で、別の査読付きの医学論文などでは「35歳から39歳の既婚女性が、妊娠しようとしてから1年以内に妊娠する率は82%」(David Dunson氏らの論文など)と載っている。一体どっちなの?とかなり困惑しつつ、まずは前者の「3人に1人は妊娠できない」のデータの出所について、本格的に調べてみました。

17世紀フランス女性のデータがいまだ健在

 そして驚くべきことが分かったのです。この「35歳以上の女性の3人に1人は妊娠できない」というデータは、1600年代から1700年代ぐらいまでのフランスの地方にある教会が取っていた出生統計がルーツでした。「いくらなんでもデータが古すぎる。現代女性の、もっと(妊娠の確率が)高い数値を示すデータを誰も引用しないのはおかしいのでは」と思い、さらに調査を進めました。
 もちろん、加齢とともに妊娠しづらくなる事実そのものに異議を唱えるつもりは全くありません。出産にタイムリミットはありますし、自然の摂理です。しかし、30代後半に関しては、一般に広く強調されているほど急速に妊娠しづらくなるわけではないのです。本当に自然に妊娠しづらくなるとはっきり言えるのは、40歳以降からです。これは、自然妊娠と人工授精に関する研究、双方に関して私が知り得た情報です。

『The Impatient Woman’s~』では、その、フランスの地方で17世紀から18世紀ごろに集められた出生データがいまだに権威ある学術誌でも頻繁に引用されているということでしたが、それは本当なのですか?。

トウェンギ:本当です。というのも仕方がない部分があって、現代女性の自然妊娠率に関する研究というのが、極めて少ないからです。私が知っている限りでは3件しかありませんでした。現代女性に対する大規模調査の結果がないために、結局先ほどいった1600年代~1800年代のフランス女性のデータにまで遡って使われてきたわけです。
 ほかによく引用されるものが、「Human Reproduction」誌に載った別の研究です。これも1950年代に公開された古い研究で、1800年代~1900年代の女性を研究したものです。こうしたあまりに古すぎる出生記録に基づいた研究は、避妊や受胎調節の可能性を全く考慮していないにもかかわらず、現代においても何度も何度も引用されて信じられてきたということです。
(略)
 参考までに、体外授精における研究で、卵子ではなく胎芽(妊娠8週目までの個体)に関するデータをご紹介します。30歳の女性の胎芽のうち、75%の胎芽が正常でした。一方、39歳では、正常な胎芽は47%でした。確かに正常である割合は減少しますね。
 ただこれが、自然妊娠ではなく、何らかの理由があって体外授精を選んでいる方々をサンプルとするデータであるということを考慮すれば、かなりいい数値ではないでしょうか。しかし41歳では31%、42歳では25%、43歳では17%…と一気に落ち始めます。問題のない胎芽になる割合が3分の1、さらには4分の1…と、40歳からは年々、劇的に減少していくわけですね。
(略)
 一番言いたいのは、30代の女性は、年齢を過剰にリスクとして意識しないでほしいということです。正常妊娠に至らなかった女性が比較的高齢だった場合、例えほかの原因であっても「年齢のせいなのでは」と、片づけられがちな場面は多いと思います。そうしたことを言う産婦人科医は日々のお産に忙しすぎて、最新成果をフォローできていない場合があります。しかし繰り返しになりますが、「妊娠」できるかどうかに関しては、40~41歳までが目安と言っていいでしょう。それが最近の研究に基づいて今の時点で言えることだと思います。もちろん現実には、42歳でも、43歳でも、自然に産んでいる人はいますけれど…。
 ただ、40歳以降からの乳幼児の育児は体力的にかなり大変ですから、お子さんを考えているのでしたら、そうした要素も考慮した方がいいかもしれないですね。

いわゆる生物学的限界以外にも体力的、社会的な出産限界と言うものはある点はしばしば見落とされがちですが、大卒レベルが当たり前になった今の時代に40代過ぎての妊娠では子が社会人となる前に定年となる可能性も出てくるわけで、特に家計の担い手には考慮すべき点かも知れませんね。
しかし移民も多いせいか平均出産年齢が25歳と先進国の中ではかなり若めのアメリカと日本ではいささか事情が違うところもあるのでしょうし、初婚年齢が30代に突入した日本で35歳からは妊娠は難しいなどと言い出せばパニックになりかねませんけれども、結局日本でも言われているように40歳を過ぎると自然妊娠はかなり厳しいと言う状況には変わりはなさそうだと言うことのようです。
別な考え方によるとおおむね閉経年齢の10年前から妊娠は難しくなるのだそうで、日本人の平均閉経年齢がほぼ50歳と言うことと符合する結果なんですが、逆に言えば閉経年齢にも大きく個人差がある以上妊娠可能年齢にも大きな個人差が予想されるし、それに関してはきちんと調べて見なければ判らないとしか言いようがないのでしょうね。
もちろん一般的に女性は35歳くらいまでに妊娠、出産をしておくのがいいと言う考え方は生物学的妥当性はあるにしても、それでは男の方はどうなんだ、精子だって老化していくじゃないかと言う反論は当然にあるだろうし、社会的な妥当性と言う点で女性のキャリアを無視して語るのはどうかと言う意見は無視出来ないものがあります。
その点で最近いわゆる女性蔑視的とやり玉に挙げられる発言が各地の議会で散見されると話題になっていますが、ジェンダー問題を別の観点から見た場合に先日こういう記事が出ていたのを紹介してみましょう。

都議会ヤジ問題にみる女性医師のキャリア(2014年7月3日日経メディカル)より抜粋

 先日、東京都議会において発言中の若い女性議員に対し、男性議員が「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というセクハラやじを飛ばしたとされる報道を見ました。私がまず抱いた印象は「へぇ~。まだ“公の場”でこんなこと言う人がいるんだ」ということでした。

医師にはあり得ない“公の場”でのヤジ

 そもそも、地方議会でも国会でも、「ヤジ」というのは必要なものなのでしょうか?国会中継を見ていても、外野のヤジがうるさくて発言者が何を言っているのか聞こえないことがよくあります。そして私が見る限り、そのヤジは議会に相応しい品位あるものとは思えません。
 私たち医者は学会の場で、どんなにおかしいと思ったときでも、発表者にヤジを飛ばすことはありません。最後まで発表を聞き、質問や言いたいことがある場合は、手を上げて自分の意見を述べます。これはどの会社の会議でも同じことでしょう。「ヤジは議場の華」などとまことしやかに言われているようですが、このような恥ずかしい慣習はすぐにでも中止して欲しいものです。
(略)
 地方の基幹病院で臨床の第一線で頑張っている友人がいます。私と同様にシングルで子どもがいない彼女がよくボヤいています。「最近、若い女医さんが“妊活”と称して、当直に入ってくれないんだよねぇ。でもこういうのってデリケートな問題じゃない。上司の私がとやかく言えないし」「産休明けの女医さんが当直に入らないのは仕方ないとしても、早く帰らせてくれ、病棟の業務(受け持ち)はしたくない。でもキャリアのために手術はさせろ、学会で発表させろって、自分の要求ばかりしてきて困るわぁ。彼女が抜けた分の仕事を必死にカバーして、しんどい思いをしている男性の研修医の先生たちや、産休明けでも家族に協力してもらって、必死に当直している女医さんに示しがつかないんだけど…」
 またこうも言っていました。「もうすぐ産休に入る女医さんがいるんだけどね。切迫流産で何日も仕事休んでねー。みんなで彼女の仕事の穴埋めするのは、それはもう大変だったの。そりゃあ体調のことは仕方ないと思うのよ。でも先日、夏休みの希望日程を医局のカレンダーにそれぞれ書いていくことになったとき、その女医さんが真っ先に自分の休みの希望を書き出したのにはビックリしちゃった。だって彼女、仕事を休んでいた間はさんざんみんなに助けてもらっていたし、翌月からすぐに産休に入るのによ?!」
(略)

まあ前半部分の公の場でヤジなど不要と言う点は全くの同意で、何故ああした行為が未だに許容されているのかちょっと理解に苦しむのですけれども、テレビの討論番組(と言っても日本の場合、まともな討論になることはほとんどありませんが)などでもいちいちつまらないヤジや茶々入れをすることが日常茶飯事で、酷い場合になると司会役自ら好き放題言葉を挟んで発言を中断させるのですから何の為にゲストを呼んだのかです。
それはともかく注目いただきたいのは後半部分で、もちろん妊娠、出産というジェンダーに由来するハンディーキャップを抱える女性有職者のキャリア形成に配慮が必要だと言う総論部分に関してはそうそう異論がないものとしても、やはり現場スタッフの感覚からすると「それは同じ給料をもらう身としてどうなんだろう?」と疑問に感じずにはいられない部分も少なからずと言うことだと思いますね(特に同じ女医さんの立場からは厳しめになるのでしょうか?)。
公平に見て医療の世界というものはジェンダーその他の要因による差別が相対的には少ない業界だと思うし、女だろうがきちんと仕事をして高い地位に昇っていく人は幾らでも例に事欠かないのは良い点ですが、ただやはりそうした先生方が家庭人としても同様に充実しているかと言えばこれまた男と同様、いささか怪しいところがあるのも事実ですよね。
本来的には妊娠しようが出産しようがバリバリ働ける男並みの女医さんに合わせるのではなく、ごく当たり前の労働者の権利として産休も有給も十分に消化する女医さんでも普通に働ける職場環境を目指すべきだと言うのが筋なんだと思いますが、先日外科学会の調査においても妊娠中の当直免除すら半数の病院では行われていないと言う現実があるわけです。

職場での人間関係もやはり感情と無関係にはいられないので、がんばった分にはそれなりの見返りを期待したいのは当たり前ですから、この辺りはまず当直料引き上げ(せめて当直アルバイトの相場程度には!)など職場管理者として改善できる部分は幾らでもあるだろうし、長年続いている卒後年数に応じた画一的な給与体系が現代に求められる多様な働き方に合っていないのも確かでしょう。
それでも実際問題どんな自由な働き方をする医師であれいないよりはいた方がいいのも確かであって、この辺りは働ける時間帯では十二分にその能力を発揮出来るように勤務表を改めることもまた職場管理者の腕の見せ所ではありますし、逆に言えばそうした先生が働ける時間帯には他の医師はどんどん休んでもらうように勤務体系を改めていくべきなのでしょうね。
こういう話をすれば「医療の現場はそんなに甘いものじゃない!みんな休む間もなく目一杯働いているんだ!」とお叱りをいただきそうですけれども、同じように医療専門職として人手不足が深刻だと言われている看護師などはその辺りの業務の割り振りに関するノウハウの蓄積は大変なもので、何しろ基本的に女というジェンダーに関わることですから同じ女の先輩達の知恵を拝借することは恥でも何でもないのだとは思います。

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2014年7月 8日 (火)

積極果敢な医師確保策が裏目に?

地域で診療に従事する医者をあの手この手で確保する策を講じるのは昨今全く珍しいことではないし、田舎病院で働いてくれる先生にはもっと感謝の気持ちを表しましょうと言う声すら上がっている今日この頃ですが、先日医師のモチベーション確保策としてもさすがにそれはどうよ?と思わされるこんな記事が出ていました。

名医よ集まれ!養父市が「やぶ医者大賞」を創設!(2014年6月25日IRORIO)

信用出来ない医者や、医療事故などを引き起こした医者を一般的に「藪医者」と呼ぶ。なぜ「藪」と言うのか、考えたことがあるだろうか?竹やぶに入っていたほうが自然治癒力が発生するから?あるいは、医師と患者の信頼を「破る」からだろうか。

兵庫県養父市が「藪医者」の語源という説がある

やぶ医者の語源には、諸説ある。まず1つは、「野暮な医者」が訛って、「藪医者」になったと言う説。そしてもう1つは、田舎の巫医を表す「野巫」がなぜか「藪」になったと言う説だ。どちらも、少々無理とも思える説である。
有力な説として挙げられるのが兵庫県養父(やぶ)市発祥説だ。江戸時代、俳人森川許六がまとめた俳文集に、養父市にひっそりと暮らしている瀕死の患者を次々と治した医師が登場する。
その医師は「養父医者」と呼ばれ、住民から大いに信頼された。そして、その医者は自身の技術を後世に残そうと、弟子を多く取ったのだ。しかし、弟子たちは出来の悪い者が多く、養父医者の評判が落ち、いつしか下手くそな医者を「藪医者」と呼ぶようになった、と言うものだ。
真偽のほどは不明だが、1番説得力のある説ではないだろうか。

藪医者を逆手に取り、「やぶ医者大賞」を設置

養父市は25日、僻地などで医療に従事する優秀な医師を称える賞、「やぶ医者大賞」を創設したと発表した。受賞資格は「へき地の公的病院、または診療所(民間含む)に5年以上勤務する概ね50歳までの医師で、地域医療に頑張っている医師」(養父市ホームページより)で、表彰者には50万円と賞状が送られる。
応募方法は「私はやぶ医者です!」と名乗りでるのではなく、公的団体などによる推薦となる。「アイツはやぶ医者です!」と言われると、少々複雑な気もするが、あくまでも地域医療を支える医師を称える賞である。
この賞が医師にとって励みとなる事は間違いない。第1回の表彰式は、12月13日に行われる予定だ。

まあ何と言いますか、褒められているのか遊ばれているのか何とも微妙な話と言うしかないのですが、しかしこれをあくまでも他薦でと言うのは医師に対するモチベーションとして、なかなかに微妙なところではないかと思うのですけれども、それでも全国に報道されるほどのネタになった割にはさしたるコストもかかっていないわけですから、これはこれでうまい宣伝効果が期待出来るやり方ではあるのかも知れません。
ともかくも医師が足りない、もっと欲しいと言う声は全国数多にあって、どこでもあの手この手で医師を集めようとしているのは言うまでもありませんけれども、最近ではひと頃看護師の世界で問題化した御礼奉公システムと同様、巨額のお金を貸し付け返済を免除する代わりに働いてもらうと言うスタイルが非常に多くなっていますよね。
この方法論としての是非は今回置くとしても、基本的には何も知らない学生を言葉巧みにつり上げる究極の青田買いとも言うべき制度であることは言うまでもないところだと思うのですが、中にはその制度を妙な風に活用しているたくましい人もいるようで、先日から話題になっているこちらのニュースについて取り上げてみましょう。

医学修学金3080万円詐取? 2年で退学後、返済せず(2014年7月3日河北新報)

 医学部卒業生の地方定着を狙って自治体が学生に貸し付ける修学資金をめぐり、東海大医学部に在籍した男性(31)=北海道蘭越町=が宮城県登米、宮城県栗原、長野県大町、新潟県魚沼の4市から計3080万円を受け取りながら2年間で退学し、返済が滞っていることが2日、関係者への取材で分かった。4市のうち栗原市側は「地方都市の医師不足につけ込んだ悪質な行為だ」として返還を求めて提訴した。

 関係者によると、4市の貸付額は、登米1240万、栗原760万、大町720万、魚沼360万円
 男性は2010年11月に東海大医学部への編入試験で合格が決まり、4市に貸し付けを申請。登米、栗原両市から入学時の一時金を引き出した。
 栗原市を除く3市からは月ごとに支払われる資金も借り、毎月計65万円を受け取っていたが、13年3月に退学した。4市とも退学した際は資金を返還するよう条例で定めているが、男性は現時点で返していない。
 大町市は条例で、他自治体の修学資金を受け取っていないことを要件にしている。男性は11年3月30日に同市と貸借契約を結び、翌31日に栗原市、4月4日に魚沼市、5月17日に登米市と次々に契約。条例を守り、医師として各市内に勤務するという趣旨の誓約書を提出していた。
 男性は栗原市に「11年末ごろから日常的に不眠、動悸(どうき)、頭痛、めまいがし、勉学が満足にできなくなった。こらえていたが、症状がひどくなったので休養する」と釈明したという。
 男性の実家は山形市にあり、栗原市はことし3月、男性らに修学資金の返還を求める訴えを山形地裁に起こした。男性側は争わず、地裁は6月、請求通り男性らに返還を命じる判決を言い渡した。
 栗原市は「初のケースなので再発防止策などは慎重に検討する」(医療局)と説明。登米市は「再発防止の方針を早急にまとめたい」(同)と話している。

しかし言ってはいけないことなのかも知れませんが、これほど短期間にこれほど多額のお金を貸し付けるにしては傍目にひどく杜撰な仕事ぶりだと言う気がするのは自分だけでしょうか、あるいは貸付金が焦げ付くようなことがあれば地元住民から一言あっても全くおかしくない話にも見えますけれどもね。
実際問題体調不良等の事情があったのか元々詐欺的な狙いがあったのか記事からは何とも言えませんけれども、これだけ多種多様な自治体から資金を引き出していることから普通に考えるとまあ、狙って行った行為であると判断したくなる事例ではありますよね。
ただ気になったのが今回たまたま男性側が中退したために騒動に発展したわけですが、これが仮に順調に卒業し医師になっていた場合にどうなのかで、例えば最も多額の資金を貸し付けた登米市の場合は同市のHPにこんな風に記載されています。

【貸付対象者】
将来医師として登米市立病院・診療所で診療業務に従事する意欲のある医学部大学生

【返還の免除】
貸付総額を240万円で割った数に相当する年数(1年未満の端数が生じたときは1年)と、貸し付けを受けた期間に相当する年数を比較し、多い方の年数(必要勤務年数)を市立病院などで勤務した場合は全額免除となります。(勤務終了期間は、必要勤務年数の2倍に相当する年数以内

もちろん実際には貸し付けの契約に至るまでにもう少し詳しい文書があるのでしょうが、少なくともこれを見る限り複数の自治体から同様の資金提供を受けてはいけないとは書いてありませんし、記事からすると大町市以外はそうした規定すら存在していなかったと考えていいのでしょうか。
他自治体も登米市と類似の条件であったとすると3000万と言えばおよそ13年ほどの御礼奉公に相当する計算ですが、医師の場合基本的にその気になれば生涯現役ですからいざとなれば全額一括返済と言うことも可能な程度の稼ぎはあるでしょうし、貸し付ける側としてはローリスクな融資であると言う認識なのかも知れませんが、どうもずいぶんと審査が杜撰だったと言うことでしょうかね。
ともかくも個人情報保護が極めて厳しく言われている時代に他の自治体から資金提供を受けているかどうかを調べるのも難しいでしょうから、複数自治体から重複してお金を借り受けると言うテクニック自体は今後も十分に利用可能ではあるかなと言う気がしますが、その実際的な利用価値はどうなのかです。

例えば今回のように東海大学医学部に社会人が編入試験で入る場合は年齢不問で一次試験は英語と適性試験および書類審査、二次試験が個人面接とグループ討論と言う非常に緩い入試となっていて、ただ6年間で4000万円にも及ぶと言う高い学費がネックになっていたわけですが、当然ながらこの部分は自治体が全額出してくれれば何もハードルたり得ませんよね。
全国各地に多額のお金さえ出せば(さほど優秀な成績でなくとも)入れると言われる医学部は未だ少なからずあって、それらは多くの場合入学後に厳しい選抜を行うことで卒業生の質を確保しているわけですけれども、そうした大学でも進学の元手は出してくれる上に卒業までは毎月多額のお金も得られると言う、かなり自由度の高いおいしい融資だと言えそうです。
もちろんきちんと卒業し医師となるのであればまだしもですが、何かしら他に人生の目的があってそのためには多額の資金がいると言った場合に、とりあえず医学部に入学してお金を確保し本業の方をがんばってみると言うことも不可能ではない理屈ですし、融資も厳しい時代にこれほど簡単に何千万円ものお金が支給されると聞けば目的外利用してみたくなる人も少なからず出てくるかも知れませんね。
ともかくも制度的にあまり煮詰められたものではないと言うのは原則性善説に立って制度化されていると言うことなのでしょうが、やはりこれだけのお金を自治体と無関係な見ず知らずの人に貸し出すのであれば一般的にはそれなりの審査も必要なはずで、金貸し業務には素人であるだろう自治体の方々がどれだけそうしたリスクに配慮して制度を作り上げているのかです。

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2014年7月 7日 (月)

医療事故調 来年のスタートに向けて積み残した課題

先の6月18日にいわゆる医療事故調を義務づける法律が成立し、今後調査手順などは厚労省が具体的にガイドラインで示すと言うことですけれども、先日そのガイドライン策定に当たるグループのトップである西澤寛俊氏(病院協会会長)がこんなことを言っています。

「事故現場にいた医療者が正直に発言できる仕組みを作りたい」(2014年6月20日日経メディカル)より抜粋

(略)
 厚生労働省の検討部会で示された主な事項は6つです。(1)第3者機関への届け出に関する事項(届け出項目、届け出方法など)、(2)第3者機関が医療機関に対して行う助言内容とその方法、(3)遺族へ説明する方法、調査の流れなどの内容、(4)医療機関が保管する資料とその取り扱い、(5)外部支援をお願いする際の手続きや、医療事故調査の調査項目など、(6)第3者機関が調査する際の手順など――です。

 この中でも特に十分な議論が必要な項目は、(3)遺族へ説明する方法、調査の流れ等の内容でしょう。遺族に納得していただけるような調査の仕組みを作り上げることが求められます。

 ただ、このとき、医療事故調査の目的を忘れずに議論することが大切です。往々にして、事故調査(原因分析)と事故対応を混同した議論が見られます。医療事故調査の目的は、「原因究明と再発防止を図り、これにより医療の安全と医療の質の向上を図る」ですから、私たち研究班はそのためのガイドライン案作りに徹するべきだと考えます。つまり、個人の責任を問うようなことや、医療ADR(医療における裁判外紛争解決)については議論しないということになります。遺族には当然ながらしっかりと説明しなければなりませんが、医療事故調査報告が個人の責任を問うようなものになってはならないのです。こうしたことをしっかりと念頭に置いた上で、遺族への報告のあり方、医療事故調査の方法などを議論していく予定です。

 一部報道によると、「遺族への医療事故調査結果の説明の仕方によっては医療訴訟につながるのでは」という懸念があるようですが、医療事故調査制度の目的、つまり「原因究明と再発防止」からずれるようなことはしないし、すべきではないと考えています。

 では、原因究明と再発防止のための医療事故調査とは一体どのようなものなのか――。それは、秘匿性、非懲罰性を担保し、関係者らが正直に、そして自由に報告できるような仕組みだと考えます。

 例えば、医療事故現場にいた医師が、「そのときには気付かなかったけれど、今思えば、こうすればよかったかもしれない」と気付くこともあるでしょう。しかし、「こうすべきだった」と言った途端に罰せられるのではないか――という恐れが発生してしまうのが現状ではないでしょうか。現場にいた当事者が正直に、自由に発言できるようにすることが、事故の状況を把握するためには欠かせず、再発防止を考える上で必要です。ですから、再発防止のために現場の医師らが自由に発言できる秘匿性、非懲罰性を担保した調査の仕組みを考えなければならないと思います。

 また、医療機関の中でも組織の責任者と現場の医療者で利害関係が発生する惧れもあります。あってはならないことですが、個人に罪をなすりつけて組織を守ろうとする医療施設が出てくることも考えられます。患者さんだけでなく、医療者も被害者になる惧れがある。こうしたことも念頭に置く必要があります。

 一般に、遺族には原因究明してほしいという思いのほかに、「もう二度と繰り返してほしくない」という願いがあります。今回の研究班のメンバーにも入っていただいた患者遺族の永井裕之さん(患者の視点で医療安全を考える連絡協議会代表)は、「同じことは繰り返してほしくない、だから正直にいってくれ」と言ってらっしゃいます。だからこそ、現場にいた医療者が正直に発言できる、そういうガイドライン案を作りたいと思います。
(略)

「再発防止のために現場の医師らが自由に発言できる秘匿性、非懲罰性を担保した調査の仕組みを考えなければならない」と言う部分には航空機事故調などの先例を考えても全く同意すべきコメントと言えますが、マスコミを始め世間の考え方がそうなっているかと言えばかなり否定的ですし、場合によってはガイドライン策定作業に対して外部からのクレームが入る、そして方針も変質していくこともあるかも知れませんね。
ともかくも本当のことを知りたいと言うのであれば本当の事を言っても何ら自分には不利益にならないと言うことが担保されていなければならない、一方で患者や遺族等の立場からすればやはり懲罰へ結びつけたいと言う感情が否定出来ないものがあり、また事故調ではペナルティが課せられずとも民事訴訟などへの道が残されている以上証言する側としてもどこまで言っていいものやら判断が難しいところです。
どのような制度が出来ようが当面は自らに不利益なことは証言せずと言うことになりそうなのですが、その結果患者遺族側の不満が高まればペナルティを導入してでも本当のことをしゃべらせるべきだ、などと言う声も出てくるかも知れずで、結局は社会全体としての認識が改まってこないことには出てくるのは誰にとっても不満の残る報告書ばかりと言うことにもなりかねません。

さて、来年秋にはいよいよ医療事故調が始まると言うことで世間の関心も高まっていますけれども、この医療事故調の基本として診療行為に関連して患者が予期せぬ死亡をした際には第三者機関に届け出ると共に院内での調査が必要となると言うことで、この予期せぬ死亡と言う文言が非常に気になるところですよね。
もともと医療の世界で届け出ると言えば医師法21条の異状死体の届け出義務と言うことがあり、それでは事故調発足後は第三者機関に届け出ると共に警察にも届け出を行わなければならないのか?と言う疑問が湧くと思いますが、実は先日厚労相の方から大変に大きな意味を持つ答弁が為されていたと言います。

医師法21条問題は外表異状説で解決(2014年7月2日医療ガバナンス学会)より抜粋

1 厚労大臣の答弁
6月10日、田村憲久厚生労働大臣が参議院の厚生労働委員会(石井みどり委員長)において、医師法21条について外表異状説に立つことを明確に答弁した。
すでに厚労省では、医政局の田原医事課長と医政局総務課の大坪医療安全推進室長とが外表異状説を支持する見解を、再三にわたって表明している。しかし、厚労省トップの発言は無かったので、これが求められていた。
厚労大臣答弁によって、遂に、医師法21条を巡る長い間の混乱に終止符が打たれたのである。あとは、死亡診断書記入マニュアルの変更のみであるが、これも平成27年度版から改定されるらしい。

2 医療界の納得に向けて
(1)法律の解釈論
外表異状説(外表面説)は、もともと田邉昇氏(医師、弁護士)と佐藤一樹氏(医師)だけが唱えていた説である。都立広尾病院事件東京高裁判決を丁寧に分析して唱え始めた。この説は、医師法21条の文言(医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。)にも沿っている。「異状死体」を見つけたら届け出ろ、というのが素直な条文の読み方であろう。ところが、かつては歪んで読み替えられ、「異状死」(異状死亡)を見つけたら届け出ろ、と流布されてしまった。異状な「死亡」などという言葉は条文には無い。つまり、「異状死」という言葉は、医師法21条の法律用語としては、そもそも誤りだったのである。
この外表異状説は,合憲限定解釈という憲法的視点を充填すれば、法律家にも納得感があろう。憲法38条(黙秘権)を生のまま打ち出して、医師法21条は違憲であると主張するのも一般の法律家には受けが悪い。しかし、条文を読み替えて、ただちに医療過誤を異状死としてしまうのも、それこそ憲法38条と正面から衝突してしまう。そこで、医療過誤の有無とは全く関わりなく、単に外表面の異状の有無のみで判断するということならば、医師法21条を合憲としつつも憲法38条との衝突を回避できる。これこそ合憲限定解釈であり、一般の法律家も支持しうるところであろう。
(2)誠実に対応すべき相手は遺族
次に、理屈を離れて、医療界の素朴な感覚としてはどうであろうか。
外表異状説をそのまま適用するならば、「医療過誤が明らかだったとしても、外表にさえ異状がなかったならば、警察に届け出なくてよい。」という結論に至る。これでは、医療の倫理に反するのではないか、隠ぺいとなるのではないか、などといった漠然とした不安を拭い切れないかも知れない。
しかし、この不安には視点の欠落があるように思う。患者の遺族には、そもそもの大前提として、医療過誤の存在を認めて説明し謝罪しているのが当然だからである。医療者は誠実に対応しなければならない。しかし、誠実に対応すべき相手方は、第一に患者の遺族である。医療者が誠実に対応すべきなのは先ずもって遺族であって、業務上過失致死罪という本来はおかしな犯罪を捜査する警察では決してない
もちろん、誠実に対応すべき相手方は遺族だけではなく、第二に医療者自らである。つまり、その医療事故を契機に再発防止策を案出して医療安全を向上させねばならない。
第一に遺族対応、第二に再発防止対応、これが医療者の行うべきことである。極論で言えば、警察には誠実に対応しなくても、医療の倫理にも反しないし、被害者たる遺族に誠実に対応しているのだから、隠ぺいでも無い
(略)

ご存知のように医師法21条には「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。 」と言う文言があり、このことからいわゆる医療過誤あるいは医療事故等々、様々な予測されない死亡に関して警察に届け出義務が発生するのでは?と言う考えが従来主導的であったわけです。
特に近年は事故調議論と絡めて医師法21条がすなわち医療現場への司法介入を招くものであるとして非常に議論が盛んでしたが、2012年には厚労省の見解として「医師法21条は診療関連死を届け出ることを義務づけたものではない」と言うコメントがあり、死体の外表部分に異状がなければ警察には届け出る必要はないと言う解釈が示されたわけですね。
警察に届け出るのはあくまでも見た目の異常がある場合であり、死因や死亡に至る過程が異状であった場合には届けなくていいんだよと言うことはいわゆる医療事故等々で病院側が警察に届けなかったことをすわ、医師法21条違反だ!と大騒ぎすることが間違いであると言うことですが、今回大臣の口からも明確に言質が得られたことで異状死体なるものの定義が明確になったように思われます。

こうなると犯罪性のある死体を発見したと言うケース(そもそもこうしたケースでは真っ先に警察を呼ぶでしょうから届け出も何もないはずですが)以外で、一般の臨床医が医師法21条に基づいて届け出を行うと言うことはまずなくなったと考えられますが、現実問題として病院側から今も警察に届け出が行われるケースは決して少なくないと思われます。
この理由として記事にはそもそも条文の文言に対する誤解から何でも予想外の死亡は届け出が必要であると考える医師が少なくないこと、そして最大の理由としてそうした誤解に基づいて院内マニュアルが整備された結果、異状死体でも何でもない診療に関連した予測しない死亡例においても届け出を行わなければならないと院内マニュアルが整備されてしまっていることが挙げられています。
警察側としても医療機関側から自主的に異状死体だと届けられれば調べないわけにはいかないし、警察が介入すればマスコミやご遺族も「医療ミスだ!」と騒ぎになると言うことで、いわば医師自らが火のないところに自ら火を放った結果の騒ぎが発生する仕組みが出来上がっていたと言えますが、今後は院内マニュアルさえ改訂すればほぼ警察の介入とは縁がなくなると考えてよさそうですよね。
無論細かいことを言えば何を以て外観上の異状だと考えるかは非常に難しいものがあって、それこそその道の名医レベルであれば見た目だけでも「この死体は明らかにおかしい」と指摘できる徴候が幾つも見いだせるのかも知れませんが、結局のところこの法律はそうしたケースを拾い上げるためのものではないと言うことなのですから、まずは院内マニュアルの文言を確認しておくべきかなと言う気がします。

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2014年7月 6日 (日)

今日のぐり:「カレーハウスCoCo壱番屋 岡山岡南店」

世の中には時々よく判らないニュースと言うものがあって「誤植か?」などと思ってしまいますが、こちらなど地元民以外には「???」なニュースなのでしょうね。

名鉄百貨店の巨大人形「ナナちゃん」の顎が外れて地面を突き抜ける 2013年を超える長さ(2014年6月25日はてなニュース)

名鉄百貨店(名古屋市中村区)メンズ館のエントランス前に設置されている巨大人形「ナナちゃん」の顎が、驚きのあまり外れてしまいました。理由は、クリアランスセールの安さにびっくりしたため。ナナちゃんは2013年のセール時にも顎を外していましたが、2014年は昨年よりも衝撃だったのか、顎は地面を貫いて地下1階まで到達しています。

地面を突き抜けたナナちゃんの顎は、地下1階にある「ヤマダ電機 LABI名古屋」の床付近まで伸びてしまいました。顎の先端部分の周辺にはバリケードが張られています。ナナちゃんの顎が外れた理由は、サイトの説明によると「クリアランスで安さにビックリ!」してしまったため。セールは6月27日(金)から開催されます。

ナナちゃんの身長は610cm、体重は600kg。これまでにも季節やイベントに合わせてさまざまな変貌を遂げてきました。2013年夏のクリアランスセール時にも、驚きのあまり顎を外していたナナちゃん。この時の顎は、腰まで伸びていました。

その状況は元記事の画像を参照していただくことでようやく理解可能なものなのですが、て言うかそれ以前にこの巨大人形のコンセプトがよく判らないのは自分だけでしょうか?
今日は思わず顎も外れてしまったナナちゃんに敬意を表して、世界中から気になって仕方がない身体の一部分に関する意外性あるニュースを紹介してみましょう。

「ブローネ」で眉毛を染めた女子高生「イモト」のような眉毛になり落ちないと話題に(2014年6月21日秒刊サンデー)

とんでもない事件が話題となっている。なんと毛染めの「ブローネ ヘアカラー」で眉毛を染めたら、眉毛がイモトアヤコのように濃くなってしまって取れなくなったと話題となっている。そもそもなぜ眉毛を染めたのかどうかは定かではないが、この緊急事態に彼女はなぜかリアルタイムで眉毛染めを落とそうと「ツイキャス」で実況をはじめる。はたして眉毛はおちるのか。

眉毛をブローネで染めたところ落ちなくなってしまった彼女、ツイキャスで実況をはじめたようです。すると多くのフォロアーや、騒ぎを聞きつけた人が殺到し多くの知恵を絞るようになる。その影響で更に拡散してしまい、もともとのツイートは1万を超えるようになった。個人的には大事故ではあるが、眉毛だけでここまでリツイートを稼げるとはなかなかの猛者である。

―なんと歯磨き粉で落ちた。

さて落ちなくなった毛染めは意外なもので落ちたのだと言う。それは「歯磨き粉」である。確かに歯磨き粉は汚れを落とす作用があるので、もしかしたら毛染めの成分も落とすのかもしれません。とはいえ、結果的に彼女の人気は上昇したようで、多くのフォロアー獲得にうれしい悲鳴なのかもしれない。

とはいえ、眉毛以前になぜ白髪染めを使ったのかと言う指摘もあるようだ。
(略)

これまた元記事の画像を参照していただかないことには何が何やらと言うニュースなのですが、しかしこれは狙ってやった、と言うわけでもないのでしょうね…?
お隣台湾からそれ自体はまあ実用性があるのかないのか微妙な無駄知識系なのですが、何やら妙なことで有名になっている方の動画配信の話題です。

【究極動画】台湾人による「手を使わずにズボンをはく方法」がエクストリームすぎて世界中で大人気!! 3日で390万回再生を突破(2014年7月1日ロケットニュース24)

突然だが、皆さんはズボンをどうやってはいているだろう? 恐らく「ズボンのウエスト部分を持ち、足を通す」と答える人が多いのではないだろうか。
そんな常識を激しく覆す動画が世界中で話題となっているぞ。ある男性が「手を使わずにズボンをはく方法」を実践したというのである!! ついに人類はネクストステージに上がるときがきたのか!? まずは動画「頂尖對決之穿褲子篇」で確認だ。

動画にはパンツ姿の若い男性が映し出されている。「さあ、これからズボンをはくぞ!」と言わんばかり、気迫は十分だ。そして、床に放置されているズボンに向かって上品につま先をスーッと入れると……こ、これは!?
確かに手を使わずにズボンをはいている! ときに力強く、ときにしなやかさを醸しつつ、華麗にズボンをはいている!! 詳しくは是非、皆さんの目で確かめていただきたいが、一度その“プリプリくねくね”とした動きを見てしまうと、もう目が離せなくなるぞ!

この動画は公開3日目にして再生回数390万回を突破!! とくに欧米で大人気のようで、ネットユーザーからは以下のコメントが寄せられている。

「ナイス!!!!」
「僕もやってみたい!」
「なんて才能なんだ」
「クッソ笑った!!」
「俺は新たな人生の目標を見つけてしまったようだ」
「これがアジアのレベルなのか……」
「そうだ、これがアジアだ」

ネットユーザーのコメント通り、動画に登場しているのはアジアの男・台湾人俳優の蕭志瑋(しょう・しえい)さんである。彼はこれまでに台湾を中心とした中華圏で何度かパフォーマンス動画をヒットさせているが、ついに世界の心をつかんでしまったようだ。
ちなみに、この「手を使わずにズボンをはく方法」、蕭さんはたった25秒で完璧にズボンをはいていた。両手があくのでマルチタスクも可能! 興味がある人は練習してみてはどうだろうか?

いや何と言いますか、元記事の動画を参照していただくとまさしくタイトル通りの内容なのですが、しかし何なのでしょうねこの独特の違和感と言いますか脱力感と言いますか…
こちらインドからの話題ですけれども、確かに凄いのだろうけれどもどれくらい凄いのかちょっと理解が難しいと言うニュースです。

鼻でキーボードから文字入力 ギネス最速記録が速い(2014年7月2日ねとらば)

 コンピュータのキーボードから鼻で文字を入力する世界最速記録を、インドの男性が打ち立てました。

 Khursheed Hussainさんは103文字の課題文を、47.44秒で鼻で入力し、ギネス世界記録に。動画も公開されていますが、速さと正確さを保ちながら入力しているのが分かります。

 ちなみにHussainさんはAからZまでのアルファベットを3.34秒で入力するという世界最速記録も保持しています。こちらは手での入力です。

これまた元記事の動画を各自参照いただくとして、ブラックジャックでは手の不自由な少年が舌でそろばんを操作する感動のエピソードがありましたが、しかし実際にこういう光景を目撃すると…
こちら一応はアメリカ発のニュースと言うことになっているのですが、少なく見積もっても人類の半数が抱く率直な欲望をそのまま形にしたようなイベントでしょうか。

“おっぱいぼいんぼいん”体験、米ミュージアムの展示に世界が熱視線。(2014年7月1日ナリナリドットコム)

米ニューヨークに、「Museum of Sex」という、その名もズバリな性に関するテーマを扱う博物館がある。ここで先日から始まった新たな展示が、いま世界でも大きな注目を集めているそうだ。英国の芸術家2人が手掛けた「Funland」では、主に女性の体をモチーフにした作品の数々で遊びながら楽しめる、アトラクションのような展示が並んでいるという。

米紙ニューヨーク・デイリーニュースや米誌ニューヨーク・マガジンなどによると、この展示は「Bompas & Parr」という英国の芸術家2人組によって製作され、来年春までの予定で6月26日からスタート。博物館側から今回の展示計画を持ち掛けられたという2人は、「面白いアイデアだ」と快諾した。そして博物館で展示するものとして、人体の魅力を来場者に分かってもらえるような作品作りを目指しつつ、来場者が五感すべてを使い、性的興奮時と似たような快感を得られるような、身をもって体験できる作品を考えたそうだ。

その「Funland」に入館した人たちを最初に待ち受けるのは、「Tunnel of Love」という作品。「Gスポット」と名付けられたゴールを目指す鏡張りの迷路になっていて、ここを抜けて中へと進んでいくと、その先にあるのが「Bouncy Boob Castle」、つまり“弾むおっぱいの城”だ。中にある「Jump for Joy」という作品は、公開されているFunlandの紹介動画(http://vimeo.com/98984399)で見られるが、床や壁のエアーマットにいくつもの“おっぱい”が付けられており、最大6人まで一緒に飛び跳ねて遊べるという。

さらには、「女性の体のパーツ」をした足場が取り付けられ、ボルダリングを楽しめるのが「Grope Mountain」。馬の代わりに「金色の陰茎」を使って、競馬ゲームが楽しめる作品「Foreplay Derby」などがあるという。

早くもこれらの展示を体験したという30歳の米国人女性は、「すごく面白かった」と存分に楽しんだ様子。特に「たくさんのおっぱいに囲まれてジャンプできるなんて、世界でもどこにもないはず」と話した彼女は、すっかり「Jump for Joy」で満喫してしまったようだ。

まだ始まったばかりにも関わらず、早くも世界で評判となっている今回の展示。責任者を務めるマーク・スナイダーさんは、性的な部分がモチーフで、気分が高揚するからといって、楽しむ要素が強い作品の中で「“行為”を始める人たちがいるとは思えない」と話している。果たしてこれらの作品からどのような気持ちや認識が生まれるのか、それを知るためには、とにかく実際に自分で体験してみるしかなさそうだ。

これまた画像を参照いただきたいところですが、ブリからの2人組によって制作されたと言う時点で半ば予想された通りのイベントで、まあしかし女性も存分に楽しんでいらっしゃる様子なのは良かったでしょうか。
最後に取り上げますのもこれまたブリからのニュースなのですが、そう言えばずいぶんとスクープ合戦も厳しいらしいですよね。

キャサリン妃のお尻丸出し写真が公開され、英王室が“尻専用ボディガード”を雇った!?(2014年6月3日テックインサイト)

先日、独紙になんとも恥ずかしい“お尻丸見え”写真を掲載されてしまった英キャサリン妃。2012年のトップレス写真に続くスキャンダルを受けて、王室はついに珍対応に出た!?

2012年のこと、英キャサリン妃は南フランスでウィリアム王子とバカンスを満喫。その際に妃のトップレス写真が撮影され、それを複数メディアが公開するにおよび大騒動となった。あれから2年、今度は海外を訪問中の妃が歩行中に突風が吹き、スカートがめくれ上がった。その日の妃はノーパン、またはTバックをはいていたとみられ、お尻が丸見え状態に。その姿をとらえた写真を独タブロイド紙『Bild』が掲載し、またしても大騒動になってしまった。

これを受け、英王室は危機感を募らせたもよう。英メディアによると、王室はついにキャサリン妃の外出に同行する“尻ガード”役を雇用したとのこと。今後はこの女性が妃の買い物や旅に同行し、お尻が丸出しになるといったハプニングがないよう妃を見守るという。

この珍報道が事実か否かは不明だが、王室側がこういった写真の公開に悩まされているのは確か。故ダイアナ妃(キャサリン妃の夫ウィリアム王子の母)も生前マスコミの追跡にずいぶん苦しんだため、王子も今回の騒動にはかなり動揺していると伝えられている。

まあ今のところ日本ではちょっと考えがたいような話ではあるのですけれども、そうは言っても本邦皇室でも昨今一部皇族の方が国内外においてアイドル的人気を誇っているようではありますからね…
ともかくも英国において王族の一員となるとはこういうことなのだと思い知らされる話なのですが、しかしこういうものの需要が彼の地の世間でもそれなりにあるということなのでしょうか。

今日のぐり:「カレーハウスCoCo壱番屋 岡山岡南店」

世界最大のカレーチェーン店として認定されたと言うこちら、最近ではむしろ海外で熱狂的ファンが多いようですが、オプション選択の豊富さから国内でも根強い人気がありますよね。
学生時代にはご多分に漏れず大盛りだの激辛だのに挑戦した記憶がありますが、久しぶりに来てみますとずいぶんとメニューも増えているようで、そうなりますとつい食べたことのないメニューに目が行きます。

今回は季節もののメニューを中心に色々と試してみましたがメインの印度カレー(チキン)にはほうれん草をプラスで、何やら漢方薬を思わせるような(成分はほぼ同じなので当然ですが)生っぽいスパイス香はココイチらしくないんですが、インド風利金カレーとしてはベースのスープが貧弱なのはちょっと残念だったでしょうか(しかしこの慣れないスパイスの刺激は何と言いますか、口よりも遅れて胃にくるものですね)。
ごぼうサラダは味的にはゴボウよりもトッピングのちょっと昭和っぽいアレさのあるハムの方が目立つくらいで、成分的にもほぼレタスとキャベツですからこのネーミングは何やら釈然としないものがあります。
フライドポテトは揚げたてですが、太めのタイプならともかくこういう細いタイプのものはもうちょっとカリカリクリスピーな方が好みですね。
カレーに合わせると言うことでマンゴーミルクラッシーを頼んでみましたが、普段飲むにはちょっと濃すぎる味ですが印度カレーにはやはりこれが必須と言う感じですよね。

メニューのバリエーションは様々な方向に増えてきてはいても、味の方はあくまでも大衆向けカレー屋としてのココイチの範疇に留まっているのが面白いですけれども、しかし今ではココイチにも金沢カレーがあるんですね。
設備面ではこちらはさほどに大きな店舗ではないせいもあってか特に目立ったところはなく、トイレなども広さ設備はまずまず水準ですがこぎれいにはしてるのは好印象でしょうか。
結構繁盛してるようなので仕方のない部分もあるのでしょうが、接遇面では標準的なマニュアル対応ですがもうちょっとテーブルの状況に気づいて欲しいかなとは思いますし、メニューが多様になったせいかレスポンスも悪化したようですね。

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2014年7月 5日 (土)

技術的には完全に一般化した盗撮行為

ブロードバンドネット時代の比較的早い時期からネット上でいわゆる流出動画と言うものは重要なコンテンツとなっていて、例えば封切られたばかりでまだ一般販売されていないような新作映画が公開直後からネットに流出していると言うことがごく普通にあったわけです。
お隣中国などでは昔からこうしたものが海賊版として二束三文で売られていて、一体どうやったのかと言えば映画館にカメラと三脚を持ち込んで撮影していたと言うのですが、当然ながら本来映画の売り上げにつながったはずの需要が食われてしまっているのだとすれば、関連諸方面にとっては面白い話ではないですよね。
さすがに今どき映画館に三脚を構えて撮影していれば一声あってしかるべきでしょうが、対策の進歩以上に技術的進歩も進んでいると言うことでしょうか、最近あちらこちらで注目されているあのガジェットに関しても禁止通達が出たと話題になっています。

イギリスの全映画館でグーグルグラス禁止令(2014年7月1日GIZMODO)

米国で発売されて2年。
運転中の着用や、装着時のレストラン入店拒否など、使用場面の線引きが何度も話題になっているグーグルグラス。米国外で初めて販売が開始されたイギリスでも同じような問題があがってきました。

イギリスの映画館は、グーグルグラスで映画を撮影し海賊版を制作する者が出るかもしれないという懸念から、劇場内でのグラス着用禁止を発表しました。ただ、どのタイミングでグラスを外さなければならないかは、映画館によってまちまちのようです。全面着用禁止の映画館もあれば、照明が落ちたら外してくれと呼びかける場所もあります。
グラスは連続撮影すると45分程度しかバッテリーがもたず、1台で映画全てを撮影するのは不可能です。ただ近年、海賊版を作る際は、複数端末での撮影や画と音を合成編集する手法をとっているため、バッテリーの消耗は弊害となりえなくなってきました。加えて、海賊版の90%は映画館での録画がベースになっていると言われており、油断も隙も与えられない状態なのです。グーグル側は

    映画館は携帯電話などの同じジャンルの端末と同じようにグラス扱うほうがいいでしょう。映画館で携帯電話の電源を切る、つまりグラスも切るよう指導すべきだと思います。先手だってルールを決めてしまうよりは、まずグラスを体験して対応してほしいと思います。そもそも、グラスは撮影中に光るため、盗撮にはむかない端末だとは思いますけれどね

とコメントしています。

その他にもさまざまな施設で独自のルール作りが急がれているようです。例えば、患者のプライヴァシーを守るため、病院ではグラス着用を全面的に禁止。一方Virgin Activeスポーツジムでは、着用はOKですが撮影は禁止しています。
まだまだ、アーリーアダプターが使っているグーグルグラス。今後、市民権を得ていくためには、多くの問題をクリアにしていく必要があるようです。

しかし撮影中には光るのであれば光らないように改造すればいいだけの話ですし、別にグーグルグラスに限らず眼鏡型カメラなど今どき幾らでも用意出来ると思うのですけれどもね。
何であれ用心のし過ぎかと言えば必ずしもそうとも言い切れないのが今の時代なんですが、ちょうど先日は病院内でもこれからは携帯使用が可能になると言う国の新指針案が公表されたばかりで、もともと日本の病院と言うところは患者のプライバシーなど様々な問題があるとは言われていますから、その気になれば幾らでもマニアックな映像なりを取得する機会もあることでしょうね。
もちろん利便性の方がはるかに大きい以上一部不心得者の不正利用の可能性を言い出せばきりがないことですし、院内で携帯が使えると言うことはいつでもリアルタイムで情報が検索可能だと言うことでもあって、例えば患者説明の理解の基礎知識を正しく解説するサイトなどを医療関係者自らが立ち上げてもいいくらいだと思います。
ただ市販品の中にはどう見てもこれはそういう目的にしか使いようがないなと思われるあからさまなものも存在していて、新聞広告欄の女性用マッサージ棒くらいならまだしもこれは幾ら何でもアウトだろう?と思われるガジェットが先日とうとう摘発されたと言うニュースが出ていました。

ほかに使い道あるの? 「盗撮禁止」とうたって盗撮用運動靴をネット上で売る…(2014年7月1日産経ニュース)

京都府警 府迷惑行為防止条例違反の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕へ

 カメラを仕込んだ盗撮用の運動靴をインターネットで販売したとして、京都府警中京署などは1日、府迷惑行為防止条例違反の幇助(ほうじょ)容疑で、神奈川県大和市の会社代表、内藤孝彦容疑者(25)ら2人の逮捕状を取った。午後にも逮捕する方針。

 内藤容疑者はネットで、隠しカメラ専門店「カモフラージュカメラ.com」を運営し、サイト内に「盗撮禁止!」と表示。ただ、靴のつま先にカメラをセットしていることや、リモコン操作で撮影した動画を一瞬で消去できることなどから、府警は盗撮目的の商品と判断した。

 捜査関係者によると、内藤容疑者らは昨年から今年にかけ、京都市左京区の会社員(29)=府迷惑行為防止条例違反容疑で逮捕=ら数人に、隠しカメラを仕込んだ運動靴を数万円で販売し、盗撮行為を手助けした疑いが持たれている。

 警察庁によると、盗撮に関わる迷惑行為防止条例違反の検挙件数は、平成21年からの5年間で、約1480件から約2720件に急増している。

元記事には画像も添えられていて確かにこれは判らないと納得の出来映えなのですが、試みに大手通販サイトなどで検索してみるとまあ出るわ出るわ、人間の創造力や探求心とはこれほどのものなのかと感動すら覚える多種多様な商品が並んでいて、世の中にはこれほど何かを密かに撮影することへの需要があるのだなと再認識させられますね。
まだアナログ全盛期だった昔からこの手の品の広告には「決して悪用しないでください」と言う注意書きが添えられているのがお約束で、画像を撮影すること自体はもちろん直ちに犯罪行為とまでは言えないのはもちろんなのですが、見ていますとどう考えても盗撮以外の需要が思いつかないような機材ばかりと言うのは非常に気になりますよね。
肖像権等々それが明らかになって捕まえられればそれなりに対処も出来るのでしょうが、社会的にも増えてきている監視カメラなどの利用もありますから法的にどういう対応が必要なのかで、例えば撮影される側の同意を得ないでカメラを向ける場合には撮影していることを物的あるいは告示等で明らかにしなければならないと言った規制に関しても検討が必要なのかも知れません。

日本ではこうした盗撮と言えば大抵は何らかの性犯罪や商業的行為と絡めてのものだと思いますが、需要そのものは個人あるいは少数のマニア向けのニッチな市場に留まっている印象がある一方、お隣中国などではこの盗撮ものと言うジャンルが大変にメジャーなのだそうで、一般人レベルにおいても公衆トイレを利用する際には盗撮を前提に顔を隠すなどの対策を取るのが当たり前になってきていると言いますから大変です。
彼の国の場合いわゆるアダルトものを撮影すると言うこと自体が犯罪であると言う法の網をかいくぐる方便でもあると言いますから困ったものなんですが、怖いのはこうした盗撮行為が公的機関等によっても行われいわゆるハニートラップの類としても利用されていると言うことで、政治的あるいは経済活動の一環としてこうした手段が常用されると言うのでは関連諸外国にとっても全くもって他人事ではありません。
これだけ機材が進歩していることを考えるとそちらへの対策も現実問題難しいでしょうし、そうなりますと中国式に盗撮前提で行動せよと言うことになるのかも知れませんが、せっかく雰囲気もいい感じで盛り上がっている時にお互いお面でもかぶって事に及ぼうと言うのではまあ、なかなかに対処が難しい別種の問題が続発しそうではありますよね。

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2014年7月 4日 (金)

利己的行動と利他的行動

本日の本題に入る前に、先日の大阪市のいじめ学童隔離政策の話に関連してご紹介いただきました、三河の小学校でいじめられる級友を見かねた女児が「いじめるなわ私をいじめろ!」と名乗り出たところ「いじめてもいいんだって(笑」と担任の目の前で殴る蹴るの暴行を受けたと言うトンデモ事件がありましたが、当然ながら世間的にも極めて大きな反響を呼んでいるようです。

いじめかばった小3女児に称賛の声 「勇気をほめるべきだ」「めちゃくちゃかっこいい」…(2014年7月2日J-CASTニュース)

 いじめられている同級生を見かねて、「いじめるなら私をいじめて」とかばった女子児童が暴行を受け、全治1週間のけがを負っていたとわかった。
   自ら身代わりを申し出た女児の正義感ある行動に、インターネット上では「勇気をほめるべきだ」などと称賛の声が上がっている。

「私を代わりにいじめて」と申し出る

   被害を受けたのは、愛知県豊橋市立の小学校に通う、小学3年生の女児(8)。豊橋市教育委員会によると、被害児童は2014年6月3日午後、同級生3人から乱暴行為を受け、全治1週間のけがを負った。気付いた男性担任(23)はその場で暴行を止め、事実確認と指導を行っている。
   きっかけは、前日の被害児童の発言だった。別の女子児童が4月から悪口などの嫌がらせを受けていたため、被害児童は2日の放課後、児童クラブ(学童保育)で「いじめるなら私を代わりにいじめて」とかばった。それを伝え聞いた加害児童が、暴行に及んだという。
   担任は4日、学年主任に相談。校長へ伝え、学校は複数人による授業を始めるなどの対応を始めた。また学校は10日、加害児童、被害児童双方の保護者に、騒動の概要と今後の対応について説明したが、被害児童の保護者は改めて謝罪の場を設定するよう求めた。
   26日に再度謝罪の場が設けられ、27日に被害児童は保護者同伴で登校。週が明けた30日からは、以前と同じように登校している。
   報道によると、担任は4月に採用されたばかりの新任教諭で、学校側の支援も十分ではなかったため、暴行をからかいや遊びだと思っていた。いじめをかばった理由について被害児童は、「いじめを見るのが嫌だった」と話しているという。

尾木ママ「その勇気をほめたたえたのでしょうか!?」

   ツイッター上では担任や学校批判もあるが、目立つのが女児を称賛するものだ。
    「かばった女子児童を尊敬する」
    「この女の子の勇気をほめるべき!!」
    「頑張ってかばったこの子 めちゃくちゃかっこいいわ」
   法政大学教授の尾木直樹さんもブログで、
    「その勇気を誉めたたえたのでしょうか!?」
    「いじめ起きない学校づくり児童に約束したのでしょうか!?」
    「いじめるのなら私をいじめて…と叫んだ小学三年生の女の子 学校は絶対に守らなければなりません!」
と熱弁。13年施行の「いじめ防止対策推進法」を引き合いにだし、「なんていう無責任な学校! 今は担任任せにしない 校内の対策委員会で動くのが原則!」と学校の対応についても非難している。

記事にもありますように新任教師が担当していた教室内での出来事で、これ以前からコントロール不良な状態であったことを把握していたにも関わらず学校組織として十分な対応が出来ていなかったようですけれども、ちょうど人気漫画「3月のライオン」で昨年頃に同様の問題を取り上げ大きな反響を呼んだことがあるように、この種の問題についてはやはり誰しも我が事として感じてしまうようです。
ただここで注目していただきたいのは、いじめをかばって被害を受けた件の女児が「いじめを見るのが嫌だった」と話していると言う点で、そもそも彼女達の交友関係は明らかではないのですがやはり他人への共感だけではなく、自分自身の価値観に照らし合わせてどうかと言うことが人間の行動を決定付ける大きな要因であるのかなと言う気がします。
その意味で一見すると利他的な行動も突き詰めてみれば利己的な行動であると言う考え方にも一理あるかとも思うのですが、ともかくにも人間の行動心理というものは単純ならざるものであって、一体何故そんなことを?と思うような行動の背景にもそれなりに深い意味があるのかも知れないと改めて感じさせられるのがこちらの記事です。

立場を死守するため仕事を教えないベテラン(2014年7月3日日経メディカル)

トラブルの経緯
 今回紹介するのは、整形外科の無床診療所で起こった職員トラブルだ。同クリニックの事務は、常勤3人、パート2人の体制。事務主任が退職したため、勤務5年目の常勤Aさんに、「あなたが中心となって頑張ってほしい」とお願いした。Aさんは30歳代前半で、前職を含めると8年の経験がある。感情的になりやすいところもあるが、仕事はできる
 退職者の補充のため常勤職員を募集し、Bさん(30歳代後半、経験4年)を採用。能力を見極めるため、3カ月の試用期間中に基本業務を経験させるようにAさんに指示した。
 まずは受付からスタート。2週間後、Bさんに「仕事はどうですか?」と聞いてみると「慣れてきました」とのこと。だが、Aさんに「Bさんの仕事ぶりは?」と聞いてみると「まあまあです。覚えるのに時間がかかります」と評価が低い。他の職員は特に問題ないと評価しており、Aさんだけが低評価を下している印象だった。

質問しても無視、院内の雰囲気が悪化
 1カ月が経過しても、まだBさんは受付業務しか任されてない。本人に状況を聞いたところ、「受付はできるようになりましたが、他はまだです」とのこと。
 そこで、Aさんに「次の業務を教えたらどうだろう?」と話すと「レジミスや指示を守らないこともあるので、まだ無理です」と言う。「とはいっても、当初よりミスは少ないでしょ?」「そうですが……」「受付だけを任せるならパートで十分。常勤なんだからレセコン入力を教えてください」。Aさんは不満そうな顔で「分かりました」と返事をした。
 仕事を教えない理由が分からないので、弊社から医事担当の女性スタッフをサポートで派遣することにした。1週間後、彼女から驚くような報告があった。「Bさんが質問してもAさんが無視しています。教えないこともあります」「雰囲気が悪くてBさんは辞めるかもしれません。周りの職員もAさんの顔色をうかがいながら仕事しています」「業務分担は全くできていません。Aさんが1人で抱えています。皆逆らえません」。ここまでひどい状況になっていたとは予想外だった。
 院長も、「Aさんは仕事ができる人なのに……。意外だね」と信じられない様子。再度Aさんを呼んで、「Bさんにもっと計画的に業務を教えてほしい」「ローテーションで業務分担を図るように」と、今度は手順を示しながら優しく指示した。
 それから2週間。耳に入るのは「Bさんは教えてもミスがあり覚えが悪い」と言うAさんの愚痴と、「Aさんは気分次第で仕事がやりにくい」と言う周り職員の話ばかり。Aさんがどんどん浮いてきていることは明らかだった。

「辞めてもらうのも致し方なし」と腹をくくる
 たまたま昼休みに事務室に行くと、Aさんが「大変だったら辞めた方がいいよ」とBさんに話しているところに出くわした。私の顔を見ると、Aさんはさっと離れて他の仕事を始めた。
 院長の前では一生懸命仕事をしているが、自分の立場が脅かされると思う人や気に入らない人はプレッシャーをかけ追い出そうとする。このまま放置すれば、Aさんがいなければ成り立たない職場になる。注意してもAさんの態度が改まらなければ、辞めてもらうのも致し方ないと考えるようになった。これは、院長も同じ考えだった。
 その後も、Aさんには同様の指導を繰り返したが、改まる気配が見られない。そこである日、私はAさんとの個人面談の場を設定した。
 面談の場で私が「仕事は教えていますか」と聞くと、「教えています」と言うので、「そうは聞いてないけど」とはっきり伝えた。次に、「ローテーションで業務分担を図る件はどうなった?」と尋ねてみたら、「まだできていません」とのこと。「忙しいからできていないんです。余裕ありません」と不服そうな顔をした。
 反省の態度が見られないため、私は、「数回同じ話をしているのだから、忙しいだけでは理由にならない。業務分担しないと回らなくなります。今のままでは、皆ついていかない。もう少し考えて仕事してください」と厳しい表情で通告した。そうしたところAさんは、「そのように思われているなら辞めます」と怒った顔で答えた。院長からは対応を一任されていたので、私は「分かりました」と認め、「辞める時期は相談しましょう」と言って面接を終えた
 Aさんは、院長が引き留めると思っていたようだが、院長からも慰留されず、「それなら明日にも辞めたい」と言い出したという。院長が「引き継ぎをすべきではないか」と話したところ、Aさんは「引き継ぎはするけど、自分が勤務する日は、あのコンサルタント(筆者のこと)を出勤させないでください」と条件を出したとのことだ。これは、もちろん受け入れた。悪役に徹するのも、こちらの仕事である。
(略)

様々な意味でなかなか教訓的な事例だと思うのですが、もともと一職員としてはそれなりに仕事も出来るベテランだった個人が上司の退職で責任者としての立場に立った、そして新規のスタッフ教育を任されたが何故かうまくいかないどころか、意図的にスタッフ教育を阻害するような行動すらしていたため結局辞めさせられたと言うのが基本的な流れでしょうか。
Aさん自身仕事を抱え込んで忙しいと言うのも確かなのでしょうが、一方で周りのスタッフにうまく仕事を回すことも出来ていなかったようですから、単純に管理責任者としての能力が不足していたと言うこともあるのかも知れませんけれども、記事中でも匂わされているようにこうした事態を招いたのは多くはAさんの意図的な行動の結果であるとも読み取れますよね。
その理由は幾らでも想像出来るのですが、一つには院長が当然に自分を慰留すると思い込んでいたらしいことからも伺えるようにAさんとしては自分が職場において必要な人材であると認識もしていたし、その立場を強化することが今後の地位安泰のためにも必要なことであると考えていた、だからこそ職場業務を自分がいなければ成り立たないものにしようと画策していたと言うことも事実あるのかも知れません。
どこの職場にもこうしたベテランスタッフが職場の実権を牛耳っていると言うことは多かれ少なかれあって、それによって職場の効率が上がっていると言うのであればまだしも正当化できるのでしょうが、今回のように明らかに職場の効率低下を招き再生産性を阻害していると言うのであればこれはいわゆる腐ったミカンであって、早めに取り除かなければ大変なことになってしまうと言う判断が為されたと言うわけですね。
もちろんこの場合Aさんの個性や人格も最も大きな要因となっていたことは間違いなさそうですが、人間である以上自分の裁量によって幾らでも自分に有利な状況に持って行けると言う環境に置かれた場合にその誘惑に逆らえるかどうかはなかなか難しい問題であって、事実毎日のようにこうした甘いささやきに負けてしまった人々の姿が報道されるところから見ても人間の本性の一面を示している事例とも言えそうです。

こうした事例を別な側面から見てみますと、例えば医師という職業は当然ながら高度専門職として長い教育期間を必要とするのですけれども、その教育と言うことを誰がどのように行うのか、教える側のメリットは何かと言うことを考えると難しい問題があって、実際に現行のローテートによる臨床研修制度が始まってから研修が充実した施設もある一方で、ただ見学するだけの実のないお客様研修で終わっている施設もあると言います。
昔のように医局に所属した上で関連病院に出て学ぶと言うシステムであれば上司は同門の先輩であり、後輩を早く鍛え上げて戦力化出来ればそれだけ自分の仕事を任せて楽が出来ると言うモチベーションがあったのですから話は理解しやすいのですが、今のように長くても数ヶ月たてば他科に行ってしまい二度と関わることもないだろう相手に、考えてみると人間どうやったら真剣な教育を施せるかと疑問も湧きますよね。
冒頭のように初等教育において問題が多数発生している一因として、教師の側には自ら苦労を買って出てでもきちんとした教育を行うことでさしたるメリットがない以上、何かと事なかれ主義でただ子供達を次の学年に送り出すことだけを考えてしまうのも仕方がないと言う考え方もあって、確かに素晴らしい教育を行った結果その子が何十年かして教師になり後を継いでくれる確率と言うのは決して大きなものではないわけです。
臨床研修の場合はネットや口コミによる全国的な評価によって研修医の集まりにも影響が出るはずですから、少なくとも病院という組織にとってはそれなりのモチベーションになるはずですが、後々までその病院に残る意志もなく研修が終わればさっさと他所に行ってしまうことが判っている若手に現場の指導医が教えたところでまあ、給料が上がるわけでも出世に影響するわけでもなく仕事が増えるだけな場合がほとんどですよね。
金だとか地位だとかの見返りを期待して行う行為など邪道だと言う批判は世間一般に根強くありますが、やはり教育という行為自体が好きだという一部の先生を除いて現場臨床医の大部分は教育ではなく別なものを目的にして仕事をしているわけで、そう考えると利他的な行為を利己的な行為に転換するためにそれなりのインセンティブでもなければ、本当に真剣で質の高い教育は難しいのかも知れません。

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2014年7月 3日 (木)

糖尿病と法律

本日の本題に入る前に、この5月から病気や酒、薬物等の影響で事故を起こした場合の厳罰化が始まったことはすでにお伝えした通りですが、この際に対象となるべきものとして世間の念頭にあったのが一つには危険運転致死傷罪があまりに適用範囲が狭すぎると不評だった飲酒運転、そしてもう一つが栃木のクレーン事故などを契機に各地で相次いで報道されることとなったてんかん患者による事故だったことは否めません。
もちろんこれはこれで今後どのように運用されていくのか注目すべきなのはもちろんなんですが、この際に安全運転に支障を来しかねない疾患として具体的に名が挙げられたのが統合失調症、低血糖症、躁鬱病、再発性失神、重度の睡眠障害、意識や運動の障害を伴うてんかんの6種の疾患であったわけです。
それぞれが有病率やリスクとしてどの程度重きを置くべきなのか、この6種に限定するのが妥当なのかと言った議論は当然にあろうかと思いますが、とりあえずてんかんだけを目の敵にしていればすむと言うものではない実例が先日発生したこちらの事故です。

御堂筋暴走事故、運転者は低血糖で意識薄れる?(2014年6月30日読売新聞)

 30日午後4時頃、大阪市中央区の御堂筋八幡町交差点で、ワゴン車が一方通行の道路を逆走し、乗用車に正面衝突した。ワゴン車はその後、方向転換して御堂筋を横切り、横断歩道付近で自転車に乗っていた女性(32)をはね、停車中のトラックにぶつかるなどして止まった。

 大阪府警南署によると、女性は胸の骨を折るなどの重傷で、トラックの近くにいた男性(58)も軽傷。ワゴン車を運転していた同市内の男(65)も頭にけがを負った。同署は治療が終わり次第、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致傷)容疑などで事情を聞く方針。

 男の家族は同署に対し、「(男は)糖尿病の持病があり、インスリン投与で低血糖になることがあった」と話している。低血糖になると意識が薄れることもあり、同署は事故との関連を慎重に調べる。

 現場は百貨店や高級ブランド店などが並ぶ繁華街。

まあ何とも危険な事故だったと言うしかないのですが、低血糖発作で意識朦朧となる可能性は誰にでもあることで、患者にしろ担当医にしろそのリスクや対処法をきちんと理解した上で治療を行っていかなければならず、またいざ意識障害が起こってしまった場合に周囲にも即座にそうと知れるようにしておかなければ命にも関わりかねません。
こうした疾患による意識障害に関しても今回の厳罰化で罪に問われる可能性があるわけですが、今回の件に関して言えば治療歴があると言うことで担当医の指示通りに治療を受けていたのであれば刑事罰に問われないかも知れず、逆に担当医側が民事なりで訴えられると言う可能性もありと、今後この種の疾患の治療は今まで以上に気を遣わなければならないでしょうね。
アメリカなどでも糖尿病患者の運転の是非が近年話題になっていて、FDAは運転出来るかどうかの判断は医師によって行われるべきこと、患者は運転前に血糖値を測定し低めの場合には運転を控えるべきことなどの勧告を出していますが、日本では例えば認知症患者の8割以上が医師から運転を止められたにも関わらず拒否して運転を続けていると言う穏やかでない話もあり、強制力が問題ですよね。
免許更新時などに医学的判断をどう道交通法などによる強制力に反映させるかと言った連携の問題も含めて、誰がいつどうやってその是非を判断すべきかなどのルールも整備しなければ絵に描いた餅ですけれども、そもそもの根本とも言うべき疾患の管理と言うことに関して先日こういう記事が出ていたことを紹介してみましょう。

薬局が健康管理支援…厚労省モデル事業(2014年6月18日 読売新聞)

禁煙や高血圧対策、在宅患者を訪問

 薬局を住民の「健康情報拠点」とするモデル事業に厚生労働省が乗り出した。これまで、医師が処方した薬の調剤などを主に行ってきた薬局に、住民の健康相談や在宅患者への薬の指導など幅広い役割を担ってもらおうというものだ。
 市販薬の適正な使用法を助言し、医療機関への不要な受診を減らして医療費の伸びを抑える狙いもある。モデル事業は今年度予算約2億4000万円で始め、将来的には各地の薬局に広げる。

 薬局の薬剤師は血圧測定や健康相談のほか、喫煙者には禁煙支援も行う。近隣の医療機関に勤務する看護師や管理栄養士にも来てもらい、相談を受けつける。例えば、風邪症状の場合、市販の解熱鎮痛薬の使い方や体調管理について助言し、不急の受診を減らす。
 今年4月から薬局での自己採血検査が正式に認められた。血糖値などの結果を踏まえて減量などの対策を紹介し、必要に応じて医療機関の受診を勧め、病気の重症化を防ぐ
 在宅医療の支援にも力を入れてもらう。地域の医療機関と連携して薬剤師が患者の自宅を訪問、処方薬を自己判断でやめたり量を減らしたりしていないかを確認する。飲み残しをなくすとともに、薬があまり効かない、副作用が強いなどの訴えがあった場合は主治医に伝え、薬の変更を検討してもらう

 東京都足立区の「あやせ薬局」は、筑波大の研究事業の一環として血糖の状態を見るヘモグロビンA1cを店頭で測定。20薬局が参加する、この研究で糖尿病や予備軍と疑われる人は測定者の3割に上った。
 市販薬の情報提供や健康相談にも積極的に携わる同薬局管理薬剤師の長井彰子さんは、「高齢化が進む今後、地域の人の病歴や日常生活を知っているかかりつけの薬局が、病気の予防や早期発見、健康維持に関わるべきだ」と指摘する。
 積極的に取り組もうとする自治体の一つ、高知県は今年度、県内に約400ある薬局の半分程度を、こうした取り組みを行う薬局にしたい意向だ。高血圧対策などに力を注ぐとともに、在宅患者の薬の飲み残し状況を調査する。
 薬局がサプリメントなどを過剰に販売する懸念もある。厚労省は「事業の趣旨から外れないように取り組んでもらいたい。全国の事例を集め、良い取り組みは全国に広げていきたい」としている。

そもそもメタボ健診なども国民の健康状態を把握し早期発見早期治療に結びつけると言う狙いがあったはずですが、日本の場合癌検診などを含めても健診受診率そのものが全体の3割程度と非常に低く、大多数がきちんと健診を受けていると言う欧米諸国と比べると国民全般にわたる疾患スクリーニングと言う点でどうしても拾い上げの段階での力不足が目立ちますよね。
こうした状況の中わざわざ健診のために医療機関を受診せずとも、身近な場所で健康状態を知るとっかかりがあればこれに超したことはなく、そもそも誰であれちょっとした待ち時間などに目の前に血圧計などが置いてあればひとつ計ってみようかと言う気にもなるでしょうから、薬局に様々な支援的機能を持たせると言うアイデア自体は有効性が少なからず期待される政策だと思います。
ただせっかく制度として立派なものが出来たとしても問題となるのはその運用面なのですが、先日こうしたニュースが出ていたことを見ますと「一体国はまともにやる気があるのかどうか?」と少なからず疑問に感じざるを得ませんよね。

厚生労働省医政局指導課、薬剤師、血液採取を手伝えず―検体測定室指針でQ&A(2014年6月23日医療NEWS)

■血糖測定に水道設備設置を

厚生労働省医政局指導課は、薬局等で血糖自己測定等の簡易検査を行う場合に参照する「検体測定室に関するガイドライン」の疑義解釈集(Q&A)をまとめ、都道府県等の担当者に通知した。薬局で薬剤師が受検者の手指に触れて採血を手伝うことはできないとの考えを示したほか、血糖自己測定器を使う場合は、受検者が穿刺前に手を洗うことができるよう水道設備を設ける必要があるなどとした。

検体測定室でのHbA1cの測定等に当たって、受検者から徴取する承諾書の様式については、「任意」としつつ、測定の申込書に「測定に関する説明事項(チェックボックスを付記)」や「受検者が説明内容に同意するか否か」を明記できる欄を設けるよう求めた。

厚労省のQ&Aを見てみますと患者(受検者)本人が自分で採血できない場合について「受検者以外の者が、受検者の手指に触れ、血液の採取を手伝うことは、できません。実施した場合は医師法等関係法令に抵触する可能性があります。なお、自分で血液の採取ができない場合や、検査に必要な量の血液が採取できない場合は、サービスの提供を受けられないことを事前に説明してください。」と明記されています。
言われてみれば確かに御説ごもっともで、薬剤師は侵襲的な採血業務などやっていいことにはなっていないしカリキュラム上もそうした教育は受けていないわけですけれども、一方でこの場合に言う採血というものは患者本人が行う血糖自己測定などと同じレベルの簡易検査で、専用の小さな針で指先をちょっと傷つけて血を一滴絞り出す程度のことですから現実問題さしたる危険があるとは思われず、事実素人がやっているわけです。
それでは検査技師が出血時間などを測定するのはどうなのかですが、あちらに関してはもともと血液採取を行ってよいと言うことになっていたことに加えて、平成27年4月からインフルエンザ用検体など様々な検体採取も行ってよいと法律が改正されたばかりで、この辺りは実際の業務を見て必要だからルールを改めると言う話になっているわけです。
一方で国を挙げて薬局を町の健康ステーションにしようと盛り上がっている矢先に、いやそれは現行の法律上出来ませんと水をかけるようではどうなのかで、この辺りはさっさと法律を改正するなり必要な手配を行っていただきたいところですけれども、こうしたことをやるのにそうした下ごしらえが必要だと言う事前予測は官僚側から政治家に提示しておくべきだったかと言う気もします。

ともかくも当面のところは患者本人が自分でやるしかないと言うことで、横から薬剤師が手は出さないが口は出してやらせると言うことでなければ、患者本人がやり方を知っていると言う前提条件が必要になると思いますけれども、そもそもこうした手技を承知しているような患者はもともと糖尿病で平素から自己血糖測定をやっているような方々でしょうが、そうした人が比率としてどれほどかと言えば決して多くはなさそうですよね。
となると薬局側としては見よう見まねだけで素人に方法論を覚えてもらえるようによほどしっかりした教材なり指導法なりが求められると言うことになりますが、こうしたことを覚えてもらうのに通常病院では教育入院としてしばらく入院してもらうことが多いと言うことを考えた場合に、さてその手間やコストに対してどの程度の報酬を用意するのが妥当なのでしょうか。

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2014年7月 2日 (水)

卵子提供 身近な海外渡航先としての台湾での現状

不妊治療の最終的な手段の一つとして行われる海外渡航での卵子提供という行為について、日本人の場合多くは卵子提供を受ける側なのですが、提供に応じるドナー側にとってもそれなりに難しい部分もあるのだろうなと感じさせるのがこちら台湾への渡航増加を伝える記事です。

“卵子提供を受け出産”増加 なぜ海外へ? 日本の現状は・・・(2014年6月30日TBSニュース)

 子どもができない、不妊を心配したことがある、または現在心配している夫婦の割合は3組に1組と言われています。ある42歳の日本人女性もその1人です。彼女は、台湾にある目的で渡航しました。それは卵子提供です。台湾の女性から提供してもらった卵子と、この日本人女性の夫の精子を体外で受精させ、その受精卵を日本人女性の体に入れて妊娠を試みようというのです。
(略)
 手術当日。台湾の女性から提供を受けた卵子と、女性の夫の精子とでつくられた受精卵。凍結保存されていた8つの受精卵のうち、2つを子宮の中に入れる手術が行われます。女性には、条件に合う22歳の大学生の卵子が提供されました。
(略)
 卵子提供による体外受精のための費用は150万円ほど。このうちおよそ30万円は、法律で認められている卵子提供者への「栄養費」という名目。つまり、謝礼金です。
 どのような気持ちで卵子を提供するのか、このクリニックで去年、卵子を提供した女性に話を聞くことができました。
 「やはり若い卵子が必要とされているので、やってみたいと思いました。(謝礼金なしでの卵子提供は)難しいです。本当に注射が多く、時間もかかり、おなかが張ったうえ、気分もすぐれなかった。採卵後もとても調子が悪かった」(卵子提供経験者[26歳])
 このクリニックには現在、卵子提供者が40人ほどいますが、不妊に悩む女性たちからの相談は世界各国から年間2000件以上あるといいます。
 「日本各地から東京や大阪だけでなく、地方から来る人も多い」(宏孕生殖医学センター 張 宏吉院長)
 日本からも週に2組ほどの夫婦が相談に訪れ、その数は増えているといいます。実は、卵子提供を受け、日本で出産した人は年々増加しています。今や1年に300人ほどと推計されますが、多くは海外で卵子提供を受けています。では、なぜ海外へ渡るのでしょうか。

 日本には、卵子提供について定めた法律はありません。病気による不妊などに限って、一部の医療機関で実施されることもありますが、極めてまれです。
 この状況を変えたいと、去年1月、病気による不妊の女性のためにボランティアでの卵子提供者を募りあっせんする全国初のNPOが設立されました。設立からおよそ1年半、不妊に悩む人たちからの相談は後を絶ちませんが、卵子提供者の数は20人ほどにとどまっていて、現在、新規の相談は受け付けられていないといいます。
 「日本で卵子提供の法整備ができてほしいし、体制が整って、私も子どもを産みたいっていう涙のお電話をたくさん頂く。(不妊相談の)募集は1日も早くしていきたい気持ちは最初からあるが、申し訳ない思いでいっぱい」(卵子提供をあっせんする NPO「ODーNET」 岸本佐智子代表)
 専門家は、卵子提供で生まれてきている子どもたちがいる限り、法制化を急ぐべきだとしています。
 「どうしても日本で行うということになると、(卵子提供は)無償ということになる。日本はドナー(提供者)がいないので、法律がないことが大きな問題だが、それ以上にドナー(提供者)を集めることが、今後、大変になってくるだろう」(慶応義塾大学 吉村泰典名誉教授)
(略)

台湾においても2007年から本格的にメディカルツーリズムを開始しているのだそうで、特に移植医療などの高度先進医療を得意とするのだそうですが、その一環として行われている生殖医療に関して興味深い点は裏付けとなる法律において精子や卵子の売買は認めない一方で、ドナーに対する1500~3000ドルの補償金支払いを認めていると言う点が特徴的です。
骨髄バンクなども実際の骨髄採取は非常に大変な作業で、実際に経験されたドナーの方々に言わせると「こんなに大変だと知っていたら考え直したかも」と言うほどの負担感があると言いますが、日本国内では臓器移植も含めて金銭による売買は行ってはならないと言うことになっていて、これは倫理面で悪いことばかりではないにしてもドナーが増えていかない理由の一つになっている可能性はありますよね。
台湾の場合名目はともかく合法的にお金を出して卵子提供を受ける道筋があると言うことに加え、何しろ渡米することを考えればはるかに安上がりであると言う点で日本からの渡航者もどんどん増えているのだそうですが、これに応じるドナー側にとってもやはり相応の金額の支払いがあると言うことが大きなモチベーションとなっているようで、民族的な近さを考えても今後ますます日本にとって重要な地位を占めることになりそうです。
もちろんこうした医療を受ける方々と言うのはそもそも高齢でハイリスク妊娠であると言う場合が多いはずで、その意味で各種合併症のリスクも極めて高いと言う事実は知っておかなければならないし、当然ながら海外で治療を受け帰国した場合に誰がその後のフォローアップをするのかと言う問題もあって、今後は国内だけでなく国際的な生殖医療のルール作りが必要になるのかなと言う気もしてきますでしょうか。

さて、先日も慶応大OBの先生が精子提供によって産まれたと言う過去を知り、ドナーの情報を開示してくれと大学側に訴えていると言う話がありましたが、今の時代に隠そうとしても隠すことが出来ないと言うのは仕方のない話であり、配偶子提供を受けた、あるいは受ける側でも「可能であれば匿名ではなく、出産後も子に会ってもらえるようなドナーがいい」と言う声もあるようです。
もちろんドナー側にとっては遺伝子を分けた身内ではある一方で、例えば産まれた子供に障害があった場合に責任問題にも発展しかねないなど様々に気の重い状況もあり得るわけで、やはり実際には顔を合わせることなく匿名でのやり取りに終始しておいた方が安心だと言う心理が働くのはやむを得ないところだと思います。
台湾の場合金銭的やり取りがあることでやはりお金目的と言う若い女性が多く、純粋な善意による提供者よりもその辺りの事後のわずらわしさを厭う気持ちが一層強いのではないかと予想するのですが、興味深いことに家族という概念に対する歴史的文化的背景もあってか、匿名での卵子提供が行われるようになって新たなわずらわしさも生まれているようです。

匿名方式の卵子提供の功罪−台湾調査報告(2013年7月10日生殖テクノロジーとヘルスケアを考える研究会)より抜粋

(略)
 匿名性が導入された背景には、家族関係が複雑化し、財産権や遺産相続に関わる法的トラブルが生じる事への懸念が存在した。人工生殖法の施行前には行われていた姉妹や親戚などからの提供ができなくなったことも、卵子提供が少なく抑えられている理由である。実際には姉妹や親戚などからの提供には、現在でもニーズがある(医師)という。また、伝統的に血縁が重視され、近親婚が忌避される文化的背景により、レシピエントは、卵子ドナーと配偶者(夫)が4親等以内でないことを証明するため、夫側の血縁に繋がる4親等内の家系図を全て埋めることが求められる(※精子提供の場合は妻の血縁に繋がる4親等以内の系譜の調査が必要)。卵子ドナーが匿名であるがために、レシピエントにこのような負担が生じている。しかし、卵子の受領に際して、膨大な家系図を埋めたとしても、近親婚の脅威を完全に防ぐことは難しい。配偶子提供によって産まれた子どもの情報の管理は衛生省が行っているものの、親から子へと、子の出自に関わる真実が伝わることは滅多にないと考えられる。したがって、子の結婚に際し、近親婚でないことを確認するための申請書類手続きは、制度としては整備されているものの、実際には利用されるケースは滅多にないであろうと推測される。また、病院や医師にとっても、配偶子提供は、煩瑣な書類手続きが必要であるため、実際のニーズよりも実施数は少なく抑えられているという(医師)。また、総合病院では、ドナーへの支払いシステムが確立されていないことも加わり、ドナーに関わる業務は、一定の仲介手数料を取る仲介業者に委託することが一般的となっている。
 配偶子ドナーは匿名であるため、レシピエントが知ることはできるのは、ドナーの身長、血液型、髪の色など限られた情報のみで写真の閲覧は不可となっている。ドナーは医師が選び、レシピエントが自分でドナーを選ぶことはできない。全ての書類をそろえ、約1ヶ月ほどで衛生省の審査を終了すれば、卵子提供が許可される。一人のドナーからの子の出生は1回までと決められている。子どもが産まれたらそれ以降は提供できなくなる。このため、一人のドナーが金銭目的で何度も提供することは避けられている。台湾では、外国人でも卵子提供を受けることが可能である。外国人が利用したケースはこれまで稀であり、現在のところ台湾への卵子提供ツーリズムはほとんど確認されなかった。しかし、合法的に行われているため、一見、海外からのクライアントが増えても不思議ではない条件が備わっているが、ドナーの選択が自由にできないためか、国内の患者数の需要を満たすだけに留まっている。人工生殖法では、卵子ドナーは20歳から40歳までと定められているが、レシピエントには年齢制限が課されていない。このため、50歳や60歳を超えた高齢患者への提供も行われている。医師への聞き取りによれば、そうした高齢婦人への卵子提供のケースは、遺産相続問題への対処や、成人した子どもの不慮の死などを理由とするものであった。これらは、家族制度上の要請によるものである。一方、未受精卵の凍結保存なども、一部の女性有名人が利用していることが台湾内で報道されており、自らの人生設計のために主体的に技術を利用する富裕層の女性も出現している。
(略)

しかしお一人様が珍しくない今の日本であれば家を残すために高齢婦人が卵子提供を受けるといったことはちょっと考えにくいかも知れませんが、伝統的な価値観においてそうしたことが求められる場合にはやはり相応に需要があると言うことなのでしょうか、一方で医学的に言えばリスクばかりが高まるだろうこうした処置に対して台湾の医師が応需しているというのも興味深いですよね。
ともかくもこれだけ厳重な血縁証明が求められるくらいですから、恐らく結婚するに当たっても配偶子の被提供者は特別の苦労があるのだろうし、今後その数が増えて行くにつれて「血縁関係が発覚して結婚が出来なくなった」等々と社会問題化していくのか、あるいはそうした証明を求める社会的文化的価値観の方が変容を求められていくのかです。
ただそこまで血縁関係に忌避感がない(むしろ一部では緩すぎると言う批判もあるようですが…)日本においても決して他人事ではないと思うのは、最近遺伝子的な検査技術が進歩したこともあって血縁関係が解明されるようになった結果、長年実の子供だと思って暮らしてきた相手が実は赤の他人だった、実子だとの認知を解消してもらいたいと訴えるケースが実際に起こっている現実がありますよね。
また最高裁まで争われたケースで血縁関係がないと知りながら実子として認知した、しかしその後夫婦関係の破綻に伴い認知を取り消したいと言う訴えが認められたと言う事例もあって、ただでさえちょっとしたことで家族関係とは揺らぐものですが、ひとたび揺らいだ場合に遺伝子的な血縁関係の欠如はしばしばそれに促進的な働きを及ぼすとも言えそうです。
その意味で日本では処置としての安全性だとか配偶子を受け取ることの倫理的な側面ばかりが議論される傾向がありますけれども、実際にこうした子供が増えていき成長した場合に家族関係と言う文化的価値観まで問われることになりかねないわけで、他のあらゆるリスクよりも重視すべきファクターは実施の大前提として強固な家族関係が存在するか否かと言う点なのかなと言う気がします。
現代医療の性質として昔ほど深く個人に立ち入ることは避け、あくまでも契約関係に基づく診療に徹するのがよいのだと言う考え方が主導的になってきているように感じますが、生殖医療の現場においてはドライな関係ばかりでは後日に大きな禍根を残しかねないと言うことになるのでしょうか。

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2014年7月 1日 (火)

【大阪】教室から隔離されても授業には参加できる?

神戸界隈ではこのところ市街地に出没するイノシシ被害が問題化しているのだそうで、昨今では猟友会なども人手不足で全国的に鳥獣被害が増えているようですけれども、この調子でいきますといずれ大きな人的被害が出た段階で訴訟にでも訴えられれば「これと言った対策はない」などと言っていると言う行政の責任が認定されかねない勢いでしょうか。
さて、その神戸のお隣大阪で先日から話題になっているのが大阪市教委が言い始めた問題学童は別施設に送って隔離するべしと言う話ですけれども、ネット上での圧倒的支持に対して予想通り一部方面から反対意見も出ているようで、実際の制度運用を始めるに当たってはもう一騒動も二騒動もありそうなんですが、本日まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

「問題児」は“特別教室送り”…橋下流「更生プログラム」で波紋(2014年6月29日産経新聞)

 橋下徹大阪市長が推し進めようとする「問題児」の更生プログラムが波紋を広げている。悪質な問題行動を起こす子供を市立小中学校から一定期間引き離し、「個別指導教室」で徹底指導する試みで、真面目に勉強しようとする子供の安全や学ぶ権利を守る狙いもある。しかし“教室送り”のレッテル貼りを懸念する声が根強い上、市教委が例示した問題行動も「窃盗」「傷害」など警察沙汰ばかりで、教室の将来像がイメージしにくい。来年度の導入に向け、精緻な制度設計が課題となりそうだ。

■「順法意識や規範意識を備えよ」

 「大阪の現状をみてください。実際に問題行動をする子供たちのせいで学級崩壊しているクラスもある
 6月10日に開かれた橋下市長の定例会見。個別指導教室に関心を持った在京テレビ局のスタッフから否定的な質問を受けた橋下市長は語気を強めた。
 “教室送り”のレッテルが貼られることへの懸念に対しては「子供たちには『そんなことを気にするなよ。ちゃんと順法意識や規範意識を備え、真面目になるほうが重要だよ』と言いたいです」と熱っぽく語っていた。
 橋下市長と市教委は同日午前に開いた協議会で同教室の設置を確認。悪質な問題行為を起こす子供に対して学校教育法に基づく出席停止措置を行い、その期間中に指導する。
 指導は問題行動の対応に経験豊富な教員や、心理学の専門家らが担当。子供ごとに個別指導計画を作成し、在籍する学校と連携して問題行動の克服を図る。
 「各学校では行えない専門的なケアで立ち直りを促すと同時に、ほかの子供たちが落ち着いた環境で教育を受ける権利を守りたい」。市教委幹部は強調する。

■全国ワーストの暴力行為…教員4割「挑発増えた」

 橋下市長と市教委が個別指導教室の設置へと舵を切った背景には、大阪の学校現場が抱える深刻な現状がある。
 文部科学省が全国の学校を対象に行った調査によると、大阪府の児童・生徒千人あたりの平成24年度の暴力行為の発生件数は、47都道府県の中で最多の9・5件。全国平均の4・1件の倍以上もある。大阪市教委によると、学校現場では暴力行為に加え、授業離脱、授業妨害などの問題行動が後を絶たない
 さらに、24年12月に生徒が自殺した市立桜宮高校の体罰事件以降、体罰撲滅が進む水面下で教員は子供たちの増長に直面しているとされる。
 市立学校の校長らで作る研究班が調査したところ、中学校の教員の約4割が生徒から「しばけや」「体罰や」などと言われる挑発・揶揄(やゆ)が増えたと感じている
 約6割が「生活指導をやりにくくなった」とも回答。「暴力や危険行為を防ぐための行為でも体罰と言われかねない」「状況や背景に関係なく体罰の言葉でくくられる」などの悩みも寄せられ、教員たちが萎縮している状況が浮き彫りになった。
 「昔みたいに言うことを聞かなかったら殴ったり、ケツを蹴り上げたりする時代ではない。先生に手をあげるなというなら、やっぱりルールに従わない子は別のところで個別指導する」。橋下市長はこう述べており、教員の負担を軽くすると同時に、体罰撲滅のためにも同教室が必要というスタンスだ。

■「違法薬物所持」「凶器所持」「放火」警察沙汰ずらり

 課題は運用のルール作りといえる。
 市教委は今回、問題行動を軽い方からレベル1~5に分類した既存の対応マニュアルを使いながら同教室のイメージについて説明した際、“教室送り”の対象をレベル4、5相当の行為とした。
 しかし、そこで例示されている行為は「重度の傷害」「窃盗」「危険物・違法薬物所持」「凶器所持」「放火」といった警察が乗り出すべき事案ばかり。教室での指導とはかけ離れており、制度の実効性がイメージしにくい。
 橋下市長は「個別指導のほうがいいだろうという(問題行動の)領域を確定し、明文化する」と述べ、今後、市教委に明確なルール作りを求めていく姿勢を強調した。
 日本教育再生機構の理事長を務める麗澤大の八木秀次教授は「問題行動を起こす子供と、他の子供の双方にとって良い措置であり、画期的だ」と評価する一方、橋下市長と市教委に対してクギを刺す。
 「恣意(しい)的な運用にならないように、誰にでも分かる客観的な基準、運用ルールを作らなければならない」

“個別指導”に賛否 大阪市議会常任委(2014年6月29日大阪日日新聞)

 大阪市議会の六つの常任委員会が23~25日の3日間にわたり開かれた。新しい委員のもとでの初めての委員会となり、大阪市教育委員会が新たに設置を決めた「個別指導教室」(仮称)や、大阪都構想の制度設計について話し合う「法定協議会」などが、テーマに挙がった。

慎重な意見

 大阪市教育委員会は、来年度から校内暴力などの問題行動を起こした市立小中学校の児童・生徒のうち、悪質性が深刻な場合、校外に「個別指導教室」を設けることを決めた。問題行動の児童・生徒の教育とともに、その他の多くの児童・生徒の安全と教育を受ける権利を守るための措置としている。
 校内暴力の重篤度を5段階に分類。「傷害行為」などをレベル5、「窃盗」などをレベル4に指定し、レベル4以上に該当すれば、個別指導教室で専門スタッフによる指導を行う。
 24日の教育こども委員会でこの制度について質疑した待場康生議員(公明)は「個別指導教室は隔離教室につながる思いがする。短いスパンでみれば教室は一時的に静かになるが、慎重にやるべき」と注文を付けた。
 これを受け大森不二雄教育委員長は「多くの真面目に学習したい子どもたちの教育権を守りながら、問題行動を繰り返すような児童生徒に対する手厚い指導の両立をするのはなかなか困難。学校だけでは背負いきれない深刻なケースについて、現場に支援の手を差し伸べていく考え」と理解を求めた。
(略)

【エンタがビタミン♪】中居正広が問題生徒“特別教室”案に疑問。「これがあったら自分も隔離されていた…」(2014年6月18日テックインサイト)

(略)
松本人志は「簡単に言うと、反対かな」と主張しており、「レベルに段階分けすると中学生とかは『俺はレベル4までいったで!』と面白がるかも。システムはともかく“レベル”という呼び方が良くない」と理由を説明する。その説には中居正広や東野幸治らも共感しており、特に男子学生の心理をついているようだ。
さらに、松本が「ダサイ呼び方だったら笑われたくないから生徒も嫌がる。ネーミングを“えんどうまめ”とか“さやえんどう”、“おいなりさん”にするべき」と提案すると、共演者からも大ウケしておりフリーアナウンサーの渡辺真理などは涙をためて笑いをこらえていた。
また、中居正広はレベル分けについて、苦笑しながら「僕はどのレベルか分からないが、たぶん、授業を妨害していた方だったと思う」と学生時代を振り返っている。事前アンケートには「もしこれがあったら、自分も隔離されていた(笑)」と書いていたほどだ。

そこで、レベル分けについて具体例が示された。“レベル2”では「始業のチャイムが鳴っても、生徒が廊下でボールを蹴り遊びをやめない。教師が教室に入るように促すと暴言を吐いた」というものだ。これには中居が「いや、それはみんな(経験が)あるんじゃないすか」と周囲を見回した。
さらに“レベル3”について「授業中に集団で奇声をあげながら廊下を走り回ったり、器物破損を続けたりする生徒に、教師が指導に入るが収まらない。制止する教師に暴言を吐いたり、暴力をふるったりした」と具体例が示された。
今度は松本が「僕は、奇声をあげてたんですけど、(集団でなく)個人であげてたからね」とさらにたちが悪いと笑っていた。
中居正広は「これは、生徒に迷惑がかからないためということですか? でも、そういう悪い子がいるからいい子たちも、反面教師として学ぶんじゃないかな」と主張すると、東野から「授業にならないんですよ。一生懸命に勉強している子には時間が限られている」と指摘される。
だが、中居はさらに「どの時代にも悪い子はいますけど、そういう子たちはまだ将来が暗いわけではない。僕も、勉強する方ではなかったが、ここまでちゃんとなりましたし…」「こういう子たちがいて、いい子が際だつ。いろんな人がいていいと思う」と隔離する必要に疑問を呈した
(略)
さらに渡辺真理が、「新しい制度には必ず、賛否両論がある。昔と比べて暴力の質が違うとなった場合。そういう子たちを集めて、例えば木村監督のような『こいつらには俺が立ち向かう』という先生がいたとしたら、その子たちの人生って凄いものになる可能性もある。もし、橋下市長が責任をもって『この子たちに対していくんだ。育てていくんだ』という姿勢で制度を活用すれば反対意見もなくなるのでは」と持論を展開した。
(略)

すでに各方面で報道されている通り問題行動の程度に応じてレベル1~5で区分けし、そのうち4、5に相当するものを別施設に隔離すると言うことなのですが、このレベル4、5として例示されているものを見てみますと「傷害行為、窃盗、危険物・違法薬物所持など(レベル4)」「重度の傷害行為、凶器所持、放火など(レベル5)」で、出席停止や警察等と連携し学外で対応することとなっています。
もちろん明らかな犯罪行為ばかりが並んでいることからこうした場合授業どころではないと思うのですが、問題は昨今の学生はかつての校内暴力華やかりし頃のように直接的な暴力行為に出ることは少なく隠れて行う場合がほとんどであるし、特に教師に対しては様々な挑発的行動に出て相手方から手を出させようとすると言いますよね。
その点で現場での使い勝手を考えると骨抜きと言いますか、このままではいささか具合が悪い制度にならないかと言う危惧はあるのですが、レベル1の反抗的態度なども繰り返せばレベルが上がっていくと言うことですから、当面隔離を要する者はほとんど出ないだろうと言う制度にしておいて、どうしても改善の兆しが見えない場合にはイエローカード累積で退場と言う形に持っていく方が無難なのかも知れません。
いずれにしても隔離制度の誕生によって生徒が自主的に態度を改めるなら一番なのですが、イジメなど犯罪的行為がさらに深く地下に潜伏していかないよう更なる対策は必要であることに加えて、いざ隔離となったときに本人家族とは必ず何かしらトラブルが発生するだろうと予想されるのですが、その際に一つの論拠となってくるのは「誰しも教室に加わって授業を受ける権利がある」と言った点だと思います。
もちろん授業を受ける権利があるのは他の生徒も同じことであり、多くの生徒が権利を侵害されているのであれば意図的にそれを侵害する側に何らかの制約が加えられるのも仕方がないと言うのが現代の法治国家における通常の考え方だと思いますけれども、それに対して双方にとってメリットがあるかも知れない解決策として海外からこんなニュースが出ていました。

代わりに通学して、ひとりの生徒を救ったロボット(2014年6月29日産経ニュース)

病気のときに、自分や自分の子どもの代わりに授業に出席してくれるロボットがいたら......。それはまるで、藤子F不二雄作品の「パーマン」に出てくる「コピーロボット」のような発想でもあります。しかしそんな夢のような話が、フランスでは現実となっているのです。その名も「ロボ・学生」。

ひとりの生徒の窮地を救った「ロボ・学生」誕生

フランス・リヨンでエンジニア科に通う生徒が、登山事故にあって入院することになってしまいました。長い入院期間中、学校の授業は進んでいくばかり。ともすると、もう一年やり直さなければならないかも知れない......。そんな学生の窮地を救ったのが、この「ロボ・学生」だったのです。
遠く離れていても、インターネットさえつながれば、ロボットのカメラが眼の役割をし、音声が耳の役割を果たしてくれる。そのため、クラスの中のホワイトボードや授業の様子が伝わってきて、教師に質問をすることだって、休み時間中にクラスメートと会話をすることだって可能なのです。
●授業の様子はこちらでご覧になれます。

このロボットは、 「Awabot」によるもので、現在フランスのローヌ・アルプ地方と提携し、高校の授業に参加する「ロボ・高校生」なるプロジェクトを実施しているのだとか。ヨーロッパ初の「ロボ・学生」の誕生は、今後フランスで遠隔学習者のためにどれだけ導入されるのか、注目が集まりそうです。

授業を聞くだけであれば別にロボットでなくてもネット経由で映像接続すればいい話で、すでに電子会議などとして一般にも普及してきている技術ですけれども、やはり目線を合わせる対象としてロボットなりがあるかないかと言うことはそれなりに違いがあると言うことなのでしょうか、何にしろ双方向でのコミュニケーションが取れると言うのは良いことですよね。
冒頭からの話に立ち戻って考えるとこれはなかなかに応用が利くシステムでもあって、要するに授業に参加し周囲の同級生と会話を交わすと言った学校生活の真っ当な側面に関してはほぼ問題なく行うことが出来る一方で、例えば教室で暴れてやるだとか大声を出すと言った反社会的行動に関してはシステム面で完全に押さえ込んでしまうことも出来ると言う理屈です。
最近のロボット技術の一般化は大変なもので、先日もFDAによって脊損患者にロボット歩行器が認可されたと言うニュースがあっていずれプロレスでもやれるようになるのかと期待も高まるのですけれども、ロボットを工場のような隔離された環境で独立した別システムとして働かせるだけではなく、こうやって人間の補助として用いるのであれば実社会に応用する道は幾らでもあるんじゃないかと言う気がしてきます。
問題ありとして隔離されてしまった生徒にしてもそのまま誰からも忘れられてしまうよりは、アバターと言う形で教室とのつながりを保っていられた方がよほど社会復帰も容易になるんじゃないかと思いますし、橋下市長あたりの英断で試しにこんなシステムを幾つか現場に導入してみると言うのはどうでしょうね?

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