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2014年6月20日 (金)

知られたくないものの正しい取り扱い方

ネタのような本当の話と言うのでしょうか、先日はご存知ブリからこんな唖然とするようなニュースが飛び出しています。

【悲報】妻におびえて試合観戦をしている英国紳士が激写される / 横断幕「妻は私たちが釣りをしていると思っているので映さないでください」(2014年6月17日ロケットニュース24)

現在行なわれているW杯といえば「サッカー」だが、皆さんは2015年9月にイングランドでの開催が予定されているW杯をご存知だろうか。そう、8回目を迎える「ラグビーW杯」だ。
本大会に向けて世界各国が調整を続けているのだが、先日のテストマッチで「悲報」とも言えるシーンを激写されてしまった英国紳士たちが話題になっているぞ。実に切ないその詳細は次の通りだ。

話題になっているシーンは、2014年6月14日に行なわれた南アフリカ vs ウェールズのテストマッチで見られた。世界ランキング2位と6位の激突はラグビーファンであれば興奮必至。夢のような対戦カードなだけに、数多くのウェールズファンも南アフリカのダーバンまで足を運んだ。
そんな中、悲劇に遭ったのは妻たちに内緒で試合観戦をしていた英国紳士のグループ。「妻は私たちが西ウェールズで釣りをしていると思っているので映さないでください」という横断幕を掲げ、絶対にバレないように手を打っていたのだが……。
なんとテレビで中継された上に、その画像が SNS 上で拡散される羽目になってしまったのである。この日のために妻に隠れて結束してきた彼らだが、激写されてしまったことですべてが水の泡となった。

試合も38−16でウェールズは敗北。追い討ちをかけるように妻からきつーいお灸を据えられる彼らを思うと少し不憫である。結果論だが、何もせずに観戦した方がバレなかったのではないだろうか。

その状況は元記事の画像を参照いただければ一目瞭然なのですけれども、それは確かにこんなに目立つ横断幕を掲げていたのでは世間の注目も集まろうと言うものではないでしょうか、ともかくもう不肖管理人としても涙無しで見ることが出来ません…
彼ら紳士達のその後の人生に幸多かれと願うしかありませんが、しかし実のところこれは今の時代非常に重要な問題を提示していて、何気ない写真一枚から様々な情報が取り出せてしまう恐さと言うものは、世に言うところの馬鹿発見器騒動などのたびに「まさかそこまで!」と思うほどの個人情報が掘り出されてしまうことを見ても明らかですよね。
いわゆる肖像権問題にも絡んで近ごろでは他人を撮影した写真の取り扱いにはいささか慎重を期す必要があって、下手に写真を撮りまくっていると後で意外な大騒ぎになる場合もあるわけですが、逆にSNSや動画投稿などで身近なものを写した写真や動画がどんどん共有されていく時代でもありますから、その取り扱いのバランスをどの辺りに置くべきなのか判断が難しいところです。
最近東京都内で衆人環視の中で発生したこちらの事件が実は意外な方向で議論を呼んでいるのもそうした理由があると言えますが、まずはその衝撃的な内容を記事から紹介してみましょう。

渋谷駅改札付近で女性が幼児蹴る? 目撃男性が動画投稿、「虐待だ」と話題に(2014年6月18日J-CASTニュース)

 渋谷駅(東京・渋谷区)で2014年3月に撮影された「児童虐待」とも受け取れる動画が、いまインターネット上で話題になっている。
 撮影した男性は目撃直後、フェイスブックに動画を投稿。6月中旬ごろから話題になり、6月16日には渋谷警察署へ相談に行ったという。

■泣く幼児を「ふざけんなよ」と蹴る?

 動画は2014年3月1日、フェイスブックに「【世の中変えたい】【拡散は各自判断で】」と題されて投稿された。携帯電話で撮られたと思われ、画質はよくない。床に座って泣く幼児に、母親とも見える女性が「おうちにスッと帰るの!」「行くの、帰るの、どっち」などと怒る。「帰る!」と叫んだ幼児を「早くしろよ」とせかしながら、2人は歩き出す。
 数歩進んだところで、女性は突然「ふざけんなよ」と左足をあげた。ガタンという音とともに、幼児が倒れこむ。投稿者と思われる男性が「おい、警察呼ぶぞ」と声をかけると、女性は一瞬カメラを見るが、すぐに幼児の手を引いて歩き出した。「ビデオに撮ったぞ、おい」と怒る男性を尻目に、2人は雑踏に消えてしまった。
 目撃男性が「何発か蹴ってた」と書き込んでいることもあり、この映像を見て「虐待だ」と感じる人は多い。6月18日11時現在、2万8500以上シェアされている。6月中旬になって急激に拡散し、15日に投稿者は「この2~3日で爆発的にシェア」されたと報告。映像だけでも警察に届けられるとコメントで知り、16日にも所轄警察署へ相談に行くと明かした。

■事件化するのは難しい?

 警察への届け出を終えた17日、投稿者は事件の詳細をフェイスブックで伝えた。起きたのは3月1日の11時ごろ、場所は渋谷駅の宮益坂中央改札付近だった。届け出にあたり、まず渋谷駅を訪れたが、新宿の鉄道警察へ回された鉄道警察では「特定できないしどうにもならない」と言われ、「事件性があるなら渋谷署に行ってくれ」と紹介された。渋谷署で「児童虐待の目撃」と言うと、生活安全課に通されたという。
 ただ、事件化するのは難しい、という感じだったらしい。結局、投稿者は署の担当員と現場へ行き、JR側にも情報提供して終わったという。その後、フェイスブックの更新はない。なお渋谷署生活安全課は届け出があったことは認めている。

とりあえず問題の動画はこちらで参照いただけるのですが、多くの方々にとってあまり見て楽しいものではないだろうとは思いますね。
もう少し詳しい事情が「弁護士ドットコム」の方で記事に取り上げられていて、撮影した当事者のコメントによると現場の状況はこんな感じであったと言うことですが、別に日本に限らずどこの国であっても確実に児童虐待と呼ばれるレベルの行為だと思いますし、何よりも公衆の面前でこういう行為に及ぶという異常性は特記すべきものがあるように感じます。

「事件」が起きたのは今年3月1日(土曜日)の午前中。渋谷駅の改札付近で知人と待ち合わせをしていた嘉瀬さんは、突然聞こえてきた大きな怒鳴り声に、恐怖感を覚えたという。
泣きさけぶ子どもに向かって、母親らしき女性が『てめえ、なにしてんだよ。早く来いよ!』『ふざけんなよ、てめえ!』みたいに怒鳴っていました。私が『やめなさい』と声をかけても、女性はやめるどころか子どもを足蹴にし始めた。そこで、警告の意味も込めて、手持ちのスマホでムービーを撮影し始めたんです」
投稿された動画は、そのとき撮影されたものだ。
倒れ込んだ子どもを怒鳴りつけ、立ち上がらせたのもつかの間、女性は突然「ふざけんなよ!」と言いながら、足で子どもを蹴りつけた。頭から床にたたきつけられる子ども。ゴツンという鈍い音が駅構内に響いた。そこで、嘉瀬さんが「警察を呼ぶぞ!」「ビデオに撮ったぞ!」と叫ぶと、女性は子どもを抱えて足早に立ち去った。

「弁護士ドットコム」の記事ではその後の状況なども取り上げられていて、当然ながらどのような事情があったにせよ母親らしき人物の行為は論外であることは論を待たないのですが、個人特定が難しいと言うことで警察も事件化するのは困難だと言う一方で、こうした現場に遭遇したとしても下手に止めに入るのは危険なのでやめた方がいいと助言されたそうです。
ただ興味深いのはネット上で一気に拡散したこの一連の顛末について、当然ながら児童虐待に対する非難の声が非常に大きいわけなのですが、その一方でこの撮影行為とそれをネットで無断公開したことへの批判も相当に根強くあるようで、中には「これは盗撮ではないか」と言う声も出ているようですね。
ちなみにこの盗撮と言う行為は法律上は特定のの条文で「盗撮とは」云々と定義されているわけでもないようで、軽犯罪法や迷惑防止条例等々様々な法律・条例を駆使してケースバイケースで違法性が判断されていると言う意外に面倒な犯罪行為なのだそうですが、当然ながら今回の行為に関しては盗撮ではないと判断されるものであるようです。
ただその一方で前述のような肖像権の問題なども絡むとなかなかに判断が難しいところで、もともとこうした動画撮影はそれが後々の証拠として使われることで撮影の名分が立つと言う側面もあると思いますが、何しろ今回の場合警察が動かないと言うことですから単に無断撮影と無断公開に終わっているとも言えますよね。

ちなみに肖像権侵害に関して言えばこれは親告罪ですから、動画を公開したことに関して当事者が「勝手なことをするんじゃねえ!」と言ってくればその時点で正体が割れると言うリスク?もあり現実的には何も言ってこないと思いますけれども、仮に動画から個人特定が行われ刑事事件化したと言った場合、そもそもの発端となった動画の撮影者に対して告訴なり民事訴訟なりを起こすことはあり得るかと思います。
そういう意味ではこうした異常事態を目撃しても撮影者が萎縮してしまう可能性もあるわけですが、そもそも犯罪的行為に出会った場合にどうすればいいのかと言う適切なマニュアルがないことも問題で、今どき誰でも何かあれば証拠となる動画なり写真なりスマホで撮影する可能性が高いのですから、その場で直ちに110番通報するべきだとかいった情報は警察側からも周知しておくべきなんでしょうね。
児童虐待に関して言えば日頃情報を得る機会が多いだろう近所のおじさんおばさんがスマホ等のデジタルガジェットに疎いことも痛し痒しで、虐待の証拠となるような動画とは言わずとも音声だけでも記録しておいたら児相などもずいぶんと介入がしやすいんじゃないかとも思うのですが、そうした「盗撮」や「盗聴」が日常的に行われるような世間と言うのもまた暮らしにくいものではあるのかも知れません。

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コメント

>個人特定が難しいと言うことで警察も事件化するのは困難だと言う一方で、こうした現場に遭遇したとしても下手に止めに入るのは危険なのでやめた方がいい

わざわざ見て見ぬ振りしてくれと言うとは

投稿: | 2014年6月20日 (金) 09時19分

ほんと気が滅入る動画ですね…
公共の場所でこれだけやるんだから普段はさぞや…と考え込んでしまいます。
こういう明らかな暴行は現行犯で取り押さえて全然構わないんじゃ?

投稿: ぽん太 | 2014年6月20日 (金) 09時37分

この警察のいうことが正しいなら監視カメラの類はまったく無用の長物では?
犯罪者の個人特定をするのが警察の仕事だと思ってたのに

投稿: tenga | 2014年6月20日 (金) 09時45分

かなり長時間何度も暴行を繰り返していたと言い、なおかつ当事者に直接声をかけるほど積極的関与の意志があったのですから、この場合には構内暴行事件として直ちに駅員に通報するのがよかったのかなと言う気もします。

投稿: 管理人nobu | 2014年6月20日 (金) 10時30分

しかし見れば見るほどみごとにすっ転んどる

投稿: | 2014年6月20日 (金) 11時21分

神奈川県厚木市下荻野のアパートで当時5歳とみられる斎藤理玖(りく)君の
白骨化遺体が見つかって3週間。理玖君は母親(32)が家出した
2004年10月以降、電気もつかないアパートの一室に、
2年間にわたって閉じ込められていた。雨戸が閉め切られ、外部との
接触を断たれた「密室」で何が起きていたのか。斎藤幸裕容疑者(36)が
理玖君を放置するまでの状況が、神奈川県警などの捜査で明らかになってきた。
(中略)
理玖君が死亡するころの帰宅回数は週1日。最後はパンの袋すら
開封できないほど衰弱していた。「パパ、パパ……」。
力を振り絞ってすがる理玖君を残し、斎藤容疑者は1時間足らずで
アパートを出た。「死んでしまうと思ったが、弱っている姿を
見るのが怖かった。その時のことを思い出す度に申し訳ない気持ちになる」
と供述している。
http://mainichi.jp/select/news/20140620k0000m040171000c2.html

投稿: | 2014年6月20日 (金) 15時55分

まさに不快感を覚える瞬間です。
モンスター・ママが混雑する日本の東京駅で幼い娘の頭を蹴り飛ばす様子が撮影されました。
女性は明らかにかんしゃくを持っており、子供に野蛮な一撃を与えました、

この短い映像は激怒した母親が子供の頭を蹴り飛ばすという残忍な様子を捕らえています。
正体不明の女性は、すすり泣く娘にイライラしていたとみられています。
そしてその母親は言うことを聞かない娘に対し、頭に強烈なキックを見舞ったのです。

この映像は「児童虐待」とのタイトルでオンラインに投稿されました。
投稿者はすでに警察に通報していると述べています。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2663513/Sickening-moment-monster-mother-boots-toddler-daughter-HEAD-Tokyo-shopping-trip.html

投稿: | 2014年6月21日 (土) 06時34分

上の厚木の痛ましい事件…
子供が物心ついてからのこういう扱いはきついです…

投稿: ぽん太 | 2014年6月21日 (土) 09時22分

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