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2014年6月 7日 (土)

荒れる教育現場 もはやそれはモンスター

本日の本題に入る前に、教育現場の荒廃が言われて久しいですが、この草食系全盛の時代に教育の場ではいささか事情が違うらしいと言う記事が出ていましたのでリンクのみ紹介しておきましょう。

【参考】挑発する生徒たち、教師にシャドーボクシング、「殺す、来いや」、手を払えば「体罰!」…それでも体罰認定される恐れ、教師たちは沈黙する(2014年5月22日産経新聞)

タイトルを見るだけで出落ちと言いますか見てそのままと言う記事なんですが、すでに以前にも当「ぐり研」で取り上げたようにいわゆる体罰批判と言うものが社会現象にまで高まった結果なのでしょうか、教育の現場ではすでに「学校はしつけを行う場ではない」と言うある種の諦観じみたものが広まってきているようです。
その結果何が起こるのかと言うことなのですが、今までであれば現場レベルの裁量による叱責で済んでいたものが停学・退学と言った明示されたルールに則っての処罰であるとか、あるいは警察の立ち入りによる刑事事件化に直結するようになったとも言え、所轄官庁であるところの文科省にしてからが「学校と警察との連携強化を」などと通達を出しているくらいですから何とも殺伐とした時代ですよね。
もちろん「いきなり処罰などもってのほか。正しく教え諭してこその教育だ」と言う方々もいらっしゃるでしょうが、現場教員にすれば「そのための手足を縛っておいて今さら何を言うか」と言うものですし、何よりその他大勢の善良な学童・学生にしてみれば他人の教育がどうあるべきかなど知ったことではなく、問題児はさっさと自宅謹慎なり退学なりにさせて教室の平和を回復して欲しいと言うのも一つの本音でしょう。
高校までが義務教育のアメリカでは近年高校中退率が10%を切るなど高かった退学率の改善が進んでいると言いますが、日本の場合中学校までは「義務教育だから」とまず留年や中退にさせることはないことからすると本当はもっと高い数字が出ていてもおかしくないとも考えられますから、アメリカ各地で行われている努力や工夫なども他人事と捉えず参考にしてもいいのかも知れません。

いささか前置きが長くなりましたけれども、システム的な優位を笠に着て無法行為を行うと言う点でこれら生徒達の振る舞いはまさに今話題のモンスターと何ら変わるところがないとも言え、実際に問題生徒に処分を課そうと思ったところがモンスターペアレンツが出てきてさらに話がややこしくなってしまったと言ったケースもままあるようです。
先日も某中学の実例として聞いた話では最近校内が非常に乱れていて、よく調べて見るとちょうどかつて校内暴力などさんざんなことを繰り返してきた伝説的学年の子供世代が在籍してやはり問題行動を繰り返しているらしいと言うことで、この辺りは遺伝なのか環境要因なのか何とも言い難いものがありますけれども、少なくとも親と学校とが緊密に連携して子供の非行を正すと言う環境ではなさそうですよね。
ただ逆に考えれば問題学童に対する教育についても単に教育論だけで対処しようとするのではなく、世にノウハウが蓄積されつつあるモンスター対策というものも応用が利くのではないかと言う期待もあるわけで、最近のクレーマー・モンスター関連の記事の中からヒントになりそうなものがないかと見てみました。

脅し文句に「やめてください」と言ってはいけない!(2014年6月3日ダイヤモンドオンライン)

常習クレーマーは「ネットで流すぞ」「消費者団体に言うぞ」など、さまざまな脅し文句でゆさぶりをかけてくる。こんなとき、「やめてください」と対応するのは最悪だ。脅しを“のれんに腕押し”に持ち込む「K言葉」を紹介する。
(略)
常習クレーマーとの攻防

「今日も繁盛してますね」
 妙に大きな声がして、菅原は店の出入り口を見た。店長は目配せで、その声の主が須藤であることを伝えた。
 菅原は須藤に駆け寄り、一通りの挨拶とお詫びをしたあと、本題に入った。
 まずは、店長の話をもとに事実関係の確認だ。ところが、途中で須藤が口をはさんだ。
「まあ、そんなところだよ。店員の態度は悪いし、なかなかセールをやらないし……。だいたい、裾上げも満足にできない。おかげで、楽しみにしていたパーティーに着て行くことができなかった。それなのに、なんの謝罪もない」
「さようでございますか。それは誠に申し訳ございません。改めてお詫びいたします」
(略)
「そんなありきたりな言葉で、僕が納得すると思う?」
 じわじわと緊張が高まる。そして突然、須藤が声を荒げた。
ネットで流すぞ!

脅しをどうかわすか?

 菅原は鋭い視線を感じた。しかし、ここでうろたえたら負けだ。おっとりした口調で応じる。
インターネットですか。困りましたね
「それなら、流してもいいんだな」
「困りましたね。でも、お客様のお考えですから、それに対して私どもがとやかく言える立場ではありませんから……」
 菅原には勝算があった。須藤が金品目的のクレーマーなら、ネットに流してわざわざ事を大きくするような真似はしないと踏んでいたからだ。
 予想通り、須藤の勢いはここで止まった。
(略)
脅しに対し「やめてください」と応えるとつけこまれる

 たとえば、クレーマーから怒声を浴びせられたら、「怖いです。怖くて、なにも考えられません」と、お手上げ状態を演じます。いくら相手がプッシュしてきても、「のれんに腕押し」「ぬかに釘」に持ち込めば、こちらの勝ちです。
 いわば、「K言葉」は究極のギブアップトークなのです。
 もちろん、K言葉が威力を発揮するのは、「ネットに流すぞ」と言われたときだけではありません。「行政(保健所、労働基準監督署、消費者庁など)に通報するぞ!」といった公的機関を利用した脅し、「会社の前で騒ぐぞ!」「ビラをまくぞ!」といった暴力的なイメージの脅しなど、さまざまな場面で有効です。
 ここで注意しなければならないのは、相手の脅しに対して、「やめてください」とは言わないことです。
 たとえば、「ネットで流すぞ」と言われて、思わず「やめてください」と答えてしまうと、「それなら、サービスしてくれるってことなんだな」などと、どんどん攻め入ってくるからです。

よく言われるように何らかの意図の元にそうあるよう振る舞っている常習的なモンスターと、特定の環境や条件によってモンスター化する一般顧客とがいて、このうち後者に対してはいかにモンスター化させないようにするかと言うことが接遇教育の要点として言われてきたわけですが、ライト層とも言える機会主義的モンスターと違って常習者の方は多くの場合「ああ言えば、こう言う」状態ですから余計に始末に負えませんよね。
日本ではいまだに「クレーマーこそ最良の顧客である」などと言って顧客の要求には丁寧に耳を傾けるべきだと説く人もいますが、アメリカなどは非常にこの辺りもドライに割り切っているようで、売り場で「この商品ちょっと具合が悪いんだけど」などと言えば取りあえず何ら文句もつけず即座に交換してくれる、しかしそれ以上の対応をしつこく要求した途端にクレーマーと認定されプロフェッショナルな担当者に回されてしまうと言います。
その方が効率がいいし現場スタッフのストレスも軽減される等々様々な利点もあってのことでしょうが、逆に日本人の目から見ると顧客の声にはいっさい耳を貸さないのか?と言う疑問もあって、一般に日本人ほど細やかな接遇が行われていないと言われる理由の一端がこの辺りの割り切りにあるのかも知れません。
ただ逆に言えば際限なく続き正しく解決される保障もないクレーム対応に現場スタッフが余計な神経をすり減らさずに済むと言うことは、その他大多数の一般顧客にとっては心身に余裕のある対応を受ける機会が増えると言うことでもありますから、結局のところ「顧客の不満は必ず解消しなければ」と力が入りすぎるのもよくないと言うことになるのでしょうか。

その点で教育の世界では「児童生徒は正しい教育を受ける機会を保障されるべきだ」と言う考え方は日本に限らず世界的にも法律に明記されるような権利となっていて、「こいつは問題があり過ぎるからさっさと切り捨てよう」と言った対応は(少なくとも義務教育レベルでは)なかなか難しいところではあるのですが、それでも相手によってはあまり深く関わりすぎない方がいい場合もあるとは言えるのでしょうね。
その基準の一つとして教師との一対一の関係で考えると「困っていると言う素振りを見せてはならない」と言うのはなかなか示唆的なものがあって、言われてみれば荒れている教室と言えば大抵教師がおろおろしているイメージがありますけれども、これなどは自己顕示欲旺盛なモンスターから見ればまさしく期待通りの反応と言うべきで、いわば教師自らが火に油を注いでいるようなものですよね。
もちろん不逞な輩が好き放題していても無視しろと言うのではなく、明らかに他の生徒に迷惑がかかっているような行為に関してはルールに基づいて即座に厳正な対応を取るべきだと思うのですが、一見すると下手に出ているようで実は高みから「だから何?」と返されてしまうと、確かに逆上して完全ルール無視の暴走に至るのでなければなかなかそれ以上絡むとっかかりが無くなりそうな気がします。
もちろんそう返す前提として教師側にもいつでも使える様々な対応手段や実力があると言うことも必要で、この辺りは昔から「怖い先生の前ではヤ○キーも大人しくしている」と言う判りやすい実例が示す通りなのですけれども、結局はいざと言う時に備えた制度的なバックアップの存在を大前提として教師の側も広い意味でレベルアップしていかなければ校内での権威は保てないと言うことになるのでしょうか。

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コメント

注意警告しっかし出して従わなけりゃ即停学退学でおk
義務教育はあくまでも親が子に教育受けさせる義務だからね
連中は甘やかしてるからつけあがってるだけ

投稿: tomo | 2014年6月 7日 (土) 08時26分

宮城県警石巻署は5日、石巻市の中学3年の男子生徒(14)を暴行の疑いで現行犯逮捕した。
発表によると、生徒は同日午前11時45分頃、職員室で男性教諭(42)の顔を両手で殴ったり、
太ももを蹴ったりした疑い。カップ麺の湯をもらいに行ったところ、男性教諭に断られて腹を立てたという。
校長が同署に通報した。

2014年06月06日 14時17分 Copyright c The Yomiuri Shimbun
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140606-OYT1T50060.html

投稿: | 2014年6月 7日 (土) 08時48分

カップ麺のお湯くらい許してやれよ

投稿: | 2014年6月 7日 (土) 10時27分

>生徒は同日午前11時45分頃、職員室で(rカップ麺の湯をもらいに行った

堂々と早弁のバカ発見w

投稿: aaa | 2014年6月 7日 (土) 11時35分

授業時間中に職員室にお湯もらいにいったらそりゃ断られるかと。

投稿: ぽん太 | 2014年6月 7日 (土) 11時45分

>カップ麺のお湯くらい許してやれよ
許されてないのは暴行の方なんだが。馬鹿発見?

投稿: 馬鹿発見 | 2014年6月 7日 (土) 12時58分

大阪市教育委員会が、著しく悪質な問題行動を繰り返す
公立小中学校の児童や生徒について、来春から特別に
外部で指導する場を設け、隔離する方針であることが9日、
分かった。市教委が10日の橋下徹市長との協議で示す。
市長の了承が得られれば制度化に踏み切るという。
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014060901002199.html

投稿: | 2014年6月10日 (火) 21時34分

これはさっそくやるべき

投稿: | 2014年6月11日 (水) 08時34分

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