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2014年6月

2014年6月30日 (月)

ますます厳しく問われる責任の所在

そろそろ暑さも本格化する時期ですけれども、最近全国各地の学校でこんな動きがあると言います。

学校プール開放「無理」…監視強化へ費用かさむ(2014年06月16日読売新聞)

 夏休みに小中学校などで一般開放するプールを減らす自治体が相次いでいる。

 きっかけは、警察庁が2年前に出したプール監視強化の通知。事故を防ぐため警備業者による監視を求めたが、業者への委託料が高騰し、予算不足から開放を断念するケースが多い。本格的なプールシーズンを前に、現場の職員は「子供の遊ぶ機会を奪うようで申し訳ないが、予算は大きくは増やせない」と頭を痛めている。

 「以前のようなプール開放は今年も無理だ」。千葉県船橋市教育委員会の担当者は嘆く。同市教委は昨年、住民向けに開放しているプールの数を、それまでの56か所から24か所に減らした。監視を任せていた警備業者から、委託料の大幅な増額を求められたためだ。

 それまでは2業者に計約2000万円で監視を委託していたが、「その金額では、半分以下の監視しか請け負えない」と通告された。業者は値上げの理由を「警察庁の通知で、警備員には30時間以上の研修をしなければならず、教育コストが上がった」と説明。市教委は他の委託先を探したが見つからなかったという。

 警察庁の通知は、大阪府泉南市の小学校のプールで2011年に小学1年男児が死亡した事故を受け、12年に出された。この事故では、市から委託された業者がビル管理会社で、監視員が一人もいない時間があるなど監視がずさんだった。このため通知で「お金を払ってプール監視を任せる場合、委託先は警備業者でなければならない」とされた。

 船橋市教委のプール開放ではこれまで、監視員の約半分が高校生だったが、通知で「警備員は18歳以上」とされたため雇えなくなり、業者側の人手不足が深刻化していることも影響した。市教委の担当者は「今年も予算が足りず、昨年並みしか開放できない」と話す。

昔は夏休みのプール開放と言えばPTAの保護者など町の住民が持ち回りでやっていたようなイメージがあったものですが、確かに何かしら事故でも起こればあれやこれやと責任を追及され下手すれば巨額の賠償金を云々されると言う時代にボランティアで引き受けたがる人もいないでしょう。
また昨今ではプールと言えば何やら盗撮めいたことをやってくる人も一定数いるのだそうで、そうした悪意の部外者に対応するためにも専門の警備業者に依頼すべき事案ではあるのでしょうが、面白いことには今の時代であっても学校の先生が交代で担当するだとか、PTAがボランティア(無償)で行うと言った場合には別に問題ではなく、あくまでも「有償で監視業務を行うならそれは警備会社である必要がある」と通達されている点です。
もちろんいざとなれば人命にも関わることなのですから相応の教育を受けた者であるべきだと言う考えは判りますが、どうも業務として行う以上専門家でなければ警備業法違反だと言うのは法律上の文言論争になっている印象もあって、おそらく捜せばそれなりに抜け道も見つかるのではないかと言う気がしないでもありません。
ともかくも今の時代にいつ何が起こっても誰かが責任を問われるものだし、それがある以上いつでも責任を取れる体制でなければならないと言うのはまあ理解出来ない話でもないのですが、それではその責任範囲がどこまで追求していくのが妥当なのかと考えるとこれは難しい問題もあって、先日はこんな裁判が始まったとニュースになっていました。

部活死亡:「AED使わなかった」両親が大学側に賠償請求(2014年06月25日毎日新聞)

 大阪体育大(大阪府熊取町)のサッカー部員が練習中に倒れその後死亡したのは、自動体外式除細動器(AED)で蘇生処置されなかったためとして、部員の両親が大学側を相手取り、約7800万円の賠償を求める訴えを大阪地裁堺支部に起こした。普及が進むAEDを巡り、スポーツ専門である体育大学の指導側の責任が司法で争われるのは異例だ。

 原告は、サッカー部員だった那須正雄さん(当時20歳)の両親=堺市。被告は大学を運営する学校法人「浪商学園」(大阪府熊取町)。提訴は23日付。

 訴えによると、那須さんは今年3月3日朝、大体大サッカー場での練習に参加、ランニングと休憩を繰り返した後の午前9時31分ごろ、突然座り込み、過呼吸などの症状が出た。33分ごろ、学生トレーナーが救急車を要請。那須さんの意識や脈拍は下がり始めた。37分ごろ、トレーナーは心臓マッサージをした

 43分ごろ、部のヘッドコーチが駆け付け心臓マッサージの継続を指示した。同じ頃、約40メートル先に設置されていたAEDを部員が持ってきた44分ごろに救急車が到着、救急隊員はAEDを使った後、病院に搬送した

 那須さんは4日後、脳に酸素が届かなくなる障害(蘇生後脳症)のため病院で死亡した。倒れた際、心臓の心室が震えて血液を送り出せなくなる心室細動(心停止状態)になったとみられる。

 両親側は「電気ショックが1分でも遅れると救命率は下がる。すぐにAEDで電気ショックを与えていれば救命できた可能性が高い」と指摘。スポーツ専門の教育機関なのに、ヘッドコーチらにAEDの使用の必要性を周知させていなかった大学側には監督責任があると訴えている。

 浪商学園法人本部は取材に「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【服部陽】
 ◇AED

 心室細動で心停止状態になった時、電気ショックを与えて正常に戻す機器。使い方を音声で指示し、電気ショックが必要か自動で判断する。2004年7月の厚生労働省の通知で、医療従事者以外でも使えるようになった。

時間経過がどの程度正確なのかは何とも言えませんけれども、運動中に具合が悪くなってから10分強で救急車が来たと言うのは世間一般での行動としては決して遅すぎると言う印象はありませんし、いきなりこうした状況に遭遇して10分強の間に素人がAEDを使っていなければ遅れたと言えるのかどうか、なかなか判断は難しいところがあると思います。
救急隊到着直前にAEDを持って来たと言うことですから少なくともAEDを使うべき症例であり準備はしなければならないと言う認識はあったはずで、脈拍が下がり始めてからAEDの到着まで心臓マッサージを続けていたこと、早い段階で救急車を呼んでいたことと併せてまずもって妥当な判断が行われているように見えるのですが、あるいは記事には書かれていない別の事情もあったと言うことなのでしょうか。
もちろん民事訴訟で誰でも訴える自由はあると言う状況でのことですから司法判断がどう言う結論を出すかは何とも言えませんが、こうした話が出てくるようですとそれでは何分以内であれば妥当だったのか、プールでおぼれた人に一分一秒でも人工呼吸が遅れれば訴えられてしまうのか等々、様々な応用を想像してしまいそうな話ではあると思いますよね。
部活として学生を預かっているのだから相応の体制を取っていて当然だと言う考え方も当然ありなのですが、医療関係者でも何でもない部活動の管理者側がどれだけの管理体制を取ることが妥当なのかどうか、やはり世間一般における水準というものも考えなければ公平性を欠くように思います。

ちょうどAEDが一般市民にも使えるようになってからこの夏で10年だと言いますが、全国各地に40万台近くが普及しながら年間2万4千件にも登る市中での心肺停止事例に対して実際に市民がAEDを使用したケースは900件足らず(3.7%)に過ぎないと言い、日本の状況を考えると例え使う意志があったとしても今回のケースのように救急車がやってくる方が早いと言う場合がほとんどなのかも知れません。
興味深いのは救急隊に関する調査なのですが、救急隊が現場に到着するのが電話を受けて現場に到着しAEDを使うまでに通常6分以上かかっていて、1分遅れる毎に救命確率が7~10%下がる心肺停止時には救急隊がAEDを到着し使うのを待っていては大半が間に合わない計算ですし、事実AEDを使用し搬送されてきた症例の実に3/4は救命出来ずに亡くなっていると言う現実があります。
となれば救急隊が到着する以前、5分以内に何とかその場に居合わせた人達にAEDを使ってもらえれば少しでも救命確率が上がる計算ですが、経験のない一般人がこうした不測の事態を把握し真っ先に携帯で救急車を呼び(現実的にこれが何よりも最優先されるべき行動でしょう)、そしてそこからAEDを使用することを思いつき(あるいは救急隊に指示され)それを探し、そして説明書きを頼りに取り付け…と言った作業に何分かかるかです。
非専門家が人生で何度もない希な事態に遭遇し最短の対応時間で最善の行動を取れると言うことは現実的にはまずあり得ないことで、そうであるならこの場合のAED使用はあくまでも最短時間で使えてもらえたならば僥倖だったと捉えるべきものであって、ベストな対応が出来なかったから謝罪と賠償だ!と言うのではどこかの国のように、倒れた人に誰一人関わり合いたがらない世の中にもなってしまいそうな気がします。

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2014年6月29日 (日)

今日のぐり:「稲美 岡山青江店」

先日W杯敗退が決まった日本代表に関連して、ネット上でとある悲劇が進行していると言います。

【悲報】本田が、本田△から「口田圭佑」と言うあだ名で呼ばれだす。(2014年6月25日秒刊サンデー)

サッカーワールドカップブラジル大会で日本は、2敗1引き分けとドイツ大会と同じような惨敗を帰してしまった。4年前の南アフリカ大会では、決勝トーナメントに進み、本田が決めたシュートに日本中が沸き「本田△(ほんださんかっこいい)」などというあだ名がつくほどであった。しかし今回は様子が180度異なり「口田圭佑(くちだけいすけ)」などと言うヒドイあだ名まで飛び出している。

―本田△から「口田圭佑」へ

本田はこの日の試合後インタビューで「本当に口だけ終わってしまって非常に残念です。」と言葉を残した。「口だけ」というその言葉が大手掲示板やツイッターで拡散し、いつしか「口田圭佑」と言うあだ名まで飛び出してしまった。本田は今回のワールドカップ前には優勝すると宣言していただけに、そこまで行かなくとも攻めて決勝トーナメントに進出と言う思いは誰しもあったはずだ。
それだけにやはり「グループリーグ敗退」と言う結果はあまりに「ビックマウス」だったのかもしれない。

―「口田圭佑」に改名しろ!の声

ツイッターなどでは「口田圭佑」に改名しろなどの罵声や誹謗中傷が浴びせられている。また2ちゃんねるなどでは「口田圭佑日本から逃亡」などというスレッドも立てられ、もはや「口田圭佑」が当たり前のように使われだしている。
4年前の本田△から一転、この屈辱から本田は立ち直り再び「本田△」に戻ることは出来るのであろうか。
(略)

まあ勝負はやってみなければ判らないものですけれども、しかし口だけと言われないようになお一層の精進を積み重ねていってもらいたいですよね。
本日は本田選手の今後の活躍と発展を祈念する意味も込めて、今回のW杯にまつわる様々なニュースを取り上げてみることにしますが、まずはその時どうだったか?と言うニュースからです。

W杯初戦 日本は本田がゴールも痛恨の黒星!そのときテレ東とデイリー&トーチュウは(2014年6月16日ガジェット通信)

日本時間6月15日に行われたサッカーワールドカップの初戦。本田がゴールを決め1-0で前半を折り返すも、後半ドログバを投入したコートジボワールに立て続けにゴールを決められ1-2で逆転負けを喫した。
漫画家の平野耕太さん( @hiranokohta)は『Twitter』にて

    「えええええええ ドログバさん投入であっという間に逆転 ドログバさん怖いよ なんだよ呂布かよ」
    「実況「ドログバ、シュート!外れた!助かった」 ってもう、完全にメガ粒子砲かなんかの扱いだよな」
    「ドログバさんのwiki見てたら、内戦状態になったコートジボアールの政府和平委員会の一人に選出されてて、 俺の脳内では和平に反対する勢力はドログバさんが赤兎馬でやってきてシュートをぶちかまして無双して黙らせるという光景が広がっている」
    「リプライで「ドログバさんは本来の名前は日本人には発声が困難でカタカナで表記も難しいため仮としてドログバと表記されている」と教えていただき、俺の脳内では正式名で呼ぶと召還されるクトゥルフの神々と同等の強さに」

とツイートしドログバ選手の脅威を表現。多くのリツイートを集めていた。
試合を中継していたNHKでは敗れた瞬間に速報が流れ、民放各局もテロップを流したり番組中で試合結果を伝えたりする中で、我らがテレ東は華麗にスルーしていた模様である。
また、翌16日のスポーツ紙は1面でこの試合を報じる。

    ニッカン 選手惑わせた ザック大失態
    スポニチ 列島興奮1号も逆転負け 本田勝利弾次こそ!!
    サンスポ 先制弾も逆転負け 勝つしかない 本田
    報知 逆転負け「次や、次」連勝しかない 日本には本田がいる

となっていたのだが、トーチュウこと東京中日スポーツの1面は

    4点差逆転竜 和田V弾

デイリースポーツの1面は

    虎は劇勝!!23歳新星やりました 緒方V弾 4打点

であった。「虎は劇勝」て。

まあテレ東にしてもデイリーにしても、いきなり世間に日和ったようなことをし始めるとそれこそ一体何が起こったのか?!と大騒ぎになりかねませんからねえ…
グループリーグ最終戦に満を持して登場したあのお方ですが、その時実は…と言うちょっとショッキングな状況であったようです。

「あの松木が黙った……」日本対コロンビア戦解説中の松木安太郎さんの反応が絶望のバロメーターだったと話題に(2014年6月26日ねとらば)

 6月25日、コロンビアに1-4で敗れサッカーW杯1次リーグ敗退が決まった日本。この日テレビ解説を行った松木安太郎さんの反応が絶望のバロメーターだったと話題になっています。

 松木さんと言えば「ファウルだろおい!」「ふざけたロスタイムですねー」など、歯に衣着せぬ率直な「居酒屋解説」でおなじみ。1次リーグ突破のためには勝つしかない状況とあって、この日も前半から大きな声を出して解説……というか応援をしていました。

 しかし、後半に入ると均衡が崩れて日本が立て続けに失点。勝利が絶望的な状況になると、普段なら「まだ逆転できるよ! まず1点取ろう!」と日本と視聴者を鼓舞するはずの松木さんが、意気消沈してほとんど言葉を発しなくなってしまいました。Twitter上でも「あの松木が黙った……」と深刻な空気が流れ始めます。

 結局、その後の試合も松木さんが再び元気を取り戻せる展開にはならず敗戦。「戦術を難しく考えず自由にサッカーを楽しんでほしい」と視聴者目線での解説を続けてきた松木さんですが、思わず見せた素の表情は日本の敗戦の重さを象徴するものとして多くの人に衝撃を与えたようです。

まあ負けるときは得てしてそんなものと言うことなんですが、「松木も黙る」と言うのはちょっと深刻さを感じさせる事態ではあったかなと思います。
海外からも負けて深刻な状況に追い込まれた方々の話題が続いていますが、まずはこちら大喜びしていいはずなのに…と言うニュースから見てみましょう。

オランダ、靴屋店主が得点ごとの割引を約束…倒産の危機に(2014年6月16日ライブドアニュース)

ワールドカップ(W杯)初戦でオランダがスペインを下すと予想していた者は少なかっただろう。ましてや、5-1という王者にとって屈辱的な結果になることを予想した者はいなかったはずだ。

とはいえ、応援することに変わりはない。そこで、オランダは北ブラバント州の街ティルブルフにあるお店は、試合日に閉店時間を早めた。帰宅してスペインとの試合を見るためだ。店主は扉に紙を貼り、客への詫びとともにこう書いた。

「土曜の朝にお店を開けます。今夜のスペイン戦でオランダが得点したら、1ゴールごとに10ユーロ(約1380円)を割り引きます。どんな靴でも、お好みで」

14日、お店に客が殺到したことは言うまでもないだろう。イギリス『Mirror』の報道によると、靴屋の店主は2日連続で営業時間より早く店を閉めなければいけなくなったそうだ。2日目は、倒産を避けるために…。

5点と言えば50ユーロですから多くの商品がタダ同然になりかねませんが、今の時代こういうニュースはあっと言う間に広まって遠方からも顧客が殺到しますからねえ…
こちら中国からの悲劇的かつある意味喜劇的なニュースなんですが、まずは記事から紹介してみましょう。

W杯関連の賭けに負け、学生が飛び降り自殺 中国(2014年6月24日AFP)

【6月24日 AFP】24日の中国国営紙・信息時報(Information Times)によると広東(Guangdong)省で、サッカーW杯の勝敗予想の賭けに加わった大学生が、3000ドル(約30万円)以上負け込んだことを悲観して、飛び降り自殺した。

 この大学2年生は23日、自分が通う大学構内の建物の7階から飛び降りた。目撃者は「彼が電話に向かって『無理言わないでくれ』『2日くれれば、金は返すから』などと言っていたのを聞いた」と語っている。それから「10分位話した後、電話を切ると立ち上がって突然、姿を消した」という。飛び降りた学生はすぐに広州(Guangzhou)市内の番禺(Panyu)区にある病院へ救急搬送されたが、医師らは蘇生できなかった。

 同級生によると、この学生はサッカーW杯の数試合の勝敗を予想する賭けで2万元(約33万円)近く負けており「大金を借りることになり、利子がとても高いと聞いた」という。

 中国でもサッカー人気は高く、観戦だけではなくサッカーくじも人気がある。国営の中国新聞社(China News Service)によれば、政府発行のサッカーW杯関連くじの売り上げは今回21日までに40億元(約650億円)に達し、前回2010年W杯時の2倍近くに達している。中国国家体育総局(General Administration of Sport of China)では最終的なくじ売り上げは100億元(約1600億円)を超えるとみている。

まあしかし一般論としても借金してまで賭け事をするようなものではないと思いますけれども、中国の場合一人っ子政策ですから親の方が泣くに泣けないと言うものなんでしょうね…
最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースですが、イングランド代表がああした状況になった今となってはなかなかに意味深なニュースでもあります。

英コメディ集団モンティ・パイソンがW杯イングランド代表応援曲発表(2014年6月11日マイナビニュース)

 今年7月に約30年ぶりの再結成を果たすイギリスのコメディアン集団モンティ・パイソンが、イングランドサポーターに向けた非公式のワールドカップソングを発表した。イギリス『スカイスポーツ』が伝えている。

 モンティ・パイソンに所属するエリック・アイドル氏は、自らが1979年にリリースした『Always Look on the Bright Side of Life』の歌詞の一部を改編し発表。同メディアは、ブラジル・ワールドカップに臨むイングランド代表に対して悲観的な内容の歌だと伝えている。今回、書き直された歌詞の一部は次の通り。

「When you're in The World Cup, And all your hopes are up, And everybody wants their team to win. Then they go and let you down, And come slinking back to town, It's time for this daft song to begin(W杯を迎えると希望が高まり、誰もが代表チームの勝利を願う。代表チームは戦い、僕たちを失望させ、こそこそと街へと戻ってくる。また、あのくだらない歌を歌うときがやってくるんだ)」

 原曲の『Always Look on the Bright Side of Life』は、モンティ・パイソンらが製作した映画『ライフ・オブ・ブライアン』のエンディング曲として使用された。また、イギリス国内では「自分の葬儀でかけて欲しい曲」のランキングで1位を獲得している。

ある種予言的な内容と言いますか、結果から言えばシャレにならないと言ってもいいくらいなのですが、近年のイングランド代表も総じて…ですからね。
しかし何と言いますか今回のイングランド代表チーム、はるばるブリから”It's!”の一言のためにやってきたようなものなんですけれども、実際にこそこそと戻ってきたのでしょうかねえ…

今日のぐり:「稲美 岡山青江店」

国産牛しゃぶしゃぶ食べ放題の看板が目立つこちらのお店、実際には国産牛しゃぶしゃぶに並んで鶏料理がメインなんだそうですが、ともかくもかなりの大店ながら割合お客の入りはよさそうですよね。
今回は中級グレードに相当するスペシャルコースを頼んで見ましたが、こちらサイドメニューも食べ放題と言うことで色々と食べて見たい向きにはいいんじゃないかと思います。

ちなみにこのしゃぶしゃぶ、出汁の味は四種類あるのですが全種類オーダーができると言うことで頼んでみましたが、鍋に中仕切りがついていて複数のスープを入れられるようになっています。
肉は牛だけでなく鶏や豚もあって、看板メニューと言える牛はまあ肉としてはアレなんですが、牛鍋っぽい濃いめのスープを使えば食べられないこともないでしょうか?
やはりこういうお店の場合は鉄板の豚しゃぶをメインにちょこちょこと鶏も楽しむくらいでいいと思うのですが、その場合相性的に組み合わせる出汁は選びたいですね。
単品メニューの方は一転して鶏と豚の料理が中心なのですが、何故か場違いに混じっていた合鴨ローストはごく普通のお総菜コーナー水準、鶏もも焼きも甘辛ダレの絡みが悪いのと妙に生臭いのが気になります。
定番の唐揚げはちゃんと下味をつけようとした唐揚げなんですが時間的制約故か少し漬け込みが不十分だったようですし、チキン南蛮もやはり肝心の甘辛タレへの漬け込みが物足りずほぼ唐揚げのタルタルソースかけになっていますね。
アスパラ等を巻いた黒豚巻き三種盛りはせっかく中身が違うのにこのべったり味の濃いタレ1種類で済ませたのは惜しいですし、寿司などもシャリにネタを載せるだけでなくエンガワにジュレを使うなど少し工夫してあるのはいいんですが、このガチガチの握り具合と酢加減の強さは何となく昔懐かしの持ち帰り寿司っぽいですよね。
全般にこの種の店ですから味は問うところではないにしてももうちょっと丁寧に仕立てればと思うものが少なくないのと、「これはどんな味なんだろう?」と思うような意外性のあるメニューがあればいいかなとも思うのですが、まあオーダーバイキングでは余計な手間ひまのかかるものは難しくはあるのでしょう。

トイレは設備広さとも及第点ですし、席はコンパートメントになっているなど設備の方は悪くないのですが、接遇面では初訪店と判っているのにシステム面での説明はろくにないなどかなり投げっぱなしである一方、間違った操作でもすれば「それは違いますから」と逆ギレ気味に言ってくるのもどうなのかとは思います。
またこの種のオーダーバイキング全般に共通する問題として混み合った時のレスポンスの悪さがありますが、遅れに遅れて忘れた頃に出てくる場合と本当に忘れている(あるいはオーダー自体通っていない)場合との鑑別が困難で、特にタブレットのオーダリングシステムを通さず口頭で伝えた場合は忘れられている可能性が高いのですが二重オーダーのリスクをどこまで犯すか悩ましいところです。
料理の内容を冷静に考えると割高感はあるものの量やバリエーションなども考えると「まあこんなものか」と許容出来る範疇ではあるのですが、やはりオーダーバイキングと言うのは流行れば流行ったなりにそれなりに難しい商売ではあるんだろうなと改めて感じました。

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2014年6月28日 (土)

熱戦続くW杯の陰で早くも次回大会へ向けた準備が始まる日本

今日は少しばかりサッカーの話を取り上げてみようかと思いますが、しかし注目のグループ最終戦で空気を読まずに勝ってしまうところがドイツ人らしさなのかも知れませんが、ともかく好チームのアメリカも揃って勝ち上がりになって結果はよかったですかね。
さて、ブラジルで開催中のW杯もいよいよ今週末から一発勝負の決勝トーナメントが始まるわけですが、今回大会の特徴としてW杯常連で優勝経験もあるような強豪国が相次いで一次リーグで敗退してしまったと言う点も挙げられるかと思います。
特に前回大会優勝のスペインがあっさりと敗退したのは直前の主力メンバーの負傷などもあってあっさり敗退した2002年大会のフランスを思い出させますけれども、毎回上位に進出するのは優勝経験のある一部の強豪国ばかりと言うのではマンネリ化しますから、今回は意外な国が勝ち進むところも見てみたいですね。
さて、そんな中で一部では「期待はずれ」と言う失望の声も上がるほど良いところなく敗退してしまった日本代表については新監督との交渉も始まっていると言うことでもちろん今後の成り行きも要注目なのですが、過去の監督選定の経緯もあってかまずはこの四年間の総括こそが必要なんじゃないかと言う意見は根強いものがあります。
アジア限定ではなくW杯本番で通用するサッカーとはどんなものなのか、結局のところ日本はどのようなサッカーを目指すべきなのかと言う点が明確にならない限りは次期監督も選びようがないと言うのは監督を選ぶ判断材料として当然と言えば当然なのですが、本日まずはこちらの記事を紹介してみましょう。

ザッケローニと岡ちゃんの違い 監督マネジメントから見るW杯(2014年6月27日日経ビジネス)
より抜粋

(略)
「指定席」を作らない

 前回、岡田監督は大会直前に戦術の変更を決断した。W杯直前の国際大会を経て「ある程度、守らなければ勝てない」と判断したためだ。その結果、攻撃にひらめきはあるものの、守備が弱い選手が先発から外された
 その好例が、中村俊輔と内田篤人だった。
 中村は攻撃の要であり、内田は当時22歳で勢いに乗っていた。にもかかわらず、岡田監督はあくまで戦略を優先し、勝てるサッカーを実現できる選手を先発に選んだ
 岡田監督の先発に“指定席”はなかったのだ。
(略)
 反対に、ザッケローニ監督は自分が信じた選手を最後まで信じていた節がある。基本的に先発メンバーは12、13人のなかで決まっていた
 選手が積み上げてきた実績、ヨーロッパのトップクラブでプレーする選手たちをリスペクトしていた。本田圭佑、香川真司のふたりに関しては、所属クラブで出番がなく、ゲーム・フィットネスが万全でなくとも、先発で起用するのがザッケローニ監督の方針だった。

最後は選手と“心中”したザッケローニ

 予選グループ突破がかかった最後のコロンビア戦に関していえば、監督就任から信用してきた選手と心中しようとしているようにさえ見えた。“指定席”の選手たちと、最後まで戦うと覚悟を決めたのだろう。
 その観点からみると、第2戦のギリシャ戦で、香川を先発から外したのは、かなり思い切った采配だったと思う。
 選手たちのコンディションがよければ、この考えでも成功を収めたかもしれない。しかし、監督の選手起用が硬直化してしまうと、チーム全体の活気が失われてしまうケースが出てくる。
 「登録メンバー全員が戦う気持ちでないと勝てない」
 というのは岡田監督の持論だが、日本人がチームを作る場合、個人ではなく、チーム全体の雰囲気作りが重要になってくるのだ。
(略)

岡田監督時代のサッカーに対する好き嫌いはともかくとして、日本代表指揮官として歴代最大の実績(初出場を含め2大会に出場決定、中立地でベスト16進出)を挙げた監督であることは言うまでもありませんけれども、その特徴として二度の登板機会共に前任者の退任に伴う途中交代で登場したと言うことで、近年の4年を1サイクルとして仕事をしている他の代表監督と比べてチーム作りの時間は短かったと言えるでしょう。
そうした状況的制約もあってかチーム作りはやはり現実路線重視に舵を取らざるを得なかったこともあるのでしょうが、岡田監督の場合本人がDF出身と言うこともあって守りの構築には相当の自信を持っているようで、実際にW杯本番でも1998年のアルゼンチンやクロアチア、2010年のオランダと言った強豪国を相手にも敗れたとは言え1点差の接戦に持ち込んでいることは注目されますよね。
一方で選手起用に関しては1998年の三浦選手や2010年の中村選手のように非常に大胆な決断を下すことでも知られていますが、この点で「自分達の理想的なサッカーのイメージをもつことは大切だが、チームづくりにおける理想のサッカーとは、今いるメンバーの力をうまく組合せ最大限のパフォーマンスを引き出すこと(2002年)」と言う発言が注目されます。
これは単純に選手個々よりも組織優先と言った捉え方よりも、コンディションや戦術理解、相互の相性も含め一番結果の出せる確率の高い11人の組み合わせを選ぶと言うことだと思いますが、その一環として2010年大会に向けて平素からメンタル面の専門家に協力を仰ぎ心理面の強化を図ったほか、試合場ごとの季候差、高低差の大きい本大会に向け直前のコンディション調整にも細心の注意を払い成功したと言いますね。

一方で今回のザッケローニ監督、そして2006年ドイツ大会のジーコ監督に共通してしばしば言われる点として組織よりも選手優先で固定的な組み合わせを偏重する、そしてコンディション面にあまり注意を払わないと言うことが言われていますけれども、ザックジャパンにしても先年のコンフェデ杯を見ても短期間の連戦にも関わらず同じメンバーを起用し続けたことがパフォーマンス低下につながったことが明確に見て取れたものです。
この点で両者に共通するのが日本選手の能力に対する信頼であったとも言えるのは興味深いのですが、同様に外国出身でユースや五輪、アジアカップでの成績に自信を持っていたはずのトルシエ監督がサンドニでの大敗以降は守備にも重点を入れた現実的な方向に舵を切ったように見えることと併せて考えると興味深いものがあります。
結局のところ日本はアジア内では強豪国であり個々の選手能力も勝っていて攻撃に重きを置いたポゼッション重視のパスサッカーで勝っていられるのですが、W杯のような世界の強豪とのガチンコ勝負になると選手の能力でも上回れないだけに、きちんと人数をかけた堅守に手数と時間をかけすぎない速攻、そして走り負けない体力、コンディションの向上を目指した方が勝率は高くなりそうです。

そう考えると世界レベルで通用する強固な守備力を持ち、豊富な運動量で強豪相手にもしぶとく喰らいついて勝ち点をもぎ取る何とも嫌らしいチームと言うイメージが浮かんでくるのですが、世界でも通用するチームがすなわち日本人が思い描く「日本サッカーのイメージリーダーとしての日本代表」なのかどうかはまた別の話です。
「日本のサッカーとはパスサッカー」と看破したのは「日本サッカー史」を著した後藤健生氏であったと思いますが、その後藤氏が下部リーグを見ればその国のサッカーが分かると言う観点から日本のJFLを評して「3部リーグでこれほどパスサッカーを追及している国はない」と言い、そして「パスをつないできれいに、戦術的にチャンスを作り出すわりに、最後のフィニッシュの精度を欠いて決めきれない」と指摘している点は何とも示唆的ですよね。
選手層の割に今回成績が振るわず狙い目だと思われているのか、幸いにも代表監督に手を挙げる名のある指揮官は少なくないと言う報道もありますが、遠くない将来に新監督の人事も明らかになるものとして、そこにはサッカー協会の思い描くあるべき代表の将来像が否応なしに現れることにもなるのでしょうね。
無論そんなものは何一つ考えておらず、またしてもどこかの偉い人の鶴の一声で長期戦略も将来展望も何も無しに決まってしまうと言う可能性も少なからずあることは否定出来ないのですが…

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2014年6月27日 (金)

転換点を迎えつつある高齢者の医療と介護

現役世代においてメタボ健診からの生活習慣病早期対応が重視され、職場でも今どきウエスト周りが太めな方々などすっかり肩身が狭いと思いますが、一方で歳をとってくると逆にやせ型でコレステロールが低い人ほど要介護のリスクが高まると言うのですから、一体健康とは何なのかと疑問に感じないでもないですよね。
そんな誰しも将来に不安を覚えずにはいられない時代に介護領域の人材不足は未だ全く解消しておらず、一方で需要は増えるばかりとなればますます3Kだ、いや4Kだとどこかの家電製品のようなスペック自慢が続いていますけれども、さすがにこれはどうかと考えたのか国も何度目かになる人材不足対策を検討していると言います。

「3Kイメージ」払拭を! 介護人材確保で新たな有識者会議(2014年6月5日官庁通信社)

介護業界のマンパワー不足を解消する方策を話し合うため、厚生労働省が新しい有識者会議を発足させた。

4日に開催された初会合では、専門家で構成する委員が意見交換を実施。委員からは、介護業界に対する負のイメージが問題を深刻にしているとして、状況を改善する取り組みの強化を求める声が相次いだ。厚労省は、今年の夏から秋にかけて実施すべき対策をまとめ、その後の政策に活かしていく考えを示している。

新たな有識者会議では、介護サービスを支える人材を確保していくための方策を、幅広い視点から総合的に議論するという。厚労省は論点として、キャリアパスをどのように構築していくかや、現場を離れた人に戻ってもらうために何をすべきか、結婚・出産がきっかけの離職をどう減らすかなどをあげた。介護福祉士の養成課程をめぐる議論は、国会で審議されている法案の成立後に本格化する見通しだ。

厚労省は今後の検討に向けて、「何か1つの対策で解決する話でもない。あらゆる施策を総動員して課題の解決にあたっていきたい」との考えを示している。

意見交換のなかでは、いわゆる「3K」などの悪い印象を一面的に持っている人が多い現状について、対策をうって改善するよう求める声が多く出た。具体策としては、「介護の尊さや魅力、やりがいに焦点をあてた発信をすべき」「高齢者の自立や尊厳を守る専門職として確立し、そのイメージを広げていくべき」といった提案がなされた。

まあしかし、そこらの飲食店アルバイトも人が集まらないからとうちは時給1000円だ、いやこちらは1500円だと競って人材確保に走らなければならない時代に、残念ながらただでさえイメージの悪い介護業界が全業種最低クラスの給与水準に甘んじていると言う時点で本気で人を集める気があるのかと言われるだろうし、そんなレベルの給与しか出せない報酬水準を設定している国の責任をもう少し真剣に考えていただく必要はあるでしょうね。
無論介護報酬が公定価格であるからこそ給料を思うように上げられないと言う側面もあって、何しろ医療介護コスト抑制が国の社会保障政策の根幹として取り上げられるようになって久しい中でそれを大幅に引き上げるのは財務省界隈の賛同が得られるものとは到底思えずですが、介護の場合別に混合診療禁止と言ったルールもないわけですから他よりも高い料金を取ってその分高質なサービス提供をうたう施設もあるわけです。
利用者から必要十分な報酬を得た上で利用者サービスの向上にもコストを使い、そしてその一助として優秀なスタッフにも給与という形で投資するとなればこれは双方に利益のある話ですが、もちろん質が良いに超したことはないけれども現実的にそんな高い費用は負担できないと言う利用者も決して少なくないわけで、今後地位向上が進められると各レベルのサービスがバランス良く提供されるかどうかも重要ですよね。
いずれにしてもこうした話は需要が今後も何ら制約を受けることなく増え続けると言う前提での供給側の改善に関する議論ばかりなのですが、さすがにそれだけでは何ら問題の根本的解決につながらないと言うことが明らかでもあって、このところようやく原因対策とも言うべき需要側の問題も公の場で議論されるようになってきています。

「延命治療」「寝たきり」を減少に向かわせる契機に 国際医療福祉大大学院教授 高橋 泰氏に聞く(2014年6月26日日経メディカル)より抜粋

(略)
 今回の診療報酬改定の柱の一つとして、入院患者の「在宅復帰」の推進が掲げられた。診療報酬改定で在宅への移行を促すのは今に始まったことではないが、今改定はこれまでにないほど強力な誘導策が盛り込まれており、地域包括ケアシステムの構築に向けた厚生労働省の強い意思を感じ取ることができる。

 だが、高齢の患者を在宅に帰すことは容易ではなく、筆者は、入院から在宅への移行は大きく進まないのではないかとみている。そこで浮上するのが、「高齢者にどこまで治療をするか」という問題だ。

 診療報酬改定の影響で、病院はこれまでのように高齢者を長期入院させることが難しくなるが、かといって在宅復帰も困難。そうなると現場では、長期入院につながる延命的な治療をすべきかどうかという選択を迫られる局面が増える。その選択の如何によっては、わが国の医療・介護提供体制の姿も大きく変容していくと考えられる。
(略)
 今後、急性期から慢性期まで様々なタイプの病院が在宅復帰を強化することになるが、問題は、その受け皿となる在宅医療・介護の提供体制だ。若年労働者の確保が、業界を問わず難しくなっている中、医療・介護業界が一定の労働力を確保して在宅医療・介護を大きく拡充することは容易ではない。今後、大都市部を中心に高齢者人口が大幅に増え、在宅医療・介護のニーズも増大する一方で、そのニーズに見合うだけの供給を用意することは、今のままでは相当難しいと言わざるを得ない。

 そもそも、地域包括ケアシステムのお手本となっている北欧では、寝たきり高齢者の在宅介護がほとんど存在しない。食事を経口摂取できなくなったような場合、経管栄養などで延命を図らずに「自然な形」で看取ることが一般的であり、寝たきりになる前に亡くなることが多いからだ。地域包括ケアシステムがわが国で本格稼働しても、増大する寝たきり患者に在宅で対応することは難しいとみられる。

難しい判断を迫られる医師、患者
 今後の診療報酬改定でも、在宅復帰への強力な誘導が継続されるのはほぼ確実。入院医療の現場では、患者の在宅復帰率を高めなければならないのに、その受け皿が見つからないという事態に直面するケースが多くなるはずだ。

 そうした場合に何が起こるか。まず病院が、高齢者を入院させる段階で、「在宅復帰困難事例にならないかどうか」、つまり退院後に転院や在宅でのフォローが可能かどうかを、より厳しく見極めるようになる。診療所が患者を紹介しようとしても、「退院後は在宅で診てくれますよね」などと念押しされるケースも増えてくるだろう。

 また、高齢者の退院時には「もっと入院させてほしい」と望む患者・家族と、「長期入院させられない」という病院の間でコンフリクトが生じる。これは今でも現場の悩みの種となっているが、そうした局面はさらに増えるとみられる。

 ここで出てくるのが、そもそも「長期入院につながる医療行為」を実施すべきなのかどうかという議論だ。例えば、状態が重く、回復が見込めないような超高齢者の脳卒中のケースで延命措置を図るか、食事を摂れなくなり今後も経口摂取が困難な場合に胃瘻の造設などを行うかといった議論が、これまで以上に現場でなされるようになることは想像に難くない。

 「延命治療をすれば生き永らえるかもしれませんが、急性期病院から転院したとしてもその後長期入院することは難しく、人工呼吸器やチューブをつないだまま在宅で診てくれる医師を探し出す必要があります」――。主治医がそんな説明をする機会が増え、患者・家族も難しい選択を迫られることになるだろう。

 そうした局面で、「それならば積極的な治療を施さなくても構わない」という選択をする患者・家族が増えてくるのではないかと筆者はみている。
(略)

まあしかし退院しようにも行き先が見つからないケースが増えてくるとして、その行き先を誰が見つけるべきなのかと言う責任の所在も医療現場で議論されるべき大きなテーマではあるのですけれどもね。
ともかく高齢者医療・介護の需要を制限するとなると「人の命を何だと思っているんだ!」「弱者である高齢者の切り捨てだ!」と一部の方々から大きな声が上がるのは見慣れた光景ですが、さすがにこれだけ寝たきり高齢者が身近なものとなってきますと国民一般の認識はもう少し先を行っていると言う印象もあって、少なくとも何が何でも平均寿命向上に貢献しなければと固い決意を固めている方々ばかりでもないですよね。
当今の医療・介護の現場で「人の命は地球よりも重い」などと言う思考停止的なお題目を無邪気に信じ込んでいる人もそうそういないと思いますが、人の命にかかるコストが厳しく問われるようになった時代だからこそどこにコストをつぎ込むべきか、あるいはどこからコストを削ってくるべきかが非常に厳しく問われるようになってきていますし、まして当事者が「いや、そこまではして欲しくない」と内心思っているならなおさらだと言うことです。
その意味でようやく財政的な方面からの圧力と言う形ではあるとは言え、終末期のあり方に関して妙なタブー抜きでぶっちゃけた議論が出来るようになってきた現状は歓迎すべきだと思いますし、患者や家族の側でも「全て先生にお任せします」ではなく不要な医療は不要だとはっきり表明していかなければかえって良い結果にならないことを認識しておかなければならないはずです。
いきなり北欧諸国のように「配膳はしてくれるけれども自力で食べられなくなればそのまま何もせず看取る」レベルにまで国民認識が一般化するとも思いませんが、少なくとも自分はそういうやり方で逝きたいと考える人がいても全く問題ないし、各人が必要な医療を求めることと同じくらいの熱心さで不要な医療を断るようになれば、医療現場のあり方も今とはずいぶんと違ったものになってくるかも知れません。

他方で社会の側から見ると物作りもどんどん海外に出て行っている時代に国が強力に抑制しなければならないほどの需要増加が続いている医療・介護領域こそ優良な成長産業だと言う考え方もあって、実際に近年の政権はいずれも医療・介護領域主導による経済成長戦略などと言っているわけですが、一方で高齢者介護は何も生み出さない非生産的産業だと言う指摘もありますよね。
ただ日本の人口が減少しつつあると話題になっていますが、実際に働いている労働人口の減少はそれよりもさらに急速に進んでいて、今や日本人の半分しか働いていないと言われる中で、それでは何故働く人が少ないのかと言われれば子供が多いと言う理由ではもちろんありませんから、大きな理由の一つとしてやはり退職後の高齢者人口の比率がどんどん高まっていると言うことが挙げられるかと思います。
この点で国は年金支給年齢の引き上げとセットで定年をどんどん延長しましょうと言っていますが、世間の企業でも歳がいって生産性が低下しているのに給料ばかり高くなっている高年齢労働者を誰彼構わず丸抱えさせられるのはやはり厳しいだろうし、年配者1人分を継続雇用するために若者2人の雇用をあきらめる必要があるとなれば社会再生産に最も大きく関与する若年世代にとっては全くありがたくない話です。
それならまだまだ元気な年配の方々にこそ人手不足で苦労している介護領域でどんどん働いてもらえるような政策誘導もあっていいはずで、何しろ近い将来自分達も同じような境遇になる可能性が高いのですから思うところも多々あるでしょうし、そうした現場の実際がどうなのかと言うことを実体験として見聞しておくことがいざ自分のこととなった際の意志決定にも少なからず影響するのではないかと言う気がします。

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2014年6月26日 (木)

いざと言うときには役に立たない保険?

ちょっと今個人的に激しく盛り下がっているところなのですが、それはともかく全国の医師の先生方を様々な意味で悩ませる保険と言うものについて、先日こんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

被害者続出、いったいどういうことだ!「がん保険」がんになってもカネは出ない(2014年6月23日週刊現代)より抜粋

なりたくてがんになったわけじゃない。だからこそ、「いざ」というときのために備えてきた。それなのに「保険金は支払えません」なんて、あまりに理不尽じゃないか—そんなトラブルが頻発している。

「お客様のがんは対象外です」

「先生からは、確かに『がん』だと告知されました。まだ初期だから心配ないと言われましたが、まさか自分ががんに罹るとは思ってもいなかったのでショックでした。不幸中の幸いだったのは、がん保険に入っているから治療費の心配はしなくていいということ。
ところが、保険会社に申請すると、『お客様のがんは、保険の対象外です』と突き返されたんです。がんだと診断されたのにがん保険が下りないなんて、どういうことですか?これまで20年以上、万が一のためにと思って、保険料を払い続けてきたんです。いざというときの備えだったのに、肝心なときにカネが出ないなんて、保険ではなく詐欺じゃないか」
東京都在住の68歳の男性は、こう憤る。昨年、健康診断で大腸に異常が見つかり、内視鏡手術で切除した。医師からは、「早期の大腸がんです」と告げられた。
男性は、45歳からがん保険に入っていた。会社の上司が肺がんを患い、長期入院の末、退職せざるを得なくなったことがきっかけだ。加入したのは、がんと診断されたら一時金として200万円、入院1日につき1万円がもらえる保険。月に8000円弱の出費となったが、「収入が無くなり、治療費で貯金が取り崩されることを考えれば必要経費。安心をカネで買ったようなもの」だった。
それから23年。ついに「その日」が訪れた—と思ったら、自分のがんは「対象外」と冷たく見放されたのである。がんを患ったという事実に加え、保険金が支払われないという二重の衝撃に、当初、絶望するしかなかったという。
「保険会社に抗議の電話をすると、『お客様のがんは、ごく早期のがんで、ご加入のがん保険では対象外となります』と取り付く島もない。約款にはきちんと書いてあるというんです。でも、そんなこと加入当初に説明された覚えはありません。これじゃ保険会社にこれまで支払い続けてきたカネは、ドブに捨てたも同然です」

早期がんには払いません

がん保険に入っていたのに、がんになってもカネは出ない。そんなこと、あり得ないと思うだろう。だが、この男性が経験したような事態は珍しくない。病気になっていざ保険金を請求したら、保険会社からさまざまな理由を並べたてられて支払いを拒否されるケースが、いま増加しているのだ。とくに顕著なのはがん保険。これまで知られていなかった問題が、徐々に表面化している。
昨年度、国民生活センターに寄せられた医療保険に関するトラブルは1035件にも上っている。
「実際に相談を受けている現場の感覚としては、がん保険に関するトラブルはとくに目立っています。具体的には、保険勧誘時の説明不足から生じるものが多い」(国民生活センター相談情報部担当者)
保険金の支払い条件などは約款に細かに記されているが、契約時にすべての内容を担当者から直接説明されることはほとんどない。説明を受けたとしても、到底一度で把握しきれる情報量ではないため、がんと診断され保険金を請求してはじめて、自分が保障の対象外であることを知るのだ。
(略)

長い長い記事ですので是非とも全文を読んでみていただきたいと思いますけれども、まあしかし保険というものもあくまで商売として成立するだけの儲けが出るからこそ会社が存続し保険も引き受けられ、そしていざと言うときの保険金も払ってもらえるわけですから、保険会社が儲けているからケシカランと言うのはちょっと違うんじゃないかと言う気はしますでしょうか。
数ある医療系の保険の中でも特に癌保険と言えばトラブルが多い印象がありますが、一つには癌という非常にデリケートな疾患を扱うと言うことから来る難しさで、臨床の場においてもそれが癌であるかどうかの診断が医師の主観的判断に頼るしかない局面はままあるものですし、単純に入院した、手術を受けたと言う明白な事実関係だけでお金が出る保険に比べれば医師の側も苦労する局面が多いと言うものです。
ただそれ以前に保険の契約内容によって支払いが受けられないと言うことが相当に多いようで、こればかりは自分の望む補償のタイプに合った内容の保険を選ぶしかないとも言えますけれども、ひとまず記事から代表的な保険金が支払われないケースと言うものを抜き書きしてみるとこんな感じであるようです。

(1)保険金が支払われない種類のがんがある
 上皮内新生物(上皮内癌)には保険金が出ない、もしくは一時給付金が減額される商品がある

(2)加入後、すぐにがんになったらアウト
 多くの場合、加入後90日以内にがんが発覚したときは、保険金が出ない

(3)入院しないと保険金が出ない
 「がんの治療を目的とする入院をしたこと」が保険金支払いの条件になっている商品もある

(4)病歴告知をミスすると保険金が出ない
 過去の病歴や現在の健康状態について後に申告漏れが発覚すると、「告知義務違反」とされてしまう

(5)再発したらアウト
 再発したときの支払い条件も、商品によってさまざま

しかし記事を見ていますと新しい保険ほど契約者側にはメリットが乏しくなるかのように書かれていて、事実場合によってはそうした側面もあるのかも知れませんけれども、それでは昔ながらの保険をそのまま継続した方がお得なのかと言えばそういう訳でもないことも知っておかなければ判断を誤りますよね。
そもそも昔と今では癌という病気に対する治療のやり方も全く変わっているので、昔であれば基本的に死病ですからひとたび癌で入院すれば原則的に亡くなるまでそのまま入院するパターンが多かった、ところが今は入院期間短縮と言う目的もあり可能な限り従来の生活をそのまま続けながら治療をするようになっていますから、月に数日だけ入退院を繰り返しながら延々と通院治療していると言う方も全く珍しくありませんよね。
こうした方々に昔ながらの「入院○日目以降に保険金がおりる」「保険金の支払いは一生に一度だけ」と言ったタイプの保険がひどく相性が悪いことは言うまでもないことで、「保険金がもらえるなら治療が長くなっても安心だ」などと思っているとろくに支払ってもらえないと言うことにもなりかねないと言えます。
ただ確かに外資系がどっと癌保険に参入してきてからこの種の支払い条件のトラブルが多発している印象もありますけれども、日本と全く医療システムの異なるアメリカでデザインされた保険をそのまま持ってきたからと言う側面もあるのだろうし、日本においても医療が国際標準に近づいて来ているわけですから次第に思いがけない行き違いと言うことは減ってくるのではないかと言う気がします。

ともかくこうした保険というのは一時的に大きな支出に対応できない人がそのリスクを分散するためにかけているものなのですから、もともとさしたる治療費がかからない上皮内癌などが支払い対象外になったところで大したことはないし、そもそも日本では公的に運用されている皆保険システムがあまりに出来が良すぎて大多数の人にとって民間保険の必要性はまずないと言えます。
特にこれからの時代で一時的にせよ大金が必要になる可能性が高いのが健康保険でカバーされない先端医療や混合診療など、昨今盛んにその導入と拡大が進められている自費診療の部分ですが、このあたりは癌に限らず多くの方にとって利用する可能性のあることですから、標準的な保険診療以外も受けたいと考えるならきちんと条件を確認した上で加入しておくのはありかも知れませんね。
その意味で一番まずいのは何となく入っていたと言う人の不払いよりも、いざとなれば保険金が必要だから入っているはずの一部の人が過去の病歴を申告していなかった等の理由で支払いを蹴られる可能性なのですが、特に高血圧など一般的な疾患ならともかく癌など悪性新生物の病名告知を怠っているとまず確実に支払い拒否に遭うものと見ていいですよね。
「そんな大病を患ったことを忘れるはずがないのだから、隠したのだとしたら自業自得ではないか」と考えるかも知れませんが、ここで問題になってくるのが旧世紀末頃までの日本では本人に対して癌などの病名を告知しないまま治療すると言うことがかなり当たり前に行われていたと言う事実があると言うことで、本人は全くあずかり知らないところで思わぬ大病を経験している可能性が少なからずあるということです。
ちなみにこうした場合契約の前提となるリスク評価が正しく行えなかったと言うことでそもそも契約が締結されていない扱いになり、大抵は支払った掛け金がそのまま返還されるようですけれども、故意に隠して契約したと悪質性が認定された場合は掛け金の返還もなくなってしまう場合があり得ると言いますから、くれぐれもダメモトでチャレンジしてみようなどと変な気を起こさないことですよね。

こうした患者と保険会社の間のトラブルが発生した場合に患者から「先生、何とかしてください」と泣きつかれる場合も少なくないだけに、医師としてどう対処すべきかは喫緊の重要課題ですが、まず絶対にやってはならないこととして公的文書において嘘をついてはならないと言う大前提だけは守っておかなければ大変なことになると言うことでしょう。
ただし前述のように本人が知らないものだから病歴として自己申告もされていないし問診票等にも書かれていない、要するにカルテに物的な証拠が何もないと言う場合にたまたま家族から「実は先生、本人には言っていないのですが」と打ち明けられた、そして医学的に考えて今回の入院理由となった疾患とは無関係であると判断されるような状況において、敢えてそれを保険会社に書いて送るかと言えば悩ましいものがあります。
考えてみれば医師は患者の同意を得た上でその個人情報を保険会社に伝えるわけですから、知っているだけの全てを伝えずとも罰則はないどころか当の患者に不利益なことを伝えるのは患者との信頼関係を裏切るようなものですし、まして保険契約解除の理由として本人も知らない過去の病歴を保険会社経由で伝えられるとなればこれは大変な問題で、下手すると医師の方が訴えられかねません。
心情的にも保険会社と医師との間には直接の人間関係はなく、一方で多くの場合患者とは相応の長期間に及ぶ密接な人間関係が構築されている場合が多いと言う距離感もあって、どちらかと言えば患者側の肩を持ちたい先生の方が圧倒的多数だと思いますけれども、保険会社の方は大金のかかっていることですから可能な限りの手段を使ってでも事実関係を追及してくる可能性があることは考えておくべきでしょうね。
将来的には国民総背番号制で統一的なデータベースが構築され病歴を全国的一元的に管理するような時代が来るのだと思いますが、そうなると法的に調査権限が認められさえすれば医師が知っている情報は全て保険会社も知ることが出来る理屈となるだけに、これも未だアナログな手法も混在している今の時代だからこそ起こり得る悩ましいトラブルの一つだと言えるかも知れません。

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2014年6月25日 (水)

現代日本の就活事情の一端

一昔前までは医師の世界と言えば一般的な意味での就職活動とは無縁だったもので、医師自らが病院を選ぶようになった今の時代でも他業種とはいささか就労の事情が違いますけれども、それでも医学部が理系最難関学部として位置づけられている点では受験競争の頂点に位置すると言う言い方も出来るかと思います。
かつての受験戦争と言われた時代の最盛期には学歴社会は弊害が大きすぎる、何とかすべきだなどと言う声もありましたが、その後少子化の時代を迎え大学全入などと呼ばれる時代ともなり学歴も何もなくなったのかと言えばさに非ずで、いわゆる一流大学などはやはりネームバリューだけで就職にも有利と言う状況は相変わらずあるようです。
そうは言っても大多数の人間は一流以外の大学を出たり専門学校を出たりなのですから、企業側もどうやって学生の能力を見極め選抜すべきか悩ましいところだと思いますけれども、大学名だけで判断できない時代に意外な方向に手を伸ばしている企業もあると言うことです。

就活での「学歴」 高校までさかのぼるケースも?(2014年6月20日AERA)

「結局、東大にはかなわない」と言われる一方で、「学歴がなくても課外活動を頑張ればいい」とも言われる。採用をめぐっては、あらゆる噂が飛び交う。就職と学歴の実際を取材した。
 就職活動で学生が戦略的に動くためには、個々の業界や企業が求める「ターゲット」を知っておく必要がある。一概にこうだと言い切ることは難しいのだが、識者や人事関係者に取材し、把握を試みた結果、様々な声が集まった。その一部を紹介する。

「就活で最強なのは『旧帝大、早慶クラス』+『体育会』」(就活コンサルタント 小寺良二さん)
慶應SFCは超人気。ただ入社後、日本企業のカルチャーに合わないケースも」(HRプロ社長 寺澤康介さん)
流通は、MARCHと日東駒専が現場で活躍」(キャリアコンサルタント)
百貨店は私立の牙城。慶應が強い」( 大学キャリアセンター関係者)

 就活コンサルタントで、オールアバウト「大学生の就職活動」のガイドも務める小寺良二さんは言う。
「どの業界でも正社員は、マネジメント層としてチームをまとめて成果を上げる能力を求められる。そのためにコミュニケーション能力と地頭のよさは必須。単純労働は非正規社員に任せたりアウトソーシングしたりすることが多いので、ただただ真面目とか勢いがあるというだけの人材では、必要とされないケースが増えてきました」
(略)
 大学以前にさかのぼって「学歴」を見ることもある。
企業がほしいのは、学歴より学力。大学名は立派でも、AO入試や小中からのエスカレーター式で入学していて勉強していない学生もいる。大学名だけでなく、高校名や大学の入学方法まで見ようとしている企業もあります」(小寺さん)

業界や企業によってももちろん選抜の方針は違うのだと思いますが、某有名私大卒は代々OBからの引きが非常に強いだとか、体育会系で特に幹部として活躍していた学生は有利だとか様々な情報が飛び交っていて、恐らくどれが正しい、間違っていると言うよりも少なくとも特定業種・企業においてはそれはそれで正しい情報で、逆に言えばその他の場合にはそんなことはどうでもいいと言うことなのかも知れません。
ただ最近しばしば聞く言葉として「地頭の良さ」と言うことが言われているようなのですが、要するに子供の頃から一生懸命勉強して何とか成績を引き上げようやく大学に入った学生よりも、スポーツや遊びも人並み以上にこなしながら片手間の勉強で入試を突破したような学生の方が脳の余力があり、入社後の仕事の覚えや成長も優れているのではないかと言う考え方なのでしょうね。
確かに学生時代であれば居残り勉強をしたりしていかにも一生懸命勉強してますと言うタイプが真面目だと評価されるところがありますけれども、社会人になれば連日残業残業でやっと仕事をこなしている人よりは自分の担当の仕事など鼻歌交じりでどんどん片付けて定時に終われる、あるいはさらに他人の分の仕事までついでにこなせる人間の方が企業にとってはありがたいでしょう。
その潜在能力とも言うべき部分をどうやって評価するかと言う指標として、成績がよくいい学校に入ったと言うだけでなく部活動でも一流の成績を残したと言えばこれは見るからに出来る人間っぽく思えますが、それ以外にも記事にもあるように大学よりも高校の方が本来持っている能力をよく反映していると言う意見もあるようで、中には出身中学の名前までも書かせる会社もあるようです。
まあこうした選抜方法が可能になったのもネットの検索一発で地方の中学高校であってもどんな学校か調べられる時代になったからだとも言えそうですが、こうした学歴偏重の入社試験が広く一般化していることを逆手に取ってと言うべきなのでしょうか、こんな妙なことをやっている企業もあると言います。

就活生から「クソ企業の告発」相次ぐ 投資家からは「じゃんじゃん出して」の声(2014年6月16日キャリコネ)

2015年卒の就活が「内定解禁」となってから2か月半が過ぎた。ネットには就活生からの喜びや悲嘆の声が見られるが、中には面接や内定後に「クソ企業」から酷い仕打ちを受けたという告発も見られる。
ある就活生はソフトウェア開発会社から念願の内定を獲得したが、採用担当から耳を疑うような言葉を投げかけられたと2ちゃんねるに明かしている。

    「学校辞めて来月から来て欲しいって頼まれた。来年入社されても意味がないって。明日には返事が欲しいらしい。もし無理なら内定取り消しっぽいこと言ってた」

「面接中の社長の態度」も詳細に暴露

この投稿を見た人からは「そんな非常識な企業やめたほうがいい」「今後のことを考えるなら蹴れ」と、学生に内定を断ることを勧めるアドバイスが相次いだ
内定者に大卒の資格を取らせなければ、転職も難しくなり、悪条件でもこき使えると会社は考えたのだろうか。就職先を失うリスクもあるが、「むしろ激務で身体壊したりするリスクを回避できたと喜ぶべき」と慰める声もある。

面接の時点から、就活生をぞんざいに扱う企業もあるようだ。はてな匿名ダイアリーには、「某中堅IT企業の最終面接があまりにもクソだった件」というエントリーがあがっている。
採用担当者からは「父親の業種は?」「生まれも育ちもそこなの?」「本を良く読むと言われたが具体的にどのような本を読むのか」といった、業務に関係ないので不適切とされている質問が相次いだ
さらに役員がスマートフォンを使い出したり、ずっとパソコンから目を離さず就活生に目もくれなかった社長が、突然、

    「君は大学で勉強ぜんぜんしてないよね。しゃべり方でわかるよ。最近、文系上がりの医者が問題になっているように君は文系に見える。普通だったら得意科目にこんなこと書かないもの。そこどうなの?」

となど質問してきたりと、かなり不愉快なものだったという。

投資家「中身に近い情報をどんどん出して欲しい」

結局この学生は不合格となり、子会社へのあっせんを提案するメールが来たが断りを入れた。書き込みには会社の所在地や代表のイニシャルなど、会社を特定できそうな情報も添えてあったが、こうした内部情報をネットに投稿する理由を、投稿者はこう説明している。

    「いわゆる『圧迫面接』や、採用側の立場を使って嫌がらせのような質問をする会社はイーブル(不道徳・有害)であり、その企業風土というのを発信することで、2016年の就活生の一助となればと考えています」
    「『己の欲せざる所は人に施すこと勿れ』という言葉がありますが、口外されて困るような面接をするのであれば、はじめから面接などするなというのが私の考えです」

この投稿には「クソ吹いた。お前なんか雇いたくねーよバーカwww」などの批判的な意見も少なくないが、投稿が転載された「市況かぶ全力2階建て」には、投資家を名乗る人たちから意外な歓迎コメントも見られる。

    「社長がクソなところは投資対象外。事実ならどんどん発信して頂きたい」
    「投資判断の情報は喉から手が出るほど欲しい。学生にはじゃんじゃん、匿名でもなんでも、面接の情報発信はしてもらいたい
(略)

しかし採用の条件として卒業前から働き始めることを挙げてくると言うのはなかなか考えたものだなと思いますが、当然ながら大卒ではなく中退扱いとなれば就職先が気に入らなくとも次に転職しようにも条件面で不利になるわけで、それが判っているから少々のことなら我慢して勤務を続けるだろうと言う非常にブラックな考え方が見え隠れしますね。
ことさらに怒らせる、あるいは萎縮させるようなことを言って受験者の反応を見るいわゆる圧迫面接の類も基本的には同じく「不平不満があっても我慢して逃げ出さない」と言う企業側にとって有利な人材を選抜する意図があると言われていますが、企業側からすれば「最近の若いものはちょっと厳しく指導でもすればすぐ退職してしまう。これでは仕事にならない」と言う不満が先にあるとも言います。
この辺りはニワトリが先か卵が先かと言う議論にも似た部分がありますけれども、とりあえず新入社員が先を争って逃げ出す職場よりは長く踏みとどまっていく職場の方が労働者として満足感が高く会社への忠誠心が高いだとか、組織として新卒者教育がしっかりしていると言う可能性が高いでしょうから、将来性を見据えて投資先を考えている人々にとってはそうした情報もまた考慮に値すると言う事なのでしょうね。

日本では基本的に学歴社会と言うとネガティブなイメージとして語られますけれども、ある意味日本などよりもはるかに深刻な学歴社会であるアメリカでは結果の平等よりも機会の平等を求める風土もあり、奨学金等々成績さえ優秀ならどんどん学歴を積み上げていける社会的支援が手厚い一方で、学歴を積み上げる過程における競争の激しさは日本などの比ではなく、卒後の初任給なども露骨に学歴に左右されると言います。
ただ初任給こそ差があってもその後の給料の上がり方は学歴ではなくあくまで成果主義で決められていくと言うことで、この辺りは学歴と言っても問われるのはあくまでも学校名だけ、下手すれば卒業後の昇進も出身大学によって決まってしまう日本よりもよほど努力しがいがあるとも言えるし、生涯努力を続けなければいつでも誰でもすぐに落ちこぼれてしまう可能性がある怖い社会だとも言えそうです。
ただ人生の一時期における努力ばかりが過度に重視される日本型の学歴社会が悪いものなのかと言えば必ずしもそうではなくて、何事にも組織として集団としての和を重視する日本社会で人生常時周囲との競争を強いられるやり方では困る場合も多いだろうし、実際にアメリカ式の成果主義を導入する企業が増えてからスタッフの士気や組織への忠誠心に悪影響が出ているとも聞きますよね。
それでは結局どんなやり方が正解なんだと言われれば恐らく唯一絶対の正解などないのであって、それなら「そんなやり方では世界との競争には勝てない」なんて言葉に踊らされて長年うまく行っているやり方を変えてしまうよりは、昔ながらのやり方を頑固に続けてみると言うのも案外間違っていないんじゃないかと言う気がします。

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2014年6月24日 (火)

僻地からトラブルなく足抜けする方法

本日の本題に入る前に、先日たまたま見かけてちょっと笑ってしまったのがこちらのスレッドの話題なのですが、とりあえずリンクを紹介しておこうかと思います。

【参考】この間行った恐怖の村の話

色々と突っ込みどころは多々あるのですが、とりあえずひとたび僻地に足を踏み入れると足抜けも容易ではないらしいと言うことでしょうか。
ちなみにやはりと言うべきでしょうか、多くの方々が予想している通り場所は東北地方某県らしいんですが、山間の村でかつて診療所があったが現在は無医村化していると言うこと、そして今年新しいスタッフを募集していると言う情報からかなり特定出来そうでしょうか(ちなみに募集要項を見ますとちゃんと「その他村長が村の活性化に必要と認めた活動」も仕事に含まれるとされているようですね)。
ただ同村(がどこかはともかく)の名誉のために申し上げておきますと、この種の「田舎の村で働いてくれる人募集」的なものはどれもこれも似たようなものと言う声もあって、給料は国からの補助金上限まで(=自治体からの支給ゼロ)でそこから税金や実費と称してあれやこれや差し引かれるだとか、雪かき日当として相場相応程度の補助金が出ているはずなのに何故か給料などないばかりか参加費を徴収されるだとか言う話もあります。
だからどうしたと言う話で、そうした諸々の事情を承知の上で納得した方だけが逝けばいい…もとい、行けばいいだけのことですし、今回たまたまそうした折り合いがつかなかっただけであるわけですが、いずれにしてもまるで嘘や騙し、さらには脅迫のようなことをやってまで人を集めるようなことがあってはならないのは言うまでもないことです。

いささか前置きが長くなりましたけれども、僻地と言われる地域が何かと人手不足であるのは全国各地共通の課題で、そもそも人間がいないから僻地なのであって僻地に人がいないとは本末転倒の話だと言う意見もありますけれども、とにもかくにも社会活動を維持するためには各方面に一定程度の人材が必要であるとされているわけです。
とりわけ専門性が高く緊急の必要性もあると言った仕事の場合は単に人口何人当たりと言うだけでなく、何キロ圏あるいは何時間圏毎と言った地理的要因も加味してその分配を決めるべきだと言う意見は根強くあって、その筆頭格として消防救急であるとか医療と言ったものが挙げられるのも当然ですよね。
この点で医療の中でも産科小児科と言うジャンルは僻地に多い高齢者集落においては需要がさほどにない反面、産科小児科がないから若い住民が入ってこないなどとやり玉に挙げられ行政の重点的整備課題に挙げられやすい、また一方で特に産科の場合は里帰り出産と呼ばれる一時的な流入需要もあるだけに、単純に地域の人口や年齢分布だけで必要性が決められないところがあります。
特に少し走れば都会があると言う地域ならともかく、周辺隣接地域もまた僻地と言った場合にはそのどこかに基地となる基幹施設を置かなければ業務がうまく回りませんが、どこまで行っても僻地が続くと言う地域に外からわざわざ働きに来ようと言う人間が少ないのは医療に限らず当然のことだとして、その解消法として医療の世界としては少しばかり珍しい方法論が採られたと言うニュースが出ています。

日本初、産科医不足に悩む市民病院へ医師を派遣=医療法人 葵鐘会(2014年6月20日ニコニコニュース)

 医療法人 葵鐘会(きしょうかい。愛称はベルネット/所在地・愛知県稲沢市)が近日中に岐阜県中津川市と医師確保に関する協定を結ぶことになった。葵鐘会は2015年4月から10年間、中津川市民病院の婦人科医師不足を解消するため、同病院に医師を派遣する。(画像提供:葵鐘会)

 日本全国で、分娩を取り扱う施設の減少が続いている。中津川市民病院は、「東濃東部地域で唯一残された分娩受け入れ可能な総合病院産婦人科として地域医療の最後の砦となるべく奮闘している」という。

 しかし、同病院も産婦人科医師が不足しており、里帰り出産の受け入れなどはしていなかった

 葵鐘会は2015年4月から医師を派遣する。同病院の産婦人科は「24時間・365日・医師2人体制」で出産に対応できるようになる。現在の分娩制限を解除し、里帰り出産の受け入れもできるようになる見込みだ。

 葵鐘会によると、医療法人などが市民病院と産科医確保のための協定を結ぶのは、日本で初めてという。(編集担当:中山基夫)

民間診療所、「へき地」病院に産科医派遣-10年間、愛知の葵鐘会(2014年6月20日CBニュース)

 愛知、岐阜両県で産婦人科を中心にクリニックを展開している医療法人葵鐘会(愛知県稲沢市)は20日、岐阜県の中津川市民病院と産科医の派遣契約を締結した。派遣期間は2015年4月から10年間。24時間365日、医師2人の体制を提供し、現在の分娩数の制限を解除するほか、里帰り分娩の受け入れを再開する。派遣契約料は年間1億2000万円。葵鐘会によると、民間の医療法人が産科の医師を派遣するのは日本初という。【大島迪子】

 中津川市民病院によると、現在の産婦人科は常勤医2人、非常勤医4人。この体制になった12年10月以降、月の分娩数を30件に制限しており、里帰り分娩も受け入れていない。市内には民間の産科クリニックが1件しかなく、隣接する恵那市にも分娩できる医療施設はない。さらに、来年3月には同病院の常勤医のうち1人が定年退職予定という。

 医師を派遣する葵鐘会は、「ベルクリニック」などの名称で12の産科クリニックや不妊治療センターを展開している。医師は労働者派遣法で派遣できないことになっているが、厚生労働省令で指定される「へき地」に限って医師派遣を認めており、中津川市はこのへき地に指定されている

まずこの記事を見ていて時代が変わったなと思ったのは、地域でほとんど唯一と言ってもいい分娩施設が公立の自治体病院であり、しかも常勤2人に非常勤4人の産科医がいると言いますから僻地の医療機関としてはむしろ恵まれている方だと言ってもいいと思うのですが、そうした状況にある自治体病院においてすら分娩制限が行われているということです。
同院HPを見てみますと非常勤の先生も当直に入っているのでしょうか、一般外来も午前中だけに制限するなどかなり気を遣った態勢になっているのですが、同院では以前にもお産に絡んだ死亡事故があったり、重い後遺症が残って民事で賠償を命じられたりとトラブルが多発してきたようで、どうも現場はかなり危機的な状況に陥っているようです。
その意味では今回民間からの派遣で応援が得られると言うことは非常に助かるのでしょうが、これだけ厳しい状況におかれている中で応援が得られたからと一気に制限を全て解除してしまって大丈夫なのか、落ち着くまで様子を見ながら徐々に緩和していった方が安全なのではないか等々、外野から見ていますとついつい余計な心配もしてしまいますね。

ところで今回の産科医派遣が日本初であると言うことが強調されているのですが、その理由としてそもそも医師ら医療従事者は弁護士等と並んで労働者派遣法で派遣が禁止されている、ただしその例外として以下のような場合には派遣が認められると言うことになっているようです。

(1)紹介予定派遣
(2)病院・診療所等(介護老人保健施設または医療を受ける者の居宅において行われるものを含む)以外の施設(社会福祉施設等)で行われる業務
(3)産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務
(4)就業の場所がへき地・離島の病院等及び地域医療の確保のため都道府県(医療対策協議会)が必要と認めた病院等における医師の業務

このうち紹介予定派遣というのはちょっと判りにくいかも知れませんが、一般に派遣と言えば派遣元の会社に勤務していながら派遣先で働くと言う形態ですけれども、紹介予定派遣と言うのはいずれは派遣先に雇用される(紹介)ことを前提にした一時的な派遣と言うことで、言ってみればひとまず本雇用される前に派遣と言う形で労使双方にお試し期間を置くと言う形でしょうか。
考えてみれば医局制度などもお金を取って医局に所属し、あちらこちらの病院に派遣されると言う意味では民間の医師紹介業者などとやっていることは全く同じですし、その意味で派遣が禁止されているのであれば医師が医局からあちらこちらにアルバイトに行かされるのも本当は駄目なのでは?などと考えてしまいますが、一応給料としては医局からではなく病院からもらうと言う点で紹介であって、派遣とは区別されるわけです。
何故医師(を含む医療職)において派遣が禁止されなければならなかったのかですが、基本的に医療と言うものは各職種が密接に連携してチームとして行わなければ非常に危険な仕事であり、そのためどこの誰がチームに入ってくるか判らない派遣と言う勤務形態にはそぐわないと言う判断があったためであるようです。
もちろん当直アルバイトなどの実態を見てもこんな話が現場の現実と無関係に出てきたものだと言う指摘もごもっともですが、実際問題として医師の雇用形態は派遣ではなく紹介と言う形が一般的であったために、これまでは別に何ら実害がなく誰も興味を抱いても来なかったと言うことでもあるのでしょうね。

今回思わぬところから派遣禁止ルールに引っかかりが出来、幸い僻地例外規定で派遣オッケーとなったわけですが、医師の雇用形態としてそもそも派遣と言うことにメリットがあるのかどうか、派遣会社(この場合は民間医療法人)に中抜きされるだけ損なのは明らかだし普通に非常勤として雇用された方がいいんじゃないかと言う考えもありそうです。
もちろん病院側にとっても相場からすれば金額的には決して得とは言えない契約内容だと思いますけれども、仮に自前で同じだけの金額を出してみたところで確実に同じだけの人材が確保出来るかと言えば、まあ可能性は控えめに言っても高くないと言えそうですよね。
派遣のメリットとして送られる側にとっては誰かが必ず来てくれると言う点があるわけですが、裏を返せば被雇用者側にしても週一回決まった時間に必ずその病院で勤務しなくても、派遣会社側との交渉で非常に自由な勤務形態が選べると言うメリットもあり、特に「あ、ここは駄目だ」と感じた時にはいつでも後腐れなく辞められると言うのは特に僻地と呼ばれる地域の場合、実はそれなりに大きなメリットなのかも知れません。
医療職に限らず一般社会においてもこうした自由度を優先して敢えて派遣に留まっていると言う方々が一定数いるようで、特に今の時代ですとあちらでもこちらでもブラックな落とし穴がどこに開いているか判りませんから、常勤にしろ非常勤にしろ本契約を結んで縛られてしまう前に実情を知りいつでも逃げ出せると言う意味では、派遣と言う雇用形態は紹介とはまた別にそれなりに使い勝手が良いと言うことなのでしょうかね。

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2014年6月23日 (月)

伊勢市の議員が病院窓口で熱血指導

何故今頃?と言う気がしないでもないのですが、先日こんなニュースが報道されていました。

傷害容疑で伊勢市議を書類送検…病院窓口混雑に立腹し暴行(2014年6月21日スポーツ報知)

 病院で窓口が混んでいることに立腹し職員に暴行、軽傷を負わせたとして、三重県警伊勢署が今年3月に、傷害容疑で同県伊勢市の中山裕司市議(73)=同市小俣町明野=を書類送検したことが21日、同署への取材で分かった。

 書類送検容疑は、昨年11月15日、市立伊勢総合病院で男性職員の胸ぐらをつかんだり引っ張ったりして首に約1週間のけがをさせた疑い。職員からの被害届を受け、同署が捜査していた。

 中山市議は取材に対し「会計の際、言い合いになったが暴行はしていない」と話している。中山市議は2005年11月に初当選し、現在3期目。

病院職員殴った疑い 伊勢市議を傷害容疑で書類送検(2014年6月22日朝日新聞)

 三重県伊勢市の中山裕司市議(73)=同市小俣町明野=が病院の受付で職員に暴行しけがをさせたとして、三重県警伊勢署が傷害の疑いで3月に書類送検していたことがわかった。中山市議は朝日新聞の取材に「窓口がスムーズにいかないので職員と言葉のやりとりをしたけれど、手は出していない」と話している。

 署によると、中山市議は昨年11月15日、同市楠部町の市立伊勢総合病院で会計が混んでいたことに腹を立て、受付の男性職員の胸ぐらをつかむなどして首に約1週間のけがを負わせた疑いがある。この職員から同日に被害届が出ていた。
(略)

傷害容疑:73歳伊勢市議を書類送検 病院職員に暴行(2014年06月21日毎日新聞)

 病院職員に暴行しけがをさせたとして、三重県警伊勢署が中山裕司・伊勢市議(73)=同市小俣町明野=を、傷害の疑いで書類送検していたことが21日、分かった。

 伊勢署などによると、中山市議は昨年11月15日、同市楠部町の市立伊勢総合病院で、会計窓口が混雑していたことに腹を立て、窓口の男性職員の胸ぐらをつかむなどの暴行を加え、1週間の軽傷を負わせたとされる。同署が職員からの被害届を受理して捜査し、3月に書類送検した。

 中山市議は毎日新聞の取材に「客の待ち時間が長くなっていたので円滑に業務をするよう注意はしたが、暴行はしていない」と送検容疑を否定した。

 中山市議は同県の旧小俣町議を7期務め、合併に伴って2005年11月から伊勢市議となり、現在3期目。病院事業を所管する教育民生委員会の委員長を務めている。【谷口拓未】

状況の詳細は記事からは不明ですけれども、同市議に関しては長年旧郡部の小俣町で議員を務め地元では相応に敬意を払われてきた人物ではないかと思いますが、それが合併した後に市議に転じた後で伊勢市中心部にある病院で騒動を起こしたと言うことですから、地元でそうであったようにはいかなかった部分も多々あったと言うことなのでしょうか。
一応本人のコメントによれば自分だけではなく顧客一般の待ち時間が長かったことを注意しただけであると言っているようでもあって、何しろ病院部門にも関連する教育民生委員会のトップなのですから市立の病院に一言あってしかるべきと考えたと言う形ですけれども、仮に業務上思うところがあって指導しようと考えたのだとしたならばそれこそ混雑する窓口業務を妨害するようなやり方はしない方がよかったでしょうね。
ちなみに同市議についてはもともと行政書士なのだそうで、2010年にも農地取引を巡って訴えられ議員報酬を差し押さえられたと言う経歴があるようですが、地元での評判は必ずしもよろしくないとも言いながらこれだけ連続当選しているあたり、よほどに強固な支持層がいらっしゃると言うことなのでしょうか。

議員さんと病院との間で発生したトラブルと言えば、近いところではちょうど一年ほど前に岩手県議の小泉みつお氏が壮大な炎上騒動を起こした挙げ句に不可解な死を遂げたことは記憶に新しいところですが、もともと地方公立病院において議員さん患者と言えば様々な意味でスペシャルなものとして取り扱われる存在であるとも言います。
小泉氏にしろ今回の中山市議にしろ世間的にはすでにいい歳と言われて全くおかしくない年代ですが、実は今や団塊世代を筆頭格に年配層が問題顧客化していると大いに懸念されていて、その理由の一つとして長年職場などでそれなりの地位にあったことから社会においても何であれ上から目線で要求して当たり前であると考えているのではないか?と言う声もあります。
ただもちろん頭がそろそろ固くなってきた方々ばかりが悪者であると言うわけもないのであって、むしろ今の時代いつどこで誰がクレーマー、モンスターと言われる存在に転じるか判らない恐さがあることこそ問題なのですが、先日出ていたこちらの記事から引用してみましょう。

【OverView】膨らむ要求、急に怒り出す患者 クレーマー予備軍が増加中(2014年6月10日日経メディカル)より抜粋

(略)
誰が怒り出すか分からない
 「昔はクレーマーとそうでない人が明らかに区別できた。ところが今は、誰がいつ切れるか分からない。怒りの沸点が下がっているように感じる」─。クレーム対応コンサルタントで、『クレーム対応の教科書』(ダイヤモンド社)や『理不尽な人に克つ方法』(小学館)などの著書を持つ、エンゴシステム(広島県呉市)代表取締役の援川聡氏はこう話す。これまではトラブルを起こさなかった“ホワイト”な患者までもが、クレーマーの予備軍になっている実態がある。

 クレームや迷惑行為への対応に関する相談を受け付ける神奈川県保険医協会事務局主任の村上義光氏は、「これまでは、大声を上げて治療費の返還や土下座を求めるといった理不尽な要求は、暴力団構成員や犯罪歴のある人などに多かった。だが最近、サラリーマンや主婦の中にも、こうした行動を取る人が出てきた。いったん怒り出すと、どう豹変するか分からないのが特徴だ」と言う。
 患者やその家族によるクレームや迷惑行為に影響している要因を医師に尋ねたところ、「サービス・権利意識の高まり」「医療に対する過剰な期待」「マスコミによる医療報道の増加」などが上位に挙がった(Q3)。

 「権利意識は、消費者意識とも言い換えられる。払ったお金への対価を求めたり、少ないお金でよりよいサービスを受けたいという患者が増えてきた」と大阪府保険医協会事務局次長の尾内康彦氏は話す。今回の調査でも、「検査をして異常がなかったら、『検査費を返せ』と言われた」(40歳代男性、内分泌・代謝内科開業医)、「通院精神療法を『何もしてもらっていない』と言って、治療費を払わない患者が増えている」(50歳代男性、精神科勤務医)などの意見が寄せられた。
 消費者の立場で「金を払うのだから言う通りにしろ」と要求してくる患者もいる。「患者が希望する検査をしなかったことへのクレームに対し、医学的な理由を説明したところ、『金を払うのは患者だから言われた通りに検査しろ』と強要された」(50歳代男性、小児科勤務医)といったケースだ。
(略)
患者が“評価”する時代
 クレームや迷惑行為が増える要因には、患者の気質の変化もある。あらゆるサービス業が顧客満足を追求した結果、便利さに慣れ、待たされることが許せなかったり、我慢できない患者が出てきた
 「便利になればなるほど満足感が得られにくくなり、不満に感じることが増えているように見える」とエンゴシステムの援川氏は言う。

 また、クレームをつける患者の中には、“医療機関のため”という意識の患者もいる。「クレームをつけることが医療機関のためになると考えている患者は少なくない」と虎の門病院(東京都港区)事務部次長の北澤将氏は話す。
 患者の気質の変化の例として、北澤氏は「一般の人が商品やサービスを評価することが当たり前になってきている」ことを挙げる。最近は書籍や電化製品、レストラン、ホテルなど、商品やサービスが消費者によって評価され、そのレビューを参考に購入されることが一般的になってきた。このため、「自分の評価が誰かのためになる」という考え方が徐々に根付き、医療機関も評価の対象となってきている
 一方で、患者自身が医療機関を受診する際にも、口コミサイトなどのレビューを調べてから来院するケースが増えてきた。「患者が事前に調べて“この医療機関なら”と期待して来院する分、期待値が高くなっている。このため、思い通りの検査や治療を受けられなかった場合に怒り出したり、クレームに発展する可能性がある」と北澤氏は説明する。

 医療機関のためにとクレームをつけるだけでなく、不利益を被ったとしてその代償を求める患者もいる。「クレームのために来院し、そのための交通費と休業補償を要求された」(40歳代男性、精神科勤務医)、「予約外来で時間通りに診療できなかったときに、休業補償を要求された」(40歳代男性、総合診療・一般内科勤務医)などのケースだ。
 理不尽な要求をする患者が出てきた背景について、援川氏は「『こんなことを言ったら恥ずかしい』という意識が薄れてきているのと、『言わないと損だ』という風潮がある」と指摘する。
(略)

何やら実体験と照らし合わせて「ふむふむ、確かにそれは」と頷かざるを得ないようなエピソードが並んでいますけれども、世界的にはしばしば称讚の対象となってきた日本人のサービス精神と言うものが当たり前になった結果と言うのでしょうか、過剰要求を押し通すことで利益が得られるのだからやらなければ損だと言う変な感覚が社会的に広まっているようには感じますね。
まあしかし医療側もクレーマー対策は着実に進歩しているし、逆に言えばそれが出来ない医師なり施設は保たなくなっている時代ではあるかと思いますから、今回の冒頭に取り上げたような一件にしても一昔前であれば患者様はお体を悪くして気が立っていらっしゃるのだ、などと訳知り顔で不問に付そうとする幹部もいたかも知れませんけれども、当たり前のように被害届が出るようにはなってきたと言うことですよね。
個別のクレーム内容で目につくのがネットなどで下調べをして医者にどんどん突っ込みをいれるタイプが増えたと言う点なのですが、基本的には今の時代こうした方々はむしろ患者としてありがたい存在であって、きちんと自分で調べた上で自分なりの考え方の元にこうすべきだと考えているのであればなるべくご希望に添うべきだし、様々な理由からそれが出来ないのであれば黙って紹介状を用意すべきかと言う気がします。

やはり医療従事者は長年同種の患者を何人も診ていますから、「せっかく早期に見つかったんだからきちんと治した方が…」などと余計な予断を持って患者に当たりがちなんですが、どんな奇妙奇天烈なファッションであれ本人がそれを気に入っているのであればお店も売ってくれるのと同様に、医療も公的ルールの範疇から逸脱していないのであれば社会的通念や医学的妥当性より本人の判断が優先されるべき時代なのでしょうね。
ただそのルールから逸脱しないかどうかと言う点こそが実のところ最も紛争化しやすい部分でもあって、医師の側も保険診療のルールや検査治療の適応をきちんと承知した上で医療を行うのは保険診療に従事する以上最低限の必須条件であるし、患者がそのルールを無視して自分勝手な要求を行うようならこれははっきりと出来ませんと拒絶する義務もあるでしょう。

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2014年6月22日 (日)

今日のぐり:「はま寿司 倉敷水江店」

個人的には未だ経験がないことなのですが、世間ではそれなりに問題視されているらしいと言うのがこちらの話です。

治安が良いはずの日本でなぜビニール傘は盗まれるのか?(2014年6月12日OK Wave)

日本に居住している外国人が抱く、日本に関するさまざまな疑問と悩み。それらが投稿されているサイトが「OKWave ありがとう」の「Japan Life」コーナーだ。彼らは日本で一体どんな壁にぶつかっているのだろうか。寄せられた質問をピックアップしてご紹介する。

六月といえばジューンブライドという国があるかもしれないが、日本は違う。六月の日本と言えば「梅雨」である。曇りや雨が多く、湿度も高く、洗濯物が乾かない、食べ物にカビが生えやすいと何かと注意が必要な季節なのだ。そんな梅雨の日本での必需品、それは傘である。その傘にまつわる悩みが投稿されていた。

「治安が良いと言われている日本ですが、なぜか傘だけはよく盗まれるんですよね。何か防止対策はないでしょうか」(ニュージーランド)

質問者であるニュージーランドの御仁は「なぜか傘だけはよく盗まれるんですよね」と、盗まれることを受け入れているようだが、そもそもとしてなぜ盗まれるのだろうか? 「ビニール傘はどれも似ているので、間違って持っていっている可能性もあります。あとビニール傘は安いので使い捨て感覚の日本人も多そうですね」とコメントを寄せている日本人もいる。

カルチャージンで連載をしている心理学者の内藤先生とこの件について話してみたところ「罪悪感がないのでしょう。日本人にとって、傘はそれほど思い入れがないので、『これを盗まれたら、本人が悲しい思いをするだろう』という共感性が働きにくいと考えられます。盗まれたほうも、『傘ならいいか』というところもあります。日本人にとって傘は、空気と同じようにありふれたもの。盗む側に罪悪感もなく、盗まれる側にもそれを許容してしまう、というところがあるのではないでしょうか」とのこと。

さらに真理をつく一言が。

「その証拠に、雨の日に、電車で傘の置忘れが多いでしょう? 思い入れのあるものなら、忘れませんよ。それに、もしうっかり忘れても、それが大切なものであれば、必ず駅に電話をし、返してもらいますよ。そうしないのは、『なくなっても、ま、いいか』という気持ちがあるからです。そういうものだとみんな分かっているから、盗むほうも気がとがめないのです」(内藤先生)
(略)
日本=治安がいいというイメージが外国人の中にはあるようで、その日本で傘を盗まれるという驚きから今回の投稿があったのだと思うが、日本人としても「なぜビニール傘は盗まれるのか」という疑問を改めて持つことができ、またその謎を解くことができた。この質問を投稿してくれたニュージーランドの方、ありがとう!

言われてみると自転車などもしばしば乗り捨てが問題化していますけれども、どうも一般的には遵法意識の高いと言われる日本人において比較的その閾値が低くなるものが一定程度あるようですね。
今日はビニール傘に対する不当な取り扱いに警鐘を鳴らす意味で、世界中からそれは有りなの?と思わず疑問符をつけたくなるニュースを紹介してみましょう。

USJに「ミッキーの格好」で入園するとどうなるのか?実際にやった猛者が話題に(2014年6月9日秒刊サンデー)

ユニバーサルスタジオジャパンに最も居てはいけないキャラクターがいるとネットで話題となっている。どうやら現地にコスプレで入園しようとしているようだが、そのコスプレがなんと日本で最も知名度の高い「夢と希望の国」のあのお方なのだという。まさかそのようなコスプレでユニバーサルスタジオに入ろうというのだろうか。実際の写真をご覧いただきたい。

こちらが問題の写真。どうやらあのディズニーランドのキャラクター「ミッキー」と「ミニー」で入園しようとしているようだが、大丈夫であろうか。若干本家のミッキーとは違った印象を受けるのである意味「ニセモノ」とわかりやすいといえばわかりやすいのだが、ユニバーサルスタジオ側からすれば「ぜひともご遠慮いただきたい」コスプレであるといえよう。

―ミッキーのコスプレはOKなのか?

ユニバーサルスタジオにおいてコスプレは認められている。しかし、以下の注意点があるようなので念のためご留意いただきたい。

ー仮装を行う上でのNG項目   

    ・  公序良俗に反する、もしくは他のゲストに不快感を与える服装。   
    ・  他のゲストに防犯上の誤認を与えるような可能性のある服装。   
    ・  クルーやエンターテイナーになりすました言動があった場合。   
    ・  他のゲストに迷惑をかける行為があった場合。

他のゲストに誤解を与えるような服装・エンターティナーになりすました言動などは若干抵触する恐れもありそうだが、具体的にNGとは書いていないのでグレーゾーンである。
http://www.usj.co.jp/parkguide/rule/?area=w_rule
ちなみに別件でミッキーで入園していた客が注意されるという一幕があった。
(略)

写真を見ていただければ結果如何を問わずもはやこれは出落ちレベルかと言う話なんですが、いやしかし版権ものでコスプレオーケーとは知りませんでした。
こちらすでに何十年という単位で続いている長寿番組の一つですが、その中で思いがけない珍事が発生したと話題になっているようです。

『笑点』に異常事態……大喜利で三遊亭圓楽以外の全員が座布団0枚に(2014年6月2日ネタりか)

 1日に放送した『笑点』内の人気コーナー「大喜利」終了時の状態が話題となっている。

 この日は桂歌丸に代わって三遊亭圓楽が司会を担当。
 圓楽は最初の設問から三遊亭小遊三を「天野さん」と本名で指名するなどやりたい放題。また、「圓楽は先代の人がよかったなあ」と言う同門の三遊亭好楽に「その名前も継げなかったくせに」と毒舌を見舞った。
 さらに、自分の回答者席に座布団を勝手に1枚加えて、周囲が失笑しても「いいじゃねえかよ司会だから。権力ってものはこういうふうに使うもんなんだよ」と腹黒キャラを貫いた。
 一方で、歌丸に対しては「アタシの大事な宝物ですから、あのおじいさんは」と気遣うそぶりも見せた。
 その後、回答者も禁止された歌ネタを披露し続けるなど悪ノリしたため、圓楽は座布団を容赦なく没収。番組終了時には圓楽9枚、他の出演者0枚という異例の事態となった。

 ネットでは「やり過ぎwww」という声があがったほか「圓楽の司会は安定しておもしろい」といった反応が寄せられた。
 歌丸は先月7日に帯状疱疹を発症して入院。22日に退院しているが大事をとって休養中で、『笑点』には来週8日から復帰する。

番組の趣旨的にそれが有りなのかどうか微妙ですが、とりあえず番組の存続のためにも歌丸師匠の一刻も早い復帰を願うべきでしょうかね。
成田離婚などと言う言葉があるくらい昨今別れも早くなってきているようですが、こちら結婚以前に別れてしまったと言うその理由がまたどうなのよです。

浜田ブリトニーが婚約を解消「カレが男性にも目覚めてしまい…」。(2014年6月15日ナリナリドットコム)

漫画家でタレントの浜田ブリトニーが6月14日、公式ブログで38歳一般男性との婚約を解消したと発表した。

14日付けのエントリー「ご報告。。。」では、まず、「ぬぁんと!婚約してたカレと…婚約解消になってしまいましたぁぁっ」とファンに報告。この結論に至ったのは「じつは!カレが男性にも目覚めてしまい…いったん距離おこうってことになったのです」との理由で、「もしかして この前行った2丁目が原因か!?」と、“目覚め”が訪れるきっかけに思い当たる節もあるようだ。

そして「あぁもうわけ分かんない もう少しココロの整理が必要っ!」と、混乱の中でエントリーを締めくくっている。

浜田は昨年12月、一般男性との婚約を発表していた。

まあしかし昨今では性別という観念もやや曖昧になってきているようですし、女嫌いの徳川家光をも振り向かせたと言うお振の方のような広い心で接してみては如何かと思いますね。
近ごろではメタボ健診の影響もあってか日本でも健康作りの機運がようやく盛り上がっていますけれども、こちらそれはトレーニングとして如何なものかと言う光景が話題です。

【デブの鏡】肥満男性、体幹トレーニングをしながらピザを食べるという暴挙に出る(2014年6月2日gori.me)

これぞ意識の高いデブ、デブの鏡とも言える存在だろう。

体幹トレーニングをしながらピザを食べるデブのエース的存在が話題になっていたので、紹介する!
ピザだろうと何だろうと、食べながらトレーニングは凄い…
僕も日頃からトレーニングをしているが、普通に考えて食べながらトレーニングはできない。お腹も痛くなるし、そもそもトレーニングに集中できない。水分補給する時でさえもトレーニングの合間にするのが一般的ではないかと思う。

どう見ても体幹を鍛えるためのトレーニングマシーンに立っている肥満男性だが、どう見ても左手には皿、右手にはピザだ。そして食べながら普通にトレーニングをしている。信じられないが、本当の映像だ。そもそもどのような意識でトレーニングをしているのか、気になる。痩せる気は無いよね、確実に…。

その状況はこれまた元記事の動画を参照いただければ一目瞭然なのですが、それにしてもある種合理的と言うべきか何と言うべきか微妙なところですよね。
ちょうど今まさにフットボールのW杯が開催されているところですが、それに関してこんな新手の商売が登場しているようです。

W杯観戦で眠れない!中国で病欠証明書の偽造サービスが人気(2014年6月19日AFP)

【6月19日 AFP】ブラジルと11時間の時差がある中国で、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の試合中継を夜通し観戦したいサッカーファン向けに、病院の診断証明書を偽造する有料サービスが盛況だ。

 AFPが19日、中国のインターネット検索大手「百度(Baidu)」で「北京」と「診断証明書サービス」のキーワードで検索をかけたところ、約4万9500件の検索結果がヒット。「商品一覧」に医療機関の証明印や医師の署名が入った診断証明書の実例を掲載している業者が多数あった。

 国営紙・北京青年報(Beijing Youth Daily)によると、中国最大のネットオークション・ショッピングサイト「淘宝(タオバオ、Taobao)」では、偽造証明書の出品がここ数日で急増したため「W杯」「病欠証明書」のキーワードでは検索結果が表示されないようにしたという。

 だが、マイクロブログの「新浪微博(Sina Weibo)」をはじめとするソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上では現在も、偽造証明書ビジネスが展開されている。

 病欠を「予定」しているサービス利用者は、業者の提供する病名リストから希望の病欠理由を選ぶ。発熱や骨折といった一般的な症状から、中絶や、2003年に中国で流行し多数の死者を出した重症急性呼吸器症候群(SARS、Severe Acute Respiratory Syndrome)まで、選べる理由は実にさまざまだ。

 ある業者は「誠実経営が信条。ご注文の秘密は厳守します」などとうたっている。

 北京青年報によると、こうした偽造証明書は学生に人気のSNSではたいてい1枚20元(約330円)で販売されている。1日に30枚は売りさばくという業者は、証拠として納品書の束の写真を投稿しているという。

しかし大きな国際大会ですと時差の関係で観戦にも支障を来すことがままありますが、昼間にやればやったで仕事に支障を来しかねず痛し痒しなんでしょうね。
最後に取り上げますのはこちらブリからのニュースですが、まずは記事から参照してみていただきましょう。

「突然死した乗客は“酔って爆睡中”を演じてもらう」が航空会社のマニュアルだった!(2014年6月2日テックインサイト)

海外への長時間のフライトで、隣の乗客が食事の時間がきても起きず、深々と毛布をかぶりアイマスクを着けたまま深く寝入っていたら、単純に「疲れているのだろう」と思ってしまう。だが時にそれは、機内で急逝したもののその後クルーによって座席に戻された乗客、つまり「死体」であったりもするというから驚きである。

飛行中の機内で体調を崩す人は少なくない。心臓発作を起こして命を落とすことだってある。客室乗務員は研修により救急処置をしっかりと心得ているが、機内に医師がいたとしても助からないケースも多いのだ。ある乗客の死亡が確認された時、彼らが一番に考えなければならないのは、その遺体を乗せたまま他の乗客を動揺させずに静かに目的地を目指すこと。家族などの同行がない単独の搭乗であった場合には、機内ではこんなことが起きているという。

「座席に導いてアイマスクをしていただき、揺れや着陸時のためにシートベルトをセットしたら、首まで深々と毛布をかけてさしあげます。以前はその座席テーブルにウォッカ・トニックをお持ちしていましたが、現在はしていません。他の乗客の皆様にはまるでその方が疲れて、あるいは酔って熟睡しているように見えるでしょう。機内で突然亡くなられた方については、目的地に到着するまでそのように“安置”されます。」

これは英BBCが制作した「ブリティッシュ・エアウェイズ」についてのドキュメンタリー番組において、客室乗務員の育成にあたっている女性教官が暴露してくれた衝撃的事実。そのフライトが満席でない場合は並び席を利用してそれなりの“安置”も可能だが、扉の前の広いスペースは万が一の事態に備えて開けておかなければならず、人の体を横たえるわけにはいかないという。

また死後硬直が始まってしまうと、あの細い折りたたみ式の扉はネックになる。それもあって「トイレに閉じ込めておくなどという失礼なことはしません」とのこと。早い話が座席に戻して“爆睡中”の人を演じてもらい、余裕があれば隣に客室乗務員が座るようにする。他のエアラインでもこれと似たり寄ったりの対応をしているそうだ。見た目の華やかさとは裏腹に、客室乗務員の世界には意外な苦労がつきもの。「初年度の年収は162万円ほどと、うちのエアラインの賃金は安いです」とその女性教官。若くて質の高い客室乗務員を採用・育成することが彼女の使命だそうだ。

しかし日本の国内法では死亡宣告をしていいのは医師のみで逆に言えば医師の診断がつく前には心肺停止の緊急事態になるはずで、こうした場合緊急着陸を行うべきかどうか判断は難しそうですよね。
このあたり国内航空会社の対応がどのようなものとなっているのかは判らないのですが、とりあえずブリ的にはこれくらいのことはあっても全くおかしくないと言う点では衆目が一致しそうです。

今日のぐり:「はま寿司 倉敷水江店」

昨年末頃に開店したのがこちらの店舗ですが、倉敷駅北側のイオンモールに近い幹線道路沿いですからそれなりに需要はあるのでしょう、早くも連日満席になっているようです。
今春に初めてお邪魔した際にはすでに行列待ちが出来ている時間帯だったのですが、今回は開店直前と言うことで数組が整理券を取って待っていると言う状況でした。

例によっておすすめと言う品を中心に適当につまんでみたのですが、近海物だと言うタイは普通の握りとこぶしめがあって、タイ自体はまあタイらしい味はするのですがこぶしめの方はトッピングの柑橘風味が強すぎて少々魚の味がスポイルされている気がします。
炙りのしめ鯖もノルウェーでなく近海物だと言うことでこの時期なりの味ではあるのですが締め加減は強すぎず弱すぎず割合に好みの範囲、定番のアジやエンガワも100円系回転寿司としては及第でしょうか。
回転定番ネタのサーモンは西京味噌炙りでいただいてみたのですが、料理としてはまあ悪くない範疇にせよこういう味噌と合わせて火を通すようなメニューならやはり鮭の方が合いそうな気はします。
サイドメニューとして豚汁は味噌が強すぎない加減はいいですが出汁にキレがないのが惜しいところ、エビとブロッコリーのタルタルサラダは開店直後にも関わらず相変わらずくたびれかけているのは気になりますが、このグループのサイドメニューの中では実は結構お気に入りです。

基本的にはこちらの系列、100円系回転寿司としてはそれなりに鮮魚ネタはがんばっている方だと思っているのですが、国内産にこだわって普通っぽいネタを出すほどつい普通の寿司と比較してしまう弊害もありますでしょうか。
しかし開店直後であれば一番準備万端整い予定通りの運用が出来るタイミングだと思いますが、それでも見るからに一杯一杯と言うのはやはり昨今の人手不足やら何やらでスタッフが少ないと言うことなのか、ともかく出かけるなら時間帯は選んでおくべきかと言う気がします。
醤油皿がなかったりトイレは見るからに安っぽい内装だったり(広さや設備はそれなりに整っているのですが)、店内の混雑ぶりなどを見ても持ち帰りの方が落ち着いて楽しめるかも知れませんね。

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2014年6月21日 (土)

差別と区別の境界線とは

本日の本題に入る前に、和歌山県太地町と言えば捕鯨の町として知られていますけれども、その太地町に絡んで先日こういう提訴があったと言う報道があったことをご存知でしょうか?

くじらの博物館入館拒否で、イルカ漁反対の豪女性ら提訴 和歌山・太地町(2014年5月15日産経新聞)

 捕鯨の町として知られる和歌山県太地町の「町立くじらの博物館」で、捕鯨に反対する外国人であることを理由に入館を断られたとして、オーストラリア人の女性ジャーナリストらが同町に対し、約670万円の慰謝料などを求めて和歌山地裁に提訴していたことが15日、分かった。

 訴状などによると、女性は今年2月9日に入館しようとしたところ、職員から「捕鯨反対の方は入館できません」と英語で記された紙を見せられ、入館を断念したという。女性は、イルカ漁に反対する団体の代表といい、憲法14条が禁じる人種差別に当たり、思想信条の自由を侵害するとしている。

 同町では毎年、鯨やイルカの追い込み漁が始まる9月から反捕鯨団体「シー・シェパード」のメンバーらが姿をみせる。同館では昨年秋から、館内での混乱を避けるなどのため、漁期にあたる今年2月ごろまで捕鯨反対の外国人の入館を拒否する措置をとった。林克紀館長は「英語で対応できる職員が少ないため紙で示した。人種差別のつもりは全くなく、漁期以外は入館できる」と説明した。

ちなみにこの問題については例によってテキサス親父が詳しく取り上げていますので、参考までにこちらにリンクを貼っておきます。

【参考】字幕【テキサス親父】日本を貶める西洋人にテキサス親父が反撃(youtube動画)

【参考】【痛快!テキサス親父】「くじらの博物館」の提訴問題 本当の狙いはイルカ漁阻止か (2014年6月13日zakzak)

今回の一件に関して伝えられている情報から判断する限りでは、方法論としてどうもやり方が下手打ったなと言う印象も受けるところなんですが、捕鯨派、反捕鯨派によって入館規制を行うのであれば自分なら入り口を「捕鯨賛成派」「捕鯨反対派」の二つに分け、後者に関しては適当なパネルなりと貼った通路を歩かせて外に誘導するような対応を考えたいですね。
ちなみに外国人差別であるとか人種差別であるとか言うことは全く無いとはテキサス親父自身も「外国人」と大書きした車で現地を走り回って何の問題も無かったと証言していることですし、実際に外国人多数来訪でぴりぴりしているだろう現地の警察官とも非常に友好的な雰囲気であったとこれまた動画をあげていますが、まあ司法判断がどうなるかと言う点に関しては弁護士次第と言う気もします。
ただ当の原告に関してはそもそも外国人であることが入館拒否の理由ではなかったことを示唆する話として、こんな情報があるようですね。

「くじら博物館の入館拒否は人種差別」と訴えた反捕鯨団体の豪人女性が実は入館していた?(2014年5月16日ガジェット通信)
より抜粋

反捕鯨団体のオーストラリア人女性らが、和歌山県太地町の『町立くじらの博物館』に入館を断られたのは人種差別だとして、670万円の慰謝料を求める訴訟を起こした問題。
だが、この女性、実は今年の2月に同博物館に入館していたらしいのだ。

原告サラ・ルーカスとその父アラステア・ルーカスは、今年の2月9日に同博物館を訪れた際、「捕鯨反対の方は入館できません」と英語と日本語で書いた紙を示され、入場を断られたという。
しかし、オーストラリア版MSNの報道番組『60 Minutes』が今年2月21日に放送した回の映像中で、ルーカス父子は博物館のイルカが泳ぐ水槽の前で、番組レポーターと共にしっかり映像に収まっているのだ。これは一体どういうことだろう。外国特派員協会で行われた原告の記者会見で、この点について突っ込んで質問する大マスコミの記者様はいなかったのだろうか。

『Twitter』で検索すると、この番組収録時の模様を以下のように証言する人も見つかった。

    私、この時くじら博にいたから経緯を目撃しているけど、観光だと言って入館したのにカメラクルーが無断で撮影を始めたから退館させられてただけだし。嘘の申告してたのは彼女ら。
https://twitter.com/orca_39/status/466716000604278784 [リンク]

(略)
ちなみに、ルーカス父子が2月に同博物館を訪れた際には、ひと目で反捕鯨団体だとわかる衣装を着ていたそうだ。
『YouTube』には、太地町民が無遠慮に振る舞う反捕鯨団体へのカウンターとしてアップしている動画もある。それらの中には、反捕鯨団体の外国人たちが侮辱的な言葉で太地町民を罵り、出歯亀に等しい破廉恥な盗撮行為をしている場面がいくつも見られる
(略)

元記事に多数のリンクが貼られていますので参照いただきたいところですが、これらを見るだけでも原告側の言い分に関しては明らかに嘘です本当に(rと言う感じでしょうか?
さて、大地町にまつわる長々と書きましたけれども、こうした差別か差別でないか?と言うことに関しては各人各様の捉え方があるのは事実であって、「差別された側が差別だと感じればそれは差別だ!」と声高に主張する方々もいらっしゃるようですから、この定義に従えばこの世界でのあらゆる現象は差別たり得る可能性があるとも言えるかと思います。
一方で社会においては公共の利益に叶うように様々な規制やルールが存在していることもまた明白な事実であって、これら区別と差別とはどう違うのか?と言うこともたびたび議論になるところであることは今回の太地町の一件を見るまでもなく明らかなのですが、先日一つの問題提起が反響を呼んでいると言う話題が出ていました。

「タトゥーお断り」の公衆浴場は不当差別か否かで議論(2014年6月17日アメーバニュース)

 脳科学者の茂木健一郎氏がとある貼り紙を制作し、これが多数RT(引用)され、各所に貼られている。それは、タトゥー・刺青を入れた人の入浴を認めない温泉施設や入浴施設があることを「不当な差別」と評したもの。茂木氏はサッカーW杯に出場する選手にもタトゥーを入れた選手が普通にいるとし、差別の理由にすべきではないと考えている。

 貼り紙の文面はこうだ。

「当浴場では、他のお客様のご迷惑になりますので、タトゥー、刺青のお客様は入浴すべきではない、不快だ、断られても当然、自己責任だ、とお考えの差別主義者のお客様のご入浴はお断りしております。みなさまのご理解、ご協力をお願いいたします。」

 この貼り紙を茂木氏は全国の温泉、公衆浴場関係者に「ぜひ、ご活用ください!!!!」と呼びかけたが、これはいわば差別主義者への皮肉であり、コメディ。茂木氏はサッカーW杯に出場する選手にもタトゥーを入れた選手が普通にいるとし、差別の理由にすべきではないと考えている。

 茂木氏の指摘に対し、「タトゥーの人と入浴したくないという人が一定以上いるのでその点はご理解いただきたいです」という声も出たが、この意見に茂木氏は不同意している。現在ツイッター上では「刺青・タトゥー容認派VS否定派」で熱い議論が展開中だ。

この茂木氏に関しては残念ながら御本業の方での盛名ぶりはあまり存じ上げないのですが、最近ではマスコミのみならずSNS等ではずいぶんと盛んに活躍されているようですね。
同氏の発言から特に興味深いなと思ったのが先日「「ネトウヨ」の定義は何かというご質問を複数の方から受けていますが、私が「ネトウヨ」を批判するツイートをした時に、怒って私に反論したり私を罵倒したりされる方々が、まさに「ネトウヨ」だと思います」と発言していらっしゃる点で、ものごとの定義と言うことに関して氏の考え方を端的に示すものだと思われます。
さて、いわゆる入れ墨、タトゥーに関しては様々な見解があって当然だと思いますが、もともと日本においてもかつては犯罪者には目立つ場所に入れ墨をする「黥刑」と言う刑罰が存在していたこと、そして現在に至ってもいわゆる暴力的団体所属者において入れ墨と言うものが活用されている点をもって、やはり反社会的な意味づけと言うことを語らないわけにはいかないと思います。
一方で海外においては戦士の身分を示す入れ墨など様々な文化的背景から日本とはまた違った位置づけが為されているのもこれまた事実で、国内にも外国人が多数入って来ている今の時代にプールや公衆浴場での一律禁止は馴染まないのではないか?と言う声もあり、実際に一律解禁を解除する施設も徐々に増えてきているようです。
ただ現実問題として会員制の私的施設などでは別な手段での身元確認も行えるのかも知れませんが、誰でも入場できる公営プール等では入れ墨解禁を行えば子供を連れて行けないと苦情が殺到し客足も遠のくと言う現実もあるようで、経営的に見ると現状では入れ墨解禁によるメリットをデメリットの方が上回ると見ていいと言うことでしょうか。

入れ墨問題などは文化的背景もあって日本では未だ積極的な撤廃に動いていると言う状況にはありませんが、類似のものでもう少し複雑な問題として公共プールにおけるスイミングキャップ規制と言うものがあって、おおむね日本人などは黙って従っているようですけれども、時折スキンヘッドの外国人の方などが「何故帽子がなければ泳げないんだ!」とクレームをつけている場合もあるようです。
このように一般的には頭髪の落下防止と言う意味づけで行われていると捉えられているのですが、歴史的に見るともう少し複雑な理由があったものでもあるようで、むしろスキンヘッドの方の方が頭部保護のため必要だと言う意見もあり、逆に水質浄化装置の進歩で頭髪落下に関してはほぼ気にする必要がないと言う意見もありと、実は現代での位置づけとしてはよほど面倒な話ではあるようです。
ただ入れ墨問題と同様に毛髪が漂うプールで泳ぎたくないと言う方が社会的多数派であるなら当面禁煙指定と同様の公共マナー的意味合いからも規制の意味づけは残っていることでもあり、さらにはイモ洗い状態の夏のプールで頭髪何ミリからキャップの必要がないか?長さではなく本数が少ない人はどうなのか?などと言うことをいちいちチェックするのも無理だとなれば、実に日本的に一律規制になるのもやむなきところではありそうです。
この辺りは何かしらの理屈に基づいた区別と言うよりも現実的な運用の便宜を考えてのものであると考えられますから、意味論からそれは有りか無しかを考えるよりは利用者の中で多数派の意見がどうなっているのかと言うことからルール作りを考えていくべきなのだろうし、その意味で「差別だ!許せない!」と騒ぎ立ててみたところでむしろ多数派の共感を得る道から遠ざかりかねないかも知れませんね。

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2014年6月20日 (金)

知られたくないものの正しい取り扱い方

ネタのような本当の話と言うのでしょうか、先日はご存知ブリからこんな唖然とするようなニュースが飛び出しています。

【悲報】妻におびえて試合観戦をしている英国紳士が激写される / 横断幕「妻は私たちが釣りをしていると思っているので映さないでください」(2014年6月17日ロケットニュース24)

現在行なわれているW杯といえば「サッカー」だが、皆さんは2015年9月にイングランドでの開催が予定されているW杯をご存知だろうか。そう、8回目を迎える「ラグビーW杯」だ。
本大会に向けて世界各国が調整を続けているのだが、先日のテストマッチで「悲報」とも言えるシーンを激写されてしまった英国紳士たちが話題になっているぞ。実に切ないその詳細は次の通りだ。

話題になっているシーンは、2014年6月14日に行なわれた南アフリカ vs ウェールズのテストマッチで見られた。世界ランキング2位と6位の激突はラグビーファンであれば興奮必至。夢のような対戦カードなだけに、数多くのウェールズファンも南アフリカのダーバンまで足を運んだ。
そんな中、悲劇に遭ったのは妻たちに内緒で試合観戦をしていた英国紳士のグループ。「妻は私たちが西ウェールズで釣りをしていると思っているので映さないでください」という横断幕を掲げ、絶対にバレないように手を打っていたのだが……。
なんとテレビで中継された上に、その画像が SNS 上で拡散される羽目になってしまったのである。この日のために妻に隠れて結束してきた彼らだが、激写されてしまったことですべてが水の泡となった。

試合も38−16でウェールズは敗北。追い討ちをかけるように妻からきつーいお灸を据えられる彼らを思うと少し不憫である。結果論だが、何もせずに観戦した方がバレなかったのではないだろうか。

その状況は元記事の画像を参照いただければ一目瞭然なのですけれども、それは確かにこんなに目立つ横断幕を掲げていたのでは世間の注目も集まろうと言うものではないでしょうか、ともかくもう不肖管理人としても涙無しで見ることが出来ません…
彼ら紳士達のその後の人生に幸多かれと願うしかありませんが、しかし実のところこれは今の時代非常に重要な問題を提示していて、何気ない写真一枚から様々な情報が取り出せてしまう恐さと言うものは、世に言うところの馬鹿発見器騒動などのたびに「まさかそこまで!」と思うほどの個人情報が掘り出されてしまうことを見ても明らかですよね。
いわゆる肖像権問題にも絡んで近ごろでは他人を撮影した写真の取り扱いにはいささか慎重を期す必要があって、下手に写真を撮りまくっていると後で意外な大騒ぎになる場合もあるわけですが、逆にSNSや動画投稿などで身近なものを写した写真や動画がどんどん共有されていく時代でもありますから、その取り扱いのバランスをどの辺りに置くべきなのか判断が難しいところです。
最近東京都内で衆人環視の中で発生したこちらの事件が実は意外な方向で議論を呼んでいるのもそうした理由があると言えますが、まずはその衝撃的な内容を記事から紹介してみましょう。

渋谷駅改札付近で女性が幼児蹴る? 目撃男性が動画投稿、「虐待だ」と話題に(2014年6月18日J-CASTニュース)

 渋谷駅(東京・渋谷区)で2014年3月に撮影された「児童虐待」とも受け取れる動画が、いまインターネット上で話題になっている。
 撮影した男性は目撃直後、フェイスブックに動画を投稿。6月中旬ごろから話題になり、6月16日には渋谷警察署へ相談に行ったという。

■泣く幼児を「ふざけんなよ」と蹴る?

 動画は2014年3月1日、フェイスブックに「【世の中変えたい】【拡散は各自判断で】」と題されて投稿された。携帯電話で撮られたと思われ、画質はよくない。床に座って泣く幼児に、母親とも見える女性が「おうちにスッと帰るの!」「行くの、帰るの、どっち」などと怒る。「帰る!」と叫んだ幼児を「早くしろよ」とせかしながら、2人は歩き出す。
 数歩進んだところで、女性は突然「ふざけんなよ」と左足をあげた。ガタンという音とともに、幼児が倒れこむ。投稿者と思われる男性が「おい、警察呼ぶぞ」と声をかけると、女性は一瞬カメラを見るが、すぐに幼児の手を引いて歩き出した。「ビデオに撮ったぞ、おい」と怒る男性を尻目に、2人は雑踏に消えてしまった。
 目撃男性が「何発か蹴ってた」と書き込んでいることもあり、この映像を見て「虐待だ」と感じる人は多い。6月18日11時現在、2万8500以上シェアされている。6月中旬になって急激に拡散し、15日に投稿者は「この2~3日で爆発的にシェア」されたと報告。映像だけでも警察に届けられるとコメントで知り、16日にも所轄警察署へ相談に行くと明かした。

■事件化するのは難しい?

 警察への届け出を終えた17日、投稿者は事件の詳細をフェイスブックで伝えた。起きたのは3月1日の11時ごろ、場所は渋谷駅の宮益坂中央改札付近だった。届け出にあたり、まず渋谷駅を訪れたが、新宿の鉄道警察へ回された鉄道警察では「特定できないしどうにもならない」と言われ、「事件性があるなら渋谷署に行ってくれ」と紹介された。渋谷署で「児童虐待の目撃」と言うと、生活安全課に通されたという。
 ただ、事件化するのは難しい、という感じだったらしい。結局、投稿者は署の担当員と現場へ行き、JR側にも情報提供して終わったという。その後、フェイスブックの更新はない。なお渋谷署生活安全課は届け出があったことは認めている。

とりあえず問題の動画はこちらで参照いただけるのですが、多くの方々にとってあまり見て楽しいものではないだろうとは思いますね。
もう少し詳しい事情が「弁護士ドットコム」の方で記事に取り上げられていて、撮影した当事者のコメントによると現場の状況はこんな感じであったと言うことですが、別に日本に限らずどこの国であっても確実に児童虐待と呼ばれるレベルの行為だと思いますし、何よりも公衆の面前でこういう行為に及ぶという異常性は特記すべきものがあるように感じます。

「事件」が起きたのは今年3月1日(土曜日)の午前中。渋谷駅の改札付近で知人と待ち合わせをしていた嘉瀬さんは、突然聞こえてきた大きな怒鳴り声に、恐怖感を覚えたという。
泣きさけぶ子どもに向かって、母親らしき女性が『てめえ、なにしてんだよ。早く来いよ!』『ふざけんなよ、てめえ!』みたいに怒鳴っていました。私が『やめなさい』と声をかけても、女性はやめるどころか子どもを足蹴にし始めた。そこで、警告の意味も込めて、手持ちのスマホでムービーを撮影し始めたんです」
投稿された動画は、そのとき撮影されたものだ。
倒れ込んだ子どもを怒鳴りつけ、立ち上がらせたのもつかの間、女性は突然「ふざけんなよ!」と言いながら、足で子どもを蹴りつけた。頭から床にたたきつけられる子ども。ゴツンという鈍い音が駅構内に響いた。そこで、嘉瀬さんが「警察を呼ぶぞ!」「ビデオに撮ったぞ!」と叫ぶと、女性は子どもを抱えて足早に立ち去った。

「弁護士ドットコム」の記事ではその後の状況なども取り上げられていて、当然ながらどのような事情があったにせよ母親らしき人物の行為は論外であることは論を待たないのですが、個人特定が難しいと言うことで警察も事件化するのは困難だと言う一方で、こうした現場に遭遇したとしても下手に止めに入るのは危険なのでやめた方がいいと助言されたそうです。
ただ興味深いのはネット上で一気に拡散したこの一連の顛末について、当然ながら児童虐待に対する非難の声が非常に大きいわけなのですが、その一方でこの撮影行為とそれをネットで無断公開したことへの批判も相当に根強くあるようで、中には「これは盗撮ではないか」と言う声も出ているようですね。
ちなみにこの盗撮と言う行為は法律上は特定のの条文で「盗撮とは」云々と定義されているわけでもないようで、軽犯罪法や迷惑防止条例等々様々な法律・条例を駆使してケースバイケースで違法性が判断されていると言う意外に面倒な犯罪行為なのだそうですが、当然ながら今回の行為に関しては盗撮ではないと判断されるものであるようです。
ただその一方で前述のような肖像権の問題なども絡むとなかなかに判断が難しいところで、もともとこうした動画撮影はそれが後々の証拠として使われることで撮影の名分が立つと言う側面もあると思いますが、何しろ今回の場合警察が動かないと言うことですから単に無断撮影と無断公開に終わっているとも言えますよね。

ちなみに肖像権侵害に関して言えばこれは親告罪ですから、動画を公開したことに関して当事者が「勝手なことをするんじゃねえ!」と言ってくればその時点で正体が割れると言うリスク?もあり現実的には何も言ってこないと思いますけれども、仮に動画から個人特定が行われ刑事事件化したと言った場合、そもそもの発端となった動画の撮影者に対して告訴なり民事訴訟なりを起こすことはあり得るかと思います。
そういう意味ではこうした異常事態を目撃しても撮影者が萎縮してしまう可能性もあるわけですが、そもそも犯罪的行為に出会った場合にどうすればいいのかと言う適切なマニュアルがないことも問題で、今どき誰でも何かあれば証拠となる動画なり写真なりスマホで撮影する可能性が高いのですから、その場で直ちに110番通報するべきだとかいった情報は警察側からも周知しておくべきなんでしょうね。
児童虐待に関して言えば日頃情報を得る機会が多いだろう近所のおじさんおばさんがスマホ等のデジタルガジェットに疎いことも痛し痒しで、虐待の証拠となるような動画とは言わずとも音声だけでも記録しておいたら児相などもずいぶんと介入がしやすいんじゃないかとも思うのですが、そうした「盗撮」や「盗聴」が日常的に行われるような世間と言うのもまた暮らしにくいものではあるのかも知れません。

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2014年6月19日 (木)

晩婚化、少子化は何故深刻化するばかりなのか

全く関係のない話ですが、作家のダニエルキイスさんが亡くなったのだそうで、謹んでご冥福をお祈り致します。
さて、先日中高年有職婦人の現状に関する記事が出ていたのですが、本日まずはその一部なりとも引用させていただきましょう。

40代独身。いつまで働けばいいの?迫る妊娠リミット、50歳の就活……(2014年6月17日東洋経済オンライン)
より抜粋

地元の大学を卒業して上京し、これまで派遣や契約社員を経て、4年前に正社員になった横田真由美さん(40歳、仮名)は、午前8時半から午後11時ごろまで働いている。週に2日ある休みも1日は出勤することが多い。
もう正社員になる機会はないだろうと思っていたので、入社のときはとても嬉しかった。しかし正社員は責任も重く、入社当初より仕事量は2倍以上に増え、サービス残業も多い
「性格上、突き詰めてやるほうなので、疲れ切って家に帰ると“何やっているんだろう”と思います」
30代半ば過ぎまでは、公私ともに充実した日々だった。仕事も楽しく、同じ境遇の仲間たちとよく遊びに出かけた。当時は恋人もいたが、相手には妻がいて結婚できなかった。それでもいいと思って交際していたが、入社を機にピリオドを打った。

迫る妊娠リミット

若い頃、漠然と「結婚して子どももいるだろう」と考えていた年齢になった。一緒に遊んでいた友人たちは結婚し、横田さんと数人が残った。スーパーで買い物をするとき、大好きなアーティストのコンサートに行くときに「独りの寂しさ」を感じる。
会社では、子どものいる社員は時短もあり、残業も“子どもがいるので”と一区切りをつけてさっさと帰宅していく
「そんな姿を見ていると、いいなあと思います。今は猛烈に結婚したい。自分の精神の安定を得るためにも、東北にいる母親を安心させるためにも──。そうなるとせっかくなった正社員ですが、働き方を変えなければいけなくなりますね」
妊娠リミットも迫った現在、今年中に相手を見つけて来年は結婚、妊娠する計画だというが、「こんな状態だと婚活イベントにも参加できません」と横田さんは笑った。
(略)

他にも数人の有職婦人のインタビューが掲載されていて、どの方々もそれぞれに問題を抱え先が見えない状況にあると言うことなんですが、別に女性であるからどうこうと言う話ばかりではなく、今の時代多くの男性もまた同じような問題を抱えていると言っていいんじゃないかと言う気がします。
ただ女性の場合やはり生物学的な妊娠、出産と言う行為のタイムリミットがあり、この点で男性よりも結婚に対する時間的な危機感があるのだろうし、少子化対策の観点からも危機感があるべきだと言う考え方が次第に強くなっているようですから、やはり焦らずにいられないと考える方々も決して少なくないのでしょう。
この点で興味深いのが昨今結婚と出産の年齢が年々高まりついに30歳を超えたと言う時代にあって、当然ながら生物学的に見れば30代以降は妊娠と出産に対する適性が下がる一方であると言う微妙な時期でもあるのですが、その対策にも有効と考えられ先日独身者に対しても実施が容認された凍結卵子保存に関してこんな意識の差があると言います。

卵子凍結保存に70%が否定的 子供いない35歳以上女性は肯定感(2014年6月17日産経新聞)より抜粋

 パートナーのいない女性が将来の妊娠に備えて自分の卵子を凍結保存することについて、岡山大の研究グループが成人男女を対象に意識調査を実施、回答者の70%以上が否定的に捉えているとの結果をまとめた。肯定的だったのは約27%で、とくに子供がいない35歳以上の女性に肯定感が強い傾向がみられた。

 調査は昨年7~9月、東京、愛知、大阪など8都府県に住む男女5972人に調査票を郵送して行われ、1144人から有効回答を得た。男性は343人、女性は798人、性別不明3人。平均年齢は44・5歳だった。
 パートナーがいない女性が卵子や卵巣組織を凍結保存することについて「肯定的」「どちらかといえば肯定的」とした人は27・7%、仕事に打ち込むために女性が凍結保存することに同様の肯定感を示した人は24・2%。逆に、こうした社会的理由での凍結保存に否定的な人は70%を超えた
 女性の回答を詳しく見ると、35~44歳で子供がいない人のグループでは、パートナーがいないケースで肯定感を示した人が43・6%、仕事に打ち込むためのケースで38・2%と、全体より高い傾向が見られた。
 一方、「がん患者が将来の妊娠に備えて」といった医学的理由の場合、肯定的な人の割合は全体の79・8%で、社会的理由の場合に比べて高かった。

 日本生殖医学会は昨年11月、健康な独身女性が将来の妊娠に備えて若いうちに卵子を凍結保存することを認めるガイドラインを決定。凍結保存を手掛ける施設も出ているが、出産の先送りにつながるとの懸念もある。
(略)

将来の妊娠に備えてと言う社会的な理由での卵子保存に否定的な人が多いと言う点は予想範囲内なのですが、興味深いのがすでに生物学的にハイリスク妊娠が懸念される年代に差し掛かっている非経産女性で肯定的評価を下す人が多かったと言う結果で、やはりこの辺りの年代になると我が事として危機感を感じずにはいられないのかも知れません。
ただ30代も半ばを過ぎてから卵子保存を肯定的に評価し「自分もやってみよう」と考えるのでは正直遅いと言う懸念もあって、本来であればもっと早く老化していない卵子を保存しておいてこそ意味があるのだとも思うのですが、やはり20代あたりでそんなことまで気を回している心理的・経済的余裕もなければ、それが将来必要になるかも知れないと言う危機感もないと言うことでしょう。
もちろん普通に適切な年齢で結婚し出産を考えていればそうした手間ひまをかける必要もないわけですから、社会的に見れば若者達がもっと結婚に前向きになってくれれば一番いいと言うことなんですが、これまた興味深いことにここでも男女間に意識の差がはっきり現れていると言います。

未婚率上昇、晩産化も=仕事と育児の両立困難-少子化白書(2014年6月17日時事ドットコム)

 政府は17日午前の閣議で、2014年版「少子化社会対策白書」を決定した。若い世代の未婚率は上昇が続き、最新の10年の時点で25~29歳を見ると、男性は71.8%、女性は60.3%。女性の晩産化も進み、第1子を出産した平均年齢は12年で30.3歳だった。白書は仕事と育児の両立に向けた環境整備の必要性を指摘している。
 内閣府が実施した意識調査では、若い世代で未婚・晩婚化が進んでいる理由について、20~30代男性の回答は「経済的余裕のなさ」が最も多かった。しかし、同年代の女性では「独身の自由さを失いたくない」がトップ、「仕事や学業に打ち込みたい」が続き、男女の意識の違いが示された。
 また、「子どもを持つ場合の条件」に関し、20~40代の既婚女性の回答は「働きながら子育てができる職場環境」が最多だった。
 別の調査では、妊娠・出産時の職場の理解について、既婚女性の54.6%が「不満」と答えた。出産を機に退職した女性の約4分の1が「仕事を続けたかったが育児との両立が難しく仕事を辞めた」と話しているという。


若年層の未婚理由、明らかな男女差…少子化白書(2014年6月17日読売新聞)

 政府は17日の閣議で、2014年度版「少子化社会対策白書」を閣議決定した。
 第1子を出産した女性の平均年齢が2012年で前年より0・2歳高い30・3歳となるなど「晩産化」が進んでいるとして、仕事と子育てを両立出来る職場環境の実現が必要だと指摘した。
 12年の平均初婚年齢は、男性が30・8歳(前年比0・1歳上昇)、女性が29・2歳(同0・2歳上昇)と晩婚化も進んだ。

 内閣府が昨年秋に全国の20~79歳の男女1639人を対象に行った意識調査で、若年層の未婚、晩婚化の理由について聞いたところ、女性の回答は「独身の自由さや気楽さを失いたくないから」(55・3%)が最も多かった男性は「経済的に余裕がないから」(52・0%)が最多で、男女間の意識の差が浮き彫りになった。
 「子どもを持つ場合の条件」について、20~40代の女性は「働きながら子育てができる職場環境」という回答が最も多かった。

しかし独身女性が結婚によって様々に失うものがあり、それが結婚を躊躇させていると言うのは日本人の結婚観をうかがわせて興味深い結果ではあるのですが、その背景因子として既婚女性の就職環境が決して恵まれているとは言えず、特に出産後社会復帰しようとしても極めて厳しい現実があることも考えると、これはやはり「独身女性のお気楽さ」などと見るよりも経済的問題であると捉えるべきかと思いますね。
一方で特に統計的データの裏付けもない印象論なのですが、平均値で晩婚化が進んでいると言っても若いうちからどんどん結婚も出産もしてしまう方々と言うのもそれなりの数が存在していて、こうした方々の場合別に若くして沢山稼いでいるからだとか将来出世する見込みが濃厚だとか言うわけでもなく、むしろ所得等で考えれば決して恵まれているわけでもない方々が多いように感じます。
「収入が少ないんだから結婚なんて出来るはずがないじゃないか。結婚しろと言うなら給料を上げろ」と言う声はもっともだし、実際に未婚男女に聞いてみれば結婚支援にあれやこれやと手を尽くすよりも真っ先に給料を上げてくれと言う意見が最多であったと言うくらいですから、結婚にはまず経済的裏付けがいると言う意見ももっともだし、婚活サイトなどでも年収300万などと正直に申告していては誰も相手にしてくれないそうです。

ただ年収300万が二人合わせれば年収600万と言う話もあるし、結婚によって共用部分の生活コストが削減されると言った支出抑制効果もあるわけですから、あまり人生に関して慎重かつ計画的に過ぎると自ら人生の選択枝を狭めてしまう理屈であって、少なくとも相手もいてその意志もある人々が収入が少ないからと結婚を先送りすることがないよう公的な支援もあっていいんじゃないかと言う気がします。
その点で現在の配偶者控除などを見ても昔ながらの専業主婦的家庭像を前提にしたシステムになっているのは一体いつの時代の制度なのかで、国にしても産めよ増やせよと言うなら言うで今どきの働き方に合い結婚し子供を産むことに直接的なメリットのある政策を打ち出していく責任があるはずです。
特に年金や医療保険などこのところ社会保障関連支出の増加が若い世代を中心にずいぶんと負担感が増してきていますから、○歳までに結婚すれば年金掛け金○割引き、子供が生まれれば保険料○割引きといったバーゲンプライスをどんどんアピールして「ほらほら、今ならこんなにお得なんですよ?」と呼びかけていくくらいのことはやってもいいかと思いますが、子沢山で知られる橋○市長さんどうでしょうね?

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2014年6月18日 (水)

医学部新設問題 文科省審査会での議論が始まる

被災地復興を錦の御旗に例外的に医学部新設が認められた形の東北地方医学部新設問題ですが、先日16日に最終的な開設母体を決める文科省の審査会が初会合を開いたと言うことです。

医学部新設「公正に判断」 東北構想審が初会合(2014年6月16日日本経済新聞)

 東北地方の大学医学部新設に関する文部科学省の審査会は16日、東京都内で初会合を開いた。応募のあった3つの構想について12人の有識者が審議し、今夏にも1つを選定する。座長に就いた遠藤久夫・学習院大経済学部長は「(医学部新設は)1979年以来なく、コンペ方式は前例のない難しい点があるが、公正なプロセスで全力を尽くす」と呼びかけた。

 会合では、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)、東北薬科大学(仙台市)、宮城県のそれぞれが提出した構想の概要や、今後の審査の進め方を確認。将来の東北への貢献や、協力者や財源確保の見通しといった審査の観点についても協議した。7月4日に3者からヒアリングを実施し、15日には関係自治体や大学、日本医師会などから意見聴取する方針も了承した。

 遠藤座長は終了後、記者団に「それぞれの構想が特徴をもっている。(卒業生が)地域にとどまる仕組みなどには似たところもあり具体的に聞いてみたい」と指摘。「できるだけ早く結論を出したいが、拙速な議論はすべきではない」と慎重に審査する考えも示した。行政が主体となる宮城県の提案が有利との見方があることに関しては「各委員がどう考えているか、なんとも言いようがない」と話すにとどめた。

東北に医師残る「特殊な医学部を」- 全自病会長、文科省の構想審査会が初会合(2014年6月16日CBニュース)

東北地方の医学部新設に応募のあった3陣営の構想から1つを選定するための構想審査会の初会合を、文部科学省は16日、東京都内で開いた。同審査会の委員である全国自治体病院協議会の邉見公雄会長はその中で、新設される医学部について、「これまでと同じような医学部では、従来と変わらず学生は卒業後に東北に残らない。できるだけ残るような特殊なものにした方がいい」として、例えば地域医療を担う総合診療医の育成に特化することなどが考えられると述べた。【丸山紀一朗】

東北の医学部新設をめぐっては先月、宮城県、東北薬科大(仙台市青葉区)、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)の3陣営が、申請書類を同省に提出した。3陣営はいずれも2016年4月に開学予定としており、予定通り進めば、医学部新設は1979年の琉球大以来、37年ぶりになる。
16日の初会合では、各大学の設置構想の概要が示され、今後の審査の進め方や議論する上で重視するポイントなどについて、委員間での意見交換などが行われた。今後、来月初旬の2回目の会合で3陣営からのヒアリングを行い、同月中旬の3回目の会合で岩手県や福島県、東北大、岩手医科大、日本医師会などから意見聴取する。その後、同省は4回目の会合を今夏までに開き、1つに絞る

全国各地から医学部新設の要望が出ては却下されてきた中で、今回東北地方に限ってそれが認められた背景としては当然ながら一つには震災被害からの復興と言う目的があり、加えて元々医師不足が目立つ地域であったと言う事情があったわけですが、そうなりますと当然ながら新設医学部もどれだけの卒業生が地元に残るかと言うことが一番の課題となってきますよね。
東北諸県の医学部における卒業生の地域定着率は控えめに言っても決して高いものではなく、特に一般枠入学生では半数にも満たないと言う現実を見る限り何らかの対策なしでは単に他府県からの流入組にとっての国試予備校化してしまう懸念が大いにあると言えますが、その一つの対案として例えば先日取り上げた札幌医大のように実質全定員を地域枠としてしまうと言う荒技も考えられるでしょう。
また実績を考えると東北地方に限定した自治医大方式と言うのも有りで、単純計算で各県10数人~20人程度の枠が割り振れる事になりますけれども、そもそも現時点でも増える一方の各県医大地域枠で地元残留希望者が囲い込まれている現状で、新設医大にどこまでの人材が集まるのかと言うことはいささか疑問の余地無しとしません。
ともかくも本音の部分では関係者各位とも「とにかく卒業生が地元に残るような大学に」と言う気持ちがあることは言うまでもなく、それゆえに「特殊な医学部に」云々と言うびっくりするような発言も出てきたと言うことなのでしょうが、当然ながらあまりにも露骨な囲い込みには問題なしとしないと言う声もあるわけです。

医学部新設 人材育成が復興の近道 卒業後、進路規制は疑問(2014年6月10日河北新報)

 東北への大学医学部新設で、文部科学省は9日、構想審査会のスケジュールを発表した。40年近い封印を解いて東日本大震災後の東北に新医学部をつくる意義とは何か。東大医科学研究所の上昌広特任教授(医療ガバナンス)に聞いた。(聞き手は報道部・伊東由紀子)

 -東北では震災以前から医師不足が深刻な課題だった。
 「東北に医師が少ないのは、単純に医師の養成機関が少ないのが原因。地域の医師数と医学部の数はきれいに相関する」
 「医師が充足している西日本では人口389万人の四国に4校、745万人の中国に5校の国立医学部がある。人口905万人の東北は、国立医学部が4校しかない。医学部の進学者数では実に3~4倍の差がある」
 「格差の原因を歴史的にさかのぼると明治維新に行き着く。賊軍の汚名を着せられた東日本と官軍の西日本では、人材育成機関の設置に初めから構造的な差があった。医学部はその典型だ」

 -医師数の東西格差は震災で一層顕著になった。
 「2012年の厚生労働省調査で東北6県は、人口10万当たりの医師数が軒並み全国平均を下回った。さらに被災3県では、震災後に医師が減った地域もある」
 「ただ、東北以上に医師不足が深刻なのが関東だ。千葉、埼玉、茨城は際立って不足している。高齢化に伴って今後も医療需要は増える。医師不足にいま手を打たないと、隣接する東北と関東で医師の取り合いになる」

 -卒業生の地元定着策は審査のポイントになるか。
 「卒業生に地方勤務を課す義務年限、入学者の地元枠設定など規制で進路を縛る手法には疑問を感じる。卒業生を地元に残したいのなら、教育レベルとキャンパスを置くまちの魅力が鍵になるのではないか」
 「大学、高校など教育機関の質が上がれば、よりよい教育を求めて人は集まる。いい教育がまちをつくり、魅力ある地域に人は集う。性急に結果を求めず、30~50年のスパンで考えるべきだ」

 -いま、東北に医学部を新設する意義とは何か。
 「地域で人材を育てることが復興や魅力ある地域づくりへの一番の近道になる。まちの力とは人の力だ。それには教育が重要であり、医学部は最大の教育投資となる」
 「医師不足のつじつま合わせだけで医学部新設の意義を語りきってほしくない。地域をよくするための人材育成という大きな発想を持つべきだ」
 「一つの県に二つの医学部ができれば、競争が生まれる。例えば宮城なら、旧帝大の東北大医学部と新設医学部が切磋琢磨(せっさたくま)し、それぞれに力を伸ばせるだろう」

上先生のご意見にいささか異論も無きにしも非ずと言うところなのですが、数十年前に終わった医学部定員の割り振りとその後の地域人口が今や明らかに乖離してきた結果、全般的に医学部定員の少ない地域ほど医師も少ないと言う傾向が認められるとは言えるだろうし、そうした前提に立てば今現在がどうこうと言うに留まらず将来的な人口動態も見越して医学部整備の議論を行うべきだと言う考え方もあるでしょう。
その点でかねて言われているのは医学部新設の緊急性と重要性が高いのは千葉や埼玉のように人口増加が続いていながら医学部定員の不足している地域であって、東北諸県などはしょせんこれから人口が減っていく地域なのだから医学部ばかり増やしても仕方がないと言う考え方もあって、単純に現時点での横断面で判断するのではなく時系列を見ての判断が必要であるとは言えそうです。
ただ国民総人口が減少に転じた中で医学部定員はこのところの大幅増ですでに総数としては大きな不足はなくなったと言う声もあり、この上コストパフォーマンスが大いに劣り教員として多数の医師を囲い込むことにもつながる医学部新設にどこまで意味があるのかと言えば、やはり被災地に特別な配慮をしたと言う名目以上のものはなく象徴的な例外として新設が認められただけであると言う捉え方が妥当なのかも知れません。
基本的には逃散や立ち去り型サポタージュによってようやく医師の労働環境に世間の目が向き始めたことと同じ文脈で、地域に医師不足感があるからこそ環境整備を行い待遇を改善しても医師を呼び込もうと言う動機付けも生まれてくるとも言え、その意味で地域ごと施設ごとの医師分布や労働環境などを関連づけての議論ももっと行われてもいいんじゃないかと言う気がしますけれどもね。

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2014年6月17日 (火)

医療現場で発生した思いがけない犯罪行為

本日の本題に入る前に、まずはこちらの記事を紹介してみましょう。

医師養成で犯罪死の見逃し防止 死因究明計画を閣議決定(2014年6月13日47ニュース)

 政府は13日、犯罪死の見逃しを防ぐため、死因究明に習熟した医師を養成することなどを柱とする死因究明推進計画を閣議決定した。大都市と地方の格差是正を目指し、全国規模で研修を実施、警察の検視に立ち会って死因を判断する検案医の能力向上を図る

 研修は日本医師会に委託し、今後5年間で約4千人の医師を対象に実施。検案や解剖の実習のほか、コンピューター断層撮影(CT)などで遺体を分析する「死亡時画像診断(Ai)」の習熟を目指す

 推進計画は12年施行の死因究明推進法に基づき策定。検視官が遺体現場に立ち会う割合を現在の約60%から向上させることなども盛り込まれた。

死亡診断書と言うものは死体検案書と共通の書式になっていて、基本的には今現在治療中の病気によって亡くなった場合には死亡診断書、そうでない場合(異状死)は死体検案書を書くことになっている、そして死体検案書を書くにあたっては死体を検案しかねればならないと言うルールになっているわけですが、この辺りには様々な問題点があると指摘されているところですよね。
まずご存知のように一般的な病死ではない異状死の定義に関して意見が分かれていると言う状況で、法医学会は合併症による死亡も含めて診療行為に関連した予期しない死亡など非常に広範な異状死の定義を主張している、これに対して外科系学会などがそれはおかしいと反発していて、特に昨今では例の医療事故調への届け出とも絡めてどの辺りまでと言う議論は難しいものがあります。
またそもそもこの死体検案と言う作業自体が大昔の医学がろくに発達していなかった時代からの流儀で、あくまでも死体を外から眺めて問題がないかどうかを確認すると言うだけのことですからはっきりした死因など判る方が少ないと言うもので、必要に応じて解剖に回すだとか、記事にもあるように昨今話題のAiを併用するだとかでなければ先に結論ありきの形ばかりのものになってしまいがちですよね。
その意味では推理小説じみた犯罪行為の見逃しリスクと言うだけでなく、はっきりした死因を突き止めるためにも今の時代にふさわしい死体検案のあり方があるのだろうと思いますが、社会的に要求される診断の精度とそれに要するコスト、そして必要とされるマンパワーの捻出と言った諸点の兼ね合いから制度を考えるべきであって、ただかくあるべし論だけで突っ走ってしまうと現場がついて来られないともなりかねない懸念はありますね。

いささか前置きが長くなりましたけれども、マンパワー集約型産業の典型である医療において犯罪行為と言うものが人並みに発生する余地があるのは当然で、過去にも医療関係者の犯罪が多数報じられているところではありますし、また近年では診療に関連しての死亡事例で医師らの行為が刑事事件として取り扱われるべきかどうか?と言う議論もたびたび起こっているところですよね。
医療が専門職の多く集まる場である以上しばしば犯罪か否かの判断そのものも難しい場合が少なくないのですが、このところその専門職の最たるものである医師らによる全く専門職らしからぬ粗暴型犯罪が立て続けに起こったと言うことで、「いったい何が起こったのか?」と一部方面から注目を集めているようです。

人工透析患者のチューブ抜く=「死刑になりたかった」-49歳医師を逮捕・警視庁(2014年6月12日時事ドットコム)

 患者が人工透析中に、装置の医療チューブを引き抜き、殺害しようとしたとして、警視庁町田署は12日、殺人未遂容疑で医師橋爪健次郎容疑者(49)=東京都町田市小川=を逮捕した。同容疑者は「誰でもよかった。人を殺して捕まり死刑になりたかった」と容疑を認めているという。

 同署によると、橋爪容疑者は腎臓内科医として被害者の担当医だった。同容疑者と被害者にトラブルはなく、同署は詳しい動機を調べている。
 逮捕容疑は、11日午後8時20分ごろ、「あけぼの第二クリニック」(町田市中町)で、通院していた同市内に住む50代の会社員男性が人工透析を受けていた際、殺意を持って透析用監視装置に接続する医療チューブを引き抜き、殺害しようとした疑い。
 同署によると、男性がすぐに気付いたため、チューブ内の血液が噴出したにとどまり、命に別条はない。男性が治療を受けていたのは約50のベッドが並ぶ人工透析室で、近くにいた医療スタッフが対応したという。
 橋爪容疑者はチューブを引き抜いた直後、車に乗って同署に自首した。
 病院側は「事態の把握ができていないため、現時点では一切お答えできない」とコメントした。

研修医、灯油まき放火の疑い 島根大病院の施設(2014年6月14日朝日新聞)

 島根大医学部付属病院(島根県出雲市)の施設に放火したとして、島根県警は13日、近くに住む同病院研修医佐藤司容疑者(28)を現住建造物等放火などの容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

 出雲署によると、佐藤容疑者は5月29日午前3時40分ごろ、鉄筋一部4階建ての研修医育成施設1階にある「研修医室」に灯油をまいて火をつけ、同室約200平方メートルを焼いた疑いがある。けが人はなく、病棟に被害はなかった。

 この部屋はパソコンなどがある学習スペースで、カードキーで出入りする。出火当時は施錠され、無人だった。床から灯油成分が見つかったため放火の疑いが浮上し、出入りができた関係者を調べていたという。

 井川幹夫病院長は、朝日新聞の取材に「いまだに信じられず、大変遺憾だ。トラブルも含めて調査中だが、二度と起こらないようにしたい」と答えた。

いずれも練りに練った計画的犯罪といった類のものではなく衝動的に行われていることのようで、特に東京の事件などは理由からして真っ当な判断力をもっての行動とは思えないものがありますが、いずれにしても一歩間違えば大変なことになっていたと言う点で行為の重大性は明らかですよね。
当然ながらネット上では様々な噂が飛び交っていると言う状況なのですが、どちらも元々はとてもそうした事件を起こしそうにないまともな人物であったと言う評判ではあったようで、東京の事件の場合は今春に同僚医師が辞めて容疑者一人になった結果看護師からも「仕事が大変そうだ」と心配される状況だったと言うことで、本人も半年程前からよく眠れず最近は仕事にも手が着かなかったと言っているようです。
島根の事件では移籍登録年から考えると昨春の卒業生のようですが、二年目研修医と言えば何かと心身のストレスも大きかったのでしょうか、詳細な事情などはまだ判らない段階ではありますがこれまた仕事上のトラブル等々が原因として考えられるところではありそうですよね。

医師の労働時間と言うものがどの程度かと言うことは、特に何かと議論になる当直時間の取り扱いなどを巡ってなかなか難しい議論がありますけれども、厚労省の統計によれば「男性勤務医はほぼ全年代で、女性勤務医も50歳前まで過労死認定基準に達している」週60時間以上の労働を強いられていて、特に20~30代の若手世代では週平均80時間以上だと言うのですから穏やかではありません。
ネットが一般化してきたこの10年ほどの間にこうした事実は当の医師の間にも広まるようになり、とりわけ他業種との交流を通じて医療現場の労働環境の異常性が知れ渡った結果いわゆる逃散、立ち去り型サポタージュと言ったことが各地で発生するようになった、そしてそれが医療崩壊と言う現象にも結びついてくるようになったことは周知の通りですが、問題はその結果何がどうなったかです。
労働者としての権利意識に目覚めた医師達があちらこちらで労働環境の改善に向けて動き出したことは当然ながら良いことだとしても、その一方で医療現場の総労働量を反映するはずの国民総医療費は近年の診療報酬削減方針にも関わらず増え続けているわけですから、一部の医師が今までよりも労働環境改善を達成しているとなれば別な医師達は今まで以上に労働環境が悪化している可能性が高いわけです。
「今どきそんな職場に好きこのんで居残っているのは単なるマゾ」だと言われればその通りですが、ご存知のように職場環境からうつなどを発症した場合に自ら真っ当な判断の元にその状況を離脱することは非常に困難であって、自殺を図ったり思いがけない奇行に走ってでもそこから抜け出したいと言う尋常でない判断を下してしまう可能性が高まるとは言えるでしょう。
今回の事件がそうした職場労働環境の問題ばかりに起因するものなのかは現時点では何とも言えませんけれども、自らの行動に関しても真っ当な判断の出来なくなった医者に大事な命を預ける患者の方こそ怖くなってくるのは当然であって、顧客満足度向上という観点からも職場の管理者はスタッフを犯罪行為に走らせるほど追い詰めるべきではないと言うことは当然と言えば当然ですよね。

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2014年6月16日 (月)

お産に関わる立場の違い

本日まずはこちらの記事を紹介してみましょう。

新型出生前検査で陽性、確定診断受けず2人中絶(2014年6月11日読売新聞)

 妊婦の採血でダウン症などの胎児の病気を調べる新型出生前検査で、病気の疑いがある「陽性」と判定された妊婦2人がその後の確定診断を受けずに人工妊娠中絶をしていたことが読売新聞の取材でわかった。

 新型検査は「陽性」と出ても実際には病気ではないことがあり、検査指針で「医師が十分説明し、理解を得ること」と定めている。検査実施病院を認定する日本医学会は事態を重く見て、病院に詳細な報告を求めた。今後、再発防止に向けた対応を協議する。

 新型検査は例えばダウン症の場合、「陽性」と出ても35歳の妊婦なら20%が、42歳では5%は実際にはダウン症ではないとされる。確定には羊水検査など腹部に針を刺して調べる検査が必要だが、従来の血液検査に比べて精度が高いため、新型検査の結果のみで中絶する恐れが懸念されていた。

この新型出生前検査に関しては以前にもお伝えした通り、一定確率で検査陽性であっても確定診断で異常は無かったと言う事態が発生し得ることが知られていて、それだけに実施各施設とも事前に十分な説明を行い理解を得た上で実施すると言う方針でやっているはずなのですが、それでも確定診断を行わずに中絶をしていたケースが実際にあると言うことをどう考えるのかです。
学会は病院側に問いただす姿勢でいるようですけれども、別ソースによれば当該妊婦はいずれも検査を実施した病院とは別な施設で中絶手術を受けていたと言うことで確信犯的行動と言うのでしょうか、ともかくも検査実施施設ばかりが至らなかったと単純に解釈するのもどうなのかですし、対策を講じたところでこうしたケースを阻止出来るものか微妙ですよね。
何故こうしたことが起こるのかですが、確定診断の羊水穿刺が10万円単位の費用を要しそれなりに高価であることから「それならそのお金を中絶費用に回した方が」と考えてしまうのは、そもそも高齢妊娠の比率が高く不妊治療等長年多額のコストをかけているだろう背景事情を想像するに十分あり得る話だと思いますし、実際年齢が高くなるほど偽陽性の確率は下がってくるわけです(20歳で50%→40歳で10%)。
これに対して「それでも最低10%以上も偽陽性があるじゃないか」だとか言った様々な意見もあるんだと思いますが、結局のところこうした問題は当事者と周囲との間で立場の違いから来る意見の相違はあるもので、制度的にこれこれの通りにしなければ一切検査は受けさせませんとでも言うのでなければ、最終的には各人なりの考え方に委ねるしかないのかなと言う気がします。
さて、その立場による意見の相違と言う点に関連して、先日少しばかり興味深い調査結果が出ていたので紹介してみましょう。

無痛分娩、賛成? 反対??--反対派の大半は男性「子供に対する愛情が薄れる」(2014年6月13日マイナビニュース)

出産には様々なスタイルがあるが、その中の1つで最近注目されているのが「無痛分娩」。薬を使って痛みを和らげるもので、世界的に見ると珍しい方法ではないが、日本では無痛分娩を選択する妊婦さんはまだ少数派。そこで今回は、マイナビニュース会員300名に「無痛分娩での出産、賛成ですか、反対ですか」と聞き、その理由についても質問したので紹介しよう。

Q.無痛分娩での出産、賛成ですか、反対ですか。
賛成 83.0%
反対 17.0%

賛成派の意見
・「痛みの感じ方は人それぞれだから」(49歳女性/学校・教育関連/専門職)
・「お腹を痛めて産んだ子という表現はありますが、痛くなかったからと言って子供が大事じゃなくなるわけでもないですし、余裕があるならそうしたら良いと思います」(23歳女性/運輸・倉庫/販売職・サービス系)
・「生理痛だけでもしにそうだから」(24歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職) ・「よく鼻からスイカ出す感じとか言われるけど、正直怖すぎて自分が耐えられる気がしない」(24歳女性/医療・福祉/専門職)
・「無痛分娩が可能なら賛成、次回に恐怖心が残らないためにも良いと思う」(27歳女性/電機/技術職)
・「わざわざ痛い思いをするのは、美学でもなんでもない」(32歳女性/小売店/販売職・サービス系)
・「痛い思いは誰でもしたくないと思うから」(31歳男性/商社・卸/営業職)
・「痛すぎて、もう2人目を産みたくないと思ってしまう人もいるかもしれないので」(48歳女性/主婦)

反対派の意見は「痛みを伴ってこそ……」
・「痛みを伴ってこそ子供に対する愛情も深まると思う」(31歳男性/機械・精密機器/技術職)
・「自然でないから」(50歳以上男性/不動産/経営・コンサルタント系)
・「なんか出産って感じではないから」(27歳女性/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「痛みを感じないのは自然に反する」(32歳男性/金融・証券/専門職)
・「子供に対する愛情が薄れると思うから」(25歳男性/農林・水産/技術職)
・「痛みを知ってこそ母親になれると思います」(32歳男性/機械・精密機器/技術職)
・「母親としての自覚を持つには痛みにも意味があると思う」(26歳女性/生保・損保/営業職)

無痛分娩賛成派が83.0%となったが、その理由については「本人がしたいようにすればいいと思う」といったもの。「よく鼻からスイカ出す感じとか言われるけど、正直怖すぎて自分が耐えられる気がしない」と、自分自身が出産するときを想定しての意見も見られた。「痛すぎて、もう2人目を産みたくないと思ってしまう人もいるかもしれないので」と、2人目以降の出産に影響が出ることを懸念しての回答もあった。その他、「海外では主流な国もあるから」「他の先進国ではポピュラー」と海外での事例を挙げている回答者も複数いた。
反対派の多くは男性。「自然でないから」や「痛みを知ってこそ母親になれる」といった意見が男性から出ていたのが特徴的だった。日本では「お腹を痛めて産んだ子」といった言葉があるが、そういった考えが根底にあるので海外ほどは無痛分娩が普及しないのかもしれない。

調査時期: 2014年6月3日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性107名・女性193名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート

無痛分娩と言うものに関連した有名な話で、イギリスにおいても当初分娩痛を原罪と同一視する宗教観から反対意見が根強くなかなか普及しなかったのですが、1853年に当時のヴィクトリア女王が無痛分娩を行ったことをきっかけにようやく普及するようになり今では3~4人に1人が無痛分娩を行っていると言いますし、最先進国のフランスやアメリカでは大多数が無痛分娩であると言います。
こうした状況を支える環境としてフランスなどは麻酔科医が日本の2~3倍はいると言いますし、アメリカでも全土で24時間の無痛分娩に対応出来る施設が整っていると言ったように、もちろんそれが可能な状況にあると言うことが前提条件ではあるのでしょうが、日本で無痛分娩がほとんど行われていないと言うのは可能か否かと言う以前に根強い反対意見があるからと言う理由も大きいように思います。
代表的な意見としてまさしく「自然ではない」「痛みを感じてこそ子供に愛情がわく」と言った理由が語られてきたわけですが、今回の調査を見ていて非常に興味深いと思われるのが実は大多数の意見としては「本人の好きにすればいい」と言う賛成意見であると言うこと、そして前述のような伝統的反対意見を唱えているのが実はお産をしない側である男性であったと言う点ですよね。
今回はネットでの調査と言うことで、おそらく年代的に出産経験がないか、あっても乏しい若年世代に対象が偏っているのではないかと思いますし、実際にお産になれば親や姑等周囲の年長者の声も決して小さなものではないと思われますけれども、少なくとも直接的な当事者である若い女性に関して言えば大部分が無痛分娩肯定派であると言う事実はもっと知られていいことだと思います。

医学的には無痛分娩を行ってもお産にまつわる総合的なリスクは特に高くはならないだろうと言ってよさそうですが、日本の場合麻酔管理の都合などもあって無痛分娩なら計画分娩でと言う施設が多いようで、副次的な問題として陣痛促進剤の使用も増えてくるとなればこれに伴う別なリスクも増えてくるのだろうし、産科医側として積極的にお勧めしにくい理由の一端もこのあたりにもあるのかも知れません。
ただお産を経験した人の中には「あんなに苦しいことなら二度とゴメンだ」と言う人も少なくない一方で、特に双方を経験した方々にはお産に対する恐怖感・忌避感が薄まったと言う声が少なくないようですから、少子化対策が叫ばれる時代にあって何もわざわざしんどい思いをせずとも楽に産んでもらった方が社会としてもメリットがあるんじゃないかと言う考え方もあるでしょうね。
その大前提として前述の陣痛促進剤に関わるJBM的なリスクもそうですし、通常のお産と違って大部分助産師にお任せしておけば済むと言うものでもないだけに設備やマンパワーの充実も必要だろうと言うことで、どうしても割高になるコスト面の補助なども含めて周囲の支援も充実してこないことには、やはり男である場合が多い産科医の立場からは積極的に推進しようと言う気にはならないものかも知れません。

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2014年6月15日 (日)

今日のぐり:「手づくりうどん せと庵」

世の中思いがけない事故と言うのはあるものですが、こちら泣くに泣けない悲惨な事故だと話題になっているようです。

倒木で大破2000GT 「もったいない」の声、声、声…(2014年6月10日スポニチ)

 8日午前9時45分ごろ、富山県南砺市菅沼の国道156号でブナの巨木が倒れて通行中の高級スポーツカー「トヨタ2000GT」を直撃した事故で、大破した車についてインターネット上で「もったいない!」などの声が相次いでいる。

 運転していた奈良県大和郡山市の男性会社員(28)は、腕などに切り傷や打撲などの軽傷。富山県警南砺署によると、ブナは高さ約30メートル、直径は最も太いところで1・9メートルあり、根元付近から折れ約9メートル下の車道に落下した。偶然通り掛かったトヨタ2000GTの右後部から左前方を横切る形で直撃、車は原形をとどめていないほどひしゃげ、特徴のある丸形のライトだけが“名車”を物語るほど。強い衝撃だったことがうかがえる。

 「トヨタ2000GT」は、67~70年に約340台が生産されたのみで、ファンなら一度は乗ってみたい幻の名車。現存するのは数十台とみられ、自動車評論家の近田茂さんは「もはやコレクターズアイテムの部類。市場に出ることもめったにない」と指摘する。車の状態にもよるが、価格は1000万~2500万円。昨年には米オークションで、67年式が1億2000万円で落札され、大きな話題となった。

 保険料が支払われるのかが気になるところ。ある代理店担当者によると「一般的には車両保険に入っていて、保険対象者が運転していれば契約範囲内で支払われるだろう」と説明するが「(トヨタ2000GTの)保険料は市販車に比べ数倍高いでしょう」

 現場近くに住む女性は「ザーっと何かがすれるような大きな音が聞こえた。木が古くなって倒れることは過去にはあったが、名車を押しつぶすことになるなんて…」と驚いていた。

写真の検証でどうやらレプリカではない本物らしいと言う説が有力であるようなのですが、そうであるからこそ身体的には幸い軽症で済んだとは言えご愁傷様と言うしかないですよねえ。
今日は大破したレトロカーとオーナー氏に哀悼の意を表する意味で、世界中からラッキーともアンラッキーとも言いかねるような微妙な話題を紹介してみることにしましょう。

小型機接近で海岸の男性あわや、慌てて砂浜に寝そべり間一髪セーフ。(2014年6月9日ナリナリドットコム)

ドイツ本土から北に約70キロ、北海沖合にある観光地・ヘルゴランド島。世界的にも有名なカリブ海のセント・マーチン島のように、この島の空港はビーチと隣接した場所に設置されているのだが、先日、寛いでいた海水浴客を大いに驚かせる着陸をした小型機が現れたそうで、その危険すぎる様子を撮影した動画が世界のメディアでも注目され、大きな話題を呼んでいる。

この動画は、YouTubeに6月2日付で投稿された「Plane almost lands on sunbather on beach- Fails landing.」(https://www.youtube.com/watch?v=0yceRzX-N4M)。英紙デイリー・テレグラフなどによると、ヘルゴランド島では空港がビーチの隣に位置しているため、着陸する飛行機がビーチで遊ぶ観光客のすぐ真上を通っていくそうだ。
普段は「少なくとも6メートルの高さ」を飛んでいくという飛行機。しかしこのたび動画を撮影した男性の話では、明らかにもっと低い高度で小型機が飛んできたという。そこで、急いでカメラを向けて撮影を始めたところ、砂浜ギリギリまで高度を下げてきた小型機がビーチで寝そべった男性に接触しそうになりながら通過。さらに、ビーチと滑走路の境に設置された柵の1つを飛ばして、ギリギリ空港に着陸したという。その模様は映像からもよくわかる。

寝そべった姿で映っている男性は、直前に小型機がぶつかりそうだと認識し、慌てて砂浜へ体を埋めるように横になっていたそうで、幸いにもけがは全くないとのこと。
一方、小型機を操縦していた男性は「アプローチの仕方を誤った」と着陸ミスだったことを認めていて、寝そべった男性の姿も「見えなかった」というから、一歩間違えれば大きな事故に繋がっていた可能性も否めない。今回の一件については「本当に申し訳ない」と謝罪しているが、その日のうちに柵との衝突で損傷した箇所を直した後、同じ小型機で島を出たそうだ。

ちなみに、このあわやの出来事があった後、ビーチで目の当たりにした観光客たちは「もっと安全な場所へ」と、空港近くの場所から離れて行ったという。

状況はその動画を見ていただければ一目瞭然なのですが、間一髪で命が助かり幸運だったと見るべきかせっかくのバカンスを台無しにされたと見るべきか、果たしてどちらなのでしょうか?
オークションで注目を集め高値がついたと言えば一般的にはいいことなんですが、こちら必ずしもそうとも言い切れないと言うニュースです。

【海外:オーストラリア】ウェディングドレスがネットオークションに。「妻は僕の親友と浮気をしていたので、もう必要なくなりました」(2014年6月11日日刊テラフォー)

妻と親友に裏切られた失意の男性が、妻のウェディングドレスをネットオークションで格安で販売している。
6月8日にドレスがオークションサイトに登場すると、閲覧者はあっという間に5万人を超え、300ドルの値が付けられた。

ドレスを出品しているシドニー在住の男性ダン・キャンプベルさん(32)は、妻と親友の裏切りに遭い失意の底の友人に代わって、ドレスをオークションに出品した。
ドレスには「不倫、偽り、裏切りの痕跡」があるそうだ。
ダンさんはさらに詳しく商品を説明している。
「このドレスは、ベネディクト・アーノルドがデザインしたもので、イエスを裏切ったイスカリオテのユダが身に着けていた布と同じ布を使用したと言われています。
この遊女サイズのアンサンブルドレスを着たあなたは、偽善に満ちた結婚式で、皆の羨望の的となるでしょう。」
ダンさんの暴言商品説明はまだまだ続く。
「このドレスは、婚外交渉が原因で崩壊するまでの約2年間の、平凡で合理的な結婚生活を保障します。」

ダンさんによれば、裏切りを受けた夫は、当初は意気消沈していたそうだが、今は離婚が成立し、幸せだそうだ。
「彼は、俺が投稿したウェディングドレスの記事を見て、笑っていたよ。」
曰くつきのウェディングドレスは、果たして誰の手に渡るのだろうか?

果たしてどのような方がこのドレスを手にすることになるのかですが、しかしなかなかに心の強そうな友人でよかったですよね。
一般的にダイエット成功と言えば喜ばしいことと言われるはずですが、必ずしもそうとばかりも言えないのでは?と言う問題提起がなされています。

ダイエットとどっちを取る!? 「6キロ減量するごとに友達が2人ずつ減っていく」との調査結果(2014年5月26日ロケットニュース24)

ダイエットに成功したら、オシャレな服を着られるようになるし異性にモテる確率も高くなり、何かと御利益があるものだ。しかしその代わりに友達が減ってしまうとしたらどうだろうか? というのも何と「6キロ減量するごとに友達が2人ずつ減っていく」との驚きの調査結果が発表されたのである。あなたはそれでも痩せたいだろうか?

・減量に成功して良かった点は!?
英クーポン券サイト「vouchercloud.com」が、1年半以上ダイエットを続けて6キロ以上減量した成人2547人を対象にアンケート調査を行った。アンケート内容は「何キロ減量に成功したか?」、「生活に何かしら影響があったか?」といった内容である。そして良い影響があったと答えたのは92パーセントで、その内訳は以下の通りである。
1位:自分に自信が持てるようになった 74パーセント
2位:社交的になった 69パーセント
3位:活発になった 63パーセント

・痩せたら友達が減ってしまうと判明!
そして次に “減量して悪い影響があったか?” との質問に対しては、次のような結果が出た。
1位:減量中に友達が減った 81パーセント
2位:ジャンクフードや高カロリー食品が恋しい 28パーセント
3位:好みでない異性から興味を持たれる 21パーセント
何と81パーセントもの人が、減量中に友達を失ってしまったというのである!

・6キロ減量するごとに友人が2人減る
そして調査チームが、回答者がどれだけ減量して何人の友人を失ったか統計を取ったところ、6キロ減量するごとに友人が2人減っていることが判明したのだ。また痩せたことで友達を失った理由として、以下のような理由が挙がっている。
1位:痩せたことを嫉妬している 65パーセント
2位:ライフスタイルと価値観の変化 53パーセント
3位:友達付き合いがうまくいかなくなった 36パーセント
同サイトの代表者は、「減量すれば、誰が本当の友達か見極めることができるようです」と、皮肉を込めて語っている。
減量が成功したことを喜んでくれるのが本当の友達だろう。もしくはお互いを励まし合いながら、友達と一緒に減量を頑張るのも一つの手かもしれない。

色々と解釈の余地のありそうな話なのですが、以前からの友達を失ってもまた新たな友達を手に出来るチャンスとも言えるかも知れませんね。
おまけがつくと言えば何とはなしにうれしいものですが、そのおまけの内容によってはいささかどうなのか?と言うのがこちらのニュースです。

【海外:アメリカ】投票者にはもれなく無料でマリファナプレゼント!?(2014年6月3日日刊テラフォー)

火曜日に行われるカリフォルニア州サンノゼ市の市町村選挙に投票した有権者には、市の医療用マリファナ薬局からタダでマリファナが貰えるかもしれない。

今回の選挙では、新しい市長に加えて、市議会の半数の議席である5人の議員も選出する。
投票者にマリファナを配るという提案については、未だに議会で議論されているが、決定した場合、医療用マリファナを所持している薬局や診療所は、無料で投票者にマリファナを配る予定だ。
投票者は、ただ「投票済み」と記されたステッカーを見せるだけでマリファナが貰える。

「私たちは、これからサンノゼを引っ張って行く人たちに、大きなインパクトを与えたいと考えています。相応しい人が議員に選出されるのは、重要なことですから。」
と、シリコンバレー・マリファナ連合長のジョーン・リーさんは話している。
つまり、マリファナ配布は、よりたくさんの人に政治に興味を持ってもらい、投票所に足を運んでもらうことが目的なようだ。

しかしこれでは、賄賂ということで選挙法に引っかかりそうだが、大丈夫なのだろうか?
「確かに問題あるかもしれませんが、マリファナを提供している国だって問題があるのです。これは、いわばグレーゾーンですね。」
とアメリカ・マリファナクラブの創始者デイブ・ホッジズさんは述べている。

投票をする前ではなく、した後に金品を渡すのだし、あくまで“医療用”マリファナだから、“グレーゾーン”と言うことだろうか…。
さすがアメリカ。日本ならマリファナが登場するだけで、既にアウトだ。

まあしかし、投票に行けば何らかのインセンティブを…と言うアイデアは以前から検討されているところですけれども、よりにもよってそれかと言う疑問はありますかね。
最後に取り上げますのはこちらブリからのニュースですが、幸福の絶頂のはずが暗転と言う壮絶な事件とその見事なオチです。

【海外;イギリス】式直前に逃走した花婿がラジオで吹聴、聞いていた花嫁の叔母大激怒(2014年5月25日日刊テラフォー)

結婚式の祭壇に花嫁を置き去りにして逃走した花婿がラジオ番組に登場し、この出来事を吹聴したところ、運悪く花嫁の叔母がこのラジオ番組を聴いており、番組に参戦し、キツイ一言を据えられた。

マークさんは、イギリスのラジオ番組に電話をして、自分の結婚式の出来事を披露した。
そこでマークさんは、自分が式の直前に教会から逃走して、式を取りやめたことを語った。
「僕を乗せた車が教会の前に停まった時、僕はそのまま走り続けるよう、運転手に告げました。そして教会から1ブロック過ぎると、『家に連れて行ってくれ』と頼んでいました。」
この時、マークさんと結婚する予定だった女性は、近くのホテルで父と待機し、あと数分後に迫った式に備えていた。そして、女性の電話が鳴った。
それは、「花婿が教会に到着したから早く来て」ということを告げるはずのものだった。だが、実際に女性が電話口で聞いたのは、
「花婿が逃げちゃった!」
という全く正反対のものだった。

マークさんによると、この日以来2人は話し合いをすることもなく、そのまま別れたという。
マークさんは、自分が女性に対してしたことを、後悔はしていない。
「式を台無しにしてしまったし、酷い事をしたと思う。彼女にとっては最悪な1日だったと思う。でも、後悔はしていない。僕は、正しい事をしたんだ。
僕はただ、最後の瞬間に、自分がこの女性と結婚したくないことに気が付いたんだ。」
マークさんがそう語っている最中、サラさんという女性から番組へ電話があり、会話に加わった。
「私は、彼女の叔母です。アナタは彼女を祭壇に置き去りにしたのよ。でもそうしてくれて良かったと思うわ。だって、あなたはこんなにも卑劣な人間ですもの。
彼女は今、他の男性と結婚してとても幸せよ。」

マークさんと司会者が唖然としたことは言うまでもない。
サラさんの強烈な一撃の前に、マークさんは必死に弁明したが、もはやただの言い訳にしか聞こえなかった。

まあしかし、叔母さんの口出しがなくとも十二分に悲劇的な状況であることは言うまでもないのですが、わざわざそれを吹聴するのがブリ的紳士道たる所以ですよね。
一般的にこうした場合文字通り相手に不満を覚えたと解釈すべきなのでしょうが、何しろブリだけに新たに真実の愛にでも目覚めた結果である可能性も否定出来ないのでしょうか。

今日のぐり:「手づくりうどん せと庵」

倉敷市中心部の美観地区の近く、交差点の角地に位置するのがこちらのお店なんですが、老舗うどん屋っぽい店構えに加えて看板によれば地元倉敷名物のぶっかけうどんが売りと聞いては入るしかありませんよね。
中に入ってみますと主に仕切っているのは年季の入ったおば…もとい、おねえさんであるようで、家族経営だとすればこれに旦那さんと息子が入っているのでしょうか、そもかく色々と年季が入っています。
ちなみに時間帯にもよるのかも知れませんが、この日に関してはうどんは茹で置きでも見込みでもなくちゃんとオーダー後に茹で始めているようで、しかもある程度オーダーが揃ったところでまとめて茹で始めるものだから当然時間はかなりかかるのですが、まあ客数からすればこういうところはやむなきところでしょうか。

ぶっかけがメインと言うだけに何種類かある中で、とりあえず一番珍しそうな冷ごま風味なるものを選んだのですが、面白いのは肉ぶっかけや天ぷらぶっかけなど各メニュー間にほとんど値段差がないんですね。
それではどんな工夫があるかと見れば、見た目はごく普通のぶっかけそのもので、確かに表面に散らしたすりごまの風味がすると言えばするのですが、これをわざわざごま風味と言い張る意味はあるのか?とも思います。
ちなみにうどんの方は機械打ちにしばしば見られる妙に食感過多でガミーな噛み応えが目立つタイプで、これを硬めに茹でてあるものですからなかなかに歯ごたえには気合いが入っています。
もともと味の染み込みが悪いうどんに加えて倉敷ぶっかけと言うには妙に薄く出汁もあまり引けてないような汁ですから、噛んでいるうちに味のなくなったガムのようなもので飲み込むのが辛くなってしまいますね。
しかし見た目は倉敷風のフォーマット通りなのに、仕上がりのこの悲しさはなんだろう?とも思うのですが、強いて言えば釜揚げあたりの方がまだしもこのうどんには合うのかも知れません。

突っ込みどころと言えばメニューを見る限りうどん屋として標準的なメニューは一通りあるのですが、同じメニューが信州蕎麦でも出来ると言うのはどういう脈絡なのかですし、ぶっかけの他にもう一方の中心はホルモンうどんのようで、これ自体は今時珍しくはないんですがぶっかけ風の冷ホルモンうどんってなんなんだ?と妙に好奇心を刺激されます。
またうどん屋を標榜していながら何故かうな重が旨い安いと大きく売り出されていて、値段からしてとても国産とは思えないのはともかくどういう脈絡なのかこれも意味不明ですかね。
トイレなど設備面は見た目通り昭和風で味があると言えば味があるのですが、その割にメニューはファミレス並みにカラフルなのはミスマッチと言いますか、あるいは息子さん(らしき方)のお手製ででもあるのでしょうか?
全般的に接遇面ではあまり構わないと言いますか厨房内の仕事だけでも一杯一杯といったところのようで、スタッフの高齢化具合もみますと繁忙期にはオペレーション大変だろうなあとも思ったのですが、お店を後にしながらそもそもいつから続いているのだろう?とふと考えてしまいました。

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2014年6月14日 (土)

テレビインタビューは顔出しが原則になる?!

テレビ番組における「やらせ」「捏造」行為の蔓延は今さら言うまでもないことで、基本的にはウソだと思って見ている方がよさそうだと思えるのですが、特にこの方面でかねて定評があるのがフジテレビ及びその系列局である関西テレビで、特に関西テレビの場合はニュース番組なども捏造混じりであるとして名高いですよね。
これらの各局にまつわる捏造問題は今さらいちいち取り上げるのも馬鹿馬鹿しいほどありふれたものですけれども、最近出たものの中から幾つかを取り上げてみましょう。

フジテレビ「テラスハウス」内部告発!セクハラ・パワハラ・やらせ三昧の撮影現場(2014年5月28日週刊文春)

 フジテレビの人気番組「テラスハウス」の撮影現場で、制作スタッフによるやらせ強要や、出演者へのセクハラ・パワハラが横行していることが、複数の関係者の内部告発と、週刊文春の取材により明らかとなった。

 同番組は、若いタレントたちが海沿いの豪華なシェアハウスで共同生活を送る様子を、毎週ドキュメンタリーとして伝える「リアリティショー」とされている。だが実際には、現場に複数いるスタッフの振り付けにより展開が決まるという。
 その陣頭指揮を執っているのが、制作会社「イースト・エンタテインメント」の岡野耕太氏。岡野氏は個別にメンバーを呼び出し、威圧的な態度で、「こんなセリフを言え」「このメンバーと恋愛関係になれ」などと指示を出すという。
 また、彼は女性出演者へのセクハラ行為も日常的に繰り返していた。特に犠牲となったのは、人気急上昇中のグラビアアイドル・筧美和子。岡野氏は彼女のバストを鷲掴みにすることもたびたびあったという。

 これらの告発について、番組の責任を負うフジテレビは、「(やらせ・ハラスメント等の)事実はないと聞いております」としながらも、「出演者でそのように感じた方がいらしたとしたら大変残念に思います。今後、より一層細心の注意を払い制作に臨みたい」と回答した。

関テレ“虚偽”放送で謝罪 別人が家族演じる(2014年5月5日スポニチ)

 関西テレビが3月16日に放送した特番「千原ジュニアの更生労働省 元ヤン芸能人がダメ人間に喝!」に事実と異なる内容が含まれていたことを4日、放送とホームページで発表し、謝罪した。
 番組は欠点やコンプレックスを持つ人に課題を与え、芸能人が応援する内容。問題となったのは、若者5人を集めてカーリングチームを組み、1カ月間練習し、小学生の強豪チームに挑戦するコーナー。メンバーの1人の家族として登場した人物が実際とは違った

 関西テレビによると、収録の際、家族のスケジュールが合わなかったため、制作スタッフが別の人物に出演を依頼。代役を務めたのは、担当ディレクターの知人だった。番組内で、目標を見失った家族の更生を芸人に依頼したり、最後に感謝の意を述べる場面があったという。代役の続柄や発言内容については明らかにしていない。
 4月22日に番組制作の一部を委託された制作会社の担当ADが同社のプロデューサーに事実を報告したことから問題が発覚。番組を制作したよしもとクリエイティブ・エージェンシーから24日に同局に連絡があったという。

 関西テレビでは社内で調査チームを立ち上げ、4日までに大まかな事実を把握。この日「視聴者の皆さまの信頼を裏切ることになりましたことを深くおわびいたします」と謝罪した。18日午前6時30分から放送の「カンテレ通信」で経緯などについて報告する。
 この日は「さんまのまんま大全集」放送後の午後5時25分から、1分半にわたる謝罪放送が流された。同局は「レギュラー番組であれば番組内で謝罪できるが、特番のため、あらためて時間を設けた」と説明。「今回の件は重く受け止めている。事実が確認できた段階で、いち早く視聴者にお知らせすべきと思い発表した」とした。

毎回毎々「重く受け止め」た結果また同じ問題を繰り返すのですから何がどう重かったのか部外者にはさっぱり理解出来ませんけれども、こうした事例が発覚するケースとしてもちろん内部告発によるものも少なくないのですが、最近ではネット上で捏造番組がないかと目を光らせている方々も少なくないそうで、視聴率のうちの一定割合はそうした熱心な方々によって支えられているとも言いますね。
特に同情の余地がないのが別人が誰かに成りすまして証言等を行うと言うスタイルで、顔はモザイクで隠され声も変調されているものですから一体視聴者には誰が誰やら判らないのですけれども、当然ながらこうした成りすまし証言者の発言はテレビ局の意図通りに台本が書かれたものですから、成りすまされた方々の意向から全くかけ離れたものとなってしまいがちです。
当然ながら少なからずの危険を冒してまでも社会正義のために内部告発を行った方々などには酷く評判が悪い行為なのですが、こうした成りすまし行為を防止するためにとテレビ局側が打ち出した対策がそれはちょっとどうなのかと新たな社会的反響を呼んでいるようです。

テレビ「顔出し」基本に批判多数(2014年6月12日web R25)

6月9日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は、公式HP上で「顏なしインタビュー等についての要望」と題した委員長談話を発表。この談話では、モザイク処理などをして取材対象者を特定できなくする、いわゆる「顔なし」インタビューについて、「事実の正確性、客観性、真実に迫る努力などを順守するため、顔出しインタビューを原則とすべき」という考えを示し、ネット上で波紋が広がっている
この発表では、テレビ放送に「顔なし」を安易に用いることは「テレビ媒体への信頼低下をテレビ自らが追認しているかのようで、残念」と指摘する。そして、「顔なし」を避けるべく「取材対象者と可能な限り意思疎通を図るよう努めるべき」とし、「場合によってはその映像を使わないことも認めることがあってもよいのではないか」としている。

このことについて、日本テレビで、報道記者、宣伝プロデューサーを務めた片岡英彦氏はYahoo!ニュース〈個人〉で、
「『顔出し』であれば、テレビニュースの信憑性や正確さが視聴者にとって今よりも高まるとは私は思えない」
とコメント。またツイッター上でも、
取材内容の信憑性を顔出しでしか証明できないのは、結局テレビの信用性が失われているからではなかろーか」
より一層やらせだらけになるな」
と、「顔出し」すれば信頼性が上がるわけではないという人の声が多数投稿されている。また、
「顔出しインタビューで、受けた人がそれが原因で被害を受けたらどうする。原則にした場合、インタビューを受けない人も増えるだろう。様様な状況による結果の責任を取れるのか」
「いや、意味分かんないな。取材なりインタービューを受ける本人の意志を優先するべきだろ」
(すべて原文ママ)
と、「顔なし」は取材対象者側のプライバシー保護の観点から重要で、本人の意志を尊重すべき、と指摘する人も多い。

当談話では「顔出し」を原則とすべきで、「顔なし」はあくまで例外扱いと強調する理由としては、「行き過ぎた社会の匿名化」に警鐘を鳴らすという意味合いもあるようだが、ネット上では賛同を得ることができたとはいえないようだ。

顔無しだから成りすましが起こるのだ、それなら顔出しにすればいいではないかと短絡的に考えたわけではないことを祈りたいところですが、そもそも視聴者にとっては証言者がどこの誰であるかと言う知識は全くないのですから役者が成りすましていようが本人出演だろうが知らない誰かであると言うことに違いはないわけで、顔出しによる証言者の萎縮等ネガティブな影響の方が大きそうに感じますがどうなんでしょうね?
そもそも当事者を知らない第三者にとってはどんな顔の人間がそれを言ったのかよりも、どんな立場の人間がどんな内容の発言をしたかの方が重要なのですから、本来的にインタビュー形式を取る必要など全く無く文字情報やその読み上げで十分だし、そこに無意味な映像を付加しようとしてしまうからこそ証言者から拒否されて代役を立てざるを得なくなってしまうのでしょう。
そもそもトレーニングを受けていない素人のしゃべりなど聞いていてそう感銘を呼ぶものでもない場合がほとんどですし、情報はネットで集めるのが当たり前と言う今の時代の視聴者にとって見れば情報密度の低いインタビューシーンで放送時間を水増ししていると受け止められかねないと言うもので、どうも消費者ニーズと製作者側の感覚が乖離しているのかなと言う気がします。
この辺りはとりあえず絵がなければ番組にならないと言う制作側の固定観念あるいは強迫観念が根本原因にありそうにも思うのですが、そうした過剰な映像第一主義が被災地での取材合戦など社会的批判を浴びる数々のマスコミ狂騒曲の原動力にもなっているとも言えるわけで、これ以上さらに世間の感覚から乖離していく方向にカイゼンを進めて一体何をどうしようと言うのかですよね。

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2014年6月13日 (金)

いまだ甘い医療現場のセキュリティー

最近では企業経由での個人情報流出事件も全く珍しいものではありませんが、カード使用が当たり前かつ訴訟社会と言うアメリカにおいては日本とは比較にならないほど社会的影響も大きいと言うことなのでしょうか、日本のように現場担当者が謝罪して終わりなどと言うレベルでは済まない時代になっているようです。

セキュリティー対策はコストではない 米国で起きた「ターゲットの悲劇」の教訓(2014年6月9日日経ビジネス)より抜粋

 日本の経営者は米国で起きた「ターゲットの悲劇」をご存じだろうか。米国でもハッカーなどによる個人情報流出などは毎日のように起きているから、関係者も交通事故のように受け止め、やや感覚が麻痺していた。ところが、「情報セキュリティーのリスクも、ここまできたか」と経営者を最も震え上がらせた事件、それが米小売大手ターゲットが巻き込まれた深刻な事件だ。

ハッカー攻撃が原因でトップ解任

 ターゲットと言っても、日本では馴染みがないかもしれないが、売り上げ規模が全米5位という大手流通企業だ。その著名企業のCEOが今年5月、取締役会によって解任された。2008年からCEOを務めていたグレッグ・スタインハーフェルがその人だ。
 ハッカーによる攻撃で膨大な顧客の個人情報が流出して巨額の損失を出したことと、情報開示が遅れたことが解任の理由だった。
(略)
 大手流通業ではコスト削減のため、各店舗の電力消費と室内温度を常時モニターしている。ターゲットの場合、ファジオ・メカニカル・サービスという空調会社にモニターを委託していた。そして、ターゲットはウェブサイトで取引会社の1社としてファジオの社名を公開していた。それが致命傷だった。結果的にハッカーに「ここから入って」と言わんばかりの余計な情報開示だった。
 ハッカーはまず、ファジオの従業員にマルウエアを仕込んだフィッシング・メールを送りつけた。ファジオのセキュリティーは脆弱だった。同社では企業向けのセキュリティーソフトは使わず、個人用のフリーソフトを使用していた。
 ハッカーはターゲットのネットワークへ侵入できる暗証番号を盗んで、マルウエアをターゲットのシステムに忍び込ませた。昨年11月15日のことだ。

 システムのセキュリティーを常時監視していたのは、米ファイア・アイのインド、バンガロールチームで、11月30日、ターゲットのミネアポリス本社のネットワークに何者かが侵入していると警告を発した
 12月2日、ファイア・アイは再びターゲットに警告を発している。ファイア・アイのセキュリティー・システムには、マルウエアを発見次第、自動的に除去するというオプションがあったが、ターゲットはその契約をしていなかった。だから、手動で除去することになったのだが、ターゲットはすぐに行動に移さなかった。ぐずぐずしているうちに顧客データはどんどん盗まれ、外部へ流出した。
(略)
 ターゲットはセキュリティー全般をトラストウェーブという一流のセキュリティー企業に委託していたが、事件が発覚した2013年12月までにターゲットのセキュリティーの水準を業界水準まで引き上げることができなかった。経費削減という経営側の方針があったからだ。こうして情報セキュリティー上の盲点は、何年も放置された。

 今回の事件は、経営判断のミス以外の何物でもない。ターゲットの蒙った損害額は、被害補償も含めて2013年第4四半期だけで2600万ドルに上り、そのうち保険でカバーされたのは800万ドルに過ぎない。2014年に入ってもハッカー被害の後遺症が大きく、株価、売り上げともに低迷している。事件発覚後、ターゲットは組織を一変したというが、遅すぎたようだ。
(略)
 情報セキュリティーは企業の存亡を左右する時代になった。例えば、「ハッカーの侵入の可能性がある」という警告が、直ちに措置すべき事態なのか、それほどではないのか、その緊急度のレベルを表す「共通言語」を関係部門が共有しておくことが急務だ。
 この「ターゲットの悲劇」は、米国の企業社会に大きな反省を迫った。これまでは、顧客情報の流出事件が起きても、責任を問われるのはせいぜい、チーフ・セキュリティー・オフィサー(最高セキュリティー責任者、CSO)どまりだった。ところが、ターゲットではCEOがクビになり、もはやセキュリティー問題は会社全体の問題となったことを印象付けた。高校生ハッカーが大企業のCEOをクビにできる時代になったということでもある。
(略)

しかし記事中にもあるように警報がどのレベルの緊急性を有するものなのかと言う共通認識の重要さは別にハッキングに限ったものではなく、いわゆるコードブルーなどのスタットコールに誰がどの程度急いで駆けつけるべきかと言う院内の共通認識にもつながる話だと思いますね。
ともあれこのターゲット事件、もちろんその損害額の大きさも大問題ではあるのですけれども、現代日本のネットセキュリティレベルを考えるとこのレベルの対応でこれだけの大騒ぎになると言うのは非常に怖い話であって、むしろもっと杜撰な管理体制のもとで日常的に顧客情報流出をさせてしまっている企業の方が一般的なのではないでしょうかね?
個人情報と言ってももちろん様々なレベルがあって、今の時代色々と物騒ですから住所氏名が知られるだけでもどんなトラブルに巻き込まれるかも知れないですけれども、やはり直接的に金銭が絡むような情報に関しては非常に厳格な管理が求められるのは言うまでもなく、以前に金融業界の方と話した際にも非常に厳重な管理をしているのだなと感心し安心した記憶があります。
ひるがえって医療業界を見てみるとこれが全くのザルと言ってもいい状態ですが、先日もこういう事件があったと言うことが小さく報じられていましたけれども、むしろこうした事件が発生したことを問題だと自ら危機感を覚え届け出たと言うだけでも称讚されるべきなのかも知れません。

研修医が患者情報をUSBメモリに無断コピーし紛失 - 都立広尾病院(2014年6月6日Security NEXT)

都立広尾病院の非常勤研修医が、患者2人の個人情報やCT画像などを保存した私物USBメモリを紛失していたことがわかった。

東京都病院経営本部の発表によれば、同研修医が5月30日の朝に出勤し、鞄からメモリを取り出そうとしたところ、紛失していることに気が付いたもの。自宅を出る際にUSBメモリを鞄に入れ、自転車で病院へ病院へ出勤しており、その間に紛失したという。自宅や通勤途中、研修医室など探したが見つからず、警察へ遺失物届を提出した。

所在不明となっているUSBメモリは研修医の私物で、患者2人の氏名、年齢、性別、検査画像などが保存されていた。病院の許可を得ずにデータをコピーしていたという。パスワードなどセキュリティ対策は講じられていなかった

同院では今回の紛失を受け、画像データ出力の際には匿名化を原則とする方針に切り替えた。また対象となる患者とその家族に対して説明を行い、謝罪したという。

ちなみに公平を期すために言っておくならば、個人情報を入れたUSBメモリの紛失と言った類の事件・事故は別に医療業界に限った話でもなんでもないのですが、やはり報道等を見ていても大きく取り上げられるのは医療関係と教育関係に集中している印象があることで、届け出のバイアスを除いても多人数の個人情報を扱う機会があり、家に持ち帰ってまで仕事をするほど多忙であると言うことを示しているのでしょうか。
この場合多くの医師が世間知らずで情報管理の重要性に全く疎いことに加えて、往々にして組織の情報管理者よりも情報利用者(医師)の権限の方が強くなりがちなことも決して無関係ではないと思うのですが、例えばセキュリティ強化のためにあれやこれやと規制を強化しても「そんなことで仕事が出来るか!」と現場の反発も強いだろうし、何よりそれをかいくぐる悪知恵も持っているのが医師の厄介さですよね。
とは言っても院内ネットワークにつながったPCで夜毎に怪しげなサイト巡りをして全く危機感を抱かないと言うのはいくら何でも問題ですし、そうした現状ではなおさら物理的にそれが可能な状況にしておいてはいけないのだと思いますけれども、そう考えると小さなUSBメモリの類は持ち歩くなと規制するのも難しく、さてどう対策したものかと悩ましいところだと思います。

データコピー完全禁止レベルの対策を講じるのであれば、最も簡単かつ手軽な方法として院内のPC全てのUSBポートを物理的に塞ぐと言う方法がありますけれども、病棟内でも個人向けデバイスを持ち歩くような時代に別にデータを持ち出す目的でなくてもUSB経由で接続する機会は少なくないでしょうし、その気になればPCを解体してでもつなごうとする輩は必ず出てくるはずですよね。
もちろんPCから情報を取り出す手段は色々とあって、お手軽なUSBばかりに目をやっていても仕方がないのかも知れませんが、やはり利用者数が多いことからしても対策の上位には来るべきもので、その点でうっかり無くすことへの危機感の差やいざとなった時の位置情報サービスなども考えると、実はUSBメモリよりも携帯電話でも使った方がまだしも紛失リスクの点ではマシなのかも知れません。
ただこれも昨今では携帯から情報をあの手この手で引き出そうとする輩も少なくないことですから程度問題であって、取りあえず出す側の対策として重要情報ならいつ誰に提供したか記録くらいはしておくべきだろうし、主たる利用先だろう学会にしろ論文にしろ個人情報保護に厳しいのは当たり前の時代ですから、記事にもあるように最初から個人情報を削除した状態でしか出力しないと言うのも有効なんじゃないかと思います。
原理的なことを言えば画面を見ながら書き写した手書きメモを落とした場合でも個人情報流出となるわけですし、以前にも裁判沙汰にもなったようにちょっとした関係者の一言が回り回って大騒ぎになると言うこともあり得るのですから、最終的にはやはり個人個人がどれだけ問題意識を持つかで、結局医師らスタッフの側がどれだけこうした医療情報を重要なものと考えているかですよね。

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2014年6月12日 (木)

健康で長生きするための一番の大敵?

テレビなどでも「ぎんさん四姉妹」として最近よく登場されていますが、長寿姉妹として有名なこの四姉妹の長女さんが先日めでたく100歳を迎えられたのだそうで、世の中多くの人々が「やはり長生きには遺伝も関係しているのだろうな」と感じられたのではないかと思います。
もちろん遺伝的素因から家族内で多発しやすい病気と言うものは多々あって、逆に言えばそうしたリスクの少ない家系ほど長生きには有利だとは言えるのでしょうが、どうも長寿者の実際を調べて見ると必ずしも遺伝的素因ばかりではないのか?とも思わされる背景事情が浮かび上がってきているようです。

百歳以上の職歴に偏りあり 12%があの職業 第一次産業は危ない!(2014年6月5日週刊新潮)

 厚生労働省が公表した最新の調査では、100歳以上の日本人(百寿者)は5万4397人(昨年9月1日時点)に上る。調査がスタートした1963年の153人と比べると、およそ半世紀で350倍以上に急増したことになる。しかも今年3月までに100歳になる高齢者は2万8169人と見込まれていた。実に3万人に迫る勢いだ。高齢ゆえ亡くなる方も少なくないが、今後も増加傾向がやむ気配はない。

■12%が教員

 百寿者の履歴書に目を通して気付くのは“職業欄”の偏りである。
 東京都健康長寿医療センターの研究員・稲垣宏樹氏が説明する。
「東京都在住の百寿者男性が30代だった頃の職業分布を調査したのですが、農業や林業などの第一次産業より、第三次産業の従事者が多いことが分かりました。なかでも、教員の割合が際立って高い。昭和5年当時、30~34歳で教職に就いていた方の割合は全体の1%に満たないのですが、百寿者に限ると12%に上る。大学や高等女学校への進学率も、百寿者とそれ以外の方々とでは大きな開きがあります」
 約2000人の百寿者を調査した「健康・体力づくり事業財団」元常務理事の荻原隆二氏が分析するには、
「戦前の教員は尊敬の対象で、生徒にとっては絶対的な存在でした。このところ話題のモンスターペアレンツなんていませんから、ストレスとも無縁だった
 家庭環境や収入に恵まれ、高い水準の医療や食生活を享受できたことも、長寿に繋がった理由と考えられる。

■脳の活性化がポイント

 他方、東京都健康長寿医療センターの増井幸恵研究員によると、
「調査の結果、百寿者の多くは高学歴やホワイトカラー層でした。彼らに経済的な余裕があったことはもちろんですが、仕事の内容も長寿に関係していると思われます。たとえば、経理や企画立案、交渉などに携る仕事は、脳の活性化を促して高齢になっても認知機能が維持されやすいと考えられる。また、元気な百寿者には好奇心旺盛で社交的なタイプも目立ちました
 その好例が札幌市在住の石林清さん(101)。
「中央大学法学部を卒業して、商工会議所に勤めていた頃に企画したのが“さっぼろ雪まつり”です。その当時は“一升酒の男”と呼ばれてね。講演会に招いて親しくなった俳優の森繁久彌さんとも飲み友達でした。道議会議員として活動した時期もあります」
 聴力や視力、体力が衰えても、年齢を感じさせない魅力を放ち続ける百寿者たち。その高みを目指すのならば、まずは自らの“老いた生活”を省みるところから始めるべきだろう。

よく言われるように高収入・高学歴の人々ほど健康を維持する意欲が高く、実際に健康であると言う過去の調査結果とも一致する話なんですが、しかし教師と言うものがここまで目立つというのも意外と言えば意外ですよね。
教師が多いと言うのが偶然なのか理由があるのか、そもそも教師生活にはストレスは多いのか少ないのかと言う点も議論が多々あるところだと思いますが、この方々が若かった時代の労働環境を考えると肉体的に相当ハードで貧困率も高かった第一次産業が長生き出来ないと言うのは納得出来ることで、今の時代でさえ工業地帯の労働者では呼吸器疾患持ちが多いと言う傾向が感じられますよね。
ただもちろん今現在の現役世代が超高齢者になった頃に同じ傾向があるかと言えば微妙なところで、第三次産業従事者はろくに年金ももらえず青息吐息である一方で営農者は空気も良くストレスも少ない環境で健康に暮らしているだとか、工場勤めは厳しいメタボ健診のおかげで若年時からきっちり健康管理しているのに対して自営業は好き放題暮らしてあちらこちらにガタが来ている、なんてこともあり得るはずです。
ともかくも当時の社会情勢の中においてはホワイトカラー層の方が単純に生活環境も労働環境も良かったんだろうなと推測されるデータだとは言えそうなのですが、実は全く別の方面からこんな研究結果も出ているようで、双方を比較してみるとなかなか面白そうですよね。

「職場より家庭がストレス?」 最新研究の驚くべき結果(2014年6月10日日経ビジネス)より抜粋

家庭より、職場の方が、ストレスがない?」――。
 こんな衝撃的な研究結果が、先日、米ペンシルベニア州立大学の研究チームにより明らかにされた。ストレスホルモンと呼ばれる“コルチゾール”が、家庭にいる時の方が恒常的にかなり多く分泌されていたのである。しかも、この傾向は、

・性別
・婚姻の有無
・子どもの有無
・職務満足感の高低

に関係なく認められ、さらに、より多くの女性が、「家庭にいるときより、職場にいるときのほうが、ハッピーな気持ちだわぁ~」と答えたのだ。
 「マジ?」と、疑いたくなるこの論文は、タイム誌でも取り上げられ、アメリカで議論を巻き起こしている。
(略)
 まずは、この論文のタイトルから紹介する。原題は、
Has work replaced home as a haven? Re-examining Arlie Hochschild’s Time Bind proposition with objective stress data
(略)
 また、この調査では次の3つを、“ウリ”にしている(原著論文にするには、独自の視点を生かした“ウリ”が必要不可欠)。
 1つ目は、ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾール値(=客観的な指標)を用いたこと。
 2つ目は、ecological momentary assessment(EMA)を使ったこと。EMAは、「現象を、その瞬間に評価・記録する方法」で、記憶によるバイアスをなくし、評価の妥当性を最大限にできる。
 研究グループは、1日6回、決められた時間にアラームが鳴るように設定されたタブレットを被験者に配った。被験者は、アラームが鳴ると、(1)場所(仕事or 家庭)、(2)気分(ハッピーかどうか? を6段階で評価)、(3)ストレス(ストレスを感じているかどうか? を6段階で評価)、(4)コルチゾール値(頬をこすり測る)、の4項目を端末に記録するように指示されている。
 そして3つ目が、個々人の職場と家庭のストレス状態を比較したこと。
 多くのワークライフバランス研究が、「仕事に没頭したいのにできない」、「家庭に時間を費やしたいのにできない」といった、仕事と家庭の軋轢(ワークライフコンフリクト=WLC)から職場や家庭生活に及ぼすストレス度合いを検証しているのに対し、この調査では、EMAを生かし、その場(職場 or 家庭)の記録を、統計的に比較したのだ。

 で、その結果、以下の事柄が明らかになったのである。
※調査対象は、無作為に抽出された、米国北東部の中堅都市に住む、18歳以上の男女122人(女性75%、男性25%)。いずれも、自宅以外で週5日間就労するフルタイム労働者。

(1)性別、既婚・未婚、子どもの有無に関係なく、職場にいるときのほうが家庭にいるときより、コルチゾール値が低かった
(2)既婚者を、「子どものいる人」と「いない人」に分けて分析した結果、どちらも「職場」のコルチゾール値の方が低かったが、子どものいるグループでは、その差が小さかった
(3)男性と女性に分けて分析した結果、どちらも「職場」でのコルチゾール値の方が低かったが、女性が「職場」でポジティブな気分を感じていたのに対し、男性は「家庭」だった。
(4)収入を高中低の3つのグループに分けて分析した結果、すべてのグループで「職場」のコルチゾール値の方が低かったが、収入が高いグループでは、その差が小さかった

家の仕事は報いが少ない?

 これらの結果を受け、研究グループのリーダーであるダスマク准教授は、次のようにコメントしている。
「職場にいるときのほうが家庭にいるときより、コルチゾール値が低いという結果は、ホックシールドの仮説と一致するものである。また、それがワーキングマザーだけでなく、未婚者や男性にも示されたことは、『働くことは健康をプラスに導く』とする従来の理論を、裏付ける結果と解釈できる」
 「職場の仕事が有償であるのに対し、家庭の仕事は退屈でそれほど報いのあるものではない。それが、家庭のストレス度を高めている可能性は高い。特に女性は、家事や育児をより多く担っている分ストレスも多く、職場にいる方がホッとできるのだろう」
(略)

もともと前段階としてホックシールドの仮説と言うものがあって、これはワーキングマザーは就労時間を制度的に短縮する機会があるのに敢えて子供と過ごす時間を増やすよりも職場にいることを選んでいると言う事実があった、その理由として職場環境の改善が進んだ結果職場は居心地の良い場所となっている、特に家庭内と違って職場では頑張ればそれだけ認められ褒めてもらえると言う「報酬」が見込めるからだと言う仮説です。
母親がより安楽な環境を求めて職場に逃避すれば、子供は母親を呼び戻そうとわざと問題行動に走る、その結果ますます家庭内がストレスに満ちた環境になっていくというジレンマの解消をホックシールドは訴えたわけですが、どうやらこうした現象は性別や既婚・未婚に限らず発生している、と言うよりもむしろ子供のいない既婚者の方が職場に安らぎを感じていると言うのは、いわゆる「子は鎹」と言う言葉を実証しているのでしょうか。
ともかくも単純に考えてもいつも家庭内に引きこもって同じ環境でいるよりは外に出て空気を変えた方がいいんだろうなと思うのですが、先の記事と照らし合わせてみると昼間は仕事、夜は家庭と言うホワイトカラー層に対して、労働集約型でいつも家族と一緒に暮らす時間が長い営農者の方がストレスが多くなると言う解釈も可能ではあるのでしょうか?

家庭内のストレスとは何かと言えば様々な考え方もあるでしょうが、昔と比べると同じ屋根の下で暮らしていても一緒に食卓を囲むとか同じテレビを眺めると言った集団行動をする機会が激減し各人勝手に過ごすようになってきている、そして記事の終わりの部分にも紹介されていますけれども以前から朝食を皆で一緒に食べると言う家族ほど家庭内の各種ストレスに耐性が高く、家族の結びつきが強いと言う調査結果があります。
各人の生活サイクルや一日のスケジュールがバラバラなのに、同じ時間に起きて同じように食事をするならそれは我慢強くもなるだろうと考えてしまうのですが、興味深いのはアメリカにおいても小学生に同種の調査を行ったところ家族と一緒に朝食を食べる子供ほどストレスに強く、自立心があり、人生に対する満足度が高いと言う結果が出たそうですから、単純に我慢強いと言うだけではなさそうですよね。
もちろんどちらが原因でどちらが結果なんだと言う話で、ストレスに弱く人生に悲観しているような人が家族と一緒に毎朝の朝御飯を食べると言うのもあまり想像出来ない話ですから、「よ~し!うちも最近ちょっとぎくしゃくしてるから明日からみんなで早起きして一緒にご飯食べるぞ!」なんて張り切りすぎるのもどうなのかですが、前述の二つの記事においていずれもストレスと言うことが大きなポイントとなっている点に留意ください。
年中家に引きこもるよりは外に出た方がストレスも溜まらないのだろうし、心身のストレスは多いよりも少ない方が長生きが出来そうだと言うことであれば、やはりストレスなどと言うものはなるべくなら少ない方がいいんじゃないかと言うことなんですが、世界的に見ても我慢強いと言われる日本人の民族性はストレス耐性が高いと喜ぶべきなのか、それとも日常的に強いストレスに慣れてしまっていると悲しむべきなのかです。

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2014年6月11日 (水)

医者は不養生、と言うわけでもない?

先日も取り上げましたように勤務医自殺に関する民事訴訟で上司のパワハラが認定されたと言う件で、その後原告被告の双方が控訴に至ったと言うことが報じられていますけれども、被告側にしても指摘されているような行為自体は実際にあったと認めていると言うことで、判決の行方如何に関わらずやはり今の時代暴言暴行当たり前と言うやり方は通用しないと言うことを改めて学んでいただきたいものだと思いますね。
ところで先日司法系の相談サイト「弁護士ドットコム」で「勤務医に労基法は適用されるのか?」と言う記事が出ていまして、もちろん答えはイエスであることは今の時代の医師なら当然に知っていなければならない常識ですけれども、実際問題ブラック企業も真っ青な勤務状況を当たり前に強いられている職場などいまだに幾らでもあるわけですが、その状況に関してややブラック企業とは異なる事情があるようにも思います。
ブラック企業の場合働かせる方は法律上のルールも知った上で法の網をかいくぐって搾取すると言う故意性が強いと言えますが、医療現場の場合は働かされる側も働く側もそもそも法律上のルールに全く無知であって、「昔からやっていることだからこれが当たり前」と言う素朴な感覚で今の時代にあり得ない労働を継続していると言う側面がありますよね。
もちろん職場の管理者など労働を命じる側が法規に無知であるのは言い訳の余地のない怠惰としか言いようがありませんが、個人の権利と言うものはそれを自ら主張することによって初めて擁護されると言う面が多々あることを考える時、研修医として社会に出る以前に一通りの労働者としての常識は学んでおくべきだと言う気がしますが、まあ搾取…もとい、働かせる側の大学がそれを進んでやりたがるかどうかですよね。
いささか前置きが長くなりましたけれども、やはり過労死のリスクもある長時間労働を強いられていると言うことは健康面での不安も大きいということですが、その点に関して本来健康管理のプロフェッショナルであるとも言える医者自身の健康管理は一体どうなのかと言う記事が出ていたので紹介してみましょう。

「医者の不養生」は本当だった!(2014年6月9日日経メディカル)

 古くからあることわざ、「医者の不養生」は本当か――。日経メディカル Onlineが医師自身の健康状態について2286人に聞いたところ、67.6%が何らかの持病が「ある」と答えた。最も多かったのは高血圧で、脂質異常症、アレルギー(花粉症など)、腰痛・関節痛と続いた(図1)。

 回答を年代別に見ると、年代が上がるほど「持病あり」と答えた医師の割合が高くなり、30歳代は5割程度だったが、60歳代では8割以上が何らかの持病を抱えていた。30歳代ではアレルギー(花粉症など)が多かったのに対し、年代が上がるほど高血圧や脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病が多くなっていた(図2)。胃炎・胃潰瘍は40歳代でのみ5位にランクイン。中間管理職として、苦労を抱える医師が少なくないのかもしれない。

 調査では、薬の服用状況についても尋ねた。高血圧があると答えた医師のうち、降圧薬を常用している医師は8割以上に上った一方で、脂質異常症や高尿酸血症は6割、糖尿病では5割程度にとどまった(図3)。

 今回の調査から、多くの医師が生活習慣病をはじめとする何らかの持病を抱えていること、一方で薬物治療に積極的でない医師が少なくないことがうかがえた。現代においてもやはり、「医者の不養生」が実態としてあると言えそうだ。

基本的な傾向として若い頃は症状訴えが強い疾患が多く、年齢が進むにつれて無症状ながら重大疾患の原因ともなり得る生活習慣病などの慢性病が増えてくると言う傾向は一般社会と同じ傾向ではないかと思いますが、こういう記事を見てむしろ気になるのが医師と一般人とで受診行動にどれだけ差があるのか?と言うことですよね。
例えば最近ドック学会が高血圧の基準値を変更したと話題になっていて、外来などでも高血圧患者の投薬拒否が続いて困っていると言う話もちらほらと側聞しますけれども、医師と一般人とで高血圧の治療に対して開始時期や治療意欲に差が出るのかどうか、要するに様々な医学的知識を持っている医師は一般人と比べて治療に積極的なのか消極的なのかと言う点です。
それを推定させる一例として健診等で脂質異常を指摘された人の比率はおよそ1/3程度と高いのですが、実際に治療を受けている人はその3~4割程度と言いますから必ずしも高いものではなく、症状もないだけに差し迫った危機感が抱きにくい脂質異常症が軽視されがちであると言われる所以ですが、医師の場合脂質異常の内服率が6割だと言いますからこれは一般よりもむしろ高いとも考えられます。
明確な結論を出すにはいささかエヴィデンスとして不十分ですが、特に困る症状もなければ緊急性もないが将来の大病の原因となる脂質異常に関してこういう状況であると言う点からすると、巷間しばしば流布されている「医者の不養生」と言う言葉は必ずしも適切ではなく、むしろ医師は自らの専門的知識に基づいてこれは有意義と考える治療はちゃんと受けていると見るべきなのかも知れません。
そしてそうした積極的なリスク管理の意識があり実践も行っているにも関わらず医師の過労死が一般平均よりもかなり多いと言った現実をどう考えるべきかで、しばしば言われる医師の平均寿命は一般人よりも10年短いと言う話はあくまでも文献的検討ですけれども、イギリスの調査でも小児科医の寿命は全医師中でも最も短かった、その理由は不規則な仕事とストレスの多さだと言われると何やら納得してしまいそうにはなります。
いささか脱線しましたが、必ずしも不養生ではないとしても医師自身が何をもって有意義な治療と考え積極的に治療をしているかと言う点も問題で、このいわゆる「プロが選ぶ」治療とはどのようなものなのかと言うことは多くの一般患者さんも非常に気になるところだと思いますけれども、先日なかなか興味深いこういう記事が出ていたことを紹介しておきましょう。

医師がよく飲んでいる薬は?(2014年6月10日日経メディカル)より抜粋

 日経メディカル Onlineが医師自身の健康状態について2286人に調査したところ、常用薬が「ある」と答えた医師が約半数に上った(図1)。2~3種類の薬を服用している医師が多かった。最も多かった組み合わせは、降圧薬と脂質異常症治療薬で、146人がこの2種類を含む薬を服用していた。
(略)
 薬のこだわりとしては「先発品を使う」「ジェネリックを使わない」という意見が34人から寄せられた。一方、「患者さんに出す以上、自分もジェネリックを使う」(50歳代男性、内科開業医)という意見も。ただし、あえてジェネリックを使うと答えていたのは4人にとどまり、現状では少数派のようだ。

自身で使って気に入っている薬や、薬についてのこだわり

・アメリカで不眠時にメラトニンを服用してよく効いて以来、メラトニンを服用していた。現在はロゼレムを使っている。(50歳代男性、小児科勤務医)
・メタボ予防に防風通聖散。(40歳代男性、精神科勤務医)
・感冒症状の場合、漢方薬をファーストチョイスにしている。(30歳代男性、循環器内科勤務医)
・きつい飲み会の前は五苓散を飲む。(20歳代男性、内科勤務医)
・不整脈のために服用しているβブロッカーは、過緊張や不安感にも効果があるように感じる。(30歳代男性、内科勤務医)
・SGLT2阻害薬を食べ過ぎる予定の時に頓用する。(30歳代男性、内分泌・代謝内科勤務医)
・PL配合顆粒を飲むと眠くなるので、かぜでつらいときは半分睡眠薬代わりに飲んでいる。(30歳代男性、呼吸器内科開業医)
・よほどでない限り、薬は極力服用しない。(50歳代男性、内科勤務医)
・生活習慣病の薬はとりあえず自分で試して、よさそうなら患者にも出す。(50歳代男性、泌尿器科開業医)
・在庫になっている薬を自分で使って整理する。(50歳代男性、内科開業医)

まあしかしあまり突っ込むのもどうかと思いますが、確かに有効なのでしょうけれども保険診療上それはどうよ?と言う目的外使用が相応に多いと言うのも医師の暴走と言うべきか自らを犠牲にした人体実験と言うべきか微妙なところなんですが、実際にその効果はどんなものなのか?と興味が湧くところではありますよね。
前段の医師の治療率が意外に低いものではないと言う話とも関連するのですが、とりあえず患者さんに処方する前に自分で試して見ると言う方は意外に多いようで、この辺りは特に生活習慣病のように有病者は多いが症状があるわけでもなく本人の病識に乏しいと言った場合、「僕も使ってるんだけど良いよこれ」式の勧め方は確かに有効なんだろうなと思います。
風邪の初期に漢方薬をよく使うだとか、同系統の薬の中でも特定銘柄にこだわりがあると言った点も概ね了解可能な話ではあるのですが、ここで注目したいのは先発品に対するこだわりを相応に多くの医師が口にしていることで、意識してゾロ(ジェネリック)は使わないとまで断言されるとこのご時世に何じゃそりゃ?患者には安い薬を使わせているくせにと言いたくなる国民やお役人の方々も多いのではないでしょうか?
ただ過半数の医師が「ゾロは効かない(ことがある)」と考えていて、3%の医師は一切ゾロを処方したことはないと答えていると言う調査結果もありますから、2286人中34人(1.5%)が自分にはゾロを処方しないと言うのは患者に対する比率よりも低いとも言えるかも知れずですし、そもそも比率から考えると大多数の医師は強いこだわりはないと言う解釈が一番妥当なのかも知れません。
ともかくも患者側からすれば「医師は自分にはこんな薬を使っているのに、患者には全く違う薬を出すのはケシカランじゃないか」と言いたくなるかも知れませんが、あくまでも病気のことを判っている医師が常時症状を見ながら自己責任でやっていることであって、何の知識もない一般人が同じことをやればうまくいかないだけでなく、下手すれば健康を損なう可能性すらあることは強調しておくべきかとは思いますね。

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2014年6月10日 (火)

お薬手帳と20円

今春の診療報酬改定で薬局での処方薬を記載、管理するいわゆる「お薬手帳」についての報酬改定が行われた結果、薬局で薬剤服用歴管理指導料を満額算定するためには残薬の確認やお薬手帳への記載などが必須となりましたが、この結果「お薬手帳を持たなければ薬局での支払いが(3割負担の場合)20円安くなる」と言う現象が発生することになりました。
お薬手帳に関しては東日本大震災でも特例で手帳があれば処方箋なしでも持病の薬がもらえたりと大活躍でしたが、特に急病や本人が服薬内容を十分に理解していない場合、複数の薬局をかけ持ちしている場合等々数々の有益な効能があることは言を待たないのですが、持っていた方が有益であるのは理解していても有料(コスト高)となるとその利用を躊躇するのも人として当然と言えば当然の心理ですよね。
診療報酬改定から二ヶ月が経過して、普段診療報酬にあまり興味を持たない方々の間でも「手帳を出さない方が薬局の支払いが安かった」と言う事実が認識され始めたと言うことでしょうか、最近こういう動きが世間で広まってきていると話題になっています。

「お薬手帳断ろう、20円安く」ツイッターで拡散 薬局などは有用性PR(2014年6月8日産経新聞)

 「お薬手帳を断れば、薬局の支払いが20円安くなる」。医療の値段である診療報酬が4月に改定されたことを受け、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」でそんな情報が広がっている。薬剤師などの医療従事者からは「自分の健康を守る手帳なのに、安くするために断るという考え方はなじまない」と戸惑いの声が上がるが、現場では手帳を断る患者が増えている。薬局側は「有用性を分かってもらうことが大切」として説明を強化し、理解を広げたい考えだ。

 お薬手帳は、医療機関で処方された薬の名前や処方量などをシールで貼るなどして記録、管理する手帳。他の医療機関で出された薬との飲み合わせや過去の処方薬の確認ができることから、全国の薬局で取り入れられている。東日本大震災ではカルテを流された医療機関もあったが、患者が持参したお薬手帳が診療の大きな助けとなった

 従来、手帳への記載などで薬局が得られる「薬剤服用歴管理指導料」は410円だったが、4月の診療報酬改定で手帳が不要な人への指導料は340円に減額された。3割負担だと自己負担額は20円安くなる計算だ。

 ネット上では「手帳を断れば20円安くなる」「20円を得るため、薬局は勧めてくるので断ろう」といった情報が拡散。逆に「20円のために健康を危険にさらすのか」などの反論も続出している。

 厚生労働省は「安くなる裏技のように情報が広がるのは好ましくない」とするが、「患者側が手帳にメリットを感じていないから、そういう意見が出るのではないか」と医療者側にも責任があるとする。

 こうした事態に、薬局も対応に本腰を入れ始めた。全国で調剤薬局を展開する「アイセイ薬局」(東京都千代田区)によると、お薬手帳を断る患者は1割ほどで、4月以降増えているという。同社は「診療報酬が改定されたのは、お薬手帳の運営が形骸化しているという批判があったからだろう」と分析。患者に手帳の有用性を説明するため、薬の飲み合わせによる副作用事例などをまとめた冊子を作成中だ。

 こうした動きは多くの薬局に広がり、ポスターを掲げたり、チラシを配布したりする店舗も。アイセイ薬局の担当者は「有用性をアピールするだけでなく、手帳が不要な場合は安くなることも伝え、患者の信頼を得ていきたい」と話している。

もともとはお薬手帳の交付と言う作業が形骸化して意味がないのでは?と言う疑問が先にあり、それなら算定の要件を厳しくしようと言う考え方で始まったことですから当然シールを貼るだけでなくきちんとした説明等も行わなければ算定してはならないコストですが、患者側からすれば毎回毎回同じようなことを聞かされ待ち時間も長くなる上に料金も高くなるのでは正直あまり有り難みがないとも言えますよね。
薬局にとってはもちろん患者一人あたり7点ずつ取れるかどうかで収入に差が出る理屈ですが、全国平均で薬局一つあたり月に約1000枚の処方箋を捌いていると言いますから単純計算で最大7万円の差と言うのはなかなか微妙なところかなと言う印象で、恐らく多くの薬局では手間ひまの増加や顧客トラブルのリスクを考えて「無理にはお勧めせず」と言ったくらいの扱いになっているのではないかと予想しますがどうでしょうね?
ともかくもこのお薬手帳の扱いが変わると言うことが決まった時点で果たして手帳は持つべきなのか否か?と言う議論がすでにあったのですが、医療従事者の考え方はまた別として客観的観点からの意見ということでこちら一般誌の記事から引用してみましょう。

4月から医療費が変わる!おくすり手帳は持つべきか、持たざるべきか? (2014年2月27日ダイヤモンドオンライン)
より抜粋

(略)
 今回の診療報酬改定では、医療費削減のためにおくすり手帳への情報提供は必ずしもしなくてもよくなった。だが、国民の健康を守るという観点からすると残念なことでもある。
 薬は正しく服用すれば病気の回復を助けてくれるが、使い方を誤ったり、飲み合わせを間違えると、大きな事故につながることもある。それを防ぐための重要なアイテムがおくすり手帳だ。

 薬局では、薬の名称、飲み方や使い方、1回の用量、副作用などが書かれた薬剤情報提供書が渡される。これを読めば、渡された薬の内容は分かるが、その他にも医療機関にかかっていて薬を服用している場合の飲み合わせまではチェックできない
 おくすり手帳は過去に処方された薬の情報を1冊にまとめているので、手帳をみれば「他の医療機関から処方された薬との飲み合わせは問題ないか」「以前にのんだ薬で副作用が出たものはないか」といったことが判断できる
 旅先で体調を崩して、現地の医療機関にかかった場合も、おくすり手帳を持っていれば、ふだん服用している薬がわかり、適切な治療も受けやすい。また、東日本大震災では、おくすり手帳を持っていた人は避難所での治療や薬の処方もスムースに受けられ、患者も医療者もその存在の有難さを実感していた。

 4月以降、医療費を少しでも節約したい人は、おくすり手帳への情報提供は省くのもひとつの手段だ。だが、希望者は、これまでと変わらない価格でおくすり手帳への情報提供を受けられるので、持病があって定期的に薬を服用している人やアレルギーがある人などは、自分の身を守るために引き続きおくすり手帳を持つことを勧めたい
 せっかく医療費を支払って情報提供してもらうのだから、おくすり手帳は健康管理に役立つように最大限に活用したいもの。ときおり、医療機関ごとにおくすり手帳を分けている人を見かけるが、過去の服用履歴をまとめておくものなので、手帳は1冊にまとめるのがポインだ。
 また、アレルギーの有無、過去に飲んだ薬による副作用、ふだんよく使う市販薬やサプリメントなども記入しておくと、思わぬ健康被害を防いでくれて、薬剤師から適切なアドバイスも受けやすくなる。

 おくすり手帳を「持つ」「持たない」の判断は、家計の節約だけではなく、自分の身体の健康を考えた上で決めるようにしたい。

そもそもお薬手帳を持参してもらうことで薬局にしろ医療機関にしろ飲み合わせチェックや常用薬確認などの手間が省けるのですから、世間一般の常識から考えても手帳を持参しなければその手間の分高くなると言う形になってしかるべきだと思うのですが、医療現場のマンパワーを削減し医療費削減にも役立つはずのものをこうした扱いにしている診療報酬体系もどうなのかです。
ただSNS等で情報を広げているのは主に若年世代の方々だと思いますけれども、こうした方々の多くは日頃から持病を持っていたりすることもなくたまに医療機関に受診する程度でしょうからそもそも手帳を持ち歩くのが面倒くさいでしょうし、風邪薬をもらうたびに少しずつでも余分に支払いが増えるのはどうなんだと言う気持ちが働くのももっともではあるでしょう。
とりあえず医療の側から考えると定期的に病院にかかって薬をもらっているような方々はお薬手帳の一つも持っておいた方がいいだろうし、少なくとも定期処方薬の内容が変わった時には20円を支払ってでも記載をしてもらい説明も受けた方がいいと思いますが、それ以上に必要な時にきちんと手帳を活用出来るかどうかも重要だと思いますね。
せっかく手帳を持っていてもかんじんな時には「家に置いてきた」では意味がありませんから、保険証や診察券とセットにして医療機関を受診する時には必ず忘れないよう持ち歩いていただきたいものです。

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2014年6月 9日 (月)

札幌医大の道内枠 さらに増える

少し前の記事ですけれども、本日まずはこちらの記事を紹介してみましょう。

研修医で地域医療維持 宮城・気仙沼での実践紹介(2014年5月19日読売新聞)

 東日本大震災の被災地で医療に携わった医師の川島実さん(39)が18日、兵庫県朝来市新井のあさご・ささゆりホールで「災害を乗り越えつながる地域医療」と題して講演し、医師不足に悩む但馬地域で医師を確保するヒントをアドバイスした。

 川島さんはプロボクサーとして2000年度の西日本新人王を獲得し、引退後に医師になった。11年にボランティアとして被災地を訪れ、地域で唯一の病院でありながら医師不在となった宮城県気仙沼市立本吉病院で院長を務め、総合診療を担った。

 川島さんは震災後に急増したアルコール依存症に対し、理学療法士やケアマネジャーらを交えた「他職種連携」で断酒会の発足に結びつけた取り組みなどを紹介。東京の病院を回り、研修医を毎月2人ずつ交代で受け入れて医師を確保した経験から、「研修医の教育機関として生き残る」ことを説明した。

 そのうえで、スタッフの適切なサポートで患者と研修医の不安を取り除いたといい、「無理に若い医師を定着させようとせずに、地方ならではの魅力を感じて残ってくれる可能性に期待したほうがいい」と助言した。

 講演会は市と公立豊岡病院組合が主催し、市民や医療関係者ら約100人が聞き入った。

元プロボクサー医師として御高名な川島先生らの応援で辛うじて存続することを得た本吉病院の事例はこちらの記事などを始め被災地発の美談として各方面で紹介されているところですが、その裏事情とも言うべき医師不在に至った経緯に関してはあまり報じられることがないようで、いずれにしても同院が今後どのような経過を辿っていくかは未だ予断を許さない状況と言えるでしょうか。
本吉病院に限らず全国各地で医師不足を訴える地域は数限りなくあって、そのそれぞれで医師確保策と言うものが講じられているわけですが、しかし今回本吉病院で行われたような研修医を安く使い潰しの効く労働力として期待するのは臨床研修制度の趣旨から言って如何なものかと言う気もしないでもありません。
ただ将来に対して未だ自力だけで道を切り開くことの出来ない若手労働者を都合良く活用すると言うことは医療に限らずどこの業界でも現実的に行われていることで、特に近年では一昔前にあれほど社会的なバッシングを受けた看護師の御礼奉公システムが医師の世界にも広がってきていると言うのは非常に問題なしとしない現象だと思うのですが、その点に関して本日はこちらの記事を見ていただきましょう。

札幌医大「道内枠」増へ 医学部入試、推薦は20人(2014年6月5日北海道新聞)

 札幌医大は4日、来年度の医学部の入試で、卒業後9年間、道内での研修や勤務を義務づける「道内枠」をこれまでの55人から、少なくとも75人に増やす方針を明らかにした。道外への医師流出を防ぎ、道内の地域医療に貢献する人材を育てる狙い。

 医学部全体の定員110人のうち、35人分の推薦入試については、これまで道内枠はなかったが、来年度からは20人分を新設する。残りの15人分については、これまで同様、道が奨学金を貸与し、一定期間を知事指定の道内の地方病院などで勤務すれば、奨学金返還を免除する「特別枠」とする。

 推薦以外の75人分の一般入試については本年度、道内枠が55人で、残り20人は勤務地などの条件がない「一般枠」だった。来年度からは道内枠55人の合格者を決めた後、残り20人は道内枠から漏れた志願者と一般枠の志願者の中から、成績上位者を合格させる。道内枠志願者が残り20人の枠で合格した場合、道内枠の入学者として扱う

色々と難しいことを書いているのですが、よく見ると110人の定員が実質ほぼ全部が道内枠+特別枠で将来を縛られていると言ってもいい状況で、特に一般枠で合格したにも関わらず道内枠として扱われると言うのはどうなのかとも思うのですが、この道内枠なるものは平成25年度入試に導入されてから短期間でここまで増えているわけですから、よほどに受験生からも好評であると言うことなのでしょうか。
ただこの札幌医大の道内枠と言うものがいささか普通と違うと言うことは以前に「新小児科医のつぶやき」さんが解説をしているので参照いただきたいと思うのですが、興味深いのは卒業後に御礼奉公をすると言う義務はあるにも関わらず奨学金等の物的な給付はなく、その結果卒業後の就労先縛りも借金返済のカタにと言うのではなくあくまで本人と保護者の誓約書に基づいた義務にしか過ぎないと言う点です。
そんな義務ばかりでメリットのない一方的な契約が成立するのか?と誰しも考えるところでしょうが、この道内枠で出願した場合には仮に道内枠で落ちても第二志望として一般枠に併願したことに自動的になると言うことで、言ってみれば二回チャンスがあると言うことですね(当然ながら一般枠で出願した場合には道内枠への併願扱いによるダブルチャンスは認められません)。
またそもそも札幌医大の学生は道内出身者で道内に残って勤務していく者の比率が非常に高いと言う現実もあったようで、その点で大学側としても可能であれば道内出身者を優先して入学させたいのに成績等の関係で出来なかったと言う事情があったのだとすれば、少なくとも大学側と地元学生との間では囲い込みによる道外出身者締め出しによってwin-winの関係が構築出来るのかも知れません。

ともかくも巨額の奨学金縛りが法的に極めてグレーゾーンであることは看護師の御礼奉公騒動においてすでに散々議論されてきたことで、医学部で近年同じ道を辿っていると言うのは非常に興味深い現象だと思っていたのですが、しかしこの札幌医大のシステムはそうした金銭縛りによるものではなくあくまで信義によるものであると言う点で、法的にはまた別な解釈が出来そうですよね。
ただ当然ながら借金ではなく紙切れ一枚であるだけにそれを破る心理的ハードルは低くなる理屈で、さすがにマッチング等の日程もありますから卒後初年(~初期研修期間の2年間)くらいは地元への勤務者も増えるのでしょうが、本年以降そのハードルを越えた方々がどれだけ誓約書通りに北海道内での勤務を続けていくのかと言うことは興味深く見守っていくべきかと思います。
別な方面でこの制度のメリットを考えてみますと、道内枠によって一般枠よりも医学部に入りやすくなる(すなわち、医師免許を得やすくなる)と言うメリットを札幌医大は学生に与えているとも言えるわけですが、ご存知のように近年医学部人気は非常に高まっている一方で、医学部定員は新設も含めほぼ上限に達したと見られていますから、医師になりやすい道を提供すると言うだけで学生への訴求力は大きいのかも知れません。
しかしやはり物を知らない若者を目先の利益で釣り上げて良いように利用すると言う点では既存の奨学金縛りとも何ら変わらないのは確かですから、学生はもちろん保護者の方々にしても利用前には十分に検討してから行われるのがいいだろうとは思うのですが、それでも今の時代にあってはこの程度のことはまだしも良心的な契約の部類に含まれるのでしょうか。

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2014年6月 8日 (日)

今日のぐり:「さむらい本館」

鳩に餌やりと言えば日本では何故かごく平和な光景とされているようですけれども、世界的に見ると必ずしも称讚されるべき行為ではないと言うことを示すのがこちらのニュースです。

ハトのエサやりを禁止されていた男性が、再びハトにエサをやり投獄(2014年5月30日日刊テラフォー)

イギリス・ランカシャー州モーカンの町の人々なら誰もが知っている「ハト男」が、ハトにエサをやり過ぎた罪で収監された。

ジョン・ウィルキンソンさんは、町で悪評高い男だ。
来る日も来る日も家の前の野生のハトに大量のエサを与え続け、その結果、2012年に反社会的行動禁止令を受けて、野生のハトにエサを与えることを禁止された。
もしウィルキンソンがハトにエサを与え続けた場合は、懲役の実刑判決が下ることもあり得ると、警告された。
こんな命令が裁判所から下るくらいなので、ウィルキンソンが家の前のハトにエサを大量に与えることがもたらす糞などの近所への被害は、きっと相当なものだったと予想される。

しかしそれでもウィルキンソンはエサを与え続け、2013年7月には罰金刑が下った。
その後も懲りることなく、ウィルキンソンはハトにエサをばら撒き続け、ついに先日、裁判所への出廷要請が出された。
裁判では、再三の警告を無視し、様々な禁止令に違反したとして、懲役6週間の実刑判決が下った。
「ウィルキンソン氏には、今まで何度もチャンスが与えられましたし、ウィルキンソンさん自身も、反社会的行動禁止令を逸脱しないようにすうることへの完全な理解を示していました。」
と、裁判所関係者は話す。

出所する時には、ハトへのエサやり病が治っているとよいのだが。

まあしかし不肖管理人が鳩嫌いであるから言うわけではありませんが、これほどの反社会的行為に対してまったく当然の報いと言うべきなのでしょうか、今度こそ過ちが矯正されることを期待したいですね。
今日はモーカンの町の方々の今後の暮らしが健やかなることを願って、生き物に絡んでのちょいと不可思議なニュースをお伝えしてみたいと思いますけれども、まずは今流行り?のこちらのニュースです。

母性に目覚め? 雄ヤギからミルクが出ると話題に 南あわじ(2014年6月5日神戸新聞)

 兵庫県南あわじ市の男性が飼育する雄ヤギの乳房が張り、ミルクが出ると話題になっている。2年前にもほぼ同じ状態になったが、今回初めて成分を雌と比較すると、乳脂肪分が雌より高く、“立派なミルク”と判明。家畜の専門家も「聞いたことがない」と驚く。

 雄ヤギは、同市倭文(しとおり)庄田のパン店経営玉置秀憲さん(58)が5年前から飼っている推定6歳の「ネギ」。現在はネギと雌2頭、子4頭がいる。
 5月27日、今年2月に生まれた2頭を母ヤギから引き離したところ、直後にネギの乳房が張り始めたという。子ヤギは母乳を求め、ネギの隣で一晩中鳴いていたという。知人で獣医師の山崎博道さん(69)=洲本市五色町=が6月3日、ネギの乳を搾った。
 ヤギには乳房が二つあり、ネギは右側だけが全長20センチほどに腫れ上がる。搾ると細い糸のようにミルクが噴き出し、雌よりも少ないが、約150ccを採取できた。
 記者が味見をしてみると、濃厚なコクが感じられた。これまでにもヤギのミルクを飲んだことがある山崎さんは「味には問題ない」と太鼓判を押す。
 ネギのミルクと、一緒に飼われている雌2頭のミルクを淡路島酪農農業協同組合(南あわじ市)が検査。乳脂肪分はネギが9・0%、雌2頭の平均が7・3%だった。
 玉置さんは「ネギは優しい性格。2年前もそうだったが、子ヤギの鳴き声に反応し、『母性』に目覚めたのではないか」と話している。(上杉順子)

元記事には動画まで用意されていて、いくらTSものが人気のご時世とは言え果たしてこれを飲みたいと思うかどうかが最大の問題ですが、しかし山羊乳と言うものはずいぶんと乳脂肪分高いものなのですね。
こちらも一体何がどうなったと思わず突っ込みたくなるようなニュースなんですが、まずは記事を紹介してみましょう。

ニホンカモシカ:迷い込んだ家の庭 格闘した柴犬大けが(2014年6月5日毎日新聞)

 5日午前5時50分ごろ、三重県松阪市伊勢寺町の会社員、奥田耕造さん(68)方の庭に、国の特別天然記念物のニホンカモシカが迷い込み、格闘した飼い犬の柴犬(しばいぬ)に38針を縫う大けがをさせる騒ぎがあった。妻の憲子さん(76)が犬を助け出し、110番したが、「可愛い顔をしているけれど、角を上下に揺さぶる様子が恐ろしかった」と振り返った。カモシカは猟友会などが麻酔銃で眠らせ、同日夕に現場近くの山に放された。

 同市などによると、迷い込んだのは体長約1メートル、体重15キロの雄。犬の鳴き声に気付いた憲子さんが庭に出ると、カモシカが長さ10センチほどの2本の角で犬を何度も放り上げたりしていたという。
 犬は14歳の雌で、腹や顔など10カ所以上を角で突かれていた。カモシカも右耳に犬にかまれたとみられるけがをしていた。

 奥田さん方では約17平方メートルの庭を高さ約1?2メートルの金属製フェンスやコンクリートのブロック塀で囲い、犬を放し飼いしていた。
 カモシカの保護に当たった同市の木野本和之文化課主幹(53)は「現場は県道沿いにあり、山から下りて車に驚き、飛び込んだのではないか」と話していた。【橋本明】

番犬として努力は認めるもののご老人に助け出されるようではどうなんだと言うところなんですが、しかし14歳ですから体格的に不利な柴と言うことも考えると老骨にむち打ってよく頑張ったとほめるべきなのでしょうか。
黒猫が前を横切ると不吉であると言う信仰があるようですが、こちらうっかりすると不吉どころか大事故にもつながりかねない珍事だったようです。

レース中馬群の前に猫飛び出す/大井競馬(2014年6月3日日刊スポーツ)

 3日の大井競馬第2Rで、各馬が直線に向いたところで、猫がコースの中に入り込み、馬群の約10メートル前を横切るという珍事が起こった。

 大井競馬場ではこれまでにも、レース中に猫がコース内に入る事象がまれに起こっていたが、馬群の目の前を横切ったのは極めて珍しいケース。

 TCKの広報課によると、4角付近に野良猫や捨て猫が複数住み着いており、これまでも継続的に対策を行い、つかまえて別のエリアに移動させていたが、また新たな猫が住み着くというイタチごっこが続いているという。レースの実施や騎手の安全性に支障を生じかねない事態だけに、さらなる対策を協議するとともに、ファンには猫を見かけてもエサなどを与えないでほしいと広報課では話していた。

いや今までにもネコ乱入あったのかよ!と突っ込みたくなる話なんですが、この珍事の結果思わぬ高額配当が発生したかどうかは気になるところですよね。
ネコの話題続きでもう一つ、こちらもまた一体何がどうなったと言いたくなるような意外性あるニュースです。

“おなら”が止まらなかった猫、引き取られて2日間で施設に戻される。(2014年4月22日ナリナリドットコム)

今年3月、米ニューヨークの動物保護施設に、新たな飼い主に引き取られてわずか2日で返された1匹の猫がいたという。やっと新たな家で幸せな生活を送れるようになったはずだった、オス猫のレニー。彼は環境の変化も災いしてか、引き取られた家でずっとおならをし続ける状態になってしまい、困った飼い主から保護施設に返されてしまったそうだ。

動物保護施設のFacebookなどによると、現在生後19か月のレニーは今年2月、ニューヨーク州ロチェスターの公園に捨てられているところを保護され、同州スコッツビルにある施設に入った。そして「かわいがられたり抱かれるのが好き」という人懐っこい性格も良い影響をもたらしたようで、3月下旬には見つかった新しい飼い主の家に引き取られていくことに。ところがそのわずか2日後の3月31日、レニーは再び保護施設へと戻ってきてしまった。
その理由は、レニーが「ずっとおならをする」ようになってしまい、困った飼い主が彼の飼育を諦めたから。この元飼い主の話によれば、レニーに対しては清潔な環境で世話をして、充分に「健康的な餌」も与えていたそうだ。それにも関わらず、なぜか引き取ってから2日間、絶えず放屁し続けていたというレニー。元飼い主は、もしかしたら彼の体質が「外で生活をするのに適応したのではないか」と考えるようになり、世話に困った結果、飼育を諦めて保護施設へレニーを返したという。
しかし、戻されてからのレニーには「何の問題もなかった」そうで、良好な健康状態アピールしたのは施設のスタッフ。元飼い主の世話の仕方は申し分なかったのかもしれないが、たまたま環境や餌の変化によって、彼の体は放屁が止まらない状態になってしまったようだ。

ただ、レニーにとって幸いだったのは、彼が入った施設が動物たちを「引き取り手が決まるまで残す」方針をとっていたこと。毎週30匹から50匹を引き取り、新たな飼い主に引き渡しているというこの施設は、彼が返されてしまった理由を逆手にとって、再び新たな飼い主探しを行った。
そしてレニーが返された3月31日、施設は彼をFacebookで紹介し、新たな飼い主募集の呼びかけを掲載。珍しい理由で施設へ戻された猫として、レニーはちょっとした注目を集めたそうで、その甲斐あって戻されてから1週間後の4月7日、また新しい飼い主が見つかったレニーは、再び保護施設を後にしたという。
また一時的にでもレニーが放屁するようになったとしても、新たな飼い主がじっくり見守ってくれることを願いつつ、今度こそレニーに落ち着いた生活を過ごしてもらいたいところだ。

件の症状はどのような理由があってのことなのかはっきりしませんけれども、しかしこれまた非常に珍しい状況であったとは言えるのでしょう、ともかくよかったですよね。
珍しいと言えばこちらも極めて珍しい光景だったようですが、まるで中の人でも入っているように見えますが全て本当の話だと言うのですからびっくりですね。

クマが庭のハンモックでリラックス 米フロリダ(2014年6月1日CNN)

(CNN) 米フロリダ州デイトナビーチの住宅地で、クマが民家の庭のハンモックに乗り込み、くつろぐ姿が目撃された。
民家の住人、ビンセント・ジェームズさんによると、クマが庭を訪れたのは5月29日の夜。ジェームズさんはCNN系列局WESHに対して、クマは2本の木の間に張ったハンモックを見つけると「まるで観光客のように」乗り込み、そのまま20分ほど横たわっていたと語った。
近くに住む男性が約20メートルの距離まで近づいて写真を撮ったが、クマは気に掛ける素振りも見せなかったという。

住民らの話によると、このクマは前日から出現し、食べ物を探してごみ箱をあさったり鳥の餌箱を倒したりしていた。
同州ではクマが住宅地に現れて人を襲うケースなどが相次ぎ、当局が注意を呼び掛けている。今年2月には、庭で複数のクマに大量の餌を与え続けていた81歳の女性が逮捕された。州当局は「クマに餌をやるのは危険」と警告したが、女性は「私がいなければクマが飢えてしまう」と主張して耳を貸さなかったという。

これまた元記事には動画があって、思わずロシアかよ!と突っ込みを入れたくなるような光景なのですが、当然ながら野生動物の扱いにはくれぐれもご用心ください。
こちら何とも珍しい光景が目撃されたというニュースですが、まずは記事の画像を参照いただきましょう。

男性とヤギの自転車2人乗りが目撃される 安定感すごいしなんだこれ!!!(2014年5月31日ねとらば)

 人間とヤギの自転車2人乗り。そんなの見られるわけないじゃんと思っていたら動画がありました。この衝撃(笑撃?)の風景の撮影に成功した方がYouTubeに動画を公開して話題になっています。

 撮影者のカメラが前方を走る自転車にズームインすると、そこには背中にヤギを乗せて自転車を走らせる男性の姿が。決して後ろのヤギを気にすることなく前だけをみつめてペダルをこぐ男性。その肩に両足を置きながら同じく前を見つめているヤギさん。両者ともにどっしりとしたバランス感覚を見せます。風を切って走るその横顔はどこかクール。

 YouTubeの説明欄には「アディスアベバ」とあるので、撮影されたのはエチオピアの首都でしょうか。ちなみにねとらぼの編集長はインドで同じ光景を見たことがあるらしいですよ。ヤギと人間の2人乗り……世界のどこかでは「これって日常だよね」という感じなのかもしれません。面白すぎるだろ、地球。

ごくごく当たり前に乗っているところがまた面白いなと思うのですが、しかしこの賢そうなヤギもこれからドナドナされていくところだとすれば何とももの悲しいものがありますよね。
最後に取り上げますのはブリからのニュースなのですが、一体何がどうなったと言う記事ではないでしょうか。

危険なリクライニングチェア!椅子にはまった犬を消防隊8人ががりで救出(2014年4月25日日刊テラフォー)

リクライニングチェアの下でうたた寝をしていたコーギー犬が、リクライニングという人間にとっては快適な機能のおかげで、チェアの中に閉じ込められてしまった。

3歳のコーギー犬プリンセスは、イギリス・ウェールズの自宅にあるリクライニングチェアの下で気持ち良くうたた寝をしていた。
そこへ、知ってか知らずか飼い主がやって来て、プリンセスが眠っていたリクライニングチェアの上に腰掛けた。
普通の椅子だったら特に問題はなかったのだが、飼い主が腰掛けたのは、背もたれや座席がスライドするリクライニングチェア。
心地よく座ろうと、椅子をズルッとリクライニングさせた時に、下で眠っていたプリンセルをすっぽり椅子の中に閉じ込めてしまった。

飼い主はリクライニングチェアのねじをはずして分解し、プリンセスを助け出そうとしたが上手くいかず、レスキュー隊を呼んだ。
レスキュー隊はなんと8人がかりでリクライニングチェアを分解し、プリンセスを救出した。
「犬が無事救出されると、飼い主はホッとした様子でした。犬も尻尾を振っていたので、犬もきっと嬉しかったのでしょう。」
と救出に当たったレスキュー隊員ジョーソン・カドマンさんは、当時の様子を話した。

どれくらいの大きさのリクライニングチェアだったかは不明だが、おそらく組み立てる時は8人もの人員は要らなかったはずだ。それが分解する時には、これほど大事になるとは、誰が予想しただろうか。
プリンセスが無事に救出されて何よりだが、リクライニングチェアに座る時は、下に何かないか注意した方がよさそうだ。

どうも状況がよく理解しかねるのですけれども、とりあえずブリでは日常と言う理解でよろしかったのでしょうか。
しかし世の中どこに思いがけない話のネタが転がっているか判らないものですが、話のネタにされる方はそれなりに大変なんだろうなと思いますね。

今日のぐり:「さむらい本館」

福山駅から少し南に下った辺りに位置するこちらのお店、見た目はそれほど目立つものではないのですが、入って見ますとなかなか立派な割烹のようです。
さりげなくメニューを見るとハモや和牛など様々なコースメニューも並んでいるのですが、何でももともとは天然物のとらふぐ料理が一番の売りなんだそうで、もちろん瀬戸内の幸を使った季節の料理なども豊富にそろってはいるようですが、そう言われるとやや残念な時期に来てしまったと言うことになるのでしょうか。

この日はメニュー選択は同行者にお任せだったのですが、最初に出てきた冷やし茶碗蒸しからして涼しげで夏の訪れを感じさせ期待感が高まりますよね。
夏の定番ハモの湯引きは皮目を少し炙ってあるのが香ばしいですし、炊き合わせも食材の選び方も面白いですし茄子などもいい味の含み具合で、おもしろいと思ったのは焼き物に夏つながりなのか鰻巻きが入っていたのですが、鰻屋に比べると鰻の味は濃すぎずの料理屋の味で食べ比べると興味深いですね。
揚げ物は茄子の挟み揚げが出てきましたが、火が通りにくいものではありますが最後はもう少し油の温度を上げてもよかったか?と言う感じでしょうか、ちなみにご飯は何故かコーンご飯だったのですが、粒のしっかり立った硬めのたき具合はいいとして、なんでも同行者の奥様も最近よく作られると言うのですがこれは世の流行か何かなのでしょうか?
ご飯の付け合わせの漬物などもちょっと珍しいものが並んでいますし、シャーベットなどもよくあるキンキンの過冷却状態ではないだけに口溶けは素晴らしく、これは最後まで油断できないと言う感じで楽しめました。

この日はふぐのような高い食材頼りの料理ではありませんでしたが、それだけにああそう来たかと言う料理自体の妙が楽しめるもので、今どき無難に味が調っている季節の品を並べる料理屋などどこにでもありますけれども、こういうことをされるとまた今度は違うものを試して見ようかと言う気にさせられるのはお店の思惑通りと言うことなのでしょうか。
ちなみに老舗ながら建物自体は新築なのかトイレなどの設備面は新しく充実しているのは安心なのですが、接遇面では本来はお店の格相応にきちんとしているのでしょうけれども、どこの職場もそうですが時節柄こちらでもただいま絶讚若手教育中なんだろうなあ…と言う様子です。
まあしかしこういう裏側が垣間見えると言うのも逆に教育がしっかり行われていることを確認出来て興味深かったですけれども、そうなりますと今度お邪魔するとしたらやはり半年程後がちょうどいいと言うことですかね。

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2014年6月 7日 (土)

荒れる教育現場 もはやそれはモンスター

本日の本題に入る前に、教育現場の荒廃が言われて久しいですが、この草食系全盛の時代に教育の場ではいささか事情が違うらしいと言う記事が出ていましたのでリンクのみ紹介しておきましょう。

【参考】挑発する生徒たち、教師にシャドーボクシング、「殺す、来いや」、手を払えば「体罰!」…それでも体罰認定される恐れ、教師たちは沈黙する(2014年5月22日産経新聞)

タイトルを見るだけで出落ちと言いますか見てそのままと言う記事なんですが、すでに以前にも当「ぐり研」で取り上げたようにいわゆる体罰批判と言うものが社会現象にまで高まった結果なのでしょうか、教育の現場ではすでに「学校はしつけを行う場ではない」と言うある種の諦観じみたものが広まってきているようです。
その結果何が起こるのかと言うことなのですが、今までであれば現場レベルの裁量による叱責で済んでいたものが停学・退学と言った明示されたルールに則っての処罰であるとか、あるいは警察の立ち入りによる刑事事件化に直結するようになったとも言え、所轄官庁であるところの文科省にしてからが「学校と警察との連携強化を」などと通達を出しているくらいですから何とも殺伐とした時代ですよね。
もちろん「いきなり処罰などもってのほか。正しく教え諭してこその教育だ」と言う方々もいらっしゃるでしょうが、現場教員にすれば「そのための手足を縛っておいて今さら何を言うか」と言うものですし、何よりその他大勢の善良な学童・学生にしてみれば他人の教育がどうあるべきかなど知ったことではなく、問題児はさっさと自宅謹慎なり退学なりにさせて教室の平和を回復して欲しいと言うのも一つの本音でしょう。
高校までが義務教育のアメリカでは近年高校中退率が10%を切るなど高かった退学率の改善が進んでいると言いますが、日本の場合中学校までは「義務教育だから」とまず留年や中退にさせることはないことからすると本当はもっと高い数字が出ていてもおかしくないとも考えられますから、アメリカ各地で行われている努力や工夫なども他人事と捉えず参考にしてもいいのかも知れません。

いささか前置きが長くなりましたけれども、システム的な優位を笠に着て無法行為を行うと言う点でこれら生徒達の振る舞いはまさに今話題のモンスターと何ら変わるところがないとも言え、実際に問題生徒に処分を課そうと思ったところがモンスターペアレンツが出てきてさらに話がややこしくなってしまったと言ったケースもままあるようです。
先日も某中学の実例として聞いた話では最近校内が非常に乱れていて、よく調べて見るとちょうどかつて校内暴力などさんざんなことを繰り返してきた伝説的学年の子供世代が在籍してやはり問題行動を繰り返しているらしいと言うことで、この辺りは遺伝なのか環境要因なのか何とも言い難いものがありますけれども、少なくとも親と学校とが緊密に連携して子供の非行を正すと言う環境ではなさそうですよね。
ただ逆に考えれば問題学童に対する教育についても単に教育論だけで対処しようとするのではなく、世にノウハウが蓄積されつつあるモンスター対策というものも応用が利くのではないかと言う期待もあるわけで、最近のクレーマー・モンスター関連の記事の中からヒントになりそうなものがないかと見てみました。

脅し文句に「やめてください」と言ってはいけない!(2014年6月3日ダイヤモンドオンライン)

常習クレーマーは「ネットで流すぞ」「消費者団体に言うぞ」など、さまざまな脅し文句でゆさぶりをかけてくる。こんなとき、「やめてください」と対応するのは最悪だ。脅しを“のれんに腕押し”に持ち込む「K言葉」を紹介する。
(略)
常習クレーマーとの攻防

「今日も繁盛してますね」
 妙に大きな声がして、菅原は店の出入り口を見た。店長は目配せで、その声の主が須藤であることを伝えた。
 菅原は須藤に駆け寄り、一通りの挨拶とお詫びをしたあと、本題に入った。
 まずは、店長の話をもとに事実関係の確認だ。ところが、途中で須藤が口をはさんだ。
「まあ、そんなところだよ。店員の態度は悪いし、なかなかセールをやらないし……。だいたい、裾上げも満足にできない。おかげで、楽しみにしていたパーティーに着て行くことができなかった。それなのに、なんの謝罪もない」
「さようでございますか。それは誠に申し訳ございません。改めてお詫びいたします」
(略)
「そんなありきたりな言葉で、僕が納得すると思う?」
 じわじわと緊張が高まる。そして突然、須藤が声を荒げた。
ネットで流すぞ!

脅しをどうかわすか?

 菅原は鋭い視線を感じた。しかし、ここでうろたえたら負けだ。おっとりした口調で応じる。
インターネットですか。困りましたね
「それなら、流してもいいんだな」
「困りましたね。でも、お客様のお考えですから、それに対して私どもがとやかく言える立場ではありませんから……」
 菅原には勝算があった。須藤が金品目的のクレーマーなら、ネットに流してわざわざ事を大きくするような真似はしないと踏んでいたからだ。
 予想通り、須藤の勢いはここで止まった。
(略)
脅しに対し「やめてください」と応えるとつけこまれる

 たとえば、クレーマーから怒声を浴びせられたら、「怖いです。怖くて、なにも考えられません」と、お手上げ状態を演じます。いくら相手がプッシュしてきても、「のれんに腕押し」「ぬかに釘」に持ち込めば、こちらの勝ちです。
 いわば、「K言葉」は究極のギブアップトークなのです。
 もちろん、K言葉が威力を発揮するのは、「ネットに流すぞ」と言われたときだけではありません。「行政(保健所、労働基準監督署、消費者庁など)に通報するぞ!」といった公的機関を利用した脅し、「会社の前で騒ぐぞ!」「ビラをまくぞ!」といった暴力的なイメージの脅しなど、さまざまな場面で有効です。
 ここで注意しなければならないのは、相手の脅しに対して、「やめてください」とは言わないことです。
 たとえば、「ネットで流すぞ」と言われて、思わず「やめてください」と答えてしまうと、「それなら、サービスしてくれるってことなんだな」などと、どんどん攻め入ってくるからです。

よく言われるように何らかの意図の元にそうあるよう振る舞っている常習的なモンスターと、特定の環境や条件によってモンスター化する一般顧客とがいて、このうち後者に対してはいかにモンスター化させないようにするかと言うことが接遇教育の要点として言われてきたわけですが、ライト層とも言える機会主義的モンスターと違って常習者の方は多くの場合「ああ言えば、こう言う」状態ですから余計に始末に負えませんよね。
日本ではいまだに「クレーマーこそ最良の顧客である」などと言って顧客の要求には丁寧に耳を傾けるべきだと説く人もいますが、アメリカなどは非常にこの辺りもドライに割り切っているようで、売り場で「この商品ちょっと具合が悪いんだけど」などと言えば取りあえず何ら文句もつけず即座に交換してくれる、しかしそれ以上の対応をしつこく要求した途端にクレーマーと認定されプロフェッショナルな担当者に回されてしまうと言います。
その方が効率がいいし現場スタッフのストレスも軽減される等々様々な利点もあってのことでしょうが、逆に日本人の目から見ると顧客の声にはいっさい耳を貸さないのか?と言う疑問もあって、一般に日本人ほど細やかな接遇が行われていないと言われる理由の一端がこの辺りの割り切りにあるのかも知れません。
ただ逆に言えば際限なく続き正しく解決される保障もないクレーム対応に現場スタッフが余計な神経をすり減らさずに済むと言うことは、その他大多数の一般顧客にとっては心身に余裕のある対応を受ける機会が増えると言うことでもありますから、結局のところ「顧客の不満は必ず解消しなければ」と力が入りすぎるのもよくないと言うことになるのでしょうか。

その点で教育の世界では「児童生徒は正しい教育を受ける機会を保障されるべきだ」と言う考え方は日本に限らず世界的にも法律に明記されるような権利となっていて、「こいつは問題があり過ぎるからさっさと切り捨てよう」と言った対応は(少なくとも義務教育レベルでは)なかなか難しいところではあるのですが、それでも相手によってはあまり深く関わりすぎない方がいい場合もあるとは言えるのでしょうね。
その基準の一つとして教師との一対一の関係で考えると「困っていると言う素振りを見せてはならない」と言うのはなかなか示唆的なものがあって、言われてみれば荒れている教室と言えば大抵教師がおろおろしているイメージがありますけれども、これなどは自己顕示欲旺盛なモンスターから見ればまさしく期待通りの反応と言うべきで、いわば教師自らが火に油を注いでいるようなものですよね。
もちろん不逞な輩が好き放題していても無視しろと言うのではなく、明らかに他の生徒に迷惑がかかっているような行為に関してはルールに基づいて即座に厳正な対応を取るべきだと思うのですが、一見すると下手に出ているようで実は高みから「だから何?」と返されてしまうと、確かに逆上して完全ルール無視の暴走に至るのでなければなかなかそれ以上絡むとっかかりが無くなりそうな気がします。
もちろんそう返す前提として教師側にもいつでも使える様々な対応手段や実力があると言うことも必要で、この辺りは昔から「怖い先生の前ではヤ○キーも大人しくしている」と言う判りやすい実例が示す通りなのですけれども、結局はいざと言う時に備えた制度的なバックアップの存在を大前提として教師の側も広い意味でレベルアップしていかなければ校内での権威は保てないと言うことになるのでしょうか。

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2014年6月 6日 (金)

整備の急がれる保育所が意外な受難

本日の本題に入る前に、今の時代少子化+核家族化で子育て経験値の低下が社会の様々な場面で実感されるように思いますけれども、特に子供が何かしら具合が悪いと言った場合にどうしたらいいのかと迷う親御さんも少なくないと思います。
近年では小児科医の不足や激務が広く知られるようになった結果様々な対策が講じられつつあって、不要不急の受診を控えようと言う呼びかけだとか自治体等による電話相談窓口の開設と言った対策も進んでいますけれども、それでもなお受診せざるを得ないとなった場合の受診マナーが先日女性向けサイトに掲載されていました。

ママは心得て!子どもを上手に小児科医に診てもらうポイント5つ(2014年6月1日ウーリス)

病気のお子さんをお医者さんへ連れていくのは、大変ですよね。お子さんがある程度の年齢になるまでは、当然ながら、保護者のサポートが必要です。
そんなお子さんの病気を、早く治してあげるには、親御さん側も、上手な診察の受け方を心得ておきたいところです。スムーズに診察を受け、お医者さんに正確に診察してもらえないと、病気が治らなかったり、長引いたり、ということもありますよね。
はたしてみなさんは、お子さんを上手に診察してもらっていますか? 今回は、子どものための医学事典『キッズメディカ安心百科・子ども医学館』(小学館)を参考に、お子さんを上手にお医者さんに診てもらうためのポイントを5つ紹介します。

■1:子どもの様子のわかる人が一緒に受診する
受診するときは、お子さんの症状をよくわかっていて、正確に説明できる人を連れていくのが一番です。お医者さんにとっては、いつからどんな具合なのかを詳しく聞くことが、大切な診断の目安となるからです。
やむを得ず祖父母などに頼む場合は、症状を祖父母に正確に伝えることはもちろん、経過を書いたメモなどを渡しておくのがよいそうです。

■2:脱ぎ着がラクな服装で
服装は、聴診などがしやすい、上下が分かれているタイプのもの、前開きのものが便利です。前の人の受診中にボタンをはずしたり、腕を袖から抜いたりしておくと、診察がスムーズに進みます。

■3:診察前は食べさせない
家を出てから受診するまでは、食べたり飲んだりは避けておきましょう。口の中を見るときの差しさわりになったり、おなかの触診で吐いてしまったりすることがあるからです。そうなると、正確な診断の妨げになることもあります。
お子さんがむずかるなど、やむを得ない場合でも、与えるのは少量の水やお茶にとどめておきましょう。

■4:症状を明確に伝える
お医者さんに、要領よく伝えることが苦手な方もいるかもしれませんが、うまく説明するのに自信がなければ、症状や経過、家で測った体温などを整理したメモを持参するとよいそうです。メモを見ながら、順を追って具体的に、そして手短に説明しましょう。これなら、伝え忘れも防ぐことができます。
また、心配ごとや疑問点もあらかじめまとめてメモしておき、診察後にまとめて質問するのがよいそうです。

■5:薬の飲ませ方は正確に聞く
お医者さんから薬の処方について説明がありますが、そのときに“何のための薬か”“いつ使うのか”“症状がおさまっても飲み続けるのか”などを確認しておくのがよいそうです。
薬の処方前には、お子さんがどんな薬を飲むのが苦手なのかを伝えておきましょう。たとえば、粉薬が苦手なら、そこでシロップなどに変えてもらえることがあります。

以上、お子さんを上手にお医者さんに診てもらうためのポイントを5つ紹介しましたが、いかがでしたか? お子さんを頻繁に受診させている方も、そうでない方も、うまく受診できているか、一度確認なさってみてくださいね。

何日も前からある症状を訴えて時間外にやってこないだとか、診察待ちの患者が行列しているのに不要不急かつ診療に関係のない話でいつまでも粘らないと言った項目も追加してもらいたいと思う先生もいるかも知れませんけれども、とりあえず小児科に限らず一般論として本人以外に客観的に状況を伝えられる人がつきそう、各種情報はいつでも出せるようにまとめておくと言った点は重要でしょうか。
また小児科にままあることとして子供が素直に診療に協力してくれないと言う状況が考えられますけれども、こういった場合も付き添いの方々の適切な協力が得られるかどうかでずいぶんと変わってくるものですから、子供自身もさることながら付き添いの方々に関してもやはり受診慣れしていると言うことは大事なことなんだと思いますね。
さて、若い世代を地域に呼び集めるためにひと頃宅地造成とセットで「近くに小児科あります」と言った売り込みがしばしば見られた事は記憶に新しいところですけれども、もちろんいざというときのために小児科医がいると言うのも安心ではあるのでしょうけれども、それ以前にこれだけ共働きが当たり前になってきますと日常的な託児施設の必要性の方が高まってくるのも当然ですよね。
このところ保育所が不足だとか待機児童が解消されないだとか言ったニュースがマスコミを賑わせているのも、少子化対策の一つの柱として共働き家庭においても安心して子供を預けられる施設の必要性が認識されているからだと思いますし、政府も来年度から子育て支援策として保育料の公費負担など対策を講じてきているようですが、やはり一番気になるのは箱が十分足りているのか?と言う点でしょう。
この点でも政府は保育所への財政的支援を拡大し経営的安定とスタッフの賃上げを図るそうで、さいわい各地の待機児童数を見る限りでは減少傾向が続いているようですけれども、これだけ社会的にも求められ国策としても充実が期されている施設であるにも関わらず、その実際においては意外に難航しているらしいと言う記事が注目されています。

隣に保育所、迷惑ですか? 騒音や事故懸念で建設難航(2014年6月3日朝日新聞)

 待機児童問題の解消が叫ばれるなか、住民の理解を得られずに、保育所の建設が難航するケースが相次いでいる。どうすれば子どもの居場所を確保できるのか。
 さいたま市内で昨夏、ある保育所の建設計画が撤回された。来春、児童90人を受け入れる計画だったが、住民の反対を受けて事業者が断念した。

 「静かな老後を過ごしたいと思って家を建てたのに」「送迎の車で住民が事故にあったらどうするのか」。昨夏の住民説明会では、こんな声が相次いだと事業者は言う。「保育所は迷惑施設としか思われていないのではないか」
 住民側にも言い分がある。建設予定地周辺の道路は、乗用車同士がすれ違うのがやっと。歩道と車道の区別はない。住民の一人は「朝夕の通勤・通学時間帯は、約2キロ離れた駅への行き来で人通りが多い。送迎の車で混雑すれば、事故の危険性が高まる」と話す。
 事業者は、駐車場を借りて路上駐車や渋滞を防ぐなどの案を示したが、折り合えなかったという。

 さいたま市内では、2011年春の保育所開設を目指した計画も白紙に。断念した社会福祉法人理事長は「住民の反対や地主の貸し渋りであきらめた計画は、他市も含め10以上ある」。
 福岡市でも、今春開園予定だった認可保育所の建設が中止に。市によると、送迎車の交通整理や目隠し設置などの案を事業者が示したが、住民側と折り合えなかった

■騒音対策「当たり前」

 全国の待機児童は、13年4月現在で約2万3千人。国は保育の受け皿を17年度末までに40万人分増やす方針を掲げる。だが周辺住民の理解を得られず、保育所の開設が難航する例が相次ぐ
 自治体担当者らからは「近所で子どもの声がしなくなったせいで、余計にうるさく感じられるのでは」「住宅密集地にも建てざるを得ず、住民の困惑も仕方ないのだが……」との声が漏れる。
 東京都内のある自治体は「二重窓ガラスや防音壁設置など『騒音』対策はもはや当たり前」。来年度開設予定のある保育園では、給食のにおいが広がらないよう調理室の排気口を真上に向ける。別の自治体には「園舎の壁の色が明るすぎ、反射してまぶしい」との苦情が寄せられている。

しかしゴミ処理場や火葬場など世に言うところの迷惑施設の類に対する住民反対運動は古来数知れずで、ついに保育所もその標的となったかと思ってしまいますけれども、実のところ前者のような理念的、感覚的な反対論以上にこの保育所反対論が深刻であると言うことは、長年その地域において運営されてきた保育所においてすら同種のクレームが少なくないと言うところにあるようにも思いますね。
そもそも子供が賑やかなのは当たり前で少々大騒ぎしていようが気にしないと言う場合の方が多いと思いますが、実際に反対論の論拠となっているのはまずほとんどが車での送迎にまつわるトラブルのようで、とりわけ多数の車が出入りすることを想定していない路地に朝夕ラッシュ並みの集中が起こることに対する現実的な懸念(そしてもちろん、実際的な迷惑)が大きいようです。
そもそも何故こんなことが問題になったのかですが、元々地域の保育所にお母さんやお婆ちゃんが徒歩や自転車で送り迎えしているうちは何も問題ではなかった、ところが現代では保育所不足のせいか以前よりも広範囲な集客を行う施設も増えていて、さらに核家族化+共働きで車での出勤の行き帰りに子供を送迎する親が激増していることが最大の理由となっているように思われます。

実のところ昔ながらの徒歩あるいは自転車での送迎を行っている保護者にとってもこの車による路地の混乱は相当な脅威となっているようで、何とか歩車分離等の対策を講じようと施設と地域とが協力しながら頑張っている場合も少なからずあるようですが、小規模施設の自助努力にはやはり限界がある上にそもそも車での送り迎えを禁止したのでは今度は親が仕事に行けなくなると言う話ですよね。
近隣の広い場所に乗り降りのためのスペースを設ける(駐車の必要はないのですから学校や公民館等他施設の協力を得るなどで幾らか確保はしやすいかと思います)だとか、あるいはそもそも自動車での送迎を減らすためにも専用の送迎バスを走らせると言った対策が必要になるところでしょうが、経営的に厳しい中で対策コストを捻出するためにはやはりこの面でも公的な支援は必要になるかとも思えます。
まあしかし、二重ガラスや防音壁は当たり前で給食の匂い対策から壁の色にまで配慮が必要と言うのでは運営する側も大変だとは思うのですが、スーパー等一般の民間施設であればさっさと工事を済ませてとっくに開業しているんじゃないかとも思えるのも確かで、本来地域にとっても必要性の高いはずの公的な施設ほど住民の視線も厳しくなり開設が困難になりがちだと言う逆説があるのですかね。

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2014年6月 5日 (木)

「忘れられる権利」検索結果の削除を命じる判決出る

この10年ばかりネットの一般化、大衆化と相前後するように既存マスコミへの批判とマスコミ離れと言うことが進行してきていて、その理由の大きなものとしてマスコミの報道が極めて恣意的であり、事実の一片しか伝えないばかりかしばしばあからさまな捏造まで行っていると言うことが明らかになってきたことが挙げられるでしょう。
そうなるとソース原理主義などと言う言葉もあるネットは隠蔽も捏造も存在し得ない素晴らしいメディアなのか?と言うことになるわけですが、ネットはネットで大きな問題を抱えているのだと言うことを示すのが近年各地で頻発するこちらのようなトラブルです。

グーグルに個人情報削除命令 EU司法裁(2014年5月14日日本経済新聞)

 【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)司法裁判所(ルクセンブルク)は13日、スペインの男性が自身の過去の個人情報が掲載されている内容をインターネット検索大手グーグルに削除するように求めていた裁判で、スペインの男性の主張を認める判決を言い渡した。個人情報保護の観点から、いわゆる「忘れられる権利」が認められた形だ。今回の判決は、EU内や世界的に議論を呼ぶ可能性がある。


グーグルに削除要請殺到、「忘れられる権利」サイト開設で(2014年6月2日ウォールストリートジャーナル)

 ルクセンブルグの欧州連合(EU)司法裁判所が個人の「忘れられる権利」を2週間前に認めたことを受けて、米グーグルは30日、欧州でユーザーからのリクエストを受けるためのウェブ上の専門フォームを利用できるようにした。
 フォーム開設以来数時間で、自身の氏名にリンクする検索結果の削除を求める欧州における個人のリクエスト件数は1万2000件を超えた、と事情に詳しい関係者は述べ、リクエストのペースは1分当たり20件にのぼると付け加えた。
 裁判所の判断以来、フォームが立ち上げられるまでの削除要請件数は「数千の前半」にとどまっていた。

 削除要請の殺到は、欧州でインターネットから自身のコンテンツを除去する需要が極めて多いことを示す例となった。観測筋は、これは裁判所の判断の有効性をめぐる重要なカギになると見ていた。
 業界団体の英国工学技術協会(IET)は「EUの判断とこれを受けたグーグルの『忘れられる権利』フォームの立ち上げは困難に満ちたもので、導入は不可能」と述べていた。
 判断の一部として、EU司法裁判所は、個人はグーグルや他の検索サービスに対し、もはや関連性に乏しく、あるいはプライバシーの侵害にあたると自身が判断した個人情報へのリンクの削除を要請できると述べた。ただグーグルに対しては、プライバシー保護に関わる権利と一般的な知る権利との均衡を図るべきとしたが、具体的な指示はほとんど行っていない。

 グーグルに近い関係者は、裁判所の判断の実行可能性や各要請に関して判断を下すためにグーグルが採用しなくてはならない人数は、受け取るリクエスト件数次第になると述べていた。
 ヤフーは30日、グーグルと同様に、「欧州のヤフー利用者にとって重要なプライバシー保護と表現の自由の権利の均衡につながると思われる解決策を考えているところだ」と述べた。

今回のEU司法裁判所における「画期的判決」の詳細はこちらWSJの記事を参照いただくとして、そもそも何故この判決が画期的かつ予想外のものであったと受け止められたかと言えばリンク先が合法であろうと非合法であろうと、検索エンジン運営会社は検索によって示される個人情報に責任を負いリンクを削除する義務を負うと明示された点にありそうです。
留意していただきたいのは当然のことながら、リンク先の元記事自体に対しては検索エンジン運営会社に削除等の責任があるわけではありませんけれども、検索する側としては適切な検索語を選べば特定の記事を任意に選び出すことが可能である以上、実質的には元記事につながる全てのリンクを検索サービス上から削除しなければならないと言うに等しいと言えそうです。
ご存知のように検索サービスに関しては元々yahooに代表されるように人間が一つ一つチェックしてサイトを分類・登録していくタイプのディレクトリ型と呼ばれる方式が主流であったものが、自動で機械的に片っ端からサイトを登録していくロボット型と呼ばれる方式を採用したgoogleがその圧倒的な検索効率で一気にメジャーになり、今やyahoo等においてもロボット型検索エンジンを併用していると言う状況です。
当然ながら自動で情報が収集され登録されるわけですからいわゆる反社会的なサイトや、一般公開するのに適切でないサイトまで表示されてしまうと言う問題点が以前から指摘されていたわけですが、逆にこうした特性によって「とりあえず何でも検索してみる」と言う社会的習慣が定着してきていることもまた否定出来ないところですよね。

最近ではこうした一方的な検索エンジンによる登録を嫌って趣味系のサイトを中心として検索避けと言われる対策も進んでいますけれども、一つにはディープな趣味に走る方々の場合世間一般から見るとしばしば誤解されやすい要素がままありますから、検索経由で何も知らない一般人が流入して余計なトラブルになるのを嫌うと言う心理も働いているようです。
ただ人間の解釈あるいは予断の入る余地がないロボットによる登録が行われた結果、人間の目には全く無関係にしか見えなかったものの間に思いがけない関連があると言ったことが見えてくるようにもなったのがロボット型検索エンジンの功績とも言えますから、一部に不都合が出てくるとしても「余計なことばかりしやがって」とばかりに何でもかんでも目の敵にしてしまうのももったいない話だとは思うのですけれどもね。
ともかくネット上の情報を探し表示すると言うだけのことをしている会社がどれだけの社会的影響力を持つに至ったかと言うことは各方面から指摘されている通りで、SF等に登場する社会を監視する不気味な存在になぞらえて警鐘を鳴らす声すらありますけれども、何しろ恣意的な選択の結果ではないだけに権力者にとっても末端の一市民にとっても同じように有意義でもあれば脅威でもあると言えるかと思います。
そこに敢えて恣意的な選択を働かせようとするのは時代に対する逆行であると言う批判も一方ではあって、冒頭に取り上げたような裁判に対しても社会的に有意義な情報の隠蔽だと批判する向きもあるのですが、いずれにしても現実的に判決の求めるような対応を取るための人的リソースがどれほど必要かと言うことを考えるだけでも、これは今後大変な社会的影響を持つものになりかねないと言う気はしますでしょうか。

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2014年6月 4日 (水)

近く導入確実な混合診療はどこまで認められるのか

ネタのような本当の話と言うのでしょうか、本日の本題に入る前にこちらの記事を紹介してみましょう。

治療で“カエル生食”続け死亡、怪しい民間療法の犠牲となる人々。(2014年5月31日ナリナリドットコム)

糖尿病は現代の医学技術や薬では完治させることができないと言われているが、世界を見渡せば多くの人が糖尿病に悩まされているのもまた事実だ。中国でも糖尿病患者は急増しており、対策が緊急課題となっている。そうした中、藁をもつかむ思いで民間療法に手を出す患者も増えており、中国の医師が警鐘を鳴らしているという。

中国紙揚子晩報などによると、半年ほど前、糖尿病治療にかかっていた54歳の林さん(仮名)は、友人から「毎日1杯自分の尿を飲めば糖尿病を根治できる」と言われて実践。“毒をもって毒を制す”と張り切って望んだものの、1か月もしないうちに体調が悪化、糖尿病の合併症のひとつである足潰瘍にかかってしまった。結局、それまでは順調だった治療がかえって長引くことになってしまったそうだ。

3年ほど糖尿病に悩まされていた50代の劉さんは、病院で薬を処方されて血糖値の制御はうまくいっていたものの、合併症は完治せず。そこで友人から伝え聞いた民間療法のひとつである“トノサマガエル食”を実践。2か月ほどトノサマガエルを生で食べ続けた結果、めまいとともにひどい頭痛に悩まされるようになり、不幸にもそのまま亡くなってしまった。そのとき、劉さんの身体は寄生虫だらけになっていたという。

こうしたケースを取り上げながら、東莞同済光華医院内一科の李玉鐘主任医師は「糖尿病を根治することは難しい。しかし、多くの民間療法が『糖尿病を根治できる』などと謳っており、犠牲になる人が後を絶たない」と警笛を鳴らす。民間療法とともに、“糖尿病に効く”などと謳っている健康食品の類も眉唾物が多く、「利用には注意が必要」と述べている。

何しろソースがソースだけに「そういうこともあるだろうな」で終わりかねない話ではあるのですが、怪しい民間療法に手を出してしまった結果お金も健康も失ってしまったと言うことは日本でもままあることで、そもそも医療保険の未整備な中国と違って日本では皆保険で安く効果が確実な治療が受けられるのに、わざわざ高くて効果がない代替医療に手を出す人が少なくないのも現実ですよね。
この辺りは患者が医療に求めているものとは一体何なのか、疾患コントロールがうまくいけばそれで満足しているのかと言う声もあり、医療現場における顧客満足度と治療コンプライアンスの関係を示唆する非常に興味深いテーマでもあるのですが、現実的に保険診療を行っている限り顧客満足度向上と言うことは別段格別評価の対象になるわけでもなく、唯一経営視点で見れば顧客が増えれば収入が増えてうれしいと言う程度の意味づけでしかありません。
多忙な現場スタッフにしてみればただでさえ過重労働なのだから、そういう方々は勝手にあちら側で過ごさせていればお互いにとって幸せになれるじゃないかと言う考えもあるかと思いますが、大抵の場合最後まであちら側に留まるのではなくこじれにこじれた段階で医療の側に来たりするものですから、こんなことになるのであれば最初からこちらで面倒を見ていた方が楽だったと嘆く先生もまた多いと言うことですよね。

さて、政府がこの6月にもまとめるとされる新成長戦略の大きな柱として混合診療の大幅な拡大というものが確実視されていると報道されているところで、もちろん各方面から賛成、反対の声が上がっていることは言うまでもなく、また皆保険制度維持を大前提に今のところは当然ながら患者の求めによって初めて行うオプションの付加的サービス扱いの位置づけは崩されてはいないようです。
ただ自費で行うことだから患者の希望第一で行われるべきだと言う考え方で医師と患者双方の合意があれば自由に行える「選択療養」制度の導入が検討されている一方、先進医療同様に一定の安全性、有効性が確認され将来的に保険収載されそうなものに限るべきだと言う考え方も日医等を中心に主張されていて、今後どこまで混合診療の範囲を拡大するかが争点になりそうだと言う状況ですよね。
そんな中でいわゆる民間療法や代替医療に見られるような、有効性を示す真っ当なデータが示されていない怪しげなものに関してはどうするべきかと言うことなんですが、規制改革会議の見解ではこのような扱いにしたいと言う記事が出ています。

規制改革会議が「選択療養」のルール・手続きの考え方(2014年5月21日日経テクノロジー)

 政府の規制改革会議は2014年4月16日、新たな保険外併用療養制度として提案している「選択療養(仮称)」の大まかなルールや手続きの案を提示した。根拠に乏しい医療は選択療養の対象から外すことなどを示した。同年6月をめどにまとめる答申に盛り込みたい考えだ。

 選択療養は、患者が希望する治療の保険診療との併用を個別に認める制度として、同会議が2014年3月27日に提案した。今回のルール・手続き案では、選択療養の対象から外す治療として、(1)「国際的なガイドラインに掲載されている」「一定レベルの学術誌に掲載・査読された2編以上の論文がある」「倫理審査委員会の承認を得ている」のいずれも満たさないもの、(2)最初からもっぱら保険外診療が目的のもの、(3)代替できる保険診療を受診せずに保険外診療を選ぶこと――を挙げた。

 また、患者と医師の情報の非対称性を埋める方法として、「全国統一的な中立の専門家」による評価制度の創設を提言。治療の安全性・有効性の確認などを、この専門家が行うべきとした。さらに、選択療養の適用をより迅速に判断できるよう、評価は合議制ではなく、高度医療機関の専門医の相互ネットワークを通じて決定するなど、機動的な連携協議を検討すべきとした。

一見するとかなり厳しい条件だと言う印象なのですが、この「一定レベルの学術誌に掲載・査読された2編以上の論文がある」と言う文言の一定レベルをどう解釈するかで、例えばかねて社会問題化しているホメオパシーなども身内系の雑誌で相互引用を繰り返し権威付けをしてきたと言う歴史的経緯があるわけですが、その結果インパクトファクターが高くなったからと言ってまともな学術誌と言えるのかどうかです。
さらに悪いことには世の中にはある一定の目的を満たすための学術誌への掲載を手段として用いている(と推察される)方々もいらっしゃるわけで、当然ながら周囲からは後日多大な非難を受けると言うこともままあるわけですが、現在進行形で騒動化している例の万能細胞絡みの騒ぎを見ても判る通りひとたび掲載されれば当事者が認めない限りなかなか取り下げとはいかず、後々までソースとして残ってしまいますよね。
この辺りの真っ当さを担保するために中立の専門家による評価をと言うことなのでしょうが、当然ながらきちんとした評価を行うためにはそれなりの手間暇と時間がかかるのは避けられず、混合診療のように各患者がてんでバラバラにあれをやりたい、これをやりたいと希望してくるような状況下で個々の患者の治療に間に合うようなスピードでどこまで厳格な審査が出来るものだろうか?と言う疑問は残ります。
ただ一般に怪しげな代替医療の類はより多くの顧客を獲得するためでしょうか、医療専門家の手を煩わせずに行える経口や外用と言う形で提供されている場合も多いようですから、「私は勝手に代替医療やってますから、副作用のチェックと全身管理だけ先生お願いしますね」と言った場合もあり得る理屈ですが、深読みすればそれを除外するための「最初からもっぱら保険外診療が目的のもの」なる文言なのかも知れません。

代替医療を離れて考えても非常に面白いなと思うのが「代替できる保険診療を受診せずに保険外診療を選ぶこと」を対象から外すとしている点ですが、これを文字通りに解釈するならばおよそあらゆる疾患は何らかの保険診療による対応法が存在していると言えるわけですから、既存の治療法を全て網羅しこれ以上手はないと言う状況下でなければ混合診療は行えないのか?と言う話にもなりますよね。
例えば最も希望が大きいだろうと思われる癌治療などについて考えると、おそらくファーストラインとしては必ず保険診療で行うと言うことを想定していて、ある程度治療が煮詰まり手段が尽きてきた段階で初めて混合診療を検討すると言うことなのでしょうが、おおよそ新しく未承認な治療などは既存の治療法を大きく上回る効果を発揮する(少なくとも、その可能性がある)からこそ高いお金をつぎ込んででも開発が行われるわけです。
その開発初期段階の「これは大いに有望そうだ」と言うデータだけを見れば「何故こんな効果がある治療法があるのに、大して効き目もない保険診療だけで我慢しなければならないんだ」と言う不満も出るでしょうし、「最初から新しい治療をさせてもらっていればもしかしたら」と言う後悔も残るかも知れない、それを誰が受け止めることになるかと言えばまあ、規制改革会議のメンバーが受け止めてくれるとも思えませんよね。
治療法の選択枝が増えるほど現場の医師はますます多くの事を勉強し、単に有効性や副作用と言った医学的な情報だけでなく幾らかかりそうかと言った費用面にも考えを及ばせなければならない、となれば多忙な現場ではなるべく混合診療はしない方向で行きたいでしょうが、そうした観点からすると今のところいかにも多忙そうな中核施設に限って混合診療を認める方向だと言うのは混合診療に対する厚労省の本音を示してもいるのでしょうか。

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2014年6月 3日 (火)

結局誰が引き受けるべきなのか?

救急たらい回しと言うことをマスコミが盛んに取り上げていた時代があり、やがて救急医療の実際が知られるようになった結果報道が抑制的になったり、あるいは不要不急の救急車使用はやめようといったキャンペーンまで張られるようになってきた昨今ですが、やはり一定数のたらいを回されるケースと言うものはあるわけです。
特に何時間も見つからないような極度の受け入れ困難例では単純に近隣病院がどこも一杯であると言った医療需給バランス崩壊だけが理由となることはむしろ少数派で、これは確かに難航するだろうなと推察される背景事情が垣間見えるケースの方が多いのではないかと報道から推察しているのですが、先日報道されたこちらの場合も確かにこれは受け入れ先を探すのも大変だったろうなと考えさせられる症例であったようです。

救急受け入れ38回拒否 川口の骨折女性 昨年、搬送2時間超(2014年5月31日東京新聞)

 埼玉県川口市で昨年二月、自宅で骨折した五十代の女性が、複数の病院から救急搬送の受け入れを計三十八回断られていたことが、県の調査で分かった。

 県によると、女性は入浴のため衣服を脱いだ際に転倒して右脚を骨折し、一一九番した。女性は悪性リンパ腫が脳に転移しており、救急隊員がかかりつけの病院に受け入れを求めたが、病院側は「ベッドが満床」と断った。ほかの病院も「女性の持病は専門外」と断り、搬送先が決まるまでに二時間二十二分かかったという。

 昨年一月には、同県春日部市の路上で動けなくなっていた八十代の男性を警察官が発見して一一九番。だが、病院から受け入れを計三十六回断られ、救急車内で五時間八分待たされた。男性が住所不定で身元引受人がいなかったことが影響したとみられるという。

しかし記事のタイトルが意図的なのか単に判っていないだけなのかですが、骨折が問題なのではなく基礎疾患の方が問題なんだと思いますし、この状況で救急の新患として簡単に受けてくれる施設はさすがにそうはないのは当然と言えば当然で、こういう場合かかりつけがまず外来で受けて引受先を探して紹介入院させれば一番良かったと言うことなんでしょうかね。
ただもちろん地域によってはこうした難しい病気の患者の引受先がどう探しても見つからないと言うケースは十分あり得ることですし、JBM的に考えれば必要な治療も行えないことが判っているのに患者を引き受けてはならないと言うことになっていますから、制度的に見ますと誰が間違っていたと言うわけでもなく起こるべくして起こった状況であったと言えるのかも知れません。
その意味でむしろ記事の後段に紹介されているケースの方がより一般的に発生し得る状況ではないかと思うのですが、治療終了によって退院させればそれで終わりの若年者であればまだしも、身元も引受先も定かでない高齢者となると病気の有無に関わらず誰がその身柄を引き受けるべきなのかはっきりしないものがあって、先日もこんな象徴的なケースがあったと報道されています。

認知症女性に同行、盛岡へ 行政が拒否、京都府警(2014年5月28日47ニュース)

 京都府警右京署は28日、盛岡市に住む認知症の女性(72)が京都市内で見つかり、署員2人が地元まで付き添って引き渡したと明らかにした。女性は独り暮らしで身寄りがなく、盛岡市が受け取りに来るのを拒否したための異例の措置という。

 盛岡市生活福祉課の担当職員は「ほかの都道府県に迎えに行くことは今までなく、距離的に遠かったこともあり、引き受けに行くことはできなかった」としている。

 右京署によると、右京区の寺の職員が27日朝、境内でうつむきながら立っている女性を発見、同署に通報した。京都を訪れた経緯は不明だが、所持品の住基カードなどから住所が分かった。

注目いただきたいのは今回たまたま京都に来ていただけの一時的滞在と言う扱いで住所地の盛岡が引き受けているわけですが、これが例えばいつから京都にいるかもはっきりしない、盛岡には最後にそちらに住民票を写したことが判っているだけと言った場合に、果たしてどちらの自治体が事後の面倒を見るのが妥当か大いに議論の余地もありそうですよね。
さて、先日も紹介したように近年身元不明のまま保護される高齢者が各地で問題化していて、特に東京都の認知症女性が群馬県で7年間にわたって保護されていた事例ではようやく判明した家族に7年間分の保護費用約1000万円を請求か?などとも報じられ大きな話題になったところです。
結局家族への費用請求は行わないことで決着したそうですが、悪いことを考えるならば敢えて身元不明になるような状況下に高齢者を放り出しておいて養育コストを節約する一方で年金等はそのまま受け取っていると言った状況も考えられないでもないだけに、今後こうしたケースにどのように対応していくべきなのか、そして身元不明の状況で誰が身元を引き受け意志決定をすべきなのかと問題は山積していると言えます。
その点で興味深いのがマスコミ等の調査でも全国各地で大勢の身元不明者が存在していると言うことが明らかになってきているわけですが、そもそも身元不明者がいるかどうか調査もしなければ担当者も決まっていないと言う自治体も少なからずある、そして保護はしても個人情報保護の観点から身元不明者の詳細な情報等を公開することすら拒否している自治体もあると言いますから、まだまだ身元判明に至る道は遠そうですよね。

医療の場においても当然こうした方々を引き受けるにあたっては問題が数多くあって、そもそもどこの誰かも判らない場合に生活保護認定も制度上素直に行われるのかと言うことも問題なら、退院後自治体が保護者として引き取ってくれる確証があるのかどうかも問題ですし、例えばA市で発見された方がたらいを回されB市内の病院に搬送された場合にどちらの自治体が保護すべきなのかと言った議論もあり得るでしょう。
基本的にはこれだけ少子高齢化が言われる時代になっているわけで、親族が先にお亡くなりになって年老いた親だけが後に残されると言ったケースもままあるでしょうから、少なくともある程度の年齢になれば独居高齢者には社会的後見人を事前に設定しておくようにすべきだとも思うのですが、特定の自治体が先走ってこうした施策を行うと「あそこに行けば面倒を見てもらえる」と姥捨て山的に見られてしまうかも知れないですよね。
より緊急かつ切実な問題として意志決定能力もなく親族や保護者と言った本人意志の代弁者も存在しない場合、医療現場では何を手がかりとしてどこまでの医療を行っていくべきなのかと言う疑問もあるかと思いますが、ちょうど先日は救急医学会など3学会が合同で救急終末期医療のガイドラインを提示しパブコメ募集を開始していると言うことです。
注目されるのがこのガイドライン、「患者や家族の意思表示の確認が難しい救急や集中治療における終末期医療のガイドライン」として位置づけられていると言う点なのですが、現実問題として考えると親族がいるにも関わらず年単位で身元が判明しないケースもこれだけある中で、一見親族も身内もいないように見える方が本当に天涯孤独なのかどうかを確認すると言うのは非常に難しいだろうとも思えますよね。
それこそ亡くなった後で遺品を整理している段階で思いがけず遠い親族がいることが見つかった、連絡してみると「何故こんなことをしてくれたんだ」と後日クレームが入ると言うことも十分あり得るわけで、ガイドライン的に「まあこのくらいの医療が妥当なんじゃないか?」と提示されても、やはり防衛医療的に行動せざるを得ないと言う局面は少なからずありそうです。

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2014年6月 2日 (月)

アイドルグループに関わる新たな問題

先日はイベント会場でアイドルグループのメンバーがのこぎりで斬りつけられると言う物騒な事件があり、日本のみならず海外においても報道されていると言うことですが、そうした記事の中でこうしたアイドルグループに対して巨額のお金を投じるファン活動に関しても大きな驚きを持って報じられているようです。
先日アメリカで発生した銃乱射事件でも容疑者が女性に相手にされなかったことへの腹いせだと証言したそうですが、アイドルグループに脅迫状を送りつけたり物理的な行動に出るファン心理もこれと共通する相手にされない=裏切られたと言う失望感なのではないかと言った分析もあるようですね。
いずれにしても有名人に対するストーカー的行為は昔から一定割合で見られる事ですし、伝説的な音楽家グループのメンバー暗殺事件に見られるように中にはとんでもなく過激な行動に走る人間もこれまた時にいるわけですが、今回の事件とも絡めてアイドルグループの活動方針に関わる問題点も幾つか噴出してきているようです。

投票済みの『AKB48』投票券1000枚を『ヤフオク!』に出品 95万円で落札した人が激怒(2014年5月31日ガジェット通信)

『AKB48』選抜総選挙の投票券をまとめて『ヤフオク!』に500枚出品。それを落札した人が、実は投票済みの無効な投票券だったことが判明し大騒動になっている。落札者が気付いた頃には出品者のYahoo!IDは停止されており連絡を取る術がないようである。
その怒りをぶつけるために『ヤフオク!』の評価欄に「非常に悪い 出品者です」として次のようにコメントしている。

    ・お金を支払いましたがそちらのYahoo!IDが停止になり、取引が強制的に中止になりましたのでこの評価にさせていただきました。返金手続きしていただけないようなので、警察に被害届を提出させていただきます
    ・もうすでに投票済みの投票券でした!
    ・投票できると思って、お金も入金したのに、届いた商品が投票済みで投票できない商品でした。中古品といえる95万円の価値は全くなかったです。悪質な出品者ですね。

上記はいずれも全て別の落札者ID。投票券500枚と1000枚の2種類を販売しておりそれぞれ40万円以上、1000枚の方は95万円という高価格で取引が成立している。
しかし出品者は今までに408件の「非常に良い・良い」という評価をされており、今回の騒動までは悪い評価が無かったようである。何かの手違いなのか、それとも意図的なのか。

出品者は意図的なのか?

そんなわけで出品ページをよくみてみることにした。ページを見てみると「商品の状態:中古」と記載がされており「未投票」とは一切書かれていない。確かに出品者側も高額な取引なので「投票済みです」と一言書くくらいの親切さも必要であったが、落札前に出品者に確認はしなかったのだろうか
そんな出品者側の回答は次の通りである。
中古品を落札しておいて返品するから返金対応しろというのは無茶苦茶ですよ。不当評価としてヤフオクにも通報させていただきます」
と落札者の評価に対して不服なようである。どうやら「中古」の文言1つでコトが収まると思っているのだろう。

やはり出品者の悪質さが見られる

しかし、この出品者はほかにも数多くの投票済み無効投票券を出品しており、被害が相次いでいるようだ。評価で騒ぎが浮き彫りになっているのは3人だけだが、それ以外にもまだまだ落札者はいるということだ。
現在Yahoo!IDは停止されており、運営より何かしらの対応が行われるかもしれない。
これは意図的に投票済みであることを隠した可能性が濃厚である。

もちろん意図的に隠したと言われれば全くその通りなのでしょうが、一方でこの投票券なるものの中古品と言われてどんなものを想像しているのかと言う疑問もあって、そもそも法律上の定義として中古品(古物)とは古物営業法第2条で次のようなものだとされているそうです。

    一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

ここで注意いただきたいのは一度使用された物品が古物として扱われるのはもちろんなんですが、使用されない物品であっても古物として扱われる場合があると言うことで、典型的にはいわゆる金券ショップで扱われる金券類のように本来の発行主体からいったん消費者の手に渡り、そこからさらに転売されるものも未使用品ながら古物とされると言うことですね。
今回の場合はこの金券類に準じた考え方が妥当なんだと思いますが、当然と言うべきか古物営業法においても同法施行令においてもこうした投票券に関しての規定はなく(最も近いのは入場券でしょうか)、しかも法律の条文を見る限りではこれらに関して特に未使用に限ると言った制限は付けられてはいないようです。
使用された金券などに商品価値があるのか?と疑問も抱くところですが、よく考えてみれば古切手のように本来的な用途としてはすでに使用済みのものでも価値が認められることがあって、しかもしばしばこちらの方が額面よりも価値が大きくなるのですから、基本的に古物とは買い手がそれにどれだけの価値を認めるかで商品になるかどうかが決まるものであって、客観的な価値評価が難しいと言う現実がこうした定義の背景にあるのでしょう。

その意味で今回の投票券が使用済みであったからと言って中古品と明記されている以上必ずしも詐欺と言えるかどうかで、特に今回は投票券だけを売っていたようですが、例えばこれがCDもつけて一部1000円弱で売ったとなれば社会常識に照らし合わせてもまあ妥当と言える金額ですし、今後下手に中古CDとして転売するより中古投票券とセット売りの方が高値で確実に売れると考える人もいるでしょう。
そう考えるとこれは非常にグレーゾーンをついてきた新しい商売だなとも思えますし、法定での争いになっても詐欺と証明するのも大変だろうなと言う気もしますが、そもそもネトオク自体詐欺の温床とも言い、酷いケースになると握手券を送らせておいてそれを他に転売する、そして代価は支払わずに「中身が空だった!ちゃんとしたものを送れ!」と逆にクレームを付けると言うケースもあるようです。
そもそも中古品という価値が個々の状態に非常に左右されるものを現物を見ないで取引するなどネトオク固有のリスクは認識されるべきだし、トラブりやすい取引なのにオークションサイトが参加者の身元を確認もせず誰にでも参加させるのが問題ではないか?と言う声も根強くあるようで、この辺りは今後利便性やセキュリティなどを総合的に判断しながら淘汰が進んでいくのかも知れません。

ただネトオクの危険性はそれとして、そもそも現在のような一部アイドルグループの商売方法自体が問題なのでは?と言う声も根強くあって、もちろん趣味の類に大金をつぎ込むことは何のジャンルであれあることですが、そうした消費者心理に漬け込んで大金を巻き上げるビジネスモデルを構築している点自体もどうなのかと冷めた目で見ている人も少なからずいるようです。
今回の投票券のようなトラブルを防ぐためには投票資格をファンクラブ会員なりに限定し多重投票禁止にすればいいんだろうと思いますが、そもそもが商売目的でやっていることですからわざわざ売り上げを激減させるようなことはしないでしょうし、それ以前にオフィシャルの方でも商売上のモラルとしてそれはどうなのよ?と思えるようなことをあれこれやと今までにもやってきているようですから、興味のない第三者から批判を受ける余地は大いにありそうですよね。
まあ人間時に馬鹿馬鹿しいようなことにとんでもないお金や労力をつぎ込んでしまうのはよくあることで、それ自体は周囲に迷惑をかけない範囲であればまったく批判されるものではないと思いますが、もともと芸能の世界とは古来支援者がお金を出すことで芸人が食べていけると言う関係にあるわけで、その点からすると正規品を買わずに中古品を買うと言う時点でどうなのかな?と言う気もしますでしょうか。

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2014年6月 1日 (日)

今日のぐり:「旬菜創作ビュッフェ 露庵(ろあん) 岡山古新田店」

日々複雑さを増す今の時代に解釈に困るニュースには事欠きませんが、先日起こったこちらの事件はその中でもいささか難解であるようです。

【何が起こった!? 】 同棲中の彼女が妊娠 → 結婚しよう! → “彼女”?は男だった | (2014年5月21日ロケットニュース24)

世の中には、ときに「何を言ってるのか、わからねーと思うが……」と言わずにはいられないことが起きる。そういうものに限って、いつも何の前触れもなくやってくるのだ。
中国人の王さんには同棲して半年になる恋人がいた。ある日、恋人が「赤ちゃんができたの。双子よ」と検査結果を持って帰ってきたそうだ。

・双子を妊娠したという恋人
浙江省に住む28歳の男性・王さん。2013年10月、彼はSNSである女性と出会った。彼女の名は銭さん。王さんと同い年で、軍医をしているそうだ。髪の長さは肩にかかるくらい。細身で声の小さな女性であったという。
2人はすぐに意気投合し、同棲することに。そして12月、彼女が「赤ちゃんができたの。双子よ」と妊娠を告げたのだ。

・結婚しよう!
病院の検査結果にも確かにそう書いてある! 予想外の出来事ではあったが、王さんは大喜び!! 銭さんとの結婚を決め、親や親戚にも報告したそうだ。

・恋人「職場が結婚を許してくれない。堕ろせって」
しかし、銭さんは軍所属。中国では現役軍人の結婚には厳しい条件があり、彼女もまずは上官に報告しないといけないというのだ。
そして4月。銭さんは1通の軍からの報告書を持って帰ってきた。なんと、軍は2人が「できちゃった婚」であるため結婚を許可しないというのだ! さらにお腹の子供を堕ろすよう命令したのだという。

・彼女は男だった
だが王さんは子供の中絶を受け入れられなかった。それにしても、本当に軍がそんな命令を出すのだろうか? そういえば、銭さんはときどきコソコソとどこかに電話をしている。もしや浮気?
そんなある日、事態は急変!! 王さんは偶然、銭さんの身分証を見てしまったところ、なんとそこには「男」と書かれていたのだ! 彼女が男? 男が妊娠!? 何が起こっているんだ!?

・しかも「男の不倫相手」までいた
さらに、銭さんには王さんのほかに「男の不倫相手」もいたことが判明。王さんがその男性に連絡をとってみたところ、不倫相手の男性も「双子を妊娠した」と告げられ、さらに彼は妻との離婚問題にまで発展していた! こちらの方が傷が深そうだ……。

・女装詐欺師だった
不倫相手の通報により、銭さんは女装詐欺師であったことが判明! 過去にも逮捕歴があることもわかったという。病院の検査結果や軍の報告書はネットで購入した偽物だったそうだ。
それにしても、半年間も一緒にいて気づかなかったとは……同棲しているとはいえ王さんは1カ月の半分は職場に泊り込むことが多く、実際に一緒にいる時間がさほど長くなかったためかもしれない。
それを差し引いても理解しがたい点があるのだが……それほど銭さんの女装が完璧だったということだろうか?

まあ…日本でも近ごろではTSものなども密かに人気だと言いますし、世の中広く中国人は多いわけですから時にはこういうことも起こりえると言う事なのでしょうか…
今日は思いがけない運命の出会いが無残な結果となった王さんに哀悼の意を表して、世界中から一体何が起こったのか?と思わず疑問符がつきそうなニュースを紹介していましょう。

ママ絶叫…「パパに子供とペットを預けて11日間留守にしたら…家中にこんな貼り紙がしてあった」(2014年5月4日らばQ)

普段、育児や家事は母親まかせにしている家庭であっても、母親が家を留守にしたなら、望もうと望むまいと父親の出番がやってきます。
外国のとある妻が、家を11日間も空けることになり、その間、夫が子供たちとペットの世話をしてくれたそうです。
そして11日後。 妻が帰宅すると、家中にたくさんの貼り紙がされていたというのですが……。いったいどんなものだったのかご覧ください。
(略)
とんでもなくワイルドな子育てというか、貼り紙の内容を見るだけでダイハードみたいなお父さん像がひしひしと伝わってきます。普段子育てをしていない父親にまかせると、こんなことになってしまうのでしょうか。
この何事にも動じない(?)毅然とした父親の態度から、子供たちも学ぶところはあったのではないかと願いたいところです。

さて、この後の母親がどう反応するかは…
…祈りましょう。

ちょっwwwその実態は元記事の画像を参照いただくとして、しかし何ともこれは…素晴らしい子供の成長ぶりを期待したくなりますよね。
子供に対する愛がひとかたならぬこと人間と動物とを問わないと言うことでしょうか、こんな何とも言い難い動画が話題になっているそうです。

猫「うわーっ、子猫かわいい!」→どう扱っていいかわからず謎のダンスを踊る(2014年04月27日らばQ)

赤ちゃん猫たちが気になるも、どうやって接していいのかわからない白い猫。
すると何を思ったのか、謎の踊りを始めてしまう映像をご覧ください。

赤ちゃん猫で踊る猫2 - YouTube

「かわいい!」
「遊びたい!」
「でも強くさわると壊れちゃいそう……」

その結果とった行動が、このダンスだったようです。
子猫をかわいいと思うのは大人の猫も一緒のようですね。

いやまあ、詳細はリンク先の驚くべき動画を参照いただくとして、しかしネコ…(笑)
お隣中国では昨今高齢者の自殺が多発していると言う穏やかならぬ状況にあるようなのですが、その理由がまた何とも…です。

【中国発】「火葬はイヤ」という理由で自殺が続発(2014年5月29日日刊テラフォー)

世界には様々な宗教や文化があれど、誰もが、老後は穏やかに過ごし、平和的に最期の旅立ちの日を迎えたいと願っているに違いない。
だが中国では、そうできない事情が迫りつつある。
土葬を禁止しようという政府の動きを受けて、そうなる前に確実に墓に土葬されたいと願う数人の老人たちが、自ら命を絶っているのだ。

安徽省は、6月1日以降は、すべての墓地を閉鎖する予定だ。理由は単純に、人口が爆発的に増えた今、もはや土葬するスペースがないからだ。
この新しい法律は、4月1日に発布された。
「6月1日以前は、今まで通り、墓地に遺体を土葬することを許可する。だが6月1日以降の埋葬方法は、火葬のみとする。」

中国での伝統的な埋葬方法は土葬だが、時代の流れとして捉えた人が多かったのか、都市部ではそれほど大きな反響は出ていない。
ただ、今でも伝統に忠実に生きている農村部の高齢者たちは、大きな衝撃を受けている。
「土葬が禁止されるなんて!それなら、禁止される前に死んで、土葬してもらうしかない!」
6月1日のデッドラインを前に、高齢者数人が自ら命を絶った。
97歳だったウ・リシューさんは5月12日に、87歳だったチョウ・ウェンジンさんはその翌日に、首を吊って自殺した。
チョウさんが残した遺書には、「どうか、遺体は土葬にしてください」と記されていた。
3つの村の少なくとも7人が、土葬が目的で最近自殺した。農村部ほどではないにしても、似たような自殺が省都でも数件報告されている。

「高齢者にとって、この新しい決まりを受け入れることは非常に難しいことです。こうした高齢者のために、政府はもう少し猶予期間を設けるべきです。」
と、高齢者の一人は政府を批判する。
しかし高齢者たちの声が政府の決断を変えることはなく、政府関係者は、法律施行後、違反する者が出ないように、葬儀会社を回って棺を破壊した。
新法律が施行されるまで、あと2日。どうか追い込み自殺がないことを、願いたい。

しかし中国の葬儀習慣がどのようなものになっているのかは判りませんが、ここまでするくらいですから相当に大きな問題なのでしょうね。
ちょっと何言っているか判らないが的ニュースとしてこれは相当なものだと思いますが、まずは虚心坦懐にニュースに耳を傾けていただきましょう。

体重120キロの女性が倒れてワニが負傷、ロシアのサーカス団(2014年5月24日AFP)

【5月24日 AFP】ロシア・ムルマンスク(Murmansk)地方で20日、この地方を拠点に活動するサーカス団がバスで移動中、飼育しているワニの上に体重120キロの女性職員が倒れ、ワニが負傷するという事故が起きた。

 地元メディアの報道によると、サーカス団が乗車していたミニバスが急ターンした際、経理を担当するこの女性は席から転げ落ち、フェージャ(Fedya)と名付けられた体長2メートルのワニの上に倒れたという。

 ロシア通信(RIA)が伝えたところによると、フェージャはその後3時間にわたって嘔吐(おうと)を続け、団員たちはフェージャの命を危ぶんでいたという。

 女性は軽傷で済んだものの、シートベルトを着用していなかったとして厳しいおとがめを受けた。このサーカス団の団長によるとフェージャは回復し、テレビ番組に出演するためモスクワ(Moscow)に滞在しているという。

当初このニュースが流れた時に主語が混乱しているのではないかとずいぶん詮索されたようですが、まあ回復してよかったと喜ぶべきなのでしょうか。
寝返りを打ったらベッドから転げ落ちた、なんて程度のことであればネタになると言うものですが、こちらいささか規模壮大だった転落劇のニュースです。

寝返り打ったら崖から25m転落、骨折など大けが負うも順調に回復中。(2014年5月24日ナリナリドットコム)

しっかり寝て疲れが取れたときは、気持ちの良い目覚めが待っているものだが、英国では先日、最悪の目覚めを迎えてしまう事故に遭った男性がいるという。英国で路上生活をしていたルーマニア人男性は、道路脇のスペースを休憩場所に選び、寝袋に入って就寝。しかし、寝る場所を明らかに間違えた彼は、翌朝激しい痛みを感じて目を覚ますハメになったそうだ。

英紙ウェスタン・モーニングニュースやメトロなどによると、この事故は5月20日早朝、英南西部の街トーベイにあるミードフット・ビーチと呼ばれる海岸付近で発生した。午前6時頃に「男の悲鳴が聞こえた」という付近の住民3人が、8時半頃になって声がしたほうへ様子を見に行ってみると、道路沿いの崖下25メートルの場所で倒れている男性を発見。自分が「ルーマニア人だ」と話した彼は頭から出血していたほか、肩の骨折、腕や足など複数の箇所が腫れているなど、見るからに大けがをしていたそうで、住民たちはすぐに救急車を要請したという。

発見現場は海岸に沿って走る道路下の岩場で、道の外側は複数の木が生えているものの、25メートル下にある海に向かって急斜面となっている場所。前日の夜、寝袋を持ってこの場所にやって来たルーマニア人男性は、ガードレールを乗り越えて道を外れ、わずかばかりの平らな地面を寝床に選び睡眠に入った。ところが翌朝、気持ちよく寝ていたはずの彼は、寝返りを打つなどふとした拍子に体を斜面の方へ傾けてしまったようで、そのまま25メートル下まで転落。全身に走る激しい痛みと共に、目覚めを迎えてしまった。

さらに、彼が転落する際に上げた悲鳴を、住民たちは当初「みんな酔っ払いだと思っていた」と誤認。そのため、怪しんで探しに来てくれるまで時間がかかってしまった上、彼が転落した場所が急斜面で多くの樹木が生えているとあって、救助作業が難航したという。結局、道路からの引き上げを諦めて沿岸警備隊の派遣を要請し、1時間半がかりで男性を海側から助け出した上でヘリコプターで病院に搬送したそうだ。

こうして最悪の目覚めを迎え、少なくとも現場で4時間は我慢の時を過ごすハメになった男性。大けがではあったものの、現在は病院で順調に回復を見せているという。

こうした事故が起こる前提状況と言うものをどうしても考えてしまうのですが、しかしルーマニア人と言えどもブリ的呪縛からは逃れられなかったと言うべきでしょうか。
最後に取り上げますのも同じくブリからの話題なのですが、これまた何が何やらと言う複雑怪奇な事件であったようです。

【大騒ぎ】英国警備員が上司に休みの希望提出 → 上司が数千人にメール誤送信 → Twitter上で拡散 → なぜかラスベガス旅行プレゼント(2014年5月27日ロケットニュース24)

できることなら働きたくない、誰もがそう思っているに違いない。思った通りに休みが取れれば、嬉しいのになあ~。そういう考えはどうやら万国共通らしい。

・休日希望を出したら大騒ぎ!?
最近イギリスで、夜間の警備員が上司に休みの希望を提出したところ、ネット上で思わぬ事態が発生した。上司の手違いで、この希望が一斉メール送信されてしまい、Twitter上で拡散される事態に。「彼に休みを与えろ!」という運動が巻き起こるに至ったのだ。まさか大騒ぎになるとは、警備員の彼も思っていなかったようである。

・英大手アパレルの警備員
休日希望を上司に出したのは、グレッグ・ヒースリップさん(38歳)である。彼はスノボメーカー「バートン」やファッションブランド「トップショップ」などを有する、英国最大手のアパレル「アルカディアグループ」の夜間警備員として働いている。

・Twitter上で大拡散
ある日のこと、直属の上司に休みの希望を伝えたそうだ。上司は関係部署の相談したという。ここまでは何もおかしなところがない。だが、上司は誤ってこの希望を社内の数千人に対して一斉送信してしまったのである。すると、社内の誰かがこの内容をTwitterに投稿。さらにハッシュタグ「#GiveGregTheHoliday」(グレッグに休みを与えろ)を生成し、またたく間に拡散されてしまったのだ。

・アメリカにまで飛び火
どうやら、ネットユーザーはグレッグさんが休みをもらえていないと勘違いしたらしく、Twitter上で大騒ぎになってしまった。彼を休ませるようにとの声が高まり、同グループは「彼の休みは承認されており、きちんと休みを得ることができている」と説明しなければならない事態となった。
さらに、騒ぎはアメリカにまで飛び火。「トレックアメリカ」という旅行会社が彼を、ラスベガス旅行に招待したのである。ネット上で彼を休ませる動きが盛んになってしまった。そんなことをグレッグさん本人はまったく知らなかったようである。

・慈善団体へ寄付
一躍時の人になった彼は困惑した。上司に家族旅行の計画を伝えただけで、まさかこんなことになるとは。彼は結局、米旅行会社の申し出を辞退。「タダで何か欲しい訳ではない」として、彼に贈られた品々やラスベガス旅行を慈善団体に寄付する意向を明らかにしている。
この行動ひとつとってみても、彼がまじめな人間であることがうかがえる。おそらく、優秀な働きぶりをしているのではないだろうか。それにしても、まさかTwitter上で「休ませろ!」という運動が起きることになるとは……。世の中何が起きるかわからない。

一体それはどんな現代のわらしべ長者かと言う出来事なんですが、しかし今の時代何がどう広まるかわかったものではないと改めて感じますね。
しかし直接的なトラブルの発端となった上司がどうなったかは記事では伝えられていませんが、会社にとっては思わぬところで全世界的な宣伝になったと喜ぶべきなのでしょうか。

今日のぐり:「旬菜創作ビュッフェ 露庵(ろあん) 岡山古新田店」

割合にあちらこちらで見かけるのがこちらしゃぶしゃぶとバイキングのお店「魯庵」さんですけれども、こちらは以前に岡山市街地中心部にあったお店が移転したと言う形なのか、あるいは経営的には閉店と新規開店で全く別物なのかも知れません。
いずれにしてもお店の雰囲気や内容はほぼそのままながら、場所が郊外の幹線道路沿いになったことでずいぶんと広くなったなと感じますけれども、特に車での訪店が必須となったせいか客層的には以前よりさらに女性団体客比率が上がっているようにも思えますが、この辺りは野菜メニューが主体なのも理由かも知れません。

以前にその旧店舗?にお邪魔した時と同様、やはり野菜料理中心にオリジナルメニューに注目するのですが、サツマイモとひじきのサラダは味的には甘いポテサラと言った感じでしょうか、今ひとつひじきの存在意義がよく判らないのですが、茄子ゴマサラダなども要するにゴマドレをかけた茄子で、この辺り何やらとんち勝負のような印象もあります。
サンマが南蛮漬け風に仕立ててポテサラにトッピングしてあり、味的には合うとも合わないとも言い難いのですがまあ見た目はおもしろいかと思いますし、ブロッコリーの天ぷらなども揚げたてであればさらに香ばしくてうまそうなメニューなんですが、ブロッコリーのくせがうまく油で中和されていていいアレンジだと思います。
広島名物がんすのカレーソースかけなるものがあって、どうもこのがんすと言うものは練り物をカツ風に揚げたものなんだそうで見た目も味も魚肉カツと言った風なのですが、地元出身者曰くあちらではかなり一般的に食されるようでこういう仕立ても面白いですよね。
肉類は正直あまり目立たないのですが、定番のチキン照り焼きは下味がちょっと不足気味、鶏の味噌焼きも焼きたてならもっとうまそうだなと言う味なんですが、ただこちらは全体に味噌味は控えめに仕立ててあるのはいいと思いますね。
他にお総菜っぽいメニューとして柚子大根は柚子が強すぎないので食べやすいと思いますし、ナス味噌は味自体はまあ普通なのですが味噌はあっさり目でジェルにしてあるのが面白い、そして定番のきんぴらごぼうが笹がきでやっているのが個人的には好みですけれども、かに玉と見せてカニでなくソーセージと言うのはまあ、面白いけれどちょっと残念なアレンジでしょうか。
主食系では焼き飯は焼きすぎて硬い上に使うならソーセージよりも焼き豚だと思うのですが(何かソーセージ愛でもあるのでしょうか?)、それよりも日替わりパスタの白菜クリームソースが何か中華がオリジナルっぽいのはいいとして、やはりこういう場所でパスタと言うものに多くを求めてはいけないのかなと改めて感じさせられます。
これまた珍しいアレンジとして冷奴のゼリー載せはアイデアはともかく豆腐自体があまり感心しないものなので評価しにくいのと、デザートとするにはぜんざいが薄すぎてお椀ではなくカップででも出した方がよさそうですよね。

こちらの場合豚しゃぶ鍋はあくまでも腹ふさぎで野菜系オリジナル料理目当てに来る店だと思うのですが、そこらにある食材を組み合わせて簡単に出来そうなアレンジと言う点で参考になるのと、そもそもさほど価格設定が高いわけでもないので元は取った気になるんですが、ただ個人的にはゆで卵に温泉卵はあるが生卵がないと言うのはちょっと惜しい感じがしますでしょうか?
接遇面ではもちろん基本的にはマニュアル対応ですが、この種の店としてはスタッフの人数多めなようでわりに余裕はあるのか、意外に細かいところまで見ているのは好印象だとして、ただ一部元気がいいと言うよりもやや投げやりな印象はあるのは今後の課題でしょうか?
ただ新しい店舗と言うことで店内配置にゆとりもあるしトイレなども広くて綺麗ですが、入る客数が増えたのだから料理のバリエーションなどもそれに応じて増えるかと言えば必ずしもそうでもなさそうで、今後リピーターの評価がどうなるかですよね。

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