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2014年5月 3日 (土)

教育現場がますます荒廃中?

先日は思わず漫画か!と言ってしまいたくなるような事件が報道されていましたが、まずはこちらの記事から引用してみましょう。

「殴ってみいや」生徒の挑発に乗った教諭を処分 全治10日間の打撲(2014年5月1日産経新聞)

 生徒から挑発され、腹部を2発殴って軽傷を負わせる体罰を行ったとして、大阪府教委は1日、府立高の男性教諭(50)を戒告の懲戒処分とした。

 府教委によると、教諭が昨年7月、冷房がきいていた職員室に涼みにきた1年の男子生徒に対し、「用事がないなら出ていけ。出ていかなければ殴るぞ」と注意したところ、生徒が「殴ってみいや」と挑発。顔を差し出した生徒に、教諭は「顔と違う。ボディーや」と言い、生徒が「よし」と応じて腕を上げ、腹部に力を込めて構えたため、左手の拳で生徒の右脇腹を1発殴った

 しかし、生徒が「効けへんわ」とさらに挑発したため、教諭は右脇腹をもう1発強く殴り、生徒に全治10日間の打撲を負わせた

 府教委によると、教諭は「遊びを通じて出ていかせようと思った。体罰との認識はなかった」と話しているという。

双方共にもはやネタか?と思うような突っ込みどころ満載の話なのですが、これが大阪名物の身体を張ったギャグと言うことなのでしょうか、正直ちょっと分からないし分かりたいとも思わないのは自分だけですかね。
記事にもありますように昔から職員室だけが冷暖房完備だとか、生徒には禁煙禁煙とうるさいのに教師は煙草吸い放題だとか色々と言われることはあって、すでにそうしたことが「先生だから」で許容される時代ではなくなってきたことも背景にあると思うのですが、まあしかしそれにしても一体どういう学校なのかと考えてしまうような状況ではありますよね。
ただこれだけを見ていますと何やら出来の悪い笑い話のようにも見える記事なのですが、どうも昨今の学校現場ではなかなかにシャレにならない状況になってきているようです。

「しばけや」「体罰や」…増長くっきり 生徒が教諭挑発「増えた」4割 大阪市立中 桜宮体罰事件の余波(2014年4月29日産経新聞)

 大阪市立桜宮高校の体罰事件が発覚して以降、同市立中学校の生徒指導担当教諭の約4割が生徒から「しばけや」「体罰や」などと言われる挑発・揶揄(やゆ)が増えたと感じていることが、市立中の校長らで作る研究班の調査で分かった。約6割が「生活指導をやりにくくなった」とも回答。桜宮事件をきっかけに全国的に体罰撲滅が進む水面下で、生徒の一部が増長し、教諭が萎縮している現状が浮かび上がった。

 桜宮高校で平成24年12月、男子バスケットボール部の男性顧問=懲戒免職=から繰り返し体罰を受けていた2年生の主将が自殺。文部科学省が緊急の全国調査に乗り出し、各地で体罰を行った教諭の処分が相次ぐなど社会問題化した。
 こうした中で市立学校の現場から生徒の挑発行為に悩む声が上がるようになった。
 生活指導の経験が長い市立弘済中学校の赤間英松校長を中心に現状把握のための研究班を発足。昨年11月に市立中にアンケートを行い、128校の生徒指導担当教諭から回答を得た。
 桜宮の事件以降、挑発・揶揄があったと回答したのは約5割の62校。具体的には、生徒から殴るそぶりをされた際に手を振り払うと「体罰や」と言われた▽喫煙をした生徒から「何を言われても変わらない。変えたかったら、しばけや」と言われた-などがあった。
 約4割の48校がこうした行為が「(桜宮事件の)以前よりも増えた」と回答。「以前は0回だったが月10回ぐらいに増えた」や「ほぼ毎日」「事あるごとに挑発行為が起こる」などの申告があった。
 「生活指導がやりにくくなった」と答えたのは約6割の81校。「教諭が手出しできないという感覚で平気で物を壊したり、傷つけたりすることが増えた」という指摘や、「暴力や危険行為を防ぐための行為でも体罰と言われかねない」「状況や背景に関係なく体罰の言葉でくくられる」などの悩みも寄せられた。
 赤間校長は「想像していた以上にひどい状況」としており、今後は研修会などを通じて挑発行為への毅(き)然(ぜん)とした指導を求めていく。

 【用語解説】大阪市立桜宮高校の体罰事件
 平成24年12月23日未明、男子バスケットボール部主将だった2年の男子生徒=当時(17)=が自宅で自殺。顧問の男性教諭から体罰を受けていたことが判明した。教諭は懲戒免職となった後、傷害などの罪で在宅起訴され、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決が確定。遺族は体罰が自殺の原因だったとして、大阪市を相手取り、総額約1億6500万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。

滋賀県の事件でも話題になったいじめ問題なども含めて学校現場で何かしら事件が起こると「教師が」「教育委員会が」とさんざんに叩かれる場合が多く、その結果仮に学生側に何かしらの問題があるケースでも教師側が真っ当に対応出来ないと言うことが起こり得ると言うことでしょうが、この辺りは以前から教育関係者の間でも諸説あるところですよね。
およそ体罰と名の付く行為は一切認めないと主張する方々は一定数いて、特に「どんな生徒でもきちんと話をすれば理解してくれる」と強固に主張される方々を原理主義だと考えると、未だにこうした方々から「ではそれでも理解してくれなかった場合にどうするんですか?」と言う問いかけに実効性ある回答が帰ってきたのを見たことがありません(「それは話し合いが不十分だからです」では水掛け論ですよね)。
一方でもちろん事件として報道されるような体罰は大抵の場合素人目にも行きすぎと感じられるもので、当然ながらこうした権威権力と直結した暴力は到底許容されるものではありませんけれども、一定限度の体罰という抑止力がなければ校内秩序を維持出来ないと言う主張は根強くあって、確かに水面下はいざしらず一見すると表面的には校内が平和に保たれていると言う状況はあるようです。
この他に実社会における状況と同様、体罰の代わりに明文化された規定によって生徒を律すべきであると言う考え方もあって、もちろん決められたルールに違反すれば相応の罰が与えられると言う方法論は明確でいいのですが、これまた今までであればその場での頭ゴツンで見逃してくれていた違反行為が処罰という形ではっきり履歴に残るようになれば、生徒の将来にも影響してしまうと言う懸念があります。

高校生にもなればしょせん義務教育ではないわけですから、例えば1回目のルール違反では注意にとどめる、そして2回目以降も繰り返すようであればルールに則って停学なり退学なりも含めた処分を課すでもいいかなと言う気もしますが、そもそもこうした問題行動を繰り返す生徒は中学生以前から荒れている場合が多く、義務教育レベルでの教育力が改善しないことには本質的な改善にならない気がします。
そしてこれまた今の時代らしくと言うのでしょうか、学校側が強力に生徒を律しようと思っても相手は生徒だけではなく親の方が厄介であると言うケースも多いわけで、特に昨今話題のモンスターペアレントと呼ばれる方々が関わると教師も人間ですから、ついつい面倒事に巻き込まれるくらいなら見て見ぬふりをしておこう…と言う考え方になってもおかしくはないですよね。
そもそも閉鎖的環境に教師と生徒と言う当事者同士しか存在しないことが問題を面倒くさくしているようにも思えるのですが、大学レベルになるとアカハラだと学生が教員を訴えるだとか、逆にいわれなき誹謗中傷だと教員側が学生を訴えるだとか泥仕合になりがちなのを見ても、やはり教育現場にももう少し透明性を確保していく必要があるのでしょうか。
その意味でまだしも矯正効果が高いと思われる初等教育のレベルでは例えばPTAと協力して校内に父兄に来ていただいて常時授業参観状態にしてみるだとか、もう少し進んで中・高等教育になってくれば常時webカメラで校内中継などを行ってみる(無論、公開対象を父兄に限定する必要はあるでしょうが)なりして学校内の開示を行っていくのが、特にまじめな先生方にとっては有利なのかも知れません。
ただ教職員の方々に話を聞いてみますとそもそも学校現場にしつけまでさせようとするなと言う不満が根強いようですし、実際問題としてしつけ機能を求めるのであればそれに必要な権限も与えないことにはどうしようもないのは明白ですから、やはり学校の果たすべき役割とそれに必要なものについて教員と父兄との間でもう一度話し合い、前例踏襲に囚われず見直していくべき時期なのでしょうか。

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