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2014年4月12日 (土)

長年使っていた環境はおいそれと手放せないものですが

使っているものにこだわると言う人は決して少なくありませんが、例えば道具を非常に重要視することで知られているイチロー選手などは要求水準も極めて高くて、スポーツ用品メーカーの名人クラスの職人が素材レベルから厳選に厳選を重ねて作り上げたグラブを持っていっても5個に1個しか受け取ってくれないなどと言いますから大変ですよね。
一般人なども長年道具なり食べ物なりに「このブランドでなければ」と言うこだわりがある人は少なくないと思いますが、この場合のこだわりと言うのは味や使用感などがある特定の狭い範囲に収まっていないと困ると言う意味であるわけですから、こうした顧客に対してメーカー等提供する側は何よりも同じ品質で安定供給していく責任があるだろうし、老舗ブランドが「改良」を発表するたびに大騒ぎになるのもこうした理由からですよね。
しかし他方ではもちろん提供する側も商売でやっていることですから、様々な事情から今まで通りの供給体制を続けていくことが難しいと言う場合も少なからずあると言うことですが、長年提供され固定客がいるものほどその変化による影響は大きくなるのは当然で、先日個人的にも非常に気になるこんなニュースが出ていました。

富士通、ニフティを売却へ 会員減少で業績低迷(2014年4月10日朝日新聞)

 富士通が、インターネット接続サービス(プロバイダー)の子会社「ニフティ」を売却する手続きに入ったことが分かった。すでに国内の投資ファンドなどに打診を始めている。会員が減り業績が低迷する個人向けサービスから撤退し、企業向けのITシステム事業に力を入れていく。

 富士通は近く、買い手を公募するかどうかなど、売却先の選定方式を決める。

 ニフティは1986年、富士通が大手商社日商岩井(現双日)と共同出資で設立した個人向け情報サービスの老舗だ。87年に電話回線を使うパソコン通信「ニフティサーブ」を始め、会員数は90年代半ばにパソコン通信として日本最大の200万人超に達した。

周知の通り当「ぐり研」もまたニフティの提供する環境上に存在しているわけですが、実際に個人向けサービスが打ち切りになると今後どうしたものかと考えなければならないでしょうね。
プロバイダーなどどこでも似たり寄ったりのサービスを提供していて別にニフティが優れていると言う事は全く無い、と言うよりも近年の価格競争の中でむしろ高くてサービスが悪いと言う側に属すると思いますけれども、逆に言えばそうしたものを重視して契約先を選んでいる方々はとっくの昔に流出しているでしょうから、今残っている人々と言うのはそうしたものではない別な何かを求めている顧客であるとも言えるかと思います。
具体的には例えば旧パソコン通信時代からずっと同じ環境でやっていて、今さらそれを丸ごと改めるともなると手間ひまの問題は元より各方面への影響も計り知れない、そして何より以前と同じ環境を再構築出来るかどうか判らないと言ったケースが挙げられると思いますが、そうした方々にしてみればお得だからと環境移行を強いられるくらいなら多少のコスト負担も甘受するから同じ環境の提供を続けてくれと言う話ですよね。
ニフティに関してはともかく売却先企業がどれだけ環境を引き継いでくれるかを期待するしかありませんが、今ちょうどそれ以上の大々的問題となっているのがちょうど先日公式サポートが終了したばかりと言うご存知ウィンドウズXPの問題で、公式なサポートが続いていたとしても現行の最新環境に比べて桁違いに危険性が高いと言うことですから、今後サポートが打ち切られればどうなってしまうかと言うことです。
それでも個人の場合はソフト的・ハード的にみて年々環境も変わっていくわけですからあきらめて新環境に移行するか、特定アプリ専用機としてスタンドアロンで使用することで済むかも知れませんが、一番悲惨なのは企業等で特定のハードと組み合わせてXP環境下でシステムを組み上げた、その後も何ら変更もしないまま長年使い続けてきたのに全部一から組み直さなければならないのかと言うことですよね。
もちろんそれが可能であれば移行していただいた方がいいのでしょうが、特定環境に依存して組み上げているシステムが新しい環境下でも動く保障はないわけで、たちまち仕事に行き詰まりかねないとなると「金は出すから今のまま使っていられるようにしてくれ!」と言いたくもなると思いますけれども、どうもその辺りの事情が社会的には今ひとつ理解されていないのかこんな発言も飛び出しているようです。

「報ステ」はブラック企業を増長させる? 小川彩佳アナの「無料交換」発言に批判殺到(2014年4月10日RBB TODAY)

 「報道ステーション」(テレビ朝日系)8日放送回での小川彩佳アナウンサーの発言に批判が殺到。「報ステは労働問題を扱う資格はない」という意見まで飛び出している。

 同番組では8日、Windows XPのサポート終了について報じた。「米マイクロソフトは、発売から12年経ったOS・Windows XPのサポートを9日で打ち切る」というニュースに対して、小川彩佳アナは「(新しいOSと)無料交換して下さればいいのにって思いますよね」とコメントしていた。

 小川アナのこの発言が、「企業にかかるコストを考えていない」と批判を浴びている。「マイクロソフトは慈善事業ではない」「前々から終了は告知されていたのに」という声と同時に「なんでも『無償で』と要求する消費者がブラック企業を生む」「報ステは今後、労働問題を扱う資格はない」といった意見も出ている。

 「無料で交換してくれれば」発言は、ユーザーの本音を代弁したともいえるが、サポート終了は数年前から告知されていた。番組でも、古舘伊知郎キャスターが小川アナに「Windows側はこれだけ長くアナウンスしてきたっていうのがあるでしょう」と返している。

 ブラック企業やモンスターカスタマーが問題視されている今だからこそ、小川アナの発言も視聴者に厳しく受け止められてしまったようだ。

もちろん突っ込みが入っているように商業活動に対して適切な報酬を支払ってこそ社会が正しく成立すると言うもので、その意味では労働問題も扱う番組の担当者として不見識極まりない発言としか言いようがありませんけれども、環境移行に頭を抱えている各企業担当者にしてみれば「そういう問題じゃない」と突っ込みたくなるような話でもありますよね。
今後もXP環境で何とか使い続けていく工夫と言うものを各方面で色々な人がコメントしていて、その真偽の程や有効性についてははっきり確証出来ませんからここでは何とも言い難いものがあるとは言え、ゲーマーなど個人レベルで使用するにはそれなりに有効そうな対策と言うのも確かにあるようで、ここではどれがと明示もしませんが必要な方はあくまでも自己責任で行っていただくべきかと言う気がします。
先日マイクロソフトの方からもコメントが出ていますけれども、もちろんマイクロソフトにしても必要性があって旧システムを使い続けなければ仕方がないと言う顧客が一定数いることは承知していて、とりあえず最低限これだけはやっておいた方がいいと言う対策と言うものも示しているようですから、まずはやむなく使い続けるしかないという使用者も現状を認識して出来ることはやっておくべきでしょう。

Windows XPのサポートが4月9日で終了。どうしても残したい場合の対策はあるのか?(2014年4月9日4gamer.net)より抜粋

(略)
 ではサポートの切れたWindows XPを使い続けることには,どんなリスクがあるのだろう。加治佐氏はまず,現代の攻撃者が金銭を得ることを目的としたり,いわゆるサイバー戦争の道具(いわゆるゾンビPC)にすることを狙ったりといった具合に,攻撃の目的を明確に変えていることを指摘した。
 たとえば,警察庁の調査によると,2013年に日本国内で発生した不正送金による被害金額は,14億円に達していたという。2014年はさらに悪化しており,1~2月の2か月間だけですでに6億円もの被害が発生しているそうだ。
 PCとOSの進化にともなって,OSは新しいものほどセキュリティ面で強固となるのが通例である。加治佐氏はWindows 8とWindows XPを比較した場合,マルウェア(悪意を持って使われるプログラム)の「感染率には21倍もの差がある」として,いかにセキュリティ面での差が大きいかを述べた。Windows XPを使い続ける限り,この差はさらに広がっていくのだ。
 「オンラインバンキングなんか使ってないから大丈夫だろ」と考える人もいるだろう。だが,オンラインゲームのユーザーを狙い撃ちして,ユーザーIDやパスワードを盗み出すマルウェア(悪意を持って使われるプログラム)も存在するので,けっして他人事ではない。同じユーザーIDとパスワードをほかのゲームやサービスでも使い回していたら,それらのアカウントまで乗っ取られる可能性もあるのだ。
 また,2012年に発生した不正アクセス事件では,PCにマルウェアを埋め込まれて不正アクセスに利用されていたいわば被害者が警察によって4人も誤認逮捕されるという事件が起こり,世を騒がせたことがあった。Windows XPを使い続けると,そうした事件に巻き込まれるリスクも高まるといっても過言ではないだろう。
 もちろん,マルウェアの脅威はWindows XPに限ったものではない。Windows 7やWindows 8.1でも危険はある。だが,Windows XPは,この先セキュリティ面での問題(セキュリティホール)が見つかっても,それを穴埋めするセキュリティ更新プログラムが提供されなくなるのだ。攻撃者からすれば「Windows XPは楽に落とせる隙だらけの獲物」となるわけで,積極的に狙った攻撃が今後増えていく可能性は高いだろう。
 それでも,どうしてもWindows XP搭載PCを使い続けたいという場合はどうすればいいのだろう。加治佐氏は「万全な対策ではない」と断りながら,リスクを軽減する4つの対策を挙げた。

    既存のセキュリティ更新プログラムをすべて適用する
    セキュリティソフトも最新の状態にアップデートする(セキュリティソフト自体が古くて更新されなくなっている場合もあるので注意)
    上記を済ませたらインターネットから切断し,今後はアクセスしない
    USBストレージなどを使ったデータ交換も禁止する

 要は,Windows XP搭載PCは完全に孤立した状態だけで使えということだ。Windows XP搭載PCでオンラインゲームをプレイするなどは論外ということになる。LAN経由で広がるマルウェアも存在するので,家庭内のLANからも切り離さなければリスクは回避できない
 しかし,「昔のPCゲームをまだプレイしたい」というだけの理由でWindows XP搭載PCを残すのであれば,これでなんとか対応できるケースは少なくないのではなかろうか。
(略)

結局はとにかくネットにも他のPCにも一切つなぐな、スタンドアロンで使えと言うことで、これはXPを使っている端末だけがトラブルに見舞われると言うことに留まらず、XP端末が不正な侵入者の入り口となってネットワーク経由で他のPCにまで被害が及ぶ可能性があると考えると当然なんですが、ただここで気になるのが今の時代本当に閉鎖的な環境と言うものはどれほどあるのかと言うことです。
例えば多くがXPで動いていて危険だと話題のATMなども系列本店はおろか他行ともネットワーク経由でつながっているわけで、どこか1カ所から侵入されるだけで大変なことになる可能性がありますけれども、銀行などはコストよりも何よりも安全性、信頼性を最優先しなければならない業種ですから、受益者である顧客に相応のコスト負担を依頼してでも早急に環境移行をお願いしたいところですよね。
実はこうした商取引に関するセキュリティ上の重大問題としてXP以上に多大な影響を与えかねないのが先日明らかになったOpenSSL上に重大なバグが発見されたと言うニュースなんですが、例えばネット上で買い物をする際に「この通信は暗号化されており」云々と出てくる場合大抵これが関わっているとみていいですけれども、バグによって暗号化された情報を盗み出せる抜け道が見つかったと言うのですから大変です。
もちろん関係各所が直ちに対応を行っているのですが、たちが悪いのはすでにデータを盗み出されていたとすればその情報が解読されている可能性があるし、しかも盗まれたかどうかも知る手段がないと言うことで、言うまでもなくネット取引が当たり前となった今の時代に「非常に控え目に言って、これは悪いニュース」と言うしかありません。

いささか脱線しましたが、実際問題として企業側がどこまで前述の対応が出来るかも微妙なところがあって、誰が触るとも判らない以上外部とのネットワーク接続は物理的に切断した上で、USB等の外部接続コネクターも全部塞いでしまうくらいのことをしないといけないと思いますが、こうした対応が出来るのは工場内の機械制御など限定的な環境に限られるのではないかと思います。
例えば企業の業務に関わるシステムでXPでなければ動かない専用アプリを開発し長年使用してきたと言うケースは決して少なくないはずですが、こうした作業で外部と一切のデータのやりとりをせずに業務が行えるとはちょっと考えにくいですし、場合によっては本来安全性が高いはずの新システムとつながれていると言うこともあり得る話ですから、これは困ったなと言うしかありませんよね。
とりあえず企業としてはいつまでもサポート切れを嘆いていても仕方がないので、これは必要なコストなのだと割り切ってシステムもアプリも全部一から組み上げて環境移行するしか根本的解決策はないんだと思いますが、金銭はもちろん手間ひまを考えても膨大な作業が必要になるのは明らかであり、また失礼ながら新システムの操作には馴染めないと言う人も出てきて作業効率が大幅に低下する可能性も少なくないでしょうね。
ただ根本的なセキュリティ対策と言うのはやはり一人一人のユーザーの意識に負うところが大きいので、端末にパスワードを書いたポストイットを貼り付けてあるだとか、職場の端末から怪しいサイトにアクセスしたり、あるいは人から受け取ったUSBメモリーなどを何気なく挿入してしまったりと言うことのないよう、まずはきちんとした社員教育を徹底していくことから始めなければどんな環境に移行しても意味がないことになりかねません。

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コメント

富士通いわくニフティ売却は誤報だそうですよ

投稿: | 2014年4月12日 (土) 10時28分

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