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2014年4月 8日 (火)

クレーマーもコンピューターが見分ける時代に?

いわゆるクレーマー、モンスターと言われる顧客の存在が社会問題化して久しいですが、先日こんな記事が出ていました。

「クレーマーなのに常連」という不思議なお客 文句言うのに週2回来る(2014年4月3日アメーバニュース)

飲食店でしばらく働いていると、常連のお客さまと、そうでないお客さまが分かるようになります。「お得意さま」と「新規顧客」といったところでしょうかね。
そんなお得意さまの中には、「常連でクレーマー」という方もいます。いろいろ文句を言うので、「もう二度と来ないのか」と思いきや…。なぜか、またいらっしゃるのです。
私が働いていた居酒屋チェーンWでは、従業員はインカム(無線機)を使って店内の連絡を取り合っていました。普段は「○番卓のビール出てないよ」といった連絡をするのですが、このお客さまが来ると「また来たよ。お茶の人」というインカムが飛び交います。(ライター:ナイン)

「料理が写真と違う」などと毎回苦情
その常連客は、来店すると必ずお茶を注文するため、従業員の間では「お茶の人」で通っていました。それを聞いて「えっ、また?!」と、あからさまなリアクションをとる従業員もいました。
「お茶の人」は、ご夫婦で週に1日か2日は来店されます。2人とも40代後半くらいで、旦那さんは「どうも。お世話になっております」「いつもありがとね」などと声をかけてくれる、物腰の柔らかい笑顔の方です。
問題は、奥さまの方。女優の大竹しのぶさんのような、ゆっくりとした話し方なんですが、柔らかい印象はなく、言葉にとげのある感じなんです。
「ちょっとこれさぁ、写真と全然違うんだけど。こんな色じゃないでしょ、作り直してくれる?」 ある日、注文されたお刺身を持っていくと、「お茶夫人」からキツイ一発を食らいました。厨房で細心の注意を払って作り直し、ドキドキしながら持っていくと、
「なぁに、結局こんな感じなのぉ? まだ全然違うけど。(ムシャムシャ…)んー、別においしくはないけど、まぁこんなもんかな」 毎回毎回、こんな感じなのです。クレームは1回の来店で、最低1回。短いときは30秒、長いときは3~4分かかり、3~4回呼び出されて叱られることもあります

実は「貴重な存在」なのかもしれない?
このほか、「他のお客の足音がうるさい」(それは私たちのせい?)、「飲み物の味が微妙に違う」(材料と作り方は同じです)、「女子トイレの便座が上がってたんだけど、男が使ってるんじゃないの?」(見たんですか)というものも。
旦那さんがいつも「まぁまぁ」となだめてくれますが、なかなか疲れます。あなたの周りにもいませんか? 困った常連客やお得意さま。まぁ、いて当たり前ですよね。みんながみんな自分にとっていい人なら、人間関係の悩みなんてなくなるでしょうから。
お茶夫人は、我々従業員にとっては「クレーマー」でしたが、旦那さんから見たら「奥さん」。50歳すぎの怖い怖い上司も、家に帰れば旦那さんだったり、お父さんだったりするわけで。立場も変われば、見方も変わりますよね。
そう考えると、私たちも「決められた通り、ちゃんとやってるのに」と思わないで、立場を少し変えてみることが必要かもしれません。たとえば「メニューと実物では、どうしても多少の違いは出てしまう」というのは、店側の事情で勝手に正当化している部分もあります。
お客さまがそう感じるのであれば、何をどう変えれば不満を解消できるのかを考えてみる。店長の裁量では、メニュー写真の撮り直しはできませんが、盛り付けを工夫することくらいはできます。
そう考えると「クレーマーなのに常連」って、わざわざ足しげく通い、お金を払ってくださり、よりよいお店に鍛えてくれる貴重な存在なのかもしれませんね。

ま、クレーマーを「業務改善の機会を与えてくれるありがたい顧客である」式に捉えるべきだと言う考え方は未だに一部で残っているようですし、事実徹底してその種の対応を貫いて高い顧客満足度を維持出来ているお店もあるようですけれども、聞く限りではそうしたお店の多くは高価格帯のお店のようで、やはり薄利多売で商売をする大多数の店舗としては一定限度以上の要求には応需しかねると言うことになるかと思います。
「1%の顧客が10%のリソースを消費し0.1%の利益にしかならない」と言った類の言葉が各業界にあるようですが、デフレ時代にあって超がつくほどの薄利で商売している方々にとってはこうした顧客が居着いてしまうと言うこと自体が経営悪化因子とも言え、どうやってそうした状況に陥ることを回避するかが重要になってくるのでしょうね。
その点で前述の症例のように常連化しているクレーマーの場合は組織的対策も立てやすいのかも知れませんが、多くの場合一見さんでやってくるクレーマーに対して初期対応で誤ってしまった結果余計に話をこじらせると言うことにもなりがちで、現場スタッフとしては最低限の接遇マナーを身につけることはもちろんですが、紛争化しそうな危険信号を早期に察知し相応の対応を取る嗅覚的なものも要求されることになるでしょう。
その意味ではいわゆる要注意顧客に関して何かしらの事前情報があれば助かるのに…とはどこの業界の人も考えていることでしょうし、実際にそうした問題顧客リストが出回っているらしいと言う噂も絶えませんけれども、先日実際にかなり広範囲でこうしたことが行われていると言う記事が出て話題を呼んでいます。

客の顔情報「万引き対策」115店が無断共有(2014年4月5日読売新聞)

 スーパーやコンビニなどの防犯カメラで自動的に撮影された客の顔が顔認証で解析され、客の知らないまま、顔データが首都圏などの115店舗で共有されていることが4日分かった。
 万引きの防犯対策のためだが、顔データを無断で第三者に提供することはプライバシー侵害につながりかねず、専門家や業界団体は「ルール作りが必要」と指摘している。

 顔データを共有しているのは、名古屋市内のソフト開発会社が昨年10月に発売した万引き防止システムの導入店舗。首都圏や中京圏のスーパーなど50事業者計115店舗で、個人のフランチャイズ経営の大手コンビニなども含まれる。
 各店舗は、防犯カメラで全ての客の顔を撮影。万引きされたり、理不尽なクレームを付けられたりした場合、該当するとみられる客の顔の画像を顔認証でデータ化した上で「万引き犯」「クレーマー」などと分類し、ソフト開発会社のサーバーに送信、記録される。他の店舗では顔の画像そのものは閲覧できない仕組みだ。
 いったん登録されると、再び来店した場合、店員に分かる形で警報が発せられる。登録されたのとは別の店舗を訪れても、サーバーに記録された顔データで照合され、警報が出る。システムを導入する店舗では、「顔認証監視カメラ設置」などのシールを店内に貼って撮影していることを周知しているが、他の店舗と顔データを共有していることまでは知らせていない。

 個人情報保護法では、防犯カメラで撮影した顔画像は個人情報に当たる。防犯目的であれば本人の同意がなくても撮影は認められているが、顔データを共有すると、第三者への無断提供を禁じた同法に抵触する恐れがある。提供された顔データが犯歴や購入履歴などと結びついて個人が特定されれば、プライバシー侵害につながりかねない
 顔データの共有について、個人情報保護に詳しい板倉陽一郎弁護士は「店側が 恣意 ( しい ) 的に不審者だと登録でき、客にとっては、行ったことのない店舗で不利益な扱いを受ける恐れがある。誤って登録されても反論する機会はない」と指摘する。一方、ソフト開発会社は「万引きを防ぎたいという店側のニーズに応えており、問題ない」と説明している。
顔認証 顔の画像をコンピューターが分析し、本人確認や、年齢や性別などの属性識別を行う生体認証の一種。指紋認証や虹彩認証とは異なり、カメラの前を通過するだけでデータを集められる。正面から撮った顔の画像では、本人識別率は99.9%以上とされ、空港から入国するテロリストをチェックするなどの目的で使われている。

これもなかなかに興味深いシステムだと思うのですが、ちなみに記事において関係を指摘されているソフト開発会社の側で事実に反するとのコメントを出していまして、これによりますとあくまでも万引き防止のためのシステムであって共有するのは万引き常習犯のデータのみである、そしてそれも共有に当たっては当の常習犯から同意書を取っていると言うことですけれども、同時にクレーマー登録に関してこんなコメントも出しているようです。

「注意人物(クレーマー)として登録する場合とは、当社顧問弁護士及び防犯専門家が策定した運用ガイドラインに従い、来店者の故意・過失によって店舗に損失が発生していることが明らかな場合です。店舗の不適切な応対に対して来店者がご意見を仰る場合には、クレーマーには該当しないと考えます。クレーマーに分類されるのは、来店する度に暴力暴動を起こす、他の来店客をトラブルに巻き込む、迷惑行為をする等、客観的にクレーマーに該当することが明らかな場合です。」

このクレーマーの定義と言うのもなかなかに難しいところがあって、確かに「他の来店客をトラブルに巻き込む、迷惑行為をする」等々と言われればそれは問題だなと思うところなんですが、実際上の事例として想像してみますと例えば年中雑誌コーナーに居座って立ち読みをしていると言うのも客観的に迷惑行為であるのは明らかですし、他の顧客も余計なトラブルに巻き込んでいると言えるでしょうね。
個人的な経験の範囲でも学校の近所のコンビニで始終学生がたむろしては立ち読みしていて店長に追い払われると言った光景が見られましたけれども、柄の悪い連中が大勢集まって店内の一画を占拠しているわけですから健全な顧客としては到底立ち寄る気にもなれないでしょうし、お店にとっても経営上非常に深刻な影響を与えている迷惑行為だと言えるでしょう。
要するにどこからクレーマーと考えるかは非常に主観的な問題であって、先の例のように学生がたむろしていたとしても強面の店長が簡単に追い払っていられるなら迷惑ではあってもコントロール可能ではあると言えるでしょうし、逆に心身の頑健さに自信のない店員が一人で店番をしているときにこういう状況に遭遇すれば場合によっては恐怖を感じることもあり得るだろうと思います。

しかし一方で気になったのが、そもそもこうした顔認識を行われているとしてそれによって「不利益な扱いを受ける恐れ」と言うのが具体的にどんな扱いを受けることを意味するのかですが、当然ながら万引き常習犯が入店してきたともなれば店員もそれとなくチェックはするでしょうけれども、別に万引きをしていると言うのでなければ「だから何?」で終わる程度のことですよね。
いわゆるクレーマー顧客に関しても入って来た段階で追い出すとは普通に考えてもないだろうとすれば、恐らく常時注意を払っていて問題行動が出た時点で即対応と言うことなんだと思いますが、これまた問題行動を起こさず普通に店を出るなら特別の不利益になると言うわけでもなさそうで、まさか「余計なシステムのせいで暴れられる時間が短くなってしまったのが問題だ」とでも言うのでしょうか。
実はこの種の問題は高速道路などによくあるナンバープレート読み取り装置だとか、昨今あちらこちらの街角にも据え付けられるようになった防犯カメラの類に関しても必ず出てくるところで、そのたびに進歩的な方々は「プライバシーの侵害だ!個人の権利を守れ!」と言い、それに対して「そんなの悪いことをしなかったら問題ないじゃないか」と突っ込みを入れられると言うお約束的やり取りが続いています。
どちらの言うことにも一理あるとは言えるのですが、こうした社会的に問題視されるような行動に対しては実は店舗側以上にその他大勢の善良な市民こそ大きな迷惑を被っているとも言えるわけで、利用目的が明確化されそれ以外の目的には決して使われないと言う大前提がきちんと担保出来るのであれば、実のところ多くの反対意見はその論拠を失うと見ていいんじゃないかと言う気がします。

その点で個人的に思うことには技術の進歩と言うものはありがたいもので、一昔前のアナログ時代であれば単純に画像を記録してそれを人間の目でチェックすると言ったやり方でしか出来なかったものが、今ではコンピューターによって自動認識され「この顧客は要注意」と言った記号的情報にまで整理されて出てくるようになったわけですが、実はこうした変化の持つ意味は決して少なくはないと思います。
いわゆる監視カメラ的なものが何となく嫌だなと感じる理由として、直接的に犯罪行為に関与するわけではないけれども見られたくはない個人情報が晒されるのではないか?と言う漠然とした不安があることは誰しも否定出来ないところで、早い話が自動速度取り締まり機で撮影され罰金を請求されるところまでは許容できても、撮られた証拠写真に不倫相手と同乗しているところが写っていると知られたくはないと言った話ですよね。
ちなみに本当か嘘か噂の域を出ませんけれども、この種の思いがけないプライバシーの暴露に対してもそれなりの対策は取られているのだそうですが、ともかくも思わぬ名探偵やゴシップ好きの方々に余計な詮索をされかねないリスクを冒すくらいなら運転手は誰々、いつどこで何キロオーバーと言った必要最低限の情報だけを収集するようにしてもらいたいと言う気がしますが、それが可能になってきたと言うことだと思いますね。
もちろんデジタル時代ですからハッキング等によって思わぬ情報が流出すると言うリスクももちろんあって、この辺りは情報収集と処理の段階から流出しても困るような情報は選別し記録しないでおくと言った技術的対策も十分に取られていることが必要不可欠だと思いますが、ともかくも個人のプライバシー保護と言う観点からも技術の進歩によってかなりのところまで対応出来るようになってきたと言うのは朗報ではないでしょうか。

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コメント

>「なぁに、結局こんな感じなのぉ? まだ全然違うけど。(ムシャムシャ…)んー、別においしくはないけど、まぁこんなもんかな」

かわいい女の子ならツンデレで通ったのにオバサンと来たら潰しがきかねえw

投稿: aaa | 2014年4月 8日 (火) 08時38分

つうかええ歳してこんなしゃべくりするオバはんキモいわ
よっぽど旦那が甘やかしてきたんとちゃうか?

投稿: | 2014年4月 8日 (火) 09時52分

おばさんと言う先入観からスルーしてましたけど、言われてみれば聞きようによってはツンデレっぽく聞こえる台詞なんですかね。
こういうことを続けていられるのもご主人が甘やかしているからと言うのは同意です。

投稿: 管理人nobu | 2014年4月 8日 (火) 12時19分

悪意で気に入らない人間を万引きの常習犯やクレーマーとして登録することもできるんだとすればおぞましいな

投稿: | 2014年4月 8日 (火) 14時33分

ただ登録だけだと要注意扱いで警戒されるだけで、大人しくしてたら大丈夫なのかと思いましたがどうなんでしょう?

投稿: てんてん | 2014年4月 8日 (火) 14時47分

身内の不祥事で信用情報格下げされた身としちゃはいそうですかとは言いにくい
一定期間不祥事がなければ自動的に情報削除されるのかどうか?

投稿: アホダス | 2014年4月 8日 (火) 15時26分

このおばはん、ええ歳してここまでくると、もう直りません。
所詮居酒屋チェーンで常連なんて、味覚もなにも低レベルだろうし、
基本「おつむ」が多少ずれているんだろうなあ。
旦那もこんなの面倒みないといけないのもかわいそう。

投稿: | 2014年4月 8日 (火) 16時56分

本人の知らない間にデータを集積してビッグデータ化して利益を得るものに頒布、でヨヤクスリを思い出い出しましたが、おとといあたりからこんなニュースも
診療報酬明細書(レセプト)の情報を、匿名化して販売

投稿: 感情的な医者 | 2014年4月 9日 (水) 09時37分

今後この手のデータ流出は避けられないと思われますので、慣れていくしか仕方はないのかなとも思います。

投稿: 管理人nobu | 2014年4月 9日 (水) 11時10分

目的外利用もさることながら販売するとなるとこれまた突っ込まれそうですな
営利目的が絡むのであればそれなりにルールは必要かと愚考いたしますが

投稿: 元僻地勤務医 | 2014年4月 9日 (水) 16時06分

読売新聞記事に捏造の疑い、取材対象者から抗議受けた記者は「いい宣伝になったでしょ?」
http://biz-journal.jp/2014/04/post_4607.html
今回の読売新聞記事の法的解釈については、
法律の専門家からも次のように疑問が投げかけられている。
「システム運営者と各店舗の関係は、委託関係(個人情報保護法22条)として処理すれば、
個人情報保護法違反にはならない。したがって、『店舗間の顔認証情報共有』を
『個人情報保護法に違反するおそれがある』とする読売新聞の記事は、
間違いか、そうでなくても、問題の本質ではないことになる」
(『顔認証による万引防止システムと法の支配について』<「花水木法律事務所のブログ」より>)
 筆者が取材した警察関係者も「顔認証における顔データベースの共有は
個人情報保護法には抵触しない」との考えを示した。

 とはいえ、法的根拠についてはまだ整備されていない部分もあるため、
今後の議論が待たれるところであるが、ここで問題にしたいのは、
読売新聞が事実を裏取りせずに、証拠もない情報を公の記事で断言しているという点である。
 A社に確認したところ、同社とシステムをすでに導入している店舗に消費者から苦情は来ていないという。
 以上見てきた疑問について、本記事執筆者である畑記者に直接確認すべく
読売新聞社に問い合わせたところ、「担当者不在」との返答であった。

 万引きによる日本国内の小売業における被害総額は年間4500億円以上と試算されている。
この金額に対して、小売業の売上高対人件費比率を15%、
従業員の平均年収を300万円と仮定した場合、
年間2万2575人分の雇用が喪失している計算になるのだ。まさに、
犯罪によって、国民の働く機会が失われているといえよう。
 そんな中、今回読売新聞が批判しているようなシステムが普及すれば、
犯罪が未然に防げるようになるかもしれない。

 当該記事が掲載された当日、畠山氏は畑記者に対して抗議の電話をしたという。
それに対して畑記者は開口一番、こう答えたのである。「どうです。いい宣伝になったでしょ?」

投稿: | 2014年4月14日 (月) 15時11分

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