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2014年4月26日 (土)

韓国旅客船沈没事故に関わる斜め上な話題

未だに救助作業の続くお隣韓国の旅客船沈没事故では国を挙げての大騒動になっているそうですが、その最中にこんな発言があった!と一部マスコミが取り上げているようです。

「急旋回で学校が転覆しないように」石川・輪島市教育長(2014年4月24日朝日新聞)

 石川県輪島市の吉岡邦男教育長が23日の県教委の会合で「3等航海士のような輪島市教委だが、学力向上に向け急旋回でかじを切ることで学校が転覆しないように」と述べた。韓国南西部・珍島(チンド)付近で起きた旅客船沈没事故を引き合いにした発言で、吉岡教育長は24日、朝日新聞の取材に「県と市がお互いの責任を果たすべきだという教訓として取り上げた。大まじめな発言だった」と話した

 会合は金沢市で開かれ、県教委と県内19市町の教育長が参加。沈没事故発生時は3等航海士が操船を指示しており、吉岡教育長は市の現状を説明した中で比喩的に取り上げた。この発言の直後、同席していた谷本正憲知事が「県には3等航海士はいない。みんな1等航海士だ」と口をはさみ、会場からは笑いが漏れた

 吉岡教育長は取材に「市の前例のない取り組みを『急旋回』と表現した。常に県が支えてほしいという思いで『3等航海士』と言った」と説明した。谷本知事は24日、県秘書課を通じて「3等航海士の発言は謙遜と受け止め、輪島市教委も気概を持ってがんばってほしいという認識で発言した」とのコメントを出した。

ともかくも修学旅行生数百人が巻き込まれると言う悲惨な事故ですから日本においても話題になっている事故なのですが、記事から読む限りでは直接的に沈没事故と関連するような話題というわけでもない中で、対応を誤り重大かつ悲劇的な結果にならないよう十分注意すべきであると言う文脈で事故の話題が引用されていると言う解釈でよろしいのでしょうか。
石川県の教育委員会が一等航海士揃いであるかどうかは各方面に異論無きにしも非ずと言うことが会場の失笑につながったのかも知れませんが、ともかくもこういうローカルな話題をわざわざ独自に取材までして全国配信の記事として取り上げたと言うことはそこに重大なニュースバリューがあると判断したと言うことなのでしょうし、これまた記事の文脈から判断する限り好意的な取り上げ方であるとは考えがたいですよね。
検索した限りでは朝日と毎日がこのニュースを報じているようで、毎日の記事には記者の問いかけに対し教育長が「混乱を招かないよう細心の注意を払って進めていくとの趣旨で、不適切だとは考えていない」と答えたと言うくらいですから、少なくともこれら両社的には不適切だと考えて取材をし記事にしていることは明白で、要するにそれだけ取り扱いには慎重な配慮を要する話題であると考えていると言うことでしょう。
そこまで慎重な配慮を払っているであるにも関わらず、当の現地では「日本のマスコミの取材ぶりには全く配慮がない!」と各方面からクレームが殺到していると言うのですから事実だとすれば興味深いことだと思いますが、こちらの記事を紹介してみましょう。

日本メディアが無神経取材…韓国沈没事故の最前線リポート(2014年4月24日日刊ゲンダイ)

 韓国の旅客船沈没事故は発生から1週間が過ぎた。引き揚げられた遺体は、損傷が激しいのか、取り違いが起きていて、中には寸前で違いに気づき、葬儀を中止するケースもあったという。メディアが伝えない救出の最前線基地、珍島の現状を、ジャーナリスト・太刀川正樹氏が現地から報告する。

 珍島港に入って真っ先に目にしたのは、港近くの食堂に殺到した日本人マスコミだった。日本への中継が一段落すると、各社のスタッフがどっと食堂に訪れ、現地の人が「日本人が独占して、俺たちが食事できない!」と食堂の主人に怒鳴っていたのだ。
 食堂でのやりとりから、各社のスタッフは必ずしも全員、ハングルを知っているわけではないらしい。それを露呈したのが、港に張り出された死亡者リスト前でのひとコマだった。リストの端には、「写真は撮らないで。家族が嫌がります」と書かれていたが、日本のテレビクルーはお構いなしに家族の顔にカメラを向ける。無神経な振る舞いは、海外メディアからも批判の的だ。

■いきなりマイクとカメラを向けて

 港で海を眺めていた女性2人は、家族が帰ってこないことに、悲嘆に暮れていたのだろう。肩から毛布にくるまって、冷たい海風に耐える姿が印象的で、韓国のテレビ局や米CNNスタッフと一緒に私も遠巻きに見ていた。すると、日本のあるテレビ局は韓国メディアより前に出て、カメラとマイクを彼女たちに向けた
 そのスタッフの問いかけは「日本の安倍首相の支援の申し出を断った朴大統領をどう思うか?」。その瞬間、2人の顔色が変わった。慌てて制止したのは、CNNのスタッフだった
 家族が寝泊まりする体育館では造船会社やカトリック団体など20以上の団体が靴下や歯ブラシ、ブリーフ、ブラジャー、パンティーなどを無料で提供。炊き出しもしている。韓国メディアは館内の観客席部分にシートや毛布を敷いて24時間態勢でリポートを続けているが、日本メディアは夜の中継が終わると、体育館から1時間ほど離れたホテルに引き揚げている。

正直ソースもソースですし、どこまで本当の話なのか眉唾物だと考える人もいるかも知れませんが、現地メディアの報道を見ていても親族などが非常に殺気立っていて救助が遅すぎると関係各方面に食ってかかっている状況が報じられていますし、記事からうかがう限り日本国内における日系マスコミの取材ぶりと全く変わらないと言う点では非常にありそうだと納得出来る話ではありますよね。
今を去ること数年前のニュージーランド大地震の際にも実は全く同様の事件があったと報道されていて、地震に巻き込まれた負傷者に突撃取材を敢行しようと病院に無断侵入を図った輩が逮捕されただとか、片足切断の重傷を負った方に「ねえねえ、もうスポーツなんて出来ないんだけど今どんな気持ち?」などと問い詰めたことが海外マスコミにも報道されただとか、大規模災害のたびにこの種の話題には事欠きません。
そして興味深いのは小さな田舎町の教育委員長の一言一句まで漏らさず取り上げるほど取材力に長けているはずの日本の良心的な報道機関が、こうした振る舞いに関しては全く報道する価値を認めていないらしいと言うことで、先に取り上げたニュージーランドの件なども報じたのはことごとく外信やネットメディアだけだったと言うのも何とも徹底していますよね。
ちなみにマスコミの方々はどのように感じておられるかは定かではありませんが、一般的な日本人の感覚からすると「自分には甘く、他人には厳しい人」と言うのは決して好意的評価の対象となるものではないようですけれども、マスコミ業界的にはこうした方々こそが多数重宝されていらっしゃるように見えるのも何とも面白い現象だとは思いますね。

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投稿: | 2014年4月26日 (土) 08時58分

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