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2014年3月19日 (水)

ここでも○○の常識は世間の非常識?

今日はまたどうでもいいことを書いてみようと思いますけれども、手始めに今月23日に投開票が行われる大阪市長選挙に関連してちょっとした騒動が起こったのですが、これが思いがけない方向に延焼したとニュースになっています。

【大阪市長選】マック赤坂氏、橋下氏演説会で質問直前につまみ出された(2014年3月13日スポーツ報知)

 大阪都構想をめぐる対立を機にした出直し大阪市長選に立候補している、スマイル党総裁で新人のマック赤坂氏(65)が12日、大阪市内で行われた日本維新の会共同代表で前職の橋下徹氏(44)の個人演説会に“乱入”し、警察まで巻き込む事態となった。

 「事件」は演説会の後半、参加者からの質問タイムに勃発した。勢いよく手を挙げたマック氏が質問しようとした瞬間、男性が後ろからマック氏の両肩をつかんだ。「何しとるんや! 暴力や暴力!」とマック氏が叫ぶと会場は騒然。その場で自ら110番したマック氏は、維新のスタッフに外へと連れ出された。

 駆け付けた警官には「たぶん右肩を脱臼しました。力が入りません」と救急車を要請。報道陣には「刑事告訴します!」と宣言し、救急車に自ら乗り込んだ

 維新の選対スタッフによると「最初に両肩をつかんだ男性は分からない。少なくとも選対の人間ではないです」と説明。演説中、タスキをかけたりカメラに向かってポーズをするマック氏に腹を立てた参加者だった可能性もある。
(略)

マック赤坂氏負傷騒動で孫崎亨氏が日経新聞記者に苦言(2014年3月14日アメーバニュース)

 大阪市長選(3月23日投開票)に出馬している、スマイル党総裁のマック赤坂氏(65)が3月12日、日本維新の会の橋下徹前市長(44)の個人演説会に来場し、会場にいた男性に羽交い締めにされる騒動が起きた。

 マック氏は羽交い締めにされた後、自ら110番し、緊急搬送された。診察の結果、右肩を打撲する軽いけがとのこと。マック赤坂氏は3月12日に被害届を提出しており、傷害の疑いで大阪府警曽根崎署に告訴する意向だという。同じく新人で出馬した藤島利久氏も同日、同様に演説会の会場で、腕をひねられるなどして右肩関節を捻挫したとしており、告訴する意向

 この事件に元外交官の孫崎享氏はツイッターで「選挙期間中、立候補者に危害なしは民主主義の大前提」との認識を示し、各新聞紙での取り扱いに対し「こうした現象がでることが民主主義を揺るがすと言う危機感ないのでしょうか」と意見。

 またマック氏が羽交い締めにされた際の動画を確認した孫崎氏は、脱臼の可能性があるマック氏に対して日経新聞記者が「救急車を必要とする人がいるかもしれないのに救急車を呼んだことに責任感じないのか」とマック氏を非難していたことを指摘。「候補者が体を痛めつけられたことの重大性を何も考えないのか」と苦言を呈している。

大阪にしては笑えないなと言う感じですけれども、民主主義に対する危機感は大いに感じていただくのはよいとして、それと不要不急の救急車利用とは全く何の関係もない話であると言うことも理解していただければよかったかなと言う気はします。
ちなみにマック赤坂氏は「スマイルセラピー」を称し各地の老人介護施設でボランティア活動も行っているのだそうで、まんざら医療方面にも関心がないわけでもなさそうに思えるのですが、あれほど各方面で危機的だと報道されている救急の現状をご存じないと言うのであれば不勉強のそしりを免れないでしょうし、知っていてやったことであるなら仮にも人の上に立つ公人を目指す立場としてどうなのかですね。
何にしろ大阪らしく笑いを取りたいと考えていたのであればまだしもですけれども、ある人々にとっては当たり前だと思っていることが別な人々にとってはそうではないと言うことはままあって、時折そうした行き違いが思わぬトラブルの芽になりかねないと思わせるこうした記事が出ていました。

27才女性 出産時に医学生が分娩台にゾロゾロ近づき絶句する(2014年3月11日NEWSポストセブン)

 27才女性は自分の出産時にまさかの事態が…。一体どんな出来事があったのか。本人が語ってくれた。

 * * *
 大学病院の産婦人科では下半身をむき出しの内診や、分娩の真っ最中に、医大の学生たちを立ち会わせるのはよく知られた話。でも、まさかそれが私の出産のとき当たるとは、うかつにも思ってもみなかったわ。

 しかも、観光客みたいにゾロゾロと列を作って分娩台に近づいてきたのは「ひっひっふ~うん、ひっひっふ~うん」と、私がいきみ逃しに全神経を集中させていたそのとき。

「失礼しまーす」と言われても、挨拶どころじゃないっつーの。ただ、ひとりの研修生だけ、なんとなく見覚えがある気が…。

 無事出産を終えた翌日になって、はたと思い出した! あの子、そういえば、中学時代の同級生だって。

 あれから同窓会はずっと不参加よ。

この話がおもしろいなと思ったのは、医師を始め相応にキャリアを積んだ医療従事者であれば「どうして同窓会に不参加??」と話のオチに理解が及ばないところがあるのかなと言う気がするのですが、思えば今どきプライバシーなどほとんど存在しない大部屋に押し込まれ入浴もままならない生活を強いられる入院生活などと言うものも刑務所並みとも言うべきで、それはヒラリーさんも日本の医療の斜め上ぶりに驚くと言うものでしょうね。
今はずいぶんと色々な配慮がなされるようになっているのでしょうが、昔は婦人科病棟では下半身を露出した患者さん達が並んで内診の順番を待っているということなどもあったのだそうで、産科と違ってこちらは年配の方々が中心ですからいささか受け取り方も異なってくるのかも知れませんけれども、やはり何も知らない人が見れば「なんじゃそりゃ?」と感じてしまいそうな光景だろうなとは思います。
特に大学病院の場合トラブルに結びつきやすいのが記事にもありますようにいきなり学生達が乱入してくることもあると言うことで、気の利いた指導医であれば一応患者さんの同意を得たりもしておくのでしょうが、本来的に大学病院と言うものは研究と教育のための機関で治療は二の次であると言うことになっているし、実際はっきりと受付にそうした旨(もう少しマイルドな表現で、ですが)掲示されている施設もあるようです。
結果として患者さんとしてはいささか面白くない場面に遭遇する確率も高くなると言うものですけれども、別に大学病院に限った話ではなく多くの病院で研修医と言う存在が同じような行動を取っていることがあって、しかも昨今ではローテート研修必修化となった結果あからさまに素人くさい先生がぞろぞろと見学にやってくると言うことも決して珍しくはありませんよね。

患者さんの方では医者が思っている以上に細かいところまで見ているもので、とある研修医が産科研修の時に妊婦さんのエコー(無論経膣ではなく体外式ですが)をやらせてもらうことになった、ところがプローブを当てようとしたところ「え~?内科の先生がされるんですか~?」と露骨に嫌な顔をされたそうで、何故そんなことを言われたかと思ってよくよく見ると内科研修時に使っていた名札をそのまま付けていたと言います。
別に体外式のエコーなら内科医の方が慣れてるんだからいいじゃないか、などと考えてしまうのはすでに毒されていると言うべきなのでしょうか、ともかく患者の側としては「産科医に触られるのは覚悟して来たけれど他の先生にまで触られるのは心の準備が」と言うことはあるようで、このあたりの微妙な患者心理は業界ズレするほどに判りにくくなってしまうところではあるのでしょうね。
こうした場合「うちではこれがルールなんだ!」式に業界の慣習を患者に押しつけるべきなのか、それとも患者=顧客=神様と言う図式で可能な限り患者様のご意見を尊重すべきなのかについて意見が分かれそうですけれども、もちろんそれが医学的正当性があって行っていることでありその通りにやらなければ無用のリスクが高まると言ったことであれば、誰憚ることなく押し通せばいいのだと思います。
ただ日本の場合医学的正当性に関するエヴィデンスが乏しいまま長年延々と続いている妙な慣習もあって、例えばちょっと熱を出したら入浴させてはいけないなどと言う妙な「常識」が未だにまかり通っていますけれども、日本などよりはるかに在院日数が短いアメリカなどでは手術後だろうが平気でシャワーを浴びて問題なくやっている訳ですから、もしかすると単に入浴設備の不足を誤魔化す方便じゃないかと勘ぐりたくもなりますよね。
ちなみにこの「熱がある時は入浴させるな」と言う日本独自の慣習?と言うのは実はずいぶんと歴史と伝統があると言いますか、江戸時代に貝原益軒が著した「養生訓」にその旨記載があることから広まったのだと言いますから大変なものですけれども、今どき「その行為のエヴィデンスは?」と問われて「いえ、江戸時代の文献に…」などと答えようものならどのような反応が返ってくるだろうかと一度考えてみてもいいかも知れません。

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コメント

>患者=顧客=神様と言う図式で可能な限り患者様のご意見を尊重すべきなのか
患者さんや顧客が御自身こそが「神様である」と認識するのは自由ですが
であるならば、こちらの信仰の自由についても認識して頂きたいものです。

投稿: | 2014年3月19日 (水) 08時34分

選挙を盛り上げるために身体を張ってる?ちょっとわかりませんが。>赤坂氏
でもほんとに救急車や警察呼んじゃったらギャグにならない気がします。

投稿: ぽん太 | 2014年3月19日 (水) 09時22分

27歳女性で「あれから同窓会はずっと不参加」って言えるほど頻繁に中学の同窓会が開催されているのか疑問です。

個人的な体験では、救急外来で精神科の名札をつけて診療すると露骨に嫌な顔をされる方が結構おられますね。
救急担当医みたいな名札をつけて診療しては?との意見も院内で出ましたが、結局そうはなりませんでした。

投稿: クマ | 2014年3月19日 (水) 09時45分

整形だと言うと美容関係の相談ばかりされる不思議・・・

投稿: | 2014年3月19日 (水) 09時51分

検診に行ったら胃カメラ担当医が中学の同級生だった、てことならありますが
ヨダレたらす顔ぐらいならまだしも、下半身はさすがにねえ
地元の病院はこわい

投稿: | 2014年3月19日 (水) 10時01分

医者になって一番変化したことの一つに「近所の本屋で気楽にエ○本を買えなくなったこと」だと言っていた先生がいましたが、本屋の店員は個々の客が何を買っているかまでいちいち気にしないと言います。
医者の側も仕事モードに入っている時のことはいちいちプライベートとは結びつけないものだとは思いますけれども、逆にプライベートのはずが仕事モードに入ってしまってトラブルを起こしているケースもある気がしますね。
焼き肉屋などでついつい余計な解剖学的知識を開陳してしまい同行者に引かれた経験を持つようなタイプの先生は、日頃からよほど注意しておいた方がいいと思います。

投稿: 管理人nobu | 2014年3月19日 (水) 10時54分

>個人的な体験では、救急外来で精神科の名札をつけて診療すると露骨に嫌な顔をされる方が結構おられますね。

そらぁイヤだわ、悪いけどww

>医者になって一番変化したことの一つに「近所の本屋で気楽にエ○本を買えなくなったこと」だと言っていた先生がいましたが、

近所のレンタル屋で正々堂々とナ○スレ○プモノとか女子○生レイ○モノを借りてるおいどんの爪の垢ば処方しとくだすお大事に~wwww

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2014年3月19日 (水) 14時43分

小さな田舎町ですと皆顔見知りかつ店舗の選択肢もないので、ほんとにプライバシーも何もあったものじゃありませんな
子供の環境にうるさいとこですとエロ関係の取り扱いが村はずれの怪しい自販機一台なんてことにもなりかねない
簡単便利なネット通販なるものが出来て一番喜んでるのはこういう地域の悩み多き人達ではないかと

投稿: 元僻地勤務医 | 2014年3月19日 (水) 18時19分

近所の顔見知りの本屋で・・・を買えないとか、別に医者に限った話じゃあるまいしと思うが
教師や保育士なんて、父兄の目があるから地元スーパーにすら行かないと言ってた人もいる

投稿: | 2014年3月20日 (木) 16時58分

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