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2014年3月 1日 (土)

ビットコイン取引停止 ハイリスクになりつつあるのは確かですが

すでに新聞等でも報道されている通り、仮想通貨ビットコインの取引で混乱が生じていることが世界的に話題になっています。

ビットコイン日本の取引所停止…換金不能の恐れ(2014年2月26日読売新聞)

 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の日本の取引サイトが閉鎖状態になっていることが明らかになった。
 同取引所では今月7日から、ビットコイン取引のソフトに不具合があるとして取引を停止しており、同取引所を運営するマウントゴックス社(東京)は26日未明、自社のサイトに「利用者保護のため、しばらくの間、すべての取引を停止する措置を取った。状況を見て適宜対応する」などとする英文のコメントを掲示した。

 マウントゴックス社は2011年3月にビットコインの取引交換所をネット上に開設した。以来、取引量は1000億円以上にのぼり、一時期は世界のビットコインの8割を扱っていたとされる。
 しかし今月7日、口座のからの換金、送金業務を一部停止した。今後、同社に預けたビットコインの換金ができなくなる可能性もある。
 マウントゴックス社は「高度な暗号化技術で守られている」と説明していたが、外部からのサイバー攻撃で取引が一時的にできなくなったことがあるほか、昨年来、価格の乱高下が続き、暴落の危険性や利用者保護の仕組みが未整備である点を指摘する声が出ていた。

泣き寝入りも…実体なきビットコイン、規制なく(2014年2月27日読売新聞)

 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引所のサイトが閉鎖状態になり、混乱が広がっている。ビットコインが通貨や電子マネーと違って法的な位置づけが曖昧で、利用者を保護したり、業者を規制したりする法制度が未整備であることが問題の背景にある。

 ビットコインは、ネット上のプログラムが発行量などを自動で管理する一種のデータで、発行主体も管理者もいないため、法的に「通貨」とはみなされない
 発行を受ける際にお金の払い込みが伴わないため、電子マネーを規制する資金決済法の対象からも外れる
 仮に取引でマネーロンダリング(資金洗浄)が見つかっても、「通貨」ではないので不正取引を防ぐ犯罪収益移転防止法で取り締まることが難しい

 一方、問題の発端となっているビットコインの私設の取引所は、当局への届け出が不要で、取引を仲介するノウハウがあれば、誰でも開設できる
 ビットコインとドルや円などの「現物通貨」とを交換する取引は、両替や商品券などを売買する金券ショップの業務とも似ているが、ビットコインはただのデータで実体を持たないことから、金券ショップを取り締まる古物営業法の適用も難しいという。
 金融庁や財務省、警察庁、消費者庁などが情報収集を急いでいるが、ビットコインを直接所管する官庁はなく、法制度も追いついていないことから、今後の対応は難航が予想される。
 ビットコインに詳しいみずほ証券の楊為舟アナリストは「現状でトラブルがあった場合は泣き寝入りするしかないだろう。利用者保護の仕組みの整備が求められるが、規制が強まれば利用者が減る可能性もある」と指摘している。

このビットコインの問題に関しては以前にも取り上げたところですけれども、今回の騒動に関しては不正なサイバー攻撃によるものと言うことで基本的には業者も被害者という立場ではあるのですが、問題はビットコインの巧妙なシステムが持つ特殊な性質上今回のような事件がひとたび起これば誰も個人の保有するビットコインを担保することが出来なくなるのではないかと言う懸念です。
すでにビットコインを不正に盗み出すウイルスが世界的に広く蔓延し始めているということなのですが、元々何らの実体経済の裏付けのない単なる仮想通貨がこれだけ高値で取引されるというのも唯一その価値を担保するシステムへの信用があったからで、匿名性の高さ等の利便性からいきなり利用が廃れると言うものでもないでしょうが今後は今まで以上に相場の上下に気を配る必要がありそうです。
今回の騒ぎで額面数千万単位のビットコインを喪失したと言う人もいるようで、当然ながらアメリカ議会などでも仮想通貨の法的規制を検討するべきだと言った話が出ているわけですが、他方では元々何ら実体的価値の裏付けのないものに勝手に価値を認めてやり取りしているだけなのだから、全て自己責任ということで放置しておけばいいと言う声もあるようです。
もちろん今の高いレートがリスクも軽視しすぎた過剰評価に基づくものであることは確かだと思いますが、実際にそれで各方面に少なからずの被害が発生してちょっとした社会問題化しつつある状況にも関わらず、面白いことに日本の各省庁がそろって後ろ向きで関わり合いを拒否しているようにも見えると言うのが興味深いですね。

日本の金融当局、仮想通貨ビットコイン騒ぎに介入せず(2014年2月25日ウォール・ストリート・ジャーナル)

 【東京】インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引所「Mt.Gox(マウントゴックス)」(東京)が最近、預け入れられたビットコインの引き出しを停止したことを受けて、返還を求める投資家たちは日本の金融当局からの何らかのガイダンス(指針)を期待している。だが、うまくいっていない。ビットコインの取引所は日本の規制上の空白で運営されているようだ。
 日本の各金融当局はビットコインについて、責任を取ることを拒否している。

 東京を拠点とするマウントゴックスは、昨年の一時期、すべてのビットコイン取引の80%以上を占めていたが、今月になって、あらゆる顧客の引き出しを停止した。ビットコインのソフトウエアのバグ(不具合)で一部ユーザーが取引を変更でき、詐欺的な引き出しが可能になる恐れがあるとの理由だった。マウントゴックスは先週、ビットコイン引き出し再開に向けて依然作業中だと述べた。
 週明け24日には、マウントゴックスのマルク・カルプレス最高経営責任者(CEO)が、ビットコイン普及を提唱している最も影響力ある業界団体「ビットコイン財団」の理事職を辞任したと発表した。この発表はニューヨーク時間では23日の日曜日夜だった。
 これを受けて、最近下落していたマウントゴックスのビットコイン相場は一段安となり、東京時間の24日遅くには1ビットコイン(BTC)=150ドル前後で取引された。一方、他の2つの主要取引所の指標となっているCoindeskビットコイン指数は同575ドルとなっている。1月末にはマウントゴックスのビットコイン相場は同939ドルだった。

 マウントゴックスの引き出し停止のあおりを受けた投資家たちは、これに抗議するため東京にある同社オフィスの外に集まった。中には、はるばる英国から飛んできた投資家もいた。一部の投資家は、日本の金融監督当局である金融庁に対し、マウントゴックスの顧客を保護する規則はないか尋ねたが、明確な回答は得られなかったという。
 一部の弁護士や法律専門家は、マウントゴックスのようにカネを預け入れられる機関は通常、金融庁の管轄になるという。しかし金融庁は、仮想通貨取引所を監督するのは金融庁の仕事ではないとみている。
 金融庁の広報担当官は、「ビットコインは通貨ではない。いわゆる通貨の代替物として機能する金をはじめとした物品のようなもの」と述べ、「金融庁は通貨を前提する金融に係る事務を所掌している。ビットコイン取引所は当庁の規制監督対象になっていない」と語った。

 欧州連合(EU)、中国、ロシア、そして米国など多くの主要経済国の官庁と比べ、日本の金融当局はビットコインについて沈黙を守ってきた。日銀の黒田東彦総裁は昨年12月、ビットコインについての一般的見解を質問されたのに対し、「大いに関心を持っている」と述べた。そして、日銀の研究機関である日銀金融研究所で研究していることを明らかにしたが、それ以上コメントしなかった
 日銀の広報担当者は21日、日銀はビットコインとその取引所を規制する立場にはないと述べた。
 財務省も24日、ビットコインやその関連サービスの監督は同省の仕事ではないと述べた。一方、情報技術(IT)やその関連問題を担当している総務省も、この(ビットコイン)問題について判断する立場にないと述べた。
(略)

ペテロならずとも何かしらトラブルが起こった後で関わり合いたいと思わないのが人の心理と言うものでしょうが、今回のようなトラブルがあるとは言え基本的に今後も大きく利用が拡大していくだろう仮想通貨と言うものに関して、監督省庁であることは省庁権益拡大と言う点でも決して悪い話ではないように思えるのにそれを完全に否定しているように見えるというのは、何やら興味深い現象だと思いますね。
もちろんソースが外信記事ですから日本語の微妙な機微を拾い上げ切れていないと言う可能性もあって、実際のところは今回の騒動に関わるつもりはないが将来的に法整備なりと整えば関わり合いたいと言った意を含んだコメントであった可能性もありますけれども、アメリカ連邦当局が東京に本拠を置くマウントゴックスを含む複数業者から事情を聞くと言っていることに比較すればやはり日本での動きは少しばかり腰が重い印象ですね。
実際には動きたくても法律の解釈変更に伴う他への影響の大きさ等から関わり合いになれないと言う面もあるようですが、基本的には仮想通貨なるものの価値が確定していない以上被害の多寡も判断出来ず緊急性がないと言うことなのでしょうか、今後実際に各地で「俺はこんな大損をこいた!」と言った声が多数上がるようになればまた話の流れも変わってくる可能性はあるでしょうし、いずれにしても何らかの公的ルール策定は必要でしょう。
しかし日本では以前から投資というものが少ないと言われていて、物作りなど実際に手を動かす仕事に敬意を払う文化的背景からお金だけを動かしてお金を儲けるという行為に心理的抵抗があるのでは?などと言う意見もありましたけれども、そもそも全くモノとしての裏付けを持たない仮想通貨と言うものに対して日本人の関わり方が諸外国とは異なるとなれば、これは文化論的にも少しばかり面白いなと思います。

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コメント

どうしてこれに値段がつくのかさっぱりわからない

投稿: | 2014年3月 1日 (土) 08時57分

 インターネット上の仮想通貨ビットコインの世界最大級の取引所「マウントゴックス」(東京都渋谷区)が取引を停止した問題で、同社は28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し受理された。不正アクセスによりビットコインが失われたとしており、流動負債総額は約65億円で債務超過の状況だという。

 会見を開いたマルク・カルプレス社長や代理人弁護士によると、2月初めごろから、システムのバグ(プログラムの欠陥)により不正アクセスが相次ぎ、正常に完了しない取引が増加。その後、同社と顧客分の計85万ビットコイン(約114億6千万円)のほぼすべてが失われたことが確認されたという。

 同社は「預かり金の総額と、預かり金を管理する金融機関への預金残高の総額に多額の齟齬(そご)がある」と説明しており、預金残高が最大約28億円不足しているとしている。利用者への弁済のめどは立っていない。

 同社は、ビットコインが不正アクセスで盗まれた可能性が高いとして捜査当局への刑事告訴を検討している。カルプレス社長は「ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません」と謝罪。代理人によると、辞任の意向を示しているという。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140228/its14022819000001-n1.htm

投稿: | 2014年3月 1日 (土) 10時09分

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          \   r'´ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄`、::.   ___    2009.08.29
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   |l.,\\| :|    | ,'        :::::...  ..::ll::::   いよいよ明日は選挙 民主党に入れるんだ♪
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   |l   ィ'´~ヽ  | |           ``'   |l::::   テレビがそう言ってるから間違いない
   |l-''´ヽ,/::   | |   ''"´         |l::::   早く明日にならないかなー!
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   l}ィ::        |  `´::::::::::::::::::::::::::::::`´::::::

投稿: | 2014年3月 1日 (土) 11時23分

実は↑のAAって好きなんだけど

投稿: | 2014年3月 1日 (土) 20時52分

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