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2014年1月20日 (月)

行動における感情の役割

今日はまたどうでもいいようなことを書いてみようかと思いますが、人間の行動というものは各人各様の経験や考え方に基づいた独自のものであるように見えて、突き詰めてみると案外共通の戦略に従っているんじゃないか?と思わされる研究があると報じられていました。

競争相手を怒らせるのは意図的な戦略(2014年1月14日ナショナルジオグラフィック)

 甘い言葉にほだされる10代の若者から怒りにまかせて前の車を煽るドライバーまで、対する相手の感情に影響を受けて誤った判断を下す人は多い
 長い間そうではないかと思われてきたことを裏付ける形で、人の感情を操る要素に関する興味深い事柄が明らかになった。心理実験により、男性は自分の目的を達成するために、故意に相手を怒らせていることが判明したのだ。
 この研究を行ったカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)所属の行動経済学者、ウリ・グニージー(Uri Gneezy)氏によると、例えば男性Aが男性Bと何かを競っているケースで、Aは自分が勝つために役立つと判断した場合に、Bを怒らせる手に出るという。
(略)

◆心理実験の概要

 第1の実験として、研究チームでは被験者となった男子大学生140名を対象に、無作為に選んだ2人1組のペアを作り、握力を競わせた。
 実験の最初のラウンドが終了した後、ペアのうち1人を意志決定者とし、ペアのもう片方に作業を課すことで、用事を言いつけられた相手の怒りを煽ることができる機会を与えた。すると意志決定者は、怒らせることで相手の成績が下がると判断した場合には、戦略的に怒りを煽ることがわかった。一方で、怒らせるとかえって相手が有利になると考えた場合には、こうした行動は見られなかった
 このケースでは、冷静になると考えられない場面で相手を怒らせることは賢い作戦とは言えないことを、意志決定者になった側の被験者は理解していた。握力テストの場合、相手は怒っている時の方が握力が強くなるため、自分が負けてしまうからだ。
 120人の男子大学生を対象とした第2の実験は、冷静さが試されるコンピューター・ゲームで、無作為に組み合わせた相手と1対1で対決するというものだった。こちらでは、被験者は相手を怒らせれば、自分が優位になるであろうことを知っていた。
 というのも、相手を怒らせれば、デジタルな標的を撃つこのゲームでは精度が下がると考えられるからだ。
(略)

◆研究で判明した感情の重要性

 一方、今回の研究を主導したグニージー氏は、人間の下す判断すべてに感情が密接に関わっている点を強調している。「人の感情は決して無視すべきものではない」と同氏は述べている。
「感情を絡めることは誤りでもなければ、非理性的なことでもない。むしろ、感情の効果的な使い方を学ぶ必要があるだろう」。
 今回の研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に1月13日付で発表された。

2006年W杯ドイツ大会決勝で起きたジダンのあの頭突き騒動、あるいは1998年フランス大会での「10人のライオンと1人の愚かな若者」事件などを振り返るまでもなく、こうしたことは経験則としても相応に周知されているものだとは思いますけれども、ごく一般的な被検者を集めた実験においても広汎にこうした行動が認められたと言う点は意義深いように思います。
人間と言うものはどんな局面であっても様々な情報や意図を総合的に判断してどのような行動を取るか悩まずにはいられないものですが、これまた経験則に基づいて考えて見ても特定の強い感情に支配された状況下では思考に偏りが生じやすいというのはやむを得ないところがあって、どう考えても深く考えた末の合理的な判断に基づくとは思えない行動に走ってしまうと言うケースがままありますよね。
ちょうど入試の季節でどこの学校でも「冷静に、普段通りに」ということを言っていると思いますが、要するに感情と言うものが介在するといつも通りの判断力を発揮出来ないということはコンセンサスとなっている、そして誰しもそうした経験を日常的に繰り返している以上、より積極的に他人をそうした感情の支配下に追い込めばその判断力を低下させることが出来るのではないか?と考えることはごく自然な発想ですよね。
これを要約するならば「感情は行動を支配する」と言う言い方になるのかとも思いますが、一方で世の中には「行動は感情を支配する」と言う考え方も存在していて、一見すると因果関係が逆転しているのではないかとも思えるこの考え方、古来「人は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」と言う言葉によっても知られています。
とりわけ女性などがさして親しくもない人の葬儀に参列してもおいおい泣きながらどんどん感情を盛り上げていくと言ったような場面を見るとあながち間違いではないのかなとも思えてくるのですが、これまた「行動が感情を支配する」ということについて中々に示唆的であり、(特に世の男性諸氏にとっては)衝撃的でもある実験の成果が報じられているようです。

【衝撃実験結果】夫が妻の主張に対し全て「イエス」と言い続けるとどうなるのか?(2014年1月16日ロケットニュース24)

夫婦やカップルにとって、「口論が起こった時にどうするか」というのは、2人の関係性を左右する大きな問題だろう。お互いが納得のいくまで主張し合うというケースもあれば、ある程度の段階でどちらかが譲歩するという場合もあるだろう。
どちらにせよ、自分のパートナーと口論をするというのは、気持ちのいいものではない。「なるべくならば避けたい」と思う人は多いはずだ。しかし、そのような気持ちから、徹底的に衝突を避けて、相手に同意し続けるとどうなるのか? そんな実験が行われ、衝撃的な結果が出てしまったのだ。

・実際の夫婦間で行われた実験

ニュージーランド・オークランド大学の研究者が、男女間の心理に関する実験を行った。その実験とは、夫が妻の言い分を全て受け入れ続けるとどうなるのか? というものだ。
まず、実際に何組かの夫婦が選ばれ、夫側にのみルールの説明がされた。そのルールとは、夫が、妻のあらゆる意見や要求に対して「イエス」と言うこと。妻の主張を「間違っている」と思おうが不満を言うことは許されず、ことごとく「イエス」である。
そして、そのような生活を送りながら、男女それぞれの人生に対する幸福度や満足度などを示す「生活の質」を10段階の指数として記録していく。実験前の男性の平均は7で、女性は8。果たしてどうなるのか?

・危険と判断して実験中止

スタートして、わずか12日目。実験は予想していなかった形で幕をおろすことになった。なんと、男性の心理状態があまりにもひどい状態になったため、研究チームが「これ以上の実験継続は危険」と判断。開始から2週間も経たないうちに実験の中止を決断したのだ。
ちなみに、男性側の「生活の質」の指数は最終的に7から3にまで急落。女性は8から8.5に微増するという結果に。研究者は「パートナーのどちらかが常に相手の意見に同意することは、かえって害をもたらす」と述べている。
「口論をするのが面倒くさい」「相手に嫌われたくない」などの気持ちから、中には自分の意見をパートナーに主張しない人もいるだろう。しかし、相手と良好な関係を築くためには、自分が正しいと思っていることを主張して、ある程度ぶつかり合うことも必要なようだ。

非常に主観的な評価による実験なのですが、ともかくもわずか12日目にして実験中止に追い込まれたという顛末の衝撃もさることながら、ただひたすら何を言われても「イエス」と言い続けるという非常にシンプルな行動がここまでストレスとなり生活の質評価を下落させるというのはなかなかに刺激的な結果ではないかと思いますね。
これまた人間関係のみならず様々な社会的関係に応用したくなるなかなかに興味深い実験でもあって、あるいは巷間流布しているチャーチルの語ったという「日本人は外交を知らない」と言う発言(もっとも、この一連の発言自体はどうやら日下公人氏の創作ないし誤用であるとも言われますが)を思い出したのも自分だけではないかも知れません。
興味深いのは女性の側の生活の質が(いわばこれほど一方的な男性の自己犠牲が払われたにも関わらず!)さほど目立っては変化していないということですが、夫婦トータルで考えると大きくマイナスとなっているのだとすれば、やはり明らかにそれはおかしいという時にさえただ唯々諾々と従うのみと言うのは双方にとって決して望ましいことではないと言えないでしょうか?
とは言えそうした理屈を抜きにして感情面のみで考えても「これはちょっとおかしいのでは…?」と言う経験は世の殿方の多くが日常的に経験するものであるでしょうし、そこで理論的にも感情的にも正しいはずの行動を取れないからこそ余計にストレスもたまるというものであることを、世の淑女の方々は是非ともご理解いただければ幸いだと思いますね。

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コメント

人間関係って単なるイエスマンじゃなくうまく受け流すことが大事ですよね。
困ったちゃんの患者さんはわざと怒らしてでも出て行ってもらいたくなります。
学生のころから人あしらいの技術はしっかり学んでおかないと現場で困りますよね。
部活の先輩後輩関係って理不尽な要求の受け流し技術を学ぶのに役立つのかも。

投稿: ぽん太 | 2014年1月20日 (月) 09時02分

「おまえなんか男じゃねえ!女だ!トミ子だ!」って台詞を思い出した俺もすっかり古い人間・・・・

投稿: 寝ずの番人 | 2014年1月20日 (月) 10時49分

>困ったちゃんの患者さんはわざと怒らしてでも出て行ってもらいたくなります。

そういう症例であっても一応は応召義務というものがありますから、患者の側から「こんな病院二度と来ねえよバカヤロー!」と出て行ってもらえると確かに理想的ですかね。
ただコメディカル等が空気が読めない人間だとそういう場合に横から取りなし的なことを口を挟んだりする場合もあるでしょうから、スタッフ間の意志疎通も重要かという気がします。

投稿: 管理人nobu | 2014年1月20日 (月) 11時37分

事前に電話で問い合わせて、大丈夫です、来てもらっていいですよ、と言われたので
診療時間内に行き、受付して30ほども待ち、呼ばれて丁重にお辞儀しながら診察室に入ったら、
開口一番、あんたどういうつもり?とぷりぷり怒鳴る医者。

そんなに嫌なら、そもそも来ていいとか言わなきゃいいと思うんだけど・・・
こっちだって、嫌がってる医者のところに行ったって何もいいことないと思ってるのに
応召義務で断れないからっていうのかね、どういうつもりとこっちが言いたい。

投稿: | 2014年1月20日 (月) 13時19分

気に入らなければ二度といかない
これで患者も医者もおたがい幸せになれます

投稿: | 2014年1月20日 (月) 13時35分

だから、気に入らなければ、電話の段階で断ればいいでしょうが
わざわざ面と向かって怒鳴って相手に嫌な思いをさせてから追っ払うなら、そもそも来いと言うなよ

投稿: | 2014年1月20日 (月) 14時21分

受付が勝手に受けて医師が不機嫌になっただけでは?と言う気がしますが。
大人げない先生だとは思うがわりとよくあることですよ。

投稿: 小松 | 2014年1月20日 (月) 15時33分

大人げないのがよくあることですか、まあそうかもしれないね
あしらいの技術がどうのこうのと、聞いて呆れる

投稿: | 2014年1月20日 (月) 15時41分

おっしゃるように総じて不足気味であるからこそさらなる向上のための努力精進が必要ということではないと愚考いたしますが?>医師の客あしらい技術

投稿: 元僻地勤務医 | 2014年1月20日 (月) 16時30分

名無しささんへ

時間内に受け付けは間に合ったけど診療は時間外になって医師が怒ってたってこと?
そりゃ時間終わった直後に新患が来たら医師としちゃもうちょっと早く来いってひとこと言いたくもなるよ
時間外じゃ大して検査も処置もできないでお互い困ることだってあるんだからさ
初診だったらカルテ作ったりで手間どるし時間ぎりぎりに来られても間に合わないから要注意だね

店でオーダーストップの時間過ぎてんのに料理注文するのとちょっと似てるかな
ふつうはまず厨房に出来るかどうか確認するけどそこはやらずに注文受けちゃったわけだ
わざわざ電話してんのにきちんと医師に確認もしないで安請け合いしたからこうなったんだね
最近は何も知らない派遣の事務も増えてるからもっとひどいのも珍しくないけどね

投稿: 俺も名無しだ | 2014年1月20日 (月) 17時22分

怒鳴られ終わって出てきてまだ診療時間内ですよ、残念でしたね
お互い嫌な思いをしないためにと、どれだけ気を使ってると思ってるんですか
ついでに言えば、混んでいるところに押しかけたわけでもないですから
まあ、どうせ何を言っても、それでもお前に不備があったと言いたいのでしょうね

投稿: | 2014年1月20日 (月) 17時49分

うん
後出しでどんどん追加情報出してくる患者はぜひとも敬遠したいねw
だってこうやって後々までトラブるのわかりきってるもんw
けっきょくその医者は人を見る目があったんだなww

投稿: | 2014年1月20日 (月) 18時35分

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