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2014年1月

2014年1月31日 (金)

全国に先駆けて栃木で大規模な病床再編開始

いよいよ今年から始まる例の病床区分と絡めて地域医療の再編が大いに期待されているところですが、先日は栃木県で早々とかなり大がかりな病床再編が始まったというニュースが出ていました。

初の大規模病床再編 栃木県が8病院に288床再配分(2014年1月18日下野新聞)

 県が脳卒中などの高度医療や救急医療を担う8病院に対して、病床(ベッド)計288床を再配分することを決めたことが、17日までに分かった。公的医療機関での削減分を充てる初の大規模再編となる。再配分で本県で死亡率が高い脳卒中や救急医療への対応力を向上させる。特に全県からのアクセスがよい宇都宮市の宇都宮脳脊髄センター病院には計100床を配分し、脳卒中治療を担う基幹病院に位置付ける。

 本県では、脳卒中などの脳血管疾患による死亡率は2011年で、10万人当たり122・8人と全国ワースト水準。しかし、脳卒中の専門病室(SCU)は、那須赤十字病院と足利赤十字病院の2カ所しか設置されていなかった。

 再編では、宇都宮脳脊髄センター病院に加え、池田脳神経外科病院(鹿沼市)、藤井脳神経外科病院(宇都宮市)の3病院にSCUが設置される。

 大幅に増床される宇都宮脳脊髄センター病院は、急性期からリハビリまでを担う機能を持たせる。県保健福祉部は「リハビリ機能を持たせることで、在宅まで切れ目のない医療が提供できる。リハビリで体の機能が回復すれば健康寿命の延伸にもつながる」と期待を寄せている。

 救急医療では、救急搬送で4回以上受け入れ先を探すケースなどが増えていることなども加味し、3病院に計74床を配分する。また、在宅復帰までの療養場所が課題となっていた新生児医療では、国際医療福祉大病院(那須塩原市)に、集中治療室の後方支援をする病床を15床充てる。

初の大規模病床再編、救急や脳卒中に重点(2014年1月27日CBニュース)

 脳卒中や救急などの医療機能の拡充を目指し、栃木県が大規模な病床再編に乗 り出す。県は公的な病院の病床を288床減らし、患者数が増加傾向にあった救急 や脳卒中などに対応可能な8病院に、この病床を再配分することを決めた。こう した試みは県内で初めて。県は「救急搬送時の病院選定や搬送時間の短縮、病院 の機能分化などにつなげたい」としている。【新井哉】

■「全国値よりも高い」脳血管疾患の死亡率

 県は、昨年まとめた保健医療計画でも、脳卒中や救急、周産期の医療提供体制 の整備を重点項目として提示。特に脳卒中などの脳血管疾患の死亡率について は、「全国値よりも高い状況が続いている」とし、専門治療が24時間受けられる 体制の構築などを目標に掲げていた。  また、救急医療についても、医療機関に4回以上受け入れの照会を行った事案 と、現場滞在時間が30分以上の事案が「いずれも全国平均を上回っている」と指 摘。二次救急医療機関の機能として、24時間365日、救急搬送が受け入れられる 体制の確保などを挙げていた。  こうした目標の実現を図る観点から、県は昨年1月から3月まで、県北や県西、 両毛などの医療圏の医療機関を対象に、一般病床の増床を前提にした整備計画の 公募を実施。13医療機関から計566床の応募があり、医療審議会での意見聴取な どを踏まえ、配分する医療機関や医療機能、病床数を決めたという。

■公的4病院の病床削減、再配分の病床確保

 県は、喫緊に必要とされる医療機能の確保を優先。公募では、▽脳卒中専門病 室(SCU)や心筋梗塞専門病室(CCU)などの高度専門医療▽救急医療▽地域療養支 援施設や医療的ケアに対応可能な療養介護サービスといった療養・療育支援 (NICU後方病床)―の3分野を提示した。  ただ、県内の療養・一般病床は、基準病床数の約1万2100床を大幅に上回る約1 万6200床と“オーバーベッド”だったことから、県は病床を確保するため、上都賀 総合病院や足利赤十字病院など4病院の計288床を削減。この288床を国際医療福 祉大病院など8病院に再配分することを決定した。県は「今後、配分した病床に 基づいて、病院などの新設・増床、病床の運営が着実に実施されるよう指導して いく」としている。  増床が決まった医療機関は以下の通り。▽国際医療福祉大病院=脳卒中・急性 心筋梗塞など55床▽菅間記念病院=周産期医療20床▽池田脳神経外科病院(仮 称)=脳卒中36床▽宇都宮脳脊髄センター病院(仮称)=脳卒中・急性心筋梗塞 100床▽宇都宮記念病院=救急43床▽藤井脳神経外科病院=脳卒中3床▽芳賀中央病 院(仮称)=救急15床▽本庄記念病院=救急16床。

もともと栃木では2011年頃から栃木市内の3病院を統合して栃木メディカルセンター等に再編するという計画があったようですが、今回はさらに全県的な医療再編を行うという中々に壮大な計画で、この時期こうした大がかりな計画が出てくるというのは例の地域医療再生臨時特例交付金を当てにしてのものであるようです。
記事にもありますように栃木県ではすでに国の基準を上回る病床過剰にあることから単純に増床は認められず、再編のためにはすなわちどこかで病床を削らなければならなかったわけですが、公的医療機関が病床を削減した分は基準超過していても他施設の増床に回すことができるという特例を使って今回の再編を実施するということで、当然ながら事前の慎重な議論や周到な根回しも必要になったことでしょう。
全国的に見るとすでに基準病床数を上回っている都道府県の方が多数派ですが、基準病床というものは診療科全部をひっくるめての規制ですから需要のない施設や診療科が多数のベッドを抱え込んでいるのは非効率なのは判るのですが、現実的に公的病院ならともかく民間病院がひとたび確保した病床を手放すかと言えば非常に難しいだろうなとは誰しも想像がつくところだと思います。
その意味で今回公的病院のベッドを削って民間病院に回したというのは現実的だったと思いますが、地域によっては多くの民間病院が過剰なベッドを抱え込んで無駄な入退院を繰り返しながら見かけの病床稼働率と平均在院日数を稼いでいるというケースもまま見られるだけに、今後の病床再編にあたってはどれだけ公平な基準で病床の過不足を判断出来るかということも問われそうですよね。

こうした問題は国の方でも当然ながら把握していて、都道府県が策定する地域医療ビジョンに従って病床を管理する方法論としては主に財政的な誘導によるとされていますけれども、公的病院のみならず民間病院に対しても病床の削減や別な医療機能への転換を都道府県が指示できるようにしようという話もあるようで、当然ながら関係各方面から「勝手に決めるな」と反対意見も出ているという状況です。
現実的には各施設が及び腰なのは病床削減なり転換なりによってコストもかかれば儲けも減る可能性があるという経済的要因が非常に大きいわけで、近く提出される予定の医療法改正案では地域ニーズに沿った医療を提供するための設備投資や人件費を補助する基金を設けると言う仕組みが盛り込まれると言います。
ただこれと同時提出されるいわば本題とも言うべき医療と介護を一本化するという部分の方が「全くの別物を一緒に扱おうとはどういうことだ!」と早くも野党から批判が出ているようで、仮にこちらの方が焦げ付けば煽りを食って基金云々の話も流れてしまう公算が大となりますが、そうは言っても病床再編はすでにスケジュールも決まり動き出した話であるわけです。
国が本気で政策的誘導を行うつもりであれば、民間病院も先を争って我も我もと志願するほど魅力的な支援策を用意するくらいの方が長期的に見るとお得になる可能性もあるかと思うのですが、個人的に懸念されるのは政策的誘導を行うのは良いとして、その誘導する先のビジョンについて「これなら間違いない」と言えるだけのものを厚労省などが持っているかどうか大いに疑問符が付くという点でしょうか。

社会的な要因に着目すると出生率低下に伴い人口現象に転じつつある日本のご多分に漏れず、栃木県も関東地方の中ではすでに人口が横ばいから減少に転じつつある県と言えますが、東北や日本海側諸県など更に大幅な人口現象が予測される地域では病床の振り替えというより病床をどれだけ削減できるかということも問われそうですよね。
特に震災の絡みもあって今後も長期的な人口現象傾向が続きそうな東北諸県ではほぼ本決まりになった新設医大の話題で賑わっているとは言え、そもそも需要が減っていく地域にどれだけ医師が残るのかも疑問ですし、地域性に配慮して計画的に施設を調えたはいいが需要がなく遊んでしまうと言う可能性もあるだけに、医療計画を策定する側がどれだけ突き詰めていけるかが最大の課題となってきます。
ちなみに今現在震災復興の絡みもあって建設資材は高騰するわ、業界の人材不足が深刻化し需要に十分応えられない状況になるわで正直病院の建て替えなどに好適な時期とも言い難いところがありますが、逆に耐震化だとか防火対策だとかで病院も緊急に対応すべきだと叫ばれている折でもあり、どうせ建て替えるならついでに医療再編に震災復興も絡めて…と二兎、三兎を追いすぎるのは悪い意味でのフラグになりかねません。
ともかく医療とは結局医師や看護師といったマンパワーがどれだけ集約できるかによって提供出来る内容が変わってくるものですから、いくらハコモノばかり整備しても人が揃わないのでは仏作って魂入れずになりかねずで、今回の計画でも病床数を動かす話ばかりでマンパワーの再編には触れられていないようなのがいささか気になるところで、激務の施設がより一層激務になり集団逃散を引き起こすような事態だけは避けたいものです。

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2014年1月30日 (木)

自転車事故賠償も自動車事故並みの時代に

自転車に関する話題と言えば昨年末に例の通行区分帯の統一が行われたばかりで、これによって自転車も左側通行という「車輛並み」の扱いを受けるようになったわけですが、実際の道路を見ていますとまだ徹底されているようには見えないところで、やはり他の動力の付いた車輛に比べて免許取得など教育のルール(あるいは罰則も、ですが)に欠けていることも一因ではないかという気がします。
とは言え交通事故に占める自転車事故の割合は増加傾向で今や2割を占めるといい、特に自転車対歩行者の事故が急増していると言う点から考えると、今や自転車は被害者側ではなく加害者の側と認識され始めているということが言えるかと思います。
その象徴的な事例として記憶に新しいのが昨夏に小学生の自転車が高齢者に突っ込んで意識不明の重症を負わせた事故に対し親に9500万円という高額賠償が命じられた判決ですが、近年ではこの事故に限らずあちらこちらで「自動車並み」の高額賠償判決が続出するようになってきていることが注目されています。

自転車死亡事故に賠償命令4700万円 原告「車並み判決」評価(2014年1月28日産経新聞)

 東京都大田区の横断歩道を歩行中、赤信号を無視したスポーツタイプの自転車にはねられ死亡した主婦、東令子さん=当時(75)=の遺族が自転車の男性(46)に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、約4700万円の支払いを命じた。

 原告側は「自転車による被害は軽く見られがちだが、自動車と同様の扱いをしてくれた」と判決を評価した。自転車の人身事故では昨年7月、神戸地裁が加害者側に約9500万円の支払いを命じている

 事故は2010年1月に発生した。判決などによると、東さんは時速15~20キロの自転車にはねられて転倒し頭を強打、5日後に死亡した。男性は重過失致死罪で在宅起訴され禁錮2年、執行猶予3年が確定した。


自転車死亡事故:4746万円賠償命令…東京地裁(2014年01月28日毎日新聞)

 信号無視の自転車に衝突されて死亡した東京都内の女性(当時75歳)の遺族が、自転車に乗っていた会社員の男性(46)に1億636万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、4746万円の支払いを命じた。三木素子裁判長は「男性は脇見をして前方を注視していなかった。青信号で横断歩道を渡っていた被害者に何ら落ち度がない」と述べ、高額の賠償責任を認めた

 訴えていたのは、亡くなった東(あずま)令子さんの夫(83)と長男光宏さん(43)。
 判決などによると、事故は2010年1月10日、東京都大田区の交差点で発生。横断歩道を渡っていた東さんに、競技用自転車に乗った男性が赤信号を無視して時速15〜20キロで衝突。東さんは転倒して頭を強く打ち、5日後に死亡した。三木裁判長は事故と死亡の因果関係を認定し、「男性は自転車を運転する際の基本的な注意義務を怠った」と指摘した。
 この事故で東京地検は10年8月、男性を重過失致死罪で在宅起訴。禁錮2年、執行猶予3年の有罪判決が確定した。

 判決後、光宏さんは東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し「被害が悲惨なことは自動車事故と変わりなく、悔しい思いが理解してもらえた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。代理人の正田光孝弁護士は「自動車事故と同様の賠償額を算定してくれた」と評価した。
 自転車事故には刑法の自動車運転過失致死傷罪が適用されず、男性はより刑の軽い重過失致死罪で起訴された。光宏さんは「命が軽く扱われるのはつらかった」と振り返り、「乗り方を間違えれば、自転車も凶器になることを知ってほしい」と訴えた。【川名壮志】

 ◇相次ぐ高額賠償、車と同様の責任

 自転車で歩行者を死傷させた人に高額な賠償を命じる判決は各地で相次いでいる特に歩行者が歩道や路側帯など「保護される場所」にいた場合は自転車側の責任を100%としたり、歩行者側に過失があっても軽くしたりする判断が目立つ
 神戸地裁は昨年7月、自転車で坂道を下っていて路肩寄りを歩いていた女性とぶつかり意識不明となるけがをさせた小学5年男児(当時)の母親に、損保会社の支払い分も含め9520万円の賠償を命じた。判決は、女性にも前方不注意があったとする母親側の主張を退け「母親の指導や注意が不十分」と指摘した。
 自転車は手軽な乗り物だが、歩行者を死傷させれば、裁判所は車と同様の賠償責任を認める傾向にある。【北村和巳】

刑事でも有罪と言うことであまり同情の余地がない状況とは言え、注目いただきたいのは加害者責任という点では自転車も自動車同様という判断をしている点で、それがこれまた自動車並みの損害賠償額にも現れていると思いますが、問題は自転車ユーザーがこうした危険性を予知できるほど交通法規に習熟しているのかという点、そしてこうした巨額の賠償金額を自転車ユーザーが誰しも払えるものなのかと言う点かと思います。
「母親の指導や注意が不十分」とされ責任を認定した先の小学生事故の親に対する損害賠償請求においてもそうですが、今回の事故においても「男性は自転車を運転する際の基本的な注意義務を怠った」と断じられているというのは道路を運行する以上自転車乗りには交通ルールなど相応の知識を備えて注意を払う義務があるということですが、実際にそうした教育機会がどれほどあるかと言えば大いに疑問ですよね。
無論のこと現代法治国家においては「そういう決まりがあるとは知らなかった」は刑罰免除の対象にはなりませんから「知らない方が悪い」でFAなのですが、小児に対しても容赦なく高額賠償が命じられ始めたという現実を見るにつけ一つにはユーザーに対する教育の徹底、そして当然ながら事故が起こると言う前提での対応というものが必要になってきます。
乗り物としての危険性は自分の身に及ぶ危険性と他人に及ぼす危険性の両面から考えるべきだとすれば自転車は「ぶつかれば自分にも相手にも重大なダメージを及ぼす可能性がある」という非常に損な乗り物とも言え、この上日本では高額賠償金リスクも加わるとなればリスクとメリットとがトレードオフになりがちな現代社会においては今後やや使いづらい乗り物になってしまうかも知れませんね。

賠償金支払い能力についてはようやく保険業界でもこの自転車事故リスクというものを再認識しつつあるようですし、自転車業界の側でも先日は上限1億円の保険付き自転車を売り出すというニュースが出たようですが、最も加入率が高いと思われる車体整備保証も兼ねた上限2000万の保険がつくTSですら利用者わずか2%レベルと言いますから、遠からず自転車「無保険車」の賠償金未払いが社会問題化しかねませんよね。
自動車事故の場合は損害賠償額が非常にシステマチックに決まっていて、しばしば恣意的とも言われる医療訴訟の損害賠償と対比して語られることも多いのですが、減ってきたとは言え年間数千人の死者が出るほど「身近にありふれた」ものでいつ誰が加害者になるか判らないという恐さがあり、そしてそれが故に法的な強制もあり誰もが保険に入っているということが「取れるところから取る」民事訴訟では大きな意味を持ってきます。
ちなみに面白いと思ったのは自動車大国アメリカでも近年エコ意識の滲透からか都市部を中心に自転車利用が増えているというのですが、当然ながら環境的にも人々の認識的にも自転車対応になどなっていないこともあり事故が頻発している、ところが例えば車と自転車がぶつかっても警官も「自転車が悪かったんだろう」とろくに調べないし、陪審員も「私もいつぶつかるか判らない」と車の側の肩を持つ傾向があるということです。
危ない乗り物に乗るのだから自己責任だと言う国民性も反映している考え方なのかも知れませんが、道路も狭く利用者も多いことからアメリカ以上に自転車事故が起きやすいと思われる日本では今まで「自転車=交通弱者」と言う扱いで来た、しかし今後はそうとは限らないと言う点ではアメリカ同様に自転車側の意識改革が必要になりそうですね。

いささか脱線しましたが、自動車事故の場合誰もが保険に入っていて取りっぱぐれがないと言う点で(万一保険がなくても)一定の支払い能力のある医療訴訟などと同様、遠慮なく「被害者救済」的な金額を出しやすいということですけれども、医療訴訟の場合は金銭的な問題よりも医療崩壊という社会現象に結びつくこと(すなわち、社会的デメリット)が明らかになってきた頃から、判決もひと頃と比べてかなり渋くなってきた印象があります。
自転車の場合はまださほど多くの判例が蓄積されていないとは言え、今後高額賠償による何らかの社会的デメリットが明らかになってきた時点でやはり司法の側からリアクションが出るのかどうかですが、自転車を少しでも安全に使わせるために道路環境などを整備するコストを考えると、車やガソリンを買うと言った直接的経済効果の薄い自転車利用に手間暇に見合った社会的見返りが期待出来るかどうかです。
利用者の側から見ても最も利便性を享受しているだろう子供自身はともかく親にとっては様々なリスクばかりが目立つようになってきた、そして親自身にとっては「メタボ解消にいい」だとか「地球環境にやさしい」と言ったやや即物性に乏しいメリットしかないとなると意外とコスパは悪いのか?とも思わされるところで、今後の自転車普及にどのような影響があるのかと言う点からも注目すべき状況かも知れませんね。

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2014年1月29日 (水)

アメリカにおいて尊厳死を巡ってにわかに激論

現実的なコスト等の問題もあってアメリカなどではいわゆる延命治療に関してかなりドライな割り切り方をしている印象がありますが、そのアメリカにおいても大きな議論になっているというのがこちらのケースです。

米 脳死妊婦の延命治療停止で議論に(2014年1月27日NHK)

アメリカ南部テキサス州で、脳死状態となっていた妊娠した女性の延命治療が本人の事前の意思に従って停止され、アメリカで胎児の命をどう考えるかなどを巡って大きな議論になっています。

この女性は、テキサス州に住む33歳のマルリース・ムニョスさんで、妊娠して14週目だった去年11月、自宅で倒れ、治療を受けた病院で、テキサス州では法的に死亡とされる脳死と判定されました。
マルリースさんの夫は、倒れる前の本人の意思に従い、延命治療をやめるよう病院に求めましたが、病院は、妊婦の生命維持装置を外すことはテキサス州の法律に違反するとして、延命治療を続けたため夫が訴訟を起こしていました。
地元の裁判所は今月24日、「マルリースさんは、法律上すでに死亡しているので病院の主張は認められない」として延命治療を停止するよう命じ、夫の弁護士によりますと、病院はこれに従って、26日、妊娠23週目だったマルリースさんの生命維持装置を停止して、遺体を夫に引き渡したということです。
また、胎児は、脳や心臓に重い障害があり、病院側は、裁判で成長しうる状態にないと説明していました。
この問題を巡って、アメリカでは、妊娠中絶に反対する人たちが、胎児に生きるチャンスを与えるべきだと主張したのに対し、尊厳死を希望する女性の意思を尊重すべきだという意見もあり、大きな議論になっています。

脳死の妊婦から生命維持装置外す 米テキサス州(2014年1月27日CNN)

テキサス州フォートワース(CNN) 脳死状態と診断されながら妊娠中であることを理由に延命治療が続けられていた女性が26日、人工呼吸器を外され、米テキサス州フォートワースの病院で死去した。33歳だった。
マリース・ムニョスさんは昨年11月26日に自宅で倒れているのを夫のエリック・ムニョスさんが発見し、病院で脳死を宣告された。エリックさんら家族は、機械によって生かされ続けることは望まないという本人の意思を尊重してほしいと訴えていた
しかしこの時点でマリースさんが妊娠14週目だったことから、病院側は妊婦の生命維持治療を続けることを義務付けた州法を理由に人工呼吸器の装着を続けていた

エリックさんは裁判所に判断を求め、人工的な延命措置は遺体を傷つける残忍な行為に当たり、本人や家族の意に反していると主張。裁判所は24日、病院側に対し、生命維持装置を27日までに外すよう命じる決定を言い渡した。
病院側も24日の時点で、ムニョスさんは昨年11月28日に脳死状態となり、胎児が生き延びることはできないと診断していた。

この問題を巡って米国の世論は二分され、病院前には「神は生命を守る」「赤ちゃんと一家のために祈りを」などと訴える人たちが集まる一方、「マリースさんに安らかな眠りを」「マリースさんの意思の尊重を」と呼びかけるグループもあった

米病院、脳死の妊婦から生命維持装置外す(2014年1月27日ウォールストリートジャーナル)

 米テキサス州フォートワースのジョン・ピーター・スミス(JPS)病院は26日、州裁判所の命令に従い脳死状態の妊婦の生命維持装置を外したことを明らかにした。これにより、終末期医療と胎児の権利をめぐる論争を巻き起こした訴訟が終結した。

 JPS病院によると、妊婦のマリース・ムニョスさんの生命維持装置は26日午前11時30分に外された。遺体はその後、遺族に引き渡された。
 マリースさんは昨年11月に血栓とみられる症状で倒れた。当時妊娠14週だったマリースさんは病院に搬送され、その直後に脳死と宣告された。しかし、JPS病院は、マリースさんの夫であるエリック・ムニョスさんの意思に反してマリースさんを生命維持装置につないだままにし、テキサス州法をめぐるJPS病院の解釈を理由に挙げた。病院が妊婦から生命維持装置を外してはならないとの解釈だ。
 エリックさんの弁護人は声明で、遺族が「これで、マリース・ムニョスの体を休ませる厳粛な埋葬作業を進め、苦しみ続けていたマリースの死を悼むことができる」とし、「マリース・ムニョスの冥福を祈るとともに、遺族が耐え難いほど長くつらい旅を完了することを望む」と述べた。

 マリースさんは胎児の権利をめぐる論争の火種となった。生命維持装置を外すのを拒否した病院を相手取り、夫のエリックさんが訴訟を起こしたからだ。エリックさんはテキサス州法が機能上脳死とされる人への適用を意図したものではないと主張し、妻の意向に沿おうとしているのだと説明した。エリックさんによれば、マリースさんはかつて、「人工的な生命維持措置」を受けたくないとの意思を示していた。
 JPS病院と中絶に反対する団体は、これに異議を唱(とな)え、州法には胎児の生命を保護する意図があると主張した。しかし、テキサス州の判事は24日、同法が脳死の人に適用されないとの判断を示し、病院に27日午後までに生命維持装置を外すよう命じた。
 エリックさんの弁護人は、胎児が異常を示しており、生存能力がないと主張した。

 JPS病院の広報担当者は26日に声明を出し、裁判所の命令に従って生命維持装置を外すことを明らかにした上で、病院を運営するJPSヘルス・ネットワークは「州法の要求だとわれわれが考えていたことに従ってきた」とし、「JPSの役割は法に異議を唱えることではなく、従うことにある、とJPSはこれまで主張している」と述べた。
 複数の法律専門家がエリックさんの見解を支持すると述べているが、一部の活動団体と議員が病院側に付き、判決への不満を表明している。
 反中絶団体「Texas Right to Life(テキサス生きる権利)」は判決後、「残念ながら、胎児の利益ないし幸福を代弁する人は誰もいなかった」という声明を出した。

裁判所の「マルリースさんは、法律上すでに死亡しているので病院の主張は認められない」という宣告に注目していただきたいと思いますが、脳死が人の死であると公的に認められている社会においてはその状態に至った段階で人としての権利を剥奪されるという(日本人から見ると)いささか生々しい話でもあって、事実誰も妊婦本人に関しては何ら議論しておらず、あくまで胎児に対してどうするかが大騒動になっているわけです。
日本であればこんな場合まずは慎重なムンテラを行い脳死判定を完遂して医学的に脳死であると判断するまでにもずいぶんと時間がかかるかと思いますし、そうこうしているうちに胎児も相応に成長しいわゆる中絶可能期間を過ぎてしまうでしょうから更に話がややこしくなりそうですが、非常に迅速に審理が進んだのはそうした胎児問題もあるでしょうが、やはり日々増え続ける莫大な医療費という大きな理由もあったのでしょう。
もちろん家族が非常に強い意志を以て延命医療の継続を主張するケースもあるのかも知れませんが、こうした社会では仮に医療保険に入っていても「すでに被保険者は死亡している」ということを盾に保険会社が治療費を払わない可能性も十分ありそうですから、特約でも付けるかよほどのお金持ちでもなければ現実的に生命維持の長期的な継続は不可能であるということでしょうね。
ただ、これだけ脳死者に関しては社会的にも対応が成熟しているアメリカにおいてすら、やはり「胎児が重大な異常を抱え生存能力がない」という証言をいわば免罪符的に必要としていたというのは中絶問題との絡みもさることながら、児童虐待に対する厳しい対応を始めとして子供の権利が非常に尊重されてきた社会において、この問題が本当に微妙な部分を炙り出したのだと言えそうです。
病院側も別に法律だけを根拠に延命を続けたと言うわけではなく、別記事によれば「胎児が尊厳死を望んでいるのかどうかが確認出来ないから」と言うこれまたごもっともな理由で延命処置停止を決めかねていたようですから、司法判断によって中止命令が出たと言うのは病院側にとっても実は歓迎すべきことだったかも知れません(だからこそ、胎児の代弁者が誰もいないという抗議も出てくるわけですが)。

ともかくもお亡くなりになった妊婦さん及び名もなき胎児の御冥福を祈りますが、医学的に死が避けられない状態となった場合に何が人を社会的に死という状態に至らしめるのかと言えば、家族を筆頭とする周囲の認知と法を始めとする社会制度上の対応であると言えるかと思いますが、日本の場合死という現象に関しては認知の部分が非常に重要視されていて、制度はいわばその後追いになっている部分があるように思います。
その理由として長年続いてきた死生観などももちろんあるだろうし、医学的にはすでに亡くなっている方に高い医療費をつぎ込むことを周囲も制度上も認めてきたという慣例もあるでしょうが、アメリカですらちょっとしたイレギュラーな事態によってこれだけの大騒ぎになってしまうほど、死の認知とは非常に微妙なバランスの上で成立している行為であるということが改めて判ったとも言えるでしょう。
ちょうど日本でも先日超党派の議員連盟による尊厳死法案が提出されたばかりで、一定の手順を踏んで終末期と判定すれば本人意志による尊厳死を認めることに加えて医師には刑事・民事を問わず一切の責任を問われないと言う内容は、法的責任を恐れて尊厳死の実施に踏み切る医師がいないという現実的側面に切り込んだと言うことですよね。
これも興味深く思う点は、現状ではいわゆる推進派の方々も本人意志が明確である場合に限ってと非常に抑制的な法案を出してきているわけですが、それでも「望まないのに死に追いやられる人が出るかも知れない」と反対があるというのは、裁判になっても本人意志を尊重するアメリカと違って他人の意志に流されやすい日本人の特質というものを表しているような気もしますがどうでしょうか。

今回のケースでは患者夫妻は救命救急士だったそうですから、自己決定権というものを尊重するアメリカ人の中でもこうした問題に対して相応に強い意志を以て対応していたと思えますが、日本で同種の状況に至った場合を想像してみると、恐らく文化的背景の差からも胎児の権利が云々といった議論がなされることはほとんど発生することはないと思います。
逆に母体の尊厳死ということに関しては非常に抑制的に運用されているはずですから、いざその時になってみると妊娠週数が思いがけず進んでいるという可能性がありますが、そのような状況になれば当然胎児の生存性という別な問題が発生することになり、当然ながらただでさえ抑制的な尊厳死は有耶無耶の内に延期を重ね「取りあえず子供のことが片が付いてから」と言う話になりそうに思いますね。
これまた不遜な想像をするならば今回のように胎児に重大な身体的ダメージが認められるという場合、現状では妊娠早期における人口妊娠中絶ということも大きな選択枝になっていますけれども、いわば尊厳死が絡むことによって中絶の機会を逃したという形になればアメリカとは別な状況でのトラブルに発展する可能性もあるのかなと思うのですが、そうなれば関係者各位にとっては何とも救いのない争いになることでしょう。
いずれにしてもあくまで現時点では想像の域を出ないことですが、それでも言えることとして現状の日本で尊厳死法制化を望んでいる方々と言うのは(ある意味日本人離れして?)自己決定ということに強い意志を持っているとも言えそうで、少なくともそうした方々にとっては他人の意志に流されて重大な決定を誤るといった反対派の主張するような事態は想像しがたいものであるのかも知れませんね。

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2014年1月28日 (火)

クレーム殺到即炎上が当たり前になってきた時代

最近何かと言うとクレーム殺到で中止というパターンが増えてきた気がしますが、見ていますと「それに何故?」と思うようなケースもあるようですね。

「モンスタークレーマー増えすぎ」の声 キリンの缶チューハイCM中止問題(2014年1月24日J-CASTニュース)

 キリンビールはテレビ放送中のカエルのキャラクターを使った缶チューハイ「本搾り」のCMやキャンペーンを2014年1月24日で中止、終了すると公式ホームページ上で発表した。アルコール問題を扱う団体から、未成年者の関心を引き飲酒に誘導しかねない、などといった指摘を受けたからだという。
 カエルの着ぐるみが問題だったようなのだが、ネットではこのカエルは子供受けするキャラとは全く思えないのにCMを中止するなんて「モンスタークレーマー増えすぎ」などと異論が出ている。
 また、大人気ゆるキャラがお酒のキャラとして発売されていることを指摘し、「くまモンやバリィさんは大丈夫か?」といったファンの心配が出ている。

■未成年にアピールするキャラやタレントを起用はダメ

 キリンが中止するのは14年1月17日から放送している、俳優の大沢たかおさんとカエルの着ぐるみが掛け合いを行うCM。タキシードを着た偉そうなカエルが「大事なことはひっくりカエルこと。一度ひっくり返ればわかるよ、タ・カ・オ」と「本搾り」をPRしている。このカエルの不遜な態度に少しイラッとする視聴者もいる。キリンは24日に公式ホームページで、「カエルのキャラクターを使用した表現方法が、アルコールを取り扱う会社として不適切であるというご指摘を頂戴しました。そのご指摘を真摯に受け止め、1月25日より広告出稿を中止することといたしました」。CMは当初26日まで放送しその後続編を流す予定だった。そしてカエルを演じている声優を当てるキャンペーンへの応募も30日から24日までに切り上げて締め切ることにした。
 今回のCMや広告のなにがダメだったのか。酒類の広告審査委員会や日本洋酒酒造組合、東京小売酒販組合といった業界団体に問い合わせてみたところ、未成年にアピールするキャラクターやタレントは起用してはいけない、という自主規制に抵触する可能性があったのでは、と説明した。ただし、キリンの「本搾り」のCMがそれに当てはまる、といった噂や意見は一切聞いたことがなかったと担当者は口を揃えた。ある担当者は、
  「そのキャラクターが未成年者にアピールするものであるかどうかは、判断がとても難しいです」
と語った。

「くまモン」「バリィさん」は大丈夫か

 つい先ごろもANAの新CMで、お笑いタレントの「バカリズム」が金髪で高い鼻のメイクで登場したことについて「人種差別だ」と外国人から苦情が来て謝罪したが、ネットでは「モンスタークレーマー増えすぎ」などと批判が出ている。「本搾り」に出てくるカエルにクレームをつけるのは異常だとし、
  「なぜこれが未成年の飲酒を誘発するって話になったんだ?」
  「かわいいカエルかと思ったら、気持ち悪い系のカエルじゃん。バカじゃねぇの」
  「最近ちょっとテレビもCMもクレーマーの言うこと聞きすぎじゃないの?いくらなんでもひどすぎる」
などといった意見が出ている。
(略)

まあしかし、無反応だったらだったで「反省の色が見えませんね」「スポンサーへのご意見よろしくお願いします」なんてこれまた大騒ぎになっていたかも知れずで、なかなかに難しい問題ではあるかと思いますね。
個人的に思うことにはどうも見ていて予想されるターゲット層と内容があっていないんじゃないか?と思えるようなCMが少なくないのは確かですので、これを機会にそのあたりを見直してみると言うこともありだと思いますが、昔から言われている未成年の飲酒リスクということに関して言えば子供向けビールなどという商品もあるくらいですから、いっそ自粛とは全く真逆に広告の差別化を図ってみてもいいかも知れませんね。
例えば今回のCMのテーマが「似合わないキャラが上から目線で変なことを言う」ことなら成人向けバージョンとしてボカロなり明らかに大人向けであることが明らかなキャラで作ったものを深夜枠に流す、そして子役とゆるキャラ等の組み合わせで一見全然全然違う内容だが実は同じテーマを使った子供飲料のCMを作って早い時間枠で流すといった作り分けをしておけば話題も呼ぶだろうし、今回のようなクレームもつけられないでしょう。
ま、その辺りのことはいずれ専門の方々が考えることでしょうが、いずれにしてもこうしたものに関して言うとそれを流すことで宣伝になり売り上げにつながるといったメリットがコストなり批判なりのデメリットを上回るからこそやる意味があるということで、例えば先日あっさり打ち切られた立派なキノコのCMなどもクレームによりCMの周知徹底はあっさりなされたと言うことで、デメリットを最小限に抑えるいいタイミングでの撤退だったと思いますね。
逆にこれもクレーム殺到で話題になっている養護施設を描いたドラマなどは制作側としては思惑通り話題になったと思っているかも知れませんが、開始早々デメリットの方がこれだけ巨大な負債としてのし掛かってしまうとよほどの高視聴率でも稼ぎ出さないことには元が取れないというもので、わざわざ最初から損得勘定を難しいものにしてしまうというのはずいぶんとリスキーな道を選んだものだとは思います。

ともかくも昨今ではこのクレーム殺到と言うことで打ち切りだといった話が決して珍しくなく、基本的にはいわゆる炎上という現象と全く同じことでかつてであればマスコミが報じなければ何であれ世に存在しなかったものが、今はネット上で不特定多数とリアルタイムに意見交換が出来ることで「同じ思いを抱いた人間は他にも大勢いる。自分の考えは間違っていない」という方向で確信を抱きやすくなったのは確かでしょう。
そしてクレームを入れるという行為についてもどうすれば有効なのかという方法論がすっかり確立され、圧倒的に実施の敷居が低くなり数々の著効例も出ているということで、いわゆる愉快犯的に「面白そうだから炎上させよう」という便乗組が参入しやすくなっていることも否めない事実ですよね。
前述のように何かを世に問う側としては常にメリット・デメリットを判断しながら行っているはずで、どれだけ社会現象になるほどクレームが殺到しようが視聴率50%が取れるなら意地でも放送を続けるだろうと思いますが、やはり愛好者にしてみるとごく一部からクレームがついただけであっさり打ち切りが決まるというのは割り切れなくて当然ですし、愛好者でなくとも愉快犯的行為の蔓延を苦々しく感じる人々も増えてきているようです。

ファミマ「フォアグラ弁当」発売中止で論議 ホリエモンも参戦、抗議は行き過ぎなのか(2014年1月25日J-CASTニュース)

   ファミリーマートが開発したフォアグラ入りの弁当が、一部消費者からの「残酷」との指摘で、直前に発売見合わせになった問題が議論を呼んでいる。
   指摘を受けたのは、2014年1月28日に発売予定だった「ファミマプレミアム黒毛和牛入りハンバーグ弁当~フォアグラパテ添え」(690円)だ。コンビニとしては、フォアグラを使った商品は初めてだった。

「残酷」だと、海外では規制の動きも

   ところが発売4日前の24日、ファミリーマートは突如「発売見合わせ」を発表した。
    「一部のお客様のご意見の中に、フォアグラを使用した商品の取扱いについてご指摘をいただきました。(中略)お客様から頂戴したご意見や諸外国におけるフォアグラに対する見解の違い、フォアグラ自体の生産過程なども踏まえ、弊社内で慎重に検討しました結果、当該商品の発売を見合わせることとなりました」
   いったいどういうことなのか。実は高級食材として有名なフォアグラだが、海外などでは規制の動きが少なくない。フォアグラはガチョウやカモを人工的に「脂肪肝」の状態にすることで作られるが、その過程で口の中に無理矢理食料を詰め込む「強制給餌(ガバージュ)」が、1か月ほどにわたって繰り返される。くちばしを開けさせてパイプを突っ込み、エサを流し込む、というものだ。
   こうした生産過程が「残酷だ」「動物虐待」だとして、近年では動物愛護協会などがたびたび抗議活動を繰り広げてきた。こうした結果、欧州や米国の一部の州など少なくない国・地域で、強制給餌を禁止するなどして、事実上フォアグラの生産が規制されている。また、米カリフォルニア州のように販売も禁じられている地域もある
   こうした海外の議論の影響もあって、日本でも動物愛護論者の中には、以前からフォアグラへの「反対」の声があった。今回、ファミリーマートが弁当へのフォアグラ使用を発表すると、こうした反対派の間で、ブログやSNSなどでファミリーマートへの抗議を呼びかける動きが複数出ていた。中には、店頭で店員に直接抗議した、という報告も上がっている。こうした人々からは、発売中止を決めたファミリーマートを高く評価する声が上がる

「豚や牛はどうなんだよ」

   もっとも今回の発売中止に、「これが残酷なら豚や牛はどうなんだよ」「この為に出荷されたカモだかガチョウだかが可哀想やん…(´Д⊂ヽ」などと首をかしげる人も少なくない。堀江貴文さんもツイッターで、「馬鹿な奴らばっかりだし、そんなんに屈する方も馬鹿だな」と、発売中止を決めたファミリーマートも含めて批判的に言及している。抗議を行ったと明かしていた人物のツイッターに対しても大量の批判が寄せられ、ついにはアカウントが削除される騒ぎもあった。
   だがこうした批判に対し、ファミリーマートに申し入れを行っていたというNPO法人「アニマルライツセンター」はフェイスブックで、以下のように反論している。
    「ネットでは『何でもゴネれば発売禁止に出来てしまう社会』『行き過ぎた抗議』などの発言も見られますが、やり過ぎなのはフォアグラの生産方法であって、このように残酷に作られた食べ物に対してゴネもせず、抗議もしない社会に、未来はありません」

「一部のお客様」の思惑はともかくとして、中止を決めた側もそれに反対する側もどちらにも一理あると言うしかありませんけれども、これがまだしもフォアグラという食材に対してさしたる思い入れのない日本人だからこそこの程度の騒動で済んでいることは、長年続いていながら一向に終息する気配のない捕鯨問題に関する賛否両論の声などを見てもよく理解出来ることですよね。
ただ商業主義的な話に関して言えば、もともとコンビニでフォアグラという高級食材(そしてコンビニの主たるターゲット顧客には恐らくほとんど馴染みはないものでもあります)を用いるというのは非常に冒険的な話で、恐らく冒険的だと社内にもそれなりに反対意見もあったでしょうし、そうした反対派にすれば「見ろ、発売前からこんなにクレームが来てるじゃないか」と格好の突っ込みどころにはなったことでしょう。
給餌方法が問題なら改めればいいじゃないか、要するに脂肪肝になるだけの高カロリー食を与えればいいだけだろうと言う声もあるでしょうが、自発的摂食だけに頼るなら高価な餌を相当長期間与えなければ十分な効果がなく飼育コストが跳ね上がるでしょうし、何より伝統文化的観点から見るならば「そんなものはフォアグラじゃない」と言われてしまう可能性が高そうですよね。
いずれにせよ同社的には時期尚早であったということでFAなのでしょうが、フォアグラ大好きと言う方々が今後コンビニでもフォアグラを買えるようにしたいと望むのであれば普段からフォアグラ消費量をもっともっと増加させ、社会的ブームと言われるくらいの状況にしてコンビニやファミレスが先を争って取り上げざるを得ない状況に追い込むことが、気長なようですが正統的なやり方ということになるのでしょうか。

いずれにせよこの件で注目されるのが未だ発売にも至っていない段階でのクレームで中止が決まったと言うことで、売る側からすればコストや悪評の蓄積と言ったデメリットの最小化という観点からすればベストな判断ということになりますが、こういう判断が常態化するとリスクを取っても大きな利益を獲るという考え方での商売はどんどん消えていくことになるだろうことは容易に想像できます。
日本が長く不況に陥ったのも一つの理由に右肩挙がりの成長続きで失敗知らずでやってきた日本社会が、バブル崩壊と共に失敗することの恐さを思い知った結果リスクを踏まなくなったからだと言う話もあるようで、そう言えばかつては革新的な物作りで世界的に有名だった大企業が妙に保守的な製品ばかりになったと思えば経営が傾いて…と言うケースは一つや二つではありませんよね。
最近ではそうした点を踏まえてか、企業経営者のみならず教育現場等社会の様々な方面でリスクを取ってもチャレンジしろ、人と違うことを恐れるなと言ったことが言われているようですが、一方で個性の重要さを説く大手マスコミが他方で個性を存分に発揮したものをバッシングするといった二面性が当たり前に見られるなど、どうもかけ声倒れに終わっているところもあるようです。
マスコミのみならず今の時代一介の個人であってもネット等を介して主体的に叩く側に回れるようになったのはいいのか悪いのかですが、何にしろ影響力あることが出来る能力を手にした人間にはそれ相応の責任も伴うと言うのは世の習いですから、何をやってもしょせん個人に大した影響力などなかった時代と違って「面白そうだから炎上させた。後悔はしていない」では困るという自覚は必要かと思います。

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2014年1月27日 (月)

刑務所の医師不足も問題ではありますが

久しく以前から問題になっていることですけれども、最近ますます悪化傾向で対策が急がれるというのがこちらの話です。

前橋刑務所 常勤医ゼロ(2014年1月24日読売新聞)

 前橋刑務所(前橋市南町)で働く医師「矯正医官」が昨年4月から、1人もいない異例の状態が続いている。非常勤の医師が交代で対応しているが、急病時に受刑者が適切な治療を受けられない恐れがある。新年度も矯正医官を確保できる見通しは立っておらず、関係者は懸念を募らせている。(波多江一郎)

 ◇医師不在

 「医師不足は慢性的な問題です」
 前橋刑務所の千木良(ちぎら)亮介総務部長は嘆く。千木良氏によると、矯正医官の定員は2人だが、10年以上前からなり手は不足し、定員割れが続いている。昨年3月まで務めた矯正医官は高齢を理由に退任した。
 常勤医不在をカバーするため、近くの開業医ら5人の協力を得て、平日の数時間、交代で受刑者の診察や治療をしてもらっているが、医療態勢には不安が残る。
 同刑務所には昨年末現在で、693人の受刑者がいる。このうち147人(21%)が60歳以上で、210人(30%)が覚醒剤などの薬物事件で服役している。
 高齢や薬物の影響で持病を抱え、継続した治療が必要な受刑者も多い。昨年4月以降、急病などで救急搬送したのは十数回に達し、前年度の2倍のペースとなっているが、判断に困って念のために救急車を呼んだケースもあるという。

 ◇魅力不足

 矯正医官のなり手がいない主な理由は、国家公務員のため、給与が民間の医療機関に比べて少ないことだ。さらに、「総合病院や大学病院で腕を磨きたい」と考える医師にとっては魅力の乏しさは否めず、「受刑者に暴力を受けるのではないか」と懸念する医師もいる。
 矯正医官の不足は全国的にも問題となっている。
 法務省によると、昨年4月現在、矯正医官を置く必要がある全国の矯正施設160施設のうち、31施設は1人もおらず、25施設で欠員が生じた。実員は260人で、定員(332人)の78%にとどまった。
 県内では矯正医官を必要とする4施設のうち、前橋刑務所以外は定員(各1人)を満たしているが、医官を継続的に確保することは難しい課題となっている。

 ◇制度改正

 法務省も事態の改善に取り組んでいる。谷垣法相は昨年7月、医師や弁護士らによる有識者検討会を発足させ、今月21日に提言を受けた。矯正医官の給与水準を上げ、地域の病院との掛け持ち勤務を認める内容で、法務省は今後、兼業を禁じた国家公務員法の改正か特例法の創設を検討する。
 ただ、この見直しが問題解決につながるかどうか疑問視する声もある。
 前橋刑務所の視察委員を務める猿木和久・県医師会理事は、「法改正で事態が好転すると思わない。例えば、国立病院の医師を強制的に矯正施設で勤務させる仕組みを作るべきではないか」と指摘している。

刑務所の医師不足、給与改善で解消を-矯正医療の有識者検討会、法相に提言(2014年1月21日CBニュース)

 刑務所や少年院など矯正施設の医師不足対策などを議論していた矯正医療の在り方に関する有識者検討会(座長=金澤一郎・国際医療福祉大大学院長)は21日、「給与水準を一般の医師と同等のレベルに引き上げる」「現状65歳の定年を引き上げる」などとする報告書を谷垣禎一法相に提出した。法務省はこれを受け、関係省庁との調整を進め、法改正を検討する。【丸山紀一朗】

 法務省は昨年7月、矯正施設に勤める常勤医が定員の8割を切り、医師不足が深刻化しているとして、刑務所長や弁護士ら8人で構成する検討会を設置。医師不足を解決するため、先月まで計4回議論を重ねてきた。

 その結果、医師不足の原因について、▽一般の医師と給与面に格差がある▽国家公務員という身分上、研修や兼業の制約がある▽社会的に評価されにくく、医師としてのキャリアアップに結び付かない-など計10項目を挙げ、「社会一般の認知度は高いとは言えず、医師確保策が十分に採られてきたとは言い難い」とした。

 その上で報告書では、医師不足対策として、給与水準の改善、定年年齢の引き上げ、新たな手当の創設や、ほかの医療機関との兼業を広く認めることなどを提言。このほか、認知度向上のため、医学・法学教育で矯正医療を扱うよう学会を通じて依頼することなども提案した。さらに、こうした改革を推進するには、矯正施設の医師について「一般公務員と異なる扱いを可能とする特例法の整備も視野に入れた、大胆かつ抜本的な解決策を検討すべき」と結論付けた。

 谷垣法相は、「矯正医療は壁際に追い詰められているという認識だ。報告書の内容は早急に実現していく」と述べた。

近年では受刑者の高齢化が進んでいて、特に長年刑務所暮らしをしていて高齢になってから出所を認められても何ら生活の基盤もなく、人生最後の時間をせめて三食不自由しない刑務所で過ごしたいとわざわざ再入所を目指す人もいるというのですから、「刑務所の老人ホーム化」などと言われてしまうのも仕方がないのかも知れません。
当然ながらこうした方々も入所中に様々な基礎疾患が進行しいわゆる要介護状態になっていくわけで、高齢受刑者の多い施設では刑務官ならぬ介護職員だと自嘲的に言われているそうですが、近頃では刑務所の中で介護福祉士の資格も取れるようになったと言うのですから、これで医師も自前でまかなえるようになれば完全な自給自足体制も可能と言うことになるのでしょうか。
ただ医師不足と言われればそれはもちろんその通りなのでしょうが、そもそも身近に気軽にかかれる医師がいるような環境にいない一般人も多いわけで、そうした方々からすれば「24時間常に見回りもしてもらえ何かあればすぐ専属の先生にも診てもらえる」環境が本来あるべき刑務所の姿であると言われると、ちょっとそれは逆差別になっていないか?と感じないでもないかも知れませんよね。

およそ刑務所と言う施設は各県一つといった程度の単位で置かれていて、当然ながら県庁所在地など大きな街に置かれていることがほとんどですから近隣にそれなりの病院の一つもないという場合は決して多くはないはずであり、その場合であっても高齢者や有病者など要経過観察の一部受刑者に対して配慮をしておけば国民一般の享受している医療レベルからみてそう劣る扱いでもないように思います。
記事にある前橋刑務所にしても地図で見る限り前橋市中心部と言ってよさそうな場所にあって、徒歩圏内にあるだけでも群馬中央総合病院や済生会前橋病院といった立派な総合病院がそろっているのですから、わざわざ常勤医師が必要なのか?と言う気がしないでもありませんけれども、少なくとも制度上そうあるべきとなっているのですから求めざるを得ないのは仕方ないですよね。
このあたりは常勤医師の待遇を「世間並み」に合わせるのと同様、刑務所内における医師定数など制度面も一度ゼロベースで再考すべきなのかも知れずですけれども、一方で常勤医がいれば呼び出せば済むところを外病院に受診となれば職員が付き添って送り迎えをしなければならないという手間暇の問題もあり、必ずしも人手が足りていない現場からすると「いてくれた方がずっと楽」というのも本音ではあるでしょう。
ともかくも刑務所の医師不足という問題が法相にも認められ改善に向けて動き出した、そしてその明らかな理由も理解されたと言うことであれば後は必要な対策を講じて動き始めるだけ、ということになればいいのですけれども、どうも検討会で挙げられた意外の思いがけない難題も存在しているのではないか?と思わせるのが先日タイミング良く(悪く?)出てきたこんなニュースです。

鼻から栄養補給、強制は違法 大阪高裁、国に賠償命令(2014年1月23日産経新聞)

 大阪拘置所で絶食していた元収容者の男性が、栄養補給のため強制的に鼻からチューブを挿入されて出血し精神的苦痛を受けたとして、国に300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、大阪高裁であった。山下郁夫裁判長は請求を棄却した1審大阪地裁判決を変更、国の安全配慮義務違反を認めて50万円の支払いを命じた

 判決によると、男性は平成19年5月10~14日、大阪拘置所で11回続けて食事を拒否し、体重が約5キロ減少。医師は「命の危険がある」として男性の同意を得ないまま、頭や手足を職員数人に押さえさせ、鼻にゴム製チューブ(直径約9ミリ、長さ約80センチ)を差し込み栄養剤を注入した。

 山下裁判長は判決理由で「強制的で危険性が高いチューブ挿入の前に、点滴などほかの方法を試みる注意義務があった」と指摘し、「体重減少のみを根拠に同意を得ずチューブを挿入した対応は違法」と認めた。

 法務省成人矯正課は「判決内容を精査し、適切に対応する」としている。

とりあえず行きたくない方々にとっては「こんなリスクもある刑務所勤めなんて嫌だよ」と言う話なんですが、医療訴訟として考えて見ると一般病院での出来事としてもそれなりに議論を呼びそうな事例ではありそうです。
しかし「体重減少のみを根拠に同意を得ずチューブを挿入した対応は違法」という判断は、今回単純に純粋な技術論的側面に話を限定した実際的な判断とも言えるのかも知れませんけれども、精神病院における医療行為などと同様にこれはなかなかに難しい問題を提起している事件であったとも言えそうですね。
そもそも現代の医療は患者に対する説明と同意という大前提が必須ということになっていて、これを欠く医療行為は意識もなく呼吸もしていないといった緊急直ちにやむを得ざる場合に限って行えるような流れですけれども、いずれ緩慢な死を招くような医療拒否行動に対してどのような医療行為が許される、あるいはどのような医療行為が義務として課せられるのかと言うのは十分な議論が尽くされていない命題です。
判りやすい例として昨今話題になっている終末期医療の問題がありますが、何かしらの医療行為を受けることで少なくとも一定程度長く生きられるのにそれを拒否する行為が社会的に認められたというのに、刑務所のような環境で生きていても仕方がないと少しでも長生きするための手段を拒否した人間にはそれを強いるべきなのか、それは収監に認められた以上の人権侵害行為ではないかという考え方はありますよね。
他人を強制的に特定環境に押し込めた側はその環境で三度の食事を与えるだとか適切な睡眠時間を取らせる義務があるのと同じ文脈で、それなりの身体的健康を維持する義務が課せられるのではないかと少なくとも人権にうるさい方々は主張されるでしょうが、では権利の尊重とは自己決定権の尊重であると解釈するならば、刑務所内で自ら望んで死ぬ権利は保障すべきか否かという面倒な議論になるでしょう。

さらに話をややこしくするようですが精神病院の措置入院などにも通じる刑務所独自の問題として、仮にその人物がそうした特殊な環境に隔離されることを強いられていなければそもそも医療拒否をしただろうかと言う疑問があって、今回の受刑者にしても理由は示されていませんが裁判にするほど元気もあるくらいですから、娑婆に暮らしていればわざわざ食事拒否するようなことは無かった可能性が高そうですよね。
近代以前には様々な制約から殺したいのに殺せない(あるいは、敢えて殺さない)人物を拷問も兼ねてどうしても自殺したくなるような環境に押し込める行為も行われていたようですが、こうした行為が非人道的で現代国家にそぐわないものだとすれば、そもそも死にたくなるような環境に強制的に留め置く収監という行為自体がどうなのかという話にもなりかねませんが、一般的にはここまでは有りだとされているわけです。
それでも当然ながら環境に対する感受性は個体差があるはずで、例えば懲役刑として一般受刑者にとっては軽作業で済むような仕事であっても、何らかの心身の障害がある場合にはとても耐えられない重労働になると言う場合にはそれなりに配慮がされているとすれば、収監によって自殺めいたことをしたくなるほど追い詰められるというのは判決で期待された以上の残酷な刑罰と言うことにもなりかねないのでしょうか。
このあたりは刑法などは全くの門外漢ですから何とも判断できませんけれども、改正がされてはいても基本的に明治の時代からある法律ですからこうした今風の人権面での議論まで踏まえて作られた内容だとはちょっと期待出来そうになさそうですし、よく考えてみると案外運用上困ったことになりかねない部分も少なからずあるんじゃないかとも思うのですが、専門家の皆さんの目から見てそのあたりはどうなんでしょうね?

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2014年1月26日 (日)

今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗ふるいち 松島店」

先日こういう記事が出ていたのをご覧になりましたでしょうか?

【犬 vs 猫】ワンコとニャンコの「わが子に階段の降り方を教えたら」の比較動画が “あるある” だと話題(2014年1月20日ロケットニュース24)

一般的にワンコは積極的に感情表現をし、ニャンコはツンデレであると言われている。もちろん、どちらも魅力的なのだが、双方の魅力が存分に発揮された動画が話題だ。
その動画のタイトルを日本語に訳すと、ズバリ「犬と猫の教育方法の違い」。階段を下りたくても下りられない子犬や子猫への対応から見るワンコとニャンコの違いを比較したものだという。
まず、ワンコママの教育方法。子犬は「怖いよ~!」と、言うように母犬にまとわりつく。しかし、母犬は全く取り合わない。毅然とした態度で先に下りてしまった。子犬に自分の足で下りるように促しているのだ。厳しい表情をしながらも、その一歩一歩を優しく見守っている。
一方、ツンデレ代表のニャンコは……そ、そうきたか!! これはぜひとも動画で確認してほしいが、きっと多くの人が「あ~、あるある!」と思ってしまうだろう。
この動画には、ネットユーザーも

「オーマイガー! とってもわかりやすいわ!!」
「ちょ……! 猫!!」
「あるある(笑)」
「そうそう、猫ってこんな感じ!!」
「この動画を見て、ますます自分が犬派だって感じたよ」
「私は、やっぱり猫派だと確信したわ」

などと、コメント。多くの人の共感を得ているようだ。実は、この動画は過去にインターネット上で投稿されたワンコやニャンコの面白動画集をまとめたもの。実際に、母の教育動画かどうかはわからないが、ワンコとニャンコの特性をよく現れているのではないだろうか?

詳細はリンク先の動画を参照いただきたいと思いますが、まあお約束というものですかねこれは…(合掌)
今日は新年早々に景気を付ける意味でイヌとネコという身近でありながら対照的な生き物を比較検討してみたいと思いますが、まずはこの寒い冬の過ごし方にも違いがあるようです。

米北東部で大雪、大はしゃぎする犬たち(2014年1月6日CNN)

(CNN) 米国は年明けから全土のほぼ3分の1を覆う暴風雪に見舞われ、ニューヨークやシカゴなどの大都市でも雪が降り積もった。

国立気象局(NWS)によると、8日にかけて各地で「過去20年近くの間で最も厳しい寒さ」が観測される見通しだ。

そんな中、外出をためらう人間をよそに、深い雪も厳しい寒さもものともしないのが犬たち。

屋外に飛び出して新雪の中を思う存分駆け回り、はしゃぎ回る写真が各地の飼い主から寄せられた。

元記事の方にはまさに「イヌは喜び庭駆け回り」状態な様子が示されていますけれども、まあしかし寒くないものでしょうかね?
それに比べますとネコの方はもう少し大人というのでしょうか、こんな文化的な楽しみ方を知っているようです。

百人一首に興じるネコちゃんたちが反則級にかわいい(2014年1月21日ねとらば)

 旅行サイト「じゃらん」のCMに出演しているネコ「にゃらん」が、百人一首に興じる姿をTwitterで公開しています。

 百人一首で対決する師匠と弟子。師匠が速すぎて見えない払い手を繰り出すなど勝負は盛り上がったかのように見えますが、「ルールが……よくわからにゃいにょです!」というオチに。かわいいのでどちらも勝ちてよいのではないでしょうか。

その状況は元記事の方で参照いただきたいと思いますが、しかしあくまでもマイペースと言うのでしょうか、最後の方はもはや何のゲームかも判らないというものですかね。
これだけ寒い日が続きますとどうしても身体を温めたくもなりますが、こちら一頭のイヌの姿が多くの人達の注目を集めています。

友情に胸揺さぶられる! 零下13度のなか死んだ友を温め続ける犬の姿に世界が涙(2014年1月6日ロケットニュース24)

「友」とは何ものにも変えがたい宝だ。友を思う気持ちは決して人間だけのものではないことがわかるある動画に世界が涙している。
2013年12月22日早朝、中国・寧夏回族(ねいかかいぞく)自治区の銀川(ぎんせん)市。寒空の下、道路の真ん中でうずくまっている犬が目撃された。そのかたわらには交通事故で死んでしまった犬が横たわっている。そう、彼は既に冷たくなってしまった友を温めるかのように、じっと寄り添っていたのだ。
この日の銀川市の気温はマイナス13度だったそうだ。この犬も自身の体を寒さで震わせていた。しかし、この犬は死んだ友のそばを離れようとしない。その姿は、自動車から守るようにも、冷たくなってしまった友の体を温めるようにも見えたという。
当初、犬は全く人を寄せ付けなかったそうだ。そこで通行者が椅子を置き、通る車に犬をひかないように注意を促した。しかし、時間が経つにつれ交通量も増えてくる。見かねた男性が、死んだ犬を道路わきに運んでいった。そして、そばに埋葬したそうだ。その間、犬はじっとその様子を見つめていた。
自らの危険も省みず死んだ友のもとを離れようとしなかった犬の姿は、多くの人の心を揺さぶったようだ。以下が、その動画に寄せられたネットユーザーの声である。

「感動した」
「犬の方がわかってるよ」
「ときに動物は人より心があると思う」
「この気持ち、なんと表現したらいいかわからない!!」
「生き残ったワンちゃんは、どうか元気で暮らしてね」

なお埋葬後、男性は友のそばに寄り添い続けた犬に暖を取らせようしたそうだ。だが犬は、埋葬されて安心したのか、それとも見えなくなった友の姿を探しにいったのか、そのままどこかへ消えてしまったとのことである。

元記事には動画も用意されているようですけれども、やはりパトラッシュに限らずイヌとはこういう性質を持っている生き物なのでしょうか。
一方でこれまた身体の冷えを自覚したネコの姿ですけれども、これまたもう少し文明的な暖め方を心得ているようです。

「友達の猫が、こんな風に足を暖めているんだが…」何か言いたくなる写真(2014年1月5日らばQ)

冬の寒い季節はちょっと気を許すだけで手足が冷え、猫がこたつで丸くなる気持ちもわかろうと言うものです。
「友達の猫が、こんな風に足を暖めている…」と題された画像が、海外サイトで人気となっていたのでご紹介します。
猫よ……。
気持ちはわかるけど、何かこう年寄りくさいと言いますか、しっかり冷えた足だけ暖める方法を心得すぎと言いますか、なにか声を掛けたくなってしまいます。
ふてぶてしくも憎めないこの様子がたまらないと、海外掲示板も盛り上がっていました。

●間違いなくこの猫は「クリスマスはどうでもいい」と思っている。
●気に入った。自分もそれをよくやる。
●浮いているように見える。
●今日見た猫では一番だな。
●パッと見たとき、空中浮遊をしているかと思った。
●同類。
[画像を見る]
●賢い猫だ。
●肥満だからダイエットさせろというコメントがないことに驚きだ。
●↑人に喜びを与える程度のぽっちゃり……。
●その腹に顔を突っ込みたい。
●ちょっと角度を変えると、勇敢なトレジャーハンターが火が噴出する崖っぷちを歩いているようにも見える。
[画像を見る]
●↑勇敢なハンターにしては丸いな。
●身動きできないだけ……、ってことはないよね?

とりあえず上手な足の暖め方ではあると感心する人は多いようでした。
しかし猫にこの場所を取られてしまうと、人間の方が違う暖まり方を模索しないといけませんね。

その状況はこれまた元記事の画像を見ていただきたいと思いますけれども、やはりおネコ様とでもお呼びしたくなるような態度としか言いようが…
イヌは養われた恩を忘れないという話はしばしば聞くところですが、こちらきっちり恩返しをしたイヌのニュースを紹介しましょう。

愛犬が大けがの飼い主を救う、“人生最大の危機”に献身的な行動。(2014年1月6日ナリナリドットコム)

昨年11月、慣れたコースでスキーを楽しんでいた米国のある男性は、思わぬ窮地に陥った。滑っている最中に岩に衝突して谷の下へと落下すると、凍っていた木の幹に体を強く打ち付け、首の脊椎を損傷する大けがを負ってしまったのだ。凍える雪の中で体も動かなくなり、まさに命の危機に陥った男性。そのとき、連れて来た飼い犬が献身的にサポートする行動を取ってくれたおかげで、命を落とさずに済んだそうだ。

米放送局FOX系列KDVRやCBS系列KCNC-TVなどによると、深刻なスキー事故から生き延びることができたのは、コロラド州タバーナッシュに住むレナード・ソマーズさん。昨年11月2日、彼は「50回は滑った」というタバーナッシュ近郊にある山のスキー場へ、甥と一緒に出かけていた。そしていつしか甥と別れ、1人気ままにスキーを楽しんでいたソマーズさんだったが、慣れたコースとあって油断もあったのか、この日彼は人生最大の危機に直面してしまう。

滑っている途中で岩に衝突してしまったソマーズさんは、谷の下へ落ちたときに凍っていた木の幹に背中から激突。その衝撃で首の脊椎を損傷してしまい、雪の中に埋まったまま動けなくなった。意識を取り戻して「体が動かないことを悟った」という状態の中、そばにいたのは、一緒に滑りを楽しんでいた愛犬で5歳のシベリアン・ハスキー犬、ジュノーだけ。しかし主の危機を察知した彼女は、その後献身的な行動を取り出して、彼の救助に大きな役割を果たしたという。

事故直後、雪の中で動けなくなった飼い主のために、彼の体の周りにあった雪を懸命に取り除いた上、30分ほど寄り添って「暖め続けてくれた」というジュノー。さらに主には「援助が必要だと分かっていた」彼女は、やがて近くにやって来たスキーヤーたちの声が聞こえると、即座に彼の元を離れて走り出していった。そして、谷の下で「パニックになっていた」ジュノーの存在に気付いた女性が後を追い、発見されたソマーズさんは救出され、病院へと運ばれたそうだ。

ジュノーのおかげで、辛うじて命は助かったソマーズさん。しかし事故に遭った代償は大きく、今後再び歩けるようになるのかは現時点で「分からない」という。それでも、ジュノーが適切な行動を取ってくれなかったら「もっと悪い結果もあり得た」と、愛犬に対しては心から感謝している様子。「いつかまた歩けるようになりたい」と話している彼は、現在行っているリハビリ治療でも愛犬のサポートを受けながら、一緒に日々取り組んでいるそうだ。

しかしイヌの恩義に報いる姿勢はともかく先日のレーシングドライバーの事故にしてもそうですが、改めてスキーって怖いものなんだなと思いますね。
一方で一宿一飯の恩義も三日で忘れるというほど常に前向きなのがネコという生き物ですが、むしろこの場合誰が恩義を感じるべきなのか判らなくなってきます。

いつのまにか犬小屋に住み着いていた野良猫、いつのまにか子宝に恵まれ、犬と一緒に散歩が日課。(2013年9月23日カラパイア)

 いつのまにかシダさん(オス)の犬小屋にしっぽり住み着いてしまったという野良猫。包容力のあるシダさんにメロメロになってしまったようで、いつのまにやら子猫を出産。もちろんシダさんの子ではない。自分の子でないにもかかわらず、器の大きいシダさんは、子どもたちにも愛情を注ぐ。

 そんなシダさんのお散歩タイム。母猫のみならず子猫たちも総動員でストーカーばりの追跡っぷりを発揮する。

 子猫の方はシダさんの犬小屋の横にベッドを作ってあげたそうで、今ではシダさん、母猫、子猫2匹のファミリーとなって仲良く暮らしているという。

軒を貸して…とも言うべきその状況は元記事の動画を参照いただくとして、しかしこのシダさんも野良猫達のおかげでネコ様に奉仕させていただける喜びを満喫していることでしょう。
ここほれワンワンで大判小判がざっくざくと言えば花咲かじいさんとその飼い犬ですが、こちらリアル花咲かじいさんということになるのでしょうか?

ネットオークションに出品された「犬に噛みちぎられちゃった靴」がなんと3万7千円で落札されたワン!(2013年10月24日Pouch)

最近は業者による出品が目立つネットオークションですが、もともとは「素人同士による取引」ができるのがミソ。何を出品して、いくらで落札しても良いわけです。それだけに時々、妙な物も見かけますよね。
今回ご紹介するのは、数ある出品物の中で話題になった商品。『半分噛みちぎられた革靴 by 期待の犬アーティスト』( ウィングチップ /左足用 /サイズ29.5cm)(eBay)。驚くなかれ、このゴミみたいな靴が、37000円で落札されたのです。

では、商品を見てみましょう。といってもそれはタイトル通りの代物。つま先部分が無くなった、ただの茶色い革靴です。しかも片足だけ。ところが実はこれが、“犬アーティストによる作品” なのです。
アーティストの名前はジャック君。2才になるダルメシアンの雑種です。ソファの上で足下にころがる作品を前にくつろぐ写真も掲載されています。いやいや、ただの犬やんけ! と思うなかれ。
「ジャック氏オリジナルの “噛み噛みテクニック” を駆使した根気強い手作業によって丁寧に制作された一点モノ。切り口にはカミソリのような切れ味と大胆な造形センスが活かされている」
「パフォーマンス・アートとして、氏はポスト・モダン的なヒネリを効かせ、情熱的かつ観客なしで製作」
「批評家たちは、現代アメリカの不況に対する米国犬からの回答と見ている」
こんな調子でつづく説明文。有名な現代アーティストの名前も引用するそれっぽい口調がなんともおかしいんです。

ともすれば「何でもあり」な現代アートの世界。それを痛烈に皮肉ったジョークなんですが、よく考えると「犬アート作品をオークションに出品」というこの行為自体もある意味パフォーマンス・アートに。いや、もしかして本気?
日々精力的に製作を続けているらしいジャック氏の初期作品は、「除去されたカーペット」「破られた高級シーツ#1 及び#2(代表作)」「不可思議なるクッションの内蔵」、そして「ゴミ袋という名の束縛からの解放」など。
いかにもなタイトルから見えてくるのは、ペットとしてのジャック君の暴れん坊ぶり。
そんなアート好きワンコ好きのハートをくすぐる出品者(飼い主)のセンスに、みんな大喜びです。商品への質問もなんだか真面目くさっていて、その返答もまたしかり。みんなノリがいいね! 
結局、作品は約37000円でめでたく落札。そのお金は、保健所からの捨て犬救済基金に寄付されたそうです。

詳細は元記事の写真を参照いただくとして何ともはや、飼い主に思わぬ福をもたらしたイヌというところですが、しかし現代の芸術家たるものやはりこうした健全な批判精神を備えていなければならないということでしょうかね。
一方でネコに恩を施した者がどうなるかということを、こちらイタリアのケースが如実に示しているようです。

伊・基地で猫のお産を介助した女性軍医が裁かれる(2013年12月25日ロシアの声)

イタリア政権はコソボのNATO基地で女性軍医として働いていたバルバラ・バランゾーニ中尉に対し、基地内で捨て猫のお産を介助した罪で禁固刑に処そうとしている。イタリア語のポータル「フィナンツァ・チアロ」が報じた。

女医の説明では、基地に移り住んできた猫は母猫で、お産の際に死産した胎児が胎内につまって、そのまま放置しておけば、死んでしまう状態にあった。 結果として女医は上層部から「乱暴な不服従」を示し、規範に背いたとして罰せられた。軍事検察は、女医の行為は本人および自身が診察する患者の健康を危険にさらしたとの見方を示している。猫の介助を行う中で、女医は猫にかまれており、感染が懸念されたため、女医はただちに病院に搬送されている。 女医は逆に、猫が死亡すれば、基地のテリトリー全体を殺菌せざるを得なくなっただろうと反論している。 女医は現在トスカナで民間施設の麻酔医として勤務している。

 初の公判は2月7日。裁判にはイタリアの国防相も参加する。女医の罪が認められた場合、最低でも1年の禁固刑が科せられる恐れがある。

そう言えば昔から化けて出たと大騒ぎになると言えばネコと相場は決まっているように思いますが、たかが一介のネコですら一国の大臣を引きずり出すほどの影響力を持っているというのですから当然と言えば当然でしょう。
このように事毎にその対照的な様子が目立つイヌとネコという生き物ですけれども、そのいずれとも等分につきあっていられる人間と言う生き物も案外懐が広いものなのかも知れませんね。

今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗ふるいち 松島店」

倉敷で言う「ぶっかけうどん」と言うものはもともと江戸時代から倉敷界隈の郷土料理的に食べられていたようですが、それを初めてぶっかけうどん専門店という形で世に問うたのが当時倉敷駅前で夫婦饅頭等を売っていたこちら「ふるいち」だったと言います。
最近では岡山県全体でも広く提供され、倉敷名物の一つとして認知度が高まっていることから大抵のうどん屋に置いてある状況で、讃岐うどんと名乗っていてもぶっかけだけは倉敷スタイルで提供している店も少なくないというのも地元での認知度が理由なのでしょうね。
その「ふるいち」の支店の一つがこちら、川崎医大にもほど近い国道沿いに店を開いている松島店ですが、学生の目を意識してかファーストフードっぽいカジュアルな店構えは今までのふるいちとは違う感じも受けるところです。

今回こちらは初めてということでとりあえずは冷たいぶっかけと茄子天を食べて見たのですが、ぶっかけに関して言えば以前にお邪魔した本店とも言うべき倉敷仲店と比較してみますと何と言うのでしょう、うどんが妙にピンボケな感じがします。
透明感を保った見た目からすると茹でおきの時間が長いせいという感じでもないようなのですが、茹ですぎて伸びたうどんを無理矢理冷水で噛み応えを出した、と言った感じの微妙な食感はある意味でチェーン店のうどんっぽさは感じますでしょうか。
それでも甘辛濃いめのつゆでちゃんとぶっかけらしく仕立ててあるのが伝統店の強みではあるのですが、やはりチェーン店というのはいつどこの店でも同じ味を守るというのが簡単なように見えてなかなか難しいものなのでしょうね。
茄子天の方は揚げ加減もまずまずで表面のクリスピーさ、香ばしさと中の良い具合に火の通った茄子のトロトロ加減が良い対比で、揚げたてではないのですけれども結構いけるなと思います。

ハコモノとしての見た目は前述の通りであまりうどん屋という感じではありませんが、接遇面でもそれを意識空いているようで若年層中心の顧客が似合うといった風ですから辻褄は取れているのでしょうか。
ただ個人的には唯一オリジナルソングなのでしょうか?店内BGMが妙に気が抜ける感じで脱力なのですが、最近は電気屋などもこんな感じが多いですよね。
もう一つ気になった点として設備面では旧式なスタイルのトイレや奥の座敷席などが店の構えからすると逆に浮いてる印象なのですが、あるいは居抜きで入居した改装店舗なのでしょうか?
ともかくも最近はどこに言っても安くてお手軽なセルフのうどん屋が進出していてうどん食そのものが若い世代にも普通に受け入れられていることは良い傾向だと思いますが、それだけに売る側としては個性を出そうとしているのでしょうか、こういう老舗チェーン店でも色々と頑張っているものだなと感じました。

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2014年1月25日 (土)

ふとした瞬間に意図せず現れる何か

今日はまたちょっとした話を取り上げてみたいと思いますが、先日こんな笑い話のようなニュースが出ていたのをご覧になったでしょうか?

「じゃあプリキュア37人言えますか」→「」 カーチャンの振り込め詐欺撃退方法がクールすぎると話題に(2014年1月7日ねとらば)

 なかなか減らない「振り込め詐欺」被害。そんな中、カッコよすぎる「振り込め詐欺」の撃退事例がTwitterで話題になっていました。

 新年早々、息子を名乗る不審な電話がかかってきたという"たらも"さん(@ao_yoshi)のお母さん。ところが、機転を利かせて「プリキュア37人言えるか」と問い返したところ、犯人はあわてて電話を切ってしまったそうです。か、カッコよすぎる……!

 この機転には、警視庁犯罪抑止対策本部(@MPD_yokushi)も「(プリキュアで母さん助けて詐欺が撃退できる事例。クールジャパン……)」と脱帽。ついには声優の本名陽子さん(美墨なぎさ/キュアブラック役)も「母親が機転をきかせてオレオレ詐欺を撃退! それもプリキュアで!」と驚きのコメントを寄せていました。

 みなさんはプリキュア全員の名前、ちゃんと言えますか?

ちなみにこのニュースを見たとあるお母さんから息子に「あんたも37人言える?」と確認メッセージがあり、見事に正解を答えたところ「その能力を仕事に活かしてください」との身も蓋もない返信があったそうですが、「それを言っちゃあおしめえよby寅」というところでしょうかね?
いわゆる振り込め詐欺に関しては様々な対処法が言われていますけれども、あらかじめパスワードなりを決めておけなどと言われても普段口にし慣れていないものがとっさの時に急に出てくることもないでしょうから、普段からの言動の中でその人なりの特徴を拾い上げられればこれ以上のものはないというもので、これは世のヲタクな方々にとっても朗報と言える話に思えますね(ただし家族の方がついてこれない懸念は若干ありますが…)。
さて、詐欺はともかく演劇などでも他人を演じるということは中々に難しいもので、プロの役者さんなどもそれぞれ独自の方法で他人の特徴をつかみ再現する努力を重ねていらっしゃるそうですけれども、素人レベルでも違和感に気付きやすいのが年代的な差異の部分で、見た目年齢が若いのにちょっとした言動やしぐさから「あれ?この人意外に…」と言うことはまま経験しますよね。
先日見かけた話題で「コミケで年齢制限のある商品を売る場合にどうやって年齢確認をするか?」というネタ質問に様々な答えが寄せられていたのですけれども、「そんなもの身分証明書を見せてもらえばいいじゃないか」などと突っ込みを入れるのが野暮に感じられるほど様々な珍解答があったようで、一部を紹介してみましょう。

【爆笑】#年齢確認行動大喜利【コミケ】18禁!? まとめ(2013年09月04日NAVERまとめ)より抜粋

「この本ください」「年齢確認お願いします。この上書き不可のカセットテープをセロテープを使って上書き可能にして下さい。」「はい、確認できました。500円です。」

「この本ください」 「年齢確認です。私の質問に答えてください」 「わかりました」 「ピピルマピピルマ?」 「プリリンパッ!」 「パパレホパパレホ?」 「ドリミンパッ!」 「確認できました」 「サンクスフレンズ♡」

「この本下さい」 「年齢確認致します。昔雑誌の付録にあったビニール製のレコードって何ていう名前?」A「えっ…レコードにビニール製のなんてあったんですか?」 B「ソノシート」 C「レコードって何?」 「Aさんは500円です。Bさんメアド交換しましょう。Cは帰れ」

「この本ください」 「年齢を確認します。免許証か何か」 「ゆうて いみや おうきむ こうほ りいゆ うじとり やまあ きらぺ ぺぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ぺぺ」 「もょもとLv.48ですね、500円です」

「この本ください」 「年齢確認させてください。カプコンでゲーム化と映画化した作品と言えば?」 客A「バイオハザード」 客B「ストリートファイター」 客C「スウィートホーム」

「この本ください 」 売り子「年齢確認します。(VHSテープまたはカセットテープを差し出す)こちらをダビング不可の状態にして下さい」 「パキッ」 売り子「はい、確認できました」

「この本ください」「年齢確認させていただきます。ロードス島戦記知ってますか?」「D&Dのリプレイ」「はい、500円になr」「ディードの中のh」「言うな!」

「これください」 「R18本なので年齢確認します。あたりまえだの?」 「クラッカー!」 「確認できました。シルバー割300円です」

「この本ください」 「年齢確認をさせて頂きます。映像を記録するやつってなんでしたっけ?」 A「HDD」 B「ビデオ」 C「8mm」

全部判った人は立派なアダルトと証明されたと言うことになるのでしょうか、個人的に思いついたものとしては「ちょっとしたファイルを人に渡すときにどうしますか?」と言った質問もある程度年齢認証に使えそうでしょうか(「そんなもの直接手で渡せばいいじゃないか」と思ってしまった人は本格的なアナログ世代ということになるのでしょうかね?)。
ちなみに昔はプログラムの録音されたソノシートが付録としてついてくる雑誌もあったそうで、こちらは残念ながら実物を見たことがありませんけれども、子供の頃について「楽しみにしていた雑誌の付録は?」だとか「好きだったアニメは?」といった話題は流行り廃りを反映しやすいにも関わらずうっかり本当のことを口走ってしまいがちなのだそうで、しばしばサバ読み発覚から血を見るトラブルに発展しがちだとも側聞いたします。
年代格差と言えばものの考え方の差を象徴するものでもあって、昔から「今の若い者は」云々の台詞は老人繰り言の定番だと言いますし、日本においても「団塊」「新人類」「ゆとり」と年代を象徴するようなニックネームには事欠きませんけれども、この年代格差というものを読み違えると大変なことになるという興味深い実例を一つ紹介してみましょう。。

20代の社員に「アホは出口さんです」と言われました(2013年2月13日日経ビジネス)より抜粋

 ライフネット生命保険が営業を開始して約1年が過ぎた2009年夏のことです。20代の社員に突然こう言われました。「出口さん、この日、1時間ほど時間を空けておいてください」。いったい何の用だろう。と思いつつ、私は、「いいですよ」と答えました。
 前日、私は彼に聞きました。
「明日、時間は取ってあるけど、何をするんだっけ」
 その若い社員はこう言いました。
「インターネットでのPR企画のため、二子玉川へ行って、多摩川の河川敷に降りてください」
「でえ、何をするんだい?」
「まずですね。今回の企画を考えてくれたウェブマガジン、デイリーポータルZのウェブマスター林雄司さんが、死亡保険に加入しよう、と河川敷に待ち受けています」
 デイリーポータルZ? 何だ、それ? ヒーローロボット?
「それで、ですね。この林さんが、3枚の紙皿にそれぞれ、1,000万円、2,000万円、3,000万円と、死亡時の受取金額を書きます
 ?
その皿に異なる種類の豆を入れて、河川敷に置きます
 ??
「すると、ハトが飛んでくるでしょう。豆を食べに。で、どの皿の豆を最初にハトが食べるか。それで、林さんがどの金額の死亡保険に申し込むかを決めるわけです!」
 ???
「つまり、鳩が選んだ生命保険に、林さんは申し込む、という企画です。ぜひこの撮影現場に出口さんにも立ち会っていただきたいと」

お客さんに近いのは私じゃなく20代社員だった

「ちょ、ちょっと待ちなさい!」私は思わず声を上げました。
ふざけるんじゃない。君はライフネット生命保険のマニフェストをもう一度読みたまえ。どこにそんなことをすると書いてあるんだ。アホか!」。するとこの20代社員は平然とこう言い返しました。「アホは、出口さんの方です」
 な、なんですと!
 彼は続けます。
「出口さん、思い出してください。ライフネット生命保険の保険を買ってくださるのは誰ですか?」
 そ、それは……。
出口さんのような50代60代の方がターゲットではないですよね。ライフネットの想定顧客は当初からインターネットに親しんでいる20代30代の若い方じゃないんですか?」
 …確かに。
20代30代の人たちのインターネットリテラシーは、出口さんの世代とまったく異なります。こうした企画を『ふざけている』とは思いません。この企画が面白く仕上がれば『変なことに真剣に取り組む』ユニークで面白くてリベラルないい会社だ、と思ってくれるはずです」
 ……私はちょっと考えて、彼に言いました。
「自信があるのか」。
 にっこり笑って彼は言いました。
「あります」。
「そうか」。
 私はそこで引き下がりました。たしかに彼の言うことは一理ある。お客さんに近いのは私じゃない、彼の方だ。だったら彼のセンスのほうが正しい、のかもしれない。
(略)

ちなみにその結果はと言うと「後日デイリーポータルZに掲載された林雄司さんの「ハトが選んだ生命保険に入る」は、ウェブ上でものすごい評判を呼んだのです。一方でライフネット生命に対するネガティブな意見はほとんど出ませんでした。」ということで、見事?「アホは、私でした。 」という結果に終わったそうです。
年功序列の色濃く残る会社などではなかなかこうした企画も通りにくいでしょうから、そもそも同社がそれだけ実年齢にこだわらない社風であったと言うことも奏功したのでしょうが、社内の慣行や社風はどうあれこれだけ年下の人間にこんな身も蓋もないことを言われては普通そうそう素直に受け入れられるものでもないでしょうから、「出口さん(実は社長!)」の方も実年齢に比べて柔軟な脳を持っていらっしゃったということでしょうね。
ここで興味深いなと思ったのは「年代によって何が当たり前なのかという基準は異なる」と言う単純明快な事実なんですが、例えば今を去ること数百年の戦国時代には10代前半から戦場に立って人を殺しまくることも何ら珍しいことではなかっただとか、つい数十年前までは日本の製造業は部品精度も悪くて同じ部品でも製品一つごとに微妙に違っていて互換性も怪しかったとか言われると、我々は「昔の日本は凄かったんだな」と遠い歴史の彼方のこととして認識しがちですよね。
昨年亡くなった「19世紀最後の生存者」木村次郎右衛門氏などの生まれた明治の時代などももはや完全に「歴史」ですけれども、しかし二昔ほど前までは身近にも結構明治生まれの人がいてまだしも「昔」という連続性のある感覚が残っていた、ところが今の時代は爺ちゃん婆ちゃんどころか半世代10年も違っていれば常識も違うというほど社会変化のスピードが速くなって来ていると感じさせる場面が多々あるというのは、考えてみると割と凄いし怖いことですよね。
年配の方々は未だについ「汽車」なんて言ってしまって子供や孫に笑われたという経験があるでしょうが、日々増え続ける死語リストなどを見ていますと「あ、これってもう現役じゃないんだ…」とショックを受けてしまいそうなマイ常套句があげられていたりしますし、いずれ世代間は日常語彙の共有すら怪しくなって意志疎通にも支障を来す、なんてことになるのでしょうか。

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2014年1月24日 (金)

医療のコストパフォーマンスを別な角度から見ると

昨年発行された「がん診療 UP TO DATE」で「補完代替医療とそのエビデンス」の一項を担当された帝京大の大野智先生が、先日補完代替医療とも関連して医療の費用対効果(コストパフォーマンス)というものについてこんな一文をあげられています。

「臨床現場の状況・環境」の視点からEBMを再考する(2014年1月23日日経メディカル)より抜粋

(略)
 「臨床現場の状況・環境」に関して考慮しなければならない点としては、「利益(治療効果)と不利益(治療に伴う副作用)のバランス」「治療にかかるコストや資源の利用」などが挙げられています[1]。

 「利益(治療効果)と不利益(治療に伴う副作用)のバランス」については、「癌」に限らず、様々な疾患に係る診療の現場で重要視されるようになりました。その一方で、「治療にかかるコストや資源の利用」についてはどうでしょうか? わが国では国民皆保険制度の下、比較的安価で医療を受けることができるため、国民や患者は医療にかかるコストのことはあまり気にしていないかもしれません。しかし、平成23年度の国民医療費が38兆5,850億 円に達し [2]、年々増加していることは、ご存知のことと思います。そこで、厚生労働省は、今後の医療制度の安定的な運営のために、中央社会保険医療協議会において費用対効果評価専門部会[3]を立ち上げ、医薬品や医療機器、医療技術を費用対効果の観点で評価する仕組みについて議論し始めました。

 補完代替医療の領域においても、適切なサプリメントの利用によって生活習慣病や骨粗鬆症などに関係する医療費を、年間で数億~数十億ドル削減可能であるとの報告書[4]が、アメリカの有用栄養物審査会(Council for Responsible Nutrition)から公表(2013年9月23日)されました。補完代替医療が、医療費削減に一役買うのではないかという興味深い結果です。

 一方で、癌の臨床現場における費用効果分析に基づく医療政策の話題としては、費用効果に応じて治療法の選択肢に制限がかかるといった事例があります。例えば、イギリスにおいて、国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence;NICE)は、高い価格に見合うだけの効果が得られないとして、Bevacizumab(商品名アバスチン)の大腸癌への「使用を推奨しない」というガイダンス[5]を2010年12月に公表しています。

 限られた医療資源を、どのように分配し、いかに効率良く運用していくかは、世界各国において喫緊の課題になっているようです。それを裏付けるかのように、医学研究の分野においても、費用効果分析の論文数が右肩上がりで増えてきています(図2)。
(略)

ここで注目いただきたいのは純粋な効果の有無ではなくコストパフォーマンスという評価軸によって、皆保険先進国のイギリスでは「Bevacizumab(商品名アバスチン)の大腸癌への「使用を推奨しない」」と言っている点でしょうか。
さて、大野先生は「残念ながら、現時点では、補完代替医療の領域にはヒトを対象としたランダム化比較試験のエビデンスは非常に少ない」と述べていますが、近年の医療においてはとかくコストパフォーマンスというものが追及されるようになってきているのは周知の通りで、何かとやり玉にあがる「高い医療」に限らず補完代替医療の領域においても次第にコスパに関わるエヴィデンスが蓄積され初めているようですね。
いわゆる代替医療というものがそもそも有益なのかどうかは諸説あるところで、ここでは「保険薬と比べて効果は劣るかも知れないが一定の効果は期待出来そうなもの」というくらいの位置づけで議論したいと思いますけれども、例えば女性に多い鉄欠乏性貧血なども(そもそもの基礎疾患の診断等は別として)こと治療部分に関して言えば多くの場合、病院にかからずともそこらの鉄系サプリメントでも飲んでいればいい訳です。
もちろん医学的に見れば「何故鉄欠乏になったのか?」の方がより興味をそそられる問題であったりとか(生理が酷いからと言って胃潰瘍や大腸癌のリスクがないわけじゃないですよね)、そもそも世間一般で言われる貧血と呼ばれる現象が鉄欠乏性貧血であるとは限らないだとか、むしろ最近は鉄過剰の引き起こす諸問題の方が色々と言われているんじゃないかとか、それなりに考えるべきことは少なくありません。
こうした一連の医師による判断を経て行われる正規の治療に対して自己診断とサプリメント等々の市販品を用いる自己治療のリスクは主にこの辺りにあって、だからこそ医療側からの反対論も根強くあるわけですが、医療におけるコスパを云々するのであればまさにそうした様々な生命・健康リスクも込みで考えなければならないのは当然ですよね。

日本では医療に関してお金の有る無しで選択枝が変わってくると言うことが過去半世紀ほとんどなくなっていて、「助からなくても出来るだけのことをしてください!」の一言でどう見ても回復の見込みのない末期患者に巨額のコストを要する濃厚医療が行われるということが常態化していましたけれども、高い医療を行えば支払いが追いつかないのが当たり前という諸外国ではこんなことはもちろん一般的ではないわけです。
要するに「命に値段はつけられない」と言う命題を絶対視してしまえばコスパという評価は実用的な指標になり得なくなってしまう(そして、そうした考え方は諸外国では一般的ではない)と言うことなんですが、では日本では医療とコスパという考えは縁遠いか?と言えば必ずしもそうでもないようです。
近年話題になったところではいわゆる癌検診というものがあって、例えば「肺癌早期診断目的での」胸部レントゲン検診はどうやらあまり意味がなさそうだとか、個別検診ならともかく集団検診なら質的には劣ったとしてもコスパ的には胃カメラよりバリウムの方がよさそうだとか、「命はお金に換えられない」なんてお題目はすでに放棄されてコスパ重視の考え方が当たり前に受け入れられるようになってきていますよね。
未だ「命の沙汰も金次第」とまではさすがに言わないですが、例え命がかかっている医療と言えど100と101くらいの違いを出すためにコストが10倍かかると言った場合には安い方でいいんじゃないかと言う考えはそれなりに社会に受け入れられるだろうし、医療財政上も受け入れてもらわなければ困るはずなんですが、実は最も強固にこうしたコスパ論に反対の論陣を張ってきたのが一方の当事者である医療側でもあったわけです。
日本では皆保険制度において患者側にとっては定額の保険料プラス安い窓口負担から「医療は使わなければ損だ」と言う感覚が生まれやすかった、一方で医療従事者も何かと売り上げ売り上げと言うように出来高制の元で不要不急の医療を何かと理由を付けて行うことが正義であるかのように言われていたという点で、残念ながらコスパ第一主義の観点からはいささか非効率な医療であったとは言えそうですね。
その割に日本の医療総体として国際的に見てもコスパが非常にいいと評価されてきたことの理由がどこにあるのかはまた興味深い話題ではあるのですが、とりあえず言えることとして日本の医療制度というものは患者側からもそうですが特に医療側にとってコスト削減意識が働きにくい、むしろ本質的に拡大路線を取りやすいものとなっているとは言えるかと思います。

そんなことはない、最近はどこの病院でもDPC導入でコスト意識が盛んになっているという意見もあるでしょうが、ではそうした病院で地域住民の治療が順調に進んでベッドも外来もガラガラになってきた時に事務方からどう言われるかと言えば、間違っても「先生方に頑張っていただいたおかげでこの地域の健康水準が改善しました。今日はお祝いに病院負担で飲み会をしましょう」なんてことを言われるとは思えませんよね。
医療を行う側は商売でやっている以上仕方がないことで、特に診療報酬切り下げで薄利を強いられている近年はとりわけ多売にどこの病院も努力している状況がいささか目に付くのですが、例の自己負担がない生保患者が安価なジェネリックを使いたがらないという現実を見るまでもなく、日本では患者の側にとっても医療費削減に協力する動機付けが働きにくいという状況ではあります。
これは風邪薬一つ飲むのにもドラッグストアで売薬を買うより病院にかかって診てもらった方が安くつきかねない制度上の問題でもありますが、「万一の見落としがあってはいけない」と主張しまさしくそうなるように長年制度設計に関わってきた某医療系団体などは、確かに(現状はともかく)かつてはそれなりに合目的的な政治力も保持していたのだなとは改めて思いますよね。
いささか話が脱線しましたが代替医療の話に戻って考えると、「血圧の薬は飲みたくないからサプリを飲んでいる」なんて話を耳にするたびに感じる素朴な疑問として、月数百円の自己負担で済む標準医療に劣るとも勝らない効果を月数千円以上をサプリメントに投じて期待するということが果たしてコスパ的にいいのか?と感じてしまうのは果たして自分だけでしょうか?

もちろんこの場合コスパ評価上の医療費というのは患者自己負担に留まらない保険負担分も含めたトータル医療費のことであり、と言うよりはむしろ保険負担分が高いか安いかと言うことの方が医療政策上は大きな意味を持ってくるわけですから、100円でも国庫負担が減らせるなら患者の自主的な負担増加が1万円増えても何ら問題は無い、むしろ薬屋が儲かり国民総生産が向上し税収も増えればありがたいくらいだとも言えるでしょう。
ただそれでは保険給付の範囲を制限し自費診療に移行させるのと同じことではないかという話なんですが、実際のところ最近ではかなり多くのOTC薬が発売され保険外で相当な治療めいたことも出来るようになってきた訳ですから少なくとも手段は整ってきた点から、「以外と市販薬も効果は馬鹿に出来ない」と言う状況にはなってきています。
それでは前述のように一部業界関係者も含め懸念されてきた診断等の質の部分の担保はどうなのかと言うことですが、これも先行する参考にすべき他業界の事例があって、例えばテレビなどでも大々的に宣伝しているように法律相談などと言うものは昨今すっかり定着していますよね。
法律関係のトラブルも一歩間違えば(社会的に)命取りにもなりかねない怖いケースが多いですが、(少なくとも以前は)人材不足で医師ほど全国津々浦々まで行き渡るということのなかった弁護士業界では昔から電話やネット経由での相談というものに積極的で、この点では何かと「守秘義務が」と言って電話対応に拒否的だった医療業界とは好対照です。
医療や司法に限らず多くの専門領域である程度フローチャート的に大まかな仕分けをこなしていくことが可能で(昨今の診療ガイドラインはまさにそれですよね)、とりあえず明らかにこれは困った病気ではないだろうと言う人を市販薬に誘導する、一方でこれはちょっと危ないぞと言う人は確実に病院にと言う流れを定着出来れば(誰が・どうやって負担するかは別議論として)コストはずいぶんと削減できる理屈です。
それ以上に「どんな症状であっても重大疾患の可能性は否定出来ないから、とりあえず病院へ」などと何でもかんでも受診させた結果病院外来が多忙を極め医師は悲鳴を上げる、患者は患者で「三時間待ちの三分診療だ」とおかんむりという状況の改善にも期待は出来るでしょう。

コストパフォーマンスと言う言葉は医療の場合、ともすれば(ほとんと絶対視というほど)いかにパフォーマンスを下げずにコストを切り下げるかという点に注目が集まりますが、一つには国民は現代医療をいささか過剰過ぎるように感じているという現実もあるようですから、案外医療従事者が考えている以上にパフォーマンスの切り下げということは可能であるのかも知れません。
そしてコストの切り下げということに関して言えば日本の医療現場ではとかく医療従事者の労働コストを切り詰めることによって高いコスパが達成されてきたと言えますが、それがいわゆる逃散現象を招きかえって労働コストを引き上げつつある現状を見るとき、医療の手間ひまについては単純にコスパ改善という視点のみならず、医療現場の労働環境改善という意味からももっと注目されてもよさそうですよね。
「風邪をひいて大学病院」などとも揶揄される日本の医療現場をもう少し効率的にしようとは誰しも言っていて、患者の受診制限的な事もたびたび議論に上がってはそのたびに「いや医療を受ける自由が」「早期発見早期診断は重要で」と反対論が持ち上がるという繰り返しですが、泥沼化している医療労働環境改善問題に使える新たな道具の一つとしてこのコスパ改善という錦の御旗は有りだろうと言うことです。
「万一の見逃しに誰が責任を取るんだ」と言う人もいますけれども、そうした生命・健康のリスクも含めてコスパ評価をしていこうと言うのは世のお墨付きを得ていると言うことですし、何より人材不足人手不足を声高に喧伝している医療業界こそ昨今人余りが問題化しつつある弁護士業界などよりも、よほど率先して「コスパ改善の方法論としての省力化」を推進していく大義名分があるだろうとは思いますね。

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2014年1月23日 (木)

医療政策の行方はスポンサーの考え方次第?

混合診療というものの扱いについては近年原則的に徐々に拡大傾向にあるとは言え、様々な観点から控えめに言っても必ずしも全面解禁に賛同する意見ばかりではないといったところですけれども、表向きの理由としてはもちろん収入等の経済的条件によって医療内容が左右されることがあってはならないと言うことになっていますけれども、もう少しマクロな医療経済的な理由も隠れていそうな気がします。
要するに日本の医療費支出がその質や規模から想定されるものからするとずいぶんと安上がりでコスパがいいと言われている理由の一つとして、皆保険制度というものは医療費統制の手段としても有用であるということの傍証であるとも言えますが、そうなりますと保険外の診療が際限なく増えていくということは医療費全体の今まで以上の増加要因にもなり得るということですよね。
統制すべきは保険から支払われる公的医療費支出であって、患者が自前で幾ら金を使おうが構わないじゃないかと言う意見もあるでしょうが、例えば画期的な新規抗癌剤を混合診療で使うと言った場合に、抗癌剤以外の副作用対策等の周辺医療行為にも少なくないお金がかかるのですから、要するに今までなら医療対象となっていなかった疾患が対象になるということだけで公的医療支出の増大要因になり得るということです。
その混合診療について先日の政府規制改革会議でこんな話が出たというのですけれども、まずは記事をご覧いただきましょう。

混合診療、患者ごとに判断を=規制改革会議(2014年1月21日時事ドットコム)

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は21日の全体会合で、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」について、患者ごとに保険適用を認めるかどうか判断する仕組みを設けるべきだとの認識で一致した。具体策を検討した上で、3月をめどに提言を取りまとめたい考えだ。

 混合診療は現在、原則として禁止されており、保険診療と保険外診療を併用した場合、保険診療分も含めて全額自己負担となる。岡議長は会合後の記者会見で、「今の制度に国民は納得していない」と述べ、患者の負担を軽減すべきだと主張。保険適用を認める場合のルール作りに取り組む考えを示した。

もちろん各個人、各医療法毎に患者や疾患の状況や期待される有効性等々が全く異なるわけですから、個別に審査をして個別に判断しようというのは全くもって妥当な話なのですが、規制改革会議の見解が実際の医療行政として反映されるに当たって問題になりそうなのが(その実現可能性はさておくとしても)誰がそれを行うのか、そして何を目的に行うのかということだと思います。
現行の保険診療におけるいわゆる査定の作業に相当するものは半ば事務的に(実際にアルバイトの人がやっているそうですが)必要な病名が揃っているか、適応症例や算定要件に間違いはないかといった判断で概ねが済んでいるのは大多数が決まり切った医療を行っているからとも言えますが、混合診療となれば基本的には普段見かけることのない医療ばかりを判断しなければならないわけですよね。
当然ながら正しい判断をしようと思えばその道の最新医療事情に精通した専門家の判断が必要でしょうから、まずはそれだけの人員を用意出来るのかどうかということと、そしてそれだけの手間暇・コストをかけて誰がそれを負担することになるのかで、仮に国費で手間賃を負担するともなればこれは混合診療の医療費を間接的・部分的にとは言え一般国民が負担するというおかしな話となってしまいます。

また審査の内容がどうあるべきかと言うことは、同時にどこからを認める認めないの足切りラインに設定するかと言うことと同じ意味を持ちますけれども、結局のところ混合診療を原則認める立場に立って明らかに有害無益というもの以外は幅広く認めるのか、それとも原則的に認めないという立場からいずれ保険収載されそうな確実性の高い医療以外は原則認めないのかと言うところが問題になりそうです。
抗癌剤などは毎年世界中で有望そうな新薬があちらこちらで多数開発が進められていて、当然ながら既存の治療法は無効だったので新薬を使ってみたいと言う患者は多いでしょうが、仮に実際有効な薬剤であったとしても使う医師の側も副作用情報等全く判らないわけですから、慎重に長期入院の上で検査等も念入りに行って(つまり、多額の保険診療コストを発生させながら)使うということになるでしょう。
この辺りの問題はいずれも混合診療が実際にどれほどの規模になってくるのかにも大きく左右される問題で、現行の医療費に対して無視出来る程度の規模に収まるならまあ何とでもなるだとうとは思うのですが、往年のEPO訴訟に見られるように有効であることが判りきっているにも関わらず保険診療上認められていない治療というのは幾らでもあるわけで、現場の「意識改革」次第で規模は幾らでも拡大しかねない気はしますね。
そうした医療経済学的な側面から見て興味深いなと思ったのが先日の社保審で出たこういう話なんですが、これまたまずは記事からご覧いただくことにしましょう。

保険者の意見聴く仕組みの創設承認-社保審医療保険部会(2014年1月20日CBニュース)

 社会保障審議会の医療保険部会は20日の会合で、病床機能報告制度を運用する上で、都道府県が二次医療圏などで各医療機能の将来の必要量を示した地域医療ビジョンを実現するために、医療計画を策定する際、保険者の意見を聴く仕組みの創設を承認した。厚生労働省は今後、次期通常国会で、同報告制度を規定するための医療法と共に、「高齢者の医療の確保に関する法律」を改正する。【君塚靖】

 同報告制度については昨年末の社保審医療部会で取りまとめられた、医療法等 改正に関する意見の中で、医療計画を策定する際、都道府県はそれぞれ設置して いる保険者協議会の意見を聴くことが必要だと盛り込んだ。同協議会の設置は、 根拠法がないため、高齢者の医療の確保に関する法律に明記する。同法施行は、 地域医療ビジョンの策定に併せて、2015年4月になる見通し。

 同協議会の担う役割については、現行で業務となっている、▽特定健康診査等 の実施、高齢者医療制度の運営等に関する保険者や関係者間の連絡調整▽保険者 に対する必要な助言または、援助▽医療に要する費用等に関する情報についての 調査・分析-などを明確に規定する。また厚労省は今後、同協議会が十分に機能 を発揮できるよう、さらに方策を検討する。

この地域医療ビジョン策定について、まずはその第一段階として例の病床機能報告制度が始まるということはご存知のところだと思いますが、先日も厚労省筋から「ちょっとくらいの急変は急性期に転院させずに慢性期で診てもらいたいなあ」だとか、「急性期はお金がかかるからもっと減らしてもいいんじゃないかなあ」といった独語?が聞こえてきたように、医療政策がまずコスト削減ありきで考えられているのは言うまでもないことです。
当然ながら診療報酬改定作業にも金の出し手である保険者の意向が濃厚に反映されているわけですが、象徴的なのは消費税引き上げに対する損税拡大対策として先日初診料を120円(12点)引き上げるという案が出されたところ、保険者側から猛烈な反発を受け結局話が流れてしまったという一件がありました。
要するに医療政策と言えば医療費のスポンサーである国(財務省)と保険者の意向を聞かずして立ちゆくものではなくなっているし、それを制度的にも担保するというのが今回の話の趣旨だと思いますが、当然ながら保険者の意見としては医療供給体制の都合だとか利用者である患者側の希望よりも何よりも、まずは金がかからないことが最優先になりそうですよね。

一面では日本の医療供給システムが急性期に偏りすぎているという指摘は確かにあって、何しろ診療報酬上も急性期にばかりどんどんお金が入るようにしてしまっているのですから町の小病院ですら使うあてもなさそうな検査機械を揃えて何とか高い加算を取ろうとしている、その結果機械を活用するために検査をオーダーするという本末転倒なことになり、医療も歪められるし無駄な医療費もかさむという指摘はあるところです。
今回の病床機能報告に関して言えば地域の実情や医療需給体制の実態に応じて自治体が言わば司令塔役となって、地域内の医療機関再編も行いなさいという期待もかけられているわけですが、要するに金の儲かる急性期から儲けの下がる慢性期・療養型への転換というババを誰が誰に引かせるのかという話であって、私的営利病院が医療供給の大半を占める日本でこの再編は大変な作業になりそうですよね。
民間保険主体のアメリカなどでは医療の内容は医者が決めるんじゃない、保険会社が決めるんだという名文句?があるそうですが、日本でも保険者の判断がより重視されるようになると「あなたは社会的入院ですから急性期病床に入っていてはいけません」なんて事が言われるようになるのかどうかも気になりますが、それ以上に気になるのが誰がそれを言う(言わされる)ようになるのかと言うことでしょう。
ひと頃から社会問題化している医療費(窓口負担)未払い問題に関しても「本来保険者が取り立てるべき分を病院が代行徴収しているのだから、未払い分は保険者が自分で取り立てるのが筋ではないか?」と言う声に対して言を左右にして病院側に仕事を押しつけてきた歴史もあるわけですから、仮に誰かが憎まれ役になる必要があるとすれば間違いなく保険者ではなく病院側ということになりそうですかね。

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2014年1月22日 (水)

陳腐でパターン化したドラマの中で悪目立ちしている新番組が物議

マスコミ的に昨今医療ネタは売れるものという定番的扱いなのだそうで、新聞などを眺めても医療に絡んだネタが乗らないことはまずありませんけれども、最近ではドラマの世界でもそうなのだという記事が先日出ていました。

医龍、S…医療&警察モノだらけの今クール連ドラ、4分類で“新鮮味のなさ”を分析(2014年1月20日ビジネスジャーナル)

(略)
 医療モノと警察モノ。1月スタートの今クールの連続テレビドラマは、テーマが異様に似通っている。新しいテーマへの挑戦はせず、「このへんなら年寄りも観るでしょ」的な、やっつけ感も漂う。もちろん、各局が差別化を図ろうとしていろいろな味付けを加えているし、その努力には涙ぐましいものがある。でも、大まかに分けると次のタイプ。

(1)人並み外れた技能を持った医者なり警察官なりが登場
(2)(1)の人物はたいてい暑苦しい理想主義者、もしくは偏屈な厄介者
(3)「絵空事」のような、新しい部署が結成される
(4)必ず関係者(登場人物)が都合よく事件や事故に巻き込まれる

 どこにでもいる、淡々としたごく普通の人物ではドラマにならないし、テレビ的に脚色しやすい新部署のほうがつくりやすいのは確かだ。ただ、やたらに冗長な手術シーンは辟易するし、医学用語を連発して図解を入れなければいけないような病気解説って、誰が観たいと思うのか。役者の力量を発揮するというよりは、いかにドラスティックな治療方法であるかを誇示したい制作側のアピールにすぎない。

 そういえば、知人の医者が言っていた。「ドラマは好きだけど医療モノはムカつくから絶対に観ない」と。雪の中、屋上で上半身裸になって術前イメトレしちゃう医者に、本業の人たちは呆れるほかないのだろう。いや、私だって呆れるわ。極寒の中、乳首ピンコ勃ちでそんなイメトレしている時間があったら、手術に備えて早く風呂入って寝ろ、と思う。体調管理をちゃんとしろ、と思う。あ、『医龍4』(フジテレビ系)の坂口憲二のことね。

 鋭い観察眼と見立てで患者を救ったり、事件を解決していく、というのも、いかにもドラマらしい。傾向としては、こうした特殊な才能を持った若輩者が徐々に力量を発揮。社会常識や協調性はなくても才能ひとつで渡り歩くという夢物語だ。あ、『戦力外捜査官』(日本テレビ系)の武井咲とか『Dr.DMAT』(TBS系)の大倉忠義のことね。
(略)
 パターン化できる=既視感が拭えない、差別化できていない、驚きも新鮮味もない、ということだ。テーマや描き方が陳腐でも、そこに人間の真理の深淵をのぞかせるような物語があれば、視聴者の心に響くし、脳裡に焼き付けられるのだけれど。現状としては、かなり厳しいだろうな。「また同じようなことをやりおって」と言われるだけだ。
(略)

実際にそれぞれの番組がどのような評価をされていくのかは今後の展開を見てみなければ何とも言えませんが、例えば医療関係者からは酷評されても一般視聴者からは大人気という場合もあればその逆の場合もあると言うのは、単純に考証等の技術的な部分での煮詰めが甘い仕事が多いということなのかなとも思ってしまいます。
もちろん正確であるかどうかと物語としての評価は全く別問題であって、例えば有名な「ブラックジャック」などは今日の医学的知識に照らして見るとずいぶんと絵空事が多いのも事実ですが、逆に医療の本質的な部分を捉えていると感じさせる話も多くて今だに医療関係者からも人気が高いですよね(当の手塚氏も技術的に時代遅れであるということは認識し、かつ全く物語の本質と関わりないことだと意に介さなかったそうですが)。
要するに物語としてものすごく出来がよい仕上がりになるのであれば多少の粗探しなど気にすることはないのだと言うことなのでしょうが、最近この物語の細部について変な意味で大きな話題を呼んでいるドラマがあるということを紹介してみましょう。

ドラマ「明日、ママがいない」に中止要請(2014年1月16日日刊スポーツ)

 熊本市の慈恵病院は16日、芦田愛菜(9)主演で15日にスタートした日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」(水曜午後10時)について、「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害だ」として放送中止を申し入れると会見で明らかにした。

 同作は、児童養護施設で暮らす子供たちが、彼らを見守る大人たちの中で母親の愛を求めて生きていく姿を描き、芦田と、NHK大河ドラマ「八重の桜」で注目を集めた人気子役、鈴木梨央(8)の共演で話題作として注目されていた。

 慈恵病院は、親が育てられない子供を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置している国内唯一の病院として知られる。

 芦田演じる赤ちゃんポストに預けられた子供が「ポスト」と呼ばれるなど、同院は「精神的な虐待、人権侵害にあたる」と批判。

 養護施設の描き方も、「職員が子どもに暴言を吐き、泣くことを強要するなど現実と懸け離れたシーンが多すぎ、誤解や偏見、差別を与える」と指摘した。これは三上博史演じる施設長が「泣いたものから食べていい」「おまえたちはペットショップの犬と同じだ」などと言い放つシーンとみられ、近く放送中止の要請と制作経緯の説明を求めるという。

猛抗議で中止必至 日テレ「明日、ママがいない」のエグさ(2014年1月17日日刊ゲンダイ)

(略)
「つらくてつらくて(ドラマを)見きれませんでした」

 会見で慈恵病院の看護部長は涙ぐみながらこう語った。芦田演じる赤ちゃんポストに預けられた女の子に「ポスト」というあだ名が付けられ、劇中でその名がバンバン飛び交ったのを受けてのこと。蓮田太二院長は「非常に差別的な内容になっていた」と厳しく批判。養護施設の職員が子供に暴言を吐いたり、泣くことを強要するなどセンセーショナルな描写に対しても「差別や偏見を生む。(制作側の)知識不足を感じる」と指摘。日テレ側に放送中止、養護施設の子供や職員への謝罪、制作経緯の3つの説明を求め、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会へ審議の申し入れも検討しているとした。放送評論家の堀江南氏は「制作側の落ち度は否めない内容だった」とこう続ける。

「<同情するなら金をくれ!>のセリフが話題になった『家なき子』も当時物議を醸したが、子供をいじめる大人がコミカルに描かれるなど救いがあった。それに比べ、今作は過度な演出とエグさが目立った印象。ドラマ内で特定の病院名を出していなくても、視聴者が実在する赤ちゃんポストを連想するのは容易に想像できたはず。昨年11月、TBSが慈恵病院を題材としたドラマを放送したばかりのタイミング。それでなくてもナーバスな題材を扱うときは、細心の注意を払うのは言うまでもありません」
(略)

芦田愛菜ドラマ「放送中止要請」の波紋(2014年1月18日東スポ)

 天才子役・芦田愛菜(9)主演で15日にスタートしたばかりの日本テレビ系連ドラ「明日、ママがいない」が、いきなり激震に見舞われた。児童養護施設が舞台の同ドラマに対し、熊本市の慈恵病院などが会見を開いて「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与える。人権侵害だ」と放送中止を申し入れたのだ。これに対して日テレは、対応に追われながらも「放送継続」の姿勢を示したが、事態は深刻。前代未聞の放送中止に追い込まれる可能性も出てきた。
(略)
 放送開始早々、とんでもない事態となったが、日本テレビ総合広報部は「ドラマは子供たちの心根の純粋さや強さ、たくましさを全面に表し、子供たちの視点から『愛情とは何か』を描くという趣旨のもと、子供たちを愛する方々の思いも真摯に描いていきたい」とコメント。2話以降も予定通り放送するとし「ぜひ最後までご覧いただきたいと思います」と結んだ。

 とはいえ、大慌てだったのは、日テレでもマスコミ対応に追われた広報部とコンプライアンス関連の部署。ドラマ制作関係者の中には「いい宣伝になったのでは?」と話している者までいたというから、事実なら批判にさらされそうな話だ。

 確かにこれまで似たようなケースとして、2005年放送の天海祐希(46)主演の連ドラ「女王の教室」もその過激な内容をめぐり、スポンサー各社に視聴者から抗議が殺到。提供クレジットの表示を自粛するなど、大きな話題となったが、結果的にそれが“いい宣伝”となり、視聴率は騒動後10%以上も上昇したことがあった。

 だが、今回はそうはいきそうもない。慈恵病院だけでなく、全国約600の施設で作る全国児童養護施設協議会も同様の抗議を日テレにする方針。同協議会は「現在、役員の間で見解をまとめており、近日中に皆さんにご報告します」と語っている。

 別の民放関係者は「今後、共鳴するかのように全国の児童施設から同様の意見が寄せられることは間違いない。『女王の教室』の時と同じように考えていたら大変なことになりますよ。すでに番組スポンサーの中には、今後の展開を予期し、提供中止を検討している社もあるようです」。

 今回ドラマを制作しているのは日テレの子会社である「AXON」。同社は過去にも東海テレビ「幸せの時間」(フジテレビ系で放送)を制作し、「あまりにも性描写が露骨すぎる」とBPOから勧告を受けた過去がある。「日テレの大久保社長は読売新聞社出身でことさらコンプライアンスに厳しい人物だけに、問題が大きくなっていけば局プロデューサーの処分やAXONの担当者も更迭されることになるだろう。制作スタッフはびびりまくっていますよ」(事情通)

 また、別のテレビ関係者も「フィクションといっても『赤ちゃんポスト』を題材として扱う時点で、慈恵病院に配慮すべき。にもかかわらず、脚本家やスタッフが熱心に同病院を訪れたという報告はない。最大の原因は取材不足。セリフやあだ名への配慮のなさにつながっているのでは」と語る。放送中止に追い込まれ「あしだ(芦田)、マナ(愛菜)がいない」という事態になれば、シャレでは済まない。

この番組に関しては各方面から非常に多くの反響があるようで、一部には問題視しているのは施設関係者や里親など子供を養護してきた側の人間ばかりで施設卒業者など当の子供側ではないという指摘もあるようですけれども、言われているように番組によってトラウマがフラッシュバックしているというのであれば当面抗議どころではないという可能性もあります。
創作技法の一つとして見ると冒頭部に衝撃的な展開を用意しておいて注目を集め、後でネタバラシをしていくということは決して珍しいことではありませんが、こうした手法がうまく行くのは今までの作風上「そうした話を書くはずがない」と信頼されている書き手の場合であって、今回のように新人脚本家のオリジナル作品ともなれば冒頭部への反発心から今後どんな優れた物語になったとしても冷静な評価は期待出来ないかも知れませんね。
さらにその新人の手になる脚本を監修しているのが「高校教師」や「家なき子」でさんざんに物議を醸した野島伸司氏となれば今回の騒動も「確信犯」であることは確定的とも思えますけれども、とりあえずは日テレ側としても放送中止はせずと全面対決という形を取った以上は今後BPO等の公的な場における審議の結果に委ねられるということになるのでしょうか。

純粋に番組としての出来不出来は今のところ何とも言えませんが、今の時代だなと思えるのが昨今こうした「炎上」に至った場合の定番である「テレビ局に「抗議」するよりもスポンサー各社に「質問」を」という流れに沿っての話なのでしょうか、すでに撤退を前向きに検討しているスポンサー企業も少なからずあると噂されることで、純粋に作品としての完成度とは別次元の部分で存続の行方が左右されそうですよね。
物語的な常套手段としてはこうした場合少なくとも数回は同種の「鬱展開」を継続していくんじゃないかと予想出来るところなんですが、仮に打ち切り中止が本格的に議論されるようなことにでもなればシナリオそのものをよりマイルドな方向に改め早い段階で騒動の鎮静化を図るということも考えられるのかどうかで、いずれにしても脚本家としては物語作りをする上で色々と考慮すべき事柄が増えてきた時代であるとは言えそうです。
ただこれだけの反響を呼ぶというのは物語上の描写がそれなりに現場関係者にとっても迫真のものであったからと捉えるべきなのでしょうし、そうであるなら作り手の力量次第で一般にも関係者にも評価の高い物語へと仕上げていくことも十分出来るでしょうから、まずは第二回の放送を見てから次の行動を考えてもいいのかな?と言う気もしますがどうでしょうね?

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2014年1月21日 (火)

子供との関わり方はどうあるべきか?

少子化がこれだけ言われるだけに注目度も高まるのか子供の話題には事欠きませんが、一方で子供との接触経験が社会全般で減少している影響なのでしょうか、「子供の行動が気になる」という声はむしろ増えているようです。

飛行機での子供の行為、深夜便の泣き声やシートベルト関連に「腹が立った」(2014年1月17日マイナビニュース)

公共交通機関での子供の迷惑行為。電車内では約4割が「腹が立った」と回答していたが(マイナビニュース調べ)、飛行機ではどうだろうか。マイナビニュース会員200名にアンケートをとったところ、腹が立ったことがあると回答したのは10%にとどまった。

しかし、機内は密室で逃げ場もないことから回答者からは特に深夜便での利用時に困ったという声が目立った。「夜中の便なのに泣きやまない。でも子供は悪くないと思う。そんな便を選ぶ親が非常識」(33歳男性/通信/事務系専門職)、「夜中に大声で泣き続けていて睡眠妨害になった」(37歳女性/建設・土木/事務系専門職)。

さらには、「シートベルト着用の指示が出ているにもかかわらず、それに従わないのを見たときには、言うこと聞けよと思った」(31歳男性/小売店/事務系専門職)といったシートベルトに関する意見も複数あった。確かにシートベルト着用を拒むと離陸の時間が遅れて他の乗客の迷惑になり、さらには搭乗拒否ということもあり得るのでしっかりと着用してもらいたいものだ。

「フライト中の2時間ほど機内で泣きっぱなしの赤ちゃんがいた。耳障りなのもあるけど、赤ちゃんが泣きっぱなしでかわいそう」(25歳女性/商社・卸/事務系専門職)と赤ちゃんの体調を心配する回答者も。また、「乗っている間ずっとうるさくしていたのに親は完全無視。信じられなかったです」(28歳女性/土木・建設/事務系専門職)と、子供だけではなく親の対応を疑問視する声もあった。機内での乳幼児対応、度々物議を醸すテーマだが、誰もが遭遇するかもしれないことである。あなたはどう考える?


さかもと未明氏「子供の問題に何も言えない空気感はおかしい」(2014年1月16日NEWSポストセブン)

 新幹線と子供の泣き声を題材に、正月早々、大論争に発展したホリエモンの“睡眠薬”発言。新幹線で泣く子供に対して、睡眠薬を飲ませることを肯定するかのような発言は、大きな論争となったが、赤ん坊の泣き声をめぐる騒動で思い出すのは、2012年11月に漫画家のさかもと未明氏が「赤ちゃんは飛行機に乗せるな」と意見して、激しいバッシングを受けた一件だろう。

 国内線の機内で泣き叫び続ける乳児の声に耐えきれなくなったさかもと氏が、乳児の母親に「あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで飛行機に乗せてはいけません。赤ちゃんだからなんでも許されるというわけではない」と叱責。JALに対しても猛烈なクレームをつけたと雑誌のコラムで明かした。これに対し、ネット上では非難が相次いだのだ。

 当のさかもと氏は、「あの発言について後悔は基本的にしていません。発言によって議論が起きてくれればと思っていました」と振り返ったうえで、今回のホリエモン炎上騒ぎについてこう話す。

「反応が異常ですよね。赤ちゃんや子供を思いやるのは当然ですが、それとは別に“疲れている時に子供の泣き声をうるさく思う”ことについて議論しようとの提案があってもいい。腫れ物に触るみたいな感じでは子供にとってもよくないのでは。

 子供は社会の宝物だけど、じゃあ赤ちゃんや子供のやることは野放しでいいかっていったら違うはず。赤ちゃんは言い聞かせられないから、親がそういう時期は連れ歩かないよう配慮すべきです」

 さかもと氏は、つい最近もこんな経験をしたという。

「新幹線のグリーン車に乗ったのですが、子供がはしゃいで通路を歩き回り、親は何もいわない。グリーン車って、本当にゆっくりしたい人がお金を余計に払って座る場所じゃないですか。そこにしつけのできていない子供を乗せて放置する親の神経がわからない。子供の問題に対しては、何も言えなくなってしまう空気感がおかしいと思います」

赤ん坊がなかなか泣き止まないといったある程度仕方のない場合ももちろんありますが、こうした場合特に問題視されやすいのが記事にありますように親のしつけがそもそもなっておらず事後対応も悪いという場合で、機内社会に限らず親世代のモラルや規範意識が全般的に低下した結果学校の教室内ですらモラルハザードが懸念される状況に陥っているというのは、やはりよいことだとは思われません。
他方で世の中全般に権利意識も高まっている中で、親が子供を好き勝手にさせる権利があるならしつけのなっていない子供を嫌う権利もあるはずだと言う意見も判りますが、少子化の原因の一つがこうした実体験に基づく子供嫌いであり、そして子供嫌いが少子化による子供耐性の低下によってもたらされているという悪循環があるのだとすれば何とも悲しい話だと思いますね。
こうした子供問題が取り上げられるたびに話題になるのが「昔は近所の怖いおじさんが何かと子供に小言を言っていて、それが結果的に子供のモラル、マナーを向上することにつながっていたのだ」と言う話なんですが、今の時代しつけの悪い子供の反社会的行動にうかつに注意でもしようものなら後で親が怒鳴り込んでくる、なんて話もあるようですから近所の怖いおじさんもたまったものではないでしょう。
ただこうした「正しいことをしているはずなのに何故か非難される」というのは当事者にとっては非常に大きな心理的重圧にもなるわけで、余計な面倒に巻き込まれることにもなりかねないから見て見ぬふりをしようという考えが蔓延してくるようですと社会にとっての損失どころか、一番の被害者は当の子供であるということも言えるわけですね。

迷子に「どうしたの」と声かけるべきか 「不審者」扱い怖く、「110番」した実例巡り議論(2014年1月10日J-CASTニュース)

  子供にあいさつしただけで「不審者」のレッテルを貼られかねない昨今、迷子を見かけた際に「どうしたの?」と声をかけるのは少し勇気がいることかもしれない。
   ある男性は声をかける代わりに「110番」としてその場を去るという苦肉の策をとった。一連の出来事を2014年1月9日にツイッターで告白すると、すぐに反響が広がった。

「駅はどちらですか」「すみません」で通報の例も

   男性は9日、「昨晩110番を利用してしまった」として8日夜の出来事を語り始めた。ツイートによると、男性は20時ごろ、小学校1~2年生くらいの子供が1人で泣きながら歩いているところを住宅街で見かけた。迷子かと思い、声をかけようとしたが、いわゆる「声かけ事案扱いされること」が頭に浮かんだ。男性は不審者扱いされるリスクを考えて声をかけることを断念し、代わりに「110番」通報をしたという。
   一般的に「声かけ事案」とは、子供に「お菓子をあげる」「車に乗せてあげる」などと誘うものや、住所などの個人情報を尋ねるもの、卑猥な言葉をかけるものなど、誘拐事件や性犯罪などの前兆と思われる事案のことを指し、条例で禁止している県もある
   ところが、各警察署がメールマガジンやホームページで発表している事例をみてみると、本当に不審者だったのか分からないものも散見される。「おはよう」と挨拶した男性や、「駅はどちらですか」と尋ねた男性、「すみません」と声をかけた男性の通報例は、受け取り手の過剰反応である可能性も否定できない。インターネット上には、転んだ少女に「大丈夫?」と声をかけた結果、長時間にわたって事情聴取されたという不幸な報告もある。
   こうした現状を踏まえた結果、男性は110番を選んだようだ。その慎重さは徹底していて、女性オペレーターから電話口で「最寄りの交番まで連れてきてほしい」と言われると、それでは「事案」を恐れて通報している意味がないとして断った。声をかけた場合に、子供が大声をあげたり防犯ブザーを鳴らしたりする可能性も危惧していた。また、オペレーターに「せめて警察官が到着するまで、近くで見守ってあげて」と求められたが、子供の近くで立ち止まって見ていては、それこそ「不審者」として通報される可能性があるとしてこれも断ったという。
   「10年前なら間違いなく声をかけて交番に連れて行ってあげたが、今は男がそんな事をしたら何を言われるかわからない」という男性は、やりとりの末「一分でも早く警察官に保護させてください」と伝えて、後味の悪さを感じながらも子供のいる現場を立ち去ったという。

「考えすぎ」「電話するだけたいしたもの」と議論に

   一連の投稿がツイートまとめサービス「Togetter」にまとめられると、すぐに注目を集め、議論を呼んだ。男性の慎重な行動に対しては「想像力がすげーな。そこまで回転するか」「普通に声かけて普通に交番連れていけよ。事案なんて只の注意の呼びかけで犯罪でもなんでもない」と否定的な意見も見られるが、「過剰」とみる人でも「警察って調書一つ書くんでも馬鹿みたいに長時間拘束するからなぁ」「今の世の風潮からしてこのように考える人が出てくるのには何の不思議もないね」と一定の理解を示す人もいる。
   一方、男性に共感する人たちからは「色々勉強になった」「自分も多分同じような行動になると思う」といった声が寄せられたほか、「電話するだけたいしたもの」「通報しただけこの人はリスクを負ったので立派」と賛辞を送る人も少なくなかった
   幸い、この子供は無事保護されて親の元へ戻れたそうだ。ただし、男性は「再度同じような子を見かけても、もう通報する勇気は無いかもしれない。子供が泣いているのをたすけるという単純な行為がこんなに大変なものだとは思わなかった」とツイッターで振り返っている。

「不審者」狂想曲 夜道で泣く女児を保護はNG?(2014年1月17日ネットろんだん)より抜粋

(略)
 きっかけとなったのは、ある男性が8日にツイッターへ投稿した「体験談」だった。

 それによると、男性は前日の午後8時ごろ、小学1、2年生ぐらいの女の子が住宅街を泣きながら1人で歩いているのを目撃。迷子と思い声をかけようとしたものの、不審者扱いを危惧して思いとどまり、代わりに110番通報した。応答した担当者から最寄りの交番まで女児を送り届けるよう頼まれたが、誤認逮捕などのトラブルに巻き込まれるリスクが皆無ではないと考えて断り、早く警察官が来るようにと促してその場を立ち去った、という内容だ。

慎重対応に賛否両論

 この男性のツイートに対して、大量の意見が寄せられた。「思慮深くそれでいて心優しいゆえの対応ですね」「子供も知らない人から声をかけられた時には、という教育を受けているのだから、見知らぬおっさんが夜に声をかけたらこの場合起こりうる可能性を考えるのは当然。むしろ通報したことを尊敬する」と慎重な判断への支持が相次ぐ一方で、「普通に声かけて普通に交番連れていけよ」「単に被害妄想起こした人がひとりで騒いでたってだけの話」など、厳しい批判も少なくない。
 なぜ、男性はこれほど女児への接触をためらったのか。背景として複数の人が挙げたのが、多くの自治体や警察が提供する不審者情報配信サービスの存在だ。「毎日のように届く『不審者情報メール』を見ていると確かにこういう不安にもなる」。その中には、子供に声をかけただけで「声かけ事案」として不審者扱いされるケースもあり、ネットで物笑いの種となることも。「アホみたいな『声かけ事案』のせいでこうやって実際、必要な『声かけ』が出来なくなった人がいるよ、という事例として重要」(はてなブックマーク)

安全求め「信頼」喪失

 「体感治安」の悪化が叫ばれ、地域の子供を守ろうとする活動も盛んな当節。だが、こうした意識の高まりは「知らない人」への不信感の醸成と表裏一体ともいえる。「子供は地域で育てる」とのかけ声の一方で、前提となる密接な地域社会は年々縮小している。近くに住む人でも交流がなければ赤の他人であり、うっかりすれば子供にとっては「不審者」と映る。そんな状況下では、たとえ善意であろうと他人の子供に気軽に声をかけるわけにはいかなくなるのだろう。「『安全』と引き換えに『信頼』が失われたという社会事象の一例」(ツイッター)という、皮肉な指摘もあった。
(略)
【用語解説】日本の体感治安

 内閣府が平成24年に実施した「治安に関する特別世論調査」によると、過去10年間の日本の治安について「悪くなったと思う」「どちらかといえば悪くなったと思う」との回答は全体の8割以上を占め、治安に対する国民の不安は強い。一方、刑法犯認知件数は10年連続で減少するなど、統計にあらわれた治安情勢は改善傾向を示している。

統計データと体感データによる治安に対する意識が真逆なのが何とも面白いのですが、考えてみるとこうした「過剰な配慮」が必要となったのも、まさしく犯罪とも思えないような事例が犯罪的だと報道される日常が現にあるからだとも言えますよね。
以前から警察のいわゆる「声かけ事案」発表はネット界隈で半ばネタのように取り上げられて、もちろん大多数は記事から見る限りでもあからさまに犯罪目的や変質者と思われるケースではありますけれども、実際のところ「これで通報されたのではちょっと…」と思えるような事例も散見されるだけに、こうした過剰防衛的な反応が出てくることも理解は出来ますよね。
こうした世間の声は警察の方でも理解していて、色々な基準を設けて声かけ事案に該当するかどうかを総合的に判断しているということなのですが、何しろ表立って発表され報道される情報だけからはそうした細々とした事情は判らないのですから、一般市民としては「ああ、小学生にうかつに声をかけるとこういう扱いをされるのだな」と言う風にシンプルに理解してしまうのもやむを得ないところでしょう。
ただそうした警察側の判断基準を知った上でなお改めて今回の症例を見てみますと、なるほど実に詳細に問題点を把握・検討した上でこうした判断に至っているのだなと改めて判る部分もあって、半ばネタのようなケースレポートですが実は非常に大きな問題提起を含んでいるようにも思えてきますね。

こうした反応の行きすぎた例としてたびたび話題になるのがお隣中国のケースで、転倒した他人を助け起こしたところ「こいつに突き飛ばされた!治療費を払ってもらう!」などと騒がれるケースが続出した結果誰も手を出さなくなっただとか、さらにそれが進んで目の前で女児がひき逃げされたのに誰も関わり合いたがらず素通りしていくだけだったといった事例が相次いで報道され、国中を嘆かせていると言います。
実はこうした嘆かわしい風潮が蔓延し騒動になった時点で中国社会でたびたび取り上げられたのが「何故日本人は民度が高いのか?」という話題で、このとき「親は子どもが小さいときから公共マナーを守るように教えている。日本人は「人さまに迷惑をかけてはいけない」と骨の髄まで教え込まれているんだ。これはわが国に欠けていることだ」といった意見があったことは、今考えるとなかなか興味深く思えてきますよね。
中国と言えば経済成長を始め人権問題であるとか環境汚染であるとかどこか昭和時代の日本的な雰囲気があって、国家発達史的な考え方をすると日本はすでに中国の現状にあるような位置を通過し、その先の段階に至っているのかなと漠然と感じていたのですが、文明の発達した先には再びモラルの荒廃が見えてくるというのであれば何とも夢がない話ではないでしょうか。

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2014年1月20日 (月)

行動における感情の役割

今日はまたどうでもいいようなことを書いてみようかと思いますが、人間の行動というものは各人各様の経験や考え方に基づいた独自のものであるように見えて、突き詰めてみると案外共通の戦略に従っているんじゃないか?と思わされる研究があると報じられていました。

競争相手を怒らせるのは意図的な戦略(2014年1月14日ナショナルジオグラフィック)

 甘い言葉にほだされる10代の若者から怒りにまかせて前の車を煽るドライバーまで、対する相手の感情に影響を受けて誤った判断を下す人は多い
 長い間そうではないかと思われてきたことを裏付ける形で、人の感情を操る要素に関する興味深い事柄が明らかになった。心理実験により、男性は自分の目的を達成するために、故意に相手を怒らせていることが判明したのだ。
 この研究を行ったカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)所属の行動経済学者、ウリ・グニージー(Uri Gneezy)氏によると、例えば男性Aが男性Bと何かを競っているケースで、Aは自分が勝つために役立つと判断した場合に、Bを怒らせる手に出るという。
(略)

◆心理実験の概要

 第1の実験として、研究チームでは被験者となった男子大学生140名を対象に、無作為に選んだ2人1組のペアを作り、握力を競わせた。
 実験の最初のラウンドが終了した後、ペアのうち1人を意志決定者とし、ペアのもう片方に作業を課すことで、用事を言いつけられた相手の怒りを煽ることができる機会を与えた。すると意志決定者は、怒らせることで相手の成績が下がると判断した場合には、戦略的に怒りを煽ることがわかった。一方で、怒らせるとかえって相手が有利になると考えた場合には、こうした行動は見られなかった
 このケースでは、冷静になると考えられない場面で相手を怒らせることは賢い作戦とは言えないことを、意志決定者になった側の被験者は理解していた。握力テストの場合、相手は怒っている時の方が握力が強くなるため、自分が負けてしまうからだ。
 120人の男子大学生を対象とした第2の実験は、冷静さが試されるコンピューター・ゲームで、無作為に組み合わせた相手と1対1で対決するというものだった。こちらでは、被験者は相手を怒らせれば、自分が優位になるであろうことを知っていた。
 というのも、相手を怒らせれば、デジタルな標的を撃つこのゲームでは精度が下がると考えられるからだ。
(略)

◆研究で判明した感情の重要性

 一方、今回の研究を主導したグニージー氏は、人間の下す判断すべてに感情が密接に関わっている点を強調している。「人の感情は決して無視すべきものではない」と同氏は述べている。
「感情を絡めることは誤りでもなければ、非理性的なことでもない。むしろ、感情の効果的な使い方を学ぶ必要があるだろう」。
 今回の研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に1月13日付で発表された。

2006年W杯ドイツ大会決勝で起きたジダンのあの頭突き騒動、あるいは1998年フランス大会での「10人のライオンと1人の愚かな若者」事件などを振り返るまでもなく、こうしたことは経験則としても相応に周知されているものだとは思いますけれども、ごく一般的な被検者を集めた実験においても広汎にこうした行動が認められたと言う点は意義深いように思います。
人間と言うものはどんな局面であっても様々な情報や意図を総合的に判断してどのような行動を取るか悩まずにはいられないものですが、これまた経験則に基づいて考えて見ても特定の強い感情に支配された状況下では思考に偏りが生じやすいというのはやむを得ないところがあって、どう考えても深く考えた末の合理的な判断に基づくとは思えない行動に走ってしまうと言うケースがままありますよね。
ちょうど入試の季節でどこの学校でも「冷静に、普段通りに」ということを言っていると思いますが、要するに感情と言うものが介在するといつも通りの判断力を発揮出来ないということはコンセンサスとなっている、そして誰しもそうした経験を日常的に繰り返している以上、より積極的に他人をそうした感情の支配下に追い込めばその判断力を低下させることが出来るのではないか?と考えることはごく自然な発想ですよね。
これを要約するならば「感情は行動を支配する」と言う言い方になるのかとも思いますが、一方で世の中には「行動は感情を支配する」と言う考え方も存在していて、一見すると因果関係が逆転しているのではないかとも思えるこの考え方、古来「人は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」と言う言葉によっても知られています。
とりわけ女性などがさして親しくもない人の葬儀に参列してもおいおい泣きながらどんどん感情を盛り上げていくと言ったような場面を見るとあながち間違いではないのかなとも思えてくるのですが、これまた「行動が感情を支配する」ということについて中々に示唆的であり、(特に世の男性諸氏にとっては)衝撃的でもある実験の成果が報じられているようです。

【衝撃実験結果】夫が妻の主張に対し全て「イエス」と言い続けるとどうなるのか?(2014年1月16日ロケットニュース24)

夫婦やカップルにとって、「口論が起こった時にどうするか」というのは、2人の関係性を左右する大きな問題だろう。お互いが納得のいくまで主張し合うというケースもあれば、ある程度の段階でどちらかが譲歩するという場合もあるだろう。
どちらにせよ、自分のパートナーと口論をするというのは、気持ちのいいものではない。「なるべくならば避けたい」と思う人は多いはずだ。しかし、そのような気持ちから、徹底的に衝突を避けて、相手に同意し続けるとどうなるのか? そんな実験が行われ、衝撃的な結果が出てしまったのだ。

・実際の夫婦間で行われた実験

ニュージーランド・オークランド大学の研究者が、男女間の心理に関する実験を行った。その実験とは、夫が妻の言い分を全て受け入れ続けるとどうなるのか? というものだ。
まず、実際に何組かの夫婦が選ばれ、夫側にのみルールの説明がされた。そのルールとは、夫が、妻のあらゆる意見や要求に対して「イエス」と言うこと。妻の主張を「間違っている」と思おうが不満を言うことは許されず、ことごとく「イエス」である。
そして、そのような生活を送りながら、男女それぞれの人生に対する幸福度や満足度などを示す「生活の質」を10段階の指数として記録していく。実験前の男性の平均は7で、女性は8。果たしてどうなるのか?

・危険と判断して実験中止

スタートして、わずか12日目。実験は予想していなかった形で幕をおろすことになった。なんと、男性の心理状態があまりにもひどい状態になったため、研究チームが「これ以上の実験継続は危険」と判断。開始から2週間も経たないうちに実験の中止を決断したのだ。
ちなみに、男性側の「生活の質」の指数は最終的に7から3にまで急落。女性は8から8.5に微増するという結果に。研究者は「パートナーのどちらかが常に相手の意見に同意することは、かえって害をもたらす」と述べている。
「口論をするのが面倒くさい」「相手に嫌われたくない」などの気持ちから、中には自分の意見をパートナーに主張しない人もいるだろう。しかし、相手と良好な関係を築くためには、自分が正しいと思っていることを主張して、ある程度ぶつかり合うことも必要なようだ。

非常に主観的な評価による実験なのですが、ともかくもわずか12日目にして実験中止に追い込まれたという顛末の衝撃もさることながら、ただひたすら何を言われても「イエス」と言い続けるという非常にシンプルな行動がここまでストレスとなり生活の質評価を下落させるというのはなかなかに刺激的な結果ではないかと思いますね。
これまた人間関係のみならず様々な社会的関係に応用したくなるなかなかに興味深い実験でもあって、あるいは巷間流布しているチャーチルの語ったという「日本人は外交を知らない」と言う発言(もっとも、この一連の発言自体はどうやら日下公人氏の創作ないし誤用であるとも言われますが)を思い出したのも自分だけではないかも知れません。
興味深いのは女性の側の生活の質が(いわばこれほど一方的な男性の自己犠牲が払われたにも関わらず!)さほど目立っては変化していないということですが、夫婦トータルで考えると大きくマイナスとなっているのだとすれば、やはり明らかにそれはおかしいという時にさえただ唯々諾々と従うのみと言うのは双方にとって決して望ましいことではないと言えないでしょうか?
とは言えそうした理屈を抜きにして感情面のみで考えても「これはちょっとおかしいのでは…?」と言う経験は世の殿方の多くが日常的に経験するものであるでしょうし、そこで理論的にも感情的にも正しいはずの行動を取れないからこそ余計にストレスもたまるというものであることを、世の淑女の方々は是非ともご理解いただければ幸いだと思いますね。

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2014年1月19日 (日)

今日のぐり:「セルフうどん さざなみ 藤田店」

サルと言えばあの黄色い果物だろう…と言う固定観念をひっくり返す驚くべきニュースが先日流れたのをご存知でしょうか?

英動物園、サルの餌にバナナ禁止(2014年1月16日CNN)

ロンドン(CNN) 英イングランド南西部デボン州のペイントン動物園が、サルの餌にバナナを与えるのをやめ、野菜中心の餌に切り替えた。バナナはサルの健康に良くないと判断したという。

同動物園によると、人間の食用に甘さを強めたバナナは野生のバナナに比べて高カロリーで糖分が多い。そのため糖尿病になる恐れがあるほか虫歯の原因にもなるという。またサルの胃は消化しにくい繊維質の餌を食べるようにできているため、糖分の多いバナナを食べれば胃腸の具合が悪くなることもあるという。

「甘くてジューシーなバナナは人間には良くても、サルには良くない」「サルといえばバナナと思われがちだが、この2つは良い組み合わせではない」と広報は説明する。

野生に近いバナナを供給してくれる業者は見つからなかったため、バナナの餌は中止することに決め、徐々に量を減らしていった。

その結果、サルたちには目に見えて変化が現れた。毛皮が厚くなって状態も良くなったほか、タマリンやマーモセットといった小型のサルは攻撃性が薄れて群れが落ち着いたという。バナナを恋しがる様子は見られないと広報は話している。

各地の動物園では動物たちに運動させようと、刻んで食べやすくした餌を与えるのではなく、餌をあちこちに置いて探させるなどの工夫を凝らすところが増えている。

動物の世界でもメタボということなのでしょうが、しかし正直たかがバナナ一つでそこまでの変化が現れるとは驚きですよね。
今日は心身ともに健全さを取り戻しつつある猿たちに敬意を表して、世界中から動物たちのちょっと意外な生態を示すニュースを取り上げてみることにしましょう。

【萌え】アニマル界で掃除機プレイがアツイと話題に / ネコの表情が可愛すぎてヤバイ!(2014年1月13日ロケットニュース24)

「見てください! うちのワンちゃんがすごくカワイイの!」とか、「うちのカワイイ子猫ちゃんにこんなイタズラされちゃいました」などのペット自慢動画。もう飽きたという人もいるのではないだろうか?

そんな人たちにオススメしたいブッとび動画がある。ペットの毛づくろい動画をまとめたものが「衝撃的だけどかわいすぎてヤバイ!!」と話題になっているのだ。

な……なんと! 愛して止まないワンちゃんやニャンちゃんの無防備なお腹に「スコーズコー!! スコーズコー!!」と掃除機を容赦なくあてるのだ! マジかよ! 大丈夫なの?

最初にこの動画を見たときは、飼い主の血も涙もない行動に驚きを隠せなかった。「いたいけで無垢なお腹になにしとんじゃ!!」と殺気だっていた。しかし! ワンニャンたちは掃除機をかけられ恍惚顔を浮かべていたのだ! え? 気持ちイイの? カワイイ!

動物たちは轟音を立てている掃除機に対してまったく恐れをなさない。むしろ、掃除機中毒かのように「気持ちいいワン~」「気持ちいいニャン~」「吸って吸って!」「もっと吸って欲しい!!」と、赤ら顔でお腹を突き出しているのである。じ、じ、実にけしからん!

フクロウ、アヒル、ウサギにはじまり、なんと子鹿までも登場して赤ら顔をさらしている。どんな動物でも、掃除機で吸われる気持ちよさは格別なのか「吸ってニャンモード」に突入する。掃除機の威力オソロシヤ! ※良い子は使用上の注意を守った上で正しい掃除機がけを行ってください。

参照元:YouTube

毛の生え替わりの時期にはよさそうな動画なのですが、しかしああいうものは嫌がりそうに思っていましたが何やら待ち受けているかにも見えるのは意外ですよね。
個人的にアヒルと言えば何となく水場にいるようなイメージがあるのですが、いくら何でもそんなところに住むのかと思ってしまう場所に安住するアヒルがいるそうです。

あごひげの下でアヒル育てる、モッサモサ“定位置”に隠れると安心。(2014年1月8日ナリナリドットコム)

生まれたてのアヒルを育てることになった、ある男性が話題を呼んでいます。この男性、「普通なら親の羽の下で暖められているだろうけど、それも出来ないから」と、その赤ちゃんアヒルを自分の“ひげ”で守ってきたそうです。

米ソーシャルメディア・redditユーザーのSpongiさんは、ある日、親のニワトリが全滅してしまい、卵だけが残されるという場面に直面しました。このままでは卵の中で育っているヒナたちも死んでしまう――そう考えたSpongiさんは、卵を拾い集めると孵卵器に入れて孵化することに挑戦。「孵卵器にスペースが余っていたので」(Spongiさん)、隣人の庭に落ちていた卵も、ついでに拾って暖めることにしたそうです。

残念ながら、ニワトリの卵はほとんど孵ることがありませんでしたが、その中に偶然、アヒルの卵も混ざっていたようで、それだけは無事に孵化。Peepと名付けられたアヒルは、その後もSpongiさんに育てることになったのでした。

アヒルはとても社交的な動物で、親や兄弟との交流がないと弱って死んでしまうこともあるそう。そこでSpoingiさんは親代わりとして、寝る間も惜しんで世話を始めましたが、それに役立ったのが彼のモッサモサに伸びたひげでした。Peepは、そのひげの下に隠れると安心するのか、すぐにSpongiさんの首回りが定位置となったのです。

「ものすごくフンをするんだ」。そのため、首もとにタオルを巻きつけ、その上にPeepを乗せ、さらにその上からヒゲで暖める。そのように大切に、大切に育てられたPeepは、すくすくと大きくなり、今では生後40日を過ぎました。もうひげの下に隠れることは出来ないほど大きな体になりましたが、それでもSpongiさんの肩でリラックスするのがお気に入りで、一緒にテレビを見たりするそうです。

Spongiさんは現在、またアヒルの卵の孵化に挑戦中。それらが孵れば「Peepの友だちが出来るから、喜ぶんじゃないかな」と、期待を寄せています。

その状況は元記事の画像を参照いただくとして、しかしアヒルの群れを育てるとなるといささか人口過密になりそうな気配ですけれどもね。
馬と言えばロデオのイメージもあって割と人を乗せるにも気むずかしいところがあるのかなと思っていたのですが、こちらひどく親切な馬もいるらしいというニュースが出ています。

【海外:ドイツ】酔っ払い、馬の背中で眠っているところを発見される(2013年11月4日日刊テラフォー)

グンテル・シュローダーさん(26)は、パーティの後一晩眠るところを探し求め、最終的に馬の背中で眠りに落ちた。

その夜、パーティを楽しんだグンテルさんは、最終バスを逃してしまった。バスを逃したら、家に帰るには寒くて長い道のりを歩かなくてはならない。
さらにこの日、グンテルさんはコートを友人の車に置き忘れてしまったため、感じる寒さは半端なかった。

そんな時、暖かいベッドを探すには最高のスポットに遭遇した―馬小屋だ。寒さはしのげるし、タダだし、今夜一晩だけを過ごすには最適な場所だ。
だが、問題が一つあった。その馬小屋に住む8歳の馬サンディは、突然の訪問客を泊める部屋を持っていなかったのだ。

グンテルさんが馬小屋に入ると、そこには暖かそうな藁がたくさん積まれていたが、その上にはブランケットを掛けた馬たちが立って眠っていた。
「馬たちの上に掛けられたブランケットを見た時、とても平和そうに見えたんだ。だから、藁の上に眠る場所がないなら、馬の背中の上で眠ろうと決めたんだ。実際、馬の背中は本当に温かくて気持ちが良かったよ。
で、次に目覚めた時には、目の前に警察がいたんだ。」

心が広いサンディは、どうしようもない酔っ払いのグンテルさんの眠りを妨げないように過ごし、それに甘えて、グンテルさんはぐっすりと眠り込んでしまったのだ。

翌朝、サンディの飼い主が馬小屋にやって来ると、見知らぬ男がサンディの背で寝入っていたので、警察に通報した。
「私は彼を起こそうとしたんです。でもいびきをかきつづけるばかりで、全然起きようとしませんでした。だから、警察を呼んだんです。きっと、酷い二日酔いだったんだと思うわ。」

警察に起こされたグンテルさんは事情聴取を受けた後、自宅まで警察に送ってもらった。
それから2日後、馬小屋の持主の家に謝罪に訪れた。

「謎なのは、なぜ馬が、男が背に乗っていることを気に掛けず眠らせておいたかです。」
と警察は今回の珍事件に頭をひねっている。

その不思議な状況は証拠写真にも残っているくらいで、いろいろと突っ込みどころの多い記事なのですけれども、やはりこうした行動は馬の中でもいささか特殊ではあるのでしょうね。
イヌと言えば様々な芸を覚える生き物でもありますが、こちらは仕込んでもいないにも関わらずナチュラルに芸をこなすイヌが見つかったという驚くべきニュースです。

ドッグフードに夢中で食べながら逆立ちしてしまう幼犬(2014年1月6日おたくま経済新聞)

ボストン・テリアの幼犬を映した動画が海外サイトで話題になっていました。再生回数は200万を突破。

動画には離乳食らしきドッグフードを一心不乱で食べ続ける一匹のワンちゃんが映し出されています。フリップ君という名前らしいです。

このフリップ君。とにかく食べ続けます。「むしゃむしゃ」「ぺちゃぺちゃ」……。

食べ続けるうち、前足に力を入れすぎたのか、次第に後ろ足が浮いてきます……そして逆立ちの様な格好に!それでも更に食べようとします!

もちろん逆立ちは一瞬で、飼い主さんの爆笑とともにフリップ君は一回転。
でも一回転してもすぐに体勢を戻して、更に食べ続けます。「むしゃむしゃ」「ぺちゃぺちゃ」……。

それにしても、このフリップ君。そんなにこのドッグフードが美味しかったんでしょうかね?動画を見る限り食べるのに一生懸命で、格好が変になってることに全くきづいてなさそうです。

Dog Flip

言われてみると確かに前足を起点にしてむしろ前半部の方が重そうにも見えるのですが、どこまでイヌまっしぐらなのかという話ですよね。
こうした視野の狭いイヌに比べると周囲に対する監視力がずいぶんと違う様子なのが、こちらネコのニュースです。

「お前に食わせる餌はニャーだっ!!」餌を食べようとする猫をひたすらブロックする猫(2014年1月7日カラパイア)

ここのお宅では3匹の猫がいるようで、お食事は3つのお皿に分けてそれぞれに与えられるわけだが、このうちの1匹、茶色の猫がどうやら餌番長のようである。

 白と茶色のブチ猫が餌を食べようとすると頭からズコっとつっこんで阻止。しょうがないから他のお皿の餌を食べようとするも、それも阻止。とにかく片っ端からブロックしまくっている。

악마를 보았냥
(略)

先ほどのイヌと違ってこの冷静な状況把握ぶりは大変なものですけれども、それにしてもいささか意地悪そうに見えてしまいますね。
最後に取り上げますのも同じくネコの話題なのですが、これまた何もそこまで…と思ってしまうほど冷静な「ツッコミ」が光るニュースです。

猫が激しくジャンプ!でもそこには別の猫がいて…(2013年12月26日らばQ)

棚の上まで猫が跳び乗るのはありふれた光景ですが、そこに先客がいた場合はどうなるのでしょうか。

気になる結末をご覧ください。

Cat fail - YouTube
(略)

ネタかよ!と思うような強烈ツッコミが炸裂していますが、いささかそれは厳しすぎるのではないかと…
ネコと言うとネコ集会の様子から何か他ネコに無関心な振る舞いをしているイメージを持っていたのですが、こうしてみると実は非常に他ネコを気にしているのかなという気もします。

今日のぐり:「セルフうどん さざなみ 藤田店」

岡山市街地から南に下った田園地帯の中に位置するこちらのお店、先日閉店した国道二号線沿いにあった店と同系列のセルフうどん店です。
いつも閑古鳥が鳴いていた(失礼)あちらと比べますと、こんなへんぴな場所にも関わらずかなりの客入りがあるようですが、やはりこちらでもゲソ天が名物なんだそうですね。

今回は例によって冷たいぶっかけを頼んでみましたが、こちらの特徴としてうどん玉をそのまま使うのではなく氷水でキンキンに冷やした上に、さらに冷たい甘辛つゆをかけるという点が徹底しています。
以前夏の盛りににぶっかけうどんの本家とも言う倉敷市内の某店にお邪魔した時にうどんとつゆの温度差が気になったものですが、やはり熱い冷たいもメリハリがいるのかなという気もしますね。
それはともかくこちらのうどん、見た目もなかなかきれいですし肌合い滑らかで喉越しも良好、やや柔らかめだが噛みしめるとしっかりした腰があるという岡山に多いタイプで、なかなかいいうどんだと思います。
これに合わせるうどんつゆも甘辛の具合、濃さともになかなかマッチングはいいと思うのですが、一つ気になったのがこの種のセルフにしてはかなり念入りに一通りのトッピングをした状態で出してくれるということです。
トッピングコーナーに置いてあるものと重複しているものも多いようですし、そもそもどうせセルフなんだからトッピングも好きにやらせればいいのに…とも思うんですが、確かに岡山ではセルフでもぶっかけに関してはこうしたスタイルが多い印象ですよね。
ともあれ全体のバランスもよく、ぶっかけとしてもなかなかうまいうどんだなという印象を持ったのですが、これだけ繁盛しているのですから他のうどんも決して悪くないのでしょうし、久しぶりに何やらセルフの王道を行く感じの店で好感を持ちました。

接遇面では店の規模の割にカウンター内に店員が多いなという印象を持っていて、なおかつ皆さん若いんですが意外にシャイなのか?正直ちょっとやりとりが聞き取りにくいこともあったのですが、後で食器を返しに行きましたところ返却コーナーに障害者雇用を促進している旨の掲示が出ていました(しかしこれを「出口」側に貼ってあるというのも社会学的テーマとしてなかなか興味深いところではありますよね)。
設備面ではあまり凝ったものはなく、むしろ昔の百円うどん(そう言えばああいうものもすっかり無くなりましたね)を思わせる簡素(かついささかくたびれた感のある)店構えなんですが、まあ最近時折見かけるファーストフードショップのような気取った店構えでなくても早い、安い、うまいがそろっていればこの種の店は問題ないと思います。

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2014年1月18日 (土)

個人情報保護が意外なところに影響を及ぼす

世の中時代の移り変わりを象徴するニュースには事欠きませんが、先日出た一つのつぶやきが「いくら何でもこんなことが!」とちょっとした話題になっているようです。

最近の絵馬は「個人情報の保護」について真剣に取り組んでいると話題に!(2014年1月16日gori.me)

スマートフォンの普及と共にソーシャルネットワークやオンラインサービスの利用が活発化することによって、近年では個人情報の保護に対して注目と関心が高まっている
先日、最近のお賽銭箱はEdyに対応していると話題になっていたが、一方で最近の絵馬は個人情報保護について真剣に取り組んでいることがTwitterで話題になっていたので、紹介する!

絵馬に書いた内容さえも「個人情報保護」の対象に!

従来、絵馬には願い事を書いて奉納するのが一般的。僕が書いた時は合格祈願だったと記憶しているが、他にも子授かり、子育て、家庭円満などについて書く人が多いようだ。
当然ながら非常にプライベートな内容であるため、願い事を書きたいが他人には見られたくないというニーズが近年増えてきたのだろうか。奉納されていた絵馬には以下のように書かれている。

この絵馬は個人情報保護の為祈願主が自らシールを貼っています

    ナウい pic.twitter.com/rI233KmkF7
    — 米田餅彦 (@komedam) 2014, 1月 16

この祈願者は一体どのようなことを願ったのだろうか。個人情報を保護しなければならないほど、極めてプライベートな内容を書いたに違いない。

その状況は元記事の画像を参照いただければ一目瞭然なのですが、無論これ自体がネタ半分という可能性も高いのでしょうが、算額など人に見せるための絵馬というものの歴史があることを考えるとちょっと風情がないと言う感じでしょうか。
とは言え何をするにも昔ながらのやり方というものが変わっていく時代で、二昔ほど前には「お役所仕事」と言われれば杓子定規で面倒くさい、不親切と散々なものの代名詞のようになっていますけれども、昨今では役所に行ってみても結構親切丁寧に応対してくれるようになりましたよね。
郵便局などもなんだかんだと言われながらも民営化された結果窓口業務のサービス改善が為されたことは誰の目にも明らかなように、取りあえず公的組織による「お役所仕事」よりも民間に委ねた方が効率的かつ顧客満足度も高まるんじゃないかと思う局面は少なくありませんが、実際のところ人員削減、経費節約などと言った事情もあって各種公的サービスがどんどん民間委託されるようになってきています。
先日は東京で戸籍や住民異動届といった窓口業務を民間委託するというニュースがありましたけれども、郵政民営化の時にも言われたようにこうした話が出るとやはり誰しも気になるのが役人に課せられていた守秘義務は守られるのか、個人情報の取り扱いは大丈夫なのかと言った点のようで、実際に契約書にも守秘義務に関する規定がきちんと盛り込まれているということです。
ところがこの個人情報保護というもの、あまりに行きすぎると日常生活が何かと不便になるという点でも各方面で問題視されていて、例えば学校の緊急連絡網というものが機能しなくなったなどと言ったニュースが伝えられていますけれども、同様の文脈でひとたびは便利になったはずの公的サービスがまた不便な時代に逆戻りするかも知れないという話が出ているようです。

もう振込用紙を持って来ないで! コンビニが「収納代行」を止めたい理由(2014年1月16日ビシネスメディア誠)
より抜粋

 コンビニが扱うサービスは、どこまで広がっていくのだろうか。スタート時は、近所の酒屋さんが長時間営業を始めた程度だったが、しばらくすると、弁当やおにぎりを売るようになり、収納代行も扱うようになった。
 この「収納代行」という業務は、コンビニの価値を大きく変えることになった。コンビニが、買い物をするだけの場所ではなくなったからだ。それまで、電気・水道・ガス・電話代は銀行や郵便局といった金融機関で振り込まなければいけなかった。しかし多くの人が「お金を振り込むだけなのに長時間待たされる……」といった不満を感じていた
 それが、近くのコンビニでわずか数分、いや数十秒待つだけで処理できるようになった。しかしここ数年、「収納代行業務を止めよう」という動きがあるのだ。その理由として「もうからない」ことを挙げる人がいるが、意味は少し違う。収納代行業務は手数料商売で、1つの取り引きで数十円の収入がある。なので「もうからない」という表現は、少し誤解を生む。

 「もうからない」のではなく、「収入に対してリスクが高い」と言ったほうがしっくりくる。どんなリスクがあるかというと、「受付漏れ」による損失だ。受付のピークは毎月15日から25日かけて。その間、1人で数件の受付をこなしていくわけだが、年に数件受付漏れが発生するのだ。どういう事態になるかというと、領収書はお客さんに渡っているが、料金はもらっていないことになる。
 以前は、店の控えにお客さんの情報が印字されていたが、昨今の個人情報規制によって、店でお客さん情報を管理することができなくなっている。結果、「払った」「いや払わなかった」の水掛け論になってしまう。当然、領収書を出している側が不利になるので、店が立て替える形になるのだ。残念ながら、回収できる見込みはほぼゼロ。店側のミスなので、仕方がない部分もあるが、それでも収納代行業務をしている以上、ミスはなくならない。

収納代行を止めたい理由

 このほか、受付後に取引中止をしているのにもかかわらず、お客さん側から「払った」と主張するケースがある。またもや「払った」「払わない」という水掛け論になるのだが、コンビニに設置されているPOSレジは優秀で、受付後に「取り消し」をした場合、その記録が残る。つまり、お客さんが「払った」と主張しても、ウソがばれてしまうだ。

 もう1つ、収納代行を止めたい理由がある。それは、受付後の処理が大変なのだ。
 受付件数のピークは、1日に100件を超える。店側は膨大な伝票を処理する必要があるが、最終的には機械でなく、手作業で行わなければいけない。それが終わればやれやれ……というわけではなく、次に、本部がその書類を突き合わせなければいけないのだ。
 店と本部の膨大な作業量を人件費に換算すると、手数料収入が割に合わなくなってきている。水道代を支払うついでにジュースでも買うか……という人が多ければいいのだが、最近は水道代だけ支払って、店を後にする人が増えてきているのだ。
 収納代行業務が店だけの負担であれば、本部は見て見ないフリをするだろう。しかし本部での処理が必要なので、人件費が負担になってくる。昨今の「収納代行を止めたい」という流れは、店側というよりも本部側の意向が強いのだ。

コンビニの本音

 コンビニの本音は、ズバリこうだ。「収納代行はコンビニ以外のところがやってほしい」――。
 最近は「クレジット払いのみ」というサービスも出てきている。利用者側も「クレジットカードで支払ったほうがポイントが付くので、メリットが大きい」と感じているのではないだろうか。電気・水道・ガス・電話……もろもろの支払いはクレジットで、という流れが主流になると、コンビニでの「収納代行」業務は役目を終えるだろう。
 コンビニで扱うサービスは増えるばかり……と思っている人が多いかもしれないが、実は終了したサービスもある。例えば、写真印刷サービスだ。指摘されて「そーいえばあったなあ」と思い出した人も多いだろう。デジカメを利用する人が増えたので、写真現像の受付は終了したが、今ではコピー機でプリントできるようになっている。写真現像のように、収納代行も将来的には形を変えるのかもしれない。
(略)

コンビニのあの業務、さして儲からないのかと思っていましたら収入自体はそこそこにはなるということなんですが、一方でこうした余計な出費が増えるというのはこれまた困った問題で、それにしても時そばのようなネタのような本当の話というものが案外実社会で影響を及ぼすほどにはあるものなんですね。
基本的には決まった料金を所定の用紙で振り込むというだけなのですから、せっかくコンビニにATMも併設していることですしそちらで勝手にやらせるようにすれば済む話なんじゃないかと思いますけれども、そもそもコンビニで公的料金を払いたいと考える層は不肖管理人を始めとして銀行窓口で用紙を記入させられるのも面倒くさいと考えるような人間が多いでしょうから、利便性という点では店員にお任せしたいと言う希望が根強そうです。
要するに利便性向上というものは当然誰かのサービス業務を受けているということの裏返しですから、それに対して適正な代価を支払わなければ社会の全体的に利益率が下がっている今の時代、商売として容易に成立しなくなるということで、そうだとすれば一番妥当な対案はコンビニでの店員を介しての支払いにはいわゆる窓口手数料として適正なコストを転嫁するということになるのでしょうか。
この辺りは「コンビニでのお支払いにはこれこれの手数料をいただきます」などと書くとまた窓口でトラブることが目に見えていますから、請求書の方で例えば「ATMでのお振り込みですと○円お得になります」と言った表記にするべきだと思いますが、コンビニ側もそれだけ面倒くさいと思っているのであればそれくらいの協力のお願いはしてもいいんじゃないかと言う気はしますけれどもね。

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2014年1月17日 (金)

冬山事故の思いがけない顛末が問うもの

今年は冬季オリンピックも間近ということでウインタースポーツを楽しまれる方も多いんじゃないかと思いますが、やはり雪山は怖いと改めて感じさせるニュースが先日出ていました。

スノボで不明の男性 死亡確認(2014年1月15日NHK)

長野県山ノ内町のスキー場で、スノーボードに向かったまま14日から行方が分からなくなっていた27歳の男性が、尾根沿いの斜面で倒れているのが見つかり、死亡が確認されました。

山ノ内町のレンタルスキー店のアルバイト、磯部光輝さん(27)は、14日午後、スノーボードに向かったまま戻らず、行方が分からなくなっていました。
警察がヘリコプターなどで捜索した結果、15日午前10時すぎ、山ノ内町のスキー場、竜王スキーパークに近い尾根から80メートルほど下の斜面に、磯部さんが倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。
磯部さんは、東京から山ノ内町に住み込みでアルバイトに来ていたということです。
見つかった現場は、スキー場の管理外の場所で、この時期は積雪が十分でないため、立ち入りが禁止されているということで、警察が詳しい状況を調べています。

死因が何であったか判らない現状ではまずは亡くなられた磯部氏の御冥福をお祈りするしかありませんが、スキー場と言うくらいですから周辺地域も含めてそれなりに整備されているでしょうに、一歩管理地域を踏み出すとこういうことが起こってしまうというのは大いに教訓とすべき事例だと思いますね。
先日は世界的に有名なプロドライバーがプライベートでスキーを楽しんでいる時に外傷を負い今も意識不明の状態にあると言う驚くべきニュースがありましたけれども、当初言われていたような無謀な速度で滑っていたのではないことがビデオや証言から確認されたと言いますから、今のところ何故事故に?と言う明確な答えは明らかになっていないとは言え唯一明らかになっているのが事故現場がコース外であったということです。
今回の死亡事故もやはりコース外であったということで、細かい事情は不明ながらやはり雪の下には何があるかは判らないということも含めて、スキー場の管理している領域外に出るということは利用者が行うべきことではないと言うのが一つの教訓として挙げられるように思うのですけれども、それはともかく今回の事故においてもヘリコプターまで投入する大々的な捜索活動が行われていることに留意ください。

雪山登山などでは時折遭難者の捜索活動のニュースが伝えられますが、この場合捜索活動の経費として後日少なからぬ金額の費用実費が請求されるということで、先日は著名人が実父が山で行方不明だからカンパしてくれとネットで訴えて「金持ちなのに自腹を切るつもりはないのか?」「捜索費用はともかく社会復帰のための費用って何?」などと散々に言われていたことは記憶に新しいところですよね。
ちなみに海の場合は同様に総掛かりで捜索を行っても無料で済むのだそうで、この辺りは長年の伝統であるとか様々な理由もあるのでしょうが、ともかくも「線路に飛び込んで電車を止めたら後日家族に巨額の損害賠償が」と言った話と同様にわざわざ冬の山に入るという危険な行為を安易に行わないようにという一定の抑止力といったものも期待されているということなのかも知れません。
そうは言ってもいざとなれば命もかかっていることでもあるし、助けを求めた以上はそれなりの覚悟を決めているんじゃないのか?と思いたいところなんですが、先日からちょっとした話題になっているのがこちらのわざとだともうっかりだとも言い難い後味の悪い始末となった事件のニュースです。

根子岳で不明の男性捜索も…自力で下山し帰宅(2014年1月14日SBCニュース)

上田市郊外の根子岳で、スキーをしていた男性の行方が一時わからなくなり、ヘリコプターも出動して捜索が行われましたが、その後、男性は自力で下山していたことがわかりました。

きのう午後3時すぎ、上田市菅平高原のスキー場の管理事務所に「根子岳でスキーが壊れたので迎えに来てほしい」と男性から連絡がありました。
スタッフが山頂付近に向かったものの男性はおらず、警察に届け出ました。
きのうに引き続き、けさも早くからスキー場の関係者や警察官が捜索にあたり、県警のヘリコプターも出動しました。

ところが、午前10時過ぎ、スキー場の管理事務所に男性から「けさ下山した」と電話がありました。
心配した関係者の思いをよそに、男性は「救援要請はしていない。東京へ帰る」とだけ言い残し、連絡が取れなくなったということです。

これは様々に解釈出来る事件で、当然ながらネット上においても色々と議論が進んでいるところですが、情報を総合するとまずは山頂まで送ったスキー場スタッフが必死に捜索したものの日が暮れても発見できず、やむなく警察に連絡し大々的な捜索活動が始まったところが翌朝遅くになってすでに自力で下山したと連絡があったという状況のようで、どうも結局スキー場スタッフと直接的に接触しないまま電話だけの連絡だったようなんですね。
文字通りに取れば確かに男性が直接救援要請をしたわけではないのですが、今回の件では前述のような電話だけの連絡ですので今後も「山で遭難した。助けて」と電話しておいて、後になって「いやもう勝手に降りたし」と電話だけして消えるといった愉快犯的迷惑行為も考えられるだけに、そもそもこうした場合の捜索救助体制はどうあるべきか、事後の費用負担はどうすべきなのかと様々な問題点が浮かび上がっているところです。
実は以前にもスキー場の遭難事故で外国人客が捜索費用の支払いを拒否したまま帰国してしまうというケースが報じられたように、過去にも山の事故の費用負担を巡ってはトラブルが何度も起こってきたことが知られているだけに、雪上車で山頂まで送り届けていたスキー場側がこうした事態に備えてどのようなリスク対策を取っていたのかということも気になりますよね。
契約ということで考えれば顧客と施設側との間で解決出来ないトラブルには公的な捜索依頼等が必要になる場合もあり、それにはこれこれの費用もかかると言ったことまで事前に説明し同意を得ておくべきなのでしょうが、利用者全員に契約書を書かせるというのも中々大変でしょうし、実際問題としてスキー客スノボ客と言えば若い人も多い訳ですからそんなお金は払えないという人もいるでしょう。

そう考えると山には入る者には保険を義務化せよと言う意見にも一理あるのかも知れずで、少なくともスキー場など管理している場所を利用する場合には管理者側が掛け捨ての保険料を取るようにしてもいいと思うのですが、スキー場も料金競争等々があるでしょうから自治体などが条例で義務づけるなりして施設間で有利不利が付かないようにすべきかなとも思いますね。
また昔と違ってスキー場界隈などであれば今回のように携帯が通じる場所も多いのですから、自動車の場合と同様にまず先に電話で会員なら幾ら、非会員の場合は幾らかかりますと費用の点など合意してから出動という形にしてもいいんじゃないかと思いますが、もちろん命はお金に換えられないという考え方もあれば「そんなことをやってお金のために救助を躊躇する人が出たらどうするんだ」と言う意見もあるでしょう。
ただ本当に遭難して連絡もつかないような状況では実質強制的に有料の救助手段を取るわけですが、その場合あらかじめ支払い能力を確かめてから出動を考えるのがナンセンスであるように、山に入るという選択をした時点でそこまでの責任も無条件で負った形にすると言うのが現状だとすれば、逆に言えば支払い能力もないのに面倒をかけたくないという人には救助放棄の選択枝は用意されるべきかも知れませんね。
この辺りは救急車有料化問題と幾らか似通った部分があって、皆の意識として基本無料であってしかるべきと思われているコストが有料になるからこそ発生する問題だと言えますが、その意味で入山保険義務化などは何かあれば高いコストがかかることを前提に行動せよという意識改革の問題であるとも言えるだろうし、山のリスクということを考えると安全面への配慮にも関わるそうした意識改革はいずれなされてしかるべきかなという気はします。

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2014年1月16日 (木)

司法試験受験機会増加、しかし緩くなった先は実は厳しい?

ちょうど大学入試の季節で受験生のストレスも大変な時期ですが、今年の大学受験は例年以上にストレスがかかっているのではないかという記事が出ていました。

「浪人できない」高3の冬 ゆとり課程の大学入試は今年最後(2014年1月14日dot.)より抜粋

 センター試験も迫り、今年の高3は例年にない緊張感に包まれている。「ゆとり教育」の最後の世代だ。入試内容も来年からは様変わりするため、今年がラストチャンスと危機感を募らせている。(編集部 本田修一)

 1月18、19日は大学入試センター試験。約56万人が出願し、国公立はもとより、ほとんどの私立大学(521の4年制大学、142の短大)も導入しているため、今ほとんどの受験生は最後の追い込みの時期だ。
 受験生の緊張感は例年と同じように厳しいが、現役の高校3年生には、より大きなプレッシャーがかかっている
「周りから言われなくても、自分たちが『ゆとり世代』で、1学年下が『脱ゆとり』というのは分かっています。私たちに比べて後輩は勉強の負担も大きそうだったし、早めに部活を引退した子もいました」(都内の中高一貫校の高3の女子生徒)

●入れるところに入ろう

 そのとおり、1995年度に生まれた今の高3生は「ゆとり教育」の最後の世代なのだ。
「現行の出題範囲のセンター試験も今回が最後です。来年からは出題範囲が広がって負担が増える。1年だけ経過措置があるんですが、今の高3生が浪人すると、ライバルは勉強量の多い脱ゆとり世代です。高3生にとっては、志望校に挑戦するか、ランクを下げて確実に受かる大学にするか思案のしどころ。生徒には、本当に行きたい大学に行ってほしいのですが」
 都内の中高一貫校の教諭がそう漏らすように、いわば「現役の壁」が、高3生や親、高校関係者を悩ませている。受験雑誌も、
「15年度入試は数学・理科が新課程対応の出題に変わる!
 現行課程最後の14年度入試で、“現役合格”をめざそう!」
 とあおる。
 従来の「詰め込み型」教育の反省から2002年度に小中学校で、03年度には高校で始まった「ゆとり教育」。学習内容や授業時間を削減して「生きる力」を育むのが狙いだったが、基礎学力の低下が指摘されたため、政府が05年に方針転換。09年から数学と理科で授業時間数が約15%増となる新たな学習指導要領(新課程)が前倒しで実施された。
 この結果、「ゆとり教育」の現課程で行われるセンター試験は今年で終わり、来年からは数学と理科が新課程に基づいて行われることになった。ちなみに再来年からは国語や英語も含めた全科目が新課程に切り替わる予定だ。
(略)
 もちろん、前出の教諭が話すように、現役高3生が1浪して挑む来年のセンター試験では、浪人生が現課程の試験を受けられる「経過措置」がとられ、国公立大学の2次試験や私大入試でも、浪人生が不利にならない対策がとられる予定だ。
 だが、それも1年限り。大学入試センターの担当者は、
2浪(再来年のセンター試験)以降は対応していません
 と、きっぱり言う。しかも、来年の経過措置について東大は「(浪人生は)旧課程による科目を選択することができる」、早稲田大学(一般入試)は「新課程と旧課程の共通部分から出題する」と発表済みだが、京大は14年1月8日現在未発表など、大学の対応が出そろっていない
(略)
 このように制度改変の先の姿がはっきりしないことが、受験生の不安のタネになっているのだ。前述した「安全志向」も、こうした不安が要因になっていることは想像に難くない。
 大手予備校「代々木ゼミナール」入試情報センターの坂口幸世・統括本部長は、
「新課程の入試について、高校の先生も生徒もよく分かっていないことが不安に結びついています。例えば、科目名が変わると、出題内容もすごく変わるように感じてしまう。実際は、現高3生が浪人しても経過措置があるから不利になることはないし、新課程で学んだ高2生以降は学んだ範囲が出題されるだけ。むしろ、みんなが安全志向なら難関校に入るチャンスでもあるはずです。風評に惑わされずに、しっかりと入試に臨んでほしい」
 と説明する。つまり、受験生が過度に心配する必要はないわけだ。センター試験まで残り1週間の直前期には、時間配分に注意しながら過去問を解き、弱点分野を埋めていくといった対策が効果的だという。
(略)

脱ゆとりの影響が思わぬところに波及しているという格好なのですが、しかし別にゆとり教育に限らず教育課程が大きく変化した端境期はこうした問題が過去にも何度か起こってきたもので、まあ受験生はいつの時代も大変だなという印象を受けるところですよね。
ちょうど今の大学生~社会人若手世代あたりがいわゆるゆとり真っ盛りの世代に当たりますが、世間からは「だからゆとりは…」と事ある毎に言われ「別に好きでゆとり世代に産まれたわけじゃない」と反発する声も少なくないとは言え、入試全般の傾向としては少子化の進展で全入時代などと言われるように高望みさえしなければ必ずどこかに入れる大学はあるというのは受験戦争世代からすれば隔世の感でしょう。
ただそれも良いのか悪いのかで、例えばかつては難関学部の一つに挙げられていた歯学部などは定員大幅増と相まって今や定員を満たすことも覚束なくなり、学生のレベルが低下した結果国試合格率も低迷しそれがまた学生募集難に拍車をかけるという悪循環に陥り、経営が非常に難しくなっている大学もあるようです。
実は同様の問題が起きているのが同じく国が音頭を取って大々的な増員政策を図ってきた弁護士業界で、司法試験制度を改定し法科大学院をあちらこちらに建てたのはいいが司法試験には合格出来ず学費詐欺ではないかと言われるまでレベル低下が著しいばかりでなく、仮に試験に合格しても就職口もなく弁護士活動も出来ないという悲惨な状況にあるわけですね。
そんな中で以前から司法試験合格率が伸び悩んでいるのは受験回数制限が厳しく、学力的に不安のある学生達が受験を先送りするためだと言う声が一部にありましたけれども、先日その状況を改めようと言うこんな話が出てきたようです。

司法試験、「5年で3回」から「5年で5回」に 政府が改正法案提出へ(2014年1月8日産経新聞)

 政府が、司法試験の受験回数制限を現在の「5年で3回」から「5年で5回」に緩和する司法試験法改正案を24日召集予定の通常国会に提出する方針を固めたことが8日、分かった。成立すれば平成27年の司法試験から適用される見通し。

 勉強時間を確保するため、法科大学院修了後すぐに司法試験を受験しない「受け控え」が目立ち、回数制限が受験生にとって過度の心理的負担になっているとの指摘が出ていた。

 司法試験の受験資格は、法科大学院修了者と予備試験合格者に与えられる。改正法施行後は毎年受験できるため、年ごとの合格率が下がる可能性もある。27年から適用されれば、23~25年に3回連続で不合格になった人も再度受験できる。

 改正法案には、短答式試験を現行の7科目から3科目(憲法、民法、刑法)に減らすことも盛り込まれる。

司法試験「5年で3回」を「5年で5回」に緩和(2014年1月8日読売新聞)

 政府は、司法試験の受験回数制限を現行の「5年で3回」から「5年で5回」に緩和することを柱とした司法試験法改正案を、1月召集の通常国会に提出する方針を固めた。司法試験の合格者数の増加につながりそうだ

 早ければ2015年実施の司法試験から適用される。

 06年に始まった現行の司法試験制度では、初の制度見直しとなる。

 法務省によると、司法試験受験資格を得た後、勉強時間を確保する目的で、年1回の司法試験をすぐには受験しない「受け控え」が目立っている。だが、13年実施の司法試験をみると、法科大学院修了直後の受験生の合格率が39%であるのに対し、09年修了の5年目の受験生は7%と、受験が遅れるほど合格率は低下する傾向にある。このため、回数制限について、「受験生を必要以上に慎重にさせている」と疑問視する声が出ていた。

しかし失礼ながら国も認めたように弁護士大量増員政策は完全な失敗で、合格率の低迷している法科大学院は閉鎖しようだとか国試ももっと合格基準を厳しくしようなどと言っている中で、毎年受験できるように制度を改めるというのは学費詐欺だという声にも配慮した結果なのでしょうが、正直何ともちぐはぐな政策の迷走ぶりを見せつけられているような気がしてなりませんがどうなんでしょう?
もともと大学院卒業後五年間だけに受験資格を認めるという制度ですから、その上さらに回数制限まで課す必要はないだろうというのももちろん理解は出来るのですが、さらに試験形式も改めより負担を軽減する方向にばかり舵を切るというのは、ゆとり世代とはそこまで心理的負担に弱い人種なのか?と言いたくもなってしまいます。
ただここで注目いただきたいのは産経の記事では「年ごとの合格率が下がる可能性もある」と言い、読売の記事では「司法試験の合格者数の増加につながりそうだ」と書いてあるのは受験生総数が増えるでしょうから厳密には矛盾している訳でもないのですが、結局のところ合格者数は増えるのか減るのかどっちなんだ?ということです。

この問いに対する答えが読売の書いている「法科大学院修了直後の受験生の合格率が39%であるのに対し、09年修了の5年目の受験生は7%と、受験が遅れるほど合格率は低下する傾向にある」という一文にあるようなのですが、新司法試験は全体に合格難易度が下がった結果司法畑の方々の言うところによると「気の利いた奴はせいぜい一、二回の受験で皆合格している」と言うことです。
要するに受験回数を三回から五回に増やしたと言って元々合格する確率の少ない人しか受験回数増加は関係ないわけですから、恐らくそうした多浪受験者のほとんどは何度受験しようがほとんど合格することは出来ず、合格率は下がる一方で合格者数は横ばいかせいぜい微増に留まるのではないか?という予測があるようなんですね。
さらに問題はすでに合格したところで就職先がないと言われるほど弁護士余りが深刻化している中で、弁護士事務所としても有り余る合格者の中からわざわざ何度も受験に失敗したような人を採用するということは考えにくく、結局多数回受験者は長く学費がかかり苦労しても弁護士としての働き口がなく元を取れない可能性が高まるということです。
考えてみるともともと法科大学院と言うくらいですから学生と言っても大学を出て年齢は高い、さらに何度も受験に失敗していると最短でも30歳頃からようやく資格を得て働けるようになるわけですが、それが働き口がないというのでは学費詐欺どころか国家資格詐欺とでも言うべきでしょうか、ともかく何ともつぶしが利かない高学歴ワープアを量産するばかりになってしまう可能性も高そうな話ですよね。

ただこれまた注意いただきたいのは当事者の弁護士志望者にとっては非常に悲惨な未来絵図と言えますけれども、雇用する側の弁護士事務所にとっては優秀な若手が判りやすい形で選べる、しかも数自体は余りまくっている訳ですから超買い手市場で雇用条件もさんざん買いたたけると、別に何も悪い話ではないだろうと言うことです。
弁護士を利用する国民一般にとっても弁護士の数自体が増えることはアクセスが改善するでしょうし、何より過当競争で互いの営業合戦が厳しくなれば資本主義社会の大原則としてサービス向上が期待出来ますから、今までのように「あの先生はどうも頼りないんだけど仕方ないか…」などと我慢しなくても気に入らなければ即他の事務所に当たれば済むということですよね。
こうした国家資格職の大量増員政策は歯科医師や弁護士に留まらず近年あちらこちらで行われて、どれも共通するのは当事者にとっては雇用相場の崩壊だとかワープア化と言った何とも望ましくない現象ではあるのですが、雇用する側や利用する側にとっては別に何ら悪い話でもないだけに、国民の声に従うべき民主主義を標榜する日本国政府としては今後も同様の路線を改める必要性は感じていないでしょう。
となると次はどこの業界が、と言うことになりますけれども、当然ながら大病院の幹部が雇用する側の立場から「もっと増やせ、どんどん増やせ」と大きな声で叫び続けている某業界などはその格好のターゲットと言うことになるのでしょうね。

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2014年1月15日 (水)

医療への新技術投入はゼロリスクではない

個人的にいわゆるガジェットの類は好きな方ですが、医療現場においても昨今では政府が音頭を取ってIT化推進だとか言っているところで、救急自動応答システムなんてものは今ひとつ実用性に疑問符がつきますけれども、電子カルテなどは未だ利便性などの点で改善の余地があるとは言えすっかり定着していますよね。
もちろん様々な新技術を取り入れることで余計に面倒くさくなるだけでは意味がないのであって、それがあることによって今まで大変だった仕事が大いに楽になるからこそ新技術導入の意味があるわけですが、その意味ではリテラシー欠如者の踏絵とも言われている各種電子的デバイスよりも、物理的補助を行う道具の方が誰にでも効果が判りやすく得られるということでしょう。
肉体的なしんどさもあって3K職場の代表格のようにも言われる介護領域では、昨今いわゆるロボットスーツの類によって介護作業を肉体的に楽なものにしようという試みが始まっていますし、麻痺患者等に対する歩行補助スーツによるリハビリ効果なども検証が行われているところですが、最近はもう少しソフトな領域でも介護へのロボット技術応用が試みられているようです。

日本発の独自技術が実用化 高齢者の体と心をアシスト(2014年1月14日日経メディカル)

 日本が得意とするロボット技術が、高齢者の医療・介護に大きなインパクトを与えそうだ。中でも世界レベルで実用化が進んでいるのが、失った身体機能を改善・補助・拡張するロボットスーツ「HAL」と、心理・情動に働き掛けるメンタルコミットロボット「パロ」だ。
 高齢者の医療・介護の助っ人として、大きな期待を集めているのがロボットだ。経済産業省によると、医療・介護分野のロボット産業の市場規模(推計値)は、自立支援(リハビリ機器)が5億~7億円、介護・介助支援が1億~6億円。それが2025年にはそれぞれ、825億円、414億円へと100倍以上に成長すると予測されている。新たな市場を目指して多くの企業が参入しており、国もその開発・普及を支援する(2ページ別掲記事)。

ロボットスーツ
装着者の筋肉の動きと一体化

 下半身に障害のある人や高齢のため脚力が弱くなった人を対象に、歩行や立ち座り、階段昇降といった動作を補助するのが、筑波大大学院システム情報工学研究科教授の山海嘉之氏が開発したロボットスーツ「HAL」(写真8)だ。
 人間が筋肉を動かそうとすると、脳から運動ニューロンを介して筋肉に神経信号が伝わり、筋骨格系が動作する。その際、微弱な生体電位信号が皮膚表面に漏れ出す。HALは、装着者の皮膚表面に貼り付けたセンサーでこの信号を読み取り、動かそうとしている関節部のパワーユニットを制御して、装着者自身の筋肉の動きと一体となって関節を動かす
 欧州では13年8月に、医療用として開発されたタイプが医療機器認証(CEマーク)を受け、EU全域で医療機器として流通・販売できるようになった。ドイツでは、脊髄損傷や脳卒中を含む脳神経筋疾患の患者に対するHALを利用した機能改善治療に、労災保険が適用されている(関連記事)。

メンタルコミットロボ
セラピー効果のあるアザラシ型ロボット

 心理面の支援を狙ったロボットとして実用化が最も進んでいるのが、産業技術総合研究所上級主任研究員の柴田崇徳氏が開発したメンタルコミットロボット、「パロ」だ(写真9)。これまでに国内外の約30カ国で、約3000体が活用されている。日本では湯布院厚生年金病院(大分県由布市)など医療機関や、特別養護老人ホーム、グループホームなどで使われている。
 パロの開発に当たって、柴田氏はタテゴトアザラシの生息地であるカナダの氷原に出向き、赤ちゃんアザラシの生態を観察し、鳴き声を収録した。その結果がパロの動作や「キュー」という鳴き声に生かされている。猫や犬と違って日常生活であまりなじみのない動物だからこそ、人間がパロと触れ合うにつれて本物の動物のように感じ、愛着が増すのだという。
 パロは体長約57cm、重さ2.7kg(最新の第9世代は2.5kg)。一見すると赤ちゃんアザラシのぬいぐるみのようだが、中身はハイテクの塊だ。首、前足、後ろ足、まぶたが動き、それらの組み合わせにより動物らしく振る舞うようにプログラムされている。体の各部にセンサー(視覚:ステレオ光センサー、聴覚:マイクロホン、触覚:ユビキタス面触覚センサー、ひげセンサー、温度:温度センサー、運動感覚:姿勢センサーなど)が張り巡らされており、胴体をなでられたり抱きかかえられたりすると喜び(逆に叩かれると嫌がる)、呼び掛けられると反応する。自分の名前や飼い主の好みの行動を学習することもできる。
 パロと触れ合うことにより、認知症患者のコミュニケーション能力が改善したり、攻撃的な態度が鎮まったりした事例が多数報告されている。
 ニュージーランドで行われたランダム化比較試験(RCT)で、高齢者向け施設や病院に入所中の40人(年齢55~100歳)をパロ群(20人)とパロなし群(20人)に分けて評価した結果、パロ群では対照群に比べて孤独感が有意に減少した(J Am Med Dir Assoc. 2013;9:661-7.)。オーストラリアでは、約1億円をかけて、認知症の高齢者に対するセラピー効果や薬物使用量の低減効果を検証する大規模RCTを実施する計画がある。
 柴田氏は「認知症の人だけでなく、発達障害や高次脳機能障害などの人に対してもパロが活用されている。今後も利用者からのフィードバックを参考に、目的に応じた作り込みを続けていきたい」と話している。

物理的なサポートシステムとしてのロボット技術の応用というのは非常に有用なのは誰にでも判ることで、特に介護業界の人手不足も考えると国がどんどん補助金を出してでも早期導入を図りたいものですけれども、興味深いのがロボットに触れあうことで心理的な効果も期待出来るということですよね。
一昔前にロボット犬というのがちょっとした話題になったことがあって、ああいう方向でどんどん進歩していけばもっと本物に近い犬や猫もいずれ出来るようになるかも知れませんけれども、ここで注目したいのは敢えて日常生活で見慣れない生き物に似せてあるという点で、いわゆるロボットの模倣における技術的限界も「この生き物はこういうものなんだ」と受け止められるのであれば問題ないものなのでしょう。
海外で先行して臨床試験が行われているということなのですが、日本と言う国は世界的に見てもロボットに対して非常に肯定的な評価を持っているという特殊な国民性であるとも言われるだけに、この種のロボットによる心理的治療効果において諸外国と何らかの違いが認められるものなのかどうか、是非とも比較検討してみていただきたいことだと思いますね。

ただ医療に新しい技術を導入するということに対してはもちろんいつでも肯定的な評価ばかりではなく、とりわけ新治療法で何かしらトラブルでもあった時には「それ見たことか」とマスコミから一斉にバッシングされることが開発側にも、そして認可を出す国にとってもある種のプレッシャーになっているところがありますが、実のところこれは医療に限ったことではなく国民性なのかも知れません。
最近国産車にもいわゆる自動ブレーキシステムが付くようになっていますけれども、最初これが開発された時にはお上から「完全に止まる自動ブレーキはドラ-バーが油断するから」と許可が出なかったのだそうで、輸入車には自動ブレーキがついているのに国産車にはついていないという状況がしばらく続いていました。
最近ようやくそうした妙な規制も解除されましたが、それでも先日のように試乗会で自動ブレーキが利かず事故があったともなるとマスコミがまた大騒ぎしたように(ちなみに事故車両に機械的故障はないことが確認されたそうで、装置の対応上限を超えたスピードを出していた可能性がありそうです)リスクに対して非常にナーバスなところがありますけれども、先日こんな記事が出ていたことを紹介しておきます。

医療イノベーションの実用化促進とはリスクを受け入れることでもある(2014年1月9日日経メディカル)

 昨年末、再生医療分野で著名なA教授と議論する機会があった。A教授は、研究活動の一方で、政府の検討会の委員を務め、規制緩和などライフサイエンスの研究環境の整備を長年、訴えてきた。

 規制緩和の面では、2013年は大きな前進があった。11月20日に薬事法改正案が成立し、再生医療や遺伝子治療に早期承認制度が導入されることになった。現在、再生医療製品が薬事法上の承認を取得するには、他の医薬品や医療機器と同様に、臨床試験で有効性と安全性を証明しなければならない

 しかし、早期承認制度が導入されれば、有効性を推定できるデータを示すことで、一定の条件付きながら製造販売が許可されることになった。「有効性の証明」と「有効性の推定」の差は大きい。有効性を証明するには数百人以上を対象としたかなり大規模な臨床試験が必要だが、推定であれば数十人規模でこと足りる。新薬事法の施行(2014年10月とみられている)後は、再生医療製品の開発期間は数年程度、短縮されるだろう。

 2013年はまた、米国立衛生研究所(NIH)と同様、ライフサイエンス分野の研究開発支援を一元的に担当する「日本医療研究開発機構」(日本版NIH)の創設も決定された。研究開発支援の一元化は、研究者達がずっと要望してきた施策である。支援が各省庁に分散していると、1つ1つの補助が小粒になり、使い勝手が悪い。各省庁に似たような施策が乱立するという弊害も指摘されていた。

 政府が2013年6月に公表した「日本再興戦略」では、「革新的医療技術の更なる発展」を柱の1つとしている。科学技術政策担当の山本一太大臣も機会あるごとに、「日本を世界で最もイノベーションに適した国とするのが総理の目標であり、それを実現するのが私の仕事」と発言している。こうした方針通り、安倍政権は発足後、約1年間でいくつかの成果を見せており、A教授も筆者もこの点を評価することでは意見が一致した。

 一方で、A教授は、マスコミが時として先端医療技術の開発促進の足を引っ張る理不尽な報道をすることに批判的だった。筆者も、マスコミ報道にそうした面があることは否定できない。こうした報道がなされるのは、医療にゼロリスク(施術の失敗や医薬品の副作用を受け入れないこと)を求める体質が日本社会にあることが一つの原因だろう。

 筆者が現在、最も懸念しているのは、iPS細胞の実用化研究の行方である。今年の後半には、iPS細胞由来の細胞(網膜色素細胞)を使用した世界初の臨床試験が実施される予定である。その後も、血小板や心筋、神経細胞などiPS細胞関連の再生医療の臨床試験が計画されている。

 iPS細胞の実用化は今や国家的プロジェクトの扱いを受けており、年間100億円単位の公的研究費が投じられている。しかし、今後、増加するであろうiPS細胞を使用した臨床試験や実際の治療で何か事故が起こった場合、社会やマスコミはそれを受け入れられるだろうか。例えば、治療後に患者に癌が発生して、死亡したとしよう。その癌はiPS細胞が原因なのかどうか、あるいは副作用の発症率は治療で得られる効果と比較して合理性があるのかどうかといった点について、理性的に検証できるだろうか

 最近の子宮頸癌ワクチン、あるいは抗癌剤のイレッサ、インフルエンザ薬のタミフルなどの副作用問題の顛末、または福島県立大野病院の産婦人科医が逮捕・起訴後に無罪になった事件などの経過を見るにつけ、iPS細胞だけ例外的に扱ってもらえるとはとても思えない。日本社会が医療にゼロリスクを求め続ける限り、安全性と有効性のバランスを考慮した社会的対応は望めないのではないだろうか。

 A教授が、「マスコミは態度を改め正しい報道を行い、国民を導くべきだ」と主張したのに対して、筆者は「マスコミは社会の鏡に過ぎない。社会が変わらなければ、こうした報道が無くなることはない」と意見した。社会がリスクに厳しい態度を取るからこそ、マスコミはその体質に沿った報道を行い、批判を恐れる行政も必要以上の安全規制を課す

 しかし、医療分野でのイノベーションの実用化促進とは、一方で予期できない事象の発生(=リスク)を一定程度、許容しなければならないことでもある。2013年が実用化促進元年とすれば、本格的に実用化されるのは5年後、10年後の話だ。今からでも遅くはない。政府は小中高での教育内容を見直すなど、社会の意識改革を促す策を導入するべきである。

リスクに対する過剰反応に関してはニワトリが先か卵が先か的な議論になりかねませんが、制度的に見ると日本の医療システムというものにも一つの理由が求められるのかも知れません。
基本的に皆保険制度というものは最先端の技術をどんどん導入していくような医療には不向きな制度で、むしろジェネリックが出ているような枯れた医療に適合した制度だと思っていますけれども、最近では実質的な混合診療を認めてまでも皆保険制度と先端的医療の融合ということが図られているというのは、一つには医療技術がそれだけ日進月歩で少しでも躊躇すれば進歩に置いていかれるからでしょうね。
特に記事にもあるような再生医療分野に関しては何しろ日本からノーベル賞受賞者が出るほどで、こうした新技術はアメリカであれば巨額な資金を投じた国家的プロジェクトとしてでもどんどん技術開発を推進してパテントを囲い込むということをするところでしょうが、それが可能になるのは例えば医療費無料で新治療法の治験をすると言えば希望者がちゃんと出てくるといった背景事情もあると思います。
日本であればマスコミが事ある毎に「安全性には十二分の配慮を」などと繰り返すように石橋を叩いても渡らないような慎重さが求められる、加えて「医療に経済的格差があってはならない」というお題目によって各種補助金制度なども用意されて初めて臨床応用が為されるところでしょうが、当然ながらそのペースでやっていたのではいつまでも世界の最先端と言っていられるわけもないですよね。

皆保険制度の本質が前述のように枯れた医療向けの制度なのだとすれば、日本の医療は制度的にどんどん新技術を投じていくのに向いていないだけでなく、半世紀にもわたって医療とはそうしたものだと教育されてきた国民も医療従事者自身もリスクを負ってまで新技術を追い求めることに躊躇するところがあるのかも知れません。
もちろん食料も資源もほとんどが外国に頼っている中で医療だけ独自技術を追及しなくても、外国で安全性が確かめられた技術だけを買ってくればいいじゃないかと言う人もいるかも知れませんが、技術開発をしている方も商売でやっている訳ですから開発力がなく金を持っている国に対しては遠慮なく高値を吹っかけられるでしょうし、事実新薬開発などは今や生き馬の目を抜く国際競争の場になってきていますよね。
誰でも安上がりに相応の医療が受けられる皆保険制度に対して現状で国民も医療従事者も高い評価を下していて、それが故に新技術導入に対しても現行制度の延長線上で同レベルの安全性を担保してもらうのが当然のように感じているところもありますが、そこはきちんと評価基準を分けて考えていかないといずれ日本だけ一昔前の医療をやっていると諸外国から笑われるようになるかも知れませんね。

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2014年1月14日 (火)

女医が増え続ける時代にも減らない女医の悩み

総じて医療現場が多忙であることは最近世間でもそれなりに知られるようになってきて、医者は外来だけしていればいいものだと思い込んでいる患者から「先生は週三日しか働かなくていいから楽ですね」などと言われて殺意を覚えた、などと言う声もそれほど聞かなくはなった気がしますが、それでもやはり急性期の基幹病院などは盆暮れ正月もないほど多忙だという場合も決して少なくないと思います。
ある種怖いもの見たさ的な感覚もあるのでしょうか、そうした医療現場の状況が昨今ではマスコミでも売れるコンテンツと認識され取り上げられる機会も多くなってきていますけれども、先日こんな記事が出ていたのをご存知でしょうか。

残業続きの正月に定時きっかりに帰るママ看護師に女医が憤慨(2014年1月14日NEWSポストセブン)

 お正月でも休む暇のない病院。猫の手も借りたい状態だが、そんな病院で勃発する「医師」VS「パート看護士」の内部事情を41才の女医が明かす。

 * * *
 年末は暴飲暴食で、胃けいれんとか、大腸カタルとか胃腸の患者さんか増え、年明けは慢性疾患の患者さんがわれ先にと駆け込んでくる。風邪で耳鼻咽喉科にかかる人も多いし、アトピーの患者さんとかで皮膚科も激混みするよね。

 そんなわけで“おとそって何だっけ”ってくらい、お正月は残業続きが当たり前なのに、パートの看護師ママさん連中ときたら、涼しい顔して5時キッカリに帰っていく

 それで子供が小さいから夜勤はムリと言いながら、ママ友と飲み会に行った話をいつまでもされるとムカーッよ。

 仕事にさし障るから、出勤して来ないで、と言いたいのをグッとこらえて患者さんを診察しているツラサ。

 何かといえば「ドクターと私たちは身分が違います」なんて、ほんとよく言うわ

ま、多忙な職場で猫の手も借りたいほど忙しくしているのに同僚が暇そうにしていれば一言あってしかるべきと考える人も少なくはないでしょうが、面白いのはこの腹が立つポイントと言うのでしょうか、正直男であれば同じ不満を抱くにしてもちょっと違った感じを持つのではないかなという気がするのは自分だけでしょうか。
一般的に医師と言う職業は長年大多数が男の手によって運営されてきた、一方で看護師という職業は逆に今もってほとんどが女性であるという状況にありますが、職種の差に加えてそうした性差の故もあってか多くの男性医師は看護師と医師は別種の生き物であるという感覚を何となく抱いているのではないかと思います。
それ故に一部の女医さんなどが看護師詰め所に当たり前に座り込んで一緒にお菓子をつまみながら世間話に講じていたりするのを見ると非常に不思議な感じもするところがありますが、逆に男と比べて差異が少なくなると水平目線でこうした不満を抱きやすくなると言うことなのでしょうかね?
世間一般でも女同士の確執が一番恐ろしい、などと言う人がいるようですけれども、数ある研修医の中でも女医だけは送別会で看護師から花束一つもらえなかった、などと言う話を聞くに及んでは本当に女の恨みは恐ろしいと感じてしまうところで、事実当事者の弁によってもやはり同じ医師という肩書きがついてはいても男とはまた違った対人関係の難しさがあるようです。
先日外科系研修医である女医の安川佳美氏が医療現場の実情を描いた『東大病院研修医』なる著書を出したそうですが、著者がビジネスジャーナルのインタビューに答えて女医であることの難しさについてこんなことを言っています。

研修医が明かす、過酷な医療現場(2013年12月15日ビジネスジャーナル)より抜粋

(略)
--精神科の研修も壮絶なようですね。

安川 私はもともと精神科に進もうかな、と思っていましたが、研修を経験してみて「自分には一番向いていない」と思いましたね。病気なので仕方がないのでしょうけれど、「正論の通じない人」と日々接するのが仕事です。独特のこだわりがあって、こっちの話に聞く耳を持たない、などというのはザラですね。統合失調症を患っているある女性からは、「胃が痛いから痛み止めをくれ」と繰り返し訴えられました。でも、胃痛に対しての胃薬はちゃんと飲んでいて、それ以上は処方できないわけです。私がどんなに説明しても聞き入れてくれず、ものすごい剣幕でまくし立てる。ところが、男性の上級医が出てきて説明すると、すんなり受け入れるのです。

●難しい病院内の人間関係

--医師で、なおかつ女性であることでの不条理ですね。

安川 そうですね。現場では、患者さんだけじゃなく、看護師たちの対応も男性医師と違うなぁと感じることもありますよ。なんというか、男性医師より許容される範囲が狭いのですね。「ちょっと電話の切り方がそっけない」と指摘されたり、病棟で雑談しないでいるのも無愛想だと思われたりします。私、もともと人間関係では悩まないほうだったのに、かなり気を遣っていますよ。看護師は人数も多いので。でも、若い看護師はみんな同じような化粧で、髪型もおだんごにしていて、見分けがつかないこともあります。名前を覚えるのが大変です。
(略)

安川氏は男性医師との関わり方についてはあまり深く言及していませんけれども、外科系であれば単純に身体的精神的なタフネスさも問われるだけにとりわけそうした問題も生じやすいのはないかと想像しますが、それよりも何よりも医療の世界では未だ駆け出しである安川氏をしてここまで言わせる男女格差というものが看護師にも、そして患者にも存在しているということですね。
ここで例示されているように「電話の切り方を云々される」というのは非常に興味深い指摘で、今時どこの病院でも接遇教育というものは非常に熱心にやられていて、電話の側にも電話応対のマニュアルが掲示されているというのは珍しくないと思いますが、見ていますとたまに間違って男医が電話を受けていい加減な対応をしていても恐縮されこそすれ、「先生その応対の仕方はなってないね」なんて言われることはまずないですよね。
好意的に解釈すれば安川氏が研修医であるということでことさらに厳しく教育するという意図が看護師側にもあったのかも知れませんが、いずれにしても男医者であれば同じ厳しくするにしてももう少し別な方向で指摘が為されていただろうところを、仕事上の不手際で幾らでも突っ込みどころがあるだろう研修医に対してまずこうした部分からツッコミが入ると言うのは面白い現象だなと感じます。
逆に言えば看護師との人間関係に悩み気を遣うと言った女同士のつきあい方をしているからそうしたツッコミが入るのかも知れずで、男の研修医であれば看護師について区別すると言えば使えるか使えないかだとか、せいぜい若くて美人かどうかだとかいったあたりに興味が向くのがせいぜいで、あたら女同士の間に存在するという人間関係の面倒くさそうな領域にまでわざわざ頭を突っ込みたいとは思わないでしょう。

ともかくも医学部の女性比率が年々高まり、学校によってはまさに男女同数も達成されているという時代ですから、これからも女医比率は当面高まり続ける一方であることは間違いありませんけれども、現場の側でも今までのように「女医は実質戦力1/2人前だから」などと愚痴っているばかりではなく、どうやってこれを活用するかに頭を悩ませる必要がありそうです。
その意味で女医にも働きやすい職場環境というものは一つにはこうした周囲目線の男女格差の是正という観点からも改善が求められるでしょうし、さらに言えばいわゆる奴隷労働的な職場環境の是正という点からも「体力的に決して人並み外れて優れていない女医でも十分働ける環境」を目指すというのは重要なことでしょうが、その環境改善と言う点でこうした精神面でのプレッシャーも少なからずあるということですよね。
田舎病院にやってくる老人患者などは特に男尊女卑傾向の根強く残っている方も未だに少なくないといい、そこらの女医など看護師扱いをされてまともに相手にされないなどと言う話も聞きますけれども、確かに周囲目線で見て男であるか女であるかということは一つの判断材料であり、優先順位こそ違うとは言え誰にとっても全く無視して良いファクターというわけではないでしょう。
ただそのファクターとしての重要性の置き方が「結婚するのに相手が同性でもいいかどうか?」という人生の大決断レベルなのか、それとも「本屋でちょっと人目をはばかる本を買うのにレジ係は男と女のどちらがいいか?」といった笑い話レベルなのかということですが、女医であることが眼鏡派かコンタクト派かくらいにはどうでもいい話題になる頃には医師の職場環境もそれなりにゆとりあるものになっていそうな気はします。

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2014年1月13日 (月)

今日のぐり:「ラーメン 道」

今時の人間はその存在自体も知らないかも知れませんが、一昔前には当たり前に利用されていたものを使ってちょっとすごいことをやってしまったと言う人がいたそうです。

「フロッピー1枚に約2時間の映画を圧縮して入れた結果wwwww」が分かる動画(2013年11月20日ねとらば)

 パブリックドメイン化した映画「ローマの休日」の動画データを、フロッピーディスクにも収まる1.38Mバイトにまで圧縮した強者が、その画面の様子をニコニコ動画にアップしています。

 「来たるフロッピィ時代。ITいわゆるフロッピィ等々ですべてが出来る法律なので、映画を入れてみました。その結果が廃ビジョンですよ。」――動画の説明文では、麻生太郎さんの過去の発言をもじりながら、動画の詳しい仕様を説明してくれています。圧縮規格はH.264らしいのですが……もはや何が映っているのか分からないでござる。よく訓練されたファンなら、何のシーンか分かるかもしれません。

詳しくは元記事の動画を参照していただくとして、いやしかしフルモザイク仕様と言うのでしょうか、判らないものですね…
今日は実用性にはいささかアレな古廃ビジョン動画の完成に敬意を表して、世界中からちょっとすごい?という偉業の数々を紹介してみましょう。

製作35年! 10万本以上のつまようじで作った街が驚異的(2013年10月20日ねとらば)

 10万本以上のつまようじで作られた、サンフランシスコのレプリカがすごいです。

 同市に住むアーティストScott Weaverさんが35年かけて作ったそうで、サンフランシスコの名所をつまようじで再現。4つのレーンが走っており、ピンポン球がころころと名所を通って転がるようになっています。

Scott Weaver's Rolling through the Bay from The Tinkering Studio on Vimeo.

 Scott Weaverさんはほかにもつまようじで帆船などを作っており、彼のWebサイトで作品を見ることができます。

単に形状の再現だけでなくピンポン球が転がる機能性が何ともナイスなんですが、それにしてもこの構造を設計するのはなかなか大変だったでしょうね。
同じくアート系の偉業なのですが、これまた日常に当たり前に存在する素材を使ったものだと言いますから驚きです。

1つの卵に2万の穴! 職人技によって作られた「卵の殻アート」いろいろ(2013年12月6日らばQ)

卵の殻を使って小さな飾りを作るアーティストがいます。

根気よく殻に小さな穴を開けていくという手法で、少しでも間違えると壊れてしまいます。

1つの卵に2万個の穴を開けたアートをご覧ください。

精巧さの極致と言える、このすばらしさ!

これを作ったのは73歳になるスロベニア出身のフランク・グロム氏で、もう18年ほどイースターエッグの殻を使っては、装飾品を作り続けているのです。
(略)
今までに300個以上を手掛け、元アメリカ大統領のビル・クリントン氏もコレクターなのだそうです。

第2の人生でこれほどの才能を開花させるというのも驚きですね。

写真を見るだけでも何しろとんでもないシロモノなんですけれども、しかしうっかり割ってしまうと大変がっかりというどころではすみませんよね。
ここからは命がけの偉業を取り上げてみたいと思いますが、まずはこちら見ている方が身体に悪そうというとんでもない行為です。

【海外:ノルウェー】600mの崖っぷちで片腕逆立ちをし続ける命知らずのパフォーマー(2013年10月21日日刊テラフォー)

ノルウェー人エスキル・ロンニグスバッケンさん(33)の人生は、文字通りいつも崖っぷちだ。彼は、標高600m以上の崖の淵すれすれで、片腕で逆立ちをするパフォーマンスを行っている。

エスキルさんがノルウェー南西部のリーセフィヨルドの断崖絶壁の上で、命綱なしで片腕で逆立ちをしている、心臓が止まりそうな瞬間が激写された。

ほぼ垂直に切り立った崖と青い海の景色は息を飲むほど美しいが、そこに椅子のようなものを置き、その脚の上に片腕で逆立ちしているエスキルさんの姿は、息を飲むほど恐ろしい。

だがエスキルさんにとっては、こんなことは特に真新しいことではない。スリルが大好きなエスキルさんは、2つの熱気球の間を綱渡りしたこともあるし、標高1000mの崖に置いた椅子の上で逆立ちをしたこともある。

「目標は、ドバイにある世界一高い高層ビル、ブルジュ・ハリファの上で、片腕逆立ちをすることです。5本の指だけでビルの上に逆立ちしたら、きっと空を飛んでいるような気分になりますよ。」
と、エスキルさんは抱負を語る。

エスキルさんはきっと、頭が少しおかしいに違いない。あるいは、彼は正常でも、見ているこっちの方が、冷や冷やして頭がおかしくなってしまいそうだ。

どうか、手を滑らせて、本当に空を飛んでしまわないようにと願いうばかりだ。

その状況は元記事の画像を参照いただきたいのですが、何をどう考えてこういう行為に走るのかとついつい考えてしまうのは自分だけでしょうか。
こちらは単に見ているだけでもいささか…と言う状況でありながら、さらにスピード凶でもあるというとんでもない人物のニュースです。

新たなる「禅」の幕開け? 世界一危険な道路をチャリで後ろ向きに下ってみた(2013年12月18日GIZMODO)

畏怖の念すら感じるのは私だけでしょうか。

ノルウェイには、トロルスティーゲン(Trollstigen/「妖精トロールのはしご」の意)という名前を持つ山道があります。斜度10%(約6度)という急勾配な道には11箇所のヘアピンカーブがあり、さらに道幅が非常に狭いことから「世界で最も危険な道路」の一つとしてもその名を馳せているほど。
(略)
今回の挑戦者エスキル・ロニングスバッケン(Eskil Ronningsbakken)さんは、この急斜面に対して「雨に濡れた状態で下るだけじゃ全然クレイジーじゃない」と言い放ち、自転車を後ろ向きにこいで下山することに決めたそうです。

バランスをとりながらハンドルを握り、ブレーキをかけ、急カーブを曲がり、ギリギリのところで車を避けつつ、濡れた山道を最初から最後まで後ろ向きにこいでいくエスキルさん。その様子が下の動画で見れるのですが、無事に下山できると結果が分かっていても心臓に悪い人は要注意。だって自転車が左右にぷぷぷぷるぷる震えてるんですもん…!

しかしさすがミドルネームに「禅」を名乗るだけあって、ハードなチャレンジとは裏腹にソフトな物腰が印象的。無事に下山してきても「はい、終わりました。じゃあ次は登ってきます。前後ろ逆で」ってな具合です。乱と禅は常に隣り合わせってことなんですかね?

トロルスティーゲンを後ろ向きに走ると、こんな景色が楽しめるらしいですよ。無理(涙)。

その状況はまず元記事の動画から察していただくとして、この状況で10%の勾配を下るというのはちょっと正気の沙汰ではないように思います。
こちら世間的には多くの方々にとってあこがれの的というあの車を、おそらくこうまで馬鹿馬鹿しい使い方をした人間はいないだろうという話題です。

ファイヤーーーーッ!! ランボルギーニで七面鳥を焼いてローストターキーを作った動画が海外で話題!(2014年1月8日Pouch)

クリスマスに食べる料理といえば、日本ではフライドチキンやローストチキンですが、アメリカなどの外国では七面鳥が定番。今年こそはローストターキーに挑戦してみたいと思っている皆さんもいるのでは?

そこで今回ご紹介するのは、超、超、超~斬新すぎて想像の斜め上を行く七面鳥の調理法! YOU TUBEでその動画がアップされ海外で話題となっていたので、皆さんにもシェアしちゃいます!

まず、用意するものは七面鳥とランボルギーニ。

……え? そうです、車のランボルギーニですよ。つべこべ言わずにとりあえずランボルギーニを用意して! 話はそれから!

動画ではサンタのイラストが描かれたダッサいセーターを来た男性が登場。生の大きな七面鳥を手にしながら一台のランボルギーニに近づき、マフラーの前に七面鳥をかざします。

このランボルギーニ、改造車のようで、エンジンをギュンギュン吹かすとマフラーから火がドガーーーン!! すごい勢いで火が吹き出てきます。うん、これなら七面鳥もいい具合に焼きあがりますねっ♪ こんがり焼きあがり、さて、お味のほうは?

「パーフェクト!」

今年の冬は皆さんもぜひランボルギーニでローストターキーを作ってみては? ランボルギーニと七面鳥というたった2つの素材だけで作る、シンプルさが光る逸品です。ただし、記者のほうでは味の保証はしませんのであしからず。なんだか石油風味が強く出そうな気がしますが、実際のところはどうなんでしょうか。

元記事の動画を参照いただければその状況が判ると思いますけれども、しかしちゃんと焼けているものなんでしょうかね…
最後に取り上げますのもまさしく偉業と言うしかありませんが、まずは記事から紹介してみましょう。

スーパーマンは本当にいたんだ! エスカレーターの乗り方がかっこよすぎる男あらわる(2014年1月9日ねとらば)

 スーパーマンのように空を飛んでみたい。少年時代に誰しも一度は想像したことのある夢を、「力技」で叶えてしまった男性の動画です。

 エスカレーターに両腕を突っ張り、強引に体を浮かせる男性。ビシッと体を固定してするすると上にのぼっていく姿は確かにちょっと飛んでるように見えなくもないですが、構図としてはシュールですね。周囲の人からも「飛んでるぞ!」「スーパーマンだ!」という半笑いの歓声が。

 エスカレーターに突然現れたリアルスーパーマン。ただし、周りの方の迷惑になるので一般市民の皆さんはマネしないようにしましょう。もっとも、マネするにしてもすごい筋力がいりそうですが……。

その状況はこれまた元記事の動画を参照いただくとして、多くの子供達が一度は夢見ながら果たせないというのは羞恥心云々以前に、単純に腕力の問題もありそうですよね。
それにしてもこれだけのことをするのに一人密かにどれだけの鍛錬を積んだものか、まさに偉業は一日にしてならずということでしょうか。

今日のぐり:「ラーメン 道」

岡山市街地から南に下った田園地帯にほど近い住宅の一角を改装した感じの、いかにも家族経営を思わせるのがこちらのお店です。
入って見ますと普通なラーメン屋っぽい品揃えの以外にお惣菜系のメニューがホワイトボードに書き連ねてあるのが特徴というか、この充実ぶりはむしろお惣菜屋さんっぽいんですがラーメン屋で始めて後で追加したのか?ともかくラーメンの看板から想像して店に入ると意表を突かれるのは確かですね。
色々と試してみたくなるようなメニューもないわけではないのですが、密かに考えていた野菜系ラーメンがないのでつい唐揚げ丼セットなんてものを頼んでしまいましたが、ラーメン自体は醤油や味噌など色々と取りそろえているようで、それほど多数のスープを取りそろえているようにも見えないのでタレで対応しているのでしょうか。

さてこのセットの場合、メインは醤油ラーメンになっているようですが先に唐揚げ丼が出てきまして、唐揚げは少し揚げすぎで焦げ臭い気もしますがクリスピー系のパシパシ食感で甘辛ダレもそれなりに合っていて、サイドメニューとしてはまずは合格でしょうか。
そんな訳で意外と唐揚げ丼が良かったのですが、問題はメインのはずのラーメンが全くパンチにかけることで、よく言えば昔ながらの中華そば風あっさり醤油ラーメンですが、隠し味風に感じられるかすかな魚系出汁の風味を除いては全く特徴がないですよね。
そもそもスープ自体があっさりと言うよりもほとんどまともに取れていないんじゃないかと言う感じなんですが、スープ以外に麺にしろトッピングにしろ見るからにやる気のない仕上がりで、正直今日日スーパーの出来合いの品だけを使って作ってももう少しそれらしいものに仕上がるんじゃないかと思います。

実際には夜にお惣菜メインの商売をする店なのかも知れませんが、飲み屋の締めのラーメンならまだしもラーメン屋を名乗りながらこれではちょっと…と思うのですけれども、それよりも気になったのは価格の付け方ですよね。
地域の相場等を考えてこの組み合わせならこのくらいか?と予想するよりもはっきり高めの値付けなんですが、絶対的価値としては正直さほどに魅力あふれるとも思えず、かといって相対的価値で勝負するにしてもちょっとコスパ的に訴求力がないかなと言う感じです。
接遇面ではあまり手間暇をかけないところも何やら夜営業メインな店が昼はラーメンやってます的な雰囲気を感じさせるのですが、トイレなどもそれなりに綺麗にしているのですが店舗的な綺麗さと言うよりも家庭向けの飾り方という印象ですし、ともかく設備的には古臭いとしか言いようがないのは地域性もあるのでしょうか。
ネットでちょいと調べたところでは実は結構古くからやっているお店らしく、夜に来るとそれなりに色々と作ってくれたりもするそうですけれども、とりあえずお昼に立ち寄るにはいろいろな意味でハイリスクと言えそうですかね。

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2014年1月12日 (日)

今日のぐり:「徳島ラーメン 麺王 青江店」

そろそろ正月気分も抜けてきた時期ですが、今年早々からまた大変なことをやってしまったというニュースが出ていました。

風船を使って上空3万メートルから撮影した「初日の出」の映像がスゴイ! なんと費用は約2万5000円!!(2014年1月9日ロケットニュース24)

地平線や水平線からのぼる朝日は感動的だ。ましてや、初日の出ともなれば、おめでたさも相まって、さらに美しく見えるだろう。

そんな初日の出を、なんと成層圏から撮影した人がいる。2014年1月1日、北海道在住の岩谷圭介さんは、風船を使って上空3万メートルからの撮影に成功したのだ。気になるその映像は、動画「【世界初】初日の出を風船を使って成層圏から撮影してみた【ひので1号】」で確認できるぞ。

・過去にも風船を使った撮影に成功
岩谷さんは、過去にも風船気球を用いた地球の撮影や、上空3万メートルからの日の出の撮影に成功してきた。そんな岩谷さんが、今回挑戦したのは、1年に1度の初日の出である。

・マイナス7度の中での打ち上げ
当然ながら、初日の出が見られるのは、1月1日の早朝。しかも、岩谷さんは北海道在住で、打ち上げの場所は北海道・十勝平野である。周囲の気温はマイナス7度と厳しい寒さの中、打ち上げの準備は進められた。

・見事に撮影成功
やがて放たれた風船は、みるみるうちに高度を上げていく。打ち上げから約1時間後、風船に取り付けられたカメラは、東の空がほんのりと明るくなっているところをとらえた! 順調に進んでいる予感がするぞ。
そして、上空3万メートルで、光り輝く初日の出が見えたのだ! 成層圏から眺める初日の出は、まさに圧巻である。

・世界初の快挙
その後、無事に任務を終えた風船は、当初の予定通り破裂し、落下予測地点である北海道・中標津で回収された。110分間のフライトで、流れた距離は195km。ちなみに、風船を使って上空から初日の出を撮影したのは世界初とのこと。

・撮影にかかった費用は約2万5000円
このような撮影は、高価な機材が使われていると想像しがち。しかし、使用された機材は、すべてホームセンターや家電量販店などで売られているものばかり。費用は、わずか2万5000円ほどだ。
なお、岩谷さんは2014年も引き続き、風船を使った撮影を計画されているとのこと。活動のさらなるご活躍を期待したい。

光景そのものの美しさもさることながら、どこにでもあるような安価な材料を組み合わせてこれだけのことをやってのけたことがまた大変なものですよね。
今日は岩谷さんの偉業に敬意を表して、世界中から新年にちなんだ数々の話題を取り上げてみることにしましょう。

1年のうち「最も憂鬱な日は1月の第1月曜である」ことが判明 / 仕事への不満や「離婚の申請数」がピークに(2014年1月9日ロケットニュース24)

お正月休みも終わり、新年の抱負を掲げて心機一転でがんばっている人もいるだろう。ところが、外は寒いし休みボケも抜けないしで、1年のうち1月の第1月曜が、最も人生に対する不満がピークに達するとの興味深い調査結果が発表され、話題となっているのだ。

・1月の第1月曜は最も憂鬱な日
イギリスの研究チームが3年続けて、1月にイギリスで投稿された200万のツイートを分析した。その結果、1月の第1月曜に、自己嫌悪や罪悪感のツイートが普段の5倍になり、悪天候への不満は6倍になっていたことが明らかとなった。

・1月には離婚も増加
そして、1年のうちで離婚を申請する人は1月が最も多く、2番目の9月に2倍近くの差をつけたことも分かった。オンライン離婚サービス「Divorce Depot」の調べによると、180万組の夫婦が、クリスマス休暇中に仲たがいするという。その理由として、この時期は忙しく、プレゼント代がかさみ経済的にも苦しい上、家族が集ってストレスが多くなることが挙げられている。
また、新年は今までの人生を見直したり、これからの人生の方向性を考える時期でもあり、離婚に踏み切る人が増えるのでは、との意見もある。

・仕事への不満もピークに
さらに1月は、仕事への不満がピークに達する人も増加し、8割もの人が転職を考えるのだという。3割近くの人が通勤にうんざりし、新年の仕事始めを憂鬱に感じるのだそうだ。今年2014年の第1月曜は1月6日だったが、みなさんはどう感じただろうか?
年末年始の長期休暇が終わる前の日は、確かに「明日から仕事かあ~」という気分になってしまう。だが新年は、新たな再スタートを切れるチャンスでもあるので、良い年にできるよう努力を怠らないようにしたいものだ。

休み明けの月曜日に不満が高まるというのはまあそれはそうなんだろうなと思うのですけれども、それにしてもこれほど顕著な差があるというのは何とも興味深いですよね。
年末年始をまたいで大仕事という方も少なくなかったと思いますが、こちら何とも記録と記憶に残る大仕事を達成した方の話題です。

米国の双子、年またいだ出産で誕生年が別々に(2014年1月6日ロイター)

[2日 ロイター] -米テキサス州の女性が大みそかから元日にかけて双子を出産したが、年をまたいで生まれたことから双子の誕生年が分かれる結果となった。

母親のベロニカ・リードさんは大みそかの午後11時59分に1人目のハンナちゃんを生んだが、もう1人のダニエルちゃんが生まれたころには元日の午前0時をまわっていた。

このため、双子ながら1人は2013年生まれ、もう1人は2014年生まれとなった。

将来子供達は何故自分達が双子なのかと頭を悩ませることになるのかもですが、実は双子そのものは同時に産まれなければならないというものでもないようで、何日単位でずれて産まれることもあると言いますから驚きですね。
お正月と言えば初詣というのが日本の伝統ですが、この古き伝統も最近はすっかり様変わりしつつあるようです。

【驚愕】最近の神社で「楽天Edy」が使えると話題に(2014年1月6日秒刊サンデー)

最近の神社がハイテク過ぎると話題となっております。話題となっている神社は「愛宕神社」で、防火、防災にご利益があるほか、印刷・コンピュータ関係に特化した神社でもあるといいます。その証拠にホームページは今風のデザインを取り入れおり、バーチャル参拝やおみくじなどネット上で楽しめるコンテンツも豊富。ネットメディアが生活に必要不可欠となった昨今是非とも訪れたいものだ。

こちらが話題の「ハイテク賽銭箱」である。いい意味でアナログ感を醸し出している点は素晴らしい。どうやら自前で決済する金額を設定し、Edyカードをかざせば「シャリーン!」と決済が完了するという仕組みのようだ。例えば間違えて100万円なんて設定した日にはとんでもないことになるが、それほどまでの巨額がチャージされているとは限らないのである意味安全性も高い。
※楽天Edyの上限は5万円まででした。

最近ではEdy決済をするシステムを自宅のPCに接続して簡単に組み込むことができるので、それを応用して賽銭箱代わりに使ったものだと考えられるが実に興味深く、神社の「コンセプト」ともあっている。
(略)

―ネットの反応

    ・東京都港区の愛宕神社にあるみたい。
    ・ありがたみが
    ・これはネタだよな(笑)マジなら絶対、間違ってる!
    ・お正月に言っていた「お賽銭のクレジット払い」の冗談に、現実味がでてきた
    ・なんともはや…
    ・すごい違和感。でも、小銭の持ち合わせない時とか、べんり!
    ・まじかよ
    ・うわー、やってみたい
    ・こ、これはどうかと
    ・驚いた!!
    ・うちもおこっかな。
    ・御利益の代わりに楽天ポイントが付くってのは無しでお願いしたい。
    ・ご利益あるんですか?
    ・せめて楽天のロゴはやめてほしいな
    ・これじゃ神様が受け取れない
    ・新手のスキミングか?とか疑ってしまいそうw
    ・ありがたみねーなー
    ・ぜひSuicaも!

確かにポイントがつけば今後の需要は高まりそうだ。

バーチャル参拝というのもありがたみ的にどうなのかですが、逆にこの程度は応需してもらえないとコンピューター専門の神様として頼りないと言う考え方もありますかね。
新年と言えばカレンダーも一新する時期ですけれども、いくら何でもこんなカレンダーは嫌だと話題なのがこちらです。

【画像】歯科模型販売店のカレンダーがホラー映画なんかよりも格段に怖いとして話題に(2013年12月12日IRORIO)

歯科治療練習器具を販売するFrasaco USAの2013年版カレンダーが恐ろしすぎるとして話題になっている。

まず注目していただきたいのは、カレンダーのモデルがすべて人の顔を象ったトレーニング用の模型だということ。パカーと開いた大きな口の怖さも去ることながら、まったく表情が伝わってこない手書き(?)の目が、なんとも言えない不気味さを醸し出している。それぞれの月に合わせたシチュエーションも、こんな怖い顔の人たちではまったく楽しそうに見えない…というか、もはやホラー映画のワンシーンでしかない。

なぜこのようなカレンダーをつくったのかその動機は不明だが、こんなものを部屋に飾っていたら悪夢にうなされることは間違いないだろう。

怖いと言ってもしょせん人形じゃないかと言う方は是非とも元記事の画像を参照いただきたいのですけれども、何と言いますか怖いと言うよりもこれは…不気味?
最後に取り上げますのはこちらのびっくりニュースなのですけれども、まずは記事からご覧いただきましょう。

留守番電話に「法王です」、修道女びっくり仰天 スペイン(2014年1月4日AFP)

【1月4日 AFP】スペイン南部コルドバ(Cordoba)に近いルセナ(Lucena)の跣足カルメル会(Barefoot Carmelites)の修道女たちは、先月31日に留守番電話に残されたメッセージを聞いて、死にたくなるほどびっくりした。

 地元のラジオ局が3日に放送したこのメッセージには、含み笑いと「電話を取れないとは修道女たちは何をしているんだろうね?」という言葉に続けて、「フランシスコ(Francis)法王です。新年のあいさつのために電話しました。また後でかけ直してみます。神の祝福がありますように」と言う声が録音されていた。

 労働者が多く暮らす地区にあるこの修道院のアドリアナ(Adriana)院長は地元ラジオ局COPEに対し、ほかの4人の修道女と共に正午の祈りをしていたため電話の音が聞こえなかったと語った。数人の修道女は法王と同じアルゼンチン出身で、法王の古い友人だという。

 院長は、法王のメッセージを聞いたときには「文字通り死にたかった」と述べ、「法王の言葉を書き取って修道女たちに見せました。私たちは祈りの義務を果たしていたのだから、とお互いに言葉を交わしました。法王が私たちを覚えていて下さっているとは思いもよらなかったのです」と続けた。

 院長は必死になってある司教やその他の関係者に電話をかけ、バチカン(Vatican)に電話をかけ直そうとしたがうまくいかなかった。だが、その夜再び法王から電話があり、修道女たちは法王と話をすることができたという。

日本であればまず間違いなくいたずら電話扱いされそうですけれども、噂通りにずいぶんとフランクなお方だと言うのでしょうか、しゃれっ気のある法王様でいらっしゃるのでしょう。
しかし考えてみればその時ちょうど電話に出られる状態であればどうしてもパニックにならないはずもないわけで、これはよい心の準備が出来たと肯定的に捉えておくべきなんでしょうかね?

今日のぐり:「徳島ラーメン 麺王 青江店」

岡山市中心部からやや南に下った幹線道路沿いにあるこちらのお店、結構手広くチェーン展開されている徳島ラーメンのお店なんだそうです。
とある人曰く徳島ラーメンとはすき焼きラーメンなんだそうですが、そんなことを言われるといったいラーメンのどこがすき焼きなのか気になりますよね。
ちなみにこちらトッピングや替え玉も含めて全部食券制なんですが、複数人でバラバラと食券を出してオーダーが判るものなのかと思ったいましたらトッピングは全部小皿に盛って出てくるようで、考えてみるとそれはそうだよなあと言う感じですね。

初回ということもあってごくベーシックな徳島ラーメンの麺のふつう麺で、ネギとメンマを追加して頼んで見ましたが、見た目はごく普通の豚骨醤油系という感じで特にすき焼きらしいところは感じません。
加水率低めの中細麺は頃合いの湯で加減で、この甘辛く煮付けた薄切り肉がすき焼きっぽいのか?と言う気もしますが、スープも同系統の甘辛いものでこれが徳島ラーメンの特徴なんでしょうか、確かにこの甘辛濃厚な(あるいは、ちょっとくどめの)味付けはすき焼きを思わせる雰囲気もありますかね。
ちなみにこの肉を増量して無料サービスされているという生卵をトッピングするとさらにすき焼きっぽくなりそうなんですが、面白いのはこの薄切り肉の他に普通にチャーシューもあるようですね。
肉以外のトッピングの方はネギは個人的にはもうちょっと薄切りがいいかなと言うところですし、メンマもちょっと歯ごたえが抜け気味ですけれども、まあ良くも悪くも強いてどうこうと言うほどの目立ったところは感じません。
しかし最近のラーメンと言うと何かと洗練されて豚骨ベースでも変な癖がないように仕上げているものも多いですけれども、逆にこういう古いスタイルのラーメンも地元以外の人間にとっては目新しさがあるのでしょうね。

意外にと言うのでしょうか、かなり変形した店舗の印象とは裏腹にトイレはかなり広いんですが設備は並と言うところで、こういうお店ですからおしゃれ系装備の需要などはそうそうないのかも知れませんが少し寂しい気はします。
接遇は食券制であることからも予想される通り配膳以外はほぼセルフ並みの水準と言うところで、逆にこういうお店では気を遣わずにいいという考え方もありかも知れませんけれども、ただメニュー表示が実質食券のボタンだけというのはちょっと判りにくいですかね。
またオーダーを通すときのリアクションなどは単に食券を持っていくだけでなくもう少しはっきりしてくれると助かると言うのでしょうか、正直こちらも初めてで勝手が判らないので正しく出来ているか不安を感じないわけではありませんでしたが、チェーン店として考えるとこれまた逆に新鮮な気もします。

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2014年1月11日 (土)

規制強化よりもまずはネットリテラシー向上を

本日の本題に入る前に、受験シーズンが近づいて来ましたけれども、子供のための情報集めだとか自らの悩み相談だとかでこの時期保護者の方々にとってもネット利用の機会が増えると思いますけれども、比較的ネットリテラシーが低いと思われる方々向けにこういう記事が出ていまして、一般のネット利用者にも参考になりそうな部分も多いですので一部なりと紹介しておきましょう。

精神科医が教える「ネット掲示板」との付き合い方(2014年1月4日プレジデントオンライン)より抜粋

受験生の母たちの駆け込み寺である“インターネット掲示板”。受験や勉強の悩みや質問、それに対する回答が集まり、盛り上がっている。その上手な使い方を息子の受験経験者である女性精神科医がアドバイス。
(略)
有効なネット掲示板の利用方法は「自分に必要な情報だけを集めること」。たとえば志望校選びのための中学校の「情報収集」や受験相談だ。学校の評判を聞いたり、「午前午後と2校受験する場合、ランチはどうしている?」などの入試時のちょっとした相談はOKだ。奥田先生の家でも、受験校選びに迷ったときなど受験の情報収集をネット掲示板でしていたという。

ただし、書き込みの中には、ネットの匿名性を利用して偽情報を流す「かく乱ママ」もいる可能性があることを心にとめておきたい。ネットで得た情報はうのみにせず、参考程度に
(略)
「いいコミュニケーションが続く場合はいいのですが、書き込みの言葉に過剰に反応して嫌みや批判が押し寄せる可能性はゼロではありません。表情も声もない文字面だけのやりとりは誤解されやすく、思わぬ攻撃をされることがあります。顔も声も知らない相手からの攻撃は、知っている相手から非難されるよりもストレスは大きい」

トラブル回避の基本は、“つらい”“苦しい”といったネガティブな表現は避け、「~だけど頑張っています」などとポジティブワードで締めくくるか、少しぼかすような表現にしたほうがいい。

もしネット上のやりとりが怪しい雲行きになってきたら、そこから離れること。気になっても見ない。これが鉄則です
(略)
「ネット掲示板を見てポジティブな気持ちになる使い方ならいいです。でも、掲示板のせいで余計なストレスを抱えてエネルギーを費やすのは、もったいない。受験直前ならなおさらです。そのエネルギーはお子さんのために使ったほうがいいですよ」
(略)

ネット利用の大原則はともかく「もしネット上のやりとりが怪しい雲行きになってきたら、そこから離れること。気になっても見ない」でFAだと思いますが、とかく「炎上初心者」ほど雲行きが怪しくなってきたときについつい連投(立て続けにコメントを投稿)して弁解めいたことを口にしてしまい、さらなる揚げ足取りから盛大な炎上につながるというケースがまま見られます。
仮にあなたがある程度ネット上でも知名度のあるコテハン(同じ名前を使って発言を続けている人)で、ある程度気心の知れたネット上の友人などがいるというのであればまだしも多少の援護射撃は期待出来ますけれども、基本的にネットと言う場所は顔も知らずたまたまそこに通りかかった一見さんばかりが第一印象で適当なことを書き捨てていく場という認識を持っていなければいけませんよね。
特に昨今では炎上という現象自体を楽しみにして参加している方々も少なからずいるのですから、余計なことを書けば書くほど炎上させるための燃料投下になるだけだと言う認識を常に持った上で、何かしら雲行きが怪しくなればとりあえずその場を離れほとぼりが冷めるまで放置する、気になっても見ない(いわゆるスルースキル)と言うことが重要です。
某巨大掲示板などは匿名性を原則にしていてコテハン禁止となっているように、基本的にネット上の発言は誰が言ったかよりも何を言ったかを尊重されるべきだと言う大原則がありますから、逆に言えばどんな大ポカめいた発言をしてしまってもしばらくその場を離れてさえいれば発言者は再び匿名性を回復できるということですね。
ただ最近ではSNSのように時系列に沿った発言が一覧できるというケースも増えていますし、万一実名でも出た場合には後々まで検索され過去の黒歴史を掘り出されるのではないか…と言う心配をしている人も多いと言うことなのでしょう、先日はこんな新手の詐欺まで出ていたと記事が出ていました。

ネットの記事削除してやる 現金要求に注意(2013年12月9日佐賀新聞)

 佐賀県内の店に「不祥事のニュースをインターネット上から削除してやる」とかたり、現金を要求する電話がかかっていました。佐賀新聞社に6日、店から相談があり分かりましたが、ネットに載った記事を有料で削除することはありませんので注意してください。

 店によると、電話は11月、記事がネットに載った数日後にかかってきました。「毎月3万円払えば削除してやる」と言ったそうです。この店は「事実だから必要ない」と断りました。

 佐賀新聞のサイトに載る事件や事故の記事は、刑事訴訟法に基づき、逮捕から送検、起訴までの23日間で自動的に削除するよう厳格に運営しています。

 しかし、佐賀新聞とは無関係のページに無断でコピーされ、長期間掲載されるケースもあります。こうしたケースで当事者から削除要請があったら、佐賀新聞社は社会性や公益性が高いかどうかを吟味し、個人や店への不利益の方が大きいと判断した場合は、転載されたサイトに削除要請を出すなどの対応もしています。お金はかかりません。(佐賀新聞社編集局メディア戦略部)

詐欺のネタは世の中に幾らでもあるとはよく聞くところですが、こうした新手の詐欺が登場するというのも今の時代を反映しているということなのでしょうか、とかくこのネット上にいつまでも過去の履歴が残ってしまうという問題は最近たびたび検索サイトとの間で裁判にもなっているほどで、例えば何かしら犯罪行為が報じられるとネット上ではあっと言う間に同一人物の過去の犯罪歴も晒されてしまうというのは珍しいことではありません。
「犯罪行為を犯したのであればそれを晒されるのは仕方のないことではないか?」と言う意見もありますけれども、過去には何ら犯罪行為と関連のない一般人の個人情報等が流出し大問題になったというケースが珍しくないように、何を探すべきかさえ知られてしまえば誰に対しても情報がオープンになってしまうのがネットの怖さですよね。
ややこしいのは過去の炎上したつぶやきなど知られたくない「黒歴史」を一括削除してくれるアプリなんてものも実際に存在しているということで、そうしたことから考えるとこの種のサービスも需要は確実にありそうなだけに実際に存在していそうに思えてしまうのですけれども、今のところネット利用の自由との絡みで検索会社は裁判所命令等ででもなければ履歴の削除には消極的であるようです。

以前にも紹介したネット監視団体の活動のように、いくらネットの監視や規制を行っても利用者はそれをすり抜けるだけで何の意味もないと言うさめた意見もあって、お隣の某ネット規制大国の現状などを見てもそれはその通りなんだろうなと首肯できるのですが、基本的に規制強化という方向性はネットの健全なあり方としてどうなのかですよね。
もちろん悪意をもって利用する人間はネットに限らず一定数いるわけで、トラブルや犯罪行為があったからネットは駄目だと言うのも短絡的過ぎると思いますが、少なくとも健全な目的をもって利用する大多数の一般市民が何かしら不都合な事態に遭遇するリスクをある程度限定的なものにする方策として、一番の基本となるのは「危ない場には近づかない」「危ないことはしない」というネットリテラシーの向上ではないかと言う気がします。
その際にいくら「横断歩道上では歩行者が優先がルールだから」とトラックが猛スピードで突っ込んできているのにいきなり道を渡り始める人間がいないのと同じで、何が正しいかという視点よりも何がリスクを減らすかという現実的な視点に立って対策を講じるべきだし、各人が適切な付き合い方を学ぶことが結果としてネットの自由と利便性を高め維持することにも役立つように思いますね。

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2014年1月10日 (金)

コストをかけずに医療の充実を図る工夫が求められる時代

昨日は朝日から医療費を無駄遣いして歯科が儲けるのはケシカラン!とお叱りをいただいた記事を紹介しましたけれども、本日の本題に入る前に医療費の無駄遣いと言うならこっちの方がよほど問題では?と思ってしまいそうな事例を紹介してみましょう。

大月市立中央病院、黒字化へ常勤医9人増(2014年1月8日山梨日日新聞)

 大月市は、経営再建を目指す市立中央病院の改革プラン2013(2012~19年度)をまとめた。19年度までに、12年度に9人だった常勤医を2倍の18人に増やし、1日平均入院患者数を132人に引き上げるなどして黒字化を目指す。09年度からの3年間の前回プランでは黒字化を掲げたが達成できなかった。市は「新病棟による業務開始や救急医療体制の構築を図り、病院の安定経営を進め、黒字化につなげたい」としている。

 市は09年に総務省の公立病院改革ガイドラインに基づき、09~11年度で市立中央病院の黒字化を目指す改革プランを策定。だが、常勤医不足や整形外科の休診などで、「病院経営の根幹である入院収益が伸びず厳しい経営状況」(担当者)。11年度で黒字化できず、12年度も約1億500万円の赤字となった。

 今回、経営健全化を目指すとともに新病棟建設を含めた病院再生を図るため、新たな改革プランを策定。12年度からの8年間で、前回より期間を延ばした。提携先の東京女子医科大へ医師派遣要請を行い、病院経営の根幹となる常勤医の確保を目指す

 常勤医を16年度に16人、プラン最終年度の19年度に18人に増やすという数値目標を設定。1日平均入院患者数を12年度の78人から132人、同外来患者数を12年度の274人から400人に増やすなどし、19年度での黒字化を目標に掲げる。

 市担当者は「前回は国の指導により3年間で黒字化を目指すプランで、スケジュール的に実現が厳しかった。今回は新病棟建設を踏まえた長期的な取り組みで、実現性を高めたい」としている。

一読して何ともバブリーなと言うのでしょうか、今のご時世に計画通りうまくいったらよほどに僥倖に恵まれていたんだろうなあと感嘆を禁じ得ないだろう話なんですが、注意していただきたいのは全国で多数の病院が赤字経営を続けている、特に田舎公立病院などは赤字垂れ流しで自治体からの補助金で維持されている中で、その経営再建の手法はと言われるとこうした話が出てくるのは珍しくも何ともないということです。
患者さんにアンケートをしてみれば「病院が古くて汚い」と言われるから新しく建て替えよう、医者は多い方が稼ぎも増えるからもっと増やそう、診療科も足りないから新しく開こう…等々、もちろん全国で経営がうまくいっている病院というのは多くの場合は施設も綺麗だし医者も多いのは事実でしょうが、どうも原因と結果を混同し(敢えて意図的に?)取り違えているんじゃないかなと言う気がしてしまいます。
公立病院経営破綻の原因としては過大な設備投資と高い人件費負担が双璧だと言いますが、元々公立病院の病床あたり建設コストは民間病院のそれと比べてはるかに高いと言われるのに、昨今では建設業界の人手不足とコスト高騰もあって各地で公立病院建設業者の公募で辞退が相次ぎ業者が決まらないといったケースが出ているほどですから、今回もよほどに高いコスト支出が見込まれることでしょう。
もちろん公立病院の場合はこうした建設自体が地元への公共投資的な役割も担っているのでしょうし、それはそれで懐が潤うという人間も少なからずいらっしゃるのでしょうけれども、病院黒字化を少なくとも表向きの目標に掲げている以上はもう少し現実的に足下を見た計画を立てられた方が良かったんじゃないかという気がします。

医療と言えば長年拡大路線が続いてきたことは医療費の伸びからも明らかなことで、それもあって何かと言えばスタッフを集め経営規模を拡大し…式のやり方が正義であるかのように言われていますけれども、皆保険制度を堅持した上で医療費総額は抑制するという大枠が財政上の要請からも確定的なものとなっている現状で、こうした規模拡大による利益の確保という考え方がいつまでもうまくいく道理はないですよね。
それではどのようなビジネスモデルが時代にあっているのかと言うことですが、もともと公立病院の場合は経営効率という点でどうしても民間病院にかなわないところがあることから、昨今では民間で対応出来ないが地域にどうしても必要だという部門だけに資源を集中したりだとか、都市部であればいっそ公立病院は廃止するという選択をするケースも見られるようになってきました。
スポンサーである市民様の意向が届きやすい公立病院の存在は行政にとって大きな売りにはなるのでしょうが、では地域の医療福祉の向上は大赤字を垂れ流してでも立派な公立病院を維持していかなければ達成出来ないのかと言うとそんなことはなくて、お金をかけずに知恵をかけることでサービスの質を向上しているケースが見られるのは注目に値することだと思いますね。
先日非常に興味深く拝見したのがこちら八王子市の高齢者救急搬送の取り組みなんですが、全国どこでも高齢者救急と言えば引受先を見つけるのに大変な苦労をしている中で、八王子市ではお金をかけるのではなく知恵と工夫をこらすことで成果を上げているそうです。

高齢者救急で成果上げる八王子市 「八高連」の何がすごいのか?(2014年1月9日日経メディカル)より抜粋

(略)
慢性病院や介護施設も巻き込んだ高齢者救急対策

 八王子市は、人口約56万人のうち約13万人が高齢者。年間救急搬送数2万4000件のうち、高齢者の救急搬送数は約半数に上り、近年は搬送先の選定が困難な事例が目立つようになっていた。

 「市民も巻き込んだ市全体での対策が必要だ」――。八王子市の2次救急病院である清智会記念病院理事長の横山隆捷氏は11年、同様の問題意識を持っていた当時の八王子消防署長とともに、高齢者救急に特化した「八王子市高齢者救急医療体制広域連絡会(八高連)」を発足させた。横山氏は、市や区、消防署などの単位で設けられる八王子市救急業務連絡協議会の会長を務める。同協議会は、救急業務の適正化、円滑化のため、救急医療機関と消防署が地域の救急医療について話し合う組織であり、八高連はその下部組織という位置づけだ。

 もっとも医療界において、関係者の連携をうたうこの手の試みは珍しくない。八高連が異色だったのは、救急医療に直接かかわる医療機関だけでなく、慢性期医療や精神医療を担う医療機関の他、あらゆる関係者を集めたことだ。

 町会・自治会の代表者に加え、市の救急業務連絡協議会の会員でもある医療機関の院長、3次救急を担う大学病院のセンター長、介護・医療療養型病院の院長、介護施設の関連団体のトップ、精神病院の院長、介護保険の関連事業者、地域包括支援センター長、市の医師会長、市職員など、八高連には15団体、延べ147機関が名を連ねる。この理由について横山氏は、「急性期病院は在院日数を短縮しなければならず、慢性期病院にも空き病床はない。介護施設との連携まで含め、高齢者の救急医療は1カ所の医療機関では解決できない状況になっている」と説明する。

救急医療情報のフォーマットを作成

 八高連は11年、分科会も含めて年間27回の会議を開催し、2ページ建ての「救急医療情報」を作成した(写真1)。市内の高齢者に、既往歴や服用薬、かかりつけの医療機関、緊急連絡先などをあらかじめ記入してもらい、玄関や冷蔵庫など救急隊の目の付くところに張ってもらえば、万一の救急要請時に、救急病院に従来よりスムーズに受け入れてもらえる可能性がある。

 加えて「もしもの時に医師に伝えたい事があればチェックしてください」という項目に、「できるだけ救命、延命をしてほしい」「苦痛をやわらげる処置なら希望する」「なるべく自然な状態で見守ってほしい」との選択肢を設け、やんわりとした表現で終末期医療に関する事前指示の項目を設けた。任意ではあるものの、患者や家族に終末期医療について考えてもらうきっかけになることを期待している。
(略)

2012年4月から本格稼働しているというこのシステム、市民らに実に30万枚にも上る救急医療情報の用紙を配布し記入してもらったそうで、施設入居者などは全員に記入を求めているというケースも少なくないそうですが、単純に救急搬送時間の変化を見ても現場到着後出発までの平均時間が21分24秒から20分10秒へ、病院到着後の医師への引き継ぎ時間も11分21秒から9分8秒に短縮したと言います。
それ以上に現場で好評だと言うのが心肺蘇生など「どこまでやればいいか?」があらかじめ判明していることで当事者も望んでいない救命救急処置を行わずに済むということで、ご存知のように人工呼吸器などはいったん付けてしまうと外すというのもなかなかに難しいものがありますから、医療リソースの効率的活用と終末期に関わる本人意志の尊重の両面から望ましい結果であると言えそうですよね。
また副次的な効果として今まで救急など受けていなかった慢性期施設なども救急を受けるということが出てくるようになった、そして三次救急への搬送が減り結果としてより多くの本当の救急患者が受けられるという望ましい現象が見られたと言うのですが、全国的にそうあってもらいたいと考えられている医療業務分担ということが意外なところから達成されているというのは非常に興味深いことではないかと思います。

(略)
 救急医療情報の活用により、患者や家族が望まない不要な搬送が避けられる事例も出てきた。12年12月、施設に入所し、呼吸困難に陥って救急要請があった100歳代女性の心不全患者は、患者は救急隊の到着時に心肺停止していたが、救急医療情報などを基に、本人も家族も高度医療を希望しないことが確認された。そこで患者は、3次救急医療機関ではなく、本人や家族の希望でかかりつけの病院へ搬送された。13年2月には、施設に入所していた90歳代女性患者が意識を消失し、施設が救急要請。本人も家族も高度医療を希望しないという事前の情報に基づいて、救急隊が往診医に連絡を取り、施設で死亡確認が行われたケースもある。

東京医大八王子医療センターの新井隆男氏は「高齢者の救急医療において、搬送前に一度、かかりつけの医療機関に判断を仰ぐステップを踏むことが重要だ」と話す。

 救急要請があれば、救急隊は患者を救急病院へ搬送するのが基本。ただ、救急隊が救急医療情報に記されたかかりつけの医療機関に一度連絡を取ることで、『じゃあうちに連れてきて』となるケースも出てくる。3次救急を担う東京医大八王子医療センター救命救急センター長の新井隆男氏は、「積極的な治療を希望するかどうかにかかわらず、バイタルサインと意識レベルだけで判断すると、高齢患者は3次救急へ搬送することになるケースが多い。しかし、かかりつけの医療機関に判断を仰ぐことで、個々の患者に合った対応が可能になる」と話す。

 その結果として、3次救急医療機関の応需率が高まる効果も確認されている。東京医大八王子医療センター救命救急センターが、救急隊から要請を受けた患者を収容できた応需率は、10年度の80%から、11年度には87%、12年度には89%へと向上した。新井氏は「正確には調べてみないと分からないが、心肺停止で見つかり、介護施設などから死亡確認のためだけに運ばれてくるような患者の数は減ったような気がする」と口にする。

療養型医療機関も奮闘

 これらの成果が出た背景には、従来は患者を受けていなかった医療機関が、高齢患者を受け入れるようになったという事情もある。救急医療を手掛けていない療養型医療機関が65歳以上の救急患者を受け入れた件数は、10年度は237件、11年度は261件にとどまっていたものの、12年度には335件に伸びた(図1)。特に、夜間の受け入れ件数は12年度に102件に増えていた。2次救急病院や診療所を含む慢性期医療機関が65歳以上の高齢者救急を受け入れた総件数に占める、療養型医療機関が受け入れた割合も、昼間と夜間のいずれでも伸びている

 高齢患者を受け入れているのは、救急告示していないものの、救急要請された高齢患者を長年診ていたり、直前まで入院させていた医療機関と見られている。「慢性期病院にも救急車が入るようになったのは、予想外の効果。正直、驚いた」と横山氏は話す。退院後の行き先となる医療機関まで巻き込んだ八高連の取り組みが実を結んだと言えるだろう。
(略)

特に驚くと同時に注目していただきたいのはこれだけのシステムを構築するのに直接的な新規投資がほとんど行われていないという点なんですが、もちろんこうした劇的な効果が見られた背景には、県域内のあらゆる施設が一同に集まって実際に顔合わせをし何度も意見交換をするという多大な手間ひまがかかっているというのも事実であって、その意味では(実際に金を出すかどうかは別にして)人件費はかかってるはずじゃないかとは言えますよね。
しかし従来救急受け入れが難しい、大至急対策を講じなければといった話になると自治体がお金を出して三次救急にベッドを確保しようだとか、同じく大金を投じてER型救急センターを整備しようだとかハコモノ重視で話が進んでいたところがあったことは否めず、施設間の連携を強化すると共に患者側に事前の意志確認を行うという一手間を加えることで直接的な支出を増やさずにこれだけの効果が出るものなんだなと改めて気付かされます。
三次救急など基幹施設ではベッドが足りず救急も断らないといけない一方で、町の中小病院などは空きベッドをどうにかして埋めなければ経営が成り立たないと腐心してきたと言うアンバランスがあった訳ですが、事前の患者意志確認や施設間の意志統一といった下ごしらえを入念に行うことで、関係者それぞれにとっても望ましい結果がもたらされたということですね。

特に八王子市の場合は各施設の人間が直接顔を合わせることで夜間のスタッフの勤務態勢などお互いに知らなかった各施設の実情までも知ることで互いに何が出来、何が出来ないかと言うことが実感として判ったことがこうした結果につながったと言いますが、やはり医療とはマンパワー集約型産業の典型である以上お互いの顔が見えてこなければ信頼関係の構築は難しいということでしょうか。
療養型などではいわゆる救急告示などとても出来ないと言う状況であっても、かかりつけ患者の死亡宣告くらいならもちろん出来るはずで、その意味で今まで制度に従って画一的に救急指定かどうかで判断されていた搬送が、実際に救急隊からも各施設の顔が見えるようになったことでより適切な振り分けがなされるようになったと言えそうです。
こうした実例を見たあとでは冒頭の大月市のケースでも「病院経営の根幹である入院収益が伸びず厳しい経営状況」などと簡単に言っていますけれども、それでは病床稼働率を上げるためにどれだけ知恵を絞り工夫を凝らしてきたかと考えると結局自分達のロジックでしか考えていないという点で、どうしても疑問符が盛大につくと言わざるを得ないでしょうね。

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2014年1月 9日 (木)

朝日がまたも医療の無駄遣いをスクープ?!

朝日新聞と言えば昨夏には施設入居者の往診に絡んだ「高齢患者紹介ビジネス」をすっぱ抜いたことで話題になりましたが、先日はまた新たなネタを見つけたようでこんな記事が出ていました。

歯科医院でもポイント還元 患者集め?規制に二の足(2014年1月7日朝日新聞)

 歯科医院で治療を受けると、商品券などと交換できるポイントがもらえるしくみが広がっている。国民の医療費が、治療とは直接関係ない患者集めに使われている可能性がある。患者にポイントを与えることで実質的な値引き競争につながり、全国で一律であるはずの医療の価格に差ができ、質の格差も生まれかねない。厚生労働省も、対策を慎重に検討している。

 歯科ポイントのしくみは、東京都渋谷区の歯科コンサルタント会社が2006年から運営を始めた。同社によると、全国約6万9千ある歯科医院のうち、加盟しているのは約400。加盟医院で治療を受けた患者は、同社のウェブサイト上で治療や設備の満足度について6問のアンケートに答え、歯科医院の口コミを書き込むと、治療内容によって100円~1万円相当のポイントをもらえる

 ポイントの付け方は、歯科医院に任せられているため、患者の勧誘に活用できる。1回の治療で100ポイントをつける医院が多く、初診時や検診1回につき500ポイント、患者を紹介すると1千ポイントをもらえる医院もある。500ポイントたまると1ポイント1円として、商品券や電子マネーに交換できる

 「1万ポイント=1万3千円」などと、歯科医院は運営会社からポイントを事前に買い取る。または患者が口コミをした後、例えば100ポイントにつき300円を支払う方法もある。いずれも保険料や税金からなる診療報酬が使われているが、歯科医院は支払った金額を取り戻すために不必要な治療をして医療費の無駄につながる恐れが指摘されている

しかしウェブでの書き込みにポイントを出すというのが何とも今の時代だなと思うのですが、歯科の場合とかく近年急速に進むワープア化が話題になっているところですから、何としてでもあの手この手で集客を図らないことには経営が立ちゆかないということは容易に想像出来るところですよね。
歯科がどの程度儲からないかという資料は色々とあるようですが、比較的判りやすいと感じたのがこちらで考察されている歯科医療の国際比較なんですが、医科と同様にやはり患者の過剰通院が目立つ(受診回数が多い)ことと並んで特徴的なのが、治療費そのものが諸外国と比べて極端に安い(診療報酬+窓口負担との比較で1/8、3割の窓口負担では1/25~1/30)ことです。
要するに医科においても同様の傾向が指摘されているように公定価格で全国一律に定められた日本の医療費の「定価」は極めて安い、その結果まともに経営を回そうと思えば現場は薄利多売に走らざるを得ず、諸外国よりも圧倒的に多い患者数を捌かなければ潰れるしかないということですが、医科のようにその結果現場の過重労働から逃散だ、医療崩壊だと言われるようになるのでは何のことやらですよね。
歯科の場合は近年の歯科医大量養成政策によって歯学部の定員が埋まらないほど過剰な供給が行われた結果ワープア化が進んだと言われますが、注意いただきたいのはそれでも諸外国と比較して歯科医師数が別に多い訳ではないということで、それはこれだけ客単価が低く薄利多売を強いられているのに患者数が諸外国並みでは経営が成立しないのは当然だと理解出来るところです。

歯科医の場合は保険外診療も多いんじゃないか?と言う人もいるでしょうが、歯科の自費診療率は平均的に1割強と言ったところで実際にはあまり高いものではなく、もちろん様々な手法を用いて患者をより多く自費診療に誘導し安定的な経営を行っている歯科クリニックも少なからずあるでしょうが、全体的に見ると伸び続ける医療費総額に対して歯科医療費はすでに久しく以前から横ばいになってきています。
要するに歯科とはすでに成熟市場であって、医師の判断によって医療が行われる医科と違って患者側たる国民の判断でコスト的に妥当な範囲内で行われるものとなっていると言えますけれども、歯科医療費総額が伸びていないのですから稼ぎの中でサービスを付加するほど個々の歯科医が身銭を切るだけで、国民は得をすることはあっても損をすることにはならない理屈ですよね。
ところが朝日が嬉々として報じたこの医療費の無駄遣いにつながる大問題(苦笑)にさっそく厚労省が飛びついたというのですから、これは何かしら裏の意味・意図が隠されているんじゃないかと気になってきます。

歯科医院のポイント導入を調査へ、厚労相- 「禁止事項に該当するか、理屈を 整理」(2014年1月7日CBニュース)

 田村憲久厚生労働相は7日、一部の歯科医院で、治療を受けた患者がウェブ上 で口コミを書き込むと、商品券などと交換できるポイントがもらえる仕組みが導 入されているとの一部報道に関連して、こうした仕組みが省令の禁止事項に該当 するかどうか調査する考えを示した。保険医療機関のポイント付与については過 去に、保険調剤の一部負担金を患者が支払う際にポイントを与えるサービスが、 調剤料や薬価などの公定価格に付加価値を付与することに当たるなどとして問題 化したため、厚労省は省令を改正し、原則禁止とした経緯がある。【丸山紀一朗】

 田村厚労相はこの日の閣議後の記者会見で、歯科ポイントについては報道で把 握したと説明した上で、「(この事例が省令の禁止事項に)該当するかどうか分 からないので、しっかり調査していきたい」と述べた。さらに、「(何が禁止な のか)理屈をきちんと整理しなければ、新しい技術やサービスが出てきたとき に、どれが良いのか悪いのかという問題にもつながっていく」と話し、今回の ケースを含めて、今後改めて対応を考えるとした。

 調剤ポイントをめぐり、同省は2012年10月1日に省令を改正し、保険医療機関 が、値引きなどの経済上の利益を患者に提供して、診療を受けるように誘引する ことを禁じた。これにより、調剤薬局を含めた保険医療機関のポイント付与が原 則禁止となる一方で、クレジットカードや一定の汎用性のある電子マネーでの支 払いで生じるポイント付与は事実上、容認していた。

CBニュースの記事では「一部報道」云々に関してはあまり詳しいことを書いていませんけれども、想像するに朝日が自らのすっぱ抜き記事をソースに厚労相にコメントを求めた、これに対してよく事情を承知していない厚労相が一般論的なコメントを出したといった形なのではないかと思われ、今後官僚などを交えて検討した結果がどうなるかは現段階では何とも言い難いと思われます。
ただこれまた一般論として考えてみれば、医療費抑制がこれだけ言われている中でこの上どこが削れるかということを国としては鵜の目鷹の目で探しているわけですから、「そんなポイント付加出来るほど儲けが出てるのであればもっと診療報酬も削れるよね」と難癖を付ける格好のネタが見つかった形だと言えなくもありません。
時期的に見ると今春の診療報酬改定には直ちに反映されるようなものではないのでしょうが、今後こうした歯科の「営利主義」に対して何らかのペナルティが検討されていくようなことになるとすれば、歯科経営はますます厳しくなることはあっても競争が減って楽になるということは考えにくいのかなと言う気がします。
その結果国民の利益につながるのかどうかですけれども、例えば診療報酬が切り下げられれば一見患者支払いが減って良いように思えますが、すでに歯科は成熟市場である以上保険診療分が安くなればその分を保険外に回せるというだけで、案外歯科医療に費やす国民の支出はさしたる変化がないように予想しますがどうでしょうかね?

こうした記事を見て個人的に思うことですが、医療機関においては以前からクレジットカード決済が何故出来ないのか?と言う疑問が多くの患者から寄せられていて、何しろ入院などとなればそれなりの金額を支払わなければならない(かつ、医療機関ではあらかじめ見積もりを出すことが一般的ではないため支払い金額がその時にならないと判らないことも多い)のに現金一括のみと言うのは単純に不便ですよね。
もちろん最近は大病院を中心にしてカード払い可と言うケースも増えては来ましたけれども、何故そういうことになっているのかと言えば根本的にはカード会社に支払う手数料分ほどの利益が出ないからというのも大きな理由だと思われ、一般企業に比べて総じて利益率が低くそもそも病院の1/3は赤字である(それでも経営を続けているのも面白いところですが)ということが運営上の自由度を大きく束縛していそうですね。
マスコミなどは何かと病院の画一的な対応に批判的で、もっと個々の患者それぞれの要望に沿った医療をしろなどと気楽に言いますけれども、薄利多売のファーストフード店と高い料金を取る高級レストランでどちらが顧客それぞれに対応した懇切丁寧な接遇を行えるかと考えると答えは明らかで、要するに効率第一主義を否定するならそれ相応の遊びやゆとりが確保出来る程度には儲けがなければならないということです。
儲けた結果がろくでもないことにばかり使われるのであればこれまた多大な公金を投じている産業としてどうなのかですが、基本的にワーカホリックの多い医師という人種は仕事と趣味とを混同しているような輩が少なからずですから、「保険診療の儲けをこんなことに使ってけしからん!」とお叱りを受けるようなことには案外ならないんじゃないかと言う気がしますけれどもね。

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2014年1月 8日 (水)

社会と医学の関わり方 最近の生殖医療の話題に絡めて

生涯未婚率が年々上昇し、今や男性の5人の1人が一生結婚することなく終わる時代だと言いますが、結婚しないというケースと結婚できないというケースが混在しているということがいささか対策を難しくしているようにも思いますね。
当然ながら男ばかりが未婚で終わるというものでもなく女性も同様な状況にあるわけですが、こちらはどちらかと言うと結婚できない比率が高いということなのでしょうか、最近では未婚女性を対象に「将来に備えて」の卵子凍結保存というものが注目されつつあるのはすでにお伝えした通りです。
基本的に産婦人科学会などは卵子凍結保存は医療ではないというスタンスであるようですが、実際のところこうした生殖医療に関しては単に医学的と言うに留まらない社会的側面が絡んでくるものであって、先頃ガイドラインを発表した生殖医学会も医学的適応と社会的適応に分けてこれを示しています。
この社会的適応という部分がなかなか難しいもので、要するに単純に科学的知見に基づくものではなく各人の主観が入る余地も大きくなるだけに、とりわけ利用者側の強い要望でどこまでガイドラインからの逸脱が許容されるかということも問われるわけですが、実際のインフォームドコンセントの様子を日経メディカルの記事から引用してみましょう。

動き出した未婚女性の卵子凍結保存(2013年12月24日日経メディカル)より抜粋

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 生殖工学の研究開発や卵子凍結事業を手がけるリプロサポートメディカルリサーチセンター(東京都新宿区)は、以前から医学的適用の卵子凍結を主に行っていたが、13年5月に社会的適用の卵子凍結も行うようになった。
 同センターでは、卵子凍結に興味を持つ女性を集めた少人数制のセミナーを開催。その後、利用希望者には個別にカウンセリングを実施して、最終的に利用するかどうか判断してもらっている。

 13年12月某日に開かれたセミナーには、20代後半から30代後半の女性約10人が集まった。セミナーでは、同センター附属リプロセルフバンク所長で生殖工学博士の香川則子氏が、卵子凍結保存を「高齢不妊予防医療」として紹介。自然妊娠だけでなく、体外受精の成功率も年齢とともに低下することを説明した(図1)。さらに、卵子の「老化」により、染色体異常発生率や流産率が上昇することなどを解説した。
 一方で、採卵に伴うリスクや合併症の発生頻度、卵子を凍結しても高齢出産自体のリスクはなくならないことなどにも言及し、卵子を凍結すれば全てが解決するわけではない点も強調(表2)。セミナーは1時間半にも及んだ。
 「社会的適用の卵子凍結を推奨しているわけではない。卵子の老化や高齢出産に関する正しい情報を理解した上で、それでも今は卵子を凍結しておきたい、という女性に限って実施している」と同センター代表の桑山正成氏は語る。卵子凍結のセミナー受講後、カウンセリングを受けるのは3~4割程度で、カウンセリングまで進んだ人の多くは凍結保存の利用を決めるという。
(略)
50歳を過ぎても諦めきれず…

 メリットやリスクの他、インフォームド・コンセントの際の重要な説明事項となるのが、凍結卵子の保管や破棄に関するルールだ。諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)では、02年から11年まで、社会的適用の卵凍結を実施していたが、今は医学的適用の卵子凍結のみ受け付けている。実施をやめた理由の1つが、保管責任の問題だ。
「一施設で卵子保管を行う場合、保管責任に関するトラブルが起こりかねない」と語る諏訪マタニティークリニックの根津八紘氏。
 同クリニック院長の根津八紘氏は、「災害や営業停止などで施設が存続できなくなるリスクのほか、保管期間が過ぎた場合に諦められない女性が多いという問題がある」と話す。根津氏は当時、50歳までという保管上限年齢を定め、利用者からも事前に廃棄に関する同意を得ていた(13年1月より保管上限年齢を46歳未満に変更)。しかし現実には、50歳を過ぎても保管の継続を望む利用者が多く、対応が難しかったケースもあったという。
 この問題は、医学的適用による凍結保存でも生じ得るが、「社会的適用で卵子凍結を希望する女性は、自分の身体や体外受精に関する理解が高くないケースが多かったため、しっかりとした説明がなされなければ、より問題が起こりやすいのではないか」と懸念する。
 それだけに、より細かな説明によって医療行為への認識を持たせる必要があると同時に、破棄の手続きを詳細に定めるなどトラブル回避の手段を講じておくことは欠かせない。根津氏は、「民間医療機関が単独でリスクを負うことを避ける手段として、日本血液製剤機構のような公的な性格を持つ機関が保管する仕組みを考えていく必要があるのではないか」と提案する。
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何しろ昨今では著名人による超高齢出産のニュースも珍しくないだけに、保管期間が50歳までと言われても「お金を出すから保管してください!」と言いたくなる心理も判りますけれども、やはり医学的には妊娠確率は下がる一方であるのに対してリスクは増え続けるわけですから、正直こうした難しいお産を扱う産科医の側からすれば「いい加減にしてくれ」と言いたくなる限度と言うものもあるのかも知れません。
社会的適応のガイドラインを見ても判る通り、医学的知見をバックグラウンドにしているとは言え基本的に合意に基づく契約行為ですから双方の同意がなければ話が進まないのですが、説明をいくらしても納得いただけない場合に契約の文面に基づいて機械的に推し進めるべきなのかどうか、そもそもそうしたトラブルが予想されるケースでは最初から契約を結ばないということも10年単位の期間が絡むことでは難しいのでしょう。
最終的には高齢者に対する積極的医療はどこまで行われるべきかという問題と同様に、社会の側がどこまで高齢妊娠への挑戦に許容的になれるかという「世論」が利用者の個人的感覚を掣肘していくことになるのだと思いますが、原則個人の主観的判断に依存してきた生殖医療の行方を社会の側が左右するものとしてもう一つ興味深い話が出ていましたのであわせて紹介してみましょう。

体外受精、事実婚カップルに拡大…日産婦方針(2014年1月6日読売新聞)

 不妊治療で広く行われる体外受精について、産婦人科医らで作る日本産科婦人科学会(日産婦)は、「結婚した夫婦に限る」としていた条件を外し、対象を事実婚カップルに広げる方針を固めた

 昨年12月の民法改正で、結婚していない男女間に生まれた子(婚外子)に対する法律上の差別が撤廃されたことが理由だ。国も不妊治療の公費助成の対象を事実婚カップルに拡大することを検討する。

 対象拡大は、すでに日産婦理事会での了承を得ており、6月の総会で決定する。

 日産婦は、体外受精や受精卵の母胎への移植について「会告」の形で医師が守る自主ルールを策定。体外受精を結婚した夫婦に限定した規定は、国内で初の体外受精児が生まれた1983年に定めた。民法は、婚外子の遺産相続分について、結婚した夫婦の子どもである嫡出子の半分と規定していたため、生まれてくる婚外子の不利益に配慮した。

 しかし最高裁は昨年9月、家族形態の多様化や国民の意識の変化などを踏まえ、民法の規定を違憲と判断。これを受け、婚外子への遺産相続分を嫡出子と平等にする改正民法が、同年12月に国会で成立し、体外受精の対象を区別する必要性がなくなった

記事のグラフにもあるように近年この体外受精によって産まれた児も急増し今や年間3万人を超えると言いますから、この少子化の時代にあって決して例外的少数派とは言えなくなってきているわけですが、それが先日これまた大きな話題になった婚外子問題とこうした形で絡んでくるとは正直予想していませんでした。
ただ法的に明確な基準のある夫婦関係と異なって、事実婚とは当事者同士がそうと主張すれば客観的に事実婚状態なのかどうかを検証することはなかなかに難しいでしょうから、例えば最初から結婚する意志を持たないシングルマザー希望者であるとか、あるいは同性婚を希望する方々にとっては言葉は悪いですが何らかの偽装に基づいてそれを行うということも行いやすくはなってくるでしょうね。
医療が社会的背景によって変化を強いられるのも何かと面倒な問題を生むものですし、医療の進歩によって社会的背景そのものが変わっていくことも興味深い現象で、あの手この手を駆使して超高齢出産に成功した!なんてニュースがこれほど世間を賑わせることがなければ、そもそも凍結卵氏を50歳まで保存しようなんて発想自体が出てこなかったかも知れません。
久しく以前から「いずれどこかの誰かが”私はクローン人間です”と告白して社会に爆弾を投下することになるぞ」と噂されていますけれども、案外クローン人間なども許容すべきかどうかと言う話は冷静な科学的・倫理的な議論の積み重ねではなく、「クローン人間だからと言って差別してはいけない」という既成事実化や判例の積み重ねによってあっさり決まってしまうんじゃないかと、そんなことも考えてしまいますね。

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2014年1月 7日 (火)

季節性に高まるあのリスク

毎年この時期になると風物詩のようにと言うべきでしょうか、あの「とんでもなく危険な食品」の話題が出てくる季節になりました。

餅を詰まらせ…三が日で19人搬送 東京(2014年1月4日日テレニュース24)

 正月の三が日で、東京都内で19人が餅をのどに詰まらせて病院に搬送されていたことがわかった。一時、心肺停止になった人もいたということで、東京消防庁が注意を呼びかけている。

 東京消防庁によると、元日から3日までの3日間で、東京都内で餅をのどに詰まらせて、19歳から94歳までの19人が病院に搬送されたという。このうち17人が60歳以上で、中には、餅をのどに詰まらせて意識を失い、一時的に心肺停止になった女性もいたという。

 東京消防庁は、餅を食べる際は小さく切ってゆっくりとかむなど、注意を呼びかけている。

正月 餅は小さく切って食べて(2013年12月31日NHK)

毎年、正月三が日に餅をのどに詰まらせて病院に運ばれる人が相次ぐことから、東京消防庁は餅を小さく切って食べたり、もし詰まらせた場合は背中をたたいて吐き出させたりするよう呼びかけています。

東京消防庁によりますと、平成21年からことしまでの5年間の正月三が日に、都内で餅をのどに詰まらせて病院に運ばれた人は131人に上り、このうち12人が死亡しています。
ことしの元旦には、品川区の68歳の男性が自宅で雑煮を食べた際、餅をのどに詰まらせて搬送先の病院で死亡するなど、高齢者が搬送された人の93%を占めていて、東京消防庁は特に注意が必要だとしています。
具体的には餅は小さく切ってよくかんで食べ、もし、のどに詰まらせた場合は意識があるかどうかを周りの人が確かめたうえで、反応があれば、あごを支えてうつむかせ、背中を強くたたいて吐き出させるなどの対応をとるようホームページなどで呼びかけています。東京消防庁は「今回の年末年始は休日も長く、餅を食べる機会が増えることも考えられるので十分、注意して欲しい」と話しています。

一部には本邦最強の合法的老人安楽死装置などと嫌なことを言う人もあるようですけれども、記事に見られるように若年者であっても決して油断できないという側面がありますからくれぐれも用心いただきたいと思いますね。
ところで最近ではこの餅というものが海外でも少しずつ知られるようになっていて、基本的に欧米人はこの種のgummyな食べ物は苦手だと言いますけれどもアジア圏では餅文化がある地域も多いですし、餅つきという行為そのものへの伝統文化的な側面からの着目であるとかアニメや漫画で登場する食べ物に対する素朴な興味といった面から一度食べて見たいという声もあるようです。
一方で毎年この時期にこうした報道が続くことからも、餅とはとんでもなく危険な食べ物であるという認識も知られるようになってきたようですが、このあたりは実際のコメントを見る限りふぐに対する「何も好きこのんでそんな危ないものを食べなくても…」という認識と幾らか似通った側面もあるように思います。

“本当に危険なの?” お餅の窒息事故報道に対する海外の反応(2014年1月5日NewSphere)

 新年に日本全国で食べられる伝統食「お餅」。お雑煮やおしるこに入れるもよし、シンプルに砂糖醤油を付けて食べるもよし――様々な食べ方で愛されているお餅だが、毎年高齢者を中心に、のどに詰まらせる窒息事故が多発することは周知の事実である。2013年12月30日、英ガーディアン紙は、日本におけるお餅による窒息事故の現状と、その予防策となり得る「安全なお餅」が開発されたことを報じた。

【お餅の窒息事故には、テクノロジーで対抗?】
 ガーディアン紙は『日本、テクノロジーで餅による死の落とし穴に対抗』と題した記事にて、餅による窒息事故を減らすべく、高齢者が安心して食べることができる歯切れのいい餅が開発された、と報じた。開発者は、大阪に本社を置く株式会社ふくなおのメディカルフーズ事業部。同社によれば、この商品には、餅本来の弾力を保ちつつも、粘着性を弱める酵素が含まれているそうだ。同社は試食モニターなどを通じ、消費者からの好感触を得ているという。

 記事ではほかにも、日本の餅関連のデータを紹介。2011年には、餅をのどに詰まらせ全国で8人が死亡し、18人が病院へ搬送された。また、2010年に実施された、内閣府の食品安全委員会による食品健康影響評価によれば、餅は窒息事故頻度が最も高い食べ物であり、餅の窒息事故の被害者の80%以上が高齢者である、とのデータも引用。日本人の餅の年間平均消費量の約1キロで、そのほとんどが1月の第1週に消費されるとも報じており、窒息事故が新年に集中する現状を裏付けしている。

 同記事へのコメント欄は、お餅が好きだという声や、お餅の食べにくさに共感する声が多数集まった。しかし中には、“これって、イギリスメディアに典型的な誇大報道なの?それとも本当にお餅って危険なの?”と報道の真偽を疑問視する声も見られた。

 また、“単純に、ちょっとずつ食べればいいんじゃない、って思いついた人はいないの?”との発言には、“きっと餅を食べたことがないんだろうけど、ちょっとずつかじるのに適した食べ物とは言いがたいんだよ”と、日本通と思われる他のユーザーがいさめる場面もみられた。

【“雪見だいふく”ヒットを機に、海外にも浸透】
 日本の伝統的な食べ物であるお餅は、北米を始めとする海外でも浸透してきている。アメリカ合衆国のハワイ、サクラメント、リヴィンストン等多数の地域で餅つきイベントが日系人を中心に毎年行われており、日本の伝統行事として餅つきが受け継がれている。ロッテ「雪見だいふく」の類似品が現地メーカーより販売され、これらの商品がヒットしたこともある。一般的に「モチ・アイスクリーム」と呼ばれるこれらの商品のおかけで、日本の「お餅」は日系人以外にも広く認知される食べものとなったようだ。

餅という食品の危険性に関して言えば、もちろん咀嚼や嚥下の能力が劣っている高齢者にとっては危ないのは確かで、小さく切っておくだとかよく噛んで唾液と混合する、あるいはそもそも一人で食べないといったことが言われていますけれども、そもそも危険であることが判りきっている食品を食べさせることがどこまで許容されるのかと言うことが近年たびたび議論されるようになりました。
その一因として数年前にこんにゃくゼリーを間違った食べ方をした結果死亡事故が相次いだ際に「こんな危険な食べ物は規制しなければならない!」と強く主張する方々が一部にいらっしゃったと言うことが挙げられますが、その当時に当「ぐり研」でも紹介しましたように危険かどうかで言えば餅の方がはるかに危険な食べ物であるという客観データは出ているわけですね。
「餅は正月に消費が集中するのでそのように見えるだけでは」「もともと消費量が多いのだから単純に事故件数だけで比較出来ない」という声もありますが、そうした母数の差を勘案した食品安全委員会の検証においても餅の危険性はこんにゃくゼリーを始めとする他の食品を圧して圧倒的に高い(逆にこんにゃくゼリーの危険率はパンなどと同レベルで高くない)と言うことが示されています。
では何故そんな危険な餅が未だに野放しで放置されているかと言えば、まさに「餅は危険な食べ物だと社会的に認知されている」からであって、餅で死んだらあきらめがつくがこんにゃくゼリーだとあきらめきれないという世の認識の問題だと言えそうですよね。

ただ餅の危険性に対する別な考え方もあって、現実的に餅で亡くなる方というのはせいぜい年間数人~十数人のレベルである一方で、アメリカでは食中毒による死者(罹患者、ではなく)が年間5000人にも上るというびっくりするようなCDCの統計もあって、せいぜい数人程度に収まっている日本からすれば統計手法の差を考慮しても「アメリカ人は何故こんな危険な状況を野放しにしているんだ」という話になりかねません。
他方で中国ではいわゆる毒食品問題がたびたび大騒ぎになっていて、富裕層は国産食材には手を出さなくなったなどと言う話もあるくらいですが、そうした場合にこれは危ない、あれは危ないと個別規制することにさほどの意味があるのかで、トータルで見ての食品安全性ということに対する管理が必要になるはずです。
逆に言えば他食品に比較しての特定食品に対する相対的危険性の評価というのは判りやすいしもちろん重要ではありますけれども、絶対的なリスクとしておおむね許容できる範囲内であれば「でもあの食品と比べれば危険だよね?」と言うのも重箱の隅突きと言うもので、せいぜい年間数人程度の限定的なリスクであれば自己責任の範疇ではないか?という意見は、特に餅のような伝統的食品については根強いものがあります。

もともと新年のこの時期と言えばインフルエンザだ、ノロウイルスだと各種の感染症も盛んになる時期で、それらの蔓延によって数人レベルでは済まないお年寄りが犠牲になっているだろうと考えると、「死んでもいいから正月の餅だけは食べさせてくれ」と懇願するお爺ちゃんから無理矢理餅を取り上げるというのもどうなのか、それは許容されるリスクに入らないかと言う考え方は当然にあってもいいはずですよね。
もちろん目の前で餅をのどに詰めて身内が死んでいく場面を見せつけられることになる家族の側にとってはトラウマものの体験ではあって、むしろ餅規制論の本質は死んでいく当事者よりもそれを目の前で見せつけられる家族の側の忌避感という側面もあるわけですから、餅を食べるかどうかは自己責任というだけでは問題の半分しか議論していないということになります。
そう考えると案外スタッフや機材等を揃え管理された環境下での餅提供サービスなんてものにも一定の需要はあるのかなと思ったりもするのですが、やはり商業的なネックとしては国中が休みである1月1日に最も需要が集中するという点にあるのでしょうかね。

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2014年1月 6日 (月)

開業医の夜間休日診療への動員開始

次回の診療報酬改定で実質マイナスとなることが確定的とされる中で医療現場への影響が様々に懸念されていますけれども、別にプラス改定であったから状況が好転するわけでもないというニュースが先日出ていました。

産科・小児科医の当直増加、報酬改定効果薄く(2014年1月4日読売新聞)

 産科医、小児科医などの1か月の平均当直回数が増加していることが、厚生労働省の調査で分かった。

 医師全体ではほぼ横ばいだった。政府は2012年度の診療報酬改定の際、勤務医の負担軽減策に1200億円を充てたが、十分に効果が出ているとは言えない状況であることを受け、2月までに新たな改善策を検討する考えだ。

 厚労省は12年度改定の結果を検証するため、13年8~10月、全国の病院1500か所を対象に調査した。このうち、456施設が回答した。

 11年に行った前回調査と比べると、常勤医1人あたりの月平均当直回数は、対象となった9診療科のうち、産婦人科・産科で3・10回(前回2・98回)、小児科で3・03回(同2・98回)など6診療科で増えた。救急科は4・08回(同4・43回)に減少したが、最も多かった。9科全体では、1・91回(同1・92回)だった。2日連続で当直に入った月平均回数は、産婦人科・産科で0・44回と最も多く、前回の0・34回を上回った

色々と解釈の余地がある記事だとは思うのですが、記事の論調として「診療報酬改定にあたって付けられた予算では十分に効果がなかった」という論調で、例えば日医などではこうした文脈を広汎に用いて診療報酬引き上げを主張していることは言うまでもありませんよね。
ただ当直回数というものは当直医を要する施設数とそれぞれに必要な当直医数、そしてそれらに勤務する医師数によって決まるものであって、たとえ1200億が1兆円であったところでこれらのパラメーターが劇的に変化するというものでもないでしょうから、もともとの考え方そのものを変えた方がいいように思います。
例えば小児科領域で言えば近年の少子化を受けて本来であれば仕事は減っていくはずなんですが、実際には各地の自治体が競うように住民受けの良い小児医療費無料化(実際には医療で言うところの小児科の範疇からは外れた領域まで助成していたりもするようですが)を推し進めた結果、どうでもいいような症状なのに夜間だろうが休日だろうが好き勝手に受診する患児(と言うよりも、親)が確実に増えたと言います。
このあたりは親、政治家そして現場医師それぞれにおいて複数の立場が対立している問題でもありますが、少なくとも近年話題になっているコンビニ受診と同様に親の都合で敢えて夜間休日に不要不急の受診をさせると言った行動を多少なりとも抑制すべく、定額負担等の対策を取るべきだという意見は根強いものがありますよね。

結局のところは当直医の存在を法的に義務づけられているのが病院に限られるわけですから、根本的な対策は医療に対する需要を抑制するか、あるいは施設数の削減あるいは医師数(少なくとも病院勤務医師数)の増加等で供給体制を改善するかの二つだと思いますけれども、需要抑制に関しては選挙民の方を向いた政治家は元より、(特に当直義務を負わない方々を中心に)一部医療側からも反対論があるようです。
医療費を削らなければ国が保たないと言うほど医療費支出が増大の一途を保っているのですから、誰が考えても真っ先に需要を削減する策を講じるのが一番効率的だろうと言う話ですが、近年の社会保障は増税とセットで語られるサービスの維持・向上と言う文脈が決まり文句になっている以上、今更サービス悪化を推し進める方向に行くことはないだろうとは想像できますよね。
となるといかにして病院勤務医の当直業務負担を軽くするかという方法論が当面議論されるべきテーマですけれども、先日その一つの方策としてこんなニュースが出ていました。

島根松江の休日診療室、始動 総合病院の負担軽減狙う(2013年12月29日朝日新聞)

松江市の休日の初期救急の新たな受け皿となる「休日救急診療室」の診療が29日、松江記念病院(上乃木3丁目)で始まった。

休日救急診療室は、軽症患者の受診が多い市内の総合病院の負担を減らす目的で開設された。市医師会が実施主体となり、事前に登録した医師会所属の開業医約60人と看護師8人を交代で派遣する。人件費などは市が負担する。
この日は午前、午後の7時間で計40人が受診。午前中に吐き気の症状で受診した20代の女性は「すぐに診てもらえて助かった」と話した。

市医師会の森本紀彦会長は「総合病院や勤務している医師の忙しさを少しでも和らげるため、休日診療室をうまく使ってもらいたい」と話している。
休日救急診療室(0852・27・8111)は、中学生以上が対象で、日曜・祝日と年末年始(29日~1月3日)の午前9時~正午と午後1時~5時に開設している。
必要に応じてCT検査やMRI検査も受けられる。

松江市医師会が休日救急診療室、29日から(2013年12月25日読売新聞)

 軽症患者が救急外来を訪れる「コンビニ受診」を減らし、医師らの負担を軽減しようと、松江市医師会(森本紀彦会長)は29日から、同市上乃木の松江記念病院内に「休日救急診療室」を開設する。

 日曜と祝日、年末年始(12月29日~1月3日)に当面は医師、看護師各1人が対応する。

 松江保健所の呼びかけで、医師会と市民病院、松江記念病院、松江赤十字病院、松江生協病院、玉造厚生年金病院、国立病院機構・松江医療センターが協議。コンビニ受診が深刻な課題だという認識を持ち、運営方法などを話し合ってきた

 診療所には記念病院1階の診察室を充て、午前9時~正午と午後1~5時、中学生以上を対象に内科診療を行う。医師は当番制で、年間約3700人の利用を想定。診療所が入院や、より高度な医療が必要と判断すれば各病院で対応する。

 この日、市や各病院と協定書を交わした森本会長は「各機関が連携し、『オール松江』で取り組みたい」と語った。(石田仁史)

医師会が始めたということであれば中々に意味深な業務だなと思っていたのですが、さすがに保健所の呼びかけで始まったことであるようですね。
それはともかく非常に興味深いのはこの話、新年でも新年度でもなく一般的な医療機関が年末年始の休業に入る12月29日から診療を開始したということで、もちろん元々が休日診療を担当する施設ですから一年で最も長い休日を担当するのは理にかなった行為ではあるのですけれども、普通はまず日曜診療あたりから始めて慣れてから連休にと考えたくなるのが人情というものですよね。
以前なら一部開業医などは年末年始など長い休みの前になると近隣病院に患者を送りつけて自分達は海外逃亡、などということもやっていたくらいですから、当然ながらせっかくの正月休みにこんな仕事に駆り出されるのがうれしいとは思えませんけれども、それが必要になるほど地域医療が逼迫しているという現状認識と同時に、それに応じるほど開業医の認識が変わってきた理由がどこにあるのかです。
このところの診療報酬改定と言えば勤務医の多忙からくる逃散だ、医療崩壊だという現象が注目される中でそれらへの財政的な手当が優先されてきた、一方で開業医は楽して儲けているというメディアの報道も背景にあってか開業医に対する報酬はどんどん切り詰められ医療費増加のつじつまを合わせてきたと言え、要するに開業医は昔ほど楽して儲かるものではなくなったとは言われています。
もちろん長年地域に地盤を持ってきた先代の後を継いで継承開業するといった場合は別でしょうが、今や新規開業はよほど軽装で始めなければ借金返済もままならなくなると脅しがかけられているように、何も考えずに開業しても金が貯まって貯まってどうしようもないと言った時代ではなくなってきていると言いますし、国民世論的にもそんな状況は許容されなくなったということですよね。

開業医が開業医で様々な仕事もあって勤務医とはまた別な意味で多忙だと言う意見もありますけれども、やはり一般論として当直もあり重症患者をより多く抱えている勤務医の方が休みも取れない状況に陥りやすいだろうし、そうした勤務医の方により多く報いるよう診療報酬体系を改めていくべきだと言う考え方は理解出来るものです。
厚労省としてもかねて医療リソースの集約化を悲願としているわけですから、開業医を締め付けて逃散先を塞ぐことには表向きはともかく反対する立場にはないと思いますが、その結果全国的に見ると経営が行き詰まり閉院と勤務医への逆戻りに追い込まれる、あるいは自施設での診療と平行して休日夜間などの当直アルバイトで運転資金を稼がなければならなくなっている開業医が出てきていると言うことです。
要するに勤務医からすれば休日夜間の当直負担が軽くなり、国としても余計な財政支出や医師数増加よりも確実な医師確保策として見込める、そして当の開業医自身にとっても地元で確実なアルバイト先が出来ると、一見すると誰もがハッピーな結果に終わるなかなか良いやり方だと言う気がしてきますよね。
もちろん開業した先生方はそうした勤務医的な勤務体系が嫌で逃散した方々も一定数含まれているでしょうから、いくら地元医師会から募集をかけられても断固として拒否するという方もいるでしょうが、それならそれで自分の才覚裁量で稼ぐか、あるいは楽をした分だけ手にするものも減るという当たり前の夜の摂理に従うだけと言うことになるでしょう。
将来的に開業という営業形態が今以上に割に合わなくなると、こういう形でアルバイトに励む(と言うより、励まざるを得ない)開業医が増えるのかも知れませんけれども、少なくとも厚労省はそうした状況はウェルカムでしょうし、国民や勤務医にしても喜びこそすれ邪魔には思わないでしょうから、要するに開業医に対する報酬はまだまだ切り詰める余地が出来たと言う裏付けとなり得るこれは新事業の始動だと言えそうですよね。

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2014年1月 5日 (日)

今日のぐり:「冨士屋」

人間誰しも欲望とは無縁ではいられませんが、その実現手段はやはり相応に選ぶべきではと感じさせられるのがこちらのニュースです。

【衝撃トレード】日産のフェアレディZを手に入れるため「睾丸を提供する」と発言して物議(2013年12月23日ロケットニュース24)

ハードボイルドな男の生き様は、時として人々の理解を得られない時がある。合理性や常識よりも自分のこだわりと美学に従って生きるため、「なんでそんなことを?」と引かれてしまうこともあるからだ。
そんなハードボイルドに生きる男の中でも、ハンパなくハードボイルドと呼ぶべき人物の発言が、今世界で物議をかもしている。なんと、彼は自分が欲しい車を手に入れるために「左側の睾丸を提供する」と宣言したのだ。彼の勇姿は、動画「Docs D6071 Publicity Clip Testicle」で見られるぞ。
アメリカ・ラスベガス。世界的に有名なカジノの街に住むマーク・パリシ氏は、現在、ごく一部の間でその男気を賞賛され、大多数の人から「何を考えているんだ?」といった眼差しを向けられている。とにかく注目を集めているのだ。
というのも、彼は、アメリカのテレビ番組で、男性なら絶対にやりたくないことを「やる」と言ってのけたからである。

・テレビ番組でのやり取り

ある日、番組に出演したパリシ氏は、「約350万円と引き換えに、自分の睾丸を提供する」と宣言。表情ひとつ崩さずに放たれた衝撃度MAXの発言に、観客は思わず顔を背けた。
「なぜ、そんなことをしようと思ったんだ?」問いただす司会者に対して、「日産の370Z(フェアレディZ)が欲しくてね」とさらりと答えるパリス氏。睾丸全てではなく、左側だけ提供するという。ちなみに、アメリカでは臓器を売買することは禁止されているが、医療機関への提供という形なら認められているらしい。
「日産の車と引き換えに、左の睾丸だって!?」出演者からのいじりも、パリシ氏は笑顔でかわした。

・パリス氏にとっては特別なことではない

多くの人にとって、パリシ氏の言動は理解できないかもしれない。しかし、彼は過去にも自分の健康をリスクにお金を得たことがある。いわばその道の強者なのだ。
パリシ氏が関わったのは、エボラ出血熱の治療薬テスト。エボラ出血熱と言えば、致死率90%以上と言われる極めて危険な感染症だ。日本でも治験バイトなどの似たような仕事はあるが、パリス氏が参加した実験は、特にリスクが高いものだと言えるだろう。
このように、自分の体を資本に稼いできたパリシ氏にとって、「左の睾丸提供する宣言」は、自然な流れだったのかもしれない。

・ネタにするコメントが止まらない

とはいえ、「睾丸提供宣言」は、一般人にはあまりにもインパクトが強い。そのため、番組の放送終了後から、Twitter をはじめとしたネット上では、さまざまな意見が世界中で飛び交い続けることになった。一例を紹介すると……。

    「左側だけと言わず、両方売ってGT-Rを手に入れればいいのに」
    「今まで変な奴をたくさん見てきたけど、こいつは別格だ」
    「ゴールデンボールと言われるだけのことはあるな」
    「タマを半分とってしまったら、折角車を手に入れても、100キロ以上を出す根性がなくなってしまうかもよ」
    「肝っ玉が座ってるな~まあ、タマの方はもうすぐなくなるけど」

以上のように、パリシ氏に共感を示しているより、笑いにしている意見が大多数。だが、そもそも、自分の睾丸を売ろうとするタフなメンタルの持ち主にとって、そんな巷の意見など、どうでもいいに違いない。
とにかく、彼の手術が無事に済むことを祈るばかりである。

ま、需要と供給がそこに存在し法的にも問題ない行為であるなら後は当事者の同意次第ということではあるのですが、それにしても臓器の性質上どのような需要があるものかと興味を引かれますね。
本日はパリシ氏の無事を祈って、世界中から人前で公言するにはためらいを覚えてしまいそうな欲望にストレートすぎた方々のニュースを紹介してみましょう。

約半年にわたりエレベーターに毎朝放尿の男 福岡地裁が賠償命令(2013年12月16日産経ニュース)

 約半年にわたり平日のほぼ毎朝、駅のエレベーター内で放尿し機器を腐食させたとして、JR九州が福岡市東区の男性に修理工事費など約130万円の支払いを求めた訴訟で、福岡地裁の高橋亮介裁判官は16日、男性に全額の支払いを命じた。

 判決によると、男性は昨年2月ごろから同8月28日まで、平日のほぼ毎朝、JR鹿児島線千早駅(福岡市東区)の改札階と下り線ホームをつなぐエレベーター内でドアに向けて放尿した。JR九州はエレベーターのドアや床などの交換工事に約121万円を支払った。

 男性は放尿を繰り返したことを認めた上で「修理で取り換えた廃材を再利用して工事費用を抑えることができた」と主張したが、高橋裁判官は「腐食が進行し、構成機器ごと一式での交換が必要だった。再利用はできなかった」と退けた。

飲んで酔っ払っていたといった事情であればまだしも、毎朝こうした行為に及ぶというその心境がどのあたりにあったのかは記事からははっきりしませんが、まさか「オレの金で買い直したのだから今後は自由にさせてもらう」などと勘違いをしないことを祈ります。
こちら心情的には全く理解出来ないということもないのですが、いささかそれは表通りに面して行う行為としてはどうよ?と思われる振る舞いを報じたニュースです。

【海外:復讐】元夫が離婚した妻のすぐ隣に引っ越し、中指を突き立てたブロンズ像を建てる(2013年11月17日日刊テラフォー)

アメリカ・ミシガン州でストリップクラブを経営する男性が、顔も見たくないはずの元妻のすぐ隣に引っ越してきた。そして、中指を突き立てたバカでかい手のブロンズ像を裏庭に建てた―「ファック・ユー!!」
アラン・マルコヴィッツさんは、7,000ドル(約70万円)の費用を掛けて、元妻レア・トゥーイさんの家の真ん前に3.7mの巨大ブロンズ像を建てた。しかもアートとは言い難い、中指を立てたブロンズ像だ。
レアさんの娘レンカさんによってこのブロンズ像が撮影され、Twitterに投稿されたことで、世に知れ渡ることとなった。

元夫の元妻に対する嫌がらせ、と誰もが思うだろうが、アランさんが嫌がらせの対象としているのは元妻レアさんではない。レアさんの今のパートナーに対してだそうだ。
何でも、レアさんと新パートナーは、レアさんがまだアランさんと婚姻関係にある時に関係をスタートさせてしまったんだとか。要は、不倫だ。
「彼女のことに関しては、もう立ち直っています。これはあの男に対してなんです。奴は、男じゃない!」
とアランさんは、地元紙に話している。
アランさんは新居を探している時に、偶然不動産会社から、元妻のすぐ隣の物件を見せられ、購入することにしたそうだ。
「自業自得さ!」

アランさはデトロイトで複数のストリップクラブを所有しており、『アメリカで最も成功したストリップクラブ経営者の本当の話』という自叙伝も執筆し、テレビにも出演経験がある。
ビジネスでは大成功を収めたアランさんだが、残念ながら、結婚生活は大失敗に終わったようだ。

元記事の方にはいささか芸術性には疑問を抱かざるを得ないその画像も示されているのですが、何と言うのでしょうここまでのしつこさがあってこそ商売も成功できるということなんでしょうかね?
日本でも昨今ではパワハラという言葉が定着してきましたけれども、さすがアメリカなどはこうした大騒動にも発展するんだなと思わせるニュースを紹介してみましょう。

美人CEOが男社員らを「ペ○ス」と 呼びまくって33億円の訴訟に(2013年12月5日もぐもぐニュース)

米国の漫画出版社アーチー・コミックスの裁判が話題を呼んでいる。美魔女として知られていた50代の女性最高経営責任者(CEO)が、男性従業員らを「ペ○○」などと呼び、屈辱的ないやがせを繰り返してきたという事件だ。現在従業員らが彼女に対して訴訟を起こしている。

男性従業員5人によればこの女性CEO(59歳)は、自分たちを名前の代わりに「ペ○○」と呼ぶなど、なにかと下の方にまつわる言葉を使用してきたと主張。ビジネスミーティングの席でも従業員4人を指して「ペ○○!ペ○○!ペ○○!ペ○○!」と叫びながら、自分たちを嘲笑したと暴露。CEOはこの言葉を何かと使うことを好み、侮辱行為が日常的に行われていたという。

彼女は人事から「経営者として不適合である」として、以前から2回も退陣訴訟を起こされているなど、もともとトラブルメーカーではあった。また会社にアメリカの有名な暴走族ヘルズ・エンジェルスを連れてきて従業員を威嚇することもしてきている。従業員側は約33億円近い損害賠償と、オフィスの2マイル以内に接近しないことを求めている。

とはいえ彼女のルックスにはファンが多いため、「“ご褒美を”もらっておいて訴えるなんてクソすぎる従業員たちだぜ」などの怒りの声もあがっている。

記事にもありますように元々様々な問題を抱えていた方ではあったようですけれども、この騒動で同社への求職者がどのように変化していくかは今後の成り行きを見守りたいところですよね。
日本でもたびたび問題となるある種の犯罪的行為がありますけれども、こちらなかなか素晴らしい動機でもってコトに及んだ方のニュースです。

【衝撃事件】ゆがんだ欲望か? 一種の衛生対策か? 下半身を露出して逮捕された男の動機が話題に(2013年12月3日ロケットニュース24)

機転の利いたひと言でピンチを脱出する――スパイ映画などで、よく見られるシーンである。そして、そのセリフが鮮やかであればあるほど、胸がスーッとする気持ちよさを感じる人は多いだろう。
しかし、映画と現実は違う。実際には、窮地の時のひと言が、ダッサダッサの決まり方をしてしまうことだってある。今回は、その究極の例を紹介しよう。ある事情で警察に確保された男性の言い分が、ダサいのひと言なのである。

・露出したのではない。アレを空気に当てていただけ

アメリカ・フロリダ州のある街で1人の男性が逮捕された。男の名はウィリアム・ギブソン。逮捕された理由は「公衆の場所でアレを露出したから」だ。警察に確保された際、彼は、ブツをさらしたことに関しては認めている。
ところがギブソン氏は、逮捕されたことには全く納得していないらしい。彼は、こう訴えているのだ。「私は、露出したのではない。ただ、アレを空気に当てていただけである」と。彼の言い分と目撃者の証言を照らし合わせると、事件の流れはこうだ。

・分かりやすい不審者

ある日、リサイクショップに勤める65才の店員が、店の前にいるギブソン氏を発見した。ギブソン氏は、店の前を行き来する多くの人と、明らかに様子が違う。というより、非常に目立っていただろう。なぜならば、彼はジーンズを膝まで下ろしていたからだ。
「イヤなことが起こりそうな気がする」。老人の第六感が、警鐘を打ち鳴らしまくったに違いない。老人は、男に注意を払い、視線を送り続けることに。
すると、男は下着の中に手を入れ、何やらモゾモゾし始めた。下着の中でナニが行われているのかなんて想像したくもない。それから彼は、今までモゾモゾしていた指を抜き取り、自分の鼻の下に持っていったという。

・男の事情

「一体、何をやっているんだ!?」周囲の人は、自分の指を鼻の下の持っていくギブソン氏の行動に、おぞましい疑問を感じたであろう。しかしギブソン氏には、ギブソン氏なりの理由があったらしい。臭いを確かめることで、アレの状態を確認していたもよう。いわば簡易式メディカルチェックである。
そして、ギブソン氏の嗅覚センサーは、「異常アリ」と判定。「空気にさらす必要があるな」と自己診断を下したようだ。たちまち彼は下着に手をかけ、そのまま手を垂直に伸ばした。結果、ブツが公衆の門前で顔を出してしまったのだ。
フロリダの澄んだ空の下、姿を見せたギブソン氏のブツ。彼にしてみれば、一種のセルフケアなのかもしれないが、周囲から見れば目を逸らしたくなる光景でしかない。

・そのままお散歩

しかし、ギブソン氏はそんな周囲の意識など、一切気にせずに突っ走った。あろうことが、手首のスナップ運動によるセルフケアまで加え始めたのである。それだけではない。そのままの状態で、駐車場から出たり入ったりを繰り返し、周囲を散歩しはじめたのだ。
ギブソン氏に、ブツを隠す気など一切ない。彼とすれ違う人が、どのような引きつった表情をしても、彼は自分の道を進みまくったのだった。

・リサイクルショップに

一部始終を目撃していたリサイクルショップの老人は、自分の予感が最悪の形で当たってしまったことに、絶望していたことだろう。そして、「絶対にウチの店には来ないでくれ!」と思っていたに違いない。しかし、老人の祈りにも似た希望は、ギブソン氏によって簡単に踏みにじられてしまった。彼は、そのままの格好でリサイクルショップに入店したのだ。
間もなく、店のマネージャーが警察に通報。ギブソン氏の散歩は、駆けつけた警官により強制終了させられることになった。そして彼は、その場で「ブツを大気に当てていただけ」と言い張ったのだった。
はたして、それはギブソン氏の苦し紛れの言い訳なのだろうか? それとも、本音の叫びなのだろうか? どちらにせよ、彼が常人の理解を越えた感覚の持ち主であることは間違いなさそうだ。

むしろリサイクルショップの爺ちゃんこそ良い味を出していると思うような話なんですが、まあ一般論として素人診断は危険であるとは言われるところですよね。
もはや多少の不祥事ではびっくりしないのがブリというお国柄ですけれども、こちら動物までも…と感じてしまうようなニュースです。

【海外:ワンコ】イケナイ子犬ちゃん、女性のパンティを食べるが止められない!(2013年12月21日日刊テラフォー)

ロンドンの街角で迷子になっていたところを拾われた子犬のバーニーは、女性下着への飽くなき食欲を止めることができない。

バターシー犬猫ホームの獣医師たちは、拾われてきた子犬のバーニー(9ヶ月)を診察した時、びっくり仰天した。バーニーは、女性のパンツを丸々3枚も食べて飲み込んでしまっていたのだ。

バーニーが一体どうな風にしてパンツを食べたのかは謎だが、ロンドンの街角で発見されて犬猫ホームに連れて来られる前に、食べたことだけは確かだ。
ホームに連れて来られた翌日に、バーニーを散歩に連れ出したスタッフが、バーニーの糞に奇妙なものが混じっていることに気が付いた。

顔を近づけてよく見てみると、糞の中に混じっていたのは、何と女性のパンティ!それも、一部分ではなく、パンティ丸々1枚だった。
どうやらバーニーはパンティを丸呑みして、それがそのままバーニーの胃や消化器官を通過し、そのまま出てきたようだ。

さらにバーニーは2,3日おきに、パンティ丸々1枚をお尻から排泄した。
今のところ、黒のTバックを含む3枚のパンティがバーニーのお尻から出てきた。

ホームの獣医師は、今後見つかるであろう新しい飼い主には、バーニーを洗濯籠や物干しに近づけないよう注意する必要があると話している。

今のところ、バーニーが排泄したパンティはすべて黒。黒いセクシーパンティがお好みなようだ。

しかし生後9ヶ月と言えばまだブリの暗黒面にさほど深くは染まっていないはずでしょうに、早くもここまでの影響力を発揮されてしまうとはよほどに感受性が高い個体なのでしょうか?
最後に取り上げますのも同じくブリからのニュースですけれども、諸外国であれば一連の行為のどれか一つを取り上げただけでも大騒ぎになりそうな話ではありますよね。

【究極失態】全裸男性が消火器ホースをお尻に入れてホテル内を散歩しつつ人種差別発言をして外出禁止処分(2013年12月24日ロケットニュース24)

人は誰でもミスや失態を犯してしまうもの。そして、そんな時、多くの人は「やってしまった!」という後悔や恥ずかしさに打ちのめされがちだ。今回は、普通では考えられない規格外の失態を犯し、尋常ではない後悔に襲われているであろう男性の話を紹介しよう

問題の男性がやらかしたことの一部を取り上げると、消火器のホースをお尻に入れる、人種差別的発言をするなどなど。失態の質、ボリュームともにケタ違いなのだ。その一部始終は、動画「Racist Joseph Small sticks fire extinguisher hose up bum in London Premium Inn」で確認できるぞ。

・全裸になったことが全てのはじまり

事件が起きたのはイギリス・ロンドンのホテル。宿泊客の1人であるジョセフ・スモール氏(20歳)は、ここで前代未聞のトラブルを起こしてしまった。その原因は、完全にスモール氏側の振る舞いにあるだろう。というのも、彼は、ホテルの廊下を全裸で歩いていたのだから。
なぜ彼がそのような行動に出たのかなどについては、明らかにされていない。確かなことは、スモール氏が一糸まとわぬ姿でホテルをうろついていたということ、そして、時折、カーペットやエレベーターのドアに小の方を垂れ流していたということである。

・消火器の使い方を完璧に間違える

いつ通報されてもおかしくない状態でホテルの廊下を歩くスモール氏は、あるものに目を留めた。消火器である。「これは使える!」そう思ったのだろう。彼は消火器を手に取ると、あろうことか、ホースを自分のお尻に突っ込んだのだ。
そして、そのままウォーキング。もし、消化液が噴出されるようなことがあれば、彼の体は非常に危険である。というより、危険性を論じる以前の問題である。
しかも、お尻だけではなく、前側も別の意味で危険な爆弾を抱えていた。彼は、前にぶらさがっている天然のホースを手でいじりまわしていたのだ。
「とんでもない奴が現れた!」。ホテルのスタッフが監視カメラでスモール氏の姿を確認した時、そう思ったに違いない。そして、何人かのスタッフが現場に急行。タオルで彼を保護しようと試みのだが、スモール氏はここでも失態を重ねる。

・人種差別的発言まで

取り押さえようとしたスタッフの中にバングラデッシュ出身の人がいたのだが、スモール氏は、彼に対して「この国はアル・カイダに占領されたのか。パキスタンへ帰れ!」と人種差別的暴言を吐いたのだ。

・自分はイギリス生まれであると主張

このような差別発言をしたスモール氏は、自分が生粋のイギリス人であることを周りに訴えたかったもよう。ロビーに現れた彼は、またしても暴走。受付をしている客に向かってこう叫んだ。「私はイギリス、シェフィールド出身である」と。
ただし、彼はもちろん全裸。しかも、カーペットに放尿しながらの訴えであった。
結局、逮捕されて裁判にかけられた彼は、9カ月の保護観察処分と午後10時~午前6時までの外出禁止という処分を受けることになった。事件に対し、彼は「本当に恥ずかしい。何も覚えていない」とコメントしている。

まあ…ここまでのことをやってのけるということであればそれは言わずともブリ住人である以外はあり得ないというものですが、20年ものともなるとこうなってしまうんですねえ…
ブリにおいてもこのような行為が許容されざるものであることが示された今回の一件ですが、果たしていずれの行為がブリ的に問題視されたということなのかが新たなる疑問となりそうです。

今日のぐり:「冨士屋」

岡山市内に数ある商店街の中でもとりわけひなびた風情が特徴の奉還町商店街からさらに少し外れた裏通りにあるこちらのお店、お向かいの「浅月本店」と並んで岡山ラーメンの源流とも言える老舗ですよね。
とは言え改装で今風らしく綺麗になってるし、店員も若い人ばかりで完全に世代交代してるんだなと感じさせますけれども、単に古いというだけでなく代をまたいできちんと経営的に続いていけるのは良いことだと思います。

今回は中華そばのもやしトッピングで頼んで見ましたが、一瞬鶏ガラか?と思ってしまうほど透明感あるあっさり醤油スープはいわゆる岡山風豚骨醤油の主流派とはちょっと離れているのが意外と言えば意外ですよね。
当然ながらこってり濃いと言う感じではないですが醤油ダレとのバランスはそれなりに取れているし、いわゆる豚骨の臭みも感じない癖のない仕立てではあるのですが、逆に言えばちょっと引きがない物足りなさは感じるでしょうか。
トッピングではチャーシューは出涸らし状態なのは時代を考えると仕方ないでしょうし、シナチクも良く言えばコリコリと自己主張のある食感ですが少し戻し足りない感じの硬さと言うべきで、割にいいなと思ったのは麺に合わせた太さの細もやしがシャキシャキ感を保っていたところでしょうか
しかしそれら全てを置いておいてもいくらなんでも柔らかすぎる麺の茹で加減があまりに残念な印象で、何もこんなところで老舗っぽさを主張しなくてもいいのに…と感じてしまいます。

この日の仕上がりに関して言えば正直ちょっと感心しないものでしたけれども、まあそれでも食事時を外しかけた時間帯でもほぼ満席状態と、今も地域に愛されるラーメン屋として続いているのは御同慶ではありますよね。
接遇面はある意味見た目通りと言うのでしょうか、今の時代のラーメン屋の標準的な水準で別段老舗っぽくはないですが、地域密着型を感じさせるのはむしろこのちょっとゆるさを感じさせる顧客層の方にあるのかなという気もします。
ちなみに冨士屋さんとは関係ないですが今回奉還町を歩いていて、昨今岡山市中心部にも出店が計画され話題になっているようなモールと商店街の違いとは結局のところ共用スペースなんだなと感じましたが、とりわけ誰でも気軽に休める場所と車椅子用も含め整備されたトイレ設備の差は大きいですよね。
こちらも一応商店街の中程にそうした目的と思わせるスペースはあるのですが告知が十分ではないようですし、設備面でもやはり旧世代の水準と言ったところで特に夏や冬の季節にはあまり快適とは思えず、こうした歴史の長い商店街もこれからはこの種の共有設備の整備が必要ではないかという気がします。

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2014年1月 4日 (土)

新年早々天にも昇るようなニュースです

21世紀になってはや10年以上の年月が過ぎたわけですが、ここ20年ほどの経済的な停滞もあってかその昔に予想されたほどには「未来」らしくない現状に少しばかり失望している人も多いかも知れません。
そんな中で新年早々にようやく未来を感じさせるニュースだとちょっとした話題になっているのがこちらですが、何にしろようやく日本においてもこういうものが出来上がってきたというのは喜ばしい話だと思いますね。

「宇宙学校」、都内でも説明会 JAXA提携の全寮制(2014年1月2日朝日新聞)

 【橋田正城】鹿児島県肝付町に2015年4月に開校する県立楠隼(なんしゅん)中学・高校が、東京など全国から生徒を募集している。公立としては全国初の全寮制男子校で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と提携し、航空宇宙教育のモデル校を目指す。受験指導を徹底しながら「宇宙学」も学べる学校だ。2月に東京都内で説明会が開かれる。

 楠隼中高は、大隅半島にある県立高山(こうやま)高校の敷地内に開校する。高山高は16年3月末で閉校。同校の校舎を改築し、個室・空調完備の寮を新設する。総工費は48億円。初年度は中高各60人を募集。寮費は1カ月4万円台を見込んでいる。

 学校の約20キロ南西にはJAXAの内之浦宇宙空間観測所がある。2003年には小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられ、昨年9月には新型固体燃料ロケット「イプシロン」も発射された。

先年の「はやぶさ」フィーバーは今更言うまでもないところで、宇宙というものが今や一つのコンテンツとしてもそれなりに社会的注目を集められるようになったということを考えると、こうした学問の場を待ち望んでいた人も決して少なくはないんじゃないかという気がします。
ご存知のように世界的に見ても近年各種の商業的な「宇宙旅行」が相次いで計画されるようになり、それらは未だにお金持ちを対象にしたものに留まらざるを得ない費用を要するとは言え申し込みが殺到しているということですから、ひとたび商業ベースに乗って単価が下がってくれば一般庶民がちょっとした贅沢気分で宇宙を味わえる時代もそう遠くはないんじゃないかという気にもなりますよね。
ただもちろんこれらは高度100km以上という宇宙のいわば入り口を一瞬かすめるというだけで(中には厳密には宇宙とは言い難い高度に留まる計画もあるようですが)、乗客にしても宇宙を観に行くというよりは宇宙から地球を見下ろすということに重点を置いていることは否めませんけれども、当然ながら本当に宇宙の深淵を旅してみたい、叶うことならそこで暮らしたいという需要も少なくはないはずです。
ただ現実的にそれを妨げているのが技術的制約であることは言うまでもありませんけれども、先日以来その制約をかなり大胆な前提条件の設定によってかなり緩和するという異例の計画が発表され参加者が募られたところ、思いがけないほど多数の手を挙げる人間がいたと言うことが話題になっています。

二度と戻らぬ火星移住、候補に日本人10人も(2014年1月1日読売新聞)

【ワシントン=中島達雄】2025年からの火星移住を目指すオランダの民間非営利団体「マーズワン財団」は12月30日、約20万人の移住希望者の中から1058人の候補者を選んだと発表した。

 この中には、男女5人ずつ計10人の日本人が含まれているという。

 今後、医学的な検査や訓練などを経て最終的に24人に絞り込む。25年には最初の4人が火星に住み始め、その後、2年ごとに4人ずつ増やしていく計画だ。移住者は二度と地球に戻らない。地上での訓練や火星に居住している様子をテレビ放映し、資金を集めていく考えだ。

 同財団は2013年4~8月に移住希望者を募集。技術力や安全性を疑問視する声もあったが、世界中から20万2586人が応募した。希望者が提出した1分間のビデオメッセージや書類などを審査し、107か国・地域から1058人を選んだ。

その発表時から大いに話題になったこのマーズワン計画ですが、しかし世の中20万人もの向こう見ずな(失礼)人間が本当にいるものなのですね。
かつてのアポロ計画を思い出していただければ誰しもイメージが湧きやすいかと思いますが、わずか3人の人間を乗せた最小限の容量しかない小さなカプセルをたかだか37万キロ先から地球に帰還させるだけの作業のために、歴史上最大の巨大なアポロロケットが必要であったと言うのは、何ら支援の得られる月面から帰還を行うための資材全てを送り出すためにさらに巨大なロケットが必要だと言う理由に他なりません。
古来このジレンマを解消するために数々のアイデアが用意されていて、例えば軌道上に常設の宇宙ステーションを用意してまずそこに機材を集積すれば発進も楽になるはずだとか、先年大手建設会社が意外なほど安く建設費を見積もったことでも話題になった軌道エレベーターのように今も技術的な挑戦が続けられているものもありますが、まずは地球という深い重力井戸の底から人や物資を運び出すだけでも一仕事です。
他方で逆説的にこの重力井戸は分厚い大気という鎧によって様々な有害放射線を防いでくれるものでもあるのですが、小さな宇宙船で長期間宇宙を旅するためにはこの放射線対策というものも非常に重要であって、当然ながらそれによって重い遮蔽を必要とすることになればますます宇宙船を送り出すための労力は巨大なものとならざるを得ませんよね。
ところが逆転の発想で再び帰ってくることを想定しなければどうなのか、宇宙線防御にしても短期的な放射線障害で直ちに命に関わるということでなければよしとするなら(最もこの点で影響を受けるのは生殖能力でしょう)より軽微なもので済むんじゃないか、等々、実のところ人間を送り出す以上当たり前と思われている各種の対策をあきらめればかなりハードルは引き下げられる可能性があるということですね。

先日はカナダの天文学者が「月に人間が住めるようになるのは30~40年後」と発表したというニュースがあり、確かに地球から恒常的な補給路を維持するにせよ現地での自活を目指すにせよそれくらいの年数はかかるだろうと言うことは想像できますから、常識的な安全対策等を積み重ねた上で火星に人間を送るとなれば今世紀中の実現も怪しいということになるかも知れません。
しかしその常識的な部分を取っ払って考えれば現在の技術水準でも現実的な方法論があると言うことになれば、後はその非常識な(あるいは、馬鹿げた)計画に乗る人間がどれだけいるかということが課題になってくるわけですけれども、こうして見ると世の中思いがけないほど無謀な計画に乗っかってみようと考える人間がいたということですよね。
このマーズワン計画については計画自体の技術的な実現性も危ぶまれているのはもちろんですが、結局その必要となる巨額の経費を捻出出来るはずがないと言うもっともな意見も根強くあって、何もかもが金集めのための詐欺まがいのホラ話なんじゃないかという声もあるようです。
ただ世界的に見ても例外的に平和で豊かな日本でも自殺者が毎年これだけいるほど今の生活を続けることに意味を見いだすことが難しくなっている人間が多い現状を考える時、ネタのような馬鹿話でも敢えて乗ってみたいと考える人がそれなりにいるというのは、それほど意外ではないことなのかも知れませんね。
今のところは半分ネタのような話で結局は金も集まらず技術的難題も解決出来ずに終わるのかも知れませんが、世界中がネットを介してこれだけ密接に結びつき合っている現在、案外こういう核になるプロジェクトを通じて異業種が知恵を寄せ合うことでとんでもないブレークスルーがあっさり達成されてしまうかも知れず、それらは計画そのものが仮に潰れたとしても人類社会に大きな利益をもたらす可能性は決して少なくないでしょう。

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2014年1月 3日 (金)

今日のぐり:「さぬきうどん くうちゃん本店」

脱獄脱走と言えばもちろん重罪ですけれども、先日こんな理由で脱走を図った囚人に同情が集まっているようです。

【海外:スウェーデン】「もう我慢できない!」脱走した囚人が向かった先は歯医者→治療後自首(2013年12月2日日刊テラフォー)

スウェーデンで、1人の囚人が歯医者に行くために脱走した。あまりにも歯が痛くて、もう我慢できなかったそうだ。

51歳のその囚人は、ベーナシュボリ市にあるÖstragård開放刑務所に服役中で、毎月一回、歯科検診を受けていた。
歯が痛くなった時、囚人は看守に訴えたが、何日経っても処置が施されることはなかった。
そうこうしている内に、炎症を起こした囚人の歯は、耐え難い痛みを伴うようになった。痛みに耐えかねた囚人は、自力で歯医者に行くために、刑務所からの脱走を決意した。

「もう顔中が腫れあがっていたんだ。兎に角もう、我慢できなかったんだ。」
囚人は後に、地元紙にこのように語っている。

幸か不幸か、囚人は開放刑務所という、比較的警備が緩い刑務所に服役していたため、脱走はそう難しいことではなかった。
囚人は歩いて刑務所の外に出て、最寄りの歯医者を見つけて受診した。そこで、痛みの根源となっていた歯を抜いてもらった。
治療後、囚人は今度は最寄りの警察署へ行き自首した。警察署の警官は、彼を刑務所へと車で送り届けた。
刑務所関係者は囚人に厳重注意をし、刑期を1日伸ばすペナルティを与えた。同時に、刑期終了までの間、囚人は自由に刑務所内を歩くことが許されず、牢の中で監禁された。

その囚人は今、刑期を終えてシャバの空気を吸っている。
「歯痛から解放されたことは、今でも嬉しく思います。」
と、脱走したことを特に後悔はしていない。

しかしそう簡単に抜け出せる刑務所というのもどうなのかですが、まずは無事?事件が解決してよかった、のでしょうかね…?
今日は刑務所にとっても大きな教訓となっただろうこの事件を末永く検証する意味で、世界中から思わず「ああそれは仕方ないよね…」と言ってしまいそうなニュースを紹介してみましょう。

【爆笑動画】初めての雪にはしゃぎすぎた中東男性の末路 (2013年12月18日Aol news)

先週、中東諸国に珍しく雪が降り、それもかなりの積もりっぷりを見せたとか。普段めったに目にすることのない真っ白な雪に人々もどう接していいか戸惑ったに違いない。そんな様子が伝わる一本の動画が届けられた。

砂漠地帯であるこの地域、はっきり言って雪とはほぼ無縁。なので雪ってなんなのか、どうやって遊ぶのか、どうなると危険なのか、などなど雪についての情報なんてほとんど知らない人のほうが多い。

そんな中、サウディアラビアに住むモハメド・アロバイダンさんが、雪にはしゃぐ友人の動画を投稿している。7秒と短いが、思わず笑っちゃうこと請け合いのすばらしい一本!ぜひご覧いただきたい。

This why we don't have snow in Saudi Arabia

既に50万近いPVを叩き出しているこの動画。ユーザーたちも

「本当に雪を知らないんだなあ」
「雪について知りたかったらいろいろ世界の動画を見たらいいよ!」
「最後に入ってる笑い声もいいよねw」
「ブラジルで雪が降ってもこんな感じだろうな」
「アラブの人って世界で一番おもしろい人種かもw」
「ウケるわww」

とすっかりこの動画にハマってしまったようだ。

このお友達にとって、初めての雪体験は生涯忘れられないものになったに違いない。

まさにお約束という展開ですけれども、そのお約束を経験出来るというのも人生にあって稀なことなんでしょうね。
アメリカと言えば何かとセクハラに厳しい一方で子供の権利にも敏感というお国柄ですけれども、その両者がたいりつするとどうなるかという興味深いニュースがこちらです。

小1年男子がセクハラで停学 “同級生女子の手にキス”で厳罰に (2013年12月12日もぐもぐニュース)

小学校1年の男子生徒が授業中に同じクラスの女子生徒の手にキスをし、「セクハラ」だとして停学となったことが米国内で議論を呼んでいる。

事件は米国コロラド州キャノンシティーで起きた。今月10日、現地ローカルメディアのKRDOは、停学となった6才児のハンター君のインタビューを放送。番組の中で児童は「読書の授業時間に女の子の同級生の手にキスをした」ことを認めた。

ハンター君の母親によれば「息子と“被害者”の女の子はお互いに好意を抱きあう、ボーイフレンドとガールフレンドの仲」であり、学校側の処罰を「理解できない」と語っている。キス魔として知られていたハンター君が彼女にキスをしたところ、他の子供が音楽の教師につげ口。彼は校長先生のところに連れて行かれ、「それはセクハラです」と言われたという。ハンター君は先週の月曜に学校に行かず、自宅に謹慎した。

しかし彼は以前にも、他の女児の頬にキスをして停学処分を受けたこともあり「再犯者」だとも明らかになっている。またこれらのセクハラ停学の記録は彼の学区で保存され共有されることにもなるという。

このニュースに対して米国のインターネット上では「小学生でそんなに厳しいのかよ」「小学生が小学生を愛してもロ○○ンなのか」「この校長イカれてるね」などといった意見が挙がっている。

何にしろ授業中に好き放題やっていたと言う点でそれなりのペナルティはあってしかるべきでしょうが、しかしステディがありながら別件でも停学処分を食らっているとは懲罰以外の面でも副次的なトラブルを予感させますよね。
同じく子供が絡んだニュースでこんなものがありますけれども、思わずニヤリとしてしまいそうなこの状況がお判りいただけますでしょうか?

なんじゃこりぁ~!!! 完全に間違っているけれどなんだか憎めない駐輪方法がインターネット上で話題に(2013年11月6日Pouch)

駐輪マナーを守ること、それは自転車に乗る人だったら誰でも心掛けていること。今、インターネット上では、あまりにも斬新な駐輪方法が話題になっています。完全に間違っているんだけれどなんだか憎めない……その発想はなかったぁ~!!!!!
(略)
「か……かわいい」
「子供ならではの斬新な発想」
「やるなぁ!」
「ちょうど標識にピッタリね」
「こういうことできる子に育てたい」
「子供の仕業だと思うと微笑ましいわ」
「間違ってはいませんねwww」
「笑ってしまったw」
「これはかわいいwwww」
「うちの娘はこの方法で靴を並べたことがあったwww」
「素直さとは、こういうことなんだろうなぁ」
「私も次からはこう止めるわ」

持ち主の子どもは、「この地面に描いてある自転車のマークに、ぴったり合わせて置かないといけないのかな~」っと思ったのかしら? 違うよぉ~、そうじゃないよぉ~、って教えてあげたくなっちゃいますね。

その斬新すぎる発想は是非とも元記事の画像を参照いただきたいと思いますけれども、これはやはり標識が標識だけに仕方ないですよねえ。
こちらは本来であればちょっとしたいたずらで済んでいた話なのかも知れませんが、ここまでに至るには平素の行いがよほどに悪かったということなのでしょうか。

「彼女を妊娠させた」とドッキリを仕掛けた息子がブチギレた母ちゃんにボコボコにされるの巻(2013年11月6日ロケットニュース24)

相手をビックリさせてやろうと、ちょっとしたジョークのつもりで嘘をついた経験がみなさんにもあるかもしれない。冗談が通じる仲間内での、たわいない嘘なら何も問題ないだろう。

だが、いくらジョークでも、内容と相手を間違えると大変なことになる。そんな場面を捉えた動画「Pranking My Mum」が話題だ。「彼女を妊娠させた」と母ちゃんに嘘をつき、その反応を撮影した少年。軽いイタズラのつもりが、ブチギレた母ちゃんから反撃を食らってしまったのだ。

部屋にカメラを設置し、「話がある」と言って少年は母ちゃんを呼んだ。「どうしたの?」と言って母ちゃんが部屋に入ってくると、さっそく彼の演技が始まる。

少年:「ミランダっていう女の子覚えてる? この前うちに来て、父ちゃんと母ちゃんが1階にいたとき、僕ら2階でやっちゃったんだ」
母ちゃん:「やっちゃった? 本気で言っているの?」
少年:「うん」
母ちゃん:「やったことないって言ってたじゃない!?」
少年:「いや~……その~……彼女、妊娠3カ月なんだ」
母ちゃん:「またまた~」
少年:「いや、マジなんだよ」
母ちゃん:「……。妊娠3カ月だって!? 妊娠3カ月ッ!? 妊娠3カ月ッ!? 妊娠3カ月ッ!? 人生が変わっちゃうのよ! わかってるの!? あんた、父ちゃんになるってことなのよっ!!」

……冗談と知らずに激怒した母ちゃんは、「妊娠3カ月」と連呼しながら息子をボコボコにした。さらに、ドッキリであることを伝えても母ちゃんの怒りは収まらなかったのである。

この一部始終は、ぜひとも動画で確認していただきたい。内容と相手を間違えると、軽いジョークはとんでもない怒りを引き起こし、自分への反撃となって返ってくるのだ。みなさんは、くれぐれもご注意を!

参照元:YouTube

これはまあ、誰が悪かったかと言えばもう自分が悪かったとしか言いようがない話で仕方がないことですけれども、それにしても母ちゃんは怖いですね…
お隣中国と言えばもはや多少のことにはびっくりしないというお国柄ですけれども、さすがに十数億も人間がいればこんなこともあるんだな…と思い知らされるのがこちらのニュースです。

中国で 『毛沢東』に激似の女性が話題! 悩みは「夫が “毛沢東を抱いているみたい” と夜の生活がなくなった」(2013年11月22日ロケットニュース24)

コスプレとは好きなキャラクターに扮することだ。主に漫画やアニメ、ゲームのキャラが題材になるが、いま、中国である人物に扮した女性が話題になっている。

彼女が選んだのはなんと「毛沢東」! 「生き返ったのか!?」と驚くほどソックリな姿に注目を集めたのだが、彼女にはソックリならではの悩みがあるらしい。
・毛沢東ソックリな女性・陳さん

「毛沢東に神似」と言われているのは、中国人女性の陳燕(ちん・えん)さん(57)だ。髪を整え、人民服を着れば、中華人民共和国・初代主席の毛沢東ソックリ! 熱烈な信奉者も納得のクオリティで、彼女がピッと腕をあげると「主席! 主席!!」と歓声があがるほどだそうだ。
・友人に勧められて毛沢東コスに目覚める

陳さんが “毛沢東コスプレ” に目覚めたのは2006年のことだ。彼女は当初、別の俳優のソックリさんを目指していた。だが、友人のメイクアップアーティストが、陳さんの顔立ちが毛沢東に似ていることに気がついたそうだ。そこで、オーディション番組に「毛沢東のソックリさん」として出場したことがきっかけで、この“毛沢東コスプレ”に目覚めたのだという。
・一躍人気者に! だが同時に女性としての悩みも

あまりにも似ていたため、一躍有名人となった陳さん。営んでいた建材業をやめ、2007年には正式にパフォーマーとしてデビューしたそうだ。地元政府の関係部署からも「応援する」とお墨つきまでもらったという。しかし、彼女は名声と得たと同時に女性として大きなものを失ってしまった。
・夜の生活がなくなる / 夫「毛沢東を抱いているみたいで無理」

陳さんによると、毛沢東の格好をするようになってから、夫との夜の生活がなくなってしまったというのである。激似すぎるため、夫も陳さんのことが毛沢東にしか見えないうようで、「毛沢東を抱いているみたいで無理」と話しているとのこと。
・夫とは半別居状態に

それだけではなく、さらに2人は半別居状態になっているそうだ。2010年頃から二人の仲は修復しつつあるというが、現在も、夫と息子は陳さんの毛沢東姿に反対しているという。
・プロとしてパフォーマンスに励む陳さん

家族の思いには、陳さんも心を痛めているらしい。しかし、プロのパフォーマーとして一切の妥協はしない。大好きな麻雀も控え、自宅では毛沢東の所作をいつも研究しているそうだ。そんな彼女の夢はテレビドラマへの出演とのことである。

どれほどそっくりさんかは元記事の画像を参照いただきたいと思いますけれども、まあそれはちょっと…無理もない話ですよねえ…
同じく中国からちょっと意外な?ニュースが飛び込んできていますけれども、まずは記事をご覧いただきましょう。

「警官に感動」窃盗団全員自首、優しさに触れ自身の悪行を反省。(2013年12月22日ナリナリドットコム)

中国で先日、バイク窃盗団が逮捕される一件があったが、この窃盗団、不思議なことに全員が自首による逮捕だった。調べによると、警官の振舞いにいたく感動した犯人のひとりが改心。仲間を引き連れて出頭してきたのだという。

中国メディア安徽網などによると、安徽省合肥市では、以前よりバイク窃盗事件が立て続けに起きていた。警察の発表によれば、今年に入って数十件のバイク盗難事件が発生。盗まれたバイクすべて高級車であること、また、その手際の良さからプロの窃盗団の仕業と断定し、本格的な捜査が進められていた。

そして11月20日の午後、パトロールをしていた警官が、バイクのカギをこじ開けている男の姿を目撃する。怪しいと睨んだ警官は、男がその場から立ち去る瞬間を狙って職務質問。そのとき、男は胡と名乗り、年齢は24歳と身分を明かしたそうだ。

しかし、警官に問いつめられても胡は犯行を一切認めようとしない。仕方なく、警官はその場は見逃し、後日、街道工作人(※街道工作は町内住民の自治組織の仕事)を装って胡の自宅を探ることにした。

すると、警官はそこで胡の暮らし向きが想像以上に悪いことを知る。胡の父親は脳卒中で倒れ、母親もてんかんを患っており、幼い子も脳性麻痺という重い病気を抱えていた。さすがに警官もこれには同情したのか、去り際にそっと数百元のお金を取り出し、父親に託すことにしたのだという。

偶然の出来事が起きたのはこのとき。胡が自宅にもともと隠れていたのか、それとも外出先からたまたま戻ろうとしたときに目撃したのかは定かではないが、この街道工作人が警官であることを知った胡はいたく感動。自分の行ないを反省し、警察に出頭するとともに、窃盗団の仲間3人も一緒に自首させたそうだ。

なお、調べによると、胡の本名は劉で、窃盗団のほかの3人はもともと同級生仲間だった。多い日には1日7台ものバイクを盗み、それらをネットで転売して荒稼ぎしていたとのことだ。

しかしこんなことまでされてしまっては無理がないと言うことなのでしょうか、これまた中国らしからぬ?と言うべきニュースですよね。
今年はワールドカップの年で世界一強い代表チームが決まる年だと言えますが、こちらあまりに弱すぎるという代表チームを紹介してみましょう。

【衝撃サッカーレポ】4試合で0得点70失点! 欧州の秘境に伝説的弱さのサッカー代表チームがあった(2013年11月28日ロケットニュース24)

イギリスとフランスの間に浮かぶ人口600人の小島、サーク島。この島は、自治権を持つ英国王室の保護領で、「離婚禁止」、「鳩の飼育権を持つのは領主のみ」、「走行中の馬車に乗っている時は立つな」など中世時代さながらの法律が今も残り、移動手段は馬車か、自転車か、島に数台しかないトラクターという欧州の秘境である。

そんな辺ぴなこの島の代表チームは、ある意味で伝説的存在だ。サーク島代表は国際サッカー連盟、欧州サッカー連盟に加盟していないため、ワールドカップや欧州選手権の予選には参加できず、公式戦の記録はわずか4試合しかないのだが、その試合結果が伝説の理由。圧倒的に弱いのだ。
・4試合で0得点70失点という前代未聞の大敗

2003年、欧州近隣の島々が集う大会「Football at the Island Games」に初出場したサーク島代表は、グループリーグ3試合で0得点55失点、最下位決定戦でもノルウェーのフローヤ島に0−15で破れ、4試合で0得点70失点という前代未聞の大敗を喫したのである。
・弱すぎて「大会に参加させてもらえない」

以前、旅行中にたまたまサーク島代表の試合を観戦する幸運に恵まれた。相手は船で1時間の距離にあるガンジー島のクラブ、ポートシティ。各ポジションに小太りの中年男性を擁すサーク島代表は、終始ボールを支配されて、1−4で完敗した。

試合後、事務局も務めているというゴールキーパーのクリス・ドリロットさんに話を聞くと、公式戦の記録が4試合しかない理由が判明。あまりに弱いせいか、「大会に参加させてもらえないんだ(苦笑)」。

恐らく、2003年の大会は、隣接するガンジー島で開催されたので出場が許可されたのだろう。近隣のチームとの練習試合では勝利を収めているようだが、2003年以降、公式戦出場の記録は見当たらない。
・伝説的弱小チームの正体

サッカーチームが島に1つしかないため、必然的にサーク島代表として扱われているものの、その実態は、16〜40歳のサッカー好きが集う草サッカーチーム……これが伝説的弱小チームの正体だった。だから、選手たちには何の気負いもない。

サーク島代表として何か目標はありますか? と聞くと、肩をすくめたクリスは、「試合を楽しんで、その後に旨い酒が飲めればそれが最高さ」と答えた。そして、もう待ちきれないという様子で、仲間とビールが待つロッカールームへと立ち去った。

人口を考えればそれはまあ弱いのにも納得というものですが、せっかくサッカー強国に囲まれた立地なのにサッカーチームが一つきりで対外試合もなしと言うのはもったいないですよね。
しかし国家代表と言っても日本で言えば県代表くらいの人口しかない国が案外しっかりしたサッカーをしていたりしますから、サーク島代表もまだまだ判りませんでしょうか?!

今日のぐり:「さぬきうどん くうちゃん本店」

岡山バイパス沿いに位置するセルフのうどん店がこちらなんですが、看板によれば「いりこ、かつお、昆布の天然だし。麺はさぬきの手打ち麺。」「味は一流、価格は手頃。」が売りなんだそうです。
しかし最近はこうしたセルフのうどん店があちらこちらに出来ていてなかなかに侮れないものを出す店も増えているのは良い傾向ですね。

とりあえずは冷たいぶっかけを頼んでみましたが、こちらのぶっかけの場合セルフに関わらずデフォルトのトッピングが割合に凝っていて、しかも天かすなどセルフで用意されているトッピングのコーナーにも用意されているものと結構重複しているのはセルフの意味があるようなないような、手間もかかるし単価も高くなるのにな…と思います。
肝腎のうどんなんですが、見た目の色艶は悪くないし表面滑らかな丁寧に仕上げられたうどんで舌触りもいいんですが、基本的には硬いうどんでほおばると噛み切るのにも苦労するほどです。
辛口のつゆもそうしたうどんに合わせてか見るからに濃くしてあるのはマッチングとしてはいいんですが、正直これは讃岐のぶっかけうどんと言うよりは倉敷スタイルでは?とも感じますね。
トッピングということで言えば個人的には磯臭さがかなり強くてもみ海苔はいらないかなと思いますし、このうどんであれば暖かいうどんの方が合いそうかなと思いますが、味の基本自体は別に悪い感じではありませんでした。
サイドメニューとしてミックスかき揚げも試して見たのですが、この主のものとしては比較的珍しいことにメイン食材はさつまいものようで、よくあるクリスピーなものではなくほこほこというのは面白いなと思いましたが、とにかく大ぶりで食べ応えは十二分なんですがサイズのみならず形態的にもこれはちょっと食べにくいなあとも思います(最近はこういう一塊となった成形のかき揚げが増えていますけれどもね)。

全般的な内容としては出汁の味はまずまず、うどんの方はまあこんなものかなと言う感じなのですが、看板を見た後で振り返ってみると別に高いとも言わないですがセルフの店としてはうどん自体の単価は決して安くはないのでは?と言う疑問がありますし、そう考えるとやはりトッピングに余計な手間ひまかけるよりは…とも感じてしまいます。
接遇の面ではごく一般的なセルフの水準ですがなんでしょう、妙に個人店風なゆるさが感じられるのは経営的な理由があるのでしょうか?
割合に新しいお店らしくトイレは狭苦しいながら一応の設備は整っているのはいいんですが、流した後そのままのようにタイルの床が水浸しなのはちょっと危ない気がしますね。

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2014年1月 2日 (木)

今日のぐり:「辛食酒場 かこみ」

最近ではネットでの人生相談もすっかり定着しましたけれども、先日出たこちらの質問には未だ適切なアドバイスが出されていないようです。

[不倫] じいちゃんとばあちゃんが離婚。二人とも85歳。その原因に驚愕…(2013年12月27日マイナビニュース)

じいちゃんとばあちゃんが離婚。二人とも85歳。その原因に驚愕…。じいちゃんがデリヘルを自宅に呼んでしまって、それでばあちゃんと鉢合わせたんだそうです。85なのに…そんな年でも性欲ってあるものなのでしょうか。というかたつんでしょうか。

もう祖父母宅がめちゃめちゃです。なんだろう…もう半世紀以上も連れ添ってきたのに、最後がコレって悲しすぎます…。でもばあちゃんはもう怒りくるってしまって…。これは外野がとやかく言ってももう無駄なんでしょうか…。大好きな祖父母なので、仲直りしてほしいですが…。

まあ…そういうことがあるかないかと言われればあるとしか言いようがありませんけれども、爺ちゃんももう少しリスクマネージメントというものをですね…
本日はお祖母ちゃんを慰める意味も込めて、当事者にとっては大問題なのでしょうけれども、周囲から見ると「何故そうなった」と思ってしまいそうな不思議なニュースを紹介してみましょう。

夫死亡の交通事故、知らずにツイッターで実況 米女性(2013年12月6日AFP)

【12月6日 AFP】米国で、悲惨な交通事故の様子をマイクロブログのツイッター(Twitter)で実況中継していた女性が、途中で事故の犠牲者が自分の夫だと気付くという出来事があった。警察が5日、明らかにした。

 米地方紙シアトル・タイムズ(Seattle Times)によると、カラン・ジョンソン(Caran Johnson)さん(47)は警察無線を傍受してはツイッターのアカウント「@ScanCouver」に投稿しており、4日午後も発生したばかりの交通事故の状況を伝え始めた。
「ひどい事故があったみたい」とまずツイートしたジョンソンさんは、やがて状況が分かってくると「何てこと、これは本当に大変な事故だわ!」と書き込み、そのまま米北西部ワシントン(Washington)州を走る州間高速道路205号線で起きた事故について投稿を続けた。だが、そのうちに夫と連絡が取れないことで不安に駆られ始めた。
「パニックにならないようがんばっているけれど、夫は今日、仕事を早く切り上げていて、いつも205号線を使って帰宅するの。さっきから電話に出ないのよ」
 シアトル・タイムズ紙が掲載したツイートの内容や、隣接するオレゴン(Oregon)州のウェブサイト「kgw.com」に掲載されたツイート画像からは、さらに取り乱していくジョンソンさんの様子が分かる。
「まだ帰ってこない」
「職場に電話したら、夫は退社した時、ふらふらしていたって。#パニック」
「どうしよう?夫は気を失いそうになって車を路肩に寄せたかもしれない。あるいは発作を起こしたのかも。夫はてんかん持ちなの」
「たった今911(緊急通報用電話番号)に電話して、夫の運転免許証番号を伝えたら、転送された後に、折り返しますと言われた。どういうこと?」
 そしてとうとう、ジョンソンさんは言葉少なくこうつぶやいた。「夫だった。死んだの」

 ワシントン州警察当局によると、夫のクレイグ(Craig Johnson)さん(47)の車は、同州南部にあるオレゴン州との州境の都市バンクーバー(Vancouver)近郊で中央分離帯を超えて反対車線に飛び出し、対向してきた小型トラックと衝突。クレイグさんは死亡し、トラックを運転していた女性(54)は大腿骨骨折などの重傷を負った。
 警官が訃報を伝えるためジョンソンさんの自宅を訪れたとき、ジョンソンさんは既に何が起きたか分かっているようだったという。ジョンソンさんは警官が玄関をノックする前に家の外に出て待っていて、駐車場で警官らを迎えた。
 ジョンソンさんは後にツイッターで、励ましの言葉をかけてくれた人々に感謝の言葉をつぶやくと、午後10時半に最後のメッセージを投稿した。
「息子たちはようやく寝付いた。まるでセメントの塊が私の上に落ちてきたみたいな気分」

何とも当事者にとっては悲惨極まる状況なんですけれども、しかし周囲の人間にとってはこんな偶然もあるものなんだなあ…としか言いようのない事態ですよね。
同じく「こんなことってあるんだな」というニュースなんですが、こちらはハッピーエンドで終わったという喜ばしいニュースを紹介しましょう。

初キスの75年後に結ばれた2人、「眠れる森の美女」王女役と王子役。(2013年11月27日ナリナリドットコム)

「眠れる森の美女」と言えば、眠り続けていた王女が、王子様にキスをされて目を覚ますシーンでおなじみの童話。今から75年前、小学校のお遊戯会で主役の王女と王子様を演じた2人は、そのシーンで本当に口づけを交わし、お互いのファーストキスを経験した。そして先日、成長して別々の人生を歩んでも連絡を取り続けていた2人が、83歳になって恋に落ち、さらには結婚。初めての結婚となる女性は「王子様がついにやって来た」と喜んでいるそうだ。

カナダ放送局CBCによると、この2人は東部ニューブランズウィック州セント・ジョンで暮らす共に83歳の、ジョージ・レインズさんとキャロル・ハリスさん。通った小学校で知り合った2人は、彼が高校を卒業して遠く離れたオンタリオ州に引っ越しても連絡を取り合い、ずっと仲の良い関係を保ってきたという。やがて、レインズさんは別の女性と結婚して家庭も築いたが、その間も2人の交流は途絶えることなく、別々の人生を歩みながらも、互いに古き良き「親友」として大事にしていた。

そんな2人の関係が急接近したのは、つい最近のこと。61年間連れ添った愛妻を今年6月に亡くし、大きなショックを受けていた様子のレインズさんは、その数か月後、「最後の訪問」とするつもりで故郷セント・ジョンへ車で向かった。そのとき彼は、話し相手となって傷ついた心を和らげてくれたハリスさんに気持ちが傾いていったようで、80代になって「死ぬまで独身のままなのかと気が沈み始めていた」彼女にとっても、彼との急接近は心待ちにしていたチャンスだったようだ。

そして2人は恋に落ち、オンタリオ州の「ロマンチックなレストラン」にハリスさんを招いたときに、レインズさんがプロポーズ。これからは親友としてではなく、「残りの人生を一緒に素晴らしい時間を過ごそう」と言われ、彼女も承諾をためらわなかったという。

彼女にとって、彼は「(この先も)ずっと独身のままだと思っていた」ところに現れた“白馬の王子”。小学3年生のお遊戯会で「眠れる森の美女」の王女役を演じたとき、いたずらっ子だった王子様役の彼から台本にはなかった本当の口づけをされ、お互いのファーストキスを交わしたことを思い出す彼女は、彼が本当の王子様となって「ついにやって来た」と喜んだという。

こうしてファーストキスから75年を経て、11月16日にセント・ジョンにある教会で式を挙げた2人は、親友同士から夫婦になった。あのとき、彼がほんの出来心で行ったというお遊戯会のハプニングも、実は2人の未来を暗示する“神のいたずら”だったのかもしれない。

これはもうお幸せにと言うしかありませんけれども、しかし実に75年の歳月を経て結実するというのは運命の神様もずいぶんと気が長いんだなと感じさせられます。
こちら当事者にとっては大変な災難なのでしょうが、やはりこれまた「何故そうなった?」と思ってしまうニュースです。

【動画】一体なぜ・・・家の屋根から降りられなくなった鹿が発見される (2013年11月14日Aol news)

日本では数年前、山の斜面のコンクリート枠で動けなくなっていた犬が救出され話題を集めたが、フランスではなんと、民家の屋根から降りられなくなった鹿がいた。

珍事が起きたのは、フランス北東部ヴェルヌイユ=シュル=アンドルにある民家のガレージの屋根。この鹿は発見から3時間後に無事捕獲されたという。どうやら隣家の木の枝づたいに迷い込んだようだ。

Verneuil-sur-Indre : un cerf coincé sur un toit / Deer stuck on a roof in France

何度も滑りそうになる鹿。屋根から落とすのではなく上に突き上げ...と、なんともほのぼのとした救出の様子。映像を見た人からは、

「サンタからはぐれちゃったトナカイじゃない?」
「この小さな村では一大ニュースだったんだろう」
「ひと足早いクリスマスがこの村にやってきたのかしらね」

といったほのぼのコメントに加え、「ロシアじゃカラシニコフで撃たれてるな」なんて物騒なコメントも。フランスで良かったね、鹿ちゃん...。

そう言えばカラシニコフ氏がつい先日お亡くなりになったそうですが、それにしても雪が積もっていたといった状況でもなさそうですのに、何がどうなってこんなことになったのでしょうね?
こちら何故そうなったかということだけは明確なのですが、やはり「いったい何故?」と言う疑問符は残るというニュースです。

【海外:イタズラ】恥ずかしい!便座に接着剤で張り付いた女性が病院へ運ばれる(2013年12月8日日刊テラフォー)

「トイレのユーモア」と称した接着剤が塗られた便座の上に、何も気づかずに座ってしまった女性が、病院へ搬送された。

女性はその日、アメリカ・ジョージア州にある『ホームデポットストア』に買い物に来ていた。そして、用を足そうとトイレの中に入った。

しかし用を足し終わった後、再び便座から立ち上がることができなかった。女性の太ももの皮膚が、便座にピッタリと張り付いていたからだ。

後に、とんでもないイタズラ者が、店のすべてのトイレの便座に超強力な接着剤を塗ったことが明らかになった。
だが明らかになったのは後になってからで、しかも接着剤は“超強力”だった。

女性はおそらくお尻を出したままどうすることもできず、最終的に救急隊によって便座から体を引き離してもらい、その後、病院へ搬送された。

現場付近から、便座の上に塗られたと思われる接着剤が入った茶色い紙袋が発見された。
接着剤には、「耐久性と多様性に優れた強力接着剤」と書かれていた。

女性のその後の様態は分かっていなが、もしかしたら太ももの裏の皮膚がはがれてしまったかもしれない。
体に負った傷もさることながら、お尻を丸出しにしたまま救急隊に救われなければならなかった心の傷もかなり大きかったに違いない。

いたずらにしてもずいぶんとタチが悪いと言うしかありませんけれども、良い子の皆さんは絶対にこんな真似をしてはいけませんよね。
こちら当事者にとってはこれまた大変な事態だったと想定されますけれども、何ともかわいらしい結末で終わったようです。

「お腹が減った」と7歳が110番、心優しい警官が月餅をプレゼント。(2013年9月22日ナリナリドットコム)

幼い子供にとって、家でひとり留守番することは心細いもの。先日、中国では留守番中の7歳の男の子が“お腹が減った”という理由で110番通報する出来事があった。その日はちょうど中秋節だったということもあり、駆けつけた警官は月餅をプレゼントしてあげたそうだ。

中国紙武漢晩報などによると、この出来事があったのは中国の伝統祝日の中秋節を迎えた9月19日午前のこと。湖北省武漢市青山区の派出所に110番通報が入ったのだが、それは「お腹が減りました」という不思議な内容だった。警官がよくよく話を聞いてみると、電話の主は幼い子供で、家でひとり留守番をしており、お腹が減って怖くて不安も感じているという。

男の子を不憫に思った警官は様子を見に行くことにするが、その日は国中がお祭り騒ぎとなる中秋節。機転を利かせた警官は月餅を携え、男の子の家を訪問することにした。

警官が家に着くと、ドアを開けて出てきたのは小学2年生の林くん。調べによれば、林くんの両親はその日午前8時ごろ、祖母の引っ越しの手伝いで家を出て行ったそうで、11時頃になってお腹が空いた林くんは父親に電話するも、「引っ越しが終わっていないので、もう少し待ちなさい」と告げられ、いろいろ思案した挙げ句、警察に助けてもらうことを思いついたそうだ。

なお、警官から連絡を受けた両親はすぐに自宅に引き返し、子どもが些細なことで迷惑をかけたと平謝り。警官は両親に「お子さんの管理をしっかりするように」と軽く注意だけして、その場を立ち去ったという。

ともかくも無事に終わってよかったというものですが、なにこれ中国なのに妙にいい話だけどオチは?と言う点が一番不思議な事件でしたでしょうか?
およそ不思議極まる事件と言えばブリにとどめを刺すというものですが、こちらブリでなければそもそも起こりえなかった不幸な事件と言っていいのでしょうか?

酔って寝て起きたら陰毛がない…友人男性を殴った男に有罪判決/英(2013年12月12日ミラー)

酔って寝て起きたら陰毛がない… 友人のイタズラに激怒して殴りつけた男に有罪判決が下されました。

検 察側の調べによると、ジェームズ・ヒル容疑者を含む男三人は酷く酔っていたとのことです。そして被害者宅で寝こんだヒル容疑者に対し、被害者の男性は陰毛 を剃る”いたずら”を行いました。翌朝、ヒル容疑者は自分の身に起こったことを知らず、笑顔で帰っていったとのことです。

しばらくしてシャワーを浴びて異変に気付いた容疑者が怒鳴り込んできて、そのまま友人の顔を殴り、階段下に押し倒しました。被 害者は顎を折る重傷を負ったとされています。

ヒル容疑者には6ヶ月の禁固刑と執行猶予2年、12ヶ月間の保護監督命令、150時間のボランティア活動、400ポンドの損害 賠償の支払いが命じられました。

何を言っているのかわからねえと思うが(aa略)と言うべきニュースなのですが、これは正直「被害者」に同情する気にはなれないというニュースですかねえ。
最後に取り上げますのも同じくブリからの話題ですが、まずは何が起こったのか理解することが困難なその事件の様子をこちらから紹介してみましょう。

トイレットペーパーホルダーを”使用”した男性、動けなくなり救急に助け求める/英(2013年12月2日ミラー)

サウスウェールズでトイレットペーパーホルダー(写真)を使用し、動けなくなった男性が救急ダイヤルに助けを求めるという事故が起こりました。
男性は「動けない。」と携帯電話からコールしたとのことです。

駆けつけた消防士の手によって男性はトイレットペーパーホルダーから”解放”され、病院に搬送されたとのことです。

また同じくサウスウェールズのアンという人物も同じような状況になり、消防士によって「適切なアドバイス」が与えられました。

サウスウェールズではこのような事例が3年間で864人あり、うち26件は「セクシーな手錠」にあったとのことです。

ブリで続発しているというこの奇妙な事件、元記事に添付された画像から状況を推測するしかないのですけれども、要するにこのホルダーはブリ的に欠陥品であったと言うことでFAでしょうか。
このような欠陥商品を開発しているメーカーは即座に状況の改善を図るべき社会的責任があると思いますが、惜しむらくはその改善策はブリ以外においては何ら意味なきものとなりそうな点でしょうかね。

今日のぐり:「辛食酒場 かこみ」

岡山市中心部の天満屋やクレドといった界隈に位置するビルの二階にあるこちらのお店、つい半年程前にオープンしたばかりなんだそうです。
焼き肉や辛鍋が主体なんだそうですが、メインの辛鍋は辛さが選べる上に激辛スパイスもあると言うことでちょっとおっかなびっくりですが、もちろん辛さを加減すれば通常の用途?にも応需可と言うことで安心ですね。
この日は焼き肉と辛鍋が主体のお任せのコースでいただいてみたわけですが、しかしこのお店のロースターもこれまた変わった形で興味深いですね。

突き出しのポテサラはイモの潰し方に一工夫されていて、なかなかあっさり仕立てでいい感じなんですが、続いて早速始まった焼き肉もこれまたユニークなものが多いようです。
最初に出てきた鶏皮は脂が出てカリカリになるまで焼くと外しようのない鉄板の味という感じですが、続いて出てきたのが割合珍しい鶏ハラミで、塩胡椒で食べたのですがジューシーでうまいものですね。
続いて豚トロはまさに定番の味ですが、同じ部位の鶏バージョンである鶏トロはこれまた珍しいもので、むしろ豚トロよりこってり濃厚な味わいが楽しめます。
焼き肉で今や定番となった牛ハラミは鶏との食べ比べの趣向は楽しいですがハラミとしてはまあ並の味で、全体に焼き肉としては変に揉みダレなどの下味がないのが塩胡椒で肉の味が楽しめるところで、この日食べた範囲で言えば牛豚よりも鳥の方がおすすめかなと言う気がします。
ここまでですでに結構時間がかかっているのですがここから何故か更に時間がかかって出てきたのがもう一つのメインである辛鍋で、一見して「鍋でけえよ!」と思うところなんですが一辛はまあまあ並みの辛さで収まる範疇ながら、これが五辛になるとかなり来ると言うのでしょうか、このボリュームを食べているうちに辛さが蓄積されるのでともかく辛さは控え目がよさそうですね。
量もさることながらちゃんこか!と言うほど大振りの油揚げが意外に汁を吸っていわじわくるのも要注意なんですが、全般的にはよく言えば色々な食材が楽しめるのですが、これだけのボリュームがあるにも関わらずこれを食ったと感じるキーになる食材が見当たらないのが物足りない感じですし、意外にあっさりのスープにも辛さ以外に特にこれという売りがない印象です。
締めは中華麺ですがこれまた結構ボリュームがあるようで、とにもかくにもスタート時点であまり辛くしていると即死しかねない点だけは注意が必要ですけれども、お店の看板を見ても基本的に辛いを売りにしている様子ですのでこれはこれで狙い通りということなのでしょう。

普段からこうなのかと言われると何とも言えないのですが、少なくともこの日に関しては接遇云々以前にレスポンス悪すぎと言うもので、本来お待たせしない系のメニューですら忘れた頃に出てくるというほどサーブが遅いのがなんだかなあですし、さして席数が多いわけでもメニューが複雑なわけでもないのにオペレーションの問題があるのでしょうか?
見ていますと基本となる器は一応デザインテーマを揃えているようなのですが次第に全く別系統のものが混在してくるだとか、デザートのアイスにつくのもスプーンだったりフォークだったりするというのは、もともとそう数が出ないと思われるお店なのですから開店準備の際に多めに揃えておけばいいのにと思ってしまいますね。
カウンターとテーブル、そして座敷席があるのですが、板間の座敷席の座布団だけ妙に薄いのは何かしらの理由があるのかどうか、待ち時間が長いことと相まって少しお尻には優しくないですし、トイレなどは苦労して工夫もしているのは判るんですがやはり基本設計が古過ぎると言うもので、こうした設備面のことはやはり開店時に考えておくべきだったのかなという気がします。

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2014年1月 1日 (水)

今日のぐり:「串揚げ 山留(やまどめ)」

あけましておめでとうございます。
本年も変わらず「ぐり」研鑽に努めて参りますので、当「ぐり研」をよろしくお願いいたします。
さて、年初早々に犯罪の絡んだニュースをお伝えするのも心苦しいのですが、昨今何かと話題の犯罪行為にも関連して、ちょっと笑ってしまうメールが飛び交っているというニュースを照会してみましょう。

最近の迷惑メールはやっぱり変!今度は織田信長から天下統一の協力を求められた(2013年12月26日おたくま経済新聞)

以前も特集したことがありますが、最近届く迷惑メールがやっぱり変なんです。
迷惑メールといえば、一昔前には露骨に出会い系サイトに誘導しようとするものがほとんどだったため、もし届いても目を通すことなく捨てていましたが、ここ最近届く迷惑メールは「天皇の座に即位しませんか?」や「鳥取県の権利を安価で譲ります」などつい目を通したくなるような笑えるものが増えています。
今回紹介するのは、そんな“笑える”迷惑メールの最新作。筆者の友達に届いたものをご紹介。

<引用ここから>
初めまして
自分はタイムスリップしてきた織田信長と申します
ご存知かと思いますが
有名な武将です
昔もぅ少しで天下統一の所を部下の光秀に裏切られ生死の境をさまよっていた時に急にタイムスリップしてしまいました
今まで身を潜めていましたがこのサイトでメカハイジさんのプロフィールを見て目が覚めました
よろしかったら拙者と共に天下統一を目指さぬか?
http://*******
光秀に倍返しだ!

<引用ここまで>

この迷惑メール今年の5月頃から出回っているようです。ネットで調べたところ、多くの方が届いたという報告を上げていました。
また、ここに書かれる“メカハイジ”というニックネームですが、今回情報を提供してくれた友達に確認したところ心当たり無しとのこと。
実際、他に送られた同様のメールでも“メカハイジ”と書かれているので、これはどうも定形文のようですね。
しかし今回届いたメールには5月に出回ったものにはない、「光秀に倍返しだ!」という一文が加わっており、ちゃっかりトレンドに乗った感じが見受けられます。

出会い系業者の方もあの手この手と本当にいろんなことを思いつくものです。
実際ここに書かれているURLをクリックすると、とんでもない詐欺サイトに飛んでしまうワケですが、それでも思わずクリックしたくなる。。。
ある意味、人の心理分析がよく出来た人達なのかもしれないですね。

いやもうね、それはノブ様に天下統一への協力を求められでもしたら我が身を捧げるしかないと言うものでしょうよ。
今日は新たな天下統一の野望に目覚めたノブ様の将来に幸多かれと祈念して、新年らしくこれぞ気宇壮大!と言うしかないニュースを世界各地から取り上げてみることにしましょう。

落差ナイアガラの滝以上、恐怖のウオータースライダー建設中 米(2013年11月22日AFP)

【11月22日 Relaxnews】スリルを求めてやまない怖いもの知らずにはたまらなく魅力的だが、高所恐怖症の人たちにはとてつもなく恐ろしいアトラクションとなるだろうウオータースライダーが、米遊園地に建設中だ。スタート台の高さは、何とビルの17階に相当する。

 カンザスシティー(Kansas City)のウオーターアミューズメントパーク「シュリッターバーン(Schlitterbahn)」に建設中のウオータースライダーは、その名もドイツ語で「狂気」を意味する「フェアリュクト(Verruckt)」。4人乗りのゴムボートで、ナイアガラの滝(Niagara Falls)や自由の女神(Statue of Liberty)像のトーチのてっぺんよりも高い場所から滑り降りる。

 開発はウオーター系アトラクションが専門のシュリッターバーン・デベロップメント・グループが手掛け、2014年に完成の予定だ。

 完成すれば、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)にある遊園地「アグアス・クエンテス・カントリークラブ(Aguas Quentes Country Club)」の「キリマンジャロ(Kilimanjaro)」が2002年から保有する記録を抜き、「世界で最も高低差のあるウオータースライダー」の称号を得ることになる。

 ちなみに「フェアリュクト」を滑り降りるには、スタート台まで264段の階段を上らなければならないそうだ。

いや確かに元記事の写真を見るだけでもただならないですけれども、この長い長い階段を登るという行為がまた大変テンションを高めそうですかね?
これまた好きな人にはたまらない系のニュースなのでしょうが、とにかくすごいと言われれば確かにすごいとしか言いようがないというニュースです。

レゴ50万個以上を組み上げて作られた自動車が本当に走っているムービー(2013年12月19日GigaZiNE)

デンマーク生まれのおもちゃのブロックであるレゴは大人でも楽しめるものですが、おもちゃの範疇を超えて科学の分野やアートの材料として使われるなどさまざまな可能性を兼ね備えています。そんなレゴブロックを50万個以上も組み合わせて、実際に走行できる自動車を作りあげてしまった人がいました。

SuperAwesomeMicroProject

実際にレゴでできた自動車が走っているシーンが以下のムービーに収められています。

Life Size Lego Car Powered by Air
(略)
「これまでに作られたことがないものを作りたい」という気持ちをきっかけに始動したこのプロジェクトで、出資を集める際に使われた趣旨書が公開されています。出資することによるメリットは「プロジェクト成功の際には世界に向けて発信を行います。このプロジェクトに関わったことは、出資者のキャリアにおける興味深い出来事になるでしょうし、コンピューターマニア・技術屋としての経歴にプラスとなるでしょう」と説明されています……。
(略)

元記事の画像を見ているだけでももうものすごいとしか言いようがないものなんですが、それにしても何が彼らをしてこうまでレゴにこだわらせるのでしょうね。
国内某県ではこの時期蕎麦ならぬうどんを食べるという話なんですが、その結果必然的に出てくるアレを何とかしようという壮大な計画がスタートしたようです。

うどん発電、うどん県で始めます 香川・高松、廃棄麺で(2013年12月15日朝日新聞)

【柳谷政人】廃棄されたうどんを使って電気を作る事業を、高松市の産業機械メーカー「ちよだ製作所」が始める。うどんを発酵させて作ったメタンガスを燃料にする。今月末から四国電力に売電を始める。

 同社は、製造過程で出るめんの切れ端や落下した廃棄うどんを原料にバイオエタノールの生産をすでに進めている。だが生産後も残りかすが出ることから、残りかすを37度で保温してメタンガスを発生させる発酵槽と、ガスを燃やしてタービンを回す発電機などを備えたプラントを今春に新設した。1日3トンの麺を処理して年間最大18万キロワット時を発電し、年間約700万円の売電収入を見込むという。今月19日に売電用のメーターを取り付ける予定だ。

 香川県内で年1千トン規模の廃棄麺があることを知った同社の池津英二社長(74)のアイデア。同社のほか、回収した割りばしから再生紙をつくる「NPOグリーンコンシューマー高松」(高松市)や製麺会社「さぬき麺業」(同)などがメンバーで、うどんから作った燃料でうどんをゆでるため「うどんまるごと循環プロジェクト」と名付けている。

何しろ某県では糖尿病有病率にも関わるというくらいに生活に密着しているものだそうですが、それにしても廃棄うどんだけでなくあの廃水も何とかならないものか…と思ってしまいます。
日本人は回転寿司を発明しましたが、こちらの方々はまたとんでもないものを発明したらしいと話題になっていますね。

時速140キロでテーブルまでハンバーガーをお届けします(2013年12月23日GIZMODO)

チューブの中をハイスピードで通り抜けるハンバーガー。

空気輸送管、書類等を届ける方法として見たことがある人も多いでしょう。が、あのチューブを使って届けるのは何も書類だけじゃありません。ハンバーガーだって届けるもんね。

ニュージーランドにあるカフェC One Espressoは、ウェイター/ウェイトレスではなく、空気輸送管を使ってハンバーガーをテーブルまで届けるシステムをテスト中。現在すでに、注文の紙をキッチンに届けるために、空気輸送管システムを使っていますが、このチューブをレストラン中に導入してハンバーガー移送のために使う予定なのだとか。チューブ内をハンバーガーが駆け抜けるスピードは、時速87マイル(約時速140キロ)にもなります。

なんという暴走バーガー野郎でしょう。

その状況は元記事の動画を参照いただくとして、固形物はこの加速度に耐えられるのでしょうがドリンク等がどのような状況になるのかと、今から興味津々ですよね。
ロシアでは今年はかつてないほどの暖冬なのだそうで、人々がその暖かさを楽しんでいるという記事が出ていました。

「おーい!! こっちの冬はあったけぇぞぉ~!! お前も来いよ!!」ロシアが異常気象! ロシア民はこの冬常夏気分(2013年12月26日ロケットニュース24)

「おーい、こっちの冬はあったけぇぞぉ~。お前も来いよ!!」リゾートビーチのような場所で、水着の男女数人が手招きしている写真がある。なんとこれ、極寒のロシアで数日前に撮られた写真なのだ。

・「氷の皇帝」を生んだロシア

ロシアといえば「氷の皇帝」といわれているエミリヤーエンコ・ヒョードルの出身地。人類最強の男を生んだ国の寒さは「地球一暮らしにくい」といわれているほどだ。ヒョードルの鋭い眼つきはこの極寒から生まれたといっても過言ではない。12月のシベリアはマイナス40度なんて当たり前、町は道路はもちろん雪に覆われ、川や池は全面に氷がはる。

・異常な暖かさ

今年はまったくもって例年とは違う。先月は計測上でいちばん暖かい11月を記録。12月もその記録が更新されている。トムスク州では例年の平均気温よりも15度高い状態が続いており「雪がない12月は生まれて初めてだ」と地元民は騒いでいる。今までなら氷がはってあるはずの川で、アヒルが優雅に泳いでる写真を見ると、もうすぐ春がやってくる気がしてしまう。

・「ヒャッホー‼ 」常夏気分でうかれるロシア人

今年のロシアは、なぜこんなにも暖かいのか? その理由は究明されていない。こんな天変地異が起きると、人は大災害の予兆だとか地球滅亡だとか不安になるはずだが、写真を見ての通り、ロシア人は大うかれだ。わざわざ手作りのヤシの木や標識を作って暖冬を祝うとはオソロシア。注: なお日本の冬は残念ながら例年通りの寒さのようなので、防寒にはお気をつけいただきたい。

いやまあ、ロシア人的にはかつてないほどの暖冬なのは事実でしょうが、元記事の画像を見るだけでも水着で過ごすにはいささか無理がある状況のような…
この時期日本でも宝くじが話題になりますけれども、こちらまんまと大金が当たったという方のニュースです。

39億円相当の宝くじ当せん金、「必要ない」と全額寄付(2013年12月19日AFP)

【12月19日 AFP】カナダで、宝くじに当せんし4000万カナダドル(約39億円)を手にした退職者の男性が、全額を慈善団体に寄付すると表明した。「お金はもう必要ない」からだという。

 この男性は、今年9月まで家電卸売会社の社長を務めていたアルバータ(Alberta)州カルガリー(Calgary)在住のトム・クリスト(Tom Crist)さん。公営カナダ放送協会(Canadian Broadcasting Corporation、CBC)の取材に14日、次のように語った。

「44年間、1つの会社で勤め上げ、十分な幸運に恵まれてきました。自分や子どもたちの暮らしを支えるだけの貯金があり、子どもたちの将来も心配はありません。当せん金は私には必要ないお金です」

 クリストさんは、当せんの知らせを受けてから今まで名乗り出ていなかった。「どうすればいいのか分からなかったから」だという。携帯電話で知らせを受けたのは米カリフォルニア(California)州でゴルフをしていた時だったが、電話の後に昼食を食べ、それからまたコースに出た。子どもたちにも宝くじに当たったことを黙っていたそうだ。

 今後は基金を設立し、子どもたちと共に選んだ慈善団体に一定額ずつ寄付していく考えだという。

いやまあ、確かに尊い行いであることは言うまでもないことだと思いますけれども、そもそも当選金が必要ないなら何故宝くじを買おうなどと思ったのでしょうね。
最後に取り上げますのはこちら、火の海の中に飛び込んでいくという英雄的行為を敢行した一人の男のニュースをお伝えしましょう。

火の海へ「ビール取ってくる」、燃える家から一度脱出も決死の再突入。(2013年10月31日ナリナリドットコム)

先日、米ジョージア州の住宅で1件の火災事故が起きた。警察や消防は調査中としながらも、住民の話では新しく取り付けた温水器の故障が原因ではないかとのこと。これだけなら、地元のローカルニュースでわずかに伝えられる程度の事故なのだが、このケースでは火災そのものよりも住民の男性が特異な行動を取ったとして、米国で大きな話題になっている。

米放送局ABC系列WTVMや米紙アトランタ・ジャーナルコンスティトゥーションなどによると、この男性はジョージア州コロンバスに住むウォルター・サーピットさん。10月24日午後、彼は家族らとリビングルームでテレビを見ていたところ、部屋に煙が流れ込んでいることに気が付き、火事になったと分かったという。すぐに彼が「子どもと持てるものを持って逃げろ」と指示を出したおかげもあって、彼も含めて中にいた大人6人と子ども2人は、けがもなく外へ避難できたそうだ。

間もなく消防車も到着し、杖を使う体ながら無事に逃げ出して消火活動を見守っていたサーピットさん。ところが、家族全員が何事もなく周りにいることが確認できた途端、彼は家の中に大事なものを残してきたと、思い出してしまった。

それは、自称“アルコール中毒”と語る彼にとって欠かせないビール。ケースごと買い、まだいくつも残していたのが相当惜しかったようで、思い出した瞬間に彼は、火に包まれて「ハリボテのようになった」我が家へ再び飛び込んでいったという。

入った途端、「私を殺そうとするような」激しい空気の流れでドアが勝手に閉まったと話し、そこでやっと死の恐怖を感じた様子のサーピットさん。しかし機敏な行動で対処できたから良かったのか、彼は燃え盛る家から何本かの缶ビールを見つけると、難を逃れて無事に脱出でき、再び家族の元に戻れたそうだ。

そんな彼の行動は、WTVMの報道から全米や英国などのメディアでも紹介され、大きな話題に。ビールのために火に包まれた家に飛び込んだ彼の行動に、驚いている人が少なくないようだ。

ただし、人生いろいろな楽しみも命がなければ味わえないわけで、今回はビールを固執したサーピットさんも危険な思いをして何が一番大切なのか、少しは気付いたのではないだろうか。

いやまあ、確かにとてつもない勇気ではあるのでしょうけれども、何本かのビールというものがそれほどに大切なものだったのでしょうかね…
もっとも炎の中に飛び込んで暑い思いをした後でしょうから、その後で口にしたビールの味は人生そうそうは味わえないほど五臓六腑に染み渡ったのかも知れません。

今日のぐり:「串揚げ 山留(やまどめ)」

岡山市中心部のシンフォニーホールの向かいあたり、やや路地裏にあるのがこちらのお店なんですが、有名な「天神そば」のすぐ裏手と言えば一番判りやすいでしょうか?
ビルの一階にある割合に小綺麗かつおしゃれなお店で、こういう見かけからすると高そうなんですが意外にリーズナブルな価格で食べられると人気の店だそうです。
メニューを見ますとメインである串揚げコースは串揚げセットと雑炊またはおにぎりが組み合わされたものだそうで、単品メニューもそこそこあることに加えて何故か幕の内などもあるのが面白いですね。
とりあえず無難に串揚げセットを頼んでみましたが、むしろ串揚げよりも雑炊が売りだとも言うそうで、それもあってかセット類は大抵主食に雑炊がえらべる様子でした。

その串揚げですが、一番の特徴として日本的なざっくりしたパン粉ではなく、ほとんど唐揚げのように細かい粉を使っているということで、自分の知る限りここまでの店は福山市内に一軒知っているだけですが素材の味は出しやすいのかも知れませんね。
これに合わせるタレは種類別にカラフルに小分けしてくれているんですが、関西風串揚げのどっぷり浸けるスタイルに慣れているとこの小鉢では付けにくいし物足りない気がします。
真っ先に口にしたのは生麩あげですがなかなか意表を突く味と食感で、もう少し衣をしっかりつけた方が衣と中身との食感の対比が出そうですよね。
茄子かと思ったらレンコンだったのですがこれもうまいし、サツマイモはベーコン巻になっていて甘辛と食感の対比がおもしろいですし、小ぶりのものを丸々串揚げにしたワカサギはちょいとほろ苦いのがいいアクセントです。
定番の豚バラは形としてはよくある豚とネギなんですが食べて見るとかなりイメージが違う一串で、一方鮭やうずら卵などは特にひねりもなく見た目そのままと言うところ、茄子の肉詰めはもう少し下味がしっかりしていてもいいかも知れません。
海老フライは小ぶりながら揚げた海老の風味が濃厚ですし、紫蘇巻きを最後に食べるといい口直しになりますよね。
単品ではミックスフライのトンカツはロゼなどと言わす少なからずディープな挙げ具合で、衣はクリスピーですが肉はやや固くなっているのは残念でしたけれども、出し巻き卵はスケール感の判りにくい写真とイメージが違ってかなり食べ応えのあるサイズで、薄味の仕立てですがなかなかうまいと思います。
締めに当たる肝腎の雑炊ですがそれなりに量もありますから大前提として胃袋のスペースを十分にあけておくべきとして、味はまあ普通ですが個人的にも柚子風味は好き嫌いがあるのでトッピングでなくオプション扱いでもいいかも?と思ったのですが、デザートなどでの使い方を見てもゆずにこだわりがあるんでしょうかね?
ちなみに付け合わせのシンプルな赤出汁ですが、よくある味噌が強すぎるものと違ってちゃんと出汁の味が楽しめる案配なのはいいとして、これも少し柚子風味が感じられるのは好きな人にはたまらないんでしょうね。

設備面では見た目通りにトイレなども広さ、設備ともに合格の水準ですし、女性客にも人気があるというのが判りますけれども、ランチ営業の方がメインらしいということからも判るようにばくばくとひたすら串揚げを食べビールもがぶがぶ飲むと言ったスタイルとは少し違った方向性を目指しているようですね。
野菜などを中心にしたいろいろな串揚げのアイデアを楽しむ店かとも思うのですが、逆に定番の揚げ物をがっつり行きたいと言う人にはやや肩すかしを食わされた感があるかも知れずでしょうか、いずれにしてもよそで少し入れてきた後の二次会にも向いているのかも知れませんけれども、それほど遅くまでやっているわけでもないという点には注意が必要ですかね。
接遇は酔客相手でも節度が感じられて好印象なんですが、店の見た目的なイメージに反して割合に家庭的でもあるようですから(何でも改装されてこういう構えになったそうです)、じっくりこの雰囲気を味わいたいならランチよりも空いた夜の時間帯がおすすめでしょうか。

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