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2013年12月17日 (火)

顧客トラブルをコントロールするヒント?

今日はまたどうでもいいことを書いてみようかと思うのですが、社会のあちらこちらで顧客マナーの悪い人々が問題になっていますけれども、先日こんな調査結果が出ていたことをご存知でしょうか。

駅員に暴力、東京が最多 加害者は酔客7割 国交省調査(2013年12月12日朝日新聞)

 【工藤隆治】鉄道の駅員や車掌に乗客が暴力をふるうトラブルが2012年度に全国で932件発生し、都道府県別で東京都が最多の302件だったことが、国土交通省の初の全国調査でわかった。加害者の7割は酔客で、国交省は「大都市は乗客が多いうえ、繁華街を抱えて酒のトラブルが多い」とみている。

 全国のJRと私鉄全170社に、駅員らが殴られたりつばを吐かれたりしたトラブルを尋ねた。多発した府県は神奈川(93件)、愛知(72件)、埼玉(71件)、大阪(58件)、千葉(53件)が続いた。1件もなかったのは秋田、鳥取、長崎など9県だった。

 具体的な事例としては、車内で酔いつぶれた仲間を待つためドアを押さえていた客が、注意した駅員を殴った▽禁煙のコンコースで喫煙をとがめられ、投げ飛ばした▽機械の故障で待たされたのに腹を立て、駅員を土下座させたうえ頭を踏みつけた、などがあった。トラブルの8割について、各社が警察へ届け出た

 JRと大手私鉄の調査で08年ごろからトラブルが多発し、国交省が全国調査に乗り出した。国交省は今後、各都道府県警と連携し、駅構内の警戒などを強化する。

東京都が最多だったというのは意外と言って良いのか微妙なところですけれども、やはり全般的には人口の多い地域にトラブルも多いという予想された結果とも言え、特に駅での調査ですから相対的に飲酒客の比率が高くなるということは想像出来るところですよね。
ただ見ていますと飲酒ではなくとも明らかにモンスター級のトラブルを発生させている顧客も一定数いるようで、これら反社会的行為の8割が警察に届けられているというのは当然としても、08年頃からトラブルが多発し問題化してきているというのはこのところのモンスター顧客問題と共通する病理の存在を感じさせます。
もちろん駅員に対する暴力のみならず駅員が絡んでいない局面でのトラブルも予想されるだけに、駅構内や列車内での乗客の安全確保ということも各社早急に対策を取っていただきたいところですけれども、この方面では昔から厳しい顧客対応を取っていることで知られるのが航空各社で、以前からちょっとした?乗客の騒ぎなどでも簡単に離陸中止になるということがたびたび報道されていました。
もちろん安全運行が最大限に求められる乗り物ですから、指示に従わないような乗客を乗せて飛び出すようなことはあってはならないことですけれども、そこまで至らずとも同じ乗客を不快にさせる行動が結構あるものだという調査結果が先日報じられていたのですが、圧倒的第一位になったのがなかなか興味深い迷惑行為だったのですね。

飛行機で最も不快な乗客は「子どもの面倒見ない親」=米調査(2013年12月10日ロイター)

[9日 ロイター] -オンライン旅行会社エクスペディアが発表した調査で、飛行機を利用する米国人が最も不快に感じる乗客のタイプが「子どもの面倒をみない親」であることが分かった。

調査はコンサルティング会社ノーススターがまとめたもので、過去5年間に飛行機を利用した米国人1001人を対象に、不快に思う乗客の態度を調べた。

それによると、「うるさい子どもを連れた乗客」との回答は全体の63%に達し、「席を蹴る後ろの席の乗客」や「香水を過度につけた乗客」などを抑えてワーストとなった。

35歳未満の回答者のうち「有料の騒音禁止席が設置されれば、その席を選択する」との回答は59%に上った。

何しろ途中で降りるわけにもいかない閉鎖空間で延々と大騒ぎされるのですから「うるさい子供を連れた乗客」が敬遠されるのは十二分に理解出来ることで、「泣き止まないような子供はそもそも飛行機に乗せるな」なんてことを言う人もいるようですけれども、まあ昨今話題のノイズキャンセラ-みたいなものでも装備してもらいたいと思いたくなる気持ちにはなりますよね。
もちろん子供に泣かれたり喚かれたりする側の親もそれはそれで大変だと言うのも判りますけれども、少なくとも親の責任としてきちんと面倒をみるのは最低限必要ですし、手に余り対応できないと言うのであれば可能な限り別な交通手段を選んでもらいたい…と言うのが同乗者の偽りのない心境でしょう。
そんなお互いにとって何とも気まずい状況に陥りがちな子供問題ですけれども、中には非常にうまいこと切り抜けたと言うケースもあるようで、少し古い記事ですがこういうちょっと心和むニュースを紹介してみましょう。

双子の赤ちゃんを連れて飛行機に乗ったパパママの斬新な「気配り」が大反響を呼ぶ(2012年9月7日ロケットニュース24)

生後間もない双子を連れて飛行機に乗ったある夫婦の斬新な “気配り” が、いまネット上で大反響を巻き起こしている。一家のすぐ近くの座席に偶然乗り合わせた男性が、彼らの行為に感激しネット上でこの出来事を公表したため、世界中に知られることとなった。

この夫婦には生後14週間の双子の赤ちゃんがいた。幼い子どもを連れての飛行機での移動、しかも双子……誰だって機内で起こり得ることはだいたい想定できる。他の移動手段があるなら飛行機を避けることもできるが、どうしても乗らなければならないときもある。

そこで彼らは考えた。他の乗客へ配慮すべく先手を打つことにしたのだ。キャンディーをたくさん用意し、少しずつ小さな袋に詰めて乗客みんなに配った。さらに、袋には次のようなメッセージも添えられていた

『こんにちは! ぼくたちは生まれて14週間の双子の兄弟です。飛行機に乗るのは今日が初めて。お行儀よくするように頑張るけど、もしも落ち着かなくなったり怖くなったり耳が痛くなったりして迷惑かけたらごめんなさい。ママとパパ(別名:歩くミルクマシーンとおむつ交換機)が耳栓を用意しています。ぼくたちは20Eと20Fの席にいるから必要な時はいつでもどうぞ。みなさんが素敵な旅をできますように!』

彼らの配慮の気持ちとちょっとしたユーモアは、乗客たちの心に届いたようだ。一家のすぐ近くに座っていたというアンドリュー・メリットさんは、とても感動してこの出来事をキャンディーの写真付きでネット上で紹介した。

「機内で、彼らはずっと周囲に気を配っていて素晴らしかった。双子も想像したほど騒がしくなかった。到着後、空港内で再び一家を見かけたのだけど、夫婦の両親が孫と対面している光景にちょっと泣けてきたよ」と、彼はRedditでコメントしている。

これを見たネットユーザーたちの多くが夫婦の斬新なアイデアに驚いたようだが、彼らの意見は様々である。

こんなにも周囲に配慮できる親を見たことがない。素晴らしい!」
「確かに彼らの行為は素敵だけど、こういうことをしなければ機内の乗客は赤ちゃんが泣くのを許せないということならそれはすごく悲しいこと」
「機内で赤ちゃんが泣くのは仕方がないと思う。それに対して親からの謝罪なんか求めない。それよりも、謝ってもらいたいくらいマナーがなっていない大人がたくさんいる」
「小さい子どもがいる親として、彼らの行為を参考にしたい」
「赤ちゃんが泣くのは当たり前だから機内では気にしないけど、確かに何もないよりは親のこういう配慮があるとこちらの気分は違うのかもしれない」
「このためにどれだけの時間とお金を費やしたのか気になる」

……などなど。それぞれに受けとめ方は違うようだが、いずれにしてもこの夫婦のアイデアは斬新なものであり話題になっていることは確かである。みなさんは今回の出来事をどのように感じただろうか。

騒音の音量としては同じようなものでも一方は周囲から迷惑がられ、他方は周囲から微笑ましく見守られるというのは何の差によるものなのかと言うことを、これはなかなかに端的に示しているケースだと思いますけれども、要するに多くの人間は不快な行動そのものよりも、不快な行動を行って恥じることのない人間を不快に感じると言うことが言えそうですよね。
いわゆるモンスター顧客対策ということが色々と言われる中で、単なる厳しい顧客とモンスターとの境界線はどこかと言えばきちんと筋道を立てて話し合えば判ってくれるかどうかだと言う意見があって、いささか後出しじゃんけん的な区分という気がしないでもないのですけれども、言葉を変えればどこかで「自分の行動は少し行きすぎている」と自制し修正できるかどうかと言うことではないかと思います。
もちろんあらかじめトラブルを予想しメッセージやキャンディーまで用意するようなことはなかなか一般人には出来ないですけれども、モンスター鑑別のためには本人にも自省を促し軌道修正の余地を与えるための時間が必要だと考えると、顧客トラブルというものは一度に解決しようとするのではなく時間を置きながら何度か分割してコンタクトを取っていった方が本当はいいということなのでしょうね。
逆に言えば真のモンスターであるか否かにかかわらずどうしてもこの顧客とは水があわない、うっかり和解でもして常連客になってもらっては困ると感じさせられる顧客も時折いるものですが、そういう顧客に対しては相手に考える余地を与えず一気呵成に完全決裂に至るまでたたみ掛けるのが効率的ということになるのでしょうか。

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コメント

立場をわきまえ、適切な関係にあるべき受注側と顧客。しかし実際のビジネスの現場では、「お金を払っている」ということを盾に、受注側に高圧的な態度で理不尽な要求をする顧客、いわゆる「モンスタークライアント」が少なからず存在するようです。具体的にどんな目にあったのか、みなさんの被害報告を元にタイプ別にご紹介します。

【モンスタータイプ1:スーパークレーマー型】
・「自分の子どもがこの会社の就職試験に落ちたのでもうこことは取引をやめる」と言ってきて大騒ぎになった(女性/金融・証券)
・細かいクレームをわざわざ手紙で郵送してくる(男性/金融・証券)
・福袋の中身が気に入らないと言って返品(女性/アパレル・繊維)
・メールが届いた、届いていないで揉めた。結局、相手方のミスだと分かったのだが、なぜか迷惑をかけたと謝るはめに(男性/情報・IT)
・不機嫌な顔をされたと因縁をつけられた(女性/金融・証券)

相手に落ち度があるわけでもないのに、理不尽なことで文句を言ってくるタイプ。製品への不満だけではなく、対応、スピード、状況、あらゆることに付け込んで、持論を展開した挙げ句、料金の支払いを拒否することも。

【モンスタータイプ2:やってくれるんでしょ型】
・打ち合わせになかった仕様変更を無料でやれと言う(男性/ソフトウェア)
・作業工数を考慮せず、製品仕様をコロコロ変えて開発遅延を招いたのに、責任を押し付けるような人が昔よくいた。おまけに、遅れたのは約束違反だと言ってお金を出し渋る(男性/電機)
・明らかに査定額と違うのに、少ない金額で修理しろと迫られた(男性/機械・精密機器)
・取引先から保険加入を強要された(男性/商社・卸)
・商品を今すぐに欲しいと言われたが、本社が京都にあり、そこにしか商品がないので無理があった(女性/食品・飲料)
・「支払いが遅延した場合に遅延利息を取る」という規定を契約に盛り込んでいたら、「支払いをうっかり忘れることがあるかもしれないので、遅延利息は規定しないでほしい」と言い張られた(女性/金属・鉄鋼・化学)

契約外のことや業務外のことを当然のように要求してくるタイプ。無理な納期への対応や、無料のオプション作業などを求めてくる、相手を「何でも言うことを聞いてくれる存在」として捉えている人たちです。受注側としてはあまり無下にもできないのがつらいところ。

【モンスタータイプ3:振り回し型】
・「まずはお試しから」と言ったまま結局契約しない威圧的な人(女性/不動産)
・呼び出すだけ呼び出しておいて、いざ行くといないということが1カ月、毎日続いた(女性/金融・証券)
・常識外れの時間に一人で来いという得意先。セクハラの危険が高いので上司に同行してもらった(女性/医薬品・化粧品)
・発注を受けて製作に取り掛かり、ついに出荷というところまで来たのに、突然「いらない」と言われた。「そう言われてもここまできたらもうキャンセルはできない」といくら話をしても「いらない。送ってきたら送り返す」とまで言う始末(女性/機械・精密機器)
・クライアント企業の課長まで話が通っていた案件なのに、その上の部長の鶴の一声で、前提条件をひっくり返された(女性/情報・IT)

相手の立場や都合がまったく頭にないタイプ。受注側はクライアントのために一生懸命対応するも、その想いは一方通行。ドタキャンや気まぐれな言動で苦労があっさり水の泡になり、結局徒労に終わってしまうことも多いです。

【モンスタータイプ4:荒ぶる不可解言動型】
・初めての挨拶のとき、名刺を投げて渡された(男性/マスコミ・広告)
・会社全体のトラブルで自分が担当でない初対面の客先に謝罪に行ったとき、飲み物をかけられた(男性/商社・卸)

常識外の言動や、時には暴力的な行為に及ぶタイプ。もはや人間的な資質に疑問を感じます。たとえ相手に非があったとしても、大人なのだから激昂せずに冷静に対応してほしいですね。

受注側に明らかなミスがあったり、期待に添えない結果だったりしたら、しかるべき対応をして当然ですが、理不尽な要求や言動がすべて許されるということはありません。「お客様は神様」とは言いますが、それを履き違えるとこんなトラブルに繫がってしまいます。あくまでも前提には人と人との対等な付き合いがあるということをお忘れなく。

http://news.nicovideo.jp/watch/nw880062

投稿: | 2013年12月17日 (火) 08時33分

なにか沸点の低い人が増えてるって気はしますね。
でも下手に黙って貯め込まれるより早期から鑑別がついていいのかも?
そういう人はそうそうにお引き取りいただいて平和な外来を目指してます。

投稿: ぽん太 | 2013年12月17日 (火) 09時11分

↑の記事を見る限り昔から当たり前にあったトラブルも含まれていると言いますか、モンスター認定の閾値も下がり気味なのかな?という印象を受けるところです。
特に契約絡みのトラブルは口約束では後で揉める元だと普通は真っ先に上司から教育されるはずだと思うのですが、職場での育成能力が低下してきていることの反映なのでしょうか?

投稿: 管理人nobu | 2013年12月17日 (火) 11時07分

うるさい子供よりもうるさい子供を放置する親に殺意が湧くのは事実

投稿: | 2013年12月17日 (火) 16時53分

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