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2013年12月

2013年12月31日 (火)

開業はもはや逃げ道たり得ない?

今年も残すところあと一日となりましたが、来年度の診療報酬改定ですでに実質切り下げと言う話になっていることもあって、医療従事者の中でも特に経営に関与している方々にとってはなかなかに悩ましい状況なのではないかという気がします。
さて、社会学の専門家で山大医学部医療政策学の助教をされている伊藤嘉高氏が面白い予測を出しているのですが、医師数増加政策によって2030年の山形県内の勤務医数は2008年比122%の3048人まで増加し、他方で患者数が減少していくことから全体では4%(73人分)の医師数の余裕が生まれる、ただし外科系など一部診療科は相変わらず不足している一方で過剰になる診療科も出るとしています。
その上で同時期の開業医がどうなっているかという推計を患者数の変動と合わせて推測しているのですが、まずは記事から抜粋させていただきましょう。

診療所(医院、クリニック)の将来患者数を予測する―1開業医当たり20%以上の減少!?(2030年山形県)(2013年12月28日ブログ記事)より抜粋

(略)
開業医数の将来推計―山形大学医学部新設の影響により大きく増加

開業医数(診療所医師数)については、興味深いデータが得られる。まず、2008年の勤務医/開業医の年齢別分布を見ると、次のようになる。山形大学医学部新設~定員120人時代に入学している層に当たる年齢層の医師数が多く、開業医数も多い。

2008年職種別医師数の年齢構成

60代以上の医師数は少ないが、これは定年退職しているためではなく、山形大学医学部が新設される以前に医学部に入学している年代に当たるからである。この点について、上記の論文では医師異動(県外流出、開業、退職等)コホートモデルを作成して検証しているが、このコホートモデルを今後の医師異動に適用すると、2030年の勤務医/開業医の年齢別分布は次のようになる。

2030年職種別医師数の年齢構成

やはり、(山形大学医学部新設~定員120人時代に入学している層に当たる)60、70歳代の医師数が大幅に増加する。その結果、2030年の開業医数は、2008年比で120.5%に増加し、1,029人に達する。さらに、診療科別に見ると、次のようになる。

診療科別に見る開業医数の変化

開業医1人あたりの患者数―1開業医当たりの患者数は2割強の減少

以上のように、患者数の減少と医師数の増加が見られるなかで、開業医1人あたりの患者数はどうなるのだろうか。2030年の診療所医師1人あたりの患者数をみたのが下の図である。内科群は内科系の診療科をまとめたものであるが、その患者数は100人近く減少する。

2030年診療所医師一人当たり患者数の変化

上のデータを増減率で並び替えると、次のようになる。全体では、2008年の患者361,391人/医師854人=423.2人から、2030年は患者343,988人/医師1,029人=334.3人となり、2008年比で79.0%となる。

2030年診療所医師一人当たり患者数の増減率

もちろん、診療報酬や政策誘導により病院の外来の縮小が進み、在宅医療が推進されていることを考えれば、2030年の開業医1人あたりの患者数がこれほどまでに減少することはないであろう。高齢の医師の割合が高まることも考えなければならない。

ただし、診療科によって以上のような患者数の減少の違いが生まれるとなれば、医師のキャリア・パスにも大きな影響を及ぼすことになる。先に見たように、病院勤務医の分析では、外科では23.7%の更なる上乗せが必要となる一方で、新卒医師の半数以上が余剰になりかねない診療科も生まれることが明らかとなっている。
(略)

病院と診療所で客層も異なってくるわけですが(例えば病院であれば入院や難病等高い診療報酬の発生する患者がより多い)、病院の場合は複数診療科でやっている関係上特定診療科の利益率が下がっても他科で補うことも可能である一方、原則単科が多い診療所では顧客数の変動が直接的に経営に反映されると考えられます。
今回の予測では外科系など一部を除いて開業医の患者数はかなり減少してくるということで、特に耳鼻科のように34%も患者数が減るようなことになれば当然経営上も大きな影響がないとは考えがたいところですから、特にマイナー診療科に進むことを考えている先生ほど今後は将来の開業時も見越した長期的な需給予測も必要となってくるのではないかという問題提起だと思いますね。
もちろん「だから医師の進路も含めて国が管理すべきなのだ」と言えばまた別な話になってきますけれども(そもそも国がきちんと医療を管理できるようなら現状のようにはなっていないでしょう)、医療の世界もこれからは「病院は不景気でも潰れない」だとか「幾らでも銀行が金を貸してくれる」などと言う浮世離れした状況ばかりではなく、世間並みに経営戦略を誤れば当たり前に立ちゆかなくなる時代になってきたとは言えそうです。
そうなるとこれまた世間と同様に体力のない小資本ほど経営が厳しくなってくるのかと言うことで、21世紀は実に開業医受難の時代になりかねないわけですけれども、もう一つ開業医にとって不利なのは患者から見れば「どこの科にかかればいいのか判らない」「大きな病院の方がやっぱり安心」と言う心理からクリニックよりも総合病院の方が…と言う気持ちにはなりやすいのは否めない事実でしょう。
もちろん医療資源の効率的活用の観点からも診断もついた安定期の患者はどんどん総合病院から開業医へ逆紹介すべきなのでしょうが、未だ何科のどんな病気とも判らない初診患者がどうしても単科クリニックにかかることを躊躇しがちである現状に対して、面白い対応をしている開業医の先生方が先日紹介されていました。

開業医連携で「総合病院」(2013年12月25日朝日新聞)

 横浜市保土ケ谷区の旧東海道近くにある15の診療所が、緩やかな連携を続けている。旧東海道を病院の廊下に見立て、各診療所が患者を紹介し合い、全体で「総合病院」のように患者を見守っている

 15診療所がつくるのは「アライアンス保土ケ谷」。代表を務める宮川政昭・宮川内科小児科医院院長の呼びかけで、2001年7月に発足した。内科、外科、小児科、眼科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻科、精神科の八つの診療科がある。内科医も、高血圧や糖尿病などの専門分野に分かれる。

 相鉄線天王町駅とJR保土ケ谷駅を結ぶ旧東海道沿いなどに立ち、ほとんどが半径500メートル以内に収まる。高齢者でも歩いて15分前後で移動できる距離だ。

 医師は互いに顔見知りのため、B5判の紹介状には2~3行程度の依頼文を書く欄しかなく、紹介状の作成料もとらない。1カ月に150件前後の紹介状のやりとりがある。電話で「○○先生よろしく」で済ませることも増えてきた。

 連携は例えば、こんな感じだ。前立腺肥大の患者が、川村クリニック(消化器内科)から増田泌尿器科に紹介されてきた。血液中のPSA(前立腺特異抗原)の値がやや高かったが、増田光伸院長が診察すると、すぐ大きな病院を紹介するほどでもない。様子を見ることにした。

 「専門外のクリニックなら、すぐ病院に紹介していたケース」と増田院長。「本当に必要な患者だけを病院に紹介すれば、患者は病院で長時間待たなくていいし、病院の勤務医の負担軽減にもつながる」とメリットを強調する。

 また、皮膚科医は男性と女性がいるので、女性患者には、患部によっては女医を紹介するなど、きめ細かい対応ができる。

 年1~2回の定例会は、他の診療科の最新情報について学ぶ場にもなっている。宮川代表は「病院内の医局のように、気軽に相談し合っている。地域の診療所がうまく連携すれば、患者には『総合病院』があるのと同じ意味になる」と話す。

 横浜市医療政策室の修理淳担当理事は「経験が豊富な開業医同士の『診診連携』は、超高齢社会のモデルケースの一つ。今後、各地に広めていく取り組みが必要だと思う」と話している。

単科の開業医でもまだまだやりようはあると言う話なんですが、患者の側からみて総合病院的に各科専門家に気軽に紹介してもらえるメリットもさることながら、各施設の先生方にとっても専門外の患者を扱いかねるという際に気軽に相談できる状況にあるというのは非常に頼もしいことですよね。
医療の専門分化が進むのは求められる医療レベルが高まっている以上ある程度仕方ないところですが、一方で一人開業となると総合医とまでは行かずともやはり専門外の患者もある程度診るgeneralな能力も要求されがちで、「オレ開業したら自分の診たい患者だけ診るんだ」的な夢を語っていた方々にとっては非常にストレスの貯まる状況ではないかと思います。
特に今後は診療科によっては開業医も余ってくるということになれば、よほど専門性を売りに出来るような希少価値のある診療科を掲げるのでなければ経営的に専門外の患者も引き受けざるを得ないでしょうが、同じような思いを抱いている近隣開業医同士である程度患者を融通しあえるとなれば安定的な患者確保にもストレス軽減の上でもずいぶんと有利にはなるでしょう。
もちろん一定の集積が必要ということなら全国どこでもやれる話ではないでしょうが、勤務医であることによる当直や入院等々の様々な業務に耐えきれず開業を選ぶという先生方にとっては特に参考になりそうな話で、病診連携と言う縦の関係のみならず診診連携という横の関係もこれからの開業医にとっては必須の人脈となっていくのかも知れませんね。

昨今全国的に流行りだという医療モール方式の開業も同じ流れと言って良いと思いますが、やはり医療リソースというものは分散配置するよりもある程度集約化した方が効率が良いのは確かで、特に診療報酬切り下げで新規開業はなかなか元を取るのが難しくなっている昨今、いかに経営上のコストを減らしていくかということも非常に重要ではないかと思います。
アメリカなどでは開業医を目指す医師は日本と違ってまずは家庭医研修を受けますが、ここでは様々な関連法規や経営的なノウハウと並んでスタッフや同業者とのコネクション作りの教育が非常に重視されるのだそうで、日本でも今後は「勤務医がきつくなってきたから開業」といったことではなく、もう少し戦略的に開業ということを考えていかないと経営上も非常に不利な勝負を強いられかねませんよね。
その意味で今後の課題としては検査等のリソースまでも共有出来れば経営上も患者利便性からも効率的でしょうし、逆に言えばクリニックがある程度集積している地域においては外注の検査センター的な需要も見込めるかも知れず、いわゆる医療主導による経済成長戦略という流れで見ても大病院のみならずこのあたりにもまた一つのビジネスチャンスがあるのかも知れません。

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2013年12月30日 (月)

医師の自律のためには強制性を持つ全員加入の組織が必要?

日本医師会(日医)と言う組織がかねて医師全員の強制加入を目指していることは知られているところですが、全医師を強制加入させることで組織力を向上させた結果何をしたいかと言えば、自分達の意図するところを実現するための政治力向上という目的があることは否定出来ません。
その日医傘下の広島県医師会に絡んで先日こんなびっくりするようなニュースが流れていたのですが、さすがに非民主的組織運営で知られる医師会らしいやり方だとは言えるでしょうか?

返信なければ「自民入党」 広島県医師連盟、会員に要請(2013年12月27日朝日新聞)

 【清水謙司】広島県医師会の政治団体、県医師連盟(委員長=平松恵一・県医師会長)が、自民党への入党を要請する文書を会員の医師らに送っていたことが分かった。業界団体の「自民回帰」が相次ぐ中、県医師連盟の場合、返信しなければ自動的に「入党」となる仕組みで、そのやり方に一部会員からは否定的な意見が出ている。

 連盟関係者らによると、文書は12日付。平松委員長名で、「自由民主党への入党について(お願い)」と題し、医療政策を実現するために、設置を検討中の自民党県連の職域支部への入会を促す内容。党費の年額4千円は県医師連盟からの寄付金で支出し、新たな負担はない、としている。

 また、入党に同意しない場合のみ、別紙に医療機関名や名前などを記入し、事務局に連絡するよう求めている。この要請について、ある会員は、「思想信条の自由を損なう恐れがある」と指摘する。

医師会の関わる政治的活動と言えば、かつて特区制度を活用した神奈川県の「医療のグランドデザイン」のパブリックコメント募集に対して、同県医師会が会員に反対意見を提出するよう文書で求めていたという事例があり、反対意見のうち同じ様式すなわちコピペが196件あったことから知事も「非常な違和感を覚える」と皮肉めいたコメントを出していましたよね。
医師会に強制加入させられるということは今後こうしたことが当たり前に強いられるようになるということなのでしょうが、もちろん現状でさえ全く求心力を発揮出来ていない守旧的な組織がそうした強権を発揮出来る特権的地位を占めるようになればますます独善的振る舞いに加速がつくと容易に想像されることから、今のところは平たく言って論外の一言で断じられるべき夢想と言うしかありません。
そうした幻想に浸りたくなる背景には医師数が年々増加している中で、日医会員数は21世紀に入ってから完全に横ばいになってしまっているという危機感があるのだと思いますが、思想信条の自由さえも認めないような前時代的組織が全医師強制加入を云々するようでは、21世紀の日本の医療はお先真っ暗と言われても仕方がないでしょうね。
ただ弁護士会などに見られるような職能集団としての全員加入を求める組織という発想は医療の世界にも以前からあって、今年の夏には日本学術会議の「医師の専門職自律の在り方に関する検討委員会」から「全員加盟制医師組織による専門職自律の確立-国民に信頼される医療の実現のために-」なる報告書が出ています。

専門職自律の確立、実は「徴医制」 - 平岡 諦(2013年12月26日医療ガバナンス学会)

日本学術会議は、本年(2013年)8月30日、「全員加盟制医師組織による専門職自律の確立-国民に信頼される医療の実現のために」というタイトルの報 告書を公表しました。法律によって「全員加盟医師組織」を作り、「専門職自律(プロフェッショナル・オートノミー)」を確立し、「国民に信頼される医療の 実現」を図ろうとするものであると謳っています。しかし、狙っているのは、「医療を崩壊させないために」、「専門医を含めた医師の地域・診療科による偏在 を是正する」ための、全員強制加入で懲罰機能を持たせた新医師会制度(いわば「徴医制」)といっていいでしょう。その内容は拙論(1)で予想した通りのも のです。
(略)
本来の意味を確認したところで、報告書にもどります。報告書は全員加入の新組織を作って「専門職自律(プロフェッショナル・オートノミー)」を確立すると 言っています。しかし、新組織が「何から自立(independence)するのか」、「何から自立(independence)する必要があるのか」を 示していません。これが新組織の在り方を変えてしまいます。自立(independence)を明らかにしていない組織は自律した組織ではありません。自 律していない組織の懲罰(処罰)システムは単に強制のためのシステムとなります。その結果、新組織の狙いは、全員強制加入で懲罰機能を働かせるための新医 師会制度(いわば「徴医制」)となってしまうのです。
(略)
「世界の非常識」を基本的考えにして作ろうとしている新医師組織、その狙いは報告書の中には出てきません。隠されています。厚労省の「専門医の在り方に関 する検討会」(会長は高久史麿・日本医学会会長)の報告書の中でも、「新たな専門医の仕組みは、プロフェッショナルオートノミー(専門家による自律性)を 基盤として設計」するとしています。ここでも「何からの自立(independence)が必要か」ということは述べられていません。専門医の在り方を 「自律的に」決めようとするなら、本来は日本医学会が決めるべきです。それを厚労省の検討会で(すなわち、他律的に)決めようとしています。「プロフェッ ショナルオートノミー(専門家による自律性)」という言葉を、誤魔化して使っていることを意味します。

医療が崩壊すれば、社会から非難されるのは厚労省です。医療崩壊は現場からの医師の「立ち去り」から起きます。医療崩壊を起こしている(起こしそうな)現 場に医師を強制的に張り付けるためにはどのようにすればよいか、厚労省は考えました。その一つが専門医制度を利用した「医師の偏在の是正」です(「専門医 の在り方に関する検討会」報告書)。もう一つが官僚統制の強化が図れる新医師会制度です(日本学術会議からの報告書)。すでに日本医学会は法人化により日 本医師会からの独立をきめました。これら一連の動きから考えられる新組織とは、「医療を崩壊させないために」、「専門医を含めた医師の地域・診療科による 偏在を是正する」ための、日本医師会から独立した日本医学会を中心とした、全員強制加入で懲罰機能を持たせた新医師会制度(いわば「徴医制」)と言う事に なります。

厚労省の下、日本学術会議、日本医学会、日本医師会、それぞれの上層部が一団となって、現場の医師の孤立を招く医療不信を利用しながら(3)、現場の医師 の官僚統制の強化を図ろうとしています。その手段は「専門職の自律(プロフェッショナル・オートノミー)」という言葉の誤魔化した使い方です。これに誤魔 化されないことです。
(略)

ま、医師の自律だとか難しい話は抜きにしても、厚労省からすれば現場医師から総スカン状態となりつつある日医のような団体だけが医師の代表顔で交渉の場に出てくるのでは何かとやりづらいでしょうし、全医師強制加入の組織があってそちら経由で簡単に強制力を発揮出来ると言うことになれば話がよほど判りやすくなるのは事実でしょうね。
現場の側からするとこうした組織の必要性がどうなのかですが、例えばかねて事故調議論などとも絡めて医療現場への司法介入ということが非常に大きなトピックスになってきている中で、例えば現状では刑事罰の追認的に行われている行政処分というものを刑事罰などに代わってもっと活用してはどうかという意見があったわけですが、それを行う主体が日医会長らからなる現状の医道審議会ではどうなのかですよね。
医師自らが自分達の処分を判断し決めるというのであれば我々は介入する必要はないんだよ、という悪魔のささやきが耳に心地よく聞こえる時もあるのでしょうが、医療訴訟における明らかに不的確な鑑定人問題などとも同様に、個々のケースで適切な判断を行える人物とは誰なのか、その適切な人物が正しく登用されるのかということを担保出来なければどんな形の組織であっても意味のないことでしょう。
その意味では例の医療事故調なども未だに根強い反対論があって難航していますけれども、誰が聞いても「この人なら」と納得出来る人選が行われ科学的に妥当な判断がなされるようになると言う慣行を根付かせていくという道筋においては、こうしたものが先導的なケースとして果たしていく役割は決して小さなものではないように思いますね。

いずれにせよ現状において新医師会であれ第二医師会であれ全医師強制加入の組織なるものは、医師自身にとって必要というよりも医師を管理したい側にとっての必要性が高いと考えるべきだと思いますが、当然ながら先行する弁護士会や日弁連などの現状がどうなっているのかということを知らずして賛成も反対もしようがないというものだと思います。
全くの門外漢ですのであまり組織の内情などについてどうこうと言うことは出来ませんけれども、少なくとも外から見ている限りでは日弁連と言う組織も日医に輪をかけて「濃い」組織のようで、新医師会(仮称)がこうした組織へと発展していくということであれば今以上に全国医師の方々も何かと生きにくい世の中になっていくんじゃないかと言う気がしてなりません。
何より不満を覚えるのがそうした活動を支えるのが自分達が強制的に徴収される会費になるだろうと言うことなのですが、これまた日弁連の収支などを見る限り「何もそんなことにそんな大金を…」と思うようなことに湯水の如き大金をつぎ込まれることになりそうで、下手をすると自分達と真逆の主張を続ける組織のために毎年高いお金を巻き上げられるということにもなりかねませんよね。
なお興味深いことに全員強制加入の弁護士の世界では自律に対する不満が鬱積しているようで、こちらはいっそコストと手間ばかりかかる弁護士自治など放棄してしまって処分なども行政に丸投げしてしまえばいいんじゃないかという意見も出ているというのですから、人間の世界でなかなか理想的な組織など実現できないものなんだろうと思います。

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2013年12月29日 (日)

今日のぐり:「韓国家庭料理 草家(ちょが)」

先日は全世界的にクリスマスでしたが、世界で唯一のびっくりするような国があるというニュースが駆け巡ったことをご存知でしょうか?

どうした日本人!クリスマスにアダルトサイトのアクセス数が上昇し話題に(2013年12月25日秒刊サンデー)

昨日は聖なる夜を過ごした方々もいるかと思いますが、海外でも家族団らんの日々を過ごしている模様です。そんな中、気になる統計結果が出ております。なんと日本における「クリスマス」のアダルトサイトの閲覧率は他国に比べ+8%も上昇しているとのことです。他国はー22%と減少傾向にあるようですがやはり日本人のアダルトサイト好きは顕著に出てしまったのでしょうか。

参考
http://www.mirror.co.uk/news/weird-news/pornhub-research-less-porn-watched-2953183

mirror newsによるとインターネット上で最大の無料サイト「Pornhub.com」が発表したデータでは英国からのアクセスが例年に比べー32%になったのに対し、日本は+8%に上昇したのだという。この分析結果から日本人はクリスマスに休息をとらないのではないかと考察している。
「Pornhub.com」における2013年のPVは147億PVとなっており、アメリカのユーザーは10分39秒の平均滞在時間を記録。2012年に比べ5.5%増、英国では9分34秒と僅差だった。

―なぜ日本人のアクセスが増えたのか。

これは様々な説があるが、一つはスマートフォンなどの普及により簡単にサイトへアクセスすることができるようになったことではなかろうか。待ち時間に気分を高めるために閲覧したり、別の目的で閲覧するなども考えられる。スマートフォンという小さなPCが、相手にバレないようにアダルトサイトを見る機会を与えている可能性もある。
一人だからアダルトサイトを・・・なんて言う寂しい考え方はしたくないものだが、8%というデータはあまりに顕著なので、例年に比べ一人率が上昇したという可能性は少ないだろう。

―ネットの反応

    ・日本だけクリスマスの日にアダルトサイトへのアクセス数が上がったらしい
    ・日本って本当に外国とちがうね
    ・お前ら・・・
    ・アクセス数ワロタ
    ・しっかりしろ。
    ・日本だけ増えてる‥
    ・ハイレベルな奴がいる
    ・哀しい‥
    ・日本だけクリスマスにトラフィック増加!
    ・カップルで観てるんだってことにしてやって欲しい
    ・日本人www
    ・ははは。
    ・その増加分ってファッションなんじゃないの?
    ・クリスマスでもアダルトサイトの閲覧率が低下せず、むしろ上昇している国は唯一日本だけですよ
    ・おまえらwwwww
    ・そりゃ、誰かと一緒にいるのが決まり事のクリスマスに誰ともいないっていう事実は寂しいよ。

どちらかといえば、婚活や出会い系サイトの閲覧率が上がりそうな気も致します。

その状況はソースのグラフを参照していただければ一目瞭然と言うものなんですが…まあ、「新島ですらクリスマスには合体したと言うのにお前らときたら」などと揶揄されるのも仕方ないのでしょうかね…
今日は孤独な日本人の心を慰めるために世界各地からなんとも寂しく、少しばかりもの悲しくなるようなニュースを取り上げてみることにしましょう。

泡で作った彼氏がクオリティー高すぎて話題に(2013年11月28日トゥキャッチ)

    彼氏と泡風呂なう(*´▽`*) めっちゃ狭いー!笑 http://t.co/gywdNYQ4Xo
    — 街子 (@Salmon_machiko) 2013年11月27日

 彼氏と泡風呂に入った…というツイート、がTwitter上で拡散されている。
 彼氏とは、お風呂の中で作られた人型の泡。たしかに人のように見え、かなりクオリティが高い。

    @kagato1030 割と簡単なのでおためしくださいー(⊃∀⊂)
    — 街子 (@Salmon_machiko) 2013年11月27日

    @momo_motherland 作った泡を少し放置すると少し固まるので、内側は作りたての泡、外側は固まった泡で形作りましたー!
    — 街子 (@Salmon_machiko) 2013年11月27日

 一見すると難しそうだが、放置して硬くなった泡で形を作れば、カンタンにできるという。
 だが、泡で作った彼氏には致命的な欠点もあり…。

    @haku893 彼氏すっごい繊細なんだぁ・・・(´・ω・`)
    — 街子 (@Salmon_machiko) 2013年11月27日

    @eika_sun 抱く度にパチパチ音がします(*'▽'*)
    — 街子 (@Salmon_machiko) 2013年11月27日

 繊細過ぎて、抱きしめられるのは苦手な様子。

    @eika_sun また作ります・・・会いたいから・・・。
    — 街子 (@Salmon_machiko) 2013年11月27日

 あなたも泡の彼氏を作って、お風呂を楽しんでみては?

その彼氏画像はこちらから参照いただきたいと思いますが、おもしろうてやがて悲しき…と言うものでしょうかね…
これまた大変な力作なのかも知れませんけれども、冷静になって考えると何とも悲しいというニュースをお伝えしましょう。

「俺の名前はブラ男。好きなインクはマゼンタ」 brotherがプリンタと恋する恋愛ゲームをリリース 何やってるんですか……(2013年12月13日ねとらば)

 年賀状シーズンを前に、「これが、あしたの年賀ジョー」のCMでおなじみのbrotherが、よく分からないブラウザゲームをリリースして話題になっています。ゲームのタイトルは「恋するBrotherくん」。タイトル画面からしてアレな雰囲気が漂ってますけど、これはもしかして……。

    「はじめまして。俺の名前はブラ ブラ男です。趣味はフットサル。好きなインクはマゼンタ」

 ――で、出オチだあああああああ!!!!!!
 ある日転校してきた男の子は、brotherの最新式プリンタでした……。どうやって高校生活を送るんだこれで! 最近こんなゲームばっかりだよ!
 そんな心のツッコミをよそに、なぜかブラ男くんの魅力にどんどん惹かれていく主人公(女の子)。やがてようやく思いを打ち明けるのですが、その直後、ブラ男くんの口から衝撃の告白が!!!
(略)

その詳細はリンク先の元記事を参照していただくとして、しかしまあ…価値観の多様化が言われる時代だけにこれで萌えられるという人も世の中には相応にいるものなんですかね…
年の瀬と言えば何かと懐も寂しいという時期ですが、こちら何とももの悲しいと言うしかないニュースを紹介してみましょう。

空腹で「あめ玉に見えた」男が盗んだストラップ(2013年12月17日読売新聞)

 山形県警山形署は16日、住所不定、無職高瀬利志夫容疑者(63)を窃盗容疑で現行犯逮捕した。

 高瀬容疑者は所持金が十数円しかなく、しばらく何も食べていないと供述しており、盗んだストラップのだだちゃ豆が、「あめ玉に見えた」と話しているという。

 発表によると、高瀬容疑者は同日午前9時頃、山形市香澄町のJR山形駅待合室内のみやげ物店で、だだちゃ豆をかたどったストラップ3点とようかん1本(計2366円相当)を盗んだ疑い。

 高瀬容疑者は待合室のイスに座り、売り物のようかんなどを盗んで食べようとした。店の男性従業員が「何をやっているんだ」と声をかけたところ、高瀬容疑者が犯行を認めたため、駅前交番に届け出た。

 男性従業員によると、高瀬容疑者は約2週間前から待合室に出入りしていたが、最近は、営業時間中の午前6時から午後8時半まで、じっとイスに座っていることが多かったという。

それがどのようなものなのかは元記事の画像を参照いただきたいと思いますが、そうですかこれがあめ玉に見えましたか…
時事風俗を読み込んだ川柳などもシャレが効いて楽しいものですが、こちらあまりにシャレが効きすぎてつらいと話題になっているそうです。

オールスター★シルバー川柳が「神がかっている」とネットで大反響(2013年12月19日秒刊サンデー)

お婆ちゃんが忘れた「シニア川柳」があまりに神がかっていていると話題になっている。ほとんどが老人ならではの「自虐ネタ」であり、判りやすく言うと「綾小路きみまろ」に通じるようなブラックがあるが思わず笑ってしまうようなそんなネタである。いったい誰が作ったのかは定かではないが、ユニークな年配の方の川柳におもわずほっこりしてしまいそうだ。

こちらがシニア川柳のようだ。お婆ちゃんが忘れていったということなので老人会か何かで作られたアマチュア川柳ではないかと思われるが、どれも「なるほどな」と思うようなものばかりである。もちろんいずれかは我々も老人となりこのような経験をするはずではあるが、このお婆ちゃんのように「笑って」済まされるようなそんな生活を送りたいものだ。

またこの川柳は「シルバー川柳」に掲載されたものではないかという声もある。つまりそれら川柳を寄せ集めたある意味「オールスター★シルバー川柳」をこのおばあちゃんは所持していたようだ。
(略)
最後のブラックジョークが男性にとって胸に刺さるものがあるが、籍が抜けない理由はもちろん「愛」であると願いたいものだが、年配の方々いかがだろうか。お婆ちゃんはこのようなジョークを語っても許される唯一のゆるキャラと感じる。
(略)

詳細は元記事の方を参照いただくとして、まあこれもなんと言うのでしょうか、自虐ネタだからギリセーフと言うところなんでしょうかね…
日本でも最近はすっかり定着したあの道具ですが、これは何とも悲しい結末に至ったと言うニュースです。

【訃報】ルンバ君が焼身自殺!? 雇い主によるブラック企業並みの劣悪条件に耐えかねた可能性(2013年11月20日Pouch)

熱いホットプレートの上に溶ける足跡を残し、ただの炭になってしまった彼はいったい何を訴えたかったのでしょうか。
辞めたい、でも辞められない……ブラック企業で使い潰され、心身を病んでゆく人が後を絶ちません。なかには、自ら人生に終止符を打ってしまうという、悲しい事件も数多く起きています。
そんなブラック現象、人間界だけではなくロボット界にまで及んでいるのかもしれません。
人が見ていようがいまいが慎ましく誠実に働き、ときにはニャンコの遊び相手にもなってくれた、人気者のお掃除ロボットルンバ君。そのルンバ君が突然の自殺。我々は衝撃を受けています。

海外サイト「GEEKOLOGIE」が伝えたその悲しい事件は、オーストリアのとある家で起こりました。
事件の前、雇い主は、キッチンカウンターの上にこぼしたシリアルを掃除するようルンバ君に言いつけたそうです。普段は床を掃除していたルンバ君、土足でキッチンに上ることをためらったことでしょう。それでもシリアルをきれいに片付け、彼はそのままキッチンカウンターの片隅に座り込みました。キッチンの上に置かれた靴のような、その居心地の悪さを想像すると胸が痛みます。
雇い主はホットプレートに鍋をかけ、そのまま外出してしまいました。事件はその後起こります。
ルンバ君は突然自分のスイッチを入れて、ホットプレートの上に身を投げてしまったのです! 
火にかけられたまま焦げ付きそうになった鍋を押し出そうとしたのでしょうか? それとも、もうこの家にはいられないと思うほど、連日追いつめられる何かがあったのでしょうか?

雇い主は、「ルンバが勝手に動き出して煙と臭いで家の中がメチャクチャだ!」と立腹し、危険な機器を販売しているとしてメーカーを訴えようとしています。
ルンバ君がこの家でどんな扱いを受けていたのか、どんな思いで過ごしていたのか。そしてこの、ルンバ君だったものを今度は誰が掃除するのか。真実は闇のなか。
ロボットにだって心がある。ご自宅のルンバ君、あんまり手荒に扱わないであげてくださいね!

その状況は元記事の画像を参照いただきたいと思いますが、まさに文字通りブラックになってしまっていますよねえ…
誰しも格好いい車に乗りたいという願望は持っているものなのでしょうが、こちらあまりに欲望にストレートすぎて何とももの悲しいという記事を紹介してみましょう。

力技すぎる“自作フェラーリ”、ボール紙の車体を乗用車にかぶせ走行。(2013年11月28日ナリナリドットコム)

フェラーリといえば、誰もが知るイタリアの高級スポーツカー。普通の人はなかなか買えない存在だからこそ、憧れを抱く多くの熱烈なファンが世界にいるのだが、フランスではそんなファンなら笑ってしまいそうな、力技過ぎる“フェラーリ”を自作して街中を走らせたアーティストがいる。その様子を紹介した動画を一部欧米メディアが紹介し、ちょっとした注目を集めているようだ。

英紙メトロや米紙ニューヨーク・デイリーニュースなどによると、自分でフェラーリを作ったのは、フランス人アーティストのベネデット・ブファリーノさん。これまでに日除けパラソルのような大きな帽子や電話ボックスの水槽など、パッと見で人目をひきそうなコミカルな作品を多く手がけて来た彼は、作品の素材に自動車をよく使っている。今年だけでも、鳥小屋や植木鉢といった不思議な一品に利用されている中、最近評判となったのが、目の前に現れたら間違いなく目を奪われるであろう“自作フェラーリ・テスタロッサ”だ。

その自作フェラーリを紹介したのが、11月3日付でYouTubeに投稿された「LA FERRARI SUR VOITURE SANS PERMIS」(http://www.youtube.com/watch?v=r_Y_X9wNHZo)という動画。見ればすぐ分かるように、彼のフェラーリは、普通の乗用車にフェラーリの赤い車体を描いたボール紙の作り物を被せた作品だ。フェラーリに対するどれほどのこだわりを彼が持っていたかわからないが、アーティストの作品と呼ぶにはあまりにシュールな出来栄え。ボール紙感が失われるほどの仕上がりでもなく、右側の前輪辺りやサイドミラーなどは斜めに向いているほど緻密さが感じられないのは、もはやユニークの一言だ。

しかも、自作フェラーリを本物の自動車に被せてリヨンの街中を走り回ってしまったブファリーノさん。その様子は、まるでバラエティー番組のような面白さも感じられるが、中には乗用車のブレーキランプなどが見えないとして、作品を被せての公道走行に違法性を指摘する声も上がっているという。現時点では動画投稿後も特に問題は起きていないようだが、パフォーマンスをする際には、彼にももう少し配慮が求められそうだ。
(略)

その状況はリンク先の動画を参照いただきたいと思いますが、そう言えば昔こういうものを作る番組があったなあとどこか懐かしい思いがしないでもないですかね。
最後に取り上げますのはお隣中国からの話題なんですが、一見平和なニュースに見えて実は…というその状況をまずは記事から紹介してみましょう。

SNS顔写真見て整形広告殺到? 掲載していた男性は気分ふさぎ傷心。(2013年11月19日ナリナリドットコム)

日本でもSNSのプロフィールに自分の写真を使う人は少なくないが、それこそ海外では自分の顔写真掲載は珍しいことではない。中国も事情は同じで、容姿に少しでも自信があると思われる女性は、派手に着飾った自撮り写真を掲載している。それはそれで見知らぬ男性から頻繁にメッセージが来たりする弊害はあるものの、「きれい」「魅力的」などと褒められるならばイヤな気はしないのかもしれない。しかし、このたび中国メディアに報じられたのは、自分の顔写真を掲載していたところ、整形の勧誘メッセージが殺到した男性の話だ。

錢報網などによると、この一件を告白したのは“孤独的小白羊”と名乗るネットユーザー。今年大学を卒業したばかりというこの男性は、自身のスマホ向けSNSアプリ「微信」(中国版LINE)のプロフィール画像に自身の顔を掲載していた。すると最近、整形外科医や整形外科医院からの友人申請が増加するとともに、場合によってはあからさまに整形を勧める広告が送られて来るようになったのだという。

男性はネットの整形外科フォーラムに登録していたことも影響しているが、これには傷心。気分が塞ぎ、自身の顔写真の掲載を取りやめ、アニメキャラクターの画像に差し替えることにしたと告白している。ただ、そうした男性の気持ちをよそに、ネットユーザーは「笑える」「どれだけ変な顔なんだ? もう一度掲載してみてくれ」などと言いたい放題。慰めるどころかさらに追い打ちをかけるような雰囲気だ。

今回の一件に湖北長久弁護士事務所の弁護士は「微信ユーザーはセキュリティに特に注意しなければなりません。本当の名前や住所、顔写真などは見知らぬ人に公開しないほうが良い」と注意を促している。

「困窮した時に助けてくれるのが真実の友」だと言いますから、男性にとって彼らこそ真実の友なのかも知れませんけれども、一般的には大きなお世話というものではないでしょうか?
しかし中国でも日本同様SNS絡みのトラブルは多いのでしょうが、こんな予想外のトラブルまで起こってくるというのは何とも困ったものですよね。

今日のぐり:「韓国家庭料理 草家(ちょが)」

岡山市街地の一画、清輝橋の電停からほど近い場所にあるこちらのお店、なんでも韓国料理サムギョプサル(豚バラ肉の焼き肉)の専門店なんだそうです。
韓国古民家風と言うのでしょうか、ちょっと不思議な内装と共にスタッフの接遇も何かネイティブっぽいなあと言う感じですが、肉を焼く円形の台もこれは何と言うのでしょう、耐熱ガラスだかで出来た透明のプレートなんですが全体を傾けて端の切り欠きから脂を流し出すようになってるんですね(一般的にはもちろん焼き肉用のプレートを使うらしいですが)。
器の方は金属製ではないようですが箸は金属製で雰囲気を盛り上げますが、ただ正直少しばかり重いこともあって操作性という点では今ひとつかなという気もしますがどうでしょう?

さてメインに取り上げられるべきなのが黒豚サムギョプサルですが、まずは真っ先にサーブされた生野菜の盛り合わせに圧倒されるところですが日本の焼き鳥の生キャベツなどとは違って焼いた肉をこれに包んで食べるということのようですね。
焼き自体は店員がやってくれるのですが、まずは豚バラの厚切りと言うよりも角切りをキムチと一緒に焼くのがおもしろいですが、やはりこの局面ではハサミを活用するようですね。
肉が焼けたところで焼きキムチと野菜で巻いて食べるんですが、用意されたタレが味噌や辛味噌は判るんですがきな粉って?と思って食べて見ましたら正直想像通りに微妙なと言いますか、とにかく乳酸発酵強めのキムチの味が余計に主張してきてきな粉の存在意義がよくわからず、これだったら味の力強さで拮抗できる味噌系のタレの方がバランスはいいかなと思います。
ところでこのキムチ、単独で食べたら酸っぱすぎるだろうなと言うくらい発酵しているのはいいとして、キムチにしろ肉にしろどんどん焦げても気にしないのは元々料理としてこういうものなのか、横で見ている側としては勝手に手を出すのも焼いている店員さんの権限を侵害しそうでどうなのかな…とちょっとドキドキしてしまいますね。

その他の料理もそれなりに豊富なのですが、綺麗に仕立てられた茹でイカはちょっと何とも言い難い味なんですが、とにかく唐辛子の辛さばかりが目立って肝腎のイカの味も茹でたせいかまるで抜けてしまったかのように淡白ですし、このソースも辛味噌+マヨネーズ系なのか?と思ったんですがこれまた居酒屋風の強めの味付けというわけでもなく、刺激的な辛さ以外は全体に何となくぼんやりした感じになってますよね。
おぼろ豆腐チゲはガラス?の器で出てくるのですが、こちらは一転して意外に辛くないというかまさしく塩ラーメン系のあっさりスープそのもので、同行者共々これでラーメン食いてえ!と思ってしまいました。
定番のチヂミは香ばしいというより焦げ臭いという感じで、そのわりには別にクリスピーでもないのが残念ですが、海鮮系の味はちゃんと生きているだけに焼きがなあ…と感じてしまいます。
同じく焼き物の卵巻きは見た目は普通の厚焼き卵ですがごま油風味が濃厚なのが特徴で、しかし卵焼きとして見ると卵の攪拌が甘いので見た目&食感がよろしくないのが難点ですかね。
これまた定番の石焼ビビンバは見た目はまさしく典型的、ナムルが硬いのとやはり辛さメインで発酵調味料系の旨みは少ないのが惜しいところですし、ネギサラダもこれまた唐辛子全開という味でしたが、最後に飲んだ梨ジュースは一転して「梨ってこんな味だったっけ?」と思うほど強烈に甘かったですね。

個人的に韓国家庭料理と言われると辛いと言うよりも発酵食品系のコクと旨み、そして甘さが特徴なのかなと思っていたのでかなりイメージが違ったのですが、こちらの場合はひたすら唐辛子の辛さばかりが先に立つという日本でよく言うところの韓国料理のイメージに近いもので、そういうものを期待している向きには合うのかなと言う気がします。
接遇面では前述の通りで少し隔靴掻痒なところがあるのが気になるのと、これは伝統文化に基づいているのか建物自体が何とも不思議な作りで、トイレなども設備自体は今風に新しいものなのに使うに当たってはなんとも戸惑ってしまうところが難点でしょうか。
ちなみに料理の種類にもよるのでしょうが巻いて食べたりという工程上割合に手が汚れやすいので、こうした小さなペーパータオルよりもしっかりしたタイプのものか、あるいは布おしぼりが欲しいなと思いました。

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2013年12月28日 (土)

親子関係、突然の激震に見舞われる?

先日は離婚した著名人元夫婦の間で育てられてきた子供が実は父親の実子ではなかったということが判明したと言う何とも誰得なニュースが流れていましたが、実は実態を知ってみると予想以上にその影響が大きいのではないか?とこれまた大きな話題を呼んでいます。

父性確率0%が3割の衝撃 「DNA鑑定」こっそりできる?(2013年12月25日日刊ゲンダイ)

 元「光GENJI」の大沢樹生(44)はホント気の毒だ。16年間育ててきた長男がDNA鑑定の結果、実子じゃないと判明した。大沢じゃなくても、頭の中が真っ白になるだろう。ある鑑定業者が言う。

「親子鑑定で最近増えているのが、団塊世代からの依頼。<死ぬ前に一応確認しておきたい>というのです。<本当に俺の子か?>という疑念は、死ぬまで拭い切れないのでしょう」

 妻のことは信じたいけど……。切なくて悩ましい問題だ。大沢の場合は離婚していたからまだいいが、一緒に暮らしているのに鑑定を切り出すのは、勇気がいる。妻に内緒でこっそり鑑定できないものなのか。

「DNA鑑定には政府のガイドラインがあって、鑑定を受ける父親と子ども、それぞれの同意が必要ということになっています。でも、それほど厳格ではない。親権のある父親から<子どもも同意している>と言われて依頼されたら、鑑定を断る理由はありません」(前出の鑑定業者)

 内緒でやるにしても、問題は、どうやって子どものDNAを採取するかだ。映画「そして父になる」や、ドラマ「リーガルハイ」などにも協力している「法科学鑑定研究所」担当者が言う。

「汗や涙、唾液、また自然に抜け落ちた髪の毛では、DNAはまず分析できません。あくまで目安ですが、無理やり抜いて毛根鞘が付いている髪の毛が5本あれば可能は可能。ですが、それも確実とは言い切れない。歯ブラシから採取することもありますが、20日以上、毎日使って自然乾燥したものといった条件付き。切ったツメもそうで、手足で10個前後は必要な上に、それも100%ではありません」

 現実的なのは口腔内細胞を綿棒でこすり取る方法で、「虫歯を調べる」とか子どもにウソをついて、こっそり採取するしかなさそうだ。
 離婚調停などで使う法的鑑定の料金は、法科学鑑定研究所で14万7000円だが、とりあえず親子関係を確かめるだけなら「4万2000円の簡易検査で十分です」(前出の担当者)。

 そもそも妻を疑っているから親子鑑定するわけだが、「父性確率0%という結果が出るのは3割ほど」(事情通)。残念ながら大沢は3割のうちのひとりだった。

DNA鑑定受けてみる!?1件11万円―圧倒的に多い「父親じゃありませんでした」(2013年12月26日J-CASTニュース)

   刑事事件の捜査でDNAが活用されるようになっすでにひさしいが、ワイドショーを見るに、親子関係もDNA鑑定の時代に入ってきたようだ。そんななか、「朝ズバッ!」は「DNA鑑定ってどんなモノなのか」(井上貴博アナ)と、調べることにした。

子供に父母と違う遺伝子ひとつでもあればあれば「父性確率0%」

   気になるDNA鑑定のお値段は大手で約11万円(もっと安いところもある)。大手2社で年間800~900件鑑定しているという。鑑定大手の「日本ジェノミクス」では、その8割が親子かどうかの鑑定だという。残りは兄弟、祖父母鑑定だ。

調べてみました

   鑑定をする目的やきっかけは「300日問題」に関するものが多いという。民法では離婚後300日以内は前夫の子とする規定があるが、前夫の子ではないという立証に用いられる。

   それに次ぐのが、子どもが自分に似ていないという理由だ。「父親と思われる者」がDNA的に父親かを調べる場合、調査男性の遺伝子型と母親、子どもと対照する。子供は父母どちらかの遺伝子型を必ず受け継ぐため、母親、調査男性にない遺伝子型が子供にひとつでもあれば父性確率は0%。反対に異同がなければ父性確率は99.9996%となる(日本ジェノミクスの鑑定報告書に基づく)。

   実際の鑑定では、DNA的親子関係がないと判明することが圧倒的に多いそうな。

なんと三割も!と驚くような数字なんですが、もちろんわざわざこうした検査を受けに来るということは「俺の/私の子供じゃないのでは?」とかなり確信を持っている人達ばかりでしょうから、実際にはそれでも三割しかと言うべきなのでしょうけれども、実はもう少し大変な状況なんじゃないか?と言う声も出ています。
海外でもドイツでは実に子供の10人に一人が、イギリスにおいてはなんと5人に一人が父親の実の子ではないという驚くような報告もあるようで、DNA鑑定自体も禁止すべきではないかと激論も起こっているようですけれども、事実こんな状況にあるとすればそれが明らかになった時点で家族関係が崩壊しかねないですよね。
日本では一般家庭を対象としたこうした数字ははっきりしたものが出ていないようですが、もちろん前述の記事のような状況からも推計するならばそれなりの比率になるだろうとは思うのですが、ではそれを明らかにしていくことがやはり誰得なのか?と考えると、あまりうかつに突くと盛大なやぶ蛇になりそうな話題だと言うことが判るかと思います。

実際問題としてこうした遺伝子的事実が明らかになった場合にどのようなことになるのかですが、法律上のことで考えると親子関係というものはDNAによって決定されるわけではなく戸籍上の記載によって決定されるわけですから、先日問題になった赤ん坊取り違え事件のように裁判にまでなって認められればまた別でしょうが、遺伝子的に親子ではないと言うことと法的社会的に親子ではないということとは全く別個の問題ですよね。
まして今回のケースのように実に16年間も親子として関わってきた関係に今さらDNA鑑定で白黒付けてどうするんだ?と言う声も少なからずあるようですが、まずは先に家庭崩壊という現象があってその結果DNA鑑定にまで至ると考えれば何とも子供の立場としてはやりきれない話で、昨今話題の出生前診断以上に非常に取り扱いに慎重を要するんじゃないかと言う気がします。
ところが実際には各地の民間機関が「うちは他所よりもお安く検査できます!」とごく普通に宣伝合戦を繰り広げているという状況ですから、今回こうした情報が広まったことで一気に検査希望者が激増しかねないという危惧もあるわけですが、遺伝子的に実子ではなくとも戸籍上は実子扱いなのですから疑問を抱いた親の一方が子供の検体を採取しさえすれば検査自体は自由に行えてしまうわけです。

法的には親子関係で養育義務があると言われても他人の子供に養育費を支払うのは釈然としないと考えてしまうのは人間心理上やむを得ないことで、仮に実子でない、親子関係を切りたいと考える場合には子が産まれてから(正確には産まれた事を知ってから)1年以内に実子でないことの確認を行う必要があり、これを過ぎると法的には実子であると確定するということです(民法772条)。
こうした時間制限があると言うことは血縁関係ではなくとも長年親子として暮らしてきた以上は親子として扱うべきだという、子の権利を考えればある程度妥当な考え方だと思いますが、一般的に考えると誰しも子供が生まれた早々の時期は舞い上がっていてわざわざ疑惑を抱くようなことも少ないでしょうから、いつでも手軽に親子確認が出来てしまうという現実と少しばかり不整合にはなってきているのでしょうね。
こうした後日になって盛大に揉めるという事態を考えると、いっそ産まれた子供は全例親子確認をしてもいいんじゃないかと言う極論も出ていますけれども、仮に血縁関係がなくとも終生親子として何ら問題なく暮らしている家族が大多数であることを考えると建設的な意味があるとも思えず、今後反響が大きくなればむしろ検査実施そのものへの規制が強化される方向で話が進む可能性もあるかと言う気がします。
しかし最近話題の出生前診断や以前女優が行って話題になった乳房予防切除の件にしてもそうですが、世の中技術がどんどん進歩して判らなかったことが判るようになると言うのはいいことばかりではなく、必ずそれに付随して今までなかった新たな問題なり悩みなりも出てくるわけで、社会や制度の方がそれに随時追いついていかないと庶民の悩みは深まるばかりということになりかねませんよね。

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2013年12月27日 (金)

「女医が増えたのに現場はますます大変」?

タイトルに偽りありと言うのでしょうか、先日見ていてちょっと「?」な記事が出ていました。

女医は「5人に1人」に増えたのに現場は人手不足の大混乱(2013年12月20日日刊ゲンダイ)

 医師全体に占める女医の比率が19.7%と、過去最高になったことが厚労省調査でわかった。昨年末で登録医師は全国に30万3268人。うち女性は過去最高の5万9641人で、5人に1人が女医になっている。

 女医は人当たりもいいし、婦人科系の女性患者にとっては、同性という安心感もあるが、その一方で女医が増え過ぎたことによる弊害も囁かれている。そのひとつが、医師の人手不足だ。医学博士の米山公啓氏がこう言う。

「日本医師会も問題点を指摘していますが、女性医師には出産と子育てという時期が来ます。その際、産休中の女医の穴埋めで、ただでさえ医師不足の現場が大混乱しているという話を聞きます」

 5人に1人が女医と言ったが、出産適齢期の若い世代ほど比率は高い。日本医師会によると、70~79歳で女医は8%だが、30~39歳は29%、29歳以下に限れば36%に跳ね上がる

 さらに大学医学部の女子比率は、東京女子医大の100%は別にし、佐賀大49%、兵庫医大43%、聖マリアンナ医大41%など4割を超す大学がゾロゾロ。あの防衛医大ですら38%だ。

■眼科と皮膚科に偏る傾向も

 また、女医は眼科(約10%)と皮膚科(約7%)に偏る傾向があり、肝心の産婦人科も約5%と、男性医師と比率はさほど変わらない。

救急救命や夜勤などハードな職場は体力が持ちません。必然的に眼科になりました」(都内の女性医師)

 実際、医師数は過去最高なのに、外科は2年前の前回調査に比べて753人減、小児科も489人減っている。

 さらに都市部への一極集中の問題もある。東京都や神奈川県の女医比率は20%を超えているが、逆に青森県や北海道は13%ほど。地元の医学部を出たのに、就職は東京が圧倒的に多いのだ。

「女医が増えたことは喜ばしいが、産休中の医師不足も考慮した定員増が必用です」(米山氏)

 女性登用は安倍内閣の成長戦略の要だが、単純に喜んでばかりではいけないようだ。

確かにマイナーに偏っている、テレビや雑誌で見かける女医は美容形成ばかりじゃないか、というのはまた別なバイアスがかかっているせいだとしても、全体の文脈を見るとそもそも「女医が増えたのに」というタイトル自体がおかしいというもので、記事の内容が本当なら「女医が増えたから」と書くべきでしょうに、何かそう書けなかった事情でもあるのかと思わず深読みしてしまいます。
そう言えばとにかく医師を増やせ、どんどん増やせと連呼している某先生はあれだけ医師不足で現場は大変だと叫んでいるのに女医問題には言及していた記憶がないなと思って少し調べてみましたら、やはり直接的な言及というのは見つからず、むしろ文科省の医学部入学定員に関する検討会に参加された際も目の前で女医増加についての問題提起が出ているのに華麗にスルーを決め込んでいらっしゃるようですよね。
このあたりは先生個人のポリシーの問題なのか、それともマスコミ慣れした方々に共通する作法のようなものがあるのかとこれまた勘ぐってしまいたくなりますけれども、昨今どこの業界でもこうした問題はなかなかに微妙なものがありますから、取り上げ方に注意を要するということなのでしょうか。

ともあれ医師の養成数というものが医学部定員という形で上限が決まっている以上、ハードワーカーの方が使う側にとっては使い勝手が良いのでしょうが、そもそも基本的に労基法無視のオーバーワークが問題になる職場で「知力体力ともに並外れた人間にしか来ないでくれ」と現状維持的に動くするよりも、むしろ女医も含めてごく普通の体力しか持たない人間にもやれる職場環境を目指した方が建設的かなと言う気がします。
また医師同様に激務が問題になりがちな看護師などもあれだけ力仕事も多いにも関わらず男性看護師が未だに少数派として肩身の狭い思いをしているという点を考えると、結局女性は男より体力がないからだとか餐休で職場を離れるからと言うよりも、医師の職場環境が根本的に男向け(それもかなりマッチョな体育会ノリの)になっていると言う理由の方が大きいんじゃないかと思いますね。
ともかく多忙な現場では女医だろうが老医だろうがいないよりはいた方が断然良いのは確かで、むしろ問題になるのは各人の労働量に差があるのに報酬にそれが反映されないという点ではないかと感じますが、もともと医師給与は年俸制に近く常勤の残業当直に対する報酬など雀の涙と言う病院が多い以上、毎週の居残り当直をこなしている医師から見て残業当直完全拒否の人間が同じ給料をもらっているとなればそれは面白くないですよね。
ただ逆に給料は少なくてもいいから絶対残業当直はしたくないという人もいるわけで、そうした人に無理強いをして休職に追いやるよりは出来る仕事をしてもらった方がいいのは当然ですから、この辺りはどちらが正しい、正義だという問題ではなく、全ての医師が奴隷労働を当たり前にこなすべきいう画一的考え方しか許容してこなかった医師業界側の問題とも言えそうです。
この辺りは以前から交替勤務制を導入している看護業界の方が考え方が進んでいるようで、先日はこんな記事が出ていました。

藤田保健衛生大病院が優秀賞 ワーク・ライフ・バランス大賞(2013年12月25日中日新聞)

 仕事と生活の調和の推進に積極的に取り組む企業や団体を公益財団法人日本生産性本部が顕彰する「第七回ワーク・ライフ・バランス大賞」で、豊明市沓掛町の藤田保健衛生大病院看護部が優秀賞に選ばれた。子育て中の母親も独身者も、それぞれが働きやすいよう配慮していることなどが評価された。

 同病院では、子どものいる看護師の夜勤を免除したり、保育園に送っていけるように朝の出勤時間を通常より遅らせるのを認めたりするなど、子育てに配慮した職場環境づくりに努めている。

 脳外科病棟の看護主任桜木千恵子さん(36)は小学六年生の娘がいるシングルマザー。夜勤除外で勤務を続けてきて、「当初は辞めなきゃいけないかも、とも思っていた。ここまでやってこれたのは、ここが働きやすかったから」と感謝する。

 一方で、夜勤免除者のしわ寄せで独身者の負担が大きくならないように昨年九月から、一カ月間は夜勤だけをする「夜勤専従制度」を導入した。勤務日は月の半分ほどになる。この制度を選べば、連続しての休暇を取りやすい

 独身で脳神経外科病棟に勤務する鷺坂美岐さん(32)は、制度をよく利用する。「夜働くことが苦痛ではないし、これまでと違う働き方を試してみてもいいかなと思った。休みの日数が増えるのも魅力的です」と話す。

 制度の利用は一カ月単位で選べるので、そのときの都合に合わせて利用できる。夜勤をめぐり、子育て中の母親と独身者の双方にメリットがあり、互いに支え合う形だ。

 とはいえ、子どもの病気などで急に早退するなど、子育て中の母親は独身者に負い目を感じる場面もある。しかし、看護長山崎富善さん(42)は管理職として「独身の人には、職場の対応を示すことで将来、安心して働ける場所と思ってもらえると思う」と話す。

 現在千二百五十三人の看護師が勤務するが、看護部の平均勤続年数は二〇〇七年の五・三年から一三年は七・四年に伸びた。真野恵子看護部長は「性別や結婚、子育てをしているかに関係なく働きやすい場所であることが大切」と話し、今後も職場環境の改善を図っていく。

看護師なども夜勤は出来ないだとか、週に何日かは働けないだとか色々と個人の事情があるでしょうが、「うちは残業も当直もバリバリこなせる人しかいらない」などと言う(言える)病院はよほどに少ないでしょうし、ましてや「フルタイムで働けない人材が少ないのは看護学生の男女比率に問題があって」などと言う人はまずいないんじゃないでしょうか。
女性の社会進出と並ぶ近年の労働関連のキーワードとして多様な働き方という言葉がありますが、考えてみると連日深夜まで過酷な労働をこなし週一回の当直をノルマとする働き方しか認めてこなかった医師業界などは多様な働き方の対極にある何とも不自由な業界であったと言えるし、早い話がその画一的な価値観に従える人材の供給が男女を問わず減ってきているということでしょう。
それは若年世代がゆとりだ、草食だと言われるようになった世相の変化とも関連があるのかも知れませんけれども、古来伝統の価値観を共有出来る人材が減ってきているからとにかく人材供給をとことん増やして下手な鉄砲数撃ちゃ当たる式で使える人材を拾い上げるよりは、変化した価値観に合わせて業界の伝統を変えていった方が効率的かつ安上がりではないでしょうか。
もちろん伝統文化と言われるもののように古いやり方を踏襲すること自体に意義があるといった場合もないではないでしょうけれども、果たして当事者である医師自身が「24時間365日奴隷のように働き続けられなければ医者ではない」などという価値観を未来永劫続けていくべき重要な伝統だと感じているかと言えば、これははなはだ疑問ですよね。

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2013年12月26日 (木)

「医は算術」は許されない?

14年度予算案で社会保障費が空前の30兆円超えだと話題になっていますけれども、いくら増え続ける社会保障費に対応するという名目が消費税増税の一番の理由となっていたとは言え、増税した以上のペースで歳出が増えていったのでは意味がないと言う声は当然出てくるわけですね。
来年度の診療報酬がいわゆる厚労族の強力な反対を押し切る形で実質消費税分相当のマイナス改定になったことは象徴的でしたが、主に財務省筋からの圧力で医療に対しても公的支出削減が急がれる中で、先日は厚労省の側から財務省との合意としてこんな話が出ていました。

うがい薬のみ、保険適用外に…医療費61億削減(2013年12月24日読売新聞)

 厚生労働省は、医療機関でうがい薬のみを処方する場合、来年度から保険適用しない方針を固めた。

 25日に開く中央社会保険医療協議会で示す。

 医療機関を受診してうがい薬を処方された場合、初診料や再診料などのほか、薬局で調剤基本料などがかかる。同省は、風邪などでうがい薬しか処方されない程度であれば、医療の必要性は乏しいと判断した。厚労省では、うがい薬を対象外とすることで61億円の医療費削減につながると見込んでいる。

 ただし、他の風邪薬などと一緒にうがい薬が処方された場合は、これまでと同じように保険適用される

<うがい薬>保険適用外に…国費61億円削減効果(2013年12月24日毎日新聞)

 財務、厚生労働両省は24日、医師が処方する「うがい薬」について来年度以降、同時にほかの薬を処方しなければ公的医療保険の対象から外すことで合意したと発表した。同薬の処方だけのために医療機関を受診する人を減らし医療費抑制につなげるのが狙い。25日、厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)に提示し、了承を得る。

 これにより、国費ベースで約61億円の削減効果が見込めるという。うがい薬を巡っては民主党政権当時の2009年、政府の行政刷新会議の事業仕分けで「薬局で市販されているなら医師が処方する必要性に乏しい」として、漢方薬などとともに保険の対象外とする方針が打ち出されたが、結論を先送りしていた。【中島和哉】

このうがい薬というものの効能にも諸説あって、別に水でうがいしても変わらないだとか正しい方法でやらなければ意味がないだとか言われますけれども、個人的にはうがい薬だけを求めて受診する患者の規制で年間60億も節約が見込めるほど医療費がかかっているものかと言う点に意外さを感じましたが、一般内科ではともかく耳鼻科領域ではそういう需要も大きいのかも知れません。
実際に患者負担がどれくらい違うのかと思うのですけれども、イソジンうがい液の場合ですと薬価が3.3円/mlとたかが知れていますが、初診料が270点で調剤基本料40点+外用薬調剤料10点ですから実はこっちの方が高くつきそうで、一方で50mlのイソジンうがい液が500円そこそこで売っているのを見ると、イソジンうがい液一つだけ求めて病院にかかるというのは患者にとってもコストパフォーマンスの良いやり方ではないようですね。
これがアズノールうがい液になると52.1円/mlと一気に高くなりますから処方箋を切ってもらう意味が出てくるのでしょうが、いずれにしてもこういうルールが出来れば他の薬もついでに処方してくれと言い出す人も増えそうですからかえって医療費が増えるというケースもあるわけで、計画通りに医療費削減につながるかどうかは微妙な気がしますがどうでしょうか。

実際上の効能はともかくとしても注目すべきは医療費削減の一手法としてこうした「保険収載薬の保険からの切り離し」が限定的とは言え行われるようになったと言うことで、世間の噂では次は漢方か、外用消炎鎮痛剤かと言う話ですけれども、特に注目されるのが近年何かと話題になっているOTC薬の拡大との絡みで、「一般薬局でも市販されているものは保険外扱いにする」と言う動きが広がるのかどうかです。
最近はかなり強力な薬剤などもどんどん市販化されるようになってきていて、きちんと知識をもって使うのであれば市販薬だけでもかなりなことが出来るようになってきた感がありますけれども、もちろん市販薬も24時間のドラッグストアや通販で入手できるという利便性があることは事実ながら、やはり長期間使い続けるとか多量に使うといった場合には病院で処方してもらった方が安上がりになるのは当然ですよね。
ただ安上がりになるというのはあくまでも窓口での自己負担が安いということであって、回り回って税金なり保険料なりで国民が負担するという構図には変わりないわけですし、特に昨今では「病院など行きもしないのに高い保険料ばかり払わされるのは馬鹿馬鹿しい」という声も根強くある中で、一部の方々ばかりが皆保険制度を濫用してその他大勢の人々に負担を押しつけているという不公平感にも結びつく可能性があります。
そうなると一番判りやすいのは保険扱いで処方しなくてもそこらの薬局で買えるものは自費で買ってくださいという理屈ですが、当然ながら「結果として簡単な薬だけで済むものだったとしても、そう判断するに至る専門家の診察という過程こそが重要なのだ」とは某日医あたりならずとも主張する方々はいらっしゃることでしょうね。

日本では皆保険制度のおかげで窓口負担は非常に安くあがっていることもあって、保険料を払っている以上病院をどんどん利用しなければ損だという考えに陥りがちですし、一部の医師・医療系団体なども長年「皆保険制度で早期受診が出来るから日本人は長生き出来るのだ」式の主張を繰り広げていて、もちろんそれはそれで一面の真理であったとは思います。
ただ日本人が長生きするのが当然になった結果身体は保っても頭の方が保たない人が増えてきたとか、単に病院施設のベッドで寝たきりで生きているだけという方々が増えていっているだけなのに意味があるのか?と言う主張も次第に力を得るようになった結果、最近では健康寿命の延長といった言い方はしても単に長生きすることだけを求めるということはあまり言われなくなってきましたよね。
某先生のように癌検診など無意味だと言う主張も極論ですけれども、とにかく何でもかんでも病院にかかって十二分に検査も治療もしてもらうのがいいと言う考え方も極論と言うべきで、いくら日本の医療が出来高払いだとは言っても極端な過剰診療は保健医療財政を圧迫するだけだと言うのが昨今の流れだと思います。
それではどこを削るかと言うことになった場合に、やはり人の命に直接関わるような重大疾患や救命救急に関わるようなところは最後まで温存したいと誰でも考えるでしょうから、そうなると放っておいても大差はないだろうが「せっかく来たんだから○○をしていきましょうか」式に行われてきたcommon diseaseの診療などは一番狙われやすいんだろうなと言う気はしますね。

アメリカなどでは保険の支払いをするのが民間会社であるだけに外来で行うスクリーニングの項目に関しても非常に厳密な評価がなされていて、日本のように半ば医者の趣味も混じえてコストパフォーマンスの悪い検査をバンバン行うといったことは出来ないようになっていますけれども、公的保険の日本でも最近は財政上の要請からようやく医療のコストパフォーマンスと言うことが言われるようになってきています。
ただもともと日本の医療は世界的に見てトップクラスのコストパフォーマンスを誇ってきただけに、下手にこれを追及しすぎると「乾いた雑巾を絞る」ようなことになりかねないと言う懸念はありますけれども、需要が年々増えている成長産業なのに国が一生懸命規模を押さえようと努力していると言う状況を見ると、やはり「命はお金に換えられない」という命題は今後いつまでも通用するものでもない気がしますね。
近年では急性期、慢性期を問わず医療費抑制の一環として定額払いということが取り入れられていて、限られた収入の中でどこにお金をかけるべきかという判断を一般臨床医も当たり前に行うようになっているはずですが、やはり昔ながらの習慣で頑なに「いや、この検査は絶対にいるから」と赤字も構わずにオーダーしてしまうという癖が抜けきらない先生も散見されますよね。
マスコミや一部医療関係者も未だに好んで「医は算術であってはならない」と言う言い回しを使いたがりますけれども、物理的にかけられるコストの上限が定められるようになってきた時代にあって最も効率的に患者利益に結びつく医療を行っていくためには、あらゆる医療従事者はどうしても算術に長けている必要があるんじゃないかと思います。

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2013年12月25日 (水)

患者が正しく理解出来ないのは医者が悪い?

なんだかんだと議論の末に認定施設で十分なインフォームドコンセントの後に限って行うという指針が出された新出生前診断ですが、さっそくそれに違反していた事例が明らかになったと報じられています。

中国企業が新出生前診断 日本医学会指針違反の疑い(2013年12月23日産経新聞)

 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新出生前診断を、中国の遺伝子解析会社が日本国内で始めたことが分かり、日本医学会は23日、十分な遺伝カウンセリングができる施設で行うとの指針に違反した状態で行われている疑いがあるとの懸念を表明した。

 この会社は世界で遺伝子解析を手掛けるBGIの関連会社。日本では神戸市に事務所があり、ホームページでダウン症など3種類の染色体異常が分かると宣伝する。

 新出生前診断は、日本産科婦人科学会の指針で十分な遺伝カウンセリングの実施や臨床遺伝専門医の資格を持つ産婦人科医または小児科医の常時勤務などを求めており、体制が整っている医療機関を日本医学会が認定して4月に始まった

 だが、この会社は認定施設以外で行っている可能性があるとして、日本医学会は「指針を順守した事業をしてほしい」とする文書を発表した。

この会社が採血等の医療手技をどのように行っているかがはっきりしないのですが、日本国内における規制というのは法的ルールでも何でもなくあくまでも学会等に所属する医師が行うという前提条件において学会内での規制を行っているに過ぎず、例えばどこかで採取した検体をうちの会社に送ってくれれば何でも調べます!と言ったケースに対しては無力であるわけです。
もちろんわざわざこうしたサービスの存在を探し出して依頼するくらいですから最低限の知識は持っている人達が顧客になるのだろうと言う考え方もありますが、実際に学会指針に従ってカウンセリングを行ってみると実はそれほど深い理解をした上で依頼しようとしているのではないと判明するケースもままあるということですから、どこまで判って検査を希望しているのかという疑問は感じますよね。
一般に医師の説明が判りにくく患者が理解出来ないということはすでに前世紀末から問題視されていて、特に古き良き?「黙って俺に任せておけ」式の医療からアメリカ式のインフォームドコンセントが前提の医療に切り替わっていく中でこの問題が重視されるようになり、医学教育の過程においても患者に正しく理解させる能力と言うものをもっと重視すべきではないかと言われるようになってきました。
その大前提として患者の理解が及ばないのは説明する側の能力や努力が不十分であるからだと言う考え方があったことは否定出来ませんが、一方で十分に経験を積んだ臨床医であれば実際の臨床現場ではそんな単純なことでは済まないということを実体験からよく知っているはずで、例えば先日はこんなちょっとびっくりするような「正しく理解することの難しさ」をもの語るニュースが出ていました。

米女性200人に1人が「処女懐胎」を告白、調査(2013年12月18日AFP)

【12月18日 AFP】米国の若い女性を対象にした調査で、200人に1人が処女のままで妊娠したと回答したという、驚くべき結果をまとめた論文が、17日の英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)で発表された。

 米国の若者の性と生殖に関する健康についての長期調査に参加した7870人の女性のうち、約0.5%に当たる45人が、膣性交の経験がないにもかかわらず妊娠したと答えたという。

 体外受精(IVF)で妊娠したとの回答はなかった。45人の中には、「流産などで胎児を失ったとの回答もあった」という。

 論文は1995~2009年にかけて行われた「若者の健康に関する全米長期調査(National Longitudinal Study of Adolescent Health)」に基づいたもの。同調査の参加者は、対面式ではなくノートパソコンを通じて、性行為や妊娠、避妊方法についての知識、宗教的背景などに関する定期的なアンケートに答えた

 調査に参加した女性たちの親にも性行為や避妊についてどのくらい娘と話をしたか尋ねたほか、女性たちが通った学校にも、学校の授業での性教育の割合などを質問した。この調査は米国の社会的・民族文化的背景をよく反映した信頼のできる調査だと見なされている。

■『童貞の父』も

 調査の結果、「処女懐胎」グループのうち3分の1に近い31%が「貞節の誓い」をたてていたことが分かった。貞節の誓いは、婚前性交渉に反対する保守派キリスト教団体が推奨することが多い。

 膣性交による妊娠を認めたグループで貞節の誓いをたてていた人は15%だった。また、自分は処女だと答えた女性の21%が貞節を誓っていた。「処女懐胎」グループが出産した時の平均年齢は19.3歳で、そうでないグループの21.7歳に比べ2歳以上若かった

 論文の主執筆者、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校(University of North Carolina at Chapel Hill)のエイミー・ヘリング(Amy Herring)教授(生物統計学)はAFPの電話取材に応じ、調査対象者に直接「あなたは処女懐胎しましたか?」と尋ねたのではなく、性や生殖についてのさまざまな質問からそのような結果が導かれたのだと述べた上で、今回の研究で性教育についての興味深い示唆が得られたとともに、性生活についての正確なデータを取るのがいかに難しいかが明らかになったと話した。

簡単明瞭な質問だと私たちが思ったものでも、女性たちの中には意味を取り違えたり、間違った解釈をしたりして、誤った年を答えるなどした人がいた。また、何らかの理由で性交渉をしたことを認めたがらない人もいた。率直に答えてもらえるよう(ノートパソコンなどの)技術も使ったが、それでも非現実的な回答はあった

「さらに数週間前、この現象が女性のみに限られるのかを調べたところ、『童貞の父』も数人見つかった。さらに理解に苦しむ発見だ」

この話を聞いて「なるほど、イエス様のケースは別にそれほどレアだというわけでもないんだな」と感じる人がどれほどいるのかは判りませんけれども、個人的には隕石という概念が一般化していなかった19世紀の第三代米大統領ジェファーソンが、1807年の隕石落下に関する学術的報告に関して漏らしたという「「石が空から降ってきたと信じるより、二人の教授が嘘をついていると考える方が自然だ」と言う言葉を思い出していました。
それはともかく、処女懐胎が事実それほど頻繁にあるのかどうかは別として、この調査が直接的にそれを質問したわけではなく様々な質問を繰り返す中で調査対象の性知識を明らかにしていっているということに注目すべきであって、その結果「簡単明瞭な質問だと私たちが思ったものでも、女性たちの中には意味を取り違えたり、間違った解釈をしたりして、誤った年を答えるなどした人がいた」と言う見解に達したことは重要ですよね。
そもそも妊娠の可能性のある性交渉という認識も人によって様々で、それこそ「キスしちゃったから妊娠したかも」レベルの人が想像妊娠に至ってしまうというケースもあれば、何ら効果の立証されていない怪しげな避妊法を実践しているから妊娠の可能性はないと思い込んでいる人間もいたりで、知識や理解のレベルが様々な対象に向かって何かを問いかけるという行為がどれほど難しいかということが理解出来ます。
となれば当然ながら一人当たりに割ける時間も労力も限られている日常診療の場において、相手が理解するまできちんと説明をし同意を得る、あるいは相手が正しく理解していると確認しながら話を進めるということがどれほど困難かと言うことで、医師が「患者さんはショック状態で」と説明すると家族から「そんなにショックを受けるようなことがあったんですか?」と問われたなんて笑い話のようなことは当然に起こりえることですよね。

注意すべきなのは昨今医療訴訟でもたびたび話題になる医師の説明義務違反ということがどこまで求められているのかということなのですが、判例等で見る限り十分な説明という言葉の解釈が未だに一定しておらず、また一部の方々からは「患者が理解・納得していない同意は真の同意とは言い難く無効」などと極論も出されているようで、こうなるとそもそも理解が出来ない相手には本当の同意は期待出来ないということになります。
最近では「患者の理解は医師が思っている以上に低い」という事実が広く知れ渡るようになってきていて、中には主に防衛医療的な観点からか実際に何枚もある質問票に全て正解を出さないともう一度説明をやり直すなんて大変な労力を払っている先生もあるやに聞きますが、これも考えてみるとその程度の理解も出来ない相手とは診療契約を締結しないという意志の現れだとも取れますよね。
こうした防衛行動の法廷での有効性は別にしても、緊急手術で一刻の猶予もない時にそんなことをされても患者や家族もおちおち冷静に答えられるはずがないという話ですけれども、今まで何となくでやってきた説明と同意という行為が冷静に考えると非常に複雑で難しい問題を抱えているとなると、これはいくら丁寧な診療をしているつもりでもいざ紛争化したときには幾らでも突っ込まれてしまうなと考えざるを得ないわけです。
ではそれに対してどうすべきかと言うことなんですが、一つにはもちろん医療現場はただでさえ多忙極まるのだから、危なそうなケースからは徹頭徹尾手を引くというのも防衛医療上も労働管理上も合理的な考えですけれども、そうは言っても浮世のしがらみから様々な仕事を引き受けざるを得ない数多の先生方にとっては、もう少し制度的にも医療従事者が安心して仕事に励める仕組みがあって欲しいですよね。

わざわざ休日にアポなしでやってきて「担当医を出せ!説明しろ!」なんて無茶を言う遠い親戚に辟易した経験のある先生であれば、説明という行為にもそれなりに知識や経験、そして何よりも手間暇がかかるのだからもっと診療報酬上も評価されてもいいはずだと考えたことがあるかも知れませんが、別な意味でこうした説明行為にもっと高い料金を取るべきだという考え方はあるわけです。
無料のテレビで放送していれば五分でチャンネルを切り替えてしまうようなつまらない映画でも、自腹でお金を払って映画館に入っていればついつい最後まで観てしまうというのと同じ理屈で、人間心理として説明一つに何千円ともなれば元を取ろうと真剣にもならざるを得ないというものでしょうから、診療報酬なりでまずはムンテラという基本的医療行為をきちんと評価することは実は患者にとっても重要なことではないかと思います。
その場合例えば「金を取るのなら説明なんていらない」と言う人が後で「こんなことになるとは聞いてない!」と言い出した時にどうするかですが、今現在も治療前検査という形でそれなりの検査を行っていることは妥当だと考えられているように、治療に先立って一定の手続きを行ってもらうことは診療契約締結の大前提であるという考え方は社会的にも十分受け入れられる余地はあるかと思いますね。
そうしたシステムが出来上がれば説明など手間ばかりかかって一銭にもならないと言う認識も改まり、医療従事者側にも医療技術の向上と同様に説明技術の向上に対するモチベーションも上がっていくでしょうし、無闇矢鱈と説明の繰り返しを要求される事も減って医師の過重労働改善にもつながる可能性がある、そして何より人の話も聞かず理解する気もない潜在的な問題患者を排除することにもつながるかも知れません。

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2013年12月24日 (火)

迷走する公立病院の運営がもたらずもの

来年度の診療報酬改定がどうやら名目プラマイゼロ、実質消費税の損税が拡大する分のマイナス改定になりそうだと報道されていますけれども、昨今の社会保障費削減が求められる流れの中でさほど意外性のない話ではないかと思いますが如何でしょうか?
ともかくも医療業界としてはこれまで以上に自主的な経営改善努力が求められるということになるわけですが、そんな中で先日常勤医の大半が一斉逃散を図りまたも崩壊か?と思われた北海道の松前町立病院から、こんなニュースが飛び込んできました。

町立松前病院長が辞意撤回(2013年12月20日読売新聞)

 町立松前病院の木村真司院長(49)は19日、石山英雄町長と同病院で会談し、辞意を撤回した。木村院長とともに辞意を示していた医師7人の大半は、新年度も残留する見通しだ。

 この問題は、今年春に定年退職した同病院の前事務局長の再任用を巡り、町や町議会の対応に不信感を募らせた医師8人が辞意を示していたものだ。

 町議会は18日、医師らの要求に沿って前事務局長を再任用できるようにする条例を可決。さらに、病院の独立行政法人化に向けた調査費を盛り込んだ一般会計補正予算案を可決した。独立行政法人に移行すると、院長は町側の同意を得ずに職員を採用したり、予算案を作ったりすることができるようになる。

 19日の会談では、石山町長が「町民の命と健康を守るため、なんとか辞意を撤回してほしい」と要請。木村院長は「病院側の権限を認め、運営を任せてもらえるなら、当面はここで医療を続けたい」と応じた。

 医師らを慰留していた「松前病院を守る会」の副会長で薬剤師の川内谷直志さん(49)は「トラブルが再発しないように、推移を見守りたい」と話している。

北海道・松前町立病院長、辞意を撤回 4月以降も勤務 常勤医7人の大半も(2013年12月19日北海道新聞)

 【松前】渡島管内松前町の町立松前病院の木村真司院長ら常勤医10人中8人が辞意を表明している問題で19日、木村院長が「当面、松前で医療を続ける」と述べ、来年4月以降も院長を続ける意向を示した。院長以外に辞意を表明している常勤医7人は、大半が同病院で勤務を続ける見通し。

 同病院で開かれた町と病院との合意事項を確認する会合で、院長が述べた。会合には木村院長や石山英雄町長、渡島総合振興局の中西猛雄局長らが出席した。

 会合で木村院長は石山町長に対し「地方公営企業法に基づく病院管理者としての(院長の)権限を尊重し、病院運営に全面的な協力をしてもらえるか」などを確認。石山町長が了承したため、木村院長は「私に残ってほしいという住民の強い思いを受け止め判断した」と述べ、現職にとどまる考えを示した。

 石山町長は会合終了後、「病院、住民の健康を守る立場から、ひと安心した。院長の判断に心から感謝し、患者の不安を早く解消したい」と話していた。

この逃散(未遂)の件については先日も少しばかり取り上げたところですけれども、院長権限を主張して事務方の前トップの定年退職後の継続雇用を希望した院長と町側が対立、院長に続いて勤務医の大半が辞職の意向を示したということでしたが、結果的には町側の全面敗北という形で落ち着いたようです。
もともと田舎にあって全科診療を掲げる院長の方針に対して全国から分不相応な医師・研修医が集まっていた病院ですから、院長一人が辞めれば病院そのものが崩壊するという危機感を背景に、町役場を包囲したという町民ら5000人のシュプレヒコールを町側も無視出来なかったと言うことでしょうか。
同病院は老朽化に伴い建て替えを計画しているようですが、これまた例によって町側と院長側とで意見が全く食い違っていると言いますから、今後どのような騒動が再燃することになるのかと早くも興味も深まるところですけれども、もともとは急速に人口減少が進む8000人の小さな町がどれほど医療に投資出来るものかと言う素朴な疑問がありますよね。
このあたりは「新小児科医のつぶやき」さんのところで検証されていますけれども、院長・前事務局長のコンビで何とかかんとかやりくりしているとは言えこんな田舎町で医師10人の病院を抱えるというのがそもそも分不相応とも言え、実際本来なら病院に渡るべき道からの補助金の類も町側が取っていたと言いますから、はっきり言えば自転車操業に近い状態だったのではないでしょうか。

ともかくも松前町の事は松前町に任せるしかないとは言え、社会保障費がどんどん削減されかねない時代にあって公立病院の経営も今まで以上にシビアな前提条件の下で将来も見越して再計算しなければならないはずで、単に「先生方もっと売り上げを増やしてもらわないと」とハッパをかけるだけでは早晩立ちゆかなくなるのが目に見えています。
町立松前病院とはいささかその崩壊の規模が異なりますが、かつて300床の基幹病院が突然の閉鎖ということで大いに話題になったのが銚子市立市民病院で、その後2010年から常勤医一人といういささか寂しい状況で再出発を果たしたことはすでにお伝えしたところですよね。
もともと財政難を市側も補填できず破綻に至った病院なのですから、画期的な改善策でも提示出来るということでなければよほどに黒字部門に絞って身の丈にあった診療を行っていくくらいしかないと思いますけれども、どうやらせっかく再開したのに再び焦げ付き始めているというのは松前町などにとっても参考にすべき事例ではないでしょうか。

財政危機問題で銚子市行革審 市立病院赤字補填 市に見直し求める(2013年12月19日東京新聞)

 銚子市の財政危機問題をめぐり、市行財政改革審議会(会長・伊永(これなが)隆史千葉科学大副学長)は十八日、市財政を圧迫する市立病院について、指定管理者と結んでいる赤字補填(ほてん)の補助金交付に関する協定の見直しを市に求めた

 市は会合で、市立病院で本年度見込まれている六億三千五百万円の赤字に関し、補助金として一般財源から支出する方針であることを説明した。

 委員からは、赤字続きの病院管理者に役員報酬を支払う妥当性や市の監査の不十分さを指摘し、「赤字穴埋めの協定はとんでもない」「市民に寄付をお願いできるか」などの意見が出た

 これに対し、越川信一市長は「病院に対して管理監督機能をきちんと果たす。年明けから開く地区懇談会で、市民に赤字を負担する覚悟があるか投げ掛けたい」と答えるにとどめた。 (小沢伸介)

正直赤字を抱えてまで維持する気がないというのであれば最初から再開などしなければいいだろうに…と思いますけれども、これまた以前にもお伝えしたように同病院の破綻で市内の患者が近隣の旭中央病院などに流入し救急がパンク状態になるなど、地域医療崩壊のドミノ倒し現象が危惧される状況だと言いますよね。
田舎の公立病院などというものはもともと住民サービスの側面が大きく、市民なり町民なりが隣の町に出かけていって頭を下げて入院をお願いするなど形見の狭い思いをしている、どうしてうちの町ではいつでも入院出来る病院がないんだと言われれば選挙対策も込みでそれでは病院の一つも用意しようかと言う話になりますけれども、本来医療というものはそういう考え方で整備していられるほど余裕ある業界ではないはずです。
さすがに最近ではそう聞かなくなったような気もしますけれども、一頃は田舎町が都会のベッドタウン化を画策して外から人を呼び込むのに「24時間いつでも診てもらえる町立病院があります!」なんてことを公言していた、なんて話もあるように、単純な経済原則や公平な医療リソース分配と言う考えからすればそこに本来ないはずの医療サービスが用意出来るというのは、非常に強力なアピールになると言うことですよね。
しかし社会保障費削減のあおりで診療報酬などもこれからさらに一段と厳しく切り下げられていくだろう中で、そうした無理矢理用意された住民サービスとしての医療は自治体にとっても多額な支出を強いる諸刃の剣とも言え、要するにこれからはいかに医療を整備するかということと同様に、いかに医療を削るべきかということも議論すべき時代になったと言えるでしょう。

以前に大阪では住民サービスとして無茶な診療を強いられていたとして阪南市立病院があっさり逃散から崩壊へというおきまりのコースを辿ったと話題になりましたけれども、実はその陰で同じ大阪は松原市ではひっそりと市立病院を廃止するという「異例の条例」が可決されていたことはあまり大きなニュースになっていませんでした。
施設の老朽化や医師数減少などで万年赤字が続き、とても建て替えの費用を負担できないということが直接的な原因であったと聞きますが、そもそも大阪府内のようなどこにでも民間病院がある中で公立病院をわざわざ維持する意味というのは、民間病院ではとうてい受け入れてくれないような「市民」をねじ込む先という意味でしかないはずですよね。
当然ながら条件のいい民間病院から引く手あまたのこの時代に、わざわざそんな地雷だらけの病院に行きたがるのはよほどに公立病院でしか出来ない地域医療のあり方に一家言ある先生ででもなければ、それこそ民間病院では到底受け入れてくれないような先生ばかりと言うことにもなりかねませんが、病院の選択枝が幾らでもある一般市民にとってもそんな病院を税金で赤字補填しながら運営することがありがたいかどうかです。

都市部と田舎では話が違うと言う声もあるかも知れませんが、例えば冒頭に取り上げた町の基幹病院たる町立松前病院なども都市部の基幹病院と同様の多忙さであったかと言えば到底そうは思えずで、やはり単純な医療への需給関係よりもそれ以外の思惑も込みで整備された施設であり、経営努力の名の下に医療需要をわざわざ喚起し(言葉は悪いですが)いわば医療費を浪費していたという側面はあると想像できます。
別にそれが悪いというわけではなくて、医療とは言っても商売である以上はルールの中で最大限儲けようとするのは当たり前のことなのですが、一方では医者が足りない、医療費はこれ以上増やせないと大騒ぎして社会保障の行く末がシビアに議論されている一方で、他方では需要もないところに無理矢理需要を掘り出すようにしてリソースと医療費を無駄遣いしているというのもなんだかなあ…ですよね。
民間病院が医療提供の主体を担っている日本では医療が計画通りにはいかないとはよく言われるところですが、考えて見ると民間病院と言うものは一般に需要が十分にある(すなわち、リソースが不足している)地域で健全にやっているものがほとんどであって、ちょっとそれはどうなのか…と疑問符をつけたくなるような経営をしているのはむしろ公立病院が大多数であるというのは逆説的で興味深い現象だと思います。
行っている医療の効率性から言えば民間病院がまず需要があるところをきっちりとやり、どうしても赤字にならざるを得ない隙間を公立病院が埋めていくというスタイルが良いのかなと思うのですが、公立病院が下手に経営努力に走るよりそういう最小最低限に限定した割り切った診療に徹した方が国全体で見ると、公立病院の赤字も総医療費支出もむしろ減らせるようになるのかも知れませんね。

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2013年12月23日 (月)

今日のぐり:「じくや」

クリスマスが楽しい人ばかりかと言えばさにあらず、世の中にはクリスマスこそ地獄の季節だと感じている人もいるというのがこちらのニュースです。

【海外:奇病】クリスマスなんか大嫌い!クリスマスツリー症候群(2013年12月15日日刊テラフォー)

「オレ、クリスマスツリー症候群なんだ」と言われたら、きっと誰もが、「クリスマスに恋人がいなくて寂しいってことね!」と思うだろうが、実は『クリスマスツリー症候群』という病気は、実在する本当の病気だ。
クリスマスと言えば、ロマンチックなイルミネーションに美味しい料理、プレゼントなど楽しいことで一杯だが、中にはこの時期になると、くしゃみ・鼻水・咳・喉の痛み・目の痒みなどのアレルギー症状に悩まされ、憂鬱な日々を過ごしている人もいる。

イギリスでテレビのニュースキャスターとして活躍しているデイビッド・バスさん(26)も、クリスマスツリー症候群に悩まされている人々の中の一人だ。
「発症したのは、4年前でした。ちょうど新しいアパートに引っ越した時で、(プラスチックではなく)本物のクリスマスツリーを買いました。それからすぐに飾り付けを始めたのですが、鼻水が出始めて、鼻が痒くてしかたなくなりました。目も赤く、涙目になりました。春になる花粉症のようでした。」
デイビッドさんは15歳の頃から花粉症になり、年々ひどくなっていた。しかし、花粉症が起こるのは春だけだ。その症状が突然真冬に起こったので、デイビッドさんは困惑した。
最初は風邪だと思っていたが、やがて、昔からクリスマスの時期にいつもアレルギー症状が出ていたことに思い当たった。特にツリーの近くにいた時は、症状がひどかった気がする。

このクリスマス時期の花粉症の症状が、『クリスマスツリー症候群』と呼ばれている。
これはツリーに付着しているカビが原因で引き起こされているアレルギー症状で、クリスマス時期に、本物のモミの木を飾る習慣があるヨーロッパで多く報告されている。
対策としては、本物の木ではなくプラスチックのツリーを飾ることが一番なのだが、この時期至る所にツリーが出現するヨーロッパでは、逃れようがない。
デイビッドさんも自宅のツリーはプラスチックの物に買えたが、職場や街にはいつも生のクリスマスツリーが飾られているため、症状はまったく改善していない。
また、『クリスマスツリー症候群』なんて言っても、周りの人は本気で捉えてくれないことが多いのも、辛い所だ。
クリスマスで浮かれている友人達を尻目に、最近、鼻水や目の痒みが止まらないアナタも、もしかしたらクリスマスツリー症候群かもしれない。ツリーから離れてみたら、少し調子が良くなるかもしれない。

もちろんアレルギー症状そのものもつらいのでしょうけれども、そのつらさを周囲の誰も理解してくれないというのも何とも悲しいですよね…
今日はディビットさんのようにクリスマスが楽しいばかりではないということを思い出す意味で、世界中からちょっと悲しくも切ないクリスマスの話題を集めてみましょう。

トナカイ、サンタクロースから逃げる(2012年12月9日abcニュース)

木曜日、コロラド・モールで行われる子供向けイベントで、サンタの元からトナカイが逃げ出すという事故が起こりました。

サンタは子供達の「お願い」を聞くために中に入ったところ、トナカイは柵を飛び越え逃げ出したとのことです。

暴走したトナカイは町を走り回りましたが、警官の機転により”もう一頭のトナカイ”を連れて来たところ、無事に確保出来たとのことです。

いやなんでしょう、トナカイがサンタから逃げ出すという珍事も悲しいですけれども、もう一頭のトナカイに釣られて捕まってしまうという顛末も切ないニュースですよね…
サンタもサンタで色々とつらいこと悲しいこともあるのでしょうが、こちら何とも夢のない現実を突きつけられるような悲しいニュースです。

酔っ払いサンタが路上で乱闘 NY(2013年12月16日CNNニュース)

ニューヨーク(CNN) 大人たちがサンタクロースの仮装をして街に繰り出し、はしご酒などを楽しむ恒例のイベント「サンタコン」が先週末から今週末にかけ、世界各地の都市で開かれている。米ニューヨーク市では14日、サンタ姿の人々の間で乱闘が発生し、警察が出動する騒ぎがあった。

インターネット上には15日、ニューヨーク市内での乱闘シーンを撮影したビデオが流れた。雪の積もった路上で、酔ったサンタたちのグループが殴り合っている。

ニューヨーク市警によると、14日午後8時20分ごろ、マンハッタンのグラマシー地区の路上でサンタ姿の8~10人がけんかをしているとの通報が入った。警官が現場に到着した時、グループはすでに姿を消していたという。警察は捜査を続けているが、今のところ被害届は出ていないという。

ニューヨークでは1997年以降、毎年この時期にサンタコンが開催され、今年も数千人がサンタや小人の衣装で街に繰り出した。しかし近年、どんちゃん騒ぎがエスカレートしているとの指摘もあり、参加者自身からも「路上で吐くほど泥酔するのはやり過ぎ」といった声が上がり始めた。

同市警はサンタコンを前に、公共の場での飲酒などの違法行為について、取り締まりを予告するチラシを配布していた。

もはやどこから突っ込んだらよいのか…と言うその状況はこちらの動画を参照いただくとして、サンタたるものが何をやっているんでしょうかね…
こちらさらに輪をかけて酷いというサンタのニュースですが、ここまで来ると何か呪われているような気がしないでもありません。

米モールで「痴漢サンタ」逮捕、クリスマスイブに出廷へ(2013年11月27日ロイター)

[ボストン 26日 ロイター] -クリスマスが約1カ月先に迫るなか、米マサチューセッツ州のショッピングモールでサンタクロースの格好をして勤務していた男が、別の従業員に痴漢をした疑いで逮捕された。

同州プリマス郡の検察当局は26日、ハーバート・ジョーンズ容疑者(62)が、14歳以上に対する強制わいせつなどの容疑で23日に逮捕されたと明らかにした。報道によると、痴漢行為を受けた従業員は妖精の格好をしていた。

ジョーンズ容疑者は無罪を主張し、1000ドル(約10万円)の保釈金で保釈された。勤務していたモールに近づかないことと、モールでのサンタの仕事に就かないことを命じられている。

同容疑者は、クリスマスイブの12月24日に出廷する予定。

サンタが妖精に痴漢行為というのもどうなのかですが、ちなみに史上最低のクリスマスになったと嘆いたか、あるいはサンタとしての公務をサボる口実が出来て喜んだかは明らかではないようです。
シャレのわからない人間というのもどうかと思いますが、こちら予想外の大騒動に発展したというサンタの話題を紹介してみましょう。

サンタ追跡サイト、そりを戦闘機が護衛? NORADの動画で物議(2013年12月4日CNNニュース)

(CNN) 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が毎年恒例のサンタクロース追跡サイトを開設した。ところが今年は米空軍の戦闘機2機を従えて飛ぶサンタとトナカイの動画も公開されて物議をかもしている。

問題の映像では、トナカイに引かれて空を飛ぶサンタのそりをはさむように、戦闘機2機が飛行している。戦闘機が前に出てそりを先導する場面もある。
さらに、サンタ追跡の「試験飛行」を管制するNORAD本部のドキュメンタリー風映像もある。海上部隊は「必要とあればいかなるギフト救出作戦」も遂行すると報告、地上部隊からは「トナカイたちが着陸するすべての屋根の耐久性を確認」したと連絡が入る。
この動画について、子どもに広告を見せない活動を展開している団体のジョシュ・ゴリン代表は、「本当に問題だと思う。子どもたちの大好きな伝統に暴力と軍国主義が挿入された」「裏口から子どもたちに売り込む狙いだ。軍には子ども相手の商業的な宣伝手段がない」と批判する。

NORAD広報によると、今年の動画はサンタを追跡していない時のNORADの活動も知ってもらう狙いで作成したという。
しかし子ども相手の映像にこうした映像を差しはさむことを問題視する声もある。
NORADのサンタ追跡サイトは昨年、235カ国の2230万人が閲覧し、フェイスブックは1500万人の読者を獲得した。このプロジェクトを始めたのは1955年。サンタに電話しようと呼びかけた新聞記事の電話番号が間違っていて、NORADの前身組織につながってしまったことがきっかけだった。
現在はサイトのサンタ追跡情報提供に加えてスマートフォン用アプリも提供。12月24日にはカナダと米国の兵士や民間のボランティア1250人が、メールや電話で子どもたちの問い合わせに答えている。経費はほぼ全額をスポンサー企業が負担している。

サンタにも電話でコメントを求めたが、返答はなかった。

まあ世界中どこにでもこういう人達はいるんだなと感じさせる問題の映像はこちらを参照いただくとして、記事末尾の一文がなかなかよく効いているというニュースですよね。
本当に切ないと言えばこれほど切ないクリスマスはないというニュースですが、まずは記事から紹介してみましょう。

「ピエリ守山」のクリスマスツリーが「泣けてくる」とネットで話題に(2013年12月5日秒刊サンデー)

過疎化が酷いと話題になった滋賀県の大型ショッピングセンター「ピエリ守山」にもクリスマスツリーが飾られているということです。クリスマスセールを盛り上げるためにもツリーは必須アイテムなのですが、「ピエリ守山」におけるクリスマスツリーはまさに「ピエリ守山」を象徴させるような仕様のようです。もはやウケ狙いとしか言いようのないこのクリスマスツリーを是非ご覧いただきたい。

生きる廃墟として話題のピエリ守山のクリスマスツリー

(略)
―店舗の数は?

さて現在お店の数はどれほど残っているのだろうか。ホームページ上(12月4日現在)では以下店舗が掲載されていた。

    ・カフェ:R&M
    ・宝くじ:宝くじ屋さん
    ・ペット:ペットランド ミクニ
    ・旅行:JTB総合提携店 LaLaツーリスト

計4店舗

―ネットでは寂しいの声

ネットではこのクリスマスツリーがあまりにも寂しい、また「狙ってやっているのではないか」との声も。

    ・泣いた
    ・ほぼ墓標
    ・うわあ..
    ・今から見に行くかなw
    ・忘れ物レベル
    ・アイアムアヒーロー?
    ・くっそ吹いたww
    ・せつねぇ…
    ・狙ってやってんだろこれwwww
    ・くっそわろたwwww
    ・わろたwwwサイズwwww
    ・シガねえ飾り付け。オウミに見てやって
    ・ぼっち感ハンパないわw
    ・ここいきたい。
    ・ホラー映画に出てきそうなシーンだなぁ

巨大ショッピングモールにわずか四店舗では閑散とするのも当然なのですが、それにしてもあまりに切ない光景ですよね…
最後に取り上げますのはこちら、何気ないプレゼントのおねだりがどうしてこうなったという悲しいニュースです。

クリスマスプレゼントにWiiを祖母に頼んだら意外なものを買ってきた男性嘆く。(2013年12月4日CNNニュース)

こちらの男性は祖母にWiiをクリスマスプレゼントにお願いしたそうです。いやいや、そろそろ自分で買えるのではないかという年齢に達しているようにも見えますが、細かいことは気にせず彼が持っているハードに注目していただきたい。たしかに祖母はNintendoの何かを買ってきたようだ、しかし浮かれない彼の表情を見る限り彼が思っていたWiiではなかったようだ。

婆ちゃんからのプレゼントはWiiではなく、ファミコンだった…
おばあちゃん…嫌がらせにしか思えない。更に驚くべきことに、このファミコン正真正銘の新品なのである。

写真を見ると、確かにコントローラーに袋がついていたりと、新品のようだ。
Wiiの新品を買うほうが容易であるはずなのにいったいどこでファミコンの新品を入手したというのか
おばあちゃんの高度な嫌がらせに海外では様々な憶測が飛び交っている。

そういえば我々の母親もゲーム機をすべて「ファミコン」とくくってしまう。Wiiだのプレステだの多種多様なハードが乱立してしまい、ファミコンで記憶がとまってしまった恐れも。そろそろゲーム機=ファミコンの概念を払拭していただきたいものだ。

もしかしたら投稿者は、もう10年まてばWiiをおばあちゃんから貰えるんじゃないかな?
その時のために、今から新品のWiiを隠し持っているかもしれないぞ!

-海外の反応

    ・新品?すげえ
    ・私の祖母はかつて私の兄に体を使うゲームを与えた。兄は車椅子です。
    ・ファミコンなんてどうやって買ったんだよ!
    ・おそらく隠し持っていたんだ!
    ・おいこのファミコン本物だぞ
    ・eBayで買ったんじゃね?
    ・屋根裏部屋に隠していたんだな
    ・素敵です
    ・Wiiよりましじゃん
    ・NESコレクターからすればこれは欲しい。
    ・売れってことだろ

いやお祖母ちゃん、それWiiなんかよりもずっと入手ハードル高いですから!判ってやってるんですよねそれ!?近所のおもちゃ屋でちょっと買ってこられるようなものじゃないですし!
元記事の画像を参照していただければ確かに新品のように見えるのですが、コレクターズアイテムとして貴重なこの品が正しくその価値を理解出来る方の手に渡ることを望むべきなんでしょうね。

今日のぐり:「じくや」

岡山駅にほど近いながらいささかさび…もとい、中々に時代がかって味のある商店街として知られる奉還町ですが、その本通りから少し外れた判りにくい場所にある(失礼)のがこちらです。
江戸前の蕎麦と辛汁を強調している蕎麦屋なのですけれども、しかし昼の時間だけの営業で売り切れ次第終了ってどんな讃岐うどんだと言うものですが、幸いこの日は開店直後とあってまだ売り切れていなかったようです。

ベーシックな「せいろ」と「さらしな」を注文してみましたが、今回は何も言わずに二つ同時に注文したところ「せいろ」「さらしな」の順で出てきました(蕎麦つゆは共用)。
ここのせいろは一見田舎蕎麦かと思うような太さなんですが星はほとんど入っていない本式の蕎麦で、切りムラこそかなりあるもののしっかりごつい食感は食べ応えがあり、これでもう少し包丁が丁寧だったらなお良かったですよね。
さらしなの方もやや太めな仕上がりなんですが粉とつなぎ方の違いもあってか食べて見ると一回り繊細な印象で、これまた舌触りも滑らかで風味も強くはないものの心地よいもので、この二つだすとつなぎ方の差もあってさらしなのほうが出来はいいかなと思ったのですが、まあ好みの範疇でしょうかね。
問題の江戸風の辛汁を強調する蕎麦つゆは確かに辛口なんですがさほど濃くはないと言うのは蕎麦に合わせてということなのでしょうが、こういう複数の蕎麦を扱う店ですと汁のあんばい一つも難しいものではあるのでしょうね。
蕎麦湯はナチュラルタイプに近いんですが開店直後にしては少し粉っぽいような濃さを感じるものでした。

しかし中程に座って見回してみると改めて狭い店だなと感じるのですが、一応四人がけのように仕立ててはいてもテーブルのサイズとトレイの大きさを考えると実質二人がけではないでしょうか、そうすると総収容人数はせいぜい10人いくかどうかですよね。
接遇面ではいかにも田舎の飯屋のおばちゃんだなあと言う感じで変に気取ったようなところは全くないのですが、それにしてもこのアンティークな内装もオールディーズ主体のBGMも全くもって蕎麦屋らしからぬ以前におばちゃんにも似合わない気がするのは自分だけでしょうか。

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2013年12月22日 (日)

今日のぐり:「生そば やぶ」

年末もクリスマス間近ともなれば子供達にとってはどうしても今年のプレゼントが気になるところですけれども、そんな中でこんな小さなニュースが静かな反響を呼んでいます。

8歳の少年がしたサンタクロースへの願いが感動を呼ぶ「プレゼントはいりません。僕のきょうだいを守ってください」(2013年9月26日ロケットニュース24)

下半期のイベントといえばクリスマスだ! まだまだ先だと思っている人もいるかもしれないが、子どもたちはサンタクロースにどんなプレゼントをお願いしようかと、すでにワクワクしはじめているようだ。
アメリカに住む8歳の少年・ライアンくんもその一人。彼はクリスマスに何が欲しいのかサンタクロース宛に手紙を書いた。いまどきの8歳児はどんなものを欲しがるのだろうか? 彼の願いは母親にとっても意外なものだった。ライアンくんのたったひとつの願い、それは「双子のきょうだいを守ってほしい」というものだったのだ。

・双子のきょうだいが学校でいじめられていた
ライアンくんは、なぜこんな願いごとを書いたのだろうか? それは彼の双子のきょうだい・アンバーちゃんが学校でいじめにあっていたからである。アンバーちゃんはADHD(注意欠陥・多動性障害)児だ。また、太っていて、さらに混血児であったため同級生の間で、いじめのターゲットとなってしまっていた。

・いじめがなくなるように願うライアンくん
ライアンくんは、いじめがなくなるようにと願っていたが、結局いじめは続いてしまったようだ。そこで、彼はサンタクロースにお願いをすることにした。以下が、ライアンくんの手紙の内容である。

    「親愛なるサンタさんへ

    ママがサンタさんに僕が欲しいもののリストを送ってくれると言いました。僕はラジコンカーとヘリコプターが欲しかったけど、もういりません。
    学校ではみんながアンバーをいじめます。でも、アンバーは何をされてもやりかえさないのでフェアではないと思います。僕は怒っています。
    僕は神様にいじめがなくなるようにお願いしましたが、神様は忙しいみたい。だから、サンタさんにお願いします、アンバーを守ってください。
    クリスマスプレゼントをもらわないというのはルール違反になる?
    あと、アンバーの誕生パーティに彼女が好きなバンド『ビッグ・タイム・ラッシュ』が来れるかどうか聞いてもらえますか? もし来れたらアンバーはとても喜ぶと思います。
    もし、それがダメならアンバーが欲しいと思うものをあげてほしいです。

    サンタさんへ
    ライアンより

    追伸:ママは最高の誕生パーティを開いてくれます。もし来たかったら来てもいいよ!」

・母親は感動と同時にショックを受ける
この手紙を読んだ母親のカレンさんはライアンくんの思いやりに心を打たれたそうだ。そして、同時にショックも受けた。アンバーちゃんが、学校でからかわれていたのは知っていたが、まさかライアンくんがこんな手紙を書くほど深刻だとは気づいていなかったからだ。

・手紙をきっかけに学校と話し合う
カレンさんはライアンくんの手紙を親しい友人に見せるためにFacebookで公開した。すると、ライアンくんの心に感動した友人が手紙をシェア。それは瞬く間にインターネット上で拡散したそうだ。
そして、この手紙をきっかけにADHDの症状に苦しむアンバーちゃんのために何ができるか、学校と話し合う機会も得たという。

・いじめに対する具体的な対処も
いじめのほとんどがスクールバスで起こっていたため、アンバーちゃんが年上のいとこと一緒に座れるよう配慮してくれたそうだ。カレンさんによると、アンバーちゃんは学校で安心して過ごしているとのことである。

・すべてはライアンくんの思いから始まった
さらに、家族が手紙についてインタビューを受けた際、アンバーちゃんが好きなバンド『ビッグ・タイム・ラッシュ』がかけつけるなど、とても嬉しいサプライズも行われた。
いじめが完全になくなったかはわからない。しかし、アンバーちゃんの笑顔を見ると少しホっとする。すべてはライアンくんの手紙から始まった。家族を思う心が、また家族を幸せにしたのである。

いじめ問題と言えば日本でも非常に深刻な課題として取り上げられるものですが、こうした出来事がきっかけに少しでも良い方向に事態が動いていけばいいと願わずにはいられません。
今日は来る今年のクリスマスがアンバーちゃんとライアンくんにとって素敵なものとなるように、世界中からクリスマスにちなんだちょっとしたニュースを取り上げてみることにしたいと思います。

【YouTube】ヘリコプターによるクリスマスツリーの運搬テクが神業(2013年12月12日日刊テラフォー)

オレゴン州のとある上空では、熟練パイロットによる神業が披露されていたようだ。

今がまさにかきいれ時か、クリスマスツリーとなるモミの木(?)が収穫され、次から次へと運び込まれている。

木々が群れる上をヘリで旋回しては、ムダのない動きでこなすルーティンワーク。操縦テクは一見の価値がありそうだ。

Oregon Christmas Tree Harvest With Helicopter. Amazing Pilot!

クリスマスツリーと言えばあれだけ大きなものを運ぶともなればずいぶんと手間暇かかるだろうなと思ってはいましたが、まさかこんな方法で運ばれていたとはさすがアメリカらしいスケール感と言うべきか、ともかくもそのゲームか何かのような動きには驚かされます(日本であれば必ず作業手順が定められて安全確実に遂行されそうな業務ですが…)。
クリスマスと言えば様々な方面が様々な工夫をこらして飾り付けてあるのも楽しいものですが、こちら何と世界記録に認定されたという驚くべきイルミネーションを紹介してみましょう。

個人宅のクリスマスイルミネーションが電球50万個使ってギネス記録更新(2013年11月27日Aolニュース)

クリスマスまであと1ヵ月をきり、街にも徐々にイルミネーションが灯り始めているが、オーストラリアの首都キャンベラに住むデヴィッド・リチャーズさんの家で、50万2,165個もの電球を使った気合入りまくりのクリスマスイルミネーションが点灯し、地元のみならず世界中から熱い注目を集めている。

クリスマス1ヵ月前の11月25日にお披露目されたこのリチャーズ家のイルミネーションは、個人宅で使った電球最多記録ということでギネスを更新。この日は家族や友人、ご近所さんがこぞって訪れ、豪華すぎるクリスマスイルミネーションを満喫していたという。

レポーターも大興奮

ネットユーザー達も
「凄いな」
「電気代が大変なことになるんじゃないの?玄関にちょっとした電球つけただけで1000円したからね」
「こういうの見るとほっこりするー」
「見てるだけでクリスマス気分が盛り上がってくるね。それにしても準備だけで物凄い時間をかけたんだろうな。もちろんお金もかかりそうだけど」
など感嘆&絶賛の声と共にリチャーズ家の電気代を心配する声が多く見られた。

ちなみに世帯主のデヴィッドさんいわく、恐らく来月はこのイルミネーション代だけで2500ドル(約25万円)はいくのではないかとのこと。また準備に関しては10月から始めて、仕事も1週間休み飾り付けにいそしんだという気合の入りよう。

リチャーズさんちのクリスマスイルミネーションが豪華なのは今年に始まったことではない。2011年には33万1,038個で当時のギネス記録を更新。2012年は残念ながらニューヨークのあるご家庭に負けてしまったそうだが、今年2013年、見事王者の地位を奪還した。

【参照リンク】
・Christmas world record: Australian family rig 502,165 lights

まあしかし何なのでしょう、まさにこの世のものとは思われない絶景と言うしかありませんけれども、何がして彼らをこうまで駆り立てるのかと思いますね。
さすがにそこまでの手間ひまもお金もかけられないにしても、こちらアイデア勝負で人目を引いたというクリスマスデコレーションのニュースです。

サンタさん、2階から家に侵入? 福島で道行く人らビックリ(2013年12月7日福島民友)

 福島市山田の渡部清次さん(65)方に住宅2階から家に入ろうとするサンタクロースの人形がお目見えし、道行く人の目を引いている。

 渡部さんは孫のひなたさん(11)、かなたさん(7)にクリスマスを楽しんでもらおうと毎年サンタを制作し、今年で5年目。身長約190センチのサンタがベランダに飾られている。今年は「思いやりの心」や「避難者に夢と希望、穏やかな生活を」をテーマにサンタを作ったという。

 渡部さんは「毎年期待してくれる人がいる」と話し、サンタ作りで交友関係が広がったことを喜ぶ。今年は渡部さんの妻が作った小さなサンタも登場し、夫婦の作ったサンタが初めて競演した。

それがどのような状況かは元記事の画像を参照いただきたいと思いますけれども、しかし何かと物騒な時節柄これは「穏やかな生活」とはいささか異なった方向性に進んでいるような気がしないでもありませんよね。
こちらイベント自体はよくあるクリスマスの一風景というところなんですが、それを誰が行ったかという点で注目されるニュースです。

韓国仏教総本山にツリー登場、僧侶 「イエス様のように・・・」(2013年12月19日サーチナ)

  ソウル鍾路区にある韓国仏教界の最大宗派・曹渓宗の総本山に18日、クリスマスツリーが登場した。同日行われた点灯式では、総務院長の慈乗(ジスン)僧侶がクリスマスメッセージとして、イエス・キリストの教えを紹介しながら助け合いの精神について説いた。複数の韓国メディアが報じた。

  慈乗僧侶は「イエス様は分かち合いと犠牲を通じてよろこびの人生を過ごされた」とし、イエスの教えのように疎外された弱い者を認め、隣人に愛を提供する韓国の善良な人々に「尊敬と感謝の気持ちを伝える」と挨拶した。

  さらに「私たちは互いを支え、助けるという美しい共同体の文化を受け継いでいる」と説明。「“隣人を自分のように愛しなさい”というイエス様の教えがより切実な時だ」との考えを示し、特に政治や宗教、社会の指導者は、さまざまな隣人の存在を認め、尊重し、共存を目指して努力することを“銘心不忘”(深く肝に銘じること)すべきだとした。最後には「クリスマスを共によろこび、この地に愛の光が満ち溢れることを祈る」と述べ、お祝いのメッセージとした。

  点灯式ではツリーの前に僧侶とサンタクロースに扮した子供たちが並び、一週間後に迫るクリスマスを宗教の壁を越えて祝福した。

  曹渓宗は宗教間の和合を目指し、2010年から毎年クリスマスシーズンになるとツリーを点灯し、お祝いのメッセージを発表している。(編集担当:新川悠)

しかし宗教と言えばどうしても立場上他流派には非寛容になりがちですけれども、クリスチャンの多いという韓国故の特殊事情もあるのでしょうか、年に一度くらいはこういうイベントもあってもいい気がします。
最後に取り上げますのはアメリカの小さな田舎町で行われたちょっと季節外れな早めのクリスマスイベントを伝えるニュースなのですが、全米に伝えられたと言うその様子を記事から参照してみましょう。

余命わずかな少年のために最後のクリスマスを街中が演出 「感動的すぎる」と称賛の声(2013年11月8日Aolニュース)

毎年恒例、国をあげてのコスプレ三昧ハロウィンシーズンだった10月末のアメリカ。しかしオハイオ州ポートクリントンは、街中がふた足ほど早いクリスマス仕様の装いに。そこにはあるひとつの感動的な背景が隠されていた。

実はこの早めクリスマスは、ポートクリントンに住む末期の脳腫瘍患者デヴィン・コールマンくん(13)のためだった。手術や治療の甲斐も空しく、もう手の施しようがないと医師から宣告されたデヴィンくん。あと数週間かもしれない残りの人生は自宅で過ごしたいという彼のきもちを汲んで退院してきたその日、街中の人たちがこのサプライズ演出で彼を出迎えたのだった。

なぜクリスマス仕様だったのかといえば、余命いくばくもないデヴィンくんが最後にもう一度クリスマスを過ごしたかったと言ったから。この話をデヴィンくんの家族から聞いた街の人たちは、ヴィンス・レオネ市長はじめ皆が総出で雪を調達し街中に積もらせたのだという。
季節はずれの雪を集めてきただけでも凄いのに、ツリー、雪だるま、イルミネーション、さらには「デヴィン、メリークリスマス!」のメッセージも街のあちこちに貼られるという心のこもりぶり。サンタクロースは「トナカイの季節にはちょっと早いから」という理由でバイクで登場。夜はデヴォンくんの部屋の窓の外で住民たちがクリスマスキャロルを歌ったという。

Merry Christmas Devin Kohlman!

アメリカでは各地でこの感動的なニュースが報じられ、世界中にも届いたが、ここ日本でもネット上で
「アンビリバボー」
「こういうことに真面目に取り組む国民性がうらやまし」
「アメリカのこういうところは大好きだわ。嬉しいだろうな」
「すげえ!」
と感動の声ひとしきり。

ちなみに10月30日には、元アメフト部だったデヴィンくんのために、地元の公園でチームメイトとチアリーディング部がパフォーマンスを披露。
市長は「デヴィン・コールマンはたった一人の力でこの街の人々のきもちをひとつにまとめた。彼の精神、そして強さはクラスメイトだけでなく、この街に住む我々大人たちにも大きな意味をもつものだ」とコメントし、ポートクリントンでは10月31日をデヴィン・コールマンの日に制定すると正式に発表した。

各地のニュースでも報道
Snow in Port Clinton for young boy with cancer
http://www.13abc.com/story/23830391/snow-in-port-clinton-for-devin-kohlman

デヴィンくんは自宅のベッドの中からスマートフォンでこの様子の実況を嬉しそうに見ていたそうだ。

まさにこれぞ一生の記念と言うことでしょうが、それにしてもおかしいですね、どうも近頃時季外れの花粉症がぶり返してしまったようで…
サンタさんもいささか早い出動要請で驚いたと思いますけれども、こういうイベントは大げさなほど賑やかにやってしまうのがいかにもアメリカということなんでしょうね。

今日のぐり:「生そば やぶ」

岡山の市街地から南に下った田園地帯のただ中で、こうした田舎の幹線道路沿いにあるいかにもと言う「うどん・そばの店」と言う感じに見えるのがこちらのお店です。
その割にわざわざ「生そば」の看板を掲げているのが気になって以前に立ち寄ってみたところ、思ったよりも良かったというので気になっていた店なのですが、今回はこの時期に改めて訪問してみることにしました。
ちなみにこちら定食系のありがちなメニューの他に純蕎麦系のメニューが結構あるのですが、見てみますと普通の蕎麦と茶蕎麦の二系統に大別されていて、興味深いのは店の看板を背負った形の「やぶそば」と言うのはどうも茶蕎麦らしいんですね。

今回もいただいたのはごくオーソドックスにざるそばだったのですが、食べて見るとやはりまともな蕎麦だなと言う印象を受けます。
こういう店ですと野暮ったい田舎蕎麦のようなものを想像してしまうのですが、きっちりつながりしゃっきりと茹で上げられたなかなかにいい蕎麦で、前回にも感じたように単品ではややボリューム感に乏しいことが少し不満なくらいでしょうか(ま、そこはそれ「やぶ」ですからね…)。
今回気になったのがやや盛り付け方に難があって蕎麦をさばくのに苦労するのと、ほとんど水切りと言うものがなく蒸籠を載せたトレイ一面までも水浸しなのは気になるんですが、このちょっと好みの別れそうなほど甘口で濃いめのつゆがたっぷり用意されているおかげで最後まで薄まったなどと不満を感じることもなくおいしくいただけました。
しかし蕎麦つゆが湯飲みにたっぷりと盛り切りなのでナチュラルタイプの蕎麦湯がすっきり楽しめるのはやっと二杯目からなのはともかくとして、程よく薄まってくるほどにますます感じるのがその特徴的な甘さで、もっと薄いタイプのものならともかくこの濃さでここまで甘口に仕上げてあるのは珍しいし、薄めていっても最後まで出汁とかえしのバランスが破綻せず特徴を保ったままでいると言うのもいいですよね。
この甘ったるい味で親子丼とか天丼なんかに仕上げてみるのも面白そうに思うので、次回また来る機会があればサイドメニューの方も試してみてもいいかなとは感じました。

接遇面では見た目通りというのでしょうか、どこかドライブイン的なドライさがありますけれども、場所柄一見さん中心で地元の常連さんが常駐しているといったタイプのお店でもないんでしょうし、個人的には蕎麦屋と言うのはさっさとたぐって長尻せずに引き上げるのでいいんじゃないかと言う気はします。
それなりにちゃんとした蕎麦を出すのですからもう少し蕎麦屋としての体面にこだわりそうなものなのに「田舎道沿いのありきたりなものを食わせる飯屋」風に甘んじている風なのも面白いところですが、見ていますとセットメニューのお客が中心で特に蕎麦目当ての方が来ているわけでもないらしいですよね。
ところでまずまず小綺麗にされているトイレが簡易水洗式なのも場所柄それらしくていいのですが、しかし「第二トイレあります」と言う張り紙はこういう個人店では珍しいと思いますけれども、そういう団体客もいらっしゃると言うことなんでしょうかね?

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2013年12月21日 (土)

コミケに行ったら内定取り消された…と言うのは嘘です(本当)

念のため最初にお断りしておきますと、本日紹介するこちらの記事で取り上げられた話題はあくまでも嘘に基づくネタソースなのですが、一部の方々がそれを真に受けて大騒ぎになったという経緯を報じたものです。
ただそうではあってもこれだけの炎上騒動に結びつくというのは、それ自体関係者各位が「グレーゾーン」であることを自覚しているということの証明であるとも言えそうですよね。

同人誌即売会に行って「内定取り消し」に 創作ブログの「就活記事」にネット騒然(2013年12月19日J-CASTニュース)

 同人誌即売会に行った大学生が、入社予定の会社から内定取り消しされた――こんなブログ記事が話題になっている。

 事実の書かれたニュースではなく、いわゆる「釣り」の創作記事だが、事実と勘違いした人もいて「これで内定取り消しっていいのか?」と騒ぎになり、創作と知っている人からは冷ややかな意見が寄せられている。

「君は著作権法違反の違法なコンテンツを購入した」

   話題になっているのは「就活ニュース:デジタル版」に2013年12月18日に掲載された「同人誌即売会に行った大学生は内定取り消しになる」という記事だ。週刊誌の記事を模したような文章で、漫画同人誌の収集が趣味の大学生A君が、内定取り消しになった理由が書かれている。

   記事によるとA君は同人誌即売会に行ったと、実名のツイッターに書き込んだ。すると内定先の会社から呼び出され、「わが社ではコンプライアンスを重視している。君は著作権法違反の違法なコンテンツを購入した」と、法務部長から問い詰められた。

   A君は同人誌に著作権に違反しているものがあると知っていて、「みんなが買っているし罪悪感はなかった」と言うが、「黙認されていることなら違法行為にも加担するのか」と詰問されると反論できず、その1週間後には内定取り消しの知らせがあった。

   この件について「事情通の就活エージェント」の分析コメントとして、

    「黙認されているから大丈夫だ、との言い訳は、事故を起こさなければ飲酒運転をしてもいい、と言っているのと同じ。同人誌即売会に参加する行為は社会人としての遵法精神に欠ける、と指摘されるのも当然でしょう」

という言葉が紹介されている。

   もちろん同人誌の購入で内定取り消しになることは通常はなく、注目を集めることを狙った創作記事だ。だが同サイトには「創作」「虚構」などの表示がないため、事実と信じた人からは、「これで内定取り消しっていいのか?」といったツイートが出ている。

   また、記事中に「A君には一刻も早く違法行為から足を洗い、真人間として再出発してほしいものだ」という言葉もあり、同人誌の購入=違法行為とする記事の内容に、同人誌ファンから不満の声も多い
(略)

ちなみにこの元ネタである「就活ニュース:デジタル版」は似たような就活にちなんだネタ記事ばかりを掲載しているサイトなのですが、何しろ「矢那やな夫が配信するどこよりも信頼できる就活ニュースサイト」と記載されているだけで何らネタだと判る情報が告示されていないため、あからさまな記事はまだしも今回のような微妙な記事の場合は真に受けてしまう人もいるということです。
それはともかく真に受けた人がそれだけ多く炎上騒動になったというのも、いわゆる同人誌の中でもとりわけ「二次創作物」と言われるものが何らかの反社会的行為に絡む(少なくとも、その可能性がある)と言う自覚を多くの人間が共有しているからとも言え、事実同サイトではこうしたネタ記事配信の是非と並んで二次創作問題についての議論に発展しているようですね。
元記事の方でもややあいまいで誤解を招く表現になっていますが、用語を整理しておくと「同人誌」とはアマチュアがお金を出し合って出版する非営利目的・小発行部数の出版物のことで、過去には数々の文豪などもこうしたものに関わっていたことが知られるなど歴史的に見ると文学青年の登竜門的な重要な役割も果たしてきたことが知られています。
それに対して近年同人誌と言われ真っ先に思い浮かぶのが記事にも取り上げられているように、いわゆるコミケなど漫画・アニメ・ゲーム系二次創作出版物の展示即売会や通信販売といったもので、こちらは少数部数であることは事実ですし同好の士が集まって好きなものを描くと言う側面もありますけれども、多くの場合において営利的な運営がなされているというのも事実ですよね。

別に私的に同人誌を出して金を稼ぐこと自体は本来何ら問題ない行為ですし、後にアマチュアからプロに転じた作家も少なくないように今も有望な作家の発掘の場としても機能しているわけですが、問題は二次創作物と言う言葉が示すように今や非常に多くの同人誌が既存の有名作品のキャラクターやストーリーを拝借して作り上げられた、いわゆるサイドストーリー的な体裁を取っているところにあります。
当然ながら商業出版物には著作権というものがあるわけで、それを無許可で借用していわば有名作品の知名度に「タダ乗り」する行為自体の違法性もさることながら、著明同人サークルともなれば数日間の販売期間で大金を荒稼ぎする、あるいは自サイトで常時販売するといった「商業化」と言われる行為に走るというのは、税法上の問題なども含め反社会的行為と受け取られる余地が少なからずあるということですよね。
特にややこしいのは最近では普通に表稼業としてプロ作家をやっている方々も同人誌に参入していることで、自分の好きな作家のパロを手がけたり表では描けないような類の作品を別名義で出したりするなど様々なやり方があるようですけれども、当然ながら絵柄等からそれと知れ話題になったり大きな副収入源ともなっていたりもするということですから、やはり商業化と版権問題とは現代の同人誌活動と切り離せない課題です。
この点でコミケで幾ら売り上げたといった情報は税務署としてもなかなか把握し難いところがあるでしょうから、実質的に税金もかからずに儲け放題と言うのはやはりどうなんだと言う意見は当然あるのですが、ただコミケという場に関する限りは様々な物理的な制約も存在する以上、かかった労力に対して不当に儲けたと批判されるほどの利益を上げるのは難しいのかなという気はしますけれどもね。

ともあれ他人の著作物を(言葉は悪いですが)パクると言うことに対する原作者の反応は様々で、例えば一部では自分の作り上げた世界観を世間に解放して大勢の作家に自由に作品を書いてもらう「シェアードワールド」ということを行っている作家もあり、商業出版に結びついている場合もあることからやはり「この素晴らしい作品の続きをもっと読みたい!」と言う熱心なファン心理は無視出来ないんだろうなとも思います。
他方でかねてからたびたび問題視されているのが原作のキャラだけを流用するケース、とりわけいわゆるエロパロと言われるような作品で、原作すらまともに読んでないんじゃないかという熱心なファンからの素朴な反発から始まって、通常許容されないような卑猥な内容で大金を稼ぐことが時に一般マスコミにおいても取り上げられるというのは、それだけこれらの市場規模が拡大しているということでもありますよね。
熱心なファンによる同人活動と単なる売るためだけの営利的活動との境界線は外部からは見分けがたいものがありますが、最近の流れとして性表現の規制など一定のガイドラインを設定した上でそれに従えば著作権侵害としないといった扱いを行う著作権者も出てきていて、また同人誌の中から評判のよいものを取り上げてアンソロジーなどの形で表の出版に転用するといった場合も少なくありません。
要するに二次創作だろうがアマチュア作品だろうが良いものは確実にあるわけで、実際にこうした同人活動がプロ作家への登竜門としても機能していることを考えればむやみやたらに規制強化すればよいと言うものではなく、いかに反社会的行為を抑制し気持ちよく永続的な活動として行っていくか、そして何よりも原作者への敬意を担保していくかということが望まれるんだと思いますね。

ちょうど今年2013年には例のTPP交渉に絡んで著作権の問題も取り上げられていて、仮に噂されているように著作権侵害が現行の親告罪から非親告罪に改められたとしても原作者の意図しない告訴によって著作権侵害による訴訟沙汰に発展することのないよう、原作者が二次創作活動を認める旨の意志表示をするための「同人マーク」というものも制定されたということです。
同人マークがついた原作に関しては二次創作活動が認められますが、注意すべきなのは即売会による販売は認められてもそれ以外の店頭販売やネット通販、転売・中古販売は認められないということで、やはり無制限な商業化ということに関しては原作者間でもそれなりに意見が分かれるということもあるのでしょう。
また興味深いことはいわゆるボーイズラブ(BL)等も含めた性的表現も法律や公序良俗に反しない範囲であれば許容されているということで、やはり現代における同人(二次創作)活動の広がりはこれら抜きでは成立しないということも考えると、つまりはこうした社会的に微妙な活動も今や一定の文化として認められるようになってきたと受け止めるべきなのでしょうね。
ただそれが文化活動として末永く続いていくためにはやはり当事者によるきちんとした歯止めが利いているのだと周囲が認識出来ることが必要で、特に性や暴力の表現に関しては成人向けコンテンツの分離・隔離に厳しいアメリカからの横やりが入ってくる可能性があることも考えると、単に売り場で年齢確認を行うと言った程度の対応では厳しいんじゃないかなという気はしています。

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2013年12月20日 (金)

「報道しない自由」の行使に熱心なマスコミ

昨今特定秘密保護法など色々と議論になる法案が相次いで出ていることと関連して、一部報道機関からは「サンタがプレゼントを配るため(特定秘密を知る)政府高官の家に入るのは罪か」だとか「子供がはないちもんめを歌っていると逮捕される」だとか、さすがにいささかそれはどうよ?と思われるような珍妙な報道が続いているようです。
他方でマスコミなどは二言目には「国民の知る権利が~」だとか「報道の自由が~」だとか主張するけれども、本当に注目すべきなのはマスコミが密かに行使している「報道しない自由」なのだ、という意見が以前から根強くあって、ネット上では「マスコミ各社が何を報じなかったか」ということが常時検証されるようになっています。
そんな状況で多くの国民が「マスコミが決して報じないものが少なからずある」と知るようになってきたことは知る権利をそうまで尊重するマスコミ各社にとっても喜ばしいことではないかと思いますけれども、先日その「報道しない自由」と絡めて話題になっていたのがこちらの事件です。

ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ(2013年12月17日日刊ゲンダイ)

 前代未聞、現役のミス・インターナショナルが涙の訴えだ。設立から半世紀以上を誇る世界有数のミスコンで、2012年に日本人で初めてグランプリに選ばれた吉松育美(26)。そんな世界的な美女が16日、外国特派員協会で「日本の芸能界の暗部」と題した会見を開いたのである。
 この日は東京・品川で行われる今年の世界大会の前日。本来ならタイトルホルダーとして準備に追われているはずだが、吉松はリハーサルはおろか、本番の出席自粛を余儀なくされる事態に……。一体、彼女の身に何が起こったのか。

 個人弁護士も同席する中、海外メディアを前に自ら、流暢(りゅうちょう)な英語で訴えた内容は大手芸能事務所「ケイダッシュ」の幹部である谷口元一氏から、1年もの間、執拗(しつよう)な嫌がらせや脅迫、業務妨害を受けたという被害の数々だった。谷口氏は今の芸能界で知らない人はいないほどの実力者である。
 コトの発端はその谷口氏が、吉松の海外エージェントであるマット・テイラー氏との間に金銭トラブルを抱えていたこと。テイラー氏が借りたカネを返さないことに腹を立てた谷口氏が、怒りの矛先をカネの貸借に関与していない吉松に向けたという。谷口氏はテレビの収録現場に現れたり、自宅オフィスを不審者に盗撮させたり。また、九州の実家に住む吉松の両親にコンタクトを取るなど行動はエスカレート。テイラー氏が08年に自殺した元TBSアナウンサーの川田亜子さんの最後の恋人だったことを伝え、「(川田は)マットに洗脳されて自殺しました。育美さんも同じことになることを心配しています」と不安をあおるような発言もあったという。
 会見ではその時の恐怖を思い出したのか、「丁寧な口調でも私も両親も脅迫のメッセージにしか聞こえませんでした……」と時折、声を詰まらせながらも気丈に語ったのだった。

■海外メディアは憤慨「ダイナミックウーマンの夢を奪うのか!」

 吉松は谷口氏個人を威力業務妨害で、民事と刑事の両方で提訴しているという。美女の涙の訴えを聞いた海外メディアの反応はというと――。
日本のメディアこそが取り上げるべき事件だ」(伊テレビ局の男性記者)、「日本の芸能界は本当に汚い。ダイナミックウーマンの夢を奪うのか!」(仏ラジオ局の男性記者)と憤慨の声しきりだった。
 真相はこれから明らかになるだろうが、吉松の訴えがすべて本当ならば、完全なる犯罪である。ケイダッシュに問い合わせたが回答はなし。
 吉松の決意の訴えは、日本の芸能界に風穴をあけることになるのか。

現役ミス世界一がストーカー被害訴える 世界大会での王冠引き継ぎも不可能に(2013年12月16日J-CASTニュース)

   2012年のミス・インターナショナル世界大会で日本人初の優勝を果たした吉松育美さん(26)が2013年12月16日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見を開いた。
   次の優勝者は12月17日に東京・品川で開かれる世界大会で決まるが、吉松さんは世界大会の会場に姿を見せて王冠を引き継ぐことはできない。その経緯を詳しく説明した。
   吉松さんの説明によると、芸能事務所の役員が吉松さんに対してストーカー行為を行った上、ミス・インターナショナル協賛企業に圧力をかけるなどした結果、主催者から体調不良のふりをして大会出席を見合わせるように求められたという。また、この被害について東京・霞ヶ関の司法記者クラブで会見して広く訴えたにもかかわらず、ほとんど記事化されなかったことに「正直、失望した」と述べた。

自殺した川田亜子さんの名前出しながら「娘さんが彼女のようになることを心配しています」

   吉松さんの説明によると、最初に問題が起こったのは2012年春。格闘技の元プロモーターの男性が突然吉松さんの事務所に現れ、大手芸能事務所のオフィスに連れて行かれたという。その場で元プロモーターの男性から、
    「日本の芸能界で生きていくためには、『掟』として、事務所の会長に認めてもらわなければならない
と伝えられ、その後も男性は、系列事務所への所属を求めてきたという。だが、この大手事務所は反社会的勢力とのつながりが取りざたされていることから、吉松さんは所属を拒否。ストーカー行為が問題になっている男性は、この系列事務所の役員だ。
   吉松さんは、この役員が(1)12年12年30日に日本テレビに「侵入」し、番組出演後の吉松さんを拉致しようとした(2)探偵を雇って吉松さんの事務所兼自宅を調べさせた(3)実家の電話番号を調べて両親に脅迫電話をかけた、と訴えている。
   役員が吉松さんの実家にかけた電話の件では、08年に自殺した、元TBSアナウンサーでフリー転向後は役員の事務所に所属していた川田亜子さんの名前を出しながら、
    「私は心配しています。娘さんが彼女のようになることを心配しています」
などと話したという。この電話については、吉松さんは
    「あたかも心配しているような口調で言っているが、それは私や家族にとっては、『自殺することになる』『川田亜子さんのようになるぞ』という脅迫のメッセージにしか聞こえなかった
と憤った。この会話は録音されているという。
(略)
司法記者クラブで会見はしたが記事は載らず

   吉松さんが今回の問題で会見するのは12月13日の東京地裁にある司法記者クラブに続いて2回目。だが、
    「記者の姿勢は積極的で、質問も沢山出たが、出身地の新聞(佐賀新聞)以外はどこも記事を載せなかった
として、「正直なところ、失望した」と嘆息した。
(略)
   会見に同席した西川紀男弁護士によると、役員による(1)暴力行為の禁止(2)周辺のつきまとい行為禁止(3)実家の両親に電話してはならない,といった内容の仮処分申請を行っているといい、今後は損害賠償訴訟も起こす予定。それ以外にも、渋谷警察署に対して威力業務妨害罪で刑事告訴しているという。西川弁護士によると、今回のケースは録音や写真など多数の証拠があることが特徴で、
    「警察も事件が沢山あるということで、なかなか受け付けてくれない。証拠を提示することで、この問題はなんとか警察の方でやってもらえると考えている」
と話している。
(略)

ネット上では今回の事件については過去に起こった女子アナ自殺事件との関連であるとか、某宗教団体との絡みなど様々な噂も飛び交っているようですけれども、いずれも本稿の趣旨とはあまり関係のない話なので興味のある方はまた独自に調べていただくとして、注目すべきはこの記者会見が外国特派員協会で行われたという事実です。
外国特派員と記者クラブに代表される国内メディアとの関係があまりうまくいっていないことは以前から言われていて、日本側は事ある毎に外国人記者を閉め出そうとすると言いますし、外国人記者からすれば日本の報道など「あんなものはジャーナリズムじゃない」「ここまで非生産的なメディアも珍しい」と散々なようですが、特にどこに報道しない自由を行使するかという点について両者はかなり異なった基準を持っているようです。
国内メディアが「こういうのを報道すると、BダッシュだかKダッシュににらまれて、芸能番組つくれない、とかそうい理由でニュースで取り上げない(茂木健一郎氏)」のかどうかははっきりしませんけれども、いずれにしてもマスコミが日頃取り上げているつまらないゴシップよりもよほど深刻な問題であるのに、華麗にスルーを決め込んだことでかえって注目されることになったのですから皮肉なものです。
そうした効果も込みで吉松氏が今回の会見をセッティングしたのだとすればちょうど次回大会の自国開催というこの時期を選んだことも大いに戦略的であったと言えそうですが、しかし王冠引き継ぎのイベントを前ミスが欠場すると言う異例の事態だけを辛うじて報道している側も事情を伏せて相当に苦しい記事を書くことになっているのは面白いですよね。

先日は現在衆議院議員の石原慎太郎氏が、某大手出版社の女性編集長から自作小説の掲載を「あなたは差別論者です。あなたの小説は一切載せません」と断固拒否された件を暴露していて、当の本人は「これは勇気ある女だなと思ったね」とむしろ称讚しているようですけれども、古来民主主義の大原則として「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」と言う言葉があります。
小説などはしょせん創作物に過ぎない、そんなものは載せる価値がないから載せないだけだと言う意見もあるだろうし、実際にネット上では「単に石原氏の小説など売り物にならないから断られたのでは?」と言う身も蓋もない意見もありますけれども、それならそれで普通に掲載基準に達していないことを告知すれば済むことで、わざわざこんなことを公言して恥じないというのはそれを是とする空気が彼らの中にあるということでしょう。
大手新聞社などは半ば自虐的ギャグのように「社会の木鐸」などと言う言葉を使うことがありますけれども、マスコミが「特定機密法は国民の知る権利を阻害する悪法だ!」と主張するならまずは知る権利を守るためにどれだけの努力をしてきたかと言うことを示せばいいでしょうに、実際には一生懸命国民の知る権利を妨害していることが明らかになっていくばかりでは何の冗談か?という話ですよね。

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2013年12月19日 (木)

人が増えるほど仕事も増えていくのが世の常です

本日まずはこちら、医師が順調に増えているというニュースから紹介してみましょう。

医師数、初の30万人超 医学部定員増、偏在なお(2013年12月17日47ニュース)

 厚生労働省は17日、全国の医師数が2012年末時点で30万3268人となり、1954年の調査開始以来、初めて30万人を超えたと発表した。女性医師が19・7%と5人に1人を占め、過去最高を更新。介護施設などを除き医療機関に従事する医師は28万8850人で、人口10万人当たり226・5人だった。

 厚労省は「大学医学部の定員増などで医師数は今後も増加が見込まれるが、地域偏在の傾向は変わっていない」と分析。医師の偏在解消に向けた施策を進める方針だ。

昨年末の医師数、初の30万人突破- 厚労省調査、病院などの従事者は京都が充実(2013年12月17日CBニュース)

 厚生労働省は17日、昨年末時点の医師数が30万3268人で、調査を始めた1948年 以降、初めて30万人を超えたと発表した。医師法が施行された同年から、医師に は住所などを国に届け出る義務が課せられている。届け出数は調査ごとに増加し ており、昨年は、2年前の前回調査と比べ8219人増えた。このうち、病院や診療 所などの医療施設で働く医師は28万8850人(前回比8419人増)。人口10万人当た りの医師数は226.5人(7.5人増)で、都道府県別では、京都、徳島、東京の順で 多く、埼玉が最も少なかった。【佐藤貴彦】

 届け出た医師の平均年齢は、49.4歳(0.3歳増)。年齢層別の構成比率は、 「40歳代」が23.3%で最も多く、以下は「50歳代」が22.7%、「30歳代」が 22.1%、「60歳代」が13.2%、「70歳以上」が10.0%、「29歳以下」が8.7%の 順。「70歳以上」の届け出医師数は3万335人で、前回調査と比べ300人減った。 性別は、男性が80.3%、女性が19.7%で、女性の比率は0.8ポイント上昇した。

 医療施設で働く医師数が、人口10万人当たりで最も多かった都道府県は、京都 の296.7人。次は、前回3番目だった徳島(296.3人)で、東京(295.7人)と順位 が入れ替わった。以下は、高知(284.0人)、福岡(283.0人)、鳥取(279.6 人)、岡山(277.1人)、長崎(275.8人)などと続いた。一方、少なかったの は、埼玉(148.2人)、茨城(167.0人)、千葉(172.7人)、福島(178.7人)、 新潟(182.1人)など。前回と比べ、多くの都道府県で増加したが、福島と栃木 は、それぞれ3.9人と0.3人減った。

 医療施設で働く医師に、複数回答で診療科を尋ねたところ、最も多かったのは 「内科」の8万7773人(前回比382人減)。以下は、「消化器内科(胃腸内科)」 が2万9928人(286人増)、「小児科」が2万9855人(489人減)、「外科」が2万 8165人(753人減)、「整形外科」が2万4917人(238人増)、「循環器内科」が2 万2700人(258人増)、「リハビリテーション科」が1万6718人(114人増)、 「精神科」が1万6136人(537人増)などと続いた。男性では、「内科」「消化器 内科(胃腸内科)」「外科」「整形外科」「小児科」、女性では、「内科」「小 児科」「眼科」「皮膚科」「精神科」の順で、それぞれ多かった

 また、医療施設で働く医師が取得している専門医資格を複数回答で聞き、最も 多かったのは、「外科」の1万9850人だった。以下は「消化器病」が1万5134人、 「整形外科」が1万4744人、「総合内科」が1万4322人、「小児科」が1万1914 人、「消化器内視鏡」が1万1511人、「循環器」が1万834人、「産婦人科」が1万 19人、「眼科」が9231人、「耳鼻咽喉科」が7317人など。診療所で働く医師に限 ると、「眼科」「整形外科」「総合内科」「消化器病」「小児科」などの順で多 かった。

来年度の医学部定員はまた少し増えて9061人となるそうで、また先日以来話題になっている東北地方への医学部新設も早い段階で認められるということですから数としてはどんどん増えていると言え、要するにかつて流行った言い回しで言うならば医師数は不足の段階から次第に偏在の段階へ移行してきているということでしょうか。
失礼ながら国が全て管理している選挙区定員ですら違憲だと言われるほど偏在を解消出来ていないくらいで、例え日本人全員が医師になったところで偏在が解消するなんてことはあり得ないと思いますけれども、不足という主観的判断の余地がある表現よりも数字として明示出来る分、偏在の方が色々と使い勝手がいい言葉nのだろうとは想像出来ます。
厚労省の出している元データがこちらから参照できますが、これを見ますと1984年(昭和59年)を境に増加に転じ、当時18.1万人だった総数が2012年(平成24年)には30.1万人に増えているわけですから毎年4300人くらいのペースで増えてきているということになりますが、特に注目されるのが同時期に女医数が1.9万人から6.0万人へと実に3倍にも増加しているという点です。

厚労省統計が正しい臨床医の数を反映しているのか?と言った疑問は多々ありますけれども、女医が増えているということは昨今の医学部での男女比を見ても明らかなことであり、さらに妊娠出産等様々な事情で離職した女医の職場復帰支援が各地で行われつつあることも併せ考えると、今後の医療において女医が担う役割は小さからざるものがあると言えそうです。
以前から女医は頭数の割には実働時間(期間)が短い、マイナー科が多く戦力的価値が低いと言うことは言われていて、なおかつ多忙な現場では女だからと手を抜かれるようなことをされては困るし不公平感にもつながるとやや扱いに躊躇していた部分もあったようですが、実際のところ女医に限らず医師であることだけが求められるというレベルの仕事は幾らでもあるわけですから、要は適材適所で様々な適正のある医師をうまく使い回せるかどうかでしょう。
そう考えると「どんな医者だろうがうまく使いこなすのが医局長の腕の見せ所」などと豪語していた往年の大学医局人事などは人を見てうまく回していたのだろうとも思いますけれども、いくら医師数を増やそうが仕事の方がそれ以上に増えていたのではいつまでたっても医師不足と言われるのは当然で、まずは医師が足りないと言うならその仕事内容をきちんと見直すべきは今だろうと言うことですよね。

検診車の胸部レントゲン 技師が撮影へ(2013年12月17日NHK)

検診車で行われる検診のうち、肺がんと結核を調べる胸部のレントゲン撮影について、厚生労働省は事前に医師から指示を受けていることなどを条件に医師の立ち会いがなくても専門の技師が撮影できるよう法律を見直すことを決めました

検診車で行われるレントゲン撮影は国家資格を持つ診療放射線技師が担当しますが、安全を確保するためとして医師の立ち会いが法律で義務付けられています
しかし、医師不足が深刻な自治体では立ち会う医師が確保できず検診を一時、中止するケースも出ていて、厚生労働省が見直しを検討していました。
その結果、肺がんや結核を調べる胸部のレントゲン撮影については法律が作られた昭和26年当時に比べ、医療機器の進歩などで安全性が大幅に向上しているとして法律を見直すことを決めました。
具体的には事前に医師から指示を受けていることや、放射線量の管理など機材の整備を適切に行っていることなどを条件に医師の立ち会いがなくても技師が撮影することを認めるとしています。
胃がんと乳がんの検診については、触診などの医療行為が必要となるためこれまでどおり医師の立ち会いを義務づけます。
厚生労働省は見直しを盛り込んだ診療放射線技師法の改正案を来年の通常国会に提出し、来年春の施行を目指したいとしています。

この検診車のレントゲン撮影問題は以前にも取り上げたことがあるのでご存知かと思いますけれども、再度復習しておきますともともと診療放射線技師法に「技師は医師または歯科医師の具体的な指示を受けなければ、放射線を人体に照射してはならない」という規定があった中で、各地の自治体が運用する検診車は包括的な医師の指示を受けてという形で実際には技師が撮影を行ってきたわけです。
ところが昨春の下関市の住民検診で一市民から「医師がいないのにレントゲン撮影をするのは違法ではないか」とクレームがあり、市側が国に問いただしたところ今年の2月になって厚労省から「現場に医師がいないのは違法」というびっくりするような回答が帰ってきたものですから、全国各地の自治体が「そんなことを言われてもコスト的にもマンパワー的にも全てに医師が同行するのは不可能だ」と大騒ぎになったわけですね。
もともとはるか1978年に当時の厚相が「(医師が)包括的な指導、あるいは監督(する)ということもある。集団検診などの実施に配慮していい」と答弁していたものをいきなりひっくり返されたわけですから、これでは住民検診を縮小・廃止せざるを得ないと言う話にもなるのは当然なんですが、厚労省としてもようやく自分達の空気を読まない発言の尻を拭う形になったと言うことでしょうか。
わざわざ過去の大臣答弁をひっくり返していたずらに世間を騒がすことになった厚労省の意図がどこにあったのかははっきりしませんが、いずれにしても医師不足だ、いや偏在だと主張しひたすら医師数を増やすと言うのはコスト等々様々な弊害も指摘されている訳で、そうした力業に比べるとこういう地道にマンパワーの使い方を改善していく方がよほど重要だと思いますがどうでしょうね。

よく言うことに一番医師が多い大学病院などでは到底医師がするべき仕事とも思えない仕事まで医師がこなして忙しい、忙しいと言っている、しかし市中病院のようにそれらを他のスタッフにさせるようになれば仕事も楽になるでしょうし、本来の仕事である研究に時間を割いたり市中病院に多くの医師を出したり出来るようになるはずです。
では何故それが出来ないかと言えば逆説的ながら実は医師が多く一番安上がりに使える労働力だからと言うのが一番の理由なのですが、ほんのわずかな医師数で仕事を回さざるを得ない市中病院ではあり得ない医師の使い方をした結果数が足りなくなって派遣先から医師を呼び戻すというのは本末転倒な話で、やはりまずは医師がすべき仕事をきちんと整理し医師でなくてもいい業務はどんどん他のスタッフに回すということが必要だと思います。
それが出来るのは医師数が不足しているとまだまだ多くの人が考えている今の時代を置いて他はなく、いずれ医師が充足してくれば医師数の多い施設を筆頭にまたぞろ「コスト削減のために先生方にも応分の仕事をしていただきます」と言う話も出てくる、そして雑用が増えるからまた大勢の医師が必要になると無限の悪循環が続くことになってしまうでしょうね。
それを正すには「深刻な医師不足を何とかしなければ」と世間も興味と関心を持っている今しか出来ないことで、全国どこに行っても医師が有り余るような時代になってから「あの~ちょっと仕事が多いみたいなんですけど」などと言い出しても誰からもまともに相手にされないというものでしょう。

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2013年12月18日 (水)

医師の労働環境改善とは

昨今は国立大学や国立病院も独法化が当たり前という時代ですが、行政改革の一環として先日こういう話が出てきたそうです。

国立病院職員「非公務員」に…労働条件を弾力化(2013年12月16日読売新聞)

 政府の行政改革推進会議(議長・安倍首相)がまとめる独立行政法人改革に関する報告書の原案が16日、明らかになった。

 国立病院機構の職員を「非公務員」にすることや、理化学研究所など「研究開発型」法人が研究者の業績に応じた給与を支給できるようにすることなどが柱だ。現在100ある独法の統廃合は最小限にとどめる。

 行革推進会議は20日に報告書をとりまとめる。政府はこれをもとに独法改革の方針を24日に閣議決定し、2015年春から実現したい考えだ。

 国立病院機構(143病院、常勤職員約5万5000人)の職員は法律上、国家公務員扱いとなっている。医師を含め原則65歳で定年退職しなくてはならず、短時間勤務の正職員を雇うことができないなど「職員確保がむずかしい」といった指摘があった。原案は、機構職員を公務員から外し、給与水準や労働条件を自由に定められるようにする。

しかし医療に関しては日本の場合公立病院や非営利病院よりも一般の民間病院の方が圧倒的に多いという事情があって、それが医師や施設など医療リソースの計画的(強制)配置を妨げる主因だと指摘されていたところなんですが、一見するとこれはそうした国の本音を実現していくにあたって逆風になりかねない話ではありますけれども、実現にあたっては厚労省あたりがどう考えるかですよね。
世間の一般論として言えば公務員を非公務員扱いにするのは「格下げ」だと言われそうですが、医師の場合に関しては給与体系の決まったルールがない民間病院の方が国公立病院よりも待遇が良いのが当たり前ですから、普通に考えると待遇改善につながるということになりそうです。
特に実際には常勤で仕事をしているのに公務員定数の関係で非常勤扱いされている先生方にとっては朗報でしょうが、逆に田舎の公立病院一筋で何十年ものたくっている永年勤続公務員の先生にとっては積み上げてきた年功序列の給与や期待していた多額の退職金はどうなるんだと、ちょっとした悲報かも知れません。
ただ近年の医療改革の流れとしてやはりしっかり働いている人には十分に報いるべきだという考え方があって、ほぼ純然たる年功序列で決まってきた医師給与体系が今後は出来高払いなども含めた自由度の高いものに変わっていく途上にあるのだとすれば、現行の杓子定規な公務員給与体系では到底対応できなくなってくるのは当然と言えるでしょうね。
ところで雇用ということに関しては医療に限らず様々な考え方があって、かつてのように激務でも高報酬を目指すのが正義という考えから、今は低賃金でも自分の生活を守れる暮らしがいいだとか、あるいはきちんとした安定雇用が一番だとか色々な価値観がある中で、先日こんな記事が出ていたのを紹介しておきましょう。

医療職の雇用の「質」って何だろう?(2013年12月12日日経メディカル)

 厚生労働省は、2014年度から医療機関のスタッフの「雇用の質」の改善に本格的に取り組む考えだ。今年8月の2014年度予算の概算要求で、その目玉として各都道府県ごとに設ける「医療勤務環境改善支援センター」(仮称)の設置費用など、約3億円を要求している。

 既に今年度から、勤務環境の改善に取り組む病院に、社会保険労務士や医業経営コンサルタントなどをアドバイザーとして派遣する事業をスタートさせた。来年度は、こうしたスタッフを医療勤務環境改善支援センターに配置し、労務管理と経営の両面にわたって、ワンストップで個別の医療機関のニーズに応じた「勤務環境改善計画」の策定、実施、評価などをサポートする体制づくりを目指す。

 厚労省は、2011年度にも雇用の質の向上に取り組んだが、それは主に看護師を対象としたもの。今回は、医師を含む全医療スタッフに対象を広げた。医療勤務環境改善支援センター事業の経費を、労働基準局と医政局という二つの局の予算で賄う計画となっている点も、同省の意欲の表れだ。

ワークライフバランス向上がメーン

 ところで、雇用の「質」とは具体的に何を意味するのだろう。マンパワー不足の解消、すなわち雇用の「量」の確保とは一線を画した取り組みであるのは当然のこと。厚労省の資料では、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)による離職の防止などを中心的な対策として捉えている。

 例えば、毎年違う看護師を100人ずつ3年間雇用する場合と、同じ看護師を100人ずつ3年間雇用する場合とを比べると、雇用の量は変わらない。しかし、勤続年数が増えることによる経験の蓄積を考慮すれば、3年間メンバーが変わらない方が、医療安全面では望ましいだろう。厚労省は、この点も雇用の「質」向上のメリットとして挙げている。

 時間外勤務の削減や短時間正職員制度の導入などによって、離職の防止が図られ、平均勤続年数が延長できれば、確かに雇用の「質」は改善されたといえるだろう。

 しかし、「質」を口にするのであれば、勤務環境改善やワークライフバランスだけでは、十分な対策とはいえないのではないだろうか。仕事のやりがいや公平な人事考課など、もっと業務に直接かかわる部分の見直しも同時に実現してこそ、本当の意味で雇用の「質」が改善されたといえるはずだ。

 医療勤務環境改善支援センターを活用して雇用の「質」を改善しようとする医療機関には、そこまで視野に入れた取り組みを求めたい。同センターに配属される予定の専門スタッフにも、それに応えられるだけの突っ込んだアドバイスを望みたいものだ。

日本の医療現場の不思議な点として特に医師において顕著に見られることですが、多忙かつ激務な急性期基幹病院で日々奴隷労働に勤しんでいる先生は給料が安いのに、暇な療養病床でのんびり勤務している先生は給料が高いという逆転現象があって、一つには先に述べたように医師の給与がほぼ年功序列で決まってきたことから、相対的に年齢層の高い後者の方が給料は高くなりやすいと言う事情はあるでしょう。
ただもう一つの不思議な点として上げられるのが昔から楽で収入も良い施設に必ずしも医者が集まるわけではないという現象があって、自分のやりたい医療が出来ないだとか最先端の医療を学びたいだとか色々な理由はあるのでしょうが、心身共に酷使され金銭的に報われるところも少ないのに「いい病院」に行きたがる先生が多かったというのも事実ですよね。
では「いい病院」とは何かと言うことなんですが、一般的に最先端の医療技術を駆使して高度な医療を行うのがいい病院であって、古くさい薬を使いありきたりな治療しか出来ないのは悪い病院だと言う考え方があったわけですが、考えてみると昨今盛んにヨイショされることが増えてきた家庭医だとか総合医だとか言うものは、どちらかと言えば後者の立場を最初から目指しているようなものですよね。
それが故にかつてはこうしたgeneralistとはspecialistとしてやっていけなくなった老先生が仕方なく転落していく境遇であるかのようにも見なされていたところがあって、先に言うような楽で暇な施設で働きたがる医者が少ない(少なかった)と言うのもspecialistとしてやっていける若い間はそれを極めないのは罪悪だ、と言ったような価値観が当たり前のものとしてすり込まれていたせいもあるかと思います。

ただ最近はそうした当たり前だと思われていた医師の価値観も次第に変わってきていて、最初からQOMLを重視した職場を目指す先生方も増えてきたせいかいわゆるドロップアウト先になるような楽なポストはほぼ埋まってきたと言う説もあるようですが、制度的にも専門医資格の一つとして総合医が認められるといった話があるように、generalistもまた一つのspecialistとして地位を確立されつつあるようです。
もちろん大病院でどこの診療科にかかればいいのか判らない患者をさばく総合診療の先生と、老健で二昔ほど前の医療を相も変わらず続けている先生とでは同列に扱うのもどうかと言うことですが、基本的に急性期も含めて医療がガイドライン化、標準化されていく流れにあるというのは、そこらの医師に出来ない治療をやってしまう本当の意味でのspecialistは実はそう多くは必要とされていないと言うことなのかもしれません。
医療費削減が国策となっている中で考えると余人に真似の出来ない特殊技能を持つ先生には専門医加算なり何なりで余計なお手当を出すべきと言うことになるでしょうが、名前だけの専門医が量産され給料だけは高いのに専門性の壁を口実にちょっとでもそこから外れた患者はみないと言うことになれば非常に非効率的で、今後専門医認定を厳しくするというのもそうした状況を危惧してのものだとも言えそうですよね。

いささか脱線しましたが、雇う側からすれば「いい病院」と言う看板で安く大勢の医者を酷使できる状況が都合が良かったのも事実で、そうした価値観が続いた限り自ら進んで悪い雇用環境に甘んじようとする医者も一定数いたと言えますが、医師もようやく逃散だ、立ち去り型サポタージュだと言われるように労働環境に意識が向き始めた中で今後どのようなところを目指すようになるかです。
特に今後注目されるのは条件のいいドロップアウト先はほぼ埋まったとも言われる時代にあって、医学部定員大幅増によって続々参入してくる若手の先生方がどのように振る舞うかですけれども、一つの見方としてはそうした古来の価値観とは別に雇用先がないと言う消極的な理由で多忙な施設に流れてくる先生が増えるという可能性はあるでしょうし、多くの病院側もこれを期待しているわけですよね。
他方では初期研修もそこそこにドロップアウトしてしまうことにも躊躇がないと言われるほど世間並みにQOMLを重視し始めた今の時代の若手が果たして自らそんな選択をするだろうか?と言う疑問もあって、その場合にはやはり医師不足の施設は他力本願ではなくまず自ら労働環境を改善するという努力をしなければならないということになるでしょう。
もちろん急性期=多忙で悪い職場というわけではなく、急性期でバリバリやりたい仕事も出来るが交替勤務制の完備等々でアフターファイブも充実させられるという施設が理想であることは言うまでもないことで、ひとたびそうした環境を整えた施設が大勢の医者を集め巨大化し始めると、一気に医療現場の再編が進み厚労省の目指すようなリソースの集約化が達成される可能性もあるわけですね。

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2013年12月17日 (火)

顧客トラブルをコントロールするヒント?

今日はまたどうでもいいことを書いてみようかと思うのですが、社会のあちらこちらで顧客マナーの悪い人々が問題になっていますけれども、先日こんな調査結果が出ていたことをご存知でしょうか。

駅員に暴力、東京が最多 加害者は酔客7割 国交省調査(2013年12月12日朝日新聞)

 【工藤隆治】鉄道の駅員や車掌に乗客が暴力をふるうトラブルが2012年度に全国で932件発生し、都道府県別で東京都が最多の302件だったことが、国土交通省の初の全国調査でわかった。加害者の7割は酔客で、国交省は「大都市は乗客が多いうえ、繁華街を抱えて酒のトラブルが多い」とみている。

 全国のJRと私鉄全170社に、駅員らが殴られたりつばを吐かれたりしたトラブルを尋ねた。多発した府県は神奈川(93件)、愛知(72件)、埼玉(71件)、大阪(58件)、千葉(53件)が続いた。1件もなかったのは秋田、鳥取、長崎など9県だった。

 具体的な事例としては、車内で酔いつぶれた仲間を待つためドアを押さえていた客が、注意した駅員を殴った▽禁煙のコンコースで喫煙をとがめられ、投げ飛ばした▽機械の故障で待たされたのに腹を立て、駅員を土下座させたうえ頭を踏みつけた、などがあった。トラブルの8割について、各社が警察へ届け出た

 JRと大手私鉄の調査で08年ごろからトラブルが多発し、国交省が全国調査に乗り出した。国交省は今後、各都道府県警と連携し、駅構内の警戒などを強化する。

東京都が最多だったというのは意外と言って良いのか微妙なところですけれども、やはり全般的には人口の多い地域にトラブルも多いという予想された結果とも言え、特に駅での調査ですから相対的に飲酒客の比率が高くなるということは想像出来るところですよね。
ただ見ていますと飲酒ではなくとも明らかにモンスター級のトラブルを発生させている顧客も一定数いるようで、これら反社会的行為の8割が警察に届けられているというのは当然としても、08年頃からトラブルが多発し問題化してきているというのはこのところのモンスター顧客問題と共通する病理の存在を感じさせます。
もちろん駅員に対する暴力のみならず駅員が絡んでいない局面でのトラブルも予想されるだけに、駅構内や列車内での乗客の安全確保ということも各社早急に対策を取っていただきたいところですけれども、この方面では昔から厳しい顧客対応を取っていることで知られるのが航空各社で、以前からちょっとした?乗客の騒ぎなどでも簡単に離陸中止になるということがたびたび報道されていました。
もちろん安全運行が最大限に求められる乗り物ですから、指示に従わないような乗客を乗せて飛び出すようなことはあってはならないことですけれども、そこまで至らずとも同じ乗客を不快にさせる行動が結構あるものだという調査結果が先日報じられていたのですが、圧倒的第一位になったのがなかなか興味深い迷惑行為だったのですね。

飛行機で最も不快な乗客は「子どもの面倒見ない親」=米調査(2013年12月10日ロイター)

[9日 ロイター] -オンライン旅行会社エクスペディアが発表した調査で、飛行機を利用する米国人が最も不快に感じる乗客のタイプが「子どもの面倒をみない親」であることが分かった。

調査はコンサルティング会社ノーススターがまとめたもので、過去5年間に飛行機を利用した米国人1001人を対象に、不快に思う乗客の態度を調べた。

それによると、「うるさい子どもを連れた乗客」との回答は全体の63%に達し、「席を蹴る後ろの席の乗客」や「香水を過度につけた乗客」などを抑えてワーストとなった。

35歳未満の回答者のうち「有料の騒音禁止席が設置されれば、その席を選択する」との回答は59%に上った。

何しろ途中で降りるわけにもいかない閉鎖空間で延々と大騒ぎされるのですから「うるさい子供を連れた乗客」が敬遠されるのは十二分に理解出来ることで、「泣き止まないような子供はそもそも飛行機に乗せるな」なんてことを言う人もいるようですけれども、まあ昨今話題のノイズキャンセラ-みたいなものでも装備してもらいたいと思いたくなる気持ちにはなりますよね。
もちろん子供に泣かれたり喚かれたりする側の親もそれはそれで大変だと言うのも判りますけれども、少なくとも親の責任としてきちんと面倒をみるのは最低限必要ですし、手に余り対応できないと言うのであれば可能な限り別な交通手段を選んでもらいたい…と言うのが同乗者の偽りのない心境でしょう。
そんなお互いにとって何とも気まずい状況に陥りがちな子供問題ですけれども、中には非常にうまいこと切り抜けたと言うケースもあるようで、少し古い記事ですがこういうちょっと心和むニュースを紹介してみましょう。

双子の赤ちゃんを連れて飛行機に乗ったパパママの斬新な「気配り」が大反響を呼ぶ(2012年9月7日ロケットニュース24)

生後間もない双子を連れて飛行機に乗ったある夫婦の斬新な “気配り” が、いまネット上で大反響を巻き起こしている。一家のすぐ近くの座席に偶然乗り合わせた男性が、彼らの行為に感激しネット上でこの出来事を公表したため、世界中に知られることとなった。

この夫婦には生後14週間の双子の赤ちゃんがいた。幼い子どもを連れての飛行機での移動、しかも双子……誰だって機内で起こり得ることはだいたい想定できる。他の移動手段があるなら飛行機を避けることもできるが、どうしても乗らなければならないときもある。

そこで彼らは考えた。他の乗客へ配慮すべく先手を打つことにしたのだ。キャンディーをたくさん用意し、少しずつ小さな袋に詰めて乗客みんなに配った。さらに、袋には次のようなメッセージも添えられていた

『こんにちは! ぼくたちは生まれて14週間の双子の兄弟です。飛行機に乗るのは今日が初めて。お行儀よくするように頑張るけど、もしも落ち着かなくなったり怖くなったり耳が痛くなったりして迷惑かけたらごめんなさい。ママとパパ(別名:歩くミルクマシーンとおむつ交換機)が耳栓を用意しています。ぼくたちは20Eと20Fの席にいるから必要な時はいつでもどうぞ。みなさんが素敵な旅をできますように!』

彼らの配慮の気持ちとちょっとしたユーモアは、乗客たちの心に届いたようだ。一家のすぐ近くに座っていたというアンドリュー・メリットさんは、とても感動してこの出来事をキャンディーの写真付きでネット上で紹介した。

「機内で、彼らはずっと周囲に気を配っていて素晴らしかった。双子も想像したほど騒がしくなかった。到着後、空港内で再び一家を見かけたのだけど、夫婦の両親が孫と対面している光景にちょっと泣けてきたよ」と、彼はRedditでコメントしている。

これを見たネットユーザーたちの多くが夫婦の斬新なアイデアに驚いたようだが、彼らの意見は様々である。

こんなにも周囲に配慮できる親を見たことがない。素晴らしい!」
「確かに彼らの行為は素敵だけど、こういうことをしなければ機内の乗客は赤ちゃんが泣くのを許せないということならそれはすごく悲しいこと」
「機内で赤ちゃんが泣くのは仕方がないと思う。それに対して親からの謝罪なんか求めない。それよりも、謝ってもらいたいくらいマナーがなっていない大人がたくさんいる」
「小さい子どもがいる親として、彼らの行為を参考にしたい」
「赤ちゃんが泣くのは当たり前だから機内では気にしないけど、確かに何もないよりは親のこういう配慮があるとこちらの気分は違うのかもしれない」
「このためにどれだけの時間とお金を費やしたのか気になる」

……などなど。それぞれに受けとめ方は違うようだが、いずれにしてもこの夫婦のアイデアは斬新なものであり話題になっていることは確かである。みなさんは今回の出来事をどのように感じただろうか。

騒音の音量としては同じようなものでも一方は周囲から迷惑がられ、他方は周囲から微笑ましく見守られるというのは何の差によるものなのかと言うことを、これはなかなかに端的に示しているケースだと思いますけれども、要するに多くの人間は不快な行動そのものよりも、不快な行動を行って恥じることのない人間を不快に感じると言うことが言えそうですよね。
いわゆるモンスター顧客対策ということが色々と言われる中で、単なる厳しい顧客とモンスターとの境界線はどこかと言えばきちんと筋道を立てて話し合えば判ってくれるかどうかだと言う意見があって、いささか後出しじゃんけん的な区分という気がしないでもないのですけれども、言葉を変えればどこかで「自分の行動は少し行きすぎている」と自制し修正できるかどうかと言うことではないかと思います。
もちろんあらかじめトラブルを予想しメッセージやキャンディーまで用意するようなことはなかなか一般人には出来ないですけれども、モンスター鑑別のためには本人にも自省を促し軌道修正の余地を与えるための時間が必要だと考えると、顧客トラブルというものは一度に解決しようとするのではなく時間を置きながら何度か分割してコンタクトを取っていった方が本当はいいということなのでしょうね。
逆に言えば真のモンスターであるか否かにかかわらずどうしてもこの顧客とは水があわない、うっかり和解でもして常連客になってもらっては困ると感じさせられる顧客も時折いるものですが、そういう顧客に対しては相手に考える余地を与えず一気呵成に完全決裂に至るまでたたみ掛けるのが効率的ということになるのでしょうか。

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2013年12月16日 (月)

「卒業後の厳しい現実」はどこに由来するのか?

少子化の進行に伴って大学全入どころか定員割れも当たり前という時代になってきましたけれども、大学の側からすればとにかく収入源としての学生を確保しなければ経営も成り立ちませんから、一部の底辺だとかFランクなどと言われる大学になるとすでに選抜試験の体を為していない状況にあるようです。
もちろんそうした大学であっても入学し卒業することに意味がある場合はともかく、何となくでただ進学だけを目的に入学してしまうと大変なことになるという話が先日出ていました。

多額ローン、就職先はブラック…Fランク大学卒業生の厳しい現実〜なぜ入学者減らない?(2013年12月12日ビジネスジャーナル)

 少子化が進む日本で、「大学全入時代」となって久しい。いわゆる「Fランク大学」といわれる大学の中には定員割れのところも多いため、願書を書いて面接を受けるなど型通りの試験を受ければ、晴れて大学生だ。
 Fランク大学をめぐっては、「工学部の授業で因数分解を教える」「就職先がブラック企業だらけ」などの“伝説”が多くの人に知られているが、それでもなぜ、高卒で就職するでもなく、専門学校で特定の技術を身につけるのでもなく、Fランク大学に進学する人が後を絶たないのか? そう訝がる声も多い。
 ところが、Fランク大学に入学する学生の多くが、大卒の学歴にこだわっているわけではなく、その背景には高校教師の怠慢があるという実態が、取材を進めるうちに見えてきた。

 あるFランク高校生の親は、口々にこう言うのだ。
先生は就職を勧めず、Fランク大学になら入れると言うんです」
 実は高卒の就職率は95.8%(2013年春卒業者)と、大卒の93.9%(同)より高い。しかし、ブルーカラー系職種が多く、3年で半分が辞めるといわれるくらい離職率が高い。これが「七五三現象(大卒7割、高卒5割、中卒3割が入社3年時点で会社に残る)」といわれる所以である。
 高校教師からしてみれば、卒業生にすぐ会社を辞められれば、間を取り持った自分の面目は丸つぶれだし、高校の信用力も落ちる。すると自分も上から責められるから大層困る。すぐ辞めたOB、OGがちょくちょく相談に来るのも面倒だ。さらに、あらためて就職先の候補を開拓するのもしんどい。

●Fランク大学への就職を勧める高校教師

 そこで、Fランク高校の教師によく見受けられる行動が、「Fランク大学への入学を勧めること」だという。
 Fランク大学卒業生の母Aさん(40代後半)が語る。
「昔の先生は、必死で地元企業を回って生徒を売り込んでくれたものだけど、今の先生はそんな面倒臭いことはしない。取りあえずFランク大学にぶち込んで、“問題先送り”にしてしまう人ばかりなんです」
 Aさん家庭は、夫婦で工場に勤務しているが、あまり裕福とはいえない。だから子どもを無理して大学に進学させるのを躊躇したそうだ。Aさんの息子とて、進学希望だったワケではない。地元の北関東の企業に就職し、親や親戚、仲間に囲まれた平穏な暮らしをするのが夢だった。
 「ところが先生は、『大丈夫、奨学金がありますから。今の大学生は奨学金を受けるのが常識です』の一点張り。それで、つい息子を大学に入れちゃいました」(同)
 殺し文句は「今の大学生の半数が奨学金ユーザー。何も心配いらない」だったという。

 確かに、私立大学新入生の家計負担調査によると、奨学金を希望する人は全体で66.2%に及ぶ。Aさんも、昔の「日本育英会」のような学費補助があったり、返済に窮したら先延ばししてくれるような手厚い奨学金を、ついイメージしてしまったが、実際は大きく異なっていたという。
実際は単なる『学生ローン』。金利は1.6%程度と並の住宅ローン以上で、少しでも返済が滞れば、奨学金機構がすぐに裁判所に支払督促の訴訟を起こすんです。すぐさま一括返済せよって……」(同)
 20代のみそらで数百万円の金を一括返済するのは難しく、裁判を起こされると大抵の場合は残元金に10%程度の延滞金を乗せることで決着するのだという。
「ほとんど街金です。実際に奨学金を貸し出す機構は、取り立てのプロである債権回収会社と契約していて、返済が遅れようものなら債権回収会社の人が自宅や職場に押しかけてくると聞きます」(同)

●卒業後の厳しい現実

 もちろん、大学卒業後きちんと就職し、返済能力があれば問題ない。だが、例えばAさんの息子は大学卒業後の「IT企業」というふれこみのブラック企業に入ってしまい、わずか8カ月で退職。現在は、ゲームセンターのアルバイト店員をやっているが、「借金200万~300万円を14年かけて返済する計画ですが、月収15万そこらのあの子に返せるわけがない。どうすればよいのか……」と困惑する様子を見せる。
 また、借金数百万円を抱えたフリーターは結婚も難しい。Aさんの息子も「彼女も同じ大学の同級生でやっぱり奨学金の借金が300万円。仮に2人が結婚したら、借金600万円夫婦の誕生」(Aさん)という状態だという。
 この状況を見かねたAさんは、借金返済のため工場勤務の帰りにスーパーのレジ打ちのパートのかけもちを始めた。
「結局、何も考えず、Fランク大学なんて進学したのが運の尽き。高3の時に必死で就活させるか、コックやIT関係の技術者など“手に職系”の専門学校に行かせるかしておけばよかった」
 Fランク大学への進学を考えている子どもを抱える親御さんは、こうした現実を直視し、改めて卒業後の進路について考え直したほうがよいかもしれない。

この学生ローンが貧困ビジネス化しているという問題は以前から当「ぐり研」でも取り上げたことがありますが、やはり数年間余計な学費を借金してまで支払って大学に通うだけの見返りがあるのかと言えば、今の時代正直何かしらの資格にでも直接結びつくような学部ででもないと大卒自体にそこまでの付加価値はなさそうだと言うことですよね。
専門学校などもそれはそれで「昔からそういうのが好きだから」とアニメーター専門学校などに行ってしまっては人生真っ暗闇ということになりかねませんけれども、とにかく言えることはもはや漠然と取りあえず進学しておこうで人生何とかなる時代ではなく、高校生頃から少なくともある程度の人生の将来像を想定しながら進路選択をしていかなければ容易に行き詰まってしまう怖さがあるということです。
それでは進学=専門職としての資格に直結する学部なら将来安泰かと言えばさにあらず、もちろん手に職を持つということは非常に大事なことですけれども、中にはすでに専門職としての希少性が崩壊しワープア化が着実に進行している職種もあると言うのですから怖いですよね。

増えすぎ?弁護士ジリ貧 2割が所得70万円以下(2013年12月14日神戸新聞)

 かつては「長者番付」の常連だった弁護士。ところが司法制度改革でその数が倍に急増するなどし、競争が激化している。経費などを差し引いた所得が1千万円以上だった弁護士は5年前から15%も減少。一方、70万円以下の弁護士が全体の約20%いることが国税庁の統計で分かった。(前川茂之)

 2012年の国税庁統計によると、所得が70万円以下だった弁護士は、申告した2万8116人のうち5508人。割合は08年の11%から約8ポイント増加した。
 所得が1億円を超える弁護士もいるが、全体的に見れば、1千万円を超える高収入者の割合は年々減る傾向にあり、08年の47%から32%まで減少。一方で、200万~600万円の層は23%と増加傾向にある。

 「収入減」の要因として日弁連が挙げるのが、司法制度改革による法曹人口の急増と、顧問料収入の減少だ。
 政府は02年、千人程度だった司法試験の年間合格者を10年ごろまでに3千人に増やす計画を閣議決定。「国民の多様な法的ニーズに応える」目的だったが、過払い金返還訴訟を除くと訴訟件数は全国的に減少しており、弁護士は「供給過多」の状況に陥っている。

 日弁連によると、今年4月の会員数は3万3682人。00年の1万7130人と比べると、倍近くに増えた。飽和状態は兵庫県弁護士会でも同じで、今年の会員数は763人と00年から倍以上に膨らんでいる。
 さらに、景気の影響で顧問料をカットする企業が増えたことも追い打ちを掛ける。日弁連によると、00年調査では顧問先がある弁護士は80・6%だったが、10年調査では63・5%に減少。有料法律相談の件数も半減した。

 こうした事態を受け、政府は今年6月、司法試験の「年間合格者3千人」計画を撤回することを決定。県弁護士会でも合格者を「千人程度」に抑制すべきと決議するとともに「法曹養成制度検討プロジェクトチーム」を結成し、制度設計の議論を重ねている。

たった3年で平均年収が1/3に急落したという弁護士のワープア化もこれまた何度か取り上げて来たところですが、そればかりか歯科医公認会計士などにおいても「国が資格職の大規模増員を打ち出すと即座に相場が崩壊」という現象が相次いでいて、長年一定の市場規模でやってきた業界のバランスを破綻させるとどういうことになるかと言うことを如実に示しているように見えます。
法科大学院や歯学部もさすがに増やしすぎが社会問題化してきていて、国試の合格者数を絞るだとか合格率の低すぎる学校は閉鎖させるだとか様々な「改善策」が言われていますけれども、国家資格さえ取ってしまえば将来安泰だと信じて入学してきた学生達にとっては今さら余ったから出口を絞りますでは泣くに泣けない悲劇ですよね。
こういう悲劇が各方面で何度も繰り返されているのを見れば、誰しも気になるのが次の国のターゲットはどこかと言うことなんですが、真っ先に思い浮かぶのが最近久しぶりの新設を「特例」で認めるという話がほぼ公的に認められた形の医学部で、先行するこうした他業界の惨状など知らぬように一部方面から相変わらず「とにかく医学部を増やせ」の声が続いています。

おもしろいのは崩壊で先行した歯学部でも見られる現象ですが、定員割れを起こして学生のレベルも危険水準まで低下していると言われる状況にあるのに当の大学の偉い先生達は「(在学中に)学生がどれだけ伸びるかが大事だ」だの「今の定員割れの状況が長く続けば、10年もたたずに若い歯科医人口が不足する」だのと、ちょっとその現状認識はどうなのかと思うようなことをおっしゃっていることです。
大学の教官にとっては学生は多ければ多いほど収入も増えるし、将来的に大学から派遣するための手駒も増える、そして何より歯科医の相場が崩壊しようが自分達の給料はもはや下がることはないと確定出来ているのだから何も悪いことはないと言うことなのでしょうが、そう考えると医師集めに躍起になっている市中病院や地方自治体病院の偉い方々にとっても安く使える医者があぶれるほど増えた方がお得であるのは明白です。
社会的に見て医療にこれ以上金はかけられないと言う結論はすでに確固としたものとなっている、すなわち医療業界に求められるのはいかにバランスを取りながら医療給付を削減していくかという工夫であるわけで、そのための手っ取り早い手段としてマンパワーの限界による物理的制約というものを一つの指針として利用するのは十分にありだと思いますけれども、それを取っ払ってしまうとどうなるのかです。
医者が一番大勢集まっている大学病院では医者の給料など一山幾らの超安値で、やっている仕事と言えば伝票を運んだり患者さんの車いすを押したりととても専門職とは言えないようなことばかりですけれども、そんな状況を全国に押し広げていくよりは専門職は専門職として果たすべき業務に特化して、雑多な仕事は素直に非専門職にお願いした方が国全体の雇用促進のためにもよほど有益だと思いますけれどもね。

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2013年12月15日 (日)

今日のぐり:「ぼっこうそば水仙亭 本店」

先日多くの人をびっくりさせたのがこちらの記事なんですが、何にびっくりするのかとまずは記事を一読いただきましょう。

奇形や発達・身体の障害…兄と妹を最初に4世代にわたって近親交配を繰り返した”集落”(2013年12月13日ミラー)

オーストラリアの山間部で、一組の兄妹とその子供が近親相姦を繰り返した集落が発見されました。この集落は劣悪な環境にあり、下水のないゴミのような小屋で生活をしています。

この集落の最初は兄と妹を最初とする4世代…つまり曾曾祖父母より生まれた子供、孫、曾孫、曾曾孫で構成されています。

若年者は重度の学習障害や、身体的な奇形を持っており、またトイレの概念もなかったとのことです。彼らは歩行障害や重度皮膚病、聴力や視力の問題を抱えるほか、目のずれた男の子もいました。

9歳の少女は読み書きをすることが出来ず、自分一人で入浴したり、体を拭くことも出来ませんでした。

ニューサウズウェールズ州の児童虐待防止プログラムによる調査で明らかにになったもので、裁判所は「今まで記録された中で”最も最悪の近親相姦の事例”」としています。この集落では兄弟姉妹同士だけでなく、父と娘も性行為を行っていたと考えられています。

この事例は、「20マイル離れた山間部に子供がいるが、学校に出席してない」との通報により明らかになりました。ソーシャルワーカーは非常に汚れたストーブや調理器具、腐った食品、寝ているカンガルーを見つけ驚愕したと言います。

子供達はアイデンティティを保護するために新しい姓名を与えられ、里親に引き取られるとのことです。

もちろん全世界の注目が寝ているカンガルーというフレーズに集まったことは言うまでもありませんが、なんでもオーストラリアでは野生のカンガルーは暖房器具代わりとしても活用される場合があるということです。
今日は寝ていたカンガルーに敬意を表して、世界中からそれはちょっと普通じゃないものが発見されたというニュースを取り上げてみることにしましょう。

あまりにも悪者っぽいタマネギ、薄気味悪くニヤリと笑う“悪人顔”。(2013年11月6日ナリナリドットコム)

タマネギの切り口という、予期せぬ場所に現れた“顔”。その写真が米ソーシャルサイトredditに投稿されましたが、表情があまりにも悪者っぽいと話題を呼んでいます。

写真を投稿したのはJoeBakerBFCさんというユーザー。いつ、どこで撮影されたものかは不明ですが、タイトルの「This Onion is plotting(このタマネギ、なんか企んでる)」そのままに、タマネギの切り口の中心部には「ニヤリ」と薄気味悪く笑って、まるで悪事を企んでいるかのような顔が現れているのです。

日本でも「走って逃げる大根」をはじめ、しばしば“擬人化”された野菜が話題に上ることがありますが、この「ニヤリ」タマネギも、「すげえ、悪人顔!」「シニカルだなぁ」「ポケモンのパルシェンに似てるな……」などなど、さまざまなコメントが寄せられていました。こうした反応は万国共通のようです。

それにしても、食べたらなにか祟りがありそうなタマネギですね……。

その悪人顔ぶりは是非とも元記事の画像を参照いただきたいと思いますが、しかしよく身近な場所に潜む悪の存在に気付きましたよね…
日本でも最近すっかり人気ぶりが定着したあの動物ですが、それはいささかどうよ?と思われる冬の暮らしぶりが発見されたそうです。

東武動物公園のアルパカがカラダだけ剃られて衝撃的な姿になっていると話題に!(2013年12月5日gori.me)

このアンバランスさ、なかなかのインパクトがある。

東武動物公園のアルパカがカラダだけ剃られて衝撃的な姿になっているとTwitter話題になっていたので紹介する!

首から上以外の毛が剃られていて残念な姿に…
そもそもアルパカの毛を剃る時には首から上は剃らないのが一般的となっているらしい。よって、この姿自体至って普通ではあるものの、こうして見ると相当なインパクトがあると言えるだろう。

ただ、首より上の毛は全く剃らないという訳にもいかないと思うのだが、定期的な手入れはさすがにするのかな。気になる。

今回紹介した写真に写っているのは毛が剃られたアルパカ1匹だけだが、これが何匹も揃っていたらちょっとしたホラーかもしれない…。

その衝撃的な姿はこれまた元記事の画像を参照いただくとして、何もこれから寒くなる季節にこんな姿に…と思うところですが、実際問題としては何よりあのもふもふを想像して出かけた子供達涙目…と言うところなんでしょうか。
ゲームの世界であればどこからでも脈絡もなく生えてくるのもありでしょうが、リアルで生えるとそれは恐ろしい…と話題になっているのがこちらのニュースです。

マンマミーヤ!見た目普通の洗濯機から「キノコ」が生える不具合発生(2013年12月12日秒刊サンデー)

部屋をあまりにも汚くしていると、キノコが生えてくる等という表現がありますが、実際に生えてくるとは驚きだ。こちらは中国のとある民家の洗濯機。中をのぞくと、洗濯機の穴の隙間っから妙な突起物が。なんとキノコです。洗濯機からキノコが生えてきているのです。某任天堂のゲームキャラのおじさんであれば大喜びで咀嚼したいキノコではあるが、いったいなぜ生えてきてしまったのか。
こちらが洗濯機のキノコ。所有者の娘は恐ろしさのあまり、しばらく硬直するも、とりあえず写メをしたそうだ。あまりにも汚く、ゾッとしてしまいますが、この洗濯機の所有者は全く気付かなかったのでしょうか?
もちろん気付かなかったからここまで成長したのですが、あまりにもおぞましい光景に、震えあがってしまったという。恐ろしいのは当然だ、キノコが生えてくる洗濯機など聞いたことが無い。客観的に見れば確かに笑い話ですむのかもしれないが、キノコが生えた洗濯機で今まで洗っていたと思うと恐怖心が一気にこみ上げるだろう。
しかしこの洗濯機どうするのだろうか、もちろん刈り取って、再び使えば洗濯できるのだろうが、胞子を根絶しない限りまた生えてくるに違いありません。またどこから胞子が飛び込んできたのかも突き止める必要も。
それにしても、このキノコは脱水時に生き残ったものだ。驚異的な生命力である。

―海外の反応

海外サイトではこの洗濯機のキノコを食べればいいというコメントが多い。

    ・採取して調理すればいいかと
    ・これは凄いぞ
    ・キノコをあらい、暖かい鶏肉を入れ15分ゆでます。
    ・掃除が怠慢なだけだろ!
    ・おええええええ、揚げて食べればいいのではないかな
    ・吐き気を催します
    ・唐揚げでお願いします
    ・キノコを洗浄するための洗濯機なんじゃね?
    ・私のキノコを。
    ・本当に汚いんですね!
    ・お前らまず毒キノコなのか調べてから食べろよ
    ・可愛いキノコだー
    ・お料理をしてあげたい
    ・洗濯機も掃除できない投稿者が料理をする資格はない。

これは是非とも元画像を参照いただくとして、洗濯機にしてもキノコにしてもそれぞれは全く無害なものであるのに、この予想外の組み合わせの破壊力とは一体何なんでしょうね…
こちらも予想外の組み合わせということでは負けず劣らずですけれども、まずはその状況を理解することに困難を覚えるかも知れません。

「デンマークでは今…ちょっとばかり洪水になっている」リアルタイムな写真が投稿され話題に(2013年12月12日らばQ)

北欧諸国の1つ、デンマーク。バルト海と北海に挟まれたユトランド半島と、その周辺の島々からなる美しい国です。
「デンマークでちょっとばかり洪水になっている」という写真が、海外サイトの話題に上っていたのでご紹介します。
「きれいな景色?」と思ったら、なんと外は水・水・水です。
白いのは雪ではなく水が反射しているだけで、窓から見える水位が危険なことに。
むしろ家が全く浸水していないことに驚きですが、海外掲示板では、この状態を疑問に思った人々が、いろいろと質問していました。

●室内は驚くほどなんともない。少しくらい漏れて来そうなのに。
●↑デンマークのことはどうか知らないが、コロラド州(アメリカ)では洪水に耐えられる家の建て方をしなくちゃいけない。一定量の水のレベルに耐えられる窓やドアの作りになっている。
●↑(本人)正直にいうと、どんな風に窓が水に耐えているかわからない。
●もう水は引いたの?
●↑(本人)引き始めたが、それでもまだいろんなところであふれている。大勢が避難し、ほかの家ではどうなっているかわからない。
●少なくとも窓は頑丈に出来ている。
●その窓やドアを取り付けた人は少なくとも称賛に価する。
●これはいったいどこ?
●↑(本人)コペンハーゲンだよ。
●ドアもかなりしっかりしているね。
●↑(本人)ちなみに他の角度
●水族館のような家になっている。ドア付きで。
●洪水の水もかなりきれいに見える。自分はオーストラリアからだけど、ここで洪水になると水は茶色で、小枝や棒や葉っぱも混ざっている。
●↑それだけじゃないだろ、蛇やクモも混ざってるだろう。
●「ドアを開けてくれよ」

洪水がすぐ窓の外まで差し迫っている割には静かで、美しさすら感じるほど。
海に囲まれたデンマークは平らな国で、最高地点でも海抜173mしかないため、こうした事態には慣れているのかもしれません。

開放度の高い日本の家屋に慣れているとちょっと信じがたい状況なのですが、確かに台風で○戸が床上浸水などと毎回大騒ぎするくらいなら最初からこういう建物にしておけば…と言うことですかね。
珍しいものと言えばもはや何が珍しいのかも判らなくなってしまいそうなのが中国という国ですが、その中国においても珍しいと話題になっているらしいのがこちらの生き物です。

珍しい“天然パーマ”ニワトリ、ほかのニワトリよりも性格は好戦的。(2013年12月12日ナリナリドットコム)

中国で、毛が縮れた珍しいニワトリが話題を呼んでいる。赤いトサカにイエローブラウンパーマというビジュアルの“お洒落ニワトリ”だ。

中国メディア大河網などによると、この“お洒落ニワトリ”が確認されたのは河南省南陽市。同市の南召県留山鎮西街村で暮らす張陽さんが飼っている一羽の雄鶏だ。

張さんの家ではほかにもニワトリを飼っているが、なぜかこの雄鶏だけ毛が縮れている。張さん自身、毛が縮れている理由はわからないものの、生まれて間もないころはほかのニワトリと比べてたいした差はなかったそうだ。それがいつしか毛が縮れ始め、同時に性格も凶暴化。今ではほかのニワトリはこの雄鶏を恐れ、雄鶏が餌場を去ってからやっと食事にありつける有様なのだという。

なお、専門家もこのような縮れ毛のニワトリには「出会ったことがない」と述べており、「環境や遺伝などが原因で雄鶏の体内のある遺伝子に変異が起こり、毛が縮れたのでしょう」との見方を示している。また、毛の縮れと性格の凶暴化の因果関係についてもよくわかっていないという。

映像的には元記事の写真を参照いただくとして、色々な情報を総合しますと反抗期かよ!と突っ込むしかないところなんですが、やはり最後には中国らしく「おいしくいただきました」オチになるんでしょうかね?
同じく中国から、これまたちょっと普通では考えがたいような話なんですが、まずは記事から参照いただきましょう。

中国で角が生えたお婆さんが発見される!(2013年11月29日秒刊サンデー)

ファイナルファンタジーなどでも知られている角の生えた架空の種族「召喚士」ですが、なんと角の生えたお婆さんが発見されたというのです。もちろん鬼のような種族でも召喚士でもなく、いたって優しそうなお婆さんなのですがなぜこのおばあさんに角が生えているのでしょうか。ひょっとすると遺伝か何かでこの家族には角が生えているのだろうか、さっそく見ていただきたい。
こちらの老婆が角が生えているという正面では分かりにくいが斜めから見ると一目瞭然だ。しかも彼女の年齢を聞いて驚くことなかれ、なんと101歳。まさに仙人と言わんばかりの貫録なうえこの「角」の存在感は異常だ。彼女の角はどういうわけか、生えてきてしまったという。
しかし残念ながら、これといって特殊な能力もなくむろん、召喚獣を呼ぶことはできない。角が生えているからと言って鬼のような性格というわけでもなくいたって普通のおばあちゃん。

―角が生える理由は?

角の長さは6センチ原因はまだ分かっていないが、皮膚良性腫瘍、(アテローム)の一種であるだろうと言われているようだ。つまり、皮膚の一部ということだがサイなどの角ももともと皮膚や、毛髪が凝固して角となったことを
考えると、あながちなくもない。
皮膚が固くなり角のように生えてきたのだろう。もしかするとこのおばあさんの遠い先祖の古の遺伝子が、いまさら目覚めたのかもしれない。
しかし彼女は治療をするわけでもないようだ。単純に治療費がないからというわけでもなさそうだが、やはりこの角も彼女にとって腕と同じぐらい愛着があるのだろうか。

なるほど角とはこういうものか…と改めて感じ入るニュースなんですが、今に伝わる数々の鬼の伝説というのもこういう元ネタがあってのことなんでしょうかね?
最後にこれまたびっくりするしかない発見のニュースですけれども、これはいささか驚きの方向性が違うのか?と思わないでもない話でしょうか。

これはイカす!とんでもない「マイカー」が駐車場にいたと話題に(2013年12月6日秒刊サンデー)

駐車場でなぜか発見されたとんでもないモノが話題になっている。投稿者は車を止めようとして偶然発見されたもののようだが、普段決してこの場にいるはずもないようなとんでもない生物である。おそらく息絶えて動くことはできないようだが、あまりの大きさに驚愕。おそらく軽自動車と同じぐらいの幅はあるのではなかろうか。さて発見された生物とはなにか。
なんと発見されたのは見たこともない巨大イカである。身長はおそらく1.5メートルほどもあるようなイカで、体は白く透明な色をしている。ただし残念ながら有名な巨大イカ「ダイオウイカ」よりは小さなサイズかと思われるので、ダイオウイカ以下のサイズのイカであろう。誰かがここにおいて記念撮影をして家に持ち帰る途中だったのだろうか。味はイカほどか。
(略)
―ネットの反応

おやじギャグ大喜利となってしまっているようだ。

    ・イカちゃん駐車
    ・こりゃ、イカんでしょう……(震え声)
    ・あら、ご立派。
    ・そらイカンwww
    ・ジャマイカwww
    ・マイカー。
    ・お茶置いたの誰だwww
    ・そらイカンwww
    ・だれうまw
    ・でかっ!
    ・想像以上にイカだった…
    ・これはイカん。って何人同じ事言ってるやろ 笑
    ・イカ「誠に遺憾である」
    ・誰かイカに乗ってきはってんな

さすがにイカに乗ることは出来ないと思いますけれども、それにしても脇に置かれたペットボトルがサイズ比較目的なのでしょうか?
こういうものは違法駐車なのか何かしらの不法投棄ということになるのか、いずれにしても連絡を受けたところで警察も困惑したことでしょうね。

今日のぐり:「ぼっこうそば水仙亭 本店」

場所からすると山陽道岡山インターにほど近い位置に立つこちらのお店、ひと頃は各所に支店展開されていたようですけれども、最近ではずいぶんと淘汰が進んでいるようですよね。
いつも空いている店と言うイメージだったのですがこの日は満員相席の状態で、たまたま時間帯的にそうだったと言うのでなければ新蕎麦需要がそれだけあると言うことでしょうか。
ただその割には入るオーダーのどれも種物やセットメニューばかりで、別に種物を否定はしませんけれどもこちらのメニューのように豪華すぎて蕎麦がおまけか何かのしか見えないのはこの時期ちょっと不似合いかなあ?という気もしてしまいますね。

それはともかくそば茶を飲みながら待つことかなり長い時間を要してざるそばが出てきましたけれども、ひと目見た瞬間になんだなんだと思うほどズタボロ細切れ状態でもはや蕎麦の体を為していません。
それでも口に運んでみますとこれだけ細打ちの蕎麦なのに芯もわずかに生っぽく、これは茹でと洗い双方の問題なのか?と思いますけれども、ともかくも忙しくてもこれはちょっとお客さんに出していいものではありませんよね。
魚の風味がたっぷりきいた濃いめ辛口の蕎麦つゆは蕎麦屋らしくて好みではあるんですが、これも濃いだけに猪口に盛りきりではナチュラルタイプの蕎麦湯の味もわからないと言うもので、二杯目で程よく希釈されてやっとそれなりに味わえるようになるというのは辛いところです。
しかしこちらの蕎麦も以前にお邪魔した時はこんなじゃなかった気がするのですけれども、たまたまその時が年に一度の大当たりの日だったということなのか、ともかくもこれでは確かに蕎麦をメインには据えられないですよね。

古民家風のつくりは統一したデザインテーマなのでしょうが、トイレもこぎれいに改装されているのは良いとして店側とデザインを合わせたらどうなのか?とも思いますし、前回も感じたのですが薄暗い店内で壁に張られた煤けたメニューはこの店の構造だと見にくいと言うもので、普通に席にも一部ずつ置くべきではないかという気がします。
肝腎の蕎麦がこういう状況ですから接遇面もいかにもバイト店員でどうもちょっと…と感じるのは仕方ないところですが、この店に限らず最近感じることですがどうせ自動的に印刷されるものなのですからレシートくらい黙って出そうよと思ってしまうのはやはり満足感に欠けた蕎麦のせいだったでしょうか。
しかしチェーン展開もする老舗と言えばそれなりに営業のノウハウも蓄積しているものだと思うのですが、この日の様子を見る限りでは大丈夫なのか?といささか先行きに不安を感じないではいられないですよね。

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2013年12月14日 (土)

21世紀を感じさせるビットコイン問題

大切なものをうっかり捨ててしまうとはあまりあってほしくないながらしばしばあることですが、先日こういう規模壮大な記事が出ていたのですがご覧になりましたでしょうか?

7.7億円分のビットコイン捨てちゃった!英男性が埋め立て地を捜索(2013年11月29日AFP)

【11月29日 AFP】英国で、7億7000万円相当の仮想通貨「ビットコイン(bitcoin)」を保存したハードディスクをうっかり捨ててしまった男性が、ごみ処分場の埋め立て地で必死の捜索に当たっている。
ビットコインはインターネット上で流通する仮想通貨。政府や中央銀行の裏付けはないが、オンライン決済可能な各種サービスや商品の購入に使えるほか、現実の通貨にも交換できる。ナカモト・サトシ(Satoshi Nakamoto)と名乗る謎のコンピューター専門家のアイデアを基に、2009年に誕生した。
ビットコインの交換レートは最近急騰しており、今月27日には初めて1ビットコイン=1000ドルに達した。

IT関連の仕事をしているウェールズ(Wales)在住の英国人、ジェームズ・ハウエルズ(James Howells)さん(28)は、まだビットコインの価値がタダ同然だった2009年に7500ビットコインを購入した。ビットコインを記録したハードディスクはその後数年間引き出しに保管していたが、日常生活や引っ越しのごたごたの中ですっかり中身を忘れてしまい、今年7~8月頃に何も考えずに捨ててしまったという。
最近になって、捨てたディスクの中身を思い出したハウエルズさんは、震え上がった。もしディスクを見つけられれば億万長者になれると気付いたのだ。
ハウエルズさんは自分の全バックアップファイルを調べたが、ビットコインのバックアップデータはなかった。
こうしてハウエルズさんは、地元ニューポート(Newport)の広大なごみ埋め立て地で、気が遠くなるような捜索活動に直面することになった。28日、英国放送協会(BBC)の取材に応じたハウエルズさんは、次のように語っている。
「管理局の担当者が現在埋め立て中の処分場に案内してくれました。そこで目にしたのは、サッカー場ほどの広さの埋め立て地でした。とっさに『こいつは見込みなしだな』と思いました」
「管理局の人の話では、3~4か月前に運ばれてきたごみは1.5メートルくらいの深さに埋まっているだろうとのことでした。それを聞いた時、僕が恐れていたことが現実になったのです」

警察などが埋め立て地で証拠を捜索する場合は通常、最大20人の作業員と掘削機器、複数の警察犬が動員されるという。だが、ハウエルズさんは「実際のところ、そんなお金も、大規模な捜索を実現させるだけの力も、今の僕にはありません。ディスクが絶対に見つかるという保証もないのに」と述べている。

いわゆる電子マネーの類は言うまでもなく日常生活の様々な局面で利用されていますけれども、それらはほとんどがどこかの会社の管理する電子マネーをサービスとして利用するという形になっていることから、当然ながらその会社のサービスに参加しないことには利用できないですよね。
2009年に運用が始まったこのビットコインの特徴としてはどこかに取引を管理する者がいるわけでなく、取引に関わる双方の間でピアツーピアに取引が出来るというのが最大の特徴であり、それだけに特定企業の管理を離れて独立した通貨単位として広まっているわけですね。
こうした簡便なシステムですと素人目に考えても渡されたコインが本物なのかどうか?が非常に問題になってくると思いますが、これが非常におもしろいやり方で信頼性を担保しているものであるようで、正体が不詳だというこのシステムの提唱者はずいぶんと頭が良い人なんだろうなと思いますね。
その簡便さもあってか運用開始からわずか数年のうちにずいぶんと広まっているらしいこのビットコインですが、いわゆる電子決済的な運用ももちろんあるのでしょうが未だに実社会ではそれほど多くの場面で使えるというわけではない、一方で前述の記事のように短期間にその価値が急上昇していることから、投機的な運用によって大きなリスクも発生しかねないという状況にもなっているようです。

中国で「ビットコイン」バブル、取引量は世界の3分の1に(2013年12月5日CNN)

北京(CNN) 中国でインターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引が過熱している。取引量は日本などを抜き、世界のビットコインの3分の1が中国経由で売買されるようになった。

雑誌編集者のリュウ・シンダさん(23)は2012年に投資を始めた当初、株式や不動産への投資も検討した。しかし「人民元より安全に資産を形成できる手段」としてビットコインを選んだといい、「その仕組みを信頼した」と話す。
購入した当初、中国での取引価格は60元(現在のレートで約1000円)、売却した時は700元(約1万2000円)だった。現在まで持っていたとすれば、先週の時点で7000元(約12万円)に跳ね上がっている。
ビットコインの価格が金1オンス相当にも達する中、利益を期待してビットコインを購入する投資家はさらに増加。世界の取引量の3分の1強が、中国最大のビットコイン取引サイト「BTCチャイナ」経由で売買されるようになった。
中国での取引量は、日本のマウントゴックスや欧州のビットスタンプといったビットコイン取引所を抜いて、1日当たり10万枚、取引金額は4億元(約67億円)に達している。

この背景についてBTCチャイナのボビー・リー最高経営責任者(CEO)は、「ビットコインは新しいアセットクラスとみなされている。しかも中国は貯蓄の習慣が根強い」と解説する。
中国はここ数年で人民元の国際化を推進し、国際市場での規制を緩めて価値を上昇させてきた。しかし規制はいまだに存在し、個人が中国国外に投資するのは難しい。結果として多くがビットコインのような資産に目を向ける。
デジタル通貨は乱高下が激しく、11月にはそれまでの最高値の900ドルを記録した28時間後に500ドルまで下落した。11月29日には1242ドルに上昇している。
中国政府はデジタル通貨を正規の通貨としては認めていない。中国人民銀行の易綱・副総裁は講演で、「中国の中央銀行が近い将来、ビットコインを正規の金融商品として承認することはあり得ない」との見通しを示している。
ただし同氏は国民がビットコイン市場に参加するのは自由だと指摘。ビットコインのアイデアは興味深いと考え、長期的な観点から個人的に注視していくと述べている。

ビットコインで決済ができる店や企業も増え、中国最大のインターネット検索サイト「バイドゥ(百度)」でも一部のサービスで利用できるようになった
しかし過去の投資で利益を手にしたリュウさんは、ビットコインバブルには距離を置く姿勢だ。「今のトレンドは誇大宣伝でしかない。(中国大手通販サイトの)タオバオやアマゾンでの買い物に使えるようになるまで、ビットコインにこれ以上の投資はしない」と話している。

2カ月で10倍になっていたビットコインバブルが崩壊 今度はたった3日間で半額に!(2013年12月7日ガジェット通信)

このところニュースの経済面を騒がせている仮想通貨『ビットコイン』。ビットコイン取引サイトでは、わずか2カ月あまりで取引価格が10倍以上に急騰し、時価総額にして1兆5000億円にも達した。

10月からのビットコイン相場を引っ張ってきたのは中国の個人投資家たち。10月14日にネットサービス大手の『百度』がビットコイン決済に対応することを発表して以来、投機熱が加熱。テレビや新聞でも「ビットコインで家が建った」という億万長者の誕生が報じられるほど異常な盛り上がりを見せ、世界で流通するビットコインの3分の1以上が中国経由で売買されるようになっていると観測されていた。

ところが、この3日間で状況は一変。12月5日に1ビットコイン(以下BTC)=1240ドルの高値をつけた後、取引価格が急落し、7日午後には一時1BTC=576ドルの最安値を付けた。わずか3日間のうちに半額以下になってしまったというわけだ。

この暴落の引き金を引いたのは、中国の中央銀行である中国人民銀行が「ビットコインは通貨として市場で流通・使用することはできない」との通知を発したことと、それを受けて『百度』がビットコインによる決済の停止を発表したことだ。当局に冷水をぶっかけられた中国人投機家たちがいっせいに投げ売りを始め、ビットコイン相場の暴落を招いた。中国人が主導してきたビットコインバブルが弾けたのだ。

ビットコインには価値を裏付けるものがないため、もともと本質的に不安定な仮想通貨ではあった。また、暗号通貨であるビットコインは利用者の追跡が難しく、海外への違法な送金や脱税、犯罪組織の資金洗浄に利用されているという指摘もかねてより繰り返されてきた。共産党政府と人民元を信用していない中流層以上の中国人にとって、ビットコインへの投資は“リスクヘッジ”の意味もあったことだろう。しかし、共産党政府がそのような抜け道を容認する期間はごく短かった。対する中国人民の逃げ足の速さも素早かった。さすが「朝令暮改」「上に政策あれば下に対策あり」の成句が生まれた国だけのことはある。

ま、こういう規制がいきなり出てくるところがお国柄なのでしょうけれども、株式などのように「週明けの取引再開を待って値が動く」と言ったものでもないわけですから、24時間365日の常時監視を続けていなければこんなことにいつなっても不思議ではないという意味では、そもそも非常に投資対象としてはリスクがあるものなのだと思います(だからこそ投機も盛り上がるのでしょうが)。
実際のところこうした電子マネーをいくら貯め込もうがそれを実社会に移行・反映させることが出来ないのであればゲームでゴールドを幾ら貯めたという話と同じなのですが、特に犯罪者にとってもこうした電子マネーは非常に利用しやすいという側面もある以上、基本的に各国政府ともその運用拡大には今後ますます慎重にならざるを得ないのではないでしょうか?
実際に先日はマカフィーがマルウエアなどと並んで「仮想通貨を使ったサイバー犯罪の増加」を大きなリスク要因として挙げたというほどで、匿名性を保ったままオンラインで簡単に取引が出来て追跡も難しいとなれば、それはマネーロンダリング等の後ろ暗い取引に使えと言っているようなものですし、実際に米連邦裁判所からも通貨規制の対象とすべきだと言う判決が出ているようです。

いわゆるリアル犯罪者以外にもサイバー犯罪者にとってもこのビットコインは狙い目であるようで、ビットコイン取引の仕組みを利用した不正プログラムがかなり広範囲に出回っている、それどころか実は最大の感染PC数を誇っているのが他ならぬ日本だというありがたくない話もあって、本来ユーザーが手にするべきシステム維持の報酬を勝手に横取りしていくようなことを「堂々と」やっているようです。
ネットワークにつながったあちらこちらのPCの余力をちょっとずつ利用させてもらうことで大きな作業をするという考え方はビットコインのシステムの根幹をなすものであって、同様の仕組みで実際にSETI計画のために全世界のPCに空いた余力を貸してくれと協力を依頼する呼びかけがなされたこともありますけれども、実のところユーザーが理解し同意しているかどうかという一点を除けば不正プログラムもやっていること自体は全く同じと言えます。
単純にお金を出してスパコンを借りてやるべき計算を、他人のPCのリソースを分散使用することで代用できると言うのならその分コストが浮いて利益になるということからも理解出来るように、実はビットコイン不正に限らずこうした分散処理の方法論そのものが微妙な分け前の問題を抱えているとも言え、それだけに何かしら規制をかけるにしてもどのような形で行うべきかとなると少しばかり悩ましいものがありますよね。
ともかくもこれだけ世界中で高性能なPCが年中ネットワークに接続して稼働しているというのは人類共有のリソースという点で非常に注目される状況で、将来的にはそうした過剰リソースを誰がどのように利用するかという点に関しても公的なルール作りが必要になってくるんじゃないかと言う気もしています。

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2013年12月13日 (金)

正しい救急搬送のあり方

かつて広島県福山市内の三次救急病院が産婦人科撤退のため婦人科領域でないと確認できない女性の救急から手を引く?!なんて話がありましたけれども(さいわいその後産婦人科は再開したそうですが)、ひと頃東京都内でも脳内出血を起こした妊婦が周産期母子医療センターを含む8病院から受け入れを断られ死亡したという件が救急医療崩壊の象徴として大いに話題になりましたよね。
産科領域の特殊性は色々と言われますけれども、やはり一般の患者以上に「二人分」の気を遣う必要があるというプレッシャーはあり慎重な対応が求められるのはもちろんですが、逆にそうした認識が一般化しているからこそ何科でも対応出来るようなちょっとしたことでも「産科医がいないからうちでは診られない」と断られるケースも多いんだろうと思います。
そんな中で比較的珍しい対応を取ったように見える症例が不幸な転帰となり紛争化していると言うのですが、本日まずはこちらの記事から紹介してみることにしましょう。

妊婦死亡は医療ミスと遺族が提訴(2013年12月3日産経新聞)

 腹痛を訴えた都内の女性(28)が緊急搬送先の診療所で誤診され、約8時間後に子宮外妊娠破裂で死亡したとして、遺族が診療所と医師、東京都を相手取り、約9000万円の損害賠償を求める訴えを3日、東京地裁に起こした。訴えによると、診療所には救急医療用の十分な設備がなく、救急指定した都にも過失があるとしている。

 遺族側の弁護士が会見して明かした。訴えによると、女性は今年8月、激しい腹痛で都内の診療所に搬送された。医師には救急隊員を通じ、妊娠初期で早期流産の可能性があることを伝えたが「急性胃炎」などと診断され、ベッドに寝かされたまま約8時間後に死亡した。死因は「子宮外妊娠破裂による出血性ショック」だった。

 遺族側は適切な救命措置が行われなかったとして、刑事告訴を視野に警視庁北沢署に相談しているという。

 医師側の代理人弁護士は「訴えの内容を見ていないのでコメントできない」としている。

救急搬送先の誤診で妻死亡、夫が9千万賠償提訴(2013年12月3日読売新聞)

 救急搬送された東京都内の診療所(11床)で女性(当時28歳)が死亡したのは、適切な治療を怠ったためだなどとして、女性の夫(31)らが3日、治療に当たった男性院長や、診療所を救急医療機関に指定した東京都などを相手取り、計約9000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、女性は8月、激しい腹痛を訴え、世田谷区内の診療所に救急搬送されたが、翌朝に死亡した。行政解剖の結果、死因は「子宮外妊娠破裂による腹腔(ふくくう)内出血」とされた。

 遺族側は、院長が子宮外妊娠破裂を疑わず、「急性胃炎・過呼吸症候群」と誤った診断をし、適切な処置を怠ったと主張。診療所の当直看護師は1人のみで、午前6時~9時は誰もいない状況が常態化していたのに、診療所を救急医療機関に指定した都にも重大な過失があると訴えている。

不幸にして亡くなられた女性には御冥福を申し上げるしかありませんが、「女をみたら妊娠と思え」の格言は古来よく知られているところですし、今回の場合は実際に妊娠している旨も伝えられていたと主張されているのですから事実そうした状況を全て把握した上で対応されたのだとして、そもそも何故こうした経過をたどったのかと言うことにいささか奇異の念を覚える症例ですよね。
このケースで一番気になったのが恐らく夜間に搬入されてきた若年妊婦の急患を有床診療所が受けたと言う点ですが、診断の如何を問わず8時間も収容していたほどですから投薬で帰宅させるような状態ではなかったと認識はしていたのだろうし、そもそも夜間に激しい腹痛を訴える妊婦などといういかにも地雷を踏みそうな症例を救急隊が何故リソースの限られる有床診療所に送ることになったかが不思議に感じられます。
そしてどこかに送るでもなく有床診療所で囲い込むという判断をしたと言うのも非常に奇異な印象を受けるのですが、「妊娠初期で早期流産の可能性があると伝えた」と言う文言から外出血がない=流産ではないと言う風に誤誘導されてしまったのか?と言う可能性もあるかと思うのですが、そこまで夫が状況を承知し判断しているなら普通かかりつけの産科医に真っ先に行きそうなものですよね(別ソースによれば搬送先は外科胃腸科だそうです)。
ただちょうどググっていましたら「新小児科医のつぶやき」さんの昨年の記事で子宮外妊娠見落としで妊婦が亡くなられこれまた裁判になったという類似の症例を見つけて拝読したのですが、胎胞が見えないからとデリケートな妊娠初期であまり子宮外妊娠のリスクを言い過ぎると患者が怖がったり家族にクレームを言われたりするということもあるようで、どう転んでも妊娠というのは扱いが難しいと改めて最認識させられる話ではあります。

ともかくも現代的な防衛医療の観点からすると妊婦と判った時点でさっさと産科救急に送れでFAと言うことになってしまうのですが、逆に産科の側から見ると各地で産科たらい回しなどと言われるほど需給バランスが逼迫している中で、なんでもかんでも送りつけられても面倒見ていられるか!と言いたくなるのは当然だと思いますし、そんなことをしていたのではますます産科医の逃散も進んでしまいますよね。
例えは悪いですが今回の症例が寝たきり老人で発熱と呼吸困難と言ったよくあるケースであれば、もちろん鑑別すべき疾患も掘り下げるべき病態も多々あるだろうし治療も難しいのは事実ながら「近所の有床診療所で引き受けて駄目だったら残念ながら寿命」と言うことで問題なかったとも思われるところで、要するに医療リソースが有限である以上患者を全て平等に扱っていたのでは社会的不利益が大きくなると言うことです。
その意味で寝たきり老人が今にも死にそうだからと三次救急に押し込むのもどうかということなら、それと同様に将来ある若い妊婦さんの急性腹症疑いを有床診療所に押しつけるのもどうなのかと言うことであって、今回の不幸な経緯から真っ先に教訓を引き出すべきところがあるとすれば救急搬送のルールはもう少しきちんと整備しなければならないんじゃないか?と言うことのように思えます。
かつて「救急たらい回し」などと言われ、マスコミ諸社からさんざん「救急病院なのに急患を引き受けないのはどういうことか!」とお叱りをいただき全国医療機関も鋭意努力しているところだとは思いますけれども、やはりそれ以前のこととしてまずは患者をどこの施設に振り分けるかという段階を救急隊がしっかりと行わないことには受け入れもスムーズに進まないし、冒頭の記事のような不幸な事例もなくならないはずですよね。

重症搬送受け入れ拒否3年ぶり減 症状別病院リスト奏功(2013年12月10日47ニュース)

 2012年に重症患者の救急搬送で医療機関から3回以上受け入れを拒否されたケースは1万6736件で、前年に比べて545件減ったことが10日、総務省消防庁の集計で分かった。減少は3年ぶり。消防庁は、全国の消防機関で症状別に対応できる病院のリストをつくるといった搬送基準が運用されるようになった効果と見ている。

 12年の重症患者搬送は44万2184件と過去最多だったが、3回以上受け入れ拒否された割合は3・8%で0・1ポイント低下した。消防庁は都道府県に搬送基準作成を義務付け、昨年4月から運用している。

救急搬送「30分以上」増加…高齢化で患者増/栃木(2013年12月12日読売新聞)

 救急隊が到着してから、重症以上の患者の搬送先が決まるまでに30分以上かかるケースが県内で増えていることが11日、県の報告でわかった。県は、2010年に県内統一の搬送・受け入れ基準を導入して迅速化を目指したが、高齢化で全体の搬送者数が増え、効果が出なかった。県は来年度からの基準を見直すことで、救急搬送の迅速化を図る。

 県が11日、総務省消防庁の調査結果を県内の医療・消防関係者らの会議で報告した。それによると、基準導入前の09年には、重症以上の患者搬送(6370件)のうち、30分以上かかったケースは4・6%(294件)だったが、11年(7167件)は5・7%(409件)と増加。全国順位はワースト9位から同10位と改善したが、救急隊が搬送までに4か所以上の病院に受け入れを照会した事例も増えており、「たらい回し」の解消は進んでいなかった

 県は10年、改正消防法に基づいて搬送・受け入れ基準を作成。現場判断で受け入れ先を探していたのを改め、症状と照らし合わせる基準をつくり、事前登録した医療機関に照会する手法に変えた。たらい回しを防ぐ狙いがあったが、高齢化で全体の搬送者数が増え、その効果は確認できなかった。

 県は来年度から、事前登録先以外への搬送も弾力的に認めるほか、緊急内視鏡手術や輸血が必要で受け入れ可能先が少ない「消化管出血」の項目を追加するなどして基準を改定し、搬送のスピード化を図る。

自治体病院が一つきりしかないド田舎では救急搬送トラブルが存在しない(何故ならどんな患者も必ずそこに搬送するから)とはよく言うところですが、地域内に複数の医療機関があればどこにも得意不得意があるのは当然で、ショックを来しかけているような骨盤外傷を「今日の当直が整形の先生だから」と慢性期の施設に送ったり、アル中酩酊患者を「急性意識障害です」と高次救急に送るのはそもそもおかしい話です。
当然ながら救急隊には最低限の常識的な重症度診断が出来るだけの医学的素養が求められるのはもちろんですが、それ以前に現場判断をさせるなら地域内の医療機関それぞれの事情に精通していなければ、見当違いの施設にばかり搬送依頼を繰り返してたらいを回した数ばかりを競うようなことになりかねませんよね。
その点で全国の医療機関を四区分に分けて機能分化していくという地域医療再編計画が救急にも影響なしとしませんが、こうした施設間の機能分化を受けて各地で複数病院が集まって連絡会や診療分担の話し合いを繰り返していると言ったケースが少なくなく、表の看板の掛け替えは行わなくても実際には施設間で患者の振り分けに合意がついているといった場合も出てくるわけです。
本来地域の救急隊もそうした会合に参加して地域内医療機関の状況を理解しておくべきだろうし、場合によってはより積極的に救急搬送受け入れのルールなども話し合っておいた方が、はるかに医療状況の異なる昔からの勘と経験に頼って適当な搬送依頼を繰り返しては断られることを繰り返すよりはよほど双方にとってメリットが大きいはずですよね。

来春からは救命救急士の業務拡大がほぼ決まったということで、輸液やブドウ糖投与なども医師からの具体的指示を受ければ救命救急士が行っていいと言うことになりそうですが、これまで以上に救急隊と医療施設との緊密な連携が必要とされることになりそうなのに、どうも両者の意思疎通があまり積極的に図られているという様子ではないらしいのが気になります。
むしろ先頃も搬送時の連絡ミス?から救急隊員が医者から胸ぐらを掴まれたなどというニュースが医療現場からは「(暴力はともかく)むしろ今までニュースにならなかった方がおかしい」と言った受け取り方をされているように、医療の側からは「救急隊の連中は嘘をついてでもとにかく患者を病院に押しつければ勝ちだと思っている」と言う目線で見られている状況に一方の当事者がどれほどの危機感を抱いているかです。
これまたたまたまググっていて面白いなと思ったのが救急隊の側が諸事情から病院から受け入れを断られたと言う話が出ていて、もちろん表立っての事情を読んでいればお説ごもっとも、あなたのおっしゃることは正しいという話なんですけれども、根本的な背景因子として存在しているのが理屈ではなく長年の行き違い、救急隊に対する感情的反発であることをどうもご理解いただけていない気がしてなりません。
正しい、正しくないの話で言えばそもそも病床が一杯なのに入院が必要な急患を受け入れるとか、保険適用外使用だが有効なことが判っている治療を敢えて行うなど全くもって正しくないと言う話で、救急などルールを無視してようやく回っている側面があるのですから救急隊ばかりが正しく筋を通して一方的に話を進めてもかえって現場では非効率になりかねず、結局は対立的になりがちな両者の信頼関係をどう高めていくかということが地域医療では一番重要な気がします。

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2013年12月12日 (木)

超高齢化社会で高齢者の身体的負担が増加?

先日は医療・介護に年金なども含めた2011年度の社会保障給付費の総額が過去最高の107億円に達したという報道があって、そのうち医療が3.5%増の34兆円、介護が5.1%増の7.9兆円といずれも高い伸びを示していたと言うことから、またぞろ増え続ける医療・介護コストをどう抑制するかという議論に結びつくニュースなのは当然に予想されるところですよね。
ただし高い伸びだと言う点から言えば震災の影響もあったとは言え生活保護費の35.8%増を始め唯一減額となった失業関連以外の多くの分野が順調に?伸びていて、やはり久しく以前から言われているように社会保障体制全般の抜本的な改革が急がれる時期であると結論付けるのが妥当なのかなという気もします。
それはともかく、団塊世代の高齢化によって今後急増が予想されるのが高齢者関連の支出ですが、ちょうど二年ほど前から国と関連諸学会が両輪となって終末期医療のあり方と言うものを大きく転換しようとしている、特に高齢者を念頭に人工栄養などの中止もありだと言う方針を打ち出してきたのは、当然ながら来るべき時代を見越して国民の意識改革を進めていく意図があるのだと思います。
そんな国中に漂う危機感の中で医療のみならず介護も一体となった改革が必要なのは言うまでもないことですが、本日まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

”介護ショック”が日本に襲いかかる どうするおカネと住まい(2013年12月9日東洋経済)

「2025年問題」。いずれ来るこの事態が日本を揺るがそうとしている。団塊の世代といわれる1947~49年生まれ、今65歳前後の世代が約10年後、大挙して75歳を迎えるという一大事だ。
実際にどれくらい増えるのか。12年における後期高齢者(75歳以上)は1511万人。これが25年には2179万人まで膨らむ。全人口に占める比率も18%と、5人に1人近くまで上昇する見通しという。
(略)
想像を超える高齢化のスピードを受け、「高齢者の介護を社会全体で支え合う」介護保険制度は、今や制度疲労を起こしつつある。
高齢者の絶対数が増えれば、介護サービスの給付(費用)も増える。介護保険の総費用は、制度の始まった00年度の3.6兆円から、13年度に9.4兆円へと増加。25年には約20兆円まで達する見込みだ。
介護サービスの9割は介護保険で、残り1割は利用者負担で賄っている。保険の財源は税金と保険料が半々。膨らむ一方の給付に対し、負担にも手をつけざるをえない。介護保険料は、00~02年度の1人当たり2911円から、12~14年度には4972円まで値上げされた。

介護保険の疲労は限界 求められる最期の住まい

さらに政府は今回、3度目の介護保険法改正で、抜本改革に着手。15年4月から、一定以上の所得がある高齢者を対象に、利用者負担を1割から2割に引き上げる方針だ。要支援者への介護予防サービスは市区町村に移す。「狙いは効率化と重点化。質が低下することはない」(厚生労働省幹部)というが、高齢者が利用を控えるなど、今後の懸念材料を指摘する声もある。
効率化と同時に政府が描くのは、住み慣れた地域で最期まで過ごす“地域包括ケア”だ。自宅に代わる新たな介護の住まいとして、近年注目されているのが、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)である。
サ高住が登場したのは11年10月。待機者が列を成す特別養護老人ホーム(特養)や、高額な入居一時金のかかる介護付き有料老人ホームと違い、安さと自由が売り。一時金なし、介護は外注で、月額費用が10万円を切る物件もある。1戸当たり最大100万円の補助金など国の政策誘導も奏効。今年10月までに13万戸を突破した。

従来の有老ホームも、一時金方式を月払い方式に変更したりと低価格化が進行、サ高住と区別しづらくなってきた。それでもターミナルケア(看取り)への注力などで、増える高齢者を取り込もうとしている。
「米国では健康時から介護時まで同じ敷地でケアを受けられるシニアコミュニティが2000カ所ある。日本でも高齢者への“施し”でなく、住民主導のモデルが必要」(松田智生・三菱総合研究所主席研究員)。
(略)

もちろん増え続けるコスト面の負担をどうするかという点もさることながら、すでに3kだ4kだと言われ「仕事がなくてもそこにだけは就職したくない」と言われるほどの不人気ぶりが完全に定着した介護業界において、それだけの介護を行うのに必要なマンパワーが確保出来るのかという点からも根本的な方法論の転換が必要となりそうですよね。
何の業務であっても民業である限り永続的にきちんとサービス提供が出来ることを担保するためには、まずはそれをやることできちんと商売になり仕事が回せスタッフも働いただけ相応に報いられるという体制が組めるかどうかですけれども、ご存知のように今の介護業界は多くの人々から忌避される仕事に対して報酬は全業種最底辺クラスと言いますからドロップアウトが多いのも当然です。
先の記事にもあるような財政上の難関もあって介護報酬が今後劇的に増えるとは思えない以上、離職者を減らすためには業務自体をもっと簡略化していくしかないのか?とも思われるところですけれども、そんな中でスタッフ確保の観点から先日興味深い記事が出ていたことを紹介してみましょう。

「まだ働きたい!」60歳以上の応募が増加 定年制廃止の介護大手(2013年12月10日産経新聞)

 60歳定年制の廃止を決めた介護サービス大手のケア21(大阪市)は10日、正社員とパートの求人に対し、60歳以上の応募が18件あったことを明らかにした。

 依田平社長が10日の決算会見で話した。他の会社で定年退職を迎えた人の応募があった。これまで60歳以上の応募はほとんどなかった。依田社長は「介護を第二の人生の生きがいにしたいという思いがあるのだろう」と指摘。「(サービスを受ける顧客と)年齢が近いため、意思疎通が取りやすい」と期待を込めた。

 ケア21は60歳定年制を平成26年4月から廃止し、希望すれば何歳でも働けるようにする。定年制廃止を見越し、採用は既に60歳以上も対象としていた。

 同時に発表した25年10月期連結決算は、最終利益が前期比24・4%増の2億円で、連結決算の開示を始めた19年10月期以降で最高だった。

年金支給開始の引き上げなどもあって高齢者の就労問題というのも近年大きく取り上げられるようになっていて、一つには雇用期間の延長が若年者の仕事を奪うことになるんじゃないかと言う懸念があり、また一方ではそもそも働きたいと思っても高齢者を雇うような職場があるのかという不安もあったわけですね。
しかしそもそも介護業界というところは慢性的な人材不足で若年者が来たがらないのですから競合することもないでしょうし、低賃金で将来展望も暗いとは言っても高齢者であれば退職金と近い将来の年金支給でそこまで好待遇でなくても働いてくれるという期待感があり、また何より記事にもあるように「決して他人事ではない」という感覚的距離感の近さが介護に対する抵抗感を薄めてくれるという可能性があります。
そもそも高齢者対策の一環として高齢者の生き甲斐ということが盛んに叫ばれ、シルバー人材センターなどに見られるように働ける高齢者はどんどん働かせた方が本人にとっても社会にとってもいいことなんだという考えはもともとあるわけですから、高齢者雇用先としての介護業界というものはもっと注目されてもいいように思いますね。

時代を遡ると二昔ほど前から老老介護と言うものが社会問題化していたと記憶していますが、三世代以上が同居するのが当たり前だった時代には若い者は外に働きに出ていき、介護と子守は年寄りの仕事という認識が当たり前だったわけで、家族内の誰もが自分に出来る仕事を分担してすることであんがいうまいこと回っていたのだと思います。
他に頼るべきものがない老人世帯が互い以外に頼る者がないというと悲惨な状況ですけれども、それなりに社会貢献する能力と意思がある高齢者が自ら社会の穴を埋めてくれるというのであれば非常にありがたいことでもあるし、高齢者に力仕事である介護が出来るか?と言う疑問にはようやく現場に導入が始まったパワードスーツの導入を促進させる政策誘導で対処出来る可能性がありますね。
何より期待される副産物として重要なのは日本人全般が病院で死ぬようになったことで死ということから間遠になり、どのような生き方、逝き方が望ましいのかということが実体験として具体的に見えなくなってきた時代にあって、最もそこに近い位置に立つ高齢者世代が自らそれを身近なものとして体験することが改めて死生観を問い直すことにつながるんじゃないかと言うことです。
しばしば高齢者医療の現場で言われるように「いつも身近で世話をしていた同居の親族が延命治療を拒否しているのに、顔も出したことがない遠い親戚が濃厚治療を希望する」と言う対処に困る現象がありますけれども、当事者が経験値を蓄積していくことでそうした行き違いを減らせると言うのであれば高齢者に限らずいっそ「一億総介護体験」もありかも知れませんね。

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2013年12月11日 (水)

モンスター対策が進んできているのはいいのですが

いわゆる「馬鹿発見器」騒動には色々な側面がありますけれども、単純に世の中の常識と自分の常識とがどれくらい食い違っているかを知る上でも有用であるということでしょうか、先日はこんな記事が出ていました。

マック店で「コーラ1個、3分待たされた」 これに超激怒、従業員の名前晒して物議(2013年11月22日J-CASTニュース)

マクドナルドでコーラ1個を注文したら3分待たされたとして激怒し、クレーム対応した従業員の実名をツイッターで晒すなどしたユーザーが、アカウント削除に追い込まれてしまった。
ネット上で「従業員の名前を晒すのはやりすぎ」「ただのクレーマーでは」などと批判が上がったためだ。

文書での詫び状にも許さず、怒りまくる

    「マクドナルド●●店(原文は実名)がナメた対応してくれるので一言物申し中」

騒ぎの発端は、あるユーザーが2013年2月27日に投稿したこんなツイートだった。ツイートには、クレーム対応に当たったと思われる従業員の名刺を撮影した写真が添付されていて、名前が丸分かりだ。
ユーザーは、コーラ1個を注文したら3分もかかった、ということが気に入らなかったらしい。その怒りはかなりのもので、27日夜にも、

    「マクドナルド●●店の店長・××(実名)から電話かかってきたけど、こいつアホ過ぎて笑えないんだけど。所詮外食産業なんてこんなもんか」

と、電話で謝罪があったにもかかわらず全く腹の虫がおさまっていないことをツイートした。
3月3日には、この店舗から文書で詫び状が届いたとツイートしたが、文章が「晩秋の候」で始まっていることから、謝罪文はコピー&ペーストしたものだとして、さらに怒ってしまったようだ。この文書も全文画像で添付し、自分の名前はしっかり黒塗りにしつつ、また店名と店長の実名を晒し上げた

「いい大人がたったの3分待てないのか」

投稿された当時は話題になっていなかったが、13年11月19日になって、2ちゃんねるに「バカッター『なんでコーラ出すのに3分もかかんだよ』」などというタイトルのスレッドが複数立てられ、ツイートが引用されたことで、多くの人の目に触れることになった。
火がくすぶっていたところで、情報サイトが書いたことで大きな騒ぎに。ユーザーは11月22日までにアカウントを削除してしまった。
このツイートに、「あいかわらず、馬鹿な客がおおいなあ」「いい大人がたったの3分待てないのか」「コーラ三分で電話までさせて晒しあげるかよ?」など批判の声が上がった
一方、「一切客が居ない状態で明らかにコーラ入れる作業しかしてないのに3分掛かったら何事だとは思う」「ほんとにコーラしか頼んでなくて、明らかにすぐ出せるような状況で、3分も待たされたらまぁ腹立つよね」など、実名を晒すなどの行動はともかく、「3分待った」ことに対しては同情的な声も上がっている

顧客対応に問題があると感じた時にとりあえず苦情を言うのが欧米人、黙って立ち去り二度と来ないのが日本人なんてことを言われますけれども、もちろん一般的に何かしらサービスに不満があればそれに対して一言言う権利を顧客が持っている点には異論がないとして、それをどこまで引きずるかと言う点でクレーマーかどうかが別れるのだと思います。
本件の場合記事だけを読んでいると微妙だなと感じたのが、顧客の側からどれだけ店舗に接触していたのかが判らないという点で、仮につぶやきを見て顧客の心情を察した店舗側から何度もアクセスしてきたと言った状況ですと(「そこまで怒るようなことか?」と言う疑問は別として)モンスターとまで言われるのは酷な気もしますよね。
ただこうしてネットにおいて一連の経緯を個人名付きで公開してしまうという行為自体が非常識であるという批判は十分に成立する余地がありそうですし、そもそも店舗側の問題視するかどうか微妙な対応に満足出来ないで憤慨するならこれまた微妙な自分の行動に対して世間の批判を浴びるのも仕方がないのかなと言う気はします。

最近ではモンスターだとかクレーマーだとか言った顧客に対しては一般顧客とは区別して対処しなければならないと言うことがようやく知られるようになってきたのでしょう、昔ながらの「お客様は神様」式の型どおりの対応を繰り返すばかりではかえって問題をこじらせる、あるいは明らかに不法な顧客をつけあがらせ成功体験として味をしめさせるとして別枠で対応するケースも増えてきたようです。
その一つの要因としてこうしてSNS等を通じて世論の在処と言うものが店舗側にも判るようになってきた、そしてクレーマーに対しては適切に対処しなければむしろかえって世の信を失うし、正しい対応を取れば評価が高まるということがリアルタイムで判るようになってきたということが大きいんじゃないかと思います。
そんな中で先日とある企業がクレーマー対応の一部始終を公表して大いに話題になっているのですが、普通の顧客にこんなことを言えばそれこそ炎上しかねないところとは言え、これがクレーマーだと言うことが理解されれば拍手喝采もされるというなかなかに興味深いケースですよね。

モンスタークレーマーに効く対応 「出ていけ!お前は客じゃない」と逆謝罪させる(2013年12月7日J-CASTニュース)

  ささいなミスを大げさに取り上げて文句をつけ、過度な「おわび」を要求するのが「モンスタークレーマー」だ。しつこく絡んできたり、時には脅し文句を吐いて威嚇してきたりと、たちが悪いケースもある。
   クレーマーの対処法は多くの専門家が説明しているが、インターネット上にこんな書き込みがあった。堪忍袋の緒が切れた上役が激怒し、「逆謝罪」させたというのだ。

何もしないと「社員を守れない会社」のレッテル

   3年ほど前の書き込みが、今になって話題を呼んでいる。日本と中国で観光業のコンサルティングを手掛ける「レジャーサービス研究所」のブログに2010年3月24日掲載された、あるクレーマーの事例。「クレームを通り越して『イチャモン』をつけている」ようで、商品やサービスだけでなくスタッフに対しても文句をやめなかったという。
   そこに登場したのが「欧州系の支配人」だ。クレーマーに対して「出ていけ!お前は客じゃない」と激怒したうえ「スタッフはお前の奴隷じゃない。謝れ」と迫り、クレーマーに謝罪させたそうだ。
   支配人によると「一定のライン」まではスタッフに全力で対応させるが、それを越えると心に深い傷を負い仕事に恐怖を感じるため、「スタッフを守るのが義務」と考え行動に出たと明かした。
   ネット掲示板の感想を見ると、「これってクレーマー撃退に有効な一手なんじゃね?」とみる人がいる。理不尽な要求を「これでもか」と続け、脅してくる輩はもはや客ではないと追い出しにかかってもやむを得ないというのだ。ただ、「下手に扱ったらツイッターとかで一方的に叩いて拡散炎上とかあるしな」「(クレーマーは)都合よく解釈して店の評判落とそうとデマばらまいたりするから客を客じゃないって言うのもまた店にとっては茨の道だ」との指摘も出た。
   元大阪府警刑事のクレーム対応コンサルタント、援川聡氏はJ-CASTニュースの取材に、「毅然とした意思を示した点ではよかったと思います。ただしその後、相手がネットで『大声で恫喝された』などと書き込むリスクが生じるので、方法としてはやや難ありかもしれません」と指摘する。
   コーチングやマナー研修を行う「ラプラス」の長尾円氏は、講座の中でクレーム対応の事例を扱うことがあるという。取材に対して「個人的には、この支配人の対応は正しいと思いました」と話した。
   相手が「一線を越えた」のにリーダーが何の手も下さないのであれば、メンバーは理不尽な攻撃にさらされ続ける。結果「社員を守れない会社」のレッテルを張られるというのだ。

初期対応では相手の話をきちんと聞く

   では「一線」はどこで見分けるのか。クレーマー全員が「モンスター」とは限らない。援川氏は著書「困ったクレーマーを5分で黙らせる技術」の中で、初期対応では相手の主張をきちんと聞き、必要であれば誠意をもってわびるのが大切だと説く。「となりのクレーマー」などの著書がある苦情・クレーム対応アドバイザーの関根眞一氏は、雑誌「戦略経営者」2012年9月号のインタビューで「クレームがこじれるのは、大抵の場合、初期対応の不満」と述べている。
   長尾氏も、最初に相手の言い分にじっくり耳を傾けると話す。「クレーマーは(商品やサービスへの)期待がとても大きく、それにこたえられないと落胆し、さらには怒りに変わります。当人の立場になって話を聞くうちに『この人は我々に期待してくれている、今後も顧客でいてくれる』と分かれば、きちんと対処するのは当然ですし、相手も冷静になって最後は理解してくれるものです」と説明する。
   一方、「文句を言ったもの勝ち」とばかりに過剰な要求を突き付けてくる人は、スタッフばかりかほかの客にとっても迷惑な存在だ。「言い分を聞いても筋が通っていない、ただ感情に任せて理不尽な物言いばかりする人には、こたえる必要のない求めに対してきっぱりとお断りします」。要は、話を聞くなかで「正当な主張をしている人」か「モンスタークレーマー」かの区別がつくようだ。
   「モンスター」に対しては譲歩の必要なし、という点で専門家の意見は一致する。脅しに震え上がって、その場しのぎで要求にこたえればますますつけあがる余地を与えてしまうからだ。クレームをつけられたら、会話のやり取りを記録する、複数人数で交渉にあたる、安易な約束をしないという基本的なテクニックはあるが、いくら話をしても相手が不当な要求を引っ込めないのなら「対応を顧客満足からリスクマネジメントにチェンジする」(援川氏)、すなわち弁護士や警察と連携して持久戦に持ち込む手段を視野に入れなければならないだろう。この段階では、解決を急ぐ必要などないそうだ。

アメリカなどではクレーム対応を非常に割り切っていて、例えば購入した品に問題があると連絡があった段階で「本当に欠陥があるのか」「どこに問題があったか」等々余計な調査など抜きで無条件に交換してもらえる、そしてそれで引き下がればいいですがさらにそれ以上の過度の対応を求める場合には「一銭を越えた」と判断され専任のクレーム担当者に引き継がれ「問題顧客」として扱われるということをやっているようです。
一見すると「何でもかんでもクレームをつけて新品に交換してもらいたがる顧客が増えるんじゃ?」などと言う気がしてコストがかかりそうにも思えるのですが、実際にはこの方が安上がりかつ素人の多い現場スタッフの労力も省けるという考えもあるようで、当然ながらそうした交換コストに関しても商品の価格に含まれているということなのでしょう。
日本では基本的に顧客に対しては性善説で対処するのが普通で、「きちんと誠意を持って対応すれば必ずご理解いただける」「苦情を言ってくれるお客様はありがたいと思いなさい」などと言った社員教育がごく一般的に行われてきたと思いますが、問題なのはそうした対応が当たり前であるということを認識した上で逆手に取るタイプの方々が一定数いらっしゃると言うことです。
人間誰しも環境に適合して行動パターンを形成していくものですから、こうしたモンスター(またはその予備軍)もかつてちょっと言い過ぎか?と思いつつも過度なクレームを付けたことがあった、すると普通では得られないはずの利益が得られたという「成功体験」があるからこそクレーマー化していったのだとすれば、どこかの段階で適切なクレーマー対応に切り替えられなかった店舗・企業側にも育ての親としての責任があるとも言えますよね。

怪しいものは何でも問題顧客扱いというのも顧客側からすると腹立たしいのは当然で、先日はファーストフード店で店員らと店外での付き合いを行っていた顧客が陰で店員からストーカー呼ばわりされていたと裁判所に訴え、結局高裁で「店員に適切な指導をしなかった」と会社側に対して見舞金的な少額賠償を命じる判決が出た(恐らく訴訟経費からすると赤字でしょうが)と言う件が報道されていました。
この事件なども顧客と店員という言わば身分格差を笠に着て店外でまでも付き合いを強要していたともなればこれは問題顧客と言えそうですが、店員と顧客との間に個人的関係が出来てしまうことも決して社会的に見れば少ないことでもないだけに、状況が判らない限りどこからが悪いのかということは一概には言えないですよね。
ただ店員の側は嫌がっていて不当な要求だと思っていた、それなのに立場上はっきりと拒否することが出来ずつい店外までも付き合いを強いられていたのだとすれば、そうした顧客としての範疇を逸脱した行動に対して組織としてきちんと対応をしなかった会社側にはスタッフを守る義務を果たしていなかったとは言えるかも知れません。
結局のところ最大公約数的に言えるクレーマー対策としては個人対個人の勝負に持ち込まれては大変なのであくまでも組織としてきちんと対応すること、そして理不尽な要求を突きつける顧客を守ってスタッフを切り捨てるようなことがないようすることが必要になりそうですが、むしろ今の時代の雇用関係では顧客トラブルを起こしたスタッフをどんどん切り捨てて使い潰しかねない気がするのは自分だけでしょうか?

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2013年12月10日 (火)

生殖医療 事実が先行する難しさ

最近の生殖医療の進歩は大変なものがありますが、医療面だけから考えてみても保険診療の範囲外であるだけに皆保険制度による縛りもないまま各地で自由に行われているところがあって、これに法的裏付けなどまで考え始めるとなかなかに対処が難しいだろうとは想像できますよね。
ただ日進月歩で技術が新しく改良され開発されていく中で、産みたいという当事者の声に応える手段が存在するのにそれが出来ないということであれば不妊治療を担当している先生方にとっても大いにストレスだろうと思いますが、先日産科学会からこうした新しい技術についてかなり抑制的な立場を取っていることを示す見解が公表されたようです。

産科学会「代理出産原則禁止を」 法整備に向け意見確認(2013年12月7日日本経済新聞)

 日本産科婦人科学会は7日、受精卵を第三者の子宮に入れて出産してもらう代理出産を法律で原則禁止すべきだとの意見をまとめたことを定例記者会見で明らかにした。生殖医療に関する法整備を検討している自民党プロジェクトチームからの審議要請を受け、従来方針に変更はないことを確認した

 女性に生まれつき子宮がない場合などに限って臨床研究として行う余地を残すかどうかは「国会で慎重な議論をしてほしい」とした。

 法律の規制対象は、代理出産のほか、第三者から卵子や精子の提供を受けて実施する体外受精などに限定すべきだとした。現在広く行われている夫婦間の人工授精や体外受精は、今まで通り学会の自主規制に任せるよう求めている。

 同学会はまた、がん治療で卵巣機能が失われる女性患者の卵子凍結保存に関する会告(ガイドライン)案を策定、実施施設などの規定を盛り込んだ。将来の妊娠に備えた健康な女性の卵子凍結については「医療行為ではない」とし、ガイドラインは作らない。ただ、社会に広まる可能性があるため、実施時の適切な説明や件数の報告などを会員に要請する方針。

 卵子凍結は日本生殖医学会が11月に指針をまとめ、産科婦人科学会にも対応を求めていた。〔共同〕

卵子凍結保存:産科婦人科学会 実施報告義務付ける指針案(2013年12月8日毎日新聞)

 ◇健康な女性については「医療行為」と認めず

 日本産科婦人科学会(日産婦)は7日、がんや白血病などの治療によって卵巣機能が低下する恐れのある女性患者が、将来の妊娠に備えて実施する卵子や卵巣組織の凍結保存について、実施施設に報告を義務付ける会告(指針)案を発表した。関係学会との調整などを経て、来春以降の総会で決定する。また、健康な女性が将来の不妊に備える卵子凍結については、医療行為として認めず、注意点のみをまとめることにした。

 指針案では、卵子採取が治療に影響を及ぼさないよう、病気の主治医の了解を得ることや、凍結卵子を使った体外受精で出産できる確率や問題点を患者に説明すること、患者が未成年の場合は成人後に改めて保存継続の同意を文書で得ることなどを求めた。実施施設は、日産婦に生殖補助医療実施施設として登録し、生殖医療専門医が常勤していることを条件とし、実施状況の報告を義務付けた

 健康な女性の卵子凍結については「医療とは考えにくい」として学会員が必ず順守すべき指針は作らない。ただし、実施した女性が不利益を被らないよう、実施にあたっての注意点をまとめる。

 卵子凍結を巡っては、日本生殖医学会が11月、がん患者らの実施と、健康な女性の実施について指針をそれぞれ策定した。本人への説明の徹底を求めるとともに、健康な女性には40歳以上での採卵を推奨しないなどの内容を盛り込んだ。【須田桃子】

代理出産問題に関してはかつてこれを実施した施設が除名処分になるなど産科学会は厳しく反対する立場を続けていますけれども、学会に除名されたからといって医療活動に差し障りがあるというものでもなく、現状では当事者と産科医との間の交渉によって細々と実施されているというのが国内での状況であるようです。
一方で海外では法律等である程度代理出産を認めるという立場を取る国々も出ていることから海外渡航して代理母を求める方々の方がずっと多いと言いますが、しばしば問題になる代理出産時の戸籍の問題なども海外であれば実子ですと申告すれば済む話ですが、国内ではどのように扱うべきかという法律すら制定されていないのが現状で、しかも同学会や日弁連の強い反対で議論自体進んでいないようです。
今回の自民党のプロジェクトチームから出された話はこうした法律と現状との乖離を法的に是正し親子関係を救済するという方向での話かと思いますが、当然ながら「法的に認めたりしたらますます代理出産が増えるじゃないか!」と言う反対論も根強く出るでしょうし、これだけきっぱりと認めないと言われたのでは学会権威筋からの「お墨付き」を得るのはちょっと無理っぽいでしょね。

手技的に見れば代理出産と体外受精との間にさしたる違いはないのだろうし、むしろ自然妊娠出来ないような条件の悪い母体に無理をして産ませるよりも若く健康な他人にお任せした方が安全という考えもあるでしょうから、実際のところ「代理出産は他人に余計な危険を負わせる非人道的な行為だ!」式の反対論というのはほとんど聞いたことがありません。
産科医の側としても長年「お産は病気ではない」と言ってきたところですから今さらお産自体の危険性を強調して反対の論拠にはし難いところでしょうが、それもあって指摘される問題点としてはいわゆる人倫的諸点の他は子の権利に関わる法的な問題など実務レベルの話がほとんどですから、それならシステムをきちんと整えてやれば問題解決に大いに役立つだろうに…とは感じますよね。
むろん学会の立場としてそもそも代理出産を認めるつもりはないのだから、それに対して促進的に働くいかなる行為にも協力するつもりはないのは当然でしょうが、国内で代理出産を望みながら断念せざるを得ない虚字希望者と、その意をくんで法的体制整備に動いている政治家の立場から見ると何とも釈然としないところではあるかも知れません。

その代理出産と比べると「やりたければ勝手にやれば?」的にやや放任された印象のある卵子保存ですけれども、これは保存する行為そのものについては別に人倫上の問題は発生せず、純粋に技術的な話に限定されているという事情があると思われ、当然ながら学会側として規制をかけるとすれば採卵よりもそれをどう使うかの側になってくるんじゃないかと言う気がします。
凍結保存の実施施設に報告を義務づけるというのはもちろんそうした管理の一環として出てきた話なのでしょうが、実際問題として長期保存となるとどこまで確実に保存が行われるかと言う懸念は当然に出てくるわけですから、報告させる以上は何かあれば学会の側にも一定の管理責任を問われることになると言うことも考えられますよね。
そう考えると健康な女性の卵子保存には一切義務規定を設けないというのはなかなかに意味深にも見えてくるところで、そこらの怪しげな施設で高いお金を無駄遣いすることになっても我々は知りませんよと突き放した形にも見えるのですが、おそらく将来いずれかの時期に「保存した卵子を使おうと思ったら施設がもうなかった。どうしてくれるんだ」と言った式の紛争は発生することになるんじゃないかと思います。
近年では怪しげな美容整形に関わるトラブルも各地で報告されているように、やはり一定の質的担保がなければ利用者としても高いお金を出して一生に一度の頼み事をするのは不安でしょうから、国を挙げて少子化対策を推進している中でこういうところに質的な担保を与えていく方策を用意するのも学会の重要な仕事ではないかという気がしますけれどもね。

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2013年12月 9日 (月)

特定秘密保護法で医療は崩壊する!?

先日はいわゆる特定秘密保護法が両院を通過して成立したわけですが、いわゆる市民団体等々の方々を中心に反対運動が盛り上がっていた中で、各種医療団体が反対の声を上げていたことをご記憶でしょうか?
何となく国家機密に関わるような遠い世界の話のようにも思えるこの法律ですが、回り回って医療現場にもそれなりの影響があるかも知れないという懸念を抱く方々が相応にいらっしゃるということで、まずはこちら某御高名なる大先生の主張から取り上げてみましょう。

「医療の根本崩壊も」 国主導の情報操作に懸念(2013年12月6日東京新聞)

◆県済生会栗橋病院院長補佐 本田宏

 国民の「知る権利」やプライバシーを侵害する恐れがあると指摘されている特定秘密保護法案が五日、参院の特別委員会で強行採決された。「特定秘密保護法案に反対する医師と歯科医師の会」を設立し、医師として反対を表明してきた県済生会栗橋病院(久喜市)の本田宏院長補佐(59)は「薬害エイズのような命に関わる情報が公表されなくなる危険性がある」と国主導の情報操作に強い懸念を示している。 (増田紗苗)

 「憲法の定める基本的人権と平和を脅かすものであり、命の最前線で仕事をする私たち医師、歯科医師はこれを見過ごすことができない」-。与党の強硬姿勢で同法案が成立へと進む中、本田医師たちは三日、インターネット上で法案の反対を訴える声明を発表した。

 本田医師が訴える思いの底には、第二次世界大戦中に医療が国策として人体実験などに利用された負の歴史がある。「医者は患者の権利を守らなければならないというのが先の大戦で得た教訓だ。しかし、このままでは医師が『特定秘密の取扱者』として患者の病歴や治療歴の提供を強制される恐れがあり、国策に利用される可能性をはらんでいる。患者に危害が及び、医療の根本を崩壊させかねない、とんでもない法案だ」と語る。

 本田医師は、医療環境を充実させるために医師数の増員や医療費の増加を国会やメディアで訴え、医療費を抑制しようとする国と対立してきた。同法の成立により「何が特定秘密なのか分からず、国の都合の悪いことを訴えると、同法に抵触しているとして取り締まられる恐れがある」と強い危惧を抱く。

 さらに、本田医師は市民の責任についても言及した。

 「歴史は繰り返す。市民の知らない間に戦争に突入していたように、憲法九条があるから大丈夫と思っていたらもう遅かった、ということになりかねない。今回の法案も、選挙で自民党が圧勝したときから予想できた流れだ。『世界最大の悲劇は、善良な市民の沈黙と無関心だ』というキング牧師の言葉を今、思い返さなければいけない」

ちなみにこれまたマスコミに盛んに登場される某精神科医の方は「秘密保護法に反対してる人がみなキライだからきっと良い法律なんだろ、という意見をネットでよく見る。反対を語れば語るほど逆効果になるくらい嫌われてるちゅうことを、私を含めたいわゆるリベラル派は考えてみなきゃ。」と身も蓋もないことをつぶやいて話題になったそうですが、ともかくも大先生の主張ではどこか抽象論、観念論めいていて具体性が感じられません。
実際のところ医療にどんな直接的な影響があるのかと言うことがメディアでも少しずつ取り上げられるようになっていますけれども、基本的にはいわゆるスパイ行為を働いた個人に対する調査の過程において、医療現場に課せられた守秘義務との絡みでどこまで答える義務があるのか?ということに焦点が当てられているようですね。
昨今は論文や学会発表などでも何かと面倒な手続きが必要とされるなど世界的に医療の守秘義務ということがうるさく言われる中で、これは時代に逆行する話ではないか?という懸念は当然出されてしかるべきだと思うのですが、先日「立ち去り型サポタージュ」で有名な小松先生がこの点に関してこんなことを書いています。

特定秘密保護法案:医師に情報回答義務はあるのか/小松秀樹(2013年12月4日医療ガバナンス学会)

●報道
2013年12月3日の毎日新聞は、「特定秘密を取り扱う公務員らに対する適正評価について、行政機関から照会を受けた病院は回答義務が生じるとの見解」を政府が示したと報じました。

「内閣官房の鈴木良之内閣審議官が参院国家安全保障特別委員会での法案審議で『照会を受けた団体は回答義務がある』と述べた。共産党の仁比聡平氏が『病院 に調査があったときに回答を拒むことはできるか』とただしたことへの答弁。仁比氏は『患者は主治医を信頼して話せなくなる』と指摘した。法案の12条4項 は、特定秘密を扱う公務員らが適任者か判断するため、『公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる』と規定しているが、病院などの団体側 については義務規定がない。鈴木氏の答弁は、政府がこの条文を事実上の『義務規定』とみなし、医師らに情報提供を強要する可能性があることを認めたもの だ。」
(略)

法律で照会できると規定されていても、漫然と回答することが許されるわけではありません。弁護士法23条の2は、弁護士会が弁護士の求めに応じて、「公務 所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる」としています。犯罪歴を報告したことが、最高裁で、過失による違法な公権力の行使にあ たると判断された事件がありました。解雇事件を会社側から受任した弁護士の求めに応じて、弁護士会が「中央労働委員会、京都地方裁判所に提出するため」と して、京都市の区長に係争相手の前歴を照会しました。区長が前科を報告したところ、会社側が前科を公表し、経歴詐称を理由に予備的解雇としました。犯罪歴 は個人のプライバシーでも最も重要なものであり、みだりに公開すべきものではありません。報告することが必ずしも必要だったわけではないとして、違法とさ れました

法案が成立した場合、司法はどのように関与できるでしょうか。医師が回答を拒否した場合、罰則があれば、司法に持ち込まれる契機になりますが、罰則はつい ていません。あいまいな強制力で争点を生じさせないようにすれば、司法の場に持ち込まれにくくなります。適正評価の対象となっている個人が、医師や医療機 関を訴えることは考えられません。勝訴することが、本人のメリットにつながらないからです。
三権分立は権力の暴走を防ぐための仕組みであり、健全な国家運営に必要なものです。照会・回答は、人権に関わる問題であり、司法による判断が重要な領域です。司法をできるだけ排除しようという意図があるとすれば、危険だと言わざるをえません。
(略)

医療分野でかねてから問題になっていることの一つに「患者が明らかに犯罪的行為に関与していることが疑われる場合において、それを警察等に通報することは守秘義務違反にならないか?」と言う問題があって、例えば違法薬物の使用が疑われる場合や昨今話題のDVが疑われる場合など、多くは確実な物証がないこともあって患者との信頼関係との兼ね合いで頭を悩ませるケースが多いのではないでしょうか?
とりあえずは警察や検察といった司法の側から令状を持って来た場合にはもちろん協力するのにそう躊躇することもないでしょうが、今回のケースがそれに相当する扱いになるのかどうかは秘密保護法による照会にどの程度の法的拘束力があるのかと言うこととも絡むことで、令状に相当する明確な権威の裏付けもないまま当時者の独断でほいほいと照会されても正直困るなと言うところではないかと思います。
平成16年に厚労省が「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」と言うものを公表していて、その中には「他の法令等との関係」として「医療・介護関係事業者は、個人情報の取扱いにあたり、法、基本方針及び本ガイドラインに示す項目のほか、個人情報保護又は守秘義務に関する他の法令等(刑法、関係資格法、介護保険法等)の規定を遵守しなければならない」と定めています。
文字通りに解釈すれば他の法令で規定があるのならそちらに従ってねということになるかと思うのですが、そもそも前述の記事にもあるように医療施設の義務規定としては法に明記されたものではなく、単に法案審議の過程において出た一答弁で「政府がこの条文を事実上の『義務規定』とみなし、医師らに情報提供を強要する可能性がある」と解釈されているだけという、いささか曖昧なものになっているのが気になりますよね。
現実的には法律において罰則規定がないという点ではいわゆる応召義務と同じことで、小松先生も書いているように答えたからと言って当事者から訴えられるという性質のものでもないとは思いますけれども、何とももやもやした印象が残るところではあります。

実際のところこうした情報提供によって「患者に危害が及び、医療の根本を崩壊させかねない」かどうかですが、当面多発しそうだと考えられるのは例えば機密を扱う立場に立つ者が違法薬物を常用しているかどうかやある種の精神疾患に罹患しているかどうかなと、そうした職務に携わることが適切であるかどうかを医学的に問われるといったケーズではないかと想像します。
ただ現段階においても毒物劇物取扱責任者資格などのように「心身の障害により毒物劇物取扱者の業務を適正に行うことができない者」や「麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者」などを欠格事項で排除しているケースは多々あり、そうした場合には薬物中毒ではない云々の診断書(個人情報)提出を求められているわけですから、秘密保護法絡みのケースだけ特別視して個人情報は一切出さないというのもおかしな話に聞こえます。
実のところ近年の個人情報保護重視という流れの中でこのあたりの個人情報提供は非常に微妙な問題となっていて、そもそも患者が事実を素直に話しているという保証もない以上そんな診断書そのものに意味があるのかという議論もあって、各施設とも顧問弁護士と相談しながら「本日医師が診察した限りではそうした徴候はない」云々と非常に腰の引けた注釈を添えて誤魔化している場合もままありますよね。
そう考えると無届けてんかん患者による事故で運転免許更新手続きの不備が問題になったように、むしろ国家機密に関わるような重大な判断において医療機関からの情報提供にそこまでの信頼性があるものだろうかと言う点の方が気になるくらいで、問い合わせをした側も嘘でもないが本当とも言い切れないと言った感じの情報提供を前に判断に迷うことになるんじゃないか?と言う気がしないでもありません。

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2013年12月 8日 (日)

今日のぐり:「荒木屋」&「神門」

先日はこんなCMが話題になっていたのですが、ご覧になりましたでしょうか?

【視聴注意】タイヤ通販サイトの動画CMが怖すぎてネットユーザー阿鼻叫喚! 海外にも衝撃与える(2013年12月4日ロケットニュース24)

あらかじめお伝えしておきたい。この動画は本当に閲覧注意だ。動画の説明にも「心臓の弱い方は視聴をご注意ください」と注意書きをしているほど、衝撃的な映像である。職場や電車内、食事中の視聴は控えた方が良いだろう。
この動画は、タイヤの通販サイト「オートウェイループ」が公開しているものである。冬用タイヤのPRを目的としたCMのはずなのだが……。ギャーーーーッ! ビビった!! マジでビビったーーッ! なんだよコレッ! と日本だけでなく、海外のネットユーザーの間でも戦慄が広がっている。
動画はわずか42秒のものだ。雪道を走行している車のなかを再現した映像。走行していると、その先には……。これを見たネットユーザーは次のように反応している。

・ネットユーザーの反応

「ぎょえええええええ!」
「日本人はコマーシャルをプロデュースするかを知っている」
「今まででもっともイカれてて、恐ろしいタイヤのCMかも」
「ガチで怖かった」
「何だよコレ」
「久々にドキっとした」
「意地の悪いCMだな」
「めっちゃ怖い」
「今まで見たタイヤのCMのなかで一番だ」
「これは危険なコマーシャルだな」
「なぜ怖いだろうとわかっていても、見てしまったんだ……」
「気を付けろ」

・謝罪の言葉

動画には、最初の注意書き以外、英語の説明はついていない。しかし海外のネットユーザーにも、動画の衝撃は確実に伝わっているようだ。ちなみに映像の最後には、「いきなりビックリさせてごめんなさい」と謝罪の言葉が表示される。少なからず、イタズラ心からこの映像を公開した意図があったようである。
なお、「雪道コワイと思った方はコチラをClick」をクリックすると、同じ映像が拡大表示されるので、うっかりクリックすると再び衝撃を受けることになるので、注意が必要だ。繰り返すが視聴する際には十分に気を付けて頂きたい。

参照元:YouTube

怖いと言うよりもびっくりしますけれども、しかし実際にこうした脅威に遭遇するリスクを考えるとやはり早めのタイヤ交換が必要と言うことなんですかねえ?
今日は雪道の怖さをより深く学習するためにも、世界中から「それはちょっと本来の意図とは…」と思われる広告宣伝の数々を取り上げてみることにしましょう。

【衝撃動画】最後まで見てびっくり! ボルボのティーザーCMに出ているジャン=クロード・ヴァン・ダムがマジですごい!!(2013年11月18日ロケットニュース24)

世界的なアクション俳優として活躍する、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが出演しているCMが世界中で話題になっている。彼は、俳優であると共に格闘家としても知られている屈強な男だ。

彼はスウェーデンの「ボルボ・トラック」のティーザーCMに出演したのだが、その内容が衝撃的というよりほかない。穏やかな歌声のアイルランド歌手、エンヤのBGMが流れるなか、ヴァン・ダムは腕組みをして静かに目を閉じている。しかし彼が立っている場所は……、見えいるだけでブルブルと身震いがしてしまう!
・高性能なステアリング技術

ボルボの新CMは、「ダイナミックステアリング」をPRするためのものだ。これは従来のステアリング技術と異なり、スピード・積載量・路面条件に左右されずに、大型トラックの正確なステアリングを実現するという。
・ヴァン・ダムが立ってるその場所は……

それを証明するための動画だ。ヴァン・ダムが立っている場所というのは、実は2台の大型トラックの間である。しかも停車している訳ではなく、走行しているのだ。もしもトラックがハンドル操作を誤れば、大けがでは済まない。もしかしたら、命を落とす危険性さえある。
・まだあった! 衝撃的な秘密

だが! 驚くのはまだ早い。最後の最後まで見ると、もうひとつ衝撃的な秘密が隠されているのだ。まさか、そんなことになっているとは!! ヴァン・ダムすげぇえええ! ボルボ・トラックもすげぇえええ!! ぜひ最後までご覧頂きたい。きっとマジかよ!? となるはずである。

参照元:YouTube

▼こちらは撮影前の打ち合わせ。快諾するヴァン・ダムはすごい

Volvo Trucks - Teaser Live Test 6

いや確かにすごいけれども!このCMを見てボルボトラックすげえ!と思った人はたぶん全世界を見渡しても多くはなかったのではないでしょうか?
ネットの発達のせいか最近では比較的珍しくなったある種の裏広告と言うものですけれども、意外なところで意外な結果に結びついているというニュースがこちらです。

警察署長にわいせつDVDカタログ送付で通販業者逮捕(2013年9月21日スポニチ)

 大阪府警生活環境課は20日までに、わいせつ電磁的記録媒体有償頒布目的所持の疑いで、通信販売業「フラワー」の責任者の男(27)=大阪市城東区=ら従業員6人を現行犯逮捕、関係先からDVD約28万枚やED(勃起不全)治療薬を押収した。

 生活環境課によると今年5月、府内の警察署に署長の個人名宛てで、わいせつDVDなどの販売カタログが届き発覚。署長に心当たりはなく、宛名に警察をうかがわせるような表記はなかった。住所も最後の号数を示す数字が抜けており、警察署の所在地と微妙に異なっていたという。それでも、警察署の住所に極めて近かったため届いたようだ。

 府警は「誰が送付したのかはこれからの捜査です」としたが、業者は警察署長とは知らずダイレクトメールを送付してしまった可能性が高そうだ。

 逮捕容疑は18日午後、大阪市浪速区のビルにあるフラワーの事務所で、わいせつDVD3枚を販売する目的で所持していた疑い。

 現行犯逮捕された6人のうち、従業員の女(24)については、関与が薄いとして釈放、任意で事情を聴く。

商品が商品だけに関与が薄いという従業員の女の関与ぶりが気になるところですけれども、しかし今時まだこういう仕事をしているというのも驚きですが、果たして商売になるものなんでしょうか?
共産圏では何かとノルマが厳しいと言う話は聞きますけれども、いくら何でもそのやっつけぶりはないだろう?と言う職務精励の宣伝写真がこちらです。

【ねつ造】中国行政の視察写真がどう見てもフォトショ加工! 雑すぎると話題に / ネットの声「フォトショ職人を雇うべき(笑)」(2013年10月30日ロケットニュース24)

以前、ロケットニュース24では、中国の役人が行ってもいない視察の写真をねつ造、しかし画像加工が雑であったため盛大にバレて市民から批判を浴びた件をお伝えした。
あれでもう懲りたかと思いきや、今回、またまた視察写真のねつ造疑惑が持ち上がり注目されている。今回は100歳の高齢者への訪問だったのだが、なんと役人の体はスケスケ! さらに一緒に写っているおばあさんの体が小人サイズと、やはり素人でもわかる雑な仕事なのである。

・副市長らが高齢者を訪問

この写真を掲載したのは安徽省にある安徽寧国民政局のサイトであるそうだ。そこには、副市長らが100歳以上の高齢者を訪問した記事が掲載されていた。高齢者の話に耳を傾ける地方官僚。そんな心あたたまる写真のなかに、1枚、おかしなものがあった!
(略)

・中国のネットユーザーの声

「クッソ笑った!!」
「なんだ、ネタか?(笑)」
「これこそ中国官僚の姿。恥なんて概念はどこにもない」
「失敗したフォトショ加工」
「ヘタだなぁ」
「この画像を作った人は大丈夫か?」
「そのうちフォトショのスキルが採用要件になるんじゃ」
「フォトショ職人を雇うべき(笑)」
「中国フォトショ職人のみなさん~!! いい就職先がありますよ」
・訪問自体は本物?

サイトには、この疑惑の写真のほかに、数枚の写真が掲載されていたそうだ。それらは光や人物の大きさなどどれも自然なもの。ネットユーザーの間では「訪問自体は行なわれたのではないか?」と、見ている人もいる。だが、副市長と高齢者が一緒に写っている写真がどうしても必要だったため画像加工したのではないか、とささやかれている。
真偽のほどが気になるところだが、中国メディアによると、この件について安徽寧国民政局は「お答えできません」としているそうだ。

どこがどう問題なのかは是非とも元記事の写真を参照いただきたいと思いますけれども、先日は北朝鮮の公式写真も修正入りすぎ!という記事が出ていたくらいで、何かと大変な状況ではあるのでしょうがねえ…
よいCMとは言語に依存しないで誰にでも理解出来るものだとすれば、これはなかなかによいCM…なんでしょうかね?

【海外:エジプト】パンダ・チーズのCMがシュールすぎると話題(2013年12月2日日刊テラフォー)

パンダと言えば可愛さの象徴でもあるが、このCMに登場するパンダは、カワイイけれど、どこか薄気味悪く、さらに従来のパンダの和み系のイメージを見事に覆して話題となっている。
『パンダ・チーズ』とは、アラブ・デイリーというエジプトに拠点を置く会社が販売しているチーズ製品で、クリームチーズやおやつチーズなど、様々なパンダ・チーズ製品がある。
パンダが登場する話題のCMは、2010年から放送が開始された。その後人気は急上昇で、シリーズ化されて様々なシチュエーションのCMが制作された。
どのシチュエーションも、コンセプトは一貫している。
『パンダ・チーズを拒む者は、許さない!』

例えば、子供の誕生日パーティバージョン。
バースデーケーキを前に目を輝かせながらバースデーソングを歌う子供達の後ろで、父と母がひそひそ話している。
「アナタ、子供達にパンダ・チーズ買ったの?」
「いや、買ってない。必要ないだろ。こんなに食べ物があるんだから。」
するとそこへ音もなく現れたのがパンダ。くりくりした目で、無言で子供達と家族を見つめている。可愛いけれど、首がないせいか、どことなく薄く見悪くもある。
その予想を裏切らず、このパンダは普通の可愛いパンダとはまったく違う行動を起こす。パンダ・チーズを拒んだ者には容赦ない。
無言のまま、おもむろに子供の前にあったケーキを持つと、思いっきり壁に投げつける。もちろん、ケーキは台無しだ。子供達は茫然としている。
そして最後に、パンダ・チーズと共に、
「子供でも容赦しない!」
とアナウンスがはいる。

YouTuneで公開されているCMはすべてアラビア語なので会話は理解しにくいが、パターンはすべて同じなので、言葉が分からなくても、なんとなく内容は理解できる。
パンダの可愛いさと、物を投げたり破壊したりする凶暴さのギャップが、実にシュールだ。

Top 7 Panda Cheese Commercials

いやだからパンダこええよ!というなかなかにとんでもないCMなんですけれども、それでも最後は改心した?親子を見逃してくれるだけの情はあるということなんですかね。
最後に取り上げますのは一体何のCMか?と思うようなとんでもないものなんですが、まずは記事から紹介してみましょう。

6人の男性が「チングルベル」を演奏するちょっと下品なCMが大反響 / これをどう思うかで人の性格が分かるとの声も(2013値年11月25日ロケットニュース24)

クリスマスが1ヶ月後に迫り、そろそろ街ではクリスマスソングが響き始める頃だ。そんな中、6人の男性がアソコを振って「チングルベル」を演奏するCMが大反響を呼んでいるのである。「不快!」、「笑える!」と意見が分かれ、このCMの感想で性格が分かると話題になっているのだ。さて、あなたはこれを見てどう思うだろうか?
このCMは動画「Show Your Joe Boxer – Kmart TV Commercial 」で確認可能だ。

・斬新なCMが賛否両論

問題となったのは米大手スーパー、Kマートが手掛けたCMで、ジョー・ボクサー(Joe Boxer)と銘打った下着の宣伝用に製作されたものだ。
(略)
CM放送が始まって以来、Facebook の Kマートページに賛否両論の書き込みが殺到。以下が視聴者の意見である。

「すぐにCM放送を中止しないと、二度とKマートには行かない!」
「私は面白いと思うわ。文句をつける人は笑いのセンスがないのね」
「正直ギョっとした。クリスマスはキリストの誕生を祝う日なのに、クリスチャンとしては冒涜された気分だ」

と、このCMの感想で性格が分かるとの声が上がっている。

・Kマートは謝罪

あまりの反響の大きさにKマートの代表者が、「もし、このCMのせいで不快な思いをされた方がいましたら深くお詫び致します。そんなつもりで、このCMを製作したわけではありません」と謝罪を表明した。しかし、CMの放送を停止するつもりは今のところないようだ。
個人的には笑えるCMだと思うのだが、視聴者にインパクトを与えて宣伝効果を上げたい、との狙いが裏目に出てしまったのかもしれない。

まあしかし元宗主国ならともかく、何かと放送コードには厳しいと聞く植民地人がこのようなはっちゃけたCMを流してしまったという努力は認めるべきなのでしょうかね?
日本でも先日はキノコのCMが下品だとして放送中止に追い込まれましたが、正直こういうお下劣系のネタほど子供には大人気なんですよね…

今日のぐり その一:「荒木屋」

出雲大社界隈では知らなければモグリと言うくらいの老舗の名店ですけれども、最近どうもやたらと混んでいるようでこの日も開店前から行列待ちというのは利用者からすると微妙ですよね。
ちょっと表通りから外れにあって知る人ぞ知る感があり、実際食べて見ても蕎麦もうまいのがポイントかと思うのですが、全くスタイルの違うお隣のかねやさんと食べ比べてみるのもいいと思います。

いわゆる盛りというのはないのですが、割子を頼んでもちゃんと薬味は別添えにしてくれますのでこの時期特にありがたいものです。
こちらの蕎麦は蕎麦屋風に細く打ってあるんですが、方向性としてはやはり田舎蕎麦の範疇に入るのでしょうか、とは言え田舎蕎麦らしからぬしっかりした蕎麦らしい切れのある食感が楽しめるいい蕎麦ですよね。
しかしこれだけお客が殺到しても湯で加減もばっちりなのは無論、こういう水の切れない器だけに水切りが完璧なのはありがたいと思いますし、うまいそばを食べたなあという感じもそうですがいつ来ても味のブレなさに脱帽するしかないですよね。
盛りとして食べるとやや甘口で薄目のつゆも出雲蕎麦の個性と言うものでしょう、湯のみに盛り切りの蕎麦湯はナチュラルタイプのものですが、さすがにこれだけお客が入るといい頃合いの加減になっていました。

ところでここでも地元名産の「のやきかまぼこ」を板わさとして出しているようで、これを見ると蒲鉾と竹輪の違いとは?などと考えてしまうのですが、もともとの歴史を考えると竹に巻き付けた様子が蒲の穂に似ていることから「蒲鉾」の名がついたと言うくらいで、こちらの竹輪型の方が本来のスタイルだと言いますね。
ともかくも改装で入口周りが小綺麗になってトイレも充実していて子供やお年寄りにも入りやすいですし、味も外れがないということで混まなければ必ず立ち寄っておきたい店なんですけれども、よほどに時間帯を外さないと近頃では入りにくいというのが難点ですかねえ?
接遇面では多忙ながら手慣れたもので回転はいいのですが、これから冬の時期に入ってきますと外で長時間待つのも大変になってくるだけに、保温の設備を用意するなり電話呼び出しに対応するなりしていただければなお利便性が向上するのではないかという気がします。

今日のぐり その二:「そば処 神門(ごうど)」

出雲ドーム近所の、いわく言い難い場所にあるのがこちらのお店で、出雲の蕎麦屋としては新興勢力ですけれどもなかなかに立派な蕎麦を食べさせてくれる店だと認識しています。
もちろん割子もあるんですが全体には蕎麦屋風のメニュー体系で、今回まずはせいろそばを頼んでみました。

こちらの蕎麦は荒木屋よりわずかに太く、よく見るスタンダードな出雲そば的な見た目に近いもので、これもしゃっきり切れ味のあるいい蕎麦なんですが湯で加減や水切りなど荒木屋と比較してみるとわずかに半歩譲るか?とも感じましたが、まあ日差レベルでしょうか。
こちらの場合蕎麦つゆは蕎麦屋風に辛口なんですがさほど返しは濃くはなく、かなりたっぷりつけて出汁の味を感じながら食べるという感じですね。
蕎麦湯は濃度的にはナチュラルに近いものではありますが開店直後の割には少し濃いなあと感じると言う程度で、まあいずれにしてもさほど気になるものではありませんし、薬味などもなかなかに綺麗に整えられていて好印象ですよね。
関係ないですがこちらの場合、食べ終わったせいろの膳を下げる時も蕎麦湯と一緒に蕎麦つゆの徳利も残してくれた時には妙にほっとしました(苦笑)。
ちょいとメニューを見ていて気になった天ぷらそばもいただいて見たのですが、こちらは食べてはうまいが飲むと辛いというこれまた蕎麦屋っぽいつゆの味で、やはり蕎麦つゆに関してはこっちの方が雰囲気は出る気がしますね。
これはこれで楽しめるんですが、食べ比べて見るとここの蕎麦だと冷たい蕎麦の方が合うかな?と言う気もしましたけれども、それ以上に気になったのがトッピングで、硬めを意識しているっぽい揚げたて天ぷらですがやはり途中で煮溶けてしまい原型を留めません。
こういう溶けることが前提の天ぷらなら海老天よりもかき揚げのほうが好みなんですが、まあ天ぷらとしてはいい具合ですし天ぷら好きならかけにして別枠で頼んだ方が幸せになれそうですかね。

トイレは今時の店としては少し狭苦しさを感じますが小綺麗で設備面も一通り整っていますし、以前にお邪魔したときは駐車場も地元のものばかりだったのがさすがに県外ナンバーも入るようになったあたり、着実に知名度は上がってきているのでしょうかね?
接遇面では少し意外というのでしょうか、今時こういうお店を開くとなるとてっきりこだわり系と思っていたんですが、何か妙に田舎の食堂じみたまったり感のある厨房の雰囲気だったのはまだお客の少ない時期だったからでしょうか、こういう雰囲気の方が気楽でいいですよね。

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2013年12月 7日 (土)

トモダチ大作戦

本日はまたどうでもいいことを書いてみようかと思いますけれども、先日こんな記事が出ていたのをご覧になりましたでしょうか?

会社の机の中に“恥ずかしいもの”があれば要注意!不測の事態に恥をかかないエンディング整理術 (2013年11月13日ダイヤモンドオンライン)より抜粋

(略)
もし突然人生の終焉を迎えてしまったら?

または、余命わずかと宣告されてしまったら?

あなたに万が一そのような事態が訪れても、周囲も自分も困らないための準備はできているでしょうか?
あなたの机の中は、見られては困るものが無防備に放置されていませんか?

残されたご家族は困りませんか?

資産情報やいざという時の連絡先などは整理されていますか?

そして、見られては困るあんなモノやこんなモノは無防備に放置されていませんか?

残された人たちに迷惑をかけない、ご自身も恥をかかなくて済むためには、必ず整理しておくべき諸々の事柄があります!

エンディング整理術は「人生の再スタート」のための整理術でもある

また、このように人生の終焉を想定して行う整理には、死後への備えとしてだけでなく、これまでの人生をいったん整理・棚卸しし、身軽になって再出発するといった「未来をよりよく生きる」ための再スタートという側面もあります。同じ作業でも、本当に老いてからでは、より「死への準備である生前整理」としての実感値が高くなるため、重く暗い気持ちになってしまいがちなのだそうです。

「そろそろ人生折り返し地点?」と意識されているそこのあなた!(私もそうですが)

まだまだ気力・体力共に元気で判断力も冴えた今のうちに、是非準備を始めてみませんか?
(略)

ちなみに続編では「死後に夫の浮気が発覚、義母の中傷日記を発見… 家族をどん底に陥れない家のエンディング整理術」などというこれまたディープな記事も出されているようですけれども、最近「お一人さま」が増え孤独死のリスクが増えているということも反映しているのでしょうか、自分の死後の後始末ということを身近なものとして感じる方が増えているようです。
先年ヒットした「おくりびと」などもそうした世間の風潮があったからこそ切実な問題として受け止められたのかとも思うのですが、特にいわゆるヲタクだの腐だのと呼ばれるディープなマニアの方々にとっては死後の始末が何かと気になるようで、HDDを消去してくれるアプリの利用者も少なくないだとか、携帯やPCをまとめて焼却処分してくれるサービス等々、様々な商売としても成立するようになっているようですね。
非常に面白いのは孤独ということに恐怖を感じることの反映なのでしょうか、死後も人工知能がつぶやき続けてくれるサービスなんてのもあるようなんですが、考えてみるとオンラインのみでつながっている関係においてどこまで本人確認という行為なしで本人同一性が担保されるものだろうかと、何やら怖いような気もしてきます。
ともかくも孤独ということが決して遠い存在ではなくなっている現代社会において、例えばリアルでは単なるヒッキーだがネットでは有名コテハンといったケースを交友関係上どう評価すべきかといった新たな課題も出ているわけですが、先日こんな記事が出ていましたことを紹介してみましょう。

30~40代、「友達ゼロ」は人としてダメか 諸富祥彦・明治大学文学部教授に聞く(2013年11月21日日経ビジネス)
より抜粋

 東日本大震災後、改めて「人と人との絆」の重要性を痛感した日本人。様々な場所で「誰かと繋がること」の大切さが叫ばれ、SNSをはじめ“絆を確認するツール”も世代を超えて大流行している。だが、多くの人が友達作り・友達付き合いに励む一方で、ほとんど友人がいない“孤独者”が社会全体で増えつつあることはあまり知られていない。

 友人の数に関する統計には様々なものがあるが、社会人の平均は10人前後。しかし、いずれの調査を見ても「友達はいない」という層が5~6%は存在する。社会人30~40代、それなりに充実した人生を送り、信頼できる同僚も守るべき人もいるが、「本当の友達」と呼べる相手は極めて少ないか、ゼロ――。そんな人も決して少なくないはずだ。「絆全盛」の今、友達が少ない人は人間としての価値も低いのか。当代きっての人気心理カウンセラーに話を聞いた。(聞き手は鈴木信行)

友達が少ない、もしくはいない人は、ずばり人間として、何らかの“欠陥”があるのでしょうか。
(略)

諸富:いやいや、僕に言わせれば、「誰かと絶えずくっつくことで安心感を獲得し、そうでない人間を排除しようとする人たち」こそ、よほど問題だと思いますよ。「1人の時間を過ごせる力」、言い換えれば「孤独力」は、現代をタフに、しなやかに、クリエイティブに生きるための必須能力で、今からの時代、ますます大切になっていきます。その意味では、ビジネスパーソンに限らず、孤独を愛する人は、人生を充実させるうえで強烈なアドバンテージを持っていると言っていい。

でも現実に世間では、「交友関係が狭いのは悪しきこと」という空気が漂っていませんか。何かというと群れたがり、“孤独者”を許そうとはしない人も多い。職場でも、会社によっては「友達がいない人間は価値が低い」「同僚と昼食を取らない人はどこか問題がある」「単独行動が多いのはわがまま」と認定する価値観が色濃く残っています。

諸富:確かに。その結果として「ランチメイト症候群」みたいな現象も出てくる。

昼食を一緒に食べる相手のいない会社員、特に女性社員が、鬱やノイローゼにまでなってしまう現象のことですね。あれなど、本人や周囲が「友達がいないのは人間として問題である」と思い込んでいるからこそ起きるものでしょう。逆に、「友達は多ければ多いほどいい」とばかりに、部員全員で毎日ランチに行くことを事実上強制され、時間やおカネの浪費に頭を悩ませている会社員も存在します。

諸富:いけませんね。お昼休みぐらい「1人の時間」を作らないと、いいアイデアなんて浮かびません。本当に優れた発想というのは、1人で自分の内面と深く会話している時にこそ生まれるものなんですから。
(略)

なるほど。今の時代、孤独が苦にならない人はちょっとしたニュータイプとも言えちゃうわけですね。ただ、先生、孤独に生きようと思いながら躊躇している人の中には、「あまり他人と距離を置きすぎると、いざという時、誰も助けてくれなくなるのでは」と考える人もいます。

諸富:ああ、それなら心配は要りません。広く浅くの表面的な関係で結ばれた友達が、いざという時に、本当に本気であなたを助けてくれると思いますか。相手が苦しい時に自分の身を投げ出しても何とかしようとする。そうした深い人間関係は、「孤独を知ったもの同士」の間にこそ生まれる。人間は本来孤独であり、それぞれ自分の道を生きていくしかない。そうやって孤独を引き受けた者同士だから分かり合えるための努力をする。孤独を知った者同士だからこそ響き遭える、深い出会いがあるんです。
(略)
諸富:そうです。そうした深い出会いからは「この人だけは自分を見捨てない。どこかで自分を見守ってくれる」と思える人も、数は少ないかもしれませんがきっと見つかるはずです。人間関係に悩んでいる人ほど孤独力を身に付けたら、毎日が爽快になります。
(略)

何やら禅問答のような趣もありますけれども、記事にもありますように友達の定義も人によって様々であるのは事実で、会えばしばしの間親しく語るといった程度で友達と言うのであれば誰しも何人かの友達くらいいるのでしょうけれども、そんな関係は単なる知り合いであって友達ではないと言う考え方もあるわけで、古来「落ち目の時こそ本当の友人が判る」なんて言葉もあるくらいです。
もちろんいきなり刎頸の友なんてものが現れることは稀で、誰しも最初は浅く広くの関係から付き合いがスタートするのですからこうした交友関係も入り口としては重要ですけれども、いわば成功しようが失敗しようがどうでもいいはずの浅い関係がうまく行かないからと過度に頭を悩ませてしまうと言うのはさすがに本末転倒であるように思いますね。
ただ諸富氏の言うこともそれが気にならない、苦にならないという人にはいいんでしょうが、この見解に対する世間の反応を見ると「コミュニケーション不足はネットで満足してる」なんて言い切れる人はともかく、やはり数少ない友人をもっと大事にしておくべきだったと後悔している人もいるというのは、それだけ失って初めて大切さを実感している人が多いということなのでしょう。
ある程度歳がいってしまうと友達を作るのも大変だという声もありますが、やはり傍から見ていても「あなたそれじゃ友達少ないでしょ?」と言いたくなる人が一定数いるのも確かですし、実は友達を作るというのはパートナーを作るとかビジネス上のよい関係を作るといったことと多くが共通するスキルであるようです。

あなたはいくつ思い当たる?友達が少ない人の特徴(2013年11月17日みんなのウェディング)

自分では上手くコミュニケーションを取っているつもりでも、なぜか友達が少ない。
友達を多く作りたいなら、知らず知らずのうちに友達が離れていくようなことをしていないか1度振り返ってみましょう。
(略)

【特定の人とだけ仲良くする】
仲良くなったら深く付き合うけど、1度や2度会ったくらいじゃなかなか心を開かない。
特定の趣味が合う人だけと仲良くする、優しそうな人とだけ話すなど、深く狭い付き合いを望んでいませんか?
大人になったらどんな相手にも合わせられる寛容さは必要です。
人を警戒しすぎず気軽に世間話を楽しめるようになりましょう。

【受け身で自分から動かない】
いつも人の提案に乗っかるだけ、いつも適当に相手に合わせるだけの受け身な人は友達が増えていきません
反応が薄いので一緒にいても楽しいと感じさせる力がないからです。
一緒にいる相手を楽しませるよう、積極的に相手に働きかけられるようになりましょう。

【財布のヒモが固すぎる】
飲み会や遊ぶ時にお金がかかるのを嫌がり、ケチなイメージがついてしまうと友達は誘ってくれなくなります。
一緒に遊んでも「高い」「無駄」などと言われると盛り下がってしまうからです。
節約する気持ちは大切ですが、友達と一緒の時はケチな面を見せないにしましょう。

【人の話を否定する】
友達が何を話しても「いや、◯◯だよ」「でも、◯◯だよね」などと否定的な言葉で話をさえぎっていませんか?
自分は無意識でも、否定された方は嫌な気分になってしまいます。
何でも反論する癖がついていないか、1度振り返ってみましょう。

【自分の話ばかりしたがる】
人がどんな話をしていても、強引に割り込んで自分の話にしてしまう人は友達が離れていってしまいます。
飲み会の後によく考えたら自分ばかり話して話を聞けていなかったということがあったら要注意。
まずは人の話を聞いてから自分の話を適度にするよう心がけましょう。

【説教くさい】
アドバイスと説教は別モノです。
友達にアドバイスするつもりで、つい上から目線の説教になってしまう人は嫌われやすいでしょう。
アドバイスとは対等な立場で解決策を提案することです。
上から目線の言い方になっていないか充分注意しましょう。
(略)

例えば顧客がアドバイスにも何も従わず俺様の言う通りにやればいいんだ!と言うタイプであったり、何を説明しても暖簾に腕押しで理解しているかどうかもはっきりしないだとか、何一つ素直に言うことに従ってくれないなんてことであれば、これは誰しも昨今流行りのモンスターか?と思ってしまいますよね。
医療の世界などでも防衛医療という考えが当たり前のものとなっていて、その基本理念の一つとして「危ない患者には可能な限り関わらない」と言うことがありますけれども、逆に言えば真摯に医療を受けたいと願っている患者であればモンスターペイシェントなどに誤解されないよう、それなりにコミュ力も磨いておかなければならないということでしょう。
その基本はまずは他人の振る舞いを良く観察する、そして「この人は何か感じがいいな」とか「この人のふるまいは不愉快」とか感じたものをよく考えてその理由を理解する、そして良いと感じた行動を取り入れ悪いと思った行動は避けるということの繰り返しになると思いますが、考えてみるとこういう観察と検討、それに基づく修正とはゲームなどでも誰もがごく当たり前にやっていることですよね。

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2013年12月 6日 (金)

レーシック手術のトラブル、にわかに注目を集める

医療事故というものは一定程度は発生し得るものですけれども、先日は非常にシンプルな形での医療ミスと言ってよさそうなケースが報道されていました。

体内にタオル置き忘れ、翌日に再開腹手術 相模原の病院(2013年12月3日朝日新聞)

【山元一郎】相模原市中央区の相模原中央病院(中野太郎院長)で5月、同区の会社員女性(39)の開腹手術をした際、執刀医が体内にタオル(縦44センチ、横29センチ)を置き忘れるミスがあり、再手術をしていたことが分かった。女性は、業務上過失傷害の疑いで執刀医に対する告訴状を神奈川県警相模原署に出した

 取材に対し、同院は「コメントはございません」と回答している。

しかし今時カウントもレントゲン確認もしないで閉じてしまうということがあるのか?とも思ってしまうのですけれども、事故はいつか必ず起こるということは大前提であるとして、そうであるが故にコスト的に安く簡単に対策が取れるものは取らざるを得ない時代ではあるということですよね。
ではそうした事故対策のコストパフォーマンスとはどうなのか?とか誰がコストを負担すべきなのか?と言ったことも気になってくるところで、例えば先日輸血に絡んで問題になったHIVに関しても針刺し事故は必ず起こるという観点に立てば肝炎チェックなどと同様HIVチェックを行うことが何故許されないのか?と言う話になりますよね。
一般臨床の場においては治療自体に要するコストに対して事故対策のコストが極端に高くなっては問題で、例えば検診で胃カメラをするのに全例感染症チェックをフルセットでやるなんてことは明らかにやり過ぎですけれども、これが美容整形を始め保険外診療で行われる領域になると顧客の顔色と懐具合もうかがいながら折り合いをどこに付けていくかという問題になってきます。
その意味で以前にも取り上げた歯科インプラントの訴訟事故などは非常に教訓に富むものだと思うのですが、先日これまた保険外の治療に関して意外なほど問題が多いらしいという記事が出ていましたので紹介してみましょう。

レーシック手術で遠視、失明も…健康被害80件(2013年12月5日読売新聞)

 レーザー照射で視力を矯正する「レーシック手術」について、消費者庁と国民生活センターは4日、健康被害の情報が2009年度以降、計80件寄せられたと発表した。

 直接的な因果関係は不明だが、中には失明した例も1件あり、同庁は、手術を受ける時は十分にリスクを認識するよう注意を呼びかけた

 被害は、レーザーで角膜を削りすぎて遠視になったという例が最も多く約3割を占めた。そのほかの症状は、乱視やまぶしさなど。「手術後2か月間、激しい痛みで寝たきりになった」「ドライアイで1時間に数回は目薬が必要になった」という訴えもあった。

 同庁が先月、手術経験者600人にアンケート調査したところ、視力に問題があった人が23%いた。光がにじんで見えたり、ドライアイが続いたりするなど視力以外の問題があった人は43%だった。

消費者庁が注意、レーシック手術のリスクとは?(2013年12月5日THE NEW CLASSIC)

消費者庁と国民生活センターは、レーザー照射によって視力を矯正する「レーシック手術」について、健康被害の情報が2009年度以降で計80件寄せられたことを発表した。これまでネット上などでは盛んに述べられていたレーシック手術のリスクについて、国が十分にリスクを認識するように注意を喚起した形となり、痛みが少なく十数分程度での手軽な手術を希望する人が増加している現状で、注目を集めている。

視力以外の問題が4割以上

同庁は、こうした健康被害の情報を受けて先月には手術を受けた患者にアンケートを実施。その結果、回答者の約半数が術後に何らかの不満や不調を抱えており、同手術のリスクが十分に周知されていないことが明らかになった。アンケートによると、術後に視力に関する問題が生じた人は23%で、ドライアイなど視力以外の問題が生じた人は43%にのぼった。

具体的には、レーザーによって角膜を削りすぎたことから遠視になった被害が約3割を占めた。また、激しい痛みによって生活に支障をきたすケースや乱視にちかい症状や、ドライアイで1時間に何度も目薬を使用する必要がとなった例などもあった。直接的な因果関係は不明だとするものの、失明した例もあり、今後の調査が求められている。

十分な説明がない例も

今回の調査結果を踏まえて、消費者庁は安易に手術を受けることについて注意を呼びかけるとともに、医療機関から十分な説明を受けることでリスクを把握する必要があるという見解を示した。また同庁は、手術をおこなう前にリスクを十分に説明しない例があったことなどを述べ、インターネット上には景品表示法などに抵触する広告も見られると述べた。

同手術については、有名人を使用した広告が大々的に見られる一方で、ネットなどではそのリスクを不安視する声も寄せられていた。多くの人が関心を持つ手術であるだけに、適切な広告とリスクの説明が求められることになるが、現状の健康被害の実態を把握するための調査が今後も求められることになるだろう。

 素人考え的には以前に眼科の先生に「ところで最近流行りのレーシックなんてどうですかね?」と訊ねてみた際の「眼科医が今も眼鏡をかけてるのを見たら判るでしょ?」と言う答えがFAかと思うのですが、視力に関しては昔から眼鏡という安全確実な矯正方法が確立されていて、とにかくノートラブルで行きたいならこれに限るというのが鉄板ではあるようです。
コンタクトなどもひと頃ソフトコンタクトレンズの不潔な取り扱いによるトラブルが社会問題化して、ディスポのレンズをきちんと毎日交換しても相応に高い眼疾患のリスクがあると言う説もあるようですから長期間コンタクトを常用すること自体が問題だとする先生もいると聞きますが、それならいっそレーシックに…と手術に走る人も最近目立って増えてきていますよね。
基本的にデリケートな角膜を削ってしまうというかなり乱暴な(失礼)処置なのですから、ちょっとしたことで何かしらの問題が起こるだろうことは想像に難くないですし、それ以上に大変なのはいざ失敗したという時に適切なリカバリーの方法がないケースもままありそうだと言うことです。

微妙なのが記事を見ていただきますとお判りいただける通り、実は希望通りの視力が出ないといったトラブルは少数派で、もちろん手術を受けにくるくらいですから患者もこの部分が一番気になるところだと思うのですが、そちらだけで見れば「かなりいい成績」と言っても嘘ではないと言うことですよね。
ただ他のトラブルが少なからず出ているという点については眼科医の側の説明不足なのか、それとも気軽に手術を受けに来る人々が視力以外にはろくに注意を払っていないのか何とも言えませんけれども、もちろん以前にも出ていたように手技的な問題で不要なトラブルを発生させるようなことは論外としても、商道徳上もきちんとトラブルについても説明し納得いただいた上で診療契約を結ぶ必要があるのは当然です。
こうした自由診療の場合はこうしたトラブルの解決コストも込みで料金設定をされているでしょうし、トラブルに対しても金銭的にはそれなりの対処はなされているのかも知れませんけれども、何しろ視力の問題は一生ついて回るだけに患者の側もリスクをきちんと把握する努力は必要で、そもそも本当にリスクを冒してまで手術が必要なのか?というところから振り返ってみる必要がありそうですよね。
それにしても何故今頃になってこんな話が取り上げられるようになったのかと、むしろそちらの方におもしろいネタが転がっていそうな話ではあるのですが…

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2013年12月 5日 (木)

無理を強いると見えてくるものがある?

先日は厚労省の調査によって勤務医が業務負担軽減策として求める対策は医師の増員が8割増と圧倒的に多数派で、給与増などその他の対策は各々4割にも満たなかったと言う報道がありましたが、厚労省の出している元データ(速報版)を見ますともう少し面白いことが判ります。
例えば現場で勤務状況を改善するために現在やっていることに対しての評価が出ているのですが、これで高い評価を得ているのが前述の「医師の増員」や「勤務シフト制導入」で4割程度から効果有りと評価されている一方で、意外なほど評価が低かったのが「短時間勤務の導入」や「外来診療時間の短縮」で、「どちらかと言えば効果があった」という甘めの判定を加えても評価する声は半数にも達しません。
一般に多忙な施設では額面の勤務時間や外来のコマ割などハナから無視しての業務を強いられていると考えれば納得出来る話ですが、全般的な業務状況も前年よりも悪化したと言う声が多いと言う現状を見ると、医療現場はますますブラック化していると言ってもいいのかも知れませんよね。
医者の給料が安いことで知られるドイツでは逆に労働管理が厳重になされていて医者のストも当たり前、有休消化は病院にとっての義務という状況ですが、日本の場合給料は標準並みの水準に対して世界的に見ても一番過酷な労働をしていることから、やはり最近の各種調査によっても「金をもらうより休みをくれ」という声が多数を占めているというのは妥当なことではないかなと言う気がします。

ただいつも思うことですが、確かに医療現場(少なくともその一部)が日常的に過酷な労働を強いられているのは明らかな事実で、これに対して常に人員不足解消の要求があることももちろん理解出来るのですが、一体に増え続ける医療需要に対して無制限に応需していくことが正しいことなのかどうかと言う視点も必要で、近年ようやく議論にも登るようになってきていますよね。
例えばとある地域基幹病院では近隣医療機関からどんどん紹介を受け入れ「紹介するならあの病院へ」「あの病院に任せておけば大丈夫」と非常に信望が厚かった、しかしその内情は慢性的な過重労働でスタッフの不平不満が溜まり続け、ついにはお約束の集団逃散で手術もろくに回せなくなり救急受け入れも停止、外来も半ば崩壊状態に陥ったと言います。
それではそんな基幹病院が破綻して地域医療が崩壊したと言えばさにあらず、患者の方では「あそこはやたらに待たされるから他の病院に紹介してくれ」とむしろドライな程に割り切っているし、逆紹介が増えて地域の医療機関に業務分担が割り振られた形にもなり、結局は患者数もそこそこ落ち着くべき水準に落ち着いてそれなりに安定した状態で業務を回していると言います。
患者も馬鹿ではありませんから何も考えずに病院に来ているわけではなく、待ち時間などのリスクと得られる利益とを考慮しつつ病院に行くかどうかを決めているわけで、早い話が医療現場が一生懸命頑張って患者様の利便性を追求するほどますます医療需要は増加し、さらに沢山仕事をこなさなければならなくなると言うことです。

国は医療費を総額で見ていますから、今のように医療がどんどん薄利多売化してパイだけが大きくなればますます診療報酬を削減し安売りを強いるのは当然で、その結果さらに仕事を増やす=医療需要を喚起しなければ経営が成り立たなくなるという悪循環に陥っているのが現状ですが、ではこれを避けるためにどうすればいいのかです。
一つには昨今日医の反対論に遭いながらも(苦笑)言われているのが混合診療の導入で、いわば公定価格以外に各施設の裁量で儲ける道が確保出来るのですから薄利多売を強いられずじっくり診療に取り組めるようになる理屈なんですが、どうも日本では医療は皆に平等に薄利多売粗製濫造でなければならないと訴える方々がいらっしゃるのは付加価値を付けられるだけの自信がないということか?と勘ぐられかねません。
付加価値の提供に対して妥当な報酬を得られないということは医療の質的向上に対するインセンティブが働きがたいと言うことでもあって、日本に最先端医療の導入が遅れがちであることの一因であると言う声もありますけれども、最近では厚労省もこの付加価値を評価する方向での独自加算を大病院などを中心に認めるようになってきたと言うのは、医療は完全に平等であるべきと言う考えの限界を認めたということでしょうか。
一方で医療においても完全平等の建前を捨ててハイローミックス戦略を取るとしてもハイばかり整備しても駄目で、むしろ医療需要として大多数の場合はローの方が求められているのですが、先日厚労省の医政局長から同省の長期医療戦略がうかがえるこんな気になる発言が出ていたことを紹介してみましょう。

病床機能、回復期は急性期とセット望ましい-原医政局長、急変時の対応求める(2013年12月2日CBニュース)

 厚生労働省の原徳壽医政局長は、11月30日に東京都内で開かれた日本医療社会 福祉協会設立60周年記念講演会で講演した。病床機能情報の報告制度についての 説明では、回復期機能を担う医療機関には、急性期機能もセットで持ってもら い、急変時にも対応してほしいと述べた。【大戸豊】

 原氏は医療ソーシャルワーカー(MSW)にもかかわる政策として、病床機能の 報告制度や地域医療ビジョンなどを説明した。
 厚労省の「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」で は、医療機関は、▽高度急性期▽急性期▽回復期▽慢性期―の4つの機能のうちから、 「現状」と「今後の方向」に照らし合わせた上で、機能を報告するという案が示 されている=表=。
 原氏は、回復期機能には、さまざまな機能が入ってくると指摘。1つの病院が 回復期機能を単独で提供するというのではなく、急性期機能とセットで担っても らいたいとし、「患者が回復期に移ってからちょっと急変した時に、『うちでは 診られません』と言って急性期に送り返したのでは、何にもならない」と強調した。
 原氏は「少々の急変ならば、急性期の病棟と連携しながらできるような形を、 ある程度セットで考える方がいい」と述べた。その一方で、リハビリテーション を集中的に提供する機能については、単独の病院での提供も考えられるとした。

 また、慢性期機能については、いろいろな議論があるとした上で、高齢化の進 展で患者がどんどん増えていく中、病床利用率を高めても、病床数は足りなく なってくることが予想されるため、「療養病床の中の医療で、本当に病院でなけ ればいけないのか、施設では駄目なのか、家族がいる時に在宅ではどうかなどを 真剣に考えていく必要がある」とした上で、慢性期機能を担う病院についても、 少々の急変には対応できるくらいの能力を持ってほしいと述べた。
 原氏は、「機能分化をしていくと、患者の動きがある」とし、「高度急性期の 病院から、患者の住まいの近くの病院に移ってもらうことを真剣に考えていかな いと、高度急性期はうまく回らない。ここはとても大事なポイントではないか」 と強調した。
 また現在、各医療機能における患者の状態像や調査項目をどのようにすべきか 頭を悩ませているといい、「在院日数や主要な処置などにより、どのような患者 がいるのかを推定するようなデータとか、病院にどのような機器があるといった ことも聞きたい」と述べた。
(略)

しかし全員急性期に送って高度医療なんてことをされると金が幾らあっても足りないから、ほどほどのところで収めてほしいという願望をマイルドに表現するとこうなるらしいと拝見したのですが、現状の機能分化がなされていない段階でならともかく、機能分化を政策的に推進した上で「回復期・慢性期の施設でも急変に対応を」と言うのは患者さんに死ねと言っているに等しいですよね(しかし「少々の急変」とは斬新な表現ですが)。
急変に対応するために必要な各種機材もタダではなく、購入したとしても保守契約の期限というものがありますから一定期間内に減価償却をしなければお金を捨てたのと同じ理屈で、逆に言えば元が取れないことが判っている高価な機材を導入するはずがないと考えれば、今後回復期・慢性期に指定された施設では様々な機材が年々減って急変に対応したくても出来ない状況になるでしょう。
機能的な限界はさておくとしても、例えば何故今現在も療養病床で急変が見られないかと言えば診療報酬のまるめによって「手厚く診れば診るほど赤字になる」と言う現実があるからで、今後機能分化をしても他機能も一定程度担えと言うのであれば診療報酬上もそれに相当する加算なりと出さなければ、施設側もわざわざリスクだけが増えるような行為には手を出さないと思いますね。

理想的には大きな敷地に各段階の施設をひとまとめにしておいて、状況によってフレキシブルに各施設間を患者が移動できる「モール型」の医療連携が望まれるのでしょうが、今までの日本の医療では大病院から町の小病院まであらゆる機能が何でもありの「デパート型」を志向した結果、多くの施設であれもない、これもないの中途半端さばかりが目立つという「田舎のよろず屋型」に陥っていたきらいがあります。
最近は多科クリニックが一つのビルに集積したモール型の開業が目立ってきていますけれども、これも事務処理や検査機材などを共用するなど工夫すればもっと利益率が上がりそうですが、見ていますと単に各階にそれぞれのクリニックが入居しているだけと言う状況に留まっているようで、これまた多くの場合私的な施設が医療を担っているという日本の現状が示す限界でしょうね。
厚労省としてはかねて医療の集約化を目指していることは周知の通りで、そうなると効率化のためにも多数の医療法人が分散配置されている現状はよろしくないはずで、今後はアメとムチを駆使して法人の統廃合を進めるという方向に誘導するとなれば、一番手っ取り早いのは潰したい施設には徹底して彼らが嫌がることを仕掛けるというやり方でしょう。
例えばある程度の規模的集中がなければどうしてもコスト的にペイしない要件を強いるといったやり方でもリソースの集中を促すことは出来るかと思いますが、そうしたゴールが設定されているのであれば負け組確定の施設にとってはどこで手を引くか?と言う計算も必要になってくるでしょうし、すでに負け戦が見えているのにスタッフに最後の一兵卒まで玉砕戦を強いるなどあってはならないことですよね。

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2013年12月 4日 (水)

不妊治療推進は「おめでたい話」なのか?

一説によると最近芸能界もなかなかの出産ブームであるとも言い、著名人の出産が続く都一般人にも同種の機運が波及するという話もありますからおめでたい話ではあるのですが、見ていますと中にはこんな記事も出ているようなのですね。

49歳のエド・はるみ、番組企画降板の理由を説明「子どもを作るということに、来年からは集中したいと思います」(2013年12月2日livedoorニュース)

11月29日放送のTBS系バラエティ番組「中居正広の金曜日のスマたちへ」(以下「金スマ」)で、お笑い芸人のエドはるみが、不妊治療のため番組企画を降板することを明かした。

エドは舞台女優として活動した後、コンピューターインストラクター、マナー講師などを経て、吉本興業の養成学校であるNSC東京に11期生最年長として入学した異色の芸人。NSC卒業後、バラエティ番組「エンタの神様」(日本テレビ系)「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)などに出演して人気となり、2008年には親指を突き立てて「グ~!」と奇声をあげるギャグが新語・流行語大賞を受賞。私生活では、2010年に一般男性と再婚している。

「金スマ」の「社交ダンス企画」に参加していたエドは、11月22日の放送で「第21回全国ダンススポーツ大会」に出場、激しく踊る姿が映されていた。しかし、結果は5位と好成績だったにも関わらず、エドはスタジオに現れず。代わりにと中居が読み上げたエドからの手紙には、「突然ですが、実は私、事情がありまして、年内いっぱいでダンスを踊れなくなってしまいます。今はまだ詳しいことをお話できないのが本当に心苦しいです。ごめんなさい」というメッセージがつづられていた。

翌週、11月29日の放送にVTRで登場したエドは「先日(22日)のスタジオには、仕事のスケジュールで伺えず、申し訳ありませんでした」とスタジオ出演できなかったことを謝罪。その後「実は私は、今年で49歳になるんですが、子どもをつくるというもうひとつの夢があります」「社交ダンスを始める前から続けていました『子どもを作る』ということに、来年からは集中したいと考えています」と語り、企画を降板するのは不妊治療のためだと報告した。

また同日にエドはブログを更新し、番組中の発言を補足している。「私の気持ち☆」と題したエントリーには、「ダンスをお休みさせていただく理由は、私が個人的に2年前からずっと続けていた『不妊治療』を再開するためです」と投稿されており、治療がかなり前から始まっていたことを告白。

さらに「この年齢で、子供が欲しいというのは色々なご意見もあるかと思います。皆様のお考えも、当然分かります」と高齢での妊娠・出産の難しさにも言及した。しかし治療については「でも、最近の不妊治療は目を見張る高度な医学の進歩で、その可能性がゼロではなくなりました」「私自身もこの2年間、主治医の先生と何度も御相談し、検査を重ねた上でまだ妊娠の可能性がわずかでもあるということだったので、そこに懸けてみようと思いました」と、前向きな姿勢を見せている。

エドはブログの最後を「これは引退や休業をするということではありません。激しい運動をしないだけです!」「どうかこれからもよろしくお願いいたします!!!!!」と締めくくっており、今回の降板はあくまで社交ダンスの企画のみとなるようだ。

もちろん世間では「色々なご意見」もあるどころではない状況なんですが、最近では卵巣機能の若返りだとか不妊治療の方も様々に進歩しているのは確かで、言葉は悪いですがこうした資金などに余力のある方々が進んで医学的進歩に貢献してくださるのだと言う考え方も出来るかなと言う気もします。
しばしば高齢出産で問題になるのが妊娠・出産自体の困難さという医学的側面とともに、子供が成長する頃には親はもう仕事もやめて扶養が出来ないんじゃないかという社会的側面も取り沙汰されるところですが、これまたこうした自営業的立場でそれなりに収入もおありになるでしょうから、いわゆる庶民的なサラリーマン家庭がそれを行う場合よりは子供さんも恵まれていると言ってよさそうですよね。
ともかくも若くピチピチの頃に産んだ方が絶対にいいというのはもちろん議論の余地はないのですが、初婚年齢が30歳に達する時代にあって理想論ばかり語っていても社会問題が解決するものでもないので、少なくないお金と貴重な時間も使ってでも自助努力で何とかしてくださる方々はむしろ国にとってもありがたいんじゃないか?と言う気がしないでもありません。
ただやはり大多数の一般国民にとってはそこまでのお金は到底かけられないのも確かで、そうなるといずれ日本では子供を産む権利は金持ちの特権化するんじゃないか?というSFじみた懸念すらないわけではありませんけれども、世を挙げて少子化対策だと長年言っている手前不妊医療に対しても全て個人任せと言うわけにもいかずで、先日はこんなNPOによる支援の記事が出ていました。

卵子凍結:不妊の可能性のある患者対象に費用助成(2013年11月30日毎日新聞)

 NPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」は、白血病などの治療で不妊になる可能性のある女性患者を対象に、卵子の凍結やその卵子を使った体外受精の費用の一部を助成する「こうのとりマリーン基金」を設立した。

 白血病などで造血幹細胞移植を受ける患者は、移植前の放射線照射により卵巣の機能が損なわれる可能性が高い。移植前に卵子を採取して凍結保存できれば、治療後、体外受精による出産の可能性が残せるが、過去には遠方の医療施設に通うなど費用が100万円を超えたケースもあったという。

 同基金は、趣旨に賛同した「東京マリーンロータリークラブ」からの寄付金1000万円を原資に運営。造血幹細胞移植や抗がん剤治療を開始予定の患者や、凍結卵子を使った体外受精を望む元患者に対し、所得など一定の条件を満たす場合に最大30万円を助成する。過去にさかのぼっての助成も可能という。

 自身も白血病の治療で不妊になった同協議会の大谷貴子顧問は「多くの女性に同じ思いをさせたくないと準備してきた。患者さんに明るい希望を持ってほしい」と話す。問い合わせは同基金(03・6693・2840)。【須田桃子】

化学療法などによる不妊の場合は生殖細胞はやられてしまうとは言え、年若い方であれば母体そのものはまだまだ元気なのですから卵子の手当てだけで十分妊娠が期待出来るし、不妊となることに躊躇して病気の治療そのものに二の足を踏んでいるような方々にとってはきちんと治療を受けてからでも妊娠出来るというのは福音ですよね。
逆にこうしたシステムが出来て来ますと臨床医にとっても「不妊の可能性が高まる治療を行う前にはまずこうした制度について十分に情報提供すべき」と言う流れになってくるかと思いますが、ある意味私費で行っている範疇であれば制度の趣旨に賛同するかどうかで話が済むことで、では不妊治療に関してどこまで公費支援をすべきかと言うことがこのところ盛んに議論になっているのは周知の通りです。
国や自治体も体外受精や顕微授精などに対してそれなりに補助制度を設けていて、これはこれでもちろんありがたい話ではあるのですけれども、今後議論していかなければならないこととして公的な補助をどこまで行うのが妥当なのかということで、これも一つには費用対効果の側面、そしてもう一つは社会的意義という側面から考えるべきかと思いますね。

費用対効果と言えば先頃も不妊治療への公費助成を43歳未満に限るべきだと言う、医学的に見ればごく常識的な話に対して社会的側面から大いに異論が噴出したことは記憶に新しいところですけれども、人間の一生で生み出す資産価値と言うものがおよそ限られている以上、一人の人間を生み出すためにどれだけのコストをかけることが妥当か?と言うことは国としては当然考えなければならない問題でしょう。
そもそも何故少子化対策だと言っているのかと言えば子供が増えれば生産年齢人口も増え税収も増えると言う、要するに多少お金を出しても最終的には十分ペイ出来ますよと言う前提があるからこそ行っていることであって、ぶっちゃけ社会的に持ち出しになることが確定しているのであれば最初から余計なことはやらない方がいいのでは?と言う考え方もあるだろうと言うことですよね。
その一つの目安として投じたコストに対してどの程度妊娠・出産という見返りが期待出来るかと言う単純比較が判りやすいかと思いますが、先の公費助成の件を見ても判る通り「医学的に成果が望みがたい」あるいは「経済的にペイしない」と言うことと「不妊治療を行ってはならない」と言うことはまた別問題で、これに対しては「それでも産みたいならどうぞ自費でご自由に」と言うことで決着しそうですよね。
それよりももう少し厄介なのが妊娠・出産という個人的な行為に対して公費を投じてまで支援することの社会的意義ですけれども、もちろん基本的に子供は沢山産まれた方がいいのだから多少の支出を伴ってでも支援すべきだと言われればその通りなのでしょうが、例えば「1億円の不妊治療を行って障害児が生まれた。この子の生涯支援に対して5億円かかる見込みだ」と言われるとどうでしょう?

ある程度以上の年齢になると子供に障害が発生するリスクが加速度的に高まることは医学的な事実であって、「親の勝手で子供に不幸を背負わせるのか」と言った意見から「確信犯なんだから一切の社会保障サービスを停止すべき」といった極論まで様々な意見があるほどに、「そんなリスクの高い行為を大金投じてまでやって誰得よ?」と世間では受け止められ始めていることは否定出来ないでしょう。
もちろんストレートに「わざわざ障害者を産むべきではない?」と言われれば正面切って産むべきではないと言える人はそう多くはないと思いますが、質問を変えて「高い確率で障害者が産まれるリスクがある不妊医療を巨額のお金を使ってまで行うべきか?」と問われれば、それはさすがにやり過ぎじゃないか、ほどほどのところであきらめてもらうのが当然だろうと言う意見が主流になりそうな気がします。
「命は平等であり選別するなどもってのほか!」と言う意見もありだとは思いますが、老人医療・介護に対する世論の移り変わりと政策の行方などを見ていますと社会全体の流れとしてそういう考え方は、少なくとも増え続ける社会保障のコストを説明する論拠としては支持を失いつつあるように見えますが、それでは社会の側から個人の自由に対してどこまで干渉すべきなのか、個人はどこまで社会的責任を考慮に入れるべきかです。
不妊治療助成などはしょせん一過性のコストですし、だからこそ産みたければ自費でやれも通用する範疇ですけれども、その後の養育までも含めたトータルで考えれば必ず社会との関わり合いと言うことが必要になってくるはずなのに、当事者が「とにかく子供が欲しい」の一念だけで突っ走ってしまうといずれ不妊治療そのものに対する社会からの逆風も強まるかも知れませんよね。

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2013年12月 3日 (火)

東北に医学部新設が「特例で」確定

先日は下村文科相が2015年春にも被災地復興支援名目で東北に一校の医学部新設を認めると明言したことで、逆に医学部新設はあくまで一例限りの特例であり他地域では認めない方針は変わりがないとも受け取れたのですけれども、面白いのは周囲の反応です。
国内他地域では「馬鹿馬鹿しい」「意味がない」という反対の声と「新設派もそれで気がすむなら」という容認の声が見られるようですけれども、面白いことに名目上の受益者であるはずの地元からも反対意見が少なくないようなのですね。

東北に医学部新設 被災地の再生期待 設置主体選定へ意欲(2013年11月30日河北新報)

 文部科学省が東北に医学部新設を認めることを明らかにした29日、医学部設置構想を打ち出している宮城県内の2グループは、来年6月にも決定する設置主体の選定に向け、それぞれ強い意欲をみせた。

 財団法人厚生会仙台厚生病院は、東北福祉大(いずれも仙台市青葉区)を連携先とした医学部設置を目指す。厚生会の目黒泰一郎理事長は「東北の人々の期待に応えられるよう頑張りたい」と決意を示すコメントを出した。
 「東北医療への支援を通して復興に貢献するという初心、原点を大切にする」と目黒理事長。連携先の東北福祉大は「国に選ばれるよう最善を尽くす」と述べた。
 文科省は、早ければ来年6月にも新設医学部の設置主体を決め、最短で2015年4月に開学させるスケジュールを打ち出した。
 単独で医学部設置構想を掲げる東北薬科大(青葉区)の高柳元明学校法人理事長は「15年度開学に向け、認可申請の手続きや校舎新設などを準備する」との談話を発表した。
 医学部設置の条件として文科省は、教員となる医師を東北の医療現場から引き抜かないなど、地域医療に支障が出ない方策を求めた。高柳理事長は「そうした事態の回避に十分配慮して(設置準備を)進めたい」と、構想実現に万全を期す考えを示した。

◎3県自治体、歓迎/医師定着策に注文も

 東北への大学医学部新設を認める文部科学省の基本方針を受け、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の首長は29日、地域医療の拡充に期待感を示した。教員確保に伴う医師の引き抜きに対する懸念や、卒業生の地元定着対策への注文も出た
 宮城県は医学部新設の支援態勢を強化するため、保健福祉部内に担当職員を配置した。村井嘉浩知事は「設置構想の提出期限までは短期間であり、県としても本腰を入れて取り組んでいく」とのコメントを発表した。
 東北市長会会長の奥山恵美子仙台市長は「医師の不足や偏在、震災後さらに人材確保が難しくなった現状を国に訴えてきた立場として、大変ありがたい」と歓迎した。
 市立病院が津波被害に遭った亀山紘宮城県石巻市長は「超高齢化を見据え、在宅医療に従事する医師の育成が重要」と強調し、「政府は早期の閣議決定を」と求めた。
 戸田公明岩手県大船渡市長は「岩手県沿岸の医師が手薄な地域に卒業生が来てもらえるよう期待する」と話し、「病院勤務の専門医だけでなく地域に根差す総合医を育成してほしい」と要望した。
 桜井勝延福島県南相馬市長は「新設が地域の医師不足を招かないよう願う」とくぎを刺す。「原発事故による避難先からの帰還条件に医療体制充実を挙げる住民が多い。地域医療の再生につなげてほしい」と注文を付けた。

医学部新設で地域医療の崩壊懸念 既存学部「誰が責任取る」(2013年11月30日河北新報)

 東北への医学部新設を認めた文部科学省の基本方針に対し、全国医学部長病院長会議の顧問を務める岩手医科大の小川彰理事長は「全国80の医学部長・病院長の総意として新設に反対してきた。非常に遺憾だ」と厳しく批判した

 小川氏は、文科省が挙げた医学部新設の留意点に触れ、「東北の病院から教員を引き抜かないことが可能なのか。1人でも引き抜かれれば、各県の医療が崩壊するのは明らかだ」と指摘。さらに「東北の復興と医学部新設は結びつかない。今でさえ不足している東北の病院医療を壊したら誰が責任を取るのか」と述べた。
 小川氏は2012年4月、「医学部新設は医師不足を加速し、地域医療の崩壊を招く」として、東北大、福島県立医科大とともに政府に慎重な対応を要望している
 東北大の大内憲明大学院医学系研究科長は「全国医学部長病院長会議と共に今後の対応を検討する。引き続き地域医療の復興に向けた努力を続ける」との談話を出した。
 福島県立医科大の菊地臣一理事長は「全体像が見えていないため、現時点ではコメントできない」と話した。

◎有識者会議設置、審査へ/「医師引き抜き」焦点

 東北への医学部新設の認可に当たり、文部科学省は29日、有識者会議の設置などを盛り込んだ基本方針を示した。設置構想の申請の際は、東北の地域医療の現場に影響を与えない具体策の提示を求めた
 文科省は今回、医学部新設を禁じる告示に特例を設け、公立大や私大の構想を来年5月まで受け付ける。有識者会議による審査で同6月に1校に絞り、大学設置審議会に諮る予定。
 有識者会議に関して、文科省医学教育課は「地域医療や医学部運営に詳しく、利害関係のないメンバーで審査したい」と説明する。受付期間は、大学側の準備状況次第で延長も検討するという。審査ポイントとして、(1)教員や付属病院医師、看護師を周辺地域から引き抜かない(2)地域枠奨学金の設定など卒業生が東北に定着して地域医療を支える仕組みを講じる-など4条件を示した。
 焦点は「医師の引き抜き」になる。国の要件では医学部は専任教員だけでも最低147人が必要。新設を働き掛けてきた東北市長会(会長・奥山恵美子仙台市長)は10月、東北の医師引き抜きを禁じるよう国に求める特別決議をした。
 文科省は有識者会議による審査段階では、大学設置審の際に必要な教員名簿の提出までは求めない方針。ただ、「公募だけでなく、どの大学から計画的な協力が得られるかなど一定のめどは示してもらう」(医学教育課)とし、人材確保策の提示を求める考えだ。

しかし来年2014年6月に設置主体が選定されるというのは2015年春の開学に間に合うのか?と思いますし、逆にそれに間に合わせるためには当然ながら先行して教員等の引き抜きにかかっていなければならないでしょうから、下手すると必要数の二倍の教員が全国から引き抜かれてしまう(それも半数は口約束に終わるポストによって)という、ちょっとそれはどうなのよ?と思うような事態にもなりかねません。
もちろん設備投資などの無駄は言うまでもないことで、ただでさえ復興特需で土建業界のコストが高騰し、先日は今年度上半期の国立病院入札に関して8割がコストが高すぎて不調に終わった、なんて話も出ているようなご時世に、当然ながら自分達の方が準備もこれだけ整っています!とアピールするためにも割高でも先行投資をせざるを得ないだろう設置主体が哀れと言うしかないですよね。
それはともかく反対論を唱えているのが誰で理由は何なのかですが、例えば東北所見の医学部は学生はおろか関連病院も奪われかねない競合相手が増えるわけですからうれしくはないだろうと世間的には思うでしょうが、今時どこの大学でも医局員不足でどんどん関連病院を手放していて、あちらこちらから「何とかうちにも医師派遣を」と日参される時代にそこまで病院を囲い込む意志と能力があるのかどうかです。

それは地元の有力病院、あるいは医局員からの評判がいい病院であれば最後までがっちり抱え込む意味もあるでしょうが、失礼ながら土地柄を考えても大多数は正直誰も好んでは行きたがらないような施設数多という状況であろう中で、むしろそうした「不良債権」を新設医大がまとめて引き受けてくれるのであれば熨斗をつけてどうぞと差し出したい心境かも知れませんよね。
その意味では地元自治体も含めて「とにかく臨床現場から医師を引き抜くことだけはまかりならん」で意見の一致を見ているというのは実に本音なのだろうし、逆に言えばその部分がしっかり担保されて地元医師数が完全な純増になると言うのであれば、(表向きは色々と言うかも知れませんが)本音の部分ではウェルカムなんだろうなとも思います。
となると開設主体の選定に当たっては当然ながら地元医療への貢献ということに加えて、どこからどうやってこれだけの数の医師を用意するのかという点がもっとも大きな争点になるんじゃないかと思いますが、これまた地元紙の報道によると面白いことに両者の構想にはそれなりの差があるようです。

東北への大学医学部新設 地域医療貢献度が焦点(2013年10月26日河北新報)

 政府が検討に着手した東北への大学医学部新設をめぐり、東北ではこれまでに財団法人厚生会仙台厚生病院と東北薬科大(いずれも仙台市青葉区)が設置構想を明らかにした。新設は1校に限られ、どちらが運営主体に選ばれるかが焦点となる。東日本大震災で疲弊が増す地域医療への貢献度も重要な判断基準になるとみられる。両構想のポイントを整理し、展望を探る。(報道部・菊池春子)

<医師不足対策>
 各構想の要点は表の通り。東北福祉大(青葉区)を連携先とする厚生病院は医師不足対策として定員の3割を奨学生で受け入れ、卒業後は指定病院への7年間勤務を義務付ける案を作った。
 奨学生は全国から募集し、東北出身者を優先する。奨学金の返還は勤務先の自治体などが肩代わりする。希望に応じ他の学生にも学資を貸与し、東北の任意の病院での勤務7年間を義務化する。
 奨学金受給者は3人一組で指定病院に派遣する。厚生会の目黒泰一郎理事長は「孤立を防ぎ、交代で休める体制が築ける」とメリットを挙げる。
 薬科大は10人程度の地域枠を設け、東北の各高校からの推薦で選抜指定病院への9年間の勤務を義務とし、成績上位者の学費減免も検討する。
 地域枠とは別に、希望する学生には必要な学資を貸与する。貸与した年数の2倍の期間、医師派遣を希望する東北の病院での勤務を義務付ける。
 高柳元明理事長は「意欲にあふれる東北出身者を入学させ、地域に定着する医師として育てたい」と言う。地域枠の拡大も検討していく。
<教員の確保策>
 指導教員の確保も焦点だ。日本医師会などは「地域医療の現場から働き盛りの勤務医が引き抜かれ、医師不足が加速しかねない」と懸念する。
 厚生病院は、総合臨床医育成の先進地米国で活躍する日本人医師ら国内外から人材を集める考え。目黒理事長は「米国並みの厳しい教育を受けた総合医こそ東北で即戦力になる。国際的視野で教員を確保する」と語る。
 薬科大は、東北大を含む全国の大学から教員を集める方針。旧東北厚生年金病院(宮城野区)を取得し、今年4月開設した付属病院には「臨床系の教授にふさわしい医師も多くいる」(高柳理事長)。薬剤師養成の実績を生かしチーム医療を担う総合医育成を目指す。
(略)

ざっと見ますと非常に保守的(あるいは常識的で堅実)な薬科大の計画に対して、非常に斬新で独創的(それだけに実現性が危ぶまれる)な厚生病院の計画という印象なのですが、厚生病院の場合は先日も紹介したように「医師三人を一セット」で地域に派遣してきた歴史がありますから、新設医学部でもそれを継承するというのは当然の選択ではあるのでしょうね。
学生の募集方法について目に付いた点として薬科大の地域枠がわずか10人というのはよく言えば現実を知っているとも言えますが、失礼ながらどちらが開学したとしてもいわゆる底辺医大に名を連ねることになるだろうことが確実視されるだけに、金銭的縛りだけで実際どれだけの学生が地元に残るのかと言うと過去の経験からしても非常に疑問符が残るところですよね。
厚生病院の方はいわばこの三人一セットの派遣方法自体が売りということでもあって、それを受け入れられる学生が一定数集まる可能性がありますけれども、いずれにしても地域枠の比率などを見てもどちらも基本的には従来の各地の医大と大同小異と言う程度の話ではありますから、当然ながら卒業後の地域定着率も現状で全国最底辺を走る東北諸県の既存医学部と大差ない水準となりそうです。
地元貢献を錦の御旗に特例で設置を認められた以上、特区にふさわしいもっと独創的な学生定着のアイデアでもあるのかと思っていたのですが、正直これは肩すかしを食らわされた感が拭えないところですし挙げられる成果も想像出来てしまいますよね。

教員たる医師確保策に関しては厚生病院はもちろんそれが出来たらいいねと言う夢のある話ではあるのですが、失礼ながらそれだけ国際的視野でバリバリやっておられる先生方が国内外から東北の片田舎の底辺医大目指して集まってくるものだろうか?と言う疑問がどうしても抜けきらないのですが、何かしらのあてなりつてなりなければ単なる夢想あるいは理想論として突っ込まれる余地が大きそうですよね。
一方の薬科大は一見すると地味に堅実にということなのですが、よく見ますと教員の集め先として東北大を含むだとか付属病院の医師などとなっている点が気にかかるところで、こんなことを言ってしまうと「東北の現場から医師を引き抜くことだけはまかりならん」と言う関係諸団体から何を言われるか判ったものではないと思うのですが、まさか最初から勝負を投げていると言うことなのでしょうか?
いずれにせよこれだけ多くの医師を全国からかき集めるとなれば影響がないはずがないことで引き抜かれる側からすれば「ふざけるな」でしょうし、特例として東北に限りと言うことになるとあらゆる客観的指標において東北以上に医師不足が深刻な千葉や埼玉から「自分達さえよければいいと思っているのか」と言われかねず、下手すると東北復興支援どころか戊辰戦争の如き子々孫々にわたる怨恨が今度は全国規模で拡大再生産されかねません。
個人的には東北が医師不足だと言いその解消が喫緊の課題だと言うのであれば現状で低すぎる卒業生の地元定着率をせめて世間並みに引き上げるのが本筋ですし、厚労省お得意の政策誘導で言うなら例えば東北で新規開業すれば診療報酬1点11円にしたりだとかいった即物的なありがたみを用意した方が、よほど即効性を持って確実に医師不足解消に役立つんじゃないか?という気がします。
もっとも東北に医師を集めること自体が正しいかどうかはまた別問題で、繰り返しになりますが客観的指標に基づいて判断すれば東北などよりもずっと深刻な地域も少なくないわけですから、そちらは一切手を打たないまま東北にだけ被災地だからと良い思いをさせているとも受け取られるならば、これは国の政策として特定地域だけ偏愛していると批判される余地がないとは到底言えないですよね。

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2013年12月 2日 (月)

医療に吹き付ける寒風は何をもたらすか

このところ財務省筋の一番の関心事はどうやら診療報酬削減に向かっているようで、先日来こんな記事が相次いでいます。

4兆円超の赤字削減を 14年度予算で財制審提言(2013年11月29日日本経済新聞)

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は29日、2014年度予算編成への提言書を麻生太郎財務相に提出した。政府の中期財政計画にかかげた国の一般会計ベースで4兆円を超える赤字削減を要請。診療報酬の改定がある医療費の抑制を「最大の焦点」とし、医師の技術料にあたる診療報酬本体部分の「マイナス改定」を求めた

 政府の中期財政計画は社会保障や公共事業などにあてる政策経費を税収でどの程度まかなえているかを示す基礎的財政収支が国・地方あわせて20年度に黒字化する目標をかかげる。提言書は14年度予算編成が黒字化への「試金石」と指摘。「これまで以上に厳しい姿勢で、聖域を設けず歳出削減に努めなければならない」と訴えた。

 個別課題では、社会保障で診療報酬改定への言及に多くを割いた。診療報酬は治療に使う薬や医療資材の値段である「薬価」と、医師の技術料の「本体部分」に分かれる。本体の引き上げは「正負の符号をはき違えている」とし、高収益を上げる医療機関などの高コストな提供体制を疑問視。逆に本体の引き下げが「理(ことわり)」との考えを示した。
(略)

診療報酬6年ぶり引き下げへ 政府方針、消費増税などに配慮、医師会反発も(2013年11月28日産経新聞)

 政府が、国民の窓口負担などで賄われる診療報酬を平成26年度改定で6年ぶりに引き下げる方針を固めたことが27日、分かった。診療報酬の「薬価部分」を減額し、医師の技術料となる「本体部分」を調整して実現する。複数の政府・与党幹部が明らかにした。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)も引き下げを要請する見通しで、プラス改定を求める日本医師会や自民党関係議員らが反発を強めそうだ。

 政府は、来年4月から消費税率が8%に引き上げられるのに加え、27年10月は10%への再引き上げが予定されていることから、「プラス改定で窓口の支払いや保険料が増額されれば、国民にとってダブルの負担となり、理解は得られない」(高官)とし、マイナス改定の方向で調整に入った。

 また、厚生労働省の「医療経済実態調査」で、民間病院の24年度の平均収支は7621万円の黒字(前年度比215万円増)、勤務医の平均収入も1590万円(同43万円増)となったことが判明。政府は、民間病院の経営状況が良好にもかかわらず、新たな国民負担を強いるのは難しいとも判断。今後、与党や厚労、財務両省との折衝を加速化させ、年末の26年度予算編成で具体的な改定率のマイナス幅を決定する。

 ただ、「本体部分」は、備品購入時の消費税分を患者に転嫁できない医療機関の負担を軽減する必要性から田村憲久厚労相が引き上げを目指しており、増額される可能性もある
(略)

もちろん日医などは空しい抵抗を繰り広げることになるのでしょうけれども、日本の医療体制は薄利多売をしなければ儲けの出ない構造を強いられ、とにかくもっと売り上げを上げろと(つまりは、どんどん病人を増やせと)言う方向での圧力がかかる構造になっているのですから、ましてや年々医師らスタッフも増え続けている中で医療費が増えることは当然なシステムになっているわけです。
一方で日本人の総人口が頭打ちになり高齢化も進み、税収面など金銭的裏付けの話は抜きにしても国民世論の大多数も今や「一日でも長生きを」という時代でもなくなっている中で、果たして際限なき医療費増大を構造的に強いられるような医療供給システムが時代にあっているかと言えば、これはやはり一度冷静になって考えてみる必要がありそうですよね。
既得権益保護などと言った話を離れて考えてみると、先日農業分野で減反政策の一大転換が図られたことが話題になったのと同様に、これもむしろ医療の質的転換を図る好機と捉えるべきなのかも知れず、特に今まで不採算部門を平気で抱え込んできた医療機関はこれからはそれなりに淘汰されるか、診療方針の転換を迫られるということになりそうです。
その意味ではむしろ気になったのがこちらの記事なのですが、近年大学も独法化だなんだと改革が推し進められている中で、人材に対しても大幅な改革が強いられそうだと言う記事ですよね。

国立大教員に年俸制 文科省、競争を導入・退職金廃止(2013年11月26日朝日新聞)

 【村上宣雄】国立大学の教員の給与について、文部科学省は、年功序列を改めて退職金を廃止し、業績を反映させる年俸制への転換を進める方針を決めた。「競争がなく、ぬるま湯体質だ」との批判もある国立大の組織全体の活性化を進めるのが狙いで、26日にまとめた「改革プラン」で示した。当面の目標として、理工系を中心に2015年度末までに1万人を年俸制に切り替えるとしている。

 文科省はあわせて、企業からの研究資金などを年俸に組み込む「混合給与」も進める。また、教授の定年退職の際、「弟子」の准教授を無条件に昇進させるのではなく、有能な若手や外国人の登用を促す

 国立大は全国に86校あり、教員の総数は約6万3千人。文科省によると、現在も新規採用や年数を限った契約で年俸制をとるケースはあるが、全体で数千人にとどまるという。

 計画では、勤続年数が長い教授らも終身雇用を維持しつつ年俸制への転換を進める。退職金を廃止する分、毎年一定額を従来の給与に上積みするが、一方で、以後の年俸は査定を反映させる。

ちょうど先日「日本の大学は学舎の墓場だ」などという物騒な記事を見かけて興味深く拝見したのですけれども、確かに全国どこの医学部でもろくに論文を書くでもなし教育に情熱を注ぐわけでもなし、まさに「何の為にいるの?」としか言いようのないような万年講師の先生というのはいらっしゃいますが、そういう先生達は涙目ということになるのでしょうか。
ご存知のように最近は大学研究の資金である科研費の配分も実績に応じて格差をつけようという話になっていて、スポンサーを取れるでもなく実績を挙げるでもない講座など単に予算の無駄遣い扱いされかねない勢いですけれども、逆にそうした「不良債権」を切ろうにも切れなかった側から考えると今回のこの話は意外に強力な大学改革のツールとしても使えそうに思います。
仮にこうした改革で大学病院でも切磋琢磨と淘汰が進むとなれば、今までのように「大学だから」と漫然と経営戦略もなしに行ってきた経営も転換を図られるかで、それこそ大学病院だからといくら査定されようが好き放題なことをやっていいと言う考え方は次第に通用しなくなり、世間並みの当たり前の医療を行うのが大原則ということになるかも知れません。

先日日経メディカルに「「××の検査をして下さい」と来院される患者さん」と言う記事が掲載されていて、要するに一般外来でもよくある診察も受ける前から何をするか決めてやってきている方々にどう対処するかと言う記事なんですけれども、いや普通患者都合で希望される検査は全額自費でしょ?と思う一方で、実は多くの患者が保険診療の限界や費用のことを説明すると納得して引き下がるというのはさもありなんと思いますね。
大学病院などと言うところは「これ以上出来ることはないんですか!?」と言う患者の声に対して採算度外視で応えるところだと言う考え方も確かにありますけれども、それでも出来る治療と出来ない治療があると言うのはもちろん物理的設備的な限界もさることながら、極論すればそこの先生方が興味を持って研究している分野かどうかと言うことだと思います(それはそれで医学の進歩に必要な重要な仕事ですけれどもね)。
それだけに「患者様の希望に少しでもお応えするのが我々の使命」だと言うのは半ば自己欺瞞も入っていて、実は患者の側は単に「もう出来ることはありません」「これ以上は巨額のお金がかかるだけで効果が見込めません」と言ってくれれば納得出来ていたはずなのに、自腹でお金をつぎ込んででも応えてしまうと言うのは研究の足しにはなっても、医療と言う面では必ずしも手放しで称讚される行為ではないかも知れませんね。
近年ますます高度化、長期化して際限のない費用がかかるケースが散見される不妊治療なども「辞めどき」が見いだせない方々にとっては進むも引くも地獄というべき状況でしょうが、それでは未来永劫全額公費で支援すればいいかと言えばそんな訳はないのであって、医療全般においてもそろそろ引くべき時と言うものを考えていかないと、またぞろスパゲッティ症候群と批判された時代の二の舞になりかねないですよね。

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2013年12月 1日 (日)

今日のぐり:「江戸切りそば 石泉(せきせん)」

先日こういう動画が出ていたのですが、お約束ながらちょっと笑ってしまう展開ですよね。

ポップコーンを欲しがる猫と犬…勝負はミラクルな結果に(2013年11月20日らばQ)

ポップコーンを欲しがる猫と犬。
飼い主が放り投げるのを、今か今かと待ち構えています。
ポップコーンを手に入れるのはどちらなのか、勝負の結果をご覧ください。

Cat-dog popcorn trick - YouTube

座ってる位置、瞬発力、どちらも猫有利。
そのため結果は明白とも思われましたが……。
よもやのミラクル連携プレーが生まれました。

狙ってやったのなら大した知能犯と言うしかありませんが、ともかくも果報は寝て待てを地でいくような展開はネコにとっても辛抱の大事さを学ばせる教訓となったのではないかと思います。
本日は生き物にとって真に有用な知性とは何かということを考える意味で、世界中から奇妙な知性を感じさせる生き物たちの振る舞いを取り上げてみることにしましょう。

こんなクマ見たことない…ハチミツ手にワナ脱出(2013年11月22日読売新聞)

 四国山地に生息するツキノワグマが、ワナの中に置かれたハチミツをまんまと盗み食いする様子を無人カメラがとらえた。

 四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)などが生態調査用に設置したワナで、このクマは過去に2度引っ掛かっており、捕まらないコツを学習したようだ。

 同センターによると、クマは推定16歳のオスで全長約1・5メートル。「ゴンタ」と名付けられている。

 ワナはドラム缶(長さ1メートル、直径0・6メートル)2本をつないだ構造で、一番奥に置かれたハチミツ入り容器を引っ張ると、入り口の鉄製扉が閉まる仕組みだ。

 ゴンタが盗み食いをしたのは9月5日夕。高知県香美市のワナの無人カメラに記録された写真は〈1〉入り口から腹ばいになって侵入、体を伸ばし、扉が落下しても閉じ込められないよう後ろ脚を外側に残す〈2〉ハチミツ入り容器を手に入れると、後ろ脚に落下した扉を、後ずさりしながら持ち上げて脱出。頭を抜く時に左の前脚で扉を押さえている〈3〉脱出後、ハチミツを持ち去る――様子が写っていた。

 同センターの山田孝樹研究員は「こんなクマは見たことがない」と驚いた様子。今後はクマの体がすっぽり入るドラム缶3本分のワナを作るという。

それがどのような状況であるかは元記事の画像を参照いただければ一目瞭然だと思いますけれども、これは中の人がいると言われても違和感ないですよね…
クマネタと言うことでもう一つ取り上げてみようかと思いますが、何やらこちらも見てはいけないものを見てしまったかのような思いに駆られる画像です。

森で輪になって踊る子グマ3匹、童話のような写真が撮影され話題に。(2013年11月25日ナリナリドットコム)

森の中で輪になって踊る3匹の子グマたち――。まるで童話のような光景が、現実の世界にもあったようだ。

英紙デイリー・メールやデイリー・エクスプレスなどによると、フィンランドで暮らす体育教師のヴァルッテリ・ムルカハイネンさん(52歳)は先日、同国中部のスオムッサルミへ旅行に出かけていた。その際に森の中で出くわしたのが、オス2匹、メス1匹、計3匹の子グマが輪になって“踊っている”ようなシーンだ。

ムルカハイネンさんは「おとぎ話の魔法の森にいたよう」と、このときの興奮を振り返っている。そしてその瞬間を写真に収め、共有サイトの自身のページに公開。すると、あまりのかわいらしさに瞬く間に評判となり、欧米のメディアが相次ぎこの写真を紹介し、さらにFacebookやTwitterなどで口コミが広がって行くこととなった。
(略)

その非現実的とも言えるような光景は元記事の画像を参照いただくとして、ネタバラシによれば決して踊っていたのではなくとっくみあい?の中の一シーンだと言うことですが、それにしても何とも印象的な光景と言うしかありません。
野生動物にいろいろと被害を被った経験はどなたにもおありだと思いますけれども、ここまでやってくれればいっそあきらめが付くと思ってしまうようなトンデモリスがいたようです。

仕掛けられた罠を回避しながら餌を奪え!リスのミッションインポッシブル(2013年11月12日カラパイア)

 リスはかわいい小動物の一種としてペットとして愛されているが、野生のリスが多くどこにでも出没する米国においては、リスによる被害も多く、鳥の為に設置した餌を奪われるのは日常茶飯事となっている。

 こちらのお宅のおじいさんは、庭に設置した鳥の餌をリスから守るため、手作りのリス除けの装置を作った。だがしかし、アグレッシブで知的なところもあるリスの場合には、トライアンドエラーの末、この複雑でくるくる回るトラップを潜り抜け、ミッションコンプリート。餌をゲットしちゃったみたいなんだ。

Squirrels A Mission Impossible !
(略)
 この様子を一部始終みていた撮影者は「どぁああああ!」と走り抜けることで、最期はリスを払いのけた

 この勝負、粘り強く罠を攻略したリスの勝ちに終わった。撮影者は鳥の餌を守るため、次なる作戦をたてなければならないようだ。

いやそこは素直に負けを認めるべきだと思いますけれども(苦笑)、ともかくこの努力をもっと建設的な方向に活かせば…とリス達自身のためにも願わずにはいられません。
こちらネコの教育現場を示す貴重な記録なのですが、一体何を教わっているのかと気になる方はこちらを参照いただきましょう。

「こぼすんじゃニャい!」食事のマナーが悪いとキレるネコ(2013年11月5日ねとらば)

 食事中はお行儀よくしなければいけないのは人間もネコも同じ? 食事のマナーにやたらと厳しいネコちゃん動画です。

三毛猫に怒られる白猫

 1つのお皿で仲良くごはんを食べている2匹のネコ。ところが白ネコがごはんをポロっとお皿の外にこぼしてしまいます。これを見た三毛ネコは「こぼすんじゃニャい!」と言わんばかりに、白ネコの頭をペシッ! 白ネコが再びお皿に近づいても「もう食うな!」と頭を叩いてカンカンに怒っています。

 三毛ネコに怒られてしょんぼりする白ネコ。今日はごはん抜きかと思いきや、その近くにはちゃんと白ネコ用のごはんも用意されていました。どうやら1人のごはんが寂しかっただけのよう。誰かと一緒に食べたほうがごはんはおいしいものですが、相手を不快にさせないようにマナーを身につけるのも大事だということですね。

ネコと言えば一般的にはさほど行儀作法に厳しいイメージはありませんが、同時に年長ネコは年少者に対して教育者としても振る舞うとも言いますから、これまたネコの一側面ということなのでしょうか。
最後に取り上げますのも同じくネコの話題ですが、これは適切な教育を受けられなかったネコの悲劇的成長を物語るのか、それとも教育者としてのイヌの至らなさを示すのかいずれでしょうか?

寝たふりしながらドッグフードを盗もうとするネコがいろいろひどい こんなの猫やない! ただのおっさんや!(2013年11月24日ねとらば)

 犬にばれないよう、寝たふりをしながらドッグフードを盗もうとするネコがヒドイことになっています。食い意地といい盗みを働く行為といい犬のエサ皿に手を出す時点でよろしくありませんが、その犯行の様子も情けないです。

แมวเจ้าเล่ห์ แอบกินอาหารสุนัข !!!!

 エサ皿はうつ伏せで寝ている犬の脇。そのすぐそばで横になっていたネコは、犬の顔を見ながら前足だけをそーっと皿の中へのばします。手段が姑息(こそく)すぎるうえに、つい音を鳴らして犬に見つかってしまったときは、前足を出したままじーっと固まってやり過ごすというかっこ悪さ。最終的にエサはゲットしますが、何かと散々な姿が笑える泥棒ネコでした。

何なんでしょう、今日見た各種記事の中でも一番人間くさい知性を感じさせるこのネコはいったい…
ともかくもネタフリをしてしまうネコの様子が秀逸ですが、しかしこういうのを見ますとネコの振る舞いを額面通りに受け止めることは何かと危険であるということでしょうかね?

今日のぐり:「江戸切りそば 石泉(せきせん)」

倉敷市内中心部、観光地として人気の美観地区のある界隈で何軒かある蕎麦屋の中でも、おそらく最も評価が高いと思われるのがこちらのお店です。
この日は北海道産の蕎麦粉を使っているのだそうでまだまだシーズン始めという雰囲気ですが、いずれにせよこれからしばらくは蕎麦好きで賑わうことになりそうですね。
ちなみにメニューをよく見ますとちゃんと花巻などもあるのは感心なんですが、観光地らしく蕎麦を使ったデザートなども各種取りそろえてあって、そうかと思えば板わさ等の蕎麦屋らしいつまみやその日の小鉢も一通りあって飲みにも対応となかなかに隙がありません。
暖かい蕎麦に比べると盛り以外の冷かけ蕎麦系がおろししかないのがちょっと物足りない気もしますが、ざるも辛ざるがおすすめと書いてあるのをそれでもここはシンプルにざるだろうと頼んで見ました。

そのざるですが、見た目からしても食感からしてもつなぎはかなり少なそうな感じなのですが、細打ちながら切れることもなくなかなかよくつながっていて新蕎麦らしい味も風味もまずは及第と、なかなかよく打ってある蕎麦だと思います。
ただ前回も少し気になったのですが、それこそ蕎麦がざるの上に立ちそうな気がするほど硬いと言うのはどうなのかで、少なくとも盛りで食べるならもう少しきっちり茹でないとしゃっきりを通り越してボキボキと音が出そうですよね。
こちらの蕎麦湯はナチュラルタイプですっきりしていいと思いますし(もっとも、近頃だとこういうのを薄いと文句を言う人もいるようですが…)、蕎麦つゆは少し甘口ながら蕎麦に見合った濃さもありと悪くないんですが、これだけですと胃袋にも舌にも少しばかり不満を感じるところです。
そこでと言うわけでもありませんが、ついつい温蕎麦メニューから卵とじを注文してしまったのですが、これも古典的と言っていいメニューですが花巻などよりは今の時代にも受けそうですよね。
温蕎麦ながら薬味のネギは別添えでトッピングはもみ海苔だけとシンプルなのはなかなか好印象ですが、食べて見ますとしゃっきり感はさすがにスポイルされるもののこちらの方が十分に煮上がった蕎麦らしい食感になっていると思います。
この卵はなかなかにいい感じのふわとろ加減でいいのですが、強いて言えばもうちょっと丁寧に白身を切っていれば見た目にもさらに綺麗になっていたでしょうかね?
こちらに使っているかけつゆの方は蕎麦に合わせるには甘いんですが、卵と一緒に飲むとちょうどいいというあんばいで結局残さず完食してしまいましたけれども、普段温かい蕎麦はあまり食べないんですが寒い季節にはこういうのもいいかと思いますね。

観光地価格をプラスして考えても高めの値付けに加えて盛りも控えめでいわゆるコスパ的には評価が難しいところですが、周辺競合店も決して安さで知られているというわけでもないのと、まともな蕎麦屋が少ないという地域の状況なども考慮すると相対的な競争力はそれなりにあるという位置づけなのでしょうか、ともかく一定数のお客は入っているようでいいことだと思います。
ちょうど新蕎麦のシーズンでもあって見ていますと蕎麦好きらしい人もちらほらなのですが、あまり大勢の入れるお店でもないだけに観光地のやや外れた場所というこの位置取りは経営的には微妙でしょうが、利用する客の側からすると落ち着いて食べられるのでいいとも言えます。
接遇面では基本的にあまりおしゃべりが多いというタイプではなく無難なところなのですが、しかし蕎麦湯を置いて行ってるのに蕎麦つゆは下げちゃうお姉さんは蕎麦屋的にはどうなのかと、少しだけ気になりましたね。

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