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2013年12月14日 (土)

21世紀を感じさせるビットコイン問題

大切なものをうっかり捨ててしまうとはあまりあってほしくないながらしばしばあることですが、先日こういう規模壮大な記事が出ていたのですがご覧になりましたでしょうか?

7.7億円分のビットコイン捨てちゃった!英男性が埋め立て地を捜索(2013年11月29日AFP)

【11月29日 AFP】英国で、7億7000万円相当の仮想通貨「ビットコイン(bitcoin)」を保存したハードディスクをうっかり捨ててしまった男性が、ごみ処分場の埋め立て地で必死の捜索に当たっている。
ビットコインはインターネット上で流通する仮想通貨。政府や中央銀行の裏付けはないが、オンライン決済可能な各種サービスや商品の購入に使えるほか、現実の通貨にも交換できる。ナカモト・サトシ(Satoshi Nakamoto)と名乗る謎のコンピューター専門家のアイデアを基に、2009年に誕生した。
ビットコインの交換レートは最近急騰しており、今月27日には初めて1ビットコイン=1000ドルに達した。

IT関連の仕事をしているウェールズ(Wales)在住の英国人、ジェームズ・ハウエルズ(James Howells)さん(28)は、まだビットコインの価値がタダ同然だった2009年に7500ビットコインを購入した。ビットコインを記録したハードディスクはその後数年間引き出しに保管していたが、日常生活や引っ越しのごたごたの中ですっかり中身を忘れてしまい、今年7~8月頃に何も考えずに捨ててしまったという。
最近になって、捨てたディスクの中身を思い出したハウエルズさんは、震え上がった。もしディスクを見つけられれば億万長者になれると気付いたのだ。
ハウエルズさんは自分の全バックアップファイルを調べたが、ビットコインのバックアップデータはなかった。
こうしてハウエルズさんは、地元ニューポート(Newport)の広大なごみ埋め立て地で、気が遠くなるような捜索活動に直面することになった。28日、英国放送協会(BBC)の取材に応じたハウエルズさんは、次のように語っている。
「管理局の担当者が現在埋め立て中の処分場に案内してくれました。そこで目にしたのは、サッカー場ほどの広さの埋め立て地でした。とっさに『こいつは見込みなしだな』と思いました」
「管理局の人の話では、3~4か月前に運ばれてきたごみは1.5メートルくらいの深さに埋まっているだろうとのことでした。それを聞いた時、僕が恐れていたことが現実になったのです」

警察などが埋め立て地で証拠を捜索する場合は通常、最大20人の作業員と掘削機器、複数の警察犬が動員されるという。だが、ハウエルズさんは「実際のところ、そんなお金も、大規模な捜索を実現させるだけの力も、今の僕にはありません。ディスクが絶対に見つかるという保証もないのに」と述べている。

いわゆる電子マネーの類は言うまでもなく日常生活の様々な局面で利用されていますけれども、それらはほとんどがどこかの会社の管理する電子マネーをサービスとして利用するという形になっていることから、当然ながらその会社のサービスに参加しないことには利用できないですよね。
2009年に運用が始まったこのビットコインの特徴としてはどこかに取引を管理する者がいるわけでなく、取引に関わる双方の間でピアツーピアに取引が出来るというのが最大の特徴であり、それだけに特定企業の管理を離れて独立した通貨単位として広まっているわけですね。
こうした簡便なシステムですと素人目に考えても渡されたコインが本物なのかどうか?が非常に問題になってくると思いますが、これが非常におもしろいやり方で信頼性を担保しているものであるようで、正体が不詳だというこのシステムの提唱者はずいぶんと頭が良い人なんだろうなと思いますね。
その簡便さもあってか運用開始からわずか数年のうちにずいぶんと広まっているらしいこのビットコインですが、いわゆる電子決済的な運用ももちろんあるのでしょうが未だに実社会ではそれほど多くの場面で使えるというわけではない、一方で前述の記事のように短期間にその価値が急上昇していることから、投機的な運用によって大きなリスクも発生しかねないという状況にもなっているようです。

中国で「ビットコイン」バブル、取引量は世界の3分の1に(2013年12月5日CNN)

北京(CNN) 中国でインターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の取引が過熱している。取引量は日本などを抜き、世界のビットコインの3分の1が中国経由で売買されるようになった。

雑誌編集者のリュウ・シンダさん(23)は2012年に投資を始めた当初、株式や不動産への投資も検討した。しかし「人民元より安全に資産を形成できる手段」としてビットコインを選んだといい、「その仕組みを信頼した」と話す。
購入した当初、中国での取引価格は60元(現在のレートで約1000円)、売却した時は700元(約1万2000円)だった。現在まで持っていたとすれば、先週の時点で7000元(約12万円)に跳ね上がっている。
ビットコインの価格が金1オンス相当にも達する中、利益を期待してビットコインを購入する投資家はさらに増加。世界の取引量の3分の1強が、中国最大のビットコイン取引サイト「BTCチャイナ」経由で売買されるようになった。
中国での取引量は、日本のマウントゴックスや欧州のビットスタンプといったビットコイン取引所を抜いて、1日当たり10万枚、取引金額は4億元(約67億円)に達している。

この背景についてBTCチャイナのボビー・リー最高経営責任者(CEO)は、「ビットコインは新しいアセットクラスとみなされている。しかも中国は貯蓄の習慣が根強い」と解説する。
中国はここ数年で人民元の国際化を推進し、国際市場での規制を緩めて価値を上昇させてきた。しかし規制はいまだに存在し、個人が中国国外に投資するのは難しい。結果として多くがビットコインのような資産に目を向ける。
デジタル通貨は乱高下が激しく、11月にはそれまでの最高値の900ドルを記録した28時間後に500ドルまで下落した。11月29日には1242ドルに上昇している。
中国政府はデジタル通貨を正規の通貨としては認めていない。中国人民銀行の易綱・副総裁は講演で、「中国の中央銀行が近い将来、ビットコインを正規の金融商品として承認することはあり得ない」との見通しを示している。
ただし同氏は国民がビットコイン市場に参加するのは自由だと指摘。ビットコインのアイデアは興味深いと考え、長期的な観点から個人的に注視していくと述べている。

ビットコインで決済ができる店や企業も増え、中国最大のインターネット検索サイト「バイドゥ(百度)」でも一部のサービスで利用できるようになった
しかし過去の投資で利益を手にしたリュウさんは、ビットコインバブルには距離を置く姿勢だ。「今のトレンドは誇大宣伝でしかない。(中国大手通販サイトの)タオバオやアマゾンでの買い物に使えるようになるまで、ビットコインにこれ以上の投資はしない」と話している。

2カ月で10倍になっていたビットコインバブルが崩壊 今度はたった3日間で半額に!(2013年12月7日ガジェット通信)

このところニュースの経済面を騒がせている仮想通貨『ビットコイン』。ビットコイン取引サイトでは、わずか2カ月あまりで取引価格が10倍以上に急騰し、時価総額にして1兆5000億円にも達した。

10月からのビットコイン相場を引っ張ってきたのは中国の個人投資家たち。10月14日にネットサービス大手の『百度』がビットコイン決済に対応することを発表して以来、投機熱が加熱。テレビや新聞でも「ビットコインで家が建った」という億万長者の誕生が報じられるほど異常な盛り上がりを見せ、世界で流通するビットコインの3分の1以上が中国経由で売買されるようになっていると観測されていた。

ところが、この3日間で状況は一変。12月5日に1ビットコイン(以下BTC)=1240ドルの高値をつけた後、取引価格が急落し、7日午後には一時1BTC=576ドルの最安値を付けた。わずか3日間のうちに半額以下になってしまったというわけだ。

この暴落の引き金を引いたのは、中国の中央銀行である中国人民銀行が「ビットコインは通貨として市場で流通・使用することはできない」との通知を発したことと、それを受けて『百度』がビットコインによる決済の停止を発表したことだ。当局に冷水をぶっかけられた中国人投機家たちがいっせいに投げ売りを始め、ビットコイン相場の暴落を招いた。中国人が主導してきたビットコインバブルが弾けたのだ。

ビットコインには価値を裏付けるものがないため、もともと本質的に不安定な仮想通貨ではあった。また、暗号通貨であるビットコインは利用者の追跡が難しく、海外への違法な送金や脱税、犯罪組織の資金洗浄に利用されているという指摘もかねてより繰り返されてきた。共産党政府と人民元を信用していない中流層以上の中国人にとって、ビットコインへの投資は“リスクヘッジ”の意味もあったことだろう。しかし、共産党政府がそのような抜け道を容認する期間はごく短かった。対する中国人民の逃げ足の速さも素早かった。さすが「朝令暮改」「上に政策あれば下に対策あり」の成句が生まれた国だけのことはある。

ま、こういう規制がいきなり出てくるところがお国柄なのでしょうけれども、株式などのように「週明けの取引再開を待って値が動く」と言ったものでもないわけですから、24時間365日の常時監視を続けていなければこんなことにいつなっても不思議ではないという意味では、そもそも非常に投資対象としてはリスクがあるものなのだと思います(だからこそ投機も盛り上がるのでしょうが)。
実際のところこうした電子マネーをいくら貯め込もうがそれを実社会に移行・反映させることが出来ないのであればゲームでゴールドを幾ら貯めたという話と同じなのですが、特に犯罪者にとってもこうした電子マネーは非常に利用しやすいという側面もある以上、基本的に各国政府ともその運用拡大には今後ますます慎重にならざるを得ないのではないでしょうか?
実際に先日はマカフィーがマルウエアなどと並んで「仮想通貨を使ったサイバー犯罪の増加」を大きなリスク要因として挙げたというほどで、匿名性を保ったままオンラインで簡単に取引が出来て追跡も難しいとなれば、それはマネーロンダリング等の後ろ暗い取引に使えと言っているようなものですし、実際に米連邦裁判所からも通貨規制の対象とすべきだと言う判決が出ているようです。

いわゆるリアル犯罪者以外にもサイバー犯罪者にとってもこのビットコインは狙い目であるようで、ビットコイン取引の仕組みを利用した不正プログラムがかなり広範囲に出回っている、それどころか実は最大の感染PC数を誇っているのが他ならぬ日本だというありがたくない話もあって、本来ユーザーが手にするべきシステム維持の報酬を勝手に横取りしていくようなことを「堂々と」やっているようです。
ネットワークにつながったあちらこちらのPCの余力をちょっとずつ利用させてもらうことで大きな作業をするという考え方はビットコインのシステムの根幹をなすものであって、同様の仕組みで実際にSETI計画のために全世界のPCに空いた余力を貸してくれと協力を依頼する呼びかけがなされたこともありますけれども、実のところユーザーが理解し同意しているかどうかという一点を除けば不正プログラムもやっていること自体は全く同じと言えます。
単純にお金を出してスパコンを借りてやるべき計算を、他人のPCのリソースを分散使用することで代用できると言うのならその分コストが浮いて利益になるということからも理解出来るように、実はビットコイン不正に限らずこうした分散処理の方法論そのものが微妙な分け前の問題を抱えているとも言え、それだけに何かしら規制をかけるにしてもどのような形で行うべきかとなると少しばかり悩ましいものがありますよね。
ともかくもこれだけ世界中で高性能なPCが年中ネットワークに接続して稼働しているというのは人類共有のリソースという点で非常に注目される状況で、将来的にはそうした過剰リソースを誰がどのように利用するかという点に関しても公的なルール作りが必要になってくるんじゃないかと言う気もしています。

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コメント

どうもこういう実体を反映しないもので金儲けを考えるのは受け付けないんですよね…
でも仕組みとしてはおもしろいのでもっと有意義な活用が出来ないかと思いますけど。

投稿: ぽん太 | 2013年12月14日 (土) 09時51分

あぶくゼニがそうそう身につくわけがないw

投稿: aaa | 2013年12月14日 (土) 11時49分

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