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2013年11月 5日 (火)

ますます迷走する入試制度改革

最近こうした話しが話題になっていることをご存じでしょうか?

「全国学力テスト」成績公表、何が問題になってるの?(2013年10月31日THE PAGE)

 文部科学省は、小中学校の「全国学力テスト」の成績を、各区市町村の教育委員会の判断で公表できるよう、実施要領を見直す方向で検討に入ったそうです。これまで文科省は、教育委員会が学校別の成績を公表することを禁じてきました。なぜ公表容認へと議論が進んでいるのか、論点を整理してみましょう。

「序列化や過度の競争」の懸念

 全国学力テストとは、小学6年・中学3年を対象にした「全国学力・学習状況調査」のことです。2007年度から全員参加式のテストとして始まり、民主党政権下で3割抽出方式に変更されましたが、2013年には4年ぶりに全員参加式に戻っています
 これまで公表されていたのは都道府県別のデータのみでした。しかし今年9月、静岡県の川勝平太知事が学力テストの科目「小学校国語A」が都道府県別正答率で最低だったことに危機感を持ち、「学力テスト下位100校の校長名を公表する」と発表したのです。学校現場からの反対で「成績上位の校長名を公表する」と方針転換しましたが、これを機に学校別の成績公表の是非をめぐる議論が湧き起こりました。
 そもそも学力テストの目的は、その結果を教育現場に生かし、児童生徒の学力向上に役立てることにあります。これまで文科省が学校別の成績公表を禁じてきたのは「学校間の序列化、過度の競争を招く」「学力テスト対策に授業が偏る」などの懸念からでした。

「到達度知るために公表は当然」

 しかし、独自の教育改革に取り組む地方自治体から、公表に積極的な意見が出ています。「学習の到達度を知るために、成績は公表して当然」「公表するかしないかは地域の判断に委ねるべき」といったものです。
 すでに、自らの判断で学校別の成績を公表している学校もあります。現行の公表ルールは教育委員会による公表を禁じるものですが、各校がホームページなどで自主的に公表することは認められているのです。
 市内の全小中学校が自主的に公表した結果をホームページで公開している佐賀県武雄市教委では、点数だけが独り歩きしないように生活状況を尋ねた学習状況調査の結果と合わせて公表しているとのことです。

市町村教委の6割は現状維持望む

 10月21日に開かれた文科省の専門家会議によれば、全国の小学校の74%と中学校の67%がすでに、保護者や地域に公表や説明を行っていることが明らかになりました。また、市町村教委による学校別公表に賛成の知事は44%、現状維持が24%。都道府県教委では賛成は40%、現状維持が43%となっています。
 その一方で、市町村の教育委員会は現状維持を望む意見が62%と過半数を占めました。学校現場により近い市町村で「過度な競争や序列化を生む」との懸念が根強いことが示され、市町村教委による学校別公表の解禁には反発も予想されます(東京新聞2013年10月21日)。

そもそもこの試験、一部の学生だけを対象に試験を行うことで成績にバイアスがかかることを懸念する声がありましたが、ようやく全員参加の試験に戻ったところで今度は成績を公表するかどうかが議論になっているということですね。
義務教育の小中学校で序列化がそこまですもんなのかと思うのですが当然私立などは学区制ではないでしょうし、最近は公立中学でも学区をまたいでの進学があるようですからこうした話も出てくるのでしょうか、いずれにしてもわざわざ時間を使って全国で試験をしているわけですから、その成果を最大限有効活用する方策を考えていくのが当り前ではないかなという気もします。
ところでとかくこのように学校教育においては点数というものに対して異常なほどの過敏反応を示す方々が一定数いらっしゃるようなのですが、その同じ文脈で語ることが出来そうなのが先日以来話題になっている大学入試改革の件で、こちらでも学生に点数をつけて評価するなどまかりならん!という意見が大いに賑わっているようですね。

2段階の新試験提言=大学入試、総合評価へ転換を―再生会議(2013年10月31日時事通信)

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は31日、大学入試や高校・大学教育の改革に関する提言を安倍晋三首相に提出した。高校在学中に複数回受けられる「基礎」「発展」の2段階の達成度テストを新たに導入し、「発展」を現行の大学入試センター試験に替えて実施するよう提案。1点刻みの知識偏重型から、能力や適性を含めた総合評価型への制度転換を求めた。同会議の提言は4度目。
 安倍首相は「小学校から大学までの教育全体を変えていくことにもつながる。受験生、保護者らにしっかり説明しながら具体策の検討に着手してほしい」と述べた。
 具体的な制度設計は、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)に委ねられる。下村博文文科相は「現役高校生への適用は考えていない。周知に十分な期間を取る」と述べており、導入には早くても5年程度かかる見通し
 提言によると、「発展レベル」のテストは受験生を段階別の点数グループに分けて評価。大学側が学力把握に活用し、面接や小論文、ボランティア活動などを多面的に評価し入学者を選抜する。さらに、英語などでの外部検定試験の活用や将来的なコンピューター方式での実施にも言及した。 

大学入試「人物本位の選抜に」 再生会議が提言(2013年11月1日朝日新聞)

 【村上宣雄】政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大学総長)は31日、大学入試改革に関する提言をまとめ、安倍晋三首相に提出した。大学入試センター試験を改編し、成績を点数でなく上位から下位まで何段階かにランク分けして表示。複数回実施も検討する。その上で、意欲や潜在能力がある学生を迎え入れるため、面接などによる人物本位の選抜に転換するよう大学側に求める内容だ。

■高校在学中に「達成度テスト」

 提言は、高校在学中に基本的な学力を測るテストを実施することも提示。これを「基礎」レベル、センター試験の改編版を「発展」レベルとし、合わせて「達成度テスト(仮称)」として一体運営するとしている。文部科学省は5~6年後の実施を想定。今後、教育の専門家を集めた中央教育審議会(文科相の諮問機関)で具体的な制度設計を議論する。
 成績のランク表示は、テストを合否の決定的な材料とせず、各大学を受験するための「基礎資格試験」化するという考え方に立っている。
 提言は、「発展」テストに参加するかどうかは各大学の判断に委ねたが、個別に学力試験を実施する場合も「知識偏重にならないよう改善を図る」ことを求めている。面接などで丁寧な選抜を実施すれば人手やコストがかかるため、積極的な大学には国が財政支援することも明記している。
 テストの複数回化は多大な労力がかかるため、提言は「検討」という表現にとどめた。文科省は今後、複数回化の可能性を探るため、マークシート方式を維持しつつ、6教科29科目に広がっている現在の出題体制の縮小を検討するとみられる。提言は、将来の課題として、会場のパソコン上で問題を解く「CBT式」や、論理力や分析力をみる総合的な問題を導入する案も示した。
 高校在学中の「基礎」テストは、勉強離れの歯止め策の一つで、高校生が学習目標とし、指導効果を上げることを目指す。文科省は高1の必修内容を高2段階で実施することを念頭に置いている。参加は希望制で、在学中に再度受けることも可能とする方向だ。大学の一般入試の資料とはしないが、学力試験を課さないAO入試や推薦入試で、出願者の学力を把握する資料には使えるようにする。
 教育再生実行会議は今年1月に設置され、今回はいじめ対策や教育委員会改革などに次ぐ第4次の提言となる。この日は、続く第5次のテーマである「6・3・3・4」の学制のあり方についても議論に入った。

    ◇

■新試験「達成度テスト」(仮称)の概要
【「発展」テスト】

・大学入学の「基礎資格試験」の性格をもたせる。成績は1点刻みではなく何段階かのランクで表示
・大学入試センター試験をベースに、複数回化や、思考力などをみる総合型の試験も検討。大学側がTOEFLなどを代用して活用することも推奨
・各大学は、面接、論文、高校時代の活動内容(部活動やボランティアなど)と合わせて入学者を選抜

【「基礎」テスト】
・高校教育の一環として、生徒に学習目標をもたせ、達成度をみて指導改善につなげるために実施
・出題は高1レベルを想定。希望制で、在学中に複数回受けられる仕組みを検討
・高校の卒業資格にはしないが、AO、推薦入試で大学が出願者の学力を把握する資料に活用

日本でもひところ一部の小学校の運動会では皆で手をつないで同時にゴールインということがおこなわれていると話題になりましたが(「競」と言う文字すらNGでこういうのを「徒走」と言うのだそうです)、進歩的な学校になるとペーパーテストも子供が正解を書くまでつきっきりで何度でも書き直させて全員に100点の答案を返すという大変熱意ある指導まで行われているそうですね。
入学希望者は全入させるというのであれば点数無しだろうが何だろうがご自由にというものですが、選抜試験を行うと言うにも関わらず客観指標である点数を無視して主観指標だけでやりなさいというのも奇妙な話だと思うし、それ以上に懸念されるのがこうした主観指標での入試を行い入学後はどうするのかということです。
近年の大量養成政策で学力低下が著しい一部歯学部などでは大学の正規カリキュラムとして「分数の計算」だの「一次方程式」だのが取り入れられていると話題になっていましたが、当然そうした学生たちも点数を問わずに進級させるというわけにもいかず、むしろ入試がどんどん選抜機能を失いつつあることに反して進級チェックはさらに厳しくすべきではないかという話すら出ているようなのですね。

大学の卒業認定厳格化へ 留年増でも補助金減額せず(2013年10月30日47ニュース)

 政府の教育再生実行会議は29日、留年する学生が増えて定員を超過した場合、大学への補助金などが減額される現在の制度を緩和するよう提言する方針を固めた。成績の悪い学生でも留年させにくいという現状を改め、大学の卒業認定を厳しくするよう促して「出口管理」を強めるのが狙い。

 「入学しにくく、卒業しやすい」と指摘される日本の大学の在り方を見直し、知識偏重の入試を変えると同時に、大学生の学習量を増加させることを目指す。

まあ入試改革も結構なんですが、入試では学力を問わないのに入学後はどんどん学力でふるい落とせというのは何とも首尾一貫しない話ですし、これでは留年が大量に出てまた学費詐欺だとか、奨学金が返せないだとかいう問題になることが目に見えているのではないでしょうか。
教育再生実行会議のメンバーを見ますと有名大学の関係者も少なからず含まれているようなのですが、こうした制度が彼らの大学にとって理想的な入試のやり方だというのであれば、いずれこれら有名大学も学生の質の低下に悩まされることになるのではないかと思います。
別にそれはそれで構わない、むしろ毎年大量に学生をとり入学金や授業料をかき集め、どんどん振るい落としてまた新しい学生を大量に入学させた方が経営的に効率ががいいという発想なのかもしれませんが、新たな入試制度ではそんな低質な学生ばかりを多数入学させた大学側の「人を見る目」が問われることになると理解しているのでしょうか?

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心と体」カテゴリの記事

コメント

日本の高等教育崩壊させるつもりですか??

投稿: tetu | 2013年11月 5日 (火) 08時28分

よく言えば入りやすく出にくい大学にしたいんでしょうけどね。
でも今の日本でこれやったら混乱するだろうなあ…
そもそも教える側もこんな制度改革に対応できないでしょ?
判断材料もないのに目の前の学生から一人選べと言われたって無理ですよ。

投稿: ぽん太 | 2013年11月 5日 (火) 09時02分

足切りに使われるんじゃないですか?<「達成度テスト」(仮称)
またぞろ朝日あたりが「門前払いだ!」と騒ぎ立てる様が目に浮かぶようです。

投稿: JSJ | 2013年11月 5日 (火) 09時19分

「大学とはなんぞや?」をまず固めないと、議論は迷走するでしょう。
学問の追求を本分とするなら「人物」など二の次三の次でしょうし、
就職予備校を目指すなら、学力よりもコミュ力が重視されるでしょう。
個人的には職業人の養成を第一に据えるなら、大学である必要はないと思いますけどね。
これは医学部についても同じことが言えます。

投稿: hhh | 2013年11月 5日 (火) 09時20分

受験機械の複数化のほうが受験の負担をとるでしょう。
米国とカナダの医学部共通入試テストMCATは年間25回実施されていて、受験生は年間3回まで受験可能。1回のテスト結果は3年間有効。しかも、できが良くないと思えたら試験終了直後にスコアリポートをキャンセルできる。

オーストラリアの大半と英国の一部の医学部の共通入試のGAMSATは年1回まで。

いずれも面接試験のスクリーニングに使われます。

投稿: とある内科医 | 2013年11月 5日 (火) 09時42分

これで東大や早稲田は独自入試路線だったら笑えるw

投稿: aaa | 2013年11月 5日 (火) 09時56分

入試に落ちた人が点数開示請求することありますよね?
これ開示請求されたときどう返事するんでしょう?
「あなたは見込みなさそうだから落としました」って?

投稿: まるさん | 2013年11月 5日 (火) 10時51分

国体明徴とは、天皇中心主義の国家観念を明らかに証拠立てること。日本語には、階称 (言葉づかい) がある。日本人に判断を迫るには、序列判断 (上下判断) で決着を図るしかない。
上は天皇、下はもろもろ。人々は上と下との間に挟まって中流意識を持っている。序列の国 (日本) を離れて外国に移住したものは ‘彷徨える日系人’ となる。これは心の支えを失う恐ろしい現象である。あくまでも、島国根性を温存する。
日本の中も序列判断。軍隊の中も序列判断。理性判断で決着を図ろうとすれば、非国民の証拠とされる。国家は軍隊の暴走に歯止めをかけられない。国民は小人の所有する飼い犬となった。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/


投稿: noga | 2013年11月 5日 (火) 11時08分

どんなやり方をしても入口を広げないのであれば別の競争が発生するだけのような気がします。
あと、ボランティア活動を評価対象にするのはボランティアがボランティアでなくなるので個人的には反対です。

投稿: クマ | 2013年11月 5日 (火) 11時08分

まあ色々と問題はあるのですが、一番興味があるのは選任に当たって人物本位で選ばれてはいない教官が学生をどう人物本位で評価するのかという点です。
人間誰しも自分が真っ当で普通だと考えがちですから自分に似た人間を高評価するのかですが、もしそういう傾向が見られるとなれば医学部の白い巨塔化も一段と進行しそうですかね。

投稿: 管理人nobu | 2013年11月 5日 (火) 12時04分

共通テストを素点ではなく、段階的に評価というのは、英国のやりかた。
今回の提言も、それを念頭に置いているのでは?
その英国でも、GAMSATのような別途の医学部テストをつかったり、ケンブリッジ大学が開発した難度の高いpre-Uという学力テストを使う大学もあります。
当然、全員が面接ではなく、共通テストの得点が低いと面接まではいけません。
スクリーニングでcut offされます。

米国、カナダ、オーストラリアでも医学部受験に関して、共通テストは選抜の基準であると同時に、面接試験を受けられるかどうかのスクリーニングに使われます。
医学部以外も別途の共通テストが使われますが、選抜のやり方は同じです。

欧州の国々も大学入試では記述式もある共通テストを使いますが、素点か、素点をscaled score(偏差値スコアに似ている計算方法)に換算した一発勝負型。

いつものことですが、文部省の役人と自民党の一部が思いつきで、大学入試をいじくって混乱させているだけ。

だいたい、大学は職業訓練でも教育重視でも知識の取得が基本なのに、知識偏重の入試はいかんなどとほざくのは本末転倒でしょう。

投稿: とある内科医 | 2013年11月 5日 (火) 12時42分

 大学入試の問題じゃなくて、カリキュラム全体、進学システム全体の問題を議論すべきなのに、個別の議論に特化しすぎ。
 子どもが、その年齢に応じた知識、学力をどうやって身につけさせていくか議論すべきなのに。小学校からの積み残しを放置したまま、トコロテン式に上に上にむりやり押していくから、大学のところで破綻してる。

投稿: ?? | 2013年11月 5日 (火) 13時36分

アメリカみたいに入学を優しく卒業を厳しくしたいんだろうけど
医学部でそれをやると駄目だと思うんだけど
アメリカの真似するなら大学医学部は廃止して医学大学院にしてMCATみたいな共通テストで
足きりで個別面接とかで良いと思う。もちろん学部時代の単位も制限して
必修の自然科学の単位が未習なら出願できないとかで

投稿: | 2013年11月 5日 (火) 14時04分

もういっそ下の学年から深達度テストに合格しないと進級できないようにしてみたらどうかと…
少なくとも義務教育が終わったあとで機械的に進級させる意味はないでしょう?

投稿: てんてん | 2013年11月 5日 (火) 15時15分

■欧米の医学部共通入学テストの例

(1)アメリカのほとんどすべての医大と、ケベック州を除くカナダの医学部共通入試

Medical College Admission Test® (MCAT®)
https://www.aamc.org/students/applying/mcat/

高卒では医学部に進めず、原則、医学部以外の一般大学卒業前、ないし卒業後に受験する。
物理・化学・生物必修の学力テスト
ともに大学一般教育課程修了レベルの知識を問う。
物理科学テストと生物科学テストの配点は同じ。
このテストの得点と、米国医師資格試験(USMLE)の得点が相関しているという報告が、米国医科大学協会(AAMC)の専門誌Academic Medicineの2005年度の号に掲載されている。


昨年までは、小論文テストもあったが、廃止されている。

従来の物理科学テスト(物理と化学)と生物科学テスト(生物と化学)に加え、医学部で使う生化学や分子生物学、遺伝学の知識を問うテストもtrial test(選抜の資料には使わず、実験的に出題)の経過をみて、追加が予定されている。

年間25回の受験機会があり、受験生は年間3回まで受験できる。
生涯の受験年数の制限はない。

テストのできが悪いと感じたならば、テスト終了後にスコア・リポートをキャンセルして、受験しなかったことにもできる。
多くの医大で、1回のテストは医学部入学前の3年間有効。
解答の素点をscaled scoreに換算して、個人の得点としている。
難関医学校ほど、MCATの入学者得点が高い。

医学部受験に必要な学力テストは、この試験だけ。個別の学力テストは行わない

テストの得点でスクリーニングされたあと、定員の2倍かくらいまで絞られた数の受験生が面接試験を受ける。


(2)オーストラリアの多くの医学部と、英国、アイルランドの一部の医学部の共通学力テスト

Graduate Medical School Admissions Test(GAMSAT)
http://gamsat.acer.edu.au/

高卒では医学部に進めず、原則、医学部以外の一般大学卒業前、ないし卒業後に受験する。
物理・化学・生物必修の学力テスト(生物と化学は大学1年終了レベル、物理は高校3年終了レベル)。
合わせて、人文系、社会系の読解力をを問うテストもある。
総合配点は理数テスト得点:文系科目テスト得点=2:1
また理数テストのうち、科目ごとの配点は物理:化学:生物=20%:40%:40%。

1年に1回だけ実施。

米国とカナダ同様、医学部受験に必要な学力テストは、この試験だけ。

このテストでスクリーニングされて基準点以上の受験生が、面接試験を受ける。


(3)ベルギーやスウェーデン、イタリアなど欧州の国も医学部受験生向けの共通テストを受ける。

(4)英国はGAMSATを使わない場合、必修の全国共通テストA Level Exam.のパフォーマンス(数理系4科目ないし3科目選択、文系科目はなし)と、UKCATあるいはBiomedical Admission Testのトータルのマークで学力を測定する。
これに、15分か20分程度の個別の面接試験が加わる。
全員が面接に進めるわけではなく、大学が定めるA Level Exam.の基準(予測得点)を満たさないと面接に進めない。

(5)それ以外のシステムを取っている国では、全国共通の学力テストを受けて、医学部入学の選抜となっている。

追記;

(1)医学部受験の学力テストは共通テストMedical College Admission Test® (MCAT®) だけの米国では、米国医科大学協会調べでは、一人の医学部受験生が出願する医科大学の平均が13校。もっとも多い出願校数が30校だったそう。
テストは1回だけなので(年間、複数回の受験機会あり)、あとはテストでスクリーニングされたあと、面接試験の通知がきた医科大学に、面接を受けにいく。
とうぜん、志望校でない、どこも受からなければ、浪人となる。

(2)オーストラリア、英国、カナダなど医学部共通テストないし全大学共通テストで選抜する国でも、一人の医学部受験生が複数の医学部を志願できる。
英国の場合、ひとり4校の医学部を同時に志願できる。のこり1校は医学部以外を選択とされている。
医学部をどこも受からなければ、非医学部進学か、浪人となる。

(3)ドイツ、フランス、北欧も全大学共通の入学テストを受けて、複数の医学部を受験する。受からなければ、浪人するか、同時に出願した非医学部に進学する。

(4)フランスのエリート養成教育機関であるグランゼコールは個別の難度の高い学力テストを用いて選抜する。全国共通の大学入試テスト(バカロレア)を受けた後、グランゼコール進学準備クラスに進学し、2~3年の受験勉強を経て、個別テストに挑む。
ただし、受験機会は1年に1回だけだが、2回までの受験は許可される。

投稿: 欧米の医学部入試テスト | 2013年11月 6日 (水) 11時24分

フランスの医学部入試は2段階選抜。
高校卒業時の全国共通テストバカロレアのSコース(数学、理科2科目ないし3科目)の成績の上位者が、いったん各大学の医学部進学予備課程に進学する。
ここでは、医学、歯学、薬学、他の医療系学部の学生が一緒に学ぶ。
1年目終了時に全国一斉に、医学部専門課程進級試験があり、この試験の成績上位者だけが医学専門課程に進学できる。
この試験の合格率は10%~20%。
合格できなかった学生は、他の医療系学部に進学する。
医学部専門課程進級試験に合格した医学生のほとんどは医学部を卒業する。

近年は米国のシステムの影響を受け、いったん、他大学の他学部を卒業した人が医学部に編入できるようなシステムも考慮されている。

投稿: 欧米の医学部入試テスト | 2013年11月 6日 (水) 11時40分

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