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2013年11月 2日 (土)

ネット時代に起こりえる事件

本日の本題に入る前に、馬鹿発見器騒動に類似した問題は日本国内に留まることのない全世界的な問題ですけれども、先日イギリスで「それはいくら何でもネットリテラシー欠如も過ぎるだろう」と思われるような事件が発生したと話題になっています。

14歳少女「Facebookのみんな、うちで誕生パーティやるから来てね!」→200人が押し寄せて暴徒化、家の被害総額470万円に(2013年10月30日らばQ)

フーリガンという言葉を生んだイギリスですが、こうした暴徒が現れるのはサッカー場だけではありません。
パーティに現れては集団でぶち壊しにする「パーティクラッシャー」が社会問題化しています。
14歳少女が誕生日パーティを開くためFacebookで自宅に招待したところ、200人が押し寄せて破壊の限りを尽くしていったそうです。

こちらがサラ・ハインさん(14歳)の自宅。
彼女がFacebookで誕生日の招待すると、何人もの友達から「危ないからやめるべき」、「すぐ招待を隠すべき」と助言を受けたのですが……。
みんな、いちいち我が家のパーティがどうなっちゃうとか言うのやめてくれる? 人生は一度きりなのよ」との返事。

そしてパーティの日がやってきました。
集まってきた200人もの若者たち。
その中には、パーティを嗅ぎつけては好き放題に暴れていく「パーティークラッシャー」も混じっていました。
彼女の母親(56歳)もその場にいましたが制御不能となり、警察が駆けつけたときには、被害額470万円という取り返しのつかない事態となっていたのです。
(略)
驚くことにイギリスではこの手の事件がたびたび起こっているとのこと。
パーティークラッシャーが恐ろしいのは、招待人数が小規模であってもフェイスブックやTwitterなどを通して発見すると、たちまちネット上に噂として広がり、何百人もがパーティーをぶち壊しになだれ込んでくることだそうです。
ターゲットにされた家はめちゃくちゃにされ、壊滅的な状況を招きます。
(略)
パーティクラッシャーたちは遠方のパーティにまで駆けつけてくるので、ネット上でのパーティ招待は、プライベートの範囲に留めておかないと危険とのこと。
日本でもたびたびTwitterやFacebookでの情報公開が炎上につながっていますが、特に若年層にはネットの危険性を学ぶ機会がより必要な段階にあるようです。

日本人的な感覚ではしょせんパーティーのいたずらだろう?なんて思ってしまいそうですけれども、そんな甘いものでは全く無い単なる暴徒の襲来であったということはリンク先の破壊的状況を見るだけでも十二分に理解出来ることですよね。
これまたブリではよくあること…らしいのが本当に困ったものですけれども、このパーティークラッシャーなる存在は元々は別にブリに限ったものでもなんでもなくて、招待されてもいない有名人のパーティーに潜り込んで大騒ぎするような手合いのことを言うのだそうで、特にアメリカあたりですとテロ対策との兼ね合いもあってしばしば大きな問題として扱われることがあるようです。
これだけ好き放題やらかすようになってきますといずれパーティクラッシャーをハメて楽しもうとするホストも出てくるんじゃないか、というジョークもあるようですが、ともかくも周囲の人間から警告されていたにも関わらず突っ走った本人の無謀こそが今回の騒動において一番の根本原因となったことは疑いようがなく、若年層からのネットリテラシー獲得のための教育がどれほど重要かという教訓になる話ですね。

さて話は変わって、昨年頃から一部漫画作品に関連して各地に脅迫状が届けられるという事件が相次いでいて、安全性確保を理由としてイベントが中止されたりと大きな社会的影響も出ていますけれども、先日再びこうした話があったようです。

ツタヤに脅迫、「黒子のバスケ」店頭撤去(2013年10月29日日刊スポーツ)

 TSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は29日、人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」に関連する全ての商品を店頭から撤去すると明らかにした。全国の約1450店舗が対象で、11月3日までに撤去する予定。

 同社広報担当によると、商品を撤去しなければ客の生命に危害を及ぼすという内容の脅迫状が15日に届き「客の安全を第一に考えた」としている。撤去するのは、レンタルや販売している漫画本やテレビアニメのDVDなどで、28日から作業を始めているという。

 「黒子のバスケ」をめぐっては、関連商品に毒を入れたとする脅迫文が大手コンビニチェーン本部や報道機関に送り付けられ、菓子などが店頭から撤去されている。(共同)

「黒子のバスケ」撤去の脅迫 なぜ割れた、書店の対応(2013年10月30日朝日新聞)

 【守真弓、上原佳久】人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」の撤去を求める脅迫状が複数の書店チェーンに届いた。顧客の安全のためと撤去を決めた書店がでる一方、販売を続ける書店も。なぜ対応が分かれたのか。

 週刊少年ジャンプ(集英社)に連載中の「黒子のバスケ」に関連しては、1年ほど前から脅迫が相次ぎ、出版社がイベントを中止するなどの影響が出ていた

 漫画を含めてすべての関連商品を撤去するのは、レンタル大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ。同社広報室によると、全商品の撤去を求める脅迫状が15日に届いた。11月3日までに撤去しなければ客の生命に危害を及ぼすという内容で、同時期に脅迫状が届いたセブン―イレブン・ジャパンが関連商品の菓子を撤去したことも考慮し、28日に全店舗からの撤去を決めたという。「お客様の安全を重視した」と同社は説明する。

 一方、同様の脅迫状が届いた紀伊国屋書店、三省堂書店など多くの大手書店チェーンは販売を継続する。

 「撤去する考えはない」というジュンク堂書店によると、これまでも特定の本について「著者に問題がある」などと撤去を求められたことはあるが、応じていないという。「本は表現作品であり、書店は読者に届けるために預かっている立場。軽々には撤去できない」。出版物は一般の商品とは異なるという認識だ。

 やはり脅迫状が来たが撤去はしない宮脇書店は、「表現、言論の自由に関わる問題だ」という。

 集英社広報部は「販売店の個別の判断についてはお答えする立場にない。一貫して警察への捜査協力を続けていく」としている。

これだけ大きな社会的影響を及ぼしたとなるとこれはすでに小さな罪で終わるものではなく、警察関係者には一刻も早く犯人を逮捕していただきたいものだと思いますけれども、手紙一つでこうした大きな反響が得られるということを知らしめたことは今後同種の事件が続発する可能性を高め、テロ対策上も大きな問題になってくるのではないかという懸念が各方面から言われています。
この辺りは考え方も大きく分かれるところで、いわゆる識者の中にも「可能性がゼロでなければ、対処すべき」「行き過ぎた対応かもしれないが、きっちりした対応はあらゆる可能性を摘むことになる」と肯定的に評価する方もいるのは理解出来るとして、ではどこまでゼロリスクを追及すればいいのかと言うことになってきますよね。
かつて過激派のハイジャックに屈して人の命は地球よりも重いと「超法規的措置」を取ったという歴史が日本にはありましたが、世界的に見ればテロリストの要求に屈してはならないという考え方の方がよほどに主導的で、場合によっては多少の犠牲もものともせずテロリスト殲滅を優先するという場合が多いのは周知の通りです。
今後こうした要求が更にエスカレートし例えば国会図書館の蔵書を全て焼却しろ、さもなければ…といった要求が出た場合にやはり「可能性がゼロではないから」と唯々諾々と要求に従うべきなのかと考えると、一民間企業の選択の問題だとか表現の自由に対する挑戦云々といった話以上に大きな問題をはらんでいる、これは思いがけず重要な示唆を与える事件になっているのかなと言う気がします。

もう少し日常レベルの話に落として考えると、先日郵便局にガソリンらしきものをまいて金銭を要求した男に職員が金はないと答えるとそのまま逃走したという割合にありがちな事件がありましたが、これなども放火された場合の人的物的損害のリスクを考えると余計な事をするべきではない、どうせ他人の金なんだから黙って出しておけば保険で補いがつくだろうにという考えも当然ありますよね。
実際にひと頃は特定の大手牛丼チェーン店にばかり強盗が押し入るという事件が多発して話題になっていて、この会社の場合深夜の少ないスタッフ数で対処するリスクとレジ内に置かれている現金の額などを総合的に比較検討した結果「黙って金を出した方が安上がり」だと判断したと言う説がありましたが、警察からは「同種事件がこれだけ多発しているのに防犯体制の改善が見られない」と注意されたと言います。
そう考えると今回のケースで各書店の対応が割れたのももちろん表現の自由云々といった主義主張の問題もさることながら、結局は企業としてリスクとメリットをどう評価するかという問題に尽きると言え、例えば顧客のために安全対策を優先したつもりがかえって客離れにつながったと言う事も起こりえるし、表現の自由を守ったつもりが顧客の安全をないがしろにした金儲け主義だと批判される余地もあるということですね。

ネット上では今回のことも割に平静に受け止めているようですけれども、逆にそれだからこそと言うべきか一連の事件は同一犯人なのか、犯人像はどのようなものかと言った推理が盛んであるようで、推理小説的に「事件で一番利益を被った人間を真っ先に疑うべき」などと言う声もあるようです。
そもそも論で言えば事件が起きること自体必ずしも悪いことなのかどうかで、例えば作者側は黙っていても宣伝になり売り上げが増すだとか、脅迫される側もライバル企業との姿勢の違いが明確化される、あるいは警察にとっても犯罪対処に関して新たな方法論が許容されるようになる可能性などそれぞれにメリットもないわけではないと言う点で、実は騒動自体必ずしも悪いことばかりでもないという考え方もありえるわけですね。
もちろん「だから犯人は作者の関係者による自作自演だ」などという極論に飛びつくのもどうかですが、考えて見ると一連の騒動はネット上で頻用されるタームであるところの炎上だとか自作自演、ステマと言った話と相似形で語られる部分も少なからずあって、ネット上でリアルタイムに経過が中継されている点も含めてまさしくネット時代らしい事件にはなっているのかなと言う気がします。

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コメント

山本太郎参議院議員が10月31日、園遊会で天皇陛下に手紙を渡した。いわゆる直訴という行為だ。

幼稚すぎる行動で、山のような問題をはらむ。皇室の政治利用、社会儀礼上の無礼さ、常識のなさなどだ。
テロ行為を重ねる極左暴力集団の中核派との関係を公言する山本氏が皇室に間近に近づいたことは、
警備上の問題も明らかにした。テロ行為も可能であったということだ。

山本氏は放射能をめぐるデマ発信、そして中核派など極左暴力集団の支持など、特異な異様さを持っていた。
私は彼の当選翌日にコラムで懸念を述べ、さまざまなことを学んで支持者と共に変わってほしいと願った。

やはり、ダメなままだった。議員になってからのめちゃくちゃな活動の行き着いた先が、この直訴騒動だ。
http://agora-web.jp/archives/1566093.html

山本太郎氏はこの2年半、騒擾の中心の一人だった。いちいち取り上げるのは面倒であり、掲載させていただくアゴラの品位を落としかねないので、以下のNAVERまとめを参照してほしい。

「デマッターとしても著名な山本太郎さんが、ついに選挙演説でもデマをまきちらし始めた」

「【参院選2013】反原発山本太郎への投票を検討していたが、調べてみたらカオスすぎてやばい件」

さらに山本氏の周囲には異様な取り巻きがいる。選挙では、テロリスト集団の中核派が支援を表明。(池田信夫氏記事「山本太郎は中核派支援候補」)また菅直人元首相周辺に食い込んで、北朝鮮と関係のある新左翼セクト「MPD ・平和と民主運動」の関係者が山本氏の選対に入り込んでいるとされる。

冗談ではなく、参議院と議員会館の治安・防諜対策を、各議員と議会事務局がしなくてはならない。山本氏を利用して、中核派や北朝鮮関係団体が活動する可能性がある。民主主義を否定する集団が、民主的手段の選挙によって国政に入り込む。この状況は異常だ。
http://agora-web.jp/archives/1549142.html

投稿: | 2013年11月 2日 (土) 08時29分

黒バス問題は、今のところ脅迫のみで、実効的な加害をしていない。
もちろんされたら困るんだが、あまりに過敏な反応はマスコミ的言論の自由の自己否定にもつながるとは思いますよ。
でも、脅迫者たちは黒バスのどこに引っかかったんだろう…


ところで山本太郎の左翼中核派的脳内では、天皇陛下はいまだに日本における中世的支配者のままなんだろうね。
「自己犠牲の精神で王様に直訴したオレ、カッケー」
って思ってるんだろうな。
自分が日本国の主権代理者であることなんてわかってなさそう。

投稿: | 2013年11月 2日 (土) 10時12分

>でも、脅迫者たちは黒バスのどこに引っかかったんだろう…

一説によれば腐絡みの路線対立に絡んだ逆恨みであるとかないとか?
いずれにしてもこの偏執性からして真っ当なものではないと思われます

投稿: 柊 | 2013年11月 2日 (土) 10時36分

もう愉快犯模倣犯が参戦してるのかもなんてちょっと思ったり。>脅迫事件
でもこれだけうまく脅迫成功したらぜったい真似したくなりますよねえ?
気に入らないテレビ番組潰すためにスポンサー脅迫したりする輩も出たりして…
とにかくさっさと犯人を捕まえて欲しいです。

投稿: ぽん太 | 2013年11月 2日 (土) 11時27分

さすがにちょっとでもリスクがあればって教条主義はあまりに評論家然とした意見では?と思うのですけど…
これ言っちゃったら子供のいたずらも全部真に受けないといけなくなっちゃいますよ?

投稿: てんてん | 2013年11月 2日 (土) 11時54分

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