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2013年11月 9日 (土)

食品「誤表示」事件の陰でもう一つの事件が

最近思いがけず大きな騒ぎとなり一向に終息の気配も見えないのが例の食品「誤表示」問題ですが、正直この日本においてこうした問題がここまでありふれたこととして存在していたという現実に驚いたという人も少なくないのではないかと思います。
もちろんこの際ですから徹底的に問題の根を掘り尽くして議論しておくのがいいかと思うのですが、このところ見ていますと「誤表示」の当事者よりもむしろそれをあくまで「誤表示」と報じるマスコミの方に批判の矛先が向いてきている気配もあるようですね。

マスコミは「権力者」か? 食品偽装という問題で考える(中部大学教授 武田邦彦)(2013年11月07日ガジェット通信)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
■マスコミは「権力者」か? 食品偽装という問題で考える(中部大学教授 武田邦彦)
マスコミは第四の権力と呼ばれるし、現在ではむしろ「政党も変えることができる権力」とも言われる。でも、本当にマスコミは「頭脳のついた権力」なのだろうか?

ホテルのレストランの食品偽装がさかんに報道されている。11月2日の新聞には「仕入れ値2500円のアフリカ産ロブスターを、仕入れ値4000円ほどの伊勢海老と称して調理して売っていた」というニュースが一面に載っていた。そこにはなぜアフリカ産のロブスターを使ったかというホテル側の言い分が詳しく書かれていて、鍵かっこもつけずに「誤表示」という見出しをつけていた
(略)
食品偽装のことも重要だが、ここでは新聞が「誤表示」という言葉を使うことについて取り上げたい。

人の家に無断で入って金銭を盗んだ窃盗犯が「お借りするつもりでした」と言って頭を下げ「借用です。窃盗ではありません」といえば、新聞やテレビは「借用」と書くのだろうか? 間違いなく「窃盗」と書くし、その窃盗犯が「なぜ、無断で借用するに至ったか」ということを事細かに言っても「窃盗は窃盗だ」と言って切り捨てるだろう。

でも、なぜ、ホテルのレストランが詐欺をしたときには、その言い分に紙面を割き、詐欺した当人が使った単語「誤表記」をそのまま使うのだろうか? 新聞の言い訳は「本人が使っているから」というのだろうが、それならなぜ窃盗犯の時には本人の言い分を聞かないのだろうか?

私はマスコミは「第四の権力」などといわれるが、実は「弱い者いじめをする社会の害毒」と思う。これは日常的なことから、政治的・社会的なことまで、「強いものには逆らわず、弱い者はかさにかかってバッシングする」ということで、かつ「頭脳で判断して書くのではなく、雰囲気で強いほうにつく」ということだと思う。

小さな会社が不祥事を起こすと徹底的に罵倒する新聞記者が、東電には「教えてください」といい、一流ホテルでは「誤表記」と書く。もう少し職業人としての倫理と、日本人としての誠実さを持ってもらいたいものだ。

まあマスコミの中の人も商売でやっているわけですから、商売上差し障りのある相手に対してはそれなりの対応になることはやむを得ざるところかなとは思う一方で、今の時代「何を報じたか」ではなく「何を報じなかったか」の方が世間の注目を集めるようになっていると言う点には留意されるがよろしいかとは思いますね。
先日も某大手芸能人が身内の不祥事で降板すると言った話が出ていて、無論当の本人が今まで他人に対して厳しい責任の取り方を要求していたのですからそれも自業自得とは言えますが、ネットなどでは家族がどうこうと言うより当の本人が起こしてきた隠れたトラブルの方が問題視されていたわけです。
ところがそちらは多くのマスコミからはスルーされ、本来必要ないことだが身内の責任も取るため潔く降板するという妙に美談めいたシナリオに書き換えられていると言うには、やはり当のマスコミの大株主であることに配慮して近い将来の復帰を睨んでの措置なのか?と勘ぐられても仕方がないでしょうね。
いささか話が脱線しましたけれども、食品偽装と並んで非常に大きな意味をはらんでいるのではないかと言う懸念から大いに炎上中なのがこちらの「楽天日本一セール」問題ですが、まずは何がどうなっているのか記事から引用してみましょう。

シュークリーム77%引き前が1万2000円! 楽天優勝セール、価格表示に不満続々(2013年11月5日J-CASTニュース)

   楽天が始めた「日本一大セール」で、「価格表示がおかしい」「全然安くない」といった声が相次いでいる。そもそも「通常販売価格」の設定が変だという声が多いのだ。
   楽天のセールが2013年11月3日夜から始まり、中には星野仙一監督の背番号にちなんだ「77%引き」という商品もあって話題だ。

シュークリーム10個入り、値引き後は2600円

   ところが、ツイッターなどでは、どう見ても最初の価格設定がおかしな商品がある、との指摘が次々に出ている。
   やり玉に挙げられた1つが、京都・宇治の抹茶を使ったシュークリームだ。ある北海道の出店業者のサイトでは、10個入りの通常販売価格を1万2000円に設定し、「楽天日本一セール 77%OFF」とうたった。そこでは、産地直送価格として、2600円という値引き価格が表示されている。
   これに対し、産地メーカーのサイトを見ると、10個入りの定価は2625円になっている。つまり、77%を引いても定価とほとんど変わらない価格ということだ。ネット上では、この価格設定に疑問の声が相次ぎ、出品業者のサイトはその後「店舗の改装中」と閉鎖される事態になった。なぜこんな価格設定にしたのか電話で取材すると、担当者がおらず、理由についても聞いていないとのことだった。
   77%引きでは、ほかにも通常販売価格の設定がおかしいとの指摘があった。iPhone 4S用「SIMフリー」は、大阪の出店業者のサイトで、通常価格が43万3915円となっていた。それが9万9800円という値引き価格で売られ、ツイッターで「どう考えても酷すぎ」と報告されている。
   こちらは、優勝セール後からこの価格なのかははっきりしないが、騒ぎの後にサイトから商品が削除されている。業者に取材したいと電話で聞くと、「結構です」と繰り返すだけだった。

「消費者庁ガイドラインを守るよう注意している」

   優勝セール前から、値引き価格なのにもかかわらず、セールで割り引いたと誤解させるようなケースもあった。
   ある有名メーカーの羽毛布団について、北海道の出店業者はセール前、2枚合わせのダブルサイズを「メーカー希望小売価格」15万7500円から値引いて、7万4800円と半額以下に表示していた。しかし、セール後も割引は変わらないにもかかわらず、楽天の検索サイト上では、「日本一大セール 半額以下アイテム」と分類され、セールで割り引いたような表示になっている
   楽天の広報部では、価格設定がおかしいとの声について、こう説明する。
    「消費者庁のガイドラインに沿って、適切に販売するよう出店者の方々には日ごろからお願いしています。調査で違反が分かれば、強制的な契約解除といったように厳正に対処しています」
   楽天自身がガイドラインを設けることについては、「われわれが決めることではありません」と言う。
   抹茶シュークリームの価格設定については、「その店を調査して確認中ですので、現状ではコメントはないです」と答えた。iPhoneのケースについては、初めて聞いたという。
   こんな煮え切らない状況の中で、消費者が自衛するにはどうしたらよいのか。ネット上では、Amazonや価格.comなどと比べてから買えばよいといった声が多かった。

楽天三木谷「日本一セールは審査していた。便乗した勝手セールでこのような事態があった」と逃げコメント(2013年11月7日ガジェット通信)

楽天ゴールデンイーグルス優勝にともない楽天ウェブサイトで商品が77%オフとなり話題となったが、数々の問題も抱えていた。その問題とは元々2600円だった商品を1万2000円の77%オフの2600円として販売するなど、二重価格表示で販売する業者であふれていたことだ。

この件について楽天の三木谷代表は次のようにコメントした「正式な日本一セールは厳正な審査をしていた、便乗した勝手セールでこのような事態があった」と正式なセール以外は楽天運営側は関与していないとのことなのである。

関与していないと言いながらも検索ページには77%オフの商品のみを検索できるようにしたりとかなりの矛盾が見られる。

店舗側からしたら何の得もない77%セールを無理強いされ、しかたなく二重価格表示せざるを得ない状況だったのではないだろうか。それに対して「便乗した勝手セール」で片づくと思うのだろうか。

記事にもある問題の和菓子は製造元から卸されたものを通販業者が勝手にセールと称して売り出したもののようで、その業者曰く「商品をウェブサイトにアップした際に、手違いで価格を表示した。2時間ほどで消したので、こんな騒動になるとは思わなかった」のだそうですけれども、むしろ皆が冷静な判断力を失っている時間帯に短時間で売り切ってネタバレしないうちに消そうとしたのかとも勘ぐれますよね。
ネット通販に限らずこうした便乗セールの疑惑はかなり以前から知られているところですが、今回こうまで大きな騒ぎとなったのは個々の店舗が勝手にやっていた従来のセールと違って、オンライン検索一発で価格比較も出来る場でこういうあからさまで即バレせずにはいられない行為が行われた、しかもシステム上一定の関与が間違いないはずの楽天側が知らぬ存ぜぬを公言しているということが大きいようです。
楽天側が全ての業者に特売を強要したと言うのもさすがにどうなのかで普通に便乗しただけの悪徳業者も少なからずいるのでしょうが、少なくとも検索ページの用意までして日本一セールを仕掛けた中でそれに参加する業者を全くノーチェックだったと言うのは、大会場を用意して一大イベントを開いた主催者がどこの誰が出店したのかノーチェックですと言っているようなもので、世間的には首をかしげる言い訳に聞こえそうですね。

事件そのものも通販というものの信頼性を大きく揺るがす問題をはらんでいるのですが、これまた興味深いのはネットメディアの追求に反して一般マスコミはごく簡潔に「事前に商品を登録し、楽天の審査を通ったものだけが売られるはずだったが、審査を通っていない商品が売られていた」「勝手なセールをした店舗があり、現在調査している」と、「公式発表」丸写しに留まって大きく問題視もせずにいるようにも見えることです。
楽天社長と言えば先日は薬のネット通販に新たな規制が設けられることに反発し政府の産業競争力会議の民間議員を辞任すると報道されたばかりで、今や不当な政府権力に立ち向かう正義の味方的な役割をマスコミから与えられているようですが、考えて見るとこの慢性的不況で在来型産業が広告費を大幅に減じている中でテレビをつければネット関連産業のCMばかりが目に付くのも確かですよね。
楽天と言えば最近また広告費絡みのトラブルが報じられていたように本業の部分で色々と言われることも多い企業ですが、ビジネスが大きく成長しつつあるこの時期にきちんと制度の部分を煮詰めておかないと、またぞろ「あんな怪しげな会社に球団など持たせていいものか」と初優勝に水を差すようなことも言われかねません。

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コメント

セール品の割引分はショップが負担 “目玉商品は蒸発して消える「楽天」優勝セールのストレス”と週刊新潮
2013.11.08 10:45

ここ数日、薬のネット販売規制や“楽天日本一セール”の二重価格疑惑などで、楽天の三木谷社長の言動が
クローズアップされている。特に今回のセール価格については、連日テレビなどでもその疑惑が報道されて
おり皆の関心の高さがうかがえる。そんな中、週刊新潮11月14日号は「偽装の帝国」と題したワイド特集で
“目玉商品は蒸発して消える「楽天」優勝セールのストレス”という記事を掲載している。

ホンダのハイブリッド車『フィット』や高級腕時計の“ロレックス”、シャンパンの“ドンペリニヨン”などの
目玉商品などがホームページにはズラリと並んでいるものの、販売時刻と同時に“蒸発”してしまい
“買い物難民”が続出とのこと。

先日は「楽天セールでまたも疑惑が? 20台限定のルンバが1台しか販売実績がなかった」
http://getnews.jp/archives/450722 という記事をお伝えしたが、果たして実際に商品は用意されているのだろうか。

また、記事では楽天にセール品を出しているショップの関係者の、
「記念セールをやると、ショップは楽天から特売品を出品するように要請され、割引した分はショップが
負担することになっている。しかし、中小のショップが多いこともあって、セールに出せる品は数が限られてくるのです」

というコメントが掲載されている。今回の日本一セールでは“77%オフ”というのは名ばかりで元の価格を偽装
しているのではという疑惑が噴出しているわけだが、上記のような楽天の姿勢に構造的な問題があるような気もする。

ちなみに優勝セールで
<楽天サイドの負担といえば、電子ブックリーダー「kobo」の値引きと宣伝広告費ぐらいだとか。>

とのこと。『kobo』は値引きしてくれなくても結構なので、他のものを楽天の負担でガツンと値引きしてくれないか
と思うのは筆者だけだろうか。

http://getnews.jp/archives/451069

楽天タイムセール品に「czダイヤモンド」を「ダイヤモンド」として販売している業者まで?
2013.11.08 11:40

昨日、楽天の三木谷代表は優勝セールに関して「正式な日本一セールは厳正な審査をしていた、
便乗した勝手セールでこのような事態があった」と公式は関係ないと逃げるかのような発言。
しかし楽天のタイムセール品にも疑わしい商品が発覚したようだ。

それは“czダイヤモンド”4万2800円が3480円なのである。ダイヤモンドが3480円なら激安だと
思うかもしれないが、実は“czダイヤモンド”というのはキュービックジルコニアで人造石
なのである。それを「一粒ダイヤモンド」や「ダイヤモンド」という表記は行ってはいけない
のだという。国民生活センターのウェブサイトにもこの質問が多く寄せられているらしく、
この質問を取り上げている。

国民生活センターの解説文の一部を引用。

キュービックジルコニアを「CZ(cz)ダイヤモンド」という表記で販売するネットショップが
目立つようになってきました。しかし、キュービックジルコニアは、あくまでもダイヤモンドを
模した人造石であり、材質や組成は、ダイヤモンドとまったく別物です。
 「ダイヤモンド」という表記は、本物のダイヤモンドのみが用いることのできる記載であり、
前後に別の言葉(例:CZ、cz、モアサナイト、等)が付いた上で、さもダイヤモンドであるかの
ような売り方がされている場合、不適切な表記であると考えたほうがよさそうです。

3480円で販売しているこの“czダイヤモンド”だが、アマゾンで同様の商品を見ると1000円程度である。
それを定価4万2800円で販売していたのも信じがたいが、楽天のタイムセールで審査を通して販売
していたこと自体驚きである。

http://getnews.jp/archives/451134

投稿: | 2013年11月 9日 (土) 07時55分

くどいくらいの誤表示連呼はたしかに突っ込みたくなるんですよね。
あれだけ各社横並びでやってるからにはよほどに強い要請があったんでしょうけど。
これで今後似たような事件が起きたときに偽装って言葉が使いにくいですかね?

投稿: ぽん太 | 2013年11月 9日 (土) 10時51分

>3480円で販売しているこの“czダイヤモンド”だが、アマゾンで同様の商品を見ると1000円程度である。

平たく言えば二重の詐欺です本当に(rw

投稿: aaa | 2013年11月 9日 (土) 12時11分

 楽天の三木谷浩史社長は11月11日夜、3日~7日に開いた「楽天日本一セール」中に、商品の
元値を不当につり上げ、大幅に割り引いて販売しているように見せかける不当な二重価格とみられる
表示があった件について記者会見を開き、「消費者にご迷惑をおかけしてすみませんでした」などと
陳謝した。今後は、元値のチェックシステムの構築などを行い、再発防止に努めるとしている。

 11月7日の決算発表時とその後のインタビュー時の説明では、不当表示が疑われるのは、
同社の公式セールに参加申請せず、便乗して“勝手セール”を行った20店舗・約1000商品としていたが、
調査の結果、17店舗で1045商品に修正。合計118人が購入し、売り上げは46万9967円分だったという。

 該当店舗は1カ月のサービス停止としたほか、該当商品を購入したユーザーには、商品の返品を前提として、
全額を現金かポイントで補償する。17店舗の名称などは公表しない。「1カ月の停止処分は重い。
われわれは警察ではないし、そこまでの権利はないと思っている」と三木谷社長は話す。

 一方で、ネットで話題になった、「通常価格1万2000円、77%オフで2600円」の抹茶シュークリームなど
3商品・3店舗については、楽天側の価格チェックを受けた上で、公式セールに参加した商品だった、
と説明を修正。店舗が独自に行う“勝手セール”品であり、楽天の価格チェックを受けていないと
していた従来の説明は、「確認ミス」(高橋理人常務)であり、「ミスリーディングだった」(三木谷社長)と謝罪した。

ITmedia http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1311/12/news034.html

投稿: | 2013年11月12日 (火) 22時07分

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