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2013年11月

2013年11月30日 (土)

炎上騒動の多発が呼び寄せるもの

いわゆる馬鹿発見器騒動も一向に沈静化する様子がないようで、SNS上で赤ん坊に煙草を吸わせている写真を公開した親が虐待だと大騒ぎになったり、逆に路上喫煙者の顔写真多数を公開した「受動喫煙加害者の実態調査」なるアカウントが炎上したりと、何やらユーザー同士互いに馬鹿ぶりを張り合っているかのようにも見えますよね。
「ニコニコ」等のネットサービスを運営するドワンゴの川上会長が「ネット炎上を起こしているのは現実社会に居場所のない人のねたみ」などと発言した直後に当のドワンゴ社員と見られる人物がUIに文句をつけるユーザーに「全員殺して回りたい」とつぶやき炎上するなど奇妙なシンクロめいた現象も見られるというのは、関連しそうな話題が容易に結びつけられやすいネットの特性ではないかという気がします。
こうしたネットの特性を考えるとひと頃話題になったステマ騒動などよりもむしろ注意しておきたいのが炎上と言う現象を能動的にコントロールし利用しようと考える人々が必ずいるはずだと言うことなんですが、例えば先日海外で話題になったというこういうケースを取り上げてみましょう。

サムスンギャラクシー広告で「珍騒動」 「ペニスは指よりも強し」はジョークなのか(2013年11月27日J-CASTニュース)

  韓国サムスン電子のタブレット型端末「ギャラクシーノート10.1」の広告が、海外で話題になっている。きっかけはツイッターに投稿された、この製品の屋外広告を写した画像だ。
   キャッチコピーは英文でこう書かれている。「ペニスは指よりも強し」。過激すぎるこの表現、本当にサムスンが決めたのだろうか。

フォトショップのジョークか、こずるいマーケティングか

   問題の画像は2013年11月22日、海外に住むコンピューター機器の専門家がツイッターに投稿した。横長の看板広告には確かに「ペニスは指よりも強し(The penis, mightier than the finger.)」とある。リツイートした人たちからは「ウソでしょ」「こりゃ面白いな」との感想、真偽は不明だが「(パキスタンの)カラチにあったぞ」という「目撃談」、さらには「英文として正確じゃない」との真面目な指摘もあった。
   一方で、画像編集加工ソフト「フォトショップ」を使って実際にある画像をもとに勝手に偽造したのではないかという疑いを指摘する人も多い。サムスンが、わざわざ自社を貶める下品な宣伝文句を広める必要がないだろう、というわけだ。
   オンラインITニュースサイト「ギズモード」英国版は11月25日、「まず間違いなくフォトショで加工された画像だろう」としつつも、ツイッターユーザーはこの屋外広告がエジプト、パキスタン、フランス、ケニアで掲示されていたと主張していると伝えた。記事の最後は「フォトショによる壮大なジョークか、はたまたサムスンがこずるいマーケティング手法を持ち出してきたのか」と締めくくられている。

   近年では「炎上マーケティング」が話題になることがある。製品やサービスを宣伝するために、あえて世間の批判を浴びるような言動、行動に出るのだ。メディアが報じれば、ある意味で宣伝費をかけずにアピールできる。ただ無名の製品ならともかく、ギャラクシーブランドはスマートフォン、タブレット型端末で米アップルの「アイフォーン(iPhone)」「アイパッド(iPad)」と双璧だ。わざわざ悪い印象を世界的にばらまく必然性やメリットはないようにも思える。
   サムスン電子ジャパンに取材すると、「ギャラクシーノート10.1」の正式なキャッチコピーは「ペンは指よりも強し(The pen is mightier than the finger.)」と説明した。「ペンは剣よりも強し」をもじったとみられる。画面をペン入力できる特色を、古くからのことわざになぞらえたコピーのようだ。
(略)

もちろん当の企業側では問題になっている広告を意図的なものではないと言っていて、実際誰かが画像加工をしたと言う説もあるようですが、よくよく見ますと単にあるべき空白が抜けていると言うだけでなく不自然なカンマが挿入されるなど「誤植」と言い訳できる細工とも取れる仕上がりになっていることから、やはり意図的な炎上騒動を狙ったのでは?と言う意見も根強くあるようです。
有閑マダムが永年顧客になるような伝統的ブランドなどではまた別なのでしょうが、こうしたデジタルガジェットの顧客と言えば比較的若年層で性能メインに選択するという方々も多いですから「まずは知名度」で売り込むのもそれなりに有効な戦略でしょうし、同社も「我が社のイメージを損なった!」と積極的な対応を取っているわけでもないらしいあたり、少なくとも大きなマイナスとは考えていないという様子が透けて見えますよね。
ステマのようにあまり褒め殺しになり過ぎても世間の反発を招きやすいことを考えると、今回の騒動も広報戦略の一環であったとしたらシンプルにどこか自虐的な笑いを取るという点でもなかなか秀逸であったと思いますが、ともかくこの意図的な炎上騒動を起こそうとする主体の意図は様々なものがあって、中には彼らがネットに何を求めているのか?と思わせる事件も発生しているようです。

中3少女がFC2で“飛び降り自殺”を動画配信 ネットに救いを求める10代の悲痛な叫び(2013年11月27日EXドロイド)

滋賀県近江八幡市で中学3年の女子生徒(14)が自殺した事件がネット上で波紋を広げている。自殺の一部始終が動画配信サイトで生中継されていた可能性が強まったためだ。

11月24日午前4時ごろ、同市のマンション敷地内で倒れている女子生徒が新聞配達員によって発見され、約3時間後に搬送先の病院で死亡した。13階と14階の間にある踊り場にゴミ箱があったことから、それを足場に飛び降り自殺をしたとみられている。
このニュースが同日昼ごろにテレビなどで流れると、一部ネット上では「あの動画配信の子じゃ…」と騒ぎになった。事件の直前、動画配信サービス「FC2ライブ」で“自殺中継”を放送していたJC3(※中学3年生)を自称するユーザーがいた。このユーザーは事件の約1週間前、某掲示板に「自殺配信がしたい、ニュー速にスレがたったりするのかなあ」「iPhoneは手すりに置きます。私はそのカメラに映るように、ちゃんとグロくなるようにしっかり落ちてあげます。そして伝説になるんです」などと自殺をほのめかす書き込みもしていた。
当日の放送は開始時点で自殺が心配されていたらしく、配信中に少女が急に部屋から飛び出すと視聴者たちは止めるために「危ないよ!」「あほ、やめろ」「部屋に戻りなさい」などと必死にコメントを送った。だが制止も虚しく、少女はマンションの踊り場らしき場所で踏み台に上り、柵を乗り越えて飛び降りてしまった。直後、ドーンという大きな落下音が響き、リアルタイムで視聴していたユーザーたちは「まじかよ」「なんかの間違いだろ」と困惑。配信に使っていたスマホは踊り場に落下し、しばらく廊下が映されたままだった。

当初、この放送は話題作りのための偽装ではないかとも疑われていた。少女はFC2だけでなく、ニコニコ生放送やTwitCasting(ツイキャス)、Ustreamなど様々な動画配信サービスで配信を繰り返し、一部で名の知られた存在だった。「エロいメンヘラ処女jc」などと題した配信で相当数の視聴者を集めたこともあり、ニコ生のコミュニティのメンバーも750人を超えている。
それだけに更なる注目を集めようという目的や、いわゆる「かまってちゃん」の狂言だった可能性が指摘されていた。しかし、中3少女の自殺の現場としてテレビに映ったマンションと、動画中継に映った配信場所の特徴が酷似しており、同一人物だった可能性が急激に強まった。この事態を警察側も把握しており、動画と事件の関連性を調べているという。また、飛び降りたとみられる現場にはスマホが落ちていたことが分かっており、その可能性は濃厚になっている。

この異常事態の背景には何があったのだろうか。
「少女は学校に友人がおらず、家族との関係もうまくいっていなかったことをにおわせていた。現実世界で孤独に陥った彼女が、唯一輝ける場所としてネットに救いを求めたのでしょう。しかし、他者とのつながりを求めてネット配信をしても寄ってくるのはエロ目的のロリコンが大半で救いにはならなかった。身近に信頼できる理解者がいなかったことが最大の悲劇だったようです。また最近、関西地方で女子中学生の自殺が相次いでいることも影響したのかもしれません」(週刊誌記者)

今回の件に限らず、生放送サイトでは注目を集めるために過激な行動をするユーザーが少なくない。かねてから「脱ぎ配信」と呼ばれるセクシー放送や、犯罪や迷惑行為の配信などといった一般ユーザーの暴走が頻発していたが、自らの命まで“ネタ”にしたというのだろうか。
いくらネットでチヤホヤされても本当に心が救われることはない。現実世界で空いた心の穴は現実で埋めるしかないのだ。それでもネットしか居場所がなく、人生最期の瞬間まで捧げてしまった少女は何を求めていたのか。こういった事件があると未成年のネット利用を規制するべきとの安易な意見も上がるが、それよりも先に大人たちは今一度、子供たちに今何が必要なのかを真剣に考えるべきではないだろうか。(佐藤勇馬)

「自殺を、センセーショナルに扱わない」「自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない」「自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない」というWHOのガイドラインもあってか大手メディアはほとんどこの事件をスルーしている状況ですけれども、滋賀と言えば先のいじめ自殺事件があれだけ大々的に取り上げられた土地柄だけに、報道の格差に違和感を感じる人々も多いようですね。
お亡くなりになられた中学生はご冥福をお祈りすべきなのか、何故こうした極端な方法論に走ってしまったかと叱責すべきなのか微妙なところなのですけれども、思うにかつて人間の生死が身近で当たり前のものだった戦国の世では「死んで後世に名を残す」と言う価値観がごく一般的なものだったものだったと言いますし、つい数十年前の戦争のあった時代にも戦没者の名前はきちんと後世に伝えられていますよね。
平和な現代にあっては「その他大勢」に過ぎない一般人はあっという間に忘れられ名を残すことなど無理な状況ですけれども、こうして動画が残り炎上騒動に発展すれば後々にまで「ああ、あの時の…」と記憶と記録にとどめられることは確実で、考えてみるとこれは死を対価にしてでもとと言う価値観を持っている人々にとっては非常に大きなパラダイムシフトであるとも言えそうです。

こうした認識が世間一般に広まってきますと、自殺に限らず劇場型の犯罪行為なども一気に多発してくる可能性がありますが、その結果一つには目立つ犯罪が増えて社会全般が騒然としてくる、マスコミなども盛んに「ネットの弊害が」云々と取り上げると言った調子で、何かしら世の中大変な騒ぎになってしまうように感じられるかも知れません。
一方でマスコミが盛んに「凶悪犯罪が多発している!」「少年犯罪が社会問題化した!」などと煽り立てるのに反して凶悪犯罪少年犯罪も一貫して減少しているという事実を前にすると、果たしてマスコミがセンセーショナルに取り上げるように社会的害悪となるのかどうかを考えずにはいられませんが、近年の記憶に新しい大規模犯罪で少なくない犯人達が大きなことをして世間を騒がせたかったと言っていたことが気になります。
これは全くの想像ですが少々の事件を起こしたくらいでは世間に騒がれることがない、それなら後々まで語り継がれるほどの大事件を起こしてやろうと思って街中で刃物を振り回したりするような事件が一定数起こっているのだとすれば、それこそちょっとしたつぶやき一つで世間から大きく取り上げられるという現代のネット社会は満足に至る実行動の閾値を大きく引き下げる可能性もありますよね。
今後何かしらの事件を起こしてそれをネット中継するという行為がどれほど流行するかは判りませんが、大事件を起こさずとも世間の注目を集められると言うことを知ったとき反社会的行動がどのように変化していくのかということは、単に「またもネットが犯罪を引き起こした!」とセンセーショナルに騒ぎ立てるだけでなくきちんと検証し確認していかなければならない気がします。

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2013年11月29日 (金)

急性期病床削減=地域医療再編の入口

次回の診療報酬改定に関して、先日から断続的に急性期病床削減を厚労省が重点課題に掲げていると言う話が出ていて「何だそりゃ?」と思っている方々も多いかと思いますが、日医などはこういう話を聞いてか近頃何やら「急性期大病院優遇から市中のかかりつけ医重視へ転換する好機だ」と意気込んでいる気配もありますよね。
それはさておきこの話、国の方針によると単純に急性期のベッドを減らすというだけでなく、もう少し複合的な地域医療の抜本的再編を考えての話であるようで、当然ながらその根底には医療コストの抑制ということが絡んできます。

重症向け病床削減へ 厚労省、報酬改定で基本方針案(2013年11月23日日本経済新聞)

 厚生労働省は22日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療部会に、医療機関に支払う診療報酬の2014年度改定で、重症患者を受け入れる急性期病床の削減を重点課題に掲げた基本方針案を示した。

 急性期向けに偏っている現状の病床配置を改め、団塊の世代が75歳以上になる25年に向けて、完治しにくい慢性疾患を抱えた高齢者が多くなるため、リハビリ向け病床を増やすコストが高い急性期病床を減らすことにより、医療費の抑制も目指す

 基本方針は12月上旬に正式決定。診療報酬の改定率(増減幅)は年末の予算編成過程で確定し、個別の医療サービスの価格は、基本方針に従って年明けに決める。

 急性期病床は、看護師の配置が手厚く、診療報酬が高い。今回の改定で報酬を受け取る際の要件を厳格化し、対象を絞り込む。一方リハビリ病床の報酬を充実させ、急性期を脱した患者を受け入れたり、自宅復帰を支援したりする役割を持たせる。ベッド数19床以下の有床診療所の報酬増も検討する。

急性期病床の絞り込みと医療連携がさらに進む方向に(2013年11月26日日経メディカル)

 前回も触れた通り、医療法改正や診療報酬改定の政策誘導により入院医療の「機能分化」が進み、一般病床は急性期医療を担うDPC病院、その他の一般病院、回復期や亜急性期を担う病院といった具合に、診療機能が明確化されてきました。今後も、社会保障・税一体改革で示された、2025年時点での医療提供体制モデル(2025年モデル)の実現に向け、在院日数短縮などにより急性期病床がさらに絞り込まれ、一般病床の機能分化が一層進んでいくとみられています。
(略)
重み増す地域連携室の役割

 急性期病院が手術、救急患者を受け入れ、短い入院期間でベッドを回転させていくためには、退院後の「受け皿」との連携、いわゆる後方連携が不可欠。厚生労働省も、後方連携などの医療連携を診療報酬上で評価し、連携室の機能強化を求めています。
(略)
 また、こうした医療連携を進めるためには、連携先に送る診療情報提供書などを迅速に作成することも欠かせません。勤務医の事務作業の負担軽減のため、メディカルクラークの配置が診療報酬上、「医師事務作業補助体制加算」として評価されていますが、これもある意味、医療連携をバックアップする仕組みといえるでしょう。
 医療連携は、患者さんにとっては何もメリットがないように見えるかもしれません。しかし、リハビリスタッフが十分に配置されていない急性期病院に長く入院していたら、術後に十分なリハビリを受けられず、機能回復や社会復帰が遅れる可能性があります。
 また、回復期リハビリテーション病院には、平日以外に土曜や日曜でもリハビリを実施できる体制を整えているところも多く、まさしく患者さんの社会復帰、自宅復帰に大きく寄与していると考えられます。
(略)

看護必要度が低い急性期病棟は絞り込みへ

 2014年4月の診療報酬改定では、機能分化と連携を推し進めるための仕掛けが幾つも盛り込まれることになるでしょう。中でも、看護配置7対1の一般病棟は、厚労省が絞り込む方針を示しており、算定要件の一つである「重症度・看護必要度基準」が厳格化されることになりそうです。
 さらに、診療報酬だけでなく、厚労省の審議会や検討会で議論されている「病床機能報告制度」も、機能分化を促進させるはずです。これは、各病院が、自院の機能の現状と方向性について「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」から選び、病棟単位で都道府県に報告するというもの。導入されれば、医療計画とリンクし、機能別に病床数がある程度制限される可能性は十分あり得ます。
 急性期病院が必要以上に病床やスタッフを抱えすぎれば、経営上負担となる上、回復期病床の不足や地域の看護師不足をもたらすことにもなりかねません。今後は、これまで以上に地域のニーズに基づいた病棟機能の選択が求められることとなります。つまり、高齢化の進行でその地域の急性期病床が過剰となれば、別のタイプの病床への変換を求められるなど、医療機関として生き残るための大切な判断が必要になると考えられます。

大病院の外来も縮小の方向

 「機能分化と連携」の波は外来にも及んでいます。大学病院など500床以上の大規模病院の外来は、診療報酬上の誘導により、これまで以上に紹介を重視した運営を迫られており、外来の規模も徐々に縮小していくことなりそうです。つまり、現状では1日当たり2000~3000人の外来患者さんがいても、これからは入院の必要性が高い患者さんなどに絞られることになると思います。
 大病院への紹介状なしの受診は、勤務医の負担を増やす上、そもそも医療上の必要性が必ずしも高くないケースも多く、ゲートキーパーの役割は、クリニックや中小規模の病院のかかりつけ医が担うという方向性がより明確になるでしょう。クリニックや一般病院には、相談窓口としての役割や適切な医療機関への紹介、予防や検診といった様々なきめ細かい機能が求められます。さらに、高齢者に関しては、住み慣れた自宅での看取りを推進するため、地域の訪問看護師やケアマネジャーたちとの連携も必須となります。
 国は、病院という「非日常」の場ではなく、「日常」の生活の場で疾病や障害のケアを提供するという考え方を重視した「地域包括ケアシステム」の実現を目指しています。社会保障費の財源は無尽蔵ではなく、財源の有効活用の観点からも、病院や診療所が単独ではなく、医療連携に基づくセーフティーネットの一部として機能するために大きく変わっていく。そんな動きが、いよいよ本格化してきたのだと実感しています。

要するに従来は同じ一つの院内で行っていた業務を複数の施設に分けると言う考え方で、大病院に外来の削減を求めるのと同様に回復やリハビリはそれ専門の施設でしなさいと言うことですから、皆保険制度で大規模病院から診療所まで基本的に同じ医療を提供するという建前の元で整備されてきた日本の医療現場に、量的と言う意外に質的にも格差を公式設定していくということですよね。
なぜ今まで手厚く報いてきた急性期を急に削減するような話になったのかですが、実際にはろくに救急も受けてはいない「なんちゃって急性期病院」が加算だけは欲しがって看護師を抱え込むような弊害の方が目立っている状況ですから、やはり病院機能をきちんと評価し本物の急性期とその他とをはっきり分けていくということなのでしょう。
今までであれば三次救急のような高度急性期の施設であってもリハビリも外来もする、一方でそこらの実質慢性期に近い地場の小病院も近所のかかりつけ患者の救急は診ると今ひとつ規模以外での違いが不明確でしたが、今後は医療においてどの部分を担当するかを明確化した上でその領域に特化するよう誘導していくということなのでしょうね。

もちろん病診病病連携と言った言葉は一昔前から言われているし、地域によってはこうした縦の連携を緊密に組み上げてうまく医療を回している場合もあるのでしょうが、日本の場合は医療を担っているのが民間病院が大多数であって、そう簡単にお上の構想通り機能分化し相互連携の体制を構築してくれるかと言うことが非常に気になります。
今現在においても地域内で何となく施設間の機能分化はなされているもので、必要に応じて病院単位で連携をすることもあるでしょうが地域全体での医療受給を見越した計画的な機能分化などとはほど遠く、あくまでも各施設毎に損得勘定を考えてメリットのある関係だけを強化推進していると言うレベルですよね。
今後は自治体によって施設間の機能分化がどんどん強制される形になるとすれば、法人の違う医療機関同士で患者をやり取りするということが今までよりもはるかに増えるでしょうが、実際問題として平素から交流もある同じ法人グループでやった方が意思疎通も簡単確実で転院も効率的でしょうから、結果として小さな医療法人が淘汰されて統廃合が進むという厚労省のシナリオに沿った形には結びつきやすいのかも知れません。

もう一つ気になるのはいわば地域医療ヒエラルキーのトップに位置する高度急性期をどこの施設が取るかですが、とりわけ地方においてはもちろん大学病院の規模や存在感は無視出来ないものがありますし、格式的にも高度急性期を外れるということはちょっと考えにくいですけれども、一般に大学病院というところは院内診療体制等もあってか救急などにはあまり熱心ではないということが多いですよね。
その結果近隣の市中病院の方に救急車が殺到するような場合もままあり、救急をしっかりやりたい先生方にとってもこうした市中病院の方がやりたいこともやりやすいしスタッフもよく働いてくれる(苦笑)とモチベーションも保ちやすいものですが、地域内で過剰になるからとこうした実質的な救急担当施設が制度上は高度急性期から外れてしまうと言うことになってしまうと大変なことになりかねませんよね。
医師が余っているかのように言われる東京都なども実際には周辺県から大量の救急患者が流入してくるためむしろ救急崩壊と言われる状況にあることは近年ようやく知られるようになりましたが、こうした患者流入地域が都道府県単位での病床再編によって「適正な」病床分布に再編されてしまうと、医療需要に対して大きなギャップが発生するということになりかねません。

もちろん実際には都道府県の実情に応じた割り振りがある程度考慮されるはずですが、考えてみれば判る通り元々急性期にはコストがかかるから減らしましょうと言う文脈で推進されている話の中で、なおかつ全国一律と言う建前で運用されている皆保険制度下において特定地域だけが「地域の実情を考慮してますから」と高い医療を好き勝手にやっているという状況は、当然ながら国にとってはおもしろくはない理屈です。
多少バランスを欠いてもただちに知事宛に是正が命じられるとも思いませんけれども、患者側からすれば「急性期=救急車をいつでも受けてくれる病院」程度の認識でしょうから当然「高い医療」の方がありがたみがあると言うもので、あれだけ揉めた岩手の公立病院再編問題をみても選挙の洗礼も受けることになる知事がどれだけその民意に抵抗して理想論を貫けるかと言うことも問われるのでしょうね。
無論病院の側も知事命令だからと素直に従えるかと言うことは多々あって、開院時には立派な急性期だったのに施設も医師も老朽化して今や実質慢性期しかやっていないにも関わらず、長年のプライドで?救急の看板だけは掲げ続けているという市中病院など幾らでもあると思いますが、そうした施設にどれだけ引導を渡せるかということも医療に下手な情などない行政の手腕として問われるところではないかなという気がします。

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2013年11月28日 (木)

学生ローン=貧困ビジネス?若者の負うべき負債とは何か

最近では生保受給者増が問題になる中で若年者が生活保護を申請に行きますと「若いんだから働け」と門前払いされると言うのですが、仕事先が見つからないから困っている人間にそういうことを言うのはおかしな話で、むしろ地域に細々している雑用は幾らでもあってその都度いちいち自治体職員が駆り出されているのですから、そうした業務に当たらせて給与を出すという形にすれば皆が幸せになれそうなのに…といつも思います。
ともかくも日本も高等教育を受けるのが当たり前になったということは、裏を返せば単に大学を出ましたでは就労に当たって何らのアドバンテージにならないということでもあるかと思いますが、とは言え高卒よりは大卒の方がまだしもより良い職に就けそうだという期待感が厳然としてある以上、やはり親も子も何としてでも進学をと考えるのは仕方ないところですよね。
その一方で大学教育のモラトリアム化が叫ばれて久しい日本で、数年間を漫然と大学生活に費やすことのコストとその利益とがどれだけペイするのかと言うことは常に考えておかなければなりませんが、今の時代「借金してでも大学へ」と言う考えはかなりハイリスクになってきていると思わせるのが学費ローン問題の広がりです。

奨学金280万円借りた元私大生、生活保護受給者に 「安定収入がないと…」(2013年11月18日産経死ぬbん)

 日本育英会(当時)から無利子で奨学金約280万円を借りた大阪府内の男性(35)は、約70万円を返済した段階で生活保護を受給する身となった。来年夏まで返済は猶予されているが、今後も完済できる見通しは立っていない

 男性は関西の私立大学に入学してから4年間、無利子で毎月5万9千円を借りていた。卒業後は団体職員として働きながら月に約1万5千円ずつ返していたが、4年後に鬱病を患って休職。そのまま退職した

 症状は改善して現在、IT関連会社で1日5時間のパート勤務を続けるが、それだけでは収入が足りず、生活保護を受給する。残る奨学金は約210万円。月に約1万5千円ずつ払っても10年以上かかる計算だ。

 男性は「自己破産での債務免除も考えたが、(奨学金の)連帯保証人の親族らに迷惑がかかると思って断念した。安定した経済基盤がなければ、きちんと返せるか不安だ」と漏らした。

奨学金返還訴訟8年で100倍 「厳しい取り立て、まるで貧困ビジネス」(2013年11月18日産経新聞)

 経済的に苦しい学生を支援する独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)から借りた奨学金の返還が滞り、利用者が訴訟を起こされるケースが激増、昨年度までの8年間で100倍に増えたことが、同機構への取材でわかった。背景には、不景気などにより貸与額が増加する一方で、非正規雇用や失業など卒業後の不安定な就労から返済が困難となっている情勢がある。機構側も対策を講じているが、専門家からは「学生を支援するはずが、強引に返済させるのは本末転倒では…」との指摘も出ている。

延滞金は年10%!

 機構によると、訴訟への移行件数は16年度で58件だったが、21年度は4233件に急増。24年度は6193件と、16年度の実に106倍に達した

 奨学金には無利子と有利子の2種類があり、特に有利子分の貸与額も、16年度の4100億円から24年度には8100億円に倍増している。返還が滞ると年10%の延滞金が発生。延滞が9カ月を超えると、機構が簡裁に支払い督促を申し立てる。利用者から異議がなければ財産を差し押さえ、異議があれば訴訟に移る-という流れだ。

 “取り立て”る側の事情もある。機構の関係者は「国の行政改革を通じ、奨学金は金融事業と位置づけられた。民間金融機関からの借入金を返すためにも、回収を強化する必要がある」と説明する。

 一方、利用者側の事情は厳しい。経済的理由などで返済が困難になった場合、支払い猶予を申請できるが、機構によると、卒業後の「経済困難・失業中」による猶予は23年度で9万2157件。生活保護受給による猶予の3843件を合わせると、同年度の猶予件数(10万8362件)の約9割を占めた。

 こうした状況を受け、機構側は24年度から無利子の奨学金について、卒業後の年収が300万円を下回るなど一定要件を満たした利用者の返還期限を定めない方式を導入。文科省も26年度の予算要求で延滞利息の引き下げを盛り込んだ。

 奨学金問題に詳しい大阪弁護士会の山田治彦弁護士は、機構側の姿勢を「卒業後も困窮する利用者に対し訴訟を起こしてでも取り立てようとするのは、貧困ビジネスのようでおかしい」と批判。一方、利用者側についても「奨学金がローンだという認識が薄い。返済が行き詰まる前に相談するなど、早期に手を打つべきだ」と指摘する。

しかし育英会(現・日本学生支援機構)の奨学金も医科系大学院で丸々4年受けると600万近い金額を延々20年からかけて返還していくことになるわけで、「月に約1万5千円ずつ払っても10年以上かかる」と言うのは奨学金の返還方法としては別にそう珍しい話でもないように感じますがどうなんでしょうね?
それはともかく以前にも取り上げた通り、日本では何故か世界的には単に学生向けローンと呼ばれるものが奨学金などという美名で呼ばれていて、当然ながら単なる借金と言う認識が乏しいまま漠然と借りてしまう学生が今や過半数に達していると言うのは驚きますけれども、高卒者に対する求人が激減している中で親の支援も期待出来ないとなればどうしても利用者が増えてしまうのは仕方のないところなのかも知れません。
よく言われるように外国人留学生に対しては返済無用の給付型奨学金が充実しているのに、日本人には勝手に借金しろではおかしいのではないかと言う意見もありますけれども、双方の数と投じた費用に対する効果と言うことを考えると外国人優遇にもある程度の理はある話ですし、膨大なコストを考えると日本人向け奨学金を充実させるにしても成績や受講態度などそれなりに厳しい基準は問われることになるかと思います。
ただこうまで一般化してくると「奨学金と言うから受給したのであって、正しく学生ローンと言われていれば手を出さなかったのに…」と騙されたように感じる人もいるでしょうから、やはり本当の奨学金と学生向けローンとは制度上も名称上もきちんと分け、借金が嫌ならしっかり勉強して奨学金を取るように誘導していくのが妥当なのかなと言う気がします。
ところでいささか話は変わりますけれども、医学部の学生教育というものも年々移り変わっていくのは当然なんですが、最近はこんな感じになってきているという記事が出ていたのを紹介してみましょう。

医学部 改革進む育成策(2013年11月25日読売新聞)

臨床実習「参加型」に、へき地研修 必修化も

 医師の地域偏在の解消や資質向上を目指して、多くの医学部が教育改革を進めている。
 へき地での研修を必修化したり、臨床実習期間を長くしたり……。社会の要請に応えられる医師の育成に向け、奮闘する現場を取材した。

 10月下旬、島根県雲南市の同市立病院。病室ベッドに横たわる高齢者の背中を見て、島根大学医学部5年生の山口巌史(よしふみ)さん(27)が息をのんでいた。床ずれが広がっているのだ。
 同大が5年生全員を対象に約2週間、泊まり込みで県内の中山間地域の医療機関で現場体験させる「地域医療実習」。気を取り直した山口さんは、手当てをする医師の手元を見つめながら「大学病院のような『流れ作業』でなく、トータルでケアできるのが地域医療の魅力だと思う」と話した。東京出身だが、島根に根を下ろすことも考えているという。

 地域医療に従事する医師を増やしたいと、工夫を凝らす大学が増えてきた。その地域で医療に貢献することを前提にした「地域枠」を入試に設ける大学は68大学に上る一定期間、県内で医師として働くことなどを条件に奨学金を貸与する大学も多い
 島根大も7年前に「地域枠」の推薦入試を導入した。県内の都市部を除く地域の出身者が対象で、医療機関や福祉施設で研修をした上で市町村長らの面接を受ける必要がある。さらに、この枠での入学者を含む学生全員に、地域実習を課すことにした。

 卒業後の支援にも力を入れる。地域で働きながら留学や専門医を目指した勉強もできるよう、県や医師会などの協力で今春、大学構内に「しまね地域医療支援センター」を開設した。
 その結果、昨春卒業した入試改革1期生で、国家試験に合格した89人のうち31人が県内で研修医として残った。地域枠の4人は全員が残った。だが、2期目は87人のうち31人が県内を選んだものの、地域枠は10人のうち5人が県外へ移った
 「首都圏の病院に対する学生のブランド志向は仕方ない」と大谷浩医学部長。今後どう意識改革を促すかが課題だ。
(略)

考えてみれば昨今大流行のいわゆる地域枠なども厳しい取り立てどころではなく、強制的に負債を回収する制度を公的に用意するというびっくりな話で、事実かつて似たようなことをやっていた看護業界では御礼奉公=悪だとさんざんにマスコミからもバッシングを受けていましたけれども、何か地域枠に関してはいいことをしているかのようなマスコミの称讚ぶりが不気味ではありますよね。
それでも地域枠で入学して結局地域に残らなかった学生が決して少なくないという点に注目いただきたいと思うのですが、制度的に言えば「卒後○年間は地域医療に貢献する義務を負う」と言った文言は「卒業後すぐに」と言うことを求めているわけでもないと解釈出来る余地があって、例えば「いずれは地域での診療に従事する予定です」と言い続けていれば契約違反ではなく単に契約未履行に留まるとも言えます。
もちろんこうしたケースが増えるほど大学側も契約の文言を変えてくることにはなるでしょうが、ともかくも後で返すからとお金を受け取った学生が返せなくなれば「貧困ビジネスだ!」と擁護される一方で、後で働くからと言ってお金を受け取った学生が返せなくなれば「約束違反だ!」と叩かれる風潮というのは、考えてみると何か不公平と言うのか釈然としないものがありますね。

「貧乏苦学生がワープア化するのと訳が違う。医者はいつだってどこだって好きに稼げるじゃないか」と言う意見はあるかも知れませんが、地域枠に残らず県外流出した若者達もどこかの地域で住民の健康を守るために大いに貢献している訳で、ド田舎の僻地で一日数人のお年寄りを診るよりも昼夜分かたず毎日100人の患者を捌いてる方がよほどトータルで考えると医療に貢献しているという考え方もありますよね。
そう考えると地域枠なのに地域に残らないのは悪い奴だと言うのもちょっとどうなのかで、むしろ地域住民は地域枠で「おらが町の病院にもお医者さんが来てくれるようになる」と思っているのに、地域とは名ばかりで大学病院本院や地域基幹病院でばかり居残って御礼奉公年限を満了してしまうようなタイプの方がよほど地域の裏切っているという考え方もあるでしょう。
結局地域枠離脱と言うものが問題視されるのはぶっちゃけ「俺達が金を出したんだから俺達の為に働くのが当然だろ?」と言うことなのでしょうが、そもそも国立大学などが特定地域のために便宜を図るというのも考えてみるとおかしな話ではあって、田舎の医師不足解消が本音ならいっそ地域枠指定医療機関なりを各地に設定して全国国立大医学部の地域枠を相互に融通出来るようにすれば済むだけの話なのかも知れません。
最近は研修指定病院なども次第に定数が削減される方針だそうでマッチングなどもどんどん難しくなっていくのでしょうが、地域枠にしても今は「地元に残ると言えば多少成績が悪くても入れてくれる」おいしい入学枠扱いですけれども、研修先を絞ることで競争が激しくなれば結果として良い医者がより多く育つと言うことにつながるかも知れないですね。

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2013年11月27日 (水)

HIV感染者の献血が出回る

この十年ほどアフリカにおける爆発的な感染拡大が危惧されていて、年々平均寿命が下がっていくほどの深刻な社会的影響を与えていることは意外に日本では報じられていない印象ですが、何しろHIV感染率が30%を越える地域もあると言うのですから国が保てるような状況にあるのかという話ですよね
近年先進諸国ではHIV感染症はかなりコントロール可能なものとなってきていますが、それも早い段階できちんと診断を受けた上で適切(かつ高額!)な治療を行った場合の話であって、2001年に南アフリカで大手製薬会社多数による抗HIVコピー薬への特許権侵害訴訟が起きて話題になったのも、年額1万ドルにもなる正規品での治療など発展途上国では夢のまた夢の話であるという現実があるわけですね。
ちなみにこの訴訟は同年に国連も「必要性が極めて高い薬剤の開発のためには特許を無視することもやむを得ない」という考えを圧倒的賛成多数で認めたことから取り下げになりましたが、訴訟継続による業界イメージの悪化や安価なコピー薬に市場を荒らされるくらいなら原価で安売りした方がまだしもと言う、経営的な判断が人道的判断以上に大きく影響したとも言われています。

なまじこのように「命の沙汰も金次第」ということが可能になってきますと貧困者の治療を受ける権利をどこまで保障すべきかと言うことが常に議論になりますが、ともあれアフリカでの蔓延に関しては迷信や民族紛争絡みで意図的にHIVを広げるような行為も行われていると言い、大統領自ら「エイズを故意に感染させた者には死刑を適用すべき」と発言するなど、意図的な感染拡大には罰則で当たるべきという声はあるようです。
先進諸国においても時折HIV感染者が意図的に多人数と性交渉を行っていたとニュースになることがありますけれども、長期的にコントロール可能な疾患となっただけに治療と平行して感染予防策を周知徹底していくべきことは当然なのですが、最近感染者の増加が危惧されている日本においても先日こんな事件が発生したと大きく取り上げられているのは周知の通りですよね。

<HIV血液>数人に輸血 日赤検査すり抜け(2013年11月26日毎日新聞)

 エイズウイルス(HIV)に感染した献血者の血液が、日本赤十字社の検査をすり抜けて出荷され、患者数人に輸血されていたことが25日、分かった。厚生労働省と日赤は輸血された患者を特定しており、感染の有無を調査中。感染者の血液が輸血されたのは、2004年に日赤が対策を強化して以降は初めて

 関係者によると、今月行った検査で、男性献血者の血液からHIVの抗体が検出された。男性は数カ月前にも献血したことから、日赤が保管していた検体を調べたところ、HIVの遺伝子が検出された。その後、この血液が数人に輸血されたことが判明した。

 HIVに感染後約8週間は、ウイルスや抗体が微量で検査をすり抜けてしまう「ウインドーピリオド(空白期間)」と呼ばれる。日赤は1999年、ウイルスの遺伝子を増幅させて感染を見つける核酸増幅検査(NAT)を導入したが、03年にすり抜けによる献血で患者がHIVに感染した。04年、検査の精度を上げるため、50人の血液を一括して検査していた手法を改め、20人分に変更していた。

 今回はそれでも見抜けなかったため、1人分ずつ調べる方向で検討を開始。厚労省も26日、専門家の委員会を開き対応を協議する。問題となった献血をした男性は、性的行動の質問で事実と異なる内容を答えており、厚労省は検査目的で献血した可能性が高いとみている。【桐野耕一】

「100万分の1」の精度すり抜けた「検査目的」の献血(2013年11月26日産経新聞)

 エイズウイルス(HIV)に感染した献血者の血液が日赤の安全検査をすり抜けて数人に輸血されていた。HIVに感染した献血者の血液がすり抜けた「NAT(核酸増幅検査)」と呼ばれる安全検査は高い検出精度を持つとされる。

 平成16年に日赤がそれまで50人分の血液をまとめて調べていた検査方法を、20人分に見直してからは、さらに精度が向上し、すり抜ける確率は「100万分の1」に下がったとされる。

 だが、今回はその検査すらすり抜けた。関係者は「HIVの感染を恐れた男性が、検査目的で早期に献血に来た可能性がある」と指摘する。

 一般にHIVに感染してから抗体ができるまで約8週間かかる。抗体ができる直前の11日間の血液であれば、ウイルスを増やして検出精度をあげるNATで検出可能だが、それ以前では血中のウイルス量が少なく、検出の可能性が著しく低下する。

 献血時の検査でHIV感染が判明しても、基本的には献血者への告知はしない。だが、関係者によると、告知をされると勘違いをして、検出の可能性が低い感染後1カ月などの早い時期に献血に訪れる人が後を絶たないといい、「すり抜けの危険性が高まる一因になっている」といい、保健所の無料検査などを利用するよう促している。

100万分の一の可能性と言えば年間500万人規模の献血者数を考えると「大丈夫なのか?」と言いたくなりそうな数字で、それだけに日赤側もより感度の高くなる個別検査に改める意向なのでしょうが、しかしこうしたコスト増でまた血液製剤の価格が高騰しそうですよねえ…
もちろん性行動に起因する感染症ですから血液検査だけでなく問診が非常に重要で、昨今献血と言えば海外渡航歴から性習慣まで事細かに訊ねられ「疑わしきは排除する」方向で対策が講じられていますけれども、ひとたびそうした事情があったと報告してしまうと以後習慣が改められても献血拒否の対象になりますから、熱心な献血者にとっては深刻義務と貢献意欲の葛藤でなかなか悩ましいところではあるようですね。
献血者の善意も大切だし血液製剤も極めて貴重なものなのですが、うっかり感染リスクのある製剤を流通させてしまうとこのように大騒ぎになってしまうと言う事情を改めてご理解いただきたいと思いますけれども、その意味で今回の献血者が「性的行動の質問で事実と異なる内容を答えて」いたと言うのは大変に問題ある行動だと言えるわけです。

こうした「検査目的での採血」と言うことが非常にリスクを高めることに加えて、そもそも検査システム上検査目的とはなり得ないことは記事にもある通りですけれども、HIV感染は告知されないという情報が周知徹底されていないのか理解出来ていないのか、ともかく一定確率でこうしたことが発生してしまうのは原理的に避けられません。
ところでこの場合供血者の身元は判っているわけですから、例えば後日誰かがHIV感染を確認された際に民事なり刑事なりで供血者の罪を問えるのかと言うことが気になるところですが、ちょうどHIVに関連した質問が「弁護士ドットコム」に寄せられていたので紹介してみたいと思います。

病気と知っていて(弁護士ドットコム)

HIV陽性の人が、本人はそれを知っているが、相手方にはその事実を隠して、あるいは騙して、感染の危険がある性行為に及び、その結果相手方がHIVに感染した場合、何か罪になりますか?
相手に伝える義務は無いから、聞かれなかったから、というのはダメですか?
故意ではないが、重過失になってしまうのか、いくら陽性でも感染するかは分からないから、伝える義務も過失も無いのか、移された相手も検査に行こうと言わないで行為に及んだから過失とみなされ喧嘩両成敗みたいになりますか?どうですか?
ただ、移された相手を特定できたと仮定してです。
最後に、故意に移そうとして不特定多数と危険な性行為をし(コンドームなし等)、それで移された相手が怒り狂って、移した人を探すときに、被害届は成立し、警察は捜査するのでしょうか?

HIV感染経路が特定されているのであれば、傷害となります
被害届、告訴があれば、捜査はされると思われます。性交渉は、感染の経路として一般的に知られているものであり、可能性にすぎないとしても、感染を認容する未必の故意があります

今回のケースであれば検査目的で献血をした本人がどこまで感染を確信しているかが問題になりそうですが、故意に嘘をついてまで禁止されている行為を行い不特定多数に危害を加えたと言うことであれば社会一般においては許容されざる行為だとして刑事罰に問われる余地はありそうですし、民事的にも例えば日赤側から損害賠償請求をされる余地はありそうですね(無論、日赤としてはそうした行為には至らないでしょうが)。
ただHIVではさすがにそうそうは遭遇しないでしょうが、実地臨床の場での肝炎で通院している患者が彼女の調子が悪いと一緒になって来院する、調べて見ると彼女もばっちり肝炎罹患しているということは時にあることで、医療従事者としては感染性疾患の蔓延リスクに対してどこまで責任を持つべきなのかということも迷わしいところではないかと思います。
特に不特定多数への感染拡大という点でしばしば話題になるのが検診などで引っかかった人が結核だと診断され専門医療機関に紹介されるケースで、もちろん厳重にマスクをしてなるべく車で行ってくださいね云々と指導はなされているでしょうが、大都市部ではそんな人達が満員電車に揺られて病院に向かっていくことも少なからずあるだろうことを考えると何かしら釈然としませんよね。

それではこの種の感染拡大に対しては厳罰をもってでも阻止に臨むべきかと言う話になりますけれども、てんかん事故問題に関連して厳罰化が議論された時にも話題に上ったように厳罰化を推し進めれば隠す人間が増えるというのは飲酒運転厳罰化においても見られた現象で、その結果何が起こったかと言えば飲酒で事故を起こせば厳罰を恐れて取りあえずひき逃げをするといったケースが増えてしまったわけですね。
そもそも先に挙げたような献血の問診そのものもしかりですが、やはり正直に申告することで何かしらのインセンティブが働かないことには隠した方がメリットが大きいと言うことになりかねず、これを防ぐためには例えばHIVに関しては保健所の無料検査など「正しいルート」を通じて診断された人間には以後の治療費に補助を与えると言った、物的メリットが必要になるかと思います。
そうなればなったで進歩的な方々からは「患者を差別するのか!」と言ったおしかりが来るかも知れませんけれども、感染症と言うものは一定数以上に患者が拡大してしまうと非常に対応が厄介なものになってしまうもので、世界的傾向に反して増加が懸念される日本のHIV感染に関しても制御不能な蔓延に陥ることを防ぐために何らかの対策を講じるとすれば、まさしく「いつやるか?今でしょ!」という状況になりつつある気がします。

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2013年11月26日 (火)

障害児産み分けは悪?

連日のように悲惨な児童虐待のニュースが続く悲しい世の中ですけれども、先日こういう記事が出ていたのをご存知でしょうか。

障害者虐待1500件、家族が8割・死亡3人(2013年11月11日読売新聞)

 昨年10月の障害者虐待防止法の施行後、今年3月末までの半年間で虐待の相談・通報が全国の自治体に計4502件寄せられ、このうち1524件で1699人が虐待を受けたと認定されたことが厚生労働省の初調査でわかった。

 家族や親族らによる虐待が8割を超え、3人が死亡していた。

 調査は、全国の1742市区町村と47都道府県を対象に実施。昨年10月からの半年間に寄せられた相談・通報件数や、自治体の対応状況などを聞いた。

 認定された1524件のうち、障害者の家族や親族ら身の回りの世話をする人によるものが1311件と86%を占めた。福祉施設の職員らによるものが5%、職場の雇用主らによるものが9%だった。

実のところ児童のみならず高齢者虐待ということもしばしば問題になるのですが、共通して真に悲しむべきなのはたまにやってきて「なんでこんなになるまで放っておいたんですか!?」などと好き放題騒ぐだけで去っていく遠い親戚などではなく、もっとも近しく日々の面倒を見てきた家族だからこそこうした虐待が起こるということではないかと言う気がします。
このままでは共倒れになるからと周囲が施設入所など介護サービスの利用を勧めても断固拒否されるご家族がいますけれども、「自分がこれだけ苦労しているのだから相手にも判ってもらいたい」という気持ちが増すほど、それを判ることの出来ない相手に対しては虐待や介護放棄と言った破綻的な結末に結びつきやすいと言う事ですね。
たまにやってくる親戚が優しいというのは無論普段面倒を見ていないことへの後ろめたさの裏返しでもあるでしょうが、こうした距離が近すぎることによる負の関係に陥りがたいということも関係していると思われ、自宅では介護疲れでギスギスしていた関係が施設入所で適切な距離が取れるようになるといい具合に柔らかいものに変化するということはままあることです。
よほどの聖人君子ならともかく、普通の人間であれば24時間365日いつでも優しい面だけを見せていられるなんてことはあり得ないわけで、だからこそ追い込まれ双方にとって悲劇的な状況に陥る前に施設などの介護サービスを是非積極的に利用して適切な距離感を維持しつつ優しさを温存していただきたいものだと思いますね。
さて、奈良・大淀病院事件報道などで判る通り、かねて産科医療に関しては並々ならぬ関心を寄せていることが知られている毎日新聞から先日こういう記事が出ていました。

<新出生前診断>羊水検査後陽性53人中絶 3500人解析(2013年11月22日毎日新聞)

 妊婦の血液から胎児の疾患の有無を判定する新型出生前(しゅっせいぜん)診断(NIPT)の臨床研究で、診断結果が陽性反応だった67人のうち、その後の羊水検査などで陽性が確定した少なくとも54人のうち53人が中絶を選んでいたことが分かった。臨床研究を実施する研究者らが参加する組織「NIPTコンソーシアム」(組織代表=北川道弘・山王病院副院長)が今年4月から9月末までに検査を受けた約3500人について解析した。仙台市で開催中の日本人類遺伝学会で22日、発表する。

 新型出生前診断は今年4月に開始。染色体異常によって起きるダウン症(21番染色体の数に異常がある21トリソミー)、いずれも重い心疾患などを伴う13番染色体異常の「13トリソミー」、18番染色体異常の「18トリソミー」の3疾患が対象。陽性と判定されても、35歳の妊婦では胎児がダウン症である確率は80%程度にとどまるため、羊水検査などを受ける必要がある

 解析結果を知る関係者によると、解析対象となった約3500人の妊婦の平均年齢は約38歳。3疾患のいずれかで陽性反応が出たのは全体の約1.9%にあたる67人。そのうち妊娠が継続し、羊水検査など確定診断を受けた62人の中で、陽性が確定し、流産もしなかった症例が少なくとも54人おり、そのうち53人が中絶を選んだ。1人は調査時、妊娠を継続するか否かを悩んでいたという。中絶を選んだ53人の内訳は、▽ダウン症33人▽13トリソミー4人▽18トリソミー16人--だった。新型出生前診断の開始にあたっては、簡便なため、妊婦が十分認識を持たずに受け、動揺する可能性がある▽染色体異常のある胎児の排除や生命の選別につながりかねない--などの問題が指摘された。この診断について、日本ダウン症協会の水戸川真由美理事は「命を選択する手段になっていいのかという議論が進まない中、出生前診断の技術ばかりが進んでいる」と危惧する。

 生命倫理に詳しい※島(ぬでしま)次郎・東京財団研究員は「新型出生前診断の眼目は、流産リスクのある羊水検査を回避できる点にあり、中絶の人数ばかりに注目すべきではない。検査の精度を検証するとともに、ほとんどが中絶を選んだことについてカウンセリングに問題があったのか、改善すべきかを明示しないと当初の臨床研究の目的にそぐわない」と話している。【須田桃子、斎藤広子、下桐実雅子】
(略)

いまのところこの新型出生前診断に関しては1)超音波検査などで染色体異常の可能性がある、2)染色体異常のある子を過去に妊娠、3)高齢妊娠(出産時35歳以上)の場合に限って行われているということなんですが、一回当たり20万円の費用がかかる上にその後の確定診断にもさらに追加のコストが必要ですから、そうおいそれと気軽に受けられるというものではありませんよね。
記事の解説によるとそうした事情からも検査を受ける人は高収入で事前に詳しく下調べをした上で異常があれば産むのはあきらめると決めた上で来院する傾向にあるということですから、「陽性が確定した少なくとも54人のうち53人が中絶を選んでいた」という非常に高い中絶率もそうしたバイアスがかかってのものだとは思われます。
逆に検査を実施する側にすれば陽性の結果が出れば中絶という確実な意志がある人であればまだしも、検査結果を見てああでもない、こうでもないと思い悩むようなタイプの方にリスクを負ってまで確定診断を受けさせようとも思わないでしょうから、これからも料金面も含めて新型出生前診断への高いハードルは維持していきたいんじゃないかという気がしますが、そうは言っても現実の技術進歩は急速ですよね。
妊娠検査薬なども今やそこらのドラッグストアで簡単に買える時代ですが、スクリーニングレベルででも出生前診断が唾液や尿、あるいは血糖簡易測定器程度の簡便さで行えるようになれば、仮にキットが外国産だとしても今時通販でいつでも買えるようになるでしょうから、一気に検査を受けることに対する閾値が引き下げられることになるでしょう。

他方で本来的には検査の閾値よりも中絶に対する閾値の方が高くあるべきだと思いますが、今の日本における中絶数の多さを考えると、ある程度高年齢で妊娠出産に対する危機感もあり、社会的階層も知識レベルも低くないという今の新型出生前診断受診者と違って「異常が出た?なら堕ろしちゃえばいいじゃん」レベルで過剰な「間引き」に走ってしまう可能性は高そうに思われます。
この辺りは子供を産み育てるという、今の時代にあって少なからず手間暇もコストもかかる作業に対する見返りがあまりないことにも理由が求められるという考え方もありそうですが、社会的にはどうしても持ち出しにならざるを得ない障害者の養育と言う事になると、言葉は悪いですが共働きでも日々の暮らしでかつかつという世帯よりも、生活に余裕もあって子供に手間暇かけられる世帯の方が向いているとは言えそうです。
今現在は新出生前診断のハードルを高く維持している結果、本来そうした障害児を養育するゆとりのあるはずの世帯からばかり障害児が減っていくという言わば逆転現象が起こっているとも言えますが、将来的に誰でも簡単に出生前のチェックが出来るようになるとこうした点がいずれ改まり、そうと知った上でなお養育する意志のある世帯だけが産み育てるという状況になるかも知れませんね。
産み分けということの是非がしばしば言われますけれども、産む方産まれる方双方にとっての最大の悲劇は望まれずに生まれた結果から発しているケースが多いように見える現実を思う時、結局どの道が子供と家族にとっての幸せにつながるのかということはなかなかに難しい問題ではないかなという気がします。

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2013年11月25日 (月)

いよいよ医科と薬科で戦争勃発?

本日の本題に入る前に、とある脳外科医の先生が先日こんな記事を書いていたのですが、一部なりと抜粋させていただきましょう。

38.5兆円 年々高騰する医療費 その元凶とは(2013年11月20日BLOGOS)より抜粋

(略)
そもそもの国の税収入が4,50兆円しかないのですから、それとほとんど同額を医療費に使っている現状はあきらかに、おかしな状況です。
これでは国の財政が黒字化するなど、ありえません。
何故こんなことになっているかの最大の理由はそもそも、国民皆保険制度にあります。

ただ、この制度自体が悪いわけではありません。国民皆保険制度は「病気になった人の治療費を国民全員で負担する」という、原理的には極めてすばらしい考え方に基づいています。
問題なのは、その医療費を使っている実感が医療者側にも患者側にも、誰しも欠如していることです。
極端に言えば、
どんだけ医療費を使っても僕らの懐が痛むわけじゃないしねー」
という考え方がに根付いているのが問題の根幹です。
そして、その考え方を後押ししているバックグラウンドにあるものが、誰もが子供の頃から教えられる 「命より尊いものはない」 という道徳です。

この道徳、もちろん正しい考え方なのですが、この道徳に加えてもう一つの要素が加わると、たちまちおかしな事になります。
それは何か?
「患者が希望しているのだから」 という言葉に代表される、医療はサービスという考え方に基づいた理念です。
医療はサービス、患者が希望している、命より尊いものはない、どんな治療をしてどれだけ医療費がかかっても誰も直接自分の懐が痛むわけではない、
これらの要素が揃うと、本来であれば不要なはずの治療や手術が行われて医療費が浪費されたとしても何も不思議ではない、
そうは思いませんか?

そもそも、患者は医療や医学のプロフェッショナルではありません。
何が有効で何が正しい治療かを判断できる知識を一般人はまず持ち得ないのです。
その患者に”バイアスのかかった説明”が医師からなされれば、当然、自己の意思の弱い患者の場合、患者の希望は操作されうるのは事実です。
また、一方で自己意思の強い患者の場合、いくら医師が事実に基づいた説明を行ったとしても、”患者と家族の強い希望”ということで患者側の希望通りの治療に押し切られることもあります。
(略)
現場で働く医師としての感覚的には、「この治療、ほんとに必要あるのかね?」 と思うような物が 少なくとも2,3割はあります
これらはまず、ムダな医療費だと僕は思います。
医療費高騰の原因として、医療の高度化や高齢化が挙げられていますが、
国民全員の負担となる保険で支払われるべきではない、本来であれば不要な医療。そういった医療費がなくなれば、大きく現状は変わってくるはずです。
必要なのは、「患者を真に助ける医療のみを保険対象とする」という政策が経済性と人道的な観点から行われることでしょう。
(略)

「患者を真に助ける医療のみを保険対象とする」と言う考え方と微妙に異なるかと思いますが、以前から一部で根強く主張されている考えに「生活習慣病の治療は自費でいんじゃね?」というものがあって、特に薬を飲んで数字も良くなったからと好き勝手なことばかりやっている患者を多く手がけているとそうした考えに染まってくる先生もいらっしゃるようですよね。
コレステロールを引き下げたところで別に直ちに命にどうこうするわけでもなく患者本人も何ら症状があるわけでもない、しかし今のところはそれを予防的に治療していった方が後日起こってくる脳卒中だ、心筋梗塞だと言う大病を抑制でき、全体として医療費も安く上がると言う考えで治療が行われている訳ですが、本来予防注射などを見ても判るように予防的治療というものは保険診療害の自費扱いであったはずなのです。
まして昨今では病気の芽を早めに積み上げ潰した方が結局お得ですという名目で大々的に行われているメタボ検診が、実は余計に患者を作り出して医療費を際限なく上昇させるだけなんじゃないかと言う批判も出てきていて、「好き放題生きてきた人間が生き死にに関わる大病を患った時点でいかに金をかけずに手を引くかを考えた方が安上がりじゃね?」などという声すらありますよね。

それはともかく、おもしろいもので「まるめ」になって初めてコストを意識したという先生も結構いるようですけれども、要するにかけられるコストの上限があるということを意識しなければ何らコスト意識を持たずにやっていられるのが日本の皆保険制度下での医療なのだとすれば、親方日の丸どころではない野放図な医療が行われていてもおかしくはないはずですよね。
どこの医療機関でも事務方からはもっと売り上げを増やせ、利益を上げろとうるさく言われる中で、それでも日本の医療が極めて高いコストパフォーマンスを誇っていられるというのは、逆に言えば日本の医者はコストのことなど気にせず好き放題やっても「まあこれくらいまでやれば十分だろう」と満足し手を止めるだけの境地に達しているとも言え、ある意味で職業人としては非常に幸せな境地にあると言えるかも知れません。
ただもちろん行っている医療行為としては満足行くものであったとしても、それによって妥当な稼ぎが得られているかどうかはまた別問題であって、むしろ喰っていくためにやりたくもない医療もやって薄利多売をしなければならない、それが医療費を押し上げて結局また診療報酬を削られるのだから自ら身を削っているようなものだという自嘲気味の嘆きも聞こえてくるのは、やはり日本の医療単価自体がかなり安く設定されているが故でしょう。

診療報酬を下げればもちろん医療費は短期的には下がる方向に働きますが、医師ら医療関係者を国を挙げて大量養成しているのですから彼らも喰っていくために稼がざるを得ないわけで医療費を使う圧力は増える、なおかつあまりに薄利多売を強いられるとせっかくスタッフを増やしても仕事がそれ以上に増える理屈ですからさらに医者を増やせと言う圧力も高まるとすると、どこかに程よく妥当な報酬額というものがあるのでしょう。
今回の診療報酬改定作業では国の経済が上向いていることが引き上げに肯定的に働くのか、あるいはせっかくの立ち直りかけた経済に冷や水を浴びせると否定的に働くのか微妙なところですが、とりあえずこのところのわずかながらでもプラス改訂が続いたことで現場の経営状態は改善傾向にあるということは、当の日医ですら認めずにはいられなかった事実ですよね。
その事実も込みで財務省などは「引き上げは時代に逆行する」とまで言い切って断固引き上げ阻止に動いているわけですが、日医らも少なくとも消費税値上げ分は引き上げてもらわないことには話にならないと言っている中で、結局彼らがどこを削って自分達への報酬を捻出しろと言っているのかが何となく見えてきたような気がしています。

診療報酬本体、3200億円以上引き上げを(2013年11月20日CBニュース)より抜粋

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は20日に記者会見し、2014年度の診療報酬 改定で、約3200億円の財源を確保して、診療報酬本体に上乗せするよう求めてい く考えを示した。同財源は、社会保障・税一体改革による社会保障の充実と、消 費税率引き上げによる医療機関の負担増の手当てに充当させる分だという。さら に、急性期から在宅まで切れ目のない医療提供体制を構築するため、薬価引き下 げで捻出した財源なども上乗せするよう求めていくとした。

 横倉会長は会見で、14年4月から消費税率を引き上げる法改正などで、▽消費税 収入を年金や医療、介護などの社会保障の経費に充てること▽税率引き上げによ り医療機関に生じる負担の補てんを診療報酬などで対応すること-が決まってお り、「社会保障と税の一体改革における国民との約束事だ」と指摘した。

 その上で、厚生労働省と内閣府が、消費税率引き上げで生じる14年度の増収額 のうち、約1000億円を「医療・介護サービスの提供体制改革」に配分し、病床の 機能分化・連携や在宅医療の推進、地域包括ケアシステムの構築に使う案を示し ていることに言及。また消費税引き上げによる医療機関の負担の補てんについて は、約2200億円の財源が必要との日医の試算を示し、合わせて約3200億円を、14 年度の改定で診療報酬本体の引き上げのために確保すべきだと訴えた。

 さらに、「強調しなければならないのは、それらに加え、地域医療を再興させ るための財源の上乗せが求められていることだ」と述べ、約3200億円とは別に診 療報酬本体の上乗せを求めていく方針を表明。「診察と薬剤の支給、処置など は、健康保険法でも不可分一体。財源を切り離すべきではない」として、本体の 上乗せに薬価の引き下げ分の財源を用いるべきとの認識を示した。 *
(略)

日医会長がわざわざ「診察と薬剤の支給、処置など は、健康保険法でも不可分一体。財源を切り離すべきではない」と主張していることは注目に値するところなんですが、実際のところは例の医薬分業によって「診察と処置など」と「「薬剤の支給」とはかなりの部分で切り離されてきているのは周知の通りですよね。
日医は上向きであることは認めながらも「医療機関の経営はまだまだ厳しい」と主張していて、これまた厳しいのが当たり前だという世間の目線からすると感覚的にどうなのかですが、他方では各種小売業の中で一番黒字企業立が高いのが実は保険調剤薬局であるという話もあって、例の薬学部6年制化による薬剤師不足感もあってこの業界はかなり景気が良いと世間的にも認識されてきているようです。
そこで思い出されるのが今年の日本薬剤師会で講演した日医の鈴木邦彦常任理事が医薬分業推進のため様々なインセンティブをつけてきたことで医科や歯科が頭打ちなのに対して保険薬局だけが儲けていると言い、経営厳しい病院・診療所と対比して「母屋ではおかゆをすすっているのに、離れではすき焼きを食べている」とまで言ったという出来事がありました。
実際には薬局側の収入は伸びているものの薬剤師等人件費の高騰から黒字自体は減少傾向だと言うのですが、ともかく日医としては薬剤師が稼いでいる利益は本来自分達の懐に入るはずのものだと言う認識があり、それがせっかく医薬分業で対等の別物にされたはずの医科と薬価とを「母屋と離れ」などという上下的な関係で表現することにつながったと言う気がします。

この文脈で見ればつい先日の会見で中医協にも入っている日医の中川俊男副会長がわざわざ「加算が非常に取りやすいのが問題だ」と調剤基本料を抜本的に見直せと主張した意味が判ってきますが、同氏が「病院に比べ薬局の利益率が非常に大きくなっている」と批判しているのは、医科の立場に立つ日医が薬科に対して利益を母屋に還元せよと言っているのに他なりませんよね。
これまた面白いことに製薬会社が医師に対する各種接待をどんどん業界として規制していることは周知の通りで、製薬会社側はジェネリック推進政策でその方がはるかに効率的だからと今度は保険薬局に対する接待攻勢を強めていると言いますが、とある調査によれば例の騒動も関係してか今や8割の病院でMRの訪問に規制をかけていると言い、密着状態だった医科と製薬とにややすきま風が吹き始めている印象があります。
一方でかねて日本の薬価は国際的に見てもずいぶんと高いと言う事が知られていましたが、以前であれば薬科も内部に抱え込んだ医科にとっても収入になる薬価の「定価」は高くとも、実際の仕入れ値で割引してもわえる率が高いほどいわゆる薬価差益で儲けが大きくなったのですから、別に日医など医科の側が「薬価が高すぎる」などと口を挟む理由もなかったと言えます。
ところが医薬分業でそのうまみは外の存在となった薬局に持って行かれたとなれば別に製薬会社の代弁?もする意味もない理屈で、要するに日医としては今後薬価から技術料へ、薬科から医科へと診療報酬の主軸を移してもらおうという考えがあるのだろうと思えますが、国際的にも高コストパフォーマンスを評価されているとは医科に対する報酬は厳しく制約されているということでもありますから、財政支出削減という効率の面でも乾ききった雑巾を絞るよりは濡れ雑巾を絞った方が楽ではある理屈です。

ただ薬価(ものの値段に対する報酬)主体から本体部分(医師ら専門職の技術に対する報酬)主体への移行は先日も書きました通り、医師ら現場スタッフの労働環境改善という観点からも意味のある話なのですが、日医の場合あくまでも経営者目線ですから施設に対する報酬の確保には興味があっても、医師ら専門職そのものに対する待遇改善にはさしたる興味がないと思われます。
事実今の時代医療提供体制を最も改善するためには医師ら現場スタッフにどれだけ気分良く働いてもらうかということが一番重要になってきている訳ですが、先の記事からしても伺えるように全くそうした部分への言及はなく相変わらず「病院・診療所の利益率がー」としか言わないのを見ても、やはり彼らに医師の代弁者としての役割を期待するのは無理がありそうだとは感じますね。
ともかく医科と薬科が財政上も「不可分一体」なものとして同じ財源を取り合う競合関係にあるとなれば、今後の診療報酬改定作業でも両者間で議論が戦わされるという場面が見られるかも知れませんが、今までは何かしら影の薄いイメージのあった薬科も製薬とのつながりも強まっていることもあり、いざとなればそれなりに主張しそうな気がするのですがどうでしょう。

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2013年11月24日 (日)

今日のぐり:「瓢泉亭」&「味覚工房 そばの館」

先日はこんな微妙な記事が出ていたのですが、ご覧になりましたでしょうか?

痴漢に遭ったのは…女装の男性(2013年11月20日大分合同新聞)

先日、大分中央署に「胸とお尻を触られた」との通報があった。
犯人に逃げられたが、署員らはまだ現場近くにいるかもしれないと駆け付けた。
現場は商業施設内の洋服店。被害者によると、犯人は30代くらいの男、スーツ姿でサラリーマン風だったという。
ただ、聞き取りをしている間に署員はずっと気になっていることがあった。
念のため確認すると、やはり被害者は女性ではなく、女装をした20代男性だった。
「被害者にとって女性に見られたことはうれしいのだろうが…」と署員もたじたじ。

何ともおかしいと言いますか、大分合同ソースであるにも関わらず絵師達もヌコを紛れ込ませるのに四苦八苦している様子のこのニュースですが、ともかくもそういう時代なんだと思うしかないでしょうね。
今日は不幸な被害に遭った男性を励ます意味でも、世界中からちょっと変わった?性癖の数々を紹介してみることにしましょう。

大手柄。児童買春1000人の囮に使われたバーチャル娘スウィーティー(2013年11月5日GIZMODO)

    「ネットには常時75万人の小児性愛者がいる」(国連&FBI推計)

そこで、ネット児童ポルノの性犯罪*をなんとかしようと国際組織「Terre des Hommes(TDH)」がバーチャルのフィリピン少女Sweetie(スウィーティー)ちゃん(推定年齢10歳)を創作してチャットに使ってみたら、なんと世界中から小児性愛者1000人がホイホイ釣れ、とりあえず切りのいいところで今日、全員の情報をインターポールに提出しました。

この活動は、「ウェブカメラを介した児童セックスツーリズム」に対する問題意識を高めるためTDHが行っているもの。

潜入先は男性がウェブカメラを介した違法行為(児童買春*)に従事するチャットです。少女になりすまして摘発する手法はこれが初めてではないし、チャットで注意をひくのは結構簡単なのですが、それだけでは引っ張るにも限界がありますよね。遅かれ早かれ男性は顔を見たがるものなので。

そこでTDH調査員が「本物そっくりに見え、本物そっくりに動くバーチャル少女」を創ってみたところ、幼児性愛者たちは大喜び(TDHが収集した証拠品の中にはウェブカメラの前で自愛行為にふける彼らの映像も残っている)。

スウィーティーに喋らせて時間稼ぎしてる間に、TDHでは相手が明かす断片的な情報を手がかりにフェイスブック、グーグルなどで身元を割り出し、合法的手段で住所・氏名・電話番号・写真・動画など一連の証拠固めを進めていった、というわけ。最初の1000人の人物調査書をインターポールに提出したのは米時間4日。情報集めにかかった期間はたったの2ヶ月でした。
(略)

いやもう何か凄いとしか言いようのないその作戦の実際は元記事の動画を参照いただきたいのですけれども、しかしバーチャルアイドル?で満足出来るということであれば何もリアルなペドフィリアに走らずとも良いのでは?と言う気もします。
このように性癖と言えばもちろん人それぞれに多種多様なものがありますけれども、ここからは人それぞれ過ぎるんじゃないか?とも思えるような実例を取り上げてみましょう。

男性 ゴムのかぼちゃを強姦 禁固一年(2013年11月14日The Voice of Russia)

   米国オハイオ州ハミルトン市のチャールズ・トベルタさんは地元では大変知られている。現在34歳だが、ゴムの玩具を見ると性欲を抑えることができないのだ。

   夏にはマットを強姦し、禁固11ヶ月を言い渡されていた。MSNが報じた。

   裁判所は今回、ゴム製玩具などを強姦した罪で有罪と判断した。トベルタさんは6月15日近所のプールで、ゴムの玩具と「禁断の戯れ」をしている際、逮捕された。周りには子供たちがいたが、本人は全く気にしていなかった。

それはまあコンニャクが恋人だという人もいるでしょうから何をナニしても構わないと言えば構わないのですけれども、もう少し節操というものがないものかなと思ってしまいますね。
こちらはある意味理解しやすいと言えば理解しやすい対象なのですが、その方向性が何か間違っている気がしないでもないと言う方のニュースです。

【海外:びっくり人間】車を愛して止まない男、車と1000回以上S○Xしたことを認める(2013年10月16日日刊テラフォー)

アメリカ・ワシントン州イェルム市で車を停める時は、十分に注意しなければいけない。車上荒らしが多いからではなく、エドワード・スミスさん(62)が住んでいるからだ。
彼は無類のメカニック好きなのだが、その「好き」はちょっと違った方向に向かっている。

車を愛して止まないエドワードさんは、車とベッドを共にする(文字通り、同じベッドに入るという意味ではなく、大人のエロティックな意味で)。今までに関係を持った車の数は、1000台を超える。

エドワードさんが人間の体に興味を持ったことは、人生で一度もない。子供の頃から、性的興味を抱く先は車だった。童貞を捨てたのも、隣人が所有するフォルクスワーゲン・ビートルとだった。
12年前に一度だけ人間のガールフレンドがいたことがあるが、彼女と体の関係を持つことはなかった。エドワードさんが生身の女性と寝たのは、シアトルに旅行に行った時の一度だけだ。

他の男性が、美しい女性の胸やお尻に目が行ってしまうのと同じように、エドワードさんは、特に希少価値の高い美しい車の前方に目が行く。
「ある種類の車には、とても興奮してしまいます。そんな時は、夜まで待つんです。忍び足で車に近づいて、抱きしめてキスするんです。」
時には、愛する車たちへ向けて、詩を書くことだってある。

だが今は、そんな不特定多数との体の関係からは卒業して、すべての愛を、愛妻ならぬ愛車のヴァニラに捧げている。
そして、自分の性癖をオープンにして、1人と1台で愛のある生活を送っている。

「腕にヴァニラを抱き寄せると、彼女から力強いエネルギーが湧いてくるのを感じます。この関係に満足していますが、時々物悲しくもあります。だって彼女とは、一緒に歩くことができませんから。
それでも全体的に見れば、彼女が私と同じ気持ちであることが分かります。もし彼女に何か起こったら、私のハートは潰れてしまいます。」

こんな記事を読むと、「エドワードさんは病気か、頭のネジが一本足りないに違いない」と思うかもしれない。だが、エドワード自身は、自分を異常だとは思っていない。
「私は病気ではありません。この嗜好で他の人を傷つけてもいません。ただ、車が好みなだけです。自分を恥ずかしく思ったことも、自分に疑問を抱いたこともありません。私はヴァニラを愛している、ただそれだけです。」

ここまではっきり言われると、何も否定できない。
どうかヴァニラと末永く愛を育んでいただきたい。

いやまあ、性癖の向かう先はともかくきちんと同意を得てから行為に及んで欲しいと思いますけれども、幸いにも現在はステディがいらっしゃるようで周囲も一安心ですかね?
この種の話題になると必ず登場せざるを得ないのが彼の国なんですが、こちら早くも全英の注目を集めているという一人の少年のニュースです。

【EU発!Breaking News】14歳少年がラブラドール・レトリバーをレイプか。全英注目の裁判がスタート。(2013年11月7日ネタりか)

イギリスの14歳の少年がラブラドールのメス犬に性的虐待を働いていた…!? まさかと思うような容疑で男子中学生が逮捕された事件で、いよいよ注目の裁判がスタートした。その行為はレイプであったのか、それともただのスキンシップであったのか…。

ロンドンから西に約100kmというバークシャー州で最近、犬に対する動物虐待および公然わいせつに相当する行為があったとして14歳の少年が逮捕されていた。事件が起きたのは、同州ニューベリーのケネット川に向かってのどかな景色が広がるハンガーフォード・コモンと呼ばれる所。1人の少年が黒のラブラドール・レトリバーのメス犬に対し、いかがわしい行為を行っている現場を女性5人(うち1人は2歳の女児)が次々と目撃し、警察に通報した。

少年はその翌日に逮捕され、未成年であるため名前は明らかにされないまま、このほどついにその審理がスタート。目撃者の女性たちは次々と法廷の証言台に立ち、「少年は犬の背後に回りひざまずき、いかがわしい動きを始めました」と証言した。しかし少年は「犬と戯れていただけで、性的なことは何もしていません」と一貫して無実を主張している。

目撃者の1人だというAgniszka Fryele-Sapinskaさんは、「あまりの気持ち悪さに胃のあたりがムカッとこみ上げてきました」と添えており、「彼の下着には血液が付着しており、それは性的暴行にほかならないと感じました」などと主張する女性も。犬は言葉を喋れないだけに、裁判はこうした目撃証言だけが頼りになってくるのであろう。

実際に動物に対する性的虐待事件は世界中でこれまで何件も確認されており、陰茎のサイズが人間の雄と似ていることから犬が被害にあうことが多いとされている。犬が少年を反撃しなかったことについての疑問も残っており、戯れか性的虐待かをめぐるこの裁判の行方にはますます大きな注目が集まっている。

最近は対象が山羊ではなく犬になったかとも思えるニュースなんですが、ブリ的にはやはり裁判の眼目もいささか我々とは異なっている気がしますね。
最後に取り上げますのも同じくブリからの話題なのですが、あのジェームズボンドの国もここまで墜ちたかと感じた人は未だにブリの暗黒面に対する理解が足りないのかも知れません。

MI6職員のカバン詰め変死事件、「事故死」と英警察(2013年11月6日AFP)

【11月14日 AFP】英ロンドン(London)のアパートの1室で2010年に英秘密情報部(Secret Intelligence Service、SIS)、通称「MI6」の出向職員の男性が旅行カバンに詰められた裸の変死体で見つかった事件で、ロンドン警視庁(Scotland Yard)は13日、事故死の可能性が高いと発表した。
 この事件は、通信傍受機関である英政府通信本部(GCHQ)の暗号解読員で対外情報機関MI6に出向していたガレス・ウィリアムズ(Gareth Williams)さん(当時31)が2010年8月、ロンドンの高級住宅地ピムリコ(Pimlico)地区にあるアパートの部屋の浴室で全裸で死亡しているのが見つかったもの。腐敗した遺体は浴槽の中に置かれた赤いノースフェイス(North Face)社製の旅行カバンの中に入った状態で、カバンには外から南京錠がかけられていた。
「カバンに入ったスパイ」事件として話題を呼んだ事件の謎について、ロンドン警視庁は13日、改めて捜査を行った結果、ウィリアムズさんは他殺ではなく、自分でカバンの中に入ったと結論付けたことを明らかにした。

■指紋の謎は不明のまま

 ロンドン警視庁のマーティン・ヒューイット(Martin Hewitt)警視監補は、記者会見で「捜査の結論として、事故だったと考えている」とコメント。ウィリアムズさんの死は「職務とも全く無関係だったと確信している」と述べた。
 ヒューイット氏は、南京錠からウィリアムズさんのDNAが検出されなかった点や、浴槽に指紋が一切残っていなかった点など「奇妙な」要素が幾つか残っていることは認めている。しかし、浴槽周辺からは数年前の指紋とDNAの痕跡が採取されるなど、アパート内には証拠隠滅を図った形跡はなかったという。
 一方、ヒューイット氏はウィリアムズさんがボンデージ(拘束)や脱出術に関心があったと伝えられている点について、死因との関連があるかどうかは言及を避けた。

■どうやって鍵をかけたのか?検視結果との矛盾

 今回の警察発表は、昨年公表された検視結果とは相いれない内容だ。フィオナ・ウィルコックス(Fiona Wilcox)検視官は2012年5月、ウィリアムズさんの死因は窒息死か毒殺の可能性が高いと結論付け、「恐らくは別の人間が関与している」と指摘していた。
 ウィルコックス検視官によると、調査を依頼した複数の専門家は何度試しても、現場にあったものと同一のカバンの中に入って自ら南京錠をかけることができなかったという。専門家の1人は、「奇術師のハリー・フーディーニ(Harry Houdini)でも、抜け出すのは難しいだろう」と話したという。
 ウィリアムズさんの遺族は12日、ウィルコックス検視官の見解を信じるとの声明を発表した。
 しかしヒューイット警視監補は、男性がカバンの中に自分を閉じ込めるという行為が「理論的には可能」だという点で警察は納得していると述べるとともに、ウィルコックス検視官もこの見解を受け入れたと強調している。
 この事件は、ウィリアムズさんがMI6で働く暗号解読員だったことから、職務をめぐって殺害されたのではないかとの激しい論争を巻き起こした。これまでのところ、事件に関連した逮捕者は出ていない。

しかしこれが事故死ということはつまりは故人の趣味的な問題だと言うことなのでしょうけれども、公式見解としてこれでありになってしまうのもブリ的でしょうか。
世界各地に向けて顔写真入りで大々的に報道されてしまった故人もまさかこんな騒ぎになるとは思っていなかったでしょうが、我々も死ぬときはせめてブリ以外でということにしておきたいものです。

今日のぐり その一:「瓢泉亭」

元祖蒜山手打ちそばの店を名乗るこちら、蒜山高原への旧登り口付近で水車の回っている店と言えばお判りいただけるかと思います。
かなり人気の店のようで、いつも入るのに苦労するイメージがあり実は初訪店なのですが、実はいつも満車に見える駐車場も少し先にも大きいのがあるらしいですね。
入って見ますと見た目通り民芸調の造りで、囲炉裏なども用意されていますから雰囲気はあるのですが、こうした状況ですからあまりのんびり食べるという感じにもならなかったのはやや残念でした。

メニューはざっと見たところベーシックなものが一通りはそろっているようで、とりあえず無難にざるそばを頼んで見ましたけれども、蒸籠にたっぷり盛り上げられた蕎麦は見た目にいかにも典型的な田舎蕎麦といった風情ですね。
太い上にかなりごつくつなぎの存在を感じさせる食感ですが表面は割に整っていて舌触りもまずまず、いかにも田舎蕎麦らしい風味も含めて全体的な仕上がりは田舎蕎麦としては水準だと思うのですが、やはり包丁の不安定さは茹でむらにつながりますし、食べていますと部分部分での硬すぎたりや煮えすぎたりはある程度気になるところです。
大ぶりの器に盛り切りの蕎麦つゆは味加減はとにかく器の縁いっぱいまでたっぷりというのは蕎麦屋にしては珍しいほどで(苦笑)、同じく湯飲みにたっぷりと入れられて出されるどろりと濃厚な蕎麦湯を飲むにはこちらに少しずつ移していくしかありません。
ちなみにこちらのそば茶の風味がかなり独特で最初ちょっと慣れなかったんですが、何だろうどこかであったような風味?と思いつつ結局何か判りませんでした。

ともかくも腹にどっしりと食べた感はあるし、この界隈の蕎麦屋は意外にこういう素朴な?スタイルが少ないので好みに合えばという店なのでしょう、お客も長年通っている風の年配の固定客が割合に多そうですよね。
老舗の蕎麦屋としては意外に(偏見)フランクな接遇は蕎麦屋と言うより定食屋のノリでこういうのもいいかと思いますが、蕎麦自体は割合すぐに売り切れてしまうようでその後の営業はうどんメインでされているようですね。
田舎蕎麦自体も色々と言われるところはありますけれども、いわゆる求道系の蕎麦屋ほど肩肘張らずがっつり食べたいという向きにはこういうのもまたいいのでしょうし、そもそも本来の蒜山蕎麦というのも決して洗練されているものでもなかったはずですからこれはこれで地元の味と言っていいんじゃないでしょうか。

今日のぐり その二:「味覚工房 そばの館」

ご存知のように蒜山インターから降りてすぐ、目立つ道の駅に併設されているこちらのお店はおそらくこの界隈でも一番メジャーな蕎麦屋と言っていいと思います。
駐車場も広大で店内も小綺麗、かつ観光客向けにも使える広さもあるせいか観光客や家族連れが多く軟派っぽい(失礼)客層でいつも満員という印象がありますね。

この日はいつものざるそばを並盛でいただきましたが、いつもしゃっきり切れ味の良い細打ちの蕎麦が持ち味だったはずが、この日は見るからにぐったりしていて死んだようになってしまっているのは少し驚きました。
ちょうど新蕎麦の時期に加えて紅葉の見頃な行楽シーズンですから多忙なのは判りますが、食べてみても少なからずくたびれぎみなのが気になるところで、まるでそこらのおばちゃんが乾麺の蕎麦を出してくれたようながっかり感があります。
風味もちょいと抜けた感じで、茹で過ぎ気味な蕎麦を大量に作り置きしたのかなと言う印象なんですが、とかくシンプルな料理ほど日差を抑えるのが大変ですが、多忙にまかせていい加減なものを出したように受け取られかねないのはちょっと困ったことですよね。
強いて良かった点を上げると少しばかり上品すぎた以前の味に比べるといい具合に渋みが出て濃いめ辛口になってきた蕎麦つゆは蕎麦屋らしくていいのですが、これまた器にたっぷり盛り切りなので蕎麦湯を飲むのにも辛すぎて困ります。
その蕎麦湯はナチュラルタイプですっきり味なのはいいとして、せっかくの蕎麦湯もこれではまともに味わえるのは程よい希釈濃度になった二杯目以降と言うことになってしまいますね。

接遇面は若い人が多いせいか今風のマニュアル対応でやっているようで、しいて言えば普通の飲食店風で蕎麦屋らしい風情はちょっと乏しいかと思いますが、客層を考えるとこれで正解でしょう。
しかし今回はともかくとして普段蕎麦屋としては意外に侮れないまともな蕎麦を出す店だと思っているのですが、何しろ周囲でお土産等で売っている蒜山蕎麦とは全く違った「蕎麦屋の蕎麦」ですから、そこのところはやはり観光客向けの「つくられたお店」と言っていいのでしょうかね。

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2013年11月23日 (土)

今日のぐり:「一心庵」

来年のサッカーブラジルW杯の出場国が全て決定し、特に世界にも数少ない優勝経験国である強豪フランスが絶体絶命のピンチから最後の最後で大逆転での出場決定を果たしたことが話題になっていますが、その裏でこんな事件があったそうです。

「フランスがW杯に行ったら脱ぐ」と宣言のお天気お姉さん、約束どおりテレビでヌード披露(2013年11月21日The WORLD)

ウクライナとのW杯欧州予選ファーストレグの後、フランス代表監督ディディエ・デシャンは頭を抱えたに違いない。だが、フランス国民が歓喜を爆発させたセカンドレグの後、ある女性だけは頭を抱えたことだろう。

動画はこちらから

お天気お姉さんはきれいな女性が務めるというのは、万国共通のルールである(?)。昨年8月からフランステレビ局『カナル・プリュス』の番組内でお天気お姉さんを務めているドリア・ティリエ、これまでモデルと女優を務めていた美貌の27歳だ。

こういう舞台に立つ人物は、サービス精神がなければならない。そして、度胸がなければならない。その融合が、彼女の口から飛び出した「ヌード宣言」だった。

フランス代表はW杯予選ファーストレグで、敵地でウクライナに0-2と敗れていた。国民の多くが落胆し、来年のブラジル行きを諦めていた。だが、ファンは怒りを感じつつ、希望を捨てることはできなかった。そんな一人がティリエだった。だから、代表チームを鼓舞しようと宣言した。「W杯に行けたら、ヌードになるわ!」。フランス代表の新たな挑戦がスタートした。

運命の一戦で、フランス国民の願いが神に届いたのかもしれない。ただし勝利の女神ではなく、おそらく男であろう、サッカーの神様に。レ・ブルーはホームでのセカンドレグで、何と34分までに2ゴールを奪い、2戦合計スコアを2-2と勝負を振り出しに戻していたのだ。

会場のスタッド・ドゥ・フランスが歓喜に沸く裏で、素直に喜べないフランス人が1人いた。「F●●●。フランス 2-0 ウクライナ。緊張してきた」。ティリエはツイッターで、力なくつぶやいた。さらに後半、ママドゥ・サコが2戦合計3-2と逆転するゴールを決めると、もはや反応は見られなかった。

見事にフランスがブラジルW杯行きを決めた試合の後も、注目の一戦が待っていた。ティリエのお天気コーナーである。そしてフランス国民は、代表チームに続いて彼女に拍手を送ることになる。

約束は守られた。ティリエは確かに、テレビの中でヌードを披露したのだ。ただし、スタジオで裸になっていたわけではない。芝生の上で靴だけ履いて全裸で飛び跳ね、走り回る彼女の姿が遠目からカメラに収められ、この録画が天気予報とともに放映されたのだ。

フランスの男性の期待に100%そえたかは分からない。だが、「結果を残した」ことは間違いない。フランス代表だって、半分がっかりさせたが、ちゃんとやるべきことは果たしたわけだし…。

スタジオの拍手が示したとおり、ティリエが「女を上げた」ことは確か。次は、フランス代表ともども、ブラジルW杯での“女気”に注目だ。

いやもうね、とにかく元画像を参照いただきたいと思うのですが小さい!小さいよいろいろと!と叫びたくなってしまうような、これは何ですかねえ…
ともかくも今回は我が日本代表の活躍も祈念しつつ、世界各地からこれぞ喜びの瞬間!と言うニュースを紹介してみますが、まずはこちらW杯の舞台であるブラジルからの話題です。

なんとブラジルに30年ぶりの雪…市民のはしゃぎ方も尋常じゃなかった!(2013年7月30日らばQ)

日本では夏真っ盛りですが、南半球では今が真冬。

ブラジルは国土が広いので、赤道からやや離れた南部の方になると常夏ではありませんが、それでも一部の山岳地帯を除けば雪が降ることは極めてまれだそうです。

しかし先日7月23日に南極からの寒波がブラジル南部を襲ったことから、各地で数十年ぶりの降雪が記録されました。
(略)
記念写真を撮るほどの代物とは思えないけど、彼らの満足げな顔といったら、もう。

雪が降らない地域の人にとって、子供のようにはしゃいでしまう気持ちもわかりますよね。

ブラジルと言えば年中暑いようなイメージでしたけれども、しかしこの見るからに拙い雪だるまが雪慣れしていない初々しさを感じさせますよね(ただし恐らく交通事故も多数だったのでしょうが…)。
今の世の中には何かと楽しくなってしまうものが多々ありますけれども、こちら「そんなものでそんなに幸せになっていいの…?」と話題になっているものがあるようです。

薬の副作用に「現実からかけ離れた幸福感」と書いてあったと話題(2013年8月3日ロケットニュース24)

病院で処方される薬や、薬局で買える薬など、薬にも様々な種類があるが、どんな薬にも「副作用」はある。もっとも身近な薬の副作用は「眠くなる」であろう。お腹がゆるくなることもあるだろう。

そんななか、とあるネットユーザーに処方された座薬に書かれていた副作用が話題になっている。その副作用とは……「現実からかけ離れた幸福感」だ! これはヤバイ。なんだかヤバイ!!

座薬の副作用に「現実からかけ離れた幸福感」……。モノがモノなだけに意味深であるが、とにかく「現実からかけ離れた幸福感」がおそってくる副作用があるようだ。現実からかけ離れた幸福感……どうか注意してほしい。

ちなみに、今回話題になっているのは座薬の副作用だが、肌荒れの時に処方される『副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)』などの軟膏にも、同様の副作用が書かれている薬があるそうな。果たしてどんな幸福感なのであろうか。少し気になる。

内服でも注射でもなく外用剤でそこまで幸せになれるかどうかは何とも言えませんけれども、原理的に考えると確かにそうですかねえ…
目が覚めるととびきりの美人が待っていたと言うのは男のロマンをくすぐる何かがありますが、こちら一人の男のちょっとした勘違いに全米が注目したと話題のニュースです。。

意識朦朧“妻”分からず口説く、麻酔影響で病院スタッフと勘違い。(2013年9月11日ナリナリドットコム)

先日、ヘルニアの手術を受けた米国のある男性は、麻酔の影響から意識混濁が続き、目を覚ましても看病しているのが妻とも認識できない状態になっていたという。そんな無防備な時に彼は、カメラを向ける目の前の女性を病院のスタッフと思い、美しい彼女の印象を素直に発し始めたそうだ。この時の映像が、面白さと微笑ましさから米英メディアを中心に紹介され、多くの人を和ませる話題の作品になっている。

米放送局NBC系列KFOR-TVや英紙メトロによると、話題を呼んでいるのは8月30日付でYouTubeに投稿された動画「Seeing her for the first time again」(http://www.youtube.com/watch?v=IqebEymqFS8)。動画の主役は投稿者のユタ州在住のジェイソン・モーテンセンさんで、彼が先日ヘルニア手術を受け、麻酔から目が覚めた状態のところを妻が撮影していた。ベッドに横たわっている彼は、寝ぼけているような感じながらもクラッカーを口にして妻と会話をするなど、至って普通の状態のようにも見えるが、この時は麻酔の影響で意識が混濁しており、目の前の妻を、妻と認識出来ていなかったそうだ。

動画の始め、手術をしたばかりで、出てくるしゃっくりにも痛みで声を上げるジェイソンさん。妻キャンディスさんと普通に会話をしていたかと思いきや、彼女の言葉を突然遮った彼は「医者があなたをよこしたのか?」と的外れな質問を始めると、彼女をじっと見つめ出し、クラッカーを手に持ちながら「あなたは魅力的だ」と口説き始めた。混乱している夫に褒められて笑いを漏らす妻に対し、さらに彼は「今まで見た中で一番かわいい」「あなたはモデルなのか?」と畳みかけ、完全に“一目惚れ”をした様子を見せる。

そして、ついに「名前を教えて」と迫ったジェイソンさんに、妻は「私はキャンディス、あなたの妻よ」と正直に告白。思いもしなかった返答を聞いた彼は、病人らしく控えめながらも「マジかよ」と驚き、「どのくらい結婚してた?」などと妻を質問攻めに。やがて「オーマイゴッド、大当たりだ」とまで喜びを露わにされると、キャンディスさんもさすがに照れた様子で「クラッカーを食べて」と話題を変えようとするが、“最高の女性”を前にした彼は、その後も感嘆の声を漏らしながら妻を見つめ続け、最後は再び彼が目を閉じたところで動画は終了する。

図らずも妻への愛情の強さを示した彼の動画は、9月10日頃から米英メディアで注目され、再生回数は470万回(9月11日現在)を超えてなおも急増中だ。結婚6年目というジェイソンさんは動画の説明欄に「妻は私にとって愛そのもの」と記しているが、この感じでは、今後手術してまた意識が混濁した時に、万が一にも妻とは別のきれいな女性を目にしたらどうなるのかが少し心配なところかもしれない。

幸いにも現代のアルマヴィーヴァ伯爵も喜劇転じてハッピーエンドで終わったようですけれども、しかし終始妻目線であるということが動画のおもしろさを際立たせていますよね。
最新ゲーム機が発売されるたびに大騒ぎになる一方で古いハードも根強い人気を誇っていますけれども、こちらそんなオールドゲーマー大喜び必至という恐るべきハードが誕生したようです。

75種類のゲーム機を一体化させた夢のゲーム機「MVGS2」が登場!(2013年9月5日秒刊サンデー)

これらゲームコントローラーは某県警に押収された品ではございません。なんとこれら75種類のゲーム機を1つに集約されたとんでもないゲーム機が発表されたというのです。その名も「MVGS2」。かつて発売されたゲーム機75種類を一つに集約させたゲームファンにとってたまらないゲーム機。これさえあればわざわざ押入れの奥底に眠るあのゲーム機を漁る必要は無くなるのです。

75種類のゲーム機ということでコントローラーももちろんすべて対応。アタリ・任天堂・セガ・ソニーから発売された数々のゲームを楽しむことができるというのだ。ただしディスプレイも一体化しているためハードがとびぬけて大きくなってしまい、ゲーム機というよりゲームセンターの筐体のようなものになっている。デモンストレーション用ということだろうか、実際に販売する際はディスプレーは外してほしいものだ。

―MVGS2の仕組み

さてこの仕組みどのようになっているのだろうか。まさかMVGS2の中にすべてのハードが詰め込んであるだけというオチではないか?と思う方もいるのかもしれませんがそうではないようだ。

なんと、75種類のすべてのエミュレータをインストールされたPCなのだという。であれば確かにハードは要りませんね、がしかしそれ以前にもう少し厄介な問題がありそうな予感はしますがその辺は利用者の判断に任せるということだろうか。

(ソフトはしっかり購入する必要がある)

コントローラーは特殊なケーブルで接続する。もちろんオフィシャルのコントローラーにはその接続口がないので、MVGS2専用に改造されたコントローラが必要となりそうだ。

エミュレータを入れるだけならば、この筐体必要ないのでは?というのは愚問だ。これは男として、ゲーマーとしてのはかなき野望の集大成と言えよう。

いやまあ、元記事の画像を見るだけでも突っ込みどころは多々ありますし、商品化に際しては山のようなコントローラーの処理をどうするかと言う点も問題になりそうな気がしますが、それでも何やら物欲を刺激するような…
「ネコなんて三日も会わなければ主人の顔も忘れる生き物だぜ」とは世のイヌ派の主張だそうですけれども、久しぶりに主人と会ったイヌはこんなになってしまうと言う動画が人気を博しています。

帰還したアメリカ兵たちを出迎えるワンコたちのはしゃぎっぷりがスゴイんです(2013年7月30日Pouch)

旅行などでしばらく家を空けていると、懐かしくなるのが住み慣れた我が家。帰り道に家族や恋人の顔を思い描く、なんて人も多いはず。そして忘れちゃいけないのが大好きなペットたち。はやく彼らの喜ぶ顔が見たい!

中でも、とくに犬は飼い主との結びつきが強いと言われています。今回は、そんな「ワンコたちが、飼い主との再会を全力で喜んでいる姿」をとらえた動画「Dogs Welcoming Soldiers Home」をご紹介。

登場するのは休暇で久々に帰宅したアメリカの軍人さんたち、そして彼らを出迎えるワンコたちです。

そのはしゃぎっぷりが、とにかくスゴイ。飛びついて、ペロペロして、キュンキュン鳴いて、これでもかと全身で喜びを表現してます。「もーっ、嬉しすぎてオカシくなっちゃう!!」みたいな。なんとも微笑ましいかぎり。
(略)

つかイヌでけーよ!と言ってしまいそうなサイズなんですけれども、家の外からすでに接近を察知している風なのがすごいですよね。
「好きなだけ食べていい」と言う誘惑は今も数多の人々の心くすぐるものがあるようですけれども、こちらうかつな場所でやってしまうと大変なことになってしまうと言うことが判るニュースです。

想像をはるかに超えていた…中国でサラダバーが廃止になった理由がよくわかる写真いろいろ(2013年7月18日らばQ)

サラダをビュッフェスタイル(バイキング形式)で提供するサラダバー。

中国のピザハットでは、サラダバーを食べ放題にすると限界まで大量のサラダを食べられてしまうことから1回限りの制限を設けていましたが、それすらも赤字だとして数年前に廃止されたそうです。

それだけ聞くと、「なぜ1回限りの盛り付けなのに赤字になるの?」という疑問が浮かぶのではないでしょうか。

その理由が一目瞭然の写真をご覧ください。
(略)

いや気持ちは判るけれども!あなたそれ食べられないでしょ!と言いたくなるようなもの凄い状況は元記事の画像を参照いただくとして、何とも真剣かつ楽しそうなカップルの姿が印象的ですね。
最後に取り上げますのはこの時期日本でもおなじみのあの曲にまつわる話題ですけれども、まずは黙って動画を参照いただくことにしましょう。

1枚のコインが呼んだ感動(2013年10月21日カラパイア)

 それは1枚のコインからはじまった。海外ではおなじみのストリートパフォーマンスは、小銭を入れることでその芸を披露してくれる。ある少女が、コントラバスを持ったパフォーマーの用意したシルクハットにコインを入れた時、奇跡は起こった。
(略)
Som Sabadell flashmob - BANCO SABADELL
(略)

年末の風物詩と言えばご存知ベートーベンの「第九」ですけれども、まさしくこれぞ歓喜の歌というところでしょうか?
第九と言えば今の時代ではEUの国歌とも言える「欧州の歌」としても知られていますけれども、その場に居合わせた人々にとってはまさしく音楽一つが統合の象徴になり得るのだと実感出来たパフォーマンスだったんじゃないかと思いますね。。

今日のぐり:「一心庵」

町並み保存地区や喧嘩だんじりで知られる勝山地区は林業の盛んなところで、こちら道の駅ならぬ木の駅に隣接しているなかなかいい風合いの蕎麦屋です。
しかし岡山県北は蕎麦の産地だけにいい店も多いのですが、こちらも含めて必ずしも地元の粉ではないらしいのは質の関係なのか供給の関係なのか、ともかくメニューの並びを見るだけでもいかにも蕎麦屋という感じでいいですね。

新蕎麦の時期ということでまずは数量限定メニューだと言う十割無篩い無玄蕎麦、いわゆる十割の盛りを食べて見たのですが、これがなかなかに大変なものなんですね。
運ばれて来た蕎麦を見ますと新蕎麦らしく緑がかった色はいいんですが、見るからに野暮ったい田舎蕎麦風の太打ち麺(恐らく太く打つしかないのでしょう)は細切れで肌荒れも酷く、一見するとどこかの蕎麦道場ででも打ったかのような見た目は全くぱっとしないものです。
実際には食べてみますと舌触りはともかく一応ちゃんとつながっていて蕎麦にはなっているし、湯ごねは敢えて避けているというだけに新蕎麦の風味は十分に楽しめるんですが、さすがに十割であること自体に大きな価値を見いだす方でも言うのでなければ勝山くんだりまで来て食べるにはちょっと…と言う気がしますがどうなんでしょう?
濃くはないですが辛めできっちり出汁の立った蕎麦つゆは蕎麦にも合っていて、薬味のネギなども今どき珍しいくらい綺麗にフワリとほぐしてあってちゃんと修行した人なんだろうなと思いますし、逆にこれで何とか蕎麦に仕立てた店主の苦労も判りますけれども、能書きの多さをみると確信犯でやってるのかも知れませんが石臼びき自家製粉十割という売り文句が先行しすぎたか?と言う疑問も感じてしまいます。
ちなみに開店直後なのにどろりと濃厚な蕎麦湯は昨今こんなものですけれども、さすがにこれだけでは舌にも胃袋にもかなり不満足ですので蕎麦で腹を膨らませるのは野暮だと思いつつ頼んでしまったのがレギュラーメニューの冷やしたぬきですが、改めて見ますと体裁的にはまさに蕎麦版ぶっかけうどんそのもので、案外元ネタはこれか?と言う気もしますね。
こちらの辛めの汁はこのスタイルだともう少し甘さが欲しくなる気はするんですが蕎麦自体はこちらはごく普通のつなぎを使ったもの(二八ではなく1.5対8.5だそうですが)で、冷やで食べるには少し硬めの茹で上がりながらしゃっきりした細打ちで舌触り喉越しも良好、すっきりした蕎麦の風味も好ましいものと、改めてなんだやっぱりちゃんとした蕎麦も打てるんじゃないかと判る仕上がりです。

サイドメニューなども定番や珍しいものなど色々楽しそうなものもあるようですし、見ていますと酒の当てにも魅力的な鴨系のメニューなども人気のようですけれども、こちらも閉店は早い上にどうしても車での移動が多くなる場所だけに左党の人には悩ましい問題でしょう。
接遇面ではこんな田舎のお店ながら(失礼)ちゃんと蕎麦屋らしい配慮も感じられてフロア担当のマナーは良い方だと思いますが、細長い店内とちょっと独特の席配置の関係もあって広さの割にオーダーは微妙に通りにくい印象で、そうはいってもこういう店に呼び出しボタンも無粋でしょうし難しいところですかね。
しかし何と言うのでしょう、こういう場所のこういうお店のイメージに似合わずと言ったら失礼ですが、ご主人は日々研究もされ色々と新しいアイデアも試されたりするタイプと見受けたのですが、こういうお店は間を置いて何度か通ってみると新しい楽しみも見つかることが多いでしょうね。

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2013年11月22日 (金)

事故が起こったのは誰が悪い?

最近は何かと自然災害が多い印象なんですが、災害発生そのものは自然によって起こるものだとしてもそれによって被害が出たとなるとこれは話が別で、補償などお金の問題も絡むことから「一体誰が悪かったのか?」と人災としての側面を検索されると言うのはある程度仕方のないことではあると思います。
ただそれはあくまでも目的達成のための手段であっていわば為にする議論的なものなのだろうと漠然と考えていたのですが、どうも世間では「何かが起こった=誰かが悪かった」という考え方がかなり一般的になっているようで、例えば先日はこういう記事が出ていたことをご存知でしょうか。

落下した枝直撃「責任どこに」…女児死亡1年(2013年11月19日読売新聞)

 岐阜県大垣市上石津町の森林公園内の森林で昨年11月18日、森林体験講座に参加していた同市立興文小学校1年、村上絢俐(あやり)さん(当時6歳)が落下した枝の直撃を受けた事故から18日で1年を迎えた。
 絢俐さんは事故から8日後に脳挫傷で死亡した。「今でも絢が帰ってくるんじゃないかと思ってしまう。警察には事故の責任の所在を明らかにしてほしい」。父・泰基(やすき)さん(40)はまな娘の命を奪った事故と向き合う方法を模索する日々を送っている。

娘の手紙

 泰基さんは、娘からもらった手紙をスケジュール帳に挟んで常に持ち歩いている。「おたんじょうびおめでとう。かいしゃがんばったね。あしたはあやのしちごさんだね」。事故が起こる約1か月前、泰基さんの誕生日に娘から受け取ったものだ。
 「大きくなるにつれて一緒に寝てくれたり手紙をくれたり。言葉を覚えて字や絵を書けるようにまで育ったのに……」。毎朝の食卓には遺骨の入った骨つぼを置いて一緒に食事を取る。転勤が多い泰基さんは、いつもそばにいられるように納骨の予定はないという。

「落下は予想外」

 一方、イベントを主催した一般社団法人「かみいしづ緑の村公社」の子林英一理事長(69)は「枝の落下は全くの予想外」と話す。公園内の森林は、市の委託を受けた公社が、定期的に手入れをしていたが、現場は公社が普段管理していない私有林で、事前の手入れはしていなかったという。
 公社は21日、現場で職員を集め、安全祈願祭を行う予定だが、遺族への案内はないという。泰基さんは「行くつもりはない。主催者と話せる心の準備がまだ出来ていない」と胸の内を明かす。「主催者は十分な安全管理は取っていたのか。事故は十分に検証されているのか」。民事訴訟の提訴を含め、納得のいく答えを求めていくという。

衝撃は約5トン

 県警が公社関係者らから任意で事情を聞くなど、業務上過失致死容疑で調べを進めている。
 絢俐さんに落ちた枝は長さ約3メートル、直径約5センチ、重さ約5キロで、高さ約20メートルから落下したとみられる。公社は当日朝に落ちそうな枝を目視で確認したが、防げなかった。参加者34人はヘルメットをかぶっていなかった。
 捜査関係者によると、事故当時、絢俐さんには5トン近くの衝撃が加わり、ヘルメットをかぶっていても事故は防げなかったとみられる。
 県警は、公社が枝の落下を予見できたのか、安全管理に落ち度はなかったのかも含めて調べている。(黒木健太朗)

もちろん不幸極まりない事故で亡くなられた娘さんのご冥福をお祈りするしかないのですが、基本的には数多ある自然災害と同様に運が悪かったとしか言いようのない事故であって、こうした自然の絡む「人災」を100%未然に防ごうとすればどこかの国のようにコンクリートとプラスチックで形作られた「壊れない自然」の中を散策するしかなくなるんじゃないかと言う気もします。
ひと頃は「病院にかかって死んだんだから医者のせいであるのが当たり前だ」と言った類の主張が真面目になされていた時代があって、もちろん今でもそうしたことを言われる方々はいらっしゃると言う話も聞きますけれども、大野病院事件や大淀病院事件などを始め様々な角度から検証された結果でしょうか、さすがに「またも殺人医師!病院で家族を殺された無念!」式の報道は減った印象です(これまたゼロではないですが)。
こうした事故はもちろん理屈以前に感情の面で割り切りがたいところがあって、有名な割り箸事件なども教師でもある親は生徒達を引率して祭りに参加していたとも言いますが、それならそもそも何故箸をくわえて走ったら危ないという当たり前の教育が出来なかったか?と言う声は当時からありましたけれども、やはり当事者としては外に責任を求めてしまう気持ちは理解出来ないものではありませんよね。
ただそうした「何かあれば誰かの責任」式の考えがあまりに行きすぎるとどうなるのかと言うことなんですが、先日これまた思いがけないところでその影響が出ているという興味深い記事がありましたので紹介してみましょう。

楽天優勝パレード、資金難で「困った」 目標額に5300万円も足りない理由(2013年11月20日J-CASTニュース)

 球団創設以来初の日本一を勝ち取った楽天ゴールデンイーグルスが予定している優勝パレードが、資金難に悩まされている。パレードは企業や市民からの協賛金を元手に行われるが、目標額に5300万円も足りていない状態だ。
 パレード全体では約1億5400万円かかる見通しだが、その多くが警備費用だ。パレードを主催する実行委員会は「削れない費用なので…」と頭を悩ませている。

■パレードには球団への「ファンからの感謝の気持ち」込める

 パレードが行われるのは2013年11月24日で、4日後に迫っている。星野仙一監督、三木谷浩史オーナー、1・2軍の全選手らがオープンカーやバス計5台に分乗し、仙台駅の西側にある「東二番丁通」を1.5キロにわたって30分かけてパレードする。「マー君」こと田中将大選手の人気もあり、沿道には約20万人の来場を見込んでいる
 過去に他球団が行った優勝パレードでは、球団が費用を負担するケースもあるが、地元自治体や企業などでつくる「実行委員会」が主催し、企業や個人から協賛を集める形式で行われることの方が多いようだ。今回の楽天のパレードは「被災地を元気づけた楽天球団に対するファンからの感謝の気持ちを込めた」という位置づけで、やはり協賛金で費用をまかなうことになった。実行委員会は、地元企業や自治体でつくる「楽天イーグルス・マイチーム協議会」、仙台商工会議所、宮城県、仙台市、河北新報社などで構成されている。

警備員1000人以上を動員

 パレードにかかる費用は1億5400万円を見込んでおり、そのうち6280万円を企業から、9120万円を個人から集めることにしている。企業からは予定通り集まっているが、個人からの協賛金は11月19日時点で3800万円。まだ5300万円も足らない。
 気になるのが多額の費用の内訳だ。最も多いのが警備費で7550万円。全体の半分近くを占めている。パレードを円滑に行うためには、沿道につめかけた人が車道に飛び出さないようにコントロールして安全を確保する必要があり、実行委員会では「削れない費用」だと話している。具体的には、警備員だけで1000人以上を動員し、それ以外にも案内・誘導係が多数必要になる見通し。警備以外にも、車両や音響関係で3900万円かかる。
 実行委員会では引き続き個人協賛を受け付けており、仙台銀行、七十七銀行など地元の4金融機関から振り込んだ場合、11月29日までは振り込み手数料が無料になる。1口3000円で、優勝記念のオリジナルピンバッジがもらえる。
 仮に11月24日までに残り5300万円が集まらなかったとしても、天候に問題がなければパレードは予定通り行われる。かかった費用を実行委員会が一度立て替える形だが、パレード終了後も引き続き協賛を受け付ける。それでも足らない場合の対応については、今後検討するとしている。

「花火の事件」きっかけに警備費用が高騰?

 この資金難には、他球団からも同情の声が出ている。
 福岡ソフトバンクホークスは、ダイエー時代を含めると、ここ10年では03年、10年、11年の3回にわたって福岡市中心部のメインストリート「明治通り」でパレードを行っている。ホークスのツイッター公式アカウントは、
  「パレードは、はっきり言ってめっちゃお金がかかります。主に警備費用。花火の事件以降、それこそ1mおきに警備を立てないと、警察の許可が出ないこともあります。この辺、予想外だったでしょうね…。2010年のとき、7年前の予算では全然足りなくてめっちゃビビリました…」
  「皆さんと福岡の企業さんの募金とボランティアさんのおかげで助かりました…」
と、過去のパレードを振り返った。「花火の事件」は01年に兵庫県明石市の歩道橋で起きた事故のことを指すとみられる。この事故では、子ども9人を含む11人が死亡し、兵庫県警の現場責任者ら5人の有罪が確定している。

一体何にそんな大金がいるのかと思えば半分が警備費用だと言いますから大変なことですが、20万人が来るイベントで「1mおきに警備を立て」るなどと言う事になるとどういうことになるのかちょっと想像しがたいところで、どうして世の中そんなことになってしまっているのかと誰だって思いますよね。
その元をたどっていけば明石の花火大会の事故が原因だと言うのですが、そもそも明石の事故も根本原因として十五万人の集まるイベントで市の組んだ警備予算は計約二百二十万円、警備員百三十七人分だったというケチケチぶりにあるという指摘も出ていて、普通なら到底無理な低予算だと判っていながら無理に警備会社に安請け合いさせて事故の責任を取らせていると言う批判もあります。
花火の事故に関してはむしろ民間警備会社と共に警備に関わった兵庫県警の方がマスコミ諸社からも散々に「無責任だ!」と叩かれたこともあって、警察という組織全体としてきちんと責任を取れる体制を構築するという内部ルールでも用意されたのでしょう、今後もこの種イベントに対するハードルは高くなることはあっても引き下げられることはないのでしょうが、その結果世の中にどんな影響が出るのかです。

例えば東京の電車の混雑ぶりは今や外国人にも伝説化しているほどですが、仮に満員の駅のホームであまちゃん並みの将棋倒しが発生し大事故になったとして、その対策として電車の運賃を値上げして警備の人件費に回しますだとか、入構規制を実施して電車には定員通りの人数しか乗せないようにしますだとか言う話にでもなれば一体誰が一番困るのかと言うことですよね。
まして冒頭の記事にあるような天然自然の絡んだ思いがけない災害ということはどこにでもあるもので、それに対して万一のことがあると誰かが責任を取らされるからと言うことになればそもそも何もしないことが正解ということになりますし、事実医療の世界では無理筋とも思われるものも含めて医療訴訟が頻発した結果「防衛医療」という考えがすっかり滲透していることは周知の通りです。
それでも事故があり被害もあったのだから仕方ないじゃないか、この収まりの付かない気持ちを誰が償ってくれるのだと言うかも知れませんが、そうした場合に備えて人間社会が保険であるとか無過失補償であるとか言った制度を発達させてきたのも、結局過度に責任追及を行い過ぎると世の中うまく回らなくなるということを経験的にも知っていたからなのかも知れません。
こうした傾向もまたゼロリスク症候群の一種であるとも言えると思いますが、「生きるということは本当に健康に悪い」と言う言葉もあるようにただこの世の中にいるというだけで我々は大きなリスクを負っていると言うことを自覚したとき、ではどうやってそれに向き合ったらいいのかと言う冷静な議論が必要なことも理解出来ると思いますね。

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2013年11月21日 (木)

本日は敢えて釣りの話を

少し前の記事なんですが、本日は近年全国各地で類似の報道が続いているというこちらの一件から紹介してみましょう。

釣り人「おれが外来魚を放流」 住民ら、怒りの池干し(2013年9月7日朝日新聞)

三重県亀山市下庄町の農業用ため池・北山池で7日、市民グループ「水辺づくりの会 鈴鹿川のうお座」と小中学生、地元農家の人たち約30人が、池の水を抜く池干しをし、外来魚を駆除した。ブラックバスを違法放流されたため、2年前に続く再度の池干し。作業中の人たちから「許せない」との声が上がった。
「男1人がゴムボートから魚を釣っているんですよ。『魚なんかいないよ』と声をかけると、『おれがブラックバスを放流した』と言う。注意すると『ため池は税金を使ってできたんだろう』って言い返す始末。本当に腹がたった」
今年3月まで北山池水利組合の組合長をしていた宮村忠男さん(77)は今春ごろのやりとりを振り返る。

2011年10月に組合と「うお座」で外来魚を駆除し、ときおり見回りに来ていた。以前から釣り人を見かけたため、「また放流されたんじゃないか」と心配していたと顔を曇らせる。
上池と下池を合わせ、広さ2・3ヘクタールの水を抜くと、体長30センチ前後のブラックバス約100匹とフナ約1万匹が見つかった。フナは2年前の駆除後、一時別の場所で飼っていた20匹を放流し、増えたとみられる。今回も後で池に戻すため、一部を別の場所に移した。
「うお座」の栗原勉代表(54)は「外来魚がいない元の池に戻そうとしている努力が1度の違法放流で台無しになってしまう。これまで20カ所で池干しをしたが、2度目は初めて。重い罪だということを知ってほしい」と話す。
国内の生態系や農林水産業に影響を与える輸入動植物を規制する外来生物法が05年に施行された。ブラックバスなどの特定外来生物を移動や輸入、野外へ逃がすことを原則禁止し、違反したら懲役3年以下か罰金300万円以下の罰則と定めている。

さすがにこのブラックバス問題を知らないと言う人もいないと思いますが念のため簡単に解説しますと、ルアー釣りの対象魚として人気のあるブラックバスが全国あちこちで何故かどんどん広まっていく、その原因をたどると釣り人(バサー)が「自分達で釣る魚は自分達で増やそう」と各地で密放流していたことが判り、今や各地で生態系破壊の元凶として駆除に追われているということです。
「放流しても釣り上げるんだからいいんじゃないの?」と考えるかも知れませんが、多くのバサーは釣り上げたらそのまま放すキャッチアンドリリースをモットーとしていて、せっかく釣っても一向に個体数減少には結びつかないということで、そうした現場に遭遇した漁業権者などとトラブルに発展すると言うケースも多いようです。
以前から駆除する側とバサーとの間で激論が交わされていて、バサーからは「外来魚の食害と立証できるのか」という声もありますが、国際的にも外来種問題がこれだけ言われるようになった時代に「自分達の釣る魚を自分達で放流して何が悪い」はさすがに通用しない考え方だと思います。
ともかくもこれだけ広まってしまったことが問題だとすると、では誰がその後始末をするのか、そのコストを誰が負担すべきなのかですが、昨今内水面漁業などで大した儲けにもならないでしょうに漁業関係者の自助努力に頼るというのも無理があるのではないかと危惧されている中で、先日はこういう記事が出ていました。

外来魚釣り上げ隊が人気 県、釣りざお無償貸与(2013年11月19日中日新聞)

 県が、登録した企業や団体に無償で釣りざおを貸し出し、釣り大会を催してもらう「外来魚釣り上げ隊」が人気だ。九月末の登録者数は二千九百七十三人で、この一年間で七百七十人も増加。外来魚駆除に一役買っている。

 釣り上げ隊は、二〇〇九年三月にブルーギルやブラックバスなどの駆除と、娯楽として釣り大会を開催してもらう目的で県が始めた。企業などは釣り大会を開催する代わりに、県から釣りざおを貸してもらい、県に参加人数や駆除量を書いた報告書を提出する。

 一年目は九百人が参加し、外来魚百三十キロを、一〇年度は参加者が四百五十人増えて三百五十キロを釣り上げ駆除した。一一年度はほぼ横ばいだったが、一二年度は千二百四十人増え、五百四十キロの駆除に成功。本年度も順調で、上半期だけで年間通じて過去最高の六百七十キロを釣り上げてもらった

 県レジャー対策室の担当者は「ホームページ(HP)で小さく募集しているだけで、特別な広報活動はしていない。ここまで登録者が増えるとは」と喜ぶ。

 同室によると、小学校や大学なども登録しているが、ほとんどは企業。昨年度は、釣り上げ隊のイベントとして三十四回釣りざおを貸し出したが、二十八回が企業だった。担当者は「釣りはお金もかからないし、簡単にできるスポーツ。企業の福利厚生として、釣り大会は開きやすいのでは」と推測する。

 同室では、八百本の釣りざおを用意しており、希望者には貸し出しの際に外来魚の再放流禁止を漫画で説明した冊子などを渡す。担当者は「外来魚の回収量も増えてありがたい。貸せる状況ならどんどん貸し出すので協力を」と呼び掛ける。
(略)

もともとスポーツフィッシングの対象として人気の魚ですから釣りの対象にするというのは妥当なところなんですが、それを一部の釣り人や漁業関係者の努力に限定するのではなく多くの一般人に楽しみながら駆除に強力もしてもらうと言うのはなかなかいいアイデアで、実際にこれだけの釣果が上がっていると言うのですから費用対効果は大変なものがありますね。
ブラックバスという魚は食べてもなかなかにうまいのだそうで各地で商品化の道も探られていますから、今後さらに釣り上げた魚をその場で調理できるように道具や調味料の貸し出しも行ったりだとかもありだと思いますけれども、その場合もマニュアルのみならず料理人が指導に参加してくれるなりすれば最低限のコストで一日家族連れが楽しめるイベントになりそうですから集客も期待出来るでしょう。
また湖沼の環境によってはさすがにそのまま食べるのにはちょっと躊躇すると言う場合もあるかと思いますが、これまた近頃では肥料や家畜飼料としての利用の道が探られていると言いますから、自治体なども駆除作業の手間賃を出すよりもこうしたイベントと利用業者の仲立ちをすることで最低限の公費投入で最大限の効果が上げられるかと思います。

ただこうしたイベントもまたバサーにとっては気に入らないようで、「何も知らない子供にブラックバスを釣って殺させるのか」と言った批判もあるようなんですが、正直外野から見ていますとキャッチアンドリリースなどと称していい汗かいたような顔をしているのも魚から見れば酷い目に遭わされているということには全く変わりがないでしょうし、世界的には生き物の命は苦しませずにばっさり死なせる方が残酷でないという考えが主導的ですよね。
富士五湖のようにバス釣り自体を商業化して生業にしているところもあって、一定の環境下でバスと共存するという道はもちろん探られるべきだと思いますが、そもそも釣り禁止になっているため池や在来魚の漁業で食べている人のいる湖沼に無断で放つと言ったような無原則な行為は批判され、是正されても仕方がないかなと言う気がします。
もともと釣りという行為では目的外の魚(外道)は利用可能なものでもそこらに放り捨てているということが多く、見ていてもったいないことをするなあと感じることも多いのですけれども、漁業資源保護のために世界中でこれだけ神経質になっている時代ですから、アマチュア釣り師も釣って楽しければそれでいいという考えではいつまでも釣りが楽しめないということになるかも知れませんね。

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2013年11月20日 (水)

金儲け主義の医者には要注意?

南淵明宏氏と言えば様々な逸話に事欠かない医療業界における著名人の一人ですが、先日久しぶりにその名を拝見したというこんな記事が出ていましたが、元記事はかなりの長文ですので一部なりと引用させていただきます。

あの医者には気を付けろ!あなたのカネと命を狙ってる「ブラック・ ドクター」出会ったら(2013年11月18日現代ビジネス)より抜粋

 カネ儲けのためには患者の命を救うことは二の次。それが、ブラック企業ならぬブラック・ドクターだ。その実態はどんなものなのか。医者の使命は病気を治すこと—そう思っている人、必読です。
(略)
 A医師のように高額の医療費を巻き上げ、患者を救うどころか、ときに命までも奪ってしまうような、まさに「ブラック・ドクター」とでも呼ぶべき医者が存在する。彼らは、患者の前では実直な「いい医者」を演じ上げ、決して素顔をのぞかせることはない。

 そんな医療現場の状況に、強い危機感を抱いているのは、東京ハートセンター・センター長の南淵明宏医師だ。

「いま、日本の医療の質は年々低下の一途を辿っています。患者のために尽くす本物の医者がいる一方で、医者という立場を利用して、患者を金づるとしか見ておらず、食い物にして恥じない医者が少なからずいるのです」
(略)
 手術の次に儲かるのは検査だという。東北地方の総合病院に勤務する内科医が、こんな内情を打ち明ける。

「私がバイトをしている病院では、腹痛を訴える患者に『それは胃がんかもしれません』と脅し、血液検査から胃カメラ、CTまでフルコースの検査をする医者がいます。さらに彼は『頭痛はありませんか』と聞き、少しでも痛みがあると言うと『がんが脳に転移している可能性もあります』と脳のMRIまで撮る。

儲けるためにはできる検査はすべてやる』と医師仲間には公言しています。患者も、もし本当にがんだったら……と怯えてしまうから、拒否する人はほとんどいない。この医者に診察されると、1回3万~4万円の支払いは当たり前です」

 もはや、ここまでくれば医師の権力を悪用した脅迫行為と言えるだろう。ただし、検査をするほど儲かるかどうかは、病院の医療費体系によって異なる。日額の医療費収入が決まっている定額医療を取り入れている長期療養型の病院などでは、治療や検査をするほど病院の利益が減る。そのため、安い薬を最低限しか処方しないということも多々あるのだ。

新しい薬を使えば良くなるのに、と思うことはよくあります。ですが、旧型の安い薬しか処方しない。結局、そのまま症状が悪化して亡くなる方が多いんです」(関西の療養型病院看護師)
(略)
原因を探るための検査をすればするほど異常が見つかり、無駄な治療を施されるケースは少なからずある。ただ、臓器を取ってしまえばそれを元に戻すことはできない。訴える気力もなく、多くの患者は、泣き寝入りすることになる。

「片や医者は、医療ミスで刑事罰を受けても、一定期間の医業停止処分を受けるだけで、免許取り消し処分を受けたケースは聞いたことがない。医師免許がある限り、医者を続けられるのです」

 元朝日新聞医療担当編集委員で医療ジャーナリストの田辺功氏はこう話す。

 診断できない医師のせいで手遅れになったというケースも、まま報告されている。
(略)
 これが、現在の日本の医療の現実である。自らの権威にしがみつき、患者の命とカネを奪っていくブラック・ドクターは少なからず存在するのだ。

「医者同士が集まって意見を交換する学術会議(学会)や医師会が何のために存在しているのか。本来、患者の命を救うために存在すべきですが、そうではありません。自分たちの権威を守るため、いかに医者の生活を守っていくかばかりに必死になっているんです。権威が、患者を騙すためのツールになってしまっています。そんな偽の衣をまとった医者は、詐欺師、犯罪者、人殺しだとも言えるでしょう」(前出・南淵医師)

 すべてを医者任せにすることが、どれほど危険なことかがおわかりいただけただろうか。あなたもいつか、ブラック・ドクターに出会う可能性は十分にある。少しでも不安を感じたら、セカンドオピニオンを受けることもためらわないほうがいいだろう。それを申し出て医師が拒むようなら、それはいい医師とは言えない。その被害者にならないためには、まずは、医者を過信しないことから始めるべきなのかもしれない。

無断でバイトに行ってベンツを受け取って病院を首になった人が他人の拝金主義を批判するのも天に唾する行為では?と考える人もいるかも知れませんが、同氏としては「医者が患者の謝礼を受け取れなくなったのが医療崩壊の原因だ」とか、「医者にとってリスクを取らないというのは、無能を意味する」だとか言っている方ですから、要するに「医者たる者はもっと堂々と儲けろ」と言うことなのでしょうか?
それはともかく、結局のところ巨額の金をかけて万一の間違いもない濃厚治療をすべきだと言っているのか、医療に金をかけすぎるなと言っているのかさっぱり判らない記事という印象ですが、現実問題として外来にやってくる患者の分布もこのように様々なものですから、全国の臨床医は今や患者の顔色をうかがいながらどこまでやるべきかと詰めていく「説明と同意」と言う手順が欠かせません。
逆に言えば医者稼業とはそもそも患者の決断がなければ一歩も前に進めないものになってきているとも言え、かつてのように「先生に全てお任せします」などという主体性のない患者さんは「そうですか、それじゃどうするか決断がついてからまた来てください」と言われるのがオチと言うもので、患者も賢くならなければ余計なお金がかかるばかりで満足に自分の健康も守れない時代だとは確かに言えるかと思います。
ただそれは別に医療に限った話でも何でもなく世の中全てに当てはまる普遍的な問題で、詐欺だ偽装だといった話がたびたび大々的に発展するのもろくに勉強もせず他人の話に乗ってしまう人がそれだけいるということでもあって、世に言うところの「医者の常識は世間の非常識」ではありませんが医療の世界だけが何か特別なルールで動いているかのような捉え方は本質を見誤るかと思いますね。

医療の世界も基本的には世間と同様に経済原則で動いていることは厚労省の診療報酬による誘導などという行為が成立することからも明らかですが、一部では未だに「”医は算術”であってはならない」とか「医療に営利経営は認められない」とか主張している人もいて、それを真に受けたせいか医療の経済的側面に全く無知なままであることをむしろ良いことのように考えている先生もいらっしゃるようです。
そうした視点のない医療がどのようなものになるかと言う事は大学病院などを見ていると感覚的にも理解出来るかと思いますが、「これは世間では通用しない、大学だけの特別のやり方だ」と自覚しながらやっていらっしゃる先生はともかくも、「これが一番優れた正しい医療なんだ」と誤解したまま外病院に出てこられますと周囲もフォローするのに大変な労力を要しますよね。
医療行為それぞれの重要性や緊急性などを適切に評価して妥当なコストをかけられるということは必要もないところに無駄なコストをかけないと言うことでもあって、特に今の時代医療財政上の要請からとにかく医療費支出増にはお上や保険者の目線も厳しいと言うのに、コストに無自覚に好き放題やっていると肝心のどうしてもコストをかけざるを得ないところも削られても文句は言えないということになりかねません。
最近ではお金を出す側のみならず医療業界内からも医療のコストパフォーマンスと言う事が言われるようになっていて、それこそ先の降圧薬偽装問題なども絡めて「新しい薬を使えばよくなる」のか、本当に「旧型の安い薬」ではダメなのかといった議論もようやく盛んになってきましたが、同じ医療費でも使い方次第でもっとずっと多くの治療ができると考えれば節約のありがたみも感じられようというものではないでしょうか。
ただ節約と言っても見ていますと誰にとっての節約か?と思うような話もあって、例えば先日こんな記事が何気なく出ていました。

大病院来院の軽症患者に特別料金 厚労省方針(2013年11月1日日本経済新聞)

厚生労働省は、風邪などの軽い症状で大病院を訪れる患者に特別料金を請求するよう、大病院に促す。診療所などの紹介状を持たない受診が多い大病院の診療報酬を減らし、その分を患者に請求させる。
2014年度から、全国の病院の約5%にあたるベッド数500以上の大病院全てに適用する方針だ。救急診療を妨げ医療費もかさむ過剰な受診を抑制する狙い。

1日、厚労相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)に方針を示す。軽症患者を診療所や中小病院へ誘導し、大病院を救急など本来の役割に集中させるのが主な目的。厚労省はその切り札として、大病院を受診する患者に定額負担を求める考えで、1万円を軸に今後検討する。
ただ法案提出は15年の通常国会と、1年以上も先。それまでの地ならしで、2年ごとの診療報酬改定を使い、大病院を介して患者に働き掛ける。

具体的には、紹介状のない軽症患者が多い大病院へ報酬として健康保険から支払う初診料を、1人あたり2700円から2000円に減らすことを検討。また診療所や中小病院への紹介を断る患者が多い大病院では、外来診療料を同700円から520円に減らす。大病院は減った分を、窓口負担とは別の特別料金として患者に請求できる
4月から、一部の大学病院と地域の拠点病院の計約200病院を対象に試行してきた。これを14年度の診療報酬改定で、倍以上の約450ある500床以上の病院すべてに対象を広げる方針だ。詳細は、来年2月までに中医協で詰めていく。
診療報酬を減らすのは、初診患者数に対し、紹介状のある患者と救急患者を合わせた数の割合(紹介率)が40%未満で、かつ、診療所などへの紹介に応じた患者数の割合(逆紹介率)が30%未満と低い場合。
実際に減らされた大病院は今までないが、「紹介率や逆紹介率が上がる傾向」(厚労省)にあり効果が高いとみて本格導入を決めた。

一見すると大病院からの逆紹介を増やしたいのに大病院の受診費用を切り下げるのでは余計に患者の大病院集中を招くんじゃないの?と思うような話なんですが、例の大失敗に終わった「開業医に患者を誘導したいから病院よりも開業医の受診費用を割高にする」と言う話と同じで、要するに儲けが減った分だけ病院側が患者を手放すことを期待しているということなのでしょう。
まあ実際に大病院の外来患者を減らしたいのであればむしろ入院外来患者比によって診療報酬に格差でも設定したら?とも思いますし、また外来部門を切り離して名ばかりのサテライトクリニックが増えるだけなんじゃないか?と言う気もしないでもないのですが、それはともかく注目したいのは診療報酬はばっさり減らします、その分は病院側が勝手に判断して適切な料金を取ってねというやり方です。
もちろんこうした方法論は国にとっては財政上一番の問題ともなる医療費公的支出を削減する効果がある一方で病院側の利益は確保出来る道は残してある、そして万一国民の側からクレームがついたところで「あ、それは病院が勝手にやってることですから」と言い逃れ出来るという、まことにうまい手だなとは思いますね。
国民の側から見ると恐らく受診抑制への期待込みで窓口負担は増える一方、国庫負担が減ることから税や保険料の支払いとしては多少なりとも安くなる理屈で、今まで以上に受益者負担が徹底されると言うことでもありますけれども、少なくとも高い保険料を負担している人々の「使いもしない医療のために高い保険料ばかり取られる」という不公平感は軽減される方向には働きそうです。
では病院側にとってはどうなのかですが、単に薄利多売をしているだけの施設ではもちろん客離れの懸念もあるでしょうが、本来大病院に期待されている「他にはない高度な医療」の提供が出来ているのであればむしろ大きなビジネスチャンスであって、提供出来る質相応に料金を取れるというのは病院のブランド確立の上でも決して悪い話ではないように思います。

日本の医療のいびつさを示す話としてよく「風邪の初診患者が大学病院を受診する」という話が取り上げられますけれども、これは皆保険制度の問題ではなく日本のフリーアクセスの問題であって、例えば日本同様皆保険制度を実施しているイギリスなどではこんな現象は起こりえない訳ですから、言い方を変えると医療へのアクセスの容易さとフリーアクセスとは異なった概念であるということですよね。
医療の三要素と言われるコストと質、そしてアクセスの容易さのうち、医療財政の逼迫や医療リソースの相対的不足からどれかを制限していくべきだと言う声が上がっていて、今のところ日医などが強固に反対してきた(笑)フリーアクセスから規制していくのがいいんじゃないかと言う流れが主導的なんですが、フリーアクセスの規制すなわち医療へのアクセスが困難になるということでは無いということです。
要するに医療にかかりたい時にどこかには容易にかかれるという権利を担保さえしておけば皆保険制度の根幹は守れるのだし、逆にフリーアクセスを追求しすぎて皆保険制度の根幹が揺るぐのであればアクセスの容易さは保証した上でならフリーアクセスの規制もありだと言うことなんですが、少なくとも複数の医療機関が自由に選択出来る地域においてどこの医療機関も同じだと言い張るのはかえって患者側も迷ってしまうでしょう。
そうした日本全国どこでも同じ料金同じ医療という建前が嘘くさいことは誰でも理解しているにしても、それでは何がどう違うかということは判らず「なんとなく大きい病院の方がよさそうだ」と言った感覚でしかなかった、それが料金という格差が現れることによって逆に質的な格差が明確になるかも知れませんし、「早くて安い」や「じっくり診てくれる」と言った患者それぞれの要望に応じた差別化も可能になる可能性があります。
もちろん「安いだけで粗悪」だったり「高いばかりで全然よくない」と言ったことになればこれは金返せと言うものですけれども、それは例えば食べ物屋にも当たり外れがあると言った話と同じことで、長期的に見るとやはり価格とサービスとの妥当な折り合いをつけてあるところが繁盛していくという、世間ではごくごく当たり前の方向に終息していく気がしますけれどもね。

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2013年11月19日 (火)

医学部ができれば万事解消とはならないもので

本日まずは最初にこちらのテレビニュースネタを紹介してみましょう。

医師不足の東北で医学部新設をめぐり、医療界が対立しています。(2013年11月7日FNNニュース)

三十数年ぶりとなる大学医学部の新設計画が進んでいます。その理由は、医師不足です。都道府県別の医師の数を表すグラフを見ると、関東から東北は、平均を下回る赤色が目立ち、医師不足が、東日本に集中していることがわかります。しかし今、東北では、医学部の新設をめぐって、医療界が対立を深めています。

仙台厚生病院の宮坂政紀医師は「1時間半ぐらいかけて、救急車でこの病院に紹介になるというのは、本当、ざらにあって。医者の数が、ほかの地域と比べて少ないんですね」と話した。
深刻な東北の医師不足は、医学部の新設で解決できるのか、議論の行方を追った。
2011年3月11日、津波によって尊い命が失われた宮城・石巻市。
復興に向けて歩みを進めるこの地域にとって、医療機関は、重要な役割を担っている。
宮城・東松島市のみやぎ東部循環器科は、急性心筋梗塞など、心臓分野の救急搬送に、3人の常勤医師だけで24時間対応している。
心臓の血管の中を映すモニター画面を見ながら、狭くなった血管部分を「ステント」と呼ばれるメッシュ状の筒で広げる「冠動脈インターベンション手術」。
ここでは、最先端の心臓治療を、日常的に行っている。
9年前に開設されたのは、仙台までの救急搬送におよそ1時間かかる、地理的な事情だった。
みやぎ東部循環器科の菊地雄一院長は「心筋梗塞の急性期治療で1時間ずれると、ダメージの程度が全然違いますから、それはすごく大きいですし、その1時間で失われる命もあります。心臓の病気が疑われた(救急搬送の)人は、絶対に断りませんよって約束をして、それを貫くことを、一生懸命、頑張ってやっています」と語った。
リハビリ中の70代の男性は、2013年6月、ここに救急搬送されて、九死に一生を得た。
男性は「心筋梗塞で、まあ気絶したというか。5~6分ぐらい意識なくなった。(仙台まで救急車で行くとなると?)大変ですね。ちょっと、もたないでしょうね」と話した。

まさに、「命のとりで」とも言える3人1組の医師チームは、気仙沼など、東北の5地域で活動している。
この医師チームを派遣しているのが、心臓カテーテル治療で全国有数の実績を上げる、仙台厚生病院。
今回、仙台厚生病院は、医師不足を解消するため、大学医学部の新設計画を打ち出した。
仙台厚生病院の目黒 泰一郎理事長は「お産もみられる、子どももみられる、脳卒中も、いろいろみられる総合臨床医を育ててですね、そして、それを3人1チームで送ると。永続性のある制度で、医師派遣ができる大学医学部、そういうのが必要だと」と語った。
10月、宮城県の村井嘉浩知事から、医学部新設を要請された安倍首相は、文科省に検討を指示した。
政府の動きを受けて、新たに、70年の歴史を持つ東北薬科大学が、仙台厚生病院とは別の医学部新設計画を公表した。
東北薬科大学の高柳元明学長は、「東北地方の医師不足、これは十分感じておりましたので、やはり機会があればですね、医学部を新設したいと」と語った。
しかし、宮城県医師会は、医学部新設に反対を表明した。
理由の1つが、東北の医師が、教員として引き抜かれる可能性だという。
宮城県医師会の嘉数研二会長は、「地域医療のスタッフの数がですよ、またそこでドンと引き抜かれてしまうということは、もう想像するに難くない。地域医療が崩壊する」と語った。
これに対して、仙台厚生病院の目黒 泰一郎理事長は「われわれは、東北以外から、臨床系教員(医師)は採用するし、人材(医師)が多いのが西なので、宮城にもし(医学部を)作ったとすれば、宮城に、急に医師が増えるという現象も作りたいと思っています」としている。
都会に医師が集中している地域偏在の状況についても、双方の意見は対立する。
宮城県医師会の嘉数研二会長は「医学部新設でもって解決されません、これは。卒業したって、(地方に)行かないんですから。へき地には行かないし、東北には残らないし」と話した。
一方、仙台厚生病院の目黒 泰一郎理事長は「奨学金の返還の代わりに、(医師不足の)地方に赴くっていう制度ですね。医師が足りないところに、はりつかないんじゃないかという問題は、解消できると思います」と話した。
政府は、東北の復興にとって、医学部の新設は必要と考え、申請手続きに向けた準備を進めている。

三人一組で医師を派遣するというのはなかなかにいいアイデアで、何しろ東北のように県土の広い地域ですととりわけ点在する公立病院にあちらに一人、こちらに一人と医師を分散配置する悪癖が続いていましたけれども、やはり最低限の集約化による業務負担の軽減こそが医療提供の永続性を担保するためにも欠かせないことではないかと思います。
ただ費用対効果および実効性の両面から医学部新設の効果は極めて懐疑的という意見が多く、唯一地域人口に対して格差が目立つ医学部定員の地域格差是正という点で長期的かつ限定的な効果が見込まれるかどうか?というところだと思いますが、ともかくも震災復興を錦の御旗とした政治的配慮によって東北への特例としての医学部新設が認められそうな勢いなのはすでにお伝えした通りですよね。
これに関連して東北市長会から「医学部を新設しても地元医師は採用せず全員外部から招くように」という極めて異例の特別決議が全会一致で採択されたこともお伝えした通りで、いくら復興のための特例とは言ってもあまりに無体なのではないかと言う声も他地域から上がっていますけれども、問題はそうまで地元に配慮した医学部を作り上げ学生を育てたとしてその後どうなるのかです。
ちょうど全国で研修医マッチングの結果が発表されているところですけれども、今年の東北地方は今までと比べれば比較的豊作だったとは言え相変わらず極めて定員充足率が低い地域であるという事実には変わりがないと明らかになっていますから、結局医学部を新設しても他地域向けの医師予備校化するだけと言われる所以ですよね。

研修医、東北5県で増える 依然、充足率は全国下回る(2013年11月17日河北新報)

 来春卒業する医学生の初期臨床研修先を決める本年度の組み合わせ(マッチング)で、東北の各病院への内定者数が青森を除く5県で前年度を上回った。福島は東日本大震災発生前の水準を超え、マッチング制度が始まった2003年度以降、最多となった。ただ、募集定員に対する充足率は全県で5~6割台と低く、大都市との格差は依然として大きい

 日本医師会などでつくる医師臨床研修マッチング協議会(東京)のまとめによると、6県の本年度のマッチング結果は表の通り。
 福島県は前年度比16人増と伸び幅が大きく、これまで最多だった03、05、06年度の82人を上回った。
 国は08年度、医師不足対策として地方の医学部定員増に踏み切った。本年度は当時の入学生がマッチングに参加する初年度に当たる。東北では弘前大、岩手医大、秋田大、山形大、福島県立医大が該当する。
 80人から95人に増員された福島県立医大は本年度、前年度比5人増の53人が県内の病院に内定した。県地域医療課は「定員増などの効果が表れた。医師不足の県内にとって明るい材料」と喜ぶ。
 岩手県は岩手医大の医学部定員増と同時に、卒業後に地元定着を促す奨励金付きの地域枠制度を設けた。千葉雅弘医師支援推進監は「制度を活用した1期生10人のうち8人が県内病院に内定した。おおむね効果が出た」と受け止める。
 研修医は2年間の初期研修を終えると「7、8割はその県内の病院に勤務する」(岩手、福島両県)と言われ、今後も医学部定員増による一定の効果が続くとみられる。

 一方、各県の総募集定員に対する内定者の割合を示す充足率は、東北トップの宮城でも69.2%にとどまる。6県全てが全国平均(76.1%)を下回っており、低迷傾向は解消されていない
 厚生労働省は大都市の募集定員を減らし、地方の充足率を高めようと努めているが、東北にはその効果が十分に及んでいないのが現状だ。
 同じ県でも内定者は人口の多い市部や、診療科や医療機器が充実する大病院に偏る傾向がある。宮城の19病院のうち定員を満たしたのは仙台市立(15人)石巻赤十字(12人)など5病院だった。
 宮城県は「研修医の総数はこの10年でやや増えたが、充足率はほぼ横ばい。各病院と連携して魅力ある研修環境の整備を図り、地域偏在を解消したい」(医療整備課)と強調する。
(略)

そもそもこの募集定員というもの自体が研修医の総数に対して2割以上の過剰に設定されているもので、厚労省もこの定員数削減を順次行い最終的には研修医の数に近づけていくつもりではあるようですが、現段階においては人口等も参照し都道府県別に定員上限を決めているだけですから、毎年の受け入れ実績の乏しい地域では当然ながら希望者数と乖離した定員を相も変わらず打ち出しているという状況になります。
もともと今の臨床研修制度が始まった時点での大原則として「研修医は安価な労働力ではない」という考え方があって、研修医が生活のためにバイトに追われるようなことのないよう一定以上の収入を保障する代わりに研修医は勉強に専念すると言うことになったわけですから、本来どこで研修しようが研修医はあくまで勉強に来ているお客さんであって都会と地方の格差を云々するのもおかしいという話ですよね。
実際に都市部の方が研修施設としてより充実した実績ある大病院が多いわけですから、研修医がそちらを主に希望したがるのは当たり前と言えば当たり前なのですが、その研修医数においても地方格差がこんなにある!大問題だ!と騒ぎ立てるというのは、要するにその地域においては研修医も建前を無視して実労働力にカウントされている証拠だと見なすのは穿ちすぎでしょうか?
ともかくも研修医を地域に縛り付ける意味は本来的にはなく、間接的な意味として多くの研修医が初期研修を受けた地域に残る可能性がやはり高いと言う程度でしょうが、これまたもともとその地域で研修を受けたがる程ですからその地域に悪印象がない研修医が集まってきたからとも言え、いわば原因と結果を逆転させた議論に過ぎないでしょう。

ところがその初期研修先の意味が問われるようになったのが近年いわゆる地域枠の類が絶讚拡大しているためで、何しろ一定年限の御礼奉公が義務づけられるのですからどうせならその一部をまだしも田舎にあっても一定の医療の質が担保されているはずの研修病院で過ごそうと考えるのは、若手医師にとっては妥当な判断というものですよね。
一般枠と地域枠は併願も認められていて、当然ながら学生としても余計な御礼奉公などない方がありがたいですから一般枠優先で合格しようとする、一方で大学(および地域社会)側では当然少しでも地域枠で取りたいのは当然ですから、いったん一般枠で入学させても何とか地域枠にトレードしようとあれやこれやと努力しているやに聞きますが、あまりやり過ぎると当然ながらこれは人身売買、人身御供と言われかねません。
ちなみに地域枠も実際にその全員が地域に残るというわけでもなく、一部病院などは「奨学金返済分など肩代わりするから来てくれ」と医師を勧誘しているところもあると言う噂ですが、実際問題学生にとってはそれなりに大金ではあっても医師にとってはさほどでもないのも事実ですから、それくらいなら給料にちょっと色をつける感覚で何とかなってしまうものではあるでしょうね。
ともかくも研修医の数ばかりを云々するのは本来的にはあまり意味がない、あるいは意味があってはいけない行為であって、やはりその後の一人前となった段階でどれだけ地域に定着させられるかが追求すべき指標であるはずなのですが、今のところこの領域に関しては研修医マッチング率ほど判りやすいデータがないことも「代用」を許している理由の一つなのでしょう。
地域の側の本音として研修医もできるだけ沢山取り込みたいし、地域枠にもより多く志願させたいのでしょうが、やはりこうしたことは本人の自由意志で決定されるのが本筋であり、その自由意志の結果として選んでもらえる環境を整備していくことが長期的に見ればより多くの医師定着に結びつくのではないかなという気がしますが、その意味で地域枠学生がその後地域に残るかどうかは研修医にとっても地域にとっても重要な評価指標になり得ると思います。

他方では基本的に卒業後のことは建前として教育機関の責任外ではありますが、やはり医学部が実質的な医師養成所として機能している以上は国試合格率や地域定着率も大学の評価基準の一つになり得るはずで、特に県立大学などであれば「これだけの公費を投じているのにこれだけの医師しか残せないのか!」と自治体や県民からおしかりを被る余地は十分にあり得そうです。
そこで気になったのが昨今司法試験合格率の低迷が問題視されている法科大学院において、文科省が司法試験合格率に応じて補助金の額に格差をつけると言い出したというニュースが出ていましたが、最低ランクに位置づけられますと補助金打ち切りということになり、ただでさえ過当競争になっている法科大学院業界においては潰れるしか道がないということになってしまいますよね。
今のところ医師不足の方が主に言われているだけに医学部で直ちに同じことがあるとも思いませんが、すでに同種問題が起こっている歯学部では近く同様の話が出るかも知れませんし、いずれはいわゆる底辺と言われる医学部であるとか、それこそ地域医療に貢献するという名目で新設される(予定の)新大学などもその実が問われることになるやも知れませんが、それに対して今から何ができるかです。

医学部が生き残るかどうかなんて話ははるか遠い未来の仮定の話と思われるでしょうが、実は学生が先を争って「是非この大学で学びたい」と集まってくるというのは研修医や医師が「是非ともこの地域で働きたい」と考えるのと通じる話で、優秀な人材を数多く集めるために他にない特色なり魅力なりをどうやって提示していくかを考える必要性という点では何ら変わりがないことですね。
そのためにも研修医にしろ医師にしろどういう視点で進路を決めているのかということをしっかり把握することが重要ですが、今の時代は都市部の優良病院であってもそれなりに医師集めのために努力しているところも多いですから、以前のように「田舎病院に行けば給料だけはいい」といった単純な話ではなくなってきていますし、各種ハンディキャップを抱えた病院が単純に給料をはずんだくらいでそうそう人が集まるとも思えません。
逆に考えると田舎病院であっても人が大勢集まっているところと言えば大抵はカリスマとも言うべき人材が中心にいるケースが多く、またそうした施設でそのカリスマが消えた瞬間に病院の繁栄も終わってしまうというのは有名な舞鶴市民病院事件を始め枚挙にいとまがないことですから、医師一人の存在感が大きい田舎の中小病院ほど核となる優秀な人材を確保出来るかどうかが一番の鍵になると言えるのではないでしょうか。
皆保険の建前的には医師は誰もが同じ存在として扱われますけれども実際には一人一人に格差はあって、それを評価し差別化する指標として最近では例の専門医制度改革などが注目されていますけれども、実のところは下手な専門医よりもこうした無形のカリスマというものを正しく評価できるかの方が地域医療安定のためにはずっと有益なのではないかと言う気がします。

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2013年11月18日 (月)

医師の勤務状況改善と診療報酬改定

この時期になりますと毎年の行事のようになってしまっていますけれども、先日は2011年度の医療費がまた過去最高を更新したというニュースが出ていて、他方では社会保障における給付の抑制が以前から言われながらまたぞろ各方面の根強い反対で尻すぼみになりかねないと危惧されているところですから、来る診療報酬改定作業においては今まで以上に強い削減圧力が働くことが予想されますよね。
そんな中で先日は医療現場から診療報酬大幅引揚げを求める声が上がったというのですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

現場医師ら、診療報酬の大幅引き上げ要求- 「ドクターズデモ国会集会」でアピール採択(2013年11月14日CBニュース)

 医療現場の医師と歯科医師ら約200人は14日、「ドクターズ・デモンストレー ション2013国会集会」を開催し、2014年度改定での診療報酬の大幅な引き上げな どを求めるアピールを採択した。参加者らは、「これまで医療費は抑制され続け てきたが、日本は医療費をもっと使うべき」「医師の絶対数が不足している」な どと、現場の厳しい状況を訴えた。【丸山紀一朗】

 この集会は、全国医師ユニオンの植山直人代表や全国保険医団体連合会の住江 憲勇会長らが代表世話人を務める、ドクターズ・デモンストレーション実行委員 会が主催。採択されたアピールは、診療報酬引き上げのほか、▽消費増税で地域 の医療機関が経営危機に陥らないようにする▽患者の窓口負担を軽減する▽国民皆 保険を守るためTPP(環太平洋パートナーシップ協定)から撤退する▽医療再生に 必要な財政の確保と施策を行う―ことを要求した。

 また、植山代表は、医師の過酷な労働実態についても報告。「日本の医師は自 分の健康状態にすら自信がない。この状態で国民を守れるのか」と訴え、国に対 し、医師の業務負担軽減に直結する政策の実行と、その効果の検証を求めた。

主催しているのが全国医師ユニオン関係の方々ですから当然こうした要求は出てくるものと十分予想できたことですけれども、医師の健康状態が国民の健康に大きく関係する因子であるという主張はもっともなことで、それは誰だって一生にそう何度もない手術を受けるとなれば徹夜明けでふらふらの先生に執刀してもらいたくはないですよね。
ただ個人的に思うことは現場の医療人にとって今要求すべきは財政厳しさを増す中での診療報酬の増額ではなく自分達の待遇改善であって、そのための一手段としてやむなく診療報酬増額を求めるにしても漠然とただ増やせと求めたところで何ら実利はないと思いますがどうなんでしょうね?
ともかくも医師ら専門職の業務負担を軽減することは医療安全上も非常に重要であり、いわゆる医療崩壊現象の予防・阻止という意味とも相まって医療の受益者たる国民にとっても非常に重要な課題だとして、医療現場の実情を顧みるに最も確実にそれを行う手段の一つとして医師ら専門職を使うということがコストを押し上げる要因になるよう仕向けるということが上げられると思います。

よく大学病院の医師がとんでもない雑用に駆り出されひどい目にあっているなんて話がありますが、何故それが起こるのかと言えば大学病院においては医師こそが最も薄給の上に数的にも有り余っている職種であり、他のスタッフに同じ業務をやらせればそれなりの手当をはずまなければならないのに医師ならタダで幾らでも働かせられるという経済原則が働いているからに過ぎないわけです。
一般病院においても現行の診療報酬体系では専門職が専門職としての知識や技能を発揮すること(技術料)がまともに評価されないため、機材や薬品などのコスト(薬価部分)でなんとか収入を稼いでいる状況ですが、ご存知のようにこれら物品コストは診療報酬をにらんで価格が設定されているものですから幾ら使おうがせいぜいがトントンで、結果として医療現場は極めて薄利多売なやり方を強いられているということですね。
この状況で儲けを確保しようと思えばなるべくスタッフの人件費を抑えながら少しでも数を稼ぐしかないのは当然で、その結果過労からうっかりミスも増えればやっていられないと逃散していく者も出るという状況に陥っているわけですから、傍目には医療現場は忙しい忙しいと言いながら自らさらに多忙になろうと努力しているようなものですよね。

そんなことを言っても患者が次から次へと来るのだし、応召義務もあって断れないのだから仕方ないじゃないかと言う声がありますが、そもそもどこの施設でも今日日空床率を引き下げようだとか患者を増やそうだとか様々な増収策を病院トップや事務方から言われないということがないと思いますけれども、要するにこれはもっと頑張って仕事を増やせと言うことです。
その手段として昨今何かと評判の悪いメタボ検診などをとっかかりにどんどん病気だと診断し病院に来ていただくことが経営的には正解だと言うことになりますが、みんなで売り上げを増やすべく努力した結果医療費が跳ね上がって各方面から叩かれ診療報酬をもっと抑制しなければと言われてしまうのでは、言われるままに馬車馬のごとく働いている現場スタッフが一番馬鹿を見ているようなものですね。
要するに診療報酬は総額で増えた、減ったという話ばかりが話題になりますけれども、その中身を議論しないと幾ら総額が増えたところで現場の労働環境改善に結びつかないどころかさらに悪化させることにもなりかねないと言うことです。
その診療報酬抑制の手段として先日は厚労省からゾロ(ジェネリック)の薬価を先発品の50%に引き下げよう(現行では70%)なんて話が出ていて、これは先発品メーカーも後発品メーカーもいずれも大変なことだなと思うのですが、さらに加えてこんな話も出ているということが気になってきます。

診療報酬の技術料抑制を 諮問会議で提案へ(2013年11月13日47ニュース)

 政府の経済財政諮問会議の民間議員が、2014年度予算編成で焦点となる診療報酬の改定に関し、医師の技術料に当たる「本体部分」の抑制を求める提言案をまとめたことが13日分かった。薬剤や材料の価格である「薬価」はマイナス改定を促す。15日の諮問会議に提示する。

 診療報酬を1%上げると税金や保険料などで国民負担は約4200億円増える。14年度は2年に1度の改定がある。12年度まで、地域医療の充実などを理由に本体部分を3回連続で増額している。増額を狙う厚生労働省に対し、財務省は難色を示している。

今回の診療報酬改定に際しては各方面から聞こえてくる話のどれをみても引き上げなどとんでもないことで、薬価の引き下げは大前提で技術料がどれだけ切り込めるかだ、みたいな話が出回っていますけれども、医療機関にとっては技術料にせよ薬価にせよいずれも少ないながらも儲けを出すための収入手段ですから、仮に本体である技術料は据え置いたからいいでしょう?と言われても困るわけです。
さらに加えて前述のように専門技能を発揮すること自体を評価しないという方向になればますます現場の労働環境は悪化するしかないというものですが、現実的には消費税引き上げもあるわけですから全てを切り下げるというのはさすがに困難で、本体は据え置きで消費税分の補正ということでわずかながらのプラスに納めるといったあたりが落としどころになるのではないかと言う気がします。
ただ医療関係者にしてもかねて診療報酬をもっと引き上げるべきだとは主張していますが、その内容をどこをどのようにと言うことに関してはあまり口を挟んでこなかったというのは各方面の利害が絡むだけに仕方のないことだとは言え、やはり総論的にどうこうと言うだけではなく具体的に現場の危機的状況を改善するためにここは譲れないと言った方向でないと医療財政危機を前に説得力も発揮出来ませんよね。
ひところは多忙な急性期救急をもっと手厚くしようという動きが流行しましたが、あれによって救急のスタッフが充実したとか労働緩和されたとか言う話もあまり聞かないというのは、やはり診療報酬というものは総額幾らの売上高として医療機関の収入になるものでしかないという制約が大きいように思いますが、果たしてこのままでいいのかと言うことです。

先日は高齢者紹介ビジネスということがマスコミにも大いに取り上げられていて、そもそもの根本原因としては施設などへの往診の料金がとんでもなく高いものに設定されていたことによるものですが、これも将来的に入院から在宅へという政府の大方針が決まっている以上それに対応出来るよう医療を誘導するのが必要だからと、敢えて高すぎるほどの報酬を設定しているのだという理屈はもちろんわかります。
しかし本来その報酬の受益者になるはずの当の現場医師達の多くですら「何もこの医療財政厳しい折によりにもよってそんな不要不急の領域に大金を浪費しなくても…」と感じるだろうし、そんな金があれば今まさに崩壊が叫ばれる他領域をもう少し何とか出来ないものなのかと思うのですが、別に厚労省にしても意地悪でこんな報酬体系を整えたわけではないんだろうと思います。
ただ日医を始め声の大きい医療関係者の方々は皆さん何とかの一つ覚えのように「診療報酬を上げろ!もっと上げろ!」としか言わない、そして事実わずかながらとは言え引き上げも行われた以上は彼らに対しての義理も果たした形ですし、別に細かくああしろこうしろと注文がついているわけではない以上その中身については国の方針に従ったものにすることは当然のことというだけの話ですよね。

現実的に財政上の理由から総額の引き上げが無理になってきている中でどこに優先的に投資すべきか具体的に提案出来ないというのは、それを要求する側にとってもどこを切り捨てるかを自ら決めるという痛みを伴う行為に他ならないからだと言えますし、特に医療系団体がそれを言ってしまうと身内のどこかから必ず「俺たちを売るのか!」と言われかねないでしょう。
そう考えると日医などが診療報酬を引き上げろ!と叫ぶことは実は関係するどの方面にも波風を立てず一番無難なやり方ではありますけれども、その結果医療業界内のどこからも表だった反発は来ない代わりに財務省などに対する説得力には欠けるし、厚労省あたりからも現場の実情を無視したような配分をなされ挙げ句に「前回あれだけ引き上げてやったのだから」と妙な恩だけ着せられるという妙な話になってしまうわけです。
特に日医の場合はどちらかというと切り捨てられる側に近いスタンスに立つ存在だと世間的にも認知されているし、会員にとってもまさか不当に高い会費をとっておきながら自分達を売るような真似をするとは思ってもいないでしょうから、考えて見ると彼らの立場もなかなかに難しいものがあるんだろうなとご同情申し上げますけれども、国に向かっては「他のどこかを削って医療費に回せ」と要求しているのですから自業自得ではありますよね。

最終的には日医あたりが熱心に反対してきたドクターフィー導入であるとか、専門医受診に対する加算であるとか「日本全国どこで受けても同じ値段で同じ医療」という皆保険制度の建前を崩しかねない手段が求められそうなのですが、もちろん日医などが今更そんな主張をするとも思えないだけに誰がそれを言うべきなのかということです。
医師を始め専門職スタッフが働けば働くほどコストがかかるとなれば、自然なるべく彼らには働かせず非専門職で出来ることはそちらで片付けようという方向になり産業としての医療の裾野も広がるだろうし、今話題の特定看護師制度などにとっても追い風になると思いますが、現行の報酬体系の延長線上にそうした未来図が描けるかと言えば限りなく疑問符がつくとしか言いようがないですよね。
ともかくも診療報酬のうち医師の人件費は1割強と決して比率が高くなく、逆に言えば病院収入のうちどれだけ医師報酬に回すかの自由度が高いものですから現行制度でも現場裁量で出来ることは少なくないわけで、一頃盛んに言われたように「駄目な病院からはさっさと逃散すれば結果的にまともな病院だけが残る」などという選択淘汰方式?がやはり一番手っ取り早く確実な勤務状況改善の手段なのだと、このままでは改めて証明されてしまいそうな気もします。

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2013年11月17日 (日)

今日のぐり:「そば茶屋いきいき」

ラーメンにカレーと言えば日本人の国民食とも言われる人気メニューだけに熱心な愛好家も多いですが、先日こんな穏やかならぬ話が出ていたことをご存知でしょうか。

カレー好きはラーメン好きをバカにする? 食業界悩ます対立構造(2013年11月14日もぐもぐニュース)

男の好きな食べ物2強といえばカレーとラーメン。それぞれに愛好家がいるのだが、その雰囲気はずいぶん違う。おまけにお互いがお互いをバカにしているようで…。

「ラーメンオタク(通称ラオタ)のイメージって太っていたり、ダサかったりするイメージがあります。僕らカレー好きも人のことは言えませんが、色んな食ジャンルの愛好家でカースト最下位って感じ。僕の友達のカレーマニアも、ラオタは見た目も通り魔っぽい人が多いって言ってましたよ(笑)」(カレーブロガーMさん)

筆者の知り合いのカレー好きのブロガー氏、かなりの偏見の持ち主のようで。しかし彼や友人がそういう意見を共有していることは見逃せない。一方でラーメンオタクの知人にカレーマニアをどう思うか聞いてみた。

「カレーファンってマザコンが多いんですよ。カレーを美味しいって思った、幼児期の原体験からいまだに抜けきれない人たち。服装でオシャレぶっていたり、カルチャーぶっているやつが多いんですが、まあガキってことですよ。ちなみにあいつらが一番怒る質問知ってます? カレー味のウ●コと、ウ●コ味のカレーどっちがいい?という(笑)。カレーマニアに絡まれた時は大体この質問で切り抜けています」(ラーメンオタクTさん)

さすがに二人ともそれぞれのジャンルの「タカ派」なので、言うことが過激だが、このカレーマニアとラーメンオタクの対立は、業界でも根深い問題だ。

「ある料理イベントの打ち合わせで、かなり有名なカレーとラーメン評論家の2人を呼んだんですけどお互いにもうバチバチで…。表面上は仲いいふりしてるんですけど、あとでカレーの方に『なんであんな化調舌(※化学調味料しか味のわからない舌の意)を呼んだの?』なんて言われましたもん」(イベント関係者)

たしかにカレーは化学調味料を使わないし、ラーメンにはそれが必須なため、そこは根深いところなのかも。実際あるラーメン施設の関係者と、カレー施設が比較的近い地域にあったため、たまたま近くの居酒屋で遭遇した際、乱闘になったこともあるという。

「原因は実にくだらない。カレーの方が『ラーメン施設の人たち居酒屋でもラーメン食って、ウンチク語ってるよ(笑)』って言ってるのが聞こえたから」(カレー業界に詳しいライター)

とのこと。ちなみに筆者はどちらかというとラーメンファンですが、まあ、マニアやオタクの人って怖いですね…。

ま、なんと言うのでしょう、お互いもう少し大人になったらどうなのかと思うところなきにしもあらずなんですが、なにしろマニアとはそういうものですからねえ…
本日はラヲタとカレーマニアの両者の融和を願って、世界中からこれぞ食へのこだわりというマニアックなグルメのニュースを取り上げてみることにしましょう。

給料日後はサケやマツタケがそびえ立つ クックパッドに投稿されるレシピ「給料日前後シリーズ」 (2013年10月23日B!ニュース)

クックパッドに投稿されている給料日前後のレシピが、はてなブックマークで話題を呼んでいます。ユーザーは2011年から、給料日前に節約料理を、給料日後には同じ内容を“豪華”にアレンジしたレシピを投稿。中でも、給料日後に使われているシュールな材料や盛り付けが「やばすぎるw」「ギャップに笑った」と注目を集めています。

としきんのキッチン [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが157万品 としきんのキッチン [クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが157万品

ユーザーは2009年からレシピを投稿していますが、話題の“給料日前後シリーズ”は2011年からスタートしました。最初に登場したのはエビピラフ。給料日前には桜エビを入れた「給料日前のエビピラフ」を、給料日後には有頭エビのフライを大胆に使った「給料日後のエビピラフ」のレシピを公開しています。2012年5月以降はコンスタントに更新されており、100グラム50円の鶏皮で作った“せつないチキンライス”とチキンレッグを使った“ごちそうチキンライス”など、同じ料理の“節約版”と“豪華版”が続々登場しています。

投稿にはその後、徐々に「給料日後の親子丼」や「給料日後のチキンライス2」といったシュールな盛り付けが登場するようになりました。サケを使った給料日後のレシピでは、頭などをそのまま使用したインパクトのある「給料日後の鮭チャーハン」や「給料日後の鮭のクリームパスタ」が話題に。
さらに「給料日後のハヤシライス」「給料日後のハヤシライス2」などの立体的な料理も目を引きます。

はてなブックマークのコメント欄には「給料日前後シリーズおもしろいw特に給料日後の写真がインパクトデカい」「親子丼は写真で出オチw」「ごはん日記もアツい」などの感想が集まっています。給料日前で材料費を抑えたいときや、給料日後にぜいたくな料理を楽しみたいときなどの参考になるかも?

いや確かに色々な意味ですごいけれども!と言うしかないそのメニューの対比は元サイトで是非ご確認いただきたいと思いますが、それにしてもこれはあまりにあまりなレシピでは…
こちらもこだわりのメニューであることは疑いようのないところなんですが、やはりいささかこだわる方向性に問題があったのでは…とも感じさせられるメニューを紹介しましょう。

本物そっくりの “ラーメンケーキ” に全世界が驚愕!/ 「ラーメンにしか見えない! 観てたらラーメン食べたくなってきた!!」(2013年10月23日Pouch)

日本が世界に誇れる国民食、ラーメン。
現在動画サイトYouTubeに、どこからどう見てもラーメンにしか見えないスイーツの作り方が投稿され、話題になっているみたい。
考案された方は日本人ブロガーのochikeron(オチケロン)さん。群馬県高崎市にあるケーキ店『まちのくまさん』にて実際に販売されている “ラーメンケーキ” を新聞で知り、レシピを想像しながら制作してみたんですって。へ~、まず「作ってみよう!」っていう、その熱意がスゴイわ!
麺はスイートポテト、スープは紅茶のゼリー、上に乗せたチャーシューはマーブルクッキーで、海苔は黒ゴマサブレ。仕上げの “なると” はチョコペンで自作したというラーメンケーキは、ochikeronさん曰く「3回目でやっと成功した」自信作とのこと。料理慣れしている方でもこれだけ時間がかかるとは……これは心して取り掛からなければいけないようですね!

ラーメンケーキを目にした視聴者からは、多くの称賛の声が寄せられていた模様。

「作ってみたけど美味しかった!」
「本物のラーメンにしか見えない……」
「これってジョークじゃないよね?」
「素晴らしいアイデアですね!」
「観てたらラーメン食べたくなってきた」
「これで家族をだましてみようと思います」
「ラーメンの具に卵があると、もっとよかったね」
「へ~、”なると”って、ピンクのぐるぐる模様がある、コレのことだったんだ!」

さすが世界で愛されているラーメンを題材にしているだけあって、大反響ですね~。中でも、見慣れないのか、それとも漫画『NARUTO -ナルト-』の影響なのか、“なると” に反応している方が意外と多かったのが興味深かったです。
一目見た瞬間多くの人が感嘆の声を上げるに違いないラーメンケーキは、日本人はもちろん、外国の方にも大いに喜んでもらえそうな一品。料理に自信のある方もそうでない方も、ぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか。

これまた元ネタの方を是非ともご覧いただきたいと思いますが、ここまでする労力を考えると素直にラーメン食っとけよと思ってしまうのは自分だけでしょうか。
一般的に言えば食べるものではないと見なされているものが意外に美味であったということはままありますが、こちら身近にありふれていながら誰も食材とは考えなかっただろう驚きの食材が発見されたという記事です。

ねこじゃらしを天ぷらにすると旨い!と話題に(2013年9月17日秒刊SUNDAY)

道端に生えているエノコログサ(ねこじゃらし)を天ぷらにして食べるとうまいという噂が中国のネットで話題となっております。確かに、ねこじゃらしは草なので「ぜんまい」「ふきのとう」などと同じく食べられなくもない気もする。ただ、現時点でスーパーなどに売られてはおらず食べたという話も聞いたことが無いので実際に美味しいのかどうかは不明だった。今回そんな猫じゃらしを食べた方を紹介したい。

作り方は簡単、通常の「てんぷら」と同じように卵や小麦粉などに浸けて揚げるだけというシンプルな調理方法。日本人であれば誰もが旨そうだ!と感じるが、形はやはり「猫じゃらし」だ。エビ天・ちくわ天にも見えなくもないが、独特のモフモフ感が妙に気持ち悪い。

―本当においしいのか。

中国のニュースサイトによると「おいしい」とのことだ。本当だろうか、実はこのネタ2~3日前に日本のツイッターなどで話題にはなっていたのだが、猫じゃらしなだけに中国のメディアがそれに食いついてしまったようだ。

―実は食用可能

戦前には食用として利用されていたが現在はご存じのとおり食べるものはいない。下記サイトの情報によるとポップコーンの風味にも似ているとのことだが、はたしておいしいかどうかは不明だ。

参考記事
http://darkmattercat.blog111.fc2.com/blog-entry-90.html

―海外の反応

やはりこの話題に対し「本当に食べられるのか?」という疑問が多いようだ

    ・食べても問題ないのか?
    ・うちの猫は食べる
    ・鬼才過ぎる
    ・月餅の味がよくなった
    ・本当に才能あるな
    ・もう少しこしょうがあればいいんじゃない?
    ・卵と小麦粉であげればなんでもおいしくなるだろう。
    ・確かにおいしいらしい
    ・食べても死なないの?
    ・空腹時にはたべてみるかな
    ・本当に食べれるのかコレ

本当においしければビニールハウスで栽培されてもいいはずだ。

まあしかしそこらの葉っぱも揚げてしまえば結構普通に食べられたりと、天ぷらという料理は実は意外にサバイバル適合能力が高いメニューなんですかね?
ときどきジャンクフードに対して中毒とも言えるほどの偏愛を示す人がいますけれども、こちらいくらなんでもそれは…と思うような人物がいたそうです。

【海外:アメリカ】ビッグマック中毒!30年間で12000個以上のビッグマックを食べた男(2013年9月17日日刊テラフォー)

ユタ州在住のスリムなデニス・ロシンロフさん(64)は、一見したところ、まさかジャンクフード中毒には見えない。だが実際は、ビッグマックの魅力に取りつかれ、ここ30年間で、少なくとも12,000個のビッグマックを平らげた。

デニスさんがビッグマックを食べ始めたのは、30年前、セールスマンとして働いていた時だった。それからずっと止めることができないどころか、どんどん拍車が掛かっている。
特にこの20年間は、毎週10個はビッグマックを食べている。
月曜に、会社帰りに1個。火曜日には出勤前と会社帰りに1個ずつ。水曜日は朝ごはんに1個、木曜日と金曜日は、朝ごはんに2個ずつ。土曜日にはいつも、2個。唯一のビッグマック休肝日は日曜日だ。この日は奥さんが、家族皆に手料理を振舞ってくれる。
計算してみたところ、デニスさんはこの30年間で、約6万ドル(約590万円)をビッグマックに費やしていることが分かった。
デニスさん曰く、この金額は車のガソリン代よりは安いということだが、それでも純粋にビッグマックだけの値段で、セットで一緒に注文することも多いポテトやドリンクの料金は含まれていないので、デニスさん自身のガソリン代は、車のガソリン代と同等か、それ以上かもしれない。

不思議なのは、これほどジャンクフードを貪っておきながら、デニスさんがスリムで、健康上も問題ないことだ。見ての通り痩せているし、コレステロール値も200以下の正常値だ。
家族はずっと、デニスさんに健康的な食生活をするよう説得してきたが、ビッグマックがデニスさんの体には悪影響を及ぼしていないようなので、やがて諦めてしまった。
ビッグマック1つは930カロリーで、それを1日に2個も食べたら、普通はあっという間に成人男性が1日に必要な2000カロリーを超えてしまう。
だが、デニスさんの場合は、ビッグマック以外はほとんど何も食べないおかげで、スリムな体型を保てているようだ。
デニスさんは、この先もビッグマックを止めるつもりはさらさらない。
「毎日マクドナルドに行くのが楽しみなんです。味も美味しいし、ビッグマックを食べている時は幸せです。だから毎日食べます。」
正に、真のビッグマック中毒だ。

しかし何事にも限度というものはあるかと思いますが、これだけ好き放題をやっても健康体を維持していられるというのは他の部分に秘密があるのか、それともアメリカの一般的な「健康的な食生活」がビッグマックよりもさらに(以下略
イタリア人と言えばグルメな印象がありますけれども、それだけに食生活には相応のこだわりがあると言うのがこちらのニュースです。

「スパゲティにケチャップをかけてはいけない」 ― 外国人向け「イタリア料理10の掟」(2013年9月13日えん食べ)

イタリア料理はいまや世界中で食べられるようになっている。だが、イタリア人の、特に料理人の目から見ると、その多くはイタリア料理とは言えないものなのだそうだ。

世界のイタリア料理を正しい道に導くため、イタリア北部の都市パルマにあるフードアカデミー「Academia Barilla」は、外国人向けのイタリア料理に関する10の掟を発表した。「ホラー」なイタリア料理を生み出さないための手引きとして活用して欲しいそうだ。

その10の掟の中には、日本人としては耳の痛いものもある。いくつか紹介しよう。

「パスタにケチャップをかけてはいけない。これは、イタリア人をひどく不快にさせる行為だ。 Academia Barilla ではこれを、『許し難い罪』であると定義している。イタリア料理に関する多くの著作を持つ Gennaro Contaldo 氏はケチャップの使い方について次のように説明している。

『わたしは良質なケチャップなら好きだ。だが、その用途は、チップスに限定すべきだ』」

ケチャップを大胆に使用したパスタメニュー「スパゲティ ナポリタン」を発明してしまった日本人としては、なんとも耳の痛い忠告だ。
(略)

10の掟の詳細は是非とも元記事を参照いただきたいと思いますけれども、しかし目から鱗の話もあればなるほどごもっともと言う話もありと、これはなかなかに興味深い掟ではありますよね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですけれども、まずは記事から紹介してみましょう。

食パンの値段を知らない英首相(2013年10月4日AFP)

【10月4日 AFP】デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相(46)はこのほど、食パン1斤の販売価格を知らないことを認めた。ただし、その理由は自分でパンを焼いているからだそうだ。

 英メディアはしばしば、政治家たちの庶民感覚を試すため生活必需品の価格を尋ねる。往々にして、その真の魂胆は政治家たちの揚げ足を取ることにある。

 名門イートン校(Eton College)とオックスフォード大学(University of Oxford)で教育を受け、富裕層の多い選挙区出身のキャメロン首相は1日、ロンドン(London)のラジオ局LBCとのインタビューで、スーパーマーケットで売られている最も安い価格帯の食パンは買わないと答えた。それは、自身の選挙区で製造された小麦粉を使い、家庭用パン焼き器でパンを作っているからだという。

「コッツウォルズ(Cotswold)の製粉所でひかれた素晴らしい粉で作ったパンだねを、パン焼き器にポンと放り込む。寝る前にタイマーをセットすれば、朝目覚めたときには、この上なく香ばしい香りがキッチンに漂っているんだ」(キャメロン首相)

 パンだねをパン焼き器に入れるのにはわずか30秒しかかからないという。3人の子供たちも、首相の手作りパンが大好きだという。

 この答えを聞いたLBCラジオの司会者は、庶民向けスーパーで売られている食パン1斤の値段は、だいたい47ペンス(約75円)くらいだとキャメロン首相に教えた。キャメロン首相は、夫人のサマンサ(Samantha Cameron)さんも準男爵を父に持つ貴族階級の出身だ。

 キャメロン首相の「告白」に先立ち、やはりイートン校とオックスフォード大出身のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)ロンドン市長は、牛乳1パック(約570ミリリットル入り)の値段を知らないと英国放送協会(BBC)に語っている。

極東の某島国でも一国の総理大臣がカップ麺の値段も知らないのか!とはやし立てて得意満面な方々がいらっしゃったように記憶しておりますが、西の果ての島国でも同じようなことをやっているマスコミがいるということでしょうか。
それにしても「自分でパンを焼いているから」とはブリ一流のジョークだったとしてもうまくしたものだと思いますが、これまた財閥のトップとしても有名な某国の元総理も「うちの会社がカップラーメン作ってるから自分で買ったことはないよ」くらいのことは言ってみてもよかったかも知れませんね。

今日のぐり:「そば茶屋いきいき」

この時期になりますとどこの蕎麦屋も「新蕎麦始めました」の看板を掲げていて、何とも抗いがたい吸引力を発揮してくるものですよね。
山陽道は尾道インターを降りてからひたすら北上していくと見えてくる物産特売所の二階にあるのがこちらのお店なんですが、この界隈は蕎麦粉の産地でもあるそうで何件か蕎麦屋の看板も見え隠れしています。
こちらの場合ネーミングも見た目もまさに立地相応と言うのでしょうか、一見してまともな蕎麦が食える店とも思えないんですが意外にしっかりした蕎麦を食べさせる店ということで、今年のシーズン始めの店としてお邪魔してみました。

今回は二八ではなく十割盛りそばを頼んでみましたが、製粉技術の進歩で昔と比べて十割も打ちやすくなったとかならないとか言いますし、確かにボソボソした食感ですぐ切れるようなものは今はあまり見ないなと言う気がしますね。
蕎麦の前にあまり舌に味の残る強いお茶は好きでないので、こちらのようにそば茶を出してくれるのはありがたいと思うのですが、そうこうしているうちに出てきたのは細打ちながらしゃっきりと角が立ち見た目もきれいな蕎麦で、ちゃんと蕎麦つゆは徳利に入れて出されてくるのもこういう店にはあるまじく(失礼)真っ当な作法ですよね。
さっそくたぐってみますと十割蕎麦ながら舌触りはごくごく滑らかで喉越しも良好、十割の新蕎麦らしいさわやかな風味が楽しめるのももちろんですがつなぎがなくても全く切れてないのは見事です。
ただもう少し水をしっかり切っても良さそうなのと、もうわずかに茹でても良さそうな食感なのは暖かい蕎麦に合わせて茹でているということなのでしょうか?
こちらの場合蕎麦つゆとしては少しばかり甘め、かつ返しも控え目で出汁の味が全面に出るタイプなんですが、前述のような甘めの水切りのせいもあってすぐに味が薄まってしまいますし、この蕎麦ならもう少し返しが強めでもいいかと思いますけれども、まあこういう味の加減は地域性による好みもあろうかと思います。
蕎麦湯はこの日の訪店が開店直後でさすがに薄いんですが、それを変に手を加えずそのまま出す姿勢は好感が持てるもので、ともかくもこんな場所ではあるんですが全般に至ってまともな蕎麦と言う印象ですね。

せっかくの産地ながら必ずしも全てが地元産でない粉を使っていることも品質や生産量等々様々な事情があるのでしょうからやむなしですが、以前にお邪魔した時に比べてどうやらサイドメニューも増えていて、一品料理の他に地酒の類も色々と取り揃えいかにも蕎麦屋らしくなったのはいいんですが、正直これは夜のメニューだなあとも思います。
そうなると周囲に民家もまばらな田舎の道の駅的施設の二階という立地で夕方には終わる店でこういう方向にメニューを充実させるというのはどうなのかと思うのですが、この界隈では昼間から代行を仕立ててでも昼酒をたしなみたいという需要がそれほどにあると言うことなのでしょうか?
接遇面はまあこういった店の見た目通りイメージ通りという感じで可もなく不可もなくといったところでもちろん通し言葉が飛び交っていたりはしませんけれども、しかし前述のメニューの方向性のみならず蕎麦自体ももっとちゃんとした蕎麦屋で出してもおかしくないものだと思うのですが、今のところはここでの集客のメリットの方が上回っているという判断なんでしょうかね。

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2013年11月16日 (土)

アグネスが日本ユニセフへの「誹謗中傷」に反論

先日のフィリピン台風被害が大変なことになっていて、日本を始め各国が支援活動を行ってることは報道されている通りですけれども、最大数百万人規模の子供も被災しているということで国連組織ユニセフも総力を挙げて救援活動に参加していると言います。
そのユニセフの活動に便乗する形でと言うのでしょうか、国連組織とは違う方の紛らわしい団体である「日本ユニセフ」が例によって被災地支援の名目で募金講座を開いたと話題になっているのですが、これに関して日本ユニセフの広報塔を務めるあのお方がこんなコメントを出したと言います。

「デマに惑わされないで」アグネス・チャンがユニセフ協会への中傷に反論(2013年11月13日サイゾー)

 日本ユニセフ協会の大使を務める歌手のアグネス・チャン(58)が13日、ネット上で散見される同協会への中傷に対して「デマに惑わされないで」などと自身のブログで反論した。

 アグネスはブログの冒頭で、台風30号で大きな被害を受けたフィリピンで援助活動しているユニセフの代表からメールが転送されてきた明かしており、それによると400万人以上の子どもたちが被災したと見られ、救助活動は悪条件のなか必死に行われているという。現在、フィリピンへの支援募金を募る動きが活発化しており、同協会も緊急募金への協力を呼び掛けており、アグネスの書き込みも一般からの支援を促す意図があったようだ。

 この中でアグネスは「一番抵抗力が低い子供達にいち早く食べ物と医療品を届けたいですね。なのに日本ユニセフ協会について無責任なネットの書き込みがあるそうです。悲しいですね。。。」と綴っている。

 同協会は本家のユニセフ(国際連合児童基金)と正式な協力協定を結んだ公益財団法人だが、ユニセフ本部とは別団体であるにもかかわらず、ユニセフの名を使って募金を募っていることなどから一部で「うさん臭い」「寄付金をピンハネしているのでは」「用途が不透明」などといった批判が以前から起きている。

 続けてアグネスは「日本ユニセフ協会はユニセフの為に日本で募金出来る唯一の団体です。デマに惑わされないでくださいね。今一番大事なのは、子供達の為に私たちもできることを考える事です」と反論し、ネット上の批判の多くが「デマ」であると言い切った

 ネットでは何かと批判されがちなアグネスだが、なぜそこまで嫌われているのだろうか。

「内戦状態だったソマリアに『遺書』を書いて乗りこむと豪語しながら、観光気分で紛争地域と外れたソマリランドを巡っただけといったトンチンカンな行動をすることが多々あり、その天然ぶりが嫌われる要素になっている。また、東京・広尾の豪華な自宅をたびたびテレビで公開しており、『恵まれない子どもたちのため』にといいながら、自分は豪勢な生活をしているのではと批判されることも多い。二次元ポルノに対するヒステリックな反応も、ネットユーザーの反感を買っています。慈善活動をしたいという気持ちは本物だと思いますが、行動がチグハグで世間の反応が計算できないタイプ。3年前に自身の通販サイトで、風水の効果で運気が上昇するというパワーストーンを販売し、霊感商法まがいだと批判されたのも象徴的な出来事です」(週刊誌記者)

 では「金満団体」とも揶揄されている日本ユニセフ協会はどうなのだろうか。ネット上では「ピンハネ疑惑」があり、集まった寄付金の4分の1を搾取しているともいわれているが…。

 近年、ネットの批判が強まったこともあり、同協会は詳細な収支報告を公表。昨年度は募金総額161億円のうち、約137億円をユニセフ本部に拠出(本部業務分担金約7億円を含む)しており、事業費は全体の約15%に当たる約25億円。他のボランティア団体と比べても「ピンハネ」というほど高過ぎる割合ではない。この25億の大半は募金活動の経費や啓蒙宣伝事業、管理費などに使われており、宣伝費や活動費が高過ぎるという批判はあるものの、募金をただ待っているわけではなく積極的に「集める」ことを目的とした団体だと考えれば不思議はないだろう。

 気になるのは募金を「搾取」しているといわれる職員たちの給与。ボランティアも人間がやっている以上、カスミを食べて生きていけるわけではないが、あまりに高過ぎれば問題だ。

数十人いる職員の平均年収は700~800万円ほど。地方公務員とさほど変わりません。一流大学出身で語学も堪能な職員が多く、危険地域への海外出張などもあることを考えると、特別高いという印象はない。役員は2名の常勤をのぞき、無報酬のボランティアで名を連ねている。別に本職がある役員クラスは、報酬よりも社会奉仕しているというステータスがほしいようです。2名の常勤役員が飛びぬけて巨額の報酬を得ているとも考えづらく、問題視するほどではないでしょう」(業界関係者)

 カネに関してはネット上の誹謗中傷は確かに「デマ」と呼べるものが多いようだが、なぜ同協会は批判の的になっているのか。

「最近はネットの批判もあって収支報告をしっかりするようになりましたが、それまでは資金の流れが非常に不透明だった。その時期にウマい汁を吸っていたのではないかと勘繰られても仕方ない部分はある。また、東京・高輪の一等地に建設費用25億円で地上5階、地下1階の本部ビルを建ててひんしゅくを買うなど、アグネスと同じく世間の反応が計算できていない。言動のチグハグさも指摘されており、3年前に当時日本ユニセフ協会の大阪支部理事で児童ポルノ撲滅に力を入れていた寺田千代乃氏の夫が、16歳の女子高生への淫行容疑で逮捕された事件も大きなイメージダウンになりました」(前同)

 一部でデマが流布されているのは事実ながら、批判されても仕方ないような問題も抱えている日本ユニセフ協会。ネット上で同協会を批判していたサイトが訴えられたり、ソマリアの件で取材した週刊誌の記者を脅したりといった攻撃的な態度も目立っており、ネットやマスコミとの対立構造が批判を生んでいる部分もありそうだ。人々の善意で成り立っている団体であるだけに、社会の声に真摯に耳を傾けて丁寧な事情説明や問題点の改善をしていく謙虚な態度も必要に思えるが…。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)

この日本ユニセフ問題もあちらこちらにまとめサイトが作られるほどに今やメジャーな話となっていますけれども、しかし個人的には芸人としてもとっくに旬が過ぎ何よりネガティブイメージが付きすぎてしまったアグネスをいつまでも抱え込むことがいいのかどうかと、他人事ながら心配申し上げているのですけれどもね。
ともかくもユニセフ本部が専門家や支援物資を送っていることと日本ユニセフがそれに便乗してお金を集めて回っていることとは全く別問題だと思いますが、擁護的な記事の中にも数々の問題点が指摘されているように、日本ユニセフとアグネスとが言わば両輪として批判の対象となっていることは周知の通りですよね。
巨額のお金を国連組織の日本支部か何かのような体で集めていることもさることながら、その使途も看板に偽りありだという批判は先の震災の時にも言われていたことですが、ここで特に注目されているのはアグネスが自信満々で「日本ユニセフ協会はユニセフの為に日本で募金出来る唯一の団体です」と断言していることです。
もちろんこういうことを聞けば多くの人が「日本ユニセフと違って一円たりとも中抜きせずユニセフに募金を送り届けている本物のユニセフ親善大使である黒柳徹子氏を、日本ユニセフが勝手に広告塔に使っているだけのアグネス風情が無視している!」と思うところでしょうが、実際に早速世間の突っ込みが入っているようです。

西村博之がアグネス・チャンに公開質問 「100%寄付する黒柳徹子さんの口座を紹介しないのは何故?」(2013年11月14日ガジェット通信)

元2ちゃんねるの管理人で現在ゲーマーの西村博之氏が日本ユニセフのアグネス・チャンさんに公開質問状を送り同内容を自身のブログに掲載した。その内容は次の通り。

    アグネスさんが、下記のページに書いていることに、どうしても理解出来ないことがあり、お答え頂きたく、公開質問状という形で書かせて頂きました。
    http://www.agneschan.gr.jp/blog/?p=7324

    「今一番大事なのは、子供達の為に私たちもできることを考える事です。」

    と仰られていますが、アグネスさんが募金先にあげている日本ユニセフ協会は、2012年度、募金の81%しか、ユニセフ本部に送っていません

    一方、ユニセフ親善大使をされている黒柳徹子さんは、募金の100%をユニセフ本部に送っているそうです。
    http://www.inv.co.jp/~tagawa/totto/hope.html [リンク]

   

子供のためを思えば、100%をユニセフ本部に送っているユニセフ親善大使の黒柳徹子さんを薦めるべきではないでしょうか?

    さて、私からの質問は、1点です。

    ・募金額の100%をユニセフ本部に送っている黒柳徹子さんの振込先口座を紹介しないのはなぜですか?
    (以下略)

日本ユニセフが100%寄付していないことを指摘し、何故本家のユニセフの窓口である黒柳徹子さんの口座を紹介しないのかというものである。日本ユニセフは常日頃からネットでも「中抜きしている」と指摘されており、本当に募金したいなら本家のユニセフに募金すべきだとまで言われている。
日本ユニセフは「ユニセフハウス」という社屋まで作られており募金の一部が恵まれない子供ではなく、日本ユニセフの懐に入っているという現実である。
公開質問状は当然スルーされてしまうだろうが、それはそれで都合が悪いということになる。回答が来ても来なくてもアグネス・チャンさんには都合が悪くなってしまうのだ。

一方黒柳徹子さんは、入金内訳と募金内訳を口座ごとに公開している。その内訳は次の通り。

    募金総額の報告(2013年10月21日現在)
    4,983,000,543円(件数376,171)

    入金内訳
    みずほ銀行 4,185,640,028円(件数288.794件)
    ゆうちょ銀行 797,360,515円(件数87,377件)

黒柳徹子さんの口座である銀行口座と郵便局口座はサイトに公開されている。詳しくは下記のURLを参照。
http://www.inv.co.jp/~tagawa/totto/hope.html [リンク]

かねて噂されていることに日本ユニセフとしては自分達の懐に入ってくるはずの募金が正規のユニセフ大使である黒柳氏を通してユニセフに流れてしまうことに面白からぬ思いを抱いていて、黒柳氏を何とか日本ユニセフに取り込もうと画策したが拒絶されたなどという真偽不明の話もありますけれども、ともかくも両者の関係が蜜月などとはほど遠くいささか緊張感を帯びたものであることは何となく察せられるところです。
もちろん日本ユニセフに限らず慈善団体が中抜きをすることの是非はこれまた意見の分かれるところで、日本ユニセフが建てたユニセフハウスにしても「豪華なビルの一つも持ってるくらい見栄えのいい団体の方が金が集まる」という意見もあるくらいですから、各個人が判断して「この人達なら間違いない」とお金を出す分には何ら問題ない範疇とは言えるでしょう。
ただ日本ユニセフという組織に関して言えば各種検索サイトで「赤十字 募金」で検索すると何故か日本ユニセフの広告がトップに出てくると言った案配で、どうも手段の如何を問わずとにかく大金を集めようという意図ばかりが目立つ、そしてアグネスの発言に見られるように何かとそれを誤魔化そうとするかのような言い訳が先に立つという点が信頼を損ねている気がしないでもありません。
よく見知った身近な人に手渡しをするというわけでもないこの種の募金とは騙され目的外使用されることを承知の上で出すのが当たり前だという醒めた声もありますが、ともかくも後になって「大変だ!騙された!」と大騒ぎしなければならないようなお金なら最初から無理して出さない方がいいんじゃないかという気はしますでしょうか。

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2013年11月15日 (金)

事実先行で進みつつある生殖医療の現状

最近は未婚女性の間に卵活がブーム?!なんてちょっと怪しげな記事も出ていましたが、今までであれば既婚夫婦の不妊医療や疾患治療の必要上やむなく行われるという手段であった卵子保存という行為を、将来子供を産みたいが今現在それを望んでいないし予定もないという未婚女性にも拡大しようということは、学会においても指針を設けて認めるべきという声も出てきていますよね。
その背景には卵子の老化が不妊の大きな要因となることが一般にも広く知られてきたこと、そして他方で結婚・出産年齢は相変わらず上昇を続けていてにわかに引き下げられる気配がないことなどがあるかと思いますが、実際にそれを担当する現場医療機関では現状ですでに「未婚女性の卵子保存はあり」と考えている施設が多数派であるという調査結果が先日出ていました。

9施設で健康な独身女性に卵子凍結を実施(2013年11月10日NHK)

不妊治療をする夫婦などに限るべきだとされている卵子の凍結保存について、国内の少なくとも9つの医療機関が、健康な独身女性を対象に実施していることが岡山大学のグループの調査で初めて分かりました。
グループは「ルールが決まっていないなか、なし崩し的に広がっており、懸念される状況だ。実施すべきかどうかを含めてルール作りを急ぐ必要がある」と指摘しています。

卵子の凍結保存について、関連する学会は不妊治療をする夫婦とがんの治療で卵子に影響が出るおそれがある患者などに限るべきだとしていますが、晩婚化が進むなか、健康な独身女性の間でも関心が高まっています。
このため日本生殖医学会はことし8月、40歳以上は推奨できないとしたうえで、年齢などが原因で不妊になる可能性が懸念される場合、健康な独身女性にも認めるガイドラインの案を示しましたが、確実に妊娠する保証はないことなどから反対の声も出ています。
岡山大学のグループは、ガイドラインが示される1年前の去年8月、日本産科婦人科学会に登録している医療機関を対象に、卵子凍結などについてアンケート調査を行い、415施設から回答を得ました。
その結果、36の医療機関が卵子凍結を希望する健康な独身女性の診察を行い、このうち9つの医療機関が、卵子凍結を実施したと答えたということです。
また、独身女性の卵子凍結に倫理的な問題があるか聞いたところ、62%の医療機関が「問題はない」とし、17%が自分の施設でも行う可能性があると答えたということです。
健康な独身女性を対象にした卵子凍結の実態が明らかになるのは初めてです。
調査を行った岡山大学大学院の中塚幹也教授は「ルールが決まっていないなか、なし崩し的に卵子凍結が広がっており、懸念される状況だ。女性の人生設計に与える影響を検証したうえで、実施すべきかどうか、実施するならばどのように行うべきか、議論を急ぐ必要がある」と話しています。

配偶子の凍結保存「問題ない」6割 岡山大が全国医療機関調査(2013年11月13日山陽新聞)

 生殖医療における配偶子(卵子、精子)の凍結保存について、岡山大が行った全国の医療機関を対象にした意識調査で、6割の施設が健康な未婚者への実施であっても「倫理的な問題はない」と考えていることが分かった。健康な未婚者への凍結保存は卵子9カ所、精子15カ所で実績があり、今後行う可能性があると回答したのは約17%。同大は「調査結果をルールづくりに向けた議論の材料にしてほしい」としている。

 凍結保存については日本産科婦人科学会が、対象を不妊治療中の夫婦や、がんの放射線療法で機能を失う可能性のある患者らに限るべきとの指針を出している。今年9月には日本生殖医学会が未婚女性が将来の妊娠に備え、卵子の凍結保存に関して事実上容認する指針案を公表。早ければ年内にも正式決定するが、いずれの指針も拘束力はなく、各機関の裁量で行っているのが現状だ。

 調査は岡山大大学院保健学研究科の中塚幹也教授、山陽学園大看護学部の井上理絵助教らが昨夏、日本産科婦人科学会に登録する1157機関の代表者に質問書を郵送。有効回答は415だった。

 凍結保存を行う対象者について「倫理的に問題はない」と考えるのは、悪性腫瘍の既婚男性が89・2%、同未婚が78・8%。悪性腫瘍の既婚女性が81・0%、同未婚が81・9%。一方で、健康な未婚男性は60・0%、女性も61・9%に上った。

 「自身の施設で行う可能性がある」と回答したのは、健康な未婚男性が16・9%、女性が17・1%。悪性腫瘍患者については24・8~34・2%に上昇した。

 凍結保存した卵子を使用してよい女性の年齢も質問。全体の63・6%が年齢制限を設けた方がよいとした上で、年齢は「41~45歳」が30・4%、「46~50歳」は19・5%、「40歳まで」が12・5%だった。

 中塚教授は「日本生殖医学会が指針を正式決定すれば、実施する医療機関はさらに増えるだろう」と予測。「一般の意識も調査で明らかにした上で、卵子の凍結保存や使用する年齢などの議論を今後続けるべきだ」と主張している。

 配偶子の凍結保存 排卵誘発剤で卵巣を刺激して採取した卵子や、精子を極低温(マイナス196度)の液体窒素の中で凍らせ保存する。将来の人工授精や体外受精に使用するのが目的。卵子は細胞膜が弱く、凍らせると染色体が損傷する恐れがあり、精子や受精卵の凍結に比べて技術的に難しかったが、技術の改良で可能になった。

意外とと言うべきなのかこの程度と見るべきなのか微妙な数字ですけれども、卵子保存に関しては技術的には十分可能でありさして深刻な健康上の生涯もなく行える手立てであるということに加え、やはりすでに独立した生命とも言える受精卵ではなくあくまでも卵子は細胞に過ぎないという認識が実施のハードルを引き下げているのでしょうか。
不妊医療と言いますととかく「人はいつから人として扱われるべきなのか?」と言う問題とも絡めて、しばしば生命倫理ということが問題視される場合がありますが、世界的にみても配偶子(精子と卵子)の段階ではまだ人ではないという認識が標準的なものとなっていますから、現状では保険診療外であることとも併せて各人がリスクとメリットを勘案し実施の是非を決断すべきことと言うしかありません。
ただもちろんコスト的にも決して気軽に出来るほど安いものではありませんし、施設側でも引き取り手が現れない場合にいつまで保存を続ければよいのか、あるいは将来的に本人ではなく代理母での使用を求められた場合にどうするのかと言った課題は山積していて、これらに対してそれなりのルール作りをしておかなければ余計なトラブルも増えるだろうとは予想できますよね。

不妊のかなり多くのケースで「もっと若くから始めていれば何も面倒はなかったのに…」と医師を嘆かせる現状にあるとも言い、それ故に生物学的適齢期に妊娠・出産を行えることが理想的だという筋論は判るのですが、長年国が音頭を取って少子化対策だと言いながらも一向に目立った成果が現れていない以上、少なくとも今現在不妊の悩みを抱えている方々に即効性ある対策とはならない話です。
最近の不妊治療の技術的進歩と社会的応用とは目を見張るものがあって、卵子だけでなくすでに男性不妊等の理由で第三者からの精子提供で生まれた子供が日本国内だけでも1万5千人に上ると言い、国内外を問わず精子バンクはどこも不足気味だと言いますから、より「質の良い」精子や卵子が高値で売買されるということはすでに想像上の未来絵図でも何でもない、現在進行形で展開されつつある現実に過ぎません。
凍結卵子などは単に時期を変更するだけで結局自分の遺伝子で自分の子供を産むということには変わりがありませんけれども、こうした遺伝的なつながりを持たない親子関係の広がりが子供のアイデンティティ喪失にもつながると危惧されているように、技術的な進歩が社会の変革をもたらすというこれはよくある一例になりそうな勢いですよね。
「そんなことはケシカラン!断固認められない!」と熱心な反対運動を展開している方々も一部にいらっしゃるのは事実ですけれども、すでに諸外国ではもっと先にまで話が進み海外渡航してその恩恵にあずかっている日本人も少なくないと言われる中で、やはり変わりつつある現実を前提にした施策が必要であると我々も腹をくくらなければならないようです。

代理出産、自民に容認論…生殖補助法PT検討案(2013年11月11日読売新聞)

 自民党のプロジェクトチームが検討している生殖補助医療法案の骨子が、明らかになった。

 日本産科婦人科学会が認めていない代理出産を限定的に認めるほか、精子や卵子、受精卵の第三者への提供を容認するなど、大きく踏み込んだ内容となっている。党では骨子をたたき台に議論を進め、公明党とも協議の上、来年の通常国会に議員立法として提出したい考えだ。

 生殖補助医療を巡っては、第三者の精子、卵子の提供による出産や、夫婦の精子と卵子でできた受精卵を別の女性に移植する代理出産などが、法的な位置づけがないまま国内の一部の医療機関で行われている

 法案は、第三者が関わる生殖補助医療を明確に規定することで、必要な人が適正に治療を受けられ、商業化への一定の歯止めをかけるなどの狙いがある。

こういう生命倫理も絡むような話になってきますと誰もが「かくあるべし論」に傾いてしまい現実的な問題を処理できないような絵空事に近い方向に迷走しがちですし、そうでなくとも厳しくすることばかりを考えて実質禁止の扱いになどすれば臓器移植と同様、これまた「日本人が海外で優秀な配偶子を買い漁っている!」と批判されるネタにもなりかねず、なかなかに政治家の皆さんとしても頭が痛いところだと思いますね。
代理出産なども法的にもあれはどういう契約形態になるのか気になるのですが、例えば医療などと同じく仕事完遂義務のない準委任契約であれば「現状渡し」でいいのでしょうけれども、家を建てたりするのと同じ請負契約扱いとして捉えられているとすれば「この子供は望んでいたのと違う。引き取れない」なんてことが起こっても不思議ではないし、仮に訴訟沙汰になったとして法廷がどちらの肩を持つのかです。
配偶子提供の商業化規制と言うことで言えば日赤の献血業務の方がよいモデルケースになるんじゃないかと思いますが、それなりに体にも負担がかかり手間暇も取る作業であるにも関わらずあれだけ多くの協力者がいて、採取した血液の匿名化も十分に行われているし誰もあれで一儲けしようと思っておらず、なおかつ希望する万人がまずまず平等に公平感を持って利用できているというのはなかなか出来ない仕事ですよね。
ただ一方で子供の髪の色や血液型など使用者から求められる資質について一定の情報を含んだ方が望ましいはずだと考える意見ももちろんありなのですが、これまた海外でも聞くように「学歴はこの程度、身長容姿はこんな感じで…」と注文の多いクライアントの出現につながりかねず、幸い日本では外観的にはほぼ全国民共通という利点があるのですから条件付けなしでやり取りさせるべきだと言う考え方もあるでしょう。
ともかく議論のネタには事欠かない上に、記事を見る限りでもいかにも緊急性を感じていない話であるいは予定通りの来年にはまとまらない可能性も高いかとも思うのですが、いずれにしても一定のルールの必要性は誰しも認めるところであり、かつ時を経れば経るほど既成事実がどんどん積み重なってトラブルのネタも増えていくことを認識するならば、学会と政治とを問わず決してのんびり構えていられるような話でもないと思いますけれどもね。

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2013年11月14日 (木)

医療費抑制の議論と生活習慣病自己責任論

アメリカは「医療費」が高いと言う話はよく聞きますけれども、先日はこんな記事が出ていたのをご覧になりましたでしょうか。

医療保険も自由競争の米国は日本の約2.5倍の医療費がかかる(2013年11月9日NEWSポストセブン)

 医療費が高く、貧乏人は満足な治療が受けられないのが当たり前というアメリカ。皆保険制度がないのが原因と言われるが、その制度を改革しようとした“オバマケア”が原因で米政府は混乱を続けている。
 長野県の諏訪中央病院名誉院長でベストセラー『がんばらない』ほか著書を多数持ち、最近『○に近い△を生きる 「正論」や「正解」にだまされるな』(ポプラ新書)を上梓した鎌田實氏が、アメリカの医療保険について解説する。
 * * *
 アメリカが揺れている。債務不履行は回避したが、この間の政府一部閉鎖によって米経済は2兆円を損失、経済成長率を0.6%押し下げる予想だ。なぜ政権与党の民主党と野党共和党が泥沼の闘いを繰り広げるのか。
 医療保険制度改革“オバマケア”がその原因である。アメリカには国民皆保険制度がなく、無保険者がなんと5000万人もいる。アメリカの診療は自由診療が基本なので、国民約3億人のうち半数は企業が加入している民間保険に入っている。勤めていない高齢者はメディケア、貧困層はメディケイドに1965年から加入するようになった。さらにこれ以外の国民の2割が無保険になるリスクが高いという現状だ。

 日本でも医療保険は資本主義のルールに従って、自由競争にしたほうがいいという意見も多い。普通に考えれば、自由競争を促すと、良いものが安く手に入るようになるのだが、医療の世界では別のことが起きる。
 自由な競争をしたことで、アメリカでは医療費が高騰してしまった。実に日本の約2.5倍の医療費がかかっているのだ。

 医療費高騰の最大の理由は、診療報酬を医療機関が自由に決められるから。日本では、中央社会保険医療協議会という厚生労働省の諮問機関が診療報酬を決めることで、医療費高騰に歯止めがかかっているのだが、アメリカでは各々の医療機関任せなのだ。
 またアメリカでは医療過誤訴訟に備えて医師が加入する保険料が高く、その保険料のために患者が支払う医療費も高騰していく。
 さらに生活習慣病の急増で医療費がかさみ、医療技術の高度化がまたもやコストを上げる結果になっている。普通、医療費をかければ健康で長生きになるはずなのに、突出してアメリカは医療費が高いわりに、寿命は延びていない。

 オバマ大統領は無保険者をなくすよう、国民に保険加入を義務付け、企業にも保険負担の義務を課した。共和党は10年間で約93兆円にも達する“オバマケア”関連費用がアメリカの財政を圧迫すると主張して徹底抗戦に出たのである。

記事を読んでいて思ったのですが、医療費高騰ということを語る上でしばしば混乱するのが語る主体によって医療費という言葉のイメージが異なることで、財務官僚であれば医療経済における公的支出の総額でしょうし、医師なら普段の医療行為に対する診療報酬が幾らになるか、そして患者にとっては病院窓口での支払い額が幾らかといった話になるのでしょう。
ではアメリカで医療費が高いと言った場合にどうなのかですが、「アメリカの医療費は高い」ということはよく言われますが実はその過半は民間保険(および自費)の扱いで、公的医療支出に関しては総医療費が半額以下の日本とほぼ同規模と言う意外な事実はあまり言われることがありませんよね(まさにそれが故にオバマケアに対するこれだけ根強い反対論があるのだとも思えますが)。
窓口の自己負担額に関しては保険の種類によって様々でちゃんとした保険ほど自己負担額は減らせる(当然保険料も高い)わけですが、それでも総医療費がこれだけ大きいのだから保険料+窓口負担という個人負担の総額は概して高いのだろう?と思えばさにあらず、大企業などは労使交渉で賃上げの代わりに社員保険を充実させているケースが多いと言いますから、こうした方々の場合決して医療費が高いと言う実感はないでしょうね。
そして医師にとってはどうかと言えば確かにドクターフィーの効果もあって全般的に収入は多く家庭医でも15万ドル、専門医ならその倍も取っているなんて景気のいい話を聞きますが、一方で医賠責保険が年間数万ドルも取られるとなれば決して日本と比べて高いとも言い切れず、メディカルスクールは学士入学で日本より実働期間も短いことを考えると必ずしも高い金を取っているという認識はないかも知れませんね。

ともかくもアメリカの医療費がそもそも高いのかどうかは置くとしても、保険が自由競争だから高いのかと言われるとむしろ保険会社の支払いが渋くて医療に制約を受けることが多いという話しか聞かないし、一方で商売の基本として保険会社も少しでも料金を安くした方が顧客が増えると考えるでしょうから、どうも自由競争悪玉論というべき考え方にはいささか不思議な思いを感じざるを得ません。
では何が医療費を押し上げているかと考えれば、例えば何をするにしても医療訴訟を念頭に置いた過剰なコストがかかる、あるいは医療費未払いに対するマージンとして過剰な支払いを求める傾向がある、そして一般に日本人ほど患者が我慢をしない(プライバシー無視の日本の大部屋は彼らには耐えられないし、大腸内視鏡一つで全麻だとか言った話は有名ですよね)ことなど広い意味での社会事情そのものが医療費を押し上げているのでしょう。
ひるがえって公的皆保険の日本では国が「儲けにならなければ医者は患者を手放すだろう」と診療報酬を切り下げる、すると病院窓口の支払いは減って患者は今までよりも気楽に病院にかかりやすくなるし、病院側は病院側で顧客単価が減ったものだから数で補おうと「もっと患者を大勢診てください」と医者の尻を叩くといった具合で、かえって医療費支出が増えてしまうなんてこともありますよね。
もちろん日本の公的皆保険制度が強力な統制管理により医療費を安く抑えてきた実績は認めるにしても、そもそも出来高払いなどという「売れば売るだけ儲けになる」制度である上に患者側も諸外国では例がないほど濃厚医療を期待するところ大であるのに世界的にも高いコストパフォーマンスを維持出来ているのは、制度が云々と言うよりもむしろ医師ら当事者の自主的な抑制が働いていたからだと考えれば、これもまた日本の社会事情こそがその背景だったと言えるかも知れません。
逆に言えば日本の医療体制は各人の自制があるからこそ何とかこの程度のコストで収まっていると言うことで、いわゆるナ○ポ問題があれほど忌避されるのも制度上許されている権利を全く自制無く最大限利用しようとするからとも言えると思いますが、こうした権利至上主義?的考えが過剰になると「性善説」によるほどほどの自制を前提にした制度そのものも破綻するでしょうし、何より世間の反発も強まってくるということですね。

健康保険に逆マイレージ制を導入しよう(2013年11月10日JBpress)より抜粋

人間の寿命がまだ短いときに大きな効果を発揮した西洋医学だが、寿命が延びるとともにその効力が相対的に低下してきた。糖尿病などの生活習慣病や腰痛、膝痛など、西洋医学では根本的な治療が難しい疾病が増えてきているからだ。
 そのような時代に入ってもなお、西洋医学一辺倒の医療体制を敷くのが日本。そして、医師を尊敬するのはいいが頼り切ってしまうため、いつまで経っても先へ進めない。
 日本の医療改革が進まないのもそうした背景がある。医療費削減もかけ声だけで、メタボ健診など逆に医療費を増やしてしまっているという弊害まで生まれている。日本の医療は変われるのか。先週に引き続き、東京女子医大の川嶋朗准教授に聞いた。

問 今回は川嶋先生のご専門である腎臓病についてお聞きしたいと思います。腎臓病は糖尿病などの生活習慣病の増加によって増えているようですが、ここにも日本の医療制度の深刻な問題点が隠されているそうですね。

答 現在、人工透析を受けている人は日本全国に約30万人います。そして、その数は年間3万5000人ずつ増えている。その約40%の人が糖尿病の患者さんなのです。
 糖尿病は万病の元と言われますが、コントロールがよければ人間の体に深刻な事態を引き起こすような病気ではありません
しかし、糖尿病を放置しておくと、様々な合併症を誘発し、最悪の場合には死に至ってしまいます。
(略)
 腎臓は人間が生きるために極めて重要な臓器なのですが、糖尿病になって血液中の糖の濃度が高い状態が続くと、腎臓の中にある糸球体と呼ばれる血管の集合体に大きなダメージを与えてしまうのです。
 その状態を放置すると、末期腎不全となって腎臓が機能しなくなってしまいます。そうなると老廃物を体外に排出できなくなってしまう。そこで人工透析が必要になるのです。
 しかし、糖尿病は生活習慣病ですから、きちんと体をコントロールしていれば人工透析に頼って生きていかなければならないような状況には陥りません。これは本人の心がけの問題です。
(略)
 でも、もっと問題があるんですよ。人工透析には多額の費用がかかります。ざっとどうでしょう。1人が1年間に500万円くらいかかる

問 えぇっ。そんなにかかるんですか。

答 ええ。だけど自己負担はゼロ。国が全額補助してくれるのです。簡単に計算してみましょう。日本には人工透析をせざるを得ない患者さんが30万人いて、1人500万円かかる。費用総額は1兆5000億円にも達するんですよ。
 人工透析を受けなければ生きていけない患者さんは、1級身体障害者の指定を受けることになります。つまり、自己負担がゼロで透析費用は全部国が出してくれる
 国の負担はそれだけにとどまりません。1兆5000億円というのは医療費だけです。1級障害者になると、例えば東京都営の交通機関は無料になるし、飛行機代は半分、高速道路料金も大幅な割引になります。
 さらには障害者年金も支給される。これに国民年金とか厚生年金がプラスされれば、年金だけで生活が十分に成り立つのです。
 確かに病気になったのは気の毒ですが、暴飲暴食などで糖尿病になり人工透析が必要になる人の場合には、果たしてこれでいいのかなと思いますよ。だって、自分の不摂生で招いたことでしょう。それなのに国が手厚く保護するというのはどうなんでしょう。

問 確かに、自分の体を鍛えて健康を維持している人にすれば不公平感が募りますよね。言葉は悪いけれど「泥棒」と言いたくなる。

答 本当に。日本の場合は糖尿病でも2型の人が圧倒的に多いから、つまり先天的なものではなくて生活習慣によって糖尿病になる人が多いから、自業自得な人が多いわけです。節制していれば糖尿病にならないし、人工透析だって必要がない。
 そういう患者さんが、仕事ができないからと生活保護を申請して認められたりすると、なんやかんやで月に30万円くらいの給付が受けられたりする。それだけもらえるなら、あくせく働く必要がなくなってしまいますよね。
 たくさんとは言いませんが、人工透析の患者さんを日頃診ていて、そういう方がけっこういることは事実です。中には生活保護を受けるために偽装離婚している人までいる。

問 膨れ上がる一方の社会保障費をどうにか抑えなければならないときに、国は大盤振る舞いですね。厚生労働省はもちろん、そのような実態を把握していると思いますが、手は打たれているのでしょうか。

答 正直、手つかずというのが実態です。そもそも人工透析の患者さんに身体障害者の1級が指定されているのもどうかと思います。だって、透析しているとき以外は普通に働けるわけですから、等級を下げるくらいは少なくともしてもいいのではないかと思います。
 でもほとんど議論されたこともない。いま認定を受けている人たちまで下げろとは言いませんが、例えばこれから人工透析が必要になる人の等級は考え直してもいいのではないでしょうか。
(略)
 だって普通に動ける人ばっかりなんだもの。生活保護を取るために偽装離婚している人などを見ると本当にいいのかなぁこの国は、と思ってしまう。
(略)

元記事はかなりの長文ですので参照いただきたいと思いますが、それにしてもなかなかに挑戦的な内容と言うのでしょうか、「ああ言っちゃったよこの人は(笑)」感が漂う記事という感じはしますが、透析患者の「過保護」問題については透析施設を多大に潤してきた(最近はうまみもかなり減ったとは言いますが)側面もあって、それが故にか日医ら医療系団体も患者保護を手厚くとは主張しても抑制しろとは絶対に言わないですよね。
それこそ政治的配慮でそれなりの補助は続くにしても、近年の高齢者医療の流れや諸外国の例から考えると今後例えば一定年齢以上の高齢者に対しては新規透析導入はしないといったことも考えられるのではないかと思いますが、透析導入患者が60代以降に急増するという現状を考えるとそれこそ患者や支援団体から多大な反発があるでしょうし、むしろ若くして透析導入する人が増えかえって医療費増になるかも知れません。
ともあれ、今後日本でもTPP等に絡んで医療に民間保険が参入すれば自動車保険で最近盛んになっているように各種インセンティブが導入される可能性は高まるでしょうから、例えば健康たるべく努力した人はより安価な民間保険を選び公的保険を離脱する、一方で有病者が公的保険に集中する結果国保などはますます採算性が悪化し一層の公費投入を招くという可能性も出てきますよね。
さらに進んで公的保険ではここまでしか保険診療で扱えないが、民間保険ならここまでカバーできると言うことになってようやく「それじゃ努力して民間保険に入れるくらい健康になろうか」と言うモチベーションにも結びつくのか、どうせ保険などあてにならないんだから太く長く生きてやると今まで以上に無茶をするようになるのか、どうも記事にあるような典型的糖尿病患者の場合後者の比率が高まりそうに思えるのは偏見でしょうか。
いずれにしても至れり尽くせりの支援が患者の病識を乏しいものにしてしまっている一方で、それによる公費負担の増大が健康であろうと努力してきた人達に余計な負担を強いることにつながっているのであればおかしな話で、先の麻生大臣の「放言」に対する反応を見ていると案外世間の大勢は声の大きい人々に過剰配慮しがちな政治家が考えているよりも、少し厳しめに自己責任ということを考えているのかなとも感じています。

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2013年11月13日 (水)

病床機能報告制度に根強い反対続く

先日少しばかり取り上げた「病床機能報告制度」というものが来年度からの導入を前に注目されるようになっていますが、何しろ地域の病床を機能面から四区分に分類しもっと強力に管理するというものですから、当然ながら医療系団体はそろって反対の声を上げているようです。

医療機能の病床規制、厚労省が修正案提示へ- 社保審医療部会に ? キャリアブレイン(2013年11月9日CBニュース)

 「病床機能報告制度」の4区分の医療機能ごとに、地域内の病床数をコント ロールする仕組みについて、厚生労働省が修正案の検討を進めている。当初は、 高度急性期などの区分ごとに病床数の上限を設けることも視野に入れていたが、 日本医師会や病院団体から批判が相次いでいた。同省は、早ければ社会保障審議 会医療部会の次の会合に修正案を提示する。【兼松昭夫】
 国際医療福祉大大学院と国際医療福祉総合研究所が9日、東京都内で開いた医 療シンポジウムのパネルディスカッションの中で、同省医政局の梶尾雅宏指導課 長が明らかにした。

 医療機関の機能分化を地域ごとにバランスを取りながら進めるため、厚労省は 10月11日の社保審医療部会に、▽現在の一般病床と療養病床を「高度急性期」 「急性期」「回復期」「慢性期」の4つの医療機能に区分し、それぞれに病床数 の上限である「基準病床数」を設定▽手術件数などの基準を各区分に組み込み、 必要な機能に医療機関を誘導する―の2案を提示。しかし、医療機能ごとの供給量 を規制するこれらの内容に委員から批判が相次いだ
 梶尾課長はパネルディスカッションで、地域の医療ニーズに見合った機能分化 を促す何らかの仕組みが必要だとの認識を改めて示した。修正案の具体的な内容 には触れなかったが、社保審医療部会でのこれまでの議論を踏まえたものになる という。

 日本医師会と四病院団体協議会は8月、4区分の中から複数の機能を組み合わせ て報告できる仕組みを提言しており、修正案ではこうした内容も参考にするとみ られる。
 厚労省は、来年の通常国会に医療法の改正案を提出する方針を示しており、社 保審医療部会では、最終的な方向性を月内に固める。

知事権限強化で「壮絶ないす取りゲームに」-日慢協・武久氏が懸念表明(2013年11月11日CBニュース)

 国際医療福祉大大学院と国際医療福祉総合研究所が9日に開いた医療シンポジ ウムの講演で、日本慢性期医療協会の武久洋三会長は、地域での医療再編を促す ため、都道府県知事の権限を強化するという厚生労働省の提案に懸念を表明。 「これから壮絶ないす取りゲームが始まる」などと述べた。【兼松昭夫】

 厚労省が提案している都道府県知事の権限強化は、▽既存の病床数が「基準病 床数」を超える「病床過剰地域」で、正当な理由なしに一定期間、稼働していな い病床があれば、医療機関側に受け入れ再開か病床の削減を要請できる▽医療機 能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとの必要量を地域に確保するた め、過剰な医療機能から不足している機能への転換を医療機関に要請・指示でき る-などの内容。
 地域の医療ニーズに見合うように病床を有効利用する狙いだが、このうちの過 剰な医療機能からの転換について武久氏は、「指示ということは命令」と指摘。 その上で、「知事の選挙を応援しないと病院自体がなくなるという、土建政治の 二の舞いになる可能性がある」との見方を示した。

 武久氏はまた、国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に切り替える政 府の方針を受け、「国保の保険者が都道府県になると、知事は保険料制限に動く ことは必至」と語り、医療機能ごとの必要量を抑制する動きが各都道府県で起き る可能性も指摘した。

いや、すでに全国各地で基準病床数を突破して椅子取りが終わった段階になっている現実を無視して今さら椅子取りゲームが云々と言われても、すでに椅子をがっちり抱え込んでいる方々の既得権益としか受け取られないと思いますが、そう言えば四病協などは基準病床規制に引っかからない無床クリも強力に規制すべきだと開業規制論を唱えたりもしていましたが、自己矛盾は感じないのでしょうか?
そもそも彼ら医療系諸団体は国家権力による医師強制配置をもっと推進すべしと言う考えを公言してきたわけで、それはすなわち地域に必要な医療リソースは公的権力によって管理するのが当然であると考えていると言うことですから、管理される対象が医師個人なら問題ないが施設なら問題があると言う考えには世間の理解もいささか追いつけないものがあるように思います。
何故彼らがこうまで強力な反対論を繰り広げているかと言えば、要するに現在の施設・病床分布が地域の医療需要を適切に反映した妥当なものとなっていないことを自覚しているということなんだと思いますが、その結果やりたい医療と出来る医療が異なってきてしまうとすれば当然施設としての収益計画にも影響するでしょうし、最悪の場合「こんな仕事がしたいわけではないので」とスタッフの大量離脱も招きかねませんよね。
ただこれまた望みもしない医療に従事させるべく医師強制配置論を唱え、彼らの人生計画を破綻させようとしてきたことの裏返しでもあるわけですから、他人が不幸になるのは一向に構わないが自分がそうなるのは嫌だと言う発想はやはりこれまた世間の受け入れるところとはならないように思います。

いわゆる既得権益の絡む話はさておき、純粋に医療需要と供給体制のバランスということで考えれば、実のところ国内各地域それぞれで単に人口分布が異なるのみならず年齢階層分布も異なり、各疾患の有病率や求める医療サービスの方向性も異なるわけですから、本当に地域の医療ニーズに見合うように再編成を推し進めるとするとこれは大変な騒ぎになることが想像に難くありませんよね。
日本では病院というと公的あるいは非営利民間病院よりも民間病院が多いと言うことが一つの特徴になっていて、しかも標榜診療科の制約がないなど医療の供給に関してはかなり自由度が高かったため、言ってみれば手持ちのリソースで可能な範囲で最も儲かる医療サービスを各医療機関が好き放題やってきたと言う側面があります。
そうだからこそ国は診療報酬改定によって医療機関を誘導し社会的需要に適合するよう供給を操作してきたわけですが、「全国どこでも同じ値段で同じ医療を」と言う皆保険制度の性質上個々の地域の実情を考慮した細かい誘導などは到底出来ず、極論すれば大都会の真ん中でも人よりケモノが多いド田舎でも同じ医療をやっていると言うのは患者にとってもいささか具合の悪い状態ではあったと言えるでしょう。
この状況を変える手段として一つには昨今被災地や大都市圏を中心に注目されるようになった医療特区という制度があって、要するに全国一律ではなく地域内限定での特別な医療制度を認めましょうと言うことなんですが、うまく使えば様々な応用が利きそうなのは確かですが全国的に見れば未だごく例外的な存在に留まっているのも事実ですよね。

今回都道府県知事が地域の医療供給体制に大きな権限を持つことになり言わばそのビジョンが妥当なものなのかどうかが問われることになりますが、国であれば医療費の効率化がどうとか余計な雑念?も入るかも知れませんが、自治体の考える理想の医療供給体制とはやはり住民ニーズ主体になると思われますから、声の大きい人達の「あれも欲しい、これも必要」に引きずられて現場無視で話を進めるとどうなるのかです。
空きベッドが目立つような病院でもなかなか特養等に転換しないのも結局その方が儲けが出るからと言う側面が大きいというのと同じで、「地域ニーズが大きいのだからお宅は病院機能を転換してください」と言われてもそれでは経営的な担保はしてくれるのですか?と言いたくなるのは私立の医療機関が多くを占める日本である以上仕方のないことですけれども、現状ではそうした面にも配慮しているという話はあまり聞こえてきません。
当然ながら競合医療機関が減ることで今以上に勝ち組になる施設もあれば、いわば強制的にババを引かされて没落する医療機関も出るはずですが、「壮絶ないす取りゲーム」の結果医療機関の統廃合が進んだところでこれは国も推し進める既定の路線ということで無問題だと考えているのか、それとも単に何も考えていないだけなのかいずれであるのかですね。
ともかくも完璧な計画を策定し医療機関の割り振りも終えた、しかしその結果病院が潰れてしまって計画そのものも御破算になりましたでは何のことやらですから、各地の知事の方々は一歩間違うと蟻の一穴を穿つことになりかねないという危機感を抱いた上で、慎重に権限を振るっていただいた方が結局住民サービスに与える混乱が少なくなるんじゃないかという気がします。

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2013年11月12日 (火)

制度誕生と同時になくなりそうな特定看護師制度、最終案まとまる

先日以来一部方面で話題になっている看護師に認める医療行為の最終案ですが、まずはこちらの記事から紹介してみたいと思います。

看護師の医療行為解禁へ 研修受講で気管挿管など可能に(2013年11月9日朝日新聞)

 【辻外記子】厚生労働省は8日、医師の具体的な指示がなくても、看護師が一部の医療行為ができる制度の創設を決めた。国指定の研修を修了すれば自身の判断で、気管挿管や脱水患者への点滴などをできるようにする。医師がいなくても患者の変化に素早く対応できると期待される。

 この日の審議会の部会で最終案が了承された。次期通常国会に、保健師助産師看護師法の改正案を提出。対象の行為や研修内容を確定させ、2015年度の施行を目指す。

 最終案は、床ずれで壊死(えし)した部分の切除や点滴中の高カロリー輸液量の調整、抗不安薬をのませるなど、医師が主にしてきた41の行為を「特定行為」と位置づけた。研修を受けた看護師は、医師が事前に示した手順に従い、自身の判断でできるようにする。一般の看護師も、医師の具体的な指示があればできる、と明確にする。当初検討された「特定看護師」という資格は、日本医師会などの反対で見送られた


「特定看護師」最終案…チーム医療の要 骨抜き(2013年11月6日読売新聞)

 医師の具体的な指示なしで、気管挿管など高度な知識や技能が必要な医療行為(特定行為)ができる「特定看護師」の最終的な制度案がまとまった。日本医師会などの反対で二転三転し、推進派が「骨抜きにされた」と自嘲する最終案。導入を待ち望む医療現場からも改善を求める声が上がるほか、安全対策もいまだ明確ではなく、課題は山積だ。

 厚生労働省の検討会「チーム医療推進会議」は29日、3年半にわたる議論の末、作業部会が報告した特定看護師の制度案を了承した。来年の通常国会に「保健師助産師看護師法改正案」が提出され、通過後に設置される同省の審議会が同案をたたき台に制度を固める。

 最終案では、気管挿管や抗けいれん薬の投与など、これまで多くの場合に医師が行ってきた41種類の医療行為を「特定行為」に選定。分野ごとに14区分に分けた。「特定看護師」は、あらかじめ医師が指示した手順に従い、患者の容体を自分で判断しながら特定行為を実施できる。厚労省が区分ごとに指定した研修機関で、指定研修を受講することを義務づけるとした。

 元々、特定看護師は、高齢化や医療技術の高度化で医療スタッフの仕事量が限界を迎える中、打開策として国が推進するチーム医療の橋渡し役として導入が決まった。医師不足も後押しし、医師が手薄な在宅医療や高齢者施設などで、医師不在でも医療処置や薬の投与を行うことが期待される

 だが議論は、日本医師会、日本薬剤師会ら医療職団体の反発で曲折が続いた。先進諸国では診療や開業、薬の処方、麻酔まで行える看護師が医師と対等に活躍しており、医療界では「既得権益を守ろうとする力が働いた」との見方が専らだ。

 当初、国の資格として検討された制度は、「能力を国が認証する制度」に変わり、「特定看護師」の名称も削除。その後、「認証」さえも資格に近いとして、「研修制度」に変更された。

 さらに、当初は「老年」や「慢性期」など領域ごとに必要な医療行為を幅広く学ぶ制度が考えられていたが、最終案では訓練する特定行為を小さな区分に細切れにした。職場や患者全体を見渡しながら自立的に動く看護師というよりは、特定分野の技術に長(た)けた看護師を育てる制度に矮小(わいしょう)化された格好だ。

 高齢化の進む首都圏で、在宅医療を推進するための事業を進めている元厚労次官の辻哲夫氏は、「いわば狭い分野の熟練工を育てるようなこの制度では、看護師単独で慢性期や終末期といった幅広い状況に対応しなければならない在宅医療で、真に期待される看護師は育たない」と懸念する。

 また、今回示された「特定行為」は、一連の議論の中で一般の看護師も医師の具体的な指示があれば、実施できることになった。その場合の研修は努力義務とされ、具体的な安全対策は全く議論されなかった。

 国のモデル事業として先行して、「特定行為」を実施する看護師は、「一部の手技を中心に訓練した看護師や一般看護師が医学的な判断ができないまま高度な医療行為を実施できることになり、危険」と疑問を抱き、別の病院で同様に働く看護師も「医師や他の職種との橋渡し役になるには、医師と共通言語を持てるよう専門訓練が必須。すべての看護師に特定行為を開くことで、制度の信頼性が揺らぐことが不安」と語る。

 妥協を繰り返してきた日本看護協会などの推進派は「小さく生んで大きく育てる」と釈明する。だが、安全性に不安が残るこの制度がこのまま始まれば危険にさらされるのは患者で、チーム医療の要にという本来の目的も失われかねない。制度を固める今後は、患者や医療の未来を見据えた議論に立ち返るべきだ。(医療部 岩永直子)

特定看護師という名称が廃止されたので今後どう呼んだらいいのかも判らないのがこの制度なんですが、とりあえずここで注目しておきたいのは制度そのものが当初の予定からは大きく変わって何かしらちょっと偉いポジションの看護師を養成する制度ではなく、今までやっていなかった行為も研修を受ければ出来るようになりますよという制度に大きく様変わりしたという点です。
さらに医師の具体的指示があれば研修すら受ける必要なく誰でもやっていいと言うのでは、要するにこれら医療行為は看護教育の範疇で十分行うに足るものだと言う解釈がなされたのでしょうけれども、こうなりますと今まで以上に看護学生の質の高い実習教育の重要性が増すでしょうし、学校の教育内容によって卒業生の出来る、出来ないがはっきり別れてくるということにもなるでしょう。
研修医の教育も手技的な部分はどうしても法制度上卒後教育に依存する部分が多く、今まで直接の上司がマンツーマンで教えてきた部分ですが、今後看護師がこうした手技の一部を代替わりするのであればその教育は医師に委ねられることになると思われ、今まであまり行われてこなかった医師から看護師への実技教育の場をどう確保するかということも現場の課題となりそうです。

制度論的な面から考えてみると特定看護師という「ミニ医師」を認めるかどうかが推進派、反対派双方にとっての焦点となっていて、今回「チーム医療の要」としての特定看護師という実態が雲散霧消してしまう名ばかり制度改革であると推進派からは悪評高いようですけれども、そもそも特定看護師はチーム医療の要として期待されているのか?と言う議論もありますよね。
特定看護師を医師に代わって判断し指示を出す「要」の役に据えることを期待していた方々にとっては、今回の最終案は単に医師の下請けに過ぎない技術屋ではないか!と評判が悪いのも理解出来ますが、逆に多忙な医師が求めていたのは医師に代わって簡単な処置を代行してくれるスタッフであり、「点滴採血くらい看護師でやってくれよ…」と言う愚痴の延長線上にある発想であるとも言えます。
そういう要望に対しては今回の最終案は手技に特化すると言うなかなかによく出来た制度になっているし、そもそも手技的に習熟していった上で改めて「要」役としての頭脳を備えた特定看護師を上乗せすると言うことも可能だと思うのですが、推進派としては処置代行役を求める現場の声も込みで「こんなに特定看護師を求める意見は多いのです」とやっていたわけですから、これでは多いに推進力が削がれるという気持ちなのでしょう。
「それじゃ患者に危害が及ぶ可能性がある。知識も技術も備わってはじめて何不安無く手技も行えるのだ」と言うのもこれまた理想論なんですが、それでは日々当たり前に採血をしているそこらの看護師に予想されるリスクとその対処法を聞いても理論立てて答えられる人間など実はそれほど多くはないもので、あまりこの辺りの重箱の隅つつきをしていると思わぬやぶ蛇になりかねないですよね。

そもそも論として医師が医師であることによって得られる技術料が極端に低く、単に検査や処置をどれだけやったかで報酬が決まる日本の皆保険制度下においては、その安い技術料部分を医師が担おうが特定看護師が担おうが料金で差別化することが難しく、値段が大差ないなら患者にしたって看護師よりも医師にやってもらいたいと思うだろうと言う意見は根強いものがありました。
逆に医師からしても誰がやっても得られる報酬に大差ないし、なおかつ誰でもやれるということなのであれば「それじゃやっといて」で済ませられれば医師でなければ出来ない業務に専念出来るというもので肩書きにはあまり興味はないだろうし、それでも敢えて並みの看護師とは違うという肩書きが欲しいと言うのであれば医学部に入り直して医者になればいいじゃないかと言う意見ももっともではありますよね。
実際に昨今では他学部を卒業後に医学部に編入学する人が増えていて、短大卒でも編入試験に合格する人も出ていると言いますから特定看護師を狙っているような志の高い方々はどんどん挑戦したらいいんじゃないかと思うのですが、ただ看護師として働いていた職場に研修医として戻ってくるとスタッフとの関係が微妙に気まずくなると言うことはあるようですから、研修先には少しばかりの配慮は必要かと思いますね。
ともかくも特定行為は看護師にやらせるのが危ないのか危なくないのかと言う議論も未だ続いてはいますけれども、結局手技的な部分は理屈よりも数をこなす方が上というところがあって、誰だって下手くそな研修医におっかなびっくり針を刺されるよりはベテラン看護師に頼みたいと考えるのと同様、これも実際に当たり前に行われるようになれば皆の認識も自然に変わっていく部分が多々ありそうには感じています。
その上で改めて特定看護師という資格が必要と判ったならそれはそれで結構なことで、看護師なら誰でも出来る手技が多少不安無く出来るといったそれこそ枝葉のことではなく、特定看護師とは今までにないどういう患者サービスを提供出来る役職なのかと言う本質的な議論がはじめてそこで行えるようになりそうですよね。

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2013年11月11日 (月)

「診療所は小さな病院ではない」は有りか無しか

先日は過酷な状況におかれていることが社会問題化している勤務医の労働環境を改善すべく、日医主催で全国連絡協議会が開催され日医勤務医部会の先生方がディスカッションをするという大変にありがたい催しがあったそうですが、国の方でもこうした勤務医過重労働は問題だと感じているのでしょう、昨今さかんに入院から自宅へだとか、総合病院から身近な家庭医へだとかいったことを言いだしていますよね。
ただその大前提として開業医や介護サービスも含めて地域社会全体が病院になりかわって患者の面倒をみるという体制構築も不可欠なのですが、残念ながら先日は厚労省調査で24時間介護はまだ全国自治体の1割にしか普及していないと判明してしまったように、今のところ自分一人あるいは家族とで何とか出来てしまう程度の元気の良い人でしか受け皿がないというのが正直なところのようです。
そもそも日本では病院に預けっぱなしにしておくことが一番安上がりで手間暇もかからないという歪な診療報酬体系も遅々としてこうした話が進まない根本原因の一つでもあるわけですが、特に家族にとってはいざというとき頼りになってもらいたいかかりつけ医の機能が未だ不十分であるということが「何かあったら病院(勤務医)頼り」を存続させる大きな要因となっていると思いますね。

かかりつけ医、夜間・休日の電話対応は22.8% 日医総研調査 (2013年11月8日日本経済新聞)

 患者に身近な「かかりつけ医」で、夜間・休日などの診療時間外に電話対応しているのは22.8%にとどまることが患者らへの意識調査で8日までに分かった。患者は気軽に相談したり、必要なときに専門医を紹介してもらったりすることを期待しているが、緊急時への対応は不十分な実情が示された。

 調査した日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は「医師の高齢化に伴い、医師会による急患センターの運営などが困難な場合もある。時間外の対応は課題だ」と指摘している。

 調査は40歳以上の男女4千人を対象に郵送で実施。約半数から回答を得た。

 かかりつけ医の有無では「いる」が65.1%。自分のかかりつけ医に当てはまることを複数回答で聞くと「なんでも相談できる」(65.1%)、「病歴を知っている」(61.5%)、「専門医や病院を紹介」(56.1%)などが多かった。

 夜間・休日については自分のかかりつけ医が電話対応や診療をするかどうか分からない人も4割強いた

 政府は、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、かかりつけ医など地域医療を強化する方針を示している。〔共同〕

こういう話を聞くと日医はどう言い訳するか?などとつい余計なことを考えてしまうのですが、もともと地域の開業医に24時間かかりつけ患者への対応機能を持たせるということで始まったはずの時間外対応過酸(旧:地域医療貢献加算)もあまりに報酬額が安すぎて機能しないしないと言われてはいましたが、やはり全国開業医の先生もわずかな報酬で24時間365日縛り付けられるのはあまりに馬鹿馬鹿しいとお考えなのでしょうか。
実際に制度の届け出をした施設が30%、実際に加算をとっていたのが10%ほどだったと言い、平均的な診療所の月600人の外来患者に一人50円の加算をとっても月3万円にしか過ぎないのでは…とお考えなのはごもっともだとは思いますが、しかし多くの勤務医はその加算すらもらえないまま24時間365日の対応を強いられているわけです。
勤務医の先生方はよくあることだと思いますが、特に休日前などになると開業医のかかりつけになっている患者さんが調子が悪いと言ってやってくる、どうしてかかりつけに行かないのかと言うと「いや電話したんですけど、万一のことがあるから総合病院に診てもらった方がいいと言われて」などと言うケースはままあることですよね。
開業医は一人なんだからそんなに常時の対応は出来ないと言うかも知れませんが、勤務医は自分のかかりつけ患者に関して24時間365日いつでも呼び出される可能性がある、そしてその上で当直もし入院患者の面倒もみているのに、さらにこのうえ開業医のかかりつけ患者まで面倒をみろと言うのはあまりに負担が偏り過ぎていないか?不公平だと言うのが勤務医側の素朴な感覚ではあるわけです。

無論開業医側からみるとそんな負担の押しつけに嫌気がさしたから開業したのに、また余計な負担を押しつけられてはたまらないという気持ちもあるでしょうが、ともかく日医などがこれ以上の医師数激増はまかりならん、それよりも労働力の偏在を何とかすべきであると言っている以上、少なくとも一部の方々においては今まで以上に働いてもらわないことには仕方がないということになるでしょう。
もちろん人間向き不向きのあることですから、当直が嫌で嫌で勤務医をドロップアウトした先生にまた24時間対応をさせるというのもあまりにむごいというもので、その意味では勤務医の側も外来患者を抱え込まず逆紹介をどんどん増やしていくなど仕事を手放す努力がいるでしょうし、経営陣が「先生方もっと沢山患者を引き受けてくださいよ」などと言わずともすむような診療報酬体系に改めることも必要でしょう。
そして勤務医開業医を問わず多忙にしている普通の臨床医であればあまりやりたがらないが必要な仕事というものも沢山あるもので、例えば時間ばかりかかって実労働密度の低い出張検診や学校医業務などはわざわざ忙しい先生に行かせるような業務ではないと思うのですが、そんな中で先日こういう話が出ていたということを紹介してみましょう。

外来なし在宅診療所の開設容認に賛意-規制改革WGで委員ら(2013年11月8日CBニュース)

 規制改革会議の健康・医療ワーキング・グループ(WG)は8日、在宅医療・在 宅介護の推進についての議論をスタートさせ、東京都世田谷区などで在宅医療を 行う診療所を運営する医療法人社団プラタナスの大石佳能子総事務長からヒアリ ングした。大石総事務長は、外来機能を持たない在宅医療専門の診療所の開設を 認める国の指針を出すよう要望。出席したWGの委員らの多くが賛意を示した。 【佐藤貴彦】

 大石総事務長は会合で、在宅医療専門の診療所の開設に対する地方厚生局の対 応が、統一されていないと指摘。所によっては、外来診療を行う時間を増やした り、診療所の看板を大きくして外来患者に分かるようにしたりするよう求められ ることもあると説明した。その上で、在宅医療専門の診療所の開設を認める指針 を国が出すべきだと訴えた。

 さらに、在宅医療に携わる診療所を増やすため、▽医療機関の住所地以外の場 所に在宅医療のための出張所を置き、医薬品を納品させる▽使用頻度の低い医療 材料を小分けで販売する▽短期入所生活介護を手掛ける施設やホテルで訪問診療 する-といったことも認めるよう求めた。

 WGは同日、厚生労働省からも聴取。同省は、在宅医療に携わる保険医療機関の 扱いが中央社会保険医療協議会でも論点に挙がっており、診療側の委員からは、 外来機能を担わせるべきとの声があるなどと報告した。

先日往診により医者がぼろ儲けをしている!厚労省も問題視している!とマスコミに叩かれたばかりなのにさらに往診ビジネスを流行らせるようなことを言うとは何事だ!?と言われるかも知れませんが、考えて見るとこの在宅医療専門クリニックというのもなかなかに興味深いと言うのでしょうか、いっそ潔くていいんじゃないかと思いますね。
一部で高すぎる、悪徳商売の温床だと言う声もある往診料問題など経営面を抜きにして考えると、そもそもいつ患者が来るか判らない外来をしながら往診をするというのは医師一人でやっている大多数の診療所ではどだい無理な話であるはずなのですが、そうかといって代診してくれる同僚がいる病院の勤務医にさせればいいかと言えば彼らは彼らで普通は多忙すぎて往診どころではないですよね。
勤務体系的に出来ない医師達に片手間にやらせるから高い往診料で誘導が必要なのであって、むしろ往診業務は片っ端から往診専門クリニックへ誘導しそちらで食べていける報酬を出していけば手を上げる人もいるでしょうし、結果として普通の診療をしている病院や診療所の先生方は多少なりとも多忙さが減じるということになると思います。

もちろん今の高い往診料だけを持って行かれたのでは業務負担と報酬のバランスが取れませんから診療報酬体系は総合的に弄っていく必要があるでしょうが、勤務医にしろ開業医にしろ結局皆が機能分化をすることなく同じ仕事をしているというのが「全国どこで受けても同じ料金同じ医療」の皆保険制度という建前の矛盾ではあるわけです。
日本では今のところイギリスのNHSなどのように専門的医療を行う病院とかかりつけ医として機能するクリニックとを制度的にもはっきり区別するということはやっていませんが、皆保険制度の建前によってそこらの町医者がミニ病院化した結果CT普及率の異常な高さ(狭い日本に米国の倍のCTがあると言います)など医療そのものがおかしなことになってしまっていることは否定出来ません。
医師は全てが同じ存在ではないという建前を崩すことはまたぞろ日医あたりの根強い反対が出るでしょうが、医師それぞれにやりたい医療も出来る医療も違うのに制度上は同じものとして扱う方が無理が出るというものであって、まずはそのとっかかりとして今までにない極端に特化した医療ということから始めて見るのはありだと思いますね。
眼科医が耳鼻科医をみて「あいつら白内障の手術一つ出来ないくせに一人前の医者面しやがって」なんて考えることは普通あまりないと思いますが、勤務医と開業医も機能分化が正しく進んでおらず多分に同じ領域を共有しているからこそ近親憎悪的感情も芽生えようと言うもので、最初からどこまで行っても別物の存在という認識があれば案外当たり前に共存できるのかも知れませんよね。

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2013年11月10日 (日)

今日のぐり:「焼肉 味助」

そのあまりの人気ぶりから全国各地に同時出没しているという噂が絶えず、もしや分身の術か影武者か?とかねて話題なのがご存知熊本県の誇る「くまモン」ですが、先日こんなドキドキするような場面があったそうです。

「くまモンさんはおひとりなの?」 皇后さまの予想外の質問に大慌て(2013年10月29日J-CASTニュース)

  ゆるキャラ界きってのスター、熊本県の「くまモン」が2013年10月28日に天皇皇后両陛下と初めて対面した。「くまモン展」を見学する両陛下に身ぶり手ぶりでアピールするくまモンだったが、皇后さまのある一言に面食らってしまった。
    「くまモンさんはおひとりなの?」

知事もびっくり「皇室ジョークか」とネット盛り上がり

   この日、熊本県庁を訪れた天皇皇后両陛下は「くまモン展」を見学された。特設コーナーには写真パネルやグッズなどが並び、くまモンは大きな体で懸命に魅力をアピールした。そんな和やかなムードの中、予想外の出来事が起きた。皇后さまが蒲島郁夫県知事の方を向かれ「くまモンさんはおひとりなの?」と質問されたのだ。

   くまモンは口元を両手でパッと押さえ、大慌て。蒲島知事も「くまモンは、それはですね、子供の・・・子供の夢をあのー、奪ってはいけないので」と口ごもり、最終的には「くまモンはくまモンです」という結論に落ち着いた。蒲島知事がくまモンの海外での活動などを紹介すると、天皇陛下は「ご苦労様です」、皇后さまは「ありがとう、くまモンさん」と笑顔で声をかけられた。その後、くまモンが「くまモン体操」でキレのある動きを披露。両陛下からは温かな拍手がおくられた。

   県庁の秘書課によると、皇后両陛下は以前からくまモンにご興味があるという話があったそうで、宮内庁との話し合いの中で対面が実現したようだ。しかし「おひとり質問」には「想定外で知事も驚いていたようでした」と話す。インターネット上でも話題になり、「鋭すぎる質問」「皇后さま、そこは触れてはなりませぬ……」「皇室ジョークか」「まあ、中の人も含めて、バックアップ・待機系くまもんが居ますとは言えんわな」と、さまざまな反応が出て盛り上がった。
(略)

ちなみにネット上では「両陛下に詰め寄られてあたふたするくまモンの図」が出回っていますけれども、実は陛下もくまモンバッヂをおつけになるほど気に入られていたという説もあるようですね。
本日は「くまモンはあくまでも一人。お察しください」とあくまで疑惑の沈静化を図る熊本県当局の姿勢をただす意味で、世界中からちょっと突っ込みたくなってしまいそうなキャラものの話題を取り上げてみますが、まずはくまモンと人気を二分する?とも言われるあの非公認マスコットキャラのニュースです。

ふなっしーに船橋市から感謝状、贈呈式で「梨汁ブッシャー!!!」 松戸市長も飛ぶ(2013年10月30日ねとらば)

 千葉県船橋市の松戸徹市長から、同市の非公認ゆるキャラ「ふなっしー」に10月30日、感謝状が贈られた。ニコニコ生放送でもライブ配信された贈呈式には公式キャラ「船えもん」や地元の幼稚園児も出席。ふなっしーは「支えてくれた皆様に感謝、感激、梨汁ブッシャー!!!」と喜びを爆発させた。

 ふなっしーは「船橋名産の梨をPRすべく2000年ぶりに地上に舞い降りた」梨の妖精。非公認のまま自腹で勝手にイベントに参加するなど、地元を盛り上げてきた。今回はその功績を称えて感謝状のほか、「めっちゃ臭い」疑惑のあるふなっしーのため(?)に公衆浴場入浴無料券とクリーニングギフト券も贈られた。

 園児からは似顔絵もプレゼントされ、ふなっしーは得意のジャンプで感謝の気持ちを表現。松戸市長は「ふなっしーと一緒にもっともっと船橋市をアピールしていきたい」などとコメントした。今後もふなっしーには「自由な立場で活躍していただきたい」(松戸市長)との思いから、非公認キャラのまま活動していく。

 ふなっしーによると、直近の目標は「紅白歌合戦なっしー!」とのこと。来年は海外での活動も広げていきたいという。多忙を極めるふなっしー。「兄弟や姉妹が登場する可能性は?」と質問されると、「良い質問なっしー! 1人は辛いから、ふなっしーが分身する可能性は否定できない」と話していた。

一部地域では贈り物に洗剤等を用いることは「汚いから綺麗にしなさい」と言う意味で失礼にあたるとも聞きますが、しかしこのふなっしーに関してはかねて「近づくとハンパなく臭い」という疑惑もささやかれているところですからやむを得ざるところ、なんでしょうかね…
最近はいわゆるゆるキャラ系もあまりに乱発過ぎてどこが緩いのか?と思うようなものもありますけれども、こちら最初からゆるいというよりも珍キャラを目指しているという新キャラがあまりにアウト過ぎると話題になっているようです。

秋田の珍キャラ「ちんあな棒」がアウト過ぎるとネットで話題に!動画もヤバい(2013年10月29日秒刊SUNDAY)

衰えを知らないゆるキャラブームでございますが、また新たなキャラクターが巷で話題となっております。こちらは秋田発のキャラクター「ちんあな棒」。ネーミングセンスが若干卑猥に聞こえ、言ってしまえばアウトな商品を彷彿させるが実は「ちんあな」とは「珍アナゴ」の略称であり全く持って健全なキャラクターなのである。しかもタカラトミーからの発売である為正真正銘正統派玩具。とはいえ名前があまりにも狙いすぎているとの声も。

こちらが秋田発の「ちんあな棒」である。このキャラクターは秋田市在住のミュージシャン・渡部絢也さんとイラストレーターのいせきあいさんが、「チンアナゴ」をモチーフにしたキャラクターで「ちんあなごのうた」という名前で親しまれているネット動画もある。 その他グッズやアプリなどの展開をしており、名前のインパクトから今後じわじわと人気が出てくる可能性がある。
(略)
―ネットではアウト過ぎるとの声

ネットではもっぱら「アウト過ぎる」との声もあるが、それも販売戦略の一環だとしたら実にアザトイ。

    ・流石にちんあな棒って名前はアウトだと思う
    ・ちんあな棒ってあななのか棒なのか…!刺激があるとカチカチになっちゃいそう
    ・ちんあな棒と仲良くして(震え声)
    ・「ちんあな棒」 すごいネーミングw
    ・ちんあな棒やばすぎんだろwwwww
    ・ちんあな棒ツヨスギマス
    ・「うごく! ちんあな棒」
    ・秋田発www 
    ・ちんあな棒ってにゃん棒の外身変えただけでは..
    ・ちんあな棒ひどすぎるwwwネーミングセンスwwwwww
    ・暴走が自己目的化すると引くわ
    ・あかんおもちゃかと思ったらタカラトミー…ちんあな棒…
    ・何か名前がアウトに近い気がしてならない
    ・確かに何処に向かってるのかわからん
    ・うごく!ちんあな棒にわろた

今後ゆるキャラとして活躍するケースはあるのだろうか。

元記事を参照していただきますとあまりにあまりなテーマソングを始めとしてどれほどにきわどいのかということがおわかりいただけると思いますが、しかし敢えてこれを売り出すという勇気は賞賛されるべきなんでしょうか…
こちら非常に出来がよいと多いに話題になっているキャラものCMですが、これまたかなりきわどいと言うことで賛否両論あるようですね。

立派な"きのこ"を強引に……アダルトな雰囲気に満ちたホクトの新CMが話題に→MMDで再現する猛者も(2013年10月29日ねとらば)

 俳優の要潤さんと、女優の鈴木砂羽さんが出演するきのこメーカー・ホクトの新CMが、大変刺激的だと話題になっています。ニコニコ動画には、同CMをアイドルマスターのキャラで再現したパロディ作品も登場しています。

 ホクトは今年5月より、新たなCMシリーズを展開。要さんが“ホクトのきのこの精”として、主婦役の鈴木さんの元へ現れては、「きのこ」や「菌活」という言葉を耳元で“クチコむ”といった内容で、2人の駆け引きにドキドキすると評判になっていました。

 10月25日にオンエアがはじまった第4弾では、スーパーで買い物をしている鈴木さんが、後ろから現れた要さんに「普通のきのこと立派なきのこ、味が良いのはどっち?」と“クチコまれ”、「どっちも一緒よ!」と答えるも、強引に“立派なきのこ”を握らされてしまいます。全体的にとてもアダルトな雰囲気に満ちているため、ネットでは「放送して大丈夫なのか」と心配するユーザーも現れるほど。ちなみに、アイドルマスターの再現動画では、要さん役を伊集院北斗が、鈴木さん役を音無小鳥が担当し、MMDの応用力を見事に発揮していました。

 なお、CMへの反響は出演陣にも届いているようで、鈴木さんはTwitterで「ふふふ、、ホクトのきのこ新バージョンCMがなかなかインパクトあったみたいね。いいぞいいぞ~。ドラマ撮影の合間、深夜から朝にかけて撮った甲斐があるってもんよ」「噂のホクトCMの監督さん、今回は女性。ショートヘアにニット帽被って美大生みたいな可愛らしい人だった。その方の演出を受けてワタシも要くんも現場で『いいんすか? これ、いいんすか?? マジっすか??!』の連続だったけど、監督の要求は高く、ワタシたちも期待に応えたくて、とても頑張りましたw」と制作秘話を披露しています。

ちなみに元記事のMMD版の動画に対してオリジナル版の動画と比較いただくのも一興だと思いますが、残念ながらあまりにアダルティー過ぎるとして予定よりも早くCM放送は終了してしまったようですね。
日本の誇るキャラクターと言えばあの猫がいますけれども、今回まさにその生き写しとしか思えない生き物が見つかったと世界中で大いに話題になっています。

キティちゃんにソックリな毛虫が世界中で話題に / 海外の声「可愛い!」「これは良いハローキティ」(2013年9月30日ロケットニュース24)

サンリオの人気キャラクターであるキティちゃん(ハローキティ)。キティちゃんと言えば、世界的アイドルにもかかわらずゾンビになったり、キノコになったりと、奇抜なコラボで有名だ。
そんなキティちゃんが毛虫になってしまったと話題になっている。正確に言うと、キティちゃんにソックリな毛虫。虫なのに、どこからどう見てもキティちゃんにしか見えないと世界に拡散中なのだ。

キティちゃんにソックリだと話題になっているのは、「ヒメジャノメ」というチョウの幼虫だ。緑色のムニュムニュした体はどう見てもチョウの幼虫。虫が苦手な人は「怖い」と思ってしまうかもしれない。
だが、幼虫の顔を見たらその気持ちも変わるだろう。なぜなら、この幼虫はとってもキュートな顔をしているから! なんとキティちゃんにソックリなのである。
楕円形の平たい顔に、ネコ耳のような突起、そして少し離れ気味のつぶらな瞳……たしかに、これはキティちゃんだ。この可愛らしい幼虫は、世界のキティちゃんファンのハートをガッチリキャッチ!! 「キティちゃん毛虫」として拡散しているぞ!

・キティちゃん毛虫に寄せられた海外ネットユーザーの声
「オーマイガー!」
「これは可愛い!」
「こんなに可愛い虫は見たことがない」
「萌ええええ!!」
「ジワジワくるな」
「これは良いハローキティ」
「可愛い顔して、悪魔の体……」
「これがキモ可愛いってやつか」
「地球滅亡も近い気がする」
「何も言えねえ……」

このヒメジャノメは、東南~東アジアに広く分布する。もちろん日本にも生息していて、拡散している画像の一部はテレビなどで活躍中の気象予報士わぴちゃんさんの庭で撮影されたものだという。
それにしても、キティちゃんみたいなこんなに可愛い幼虫は一体、どんなチョウになるのだろうか? その成長した姿は……きっとみなさんも一度は目にしたことがあるあのチョウである。

どれほど似ているかは是非元記事の画像を参照いただきたいと思いますが、それにしてもキティちゃんの仕事を選ばなさぶりは毎度の事ながらハンパないですね。
アメリカ発の世界的人気キャラクターと言えば例のネズミですが、どうやら思った以上に多芸なネズミであったようです。

これは熱い!ミッキーマウスとダンサー少年、ディズニーランドでまさかのダンスバトル!(2013年10月9日gori.me)

さすが夢の国ディズニーランド!来る人の夢は絶対に壊すことなく、必ず期待に応えるその姿勢には本当にプロ根性やプロ意識を超えた何かを感じる。
海外のディズニーランドにて、ミッキーマウスとダンサー少年がダンスバトルを繰り広げるという衝撃的な映像がFacebookで流れてきた。それなりに重さがあるであろう身体を俊敏に動かす姿はなかなか感動的だ!

幅広いダンスのジャンルを取り入れながら観客を魅了!

なぜダンサー少年がミッキーマウスとダンスバトルを繰り広げようと思ったのか、まるで検討も付かないが、それでもダンスバトルのお誘いに快く受けるミッキーの姿には観客も大喜び!
2分弱の短い映像なのでサクッと見ておくべし!

【衝撃】 ミッキー の ブレイクダンス

ダンスのジャンルなど詳しいことについては分からないが、DANCE@WEBによるとミッキーは2回のパフォーマンスの中で幅広いダンスジャンルを取り入れているようだ。特に2回目では逆立ちに近い動きをしている。これには思わず声が出るほど驚いた。ミッキー、すごい!

周りにいた人もそうだが、何よりもダンスバトルを挑んだ少年も最後には握手までし大喜びだったのではないだろうか。ミッキーの意外な一面を引き出してくれた少年にあっぱれだ!

何やら大変な盛り上がりになっている様子は是非動画を参照いただきたいと思いますが、それにしてもいきなりこんな場面に遭遇すれば皆十二分に元は取った気になるでしょうねえ。
ご存知ブリ発の有名キャラクターと言えば例のウサギがありますけれども、そう言えば彼の地の食文化的にこういうオチは予想されてしかるべきだったというのがこちらの記事です。

人間にパイにされた「ピーターラビットのお父さん」が食べられるカフェ登場(2013年10月2日ねとらば)

 以前ねとらぼでも紹介した、ピーターラビットのお父さんに関する豆知識を覚えていますか。実はお父さん……人間にパイにされてしまったという設定のキャラクターで、公式サイトにもちゃんと説明が載っています。ピーターラビットを読んだことがない人は結構衝撃を受けますよね。

 で、そのピーターラビットのお父さん――最終形態:うさぎ肉のパイ包み――ですが、10月1日に銀座でスタートした企画展「ピーターラビット in GINZA~絵手紙120周年~」で食べることができます!!! な、なんだってー! 

 企画展が開催されているソニービル1階の「パブ・カーディナル」が10月14日までピーターラビットオフィシャルカフェとなっていて、お父さんをモチーフにしたうさぎ肉のパイ包み(945円)を提供中。パイ包みとローストビーフ、英国伝統のスイーツ「ローリー・ポーリー・プディング」をセットにした1日限定15食のメニュー(2500円)なんかもあります。お父さん、おいしそうです。

 このほか企画展ではピーターラビットの歴史を紹介するほか、限定グッズ販売、ゆかりの地である英国・湖水地方の美しい風景を紹介するコーナーなどさまざまな催しを実施。入場は無料です。
10月4日午後3時追記

 ピーターラビットオフィシャルカフェのサイトにあった「ピーターのお父さん」という記述が削除されたようです。引き続きパイ包みはメニューの1つとして提供されています。

しかしまあ、幼小児からこういう人生の悲哀を感じながらの生活を続けることによって完璧なブリ的諧謔精神が育まれるということなんでしょうかね?
最後に取り上げますのも同じくブリからの話題ですけれども、これまたいかにも…という斜め上方向への逸脱ぶりが目立つニュースですよね。

マスコットが“侮辱行為”で一発退場! 英で珍事(2013年10月27日サンスポ)

 26日に行われた英サッカーのチャンピオンシップ(2部リーグ)、バーンリー対QPRの首位攻防戦で、マスコットが退場処分になるハプニングが起きた。英紙デーリー・メール(電子版)が同日伝えた。

 “事件”が起きたのは前半15分。線審のジャッジに不満を抱いたバーンリーのマスコット、バーティー・ビーは、タッチラインの外から「メガネをかけろ」とジェスチャーで抗議。ホームのバーンリー・サポーターからは思わず笑いがこぼれたが、主審は真顔でバーティーに駆け寄ると一発退場を命じた。同紙は「主審にはジョークが伝わらなかった」とバーティーに同情している。

 また同紙は「バーティーが見出しを飾ったのは、今回が初めてではない」とし、プレストン戦で全裸男が乱入した際にタックルをかましたエピソードを紹介している。

 バーンリーはマスコットの退場処分に動揺することなく、2-0の快勝で首位をキープ。敗れたQPRは3位に後退した。

この場合「英で珍事」ではあっても「英では珍事」ではなかったことは当然と受け取るべきでしょうか、以前から何度も同様のハプニングが繰り返されているというのは予想に外れたことではありませんよね。
それにしても処分の理由がこの程度のありふれた騒動によって「審判を混乱させたこと」だと言うのですから、当の審判の方がまだまだブリ的紳士のたしなみを身につけているとは言いかねたようです。

今日のぐり:「焼肉 味助」

福山市街地を北に進んで井原方面へ転じ、旧神辺町界隈の国道沿いにあるのがこちらのお店ですが、正直あまりぱっとしない見かけに関わらず近隣に名を知られた肉を出す店として知られているところですよね。
個人的にはこの地域ではこちらと「都」そして「一龍」とを良い肉を出す店の御三家だと考えているのですが、都は肉以外の料理が余計だし一龍は肉より親父さんの目線が気になり(苦笑)と何かと肉の味に集中できないところがあって、とにかく肉!とがっつり行きたい時はここを利用させていただく機会が多いです。

久しぶりの訪店で例によっておまかせで頼んだのですが、まずはマイタケをちょいと炙ってポン酢であっさりと言うのはいつもながら中々いい工夫だなと思いますね。
焼肉屋最初の一皿の定番と言える牛タンはたっぷり厚切りにこしらえたものをあっさり半レアの焼き加減でいただきましたが、味もさることながらこれだけの厚みがありながら食感過多で困るということがなく、頼んで刺身でも出してもらったのですが香ばしさこそないものの、こりこりした筋肉の食感を楽しみたい人にはこちらもいいかなと思います。
キャベツの葉を囓りながらそろそろ本格的に肉にとりかかりますが、例によってステーキと言うべき分厚いヒレはいつものように表面をさっと焼いて黒胡椒と塩でというのが常道なんですけれども、これだけ肉の厚みがあるのに箸で切れる柔らかい肉の中に赤身のうま味たっぷりなのは口福というものですよね。
やはり分厚くサシもたっぷり入ったロースと焼き野菜が出る頃にはすでに満腹なこともあるのですが、こちらはヒレに比べるとサシも強いし漬けダレが使われていることもあって、うまいのはうまいんですが一口だけで胃の限界に達してしまい、残念ながら恒例のお茶漬けは今回断念せざるを得ませんでした。
ちなみに食後に出た季節もののカキは何か色が変わっているのが目に付いたんですが、これまたどうやら珍しい品種らしくすっきりした甘みがうまくもあったので名は聞いたのですが失念してしまいましたね。

見ていますと焼きそばだとか以前から幻のメニューだったものは削除されたようで、今や本当に肉と飲み物、飯くらいになってしまったのをさみしいと取るか肉に集中できると取るか微妙なんですが、こと肉に限って言えばこちらの場合基本的に漬けダレは使わないので、肉そのものの味を塩や胡椒だけでシンプルに味わえるのがありがたいところです。
それでも後半戦になるほど脂のダメージが蓄積してくるのはどうしてもいい肉=サシたっぷりになってしまう和牛全般の欠点と言うもので、一応頼めば赤身主体で何とか削りだしかき集めて出してくれるんですが、やはり多量に出すのは無理の様子ですね。
設備面は見た目通りで今時の店に比べるとずいぶんと見劣りがするところで、特にこれでガス火ではなくちゃんとしたロースターなら二段階ほど評価を上げられると思うのですが、暇な時には表に出てくる親父さんの蘊蓄に耳を傾けるのもこうした個人店の楽しみ方ではありますよね。
しかし世間では最近食材の偽装…もとい、誤表示の問題があちこちで話題になっていて、個人的にはそもそもああいう能書きの多い店に行くと何かファミレスみたいで落ち着かない気分になるんですが、ここは最初からノーブランドの肉を仕入れていますから、親父さんの仕入れの目と自分の舌を信用するかどうかが全てなのは判りやすくていいと思います。

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2013年11月 9日 (土)

食品「誤表示」事件の陰でもう一つの事件が

最近思いがけず大きな騒ぎとなり一向に終息の気配も見えないのが例の食品「誤表示」問題ですが、正直この日本においてこうした問題がここまでありふれたこととして存在していたという現実に驚いたという人も少なくないのではないかと思います。
もちろんこの際ですから徹底的に問題の根を掘り尽くして議論しておくのがいいかと思うのですが、このところ見ていますと「誤表示」の当事者よりもむしろそれをあくまで「誤表示」と報じるマスコミの方に批判の矛先が向いてきている気配もあるようですね。

マスコミは「権力者」か? 食品偽装という問題で考える(中部大学教授 武田邦彦)(2013年11月07日ガジェット通信)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
■マスコミは「権力者」か? 食品偽装という問題で考える(中部大学教授 武田邦彦)
マスコミは第四の権力と呼ばれるし、現在ではむしろ「政党も変えることができる権力」とも言われる。でも、本当にマスコミは「頭脳のついた権力」なのだろうか?

ホテルのレストランの食品偽装がさかんに報道されている。11月2日の新聞には「仕入れ値2500円のアフリカ産ロブスターを、仕入れ値4000円ほどの伊勢海老と称して調理して売っていた」というニュースが一面に載っていた。そこにはなぜアフリカ産のロブスターを使ったかというホテル側の言い分が詳しく書かれていて、鍵かっこもつけずに「誤表示」という見出しをつけていた
(略)
食品偽装のことも重要だが、ここでは新聞が「誤表示」という言葉を使うことについて取り上げたい。

人の家に無断で入って金銭を盗んだ窃盗犯が「お借りするつもりでした」と言って頭を下げ「借用です。窃盗ではありません」といえば、新聞やテレビは「借用」と書くのだろうか? 間違いなく「窃盗」と書くし、その窃盗犯が「なぜ、無断で借用するに至ったか」ということを事細かに言っても「窃盗は窃盗だ」と言って切り捨てるだろう。

でも、なぜ、ホテルのレストランが詐欺をしたときには、その言い分に紙面を割き、詐欺した当人が使った単語「誤表記」をそのまま使うのだろうか? 新聞の言い訳は「本人が使っているから」というのだろうが、それならなぜ窃盗犯の時には本人の言い分を聞かないのだろうか?

私はマスコミは「第四の権力」などといわれるが、実は「弱い者いじめをする社会の害毒」と思う。これは日常的なことから、政治的・社会的なことまで、「強いものには逆らわず、弱い者はかさにかかってバッシングする」ということで、かつ「頭脳で判断して書くのではなく、雰囲気で強いほうにつく」ということだと思う。

小さな会社が不祥事を起こすと徹底的に罵倒する新聞記者が、東電には「教えてください」といい、一流ホテルでは「誤表記」と書く。もう少し職業人としての倫理と、日本人としての誠実さを持ってもらいたいものだ。

まあマスコミの中の人も商売でやっているわけですから、商売上差し障りのある相手に対してはそれなりの対応になることはやむを得ざるところかなとは思う一方で、今の時代「何を報じたか」ではなく「何を報じなかったか」の方が世間の注目を集めるようになっていると言う点には留意されるがよろしいかとは思いますね。
先日も某大手芸能人が身内の不祥事で降板すると言った話が出ていて、無論当の本人が今まで他人に対して厳しい責任の取り方を要求していたのですからそれも自業自得とは言えますが、ネットなどでは家族がどうこうと言うより当の本人が起こしてきた隠れたトラブルの方が問題視されていたわけです。
ところがそちらは多くのマスコミからはスルーされ、本来必要ないことだが身内の責任も取るため潔く降板するという妙に美談めいたシナリオに書き換えられていると言うには、やはり当のマスコミの大株主であることに配慮して近い将来の復帰を睨んでの措置なのか?と勘ぐられても仕方がないでしょうね。
いささか話が脱線しましたけれども、食品偽装と並んで非常に大きな意味をはらんでいるのではないかと言う懸念から大いに炎上中なのがこちらの「楽天日本一セール」問題ですが、まずは何がどうなっているのか記事から引用してみましょう。

シュークリーム77%引き前が1万2000円! 楽天優勝セール、価格表示に不満続々(2013年11月5日J-CASTニュース)

   楽天が始めた「日本一大セール」で、「価格表示がおかしい」「全然安くない」といった声が相次いでいる。そもそも「通常販売価格」の設定が変だという声が多いのだ。
   楽天のセールが2013年11月3日夜から始まり、中には星野仙一監督の背番号にちなんだ「77%引き」という商品もあって話題だ。

シュークリーム10個入り、値引き後は2600円

   ところが、ツイッターなどでは、どう見ても最初の価格設定がおかしな商品がある、との指摘が次々に出ている。
   やり玉に挙げられた1つが、京都・宇治の抹茶を使ったシュークリームだ。ある北海道の出店業者のサイトでは、10個入りの通常販売価格を1万2000円に設定し、「楽天日本一セール 77%OFF」とうたった。そこでは、産地直送価格として、2600円という値引き価格が表示されている。
   これに対し、産地メーカーのサイトを見ると、10個入りの定価は2625円になっている。つまり、77%を引いても定価とほとんど変わらない価格ということだ。ネット上では、この価格設定に疑問の声が相次ぎ、出品業者のサイトはその後「店舗の改装中」と閉鎖される事態になった。なぜこんな価格設定にしたのか電話で取材すると、担当者がおらず、理由についても聞いていないとのことだった。
   77%引きでは、ほかにも通常販売価格の設定がおかしいとの指摘があった。iPhone 4S用「SIMフリー」は、大阪の出店業者のサイトで、通常価格が43万3915円となっていた。それが9万9800円という値引き価格で売られ、ツイッターで「どう考えても酷すぎ」と報告されている。
   こちらは、優勝セール後からこの価格なのかははっきりしないが、騒ぎの後にサイトから商品が削除されている。業者に取材したいと電話で聞くと、「結構です」と繰り返すだけだった。

「消費者庁ガイドラインを守るよう注意している」

   優勝セール前から、値引き価格なのにもかかわらず、セールで割り引いたと誤解させるようなケースもあった。
   ある有名メーカーの羽毛布団について、北海道の出店業者はセール前、2枚合わせのダブルサイズを「メーカー希望小売価格」15万7500円から値引いて、7万4800円と半額以下に表示していた。しかし、セール後も割引は変わらないにもかかわらず、楽天の検索サイト上では、「日本一大セール 半額以下アイテム」と分類され、セールで割り引いたような表示になっている
   楽天の広報部では、価格設定がおかしいとの声について、こう説明する。
    「消費者庁のガイドラインに沿って、適切に販売するよう出店者の方々には日ごろからお願いしています。調査で違反が分かれば、強制的な契約解除といったように厳正に対処しています」
   楽天自身がガイドラインを設けることについては、「われわれが決めることではありません」と言う。
   抹茶シュークリームの価格設定については、「その店を調査して確認中ですので、現状ではコメントはないです」と答えた。iPhoneのケースについては、初めて聞いたという。
   こんな煮え切らない状況の中で、消費者が自衛するにはどうしたらよいのか。ネット上では、Amazonや価格.comなどと比べてから買えばよいといった声が多かった。

楽天三木谷「日本一セールは審査していた。便乗した勝手セールでこのような事態があった」と逃げコメント(2013年11月7日ガジェット通信)

楽天ゴールデンイーグルス優勝にともない楽天ウェブサイトで商品が77%オフとなり話題となったが、数々の問題も抱えていた。その問題とは元々2600円だった商品を1万2000円の77%オフの2600円として販売するなど、二重価格表示で販売する業者であふれていたことだ。

この件について楽天の三木谷代表は次のようにコメントした「正式な日本一セールは厳正な審査をしていた、便乗した勝手セールでこのような事態があった」と正式なセール以外は楽天運営側は関与していないとのことなのである。

関与していないと言いながらも検索ページには77%オフの商品のみを検索できるようにしたりとかなりの矛盾が見られる。

店舗側からしたら何の得もない77%セールを無理強いされ、しかたなく二重価格表示せざるを得ない状況だったのではないだろうか。それに対して「便乗した勝手セール」で片づくと思うのだろうか。

記事にもある問題の和菓子は製造元から卸されたものを通販業者が勝手にセールと称して売り出したもののようで、その業者曰く「商品をウェブサイトにアップした際に、手違いで価格を表示した。2時間ほどで消したので、こんな騒動になるとは思わなかった」のだそうですけれども、むしろ皆が冷静な判断力を失っている時間帯に短時間で売り切ってネタバレしないうちに消そうとしたのかとも勘ぐれますよね。
ネット通販に限らずこうした便乗セールの疑惑はかなり以前から知られているところですが、今回こうまで大きな騒ぎとなったのは個々の店舗が勝手にやっていた従来のセールと違って、オンライン検索一発で価格比較も出来る場でこういうあからさまで即バレせずにはいられない行為が行われた、しかもシステム上一定の関与が間違いないはずの楽天側が知らぬ存ぜぬを公言しているということが大きいようです。
楽天側が全ての業者に特売を強要したと言うのもさすがにどうなのかで普通に便乗しただけの悪徳業者も少なからずいるのでしょうが、少なくとも検索ページの用意までして日本一セールを仕掛けた中でそれに参加する業者を全くノーチェックだったと言うのは、大会場を用意して一大イベントを開いた主催者がどこの誰が出店したのかノーチェックですと言っているようなもので、世間的には首をかしげる言い訳に聞こえそうですね。

事件そのものも通販というものの信頼性を大きく揺るがす問題をはらんでいるのですが、これまた興味深いのはネットメディアの追求に反して一般マスコミはごく簡潔に「事前に商品を登録し、楽天の審査を通ったものだけが売られるはずだったが、審査を通っていない商品が売られていた」「勝手なセールをした店舗があり、現在調査している」と、「公式発表」丸写しに留まって大きく問題視もせずにいるようにも見えることです。
楽天社長と言えば先日は薬のネット通販に新たな規制が設けられることに反発し政府の産業競争力会議の民間議員を辞任すると報道されたばかりで、今や不当な政府権力に立ち向かう正義の味方的な役割をマスコミから与えられているようですが、考えて見るとこの慢性的不況で在来型産業が広告費を大幅に減じている中でテレビをつければネット関連産業のCMばかりが目に付くのも確かですよね。
楽天と言えば最近また広告費絡みのトラブルが報じられていたように本業の部分で色々と言われることも多い企業ですが、ビジネスが大きく成長しつつあるこの時期にきちんと制度の部分を煮詰めておかないと、またぞろ「あんな怪しげな会社に球団など持たせていいものか」と初優勝に水を差すようなことも言われかねません。

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2013年11月 8日 (金)

診療報酬改定の時期迫る

そろそろ診療報酬改定の作業が本格化する中で、先日その大きな基礎資料となるだろう医療経済実態調査のレポートが出ていたのですが、それに対して日医がこんなコメントを出したと報じられています。

診療報酬改定で中小病院などの待遇改善必要-医療実調受け、日医・鈴木常任理事(2013年11月6日CBニュース)

 厚生労働省が6日の中央社会保険医療協議会で示した医療経済実態調査(医療 実調)報告を受けて、日本医師会の鈴木邦彦常任理事は同日の記者会見で、医療 法人の経営は改善しておらず、次期診療報酬改定での中小病院や有床診療所の待 遇の改善が求められているとの考えを示した。

 医療実調は診療報酬改定の前の年に実施され、今回は2011、12年度それぞれの 通年での収支状況を比較した。それによると、一般病院の12年度の医業収益は、 国立病院が前年度比3.1%増、公立病院は同2.3%増だったのに対し、医療法人は 0.8%増と、ほぼ横ばいだった。また、税引き後の総損益差額構成比率は、国立 病院では前年度から8.7ポイント改善して0.4%へとプラスに転じ、公立病院も 2.7%と0.9ポイント上昇した。しかし、医療法人は2.1%と0.1ポイントしか改善 しなかった

 12年度の職員1人当たりの平均給料年度額(一般病院)の伸び率は、医療法人 で医師が前年度比2.8%増(1506万7637円)と最も大きく、次いで歯科医師が同 1.9%増(911万4221円)、院長が同1.7%増(3055万1052円)の順だった。同様 に、医療法人が運営する一般診療所での伸び率は、薬剤師が同5.1%増(694万 2518円)で最も大きく、医師が同1.6%増(1315万7145円)でこれに続いた。一 方で、院長は同1.1%減(2778万3258円)と、前年度に比べて給料額が減った。 これについて鈴木常任理事は、「診療所では、院長の給料を減らしてでも職員の 給料を上げて、何とか職員を確保していることがうかがえる」と分析している。

 一般病院の病床規模別の医業収益の伸び率は、500床以上が最も高く前年度比 3.6%増、次いで300-499床が同2.6%増。一方、299床以下は1%にも満たなかっ た。鈴木常任理事は、「300床以上の大病院での医業収益の伸びは依然として高 い」とした上で、収益改善があまり見られない中小病院や有床診療所に対して 「次期診療報酬改定での待遇改善が必要」との見解を示した。

データ自体は全体に組織としての経営が堅調に改善している中で診療所の院長だけが微減という中々に興味深い数字で、日医の言う「診療所では、院長の給料を減らしてでも職員の 給料を上げて、何とか職員を確保している」のかどうかはこればかりははっきりしませんけれども、大病院に比べて中小病院・診療所の医業収益が伸びていないことと併せて日医的には非常に不満足なのだろうなということは理解出来ますよね。
もっとも日医にこの種の業界団体の常でどのような数字が出てこようが現状に不満を鳴らし改善を要求するのが仕事といった趣もあって、同じデータを取り上げて世間ではこう報じたということが日医の見解とはかなり好対照であるように思われます。

医療機関の収支「全体的にやや改善」(2013年11月6日NHK)

昨年度・平成24年度の全国の医療機関の収支は、国公立病院で依然として赤字が続いているものの、全体的にやや改善したことが厚生労働省の調査で分かりました。

厚生労働省は、医療機関に支払われる診療報酬の改定に向けた基礎的な資料とするため、医療機関の経営状況を調査し、6日に開かれた中医協=中央社会保険医療協議会に報告しました。
それによりますと、昨年度・平成24年度の一般病院の収支は、いずれも平均で、民間病院が前の年度より215万円多い、7621万円の黒字となりました。これに対し、国公立病院は前の年度より赤字幅は減少したものの、国立病院が397万円、公立病院が3億1897万円の赤字でした。
一般診療所では、いずれも平均で、入院施設のある診療所が前の年度より67万円少ない2503万円の黒字、入院施設のない診療所が前の年度より132万円多い1726万円の黒字でした。
この結果、全国の医療機関の収支は全体的にやや改善しました。
また、医師の平均年収は、民間病院の勤務医が1590万円、国立病院が1491万円、公立病院が1517万円、医療法人が経営する一般診療所が1336万円、個人経営の一般診療所が1345万円でした。

診療所などの収支改善 12年度、診療報酬アップ効果(2013年11月6日朝日新聞)

 【高橋健次郎】厚生労働省は6日、医療機関や薬局の経営状況を調べた「医療経済実態調査」の結果を公表した。2012年度は、病院や、歯科以外の一般診療所で収支が改善した。医療サービスの公定価格である診療報酬を、12年度から全体的に引き上げた効果とみられる。

 調査結果は、政府が2年ごとに診療報酬を見直す際の基礎データとなる。その内容を話し合う中央社会保険医療協議会で、厚労省が示した。財務省はこの結果などをもとに、来年4月の次期改定で引き下げを主張する構え。改定率をめぐる攻防が激しくなりそうだ。

勤務医と開業医、年収格差1.75倍(2013年11月7日産経ビズ)

 厚生労働省は6日、医療機関の経営状況などを調べた「医療経済実態調査」を中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に報告した。

 2012年度の医師の平均年収は、医療法人が経営する民間病院では院長が3098万円と11年度より53万円増えた。病院勤務医は1590万円で43万円増。一方、医療法人経営の診療所では院長(主に開業医)の年収が2787万円と31万円減ったが、それでも病院勤務医に比べ約1.75倍の格差があった

 実態調査は診療報酬改定の参考にするために実施。14年度の改定率(増減幅)が決まる年末に向け、財務省を中心に報酬引き上げへの反対姿勢は一層強まりそうだ。

もちろん一般マスコミの報道もそれなりのバイアスがかかっていて、例えば産経などは例によって病院の一般勤務医と診療所の院長とを比較して「開業医はこんなに儲けている!」などと印象操作を図っていますけれども、他紙の報道にあるように院長同士勤務医同士のカウンターパートで比較すれば病院勤務医よりも診療所開業医の方がそれぞれ一割程度は給料が安いということが判りますよね。
それはともかくとして、医療費抑制政策が続けられていた旧自民党政権時代の平成17年頃から一貫して医師の年収増加傾向が続いていること、小松先生が「医療崩壊――立ち去り型サボタージュ」とは何か」を出し医療崩壊が社会現象として語られ始めたのが平成18年であったことを考えると、医師らスタッフの給与上昇は診療報酬改定よりも医師不足など人材難を反映したものが主体で診療報酬の上下に絡めて語るのは不適切かなと言う気がします。
それでは医療機関の経営状態を元に診療報酬を論じるのが妥当なのかということなのですが、未だに公立病院の赤字が慢性化しているように利益性の乏しい医療も含めて経営状態を評価すべきなのかも議論の別れるところですし、そもそも日医を始めとする医療系諸団体にしても医療で金儲けをすべきではないと言っているのに、儲かっていないからもっと診療報酬を上げろと言うのは世間的に通用しない話ですよね。
ともかくも現行の診療報酬水準で医療機関の経営状態は徐々に持ち直してきているとは言えるわけですから次回改訂では少なくとも大幅引き上げは考えにくい状況で、特に財務省筋からは強硬な反対が出ていることもあり恐らくは消費税アップ分をどのように反映させるべきかという議論が中心になって終わるのではないかと言う気がします。

診療報酬改定基本方針 骨子案まとまる(2013年11月7日NHK)

厚生労働大臣の諮問機関の社会保障審議会の部会は、来年度の診療報酬の改定では、医療全体の重点化、効率化を図るため、病院や診療所などの役割分担を進めることや、がん治療、認知症対策の充実を重点にすべきだなどとした基本方針の骨子案をまとめました。

骨子案は医療機関に支払われる診療報酬の来年度の改定で、重点にすべき項目をまとめたものです。
それによりますと、医療全体の重点化、効率化を図るため、救急患者を受け入れる病院、容態が安定している患者を受け入れる病院、それに小規模の診療所など、医療機関ごとの役割分担と連携を進めるようにすべきだとしています。
また在宅医療の向上のため、訪問看護ステーションの大規模化などを促すべきだとしています。
一方、具体的に充実を図るべき分野として、がんや精神疾患の治療、認知症対策、リハビリなどを挙げています。
さらに、医療費の適正化を重要な課題と位置づけ、価格の安い「後発医薬品」の使用を増やすことや、患者の入院日数を減らすなどの取り組みが必要だとしています。
この骨子案は、今週開かれる社会保障審議会の部会で示され、来月中に診療報酬の改定に向けた基本方針が取りまとめられる見込みです。

診療報酬増額を否定 財政審、高コストを問題視(2013年10月22日産経新聞)

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関、会長・吉川洋東大大学院教授)の分科会は21日、保険診療における医療サービスの公定価格にあたる診療報酬について、平成26年度の増額は行わないとの見解を示した。26年度は診療報酬の改定年にあたるが、医療費が膨らみ財政を圧迫していることを問題視した。

 高齢化や医療の高度化などから、医療費は25年度で約42兆円にのぼっており、毎年約1兆円ずつ膨らんでいる。診療報酬を1%引き上げた場合、患者や国の負担は4200億円増えることから、委員からは「影響が大きく国民の理解は得られない」など、増額に否定的な意見が相次いだ

 分科会では、緊急・重症な患者に高度で専門的な医療を行う「急性期医療」を強化し、患者に早期の社会復帰を促すべきだと指摘した。また、安価な後発医薬品の活用を加速するなど合理化を進め、高コスト体質を是正すべきだとした。
(略)

診療報酬の議論と言うとともすると総額で幾ら上がった、下がったと言う話に終始する傾向がありますが、各種加算で汗を流している現場スタッフに配慮しましたなどと言われても実際の給料に反映されなければ意味がないのと同様、働いている人間にとっては病院の経営よりも自分の懐に幾ら入るかの方がよほど切実な問題ですよね。
もともと診療報酬と言えばマスコミなどは好んで「医師の給与などにあてられる」と言う表現を使いますが、実際には医師の取り分は報酬のうち1割強で全体の中でのごく一部であり、看護師その他スタッフ全体を含めた人件費で見ても(一部の人件費率8割超などと言う終わっている公立病院は別として)4割~5割程度と言うのが真っ当な医療機関における数字でしょう。
未だ人材不足がこれだけ取り沙汰される状況にあって人件費は減らすのも難しいと考えると、残り半分のコストをどのように使うかという議論も非常に重要なのは言うまでもないことなのに、国際的にも極めて高いと言われる日本の医療機材コストなどにさっぱり言及しようとしないのはおかしいですし、診療報酬分がまるまる機材コストに持って行かれるという状況をどう改めるかの議論もむしろ医療系団体から仕掛けてもいいはずです。
薬剤費にしても相変わらずゾロ比率をもっと上げましょうなどと言っていますけれども、国も本気で「同じ成分同じ薬」だと考えているのであればゾロが出た時点で先発品の薬価をゾロと同水準に引き下げれば済む話なのに、とっくに減価償却も終わっているような古い薬にいつまでも高い薬価を付け続けるのは今時言うところの製薬企業の既得権益とも言われかねませんよね。
ともかくもせっかく世間の関心が医療崩壊等々の報道を通じて「医療現場も大変なんだな」という方向に向いているのに、相変わらずの十年一日で「とにかくもっと報酬を上げろ」では誰からもまともに相手にされないのは当たり前ですから、医療系団体も単なる業界圧力団体の自分勝手な我が儘だと言われたくなければもう少し戦略を練り直した方がいいように思います。

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2013年11月 7日 (木)

救命救急の現場に見るトリアージの意味

以前に救急搬送トラブルの一例として少しばかり取り上げたのがこちらの事例ですけれども、その後訴訟が進む過程で一体何が起こったのかという検証も進んできているようで、珍しく民事訴訟が「真実を知る」場になりつつあるようにも感じられます。

山形大生死亡訴訟 病名特定、因果関係が大きな争点(2013年10月31日河北新報)

 山形大2年大久保祐映さん=当時(19)=の死をめぐる損害賠償請求訴訟で、原告側は、死因はウイルス性心筋炎(急性心筋炎)の可能性が高いと主張している。救急車の不出動と死亡との因果関係が大きな争点となる中、被告・山形市側の「死因、死亡時刻はあいまいで因果関係は特定できない」との反論に対し、あえて病名を挙げた。大久保さんが119番通報してから31日で2年。因果関係について、どこまで立証責任が求められるのか。裁判所の判断も焦点となる。(山形総局・氏家清志)

<電話応答できず>
 山形大医学部の解剖報告書、死体検案書では、死因は「病死の疑い」、死亡時刻は「2011年11月1日ごろ」。大久保さんの当時の行動経過は表の通りで、10月31日に119番し、翌日前後に死亡したことになる。
 原告側は「通報日の夕方には、アルバイト先からの電話に応答できない状態だった。119番通報時の病気で死亡した。出動していれば救命できた」と強く訴える。
 対する山形市側は「検案書は極めてあいまい。119番通報後の状況は分からない」と指摘。「因果関係の有無を判断するには、少なくとも具体的な病名と死因が明確にならなければならない」と要求した。

<新見解を示す>
 原告側は5月に提出した準備書面で、1975年の最高裁判決を念頭に「病名、死因を明確にする立証責任はない。救急車が出動し、医療機関で治療を受けていれば死亡しなかった高度の蓋然(がいぜん)性を証明すれば足りる」との立場を取りつつ、死因は急性心筋炎の可能性が高いという新たな見解を示した。
 急性心筋炎は、喉の痛みといった風邪に似た症状と嘔吐(おうと)などの症状が先行し、数時間から数日が経過すると呼吸困難、動悸(どうき)などの症状が出る。心臓の機能が低下して脳に酸素が送れなくなるための意識障害や、肺水腫を引き起こす場合もあるという。

<「初期なら回復」>
 大久保さんの死因は、死後変化が進行しているため、病理的異常の精査は困難とされた。しかし原告側は(1)症状、経過が急性心筋炎と一致する(2)解剖で「肺水腫の疑い」が指摘された(3)他の病気が死因である可能性が低い-の3点を根拠に、消去法で急性心筋炎に絞り込んだ
 原告側は、119番通報時に急性心筋炎は重症化しておらず、「(初期段階では)適切な治療を受ければ多くが回復するとの統計がある。救急車が出動していれば、危険な状態に陥ること自体を防ぐことができ、完全に回復し得た蓋然性も認められる」と強調する。
 これに対し市側は「心臓に異常があるという証拠がなく、急性心筋炎の可能性は低い」と指摘。「全証拠からは考察できない原因不明な症状で悪化し、救急車の出動の有無に関係なく死亡した可能性もある」との主張を変えず、因果関係を否定する。

◎元新潟県立中央病院循環器病センター長 小玉誠氏/急性心筋炎もあり得る

 ウイルス性心筋炎(急性心筋炎)は、頻度は低いが、とても健康だった若者が風邪をひくようにかかる。
 若者の突然死の原因にもなり、熱が出て体力が落ちている時などに、かかるケースが多い。消化器官に感染するウイルスが原因の場合が多く、消化器官から心臓にも感染しやすい。
 人によって症状の差が大きく、初診で診断できないことが多い。熱が出て風邪だという判断をすると、心臓を調べようとはなかなか思わない。
 中枢神経の障害で意識がもうろうとなることはほとんどないが、血圧が非常に下がり、頭の血流も落ちて、意識もうろうとなる場合はある。
 大久保さんの経過は熱が出て、喉がはれ、全身の状態が悪い。そこから急速に亡くなったようだ。急性心筋炎でもあり得る。ただ、心筋炎以外の病気でも、このような経過をたどるものもある
 心筋炎であれば、法医解剖結果で、心臓に炎症所見が出ると思う。大久保さんほど全身状態が悪くなっているようであれば、大きな病変が心臓に出てくるのではないかと思われるが、大久保さんの所見では見受けられない
 ただし、心臓の切り出していない部分に所見がみられることはあり得る。心臓全体を詳しく調べないと、小さな病変は分からないこともある
 肺水腫は、心筋炎による心不全でも引き起こされる。心臓が悪くなくても、急性呼吸促迫症候群など、肺水腫の症状が出る病気もある。

<こだま・まこと>1957年生まれ。山形大医学部卒。新潟大大学院准教授として心筋炎、心筋症、心不全を研究。新潟県立中央病院循環器病センター長も務めた。専門は循環器内科学。日本循環器学会専門医。新潟県魚沼市出身。

<119番山形大生死亡訴訟> 山形大理学部2年大久保祐映さん=当時(19)=の母親が昨年6月に起こした。訴えによると、大久保さんは2011年10月31日、山形市内の自宅アパートから119番して救急車を要請。市消防本部の通信員は自力で病院に行けると判断し、救急車を出動させなかった。大久保さんは9日後、自宅で遺体で発見された。

<因果関係をめぐる最高裁判決> 医療行為と後遺症の因果関係が争点となった民事訴訟で、最高裁は1975年10月、因果関係の立証の程度について「一点の疑いも許されない自然科学的証明である必要はない。経験則に照らして全証拠を検討したときに、高い可能性で特定の事実が特定の結果引き起こされた関係を証明すること。その判定は、通常、人が疑いを持たない程度に真実だと確信できる程度であればいい」と判示した。

いずれにしても前途有望な若者が思いがけずお亡くなりになられたことに関してはお悔やみを申し上げるしかありませんが、まさにその思いがけずという点で非常に示唆的かつ医学的のみならず社会的な意味でも検証するに値する、これは貴重な事例であったかと思いますね。
河北新報の記事に時系列が一覧表になって掲載されていますけれども、10月11日初診の段階で1週間前からの風邪症状を訴え治療を開始した、その後30日になって体調が悪化した様子で外出が出来ない旨のメールを送っていて、救急隊に電話をかけたのが翌31日早朝でその後は外部からの呼び出しにも返信がないまま、11月1日頃に亡くなったと推定されるとのことです。
若年成人が身動きも出来なくなるほどの心筋炎で病理で全く心臓に所見がないということがあるのかどうか門外漢には何とも言えないのですけれども、逆に記事にあるように切り出していないごく一部に心筋炎の所見が隠されていた程度だったとして、それでこうした重篤な症状までも呈することになるのかどうか、いずれにしても心筋炎と決め打ちすることは必ずしも出来ないのではないかなという印象を受けますがどうでしょうね。

当時はちょうど救急搬送激増に対して消防庁が基準を策定し可能な患者には自力受診を促す方針を定めた時期でもあって、一見軽症に見える中に隠れた重症をどのように見分けるかということは大きな課題であったわけですが、無論「万に一つも見逃しがないように」という考え方では選別の意味がなくなりますから、結局基準を定めるという作業はどこまでの見逃しを社会として許容するかということでもありますよね。
そして当然ながら社会的リスクとして一定頻度の見逃しを許容する以上、こうした不幸なレアケースに対しては社会として補償を考えるべきかなと思いますけれども、それ以前の実行レベルの課題として以前にも書きましたように救急隊とタクシー会社などその他の輸送機関との間にもう少し密な協働体制を構築していくことが無用なリスクを減らす第一歩になるかと思います。
東京都などでは増えすぎた救急搬送を少しでも軽減すべく救命救急研修等を受け救急設備も備えたタクシー会社を紹介するサービスを行っていて、無論こうした体制を取れるのも大都市圏ならではじゃないかという意見もあるでしょうが、地方都市においてもなにがしかの補助金なりを出すことで同様の体制は可能でしょうし、それに要するコストは当然に予想されるリスクに対する応分の負担としては妥当なものではないかなと思いますがどうでしょうね。
同類のリスクとメリットの勘案がしばしば取り沙汰される話として災害時などに取りざたされるトリアージの問題がありますが、まずは先日出ていたこちらの記事を紹介しておきましょう。

トリアージタグ改善へ…救急医学会が検討(2013年11月2日読売新聞)

 災害や事故現場で負傷者の重傷度を色分けして識別する「トリアージタグ」の様式に不備があるとして、見直しを求める声が上がっている。

 現行の様式では妊婦の識別欄がないほか、色覚異常がある人は色の違いを判別しにくい場合があるためだ。日本救急医学会は改善に向けた検討に乗り出した。

 トリアージタグは治療の優先順位を示す札で、氏名や性別、搬送先などの記載欄があり、原則、右手首に付ける。4色に分類され、黒は「死亡か救命の見込みがない状態」、赤は「最優先で治療が必要な重傷」、黄は「すぐ治療しなくても生命に影響はないが処置が必要」、緑は「軽傷」。

 東日本大震災をきっかけに、タグの不備も問題視されるようになった。

 支援活動に関わった産科医からは、震災時、被災妊婦の居所がわからず支援が難航し、妊婦の識別欄が必要との声が上がった。識別できないと、エックス線検査を避けるなど胎児への影響に配慮できない懸念もある。交通事故現場でも、けががなく治療対象にならなかった妊婦の容体が後に悪くなり胎児が死亡した例があるという。日本産科婦人科学会は今年7月、識別欄を設けるよう日本救急医学会に要望した。

妊婦チェックが云々ということはその時点で本人に確認出来ない状況を想定しているのでしょうが、すでに母体が非常に重篤と思われるそうした状況で胎児レントゲン被曝のリスクばかりを配慮というのもどうなのかなとも思うのですが、もちろんいざとなれば子供の命だけでも…と言う選択を迫られる局面はあるということなのでしょう。
トリアージ見直し論となれば当然ながら「果たしてトリアージ基準は適切なのか?」と言うことにもなりますが、家族からすれば黒タグをつけられたからといって「きちんと手当をしていれば助かったかも知れない…」という思いは拭えないでしょうし、実際にマスコミなどはそうした「トリアージミス」をセンセーショナルに取り上げ「医者が助かる人を死なせた!?」などと大騒ぎするのが大好きなようです。
全国で産科医不足が言われるのも訴訟リスクなどデメリット面がメリットを上回ったことが根本原因とも言い、実際にアメリカではあまりの訴訟リスク上昇によって保険料が年額20万ドルにも高騰し産科医がいなくなったといったケースもあるようですが、この調子では日本でもようやく根付き始めたトリアージを広めようにも引き受けてくれる救急医がどこにもいない、ということにもなりかねないですよね。
本質的にはやはり設問の建て方が違っていて、限られたリソースで最大限の救命効率を追求する手段としてのトリアージを社会として受け入れた時点で、特定個人に関してトリアージを受けた結果かえって不利益が生じたとしても社会全体の受ける利益の方が上回るという判断ですから、トリアージ精度を上げるために事後検証することに意義はあっても当事者個々の責任を追求することは前向きな意味はないはずです。

トリアージをやるのとやらないのとどちらがいいか?と言われれば普通に冷静な判断が出来る人間であれば「何も考えずに右往左往するよりも司令塔役がきちんと采配した方がより多くの人間が助けられるんだろうな」と考える、ならばそのために必要なのは何なのかと考えると責任追及よりもむしろ如何にして当事者の免責を担保するかということの方が重要になってくるのは理解出来ることです。
消防や救急搬送などは消防救急という組織として引き受けている業務だと世間的にも認知されていて「うちを丸焼けにしたあのクソ隊員を訴えてやる!」なんてことにはまずならない、それがために個々の隊員達は「ここで下手なことをしたら後で訴えられるかも…」などと萎縮することなく最大限の努力に集中出来ますが、これが「あのクソ医者を(略」となるとあっという間に防衛医療となってしまうのは歴史の示す通りですよね。
故にこれまた一種のゼロリスク症候群の危険性がある問題で、「助かる可能性が万に一つでもあれば黒タグをつけてはならない」などと言い出せば普通にトリアージしていれば助かったはずの赤タグ黄タグの人達までリソース欠乏によって重大な健康被害を被るかも知れず、ゼロリスクを追及しすぎると結果としてより大きなリスクを負うことになってしまうということを受益者である我々社会の側こそ当然の前提として承知していなければならないということです。
もちろん理屈では判っていてもいざ自分が当事者となった時に感情的にすぐ納得出来るかと言われれば大多数の一般市民はそこまで悟りきってはいないでしょうから、それがためにも仕事を請け負う担当者と患者家族とがいたずらに敵対的関係に陥ることのないよう、ここでも社会としてリスクを請け負うということを形として示す無過失補償など制度的担保の意味が出てくるのだと思いますね。
当事者がリスクも承知で頑張っている!などと言えば確かにマスコミ的には美談に仕立てやすいのでしょうが、制度として安定的に持続可能なものを構築するためには最低限それを行うことが損にはならないというシステムを構築すべきだし、結局それこそが行政の側に一番求められている役割だと思います。

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2013年11月 6日 (水)

物陰から全てを支配するもの

数あるユダヤジョークの中でも有名なものの一つにこういうものがあります。

 シモンは公園のベンチに腰をかけて反ユダヤの新聞を読んでいた。そこに彼の友人が通りかかって、その様子を見て驚いた。「シモンじゃないか。どうして、そんな反ユダヤの新聞なんか読んでるんだい。ユダヤ・クロニクル紙を読むべきだよ。」
 シモンは答えて言った。「ユダヤ・クロニクルを読むと世界の国々で起こっているユダヤ人に対する迫害のことやイスラエルで起こっている色々な問題について書いてあるだろう。でも、この反ユダヤの新聞を読むとな、良いことがいっぱい書いてある。ユダヤ人はすべてのお金を握っているとか。ユダヤ人は銀行を支配しているとか。ユダヤ人は報道機関を牛耳っているとか。ハリウッドはユダヤ人の手の中にあるとかね。やっぱり、良いニュースを聞くのは一番さ。」

先日思わずこのジョークを思い出したのがこちらの記事なのですが、これを読んで日医幹部諸氏がニヤニヤしていたかどうかは判りませんけれども、世間的な日医のイメージというものを見る上で興味深い記事ではありますよね。

診療報酬めぐりうごめく厚労族・医師会 薬ネット販売、大学設置でも抵抗(2013年11月4日産経新聞)

 医療機関が治療の対価として健康保険などから受け取る診療報酬の平成26年度改定をめぐる攻防が激化している。日本医師会(日医)や自民党厚労族議員がプラス改定を求め、社会保障費の急増に歯止めをかけたい政府に攻勢を強めているのだ。日医などは来年4月からの消費税増税分の財源がそのまま社会保障費に充てられるため、鼻息が荒い。改定率は年末に安倍晋三首相が最終決定するが、政権復帰を果たした自民党の業界回帰の動向を判断する試金石となりそうだ。

 ■プラス改定は当然?

 日医の横倉義武会長は10月31日、首相と官邸で面会し、診療報酬の増額を要請した。
 「消費税率引き上げは社会保障の充実が目的だ。首相に『勘案してもらいたい』と言った。首相は十分、分かっている
 横倉氏は面会後、自信たっぷりに記者団に語った。厚労相の諮問機関「社会保障審議会医療保険部会」で8日から診療報酬の査定作業が本格化するのに合わせて、首相に“圧力”をかけた格好だ。
 日医は来年度の診療報酬のプラス改定を既定路線と受け止めてもいる。診療報酬は「薬価」と医師の収入源となる「本体」で構成され、2年に1度見直される。民主党政権時代の24年度改定は薬価1・375%減、本体1・379%増。全体では0・004%増えた。このため、日医は民主党に比べて太いパイプを持つ自民党の政権復帰で、当然“分け前”が増えると見込んでいるわけだ。

 ■自民議員250人参加

 また、日医は自民党への働き掛けも活発化させている。8日に初総会が開かれる自民党の議員連盟「国民医療を守る議員の会」(仮称)の設立を主導した。日医傘下の関連団体が水面下で党所属議員に議連参加を促す文書を送り、強力に勧誘活動を展開した。
 その結果、医師の鴨下一郎前国対委員長、首相に近い加藤勝信官房副長官らが議連の発起人に名を連ね、党所属議員の半数以上に当たる約250人が参加。議連として最大規模になり、発起人の一人は「診療報酬アップを目指す。やるからには徹底的にやる」と息巻く。設立趣意書で「適切な社会保障財源の確保」を求め、政府に対する提言書提出も視野に入れている。
 政府内で、こうした“攻撃”に対抗するのは、財政規律を重視する財務省だ。
 毎年度の社会保障費関連の公費支出は、年金が10兆円で医療費は15兆円、介護費も5兆円規模。消費税率が10%になってもとても賄えない-。財務省はそう算段する。
 このため、財務相の諮問機関「財政制度等審議会」は10月21日、診療報酬を1%引き上げた場合、約4200億円の負担増になるとする試算を公表し、日医と厚労族を牽制(けんせい)した。

 ■ネット販売解禁に抵抗

 それでも、日医などの動きは活発化する。安倍政権が検討した大学医学部新設を認める規制緩和に対し、日医は「医学部教員として医師を現場から引き揚げる必要が生じ、地域医療を崩壊させる」と反発。規制緩和は事実上、見送られた
 一般用医薬品のインターネット販売解禁をめぐっても、首相が原則解禁を一度は決めたが、薬剤師の既得権益が侵されることなどを危惧した厚労族議員に押し切られ、一部品目に規制が残る見通しとなった。
 ネット販売の全面解禁を求めてきた楽天の三木谷浩史会長兼社長は10月29日、政府の産業競争力会議の分科会で、自民党族議員の動きをこう皮肉ってみせた。
 「岩盤規制ならぬゾンビ規制だ」
(松本学)

まあ日医が何を目指そうがご自由にというもので(苦笑)、世間がどう考えているかはともかく今日日の医療政策が日医風情の思惑でそうそう左右されるものでもないでしょうけれども、個人的には次回改訂では消費税アップ分に相当する最低限度の上げだけで名目多少プラスの実質プラスマイナスゼロに終わるんじゃないかと言う予想をしています。
ただここではむしろコストカッター役となる財務省が何か正義の味方か何かのように描かれている点が注目されるのですが、先日も概算要求は巨額すぎると徹底的な斬り込みを表明していた同省ですから、12年度の医療機関経営はまた改善しているという厚労省の調査報告も出てきた以上、これ以上医療費を引き上げる方向での改定を認めるとはちょっと考えにくいところではないでしょうか?
それでも長年に渡る医療費抑制政策で鍛えられた医療業界ではそれなりに求められるコスト内での医療を追求出来るだけの素養があるとも言えるのでしょうが、このところ各方面から聞こえてくる「ここにもまだまだ無駄がある!」と言う財務省のコスト削減要求を見ていますと、それはちょっとどうなのかなと思えてくるものが目立つのも確かです。

財務省、教員の削減要求へ 7年間で3.9万人減主張(2013年10月28日朝日新聞)

 財務省は28日、子どもの数が減っているのに合わせて、公立小中学校の先生の数を減らすよう文部科学省に求める考えを明らかにした。先生1人あたりの子どもの数を変えない場合、今後7年間で3・9万人減らせるとの主張だ。これに対し文科省は、今の人員を維持することで少人数教育を進めようとしており、調整は難航しそうだ。

 28日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で、財務省が提案した。今は全国の公立小中学校に約70万人の先生がいるが、子どもの数にあわせて先生も減らすと、2019年度は66万2千人に減らせるという。

 少人数教育について財務省は「少人数化と、学力やいじめには密接な関係がない」としている。給与も普通の地方公務員並みに下げて、来年度の国の給与負担を約370億円減らすよう主張している。

財務省 教職員1万4000人削減を主張(2013年10月28日NHK)

来年度以降の小中学校の教職員の定数について、文部科学省は向こう7年間で3万人余りを新たに確保すべきだとしているのに対し、財務省は、逆に1万4000人減らすべきだと主張し、来年度予算案の編成で焦点の1つとなりそうです。

これは、28日開かれた財政制度等審議会で、財務省が示したものです。この問題で文部科学省は、少人数教育や英語教育の強化などを図るため、来年度からの7年間で教職員の定数を3万3500人新たに確保すべきだとして、来年度予算案の概算要求で必要な費用を要求しています。

これに対して財務省は、28日、公立の小中学校の児童生徒の数は平成元年度の1488万人から24年度には991万人へと33%減ったのに対し、教職員の定数は76万人から70万人へと8%の減少にとどまっているなどと指摘し、教職員の定数を来年度から7年間で1万4000人減らすべきだと主張しました。

この場合でも、児童生徒1人当たりの教職員の数は現状とほぼ変わらず、削減によって合わせて910億円の歳出を削減できるとしており、この問題の取り扱いは来年度予算案の編成で焦点の1つとなりそうです。

注目していただきたいのが「少人数化と、学力やいじめには密接な関係がない」と主張し少人数化推進に異を唱えている点なのですが、医療の世界においても昨今では費用対効果というものが要求されるようになっていて、これも財務省筋からの圧力と当然無関係ではないでしょうが、ともかく教育の世界もいよいよ医療と同様に金勘定をしながらやりくりするということが求められるようになったということですよね。
個人的にも教育の方面には友人知人も多いので色々と聞くのですけれども、ともかく今の教育現場は生徒の前で教壇に立ってする仕事以外の部分が多忙すぎるとは誰もが口を揃えて言うところで、こうした業務負担の軽減策を何ら考慮しないまま教員の頭数だけで議論しているといずれ医療崩壊ならぬ教育崩壊が大きな社会問題化するのは目に見えているように思います。
もちろん予算は限られている中でよりよい教育を行っていくためには、効果の乏しい部分を切り捨てて有効性の確認されたやり方に集中投資するというのはもっともなことなのですが、それなら一昔前の「ゆとり以前」の詰め込みと言われたやり方が目に見える数字的には一番効率がいいという結論になるのかも知れずで、このところ世間を賑わしている教育改革論との整合性はどうなるのかという懸念もあります。
そして費用対効果という点では本当に目先の成果を追うことが将来に結びつくのか、むしろ教育など基礎的な部分に長期的かつ計画的な投資を地道に行っていくことで国力の底上げが可能になるのではないかという考え方もあると思うのですが、どうも財務省の考えは目先の改善に突き進んだ結果国際競争力も失ってしまった一部企業の姿を見るようで危なっかしいところがありますね。

14年度予算、科技予算に削減圧力-財務省、費用対効果を疑問視(2013年11月05日日刊工業新聞)

 2014年度一般会計予算の編成をめぐり、財務省が科学技術関係予算への歳出削減圧力を強めている。中でも科学技術振興費がこの25年間で社会保障関係費を上回る高い伸び率を示しており、大幅に増えた振興費が効果的に使われたかを疑問視している。13年度当初予算の振興費は約1兆3000億円と12年度当初を下回ったが、14年度当初も概算要求を厳格に精査する方針だ。

 財務省が財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に提出した資料によると、13年度当初予算の科学技術振興費は89年度当初の2・98倍に達し、この間の社会保障関係費の増加幅2・65倍を上回って増えている。

 また、日本の1論文あたりの科学技術関係予算額は10年度が4900万円に達し、米国の4300万円、ドイツの3200万円などより高額であると指摘。

かつて仕分けの席で「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?」と言って盛大に炎上した議員氏がいましたが、財政上の観点からは確かに何故一番を目指すのかの正当化が出来なければ多額のお金など出せないという考えに一理はあるものの、およそ科学や技術に関わった経験のある身であれば鈴木章先生のこうした言葉の方が細かい理屈抜きですっと胃の腑に落ちるんじゃないかという気がします。

「研究は1番でないといけない。“2位ではどうか”などというのは愚問。このようなことを言う人は、科学や技術を全く知らない人だ」
「日本が生き残るためには付加価値の高いものを作り、世界に使ってもらうしかない」
「科学や技術を阻害するような要因を政治家が作るのは絶対にだめで、日本の首を絞めることになる。1番になろうとしても、なかなかなれないということを、政治家の人たちも理解してほしい」

故アジモフ翁は「そんな研究が一体何の役に立つんだ?」という声に対して「科学の進歩とはその見返りを得られないことの方が稀なのだ」と答えたそうですが、世間の注目を浴びなければ一代の成果も埋もれ消えてしまう時代と違って、電子的な検索システムの完備されたこれからの時代の科学こそ壮大な無駄としか思えないものが後々思いがけないところで役に立つ可能性が高まっているわけですよね。
ノーベル賞受賞者が順調に増えている日本が近年イグノーベル賞の常連となっていることも故無きことではなくて、研究というものはいかにもそこにお宝がありそうなところばかり掘っていたのでは人と同じような結果しか出てこないものでもあるわけですから、誰も考えたこともないような研究をやっているというのはそれだけで価値があるという考え方が出来るかと思います。
しかし最近は大学入試改革とやらで点数だけの一元的評価では駄目だ、もっと人物本位で潜在能力や将来性までも見ての選抜を行わなければと言っているようですけれども、いくら選抜方法を変えたところでその成果を活かすべき社会の方が目先の成果が挙げられなければ役立たず扱いされるようになっていくのでは、一体国としてどんな方向を目指しているのかがさっぱり見えてきません。

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2013年11月 5日 (火)

ますます迷走する入試制度改革

最近こうした話しが話題になっていることをご存じでしょうか?

「全国学力テスト」成績公表、何が問題になってるの?(2013年10月31日THE PAGE)

 文部科学省は、小中学校の「全国学力テスト」の成績を、各区市町村の教育委員会の判断で公表できるよう、実施要領を見直す方向で検討に入ったそうです。これまで文科省は、教育委員会が学校別の成績を公表することを禁じてきました。なぜ公表容認へと議論が進んでいるのか、論点を整理してみましょう。

「序列化や過度の競争」の懸念

 全国学力テストとは、小学6年・中学3年を対象にした「全国学力・学習状況調査」のことです。2007年度から全員参加式のテストとして始まり、民主党政権下で3割抽出方式に変更されましたが、2013年には4年ぶりに全員参加式に戻っています
 これまで公表されていたのは都道府県別のデータのみでした。しかし今年9月、静岡県の川勝平太知事が学力テストの科目「小学校国語A」が都道府県別正答率で最低だったことに危機感を持ち、「学力テスト下位100校の校長名を公表する」と発表したのです。学校現場からの反対で「成績上位の校長名を公表する」と方針転換しましたが、これを機に学校別の成績公表の是非をめぐる議論が湧き起こりました。
 そもそも学力テストの目的は、その結果を教育現場に生かし、児童生徒の学力向上に役立てることにあります。これまで文科省が学校別の成績公表を禁じてきたのは「学校間の序列化、過度の競争を招く」「学力テスト対策に授業が偏る」などの懸念からでした。

「到達度知るために公表は当然」

 しかし、独自の教育改革に取り組む地方自治体から、公表に積極的な意見が出ています。「学習の到達度を知るために、成績は公表して当然」「公表するかしないかは地域の判断に委ねるべき」といったものです。
 すでに、自らの判断で学校別の成績を公表している学校もあります。現行の公表ルールは教育委員会による公表を禁じるものですが、各校がホームページなどで自主的に公表することは認められているのです。
 市内の全小中学校が自主的に公表した結果をホームページで公開している佐賀県武雄市教委では、点数だけが独り歩きしないように生活状況を尋ねた学習状況調査の結果と合わせて公表しているとのことです。

市町村教委の6割は現状維持望む

 10月21日に開かれた文科省の専門家会議によれば、全国の小学校の74%と中学校の67%がすでに、保護者や地域に公表や説明を行っていることが明らかになりました。また、市町村教委による学校別公表に賛成の知事は44%、現状維持が24%。都道府県教委では賛成は40%、現状維持が43%となっています。
 その一方で、市町村の教育委員会は現状維持を望む意見が62%と過半数を占めました。学校現場により近い市町村で「過度な競争や序列化を生む」との懸念が根強いことが示され、市町村教委による学校別公表の解禁には反発も予想されます(東京新聞2013年10月21日)。

そもそもこの試験、一部の学生だけを対象に試験を行うことで成績にバイアスがかかることを懸念する声がありましたが、ようやく全員参加の試験に戻ったところで今度は成績を公表するかどうかが議論になっているということですね。
義務教育の小中学校で序列化がそこまですもんなのかと思うのですが当然私立などは学区制ではないでしょうし、最近は公立中学でも学区をまたいでの進学があるようですからこうした話も出てくるのでしょうか、いずれにしてもわざわざ時間を使って全国で試験をしているわけですから、その成果を最大限有効活用する方策を考えていくのが当り前ではないかなという気もします。
ところでとかくこのように学校教育においては点数というものに対して異常なほどの過敏反応を示す方々が一定数いらっしゃるようなのですが、その同じ文脈で語ることが出来そうなのが先日以来話題になっている大学入試改革の件で、こちらでも学生に点数をつけて評価するなどまかりならん!という意見が大いに賑わっているようですね。

2段階の新試験提言=大学入試、総合評価へ転換を―再生会議(2013年10月31日時事通信)

 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は31日、大学入試や高校・大学教育の改革に関する提言を安倍晋三首相に提出した。高校在学中に複数回受けられる「基礎」「発展」の2段階の達成度テストを新たに導入し、「発展」を現行の大学入試センター試験に替えて実施するよう提案。1点刻みの知識偏重型から、能力や適性を含めた総合評価型への制度転換を求めた。同会議の提言は4度目。
 安倍首相は「小学校から大学までの教育全体を変えていくことにもつながる。受験生、保護者らにしっかり説明しながら具体策の検討に着手してほしい」と述べた。
 具体的な制度設計は、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)に委ねられる。下村博文文科相は「現役高校生への適用は考えていない。周知に十分な期間を取る」と述べており、導入には早くても5年程度かかる見通し
 提言によると、「発展レベル」のテストは受験生を段階別の点数グループに分けて評価。大学側が学力把握に活用し、面接や小論文、ボランティア活動などを多面的に評価し入学者を選抜する。さらに、英語などでの外部検定試験の活用や将来的なコンピューター方式での実施にも言及した。 

大学入試「人物本位の選抜に」 再生会議が提言(2013年11月1日朝日新聞)

 【村上宣雄】政府の教育再生実行会議(座長=鎌田薫・早稲田大学総長)は31日、大学入試改革に関する提言をまとめ、安倍晋三首相に提出した。大学入試センター試験を改編し、成績を点数でなく上位から下位まで何段階かにランク分けして表示。複数回実施も検討する。その上で、意欲や潜在能力がある学生を迎え入れるため、面接などによる人物本位の選抜に転換するよう大学側に求める内容だ。

■高校在学中に「達成度テスト」

 提言は、高校在学中に基本的な学力を測るテストを実施することも提示。これを「基礎」レベル、センター試験の改編版を「発展」レベルとし、合わせて「達成度テスト(仮称)」として一体運営するとしている。文部科学省は5~6年後の実施を想定。今後、教育の専門家を集めた中央教育審議会(文科相の諮問機関)で具体的な制度設計を議論する。
 成績のランク表示は、テストを合否の決定的な材料とせず、各大学を受験するための「基礎資格試験」化するという考え方に立っている。
 提言は、「発展」テストに参加するかどうかは各大学の判断に委ねたが、個別に学力試験を実施する場合も「知識偏重にならないよう改善を図る」ことを求めている。面接などで丁寧な選抜を実施すれば人手やコストがかかるため、積極的な大学には国が財政支援することも明記している。
 テストの複数回化は多大な労力がかかるため、提言は「検討」という表現にとどめた。文科省は今後、複数回化の可能性を探るため、マークシート方式を維持しつつ、6教科29科目に広がっている現在の出題体制の縮小を検討するとみられる。提言は、将来の課題として、会場のパソコン上で問題を解く「CBT式」や、論理力や分析力をみる総合的な問題を導入する案も示した。
 高校在学中の「基礎」テストは、勉強離れの歯止め策の一つで、高校生が学習目標とし、指導効果を上げることを目指す。文科省は高1の必修内容を高2段階で実施することを念頭に置いている。参加は希望制で、在学中に再度受けることも可能とする方向だ。大学の一般入試の資料とはしないが、学力試験を課さないAO入試や推薦入試で、出願者の学力を把握する資料には使えるようにする。
 教育再生実行会議は今年1月に設置され、今回はいじめ対策や教育委員会改革などに次ぐ第4次の提言となる。この日は、続く第5次のテーマである「6・3・3・4」の学制のあり方についても議論に入った。

    ◇

■新試験「達成度テスト」(仮称)の概要
【「発展」テスト】

・大学入学の「基礎資格試験」の性格をもたせる。成績は1点刻みではなく何段階かのランクで表示
・大学入試センター試験をベースに、複数回化や、思考力などをみる総合型の試験も検討。大学側がTOEFLなどを代用して活用することも推奨
・各大学は、面接、論文、高校時代の活動内容(部活動やボランティアなど)と合わせて入学者を選抜

【「基礎」テスト】
・高校教育の一環として、生徒に学習目標をもたせ、達成度をみて指導改善につなげるために実施
・出題は高1レベルを想定。希望制で、在学中に複数回受けられる仕組みを検討
・高校の卒業資格にはしないが、AO、推薦入試で大学が出願者の学力を把握する資料に活用

日本でもひところ一部の小学校の運動会では皆で手をつないで同時にゴールインということがおこなわれていると話題になりましたが(「競」と言う文字すらNGでこういうのを「徒走」と言うのだそうです)、進歩的な学校になるとペーパーテストも子供が正解を書くまでつきっきりで何度でも書き直させて全員に100点の答案を返すという大変熱意ある指導まで行われているそうですね。
入学希望者は全入させるというのであれば点数無しだろうが何だろうがご自由にというものですが、選抜試験を行うと言うにも関わらず客観指標である点数を無視して主観指標だけでやりなさいというのも奇妙な話だと思うし、それ以上に懸念されるのがこうした主観指標での入試を行い入学後はどうするのかということです。
近年の大量養成政策で学力低下が著しい一部歯学部などでは大学の正規カリキュラムとして「分数の計算」だの「一次方程式」だのが取り入れられていると話題になっていましたが、当然そうした学生たちも点数を問わずに進級させるというわけにもいかず、むしろ入試がどんどん選抜機能を失いつつあることに反して進級チェックはさらに厳しくすべきではないかという話すら出ているようなのですね。

大学の卒業認定厳格化へ 留年増でも補助金減額せず(2013年10月30日47ニュース)

 政府の教育再生実行会議は29日、留年する学生が増えて定員を超過した場合、大学への補助金などが減額される現在の制度を緩和するよう提言する方針を固めた。成績の悪い学生でも留年させにくいという現状を改め、大学の卒業認定を厳しくするよう促して「出口管理」を強めるのが狙い。

 「入学しにくく、卒業しやすい」と指摘される日本の大学の在り方を見直し、知識偏重の入試を変えると同時に、大学生の学習量を増加させることを目指す。

まあ入試改革も結構なんですが、入試では学力を問わないのに入学後はどんどん学力でふるい落とせというのは何とも首尾一貫しない話ですし、これでは留年が大量に出てまた学費詐欺だとか、奨学金が返せないだとかいう問題になることが目に見えているのではないでしょうか。
教育再生実行会議のメンバーを見ますと有名大学の関係者も少なからず含まれているようなのですが、こうした制度が彼らの大学にとって理想的な入試のやり方だというのであれば、いずれこれら有名大学も学生の質の低下に悩まされることになるのではないかと思います。
別にそれはそれで構わない、むしろ毎年大量に学生をとり入学金や授業料をかき集め、どんどん振るい落としてまた新しい学生を大量に入学させた方が経営的に効率ががいいという発想なのかもしれませんが、新たな入試制度ではそんな低質な学生ばかりを多数入学させた大学側の「人を見る目」が問われることになると理解しているのでしょうか?

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2013年11月 4日 (月)

今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗 ふるいち 仲店」

海に出てサメに遭遇したと言えばこれは大変怖いとしかいいようがありませんが、先日こんなびっくりする事件があったようです。

元ボクサー、サメをKO(2013年10月25日exciteニュース)

[米ハワイ州リフエ 22日 AP] 元ボクサーのサーファーが海でサメに襲われたが、得意のパンチで撃退した。

ジェフ・ホートンさん(25)は20日朝、ハワイ・カウアイ島のキラウェア沖で10人ほどの仲間とサーフィンをしていたとき、近くの海面で背びれが目撃された。
20分後、ホートンさんがサーフボードに乗り、脚をブラブラさせながら水中につけていたとき、左手の海中から黒い影が接近してくるのが見えた。最初はアカエイだと思ったという。
ホートンさんが左脚を海から上げると、サメがガブリとボードに噛みついた。
その衝撃で、ホートンさんは海中に投げ出されたが、回り込んでサメの背後から背びれを掴んだ。サメの背中に乗り、片手で背びれを掴んだホートンさんは、もう片方の拳でサメに8発ほどパンチを浴びせた。
「最期に、良いパンチがサメの目に入りました。素晴らしいクリーンヒットだったと思います」
拳が眼の中にめり込むと、サメはたまらず噛みついていたボードを放し、逃げ出した。
ホートンさんはボードに乗り、他のサーファーとともにパドリングしながら海岸に向かった。サメはしばらく後をつけてきたが、攻撃してくることはなかったという。

ボードには半円型にサメの噛み跡が残り、もうサーフィンには使えない。「壁に立てかけて飾ることにします」とホートンさん。
ホートンさんは翌21日もまた別のビーチに行き、サーフィンを楽しんだそうだ。

まあボクサーならこういうこともある…ってないない、普通のボクサーはサメの目に良いパンチを入れようなんて考えるとは思えませんが、ともかくも大きな怪我もなく済んでなによりでした。
今日は思いがけぬ逆襲にびっくりしただろうサメに正しい教訓を伝える意味で、世界中から怒らせると怖い人達のマジギレニュースを紹介してみましょう。

【衝撃格闘動画】空手の試合中に審判が突如ブチ切れ → 華麗な技で両選手をKO → その後も怒り収まらず大暴れ(2013年10月19日ロケットニュース24)

男と男が拳を交えて戦うリングにおいて、第三の選手となるのがレフェリーこと審判である。両選手の安全を確かめつつ、どちらが強いのかを、しかとその目で見届ける。悔いのないように思う存分やれ。ただしルールは守るんだぞ……と。
そんな審判の言うことを素直に聞かなかったらどうなるのか? その答えは、今回ご紹介する「空手の試合中に審判がブチ切れ」的な動画を見れば一目瞭然である。

・突如ブチ切れ始めた審判

まずは普通に試合開始。防具をつけた2人の空手家は、ボコボコと激しく打ち合っている。――と、その際中に審判は突如「まて」をかけた。が、しかし! エキサイトした白道着の空手家は、青道着につっかかる。と、その時!
審判「まて。まて。まてったら。ま……ちょ、まてよ……! まてよ! まて。ま……まてっつってんだろうがコラーーーーーーッ!!」
とばかりに、まずは白道着に正拳一発!! たまらずダウンする白道着! そして、勢い余って青道着に対しては綺麗すぎる横蹴り一閃!! たまらずダウンする青道着!! ここで副審たちも集まってきた!!

・怒りが収まらない熱血審判

「まあまあ」「おちついて!」と止めにかかる副審たち。だがしかし! 勢いが止まらない審判は、白道着に「てめこらっ! てめっ! ナニコラッ!」とばかりに追い打ちのワンパン。
しかし最後は副審たちに羽交い絞めにされつつ、「はなせっ! 止めんじゃねえっ! 止めるなぁーッ!! 俺はこいつを許せねえーッ!」とばかりに、魂の叫びをあげながら心を落ち着かせたのであった。
気になるのは、なぜここまでカメラマンたちが競技場に集まっているのかという点である。マイクを持った人まで選手のすぐ近くにいるのだ。何かの撮影だろうか? いずれにしても、審判には逆らわないほうがよいだろう。

その詳細は是非ともリンク先の動画を参照いただきたいと思いますけれども、しかしやはり審判の権威をないがしろにしてはいけないということですかね。
一般的にそうした行為に及ぶことが社会的にも許されていない方々の場合、時に大きなストレスを発散する必要があるのかなとも感じさせられるのがこちらのニュースです。

ミッキーとミニーが路上で喧嘩!警察が出動する動画が話題に(2013年10月17日秒刊SUNDAY)

海外の話題ではありますが、ミッキーとミニーが通行人と喧嘩をして騒動を起こしているという動画がネットで話題となっている。撮影場所はスペインのマドリードで太陽の門の前である。つまり某夢の国とは全く関係ないミッキーとミニーのコスプレをしていた男女が客とトラブルになり喧嘩に発展したものと思われる。3人は即座に警察に通報され職務質問等を行っていた。

http://youtu.be/BdhVPQVl71Y

喧嘩をしていたミッキーとミニーは途中から首が取れ、いわゆる中の人が登場してしまうというハプニングに。しかしそんなことはお構いなしと、とにかく通行人の客と取っ組み合いの喧嘩となる。被害にあっているのは赤いダウンジャケットを着たオトコだが、いったいなぜ喧嘩になったのかはわからない。

―警察が出動へ

騒ぎを聞きつけた警察官が出動し、職務質問等をうけるなどして騒動は収まったが、某夢の国のキャラクターとこちらのコスプレをしている男女の格好は子供たちからしてみれば「同じ」である。つまり子供からしてみれば本当にミッキーとミニーが喧嘩して警察に怒られてしまったというショッキングな事実を見せつけられたことになり非常に残念なはずだ。
大人であればおおよそ察することはできるが。

―いったい何が起きたのか

さて彼らにいったい何が起きたというのだろうか。ミッキーとミニーはおそらくパフォーマンスなどを行うパートナーであり、この広場で演技を行っていたのだと思われる。
最も可能性として高いのは、彼らにイチャモンをつけた赤いダウンの男性と口論になり取っ組み合いの喧嘩に発展したのではないかと推測される。
とはいえ、本当にミッキーとミニーをコピーするのであれば「温厚な性格」もしっかり真似してほしいですね。

世の中相手が反撃できないと思うとつけあがるタイプの人間はいますけれども、いずれにしても子供には見せられない光景になってしまいましたね。
夫婦喧嘩は犬も食わぬなどと申しますが、こちら夫婦喧嘩の果てに思いがけないものを喰ってしまったというびっくりニュースです。

妻と大げんかで箸を飲み込む、数日後に約1時間かけて何とか摘出成功。(2013年10月7日ナリナリドットコム)

事の大小は人それぞれだろうが、興奮して我を失い、普段なら絶対にしないような行動に出てしまった経験は誰しも一度や二度はあるかもしれない。先日、中国のある男性の場合は、妻とケンカしたことから興奮のあまり箸を飲み込んでしまったそうだ。

江蘇省鎮江市句容市で暮らす張さんは普段から興奮しやすい性格。9月下旬のある日、食事中に張さんは妻と大げんかしたのだが、怒りが抑えられなくなった張さんはあろうことかステンレス製の箸を手に取りグイッとひと飲み。しかし、翌日にはノドの調子が悪くなり、医者にかかることになってしまった。

診察の結果、箸はまだ胃にたどり着いておらず、医師は「もしかしたらつまみ出せるかもしれない」と判断。ただ、箸の一部は縦隔(左右の肺に挟まれた部分)に侵入しており、縦隔下部の横隔膜には命の危険に関わる重要な血管もあることから手術のリスクは高く、ひとまず大きな病院に転院することになったそうだ。

転院した江蘇省人民病院では、胸心外科と耳鼻咽喉科専門家が診察。喉頭鏡で検査したところ、“異物”はすでに見えなくなっており、腫れた粘膜と白い膜に覆われた表面だけが見えるのみだった。この時点で張さんが箸を飲み込んでから数日経っており、箸は徐々に下降するとともに、その過程で炎症や水腫が発生した関係で見えなくなってしまったようだ。

極めて緊急を要する事態になっていたが、開胸術を行えば回復時間は長くなり、その分、張さんへの経済的負担も大きくなる。また、箸は大動脈弓から少し距離があり、ノドから箸の末端部分を確認できる可能性も残されていたことから、医師はまず喉頭鏡を用いた摘出手術を行うことを決心。約1時間かけて何とか箸を取り出すことに成功したという。

なお、中国では2010年、「50歳の男性が飲み込んだ箸が28年ぶりに摘出された」という出来事が話題になった。この一件でも「男性は興奮のあまり箸を飲み込んだ」と報じられている。

いやしかし事の次第はよく判りませんけれども、目の前の人間がいきなり箸を飲み込み始めたらそれは恐怖を感じずにはいられませんよねえ…
こちらはまだ夫婦関係には至らないという段階での事件ですけれども、やはり怒らせるべきではない相手を怒らせるとどうなるかという怖さを感じさせるニュースです。

【海外:南アフリカ】女の情念!彼氏が他の女と寝ていた現場を押さえた彼女が、アレを切り取る!(2013年10月13日日刊テラフォー)

南アフリカ・ヨハネスブルグで、自分のボーイフレンドが他の女性と寝ていた現場を目の当たりにした女が、ボーイフレンドのアソコを切り取ったとして罪に問われている。

法廷で読み上げられた起訴状によると、女は2人に裸になるよう命じ、その後、ボーイフレンドにナイフを使ってアソコを切り取り、暴行を加えた。
「女は、ナイフを持ち出して、ボーイフレンドのペニスを切り取ったようです。」
と、巡査が法廷で証言した。

その女は21歳で、犯行を行った同日に逮捕されたという。
この恐ろしい女の保釈金を支払おうとする人物は誰もおらず、彼女はこのまま10月23日まで拘留される。

日刊テラフォーでは、過去にも男のアソコを切り取った世界の阿部定たちを紹介したことがあるが、男性のアソコは、女の情念を前にしたら、いとも簡単に切れてしまうもののようだ。男性はこのことを肝に銘じて、浮気をする時は、命懸けでやったほうがよさそうだ。

今回被害に遭った男性のアソコがその後どうなったのかは不明だが、彼はもう2度と浮気はしないと誓ったに違いない。もしかしたら、浮気したくても出来ない体になってしまったのかもしれないが…。そうだとしたら、お気の毒だ。

むしろ平和的な関係を再構築出来たのか、あるいは別な世界に目覚めたりもしたのかは記事からははっきりしませんけれども、とにかくリスクある行動を取るにあたってはよくよく相手を見るべし!ですね。
ブリから二題続けて紹介してみたいと思いますけれども、一体何がどうなったのかと驚くしかないびっくりニュースがこちらです。

結婚式直前に男が乱入、新郎の睾丸をハサミで切り裂いて大暴れ。ロンドン東部(2013年10月24日ニュースコム)

カップルの晴れ舞台である結婚式で惨劇が起こりました。

事件が起きたのはロンドン東部にあるオールセインツ教会です。
先週末、まもなく行われる予定の結婚式に人々は集まり、最後の準備をしていました。

そこにハサミを持った男が突然乱入したのです。
男は新郎に襲い掛かり、ハサミで睾丸を切り裂きました。
警察が駆けつけたとき、血まみれになった男は椅子を投げつけながら大暴れしていたとの事です。

目撃者の証言によると、
「床には肉片が落ちていた。腕の一部かと思ってよく見たら睾丸だった。」との事です。

騒ぎにも関わらず、結婚式はそのまま続行されました。
新郎は病院に搬送されたため、新婦だけの奇妙な結婚式になったとの事です。

結婚式という晴れのイベントで起きた事件に対し、教会は大きな衝撃を受けています。

それは協会ならずとも真っ当な社会であれば大きな衝撃も受けるでしょうけれども、凶行の現場がブリであったということだけは不幸中の幸いと前向きに捉えるべきでしょうか、式自体はつつがなく終了したことは何よりでした。
最後に取り上げますのも同じくブリからの話題ですが、やはりこうしたことはブリではよくあることで済んでしまうという理解でよろしいのでしょうかね。

隣人の男性器を「サンドイッチを頬張るように」食いちぎった男に実刑判決。(2013年10月13日ミラー)

Xboxの音量をめぐるトラブルで、隣人のペニスを食いちぎった男(ジェイソン・マーティン受刑者、41歳)が投獄されました。

男は隣人と騒音をめぐって喧嘩になり、
おもむろにパジャマ越しに「サンドイッチを頬張るように」股間に噛み付いたのです。
すぐに駆けつけた警察による緊急逮捕されましたが、口の周りは血でベットリと汚れていたとのことです。

被害者の男性は外科病院に救急搬送されて縫合手術を受けましたが、
後に「今まで生きてきて最も耐え難い痛みだった。」と証言しています。

カンタベリー裁判所でマーティン被告はこう証言しています。
「私が噛んだのはネズミであり、被害者の股間を噛んだ覚えは無い。」

これに対し裁判官は、
「被告は怒りに任せ、被害者に対して多大な痛みを与えようと思った事は疑う余地はありません。
 被害者を押さえつけて股間を掴み、辱めるために恐ろしい行為を行ったのです。」

マーティン被告には傷害罪で懲役7年、執行猶予1年の実刑判決が下されました。。

騒音問題でトラブルから事件に発展することがままあるとしても、被告が何故サンドイッチを頬張るようにアレにナニしたのかはまさにブリだからと言うしかないことでしょうかね。
それにしても注目すべきはこれだけの凶行に及びながら執行猶予が付いているということなんですが、やはりブリにおいてはこの程度のことはさほどに大騒ぎする問題ではないということなのでしょうか。

今日のぐり:「ぶっかけ亭本舗 ふるいち 仲店」

ぶっかけうどんの元祖とも言われる倉敷スタイルぶっかけうどんの老舗「ふるいち」の本店と言えば倉敷駅前の角地で饅頭等を焼いているあのお店に当たるそうですが、一般的にふるいち本店でうどんを食べたと言えばそれに隣接するこちらのお店ということになるのでしょうか。
ちなみにこの界隈には商店街の突き当たりにふるいちのお好み焼き屋なんてものもあって紛らわしいのですが、いずれにせよこの倉敷スタイルぶっかけうどんの普及を語る上でふるいちの存在を避けて通るわけにはいかない一方、そもそもの元祖たるふるいちのぶっかけは今日的視点に立ってもうまいのかという永遠の命題?も存在しますよね。
ふるいち系列支店にはあちらこちらと何度かお邪魔したことがあるのですが、このたび本家本元とも言えるこちら仲店にひさしぶりにお邪魔してみました。

当然ながら注文は冷たいぶっかけ一択なんですが、しかし食事時であるせいもあってかまずまずの客入りが続いているらしいとは言え、昨今セルフのチェーン店がこれだけ進出してくるとかつてのような割安感はなくなってしまいましたね。
今回ひさしぶりにお邪魔してみて個人的にあまり意味があるとは思えないうずら卵トッピングのネタ元はこちらだったのかと改めて思い知らされたのですが、丼のふちに練りワサビをトッピングするのは丼物の蓋に漬物を乗せるのと同じで洗い物の一手間を省く生活の知恵と言うべき工夫でしょうか。
肝腎の味ですが見た目はちゃんとした色艶のまともなうどんですし、量販店のかき入れ時にありがちな表面の肌荒れもなく舌触りも滑らかなうどんで、コシよりも硬さが先立つこともあってやや飲み込むのに苦労するきらいはあるんですが、チェーン店のうどんとして考えると決して悪くはないと思います。
甘辛のつゆはさすがに最近の個人的スタンダードである「あまからさん」ほどではないですが十分に濃いめでこの食感のあるうどんに負けていないのもいいんですが、ただ室温の関係かうどんよりもつゆの温度が高めに感じたのは少し違和感あるかなと感じるところで、やはりこうした冷たいものはつゆも冷やした方がうまいんだろうなとは思います。
このうどんつゆにはそのままでも少しワサビを溶いてもいいんですが、さすがに添付のわさび全量はきついというものでちょいちょいと味を見ながら溶いていきますと良い具合に味にも変化がついてきますね。
しかしこういううずら玉子を乗せたスタイルのものを見るといつも思うのですが、卵の味を効かせたいなら鶏卵でも使わないことにはほとんど存在感が感じられない気がするのですが、やはりこれは地味になりがちなぶっかけうどんの見た目の豪華さを引き上げるのが主目的なんですかね?
その見た目に大きく影響するトッピングはネギに天かす、刻み海苔とベーシックで、特にわさびとうずら玉子、そして刻み海苔は確かに視覚的な影響力は大きそうだと実感します。

別な機会にお邪魔したことのある支店のうどんはここまで硬くなかった気もするのですが、単に店舗間での格差なのか日による誤差なのかは判りませんけれども、今日の茹で方からすると暖かいメニューの方に合っていそうに思われたのは少し意外でしたね。
接遇はこちらふるいち系列の中でも唯一のセルフ形式ではなく一般店スタイルの店舗だと言うことですが、基本的にはあまり接触がなく人数も最小限と言う感じでやや投げやり感はあるんですが、少なくとも効率は保たれているのでストレスはさほど感じません。
全体的に決して悪くはないうどんだと思いますしぶっかけとしてもちゃんとバランスが取れているのはさすがですが、昨今チェーン店でもぶっかけが一般化してきてこの種のベーシックメニューは一般店でも低価格化が進んできたことを考えると、ブランド力込みでも基本セルフのチェーンとしては価格競争力という点ではやや微妙なところではあるのでしょうか。

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2013年11月 3日 (日)

今日のぐり:「大山食堂」

先日はハロウィンだったわけですが、昨今自衛隊でもハロウィンを祝うのか?と話題になったつぶやきがあるようです。

自衛隊が公開した「ハロウィン仮装」が一般とはちょっと違う件(2013年10月31日おたくま経済新聞)

自衛隊宮城地方協力本部の公式Twitterアカウントが自衛隊式「ハロウィン仮装」の写真を公開し注目を集めています。ツイートは10月31日12時に投稿され、あっという間にひろまり17時記事執筆時点で2500RTを記録。

写真には次のコメントも一緒に紹介されています。

A「これが本当のハロウィン仮装というヤツだ。」
B「先輩…それ偽装ッス!ってか何処ッスか先輩!?」

どうやらこの写真のものは“仮装”ではなく“偽装”、つまり敵をあざむくためにおこなうカムフラージュのようです。自衛隊をはじめ各軍ではこうした野外戦の際、敵に発見されにくいよう、草などを身につけ、顔を緑や茶色などで塗りつぶし、周囲にとけこむ工夫を行います。恐らくこの写真はその訓練中のもののようです。

ちなみにこの写真には6人の方が隠れているそうですよ。これをお読みの読者の方は何人みつけることができましたか?

詳細はリンク先を参照いただくとしてまあなんと言うのでしょうか、自衛隊も心身ともにいろいろと大変な毎日なのでしょうねえ…
本日はちょっと壊れ気味な気がして心配な自衛官の方々の心を解きほぐす意味も込めて、全世界からハロウィンにまつわるニュースを取り上げてみましょう。

サンディエゴの野球部がハロウィンコスプレで試合 愛すべきバカ達に世界中が爆笑 (2013年10月31日Aol)

米サンディエゴ州立大学の野球部が、毎年行っている「ハロウィンコスプレ野球大会」を今年も開催。その様子を映した動画がおもしろすぎるとネット上で話題になっていたのでさっそく見てみた。

毎年ハロウィンには、思い思いの仮装で地元トニー・グウィン・スタジアムに集合し、野球の試合をしているというサンディエゴ大野球部。今年の部員たちの仮装を一部ではあるがご紹介すると、おしゃぶりをくわえた赤ちゃん、スマホアプリのアイコン、鳥?、ジャマイカのボブスレーチーム、毛むくじゃらの何か、などなど・・・。仮装に対する気合いの入りっぷり、発想力の豊かさにとにかく脱帽である。

サンディエゴのオフィシャルスポーツサイト「San Diego State Athletics」がYouTubeにアップするやたちまち40万PVを超えてしまったこのハイパワー動画。ぜひその世界を堪能しつつ、ハロウィン気分を盛り上げていただきたい。

こちらがその動画。
ヘンテコな恰好してても打つ時は打つ!

SDSU BASEBALL: ANNUAL HALLOWEEN CONTEST - 10/27/13

ごてごてした仮装のせいで切れのよい動き、俊敏な走りなどはほぼ見られないが、のんびり野球を楽しんでいる感じが伝わってきて非常に好感度大である。

やはり本場は違うということなのでしょうか、日本でも大学の部活のイベントなどで歴史と伝統を誇るものは数ありますけれども、民族性の差なのかこうして表だって披露でき称讚を受けられるような類のものは案外少ないですからねえ…
日本においてもハロウィンというイベントが次第に認知され始めているようですが、歴史の浅さゆえかいささかその理解に問題があるのではないかとも思えるのがこちらのニュースです。

これが本当の「ガンプラ」か・・・弟のガンダムを天ぷらにした女性に物議(2013年10月31日秒刊SUNDAY)

本気かジョークか判らぬがハロウィンということで弟が大切にしていたガンダムを天ぷらにしたという女性に物議だ。そもそもハロウィンは人を驚かすイベントではなく、本来驚かすイベントは「エイプリルフール」では無いのかという疑問があるが、問題はそこでは無い。サクッと揚がっているプラモデルは「ガンダム」ではなく「ザク」ではないのかということだ。従ってザクザクに揚がっているなどの冗談が飛び交っている。

こちらが話題になっている「ガンプラ」である。正しくガンダムシリーズの天ぷらという事で「ガンプラ」がふさわしいという事で、天ぷらなだけに「うまい」との声も。しかし弟が大切にしていたものという事で「ハロウィン」とはいえこれは酷い行為だと批判も少なからずある。

しかしそれ以上に、これは根本的に「ガンダム」ではなく「ザクだ」との声も。ザクなだけに「ザクザク」ということだ。はたしてこのガンプラは本当に投稿者が揚げたものなのだろうか。
(略)
―ネットの反応

ネットではこの「ガンプラ」に「ガンダムじゃない」などの声が寄せられている。

    ・それはガンダムじゃなくてザクだ。
    ・ええええええ
    ・これぞガンプラ
    ・ひどい
    ・ザックり揚がったガンぷら
    ・ザクじゃんwww
    ・れが本当の「ガンぷら」
    ・ザクッ揚げたね♪
    ・おしい…それザクや
    ・ザクフリッター
    ・サクサクに揚がってる

何故かおいしそうに見えるのは気のせいだろうか。

事件の真相はリンク先を参照いただくとして、巨大ロボットものの本家本元を自任するわが国としては、この仕事ぶりはいささかいただけませんね。
イベントといえば何かとこだわりまくった準備をせずにはいられない人がいるようですけれども、これはさすがにやり過ぎかと思うデコレーションが話題になっています。

これが手作りだなんて…通行人がみんな立ち止まっていくハロウィンのデコレーション(2013年10月26日らばQ)

ハロウィンの本場ではコスプレ衣装だけでなく、家のデコレーションも見どころです。
伝統のパンプキン彫刻から、エンターテインメント・レベルの大がかりな装飾まで個性の出しどころです。
毎年手作りしているという、アメリカ・オレゴン州のデコレーションが凄まじいことになっていると話題を呼んでいました。
(略)
オハイオ州のこの地域では、すっかり評判の家となっており、通行人も立ち止まっては見ていくそうで、家の前が渋滞することもあると言います。
海外掲示板のコメントをご紹介します。

●「バリケード」”Barricade”と言うんだよ、そのポリス・トランスフォーマーの名前は。
●これはハロウィンだけではなく、一年中飾っておくべきだ。
●これぞファン・サイズと呼ぶ。
●別の写真も見たよ、同じ通りの人が写真を紹介してるようだ。
●いったいこれは終わったらどこに片づけているんだろう。
●↑きっと片づけないんだよ、ハロウィンが終われば車に変身するんだ。
●自分もそういうのを置いておける場所があったらいいと思うよ。
●すごい。これは夜は照明も灯るの?
●↑その家に延長コードとライトを2セット、喜んで買いたいよ。
●↑夜は光るライトがあるよ。
●その家の男性は毎年これをやっているが、人気がすたれる気配が全くない。

ハロウィンのためだけに毎年これをやっているそうですが、組み立ても片づけも相当大がかりですよね。
子供から大人まで楽しめる、夢のあるデコレーションではないでしょうか。

なにこれすごい!としか言いようのないその様子はリンク先を参照いただくとして、質量ともにすさまじすぎるとしか言いようがありませんが、こういうものこそ日本人が頑張るべき領域でしょうにね。
ハロウィンというとお化けとの連想からかいささかアレなものをこしらえてしまう人も多いようですが、これはさすがにどうよと思われる事件があったようです。

精肉風“人の手足”に非難殺到、ハロウィン用もリアル過ぎて販売中止。(2013年10月29日ナリナリドットコム)

10月31日はハロウィン。日本でもお菓子やグッズなどが街を彩っているが、ノルウェーでは先日、あるスーパーがハロウィン用に作った商品を売り出したところ、あまりのインパクトに苦情が殺到し、発売中止に追い込まれる事態が起きたという。その商品とは、飾りとして楽しんでもらおうとスーパー側が作った、精肉風“人間の手足”の飾り物だ。

ノルウェー紙ザ・フォーリナーやノルウェー放送局NRKなどによると、問題の商品を作ったのはノルウェー大手スーパーチェーン、ユーロプリースのセーランドスパーケン店。ノルウェーでは1990年代後半から、ハロウィンを楽しむ習慣が一部地域で広がり始めたとされ、南部に位置するセーランドスパーケン店ではここ数年でハロウィン関連商品の売り上げが急激に増えて来たという。また、「眼球に似せた赤いゼリー」「血に染まったようなテーブルクロス」といった商品が並ぶなど、ノルウェーではホラー的な要素も取り入れて楽しむ市民も少なくないそうだ。

そこで、ユーロプリース・セーランドスパーケン店がオリジナルで作ったのが、“切断された人間の手足を白い精肉トレーにのせてパック”――という、まるで肉売り場で人間の手足が売られているような演出の飾り物だ。それは形だけでなく、飛び散ったように付着させた血も相まって、かなり見た目が生々しい仕上がりになっており、強烈なインパクトを放つ商品の存在に気付いたNRKが、間もなくこれを紹介する報道を行った。

すると、ノルウェー国内で大きな話題となり、店やNRKに市民からの意見が殺到。中には「素晴らしい」と購入を希望する人もいたとされるが、大半が「純粋に楽しめるものではない」「子どもたちに見せられない」と店を批判・非難する内容で、「そんな物を売る店はボイコットしよう」と過激な主張をするほど、怒りを見せる人たちもいたという。

NRKの取材に対し、セーランドスパーケン店の男性店長は「楽しんでもらおうと思っただけ」と釈明。数年来の販売実績から、店なりに売れそうな物を考えてみた結果、リアルに作り過ぎて想定外の大きな反発を招いてしまったようだ。NRKの報道翌日には、ユーロプリース側が「私たちの顧客を刺激しないというのが、店のはっきりとした意向」として発売中止を発表し、騒動は幕を閉じた。

一応リンク先の画像は閲覧注意ということにしていただきたいですが、それにしても完成度が完成度だけにこれは何とも処理に困る代物ですよね。
最後に取り上げますのもやはりやり過ぎちゃった系の事件ですが、何故こいつらはこういう斜め上方向に逃走してしまうのでしょうね ?

アメリカで起こった「ハロウィン装飾やりすぎちゃった」事件(2013年10月30日おたくま経済新聞)

10月31日に迫った「ハロウィン」。海外では参加する家々が工夫をこらして家を装飾することがよく知られています。そんな「ハロウィン」装飾を発端にしたある事件が、先日アメリカで発生しました。問題となったのは写真の装飾。精巧に作られた遺体のお人形です。

製作者がこの人形を自宅のガレージに設置し「凄惨な犯罪現場風」に飾り付けたところ、そのあまりのリアルさにご近所さんはビックリ!本当に事件があったものと勘違いをして、警察に通報し大騒ぎとなったそうです。

警察がかけつけたところ、その遺体はハロウィン装飾と即判明。そして設置したのは私有地と法は何も犯していないということで、製作者はもちろん無罪。

近所の子供達を驚かせるための装飾だったようですが、それ以前に近所の人を一番驚かせてしまったみたいですね。

でもこの製作者、今回の一件で反省したかと思いきや……。自分の装飾に逆に自信を持ったそうで、あとから“トラックに頭を潰された遺体人形”を追加したそうです……。

Halloween Gruesome Crime Scene 2 Dead Bodies in Driveway Police Called Prank

これまたリンク先は閲覧注意ということにしたいと思いますが、いったい何が彼らをここまでさせるのでしょうね ?
とにもかくにもハロウィンという行事の重要性が思いがけないところで証明されたという、これは衝撃的な事件であったと思います。

今日のぐり:「大山食堂」

食堂なのに焼き肉専門店というべきなのか、焼肉専門店なのに食堂というべきなのか微妙なのがこちらのお店ですが、確かに見た目は町の焼肉屋風ですよね。
ごく小さく家庭的な雰囲気のする店なのですが、何でも知る人ぞ知る穴場的なお店らしいということで、今回初めてお邪魔させていただきました。
ちなみにその日仕入れた肉から適当に見つくろってくれるというおまかせもあるそうですが、今回は例によって同行者とシェアしながら適当に頼んで見ました。
ちなみに肉の味付けは普通と甘口があるらしく、ツケだれは味噌ベースだが意外にスッキリ味でいいとして問題は特徴的だと言うもみダレの味ですよね。

塩タンは見た目はごく普通の塩タンで、塩がやや強いかなと思いますがまあ普通だとして、見た目も赤身主体の上ロースにしろかなりサシが多そうな上カルビにしろ脂よりも肉の味主体で割合好みなのですが、問題はこの特徴的な甘く濃い味のもみダレの味の方が肉の味よりもずっと強いということですね。
上ハラミもやはり同じもみだれの味の強さが気になるんですが赤身主体の肉の味が楽しめると言う点ではこれが本日一番の味でしたが、珍しいところで並肉と言うのがあってこれが頭肉(つらみ)なんだそうですが、かなり筋っぽい硬さだながら味はそれなりに悪くないもので薄切りにすればいいのにと言う気もしました。
一方でメニューを見ますとむしろ充実しているのがホルモンの方で一部つまんでみたのですが、上ホルモンが腸ではなく胃メインというのは珍しいなと思いますがこれも臭みはないものの味自体は普通と言ったところでしょうか、ちなみに内臓嫌いや好き嫌いの強い人でなければホルモン盛り合わせにすると様々な解剖学的知識を復習できるのでいいかなと思いますね。
数少ないサイドメニューとしてはオリジナルサラダはごま油の効いたドレッシングも特に珍しいというほどでもなく何の変哲もない野菜サラダですし、キムチ盛り合わせもちゃんと韓国式の味ではあるものの特記するような特徴はありませんでした。
全般的にはさっぱり風味のつけダレである程度は中和出来るとしてももみダレが全てに渡って支配的ですから、結局この濃厚なもみダレの味を受け付けるかどうかが全てという気がしますし、逆にタレの味で焼き肉屋を決めるタイプの人にとってこの味がツボにはまると高評価になりそうですね。

しかしこういう甘く濃厚な味はまさに韓国料理っぽいものでプルコギなどもあれば非常に受けそうなのに…と思っていましたら、何でもこちら先代は韓国系の方で代替わりしてから焼き肉専門に変わったらしく、肉以外はご飯とキムチ程度でサイドメニューの選択肢が乏しいのも含めていささかもったいないかなという気がします。
そういう経緯も考えて見るとこちら赤身主体の肉なのが特徴的ですが、高知の有名な土佐赤牛も高麗牛の血を引く系統だと言いますがやはり和牛と違って赤身主体で食べさせる肉で、こういう肉の選択になるのもそうしたDNAのなせる技なのか?と思うと民族的な好みの違いも感じられてなかなか興味深いですね。
内装は比較的最近手直ししているのか小綺麗にしているのですが、トイレなど設備面は時代を感じさせる弱さが見られる一方で、ガス火ながら直火にはならないようにしているグリルなどこだわるべきところにはこだわっている気配が見えるのは好印象でした。
接遇面では二代目らしいお兄ちゃん(失礼)はいろいろ肉の事も教えてくれますし、いかにも食堂のおかみさんという感じのおばちゃんはフレンドリーでサービス精神旺盛ですから、構えずにアットホームな雰囲気で気楽に肉をつつきたいという向きに合っているお店かなという気がしますね。

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2013年11月 2日 (土)

ネット時代に起こりえる事件

本日の本題に入る前に、馬鹿発見器騒動に類似した問題は日本国内に留まることのない全世界的な問題ですけれども、先日イギリスで「それはいくら何でもネットリテラシー欠如も過ぎるだろう」と思われるような事件が発生したと話題になっています。

14歳少女「Facebookのみんな、うちで誕生パーティやるから来てね!」→200人が押し寄せて暴徒化、家の被害総額470万円に(2013年10月30日らばQ)

フーリガンという言葉を生んだイギリスですが、こうした暴徒が現れるのはサッカー場だけではありません。
パーティに現れては集団でぶち壊しにする「パーティクラッシャー」が社会問題化しています。
14歳少女が誕生日パーティを開くためFacebookで自宅に招待したところ、200人が押し寄せて破壊の限りを尽くしていったそうです。

こちらがサラ・ハインさん(14歳)の自宅。
彼女がFacebookで誕生日の招待すると、何人もの友達から「危ないからやめるべき」、「すぐ招待を隠すべき」と助言を受けたのですが……。
みんな、いちいち我が家のパーティがどうなっちゃうとか言うのやめてくれる? 人生は一度きりなのよ」との返事。

そしてパーティの日がやってきました。
集まってきた200人もの若者たち。
その中には、パーティを嗅ぎつけては好き放題に暴れていく「パーティークラッシャー」も混じっていました。
彼女の母親(56歳)もその場にいましたが制御不能となり、警察が駆けつけたときには、被害額470万円という取り返しのつかない事態となっていたのです。
(略)
驚くことにイギリスではこの手の事件がたびたび起こっているとのこと。
パーティークラッシャーが恐ろしいのは、招待人数が小規模であってもフェイスブックやTwitterなどを通して発見すると、たちまちネット上に噂として広がり、何百人もがパーティーをぶち壊しになだれ込んでくることだそうです。
ターゲットにされた家はめちゃくちゃにされ、壊滅的な状況を招きます。
(略)
パーティクラッシャーたちは遠方のパーティにまで駆けつけてくるので、ネット上でのパーティ招待は、プライベートの範囲に留めておかないと危険とのこと。
日本でもたびたびTwitterやFacebookでの情報公開が炎上につながっていますが、特に若年層にはネットの危険性を学ぶ機会がより必要な段階にあるようです。

日本人的な感覚ではしょせんパーティーのいたずらだろう?なんて思ってしまいそうですけれども、そんな甘いものでは全く無い単なる暴徒の襲来であったということはリンク先の破壊的状況を見るだけでも十二分に理解出来ることですよね。
これまたブリではよくあること…らしいのが本当に困ったものですけれども、このパーティークラッシャーなる存在は元々は別にブリに限ったものでもなんでもなくて、招待されてもいない有名人のパーティーに潜り込んで大騒ぎするような手合いのことを言うのだそうで、特にアメリカあたりですとテロ対策との兼ね合いもあってしばしば大きな問題として扱われることがあるようです。
これだけ好き放題やらかすようになってきますといずれパーティクラッシャーをハメて楽しもうとするホストも出てくるんじゃないか、というジョークもあるようですが、ともかくも周囲の人間から警告されていたにも関わらず突っ走った本人の無謀こそが今回の騒動において一番の根本原因となったことは疑いようがなく、若年層からのネットリテラシー獲得のための教育がどれほど重要かという教訓になる話ですね。

さて話は変わって、昨年頃から一部漫画作品に関連して各地に脅迫状が届けられるという事件が相次いでいて、安全性確保を理由としてイベントが中止されたりと大きな社会的影響も出ていますけれども、先日再びこうした話があったようです。

ツタヤに脅迫、「黒子のバスケ」店頭撤去(2013年10月29日日刊スポーツ)

 TSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は29日、人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」に関連する全ての商品を店頭から撤去すると明らかにした。全国の約1450店舗が対象で、11月3日までに撤去する予定。

 同社広報担当によると、商品を撤去しなければ客の生命に危害を及ぼすという内容の脅迫状が15日に届き「客の安全を第一に考えた」としている。撤去するのは、レンタルや販売している漫画本やテレビアニメのDVDなどで、28日から作業を始めているという。

 「黒子のバスケ」をめぐっては、関連商品に毒を入れたとする脅迫文が大手コンビニチェーン本部や報道機関に送り付けられ、菓子などが店頭から撤去されている。(共同)

「黒子のバスケ」撤去の脅迫 なぜ割れた、書店の対応(2013年10月30日朝日新聞)

 【守真弓、上原佳久】人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」の撤去を求める脅迫状が複数の書店チェーンに届いた。顧客の安全のためと撤去を決めた書店がでる一方、販売を続ける書店も。なぜ対応が分かれたのか。

 週刊少年ジャンプ(集英社)に連載中の「黒子のバスケ」に関連しては、1年ほど前から脅迫が相次ぎ、出版社がイベントを中止するなどの影響が出ていた

 漫画を含めてすべての関連商品を撤去するのは、レンタル大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ。同社広報室によると、全商品の撤去を求める脅迫状が15日に届いた。11月3日までに撤去しなければ客の生命に危害を及ぼすという内容で、同時期に脅迫状が届いたセブン―イレブン・ジャパンが関連商品の菓子を撤去したことも考慮し、28日に全店舗からの撤去を決めたという。「お客様の安全を重視した」と同社は説明する。

 一方、同様の脅迫状が届いた紀伊国屋書店、三省堂書店など多くの大手書店チェーンは販売を継続する。

 「撤去する考えはない」というジュンク堂書店によると、これまでも特定の本について「著者に問題がある」などと撤去を求められたことはあるが、応じていないという。「本は表現作品であり、書店は読者に届けるために預かっている立場。軽々には撤去できない」。出版物は一般の商品とは異なるという認識だ。

 やはり脅迫状が来たが撤去はしない宮脇書店は、「表現、言論の自由に関わる問題だ」という。

 集英社広報部は「販売店の個別の判断についてはお答えする立場にない。一貫して警察への捜査協力を続けていく」としている。

これだけ大きな社会的影響を及ぼしたとなるとこれはすでに小さな罪で終わるものではなく、警察関係者には一刻も早く犯人を逮捕していただきたいものだと思いますけれども、手紙一つでこうした大きな反響が得られるということを知らしめたことは今後同種の事件が続発する可能性を高め、テロ対策上も大きな問題になってくるのではないかという懸念が各方面から言われています。
この辺りは考え方も大きく分かれるところで、いわゆる識者の中にも「可能性がゼロでなければ、対処すべき」「行き過ぎた対応かもしれないが、きっちりした対応はあらゆる可能性を摘むことになる」と肯定的に評価する方もいるのは理解出来るとして、ではどこまでゼロリスクを追及すればいいのかと言うことになってきますよね。
かつて過激派のハイジャックに屈して人の命は地球よりも重いと「超法規的措置」を取ったという歴史が日本にはありましたが、世界的に見ればテロリストの要求に屈してはならないという考え方の方がよほどに主導的で、場合によっては多少の犠牲もものともせずテロリスト殲滅を優先するという場合が多いのは周知の通りです。
今後こうした要求が更にエスカレートし例えば国会図書館の蔵書を全て焼却しろ、さもなければ…といった要求が出た場合にやはり「可能性がゼロではないから」と唯々諾々と要求に従うべきなのかと考えると、一民間企業の選択の問題だとか表現の自由に対する挑戦云々といった話以上に大きな問題をはらんでいる、これは思いがけず重要な示唆を与える事件になっているのかなと言う気がします。

もう少し日常レベルの話に落として考えると、先日郵便局にガソリンらしきものをまいて金銭を要求した男に職員が金はないと答えるとそのまま逃走したという割合にありがちな事件がありましたが、これなども放火された場合の人的物的損害のリスクを考えると余計な事をするべきではない、どうせ他人の金なんだから黙って出しておけば保険で補いがつくだろうにという考えも当然ありますよね。
実際にひと頃は特定の大手牛丼チェーン店にばかり強盗が押し入るという事件が多発して話題になっていて、この会社の場合深夜の少ないスタッフ数で対処するリスクとレジ内に置かれている現金の額などを総合的に比較検討した結果「黙って金を出した方が安上がり」だと判断したと言う説がありましたが、警察からは「同種事件がこれだけ多発しているのに防犯体制の改善が見られない」と注意されたと言います。
そう考えると今回のケースで各書店の対応が割れたのももちろん表現の自由云々といった主義主張の問題もさることながら、結局は企業としてリスクとメリットをどう評価するかという問題に尽きると言え、例えば顧客のために安全対策を優先したつもりがかえって客離れにつながったと言う事も起こりえるし、表現の自由を守ったつもりが顧客の安全をないがしろにした金儲け主義だと批判される余地もあるということですね。

ネット上では今回のことも割に平静に受け止めているようですけれども、逆にそれだからこそと言うべきか一連の事件は同一犯人なのか、犯人像はどのようなものかと言った推理が盛んであるようで、推理小説的に「事件で一番利益を被った人間を真っ先に疑うべき」などと言う声もあるようです。
そもそも論で言えば事件が起きること自体必ずしも悪いことなのかどうかで、例えば作者側は黙っていても宣伝になり売り上げが増すだとか、脅迫される側もライバル企業との姿勢の違いが明確化される、あるいは警察にとっても犯罪対処に関して新たな方法論が許容されるようになる可能性などそれぞれにメリットもないわけではないと言う点で、実は騒動自体必ずしも悪いことばかりでもないという考え方もありえるわけですね。
もちろん「だから犯人は作者の関係者による自作自演だ」などという極論に飛びつくのもどうかですが、考えて見ると一連の騒動はネット上で頻用されるタームであるところの炎上だとか自作自演、ステマと言った話と相似形で語られる部分も少なからずあって、ネット上でリアルタイムに経過が中継されている点も含めてまさしくネット時代らしい事件にはなっているのかなと言う気がします。

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2013年11月 1日 (金)

「医者が来ないから強制配置」は正しいか?

先日は2013年度の臨床研修マッチングの結果が公表されまして、かつてはほとんど拮抗していた市中病院と大学病院とのマッチ者数の格差が年々拡大し10%にまで開いたのも気になるところですが、それ以上に気になるのが病院間の定員充足率の差で、大学で言えば岩手医大、弘前大、福島県立医大など東北諸大学は軒並み20~30%と全国最低水準の低充足率に甘んじています。
そしてそれ以上に格差が拡大しているのが市中病院で、半数弱の施設で充足率100%を達成している一方で一人も研修医が来ないという施設が少なからずあるという点は以前より言われている「定員を全般的に削減し、地域性等を考慮して戦略的に再配置すべき」という論に一定の力を与えることになるかと思いますね。
研修医もさることながら医師自体の偏在もかねて解消が叫ばれているところですが、一部の若い頃にだけ辛うじて務まるようなハードな修行を課す有名研修病院はともかくとしても、一般論としては研修医にも人気があるような施設の方がその逆の施設よりも一般の常勤医にも評価を受けやすいだろうと推測します。
その意味でマッチングという行為を単に研修医獲得の場で終わらせず、院外からの客観的評価指標の一つとして捉えて業務改善に活用できれば自ずと評判も高まっていくんじゃないかと思うのですが、世間ではどうもそうした「まっとうな」手段に頼らずとにかく国家権力を用いてでも強制的に医師を不人気病院に送り込めばいいんだと主張する方々も多いようです。

医師の計画配置を8割支持、地域医療再生で- 日病が「制度の壁」調査(2013年10月29日CBニュース)

 日本病院会(日病)は29日、「地域医療再生を妨げる『制度の壁』に関するア ンケート」の調査結果を公表し、勤務医不足の解消策として、81%の病院が「医 師の計画配置」を支持していることが明らかになった。アンケートを取りまとめ た日病・地域医療委員会の塩谷泰一委員長は、「地方病院の努力は限界を迎え た。国がガバナンスを発揮すべき」と指摘した。【丸山紀一朗】

 日病では1月、会員である2375病院を対象に、地域医療の再生を阻害する「制 度の壁」についてアンケート調査を実施。339病院から回答を得た。

 勤務医不足の解消策について、「医師の計画配置」のほか、「医学部定員の増員」や「へき地勤務の義務化」などを求める声が多かった。塩谷委員長は、同委 員会が地方の病院長などからなる組織であることを説明した上で、「医師の計画 配置やへき地勤務の義務化をすべき、という委員会の考えをサポートする調査結果だ」と話した。

 また、塩谷委員長は、教師や警察官がへき地勤務を義務化されている例を挙 げ、「命を守る医療ではなぜできないのか」と指摘。国が地域医療にこれまで以 上に関与しなければ、医師不足を解消できないと訴えた。

 このほか調査では、5年前に比べて勤務医が増加したかどうかについても質問 し、約半数が「増加した」と回答する一方で、約7割が依然、「医師が不足」状 態であることが分かった。診療科別には、内科、麻酔科、整形外科の順に不足を 訴える声が多かった。また、医師確保について約9割が「困難と感じる」と回答 した。

いやそれは何らの努力も伴わず医師を抱え込むという結果だけを求める地方の病院長達にたずねれば「医師の計画 配置やへき地勤務の義務化をすべき」という考えに傾くのも当然ですけれども、一般論として公共の利害が絡む問題に直接の利害関係者が自分の都合のいいような制度改定を主張するのは世間的にはあまり好意的な目線では見られていないとは思いますね。
「教師や警察官がへき地勤務を義務化されている」というのも実際には公務員だからこそで、医師も国公立病院に勤務する者にはそうした義務付けを行うというならまだしも話は判りますし、あるいは開業という「逃散経路」を認める要件として僻地勤務歴を問うとかいった話なら日医以外からいささかの理解は得られるかも知れませんが、要するにこれは若い医師を人身御供として田舎に差し出せという要求でしょう。
ちょうどその日医も必死に関与を主張している新専門医制度がこうした医師強制配置計画の一環を担うことになるのではと言われていて、先頃の社会保障制度改革国民会議の場で「医師が自主的に強制配置をやらないなら国がやるしかないけどどうよ?」などと言う話が飛び出してくるというのも、日医が全医師に好き勝手な強権を振るおうとすることへのいわばお墨付きにもなりかねないですよね。
実際には有名な亀田の例を見るまでもなくド田舎僻地にあろうが全国的な人気を集めている病院は少なからずあるのであって、そうした人材招集の努力を果たさない施設がくれくれ君になっている以上働きやすい職場への現場改革の努力など全くもって期待薄なんですが、最近は腰の重い病院の代わりにということなのか危機感を抱いた自治体側から様々な試みも行われているようです。

産科医の地域偏在なくせ 医療機関や自治体が対策(2013年10月24日日本経済新聞)

 お産を支える産婦人科医の地域偏在に拍車がかかっている。東京や大阪など大都市部への集中が進み、産婦人科医不足の地域が増加。「激務」や「訴訟リスクが高い」などを理由に、産婦人科医を志す医師の卵たちは少なく、医師数の少ない地域の医療現場では悲鳴が上がる。「安心して地元でお産のできる環境を整えたい」。少子化の中、地域偏在の解消に向けた模索が続く。

 青森市の「青森県立中央病院」から徒歩5分。公務員住宅の1、2階部分を改装した宿泊施設「ファミリーハウスあおもり」がある。県内遠方に住む妊婦や家族らが市内の医療機関で出産する際、宿泊できるように、昨年、青森県が開設した。11部屋を整備、1部屋には新生児用の小型浴槽を備え、1泊2500円から利用できる。今年5月に次女を出産した青森県八戸市の主婦(27)は約20日間、宿泊。自宅から県立中央病院まで車で2時間はかかり、「とても通えない距離。ありがたかった」と振り返った。

 施設を開設したのは、青森県内の産科医、産科医療機関の絶対的な不足がある。「県の面積が広く、産科医や分娩が可能な施設が少ないため、少しでも安心して出産してもらいたいという狙いがある」(県の担当者)。

 日本産婦人科医会(東京)によると、県内の産婦人科医数は2012年時点で計94人。人口10万人当たりの人数は6.9人と全国平均(8.6人)を下回り、全国で2番目に少ない。現在の分娩施設数も、八戸市の2つの診療所が今年、分娩を休止するなど、1996年に比べ、18減少。県内30施設で年間約9300件のお産を支えている。

■「危機的な水準」

 その1つ、県立中央病院内の県総合周産期母子医療センター(青森市)は早産などを中心に年間約500件の分娩を行う。7人の産婦人科医のほとんどは全国平均を上回る月7、8回の当直をこなし、3日連続で院内に宿泊することも日常茶飯事だ。近隣で1施設でも分娩を中止すれば、多くは同センターが引き受けざるを得ない。「今でもギリギリなのに……」と佐藤秀平センター長は危機感を募らせる。地域周産期センター「八戸市立市民病院」でも今年の分娩数が2、3年前の2倍に当たる1200件を超える見通しだ。今井紀昭センター長は「全く余裕はない」と話す。

 産婦人科医数は増加傾向の一方で、都道府県別の医師数の格差が大きい。日本産婦人科医会によると、人口10万人当たりの産婦人科医数をみれば、全国平均を下回る道府県は06年の20から12年には23と増えており、地域偏在は顕著だ。「全国の多くの地域で、産婦人科医数は危機的な水準にある」と同会の医師たちは口をそろえる。

 地域偏在の背景には、新人医師の臨床研修先として都市部に人気が集中、どの地域で働くかは医師が自由に選択できるため、そのまま研修先に勤務するケースが増えている実情がある。それに加え、産婦人科を希望する新人医師数も2年連続で減少している状況だ。

■“誘致”の条例施行

 産科医不足に悩む地域では、医師確保策など様々な知恵を絞る。12年時点の産婦人科医数が80人と06年比で約7%減少した山梨県。昨年度から、県内で分娩を行う7病院が合同で統一研修プログラムを導入した。2年間の初期研修を終えた新人医師を対象に、高度医療などを学べる点をアピール、後期臨床研修医の受け入れ増を図る。例年、後期研修の希望者はせいぜい1人。それが昨年度は4人、今年度は2人と滑り出しは上々だ。山梨大医学部の平田修司教授は「将来、何とか地域の産科医療を支えてほしい」と訴える。

 静岡県富士市は、市内に産科施設を開設する医師らに対し、最大1億円を助成する全国初の“誘致”条例を施行。土地建物など2億~3億円の初期投資の負担を軽減する。今春、この条例で初めて2施設が開業。第1号となった富士レディースクリニックの中山真人院長(37)は「安心して出産できるように地域の役に立ちたい」と意気込む。

 医師数が恵まれるとされる大都市でも医師1人の負担は少なくない。

 東京女子医大母子総合医療センター(東京・新宿)では、帝王切開や高齢出産などリスクの高い妊婦のお産が全体の3分の2を占めている。産科の担当医師は13人で、当直は3人体制。帝王切開などになれば、医師を呼び出して対応せざるを得ない。育児などでフルタイムで働けない女性医師も少なくなく、同センターの牧野康男准教授は「一人ひとりの負担は大きい」と説明する。

 東京都は11年~13年度、短時間勤務の導入や当直体制の見直しを進める病院に助成金を支給、産科を含めた医師不足の解消を狙う。都の担当者は「厳しい勤務環境の改善につなげ、少しでも希望する医師を増やしたい」と話す。出産を取り巻く状況が厳しい中、行政や医療機関が連携し、いつでもどこでも、誰もが安心して出産できる環境整備が求められている。
(略)

記事中にも幾つか重要な試みが登場しているのですが、産科全般に言えることとして例の緊急帝王切開30分ルールなどという現場での実現性を無視したような無謀な「努力目標」がJBM的に取り上げられるようになっている時代にあって、従来のようにあちらに一人、こちらに二人と医師を分散配置するようなやり方は非効率どころか危険極まりないものであるということは容易に理解出来るかと思います。
一方で産科診療の受益者たる妊婦側には当然ながら家から近い場所で産みたいという欲求があるわけで、これに呼応して「我が町ではこのたび産科医を捕獲…もとい、招致することに成功しました!」式の行政側の住民サービス拡充方針が尾鷲のような悲劇?を招くことを思うと、やはり病院のみならず自治体にとっても「医師の負担を軽減するにはどうすべきか」という視点こそが望まれるはずですよね。
住民の求めるまま医師を僻地に強制配置するのではなく、少しでも無理なく勤務が続けられるよう集約化した医師の元へ住民のアクセスを容易になるよう整える、あるいは助成金といった形で病院側に勤務体系改善を促すといったやり方であれば医師と患者双方にとってメリットがあるでしょうし、何より強制配置などと違って医師のモチベーション向上にも寄与することが期待出来るでしょう。
自分達の都合のいいように制度改変を狙う偉い先生方は「俺達の若い頃はもっと厳しい仕事も平然とこなしてたんだ」「お前達若造が立派になるように敢えて厳しくしてやっているんだ」などと思っているかも知れませんが、21世紀にもなって未だにおしんをいびり倒す姑のようなやり口が通用すると本気で考えているのだとすれば、生まれてくる時代がいささか違ったのではないかとご同情申し上げるしかありませんね。

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