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2013年10月 9日 (水)

相次ぐ馬鹿発見器騒動当事者の逮捕にマスコミは

今夏以来世間的にも注目を集める機会が多いいわゆる「馬鹿発見器騒動」ですけれども、話題になった人々が相次いで逮捕されたという報道が出ていました。

「餃子の王将」で裸、客2人逮捕 店の業務妨害容疑 画像はネット公開(2013年10月7日産経新聞)

 「餃子の王将」金沢片町店(金沢市)で来店客がカウンターに裸で座るなどした問題で、金沢中署は7日、威力業務妨害と公然わいせつ容疑で、客だった風俗店経営榎本忠司容疑者(39)と、風俗店店長高田勇一容疑者(38)の2人を逮捕した。いずれも容疑を否認している。

 2人の逮捕容疑は他の数人と共謀し、昨年12月8日午前9時半ごろ、数人の客が飲食していた金沢片町店で、従業員が制止したにもかかわらず、全裸で写真撮影を行い、店内を混乱させるなど業務を妨害した疑い。

 「餃子の王将」を展開する王将フードサービスによると、撮影した画像がネット上に公開されていることを確認。9月に発表し、刑事告訴した。

しまむら店員に土下座させ携帯で撮影 強要容疑で43歳女逮捕(2013年10月7日スポニチ)

 札幌・東署は7日、札幌市の衣料品店で購入した商品が不良品だと訴えて従業員に土下座をさせた上、自宅に来て謝罪するよう約束させたとして、強要の疑いで札幌市の介護職員の女(43)を逮捕した。土下座する様子を携帯電話のカメラで撮影していたという。

 東署によると、土下座の画像は短文投稿サイト「ツイッター」に投稿され、インターネット上で話題になっていた

 逮捕容疑は9月3日午後6時ごろ、札幌市東区の衣料量販店「ファッションセンターしまむら苗穂店」で「購入したタオルケットに穴が開いていた。店に来るのに費やした交通費を返せ」などと訴え、パート従業員の女性(32)ら2人に土下座をさせ、自宅に来て謝罪をするとの念書を書かせた疑い。

 容疑者は調べに「強要はしていない」と容疑を否認しているという。

 苗穂店は不良品だったとして、容疑者にタオルケットの代金980円を返却したが、従業員は容疑者宅を訪れなかったという。土下座を強要された従業員が9月下旬、東署に被害届を出していた

「応報感情、沈静化の狙いも」 しまむら店内の土下座ツイッター逮捕(2013年10月7日産経新聞)

 「しまむら」の従業員に土下座を強要した疑いで43歳の女が逮捕された事件。『情報社会と刑法』などの著書がある甲南大学法科大学院教授、園田寿弁護士(60)は「ネットで事が大きくなり警察としても、立件せざるを得なかったのだろう」と分析する。

 園田氏は「餃子の王将」で裸になり、写真を投稿した事件でも男2人が逮捕されたことを受け、「強要罪、威力業務妨害罪など、いずれも微罪といえる。土下座強要の問題では、義憤に燃えたネットユーザーによる犯人捜しが始まり、行きすぎた追及があった。処罰によって、国民の応報感情を抑え、事態を沈静化する狙いもあったのではないか」と述べた。

 さらに「ネットへの投稿は自らの犯行を世界に暴露し、写真という動かぬ証拠を残すことになりかねない。なぜ気軽に投稿してしまうのか。デジタル時代の規範意識の薄れを感じる」と語った。

先日も書きましたように苦心の跡が見られる今回の逮捕の容疑にも注目いただきたいと思いますが、実際に大騒ぎになり影響も大きかったのは店内で騒いだというローカルな行為ではなくそれをネットに晒したと言う行為の方だったはずですが、いずれにしても全国で同様の計画を企てている方々がこの報道にどう反応するかですよね。
今回逮捕に至った二件、特に後者の土下座事件の方に注目いただきたいのですが、記事にもありますように今まで発生してきた馬鹿発見器騒動が多くは食品衛生的な問題に関することで、それによって各店舗が商品一新を強いられるなど民事的な損害が大きかったことに対して、この事件は従業員に対する土下座謝罪の強要というやや趣を異にするものではありました。
昨今どこの業界でもこの種のクレーマー顧客には悩まされているだけに、言わばしまむらという場を借りての代理戦争的側面もあったのだと思いますが、今回の一連の炎上騒動を見て改めてネットの怖さを思い知ったという声も出ているようです。

しまむら店員に土下座させツイッターに投稿した女逮捕 『2ch』の調査能力に驚愕の声が挙がる(2013年10月7日ガジェット通信)

10月7日、先月からネットで大いに話題になっている“しまむらで店員に土下座させ『Twitter』に写真を投稿した女”が逮捕されたと報道された。

    札幌東署:しまむら店員に土下座させる…強要容疑で女逮捕
    衣料品店で商品にクレームをつけ、店員に土下座をさせたとして、札幌東署は7日、札幌市白石区菊水元町10の1、介護職員、青木万利子容疑者(43)を強要容疑で逮捕した。
     容疑は、9月3日午後6時ごろ、札幌市東区本町の「ファッションセンターしまむら苗穂店」で、前日に購入したタオルケットに穴が開いていたとして、店員の女性2人に土下座をさせ、携帯電話で撮影したほか、自宅に謝罪に訪れることを約束する文書を書かせていたとしている。青木容疑者は「強要はしていない」と容疑を否認している。
     同署によると、青木容疑者は土下座の写真をツイッターに投稿していた。
    http://mainichi.jp/select/news/20131007k0000e040152000c.html

逮捕が報じられると、『2ちゃんねる』ではスレッドがものすごい勢いで進みお祭り状態となっているが、同時に報じられた内容がそれまでに『2ちゃんねる』の有志が調査し書き込んでいた内容と同じであったため、あらためてその調査能力に驚きの声が挙がっているようだ。

今回、氏名などが明らかになった青木万利子容疑者。『Twitter』の過去ログやアップしていた写真などから住所、氏名、年齢、職業などが調べられ、まとめられていたがそれに関しては間違いなかったようである。また青木容疑者のmixiアカウントと思われるものも発見されて内容が精査されている模様。
それらによると、今回の強要容疑以外にもいろいろな疑惑あるとされてるようだが、果たして……。
今後の推移を見守りたい。

あらかじめ申し上げておきますけれども、いわゆる炎上に際して個人情報が晒されたというケースは過去にも決して珍しいことではありませんし、それが結果として全く別人の個人情報であったとして問題化したこともこれまた珍しいことではなく、有名なところでは大津いじめ事件で同姓同名の別人が晒され名誉毀損容疑で逮捕者まで出たと話題になったことが記憶に新しいところですよね。
世間一般におけるそれと同様にネット上の情報も玉石混淆なのは当然ですし、どこまで信用していいのかは完全に利用者各人の取捨選択に任されているのが現状ですが、とりあえずネットに出ていたからと言ってすぐに事実だと飛びつかないというのは最低限利用者に求められるリテラシーと言うもので、それを持たないままうっかり拡散に手を貸してしまうようだと後日お縄になるということにもなりかねません。
記事にもあるように仮に今回の逮捕劇がネット世論の盛り上がりを無視出来なくなってのことなのだとすれば、今後も炎上にかこつけて他人の過去を掘り下げ犯罪行為を見つけ出すという行為が趣味と実益を兼ねるものとしてより白熱する可能性もありますが、当然ながらこうした手法が誰かの意図によって誰かに恣意的に用いられ誹謗中傷のネタにされる可能性も十分にあることですよね。
繰り返される炎上騒動を通じて既存マスコミなどもこの点に注目し新たなネット批判のネタに活用してきているようなのですが、例えば先日こんな報道があったということが話題になっています。

NHKが「まとめサイト」の問題点を指摘 ネットで「その通り」「論点すりかえ」など盛り上がる(2013年10月5日J-CASTニュース)

   アルバイト従業員などが悪ふざけの写真をSNSに投稿する、いわゆる「バイトテロ」問題をNHKが特集した。炎上に至るまでのプロセスを紹介するなかで、「まとめサイト」の問題点を取り上げた。
   このところ広がりを見せている「まとめサイト」だが、テレビで正面から取り上げられるのは珍しい。ネットでは「まあ、事実だよなw」「投稿するやつが悪いんじゃね」「まとめサイトは悪」などと様々な意見が出て盛り上がっている。

義憤や広告収入のため、まとめサイト作成

   NHKは2013年10月5日、「週刊 ニュース深読み」で、「ネットへの悪ふざけの投稿 つぶやきが企業を滅ぼす?どう防ぐ"悪ふざけ投稿"」を放送、飲食店のアルバイト店員が調理室の冷蔵庫に入ったり、有名人の個人情報を無断でネット公開したりする問題を取り上げた。
   番組内では、「悪ふざけ」画像がSNSに投稿されてから拡散するプロセスや、投稿してしまう若者の心理など説明したほか、過去の悪ふざけが蒸し返されてしまう原因として、「まとめサイト」を紹介した。
   「まとめサイト」とは、ネットに散らばる情報をテーマごとにまとめるサイトのことで、個人・団体を問わず誰でも開設できる。ブログを利用して2ちゃんねるの書き込みを編集したものだけでなく、「NAVERまとめ」など企業が運営するプラットフォームもある。 最近では影響力を増していて、電通パブリックリレーションズの調査(9月6日公表)によると、SNSなどのシェア機能を利用して情報の「拡散」をする人のうち、およそ4人に1人は「まとめサイト」を情報源として使っているという。
   番組によると、「悪ふざけ」に対して、けしからんというレベルではなく「懲らしめてやろう」と義憤に駆られ、画像をまとめる人がいる。また、サイトの閲覧数に応じて広告料金が入る仕組みがあるため、注目を集めるネタとして画像を集めるブログもある。まとめサイトとSNSが組み合わさり、「悪ふざけ」画像が多くの人の目に触れ、飲食店に苦情が殺到し、閉店に追い込まれるケースもある、などと紹介した。

賛否が分かれる

   NHKが指摘する「まとめサイト」の問題に対してツイッターなどでは、「事実」「合ってる」と肯定する意見がある一方、「これ見てたけど、やらかしたガキどもの自業自得としか思えんから何を言い出すの?て感じやった」「悪ふざけする馬鹿がいることが問題であって、論点すりかえはよくないですよ」
などと、悪ふざけ投稿した人が悪く、まとめサイトは問題ないというツイートがあった。
   また、2ちゃんねるでは、
    「まとめブログは悪だよ まとめブログは面白いように改変したりするからな」「2chを嫌うくせに アフィブログはありがたがる アホだな」
と辛らつな意見も書き込まれている。
   実際、まとめサイトの中には閲覧数を稼ぐため、確定情報でないものまで断言するような見出しで煽るものもあり、過激なネタに走る傾向がある。2012年7月には、アフィリエイト収入を得ていた2ちゃんねるまとめサイトの恣意的なまとめが問題になった。2ちゃんねるでは一部まとめサイトを名指しし、サイトのサーバを管理する企業に、「2chの著作物を転載をしてるページに一切の広告を載せない措置をお願いしたい」などとお願いをしていた。

まとめサイト問題としては従来アフィブログなどが特にまとめられる側の掲示板利用者から非常に攻撃される機会が多かったわけですが、今回問題になっているのはまとめサイトと言えども結局は一個人の開設した私的なサイトに過ぎないということに伴う当然のリスクを、利用者がどれほど意識して使っているのかということで、特にSNSと掲示板双方での反応の違いに注目いただきたいと思います。
今回NHKの取り上げた問題はまとめサイトの抱える数々の問題のごく一部を取り上げたに過ぎず、その意味でこれも意図的な編集の結果そうされたのだとすれば問題の本質からむしろ遠ざける恣意的なまとめではないかと思いますが、特定の意図を持ってまとめをしている人がいるという指摘は重要なのは確かですよね。
まとめサイトもスマホ普及で新たにネット初心者の情報源として注目されているようで、元ネタである掲示板は利用せずともまとめさいとはよく使うという人が多いそうなのですが、これまたソース原理主義的観点から言えばまとめという操作によって恣意的なセレクションが働く以上、例えば参加者を二分する激論の一方の意見だけを採り上げて他方を無視するといったことも当然に行えるわけです。
既存メディアなどはこうした点を突いて「だからネットは」という方向に結論を誘導したいようですが、しかし実はこの種の恣意的誘導は既存マスコミによって当たり前に使われてきたありきたりの手法であって、むしろまとめサイトはそれを参考にやっているだけの後発組だという考え方も出来るかと思います。

当のNHKにしても以前に台湾に関する報道で「あまりに一方的かつ恣意的な解釈だ」と当の台湾の方々から大々的抗議を受けたことは記憶に新しいところですし、朝日の有名な椿事件などあからさまな偏向報道が明るみに出て史上初めて放送免許剥奪が検討された一大スキャンダルでしたが、社会の木鐸などという言葉に表れているように衆愚を教え導くことをマスコミ諸社はむしろ社会的使命と認識しているようです。
彼らの一般的手法として内外に問題視されていることに街頭インタビューと称してあちらこちらで市民の声を取り上げる、そのうち自社の見解に合致するものだけを取り上げて編集し「国民世論はこの通り!」と主張するやり方がありますけれども、これなどはまさにまとめサイトにおける恣意的まとめと全く同じやり方と言っていいものですよね。
長年の蓄積があってすでに有効性が十分に確認されている手法を後発組がそっくりそのまま真似るというのはどこの世界でも当たり前に行われていることですが、先発組が後発組に対して真似たことを「パクリだ!」と糾弾するならまだしも、真似られた手法そのものを問題有りとして糾弾しようと言うのであれば、世間一般にはこれは天に向かって唾を吐く「自爆」として認識されるものに他なりません。

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コメント

★土下座させた女、“強要”認める(北海道)

衣料品店の従業員に土下座などを強要したとして逮捕・送検された女が強要に
ついて容疑を認める供述をしていることがわかりました。

土下座を強要したとして逮捕された札幌市白石区の43歳の女の身柄はきょう午後、
検察に送られました。女は、先月3日、札幌市東区の衣料品店で商品にクレームを
つけて店員に土下座させたうえ自宅まで謝罪に来るよう念書を書かせた強要の疑いです。

店員が土下座する画像はツイッターに投稿されネット上に広まっていました。
女は当初、強要については容疑を否認していましたがきょうまでに容疑を認める
供述をしているということです。

[ 10/8 19:55 札幌テレビ]
http://www.news24.jp/nnn/news8812995.html

投稿: | 2013年10月 9日 (水) 07時49分

やっぱさっさと警察に突き出すのがいいね!

投稿: | 2013年10月 9日 (水) 08時26分

他のお客に直接迷惑をかけたかどうかが判断の分かれ目になったのでしょうかね。
土下座事件で有罪になればクレーマー対策でも武器になるでしょうか。

投稿: ぽん太 | 2013年10月 9日 (水) 08時39分

仮に有罪にはならずとも、このくらいで逮捕になると判ったのは収穫だったと思います。

投稿: 管理人nobu | 2013年10月 9日 (水) 12時09分

懸賞金出すよりもネットに捜査協力お願いした方が効率的だったりして…

投稿: てんてん | 2013年10月 9日 (水) 13時57分

ほんと、最近おかしな人が多いですね。
他人のことを何とも思わない輩が多すぎる!

投稿: ちゅわ太 | 2013年10月14日 (月) 01時21分

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