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2013年10月26日 (土)

ネットオークションのリスクが絶讚増大中?!

個人的にはリアルであれネットであれオークションの類を利用することはほとんどないのですが、近年こうしたものが日本でもすっかり定着して利用者が増えているのは周知の通りで、特に欲しかったが一般の流通ルートには乗っていないものが手に入っただとか、不要になっていたがまだ商品価値がありそうなものが中古屋に持っていくよりずっと高く売れたなど、いわば適正利用による愛好者も多数に上っています。
ところが一方では特に出品者と落札者が直接顔を合わすことなく商品も写真でしか見ることの出来ないネットオークションが主流となって顕著になってきたことですが、こうした場を利用して悪どいことをやって儲けてやろうという不届き者も少なからず参入しているようで、しかもそれらを商売としてやっている悪徳業者も多数あるようなのですね。

ネットオークションでトラブル続出?商品届かない、悪質業者参加…対応後手の運営元(2013年10月19日ビジネスジャーナル)

 ヤフオク!(旧・Yahoo! オークション)や楽天オークションなどに代表されるインターネットのオークション。多様な商品を安価で購入できるサービスとして定着しているが、その一方で、「入金したのに商品が送られてこない」などの詐欺や不正が頻発している。専門家からは「運営側はユーザーを増やす施策には前向きだが、本人確認などユーザー減を招きかねない施策には後ろ向き」という指摘もあり、トラブルに遭うユーザーはいまだ少なくない。

 オークションサイトのトラブルといえば、ペニーオークション詐欺が記憶に新しい。ペニーオークションは入札するごとに手数料が掛かる仕組みだが、ボット(自動で投稿・入札をするロボット)による入札を運営側が繰り返し、手数料をだまし取っていたとされる。また、芸能人がステルスマーケティング(広告だと気付かれないように一般消費者に宣伝すること)に関わっていたことでも問題になった。
 ペニーオークションのトラブルは、サイトを運営する業者自体が詐欺を働いていたケースだ。一方、ヤフオク! や楽天オークションなどは、業者はあくまでプラットフォームの運営者であり、C to C(Consumer to Consumer/一般消費者同士)の取引が基本。しかし、出品者に詐欺を目的とした業者が紛れ込むこともあるから注意が必要だ。
(略)
 あるユーザーによると、「メーカー提供の画像を使い家電を売るなど、量販店と変わらない商売をしている業者もいる。さらに楽天市場に出品されている商品をヤフオク!に掲載し、落札された後に楽天市場から購入して商品を送る手法もあります。楽天市場のほうが安いため、その差額で儲けているんです」という。

●詐欺が多発

 そして、さらに悪質なのが、落札された商品を発送しないなどの詐欺を働く業者だ。2005〜09年頃まで、ヤフオク! の不正対策に携わった関係者はこう話す。
 「ヤフオク! では一時期、カーナビやパソコンなどの高額商品を出品、落札者に入金させた後、商品を送らないという詐欺が横行し、ヤフーはその被害者たちに補償金として年間数億円払っていました」
 これに危機感を募らせたヤフーは、ローンの審査システムなどを手掛ける金融エンジニアリング・グループと組んで不正検知モデルを開発。詐欺出品の可能性が高い商品を絞り込み、最終的に人の目で判断するという、「不正検知モデル+有人監視」のハイブリッド方式により、詐欺グループを減らすことに成功したという。

●不正への対処にオークションサイト運営側は消極的

 しかし、前出の関係者は、こうした不正への対応に消極的な姿勢が業界全体に蔓延していること対し、不安感を持っているという。
 「C to Cのオークションサイトを運営している各社は、“自分たちは商談の場所を提供しているだけ”という意識が強い。広告を出して宣伝するなどユーザーを増やす施策には前向きですが、不正対策に予算をかけるモチベーションが低いんです。不正対策は『後ろ向きの対策』だと思っているんですね。ヤフオクの場合は、対策を打たなければ立ち行かなくなるところまで追い込まれ、そこでようやく本気で取り組みましたが、逆にいえば、そこまでいかなければ本腰を入れなかったと思います」
(略)
 前出の関係者は、「クレジットヒストリー(カードの履歴。信用情報の照会に使われる)の詳細を公開し、オークションサイトの運営会社が詐欺業者を見分ける仕組みをつくったらどうか」とも提言している。少なくとも、「不正をなくす」ことが、長期的にユーザーを増やす「投資」になることを肝に銘じてほしい。(文=黒崎さとし)

実質的に一般の商取引と同じ行為をしているのであれば、それに準じた対策があって当たり前という気がするのですが、ネットオークションに関しては場を提供しているオークションサイト自体がその対策に必ずしも乗り気ではなく、結果として「不正のしやすい商取引の場」として認識されつつあるということでしょうか。
もちろん最初から詐欺目的の悪質業者などは論外なのですが、利用者の間で近頃とりわけ忌避されているのが「転売ヤー」などと言われる存在で、これは希少価値の高い商品を仕入れて転売することで利益を出す行為を繰り返している常習者がそれだけ多いということでもあり、実際にあちらこちらで様々な事件が起こっているようですね。
しばしばアイドルやアニメなどに絡んだ非売品の転売が問題になりますが、最初から転売目的で大量に仕入れて品薄感を演出し値をつり上げるだとか、さらにはネット掲示板などで需要を煽って高値に誘導するといった行為もあって、昨今では親切心で「それなら○○のオークションに出てたから行ってみれば」などと書き込んだだけでも「転売ヤー乙」と言われてしまう始末です。
こうした手合いはその都度名義を変えて単なる一個人を装ってオークションに参加するケースも多く、ある意味業者などよりもよほど根絶が難しいと思うのですが、実は最近「これは問題だろう」とネット上で騒がれているのが某大手オークションサイトの制度変更のニュースです。

Yahoo!ショッピング、たった1日で出店が激増……ストア10,000件、個人16,000件(2013年10月9日RBBTODAY)

 ヤフーは10月9日、「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」への新規出店希望が急増したことを発表した。同社は10月7日に、Yahoo! JAPANの新戦略「eコマース革命」を発表し、出店手数料などをすべて無料とする新方針を打ち出している。

 同社では10月から、インターネットショッピングサービス「Yahoo!ショッピング」のストア出店料(月額システム利用料)と売上ロイヤルティの完全無料化および、オークションサイト「ヤフオク!」のストア出店料(月額システム利用料)を無料とする方針だ。

 この発表を受け、「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」への問い合わせが急増し、わずか一日で「Yahoo!ショッピング」の新規ストア出店希望数は、通常の数百倍となる約10,000件を達成したとのこと。新たに受付を開始した「個人」の出店希望数も約16,000件にのぼった。

 また「ヤフオク!」についても、通常の30倍となる出店申込みがあったという。

 現在の「Yahoo!ショッピング」のストア数は約20,000店舗、「ヤフオク!」のストア数は約16,000店舗(2013年9月末時点)。

以前のオークション料金体系では出品者側にかかる出店料に加えて5000円以上の入札には有料のプレミアム会員入会が必要となるなど双方それなりにコストがかかっていたのですが、これらが無料化されるというのは大変な利用者の利益じゃないか、素晴らしいというニュースかと思いきや、ネット上では全く逆で「これで転売ヤーの天下だな」と否定的な声が多いようです。
考えて見れば出店料を取ることで「売り逃げ」を防ぎ、また入札側にも高額商品には身元確認を求めるといった縛りが一切なくなったのですから悪意をもって利用しようと言う人間にとっては非常にやりやすいことで、善意の利用者にとってもこれまで以上にトラブルに遭遇する確率が高まるわけですから、その分のリスクを負担する必要があるという意味では必ずしもメリットばかりではないですよね。
ヤフオクがこうした制度改定を行った背景には当然ながら競合他社に先んじて顧客を奪い取るという戦略があったはずですが、おもしろいことに一見すると業界の活性化にもつながりそうなこの無料化ニュースが流れた直後から当事者のみならず競合他社も含めた大手ネット通販各社の株価が急落したというのは、こうしたリスクを嫌ってのことと見えなくもありません。
今後ネットオークション絡みのトラブルがさらに頻発するようになり、その解決のために少なくないコストが必要になれば当然どこかでそれを捻出しなければならないでしょうし、何よりオークション自体に対する利用者の信頼感が揺らげばすっかり衰退傾向となったペニオクなどと同様、利用者保護の視点のない膨張策は長期的な成長には大きなマイナスとなりかねませんね。

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コメント

オークションサイトも二極化が進むんじゃないかな?
お金はかかっても安心安全がほしいならそういうサイトを利用すればいい
ヤフオクみたいに低コスト高リスクなとこにはそれなりの固定客がつくだろうし
すみわけしたほうがぜったい満足度も高くなるよ

投稿: 古町 | 2013年10月26日 (土) 08時35分

以前ヤフオク使ったら落札後に発注してるっぽいのに当たったことがあります。
レアものなのでけっきょく入荷できなかったみたいでもちろん最低評価つけておきましたけど。
ああいうのって以前の評判もよくみてから取引すべきだなってつくづく思いましたね。

投稿: ぽん太 | 2013年10月26日 (土) 11時18分

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