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2013年9月28日 (土)

キラキラネームが後々思わぬリスクをもたらす?

本日の本題に入る前に、このところ俗に言う「キラキラネーム」なるものが大いに注目を集めるようになっていて、一部方面では個人が育った家庭内環境を類推する重要な根拠となり得るなどと喧伝されているようですが、こうした名前と生育環境を結びつける考え方が外国でも存在しているようだと言う記事が先日出ていました。

米大学教授 子供のマイナーな名前は無教養な母が命名と断言(2013年9月25日NEWSポストセブン)

 ダイアモンド☆ユカイが双子の長男を「頼音(らいおん)」、次男を「匠音(ショーン)」と命名し、元オセロの松嶋尚美が長女に「空詩(らら)」と名付けるなど、有名人の子供のキラキラネームが話題になっているが、世界に目を向けても同じ現象が起こっているようだ。

 人気ラッパーのカニエ・ウエストは、モデルのキム・カーダシアンとの間に生まれた長女に「ノース」と命名。「ノース・ウエスト」という、航空会社のような命名に世界中からツッコミが入った

 一方、娘にやたら長い名前をつけたのが、映画『キル・ビル』などで有名な女優ユマ・サーマン。「ロザリンド・アルシャ・アルカディナ・アルタルネ・フロレンス」と、もはや落語の「寿限無寿限無……」の域である。

 こうした命名について、米シッピンズバーグ大学教授のデイビッド・カリスト氏は、大規模な調査の結果、変わった名前と少年の非行との関連を指摘している。

「名前が犯罪を引き起こす直接的な原因になるわけではありませんが、非行少年の名前の分布と非行のない少年の名前の分布を比較すると、よりメジャーな名前のほうが非行率が低いことがわかりました。また、マイナーな名前を持つ少年は、恵まれない環境で育っていることが多いということも判明したのです。私がはっきりといえるのは、マイナーな名前の多くが、無教養な母親から与えられているという点です」

 また、アメリカと同じく英語圏のニュージーランドでは、相次ぐ命名問題に頭を悩ませた政府が今年に入り「Lucifer(悪魔)」や「Anal(肛門)」「4Real(マジで)」といった命名の却下を発表。ドイツでも「ウイスキー」や「インベーダー」などの命名を拒否している。

日本語で「マイナーな」名前と言われると微妙なところで、この場合やはり「風変わりな」「普通でない」と言うくらいに解釈した方がよさそうに思うのですが、要するに一般的な親であればその名前をつけるのに躊躇してしまうだろうという名前を敢えてつけてしまうということに関して親の性質を類推する根拠になるという考え方なのでしょう。
何をもってマイナーな名前だと判断するのか、何をもって恵まれない環境で育ったとか親が無教養であるとか判断するのかと言うことを考えるとかなり恣意的なバイアスもかかりそうな話ではありますが、日本で言えば見るからに仏恥義理夜露死苦な名前をつけられていればああ、あの人の親は昔はきっと…と考えてしまうようなものでしょうかね。
もちろん日本人の考え方も時代と共に変化しているわけですから、かつてであれば変に悪目立ちしないよう人並みのありきたりな名前をつけることを是としていたものが、今は積極的に名前で目立った方がいいんじゃないかという考え方も珍しくなくなっていますし、イチロー選手にしても鈴木一郎のままでは今ほど大人気にはならなかったかも知れませんよね(ただしイチロー選手の場合、次男なのに一郎と言う名前の意外性がありますが)。
明らかに反社会的と言うのでしょうか、悪意を感じさせるような名前はさすがに子供の立場になってみてもどうなのかですが、いわゆるキラキラネームのように見慣れない名前で読みにくい、漢字が難しいというだけで直ちに排除すべきものかというとなかなか難しいところで、むしろ長い目で見れば今は珍奇に見える名前も次第にメジャーになっていくのかも知れません。

さて、日本の司法制度とはそれなりに独特な慣行で知られていて、例えば刑事訴訟で起訴されるとほぼ100%有罪になるということは共産党独裁国家である北朝鮮や中国と同水準であることから「日本の司法はどうなっているんだ!?」と違和感を持たれる理由の一つになっていますよね。
こうした数字が出てくる原因として日本では起訴率が6割と低く確実に有罪になると確信できるものしか起訴しないからだと言われていますが、逆に言えば犯罪の可能性があると逮捕されても相当数が起訴されないと言うことも示していて、要するに日本においては逮捕=犯罪者認定というわけでは必ずしもないということです。
アメリカなどは逆に起訴率が高く有罪率が低いということで「とりあえず法廷で司法判断に委ねる」やり方を採用しているわけですが、こうした事情もあって以前から日本で逮捕時に実名報道をすることがおかしい、犯罪者ではなく単なる容疑者に過ぎない段階で著しい不利益を被ることになると、逮捕時の実名報道はやめるべきだという批判がマスコミに対してなされていたわけですね。
そんな風に個人情報としての名前の重要性が注目される中でこんな記事が出ていたことが気になったのですが、これが判決の行方によってはそれなりに社会的影響が大きそうな気はしますよね。

ネット検索結果に逮捕歴は名誉毀損 京都市の男性がヤフーを提訴(2013年9月19日産経新聞)

 インターネットの大手検索サイト「ヤフージャパン」で自身の名前を検索すると過去の逮捕歴が明らかになり、名誉を傷つけられるとして、京都市の40代の無職男性が、サイトを運営する「ヤフー」(東京都港区)を相手取り、検索結果に自身の逮捕歴を表示しないことや慰謝料支払いを求めて京都地裁に提訴したことが19日、わかった。提訴は9月2日付。

 訴状によると、男性は昨年末、京都府迷惑行為防止条例で逮捕され、その後、執行猶予付きの有罪判決を受けた。現在も男性の名前を検索すると、逮捕に関する記事や、記事を転載したサイトが表示される状態になっている。

 男性は訴状で、自身は私人で、犯罪も軽微だったことから、判決確定後も逮捕歴が検索結果に出るのは名誉毀損(きそん)にあたると主張。「反省して社会復帰しようと考えたが、検索結果によって逮捕歴がわかってしまうという不安から、将来を絶望している」などとして、検索結果に逮捕歴と表示しないことと、慰謝料など1100万円の支払いを求めている。

名前と犯罪行為と言うことで思い出すのが個人的なことですが、小学校時代に校内随一と言われた悪餓鬼とタッグを組んで暴れ回っていた一人の少年がいたのですけれども、少年と悪餓鬼の意外な共通点としてどちらも滅多に見かけない非常に珍しい名前を持っているということがありました。
ある日授業中に学校を抜け出して近隣で好き放題やってきた二人がとうとう担任に捕まった時、担任が悪餓鬼に対してあなたの名前はこれこれという大変な偉人の名前からとっているのだから、そんな悪いことばかりしていないで名前にふさわしい立派な人になりなさいと切々と説いたと言うのですが、一方で少年の方はと言えばそんな懇切丁寧なフォローもなく完全放置プレーだったことを後々まで覚えていたと言います。
教師からも見放された某少年のその後の人生の行方はともかく、今の時代であればこういう珍しい名前というものはあっと言う間に検索エンジンで個人特定をされてしまうと言う大きなリスクを背負っているとも言えますが、それこそこれが鈴木一郎的にありふれた名前だったとしたらまだしもカムフラージュ効果が期待出来ていたかも知れず、そういう意味でもマイナー過ぎる名前は一定のリスクを背負うことになるとは言えそうですよね。

この「ネットで検索するといつまでも過去の個人情報が出てきてしまう」ということは世界的に問題視されていて、最近では「忘れられる権利」といった言い方でネット上に拡散した個人情報を消去させる権利を認めるべきだという考え方も少しずつ広まっているようですけれども、当然ながら知る権利の自由の侵害や場合によっては政治的に利用される危惧などもあって必ずしも未だ社会の多数派を形成するには至っていません。
記事のケースで言えば微罪とは言え犯罪行為を犯したこと自体に争いはないようですから、それこそ雇用側にすればこうした情報を隠蔽されると困るという考え方も当然にあるはずで、むしろ犯罪者の更生と社会的受け入れという全く別の問題が大きく絡んでくるものなのかも知れませんね。
ただネットの怖いところは検索上位に出てくるのは世間の関心を集めた事例が優先されるということで、例えばある人が何らかの犯罪容疑者として逮捕され報道された実名が散々世の中を駆け巡った、しかし後に誤認逮捕と言うことが判明して誤報のニュースが小さく流れ騒動が終息したと言う場合、後々まで世に残るのはあくまでも前者の騒動部分だけで後者の誤報訂正の部分などあっと言うまにネットの深淵に埋もれてしまいます。
マスコミなどに対してはしばしば「誤報だと判ったらきちんと取り消し訂正の記事も同じくらいのスペースを割いて大きく報じるべきだ」と求められていますけれども、今の時代ニュースもネット配信主体で紙媒体よりもこちらの方が後々にまで残っていくわけですから、少なくとも各社のサーバーに残っている旧記事に関しては後日になっても追記なりの形でその都度誤情報を訂正しておくべきかなと言う気はしますね。

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コメント

見てるほうが恥ずかしくなるような名前をつけられる親のIQなんて当然高くはないでしょ?

投稿: | 2013年9月28日 (土) 08時47分

yahooみたいな登録型サイトだと訴えが通る可能性があるかも。
でも今主流になってるのはロボット型のサイトですからね。
google先生の検索力をなめちゃいけませんて。

投稿: たまてる | 2013年9月28日 (土) 09時55分

当たり前ですが、子供の名前を見て、親への対応はかえております。

キラキラネーム親へは、厳しく当たらせていただいております。そーゆーのに懐かれると、患者層が落ちますからねぇ。

投稿: | 2013年9月28日 (土) 10時02分

>>子供の名前を見て、親への対応はかえております。
基本ですね
親のみならず本人も遺伝環境素因濃厚でスクリーニングのいい指標になります

投稿: | 2013年9月28日 (土) 12時19分

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