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2013年9月

2013年9月30日 (月)

「働いたら負け」と思わせないために

奈良県の産科医未払い賃金訴訟では最高裁までもつれ込んでようやく産科医側の主張が大筋で認められた判決が確定しましたが、産科医側では確定した04、05両年分に続いて06年分以降の訴訟も進めていて、先日06、07年分も地裁において支払いが認められたという判決が無事出たそうです。

産科医割増賃金訴訟:県立病院割増支払い、06・07年分も県敗訴 「宿日直、全て労働時間」−−地裁判決 /奈良(2013年9月25日毎日新聞)

 県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医2人が、夜間や休日の宿日直勤務に割増賃金を支払われないのは違法として、2006、07年分の未払い分など計約1億円の支払いを求めた訴訟の判決が24日、奈良地裁であった。牧賢二裁判長は「宿日直勤務をしていた時間全てが労働基準法上の労働時間に当たる」として、県に計約1900万円を支払うよう命じた。

 判決によると、同病院の産婦人科では宿日直勤務毎に医師1人が担当。1人で対応できない異常分娩(ぶんべん)などに備える「宅直当番」を決めていた。原告2人の時間外・休日労働時間は平均で年間1200時間を上回っていたという。

 判決は「非従事時間も労働からの解放が保障されているとはいえない」と認定。原告側は宅直と宿日直が一体と主張したが、判決は「病院の指揮監督下にあったとは認められない」と退けた

 この問題では最高裁が2月12日付で、04、05年分について県側の上告を退ける決定をし、割増賃金の一部支払いを命じた判決が確定した。

 原告側の代理人弁護士は「宅直が認められないのは残念。宿日直については、裁判に負けないと払わないという県の姿勢はおかしい」と批判した。県は「判決を詳細に検討し、対応したい。今後とも県立病院の医師の処遇改善に取り組む」とコメントした。【芝村侑美】

とりあえずJBM的に宅直は回避すべきという結論になりそうな判決なのですけれども、いずれにしても弁護士が言うように「裁判に負けないと払わないという県の姿勢はおかしい」という当たり前の認識が広まってくれば、今まで裁判に訴えずに自らの処遇改善に無関心だった医師の側に問題はなかったのかという考えも出てくるんじゃないかという気がします。
医師の場合ひと頃からいわゆる逃散だとか立ち去り型サポタージュと言った言葉が盛んに取り上げられるようになったことに示されるように、労働環境に不満があるならそんな職場に拘泥せず自分でもっといい職場を探せばいいじゃないかという考え方が主流だったわけで、それすらも怠って唯々諾々と医局人事に従い毎日不満ばかりという先生方も未だに生き残っているかも知れませんが、今やすっかり同情はされなくなってしまいました。
その前提になっていたのが医師はどこにでも雇用があり、勤務先を自分で選べる強い立場であるという大前提であったわけですけれども、昨今では医学部大増員でさらには医大新設まで行われようとしているわけですから医師数も年々増えていくのは当然で、いずれ医師の世界も昨今の弁護士業界のごとく「強い者だけがかろうじて食っていける」という世界になりそうですよね。
ともかくも自らの労働環境改善を望むのであれば売り手市場が成立しているうちにやらなければどうしようもないということで、ひとたびその前提が崩れ「嫌なら辞めろ。代わりはいくらでもいる」が現実のものになってしまうとどういうことになるか、このところ盛んに取り上げられているブラック企業の現状がその未来絵図を示しています。

ブラック企業に殺される若者たち!「みなし労働時間制」悪用取り締まれ(2013年9月20日J-CASTニュース)

   長時間労働による過労が元で命を落とす若者が後を絶たない。原因は「みなし労働時間制」を悪用した過酷な長時間労働や残業代の不払い、パワーハラスメントなど社員を使い捨てにするブラック企業の横行がある。ブラック企業はリストに上がっているだけでも4000社もあるという。田村憲久厚労相は「ブラック企業という、若者を使い捨てにしている企業をなくしたい」と改善に本腰を入れて取り組む考えを示したが、法律の抜け穴をかいくぐるブラック企業も多く、法律の欠陥を指摘する専門家もいる

   「クローズアップ現代」は若者たちの働く現場でいま何が起きているのか。長時間労働を強いられている裏に潜む「みなし労働時間制」の実態を追った。見えてきたのはデフレ経済のなかで、社会に浸透してしまった社会のひずみ、「人あっての企業」という理念の希薄だった。

始発で出勤し12時過ぎに帰宅…残業月100時間超でも8時間労働扱い

 残業時間が月平均80時間以上になると過労死の危険が高まるとされている。ところが、それをはるかに超えた長時間労働で、うつ病や過労死になる労災事故件数が2012年度は過去最多となった。日本は国連から20~30代の若い世代で長時間労働や過労死を減らすよう勧告を受ける情けない事態になっている。

   ブラック企業の存在を許しているのが「みなし労働時間制」である。もとは労働時間の管理が難しい外回りの営業マンや記者などの職種に認められていた制度で、あらかじめ一定時間を働いたとみなす制度だ。これを悪用するケースが後を絶たないのだ。

   大手飲料メーカーの子会社で正社員として働いていた23歳の男性が過労で亡くなった。仕事は飲料水を売る営業マン。自動販売機80台を担当し、毎朝5時に始発で出勤して帰宅は夜12時過ぎという毎日だった。一人息子をなくした家族が業務日誌をもとに割り出したところ、月平均の残業時間は80時間を上回り100時間を越えていたという。労災申請を担当した増田崇弁護士は「この会社には、基本的に残業という概念がない。制度を悪用して長時間労働に追い込んでいたと見ています」という。

   みなし労働時間が8時間と決められていると、何時間働いても8時間分の労働とみなされる。こうした働き方が認められるのは、自宅から直接営業先に向ったり、1日中外で働いていて会社が勤務状態を管理することが難しい職種だけだ。ところが、男性が勤務していた会社の同僚によると、朝は必ず配送車で会社から出発し、決められた自動販売機に商品を補充すると、夜も必ず会社に戻っていた。補充した商品のデータは機械に記録され、どこでどれだけ補充作業をしたかがわかる仕組みになっていて、十分に管理できる状態だという。

   労働基準監督署が調査に入った結果、みなし労働には当たらないと判断されて、残業代不払いの是正勧告が出されたという。しかし、過労死した若者にとっては後の祭りでしかない。

歯止めは「総労働時間の上限規制」「確実な休憩時間」

   過酷が長時間労働にもかかわらず、違法性が全く問われないケースも増えているという。都内の労働基準監督署に寄せられたIT企業のケースは、多くの社員が適用されているみなし労働時間制の一つ、「専門型裁量労働時間」だった。仕事の進め方やスケジュールを自分の裁量で決める働き方で、研究者や記者などに認められている。

   監督署が調べると、このIT会社では長時間労働がまん延していて、過労死が危険とされる80時間以上の勤務が常態化していた。しかし、時間の管理が本人に任されているため、現在の制度では企業の責任を問うことはできない。なぜこういうみなし労働時間制の悪用が広がっているのか。労働問題に詳しい宮里邦雄弁護士(日本労働弁護団前会長)はこう解説する。

    「裁量みなし労働の最大の問題は、長時間労働であっても労使協定でやられてしまうとなかなか明らかになりにくい点です。もともと制度を導入したときに乱用される恐れがあるという指摘はありました。一定の見直しを図るとしても、きちっと歯止めをかけなければ、ますます長時間労働が広がる要因になっていくでしょう。
       私は全体としての総労働時間の上限を規制すること、1勤務と1勤務の間に確実な休憩時間を与えることが必要だと思います。インターバル機能と呼んでいますが、ECの労働時間制度にはあり、休憩時間は11時間となっています。
       裁量を緩和するだけではもっともっと悪くなり、労働者にとって悲劇的な状況が強まると懸念しています。人あっての企業という理念が社会的に共有されることが必要なんです」

   こんなおぞましい企業が登場したのはデフレ経済下、派遣社員制度が製造業にまで拡大された2000年以降だ。「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方・・・」とうたった武田信玄の教訓などどこへやら。人あっての企業という理念を取り戻さない限り、最近の経済成長もまやかしで終わると見たほうがいい。

記事中にも例として取り上げられているIT企業などは、先日その自虐的なつぶやきが「IT系童話が怖すぎる」とちょっとした話題になっていたほどですが、多くの医師達は「それがどうした。そんなもの俺たちにとっては日常茶飯事だ」と思ってしまいそうになるかも知れませんけれども、問題はそれに対してどれだけ報われているかということです。
なんだかんだと言いながらも医師はそれなりに食えるだけの給与を受け取っていることは、四半世紀も据え置かれてきた医師給与が医療崩壊を背景にここ数年ようやく上昇に転じたこともあってか過半数の勤務医が収入に満足していると言っていることからもうかがわれますが、逆に言えば激務であっても給料さえちゃんと支払ってもらえれば耐えられるという人がそれなりにいるということですよね。
ちょうど日経メディカルでドイツの医師給与の話が出ていて、低報酬で知られている彼の国では国家による「賃金協約」という法的給与統制によって7年目の専門医でも手取り月収が3500ユーロ程度と近隣諸国よりかなり低く、よく知られていることとしてたびたび医師によるストライキが発生することでも有名ですよね。
一方でドイツの場合医師がこうした労働争議をすることを国民も認めていること、そしてシステム的に超過勤務に対するかなり厳しい制限があって契約時間を越えて働くと働いた医師にも雇用者側にも損になるということですから、給料が少なくても労働量も少ないなら我慢出来るという考え方でやっているのかも知れません。

日本では法律上のルールを守らないで長時間労働が当たり前になっている上に十分な支払いも行われない、それでは労働者が悲惨だからとますます法的規制を厳しくしようという動きが一方にあって、他方ではそれでは国際競争力が劣ってしまうのでもっと自由な働き方も認めるべきだという考え方もあるわけですが、しかし実際には自由と言っても長い方に自由が認められるに過ぎないという可能性が高いわけですね。
名前だけ店長などに代表されるみなし管理職が問題化しているのも労働量だけが際限なく増える一方で給与は見合ったものになっていないことが問題なので、これが管理職らしくちゃんと高給をもらっているというのであれば当事者にしろ我慢出来たかも知れないと考えると、給料が高い低いとか労働時間が長い短いと言うだけを取り上げるのでは不十分で、労働量に見合った支払いがなされるかどうかが重要なんだと思います。
医師と言う仕事に関して言えば常勤医の給与はそれなりに満足すべき水準になってきている一方で、公立病院などによくある実質常勤並みに奴隷労働をしている医師をみなし非常勤として安くこき使うようなシステムも問題であって、逆に給料は安くても気楽に非常勤で働きたいという需要がこのところ伸びていることを考えると、やはりここでも仕事量と支払いとのアンバランスが問われるべきでしょう。
今時どこも電子カルテで誰がいつどれだけの労働をしたかということは把握が容易なのに、未だに頑固にほぼ完全な年功序列の給与体系にしがみついている医師という集団もおもしろいなとは思うのですが、しかしそれによって真面目に熱心に働く人間ほど不満を抱え込み離職していき、働いたら負けという風潮が現場に蔓延していくというのであればやはりおかしいな話だと思いますね。

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2013年9月29日 (日)

今日のぐり:「匠味」

先日こんな衝撃的なニュースが全世界を駆け回ったことをご存知でしょうか。

アラスカの「猫」市長、犬に襲われる(2013年9月4日CNN)

(CNN) 米アラスカ州タルキートナの「猫」市長が3日までに、犬に襲われ重傷を負った。

市長の「スタッブス」は週末に犬に襲われたとみられ、肺に穴が空き、胸骨が折れ、脇腹に約12センチの深い切り傷を負ったという。医者らによると、3日に管を外して自身で呼吸できるようになったという。

スタッブスはタルキートナで約16年間、市長とされている。子猫のときにスーパーの前で経営者に拾われた。ちょうど市長選を控えていた頃で、出馬した候補者を気に入らなかった住民たちが、投票用紙にスタッブスの名前を記入し、他の候補者を打ち破った。以来、市長として親しまれている。

人口約800人の同市は歴史的地区で、市長は象徴的な存在だという。

スタッブスは土曜の夜の散歩中に地元の犬に襲われたとみられ、病院に運ばれたという。

すわ!イヌvsネコという永遠のライバル関係についに決着をつけるときが来たか?!というニュースなのですが、それにしても長年市長を務めるあたりネコという生き物もなかなか馬鹿には出来ない人望?があるようですね。
今日は全世界のイヌ派ネコ派の関心集まるこの対決に焦点を当ててみたいと思いますが、まずは両者得意とする遊びのフィールドで比較検討してみましょう。

か、かわいい〜! ジェンガで遊ぶネコ/器用にブロックを抜き出すシーンも(2013年9月21日Pouch)

わらわらと、おもむろに集まってくるニャンコたち。その中心にあるのは、おや、懐かしのゲーム『ジェンガ』ではありませんか!

昭和生まれのみなさまならば必ずやご存知であろう、同ゲーム。本日ご紹介するのは、そんなジェンガに高じるニャンコさん方をとらえた、貴重な映像です。

海外サイト『likecool』に掲載されているGIF画像、そして動画を観るに、ニャンコさんたちのジェンガに対する姿勢は、真剣そのもの。やるかやられるか。彼らはこのゲームの醍醐味を、きっと肌で感じ取っているのでしょうねぇ……。

特に1番ハマっている、そこの黒猫さん! キミは立派なジェンガプレイヤー、略してジェンガーだ! 飽きてやりたくもなくなるその日まで、とことん楽しんでくれたまえよ!

いやしかし、詳細は是非ともリンク先の衝撃の動画を見ていただきたいと思いますが、ネコと言えば勝手気ままな印象がありましたものをジェンガまで出来るとは何とも意外ですよね。
一方のイヌと言えば人とのふれ合いの中で喜びを見いだすタイプとされていますが、先日こんなイヌが発見されたと報じられています。

俺は自由だあああああ! 部屋で1人になった途端テンションMAXになる犬(2013年8月24日ねとらば)

 飼い主さんが出かけたらそこからは自分だけの時間。共同生活をしている人にはものすごく共感できるワンちゃん動画かもしれません。

 窓から外を眺めて飼い主さんを見送るワンちゃん。でも、それは別れを惜しんでの行動ではありませんでした。飼い主さんがいなくなったのを確認すると、突如豹変して大はしゃぎ。クリスマスツリーの飾りを追いかけて、部屋中をドタバタと暴れまわると、最後はソファの上から「俺は自由だあああ!」とでも言うように大きく遠吠えをしています。

 飼い主さんがいたら確実に怒られているであろうはしゃぎっぷり。実は普段からこんな風に思いっきり遊べるチャンスを待っていたのかもしれませんね。

これまた動画を見てみますとあれ…こいつ何かキャラ違ってね…?と思うような豹変ぶりなのですが、実はあなたの目の前で座っているイヌも密かにネコの皮を被っていたりはしないでしょうか?
イヌと言えば何しろ忠誠心の象徴のような存在とも言われますけれども、最近その忠誠心の所在についてこんな興味深い研究結果が報告されています。

専門誌が研究報告、「犬はロボットにも忠誠心を示す」―中国メディア(2013年9月18日新華経済)

「犬は人類の最高の友達」とされているが、実は犬は人類だけに強い忠誠心を示すわけではないという。動物専門誌でこのほど発表された研究報告によれば、犬のために餌を探すロボットも犬は人だと認識し、忠誠心を示す。重要なのは食べ物だけだという。中国新聞網が16日伝えた。

研究では、フィットネスジムのマシンのような機械に人の手の形をしたロボットを設置し、手で食べ物のある方向を指さすようにして犬の反応を探った。声のような音を出し、モニターに人の顔を表示すると、犬が手の指す方向で餌を探すことのできる確率が高まった。

また飼い主がこのロボットの手と握手し、「会話」をした後、ロボットが録音した音声で犬の名前を呼ぶと、犬はロボットの手の臭いをかぎ、モニターの顔を見つめるなどの行動をとった。

いいのか?それでいいのか忠誠心の対象として?!と思うような話なのですが、やはり親しき仲にも先立つものは袖の下という冷徹な現実をこれは示しているのでしょうか。
一方でネコと言えば勝手気ままと言いますか、人間に媚びを売らないことがネコ派に愛されるところなのでしょうが、案外恩は売りつけているかも知れないというのがこちらのニュースです。

「こうするニャ!」赤ちゃんに遊び方を指導してあげる猫(2013年9月22日らばQ)

こちらの赤ちゃんと猫はとても仲良しなのですが、まだまだ赤ちゃんの方が未熟なようで猫の方がいろいろ教えてあげる関係のようです。

遊び方を教える猫の師匠ぶりをご覧ください。

「こうするニャ!」とばかりに勢いよくおもちゃを押す猫。

赤ちゃんもそれを素直に見習って、おそるおそる押しています。

家族のような絆を感じる、猫先生と赤ちゃん生徒の関係ですね。

これまたリンク先の動画をご覧いただきたいと思いますが、こうして人間は幼小児からネコ様の下僕として育てられていくのかと思うと意味深いものがありますね。
対決となりますとやはり直接的な戦闘力はどうなのかということが気になりますが、こちらさすがにイヌは強かったというニュースをお伝えしましょう。

強盗犯、警察犬にパンチ→警察犬、股間をガブリ→病院&警察送りに。豪州(2013年9月10日サンシャインコーストデイリー)

8日、警察犬に「パンチ」した男が陰茎を噛まれ、病院送りになるという事件が起こりました。

23歳のゼーン・トマス・スミス容疑者は、数日前に女性を殴り、オートバイを盗んだ強盗容疑で逃走していました。
警察は警察犬を含む追跡チームを結成、男の発見のため捜査していました。

警察の発表によれば、家に隠れていた容疑者は警察犬とハンドラー(警官)に発見されましたが、逃走のためにいきなり犬の鼻を殴ったとの事です。
警察犬は「犯人制圧」のため、やむなく男のペニスに噛み付いたとの事です。

ペニスは大きく切り裂かれ出血し、容疑者の男は警察病院に搬送されました。
1週間の治療の後、今度は傷害罪、薬物所持、自動車盗、警官の公務妨害などの容疑で警察署に連行されました。

警察によれば、ペニスに噛み付いたのは経験豊富な警察犬で、随伴する警察官の指示により、訓練どおりに反撃を行ったとの事です。

さすがにイヌだけに噛み付くのは得意なのでしょうが、しかし「訓練どおりに」ナニに噛み付く警察犬というのも…いやいや、犯罪者たるものに対するにはこうでなくてはなりませんよね…
対するネコの方は純粋な戦闘能力では不利かと思いきやさにあらず、こんな身の毛もよだつようなニュースが出ています。

【海外:北アイルランド】巨大ネコが家畜を襲う!相次ぐ目撃情報に怯える住民(2013年9月4日日刊テラフォー)

多数のヒツジが相次いで襲われた事件を受けて、北アイルランド警察は、犯人と思われる「巨大ネコ」の捜索を行っている。

死んだヒツジたちが相次いで発見されたのは、ダウン州のヒルズバーグとドロマラ地区。
警察によると、ヒツジには“獰猛な動物による襲撃”の痕跡が残されていた。
ここ数週間で、死んだヒツジ以外にも、血まみれで怪我をした家畜も多数発見されており、また、多くの動物たちが行方不明になっている。

この地域で、複数の住民から「巨大なネコを見た」という目撃情報が寄せられている。

警察は、巨大ネコの存在はまだはっきりと確認された訳ではないことを強調しつつも、
「最近、同じエリアでヒツジやその他の家畜が行方不明になった人や、危険だと思われる動物を見た人は、警察に連絡をして下さい。いかなる場合でも、野生動物や家庭で飼われていない動物に近づくことはしないで下さい。」
と、市民に呼びかけている。

果たして、家畜殺しの犯人は本当に巨大ネコなのか?たくさんのヒツジを殺し、他の家畜も血まみれに傷つけ、さらには大量の家畜を誘拐してしまうとは、一体どれほど巨大なネコなのか。もはや、妖怪の域に達している。

北アイルランドなので、妖怪ではなく妖精の仕業かもしれないが、妖精はいつでも可愛くロマンチックであってほしいものだ。

住民の間に、不安と憶測が広がる。

いや本当にネコなのかそれは?と思うようなびっくりニュースなのですが、ネコ科というくくりで言えばトラやライオンもネコの仲間ですからねえ…
しかし全世界に広がるイヌ派vsネコ派の論争と同様、イヌvsネコの直接対決もなかなかに完全決着は難しいようです。

今日のぐり:「匠味(たくみ)」

丸亀市街地外れの見つかりにくい場所にあるこちらのお店、一応幹線道路に看板ありとは言え一見さんには微妙な立地なんですが、最近は何でもネットの時代ですからさして不利にもならないのでしょうかね。
店名も店舗のつくりもいかにも最近よくあるラーメン専門店の典型例という感じで、ボ○カレーやオ○ナ○ンのレトロ看板ももはや定番の手法と言う気がしますが、自家製麺が売りでつけ麺がメイン、サイドメニューは控えめというのもこれまたすっかりお約束ですよね。
その自家製麺は三種類あるようなんですが、メインのつけ麺は食感十分な太麺で豚骨醤油が細麺、そしてナンバーワン人気という匠味ラーメンは中太麺を使っているようなのですが、このあたり料理法やスープ(ソース)によって使う麺も変えるという当たり前のことをちゃんと出来るのがうどんや蕎麦に対するラーメンのアドバンテージでしょうね。

その匠味ラーメンは卵などトッピングが元々多めなものに今回ネギとメンマをトッピングしてオーダーしたのですが、こちら中太麺というより太麺に近いくらいで茹で加減、味と麺の具合は悪くないものですし、つけ麺の場合スープの濃さを強調しているようなんですがこちらはコクは十分あるものの濃すぎず、デフォの醤油ダレも控えめ(ちなみにテーブルにはタレ常備でした)といわゆる飲める仕上がりのスープでいい感じです。
ネギはトッピング追加は割の合わないかなと思う控えめぶりですが逆にメンマはたっぷりで、ただコリコリと言うより少し筋っぽいのと乾物臭が妙に気になったのは一工夫の余地有りですかね。
デフォルトのトッピングでは半熟ではない固ゆでの玉子とトロトロだが味も抜けたチャーシューは別に…といったところで、まあトッピングは全体に今ひとつな印象ですから普通の豚骨醤油でもいいのかなという気もします。
サイドメニューに頼んだ餃子ですがかなりニンニク風味強めなのがお客を選びそうですけれども、皮の方はきちんと味と食感があり及第点で、全体的にも決して悪くないと思うのですが餡とタレのニンニクラー油の強すぎる風味のせいか何か全体の味のイメージがどこかの既製品っぽくなってしまってるのが惜しいかなとも感じました。

まだ新しいお店だけにさすがにトイレなどは充実したものですが、テーブル常備の調味料入れがあからさまに百均ぽいのは店全体のデザインテーマに対してどうなのかと感じるのと、ニンニククラッシャーや紅生姜、高菜漬けなどお約束のものは一通り常備してるんですが何故かレンゲが席数分も揃ってないのはマイナスです。
接遇面ではフロア対応も慣れていないのかもう少し頼りない感じではありますが、フロアと厨房の作業が分離し切ってないせいもあってか片付け等が少し遅れ気味なのは仕事の優先順位付けに一工夫がいりそうなのと、そう広すぎるという店内でなくても各テーブルにちゃんと呼び出しボタンを装備しているのは感心なんですが、このボタンがカード自販機と共用しているようで一見するとそうは見えないのが難点でしょうか。
これも最近の社会的要請というものでランチタイムだけでも禁煙にしているのは妥当な配慮ですが、この場合店内に漂う豚骨臭の方が今時の店にしてはかなり強いのでもう一つ効果の点で微妙と言いますか、慣れていないとこれだけでもちょっと好みが別れそうではありますよね(スープ自体はそんなでもないんですけれども…)。
しかし最近の新しいラーメン店はどれもよく研究してるのか昔のようにこれは外れという経験もそう滅多になくなっているのですが、逆にどれもテンプレ通りという感じで無個性になっている気もするのはちょっとつまらない気がするのは自分だけでしょうか。

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2013年9月28日 (土)

キラキラネームが後々思わぬリスクをもたらす?

本日の本題に入る前に、このところ俗に言う「キラキラネーム」なるものが大いに注目を集めるようになっていて、一部方面では個人が育った家庭内環境を類推する重要な根拠となり得るなどと喧伝されているようですが、こうした名前と生育環境を結びつける考え方が外国でも存在しているようだと言う記事が先日出ていました。

米大学教授 子供のマイナーな名前は無教養な母が命名と断言(2013年9月25日NEWSポストセブン)

 ダイアモンド☆ユカイが双子の長男を「頼音(らいおん)」、次男を「匠音(ショーン)」と命名し、元オセロの松嶋尚美が長女に「空詩(らら)」と名付けるなど、有名人の子供のキラキラネームが話題になっているが、世界に目を向けても同じ現象が起こっているようだ。

 人気ラッパーのカニエ・ウエストは、モデルのキム・カーダシアンとの間に生まれた長女に「ノース」と命名。「ノース・ウエスト」という、航空会社のような命名に世界中からツッコミが入った

 一方、娘にやたら長い名前をつけたのが、映画『キル・ビル』などで有名な女優ユマ・サーマン。「ロザリンド・アルシャ・アルカディナ・アルタルネ・フロレンス」と、もはや落語の「寿限無寿限無……」の域である。

 こうした命名について、米シッピンズバーグ大学教授のデイビッド・カリスト氏は、大規模な調査の結果、変わった名前と少年の非行との関連を指摘している。

「名前が犯罪を引き起こす直接的な原因になるわけではありませんが、非行少年の名前の分布と非行のない少年の名前の分布を比較すると、よりメジャーな名前のほうが非行率が低いことがわかりました。また、マイナーな名前を持つ少年は、恵まれない環境で育っていることが多いということも判明したのです。私がはっきりといえるのは、マイナーな名前の多くが、無教養な母親から与えられているという点です」

 また、アメリカと同じく英語圏のニュージーランドでは、相次ぐ命名問題に頭を悩ませた政府が今年に入り「Lucifer(悪魔)」や「Anal(肛門)」「4Real(マジで)」といった命名の却下を発表。ドイツでも「ウイスキー」や「インベーダー」などの命名を拒否している。

日本語で「マイナーな」名前と言われると微妙なところで、この場合やはり「風変わりな」「普通でない」と言うくらいに解釈した方がよさそうに思うのですが、要するに一般的な親であればその名前をつけるのに躊躇してしまうだろうという名前を敢えてつけてしまうということに関して親の性質を類推する根拠になるという考え方なのでしょう。
何をもってマイナーな名前だと判断するのか、何をもって恵まれない環境で育ったとか親が無教養であるとか判断するのかと言うことを考えるとかなり恣意的なバイアスもかかりそうな話ではありますが、日本で言えば見るからに仏恥義理夜露死苦な名前をつけられていればああ、あの人の親は昔はきっと…と考えてしまうようなものでしょうかね。
もちろん日本人の考え方も時代と共に変化しているわけですから、かつてであれば変に悪目立ちしないよう人並みのありきたりな名前をつけることを是としていたものが、今は積極的に名前で目立った方がいいんじゃないかという考え方も珍しくなくなっていますし、イチロー選手にしても鈴木一郎のままでは今ほど大人気にはならなかったかも知れませんよね(ただしイチロー選手の場合、次男なのに一郎と言う名前の意外性がありますが)。
明らかに反社会的と言うのでしょうか、悪意を感じさせるような名前はさすがに子供の立場になってみてもどうなのかですが、いわゆるキラキラネームのように見慣れない名前で読みにくい、漢字が難しいというだけで直ちに排除すべきものかというとなかなか難しいところで、むしろ長い目で見れば今は珍奇に見える名前も次第にメジャーになっていくのかも知れません。

さて、日本の司法制度とはそれなりに独特な慣行で知られていて、例えば刑事訴訟で起訴されるとほぼ100%有罪になるということは共産党独裁国家である北朝鮮や中国と同水準であることから「日本の司法はどうなっているんだ!?」と違和感を持たれる理由の一つになっていますよね。
こうした数字が出てくる原因として日本では起訴率が6割と低く確実に有罪になると確信できるものしか起訴しないからだと言われていますが、逆に言えば犯罪の可能性があると逮捕されても相当数が起訴されないと言うことも示していて、要するに日本においては逮捕=犯罪者認定というわけでは必ずしもないということです。
アメリカなどは逆に起訴率が高く有罪率が低いということで「とりあえず法廷で司法判断に委ねる」やり方を採用しているわけですが、こうした事情もあって以前から日本で逮捕時に実名報道をすることがおかしい、犯罪者ではなく単なる容疑者に過ぎない段階で著しい不利益を被ることになると、逮捕時の実名報道はやめるべきだという批判がマスコミに対してなされていたわけですね。
そんな風に個人情報としての名前の重要性が注目される中でこんな記事が出ていたことが気になったのですが、これが判決の行方によってはそれなりに社会的影響が大きそうな気はしますよね。

ネット検索結果に逮捕歴は名誉毀損 京都市の男性がヤフーを提訴(2013年9月19日産経新聞)

 インターネットの大手検索サイト「ヤフージャパン」で自身の名前を検索すると過去の逮捕歴が明らかになり、名誉を傷つけられるとして、京都市の40代の無職男性が、サイトを運営する「ヤフー」(東京都港区)を相手取り、検索結果に自身の逮捕歴を表示しないことや慰謝料支払いを求めて京都地裁に提訴したことが19日、わかった。提訴は9月2日付。

 訴状によると、男性は昨年末、京都府迷惑行為防止条例で逮捕され、その後、執行猶予付きの有罪判決を受けた。現在も男性の名前を検索すると、逮捕に関する記事や、記事を転載したサイトが表示される状態になっている。

 男性は訴状で、自身は私人で、犯罪も軽微だったことから、判決確定後も逮捕歴が検索結果に出るのは名誉毀損(きそん)にあたると主張。「反省して社会復帰しようと考えたが、検索結果によって逮捕歴がわかってしまうという不安から、将来を絶望している」などとして、検索結果に逮捕歴と表示しないことと、慰謝料など1100万円の支払いを求めている。

名前と犯罪行為と言うことで思い出すのが個人的なことですが、小学校時代に校内随一と言われた悪餓鬼とタッグを組んで暴れ回っていた一人の少年がいたのですけれども、少年と悪餓鬼の意外な共通点としてどちらも滅多に見かけない非常に珍しい名前を持っているということがありました。
ある日授業中に学校を抜け出して近隣で好き放題やってきた二人がとうとう担任に捕まった時、担任が悪餓鬼に対してあなたの名前はこれこれという大変な偉人の名前からとっているのだから、そんな悪いことばかりしていないで名前にふさわしい立派な人になりなさいと切々と説いたと言うのですが、一方で少年の方はと言えばそんな懇切丁寧なフォローもなく完全放置プレーだったことを後々まで覚えていたと言います。
教師からも見放された某少年のその後の人生の行方はともかく、今の時代であればこういう珍しい名前というものはあっと言う間に検索エンジンで個人特定をされてしまうと言う大きなリスクを背負っているとも言えますが、それこそこれが鈴木一郎的にありふれた名前だったとしたらまだしもカムフラージュ効果が期待出来ていたかも知れず、そういう意味でもマイナー過ぎる名前は一定のリスクを背負うことになるとは言えそうですよね。

この「ネットで検索するといつまでも過去の個人情報が出てきてしまう」ということは世界的に問題視されていて、最近では「忘れられる権利」といった言い方でネット上に拡散した個人情報を消去させる権利を認めるべきだという考え方も少しずつ広まっているようですけれども、当然ながら知る権利の自由の侵害や場合によっては政治的に利用される危惧などもあって必ずしも未だ社会の多数派を形成するには至っていません。
記事のケースで言えば微罪とは言え犯罪行為を犯したこと自体に争いはないようですから、それこそ雇用側にすればこうした情報を隠蔽されると困るという考え方も当然にあるはずで、むしろ犯罪者の更生と社会的受け入れという全く別の問題が大きく絡んでくるものなのかも知れませんね。
ただネットの怖いところは検索上位に出てくるのは世間の関心を集めた事例が優先されるということで、例えばある人が何らかの犯罪容疑者として逮捕され報道された実名が散々世の中を駆け巡った、しかし後に誤認逮捕と言うことが判明して誤報のニュースが小さく流れ騒動が終息したと言う場合、後々まで世に残るのはあくまでも前者の騒動部分だけで後者の誤報訂正の部分などあっと言うまにネットの深淵に埋もれてしまいます。
マスコミなどに対してはしばしば「誤報だと判ったらきちんと取り消し訂正の記事も同じくらいのスペースを割いて大きく報じるべきだ」と求められていますけれども、今の時代ニュースもネット配信主体で紙媒体よりもこちらの方が後々にまで残っていくわけですから、少なくとも各社のサーバーに残っている旧記事に関しては後日になっても追記なりの形でその都度誤情報を訂正しておくべきかなと言う気はしますね。

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2013年9月27日 (金)

特区活用による医学部新設が決定?

本日の本題に入る前に、先日こんな話が出ていたのをご覧になりましたでしょうか?

「解雇しやすい特区」検討 秋の臨時国会に法案提出へ(2013年9月20日朝日新聞)

 【山本知弘、清井聡】政府は企業が従業員を解雇しやすい「特区」をつくる検討に入った。労働時間を規制せず、残業代をゼロにすることも認める。秋の臨時国会に出す国家戦略特区関連法案に盛り込む。働かせ方の自由度を広げてベンチャーの起業や海外企業の進出を促す狙いだが、実現すれば働き手を守る仕組みは大きく後退する

 特区は安倍政権がすすめる成長戦略の柱の一つ。20日の産業競争力会議の課題別会合で、安倍晋三首相は「国家戦略特区は規制改革の突破口だ。実現する方向で検討してほしい」と発言。田村憲久・厚生労働相に検討を指示した。

 特区で導入する解雇ルールや労働時間規制の緩和は、特区内にある開業5年以内の事業所や、外国人労働者が3割以上いる事業所が対象だ。

最近いわゆるブラック企業というものが大いに社会問題化していることは周知の通りで、今回の「解雇しやすい特区」もしんぶん赤旗あたりに言わせると「労働のルールが及ばない無法地帯」と手厳しいですけれども、他方では逆説的に「解雇できない特区」を仮想することで朝日の記事を批判する者もいたりと、なかなかに賛否両論あるようです。
今の時代は100%完全終身雇用制の強要がかえって失業者を増やし、正社員の長期労働を招きかねないということが理解されるようになってきている、他方では名目管理職に祭り上げられ残業代も出ない奴隷労働を強いられているといったケースが問題になるなど、労働の問題というものはこれが絶対の正解というものではなくケースバイケースや程度の問題で様々な最適解があるものなんだと思います。
逆に言えば全国均一なシステムでああしろ、こうしろと決めてかかることは失敗したときのリスクが大きすぎるのですから、特区という形で色々なやり方を取り入れてみて試していけばいいじゃないかと思うのですが、どうも良心的な報道機関の方々は世の中には全ての人間が諸手を挙げて賛同する100%の正解というものが隠されていて、それ以外のものは全て否定してかからなければならないと固い決意を固めていらっしゃるのでしょうか。

いささか話が脱線しましたが医療の世界でも昨今特区というものが注目されていて、既存の医療システムが破壊された東北被災地で各種特区が創設されたことは周知の通りですし、東京からは外国人医師が診療を行える特区を創ってみてはどうか?というアイデアも出ていましたよね。
先日は関西特区で高度な不妊医療を提供している医療機関に優遇税制が適用されたというニュースがあって、こういう話を聞くと今まで診療報酬上の采配で行われてきた医療機関への誘導が特区によっても行えるものなのかも注目されるのですけれども、これなども全国一律に診療報酬改定なり厚労省通達なりでやるよりはまず特区でやってみてというのは手早く安全なお試し方法だと思います。
その考え方で行くといずれ混合診療解禁特区だとかもありかなと思っているのですが、先日今度は国の方からなかなかに議論を呼びそうな新たな特区の提案が出てきたと注目されています。

政府、特区活用で医学部2校新設へ 1校は宮城が最有力(2013年9月26日河北新報)

 政府が医学部新設を認めないとしてきた従来の方針を転換し、特例的に2校を新設する意向を固めたことが25日分かった。東日本大震災復興特区や新たに創設される国家戦略特区を活用する。新医学部の一つは、宮城県への立地が最有力。残る1校は、千葉県成田市や静岡県を軸に選定が進むとみられる。

 医学部の新設は、1979年の琉球大を最後に凍結されてきた。
 2003年には文部科学省告示で医学部を新設しないことを明記し、政府方針として確認。文科省告示との整合性を図るため政府は、地域を限定して規制緩和や税制の優遇措置を講じる特区制度を適用する意向だ。
 政府関係者によると、安倍晋三首相周辺が被災地への新医学部の優先配置に強い意欲を示している。村井嘉浩宮城県知事が政府の復興構想会議で医学部新設を提案した経緯などを踏まえ、宮城県に絞って特区申請するよう働き掛けている
 ただ、宮城県が特区申請した場合は、県主導で新医学部を設置する大学や医療機関の選定を進めなければならない。開学に必要な資金の確保などが課題になる。
 文科省は、与党の要請を待って宮城県と正式協議を始める。自民党は近く、東北への医学部新設要請を党政務調査会などで機関決定する。併せて公明党と協議する。
 宮城県内では、財団法人厚生会仙台厚生病院(仙台市)が11年1月、地元大学と連携して地域医療の充実に特化した医学部の設置構想を発表。東北市長会なども震災後、医学部誘致を決議した。
 宮城県以外では、国家戦略特区に医大の設置を提案していた成田市と静岡市への医学部新設が有力視されている。ともに海外から患者を受け入れる「医療ツーリズム」を設置構想に盛り込むなど、政府が4月に発表した成長戦略のうち「国際医療協力の新たな態勢構築」と歩調を合わせている。

医学部新設に関する議論はもはや完全に煮詰まって平行線で、これはもう考え方の違いだと言うしかありませんけれども、新設するにしても最低限の数だけにとどめ、それも設置母体がどこかという教育論的観点だけでなく人口動態や既存医学部の定員、医師充足率など様々な社会的条件を慎重に検討して最も求められている場所につくるべきだとは思います。
そのどこにという議論で一つは人口対の医学部定員で極端に不足が言われている千葉あたりにどうかと言う声があり、他方では医療過疎が深刻化している東北がいいという声があって、特に今回宮城が最有力とされているのはやはり震災被災との合わせ技で一本ということなのでしょうが、これまた実際に地域に残るのは何人か…と考えると地域内の医師充足ということへの実効性が懸念されるところですよね。
そんな中でかねて医学部新設に強固な反対姿勢をとってきた日医がこれまた反対意見を表明するのは当然と言えば当然なのですが、またぞろ日医らしいことを言い出したなと感じさせるのがこちらのニュースです。

日医、国家戦略特区の医学部新設に反対表明- 「医師不足には政治主導で偏在解消を」(2013年9月25日CBニュース)

 日本医師会(日医)は25日、政府が成長戦略で打ち出した「国家戦略特区」構想に対し、規制改革への要望として、医学部新設を求める動きがあることについて、「医学部が新設されれば、教員確保のために医療現場から医師を引き揚げざるを得ず、地域医療の崩壊が加速する」などと、改めて反対する意向を表明した。

 政府は国家戦略特区を推進するために、国家戦略特区ワーキンググループを設置。11日に規制改革についての第1次提案募集を締め切ったが、そこには千葉県成田市と国際医療福祉大(栃木県大田原市)の共同提案による国際医療学園都市構想と、静岡県の医科大誘致などを通じた医学部新設の要望があった。

 日医はこれまでも医学部新設には反対する姿勢を貫いており、医師不足問題に対しては、「今こそ政治主導で医師偏在の解消を強力に推進すべき」と強調している。25日の記者会見で日医の横倉義武会長は、「日医が医学部新設に同意したとの話も出ているようだが、そういうことはない。日医は以前より、医学部新設に明確に反対し、(国家戦略特区にも)同様に対応する」と述べた。【君塚靖】

また日医が「医師不足?お前らが行って働きゃいいじゃんw俺は知ったこっちゃないけどねww」の医師売り渡し政策を推進しようとしているようですが、若手医師や勤務医らを売り渡して我が身の安泰を図る日医のやり方はいつものことだとは言え、問題は一応は業界団体と言うべき組織が国家権力に業界内にどんどん介入してくれと言い出すことの背景ですね。
日医と言えばこのところ一生懸命「医師は全員日医に加入すべき」などと妄言を弄していますが、何しろこんな組織に全医師が自主的に加入するなど夢のまた夢であることから保険医指定の要件に日医加入を義務づけるだとか、例の新専門医認定制度に日医が公的に関与出来るようにしようだとか、何かと言うとお上の威光に頼って自己の権力基盤を強化しようとする姿勢が目立っています。
国にしてみればすっかり政治力の衰えた日医をそれでも医師の意見の代弁者として重用しているという事情があって、文字通りこの組織が全医師を傘下に収めたならばますますその発言を根拠にしやすくなるという計算も成り立つでしょうから、あるいはさらにセットで何らかの裏条件も上乗せして日医の腹案に乗ってみるという可能性もなくはなさそうですよね。
日医と言う組織が会員の意見など反映しない非民主的組織であることは言うまでもありませんが、仮にある程度意見を求めたとしても病院管理職や開業医などすでに身動きできない地位にある日医会員は政治主導での医師偏在の解消に協力出来ないと言い張るでしょうから、喜んで非会員の勤務医達を人身御供に差し出すことでしょう。

こうした日医の自分勝手な主張に対してどのような対抗策を講じるかと言うことですが、最も簡単な策としては勤務医を辞めて開業するということが考えられますけれども、これまた昨今の診療報酬設定では継承開業などではない限り新規開業で黒字化することは非常に難しくなってきていることは周知の通りです。
今春に日医を外した病院経営者側の医療系団体が参加した社会保障制度改革国民会議の席で「自由開業制は規制すべきだ」とこれまた医療業界からの声として政府に要望されたことがありましたが、考えて見るとこれも既存開業医を規制するというのではなく新規開業医を参入させないようにしろと言う話で、必ずしも日医の利益とバッティングするものではないのかなと言う気もしてきます。
日医がこうした話にも仮に乗ってくるようであれば新規開業規制で逃げ道を塞ぎ、一方で医学部定員をどんどん増やして流入してきた若手勤務医を僻地に強制的に送り込むという素晴らしいシステムが完成するということになりますが、「それが嫌なら君も日医に加入して一緒に甘い汁を吸おうじゃないか」と言う壮大な勧誘活動の一環であるのだとすればなかなかの深慮遠謀と言うべきでしょうか。

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2013年9月26日 (木)

いま卵活が密かなブーム?

先日卵子凍結保存ということに関してガイドラインが発表され、特に晩婚化によって卵子の老化という問題があれほど大騒ぎされただけに非常に大きな社会的関心を集めているのですが、中でも独身女性に対しても保存を容認するということが賛否両論を巻き起こしているようですね。

卵子凍結保存、独身も容認 晩婚化で学会が指針案 (2013年9月13日日本経済新聞)

 日本生殖医学会は13日、健康な独身女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存することを認める指針案をまとめ、公表した。実施する病院などを学会で認定し、件数の報告を求める方向で検討しており、関連学会と連携して施設基準などを決める。認定施設による卵子凍結は早ければ年内にも始まる見通し。
 晩婚化の進行を背景に若い時の卵子を残したいという女性の要望に応える。仕事を持つ女性の選択肢が増え、キャリア形成に影響を与える可能性がある。ただ学会内には「指針に拘束力はなく、病院などに基準を守らせることができるか分からない」として実効性を疑問視する声もある。

 指針案は(1)健康な独身女性が将来、不妊になる可能性を懸念する場合、卵子を凍結保存できる(2)40歳以上の卵子の採取は推奨できない(3)保存卵子を使った45歳以上の不妊治療は推奨できない――とした。本人の妊娠以外の目的では使えない
 卵子凍結は従来、不妊治療をする夫婦やがん治療で卵巣機能を失う恐れのある患者を対象に実施するとされてきた。しかし近年、保存技術が向上したこともあり、一部の施設が独身女性を対象に実施。学会は無秩序に広がるのを防ぐため、ルールが必要と判断した。

 卵子の凍結保存によって、女性は妊娠しやすい若い時の卵子を保存し、仕事や婚期など、個人の事情に合わせて出産時期を調整できるメリットがある。だが「解凍後の受精卵を子宮に戻して出産できる確率は1割前後」(学会)で、必ずしも高い確率で出産できるわけではない。母体のリスクが大きくなる高齢出産を助長する恐れもある。
 吉村泰典・日本生殖医学会理事長(慶応大教授)は「指針案は独身女性の卵子凍結を推奨するものではない。30代半ばまでに自然妊娠するのが望ましい」と話している。

 学会によると、不妊治療を実施している病院・診療所は全国に約600施設。認定施設がどの程度になるかは「不明」としている。
 厚生労働省によると、2012年の女性の平均初婚年齢は29.2歳。母親の第1子出産時の平均年齢は30.3歳となり、晩婚化や晩産化が進んでいる。年齢を重ねれば妊娠できる確率が低くなるほか、卵子が老化して染色体異常などが発生しやすくなる

若い女性の「卵活」、注目の陰で… 費用高額、体にリスク [福岡県](2013年9月22日西日本新聞)

 「就活」「婚活」ならぬ「卵活」という言葉をご存じだろうか。健康な未婚女性が将来に備え、自分の卵子を凍結保存することをいい、若い女性の関心を集めている。卵子凍結はこれまで病気や不妊の治療が主な対象だったが、日本生殖医学会が13日、健康な未婚女性にも事実上容認する指針を公表したためだ。九州の専門医療機関にも問い合わせが相次いでいる。出産適齢期に仕事の実績・基盤づくりの時期が重なることや「卵子の老化」を意識する女性の増加が背景にあるようだ。

 「卵子凍結はできますか? 結婚や出産の予定はないんですが…」。不妊治療専門の蔵本ウイメンズクリニック(福岡市博多区)は9月に入り、卵活への女性の問い合わせ電話が10件続いた。卵子凍結は2004年から取り組んでいるが、日本産科婦人科学会などの指針に従い、対象者は治療で卵巣機能が失われる恐れがあるがん患者か、不妊治療中の夫婦に限ってきた。料金は採卵と1年の凍結保管で約18万円(がん患者は約15万円)、2年目以降は年約5万円の保管料がかかる。
 「健康な未婚女性の卵子凍結を行うには課題が多い」と蔵本武志院長は指摘。同クリニックで卵子を凍結保存している女性は18人。うち凍結卵子を使って出産した人は1人だけだ。連絡が途絶えた人もいる。「若いうちに凍結保存しても、結婚して自然妊娠すると忘れる人がいたり、転居した地域に保管施設がなかったりと、さまざまな問題が生じる可能性がある」
 蔵本院長は同学会の指針などを見極めて、卵活を受け入れるかどうかを検討するという。
 現在、九州で卵活に応じている医療機関は西日本新聞の取材では確認できなかった。

 「病気の人を助けるための技術なのに、とんでもないことだ」と卵活を批判するのはセント・ルカ産婦人科(大分市)の宇都宮隆史院長。卵活への問い合わせが、14日以降5件あったという。
 初めて実施した卵子凍結は07年、白血病の10代女性から「骨髄移植で閉経してしまう前に」と依頼されてのことだった。以降、約20人のがん患者の希望に応じてきたが、亡くなったり、結婚相手が現れなかったりして、卵子を使ったケースはなかった
 東京には卵活の手術に応じている医師と、凍結卵子を保存している業者がおり、採卵から凍結保存までに約100万円の費用が必要。宇都宮院長は「未婚女性の『将来の保険に』という気持ちを否定はしないが、商業ベースの一部業者に乗せられないで」と訴える。
 鹿児島県姶良市の竹内レディースクリニック(竹内一浩院長)にも「30歳を過ぎたけど、今は仕事を頑張りたいので結婚や出産はしたくない」といった問い合わせが4、5件寄せられたという。

 卵活が独身女性に注目される背景には、子育てしながら働き続けることに周囲の理解は乏しく、晩婚化が進んでいることも大きい。ここ数年、テレビや雑誌で「卵子の老化」が盛んに取り上げられ、焦りを感じている女性も少なくない
 「女性が働き続けにくい社会をまず正していくべきだ」と言い切るのは出産ジャーナリストの河合蘭さん。その上で「卵子凍結の選択肢はあっていいが、排卵誘発剤や採卵手術の体へのリスクや費用、必ず妊娠できるわけではないことも知ってほしい」と呼び掛けている。

 【ワードBOX】卵子の凍結保存

 排卵誘発剤などを使って卵巣を刺激し、手術で採取した卵子を液体窒素で瞬時に凍結させ、保存する。精子や受精卵の凍結保存に比べて難しかったが、近年の技術革新で可能になった。日本産科婦人科学会の2010年統計では、凍結卵子を使った受精卵を子宮に移植した女性で、出産できたのは約1割。日本生殖医学会が今月13日に公表した指針は、健康な未婚女性の卵子凍結について「40歳以上での採卵は推奨できない」「45歳以上での凍結卵子の使用は推奨できない」としている。

まさに賛否両論という感じで意見が分かれていますが、それなりの専門技術を要する手技とは言え採卵法など技術的には確立されてきたものではあるようで、そうなると産む側の都合で卵子を保存してまで出産コントロールをすることが是か非かと言った問題からの問題と、法外な費用をふっかける悪徳業者をどう排除するかといった問題が主な争点になってくるのでしょうか。
今はほとんど聞かなくなりましたが一昔前には家族計画と言う言葉があって、定義的には「家族全員の幸福のために,家族にとって最も適当な数の子どもを,最も適当な時期に適当な間隔で出産するように,妊娠,分娩に計画性をもたせること」と言うことになっているそうですが、実際上は無分別に産むな、きちんと避妊して産児制限しろといったニュアンスで使われる場合が多かったと記憶しています。
定義的に考えるならばこの卵子凍結による計画出産も「最も適当な時期に」産むためのものですから家族計画と言っていいと思いますが、何故それが今になって否定されるのかと言えば本当にそれが家族全員の幸福につながるのかという保証がないことが大きく、早い話が子供を育てることを考えるならばそんなに遅い分娩は勧められないということなんだと思いますね。
ただ「参観日でうちのママだけちょっと違う…」レベルの不都合は別として、今の時代若くてお金も余裕もない時代に無理して産むことが本当にいいのかどうかという指摘もあるわけで、コストや安全性、妊娠率など様々な要素を勘案した上で最終的に卵子凍結の方がメリットがあるということであれば、これは個人に許された選択の自由の行使というしかないかなと言う気がします。

一方でいささか厄介なのが悪徳業者問題ですが、原則的にこうした行為を行うのは医師に限られるはずですから何らかの事情で闇で頼むといったことでなければ無資格な人間に無茶をやられるということもないでしょうし、また後々まで保存した卵子を最終的にまた戻すことまで考えるならばきちんとした永続性の高い施設で対応してもらうのが当然ですよね。
ただこうしたことになると「施術していい施設を認定すべきだ」とか言ったことはともかく、「費用もきちんとした目安を出せ」といった要求が学会等へ向かう可能性が高まってくると思いますが、出産費用などもそうですが本来きちんと行っていればこれくらいのコストはかかると言った計算に基づく数字に比べて、現在の医療における相場は総じて安売りし過ぎているということはあるわけですね。
また予防接種費用などにも見られるように、それを行いたくない施設では敢えて高い値付けをすることで利用者を減らすということをやっている場合があって、特に今回のように賛否両論が分かれポリシーとしてそれはやりたくないという先生ほど、法外な値段を吹っかけて実質的にお断りしているということをやっている可能性もあります。
悪徳と言えば恐らく次の段階では卵子は保存しておいたけれども結局産む機会もなく母体が高齢化してしまった、それでも借り腹してでも産んでもらいたいという人が必ず出てくるはずで、今のところ卵子を取った本人にしか戻さないという運用でやるようですけれども、別に法的拘束力もない学会の指針と言うに留まるだけにどこかが抜け駆けした時にどうするのかということが問われるようになるのかなという気がします。

それにしても元々化学療法などやむを得ない場合に用いるための技術だったとは言っても、「病気の人を助けるための技術なのに、とんでもないこと」などと言われては技術の目的外利用の拡大によって医療の新たな地平を切り開いてきた数多の先駆者達の立つ瀬がありませんし、それを言うなら文化圏によっては子供は神からの授かり物で、避妊など計画出産そのものがとんでもないという立場もあるわけです。
晩婚化と出産年齢の高まりによって卵子の老化などなくても妊娠がハイリスクになっていくのに、この上技術の進歩によって避けられる危険があるのに敢えて甘受せよというのもおかしな話で、実際に卵子を取りに来た人がいない等々の問題は卵子凍結保存の是非とはまた別な問題ではないかと思いますね。
もちろん身体的にも金銭的にもそれなりのリスクを負って行うべき処置であることは言うまでもありませんから、きちんと勉強をしてリスクやデメリットも十二分に把握した上で行われるべきなのは当然であって、卵活などと新しい流行か何かのように軽々しく取り上げる風潮にはどうなのかなと感じないではいられません。

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2013年9月25日 (水)

資格試験は何を担保しているのか?

昨今制度改定を巡る議論で何かと話題になっているのが専門医資格というものですが、先日その専門医資格を書類を偽造して取得していた医師が資格を取り消されたそうです。

女性医師が捏造書類で専門医資格 札幌、取り消し処分(2013年9月21日47ニュース)

 患者が医師や医療機関を選ぶ判断材料の一つになる「専門医」をめぐり、札幌市内の病院に勤務する40代の女性医師が書類を捏造して資格試験を受験し、一定レベル以上の実力を持つ医師に与えられる「認定内科医」と「総合内科専門医」の資格を不正に取得していたことが21日、日本内科学会などへの取材で分かった。

 学会は今月、この医師の両方の資格を取り消すとともに、認定内科医は3年間、総合内科専門医は永久に再受験を認めないとの処分を決めた。

どうしてばれたのか?とも思うのですが、この書類捏造というのは突き詰めて考えると実は大きな波紋を呼びかねない問題でもあって、例えば症例数を捏造してやったこともない手技を沢山こなしたような顔をして専門医を取っている先生方も少なからずいる結果、「内視鏡専門医なのにカメラもろくにできない」と言う不思議な現象が発生しているわけですね。
医師が将来どんな資格を取得するか判らないのですから、研修医時代からありとあらゆる手技や経験をすべてデータベース化し管理するといったちょっと非現実的なことを行っているというのでない以上、基本的には申請書類はあくまでも自己申告であり、それだけを担保として知識も経験もありと保証するというやり方に一定の限界はあるのかなという気はします。
ところで学会によっても取り扱いが違うのでしょうが、いわゆる専門医資格の二階建て構造化で認定の際には内科や外科など基礎学会の認定医資格を必要としても、更新においては特に記載がないという場合も少なからずあるようで、この歳になってから基礎学会資格を取り消されてもさほど大きなペナルティーにはならないのかも知れませんね。

専門医などはなければないで別に医師として働けないわけではありませんが、その大本ともなる医師免許などはさすがに厳密さが要求される国家試験で、以前は一部旧帝系大学などでは学生時代は基本放置、国試の勉強は勝手にやってくれで通っていたようなところがありましたが、最近はさすがに学生の質を保つ必要があると言う考えからか進級チェックも厳しくなってきているのは先日もお伝えした通りですよね。
その国試に関してはかねて合格基準など非公開で、問題としての難易度と合格率に相関がなさそうに見えること、医学部学生が大きく増え質の低下が叫ばれている中でも合格率は顕著な変化がないなど、かねて様々な要因を加味して合否判定が行われているのではとささやかれていましたが、先日こういう話が出ているということでやはり皆気になっていたんだなと言うことでしょうか。

「国試の情報公開や質の高い問題を」-医学部長病院長会議が要望(2013年9月20日CBニュース)

 全国医学部長病院長会議はこのほど、医師国家試験について情報公開や質の高い問題の出題などを求めた要望書を厚生労働省と文部科学省に提出した。これに対して、両省の担当者は前向きな姿勢を示したという。19日に開かれた記者会見で明らかにした。

 要望書は、今年2月に実施された医師国家試験の受験生や大学医学部、医科大の教員・教官を対象にした国試に関する感想や問題の質、要望、大学での学習と国試の関連性などのアンケート調査の結果に基づき作成した。

 調査では、現状の国試について、「透明性が維持され、不適切な問題は受験生の不利にならないようになっている」「合否が在学中の学業成績と相関している」ことなどが評価点に挙がった。

 一方で検討事項として、「本質的に臨床実習の成果を問う問題として機能していない」「必修問題の内容や難易度は、他の問題と十分に差別化できていない」などが挙がった。

 調査結果を踏まえて同会議は、▽国試に関する情報公開や臨床実習の成果を問う良質な問題の出題▽受験環境の整備▽難易度が高く、正解率の低い問題を採点から削除―などを要望した。【松村秀士】

広範な臨床能力を維持するために毎年国試問題を解いているという先生もいるくらいで、怪しげな学会の専門医試験問題などよりはよほど国試問題の方がしっかりしているという声もあるでしょうが、やはり専門医レベルの先生であっても解答について見解が分かれるという場合が散見されるというのは困ったものですし、そうした微妙な問題が医師国試に適切なのかという疑問もあって当然だと思います。
昨今では専門医試験でもきちんと詳細な採点結果が帰ってきて弱点がわかるようになっていたりもしますが、合格するにしても落ちるにしても基礎的な臨床に関わる知識を問うのであれば何が足りていて何が足りないのかを教えてやらなければその後の研修にも苦労するでしょうし、そもそも採点や合否の基準も判らなければどういう学習をしていけばよいかも判らないということになります。
一方で他の国家試験ではそこまでのことはやっていない、それは国試の役割ではないという考え方も当然にあって、それでは医学教育というものの到達点を図る妥当な基準とは何かと言うことを考えた結果がCBTやOSCEといった共用試験なのだろうし、昨今その基準を全国統一でやろうとしているのも国試というものに頼った質的担保の限界を示しているということなのでしょう。
実際に一部で学部教育が国試予備校化していると言う話もあり、単に国試に通れば大手を振って医者として十分な能力を持っていると言えないんじゃないか?という考え方が出てきてもおかしくないのですが、そうなるとこういう話はどうなってしまうのだろうかという疑問も湧いてくるのが以前に少し話題になっていた件の顛末です。

海外医学部卒業生 医師国家試験受験資格認定の書類審査を通過(2013年9月19日ハンガリー国立大学医学部)

7名の卒業生のうち6名が日本に帰国し、7月末に医師国家試験の受験資格を得るために厚生労働省へ申請をしましたところ、6名全員が書類審査を通過したことを確認しました。今後は、10月に日本語診療能力調査が行われ、それに通れば、正式に医師国家試験の受験資格を得られ、来年2月の医師国家試験に臨みます

この外国の医学部に通って国試受験資格を得るという話、数年前に募集が始まった時に一部方面で「医師になるための抜け道登場?!」と大いに話題になったことが未だ記憶に新しいですが、このハンガリー国立大はかなり本格的な体制を組んで学生を受け入れ、今回送り出してきたようですよね。
ご存知のように医学部というところは一般大学よりも年数も長いですし、資格取得という目的が明確な以上はそれなりに優秀で熱心な学生も集まってくると想像されますから、下手に留学生募集などと盲撃ちして玉石混淆で人を集めるよりはよほどに手堅く運営できるうまいことを考えたなと思うのですが、さてこの場合医学教育の質的担保をどのように行うのかです。
ハンガリー国立大学などはHPなどを見てもかなり本格的にやっていらっしゃるようなのですが、名誉学位を何十何百と抱え込んでいらっしゃるという著名人も世の中にはいるというくらいで、怪しげな国の怪しげな医学部を卒業したという経歴などはどこまで国試受験資格として認めるべきか、そもそも国試合格が質的担保ではないとするなら学部教育のレベルを国が確認し担保しなければならないはずですよね。

よく言うところで医師国試などしょせん9割が通るザル試験で選抜方法として機能していない、だから医学部は入試や進級で厳しくやっているのだと言う声が以前からありましたが、ご存知のように入試は地域枠などによって年々形骸化し学生の質が落ちたと嘆く教官が増えている、そして進級を厳しくしようにもしょせん相対的な評価ですから全体のレベルが低下していれば結局はすり抜けていってしまうことになるでしょう。
さらにそもそも外国の医学部に通えばいいということになればもはや何を信用したらいいのかということですが、そもそも医師としての能力をどう判断すべきかということには明らかな正解など存在しないし、さらに患者からの評価ともなれば時折出現する偽医者の方がよほど患者受けがいいと言われることなどからしてももはや何が何やらというものですよね。
昔の学部学生の頃から先輩後輩関係を築きあげ、それがそのまま医局同門の先輩後輩関係につながっていくという「白い巨塔」システムはそういう点からすると長年の付き合いがあるだけに、とにかく体育会的な暑苦しさや窮屈さはあるにしても「こいつはどの程度出来るのだろう?」と判断に迷うことだけは少なかったと言えるのかも知れません。
しかし考えて見れば昔は医師の質がどうとか質的担保はだとか面倒なことなど誰も考えてはいなかったわけですが、それでも日本の医療は世界最優秀のレベルにまで達するくらいにはきちんと運営されていたわけですから、あまり資格だ資質だと小難しく考えても仕方がないことなのかも知れませんけれどもね。

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2013年9月24日 (火)

終末期医療 一生に一度の選択を迷いなく行うには

ショートショート1000編執筆という偉業を達成した作家の星新一はメモ魔として有名で、何でもかんでも思いついたことを片っ端から紙切れに書いては机の周りに放り出していたそうですが、後日そこから思いもかけない新作のアイデアが生まれることもあれば、「いったいこれはどういう意味だったんだろう?」と首をひねるしかないメモも少なくなかったと言いますが、その星新一氏の何気ない言葉にこんなものがあります。

三日かけてなぶり殺しにするといわれたら即座の死を望むだろう
しかし一年となると、こちらを選ぶに違いない。境目はどこにあるのだろうか。

ある時期が来たら確実に死ぬということが判っている場合、どうせ死ぬなら余計な苦痛などなくさっさと死にたいと考えるのもまた人間ですし、同時にまだそれだけ生きられるのなら最後まで生きたいと思うのもまた人間ということで、個人の考え方や立場によってもなかなかこれという明確な割り切りは出来ないように思いますね。
医学的に言えば例えば癌などのいわゆる余命告知問題なども同様のジレンマが存在しているのでしょうが、これまたどのように死と向き合い対処するかという考え方は人それぞれで個人差も大きいだけに告知の是非が云々と言われても本当の意味での正解はないはずで、ただ医療提供の上で何かしらのルールや指針が存在しないことには現場もどうするべきか迷うだろうし患者や家族ともトラブルになるということでしょう。
昨今では一部に例外はあるものの司法判断においては患者の自己決定権と言うものが非常に重視されるようになってきていて、その流れでこうした余命告知においても原則知らせるべきであるし、知らせなければ後で訴えられるかも知れないよと言うことになってきていますけれども、これなども考えて見ればJBM的な考え方が滲透してきている結果だとも言えそうですよね。
終末期のただ延命だけを目的とした人工呼吸器なども医学的にも患者家族の心情的にもいつまでもやっていても忍びないだけなんですが、下手をすると殺人罪で訴えられるということを考えるとうかつに外すことも出来ず非常に煩雑な手続きを必要とするのが現状ですけれども、これまたより徹底的に(言葉は悪いですが)「事なかれ」的対応をしていくというのが学会などの考え方なのはそうした理由もあるわけでしょうね。

くらしナビ・医療・健康:9月→人生の終末に 今週は学会の指針 患者への説明、より丁寧に(2013年9月19日毎日新聞)

 2006年に発覚した射水市民病院(富山県)での終末期患者の人工呼吸器外し問題以降、終末期医療に関するルール作りの議論が続いている。指針に基づく治療中止などの報告は多くはないが、指針をきっかけに、患者の意思確認が徹底されるなどの効果もあるようだ。

 射水市民病院の問題発覚の前、北海道立羽幌病院での呼吸器外し事件で、延命治療中止を理由に医師が初めて殺人容疑で立件された(06年不起訴処分)。

 医師の独断を排除し医療現場の混乱を避けるため、終末期の治療方針決定に関するルールを求める声が相次いだ。厚生労働省は07年、患者本人の決定を基本にした上で複数の医療者が判断するなど、方針決定の流れを示す指針を公表。終末期医療に関する国の初の指針となった。

 だが、終末期の定義など具体的な内容が盛り込まれなかったことなどから、医療や介護の現場でなかなか浸透していない。同省が今年3月、医療機関や介護老人福祉施設の施設長を対象にした調査(対象4200人、回収率35・4%)では、同省の指針に沿うよう指導している病院や介護施設は全体の約2割。指針を知らないケースも病院・介護施設で約3割、診療所では約6割に上った。

 一方、終末期の患者にかかわるさまざまな学会が独自の指針を策定、患者への丁寧な対応や混乱防止を図ろうとしている

 日本救急医学会は07年11月に指針を公表。治療開始から短い時間で死が迫る救急現場の特殊性を踏まえ、終末期の定義を「不可逆的な全脳機能不全(脳死診断後など)」など具体的に示し、延命中止の選択肢(人工呼吸器取り外しなど)も明記した。

 同学会の終末期医療のあり方に関する委員会(委員長=横田裕行・日本医科大教授)は昨年5月、指針の活用状況を救急科専門医に調査した(対象3374人、回収率19・5%)。その結果、指針を「よく知っている」「おおむね知っている」は計82・4%で、公表直後の08年調査時(73・3%)より増えた。

 ●倫理観共有にも有益

 治療中止を検討する際、学会や病院独自の指針を使ったことがあるのは2割程度だったが、指針によって「終末期の方針を相談する機会が増えた」「説明や同意の内容について正確な記録を残すようになった」との声が08年調査時よりも増えた。指針が、より丁寧な患者対応を促している可能性がある。

 横田委員長は「家族らに説明するタイミングや環境にも配慮するケースが増えたようだ。医療チームで判断することを明記したことで、現場全体で倫理観を共有化するのにも役立っている」と話す。【大場あい】

もちろん患者にとっては文字通り人生最大の決心を求められる一大事だけに、こうした終末期対応の齟齬はマスコミからは格好の医療叩きのネタになるらしく、何かと言えば「医師の無神経な言葉に傷つき」云々といった話を取り上げたがりますし、いわゆる顧客満足度向上の考え方からも本人家族と十分な意思疎通を図るというkとおは重要であることは言うまでもありません。
ただそれだけ懇切丁寧な説明を繰り返すということは医師らのマンパワーを非常に大きく要する作業で、現状でこうした作業には控えめに言っても十分な診療報酬が出されているとも言えないだけにコスト負担はどうするのか、ますます丁寧な説明を求められ仕事も回らなくなるくらいなら最初から余計なことなど言い出さず家族が見るに見かねて「先生実はお願いが…」と言い出すまで黙って呼吸器をつけとけばいいとなりかねませんね。
学会などは「医療とはかくあるべし」を決めているところでもあって、もちろん理屈の上でそれは正しいのも理解できますが、実際の医療とは診療報酬設定によって容易に誘導されてしまうようにしょせん金にならないことはやりたくてもやれない程度の「薄利多売」の商売なのですから、学会が医療財政を無視してかくあるべし論を突き詰めるほど現場はついていけなくなるし、そこで国をどう巻き込むかという考えも必要になるはずです。
いささか話が脱線しましたけれども、癌対策ということに関連して一つにはcureを目指した積極医療というものがあり、そしてもう一つにはBSTなどと呼ばれる苦痛緩和などのcare主体の対応があっていわば両輪を形成していますけれども、先日特にその後者に着目してこういう話が出たそうです。

がん対策に在宅の充実を-対策推進協(2013年9月20日CBニュース)

 国のがん対策推進協議会(会長=門田守人・がん研究会有明病院長)は20日の会合で、今後のがん対策の方向性について意見を交わした。委員からは、がんの罹患者・死亡者が増える高齢社会に向け、在宅医療の充実を図る必要性などが指摘された。

 この日は、前回会合から新たに加わった委員らが、今後の対策を考える上で重要な視点や課題について発表。がんに対する国民の意識を向上させることや、就職や結婚、出産といったライフイベントのさなかにある若い世代の患者への支援、在宅でがん患者を支える仕組みづくりなど、現在欠けている対策について述べた。

 議論では、在宅医療に関する意見が多く出された。堀田知光委員(国立がん研究センター理事長)は、「(高齢化のピークに向かって)患者数が増え、サバイバーも亡くなる方も増えてくるという状況の中で、これにどう対応していくかという大きな視点も必要だ」とし、在宅の重要性を指摘。川本利恵子委員(日本看護協会常任理事)は、「がんケアに強い訪問看護ステーションが必要と思うが、連携を考えた体制づくりをしていかなくてはならない」と述べた。細川豊史委員(京都府立医科大附属病院疼痛緩和医療部長)は、在宅でがん患者を診たいものの、「何から手を付ければいいか、何を勉強すればいいか分からない」という開業医も多いとした上で、「最初の治療を終えた退院時に、在宅かかりつけ医を紹介するシステムをつくってほしい」と訴えた。【烏美紀子】

正直普段からcureばかりでろくにcareをやっていなさそうなナショナルセンターや大学病院の偉い先生方ばかりでこういう議論をすることに違和感を覚えざるを得ませんが、深読みすると「積極治療が出来なくなればうちでは診療の対象外だから、あとは開業医さんの方で適当にやってね」ということなんでしょうか?(すみません冗談です)
それはともかく厚労省としても入院主体の医療から在宅医療へと軸足を移していくという大方針を先日打ち出してきたところで、この終末期癌患者の在宅医療という話も同じ一連の文脈で語られている可能性がありますし、当然ながら対象者は多くは寝たきり、緩和療法などcare主体と言う点で、同じく開業医中心で見込まれている高齢者の在宅医療ともリソースが共用化できそうだと言う計算もあるのでしょう。
以前から「最後は自宅の畳の上で死にたい」という希望を多くの患者が口にしている、一方で多くの家族は「最後は病院で看取ってもらいたい」と希望しているというギャップが以前から指摘されていて、その理由の大きな部分として現実的な「介護の負担」などと並んで「患者が苦しんでも家族では何も出来ない」という技術的な問題も多くの家族が指摘していたわけですね。
在宅医療といってもきちんとした方法論をとればかなりのことが出来ますから、看取りを担当する在野の医師は最低限在宅医療で何がどこまで出来るのかということを精通しているのはもちろん、患者を手放す側の病院側担当医にしても事前に外泊等を積極的に行わせ患者や家族の不安感を払拭する努力が必要となりますし、行政側はそれを可能にする診療報酬体系を整備することが求められるのだと思います。

医師なら患者から「先生ご自身(あるいは先生の家族)だったらどうします?」などと問われることがあると思いますが、よく言う話に日頃から末期癌の患者にもどんどん積極的な医療をしているような医師自身が末期癌だと言われた場合に、それじゃ自分も一生懸命頑張るという人が思いの外少ないというのは、医師が患者に伝える情報が医師自身と同じ理解に達するにはまだ不十分なものであることを示唆しているとも言えそうです。
先日は日本癌学会の会長が会長としてではなくあくまでも個人的意見と断りながらも近藤氏の言うところのがんもどき理論は「荒唐無稽」と斬って捨てたと言い、それなら長年同氏を飼っている慶大病院の責任はどうなのかとも思うのですけれども、近藤氏に見習うべき点があるとすれば延命効果だとか根治率だとか言った数字に出る客観的評価ではなく徹底的に患者の苦痛といった主観的評価から論を展開しているところではないかと思いますね。
冒頭の星氏の二択にしても表現に左右されるところが大きくて、「これから1年間貴様には徹底的に苦痛を味わせてやる」「だが近藤教に入信すれば三日後に安らかな死を迎えさせてやろう」と言われれば近藤教に入らせてくださいと誰だって言いたくなろうと言うもので、「癌治療はつらくて当たり前」ではなく患者苦痛という評価軸もきちんと組み入れて方針を考え伝えていくこともこれからの重要なステップではあるのでしょう。
それにしても今現在は医師と患者が同じ情報を手にすることが正しい判断の大前提だという考え方で話が進んでいますけれども、同じ情報を手にすれば立場の違いを超えて同じ結論に達するようになるのか、それともやはり異なった選択をするのかということは今後の行方を見守るべき興味深い命題だと思います。

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2013年9月23日 (月)

今日のぐり:「ごはん処やよい軒 ラ・ムー大安寺店」

この夏ちょっとした騒ぎになった「北欧に肉食魚現る!」という怖いニュースをご存知でしょうか。
南米原産の淡水魚が北欧海域で見つかったという話題性と共に「漁網や人間の指をかみ切る力は十分にあり、好物の木の実もかみつぶして食べる。男性の睾丸(こうがん)を、木の実と間違えて食べようとする」などという恐ろしい食性が大いに話題を呼んだのですが、その意外な後日談があります。

「男性器かみ切る」は冗談、南米原産の魚パクー(2013年8月17日CNN)

(CNN) デンマークとスウェーデンの間のエーレスンド海峡で男性の性器にかみつくとされる南米原産の魚「パクー」が見つかり、デンマーク国立歴史博物館の教授が男性の遊泳客らに注意を促していた問題で、同教授は17日までに発言は「冗談のつもりだった」と弁明した。

デンマーク人漁師が同海峡で今月パクーを捕まえた後、ペーター・ラスク・メラ教授は9日の声明で、男性は海水着のひもをしっかりと締めたほうが良いなどと指摘。この魚は男性の睾丸(こうがん)を好物の木の実と間違えるとも説明していた。

警告の撤回については、海水着などに絡めた表現がニュースの見出しになるほど注目されるとは考えていなかったと釈明した。

同教授はCNNの取材に、デンマーク沿岸海域により多くのパクーがいるのかどうかを確認するまでの注意を促す半ば冗談の警告だったと説明。ただ、同国海域でパクーに遭遇し、かまれることはまずないと付け加えた。今回見つかったパクーは熱帯魚ファンや魚類の養殖業者らが投棄したものとみている。

教授は、警告の狙いは、バルト海でパクーが見つかったことの驚きや、攻撃的かつ潜在的には危険な魚種であることを知らせるためだったと述べた。

パクーは南米の肉食淡水魚ピラニアの近似種。デンマークのような北方の海で見つかったのは極めて異例となっている。

米ミシガン大学のピラニア研究者であるウィリアム・フィンク氏はパクーは草食で、人間を襲ったことを示す記録はないと主張。鋭い歯は果物の種などをかみつぶすものとしている。

エーレスンド海峡で発見されたことについては、海水や低温では生息出来ないため、放された後に直ぐ捕まった可能性があるとしている。

何とも困った冗談というしかありませんけれども、いずれにしてもこうした外来魚がこんな場所で見つかるというのは困ったことであるのも事実ですよね。
今回は危うく「ボールカッター」の難を逃れた北欧市民のご子息達の健康を祝して、世界中から「それはちょっとどうよ?」と思われる困った生き物たちの話題を紹介してみることにしましょう。

チェコ カンガルーが店を荒らす(2013年9月18日VoR)

チェコのプリゼンでは、カンガルーが店舗を荒らす事件が発生した。iDNES.czが報じた。事件は15日に起こったもの。

    カンガルーが飼い主から逃走したとの通報が警察にあり、5時間にわたる捜索の末、カンガルーは店で食べ物を万引きしているところを捕まった。
警察によれば、「カンガルーは店の中で食品を自らの袋に詰めていた。特にヨーグルト、チーズ、卵、燻製チキンなどだった。」という。

    カンガルーは飼い主に戻され、今後管理に気をつけることを約束した上で、食べ物の分を弁済した。

しかしカンガルーの袋って本当にそういう目的で使われるものなんだなと改めて感じ入りますが、ちなみに件のカンガルーが「マイバッグあるんで袋いらないです」と言ったかどうかは定かではないそうです。
こちらも同じく困った動物による泥棒行為の記事なのですが、しかしこれは本当に野生の生き物なのか?と多くの人が疑問に感じているようです。

まるで、きぐるみ! クマが2足歩行でレストランのゴミ箱を盗み出す(2013年8月10日Kotaku)

最近、「くまもん」や「モノクマ」など、二足歩行のクマキャラが人気を博していますが、アメリカでは、つかまり歩きで二足歩行をする野生のクマが出没したようです。しかも、そのクマはレストランのゴミ箱を盗み出す困った奴なんだとか。

それでは早速、監視カメラが捉えたその姿を動画でご覧ください。
(略)
コロラドにあるドイツ料理店「エーデルワイス」に出没した野生のクマ。よほどドイツ料理が気に入ったのか、2日連続で現れたんだとか。最初は四足歩行ですが、ゴミ箱を盗み出す時には二足歩行に。まるで中に人が入っているかのような、やたらと人間らしい動きを見せていますね。なんかかわいい!

お店のFacebookによると、毎回ゴミ箱を盗まれては困るので(人に危害が及ぶ可能性もありますし)、鍵付きのゴミ箱を導入するなどして対策したとのことです。

詳細はリンク先の動画を参照いただきたいと思いますが、椅子などと比較していただければかわいいとばかりも言っていられないそのサイズ感がおわかりいただけるかと思います。
酒に酔うという行為は別に人間の専売特許ではないそうですが、飲み慣れない連中が下手に酔っ払うとどれだけ迷惑かということをこちらのニュースから紹介してみましょう。

酔っ払った鹿が自宅玄関を占拠!家主は立ち往生(2013年9月10日クランクイン)

 スウェーデン・ストックホルム郊外で、酔っ払ってしまった鹿のせいで男性が自宅に入れなくなったという珍事件が発生した。

 報道では、どうやら自宅の庭にあった腐りかけたリンゴを口にした鹿(エルク)5匹は酔いが回ってしまったようだと伝えられている。そして、玄関口に居座ってしまったことで、その家の主は家に入れなくなる憂き目に遭ってしまったという。

 警察の事件報告には「5匹の鹿が住人を脅し、男性は自宅に入れなくなった」と記載してある。さらに、地元警察のスポークスマンは「鹿というものは凶暴性があります。怖いもの知らずになるのです」「人間が近づくと、引くどころか近づいてくるんです。しかも追いかけてくることもあります」と話している。

人間が近づくと追いかけてくるというのは追っ払おうにも怖いというものですが、しかしシカのくせに大トラになってしまうとは何とも人を食った連中ですよね。
これまた酔っ払いがとんだはた迷惑というニュースですが、この妙に手慣れた感はどういうことなのでしょうね。

【海外:オートラリア】酔っぱらいブタ、牛に絡んで喧嘩し、最後は酔いつぶれ、翌日は二日酔い(2013年9月11日日刊テラフォー)

オーストラリア当局は、ラージサイズのビールを18缶も飲み干し、酔っぱらって大暴れして、現在はヒドイ二日酔いに見舞われているはずのブタの行方を追っている。

困ったブタ君は、キャンプ客からビールを盗み出すと、「これはウマい!」とばかりに浴びるように飲み、つまみを探した。酔っぱらって気が大きくなると牛に喧嘩を挑み、でもやっぱり負けそうになると逃げ、最終的には、酔いつぶれて寝てしまった。

この様子を見ていたキャンパーは、次のようにメディアの取材に答えている。
「それは真夜中のことでした。私たちとは反対側でキャンプをしていた人たちが、缶を潰す音を聞いたのです。それで彼らが明かりを持って行ってみると、そこにはブタがいて、缶を潰していました。それからブタは、ゴミをあさり始めました。」

川岸でキャンプをしていた人々は、牛に追われたブタが、彼らの車の周りを走っているのを目撃した。
ブタは何度も何度も車の周りを走ると、やがて川の中に入って行き、川の中ほどまで泳いでいった。

川岸でキャンプをしていた人々が川を渡って静かにブタを見に行くと、ブタは川岸の大きな丸太に隠れて眠っていた。

オーストラリア当局は、現在このブタを探しているが、まだ見つかっていない。
「最後に目撃されたのは、川岸の木の下です。今日は頭痛に苦しめられていると思うのですが。」

このブタは野生のブタのようで、ビールを18本も盗まれたキャンプ客たちは、怒りの矛先を向ける場所がなく、憤っている。
ブタ君は、二日酔いが治っても、しばらく人里には出てこない方がよさそうだ。

ラージサイズ18缶とはよほどに好き者だったのでしょうが、それにしてもこれだけ多くの人々の怒りをかってしまっては見つかり次第酒のつまみにされかねませんね。
動物は怒らせると怖いというのは定説ですけれども、まさかこんなことが…と多くの人々が驚いたのがこちらの恐怖ニュースです。

逃げる車に猛然とキリン突進、サファリパークでの恐怖映像が話題に。(2013年6月27日ナリナリドットコム)

サファリパークといえば、動物たちの生態を間近で見られるのが醍醐味。しかしそれは、動物のテリトリーに人間が入るから見られるのであって、ともすれば動物園では想像もできないような出来事が起こり得るから注意しなくてはならない。先日南アフリカのサファリパークでは、体長5メートルほどとされる大きなキリンが、訪れた観光客らが乗った車を追いかけるハプニングがあった。その一部を撮影した動画が投稿され、話題を呼んでいる。

この動画は、6月25日付でYouTubeに投稿された「Chased by a giraffe! Tourists mad dash to escape animal | Giraffes attack」(http://www.youtube.com/watch?v=uwr0UXFKg4I)などで見ることができる。英紙デイリー・ミラーや豪ニュースサイトNinemsnなどによると、投稿したのは南アの野生動物保護区を訪れた男性で、彼は結婚式に参加した後、仲間たち数人と保護区を訪れ、レンジャーが運転するジープに乗ってサファリツアーを楽しんでいた。

その最中に携帯電話で撮影されたのが今回の動画。近づいた彼らを見つけた1頭の「興奮した」キリンが、突然追いかけてき始めたという。ジープはかなりのスピードで逃げているものの、長い脚で必死に追いかけ、距離を詰めてくる大きなキリン。幾度となく通り過ぎる曲がり角から、一度姿が見えなくなるキリンが再び勢いよく現れる様は見ているだけでも恐ろしく、目の前にいた彼らが相当な恐怖を味わったのは想像に難くない。

動画は50秒弱ほどで終わるが、実際は「5キロほど続いた」というから、撮影された時間以上に長く追われていたようだ。しかも、キリンは着実にジープとの距離を詰めており、後ろに乗っていた女性2人は声を上げながら車を叩き出し、迫りくる恐怖を露わにしている。しかし最後は、ジープがトンネル状になった木々の下に入るとキリンの追跡は終わり、彼らの恐怖体験も突然終わりを迎えた。

投稿から間もなく、欧米メディアに広く紹介され注目を集めているこの動画。楽しいお祝いムードが一転、命の危機をも感じる野生の厳しさを目の当たりにした彼らは、帰った後に秩序ある人間社会の平和さを改めて実感したのかもしれない。

問題の恐怖動画はこちらを参照いただきたいと思いますけれども、しかし巨人に追われる人間の恐怖というのもこんな感じなんでしょうかね…
最後には例によってブリからの話題を取り上げてみたいと思いますが、世の中には快適な社会生活を営む上でお互いに守るべきルールがありますが、基本的にこうしたルールは人間を対象に想定されているのだなと感じさせられるのがこちらのニュースです。

【海外:珍事件】マクドナルドが馬に乗った客のドライブスルー利用を禁止→馬を連れて店内にご来店!(2013年7月22日日刊テラフォー)

マクドナルドのスタッフが、馬に乗った客のドライブスルーの利用を禁止したところ、そのお客は、馬を連れて店内に現れた。

マクドナルドでは、衛生と安全性の理由から、馬に乗ったお客がドライブスルーを利用することを禁じている。
このポリシーは、ドライブスルーの車に怯えた馬が、スタッフや他のお客を危険に晒す恐れがあるために、制定された。

だから、土曜日に、イギリス・グレーターマンチェスターのマクドナルドに本当に馬に乗ったお客がドライブスルーに現れた時、スタッフが取った行動はまったく間違いではなく、さらに「今は(外に)繋いで下さいね」とまで忠告したにも関わらず、仔馬を引いた母子は、そんな忠告は意に介さず、馬と共に店内に入って行った。

他のお客が驚愕している間、馬は飄々と床の上に用を足した。

すぐに警察が呼ばれ、馬を連れた女性には、ランチを食べようとしていた他のお客に驚きと苦痛を与えたとして、罰金刑の切符を手渡した。

警察はこの事件を、警察のFacebookページで紹介した。
「現場の光景と臭いは明らかに不快で、ものを食べようとしてたお客や、働いていたスタッフにとっても気分の悪いものでした。」

マクドナルド側はこの件に関して確認中とのことで、コメントは発表していないが、とんだ災難に見舞われてしまったことは確かだ。

それにしても、グレーターマンチェスターはそんなに田舎でもないのに、この母子は一体どこから馬に乗って現れたのだろうか。

ブリの場合禁止にすべきものは他に沢山ありそうだと思ってしまうのですが、しかしマクドナルドにちゃんと馬禁止のルールがあったというのは驚きですよね。
そうまでして待ち構えていたマクドナルドのさらに裏をかいた馬と飼い主も大変なものですが、愉快犯だとしてもやはり公共の場所は綺麗に利用していただく必要があるということですかね。

今日のぐり:「ごはん処やよい軒 ラ・ムー大安寺店」

いわゆる定食屋、飯屋の類は数ありますが、こちら日本国内はもとより海外にまでチェーン展開しているという大手グループなんだそうですね。
岡山市街地から幹線道路を少し走ったところにあるショッピングモールの一角で、周囲には競合店多数という立地ですがそこそこ入っているあたり、ファミレスだファーストフードだと言われる時代であってもこうしたお店への需要も根強いものがあるのでしょう。
食券制と言うことで席に着く先にざっと見たところご飯おかわり自由というのは一つの売りのようで、ちょっとした小鉢や丼物、ビールもありますがまあランチ向きのメニュー体系と言えるのでしょうか、近隣のファミレスも売れ筋はランチ主体と考えると真っ向から競合しそうではありますよね。

今回はナス味噌と焼き魚の定食なるものを頼んで見ましたが、おかずの一つであるノルウェーサバの塩焼きは生ではなく塩鯖らしいのですが焼き加減も頃合いで、大ぶりで脂もたっぷりとやはりノルウェーサバは庶民の味方といった感じでしょうか。
豚バラにピーマンとナスを辛味噌で炒めたナス味噌は少し味噌にくどさは感じるものの割合に野菜のしゃっきり感も保たれていて飯には合う一皿だと思いますが、このナス味噌にしても塩サバにしてもどっちも塩分濃いめなのが常食するには少しきついかなという気もします。
いずれにしてもこれらダブルのおかずはご飯おかわり前提で味も合わせてるのだと思いますが、ちょっと小鉢なりとつければそのまま単品でもいけそうなボリュームですからその気になればどんどん飯も進もうと言うものですよね。
小鉢の豆腐は安物でどうでもいい味なんですが、意外に粒のしっかり立った飯がいけるし汁もうまいとも言わないもののまずまず及第点で、どれも単独で食べてうまいというよりあくまでも飯のおかずとしての味付なのが定食屋の伝統というものでしょうか。

食券制の定食屋と言うのも実は始めての経験でちょっと意外な気がしたのですが、思うに最近セルフの飯屋が多いんですが大多数が昔ながらのカウンターからおかずを好きに取っていくスタイルを維持している中で、定食屋のリニューアルとしてこういいのも見た目に少しお洒落っぽくもあってありだなと思いました。
客層を見ていますと年配客が多く茶碗が小ぶりなのはちょうどいい感じなんですが、もちろん若手のがっつり食べたいという欲求にも応需可と言うことで、実際かなり幅広い年齢層に利用されているようですね。
接遇面では何しろこれだけの大規模チェーンですからフロアは完全マニュアル対応で、いかにも定食屋っぽいおばちゃんたちがファミレス風の接遇をしている光景はなかなかに面白いと思いますが、トイレなど設備面も今時のお店らしく小ぶりながらもきちんと整備されていて好印象ですかね。

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2013年9月22日 (日)

今日のぐり:「びぜん海の駅」

古典的なアメリカンジョークでこういうものをご存知でしょうか。

地方遊説中のブッシュ大統領は、子供たちとふれあおうと小学校を訪ねた。
そして大統領に質問はないかとたずねたところ、ボビーが立ち上がった。
「大統領!ボクは質問が3つあります!!
1)大統領選挙のとき投票数のトラブルがあったのに、なぜあなたが勝ったことになったんですか?
2)緊急の理由もないのに、なぜイラクに急いで攻撃したがるんですか?
3)ヒロシマへの爆弾は、全時代を通じて最悪のテロだったと思いませんか?」
大統領が答えようとしたときチャイムが鳴ったので、子供たちはみんな教室から出て行った。
休憩時間が終わってみんな集まったところで再度、質問はないかと大統領はたずねた。
するとジョーが立ち上がった。
「大統領!ボクは質問が5つあります!!
1)大統領選挙のとき投票数のトラブルがあったのに、なぜあなたが勝ったことになったんですか?
2)緊急の理由もないのに、なぜイラクに急いで攻撃したがるんですか?
3)ヒロシマへの爆弾は、全時代を通じて最悪のテロだったと思いませんか?
4)なぜチャイムが20分も早く鳴ったんですか?
5)ボビーはどこですか?」

これも日本国首相ではサマにならないと言うもので合衆国大統領だからこそ笑い話になるというものですが、先日リアルで「さすがに世界最強の国家元首と言われる男だけのことはある」と思える逸話があったことを伝えるこんなニュースがありました。

【衝撃動画】プーチン大統領が学校の視察で意味深な絵を描く 「ネコの後ろ姿だ。覚えておくように」(2013年9月5日ロケットニュース24)

ロシアにおける真の大ボスといえばウラジーミル・プーチン大統領だ。元KGBのスパイという経歴もさることながら、柔道家としても有名で、大の犬好きとしても知られているが、実は芸術家としての一面もスゴイという。

つい先日の2013年9月2日、ロシアのクルガンにある学校を視察したプーチン大統領は、生徒の前で絵画を披露。そのようすは動画「Putin Draws Cat’s Backside on School Visit」で確認できるのだが、なかなか衝撃的だと話題になっている。

生徒の前で、ホワイトボードにスラスラと何かを描き始めたプーチン大統領。筆に一切の迷いはない。そして描かれた絵画とは……な、なんだこれ……。教室内も「なんだこれ……?」的な、微妙な空気になっている。

そこで、質問者が「何の絵ですか?」と聞いてみると、「ネコの後ろ姿」であるという。なぜ後ろ姿なのか。元スパイだから、後ろ姿をよく見ていたからだろうか。いずれにしても、どう見てもネコに見えない。あなたは何に見えるだろうか?

なお、この猫の絵を描き終えてから、プーチン大統領は生徒に対して「覚えておくように」と言ったという。もしかしたら、今後の人生、何かの役に立つかもしれない。なにせプーチンがそう言っているのだ。絶対に、絶対に覚えておこう。

何故ネコの、しかも後ろ姿なのか?という疑問は置くとしても、あまりにも堂々とした大統領に子供達も迂闊にツッコミも入れ難い場の雰囲気に何とも微妙な顔をして黙り込んでいるのが印象的ですよね。
今日はすばらしく独創的な画才を発揮されたプーチン大統領に敬意を表して、世界中からあまりに尋常な人並みから外れすぎて突っ込むのに躊躇する人々の話題を取り上げてみましょう。

海外の地下鉄の乗客がスゴイって写真26選(2013年9月1日ロケットニュース24)

電車は真っ直ぐな線路の上を走っているが、電車内は人間交差点である。老若男女、国籍も様々、いろいろな乗客が利用している。人間観察にはもってこいの場所、それが電車の中であろう。

一方、海の向こうの海外の地下鉄には、それはもうケタ違いなレベルの “いろいろな乗客” が乗ってくるらしい。ということで今回ご紹介したいのは、海外の画像サイトに紹介されていた「地下鉄の乗客がスゴイって写真26選」である。

問題の画像を確認してみると……なるほど、さすがは海外、自由な空気だ。ほとんど半裸で乗車している人もいるし、風呂あがりのバスタオル一丁で乗り込もうとしている女性までいる。これが海外の地下鉄か! なんだか乗るのが怖くなってくるぞ。

ちなみに、世界最大の飲食店チェーンをご存知だろうか? マクドナルド? KFC? いいや、違う。実は意外なことに、サンドイッチの『サブウェイ』(SUBWAY)なのだ。なお、地下鉄は英語で subway だが、チェーン店『SUBWAY』の語源は地下鉄ではない。

なんでも、潜水艦型の「サブマリンサンドイッチ」(SUBMARINE SANDWICH)を、お客さんの好み(YOUR WAY)で作るから、SUBWAY なのだそうな。こんなトリビアをサラリと言えれば、きっとモテる。忘れずに覚えておこう。

いやしかし何と言うのでしょう、最近では日本も公共の場におけるマナー問題が様々に言われていますけれども、実際にここまでのものを目の当たりにするとさすがに何も言えないという人も多いのではないでしょうか?
他人にはおいそれと真似の出来ないことをやってのけるとそれは芸と呼ばれますが、あまりに独創的過ぎるとむしろ追随する者が存在するかどうかを一度考えて見た方がよいのでは…と思わせるのがこちらのニュースです。

体の柔らかさがハンパない 「ブリッジ歩き世界最速」でギネス記録の女性が驚異的(2013年9月16日ねとらば)

 ブリッジの姿勢で20メートルを10.05秒で歩く――ギネス世界記録を持つ女性がすごすぎる柔軟性を披露しています。

 ギネス記録を持つイギリスのLeilani Francoさんは世界的な曲芸師。ブリッジ歩き世界最速のほか、エビぞりで体を回転させる回数(1分間に25回)、縦方向に回転しながら前進する速度(20メートル17.47秒)でもギネス記録に認定されています。

World's Fastest Back Bend Walk -- Guinness World Records 2014

 足で頬杖をついたり、足でカップに紅茶を注いでティータイムしたりと、Francoさんの体の柔らかさはとにかく圧巻です。

いやしかし確かに圧巻ではあるのですが、なんだろうこの微妙な既視感は…と考えていてようやくあれか?と思い出したのがひと頃大いに話題になった例のあれだったのですが、どう考えても開発の参考にしているようにしか思えないのは自分だけでしょうか?
文化圏によっては髭がない男は一人前の大人扱いされないということもあるそうですが、こちらここまでになってしまうと別な意味で一人前の大人扱いをされないんじゃないかという危惧も感じるニュースです。

ヒゲがラーメンの受け皿に?――ガンダルフなみのヒゲ男がいろいろすごい(2013年9月18日ねとらば)

 ヒゲをたくわえる男性というのはよくいますが、例えばロード・オブ・ザ・リングのガンダルフのようにアゴ全体が長~いヒゲに覆われている人というのはちょっと珍しいです。ましてや、ヒゲを器用にセットしてラーメンの受け皿にしたり、カップホルダーにするという人は、そういないでしょう。でも、この広い世界には確かにそういう人がいるんです。ほら。

 なんかビミョーに腹が立つ表情が面白いこの御仁、「Incredibeard」という名前でTwitterやInstagramに自らのヒゲ写真をたくさん公開しています。米テクノロジー系情報サイトMashableのインタビュー記事によると、かれこれ15年間ほどひげをたくわえ続けているんだそう。筋金入りのヒゲ紳士ということですな!
(略)

その詳細は是非ともリンク先でご確認いただきたいと思いますけれども、ネタにしてもここまでやり切ってしまうともはや本物…なんでしょうかね…
国内某所では戦車が普通に町中を走っていると密かに話題になっていますけれども、さすがにアメリカでもこれは普通の光景ではないのでしょうね?

馬上で酔って約965キロメートルも彷徨った男が逮捕!その目的は…(2013年9月16日クランクイン)

 馬上で酔って600マイル(約965キロメートル)も彷徨ったパトリック・シュマッカーさんは、馬にまたがってグッタリしているところを警察に見つかり逮捕されてしまった。

 不審者として発見された時、背負っていたリュックサックの中には愛犬が入っており、馬のサドルにかけてあるバッグの中からはビールとピストルが見つかったという。

 米コロラド州のラークスパーで放浪中に発見された45歳のパトリックさんだが、どうやら600マイル(約965キロメートル)離れたユタ州のブライスで行われる兄弟の結婚式に行く途中だったようだ。ところが、車の免許証が見つからなかったため、愛馬に乗って旅立ったそう。ワイルドだろ~。

もうどこから突っ込んでいいものやらと思う並外れぶりなんですが、実際に600マイルを馬で駆け抜けるにしてももう少し計画性というものが欲しかったところでしょうか。
公衆の面前で変態行為に及ぶ者は当然ながら世間の批判を受けますけれども、まさかこの瞬間に…と思わせるほどあまりに予想外のチン事が発生したというニュースを紹介しましょう。

豪ラグビー選手、プレー中の股間噛みつき疑惑否定(2013年9月18日ロイター)

[18日 ロイター] - オーストラリアのゴールドコーストで今月行われたラグビーリーグの試合で、相手チームの選手にタックルした選手が、地面に倒す際に股間に噛みついたとの疑いが持たれている。ただ、選手本人はそれを否定している。

疑われているのは、ゴールド・コースト・ラグビーリーグ、タガン・シーホークスに所属するアンソニー・ワッツ選手。2週間前に行われたビランビル・ジェッツとの試合で相手の選手にタックルしたが、その後、ジェッツの選手が抗議して乱闘騒ぎとなっていた。

試合の動画では、ジェッツの選手の1人が、審判の前でパンツを下げているシーンが確認できる。リーグは先週、ワッツ選手に8試合の出場停止処分を科した。

ワッツ選手は、シドニーのデーリー・テレグラフ紙に「口にはマウスガードを入れており、急所を噛める訳がない」とコメント。「(相手の)主張はばかばかしいが、それでも我慢して受け入れるしかなかった。自分はやっていないと分かっているし、私の親しい人たちもそれを分かっている」と語っている。

ま、どんな時にも信じてくれる人がいるというのはありがたいものですが、それにしても世の中こんな反則行為もあるものなんだと驚くしかありませんよね。
最後に取り上げますのはこれまたご存知ブリからの話題ですが、まずは黙って記事を紹介してみることにしましょう。

ランドローバーに対して性的暴行をしていた男が逮捕(2013年9月15日DNA)

力強さは確かに魅力のひとつ。物理的な強さをアピールされるとついふらふらとなる……のは分かるのですが相手が無機物となるとやや行き過ぎたことになってしまいます。

北ウェールズのホーリーウェルの警察が逮捕したのは24歳の男性で3児の父、ダニエル・クーパー氏。

クーパー氏は泥酔した挙句、全裸で街を練り歩いたあげく、青のランドローバーに対して股間を擦り付けグラインディングをかますという狼藉に出ていたところを駆け付けた警察官に逮捕されました。

なお、クーパー氏は他にもケバブ屋の床に対しても暴行を行っているところを目撃されており、裁判所はクーパー氏に対し3か月間金曜・土曜・日曜の午後7時から午前7時までの外出を禁じ、さらに85ポンドの罰金を課しました。

クーパー氏の友人は「あいつはがっかりしていた。きっと今日の悲しみを忘れないだろう」とコメントしつつ「あいつの裸は見られたもんじゃない、ランドローバーが気を悪くしていなければいいが」と被害者を気遣っています。

ローバーと言えばブリの愛してやまない有名ブランドですが、これを称して「ローバーより魅力的な女房などいない。何しろローバーは、ちゃんとメンテナンスしておけば、いつ乗っても文句を言わないからね」などと言ったとか言わないとか。
しかし真に恐ろしいのは友人がさらっと流しているように、ブリにおいては救急車と事に及んだとかヤギと一戦を交えたといった話題はごくありふれているということで、このような見境のない…もとい、博愛精神こそが彼らをして大航海時代の覇者たらしめたのかも知れませんね。

今日のぐり:「びぜん海の駅」

岡山ブルーラインの備前インター近く、と言うよりも目の前にあるこちらはショッピングモール併設の海産物市場なんですが、田舎町のさらに町外れにあるということでまさに陸の孤島という感じですよね。
スーパーに隣接して鮮魚等様々なものを扱っている売り場があって、その一角にいわゆるイートインスタイルでの利用も出来るフードコートがあるのですが、場所柄さすがにシーフード系のメニューが充実しているのが目に付きます。
もちろんいわゆるスーパーのフードコート的なメニューも数あるのですが、今回は瀬戸内産のタコを使っているというタコめし御膳をいただいてみることにしました。

メインとなるのはタコめしとタコの天ぷらなのですが、タコめしの方は一見炊き込み風なんですがタコ自体は別に調理したものをトッピングしてあるようで、タコもたっぷり入っている上に意外なほど柔らかく煮えていながらタコらしいプリプリ食感も保たれていていい感じですね。
タコてんがメインとなっている天ぷらは盛り合わせという感じでたっぷりボリューミーなものを塩でいただくのですが、こちらもやはりタコ天は硬過ぎず柔らかすぎず歯ごたえも頃合いで、こんな太い足がちゃんと噛みきれるだろうかと思ってもぷっつり食べられるのは年配の方にも向いていそうです。
ただタコの味自体はさほどには濃くはないかなと思うのと、他の天ぷらもナスなど衣はさっくりしているがやや青臭さが残るかなという仕上がりで、このあたりはタコめしに比べて天ぷらと言う料理の難しさでしょうか。
こういうところには珍しいほど薄口の味噌汁はナスに油揚げ、ナメコという具の取り合わせが面白いですし、小鉢のレンコンきんぴらは何なんだろう?と思わせるコーヒーのような独特の風味が何とも不思議とそれなりに付け合わせも楽しめるのですが、とにかくよくある名前だけでタコは欠片程度といったものでなくタコをしっかり食べたという感じはしましたね。

他にも海鮮丼(トッピングによって何種類かあるようです)や岡山名物バラずしなどおもしろそうなメニューもそろっていて単なるフードコートと馬鹿には出来ないですから、この近所にやってきて何を食べようかと迷った時には買い物もかねて一つの選択枝にはなりそうですかね?
接遇面ではセルフのフードコートですからさしたる接触もないのですが、すぐ隣に立派なトイレも用意されていたりで(感心なことに観光客向けにも配慮が感じられます)設備面は及第として、とりあえずこういった定食風のメニューに仕立ててあるからにはトレイの上のお皿の並べ方がデタラメなのは気持ち悪いですよね。
こんな郊外でも車であれば岡山などからも顧客が来るという計算での立地なのでしょうか、確かに週末にはそれなりに人が集まりそうではあるのですが、ただ備前と言われると個人的に寂れた工業都市のイメージ(失礼)であまり海産物の名所という印象がないものですから、すぐお隣にあるカキオコで売り出し中の日生の名前も入れた方がよかったのかな?という気もしましたがどうなのでしょうね。

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2013年9月21日 (土)

進路上に横たわる思いがけない難関

そう言えば最近色覚検査の話を聞かないと思っていましたが、いつの間にか学童にしろ社会人にしろ色覚検査を受けなくてもいいと言うことになっていたそうで、そのせいか最近ではこういう話も出ているようです。

色覚異常、半数気づかず 検査中止10年、進路断念も(2013年9月19日朝日新聞)

 【今直也】色覚異常の子どもの2人に1人が異常に気づかぬまま、進学・就職時期を迎え、6人に1人が、進路の断念などのトラブルを経験していることが、日本眼科医会の調査で分かった。学校での検査は10年前に中止された。幼児期や小学校で周囲の理解不足に悩むなどの例も相次いでいた。同会は、希望者は学校で検査できるよう国に求めることを決めた。

 生まれつきの色覚異常は男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合で見られる。小学4年を対象に全国で色覚検査が行われてきたが、2003年度に中止された。検査が社会的な差別にもつながりかねず、異常があっても生活に支障がない人が多いことが理由だ。

 国は01年の労働安全衛生規則の改正で、雇用者が雇用時に色覚検査を行う義務を撤廃。色覚異常があるだけで、採用を制限しないよう指導してきた。だが、航空や写真関係、食品関係の一部、警察官などの公務員では、色の識別が難しいと職務に支障が出ることを理由に現在も制限されている

あまり科学的な根拠のない偏見を撤廃していくことはもちろん結構なことなのですが、基本的に世の中色覚が正常な人を対象に仕組みが出来上がっていますから、色覚異常も学童の学習能力などにも関わってくる場合があるようで早期のスクリーニングくらいは残しておいてよかった気もしますけれども、ともかくこれも90年代頃からの患者側の働きかけもあって次第に制度が改められてきたと言うことのようです。
実際問題色覚異常によって就労等にどの程度制限があるのかということですが、いわゆる偏見レベルのものは除き制度的に色覚異常は駄目と言うことになっているのが船や飛行機なども含めた乗り物の運転を業務とするもの、警察や消防、ふぐ調理師を含む毒物取扱者などと言い、実際にどの程度業務に支障が出るのかはともかく支障が出てしまっては取り返しがつかないからという考え方で今も制度的に残っているのでしょう。
長年こうした職業を目指してきたのにいざ就職や資格取得という段になって生まれ持った性質から認められないのでは泣くに泣けませんが、色覚異常に限らず資格職というものは様々な要件を満たしている必要がある場合が多いですから、本格的に進路に思い定める前にまずは自分がその要件を満たしている、あるいは満たせるかどうかをきちんとチェックしておくべきなんでしょうね。

さて、意外にこうした身体的な制限がありそうでなかったのが医師と言う商売なんですが、医師免許には元々色覚異常に関する制限がなく(それでも多くの大学で入学時に色覚検査を行っていたと言います)、頸椎損傷で車椅子生活を余儀なくされていながら医師として活躍している先生もいたりと、比較的この方面では進歩的な考え方の職場と言ってもいいんじゃないかと思います。
言葉は悪いですが人格人品がどうであれとりあえずペーパーテストである程度の点数が取れれば入学から国試合格まで多くの者がこなせ、就職してもそれなりに根性さえあれば割合に将来安泰ということで昨今この医師稼業というものは進路指導担当者などからも狙い目だと目されているそうですが、逆に言えば試験の偏差値が高かったから医学部に来ましたという学生は古今東西少なからずいたわけですよね。
案外そうした学生の方が世間知らずな分医療の現場では使い勝手が良かったという現実もあるやなしやに聞きますが、それはともかく目的意識の乏しい者も少なくないだろう学生がどこで挫折するのだろうかというおもしろい調査結果が先日出ていました。

医学部留年、2年生が最多- 専門課程前に悩む傾向・医学部長病院長会議(2013年9月19日CBニュース)

 全国医学部長病院長会議の調査によると、医学部の留年者は2年生が最も多いことが分かった。専門教育課程を前に医学部を志望したことに悩み始めることが原因の1つとみている。同会議が19日に開いた記者会見で明らかにした。

 同会議は昨年4月から1年間、全国の国公私立医科大学医学部の医学部長や教育担当責任者を対象に、在籍学生に関するアンケート調査を実施した。

 それによると、昨年の53校(国立30校、公立2校、私立21校)の2年生の留年者は472人(前年比31人増)で、09年から4年連続して増加。2番目に多い3年生の留年者(277人)の1.7倍に上った。

 会見で別所正美会長(埼玉医科大学長)は、専門教育を学び始める3年生に進級するのを前にして、「医学部を志望したことに迷いなどを感じる学生がいる」と分析している。

 また、アンケート調査では、多くの教員が医学生の学力低下を実感しており、その理由として、▽遅刻や欠席、授業態度が悪いなど社会規範の欠如▽メンタル的な問題▽モチベーションの低さ―などを挙げている。各大学は、成績下位の学生に個別の指導員を付けた学習・生活面の支援や、基礎科目の補習などで対応しているという。【松村秀士】

この結果をどう考えるかですが、さすがに医学部では少ないながら解剖見学に来た看護学生などが真っ青になって倒れたりするといったケースは毎年のようにある訳ですから、いざ医学について学び始めたところで「これは思っていたのとちょっと違う」と感じてしまう人は案外多いのかも知れませんね。
ただ医学部の教育は通常2年単位で大まかに教養、基礎、臨床といった感じで区分されていますけれども、実際には教養の講義もそこそこの1~2年次から基礎医学の講義が詰め込まれていたりですから「専門教育を学び始める3年生に進級するのを前にして」迷いを感じるというのもどうなのかと思うのですが、大きな進級チェックが2年単位で行われているところが多いとすれば2年から3年への進級が最初の難関ではあるのでしょう。
その場合むしろ医学云々というよりも単純にモチベーションが低下しているという場合も多いんじゃないかと思いますが、人間きっかけはどうあれ学んでいくうちに興味が出てくる、知れば知るほどおもしろくなるということは普通にあるわけですから、特に旧態依然とした講義を万年繰り返しているだけの教官方は学生の留年に対しても自らの指導力の欠如を恥じるべきなんじゃないかと言う気がします。

ただ最近は旧帝だ、旧六だと言った古い伝統ある医学部でもかつてのような誰でも卒業できるザル状態ではなくなり進級チェックがどんどん厳しくなってきているようで、特に文科省の指導もあってか出席率ということはかなり厳密に言われるようですけれども、その理由の一端に記事中にもあるように「医学生の学力低下を実感」する教員が増えているということがあるようです。
ちなみに一部大学はもともと進級チェックが厳しいと言い、特に毎年の進級チェックで留年するとその年に取った単位が全部取り消しになってまた一から全部取り直さなければならないという怖いシステムが悪評高いせいか、いわゆる低ランク私大ほど2年次がと言うよりも卒業試験など非常に厳しく対処されているようですけれども、近頃では進級が楽だったはずの有名国立大でも10人単位で留年者が出ることも珍しくないそうですね。
さらに某私立医科大学が留年や除籍の年次推移を公表しているのを見て驚いたのですが、退学や除籍、中退といった数はさほど変わっていないにも関わらず留年に関しては平成19年から平成24年までのわずか5年間で実に13人から35人へと激増しているというのは、意図的に落としにかかっているのでなければ入試が正しく学力選抜として機能していない証拠なのかも知れません。

特にこれだけ留年者が出ているにも関わらず途中で辞めていく学生が増えていないという点に注目いただきたいのですが、すでに2010年の段階で早大医療人類学研究所の杉原正子氏が大量留年で学生の間に不安が広がっていると指摘しており、特に私学の場合文科省の補助金規定の関係か国試に合格出来ないレベルの学生は進級させないにも関わらず高額な授業料だけは取り続けるのは倫理的にもどうなのかですよね。
近年ご存知のように医学部定員が急激かつ大々的に拡大していて、しかもその定員のうちの多くが従来型の学力選抜から比較的緩い選抜方法に変わってきていますけれども、少子化が進む中で元々理系トップクラスの学生をごっそり集めていた医学部が大きく定員を拡大した結果、医学部に入れる学生の最低水準がずいぶんと下がってきたという指摘は多いようです。
だから進級を厳しくしてどんどん足切りすべきだと言う考え方も極端だし、そんなに多くの学生を留年させなければならないのであれば入試だけ間口を広げて妙な夢を抱かせるのも罪ではないかと思うのですけれども、試験の難易度などしょせん教員のさじ加減一つでどうにでもなるものである以上、どのような考え方と基準に基づいてこうした極端なことをやっているのかきちんと説明をする必要がありそうに思いますね。

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2013年9月20日 (金)

馬鹿発見器騒動だけではない落とし穴

SNS等への書き込みが炎上に発展する俗に言うところの馬鹿発見器騒動、どうやら日本だけではなく海外でも大騒ぎになっているケースがままあるようですが、先日出ていましたこちらのニュースを紹介してみましょう。

ウソの“お宝発見”告白で騒動、婚約者だけだますつもりが即拡散。(2013年9月17日ナリナリドットコム)

先日、英南西沖に漁へ出ていたある漁師が、海上からFacebookに「金の延べ棒を引き上げた」と投稿し、友人・知人を大いに驚かせるという一件があった。写真付きの“時価総額約2億3,000万円相当”とされるお宝発見の一報は、すぐに拡散して大騒ぎに。ところがこれ、漁師としては婚約者をだますジョークのつもりで、想定していたのとは違う事態に大慌てとなったが時すでに遅し。港で待ち受けていた警察に事情聴取を受けるハメになったという。

英紙デイリー・テレグラフやファルマス・パケットなどによると、騒ぎを起こしたのはスコットランド地方ダンフリースに住む36歳の漁師、ビリー・アンダーソンさん。彼は先日、漁船の船長として英南西部の街ファルマス沖でホタテ漁を行っていた。その最中、Facebookに「金の延べ棒11本を引き上げた」と写真付きで投稿。彼は29歳の婚約者に「突然お金持ちになったと思わせたい」とのいたずらを思いつき、真鍮で作った“金の延べ棒”を持って写真を投稿した。

ところが婚約者だけをだますつもりだった彼の意に反し、更新された彼のFacebookページを見た周囲は即座に大騒ぎ。一緒に海で漁をしていた漁師たちからは「引き上げた正確な場所を教えてくれ」と催促が殺到し、さらに話を知った彼が乗る漁船の所有会社は、まだ金が沈んでいるかもしれないと、もう2隻を現場に派遣する準備を開始。自分が作った話が予想以上に広まってしまい、アンダーソンさんは事態の深刻さに気付いて慌て始めたという。

そこで彼が事態の鎮静化に協力を求めたのは、本来なら一緒にウソを楽しむはずだった婚約者。大切な彼女へ真っ先に真実を明かし、延べ棒捜索のため船を追加で出そうと鼻息荒い会社に行って、本当のことを話してくれるよう説得してお願いしたそうだ。そして徐々に周囲に真実は広まり、彼の作り話は恋人に迷惑をかけながらも終息できた――かに思われた。

ところが、7日間の漁を終えて寄った英南西部ニューリンの港で、騒ぎの余波に出くわしたアンダーソンさん。船が港に入るとき、彼は埠頭に警察が待ち受けていることに気付いたという。今回の作り話を把握していた警察は、彼の引き上げたとされる金塊が1983年にロンドン西部のヒースローで盗まれた2,600万ポンド(約40億円)相当の金の一部ではないかと疑い、彼が乗る漁船の航跡を監視していたそうだ。

結局、金は真鍮だったと説明して逮捕は免れたという彼。誰も得をしない結末に終わり、彼はFacebookにウソを投稿したのは「やり過ぎだった……」と話しており、今回の出来事を猛省しているという。

今の時代名も無き小市民の書き込みであれ誰かが見ているし、そして誰かに発見されればあっという間に拡散してしまうという実例だと思いますが、例えばこうした行為で何らかの利益を得たともなれば下手をすれば詐欺等の犯罪にも問われかねないわけですからやはり軽率であったと言うべきでしょうね。
かねてネット上で総バッシングを受けてきた某新聞社などはこうした状況を称して「ネットを活用してウケを狙った若者たちは、騒ぎになった今、ネットの怖さを実感しているだろう」と手を叩いて喜んでいるようですが、先日報道された静岡の顧問教師によるバレー部員体罰事件なども実際の体罰の動画がネットに流出したと話題になっていて、今の時代どこから何が流出するか判らないとしか言いようがありませんよね。
当然ながらそのたびに炎上騒動が発生し場合によっては社会的地位も失うということになりますからくれぐれも用心いただくしかありませんが、携帯やスマホの普及で実はもう一つ以前から大きな問題となっている行為としてこういうものがあると言うことはご存知でしょうか。

盗撮:女子大生の脚を 消防士長を容疑で逮捕 名古屋(2013年09月18日毎日新聞)

 携帯電話のカメラ機能を使って女子大生の脚を撮影したとして、愛知県警千種署は17日、名古屋市消防局名東消防署の消防士長、鈴木和也容疑者(27)=三重県朝日町柿=を愛知県迷惑行為防止条例違反容疑で逮捕した。同署によると、「興奮してやった」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は、17日午前10時半ごろから約10分間、名古屋市営地下鉄東山線の藤が丘−本山間を走行中の電車内で、隣に座った同市内の女子大学生(22)の太ももを携帯電話のカメラで複数回撮影したとしている。別の乗客が気づき、駅員に通報した。

 市消防局は「事実確認したうえで、厳正に対処する」としている。【井上直樹】

盗撮で群馬の高校教諭免職(2013年9月12日スポーツ報知)

 群馬県教育委員会は12日、スーパーで盗撮したとして県立富岡高校の里見篤教諭(54)を懲戒免職処分とした。

 県教委によると、里見教諭は8月24日、富岡市のスーパーで女性客のスカートの中をスマートフォン(多機能携帯電話)のカメラで盗撮したとして、県迷惑防止条例違反の疑いで県警に事情聴取を受けた。県教委に対し「シャッター音を出さずに1秒ごとに自動で撮影できるアプリの機能を使ってみたかった」と行為を認めている。
(略)

iPodで盗撮容疑 長崎の郵便局員(2013年9月8日産経新聞)

 長崎県警時津署は8日、女児(11)の胸元を携帯音楽プレーヤーiPod(アイポッド)で盗撮したとして、県迷惑行為等防止条例違反の疑いで、同県南島原市加津佐町己、郵便局員平木洋一容疑者(47)を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は8日午後2時ごろ、時津町野田郷のゲームセンターで遊んでいた小学6年の女児の胸元付近をiPodで盗撮した疑い。

 時津署によると、静止画と動画を撮影していた。女児の父親が発見し取り押さえ、署員に引き渡した。

ご存知の通り国内で売られている携帯のカメラ機能では撮影時にシャッター音が出るようになっているのですが、これも無音あるいは静音タイプのアプリを使用することで何とでもなるということで、簡単にそれが可能になった携帯普及以来この盗撮問題というものがかつてないほど身近なものになってきていると言えそうです。
もちろん盗撮行為自体社会的に許容されざるものだとしても、百歩譲って誰にも気付かれずに密かに撮影したものを密室で独り閲覧しているというのであればまだ被害も軽いというものですが、昨今のSNS等の普及によってか盗撮したものをわざわざ拡散する人間が各地で現れているということも問題で、何しろ技術の進歩で簡単に出来てしまうようになった行為を人間はついやらずにはいられない生き物であるようです。
その結果最近では人前でうかつに携帯やスマホを操作することすら憚られるようになったとかならないとか言う話なんですが、そうした下地があるからこそこうした新手の犯罪行為が成立するようになっているというのはこれまた人間の業の深さを感じさせる興味深い現象ですよね。

「歩きスマホ」に盗撮と言いがかり 恐喝被害(2013年9月17日NHK)

歩きながらスマートフォンを使ういわゆる「歩きスマホ」をしている人が、通行人とぶつかったり交通事故にあったりする危険性が指摘されていますが、東京の新宿駅の周辺で歩きスマホをしていた男性が実際は画面を見ていただけなのに「盗撮をしていただろう」と男に言いがかりをつけられ、現金を脅し取られる被害に遭っていたことが分かりました。
警視庁は男を逮捕するとともに注意を呼びかけています。

警視庁によりますと、ことし7月、新宿駅近くの路上でスマートフォンを操作していた36歳の会社員の男性が「盗撮していただろう」と男に言いがかりをつけられ現金13万円を脅し取られました
また先月には、JR新宿駅構内の通路で26歳の会社員の男性が「スマホで盗撮をしていただろう」と別の男に言われ、現金50万円を脅し取られそうになりました
男性2人はスマホの画面は見ていましたが、盗撮はしていませんでした

警視庁は28歳の男2人を恐喝などの疑いで逮捕しましたが、被害者の1人は「スマホに集中して急に声をかけられ、冷静な判断が出来ずお金を渡してしまった」などと話しているということです。
「歩きスマホ」を巡っては、画面に気を取られて通行人とぶつかったり駅のホームから転落したりする危険性が指摘されているほか、周囲への注意が不十分で車と接触する事故や女性が体を触られる被害まで起きているということで、警視庁が注意を呼びかけています。

盗撮した男性脅し現金奪う 客引きの男逮捕(2013年9月17日日テレニュース24)

 東京・新宿で、盗撮をした男性に「盗撮をしただろう。警察へ行こうか」と言って、現金50万円を脅し取ったとして、客引きの男が逮捕された。

 警視庁によると、恐喝の疑いで逮捕された客引きの吉田多郎容疑者(28)は今年7月、JR新宿駅の駅ビルで女性を盗撮した男性会社員(47)を「盗撮をしただろう。警察へ行こうか」と脅し、ATMで現金50万円を引き出させて、奪った疑いが持たれている。吉田容疑者は「自分のしたことも悪いが、盗撮したやつも悪い」と供述しているという。

 また、同じく客引きの永坂健太郎容疑者(28)も今年8月、新宿駅の駅ビルで盗撮したとみられる男性から、同じような手口で金を脅し取ろうとしたとして逮捕された。

 警視庁は、吉田容疑者らが盗撮をした人物を見つけては弱みにつけ込み、恐喝を繰り返していた可能性があるとみて調べている。

世の中何であれ商売になるものだなと痛感しますが、別に盗撮をしていたわけでもないのに大金を言われるままに支払ってしまうというのは、当事者にもスマホ使用が悪いことだという罪の意識があったということではないかなという気がします。
運転中の携帯やスマホの使用による交通事故が6年間で8倍にも急増したとも言い、すでに運転中の携帯使用は法で規制されたのは周知の通りですけれども、実は運転手のみならず自転車や歩行者においてもスマホ使用による事故が激増していることが世界的に問題になっていて、そろそろ規制論が盛り上がってきそうな勢いなのですね。
そもそも人混みの中でスマホの画面を見ながら歩いているのではぶつかったり転倒したりの危険は避けられず、こうした「盗撮詐欺」ならずとも色々と厄介事に巻き込まれるリスクが多い訳ですから、人前では一切使うなとまでは言わずとも最低限周囲の迷惑にならない使い方を心得ておく必要がありそうです。

今の時代子供がスマホを持つことなど珍しくもないどころか、むしろスマホもなくSNSも利用できない子供は仲間はずれにされてしまうという時代ですけれども、これまた安易にIDを公開した結果様々な事件に巻き込まれるというケースが急増していて、利用者マナー教育は本人にとっても周囲にとっても今や必須のものと言えそうです。
ただ一方で過剰なサービスという名の規制強化とも言うべきでしょうか、例えば先日は大手キャリアーが「SNS会社に顧客の年齢を伝える」などと言い出しましたけれども、社会的にスマホの不適切利用=規制すべき害悪という認識が強まってくれば、それを防ぐためには個人情報を切り売りしても許されるのだという理屈が通ってしまうことになるでしょうね。
ネットとは自由であることが最大の売りであり、それによってすでに社会的にも大きな意義を持つことを示したというケースが少なからずありますけれども、当然ながら自由を謳歌するためには自己責任ということと裏表のセットになっているわけで、犯罪に利用するなど論外としても特に未成年者は最低限トラブルに巻き込まれないだけのネットリテラシーを身につけてから利用するくらいのつもりでいた方がいいかも知れませんね。

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2013年9月19日 (木)

救急搬送困難解消への道筋

一連の「たらい回し」報道に端を発してか救急医療に対する世間の関心が高まって久しいですが、ひと頃の「藪医者に引っかかったらどうしよう?」的な懸念を抱いていられるうちはまだしもマシだとも言えたのだと今にして判るというもので、今や「どこの病院も受け入れてくれなかったらどうしよう?」と不安を感じなければならないご時世ですよね。
医療現場の実情から逆算する形で考えると救急を受け入れられやすくするテクニックは幾つかあると思いますが、いずれにしても素人目にはやはり「24時間365日誰でもどんな患者でも」受け入れてくれるという担保が欲しいようで、先日は厚労省がこんなことを言い出したという記事が出ていたのをご覧になった方も多いかと思います。

「急患たらい回し」削減へ 断らない病院100カ所整備(2013年8月28日朝日新聞)

 【辻外記子】厚生労働省は、急病や事故による救急患者の受け入れを断らない病院を全国に約100カ所、整備する方針を決めた。救急患者の「たらい回し」を防ぐのがねらいで、条件を満たせば、どんな状態でもいったん受け入れて対応することを目指す。来年度予算の概算要求に約20億円を盛り込み、スタッフやベッドの確保に必要な経費を補助する

 対象となるのは、入院や手術を必要とする患者を受け入れる二次救急の施設。地域ごとに受け入れ条件として「30分以上待った」や「5カ所から断られた」などのルールを決め、対象の救急患者を受け入れ、入院させたり、手当てをした後に他の施設に転院させたりする

 救急車を呼んでも、受け入れ病院が見つからず車内で待たされたり、救急隊がいくつもの病院に電話をしても断られたりするケースの減少につなげる。

それにしてもさすが天下の大朝日、未だに「たらい回し」ですか(苦笑)。
いつも思うのですが、何故断られるのかということを考えずに断るな、断ったらペナルティだぞといった方向に話を進めても現場がついてくるはずもないので、100カ所のうちに指定された病院の方々は今からお気の毒だと申し上げるしかありませんけれども、しかし100カ所と言えば各県およそ1カ所か2カ所勘定になりますから大学病院あたりが指定されるのですかね…患者さんにとってもお気の毒と申し上げるべきでしょうか。
100カ所の整備を20億円で行うとして1カ所あたりに使える予算が2000万円、診療報酬の分配比率で考えると病院収入のうち医師の人件費に回る部分が1割強ですから年間200万円強という潤沢な予算で24時間365日必ず救急対応してくれる医師を確保しようと言うのですからまさに壮図と言うべきですが、そう考えても確かにこれは大学病院向けの業務ではないかという気がしてきます。
ところで今を去る2009年に厚労省も救急受け入れ困難の実態を消防庁と共同で調査していて、これは主に受け入れを断られた救急隊側からの判断で分類を行っているのですけれども、興味深いことに当時厚労省側の担当者は数々の理由が挙げられる中で受け入れを断られる本当の理由については「実は判らない」と答えているということですね。
当時厚労省はベッド満床が救急受け入れ困難の(少なくとも表向きは)理由であるとして対策を進めようとしていたのですが、本当の理由が判らないのに何故満床対策をしているのかということについて「私どもがこのデータだけ見て対応できるものは、『ベッド満床』の辺りかなということで」行っているだけなのだと言っていると言うのは、公の答弁としてはどうなのかですが実に率直ではあったと思います。

先日ちょうど「新小児科医のつぶやき」さんのところで時間外診療体制を整えるということに関してコスト試算をされていて興味深く拝見したのですが、労基法等の法規を守った状態できちんとした体制を組もうとすれば地方の中小病院では到底現実的とは言えないコストとマンパワーが必要になる、それが経営的には不可能であるから当直などとお茶を濁して常勤医に日勤-夜勤-日勤のローテを組ませているわけですね。
ところが医療の現場というものは通常業務をこなすだけでも十分過ぎるほど多忙ですから、中には「どうせ夜遅くまで残業するんだから手当てをもらって当直してた方がいい」なんて剛の者もいないわけではないにせよ、普通に考えれば「毎日の日勤だけでしんどいのに夜勤まで出来るか!」と言った反応が人として当たり前のことでしょう(もっとも、その当たり前が通用しなかったのが「医療の常識は世間の非常識」たる所以ですが)。
「新小児科医のつぶやき」さんがいみじくも「24時間体制が必要とされる職場は交代勤務制が必要なのは考えるまでもない常識である」と看破されている通り、どれほど激務だろうがここまで勤め上げれば休めると知っているからこそ人間限度一杯まで頑張れるというもので、時間も仕事もエンドレスで積み上げられる一方というのではいずれ限界を越えて壊れてしまうか、あるいは最初から余力を残して自己防衛するしかないというものです。
要するに救急を本気でやらせるつもりであれば今のような通常業務の片手間仕事としてやらせているのではまるっきり駄目だと言うことなんですが、そうは言っても某大学病院のように「救急診療科=各科から人身御供で差し出されたモチベーション最低の方々の集団」的な状況でも困りますから、最大の救急受け入れ対策とは実にこのスタッフのモチベーションをいかに維持するかということに他ならないんだと思いますね。

病院側の要因はそれとして救急医療の一方の当事者である救急隊の方でも様々な対策を講じてきているのはもちろん結構なことなのですが、こちらの場合は医療側から見ればうらやましいことに交替勤務制もきっちり完備されているし、何かあった時も組織で責任を取るという訴訟対策も整えられているせいかモチベーション自体はまだまだ高いようで、むしろもっと頑張ってやろうじゃないかと意気軒昂であるようです。
近頃よく言われるように救急搬送先の病院を探す時間を短縮するために平素から受け入れ可否の状況を示すネットワークを構築しておこうなんて話も各地で試みられていますが、当直医などはいちいちデータを更新するのが面倒くさいとあからさまにやる気がないのに比べると、救急隊側はこの種の新規デバイス導入にも意欲的だという印象がありますね。
その中でも近年段階的に話が進んできたものの一つに救急隊の医療業務拡大ということが挙げられ、そもそも諸外国の救急隊では当たり前に行われていることでもあり、病院の受け入れも長引くケースが多いのだからやればいいじゃないかと言うことで順次拡大が図られてきたところですけれども、来年度からはブドウ糖投与や点滴の実施など救急士の業務が拡大されることを前にして様々な改善策もまとまってきているということで、特に教育の充実ということが注目されます。

救急隊員の生涯教育ガイドライン策定へ- 病院実習やMCの役割明記(2013年9月17日CBニュース)

 救急搬送件数の増加が続いていることを受け、総務省消防庁は、応急処置など の技能や知識の向上を図るため、救急隊員の生涯教育のガイドライン案をまとめ た。今年度内をめどにガイドラインを策定する方針で、病院実習や医師の指示を 受けるメディカルコントロール(MC)の役割などを盛り込み、体系的な教育体制 の構築につなげたい考えだ。

 消防庁は17日、ガイドライン案を救急業務に関する作業部会に提示。全国の消 防本部に勤務する救急救命士を含む救急隊員が対象で、教育理念や責務、教育の あり方を柱に、習熟度に応じた目標設定や年間教育計画の策定などを盛り込んだ。

 医療機関の役割として、救急ワークステーションや病院実習などを挙げたほ か、教育体系や企画・運営などの3分野で、医師のかかわるMCの役割を明記し た。今後、作業部会や検討班で、新任隊員や救急救命士といったレベル別の教育 内容などの検討を行い、ガイドラインを策定する見通し。【新井哉】

この救命救急士の業務拡大というもの、以前から救命救急士による違法な点滴行為が報じられていたとか、搬送が遅れるのは救急隊が現場での処置に時間を浪費しているからだといった批判もあって、救急担当医の中には「余計なことをしないでさっさと病院に運べ」と(控えめに表現しても)批判的な論調も少なからずあるようです。
そうした声に応えるためにも業務拡大の大前提としても教育の拡充ということは当たり前だと思いますし、実際のところ今回業務拡大される範囲と言えばさして大きな不具合もなく場合によっては大きな効果が認められると各地の実証試験で認められたものなのですから、「現場で点滴ルートを取るのに手間取って出発が遅れた」なんて笑い話のようなことにならないのであればどんどん行えばいいんだと思いますね。
ただ救急崩壊の危機に対してこれらの業務拡大がどれほど役に立つのかということですが、実際のところ直接的には大した効能は期待出来ないと予想しているのですが、むしろそれよりも重視したいのは一つの業務を導入するということはその背後に5つも10も新しい基礎知識が必要になるわけで、例えば点滴施行の可否を判断するためには患者の循環動態等の評価が欠かせないわけですよね。

救急受け入れ困難事例の一つとして救急隊からの報告が要領を得ず対応可能かどうか判断できない、それどころか場合によっては単なる急性アル中の親父を「意識障害です」とあからさまに偽って無理矢理送りつけようとしてくるようなケースがあって、もちろん意図的偽装など論外ですけれども単純に知識や能力の欠如によって適切な評価が出来ず、結果として受け入れ困難となっているケースがかなりあるものと思われます。
有名な実例として以前に兵庫で深夜に18病院を「たらい回し」された吐血の患者が結局亡くなったと大々的(かつ批判的)に報道されたことがありますけれども、大新聞が「これが患者受け入れを拒否したトンデモ病院だ!」とばかりに公表した18施設のリストを見ると、深夜に電話などつながるはずもない無床のビルクリなども「電話するが連絡つかず」などと掲載されていたという事実があります。
その一方で現場に隣接する消化器専門施設などは「受け入れは出来たが連絡も何もなかった」と言っているのですからさすがに開いた口が塞がらないと言うのでしょうか、救急隊と言えどもいやしくも医療の一端に連なるのであればやはり最低限の医学的常識は必要ではないかと多くの人々が実感した事例だと思いますが、こと専門職に関して言えば無知は罪であると言うことだと思います。
一部の研修医などもそうですが基礎となる知識がきちんと備わっていない段階で何かと手技にばかり興味を示すという場合は少なからずあって、もちろん手がきちんと動くということは現場においては大きな利点ではありますけれども、最低限その行為を行う根拠となる知識を持っているという大前提がなければその時その時に何が最善最良の手段かという判断も行えるはずがないということですね。
救急隊がきちんと医学的常識を学び、たとえ行為はまだ未熟でも今よりももっと適切な判断が出来るようになれば、救急搬送ももう少し変わってくることになるんじゃないかと期待しています。

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2013年9月18日 (水)

公平な医療費負担

先日各紙でこういう報道が出ていましたが、ご覧になりましたでしょうか。

高額レセプト:医療高度化、急増…12年度(2013年9月12日毎日新聞)

 健康保険組合連合会(健保連)は12日、2012年度に医療機関が発行した1カ月に1000万円以上の高額レセプト(診療報酬明細書)が、過去最高の254件だったと発表した。前年度より75件増え、この10年で約3倍に増えた。最高額は血友病患者の8481万1650円。

 健保連は「高度な医療技術や高額な薬によって高額レセプトは増える傾向にある。昨年度は特に小児外科治療など乳幼児の件数が増えた」と話している。

 レセプトは、医療機関が健康保険組合など保険者に対し、患者の治療でかかった医療費を請求するための明細書。高額レセプトの病気の内訳は、先天性疾患78件(31%)▽血友病61件(24%)▽循環器系疾患59件(23%)−−など。また、500万円以上も過去最高の4805件で、前年度より348件増えた。【河内敏康】

血液疾患に限らず高い薬もこれだけ増えている以上、レセプトも高額化が進むことは当然と言えば当然ですが、医療費そのものも前年度比1.7%増の38.4億円と10年連続過去最高を更新し続けている中で、当然ながら支払い側からはどうにかしてこれを圧縮したい、抑制をかけるべきだという圧力がかかってくるものと思われます。
高額レセプトと言えばどうしても治療を頑張ってしまう小児や若い方々のイメージがありますが、支払い側の視点からするとピンポイントで高い峰があるものよりも平均的な山並みの高さの方が気になるようで、健保組合の赤字拡大と合わせてやはり高齢者医療改革の必要性が叫ばれるという構図が昨今のトレンドとなっていますよね。

健保組合、赤字2976億円 高齢者医療の負担重く 12年度、組合の4分の3が赤字(2013年9月12日日本経済新聞)

 大企業の会社員とその家族が加入する健康保険組合の2012年度決算は、2976億円の赤字となった。65歳以上の高齢者医療制度に払う支援金の負担増が主因。4割を超える組合が保険料率を引き上げたため収入は増えたが、支出増が上回った。高齢者医療への支援は高齢化で今後も増え続ける見込みで、厳しい財政運営は続きそうだ。

 健康保険組合連合会が12日、13年3月末に存在した1431組合の収支状況をまとめた。約4分の3にあたる1061組合が赤字となった。

 収入のほとんどを占める保険料収入は、前年度比5.57%増の6兆8781億円。高齢者医療制度への支援金を賄うため、多くの組合が保険料率を引き上げた。料率をあげた組合は609組合(全体の42.6%)で、過去最多。平均料率は0.356ポイント上がり、8.343%になった。

 支出では、高齢者医療への支援金が総額3兆1328億円となり、9.08%増えた。支援金の伸びが保険料収入の伸びを上回り、財政を圧迫している。保険料収入に対する支援金の割合は45.5%と5割に迫る。支援金の割合が5割を超す組合は全体の34.4%にあたる492組合あり、8割を超すところも14組合あった。

 13年度の予算でも、健保組合全体で4573億円の赤字を見込んでいる。健保連は「高齢者医療の負担構造の改革をしないと、財政が行き詰まり、解散に追い込まれる組合が続出する」と危惧している。

高齢者医療の負担構造改革など必要-健保連、プログラム法案の閣議決定受け(2013年9月12日CBニュース)

 健康保険組合連合会(健保連)は12日に記者会見を開き、高齢化社会を迎えるにあたり高齢者医療の負担構造の改革や、医療の重点化・効率化などが必要との考えを示した。社会保障制度改革国民会議(国民会議)の報告書に基づく改革スケジュールなどを示したプログラム法案の要綱が閣議決定されたことを踏まえての見解。

 会見で白川修二専務理事は、医療保険制度を持続させるには現役世代の負担軽減や高齢者の患者負担の見直しなどにより、高齢者医療の負担構造の改革が必要とした。

 また、「医療費の伸びを抑制しない限り、医療保険財政は早晩破たんする懸念がある」とし、保険者による保健事業の推進のほか、医療提供体制も含めた医療の重点化・効率化や、医療費適正化の仕組みづくりを要望。医療保険制度の改革では、国民会議の報告書で示された、後期高齢者支援金の総報酬割導入による財源を国保に転用する方策に言及。本来、国の責任で行うべきものを、「被用者保険に転嫁するもの」と反対した。

 国保の都道府県移行に関しては、「国保の安定化のために望ましい方向」とした上で、前期高齢者(65―74歳以上)にかかる財政調整の在り方の見直しを要求。具体的には、▽国保の財政を65歳以上と64歳以下に区分し、前期高齢者の保険料および「被用者保険からの給付金」の使途を前期高齢者の給付費などに特定すべき▽国保に加入する前期高齢者に係る後期高齢者支援金まで被用者保険に負担させる納付金の仕組みを是正するべき―とした。

 さらに、現在の一般病床を「高度急性期」「一般急性期」「亜急性期」などに機能分化するとともに、「急性期に偏り過ぎている病床の配分を亜急性期にシフトしていくべき」と指摘。それぞれの機能に応じて病床数をバランスよく整備する必要性を強調した。

 また、病床の機能分化を進めるためにはフリーアクセスにある程度の制限が必要との考えを示し、紹介状のない大病院の外来患者に特別の負担を求めた。
(略)

昨今高齢者医療費の議論等多様なシーンで必ずと言っていいほど使われる負担の公平化というキーワードがありますが、日本においてはそもそも誰でも同じ医療を受けられるということが(少なくとも建前上は)最大の売りである皆保険制度がありますから、給付によって格差をつけるということは出来ない以上負担をどうにかするべきだという理屈ですよね。
この場合現実的にもっとも金を持っているのが高齢者であるという現在の所得分布を考えた場合に自己負担1割などの過度の優遇策は早期是正が必要であるのは判るのですが、むしろ気になるのが高齢者がそれだけ金を持っているにも関わらず使っていない結果、本来もっとお金を使わなければならないはずの若年世代にまで金が行き渡らないことが消費停滞の一因となっている傾向が見えることです。
もちろん家も持っていて欲しいものはおよそ購入済み、子供も独立して養育費もかからずとなれば使いようがないだろうと言うものなんですが、金もあり必要支出も減っている高齢者が「お年寄りは社会的弱者なんだから保護しなければ」と言われ続けた結果、自分たちは貧乏でムダなお金など使っていられない立場なのだと暗示にかかっているということなのでしょうか。
いずれにしても今の時代に社会的弱者と言えばワープアにあえぎ結婚も出来ないと人生を悲観している若年世代に他ならないのですから、そろそろ医療供給に関わる各支援策も社会の実態に即して大々的に構造改革を推し進めていかなければならないし、本来「金持ち優遇政策やめろ!」などと叫んでいる方々ほどそうした是正策推進に力を入れるべきだと思うのですけれどもね。

いささか脱線しましたが、そもそも論として何故医療費が安くならないのか?と言うことを考えた場合に、もちろん出来高払いであれば医療費を無駄遣い(と言えば言葉は悪いですが)すればするほど収入も増えるという弊害が指摘されていて、それに対して近年定額払いのDPC導入によってケチケチの医療を行うほど儲けは大きくなるよう制度的には改まってきているはずですよね。
定額払いであれば要するに儲けるためには入院患者は最低限の期間で最低限の処置だけを行いさっさと帰すべきと言うことになるはずですが、しかし実際にそうしたモチベーションが十分に働かないのはそういった努力を行っても勤務医には全くメリットがないから、と言うよりもむしろデメリットの方がはるかに多いからだと言えそうです。
昨今どこの病院でも入院となれば大量の書類を書かされると患者さんも辟易しているでしょうが、こういった書類仕事というものは入院が長かろうが短かろうが同じように一件ごとに一セットずつ書かないといけないですし、そもそもの入院の目的である検査や処置なども同様で入院期間が短くなれば単に短期間に集中するだけで、別にそれによって手間が減るということは全く無いわけですね。
となると短期間に入退院を繰り返して病院の収入増に貢献するほど労働密度が増しますます多忙になる、一方で別に頑張ったところで給料が増えるわけでもありませんから、さすがに今時ベッドを空けていることは出来ませんが多忙で目の回っている医師ほどなるべく入退院の頻度を減らし、安定している患者をそのまま長く入院させておく方が楽だという考えを持つようになるのが当然でしょう。

考えて見れば飲食店等でも同様の問題が起こりえる道理で、それもあって諸外国では「働けば働いただけ確実に収入が増える」チップ制度というものを導入して従業員のモチベーションを図ってきたところを、チップ制度ののない日本でこれだけ高いサービス意識が根付いていたというのは終身雇用制度などと同様「所属母体に貢献しその発展を目指すことが自分自身のためにもなる」という考え方が出来ていたということでしょうか。
それが今や終身雇用崩壊どころかブラック企業全盛期で奴隷労働をしてまで所属母体に貢献するなど愚の骨頂という時代になった、特に医療の世界では元々医局人事で長期雇用などあり得ないのに見返りも期待出来ない奴隷労働に励んでいた医師達が「あれ?これって何かおかしくね?」と気付いた結果、見返りのない職場から一斉に逃散し始めたことがいわゆる医療崩壊という現象であったわけですよね。
アメリカなどではお金を出す側である保険会社が実質的に医療を支配していて、医療費を無駄遣いしていると認定された医師は保険医指定を外されるといった露骨なやり方でなんとか医療費をコントロールしようとしていますけれども、やはり人間の本質として強制されていやいややらされることよりは、きちんと相応の見返りによってモチベーションを高く保っている方が良い仕事も出来るんじゃないかと言う気がします。
そう考えると今まで見返りもないまま日本の医療スタッフがこれだけ献身的に努力し医療の質を保ってきたこと自体がある種の奇跡と言えそうですが、先日「医療崩壊」という言葉の産みの親である現亀田総合病院副院長の小松秀樹先生がこんな記事を書いていたことを一部引用させていただきましょう。

Vol.222 医療格差(2013年9月13日医療ガバナンス学会)より抜粋

●医療費の地域差
日本の医療保険には、市町村国保、国保組合、退職者医療制度、協会けんぽ、組合健保、共済組合、後期高齢者医療制度がある。これらの中で、市町村国保と後期高齢者医療制度は公費の投入額が大きい。
国民1人当たりの公費の投入は、疾病構造が同じなら平等でなければならない。しかし、診断群分類包括医療制度(DPC)導入以前より、医療費には西高東低 (北海道も高い)と呼ばれる地域差が存在し、その原因が医療提供者の行動と患者の受診行動にあると指摘されてきた。細谷らは、胃がん、腎不全、精神分裂病 (元の記載のまま)について、北海道、千葉県、福岡県の1997年の国保の診療報酬明細書を用いて医療費の分析を行った(1)。いずれの疾患についても北 海道、福岡県に高医療費特性が、千葉県に低医療費特性が観察された。北海道、福岡県では施設間格差が大きく、千葉県では小さかった。診療メニューの標準化 が医療費抑制につながると考えられた。
2003年に、診療の標準化を目指してDPCが導入された。しかし、その後も西高東低は続いている。原因として、東日本で、病床数が少なく、医療人材が不 足していることがあげられる。本来、医療の地域格差是正は医療計画制度の目的の一つだったが、医療計画の基準病床数の計算方法が現状追認的であったため、 病床数の地域差が固定化された(2)。
厚生労働省の2010年度の「医療費の地域差分析」によると、市町村国保と後期高齢者医療制度を合わせた医療費の都道府県別地域差指数(年齢補正後)が最 も大きかったのは福岡県の1.211、最も小さかったのは千葉県の0.872だった。福岡県は千葉県の1.39倍の医療費を使っていることになる。厚労省 が毎年「医療費の地域差分析」を公表しているのは、このまま放置すべきでないとの判断が背景にあるからだと想像される。
(略)
●県民の負担
以下、県民の負担を比較する。2010年度の福岡県と千葉県の県民所得はそれぞれ全国16位278万円、19位273万円とほとんど差がないので(内閣府「2010年度県民経済計算」)、1人当たりの税額に大きな差があるとは思えない。
保険料を見ると、2009年度の千葉県、福岡県の市町村国民健康保険料は1人当たりそれぞれ8万8281円、7万6427円であり(「市町村国保の現状に ついて 平成24年1月」)、千葉県の被保険者は、福岡県に比べて1人当たり1万1854円余分に支払っている。2010年度も同額だと仮定してこれに 184万人をかけると、総額で220億円多く支払っていることになる。2009年の被保険者の平均所得は、千葉県が73.6万円、福岡県が49.1万円 だった。所得格差が大きいとなれば、保険料が異なるのは不公平とはいえない。しかし、負担とサービスの逆転は、アリストテレスの配分的正義「等しきものは 等しく、不等なるものは不等に扱わるべし」に反する。負担する費用と受け取るサービス水準の逆転は受け入れられにくい。
(略)

福岡県に比べて千葉県は大して医療費を使っていないというのはご存知の通り、人口に対する医学部定員数に差があることなどから両県の医師数に大きな格差が存在し、それが医療サービスの供給の差となって現れているのだと小松先生も述べていますけれども、要するに千葉県は本来消費していてしかるべき医療需要を十分に消費し切れていない医療飢餓状態に置かれているということでしょうか。
いささか小松先生の意図とは異なった話として流用させていただきますけれども、昨今では各地の自治体で疾病予防に努力して医療費を切り下げることが出来たといったニュースが時折話題になる、しかしこうして見て見ますと医療費負担と言うものは必ずしも医療の消費量が反映されているわけではなく、医療をたっぷり消費している福岡の方がろくに医療も受けられない千葉より保険料が安いという逆転現象が生じているわけですね。
もちろん実際には窓口負担がありますからやはり使った分は相応に支払ってはいるのでしょうが、こうしたデータをみますと昨今のメタボ健診や禁煙運動などの推進もそうですが、国民の側にしても努力して医療費を削減した場合にその見返りを期待するというのはそれほどおかしな話なのかという気がしますし、そこが正当に評価されないというのではモチベーションにも差が出るのかなとは思いますよね。

今までは医療費削減と言うと医師の裁量権との絡みでどうしても医療現場にどう抑制をかけるかという考え方で行われてきた訳ですが、診療報酬が削減される一方で日医など医療系団体は一生懸命「もっともっと医療を利用しましょう(意訳)」とキャンペーンをかけてきた結果、現在の完全に薄利多売化し奇妙に歪んでしまった日本の保険診療体系が出来上がったと言えそうです。
もちろんそうしたことが続いてきた背景には国民に対して医療を無駄遣いしないよう制限を考えようなどと言おうものなら選挙に不利になるという政治の側での計算もあったのでしょうが、一方でメタボ健診のそもそもの表向きの導入理由である「みんなで頑張れば健康になれるし医療費ももっと安く出来るんですよ」という話が事実であれば、努力が正当に評価され腹囲以外にも反映される体系が出来ていないとおかしいですよね。
努力して健康を維持している人には保険料を割り引くべきじゃないかという議論は以前からあって、一方では民間保険主体のアメリカで問題化したように本当に病気がある人が保険料が高騰して保険に加入出来なくなれば何の為の皆保険かというのももっともな話ですが、それにしても医療を無駄遣いするかのごとく利用すればするほど公的な補助も沢山受けられ安上がりになっていくという逆転現象もどうなのかです。
日本では表向き金持ちから貧乏人まで同じ医療が受けられるという給付の公平化が皆保険制度最大の建前になっていて、これまた全年齢、あらゆる状態で平等に給付を行うことが正しいのかどうかと末期医療のあり方などを軸に議論が盛んになってきていますけれども、一方で負担も公平であり過ぎると逆に不公平にもつながりかねないと言うことでしょうか。

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2013年9月17日 (火)

要求水準は高すぎても低すぎても適切ではない

本日の本題に入る前に、クレーマーという言葉が世に定着して久しいですが、一部のゴシップメディアのみならず一般紙でも行き過ぎた行為が否定的な文脈で取り上げられるようになってきたのかなと感じさせられるのがこちらの記事です。

ドアに腕挟まれた男性、車掌にしつこく謝罪要求(2013年9月15日読売新聞)

 14日午後10時25分頃、札幌市営地下鉄東豊線の新道東駅で、栄町駅行きの電車から降りようとした男性客が、ドアに腕を挟まれた

 最後部の車掌室にいた車掌がドアを閉める操作をし、すぐに気付いてドアを開けた。男性客にけがはなかったが、男性客がホームで車掌に「謝罪がない」などと執拗(しつよう)に訴え、車掌が乗車できなかったため、この電車は出発が約18分遅れた。乗客は約30人で、他6本にも5~12分遅れが出た。

 市交通局によると、車掌はドアを閉める前、ドアが閉まる旨をアナウンスした。男性は40歳代とみられ、ポロシャツにズボン姿で、やや酒に酔った様子だったという。他の乗客たちは、のぞき込んで見るなどしながら出発を待っていた。

一口にクレーマーと言っても様々なタイプに類別され対策も異なるということであちらこちらで様々な分類法が試みられていますけれども、一般的にはドアが閉まる前には危ないぞと音や放送等でその旨がきちんと知らされているはずですし、乗客も30人と言うことですから混雑で身動きが取れないという状況でもなさそうで、警告を無視した本人が一番悪いと言えそうです。
クレーマー対応は千差万別でケースバイケースでやるしかないという意見にも一理あるのですが、最低限不当な要求に対しては安易に妥協せずきちんと断るということを徹底する、そしてもう一点は理を尽くして説明しても納得が得られない(そもそも納得などする気がないからクレーマーなのですが…)場合には通常の顧客対応から外し、法務担当者や顧問弁護士など専門家が対応する必要があると言います。
公共交通機関などにおいても当たり屋的にわざとドアに挟まって賠償を得ようとする人間が一定数いるそうですから、今後こうした場合には怪我の有無の確認なども必要ということでまずは電車から離れさせ駅側スタッフできちんと対応するというようにした方がよさそうに思うのですが、昨今どこも人員削減でなかなか難しいところではあるのでしょうね。

ともかくもクレーマーとまでは言わずとも昨今何気ない日常の中で「そこまで言う?」と思うほど厳しい要求にさらされる機会が増えていると感じている人は少なくないと思いますが、もともとは何かしら不満があればその場で大きな声を出して解消するというのは世界的に見ても一般的なスタイルで、不満を抱えたまま黙って立ち去り二度と足を向けないという日本人のスタイルの方が異端であったとも言えます。
そうしたケースが一般化するほど社会もそれに対応して変質せざるを得ないというもので、判りやすいところでは何かしらものを買うにも契約書だの説明だのがやたらと長ったらしく面倒くさいものになったと言うことがあげられると思いますが、特に影響が深刻なのがその場で迅速かつ臨機応変にやらざるを得ない割に結果が深刻な場合がしばしばあるという現場で、救急医療などはその一つの代表格ですよね。
近年救急崩壊などと言われる中で必ずと言っていいほど取り上げられるのがとにかく医療訴訟が激増し、医療側から見て理不尽とも言える判決が相次いだ結果医療現場が萎縮してしまっていると言う論理で、もちろんクレーマー紛いの症例が増えていると言うことも救急を忌避させる大きな原因ではあると思いますが、先日出ていたこちらの記事を紹介してみましょう。

【救急搬送】消防と病院の連携強化を(2013年09月15日高知新聞)

 県内の救急現場の厳しい現状があらためて浮き彫りになった。
 夜間、搬送先が決まらず救急隊員が何度も電話をかけ、医療機関との長いやりとりの末に搬送を断られる―そんな実態がある。
 社会の高齢化が進み、救急医療の需要は増している。迅速な治療開始のため、救急システムの在り方を問い直す必要がある。

 救急搬送の受け入れ拒否は、2007年に奈良県の妊婦が医療機関に受け入れを10回以上断られて死産したケースをきっかけに社会問題化した。
 背景にあるのは慢性的な医師不足だ。本県でも郡部を中心に産科医や小児科医、麻酔科医などの不足が深刻で、救急体制どころか地域医療の存続そのものが危うい状況にある。
 多くの病院が限られた人員で治療に当たっている。夜間や休日の急患受け入れが現実的に困難な場合もある。
 患者の立場に立てば、より専門的な医療を受けたいのは当然だ。だが、行き過ぎると救急医療に支障が出ることもある。
 重症以上の救急搬送で「専門外」を理由に医療機関から搬送を断られたケースがある。医療裁判で「専門医なら救命できた」と判断されることもあり、専門医がいない場合、病院が受け入れをためらうことも多いという。
 その結果、高度医療機関に患者が集中し、医師の負担が増している。
 医師の確保とともに、診療科目の偏りへの対応など地域の実情に合わせた救急医療体制の見直しを急ぐべきだ。

 一方で、消防と医療機関の連携も強化する必要がある。
 佐賀県では11年に救急車にタブレット端末を配備し、搬送先を瞬時に検索できる全国初のシステムを導入した。当番医の専門や病院の混み具合が、救急隊と病院側双方に分かる仕組みだ。
 本県にもこれに似た「こうち医療ネット」がある。各医療機関が対応可能な診療科目などを公開する専門サイトだ。しかし、情報の更新が不十分で、ほとんど活用されていない。消防関係者が搬送先を決める際に最も頼りにしているのは自らの経験だという。
 登録する医療機関に協力を促し、効果的に運用できるよう工夫したい。
 患者受け入れを何度も断られる事態が後を絶たない中、最初から受け入れ可能な病院を広範囲に探すことができる仕組み作りが求められる。

消防と医療の連携と言えば、施設側が受け入れる意志が全くないのにマニュアル的に冗長な報告をしていたずらに時間を浪費している救急隊もかなりあるようで、この辺りはそれこそクレームがつく理由にもなるのでどこまで端折っていいかは難しいところですけれども、少なくとも病院探しは臨機応変に空気を読んだ対応が出来るベテランが行うべきなんじゃないかという気はしますね。
しかし今の時代現場が無理をしなくなったと言うのでしょうか、「これはちょっと専門外だしうちでは難しいけど、でも取りあえず受けようか」ということは確実に減ってきていると思いますが、要求される医療水準を保とうと思えばどうしてもそうならざるを得ない訳で、いわゆるJBM(司法判断に基づく医療)云々以前に最低限備えていることを要求される水準が各診療分野で高くなっているのだと思います。
ただ問題はその要求している主体がどこにあるのかと言うことで、もちろんクレーマーやモンスターと言われる顧客側、あるいはJBMや医療バッシングを繰り返してきたマスコミなど第三者側の要因も大きいのですが、一方で医療側自身も「現実的にそれは現場で実施するのは難しいのでは?」と思われる医療水準を当然備えておくべきものとして求めて来た部分が少なからずあったのは事実だと思いますね。

救急なども理想的には当座どんな分野であっても初診をきちんとさばき、必要な応急処置を講じた上で専門医に送るという仕事をgeneralに出来る総合医なるものが増えてくればいいのでしょうが、従来の専門分化した医学教育システムで育った医師達においては救急専門医など限られたスタッフしかこうした仕事には対応出来ず、総合医が充足するまで個々の医師の努力や資質に頼るしかないのが現状でしょう。
その総合医もキャリアとしてどの程度魅力的なものになるかも未だにはっきり見えてこない上に、そもそもそうした進路を積極的に選択する医師が本当に救急初診などやってくれるのかという懸念も依然あって、とりあえずは初期研修の期間内に最低限ある程度診られるだけの能力は身につけておいてくれと願うしかないのでしょうか。
ただ現状の初期研修では病院側が研修医を評価すると同時に研修医側も病院を評価していて、それがために厳しい評価を避けようと学生実習の延長のようなお客様研修でお茶を濁している施設も少なからずあって、知識などはともかく物理的な技量であるとか、あるいは救急の現場で最も求められる決断力などは育ちにくい環境にも思えますね。
もちろん学生時代にきちんと勉強して「こいつは出来そうだな」と思える優秀な研修医であればどんどん先に進んでいけるものなのでしょうが、医療の標準化ということが叫ばれトップの水準よりも最低ラインの位置こそが注目されがちな今の時代、実際にやるやらないは別として自分の身を守るためにも最低限は出来るスキルは身につけておくべきかなと言う気がしますし、そうしたリスクを負えるのも責任を取らなくて済む研修医時代の特権ではありますよね。

先日たまたま大学で教育システム改革をしようと頑張っている先生と話をする機会があって、従来の講義方式できちんと興味と関心を持ち伸びていけるのは学生のうちわずか1割に過ぎない、これではあまりに非効率過ぎるから何とか早急に改革すべきだと言う主張は、その領域に関心もあり学ぶ意欲を持って参加しているはずの臨床医ですら講演会場で居眠りが目立つことからも非常に首肯できる話だと思いますね。
ではどうしたらいいのか、例えばディスカッション形式など参加型の教育システムに改め自分で主体的に考えるよう誘導すればこれが5割に上がると言うのはその通りなのでしょうが、学会のハンズオンセミナーが常に定員が限られ対象が限定されているように、大学の教官が文字通り教官としての仕事をもっと積極的にやる、出来るようにならなければ最も手間暇のかからない講義形式が相変わらず続くことになるでしょう。
そもそも論として人に教える教官として雇用しているはずの人間のセレクションが論文数が幾らであると言った、教育スキルに全く関係のない評価基準でのみ行われていることが問題なのだという意見もあって、例えば大手予備校のように教育能力が実績として反映されるようにすべきだと言う考え方もありますが、医学部教授と言えば学閥のトップであるだけに研究や臨床のスキルも問われないではいられないのでしょう。
となるといっそ教育と医学とを完全に分離するということで、それこそ医学部と大学病院とを完全に分けてしまうということも一つの手なのでしょうが、学生(正しくはその親)からの莫大な収益で病院を運営している私学に限らずこうした方向への改革は当事者の多くにとって決して喜ばしいことではないだけに、権威筋から改革の気運が盛り上がるということはあまりなさそうですよね。

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2013年9月16日 (月)

今日のぐり:「成田屋 田町店」

先日イグノーベル賞の発表があったのですが、なんと今年も日本人が受賞したという記事が出ていました。

「オペラで延命」にイグ・ノーベル医学賞 日本人、7年連続(2013年9月13日産経新聞)

 ユーモラスな科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が12日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で行われ、「心臓移植したマウスにオペラを聴かせると生存期間が延びた」との実験結果を発表した帝京大医学部外科准教授の新見正則さん(54)らのグループが「医学賞」を受賞した。

 ハウス食品研究主幹の今井真介さん(56)らのグループも「タマネギの催涙成分をつくる酵素」発見で「化学賞」を受賞。発見に貢献した石川県立大学長の熊谷英彦さん(72)も共同受賞者。日本人の受賞は7年連続。

 新見さんによると、いずれも心臓移植したマウスに術後7日間、ベルディのオペラ「椿姫」やモーツァルトなどの音楽を一日中聴かせる実験を繰り返したところ、オペラを聴かせたマウスが平均約26日間と最も長く生存した。モーツァルトを聴かせたマウスは平均20日、音楽を聴かせなかったマウスは7日生存した。(共同)

今回は2グループ同時受賞ということでおめでたいですが、過去の受賞歴を見てみますと日本人って実はこの方面で才能あるのでは?と思ってしまいますね。
本日は正しくその意外性が世界からも認められた受賞チームに敬意を表して、その発想は正直無かったという意外性あるニュースを各地から取り上げてみましょう。

便器型の容器に入ったソフトクリーム「ク・ソフト」/見た目が非常にアレだとTwitter上で話題に(2013年8月19日Pouch)

今、Twitter上で「ク・ソフト」というソフトクリームが注目を集めています。見た目が非常にアレだと話題になっているのですが……まじでアレですね、ハイ。
「ク・ソフト」は、山梨県北杜市にある食事とソフトクリームの店「キッチン ペルーシェ」が販売しているもの。
便器型の容器にソフトクリームが入っており、黒かりんとうとハエのシールつきスプーン、ウエハース、生クリームがトッピングされています。フレーバーは選べるようですが、チョコレート味が一番人気みたい。
このソフトクリームに関して、Twitterユーザーたちのコメントは次のようなもの。

「これはひどいw」
「何度か看板は見たが食べてはないな」
「本物そっくりと評判らしい」
「食べ終わったあとが一番それっぽい」
「ネーミングまでお下劣な……でもこれ話題にはなるよねw」
「お昼ご飯食べる気消え失せたw w w」
「これ、けっこう前からあったよね。今はハエまでついてんだw」
「絶対ヤダヤダ!」

同店のホームページによると、販売開始当時は「汚すぎる」との声があったものの、今ではわざわざ遠方から「ク・ソフト」を目当てに訪れる人もいるほどの目玉商品なのだとか。
便器型の容器に入った、チョコレート色のソフトクリーム……いろいろと想像してしまいますが……。う~ん、食べたいような、食べたくないような……。

その詳細は元記事の画像を参照していただくとして、この場合発想自体の独創性もさることながらそれを実用化するにあたってどう心理的障壁を克服するかが食べ物屋としての決意の見せ所なのでしょうか。
こちらも先日大いに話題になったニュースですけれども、正直一瞬といえどもその発想が出てくるというだけでもすごいと思いますね。

福岡で財布奪われ11日…仙台まで自力で帰宅(2013年9月6日読売新聞)

 8月末に福岡市で行方不明になっていた仙台市太白区、男性会社員(25)が5日、徒歩などで帰宅した。

 福岡市からは約1400キロ。11日かけて戻って来た男性は「福岡市内の路上で財布も携帯電話も奪われた時は焦ったけど、帰宅できてよかった」と話している。

 男性によると、8月25日に飛行機に乗り遅れた後、携帯電話の電池が切れた。福岡市内で夜を過ごすため、インターネットカフェを探していた。午後10時頃、路上で男5人くらいに「財布と携帯電話を渡せ」と脅され、財布と携帯電話を置いて隙を見て逃げた。

 その後、野宿をしながら仙台に向かった。「靴の中に隠し持っていた2000円で、食パンや水を購入し、飢えをしのいだ」という。

 9月5日午後7時過ぎに、母親(46)の経営する岩沼市のスナックに帰ってきた。その後、母親が宮城県警仙台南署に連絡した。男性は「まさかこんな大騒ぎになっているとは。皆様にご迷惑をおかけして申し訳ない」と話している。

 真っ黒に日焼けした姿で帰ってきた男性を見て母親は号泣。「幽霊が現れたかと思うくらいびっくりした。本当にうれしい。皆様にはご心配かけて申し訳ございませんでした」と息子の無事を喜んだ。

 カードゲームが趣味の男性は、北九州市内で開催された全国大会に参加するため8月23日、仙台を出発。大事なカードはショルダーバッグにしまい、無事、持ち帰った。

好意的に解釈すれば日頃の運動不足を解消するよい機会になったと捉えることも出来るのかも知れませんが、しかしよくも鞄の中にお金を隠し持っていたものとは言えその使い方がいささか間違っていたような…
一昔前に濡れ落ち葉なんて失礼な言葉が流行ったことがありましたが、世の中捨てる神あれば拾う神ありというありがたい?ニュースを紹介してみましょう。

激安おっさんレンタルが話題に、1時間1,000円でおっさんが借りられる。(2013年9月10日ナリナリドットコム)

1時間1,000円で、おっさんが“借りられる”サービス「おっさんレンタル」。この異彩を放つサービスが、いま、ネットでちょっとした話題を呼んでいる。

きっかけは、レンタルに関する最新ニュースを扱うサイト「レンタル&シェアニュース」が伝えた一本の記事だった。その内容は「ホームページ上のショッピングカートから数量を指定してカートに入れると、おっさんがレンタルできる」というサービスを紹介したもの。この記事は2ちゃんねるのまとめサイトに次々と転載され、大きな反響を呼ぶことになった。

実際に「おっさんレンタル」の公式サイトを覗いてみると、トップページには「ファッションプロデューサー46歳」の西本貴信さんと、「プロ野球解説者 北海道日本ハムファイターズ」の千藤三樹男さんの2人が掲載されている。レンタル料金は1時間あたり1,000円と格安(※千藤さんは2時間から)。千藤さんは5月頃からサービスに参加しているようだ。

サービスの主宰は西本さんで、公式ブログではちょこちょことレンタルの具体的な内容を紹介している。例えば最近のエントリーに記されているのは、「車試乗同行(輸入車ディーラー)」「モデルルーム同行(新築マンション購入の下見)」「ランチ同行(恋愛相談)」「美術館同行」「TSUTAYAに同行、泣ける映画DVDを薦める」「褒めまくる」「新事業アイデアを出す」といった具合だ。

ちなみに、西本さんのブログによれば、このサービスは週に数件程度の依頼が入り、“ガチな内容”なのだそう。「僕は、人を楽しませたい、笑って、元気になって欲しい」との想いを込めてサービスを提供しており、1時間1,000円という価格設定については「これで、ご飯食べてないですから、心配ないです」とのことだ。

一風……どころか、かなり変わった「おっさんレンタル」。どのようなサービスなのか、気になる人はまずはホームページを覗いてみてはいかが?

何とも独創性極まる新商売と言う気がしますが、しかしこういうものにも思いがけないところに思いがけない需要が出てくるものなんでしょうね。
いつもながらすばらしくオリジナリティーあふれるネタを提供していただいているのがお隣中国ですが、今回のそれも正直その発想はなかったというもののようです。

【海外:中国】ママは忙しい!授乳しながら自転車に乗っていたママが捕まる(2013年9月7日日刊テラフォー)

いつもあり得ない光景を届けてくれる中国だが、今回もまた、「安全」という概念を覆すが光景が目撃された。
片手で赤ちゃんを抱き、乳房を露わにして、授乳しながらママチャリを漕いでいるママが警察に止められた。

河南省禹州(うしゅう)市で、授乳しながらママチャリを運転していた女性が警察に止められ、そのまま連行された。

目撃者によると、ママらしき若い女性が自転車を漕いでいたところ、女性の腕の中にいた生後18ヶ月くらいの赤ちゃんが泣いていた。
交通量の激しい道路で赤ちゃんを片手で抱えながら自転車を漕ぐだけでも十分に危険な行為なのだが、このママはおもむろにTシャツの前をたくし上げると、乳房を露わにして授乳し始めた。
赤ちゃんを泣き止ませようと思ったのかもしれないが、あまりにも無謀だ。

警察は、女性が女性自身と腕に抱えた赤ちゃん、さらには他の道路利用者の命を危険に晒したとして連行した。
「我々は、もし女性がこんな運転を続ける場合は、自転車を没収すると警告しました。」
今回は、女性は厳重注意を受けるのみにとどまった。

さすが中国雑技団を誇る国、凄まじい度胸と圧巻のバランス感覚だ。

確かに思わず雑伎団かよ!と言いたくなるような画像がちゃんと撮影されているというのもすごいものですが、チャイルドシートを使わずに子供を車に乗せる行為も大変危険ですから日本人も人のことは言えませんよね。
妻という言葉に何かしら強烈なイメージを持つ方ほどこのような配偶者が欲しかった…と思ってしまうものなのかどうか、ともかくこれまた何がどうなっているのかというびっくりニュースです。

ブラジル人男性、ヤギとの結婚を決意(2013年9月10日VoR)

  ブラジル人男性アペレシードゥ・カスタリードゥさん(74)は飼っているヤギのカルメリータとの結婚を決意した。イブニング・スタンダード紙が伝えた。カスタリードゥさんは結婚登録はもちろんしないものの、結婚式は盛大に行うことを明らかにしている。

    カスタリードゥさんは元煉瓦石積み職人で現在は年金生活を営んでいる。結婚式の日取りは10月13日に決められた。式を執り行うのはブラジルでは最も有名 な悪魔教者として知られ、地球における悪魔の使者を自称するアントニオ・フィルミヌさん。コスタリードゥさんは結婚式の仕切りを悪魔教者に頼んだ理由とし て、教会がこれを拒んだためと説明している。 
   なぜヤギを相手に選んだかという理由についてコスタリードゥさんは、「ショッピングでお金も使わず、無駄口もきかず、妊娠もしない」からと答え、ヤギは妻として不足はないと語っている。この結婚について親戚縁者(がこの方におられれば、の話だが)の反応は伝えられていない。

   ところが世の中には動物と結婚した例はほかにもある。2010年12月豪州のジョゼフ・グイノさんは飼い犬と、また同年5月ドイツのウヴェ・ミツシェルリフさんは病身の猫と婚姻を結んだ。

確かに数々の美点をヤギが秘めていることを認めるにやぶさかではありませんが、それを上回る致命的な欠点もまたあるように思うのは自分だけでしょうか。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですが、まあこの国の場合予想の斜め上を猛進して当たり前というところがありますよね。

橋脚に埋め込まれた謎の郵便ポスト、英国で憶測呼ぶ(2013年9月11日ロイター)

[10日 ロイター] - 英国イングランド南東部のバークシャーで、テムズ川にかかる橋の橋脚部分に赤い郵便ポストが埋め込まれているのが見つかり、話題となっている。

郵便ポストは橋の中央部分に位置する橋脚の、川の下流に面する側に埋め込まれており、川の中からしか利用することができない。

近隣住民の間では、地元のアーティストが作成したものだとか、劇団のPR活動ではといった憶測が飛び交っているが、真相はわかっていない。

記事を読んで一体何がどうなっているのか理解に困難を覚えた方は是非ともリンク先の画像を参照いただければと思いますが、しかしたとえフネであってもこれを利用するのは難しいのではないでしょうか?
そもそも投函された郵便物をどのようにして回収するのか謎が謎を呼びますが、石造りの橋にこんなものを埋め込むという行為そのものがそれなりに難易度が高そうなのですが…

今日のぐり:「成田屋 田町店」

岡山界隈で店舗展開されている居酒屋チェーンの成田屋と言えばあちらこちらどこにでもあるというほどありふれた存在なんだそうですが、残念ながら今まであまりお邪魔する機会がありませんでした。
こちら岡山市内随一の繁華街繁華街の一角にある店舗は中心部から外れた裏通り、雰囲気の良さそうな料亭などが並んでいる閑静な地域なのですが、そこにこうした庶民的な飲み屋が立地しているというのも何やら面白いですね。
一歩店内に入ると何よりその熱気に圧倒されますが、それよりも何よりも親父率高えよここは!と思わず叫んでしまいそうで、何ともレトロな店構えとも相まって昭和チックな雰囲気を醸し出していますね。

メニューはレギュラーメニュー以外に日替わりのおすすめ品も非常に充実していて、鮮魚系なども色々と取りそろえてあるのがうれしいものなのですが、定番とも言える名物メニューなどを中心に適当に頼んで見ました。
名物だという鶏酢は春雨が少しふやけすぎなのが気になりますが酢加減はなかなかいい塩梅ですし、同じく定番の人気メニューだという湯豆腐は鶏出汁のスーププラスたっぷりの鰹節でダブルのうまみが楽しめるという、これはなかなかいい一品ですね。
天ぷら盛り合わせは塩ではなく天つゆがデフォなのですが、エビなどは気持ち揚げすぎ感があるとは言え衣はガチガチでなくさっくり仕上がっていて、この油切れなら塩でも良さそうに思いますし野菜なども全般にいい感じなのですがタコ天は大ぶりなせいか少し食感が勝りすぎている気がして多少包丁を入れてもよかったかも知れませんね。
今年はサンマがなかなか南下してこないんだそうで新サンマ刺身は高えよこれと思わず言ってしまいそうな値段なのも仕方ないのでしょうが、それでもさすが新ものだけあって脂もすっきりとうまいですよね。
牛タン味噌焼きは割に厚切りにしてあるせいか少しばかり独特の肉の臭みが残るようなのでもう少し味噌の風味をきかしてもよさそうですが、麻婆豆腐などは逆にこのあっさり和風の味噌味が本格的なものよりもいい感じでした。
珍しそうなものとして頼んだミンチしそ揚げなるものは田町店特製なんだそうですが、発想の元は揚げギョウザとか春巻きなんでしょうか、見た目も食感も面白いですし食べてもうまいしでこの日のベストな一品と言えますし、半分ネタで頼んで見た栗の唐揚げなども見た瞬間なんじゃそりゃ?と思ってしまうのですが、ほっくりした食感とほんのりした甘さに振り塩のアクセントもよく意外にこれが悪くないんですよね。

これだけ多忙な中にも接遇は意外にも細やかで気が利くのは好印象なのですが、強いて言えばやや気ぜわしいので飲んだくれのペースに合わせて少しゆったり構えていただければさらに居心地も良くなったでしょうか。
それにしてもさほど遅くもない時間帯からのスタートだったのですが最初から売り切れが多いというのも人気の証なんでしょうか、最近の居酒屋と言えば女子会などがお似合いのおしゃれなものも多くてこういう昔ながらの居酒屋はあまり経験のない人も増えているのでしょうが、見た目通り設備もメニューもものすごく昭和風で年季が入りすぎなほど入っていますし、正直こういう空気に慣れていないと入るのにもちょっと躊躇しそうですね。
それでもいかにもバイトが作ってますというそうした今時の店にはない手料理感が世の親父さん達に受けているのでしょうか、入って見れば料理もそれなりに楽しめることに加えて酒を入れてもとにかく安い!というのにも驚くばかりで、味も酒飲み客前提で濃すぎるというものでもありませんから別に酒は飲まずともちょっとした小料理屋的に使っても良さそうな感じですよね。

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2013年9月15日 (日)

今日のぐり:「手打ちうどん 田舎っぺ」

先日は東京五輪の開催決定が大きな話題になりましたが、その陰でこんな「らしい」話題があったそうです。

異常なまでのマイペースぶり!東京五輪開催決定の瞬間、テレビ東京は通販番組―中国メディア(2013年9月9日レコードチャイナ)

2013年9月9日、テレビ東京は日本の関東地方をカバーするテレビ局で、多くのアニメ放映量や事件報道が手薄なことで一貫して知られていた。同局にはどんな突発的ニュースが発生しても、断固として予定の番組を放映するという伝統があることから、インターネット利用者からは「テレビ東京の最強伝説」と冗談めかして呼ばれている。2011年3月の東日本大震災の際に、同局はNHKが速報を発表してから8分後にやっと「しぶしぶ」緊急番組を放映し、緊急番組を最も遅く発表したテレビ局となった。また、地震からわずか1日を経た13日早朝にはアニメ番組の放映を再開し、当時最も早くアニメ放映を再開した局でもある。人民日報(電子版)が伝えた。

そんな同局の独特な放映姿勢が再び注目を集めている。2020年のオリンピック開催地が東京に決定した8日、日本の主なテレビ局はいずれも祝賀番組を放映したが、テレビ東京は普段と変わらぬテレビショッピング番組を放映していたのだ。ツイッターでは「NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビが『東京がオリンピック開催地に!』と伝える中、テレビ東京は『この輝く大きなダイヤモンドをご覧下さい!』と伝えている」という書き込みが掲載された。画面を記録した写真では各局が次々とお祝いの番組を流す中、唯一テレビ東京のみが普段と変わらずテレビショッピング番組で輝くダイヤモンドを映し出しており、ネット利用者の話題を集めた。

同日午後1時1分に別のネット利用者が「日本のオリンピック誘致成功の際にダイヤモンドのCMを放映し、北朝鮮の指導者死去の際には鯉の番組を、酒井法子の謝罪の際には低俗なアニメ番組を、日本中のテレビ局が放映終了の時間にポケモンを放映し、大規模の停電の際には逆に追跡報道したが、停電となるとどの報道も見ることができないのに。テレビ東京には感服だ」とコメントし、日本の主要各局の放送を比較する写真を掲載している。この書き込みに「本当に珍しい局」「独自路線の局だ」といったコメントが寄せられている。(提供/人民網日本語版・翻訳/YH・編集/TF)

テレビ東京と言えばその安定ぶりはすでにテレ東伝説として知られていて、「安心のテレ東クオリティ」だとか「テレ東が緊急特番を放送し始めたらリアルこの世の終わり」だといった説までありますよね。
本日は常に平常運転のテレ東に敬意を表して、この世の中で「決して起こって欲しくないこと」に関するニュースを取り上げてみましょう。

【衝撃サッカー動画】中国のサッカー大会で史上まれに見るヒドさのオウンゴールが炸裂したと話題(2013年9月10日ロケットニュース24)
オウンゴールはサッカーにつきものだ。不可抗力により、無情にもボールが自陣ゴールに吸い込まれてしまうことは、選手がどれだけ技術を持っていても避けることはできない。しかし、防ぎようがないものがある一方で、ミスから生まれるものがほとんどを占める。

そんな中、中国の試合でミスの連鎖によって生まれたオウンゴールがヒドすぎると話題になっているぞ。目も当てられないその様子は、動画「Amazing Score In China U-20 Soccer Game, Amazing Own Goal,遼寧全運会最精彩進球,2013」で確認可能だ!

・中国国内でのU—20大会

事件は、中国で4年に一度行われている第12回全国運動会の U-20サッカー大会で起きた。信じられない瞬間は、遼寧省代表 vs 新疆ウイグル自治区代表の試合で、後半16分のことだった。
・オウンゴールの経緯

攻める青の遼寧に対して、守る緑の新疆。オウンゴールのシーンを簡潔にまとめるとこうだ……

アーリークロスが上がりボールを競る → ここから新疆 DF が崩壊 → こぼれたボールを DF がミスキック → 別の DF が浮いたボールをオーバーヘッドでクリアしようとする → 空振った上にボールは身体に当たる → ボールはゴール方向へ → さらに別の DF に当たりコースが変わる → GKが足で止めようとするが目測を誤る → 急いでクリアしようとするがボールはゴール内へ → 新疆は皆ボー然、遼寧チームは歓喜

……といった流れだ。チーム11人のうち4人がミスに絡み続けた末のオウンゴールは、滅多にお目にかかれないものとなった。
・一番恥ずかしいのは誰か

さしてプレッシャーのない状況であったにもかかわらず、ミスを連発してしまった遼寧の DF陣。空振りや目測を誤るプレーはもちろんだが、一番恥ずかしいのはオーバーヘッドを試みた DF ではないだろうか。
・気になる試合結果

新疆のオウンゴールでお互い譲らなかった均衡が崩れたこの一戦。そのまま遼寧が押し切るかと思われたが、新疆が即座に同点に追いつき、 PK戦にまでもつれ込む熱戦となった。

PK戦は、新疆の5人目のキッカーが外してしまい万事休す。結果、遼寧が勝ち進むことになった。オウンゴールさえなければ……とたらればを言えば切りがないが、新疆 DF 陣に危機感があれば避けれた失点ではある。

サッカー選手にとって悪夢とも言うべきオウンゴールですが、しかしこれは確かにダメージがハンパない凄まじさですよね…
人間信義を裏切るということはどんな場合であれ問題視されるものですが、同じ裏切るにしてもやり方によってこうした悲劇が発生し得るというニュースをお伝えしましょう。

男性と浮気した夫に妻が報復、局部切断 ブラジル(2013年8月18日AFP)

【8月18日 AFP】ブラジルのサンパウロ(Sao Paulo)の南東77キロに位置するサントス(Santos)で、夫が男性と浮気している現場を目撃した妻が、報復として夫の局部を切断した。同国のテレビ局グロボ(Globo)のウェブサイト「G1」が16日伝えた。

 夫の軽率な行為を知った妻は、最初は何も行動を起こさなかったものの、数日後に夫と関係を持つ際にゲームをしようと提案し、夫をベッドに縛り付けた。夫が何も抵抗せずに横たわっていると、妻はギザギザのある刃物で局部を切り取った。

 局部は切断から長時間が経過したため縫合不可能になったものの、夫の命に別状はない。妻は逮捕されたという。

起こって欲しくなかったのは不倫なのか、それとも…というところですが、こうした事故は頻発しているものなのか今年のイグノーベル賞を受賞したタイの医療スタッフの研究は「切断されたペニスの治療法」であったと言います。
同じく中国から非常に信じがたいニュースが出ているのですが、想像力豊かな方々は閲覧に注意いただきたいと思います。

【衝撃】野生のサルが男の子の睾丸を引きちぎって食べる事件が発生(2013年9月10日ロケットニュース24)

動物とのふれあいは子どもの成長に良い影響を与えると言われている。動物園や、水族館、自然公園はファミリーに人気のスポットだ。

野生動物を間近に見ることができる公園で、そこで思わぬ事件が起きていたことがわかった。なんと、小さな男の子がサルに襲われ、その結果、サルに睾丸を食べられてしまったというのだ。
・事件は野生のサルがいる公園で発生

事件が起きたのは中国・黔霊山(けんれいさん)公園だ。ある若い母親が、生後8カ月の息子を連れて家族で公園を訪れていた。公園を散歩中、母親は男の子のおむつが濡れていることに気づいたそうだ。そこで、周囲に異常がないことを確認し、おむつをかえようとした瞬間、悲劇は起こった。
・サルが男の子の睾丸を引きちぎる

なんと、どこからともなくサルが現れ、男の子を襲ったのだ。男の子はまだ8カ月でまだ体も弱い。サルがちょっと力をいれたそのとき、男の子の睾丸は引きちぎられ地面に落ちてしまった。騒ぎに気づいた人が睾丸をあわてて拾いに行った。だが、別のサルが突進してきて落ちていた睾丸を奪い、そのまま食べてしまったのだ。
・将来、生殖能力に影響の恐れ

男の子はすぐに病院へ救急搬送された。担当した医師によると男の子の命に別状はないそうだ。しかし、サルに奪われた右側の睾丸は、精子を精巣から尿道に運ぶ精管が断裂している状態。つまり生殖器を半分失った状態で、治癒しても、将来、生殖能力に影響を及ぼすのではないかと話している。

母親らは公園側に補償を求めているが、中国報道では、公園側の対応は冷たいものであったと報じられている。なお、事件に関して公園側は、これまでは来園者と直に触れ合ってほしいとサルを放していたとコメント。しかし、サルが人間を襲う事件が頻発しているので、今後は柵を作ることも検討するそうだ。

贵州8个月婴儿公园内撒尿 被猴子咬断命根_

それは親もショックを受けようと言うものですけれども、しかし日本でも猿害がたびたび問題になるだけにこれは公園側の管理体制も問われかねない悲惨な事故といえそうです。
動物に襲われると言えば猛獣はいつの時代も人類に脅威を与えてきましたが、こんな襲われ肩は嫌だと感じさせるニュースがこちらです。

カムチャッカに人食いクマ現る(2013年9月4日VoR)

  カムチャッカ北部オッソラ村で無職男性(54)がクマに襲われ、瀕死の状態で発見された。ロシア内務省カムチャッカ支部は人食いグマの犯行と見ている。

   男性は、クマが多数生息する地帯であることは知りながら、武器を持たずに漁に出た。「村から1km半ほど離れた辺りでクマに襲われたようだ。獲物に一撃を加えて頭皮を剥ぎ取り、茂みに引きずり込んだものらしい」とロシア連邦捜査局カムチャッカ支部。

   警察および猟師2名がクマを殺害するために捜索を行っている。

ロシアと言えば昔からクマが国の象徴ともされてきただけに様々な悲劇的事件も発生していますけれども、世の男性諸氏にとってはとりわけ何ともやりきれないニュースになったものですよね…
巨大生物に襲われるのはパニック映画の定番ですが、こちら滅多に見ない光景だけにその恐ろしさはハンパありません。

仲間殺され15頭のゾウが報復、轢いた列車や周辺の民家を“攻撃”。(2013年8月14日ナリナリドットコム)

知能が高く、仲間意識も強いとされているゾウ。世界有数の生息地となっているインドでは先日、群れの1頭が列車に轢かれて命を落とす事故が起きた。そしてこれをきっかけに、人間たちの生活がゾウの強い結束力に脅かされる事態を招いたという。仲間を失った15頭ものゾウが現場付近に居座り出し、専門家らは追い払おうと懸命に対策に乗り出したものの、人間に怒りを見せる群れの攻撃により、鉄道や周辺の家に被害も出たそうだ。

インド紙タイムズ・オブ・インディアによると、事故があったのは7月31日のこと。インド東部の街コルカタからニューデリーに向かっていた急行列車が、ジャールカンド州マタリ駅を過ぎたあたりで、線路を渡っていたゾウの群れに遭遇した。しかし、当時「最高速で走っていた」列車は急停止できず、接触した群れの1頭が谷間へ転落。命を落とした。

その後、転落したゾウの悲鳴を聞いて一緒にいた15頭のゾウは興奮し、仲間の命を奪った列車を攻撃。このときの様子について乗客の1人は、当初「何か爆発したような音がしたので、過激派の攻撃を受けたと思った」と言い、しばらく全員が座席から動けなかったそうだが、やがてゾウたちの「鳴き声が聞こえてきて」事情を悟ったと話している。

ゾウが居座る上に損傷も受けた列車は現場から動けなくなり、乗務員が救助要請を出すと、事故から1時間後に鉄道会社の技術者が現場に到着。火薬を使ってゾウの群れを近くの森へ追い払った後、技術者が列車を次のゴモ駅まで誘導し、乗員・乗客たちは無事に事故をやり過ごしたという。この事故の影響で、周辺各線を走る多くの列車にも2時間から7時間の遅れが生じたそうだが、2日後までにはすべて正常運転に戻ったと鉄道会社が発表し、事故の問題は片付いたかに思われた。

ところが、近くの森へ退いた15頭が引き下がらずに行動に出始め、実は事故の影響は拡大していた。事故があった7月31日夜には、再び線路沿いへと現れた群れが通過する列車の一部を停めるなどの行動を起こしたため、鉄道会社側は現場を通る列車の乗員に注意を促すとともに、森林管理官の協力も得て「クラッカーを使う」などして群れを森へと誘導した。

そして翌日朝には専門家らを集め、さらに遠くへ追い払おうと試みたものの、群れは森に留まり続けて作戦は失敗。するとその日の夜、今度は群れが事故現場の方へと移動し始めたため、徹夜で警戒に当たっていた近隣住民らがクラッカーや太鼓を使って追い払おうと威嚇したところ、15頭は近くの村へと進路を変え、約10軒の家を襲撃したそうだ。

こうした事態を受け、森林管理官は新たに別の専門家たちを招集。8月2日午後に打った対策がやっと功を奏し、ゾウの群れは丘を越えた場所へと移動していった。人間と野生動物が共存することの難しさを痛感させられる、今回の悲劇。タイムズ・オブ・インディア紙の取材に応じた野生生物の専門家は、ゾウは「家族の結びつきが強い」動物と話した上で、群れが列車や家を攻撃したのは、仲間の命を奪い、自分たちの弔い行動すらも妨害してくる人間に対する“報復”だと見ているという。

象は賢いとは昔から聞きますけれども、象側の心理もよく理解出来るだけに無理矢理排除するというのも何ともやりきれない後味の悪さを感じますよね。
世の中あっと驚くびっくり事件は数多いとは言え、こちらアメリカからはあっと驚くのみならず色々な意味であって欲しくない事件を取り上げてみたいと思います。

恋人から盗んだお金は尻の中、バレるも取り出せなくなり病院送りに。(2013年9月4日ナリナリドットコム)

8月下旬、交際していた男性宅から現金と薬剤を盗んだ米国のある女。しかし彼女はいま、警察ではなく、病院で世話になっているという。彼女は盗んだ金5,000ドル(約50万円)と薬剤を隠したまでは良かったが、程なくして犯行が彼氏にバレた上に、隠したものを取り出すのに一悶着あったせいで病院送りになったそうだ。

米紙キングスポート・タイムズニュースや米放送局NBC系列WBIR-TVなどによると、事件は8月27日午前7時頃、テネシー州ブルズギャップにある男性宅で発生した。家にあったテーブルサッカーゲーム台に置いた古い医療用バッグから、4,000ドル(約40万円)と1,000ドル(約10万円)を入れた2つの封筒と薬剤が無くなっていることに、目を覚ました男性が気付いたという。ところが彼はすぐに警察へ連絡をせず、上で寝ていた43歳の彼女に疑いの目を向けた。

実は以前からたびたび盗難の被害に遭い、「彼女が盗っているのでは…」と疑っていたという男性。彼から相談を受けていた警察は、その確信を得ようと午前1時頃、わざとお金を入れたバッグをゲーム台の上に用意して、様子を見たのだという。そして朝を迎えると、予想通りにバッグから現金と薬が紛失したことに気が付いた彼が、彼女を起こして詰問したところ、あっさりと盗んだ事実を認めた。しかし犯行が分かった後、2人はさらなる問題に直面する。

盗んだ物を出すように彼から言われ、まず小分けにした薬を入れた袋を吐き出した女。さらに「金はどうした」と彼がたずねたところ、彼女は「袋に包んで腸の中に入れた」と驚くべき事実を明かした。

そして、もはや逃げられないと悟ったのか、盗んだお金を返すため、体内に入れた袋をお尻から出そうとし始めた女。ところが、うまく体外に出せずに苦闘する彼女は、トイレブラシやトングを体内に入れて取り出そうと試みたところ、腸を傷つけてしまってひどい出血に襲われ、そのまま病院の緊急治療室へ搬送されてしまった。

結局、取り出せなかった現金は病院で“排出”。動かぬ証拠も回収し、男性からの告発を受けた警察は窃盗罪で彼女を捕まえる方針を固めているものの、しばらくは入院が続く見込みのため、まだ逮捕状の執行はされていないという。

警察の調べに対し、犯行の動機について女は「彼が自分を追い出すと思い、生活するためにお金と薬を盗んだ」と話している。

男女の関係は時に互いを思いがけない行動に走らせるとも言いますが、全世界に発信されるほどのびっくり行動に走る前にもう少し何とかならなかったものかという気がします。
最後に取り上げますのはもはや完全な悲劇というしかないニュースなのですが、まずは記事を一読いただきましょう。

【面白動画】「僕と結婚し…バチコーン!!!」ロマンチックなプロポーズが一瞬にして殺人未遂現場に!!(2013年8月27日IRORIO)

もし今、公衆の面前でのサプライズ・プロポーズを計画している男性がいたら、まずこの動画を観てから考え直してほしい。

ドバイのショッピングモールにて撮影された同動画。愛する彼女にサプライズで結婚の申し込みをしようと、音楽隊まで用意して特別なシチュエーションを演出したこの男性。周囲の注目を集める中、聞いているこっちが恥ずかしくなるような甘~い愛の言葉をつらつらと語るのだが、どうやら彼女はお気に召さなかった様子。片膝をついてプロポーズの言葉を発しようとしたその瞬間、辱めに耐えかねた彼女が音楽隊から奪ったウクレレで彼氏の頭を思い切りガツン!ロマンチックなプロポーズが一転して殺人未遂現場となってしまった。

ちなみにこの動画、途中で横切る子ども用の汽車の車体に「NOT」「SO」「SWEET」と書かれていることから同ショッピングモールの売名行為だったのではとのウワサもあるが、どちらにせよかなりイタ~い結果に。これからプロポーズを考えている男性は、彼女側の気持ちも考えた演出にしてあげてほしい。

Proposed marriage to the head of seven guitars

全世界の男よ!瞑目しただ涙すべし!と言うべき悲劇なのですが、何よりもダメージを大きくしているのはこれが全世界に公開されてしまっているということでしょうか。
最近この種のサプライズ動画があちこちでおもしろおかしく取り上げられていますが、こういう「放送事故」を見てみますとやらせや仕込みに走りたくなるマスコミの心境も理解出来ないことはない、のでしょうかね?

今日のぐり:「手打ちうどん 田舎っぺ」

競合店も少ない田舎に立っている都市部ではちょっとないほど商売気の薄そうなお店というのは、何か「来たい人だけどうぞ」みたいな雰囲気が感じられて個人的には少し敷居が高く感じられることがあります。
岡山市中心部からひたすら南へ南へと下った田園地帯の幹線道路沿いにあるこちらもそこはかとなく「田舎の食べ物屋」の気配を漂わせるお店で、看板によりますと創業昭和60年と言いますからそれなりに歴史があるのだと思うのですが、それよりも11時から16時という営業時間が妙に香川っぽかったのが入店を決める決定打になりました。
ちなみに食事時を少し外した時間帯で駐車場を見ても店内に入ってもお客はまばらなんですが、見ていますと回転が速くお客が長尻しないという理由もあって時間当たりですとそこそこ入っていそうな印象ですね。

メニューを見ますと意外にと言ったら失礼でしょうか、フルカラーのビニールコート仕様という妙にファミレス風?なものでちょっとミスマッチという気がしないでもないのですが、とりあえずここは定番の冷たいぶっかけを頼んでみました。
待つほどもなくすぐに運ばれてきたうどんは、一見して色艶はいいんですが表面が少しばかり荒れ気味なのが気になりますでしょうか、実際に食べて見ますとかなり高加水の麺でかなり柔らかめかつプルプルの食感が特徴のようで、腰の強さよりもこの独特の食感を楽しむというタイプでしょうか。
このタイプのうどんはいわゆるごついうどん好きには合わないのでしょうがこれはこれでありと言うものだとして、これに合わせてあるつゆの方もきっちり濃いめなのはいいんですがはっきりと甘いのが特徴的で、総じてかなり好みが分かれそうなぶっかけだなと言う印象です。
トッピングは天かすにしょうがおろし、ネギに刻みのりとごくごく一般的なんですが、逆に言えば特にこれはという目玉もないだけに微妙なと言いますか、ぶっかけに限らずきつねやざるなど定番の単品メニューは全般に高いとは言わないまでもちょっとどうかな…と感じさせる値付けではありますよね。

コストパフォーマンスで考えるとセットメニューが中心の店なのかも知れませんが、ありきたりなものばかりが並んでいるセットメニューの取り合わせーを見てもうどんよりも料理の部分でお客が来るというタイプのお店ではなさそうですし、実際に見た限りでもちょっと立ち寄って手早くうどんをすすっていくというお客さんばかりに見えますから、あくまで味よりもボリューム優先ということなのでしょうか。
接遇面ではおばちゃんたちが主体で回しているようでごく簡潔で無難な接遇ぶりなんですが、逆にあれやこれやと干渉したがりなスタッフが多い印象のあるこの手の店として考えてみるとそっけないと言ってもいいほどで、うどんの出てくるタイミングと言い確かにこういう客層には合っているんだなあと思いますね。
トイレなど設備面もさすがに時代相応の年季が入っているつくりなのですが、それでも一応と言いますかちゃんと水洗だったのは助かりますが、まあ考えて見ますとこれも飲食店の店内に設置するものですしね…
しかし最近はセルフのうどん屋でも一昔前の単に安かろう悪かろうというものが淘汰されて、安くてもそれなりに食えるというお店が増えていますからこういうお店もなかなか微妙な立場なのでしょうね。

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2013年9月14日 (土)

馬鹿発見器騒動拡大の裏に意図的犯罪者の流入が?

国内大手携帯キャリアーが今秋の新機種からとうとう林檎印のスマホを投入すると大きな騒ぎで、これを機にネットなりSNSなりやってみようかと考える人もまた増えるんじゃないかと思いますけれども、当然何事にも利用者マナー、場のルールというものがありますからまずは十分な予習が必要ですよね。
それにしても類は友を呼ぶというのでしょうか、この夏は馬鹿発見器騒動が絶讚大炎上中だと大いに話題になっていますけれども、さすがに毎度これだけ批判されているにも関わらずここまで続くと世の中何かがおかしいのでは?という気になってきます。
しかし見ていますと「何故こうまで馬鹿げた行為が続くのか?」ということにある程度答えが見えてきたようなのですが、まずはこれらの記事を紹介してみましょう。

ピザーラ店員また不潔「バイトテロ」写真 ピザケースの隣にネズミの死体、「これは完全にアウト!」(2013年9月10日J-CASTニュース)

   ピザ宅配大手「ピザーラ」の店員と思われる男性が、店舗で発見したというネズミの死体の写真をツイッターで投稿し、問題となっている。

    「おいおい!!朝ばいときたらこんなんかかってんの!!!」

   2013年8月22日、ある男性がこんなつぶやきとともに投稿したのは、ネズミ捕りに引っかかって死んでいると見られるネズミの写真だ。スマートフォンで撮影、その場でツイッターにアップロードしたと見られる。

   これだけでも顰蹙ものだが、問題はその「バイト」先が、食品を扱うピザーラの店舗らしいことだ。問題の写真では、手前に置かれたネズミ写真のすぐ近くに、ピザーラの宅配用ピザケースが積み上げられていることが確認できる。各種の病原菌を媒介することで知られるネズミの死体を、食品に直接触れかねない場所に置いて撮影したとすれば、これは見過ごせない問題だ。

   ネット上では9月9日夜、2ちゃんねるでこの投稿が発掘され、「これは完全にアウト」などと非難の声が広がった。投稿したユーザーはすでに問題のツイートを消去し、その他のツイートにも閲覧制限をかけている

問題の店舗はすでに特定、営業停止中

   ピザーラを運営するフォーシーズはJ-CASTニュースの取材に対し、問題の投稿が武蔵村山市(東京都)のフランチャイズ店舗であることをすでに確認しているといい、現在同店の営業を停止していると回答した。今回の件は重大な問題として受け止めており、引き続き事実の調査を続けるとともに、店舗に対する「厳重な処分」も含めて検討しているという。

   ネット上ではこうしたアルバイト店員、あるいは客などによる不適切写真が7月以降たびたび問題となり、「バイトテロ」「バカッター」などと称されている。なおピザーラでは8月25日にも店員がシンクに入るなどの不適切行為を行っていたことが発覚、店員が解雇される騒動となっている。

究極のバカッター登場!? 掛け持ち複数店のバイト先全てで大暴れしたギャル軍団に謎の人気(2013年9月10日ニコニコニュース)

 コンビニや飲食店での悪ふざけTwitter画像が連日晒され、例外なく処分されて行くという騒動が続いているが、まだまだこの事態に収束の気配は見られない。

 ここ数日の間に一大炎上騒動を巻き起こしているのは、これまで同様の店舗内大暴れ画像。

 なんと今回の炎上主となるDQN女子らは、一連の悪ふざけ炎上騒動とは違い、西友、ピザーラ、コンビニ店という複数のバイト先で次々と悪ふざけを繰り広げていたのだ。

 それでも一部のギャル好きなネットユーザらは「こいつら大好き」「くっそ可愛いなおい」「こういうヤンチャなコらに犯されたい」と彼女らをアイドル視する声さえ上げている。

 一方で、問題のDQN女子らには過去にもホテルのベッドを汚したり飛び跳ねたとして、プチ炎上騒動を起こしていた疑惑などが持ち上がり、もはや「採用担当者の方に問題があるのでは」との見解に落ち着きつつある。

 これまでの悪ふざけ炎上騒動では、同時多発的に複数の企業から告発や賠償を求められるというケースはなかったのだが......。彼女らがそのパイオニアとなってしまうのだろうか。

餃子の王将、金沢は閉店 新潟は再開へ 写真ネット投稿(2013年9月10日朝日新聞)

 「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する王将フードサービス(京都市)は10日、男性客9人が裸で店内のいすに座るなどした写真がネット上に流れたために営業停止していた金沢片町店(金沢市)の閉店を決めた。「公序良俗に反する行為があり、これ以上営業を続けられない」(広報)という。9人には賠償請求などの法的措置も検討する。

 一方、店内の冷蔵庫に入った写真を従業員がインターネット上に流したことが発覚して営業を停止していた新潟近江店(新潟市)は、11日に再開する。従業員は懲戒処分とするが、具体的な内容は明らかにしていない。店の再開は「お叱りの言葉もあったが、励ましの声が多かった」(同)としている。

食器洗浄機に多摩大生両足、バイトテロで個人経営閉店(2013年9月12日報知新聞)

 アルバイト店員や客による飲食店での悪ふざけ写真のツイッター投稿が問題視される中、都内にある個人営業のそば店までもが閉店に追い込まれる事態になっていたことが11日、分かった。また、近畿大4年の男子学生がアルバイト先の飲食店で自分の顔をキャベツで覆う写真を投稿していたことも判明。一方、早稲田大は、3年の男子学生が京都・伏見稲荷大社で全裸写真を投稿したことについて、ホームページにおわびを掲載した。

 小田急永山駅、京王永山駅(東京都多摩市)から徒歩約15分にある有名そば店の、閉ざされたシャッターの横には、閉店の知らせが貼り出されていた。

 「この度、一部の従業員達(多摩大学学生)による不衛生な行為により営業を停止させて頂く事になりました。皆様には深くおわび申し上げると共に永きに渡り御(愛)顧頂きまして本当にありがとうございました」

 問題が発覚したのは、今年の8月9日。男性アルバイト店員が厨房(ちゅうぼう)にある大型食器洗浄機に両足から体を突っ込んだ画像や、頭から入り込んだ画像に「洗浄機で洗われてきれいになっちゃった」などと書き添えてツイッターに投稿。ネット上で炎上し、騒動となった。同じ男性とみられる店員が、ほかのアルバイト店員と3人で厨房内で肩を組んで記念撮影している画像も見つかっていた。

 地元住民によると、店はそば、うどんだけでなく海鮮料理や天ぷらも提供する和食店。そばは2、3盛りに増やしても同じ値段で若い男性に好評だった。近所の主婦は「子どもも好きだったので閉店と聞いて驚いた。生鮮食品も扱うから一層神経を使ったんだと思う」と話した。ネット上の口コミでは「フロアは慣れていないバイトさんばかりだった」「あまりにもマナーがなっていないところが目立つ」など従業員の接客への不満の声も投稿されていた。

 よく利用していたという50代のタクシー運転手は「被害に遭った洗浄機などをすべて学生に弁償させてでも、店を続けることはできなかったのか…」と、残念そうに話した。

 多摩大学は「当該学生に対しては、本学の規定に基づき処分を検討しております」としている。

しかしまあ、別に大企業のやっているチェーン店だから許されるなどというものでもありませんが、長年零細な経営を続けてきた個人経営の店舗がこんな馬鹿げた行為で閉店に追い込まれたのでは泣くに泣けないとはこのことですよね。
ここではバイトテロという言葉に注目していただきたいと思いますが、すでに損害を被った各社各店とも続々と損害賠償請求の構えにあるとは言え、本社から閉店などの厳重処分を申し渡されているのが犯罪的行為を犯した無自覚なバイト店員ではなく被害者と言えるはずの各店舗であるということに留意ください。
一瞬で全世界的に拡散し炎上と言われる大きな動きが形成されてしまう以上は組織防衛上も何らかの目に見える対策を講じないわけにはいかず、「バイト店員を処分しました」では一部顧客から処分が軽いと批判が出るということなのでしょうが、一方でこうした店側の「厳正な対応」が実はこんな犯罪行為を招いているとも言います。

「不適切写真のせるぞ」と飲食店を恐喝 チンピラたちによる脅しが横行 (2013年9月9日もぐもぐニュース)

FacebookやTwitterに飲食店従業員や客が迷惑行為の写真をアップする、そんな報道が連日されるなか、ほくそ笑むのはあるアウトローだ。

「こういった風潮で、企業の対応のハードルが一気に上がったんですわ。不適切行為が行われたところを閉店したら、世間ではやんややんや褒めますが、本当ならそれだけでえらい金がかかる。企業には一番のダメージです」(アウトロー氏)

たしかに閉店といった厳しい措置をとると「神対応」と褒めそやされるが、処罰が甘いとネットではとにかく叩かれているのが現状だ。

「我々の業界では、手下のものを数日だけバイトさせて、スキをみて不適切な写真を撮る。それ使うて店長に『こら、このお店閉めなあかんなあ』なんて脅す奴が増え取りますわ。店長さんも自分のせいじゃないのに、かわいそうに」(前出・アウトロー氏)

この人物によれば、これで数十万円ゆするなんてチンピラが後を絶たないという。飲食店にとっては受難の時代だ。

もちろんこうした脅迫行為は即座に警察に通報でよろしいかと思うのですが、それにしてもこれだけ同様の不祥事が頻発するという現実を前にすると、そのうちのかなりの部分がこうしたサクラによる犯罪行為の一環であったのか?と疑いたくもなりますよね。
すでに単なる一部の暴走と言うにとどまらずこの種の犯罪まで出てきているのですから、まず最低限社内ルールをバイトも含めた契約という形で禁止事項や罰則についても明記する必要があると思いますが、最近では職種によってはバイトもなかなか集まらない、あまり厳しいことは言えないと言われる雇用主の方々もいらっしゃることでしょう。
さすがに今日日身元保証人を立てろだとか言うのも時代錯誤ですけれども、今の時代バイトに限らずまずは最低限ネットで簡単にでも検索してみる、そして名前や所属等の詐称がないか複数の公的証明書によって確認するくらいのことは必要になっているのかも知れませんね。
このあたりはまさに個人情報保護だのという現代社会の基礎的要求とかち合う部分でもあるのですが、情報の重要性がこれだけ言われる時代であるからこそそちら方面でもきちんとリスクマネージメントを行っていかないと犯罪行為をますます助長させることにもなりますから、司法関係からも早急に専門的な助言が出てしかるべきこれは大きな社会問題かなという気がします。
そして何よりも何でもかんでも管理不行き届きな店が悪い、愚行を許す会社が悪いという考えから離れて、「この場合悪いのは明らかに馬鹿をやった人間である」であるという当たり前の常識的判断が利用者たる国民の間に共有されることがこうした犯罪者の介入を防ぐ第一歩になるのでしょう。

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2013年9月13日 (金)

産科のある病院が22年間連続の減少 産科崩壊は深刻化する一方?!

先日以来厚労省の調査結果が各紙で報道されているのですが、病院が減り診療所が増え続けているという医療の担い手の変化が注目される一方で、相変わらず産科や小児科と言った「ハイリスク診療科」が減り続けているという傾向が見られると危機感と共に報じられているのですが、まずは記事を紹介してみましょう。

24年医療施設調査(2013年9月12日産経新聞)

 ■一般診療所数が初めて10万超え 病院に代わり地域医療の担い手

 歯科診療所を除く一般診療所(19床以下)の数が、昨年10月時点で10万152施設(前年比605増)となり、昭和28年の統計開始以降、初めて10万施設を超えたことが厚生労働省の平成24年医療施設調査で分かった。

 一方、病院(20床以上)は40減の8565施設だった。平均在院日数は31.2日で、前年より0.8日短くなった。

 同省は「地域医療の担い手が病院から診療所へと移ってきているのではないか」と分析している。

 病院のうち精神科専門などを除く7493施設中、小児科を掲げていたのは2702施設(前年比43減)、産婦人科を掲げていたのは1218施設(同21減)で、いずれも19年連続の減少。医師の労働環境の厳しさや、少子化が影響しているとみられる。

 調査によると、一般診療所のうち無床施設が前年から943増の9万556施設、有床施設は338減の9596施設だった。開設者は個人が46%と最も多く、次いで医療法人が38%だった。

 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の影響が大きいとみられる福島県の一般診療所は1397施設で、震災前の22年10月と比べると60減。

 特に原発立地自治体を含む「相双医療圏」は震災前と比べて42減だった。

産科のある病院 22年連続で減少(2013年9月9日NHK)

産科や産婦人科がある病院の数は、訴訟のリスクが高く、医師不足が続いていることなどから、22年連続で減少したことが、厚生労働省の調査で分かりました。

厚生労働省は、全国の病院が設けている診療科を毎年調査していて、去年10月時点でおよそ8500施設を対象にした結果がまとまりました。
それによりますと、産科や産婦人科がある病院は1387施設で、前の年より8施設減りました。
産科や産婦人科のある病院が減るのは22年連続で、10年前と比べると363施設、率にして21%減っています
また、小児科がある病院は2702施設で、前の年より31施設減りました。
19年連続で前の年よりも減り、10年前と比べると20%減っています
厚生労働省は、訴訟のリスクが高いことなどから、産婦人科や小児科の医師不足が続いていることに加え、不足による労働環境の悪化を防ぐため、地域で拠点となる病院に医師を集約させているためだと分析しています。
厚生労働省は、小児科や産科などの診療報酬を加算したり、地域での医師の確保に補助金を出したりして、診療科による偏りを緩和していくことにしています。

産科婦人科のある病院が22年連続で減少と言われれば「産科崩壊は深刻の度を増している!直ちに対策を講じなければ!」と誰でも考えてしまいますし、実際に産科医が働きやすくなるよう労働環境を整備するということは最高裁までもつれ込んだ奈良の産科医時間外労働訴訟などを見ても喫緊の課題だと思うのですが、実はこうした傾向は産科に限らず各診療科で起こっていることのようです。
先日は愛知県で診療科制限を行っている病院が近年増える一方だという調査結果が出ていたのですが、医師数が年々増えている中で産科医などハイリスク診療科がそれほど忌避されているのであればその分他の診療科に流れていてもよさそうなのに、実際には産科はもちろんですが各診療科でも同じような傾向が見られると言うのですね。

診療制限なしの病院数、6年連続で減少-愛知県調査、「医師不足深刻な状態」(2013年9月11日CBニュース)

 愛知県内の全病院を対象にした医師不足に関する調査で、診療科の全面休止や時間外救急患者の受け入れ制限などの「診療制限」を行っていない病院が6年連続で減少していたことが分かった。11日に調査結果を公表した愛知県は「医師不足による県内病院の診療への影響は、深刻な状態が継続している」と分析している。

 調査は県内の325病院を対象に実施。2007年度から毎年行われており、今回で7回目。病院名を公表しないことを条件に回答を求めた。

 今年6月末現在、受診制限をしていない病院は、12年度比1施設減の254病院。「診療制限なし」の病院数は6年連続で減少。全病院数に占める「診療制限なし」の割合は、07年度の81.7%に比べ、今年度は3.5ポイント減の78.2%だった。

 診療制限の内容は、▽診療科の全面休止▽入院診療の休止・制限▽分娩対応の休止・制限▽時間外救急患者の受け入れ制限▽診療日・時間の縮小-など。診療科別では、「診療制限なし」の割合が最も低かったのは産婦人科だった。

 また、病床規模別の「診療制限なし」の割合は、20-99床が91.8%で最も高く、300-399床が35.0%で最も低かった。調査結果について、県は「医師不足による診療への影響は、300-399床病院で特に大きい」と指摘している。【新井哉】

産科や小児科と言った診療科はかねて人材不足による激務と訴訟リスクの高さから来る心的ストレス過多によって学生からも敬遠されているとも言われ、一見すると医師による「危ない診療科からの逃散」というリスクマネージメントが着々と進んでいるという構図なのですが、もちろんそうした事情もあるとしてこれだけ各科とも診療制限が進んでいるという現象を果たしてそれだけで説明出来るのかどうかということです。
産科などは崩壊があれだけ話題になり実際その根拠となるデータにも不自由しませんから色々と検討しやすいのですが、例えば産婦人科医会常任理事である中井章人先生の「産婦人科医師の地域偏在」という資料がありますが、これを見ますと単純に「産科から医師がどんどん逃散して言っている」と言う構図とも言い切れない側面もあって、他の診療科も実は同様の傾向があるんじゃないかと推測も出来そうなんですね。
資料によれば産科医の数は確かに2006年から2007年にかけて一気に1割近くも大きく減っているのですが、2006年と言えば大野病院事件で担当医が逮捕されたり、大淀病院事件で毎日新聞が大々的キャンペーンを張ったりと「産科崩壊元年」として大騒ぎになったことがよく知られていますから、その影響が多分にあったことは大いに想像出来ますよね。
ところがその後順調に崩壊が続いたのかと言えば再び産科医数は増加に転じていて翌2008年は元の水準を回復、2012年には2006年比で1割弱上回るまでに増えてきていると言うのですからなんだ、産科医が減ったと言っても一時的なことであって、実際にはそこまでの長期的な影響もなく着実に増えているじゃないかと考えてしまいそうにもなります。

その増え方について中井先生も検証しているのですが、2006年から2012年までで医師数全体が(推定)9.4%増えているのに対して産科医は8.8%の増加に過ぎない、さらには実際に分娩を取り扱っている施設で働いている産科医数は7.2%しか増えていない、その結果全国17の都道府県で分娩取り扱い医師数は減少してしまっていることが問題だと主張していて、それは確かに産科大人気というほどではないのは事実なのでしょう。
ただここで注意したいのがその間の分娩取り扱い施設数の推移で、産科医が徐々に増え特に分娩を扱う病院に勤務する医師が増えているのに対して分娩取り扱い病院数は減っている、この結果病院当たり医師数で見ると2006年の5057人/1223病院=4.1人/施設から2012年には5686人/1227施設=4.6人/施設とかなり増加し、「多くの自治体で病院医師の年間分娩数は減少している」状況にあるのですね。
ちなみに分娩取り扱い診療所も同様に減少しているのですが、こちらは基本的に1施設1人というケースが多いことから医師数もそれにほぼ見合った減少を続けていて、こうした事から読み取れるのは産科医の分娩対応病院への集約化が進み医師一人当たりの労働量がコントロールされつつある、そして訴訟リスク以前に少子化進行という将来不安が大きい中で見れば案外産科離れはさほどでもなさそうだということではないでしょうか。
先日は日本でも帝王切開率が20年で倍増したという話がありましたが、もちろん脳性麻痺など訴訟対策という側面もさることながら例の現場が対応困難だと言う緊急帝王切開30分ルールの存在などを考えますと、今の時代産科医一人だけの診療所で産むということは求められる医療水準の担保という観点からしてなかなか難しくなってきたのかなという気がしますし、このことも分娩施設数減少の大きな要因にもなっていそうです。

中井先生のデータからもう一つ取り上げてみますと分娩を取り扱わない純然たる婦人科医というものも当然にいるのですが、こちら病院で見ると392人/337施設から483人/397施設とこちらはいずれも2割前後と非常に大きな増加が続いていて、同じくクリニックの方も施設数こそ横ばいですが医師数は同様に2割増と大人気を呈しているということが見て取れます。
もともとひとくくりに産科婦人科と言っても実際には産科が好き、あるいは婦人科をやりたいと個々の医師の志向の違いも大きいのでしょうが、今まである程度は産科もやっていた婦人科志向の先生方が撤退して婦人科の方に特化してきている、一方で産科は産科で集約化によってマンパワー不足に対処しようとしていると言う状況を示しているのでしょうか。
社会的に見ると過去20年にもわたってお産を取り扱う施設がどんどん減っている、産もうと思っても近くに産める施設も見つからないという事実をもって「産科は壊滅的状況」だと言うのはキャッチーで確かに判りやすい話なのですが、こうして見ると産科医側ではもちろん危機感もあってのことでしょうが状況に対応してシステムを改変しつつあって、むしろ産科医の労働環境やリスク管理への意識を高めたというポジティブな捉え方も出来るかも知れません。
そう考えると本当に問題視すべきなのはむしろ産む側の意識で、ろくに検診も受けない「野良妊婦」の飛び込み出産などは論外にしても、昔ながらの里帰り出産なども地元の分娩施設の状況などをきちんと把握し早期に予約をしながら行うべきで、「こっちは高いお金を払うお客サマなのだからいつでもどこでも好きなときに好きなように産めて当然だ」という認識のままでは自ら産む自由の選択枝を狭めかねないということですね。

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2013年9月12日 (木)

閑話休題:押し売りまがい商法にひっかからないためには?

今の日本でお金を持っていると言えばまずお年寄りが挙がるだけに、犯罪のターゲットとしても各方面で老人狙いが顕著になってきているようですが、先日こういう記事が珍しくメディアによって報じられていました。

老人を食い物にする新聞勧誘の悪質手口(2013年9月4日日刊ゲンダイ)

<どーしてメディアは報じない>

 オレオレ詐欺も真っ青だ。国民生活センターが8月下旬に新聞の訪問販売に関する苦情相談を公表したが、高齢者を狙った執拗で悪質な手口のオンパレードなのだ。

 国民生活センターの公表資料によると、新聞の訪問販売に関する苦情相談はここ10年間、毎年1万件前後と横ばい状態が続いており、今年度は4カ月間ですでに2540件に上る。相談内容はどれもエグイものばかりだ。

〈12年先までの契約をさせ、解約を希望すると高額な景品代を請求された〉(近畿・60代女性)

〈老人ホーム入居のため、9年間の契約の解約を申し出ると、景品を買って返せと言われた〉(近畿・80代男性)

〈購読期間1カ月のつもりで契約したが、購読契約書には3年と書かれていた〉(九州・80代女性)

 国民生活センターは、新聞業界の勧誘方法のうち、他紙の購読期間が終わる前に、契約終了後の長期契約を結ばせる「起こし」「先起こし」といった手口が、トラブルの原因になっていると指摘。中でも相談者の平均年齢が10年前(47.1歳)と比べて今年度は60.7歳と高齢化していることから、〈視力の変化や入院などの理由で新聞を読めなくなる可能性があるにもかかわらず、長期の契約を勧められている〉と問題視しているのだ。

 大新聞は日頃、高齢者を狙った悪質商法を問題視しているくせに、新聞勧誘の問題はまったく取り上げないのは、どういうわけだ。これじゃあ、お年寄りは食い物にされる一方だ。

ちなみに先日は新聞訪問販売によるトラブルが年間1万件にも上るのは問題だとして、国民生活センターが新聞協会などに改善を要望したそうですけれども、もちろんこうした話は当事者である新聞などはスルーしていたようですから改善の意志がどの程度あるのかは疑問ですよね。
それはともかく高齢者と言えば金満だとして持ち金を狙うというのは判りやすい構図なのですけれども、今時の若い世代にとってはうまい話などそうそうない、世の中とかくせちがらいという教訓が実体験として染みついている人も多いようですし、「俺はそう簡単には引っかからないぞ」と思い込んでいる人も少なくないのではないでしょうか。
ところが最近そういう損得勘定に精通しているはずの人々さえも引っかかってしまう新手の詐欺的商法が問題化していると言うのですから驚きますが、まずはこれらの記事から紹介してみましょう。

「ウォーターサーバー商法」に注意を(2013年9月5日NHK)

抽せんで当たったウォーターサーバーを導入したところ、水の代金の支払いを求められたというトラブルが増加しているとして、国民生活センターが注意を呼びかけています。

国民生活センターによりますと、タンクを設置して飲料水を供給するウォーターサーバーが抽せんで当たったが、水の代金の支払いを別に求められたという相談が増加しています。
こうした相談は、おととしごろから寄せられ始め、今年度の件数は先月20日までに341件と、前の年を上回るペースで増えているということです。
途中で解約しようとしてもサーバーの引き取り料金を求められるケースもあり、国民生活センターは、契約の内容が事前に十分、説明されていないことがトラブルの原因だとみています。
国民生活センター相談情報部の伊藤汐里さんは「『当選した』と言われて気分が舞い上がり、安易に申し込んでしまいがちだが、契約する際には、業者の説明を冷静に聞いてほしい」と注意を呼びかけています。

無料は無料にあらず。ウォーターサーバー商法にご注意(2013年9月5日THE PAGE)

 スーパーの抽選会で“無料レンタル”のウオーターサーバーが当たったので喜んでいたところ、後になってボトル入りの水の代金を請求された――。こんな相談が国民生活センター寄せられている。同センターでは「当選したからといって気軽に契約しないこと」と注意を呼びかけている。

 同センターによると、相談件数は、2010年には4件だったのが、2011年に206件、2012年には812件と急増している。「年会費やレンタル料金が無料」であっても、実際は水の定期購入が別途必要で、後で冷静になってからすべてが無料でなかったことや、不必要だったと気づくことが多い。解約を申し出ると、1年未満の解約にはサーバーの引取り料がかかるという説明が十分されていなかった例もあった。

 多くはスーパーやガソリンスタンドなどで行われていた抽選会でくじを引き、「2等です。サーバーは無料です。おめでとうございます」などと言われ、気分が高揚し幸運な気持ちになった状態で契約させられることが多いという。

 茨城県の20歳代の男性は、抽選会で2等のウォーターサーバーに当選。水の料金は別と説明を受けて迷っていたところ、「今契約しないと権利がなくなる」となかば強引にせかされた。静岡県の30歳代の女性は、同様に料金がかかると説明されたため、当選を辞退したものの「いらないという方はめずらしいです。おめでとうございます!」と乗せられて契約してしまった。

 同センターでは、「当選した」「無料だ」と言われても、実際は水の定期購入契約であると注意を呼びかける一方、特定商取引法に基づくクーリング・オフができる場合があるので、最寄りの消費生活センターに相談してほしいとしている。

考えて見ると非常にうまく出来ていると言うのでしょうか、この時代にあって誰しも「お得」というキーワードに敏感になっているという急所をうまく突いてきたなと思うのですが、この手の商売によくあるように必ずしも100%の詐欺という訳ではなく、一応それなりに使えなくもない商品を扱っているというところもポイントですよね。
ただネットで見てみますとこうした商売はサーバー代金や送料は無料で水代だけというのが当たり前のようですから、その当たり前の条件を景品だと称して売りつけるというのはさすがにタチが悪いと思いますけれども、恐らく「これはお得」と喜んで使っている人達は記事になったトラブル例の何倍もいらっしゃるのでしょう。
それでは実際にどの程度の料金がかかるのかと言うことですが、ざっと各社を比較してみたところ水1リットルあたり100円~150円以上と正直近所のスーパーなどでミネラルウォーターを買っていた方が安くつきそうな値段でもあり、しかも記事にあるように解約金の他にも必ず水を毎月買わなければならないといった制約も多いようですから何が「当たり」なのかさっぱりですよね。
かろうじて妥当性を見いだせるとすれば日常的に大量の水を消費している世帯で配送してくれるメリットをどう評価するかで、「うちは若い者がいないから助かる」という人も中にはもちろんいるのでしょうが、今時の配送料無料のネット通販で安いものを選んで買うことに慣れた人にとっては何のメリットもなさそうです。

こういった完全な詐欺と言い切れるほどひどくもないが、さりとて善良な商売と言えるほどの妥当性もないという商売をどう評価すべきかは微妙なところなんですが、当然ながら設備投資もかかっている上に一度商売を始めればきちんと回していかなければ即座に倒産してしまうでしょうから、あの手この手で固定客を掴もうとするのは新聞の押し売りと同じことなのでしょう。
全くお得ではないにしろ詐欺的だと言うほどでもない微妙な価格設定である点から悪質性はさほど高くないと考えるのであれば、彼らが商売として成り立つにはどうすればいいのかということを考えていくのも一つの抜本的解決策でしょうが、原発事故騒動も鎮静化しつつある今日さほどに大々的な水需要が国内で見込めるとも思えません。
一方でお隣中国などでは国内の水源汚染から日本の水資源に注目しているというくらいですから、国内の生産能力が過剰になっているのであれば輸出にでも回した方がお互い利益があると言うものだと思うのですが、おそらくこうした涙ぐましい営業活動を行っている中小業者ではとてもそんなところにまでは手が回らないということなのでしょうね。
国も「消費者は注意を」などと呼びかけて取りあえず仕事はしましたと言う顔をしているのではなく、医療で試みているようにその辺りの仲立ちなりとやっていれば貿易収支改善にも多少なりとも貢献したと胸を張れそうなものですが、国がやらないとなればどこかの民間でビジネスチャンスに結びつけようと言う動きはないものでしょうか。

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2013年9月11日 (水)

「変わらなきゃ」から「いつやるか?今でしょ」へ

TPPへの参加に対して最後まで徹底反対を主張していたのが日医と農協であることは知られていますが、いずれにしても日本の医療にしろ農業にしろ長年のやり方が行き詰まって来ており抜本的な改革が求められていると言われながら惰性のようにそのまま続いてしまっている産業の代表格ではあるわけです。
医療のことはさておくとして農業に関して言えば、全国的に就農者の世代交代がままならない状況の中で今後一気に耕作放棄が広がる懸念があると言われているようですから、TPP云々どころではなく一体この国の農業をどうしていくのかというビジョンをまず示さなければならないタイムリミットがあるはずですよね。
先日日経ビジネスに数百ヘクタール規模の大規模農業をやっている農場(と言うよりも営農企業と言うべきでしょうか)の話が出ていたのですが、興味深いのは今の時代こうした大規模農場に「耕作放棄された農地を引き受けてくれ」と言う依頼が相次いでいると言う状況だという話です。

「兼業が日本を支えている」と強弁する罪 農業崩壊に正面から立ち向かうガリバー経営(2013年8月23日日経ビジネス)

(略)
 サカタニ農産と柏染谷農場の歩みはいくつかのことを示唆している。まず経営者の努力と情熱次第で、日本でも数100ヘクタールの巨大経営が実現し、放棄地を再生させることもできるということだ。中規模な専業農家も含め、加速度的に引退していくことを考えれば、時代の風は彼らに有利に吹いていると言える。

政権交代でも変わらないバラマキ政策

 一方で、作り手がいなくなり、放出される農地が彼らの手からこぼれ落ちる恐れも否定できない。1社で引き受けることのできる面積には限りがあるからだ。染谷は「農業者の数が絶対に足りなくなる」と話す。もしそうなれば、日本の農地は放棄地だらけになる。

 それを食い止めることができるかどうかは、大規模経営を可能にする先進的な農業者をどれだけ増やせるかにかかってくる。これからの農政の役割は、そうした経営者の後押しにまず重点をおくべきなのは言うまでもない。

 兼業が悪だというつもりはない。細々とでも農業を続けながら、勤めに出ることも可能になったことは、都市と地方の格差を縮め、地域社会の崩壊を防ぐうえで意義はあった。だが世代交代が進まず、平均年齢が70歳に迫ろうとする農業の実態は、もはや兼業に未来を託すことができないことを示している。

 その意味で「兼業が日本のコメを支えている」と強弁し、すべてのコメ農家に補助金をばらまいた民主党の罪は重い。奥村は「票をカネで買った」と批判する。だが政権を奪還した自民党も、戸別所得補償から経営所得安定対策に名前を変え、同じ政策を続けている。

 自民党は農業の競争力強化もうたってはいる。だが二兎を追う政策のままで、迫り来るピンチをチャンスに変えることはできるだろうか。今後の農政の成否はこの一点にかかっている。(文中敬称略)

長年の農業政策とそれを受けての営農の状況を見ていていつも思うのですが、日本の農業は一体何を目指すのか?と言う長期的なビジョンが全く示されず、それが質なのか価格なのか、自給率向上あるいは国土保全なのかもはっきりしないまま「まあどれもみんなで頑張って改善しましょうよ」とお茶を濁されているという印象が強いということです。
別にそれによって少しずつでも改善が各方面で進んでいるというのであればいいのでしょうが、実際には農家の高齢化がどんどん進み離農者も続出し耕作放棄地が広がっている、一方でやる気のある農家への農地集約も一向に進まず農業で食っていける状況にないというのではまさに虻蜂取らずと言うもので、失礼ながらいっそTPPなり何なりで全部御破算にしてやり直した方が早いんじゃないか?と言う気がしないでもありません。
他方で医療はどうかと言えば、日医などが未だに病院経営への株式会社参加反対などと言っていますけれども、今時経営のことをうるさく言われない医療機関など存在しないどころか、社会的にも「それはどうなのよ?」と言われてしまうような金儲けの手段を各現場が講じて生き残りを図っている事実を無視して「医療は営利であってはならない」などとよく言えたものだと思いますね。
その日医がこれまた長年主張を続け、今度のTPPでぶち壊されるかも知れないと懸念しているのが混合診療解禁の問題ですけれども、先日こんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

混合医療全面解禁への懸念?経営難の病院、診療報酬増狙い保険外薬使用増やす可能性も(2013年8月23日ビジネスジャーナル)

 8月15日--新聞紙面の多くは、閣僚の靖国神社参拝や終戦記念日に関する記事に割かれていた。そんな中、産経新聞の一面に『米、混合診療求めず 株式会社参入も』というTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に関する記事がひっそりと、しかし存在感をもって掲載されていた。
 内容は、「米国型の市場原理は日本の医療の世界にはそぐわない」と、TPP参加絶対反対を掲げる日本医師会や、遅ればせながらTPP交渉に懸念を示し始めた日本薬剤師会を一時的でさえも喜ばせるものだった。

 記事の具体的内容は、

・日米2国間協議で、保険診療と保険外診療の併用を認める「混合診療の全面解禁」について議論の対象としない
株式会社の病院経営参入解禁も求めない

という内容で、日本医師会と日本薬剤師会は、「日本が世界に誇る国民皆保険制度の崩壊につながるという」という理由で、「混合診療の全面解禁」「株式会社の病院経営参入解禁」に反対している。
 だが、そもそも混合診療はすでに一部で解禁されており、今でも十分患者にかかる負担は大きい。がんや難病など、未承認薬を多く使用しなくてはいけない(または希望する)患者以外に、混合診療の大幅な拡充を求める理由はないはずだ。

 例えば、30代で胸に持病のあるAさん(独身/自由業)の場合、保険が適用される薬と併用して、非適用の薬も服用しなくてはいけない。月に2回の診察で1回で14日分の薬をもらう。診察代金は再診料と投薬料で590円、帰りに調剤薬局で安価なジェネリック薬の購入金が1280円。その他、保険外金額(10割負担)の薬が2800円。合計すると、ひと月で9340円かかる計算だ。年間で11万2080円。確定申告時に医療控除がなされるとしても、バカにならない金額だ。
「この1年で、薬代と診療代で月200円ほど上がった気がする」と語るAさんの通うクリニックは、都内でも有数の高級住宅地にある。しかし、そんなクリニックですら、
診療代金を節約したいので、月に一度の診療にしてもらえませんか。できれば、薬は一度にひと月分出してほしい」
 と、掛け合っている患者さんの姿を見ることが増えたという。

 都内は、開業医で溢れているが、
患者さんは争奪戦に近いですし、診療報酬が低くて、経営はギリギリです。医師が大儲けするのはいかがなものかとは思いますが、まったく金儲けするなという風潮に疑問を感じざるを得ない
 と、打ち明ける開業医は決して少数ではない。こうした状況で混合医療を全面解禁すれば、保険外の薬を積極的に処置し、検査の数を増やして診療報酬を増やすなどする医師が増える可能性は否定できない。
 仮に今回全面解禁が見送られたとしても、解禁を求める医師が日本国内でも少なからずいる以上、いずれこの問題は再燃するだろう。
「自分は治療だけに専念したい、経営は経営のプロに任せたい。そして、自分の腕に見合った年俸を手にしたい」
 という考えを持つ医師も今後は出てくるはずだ。そうなると、株式会社の病院経営参入問題も再び顕在化する。
(略)米国で最もロビー活動が盛んなのは、医薬品企業と保険会社だ。いずれも多国籍企業で、多額の献金を行っている。保険会社と医療機関の問題はまた別の機会に書くとして、巨大な医薬品企業が、虎視眈々と日本という市場を狙っているのは周知の事実であり、こうした企業が日本国内市場でのパイ拡大を狙い、混合診療全面解禁の圧力を強めてくる可能性もある。
 以前、筆者のインタビューで「TPP交渉は日米の2国間ではなく、日本vs.多国籍企業だ」と語った医師会会長の言葉が耳に残る。(文=横田由美子/ジャーナリスト)

注意していただきたいのは混合診療を認めようが認めまいが日本の現行の診療システムが続く限り、各医療機関は経営を続けるためには「薬を積極的に処置し、検査の数を増やして診療報酬を増や」さざるを得ないという事実が厳然としてあるということです。
先日の厚労省の医療施設調査で病院が減った一方で診療所が初めて10万施設を越えたことが報じられていましたが、特に診療所のように経営基盤が脆弱な場合どうしても日々着実に金を稼がなくては生きていけませんし、医療は営利ではないなどと綺麗事を言ってばかりな方々はすでに経営破綻し退場されていると見るべきでしょう。
そもそも日本の医療制度はどんどん検査も処置も行い薬も出さなければ儲けが出ない出来高払い制度を取っている一方で、医療費抑制のために出来高算定を切り下げてきたものですから薄利多売をしなければ食っていけないがしたところでさして儲からない、しかもその結果医療現場の労働量は増加する一方で一生馬車馬の如く働き続けない限りすぐに赤字になってしまうというおかしな状況にあるわけです。
日医が本気で医療においては一切の営利をやめろと言うのなら、例えばイギリス式のかかりつけ患者一人頭幾らといったやり方のような代替案を提示するというならまだしも、保険診療の大枠を変えることには一切反対というのですから意味がわかりませんけれども、ともかくも現場の医師にしろ患者にしろ「日医方式」がベストであるとは考えていないということはそろそろ認めてもらわないことには仕方ないですよね。
そんな中で日医からは徹底して目の敵にされているのが混合診療問題ですけれども、今のところ日本では先進医療に限って認めるという限定的なやり方を行っているところなのですが、先日興味深い医療技術が先進認定されたというニュースが出ていました。

造影剤腎症発症防止の医療技術を先進Bに(2013年9月6日CBニュース)

 厚生労働省の先進医療会議は6日、横浜栄共済病院が申請した、腎機能障害を伴う患者に対する造影剤腎症を防止するための医療技術を、先進医療Bとして了承した。尿の重量を測定し、同量の輸液を投与する医療機器を用いることで、造影剤を早く体外に排出し、造影剤腎症の発症を50%程度抑制できると期待されている。

 この技術は、冠動脈形成術、末梢動脈形成術などのカテーテル治療を受ける中等度、高度の腎機能障害を抱える造影剤使用患者が対象。これらの患者に、薬事未承認の尿量計測機能付き輸液ポンプ「リーナルガード」(PLCメディカルシステムズ)を使って造影剤腎症を防止するものだ。

 医療現場では、腎機能障害患者に造影剤を投与すると、急性増悪を起こして人工透析につながりかねないという懸念がある。心臓カテーテル治療の際、狭窄の状況や処置の仕上がりを見たくても、造影剤の投与を躊躇することも少なくないという。

 同会議の委員からは、「先進的な医療機器ではない」と指摘する声が上がる一方、「医療従事者が目視で尿量を横目でにらみ、輸液を調節するのは負担が掛かる」との反論もあった。下部組織で事前評価した山本晴子委員(国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター 先進医療・治験推進部長)も、「この医療機器の革新性を評価するというより、社会的、経済的な影響を前向きに検討していくべき」と述べた。
(略)

現状でもすでに混合診療が行われていると言う先の記事ですが、その混合診療と言うものの実態がこの先進医療であることは言うまでもなく、要するにまだ保険収載は出来ないけれども使ってもいいよという最先端の医療に関してはとりあえず自費でやっておいてもらおうという考え方ですよね。
その先進医療に認定することへの「先進的な医療機器ではない」と言うそのものズバリな反対論が非常に興味深いと思うのですけれども、確かに個々の技術はさしたる目新しさも感じさせない既存の技術の組み合わせであって、言わば特許ではなく実用新案的なアイデアに過ぎないではないかと言われればそれはその通りだと言うしかありません。
ただ実際にこういうことをやろうとすると記事にもあるとおり大勢のマンパワーを投じて行うしかなく(出来ればいいですが多くの施設ではそれも無理でしょう)、たとえ既存技術の組み合わせに過ぎずともそれが事実効果があるのであればきちんと認め報酬を払ってやればいいじゃないかと、治療を受ける患者側の立場で考えても思いますよね。
ともかくもここで注目していただきたいのは、混合診療と言えばどうしても最先端の高度な医療、新薬と言ったものばかり注目されますけれども、実際には保険診療の縛りによってやれば有効なのに出来ないという治療もまた少なからずあるということで、こうしたケースが多く国民に認識されるほど混合診療導入への後押しになるのかなという気はします。

日医の会員と言えば病院院長や診療所所長といった経営者ばかりですから、これなども「そんな高い道具を使わなくてもスタッフが手動で全部やれば同じじゃないか」と言い出しかねませんけれども、機械を組み合わせれば自動的に最適にやってくれる作業をそれぞれ人間がやるとなればどれだけのマンパワーが必要かということですよね。
医師などは実質的な年俸制で幾ら働かさせても残業代など出ない場合が多く、日医的視点で見ればむしろどんどんただ働きをさせて元を取らなければ損だと言う考え方になりますから現場の労働環境改善には積極的にはなれないでしょうが、本来機械がやれる作業を人間がやることは看護師や事務員がやれることを医師がやるのと同様、高度専門性を有する労働力の無駄遣いに他なりません。
先日は坂根Mクリニックの坂根みち子氏が医療政策に末端臨床医の意志が全く反映されないことを端的に「現在の制度が、医師の過重労働を前提に出来上がっており、ここから一時的にでも後退するような変革は、勤務医以外誰も望まない」と看破されていましたけれども、現状が続く限り現場で地道に働いている多くの臨床医にとっては「日医が言うから反対」が万事においてFAと言うことになりそうですよね。

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2013年9月10日 (火)

意外に身近な場所に人生転落に至る落とし穴が?

本日の本題に入る前に、臓器移植技術が進んだ結果移植すれば助かるということで需要は年々増加している一方で、供給にあたる臓器ドナーの数は世界的に見ても常に不足気味でWHOからも海外渡航による臓器移植は避けるべきだとする勧告が出るなど、言ってみれば世界的に臓器相場が高騰し奪い合いと言ってもいいような状況になっているのは周知の通りです。
最近では中国国内での臓器摘出が「臓器狩り」などと報じられることがありますけれども、この場合は国家による強制的な臓器収奪として人権侵害と絡めて問題視されているわけですが、貧しい第三世界などでは臓器売買は貧困者が大金を稼ぐチャンスであると認識されていて、フィリピンなどでは先年臓器売買が合法化されたなどと話題になっていましたよね。
そんな中で日本でも貧困者が臓器を売るということがかなりの数行われているらしいと言う話は噂として流れてはいましたが、その実際の様子が先日記事になっていました。

「借金抱えた奴らの腎臓は600万円」ブローカーが語る臓器売買の闇(2013年9月4日日刊ナックルズ)

 「臓器売買」とは、臓器移植に際して金銭授受を伴って人間の臓器を売り買いする行為のことだ。これは都市伝説などではなく、世界各国で秘密裏に、また公然と行われ、そのうちのいくつかは事件として報道されてきた。
 国内では、2006年の「宇和島臓器売買事件」で初めて臓器売買の実態が明らかになり、2011年に起きた「生体腎移植売買仲介事件」では暴力団の介入が判明した。
 臓器売買は今でも実際に行われ、巨大なマーケットを形成している。なぜなら需要があるからだ。
 そこには数々の「闇ルート」が存在し、そのなかの複数は海外にもネットワークがつながっている。また、それぞれの闇ルートにはさらに複数の「臓器ブローカー」が存在し、生きた新鮮な臓器を欲しがる客に、ブツは引き渡されていく。
 そんな闇のビジネスに関わっていた「元臓器ブローカー」に話を聞くことができた。元暴力団関係者で仮にX氏とする。彼はこともなげに口を開いた。
「そんな話、聞いて何が面白いんだ? よくある普通の話だろうが」

――臓器売買に今でも関わっている?

「今はやっていない。入国が厳しくなってきたのもあったしな。俺がやっていたのは平成15年から5年くらい。その間、中国を何十往復したかわからないよ。その時は名義上、貿易業を営んでることになっていたから仕事ってことで入国してな。まあ、今もやっている奴がいるから迷惑がかからない程度にしか話せないよ」

――具体的には何をどう扱っていたのか。

「俺が扱ってたのは腎臓だけ。買い手がいくらでも見つかるからな。腎臓は借金を抱えた奴らが提供者になる。その金を元手に何かやろうなんて野心のある奴はまずいないよ。借金地獄で何年も不良に金利を吸い取られて、親戚からも見放され、身内にも誰にも頼れなくなった奴らだな。戸籍も売って最後の最後に売るのが臓器。いま、不景気だからさ。そんな奴らがこの世の中には腐るほどいるんだよな」

――中国では何をするのか。

「腎臓の摘出手術だよ。日本国内だといろいろうるさいからな。中国でやるのがいちばん手っ取り早い。その提供者と一緒に中国に渡るわけだ。当然、その旅費、ホテル代とかも提供者に払わせる。腎臓は1個600万円でそれが中国人だと相場が300万円。その1割が俺の仲介料になる」

――腎臓を摘出して大丈夫なものなのか。

「2つあるうちの一個を取るだけだから生きてはいられるけど、長生きはしないだろうな。必ず身体にガタが来る。それに摘出手術だって、中国でやる以上は気を抜けない。中国人は全く信用ができないからな。腎臓取った後に難クセつけてきて値切るのはザラだし、手術に立ち会ってなければ、2個取って手術中に出血がひどくて死んだ、とか平気で言ってくる。俺が知ってる範囲だけでも中国で死んだ人間は20人はいる。それもさっき言ったように、中国人に誤魔化されて、2個取られたようなケースでな」

――どんな手順で中国での手術は進むのか。

「中国に入ったら、まず病院で検査を受ける。その前に日本で精密検査してるから、そこで問題が起こったことはない。検査に合格してホテルで待機してると、2~3日後に向こうから手術日と病院名が伝えられてくる。その間に、買い手のブローカーに話がまわる。腎臓は人気だから、新鮮な臓器は常に順番待ちの状態なわけだ。腎臓の提供者には手術前に半金、手術後に半金を渡す。俺は手術を見届けたらすぐに帰国。提供者はその後、手術して1~2週間入院するけど」

――今までに何人くらい中国に連れて行ったのか。

「300人くらいだな。年に50~60人ってところ。これだけ人数が多いから、俺は1割のマージンでもやっていけたわけだ。街金を通して腎臓を売りたいって奴らはひっきりなしに来る。そっちからも報酬で出るから、結構いい稼ぎにはなったな。それに日本人の臓器は結構いい値がつくらしいんだよ。その代わり、買い手から敬遠されるのはフィリピンとか。あそこは麻薬とかで汚い腎臓が多いらしいよ。まあ、こんなところで勘弁してよ。臓器の話は」

 どんなに高い金を支払ってでも臓器が欲しい者、そして自分の臓器を売ってでも現金が欲しい者がいる。世界の歴史を振り返っても、需要があるものに関しては経済市場から消えたことがない。このX氏にしても巨大な地下マーケットのごく一部分に過ぎず、「臓器売買」の全容を解明するのはほとんど不可能だろう。経済不況が続く近年は、さらに臓器売買が活発になっていることが予想できる。人間の欲望はどこまでも深い。

腎臓600万が高いか安いかと言うことは微妙なところだと思いますが、記事にもあるように日本人の臓器が高く売れるというのは比較的状態が良いという現実的な理由があってのことなのでしょう、こういうマーケットの相場観が形成される程度には当たり前に売買が行われているということでもありますよね。
記事の信憑性がどれほどのものなのかは何とも言い難いのですが、注目してもらいたいのはたった一人のブローカーが年間50人~60人という単位で腎臓の仲介をしていたということで、もちろんそれがそのまま日本人向けに売られているという訳ではないのでしょうけれども、国内での生体腎移植がせいぜい年間700人規模で死体腎を入れても1000件に届かない現実を思うとき、そのスケール感が理解いただけるかと思います。
国内で合法的な手段で腎移植を受けている限りはまずこうした臓器に当たる確率は低いと思いますが、記事にもあるように実質的な臓器売買事件が国内でも発生していることを考えると事実レシピエントも一定数存在していると考えざるを得ませんから、それこそ人工臓器なりが開発され需給バランスの崩壊による高価格が是正されない限りはどこかで臓器のやり取りは続くものとみて間違いないのでしょうね。

臓器が高く売れるとは言っても臓器摘出による健康被害を考えると生涯的な収支計算では数百万の売値では到底割に合わないと思いますし、そうであるが故に大多数の人々は身内に提供したいといった差し迫った事情がある場合でもなければわざわざ臓器を取り出そうと考えはしないでしょうが、文字通り体一つになってもまだ売れるものがあるというのは状況によっては魅力的に思えるのでしょう。
冷静になって考えると記事にあるように借金漬けで追い詰められた状況で一時的な収入があったとしても問題を先送りするだけじゃないかと言う気もするのですが、国内ではこうした臓器売買を防ぐためという名目でドナーには何ら公的なメリットは用意されておらず、その結果かえって臓器価格の高騰を招き売買が活発化しているのだとすれば何とも皮肉な話ですよね。
こうした状況を防ぐためには当然ながら臓器でも売るしかないと言う状況に追い込まれることを避けるのが一番の根本対策ということになるのでしょうが、近年盛んに言われている若年者の就職難や生保受給者急増などの問題とも大きく絡んで、こういう潜在リスクが高まってきていることが危惧され始めています。

奨学金で自己破産 就職難や非正規増影響…(2013年9月5日東京新聞)

 就職難や非正規雇用の増加を背景に、学生時代に借りた奨学金の返済滞納者が増えている。千葉市の男性(25)もその一人で、返済ができずに自己破産に至った。関係者からは制度の問題点を指摘する声も出ている。 (白名正和)

 男性は高校卒業後、都内のアニメ専門学校に入学する際、日本学生支援機構を通じ、奨学金を借りた。共働きの両親の月収三十万円では、進学できなかったからだ。

 一年半ほど通ったが、父親が親戚から借りた約二百万円の返済に奨学金を充てざるを得なくなり、学費がなくなって中退。利子を含めて借りた奨学金約三百万円が負債として残った。その後、警備会社でアルバイトしたが、月十数万円の手取りでは返済は進まなかった。

 一〇年六月、コンビニ店のオーナーから「ゆくゆくは店長にするから」と店の仕事に誘われた。仕事は見つかったが、父親が男性名義で百万円以上の借金をしていたことが新たに分かり、借金は五百万円近くに膨らんだ。仕事もオーナーが一二年一月に突然店を閉めたため失った。借金返済を相談した司法書士から「ほかの借金だけなら何とかなるが、奨学金も合わせると破産しかない」と言われ、自己破産した。

 「奨学金に人生を狂わされた。借りなければ、もっと良い人生が歩めたかな…」と疑問を抱く男性。父親も亡くなり、現在は生活保護を受けながら仕事を探す。だが、高卒で車の運転免許もなく、仕事はアルバイトぐらいしか見つからないという。

 こうした事例について、奨学金問題対策全国会議の事務局長で岩重佳治弁護士は「雇用崩壊などで、制度の弱点が表に出てきた」と指摘する。

 返済義務のある奨学金は、卒業後に安定した職業に就けるという前提でしか成り立たない。しかし、最近は非正規雇用の対象拡大で学生らの就職は不安定となり、「返したくても返せない状況が構造的に生み出されている」(岩重弁護士)という。

◆12年度の滞納 全国33万4000人

 日本学生支援機構によると、二〇一二年度末時点で奨学金を借りている人は全国で百三十二万人、貸与額は一兆八百億円。滞納者は一二年度に三十三万四千人、滞納額は九百二十五億円となった。滞納者と額はいずれも過去五年間で増え続けている

 同機構の調査(一一年度)では、滞納者は雇用期限付きの正社員やアルバイトら非正規雇用と無職で46%を占め、正社員の34・5%を上回る。滞納者の年収は三百万円未満が83・4%で、滞納理由は「収入が減った」が75・3%に上っている。

この奨学金問題は以前にも取り上げたことがありますが、事実関係を整理するとまず今や大学生の過半数が奨学金を受給していると言う事実があること、10年前と比べて実に2倍に当たる33万人が奨学金返済不能に陥っていること、そして日本の場合奨学金と呼ばれているもののほとんどが諸外国で言うところの単なる学生ローンに過ぎず、奨学金貸し付けが体の良いビジネス化しているということを知っておくべきでしょう。
例えば法科大学院が完全に失敗に終わった弁護士業界では平均年収があっと言う間に半分以下に落ち込んだことが話題になっていますが、若手の就職難が激化し司法修習生の半数近くが就職先も未定だと言いますから奨学金という名の学生ローン返済に加え世界一高いという弁護士会会費まで到底払えるものではないと、せっかく国家試験に合格しても弁護士活動に参入できない若者が増えていると言います。
司法試験合格者の平均年齢が29.1歳と言いますから、長年法律という言わば間口の狭い専門分野にかかり切りになって世間並みの就業スキルを身につけないまま高齢化してしまった元弁護士の卵達をどうするかと考えると、本当に家が金持ちででもなければ弁護士になどなれないという時代が来ているということでしょうか。

それでも弁護士などはまだまだ世間の平均値からすれば大いに恵まれている方だとも言えるわけで、年収300万以下の非正規雇用者が一人当たり30万近い滞納額を抱えているとなればおいそれと返済できるものではないでしょうし、社会人人生のスタート地点に立った時点で抱え込んだ巨額の借金が故に「人生を狂わされ」る人々も今後さらに増えてくるかも知れません。
記事中に出ているケースのような悲惨なものは未だ例外と言えるかも知れませんが、今現在バブル世代の親による実質的な生前贈与によって何とかしのいでいる場合も多いとしても将来的にはかじるべき親のすねが細くなっていくのが明らかなのですがら、学生支援を謳い制度を維持するのであれば日本の奨学金も早急に無利子型、あるいは給付型に転換していくべきだと言えそうですね。
そして奨学金(と言う名の学生ローン)という制度を考えた場合、借金をしてでも進学した方が将来メリットがあるという前提で初めて成り立つものですから、雇用状況がこうまで流動的になってくると以前のように何とはなしに進学しておく、そのために金を借りるしかないと言う前に将来どうやって稼いでいくか、本当に進学した方が得なのかという計算は必ず必要になってくるのだと思います。
しかし最近では医学部なども自治医大方式で奨学金に対する御礼奉公で前途有望な若者の将来を縛ると言うスタイルが絶讚拡大中ですが、これなどはどんなブラックな場所であれ文句さえ言わなければ就職先を確実に斡旋してくれる良心的な制度である…などと考え始めるとすでに末期的なのでしょうかね。

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2013年9月 9日 (月)

ますます巨大になる近藤理論カルト 

先日よくある広告メールを何気なく見ていましたら、こんなことが書いてありました。

 今年6月にスタートした@niftyの新サービス「新おとなの学び場」。著名人が配信するメルマガですが、そのライター陣の顔ぶれは多彩です!
 このメールマガジンサービスの特長のひとつとしてご好評いただいているのが、購読者が著名人に「直接質問できる」という点。
 以下にこれまで実際に寄せられた質問とそれに対する回答をピックアップしてご紹介します。
(略)
【池田清彦さんへの質問と回答例】※「ほんまでっかTV」レギュラー評論家

 Q.「医者に殺されない47の心得」「ガン放置療法のすすめ」などを読みまして、今年より一切の検診を断り始めています。還暦を迎えましたがこの決断はありでしょうか?

 A.健康診断に行かないのはいい判断だと思います。症状がないのにがん検診や人間ドッグを受けるのは時間とお金のムダです。そのお金を使ってうまいもの食っていたほうがいいです。体にいいと誰かに言われたあるいは本で読んだという理由で、嫌いなものを無理して食べたり飲んだりするのも考え物です。自分の体に合っているかどうかは自分の体に聞いてみてください。・・・(以下略)

まあしかし、「誰かに言われたあるいは本で読んだという理由で」一切の検診を断るというのもそれはそれで考え物かと思いますが…
ともかくあのテレビでも有名な池田センセイがこんなふうにおっしゃってる!やっぱり検診など受けちゃいけないんだ!と考える人がどれだけ出るかは判りませんが、少なくとも世の中にはこういう考えを持つ人々がいて、それを各界の著名人としてヨイショする人もまたいるという事実は認めなければならないでしょうね。
ちなみにこの池田何某なる人物、早稲田大学国際教養学部教授の肩書きを持つ生物学者だと言うことですが、本業の業績については存じ上げませんが例によって専門外の領域でさんざん好き放題放言して回っているという点でもそこそこ有名な御仁ではあるようです。
うちのPCは別に変な電波を受信する設定にはしてないはずなのにな…と不審に思いながら件のサイトに行ってみましたら、こんなことも書いてありました。

池田清彦のやせ我慢日記 (Vol.3)                        {2013年7月12日}
(略)
───────────────────────────────────
【1】がんはなぜ治らないのか
───────────────────────────────────
 慶応大学講師の近藤誠が大分前から、がんは放置しておくのが一番いいと主張して、がんの治療で儲けている医療関係者から蛇蝎のように嫌われているようだ。
 手術をしても転移しているがんには無効だし、抗がん剤も血液のがんや睾丸がんといった特殊ながん以外の多くの固形がんには無効であるというのはほぼ正しいと思う
 最近近藤のアンチがん治療の本が軒並みベストセラーになっているのは、多くの人が現在のがん治療に疑問を抱いているからだと思う。
 身内や親しい友達で、がんであることがわかった後も比較的元気だった人が、治療を受けた途端に元気がなくなって、数ヶ月から数年後には死んでしまった事例を沢山見ていれば、がんの治療が本当に患者のためになっているのか疑問に感じるのは当然である。

まあよく言われることに先駆者はその多くが批判され嫌われるものであるかも知れませんけれども、批判され嫌われる者全てが先駆者というものでもなく単なるトンデモさんだったと言う場合が大多数であるわけですからねえ…
泥沼化しやすい癌の治療で儲けていると言う実感を抱いている臨床医もそう多くはいないと思いますが、ともかくも類は友を呼んだのか近藤理論の感染力がそれだけ強力であるということなのか、どうもこの池田センセイの最近の一押しが近藤氏であるようで、あちらこちらで宣伝に協力して回っていらっしゃるようです。
ご本人が信じて実行する分には別に個人の自由で構わないのですが、こうした話があちらこちらで大きく取り上げられるようになると中には「これだけ世間で言われてるんだから、本当にそうなんじゃ…」と信じたくなる人も出てくるかも知れずですよね。

池田清彦早大教授 「がんを治療せず放置する」メリットを語る(2013年7月20日週刊朝日)

 生物学者で早稲田大学国際教養学部教授の池田清彦氏は、朝日新聞の書評欄に近藤誠『がん放置療法のすすめ』(文春新書)が紹介されているのを見て「ちょっと愉快であった」という。その理由は、それが医学界の主流の説と全く異なる主張が書かれた本であり、「大新聞」の書評欄に載っていたからだ。池田氏は本の内容に触れ、「がん放置療法」のメリットについて次のように話している。

*  *  *
 大半の医者と厚生労働省はバカのひとつ覚えみたいに「がんの早期発見・早期治療」と言い続けてきたが、近藤の本の帯にあるように「乳がんで全摘手術を勧められたけど放置、22年経った今も元気です」(68歳女性)という人もいるのである。がんを放置するとどうなるか。(1)大して変化がない、(2)増大して治療をせざるを得なくなる、(3)縮小し、場合によっては消失する。(2)だけが悪性のがんで、(1)や(3)はがんもどきで治療する必要はないと近藤は言う。やっかいなのは(1)・(3)と(2)の違いは病理検査ではわからないことだ。

 わからない限り、すべて悪性度の高いがんとみなして治療しようというのが主流の考えなのだろうが、がんの手術や抗がん剤は決して安全な治療法ではない。(1)・(3)の人は治療により死ぬこともあろう。私の知人で膀胱がんと診断され抗がん剤治療を始めて二週間後に死んだ男がいる。抗がん剤は猛毒なのだ。治療のメリットがあるのは(2)の人だけだ(特に血液のがんは抗がん剤が良く効く)が、それとても治療をしない方が長生きしたかもしれない

池田早大教授「がんは放置するのが一番いい」(2013年5月17日週刊朝日)

「滅多に人を尊敬しない」と言い切る早稲田大学国際教養学部の池田清彦教授。そんな彼が、最近「すごい人だ」と感じている近藤誠氏について語った。

*  *  *
 ここの所、近藤誠の本がすごい勢いで売れているようだ。アマゾンのベストセラーランキング等を見ると、『がん治療で殺されない七つの秘訣』(文春新書)、『医者に殺されない47の心得』(アスコム)、『「余命3カ月」のウソ』(ベスト新書)、中村仁一との共著『どうせ死ぬなら「がん」がいい』(宝島社新書)、『がん放置療法のすすめ』(文春新書)等々、最近出版された本は軒並みベストセラーである。

 近藤の主張は、血液のがんなどの特殊ながんを除き胃がん、肺がん、大腸がんなどのいわゆる固形がんは、治療をしても延命効果は期待できないというものだ。がんは基本的に放置しておくのが一番というのだから、医学界から蛇蝎のように嫌われるのは当然だ。近藤が一般書を積極的に書きはじめた1990年代の半ばから、私は近藤の主張を私なりに検討した結果、データの豊富さ、推論の正しさなどから、近藤説はほぼ正しいと確信するに至った。

『がんは切ればなおるのか』(新潮社)が1998年に文庫になった際には、この本の解説まで書いたくらいだ。それで、ここ20年くらい、がん検診は受けていないし、健康診断も9年ほど受けていないし、受ける気もない

 私は滅多に人を尊敬しないが、近藤誠はすごい人だとしみじみ思う。慶応の医学部を最優秀の成績で卒業した近藤は、アメリカに留学して放射線医学を学び、母校に帰って講師になり、同期で一番早く教授になるだろうと思われていたという。それが、当時医学界の主流であった乳がんの全摘手術に異を説え、乳房温存療法を公に主張して、出世コースから外れることとなった。近藤も万年講師で終わるであろうと覚悟したと述懐している。長い間医学界の主流から無視されていた温存療法は、しかし今や、乳がん治療のスタンダードになった。自らの出世と引き換えに乳がん治療のパラダイムを変えたのである。温存療法の優秀さが患者どうしの口コミで拡がったという事情もあったろう。

 本の売れ行きを見る限り、今また近藤の主張は多くの人に支持されて拡がりつつあるようだ。医学界は必死の抵抗を試みるだろう。がんは放置しておくのが一番いいということになれば、がんの手術に携わる外科医と抗がん剤を製造している製薬会社はおまんまの食い上げになるからだ。しかし、患者は医学界の金儲けのために存在するわけではない。がん患者が手術や抗がん剤で殺されることはあっても、外科医がおまんまの食い上げになって死ぬことはない。どちらがいいかは自明であろう

池田氏の言うように実際にきちんとしたエヴィデンスをも否定したというのであれば近藤氏もとうとう完全に道を踏み外したかと思いますけれども、近藤氏の主張自体は本来「癌は放置すべき」ではなく「治らない癌を治るかのように偽って積極治療すべきではない」と言うものであったという説もあって、それが事実であるとするならプレゼン能力という点で確かに万年講師に留め置かれているだけのことはあったのかという気もします。
いずれにしても世間の近藤教信者は「近藤という大学病院の偉い医者ががんは放置しておくのが一番いいと言っている!」と受け止めている、そして当の近藤氏自身もそう受け止められることに何ら反論しておらず是認していると認識されているのですから社会的に見れば近藤理論=がん放置療法となりますが、実際これほど熱心なシンパが各界に存在しているとなると不安に感じる人も多いかと思います。
20年以上も患者の集まる大学病院にいながら「近藤方式」を受け入れた患者が150例だと言うことからも、実はマスコミや一部電波芸者が大騒ぎしているだけで世間は案外冷静に受け止めているのではないかと言う考えもあり、実際影響力を過少評価してスルーされている側面も多々あるのでしょうが、これだけ社会的に話題になっている以上専門家達ももはや放置プレーはよろしくないと言う声も強まっているようですね。

近藤誠氏がん放置療法に医師反論「医療否定本に惑わされるな」(2013年8月29日NEWSポストセブン)

 近藤誠氏著『医者に殺されない47の心得』が100万部突破のベストセラーとなっているが、医師の中には、近藤氏が提唱するがん放置療法を否定する人も少なくない。日本尊厳死協会副理事長でもある長尾クリニック院長・長尾和宏医師と、翻訳業の傍らボランティアでがん患者の相談に乗っている藤野邦夫氏の2人は、共著となる新刊『がんの花道』(小学館)で、近藤氏による「早期発見、早期治療は意味がない」という主張に真っ向から反論している。

 * * *
長尾:最近、慶應義塾大学医学部放射線科の近藤誠先生が、がんの早期発見、早期治療は意味がないなどと複数の書籍で書いておられますが、私はそれは絶対に違う! と思っています。早期発見、早期治療はいくらでもあります。実際、私は早期発見して、早期治療した結果、助かっている患者さんをたくさん診ています。

 逆に、一部のそうした本で書いてあるような、手術はしない、放置すればいい、という主張を信じて、手術さえすれば助かったのに亡くなっていかれた患者さんもたくさん見てきました。同様に、抗がん剤は効かないと抗がん剤治療を否定する主張を信じて、最初は抗がん剤治療を拒否していた患者さんが、後からやっぱり抗がん剤治療を始めているケースも見かけます。このケースでは、「どうせやるなら、もっと早くからやっていればよかった」と患者さんは後悔されています。そのようにして失われた時間は本当にもったいないですね。

 こうした医療否定本というべき書籍が、医療界に一石を投じようとする意図は理解できます。しかし、残念ながら書いてあることの全部が正しいとはとても思えません。正解も大間違いも混在しているのが実態だと思います。こうした医療否定本を鵜呑みにして、助かる命をみすみすなくされないか、私はそれを心配しています。

藤野:早期発見の意味がなければ、ますますがんで苦しんで亡くなる人が増えますよ。近藤さんたちの説を信じて、定期検診や検査を受けなくなる蛮勇の持ち主は少ないでしょうが、心配な点は、もともと定期検診や検査を受けたくない人たちが、やっぱり受けなくていいんだと納得してしまうことです。そのような影響が出るとすれば、発言者の社会的責任には大きいですね。

 現在、薬物療法のおかげで、がん患者が元気で暮らせる生存率は大きく伸びています。薬は病気を治すためだけにあるのではなく、追いつめられた患者の病状を改善し、生きる希望を与える効力も持つのだと私は思います。

 さらに問題は、正統派のがん医療にたずさわる医師たちが、医療否定本にあまり反対しないことです。かれらはバカバカしいとあざ笑っているようですが、それは患者や一般市民に対する怠慢です。医師の特権意識がマイナスに作用しています。

長尾:本来、医者は患者さんを助けるのが仕事ですから、どうやったら助けられるかを日々模索して診療をしているわけです。そりゃあ、早期発見、早期治療でも亡くなる患者さんはいます。しかし、早期発見、早期治療で治る患者さんもいれば、残念ながら亡くなるにしても、現代医療、特に緩和ケアの恩恵を受けて、残された時間をご家族と快適に過ごされる患者さんもたくさんおられるのです。

 ですから、私は、患者さんやご家族には、ぜひとも勉強をして賢くなっていただきたいと思います。そうすれば、医療否定本に惑わされずにすむと思います。医療の現状を知って、進歩を知って、また欠点も知って、上手に「医療のいいとこ取り」を目指して使っていただくのがいいのではないかと私は思うのです。

藤野:がんを治療せずに放置しろという近藤誠さんの説は、健康で心に余裕のある人が読めば面白いのでしょうが、病気で追い詰められた治療中の患者や家族が読むと、混乱させられるか不安になるだけではないか私は危惧しています。

助けられる患者が近藤理論で放置された結果助けられなかった!とんでもない話だ!と言う考え方もまた医師の傲慢というべきもので、病気であると知りながらそれを受け入れるという選択肢も当然あっていいと思いますし、そうした大前提が最初から確たるものなのであれば余計な手間とコストがかかるだけの癌検診など最初から不要!という冒頭の意見のような立場もまた論理的にありだなと言う気はします。
実臨床で言えば人間80歳以上にもなれば体のどこかに癌細胞が潜んでいる、などと言いますけれども、それでは寝たきり超高齢者に片っ端から全身検索をしているかと言えばそんな施設はまずないでしょうし、またベストサポーティブケア(BSC)などと言う言葉が当たり前に臨床現場で使われているように癌と見れば何でもかんでも積極医療!などということももちろんないわけです。
その意味では現場に近い人間には今さら感と言うのでしょうか、「また近藤が風車に挑んでるなあ」と笑って見ていれば済むという感覚だったのでしょうが、それもこれもちゃんと知識も経験もあり癌診療の現実を知っているからこそと言うことであって、何の知識もない一般の患者や家族が近藤理論を真に受けることの怖さに対する危機感が乏しかったと言う見方は出来るでしょうね。

手術不能の固形腫瘍に対する放射線化学療法の限界など、癌治療に対して多くの臨床医が様々な思いを抱いているのは事実で、特に患者本人や家族の希望に基づいたものであったとしても泥沼の末期戦を何度も経験し、弓折れ矢尽きた状況を何度も経験した医師の抱く「後ろめたさ」が近藤理論に対する反論の舌鋒が鈍る一つの理由でもあったのかも知れません。
また近藤理論も多くのトンデモ主張と同様に特定の局面で見れば全否定し難い部分もあることは言うまでもありませんが、それを言い出したのが例え患者が手遅れになろうが最後まで寄り添って戦う内科・外科医ではなく、いわば外野からおいしいところ取りをしているだけの放射線科医であったということも感情的反発を抱かれやすい部分はあったかも知れないですね。
ともかくも患者の自己決定権が何よりも尊重され、癌は何もしないで放置する、そもそも早期発見など無意味だと言う考え方も当たり前に認められる時代なのですから患者もどんどん主張し希望すればよいのですが、ただしそれはきちんとしたエヴィデンスのあるソースに基づいた十分な検討の結果として選ばれるべきであって、怪しげなベストセラー本に乗せられて決めるようなことではないだろうとは思います。

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2013年9月 8日 (日)

今日のぐり:「餐休 麺喰亭」

有名な虚構新聞を初めとして昨今ではネタソースというものには事欠かない時代ですが、ネタかと思う現実もあるのだなと改めて感じさせられるのが先日出ていたこちらの記事です。

高層ビルの反射光で車が溶ける、開発業者が調査開始 ロンドン(2013年9月4日AFP)

【9月4日 AFP】英ロンドン(London)で、新たに建設中の超高層ビルに反射して集まった日光によって、近くに止めてあった自動車数台の車体が溶けてしまったことが分かり、建設プロジェクトを担当する開発業者は3日、調査に乗り出していることを明らかにした。

 問題のビルは、同市中心部に建設されているガラス張りのタワー「20フェンチャーチ・ストリート(20 Fenchurch Street)」。上部に向かって広がる形状から通称「ウォーキートーキー(Walkie Talkie)」(携帯用無線電話機の意)と呼ばれている。
 ロンドン市民らは、このビルが反射する太陽光から目を守るようにしてビルのそばを通っているが、自分の車がこの光のせいで溶けてしまったと苦情を寄せる人も数人出ている。
 地元のビジネスマン、マーティン・リンジー(Martin Lindsay)さんは、このビルの近くに自分のジャガーを止め、しばらくして車に戻ってみて目を疑った。車の片側の外板がゆがみ、サイドミラーとボンネット上のジャガーのエンブレムが溶け出していたのだ。
 リンジーさんは英国放送協会(BBC)に対し、「フロントガラスに建設会社からの貼り紙があり、『お車が変形しています、お電話にてご連絡願います』と書いてあった」ことを明かし、車がここまで損傷してしまったことを「信じられなかった」と語った。
 3日には同ビルの周囲に大汗をかいた報道陣が詰め掛け、あるリポーターは反射光で熱したフライパンで卵を焼いてみせた。ウォーキートーキーには今や、「スカイスクレーパー(高層ビル)」ならぬ「フライスクレーパー」というあだ名まで付けられてしまった。

 物理学者らは、同ビルの外壁が凹面鏡状になっているため、太陽光線が一点に集中していると、問題の原因を指摘。英紙タイムズ(Times)は、2日の同ビル付近の気温は45度を超えていたと伝えた。
 不動産開発業者のランド・セキュリティーズ(Land Securities)とカナリー・ウォーフ・グループ(Canary Wharf Group)はリンジーさんに謝罪し、建物がジャガーに与えた損傷を弁償した。一方で、現場付近にあった3台分の駐車スペースは使用中止とされた。
 両社は、この現象の原因が「現在の太陽の昇る位置」にあるとして、これから英国の季節が秋に向かえば問題は消滅すると釈明。「今はこの状態が毎日約2時間続いているが、当初の試算通りであれば2~3週間で収まる」としている。
 この37階建てのオフィスビルは、2014年3月に完成予定。そのデザインに対しては地元住民から賛否両論が寄せられており、中にはそのずんぐりした姿が街の景観の汚点になるという厳しい声も上がっている。(c)AFP

中国では生きた豚が路上で焼き豚になったというくらいハンパ無かったのが今年の夏ではあるのですが、それにしてもネット上に流通している写真を見る限りでも「これじゃない」感がハンパないビルディングなのですけれども、こうして実害まで出てしまった以上はやはり設計上の問題なんでしょうかねえ…
今日は出来の悪いアメコミか!と思わず突っ込みたくなる20フェンチャーチ・ストリートに哀悼の意を表して、世界中から思わず「ネタかよ!」と叫びたくなるようなびっくりニュースを紹介してみましょう。

【お悩み相談】奈良県民「家を建てようとしたら5回連続で遺跡が見つかり一生家を建てられそうにありません」(2013年8月21日ロケットニュース24)

悠久の古都、奈良。2010年には、710年の平城京遷都から1300年の節目をむかえ、さまざまな記念イベントが行われた歴史ロマンあふれる県である。
だが、そんな古い歴史をもつ県ならではのお悩みもあるようだ。インターネット悩み相談サービス「マイナビニュース Q&A」には、奈良県民特有のものと思われる相談が寄せられている。その内容とは以下のとおりだ。

・家を建てようとしたら5回連続で遺跡が見つかった

    「奈良県に住んでいます。家を建てようとしたら遺跡が見つかったということが過去4回あります。今回はなんかよくわからないですが古墳が見つかりました。いいかげんにしてほしいです。重要な文化財ということはよくわかりますし、保存しないといけないのでそこに家を建てることができないのも理解できますが…。もう今回で5回目です。
    これでは一生家を建てられそうにありません…。毎回なんか変なのが出土します。どうしたらいいでしょうか?もう県外に行くしかありませんか?」(マイナビニュース Q&A より引用)

・遺跡ヒット率に驚く回答者

このお悩みに対して回答者のなかには「そんなに命中するのは凄いですね。」、「こんな抽選に当たるより奇特な事例は羨ましい。」などという感想をもつ人も。確かに、いくら奈良といえど5回連続で遺跡にヒットすることなどありえるのだろうか……? 

・奈良県出身者に聞いてみた

疑問に思った記者(私)は、さっそく奈良県出身者3人にヒアリングを行ってみた。すると驚くべき回答が返ってきたのだ。

Nさん 「掘ったら何かしら出てくるで、マジで」
Tさん 「遺跡っていうか、あたしの中学が城跡で古墳つきやった」
Mさん 「家を建てようとしたら歴史遺産が出てきたとか、なにか建造物を建てる前に発掘調査をするとかそういう話はよく聞きますね」

リサーチの結果、とにかく奈良では「土を掘れば何か出てきてもおかしくない」ということは分かった。あくまで悩み相談内容の真偽は不明だが……。もし奈良県で土地や家屋を購入する予定があるという人は、少し気に留めておいてもよいかもしれない。

恐ろしいのは遺跡を見つけてしまうと発掘調査をしなければなりませんが、その発掘費用は(本来保存されるべき遺跡を自己都合で改変してしまうからと言う理屈で)利用者負担になると言うことで、実際のところ業者が何も見なかったことにして速攻破壊してしまうケースも少なくないとも言いますから、遺跡保存と言う目的上は妥当な費用負担に関しては一考の余地がありそうに思いますけれどもね。
子供の日常生活における何気ない振る舞いが異世界への扉を開くというのは児童文学にありがちなパターンですけれども、実際にそれをやってしまうとトラウマものにもなりかねないという記事がこちらになります。

祖父母宅の屋根裏で少年が謎のミイラ発見、独当局が調査(2013年9月4日AFP)

【AFP=時事】ドイツ北西部ニーダーザクセン(Lower Saxony)州の町ディープホルツ(Diepholz)で、祖父母の家に遊びに来ていた10歳の少年が約1か月前に屋根裏で人間のミイラを発見し、同国の警察・検察・検視当局は、このミイラをめぐる数々の謎を解明すべく調査を行っている。

 地元紙クライスツァイトゥング(Kreiszeitung)によると、身長149センチのミイラをCTスキャンした結果、頭蓋骨や他の大部分の部位の保存状態は良く、左目のくぼみから矢が突き出していることが分かった。ミイラの性別は分かっていない。

 さらに、ひつぎの中からは死者の顔から型取りした仮面も見つかったほか、X線画像の分析でミイラの骨は金属の層で覆われていることが分かり、謎はますます深まっている。

 ミイラを見つけた少年の父で歯科医のルッツウォルフガング・ケットラー(Lutz-Wolfgang Kettler)さんは、12年前に死去した自分の父親が1950年代に北アフリカを旅行した際に土産として持ち帰ったものかもしれないと話している。

 CTスキャンに立ち会ったケットラーさんによると、ミイラに巻かれた包帯には20世紀に機械で織られた布が使われていた。ミュンヘン(Munich)市内の病院に勤める病理医はニュースサイト「シュピーゲル・オンライン(Spiegel Online)」に対し、頭蓋骨や他の部位は本物だが、ミイラは「偽物で、幾つかの人体をつなぎ合わせて作られたもの」との見解を示した。

 警察と検察は、この遺体がどのような経緯で屋根裏にたどり着いたのかを解明するための情報を求めている。独DPA通信が伝えた警察の話によると、もし遺体が数百年前のものであれば、事件としての捜査はしないという。

記事の写真を見る限りではいかにも…と言う風情なんですが、逆にあまりにテンプレ通り過ぎて何やら嘘くさいと言われればその通りかも知れません。
ヤンキースの選手と言えば常に紳士たるべしと言われる存在だそうですが、こちらどこの世界の紳士だと思わされるような決定的瞬間が流出してしまったと話題になっています。

【衝撃野球動画】少年とカメラは見ていた! 紳士であるべきヤンキースの選手が盗みを働くその瞬間!!(2013年8月31日ロケットニュース24)

ニューヨーク・ヤンキースでは、長髪や口元以外のヒゲが禁止されている。イチロー選手が蓄えていたヒゲをきれいに剃ったのも、その規則があるからだ。そういった背景もあり、「ヤンキースは紳士的な球団」というイメージを持っている人も多いだろう。

しかし、紳士球団にも悪者はいるもの。なんと試合中にもかかわらず、盗みを働いた選手がいたぞ。少年相手でも容赦なしに盗んだ様子はしっかりTVカメラでとらえられており、動画「Mattingly snags fan’s popcorn」で確認することが可能だ!

・目にも止まらぬ早業
時は1992年9月16日、ニューヨーク・ヤンキース vs シカゴ・ホワイトソックスの試合で事件は起きた。犯行時間はものの数秒。TVカメラが気づいた時には犯行後であり、彼は観客席に向けて「ありがとよ」的なジェスチャーをしているぞ! 一体、何を盗んだというのだ!?

・犯人は少年のいる観客席に近づいた選手
動画では、打者のティム・レインズ選手の打ったボールが一塁内野席浅めの場所へ飛び、ボールを追って観客席に近づく一塁手のマッティングリー選手のシーンが映し出される。この時点で犯人はおわかりかもしれないが、唯一少年と接触できた人物……そう、犯人は彼だ。続けて流れるリプレイでその様子をご確認していただきたい。

・犯行現場
リプレイだと犯行現場が実にわかりやすい。観客の視線がファールボールに奪われている隙に、最前列にいる少年へと忍び寄る犯人の姿が鮮明に映し出される。少年が持ったポップコーンへスッと手を伸ばし……任務完了だ。そして満足した犯人のマッティングリー選手は、ジェスチャーを混ぜつつ定位置に戻るのだった。

・紳士的犯行!?
この一連の動きに実況席は大笑い。気づいたらポップコーンを盗まれていた少年は、明らかに不満そうな表情を浮かべ、首をひねって怒りをにじませるが、なぜだかほのぼのしてしまう光景でもある。それにしても、スマートにやっているところに紳士的要素を感じてしまうのは気のせいだろうか。

ちなみにポップコーン泥棒をしたマッティングリー選手は、現在52歳でロサンゼルス・ドジャースの監督を務めている。現役時は1982?1995年までヤンキース一筋で活躍し、つけていた背番号「23」は永久欠番となったほどの実力者でもある。ポップコーンを盗まれた少年は、今では自慢話にしているかもしれない。

しかし今になってこういう動画が流出してくると言うのはどういう事情なのかと思うのですが、プロ選手が観客席のポップコーンをつまみ食いというのも何ともアメリカのボールパーク的な話と言えるのでしょうかね?
同じくアメリカからこんなびっくりニュースが届いていますけれども、世の中不思議な話の種は尽きないものだなとつくづく思いますね。

4歳児の皮膚の下で巻き貝が孵化? 米カリフォルニア州(2013年8月20日CNN)

(CNN) 米カリフォルニア州に住む4歳の少年の皮膚の下で巻き貝が育ったと、CNN系列局のKCALが伝えている。海岸で転んだ際に卵が入って孵化(ふか)したらしいという。

父のケン・フランクリンさんがKCALに語ったところでは、息子のポール君(4)は7月に家族でビーチに出かけた際、岩場で転んでひざをすりむいた。傷口は洗ってばんそうこうを張っておいたという。

ところが数週間後にひざが大きくはれ上がり、うみがたまったような状態になった。医師に見せたところ、ブドウ球菌感染の恐れがあると診断され、抗生剤を処方されたという。しかし薬が効いた後も、皮膚の下の黒い塊は徐々に大きくなっていった。

そこで母のレイチェルさんが自分で何とかしようと、ポール君の傷口を指で強く押したところ、黒っぽい物体が出てきたという。

最初は石だと思ったが、ペーパータオルの上に置いて観察すると、渦巻きがあるのを発見。「ひっくり返してみたら巻き貝だった」とレイチェルさんは話す。

両親は、ポール君が転んだ時に傷口から巻き貝の卵が入ったのではないかと想像している。

地元紙によると、ポール君は自分のひざの中で育った巻き貝を、アニメ映画の登場キャラクターにちなんで「ターボ」と命名した。

元記事にはビデオまで用意されていて、世が世ならホラーネタなのに何そのちょっと良い話っぽい結末?と思うようなまとめ方なんですが、しかし徐々に大きくなっていったというくらいですから成長していたんでしょうねえ…
こちらもはや何でもあり状態だと昨今すっかり慣れてきてしまっている中国ソースの記事なのですが、ふむふむと読んで「ん…ちょっと待てい!」と感じたあなたにはまだ健全な良識が残っていると言うべきですかね。

【衝撃】 ゴキブリ養殖場が破壊されゴキブリ100万匹が逃げ出す / 付近住民に注意喚起(2013年8月23日ロケットニュース24)

テロとも言いたくなる驚くべき事件が起きていたことがわかった。ゴキブリ養殖場が破壊され、中で飼育されていたゴキブリが脱走したのだ。逃げたゴキブリの数はなんと100万匹以上!! 破壊された養殖場跡地には1匹も残っていない。全てキレイに逃げ出したのである。

・ゴキブリ養殖場が破壊される
事件が起こったのは中国・江蘇省大豊市だ。王さんという男性がゴキブリの養殖をしていた。2013年8月20日の夜、王さんの母親がゴキブリにエサをやろうと養殖場として使っていた温室に来たところ、温室がない! 何者かにより養殖場が破壊されていたことがわかったのだ。

・ゴキブリ100万匹が逃げ出す
現場は破壊された資材のカケラが散らばり、残ったのはレンガやパイプのみ。まさに廃墟状態である。ここでは、ゴキブリ約100万匹が飼育されていたが、全て逃げ出してしまったようだ。
一体、誰が何のために……王さんはゴキブリの脱走が付近にもたらす影響も考慮して警察に通報した。

・育てられていたのはワモンゴキブリ
飼育されていたのは「ワモンゴキブリ」という品種のゴキブリだ。体長3~4.5センチ。褐色の光沢のあるボディが特徴だ。ワモンゴキブリは、日本にも生息しているが、日本の場合は最大クラスに分類される。
病原微生物を媒介することから、害虫扱いされているワモンゴキブリだが、王さんによると薬の材料にもなるため、今、とてもアツい注目株の養殖動物なのだそうだ。彼も昨年の秋から養殖を始めたばかりだった。

・王さん「150万匹以上のゴキブリの子どもが生まれた」
王さんは、養殖の状況について以下のように語っている。

「今年の2月と7月にあわせて100キロ以上のゴキブリの卵を買い付けました。1キロあたり1200粒以上の卵鞘(らんしょう:卵が入ったサヤ)が入っています。1粒の卵鞘から少なくとも16匹の子どもが生まれます。1回目の買い付けでは卵は82キロあったのですが、そこから150万匹のワモンゴキブリの子どもが生まれました」

だが、ゴキブリは温室の破壊により全て逃げ出してしまった。土地代、温室への投資、そして0.5キロあたり900元(約1万4000円)のゴキブリの卵に飼育費用……1年間かけて投資したものが一晩にして失われてしまったのだ。

・ゴキブリの行方は依然として知れず
警察は現在捜査中であるが犯人は捕まっておらず、ゴキブリの行方も知れていない。
専門家は「ゴキブリの体の表面には赤痢菌、サルモネラ菌、緑膿菌、回虫や鉤虫の卵などがついています。つまりゴキブリは伝染病の媒介者なのです」と話している。また、付近住民に衛生には注意するよう呼びかけられている。当局は、養殖場の周囲を調査中。ゴキブリの一斉駆除の準備を進めているそうだ。

なんと言うのでしょうか、思わず指数表記してくれと言いたくなるような数のゴキブリなんですけれども、やはり中国だけに高温の油でカラッと揚げたりするものなんでしょうかね…
最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースなんですが、ここまで奇想天外ですともはやファンタジー?というびっくりニュースです。

ロンドン、ベッドで寝返るとキツネが寝ていた(2013年8月29日VoR)

ロンドン在住のレオン・スミットさんがベッドに入るとキツネがすでに寝ていた。サン紙が報じた。キツネはドアにある猫が通る用の小窓を通って家に入ったらしい。

    スミットさんがキツネを発見したのは朝。何かに触れた感じがしたので、ガールフレンドが抱きしめようとしてくれたのだと思い、それに答えようと手を伸ばすと、キツネの毛皮に触れたという。この時点でスミットさんの眠気はたちどころに消えた。見るとベッドに眠っていたのは小さなキツネだった。スミットさんの話では、キツネはごく落ち着いた様子でスミットさんをじっと見つめていたという。

    スミットさんは携帯電話のカメラでキツネを撮影している。キツネがスミットさんの家にいたのはわずか10分間(だが、それはスミットさんが目覚めてからの時間で、起きるまでどれだけベッドにいたかは不明)。撮影後、スミットさんはキツネを寝室から、そしてアパートから追い出し、巣穴にお帰りいただいたという。

元記事には残念そうに立ち去っていく問題のキツネの写真が公開されているのですけれども、日本であればさしずめキツネの恩返しなどとバックストーリーでも妄想してしまいそうな事件ですよね。
ただブリにおいても近年伝統のキツネ狩りが禁止され彼らの警戒心も薄れてきたということなのでしょうか、実際にロンドンの街中にもキツネが数多く出没するようになり困っているという話もあるようで、人間のテリトリーに侵入した野生動物は必ずしも歓迎されるばかりという訳でもないようです。

今日のぐり:「餐休 麺喰亭」

所用で岡山市内を走っておりましたところ、路傍にいかにも最近出来立てという感じのラーメン屋を見かけたので入ってみましたが、よく見ると看板の隅に小さく餐休と書いてあります。
餐休と言えば岡山県内では何店か展開しているラーメン屋なのですが、これはいわゆる老舗のセカンドブランドなのか?と思ってみましたらメニューはお約束の支那そばと名物そば、サイドメニューも特に目新しいものはないようです。
一体これをどう解釈したものかなと思っていたのですが、メニューをよく見て見ますと支那そばに磨きをかけ野菜の旨味をプラスしたという野菜支那そばなるものがありましたので、今回はこれを注文してみました。

さてこの野菜支那そば、運ばれて来てみますといきなりせん切り人参の山盛りに面食らうのですが、見たところスープの色調はかなり薄めであるようです。
餐休自体はそう何度もお邪魔したことはないのですが、以前に食べた泉田本店の支那そばは濃いめの醤油ダレのこく深さが印象的だったと思いますが、こちらは一転して醤油ダレが出しゃばらず薄口さっぱり風に見えてスープ自体には十分コクと旨味を感じるという、我々いささか胃腸の弱った人間には実にありがたいバランスになっています。
餐休と言うお店は醤油ダレ自体は調節してくれるらしいので今回たまたまこういうバランスだったのかも知れませんが、ともかくもこのスープは野菜のせいかほんのり穏やかな甘さもあってあっさり醤油としても悪くないですし、このまま塩でも合いそうな感じですね。
硬めの麺も合格をつけられる茹で上がりかと思いますが、ただそこそこたっぷりの白ネギを使っているんですが単に小口に切っただけではこのスープには風味と辛味が強すぎると言うもので、ちゃんとほぐしてからさらしたらどうなのかとは思います。
老舗らしくシナチクなどは食感味ともよくできた方ですし、チャーシューも載ってないのは別に気にならないと言いますか、そもそもラーメン=肉必須というものでもないはずですから個人的には全然構わないかなと思うのですけれども、ただ顧客対策としてはその点は注記しておいた方がいいかも知れませんね。

しかしラーメン自体は老舗の味だけに別に悪くもないのですが、わざわざこうして新ブランドを立てた意味って何だろう?といった感じでコンセプトが不明なのが気になりますね。
接遇面ではフロア担当はほぼ配膳のみで水などすべてセルフと少人数仕様の体制を組んでいるのかなと思うのですが、今回たまたまなのかも知れませんがオーダーが日本語で通じなくて少しびっくりしました。
それにしても卓上の調味料の並びをみると昔ながらの胡椒やラー油と言ったものが一通り揃っていて、今風にリファインした店構えと似合わないなあと言う気もしないでもないですけれども、逆に最初から餐休の味を期待してやってきた人にとってはこういうものも必須なんでしょうかね。

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2013年9月 7日 (土)

拡大を続ける掲示板個人情報流出事件

先日もお伝えしたように現在進行形で大きな社会的影響が危惧されているネット巨大掲示板からの個人情報流出事件ですが、その影響の最たるものとして匿名性を売りにして成長してきた場において、匿名性を剥奪された個人情報が個々の発言と結びつけられてしまったということがあるかと思います。

2ちゃん情報流出 「匿名の暴言」が突きつけた闇(2013年9月6日ネットろんだん)より抜粋

(略)
 「僕は2ch上において暴言や誹謗(ひぼう)中傷を多数行っておりました」

 ある人気ライトノベル作家は8月27日、公式サイトに謝罪文を掲げた。匿名で同業作家らに対して「虚言癖持ち」「見栄を張るためだけに嘘をつき続ける人間」などの中傷を書き込んでいたことが、流出情報により明らかになったためだ。

 ◆自業自得なのか

 当然ながら、ネットでは猛批判を浴びて炎上。「完全に自業自得。今回みたいな希少すぎる偶然がなければこいつはずっとクズ行為を続けてたんだよ」(2ちゃんねる)と糾弾が続く中で、「太宰治が現代にいたら同じようなことしてたんじゃね」(同)と、やや同情的な意見も。中傷の対象となった作家自身はツイッターで「別に悪く思っていないし、過ぎたことです」と発言し、“大人の対応”を見せている。
(略)
 個人情報のネット流出はもはや珍しくないが、今回の事件が特異なのは、利用者の実名や住所、クレジットカード番号などと、2ちゃんねるの書き込み履歴が照応可能な形で流出したことだ。流出した書き込み履歴は約1カ月分にすぎないが、人によってはカード情報の流出よりも被害が大きいかもしれない。
(略)
 「書き込みが結構面白くて、好きだった住人が、別の板の特定のスレでは執拗(しつよう)な荒らしをしていたのは引いたわ…人間の心の闇を垣間見た気がして」(2ちゃんねる)

 今回の流出が突きつけたのは、ネット上に完全な匿名は存在しないという事実の確認はもちろん、人間が匿名を許された場合にどう振る舞うか、それが露見した場合にどんな社会的制裁が降りかかるかという、あまり愉快でない現実だった。(磨)

個人的には成りすましダブハン一向に構わないじゃないかと思うのですが、要するにネットにしろ実生活にしろ状況によって立場やキャラクターを変えていく必要があるのは当たり前で、例えば多くの人の前で理想的な人間像を見せつけて夢を売っている芸能人が実生活はドロドロでろくなものじゃないと言うことはままあるわけですよね。
それを「あの人は表の顔は良いけど本当は…」などと批判の種にするのか、それとも「あの人はプライベートの問題を公に持ち込まない。プロだ」と感心するのかということだと思いますが、ともかくも意識的に使い分けるのであれば徹底的に「その人格とこの人格は別物」で押し通すのは有りだと思います。
もちろん基本的に誰かが嫌いだと言う前提が先にあったりで、その材料として成りすまし等を取り上げ批判をするというのも当然有りなのですが、こうしたことを「人間の心の闇」などと深刻に受け止めてしまう人と言うのは個人としてはいい人なのでしょうが、複数の顔があって当たり前の人間社会で生きていくにはいささか線が細すぎるような気がしないでもありません。
まあそうした余談はともかくとしても、何かしら他人の秘密めいたことをかぎつければついつい探ってしまいたくなるのが人の常とは言え、あまりやり過ぎると他人を非難していたはずがいつの間にか自分が非難されるべき行為に手を染めてしまっていたということにもなりかねないと言うものですが、この辺り法律や社会ルール上はどうなっているのかということも最近話題になってきています。

匿名のはずの書き込みで個人特定、2ちゃんねる発の「犯人捜し」に問題はないか(2013年9月2日ITpro)より抜粋

(略)
 今回の●の利用者情報が漏えいしたことによって、既に様々な問題が発生している。なんといっても今回漏えいした情報の中に、個人を特定する情報が含まれていたことが最大のポイントである。

 名前や住所電話番号といった個人情報やクレジットカード情報に加え、IDや「コテハン」と呼ぶハンドルネームを固定化するためのアカウント情報など●に関するありとあらゆる情報が漏えいした。この漏えいによって、2ちゃんねる上の特定の書き込みについて誰が書き込んだかがわかるようになった。

企業が従業員の過去の書き込みを調べることの問題点

 これを受け、一部の企業ではこの個人情報を基に、従業員が企業情報を書き込んだとか、仕事中に2ちゃんねるを閲覧しているなど、服務規則に反した行為がないかを調べているといった報告がネット上の掲示板に書き込まれている。場合によっては当人を特定し、当人に対して解雇など何らかの懲罰を与えているといった内容もある。

 ネットの掲示板に書き込まれた情報のためその信憑性は気になるところだが、もしそこまでの対応をしている企業があると仮定すると、指摘したい問題がある。その企業が「プライバシーマーク(Pマーク)」を取得しているなら、これら第三者からもたらされた個人情報を利用して従業員に対して解雇や減俸などの懲罰を与えるのには問題はないのかということだ。

 Pマーク取得企業は、個人情報の取得目的や取得内容、取得した情報の運用方法、廃棄方法などをこと細かく決められている。こうした規定の下では、第三者からもたらされた「従業員を含むかもしれない」情報を使って個人を特定する行為に問題はないのだろうか。Pマーク取得に関するコンサルティングを手がけた筆者としてこの問題を提起したい。

 リストに従業員が含まれていなかった場合は当然のこととして従業員が含まれていたとしても、プライバシーポリシーの設置理念(Pマークで定めた、取得した情報の運用方法)から逸脱している可能性が十分にある。もしこうした行為を実際にしている、あるいはこれからしようとしている企業があるなら、本当にPプライバシーポリシーの理念に正しいことなのかを判断したうえで踏み切ってほしい。
(略)

ちなみに記事中にあるプライバシーマークとは日本情報経済社会推進協会が認定しているもので、もともとが個人情報の保護を目的に設定された制度ですからかなり利用者にとっては厳しめな内容になっているのですが、一般論としても今の時代個人情報の目的外使用ということに関しては非常に厳しく言われていますよね。
昨今では企業の内部告発事件というものも少なからずありますし、もちろん企業機密の流出だ、不当なブラック企業認定だと企業側もネット上の情報に気を遣うべきなのは当然なのですが、実際に誰がそれを書いているのかということが明らかになった場合にどう対処すべきなのかということは、社内規定さえも未整備なところもまだまだ多いのではないでしょうか。
もちろんあからさまな犯罪的あるいは反社会的行為を行ったという場合には社会的にも制裁を加えることが求められるというものでしょうが、記事にもあるように内部でペナルティを与えるにもそれなりのルールがあるのは当然で、現状では情報が広まり社会問題化した後であるならともかく、少なくとも企業側が自ら率先して流出情報を検索し炙り出すということまでやるのはやり過ぎと言う考えもありそうです。

最近はいわゆるまとめサイトなども情報拡散に荷担していると訴えられるケースが出てきているようですが、判断が難しいのは先の流出事件にしろこうしたまとめサイトにしろ炎上させている人々が取り扱っているのはあくまでもネット上のどこかですでに公開されている情報であって、誰も知らない他人の情報を勝手に表に出してしまうという実生活でよくある個人情報流出とはいささか事情が異なっていることです。
特にツイッター炎上事件などは本人が自らの意志で公開しているプロフィールなり過去の投稿なりをうまくつなぎ合わせることで個人情報が特定出来てしまうということがしばしば起こりますが、こうした場合本人は知られることを構わないと判断して公開したということですからプライバシー侵害等々の責任を問うのは難しいようで、時系列を無視して情報を総ざらえに出来るネットに法律が追いついていないとも言えそうですね。
今回の流出事件などではもちろん流出した情報は当事者によって認められたものではありませんから、それでは誰が責任を取ってくれるのかと言えば掲示板の運営管理者ではなく流出もとのビューワーを出していた会社側となるようですが、実は現行法ではどうも大した責任は追求出来そうにないらしいという話も出ています。

2ちゃん「情報流出」で悪口がばれた! 運営側に「責任とれ」と言える?(2013年9月5日弁護士ドットコム)より抜粋

匿名掲示板であるはずの「2ちゃんねる」に書き込んでいたユーザーの個人情報が流出した。これにより、あるライトノベル作家は、同業者などを誹謗中傷する書き込みをしていたことがバレて、公式サイトで謝罪するはめになった。
この作家は今回、故意に誹謗中傷の書き込みをしたことを認めており、場合によっては名誉毀損で訴えられる可能性もある。ただ、現実的には、身元がバレなければ、そんな事態に追い込まれることもなかっただろう。
そこで、この作家は、情報を流出させた運営側を訴えて、損害賠償を請求することができるのだろうか。ネット上での情報の取り扱いにくわしい清水陽平弁護士に話を聞いた。

●「誹謗中傷した人」が法的保護を受けることは難しい

誹謗中傷をしていたことが明らかになったということを理由に、損害賠償請求をすることは難しいと思います。自ら不法な行為をしていた以上、その者を保護するべき必要が乏しく、また、そもそもどういった権利が侵害されたのかということも必ずしも明らかでないからです」

――確かに、そういった発言をした責任は、あくまで本人がとるべきだろう。そう考えると、今回の運営側の責任は?

運営側がクレジットカードの情報を含む個人情報を流出させたということ自体は問題です。その件については、情報流出元に対して損害賠償請求をすることは可能です。
ただし、誤解している方が多いようですが、今回情報を流出させてしまったのは、2ちゃんねるの管理者ではなく、2ちゃんねるビューアの「●」を発行していたN.T.Technologyですから、あくまで同社に対する賠償請求ということになります」

――どんな「損害」が認められる?

「まずは、財産的損害です。これはカード情報を悪用されたとか、迷惑メールが増えたなどの二次被害を受けた場合に発生します。
もう一つが精神的損害で、いわゆる『慰謝料』に関わる部分です」

●慰謝料の金額は「想像よりもずっと少ない」

――どれぐらいの金額になる?

「慰謝料の『額』が気になるところだと思いますが、これは皆さんが想像されるよりもずっと少ないと思います」
(略)
このような判例から見ていくと、本件の慰謝料は1万円程度ということになるのではないかと思います。なお、カードの不正利用などの財産的損害の賠償額は、慰謝料とは別計算になります。不正利用分については、カード会社が補填することも多いでしょうが、仮に補填されないケースでも、相当因果関係の範囲で損害が認められる余地があります」
(略)

これだけ拡散された責任が1万円で終わりとは非常に生活感覚とずれるところではあるのですが、ネットの場合難しいのは情報を流出させた人間とそれを拡散させた人間、そしてそれを見て叩く人間とがそれぞれ別個になっていて、しかも各々の段階で特に悪意もなく(しばしば全く文字通り)機械的に転載しているだけの介在者も多くいる、それらのそれぞれでどの程度責任があるのかの判断が非常に難しそうだとは判りますよね。
特に流れの速い掲示板などではスレッド全体として見るとあからさまな悪意をもって情報が次々に晒されているようにしか見えなくても、個々の個人は「そう言えばどこそこでこんな話を見かけたんだけど関係ある?」程度のことを書いているだけと言うこともままあって、誰にどの程度責任を負わせるべきかと言われると裁判所も判断のしようがないでしょう。
ただ民事訴訟においては「取りやすいところから取る」の大原則がありますし、今回のようにそもそも最初の流出がなければ何も問題が起こらなかったということが明らかな場合で、しかもその流出元が社会的にもそれなりに責任を取れる(=お金を持っている)企業であるとするならば、流出によって個人の嗜好をバラされたという程度でなく実際に被害が出たといった場合にはそれなりに取れるのかも知れませんね。
それでは中間に介在して情報を拡散させただけの人間には責任はないのかということですが、例えばその情報が入っていないコミュニティーにわざわざ知らせて回った結果被害が拡大したといった場合のように行為と結果の因果関係が明らかであるならこれまた損害賠償請求の対象になるでしょうから、拡散する方も内容によってはそれなりのリスクはあるものと承知しておくべきではあるのでしょう。

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2013年9月 6日 (金)

日医強制加入化 具体的に動き始める

この夏に日医の会長が「全医師強制加入も選択枝の一つ」と発言したというトンデモニュースが流れていましたが、どうも会長の個人的放言と言うに留まらず日医という組織として強制加入化を進め始めている様子です。

日医、加入促す仕組みを検討- 組織強化作業グループを設置(2013年9月5日CBニュース)

日本医師会(日医)は、日医への加入を促進し、組織力を強化する仕組みを検 討する作業グループを立ち上げた。日医を改組して、強制加入の法的根拠を持つ 組織にする方法や新規会員獲得策などを議論する。日医は作業グループが報告書 をまとめた後、正式な委員会を発足させ、来年6月までに具体的な提案を打ち出す

 同作業グループは今年6月の日医の代議員会で、すべての医師が加入する方策 を検討するよう要望があったことから設置された。作業グループは検討項目とし て、強制加入の仕組みのほか、保険医指定に医師会加入を条件にするような強制 力の強いものをはじめ、加入メリットを強調した勧誘活動や、研修医会員の会費 無料化などの8つを挙げている。今後、項目ごとの議論を本格化させる。

 4日の記者会見で、作業グループについて説明した今村聡副会長は、「8項目に は、日医内の組織の機能を変更することで対応可能なものもあるが、医療界で相 当、議論が必要になってくるものもあると考えている」と述べた。【君塚靖】

日医、組織力アップに向けた具体策の検討を開始(2013年9月5日日経メディカル)

 日本医師会は9月4日に開かれた定例会見で、組織強化に向けた検討を進めると発表した。検討事項の中には、保険医の指定に際して医師会の加入を義務付けたり、法的根拠に基づいて強制加入する組織に改組するなど、踏み込んだ項目も列挙した。

 今年4月に公益社団法人として認められた日医は現在、約16万5000人の会員を抱える。国内の医師数が年々増えているにも関わらず、日医の会員数は一定で、公益法人化初の開催となった今年6月の定例代議員会では、「全ての医師が加入できる方策を検討すべき」といった意見も出た。

 これまでにも日医は勤務医の加入を促進する方策の検討などを行ってきたが、代議員会で日本医師会綱領が採択されたことを契機に、勤務医に限らず全体の組織を強化する方針を決定。役員室や勤務医委員会などで、組織強化に向けて具体的に検討すべき事項を議論してきた。

 会見では「組織強化に向けた検討事項」を発表。発表された事項は、(1)新規会員獲得に向けた勧誘活動の実施、(2)郡市区等医師会員への都道府県医師会、日本医師会への入会の徹底、(3)日本医師会認証カードの更なる普及、(4)研修医会員の会費無料化、(5)会員情報システムの再構築(入会・異動手続きの簡素化、新たな会員種別の創設の是非)、(6)理事の勤務医・女性医師等の役員枠の創設、(7)保険医の指定、(8)法的根拠をもつ強制加入組織への改組――。任意度が高いものばかりでなく、強制度が高い事項についても、踏み込んで議論する考えだ。

 副会長の今村聡氏は「認証カードの更なる普及を目指す活動は既に実施している。研修医の会費無料化や理事に勤務医や女性医師の枠を設けることも、比較的簡単にできるだろう。ただし、保険医の指定や強制加入は非常に難しい」と印象を述べた。

 日医は、役員会や勤務医委員会での議論を基に、来年1月までに報告を取りまとめる予定。来年6月の総会までには具体的な提案事項を決定し、都道府県医師会や郡市区医師会の会員に加え、必要に応じて外部の有識者を含む正式な委員会を立ち上げて、提案事項の実現に向けて検討する方針だ。

いやまあ、「医療界で相当、議論が必要になってくる」と言うよりは「論外」の一言で済む話なんですが、そもそも日医という組織は(一応表向き別組織を立ち上げているとは言え)特定政党に肩入れするなど実質的に政治団体としても機能しているのですから、加入強制化は憲法19条に言うところの思想・信条の自由を侵犯している可能性もありますよね。
この業界団体による強制加入問題は各業種で色々と言われているもので、その一つが独占化によって好き放題会費を徴収できるという特権化・既得権益化の問題がありますけれども、例えば強制加入を拒否すれば弁護士活動が出来ないことになっている弁護士会の場合あまりに会費が高すぎて司法試験に合格したはいいが会費が払えず弁護士活動が出来ないといったケースも出ています。
不動産業などはうまく出来ていて、単独で開業しようとすると宅建業法で定められた1000万円!の営業保証金を供託しなければならないのですが宅地建物取引業保証協会に加入して「弁済業務保証金分担金」を保証協会に納めると供託が免除される、ところが保証協会に加入するには業界団体への加入が義務となっていて、しかもそれにはほぼ強制の政治連盟加入がセットになっています。
近いところでは歯科医会とその政治団体である歯科連盟とがセット加入になっていることに対して訴訟が起こり連盟が敗訴するという「日歯連盟訴訟」などもありますが、医師会などもそうですが会に未加入の医師が開業しようともすれば近隣で寄ってたかっていじめや営業妨害をされるという話もあって、こういった団体に権力を与えるということがどういうことかよく判る話だと思いますね。

全加入推進派の言い分として一つには全員加入による政治力強化ということがしばしば挙げられますが、そもそも何十万という医師それぞれが一つの政治的意志の元に統一されているなどという今時どこの全体主義国家よ?とも思われるような考えを抱くということが民主主義の世の中にあるまじき事で、そもそも日医が日医連を介して政治活動を行うことの是非も問われるべきかと思います。
もう一つ、近年盛んに言われていることに全員参加によって強制力を伴った業界内の自治能力を持たなければ、国家による業界内への介入の口実にされてしまうという声もあって、特に例の事故調議論なども絡めて医師に対する処罰をどのように為すべきかと言った議論が公に交わされるような時代にあって、とりわけ司法の介入を回避するための方便として便利使いされているロジックですよね。
しかし考えて見れば医師が外部から処罰を受けないように内部で正さなければならない、それが故に処罰能力も持つ強い医師会が必要なのだと言うのであれば、処罰する側の医師会幹部の皆様方は衆に優れて人格識見に秀でた素晴らしい医師ばかりである必要があるんじゃないかと思いますけれども、今の日医幹部の名簿を眺めながらそのような感想を抱く医師が当の日医内部にあってもどれほどいるものでしょうね?
学部教育の現場においても学生に医師のモラルの必要性を説いている教授こそ一番モラルに欠けてるじゃないかなどと言う笑えない話があるようですが、日医がこうしたロジックの元に医師全員強制加入化を正当化しようと考えているのだとしたら、人前で妄想を公言してしまってから正気を疑われる前にまず一人黙って鏡を見つめてみてはどうか?とおすすめしたいですね。

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2013年9月 5日 (木)

なんでもかんでも炎上させればいいというものではないので

先日も愚行の連鎖が起きていると紹介したばかりの馬鹿発見器騒動ですが、その後も相変わらず馬鹿発見器が有効にその機能を発揮しているようで、近頃ではむしろその後始末の方に世間の関心が向き始めているようです。

バカッターで「人生詰んでしまった」若者たち 続々損害賠償請求に踏み切る企業が…(2013年8月30日J-CASTニュース)

   この夏、「バカッター」騒動が各地で相次いだ。さすがに夏休みが終われば、多少は沈静化するだろう――とはITジャーナリストの井上トシユキさんの見立てだが、騒動を起こした当人たちにとってはむしろこれからが「針のむしろ」。企業からの重いペナルティーが待っている。
   ステーキレストラン「ブロンコビリー」が元従業員に損害賠償を求める方針を示したことが話題を呼んだが、これに限らず多くの「被害企業」が、「犯人」たちを厳しく追及する姿勢を見せる。

ステーキ店閉店で多額の損害賠償が…

   東京都のブロンコビリー足立梅島店の18歳従業員が、「バカッター」写真を投稿したのは2013年8月5日だ。キッチンの大型冷蔵庫に体を突っ込み、おどけた表情を浮かべた1枚はたちまちツイッター上で炎上、翌6日には店舗の休業、さらに12日には閉店が決まり、さらには、
    「不適切な行為を行ったアルバイト従業員に対し、本件に関する損害賠償の請求についても検討しております」
という発表までもが出た。迅速かつ厳しい対応に一部では「やりすぎ」との声も上がったが、ブロンコビリー側の姿勢は揺らがない。担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、「現在検討を続けている途中です。やるならば、すべてひっくるめて、という話になりますから」。ちなみに「女性セブン」の9月12日号によれば、問題の店員は「怖くて外に出られない」と、家に閉じこもっている状態だという。

ピザーラ&西友で暴れたバカッターも賠償検討

   このほか「悪質」との声が高かったのが、宅配ピザでおなじみの「ピザーラ」東大和店(東京都)で起こった騒動だ。ここでは複数の店員が、キッチンの冷蔵庫やシンクに入るなどの「ご乱行」を行っていたばかりか、近所のスーパー・西友河辺店にも乗り込み、商品棚に乗る、冷蔵庫に入る、買い物カゴに体を突っ込むなど、暴挙の限りを尽くした。
   問題発覚後の25日、ピザーラは東大和店の営業を停止、保存食材の廃棄や清掃消毒に追われる羽目となった。さて、この時点では「厳正な処分」としか発表されていなかった「バカッター」店員たちはどうなったかと尋ねてみると、
    「該当する関係者は全員解雇です」(運営会社フォーシーズの担当者)
ときっぱり。損害賠償も、当然検討しているという。
   西友も27日、「心ない若者が(中略)不適切行為を行い…」と、公式サイトで騒動について報告した。同様の騒動に巻き込まれた会社の多くが「お客様の不適切行為」と表現した中、なかなか厳しい表現だ。この「心ない若者」のおかげで、棚の撤去に買い物カゴの洗浄など今週一杯大忙しだったと、こちらの担当者はげんなり。対処もひと段落付いたということで、これから被害届の提出を考えるという。

損害賠償は最高2000万円説も

   18歳の男性客にアイスケースに寝そべられた群馬県のスーパー「カスミ」フードスクエア前橋店では、すでに所轄の警察に被害届を提出した。ケースの洗浄はもちろんのこと、アイス類の返金に応じるなど対応に追われた同社では、損害がいくらになったか計算の真っ最中だ。金額が確定し次第、男性への賠償請求を検討する。すでに男性は通っていた調理師学校を退学させられており、まさに「泣きっ面にハチ」か。
   東京スポーツなどはブロンコビリーのケースに関して、専門家の「請求額2000万円、実際には500万円前後を支払うのでは」という見方を紹介している。これはさすがに特殊だが、いずれにせよ「バカッター」若者たちの多くは当面眠れない夜が続きそうだ。

内田樹「ツイッターの炎上は出来の悪い芸へのブーイング」(2013年8月30日NEWSポストセブン)

 バイト先の冷凍庫に入るなどの“悪ふざけ”行為をネットで公開し、炎上するケースが相次いでいる。思想家の内田樹さんは、炎上をたきつける人たちの行為を「さらけ出すという芸に対するブーイング」だと見ている。

「リスクを冒して常識を逆なでするという“芸”にはそれなりの熟練と計算が要る。素人が簡単に真似できるものじゃない。出来の悪い芸に対して観客がブーイングしているのが炎上なんです。だから、炎上させる側にも加害者意識なんておそらくないです。“くだらない芸で受けると思うな”と見巧者のつもりで批評しているんです。個人情報をさらすというのも“演者”に生卵やトマトを投げつけるような気分でしていることではないんでしょうか」

 悪ふざけをする人たちの行為こそが問題であることは間違いない。しかし、精神科医の香山リカさんは、悪ふざけ画像を投稿する人と炎上させる人の心理は同じだと分析する。

「悪ふざけをする人は、自分を認めてもらいたいという願望がすごく強い。炎上させる側も、日常生活では優位に立ててなくて、自分に自信がない。だから、みんなで炎上させて、自分は多数派なんだということを確認したいんです」(香山さん)

 炎上した若者たちは、例外なくバイトをクビになり、社会的制裁を受けている。にもかかわらず、悪ふざけ投稿をする模倣犯が後を絶たないのはなぜなのか。教育学者の齋藤孝さんが言う。

「ツイッターやフェイスブックは大げさにいえば、世界中の人が見る可能性があります。でも自分たちにとっては、仲間内のツールでしかないから、その怖さがイメージできない。さらに、今の人は、影響を考えて行動する想像力が欠如しているんです。だから、気軽にアップする模倣犯が相次いでしまうのでしょう」

 内田さんは、そうしたネット社会の怖さへの想像力が欠如している原因は、今の社会から生きていくためのルールが失われているからだと訴える。

「食べ物をおもちゃにしてはいけないというのは、人類が何万年もかけて作ってきたルールであり、作法です。かつては家庭で徹底的に叩き込まれたそういう教えが、今はもう伝わっていない。だから、たとえば、アイスクリームの冷凍庫に入って何が悪いのか、実はよくわかっていないと思います。アイスは袋に入っているんだから、おもちゃにしたくらいで商品の価値が減ずるわけじゃない。なんで怒られるのかわからない、というのが若者たちの本音じゃないでしょうか。でも、それは人類学的ルールをきちんと教えてこなかった大人たちの責任なんです」(内田さん)

 彼らをただ「バカか?」と嘆き、溜飲を下げるのでは今後も同じような騒動が繰り返されるだけだろう。ただの「悪ふざけ」行動の後ろに透けて見える、親子の断絶や教育の弊害に思い至る理性と想像力こそが今、問われているのかもしれない。

祭りの後には粛々と後始末をするというのは当然のことなのですが、ここで注目していただきたいのは勝手に匿名性を信じて全世界に愚行を公表してしまった結果リアルでの情報が全てさらけ出されてしまった人々の予後で、「「怖くて外に出られない」と、家に閉じこもっている状態」と言うのはかつてマスコミなどにバッシングされた人々が辿った運命と全く同じ構図ですよね。
罪に対する罰はきちんとしたルールに基づいて行われるべきで、解雇や損害賠償請求などをした上にプライベートを晒して批判するのは二重処罰に当たるのではないかと思うのですが、「悪ふざけ画像を投稿する人と炎上させる人の心理は同じ」などと言う声が上がってくるのもその辺りにも理由の一端があるのでしょう。
もちろんネット上の炎上騒動などしょせん毎日幾らでも発生していることであって、しかもこうも同種事件が続発している中では特定個人への興味と関心がいつまでも続くとは思えませんが、今回の炎上騒動は改めてネット上の人格と実生活の人格とを結びつけられることの怖さを思い知らせたものであるということは言えると思います。
その意味で一連の馬鹿発見器騒動以上に大きな反響を呼びそうなのが先日某巨大掲示板で発生した個人情報大量流出事故なのですが、その悲惨極まる現状をこちらの記事から紹介してみましょう。

2chの個人情報流出 BL趣味の書き込み晒された女性准教授も(2013年9月2日NEWSポストセブン)

 巨大ネット掲示板「2ちゃんねる」の愛好者、“2ちゃんねらー”たちに戦慄が走った。同掲示板の有料閲覧サービスに登録していた3万人の実名や住所などがネット上に流出したのである。絶対に実名では言えないことを“言いたい放題”やってきた彼らの仮面が剥がされ、さぁ大変。実際に、今回の流出劇によって、ネット界に“晒される”ことになった被害者たちの悲劇を見てみよう。

 地方国立大学の名称が記されたドメインの主は、人文学部の女性准教授だった。彼女が好んで書き込んでいたのは同性愛をテーマとした漫画や小説などに関する投稿。さらに連続テレビ小説『あまちゃん』を見ながら、登場キャラクターたちの情交シーン(もちろん実際のドラマにはない)を妄想する投稿までバレてしまった。

 また大手家電メーカーに勤める男性の投稿からは、3人組の人気音楽ユニット「Perfume」の大ファンであることが窺える。朝から〈おはようかしゆか(※かしゆかはメンバーの名前)〉。

 テレビ放映がある日には、〈生で見たかったッス〉。この男性は書き込みごとにハンドルネームを変え、5人分の自作自演を繰り返して掲示板を盛り上げていた疑いがある。どうやらPerfume人気を下支えするために涙ぐましい努力をしていたようだが、こうした演出が行き過ぎたのが次のケースだ。

 人気男性ボーカルグループのアーティスト名がついたアドレス。この持ち主である女性は、仕事柄なのか所属タレントなどのテレビ出演をチェックしては投稿していた。掲示板の話題がこの男性ボーカルグループに至るや〈アルバムの曲順が決まったらしい〉といった活動情報の告知を投稿していた。もし音楽事務所の関係者がファンを装い、所属タレントへの応援や活動情報を書き込んでいるのだとしたら、営業活動を越えた一種のやらせと言えよう。

「ネット上の一個人を装って商品などを宣伝するステルスマーケティングは、これからどんどん発見されていく可能性があります」(ITジャーナリスト・井上トシユキ氏)

あちらこちらで著名人のカミングアウトが続いている現代の世情を考慮すれば、別にどんな個人的嗜好があろうが世間に迷惑をかけないのであればどうでもいいんじゃないかとも思うのですが、まあ教職などでは学生に対しては多少気まずいところもあるのでしょうかね…
それはともかく、今回の流出事故で個人が特定された人々は元より大変な騒動になりかねないのはもちろんですが、いわゆる成りすましや工作員など今まで様々な疑惑という形で語られていた諸問題が、少なくともその一部は全くの事実であったと言うのはそれなりに衝撃的で、かつて大いに話題になった「朝日新聞掲示板荒らし事件」にも匹敵するインパクトのある大事件であるとは言えそうです。
ただ今回の流出事故で注意していただきたいのは、個人情報が漏れてしまった人々の大多数は別に違法行為を行っている訳でもない単なる一利用者に過ぎないということで、それをわざわざ個人情報を追求しおもしろおかしく騒ぎ立てるというのはどう考えても道理の立たないやり過ぎというものでしょうね。

ネット上で何かしらトラブルが起こるたびに「実社会ではどうかと還元して考えて見る」ということが言われますが、日常生活で他人のいかにも世に知られたくなさそうな不都合な事情を知ってしまうということはままありますけれども、普通それを大騒ぎして街中の噂として広めたりはしないものだし、仮にそうしたことがあったとすれば大抵の場合は広めて回った側にもそれなりの批判を受ける可能性がありますよね。
ネット上の場合は自分の個人情報を隠したままで一方的に他人を批判出来るというポジションに立っていると考える人々が多く、それが過剰なバッシングや炎上騒動に結びついていると言う意見があって、その解消のためにもネット利用の実名義務化を推進しようなんて極論すらもありますけれども、基本的には先の実社会におけるケースと同様にルールというよりもマナーの問題ではないかなと言う気がします。
本人だけにそっと指摘してやればいいものを「あのおっさん社会の窓開けっ放しで歩いてるぞワッハッハ!」なんて大声で触れて回るのは言う方も恥ずかしいと感じるのが実社会における感覚だとすれば、今まで秘められたものはとにかく掘り尽くすまで掘り出さずにはいられないという態度で発展してきたネット社会もそろそろ一段階成熟し、時にはあえて突っ込まずに一歩引くということを覚えてもいい時期だとは思いますね。

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2013年9月 4日 (水)

医療のアクセス規制論 患者頼りのやり方はそろそろ限界?

紹介状なしで大病院にかかると余計なお金を取られるという選定療養加算も患者の大病院集中を防ぐシステムとしてすっかり定着してきた感がありますが、確かに導入によって特に時間外の不要不急の受診に対してそれなりの患者減少効果が認められているようです。
ただ基本的に幾ら加算を取るかは各施設の裁量に任されていることから、地方の公立病院などはスポンサーたる市民に配慮した議会の同意が得られなかったということなのか、そもそも加算を取っていなかったり到底実効性あるとも思えない金額に留まっているところもあるようで、少なくとも1000円程度の自己負担では患者行動は変化しないと言う意見が多いようですね。
そんな中で国はさらにこのシステムを強化すべく、全国大病院で一律1万円を加算することにしようと言い出しているようですが、まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

紹介状なしで大病院なら1万円 厚生労働省が改革方針(2013年8月31日税金と保険の情報サイト)

患者の集中を防ぐために

紹介状を持たずに大病院を受診した場合に徴収できる「初診時選定療養費」を一律1万円に設定する方針を厚生労働省が固めた。患者の集中を防ぎ、大病院が救急患者や重症患者の治療に専念できるようにするのが狙い。30日付けで日経新聞が報じた。

現在の平均は1998円

風邪など軽度の症状で、大病院を受診する人は多い。検査など二度手間になることを嫌うためだが、患者が集中する大病院では、人手をとられるため、本来治療すべき救急患者や重症患者の治療に専念できない、というジレンマが生じている。
この集中を防ぐため、大病院では紹介状を持たない患者に対して「初診時選定療養費」と呼ばれる負担金を課すことができる。大学病院等の特定機能病院については1988年から、200床以上の病院については1996から、この制度が導入された。
現在、全国に約2600ある200床以上の病院のうち、約1200の病院でこの負担金を徴収している。自由に設定できる負担金の金額は、平均が1998円。最高は北野病院(大阪府)の8400円となっている。
厚生労働省はこのたび、この負担金を一律1万円に定める方針を来年の通常国会にかける健康保険法改正案に盛り込むことを決めた。

紹介状費用との矛盾

軽症患者はまず「かかりつけ医」を受診した上で、必要があれば大病院を受診する流れを作るのが、初診時選定療養費をとる目的だ。経済的負担を避けるため、かかりつけ医に相談するようになる、という変化を意図しているわけだが、大きな間違いがある。
まず紹介状、正式には「診療情報提供書」をかかりつけ医に書いてもらうためには、費用がかかる。保険点数で250点と定められているため、3割負担の人なら750円必要だ。
これに病院への交通費や、二度手間になることなどを費用換算して加算すれば、初診時選定療養費の平均値である1998円など、簡単に超えてしまう。
1万円に改定することで、ようやく患者を分散する効力は現れるだろうが、なぜ最初から効力のある金額に設定しなかったのか。大いに疑問視される。

記事にもあります通り、選定療養加算で高いところでもだいたい5000円程度、全国最高値で8400円と言いますから一律1万円という金額設定がかなり破格だと言うことが容易に理解出来ますが、要するに紹介状なしでは大病院に受診してはいけないと言う実質的なフリーアクセス規制であると言うことですよね。
先日の社会補償制度改革国民会議の報告書でも「医療機能の分化と連携を推進すべき」だと謳われ、今までの「いつでも、好きなところで」医療を受けられたフリーアクセスについて疲弊する医療現場を守るためにも「必要なときに必要な医療にアクセスできる」ことへと変えていくべきだと明示されている、これもその同じ文脈上に出てきた施策であると理解出来そうです。
当然ながら日医などは「国民の基本的権利の侵害には断固反対する!」とこのフリーアクセス制限論に反対論を唱えてきたのですが、興味深いことに日経の調査では医師の9割、患者の8割がフリーアクセス制限に賛成しているという好対照な結果があって、コストやクオリティの悪化に比べればまだしもアクセス制限の方が受け入れられると考えている人々が圧倒的であるということですよね。
ただもちろんフリーアクセスを制限するとしてもその方法論には様々な考え方があるべきだと思いますが、一例としてつくば市でクリニックを開いている坂根みち子氏が今回の「1万円」案を批判してこういうことを書いています。

同日多科受診の診察料見直しをして医療の正常化を(2013年9月2日医療ガバナンス学会)

勤務医の過重労働が大きな問題となっている。
病院から診療所に患者の流れを変えるシステムを作らなくてはいけないということで、政府の社会保障制度改革国民会議は、「一般的な外来受診はかかりつけ 医、大病院の外来は紹介患者が中心というシステムの定着も図る。具体策として、紹介状のない患者による一定病床数以上の病院の外来受診について、一定の定 額自己負担を求めるような仕組みを検討すべき」とした。つまり具体策として、紹介状のない患者の入口のハードルを上げようと言っているだけで、ほぼ無策に 等しい。これだけでは患者の流れは変わらない。病院の問題の一つとして同日多科受診があるが、いったんゲートをくぐれば受診を抑制するものはなく言った者 勝ちで、病院での診療が既得権益化する
勤務医の過重労働解消が主眼ではなく医療費の節約しか考えていないからこんなお粗末な提言しか出てこないのだろう。

病院で同日多科受診した場合、診察料は2科目が半額になり3科目からはただとなる。2科目が半額とれるようになったのも、2012年の改定からで、それまでは何科専門医を受診しても受診料は1科しか取れなかった
ずいぶん専門医を馬鹿にした話だが、病院でしか働いたことにない医師は保険診療に疎く、多科受診や受診料に無頓着である。多くの医師は診察料さえ知らない。

多科受診になるには2つの理由がある。1つ目は、医師側の問題。患者から何らかの訴えがあった時、自分の専門外の疾患に関しては、些細なことでもリスク回避のために同じ病院内の専門科受診を勧めがちであること。患者数が増えてお互いの首を絞めている。
2つ目は患者側の問題。健康への不安が過剰診療を引き起こす。その場合患者側からすると1回に全部済ませたいので、なるべく同じ日に受診できるように希望 する。実際には同日多科受診のほうが安くなることを知っていて経済面からそれを希望する人も多い。時間はかかるが、病院のほうが安くてそれぞれの専門医に 診てもらえるのだから、専門医を必要とする科以外の疾患でもすべて同じ病院で診てもらおうということになる。
安価な医療は安易な受診を生む。

これを病院だろうが診療所だろうが、各科受診したらその分受診料はいただきます、という単純に平等なシステムにすればいいだけの話である。今まで同日なら 無料だったものが、各科受診するのにお金がかかるようになると、患者側もちょっと様子を見てからという流れが必ず出てくる。「安心」のための過剰診療にブ レーキがかかる。

支払い側の代表である健康保険組合連合会専務理事は、前回の改定会議にて「診療科は、病院の都合で分けているにすぎない。我々は複数科にかかっても『病院 を受診した』と思っているだけ。確かに大学病院の外来の伸び率は高く勤務医の負担は大きい。しかし、患者が大病院を受診するのは、複数の診療科があり、優 秀な医師がいるなどの理由から安心感を抱くからだろう。」と発言した。
本当に必要な受診かどうかは二の次で「安心」のための多科受診を容認しておきながらそこに発生する費用については認めないとは。語るに落ちる。

そもそも、外来診察料はたったの700円である。病院では専門医の診察が、1科目700円、2科目350円、3科目以降無料奉仕!! これをそれぞれの科 で支払うことにしても2科目を受診して1割負担の人なら、支払いが70円増えるだけである。どうしてこれは認められず、前回の改定では1回受診するごとに (高額医療費の相互扶助という名目で)100円の窓口定額負担は導入しようとしたのか。専門性に対するリスペクトが全く感じられない
これに対して、調剤薬局では薬剤師の技術料は薬剤の数に比例して加算され、一処方箋平均2000円となっている。
誰が考えてもおかしい。
(略)
診療所では再診時これに外来管理料が加算される。その代わりに基本的に何でもまとめて診るが、自分の手に余るものは他の診療所や病院を紹介する。患者に とっては、その度に初診料や再診料がかかるが、信頼関係ができていれば大抵納得していただける。現場感覚から言うと、病院に掛かる場合だけ診療所より安く なるという不可思議な特典を付与する必要はない。勤務医の負担軽減と逆行する。日本の医療制度はヨーロッパの国々と比べ患者の自己負担が大きいと患者の負 担が増えることに対しては反対する人たちがいるが、それとこれとはまた別問題である。
(略)
なによりも、急性期病院や高度機能病院は本当に必要な人のためにあるべきものである。必要な人が必要なときに受診できなくてはいけないところである。それ なのに現在は混んでいて必要な人のためになかなか予約が取れない。この状態を改善し、勤務医の過重労働を阻止できなければ、いざという時のセーフティネッ トの崩壊を食い止めることは出来ない。
(略)

実のところ現状でも開業医に一見さんの患者がやってきて「今度○○病院にかかりたいから紹介状を書いてくれ」と言ってくることは少なくないと思いますが、一見するとアクセス規制を行っているようで単に一手間余分にかければ抜け道があるというのでは、選定療養加算を引き下げるほど抜け道に逃げていく人が増えるだけにもなりかねませんよね(それはそれで開業医の手間賃が増えるという考え方もありますけれども)。
もちろんここで書かれている複数診療科同日受診の問題などもごく限定的な話ではないかと言う意見もありますが、とりあえず一度何とか大病院にかかっておけばゲートキーパー機能が働かなくなる制度設計というのは、かつて大病院による時間外救急の受け入れ制限が議論されていた頃に「とりあえず風邪でも何でもいいから一度大病院にかかっておけばかかりつけだと言い張れる」などと抜け道を言われていたのと同じ構図です。
厚労省としては診療報酬を安くすれば病院側は他科同日受診をさせないように動くだろうと言う考え方なのでしょうが、かつて病院の診察料を安くすれば患者を手放して開業医に送るだろうと考え料金格差を儲けて壮大に失敗したことと同様、ここには「どの施設を受診するかを選ぶのは患者である」という視点がすっぽり抜け落ちているような気はします。
患者側にも色々と言い分はありますが、あちらこちらと紹介されて出向かなくても一日で全部済んでしまう、しかもその方が安いということになれば誰だってそちらを選ぶのは当たり前というもので、そろそろ金銭的な抑制だけではなく制度的なアクセス規制も考えるべき時期ではないかという気がします。

医師ら現場の殺到する患者で死ぬような奴隷労働に従事していても経営者にはまた別の考え方があって、日本では医療のほとんどが民業ですから患者殺到で外来がパンクしかけている病院でも未だに患者を増やすにはどうしたらいいかなんてことが経営会議で議論されていたりもするものですが、そもそも高度医療を担うような医療機関については患者の自己判断で受診できるのがおかしいという考え方はあってしかるべきですよね。
先日は厚労相もかかりつけ医に許可をもらわなければ病院を受診できないイギリスのような強力なゲートキーパー導入は考えていないと言い、また施設毎の専門分化が徹底されていない日本の医療制度下で単に病床数等を基準に受診制限の対象にするというのも無理がありますけれども、少なくとも大学病院やナショナルセンタークラスの施設であれば「ご紹介のない一見さんお断り」で何ら差し支えない気がします。
ただ前述のように何故そうなっていないかと言えば経営的な理由も大きかった訳ですから、国が本当に医療崩壊への対策としてアクセス規制と言う道を選ぶのであればいつまでも患者の自主的な判断に頼るのではなく、御新規さん開拓に精出さなくても経営が成り立つ報酬体系に改めた上で制度としての受診制限に踏み込む必要も出てくるのかとも思いますね。

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2013年9月 3日 (火)

強まるブラック包囲網

最近流行りの言葉の一つに「ブラック企業」というものがあって、ちょうど今月1日から厚労省が全国のブラック企業4000社を対象に集中取り締まりをするそうですが、こうまで多数の企業が取り締まり対象になるともなればそもそもブラック企業とは何なのか?という疑問も湧いてきますよね。
ホワイト企業とブラック企業との境界線は非常に曖昧模糊としていてはっきりここからと言う断定は難しく、一方でちゃんとしたホワイト企業だと胸を張って入社できる人は全体の1%ほどに過ぎないという話もあるようですから大多数の人々は多かれ少なかれブラック企業的要素のある職場で働くことになる訳ですが、これだけ社会問題化してくると厳しいがまともな企業ほどブラック認定されないか戦々恐々とせざるを得ないでしょう。
実際に各方面でブラック企業に入社しない方法や安全確実に足抜けする方法と並んでブラック企業と認定されない方法が採り上げられるくらいですから、ひとたびブラック認定されてしまうと社員採用や取引先との関係においても影響無しとしないのでしょうが、少なくとも被雇用者側の視点で見ると相当に高い比率でブラック企業が存在しているということになりそうな調査結果が出ていました。

「自分の会社をブラック企業だと思う」会社員は3割--理由は"パワハラ""うつ病"(2013年8月29日マイナビニュース)

リビジェンは29日、全国の社会人男女を対象に実施した「ブラック企業」に関する調査の結果を発表した。それによると、「自分自身が所属する会社をブラック企業だと思う」と回答した人は約3割に上った

同調査は、2013年8月27日にインターネット上(スマートフォン)にて行われ、スマートサーベイモニター会員の男女500人から有効回答を得た。

まず、自分自身が所属している会社のことをブラック企業だと思うかと尋ねたところ、「非常に思う」が9.2%、「やや思う」が20.6%となり、合わせて約3割の29.8%が自分自身が所属する会社をブラック企業だと考えていることがわかった。それに対して、「あまり思わない」は22.8%、「全く思わない」は28.4%、「どちらともいえない」は19%となった。

「非常に思う」「やや思う」と回答した人に、その理由を聞いてみると、「自社の製品を強制的に買わせる」「パワハラ」「6時出勤、23時退社(残業代はつかない)」「昨年の年間休日50日」「うつ病の社員が何人かでているから」「上司が同僚を電卓で殴って怪我をさせたにも関わらずその上司を会社は守り、同僚は心を病んで退社」など、様々な意見が寄せられた。

将来の私生活に対し不安を抱えているかとの問いに対しては、「非常に不安である」が25.2%、「やや不安である」が43%となり、7割近い68.2%が将来に対して不安を感じていることが判明。反対に「あまり不安ではない」は11.6%、「全く不安ではない」は2.4%で、不安が少ない、または抱えていない人は14.0%にとどまった。「どちらともいえない」は17.8%だった。

今後、転職を考えているかと質問したところ、「とても考えている」が21.4%、「多少は考えている」が27.2%と、約半数の48.6%が転職を考えていた。一方、「あまり考えていない」は17.4%、「全く考えていない」は16.6%、「どちらともいえない」は17.4%となった。

先日も取り上げましたように「ブラックかどうかなんて、人それぞれ」と言い、ブラック企業からも学べることがあるという一つのスタンスがある一方で、世の中には労基法など労働関連法規の数々がはっきりと存在しているのですから、少なくとも常習的にそれらを無視することを強いるような企業は間違いなくブラックだと言って良さそうに思います。
ただここで注意していただきたいのは相当に多くの労働者が職場をブラックだとしている理由で、自社製品の押しつけや残業代無しなどはともかくパワハラなどはどちらかと言えば上司個人の資質によるところが大で、それを会社として容認しているかどうかが重要ではないかと思いますね。
その意味ではブラック企業になりたくない各社はブラックかどうかよりも、ブラックと受け取られかねない業務実態に対してどう対処するべきかが重要であって、平たく言えば社員のモラル(士気)を高い水準に維持出来ていれば多少の無理や無茶も許容されるんじゃないかと言うことです。

医療の世界では長年当たり前にブラックな慣習が行われていることがあまりに常態化し過ぎていて、ネットの発達によって異業種の方々と普通に交流出来る時代になって初めて「あれ?俺たちの業界って何か変じゃね?」と気付く医者が続出し、ひいてはそれが立ち去り型サポタージュだの医療崩壊だのと呼ばれる社会現象の引き金になったのではないかという声もあるようです。
いまだに全国ほとんどの病院が採用している「日勤-当直(と言う名の夜勤)-日勤」という30数時間連続勤務の態勢も法令違反云々以前にそんなことをやっていたのでは患者さまのお命をお預かりするに足るパフォーマンスを発揮出来ないのは明らかなのですから、黙ってそれに甘んじていると言うのは専門職としての責任放棄と言われかねないと言う考え方が次第に力を得てきているということですよね。
興味深いのは医師など高い学歴キャリアを持ち平均知的水準も高いだろうと思われる方々が長年漫然と搾取され続けてきたという事実ですが、先日も紹介したように有名大学が講師を使い潰しているという実態もあるように高学歴だからブラックから逃れられるというものでもなく、ブラック企業とは無知な人々をうまく騙して搾取しているという単純な図式だとは必ずしも言えないようです。
それだけ創意工夫をこらして立ち回っているくらいですから従業員に対してのみならず取引先に対してもそれなりの態度でやっているのだろうなと想像出来るのですが、他ならぬ学閥の頂点たる大学病院でこんな恥ずかしい事実が明るみに出たとニュースになっていたのを紹介してみましょう。

「琉大病院 早期支払いを」業者異例の要求(2013年8月30日沖縄タイムス)

 琉球大学付属病院(村山貞之院長)への医療材料の納入をめぐり、県内13社でつくる県医療機器協会(泰一会長)が、納品済み商品に多額の未払いがあるとして、早期支払いを求める文書を院長と学長宛てに送付していたことが29日までに分かった。本年度に着手した経費削減の値下げ交渉が背景にあるが、業者団体による要求文書は異例。琉大病院は到着数日後には全業者と妥結したことを強調した上で「信頼関係で交渉を進め了解していたと認識していたので驚いている」としている。

 医療材料は注射器や注射針、カテーテルなど。4月から積み重なった支払いの遅れは8月中旬で少なくとも約5億円だった。対象全15社との妥結を受けて今月中に約2・9億円、その後も支払いは進められることになるが、業者側の不満はくすぶったままだ。

 協会側代理人は「経済的な圧迫に耐えられずやむなく契約した社もある。独占禁止法の優越的地位を利用した支払い遅延や減額に抵触する可能性がある」と指摘。値下げ交渉自体は否定していないが、その手法の見直しを求めている。

 4月から8月上旬までの納品済み商品の未払い額は協会主張で「少なくとも6億8千万円」。一方、琉大病院によると、未払い額は20日現在で約5億円、双方が納得した交渉範囲内との見方だ。

 協会側は、送付文書で業者間の足並みをそろえるまでは、値下げに従うと認めた業者への支払いも実行されなかった、とも主張する。これに琉大病院は真っ向否定しており、双方の主張が食い違っている

 琉大病院は本年度から仕入れ値削減に着手した。医療材料の値下げ率は全国の国立病院で下から5番目と低く、今回の削減を実行しても全国平均を下回るとして削減の必要性を強調する。村山院長は「大学病院は独立採算。高度な医療を保つために削減に協力いただきたいと4月からお願いしてきた」と説明。一方で「時間がかかり支払いが滞ってしまった。小さな会社に負担になったことは反省している」と話している。(溝井洋輔)

あしき慣行再現

 医療ジャーナリスト田辺功さんの話 値段を決めず、先に納品し後で交渉することは全国的にも20年ほど前は当たり前に行われていたが徐々に減ってきた。力関係によって業者は支払いを延ばされると値引かざるを得ない。業者不利のあしき商取引の再現と言えるのではないか。

資材を納入させておいて払わない、もっと安くしろなどと無理難題を吹っかけるのも真っ当なやり方ではありませんが、医療業界の場合特に世間が狭く地域の医療機関と脳入業者との関係が密接ですから、大学病院のように高い材料をバンバン納入させる「お得意様」との関係を切られるというのは、特に中小業者にとっては死活問題なのは当然です。
元々狭い業界内のことですから多少のことはなあなあで済ませているところがあって、支払いが遅れるといったことも大概は黙って待ってくれるものなのですけれども、それが業界団体として抗議してくるというのはどれほど酷いことをやっているのかと言う話で、しかも「信頼関係で交渉を進め了解していたと認識していたので驚いている」とはいわゆる「病識がない」状態でしょうか。
業者側には粛々と法令に則って正当な債権の行使をしていただきたいと思いますけれども、恐らく今まで個別にこうした問題を起こしていたケースは琉球大に限らず全国数多あったはずで、ただ今回たまたまあまりに酷すぎると業者団体が抗議したということでニュースバリューが出てきたということでしょう。

医療機材や薬品の仕入れ値というものは確かに交渉次第というところもあり、また国公立病院などは施設の病床当たり建設単価も民間病院の2倍と言うほど漫然と言い値で取引してきたと言う歴史があって、このところの独法化でようやくその辺りがまともな交渉の対象となってきたという部分は確かにあります。
しかしそうであるならきちんと交渉するなり入札するなりで合意に達した上で契約を結ぶべきで、脳入はさせたがこちらの言い値でしか支払わないではどんなヤ○ザ者の論理かと言うことですから、万一同様の不法な取引で脳入コスト引き上げを図っている施設があれば今回の騒動を他山の石として改めていただきたいですね。
こうした業者との不公正な取引をしている大学がスタッフである医師達とどの程度公正な雇用契約を結んでいるのかと言うことですが、結局のところ不当な契約を強要してくる相手に対してはきちんと主張しなければそれを助長するだけに終わるということなのでしょうか。

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2013年9月 2日 (月)

医療費削減政策ふたたび?!

予算の概算要求が史上最大規模だと言い、この調子ですと消費税をいくら上げようが全部右から左へ使い果たしてしまうんじゃないかと言う懸念の声もありますけれども、その中で特に大きな比率を占めている医療費の分野では何となく増税分が主にこちらに回ってくるのかなという妙なゆとりも感じられるところですよね。
もちろん社会保障費増大に対応するために消費税を引き上げなければならないという文脈で話を進めてきた側面がありますから、それなりの部分は医療他の社会保障に回ってくるのも確かなのでしょうが、だからといって医療費を聖域化しないと言うことなのでしょうか、久しぶりに「医療費削減政策」が叫ばれているとニュースになっています。

医療・介護費 5兆円削減 習慣病予防を推進(2013年8月30日東京新聞)

 田村憲久厚生労働相は三十日午前の記者会見で、二〇二五年度に八十三兆円に達すると見込まれる医療・介護費に関し、介護の予防や健康づくり対策の推進により、五兆円規模での削減を目指す計画を発表した。

 医療・介護費は一一年度で約四十八兆円。厚労省は「団塊の世代」が七十五歳以上となる二五年度には、今より約三十五兆円増えると推計している。そのうち五兆円を、介護や医療にかかる人を減らすことで抑制する計画。財政が厳しい医療、介護保険の負担を軽くする狙いだ。ただ、既に取り組んできた施策が多く削減効果は未知数だ。

 医療では(1)糖尿病の重症化予防やメタボリック症候群対策などの生活習慣病予防や禁煙指導の強化などで二兆四千億円強(2)後発医薬品(ジェネリック)の使用促進で約一兆円(3)重複受診などの防止で約一千億円-の削減を見込んでいる。

 介護では、重症化すると治療が難しい認知症の早期発見・支援体制の強化や高齢者の肺炎予防対策で約九千億円の抑制を目指す。

 また介護や医療のデータを効果的に活用できる態勢づくりを進め、自治体などが効率的に介護予防・保健支援事業を展開できるようにすることで約六千億円を圧縮する。

レセプト活用などで医療・介護費5兆円削減-厚労省、予防・健康管理推進の概要(2013年8月30日CBニュース)

 厚生労働省は30日、「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に関する取り組みの概要を公表した。高齢者の介護予防や現役世代の健康づくり対策などを推進し、5兆円規模の医療・介護費の削減効果を目指すというものだ。

 取り組みの概要では、高齢者の介護予防として、各自治体が地域の実情に応じて効果的な介護予防や保健事業を行えるよう、地域単位で医療・介護情報の「見える化」を推進する。また、認知症の人が住み慣れた環境で暮らし続けられるよう早期の支援体制を構築。高齢者の肺炎予防の推進や、高齢者と地域ニーズのマッチングの仕組み整備の支援なども行っていく。

 現役世代に対しては、▽医療保険者のレセプト・健診情報を活用したデータヘルス▽特定健診・特定保健指導などを通じた生活習慣病予防▽禁煙希望者を支援するたばこ対策―を推進し、3つの取り組みで約2兆4000億円の医療費削減効果を目指すという。そのほか、がん検診の受診率向上による早期発見や、こころの健康づくり、妊産婦や乳幼児期からの健康づくりも行う。

 一方、後発医薬品の使用促進や、ICT活用による重複受診・検査の防止にも力を入れ、医療資源の有効活用を図っていくという。

 同日の閣議後の記者会見で田村憲久厚労相は、今回示した予防・健康管理の取り組みにより、「5兆円規模の医療費、介護費の削減効果を目標としている」と述べた。併せて最大の目的は医療費削減ではなく、病気や重症化の予防であることも強調した。

 また、予防・健康管理の推進で国民が幸せになるだけでなく、医療資源の効率使用により医療機関に利益をもたらし、医療費財源の削減で国の財政負担も減ることを説明し、「厚生労働省として非常にやりがいのある仕事になる」と意気込みを示した。

 厚労省は省内で横断的に検討するための「健康づくり推進本部」を9月中に設置し、本部長に田村厚労相が就任する予定。【松村秀士】

しかしどれもこれも以前から懸案となっているものばかりという気がしますけれども、何故それが進まなかったかと言えば初期導入コストがかなりかかりそうな施策もかなりあるわけで、そのコストを誰がどう負担するのかということも今後改めて議論になるのでしょうね。
それはともかく、数年前まで強力に推進されてきた医療費削減政策と言えば、診療報酬の切り下げによって医療機関を締め上げ強制的に医療費削減を目指すというもので、おかげで医療崩壊などと世間でもすっかり医療業界の荒廃が知れ渡るようになった結果ようやく撤回されたという経緯があります。
今回言うところの医療費削減とはこれとはいささか方向性を意にしていて、医療の効率化を推進するとともに無駄を省くことによって医療費の削減を目指すというものですから、一見するとかつて行われたそれとは違って医療機関への直接的なダメージはないようにも思えますが、実のところ医療費総額が減るのですから最終的な医療機関の取り分もまた減ってしまうという計算が容易になり立つわけですよね。
これに対する代替収入の道としてメタボ検診や保健指導といった、保険診療の範疇から外れる予防医療にリソースを投じることで診療報酬以外の収入を確保すればいいじゃないかと言うことなのでしょうが、すでに全国労働者にメタボ検診が義務化されるなど一通りの需要喚起は行われてきた訳ですから、今後は未受診者を拾い上げ検診を受けさせるという地道な作業によってパイを大きくするしかないのでしょうか。

このメタボ検診なるものも元々は早期発見早期治療が医療費を抑制するという、どこかの団体が長年主張してきたような理屈に基づいて行われてきたものであって、コストも手間もかかっても将来的には医療費がそれ以上に抑制できるという皮算用に基づいて行われてきた訳ですが、実のところ当初から「かえって患者を掘り出し医療費を増加させるのではないか?」と懸念されてきたところですよね。
仮に国の言うように健康に過ごせる期間が延び長生き出来るようになったとしても、有病高齢者にかかる介護等のコストを単に何年か先送りするだけになる可能性もありますし、今までであれば「見つかった時には手の施しようがなく…」短期間で亡くなっていた方々も早期発見によって長い闘病生活を送るようになれば、むしろ医療費は増えるんじゃないかという懸念すら指摘されています。
それ以上に気になっているのがそもそも検診を受けない人々とはどのような人なのかということで、平素から健康に関心があり自ら努力して健康になろうとしているような方々が検診を忌避する可能性よりも、普段から健康のことなど二の次三の次、不健康な生活だと判っちゃいるけどやめられないと言うタイプの方が未受診者に多いんじゃないかと言う可能性があるということです。
特に特定健診になってから単に受けるだけでは駄目で、受けた結果異常があればそれを改善していかなければ会社側にペナルティがあると言うことでひどくうるさく言われることが増えていると思いますが、実は企業側としてはちゃんと検診受診の機会を提供したのに社員が自主的に受けなかったという場合には直接のペナルティがないのですから、表向きはともかく自主的未受診は願ったりかなったりという側面もあるかも知れません。

実際のところ特定健診の強力な推進によって医療費が増えるのか減るのかということはもう少し年月が経ってみなければ判りませんけれども、国としては医療および関連産業にどれだけのコストがかかろうが公的な支出が減らせればそれでよい訳ですから、保険診療外で行われる部分が大きくなり保険診療の一部なりとも代替できればこれにこしたことはないということになるのでしょう。
今まで何となく体調が悪いという人が病院を受診すれば、全身を一通り調べて「いやあ、特に異常ありませんよ。ただちょっと血圧が高いようですから薬を飲んでみますか」と言うことが普通に行われてきましたが、そうするために医師は沢山の保険病名をつけて保険診療にしてしまうことで患者の自己負担分を減らす努力をしてきた、しかし保険者側からすれば余計な検査ばかりして支出を増やしやがって…と言うことにもなりますよね。
今後はこうしたケースではまずは検診なりドックなりを受診していただく、そして引っかかったところだけを保険診療で行うという方向になっていくのかも知れませんが、そういう拾い上げ目的で見ると今の検診項目はいわゆる生活習慣病に偏りすぎているところがありますから、今後どのような項目がスクリーニングとして妥当なのかという議論ももう少しあっていいんじゃないかという気がします。

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2013年9月 1日 (日)

今日のぐり:「菊寿し」

最近とあるゲームが人気なんだそうですが、思わぬところでこのブームが話題になっているようです。

艦これ効果? 空母を検索したら美女だらけ! 日本人擬人化好きの理由(2013年8月28日ダ・ヴィンチ電子ナビ)

 日本人はどうしてここまで擬人化好きなのか?そんな疑問がわき起こった原因となったのは、あるユーザーのTwitterでのつぶやきだった。

 「Skypeでアメリカ人から『日本の空母画像を検索してるんだが、なんで美少女ばかり出てくるんだ!?』と追求されてるなう」(原文ママ)

 これは、軍艦の名前で画像検索を行うと、日本海軍の軍艦を擬人化した女性キャラ 「艦娘(かんむす)」が登場するシミュレーションゲーム『艦隊これくしょん』の画像が並んでしまう現象だ。この擬人化キャラ達の人気は非常に高く、2013年9月14日にはついにアンソロジーコミック『艦隊これくしょん -艦これ- アンソロジーコミック 横須賀鎮守府編(1)』(エンターブレイン)が発売される。だが、そんなことなど知らないアメリカ人には青天の霹靂。「なぜ空母の名前で検索すると、美少女が登場するの?」という疑問は至極当然のものだろう。

 ネット住民たちはこの事件を「日本人が軍艦ですら萌えキャラ化している変態であることがばれてしまう…」と騒ぎ立てたが、思い起こせば、日本は擬人化大国。どうして日本はこんなにも擬人化大国になったのだろうか?

 擬人化の歴史や主なキャラクターを解説した『擬人化たん白書』(アスペクト)によれば、日本における「擬人化」の歴史はかなり古い。奈良時代に書かれた歴史書『日本書紀』や『古事記』では神仏や自然が擬人化されたという。キリスト教など一つの神を絶対視する宗教を持つ国々では複数の神を擬人視することに対し否定的だったため、擬人化文化はさほど発展しなかった。しかし、日本の文化的背景には「八百万の神」と言われるようにアニミズム的な思想的背景があった。そのため、日本では神仏始めとして擬人化文化が発展を遂げ、平安末期には「鳥獣戯画」で動物が絵として擬人化され、江戸時代の草双紙『心学早染草』では、人の心の善悪まで善玉・悪玉として擬人化されたようだ。そして、20世紀末から現在にかけては何でもかんでも美少女にしてしまう一大ブームが起きている。

 この美少女への擬人化ブームにはインターネットの普及、個人のCG技術の向上が大きな背景としてあげられるらしい。初期のブームはPCマニアを中心として起きたという。擬人化ブーム前夜の1990年代末期~2000年代にかけてインターネットでは「カードキャプターさくら」 (1998年4月~2000年3/NHK衛星第2テレビ)等で美少女キャラブームが起きていたことも影響したようだ。世の中は美少女キャラに飢えていたのだ。1998年にアップルのパソコンiMacを擬人化した「iMac Girl」が「TOYBOXARTS」の冬威氏によって公開されたのを皮切りに、プログラミング言語やハードウェアなど、コンピュータに詳しい人ほど、擬人化という遊びを楽しみ始めた。

 それが次第に一般の人にも広がり、2000年以降「コンビーフたん」「ハバネロたん」「カロリーメイトたん」など、食べ物の美少女への擬人化が進む。2004年になると、2ちゃんねるのスレッドで盛んに話題になり、擬人化は何でもありとなって、ついに企業やお役所を巻き込んでいった。

 新幹線たんやコンビニたん、文房具たん、元素たん、飛行機たん、検索サイトたん…。世界に溢れる全てのものを何でもかんでも萌えキャラにしてしまう日本は妄想力溢れたヘンタイ大国だ。ああ、こうしている間にも可愛い美少女は今日も何処かで生まれている。これからどんな萌えキャラが生まれるのだろう。日本はこれからどこに向かっていくのだろう。この愛すべき文化こそ、日本の原動力に違いない。

そもそも八百万の神など擬人化そのものですし、日本人は何にでも人格性を付与してしまう伝統があるということなのかも知れませんが、最近では例の「ひのもとおにこ」運動などは非常に効果的な萌えキャラ化の成功例ではないかと思います。
今日は困惑しきりのアメリカ人の理解を助ける意味でも、世界中からすっかりなり切ってしまっている方々のニュースを取り上げてみることにしますが、まずは某有名キャラのつぶやきが大きな話題になっているというニュースです。

マイメロディ 「『びはく』ってどうすればいいの??」ツイートにツッコミ多数 (2013年8月28日Aol News)

サンリオの人気キャラクター・マイメロディのツイートが物議を醸している。
マイメロディは、ウサギを赤ずきん風に擬人化したキャラクターで、白い身体と顔にピンクの頭巾を被った格好となっており、国内外で人気があるサンリオを代表するキャラクター。
そんなマイメロディは28日、Twitterで

「おはよう♪ 『びはく』ってどうすればいいの??」

と投稿。これに対し、Twitterユーザーは

「いや、もう真っ白やん」
「まいめろちゃんは充分美白だよね」
「『お前真っ白じゃねーか!!』と、瞬時に突っ込みたい♪」
「これ以上しろくなりたいの?」
「マイメロ真っ白の癖に美白とか ぐーで殴られても致し方ない」

と鋭いツッコミが入ると同時に、

「嫌味か?嫌味か?」

という声も。その他、具体的な方法として

「洗濯機ってゅー機械に入って、くるくる回れば、簡単に美白になるょ( ,,-` 。´-)」

というアドバイスのほか、美白といえば最近、カネボウ化粧品が販売した一部の美白化粧品を使用すると、肌がまだらに白くなる被害が多数報告され、該当商品の自主回収と治療費の補償問題が話題になっているだけに、

「カネ○ウ化粧品を使えば確実に美白。但しちょっとマダラになるけどね」

といった回答も...。なお、マイメロディはその後、「あのね、こっちをぬったあと、あっちをパフパフってするんだって♪」と、メイクグッズを紹介しており、美白についてはこの"前フリ"だったようだ。

まあウサギも毛は白いですが地肌はピンクですから、そこらあたりも根本的に美白を目指すというのもまた一興かとも思いますけれども、中の人もなかなかに…ねえ…
これまた今大いに人気のアレですけれども、何やら人外の何かになりきってしまっている方がいると話題になっています。

じぇじぇ!  「あまちゃん」OPを口だけで演奏する動画がすごいでがす(2013年8月21日ねとらば)

 NHKで放送中の人気ドラマ「あまちゃん」のオープニング曲を1人で口だけで演奏する動画が秀逸です。ヒューマンビートボクサー・DAICHIさんが数々の楽器パートを個別に口で表現して、1つに重ねたものですが、クオリティの高さに驚かされます。

Human Orchestra/口だけであまちゃんOPテーマ

 ライブでは総勢15人ほどのビッグバンドで演奏される曲。動画ではホーン、笛、鍵盤、ドラムなどいろんな音を口だけで再現していきます。軽快なリズムと陽気なメロディは毎朝聴くおなじみのもの。途中で小刻みに叩くパーカッション部分も完璧だったり、アレンジで織り交ぜてくるDJ風の音が「あまちゃん」に聴こえたりするなど、ファンには楽しすぎる1人オーケストラとなっています。これ全部、口なのか……。

 DAICHIさんはYouTubeチャンネルでさまざまなビートボックス動画を公開中。アニメ「進撃の巨人」のオープニング曲も口だけで演奏しているので、こちらも合わせてじぇじぇっとお楽しみください。

口だけで進撃の巨人OPテーマ/Attack on Titan OP Theme cover

まあ何なのでしょう、こういうものも今日的音楽表現の一つと言えますが、ボーカロイドにしてもそうですけれども技術的進歩によってどんどん表現の幅が広がっていくのは大変なことですね。
こちら趣味でなり切っていることは重々承知なんですが、どうしてもそこに何かしらの属性を見てしまうというのは人間の悪癖でしょうか。

【美談】「大人になったらカーペットになりたい!」と願った少年は人に踏みつけられる『人間カーペット』へと成長したのであった(2013年8月28日ロケットニュース24)

皆さんは子どもの頃、夢を抱いていただろうか? 大人になったらプロサッカーで活躍したい! 宇宙飛行士になりたい! 誰もが何かの夢を持っていたはずである。

・15年間プロの「人間カーペット」として活躍
今回紹介するのは、そんな幼少期の夢を、叶えた男の話。ニューヨーク在住のジョルジオさん(52歳)は、誰もが子どもの頃に夢を思い描いたのと同じように、「将来カーペットになりたい」と思っていた。今から15年前に、彼はプロの「人間カーペット」として活躍し、いろいろな人に踏みつけられているのである。

・母からの忠告
ニューヨーク州マルタで育った彼は、幼い頃からネコに踏みつけられるのが大好きな少年だった。奇妙な遊びをしているジョルジオさんを見た彼の母は、「ジョルジオ、あなたは大人になったら、きっと困ったことに遭遇することになるわよ」と忠告した。しかし彼のカーペットになりたいという夢は、とどまることを知らず、今から15年前にプロの「人間カーペット」として活躍するようになった。

・週2~3回依頼を受ける
今ではニューヨークのパーティーシーンで、彼を知らない人はいないと言われるほど有名になった。実はあのレディー・ガガも彼の「人間カーペット」に乗っかったことがあるそうだ。最高で185キロの巨漢にも、踏みつけられたことがある。週に2~3回、「人間カーペット」の依頼を受けて、パーティ会場に足を運んでいるのだとか。母の注目に反して、彼はカーペットとしての人生を謳歌してるのである。

・金だけが欲しい訳ではない
彼は一回のオーダーで200ドル(約2万円)を稼いでいる。週に2~3回のオーダーとなると、月間で10万円以上を稼いでいることになる。しかし彼は、金が欲しいだけでカーペットをしている訳ではない。彼にとっての本当の喜びとは、踏まれることにほかならないのだ。踏まれることこそが、彼の本望であり、そのおまけとしてお金をもらっていると言って良いだろう。とにかく彼は普段の生活(セラピスト)とカーペットの生活、この二つを楽しんでいる。

・たとえ12時間でもカーペットに徹す
踏まれることが喜びとはいえ、時には大変なこともある。あるパーティーのときにはたった1回の休憩で12時間カーペットに徹していたそうだ。またあるときには、熱狂的なパーティ客が3時間も彼の上で踊り続けたこともあるという。しかし金をもらう以上はプロだ。彼はプロの「人間カーペット」として、カーペットであることをひたむきに貫いている。

・宿敵(とも)、ケビン・カーペット
ちなみにニューヨークには、彼のライバルがいる。残念ながら、彼だけが「人間カーペット」ではない。彼の宿敵、ケビン・カーペットさんもまたニューヨークで活躍しているのである。二人はライバル関係にある。だが、おそらく二人の心のなかには相通じるものがあるに違いない。宿敵ではあるが、「盟友(とも)」と言って良いだろう。

とにかく幼き日に思い描いたジョルジオさんの夢は、今まさに開花して、ニューヨークのパーティーシーンの顔となりつつある。「誰でも諦めなければ夢は叶う」、彼が人々に踏みつけられる姿に、そんな言葉が浮かんでくるようだ。ジョルジオさんのこれからの活躍に注目だ!!

The Human Carpet Loves To Be Stepped On

母親ももう少し強く警告すべきだったかと思うところなのですけれども、しかしこうしたものにもきちんと需要があるというのはさすがニューヨークですよね。
こちらも何かになり切ろうとしている方々なのでしょうが、いったい何の意味があるのかとついつい考えてしまってはいけないのでしょうね…

あれ、似合ってる…スイカを最高に着こなした人々の写真18枚(2013年8月21日らばQ)

夏の果物と言えばスイカ。

見ただけでも涼しく感じるほどですが、その巨大な皮をただ捨てるだけではもったいありません。

スイカの皮を着こなした人々の写真をご紹介します。
(略)
見てるだけでも楽しいスイカコスチュームですが、やはり暑い日は甘くて冷たい中身の方を食べたいところですね。

詳細はリンク先の画像を参照いただくとして、しかし皆さん妙にいい笑顔で映っていらっしゃるのが印象的ではありますね。
多くが小児期に経験し一部の大人達にとって何やら微妙な響きを持つというアレが合法的に達成出来そうだという、こちらなり切りレストランの話題を紹介しましょう。

「病院」をイメージしたテーマレストラン「Hospitalis」 (2013年8月14日えん食べ)

ラトビアの首都リーガに、かつて、病院をイメージしたテーマレストラン「Hospitalis」が存在していました。そのレストランがまだ存在していた頃の様子を、英国メディア The Telegraph が伝えています。
Hospitalis は、他に例を見ないほど細かいところにまでこだわって設計されたテーマレストラン。客は医療器具に囲まれながら手術台で食事をとり、店員は手術着やナース服を着用して接客していました。
食事は膿盆や医療トレーにのせられ、飲み物は試験管やビーカーに注がれて提供されます。ナイフやフォークは、メスやクーパー(手術用ハサミ)などで置き換えられていますが、これら医療器具は、すべて病院、もしくはラトビアの医学歴史博物館から提供された「本物」だったそう。
メニューにもなかなか手ごわいものが多く、前菜として、本物の舌、鼻、指、耳などに良く似た何か(何かは不明)がトッピングされたものが提供されていました。
さらに本格的な病院気分を望む顧客は、患者となり、拘束衣を着用して、ナース服を着た店員に食べさせてもらうことも可能でした。う~ん、何のプレイだ、それ?

レストランディレクターの Marita Bundule 氏は、このレストランのコンセプトについて、次のように説明していました。
「Hospitalis は、病院が様々な種類の痛みを伴う治療が行われる場所だという、一般的な思い込みを覆す場所だ。普通ならびくびくして過ごす場所で、微笑みながらおいしい食事をとるという経験ができる」
Hospitalis は最近になって、複数の米国メディアで取り上げられ、ちょっとした話題になっています。Hospitalis を紹介しているメディアのコメント欄には次の投稿があります。

■肯定的なコメント
「ナースって、いいね」
「トイレが気に入った。こんなトイレが欲しい」

■否定的なコメント
「気持ち悪い!食欲をなくして、減量したいなら、ここは良い場所かも!」
「入院していたとき、食事がまずかったので、病院を抜け出してレストランに行った。病院に食事をとりに行くなんて、馬鹿げている」

さてこのレストラン、残念ながら閉店したそうです。理由は、
「衛生基準をクリアできなかったから」
これは、厳しい理由です。病院をテーマにしたレストランが衛生基準をクリアできなかったというのは、シャレになりません。"病院送り"になった人がいないことを祈るばかりです。
(略)

詳細はこれまたリンク先を参照いただくとして、しかしこれは一部の方々にとってある種根源的なアレをナニする素晴らしいレストランと言っても過言ではないでしょうね?
一人暮らしの哀愁ということが昨今取り上げられることも多いのですが、こちら一人暮らしでも賑やかにとやってみたところむしろ…と話題になっている一枚の写真があります。

なぜか人気を呼んでいた「ひとり暮らしをしてるけど、バーベキューをしたみたよ」という写真(2013年7月14日らばQ)

夏の定番と言えばキャンプにバーベキュー。

欧米では天気が良いと、どこかへ出かけなくても庭でバーベキューをする人が増えます。

バーベキュー好きにはたまらない季節ですが、ひとり暮らしだったら? 小食だったら?

そんな人がバーベキューをしたときの様子が、海外サイトで注目を集めていました。
(略)

あれ、おかしいな…花粉症の季節でもないのに何故か目から鼻水が…不詳管理人はこれ以上の引用を続けることが出来ないようですので、申し訳ありませんがあとは元記事を参照いただきたいと思います…
気を取り直して最後に取り上げますのはご存知ブリからのニュースですが、彼の地の紳士達は一体何をやりたいのでしょうかね?

走る力士がいっぱい!ロンドンでチャリティーマラソン(2013年7月29日AFP)

英ロンドン(London)市内のバターシー・パーク(Battersea Park)で28日、力士に扮(ふん)して走るチャリティーマラソン大会「スモウ・ラン(The Sumo Run)」が開催された。

大会参加者は空気を注入すると膨張する「スモウ・スーツ」を着用し、同公園の周辺5キロを走った。

以前にこの大会は、「スモウ・スーツ」を着用した人が世界で最も集まったイベントとしてギネス世界記録(Guinness World Records)に登録されている。

こんなことにもギネス記録が存在することに驚きますけれども、その詳細はリンク先の画像の数々を是非とも参照いただきたいと思います。
それにしても遠くロンドンにもこれだけの愛好者がいるのですから、相撲の国際化ももう少し進みそうな気がするのですがどうなんでしょうね?

今日のぐり:「菊寿し」

倉敷の駅前通りから少し路地を入ったところにあるこちらのお店は一見さんには判りにくい立地ですが、倉敷界隈でまともな寿司を食べられる店は?と言えばまず名前が挙がってくる店でもあります。
こちらの隠れた長所として夜遅くまでやっていると言うことがあって、夜中に突然寿司を食べたくなった時にも応需というのはたまにありがたいという局面もあるかと思いますが、まあ常識的に考えると飲み屋の流れ客などを狙ってと言うことなのでしょうかね。
その分あまり食べないと言う人も多いのでしょうけれども、今回は全くの空腹の状態からスタートして適当にお任せで見繕ってもらいました。

さて、最初に出てくるのがおつくりなんですが、ちなみにこちらの場合カウンターにネタを並べてくれるスタイルのため、よくある一皿に盛り込んでいるものと違って総量が把握しにくいのですがかなり沢山出てきた気がすます。
どれもきちんと熟成加減のいいネタばかりでおいしくいただけたのですが、中でも安ネタの代表格とされるイカが抜群にうまいですし、夏場のお約束のハモの梅肉も骨切りがいいこともあって身のジューシーさが引き立ちますよね。
土瓶蒸しはこの時期のお楽しみの一つですけれども、汁の味がしっかりうまいのはいいんですが具材に関しては全体に火を通しすぎていると言う感じがありますかね。
握りはこれもいろいろと出てきて結構食べたという気がしますが、特に気に入ったのが夏が旬だという瀬戸内のウニで、そもそも瀬戸内産は初めて食べたのですがこれが抜群に甘くてうまい、いわゆるミョウバン臭さなどカケラもない純粋なウニのおいしさだけが楽しめる一品でした。
トロはさすがに口の中でさらりと溶けて消える本物で脂の強さに負けないマグロの味が楽しめますが、しかしマグロと言えば時節柄あまり食べられなくなってきましたがたまに食べるとやはりうまいですよね。
トリガイは安い店ではくちゃくちゃするだけで食えたものじゃありませんが、こちらは食感と味のバランスがいいので甘い貝の身の味が最後まで楽しめますし、これまた悪い店ではよく食感だけのものが出てくることも多いエンガワもそのまま塩でいただくというスタイルで、もちろん味もしっかり楽しめるのは言うまでもありません。
この辺りでよく獲れるというシャコも昨今まずいものが多くすっかり食べることもなくなったエビなどよりもよほど安定してうまいと思いますが、ただウナギは皮や身の具合を見ても素材は悪くなさそうなのに焼きでかなりイメージを損していますし、冷蔵保存のせいもあって香ばしさもすっかり抜けてしまっていて、やはりこの辺りは専門店で楽しんだ方が幸せになれそうですね。
これまた回転などでも定番のネギトロの細巻きですが、さすがにトロ部分はうまいのですが巻きがいささか強すぎるのと、持ち帰りならともかくこうして食べる分にはこの海苔は少しほどけにくいのがマイナスでしょうか。
ちなみに締めにいただいた玉子がこれがまた久しぶりにうまい玉子で、ほどよい焼き加減の玉子を噛みしめると甘い玉子の味が口の中一杯に広がってすっかり満足という気になりますよね。

全体的に見ますと大ぶりなネタに対してシャリはかなり小さめの寿司なんですが、きちんとシャリとの一体感が取れていて寿司しての満足感がしっかりありますし、ネタももともとしっかりしたものですが一仕事加えてさらにうまくなっているのは好感で、少なくとも真夜中の時間帯限定なら間違いなくこことおすすめできるお店ですよね。
しかし昨今ものすごい勢いで繁殖している回転もあれはあれで予想外なネタの使い方など斬新なアイデアを楽しめるのですが、やはりラーメンとインスタントラーメンが異なるがごとく寿司と回転とは別なカテゴリーと考えるべきなんでしょう、寿司業界的にはその辺りの似て異なるものに慣れ切ってしまった顧客をどう引き込んで来るのかも考えないと先細りになりかねない気がします。
ところでこちらの場合言うところの値段の書いていない寿司屋というものなんですが、寿司だけなら十分リーズナブルな値段で出してくれますし我々が料理込みでさんざん飲み食いしてもびっくりするような価格にはならないですから内容を考えると妥当なもので、東京あたりでこの水準のものを食うとかなりの散在になりそうですから田舎の強みはこんなところにもありそうですね。
接遇面では店内全般に小綺麗にはしていますが設備自体は古さを隠せず、特に年配客もそれなりに来ると思うのですが古色蒼然たるトイレや急な二階座敷への階段などはどうしてもマイナスポイントですし、カウンターに箸を出しているくらいですからこの後お客が来ることが判っているのであればカウンターの方もすぐ使える状態にきちんと整えておくべきですね。
ちょっと見には昔ながらの寿司屋風な緊張感があって一見さんは「もしやこだわりの店か?!」と身構えてしまいそうですが、基本的に過剰な愛想はないもののフレンドリーではあるし、店によってはやたらとお客の話に割り込んできたりするのがちょっとアレだったりもするのですが、こちらはいい具合な放置プレーでリラックスできるところは美点だと思います。
しかし遅い時間でもかなり従業員が多いのでこのご時世にちゃんと儲けは出ているのだろうか…などと余計な心配をしてしまいますが、スタッフが付きまとうタイプのお店ではないのでフロア席などはややオーダーが通りにくいところもあるようなんですが、まあバタバタするような店でもないしこんな感じでゆるくやっていけばいいのかなという気もします。

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