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2013年7月10日 (水)

世の中にはどんどん病人に増えてもらいたい人たちもいる?

選挙も近いこともあって政治家の舌禍事件と言えばマスコミの格好のネタですけれども、またぞろ露骨なことを言ったものだなとも感じるのがこちらの発言です。

柏原市長「どんどん心筋梗塞に」市立病院PRで(2013年7月8日読売新聞)

 大阪府柏原市の中野隆司市長が7日夜、同市内で開かれた参院選大阪選挙区の日本維新の会公認候補の演説会で、市立柏原病院をPRする際、「市民の皆さん、どんどん心筋梗塞になって下さい」と呼びかけた。病気になることを奨励すると受け取れる発言で、中野市長は終了後、読売新聞の取材に対し、「誤解を招いたなら、申し訳ない」と釈明した。

 演説会には市民ら約200人が出席。応援演説に立った中野市長は、心筋梗塞について同病院の診療体制が充実したとアピールしたうえで、「どんどん心筋梗塞になって下さい」「1回手術をやったら、病院に250万円入る」と述べた。

 中野市長は、「心臓病のいい先生が来てくれたので、安心して柏原病院を使ってほしい、という意味だった」と話した。

 中野市長は2月の市長選で、地域政党・大阪維新の会の公認で立候補し、初当選した。

先日も岩手県議の舌禍事件が大騒ぎになりましたが、しかしどうも病院というところは政治家のターゲットになりやすい性質でもあるのでしょうか、何かとニュースになることが多いような気がします。
よく誤解されるところですけれども、基幹病院でしかも心筋梗塞などの治療に当たっている循環器内科医は一般に寝る間もないほど多忙なのが当たり前で、間違っても患者が増えて欲しいなどと考えてはいませんし、それによって幾ら病院にお金が入ったところで自分の懐に入るわけでは全くないのですから熱烈大歓迎なんてことはまずあり得ません。
この辺りは政治家が法案審議がどんどん増えていったり、内外の諸問題が山積し寝る間もなく各地を飛び回るという状況を強いられることに喜びを感じるかどうかと自問していただければお判りかと思いますが、政治家が選挙に落ちればただの人なのに比べて医師は死ぬまで厚労省から医師扱いされるという特権?もあります(実際「この生活が一生続くなんて耐えられない」とドロップアウトする若手も多いわけでしてね)。
ただ世の中には「患者さんが増えるのは大歓迎!来たれ金蔓!」とばかりに患者を増やすことに精出している方々もいらっしゃるそうなのですが、こちら先日出ていましたびっくりするような記事を紹介してみましょう。

30年後の日本を先取り「西成ドリーム」…“日雇い労働者”の街から“超高齢・超保護化社会”に変貌「介護バブル」沸騰(2013年7月2日産経ニュース)

 日雇い労働者の街から生活保護受給者の街に変わりつつある「あいりん地区」を抱える大阪市西成区に、介護サービス事業者の進出が著しい。理由は2つ。同区の高齢化率が34・5%に及び、市内24区でも突出していること。そして、住民の4人に1人が生活保護を受けていること。介護利用料が全額公費でまかなわれる高齢の受給者をめぐり、業者間の争奪戦も激化。30年後の日本を先取りしたような超高齢・超保護化社会で、介護バブルが沸騰している。人呼んで、西成ドリーム

要介護高齢者の“相場”急騰

 「10万円で患者さんを紹介できる。他の業者も興味を持っているが、お宅はどう?」
 西成に事業所を持つある介護業者は区内の病院職員からこんな話を持ちかけられる。要介護の身寄りのない高齢の受給者を斡旋(あっせん)する。だから謝礼をくれ、というわけだ。
 最近は“買い手”の競争が過熱し、1人5万円の相場が急騰した。業者は「足元を見られている」と不平を漏らしつつ、頭の中でそろばんをはじく。「それでも客が見つかるなら、安い

 あいりん地区の超高齢化が、西成を「介護の街」へと変貌させつつある。
 住民の多くは昭和45年の大阪万博の際、パビリオン建設の仕事を求めて全国から流れ込んできた労働者たち。それが平成に入ってからのバブル崩壊と建設不況で身動きが取れなくなり、平成12年ごろから生活保護に行き着くようになった。
 地域の事情に詳しい大阪市立大大学院の島和博教授は「職場を渡り歩く日雇い労働者は生涯独身を貫くことも多い。単身の男性が滞留すれば高齢化率が伸びるのは必然だ」と指摘する。

“フリー”のヘルパーが売り込み

 区内で急増しているのは一人暮らしの受給者宅にヘルパーを派遣し、入浴や食事、通院などの日常生活をサポートする「訪問介護」の業態だ。
 サービスの利用限度額は要介護・支援度に応じ、月額約5万~36万円。一般の人は1割の自己負担が原則だが、受給者は介護扶助により全額公費でまかなわれる。「限度額いっぱいまでメニューを組んでも文句を言われない。当然利益率も高い」(事業所経営者)
 大阪市によると、市民1人あたりの利用額は月に約15万7千円だが、受給者はこれより数万円程度高くなる傾向がある。業者が謝礼を払ってでも、受給者を囲い込みたい理由がここにある。
 事業者だけではない。個人のヘルパーも西成ドリームに群がる。ある介護事業者のもとには、個人的に受給者の訪問介護先を何人も抱えるフリーエージェントのヘルパーが売り込みをかけてくる。条件は、「売り上げに応じた歩合制」という雇用契約。何人か雇ってはみたものの、介護メニューをきちんとこなしている様子が見られないため、契約を打ち切ったという。

 介護先が寝たきりや認知症の受給者の場合、思考力が低下しているため、必要のないサービスを提供されても表面化しにくい。適切な判断ができても「他に頼る人がいない高齢者は、業者の無理強いもがまんしようとしてしまう」(大阪市の担当者)。悪質な業者やヘルパーはごく一部とはいえ、受給者をめぐる狂想曲は鳴り止まない。
 同区の鶴見橋商店街の一角には、介護・医療系のテナントが密集する。わずか150メートルの区間に訪問介護のテナントが4つ。周囲を診療所や薬局、整骨院など6つの医療系テナントが取り囲む。西成の「今」を凝縮したこのエリアを近くの不動産業者はこう評した。
 「ここはもう商店街やない。メディカルセンターですわ」

10年後、5兆円突破も…膨張する財政負担

 日本の「老化」はもはや止めようがない。およそ10年後には、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が3割に到達する。生活保護の受給者に限ってみると、すでに38%が高齢者だ。60歳以上だと5割を超える。経済情勢で多少の変動はあるが、国民平均をはるかに上回る形で受給者の超高齢化は進むとみられる。
 必然的に医療、介護費は膨張する。昨年度の生活保護予算は3・7兆円だったが、単純推計では平成32(2020)年度に4・6兆円、37(2025)年度には5・2兆円に達するといわれる。
 総合研究開発機構のリポートによると、就職氷河期に急増した非正規雇用の労働者のうち、老後に生活保護が必要になる人は77万4千人、それに伴う追加的な財政負担は累計で約20兆円になるという。このリポートが出されたのはリーマン・ショック前の20年4月。現状はもっと深刻だ。
 安倍晋三政権が今月14日に閣議決定した「骨太の方針」では、生活保護について「支援の在り方(加算制度や各種扶助の給付水準)を速やかに検討し、見直す。不適正・非効率な給付を是正する」と記された。設計を根本的に改めない限り、生活保護そのものが破綻しかねない抜き差しならない状況が迫っている。

大阪と言えば生活保護最先進地?としてすっかり全国に名が知られるようになって久しく、現地の自治体もあの手この手で対策を講じているようですが、このように幾らでも生保受給者を食い物にして儲けるシステムが確立されているとなるとその是正はなかなかに大変そうですよね。
ただ昨今では生保受給者の無茶ぶりが一般マスコミによってもようやく報道されるようになってきていて、こういう話が出るたびにやれ生保利権は早急に是正すべきだという話になってくるのですが、当然ながら身よりもなければ資産もない独居受給者が多数高齢化しつつあるという事実は動かすことが出来ません。
現在進行中の参院選で自民党は医療公約に「自助・自立が第一」と掲げたと報道されましたが、長年一人で日雇い労働をしてきた彼らが高齢化し働けなくなった場合にどうするかという問題は厳然として存在するし、しかも今後ますます大きくなっていくだろうと言うことですよね。

近年年金問題が盛んに言われるようになりましたが、現役時代の収入(要するに積み立てた金額)によって支給額が決定されるシステムである以上不景気と所得減少が長引けば年金も減る、そしてそうした時代の方々が当然大きな貯蓄を持っているとも思えませんから、今後は生保受給者に限らず高齢者の生活支援の手段として生保という話が当たり前に出てくる可能性があります。
現状の生保のシステムが問題が多々あるというのは、まず第一にそれなりの金額を現金で毎月決まっただけ支給するものですから当事者の管理能力に使途が委ねられてしまうと同時に、小金持ちとなった彼らを狙って悪徳生保ビジネスが暗躍する余地を残しているということです。
特に今後問題になっているような高齢受給者にまとまった現金を持たせても仕方のないことで、どうせ公共サービスは無料なのですから原則食料品などの現物支給とし、その他のサービスもチケット制にするなどして転用を少しでも制約すると同時に、やはり実質年収5~600万クラスとも言われる給付水準の切り下げも制度の永続性を担保するためにも必要になってくるでしょうね。
先日は生保支給の切り下げは不当だと受給者1000人が行政訴訟に訴えたと話題になっていましたが、目先のお金を守ることが長期的に見てよりよい結果に結びつくものなのかどうか、当の本人はもとより支援するプロ市民の方々にもそろそろ真剣に考えていただきたいところかと思います。

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コメント

市立柏原病院って220床で循環器内科医三人だから微妙ですね。
ほんとにどんどん心筋梗塞になったら即労基法違反の勤務態勢になっちゃいそう。
ところで中野市長でググったらこんなの出てきたんですけど…

大阪維新の会 中野隆司は体罰教師!?週刊文春スクープ
http://gucchoi.com/archives/6071

投稿: ぽん太 | 2013年7月10日 (水) 08時43分

貧困ビジネスをテーマにした読売テレビ放送(大阪市)の番組に出演した
男性(53)が「音声を加工されなかったために身元が明らかになり、
放送直後に襲われた」として、約6300万円の損害賠償を求めた訴訟が
大阪地裁(相沢真木裁判長)で和解した。読売テレビ側が男性に100万円の解決金を支払うことで合意したという。

 男性は読売テレビが2010年12月に放送した報道番組に匿名で出演。
医療費扶助制度が悪用され、生活保護受給者が無償で受け取った向精神薬が転売されている、
などと証言した。放送の2日後、男性は大阪市内の知人の会社で何者かに襲われて
重傷を負ったとして翌11年11月に提訴した。

読売テレビ側は「顔にモザイク処理をするなどの配慮はした」として
請求棄却を求めていた。和解は先月3日付で、同社総合広報部は「事件との
因果関係はないと考えているが、裁判所の勧めに応じた」としている。
事件については大阪府警が殺人未遂容疑で捜査中で、

男性の代理人弁護士は取材に「容疑者が捕まっていないため、
因果関係の立証が難しく和解した」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0706/OSK201307050188.html

投稿: マスコミの被害者 | 2013年7月10日 (水) 09時57分

数年前、K原市立病院の就職の誘い話がありましたが、蹴りました。こんなクソ病院、行かなくて正解でした。
循環器科たった3人で連日心カテやったら、この3人がストレスで心筋梗塞になったりして笑えない事になる。
西成に限らず、大阪は貧困ビジネス大国で、怪しい医療関係(医師も含む)がハエやハイエナのようにたかっているという印象があります。ここは自治体全体で国費を貪る寄生虫と言っても過言ではないでしょう。
自治体全体で悪が連鎖していて、この悪性連鎖を断ち切るのは難しいですね。

投稿: 逃散前科者 | 2013年7月10日 (水) 11時34分

まあ何が受け入れられ何が忌避されるかということは地域性が大きく、今話題の朝ドラなども関西では全く振るわないと言いますからね。
しかし橋下市長がいつ潰されるかと以前から噂されながらしぶとく生き残ってきましたが、気がつけばすっかり過去の人になっているのも各方面の意志があったのでしょうか。

投稿: 管理人nobu | 2013年7月10日 (水) 12時21分

近所の病院は透析患者さんを紹介したらキャッシュバックと噂に聞くんだけど、いまはもうこういうのはやってないの?
持病持ちのかかりつけになったら固定収入が増えるんだから、どこの病院も患者が増えるのは大歓迎だよね?

投稿: 玉公 | 2013年7月10日 (水) 14時21分

そりゃ経営者は喜ぶか知らないけど、仕事の増える勤務医や待ち時間の伸びる他の患者は喜ばないでしょ。

投稿: まるさん | 2013年7月10日 (水) 18時20分

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