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2013年7月12日 (金)

価値観への認容度が問われた最近の炎上事件

人それぞれに考え方の違いはあって当然なのですが、これはどうなのかとちょっとした話題になっているのがこちらの一件です。

夫のアニメグッズを捨てたら「離婚だ今すぐ出て行ってほしい」と言われる 妻は家事放棄(2013年7月9日ガジェット通信)

30代半ばの専業主婦が夫の趣味がきっかけで離婚沙汰になっているらしい。離婚のきっかけは夫が買ってきた1万円程のペットボトル飲料。コンビニのキャンペーンのため(おそらく応募)に購入。夫は「自分の小遣いの範囲でやりくりしている」とのこと。

さて、ここからが問題。この投稿者が夫の食事を始め家事を拒否、いわゆる家事放棄である。すると夫は翌月以降の給料振込先を変更し、家族の通帳も押さえ夫が給料を管理することになったようだ。

そんなやり方に我慢できなかった投稿者は夫の部屋に入り、アニメのグッズやブルーレイを捨ててしまったのである。ゴミ捨て場から拾ってくるだろうと思ったようで、はさみでバラバラにしたり傷を入れておいての破棄。夫はゴミ捨て場からそのバラバラになったゴミを持ち帰って部屋に籠もったまま。

オタクのみなさんは夫の気持ちがよーくわかるだろう。自分の財産を勝手に捨てられたこの気持ち。中には限定物や入手困難な物まであったはず。総額幾らになったかは不明である。

また家計に影響を与えてしまったのならまだしも、このご主人は自分の小遣いの範囲でやりくりしているのである。

そんなオタクグッズを捨てられた夫から「離婚しよう。すぐにでも出ていって欲しい」と言われてしまったようだ。ちなみにこの夫婦には11歳の息子がおり、子どもは夫についていくとのこと。投稿者は離婚したくないと言っているが果たして……。

夫の趣味を理解できない奥さんとこの先、結婚生活がうまくいくとも思えない。このトピックに対するレスは次の通りである。

・あなたがやりすぎましたね。仕方ないです。出ていくしか
・どうか別れてあげて下さい、お願しますよ。
自分で稼いで自由になるお金を作りなさいよ。
・ご主人かわいそすぎます。希望とおり離婚に応じてあげて下さい
・ご主人、かわいそう・・・早く離婚してあげてください。と思いました。
トピ主さんの非しか見当たりません

批判の声しか挙げられていない。夫婦となると多少のもめ事があるものの、一生連れ添うわけだから趣味のあう人と結婚しないとダメだよね。例えば釣りとか。

元記事の出所であるところの読売新聞主催の相談コーナー「発言小町」は以前から「また小町?どうせ釣りだろw」などと言われてしまうような場所ですから、これもどこまでマジレスしたものか迷うところがないでもないのでしょうが、ともかく元記事に関してレスをつけていらっしゃる方々は一貫して「お願いだからさっさと離婚してあげて」と懇願していらっしゃるのが印象的です。
社会的に見ると今時夫の稼ぎに依存して何不自由なく暮らしてきただろう専業主婦が家事すら放棄した挙げ句、夫が限られたお小遣いをやりくりしてそろえてきた宝物に酷いことをしたという点が非難の対象になるのだと思うのですが、当のスレを立てたトピ主自身は過去にも同様の議論を呼ぶスレを立てた常連でもあるとの噂もあって、ネット上ではどうやらネタの類であろうという意見もあるようです。
ともかくも個人の趣味のことで他人にどうこう言われること自体は甘受できても、さすがにこうまで他人の流儀を一方的に強要されるいわれはないだろうと考える人が圧倒的多数だと言うことなのでしょうが、最近ではこの種の個人の流儀の押しつけと取られかねない発言は容易に炎上に結びつくようで、最近は有名シェフが不用意な発言で大騒ぎになるといった事件が記憶に新しいところですよね。
特に社会的に阻害感を感じているいわゆるヲタク的傾向の強い方々ほど世間の無理解と理不尽な偏見差別に憤慨するのは理解できるところですが、先日も一見何気ない発言が炎上騒動を起こしたと話題になっています。

読書界の鬼才・成毛眞氏の「知的な人間は漫画なんて読まない」発言にネットユーザー猛反発?(2013年7月9日ガジェット通信)

昨年のPRESIDENT 2012年4月30日号に掲載された記事「ファンタジーに逃げる“下流”の人々 -「年収別」心底、役立った1冊、ゴミ箱行きの1冊」が、7月6日にウェブ上に掲載され『Twitter』などで多いに批判を浴びているようだ。

記事の概要は、昨年行ったアンケートの結果を分析するというもの。年収500万、800万、1500万それぞれ334人ずつから合計1002人の回答を得たという。

    以下、投資コンサルティング会社インスパイアのファウンダーにして社団法人HONZを率いる読書界の鬼才、成毛眞氏、そして幾多のベストセラーを世に送り 出してきたエリエス・ブック・コンサルティングの代表にして、メールマガジン「ビジネスブックマラソン」の筆者、土井英司氏のおふたりによる的確かつ辛辣 なコメントをいただきながら、読書と年収の赤裸々な関係を見ていくことにしよう。

ということで、成毛眞氏と土井英司氏の2人が年収別の読書傾向にコメントしてゆく。成毛眞氏については、マイクロソフト日本法人の元社長というイメージはあったのだが、いつのまにか「読書界の鬼才」と呼ばれていたのかとちょっと驚く。というか読書界って何。

そして、文中の

    【土井】500万の人は明らかにファンタジー、エンタメ中心です。『ONE PIECE』なんて漫画は思い切りファンタジーです。
    【成毛】そもそも知的な人間は漫画なんて読まないよ。海外企業のマネジメントなんて、漫画本の表紙すら見たことないだろうねぇ。

というところにカチンときたネットユーザーが多いようである。
また、

    【土井】(略)上流は世の中を動かす法則や権力者の意図、そして政治に強い関心がありますね。苦境の時代こそ、現実を見据え、現実を変えていこうとしている。一方で、500万の人はファンタジーに逃げているように見えます。

という記述もある。
この記事がウェブ上に掲載され、9日の段階で『Twitter』によるコメントが1100以上、『ニコニコニュース』に配信された同記事には2400近くのコメントがつき現在も炎上状態となっているようである。一年以上前の記事なので、何らかの意図があっての炎上マーケティングの一環だとしたら大成功と言えるかもしれない。
一方、成毛眞氏(@makoto_naruke)は7月8日に『Twitterにて』

    「プレジデントのやっつけ仕事でエライ目になってしまった。二度とプレジデントの仕事は引き受けないw」
    「プレジデントのやっつけ仕事でエライ目にあってしまった。二度とプレジデントの仕事は引き受けない。」

と語尾を変えて2回ツイートしている。

元記事を見ますと実は漫画に言及しているのはごく一部なのですが、その部分はステロタイプなある意味懐かしい論調だなと言うのでしょうか、二昔ほど前に漫画有害論なるものが大まじめに語られた時代があって、その頃は本気で「漫画を読むと馬鹿になる」と言う人も世の中に少なくなかったようですが、今でしたら「で、その根拠は?」と早速突っ込まれることになるだろうなと言うことを立証した形でしょうか。
強いてこのデータを元に考察を行うのであれば調査が「好きな本」ではなく「役に立った本」であることに留意すべきで、例えば年収500万集団は相対的に被雇用者の立場が多いと推測されますが、そうであるならば経営哲学などよりも周囲同僚との良好な関係性を維持することの方がよほど重要だろうし、その点では大いに役立つ可能性のある「仲間とのつながり」をテーマにした某漫画本を単にファンタジーとしか受け止められないのは調査目的への理解が浅いとしか言いようがないですよね。
また業種によっては年収が高かろうがいわゆるビジネス書などよりもはるかに役立つものがあるわけで、例えば世間的水準では相当な高年収を誇るはずの小児科医などは下手なそこらのヲタよりもよほどアニメやゲームの話題に詳しいというのはそれが単に職業上求められるスキルだからなのですが、彼らの解釈だと「日々の激務に追われ空想世界に逃避しているのだ」ということにでもなるのでしょうか。

元々年収毎に年齢階層の調節もしていないデータを元に個人的主観を語ることにどれほどの意味があるのかと思いますが、何気なく流しただろう当事者も正直「突っ込まれるにしてもそこに突っ込むか」と予想外の事態に戸惑っているんじゃないかと思いますけれども、今の時代なんであれひとたび世に出たものは繰り返し引用され批判に晒される可能性があるという視点を持っていない方々には生きづらい世の中だと言うことでしょう。
「デリケートな水彩画に比べると油彩画は色彩が下品だ」とか「ピアノに比べてバイオリンは音程が不安定でいかん」だとか言う批判が馬鹿げているのと同様、メディアの種類によってコンテンツの価値を云々することはすでに今の時代に合っていないと思いますが、ただ無意識的にそうした認識を前提に語ってしまう方々は今も確実に存在しているということは言えそうです。
今や国を挙げて漫画やアニメを日本の誇る文化的資産として世界に売り込もうと言う時代に何故なのか?と言えば、そうした図式的な構図に落とし込むことによって彼らにとっては世の中が判りやすくなるというメリットがあるのだろうし、古くから続く「今時の若いものは…」という老人の嘆きと同様自分自身の価値観から遠いものほど批判的スタンスで接したくなるという人間の普遍的心理を示してもいるのでしょう。
別にそうやって狭い世界に閉じこもっていても飯を食っていけているのだから構わないじゃないか、という考え方ももちろんありなのですが、たまには全く違った価値観に接して理解しようとしてみることも知的ゲームとしておもしろいものですし、少なくとも自分と異なる他人の価値観もそれなりに尊重しておくという姿勢は持っていなければいずれ自らにその報いが降りかかってくることになるのが現代社会の怖さだと知っておく必要はあるでしょうね。

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コメント

個人的には成毛眞氏の著書は、ほとんどゴミ箱往きですね。何冊か読みましたが、感銘を受けたこともなければ、置いておこうと思ったこともないです。まあ、読み捨て専用?
つか、この人もどうせ最近のコミックスなんて読んでないんだろうなぁ。よっぽどおいておきたい本がおおいですよ。

投稿: | 2013年7月12日 (金) 09時57分

ワンピが国内外でもしドラの何倍売れてるとおもってんだ
世間から相手にされない人間は大物叩いて自分が大物気取りになってんだろうな

投稿: 田辺 | 2013年7月12日 (金) 10時13分

一年もたって炎上するくらいだから誰かを怒らせちゃったんでしょうね。
正直内容としてはそんなに的確なコメントには思えなかったですけど。
でもこういう対談ものって昔からこんな感じでさわぐほどじゃないでしょう。

投稿: ぽん太 | 2013年7月12日 (金) 10時40分

>例えば世間的水準では相当な高年収を誇るはずの小児科医などは下手なそこらのヲタよりもよほどアニメやゲームの話題に詳しいというのはそれが単に職業上求められるスキルだからなのですが、

まどマギや進撃の巨人を子供に見せちゃいけないと思うの…。

>でもこういう対談ものって昔からこんな感じでさわぐほどじゃないでしょう。

つかプレジデントにマジレスカコワルイw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2013年7月12日 (金) 10時53分

進撃も最近ぬるくなってきたと言う声も聞きますが。
話は変わりますが最近の人は大山のぶ代を知らないと聞いて時代の移り変わりを実感しましたね。

投稿: 管理人nobu | 2013年7月12日 (金) 11時16分

しゃべる巨人があんなにも怖くないって思わなかったよ

投稿: あくまくん | 2013年7月12日 (金) 12時22分

ワンピース終わったかな

【日韓】日本人気漫画‘ONE PIECE’に堂々と‘戦犯旗’? ネチズンら‘ガヤガヤ’[07/11]
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1373580379/

投稿: | 2013年7月12日 (金) 12時29分

>まどマギや進撃の巨人を子供に見せちゃいけないと思うの…。

ザンボット3を見ていた子供たちもいるんですが…。
あれは海外で放映されて、イタリアの子供たちにトラウマを植え付けたらしいです

投稿: | 2013年7月12日 (金) 16時13分

ザンボットっていま思い出してもすごくよかったです。
ラストの余韻もすばらしかった。
敗戦国日本だからこそ出来たアニメだろうし子供にもみて欲しいです。

投稿: てんてん | 2013年7月12日 (金) 20時26分

よし実家医院の待合で流すために経費でまどマギと進撃のブルーレイ買うゾw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2013年7月13日 (土) 10時28分

そこは名作楢山節考でw

投稿: aaa | 2013年7月13日 (土) 11時46分

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