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2013年7月

2013年7月31日 (水)

不妊治療公費助成 年齢に上限を導入か

かねて年齢上昇と共に成功率が極めて低下することが知られていた不妊治療ですが、このたび不妊治療に対する公的補助に関して年齢制限を設けるという話がほぼまとまったとのことです。
上限を設けること自体は年齢を何歳にするかという細部はともかく、医学的根拠に基づくほぼ妥当な判断ではないかと思うのですが、世間的には非常に関心が高い問題であるようで主要メディアが揃って取り挙げているのにむしろ驚きました。

不妊治療助成42歳までに 厚労省検討会、早期治療促す(2013年7月29日朝日新聞)

 【佐々木英輔】体外受精などの不妊治療にかかる費用の助成について、厚生労働省の検討会は29日、女性の対象年齢を42歳(43歳未満)までに制限する見直し案をまとめた。年間の回数制限を撤廃する一方で、通算の回数は原則6回に減らした。年齢が高いほど治療効果が出にくく、流産や合併症も増えることから、早い時期に集中的に治療を受けられるようにする

 検討会は、晩婚化が進み助成件数が増えるなかで、より効果的な助成のあり方を議論していた。厚労省は今後、対象から外れる人への経過措置や見直し時期を検討。8月に開く次回会合に諮り最終決定する。

 不妊治療の多くは公的医療保険が使えず、体外受精や顕微授精は1回あたり数十万円かかる。国と自治体による助成は年収730万円までの夫婦が対象で、1回あたり最大15万円。年齢制限はなく、1年目は3回、2年目以降は年2回、通算では5年間で10回までの回数制限がある

 検討会は、43歳以上になると流産率が50%を超え、出産に至るのは50回に1回に下がること、妊娠高血圧症候群などのリスクも高まることなどから、42歳までを助成対象とするよう求めた。39歳までとする案も検討されたが、助成を受けている人の3割以上を40代が占め、少ないながら出産に至る人がいる現実を踏まえた。

 また、出産に至った人の9割は治療開始後6回までに実現していることから、年間の回数制限を撤廃。期間を設けず通算回数を6回までとする。ただし、40歳以上は回数を重ねても出産に結びつきにくいことから、40歳以上で治療を始めた場合は3回までにする。

不妊治療に一定目安 公的助成は43歳未満 実施はあくまで当事者が判断(2013年7月30日産経新聞)

 不妊治療の公費助成を43歳未満に限定するという方針は、治療効果などを勘案すれば妥当といえる。ただ、不妊治療の実施はあくまで当事者が決めることで、公費助成の制限は治療を制限するものではないことを忘れてはならない。

 検討会の座長を務める吉村泰典慶応大教授(産婦人科)は検討会終了後、「43歳以上の不妊治療がいけないというわけではない」と述べ、今回の方針が「高齢妊婦」を排除するものではないと繰り返した

 一方で、厚労省によると、不妊治療を受ける女性は増え、年齢も上昇。助成が始まった平成16年度は約25億円だった関連予算は、24年度には約105億円に増えている。検討会委員は「(助成制限に)予算削減の意図はなく、あくまで医学的な判断」と強調したが、上限の導入は公費負担の歯止めにつながる。

 また、検討会が公費助成の具体的な年齢や回数の制限を示したことは、治療をいつやめるかを判断できず、長期にわたって治療を繰り返している女性にとって、一定の目安になりうる。この点は、若い人が不妊治療に早期に取り組む動機付けともなろう。(道丸摩耶)

朝日新聞の記事にちょうど「不妊治療による妊娠率と流産率」というグラフがありますので参照いただきたいと思いますけれども、どこから線を引くかは極めて難しいところではありますが40歳以降急増するリスクに対して不妊治療の成果が極めて見込みがたくなるのは事実であって、おそらく最大限に見積もっても40代半ばくらいを公的補助の上限とするのが妥当なのではないかと言う気がします。
今回の検討会でも40歳未満と43歳未満という二案が提案され、後者の方が採用されたというのは非常にハンパな年齢制限だなという気がするかも知れませんが、女性にしても40歳を迎えるということは一つの人生の区切りであってやはり妊娠・出産に関する最後の機会という意識が強くなる、それに対して1~2年ほどは頑張ってみて断念するにしてもある程度心の準備も出来てから…という意図があるのかも知れません。
しかし60歳の女性が不妊治療を始めました、などと言われれば世間的にはネタかと思われるのがオチでしょうが、日本でも60歳の出産記録があり世界的には70歳での出産という話もある(ただしこれは体外受精だったようですが)以上は「60歳でも70歳でも子供は産めるのです!」と主張することは出来るし、単に公費の補助がないだけで今後も希望すれば何歳でも不妊医療を受けることは出来るわけです。
ただ人の命がかかっているからと信州の山奥で(長野の人すみません)補助金を使って津波対策工事を始めますなどと言えば「何たる無駄!土建行政だ!」と糾弾されるのと同様、公費で補助をするということになればやはり費用対効果ということを考えなければならないのは当然だと思うのですが、メディアの論調などを見ていますと年齢による一律の制限ということについては一定の拒否感があるようです。

くらしナビ・ライフスタイル:不妊治療、助成に年齢制限?(2013年07月16日毎日新聞)

 体外受精などの不妊10+件治療(生殖補助医療)に対する公費助成に年齢制限を設けることを、厚生労働省が検討している。高齢での不妊10+件治療の成功率が低いことなどが理由とされているが、治療を受ける当事者の間に戸惑いも広がっている。

 6月20日、NPO法人「卵子の老化を考える会 umi」(森瞳代表)が主催する「不妊治療助成金39歳で打ち切られる? 大討論会!」が、東京都港区で開かれた。25〜48歳の男女21人が参加。「卵子老化の真実」(文春新書、893円)の著書がある出産ジャーナリストの河合蘭さんの講演に続き、参加者たちが討論した。

 ●「35歳を過ぎて…」

 「男性上位の社風に負けまいと働いてきたが、35歳を過ぎて人生の優先順位が変わってきた」。東京都内に住む36歳の女性会社員は、結婚9年目の今年に入って不妊治療を始めた心境を語った。結婚2年目で、近く体外受精を行う主婦(37)は「卵子の老化は知られるようになったばかり。年齢制限をするにしても、十分な周知期間が必要」と訴えた。

 一方、神奈川県の女性会社員(39)は「40歳にもなれば十分な収入が得られる。公費に頼らなくても自費で解決すべきだ」と冷静に語った。

 同会が参加者にアンケートをとったところ、回答者のうち年齢制限への賛成は3人、反対が12人。4人は不明だった。「ハイリスクな高齢出産を行政が支援するのはおかしい」「産める可能性を国の制限で決めるのは違う」−−。意見は大きく分かれた。
(略)
 なぜ今、年齢制限の議論が出てきたのか。きっかけとなったのが、厚労省研究班が3月にまとめた報告書だ。

 研究班が日本産科婦人科学会のデータベースをもとに分析した結果、10年に体外受精を受けた患者のうち、約36%を40歳以上が占めた。成功率は32歳までは約20%だが、36歳から急速に低下し、39歳で10・2%、40歳で7・7%、44歳では1・3%だった。逆に流産率は40歳で35・1%、44歳で58・1%と上昇した。

 研究班は「医学的有効性、安全性の観点から、費用助成の対象年齢は39歳以下とし、期間も2年間6回に短縮するのが望ましい」とする報告書をまとめ、厚労省はこれを受け、産婦人科医や患者団体などで構成する検討会で、助成のあり方などの再検討に入った。

 ●26%が40歳以上

 景気の低迷で雇用環境が悪化するなか、結婚・出産年齢が上がる晩婚・晩産化が進み、体外受精などの不妊治療を始める年齢は遅れる傾向にある。厚労省によると、12年度に不妊治療の費用助成を初めて受けた人の年齢は39歳が最多。40歳以上が全体の26%を占めた。

 「卵子の老化」など、高齢での妊娠・出産のリスクが注目されるようになったが、一方で学校などでの性教育が避妊一辺倒で、妊娠可能年齢について十分な知識を普及させていないという指摘もある。

 昨年から不妊治療を始め、現在費用助成を受けている東京都在住の女性会社員(37)は「夫に不妊の原因があっても治療ができる、と分かったのが36歳の時だった。急に39歳までと言われても……」と戸惑う。

 当事者らでつくるNPO法人「Fine(ファイン)」(東京都江東区)の松本亜樹子理事長は「治療すればいつまでも元気で妊娠・出産できるわけではない。年齢制限がそのことを知るきっかけになるかもしれないが、39歳という設定はあまりに厳しい」と指摘。「上限の金額を決め、いつでも治療に使える仕組みにする方が、患者にとって使いやすいのではないか」と話している。【山崎明子、下桐実雅子】

最近は世間でも不妊医療というものに関心が高まっていて、それが経済的にもかなりの負担をもたらすのだと言うことが知られるようになってきましたが、およそ医療行為というものが原価は非常に高いというのはままあることで、健康保険によって高額医療費の上限以上は支払わなくていい場合でも月々数百万の医療費がかかっているということはままある訳ですね。
それでも保険によって公の補助を行ってまで治療を続けるというのは、終末期医療のあり方など細部に異論は多々あれど原則としてやった方がやらないよりもよいという科学的根拠があると認められているからで、信心深い患者が「教祖様の爪の垢を煎じて飲めば効く!」と爪の垢代に100万円を出す自由はあるとしても、それを保険診療の対象にすることはあり得ないことです。
基本的にお産は保険の対象外であるにも関わらず不妊医療に公費助成が認められているのは、ぶっちゃけ子供を産んでもらうことで将来的にかかったコストよりも大きな社会的利益が得られるという判断があるからということになりますが、100万円の補助で30歳の不妊なら0.8人、35歳の不妊なら0.5人、40歳の不妊なら0.1人しか出産に至らないという試算もあるそうです。
極端なことを言えば1兆円かければどんな悪条件でも確実に妊娠出来る方法があったとして個人の判断でそれを受ける自由はある、しかしそれに公費を投じても到底元が取れないのは当たり前で、その分のお金を例えば結婚や出産の最大の障害になっているとも言われる若年層のワープア対策につぎ込んだ方がより多くの利益と国民の幸福に結びつくだろうと考えるのが、公の立場としてはまあ妥当な判断だろうと言うことです。

もちろん人の命は地球よりも重いといった生命至上主義的観点に立てば、一人の命を生み出すために国家予算丸ごとを投じるくらい仕方がないという考え方もあるのかも知れませんが、お金のことはさておいても多くの産科医が言っているように「40歳過ぎて不妊治療に大金を投じるくらいなら、数年早く妊娠出産を考えればよかったのに」ということの意味をもう少し真剣に考えてみなければならないでしょう。
若い方が妊娠がより確実に出来るということもありますけれども、高齢になるほど妊娠そのものの困難さが高まることもさることながら、母胎は元より生まれてくる子供に様々な医学的トラブルが発生する確率が急増していく、そして自らの体験談を公開した野田聖子氏の事例からも判るようにに案外インテリ層であってもこうした当たり前のことを知らないという現実があります。
諸社の記事においてもとかく経済的負担が…と言った親視点の論点が中心になっていますが、産む側にとってはしょせん多少の身体的・経済的負担で終わることであっても、生まれる側にとっては一生涯残る障害を負うリスクが激増するという事実があるというのは、見方を変えれば胎児に対する親からの虐待ではないかという考え方も成立しかねません。
そう考えると妊娠・出産ということに対する意識を変えるためにも、一律何歳から補助停止といったやり方よりも若年者にほど手厚く、年齢が高まるにつれてどんどん公費負担を引き下げていくといったやり方の方がより望ましいのかも知れませんね。

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2013年7月30日 (火)

医療機器供給元の多様化を推進すべきでは

医師同様に看護師も不足が言われていますけれども、先日久しぶりに喜ばしいというニュースが出ていました。

就業中の看護師、100万人を突破-厚労省・准看は1万人減の約36万人(2013年7月25日CBニュース)

 厚生労働省がこのほど公表した衛生行政報告例によると、昨年末現在、就業していた看護師は101万5744人で、同省が2年に一度の集計を始めた1982年以降、初めて100万人の大台を超えた。前回の2010年分と比べ6万3021人増えた。一方、就業中の准看護師は、前回比1万371人減の35万7777人だった。

 就業看護師は、この集計を始めてから毎回増加。昨年末現在の人数を年代別に見ると、35-39歳が16万2961人(16.0%)で最も多く、以下は30-34歳が15万282人(14.8%)、40-44歳が14万4616人(14.2%)、25-29歳が14万1931人(14.0%)などと続いた。前回と比べると、35歳以上の各年代で増加した一方、30-34歳(4784人減)と25-29歳(3626人減)、25歳未満(3565人減)では減った

 これに対し、准看護師の就業人数は、02年の39万3413人をピークに減少が続いている。年代別では、60歳以上の5万8830人(16.4%)が最多。以下は、50-54歳が5万8115人(16.2%)、45-49歳が5万2835人(14.8%)、55-59歳が4万7213人(13.2%)などと続き、45歳以上が6割を占めた。前回からは多くの年代で減少したが、50-54歳と60歳以上では、それぞれ2000人と1万1354人増加した。
(略)

医師数もこのところ増える一方であるのは周知の通りで、いずれこの調子でいけば人員不足も解消されるという皮算用もしたくなりますけれども、よくよく注意してみますと35歳以上の中堅・ベテランでは増えている一方でそれ以下の若手世代ではむしろ減っているという、あまり好ましからざる傾向も見え隠れしているようです。
看護師の場合実は看護師資格所持者はそれなりにいるにも関わらず離職中で看護師として働いていない者が多いということが言われていますが、若年世代にとって看護業界が決して働きやすい職場とは認識されていないのだとすれば、将来的な看護師の人材安定供給にも困難が予想されますよね。
子供が手を離れたベテランが折からの看護師不足とその結果としての待遇改善を耳にして職場復帰をしてきているのかも知れませんが、今現在全国どこの病院でも電子カルテシステムだ、個人用端末導入だと院内業務のIT化がようやく進んでいて、ぶっちゃけこうしたものに生まれついて以来慣れ親しんだ方々でないと頭数の割に一向に業務が進まないという悩みもあるようです。
本来であれば業務を効率化し仕事を助けてくれるはずの電子デバイスがその真逆の有害な働きをしているのであれば何の意味があるのかですが、この点で先日非常に興味深いニュースが出ていましたので紹介しておきましょう。

看護師の残業を6割減らした医薬品識別装置-おんが病院、電子機器メーカーと共同開発(2013年7月25日CBニュース)

 おんが病院(福岡県遠賀町)とオオクマ電子(熊本市)は、手術で使われた医薬品の種類を判別し、保険請求の書類を作成するまでの作業をすべて自動で行う装置の開発に成功した。手術後の医薬品の種類判別や書類の作成は、看護師にとって大きな負担となっているが、同病院は、この装置の導入によって看護師の残業時間を6割削減できた上、手術室の回転率も3割向上することに成功したとしている。

 手術後、使用された医薬品の種類や量は看護師が手作業で記録しているが、「生体肝移植なら1件の手術で1600個余りの薬を使う。それ以外の外科手術でも数十から数百種類の医薬品が必要」(杉町圭蔵・おんが病院統括院長)とされる。それだけに、手術後の看護師の業務負担は大きく、誤った記録が作成されることも少なくないという。

 こうした状況を解消するため、おんが病院ではオオクマ電子と共同で、医薬品を自動識別する装置「スペーサー」を開発した。この装置に医薬品の入った容器の形などの情報を事前登録しておけば、使用後の医薬品の容器を機械に投入するだけで、保険請求が可能な医薬品をまとめた一覧表を自動作成できる。さらに、手術中に関係者が使ったメスやピンセットなどの識別・記録も可能という。

■手術室の回転率も3割向上

 同病院では昨年3月から試作機を導入しているが、導入前と比較すると、看護師の月平均残業時間は140時間から56時間まで減少した。また、記録ミスも確認されていないという。さらに、在庫管理も容易となり、作業時間が短縮化されたため、手術室の回転率は3割向上した。

 装置は高さ約1.8メートル、幅と奥行きは1メートル。価格は約2800万円。既に栃木県の病院が導入しているほか、約20か所の病院が導入を検討している。さらに、米国やデンマークなどからも試験導入の依頼が来ているという。【ただ正芳】

何これすごいちょっとこれ貸してと言いたくなるような大変劇的な成果なのですが、この種の機械的な作業こそ本来IT化によってどんどん改善していっていただきたいところで、実際にこれだけの劇的な効果があると知れば我も我もと導入する病院も出てくるのではないでしょうか。
おもしろいのはこの開発を担当したオオクマ電子という会社、別に医療機器専門というわけでもなくむしろ何でもかんでも手当たり次第に手を出しているようにも見えることで、「問題点を解決するために必要な製品を作り出すのが設計の仕事。効率性と機能性を考え、ローコストでハイパフォーマン スの“only for one”のもの作り、第一歩を担います。」と言う通り手持ちの技術をいかに実社会に還元するかを考えている会社なのでしょうか。
医療機器と言えば有名な内視鏡のケースを見るまでもなく少数による寡占状態となっていることが多く、利点としては医師らがどこの病院に行っても機器の操作で戸惑うことがない、サポート体制も一元化出来るといったことが挙げられますけれども、考えて見れば判る通りコスト的には価格競争が生じるような環境ではありませんから割高になって当然ですよね。
別に多少高くつく程度であればサポート費用込みで許せるのでしょうが、多くの場合「ちょっと常識的に考えてその値付けはあんまりでは…?」と思えるようなケースが多いことが気になっている先生も多いはずで、ちょうど先日こんな記事が出ていました。

2012年某日、病院内で半導体技術者は驚いた(2013年7月29日Tech-On)

医療従事者:「この使い捨ての血圧計(「Aライン」と呼ばれる観血式血圧計)、患者にセットしようとする際に壊れることが時々あって、困ってるんです」
半導体技術者:「そうなんですか…」
医療従事者:「中に圧力センサが入っている程度の比較的単純な機器なんですけど、約5000円もするんですよ」
半導体技術者:「え、本当ですか?」
医療従事者:「自動車のように振動や温度の使用条件も厳しいわけではないですし、むしろ、自動車向けに利用されているような技術を使えば、もっと信頼性高く、かつ安くできるのではないかと思っているのですが…」
半導体技術者:「はい、そう思います。我々が試作しましょう」
医療従事者:「ぜひ、お願いします」─―。

 このやり取りは、2012年某日、関東地方のとある病院の手術室内で実際にあったやり取りの様子を、同病院の医療従事者への取材を基に再現したものです。2013年2月18日号の日経エレクトロニクスの特集記事「革命 医療機器開発」でも紹介しました。

 医療従事者が、ある医工連携セミナーで知り合った半導体メーカーの技術者を手術室に案内した際、かねて感じていた観血式血圧計の課題について話したそうです。すると、その事実(課題)に半導体技術者が驚いた、というシーンです。

 この「驚いた」という点には、二つの重要なポイントが含まれていると筆者は考えています。

 一つは、半導体技術者は、医療現場やそこで使われている機器の実情を知らない、という点です。知らないからこそ、事実を聞いて驚いたわけです。

 もう一つは、他の分野では当たり前に導入されている技術が、医療の現場(医療機器など)では使われていない、という点です。つまり、半導体技術が驚いたのは、自社が他の分野(自動車など)に向けて提供している技術を使えば、そのようなコスト・信頼性はあり得ないと思ったからでもあるのです。

 これは、この半導体技術者が不勉強なわけでもなく、観血式血圧計が特殊な機器の事例というわけでもありません。半導体をはじめ電子部品・部材関連の企業は、これまで医療の現場を知るすべがほとんどなかったのが実態でした。そして、医療機器が自動車や民生機器に比べて技術の導入に遅れがあるのも、すべてのケースでとは言い切れませんが総論としては間違いではないでしょう。

 逆に言えば、冒頭のやり取りのように、電子部品・部材関連の企業と医療従事者の連携(マッチング)がもっと進むようになれば、医療に新たな価値が生まれる可能性があります。前述の医療従事者は次のように言います。「例えば自動車向けに厳しい要求事項に対応しながら部品・部材を供給しているメーカーに、医療現場やそこで医療機器がどう使われているのかを見せたとする。その中に、自社のノウハウを活用できる余地がたくさんあることに気付くはずだ。我々も部品・部材メーカーと協力していけば、確実にイノベーションを起こせる」。
(略)

医療器具と言えば何かものすごく専門性が高いようなイメージがあって、実際に内視鏡などは純機能的な面よりも操作性などもっぱら医師の主観による部分に改良の主眼が置かれてきたと言えますが、大多数の機材はそうしたこだわりもなく使われているわけですから、機能的に同じものであれば別にどこのメーカーでも構わない、アフターサポートさえしっかりしてもらえればいいという考え方も十分あり得るでしょう。
もちろん他業種参入によって医療現場の調達コストが下がるという点が切実に期待されるというのは、多くの医療主義が消耗品扱いの機材コストに診療報酬の大半を持って行かれて「汗をかいて働けども全く儲けにつながらない」という状況への不満も背景にあります(この辺りは全国一律定価での商売を強いられている医療の不利なところですよね)。
そしてそれ以上に期待されるのが少数の医療機器メーカーとは異なった他業界の視点による技術的のみならず発想的な飛躍で、言ってみれば「一方ロシア人は鉛筆を使った」といった類の全く別の視点からのアイデアをも期待したいわけですよね(もっともあのジョークの真相については異論も出されていますけれども)。
医療主導による経済成長戦略などと言われていますけれども、全国各地の腕に覚えのある企業の持つ技術や知識と、医療現場で今まで我慢されてきたちょっとした不便が結びつくと、案外大きな商売が出来上がってくるかも知れませんし、少々のスタッフを増やすよりもよほど医療労働環境の向上に結びつく可能性があると思いますね。

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2013年7月29日 (月)

医療と費用負担 高すぎても安すぎても問題

少々の事ではもはや驚かないネタ大国というものが思いつく限りでも幾つもありますが、こちらも通常であればびっくりニュースなのですがソースがソースだけに「あ~あるある」で終わってしまいそうな気配すら漂っていますでしょうか。

タダで病気治そうと“自首”、取り調べでしどろもどろになり失敗に。(2013年7月25日ナリナリドットコム)

中国では先日、「刑務所では無料で病気の治療ができる」と聞きつけた男性が、ウソの事件をでっち上げて刑務所に入ろうとして失敗するという騒動が報じられた。

中国紙南方日報などによると、広東省江門市で暮らすある男性は、重い胃病を患っており、日々悩まされていたという。「看病難、看病貴」(医療費が高すぎて診療を受けられない)という言葉が示す通り、中国では医療費が高過ぎて治療を受けられない患者が急増するなど、一種の社会問題になっている。この男性も胃病の治療には数万元(1万元は約16万4,000円)必要だと言われ、ほとほと困り果てていたそうだ。

そんな折、男性は「刑務所では無料で病気やケガを治療してくれる」との情報を聞きつけた。そして男性はすでに多くの借金を抱えていたこと、また、家族にこれ以上迷惑をかけたくないとの思いからウソの強盗事件をでっち上げて“自首”し、刑務所に入る道を選ぶことに。先日、意を決して江門市公安局農林派出所を訪れた。

しかし、この計画はあえなく失敗。取り調べでは最初こそうまく立ち回っていたものの、事件の詳細について突っ込まれているうちに徐々にボロが出始める。そしてついには、強盗事件はウソであること、刑務所で胃病の治療をしてもらいたかったことを白状せざるを得なくなってしまった。

警察は男性の置かれている立場を考慮し、厳重注意するだけで済ませたそうだが、果たしてこの結果が男性にとって本当に良かったのかどうかは不明。何はともあれ、治療費を理由に自ら刑務所に入ろうというのは少々切ない話だ。

中国の医療事情と言えばかねて何度も取り上げて来た通り、金の切れ目が縁の切れ目どころかまずは見せ金を出さないことには相手にもしてもらえないという状況だそうですが、その理由として医療保険が未整備なことに加えて仮に保険に加入していたとしても自己負担が日本などに比べても割高になるということがあるようです。
要するに中国においては半世紀前までの日本にも似て医療は未だ制度的には贅沢品扱いだということなのでしょうが、その一方で近年の経済成長に伴う権利意識の進展や一人っ子政策の定着による必然的な人命尊重(何しろ若年層一人が働けなくなれば確実に親世代二人が扶養されなくなってしまいます)等により、当然のように命の価値が上がり医療に対する関心や要求も高まっているはずですよね。
日本などではまずあり得ないことですが、中国ではたびたび猛り狂った患者や家族によって病院が襲撃されるという事件が発生するというのも、それだけ医療に対する国民の期待度が高い割に信頼度は必ずしも高くないという背景事情があるんじゃないかと言う気がしますが、ともかくもこうまで金と医療の関係を突き詰めて考えずにすんでいたのが過去数十年の日本だったことは否定出来ません。
その日本も雇用流動化だ、所得低迷だといった社会的な変化もあって、このところ医療はいつでも誰でも手に入れられて当たり前な地位から滑り落ち始めていると言う話もありますが、先日それを裏付けるかのようなこんな調査結果が出ていました。

必要な受診を控えた経験「ある」14.2%-社人研調査(2013年7月24日CBニュース)

 医療機関への受診が必要だと思ったが、行けなかった経験のある人は14.2%-。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が24日に発表した「生活と支え合いに関する調査」で、受診控えの実態が明らかになった。受診控えの理由については、20-64歳で「行く時間がなかった」が圧倒的に多く、公的医療保険には加入していたものの窓口で医療費を支払うことができなかったと答えた人も、同じ年齢層で15.3%いた

■理由は「行く時間がなかった」が最多

 調査は、公的支援が必要な人の把握などを目的に、5年ごとに実施。今回は昨年7月1日現在の状況を、福島県を除いて無作為に選んだ300地区に住む世帯と20歳以上の世帯員を対象に聞き、1万1000の世帯票と2万1173の個人票を回収した。有効回収率はそれぞれ68.3%と80.6%。

 必要と感じながらも医療機関を受診できなかった人の割合を年齢別に見ると、25-59歳が16.3-18.5%と高かった。65歳以上は9%台で低かった。この理由を複数回答で聞いた項目では、20-64歳では「行く時間がなかった」が67.1%で最も多く、「公的医療保険に加入してはいたが、病院や診療所で医療費を支払うことができなかった」が15.3%でこれに続いた。65歳以上では、「行く時間がなかった」33.2%、「病院や診療所までの距離が遠く、通院が困難」19.0%、「身体上の理由で、病院や診療所まで行くことが困難」16.4%などだった。
(略)

もちろん受診を手控えたことのある人が相当数いるとしても、その理由がお金のせいではなく時間がなかったからだと言っているから仕方ないじゃないかと考える人もいるでしょうが、しかし何故時間がなかったかを考えて見ると仕事が忙しかったからであり、仕事を一日でも休めば首を切られる、食っていけないという切実な経済的状況にあったからだとも考えられるわけですね。
さらには窓口の自己負担を支払えないという人も相当数に上っていることから、やはり日本でも医療費負担の重さがそろそろ受診行動を再び左右するようになってきたということなのですが、皆保険制度で医療があって当たり前となる昭和以前のそれと違って、現代社会ではこれくらいの状態であれば本来病院に行ってしかるべきだと言う閾値は相当に下がっているはずです。
皆保険以前であれば医者の顔を見ることなどご臨終の時だけなどという世帯も結構あった、ましてや風邪で調子が悪いからとすぐ医者にかかるなどあり得なかったはずですが、今の時代職場で咳の一つもすればむしろ周囲の方が「インフルエンザだったら大問題になるからさっさと病院に行け」なんてことを言い出したりしますよね。
毎年シーズンになるとインフルエンザなりノロなり「ではない」という証明をしてくれという元気な人々が大量に押し寄せてきて外来がパニックになるとぼやいている先生方も多いはずですが、これも長年医療業界(と言うよりも某医師団体が、でしょうか)何かおかしいなと思ったらすぐに受診をと呼びかけてきた結果だと思うと感慨深いものがあります。

ともかくも、どのあたりまでの医療受診を当たり前のものとして認めるべきかということは昨今の医療崩壊と言われる医療の需給バランス崩壊の顕在化と共に盛んに議論されるようになってきたところで、例えば受診一回ごとに一定金額を徴収しようとか、ある金額までは保険7割ではなく全額自己負担にさせようといった話は全て(医療のキャパ的あるいは医療財政的に)軽症患者にまでいちいち病院に来させるなということに要約されるんじゃないかと思います。
柔道整復師(柔整)問題がしばしば取り上げられるのも似たような側面があって、別に柔整が連日大繁盛で儲けていようが正直どうでもいいことなのですが、問題はその現場で明らかに保険診療のルールに反していると思われる方法論が採られていると言われ、その結果膨大な額にふくれあがったコストが保険財政上無視出来ない規模になっている、そして当然ながらまともな医療までその影響で支障が出ているという点に尽きるわけですね。
これもまた日本経済が右肩上がりで成長し誰もが札束を燃やして明かりを灯すような時代であればまだしも、ふくれあがった財政コストをどうやって収入相当の規模に切り下げるかが大問題になっている時代だからこそ喫緊の課題になっているわけですが、特に負担者と利用者の不均衡という問題が昨今非常に大きな問題となってきています。

“不平等な”医療費負担、膨大な医療費を使う健康無関心者たち…健康生む街づくりも(2013年7月26日ビジネスジャーナル)

 高齢化社会で生活習慣病による医療費が膨らみ続け、保険料増加のかたちで現役世代を直撃している。日本は国民皆保険制度になっているが、国民健康保険や中小企業の健保組合は崩壊寸前だ。対策は簡単だ。長生きする高齢者が健康で元気に暮らせるようにすればよい。

 麻生太郎副総理兼財務相は4月、衆議院の予算委員会で次のように発言した。

「私は72歳だが、病院に行ったことはほとんどない。そうじゃない人って世の中にたくさんいるじゃない。飲みたいだけ飲んで、やりたいだけやっていい加減に生きて、それで72でくちゃくちゃになってる人がいっぱいいるでしょ。そういう人たちが病院で払っている医療費を俺が払ってる。俺が払ってるんだと思うと、なんとなくばかばかしくなってくる」

 麻生氏は、総理大臣時代の2008年にも経済財政諮問会議で「たらたら飲んで、食べて、なにもしない人の分の金をなんで私が払うんだ」と発言して批判を浴びたことがあった。今回も当時と同じように、「努力して健康を保った人には保険料が還元されるような制度を導入すべき」という持論を改めて主張した。

 思いやりに欠ける発言だと感じる人はいるだろう。確かに、国のリーダーの発言としてはいささか乱暴な部分はあるが、一面の真実があることも直視すべきである。

 例えば、若い頃からのヘビースモーカーが、周囲の人や医者から「健康のためにやめたほうがいい」というアドバイスに耳を貸さず、ついに肺がんになったらどうだろう。がん治療には多額の医療費がかかる。本人も大変だが、大部分は保険料負担だ。タバコを吸わない人も、肺がん患者の医療費を負担させられるのである。

●5割は「運動せず、やる意思もない」

 メタボリック症候群が心臓病や脳梗塞などの病気を引き起こす大きな原因の1つであることは論をまたない。厚生労働省健康局の資料によれば、09年度の国民医療費36兆67億円のうち、約32%は生活習慣病による医療費だ。糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病の多くは、遺伝的素質があったとしても、若いときからの予防が大切であり、その努力をしていれば一定程度は発病を免れる

 ところが、新潟県で約2000人を対象にした調査結果では、生活習慣病予防に効果のある量の運動を実施している人は3割程度にすぎず、「運動をしていないし、やる意思もない」という人が5割を占めたという。健康を維持するためのささやかな努力すらする気がない人が多数なのだ。
08年4月からスタートしたメタボ検診義務化は、生活習慣病を減らして医療費を抑制する策の一環である。しかし、これはリスクの高い人を対象に絞り込んで対処することから、モグラ叩きで終わってしまう可能性もある。
(略)

●リスクに応じた保険料負担

 公的保険の保険料は、所得に対する一定率または一定額として平等に徴収される。しかし、医療費の使い方は平等ではないという現実的な矛盾がある。日本は自由社会であり、個人がどのような生活習慣を選ぼうとも、他人に危害を加えない限り、咎められるものではない。しかし、生活習慣リスクは本人の医療費だけでなく、リスクのない人の保険料負担まで増やしている点で、他人に悪影響を及ぼしている。医療保険財政が危機に瀕している今、持続可能なシステムとして、「リスクに応じた負担」が医療保険にも必要ではないのか。

 前出の東北大の辻教授は、いくつか具体的に提案している。保険証の更新のたびに身長と体重を測定して、肥満度に応じた保険料を徴収したらどうか。実際に肥満者の医療費は高いのだから、その程度に応じて保険料を上げる。それから、検診で早期がんが見つかった場合、医療費の自己負担率を低くするというのも良い。受診率が上がるだろうし、結果的にがん死亡率は減り、医療費も減るだろう。

 民間の自動車保険や医療保険のように、公的医療保険へのインセンティブ導入には反対意見があるかもしれない。しかし、「生活習慣病」という言葉が示すとおり、今や生活習慣ごとの発病確率や医療費までわかる時代である。何が本当の平等なのかを真剣に考えなければならない。(文=横山渉/ジャーナリスト)

アメリカなどでは未だにああだこうだと騒動が続いている国民皆保険導入の議論にも見られるように、あの国は先に民間保険から入ったものですからリスクに応じた負担ということは当たり前であった、その結果リスクの高い人があまりに高くなった保険料を負担しきれず公的保険導入が必要だと言われ出したという流れですよね。
これまた「なんででかいテレビの前でポテトチップスかじりながらごろごろするばかりで保険にも入ってなかった連中のコストまで俺たちが負担しなけりゃいけないんだ」とまじめな人ほど理不尽に感じるのもごもっともではあるのですが、ある程度発展した社会での人間一人の命の持つ価値を考えると、やはり完全自由市場主義に委ねてしまうというのも行き過ぎでしょう。
逆に日本では完全所得割で負担が決まるということで健康リスクによる保険料上昇はありませんが、その結果健康改善という自助努力へのモチベーションが乏しくなり、場合によってはどんどん不健康になって医療費を使いまくり元を取らなければ損だという妙な意識すら芽生えてしまうという問題もあるわけです。

ところで酒やタバコをやめれば健康にも近づき余計な生活コストも減らすことが出来るのは判っている(最近タバコも高いですしね…)、しかしやめられないという人は多いのですが、おもしろいことに歴史的に見ると国の経済が発展するにつれて喫煙率が高まっていくのですが、ある程度発展が進んで誰でもタバコが吸えるようになってくると今度は富裕層から喫煙離れが進んで低所得層との喫煙率格差が発生してきます。
付き合い酒が多いせいか日本では酒だけはやや逆の傾向が見られるという例外がありますが、世界的には飲酒率も低所得者や失業者で高くなるということが知られていて、肥満率や運動習慣、朝食や野菜の摂取といった健康的な食習慣も一般に所得が高くなるにつれて改善傾向が見られると言いますが、そうすることによってお金が貯まるというよりもお金や地位を得た人ほどそれを守るために努力するということでしょうか。
いずれにしてもこうした統計は高い保険料を支払っている富裕層ほど健康で保険診療の給付が少ないと言う逆説とも関連しているのだと思いますが、日本では今のところせいぜいこの程度の健康改善へのモチベーションしか働いていないのだとすれば、もう少し制度的にもその向上をサポートしてやる方が国民健康向上のためにも医療財政的にもよろしいだろうと言う考えはごく当たり前ですよね。

いわゆるメタボ検診などは社員の健康状態が改善していかないことへのペナルティーは直接的には不健康状態を放置している社員個人ではなく、雇用している企業の方に与えられる形ですけれども、今やどこの業界でも現場仕事は派遣や一時的な転勤のような形で回しているわけですから、実質的には雇用契約を結ばないと言った形で本人へのペナルティーにもなりかねないですよね(そうしてはならないとは言いますけれども)。
さすがに直接的に雇い止めだ、解雇だという話に結びつくことは社会的にも賛同を得がたいと思いますが、健康であることで例えば医療費窓口負担が減ってくるだとか言った目に見えるメリットがあれば健康改善へモチベーションも変わるだろうとは麻生氏らも言っていることで、まずは罰則ではなくご褒美という形で始めてみることには表だって反対はしにくいだろうと思います。
その財源はどうするんだということですが、そもそも何故健康であるべきかと言えばその方が医療費が減って社会保障支出が減らせるという試算が出ているからなのですから、減らせた分を努力して減らした人たちで山分けするということであれば別にそうおかしな話でもないはずです。

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2013年7月28日 (日)

今日のぐり:「おんまく寿司 青江店」

昨今マスコミお気に入りのフレーズと言えば「○○の○○離れ」だそうですが、先日はいつの間にかとんでもないものから離れてしまったらしいと言う記事が話題になっています。

子供の炒飯離れが進む 猛暑原因で夏休み昼食の定番に陰りも(2013年7月25日NEWSポストセブン)

 子供たちの夏休みが始まり、平日の昼間から楽しそうに駆け回る彼らの姿を見かけるようになった。そして、給食がない夏休みの昼食の定番といえば炒飯だ。ご飯にハムや野菜などが入った炒飯は、多くの人にとって母親の味のひとつだろう。ところが、近年は食卓への登場回数が減少傾向にあるようで、7~8月にもっとも売れる「炒飯の素」市場に変化が表れている。

 ご飯と一緒に炒めるだけで炒飯が出来上がる「炒飯の素」市場は、外食より家庭で食べる内食回帰などの傾向が強まったこともあり、手堅い市場とみられてきた。東日本大震災の後、長期保存が可能で簡単に調理できることから大きく人気を回復したが、これは仮の需要だったようで昨年は大幅に落ち込み、ドライタイプでは前年比約8%減の74億円にとどまっている(2013年7月3日付 日本食糧新聞)。

 日本人のコメ離れ傾向が止まらないことや、新たな価値観を打ち出した新商品の登場がないことから、炒飯の素市場は今年も縮小すると見込まれている。

 猛暑になるとご飯食が敬遠される傾向があるのは確かだが、炒飯の登場回数が減っているらしいいま、子供たちは夏休みの昼ごはんに何を食べているのだろうか。「なるべく野菜をとれるように手づくりのものをと考えても、暑すぎると料理をしていられない」というのは、小学生の子供がいる30代主婦だ。

「炒飯ならたいてい食べてくれるし、具や味付けを変えれば二日続けて出しても嫌がられないから助かるメニューです。でも、気温が35度を超えるような猛暑日になると、火を使う料理をすると考えるだけで憂鬱になります。そうなると、昼食は料理をする私も暑くならずにすむものになりがちです」
(略)
 確かに、暑すぎると火を使う調理やご飯食が敬遠される。そのため、電子レンジだけですむ冷凍食品や、水でほぐすだけの麺類に人気が集まるのも納得がいく。便利で美味しい麺類だが「その一品だけで食事を済ませてしまう人が多いのが気になります」と、薬剤師の資格をもつ料理研究家の吉田三和子さんはいう。

「麺類だけで食事を済ませてしまうとタンパク質が不足します。冷凍食品でもお惣菜でもよいので、タンパク質がメインのものを何かひとつ付け加えましょう。わざわざ増やすのが面倒なときは、煮物やサラダの残りに、冷凍でよいので枝豆を加えてください。暑くなる前、朝のうちにやっておけば、お皿に出すだけでタンパク質が摂れるお昼のおかずになります」

 美味しいものをしっかり食べて、子供たちには楽しい夏休みを満喫してほしい。

そもそも昼食に炒飯というのがそこまで鉄板だったとも存じ上げませんでしたけれども、それはともかくやや話は変わりますが昨今普及が進んでいるIH調理器、あれは発熱が少なくて夏向きですね。
今日は子供達の炒飯離れを憂慮して、世界中から思わず夏だなあ…と言いたくなるような夏向きのニュースを取り上げてみましょう。

ひんや〜り「氷のボトル」に入ったコカ・コーラ登場! コーラを飲み終わったらボトルをかじって楽しめるのだ(2013年7月9日Pouch)

コロンビア屈指の観光地・カルタヘナのビーチでは、とぉ~っても珍しいコカ・コーラが売られているみたいなの。どんなコカ・コーラかといいますと、ボトルが氷でできているんだって。すっごく、革新的じゃあない?

海外サイト「TOXEL.COM」によると、この氷のボトルに入ったコカ・コーラは、今年の夏からコカ・コーラ社が販売し始めたもの。デザインを手掛けたのは、マーケティング・コミュニケーション会社「Ogilvy & Mather(オグルヴィ・アンド・メイザー)」。

長時間持っていても大丈夫なように、ボトルの周囲にはコカ・コーラのラベルが巻かれているの。飲み終わったボトルは放っておけば溶けるから、リサイクルの必要なし。ゴミにならず、環境に優しいボトルと言えるかも!?

もちろん、氷でできているワケだから、ボトルをガリガリとかじって楽しんでもOK。考えただけでも、涼やかだわぁ~!!!!!

せっかくキレイなビーチなのに、飲み終わったコカ・コーラのボトルが散乱していたら、悲しい気持ちになっちゃいます。おいしくコカ・コーラが飲めて、コカ・コーラを飲み終わった後もボトルをかじって楽しめるなんて、サイコーだわのよ!

しかし近年のコカコーラはペットボトル化が進んでけしからんと思っておりましたが、リンク先の画像を見る限りこれはまた何ともクラシカルなコカコーラを見事に再現しているではありませんか!
猛暑であることの表現と言えば色々とありますが、こちらそういう状況になれば砂漠の狐ならずともついやってしまうんだろうなというニュースです。

もうやめてあげて!熱すぎて地面で目玉焼きを作る人続出(米カリフォルニア州デスバレー国立公園)(2013年7月15日カラパイア)

 米カリフォルニア州にあるデスバレー西半球で一番低い土地であり、暑いというよりも熱いという表現がぴったりな所である。「世界で最も暑い場所」とされるこの地では1913年7月10日に世界最高気温56.7度(摂氏)を叩きだした。米南西部はここ数週間も熱波に見舞われ、デスバレーでの気温は50度を超えており、世界記録を更新する可能性もあると見られている。

 そんな中、旅行者らが、どんだけ熱いのかを試すため、地面を利用して目玉焼きを作る人が続出しているという。

 の行為により、公園内のごみが増えていることから、米デスバレー国立公園の管理当局では、「地面で目玉焼きを作らないように」と呼び掛けているそうだ。

 目玉焼き、デスバレースタイル

 もともとデスバレー内でフライパンを使い目玉焼きを作り、その動画を公開したのは公園の職員で、それはここがどれほど暑いかを知ってもらうためのものだったという。これを見た人々が次から次へと試したくなっちゃって、目玉焼きづくりにいそしんじゃったものだから、公園スタッフは、歩道の上に直接割り落とされた卵や、駐車場に散乱した卵の紙パック、殻などの掃除に追われているという。

 そういえばアメリカでは、2011年からの記録的な猛暑で、車の車内を利用してクッキーづくりをしている人も続出していたよね。更なる猛暑が地球を襲うらしいので、アメリカの猛暑を利用してのクッキング教室は加速度がつきそうだ。

しかし富士山といいどこの国立公園もゴミ問題には悩まされるんだろうなあと思うのですが、「来た時よりも美しく」の大原則は遵守して楽しんでいただきたいと思いますね。
夏と言えば酒飲みにとってはビールの誘惑が厳しい時期でもありますが、こちら飲み過ぎると大変なことになったという話題を紹介しましょう。

【飲みすぎ注意】男性が一晩でビール20本をガブ飲み → 内臓が溶けて消滅(2013年7月25日ロケットニュース24)

暑い暑い夏! 冷たいビールが美味しい季節の到来である。そんなビールのウマい季節に、親しい友人が集まればついついたくさん飲んでしまうもの。

しかし、いくら楽しくても飲みすぎには重々注意をした方がよさそうだ。一晩で20本のビールを飲んだ男性が体調不良をうったえたそうだ。検査の結果、内臓が溶けてほとんどなくなってしまったというのである。

・ビールを20本飲んで内蔵が溶けて消滅
内臓が溶けてほぼ消滅したというのは、中国・遼寧省の瀋陽に住む周さん(30)だ。周さんはお酒が大好きだったが、健康診断で「高脂血症」と診断され、お酒を控えていたという。しかし、飲み友達が集まった席でとぼけていると思われるのが嫌で、つい飲んでしまったのだという。その量は一晩でなんとビール瓶20本だ。

・体調不良をうったえ病院へ
だが20本はさすがに飲みすぎだった。周さんは帰宅後激しく嘔吐。眠れず家中をのたうちまわったという。そして2日目、どうしても耐えられず家族につきそわれて病院へ。すぐに救急部門で検査を行うこととなった。

・体からは白い血、そしてすい臓がない!
医師が周さんのCTをとったところ、画像を見て驚いた。あるはずのすい臓が見当たらないのだ。さらに採血した血は真っ白。これは典型的な脂血で、血液の3分の2以上が油脂であったそうだ。さらに驚愕の事実が判明した。周さんのすい臓は薄皮一枚を残して溶けてなくなっていたのである。

・なぜすい臓が溶けてなくなったのか
医師は周さんの症状を以下のように説明している。

「この症状は食事により引き起こされたものです。脂肪を多く含む食物の暴飲暴食が原因です。とくに羊肉。そこに大量の酒が加わったのもいけなかった、さらに悪いことにそれが冷たいビールです」

「食物の摂取が原因となり、すい臓ですい液が大量に分泌、それがすい管に過剰な圧力を与えたのでしょう。そしてすい管がつまり、本来なら十二指腸にいくべきだったすい液が中にたまってしまった。それがたまることで、すい臓自身を溶かしてしまったのだと思われます」

・一時は瀕死状態に
周さんは、すい臓を失ったことで、重度のすい炎の症状が出たと見られている。なお、入院して2日目に周さんは、心臓、肺、肝臓、腎臓などの内臓機能が著しく低下。危険な状態に陥ったそうだ。だが医師の必死の処置のおかげで一命はとりとめたという。

搬送から約2カ月が経ち、周さんはようやく退院した。彼のすい臓は徐々に自己修復しつつあるそうだ。

・暴飲暴食は控えるべし
幸いにも命を落とすことはなかったが、暴飲暴食で臓器が溶けて消えてしまうとは……医師はこのような事態を防ぐために、まず食事はきっちり管理すること、そして夏場に脂っこいものや冷たいビールの大量摂取は控えるようにと注意を促している。

しかし助かってやれやれというところですが、こういう人はいくら止められてもまたぞろ酒を飲んでしまうのではないかなという懸念もありますよね…
酔っ払っての醜態も国を問わずでしょうが、こちら酔っ払いは国境を越えたという驚くべきニュースを紹介しましょう。

酒飲んだカナダ男性、泳いで米国目指す ヘリ出動の大捜索に(2013年7月25日AFP)

【7月25日 AFP】カナダ・オンタリオ(Ontario)州ウィンザー(Windsor)で22日夜、酒を飲んだ男性(47)が自分の水泳の技量を証明しようとデトロイト川(Detroit River)に飛び込み、対岸の米デトロイト(Detroit)に向かって泳ぎ出したことから国境をまたいだ大規模な捜索活動が展開される騒ぎになった。地元警察当局が24日、発表した。

 男性は一時身柄を拘束されたが、23日未明に釈放され、地元紙ウィンザー・スター(Windsor Star)の取材に「とても愚かな行為だった」と反省を見せる一方、武勇伝として友人に自慢できるのが嬉しいとも語った。

「酒を飲んではいたが、酔っ払ってはいなかった。実は、何年も前から『あの川を泳いで渡ってやる』と言っていたのだけれど、皆『はいはい、できるわけないよ』と否定するものだから、昨夜はその時が来たと思ったんだ」と男性は説明している。

 報道によると、男性は対岸のデトロイトまで泳ぎ切り、通りがかりの人たちに写真を撮ってもらった。その後ウィンザーまで引き返す途中で、大騒ぎになっていることに気付いたという。

 カナダ側の岸で待っていた隣人が、男性の姿が見えなくなったことを心配して警察に通報したのだ。深夜にもかかわらず、カナダ警察のみならず米・カナダ両国の沿岸警備隊が出動。小型船3隻にヘリコプター1機が加わって、男性の捜索が開始されていた。

 男性は最終的に、最初に川に飛び込んでから2時間近くたった23日午前0時50分にカナダ側で発見された。「ヘリコプターが上空を飛び回り、ボートが僕を捜しているのを見て、すぐに『ばかげたまねをしてしまった』と思った」と、男性はウィンザー・スター紙に語っている。

 当局によると、男性には公の場で酩酊(めいてい)した容疑が掛けられている他、水運路の河川で泳いだことに対して最大2万5000カナダドル(約240万円)の罰金が科される可能性がある。また、男性は水辺への接近を禁止されたという。

泳いで隣国まで…と言っても日本などとは意味が違いますけれども、いずれにしても深夜に酔った状態ですることではないですよねこれは。
夏と言えば水遊びが楽しい季節でもありますが、こちら思わぬ珍客到来という風変わりなニュースです。

インドの市民プールに珍客、マナー守って達者な泳ぎ(2013年7月11日ロイター)

[ムンバイ 9日 ロイター] - インドのムンバイにある市民プールに9日、人間の真似をしてコースを守って泳ぐサルが現れ、スイマーたちを驚かせた。

プールを管理する現地当局者は、このサルはこれまでも定期的に姿を見せており、人に危害を加えることはないとしている。プールに飛び込む前に人間たちの様子を注意深く観察した猿は、ルールを守るかのように、コースをはみ出すことなく真っすぐ泳ぎ出したという。

プールの管理人は「サルは初めはプールで泳ぐ人たちを見ていたが、しばらくすると泳ぎ始めた。サルがプロスイマーのように泳ぐ姿を見るのは愉快だった」と語った。

珍客の登場に驚く人もいたが、苦情は寄せられておらず、プール側もサルの立ち入りを禁止する意向はないという。

公開されている動画を見る限り猿が宿敵を真似て犬かきをするのはどうなのかとも思うのですが、現地の方々には是非猿オリジナルの泳法を教授いただきたいと思いますね。
最後に取り上げますのもこれまた水と生き物が絡んだびっくりニュースですが、まずは記事を紹介してみましょう。

鯨に丸呑みピンチの恐怖映像、水面下から突然浮上の迫力に大反響。(2013年7月24日ナリナリドットコム)

先日、沖合でスキューバダイビングを楽しんでいた米国人男性2人の目の前に、水面下から突然、勢い良くクジラが現れ、あわや丸呑みの危機に直面した。そのときの様子を収めた動画がYouTubeに投稿されると、恐怖すら感じる迫力のシーンに大きな注目が集まっているようだ。

話題を呼んでいるのは、7月20日付でYouTubeに投稿された動画「Whales almost eat Divers」(http://www.youtube.com/watch?v=0Ut7wK9l9mk)。米放送局NBC系列KNTVやABCによると、投稿したのはカリフォルニア州サンルイスオビスポに住む39歳のショーン・スタンバックさんで、先日友人3人と連れ立って、近くのモーロ湾沖4キロの地点へ、スキューバダイビングに出かけたという。

この日はサンゴ礁の中を探検するつもりでスキューバダイビングをしていたというスタンバックさんたち。そんな彼と友人の2人が海の中に入って数分後、魚の群れが海面へ急上昇していく光景を見たそうで、動画はその辺りから始まっている。

海面に浮かぶ2人の近くには鳥も多く集まっており、確かに魚の群れが付近にいた様子。そして、海中を急上昇してくる魚の群れのシーンが映し出された直後、手前に映る男性のすぐ近くの海中から、ザトウクジラ2頭が魚を捕食するために現れた。

「バスにもジェット機にも匹敵するほど」大きく感じたという2頭が突如間近に現れ、慌てた2人は急いで船へと帰還。クジラが現れた瞬間は「かなりのショックを受けた」というスタンバックさんは、我に帰ると尻尾で体を叩かれないように注意しながらも「弾丸のように」船へ戻ったという。当時、辺りにクジラの気配を感じていなかったといい、友人が「クジラの声が聞こえるか」確かめていたこともあり、彼らはクジラの出現を全く予想していなかったそうだ。

スタンバックさんの動画は、投稿から間もなく米メディアを中心に広く紹介されヒット。4日間で、約273万回(7月24日現在)の再生回数を記録している。動画の中ではハプニング後に全員笑い声を上げているが、実はこのとき「みんな気が動転していた」と話すスタンバックさん。これからスキューバダイビングを楽しもうという人に対しては、海に入ったら「自然の中にいるということを肝に銘じておくべき」と注意を怠らぬように呼び掛けている。

動画を見ますと例の鯨の追い込み漁の現場に遭遇したのだなと判るのですが、これは間近で出会うと確かにショッキングですよね。
ザトウクジラは過去にも同種のニアミス事故が報告されているようなのですが、ちなみに万一鯨に飲み込まれてしまった場合には腹の中でたき火をするのがよいそうです。

今日のぐり:「おんまく寿司 青江店」

こちら岡山市内の回転寿司にまた再訪となりましたが、今回気づいたことになんとカウンター席は今時珍しい伝票運用なのですね。
タブレットによるオーダーシステムもあるのに何故?と思って診ていたのですが、どうも席によってオーダーや配送システムが違っているようで、通常のベルトコンベアーや手渡しでやっている席やら配送システムがある席やら、様々なバリエーションがあるようです。
何しろこちらの場合店内が非常に広大ですから顧客によって使い分けられればという考え方なのでしょうが、現実的にはお客さんも席選びにさしてこだわってはいないようで今のところややアイデア倒れと言うことでしょうか。

例によって同行者とシェアしながら今回は豊富なサイドメニューを中心に適当につまんでみたのですが、まずサラダ系としてはおんまくサラダまあさっぱりと口直しにいいかなと言う万人向けの味なのに対して、シーザーサラダの方はとにかくドレッシングの味が強い、一方でアスパラシーザーサラダの方は何か水っぽい味と一応それぞれに特徴はつけられているようです。
茶碗蒸しは普通の百円並みの内容でスがはいりまくってるのはご愛嬌というものですが、刺身盛り合わせはその日のネタから選ばれるようでイカはまあまあ、まぐろはまあこんなものといったところで100円寿司のネタにしては食べられる方かなという内容でしょうか。
鍋物でもやしホルモンはもやしたっぷりで多少薄まるとは言えやはり濃い味で、肉豆腐も豆腐の質は問うべきではありませんがこれくらい味が濃いと豆腐の味はしないですし、そうかと思えば魚のあら煮は思ったよりもあっさり目な味で普通に食べられると、何か今ひとつ全体の方向性が見定められません。

握りの方はえんがわはほんとうに食感だけでいかにも回転…というお約束の味、おすすめのアジなどはシンプルにうまいと思ったらさすがに100円皿ではなかったり、海鮮巻なるものはもっと豪華なものを想像していましたが見た目も食べ応えも思ったよりさみしいがまあ普通に食べられはするものの、あちらこちらでコストの制約を感じてしまいますね。
前回来た時に気になった揚げたて大きいエビフライ巻なるものも食べて見たのですが、大ぶりな海老フライはまあいいのですがシャリとのバランスが今ひとつと言いますか、正直海老フライ巻きとしては笑いの取れる見た目はともかく味の方は期待はずれでした。
締めにはまずは握りで田舎風卵なるものをまず頼んで見ましたが、一見してありきたりな寿司屋の卵の握り風のものが何故田舎風?と突っ込みたくなるのと、単品の出し巻き卵も思わずでかっ!と言ってしまうそうなボリュームの和風オムレツという感じですが、正直この味にマヨネーズのトッピングはいらないと思います。

無論特記すべき美味ではないにせよ100円系と考えるとわりあい普通に食べられるなと思うのですが、実際には全皿均一ではなくよいネタには高めの値段が付いていたり、サイドメニューは味も価格も普通に居酒屋的だったりで、少なくとも安さを全面に押し出した商売ではなさそうなのです。
まあ全皿100円という制約にこだわるよりこういう店の方が客層はより幅広く対応は出来るのでしょうが、ただしネットで見ていますと過去に価格も変わっているようで、このあたりは何しろ昨今競争も激しいですから今後経営的な判断からもう少し価格帯も変わってくる可能性もありますね。
トイレは奥まった場所ながら装備はそれなりにいいのはよしとして、これだけ広大な店内なのに過去に来た時にはいずれも奥の方はほとんどお客を入れていないせいか妙に閑散とした印象があるのですが、どうもそのあたりはベルトコンベアーなしの昼定食専門ということのようで、顧客目線で見ると全席共通の方が適当に分散して座れるし良さそうにも思うのですけどね。

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2013年7月27日 (土)

各方面から辟易されるマスコミ まずは人としてのあり方を学ぶべきでは

色々と話題になることの多い毎日新聞論説委員の与良正男氏ですが、先日はこんな記事を書いてまた話題を呼んでいます。

熱血!与良政談:言論の自由守るために=与良正男(2013年07月24日毎日新聞)

 自民党が圧勝した参院選。実は結果がどうなるかという前に、選挙戦の最中からずっと考えていたのは、これからの政治報道はますますしんどくなるなあということだった。

 象徴的だったのは自民党がTBSに対し「報道が公正さを欠く」と抗議し、党幹部への取材や幹部の番組出演を一時拒否した一件だ。数日間で収拾したが、今後こうした「メディア制限」は増えそうな気がするのだ。

 TBSの報道は先の国会会期末、与野党の駆け引きの揚げ句に電気事業法改正案が廃案になったニュースを報じる際、改正案成立に期待していた財団関係者が「与党がもしかしたら法案を通す気がなかったのかも。非常に残念ですね」と録画でコメントしたというものだ。

 言論には言論で応じるべきで、報道が気に入らないといって政権側が取材拒否や出演拒否に出るのはまったく行き過ぎである。ただ一方で報道の脇が甘かったと私が感じたのも確かだ。自民党に廃案の責任があるというのなら第三者が印象論を語るのではなく、記者自らが事実を積み重ねて報じるべきだったと思う。

 元来政治権力は都合の悪い報道を封じたがるものだ。私が政治記者になった二十数年前は「でも権力をチェックして批判するのが君らの仕事だからなあ」と懐の深さを見せてくれる政治家が多かったが今や少数。

 民主党政権時代にも政権に批判的な報道があると「国会におたくの社長を呼んで問題にするぞ」と脅す閣僚もいたのだ。政治権力側がメディアをより好みして選別する時代に入りつつあるといっていい。

 私たちが覚悟しなくてはならないのはそこだ。面倒なことになるから批判はおっくうになり、メディアが萎縮していく……。そうならないためには、とりわけ批判するに際しては従来以上に客観性と論理性を持たないといけないと思う。

 もっと深刻なのは、政治家だけでなく自分の気に入らない意見には一切耳を傾けず、排除する風潮が社会全体に広がり始めていることだ。

 「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という言葉がある。これが民主主義の原則だと私は信じてきた。この原則を守るためいっそう体を張っていかなくてはならないと決意している。(論説委員)

ま、世の中一見して正論らしきことを吐く人間はいますけれども、それを言う側の人間がどのような場所に立っているかによって発言の意味が異なってくるのも当然で、常習的犯罪者が「犯罪者の権利をもっと尊重すべきだ!厳罰主義断固反対!」と叫んだところで社会の理解と共感はなかなか得難いんじゃないかと言うことですよね。
政治に限らずマスコミ各社の横暴ぶり、傍若無人ぶりはかつては当のマスコミが報道しないことで全く知られないまま直接の体験者と周囲だけで共有されるに留まっていましたが、今の時代あっという間にネット経由で情報が全国に拡散しますから彼らも隠蔽が難しくなったということなのでしょう、さすがに「我々は常に正義である!批判する者こそ悪である!」式の自己絶対視は公言し難くはなってきているようです。
先の参院選でも選挙妨害で逮捕者が出ましたけれども、実のところマスコミ各社の横暴の方がよほど酷かったという話があって、SNS等による流出分を除き報じられただけでも到底適切とは言えない選挙妨害まがいの活動が行われていたようですから、普通に考えれば「出入り禁止」を通達されて当たり前というのが世間の常識ではないでしょうか?

テレビ局はそんなに偉いのか 議員の演説中に「通行人取材するからマイク切って」(2013年7月24日J-CASTニュース)

   参院選を取材していたあるテレビ局のスタッフが、街頭演説に立っていたみんなの党・山内康一衆院議員(39)に対し「通行人のインタビュー収録」を理由に演説のマイクを切るよう求めるという、なんとも非常識な要求をしていたことが明らかになった。

   山内議員は当選3回。みんなで国対委員長・筆頭副幹事長を務める党の幹部だ。参院選終了後の2013年7月23日、ブログで「屈辱」「今でも思い出すと腹が立ってきます」としてこの一件を明かした

若いスタッフが近づき…「マイク消してもらえませんか」

   J-CASTニュースでは、山内議員に当時の状況について直接話を聞いた。「2週間経ってだいぶ落ち着いた」とのことで口調は穏やかだったが、当時はさすがに相当腹に据えかねたことがうかがえた。

   「事件」が起こったのは2013年7月6日、さいたま市・大宮駅前でのことだ。この日、議員は埼玉選挙区から出馬していた行田邦子参院議員の応援演説に立った。人通りが多く、立ち止まることが難しい場所だったため固定の聴衆はなかったが、暑さの中、山内議員は懸命に声を張っていた。

   そこへ、「某テレビ局の若いスタッフ」がずかずか近づいてきた。山内議員は局名を明かさなかったが、在京主要局の1つと見られる。同局のクルーは参院選取材のため、辺りでカメラを回していた。スタッフは「当然の権利のように」「こっちが迷惑をかけたかのような言い方」でこう求めたという。

    「いま街頭インタビューを収録中なので、マイクの音を消してほしい

   当時、クルーは山内議員から十数メートル離れた場所で、通行人に対して選挙に関するインタビューを行っていた。「候補者の演説を聞いて、どう感じましたか」――といったものだ。そのインタビューの「邪魔」になるので、「ちょっと静かにしてくれ」ということらしい。山内議員はあきれた様子でこう語る。

    「別の取材で来たならとにかく、我々の演説しているところを撮りに来たのに――ましてや選挙期間中ですよ。それに、わざわざそんな近くで撮影しなくとも、ちょっと離れて静かなところに行けば済む話ではないですか」

「奢るにもほどがある」の声

   住宅街などならともかく、今回のような大通り、しかも正式な許可を受けての演説でこうした「要求」を受けたのは、「政治家を8年間やっていて初めて」だという。

   「上着も脱いで普通に喋ってたからそうは思われなかったのかもしれませんが、一応党幹部なんですけどね」と、山内議員は苦笑いだ。もちろんその場で抗議を行い、直後に上司と見られる取材スタッフから謝罪を受けたという。ただ、この一件で気力がなえてしまったとのことで、山内議員は結局演説を止めてしまった。

   参院選に関しては、日本維新の会の橋下徹・大阪市長が、街頭演説中に朝日新聞記者が「俺を誰様だと思ってる、朝日新聞の政治部の記者だぞ」などと同党スタッフに暴言を吐いた、と20日にウェブ動画で話し、記者に対し「横暴」との声が上がったことが記憶に新しい。今回の山内議員のブログにもツイッターなどで、「どちらの局なのだろうかね? 奢るにもほどがある」「テレビ局に抗議していい話だと思うな」と、テレビ局を批判する声が相次いでいる

橋下市長と場外バトル 朝日新聞ブチ切れ記者の評判(2013年7月25日日刊ゲンダイ)

 橋下徹・大阪市長と朝日新聞のケンカがまた始まりそうだ。橋下市長が今度かみついたのは、記事ではなく、選挙期間中の記者の取材について。

 街頭演説の際、警備上“立ち入り禁止”にしているエリアにいた人物に、維新のスタッフが「そこから出て下さい」と注意したら、「オレの名前はイソガイ。朝日京都支局の政治記者だ。追い出したら、コラムに書く」「安倍首相の取材だって、もっと近くにいられた」と、まくしたてたという。イソガイ記者は、磯貝秀俊氏。経緯を橋下市長がバクロし、その様子が動画サイト「ユーチューブ」にアップされて、ネット上でも大きな話題になっている。

 にわかには信じがたいが、本当なのか。朝日新聞サイドに聞いてみると、「お尋ねの記者は、京都総局に在籍しています。日本維新の会のスタッフとのやりとりについては現在、事実関係を調査中です」(大阪本社広報部)と回答があった。朝日の関係者がこう続ける。

「イソガイは間もなく50歳になるベテランです。朝日に多い東大卒ですが、プロパーではなく、TBSからの転職組。主な担当は政治ですが、出世コースを外れ、京都総局へ。普段は物腰の柔らかい温厚な人柄ですが、取材になると時折、厳しい物言いをすることがあります

 どうやら朝日の方に問題があったようだが、橋下市長がメディアに対して燃やす執念もちょっと異常だ。

「橋下市長は自分の批判を続けるマスコミにイラ立ちを募らせ、“タイマン張れよ”と迫る。だから、腹が立つことがあると、記者を特定して個人攻撃をする。根底にマスコミ不信があるから、この先も衝突は続くと思います」(立正大教授の斎藤勇氏=心理学)

 さて、朝日は反撃に出るのか。

いや、まともな人間なら誰でも公の場でこんな無礼なことを言われて憤慨するのは当然ですし、それを「メディアに燃やす執念もちょっと異常だ」「朝日は反撃に出るのか」などと言われても世間とずれているなあとしか言いようがないと思いますけれどもね。
記事にも出ていますけれども、こうした行動、発言が衆人環視の中で当たり前に出てくるほどに彼らが特権意識を振りかざしおごり高ぶっている理由が何なのか、羽織ゴロと呼ばれた時代からの長い長い業界の伝統だと言えばそれまでですが、それをいわば甘やかしてきた世間の方もこうした彼らの態度を増長させてきたとも言えるかも知れません。
暴対法絡みでも市民は暴力団を利用しないということが盛んに強調されていますが、ペットのしつけでも悪いこと、間違ったことをした際には即座に叱らなければ正しいしつけは出来ないと言われるのと同じで、彼らが間違ったことをした際には即座にSNS等を通じて社会的批判を起こしていくということが市民に課せられた義務と考えてもよさそうです。

ホリエモン「朝日新聞のインタビュアーが、掲載前の事前チェックや宣材写真渡すとかの交渉したら怒って帰った」(2013年7月14日ガジェット通信)

ホリエモンこと堀江貴文さんが、7月12日に『Twitter』にて

    「朝日新聞大鹿靖明、取材申込をされたので応じたらカメラマンに変顔を撮られるの嫌なので事前チェックとか宣材写真渡すとかの話交渉したら、前代未聞の取材もういいですと怒って帰るなうw」

とツイート。

    「なんか、昨日から不愉快な出来事が続くな。しかし、新聞記者ってどんだけ偉いんだw こっちだって忙しい中無理やり時間とってんのに。。」
    「あー、腹立つわ。」

と続けた。

このツイートに対し、

    「なんだ、それ。タレント事務所なら当たり前にしてることなのに、自分のとこにとってプラスとなるとこだけ有名人なんだから扱いして、めんどくさいとこは一般人が何を言ってんの扱いかよ! と思っ(たら)朝日か。
    「取材に対しての接し方ではないですよ。原稿チェックは求められたら断らない。写真なんて宣材をもらえる自体あまりないです。もらった上でカメラ入れますだとおもいます。最初から悪意があっての取材申込にしか思えないですね。」

といったような返信が寄せられ、ホリエモンもリツイートした。

「分かります…事前チェックさせてくれないし」という返信に対しては、「たまに言ってない事書くし。」とツイートした。

ホリエモンといえば「女は金についてくる」といったような言葉で語られることが多いが、実際それは本人が発したものでなく書籍の編集者がつけたコピーが独り歩きしたもので、誤解だと本人も語っている。今回も取材に対し、そういったような誤解を生まないために、また言ってもいないことを書かれるということを防ぐために、チェックしたいというのも当然のように思われる。

この一連のやりとりは、Togetterにてまとめられており、それを紹介したツイートをホリエモン自身もリツイートしている。

朝日新聞・大鹿靖明記者が堀江貴文氏を相手に予定調和の取材が出来ずにカム着火インフェルノォォォオオオウ!挙句の果てに途中退席www
http://togetter.com/li/532710

朝日新聞と言えばかつて文革の時代に中国批判をした諸マスコミが相次いで北京から追放される中唯一後に残ることを許されたと言う伝説を持っていて、先日は中国国内で同社のSNSアカウントが相次いで閉鎖され同国国民から「朝日ほど親中的なメディアでさえ?!」と逆に驚かれたというほどに、その良心的な報道スタンスは国際的に定評を得ています。
それだけに特定の主義主張に基づいて取材もし記事を書きたがる心情は理解出来るのですが、しかし「タレント事務所なら当たり前にしてることなのに、自分のとこにとってプラスとなるとこだけ有名人なんだから扱いして、めんどくさいとこは一般人が何を言ってんの扱いかよ! と思っ(たら)朝日か。」は良かったですね(笑)。
朝日の名誉のためにも書いておきますと別に問題を起こすのは朝日の専売特許でも何でもなく、例えば先日は「なぜ日本テレビで“不適切な取材”が次々に続出するのか?」という記事が登場し番組内で登場する当事者なるものが実は局側の用意したサクラだったというケースが相次いでいることを糾弾されています。
また長崎新聞が被爆活動家だった故人が米軍艦長が平和公園に捧げた献花を踏みにじった画像が繰り返しテレビで取り上げられる件に関して「花輪踏みつけ事件の真相」「続・花輪踏みつけ事件の真相」という一連の記事を出していて、そもそものきっかけは取材に来たマスコミ関係者が問題の花輪を押し倒していったことだったと「暴露」していますが、これも社会常識的にあり得ない話で普通であれば大きな批判にさらされて当然です。
マスコミ関係者が人並みに世間に受け入れてもらいたいと願うのであれば、まず「オレが大マスコミの記者サマだ!」という意味不明の驕り高ぶりを捨てた上で、まずは当たり前の社会常識と人としての礼節を学ぶことから始められた方がいいでしょうし、こんな方々に社会の木鐸(笑)面をされても世間の方でも困惑するしかありませんよね。

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2013年7月26日 (金)

EPAをとっかかりに今度は日本から医療の逆輸出?

経済連携協定に基づきアジア各国から看護師の受け入れが図られていますけれども、日本語能力というハードルの高さによってその大部分が日本の国試に合格できないまま離日しているということが知られています。
もちろん急性期基幹病院に言葉の理解が難しい看護婦を入れて緊急処置が正しく出来るかと言われればまあ難しいだろうなと答えるしかありませんが、例の7:1看護基準で大学病院(苦笑)を初めとする基幹病院が多数の看護師を抱え込むようになった結果、末端医療機関では看護師不足がより一層深刻化していることは周知の通りですよね。
慢性期の病床でcureよりもcareを行っているような環境で別に大急ぎで詳細な専門用語を理解し実行するような必要性は乏しく、看護師としての基礎的な手技に加えて日常会話程度の意思疎通が出来れば当面十分であるという施設も多いはずですから、EPAによる受け入れ事業に手を挙げる施設が殺到して完全な求人過多になっていると言うのも当然と言えば当然でしょう。
ただもちろん来日する外国人看護師側にも言い分はあるはずで、先日こんな記事が出ていましたがなるほどごもっともと頷けることも多いですよね。

EPA看護師らへ「精神的な支援が大切」- 市民ボランティア団体(2013年7月22日CBニュース)

 EPA(経済連携協定)に伴う看護師候補者や介護福祉士候補者の受け入れ支援を行っている市民ボランティア団体「ガルーダ・サポーターズ」は21日、講演会「これまでとこれからの EPA看護師・介護福祉士の受け入れ」を開いた。会では、看護師試験に合格し、東京都内の病院で働いているインドネシアとフィリピンの看護師が登壇。現在の勤務状況を語った上で、「(EPAの枠組みで来日した看護師・介護福祉士候補者に対する)精神的な支援が大切」などと訴えた。

 インドネシア出身で、看護師試験後は東京都内の病院で勤務しているデウィ・セプティヤスリニさんは、来日してから看護師試験に合格するまでに苦労した点として、漢字の多い専門用語の読解や、勤務の疲れで帰宅後に勉強することが難しかった点などを挙げた。また、家族と離れ、友人や知人が少ない日本で生活すること自体が大変だったと語った上で、「EPAの枠組みで来日する人を精神的に支えることも大切」と述べた。

 フィリピン出身で、看護師試験に合格した後、デウィさんと同じ病院で働くエクセルシス・ジョン・カドウンゴッグ・ボルボンさんは、専門用語が使われるカルテの内容を把握する際には、今でも日本人スタッフより時間がかかることなどを説明。この点について「日本人のスタッフも理解してほしい」と訴えた。また、休暇を取れる体制を整えることも重要と指摘した。

 会では、ベトナム人看護師養成支援事業などに携わっているNPO法人「AHPネットワークス」の二文字屋修事務長が、来年、初来日するベトナム人の看護師と介護福祉士の候補者の受け入れについて講演した。二文字屋事務長は、現在、ベトナムの首都・ハノイで25人の看護師候補者と125人の介護福祉士候補者が日本語研修に取り組んでいることなどを紹介。一方、過去に日本で介護福祉士の資格を取得したベトナム人は、EPAの枠組みを使って再来日することはできない点や、ベトナムで日本語教育を終えた後、来日するまで5か月から半年のブランクがある点などを問題点として挙げた。

 また、EPAの枠組みによる看護師・介護福祉士候補者の受け入れについて、他国からの評価は低いとした上で、「民間の視点から行政を評価する必要があるのではないか」と提案。特に候補者を受け入れる日本側の施設の約7割が、その指導に当たる人材確保に苦しんでいる点を挙げ、候補者が病院や施設ではなく専門学校などの養成施設に就学する「就学コース」を改めて設置する必要があると訴えた。【ただ正芳】

EPAによる来日の場合せっかく受け入れ先施設での研修に馴染んできても、国試合格までの年限が限られ失敗すれば離日しなければならないなど制度的な問題も多いという点は改善が求められるところで、資格の如何を問わず仕事があり求人があるのですから期間程度はもっと柔軟に対応出来るのではないかという気がします。
その場合は看護スタッフではなく介護スタッフとして働くことになり母国でプロフェッショナルな職歴を積んできた方々には不満もあるでしょうが、日本で現状EPAに求められているのは末端臨床の現場で泥臭い仕事をしてくれる即戦力の人材が主体であるということを募集の段階できちんと周知徹底しておかないと、「日本で高度な看護を学びたかったのに」と不満を募らせる人が続出することにもなりかねません。
一方で昨今たびたび話題になる特区を作って外国人医師が働きやすいようにするといった話と同じ理屈で、外国人看護師がそのまま当たり前に国内で働ける制度を特区なりで作ってみるという方向も十分検討出来るはずですが、どうもEPAがあるのだからそれでいいじゃないか的な捉え方をされているのでは前述のような「高学歴志向」の方々にとってはやりにくいでしょうね。
ところで先日おもしろいと思ったのは、昨今政府も日本の医療をもっと外国に売り込んでいこうと盛んに海外進出を奨励しているのですけれども、インドネシアの方で日系診療所が開設されることになったという話が出ていたので紹介してみましょう。

医療法人偕行会グループ、インドネシア初 日系医療法人の設立 現地パートナー企業と合弁カイコウ・インドネシアの設立に向けて調印式を実施(2013年7月23日産経ビズ)

医療法人偕行会グループ(本部:愛知県名古屋市)のジャカルタ・カイコウカイ・ルマサキットは、インドネシア共和国ジャカルタに現地としては初の日系医療法人の設立に向けた連携体制を組むべく、現地の事業家ラフマット・ゴーベル氏が個人出資するダルマ・タマ・ヌグラハと、合弁カイコウカイ・インドネシア(資本金:480億ルピア/約4億8千万円)の設立に向けて調印式を実施しました。この取り組みは、愛知県に拠点を置く偕行会グループが推進する日本の医療技術とインドネシア両国人材のインバウンド・アウトバウンドを推進していくためのものです。

なお、今後設立する、現地医療法人の経営のもと、2013年内にジャカルタのSentral Senayan Iに、外来診療を中心としたクリニック(床面積980m2)を開業し、日本人患者はもちろんインドネシアにお住いの現地の方や駐在外国人の慢性疾患患者の治療や日系企業の職員検診といった医療サービスを提供していく計画です。

偕行会グループのインドネシアにおける事業
現地法人では、日本の高い医療技術と日立メディコ社製品を中心とした日本の医療機器をインドネシアへ輸出し、現地に医療施設を開設することで医療水準の底上げを図り、医療のアウトバウンドを推進します。

また、日本での透析医療の実績をもとにインドネシアの地元の病院のフロアを間借りする(クリニックインホスピタル)事業形態に基づき透析医療の提供も視野に事業展開を計画しています。
(略)

ジャカルタに診療所、日系企業検診など実施- 偕行会が年内に、透析施設も展開へ(2013年7月23日CBニュース)

 医療法人偕行会グループは12月、インドネシアの首都ジャカルタに無床診療所を立ち上げる。現地の患者のほか、駐在する日本人患者向けにサービスを提供。日系企業の職員検診などにも取り組む。同国での医療機関の設立には同国企業と合弁会社をつくる必要があるが、今月18日に見通しが立った。今後は5年間で、20か所の透析施設の展開も目指す

 偕行会グループは2年ほど前から、インドネシアへの進出を目指していた。グループ会社の「ジャカルタ・カイコウカイ・ルマサキット」(橋本一幸代表)が18日、現地企業の「ダルマ・タマ・ヌグラハ」と調印式を行い、合弁会社「カイコウカイ・インドネシア」を設立することで合意。合弁会社は来月中にも発足する。
 診療所の用地は、ジャカルタにあるオフィスビル「セントラル・スナヤン1」内に取得済み。現地の大学と提携し、診療に当たる医師を確保する。

 また、同グループでは現在、EPA(経済連携協定)に基づいてインドネシアから来日したが、滞在期間中に合格しなかった看護師候補者を受け入れ、滞在期間終了後も日本で受験できるよう支援している。今後は、支援を受けた候補者が帰国した場合に、現地の看護師資格と日本語能力を生かす場として、現地のクリニックや今後オープンする透析施設などでの雇用を提案していく方針だ。

 透析施設は、病院の一部を間借りする現地の制度を利用して広げていく。同グループの担当者は、「インドネシアでは、必要な医療を受けられず、命を落とす人がまだまだいる。われわれが進出することで、現地の医療水準を引き上げたい」と話している。【佐藤貴彦】

当該医療法人は愛知県を中心に透析クリニックを手広く展開しているようなのですが、現地日系企業に医療提供を行うとしてそのシステムはどのようなものになるのかという興味もさることながら、両国の人材を統合的に活用するというのはなかなかおもしろそうですよね。
特にEPAで残念ながら時間切れ帰国に追い込まれた方々の再雇用先として日本語習得というキャリアが無駄になりませんし、将来的にはこちらで働きながら日本語教育を行ってから来日し国試受験を目指すといったやり方も考えられそうです。
地域によっては日本人駐在員がかなり多く独立して日系診療所経営が出来るほどの規模になっているところも多いでしょうが、そうした場所を足がかりに日本式医療を輸出していくということが政府の青写真なのでしょうし、現地スタッフと協働しながら徐々に商売の手を広げていくことでいずれ十分な商売になると踏んで進出を図っていく企業も増えてきそうですね。

ところでこうした海外での医療を受ける場合に料金体系がどうなるのかと言うことが気になりますが、ご存知のように海外療養費制度によって海外で受けた医療も国内の保険診療でのコストを基準に後日保険者から支払いを受けることが出来ますけれども、この際に診療明細等をきちんと和訳して提出しなければならないといった面倒なルールがあります。
日系診療所であれば最初から日本語での明細が期待出来るでしょうし、またインドネシアなどでは相場的にアメリカなどよりも安価な医療が期待できますから、保険診療に相当する範囲で収まっている分には国内で医療を受ける場合よりもそう高額な自己負担をせずにすみそうだとも予想されますね。
仮に医療コストが極めて安価な国にこうした日系医療機関が進出していき現地で十分な競争力を持つようになってくれば、将来的には日本から出かけて行ってのメディカルツーリズムということも考えられるのかも知れませんが、こうしたシステムが普及してくると日本の医療現場に疲れた医師や看護師にとっても新たな勤務先の選択枝が増える結果につながるのでしょうか。

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2013年7月25日 (木)

過労死しない職場と顧客満足度向上は両立し得る

某有名企業のトップが参院選に当選したことで改めてブラック企業というものに注目が集まっていますが、先日思いがけないところで思いがけない超ブラック企業が発覚したと話題になっていました。

アンパンマンは超ブラック企業であることが判明(2013年7月22日秒刊サンデー)

アンパンマン公式サイトのQ&Aに衝撃的な事実が掲載されている。7月17日に投稿されている内容「アンパンマンにお休みの日はあるの?」という内容だ。ブラック企業問題にあえぐ日本の社会において休日という設定は実に社内でもナーバスな問題で、ひとたび有休をとろうものならば周囲への影響そして上位への根回しなど様々な苦労が生じることは周知の事実。しかしアンパンマンのせかいでの「休日」というのは実に残酷なものだった。

――アンパンマン休日はゼロ

なんとアンパンマンは休みが無い。しかも雨の日も顔が濡れぬようにヘルメットをかぶり出動。つまり365日(アンパンマンの世界の1年がどのようなものかは不明だが)フル出勤・フル出動でパトロールを行い、国の治安維持等に努めるということだ。
これは「休日出勤」「有休」「残業」様々な雇用体系の問題が度々取り沙汰される日本社会において、衝撃的な雇用体系であり「休みなし」という職務は多くの従業員に「ブラック企業」と呼ばれてもおかしくない状態だ。
ちなみにパトロールの仕事は割と過酷で、空腹にあえぐ住人に自分の顔を分け与える食料配給。そして困っている住人への人的支援。「ばいきんまん」など迷惑行為を行う住人に対する治安維持などだ。また顔はある程度の衝撃や欠損を伴うと体力を消耗するので、パン工場で「新しい顔」に装着しなおさなければならないため、現場とパン工場への往復作業が生じる。

――顔は濡れたら即刻アウト

さらに鬼畜なのは顔の水没は一発アウト。その場合すべての力が抜け作業は不可能に。非常にリスキーな状態でありながらも「可食性」を重視するため、あえて棘の道を進むという「勇気」そして、住人へのおしみのない『愛』は私たち労働者のためにも多大なる感動を与えてくれる。

――給料なし

アンパンマンの世界は貨幣という制度はなく、食料や食材などを各々無償提供している。
彼は上記職務を行うことでパン工場に居候させてもらっていると考えられます。
つまり給料はありません

――超一流ブラック企業で働くアンパンマンは我らの夢と希望

休みなし、顔が濡れたらアウト、給料なし。と3拍子揃った劣悪環境で働くアンパンマンの職場は我々の世界では立派な『ブラック企業』と言っても過言ではない。だがしかし彼は文句も言わずむしろそれを生きがいとして働いている。その理由として「アンパンマン」における最大のテーマ「何のために生きるのか」が肝となってくるのだが、それについて彼は映画「いのちの星のドーリィ」にてこのように話している。

困っている人を助けることで心が温かくなる
困っている人を助けたいから無償で働きそれを生きがいとしている

申し訳ございませんでした、ブラック企業というよりもはや「宗教」のレベルだ。
もちろんアンパンマンが宗教に犯されているという考え方は全く持って現実的ではないし、夢も希望もない。ということでやはり彼の強靭的なパワーそしてメンタルを考えると『ヒーロー』以外何者でもない。
無論子供たちだけでなく、我々大人たちのヒーローでもある。
そんな彼を敬わず誰を敬う。

ブラック企業にもブラック企業なりの経営のポイントというものがあって、例えば上司からすると「こいつは使えそうだ」と言う人材をきちんと見分けて雇用するのが重要なのだそうですが、最近特に注目されているのが宗教との類似性で、苦行を苦行と思わないというレベルではなくむしろ自らを高める喜びと感じなければならないと言います。
昨今話題の某企業トップから社員に贈られる?数々のメッセージが有名になりましたけれども、例えばFAQとして「休日はどれくらいありますか?」に対する答えとして「そもそも、“休日”は与えられるものでしょうか。」「“休日”とは、“あたえられるもの”ではありません。」「休みがあっても、自分の意志で出勤する社員もいます」などと答えるというのは、まさにアンパンマンが自ら語った言葉そのものと言えますね。
最近はあちらこちらで未払い賃金訴訟が頻発していて、その背後には必ずと言っていいほど労基法無視の過酷な勤務状況が存在するわけですが、それに対して「その程度がどうした!オレなんてもっとすごいぞ!」と必ず「奴隷自慢」をし始める人が出てくるというのが非常に興味深いのですけれども、特に医療業界などは未だに法律など気にしていては仕事が出来ないなどとうそぶく人がいるのですから驚きですし、雇用主からするとまさに笑いが止まらないでしょう。
その背景事情として人員に対する労働量が多いということがしばしば原因に挙げられますが、その一つの目安として先日こんな調査があったと言います。

「健康に不安感じる」 厳しい労働環境に勤務医の約半数が回答(2013年7月19日産経ニュース)

 厳しい労働環境により「健康に不安を感じる」と答えた勤務医が46・6%に上ることが19日、全国医師ユニオンなどが実施したアンケートで分かった。医療過誤が起きる原因として「過剰業務による疲労」を挙げた勤務医も55%に上り、医療現場の過酷な労働実態が浮き彫りとなった。

 調査では勤務医の82・3%が自分の病院が医師不足だと回答61・7%が「最近やめたいと思うことがあった」と答えた。

 女性医師の環境はさらに厳しく、結婚や出産を機に離職や非常勤を選択するケースが多いことも判明。非常勤医師の36・2%は女性が占め、常勤医師に占める女性の割合(18・4%)の約2倍となった。また、26・6%が妊娠時に夜勤や当直を免除するなどの支援がなかったと答えた。

 昨年6~9月、2108人(女性医師447人)の勤務医から回答を得た。

8割が当直明けも通常勤務=医師、半数が健康不安-労組調査(2013年7月20日時事ドットコム)

 勤務医の8割が、当直明けの翌日も1日通常勤務をこなしていることが20日までに、労働組合「全国医師ユニオン」などの調査で分かった。半数が健康に不安を抱え、担当者は「医師不足による過重な負担が続いている」としている。

 調査は昨年6~9月、日本医療労働組合連合会や関係学会を通じて勤務医にアンケートを呼び掛け、2108人から回答を得た。

 それによると、当直を行う勤務医の79.4%は、当直明けの翌日も1日勤務し、32時間以上連続で働いていた。全体の46.6%が健康状態に何らかの不安を感じると回答。最近辞めたいと思ったことがある人は61.7%に上った。(2013/07/20-05:14)

この調査結果を見てどう感じるかは人それぞれですが、一昔前の調査では当直翌日にもそのまま通常勤務を行う施設が96%、すなわち「日勤-当直-日勤」という勤務スタイルは業界のデファクトスタンダードであったわけですから、それが8割に低下したというのは医療現場も幾らかの遵法意識に目覚めたと解釈すべきなのでしょうか?
さすがに昨今では「医師は日常的に30時間以上の連続勤務を行っている」という事実を全く知らないという人は少なくなってきているようですが、注目いただきたいのは多くのブラック企業では体力的余裕のある20代の若者をいわば使い捨てにしていくことで雇用コストも引き下げるという一石二鳥の効果を狙っているのに対し、医師の場合ひとたび国試に合格すれば終生医師として勘定されるということですよね。
もちろん40代、50代と年代が進んでいくにつれてさすがに過酷な勤務をこなしていくことが難しくなり、開業や老健施設などへ「ドロップアウト」していく先生も出てきますけれども、世のブラック企業に比べて勤務開始の年代が遅い上に修行期間が長いことから、ようやく一人前の医師として一本立ち出来る頃にはそろそろ体力の衰えを感じ始める時期が目前に迫っているということにもなりかねません。
先日東洋経済に「週60時間勤務は当然?「医者の不養生」の実態 こうやって不養生の医者が作られる」という記事が出ていましたけれども、医学部医学科だけにしか参加資格がない西医体、東医体といった大会が国体に次ぐ巨大体育大会であることに示されているように医学部学生の体育会系比率が高いのも、学生時代に体力をつけておかなければ物理的に仕事について行けないということなのでしょう。

「そうは言っても病院が回らないから」と言い訳をしつつ医師の人権を無視することまでは百歩譲るとしても、患者側からするとそんな連日の深夜徹夜の勤務続きで過労死寸前の医師に自分の命を預けたくはないというのは当然で、こと日本の医療現場に限って言えばどんな医療安全対策よりも医師らスタッフの労働環境改善の方が効果があると思われます。
その方策として今も根強い人気?を誇っているのが医師数を増やし需要過多に対応できるほど供給を増そうという考えで、OECD平均が口癖の某大先生はもちろんのこと先の調査を行った全国医師ユニオンが医学部定員を5割増しにして交替勤務制を導入すべきだと厚労相に要望書を提出するなど、足りないのなら増やせばいいじゃないかという考え方は最も理解しやすいものですよね。
他方では昔懐かしい医療費亡国論などを筆頭に「医師を増やすほど医療費も増え、いずれ国が破綻する」という考え方もありますが、過酷な現場にとっては正直どうでもいい医療経済学的なことはさておいても医師(医療)の存在それ自体が医療需要を喚起するという視点は実は重要で、これは本質的に現在の皆保険制度下での医療が薄利多売を行わなければ経営が立ちゆかないということを理由としています。

どこの病院でも「今はベッドが空いているから入院をもっと取るように」といった通達が出るでしょうが、仮に常時満床だとしても軽症や安定期の患者をいつまでも入院させて「これ以上受けられません」とアピールする(これも勤務医による自主的労働量軽減のテクニックとして多用されますよね)だけではこれまた経営が成り立たず、目に余るようならもっと検査や処置をばんばん行える新患に入れ替えてくださいと指導されるでしょう。
また開業医なども安定している患者をわざわざ短期処方にして何度も再診させ儲けるということを当たり前にしていて、「そんなに医者が忙しいのに自分から忙しくするようなことをするのはおかしいじゃないか」と言うのもごもっともですが、ひとたびそこに医者が存在した瞬間から食っていくためには薄利多売で数をこなさなければならないという制度設計になっていることがその根本原因です。
医療費削減に厳しいイギリスなどは本当に聴診器一本しかないようなかかりつけの家庭医にまず最初に受診しなければならない、そしてほとんどの場合は薬も出さず家でおとなしくしていろといったやり方でゲートキーパーをやっていますけれども、国民は病院できちんと医療を受けたいと思えば家庭医の許可をもらってはるか先の予約を入れてもらうか、あるいは自費で私的病院にかかるかの二者択一を迫られるわけですね。
医療費削減のやり過ぎだと日本では非常に評判の悪いイギリス方式(NHS)ですが、少ない医療スタッフで医療需要に対応し全国民にともかくも公平平等な医療を提供するという観点からは実は割に良くできたシステムで、誰でも好きなときに好きな病院にかかれ、現場スタッフも「聖職者さながらの自己犠牲」で頑張っている日本に比べてはるかに医療満足度が高いということには注目すべきだと思います。

医療を語るにあたってとかく「医療は特別だから」と言ったことばかりが強調される嫌いがありますけれども、顧客を相手にする労働集約型産業という点で世の客商売と何ら変わるところのない面も多々あるわけですから、昨今話題の接遇教育などと言わずとも他業界のノウハウを活かすことでさしたる労力も要さずに改善される部分は少なからずあるはずでしょう。
需給バランスが崩壊していると言えば例えば世に言う行列店などもそうですが、ああいったものも行列が長いということ自体に対しては実のところさほど深刻な不満は出ず、むしろ「こんな行列店で食べた」と自慢のネタになったりもするし、同じような店が並んでいても行列がない店は味もよくないんじゃないか…などと思われるという側面もありますよね。
しかし行列が短かろうが長かろうが「後から来た客に先に料理を出した」などと言うことがあれば世界一厳しい日本の顧客によって大いなる批判にさらされるというもので、とかく顧客というものは不平等にこそ非常に敏感に反応するのであって、世に言う「救急たらい回し」なども元々救急搬送は1時間2時間かかるのが当たり前であれば最初から何も問題にならなかったんじゃないかという気がします。
「診察の待ち時間が長い」という投書が舞い込むたびに「もっと頑張って待ち時間を短縮するように」というお達しが出て、現場スタッフはますます多忙になりミスが頻発しかえって余計に手間取るという悪循環も起こりがちですが、予約の患者が待っているのに飛び込みの患者を先に入れないといった当たり前の公平さを地道に追求していく方が、スタッフの心身の健康と患者の満足度の双方を確実に高めそうに思うのですけれどもね。

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2013年7月24日 (水)

モンスター放置は共犯に等しい?

先日非常にアグリーな記事が出ていたのですが、まずはこちらの状況をどう考えるでしょうか?

トラブル解決を妨げる医師の「2つの誤解」(2013年7月22日日経メディカル)より抜粋

【ケーススタディー】
迷惑行為を繰り返すアルコール依存症の患者

「アルコール依存症の患者がいて、手に負えないんです。いつも酒のにおいをプンプンさせながらやって来ては、1人で騒いで、ほかの患者さんを怖がらせています。事務長や担当医に相談したところ『もう少し辛抱できないか』と言われたのですが、このまま放っておいても状況は悪くなる一方ですし…。どうしたらいいか、教えていただけないでしょうか」

 こう電話してきたのは、大阪市内のA病院の医療相談室に勤務するBさんだった。私は「たぶん、あのパターンやな」と目星を付けつつ、Bさんに「詳しく話を聞かせてもらえませんか」とお願いした。以下は、Bさんから聞いた話だ。

 患者Xは大阪市内に住む50代男性。腕を骨折し、Y病院で手術して入院したのだが、術後の治りが悪く、患部が少し化膿してしまった。Xはアルコール依存症であり、入院していると酒を自由に飲めないこともあり、まだ入院治療が必要にもかかわらず、「すぐに家に帰りたい」と言って勝手に「自己退院」してしまった。そして、Xの家から最寄りの医療機関であるA病院に通うようになった。

 患者Xは酒を飲んで来院するだけでなく、大声を出したり暴れたり、とやりたい放題。事務員や看護師が注意しても、全く聞かないどころか、さらにエスカレートして怒鳴り散らす。最近では夜、泥酔状態でA病院に電話をかけてきて、意味不明なことを叫ぶようになったという。Xは2~3日に1回のペースで外来に来院しているが、飲酒を続けているせいもあるのか、治療効果は上がっていない。通院後3週間がたち、Xの迷惑行為によって看護師や職員の間に不安が広がっており、「この病院をもう辞めたい」と漏らすスタッフも出始めているそうだ。

 医療相談室に勤務するBさんはA病院のいわば「患者トラブル対応係」であり、Xの迷惑行為を看護師や事務員から聞き及び、Xの主治医に事情を尋ねてみた。すると、主治医からはこんな答えが返ってきた。

「患者はアルコール依存症なんだから、仕方ないよ。それに病院はどんな患者であっても拒否はできない。あと数週間で傷は治るだろうから、もう少し辛抱できないか

 Bさんは納得できず、Xのことを1人で少し調べた。Xは現在独り暮らしで生活保護を受けている。家族は近県に住んでいて、数年前まではそこで母親、妹と同居していた。Xにはそれなりの金額の借金があるようだが、連帯保証人となっていた妹が返済を肩代わりしているもようだ。さらに、アルコール依存症の治療のため、過去に精神科病院に入退院を繰り返していたことも分かった。Xの迷惑行為を何とかやめさせたいと思ったBさんは、悩んだ揚げ句、私のところに電話をかけてきた。これがトラブルの概要だ。

場合により施設により多少経緯は異なれどよくあるケースと言っていいと思いますが、この話を聞き「まあ仕方ないね。さっさと出て行ってくれるのを待つしか…」と考えるか、「今時これほど危機感の乏しい担当医もいるんだな」と感じるかが一つの分かれ目になるのでしょうか。
問題行動を起こす患者の中には明らかに知的理解力が劣っているがために指示に従えないだとか、今回のような単純粗暴犯タイプも含まれてはいますけれども、昨今社会問題化しているクレーマー、モンスターとも言われるタイプはどちらかと言うと知的活動能力には不自由しない方々の方が多いようです。
あれやこれやと対策を講じてもそれをかいくぐってくるからこそ余計に厄介だということなのですが、彼らも別に何の意味もなく問題行動に走っている訳ではなく、それによって何らかの利益が得られる、メリットがあると考えるからこそそうした行動を常態化させているわけで、それが得られない施設からはさっさと出て行く結果いわゆるドクターショッピングが常態化している場合が多い訳ですよね。
となると何が彼らを呼び寄せているのかということを考えなければいわゆる問題患者の巣窟となってしまい、施設の雰囲気はますます悪くなってスタッフも患者も逃げ出すと言うことになりかねませんけれども、今回のケースではスタッフの一人が「仕方ない」と放置プレーを続ける主治医を飛び越え積極的な行動を取ったことで問題が解決したということです。

【尾内流解決術】
職員を守れずして患者の健康は守れない

 Bさんの話を聞いて私は、患者Xの行為も許し難いが、A病院の経営体質にも根深い問題があると確信した。Bさんの話を聞き始めてすぐに「あのパターンやな」と思ったのは、病院関係者によくありがちな「誤解」をこの病院の医師もしていると感じたからだ。その誤解とは、2つある。

 1つ目は「医療機関は病気を治すところである。患者の迷惑行為は病気がさせているのであるから、医師も職員も我慢しなければならない」。2つ目は「医療機関には応召義務があり、診療拒否はできない」である。

 どんな事情があろうと、患者の迷惑行為や暴力は許されるものではない。職員やほかの患者が恐怖を感じる行為を放置しているようでは、後々、患者は減り、医師や看護師の定着率も下がっていくだろう。それよりも私が言いたいのは、「職員を守れない医療機関に患者を守れるはずがない」ということだ。患者の身勝手な言動に対して、医療機関が職員に我慢を強いるなど、とんでもない暴挙だ。やるべきことは正反対である。矢面に立っている職員を徹底的に守り、迷惑行為をやめない患者を跳ね返すことだ。

 そこでBさんには次のようなアドバイスをした。迷惑行為を繰り返す患者を放置すれば今後、同じようなケースがどんどん増えていき、その結果、職員の退職、医療サービスの低下、病院の経営悪化という悪循環のサイクルに入る。すでに迷惑行為が始まって3週間たち、この悪循環の予兆が出ているので、一刻も早く院長や事務長など病院幹部に改善措置を強く訴えるようにと。

 2つ目の応召義務に関しても、すでにこの連載では何度も触れているが、多くの医療関係者が過剰に反応しすぎていると思う。患者の容体が重篤であれば話は別だが、今回のように極めて“元気”なら、保健所など関係機関への事前の相談、ほかの医療機関への紹介などを行えば、迷惑行為に対して診療拒否は可能だと私は考えている。そこで、保健所や保健センターに行って事情を話し、相談に乗ってもらってはどうかとBさんに伝えた。そうしておくと、診療拒否された患者やその家族などから後でクレームの電話があっても、保健所などが対応して大きな問題に発展しないことが多い。

 Bさんは、私のアドバイス通り、直ちに行動してくれた。まず、私が述べた内容をBさんなりの言葉ですぐに病院幹部に伝えたところ、おおむね納得してくれたという。

 並行して、Bさんは保健所に出向き、相談に乗ってもらったそうだ。図らずも保健所の担当者は事情をよく理解し、近くの設備の整った精神科病院にすぐ入院できるよう動いてくれた。非常にラッキーだったが、悩んでいるだけでは、こうしたキーマンに出会うこともなかっただろう。Bさんが熱意を持って正しい方向で行動したから、解決の糸口をたぐり寄せることができたのだと私は思う。

 その精神科病院はアルコール依存症の治療にも注力しており、少し紆余曲折はあったものの、結局Xはその病院に入院することになった。その知らせを聞いたBさんは、ひとまず胸をなでおろしたという。

当該施設としてはこれでよかった、安心したというところですが、そもそもの根本原因は患者の問題行動を把握していながらそれを放置し許容した形となった担当医や事務長らにあったと見るべきで、この事件を教訓に行動を改めないことにはいつまた同様のトラブルが発生するか判りませんよね。
筆者は患者には「普通に診療を受けに来る患者」と「身勝手な言動で職員やほかの患者に迷惑を及ぼす患者」とがいて、この二種類の患者に対しては「接し方を根本的に変えなければならない」と述べていますけれども、今どき「お客様は神様です」の誤用などは論外としても、全ての顧客は平等であるなどと勘違いして無事でいられるほど昨今の病院を取り巻く環境は甘いものではありません。
顧客が等しく平等「ではない」ことは「1%の顧客が10%のリソースを消費し0.1%の利益にしかならない」等々様々な警句によっても知られている通りですが、「医療に儲けなど考えてはいけない!」などと無茶なことを言う人はさすがに絶滅危惧種としても、医療と言う業界においてリソースは有限であり常に需要に対して供給過少気味であるということは現場スタッフも認識しておくべきですよね。
消費されるべきではないところで無駄にリソースが浪費された結果、本当に必要なところでリソース不足に陥るとどうなるかを考えて見れば、クレーマーを甘やかしつけあがらせている当事者一人一人が誰かの健康を害していると言っても過言ではないと思います。

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2013年7月23日 (火)

産科無過失補償制度 ようやく対象拡大を検討

本日の本題に入る前に、先日少しばかりおもしろそうな試みが社会実験として行われているというニュースが出ていましたので紹介しておきましょう。

薬局で糖尿病スクリーニング、成果に手応え-3割に受診勧奨、早期発見プロジェクト(2013年7月17日CBニュース)

 薬局で気軽に血液検査を行い、糖尿病の早期発見につなげようという社会実験プロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」で、これまでに検査を受けた約2500人のうち、糖尿病や予備群と疑われる人は約3割に上ったことが、プロジェクト代表を務める矢作直也・筑波大准教授らのまとめで分かった。健康診断をきちんと受けていないという人も多く、矢作准教授は、「薬局という『新たなスクリーニング検査の場』が生かされた」としている。

 プロジェクトは2010年10月にスタート。現在は東京都足立区と徳島県内で展開している。参加薬局計20店舗に、HbA1c値を測定する小型検査機器を設置。薬局の利用者で希望する人は、薬剤師の説明を受けた上で、指先に自己穿刺を行い、測定する。その場で結果が分かり、糖尿病や予備群が疑われる場合には、薬剤師が連携医療機関への受診を勧めるという仕組み。医療機関や健診などに比べて敷居の低い薬局を「地域の健康拠点」とする狙いだ。

 このほどまとまった報告書によると、今年6月までに検査を受けたのは2514人。このうち、糖尿病が強く疑われる人(HbA1c=6.5%以上)は298人(約12%)、予備群と疑われる人(同6.0-6.4%)は413人(約16%)で、合わせて約3割が受診勧奨の対象となった。2514人のうち、43%は定期的な健康診断を受けていなかった

 矢作准教授は、「薬局と医療機関の地域連携で、早期発見・受診勧奨をするシステムの有用性が示された」とし、さらに取り組みを広げたい考えだ。しかし、これまでプロジェクトを展開する中で、保健所の許可を得られるかどうかが地域ごとに異なったといい、血液検査などを行う施設の届け出などを定めた臨床検査技師法の解釈を明確にする必要性を指摘している。この点については現在、国の産業競争力会議や規制改革会議などで検討が進んでいるという。【烏美紀子】

保健所にしてもまた何かあれば責任を取らされることを恐れてか?渋いことを言う場合もあるようですが、こうした試みは公衆衛生学的にも意義がありそうなことなのですから本来保健所の方が率先して動いてもよさそうな話だと思うのですけれどもね。
もちろん表向き糖尿病管理をしっかりして地域住民の健康を向上させるといった目的もあるのでしょうけれども、この記事を読んで思ったことに健診も受けないような人たちがどの程度自分でこうした自己検査を行おうという気になるものなのか、そしてもう一つは糖尿病が疑われたとしてどの程度精密検査を受けに医療機関を受診したかということです。
臨床医療に関係する方々であれば誰でもご存知の通り、およそ糖尿病持ちという人種はその独特なキャラクターでどこの施設でも「ああ、あの人」と顔パスで通るケースも多いと思いますけれども、その特徴の一つとして医学的な指示に従おうとしないということも挙げられると思います。
あなたは病人だからこれこれしなければ駄目ですよと言われても満足に従えない人が、自分から検査をやってみて病院に来るなどというしおらしい態度に出るものだろうかという疑問がありますけれども、逆にそのあたりの行動パターンの差異と疾患重症度の間とに相関なりが見られるようならおもしろいテーマにはなるかも知れませんね。

余談はそれとして本日の本題ですけれども、出産時の脳性麻痺に対する無過失補償制度について保険金支払い例が予想されたものよりずっと少なく済んでいることから、一分娩あたり3万円を徴収している掛け金が大きな過剰になり返還訴訟も起きているということが報じられていました。
そもそも当初から予想された巨額の過剰金を天下り団体である評価機構と保険会社とで山分けするという見え見えな制度設計が行われているこの無過失補償制度ですが、それならそれで補償範囲を広くとって手厚い補償をするならまだしも理解が得られたものを、全妊婦から無差別にお金を集めておいて補償の対象になるのは極めて限定されているのでは理解は得られないでしょうね。
さすがに世間の冷たい視線が気になってきたということでしょうか、評価機構側でもこういうことをようやく言い出したというニュースが出ていましたので紹介しておきましょう。

出産事故の補償対象拡大…剰余金100億円活用(2013年7月21日読売新聞)

 出産事故で重い脳性まひになった子どもに補償金を支払う産科医療補償制度で、脳性まひ発症状況の調査をしていた日本医療機能評価機構の専門委員会が、対象者を年481人とする推計値をまとめたことがわかった。

 

制度設計の基準となった対象者数(年800人)に比べ下方修正された形で、年約100億円の剰余金発生が見込まれる結果だ。同機構は23日の運営委員会で、補償対象拡大など見直し策の検討に入る。

 同制度は、訴訟リスクから産科医離れが進んでいるという医療界の危機感を受け、2009年1月に国が創設。健康保険から支給される出産育児一時金の中から、3万円が掛け金に充てられている。補償金は対象者1人当たり総額3000万円。だが、申請数が当初の見込みより少なく、専門委が対象者数の再調査を進めていた。

 脳性まひの発症状況のデータはほとんどなく、当初は、沖縄県などの限定的なデータを基に制度設計された。関係者によると、今回は、沖縄県の1988~2009年出生者のより詳細なデータに加え、行政や医師の協力で栃木、三重県の05~09年出生者のデータも得られ、分析の結果、年340~623人となる可能性が高く、対象者を年481人と推計した。

 全員に補償金が支払われたとしても、年約100億円の剰余金が出る。補償の対象は現在、原則として妊娠33週以上で出生体重2000グラム以上の子どもに限られているが、運営委では、条件緩和による対象拡大や補償金増額を中心に見直し策を協議する。

以前にも推計したことがありますが、脳性麻痺児が年間3000人生まれるとして補償対象になる妊娠33週以上のものはせいぜいその半数程度であり、残る半数は最初から補償の対象外とされてきたことが正しいのかどうかです。
かつて医療訴訟盛んなアメリカでは脳性麻痺児が生まれることを恐れた産科医が経腟分娩を忌避して帝王切開が激増しましたが、それでも脳性麻痺は全く減らなかったという有名な話があって、現在では脳性麻痺は分娩時のトラブルに起因するのではなくもともと生まれもっての原因によるものだろうと言われているようです。
そうでありながら分娩時のトラブルに起因する「かも知れない」妊娠後期の例だけを対象にするという制度設計はあくまで医療訴訟回避のためだからと言えばそれまでですが、保険の運用があっぷあっぷであるならともかくあまりに補償件数が少なすぎて過剰金の返還訴訟が起こるくらいなのですから、さっさと全例補償対象にすればいいのにと誰でも思いますよね。

一応は運用の状況を見て5年後を目処に制度改定を行うという話にそった今回の見直しですけれども、過去の議論を見ればいきなり全例補償対象にするということではなく、またぞろ新たな条件付けを行い部分的な補償に留まる可能性があると思われ、何故そうした区分を設けるのかという理由をきちんと示してもらわなければ納得は得られないでしょう。
一応表向きには損金が出れば保険会社の損害になると言うことで、赤字前提で制度設計をしてしまえば保険会社が引き受けてくれなくなるよと言いたいのでしょうが、過剰金は好き放題に使っていいのに一円でも損が出るのは困るというのでは公的な補償制度としてどうなのかで、この辺りはきちんと外部から監査を行っていかなければならないと思います。
また制度の基本的理念として補償事例にはきちんと調査を行い原因究明と再発防止を図るということがありますが、そちらの手間が激増すれば単純に医療側のマンパワーも今まで以上に要求されるでしょうし、そもそも易学的に見て何か原因があって脳性麻痺が起こってしまったというケースはむしろ少数例だろうと予想されるのに、存在しない理由を探して調査をするというのもおかしな話ですよね。
産科無過失補償制度は医療全般を対象にした無過失補償制度のひな形とも期待されているわけですが、少数例を対象にすることを前提にした制度設計が無節操に対象拡大されると大変過ぎて困るという人も確かにいるはずで、いちいち調査をし教訓を考えるのが面倒になってきたから対象を制限しよう、などと本末転倒なことにならないよう考えて見る必要もありそうです。

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2013年7月22日 (月)

新出生前診断 検査陽性だった場合その後は?

妊婦の血液から胎児の遺伝子異常が高率で見つけられるという新出生前診断が予想以上の利用者数であると言われていましたが、現段階でその後がどうなったのかということが先日発表されていて、なかなかに興味深い状況にあるようなんですね。

新出生前診断 検査開始3カ月で1,500人を超える妊婦が受診(2013年7月17日FNN)

妊婦の血液を使って行う新たな出生前診断で、検査が始まった2013年4月からの3カ月間で、1,500人を超える妊婦が受診し、およそ2%の人が「陽性」と判定されたことが、臨床研究グループの集計でわかった。
2013年4月から導入された新たな出生前診断は、妊婦の血液を採取するだけで、ダウン症などの染色体異常があるかどうか高い精度でわかるもので、国内22の病院で行われている。
この検査を実施する臨床研究グループは、当初、利用者は1,000人と見込んでいたが、6月末までの3カ月間で、1,534人の妊婦が受診し、およそ2%にあたる29人が胎児に異常がある可能性を示す「陽性」と判定されたことが、臨床研究グループの集計でわかった。
検査を受けた妊婦の年齢は27~47歳で、平均年齢は38.3歳となっている。
検査を受けた理由を「高齢妊娠」と答えた人は、94.1%だった。

新型出生前診断で陽性2% 2人中絶 3カ月で受診1534人(2013年7月17日産経ニュース)

 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新しい出生前診断で、検査が始まった4月からの3カ月間で1534人が受診し、染色体異常の可能性があることを示す「陽性」と診断されたのは約2%に当たる29人だったことが臨床研究グループの集計で17日、分かった。このうち少なくとも6人が羊水検査などで異常が確定し、2人が人工妊娠中絶をした。別の2人は確定診断で「異常なし」となった

 グループによると、4月から6月末までに全国の22施設で1534人が受診。陽性は29人(1.9%)、陰性は1502人、ほかは判定保留だった。陽性のうち、21番染色体の数の異常があるダウン症(21トリソミー)が16人、心臓疾患などを伴う「18トリソミー」が9人、「13トリソミー」は4人とされた。

 受診した妊婦は27~47歳で、平均38.3歳。妊娠週数は平均13.5週。

ちなみに検査自体は大人気で各施設とも予約も取りづらい状況だと言いますが、今後認知が広がってくるにあたって需要がさらに拡大していくのか、それとも駆け込み需要が落ち着いた後は減ってくるのかは判りませんけれども、前者の場合想定したターゲット層とは異なった対象が検査を希望しているということになりそうですね。
もともとこうした診断技術に需要があるのもそれだけ胎児異常の確率が高い高齢妊娠が多いからですが、そうであるからこそ検査を実際に行う前に十分な説明を行い検査の意義を理解した上で、それなりの覚悟を持って検査を受けてもらうという抑制的な運用をしていくということでコンセンサスが成立していたわけです。
もちろんこの検査は確定診断ではなく、場合によってはかなり誤診の可能性も高くなるということから必ず羊水検査等で確認を行うことが必要になりますけれども、判明している中でのこととは言え29人がまずは胎児異常の可能性があると言われた中で、羊水検査による確定診断を受けたと確認された6人のうちで中絶を行ったのは2人だったと言うことです。

全数を把握しているわけではありませんから確定診断を受けた比率としてどの程度と言うことは言えませんけれども、陽性と診断された後のフォローアップこそ大事だとあれだけ言われている中で診断確定にまで至ったのが6人だけというのはその後の把握が出来ていないのか検査希望者自体が少なかったのか、前者の場合は制度の前提が崩壊しているという由々しき事態であるとも危惧されかねません。
また後者の場合ももちろん今後精密検査を受けるという人が出てくるのでしょうが、そもそも「とりあえず受けてみる」といった軽いノリでの受診は勧められないとして始まった制度だったわけですから、そもそも確定診断も受けられないほど覚悟のない受診者がそれだけ多かったのだとすればこれまた問題になってきそうです。
もちろん幾ら事前に説明されても確率的にも大多数は異常なしとなることが予想されていたわけで、安心を買うために安くもない検査費用を払ったという人も多かったのかも知れませんが、そうした除外診断的な用い方が果たして妥当なのかどうかも考えておかないと、いずれ妊娠が判明した時点で取りあえず検査を受けておくのがデフォルトということにもなりかねません。

新・出生前診断の希望増加 3カ月で1000人超受診 情報提供・説明の充実が不可欠(2013年7月4日日本経済新聞)
より抜粋

 妊婦の血液検査で染色体異常の有無を調べる新しい出生前診断が始まり、約3カ月が経過した。全国の医療機関には希望者が押し寄せている。「高齢出産」を理由にする妊婦が多く、受診者は6月上旬までに1000人を突破した。母体への負担が少ないメリットがある一方、検査を十分に理解しているかどうかへの懸念はぬぐえない。冷静な判断には正確な情報提供などカウンセリング体制の充実が欠かせない。

■「確定でない」強調

 「なぜ、検査を受けようと思ったのですか?」「高齢出産だったから」。今年5月、昭和大学病院(東京・品川)の産婦人科の診察室。認定遺伝カウンセラーの四元淳子さんに、妊婦(38)は思いを伝えた。

 四元さんは、検査で判定できる染色体異常はダウン症などの3種類であることや、結果が出るまで2週間かかることなどを説明。その中で強調したのは、異常の可能性を示す「陽性」の場合は、確定診断ではない点だ。確定するには、妊婦の腹部に針を刺し、羊水を採取する「羊水検査」が必要と、訴えかけた。カウンセリングは約30分間。検査内容に納得した女性は採血室に向かった。

 女性が新しい出生前診断を知ったのは3月。当時、妊娠のごく初期だった。検査を受けるかどうか夫と相談し、話し合いを重ねてきた。「結果について考えないようにして検査を受け、陽性なら、夫と時間をかけて話し合う」と語った。

 昭和大学病院では4月以降、100人を超える妊婦が受診。カウンセリングを受け、確定診断ではないことを知り、羊水検査に切り替えた妊婦や、検査結果が出たとしても、妊娠を継続するか決められないとの理由で受けない妊婦もいた。関沢明彦教授は「十分な説明を受けず、検査を受ければ動揺や混乱が生じ、冷静な判断ができなくなる恐れがある」と強調する。

 関沢教授によると、これまでの出生前診断の一つの「羊水検査」は0.3%の確率で流産する危険性があり、ためらう妊婦も。新しい出生前診断は採血による簡単な検査でリスクがなく、全国の病院には希望する妊婦が相次ぐ。

 名古屋市立大学病院(名古屋市)では週2回、臨床遺伝専門医と産婦人科医、認定遺伝カウンセラーの計5人体制でカウンセリングに臨む。1日あたり約10人。ほとんどが採血に進み、実際に4月の検査は72件と全国で2番目に多く、首都圏や関西圏からの希望者もいる。受診した妊婦(36)は「すべての異常が分かるわけではないことを知り、カウンセリングの重要性を感じた」。鈴森伸宏准教授は「新しい出生前診断が確定診断と勘違いしている人もいる。検査の精度や判定できる染色体異常は一部にすぎないことなどを検査前に理解してもらう必要がある」と説明する。
(略)

名古屋市立大のケースでは検査希望で来院した妊婦のほとんどが実際に検査を受けているということですが、もちろんこうした検査を希望してくる方々は事前に様々な情報を調べてはいるのでしょうけれども、一方で検査が陽性になったらその時点で改めて考えようと言う方々もいらっしゃるわけですから、どうも事後のことまで詳細にシミュレートしてから検査を受けている人はむしろ少数派なのか?とも思ってしまいます。
産科医の間でも妊娠中絶に関する話は意見が分かれやすいようですが、施設によってはまずは正しい情報を元に考えることが必要だと考え検査を実施していたり、あるいは胎児異常が確定すれば中絶するという覚悟がないなら検査だけ受けても仕方がないと考えていたりと、担当医の説明の仕方によっても検査実施率が大きく左右されるんじゃないかと言う気がします。
いわゆる癌検診なども命に関わる重大な結果が出てくるかも知れないにも関わらず、実際に大部分の人は「自分が本当に癌だったらどうしよう」とまでは深く考えずに毎年受診しているわけですから同じようなものなのだと思いますが、こうなると施設毎にどのような事前説明を行っているのか、希望者に対する実際の検査実施率はどうなのかということも知りたくなってきますね。

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2013年7月21日 (日)

今日のぐり:「台湾料理 あじ仙 倉敷店」

最近はどこもかしこもマスコットキャラが大流行ですけれども、こちらさりげないところでハンパないと話題になっているのが奈良県警のサイトです。

奈良県警察の公式サイトが本気出してた ソースコードにあのキャラが(2013年7月9日ねとらば)

 奈良県警察の公式サイトが本気です。

 サイトそのものは普通ですが、注目すべきはソースコード。6月13日にリニューアルされたらしい公式サイトのソースを調べてみますと、そこには奈良県警察マスコットキャラクター「ナポくん」が敬礼しておりました。いつもご苦労様です!

 ナポくんは鹿をモチーフにした奈良県警察のマスコットキャラクター。ナラ・ポリスを略してナポくんと呼ばれています。角は無線機の「アンテナ」とパトカーの「赤色灯」をイメージしているとか。普段は広報誌やポスター、交通安全運動、防犯教室などで活躍しているそうです。

その詳細は是非リンク先の画像を参照していただきたいところですが、しかしこんなところに仕込みをすることで誰が気づくと期待しているのでしょうか(事実気づく方も気づく方ですが)。
今日は本気度高杉という奈良県警に敬意を表して、全国各地から本気度は伝わってくるが妙に切なくもなる?マスコットキャラやヒーローたちの話題を紹介してみましょう。

【衝撃】こんなこと言うのは非常に心苦しいが『フナ犬』はたぶん日本で一番気持ち悪いマスコットキャラクター(2013年7月18日ロケットニュース24)

多くのゆるキャラクターやマスコットキャラクターであふれかえる日本。企業や地域、行政、あらゆるところにキャラクターが存在する。最近は「ふなっしー」や「くまもん」、「夕張メロン熊」、「てるひこ」が人気らしいが、皆さんはご存じだろうか?

しかし、かわいいばかりがキャラクターではない。競艇場外発売所『ボートピア名古屋』のマスコットキャラクター「フナ犬」が、すごく気持ち悪いと話題になっているのだ。キモカワイイのではない。完全に気持ち悪いといわれているのである。実際にその姿を見てみたのだが……。

犬とフナを合体させたその姿。動画や画像をみるかぎり、かなりの気持ち悪さだった。モンスターを見ているというか、人工的に作られた動物と動物の合成動物のような感じがする。気持ち悪いと話題になるのも仕方がないかもしれない。

実はこのフナ犬、昔から気持ち悪いと言われ続けてきたキャラクターなのだ。しかし不思議なもので、ずっと見ていると愛しく思えてくるから不思議である。気持ち悪いというより、ブサイクといったほうがいいかもしれない。ということは、ブサカワイイ? ……いや、かわいくはないな。

リンク先の動画を参照いただく限りではなんと言うのでしょうか、高知のカツオ人間などもそうですがやはりリアル人魚系?というのはどうも…
こちらいつの間にかキモカワ系ゆるキャラ?として大人気…かどうかは知りませんが抜群の知名度を誇るようになったあのキャラについて、またしても恐るべき事実が発覚したというニュースです。

ふなっしーのおなかの赤い部分は、リボンではなく「返り血」―話題の「ふなっしーのマル秘クッキー」は、東京駅と汐留で購入可能(2013年6月3日えん食べ)

船橋市非公認のキャラクター「ふなっしー」。このふなっしーの秘密がわかるというクッキー、「ふなっしーのマル秘クッキー」が話題になっている。
話題になっているのは、この「ふなっしーのマル秘クッキー」で明らかにされた秘密が、どれも嘘くさいからだ。例えば、次のような秘密が暴露されている。

・ふなっしーのおなかの赤い部分は、リボンではなく『返り血』。
だが、次の写真を見ればわかるように、これはどう見てもリボンだ。

・ふなっしーの青い部分は、服ではなく『タトゥー』
衝撃的な告白だが、これも嘘くさい。なぜなら、ふなっしーの青い部分には袖がついており、袖の内側の素肌(?)をのぞき見ることができるからだ。

・ふなっしーの白目が灰色なのは、汚れた人間界をみてきたから
ふなっしーの白目は確かに灰色をしている。だが、その目は、いつも上を向いている。ふなっしーの目は、人間界ではなく、天空のかなたを見ているように思えてならない。

と、ここで、ふなっしーの公式サイトを訪れてみたところ、ふなっしーの性格について次の記載があった。

・性格 口は悪く虚言癖があるけど案外素直

…ふなっしーの秘密は、もしかしたら嘘くさいのではなく、嘘なのかもしれない。
(略)

ちなみに船橋市側はふなっしーの市公認キャラ化を断固拒否しているようですけれども、こうした数々の伝説を聞けば確かにそうなんだろうなあ…とも思えてきますね。
正直こちらの存在は把握していなかったのですが、たぶん世間の大多数もそうだったのだろうなと想像出来る悲しいニュースが飛び込んできました。

ゆるキャラ『ポンタ』のイベントが目も当てられない状況だと話題に(2013年7月17日秒刊サンデー)

ポイントサービス「Ponta」のオフィシャルゆるキャラ「ポンタ」が提携店である「ローソン」にやってきた!しかもローソンのユニフォームを着てとてもかわいいのだ!さぞかし多くの人がかけつけている・・・と思いきや現場は散々たる状況で目も当てられないようなことになっているのだという。はたして「ポンタ」に降りかかった悲劇とはどのようなものだろうか。

ローソンにやってきた「ポンタ」。ところが周囲に人はおらず誰も絡んでくれていない様子だ。いったいなぜこんなところにポンタはいたのだろうか。ポンタがこのような店舗に来る可能性として高いのは新店舗オープン時だ。ネットのブログ等にもアップされているように、新店舗オープン時に「ポンタ」が駆け付けることが多いようだが具体的にいつどこにやってくるかなどは謎だ。

YouTubeなどの動画などではちょこちょこと歩く姿が実に愛くるしく子供たちにも人気のようだが、今回「別大通り」(ローソンLP別府大学通店)に現れたポンタは場所が場所なのか、あまり人が絡んでくれず実に寂しそうだ。

投稿者も誰かからんであげて!と願うも、本人ですら近づくことに億劫になるほど「負のオーラ」を放って居たポンタだがこの先爆発的な人気を得ることはできるのだろうか。

―Twitterの反応
・寂しい切ない
・ぽぽぽぽぽんたぁぁぁぁぁぁ
・なんか可愛い
・ぽんたがぼっち
・ポン太ーーー!!!
・さみしそう
・これが大分県の日常だ
・このたぬきには何か親しみのようなものを感じる
・かわいすぎるーーーっ
・可愛いなんか可愛い
・ぽつん、て音が聞こえてきそう
・アカンwww噴出してしもたwww
・今から行きま~す。

見かけたらぜひ声をかけてあげていただきたい。

何かもうね、写真を見ているだけでも悲しくなってきますけれども、こうした長い下積みを経ていつか花開くときもあるのだろうと信じておくべきなのでしょう。
ローカルヒーローというものも各地で人気だそうですが、こちらヒーローがどのように日常を過ごしているのかが非常によく判るというニュースです。

秋田県のローカルヒーロー「超神ネイガー」のツイートが感動的と話題(2013年5月21日おたくま経済新聞)

世界の平和を守るため!もとい!秋田県の平和を守るために日々奮闘するローカルヒーロー「超神ネイガー」をご存知でしょうか。

普段は地元のスーパーやイベントなどに出没し、アクションショーや握手会を行うなど秋田県活性化につとめる地元で愛されるヒーロー。

本業は農業。百姓の家柄で育った彼は、ヒーローとしての活動がない時には日々農家として汗を流しています。

その超神ネイガーの公式Twitterで発信された1つの写真付きツイートが今インターネットを通じ大きく話題となっています。

話題となっているのは2013年5月19日13時18分に投稿された写真のツイート。
リツイート数は5月21日現在で22,176を超えています。

普段ネイガーは秋田弁でツイートも行っているのですが(そのため、分からない人には半分くらいしか書いてあることがわかりません)、このツイートに関してはヒーロー風な語り口調で写真とともに見るものを圧倒します。
(略)

それがどのようなものであったかは是非リンク先を参照いただきたいと思いますけれども、言われてみればまさに「もっともだ!」という話ですよね。
今や世界的にも話題になっているあのボーカロイドですけれども、ついに伝統分野にまで進出したか?と話題になっています。

人形浄瑠璃で初音ミクの「メルト」踊ってみた動画がすごすぎる(2013年7月8日ねとらば)

 6月の「世界ボーカロイド大会」で披露された人形浄瑠璃「メルトの舞」の動画が、ニコニコ動画に投稿されました。

 「命の無いものに魂を吹き込む」という共通点から生まれた初音ミクと人形浄瑠璃の異色のコラボレーション。吉田幸助氏ら人形遣いが人気ボカロ曲「メルト」に合わせて見事な舞いを披露しています。人形に感情を宿らせるプロの表現力に、観客からも感嘆の声があがっています。
(略)

もはや言葉はいらぬというその凄まじい動画は是非ともリンク先から参照いただきたいですが、しかしネギまでねえ…
最後に登場しますのはブリ発祥のあの人気キャラの話題ですけれども、なるほどこれがブリ一流の諧謔というものなのかと思わされる衝撃の事実が明らかになったそうです。

ピーターラビットの父親は人間にパイにされていた!ネット上で話題に(2013年5月7日シネマトゥディ)

 5月1日にオープンしたピーターラビット日本公式サイトで、主人公ピーターのおとうさんが、人間にパイにされていたことが紹介され、インターネット上で大きな話題になっている。

 日本各地で行われる催事の情報やピーターラビットに関する最新情報を伝えるために開設されたピーターラビット日本公式サイト。キャラクター紹介では、主人公のピーターを含む30匹を超えるキャラクターを紹介。ピーターについて、「たいへんないたずらっこ」と書かれているほか、ファンでも知らないようなキャラクターたちの詳細が明かされている。

 中でも異彩を放っているのが、ピーターのおとうさん。かわいいキャラクターたちのイラストが並ぶ中、パイのイラストで紹介されたピーターのおとうさんは「マクレガーおくさんにパイにされた」と説明されており、これがファンの目に留まり、インターネット上で大きな話題となった。

 このピーターのおとうさんの話が登場するのは、1902年に出版された第1作「ピーターラビットのおはなし」。ピーターがおかあさんから「マグレガーさんの畑にだけは、行ってはだめですよ。お父さんはね、マグレガーのおくさんに、パイにされてしまったのですからね」と言われていたにもかかわらず、マクレガーさんの畑に入り込み、野菜を食べてしまうというエピソードが描かれていた。

 今なお多くの人々に愛されているピーターラビットの物語は、1971年にイギリスで製作されたバレエ映画『ピーターラビットと仲間たち』が公開されているほか、「ピーターラビットとなかまたち」としてテレビアニメも放送されている。また、2006年にはレニー・ゼルウィガーがピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターを演じた映画『ミス・ポター』も公開されている。第1作の出版から111年、新たにオープンした日本公式サイトは、意外な形で注目されることになった。(編集部・島村幸恵)

いやまあね、パイにされてしまったことまでは仕方ないにしても、遺影?がパイというのは違うんじゃないでしょうかねさすがに…
こういうことがあるので本当にブリは油断がなりませんが、世界中の子供達にとっては幼小児からブリ的毒性への耐性が培われるのはよいことなのかも知れませんね?

今日のぐり:「台湾料理 あじ仙 倉敷店」

最近やたらとあちこちで見かける気がする「あじ仙」という看板ですけれども、珍しく台湾料理を掲げたお店ということで一度行ってみたいと思っていました。
確か大昔に今ほどチェーンが広がっていない頃に一度お邪魔したような気がするのですが、記憶違いでなければその時には唐辛子がそのままごろごろしていてかなり激辛の料理が多かったような印象があります。
ともかくチェーン店が急増しているくらいですから人気があるということなのでしょうが、こちらは倉敷市の町中にありかなり大きな店舗ですが、雰囲気的にはファミレスなどに近く大衆店として入りやすいですかね。

おすすめのメニューの中からジャージャー飯なるものを、あえてセットでなく単品で頼んで見たのですが、ジャージャー麺と言えば台湾の名物料理でああいうものかと思っていましたら、少し違っていました。
豆腐抜きの麻婆豆腐を炒飯にかけたものを想像していただくと一番近いと思いますけれども、多分発想はそのまんま炒飯プラス麻婆飯なのでしょうけれども、しかしもともとソースの味が濃いのに豆腐抜き、しかも白飯ではなく味のついた炒飯との組み合わせですから、こういう暑い季節に大汗をかいた後には向いている料理かも知れません。
とは言えソース部分はもっと凄い辛さを想像していましたが意外にマイルドというかスープのしっかりした味をベースに食べさせるタイプで、このソースで素直に麻婆豆腐にして食べたくなりますし、ベースとなる炒飯もベーシックなものとは言え割合レベルが高いなとは思います。
ただそれでも全体の味は濃過ぎるため食べているうちに飽きるし口も乾くというもので、こういうメニューは各人小皿一杯ずつだからうまく感じるというものですし、そもそも炒飯と麻婆豆腐とで別々に頼んだ方がずっとうまかったんじゃないかという気もします。

まあしかし激辛なのか?と身構えていましたら少し肩すかしを食らったとは言え、評判を見る限りではやはりメニューによっては相当に辛さが強烈なものもあるようですし、そのあたりを受け入れられるかどうかで好き嫌いは分かれそうではありますよね。
ちょっとネイティブっぽい接遇はまあいいんですけれども、基本的には大衆中華といっていいお店のようで、価格の割には食べさせるということが一番の売りになるのでしょうか、場所柄もちょっとした平日のランチなどにはちょうど手頃という感じでしょうか?(大汗には注意ですが)
ところでトイレはよく言えば機能的ですがいかにもとってつけたような違和感が激しいですし、店自体全体に安普請にしても店舗デザインの統一感がないのでハリボテっぽいんだなあ…と、ちょっと妙なところが気になりました。

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2013年7月20日 (土)

相次ぐ炎上事件 馬鹿発見器の怖さ

参院選の投票も間近いというこの時期、野党党首のSNSでの発言が絶讚炎上中だと話題になっています。

海江田氏のFBが大炎上! 「今やネットが政治を劣化させる」と反論…(2013年7月18日zakzak)

 民主党の海江田万里代表のフェイスブック(FB)が炎上している。とりわけ、元代表の菅直人元首相が、安倍晋三首相に名誉を傷つけられたとして訴えてからは、「菅直人、安倍首相を名誉棄損で提訴! この人に名誉なんてあるの?」など“場外乱闘”の様相も見せている。海江田氏は自身のFBに次々とキツイ言葉が書き込またことに17日夜、「ネットが政治をさらに劣化させる」などと反論した。

 海江田氏がFBを始めたのは今年5月3日、今回の参院選からネット選挙が解禁となるため、情報発信の手段として開設した。支持者からの激励を期待したかもしれないが、最初に書き込まれたのは「そんなヒマがあるなら、安愚楽牧場の問題解決に向かいなよ!」というコメントだった。

 当時、安愚楽牧場事件をめぐり、海江田氏が経済評論家時代に書いた記事を読んで出資し、損害を受けたとして、出資者30人が賠償を求める訴えを東京地裁に起こしたことが注目されていた。

 その後も、罵詈雑言は続いた。

 漢詩に造詣が深い海江田氏が今月10日、「今週の四字熟語」として、「どんな難しい事業でも、志をもって努力し続ければ、必ず成し遂げられる」という意味の、列子の「愚公移山(=ぐこうやまをうつす)」という文字を毛筆で書いてアップすれば、以下のコメントが書き込まれた。

 「安愚楽の字を使った! すごい神経だ!」

 「与党でなぜしなかったのかな。もう手遅れ」

 「屁理屈をこねられても通用しない」

 厳しい言葉が並ぶ海江田氏のFBに対し、安倍首相のFBには「菅直人が騒いでいますが。お気になさらず頑張って下さい」といった書き込みがほとんどだ。

 

選挙にマイナスになりそうな海江田氏のFBだが、今後どうするつもりなのか。海江田事務所に問い合わせると、17日夜になって「代表がFBに書き込んだので読んでほしい」と連絡があった。

 海江田氏のFBには「私は新聞記者であった父から、文章を書くには作法があると教えられてきた。しかし、最近のネット上の諍(いさか)いを見ていると、そうした作法とはまったく関係なく、他人を誹謗中傷する文章が溢れている。かつて『テレビが政治を悪くした』と言われたことがあったが、今や『ネットが政治をさらに劣化させる』と断じなければならない状況だ(抜粋)」とあった。 (安積明子)

先日は確か海江田氏のフォロアーが少なすぎて話題になっていたと記憶しますから、こうして沢山の方々に注目されるようになったのもいいことなのかも知れませんが、今回の弁解?についても様々なコメントが殺到しているようで、宣伝になっているのかセルフネガキャンになっているのか微妙なところでしょうか。
ご存知のように今回の選挙はネット選挙解禁だと言うことでも話題になったのですが、どうも情報発信の手段を誤ると今までにない「炎上」という事態に発展しかねないリスクがあるせいでしょうか、全般的には従来型選挙の延長という形で繰り広げられているという評価のようですね。
とはいえ選挙に限らず最近はネット絡みの話題が豊富で、特にいわゆる「馬鹿発見器」的な機能?は完全に定着し実社会でも取り締まりが進んでいますけれども、先日はこれまた参院選挙に絡んでこんな事件もあったと言います。

「韓国批判」候補の選挙ポスター次々破られる 「しばき隊」メンバーは関与否定(2013年7月17日J-CASTニュース)

選挙ポスターが次々に

 日韓国交断絶などを訴える政党候補者の選挙ポスターが次々に破られていると、ネット上で騒ぎになっている。疑われた「レイシストをしばき隊」メンバーは、関与を全否定しており、今のところ真相は不明だ。

 参院選公示から5日目となる2013年7月8日、維新政党・新風代表の鈴木信行候補はブログで、選挙ポスターをビリビリに破られるケースが数件あったと明かした。

■「本日もレイシストポスターびりびり破き」

 もちろん、ポスターを破れば、公選法違反(自由妨害)になる。鈴木候補は、「これは犯罪なのにね」と漏らし、警察に被害届を出したと報告した。翌9日のブログでは、政党ホームページまでも何者かに壊されたと明かしている。

 一方、何らかのポスターを破ったと頻繁につぶやくツイッターユーザーがネット上で話題になった。嫌韓ヘイトスピーチへの抗議活動をしている「レイシストをしばき隊」のメンバーとみられる男性だ。

 「レイシストのポスターびりびり破きなう」。この男性は11日にこんなツイートをすると、連日のようにポスター破りの報告を繰り返した

 「俺のレイシストポスターびりびり破きは、スーパーパーフェクトテクニック」「本日もレイシストポスターびりびり破き、皆さまお疲れさまでした」…

 そのツイートは、20件ほどもあり、複数が関わっているようにも読める

 そして、鈴木候補が14日、コリアタウンとも言われる東京・新大久保で街頭演説に立つと、翌日には、ツイートの男性を含めたしばき隊のメンバーが集まったと2ちゃんねるのスレッドに写真つきで書き込まれた。スレでは、鈴木候補のポスターが実際に破られている写真が数点アップされ、この男性らによるものではないかと次々に非難の声が上がった。

 実際、鈴木候補のポスターはどのくらい被害に遭っているのか。

「家でびりびり破いてただけ」

 維新政党・新風の広報担当者は、取材に対し、公示日の翌日から被害が出て、これまでに都内全域で200枚近くが破られたことを明らかにした。1日平均十数枚が破られているといい、ホームページ被害も含めて、所轄の警察署にその都度届けているとした。

 犯人像については、こう答えた。

  「うちのポスターだけが狙われているようですので、政策に反対している人が犯人ではないかと思っています。男性のツイートについては、『不愉快なので、通報した方がいい』と支持者からよく電話がかかってきます。しかし、犯人については、憶測で申し上げることはできません」

 ヘイトスピーチで批判されている在特会については、「組織が違いますので関係ないです」と言う。街頭演説などでしばき隊から非難されたことには、「韓国批判が気に入らないのでは。日の丸を持っていれば一緒に見えるのでしょうが、どこが差別になるのか聞きたいぐらいです」と話した。

 一方、ツイートの男性は2013年7月17日、自らのブログで「僕は断じて選挙ポスターを破いたりしていない」と関与を明確に否定した。在特会会長やヒトラーなどを含め、レイシストとするポスターを「家でびりびり破いてただけ」だとした。警察などにもそう説明したといい、ネット上の非難については、「その気になれば、名誉毀損で法的対処できる」とも言っている。

もちろん該当するつぶやきが直接事件と関係があるのかどうかは今後の捜査の進展を待たなければなりませんけれども、仮に事件と関連するものであったとすればこれまた馬鹿発見器が奏功した一例ということになるのでしょうか。
ネットの怖さということが様々に言われていて、例えばひとたび流出した情報は本人が死んだ後も流れ続けるといったことが最近一部で問題視されるようになっていますが、家族からの開示・削除要求なども本人同意が得られていないということを盾に求めに応じない業者が大多数だということですから、利用する側もそうしたリスクを承知の上で利用法を考えていくということは必要でしょう。
一方で二昔ほど前までならそんな事件が起こる可能性すら考えられなかったということは新たなビジネスチャンスでもあるということで、例えばネット上でのトラブルに対して専門的に対処する弁護士なども登場しているようですが、これも決して少なくない金額がかかることですからそうそう気軽に利用できるというものではなさそうです。
時折身近なものの写真などをネット上に公開したところ思わぬ好評を得たといったニュースが美談めいて報道されますが、馬鹿発見器的な犯罪自慢も考えて見ればこうした行為の延長線上に位置するわけで、世間受けするからと個人情報を特定されるようなものを気楽に流しているといずれ思わぬしっぺ返しを食らう可能性があるということですね。

馬鹿発見器とは言い得て妙である、馬鹿がどんどん発見され相応の処罰を受けるのは良いことじゃないかという意見もありますが、現代法治国家において罰とは罪に相応しいものであるべきだということが大原則であって、そのバランスが崩れてしまうと単に罪が放置されるよりもかえって社会的不正義が拡大しかねないことが問題なのです。
例えば先日ネット上で好き放題に馬鹿発見器を活用していた県議のブログが炎上し、その後当の本人が自殺の可能性がある状況で亡くなるという事件が話題になり、話題を取り上げたマスコミ各社も報道被害だ、いやネットによる被害だと議論がなされたようですが、当初問題になった県議の行動が何かしらのレベルでの批判に値するものであったことは紛れもない事実ではあるでしょう。
それに対してどの程度の批判が妥当であったのか、あるいは県議としてどういった責任の取り方が適当であったのかという点で周囲にも本人にも予想と異なる不本意な結果となった、その一番の理由は報道であれネットであれ今の時代ひとたびことが動き始めると瞬時に情報が拡散し多方面から集中的に追求されるという、リアルタイム情報化時代ならではの怖さがあったということですね。
ただネットに関してはある程度対処法は出来て来ていて、例えば個人情報は徹底的に流出を避けるだとか、炎上しかけた段階で不用意な反論をしないだとかいったことはもっと徹底されるべきですし、そうしたネット利用の基礎的知識は「赤信号は渡らない」といった基礎的社会ルールと同様、スマホなどでネットデビューする前の児童期から徹底的に叩き込んでおかなければならないと思います。

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2013年7月19日 (金)

凋落する日医が全医師強制加入化の野望を加速

日本医師会(日医)の影響力低下が言われて久しいですが、現在終盤戦の参院選に絡めて先日こんな記事が出ていました。

農協、医師会…組織票は何票ある?(2013年7月7日ソーシャルニュースネットワーク)

いよいよ参議院選挙が幕を開ける。その選挙戦のゆくえを大きく左右する存在が「組織票」だ。なかには数百万規模の“票田”を抱える組織もあり、各候補者たちは虎視眈々と取り込みを狙う。

そもそも、組織票は国の政策によって大きな影響を受ける業界・団体が背景にある。たとえば農業や建設業、医師会などが代表例だ。 “TPPへの加入”“公共事業費の増大”といった争点について、各業界の意向を代弁する候補者を当選させようとするのが行動原理だ。

では、組織票はどれほどの影響力を持っているのか。いくつか例をご紹介しよう。たとえば、「農協」。正組合員と準組合員を合わせた会員数はなんと約1000万にものぼる。同様に、労働組合の全国中央組織である「連合」は約680万人の会員数を誇り、「建設業協会」は、企業数だけで約2万社。「日本医師会」は約17万人、「日本薬剤師会」は約10万人の会員を擁している。もちろん、団体の構成員すべてが組織の求めに応じて投票するとは限らないが、当落に大きな影響を与えていることは間違いない。

…なんていうと、利益誘導型の圧力団体のような印象を持つ人もいるかもしれないが、彼らは何もズルをしているわけではない。利害の一致する有権者同士が団結し、投票先を集約することは、国会に自分たちの主張を届けるための基本的な方法だからだ。

問題は、全体の投票率、特に浮動票の多い若者の投票率が低すぎるため、選挙結果に対する組織票の影響力が大きすぎることにある。実際、30代以下の投票率は非常に低く、前回参院選では43%にとどまった。しかし20~30代の有権者は約3000万人にのぼり、どんな組織票よりも大きいのだ。

世代間格差が気になるのであれば、“若者”という組織票を生かさない手はない。その第一歩は、あなた自身が投票に行くことなのだ。

2013参院選:揺らぐ・組織票の今/上 有力業界団体 「自民回帰」しこり残し(2013年07月18日毎日新聞)

 ◇日医連、TPPに疑心暗鬼

 「参院選で候補を出さなければ組織は存在意義を失ってしまう。集票力がすなわち政治力だ」。9日、参院選比例代表に日本医師連盟(日医連)が擁立した自民党候補の決起集会が名古屋市で開かれ、愛知県医師連盟の柵木(ませき)充明委員長は約100人の医師らを前に声を張り上げた。

 日医連は日本医師会(日医)の政治団体。長年、自民党の支持組織だったが、2009年の民主党政権発足を受けて親民主のトップが就任。10年比例では民主候補を推薦する一方、自民とみんなの党の候補も支援する「またさき」に陥り、3人とも落選した。民主政権の弱体化が進んだ12年春の会長選では、自民党に近い横倉義武氏が勝利し、今回の参院選で再び自民支持へ一本化した。

 09年衆院選で政権から転落した自民党からいったん距離を置きながら、同党の政権復帰で再び「元のさや」に収まった有力組織は日医連だけではない。10年参院選で民主党から組織候補を立てて当選させた日本歯科医師連盟(日歯連)は、自民所属の現職が改選を迎えたこともあり、自民支持へと舞い戻った。
(略)
 だが、政権交代で右往左往した各団体と、団体が離反する野党の悲哀を経験した自民党の間はぎくしゃくしたままだ。日医連は、安倍晋三首相が参加を表明した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の国民皆保険制度への影響を警戒。日医連候補は「上位当選し、できるだけ大きな声で政府に意見を述べたい」と早くもけん制する

 日歯連は民主党内に組織代表の参院議員が残り、地方幹部は今後の組織運営を「神のみぞ知る」と漏らす。全特も「自民復帰にわだかまりを持つ一部の会員が他党支援に回った」(郵政関係者)との指摘が絶えない。全国農政連と自民党の間でもTPPを巡ってあつれきが生じる。「自民回帰」が起きても、かつての自民と業界団体の強固な結束は過去の話だ。

実際のところ日医が独自候補を当選させられなくなって久しい訳ですが、そもそも医師であるというだけで思想信条も政治的スタンスも全く異なる会員達が、選挙という場になれば特定の立場に固まって行動するようになるということがおかしい訳で、事実先年の政権交代騒動では医師会内部でも支持先が分かれ大いに混乱したのは記憶に新しいところですよね。
ちなみに今回の参院選に立候補した医師免許所持者(=医師、とは必ずしも言えないわけですが)は8人だそうですが、維新の会の3人を筆頭に見事に主要各党に分散されていて医師だから特定の政治的スタンスに立つなどという発想が幻想に過ぎないことは明らかですし、むしろ日医副会長なども比例区で立候補していることから日医の政治的スタンスも問われるということでもあるわけです。
特に今のようにSNS等で政治家と国民が直結出来るようになると、医師に限らずこうした大規模集団が特定個人に意見を集約するくらいなら、各人が各人の考えに一致する候補を支持した方がよほど話が早いのは当然で、業界団体の影響力低下が云々されるというのは単純に日本にも民主主義が定着してきたことの表れとも言えそうですね。
いずれにしてもこうまで政治的野心を燃やしている日医のことですから、その社会的影響力をいかに増大させ世俗的権力を握るかということに強い関心を持っていることは明らかなのですが、先日これまた以前からささやかれている噂を当事者が認めたという格好のニュースが出てきたことが注目されます。

日医入会、「強制力持った方策も検討」-横倉会長(2013年7月16日CBニュース)

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は13日、大阪市内で講演し、現在は任意となっている医師の日医への加入について、「ある程度の強制力を持った方策も、一つの可能性としての検討が必要だ」と述べ、日医の組織力を強化するため、強制的な入会を含めた加入率向上の方策を検討していることを明らかにした。

 この日、大阪府医師会・勤務医部会の設立40周年を祝う記念行事に出席した横倉会長は、「加入していないと不便な状態に、徐々に上げていくための医師会活動というものが求められてくるだろう」と指摘。その上で、医師が積極的に日医を活用する任意度の高い状態から、加入を医師法に規定する法的根拠を伴うレベルまで、「最終的にどの段階で組織体制を強めていくかということが、非常に重要になると思う」と述べた。

 日医の会員数は約16万5000人(昨年12月時点)で、医師全体のおよそ56%が加入しており、このうち開業医が約8万4000人と過半数を占める。医師会にはこのほか、郡市区医師会や都道府県医師会などがあるが、日医に入会するためには、これらの医師会に加入する必要がある。【敦賀陽平】

ネット上で世間的な評価をざっと見た感じでは最大公約数的に「冗談はよし子さん」といったところだと見たのですが、まずは現状の日医という組織を考えて見ると一般勤務医の加入率は極めて低く、病院管理者や開業医など経営者にとっての利権団体であって労働者たる勤務医にとってのそれではないということは明らかですよね。
日医の運営の問題点として会長等の選挙システムが会員の医師を全く反映しない、極めて非民主的な制度によって成り立っているという点がまず挙げられますが、要するに勤務医にとって何ら自らの意志は反映されず「こんなに大勢の医師が加入しています」という数字合わせに使われるだけの日医という組織には魅力がない以上、わざわざお金を払ってまで加入する気になれないのは当然でしょう。
しかしすでに開業医などの多数が加入している以上さらなる加入率向上とはすなわち勤務医をどうやって強制的に日医に取り込むかということに他ならないわけで、この点ではかねて例の新専門医制度に日医が公的に関与させろなどとあり得ない主張をしてきたこと等も考え合わせれば、彼らの狙うところは日医という組織を単なる業界団体から準公的組織へ格上げさせようということなのでしょう。

医師の組織化、団体化というもの自体は別に全否定されるべきものでもなく、例えば地域内の各種医療業務について地区医師会などが窓口になっているというのは、そうした医療業務が法律で実施を求められている以上、どこに依頼したらいいのか判らないのでは困るのですから当然ありだと思います。
しかし問題としてはそうした地道な医療活動を行っている地区医師会からも日医という組織に対する不平不満が高まっているということで、そもそも日医という組織の存在意義は何なのかということを会員に対してすらきちんと示すことも出来ないのであれば、単に上納金を集めて権力ごっこをしているだけではないかと言われても仕方がないところでしょうね。
政治的に見ても日医という組織の影響力低下は明らかですが、一方で日医さえ丸め込んでおけば「医師団体から同意を取り付けた」という格好はつくというメリットはあって、この辺りは日医に比肩し得る組織を今まで確立出来ないまま来てしまった医師という業界そのものの持つ課題なのかなとも思います。

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2013年7月18日 (木)

マスコミ業界 「医」に続くターゲットは「薬」?

媒体が媒体だけにあまり真面目に受け取っても…という意見もありますが、先日毎日新聞にちょっと気になる記事が出ていました。

牧太郎の大きな声では言えないが…:「薬九層倍」って何だ?(2013年7月9日毎日新聞)

 梅雨明け。朝顔市の東京・入谷で、例の「新聞嫌いの元官僚」と一杯。

 「お前さん、コラムで『小金稼ぎでどこが悪い』って書いているけど、新聞記者は小遣い稼ぎにアルバイトしていいのか?」
 「……」
 「1回5万円でコメンテーターをしていた? 全部、飲み食いに使った? いいご身分だなあ。役人の副業は批判するのに(笑い)」
 「そう言うな。広い意味の社業だから……今夜は俺が持つ」
 「当たり前だ! 生ビールの大瓶、もう1本!」
 「新聞記者の給料なんて、知れたもの……高級官僚の半分だ。お前、退職金、いくらもらった?」
 「……」
 「6000万円ぐらい?」
 「そんなにもらっていないけど……まあ、割り勘にしよう。こいつにも、生の大瓶!」
 「上場企業の役員で報酬1億円以上が292人もいたらしい。第1位の日産自動車のカルロス・ゴーンさんは9億8800万円? 異常だ」
 「それと比べれば、役人なんて……小金稼ぎだ(笑い)。2、3、4位は武田薬品工業。役員報酬の一部を株(ストックオプション)でもらっているから、株価上昇で報酬額が膨らんだ。3人とも7億円以上。製薬系はベスト20に7人も入っている。薬九層倍とはよく言ったものだ
 「くすりくそうばい?」
 「原価が10%で利益が90%。包装されれば、それ以上にもなる
 「本当かよ?」
 「医者の技術料を低く抑えて、薬を売ってもうければいいという時代もあったが、今は、仕入れ値段と販売値段がほとんど同じで、医者はもうけがない」
 「なら、なぜいっぱい出すんだ?」
 「標準治療というマニュアルがある。若い人で上の血圧を130未満、下の血圧は85未満にせよ!という数値目標が定められ、目標がクリアできるまで、薬は増え続けるんだ」
 「マニュアルが薬長者を作る?」
 「製薬会社は15年以上の時間と200億円以上の開発費用を投資しているから……」
 「それにしてももらい過ぎだ!
 「僕には何とも言えない」
 「チェッ、OBになっても、お役人はいつもそうなんだから」(専門編集委員)

しかしまあ、これが顧客から金を取って新聞に載せる文章かと言う気はしますけれども、それはともかくここで明確に製薬会社は儲けすぎだと批判的な論調で書かれていることは注目いただきたいと思います。
そもそも以前からマスコミが盛んに医療バッシングを繰り広げてきた理由の一端として、医療業界は法的規制によって広告を出すことが厳しく制限されている結果、マスコミに対してもスポンサーとして発言力を保てないということが指摘されてきたわけですが、この逆と言っていいのが21世紀の優良産業たる製薬業界であることは余程に暇をもてあました折にのんびりとテレビを眺めているだけでも実感出来るかと思います。
マスコミの医師叩きが激しかった頃には主要スポンサーたる製薬会社に不買運動をしかけようなどという話も出たほどで、しかも実際これがかなり効いたらしいということが明らかになったわけですが、そのマスコミ側からこうして製薬会社を揶揄するような話を公然と出してくるというのは何とも不思議な気がしないでしょうか。
何事にも定評ある毎日一社であればまたお得意の…で済んでいるところですが、実は最近他社からもこんな報道が飛び出して大きな紛争に発展していると言うことで、あるいは先日のノバルティスの一件で「医師叩きはもう古い。次のターゲットは薬だ」とでも狙いを定めているのかも知れません。

日本薬剤師会、フジ「とくダネ!」に抗議(2013年7月13日ココヤク)

■番組内容に抗議、回答を文書で要求
公益社団法人日本薬剤師会は、フジテレビ系列の情報番組「とくダネ!」が6月17日放送分で取り上げた内容に関し、フジテレビ情報制作局長宛てに抗議文を送付、その内容を7月1日付で、各都道府県薬剤師会にも連絡した。

この日の「とくダネ!」では、『医療の常識を疑え!院外の薬局増の裏側』と題し、同じ薬を病院でもらうよりも院外薬局でもらうことで、支払い金額が増えたと紹介。院内薬局なら請求されない調剤技術料がかかることや、薬剤服用歴管理指導料を説明所代として取り上げ、「説明書を断って少しでも安く」するとよいといった内容で放送された。

またさらに、医薬分業を行っても薬が減らない、過剰投与のケースが後を絶たない原因として、薬剤師による疑義照会がほとんど行われていないといった事実とは異なる内容を導き出し、そうした薬剤師の責任も大きいと、視聴者に受けとられかねない表現を行っていた。

■一方的取材で事実無根、薬剤師の職能無視と批難
これを受け、日本薬剤師会では、薬剤師の職能が十分に理解されない、一方的な取材により、視聴者に誤解を与えかねない放送が行われたと強く抗議。

文書において、まず、薬剤師は、処方箋どおりに薬を出すだけでなく、一般用医薬品やサプリメントといった患者が自ら購入して服用しているものとの飲み合わせに問題がないかどうかのチェック等、重要な役割を果たしていると説明した。

また、医薬分業は、薬剤師がその職能をより発揮し、薬の重複投与や相互作用の防止等、薬の適正使用と患者の安全確保のために進められてきたものであり、高齢化の進展や薬物治療の高度化が進む今、適切な情報提供と管理は、ますます重要となっていると指摘。

薬剤服用歴管理指導料についても、拒否すれば負担が減ると報じられたが、拒否に起因する重大な事故や副作用が発生した場合、患者の命や健康被害に関わる問題となるのであり、医療従事者として、到底看過できない内容だと主張している。

疑義照会についても、薬剤師の義務として全国で実施されている業務であり、実施状況も日本薬剤師会がたびたび調査して確認済みだと、具体的な調査結果の数値を挙げて説明、放送された内容が事実無視に等しいと批難している。

これらの点について、日本薬剤師会では、フジテレビ情報制作局に、正式な文書による回答を求めているという。

院外処方の是非などは今さらの話題という気もしますけれども、少なくとも院外で医療から独立して営業するようになったことで薬剤師の地位が相対的に向上したのは確かで、昨今製薬業界では相次いで医師への接待廃止を打ち出している一方で、調剤薬局のトップともなれば近頃接待攻勢もかなり激しいなんて噂も聞きますよね。
もちろん一般名処方だ、後発品優先だと医療費削減政策が厳しく言われ医療側への締め付けが年々厳しさを増す中で、ちょうど今現在進行中の参院選で橋下市長が後発品使用を全国民に義務づける、なんてことを叫んだとも報道されていますけれども、経験したことがある方はお判りのように医師の仕事は後発品変更可の指示を出すだけで、あとは薬局で患者さんと薬剤師さんが相談して商品を選ぶということになります。
つまり実質的にどの商品を出すかの選択枝が薬局側に握られるようになった以上そちらに接待攻勢をかけた方が効率的という判断は当然なのですが、番組に好意的に解釈すればそうした厚遇に見合った仕事をしているのかどうかという問題提起を狙ったという形でしょうか。

この報道を受けて薬局利用者である視聴者の側にも賛否両論があるようなのですが、もちろん院外に独立する際に公言したように医薬分業下で薬剤師として果たすべき仕事は幾らでもある、しかし実際にはそんな仕事は果たしておらず単に薬を袋詰めしてるだけじゃないかという指摘は成立し得ると思います。
ただ考えて見ればお判りのようにただでさえ病院の待ち時間も長いのに、それに加えて今度は薬局に出向きこちらでも待ち時間がかかるわけですから顧客側の利便性は相当に低下している、その状況で薬局でまたくどくどと問診だ、副作用の説明だと長く時間を取られるのは勘弁してくれと言う声もまた大きいわけですよね。
この辺りは薬剤師会のかくあるべし論もまた現場の状況を無視した空論というべきものがあるし、医薬分業になっても薬が減らないなどと医師の処方権を否定するかのような報道をするマスコミも頭が悪いと思いますけれども、ともかくマスコミ業界としてこうまであからさまに喧嘩を売るような真似に出てきたということには何かしら意味があることなのでしょうか?
いずれにしてもある意味では医師と製薬会社のつながり以上に薬局と製薬会社のつながりは濃厚ですから、薬剤師側が一致団結して立ち上がれば医師によるスポンサー不買運動どころではない大騒ぎになる可能性もあるはずなんですが、そうなるためには現場で働いている末端の薬剤師達がこうした報道をどの程度不当なものと感じるかにかかっているんじゃないかと思います。

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2013年7月17日 (水)

弁護士大増員計画ついに破綻 次に同じ失敗を繰り返すのは

最近相次いで報道が出ていたものですからそろそろかとは思っていましたが、やはり予想通りに国策が変更されたようです。

司法試験合格率4%…法科大学院、龍谷大も募集停止へ(2013年7月8日産経ニュース)

 龍谷大(京都市伏見区)が、法科大学院の募集を平成27年度以降、停止する方向で検討を始めた。入学者の定員割れ傾向が改善しないことなどが理由で、今年度中に結論を出すという。現在募集中の26年度入試は予定通り行う。
 同大によると、6月中旬の評議会で募集停止の方向で検討することを決めた。今後、評議会の結論を受けて法人理事会で審議し、正式決定する。
 同大の法科大学院は17年に開設。当初の定員は60人で、22年に30人、23年には25人に削減したが、今年の入学者は15人だった。今年5月現在で約60人が在籍。24年度の新司法試験合格率は4・5%だった。
 法科大学院をめぐっては明治学院大などが、すでに募集を停止。国立大でも、島根大が募集を停止することを決めた。

「合格3000人」撤回を決定=司法試験見直し―閣僚会議(2013年7月16日時事通信)

 政府の「法曹養成制度関係閣僚会議」(議長・菅義偉官房長官)は16日午前、首相官邸で会合を開き、司法試験や法科大学院の在り方に関して先に下部組織がまとめた最終報告の内容を、政府の改革方針として決定した。司法試験合格者を年間3000人程度とする政府目標を撤回し、実績が乏しい法科大学院に定員削減や統廃合を促すことが柱だ。
 菅長官は会合で「法曹を目指す有為な若者のためにもスピード感を持って各施策を推進、検討してほしい」と述べた。
 改革方針を具体化するため、政府は8月に内閣官房に担当室を設置する。日本社会にふさわしい法曹人口を提言するための調査や、統廃合などが進まない法科大学院に対する強制的な「法的措置」の検討を2年かけて行う。
 改革方針のうち、司法試験の見直しに関しては、来年の通常国会への司法試験法改正案の提出を視野に作業を進める。現在は5年で3回までの受験制限を5回までに緩和することや、7分野から出題されている短答式試験の内容を、憲法、民法、刑法の3分野に絞り込む方針だ。 

すでに久しく以前から新司法試験による弁護士業界の就職難・ワープア化が問題視されていて、昨年には総務省も「合格3000人は無理なのでは」と文部・法務両省に見直しを勧告していたのですが、ようやくそれが国策の変更に結びついたというのも数年遅かったのではないかという気がします。
しかし新司法試験によって弁護士の平均年収がたったの3年間で6割も減ったという衝撃的なデータがありましたが、実際には固定客を数多く抱えるベテランは安定的な収入を保っている一方で新規参入者は食うや食わずの生活で弁護士会の会費も払えない(=弁護士として活動出来ない)状況に追い込まれているというのは、どう考えても将来的によい状況には思えません。
その点で気になっているのが司法試験そのものはむしろさらに緩和するとも受け取れる方針も同時に示されていることですが、もちろん以前から言われている法科大学院の学費詐欺と言われる状況を考えると、定員自体を削減するにしてもすでに投資をしてしまった学生に対する救済策も必要なのは理解出来るとは言え、そこまで司法試験の意味を下落させてしまうのはどうかと言う司法関係者もやはりいらっしゃるようです。

弁護士大国のイメージが強いアメリカなどではロースクール卒業生の「薔薇色の卒後生活(実際にはほとんど嘘のようですが)」が喧伝されていることもあってか学費高騰がすごいことになっても志願者が引きも切らないそうですが、「国家資格を持っていれば将来安泰」という時代ではないことは弁護士や歯科医の相場の崩壊ぶりを見ていれば判るというもので、その次に同じ道を辿るのは医科かと懸念されているのも当然です。
これだけ医学部定員を大幅に増やし順調に医師数が伸びても未だにメディカルスクールを認めよ、医学部も新設せよと主張する方々は少なからずいますけれども、注意いただきたいのは今も深刻な医師不足が言われているのは救急診療科などいわゆる激務の診療科にほぼ限定されつつあって、他方で従来ドロップアウト先となっていたようなポジションは埋まってきたと言うことですね。
過剰が国にも認定された弁護士にしても未だに地域内に複数の弁護士がいない地域が残っていて、これでは民事訴訟もおちもちやっていられないという声があるのも事実ですが、だからといって今さら弁護士不足を訴え司法試験合格者をさらに増やせという話にならないことを考えると医師もどこまで増やすべきかという議論は必要だし、少なくとも「医師免許さえあれば食っていける」時代ではなくなっていることは当事者も理解しておく必要があるでしょう。

医師免許さえあれば食いっぱぐれはないですよね?(2013年7月16日日経メディカル)

質 問
 転職でいくつかの病院を転々とし、気付けば履歴書に病院名がたくさん並んでいます。自分なりにやってきたつもりですが、キャリアを積んでいる自信はありません。将来についての不安を少々感じつつも、「医師免許があれば食いっぱぐれはないのでは?」と思っています。今の時代、こんな考えでは甘いのでしょうか。(卒後10年目、35歳男性、内科医)

回 答
幻想です。今の世の中、それほど甘くありません

 医師免許があれば転職先には困らない、どこでも雇ってもらえる、というのは幻想です。やりたい仕事、働いてみたい病院がある人なら、なおさらです。

 言い方は悪いですが、「医師免許さえ持っていれば誰でもいい」という医療機関なら、医師不足の今、どんな経歴の持ち主でも構わず雇ってくれるかもしれません。ただし、そういうところは運営も、医師の扱いもそれなりであることがほとんどです。

 表面的にはそんな態度をおくびにも出さないものの、病院側はそういう医師を大切にしようとは思いません。恐らく「何かミスをしたら理由をつけて辞めてもらえばいい」「もっと優秀な先生がいたらそっちにしよう」と考えているはずです。

安易に転職を繰り返す人たち

 特に本人が望むような転職が難しいのは、数カ月とか半年程度で複数回の転職を繰り返している場合です。これは一般社会での転職と変わりません。医師の転職の支援をする中で私も時々、そうした出入りの激しい履歴書を目にしますが、やはり病院側に良い印象を与えません。最も敬遠されるケースと言っていいでしょう。

 転職理由を聞くと、たいてい「人間関係がうまくいかない」とか「思っていたイメージと違う」といった、傍目には取るに足らないような事柄が少なくない。こうした人たちに共通するのは、毎回似たような理由で辞めているという点です。その場合、根本的な問題を解決しない限り、どこの病院へ移ろうとも状況は変わりません。

 「雇ってくれるところがいくらでもあるのだから、我慢してまで今のところにいる必要はない」というのが、そうした人たちの言い分です。確かに今は何とかなっているのかもしれません。でも選択肢はどんどん狭まり、いつか誰からも相手にされなくなります

 当然と言えば当然ですよね。短い間に病院を転々としている医師から「信用しろ」と言われたところでなかなか難しい。まともな病院なら「これだけしょっちゅう病院を移っているということは何か問題があるんじゃないか」と見なして、はじめから採用しないでしょう。
(略)

もちろん大多数の医師は能力に差はあっても少なくとも社会的平均値以上に真面目で、職務に対しても一生懸命努力していると思いますけれども、すでに病院側から見て「医師免許持ちなら誰でもいい」という時代は終わりつつあるということですね。
ひと頃から医療現場の労働環境ということが問題視され、社会的にもその改善に理解が得られるようになってきましたけれども、職場ストレスに対する耐性は非常に個人差の大きい問題であって、また医師という人種の中で一定数はあえてストレスフルな環境に身を置くことに「やりがい」を感じているということも事実です。
要するに医師不足問題の一面とはストレスの多い職場と少ない職場の求人比率に対して、ストレス耐性の高い医師と低い医師との求職比率とが一致しないことから来ていた側面も大きかったのですが、医局制度という名の医師強制派遣システムの崩壊と立ち去り型サポタージュという過酷な現場からの自主的な撤退によって、当事者である医師個人にとってはある程度妥当な職場環境を(一定の能力とその気があれば)得られるようになってきた感があります。
その結果医師が逃散したストレスフルな職場では今まで以上に医師不足が深刻化していることが業界全体での医師不足であるかのように語られ対策が講じられてきた訳ですが、一方で逃散した医師もどこかで働かなければ食べていけない以上、ゆるい職場のおいしいポストからどんどん埋まっていくのも当たり前と言えば当たり前ですよね。

もちろん一口に医師と言ってもその能力、人格は各人各様で、昔であれば医局長が適材適所で関連病院それぞれにうまいことマッチングする医師を派遣するのが腕の見せ所だと言われていたものですが、今では各施設が自主的に求人努力をしているわけですから、はっきりいって条件の悪い施設ほど医師が集まらないのは当然の自然現象なのです。
いわゆる医師不足問題の早急な解消を主張する方々には、こうした状況を是正するために誰も行きたがらない奴隷病院に半ば強制的に医師を集める制度を作ろうとか、ドロップアウト先が一杯になるまで医師を増やせば嫌でも奴隷病院に医師が戻ってくるだろうとか、一見して極論としか思えないようなことを(言葉は飾るにせよ)大まじめに主張する方々もいらっしゃるようです。
しかしそもそも医療崩壊などと騒がれ始めた契機として一部施設の労働関連法規も何も無視した殺人的な勤務状況というものが先にあったわけで、昨今流行りのブラック企業問題を見ればまずそうした違法な労働を強いる企業側に是正を迫ると同時に、労働者側も自己の権利を学びそれを主張するよう教育を行うという対処法が当たり前に取られているわけですね。
医療の世界にも最近ようやく働きやすい病院評価などという指標が登場してきましたが、無茶な労働環境を放置するどころかむしろ是認するような対策の推進は世間の常識からも外れているということを認識する必要があるし、問題解決の手段として最も有効に使える有資格専門職としての希少性を真っ先に手放すような方法論を先行させたのではその後の交渉材料すらなくなってしまうということに他なりません。
疲れていたからという言い訳が許されない職場であるということはすでに司法の場での明らかになっているのですから、まずは真っ先にきちんと無理なく永続的な医療の提供が出来る職場環境が得られるよう改善を求めていくことは患者のためにも必要なことであって、だからこそ近年国民の側でも医師の労働環境改善に関心が高まっているのだということを当事者ももう少し重く受け止めるべきだと思いますね。

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2013年7月16日 (火)

バルサルタン臨床研究疑惑の小さからざる波紋

ノバルティス社の超メジャーな降圧薬「バルサルタン(商品名ディオバン)に関する大規模臨床研究に、直接的な利害関係者である同社社員が身分を隠して関与していたとされる問題でつい先日も各方面が大騒ぎになったばかりですが、同社の上司もこれを承知の上で支援していたと言いますから会社ぐるみでの関与と認識されても仕方のないところではありました。
それでも身分を隠すということは論外としても、製薬会社社員が自社薬の研究に関与していた事まではまだギリギリ許容範囲で済んでいたかも知れませんが、今度はこの研究を行っていた京都府立医大の方で論文の元データそのものが捏造されていたというのですから上を下への大騒ぎになるのは当然ですよね。

降圧剤の臨床データ、人為操作を確認 京都府立医大が謝罪 製薬会社に有利な結果(2013年7月12日産経ニュース)

 高血圧治療薬「バルサルタン」(商品名・ディオバン)を使って京都府立医大の松原弘明元教授(56)らが行った臨床研究について、データに問題がなかったか検証している府立医大は11日、論文に使われた解析データが人為的に操作され、バルサルタンに有利な結果が出ていたとの調査結果を発表した。

 調査では、臨床研究で対象にした約3千件の症例のうち223件のカルテを確認。論文のもとになったデータと比較したところ、カルテに記載がなかった病気が論文データでは存在するなどの不一致が34件あった。バルサルタンを使った場合、他の降圧剤に比べ脳疾患や心臓病のリスクが減ると結論付けられていたが、正しいデータを使った検証ではこうした結果は得られなかったという。

 会見した府立医大の吉川敏一学長は「ご迷惑とご心配をおかけし、おわびする」と謝罪した。

 松原元教授は今年2月、辞職。販売元の製薬会社「ノバルティスファーマ」(本社・スイス)の日本法人社員(当時)が肩書を明示せず、研究に関与していたが、府立医大は「誰がデータを操作したのか、意図的だったかどうかは分からない」としている。

 この研究では、国内外の学術誌が論文6本を「データに問題がある」などとして掲載を撤回。府立医大のほか4大学でも同様の研究が行われ、同じ元社員が関わっていたことが判明しており、各大学が調査している。

バルサルタンめぐる臨床研究「結論に誤り」-京都府立医大が調査報告(2013年7月11日CBニュース)

 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」の臨床研究に、同社の社員(当時)が関与していた利益相反問題について、同研究で中心となった松原弘明教授(同)が所属していた京都府立医科大は11日、「本臨床研究で提示された結論には誤りがあった可能性が高い」と結論付ける調査報告を公表した。松原元教授の論文の基となる臨床データの解析を担当した元社員のほか、複数の研究員がデータ操作に関与した疑いも浮上したが、元社員に対する聞き取り調査が行えなかったとして、「推測」との表現にとどまった。

 2008年8月から12年9月までに、松原元教授らの研究グループが発表した7本の論文では、バルサルタンについて、通常の降圧効果に加えて、脳卒中や狭心症などの心血管疾患の発生率を下げる効果があると結論付けている。

 だが、京都府立医科大が外部機関に委託したデータ検証の結果では、同大附属病院に登録された310症例のうち、カルテの閲覧が可能だった223症例について、解析データとカルテの数値を照合した結果、心血管疾患の発生の有無が一致しなかった症例が34症例あった。

 また、223症例で心疾患の発生率に関する解析を行ったところ、解析データでは発生が抑制されたが、カルテでは有意差は見られなかった。さらに、同研究に登録された医療施設の全3031症例について、医療機関の医師が入力したデータと解析データの数値を比較したところ、こちらも同様の結果だった。

 カルテの閲覧が可能だった223症例の解析データについて、同データとカルテの数値を入れ替えた上で、全3031症例を解析しても、有意差は変わらなかったことから、調査報告では、「京都府立医科大以外の登録施設での症例に関しても何らかのデータ操作が行われていた可能性が示唆される」とした。

 一方、元職員の聞き取り調査を行うため、同大がノバルティスファーマに協力を要請したところ、退職していることを理由に断られたとし、「聴取のめどは立っていない」としている。

 京都府立医科大では今後、患者からの問い合わせに対応する専用窓口を設置。吉川敏一学長らの給与を返納するほか、研究に関与した同大の研究員に対しては、厳正な処分を行うとした。【敦賀陽平】

バルサルタン:臨床試験疑惑 降圧剤不正「意図的操作」明言避け 大学側会見、元社員は聴取拒む(2013年07月12日毎日新聞)

 日本で最も売れている医療用医薬品である降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床試験疑惑は11日、京都府立医大が初めて不正を認めたことで新たな局面に入った。データ操作は、誰が何のために行ったのか。販売元のノバルティスファーマ(東京)の社員(既に退職)はどう関与したのか。当の元社員は大学の聴取を拒んでおり、疑惑は深まるばかりだ。

 「今回の事態を招いたことを極めて重く受け止め、心からおわびします。関与した者の厳正な処分を行いたい」。この日、京都市内の京都府立医大で行われた記者会見で、吉川敏一学長は深々と頭を下げて陳謝した。

 報告書では、統計解析を担当した元社員や、研究を主導した松原弘明元教授(56)を含む複数の人物がデータ操作に関わることが可能だったとした。しかし、調査委員長の伏木信次副学長は「意図的な操作かどうかも含めて特定することはできなかった」と、明言を避け続けた。

 大学の問題点として「研究室には統計解析に通じた人材がおらず、製薬企業従業員の力を期待した点に問題があった」と指摘した。再発防止策として、統計の専門家を学内に配置するほか、製薬企業からの研究費の寄付や研究者の講演料の受け取り状況についてもホームページで公開するとした。薬を日常的に利用する患者などからの問い合わせに応じるため、近く大学病院内に専用相談窓口を設ける。

 厚生労働省研究開発振興課は「極めて遺憾な事態だ。具体的な責任は誰にあるのか、大学には引き続き調査を求める」(一瀬篤課長)とし、文部科学省と再発防止対策を協議する方針を示した。

 日本医学会の利益相反委員長、曽根三郎氏は「操作によって効果があったというのは捏造と言われても仕方がない操作された結果を基に販売促進に利用したことは極めて悪質であり、再発防止のためにも企業は大学の調査に協力し、説明責任を果たすべきだ」と指摘する。【八田浩輔、野田武、五十嵐和大】

ちなみにバルサルタンを含む俗にARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と呼ばれる降圧薬は使いにくい大きな副作用などが少ないことに加えて、血圧を下げる以外にも様々な有意義な臓器保護作用があるとされ最近では末端臨床家もファーストチョイスとして選択する機会が増えていますけれども、基本的には大変に有用な薬剤です。
ただしこれだけ数が出るようになっている、そして昔ながらの枯れた降圧剤に比べるとまだまだ薬価も高いですから製薬会社にとっては儲けが大きい主力商品のようで、似たようなARB同士でも「当社の○○は他者の△△に比べこのように有用で」と売り込みも大変なものですよね。
当然ながら社員一同としても上司から「他社のものより優れているというデータを出してこい」と発破をかけられていることは想像に難くありませんが、その結果今回同社社員が関与していたことが判明した他大学の研究も同様の疑惑の目を向けられるなど大変な騒ぎになっていて、これでは昨年同薬を1100億円も売ったという同社の業績にも大きな影響が出そうにも思えます。
京都府立医大では同社社員の関与が発覚した段階で同社との取引を中止(!)するなど「トカゲの尻尾切り」とも受け取れる対応を取っていますが、府立医大の(恐らくは一方的な)今回の発表に対してノバルティス社側では「データの恣意的操作は確認出来なかった」と異なる見解を公表していて、操作があったかどうかと共に誰がそれを行ったのかという点も今後多いに対立が発生しそうですね。

何しろARB同士の有用性比較といった試験は幾らでもあるものですから、一体どこまで遡って検証すべきなのかと考えると気の遠くなるような作業が待っていそうなのですが、恐らくは多くの臨床家が経験的に感じているように「どこの会社のARBでもそう大差はない」というところが正解に最も近いのだろうし、不正や疑惑がささやかれる製品だからと言って患者さんにとって別に有害無益というわけでもないのだと思います。
ただ今回の不正が大学関係者がやったにせよ会社側がやったにせよ、こうした形での不正を実際に行っているということがはっきり明るみに出てしまったと言うことは世の真面目な臨床研究医の皆さんには大迷惑で、すでに田村厚労相直々に同種問題の対策を行っていく直轄の委員会を立ち上げるという話になっているようですね。
最近では学会などでも企業との利害関係がどうのこうのとやたらに面倒な話が増えていますが、今後研究や発表のあらゆる場面でこうした操作があり得ることを前提とした厳重なチェック体制が当たり前に求められるようになってくるのだとすれば、最近何かと国際的な地位低下が懸念されている日本の研究活動がさらに不活発になってしまうということにもなりかねません。

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2013年7月15日 (月)

今日のぐり:「ごはんや 岡山西崎食堂」

時折どうしようもないというグッズが売りに出されていますけれども、こちらもどうしようもなさではかなりの高レベルという新商品が登場したというニュースです。

もむとシャンプーが出る「おっぱい型シャンプー入れ」(2013年7月11日ねとらば)

 また1つ、天才的な発想によるおっぱいグッズ「おっぱい型シャンプー容器」が誕生しました。ネット通販サイトeBayにて、29.99ドル(約3000円)で販売されています。

 中にシャンプーを入れて使うディスペンサーで、おっぱいをもむとシャンプーが出てきます。裏面が吸盤になっており、お風呂場の手に取りやすい位置におっぱいを設置することが可能。左右のおっぱいは別の容器になっており、右にシャンプー、左にリンスといった使い方ができます。

 毎日お風呂に入るのが楽しみになりそうなこのアイテム。夢中になってもみすぎるとシャンプーがすぐなくなってしまうのでご注意を。

その実態はリンク先の画像を是非参照いただきたいと思いますが、商品そのものよりも男性の手つきの方に目がいってしまうのは自分だけでしょうか。
今日はただ単にシャンプーを使っているだけの男性に敬意を表して、人間のそれはもうどうしようもないという欲望の数々を示すニュースを紹介してみましょう。

スカートめくりで“スマホを節電”する画期的アプリ 「魔法少女サクラ」に絶賛の声が殺到(2013年7月3日EXドロイド)

「スカートめくりでメモリー開放!」。そんな刺激的なキャッチコピーで話題になっているアンドロイドアプリが「魔法少女サクラ」だ。このアプリは画面の中の二次元美少女のスカートをめくることで、スマホのメモリーを開放してサクサク動作するようにしてくれるというものらしい。
一体どういうアプリなのか。さっそく使ってみた。

アプリを起動するとサクラちゃんが登場。
「ご主人様こんにちは!起動してくれてありがとうございます」
と、笑顔で出迎えてくれる。サクラちゃんは魔法少女とのことだが、見た目はフリフリの服を着た普通の女のコ。どうやってメモリを開放するのか気になりつつ、さっそくメイン機能である「メモリ開放」を選択してみた。すると、頬を赤く染めたサクラちゃんとともに「スカートをめくってください」の文字が!サクラちゃんは、
「ちょっと恥ずかしいけどご主人様ならいいですよ…どうぞ」
と言っている。なんだか申し訳ない気もするが、頼まれたからにはめくらざるを得ないだろう。ゆっくりと指を這わせ、紳士的にスカートをめくっていくと、いただきました! ピンクの縞パンが登場した。
達成感に浸っていると、画面には「421MBのメモリーを解放しました」と出ている。このアプリはスカートをめくることによって不思議な力を発動させ、不要なタスクをキルしたり、メモリを削除して、バッテリーの消費を抑えてくれるようだ。さすが魔法少女!

そんな具合に、非常に画期的な発想のアプリだが、細部までこだわりが感じられるのが人気の秘密。スカートをめくりかけて、すぐに下ろしたりすると、
「ええ~っ!?フェイントですか~!?」
などと反応してくるあたり、芸が細かい。つい何度かスカートを無意味に上げ下げしてしまう。
また、アプリを起動するたびにパンツの色が違っている点も、かなりポイントが高い。ある時はお子様パンツだったり、またある時は大人っぽい黒のひもパンだったりする点に、開発者の並々ならぬ情熱が感じられる。ユーザーレビューでは、
「スカートもめくれて節電もできる、いいことずくめだな」
「紳士のアプリ。電池長持ちどころか、電池つきるまでスカートをめくりたい」
「天才だろ。想像に反してボイスとパンツの種類が豊富(笑)」
と、絶賛のコメントが相次いでいる。このアプリにはメモリ開放の他にも「節電設定」や「不要アプリ削除」といった機能も実装。単なるエロアプリの枠を超えた実力派と言えるアンドロイドアプリが「魔法少女サクラ」だ。レビュー欄にもある通り、パンツが見たいという衝動を節電に変えてしまうという発想は、たしかにある意味天才的。今後の発展を大いに期待したい。(町田大士)

どこが魔法少女なのかよく判りませんが、しかし何と言うのでしょうか、日本人やっぱりおかしいぞとまたぞろ海外からの声が聞こえてきそうですけれども、まあ実用性という点では役に立っていると言えなくもないのですかね…
こちらも一見すると同種アプリ…もとい、同種のアイデアに見えて実はお子様にも安心しておすすめいただけますという健全仕様?になっているアイテムのご紹介です。

パンツがスケスケ丸見えになる悪魔の実の能力に目覚めたかと錯覚するスカート(2013年6月11日ITmedia)

 これはけしからん。透視能力を使って女の子のスカートを覗き見たようなスカートが、ネット通販サイトeBayで販売されています。

 「X-Ray Vision Skirt」は両面に足と下着をプリントし、まるでスカートが透けているかのように見えるデザイン。丸見えではなく薄くスカートの柄も見えているあたりに「透視してる」感があります。もちろんパンツじゃないから恥ずかしくありません(たぶん)。

 実際に街で見かけたらドキッとすること間違いなしのこのスカート。約22ドルで販売されています。

根本的な問題はこれを履いて街中を闊歩していただける女性を見いだすことが、生下着を見せてくれる女性を見いだすよりも下手するとハードルが高いということなのですが、その辺りがより一層の普及に立ちはだかる課題かと思われますね。
ドイツ人と言えば真面目で堅物というイメージがありますけれども、性に関してはいささかどうなのかと思わされるのがこちらのケシカラン新商品です。

男性&女性用ソーセージに抗議、ラベルに写る男女の写真が性差別的?(2013年7月11日ナリナリドットコム)

先日、ドイツで発売されたソーセージの新商品が物議を醸している。そのソーセージが“性差別的”として、ある女性ジャーナリストが問題視。これがメディアで取り上げられ、ちょっとした話題を呼んでいるようだ。

独ニュースサイトのザ・ローカルや英紙デイリー・メールによると、問題のソーセージを売り出したのは独大手スーパーのEDEKA。同社は先日、グループ食肉部門のRasting社がバーベキューシーズンに合わせて開発したという、ソーセージの新商品2種類を発売した。1つは太くて強いスパイスを効かせた1本100グラムのソーセージ、5本入りで2.99ユーロ(約390円)のパック。もう1つは、1本50グラムと細く、食べやすいサイズにした5本入り1.99ユーロ(約260円)のパックだ。

一見、ただのソーセージの新商品なのだが、問題は2つのコンセプトにある。大きいソーセージのパックには、魅惑的なドレスを着た女性が写るラベルが貼られ、“男性用”と銘打たれて販売されており、細い方には筋骨隆々な上半身裸の男性の写真をラベルに使って“女性用”として販売。EDEKAでは、食欲旺盛な男性には「心から楽しんで」大きなソーセージを食べてもらい、同時にスリムなスタイルを望みがちな女性も一緒に食べて「喜んで欲しい」と、それぞれの需要に合わせた“男性用”“女性用”を考え、発売したと説明している。

このソーセージに「耐えられない」と怒りを見せたのが、“フェミニストジャーナリスト”として活動しているスーザン・エンツさん。彼女は商品を見たとき、ほとんどの消費者が「冗談と捉えて反応する」のは理解したそうだが、商品名やラベルの表現方法などが、一般的な性差イメージを面白おかしく利用した“性差別的”なやり方だと、EDEKA社の姿勢に疑問を感じたという。

そこでEDEKA社幹部に直接疑問を訴える手紙を出し、「市民の認識に影響を及ぼす、男女平等概念の邪魔になるもの」と主張したというエンツさん。ザ・ローカルの取材に対し、彼女は同性である自分のパートナーとも考えを共にしたと明かし、自分たちのような意見があることも「伝えたかった」として見解を求める行動に出たと説明している。

エンツさんによれば、EDEKA幹部から返事は返ってきたものの、商品のコンセプトや素材の違いについて説明があっただけで、彼女が訴えた男女平等に関する見解については「言及を拒んでいた」そうだ。

今回「日常的に性差別について話すのは重要」として行動したと話すエンツさん。それに対し、例えばある政治学者は「マスタードにも男女、子ども用としたものがよくある」と話すなど、エンツさんの過敏とも取れる行動に疑問を呈す声はもちろんある。

とにもかくにも、今回はコンセプトばかりが注目されたこの新商品。今度は味のほうで話題になってもらいたいところだ。

日本人的な感覚ですとやや食欲をそそるに問題があるのかなと思わないでもないパッケージデザインは是非元記事で確認いただきたいと思いますが、これは日本で言うところの夜のお菓子的なナニということなのでしょうか。
先日は父の日商戦で登場したリアル親父体型のマネキンが話題になりましたけれども、こちらまた強烈なインパクトのあるマネキンが揃った国があるそうです。

「うわ、パナマのマネキン人形ってこんなことになってるのか…」他国とは何かが違うデザイン(2013年5月23日らばQ)

パナマ運河でおなじみの、北米と南米の境に位置するパナマ共和国。

その首都であるパナマ市では、マネキンのデザインが他国のものとは、少しばかり異なるそうです。

訪れる人が「こんなのパナマだけ…」と驚くと言う、マネキンの姿をご覧ください。
(略)
パナマ在住という方のこちらのブログによると、パナマ女性は実際にこんな風に着こなしている人が多いのだとか。

でもそれってつまり、こんなサイズの人が多いと言うことですよね。

ちなみにらばQでも、以前パナマ女性に関する以下の記事をご紹介したことがありました。

うーむ。パナマ女性、恐るべしです。

恐るべしと言うべきかケシカランと言うべきか何とも微妙なその実態は是非元記事の写真を参照いただきたいと思いますけれども、これがパナマ女性のリアルな実態を示しているのだとすれば何とも…ケシカランですな…
人間の欲望に率直に生きるということはある種の羨望を呼ぶ場合がありますけれども、率直すぎることもしばしば社会的波乱を呼ばずにはいられないというのがこちらのニュースです。

女子高生が困惑! 透ける制服を採用して下着が見える状態に / 高校コメント「透明度は常識の範囲内」(2013年5月22日ロケットニュース24)

5月~6月に行われる学校の衣替えはひとつの風物詩だが、ある高校の夏服が物議をかもしている。なんと布が薄すぎてまるで網戸のよう! 着ていても中が見えてしまう「透明制服」状態だというのだ。

制服について女子生徒が「下着が丸見えで恥ずかしい!」と困惑しているのに対し、学校側は「透明度は常識の範囲内だ」と主張しているのである。

・透ける制服
「透ける制服」が採用されたのは、中国・河北省の正定一中だ。先日、高1と高2の生徒に夏服としてシャツと紺色のジャージのズボンがを配布された。夏服は生徒が快適に過ごせるよう冬服よりも薄い素材で作られるのが一般的だ。

だが、配布された制服を見て生徒たちは驚いた。夏服の生地が「薄手の布」を通り越して、まるで網戸の網! これでは下着が丸見えになってしまう。

・女子生徒「パンツの色や輪郭が見えて恥ずかしい」「友達に笑われた」
ある高2女子は寮に帰って早速着てみたそうだ。すると予想通り! 新しい制服からは下着が透けて見えていた。ルームメイトからも「制服の上からパンツの色が見えてるよ」と笑われてしまったそうだ。

さらに別の2年生の女子は「パンツの輪郭までクッキリ見える。色も黒なら黒、赤なら赤とハッキリわかるし、模様も全部透けて見えるんです」と話している。ほかの生徒からも「男子に見られたら恥ずかしい」、「もう制服を着たくない」、「制服の下にもう一枚着るしか……」と困惑の声が出ているという。

・保護者の声「発育期の女の子に着せるのはどうかと思う」
この透明な制服に対してある保護者からは

「もし大人が着るのであれば、それほど問題にならなかったかもしれません。しかし、高校生の制服となると話は別です。高1や高2は発育段階です。制服のデザインが心に影響するなどあってはならないことだと思います」

「特に女子は体の変化も大きく、他人の反応に対してとても敏感です。透明すぎる制服は知らず知らずのうちに子どもの心に影響を与えると思います」

と、生徒の心理的な負担を危惧する声が上がっている。

・学校は「透明度は常識の範囲内」と認識
生徒や保護者からは困惑する声が上がっているものの、学校側は「透明度は常識の範囲内」とコメント。制服は保護者の意見も取り入れつつ、信頼できる工場に委託、公的な審査もパスしたものだと自負しているそうだ。

涼しさを追求した結果、網状の布が採用されたというが、生徒が透けないように厚着をして熱中症にでもなったら元も子もない。なお制服の返品はできないという。何か良い対策が講じられると良いのだが……あなたはこの「透明制服騒動」、どう思われるだろうか?

これまた元記事の写真を見る限りではいやまったくこれはケシカランですな中国人はというニュースなのですが、やはり地球温暖化も進んでいる折こうした実用的なアイデアを促進していくことも必要なのではないでしょうか。
この種の話題になりますと欲望の方向性そのものが斜め上方向に逸脱気味なのがご存知ブリというものですが、こちらは一体どういう需要を想定しているのかという新商品です。

【海外:珍商品】絶対食べたくない!リアルな○○○の形をしたチョコレート、高級感たっぷりで販売中(2013年6月6日日刊テラフォー)

チョコレートが大好きな人はたくさんいる。筆者もその一人で、ビターチョコレートから甘~いミルクチョコレートまで、色々な種類のチョコレートを食べてみたいと思う。
だが、それでも、絶対に食べてみたいとは思わないチョコレートがある。
それは、イギリスのチョコレート製造会社が販売している“肛門型チョコレート”だ。

その名も『食べられる肛門』は、リアルにお尻の穴の形をしたチョコレートだ。会社一押しの美しいお尻モデルのお尻から作った型にチョコレートを流し込んで製造しているのだから、肛門に見えない方がおかしいというものだ。

高級感たっぷりの『食べられる肛門』のホームページによると、チョコレートそのものは、手作り・無添加なので、安心して食べられるようだ。
また、ホームページには、「肛門チョコレートは、すべての家族に最適なギフトです」と綴られている。

お笑い好きの家族ならまだしも、厳格な家庭にこんなチョコレートを贈ったら、一発で軽蔑されてしまいそうだが…。
逆にプレゼントとしてこのチョコレートを受け取った場合も、最初こそ笑って盛り上がったとしても、最終的には複雑な気分になってしまうだろう。
「どうして私は、こんなチョコレートを贈られたのだろう…」
とても一人で食べる気にはならない。

そんな訳で、「肛門チョコレートはちょっと…」という方には、同じホームページで約4万円相当のシルバーの肛門型の置物も販売されているので、そちらをどうぞ。

写真を見る限りその部分だけを取り出されても困るかなとも感じる自分はブリ的価値観にはほど遠いのでしょうか、それにしても置物の方はどのような需要を想定しているのでしょうかね…
最後に取り上げますのも同じくブリからの話題ですが、これまた何ともそのものズバリな…としか言いようのないニュースです。

教壇にポルノ女優?英国で性教育授業(2013年6月18日ニッカンスポーツ)

 英国で、ポルノ女優が学校の教壇に立つ可能性が出てきた。地元各紙の報道によると、ケンブリッジの中等教育学校の名門校、レイズスクールのマーク・スレイター校長は、性教育の授業でポルノ女優をゲストスピーカーに招く意向を明かした。「生徒にとって価値があり、いい影響があるならば、先生として招くべきだ。過去の経歴だけで敬遠してはいけない」と話した。ポルノ動画がネット上にあふれている現状などを授業で教えることが目的。品行方正で適切な意見を言える女優を選ぶが、売春婦は対象にしない。

 レイズスクールは1875年創設。11~18歳の約550人が学ぶ全寮制の私立学校だ。公式ホームページによると、伝統の価値と未来の創造を融合した教育を行うという。

さすがに輝かしいブリ的歴史と伝統を誇る名門校だけに素晴らしくブリ的精神に満ちあふれたアイデアだと言えますが、しかしこの堂々たる主張にはさすがに誰一人反論は出来ないことでしょう。
ところで品行方正で適切な意見を言えるポルノ女優と言われればなかなかに人選も難航しそうではありますから、やはりそこはブリ的精神に満ちあふれた聖職者サマとジャガイモをお呼びすべきではなかったでしょうか?

今日のぐり:「ごはんや 岡山西崎食堂」

最近やたらにあちこちで見かけるのがこちらのセルフ食堂なのですが、こちらに限らずオフィス街や学生街の昔ながらの定食屋に変わって郊外に広い駐車場を備えた店舗が増えていますよね。
窓も広く小綺麗にしてあり当然明朗会計でもありますから、華美を求めない今の時代こうしたスタイルの方が入りやすいということなのでしょうか、どこもそれなりにお客さんが入っているようです。
やや食事時を外した時間帯にも関わらず意外に盛況で家族連れも多かったのですが、まあ小さい子がいるとこういうお店が便利ですし、幼少期からジャンクフードなどに走るよりはよほど健全だとは思いますね。

例によって同行者とシェアしながら適当につまんでみたのですが、飯屋の基本とも言える飯はやや硬めの炊き具合で味もまずまず、特記するほどうまくはないにしても大衆向けの店として十分許せる範囲でしょう。
これに合わせた豚汁は熱々なのはいいですが、もう少し実だくさんならもっといいかなと言うところで、この辺りは豚汁を汁と考えるかおかずの一つと考えるかによっても受け取り方が違いそうに思います。
定番おかずのひじきはまあ標準的で可もなく不可もなく、茄子煮浸しはごくあっさりとした薄味ですが茄子そのものの自然な甘さがいいですね。
ワカサギ南蛮漬けは漬かり具合も程よくなかなかいい案配、キュウリとワカメの酢の物は酢そのものの味が少し尖っているかなと思いますがこの辺りはコスト的制約もあるのでしょうか。
ゴボウきんぴらはよく言えばゴボウの味が濃厚とも言えますが、調理前に少し水にさらしてアクを抜いてもよかったかも…と感じる味でした。
見た目それなりにボリューム感のあるトンカツは揚がりすぎでサクサクと言うよりカリカリなせいか肉の味はイマイチですが、こういう具合に仕上げるのなら薄く伸ばしたチキンカツの方が合いそうですね。

全体的には思ったほど濃すぎない味で日常の用には十分許容範囲かなとも思うのですが、ただ一見安上がりなようでも調子に乗って好き放題に選ぶと必ずしも安くはないような気もしますね。
接遇面ではまったくのところ愛想はないんですがセルフとはこういうものでしょうし、狭いながらも男女別でトイレがまずまず綺麗なのも好印象でした。
しかし休日の客層として家族連れはまだしもカップルでこういう店に入っているというのは本当に時代を感じたのですが、案外こういうところで何を食べるかを見ていると人間の奥深いところが見えておもしろいのかも知れませんね。

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2013年7月14日 (日)

今日のぐり:「こんぴら市場 海鮮丸」

読売新聞の「発言小町」と言えば今やすっかりネタソースとして有名ですが、先日さすがにそれは釣り針太すぎという話題が登場していました。

娘に恥をかかせた男子生徒を謝罪させたい(2013年6月30日発言小町)

アラフォーの専業主婦です。中一の娘のことでご相談です。

私の主人は将棋が趣味で自称初段なのですが、自分の相手をさせるために、娘が小さいころから将棋を教えてきました。その結果、現在、娘は主人を負かすほどの腕前になり、本人もかなり自信をもっています。

先日のことですが、学校の同じクラスに将棋のうまい男子生徒がいるそうで、娘はその生徒とどちらが強いか言い争いになったらしいのです。娘が「プロの男性棋士は同じ土俵で戦ったら女性棋士に負けてしまうため、女流という枠を作って、強い女性棋士をそこへ押し込めている。将棋で女が男に負けるわけがない。」と言ったところ、男子生徒に鼻で笑われたことが悔しかったらしく、正義感にも駆られて、将棋で勝負することになったそうです。

多くのクラスメートが見守る中、娘は自信満々で勝負を始めたのですが、男子生徒が予想外に強かったらしく、娘は最後、王様一枚にされて、負かされてしまったらしいのです。その日、娘は家に帰ってきてから、ずっと悔し涙に暮れていました。

そして、翌日から学校に行きたくないと言い始め、何とか毎日学校に送り出してはいるものの、明らかに元気のない様子で心配です。

主人は「さっさと詰ましてしまえば良いのに、わざわざ弱い相手をいたぶるような指し方をした男子生徒に謝罪を求めるべきだ」と言っています。私も同じ思いです。

学校の先生にどのようにお話をすれば、男子生徒に謝罪させることができますでしょうか。

本気で言っているのであればこのご両親も相当…というものですが、予想通りつくレス全てが今回の事件?を大変前向きに受け止めているようですね。
今日は人生の教訓を早い段階で得た娘さんにエールを送る意味で、世界中からこれはもっとやばいぞという境地に(自力他力で)追い込まれた方々のニュースを紹介してみましょう。

肛門に空気入れた自衛隊員が入院、世界で相次ぐ大惨事(2013年06月25日ゲンダイネット)

 航空自衛隊小松基地で6月上旬、男性隊員2人が互いの肛門に機械で空気を入れ合い、1人が腹痛を訴えて入院する“事故”を起こしていたことが分かった。

 25日のNHKの報道によると、20代と10代の男性隊員2人は勤務中、ふざけて車両のタイヤに空気を入れる機械「コンプレッサー」で肛門に空気を注入し合った。その結果、10代の隊員が激しい腹痛を訴えて入院し、2人は厳重注意を受けたという。

 信じられない事件だが、古今東西、似たような事件が相次いでいるからオドロキだ。2010年7月には、英国の電気技術者の男性(20代)が、やはり同僚から高圧空気を肛門に送風され、胃が膨らんで腸が破れる重傷を負った。

 2012年7月には中国・山東省の13歳の少年が、職場の先輩に肛門からエアーポンプで空気を注入されるイタズラを受けて臓器を損傷、8日間も昏睡する大惨事になった。中国では同年11月にも、高圧空気で服の汚れを払おうとした広東省の工場作業員(26)が誤って肛門に空気を入れ、結腸破裂の大けがを負っている。

 肛門は空気を入れる場所ではない。出すところだということを肝に銘じたい。

いやしかし世界中でこうまで同種事故が相次いでいることをもっと我々は重視すべきだと思いますが、これだけの大惨事が基地内外に広まってしまったというのは折からの憲法改正論争とも絡めて大変な問題だと思いますね。
こちら正真正銘様々な意味でやばいと思わせるものなんですが、何故か現地ではこれが受けているようです。

海外で発見されたパクリ KFC がヤバすぎると話題に 『ヒトラー・フライドチキン( HFC )』(2013年7月9日ロケットニュース24)

美味しいフライドチキンといえば何と言っても『ケンタッキー・フライドチキン(KFC)』だ。カラっとした衣とジューシィなチキンには世界中でファンも多い。
だが人気者の宿命だろうか、世界にはKFCのパクリ店が多いのも事実。ロケットニュース24でも幾度となくパクリ店の紹介をしたが、2013年に登場したパクリKFCがヤバすぎると話題になっている。その名も『ヒトラー・フライドチキン』!! 略してHFCである。

・ヒトラー・フライドチキン
この『ヒトラー・フライドチキン』は2013年5月頃にタイのバンコクで発見されたそうだ。タイの旅行ガイドブックを手がけるアンドリュー・スプーナーさんが Twitter でつぶやいたことで発覚した。店名のヒトラーとはそう、ナチスドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーのこと! お店のキャラクターももちろんヒトラーである。

・タイではヒトラーが流行中
現在、タイの若者の間ではキャラクターの顔をヒトラーに替えるというパロディが流行しているという。ヒトラー・フライドチキンもその流行に乗って作られたもののようで、店のオーナーも「いいイメージキャラだと思った」と話しているそうだ。

・KFC はブチギレ「不愉快きわまりない」
そんなヒトラー・フライドチキンに対し、ケンタッキー・フライドチキン側は激怒。「不愉快きわまりない。(HFCは)我々とは無関係です。彼らは我々の商標権を侵害していると考えます」と不快感をあらわにした。HFC に対し法的措置をとるとしている。

・過去のパクリ店は訴訟を恐れ店名を変更
なお、KFC がパクられて法的措置をとるとしたのはこれが初めてではない。過去に中国で登場した『オバマ・フライドチキン(OFC)』に対しても同様のコメントを発表。OFC は訴訟を恐れ店名を「UFO」に変更済みだ。
ヒトラー・フライドチキンはどうなるのだろうか? なお、アンドリューさんによるとヒトラー・フライドチキンの味は「かなり美味しい」とのことである。

本家KFCがおいしいかどうかはまた別問題としても、元記事の写真を見てもよりにもよって何もそっちの方向に走らずとも…とも思うのですが、現地では何かしら流行があるのでしょうかね…
こちら長年の危なすぎる状態をようやく解消することに成功したという方の喜びのニュースを紹介してみましょう。

【海外:奇病】63㎏の金○○を持つ男性!?奇病が男性にもたらした悲劇的な人生(2013年6月24日日刊テラフォー)

ウェスリー・ウォーレン・ジュニアさん(49)は、5年もの間、63㎏の膨れ上がった陰嚢(いんのう)のおかげで、普通に歩くこともままならず、ほとんど外出できない生活を送って来た。

ところで、陰嚢とはいわゆる金○○を包み込む袋のことで、混同されがちだが、金○○そのものではない。
だがとにかく、それが65㎏まで大きくなってしまったのだから、生活がし辛いことは容易に想像できる。

ウォーレンさんはパンツを履くことすら出来ず、特大サイズのパーカーの腕の部分に足を通して金○○を胴体の部分に入れてジッパーを占めて履いていた。
かなり滑稽な姿だが、それが5年間も続いたのだから、かなり辛かったはずだ。
「どこへ行っても、人の視線を集めました。見て笑う人、ショックを受ける人がたくさんいました。それらに対処するのは、本当に大変でした。」

人目がない自宅ですら、辛いことがいっぱいだった。
ある朝、ベッドから出ようとしたウォーレンさんは、自分の大きな金○○を思いっきり踏んでしまい、自分に課せられた試練を実感した。
歩くことも座ることもままならず、トイレに行くことすら、大きな苦痛を伴った。

陰嚢が大きくなり始めた当初、医師からは炎症を抑える抗生物質を処方されたが、まったく効かず、ウォーレンの陰嚢はビーチボール大にまで腫れあがった。そして、かなり稀な陰嚢リンパ浮腫と診断された。
リンパ浮腫は、象皮病と呼ばれる、体の特定の部分が異常に腫れあがる症状を引き起こす。

「ごく普通のシンプルなことが、何もできなくなりました。まるで、牢獄にいるようでした。一体どこまで自分の嚢胞が成長して、こんな生活をいつまで続けなくてなならないのか分かりませんでした。」

医師には、腫れた部分の切除手術しか治療する方法はないと言われたが、病気のせいで仕事が出来ず福祉に依存して生活していたウォーレンさんには、そんなお金はなかった。

そこでウォーレンさんはFaebookで自分の状況を訴え、手術費用を募ることにした。
ウォーレンさんの病気はやがてメディアにも取り上げられ、何とか2000ドル(約19万円)集まった頃、事態はまた悪い方へ傾いた。

ウォーレンさんが資金集めをしていると聞きつけた社会福祉局が、彼の生活補助金を打ち切ってしまったのだ。
このままでは、大きな金○○を抱えたホームレスになってしまう、この大きな金○○をネットオークションで売ろうか…ウォーレンさんは、そんなことまで考え始めていた。

しかし、ずっと辛い日々に耐えてきたウォーレンさんに、幸運の女神は微笑んだ。
彼の話を聞いたカリフォルニアのコンサルタントが、膨大な手術費用の全額提供を申し出てくれたのだ。

そうして行われた手術は13時間に及び、約60㎏の陰嚢が摘出された。
「私が今、どれだけ将来について希望を抱いているか、とても言葉では表現できません。
もしどうにかして、恋愛をすることができるなら、私は本当に幸せです。」

悪夢のような日々を終え、ようやく普通の体型・生活を取り戻したウォーレンさんは今、新しい恋を探している。

その恐るべき状況は是非元記事の写真を参照いただきたいと思いますが、しかし確かにこれは特に女性の前に立つにあたって大変にその危険というしかない状況ですよね。
こちら人体の能力的にやばいという話を二題続けて紹介してみますが、まずは一体何がどうなっているのかというこちらのニュースです。

度肝抜く驚異の“1回転投球”、元女子新体操選手の始球式に大反響。(2013年7月9日ナリナリドットコム)

プロ野球の始球式で有名人が登場すると、それだけで球場内が盛り上がるもの。先日、韓国プロ野球の試合で始球式を行った元女子新体操選手は、その経歴ならではといえる華麗なピッチングフォームを披露して、観客のみならず選手たちをも魅了した。このときのテレビ中継動画がYouTubeに投稿され、世界からも大きな注目を集めているようだ。

話題の動画は、7月5日付で投稿された「South Korean rhythmic gymnast Shin Soo-ji's first pitch」(https://www.youtube.com/watch?v=RVeo6QMcbW4)。動画の説明によると、始球式は7月5日にソウル・蚕室球場で行われた、斗山ベアーズ対三星ライオンズの試合で行われたもので、2008年北京五輪に新体操韓国代表として出場した、元選手のシン・スジさんが登板した。
(略)

彼女が見せた“アクロバティック”なピッチングに、観客からは大きな歓声が上がり、ベンチの選手たちも一様に驚きの表情を浮かべているのが印象的。2011年まで現役だった彼女の華麗なパフォーマンスは、まだ22歳というかわいらしい顔立ちも相まって、球場にいた全員のみならずテレビの視聴者たちも魅了したようだ。

この動画は韓国内のみならず、「驚くべきピッチング」(豪紙ヘラルド・サン)、「信じられないほどアクロバティック」(米紙ニューヨーク・デイリーニュース)などと紹介されるなど、欧米でも広く注目を集めている。再生回数も900万回を超えて(7月9日現在)なお伸び続けている状況で、世界で話題になっているピッチングフォームがどんなものなのか、ぜひ一度ご覧になってはいかがだろうか。

詳細はリンク先の動画を参照いただくとして、これは完全にタイミング狂わされるなと思う驚異の投球ぶりですが残念ながら並みの投手がこの境地に達するのは難しそうですね。
こちらもまた人体の能力の神秘を物語る画期的な動画なのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

【YouTube】ビールを飲みたいからオーバーヘッドキック(2013年7月4日日刊テラフォー)

今から栓抜きを使わずにビール瓶を開けるという。

開封方法はちょっと変わっており、体の一部分である足を使うようだ。

豪快に蹴りを用いるのかと思ったら...。

COMO ABRIR UNA CERVEZA DE CHILENA 2

なにこれすごいとしか言いようのない動画なのですが、これは完全に予想を裏切られましたね。
日本でも有名だったという某番組のリメイクがアメリカでも放送されていますが、こちらでは大きなハプニングがあったようです。

アメリカ版「SASUKE」に全裸の男性が乱入し障害をクリアしまくる事案が発生(2013年7月4日ねとらば)

 身体ひとつで様々な障害物をクリアしていくテレビ番組「SASUKE」のアメリカ版「ニンジャウォーリアー」に、全裸の男性が乱入。しかも次々と障害を突破していくという、いろいろな意味で衝撃的な映像がYouTubeに投稿されています。

Naked Ambition on American Ninja Warrior

 正規の挑戦者がスタートしようとした瞬間、猛ダッシュで全裸男が登場。文字通り身軽な肉体を生かしてすごいスピードで障害をクリアしていきます。しかも随所で股間の宝物を振り回すなどのパフォーマンスも披露。観客のおばちゃんのボルテージも最高潮に達します。

 「反り立つ壁」への挑戦に失敗したところでようやくスタッフが捕獲。チン入者の思わぬ変態忍者っぷりに、ネット上でも「最後までやらせてやれよ」「ヒーローの誕生だ!」など賞賛の声が多数あがっています。

しかしこれはあちらの放送コード的にもやばいのでしょうが、パフォーマンスは別としてこの身のこなしは明らかにただ者ではないですよね。
こちらも公然猥褻まがいの事件とも言えそうですが、こうしたものは交通法規上どうなのかという記事を紹介しましょう。

【YouTube】全米に衝撃、走るバスタブ(2013年7月9日日刊テラフォー)

もうね、さすがにここまで暑くなると、こんなこともしちゃうよね、という出オチ動画がこちら。

欧米でよく見かけるようなバスタブがさらに小さなバスタブを牽引しながら公道を爆走である。

当然、ドライバーも涼しげな格好で搭乗している。

Ванна на колесах

もはやXzibitもびっくりのpimpぶりですが、向こうでは春先ではなく夏の盛りに登場することが多いのでしょうかね…?
最後に取り上げますのも同じくケシカランという行動爆走ネタですが、まずは記事を紹介しましょう。

【海外:イギリス】シニアカーで大暴走!時速112㎞で走行していたおじいちゃんが警察から厳重注意!(2013年6月24日日刊テラフォー)

先週金曜日、イギリスで、ちょっと反抗的なおじいちゃんが、これからシニアカーで走行する時は、時速13km以下で走行することを誓った。
というのも、このおじいちゃんは、あのシニアカーで車道を時速112㎞で走行していろころ、警察に停められてしまったのだ。

障害者のイアン・ブローホールさん(56)は、シニアカーで車道を時速112㎞の猛スピードで走っていたところ、それを目撃し心配になった車のドライバーから警察に通報された。

あのシニアカーでそんなにスピードが出るものかと驚いてしまうが、実際、イアンさんが乗っていたシニアカーには、“カメさんスピード”と“ウサギさんスピード”の2段階しかスピード切り替えはなかった。違法な改造などは、一切していない。

「わしはちゃんと、車の免許だって持っている。前にもこのスピードで運転していたし、あの日だって、チカチカ光ったパトカーが後ろにやってくるまでは、快適に運転していたんだ。問題が起こったのは、あいつらが来てからだ。」
イアンおじいちゃんは、かなりご立腹な様子だ。

通報を受けて現場に到着した若い警察官は、イアンさんのシニアカーを停めると、改造の痕跡がないかチェックしはじめた。
「警察はわしのシニアカーにスピードメーカーが付いていないと指摘したが、わしのシニアカーには、ちゃんと、カメとウサギのスピードボタンがついている。」

「わしはちゃんと分かっとる。シニアカーで一般車道を走るのは、違法ではない。高速道路を走るのだけは、違法じゃがな。ちゃんと、調べたんだ。」
それはそうかもしれないが、ウサギさんスピードでまさか112㎞も出るとは…。目撃したドライバーはショックを受け、イアンさんが走行している様子を写真に撮って、twitterに投稿した。

イアンさんは、罰金などは取られなかったが(違法なことはしていないので、当然と言えば当然だが)、警察から厳重注意を受けた。

シニアカーの製造側は、まさかそんなに高速で運転するお年寄りがいるとは想定していなかったのだろうが、実際のところ、ウサギさんスピードボタンは、チーターボタンだったようだ。

イアンさんのようなスピード狂おじいちゃんが他に現れる前に、製造側はスピードシステムを改善した方が良さそうだ。

さすが紳士の国だけに爺ちゃんもハンパないぜ!と言いたいところですが、しかし何ですかねこの理論武装ぶりは?
全国のシニアカーをお持ちのご老人とご家族は、身近なシニアカーにウサギさんボタンが装備されていないかもう一度確認しておいた方がよさそうです。

今日のぐり:「こんぴら市場 海鮮丸」

階段登りで有名な金比羅さん界隈で唯一の回転寿司だと言うのがこちら「海鮮丸」さんですが、これだけのメジャー観光地になっても一軒だけというのはやはり香川県民としてはうどんが第一なのでしょうかね?
ごくごく小さな店構えでいかにも田舎町唯一の…という風情を醸し出していますが、オープンキッチンに加えてカウンターの上に並んだネタケースがちょっと寿司屋っぽいのが特徴と言えば特徴でしょうか。
ちなみにこうした田舎の希少な回転寿司と言えばどこも一杯なんだと勝手に思っていましたら、こちらの場合お客はあまり入ってないのはアイドリングタイム直前という時間帯のせいだったのかも知れませんが、まあ食べる側としてはオーダーが通りやすいのは悪いことではありませんよね。

おすすめの品から同行者とシェアしながら適当につまんでみたのですが、定番のシマアジは味以前にネタが乾き切ってるのはどうかと思いますし、マダイやカンパチもそれらしい味はするのですが見た目の大きさを優先したのか熟成加減の問題か噛み応えが勝ちすぎる印象でしょうか。
少し珍しいネタとしてカワハギは他と比べてネタは小さいんですがちゃんと肝もトッピングされていてまあ普通にいける、かつおのたたきは高知風?のニンニクトッピングが芸が細かいなと思いますが見た目通り味の方は高知というよりも本土のスーパーレベルでした。
珍しいのはさわらのたたきなんですが、香川も実は対岸岡山に並ぶさわら文化圏ということでこちらもポン酢でいただきましたが、正直カツオよりはこちらの方がおすすめですね。
レギュラーネタからハマチもあったので巻物を幾つか試してみましたが、シーチキンなどは普段あまり食べないネタなんですがマヨなしの軍艦とは珍しいのかな?と感じたのと、鉄火巻きを骨からかきとった身でなくぶつ切り赤身を使っているのですが不思議なほどマグロの味がしないのが印象に残りました。
自家製出し巻き卵はほぼホカホカの卵だけでシャリは本当におまけで数粒…といった感じなんですが、とりあえず焼く前に卵は良く溶きましょうといったところでしょうか。

ネタが大ぶりなのが売りのようで、もちろん見た目も味も百円と違うのは認めるんですがさりとて特別うまいというわけでもなく、鮮度的にも微妙なものも多いのが気になるのですが、それよりも何よりもただでさえネタとシャリのバランスが悪いのに酢飯の味が全く立ってない上に、今時寿司ロボットも進歩している中でシャリががちがちで飯粒も完全に潰れてしまっているというのはどうなのかと思います。
寿司としての完成度は正直今ひとつで価格と味のバランスからしても都市部なら競争力はあまりなさそうかなと思うのですが、ネタ自体はそこそこ豊富にありますから一杯やりながら刺身盛り合わせなどをつまむという使い方には悪くないのかも知れませんね。
接遇面ではほぼ専属で握ってもらったせいかレスポンスはいいのですが声がこもりがちで聞こえない場合が多いのと、トイレはスペースも設備もあるのに出入り口の狭さのせいでバリアフリーになってないのが惜しいですね。

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2013年7月13日 (土)

仕事メールによるトラブルに要注意

今やメールもすっかり業務に定着しましたけれども、先日こんな記事が掲載されていて「あるある」と思ってしまいました。

【参考】取引先からのメール差出人が「黒き堕天翅」(2013年7月13日トゥキャッチ)

個人メールのアドレスなどもスパム防止なのでしょうか、なるべく長く個性的なものにすべきであると言われてはいるのですが、そうは言ってもいささか人前に流通させるのが気恥ずかしいような文言を堂々と公式のメルアドとして配布されているのを見るとこちらの方がどきどきしますね。
ともかくも件の差出人の方はその後自ら問題点に気付いたようで無事事なきを得たそうですが、最近この仕事に使うメールというものを巡って各地でトラブルが発生しているということが報じられています。

イラッ!「仕事メールに返信してこない人」が増加中(2013年7月1日女子SPA!)

 最近、仕事のメールに返信してこない人が多くないですか? あくまで実感値なのですが、いくつかの会社の管理職に聞いてみると、「あるある」という声が続出! たとえば……。

「30代前半の女性部下が2人いて、2人ともあまりメールを返してこない。この1週間で、5回ぐらいスルーされました。しかも、『〇〇の件はどうですか?』と答えを要求してるメールに返信ナシですよ。2日後ぐらいに、『メール読んだ?』と聞いたら、『あ、はぁ……』って、YESだかNOだかわかんない答えなんです」(42歳・メーカー)
「すべてに返信する必要はないけど、普通ならあわてて電話してくるようなメールに無反応で驚くことがあります。28歳の部下が外注業者さんとの打ち合わせができてなくて、『早く連絡しろよ』と口頭で注意しても動かないので、もう僕が直接業者さんにメールして、部下にCCしたんです。普通、ヤバイ!と思いますよね? ところが返信も電話もない」(38歳・流通)
「30代の後輩に『取引先のメルアド教えて』とメールしたら、返ってきたのが3日後だった。その間、口頭で2回プッシュしてるのに……メルアドひとつ送るのになぜ3日かかる?」(40歳・商社)

 また、「仕事メールを返してこないのに、その間もツイッターはしっかりやってる」「携帯がたいてい留守電で、要件を入れてもよほどのこと以外は折り返してこない人が増えてる」といった声も複数ありました。
 どのケースも、「特に仕事がデキない人ではない」というから、コミュニケーションにだけ問題があるのでしょうか? 携帯・メール・SNS・LINEと、これだけツールが発達してるのに、逆に連絡が取れなくなっているとは異様です。

◆ナメてんのか?返信しない理由をリサーチした

 そこで、周囲の20~30代に「返信しない理由」をリサーチしてみました。

●受信トレイがグチャグチャで、大事なメールが埋もれる

 受信トレイが無駄メールの山。関係者みんなにいちいちCCやメーリングリストで送ってきたり、名刺交換した社外の人が勝手に会社のリリースや自分のメルマガみたいなのを送りつけてきたりする。で、たまにくる大事なメールを見落とすか、あとで返信しようと思ってるうちに前に2ページ目にいってしまい、忘れる

●Gmail利用でさらにグチャグチャになる

 今、複数のメルアドをGmailでまとめて見る人が増えている(「ビジネスメール実態調査2012」でも、仕事で使うのはGmailがトップで利用率35%)。するとGmailの受信トレイは、個人メールやら楽天市場のメルマガやら、ヘタするとFacebookの友達申請まで並んでカオス状態に。しかも自動フォルダ分けができないので、ますます仕事メールを見落とすか返信し忘れる。
(筆者のGmailも、最初の画面25通のうち、大事なメールは3通だけだった。フィルター設定でメルマガ等をハジくことはできるが、けっこう面倒)

●スマホで読んで、あとで返そうとして忘れる

 外出先でスマホで読んで、あとでPCから返信しようと思ったら、PCで「未読」になってないため、そのまま忘れ去る

●でも電話するのはちょっと怖い

 返信を忘れるなら電話すれば早そうなものだが、メール世代は電話が苦手。電話が怖い人もいる。よほどの緊急事態でなければ「電話しよう」なんて思わない。
 結局、メール洪水・情報洪水で、優先順位がグチャグチャになっているのです。このままいったら脳内まで受信トレイのようにグチャグチャになりそうです。 <TEXT/女子SPA!編集部 PHOTO/Madmaxer>

週末に来た上司から電子メール、どう対応すべき?!(2013年6月29日マイナビニュース)

スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末、そしてWi-FiやLTEなど張り巡らされたネットワーク――これらは確かに便利だが、いつでもどこでもネットにアクセスできる環境は、同時に会社のメールから離れられないという状況も生んでいる。さらには、退勤後や週末も会社宛のメールに返事が来るだろうという推測や期待にもつながっている。

だが、面倒なメールになると手元の資料をチェックしたり、他のチームメンバーに問い合わせたりといったことが必要になる。残業代や時間外手当をもらっているわけではないとなると、おいそれと応じるのはためらわれる。社内、取引先、顧客とさまざまなメールがあるが、上司からの場合はどうすべきだろうか? Forbesの記事「時間外の上司からのメールへの対応法(原題 : How To Handle After-Hours Emails From The Boss)」を紹介する。

米国の調査では、上司から時間外に電子メールが来ると回答した人は36%。「休暇中でも」という人はほぼ10人に1人の9%、「週末にも」という人は6%いたという。

さっそくどう対応すべきかを考えよう。とはいえ、結論はケースバイケースだ。

判断の基準としては、メールの緊急性、自分の立場、周囲の対応の3つを考えるとよさそうだ。

緊急のメールには対応するのべきだろう。それほど緊急でもない場合はどうすべきか? まず、新入社員、その部署に移ったばかりの場合は応対しておいたほうが無難。これは、上司からの信頼にもつながるだろう。

どちらにも該当しない場合、周囲(チームや部署内の他の同僚)がどうしているのかを確認しよう。自分を含め複数に送られた上司のメールに対し、皆が回答している場合はそうすべきだ。そうでない場合は、数時間遅れての返事でもいいだろう。メールにすぐ反応する社風とそうでない社風とある。この辺りは「空気を読む」、あるいは「臨機応変」が要求されそうだ。

週末にも頻繁にメールが飛び交うような職場なら、週末にネットにつながらない場所に行く場合は、そのことを事前に連絡しておくのも手だ。そうすれば返事がないと上司が慌てることもない。

上司はどうすべきか? 記事では上司に対し、週末はなるべく部下にメールしない方がいいと助言している。メールの整理を週末にする場合は、ドラフトを保存して月曜の朝に送るなど配慮してはいかがだろう。

記事によると、時間を問わず業務メールが飛び交う状態は増えてきているが、上司が頻繁にメールを送ったところで部下の生産性がアップするかどうかは疑問なのだという。

個人的な印象では一昔前のメール全盛期には何でもかんでも取りあえずメールという風潮であったものが、昨今ではSNS等に流れたのかやや私信メールが減少しているようにも思うのですが、そうなると逆にメールチェックは後でまとめてでもいいか…と考える人も増えてきているのかなとも思います。
受信フォルダが混雑していて云々といった各人のスキルの問題はいささか社会人としてもどうなのかと思いますが、メールが来るとしてその返信をどうするかということは対人関係にも直結する問題で、時として頭を悩ませることになるのは確かですよね。
この辺りは実社会でもそうですが上司と部下とのコミュニケーションギャップの問題があって、上司の方では何かのついでにメールで送っておけば忘れることもないだろうくらいなつもりの発信であっても、受け取る側は緊急のことなのかと勘違いしてバタバタしてしまうということはままあり、顔が見えない場合の意思疎通の難しさを考えると送る側も理解される内容で送信することが大事かと思います。
業務時間外にメールで対応を求められることが一般化するのでは休養の意味がないことで場合によっては居留守を使うこともやむないかなと思いますが、他方では本当にどうしても緊急性があって連絡をしていると言う場合もあるはずで、こちらの記事ではそうした場合のテクニックを紹介していますのでご参照いただくのもいいかと思います。

「真っ先にやらねば!」と思わせる催促メールのコツ(2013年4月1日日刊SPA)

今や、メールは日本人の基本的なコミュニケーション手段のひとつ。しかし、書く機会が増えた分だけ、「正しいメールの書き方」に頭を悩ませている人も多いのではないだろうか。今回はビジネス編「催促メール」のポイントを解説する。

◆「真っ先にやらねば!」と思わせる催促メール

 まず、急ぎの確認はメールではなく電話で一報を入れることが大前提。メールだと届かなかったり、迷惑メールフォルダに入ってしまうこともあるからだ。そのうえで、どれだけ案件が重要なのか説明する。
 注意点は「予定」などのあいまいな表現を使わないこと。人はメールの文章を都合良く解釈するので、要求が正しく伝わらないこともあるぞ。

◆長文メール例
――――――――――――――――――――――――――――――
件名:●●の納品のご確認

□□様

○×社企画部のSPA!太郎です。

お電話いたしましたが、ご不在のようでしたので、
メールにてご連絡いたしました。★ポイント1

お願いしていたプレゼン資料の進捗はいかがでしょうか?
納期が過ぎてもご連絡がないので、心配しております。

スケジュールが厳しい納期を設定し、申し訳ございません。
今回のプレゼンは私にとって、非常に大切な案件です。
私も徹夜を覚悟して、□□様の納品をお待ちしております。★ポイント2

21時までに一度、納品のお時間をご連絡ください。

ご理解とご協力、よろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――――――――――――

★ポイント1:急ぎの催促はメールの前に必ず電話すること。メールでなんでも済ませようとすると、「本当はまだ余裕があるのでは」と相手に誤解されることも
★ポイント2:仕事の重要さをきちんと説明しよう。それから「自分も最後まで寄り添います」という気持ちを伝えること。相手の非を責めるような表現はNG

◆変化球メール例

『首を長~~~~~~~~~~くして待ってます!』
会議資料の作成に手間取り、上司からメール。これ以上延ばしたら社内の立場がまずくなると感じ、徹夜で必死に仕上げた(30歳・食品)

『はやくくださいm(_ _)m お願いしますm(_ _)m』
普段は真面目なメールしか送らない上司が急に顔文字を使ってきたので、ギャップが怖くなって仕事を早めてしまった(28歳・通信)

『そちらに行って手伝いましょうか?』
締め切りを過ぎているときにこのひと言。来られたら本当はまだやってないことがバレるので、慌てて作業を進めた(33歳・出版)

まあしかし、いきなり真面目だった上司から顔文字メールが来ればちょっとびっくりはしますよねえ…
催促メールに限らずよくあることですが、書いている側が思ってもいないような受け取られ方を相手にされるということがままあるということで、これは口で言うのと違って文章でニュアンスまでを表現するのはある程度のスキルを求められるということもあるでしょうし、また短い文面で情報を詰め込むためのメール特有の様々なお約束が相手によって予想外の受け取られ方をすると言うこともあるかと思います。
ジェネレーションギャップとも絡めてよく問題になるのが何気なく使っている顔文字やフェイスマーク、あるいは「(笑)」だとか「w」と言った文末表現ですが、特にメールに不用意に草を生やしていると嘲笑の意味で受け取られる場合もありますので注意が必要で、ネットスラング等は無論のこと口頭の会話では許されるだろうレベルの砕けた表現もこと重要メールについては用心した方がよさそうです。
結局思ったようなレスポンスがなければ黙って返信を待つとか繰り返して再送信するよりも、記事でも言っていますが口頭あるいは電話と言った別な手段によって再度対応を求めるのが一番早く確実なんじゃないかと思いますが、アナログ世代の方々にとっては「苦労してメールを送ったのに、それなら最初から電話でいいじゃないか」という話ですよね…

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2013年7月12日 (金)

価値観への認容度が問われた最近の炎上事件

人それぞれに考え方の違いはあって当然なのですが、これはどうなのかとちょっとした話題になっているのがこちらの一件です。

夫のアニメグッズを捨てたら「離婚だ今すぐ出て行ってほしい」と言われる 妻は家事放棄(2013年7月9日ガジェット通信)

30代半ばの専業主婦が夫の趣味がきっかけで離婚沙汰になっているらしい。離婚のきっかけは夫が買ってきた1万円程のペットボトル飲料。コンビニのキャンペーンのため(おそらく応募)に購入。夫は「自分の小遣いの範囲でやりくりしている」とのこと。

さて、ここからが問題。この投稿者が夫の食事を始め家事を拒否、いわゆる家事放棄である。すると夫は翌月以降の給料振込先を変更し、家族の通帳も押さえ夫が給料を管理することになったようだ。

そんなやり方に我慢できなかった投稿者は夫の部屋に入り、アニメのグッズやブルーレイを捨ててしまったのである。ゴミ捨て場から拾ってくるだろうと思ったようで、はさみでバラバラにしたり傷を入れておいての破棄。夫はゴミ捨て場からそのバラバラになったゴミを持ち帰って部屋に籠もったまま。

オタクのみなさんは夫の気持ちがよーくわかるだろう。自分の財産を勝手に捨てられたこの気持ち。中には限定物や入手困難な物まであったはず。総額幾らになったかは不明である。

また家計に影響を与えてしまったのならまだしも、このご主人は自分の小遣いの範囲でやりくりしているのである。

そんなオタクグッズを捨てられた夫から「離婚しよう。すぐにでも出ていって欲しい」と言われてしまったようだ。ちなみにこの夫婦には11歳の息子がおり、子どもは夫についていくとのこと。投稿者は離婚したくないと言っているが果たして……。

夫の趣味を理解できない奥さんとこの先、結婚生活がうまくいくとも思えない。このトピックに対するレスは次の通りである。

・あなたがやりすぎましたね。仕方ないです。出ていくしか
・どうか別れてあげて下さい、お願しますよ。
自分で稼いで自由になるお金を作りなさいよ。
・ご主人かわいそすぎます。希望とおり離婚に応じてあげて下さい
・ご主人、かわいそう・・・早く離婚してあげてください。と思いました。
トピ主さんの非しか見当たりません

批判の声しか挙げられていない。夫婦となると多少のもめ事があるものの、一生連れ添うわけだから趣味のあう人と結婚しないとダメだよね。例えば釣りとか。

元記事の出所であるところの読売新聞主催の相談コーナー「発言小町」は以前から「また小町?どうせ釣りだろw」などと言われてしまうような場所ですから、これもどこまでマジレスしたものか迷うところがないでもないのでしょうが、ともかく元記事に関してレスをつけていらっしゃる方々は一貫して「お願いだからさっさと離婚してあげて」と懇願していらっしゃるのが印象的です。
社会的に見ると今時夫の稼ぎに依存して何不自由なく暮らしてきただろう専業主婦が家事すら放棄した挙げ句、夫が限られたお小遣いをやりくりしてそろえてきた宝物に酷いことをしたという点が非難の対象になるのだと思うのですが、当のスレを立てたトピ主自身は過去にも同様の議論を呼ぶスレを立てた常連でもあるとの噂もあって、ネット上ではどうやらネタの類であろうという意見もあるようです。
ともかくも個人の趣味のことで他人にどうこう言われること自体は甘受できても、さすがにこうまで他人の流儀を一方的に強要されるいわれはないだろうと考える人が圧倒的多数だと言うことなのでしょうが、最近ではこの種の個人の流儀の押しつけと取られかねない発言は容易に炎上に結びつくようで、最近は有名シェフが不用意な発言で大騒ぎになるといった事件が記憶に新しいところですよね。
特に社会的に阻害感を感じているいわゆるヲタク的傾向の強い方々ほど世間の無理解と理不尽な偏見差別に憤慨するのは理解できるところですが、先日も一見何気ない発言が炎上騒動を起こしたと話題になっています。

読書界の鬼才・成毛眞氏の「知的な人間は漫画なんて読まない」発言にネットユーザー猛反発?(2013年7月9日ガジェット通信)

昨年のPRESIDENT 2012年4月30日号に掲載された記事「ファンタジーに逃げる“下流”の人々 -「年収別」心底、役立った1冊、ゴミ箱行きの1冊」が、7月6日にウェブ上に掲載され『Twitter』などで多いに批判を浴びているようだ。

記事の概要は、昨年行ったアンケートの結果を分析するというもの。年収500万、800万、1500万それぞれ334人ずつから合計1002人の回答を得たという。

    以下、投資コンサルティング会社インスパイアのファウンダーにして社団法人HONZを率いる読書界の鬼才、成毛眞氏、そして幾多のベストセラーを世に送り 出してきたエリエス・ブック・コンサルティングの代表にして、メールマガジン「ビジネスブックマラソン」の筆者、土井英司氏のおふたりによる的確かつ辛辣 なコメントをいただきながら、読書と年収の赤裸々な関係を見ていくことにしよう。

ということで、成毛眞氏と土井英司氏の2人が年収別の読書傾向にコメントしてゆく。成毛眞氏については、マイクロソフト日本法人の元社長というイメージはあったのだが、いつのまにか「読書界の鬼才」と呼ばれていたのかとちょっと驚く。というか読書界って何。

そして、文中の

    【土井】500万の人は明らかにファンタジー、エンタメ中心です。『ONE PIECE』なんて漫画は思い切りファンタジーです。
    【成毛】そもそも知的な人間は漫画なんて読まないよ。海外企業のマネジメントなんて、漫画本の表紙すら見たことないだろうねぇ。

というところにカチンときたネットユーザーが多いようである。
また、

    【土井】(略)上流は世の中を動かす法則や権力者の意図、そして政治に強い関心がありますね。苦境の時代こそ、現実を見据え、現実を変えていこうとしている。一方で、500万の人はファンタジーに逃げているように見えます。

という記述もある。
この記事がウェブ上に掲載され、9日の段階で『Twitter』によるコメントが1100以上、『ニコニコニュース』に配信された同記事には2400近くのコメントがつき現在も炎上状態となっているようである。一年以上前の記事なので、何らかの意図があっての炎上マーケティングの一環だとしたら大成功と言えるかもしれない。
一方、成毛眞氏(@makoto_naruke)は7月8日に『Twitterにて』

    「プレジデントのやっつけ仕事でエライ目になってしまった。二度とプレジデントの仕事は引き受けないw」
    「プレジデントのやっつけ仕事でエライ目にあってしまった。二度とプレジデントの仕事は引き受けない。」

と語尾を変えて2回ツイートしている。

元記事を見ますと実は漫画に言及しているのはごく一部なのですが、その部分はステロタイプなある意味懐かしい論調だなと言うのでしょうか、二昔ほど前に漫画有害論なるものが大まじめに語られた時代があって、その頃は本気で「漫画を読むと馬鹿になる」と言う人も世の中に少なくなかったようですが、今でしたら「で、その根拠は?」と早速突っ込まれることになるだろうなと言うことを立証した形でしょうか。
強いてこのデータを元に考察を行うのであれば調査が「好きな本」ではなく「役に立った本」であることに留意すべきで、例えば年収500万集団は相対的に被雇用者の立場が多いと推測されますが、そうであるならば経営哲学などよりも周囲同僚との良好な関係性を維持することの方がよほど重要だろうし、その点では大いに役立つ可能性のある「仲間とのつながり」をテーマにした某漫画本を単にファンタジーとしか受け止められないのは調査目的への理解が浅いとしか言いようがないですよね。
また業種によっては年収が高かろうがいわゆるビジネス書などよりもはるかに役立つものがあるわけで、例えば世間的水準では相当な高年収を誇るはずの小児科医などは下手なそこらのヲタよりもよほどアニメやゲームの話題に詳しいというのはそれが単に職業上求められるスキルだからなのですが、彼らの解釈だと「日々の激務に追われ空想世界に逃避しているのだ」ということにでもなるのでしょうか。

元々年収毎に年齢階層の調節もしていないデータを元に個人的主観を語ることにどれほどの意味があるのかと思いますが、何気なく流しただろう当事者も正直「突っ込まれるにしてもそこに突っ込むか」と予想外の事態に戸惑っているんじゃないかと思いますけれども、今の時代なんであれひとたび世に出たものは繰り返し引用され批判に晒される可能性があるという視点を持っていない方々には生きづらい世の中だと言うことでしょう。
「デリケートな水彩画に比べると油彩画は色彩が下品だ」とか「ピアノに比べてバイオリンは音程が不安定でいかん」だとか言う批判が馬鹿げているのと同様、メディアの種類によってコンテンツの価値を云々することはすでに今の時代に合っていないと思いますが、ただ無意識的にそうした認識を前提に語ってしまう方々は今も確実に存在しているということは言えそうです。
今や国を挙げて漫画やアニメを日本の誇る文化的資産として世界に売り込もうと言う時代に何故なのか?と言えば、そうした図式的な構図に落とし込むことによって彼らにとっては世の中が判りやすくなるというメリットがあるのだろうし、古くから続く「今時の若いものは…」という老人の嘆きと同様自分自身の価値観から遠いものほど批判的スタンスで接したくなるという人間の普遍的心理を示してもいるのでしょう。
別にそうやって狭い世界に閉じこもっていても飯を食っていけているのだから構わないじゃないか、という考え方ももちろんありなのですが、たまには全く違った価値観に接して理解しようとしてみることも知的ゲームとしておもしろいものですし、少なくとも自分と異なる他人の価値観もそれなりに尊重しておくという姿勢は持っていなければいずれ自らにその報いが降りかかってくることになるのが現代社会の怖さだと知っておく必要はあるでしょうね。

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2013年7月11日 (木)

厚労省、終末期医療ガイドラインの徹底を図る

本日の本題に入る前に、ちょうど参院選の真っ最中で社会保障政策をどうするかということは世間の関心も高い割にあまり争点になっていないと不満を感じている方も多いんじゃないかと思いますが、そんな中で今さらながらにこういう報道が出ていました。

来年4月から70~74歳医療費窓口負担増も 田村厚労相(2013年7月9日産経ニュース)

 田村憲久厚生労働相は9日午前の記者会見で、現在1割に据え置いている70~74歳の医療費窓口負担を本来の2割に戻す時期について「本則に戻すのは既定路線だ。来年度も視野に入れている」と述べ、早ければ来年4月から実施する考えを示した。

 また、「参院選が終わった後、与党としっかり議論する」とも述べ、医療費負担増に伴う低所得者対策も合わせて検討する考えも明らかにした。

 70~74歳の窓口負担は、平成18年に成立した医療制度改革関連法で、20年4月から2割に引き上げることが決まっていた。しかし、 。それ以19年の参院選で大敗した自民、公明両党が高齢者の反発を恐れて1割のまま凍結降、特例措置が続いている。

来年度から引き上げることも検討するという何年も続いている話がまたもやといったところで、とっくに決まってる話をいつまで検討しているんだかと思うのですけれども、この件に関しては日頃高齢者医療のダンピングに熱心なマスコミ諸社や国民の大多数もさっさとやれの声が高いというのに、未だに先送りしかねない勢いなのはよほどに羮に懲りたということなのでしょうか。
この特例廃止については今春の段階で来年度以降へ先送りするということになっていて、その際には夏の参院選を前に高齢者を刺激しないようにしようという話だったはずなので、わざわざ参院選の真っ最中にこうしたことを言い出すのは整合性がないようにも聞こえますが、あるいはずるずると先送りを続けることでかえって反発を招きかねないという判断なのかも知れません。
とかく昨今では社会保障費増大の続く中でも高齢者医療費をどうするかということに世間の関心も集まっていて、以前のように「現代の姥捨て山か!」などと批判していれば済むものでもなくなっていますが、例えば先日も厚労省の有識者会議で癌治療を年代別に差別化する、特に高齢者では体への負担の少ない治療や苦痛緩和などを研究すると、なかなかに含みのある10カ年戦略が示されています。
小児科の有名な格言に習って言えば老人は単に年齢を重ねた大人ではないということが医学的にも、社会的にもようやく認知され対策が始まっていると言えますが、そんな中で高齢者終末期量に関してこんな気になるデータが出ているということです。

厚労省の終末期GL、医師の34%が「知らない」(2013年7月9日日経メディカル)

 厚生労働省医政局指導課在宅医療推進室は7月1日、厚労省が07年5月に策定した終末期医療のガイドラインについて改めて周知を図るため、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインについて(周知依頼)」との事務連絡を発出した。

 事務連絡は、6月27日に開催された開催された終末期医療に関する意識調査等検討会(座長:上智大生命倫理研究所教授町野朔氏)の中で公表された「人生の最終段階における医療に関する意識調査」の集計結果(速報)を受けたもの。同調査は、無作為に抽出した20歳以上の一般国民、医師、看護師、施設介護職員、施設長を対象に、2013年3月に実施された。

 その中で、医師(921人)と看護師(1434人)、施設介護職員(880人)に対して、終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインの利用状況を聞いたところ、ガイドラインを参考にしている割合は、いずれも20%前後で、施設介護職員の22.7%が最も高かった。ガイドラインを参考にしていないと答えた割合も、同様に20%前後だった。さらに、ガイドラインを知らないと回答した割合は、医師が34%、看護師が41.4%、施設介護職員が50.2%に上った。

 厚生労働省はこの結果を受け、ガイドラインの普及が不十分だと判断。事務連絡を発出して、関係機関などに周知・指導するよう改めて通知した。

思い返せば2011年末に厚労省が高齢者終末期患者に経管栄養を導入しないこともありなのでは、ということを言い出してから、直後の年明けには老年医学会から指針が出るなど非常に足早に話が進んだように、近年の社会的関心の高まりを反映して今や各関連学会で終末期医療のガイドラインという形で整備されているわけですね。
昨年末には救急医学会の調査で「救急医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)」が順調に臨床現場に普及してきているという肯定的な評価が出てきたところでしたが、この時点で救急医の8割超がガイドラインの存在を承知しているものの、実際に運用するとなるとやりづらい部分があるといった否定的な声も少なくなかったのは過渡期故のやや過剰に抑制的な内容も一因だったかと思います。
また実際にガイドラインを知ってはいてもそもそも適用しようと考えなかったという医師が相当多数に上っていたと言いますから、想像するに熱心にガイドライン通りでやって症例数を稼いでいる先生もある一方、今までのやり方と異なり使いにくいといった理由であえてガイドラインを無視している先生も多いのではと考えられますね。

いくら学会が指針を出したとは言っても実際に法律の上で何かが変わったわけでもなく、またガイドライン通りに終末期医療を中止すれば罪に問われないという判例の蓄積もない以上は現時点で運用が抑制的になるのは仕方がないし、ガイドラインそのものも万一訴えられても負けないようにあえて抑制的な内容に留まっている印象ですが、問題は今回こうした通知をわざわざ厚労省が出しているということです。
かねて必要性は言われていた高齢者終末期医療指針なども元々厚労省が声を上げてからあっという間に話がまとまったように、この分野でかなり積極的に主導権を発揮しているということは明らかだったわけですけれども、いわば人の死なせ方という非常に個人の意識差が大きい問題に関して厚労省がわざわざガイドラインを周知徹底し普及させなさいと言い出すというのは、これまたなかなか含みのある話ですよね。
冒頭の高齢者医療費の問題にしてもそうなんですが、これまで政治にしろ医学界にしろこと人の死が絡むような問題に関しては非常に歩みが遅いというのでしょうか、国民世論の高まりを待って徐々に慎重に話を進めてきた印象がありますが、このところの終末期医療問題に関しては行政主導で非常にトップダウンでの推進の動きが目立つように感じます。
別にそれによって国民世論の反発があるとか、マスコミがケシカランと声を上げているというわけでもなく、むしろ今まで公的な指針すら存在していなかったのは問題だったのではないかと関係各方面の腰の重さを叱責されかねない勢いですから、この分野に関しては実のところ国民の意識の方がはるかに先を行っていたということなのでしょうか。

患者の自己決定権尊重を建前にしている医療側がいわば「正しい死に方」を決めつけるかのような話を推進すると言うのもやはり筋が通らない話で、そうであるからこそ今まで患者家族も担当医も誰しも「これはおかしいんじゃないか」と疑問に感じる終末期医療が延々と続いていたというのも事実ですから、政府や厚労省が主導権を握って話を進めてくれるというのは現場にとってもそれなりにありがたいことではあるはずですよね。
ただここまで前のめりで進まれると一体厚労省に何があった?と疑問に感じるのも確かで、このままではガイドライン通りにお看取りをしないと終末期医療費を事後に査定しますなんてことを言い出すんじゃないかとも(半ば冗談ながら)危惧するのですが、いずれにしても終末期にどれだけ無茶な医療をやったところでどうせ患者側の支払いは同じだという制度的側面が日本の終末期医療を歪めてきた側面は大きいと思います。
諸外国では医療にあたりまずは患者家族の支払い可能な限度額というものがあって、何をするにもその限度内で選択枝を考えないことには「先生、俺たちにまで首を吊らせる気か」と言われてしまいますけれども、明らかに寿命を過ぎている高齢者と先の人生に実りが多いはずの若年者とでも同じ医療をしたから報酬も同じという考えが果たしてよいことなのかどうか、この際一緒に国民的議論の対象としてみてもいいかも知れませんね。

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2013年7月10日 (水)

世の中にはどんどん病人に増えてもらいたい人たちもいる?

選挙も近いこともあって政治家の舌禍事件と言えばマスコミの格好のネタですけれども、またぞろ露骨なことを言ったものだなとも感じるのがこちらの発言です。

柏原市長「どんどん心筋梗塞に」市立病院PRで(2013年7月8日読売新聞)

 大阪府柏原市の中野隆司市長が7日夜、同市内で開かれた参院選大阪選挙区の日本維新の会公認候補の演説会で、市立柏原病院をPRする際、「市民の皆さん、どんどん心筋梗塞になって下さい」と呼びかけた。病気になることを奨励すると受け取れる発言で、中野市長は終了後、読売新聞の取材に対し、「誤解を招いたなら、申し訳ない」と釈明した。

 演説会には市民ら約200人が出席。応援演説に立った中野市長は、心筋梗塞について同病院の診療体制が充実したとアピールしたうえで、「どんどん心筋梗塞になって下さい」「1回手術をやったら、病院に250万円入る」と述べた。

 中野市長は、「心臓病のいい先生が来てくれたので、安心して柏原病院を使ってほしい、という意味だった」と話した。

 中野市長は2月の市長選で、地域政党・大阪維新の会の公認で立候補し、初当選した。

先日も岩手県議の舌禍事件が大騒ぎになりましたが、しかしどうも病院というところは政治家のターゲットになりやすい性質でもあるのでしょうか、何かとニュースになることが多いような気がします。
よく誤解されるところですけれども、基幹病院でしかも心筋梗塞などの治療に当たっている循環器内科医は一般に寝る間もないほど多忙なのが当たり前で、間違っても患者が増えて欲しいなどと考えてはいませんし、それによって幾ら病院にお金が入ったところで自分の懐に入るわけでは全くないのですから熱烈大歓迎なんてことはまずあり得ません。
この辺りは政治家が法案審議がどんどん増えていったり、内外の諸問題が山積し寝る間もなく各地を飛び回るという状況を強いられることに喜びを感じるかどうかと自問していただければお判りかと思いますが、政治家が選挙に落ちればただの人なのに比べて医師は死ぬまで厚労省から医師扱いされるという特権?もあります(実際「この生活が一生続くなんて耐えられない」とドロップアウトする若手も多いわけでしてね)。
ただ世の中には「患者さんが増えるのは大歓迎!来たれ金蔓!」とばかりに患者を増やすことに精出している方々もいらっしゃるそうなのですが、こちら先日出ていましたびっくりするような記事を紹介してみましょう。

30年後の日本を先取り「西成ドリーム」…“日雇い労働者”の街から“超高齢・超保護化社会”に変貌「介護バブル」沸騰(2013年7月2日産経ニュース)

 日雇い労働者の街から生活保護受給者の街に変わりつつある「あいりん地区」を抱える大阪市西成区に、介護サービス事業者の進出が著しい。理由は2つ。同区の高齢化率が34・5%に及び、市内24区でも突出していること。そして、住民の4人に1人が生活保護を受けていること。介護利用料が全額公費でまかなわれる高齢の受給者をめぐり、業者間の争奪戦も激化。30年後の日本を先取りしたような超高齢・超保護化社会で、介護バブルが沸騰している。人呼んで、西成ドリーム

要介護高齢者の“相場”急騰

 「10万円で患者さんを紹介できる。他の業者も興味を持っているが、お宅はどう?」
 西成に事業所を持つある介護業者は区内の病院職員からこんな話を持ちかけられる。要介護の身寄りのない高齢の受給者を斡旋(あっせん)する。だから謝礼をくれ、というわけだ。
 最近は“買い手”の競争が過熱し、1人5万円の相場が急騰した。業者は「足元を見られている」と不平を漏らしつつ、頭の中でそろばんをはじく。「それでも客が見つかるなら、安い

 あいりん地区の超高齢化が、西成を「介護の街」へと変貌させつつある。
 住民の多くは昭和45年の大阪万博の際、パビリオン建設の仕事を求めて全国から流れ込んできた労働者たち。それが平成に入ってからのバブル崩壊と建設不況で身動きが取れなくなり、平成12年ごろから生活保護に行き着くようになった。
 地域の事情に詳しい大阪市立大大学院の島和博教授は「職場を渡り歩く日雇い労働者は生涯独身を貫くことも多い。単身の男性が滞留すれば高齢化率が伸びるのは必然だ」と指摘する。

“フリー”のヘルパーが売り込み

 区内で急増しているのは一人暮らしの受給者宅にヘルパーを派遣し、入浴や食事、通院などの日常生活をサポートする「訪問介護」の業態だ。
 サービスの利用限度額は要介護・支援度に応じ、月額約5万~36万円。一般の人は1割の自己負担が原則だが、受給者は介護扶助により全額公費でまかなわれる。「限度額いっぱいまでメニューを組んでも文句を言われない。当然利益率も高い」(事業所経営者)
 大阪市によると、市民1人あたりの利用額は月に約15万7千円だが、受給者はこれより数万円程度高くなる傾向がある。業者が謝礼を払ってでも、受給者を囲い込みたい理由がここにある。
 事業者だけではない。個人のヘルパーも西成ドリームに群がる。ある介護事業者のもとには、個人的に受給者の訪問介護先を何人も抱えるフリーエージェントのヘルパーが売り込みをかけてくる。条件は、「売り上げに応じた歩合制」という雇用契約。何人か雇ってはみたものの、介護メニューをきちんとこなしている様子が見られないため、契約を打ち切ったという。

 介護先が寝たきりや認知症の受給者の場合、思考力が低下しているため、必要のないサービスを提供されても表面化しにくい。適切な判断ができても「他に頼る人がいない高齢者は、業者の無理強いもがまんしようとしてしまう」(大阪市の担当者)。悪質な業者やヘルパーはごく一部とはいえ、受給者をめぐる狂想曲は鳴り止まない。
 同区の鶴見橋商店街の一角には、介護・医療系のテナントが密集する。わずか150メートルの区間に訪問介護のテナントが4つ。周囲を診療所や薬局、整骨院など6つの医療系テナントが取り囲む。西成の「今」を凝縮したこのエリアを近くの不動産業者はこう評した。
 「ここはもう商店街やない。メディカルセンターですわ」

10年後、5兆円突破も…膨張する財政負担

 日本の「老化」はもはや止めようがない。およそ10年後には、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が3割に到達する。生活保護の受給者に限ってみると、すでに38%が高齢者だ。60歳以上だと5割を超える。経済情勢で多少の変動はあるが、国民平均をはるかに上回る形で受給者の超高齢化は進むとみられる。
 必然的に医療、介護費は膨張する。昨年度の生活保護予算は3・7兆円だったが、単純推計では平成32(2020)年度に4・6兆円、37(2025)年度には5・2兆円に達するといわれる。
 総合研究開発機構のリポートによると、就職氷河期に急増した非正規雇用の労働者のうち、老後に生活保護が必要になる人は77万4千人、それに伴う追加的な財政負担は累計で約20兆円になるという。このリポートが出されたのはリーマン・ショック前の20年4月。現状はもっと深刻だ。
 安倍晋三政権が今月14日に閣議決定した「骨太の方針」では、生活保護について「支援の在り方(加算制度や各種扶助の給付水準)を速やかに検討し、見直す。不適正・非効率な給付を是正する」と記された。設計を根本的に改めない限り、生活保護そのものが破綻しかねない抜き差しならない状況が迫っている。

大阪と言えば生活保護最先進地?としてすっかり全国に名が知られるようになって久しく、現地の自治体もあの手この手で対策を講じているようですが、このように幾らでも生保受給者を食い物にして儲けるシステムが確立されているとなるとその是正はなかなかに大変そうですよね。
ただ昨今では生保受給者の無茶ぶりが一般マスコミによってもようやく報道されるようになってきていて、こういう話が出るたびにやれ生保利権は早急に是正すべきだという話になってくるのですが、当然ながら身よりもなければ資産もない独居受給者が多数高齢化しつつあるという事実は動かすことが出来ません。
現在進行中の参院選で自民党は医療公約に「自助・自立が第一」と掲げたと報道されましたが、長年一人で日雇い労働をしてきた彼らが高齢化し働けなくなった場合にどうするかという問題は厳然として存在するし、しかも今後ますます大きくなっていくだろうと言うことですよね。

近年年金問題が盛んに言われるようになりましたが、現役時代の収入(要するに積み立てた金額)によって支給額が決定されるシステムである以上不景気と所得減少が長引けば年金も減る、そしてそうした時代の方々が当然大きな貯蓄を持っているとも思えませんから、今後は生保受給者に限らず高齢者の生活支援の手段として生保という話が当たり前に出てくる可能性があります。
現状の生保のシステムが問題が多々あるというのは、まず第一にそれなりの金額を現金で毎月決まっただけ支給するものですから当事者の管理能力に使途が委ねられてしまうと同時に、小金持ちとなった彼らを狙って悪徳生保ビジネスが暗躍する余地を残しているということです。
特に今後問題になっているような高齢受給者にまとまった現金を持たせても仕方のないことで、どうせ公共サービスは無料なのですから原則食料品などの現物支給とし、その他のサービスもチケット制にするなどして転用を少しでも制約すると同時に、やはり実質年収5~600万クラスとも言われる給付水準の切り下げも制度の永続性を担保するためにも必要になってくるでしょうね。
先日は生保支給の切り下げは不当だと受給者1000人が行政訴訟に訴えたと話題になっていましたが、目先のお金を守ることが長期的に見てよりよい結果に結びつくものなのかどうか、当の本人はもとより支援するプロ市民の方々にもそろそろ真剣に考えていただきたいところかと思います。

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2013年7月 9日 (火)

医療機関で井戸水利用が進む

たまたま相次いで同じような記事が出ていたのですが、最近ではひところすっかりすたれていた井戸水の利用が再び脚光を浴びつつあるようです。

国立精神・神経研、災害時に飲料水供給-井戸水ろ過、小平市と協定締結(2013年7月5日CBニュース)

 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の樋口輝彦総長は、同センター内でくみ上げた井戸水をろ過した飲料水を、災害時に東京都小平市に提供する協定書を小林正則市長と取り交わした。地震などによる断水時、センター内に設置された地下水利用システムを使うことで、避難所の住民らに飲料水の提供が可能になるという。

 同センターは、被災時のライフラインの確保を目的として、昨年8月末に地下水利用システムを導入した。敷地内の井戸からくみ上げた地下水を高度膜ろ過処理装置でろ過して施設内に飲料水を供給するシステムで、非常用発電機に接続されているため、停電時も飲料水の供給を維持できる

 被災時に、同センターのある小平市を給水面で支援できないかと市側に打診したところ、了解が得られたという。同市は地元の医師会や薬剤師会、助産師会と災害時の協定を締結するなど、災害時の医療・救護体制の整備に取り組んでいる。

 同市によると、市内には東京都水道局の給水ポイントが2か所あるが、これとは別の供給ルートを確保することで、避難所などに対する飲料水の供給体制の拡充が図れるとしている。災害時は、同センターに給水車を派遣して水を受け取り、避難所などに配る方針。同市の担当者は、「停電時に飲料水を確保できる利点は大きい」と話している。【新井哉】

災害に備え井戸設置 断水時に開放 岡山県精神科医療センター(2013年7月7日山陽新聞)

 南海トラフ地震など大規模災害に伴う断水に備え、岡山県精神科医療センター(岡山市北区鹿田本町)は地下水をくみ上げる井戸を敷地内に設置した。飲料水を除く生活用水として利用でき、有事には入院患者のほか、地域住民に開放する。

 東日本大震災では水道管の破損により各地で水の供給がストップ。宮城県南三陸町や福島県南相馬市に派遣した同センター医師からは「トイレや寝たきりの高齢者の体を拭く水に困った」との報告が寄せられ、2012年12月、約200万円かけて掘削した。

 井戸は4、8、20メートルの3本のパイプを地中に打ち込み、4、8メートルは手動ポンプで、20メートルは電動ポンプでくみ上げる。鉄分が多いため飲用には向かないが、洗濯や食器の洗浄、風呂、トイレへの使用には支障ないという。

 同センターは12年8月、災害時に病院施設を一時避難所として提供する協定を地元7町内会(約1800世帯)と締結。鹿田学区連合町内会長の目黒宏平会長(71)は「災害を意識した備えのある病院が身近にあり、大変心強い」と話す。

 南海トラフ地震では岡山市など県南部を中心に広範囲で地盤の液状化現象が発生するとされる。内閣府が3月公表した被害想定によると、県内では給水人口の70%に当たる約130万人が断水に見舞われるという。

 同センターは井戸水を定期的にくみ上げ、水質などをチェックする。赤木一成常務理事(62)は「食料の備蓄も続け、有事は患者だけでなく地域住民の救済拠点として機能させたい」としている。

最近では病院に限らず企業向けなどに井戸水を盛んに売り込んでいて、経費削減にも有効だとして徐々に利用が広がっていたようなのですが、特に先の震災後は何よりも緊急時の水源確保という意味で重要視されるようになってきていて、今回のように大きな公的病院などでは周辺自治体への給水能力も保持しようという動きにもつながっています。
もともと病院というところは非常用の発電設備を用意しているもので、これで水道も自前で用意出来るようになれば地域の防災センターとしてますます重要性を高めることになりそうですが、やはりこうしたものは公的と民間とを問わず自治体も導入・整備段階から関わっていくのが筋で、用意するのはお任せします、いざという時は利用だけさせていただきますでは社会常識的にもどうなのかと思いますね。
ところで最近は井戸水の浄水もずいぶんと処理能力が向上しているようで、今回のように生活用水以外にも飲用など完全に水道水に置き換えるということも行われているようですが、そうなればそうなったで「病院の水道水離れ」などと言われてしまうのもおもしろいですよね。

病院など、井戸水利用へ 水道事業離れ進む(2012年1月24日防災ニュース)

震災時にも、被害が最小で済むようにと、病院などの水道事業離れが進んでいる。

富山県高岡市の済生会高岡病院は、2年前から、井戸の地下水ろ過システムを導入。地下水を9割、市水道局からの水道水を1割で、病院内の水の供給を実施している。

地下水の単価が、水道水より1立方メートルで60円~70円安いことから、年間約150万円の水道料金のコスト削減に成功している。

災害時の断水の恐れも少なく、停電しなければ、井戸から地下水をくみ上げられるので、防災対策にもなっている。

富山市では、西能病院、富山城南温泉病院、大和富士店などが、9割以上地下水を使用する態勢をとっている。

地下水ろ過システムは、全国で約900施設の実績を誇る、業界大手のウェルシィ社。

地下水くみ上げ、井戸の掘削、水の滅菌などの技術が向上し、地下水のコストが水道水に比べて安価なこと、防災策の一環として、水源を分散させたりより地震の被害がおよばない供給を求めてと、井戸水に人気が集まる一方、自治体の水道事業は収入が減少傾向にある。

自治体の水道事業は独立採算制。収入が減ると耐震管への交換も進まず、水道離れはますます加速しそうだ。

建設・処理などの費用込みでも井戸水が安くなったのか、それとも水道が高いのか微妙なところですが、日本各地で未だに水不足で給水制限ということが珍しくないのですから、いざという時にも断水させるわけにはいかない病院などの施設からこうした自前の給水設備を導入することは非常に有益なことだと思います。
ただ井戸水については過去にも何度も有害物質による汚染問題が発生していて、数年前にも名古屋第一赤十字病院で井戸水汚染が発覚したことからも判るように、有病者多数を収容する病院のような場所で日常的に使用するにはチェック体制も水道水に準じて日常的に行わなければならないのではないかなという気がしますね。
実験室内では今までうまくいっていた実験系が突然変な結果ばかり出すようになり、あちこち調べて見ても原因が判らず困惑していると結局純粋をつくる機械の不調だったということが時に起こりますけれども、この場合ポジティブ(あるいはネガティブ)コントロールも設定でき同じ入力をすれば同じ結果が帰ってくることが判りきっている実験系だからこそ何かがおかしいと気付くわけです。
人間の場合は人それぞれに症状も違えば治療に対する反応も異なるので、個人差なのか系の異常なのか気付かないということが十分あり得ると思いますけれども、目先の安さばかりに喜んでいないで保守整備などにも十分なコストをかけていただきたいものだと思いますね。

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2013年7月 8日 (月)

参院選 各党の医療政策出そろう

ちょうど参院選もたけなわですが、各党から出ている医療関係の選挙公約がどんなものか確認してみましょう。

2013参院選、医療分野の政党公約-成長戦略、保険財政が俎上に(2013年7月4日CBニュース)

 第23回参院選が4日公示され、21日の投開票に向けて選挙戦がスタートした。出そろった各党の選挙公約によると、政権与党の自民党、公明党は診療報酬改定について触れておらず、民主党、共産党などが診療報酬の引き上げを明記。全体としては、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の議論や、社会保障制度改革国民会議(国民会議)の進行などを受けて、成長分野としての医療を後押しする政策や、保険財政の方向性を示す政策が目立っている。

 自民党は、昨年の衆院選と同じ「日本を、取り戻す」のスローガンを掲げる。「民間投資を喚起する成長戦略」の一つとして、日本版NIH創設を前面に押し出し、2020年に、医薬品・医療機器・再生医療などの市場規模を16兆円(現状12兆円)、健康増進・予防・生活支援関連では10兆円(同4兆円)を目指すと明記した。このほか、社会保障の基本的な考え方として、「『自助』・『自立』を第一に、『共助』と『公助』を組み合わせ」ると記載。医師や高度医療機器などの医療資源の適正配置により、地域医療を確保するとした。6月に政府が発表した「日本再興戦略」の政策も展開するとしている。

 自民党と連立を組む公明党も、日本版NIHや医療の海外展開を公約に載せた。がん対策の記述にも分量を割き、放射線療法、化学療法の専門医育成に言及。医療費負担の軽減策として、高額療養費制度の上限を約8万円から約4万円にする施策や、難病対策の拡充を盛り込んだ。
(略)

2013参院選、介護分野の政党公約-ほぼ共通する「介護職員の処遇改善」(2013年7月4日CBニュース)

 参院選の各党の公約には、介護に関する内容も数多く盛り込まれた。自公民をはじめ多くの政党が、ほぼ共通して掲げているのが介護職員の処遇改善や地域包括ケアシステムの構築の推進だ。また、ロボット介護機器の普及など、介護を成長分野と位置付けた政策も目立つ。ただ、充実を目指すサービス類型や、廃止期限が延長された状態にある介護療養型医療施設の今後の扱いなどでは、各党の姿勢の違いが垣間見える。

 自民党は「政権公約2013」で、「自助」・「自立」を第一に、「共助」と「公助」を組み合わせることによって、持続可能な社会保障制度の構築を目指すと標榜。さらに、質の高い医療・介護サービスの提供を実現するため、従事者の処遇改善や研修などの支援に継続的に取り組むとしている。また、自民党と連立を組む公明党は「参院選重点政策」で、地域包括ケアシステムの構築の推進や、複合型サービスの大幅拡充を明記。さらに、安価で使いやすいロボット介護機器の普及なども盛り込んだ。
(略)

■自民、政策集で「多床室の整備促進」など明記

 自民党と民主党は、「政権公約2013」や「Manifesto2013」とは別に、目指すべき政策などを比較的詳しく提示した政策集も発表している。

 このうち、自民党の総合政策集「J-ファイル2013」には、▽介護サービスの範囲の適正化と公費負担の増加などによって持続可能な介護保険制度を堅持▽介護従事者の一層の処遇改善、キャリアパスの確立などを図り、介護人材の需給計画を示す▽間仕切りなどの工夫でプライバシー保護に配慮した上で、「多床室特養」の整備を促進▽廃止期限が延長されている介護療養型医療施設について、同施設の必要性を重視し、見直しを行う介護支援専門員の国家資格化を目指す▽居宅介護支援事業所の経営の独立性・中立性の推進-などが盛り込まれている。
(略)

昨今では公約などというものの値打ちもずいぶんと低下して週刊誌の記事タイトル並みの信用度ですけれども、とりあえず現実的に今後の政策実行に反映されそうな政権与党の政策を見ていきますとキーワードとしては「持続可能」ということになるのでしょう。
一般的に受け止めるならば社会保障給付の抑制政策を意味するものと受け取られそうですが、一方では医療関係領域を産業としてどんどん育てていくと言っているのですから、当然ながら一部医療系団体などが長年反対してきた混合診療の拡大なども行われていくことになるのでしょうか。
その手段として医師ら医療資源の適正配置ということを言っていますけれども、恐らくこれは厚労省などが進めてきた医療資源集約化と軌を一にする話であって、今までともすれば全国どこでも近場に専門医も揃っていていつでもいい医療が受けられ入院も出来るということが理想的な医療のように語られていましたが、それとは逆に高等な医療を受けたいのであれば患者さんの方でも労力を払いなさいという方向性なのかも知れません。
もちろん遠くの病院に入院するともなれば本人や家族の負担も大きくはなるでしょうし、それだったら多少「格落ち」でも近場の施設で出来る範囲でいいか…と考えることまでも狙っているのかも知れませんが、その補完的な機能として特に高齢者で期待されているだろうことが介護領域の充実となるのでしょうね。

まずは不足しがちな介護スタッフの待遇改善をという点については各党異論がないようですが、例えば介護施設においても介護スタッフが研修を受ければ吸痰や胃瘻の接続など一定の医療行為が出来るようになっていることから、今までともすればリスクが高い、手間がかかると施設で敬遠されていた介護度の高い方々も今後は療養型病床から施設へと移行させていく条件立ては出来ているわけです。
医療などと同様の対応で政策的に誘導していくのであれば、こうした研修を受けたスタッフが一定数以上存在し介護度の高い人々を多く受け入れているほど介護保険から割り増しで報酬が支払われるといった話が出てくるのかも知れませんし、さらに自助、自立などと言われればいっそ介護度の低い軽症者は在宅へということも考えているのかも知れませんね。
実のところ効率を考えると素人である家族が仕事もやめて一人つきっきりで面倒をみるくらいなら、大勢を集めて施設で専門スタッフが交代制でみた方がよほど効率的だし、産業としての成長にも貢献するはずですから、単純に施設入所はコストがかかるから自宅へ帰せという考え方が正しいかと言えば社会全体にとってはむしろ税収・雇用等も考えるとマイナスになっているんじゃないかという気もします。
ただ繰り返しますが「持続可能」であるということがキーワードになっているのであれば、どうしても公費負担をこれ以上大きく伸ばすということは避けたいのでしょうし、そもそも今までさんざん老人切り捨てなどと言っては財政的な制約を強めることを批判してきたマスコミすらこんなことを言い出しているのですから、やはりお金の問題でどこまでダイナミックな政策を実行出来るのかが鍵ということになりそうですよね。

(社説)医療と成長 財源を語らない無責任(2013年7月7日朝日新聞)

 医療に必要な財源を確保していけるのか――。日本が直面する大きな課題だ。
 いま、日本の医療費は年間40兆円。団塊世代が75歳以上になる2025年には60兆円を超える見通しだ。少子高齢化が急速に進むなか、税金や保険料などの負担増は避けられない
 ところが、参院選を戦う各政党はそこを率直に語っているだろうか。70~74歳の窓口負担にしても本則の2割が1割に据え置かれ、毎年2千億円近くを使っているのに、高齢者の反発を恐れ、口をつぐむ党が大半だ。

 一方、医療分野の振興で経済成長をめざそうという主張が目立つ。
 自民党は公約で、医療関連産業の市場規模を現在の12兆円から20年に16兆円へ拡大させることを掲げた。
 日本維新の会は「規制緩和によって医療政策を拡充」とうたい、みんなの党は「医療・介護の大改革」をアピールする。
 民主党も政権を握っていたとき、革新的な医療技術の開発を成長戦略に盛り込んでいる。
 医療技術の進歩自体は歓迎すべきものだ。ただ、それを利用するにはお金がかかる。日本の医療費は、だいたい年3%ずつ増えているが、うち1~2%分は「医療の高度化」が要因だ。
 誰がどう負担するのか。

 キーワードになっているのが「混合診療」だ。保険のきかない先進医療は患者が全額自己負担しつつ、保険診療の併用も認める制度である。
 現在、日本での混合診療は、国が認めた一部の先進医療に限られている。国が安全性に責任を持つことを基本としているからだ。その治療の有効性や安全性が十分に認められれば公的保険に取り込む。
 この混合診療を思い切って解禁しようというのが、みんなの党や維新の会だ。患者の自己負担をベースに最先端の医療を広げることを重視する。安倍政権も成長戦略で、現行制度の「大幅拡大」を掲げる

 ただ、混合診療を全面解禁すれば、医療従事者や製薬会社が公定価格に縛られない先進医療にばかり目を向け、公的医療がおろそかになるのではないか。そんな懸念がある。
 先進医療がお金のある患者しか利用できない状態が続き、格差が固定化するのは好ましくないだろう。公的保険が適用される医療をできるだけ広げるのが望ましいはずだ。
 そう考えるなら、各党とも公的医療の財源を確保する道筋を示す必要がある。医療産業の振興を叫ぶだけでは無責任だ。

まあしかし朝日などに「無責任」などと言われては一応選挙等々で国民の判断を受ける政治家としても立つ瀬がなさ過ぎるというものですが、あの「姥捨て山」「あまりに冷たい」と後期高齢者医療制度をさんざん批判していた朝日が高齢者窓口負担優遇特権について「高齢者の反発を恐れ、口をつぐむ党が大半」などと言っているのですから、もしや彼らがまたも変節したという噂は本当なのかも知れませんね。
それはともかく、医療費抑制だ、混合診療導入だといった話になれば一昔前なら何が何でも反対しそうなイメージすらあった朝日のようなメディアでさえ、一応は両論併記といった形でありながら実質的に導入を容認するかのような論調で社説を書く時代になっているのだということはそれなりに重要だと思います。
一昔前であれば大きな改革となるとそれが何であれマスコミからは「国民の声なき声が」と批判され、政治家も実態の明らかでない民意なるものに恐れをなして尻込みするという構図が続いていて、「日本人は昔から急激な変革を望まず、合議によるゆるやかな変化を求めるのだ」などと社会文化論的なことまで言われていたものですが、このところむしろ民意の方が先行し「いつまでぐずぐずしているのか!」と言われるケースが多いようです。

混合診療なども各種世論調査ではおよそ8割程度の圧倒的多数が容認していると言われ、それについては世論誘導だとか詳しいことを知らない素人の意見だとか言われますけれども、実は案外多くの人がそれなりに詳しい情報を知っていて、その上であまりに慎重すぎる政策に異を唱えているという可能性もあるのかも知れません。
いずれにしてもアベノミクスだなんだと言っても未だ劇的に景気が上向き税収が増えたと言うわけでもないのですから、介護スタッフの待遇改善などと言えばその分をどこからか削って捻出してこなければならない道理であって、その意味では拡充だ改善だと景気の良い話ばかりが並んでいる一方で具体的にどこを削るつもりなのかということにもう少しツッコミがあってもいいかなとは思いますね。

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2013年7月 7日 (日)

今日のぐり:「うなぎ なか勝(なかかつ)」

昨今猫も杓子も3Dプリンターという時代ですが、先日こんなちょっとびっくりな利用法が公開され世界的に話題になっているそうです。

3Dプリント技術でアヒルの足が復活!オーマイダッグ!(2013年7月4日秒刊サンデー)

最近よく耳にする3Dプリンターだが、もしかしたら今回の話の影響で活躍の場が飛躍的に広がる可能性がある。今回紹介したいのは生まれつき左足が無いアヒルだ。しかし現代の最先端の3Dプリント技術で義足の足を作成。見事歩けるまでに復活させたというのだ。本物の足ではないにしろアヒルの足を復活させたというハートフルな話題が反響を呼び、Facebookでは1万以上のいいね!を獲得しております。

アヒルの「バターカップ」ちゃんは生まれつき左足に障がいがあるようで上手く歩くことができないほか、上手に泳ぐこともできない。更にばい菌などによって足が炎症するという問題を抱え、切断せざるを得なくなった。しかし現代の最先端の3Dプリント技術を駆使し彼女の足を復活させることが出来た。その一部始終の成長記録ともいえるべき様子がFacebookに記録されている。

義足はシリコン製の樹脂で作られ、バターカップちゃんの足型などをとって作成された。実を言うとプラスチック製のものも作られたがうまくいかなかったという。今回のシリコン製の義足はバターカップちゃんに上手くフィットするのだろうか。

するとどうだろう、バターカップちゃんは見事に何の不都合もなく歩き出したのだ。Facebookページには写真のほか動画などが公開されており、「オーマイゴッド!」「グッド!」と歓喜に湧き上がる声や「グワッグワッ!」といったバターカップちゃんの元気な鳴き声なども聞くことができる。

今後3Dのプリント技術がより進化し、誰でも簡単に義足を作り出すことができるようになれば、活躍の場として広がっていくのではないか。

その様子はリンク先の画像を参照いただきたいと思いますけれども、誰でも銃が作れるようになるだとか若干斜め上方向な利用法ばかり話題になっていただけに何とも清々しいニュースですよね。
本日はバターカップちゃんの健やかな成長を祈念して、世界中からちょっと普通じゃなくて何だかすごいという生き物たちの話題を取り上げてみましょう。

伴奏に合わせて「となりのトトロ」を歌うオカメインコ/世界中で評判に「フェイクじゃないの?」「なんて可愛いんだ!」(2013年6月19日Pouch)

「ウチのペット、歌うたうんですよぉ~」

この言葉どおりのペットに遭遇したことが一度もない記者ですが、さて、みなさんはいかがでしょうか。

しかし今回ご紹介するオカメインコのポコちゃんは、正真正銘、本当に歌っているの! 「え~、またまたぁ」と思ったあなた、海外サイト『Mashable』に掲載されていた映像を一目観れば、すぐさま納得せざるを得ないはず。

みなさんご存知、ジブリ映画『となりのトトロ』のピアノ伴奏に合わせて、軽快に歌い始めるポコちゃん。ほほう、たしかにこりゃあ、歌っていますな……。

加えてポコちゃんのスゴイところは、ピアノのメロディーラインに沿ってそのままなぞるように歌うのではなく、歌い出し部分でちゃんと「自ら歌い出す」ところ! ポコちゃんのスゴ技に、海外からも多くの賛辞と驚きの声が挙がっていました。

「なんて可愛らしいのかしら!」
「ええ、コレフェイクじゃあないの?」
「なんて愛らしいんだ……この子が欲しい」
「可愛いし、むしろ泣ける」
「ジャスティン・ビーバーより上手いじゃないか」
「ウチのインコは”ハーイ”しか言ってくれないよ……」

ジャスティン・ビーバーより上手いかどうかは別として、とにかく芸達者だということは間違いないポコちゃん。もし他にもレパートリーがあるのなら、ぜひとも聴いてみたいものですね。

本当に歌っているのかどうかはこちらの動画を参照していただきたいと思いますけれども、しかしトトロの音楽がこうして世界中に通用しているというのがすごいとも言えますね。
こちら予想外のハッスルぶりと言うのでしょうか、ともかく夏向きに前向きに頑張っていらっしゃるという方々のニュースです。

流しカワウソ、はじめました。(2013年6月16日カラパイア)

 千葉県市川市大町にある市川市動植物園では、やんちゃなコツメカワウソたちに夏を満喫してもらおうと、流しそうめんならぬ、流しカワウソをはじめたらしい。

 そうめんのようには流れていかないものの、この遊具には興味津々のカワウソたち。果たしてどのように遊んでいるのだろうか?

パワーアップ流しカワウソ_市川市動植物園_20130420a

 これは楽しそうだ。流れたり流れなかったりしながらこの遊具を満喫しているようだね。

超絶合体変形流しカワウソ_市川市動植物園_20130420d

 ちなみにこの遊具、飼育員さんたちがカワウソたちの性質を考慮しながら生み出した手作りのもの。排水管用のパイプを半分に切ってつなぎあわせて作ったそうだ。カワウソが流れてきたらついお箸でキャッチしたくなってしまいそうだ。

ちなみにカワウソの声がこんなものなのだとは初めて知りましたけれども、しかし日本でも野生のものがまだいるとかいないとか言うのはどうなんでしょうね…
ネコと言えばあまり長生きするとよろしくないということも側聞しますが、こちらよほどに長生きをしたものかついに超常的な能力を獲得するに至ったようです。

まるで獅子神様のように水面を歩く『猫』が話題に(2013年6月29日秒刊サンデー)

「全ての現象には必ず理由がある」と某ドラマの学者が言うようにこの現象にも必ず理由があるのかもしれない。がしかし現象だけを見てしまうと何故か人はこれを「神の力」と信じてしまう。これは人間に備わった本能である信仰心が自ずとそう導くのかもしれない。実に面白い。さて、とある猫の画像が話題になっております。猫の画像など散々見飽きたという方にも必見です。

(画像)

嘘だろ!猫が水面を歩いている!いったいどういうことだ、まさに神の力イエスの力に違いない。おおイエスよ『猫』の姿になって下界に降りたたれたのですね私はあなたのお帰りを待っておりました。そんな信じ難い書き込みをさせたこの猫の画像。一体どういう仕組みなのだろうか。

「全ての現象には必ず理由がある」そう、この画像にも必ず水面を歩くというトリックが隠されているはずだ。そのトリックを今回は暴いてみたい。まず考えられるのが猫の高速移動。猫は水面を高速移動することにより石の「水切り」のように歩くことが可能だ。参考までに下記動画を見ていただきたい。

http://www.welcometointernet.org/Jesus%20Cat.swf

つまりこの猫は高速移動をして水面を歩いているように見える。その習慣を捉えたものだという説。だが1点疑問が発生する。高速移動しているのであれば猫の残像が残るはずだ。しかも猫は実にのんきに歩いている。とても走る体制では無い。

つまりこの猫は走ってはおらず歩いている。そう考えるともう一つの説として「そもそも水ではない説」が考えられる。水のように見えるこの地面は実は氷である。もしくはアスファルトがが反射している。のどちらかではなかろうか。

いずれにせよ明確な確証が無い。つまり「さっぱりわからない神の力」と言う事だ。

―海外の反応
・イエスは猫だった。
・彼が水の上を歩いているかなり確信している
・それは氷のキリスト教徒である
・これは、すべての理にかなっています
・あなたのイエスは猫として生まれ変わりました
・私はイエスが猫の姿を採用していると思う。
・聖書の中で、彼が人間の形に戻るだろうと言った。
・私たちの新しい猫君主を歓迎する。
・水面をスキップする猫と同じだな。
・トリックではありません。
・それは私のイリュージョンです!
・神は素晴らしい。
・カルキヴィシュヌの最後の化身。
・もののけ姫の獅子神様だ

猫が水面を歩く、実に面白い。

いやしかし奇跡とはかくも平然となされてしまうものなのだということを初めて知りましたが、やはりネコは人に君臨する存在であるという伝説は正しかったのでしょうか。
一方でずっと庶民的?とも言えるのがイヌですけれども、こちら賢いということで表彰を受けたイヌがいるというニュースです。

【絵本のような本当の話】タイで捨て子を見つけて連れ帰った犬が表彰される(2013年6月13日Pouch)

タイのアユタヤで起きたある騒動が世界を驚かせています。なんと、「ゴミ捨て場に捨てられていた赤ちゃんを犬が連れ帰って救った」というのです。

犬は、トンマックさん夫婦の飼うバンケオ犬のプイ(Pui)くん。彼はいつも辺りを徘徊している呑気な犬。その日も、いつものように独りで村を散歩していました。

ところが、ゴミ置き場をあさっていたプイはいつもと違う物を発見。ビニールのゴミ袋のなかに、産まれたばかりの赤ちゃんが捨てられていたのです。しばらくあたりをうろうろしたあと、袋を歯でくわえて家までの道を歩きはじめた。

家に着くと外で吠えはじめたプイ。でも、いつものことなので誰も気にとめません。それでもあんまり吠え続けるので、様子を見に出た子供が赤ちゃんに気づいて大騒ぎに。

赤ちゃんは7カ月で生まれてしまった未熟児の女の子で、へその緒もまだ着いたままの状態だったそうです。すぐに病院に運ばれ、手厚い看護を受けました。現在、順調に回復しているようです。

ところで、プイが何かを持ち帰ったのはこれが初めてのこと。夫婦は運命を感じ、赤ちゃんを養子に迎えたい考えだとか。そしてプイは、地元の赤十字からメダルと真新しい赤い首輪をプレゼントされたそうです。偉いぞ、プイ!

リンク先尾画像を見ますと特にどうということはないイヌに見えますけれども、しかしこうまで詳細に状況が判明しているというのは一部始終を見ていた人でもいたのでしょうか。
こちらは一転してあまりにお間抜け過ぎると話題になってしまったイヌですけれども、まずはニュースを紹介してみましょう。

「だ、誰だっ!?」 自分でオナラをこいて自分でビビる犬(2013年7月2日ねとらば)

 警戒心の強さは動物の本能として重要かもしれませんが、時にはそれが仇となることも? 臆病すぎる仕草が笑えるワンちゃん動画です。

French Bulldog Fart Scare

 てけてけと軽快にお散歩を楽しんでいるフレンチブルドッグ。ふと道端に足を止めた瞬間、気が緩んだのか「プッ」とオナラをしてしまいます。その瞬間、ビクッと後ろを振り返って辺りを警戒するワンちゃん。さらに立て続けにオナラを連発し、その度に大げさに驚いています。

 王道のおマヌケっぷりはYouTubeでも大ウケ。まさに「敵は自分自身」といった様子のワンちゃんでした。

もうね、臆病とかそういう話ではなくてですね…彼の人生が実り多きものになることを願うしかないですね…
最後に取り上げますのは世界一のイヌを競うコンテストなんだそうですが、とにかくこれは閲覧注意という感じでしょうかね?

「世界一醜い犬コンテスト2013」出場犬がブサカワとかそういうレベルじゃない件(2013年6月18日ねとらば)

 毎年カリフォルニアで行われている「World's Ugliest Dog Contest(世界で最も醜い犬コンテスト)」の今年の出場犬が決定。公式サイトでは迫力満点すぎる写真が公開されています。

 世界一醜い犬コンテストは、今年で25周年を迎えるコンテスト。今年も昨年度チャンピオンのマグリー君などを含む27匹が決勝にノミネートされています。紹介文とともにそれぞれの写真が公開されているのですが、どのワンちゃんも目つきや毛並みがかなりヤバめです。

 優勝者は6月21日のコンテスト当日に審査員によって決定されますが、参加者のための楽しみとしてオンライン投票も受付中。優勝したワンちゃんと飼い主には250ドル相当のペット用品などが贈呈されます。

精神的にタフな方々はこちら同コンテストのHPを参照いただければと思いますが、しかしこれは一体何の動物のコンテストなんでしょうかね…
こんなものがすでに25年間も続いているということに驚きますが、この場合出場者には「不細工」という言葉の方がほめ言葉になるのでしょうか。

今日のぐり:「うなぎ なか勝(なかかつ)」

福山地区、と言うよりも広島県内でも一番のうなぎという声もあるのがこちら「なか勝」さんですが、このところのうなぎ相場の高止まりにも関わらず開店早々席が埋まり行列待ちという繁盛が続いているようです。
今回久しぶりの再訪となったのですが、品薄を反映してかメニューはやはり限定版のままでうなぎは並のみ、相変わらず白焼きやう巻きはないようですが、値段は元の値段の二~三割増しくらいには落ち着いてきましたが、持ち帰りも要予約で限定になっているらしいあたり、やはり品不足は続いているんだろうなと感じます。

まずはひつまぶしの待ち時間にうざくをつつくのはいつものことなんですが、こちらのものは変に甘かったりはせずすっきりしているのはいいとして、酢そのものはややとがった味でもう少し改善できそうに感じます。
ちなみにこちらのうなぎはタレ少なめで頼むのがもはやデフォルトになっていますが、醤油とは別にタレがテーブルに置かれているところを見ると同じような要望は結構あるのかも知れずで、それでもかなりタレの味は強めなんですが腹開きでさっくり焼き上げたうなぎはやはりうまいですね。
今回嬉しい誤算はひつまぶしにセットになっているのがお茶から出汁になっていたことなんですが、個人的にはやはりこっちの方が断然いいなあ…と思いますし、ちゃんとお茶も出るのでどちらも楽しめるのはいいですね。
飯も硬めの炊き上がりでちゃんと粒が立ってるのは合格ですが、これもそこらの飯屋に比べると十分いい方になりますけれども米自体の味はさらに改善可能に思いますね。
うな重もタレは控えめで頼んでみてもうなぎ自体の味が強いのでこれで十分だと思うのですが、ただひつまぶしがこうなるとうな重のメリットがますます薄れるなあとは感じました。
ちなみに付け合わせでは漬物などもさすがに一目でわかるような粗悪品ではありませんが、既製品らしい今風の減塩もので発酵も浅いので漬け物を食べたという感じではありませんね。
いつも浮いているなあ…と感じるカットオレンジといい、原価が高くともやはり相対的に高価格帯の店になるのですからうなぎ以外にももう少しこだわってもいいかなとも思うのですが、まあしかし焼きに関しては今のところこちらが一番好みに合いますね。

ところでこちらの場合接遇面ではいつも気になっていたのですが、今回少しフレンドリーになったのかな?と思ったんですが相変わらずの人もいるようで、ここまで来ると接遇教育云々と言うよりキャラクターの問題かなとも思います(内容的に同じようなことを言ってもいちいち人を不快にさせる人間はいますからね)。
店側もそういったところは特に気にしていないということなのか、あるいはすでにキャパオーバーだからこれでいいと思ってるなら客商売としてどうなのかですが、ネットでざっと見た範囲でも同様に感じた人は少なからずいるようですから、これまたうなぎ以外にももう少しこだわりを…ということなんでしょうか。

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2013年7月 6日 (土)

電力とテレビ 契約しない自由発揮の難しさ

なかなかに判断の難しい事例だと思うのですが、原発事故以来問題になっていることの一つとしてこういう話があります。

電力供給、初の停止 値上げ拒否で契約切れ(2013年7月4日J-CASTニュース)

  東京電力による企業向け電気料金の値上げを受け入れず、契約が切れた後も料金を払わずに電気を使用していた千葉県内の娯楽施設に対し、東電が電力供給を停止したことが2013年7月3日、明らかになった。契約更新の拒否による料金未払いを理由に電力供給を停止したのは初めて

   東電は、電力供給の打ち切りを5月末に文書で通知、7月2日に送電を止めた。現在、娯楽施設は休業状態で、滞納している電気料金は数百万円にのぼる。娯楽施設は「払えない」と支払いを拒否していた。

電気料金値上げ拒否の滞納1100件! 「ゴネ得」「送電停止は当然」の声(2013年2月28日J-CASTニュース)

   電気料金の値上げを拒否して東京電力に1年近くも滞納している工場や事業所などが約1100件もあることが分かり、疑問の声が上がっている。どんな事情があるというのか。
   1100件もの滞納があることは、新聞各紙が2013年2月28日に一斉に報じた。

東電、拒否続ければ送電停止を検討

   企業向け電気料金については、東電が12年4月から平均で14.9%値上げしている。震災の影響で原発が相次いでストップし、火力発電の依存度が高まって燃料費の負担が増えているのが主な理由だ。
   電力自由化で料金は1年ごとの更新になっており、これまで約22万件が値上げ後に契約した。しかし、まだ0.5%が電気を使いながらも支払いを拒んでおり、東電では27日、このまま拒否を続ければ、送電をストップさせることも検討することを明らかにした。
   その理由について、東電では、料金を払っている事業者から不満が上がっており、事業者間の不公平感をなくすためと説明している。滞納額は、これまでに70億円にも達しているという。

   それらの事業所などでは、どんな事情で滞納を続けているのか。
   フジテレビ系で28日に放送された「とくダネ!」では、キャスターの小倉智昭さんが知っているゴルフ場のケースを挙げた。
   それによると、原発事故後に汚染の影響を恐れて利用者が激減し、東電に対し、被害の補償を要求している。しかし、補償の話は進まず、そんな中で電気料金値上げが持ち出されたため、ゴルフ場側が反発しているというのだ。小倉さんは、こうした事業所などがかなりあると聞いたと明かした。
   とはいえ、こうした事情と使った電気料金を払わないことは別だとの声がネット上では多い。

マスコミの報道ぶりにも批判出る

   「主義主張はあれど、払うべきじゃないのか。ゴネ得はいかんだろ」「使いながら支払いしないのはひどいな」「カネ払ってないんだから止めるのが当たり前」といった指摘だ。
   東電の送電停止方針について、「強制的に打ち切れば利用者からの批判を浴びそうだ」などと報じた新聞もあったが、「マスゴミ君はバッシングしたくてしかたがないらしい」などと報道に疑問が出ている。
   もっとも、東電に対して、「思い上がりもいい加減にしろ」「競争原理をもっと入れようよ!」といった声もある。反原発を掲げる人たちからは、罵声を浴びせられているようだ。

   東電の広報部によると、滞納しているのは、主に首都圏を中心にした中小の工場や事業所だという。中には、60回も足を運んでも契約しようとしないところもあったそうだ。
   ネット上では、「検討じゃなくサッサと止めろよ」との声もあるが、東電では、「説明する必要がありますので、直ちには止められません」とした。
   被災がらみもあるかは、把握していないという。分かっても個別のことは回答を差し控えたいと言っている。

基本的に電気などの社会インフラの類は税金と同じで、その恩恵に浴している以上支払わないという選択枝はないと思うのですが、このところ電力自由化という名目で料金がやたらと変わっている、しかも原油高だ為替変動だと言って値上げするときは躊躇ないのに値下げはしたがらないのはおかしいと言う声は以前からあったのは確かですよね。
そこにあの原発事故ですから東電管内では特に何かと面倒なのでしょう、かねて言われているように電力も競争原理を導入すればこんな一方的な売り手側の言いなりにならずにすむのに…という声も根強くあるようですが、他方では国が話を進めている発送電分離などもすでに実施されている海外からは「全然いいものじゃないぜ」という声も届いているように、インフラ整備には必ずしも自由競争が最良というものでもなさそうです。
いずれにしてもこれで自前の発電施設なりを作るなり、一切の送電を拒否するなり「腐れ東電の世話にはならない」とでも啖呵を切っていればまた違っていたのでしょうが、現状ではやはりいくら不平不満があろうが使うだけ使って料金を払わないのでは世間の理解を得られないでしょうし、今回の送電停止もやむを得ない処置ではあったのでしょう。
ただそれも筋道の通った選択枝が用意された上で自己決定が出来るという前提条件が担保されているが故の話なのですが、こちらの話になってきますといささか世論の風向きも変わってくるようです。

本人が拒んでも「受信契約成立」 NHK訴訟判決はアリなのか?(2013年6月29日弁護士ドットコム)

本人が拒んでいても「契約」が成立する場合がある——?

NHKの受信契約をめぐる裁判で、横浜地裁相模原支部は6月27日、「契約を命じる判決によって、受信契約が成立する」という判断を示した。裁判所がこのような判断を示すのは、これが初めてという。
この裁判は、NHKが神奈川県の男性に対して受信契約を結ぶように何度も要請したが拒まれたため、契約と受信料の支払いを求めて提訴したという内容。男性は「テレビが壊れていた」と主張したが認められず、裁判所は男性に対して、2009年2月〜13年1月までの受信料10万9千円の支払いを命じた。
たしかに放送法では、テレビ(受信機)を設置していれば受信契約をしなくてはならないと決まっている。しかし、契約とは本来、当事者の自由な意思によって結ばれるものだ。
このように、本人の意思に反して義務を課すことを、「契約」と呼んでいいのだろうか。ほかにも、同じようなケースはあるのだろうか。山内憲之弁護士に聞いた。

●法律で契約を強制するのは、極めて例外的

「『判決によって受信契約が成立する』という理屈を、おかしいと感じる方も多いと思います。自分はNHKと受信契約をした覚えがないのに、裁判所が代わりに受信契約を結んだことにするというのですから」

――根拠はどこにあるのか?

「民法414条です。そこでは、債務を履行しない人に対し、裁判所が強制的にやらせる際のルールが定められています。債務というのは、法律的な義務のことで、典型的には借金ですね。ようは、『借りた金を返したくない』という人に対して、強制的に支払わせるような場合の決まり事です」

――今回に当てはめると?

今回の債務はお金ではなく『契約をするという義務』です。具体的には、放送法上の『テレビを置いておけば、NHKと受信契約しなければならない』という義務ですね。

契約のような『法律行為を目的とする債務』を強制させる場合は、『裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる』(414条2項のただし書き)と決まっています。つまりは判決が、契約の意思表示の代わりになるということです」

――そういった例は、よくあること?

「いえ、法律で契約を強制されるというのは、極めて例外的な事態というべきです。私たちには自由意思がありますからね。

似たケースとしては、東日本大震災で注目された『原子力損害の賠償に関する法律』がありますね。この法律には、原子力事業者は、必ず損害保険契約をしておかなければならないという定めがあります(7条)。万一原発事故で、多額の賠償が発生した場合にも、事業者が着実に支払うよう備えさせるという点で、その趣旨は理解できます」

――NHKの受信契約には、どんな正当性があるのか。

「私たち視聴者に受信契約を強制してまで、NHKを存続させる意味があるのか。この点については人それぞれの考え方があるでしょう。

ただ今回、改めてこのような判決が出たわけです。NHKとしても今後いっそう、この判決や放送法に恥じない番組づくりをしていってほしいと願います」

NHKは近年受信料徴収について非常にアグレッシブになっていて、以前から現場の裁量ですませていたホテル客室のテレビに関しても裁判に訴えても厳重に取り立てるという方針に転じていますが、その背景にあるのが近年相次ぐ数々の批判に連動する受信契約解除の動きであることは言うまでもありません。
放送法によればテレビを受信できる機器を持っていれば契約し受信料を支払うことになりますから、先の電力会社の例に従えば「電気を使わないことで料金を払わない自由」を発揮するためには、受信料に関してはテレビを持たないことによってその自由を獲得するという形が考えられますけれども、今の時代これがなかなか大変です。
昨今話題になっているように携帯電話やPC、カーテレビからも受信料を取るというNHKの野望もいずれ具体化してくるはずですが、現在のこうした機器には当たり前のようにテレビ受信機能が搭載されていることを考えると、受信器を持たないことにより契約をしない自由を発揮することは極めて難しくなってきていると言えますね。

本来NHK問題は二つに分けて考えるべきなのでしょうが、実質的な国営放送として政府公報など必要欠くべからざる機能を発揮しているのも事実なのですから、この部分に関しては受信料徴収などとコストとマンパワーばかり無駄に浪費する(これ自体も利権化しているのでしょうが)行為はいっそ中止して税金で運用するということも視野に入れて良いと思っています。
ただそれとは別にNHK自身がニュースや娯楽番組など民放でやっても構わない部分に関して、世間的に批判に値する放送内容を繰り返すというのであればこれに対しては弁護の余地はないところで、しかもそうしたあきれた番組の制作に要する経費を強制的に負担させられるというのは国民にとってはおもしろくないのは当然です。
これら両者をきちんと別会社なり別チャンネルなりに切り離した上で、後者の不必要な放送部分に関しては以前から言われているように任意契約制を取りスクランブラーなりで対応するようにすれば全く問題ない話だと思うのですが、NHKとしては強制的強圧的に受信料を支払うよう国民に強いるというのですからおだやかではありません。
こうした法律はあまりに一方的だ、おかしいと考える人がどんどん増えてくればいずれは放送法を改正しようという動きにもつながってくるのでしょうが、場合によっては憲法まで変えようという話が普通に出ている今度の参院選にも全くそのあたりが争点になる気配はありませんから、ほとんどの国民はこうしたことにはあまり問題意識を抱いていないということになるのでしょうか。

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2013年7月 5日 (金)

医療の勝ちパターンは一つに限られたものではない

多くの臨床家が「あ~あるある」と言ってしまいそうな記事が先日出ていましたので紹介しておきましょう。

「在宅復帰できる患者だけ送って」って言われても(2013年7月4日日経メディカル)

 医療財政の逼迫やマンパワー不足の問題もあり、機能分化の推進が大命題となっている病院経営。急性期、亜急性期、回復期、長期療養といった「棲み分け」を進めながら患者に効率的な医療を提供するための、病院相互の円滑な連携が重要な課題となっています。
 経営的な視点からも、連携は重要なキーワードです。急性期病院では急性期治療が終了した患者を適切に転院させられないと、患者の受け入れや平均在院日数、入院単価の面でマイナスの影響が出ます。亜急性期や回復期を担う病院においても、これは同様です。また、近年、連携関連の診療報酬は拡充される方向にあります。
 とはいえ、スムーズな連携を実現するにはさまざまな困難が伴います。『日経ヘルスケア』6月号では、急性期、亜急性期、回復期、長期療養を担う4病院で連携業務を担当するメディカルソーシャルワーカー(MSW)に集まっていただき、円滑な連携を実現する上での課題と、連携体制を充実させるためのポイントを語り合ってもらったのですが、様々な苦労話が披露されました。

「胃ろうを造設してから送ってください」

 参加していただいたMSWの方から、問題点として指摘されたのは以下のようなことです。

「退院理由をきちんと説明せずに、流れ作業的に転院を進めてしまったため、受け入れ先からクレームが届くことがある。退院宣告は医師がきちんとすべき」
「医療必要度が低い患者さんの受け入れ先がなかなか見つからない」
「転院先で提供される医療に関して十分な説明をしてくれていないので、受け入れた患者さんが気落ちして治療が難しくなる例がある」
「受け入れ先からは、『在宅に帰れる患者さんだけ送って』とリクエストされることが多い」
「『あの病院に移れば治してもらえるから』などと言って無責任に送り出してくる
「『末梢点滴だけで最期を迎えたい』と望む患者の受け入れを打診すると、『死にに来るための患者は受け入れられない。中心静脈栄養か胃ろうを造設してから送ってください』と返事が来る」
「連携関連の診療報酬の算定漏れが多い」

「報告制度」がやって来る

 日本の医療提供体制は、今、再編に向けた過渡期の真っただ中にあります。
 厚生労働省の検討会では現在、「病床機能情報の報告制度」の議論が進んでいます。これは、各病院・有床診療所が持っている病床の機能の現状と今後の方向性を「病棟」単位で都道府県に自己申告するものです。
 医療機関からの申告を受けた都道府県は、それぞれ地域の医療需要の将来推計と照らし合わせながら、医療機能の分化と連携を推進するための「地域医療のビジョン」を策定します。また、ビジョンの中では、地域ごとの機能別の必要病床数を算出する方向です。つまり、報告制度を通じて各医療機関が申告した機能別病床数の合計値と比較すれば、機能別の需給ギャップが明らかになるのです。
 これを通じて、自主的な機能分化を促進したいというのが、厚労省の基本的な考え方です。この報告制度は、早ければ来年度から始まる予定です。

現場力が問われる連携促進

 さて、機能分化を進めるには、円滑な連携が不可欠となります。その実現のためには、診療報酬面を含め、厚労省がどのような環境整備を行うかが大きな鍵となるのは間違いありません。
 ただ、今回の座談会での話から、連携の意義や必要性に関する「患者教育」「職員教育」、さらには、急性期から亜急性期・回復期、慢性期、在宅といった各機能での医療内容に対する「相互理解の促進」など、現場での主体的な取り組みが、厚労行政の施策以上の重要性を持つと感じました。
 紹介元が、転院の意義と、移った先の医療機関で行われる医療についてきちんと説明できなければ患者が不安になるのも当然です。また、転院先の医療機関が、紹介患者のその後に関する情報を紹介元に適宜提供していなければ、紹介元の病院も患者に対して転院先に関する適切な説明はできません。さらに、相互理解が乏しければ、お互いの機能にマッチした患者の紹介も難しくなり、信頼関係も築きにくくなります
(略)

記事の末尾にも書いてありますけれども、特に基幹病院においては平均在院日数短縮が声高に叫ばれ病床の管理も厳しさを増している昨今、ともすれば地域連携部門任せでただ単に患者を受けてくれるということだけを最優先で転院の手配を進めているという傾向がありますが、受ける側にもそれぞれ病院としての特色や医療に対する考え方があるのは当然ですよね。
特に昨今では慢性期であっても期限なしに幾らでもいてくださって結構、などという施設はまず考えられないもので、それだけにどのような状況になったら退院できるかという中長期的な治療戦略もなしに放り出されても困るという受け手の先生方も多いでしょうけれども、未だに「こちらでやることは終わりましたので後よろしく」的な送りつけ方をしている先生も少なからずいるのでは?と思います。
もちろん地域内で病診病病連携に対する理解が進み、施設間の分業体制がきちんと整っている地域では阿吽の呼吸で話が進むのでしょうが、見ず知らずの施設からろくに情報提供もなく送りつけられてきたのでは送られる方も一言なしではいられないもので、最悪の場合「今後あそこの病院からは受けるな」なんてことにもなりかねませんよね。

昨今終末期医療問題に絡んで語られることの多い胃瘻など経管栄養の問題に関しても難しいところがあって、施設によっては「うちはそんなもの作れないんだから、そっちで作って面倒は全部片付けてから来て」というところもあるでしょうし、「急性期の施設が下手に経管栄養なんて始めるからややこしくなる。終末期医療のことはこっちが専門なんだから任せろ」と先方が勝手に話を進めることを嫌がる施設もあるでしょう。
その辺りのことも相互の医師同士がきちんと連絡を取り合って急性期から慢性期へと有機的に連携出来れば理想的なのですが、関連病院や顔見知りならばともかく見ず知らずの施設の先生とそこまで突っ込んだ話もなかなか出来がたいのは確かで、患者さんからすれば転院早々なぜ担当医が不機嫌なのか判らず困惑するということもあるかも知れません。
それでも治療やリハビリで回復し退院する見込みがあればまだしもですが、人生最後の終末期がそんな連絡の行き違いで混乱したものになっては報われないというものですから、患者側としてもまず何をどうしたいのか、最終的なゴールとしてどこを目指すのかということを早い段階からよく相談しておくことが大事なんだと思いますね。

終末期医療 話し合い大幅増加(2013年6月27日NHK)

病気の回復の見込みがなく、死が迫っている終末期の治療方針について、厚生労働省がアンケート調査を行った結果、医師や看護師それに介護職員のうち「患者や家族と十分に話し合いを行っている」と答えた人は、いずれも40%前後にのぼり、前回の5年前の調査より大幅に増えたことが分かりました。
これは27日行われた厚生労働省の専門家会議で報告されました。

終末期の医療について、厚生労働省は、5年に一度一般の人のほか、医師、看護師、介護職員を対象に意識調査を行っていて、今回は合わせて6902人から回答を得ました。
それによりますと、「治療方針について、患者や家族と十分に話し合いを行っている」と答えた人は、医師が43.1%、看護師が37.2%、介護職員で49.8%と、5年前の前回の調査と比べて、いずれも3倍から4倍に増えました
また、終末期に自分で判断できなくなった場合に備えて、受けたい治療や受けたくない治療などを記載した書面を、あらかじめ作っておくことについて、「賛成」と答えた一般の人は69.7%で、前回よりも7.8ポイント増えました。

会議の委員で定山渓病院の中川翼院長は「超高齢社会を迎え、これまでタブーとされてきた終末期についてオープンに語る雰囲気が出てきているためだと思う。介護現場では、看取りについてまだ不安も大きいので、医療との連携を進めたりすることが必要だ」と話しています。

事前に治療方針7割賛成 終末期医療で意識調査(2013年6月28日中国新聞)

 厚生労働省が一般国民を対象に実施した終末期医療に関する意識調査で、自分で治療方針を判断できなくなった場合に備え、どんな治療を受けたいか、受けたくないか記載した「事前指示書」を作成することに賛成との回答が7割に上ったことが27日、分かった。

 調査は5年ごとに実施しており、今回が5回目。今年3月に無作為に選んだ20歳以上の5千人に調査票を郵送し、2179人が回答した。

 事前指示書の作成に「賛成」とした人は69・7%で、「反対」は2・3%、「分からない」が27・0%。実際に作成している人は全体の2・2%だった。

 自分で判断できなくなった場合に、本人に代わって治療方針を決める人を事前に指定しておくことには62・8%が賛成した。

 「誰に治療方針を決めてもらいたいか」との設問には、「家族らが集まって話し合いをする」が44・6%で最も多く、「自分のことを一番よく分かっている人」34・0%、「担当する医師や医療・ケアチーム」10・4%と続いた。

 死期が迫った際の治療をどうするか、家族と話し合ったことが「ある」は42・2%で、「ない」の55・9%を下回った

 一般国民とは別に、病院や診療所の医師3300人を対象に実施し921人が回答した調査では、終末期の治療方針に関する患者や家族との話し合いを「十分に行っている」との回答が43・1%を占め、前回調査の11・7%から大幅に増えた

5年前に比べて3倍から4倍に増えたと言えば大変な増加ぶりだ、結構なことじゃないかと思うのですけれども、よくよく読んでみると過半数の医師ら病院スタッフが治療方針という自己決定権の根管を為すことについて、患者や家族とろくに話し合ってもいないというのはおかしな話じゃないか?とも受け取れますよね。
もちろんこの場合「十分に」話し合いを行っているという言葉の定義をどう受け取るかで、特に医師の場合自分と他人とを問わず厳しめの評価を下しておくことが症例検討会などで習慣づけられた先生方が多いでしょうし、記事からすると普段からそうした話し合いをしているかどうかのようですから、一般人と比べれば十二分に高いという評価が妥当なのかとも思います。
この種の調査ではしばしば自分自身の場合と家族の場合とで意見が大きく異なってくるということがありますが、それだけに医療側と患者側との摺り合わせだけでなく、患者と家族との摺り合わせも非常に重要であるはずで、何しろ終末期の方針を実際に決めることになるのはほとんどの場合本人ではなく家族なのですから、実のところまずは家族内で十分意思統一を行っておくことが極めて重要だと思いますね。

ところで今回に限らず調査を見ると案外異論が少ないというのでしょうか、実際にはその時になってみないと判らないという場合も多いのでしょうが大多数の国民が終末期医療というものに対してほぼ共通したイメージを持ってきていると言うことが言えると思いますが、現在の終末期医療の議論のポイントはその大部分が抱く「かくあるべし」をどうやって実現していくか、あるいは何故希望通りに行われていないのかという議論ですよね。
例えばよく言われる「延命治療を中止すると後で罪に問われるかも知れない。だから医者も家族も馬鹿馬鹿しいと思っていても続けざるを得ない」という問題については一昨年暮れから政府や学会などを中心に議論が進むようになり、各種ガイドラインなども整備されて臨床現場への滲透が図られていますけれども、手続き上の大変さなど運用上の制約もさることながらやはり現場意識はまだ追いついていないところがあります。
ただ療養型の施設などいわゆる看取りを専門にやっているところではすでに延命処置を行わないこと自体は普通に行われるようになってきていて、実際に「急変しました。治療お願いします」と急性期に逆紹介されるようなケースはずいぶんと減っていると思いますけれども、それもこれもきちんと患者や家族と担当医との間で明示的あるいは暗黙の意思統一が出来ているからこそという側面があります。

要するにこの状態であれば一般大多数はこうするだろうという無難な線であればさしたる問題もないのですが、患者なり家族なりが世間一般とは外れた要望を持っている場合に話がややこしくなりやすいもので、そうであるからこそ例外的な看取り方を希望される方々は先生お任せしますで放置するのではなく、家族側からも繰り返し担当医とよく相談して意思確認を徹底しておく必要があるんじゃないかと言うものですね。
医療の側としてはそうした「ちょっと普通じゃない方々」というのは正直あまり関わりたくないという気持ちもあるでしょうが、潜在的に係争化しやすいからこそ念入りに話し合いもしておく必要があるということは言うまでもないことで、何かひっかかりを感じればとにかく十分に意思確認をしておくことが後々の紛争化を防ぐ一番確実な方法なんじゃないでしょうか。
終末期医療の特徴として誰が何をやったところで結果にさして変わりはないという側面があると思いますが、それだけに純粋な医療面での努力よりもその他の部分での努力の方が顧客満足度に直結しやすいということもあって、患者さんが元気に玄関から出て行けば勝ちの急性期と違ってご家族が皆さんニコニコしながら裏口から去っていくのが理想なのだという感覚が必要なんだと思いますね。

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2013年7月 4日 (木)

癌拠点病院 都道府県単位での連携を強化?

同じニュースを扱った報道なのですが、見出しだけを見ていると「いったい厳しくするのか緩和するのかどっちやねん!」と突っ込みたくなるのがこちらの記事です。

手術、年4百件以上…がん拠点病院の要件厳しく(2013年7月2日読売新聞)

 がん診療体制を議論する厚生労働省の有識者検討部会は2日、専門的ながん医療を行う「がん診療連携拠点病院」の指定要件について、年間手術件数400件以上などを加え厳しくする方針で合意した。

 がん医療の質を高める狙いで、来年度にも導入される見通し。

 拠点病院は、肺、胃、肝臓、大腸、乳がんなどの専門的な治療を行う医療機関で、全国に397施設ある。これまでは、年間のがん入院患者がのべ1200人以上などを指定の目安としてきたが、診療実績などの差が大きく、十分な役割を果たしていない病院もあると指摘されてきた。

 検討部会では、年間〈1〉手術件数400件〈2〉薬物療法1000件〈3〉放射線治療200件――などを新たに指定要件に加え、満たさない場合は指定を取り消すとした。ただし、もともとの人口が少ないなどの地域事情は考慮する。

がん治療に「診療病院」 厚労省、指定要件を緩和へ (2013年7月2日日本経済新聞)

 厚生労働省の作業部会は2日、がん治療を専門的に行う「がん診療連携拠点病院」の指定要件の見直し案を大筋でまとめた。拠点病院のない地域では、患者の多い胃がんなどで一般的な手術ができる「地域がん診療病院」を新設するのが柱。拠点病院よりも指定要件を緩和する。

 厚労省は2014年度中にも新たな要件に沿って病院を指定し、がん治療の提供体制を強化する。

 厚労省は01年以降、人口などを目安につくる地域の医療圏に、拠点病院を原則1施設置くことを目指してきた。現在、計397施設の拠点病院が整備されているが、全国にある344の医療圏のうち、107医療圏には拠点病院がない。こうした地域による偏在の問題のほか、拠点病院間で生じた治療・相談体制の格差も指摘されていた。

 見直し案では、原則として拠点病院のない医療圏に診療病院の整備を進め、拠点病院と連携して患者の治療に当たることを求めた。診療病院の指定要件は、医師や医療スタッフの配置などの面で、拠点病院よりも緩和した。

 一方で拠点病院の指定要件は厳格化。診療実績はがんの手術が年間400件以上、薬物療法が同延べ1000件以上、放射線療法が同200件以上がそれぞれ望ましいとした。

記事にもありますようにこの癌診療拠点と言うもの、元々は全国各地の施設間であまりに癌診療成績に差がありすぎるのではないかということで、一定水準の医療を担保するため各地の二次医療圏に一つを目安に指定が進められてきたわけですが、そもそも二次医療圏と言っても都会と田舎では全く事情が異なるわけですから、当初からその指定には医療水準以上に政治的意図が重視されたなどと言われていたものでした。
現在全国で400弱とほぼ数字上は全二次医療圏を充足するほどの指定施設がありますが、当然ながら田舎では到底こんな要件を満足する施設が一つもないという場合もままあるわけで、今回緩和されたというのは拠点病院よりも少し格落ちした診療病院をその代替施設として認定しましょうということですね。
それだけですとものすごい数の施設が要件を満たすことになってしまいますが、一方で厳しくするというのは本来の拠点病院の認定基準を厳しくしましょうということで、実質的に全二次医療圏に拠点病院をという計画をあきらめ拠点病院の質的担保を重視したという形でしょうか。

ちなみにこの二次医療圏に一つというのが正確には「地域がん診療連携拠点病院」と言いますが、拠点病院にはこの地域拠点病院と全国的な中枢になる国立がんセンター、そしてその中間に都道府県内の癌診療の中枢となる「都道府県がん診療連携拠点病院」が指定されていて、診療のみならず医師への研修等も担当するということになっています。
先日の厚労省のワーキンググループではこの都道府県拠点病院に関してもより大きな権限を与え、地域全体での癌診療の調整薬として機能することを期待すると言う方向で議論がまとまったようなんですね。

都道府県がん拠点に権限と責任- 厚労省検討会のWGが報告書(2013年7月2日CBニュース)

 厚生労働省の「がん診療提供体制のあり方に関するワーキンググループ(WG)」(座長=若尾文彦・国立がん研究センターがん対策情報センター長)は2日の会合で、WGとして上部組織の検討会に提出する報告書に、都道府県がん診療連携拠点病院に一定の権限を与え、各都道府県のがん診療全体を見渡し、必要な調整などをする責任を負わせる仕組みを盛り込むことを決めた。

 同WGは、がん診療連携拠点病院(拠点病院)の指定要件を見直す厚労省の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」の下に今年5月に設置され、4回にわたり議論を続けてきた。この中で、都道府県拠点病院が中心となり、地域の拠点病院の機能を底上げしていく方向を確認。都道府県拠点病院が、がん診療連携拠点病院連絡協議会で共有した事項を、地域の拠点病院に連絡するよう徹底するだけでなく、都道府県拠点病院は都道府県内の情報を集約し、発信する役割も担う。

 都道府県拠点病院の相談支援センターは、教育機能を備えることになり、都道府県内の相談員の継続的なスキルアップを目的とした研修を実施。都道府県拠点病院は、都道府県内で行われている臨床試験に関する情報提供を行うほか、拠点病院の機能を改善するために実施する実地調査や、PDCAサイクルの確保も主導する。
(略)

もちろん各施設が独自にやっているよりもどうせ病診病病連携だ、医療データの共有だと言われる時代なのですから、各都道府県内で有機的なネットワークを形成して統一的にやっていった方がいいだろうという理屈は判るのですが、実際のところは仕事をしているのは生身の人間なのですからなかなか難しい部分もあるのではないかなという気がします。
と言いますのもこの都道府県拠点病院というもの、顔ぶれを見ていただくと判る通り都市部ではがんセンターなども指定されているのですが地方ではほとんどが医大の付属病院で、同県内の各拠点病院が同じ大学の系列ということであればこれは何も問題はないわけです。
しかしこうした地方のいわゆる駅弁医大は多くの場合県内有力病院の人事さえ周辺有力大学に握られていることが多く、一方で癌に限らずおよそ疾患の治療法というものは各医師の所属する大学の系列に依存することが多いですから、都道府県の中枢たる都道府県拠点病院と県内の有力拠点病院との間で治療方針が全く違ってくるということもままありそうですよね。

学会などでも各大学が影響力を発揮するために評議員を何人送り込めるか競ったりだとか、大規模臨床試験なども都道府県単位でということはまず無くて大学の系列等に従って行われていることを考えると、特に名門医学部から地方の関連病院に降ってきた偉い先生が学会内で影響力もない田舎大学の言う通りの診療を行うという光景も想像しがたいものがあります。
ましてや今回都道府県拠点病院が県内各地の拠点病院の機能や連携を改善するために指導力を発揮することを求められているわけですけれども、文字通り解釈すれば学閥の壁を越えて診療について口出しをしていいというふうに聞こえますから、「おたくの病院も今度から県下統一の治療法でやってくれ」などと強圧的なことを言い出せば下手をすると各地でまたぞろ医療崩壊と言われるかも知れずですね。
すでに久しく以前から大学の医局制度も崩壊したなどと言われながら、何十年も続いてきた制度だけに未だ中堅からベテラン層に関しては豊富な人材をどこも沢山抱え込んでいるわけで、こうした手駒が各地の中核病院で偉い役職についている以上はやはりその影響力と相互関係を無視して「かくあるべし」論だけで采配することには無理があるんじゃないかという気がしますが、実際に何がどうなるのかは今後に要注目でしょうか。

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2013年7月 3日 (水)

事故対策はリスクと利益のバランスが難しいですが

もちろん昔から驚くようなニュースは時折あったものですが、先日出たこちらの痛ましい事故報道には多くの人々がびっくりしたのではないでしょうか。

給食詰まらせ小2男児死亡...札幌(2013年6月28日読売新聞)

 札幌市南区南31西9の市立南小学校(中島啓子校長)で27日、特別支援学級の2年生の男児(7)が、給食に出されたプラムの種を喉に詰まらせて死亡した。北海道警によると、死因は窒息死。

 札幌市教委によると、事故が起きたのは同日午後0時55分頃。男児は担任教諭2人と他の児童3人と計6人で、タケノコご飯や三平汁などの給食を食べた。最後にデザートのプラム(直径約4センチ)を食べた時に、もうすぐ食べ終えるという段階で、果肉が少し残った状態の種(直径約1・5センチ)を口にいれた。男児には知的障害があり、すぐ隣にいた20歳代の女性教諭が「種は出すんだよ」と声をかけたが間に合わず、喉を詰まらせた。

 女性教諭や駆けつけた中島校長らが、男児の背中をたたいたり、口の中に手を入れたりしてはき出させようとしたがうまくいかず、119番で駆けつけた救急隊員が同1時20分頃、吸引機で取り出した。男児は札幌市内の病院に搬送されたが、同2時過ぎに死亡が確認された。

 27日午後6時半から、札幌市中央区の市教委庁舎の会議室で記者会見を開いた中島校長は「痛ましい事故を起こし、ご両親に大変申し訳ない」と述べ、声を詰まらせた。掃除機を使って種を吸い出そうともしたが、男児の口を開かせることができなかったと説明し、無念さをにじませた。一方、中島校長は事故後の対応について「救急要請が遅れたとは思っていない」と述べ、問題はなかったとの認識を示した。

思いがけず不幸な結果となったことには全くご冥福をお祈り申し上げるしかありませんが、記事から読み取れる限りではむしろ素人ばかりの現場で非常に立派な初期対応をされたのではないかという印象を受けます。
以前に「新小児科医のつぶやき」さんが丁寧にまとめられたように、こうした小児の窒息死事例などそうそうあることでもなく(実際大多数の窒息死は高齢者です)、たまたま低学年の小さな学童で知的障害があり、なおかつ種も大きかったといった偶然が重なった稀な出来事であったと言えるかと思いますね。
まさに「新小児科医のつぶやき」さんが「この程度の数になると、これをさらに減らすのは政策としては非常に難しいというか、効果を上げ難いもの」と指摘されている通りで、特に引用されている窒息死の原因食品一覧をみますと果物の種というものはリストアップされておらず、仮に民事訴訟になった場合に事故の予見可能性としては非常に低いということになるのではないかという気がします。
もちろんだからと言って結果が変わるわけでもありませんから、こうした誰のせいとも言い難い事故に対して学校や病院などは無過失補償制度なり保険なりを用意しておくべきであるかなと思うのですが、こうした事故になると必ず識者なりを自称する方々が「こんな危険性は予測出来たはずだ!」などと言い始める、その結果過剰反応とも言える「事故対策」で確かに安全にはなったんだろうけれども…ということがしばしば起こりますよね。

先日話題になった給食によるアレルギー死の事故などはアレルギー患児自体も非常に多くなっていることがそもそもの原因なのですが、深刻なアレルギー持ちの児童に弁当持参などと一律の「安全な対応」を取らず、家族ともよく相談しながらアレルギー患児専用のメニューを用意するといった努力を続けていたことが結果的に仇となったという二重の意味で不幸な事件であったわけですね。
一方で学校側と保護者向けとで献立表が複数存在するなど非常に運用上の複雑さが重なって事故の誘因となっていたことも事実で、当「ぐり研」でもせめて献立表を一種類に統一するか、いっそ藤田保衛大の宇理須厚雄教授の言うところの「『除去食の子はおかわりなし』とシンプルに運用したほうがいい」と言う見解を支持していました。
その後市当局の方で議論されて実際に先日「当面はおかわりなし」という対策が取られることになったそうですが、「そこまで言うのなら弁当持参でいいのでは」「これじゃアレルギーの子供がよけい肩身の狭い思いをするだけ」等々様々な意見が飛び交っているようで、はげしく議論の分かれそうな判断の難しい問題であることは十分に理解できます。
ただ食物アレルギーの場合一校内で100人単位の被害が出るほど対象患児が増えている、そして各人各様の原因物質に個別に対処するには運用上の複雑さがあまりに増してかえって事故リスクが増えてしまうこともあって、どうしても安全策寄りの対応が優先されてしまうのは仕方ないかなとも思いますが、冒頭の窒息事故の場合は非常に稀なケースであったことが統計的に明らかであるわけですよね。
それに対して「種のある果物は危険だ。今後は種なしかカットされたものしか出さないようにしよう」などという対策が出てくるようでは過剰反応になってしまうなと懸念しているのですが、実は別方面でも今後過剰反応が出てくるんじゃないかと懸念しているのがこうした事故のケースです。

酢酸注入で女性死亡=腸に損傷、医療ミス-横浜市大病院(2013年4月30日時事ドットコム)

 横浜市立大付属病院(平原史樹院長)は30日、入院中の50代の女性患者の栄養チューブに誤って高濃度の酢酸を注入し、女性が壊死(えし)を伴う腸炎を起こして死亡したと発表した。同日、医療事故として神奈川県警金沢署に届けたという。

 病院の説明によると、女性は昨年8月から入院し、鼻から栄養チューブを腸に通していた。4月7日にチューブが詰まったため、看護師が詰まりを除去しようと圧力をかけて酢酸を注入したが、誤って高濃度の酢酸を使用し、チューブから出た酢酸が腸を損傷。女性は24日に心不全と腎不全で死亡した。今後、酢酸の使用は中止するという。

 同病院は「当院に責任があり、深くおわびする。原因究明と再発防止に努める」としている。

酢酸希釈「におい頼り」女性死亡…医師書類送検(2013年6月27日読売新聞)

 立正佼成会付属佼成病院(東京都中野区)で2011年9月、高濃度の酢酸を使った胃がん検査を受けた練馬区の女性(当時80歳)が死亡した医療過誤を巡り、警視庁は27日、当時、同病院の内科医だった男(35)(世田谷区)を業務上過失致死容疑で東京地検に書類送検した。現在も他の病院で医師を務めているという。

 発表によると、医師は同9月22日、胃がん検査の際、本来は1・5~3%の濃度に薄めて内視鏡で胃粘膜に散布する酢酸を約25%の濃度で使用。女性は吐き気などを訴えたが、適切な処置をしなかったため翌月14日、入院先の別の病院で、腸管壊死(えし)で死亡させた疑い。

 本来は酢酸と水を計量して検査液を作るが、医師はにおいの強弱で濃度を判断していた。調べに、「内視鏡検査を早く終わらせようと思い、においに頼って希釈してしまった」と供述しているという。

横浜市大のケースでは間違って高濃度酢酸液を使ってしまったのではなく、そもそもマニュアルにない高濃度酢酸液を注入するというやり方を現場の経験論として行っていたという報道もあるようで、そうなればいずれ起こるべき事故だったとも言えそうですが、お酢の充填自体は特に在宅患者で手軽に身近な素材で行える安全性、有効性およびコストのバランスに優れた方法論であって、今回はやり方が間違っていたということですね。
胃ろうなどでチューブの汚れを防止するために希釈した酢水を充填しておくのはすっかり普及しましたが、この場合用いられるのはあくまでも4%程度のごく普通の「食用酢」をさらに7~10倍に薄く希釈したものであって、そもそも濃度に関わらず閉塞チューブの再疎通効果など認められていないのですから、高濃度な「酢酸」を用いるなど安全性の上からもコストの上からも全く必要性もメリットも感じられません。
百歩譲って大学ですから施設の事情で希釈酢酸を使わざるを得ないのだということはあるかも知れませんが、その結果こうした事故が起こって「危険な酢酸を体に注入するなんて許されない」という間違った認識が世間に広まってしまうと、普段当たり前に口にしている食酢を使うことまで危険な行為であるかのように誤解されかねないというのは甚だしく迷惑なことですよね。

後段の記事の方は実は酢酸というものは胃カメラの病変観察を容易にするためにも用いられることがあり、この場合も検査に用いるには濃度が程よい食酢を希釈する方が安全性も手間も優れているのに、わざわざ危険な濃い酢酸液を「適当に」希釈して用いていたと言います(このケースではそもそも希釈の方法論としてもかなりずさんなものですが)。
内視鏡の酢酸散布は色素撒布と同様に微妙な病変の範囲描出に有効なのですが、もともと画質のいい高級な内視鏡がない末端医療機関でもお酢を使えば簡便で安上がり、なおかつ安全に病変がきれいに描出出来るとして普及してきた側面もあって、そう考えるとそこらで売っている食酢で十分なことにちょっとした間違いで生命の危険性もある酢酸を使うこと自体がどうなのかと思います。
一般に稀なリスクのために世間一般からも大いに望まれていることまで一律禁止するということはやり過ぎだろうし、逆に相応に大きなリスクがあるのに利益を重視し過ぎて過度に危険を放置するのもどうかと思いますが、ほとんどの事故でリスクと利益とはこの両極端の間のどこかに位置していて、どうバランスさせるか判断に迷うという場合が少なからずありますよね。
そして圧倒的にハイリスクな餅の危険性が放置されながら低リスクなこんにゃくゼリーばかりが危険視されるように社会的文化的背景、すなわち世間のリスクに対する許容度も考慮しなければならないので大変なのですが、別に手間もコストも変わりなく容易に抜本的対策が出来ることであればさっさとやれという話で、こんなことで方法論としての有効性までも否定されかねないリスクを冒す必要はないと思います。

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2013年7月 2日 (火)

DPC導入で病院待ち時間が長くなる?

日本の医療制度は長年出来高算定でやってきたことから無駄な検査や治療が多い、患者の薬漬けだという批判があり、これに対して近年俗にDPCと呼ばれる定額払い制度が大規模病院を中心に取り入れられるようになってきていることがご存知かと思います。
DPCとは本来Diagnosis Procedure Combination(診断群分類)のことで、この病名に基づいて各疾患毎に一定額のお金を出しましょうというのが診断群分類包括評価の基本原則であり、その結果同じ病気を早く安上がりに治した方が病院の収益上お得ですよと言う理屈で医療費削減や平均在院日数短縮が進むということがDPC導入のメリットとされています。
支払われる金額は全国医療機関の平均的な治療コストを元に決まることから、儲けを増やそうと安上がりな治療をすればするほど報酬も切り下げられて自分の首を絞めることになるだとか、DPC病院に入院中の患者に対する他院からの処方禁止ルールだとか様々なトラブルはあるにせよ、薄利多売を宿命づけられてきた医療現場にとっては別なやり方も模索できるようになった恩恵はありますよね。
ただそれが顧客満足度向上に結びついているかというと微妙なところで、ある意味常にコストを計算しながら医療を行うようになったことが様々な「以前ならこうしてくれたのに…」という不満を産むことにもなっているし、昔ながらの課題解消にもさしたる効果を発揮出来ていないという批判はあり得るわけですね。

メディネットが、外来患者の「待ち時間」に関する不満についての調査結果発表。「3時間待ちの3分診療」は患者不満足に直結?!(2013年6月28日医療人材.net)

医療機関向けデジタルサイネージのパイオニア、メディネット(大阪府高槻市)は20日、クラウド型アンケートシステムにより実施した、外来患者の抱える「待ち時間」に関する不満についての調査結果を発表した。それによると、待ち時間に対する不満は外来患者の抱える不満の中で最も多く、待ち時間への不満が強まるほど、診療内容に対する不満も高まることがわかった。
(参照:医療機関でのデジタルサイネージ(映像表示)に様々な効果、メディアコンテンツファクトリーが調査結果を発表)

調査は13の医療機関において、平成24年11月~平成25年4月にかけ、アンケート用紙による無記名回答方式で行われたもの。有効回答者数は4,861名。

外来患者が抱える不満のトップは、「診察待ち時間」に対するもので22.2%。次いで「駐車場」17.2%、「会計待ち時間」16.7%と続く。診察待ち時間別の不満度をみると、待ち時間30分までは「駐車場」への不満が1位であるのに対し、30分を超えると「診察待ち時間」そのものへの不満が最も高くなる。さらに90分以上になると、不満のトップ3すべてが「時間」に関する項目となってくるという。

また、診察待ち時間への不満が上がるほど、「診療内容についてわかりやすい説明を受けた」「納得して治療を受けることができた」という2項目に対しての不満度も上がった。いわゆる「3時間待ちの3分診療」は患者不満足に直結するもので、待ち時間の「長さ」よりも「質」、待ち時間の後の診療内容の質が重要であることが浮き彫りになった。

病院での待ち時間は何分が限界? 医療機関の課題が見える(2013年6月20日ダイエットクラブ)

 梅雨や夏に発生しやすい食中毒や、気温の変化による夏バテなどを防ぐために、よりいっそう健康管理に気をつけたい今日。とはいえ、体調が悪くなったり、明らかに何らかの病気にかかってしまったときは、検査や治療を目的として医療機関を利用するだろう。

 意を決して会社を休んだり、仕事の合間をみつけて病院に到着するも、受付には長蛇の列。なんとか受診の手続きを終え、待合室の椅子に座ること数十分。いっこうに自分の番がまわってこない……。

 ようやく名前を呼ばれ、医師に症状を説明するも、数分で診察は終了。今度は処方箋を受け取って会計するために待つ。さらにその後は、調剤薬局で薬を購入するために、またしても待つ。という、「待つ」の連続でぐったりしたことがある人は多いのではないだろうか。

 このたび、医療機関向けのデジタルサイネージなどを企画・運営しているメディネットは、クラウド型アンケートシステムにより、13の医療機関で無記名アンケート方式で外来患者満足度調査を実施し、その結果を発表した。

 調査結果によると『外来者の不満』は、「診察待ち時間」が22.2%ともっとも多く、次いで「駐車場」が17.2%、「会計待ち時間」は16.7%と続く。また「診察・予約時間への配慮」もトップ10入りしていた。

 厚生労働省の「平成23年受療行動調査」における『外来患者の診察までの待ち時間』によると、「1時間未満」の待ち時間の割合が多いという結果に。「30分未満」が55%、「30分から1時間」が24%となっている。これは、今回実施されたメディネットの調査でもほぼ同様の結果だ。

 また、『診察待ち時間別の不満度』をみてみると、30分までは「駐車場」への不満がもっとも高く1位、30分を超えると「診察待ち時間」への不満がもっとも高かった。90分以上になるとトップ3すべてが「時間」に関する項目になっており、他の時間帯ではなかった「診療・予約時間へ配慮」への不満が2位に入った

 続いて『病院での診察待ち時間の限界』は、「50分から60分」が18.6%ともっとも多く、「20分から30分」、「30分から40分 」、「1時間から1時間半」で15%を超える。

 自由記載欄には、「30分から40分が理想」、「わたしの通っている病院は予約であっても2時間は待たされます。診察はていねいなので仕方ないかな」などのコメントがあった。

 こうした状況を踏まえ、各医療機関では患者サービスの一環として、予約システムや待ち状況のモニター表示、待ち時間を利用した情報提供モニターなどを導入するケースが増えてきているという。

 「待ち時間の見える化」や「退屈せずに待ち時間を過ごせる環境づくり」が進めば多少不満は解消されるかもしれない。高齢化社会となり、医療機関を利用する人が増加しているからこそ、医療機関を利用する人と働く人の双方にとって最良の環境を整えるための対策が望まれる。

待ち時間が長くなるほど顧客からのチェックの目線が厳しくなるというのは一般常識から考えてもそうなんだろうなと思うのですが、よく見て見ますと診察行為そのものへの待ち時間に対する不満のみならず、せっかく予約制を導入しているのにその時間が守られないだとか、待ち時間がどのくらいが判らないといった当たり前の問題が顧客満足度を大きく低下させているということですね。
逆にこの辺りのことをきっちりやっている施設は多少待ち時間が長くなってもそれなりに許容されるということなのでしょう、時折聞きますが飲食店並みに患者にポケベルを持たせたり携帯で呼び出したりしている病院が評判が良いということを考えると、この辺りの改善に多少のマンパワーを注ぐことで診療関連行為そのものを無理矢理時間短縮させずとも顧客満足度改善の余地がありそうです。
そんな仕事はパートタイムの事務員を雇ってやらせたところで幾らのコストもかからないことですし、医師や看護師にしても患者からねちねちと不満を言われ余計な手間がかかることが減るなら早くやれよと言うものですが、実はこの外来待ち時間の長期化にも先のDPCが大いに関わっている可能性があります。

DPCの場合入院時の診療報酬は疾患毎に決まっていて、要するに必要最低限のこと以外を何もしないほど儲けが大きくなるというシステムですが、逆に出来高払いであった一昔前までは何か大病がありそうだとなるととりあえず検査入院だ、経過観察入院だと称してそのまま入院させ、せっかく入院しているのだからと高価で手間暇もかかる検査をばんばん行うということが当たり前であったわけですね。
それがDPC導入によってありとあらゆることはそれが入院でやる必要がない限り外来でやるようになったというのは医療コスト面からは改善というべきなのでしょうが、患者にとっては何度も何度も外来に通わなければならないというのは入院のホテルコストを差し引いても必ずしも安上がりになっていない可能性もあります。
地域の中小医療機関で癌などが見つかった日には一昔前には地域の基幹病院にいつから入院してくださいねで済んでいたものが、今は外来でCTやらMRIやらの画像検査から心臓や肺、あるいは肝臓腎臓といった内臓諸機能の検査まで全部やって手術前日に入院ですから、交通費や手間暇のことはさておいてもそれは外来も一段と混雑しようと言うものですよね。

もちろん今の時代に医療費抑制ということは永続的な医療供給体制を維持する上でも非常に重要なことなのですが、先日も出ていましたが日本の医療費は医療費抑制政策が軽減された現状でもOECD平均以下で決して割高とはなっていないことを考えると、他の部分で過度の医療環境増悪を容認してまでわずかばかりの医療費削減を追求するのもどうなのかということです。
それも頻回の外来通院に要する交通費やら休業分のサラリーのことまでも考えると国民全体のプラスマイナスでは実のところさしてお得になっていないかも知れず、単に医療コストをその他のコストに転嫁しているだけということであればさして意味もない数字合わせで、そのおかげでただでさえ忙しい現場がますます多忙になり患者もスタッフもストレスを貯めるのではむしろマイナスでしょう。
DPCという制度は医療にコスト意識を植え付ける意味ではそれなりに意義があったと評価していますけれども、医学的に妥当な診療行為を追求し治療期間短縮を目指すという方向性での改善努力ならまだしも、単に在院日数短縮のテクニックのために知恵を絞るだけのことであればさして意味も意義もないというもので、ましてや一生懸命努力するほど後々診療報酬が削られていくのでは報われないにもほどがありますよね。
アメリカなどは出来高払いに対応した保険はむしろ極めて例外的で、その場合も保険会社が診療内容にうるさく口を出すほど定額払い中心の医療ですが周知の通り日本よりはるかに高額な医療費を要していて、一方で出来高払いの日本が医療側の自制によってか医療費がさして高騰していないと考えると、こと医療に理想手技的傾向の強い日本では単純にコスト抑制目的で定額払い化を推し進めすぎるのもむしろ弊害が大きいのかも知れません。

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2013年7月 1日 (月)

社会的関心を呼ぶ児童虐待 実は医療現場が主戦場?

ちょいとニュースを検索してみると判りますが、先日以来全国各地で児童虐待の相談件数が過去最大を更新したというニュースが相次いでいて、全国的にそこまで注目されているというのは何かしらの理由があることなのだろうなと思います。
その9割が実の親から受けた虐待であるといいますから心が痛みますが、医療現場においてはまた別の問題として虐待を発見し場合によっては通報する側となり得るということもある、むしろ医療現場でなければ虐待の痕跡が見つかり難いというケースもままあるという点で実は一番の当事者でもあるのですね。
ただ常に課題となるのがその線引きをどうするかということで、虐待が疑われれば容赦なく通報するアメリカなどと違って基本的に患者に性善説で接してきた日本の医療現場の弱点でもあるという気がします。

児童虐待医療現場も声を 「通告少なすぎる」危惧(2013年6月12日東京新聞)

◆前橋病院の溝口医師

 前橋市の済生会前橋病院の小児科医溝口史剛(ふみたけ)さん(38)は、今年相次いで出版された英米の児童虐待の医学専門書二冊の翻訳に携わった。年内には虐待医学の基本書の翻訳を出し、七月には医療関係者向けの虐待対応プログラムを発表する。「医療機関からの児童虐待の通告が少なすぎる」との危機感が溝口さんを駆り立てている。(伊藤弘喜)

 「世界的にも類書がない。虐待医学を志す医療者に最適の入り口だ」。溝口さんは三月に出た翻訳書「子ども虐待の身体所見」(明石書店)をそう評する。身体的虐待、ネグレクト(育児放棄)から性虐待まで、あらゆる虐待類型を約一千枚のカラー写真と解説で紹介。目を背けたくなる写真ばかりで一般向けではないが、英国では児童虐待対応の公式研修に使われている

 米小児科学会による原著を訳した「子どもの性虐待に関する医学的評価」(診断と治療社)も一月に出た。同学会による基本書「子ども虐待医学」の翻訳は年内に出版される。

 溝口さんは「虐待を医学的に診断するノウハウの蓄積はまだ日本にはないので、米国から取り入れるのが早い」と翻訳の狙いを話す。

 日本では医療関係者が専門的な虐待対応を身に付ける機会が限られている。溝口さんらが二〇一〇年に行った調査では、全国八十大学の医学部のうち四十八大学が回答し、児童虐待の講義をしている大学は半数で平均講義時間は約二十分、一コマ以上を充てている大学はわずか六大学だった。

 医療機関が児童虐待対応に動くことも少ない。〇七~一一年度の厚生労働省の福祉行政報告例によると、児童虐待の疑いがあるとして児童相談所に寄せられた相談のうち、医療機関からの相談は全体の4%に留まっている。

 溝口さんは「虐待対応を健康問題の一部として当たり前のように地域に広めたい」との思いから、医療や福祉関係者を対象に専門性に応じた虐待対応を身に付けられる研修プログラム「BEAMS」を開発。七月二十日に東京都内で開かれる日本子ども虐待医学研究会学術集会で発表する。

◆県の児相受理過去最多 医療機関から4%

 県内三カ所の児童相談所で受理した二〇一二年度の児童虐待相談件数が六百五十八件と、前年度と比べ1・7%増え過去最多を更新した。県のまとめで明らかになった。このうち十五件は事件性があったという。県は「児童虐待の意識が浸透して通報が増え、発見しやすくなっているのではないか」と話す。

 虐待通告を含む全体の相談件数は前年度比3・5%減の八千九百七件だった。一方、市町村で受理した全体の相談件数は前年度の二千九百二十三件から二千九百九件と微減したが、虐待相談件数は四百二十七件から四百五十五件に増えた。

 県によると、虐待相談の内容は、言葉の脅しや無視の心理的な虐待が二百十七件(33%)で、前年度の百八十五件から増えたのが特徴。殴る、蹴る、やけどを負わせるといった身体的虐待が二百六十四件(40%)とトップで、食事を与えない、ひどく不潔にするといったネグレクトが百六十六件(25%)、性的行為の強要などが十一件(2%)だった。

 年齢では小学生が最多で二百五十四件(39%)、三歳~未就学児百四十件(21%)、〇~二歳児百十八件(18%)、中学生八十八件(13%)、高校生ほか五十八件(9%)。

 主な虐待者は母親が三百九十五件(60%)、父親百五十四件(23%)と、実の親が八割を超えた

 通報は近隣・知人百七十九件(27%)、学校などが百二十九件(20%)、家族七十七件(12%)、医療機関二十六件(4%)で、本人からは十二件(2%)。

 県は、通報を受けてからの子どもの安全確認を国指針の四十八時間以内よりも早めて原則二十四時間以内に実施。中央児童相談所に北部支所を開設したり、保健師や嘱託職員を増やすなどして取り組みを強化している。(池田一成)

アメリカなどでは通報が多いだけに誤通報も当然ながら多く、間違って通報されても運が悪かったねで笑い話で済むのでしょうが、日本の場合なまじハードルが高いだけに通報する側も「確実に証拠を掴んでからでないと…」と過度に慎重になる、そして通報される側もひとたび通報されれば名誉回復の機会もままならなくなりがちというのは刑事訴訟などと少し似たところがあるかと思います。
医療の場合もちろん守秘義務との絡みという表向きの理由も大きいのですが、守秘義務があるということはすなわち医療関係者でなければ知ることの出来ない情報がしばしば虐待の根拠となり得るということであって、近隣のおじちゃんおばちゃんが匿名で通報した場合と違って「あいつがチクったんだな」と当事者に丸わかりになるというのも腰が引ける大きな理由ですよね。
もちろんそうは言っても明らかに虐待に相当すると判断されるケースを黙って見過ごすということは許されることではないのですが、この辺りは通報を受ける児相側で「疑わしきは直接確認する」といった運用ルールなりを設けていただいて、医療機関側に公的な形で要請していただければ医者の側も「申し訳ないですがそういう決まりですので」と言いやすくなるんじゃないかと思います。
ただそれよりも難しいのが事実行為として不適切なことが行われているのは明白であっても、その行為そのものが果たして虐待と言っていいのかどうか判断しかねるというケースで、特に昨今では患者側の自己決定権との絡みで非常に判断に迷うケースが多いようです。

子の手術拒否で親権停止 医療ネグレクトに適用3件(2013年6月30日中国新聞)

 児童虐待の一つで、親が病気の子どもに治療を受けさせない「医療ネグレクト」に対し、昨年4月施行の改正民法に基づき家庭裁判所が親権停止を認めた事案が少なくとも3件あることが29日、全国の児童相談所を対象にした共同通信のアンケートで分かった。うち1件は子どもに必要な手術を親が拒否する深刻なケースだったが、親権停止後に手術が実施された

 子どもを入院させるため親権停止の申し立てを検討したが、最終的に親が入院に同意したため見送った事案も2件あった。

 改正民法で創設された親権停止制度は最長2年間の期限付きで、親による親権行使が子どもの利益を害するときに適用できる。命に関わる医療ネグレクトなど迅速な対応が求められる場合に、活用が広がりそうだ。

 アンケートは全国の207の児童相談所に調査票を郵送して実施。今年4月までに親権停止を申し立てた件数などを尋ね、7割超の160相談所が回答した。申し立て件数は計29件で、家裁の審判を経て21件に決定が出ていた。

やや判りにくい話かと思いますが、理解しやすいようにこうしたケースで過去たびたび話題になったエホバの輸血拒否の事例を考えてみますと、かつての「患者は黙って医者のやる最善最良の医療を受けていればいいのだ」式の時代ならばともかく、自己決定権の普及した今の時代に医療現場では医学的には決して妥当ではないと思える選択をする人も当たり前になっていますから、正直オトナに関しては気にしなくなってきています。
もちろん施設や医師個人のリスクマネージメント等々の観点から「当院では対応しかねますので」と他院を紹介するということはままありますけれども、それはポークカレーを売りにしているカレー屋にムスリムの方が来た場合に「申し訳ありませんが」とお断りせざるを得ないのと同じことであって、エホバ信者であり輸血を禁忌とする事自体を何ら否定するといったものではないわけですね。
そうしたわけで一人前の大人の方々に関してはどうぞご自由にと言うことで済むのですが、では子供はどうなのかとなると話がややこしくなってくるのであって、一般に未成年者の意思決定能力は限定的で保護者の判断が代用されるとして、しかし保護者の判断が世間一般のそれと明らかに差異あるものだと果たして子供とは言え本人意志を無視していいものだろうかと躊躇せざるを得ません。
実際に数年前に外科系の5学会が合同で15歳未満には親が拒否をしても救命のために輸血を行い、親が邪魔するなら児相に通報し親権停止も考慮するという指針をまとめたという話がありましたが、昭和60年に起きた有名な川崎事件(外傷を負った子供が生きたいと望んだにも関わらずエホバ信者の親が最後まで輸血を拒否し続け患児が死亡)のような事例がその大きな原動力となったことは想像に難くありません。

すっかりエホバの方々ばかりを悪者にしてしまったようで申し訳ありませんが、世界中どこかの未開部族などでは今でも近代医療などとんでもない、先祖代々のやり方に従った呪術こそ正しいのだといった考え方が当たり前に残っているのかも知れず、もちろん自分なりの価値観が確立した成人がそうした価値観を肯定して自己決定を行うのは全く問題ないと思いますが、繰り返しになりますが子供の問題はまた別だということです。
これからは医療従事者もこうしたケースで児相に一言の相談もなしに済ませられなくなってきたんじゃないかと思いますけれども、当然ながら緊急性を要する場合が多いだろうこうした症例でそれだけの時間があるのかどうかで、試みに近隣の児相の営業時間?を調べて見ましたら当然ながら平日の朝から夕方までとなっていましたから、この辺りはまず相談しようにも制度的整備が追いついていない面もありそうですね。
エホバばかりではなく今話題の再生医療とも絡めて豚の体内で人間の臓器を育てて移植に用いようなんて話も当たり前にされる時代になってきましたけれども、当然ながらこれも医療現場で当たり前に行われるようになればムスリムの禁忌に触れるといった具合で、今の時代厳しい戒律で自らを律している方々には生きづらい世の中ではあるし、悪意もない場合どこまでを犯罪的行為として取るべきかの判断も難しいなと思います。
ただそれでも事実であれば確実にクロという単純粗暴型の児童虐待の方が実際には大多数なのでしょうし、医療従事者は他のあらゆる人々よりも秘められた虐待の痕跡を見つけ出す機会に恵まれている割に通報が少なすぎると言われればごもっともで、この問題もそろそろ業界全体に共通する課題のひとつとしてきちんと向き合っていかなければならないのは確かでしょうね。

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