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2013年6月27日 (木)

朝日新聞記者 他人のメールサーバーに不正侵入し書類送検

未だに捜査が長引いているらしい例のPCウイルス事件で、容疑者のメールサーバーに記者が不正アクセスしたという一報が今春の段階で出ていましたけれども、ついに書類送検されることになったようです。

<PC操作>朝日、共同記者書類送検へ サーバーに侵入容疑(2013年6月25日毎日新聞)

 パソコン(PC)の遠隔操作事件で、警視庁は24日、片山祐輔被告(31)=ハイジャック防止法違反の罪などで起訴=が弁護士らに犯行声明を送るために使ったとされるメールのサーバーに侵入したとして、朝日新聞社と共同通信社の複数の記者を不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検する方針を固めた。

 捜査関係者によると、記者は昨年10~11月ごろ、片山被告が使っていたとみられるIDやパスワードを入力して、メールのサーバーに複数回にわたり、無断でアクセスしたとしている。パスワードなどは犯行声明の内容をヒントにアクセスしたという。

 両社の記者はサーバーに侵入した後、取材目的でメールの内容や送受信記録などを確認していたとみられる。

共同、朝日記者ら書類送検へ=メール不正アクセス容疑―PC遠隔操作取材で・警視庁(2013年6月25日niftyニュース)

 遠隔操作ウイルス事件で、「真犯人」を名乗る人物が犯行予告などを送信するのに使ったフリーメールのサーバーに、パスワードなどを不正に入力してアクセスしたとして、警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑で、共同通信社と朝日新聞社の複数の記者を書類送検する方針を固めたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。同日午後にも送検する。
 捜査関係者によると、両社の記者は昨年10月~11月ごろ、遠隔操作事件で使われたメールアドレスのサーバーに、犯人が使用したとされるアカウント名とパスワードを入力し、不正にアクセスした疑いが持たれている。
 警視庁などの合同捜査本部がサーバーへのアクセス履歴を調べたところ、匿名化ソフトが使われた真犯人のものとみられるアクセスの他に、両社のパソコンなどからのアクセスが見つかり、経緯を調べていた。
(略)

記者不正アクセス問題 共同・朝日がコメント(2013年6月25日日本経済新聞)

 パソコン遠隔操作事件に絡み、共同通信社と朝日新聞社の記者が犯行声明メールの送信元サーバーに不正に接続したとされる問題で、両社は25日、それぞれ社会部長名のコメントを発表した。

 共同通信社の石亀昌郎・社会部長は「形の上では法律に抵触する可能性があるが、事件の真相に迫るための取材行為だったことを捜査当局に説明し、理解してもらえたと思う」とコメントした。

 朝日新聞東京本社の森北喜久馬・社会部長は「正当な取材の一環で、法律上も報道倫理上も問題ないと考える。手続き上、書類送検されることになるが、弁護士を通じ、正当な業務だったとする見解を警視庁に伝えている」とコメント。朝日新聞デジタルは「不正アクセス禁止法違反罪の構成要件に該当しない」「報道機関として必要な取材であり、正当な業務行為」とする詳細な見解を掲載している。

 警視庁は25日午後、共同通信記者2人と朝日新聞記者3人を不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検する方針。

詳細な朝日新聞の見解についてはこちら同社HPを参照いただきたいと思いますけれども、その主張によれば報道機関向けに送られてきたメールにパスワードも記載されていたのだから許諾を得ていたと考えるべきで、不正アクセスということには当たらない、またこうした取材活動は正当な業務であって刑法でも罰しないものと定められていると言うことのようです。
ともかく朝日の考える正当な業務と世間の考えるそれとにいささか乖離が存在するらしいことは先のアルジェリア人質事件の遺族の拒否を押し切っての被害者実名報道でも明らかになった通りですが、おもしろいのはこうしたメールは報道各社を始め関係各方面に一斉送信されていたことがすでに知られていますけれども、そのうち不正アクセスを実際に行い書類送検になったのが朝日と共同の二社に留まるということです。
もちろん誰しも好奇心というものはありますから他人のメールを盗み見たくなることはあるのでしょうけれども、実際にそれをやるには社会常識その他様々な阻害因子が関係してなかなか難しいもので、犯罪行為を厭わず常識の殻をたやすく打ち破った朝日の蛮勇は特記すべきものがあったということでしょうか。
いずれにしてもいつものように朝日がまたやったと言うことで世間の関心も集まっているのですが、常識の何たるかを決定する一般大衆はこの朝日の行為をどのように見たのかということをこちらの記事から引用してみましょう。

取材なら「不正アクセス」許されるのか 共同・朝日記者送検でネットに疑問の声(2013年6月25日J-CASTニュース)

  パソコン遠隔操作事件で、共同通信と朝日新聞の記者らが不正アクセスをしていたとして書類送検された。両社は正当な取材行為だったとする一方、ネット上では異論が出ており、認識に違いが見られる

   「不正アクセス」は、共同通信記者のケースで2013年4月11日にまず発覚した。共同は社内調査で分かったと報じたが、ログイン履歴とされるものがネット上で暴露されており、いずれ判明する事態だったとみられる。

共同は「行き過ぎ」からコメント変える

   報道によると、共同の2人と朝日の3人は、12年10~11月にそれぞれ、片山祐輔被告(31)が犯行声明を弁護士らに送るために使ったとされるフリーメールサイトのサーバーに1~3回ほど侵入したとして、不正アクセス禁止法違反の疑いがかけられている。記者らは、アクセスに当たって、片山被告が使っていたとみられるパスワードを入力していた。

   パスワードは当初、犯行声明メールの内容から類推したとされていた。そして、真犯人が使ったとみられる別のフリーメールのパスワードが、12年10月9日の犯行声明メールに書かれていたと報じられていたことから、共同の記者は、このパスワードを使って「不正アクセス」したとの見方がネット上で出ている。

   共同は当初、「真犯人に近づく目的だったが、取材上、行き過ぎがあった。厳正に指導する」との編集局長のコメントを出していた。しかし、今回は、行き過ぎとは言っておらず、「形の上では法律に抵触する可能性がありますが、事件の真相に迫るための取材行為だったことを捜査当局に説明し、理解してもらえたと思います」との社会部長コメントをマスコミ取材に出している。

   その理由は明らかにしていないが、フリーメールのパスワードが同じであることはメールから読み取れるとして、「形の上」だけでの違法の可能性に触れたとも言えそうだ。

朝日は「法律上も報道倫理上も問題ない」

   一方、朝日新聞は、社会部長のコメントとして、「正当な取材の一環で、法律上も報道倫理上も問題ないと考えます」と違法の可能性まで否定した。そのうえで、「手続き上、書類送検されることになりますが、本社は弁護士を通じ、正当な業務だったとの見解を警視庁に伝えています」と言っている。

   さらに、「朝日新聞記者の不正アクセス容疑について」という広報部の署名記事で、会社の見解として違法でない根拠を説明した。そこでは、2012年10月9日の犯行声明メールにパスワードが記載されていたし、真犯人とみられるパスワードの利用権者がアクセスを承諾していたのは明らかだと踏み込んだ主張をしている。

   とはいえ、ネット上では、「正当化するとはびっくり」「人のアカウントで勝手にログインするのがどうやったら正当な業務なのか全く解らない」「報道のための犯罪は合法ですかへー」といった疑問の声が依然多い

   なお、日経の記事によると、警視庁幹部は、「結果的に捜査上の支障はなく、取材が目的で悪質性が高いとはいえないが、行為としては不正アクセス禁止法違反の疑いがあり、書類送検の必要があると判断した」との見解を示したとしている。

ちなみに状況の詳細は明らかになっていませんけれども、風の噂によればメールに添付されていたアカウントとパスワードはA社のものだったのですが、これに対して犯人が他に使っていたB社のメールの方はパスワードが公開されていなかったにも関わらずたまたまA社のものと同じだったためアクセスが出来たという話であったということで、これが事実だとすれば到底当事者の承諾を得たとは言えないように思います。
実際に裁判にまで結びつくのかどうかは未だ何とも言えませんけれども、朝日の論理を応用すると例えば盗撮なども「それが世間から見えるものであり公開されていると言える」ことで正当化され、また「他人の秘密を暴き出すことは当社の正当な業務である」として処罰対象にならないという論理も成立するということになりそうですよね。
実際に世間の人間が盗撮などを行っていれば100%違法行為としてお巡りさんのご厄介になりますけれども、マスコミの場合はパパラッチなどとそれ専門で食っている人もいるくらいで彼ら的には当然の取材活動であるということになっているようですから、こうした論理は朝日に限らず全世界的に当たり前に共有されているものなのでしょうか。
もちろん日本国の法律のどこにもマスコミ諸社にそんな特権的地位を与えるような文言はありませんし、こうした行為が例え業務であっても世界的に問題視されるものであることは昨今プライバシー侵害だと大騒ぎになっているグーグルストリートビューの例などからも判ることで、どうもいつものように世間の常識とマスコミの常識とが乖離している一例となりそうな話です。

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コメント

田舎の道沿いにある無人販売所。
お金置かずに盗って帰るのは簡単。
でも普通の人はそんなことしない。

投稿: かんちゃん | 2013年6月27日 (木) 08時42分

朝日に捨てメルアドとパスワード送りつける輩が続出する悪寒w

投稿: aaa | 2013年6月27日 (木) 09時39分

>未だに操作が長引いているらしい例のPCウイルス事件

ちょwwwwww

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2013年6月27日 (木) 09時55分

免疫力をつけて身体がウイルスに感染することを何とか避けたい。
同時にパソコンがウイルスに感染することも避けたい。
gooブログにアクセスすると、ウイルスに感染することがあるから、近寄らないことが望ましい。
URLがblog.gooで始まっている。また角の中にgが入った赤いマークが付いている。
ウイルス対策ソフトがパソコンに入っておれば問題ないと思われるが、念のため。
君子危うきに近寄らず。

投稿: うなぎ | 2013年6月27日 (木) 10時19分

>未だに操作が長引いているらしい例のPCウイルス事件

おおうっ?!
早速訂正させていただきます。

投稿: 管理人nobu | 2013年6月27日 (木) 12時14分

ところでこの事件って何がやりたかったんでしょう?
一種の愉快犯みたいなものですか?

投稿: てんてん | 2013年6月27日 (木) 15時04分

6月25日、元朝日新聞記者の烏賀陽弘道さんが、福島県の被災地に行って暴行を受けているとTwitterにて語る。

「福島県南相馬市の津波被災地(海岸部)に行くたびに、身の危険を感じます。公道で写真を撮っていただけで住民に言いがかりをつけられ、
囲まれ、殴られ、つばをかけられるという信じられない事件がもう3?4回来るたびに起きています。被災が忘られてはならないと自腹で取材に来てこの仕打ちです」

上記より始まる一連の発言に対し、信じる人もいれば「そんなはずはない」と訝しむ人たちもいたようだ。
そして、トラブルがあったと思われるところの当事者数人がTwitter上にて烏賀陽さんのツイートについて語る。
それによれば、2012年の3月11日に両親と子供2人を津波にさらわれた上野さんという方の家に飾った慰霊のメッセージのイルミネーションに対して「偽善だ」と言いはなつなどしてトラブルになったようだ。
その現場にいたというカメラマンの渋谷敦志さんは、当時取材ノートをとっていたとのことで6月26日に下記のようにツイートしている。

例の写真家さんとのトラブルについて、メモしていたノートを見返した。気持ちのいい作業ではないけど、誤解が伝わるといけないので、僕が見聞きしたことは簡単に記しておく。
場所は南相馬の萱浜にある上野さんの自宅前。時間は3月11日18時ごろ。ちなみに現場は写真家の大石芳野さんも見ていた。
その日の活動を終えた福興浜団のメンバーやボランティアらが上野家の前に戻ってきたときだ。彼が撮影しているときに、上野さんと口論になって、彼は次のようにいった。
「俺の仕事の邪魔をしやがって」「被災者づらしやがって」「お前みたいな被災者がいるから福島はだめなんだ」
「わらいあえるところにしましょう?はいはい。美しい美しい」「同情する気も失せたわ」。誰かが彼を殴りかかっても仕方がないほど酷いと思ったが、
同じ集落の男性が「同情なんていらんから帰ってくれ」と諭すと「誰だ、お前は」「同じ部落のもんだ」「おっさん関係ないだろう」と、また口論になった。(略)

上記ツイートに対して烏賀陽さんも反論し現在も論争が続いているようだ。
冒頭の烏賀陽さんのツイートから始まる一連のやりとりは、下記にまとめられている。
http://togetter.com/li/524179
(一部抜粋)
http://getnews.jp/archives/368823

投稿: 朝日記者が被災地で | 2013年6月27日 (木) 17時05分

烏賀陽弘道氏と葛田徳之氏のツイートのまとめ
http://togetter.com/li/200637

どうみても本物ですほんとうにr

投稿: | 2013年6月28日 (金) 10時47分

操作もとい捜査終わるらしいですよ
電子犯罪の捜査態勢をもっと充実させるべきでは

片山被告きょう追起訴 東京地検方針 遠隔操作、捜査終結へ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130628/trl13062807070002-n1.htm
 片山被告はこれまでに警視庁、三重県警、大阪府警に誤認逮捕された3人の事件を含む計7事件で逮捕・起訴された。神奈川県警の誤認逮捕分を含む今回の追起訴が最終となり、一連の事件について、捜査は終結する見通し。片山被告は一貫して容疑を否認している。

投稿: | 2013年6月28日 (金) 11時13分

>電子犯罪の捜査態勢をもっと充実させるべきでは

むしろネットの脅迫カキコなんて無視すべきかと。実行に移す奴なんてほぼ皆無ですから相手にするだけリソースの無駄。ましてや冤罪の温床とあっては…。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2013年6月28日 (金) 11時47分

確か京都府警がいちばん詳しいんでしたっけ?>電子犯罪
警察だけでなく企業の方もこのところ電子的セキュリティーが問題で、ともかく危機感はもっておくべきだと思いますね。

投稿: 管理人nobu | 2013年6月28日 (金) 11時57分

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