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2013年6月

2013年6月30日 (日)

今日のぐり:「はなまるうどん 岡山西市店」

一体何がどうなったというニュースは昨今珍しくありませんが、こちら思わず二度見してしまいそうな意味不明のニュースだと話題になっています。

トラック、歩行者用の階段下り?民家に突っ込む(2013年6月26日読売新聞)

 26日午前9時20分頃、横浜市神奈川区松見町、菊田敏明さん(66)方にトラックが突っ込み、木造2階住宅の1階が一部壊れた。

 運転手が足にけがを負ったが、1階にいた菊田さんは無事だった。

 菊田さん方の裏には幅約4メートルの歩行者用の階段があり、住民によると、裏道として走る車があるという。神奈川署や市消防局は、階段を下っていたトラックが、誤って菊田さん方に突っ込んだとみて調べている。

 菊田さんは「洗面所で顔を洗っていたら『どーん』という音がして、地震かと思った。本当にびっくりして、怖かった」と話していた。

ちなみに民家に突っ込んだというトラックがこちらで、そのトラックが走ってきたという階段がこちらなんですけれども、どう考えても無理があるんじゃないかという気がしますが道路交通法には「階段を走行してはならない」という決まりはないということです(まあ普通は走らないでしょうけれども)。
今日はチャレンジ精神旺盛なトラックに敬意を表して、世界中からどうしてそうなった?と思わず疑問符が付く不思議なニュースを紹介してみますけれども、こちらも大いに話題になった奇妙なニュースです。

乗り物乗らぬ「徒歩暴走族」に衝撃(2013年6月25日webR25)

6月22日付けの産経新聞が、姫路市に存在する「徒歩暴走族」なる団体を紹介。ネット上で話題となっている。

この徒歩暴走族は、特攻服などの暴走族スタイルに身を包み、バイクや車に乗らずに徒歩で迷惑行為をする少年少女たちのこと。兵庫県姫路市で毎年この季節に行われる「姫路ゆかたまつり」には、この徒歩暴走族が登場して騒ぎを起こすため、地元警察は警備を強化しているという。

ツイッターや2ちゃんねるには、

「今どきの暴走族はエコ意識高いんだな」
「ちょっとみてみたいw」
「馬鹿すぎて目眩がしてきた」

と、嘲笑の声が殺到。また、記事中の、「口で『バーリバリ、バーリバリ』とエンジン音の擬音を叫ぶ」という部分はとりわけ反応が大きく、

「罰ゲームとしか思えない」
「これは100万円貰ってもやりたくない行為だな」
「徒歩警察官『ウ~~ゥ、ウ~~ゥ』」

と、“恥ずかしすぎる”といった声があがっている。

暴走族に関しては、ネット上や一部警察署で「暴走族という呼称をやめ、“珍走団”と呼ぼう」という動きがあった。その流れを汲んでか、今回の徒歩暴走族には、すんなり「珍歩団」というネーミングが付けられた。「見てみたい」という声も多かった徒歩暴走族だが、6月25日現在、「目撃した」という報告はネット上にはあがってきていない。

まあ…昨今はマスコミ各社も「若者の車離れ」を盛んに喧伝している時代ですからこういうのもありなのかも知れませんが、しかし用語の定義的にこういうのは暴走族と言うのでしょうかね?
日本でもディズニーランドは大成功を収め固定ファンも多数に上りますが、果たしてこの真実を知っていたなら今ほどの人気が出ていただろうか?と思える驚くべき事実が発覚しました。

こりゃトラウマになっちゃうよ! 1930年代のミッキーマウス&ミニーマウスが珍妙すぎる!!(2013年6月24日Pouch)

世界中の子供たちに愛されている、ご存知ミッキーマウス&ミニーマウス。

夢の国の住人である彼らのビジュアルは、今でこそキュート。ですが、実はさかのぼること80年ほど前、彼らの姿はとんでもなく珍妙だったのですよ。そりゃあもう、トラウマになりそうなほどにね……。

海外サイト『BuzzFeed』に掲載されていたのは、1930年代のミッキーとミニーの衝撃的な姿。

タイツ、そしてレオタードなど体にぴたっとフィットするデザインの着ぐるみが、なんともリアルでございます。そしてなんといっても注目すべきは、その顔。なんでしょう、目にした瞬間に背筋が凍る、この得も言われぬ恐怖感は……。

夢の国は夢の国でも、悪夢の国に住んでいるのではないか。そんな妄想を抱かずにはいられなくなる80年前のミッキー&ミニー。コレがどこぞの国ではなく、アメリカやイギリスで正式採用されていたデザインだというのだから、心底びっくりですっ。

今の可愛らしい姿は、最終形態だったのね、ミッキー。ここまで進化してくれて本当によかったわ。いやもうホント、心からそう思います、ハイ。

その驚くべきビジュアルは是非とも元記事の画像の数々を参照いただければと思いますけれども、いくら美的感覚は時代や文化と共に変化するとは言えこんなものに取り囲まれた日には子供も泣き出さずにはいられないでしょうにね…
同じく版権ものとして特にアジア地域で絶大な人気を誇ると言うのがあの有名な猫型ロボットですけれども、こちら何をどうしたらこうなるのかというパクリ?がすごすぎるというニュースです。

似てなさすぎて泣けてくる! 中国で作られた号泣レベルの『ドラえもん』ケーキ13選(2013年6月17日ロケットニュース24)

大きなホールケーキというのは特別な日に食べるもの。ケーキだけでも嬉しいが、そのケーキが大好きなアニメのキャラクターの形ならスペシャル感も倍増だ。

ワクワクを約束してくれるはずのキャラケーキだが、中国ではありえないほど似ていない『ドラえもん』ケーキが販売されていることがわかった。似ていないなんて騒ぎではない。中国のドラえもんケーキは異彩を放ちすぎ! なぜだ、なぜこうなったーッ!?

泣くしかないほど似ていないドラえもんケーキは中国の大手ショッピングサイト『タオバオ』で販売されているものだ。

ドラえもんと言えば、青色の丸い顔に大きな目、大きな口に、赤い鼻にヒゲが特徴だ。確かにその特徴はクリアしている。……しかし、目が異様に離れているもの、やたらと鼻筋が通っているもの、なんと黒色の顔まで! どう見てもドラえもんではない。みんなが大好きなドラえもんの面影は1ミリもないぞ。

中国はパクリ大国と言われているが、もはやパクリ認定さえもできないほどのクオリティだ。なお、お値段は70元前後(約1070円)から300元程度(約4600円)とさまざまだ。ちなみに『ドラえもん』は中国語で『哆啦A夢』や『機器猫』と表記する。ケーキの商品名にも確かに『哆啦A夢』や『機器猫』と書かれているのだが、本当にこれをドラえもんと呼んでいいのだろうか……謎は深まるばかりである。

これまた詳細は元記事の画像を参照いただくとして、日本人は元ネタをアレンジして本物以上に改良する能力に長けていると定評がありますけれども、この中国独自のアレンジの才能?はなんと評すべきなんでしょうか…
フランスと言えば欧州の地にあって日本文化に関心が深い国だと言われていますけれども、こちらは一体どんな誤解をしたらこうなるのかと不安になりそうな話ですね。

【爆笑動画】仏ピザハットCMが狂ってると話題 「欲しいんでしょ」「この刀、食べな!?」 (2013年6月18日AolNews)

みんな大好き宅配ピザの<ピザハット>。しかしフランスのピザハットが展開する新メニュー「SAMOURAI(サムライ)」のCMが、かなり珍妙なことになっているようだ。

まずは、問題のCMをご覧いただこう。

PIZZA HUT - LA CRISE DE MANQUE - EP.4 : LA SAMOURAI

※セリフ解説
「ほらぁ、欲しいんでしょ?」
「あぁ~ あなたから夕焼けのマルゲーズみたいな、いい匂いがするわ」
「ねぇ、ソースを吸いたいでしょ?」
「その前に、この刀、食べな!」

...と、白い着物を着た女性が紙吹雪が舞うなかに本当を振りかざし、カタコトの日本語をつぶやき続ける謎CMに仕上がっているではないか! しかもエロげな雰囲気かと思いきや、刀を突き立て「この刀、食べな!」という超物騒な発言まで飛び出すトンデモっぷり。一体なにを意図したCMなのだろうか...?

アニメや音楽により日本のポップカルチャーがかなり浸透しているフランスだが、一般の人が描く"日本のイメージ"は、まだまだこの程度なのだろうか? それとも"サムライ味"を極端に表現した結果なのだろうか? これにはネット上の日本人たちも

「"トイレ" "トワレ"みたいな関係で、"吸いたい"も"スワタイ"になっちゃったんでしょうね(笑)」
「髪型も着物もフランス流にアレンジされてて美しい」
「全然怖くない むしろ爆笑したw サムライピザ(何味?)食べてみたいw 」
「GOGO夕張的な物を狙ったんでしょうか?」
「プレイでしょ? 」

と、呆れ半分、面白がり半分といったところ。なお、このCMはある人物の主観で描かれているようだが、この人物の呼吸が荒いことなどから"サムライ中毒"に陥っていて、彼女を着物姿&日本刀と錯覚している...なんてシチュエーションも考えられる。

とはいえ意味不明なことには変わりないので、まじめに考えているとバカバカしくなってくるCMである。まあ、ピザが食べたくなる効果はあるかもしれないが...。

まあしかし、海外では日本文化の象徴として「hentai」という言葉もしばしば取り上げられると言いますから、これまた率直な日本文化のイメージなのかも知れませんけれどもね…
その存在自体がどうしてそうなった?級だと定評のあるのがブリですけれども、こちら何をどう考えてこの状況になったのかと不審極まるニュースを紹介しましょう。

【海外:イギリス】頭から被った交通標識が抜けなくなり、警察にお世話になったマヌケな男 「動画あり」

日曜日の昼下がり、イギリスで暇を持て余した男が、暇潰しにプラスチックの道路ボラードを被ってみたら抜けなくなり、通行人の注目を一身に集めた。

「あら、道路標識に足が生えて動いている。何かのイベントかしら。」
イングランド、ヘメル・ヘムステッドの通りを歩いていた買い物客たちは、不思議な物体を観た時、最初はそう思ったに違いない。

だが、どうも様子がおかしい。
黄色いプラスチックのボラードを被った人物は、何かパフォーマンスをする訳でもなく、ただおどおどと歩き回り、親切な通行人を見つけると、ボラードを引っ張って脱がせてくれるよう頼んでいるようだ。

自分で被ったボラードが抜けなくなったなんて、なかりマヌケな姿なので、彼としては当然、穏便に内密に解決したかったに違いない。

しかし、バラードはすんなりとは抜けない。さらに、その様子を見ていたパワフルなおばちゃんが、
「もしかして抜けなくなったの!?アハハハハ!!」
と大声で言ったばっかりに、彼がマヌケな状況に陥っていることはあっという間に周りに知れ渡り、人だかりができてしまった。携帯で動画撮影をし始めた人も大勢いる。
もっとも、彼にはその様子は見えなかった訳だが…。

やがて警察が駆けつけ、彼を芝生に横たえると、警察官と通行人2人掛かりでボラードを引っこ抜こうとしたが、なかなか抜けない。
警察官と通行人の位置を代えて再度引っ張り、ようやく抜けた。

沿道からは、拍手喝采が巻き起こった。だがもちろん、彼の行為は拍手に値するような事柄ではなく、彼はボラードに閉じ込められていた頭をさすりながら、きまり悪そうにしていた。

その時の動画がYouTubeに投稿され、あっという間にアクセス数を稼いでしまった。世界中に恥をまき散らした彼の個人情報は明らかになっていないが、この調子でいけば、すぐにでも個人が特定されて、「今週日曜日にアホを演じていたのは、この人です!」と話題にされてしまうかもしれない。

多くの人が高性能のカメラ付携帯を持つ現代、誰もがすぐに記者になりえてしまう。すなわち、こんなアホな行為もすぐに白昼の元に晒されてしまうということだ。気まぐれで、おかしなことをしないように、くれぐれも注意したい。

crazy Man in Hemel Hempstead Town Centre

もうね、こういうものがあっという間に全世界に拡散してしまう時代だと何度…こうした結果となる事を予想してやっていたのだとすれば壮大な自爆ギャグだと言えますが、果たしてどうなんでしょうか。
最後に取り上げますのもこれまたブリからの話題ですが、しかしこれも何が彼をしてこのような行動に走らせたのか謎ですよね。

【海外:不祥事】最悪!郵便配達員がいつも決まった家の玄関先で放尿をしていたことが発覚(2013年6月27日日刊テラフォー)

イギリスのある郵便配達員が、いつも決まった家の玄関先で用を足していたことが発覚した。

いつも自宅に郵便を配達してくれるあの人が、毎朝家の前で立ちションしていたら…底知れぬ不快感を抱いてしまうが、ルーク・オズボーンさん(27)とパートナーのケイレイ・ローリングスさん(23)は、実際にそれを体験してしまった。

ある郵便配達員が頻繁に、2人の家の前で立ちションをしていたのだ。
2人は当初、家の前にちょくちょくできる水たまりは、きっと酔っ払いの仕業だろうと思っていた。だが、次第に2人は、毎日家に郵便物を届けてくれる郵便配達員を疑い始めた。

そこでルークさんは現場を押さえようと、玄関ポーチに潜んで郵便配達員がやって来るのを待った。
「僕が出ていくと、配達員は僕の真正面にいて、放尿している最中でした。もう、信じられませんでした!」

この件について、郵便局側は調査をし、該当の配達員には適切な処分を下すと話した。
それでも、いつも家の前にあったあの水たまりが、同じ人物の尿だったと知ってしまったルークさんとケイレイさんの不快感は消えない。

「何ヶ月間も、僕とパートナーはあの尿の上を歩かなければならなかったんだ。
最初は夜中の酔っ払いの仕業だと思ったけど、酔っ払いが毎日毎日同じところに用を足しに来るわけがない。
これが、女王の名のもとに郵便を配っているロイヤル・メール(イギリスの郵政機関)のやっていることだよ!」

郵便局側は、配達職員には最高水準の行動を期待していると述べているが、期待するだけではなく、きちんと教育してほしいものだ。

配達中にもよおすこともあるでしょうし場合によっては思わず立ち小便ということもあり得るとは思いますが、毎日毎日決まったように特定の家で、それもわざわざ玄関先でやるというのは何かしらとてつもない事情でもあったのか、それとも根っからのブリ気質の発露というべきなのでしょうか。
その勤勉さをもっと有意義な方向に活かせば双方にとってずっと幸せな未来が訪れていたでしょうに、人間とはなんとも理不尽な生き物だなと思いますね。

今日のぐり:「はなまるうどん 岡山西市店」

今やうどんチェーン店として知らぬ者はないほどに有名なのがこちら「はなまる」さんですが、恥ずかしながら訪店は実は今回が始めてということになります。
とかくはなまると言えば味は期待するものではないとか言う声もある一方で普通にうまいという声もあって、どちらが正しいのかと思うのですけれども、入って見ますと讃岐系ではごく普通のセルフ店の作りですよね。
とりあえず初めてですから比較しやすいものと言うことで、今回は冷たいぶっかけうどんに野菜かきあげをつけてみました。

冷ぶっかけの方は例によって例のごとく天かす多めにしょうがをひとさじ加えていただいたのですが、一昔前のセルフのうどんと言えばかなり質的にアレなものも多かったわけですが、それにくらべれば普通に食べられるかなというのが第一印象で、それでもコシがあるというよりも硬くで補っているうどんという印象はありますね。
以前の香川の某有名観光地にある製麺所でこういううどんを食べたことがありますが、思うに温め直すのが前提で作ってるうどんをそのまま冷食で出すとこういうことになるということなのでしょうか、このあたりは本来パスタのように食べ方によって麺も使い分けられるようになればベストなんでしょうけれどもね。
それでも茹でや洗いの行程は以前にお邪魔した某チェーン店よりもしっかししているのか、見た目にも食べて見ても表面がさほどに荒れてないのでまだ許せるというものなんですが、壁の張り紙を見ますと最近うどんが変わったらしく繊維がどうこうと掲示してあって、あるいは元々のうどんはもう少し違っていたのだろうか?とも思います。
うどんつゆの方は味自体はまずまず及第ながら薄口でぶっかけうどんとしては完全に讃岐スタイルですが、それを考慮してもこの硬く食感もしっかししているうどんにぶっかけとして合わせるには少し弱いかなと思います。
野菜かき揚げの方はクリスピーさが目立つしっかりした揚げ上がりなのが印象的ですが、そのせいもあってか素材の味はほとんどないというのもいいのか悪いのかですね。

こうして食べて見れば別に食べられないようなものでもなく、むしろかつて百円うどんと言われていた頃のセルフうどんよりはずっとましなんですが、単純に素うどんだけならともかくトッピングやらサイドメニューなど色々と追加していくと一食分として実はそう安いわけでもないんだなとも思うところで、そう考えるとちゃんとした定食屋さんというのは非常にありがたい存在だと感じ入りますね。
しかしちょっとした腹ふさぎにはこれでいいとしても特にこれと言うほどにも印象に残らなかったのですが、ヴァンダレイが通い詰めるまでかと言うと正直…まあ確かにうどんは試合前の食事として妥当ですし、全国どこにでもあるファーストフードとしてはハンバーガーなどをぱくつくよりよほど健全かなとは思いますけど。
ちなみに個人的に最も敬愛する格闘家であるノゲイラ兄などは食事にものすごく気を遣う人で、試合場の弁当に揚げ物が入っているだけでも食べなかったと言いますけれども、こうした大規模チェーン店はアスリート向けのメニューなども用意してみると案外受けるかも知れませんね。

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2013年6月29日 (土)

日本型チーム医療の中でのナースプラクティショナー(特定看護師)の位置づけは?

先日厚労省のチーム医療推進ワーキンググループでこんな話が出ていたそうですが、今まで各施設を中心とする自主的努力に依存していたチーム医療も公的な制度を設けていくべきということのようです。

チーム医療推進、コメディカルの質も課題-厚労省WG、臨床研修の導入が俎上に(2013年6月26日CBニュース)

 厚生労働省のチーム医療推進会議・チーム医療推進方策検討ワーキンググループ(WG)が26日、約11か月ぶりに開かれ、業務拡大などに関する職能団体からのヒアリングを始めた。この日は、コメディカルの18職種でつくる「チーム医療推進協議会」と、日本薬剤師会が参加。協議会の半田一登代表(日本理学療法士協会長)は、「専門職の質を上げることがチーム医療の根幹にある課題。コメディカルにも臨床研修システムを整備してほしい」と述べ、組織率の低さなどから、職能団体のみの努力では難しい現状を訴えた。

 チーム医療推進協議会は、理学療法士のほか、救急救命士、放射線技師、栄養士などの団体が参加している。協議会の要望は、▽卒前教育におけるチーム医療教育の推進▽臨床研修システムの確立と支援▽免許更新制度の推進▽包括的指示の積極的な運用と活用範囲の拡大▽全職種の身分法への「連携」項目の追加-の5点。臨床研修システムについては、専門業務が多く他職種のことを知る機会が少ない現状や、職能団体が研修や認定制度を設けても、病院当たりの勤務人数が少ないために参加が難しい事情、18歳以下人口が減る中で質の担保と向上に懸念を抱いていることなどが説明された。

 これに対し、小森貴委員(日本医師会常任理事)や高本眞一委員(三井記念病院長)からは、「国に頼るのではなく、専門職団体がもっと努力するべきでは」という意見があったほか、「これまでは医者を中心としたヒエラルキーの中での修練が中心だった」(栗原正紀委員・長崎リハビリテーション病院理事長)として、研修の方向に賛成する意見もあった。

■薬剤師会、患者宅での臨機応変な対応を要望

 日本薬剤師会は、主に在宅医療における役割の明確化に関して要望した。同会の安部好弘常務理事は、現在認められていない業務について見直し、▽調剤した薬剤を患者宅で渡す際に、残薬の状況などから薬剤の調整が必要になった場合、処方医への疑義照会の上で計数変更する▽在宅患者向けの調剤の処方箋について、現在は認められているファクスでの受領を、電子メールなどに広げる-ことなどを求めた。背景として、法律や法令における薬剤師の業務が、薬局や調剤室を想定しており、調剤室の一部と解されている病棟でできることが在宅医療の現場で認められないという状況を説明した。【大島迪子】

ちなみに末尾の薬剤師会の役割拡大にも関連する話ですが、処方薬の飲み忘れ等で薬が余ったり数が合わなくなったりするのはままあることで、今までは外来医師がその都度処方数を加減するなど面倒なことをしていたわけですが、先日ちょうど福岡市薬剤師会が九大と共同で残薬を回収したり差し引きの不足分だけを処方するという試みが紹介されていて、医療費削減や現場の手間の軽減にも有効な策だと思いますね。
それはともかく各施設頼りでの活動となると悪い点として質的な統一が為されない一方で、良い点として施設毎の実情に合わせた調整が効きやすいということがありますが、それに対して制度として行うということであれば研修なり試験なりも集まってしようかという話になりますから、施設の状況によっては「とてもそんなことやってる暇はない」と言うことにもなりかねませんよね。
最近どうもこういう「○○にもきちんとした組織を作りましょう」という話が多いようにも思うのですが、よく言えば医療の標準化推進と質的担保ということなんでしょうけれども、天下り云々といったことを抜きにしても制度論ばかりが先行してしまうと施設の実情に合わせて手探りでやってきた現場の努力を無駄にすることにもなりかねず、なかなか難しい問題ですね。
ただコメディカルの医学的知識が(それを言うなら医師もそうなんですが)一定しておらずしばしば怖い経験をするのはどこにでもあることですから、少なくとも院内で勉強会を行い必須知識の共有を図るなど教育環境の整備と質的な底上げが必要であることは言うまでもありませんが、そこに何かしらの権威・権限を付加するという話が結びついてくると少しばかり話がややこしくなってきます。

日本の医療現場で「診療看護師」が活動し始めています。(2013年6月25日FNNニュース)

アメリカでは、「ナースプラテクショナー」と呼ばれる専門教育を受けた看護師が、患者の診察や処置などを行っていますが、今、日本でも、これをモデルにした診療看護師が活動し始めています。その現場を取材しました。

夜間救急外来を設置している、東京・港区のせんぽ東京高輪病院。
発熱と激しいかゆみで訪れた女性を最初に診察するのは、医師ではなく、診療看護師の松橋詩織さんだった。
松橋診療看護師が「アレルギーあります? 食べ物とか」と尋ねると、患者は「ないと思う」と答えていた。
松橋診療看護師は、当直医の指示を受けて、バイタルサインと呼ばれる血圧、脈拍などの基本データと、持病やアレルギーなどを確認し、その診察をもとに、当直医は診断と処置を検討する。
松橋診療看護師は「最初はやっぱり、不安ですね。看護師なのに、医療に携わって。医療というか、治療に携わるっていうのは、どこまで(患者に)受け入れられるのかっていうのが」と話した。

診療看護師は、5年以上の実務経験を持つ看護師が、大学院などで2年間、医学知識や技術の教育を受け、医師の指示のもとで診療や検査、処置など、特定行為をする
医療機関によっては、「特定看護師」と呼ばれ、3年前から厚労省のモデル事業としてスタートした。
診療看護師1年目の松橋さんは、研修医と同じく、救急外来やさまざまな診療科を回り、実践経験を積んでいる。
動脈からの採血は、出血リスクが高く、これまで医師が担当してきた分野だった。
松橋診療看護師は「視野が広がったなっていうことは、すごく感じていて、採血結果とかで治療効果を一緒にドクターと判定して。で、またその治療方針を変えるという立場にいるんで」と話した。
松橋さんは6年間、この病院で看護師として働いていたが、退職して自費で大学院に入り直し、4月から診療看護師として戻ってきた

朝のミーティングでも、診療看護師は医師のグループに入る
看護と医学の両方の視点を持つ診療看護師は、深刻な医師不足を救う存在としても期待されている。
この日、外来で70人の患者を診察する予定の循環器センター・山本雅人医師は、夕方遅くまで入院病棟へ行く時間は取れない。
山本医師は「1人、病状が動いている患者さんがいまして、彼女なりの診察だとかしてもらって、それで報告してもらって、それで僕が適切な、それに対して、(対応の)指示をしていく」と話した。
松橋診療看護師は、山本医師に代わり、入院患者のもとを1日に何度も訪れ、状態の変化を把握し、治療についての説明も丁寧に行う
松橋診療看護師は「すごく、言葉を選びます。不安をあおるような形で説明してはいけないと思うので、やっぱり医師の言葉だと、難しいっていうことをよく聞くので、そこは何とかかみ砕いて」と話した。
入院患者は「もう先生も忙しいから、説明されるだけの傾向があるんで。それのギャップを(診療看護師が)埋めてるっていうか、そのへん本当に安心してます」と話した。

いつもそばにいる存在として、松橋診療看護師に対する患者の信頼度は高い。
しかし、法律がまだ改正されていないため、診療看護師の地位や業務範囲は不透明な状態のままで、医療機関によって試行錯誤している状況となっている。
心臓移植を受けた女性のカテーテル検査。
心臓の筋肉組織の一部を採取して、拒絶反応がないかを確認する。
リスクが高く、通常は医師だけで行うが、メンバーに診療看護師の松橋さんが加わっていた。
松橋診療看護師は「やっぱり、もう看護師なので、看護もするし、プラスアルファで、医学的なことにも参画するという形でとらえているので。患者さんがやっぱり足りない部分を、わたしが(病室に)行ったときには補ってあげたい」と話した。

厚労省は、看護師の特定行為の項目や手順規定を、2013年度中に定めて法改正する方針。
新たな役割を担う診療看護師の挑戦は続く。

ナースプラクティショナー(Nurse Practitioner, NP)なるものの導入の是非に関しては「患者にとって不幸な結果をもたらすだけでなく、生命をも脅かすことになりかねない」と強硬な日医を含め未だに賛否両論ありますが、知識も技能も不足する研修医でも単なるお荷物ではなくいないよりいた方がましという局面も多々ある以上、これまた使いようによっては十分有効なものになってくるんじゃないかと考えています。
例えば未だに「点滴ルートをとるのは先生の仕事ですから!」なんてことを言っている病院は医師からも忌避されますけれども、こうした仕事はどんどん率先してNPにお任せすればいいはずですし、臨床現場で「別に医師がやらなくてもよさそうなのに何となく慣例的に医師がやっていて業務の多忙感を増している仕事」など幾らでもあるわけですよね。
NPが実際どんな仕事をするのか、それをやって法的に問題ないのかという議論はある程度煮詰まっているとは言えまだ法的にはっきりと確定してはいない状況ですが、現状で医師は多忙でろくに患者の顔も見ていられないという状況にある、そして当の患者側は実に9割が看護師の業務範囲拡大に賛成しているという調査結果もあるのですから、基本的には今後次第に導入が進んでいくものと思われます。

ただ船頭多くして船山に上ると言う言葉もあるように、NPの権限がある程度拡大してくると当然ながら医師の判断と違ってくる部分も出てくるはずで、そうした場合組織としてどちらの指示に従ったらいいのかと迷う局面は必ず出てくるはずですよね。
研修医と指導医との間でもこうした対立はしばしばあって、両者の指示が分かれて混乱するような時にベテラン看護師であれば「まず指導医の先生と相談してみてもらえますか」と両者間に丸投げすることで難を避けたりもしますけれども、看護師と一番深刻な対立関係になりやすいのが女医であると言うのと同様、つい先日まで同格の看護師だった人間から上から目線であれこれ言われることに感情的対立は必ず起こるでしょう。
先の記事中の施設では医師への報・連・相と末端の手技だけで判断と指示出しの部分は医師がするようになっているようですが、元々厚労省が考えている思案ではある程度簡単な日常診療上の問題には独力で対処するというところまで考えられているわけですし、そもそも本家アメリカでのNPとはそうした簡易医師的な役割を持つ制度であるわけですから、それを行わないなら全く似て異なる別物と言われかねません。

本来NP制度は医師不在地域での代替医師的役割と同時に医師ほどコストがかからず医療費削減が期待出来るという意味もあって、どうも日本で今試行されているチーム医療の中で医師とも対等に会話できる専門的知識を持ったサポートスタッフ的な位置づけとは出発点が違うという気はしますよね。
ただよくも悪くも封建的な医師の独裁権力を前提に構築されている日本の医療システムは前時代的だと批判するのはたやすいのですが、同時に最小限の医師数で世界平均よりずっと多い病床や患者を効率よくさばくのに都合のよいシステムでもあったわけで、純粋に医療の効率化を図るなら昨今人気の医局秘書導入と同様医師の業務を下請けしサポートするだけでも医師の多忙感はずいぶんと違ってくると思います。
その場合一番問題となるのが時間とお金を使って研修も受け、本家アメリカでのNPとはこんなにも素晴らしい専門職なんだ!と勉強してきた当のNP有資格者がそんな下請的地位に満足出来るのかどうかで、そもそもこんな資格を取りに行くくらいですからよほどに熱意情熱にあふれている有能な人材が多いでしょうに、制度としての形にはめて定着させた結果かえってやる気をスポイルさせてしまったのでは目も当てられませんね。

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2013年6月28日 (金)

初産年齢30歳突破 まだ注目されていない別なリスク

本日の本題に入る前に、旧ソ連時代末期に初めてロシアに進出したときにはビッグマックひとつが平均的なランチ代の倍もするのに行列が出来たと言いますが、日本でも80年代後半にはマクドナルドのハンバーガーが200円以上した時代もあったわけですから、こうなると高級とまではいかないまでも子供のお小遣いでは気軽に食べるというのも少し腰が引ける値段です。
休日にマクドナルドのドライブスルーに家族で並んでいるのを見るとちょうどそんな子供が成長してかつての渇望を大人買いで満足させているのかなとも感じるのですが、そもそも本家本元のアメリカではマクドナルドやハンバーガーと言えばお金がない人たちが仕方なく食べざるを得ない安価で高カロリーな食べ物という側面もあって、もちろん高級感などとは無縁なジャンクフードの類であるわけですね。
当然ながらカロリー脂質過多で野菜が乏しい栄養価からしても常食して体にいいものとは思えませんけれども、先日見ていましたらやはりこういうリスクがあるんだなと感じさせる記事が出ていました。

◆ 妊娠前にファーストフードを頻繁に食べた場合、妊娠糖尿病リスクがおよそ2倍に(2013年6月25日日経メディカル)

 妊娠前のファーストフード摂取頻度が多いほど、妊娠糖尿病リスクは増大するようだ。ハンバーガーやピザを、1週間に3回以上食べる人は、1カ月に3回以下の人に比べ、同リスクはおよそ2倍に増えるという。これは、スペインUniversity of NavarraのFrancisco Javier Basterra-Gortari氏らが、3000人弱について行った前向きコホート試験で明らかにしたもので、6月21日からシカゴで開幕中の米国糖尿病学会(ADA2013)で発表した。

 これまで、ファーストフード摂取と妊娠糖尿病リスクについては、殆ど明らかにされていなかったという。そこでBasterra-Gortari氏らは、2万人超の大学卒業生から成る前向きコホート「SUNコホート」の中から、1999~2010年にかけて1回以上妊娠し、糖尿病または妊娠糖尿病歴のない女性、合わせて2903人について、ファーストフード摂取頻度と妊娠糖尿病との関連性について検討した。

 ファーストフードの定義は、ハンバーガー、ソーセージとピザとした。被験者は、136の食べ物に関する質問項目に回答した。その結果を元に、被験者をファーストフード摂取頻度に応じ、低頻度摂取(1カ月に0~3回量)、中頻度摂取(1カ月に3回量超~1週間に2回量)、多頻度摂取(1週間に2回量超)の3群に分類した。条件付きロジスティック回帰を行い、潜在的交絡因子について補正を行った。

 その結果、追跡期間中に妊娠糖尿病を発症した人は169人だった。年齢やベースライン時のBMI、総エネルギー摂取量、喫煙の有無、身体活動性、アルコール摂取、食物繊維摂取、地中海ダイエット、非アルコール飲料摂取、糖尿病の家族歴、ベースライン時の心血管疾患や高血圧症、経産について、補正を行った後、ファーストフード摂取頻度と妊娠糖尿病発症には有意な関連が認められた。

 具体的には、ファーストフードを中頻度摂取する人は、低頻度摂取の人に比べ、妊娠糖尿病発症に関する補正後オッズ比は1.51(95%信頼区間[95%CI]:0.93-2.46)、多頻度摂取する人の同オッズ比は1.98(95%CI:1.20~3.29)と、正の線形傾向が認められた(P=0.005)。

 被験者試験開始から妊娠までの期間は、正確なデータとして集計していないものの、Basterra-Gortari氏によると「およそ4~5年ではないか」としている。

 Basterra-Gortari氏は、ファーストフード摂取頻度と妊娠糖尿病発症リスクの関連について、「ファーストフードはカロリーも高く、同リスクが大幅に増えるであろうと予測はしていた」とした。その上で、自分たちの研究目的は全て、妊娠糖尿病の発症予防にあり、「妊娠前の女性は、ファーストフード摂取を控え、妊娠糖尿病発症予防につなげて欲しい」と語った。

こうしたファーストフードの悪影響というものは誰しも内心気にしているようで、先日はマクドナルドのCEO自らが「毎日食べてるけど1年で9キロ痩せましたが何か?」と公言して話題になっていましたし、民間レベルでも一定期間ひたすらマクドナルドを食べまくってみるといった企画があちこちで行われていて、まあ好きであるからこそ安心感の担保が欲しいということなのでしょうね。
今回の調査を見てファーストフードそのものが栄養的に偏っているということももちろんあるでしょうし、そうした食習慣を持つ人が栄養的にこだわりが少ないということもあるのでしょうけれども、体型などを補正してもリスクがこれだけ高まるということは少なくともファーストフードの過食は健康的な食事とは言えないということになるのでしょうか。
前置きが長くなりましたが、妊娠に関わるリスクというものはハンバーガーの誘惑に留まるものではないのは当然であって、恐らく日本ではそれよりもずっと怖いリスク要因となりそうなのが当「ぐり研」でもたびたび取り上げて来た高齢出産問題ですが、先日社会的にも大きな注目を浴びるこんな記事が出ていました。

初産30・1歳、「晩産」鮮明…少子化対策白書(2013年6月25日読売新聞)

 政府は25日午前の閣議で、2013年版「少子化社会対策白書」を決定した。

 女性が第1子を出産した平均年齢が30・1歳となり初めて30歳を超えるなど、「晩産化」が進む傾向が少子化の一因と分析した。これまで子育て支援を重視してきた少子化対策について、「晩産化」と、背後にある「晩婚化」を踏まえた支援策の重要性を強調した。

 1980年の統計は、女性が初婚を迎えた平均年齢は25・2歳で、第1子出産の平均年齢は26・4歳だった。いずれも年々上昇し、2011年の平均年齢で、29・0歳で初婚、30・1歳で第1子出産となり、「晩婚化」と「晩産化」が同時に進んでいることを裏付けた。

 背景として、白書は「若い世代はこの10年間で低所得層にシフトした」と、若い世代における雇用不安や所得減少を指摘した。20歳代の所得分布は、年収200万円台前半の層が最も多い。30歳代も97年統計で最多の層は年収500万~600万円台だったが、07年には300万円台に落ち込んだ。

ともかく初産年齢が30歳を突破したというのは世間的にもインパクトが大きかったようで、何しろ半世紀ほど前であれば30歳と言えばそろそろ子供も大勢産んで出産を終えようかと言う年代だったわけですから年配の方々を中心に「何とかしなければ」と言う声が上がるのも当然なのですが、問題は何をどうすべきかということです。
高齢出産の持つ生物学的なリスクにつきましては今さら改めて繰り返しませんけれども、白書でも指摘しているように根本的な原因として生物学的に最も妊娠出産に適している年代が所得の減少でとても結婚だ、子供だと言っていられない状況になっているというのは、産みたくても産めないという人が多いということですから社会的に対策を急ぐ必要がありますよね。
いわゆる少子化対策云々も絡めるとまた女性手帳問題のように思わぬ横やりが入る恐れがありますが、今日は出産年齢高齢化で一世代毎の交代サイクルが次第に延長してくるとこんなリスクも出てくるのだということで、こちらの記事を紹介してみましょう。

63歳父 35歳ニート長男の今後を考え「不安で夜も眠れない」(2013年6月24日NEWSポストセブン)

 就職難で働けない子供、親のすねをかじることに味をしめて働かない子供……。いずれの場合でも、親は不安を抱え、悩んでいる。「育て方を間違えたのか」「どうして私の息子だけ……」――そうやって自分を責めてもはじまらない。我が子に今、親として何ができるのか。

もし私たちが死んだり、認知症になったりしたら、息子はどうやって生きていくのか……」

 63歳のAさんは言葉を詰まらせる。眉間に深く刻み込まれた皺が、苦悩の日々を物語っている。

 Aさんの長男は今年35歳になるが、これまで一度も就職したことがない。20代の頃はコンビニなどでアルバイトをしていたこともあった。しかし、どれも長続きせず、この数年は「オレは仕事に向いていない」と部屋に閉じ籠もり、ネットやゲームをしてばかりいる

「大学を卒業したばかりの頃は、“そのうちやりたいことが見つかればいい”と呑気に構えていた。それがいけなかったのか、本人は親のスネをかじるのが当たり前のような感覚になっていて、危機感が全然ない。

 私は定年延長であと2年は働けますが、その後は年金暮らし。収入は格段に低くなります。もし私と妻が死んだら、その年金すらなくなってしまう。そうなったら子供の生活の面倒は誰が見るのか。そう思うと、不安で夜も眠れません」(Aさん)

「ニート」「フリーター」という言葉が流行り始めてから、10年、20年がたつ。しかし、その言葉の軽い響きとは裏腹に、親にのしかかる現実は重くなるばかりだ。就職氷河期の犠牲者である本人たちよりも、実はその親の方が苦悩が深い場合は少なくない。

 父親の年代は、50代後半から70代。なかには心労から体調を崩したりしてしまう親もいるという。

Aさんの場合は特に高齢での子供というほどでもありませんけれども、今後初産年齢がどんどん高くなり親子の年齢格差が大きくなってくるにつれてこうした子供の扶養ということがどれほど難しいことになるのか、そろそろ真剣に考えておかなければならないと思いますね。
昨今では美しい表現をするならば若年層の雇用流動化が進行していて、30代くらいまでは職を転々としたりフリーターで食いつなぐということはもはや珍しくありませんが、仮に親が30代後半で子供を産んだとすると親が定年年齢になった頃にはまだ子供は20代、その頃に彼らが無職であったとすれば年金等も親が負担せざるを得ないと言う場合も多いはずです。
しかし高齢で産まれた子供の場合下手をすると親が亡くなる頃になってもまだ受給可能な期間の払い込みすら終わっていないということが当たり前に起こりえるわけで、このところ制度的永続性という観点からも年金問題が非常に大きな関心を集めるようになっていますけれども、こんなところに非常に大きなリスク要因が潜んでいたということはもっと注目されていいと思いますね。

もちろんニートになるような子供を育てるのが悪い、遅く生まれた子供だからと甘やかし放題していた親の責任だという声も聞こえてきそうなんですが、最近では高齢妊娠で卵子の老化がダウン症などの原因になるのと同様精子も老化してくることが知られていて、その結果何が起こるかと言うと子供に自閉症や統合失調症が増えるということが判ってきました。
基礎疾患の種類別による就職率の差ということについて手元に明確な比較データがありませんけれども、例えばアメリカなどではおおむね7~8割は就職しているという自閉症に関しても本邦では自閉症協会の調査によれば「自閉症者の就職率はS62年が6.0%,H2年が6.9%で,100人中93人以上が就職できていない。良くて作業所,悪ければ精神病院に行ってらっしゃる方もある。」とまことに憂うべき状況です。
卵子老化によるダウン症などもダウン症協会によれば就業率はわずか1~2%と惨憺たる状況で、もちろん立派に社会人として勤められている方も大勢いらっしゃる一方で社会参加というレベルに留まっている場合も多く、その場合当然ながら健常者よりも稼ぎが多いとはまず考えられませんから、高齢出産とはすなわち将来的な子供の扶養という観点からも非常に難しい問題をはらんでいるということが言えると思いますね。
だから何だ、いくつの時に産もうが個人の自由だという考え方もごもっともではあるのですが、出産年齢高齢化に伴いこうした様々なリスクも今後懸念されてくるということを考えた場合に、せめて高齢出産をするならしっかり稼いで子供に資産なりと残してやらなければいけないのかなという気もしてきますが、それが出来ればそもそも苦労もないという話ですよね…

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2013年6月27日 (木)

朝日新聞記者 他人のメールサーバーに不正侵入し書類送検

未だに捜査が長引いているらしい例のPCウイルス事件で、容疑者のメールサーバーに記者が不正アクセスしたという一報が今春の段階で出ていましたけれども、ついに書類送検されることになったようです。

<PC操作>朝日、共同記者書類送検へ サーバーに侵入容疑(2013年6月25日毎日新聞)

 パソコン(PC)の遠隔操作事件で、警視庁は24日、片山祐輔被告(31)=ハイジャック防止法違反の罪などで起訴=が弁護士らに犯行声明を送るために使ったとされるメールのサーバーに侵入したとして、朝日新聞社と共同通信社の複数の記者を不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検する方針を固めた。

 捜査関係者によると、記者は昨年10~11月ごろ、片山被告が使っていたとみられるIDやパスワードを入力して、メールのサーバーに複数回にわたり、無断でアクセスしたとしている。パスワードなどは犯行声明の内容をヒントにアクセスしたという。

 両社の記者はサーバーに侵入した後、取材目的でメールの内容や送受信記録などを確認していたとみられる。

共同、朝日記者ら書類送検へ=メール不正アクセス容疑―PC遠隔操作取材で・警視庁(2013年6月25日niftyニュース)

 遠隔操作ウイルス事件で、「真犯人」を名乗る人物が犯行予告などを送信するのに使ったフリーメールのサーバーに、パスワードなどを不正に入力してアクセスしたとして、警視庁が不正アクセス禁止法違反容疑で、共同通信社と朝日新聞社の複数の記者を書類送検する方針を固めたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。同日午後にも送検する。
 捜査関係者によると、両社の記者は昨年10月~11月ごろ、遠隔操作事件で使われたメールアドレスのサーバーに、犯人が使用したとされるアカウント名とパスワードを入力し、不正にアクセスした疑いが持たれている。
 警視庁などの合同捜査本部がサーバーへのアクセス履歴を調べたところ、匿名化ソフトが使われた真犯人のものとみられるアクセスの他に、両社のパソコンなどからのアクセスが見つかり、経緯を調べていた。
(略)

記者不正アクセス問題 共同・朝日がコメント(2013年6月25日日本経済新聞)

 パソコン遠隔操作事件に絡み、共同通信社と朝日新聞社の記者が犯行声明メールの送信元サーバーに不正に接続したとされる問題で、両社は25日、それぞれ社会部長名のコメントを発表した。

 共同通信社の石亀昌郎・社会部長は「形の上では法律に抵触する可能性があるが、事件の真相に迫るための取材行為だったことを捜査当局に説明し、理解してもらえたと思う」とコメントした。

 朝日新聞東京本社の森北喜久馬・社会部長は「正当な取材の一環で、法律上も報道倫理上も問題ないと考える。手続き上、書類送検されることになるが、弁護士を通じ、正当な業務だったとする見解を警視庁に伝えている」とコメント。朝日新聞デジタルは「不正アクセス禁止法違反罪の構成要件に該当しない」「報道機関として必要な取材であり、正当な業務行為」とする詳細な見解を掲載している。

 警視庁は25日午後、共同通信記者2人と朝日新聞記者3人を不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検する方針。

詳細な朝日新聞の見解についてはこちら同社HPを参照いただきたいと思いますけれども、その主張によれば報道機関向けに送られてきたメールにパスワードも記載されていたのだから許諾を得ていたと考えるべきで、不正アクセスということには当たらない、またこうした取材活動は正当な業務であって刑法でも罰しないものと定められていると言うことのようです。
ともかく朝日の考える正当な業務と世間の考えるそれとにいささか乖離が存在するらしいことは先のアルジェリア人質事件の遺族の拒否を押し切っての被害者実名報道でも明らかになった通りですが、おもしろいのはこうしたメールは報道各社を始め関係各方面に一斉送信されていたことがすでに知られていますけれども、そのうち不正アクセスを実際に行い書類送検になったのが朝日と共同の二社に留まるということです。
もちろん誰しも好奇心というものはありますから他人のメールを盗み見たくなることはあるのでしょうけれども、実際にそれをやるには社会常識その他様々な阻害因子が関係してなかなか難しいもので、犯罪行為を厭わず常識の殻をたやすく打ち破った朝日の蛮勇は特記すべきものがあったということでしょうか。
いずれにしてもいつものように朝日がまたやったと言うことで世間の関心も集まっているのですが、常識の何たるかを決定する一般大衆はこの朝日の行為をどのように見たのかということをこちらの記事から引用してみましょう。

取材なら「不正アクセス」許されるのか 共同・朝日記者送検でネットに疑問の声(2013年6月25日J-CASTニュース)

  パソコン遠隔操作事件で、共同通信と朝日新聞の記者らが不正アクセスをしていたとして書類送検された。両社は正当な取材行為だったとする一方、ネット上では異論が出ており、認識に違いが見られる

   「不正アクセス」は、共同通信記者のケースで2013年4月11日にまず発覚した。共同は社内調査で分かったと報じたが、ログイン履歴とされるものがネット上で暴露されており、いずれ判明する事態だったとみられる。

共同は「行き過ぎ」からコメント変える

   報道によると、共同の2人と朝日の3人は、12年10~11月にそれぞれ、片山祐輔被告(31)が犯行声明を弁護士らに送るために使ったとされるフリーメールサイトのサーバーに1~3回ほど侵入したとして、不正アクセス禁止法違反の疑いがかけられている。記者らは、アクセスに当たって、片山被告が使っていたとみられるパスワードを入力していた。

   パスワードは当初、犯行声明メールの内容から類推したとされていた。そして、真犯人が使ったとみられる別のフリーメールのパスワードが、12年10月9日の犯行声明メールに書かれていたと報じられていたことから、共同の記者は、このパスワードを使って「不正アクセス」したとの見方がネット上で出ている。

   共同は当初、「真犯人に近づく目的だったが、取材上、行き過ぎがあった。厳正に指導する」との編集局長のコメントを出していた。しかし、今回は、行き過ぎとは言っておらず、「形の上では法律に抵触する可能性がありますが、事件の真相に迫るための取材行為だったことを捜査当局に説明し、理解してもらえたと思います」との社会部長コメントをマスコミ取材に出している。

   その理由は明らかにしていないが、フリーメールのパスワードが同じであることはメールから読み取れるとして、「形の上」だけでの違法の可能性に触れたとも言えそうだ。

朝日は「法律上も報道倫理上も問題ない」

   一方、朝日新聞は、社会部長のコメントとして、「正当な取材の一環で、法律上も報道倫理上も問題ないと考えます」と違法の可能性まで否定した。そのうえで、「手続き上、書類送検されることになりますが、本社は弁護士を通じ、正当な業務だったとの見解を警視庁に伝えています」と言っている。

   さらに、「朝日新聞記者の不正アクセス容疑について」という広報部の署名記事で、会社の見解として違法でない根拠を説明した。そこでは、2012年10月9日の犯行声明メールにパスワードが記載されていたし、真犯人とみられるパスワードの利用権者がアクセスを承諾していたのは明らかだと踏み込んだ主張をしている。

   とはいえ、ネット上では、「正当化するとはびっくり」「人のアカウントで勝手にログインするのがどうやったら正当な業務なのか全く解らない」「報道のための犯罪は合法ですかへー」といった疑問の声が依然多い

   なお、日経の記事によると、警視庁幹部は、「結果的に捜査上の支障はなく、取材が目的で悪質性が高いとはいえないが、行為としては不正アクセス禁止法違反の疑いがあり、書類送検の必要があると判断した」との見解を示したとしている。

ちなみに状況の詳細は明らかになっていませんけれども、風の噂によればメールに添付されていたアカウントとパスワードはA社のものだったのですが、これに対して犯人が他に使っていたB社のメールの方はパスワードが公開されていなかったにも関わらずたまたまA社のものと同じだったためアクセスが出来たという話であったということで、これが事実だとすれば到底当事者の承諾を得たとは言えないように思います。
実際に裁判にまで結びつくのかどうかは未だ何とも言えませんけれども、朝日の論理を応用すると例えば盗撮なども「それが世間から見えるものであり公開されていると言える」ことで正当化され、また「他人の秘密を暴き出すことは当社の正当な業務である」として処罰対象にならないという論理も成立するということになりそうですよね。
実際に世間の人間が盗撮などを行っていれば100%違法行為としてお巡りさんのご厄介になりますけれども、マスコミの場合はパパラッチなどとそれ専門で食っている人もいるくらいで彼ら的には当然の取材活動であるということになっているようですから、こうした論理は朝日に限らず全世界的に当たり前に共有されているものなのでしょうか。
もちろん日本国の法律のどこにもマスコミ諸社にそんな特権的地位を与えるような文言はありませんし、こうした行為が例え業務であっても世界的に問題視されるものであることは昨今プライバシー侵害だと大騒ぎになっているグーグルストリートビューの例などからも判ることで、どうもいつものように世間の常識とマスコミの常識とが乖離している一例となりそうな話です。

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2013年6月26日 (水)

医学部地域枠で近い将来医師不足は解消に向かう?

このところ早くも各大学から来年度入試の要項が発表されているのですが、見ていますと地域枠の扱いはどんどんと一般入試から離れてきているようですね。

岡山大が14年度入試要項発表 医学科の後期日程廃止(2013年6月18日山陽新聞)

 岡山大は18日、2014年度の入学者選抜要項を発表した。医学部医学科の後期日程入試を廃止し、前期日程で行っていた「地域枠」の一般入試を別日程の推薦入試に切り替える

 全学部の募集人員は13年度と同じ2198人。医学部医学科(定員115人)は、前期日程(同100人)で募集していた地域枠(同12人)を、面接と大学入試センター試験による推薦入試に変更。後期日程(同15人)は廃止し、前期日程の定員を103人とした。4年連続で定員割れとなった地域枠を、受験しやすくするためという。
(略)

定員割れかつ推薦入試枠となったことでほぼ受験すれば合格するレベルになるんじゃないかと思いますけれども、医学部がこの時代「手に職つけた手堅い商売」という評価が定着し競争倍率も高止まりしている中で、相対的に見れば非常に合格の敷居が低い地域枠が案外忌避されているものだなと思います。
この地域枠というもの、そもそも地域内に医師を定着させるという目的で行われてきたことは言うまでもありませんが、実際には各地で予定人員に不足している上に卒後の県外流出も問題になっていて、卒後研修の縛りをきつくしたり一般入試で合格した学生を地域枠に移行させたりといった対策を行っている大学もあるようです。
それだけお金で人生を縛り付ける地域枠の胡散臭さというものが高校生レベルにまで周知されているというのは頼もしい限りですが、最近では自治体レベルでこんな「押し貸し」めいたことをやっているところもあるようですね。

修学資金貸与で産科医学生募集 栃木(2013年6月15日産経ニュース)

 県医事厚生課は、不足している産科医師の確保対策事業で、修学資金の貸与を希望する医学生を募集している。募集期間は7月19日まで。

 応募できるのは、全国の第4~6学年に在学する学生で、募集するのは産科2人程度。月額35万円を貸与決定の年から大学の正規就業年限まで貸与する。初期臨床研修を県内で行い、産科医として県が指定する公的病院などに、貸与年数の1・5倍の期間を勤務した場合、修学資金の返還を免除する。
(略)

大学入試時に地域枠が埋まらないものが入学後にわざわざこんな企画に募集してくるものだろうかと思いますけれども、今の時代ですから入学したはいいがその後の経済的事情によってどうしても奨学金等が必要になるということもないわけではないでしょうし、こうした短期の貸与であればそれに対する御礼奉公期間も短いので許容範囲だと考える人も中にはいるかも知れません。
需要と供給の原則から考えると全国どこでも医師不足の病院には事欠かないわけですから、人生の一時期にある程度僻地勤務も含めて特定の地域で働くということについてはまあ我慢出来るという人は必ずしも少なくないのでしょうけれども、こうして勤務先の縛りがきつくなり卒後初期研修から必ず特定地域でと言われるほど初期研修の重要さを知っている優秀な学生から忌避されているんじゃないかという気もします。
例えば卒後20年なり30年なりの間に特定地域内で一定期間勤務する、分割勤務も認めるかわりに勤務満了が遅れるほど返済額が大きくなるといったやり方であれば「ド田舎の勤務で世間から取り残されてしまう」という懸念も防げるでしょうし、数ヶ月毎の分割勤務ならむしろ激務の間の気分転換になると言う人も出てくるかも知れませんよね。

ところで前述の栃木の奨学金事業で気になったのが勤務の条件として「産科医として」とひどく具体的な条件を挙げていることなんですが、確かに眼科耳鼻科などマイナー診療科でお茶を濁されてしまっては地域枠のありがたみもないというもので、最近ではこうした条件付きの奨学金制度というものも結構あるようですね。
今や大学生の過半数が奨学金を取っているという時代で、しかも実質的には奨学金というよりも学生ローンですから返済不能というケースが社会問題化するのも当然なのですが、実のところ医学部に関しては幸いにも卒後にはまず確実に一定額以上の収入が見込まれる勤務先が確保されていて、ましてや地域枠等であればむしろ勤務しなければならないとまで待望されているわけです。
そうした確実な稼ぎ口があるということが貸し倒れのリスクを押し下げている一方で別なリスクを招いているとも言えるのですが、こちらの記事を先に見てみましょう。

県内 医師不足解消へ 修学金奏功、18年度にも/富山(2013年6月22日中日新聞)

県議会予特委

 県議会六月定例会は二十一日、予算特別委員会を開き、奥野詠子(自民)山上正隆(民主党・県民クラブ)矢後肇(自民)火爪弘子(共産)中川忠昭(自民)の五氏が県政をただした。県は、将来的な県内公立病院での勤務を条件にした県の修学金貸与制度の活用者の医師見込み数により、二〇一三年四月時点での医師の不足数百十八人が一八年度までに解消する見通しを示した。予算特別委は二十五日も開かれる。 (川田篤志、石井真暁)

 県は、地域医療を担う人材育成を目指し、いずれも将来的な県内公立病院での勤務を条件にした医学生向けの貸与制度を三種類用意。富山大医学部医学科の入学者向けに、入学費や授業料などを六年間貸与し、小児科などなり手不足が懸念される診療科で九年間勤務すれば返還が免除されるものなどがある。

 山崎康至厚生部長は、制度を活用する学生が医師として本格的に働き始める一八年度までに百三十七人が確保でき、「不足数がほぼ満たされることになると期待している」との見解を示した。

 一方で、山崎部長は「病院に必要な医師数は地域の医療需要などで変動する。今後も病院の状況把握に努め、医師確保に向けた総合的な対策に取り組みたい」と述べた。山上氏の質問に答えた。

地域枠による学生がこれからどんどん卒業していく、となると毎年の学生数分がそっくりそのまま向こう何年間か地域医療に補充されていくことになり万歳、これで医師不足も解消だと言う素晴らしい薔薇色の未来絵図の話なんですが、そう簡単にいくかどうかは疑問符がつくんじゃないかということです。
もともと地域枠と同様のシステムを取ってきた自治医大の場合6年間の学費を一切免除する代わりに卒業と同時に2000万円以上の借金を背負い込まされることになっていたわけですが、一般の国公立大学の場合は年限が6年と長くなるだけで学費自体は一般学部と全く同じですからせいぜい300万円余りと、正直医師一人の人生を縛るにはいささか鎖が細すぎるんじゃないかということです。
実際に入試が楽な地域枠で入学し卒後に違約金を払って離脱するといったケースも相応にあり、また医師不足に悩む病院などでは表向きはともかく「その程度の金は出してやるからうちに来てくれ」と言うところもあるやなしやに聞きますから、今後予定通り勤務医が増えていくかどうかはそんな単純な予測通りにはいかないだろうと思いますね。
また地域枠が埋まらないことで一般入試で入った学生にも押し貸しのように奨学金を貸与しているケースが多々見られますが、こうした学生は元々地域枠ではなくとも地域内での勤務も元々許容していた潜在的な地域内勤務予定者だったと思われますから、今まで通り一般入試の学生もこの程度は地域に残るだろうなどと考えていると痛い目を見ることになりそうです。

もちろん地域医療に情熱をもって医学部に進学してきた学生さんにとってはこうした制度は渡りに船ですからどんどん利用していただければいいと思うのですが、多くの学生が卒後研修を経て当初の志望先を変更していくことが日常茶飯事な業界なのですから、医療現場のイロハも何も知らない高校生が正しい未来絵図を思い描いて地域枠に志願するというのはちょっと考えにくいかなとは思います。
かつてあれほど看護師の御礼奉公問題をバッシングしてきたマスコミや弁護士の皆さんも、この医師の御礼奉公システムに関しては全くスルーどころか何か素晴らしい名案であるかのように報じるばかりで問題視する気配もないのがおもしろいなと思いますが、今時の気の利いた学生はスマホSNS当たり前でネット利用が日常生活の一部ですから問題点の所在もきちんと理解していることだろうと期待しておきましょう。
それでも情報収集がままならずうまい話に引っかかってしまうという人ももちろん一定数いるはずですが、前述のようにひとたびこうしたシステムに組み込まれてもそこから抜け出す道はちゃんと残されているわけですから、ただ状況に流されるばかりでなく最後まで主体的に自分の人生を采配してもらいたいものですね。

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2013年6月25日 (火)

国民皆保険制度 崩壊の予兆は各方面から聞こえていますが

先日都議選があったばかりの東京都ですが、最近国保の保険料が急に高くなったと言っているようです。

東京23区 高すぎる国保料に悲鳴 「払えない」「限界」 役所に殺到(2013年6月18日しんぶん赤旗)

 国民健康保険料(税)の「納付通知書」の送付が始まっています。東京23区内では、年2万円から16万円もの値上げの人もいます。受け取った住民から「高くて払えない」「毎年値上げが繰り返され、もう限界」と悲鳴が上がっています。

 大田区在住の女性(69)は病気の子ども2人を抱え、シルバーセンターで働いています。「年金生活の両親が保険料を払ってくれていますが、ギリギリの生活です。私の収入もわずかなのに、また1万円以上も上がった。覚悟はしていましたが大変です」

 12日に通知書を発送した大田区では、翌13日から問い合わせが相次ぎ、同日窓口を訪ねた区民は101人、電話は約300件。平日の2日間で393人が訪ね、電話は900件近くにのぼりました。

 10日発送の杉並区では、国保資格係応対分だけで電話が11日から4日間で947件にのぼりました。窓口対応は4日間で180人でした。

 石原・猪瀬都政は、区市町村の国保財政への独自支援額を320億円から43億円に減額しました。その結果、国保料(税)の大幅値上げを招いています。
(略)

もちろん低所得者よりも高所得者の方が負担増は大きいのですが、それでも年収200万の給与所得者夫婦で8.5万円、同300万の子供二人を持つ給与所得者夫婦では実に16.1万円のアップだと言いますから結構な値上げというもので、そもそも医療サービスを利用していないという世帯では「使いもしない医療のために保険料を取られるのは馬鹿馬鹿しい」と考え始めるきっかけになるかも知れません。
結局のところ保険診療支出が増え続ける以上は遅かれ早かれ保険料高騰を招いてしまうのは仕方がないところで、よく言う公費投入による保険料抑制と言っても結局その分は税金で負担しているだけですから本質的な意味ではかわりがないですし、伸び続ける社会保障費をどうするか、その中でも大きな割合を占める医療費の問題は今度の参院選でも大きな争点になりそうに思いますね。
今までは国主導で医療の規模的拡大を押さえ込んで来たのは周知の通りですが、今はむしろ国は医療による経済成長戦略だなどと言い出している一方、国民の側は医療は手厚ければ手厚いほどいいという段階から少し危機感が芽生え始めているところだと思いますが、ともかくいつ以来か言われて久しい超高齢化社会に対応した社会保障のあり方というものを早急に考えていかなければならない時期であるはずです。

社会保障制度改革国民会議の議論の行方(2013年6月24日日経メディカル)

 自民党の与党復帰以降、経済政策や憲法改正ばかりがクローズアップされていると感じておられる方も多いでしょう。ですが、医療や福祉のあり方についても、これまでと全く異なる速度で議論が進んでいます

 与野党で一昨年前の夏から議論が進められている「社会保障と税の一体改革」は社会保障の充実をうたい、社会保障制度改革推進法や子ども・子育て支援法など15本の法律を整備。これらの法案の可決後の昨年11月、政府は「社会保障制度改革国民会議」を設置して、以来個別の論点についての討議を行ってきました。

 これらの議論をもとに4月22日には「これまでの社会保障制度改革国民会議における議論の整理(医療・介護分野)(案)」がまとめられ、医療・介護分野に関する方向性が示されました。そして、その中では「病院頼み、介護施設頼みからの脱却をはっきりと示すべき。看取りの体制さえできないという危機感を持って対応すべき」と明記され、これまでのままの医療提供体制では、今後の高齢者増に対応できないことが示されています。

 高齢者が増えるのに合わせて毎年1兆円づつ自然増として医療費は積み上がっていきます。国の一般会計から社会保障費への繰り入れ額が既に10兆円を超えている中、今後、どんなに医療者が技術料の増額を求めても、それを無視した増額の要求は現実的ではないのです。

 また同様に、今後増えていく高齢者に対して適切な社会保障の提供を持続していくためには、入院中心の医療ではベッドが足りません。かといって、団塊の世代が亡くなるまでの期間のためだけにベッドを増やすのは現実的ではありませんから、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケア」へと変革が求められるようになるのは間違いないでしょう。

 医療政策の変革については、TPP(環太平洋経済連携協定)が注目を集めています。ですが、TPPは一種の鎖国状態にある我が国の健康保険制度に対する外圧であり、医療提供に関する構造自体を変えるものではありません。「社会保障と税の一体改革」こそが、日本の医療提供の構造自体を変え、今後の社会保障のあり方を定めるものになると私は考えています。

 社会保障国民会議は「この法律の施行の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日まで置かれるものとする」と時限的に設置されたものです。ですから、議論のために残された時間はあと1~2カ月。ちょうど夏の参院選の後には、最終的な方向性が打ち出されることになります。
(略)

医療費が伸びるということを考える上で、保険診療以外の自費診療の部分が伸びるのは保険財政を圧迫しないのだからいいじゃないかと言う考え方もありますが、日医など混合診療反対派は先進医療など実質的な混合診療が拡大されるほど保険診療の範囲が相対的に狭まり、受けられる医療の格差が広がってくるとそもそも自費診療拡大に反対するスタンスですよね。
ただ実際には「日本では生保受給者が一番いい医療を受けている」などと言われるように逆格差が発生している側面もあって、高額所得者ほど健康状態がよく生活習慣病など各種疾患リスクが少ないことは様々な統計で示されていますから、高い保険料を払って皆保険制度を支えている富裕層ほど医療サービスを受ける機会が少ないとなると、これまたいずれ「いっそ公的保険などやめてしまっても…」と言う考えも出てくるかも知れません。
この先TPPによって医療保険が自由化される方向となれば高所得層に有利で保険料もお得な民間保険サービスが登場してくることになるかもしれませんが、先の東京都のように低所得者層の負担感が増すのと違ってこちら富裕層では実際に高額の保険料を負担し制度そのものを支えているのですから影響は比較にならず、皆保険制度そのものの根底が揺るがされかねません。
ただそれではどんな手段を用いても皆保険制度を守るべきかと言えば必ずしもそう簡単なものでもなく、そもそも儲けてはいけないという建前になっている現在の日本の医療制度の歪みがあちらこちらで話をややこしくしているという側面も少なからずあるわけですね。

医療に必要なのは「競争」より「協調」 (2013年6月23日日本経済新聞)

 安倍政権の経済成長戦略の中で、「医療」は非常に重視される分野だ。医療で大きなお金が動き、日本経済を引っ張ることが求められている。イメージとしては、規制をできるだけなくして、病院や製薬企業、医療機器メーカーなどが業界内で大いに競争し、その中でよりよい製品、技術、サービスが生まれて、それがどんどん普及していく、といったところだろうか。

 ところが、医療・介護制度のあり方を検討している政府の社会保障制度改革国民会議の中で、「今、医療に必要なのは『競争』よりも『協調』ではないか」という視点で議論が起こっているのをご存じだろうか。

 日本では、一部に国公立の病院や診療所(クリニック)があるものの、その大半は民間で運営されている。医師は病院、診療所の一国一城の主として、その組織を存続させていく使命を負っているといえる。できるだけ患者を集め、収益をあげていくことが必要となる。

■大規模化に走る日本の病院

 すると、全体の効率性などお構いなしに、患者獲得競争の中で、自らの病院の大規模化、総合化などに走り始める。その結果、人口千人当たりの入院ベッド数は13.6。ドイツの8.3、フランスの6.4(OECDヘルスデータ2012より、ちなみに欧米では病院は公立や、教会、慈善団体が設置するものが多い)などと比べても明らかなように、先進国の中では突出した多さとなっている。本当に必要な地域にたくさんあるかというとそうでもない。数多くあるベッドを空けておくのはもったいない。勢い入院期間も長期化してきた。今現在は入院期間の短期化が起こっているものの、患者の平均在院日数も先進国の中では突出して長い。その分医療費は増える。

 CTやMRIといった高額な検査機器の人口当たり設置台数についても日本は飛び抜けている。診療所に置いてあることも珍しくない。高額機器を導入すれば、それも遊ばせておくわけにはいかない。割と安易に検査をするばかりでなく、あちこちの医療機関で同じような検査を受けるといった無駄な事態も起こる。

 日本は急速に人口の高齢化が進んでおり、それに伴い医療費も増え続けている。医療費は税金や健康保険料で賄われている。もう医療費ばかりを野放図に増やすわけにはいかない。そこで出てきたのが、「競争」よりも「協調」が必要ではないかという考え方だ。

■役割分担が重要に

 具体的には、医療機関の役割分担を明確にし、医療から介護、最後のみとりに至るまでできる限り病院や介護施設ではなく住宅で過ごしてもらおうという構想だ。患者はまず、地域のかかりつけの診療所に行く。そこにはいろいろな症状に広く総合的に対応できる医師がおり、その医師の判断で専門的な治療が必要となれば大きな病院、専門病院に行く流れとなる。検査や投薬をあちこちで受けるということもなくなる。入院は必要最小限とする。病院も高度な救急救命医療ができる病院、自宅に戻れるようにリハビリを担う病院、慢性病に対応する病院などに分かれる。

 こんな役割分担をするにはまさに「協調」が必要になる。国民会議では、病院の再編のために、病院版持ち株会社ともいうべき新たな医療法人制度をつくる案などが議論される。補助金を使って新法人への移行を誘導していくという。
(略)

日経新聞の言うことは医療費抑制という観点からは全く合理的な発想で、そのシステムを実現したのがまさにイギリスで行われているNHSということになりますけれども、同時にこのシステムによって医療費は抑えられたものの医療従事者の士気が崩壊し同国が医療崩壊最先進国とも言われるようになり、また国民も本当の病気の時は公的保険外の民間病院にかかるようになったということも同時に知っておかなければならないでしょう。
そもそも日本では多くの病院が医業収入だけでは赤字になり他分野で稼いだ分を繰り入れしながら何とか経営を続けているのですが、それもこれも医療では儲けてはいけないという不自然な発想に基づく保険診療のルールによって「とにかく薄利多売で商売をしなければ即赤字」という状況を強いられていることがその根底にあるわけです。
例えばひと頃から大いに話題になった救急搬送受け入れ不能状態、俗に言う「救急たらい回し」なども何故発生するのかと言えば、もちろん地域内の医療リソースが需要に対して相対的に不足していると言うこともあるのですが、普通に考えれば急患は一定確率で発生するのだから救急が来る時に備えて空きベッドなどをあらかじめ確保しておけばいいじゃないか、医者馬鹿じゃね?と誰だって思いますよね。
ところが日本の保険診療の報酬体系ではベッドはとにかく常時満床にしておかなければ赤字がかさむ一方なのですから、それだったら救急受け入れを要請する病院には公費なりであらかじめベッドのキープ代を支払っておくか、それともそんな無茶なベッドの回転をさせなくてもいいように別なところで儲けさせるかということを考えた方がかえって国民の利益につながるはずです。

実際に「病院に儲けをもたらさない医者はさっさと首を切られる」など色々と言われることも多い某民間巨大病院グループなども、きちんと出せるところで利益を出しているからこそ他の医療機関がやっていけない僻地離島などの医療を担当出来るわけで、医療で儲ける=悪という単純な図式で考えているとかえって国民にとっては不利益が大きくなるという側面があることを理解すべきですよね。
そのひとつの手段が混合診療の導入で、これも医療格差だと某医療団体のようなことを言えば悪い側面からしか見られませんけれども、お金を余分に出せる人に十分出していただいてその利益で貧しい人々の医療を安価に提供すると考えれば、マスコミ諸社の久しく絶讚するところの「赤ひげ」のやっていたことそのままではないでしょうか?
無論それとは別に指摘されているような高額な検査機器の導入によって「元を取るために高額な検査をどんどんしなければならない」という問題もあり、これに対して都市部などでは各地に高度な検査機器を集約した検査センターを作って外注するという形にしていけばさほど利便性も損なわれず、「うちの安物CTは画像が汚くて…」などと嘆く医師も多少は減らせるかも知れません。
ともかく医療がこれだけ身近なものになった結果実際に国民それぞれには年齢所得等の差もあれば求める医療も違うことが明らかになっているわけで、それでも万人に同じ医療を提供することが公的保険としての絶対的正義だという考えを維持するのだとすれば、むしろ救急医療など中核的部分以外では大胆に各人好みのオプションを選択できる混合診療を認めた方が制度の歪みが目立ちにくいんじゃないかと言う気もします。

もう一つ別の問題があって、例えば早期胃癌の手術なども一昔前は簡単な開腹手術で一時間で終わるものだった、それが腹腔鏡を使って傷口が小さくなりますだとか、いや内視鏡で切除すればそもそもお腹を切らなくて済みますよと技術的進歩は結構なのですけれども、いくら広汎に広がった病変だとは言っても早期胃癌を何時間もかけて粘膜剥離術で取った結果もらえるお金は開腹術の半分以下では何か釈然としませんよね。
一生懸命苦労して腕を磨き技術革新を推し進め新しい治療法を開発したとしても、その結果患者さんの体への負担も少なく入院も短くて済むのだからと診療報酬も少なくなっていくのが保険診療の基本的な仕組みなのですから、本来そんな割に合わない話にまともな経済感覚を持っている人間はついていくはずがないのですが、何故か一生懸命寝る時間も削って頑張ってしまう医者が多いのだから国も保険者も笑いが止まらないはずです。
製薬会社が新薬を法外な金額で売っている、患者の健康をダシにして金儲けに走るのはケシカラン!と言う声が時々上がりますけれども、ごく普通の人間であれば努力すれば報われるという見返りがあるからこそ頑張れるというのも事実であって、努力すればするほど報酬は低くなる、平均的医療水準は上がって訴訟リスクも増すという環境を自ら望んで作り上げてきた医師の方が特殊体質なのかも知れません。
医学部定員が大幅に増え医学部学生の質的低下が問題視されていますが、ちょうど同時進行で世に言う「ゆとり世代」がどんどん医療現場に流れ込んでくることで各地で「今までと何か違うぞ」と戸惑いが広がっていますけれども、医師=特殊な社会的義務を持つ選ばれた存在という妙な固定観念を離れて見れば、案外彼らの考え方の方が世間の常識を率直に反映している場合も多いんじゃないでしょうか。

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2013年6月24日 (月)

TPP参加で医療現場にも新たな落とし穴が発生?

本日の本題に入る前に、そろそろ参院選も近づいていますけれども、それに向けての各党の選挙公約がそろいつつある中で先日ちょっとびっくりするような文言を見かけました。

みんなの党が参院選公約 脱原発・農業改革…改憲も明記(2013年6月17日朝日新聞)

 みんなの党が17日、参院選の選挙公約「アジェンダ2013」を発表した。電力、農業、医療の3分野を「既得権三兄弟」と位置づけ、規制改革を前面に押し出す。憲法改正の手続きを定める96条については「手続きの簡略化を進め、決議要件を緩和」と明記する。

 渡辺喜美代表は記者会見で「しがらみのない政党なので、自民党の聖域にも切り込む」と語った。電力では「2020年代の原発ゼロを実現する」と掲げる。農業は減反政策を段階的に廃止。「株式会社の農業参入を原則自由化し、農地の所有も認める」と自由化を推し進める。

 医療は、混合診療を全面的に解禁し、「マイナンバー制度を活用した医療情報データベースの構築で、機動的な医療政策」を目指すとした。また、国会議員の定数を衆院300人、参院100人に削減し、給与3割、ボーナス5割を即時にカットする。

かなり大胆な規制緩和といいますか、「既得権三兄弟」とはなかなかに穏やかではない言葉ですが、これを見る限りではいわゆる小さな政府のもとで自由主義経済を目指すという大方針なのでしょう、いずれにしても「しがらみのない」泡沫政党だからこそ掲げられる政策とは言えるかも知れません。
当然ながら同党としてはTPPには積極参加して「攻めの開国」をと威勢がよいのですが、あるいは例によって朝日ソースだからと思って同党のHPを確認してみたところ医療関係の公約としてこんなことを書いていました。

B 「社会保障不信」の解消と「世代間格差」の是正によって、若年世代には希望を、高齢者には安心をもたらすセーフティネットを再構築する
1.世界最先端の医療と切れ目のない介護・障がい者施策ですべての人に「生涯安心」を

    医師数をOECD(経済協力開発機構)加盟国平均の人口千人当たり3人に増やす。医学部・メディカルスクールの新設を解禁。かかりつけ医と専門医の役割分担を明確化する。
    健康保険制度を段階的に一元化。官民で保険料率に格差がある現行制度の不公平を是正する。安定的な制度運営のため、運営規模は地域主権型道州制を想定したブロック単位とする。
    健康保険料の月収上限(月額121万円)を撤廃し、所得に応じた負担によって健康保険行政の安定を確保する。
    医療のIT化を推進。レセプトチェックによって医療費のムダ削減を徹底する。
    カルテと薬剤オーダリングのIT化を通じ、同一効能で価格の安い後発(ジェネリック)医薬品の採用を進め、薬剤費の削減を目指す。
    混合診療を解禁、ドラッグラグやデバイスラグを解消し、世界最先端の医療機器や医薬品が速やかに国内で使用できる体制を整える
    訪問看護ステーションの1人開業を認める等の規制緩和を推進。医師・歯科医・看護師・介護士等が医療従事者や地域と連携する地域医療・介護体制を構築し、同時に在宅医療体制も整備する。医療行為を認められた看護師(ナース・プラクティショナー)資格の導入を検討。看護師の処遇改善を進め、休眠看護師が再び復帰できるようにする。
    療養病床、特別養護老人ホーム、介護老人保険施設、在宅ケア、高齢者住宅等の役割を再検討。高齢者の視点に立つ、地域ごとのニーズに合った総合的な高齢者福祉政策を実現する。
    独立行政法人が管理する社会保険病院等を民間運営へと転換し、赤字体質の改善を図る。
    介護職員の待遇を継続的に改善。正規・非正規・派遣等の就労形態による格差を是正する。
    外国人介護士の受け入れは急務であり、受け入れ条件を根本的に見直す。
    がん登録を法制化し、在宅緩和ケアを推進する。難病対策では公平な救済に努める。腎疾患への総合的な対策を確立する。肝炎の検診、治療法研究を含む総合的対策を確立する。
    「 こころの健康基本法」を早期に制定する。精神医療における向精神薬への過度の依存を是正する。自殺予防対策で内閣府、厚労省、文科省の連携を強化。WHOの自殺報道のガイドラインを活用。
    労働安全衛生法で歯科検診を義務づける。
    医療事故調を早期に設置する。薬害防止のための第三者機関を厚労省から独立して設置する。
    障害者自立支援法違憲訴訟の基本趣旨に沿った障がい者施策を目指す。災害時に障がい者を孤立させないよう、地域NPO等と連携して体制を築く。

何かと議論になりそうな話がずらずらと並んでいて、もしも同党が政権運営に関与するようになればおもしろい議論が展開されそうだなとも思うのですが、特に医師数増と平行して「医学部・メディカルスクールの新設」を認めるのではなく解禁するというのはなかなかに大胆な政策で、おそらくは先日「供給過多で質が低下する」と大量養成政策が見直されることになった弁護士業界の後追いをすることになりそうですよね。
ただ同党の主張から推察する限りは「それで医師が過剰になったところで何なの?自由主義経済の原則通り適当に淘汰されるでしょ?」ということでしょうから、これに医療現場が反対するなら同党の「既得権三兄弟」説を裏付けるということになるのでしょうか。
ともかくこうした主張の政党もいるということはそれとして、これと相前後してTPPについてかねて噂にはいわれていながらどうなるのかと思っていた話題が、いよいよ本格的に表立って出てきたというこれまた気になるニュースが出ています。

新薬などの価格決定、米が手続き参加要求 TPP交渉(2013年6月21日日本経済新聞)

 環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る交渉で、米国が参加国に新薬を公的医療保険の対象に加える手続きを公開するよう求めていることがわかった。米新薬メーカーなどが各国の審査過程で意見を表明できるようにして、より高い価格で保険適用になることを狙う

 米国の要求は医療機器の手続きも含む。保険適用を決める各国政府の審議会に米製薬会社が参加できるようにしたり、審査手続きを公開したりすることを求めているもようだ。

新薬の薬価決定に関しては現状では類似品がすでにあればそれを参考に、全くの新規であればメーカーからの資料を基に原価や使用量予測、諸外国での価格なども参考に決めるということになっていますが、基本的に国が決めることであって製薬会社としては当然もっと高く売りたいのに…ということもあるでしょうから、こうした要求自体は当然に予測されたことです。
今のところ日経にしか記事が出ていないようなのでどの程度強硬な要求なのかということも判らず何とも言えないのですが、仮に日本側が拒否した場合に求めていた販売価格とかけ離れた薬価に決まるということもあり得るわけですから、「それでは保険収載は結構です」と言い出す可能性があるのかないのかです。
もともと皆保険制度の日本では保険収載されない薬=ほぼ国内で使えない薬という位置づけでしたが、昨今では先のみんなの党の公約などを見るまでもなく混合診療解禁を求める声が拡大してきていて、特にドラッグラグ、デバイスラグといった「海外で普通に使われている治療法が何故日本でだけ使えないのか」という疑問が高まっていますよね。
これに対して国も先進医療といった形で実質的に混合診療の範囲を拡大してきているわけですが、海外製薬会社とすれば高血圧や高脂血症のように日常的に長年用いるタイプの薬であればともかく、抗癌剤のように一生に何度もない生きるか死ぬかの場で用いられる薬にまで保険収載で安売りする意味はなくなってきたという言い方も出来るでしょう。

特にアメリカなどは製薬会社の知的財産権保護にも熱心で、特許権の延長等によって後発品の販売を阻止しようと交渉参加各国に要求していると言いますから安売り強要などまっぴら御免と言い出しかねないと思うのですが、ちょうど6月19日にロンドンで行われた安倍総理の講演で日本の経済成長戦略に関して医薬品等医療関連産業で市場規模を5割増にすると言っています。
ご存じのように製薬業界は国際的な競争が激化して合併などが日常的に繰り返されメーカー名が始終変わっていますけれども、日本が国家の後押しで製薬の世界で商売を拡大していくということになれば海外メーカーとしては危機感を抱くでしょうし、膨大な研究開発費の元を取るためにも不当な安売りを強要されるくらいなら顧客に多少の不利益があっても…という考えになってもおかしくはないでしょうね。
現行の制度でもこうした抜け道が出てきたということは当然現場医療従事者と患者の間でもトラブルに発展する恐れもあって、場合によっては一介の末端保険医であっても全世界で販売されている新薬や新治療法に精通し十分な情報提供を行わなければ「最善最良の治療を受けたい」という患者の期待権を損なった、などと言われることにいずれなるかも知れません。
日医の強硬な姿勢に関わらず特にTPP反対でも混合診療絶対阻止でもない立場に立つ医療関係者は決して少なくないと思いますが、各種の制度的制約でがんじがらめになっていると同時にある意味で楽であった保険診療のタガが外れてくるということは、今まで何気なくこなしていた日常診療においても思いがけない落とし穴が発生する可能性があるという認識は必要かも知れませんね。

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2013年6月23日 (日)

今日のぐり:「竹寅(たけとら)」

現在ブラジルで開催中のコンフェデ杯第二戦では惜しくもイタリア代表に敗れた日本代表ですが、この試合が妙なところで妙な具合に評価されているようです。

日本サッカーのプロ意識は「AV女優レベルだ」=中国版ツイッター(2013年6月20日サーチナ)

 男子サッカー・コンフェデレーションズ杯で20日、日本はイタリアと対戦して3-4で逆転負けを喫した。前半に一時は2点をリードした日本代表の戦いぶりに、中国のネット上では「負けたが強かった」との感想が多く見られた。同時に、微博(ウェイボー、中国版ツイッター)では日本サッカーの態度を評する、ある「つぶやき」が大量にリツイートされた。

  それは「このところ、日本人のサッカーに対する態度は、日本人のセクシー女優がアダルトビデオを撮影するときと同様プロフェッショナルだ。一方、わが国民のサッカーに対する態度はアダルトビデオを鑑賞するときのように自分勝手でふざけている」というものだ。

  日本-イタリア戦の結果を知らせるツイートに付随して流れたこの一文は、多くのユーザーから「名言」「言い得て妙」との評価を受け、試合終了後からリツイートが繰り返された。

  どうも、中国の男子は日本文化の象徴をアダルトビデオだと思っている節がある。そして、アダルトビデオの制作者、特にセクシー女優のプロ意識が高いことが印象深いらしい。「ものづくり」に対するこだわりや、「職人気質」でも説明できそうな日本人のプロ意識の例としてアダルトビデオを持ち出し、サッカーへの態度と同列視するところに、中国のネットユーザーが日本に対して抱くある種のステレオタイプを垣間見た。(編集担当:今関忠馬)

ちなみに中国人のごく普通の仕事ぶりとはこのようなものだとすれば確かに勤勉そのものというべき日本代表ですが、しかし中国人はよほどにアダルトビデオが好きなんでしょうかね…
今日は中国人民に敬意を表して、世界中から予想外によい仕事ぶりを見せてくれる方々の話題を取り上げてみますけれども、まずはサッカーつながりでこちらのニュースを取り上げなければならないでしょう。

「空気を読んだ巧みな話術」 DJポリスに警視総監賞決定 女性隊員にも(2013年6月11日産経ニュース)

 サッカー日本代表がW杯出場を決めた4日夜、東京・渋谷でユーモアを交えた呼びかけでサポーターらを誘導し、「DJポリス」の愛称がつけられた警視庁第9機動隊広報係の20代の男性隊員に、警視庁が13日に警視総監賞を授与することが正式に決まった。同じ広報係の20代の女性隊員にも同賞を授与する。

 警視庁によると、雑踏警備の功績で総監賞を贈るのは初めて。表彰理由は「現場の状況と空気を読んだ巧みな話術がサポーターらの心を捉え、理解と協力を得られた。結果的に負傷者、逮捕者を出さないことに貢献した」としている。

 男性は渋谷駅ハチ公口の近く、女性は駅前のスクランブル交差点を挟んで対角線上にあるセンター街近くで、それぞれ活動した。

 警視総監賞は事件の摘発などで功績があった警視庁警察官が対象で、毎月約300人に贈られている。

ちなみにDJポリスのフルバージョンはこちらだそうですけれども、こういうものを見ますとテキサス親父のあの動画を思い出してしまいますし、有名なニューズウィークの記事を思い出した人もいるかも知れません。
人間のみならず動物もよい仕事をしてくれることがままありますけれども、こちら良い悪い以前に萌え~な動物のニュースをお伝えしましょう。

自動販売機でジュースを買うと、全力支援してくれるカワウソのピースくん(2013年6月20日カラパイア)

 大分県津久見市四浦の水族館、「つくみイルカ島」には商売熱心なカワウソがいるという。テレビなどで報道されているのでご存知かとは思うが、コツメカワウソのピースくんは、自動販売機でジュースを買ってくれたお客さんを全力支援。取り出し口からジュースを運んできてくれた上に、「ありがとうございました」代わりの鳴き声「きゅぅうう!」が、ぐうかわすぎて、さらに購買意欲を掻き立ててくれちゃうんだ。

コツメカワウソのお手伝い②

 この映像は海外サイトでも話題となり瞬く間にネットアイドル化していったピースくん。当然GIF化もされたわけだけど、やっぱ「きゅぅうう!」の声が最強だよね。

 さこさこ、あいどーぞ!
(略)

動画のコメント欄がものすごいことになっていますけれども、それはこんなことをされた日にはもう一本でも二本でも買ってしまいそうですよね。
こちら商売熱心というよりも律儀さで受けているという生き物の話題ですが、しかし最近の動物界では自販機ネタが流行ってでもいるのでしょうか?

自販機ジュース買いオツリ返す律儀な猿「人間より誠実!」東北サファリのアキちゃん(2013年6月19日J-CASTニュース)

   動画サイトのYouTube(ユーチューブ)を見ていると、いろんな動物の活躍ぶりに驚かされることが多い。こんなことは人間にしかできないだろうといううぬぼれは通用せず、人間もウカウカしていられないんだなと思わされるが、最近も海外でちょっとした評判になっている人間じみた猿がいる。「ジュースを買うフサオマキザル」である。

海外で反響「友人でも釣り銭返さない奴いるのに…」

   投稿者の説明によると、この猿は東北サファリパークのサル劇場に出演する「アキちゃん」だ。小柄なアキちゃんは人間から小銭を受け取ると、飲料の自販機の前に置かれた台に飛び乗って、2枚投入した。飲み物の好みはそうこだわりがないらしく、ボタンをランダムにバンバン叩きはじめた。そのうち、ひとつがヒットして、ガタガタと飲み物が落ちてきた。どうやらペットボトル入りのグレープフルーツジュースのようだ。

   さっそく取り出し飲み始めるのかと見ていると、まずは返却されたお釣りを小銭をくれた人に返す律儀なアキちゃん。その後で、ボトルを取り出し、キャップを人間に緩めてもらうと、自分で開けて飲み出した。

   動画には英語の視聴者コメントも多く付いていて、ざっと見てみると、「猿はイイ。小さいのに、人間を超えている」「人間の友人でも釣り銭なんか返さない奴がいるのに、この猿は誠実だ」などとアキちゃんを賞賛するモノと、「紐でつながれ、かわいそうな猿だよ。本当ならば野生に暮らして、バナナを食べてるはずなのに」と同情するものに二分されているようである。

何やら堂に入ったものですけれども、このおつりを返すとジュースが飲めるという関係性を理解しているところが猿の猿たる所以なんでしょうね。
日本の食玩といえば今や世界的にもカルトな人気を集める注目アイテムが多いのですが、こちら一体どういうニーズを想定しているのか?という新商品が出たようです。

便器からあふれた泡をストローで飲み干す、日本の奇妙な食玩「もこもこモコレット」に世界が注目(2013年6月19日カラパイア)

 まずは便器を組み立てたら、タンクに粉と水を入れ、排水口からゴボゴボ溢れてくる泡をストローで吸うという、アメリカ人が喜びそうなコンセプトの日本の食玩「もこもこモコレット」が、やはり海外サイトなどで話題となっていた。

 既に日本のネット上では話題となっていたのだが、それが飛び火する形となって世界に広まっていったようだ。世界を激震させたメイキング映像はこちら。

Heart #7 - Moko Moko Mokoletto (Edible candy / can eat)

 ちなみにお味はというと、サイダー味の方は甘いというかちょっとしょっぱい感じで、コーラ味の方はわりとおいしいらしい。ただしコーラ味の場合が色がアレだけに、飲み干した後便器が汚れてしまった感がとてもむなしい気分になるそうだ。

 ツイッターなどでは試作&試食した人々のレポート画像がアップされている。
(略)

いやまあ、確かに画期的新商品の開発で話題性も十分というすばらしい仕事ぶりなのは確かですが、いったいどういう経緯でこうした商品を売り出そうとしたのか尋ねてみたいですね…
今や世界的にも有名な猫さまといえばあのキャラですけれども、あれほどの超売れっ子にも関わらず仕事ぶりには一切手抜きがないようです。

【衝撃】仕事を選ばないキティさんがついに “ふんどし姿” を解禁!! ネットの声「さすが!」「キティさん大御所なのに…!」(2013年6月19日ロケットニュース24)

国民的、いや世界的アイドルであるにもかかわらず「仕事を選ばない」ことで有名なキティ・ホワイトさん(通称:キティちゃん)。様々なキャラクターや商品とコラボしては、キュートな姿でファンを魅了。次は何とコラボするのかワクワクしている人も多いだろう。

そのキティさんが今、ネット上で話題となっている。なんと “ふんどし姿” を解禁したというのだ! キティさんッ!! 一線を越えてしまったのかーッッ!!

・博多祇園山笠とコラボで生まれた「ふんどしキティちゃん」
話題の「ふんどしキティちゃん」は、毎年7月に福岡で行われるお祭り「博多祇園山笠」とコラボしたご当地キティちゃんだ。

山笠キティさんの「ふんどし」は正確には「締め込み」と呼ばれる祭りの装束だ。博多祇園山笠に向けて7月上旬に発売される和タオルで見ることができるというが、解禁された画像を確認してみると……確かに赤い締め込み姿のキティさんがいたーーーーッッ!!

・お尻もキュート
「オイサーオイサー」と博多祝い唄を歌いながら、駆け回るキティさん。しかも、プリっとお尻を強調したキュートなうしろ姿まで見せてくれるというサービス精神だ。博多祇園山笠のために一肌も二肌も脱いでくれたキティ姐さん。これは、うちらもビシっと決めないかんばい!

・キティさんの締め込み姿に寄せられたネットユーザーの声
「ちょwww」
「いやお前ちょっとww」
「キティさん大御所なのに…!」
「さすが……」
「すごい!着こなしてる!」
「なんだろう申し訳ない」
「仕事選んでキティちゃん女の子はふんどししないよ」
「キティ先輩…(・∀・)」
「キティ姉さんの心意気に敬礼!く(´;ω;`) / 」

などと、ネットユーザーも驚きと戸惑いを隠せない様子だ。
(略)

その衝撃のビジュアルは是非ともリンク先の画像を参照いただければと思いますが、なるほど常にトップランナーであり続けることはこうも厳しいものなのだと勉強させていただきました。
猫と言えば日本にはこれまた超有名な猫型ロボットというものがいるそうですが、それをついつい想像してしまわずにはいられない画期的なロボットがついに完成したそうです。

高速走行可能な猫型ロボットを開発、救助活動での使用に期待 スイス(2013年6月18日スイス)

【AFP=時事】猫のように、4本足で高速で走る小型ロボットを開発したと、スイスの研究チームが17日の学術誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・ロボティックス・リサーチ(International Journal of Robotics Research)」に発表した。捜索、救助活動での使用が期待されるという。

 スイス連邦工科大学ローザンヌ校(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne、EPFL)の研究チームによると、この「子チーター型ロボット」は小型の飼い猫やチーターの幼獣と同じくらいの大きさで、長さ20.5センチメートル、高さ16センチメートル。金属製で、重さは1.1キログラム。

 また、最高速度は秒速1.42メートル、時速にして5.1キロメートルと、大人の人間が足早に歩くのと同程度で動くことができ、「30キログラム未満の小型四足歩行ロボットの中では最速」だという。

 ロボットには尻尾はあるものの頭部はないが、その動きから、猫をモデルにしたことが容易に分かるという。脚はスプリングを使って腱(けん)を再現し、アクチュエーターや小型モーターを使ってエネルギーを動力に変換し、筋肉の代わりとした。

 研究はまだほんの初期段階に過ぎないが、研究チームの長期的な目標は、自然災害時の捜索や救助活動などで使用可能な、より高速で機敏な地面密着型のロボットを開発することだ。

いやスイスで救助目的ならそこは猫型でなく犬型だろうと思いつつ画像を参照してしまいますともうね…いや確かに素晴らしい技術なのだろうけれども「これじゃない」感がものすごいというものではないでしょうか。
すばらしいというよりも斜め上の方向性で仕事をさせれば向かうところ後を追ってくる敵無しというのがブリというものですが、まさにブリらしい独創的な仕事がこちらです。

古本のどこか懐かしい香りは、草木とバニラの匂いだった!(2013年6月20日IRORIO)

図書館や古本屋に行くと、どこか郷愁をさそう懐かしいにおい。黄ばんだ古い本を開いた時の、ふわりと歴史を感じさせるそれが、どうしてあんな香りになるのか疑問に思った方はいないだろうか? カレッジ・ロンドン大学の化学者のMatija Strlic女史がThe Telegraphに語った所によると、製本に使用された材料は、古本のにおいと密接な関わりがあるのだという。

少し古い研究だが、Matija Strlic女史が古本のにおいについて真面目に検証した論文がある。それによると、どんなにおいになるかは、製本に使われた接着剤、紙、インクなどによって決められるのだという。時間が経つにつれ、本に使用された化学合成物が分解されていき、何百という揮発性有機化合物が空気中に発散される。その一つであるリグニンは、木材を由来とした化学化合物で、紙や接着剤に含まれており、バニリンとも密接に関連している。それが分解されると、リグニンは古い本に微かなバニラの芳香を与えるそう。

研究の第一人者であるMatija Strlic女史は次のように述べる。「かび臭さを伴った草木の酸化臭と、微かなバニラ臭。この紛れもないにおいは、本の内容と等しく本の一部でもあるのです」

古本販売の国際団体(ILAB)によると、本はその匂いによって製本された年代の判別も可能なのだとか。この研究でにおいの判別に使われた技術は、歴史書などを保存するのに応用されるのだという。

いやまあ、確かにすばらしく独創的な研究ではあると思いますが、しかし世の中には解明すべきではない謎もいくらかは残されているのではないでしょうかねえ…
最後に取り上げますのもやはりブリからの話題ですけれども、日本であれば映画化決定!とでも付くような劇的な大捕物があったようです。

車内でくさい放屁→大麻摘発、パトカーの窓開けたことがきっかけ。(2013年6月20日ナリナリドットコム)

英国のある警官は先日、パトカーの中という密閉空間で“おなら”をしてしまった。その強烈な臭いに、同乗していた同僚は苦悶。すかさず窓を開けて新鮮な空気を求めたところ、これが思いがけない犯罪発見に繋がったそうで、同国で話題を呼んでいる。

英紙メトロや英ニュースサイトのオレンジニュースなどによると、この一件は最近発行された、英警察職員組合の機関誌によって明らかにされたもの。ある日、英中部にあるレスターの街中を走っていたパトカーの中で、1人の警官がおならを連発した。「ボディビルを始めてプロテインダイエットを続けていた」という問題の警官のおならは、臭いがかなりきつかったようで、一緒に乗っていた2人の警官はすぐに窓を開け、空気の入れ換えを図った。

すると間もなく、辺りから別の妙な臭いが漂ってきたことに気が付いた警官たち。おならとは違う何かの臭い――それが大麻の臭いだと分かった警官は、その場にパトカーを停めて3人揃って外に降り、臭いを頼りに周辺の捜索を始めた。

漂う大麻の臭いを追い続けた彼らは、やがて時価1万2,000ポンド(約180万円)相当の大麻を栽培していた住宅を発見。中にいた7人は皆、突然現れた警官らに驚いた表情を浮かべ、その場で逮捕されたという。普通にパトカーを走らせていたら決して気付かなかったであろう大麻栽培者たちの存在は、こうして1人の警官が放った“とにかく臭いおなら”によって大手柄に繋がった。

警察関係者は「素晴らしい逮捕劇だった」とコメント。思いがけない手柄を立てた今となっては、車内でおならをされた同僚2人も苦しい思いをした甲斐があったと、問題の警官共々喜んでいるのかもしれない。

世の中何が幸いするかは判りませんが、しかし大麻というものはそれほどまでに特徴的なにおいを発しているものなんですね。
それに気づいた警官たちもお手柄ですけれども、そもそもの発端が同僚の悪臭と来ては周囲に誇るにもやや躊躇しそうなのが残念でしょうか。

今日のぐり:「竹寅(たけとら)」

岡山駅からも遠くない繁華な一角にあるのがこちら「竹寅」さんですが、料理も酒もなかなかにおしゃれかつ落ち着いた雰囲気で楽しめるというお店です。
さすがにドリンクは充実していますがそれ以上に料理が充実しているということで、内容を見ても居酒屋というよりも料理屋にやや近い方向性なのでしょうか。
例によって同行者とシェアしながら適当に頼んでみたのですが、やはり海鮮系のメニューがおすすめのようですね。

刺身盛り合わせは見た目にも角が立ってしっかりした刺身で味も悪くないんですが、タイやカンパチはまだしもサーモンが入るというのは(確かに安くてうまい近年の王道ネタではありますが)あまりに無国籍ですし、一番の売りがスジガツオであったりで(これはこれで珍しいしうまいん魚なんですが)、せっかく地元特産のシャコを入れているくらいなんですからどうせならサワラなど地のもの中心で統一してもよかったですかね。
サラダはこちらのメニュー全般に鶏料理も売りらしくスライスが乗っているんですが、こういう使い方をするならスライスよりも皮の唐揚げや割いた煮鶏でもいいかなとも思ってしまいます。
定番の鳥からはかりかりとクリスピー系の仕上がりですがかみしめるとジューシーさも残っていて、下味はもう少ししっかりしていてもよかったかなと思いますがなかなかいい出来ですよね。
チーズの鉄板焼きなるものは一見するとお好み焼きのような見た目なんですが、食べて見ると確かにチーズの味という意外性が楽しいですし、アグー豚の焼き物もカリッと香ばしいですし風味もよく、脂の抜け加減がなかなか微妙な焼き加減もいい頃合いですね。
ところでこちらのスイーツの盛り合わせが何かすごいことになっているのですが、女性客と一緒に来るとこういうメニューでまた盛り上がれるということなんでしょうね。

レギュラーメニューももちろん幅広くやっているのですが本日のメニューが充実しているというのはいいことで、酒にしろ料理にしろ割合としっかりしていて本格的にも使えるしカジュアルにもいけるという使い勝手の良さが売りなのでしょうか。
接遇面は厨房が遠いこともあってほとんど見かけることもないのですが時間帯が早かったせいかレスポンスはまずまずで、ただかなり多そうな席数の割にトイレは少ないかなと思うのですが、雰囲気的にもあまり大騒ぎしたいという方々は少なそうなのでこんなものなのでしょうかね。

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2013年6月22日 (土)

放置されている巨大ブラック産業?

最近ではマスコミ各社もブラック企業の話題を盛んに取り上げていますけれども、実はマスコミそのものがブラック企業ではないか?と言う指摘もあるようです。

新聞業界でパワハラ横行 ブラック企業化深刻との指摘(2013年6月12日アメーバニュース)

 パワハラや過度な残業などで社員を使い潰し、今日問題視されているブラック企業。自殺者や精神疾患を引き起こす社会悪を糾弾するのが建前としてマスメディアの役割だが、現在、当のメディアでもこの問題は深刻化している。

 ある地方紙の場合、以前は退職する人間は新人に限られていたが、現在では年齢や役職を問わず退職者が相次いでいる。
 この新聞社の社員の平均年齢は40代半ばと勤労年数は一見すると長いものの、内実は精神疾患などによる長期療養などで休業している人間は1割近くも存在する。療養とまでは行かなくとも、心療内科や精神科の通院者も合わせれば3割に達してる。
 同社の労組幹部は「かつて400人ほどいた社員は現在300人を切っている。それでも仕事量は減らず、却って増加傾向にある。このような状態が続けば、遠からずうちに倒れる社員が増えるだろう」と指摘する。
 また、関係者によると、同社では退職した社員が民事訴訟を起こそうとした際、会社側が幾ばくかの金を握らせて訴訟を回避したという。

 こういった事例は、地方紙に限ったことではなく、全国紙、ブロック紙に関しても報告が寄せられ、新聞労連の議題にも上っている。しかし、改善されたという話は滅多に聞かない
「人員減少による過剰な勤務で社員の士気は低下し、憂さ晴らしの対象となりやすい新人や仕事の出来ない若手に罵詈雑言を浴びせる傾向にある。周囲も擁護するどころか我が身可愛さと過剰な労働量をこなすために目をつぶっている」と別の労組幹部は憤る。この幹部によると団交でパワハラなどの問題を提示しても経営側は「そのような事実はない」と突っぱね、現在に至るまで平行線のままだ。
 筆者が務める新聞社にもパワハラを告発する窓口はあるが、社員は幹部相手に告発したところで却って酷い目に遭うとばかり、設置してから現在まで利用者はゼロだ。立場の弱い人間が実名で会社側に面と向かって告発するシステムからして機能不全に陥るのは明白である。なお、匿名にしなかった理由について経営側は「事実関係を明確にするため」としている。

 現在、ネット上の一部ではマスメディア不要論が叫ばれているが、ネットにニュースを配信するのは彼らが不要とするマスメディアである。
 ターゲットメディアでない以上、これまでのような立ち位置で存在することは不可能だろうが、10年、20年後には配信するメディアとして存続しているかどうかさえ危うい。まして上記のように、他業種では考えられない環境になっているため、ニュースの信頼性さえ揺らぎ始めている。労働基準監督署が書類送検した記事を、労働法を無視した会社が報じる。悪いジョークにもならない。

平素からまるで社会の木鐸(苦笑)であるかのように大所高所からご意見いただいているマスコミの「お前が言うな」という実態は今さらという気もしますけれども、それにしても相談窓口の利用者ゼロというのはよほどに素晴らしい社内環境であるのか、さすがに某独裁国家を「地上の楽園」と絶讚していた方々だけのことはありますね。
それでも新聞社などはまだ良い方で本当に問題なのはテレビの方だと言う意見もあるのですが、こちらは局側正社員として高給を取っているのはごく一部で、実際にはほとんどを下請け孫請けに制作依頼をしているという構図が搾取を産んでいると以前から問題視されていて、監督省庁である総務省からも下請けいじめ、番組買いたたきはやめるようガイドラインが出されてきたところです。
しかし実際には相変わらず地位的特権を利用した下請けいじめの構図はそのまま温存されているようで、しかもそれらを内部的に問題視していないらしいことがさらなる問題を引き起こしていると言うことのようですね。

TV局セクハラ 最も傷ついているのは下請け制作会社の女性(2013年6月15日NEWSポストセブン)

 山岸舞彩アナ(26)にセクハラ行為を働いた疑いで、日本テレビ『NEWS ZERO』のプロデューサー・Y氏が更迭されたが、セクハラの刃に最も傷つけられているのが、テレビ局の下請けである制作会社の女性たちだ。

 制作会社の中堅女性ADが語る。
「局のプロデューサーが気に入った女性ADは、たとえ仕事があっても制作会社を通して名指しで飲み会に強制参加させられます。お芝居に同伴させられ、そのあとプロデューサーが有名俳優さんたちの飲み会を仕切っている姿を見せつけられた後で、口説かれるのがお決まりのパターン」
 自分の力を誇示することで「オレと関係を持つと得だ」とアピールしているのかもしれないが、局プロデューサーの誘いを断わることは、非常に勇気がいるのだという。
「制作会社は、キー局の社員に生殺与奪の権を握られている。つまりプロデューサーに“オレに逆らうヤツには仕事を回さない”といわれたら終わりなんです。小さな制作会社の社員の場合、誰かがキー局の社員とトラブルを起こせば、制作会社全体が局から締め出されかねない

 狭い業界なので、ひとつの局から締め出されれば、別の局でも“右に倣え”で同じことが起こる。自分のためにそんなことになってはたまらない。だからどんな理不尽があろうと耐えるしかないんです」(前出・制作会社の中堅女性AD)
 テレビ業界で働く女性たちは「セクハラくらいで騒ぐ女の子はこの業界でやっていけない」と口を揃える。
 セクハラする側が、弱い立場の人間を狙い撃ちする──。この構図が変わらない限り、セクハラ問題の温床は消えないのである。

TV局のセクハラ 発覚しても加害者がのうのうと出世する例も(2013年6月16日NEWSポストセブン)

 山岸舞彩(26)をめぐる日本テレビ・Yプロデューサーの更迭騒動が問題視されたが、テレビ局内での「処分の甘さ」も、セクハラに拍車をかけている
 セクハラが発覚し大きく報道されても、結局は大した処分もなく加害者がのうのうとしている場合がほとんどだ。

 2006年、某キー局のアナウンサーが系列局の女子アナに対してセクハラ行為を行なっていた一件では、当初は無期限謹慎処分を受けてチーフアナウンサーから降格。しかし、アナウンサー職を解かれ他部署に異動した後で、この人物は華々しい出世を遂げている
 2011年にはコンテンツ事業局の某部の副部長、2012年には部長に就任しているのだ。処分の甘さは他局でも同様である。
 2009年、海外出張先でスタッフにセクハラを働き降格処分を受けた別のキー局の有名アナウンサーは、現在は総務局内の某部の部長という肩書で高給を受け取っている。キー局社員がいう。
「こんな体質ですから、今回の“山岸事件”のY氏も別部署に異動した後、結局はそれなりのポジションに返り咲くんじゃないかと噂しています」
 セクハラオヤジでも難なく出世できてしまうのがテレビ局というわけなのだ。

 放送評論家の金沢誠氏はこう指摘する。
「Y氏の場合、あくまでも表向きは6月1日の定期異動で現場から外されたことになっている。セクハラに関する処分が正式に下されるかは今のところわかりません。通常ならY氏の上司も監督責任を問われ何らかの処分を受けるところですが、担当常務は次期株主総会で専務に昇格するとの話もある。現場の人間を形式的に異動させるだけでは、相変わらず処分が甘いといわれてもしかたがない」

業界独自の慣習というものはもちろんあって、例えば昔ながらの徒弟制度を維持している伝統芸能などは今日的労働感覚からすればとんでもないブラックな職場とも言えそうですし、だからこそ後継者難ということがたびたび話題にもなっているのでしょうけれども、そうした事情を知った上でそれでもやりたいというのであればやれるのが職業選択の自由というものではあると思います。
しかし新聞テレビで連日連夜女性への人権侵害だ!性差別だ!と華々しく社会正義を振りかざしている方々にあこがれて業界入りを目指してきた方々が万一いるとすれば、その業界の内情が実はセクハラ、パワハラの金城湯池であったと知ったときの失望感は相当なものでしょうし、世間的常識で考えても「お前が言うな」という以前に羊頭狗肉と言われても仕方がないでしょうね。
マスコミ業界が他者に対して熱弁を振るうその万分の一の熱意を込めて自浄作用を発揮してくれればずいぶんと業界の風通しもよくなると思いますし、衰退していく業界の将来を真面目に憂えている心ある中の人もそれを望んでいるんじゃないかと思うのですけれども、この業界では悪貨が良貨を駆逐するということが当然だということなのでしょうか。

先日はかのメディア王マードック氏がたびたび日本を訪れているのは某テレビ局買収のためだという噂が流れていて、このマードック氏と言えば傘下の新聞社が盗聴事件を起こしたりとかねてずいぶんと悪名高き人物である一方、近年では盟友の持つ例の「ディスカバリーチャンネル」等々つてを総動員しての捏造混じりの報道で日本叩きの急先鋒となっていることは周知の通りです。
普通であればこんなあからさまに胡散臭い人物に日本のメディアを買収されるなどあっていいことではないはずですが、このところあまりにあまりなマスコミ業界の実情が広く知られるようになってきているせいでしょうか、「いっそ外国人に買われた方がいいんじゃないか」「どうせ反日なのは同じだし今よりひどくなることはないだろう」などといった極論も当たり前に飛び出しているようです。
実際にそうした事態になったとして新聞テレビが今より良くなるのか悪くなるのかは何とも言えませんけれども、マスコミお得意のフレーズである「信頼の回復が求められる」のは誰かということを考えて見ると、先頃の調査でも国民の信頼度が過去最低を更新したというマスコミ各社こそ大慌てで信頼回復に邁進していなければおかしいということにならないでしょうか。

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2013年6月21日 (金)

風疹大流行中 本来なかったはずの悲劇は何故起こった?

21世紀になっても感染症が猛威を振るうというケースは未だに少ないことではありませんが、本来であればきちんと予防できていたはずの感染症が終息していくどころかむしろ蔓延しているとなると穏やかではない話です。

今年の風疹患者数、1万人超 20~40代男性が中心(2013年6月18日日本経済新聞)

 国立感染症研究所は18日、今年の全国の風疹患者数が6月9日までの累計で1万102人に達したと発表した。20~40代の男性が多く、首都圏や近畿地方を中心に感染が拡大している。妊婦が感染すると生まれてくる赤ちゃんに難聴や心疾患などの障害が出る可能性があり、感染研などは注意を呼びかけている。

 風疹はせきやくしゃみで感染し、全身の発疹や発熱などの症状が出る。

 感染研によると、6月9日までの1週間に報告された全国の患者は517人。都道府県別では、大阪が最も多く129人で、東京(82人)や神奈川(59人)を上回っており、首都圏中心だった流行が広域化している可能性がある。年初からの累計患者数は前年同期(339人)の約30倍で、調査を始めた2008年以降で最多だった昨年1年間(2392人)をはるかに上回った。

風疹の定期予防接種を受けた人が少ない20~40代の男性が多く、男性患者の83%を占める。厚生労働省の担当者は「昨年は日本人の出国者数が過去最高を記録した。海外でウイルスに感染して帰国した人が多かった可能性があり、それをきっかけに今年は感染拡大がさらに進んでいるのではないか」とみる。

 風疹には感染後の治療法となる抗ウイルス薬がなく、ワクチンの予防接種が対策の柱。ただ妊娠中の女性はワクチンを打てないため、夫や家族らの感染防止が重要だ。昨年10月以降、妊婦が感染して障害が出る「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが11人報告されている。

 全国の自治体で任意接種のワクチン費用を助成する動きが広がっている。厚労省の推計では、全国の任意接種の回数は4月が約9万回だったが、5月は約32万回に急増。厚労省はこのペースで進めば夏にもワクチンが不足する恐れがあるとして、任意接種は妊娠希望者や妊婦のいる家族らを優先するよう自治体や医療機関に協力を求めた。

 11年度の国の調査によると、風疹の免疫がない20~40代の男性は15%。任意接種が増えているのに感染拡大に歯止めがかからない状況について、厚労省の担当者は「既に免疫のある人がワクチンを打っていることも考えられる」としている。

風疹:今年の患者数1万人突破 過去最高昨年の4倍超(2013年06月18日毎日新聞)

 国立感染症研究所は18日、妊娠初期に感染すると赤ちゃんの目や耳、心臓などに重い障害を引き起こす恐れがある風疹の患者数が、今年1月から今月9日までの23週間の累計で1万102人となり、1万人を突破したと発表した。2008年に現在の報告形式に変わって以降、過去最高だった昨年1年間の患者数(2392人)の4倍を超えた。男性の患者が77%を占め、そのうち8割は20〜40代の若い男性だ。

 今年は、1月に首都圏から感染が拡大、現在は全ての都道府県に広がっている。3月下旬以降は、毎週500人を超える患者が新たに報告されている。患者数は、首都圏と近畿地方に多く、東京都2565人▽大阪府2243人▽神奈川県1220人▽兵庫県855人▽千葉県544人▽埼玉県453人−−の順となっている。

 風疹は風疹ウイルスによる感染症で、発熱や全身の発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出る。潜伏期間は2〜3週間で、感染者のせきやくしゃみによって感染する。

 感染症に詳しい理化学研究所の加藤茂孝さんは「深刻な状況だ。患者の多い成人男性にワクチンを一斉に接種する以外、流行の抑制はできない」と話す。【藤野基文】

風疹猛威、その原因は? わずか半年で患者1万人超(2013年6月18日朝日新聞)

 【森本未紀】風疹の猛威が止まらない。今年はわずか半年で患者数が1万人を超えた。なぜ、こんなに大流行しているのか。

■過去とは異なるタイプ

 流行の始まりは2011年にさかのぼる。この年、ベトナムなど東南アジアで流行が起きた。現地で感染した人が国内にウイルスを持ち込んだとみられる。

 12年春ごろ、兵庫県を中心に患者が増え始めた。やがて近畿全体に拡大。全国の患者数は例年せいぜい数百人だが、この年は2392人まで増えた。通常は冬には数人程度まで減る。しかし、冬になっても流行がおさまらず、そのまま今シーズンに突入、爆発的な流行に至った。

 国立感染症研究所(感染研)によると、風疹ウイルスは世界に13種類あるが、今回検出されているのはベトナムや中国で流行している2種類が多い。これまで日本で流行したウイルスとは異なるタイプという。

 風疹ウイルスは強い。感染研によると、インフルエンザは1人から1~2人に感染するが、風疹は5~7人を感染させる力がある

その原因は?と言われても、どう見てもマスコミを挙げての予防接種潰しネガティブキャンペーンのおかげです本当にありがとうございましたと言うしかないところですが、徹底的な予防接種で患者数年間10人レベルとほぼ風疹撲滅を果たしたアメリカなどでは風疹の感染源と言えば日本人だと教科書的にも記載されていると言いますから、本来これはかなり恥ずかしい状況だという認識を持たなければならないのでしょうね。
日本でも過去には定期的な風疹の大流行が起こっていたものが、定期予防接種に取り入れられて以来次第に流行は終息傾向に向かっていましたが、今回2011年からアジア地域で始まった流行が日本にも波及してきたという構図とはいえ、流行が波及するには免疫を持たない人々が一定量存在しなければならない理屈です。
記事にもあるように20代から40代の男性がそのターゲットになっているということですが、実は法律の端境期にあった1979年~1987年生まれの人間は定期接種を受けていない場合が多いということで(それ以前は女性だけが対象)、年代的にはちょうどこの辺りが相当するのは計算にも合っていますけれども、幸いにも女性の方は感染が少ないというのは先天性風疹症候群に対する啓発啓蒙が奏功したという形でしょうか。
ただそれでもこれだけ感染者が増えれば妊婦の感染もどうしても出てしまうのは当然で、「三日はしか」などと言われ軽く見られがちな風疹という病気の持つ大きなリスクを当事者がきちんと把握することが重要です。

風疹患者数1万人超 ワクチン不足が深刻な問題に(2013/06/19FNNニュース)

(略)
風疹ウイルスは、非常に感染力が強く、患者1人から感染する人数が1人から2人とされているインフルエンザに対し、風疹ウイルスは患者1人から、5人から7人に感染するといわれている。
風疹に感染すると、2週間から3週間の潜伏期間のあと、発疹、発熱、リンパ節の腫れといった症状が現れる。
そして、最も深刻とされているのが、胎児への影響となる。

兵庫・神戸市に住む、西村 麻依子さん(30)。
2012年4月、妊娠7週目に入ったところで、風疹にかかった
西村さんは「おなかに(赤ちゃんが)いるんだなと思って、すごく幸せでした。そのうちに、なんか顔が肌荒れのような感じになってきて、『あっ、風疹かもしれない』って思いました。妊娠中にかかってはいけないとわかっていたんですけど、それが、どういう意味でかかってはいけないのかっていうのは、ちょっと知らなかったです」と話した。
妊婦が風疹にかかり、おなかの赤ちゃんも風疹に感染すると、難聴や心疾患、白内障、さらには精神や体の発達の遅れなどの障害を持って生まれる、先天性風疹症候群になるおそれがある。
西村さんは、そのリスクを医師に尋ねたという。
西村さんは「これは、ハイリスク以外の何ものでもない。なんで産むんだって。わたしがあなたの旦那なら、絶対産ませないって」と話した。

「自分が夫なら産ませない」とまで言われたという西村さん。
事実、そのリスクは高く、特に妊娠12週までに風疹にかかると、25%から90%の確率で、生まれてくる子どもは、先天性風疹症候群になるといわれている。
西村さんは「一生後悔するのであれば、産んで苦労しようと思って、産む決断をしました」と話した。
西村さんは、悩み抜いた末に、赤ちゃんを産んだ。
そのわが子は、脳や目に異常が見つかり、先天性風疹症候群とわかった。
現在は多くの症状が改善し、今わかっているのは、耳の異常だけだという。
しかし、まだまだ不安はぬぐえない。
成長するに従い、ほかの障害が出るおそれがあるという。
西村さんは「(大きくなったら娘に)『お母さんがワクチンを打ってなかったから、しんどい思いをさせてしまったね』と言うと思う。でも、わたしはこの子に会いたかったので」と話した。

一方で、妊娠初期に風疹にかかった女性が選ぶ道は、もう1つある。
理化学研究所の加藤茂孝氏は「風疹が流行するということは、CRS(先天性風疹症候群)が生まれますよ。その陰には、大変な数の人工流産とか、あるいは一部の自然流産がある」と話した。
その推計によると、生まれてくる先天性風疹症候群の赤ちゃん1人に対し、58.8人の赤ちゃんが人工妊娠中絶によって生まれなかったと考えられるという。
理化学研究所の加藤茂孝氏は「風疹の予防というのは、ワクチンで免疫を前もってつける以外に予防できない。外国のワクチンがあるわけですから、それを緊急輸入するということが考えられております」と話した。
しかし、厚生労働省によると、日本で承認されている海外の風疹ワクチンはないため、承認には年単位で時間がかかるという。
(略)

先天性風疹症候群の実際についてはこちら国立感染症研究所の情報を参照いただきたいと思いますけれども、注意すべきは母親が風疹に顕性感染した場合の発生頻度が「妊娠1 カ月で50%以上、2カ月で35%、3カ月で18%、4カ月で8%程度」である一方、成人感染でも一部には症状のない不顕性感染もありその場合にも胎児異常はやはり発症してしまうということです。
いざその時にどのような判断を下すにせよ、はっきりと感染してしまったと判る場合にはまだしも決断しやすいのかも知れませんが、例えば家族が感染し自分は症状が出ていないという場合に風疹の極めて強い感染力を考えると「自分は感染していない」と自信を持って言える人は少ないはずで、抗体価等で感染を確認するとしても時期的にその後の選択枝が限られるというケースもままあるでしょう。
そう考えるとそもそも妊娠年齢以前に予防接種さえしておけばそう難しい話でもなかったものが酷く厄介な状況になってしまったことをどう考えるべきかで、この時期流行しているからと大勢がワクチンに殺到しワクチン不足だ、行政の怠惰だと大騒ぎするくらいなら、諸外国で当たり前にやっている程度の感染予防対策くらいはきちんと取っておくべきではなかったのかと言う気がしてなりません。

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2013年6月20日 (木)

手に職を持つ超売り手市場なのに進まない労働環境改善

先日は「それどんなブラック企業?」とも思ってしまうような妙な記事が出たトラック業界ですが、適正な運賃が支払われず利益が出ない体質が続いているということですからよほどに買い手市場なのかと思ってしまうのですが、その内情は全く逆であるというこんな記事が出ていました。

トラックドライバー不足で物流危機(2013年6月15日週間実話)

 60歳未満の大型免許保有者数は、今後急激に減少する−−。国土交通省が先ごろ調査発表した「物流2015年危機」は、私たちにとっても切実な問題である。ドライバー人口が減り、さらに高齢ドライバーが増えれば、世界に冠たる“即日配達社会”が崩壊することになるからだ。
 「物流コストの急上昇で、一部通販がやっている『午前中注文、当日お届け』が消えるでしょう。通販で地方の名産品を注文しようとしたら価格より送料の方が高かった、あるいは宅配がやっと届いたら高齢者がヘナヘナと立っていた。スーパーの棚は品薄気味で、建設現場では資材が遅配されるため工事が中断されたり…という、大震災後のようなことが日常的に起こるでしょう」(経済記者)

 若手のトラックドライバーが減っていく根底には少子高齢化があるが、原因はそれだけではない。
 「平均月間収入は全産業平均より低く、その割に仕事はハード。年間総労働時間も全産業平均に比べて長い。典型的な3K産業です。さらに、2007年6月に施行された改正道路交通法も激減理由の一つ。総重量5トン以上11トン未満、最大積載量3トン以上6.5トン未満の車両の運転には、中型自動車免許が必要になった。問題はこの免許の取得条件で、普通免許を取得して2年が経過していなければならず、高卒運転者は即戦力にならない。中小零細運送会社にとっては、経営コストが押し上げられるのです」(交通ジャーナリスト)

 人材不足を海外に頼ろうにも、運転免許の学科試験は日本語の読み書きができなければだめだし、女性ドライバー“姫トラ”も、基本は力仕事だけに補えるほどは増えない。トラック野郎ならぬ“トラック爺さん”にとって代わるのは、もはやロボットしかない?

いやまあしかし、世界に冠たるかどうかは知りませんがどうしてもその必要性があるものならいざしらず、現場スタッフの過労を押してまで即日配達を維持する必要性があるのかどうかと考えて見る必要はありますよね。
そもそも運送業に余計な負担を強いる荷主側の無茶な要求が現状を招いた根本原因だと考えれば、今時の若い連中が自ら好きこのんでそんなトンデモ慣習が横行する業界に飛び込んでいく気にならないのも当然なのですが、記事を読んでいてそんなに需要があって人手が足りないのならどうして料金値上げという話にならないの?と不思議に感じた人も多いのではないでしょうか?
その仕事をするに当たって専門の資格を必要とする、しかも供給が必要総需要に対して十分にはないということになれば一般に売値は高くなっていくのが自由主義経済の大原則だと思うのですが、トラック業界の場合下請け孫請けの複雑な構造の中で搾取されるという体質が長年続いていて、末端で実際に汗を流している当事者が全く報いられることがないというおかしな構図になっているそうですね。

この辺りは労働者個人がどれだけ権利意識に目覚めていくかという点と共に、直接の雇用主である各運送業者が労働者確保こそ将来的な経営安定化への一番の必要条件であるということをどれだけ認識出来るかだと思うのですが、同じような状況にあるにも関わらず一向に売値が高くならずむしろ安くする圧力ばかりが働いている不思議な業界に医療の世界があります。
こちらの場合は荷主ではなく国による薄利多売を強いられているという点で多少事情が異なるとは言え、雇用の安定と労働者の確保が経営の健全化につながるということは全く同じと言えそうですね。

「雇用の質」改善は3つの要素-厚労特別研究事業で報告書(2013年6月18日CBニュース)

 「雇用の質」改善のためには、「働き方・休み方」や「働きやすさ確保のための環境整備」だけでなく、「スタッフの健康支援」にも気配りを-。厚生労働省が取り組む「医療分野の『雇用の質』向上プロジェクト」の一環として行われていた院内マネジメントシステムに関する研究で、報告書がまとまった。雇用の質の改善は、画一的な方法を定めることが難しいとしつつ、共有すべき成功の要素が整理されている。

 労働科学研究所の酒井一博所長らのグループが、院内マネジメントシステムに関するガイドライン策定に生かすため、これまでの日本看護協会や日本医師会の取り組みなどを分析してまとめた。
 システムの対象として想定される領域は、▽働き方や休み方(労働時間管理、休暇の取得促進、勤務と勤務の間隔の確保など)▽働きやすさ確保のための環境整備(院内保育所の整備、子育て・介護中の者に対する残業免除、患者や関係者からの暴力対策など)▽医療スタッフの健康支援(メンタルヘルス対策、腰痛・感染対策、健康チェック実施など)-と整理した。

 具体的なプロセスは、「方針表明」に始まり、「推進体制の整備」「現状分析」「計画の策定」「改善の取り組みと運用」「評価」と続く。各項目で、文書による記録の重要性や、より効果的に進めるための推進メンバーの選び方などを記している。

 報告書では、2団体の取り組みの中で勤務改善に貢献した要素の詳細も掲載。看護職のワークライフバランス推進では、社会保険労務士や労働局担当者、地域の研究者など、外部に協力者を得る有効性を指摘した。また、勤務医に関する取り組みの分析では、院長や理事長などが、職場環境の改善を院内の方針とすることが成果につながるとした。

 厚労省の「雇用の質」プロジェクトはこれらの研究を基に、ガイドラインの策定や、モデル事業の実施、好事例の収集などに今年度中に取り組む。【大島迪子】

いやまあ、お説ごもっともではあるのですけれども諸悪の根源とも言えるお前が言うなと言うのでしょうか、いずれにせよ衣料の場合も本質的な問題点は雇用する側にスタッフの労働環境を改善しようとする意志がないこと、あるいは仮に意志があったとしても経営改善など他の要素よりも優先順位が低いということではないかという気がします。
全国公私病院連盟と日本病院会が行った先日の調査では黒字病院の割合が32.4%で2年連続の減少だと報じられていましたけれども、相変わらずマスコミの言うところの「3時間待ちの3分診療」という混雑ぶりで医師や看護師らスタッフが相次いで逃散していくほどの激務だと言うにも関わらず、妥当な経常利益が出るどころか多くの施設が赤字というのは普通に考えて何かがおかしいですよね。
現状では患者数を増やせば増やすほど収入が増えるようになっているわけですからどこの施設ももっと患者を増やせ増やせと需要を掘り尽くそうとする、その結果総医療費がさらに際限なくふくれあがり国は医療費を削減しようとさらに診療報酬を抑制し、結果としてスタッフは満足に働いた分も報われず逃散していく負の連鎖が続く構図とは、やはり恒久的安定的な医療供給体制の体を為していないと思います。

先日は腰痛防止のため介護職は人力による患者の抱え上げ(いわゆるお姫様だっこの状態ですね)をやめましょう、リフト等の機材を使用するかどうしてもやむを得ない場合は二人以上で抱えましょう、なんてことを厚労省が言い出していて、もちろん過酷な肉体労働を軽減するという目的の一環として腰痛防止も大変重要なことではあるのですけれども、何かしら環境改善ということの方向性がずれていますよね。
昨今では介護職用に腕力をサポートするロボットスーツなども登場していますが、それではリフトなりスーツなりの導入コストをどうやって調達するかと言えば医療・介護保険による定額報酬の中から他を削って捻出するしかないわけで、どこの施設もまともな儲けが出ない報酬体系を強いられている状況でこうしたことを言われても単なる画餅というものです。
ではどうするのか、もちろん施設側がスタッフの労働環境を地道に改善する意志を持つということももちろん必要不可欠ですけれども、個々のスタッフレベルで改善策を考えると結局は無理をしない、これ以上は出来ないと言うことをはっきり意志表示した上で、それでも改善の意志が見られないのであれば立ち去り型サポタージュが一番簡単確実な環境改善策であるとほぼ確立された感があります。
個々のスタッフがさながら聖職者さながらの献身で現場を支えている構図は確かに第三者から見れば美しいものではあるのでしょうけれども、それはいざという非常時のための一時的な措置にとどめるべきであって、日常業務とはあくまでも無理なく続けられる範囲にとどめておかなければ思わぬ事故のリスク上昇を招くだけですよね。

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2013年6月19日 (水)

終末期医療 未だに「議論を呼ぶ可能性が」などと言っていては

核家族化と言われて数十年、終末期は病院に丸投げということが当たり前の世の中になった結果、どうも実体験よりも観念論的な話題として終末期医療が取り上げられる傾向があるように思います。
終末期の延命処置は希望しますか?と問われて自分はいらないが家族にはして欲しいと答える人が多いというのもそのひとつの現れだと思いますが、終末期医療で本人意志が確認出来るというケースはむしろ例外的であって、家族親族こそが一番の当事者であるという認識が乏しくどこか他人事のようにも聞こえるのは自分だけでしょうか?
それはさておき、こちら間違いなくほとんどの国民にとっては「他人事」なのでしょうけれども、それだけに妙に観念論、理想論が先行してしまっては現場の実態を歪めることにならないかとも危惧されるニュースが出ていました。

「終末期ケア」で更生を=重症受刑者に実施―医師不足や世論反発課題・医療刑務所(2013年6月16日時事通信)

 末期のがんなどを患う受刑者らに対し、八王子医療刑務所(東京都)で病気による身体的苦痛やストレスを和らげる「緩和ケア」が行われている。安定した精神状態で余生を送れるようにして更生につなげる狙いがあるが、医師不足や世論の反発など、浸透には課題が多い。

 ▽後悔や反省を口に

 「亡くなっていく受刑者に何ができるのか」。昨年、受刑者49人が死亡した八王子医療刑務所では、2010年ごろから緩和ケアを行っている。限られた余命の中、いかに更生につなげるかが課題で、所内の医師や看護師らで勉強会を開き、緩和ケアに取り組んでいる。
 昨秋、肝臓がんの60代男性受刑者は海外に住む娘に電話した。けんかしていたが、会話を重ねて和解。男性はほほ笑んだような顔で亡くなった。
 膵臓(すいぞう)がんの60代女性受刑者は昨春、希望していた所内の花見に参加。おかゆしか食べられない状態だったが、その日は他の受刑者と同じ弁当を食べた。花見の様子を楽しそうに話し、8日後に死亡した。
 緩和ケアを受けた受刑者は人生について後悔や反省を口にすることもあるという。大橋秀夫所長は「人間らしい生活で初めて素直な気持ちになり、人生を振り返って終えることができるのでは。緩和ケアは矯正のひとつ」と強調する。

 ▽「尚早」と慎重意見も

 医療刑務所は全国に四つあるが、緩和ケアを取り入れているのは八王子医療刑務所だけだ。
 法務省によると、刑務所などの医師の給与は低く、民間の半分から3分の1程度とも言われる。医師が十分に集まらず、慢性的な人材不足が続き、緩和ケアを普及させる余裕はないという。
 受刑者へのケアには、世論の反発も予想される。八王子医療刑務所が緩和ケアを導入する前、職員を対象に行ったアンケートでも「時期尚早だ」など慎重意見があった
 法務省矯正局の中田昌伸補佐官も「『受刑者にそこまでしなくても』という声があると思う」と懸念を示す。一方、「自分の罪を悔い改めて死を迎えることは、矯正処遇として効果がある」と、取り組みを評価する。 

ご存知の通り刑務所の収監者には人権がある程度制約されていて、医療を受ける権利というものがどの程度まで自由であるべきかという点については未だ様々な議論のあるところですけれども、実際上は刑務所内での半ば強制的な受診抑制などがしばしば問題視されているということは周知の通りですよね。
もちろん国が他人の権利を制約して収監している以上は生きて再び娑婆に戻す義務もあるという考え方もありますが、昨今問題化している受刑者の高齢化によって刑務所内での看取り事例が増えてくるにつれどうしても終末期医療の問題も出てくる、その中で特に議論が分かれそうなのが苦痛緩和はどこまで行われるべきなのかということでしょう。
基本的に苦痛緩和によって健康になるわけでも寿命が延びるわけでもない(むしろしばしば寿命を縮めると言うケースが見られます)以上例えば「刑務所の寝床が堅いのが苦痛だから羽毛布団にしてくれ」などという要求とどう違うのか、あるいは麻薬犯罪で収監されている受刑者に麻薬性鎮痛剤を使用するというのはどうなのかといったことを考えていくと、なかなか難しい問題ではありますよね。

もう一点、収監者は当然ながら医療を受けるにも保険がないわけですから全額自己負担ということになりますが、お金も持っていないことから実は医療費は全額国が負担するということになっていて、しかも医療必要度の高い高齢受刑者が増えているわけですから過去20年間で4倍以上に増加しているとも言い、昨今ただでさえ財政的に厳しくなってきている刑務所の運営を圧迫する一因ともなっているようです。
仮に重症で高額医療ともなりますと月に百万、千万単位の費用がかかることもあり得ますから金銭的問題ももちろん大きい、そして死刑囚とまではいかずとも凶悪犯罪者に対して何でも希望通り医療を受けさせるということには素朴な感情面でもどうなのかで、良心的な支援者の方々に指摘されるまでもなく刑務所内での医療行為は相当に抑制的に運用されているだろうと推測できます。
そうした状況で緩和ケアなどは国民感情としても財政的制約の上でも積極的に周囲が推進するようなことではないといった辺りに落ち着きそうですが、患者たる受刑者側が支援者の方々と手を組んでもっと自由な医療を!と叫び出した時に国民がどう判断すべきなのかを考えた場合に、もう少しこの辺りの情報開示は積極的に行われてもいいんじゃないかという気がしますね。

さて、こちらは財政等の社会的要請以前に当事者もそれを望んでいるにも関わらず何故かなかなか話が進まないという終末期医療の話題なのですが、当たり前のことを口にすると良心的な?方々からおしかりをいただいてしまうようです。

「平穏な道選べば医療費減」 甘利再生相、終末期医療で(2013年6月18日朝日新聞)

 社会保障と税の一体改革を担当する甘利明経済再生相は17日のBSフジの番組で、終末期の延命措置について「(回復の見込みがなく)チューブにつながれて最期を迎えるのは悲惨だと思う人は多い。本人の意思確認をして『平穏な道を選びたい』という人ならば、それだけで医療費は下がる」と述べた。

 社会保障費の削減に絡んで終末期医療のあり方に触れた。甘利氏は番組終了後、記者団に「患者の尊厳を尊重して対応が図られ、医療費が減ることにもつながれば、患者本人にとっても世の中にとってもいいこと」と「患者の尊厳」を強調したが、終末期医療に医療費削減を絡めた発言は、議論を呼ぶ可能性がある

経済再生相、終末医療「意思確認徹底で医療費削減に」(2013年6月18日TBSニュース)

 甘利経済再生担当大臣は終末期の医療において、患者本人に対し早い段階から延命治療の意思確認を徹底することで医療費の削減につながるという考えを示しました。

 「意思確認を徹底していけば、患者の尊厳を尊重して対応を図られると。その結果医療費が減ることにつながっていけば、それは患者本人にとっても世の中にとってもいいことじゃないでしょうかと」(甘利明 経済再生相)

 甘利大臣は終末医療の現状に関して、患者本人へ延命治療の早期の意思確認が徹底されていないため、「意識がないまま、回復の見込みがないままにチューブにつながれているとか苦しむだけの治療で終わってしまう」と問題点を指摘。そのうえで「患者本人のしっかりした意思のときに最終的な治療の仕方を選択できるのは決して悪いことではない」と述べています。

どのような方々の議論を呼ぶかは言わずもがなというものですが、大臣の言っていること自体は当たり前のことばかりであって、昨今国民を対象に調査しても終末期の延命医療を圧倒的大多数の人が拒否している、そして医療関係者もそんなところに貴重なリソースを投入するのは馬鹿馬鹿しいと考えている中で、何故当たり前のことが今まで実行されないまま来てしまったのかということを考えて見るべきでしょうね。
こういう話が出ると「終末期医療を経済で制約するのはケシカラン」という声もしばしば聞こえるのですが、しかし医療が財政上もマンパワー始めリソース上も限界に達しつつある現状を考える時、誰しも望んでいない部分に漫然とリソースを投じることは必要な領域のリソースを削除することに他なりませんから、いわゆるトリアージ的な考え方からしても優先順位を決定する必要がある段階に来ているというものでしょう。
もちろん「俺たちは長年お国のために尽くしてきたのだ!若造どもに浪費する医療費はこっちにまわすべきだ!」と考える高齢者の方々がいらっしゃっても全くおかしくはないですし、事実社会補償制度は若年現役世代と老年世代とのパイの奪い合いという様相を呈していることも事実ですが、ならばいずれの立場が正しいと特別偏重される理由もなければ、どの立場は間違っていると言論圧殺されるいわれもないはずです。

社会保障問題にしても各マスコミは口では抜本的な改革が必要だと勇ましいことを言っては政治家の弱腰を叩くような素振りを見せながら、いざ話が高齢者社会保障改革の問題に及ぶと途端に手のひらを返して「現代の姥捨て山だ!」とバッシングし始めるという構図は久しく以前から変わっていませんよね。
昨今の新聞やテレビといったメディアから若者を中心にどんどん国民が離れていっている、そして今現在も変わらずそうしたメディアを支持しているのは俗に「情弱(情報弱者)」とも呼ばれる高齢者くらいであるという現実を思うとき、確かに営利を目的とした民業である以上主要顧客の意向に沿うことは理解できるのですが、ではこの問題において顧客たる高齢者達の意向がどこにあるのかと言うことも各種調査で示されているわけです。
食の細くなった高齢者に若い人と同じ感覚でフレンチのフルコースだ、和牛ステーキだと奮発しても必ずしも喜ばれないのと同じことで、「ほんとうは蕎麦とかうどんとか、もっとあっさりしたものが食べたいのに…」と言っている人に「いやいや、こっちの方がずっと高級でおいしいですよ。どうせお高くてもお勘定はお孫さん持ちですし」と押しつけるのは下手をすると押し売りか認知症詐欺、よく言っても高齢者虐待かと言われかねない行為でしょうに、そんなものを社会正義だと考えているのだとしたらそろそろ改めるべき時期ではないでしょうか?
昨今では移植医療推進の立場からドナー登録意志の表明が積極的に行われるようになりましたが、国民皆保険制度である以上保険証は誰しも持っているわけですから、元気なうちにきちんと意志決定をし記録しておくといった運用を行えば本人意志も尊重されやすくなり、望まない延命処置を希望しなかった分の医療リソースが若い人たちのために活用されるようになるかも知れませんね。

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2013年6月18日 (火)

認知症は誰にでもやってきます

現時点で65歳以上の高齢者の15%、462万人の認知症老人がいるという厚労省の推計が先日発表されましたが、その前段階である軽度認知障害の方もほぼ同数いると考えられていて、実に高齢者の4人に1人が認知症とその予備軍であるということになりますが、2010年の推計では280万人と言われていたことを考えると大変な急増ぶりですよね。
そもそも年齢と共に衰えてくるのが当たり前の知的活動能力に対してどこから認知症と認定していいのか、長谷川式の点数だけが全てなのかと色々と疑問もつきないところだと思いますが、社会的には社会生活を正常に歩めなくなった時点で認知症であると認定するのだとすれば、その認定はなかなか困難な部分があると考えさせられる記事が先日出ていました。

独居のご近所さんが認知症っぽいが…。あなたならどうしますか?(2013年6月10日日経メディカル)

 気づいたのは、ほんのささいな違和感からだった。

 私が住む家の近くには、一人暮らしの高齢のご婦人がいた。きれい好きと見えて、毎朝の自宅近辺の掃除を日課として過ごされていた。会えば「今日は暑いですね」など、他愛ないあいさつを交わすことも多かった。

 数年前のある朝、同じように掃除されているその方を見かけ、声をかけた。受け答えはいつも通りだったが、何か違和感があった。いつもきちんと髪をまとめ、身だしなみも小ぎれいにされているのに、その日はなぜか起き抜けのようで、服も寝間着そのままのように見えた。「疲れてるのかな?」と、その時は特に気にも止めず、あいさつを交わして仕事に向かった。

寝間着のまま外に出て、ごみを空き地に置くように

 けれどそれ以降、違和感は日々大きくなっていった。日課の掃除は欠かさないが、服装はいつも寝間着のまま。しばらくすると、ごみの出し方が分からなくなってしまったようで、空き地に置いていくようになった。

 そしてある日、家の近所で「帰り方が分からなくなった」と、近所の方に道を聞くようになった。どう見ても認知症の症状だ。「どうすればいいと思う?」と妻に問われてみて、これは意外と難しい問題だぞと思い至った。

気づいても、誰に相談したらいいか分からない

 介護分野の取材を通して、認知症に関する知識はひと通り頭に入っている。初期段階で適切に介入し、認知症の専門医や介護事業者につなげ、進行を遅らせるのが大事だと、記事中では何度も書いてきた。

 だが、誰にどうやって話をつなげればいいのだろう?

 私の家族をはじめ、その地域の半数は10年ほど前に引っ越してきた新しい世帯だ。昔からそこに住んでいるご婦人と深い付き合いはなく、家族関係も分からない。古い世帯の近所付き合いも希薄なようで、つながりが全く見えてこないのだ。「あなたは認知症みたいだから、ご家族の連絡先を教えてくれ」などと言うわけにもいかない。

市の担当部局に電話をかけるも…

 自治会などを通じて、お子さんなど家族の連絡先が分かったとしても、単なる近所の人間が電話をかけるのは、相当にハードルが高い。「近所の者ですが、あなたのお母さんは認知症のようです。医療機関や介護事業者に相談した方がいいと思います」──。決して愉快な話ではないし、相手によっては「なんでこの電話番号を知っているんだ!」などと逆に不審者扱いされかねない

 とはいえ、このまま放置するのは、人として道義にもとる。いろいろ考えた挙句、市の介護福祉課に、「実は近所に認知症らしい方がいまして……」と電話をかけた。そのやり取りは非常にお役所的で、面倒かつ要領を得ないものだったが、その後、地域包括支援センターに話がつながり、ケアマネジャーを経てご家族に話がつながった(ようだ)。

 しばらくして他県に住む息子さんという方が、「自宅近くの有料老人ホームに入居してもらうことにしました」とあいさつに来訪した。ご婦人も、状況をきちんと理解できているのかは分からなかったが、その表情は以前よりも安心しているように見えた。
(略)

一昔前であれば地域の長老格のコミュニティーがどこの町内にも存在していて、そろそろあの人が危ないという情報も共有されなにくれと目を光らせていたりお節介を焼いたりもしていたものですけれども、昨今の地域内でのつながりの希薄さから考えると今後こうした状況はいくらでも増えていくものだろうと思います。
問題は認知症になった時に本人だけしか知り得ない個人情報をどうやって周囲が把握するのか、インフォームドコンセントがこれだけうるさく言われる時代にどう自己決定権を担保するのかといった手続き上の問題も大きいことで、早い話が親族にも連絡がつかず病院や施設に入れようにも手続きのしようがないということもいくらでも起こりえるわけですね。
もちろん独居老人が倒れていたといったケースでは緊急性があり当座の処置は本人同意なしで可能ですけれども、そうでない慢性的な経過を辿ったような場合では誰かの同意なしには何も手出しできないという制度になっていることが昨今は非常に多くなっていて、早い話がそうなる前にきちんと自らの身の振り方を決めて誰かに依頼しておけということになるでしょう。
ひと頃救急医療崩壊が叫ばれた頃には「まずは大した病気がなくとも平素からかかりつけ医を持ちましょう」ということが盛んに言われた時代がありましたが、その文脈で言えば「今はまだ大丈夫だと思っていても呆けた時の対策は講じておきましょう」ということになる理屈だとして、どうも世間では思った以上にこの方面での危機感に乏しいらしいというのが気がかりです。

認知症になる可能性「感じない」35%- 内閣府が55歳以上に調査(2013年6月17日CBニュース)

 今後自分が認知症になる可能性について、55歳以上男女の34.9%が、まったく感じていないことが、内閣府の調査で分かった。「まったく感じない」と答えた人の割合は、年齢が上がると高まる傾向にあった。

 調査は、昨年9月27日から10月14日にかけて、55歳以上の全国の男女3000人を対象に実施。1919人が回答した。回答率は64.0%。
 認知症になる可能性については、「まったく感じない」に続き、「まれに感じる」28.3%、「ときどき感じる」25.3%、「いつも感じる」5.7%となった。

 最期を迎えたい場所を聞いた質問では、「自宅」が54.6%で一番多く、「病院などの医療施設」27.7%、「特別養護老人ホームなどの福祉施設」4.5%と続き、整備が急速に進んでいる「高齢者向けケア付き住宅」は4.1%だった。「病院などの医療施設」の割合を男女別にみると、男性の23.0%に対し、女性は31.6%だった。

■自分は延命治療を受けたくないが、家族には受けさせたい人も

 病気が治る見込みがなく、死期が近くなった場合の延命治療の希望については、91.0%が「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」と回答。この割合は、同じ質問をした2002年(81.1%)、2007年(87.7%)の調査と比べて増えていた。「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」と答えた人は5.1%だった。
 一方、自分の家族が同様の状況になった場合の延命治療の希望は、行わない希望が73.7%に減り、延命治療を望む回答が14.7%となった。【大島迪子】

失礼ながらいい年をして「自分が認知症になる可能性がない」などと夢想していられるのは子供が「ボクはオトナにはならないよ!」などと無邪気に信じているのと同じようなもので、本気で言っているのであればすでに将来の可能性を云々するような段階は通過してしまった後ではないかと愚考しますけれども、ともかく当事者およびその予備軍の実に3人に1人がこんな調子であるというのは困ったものですよね。
もちろん調査のバイアスも大きいということはあって、例えば自分が本当に年取ったと感じている人は「俺もすっかり老けちゃって…ハハハ」なんてことは言わないもので、客観的に危険度が高いはずの高齢世代になるほど危険性を過少評価しているように見えるのは、実のところ実感としてその怖さを日々感じているが故であるのかも知れませんね。
またおもしろいのはこうした調査においてしばしば見られる男女差の存在ですが、男性が自宅で死にたいと言う人が多いのに対して女性は医療施設と言っているのは希望と言うよりも、どうせその頃には配偶者もいないし…というある種覚めた現実認識を感じさせられるように思います。
しかし世間ではテレビにしろ新聞その他の紙面にしろ認知症関連の話が出ない日はないほどで、特にその予防などということに関しては大きな商売になるほど反響を呼んでいるはずですが、こうした方々は全く興味が無く平然としているタイプなのか、あるいは全く真逆にあらゆるアンチエイジングに精通していて老化など他人事だと感じているタイプなのか、おそらくは両極端いずれもが含まれているのでしょうね。

今現在団塊世代の高齢化だ、超高齢化社会の到来だと危機感をもって語られていますけれども、実は団塊世代などは適当な時期に結婚し子供を産んでという相応に理想的な人生行路を歩んできた人たちでもあって、むしろ結婚や出産が当たり前のことではなくなってしまった現在の現役世代の老後の方がよほど難しいという危機感は必要だと思いますね。
もちろん若年世代が減る一方であれば年金問題しかり、社会保障の財源しかりと財政的な裏付けにも事欠くようになりますけれども、それ以前にやはり遠くとも家族や親族による意志決定能力の保持こそ様々な制度を動かす最初のきっかけになるものであって、医療であればいきなり天涯孤独な呆け老人が運ばれて来たと想定してみれば意志決定してくれる親族のありがたみが判るはずです。
終末期医療なども患者本人のためにと言うよりは家族の方を向いて治療している側面が色濃いもので、どうせ本人は何も判ってはいないのだから家族さえ理解し納得してくれるのであれば文字通り何もしないという選択肢もありだと思いますし、医療を実施する側の医師らが「それでも何となく…」と決まり切った延命手順を踏んでしまうことは、すでに社会的にも望まれないものになりつつありますよね。
ただいくら呆けきった爺ちゃん婆ちゃんでも「殺される~!誰か助けてくれ~!」なんて叫び放題の方をそのまま黙って何もせず見送るというのは自己決定権尊重の上でどうなのかですから、孤独な老人が一人で死んでいく時代の到来を前にどのように現場で本人意志の尊重を実現していくのか、医療の側にもあらかじめルールを用意しておく必要がありそうですね。

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2013年6月17日 (月)

またも偽医師騒動 現状の対策はそろそろ限界か

先日またぞろ偽医師騒動があったようなのですが、この発見の契機が「あまりにもお粗末」だと話題になっています。

医師装い診察した疑い、診療所経営者ら逮捕 八王子 (2013年6月15日日本経済新聞)

 診療所で医師免許を持たずに診察したとして、警視庁生活環境課などは14日、「高尾クリニック」(東京都八王子市)の元実質経営者で柔道整復師、城代明俊容疑者(45)と元事務職員、真下剣容疑者(45)を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕した。

 同課によると、城代容疑者は2010年12月以降、週1回、内科や皮膚科などを担当。実際に患者に注射を打ったり、巻き爪の手術をしたりしていた。同容疑者が診察した患者は約2年間で延べ約8180人。約2400万円の診療報酬を得ていたといい、同課などは詐欺の疑いでも調べを進める。

 城代容疑者の不正は今年1月、「医師免許を持っていないのではないか」との看護師らの指摘を受けた内部調査で発覚。同容疑者が持っていた医師免許を調べたところ、本来施されているはずの「すかし」が入っておらず偽物と判明した。

 2人の逮捕容疑は11年1月~12年12月、医師の資格がないのに診察や薬の処方などをした疑い。高尾クリニックは今年2月から業務を停止。同課などによると、患者らに健康被害などの訴えはないという。

無免許で逮捕のニセ医者 医師不在で自ら穴埋め(2013年6月15日テレ朝ニュース)

 医師免許がないのに医療行為をしたとしてクリニックの実質経営者の男が逮捕された事件で、男は「医師がいない日も診療したかった」と供述していることが分かりました。

 東京・八王子市の「高尾クリニック」の城代明俊容疑者(45)らは一昨年から去年にかけて、市内の77歳の男性ら13人に対して、医師免許がないのに注射などの医療行為をした疑いで14日に逮捕されました。城代容疑者は2010年にクリニックの経営権を買い取り、雇った医師に診療をさせていました。しかし、水曜日は医師が不在だったため、城代容疑者が医療行為をするようになったことが捜査関係者への取材で新たに分かりました。取り調べに対し、「医師がいない日も診療したかった」と供述しています。城代容疑者らは延べ8000人を診療し、約2400万円の診療報酬を受け取っていたとみられ、詐欺容疑についても調べる方針です。

無免許医師逮捕:傷の縫合チョウ結び 院内で「偽医師?」(2013年06月15日毎日新聞)

 警視庁が14日、医師法違反(無資格医業)容疑で逮捕した東京都八王子市の診療所「高尾クリニック」(廃業)の元実質経営者で柔道整復師の城代明俊容疑者(45)。警視庁生活環境課によると、「偽医師ではないか」とのうわさがクリニック内に広まったのは12年末だった。城代容疑者が患者の傷の縫合をした際、チョウ結びで縫い止めするのを非常勤医師が目撃。今年1月、報告を受けた院長が医師免許証の提出を求めると、透かしがなかったため偽医師とばれたという。城代容疑者は「他の医師の免許証を勝手にコピーして偽造した。既に捨てた」と供述している。

 城代容疑者はクリニックを1000万円で買収し、10年12月に開業。院長と非常勤医師を雇い、整形外科、皮膚科など4科を取り扱った。毎週水曜日は勤務できる人が見つからず、城代容疑者が「自分も医師だ」として担当。有名私大医学部の白衣を身につけ、周囲を信用させていた

 昨年10月ごろ、城代容疑者から両膝に痛み止めの注射を打たれた患者の女性(72)は「いつも院長の注射は痛くないのに、この時はすごく痛かった」と振り返る。「打つ直前には、スタッフがカルテを持って『この注射で大丈夫ですか』とけげんそうに確認していた。今考えるとおかしい」と語った。【黒田阿紗子、藤沢美由紀】

まあしかし偽医師と言っても色々とありますが、今回のそれは素人目に考えてもお粗末極まるというものですし、こういう偽物が数年間にわたって活動出来たということは驚くばかりですけれども、いわば雇用主に当たる経営者にきちんと筋道の通った対応をした院長もよい仕事をしたと言えそうです。
小説「吉里吉里人」にいかに偽医者が素晴らしいかという記述があって、要するに何であれ身分を偽るようなら日々不断の努力が必要ということなのですが、この人の場合も純粋に経営者に留まっていれば罪は軽かったでしょうにそれほど儲けが違っていたのでしょうか、人間身の丈を無視して欲をかきすぎるとろくなことにならないという好例ですね。
昨年は都内の民間病院で健診を担当していた医師が偽医師だったとして逮捕されましたが、この際に再発防止策として厚労省は同省の運用している医籍登録の検索システムを利用しろと言い、また昨今では必ず医師免許証は原本を確認することが徹底されるなど、それなりに偽医師対策は講じられてきてはいます。
しかし近頃では偽医師側も実在の医師の名を騙るなど工夫をしていて、最終的には現場の同僚等が「この先生本物…?」と疑問を抱いたことから発覚につながるケースがほとんどであるようなんですが、そうなりますとこういったケースでは非常に発見が困難になるんだろうなと思えますね。

医師成り済ましで逮捕=元医師の男ら?神奈川県警 (2013年5月29日ウォールストリートジャーナル)

 別人の医師免許をコピーして成り済ましたなどとして、神奈川県警生活経済課などは29日、医師法違反や詐欺容疑などで、元医師のアルバイト河村直樹容疑者(59)=さいたま市中央区鈴谷=ら2人を逮捕した。容疑を認めているという。

 逮捕容疑は昨年11月、神奈川県茅ケ崎市の病院に非常勤で勤務し、入院患者の死亡診断書を作成して給与の現金5万円をだまし取ったなどの疑い。

 同課によると、河村容疑者らが免許を勝手にコピーした愛知県の男性医師に、心当たりのない源泉徴収票が病院側から届いて発覚した。同容疑者は昨年3月、医師免許を取り消され、金銭面で困っていたという。 

別人なりすまし診断の容疑で元医師を逮捕/茅ケ崎(2013年5月30日神奈川新聞)

 別の医師になりすまし診断したとして、県警生活経済課と茅ケ崎署は29日、詐欺や医師法違反などの疑いで、さいたま市、元医師のアルバイト河村直樹容疑者(59)を逮捕。同容疑者を雇った病院から紹介料をだまし取ったとして、詐欺などの疑いで、東京都世田谷区、会社社長山形精隆容疑者(48)を逮捕した。

 逮捕容疑は、河村容疑者を非常勤医として茅ケ崎市内の病院に雇用させようと共謀し、昨年11月16日、愛知県に住む男性医師の医師免許証のコピーを同病院に提出。同容疑者は給与5万円を、山形容疑者は紹介料1万500円をだまし取った、としている。また河村容疑者は同日、同病院で亡くなった女性患者の死亡診断書を作成するなどした、としている。

 県警によると、2人は容疑を認め、河村容疑者は「免許を取り消され、金に困っていた」、山形容疑者は「(河村容疑者が)生活に困っていたので紹介した」と供述。河村容疑者は昨年3月に免許を取り消されていた。山形容疑者の会社は当直の非常勤医などを病院に紹介しており、過去に仲介したことのある医師の免許を悪用したという。

 県警の調べでは、河村容疑者は昨年9月以降、ほかに千葉県や都内の3病院に勤務。「(風邪やインフルエンザなどの)患者50人ぐらいを診察した」と供述している。

元精神科医で診療行為にかこつけた患者への準強制猥褻で逮捕された過去があると言いますからあまり同情の余地はなさそうなのですが、精神科とは言っても最低限の医学的知識はあるでしょうし、紹介業者もグルになっているのですから誰でも信用したくなるでしょうね。
他院でも予防接種などのアルバイトをやってかなり手広く稼いでいたということでこれをよく発見したなと思うのですが、名前を騙った当の本人のところにたまたま源泉徴収票が届いたから発覚したのであって、現金払いのアルバイトの場合なかなか発覚しにくいだろうということをさすがによく心得ていたものだなと思います。
厚労省の医籍検索システムはこういったところが弱点であって、例えばかつては戦前戦中に活躍した明治生まれの医師を始めとっくに無くなった方々も抹消されないまま掲載されていると大騒ぎになりましたが、仮に本人も亡くなり家族もいないといったケースでは名義だけを不正利用のし放題ということにもなりかねませんよね。

一昔前の大学医局による医師派遣システムはそうした身分保障という点ではなかなかによく出来ていて、病院側としてみれば大学が身元を担保してくれるからこそ何も疑うことなく雇用できる道理ですけれども、場末の病院と言わずとも公募等によって医師を集めることが一般化してきている現在、確実な身元保証の手段を考えていかなければ偽医師騒動はますます拡大しそうです。
当面考えられる対策としては運転免許証など複数の公的証明書で本人であることの確認を徹底するしかありませんが、車の免許は持っていませんだとか言い訳はいくらでも出来るでしょうし、そもそもたかがバイト先でそんなところまで根掘り葉掘り確認されたのでは真面目な医師でもへそを曲げそうではあります。
国が本気で対策を講じるなら現状の単なる書状一枚きりという旧時代そのままな医師免許証頼りの本人確認をやめて、せめて生存確認を兼ねてICカードなりに更新するだとか例のマイナンバー制に絡めて電子的認証システムを用意するだとか時代に即した制度改定が必要でしょうに、一向にそんな話もないらしいことを見るとこの程度のリスクは許容範囲内の細事だと見なしているのでしょうが、問題はそのリスクを許容するのが医療機関だけではなく患者たる国民であるということです。
未だ国民所得の改善も不確かな中で医師免許証ひとつでいい儲けになることが知られ始めた、そして何より昨今では素人でもスマホ等で「あんちょこ」を調べることも楽に出来るようになってきているわけで、偽医師リスクは今後ますます増えこそすれ減る理由はなさそうに思えるのですけれどもね。

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2013年6月16日 (日)

今日のぐり:「塩ラーメン 嵐家 古新田店」

本日はなんでも父の日なんだそうですが、こちら父の日商戦を睨んでリアルすぎるマネキンが話題になっています。

大丸京都店に「メタボ」マネキン-父の日ファッション特集で(2013年6月13日烏丸経済新聞)

 大丸京都店(京都市下京区四条通高倉西入立売西町、TEL 075-211-8111)で父の日向けのディスプレーに登場したマネキンが話題を集めている。

 同店では現在、父の日に合わせたフェアを展開。「近年は家で使えるリラックスした服が人気になっている」と同社営業推進部の藤田幸久さん。5階ではカラフルでポップな柄がラインアップしたステテコや「しゃれふん」(おしゃれなふんどし)などを紹介。ステテコの柄をあれこれくらべる女性同士の姿も見られた。「女性が自分のために購入することもある」と藤田さん。

 売り場で目立っているのが、短足ででっぷりとしたおなかをしたランニング姿のマネキン。オランダのハンスブート社のもので、日本にあるのは4体のみという。同店装飾担当チーフの岩井綾子さんが、父の日のディスプレーに彩ユニオン(東山区)を通じて取り寄せた。このほかに日本では同店にしかない同じシリーズの2体も父の日コーディネートに身を包んでいる。
(略)

どのようなものかはリンク先の画像を参照いただきたいと思いますが、まあ確かにモデル体型のナイスミドルに合わせて買ったところでパパに似合うとは限りませんからねえ…
今日は父の日に敬意を表して、世の中に満ちあふれているちょいと疲れ気味なオヤジの素晴らしさを再認識させるニュースを選んでみましょう。

【衝撃野球動画】広島×横浜の試合で近年稀にみる珍好プレーが出たと話題(2013年5月8日ロケットニュース24)

コアなプロ野球ファンでなくとも、誰でも楽しめるのが「珍プレー」や「好プレー」だ。深い知識がなくても、パッと見だけで楽しめる。そんな珍プレー好プレーだが、つい先日の5月7日に行なわれた広島×横浜戦において、近年稀にみる珍プレー(好プレー)が飛び出したと大きな話題になっている。

YouTubeには問題のシーンの動画もアップされているが、あえて至極簡単に、箇条書きで何が起きたのかを説明するならば以下の通りになる。

01:広島のキャッチャー石原が、捕球ミスでボールを見失う!
02:広島キャッチャー石原、立ち上がりキョロキョロとボールを探す!
03:横浜1塁ランナー石川が石原の様子を見て進塁しようとする!
04:広島ピッチャー久本がキャッチャー石原に対し「下! 下!」と指さしながら叫ぶ!
05:広島キャッチャー石原、それでもまだボールがどこにあるのかわからない!
06:横浜バッター井納が実にさりげなく足でボールを隠す。
07:広島キャッチャー石原、視線と演技で横浜1塁ランナー石川を牽制!
08:広島キャッチャー石原、ボールと見せかけて砂を拾って投げるフリ!
09:広島ピッチャー久本、ダッシュでボールに近づきボールを拾う!
10:横浜1塁ランナー石川、塁に戻る!
11:横浜の中畑清監督大爆笑!

……である。何が何だかよく分からない人は、素直にプレイ動画を見てご確認いただきたい。

それにしても最後まで謎なのが、「広島キャッチャー石原はボールを本当に見失っていたのかどうか?」である。見失ったフリをしていたのかもしれないし、本当に見失っていて、とっさに砂を拾ってランナーの進塁を牽制したのかもしれない。いずれにしても演技派だ。珍プレーでもあり、好プレーでもある! 必見だ!!

リンク先には動画がありますので参照いただきたいと思いますけれども、しかしまさに「志村~っ!うしろ~っ!」状態とはこのことでしょうか、その状況でランナーを進めなかった眼力?には恐れ入ります。
こちらは滅多にあることではないしあってもらっても困ることなのですが、父の愛はこれほどまでに広大無辺なのかと改めて感じ入ってしまうニュースです。

【海外:アメリカ】家族を守る為158㎏の巨大熊にこぶし一つで立ち向かい勝利したパパ(2013年5月5日日刊テラフォー)

アラスカのパパが、家族を襲おうとした熊に鉄拳を食らわせ、見事勝利した。

野生生物学者のトビー・バークさん(48)は、家族とバードウオッチングをしに、森を訪れていた。だがそこへ、158㎏もある巨大な熊が現れた。
怯えた妻と4人の子供たちを守るため、トビーさんは熊の前に立ちはだかった。
「熊と家族の間には、私しかいませんでした。」

トビーさんは熊を追い払おうと、カメラの三脚を突き出した。
だが、熊は三脚をハエのように叩き落とし、真っ二つに切断してしまった。さらに熊は、トビーさんの左腕に噛みつこうとした。
そこでトビーさんは、熊の顔目掛けてパンチを繰り出し、熊が怖気づいて逃げていくまで続けた。

幸いにして、着ていた防寒具がトビーさんの腕を守ってくれ、腕は腫れとアザができただけで済んだ。家族も無事だった。
トビーさんはもちろんほっとしたが、今は熊への同情の気持ちしかない。
「熊のあの行動は、とても不健康そうでした。」

熊は後に、森から出たところを2人の警察官によって射殺された。
トビーさんが心配していた熊の精神状態は、地元の野生動物学者によると、おそらくただ年をとって気難しくなっていただけなようだ。
年寄りなのにカメラの三脚を軽々と折ってしまう熊の怪力もスゴイが、そんな熊を鉄拳のみで追い返してしまったトビーさんも、かなりスゴイ。家族を守る愛は、やっぱり強い。

日本でも先日熊による死者が出たと話題になっていたところですが、しかし野生生物学者にもなるとこういう危機的状況にあっても独自の観察眼が発揮されるものなんでしょうか?
愛とは時に尋常ならざる形で発揮されることがあるようですが、こちらの男性はその状況でも愛を貫き通した?世の亭主の鏡とも言うべき御仁であるということです。

【衝撃事件】 妻が夫の局部を切断しトイレに流す / 夫「それでも妻を愛してる」(2013年6月11日ロケットニュース24)

今、ネット上である夫婦の絆が話題となっている。妻が夫に取り返しがつかない傷を負わせたというのに、夫はそれを許し、妻への愛を示したのだ。

・目が覚めると局部がなくなっていた
事件が起こったのは中国。2013年6月7日20時頃、就寝中だった韓さん(35)は突然、体に激痛が走り目が覚めたそうだ。そして下半身を見ると、ついているはずのものが根元からバッサリなくなっていた。

・容疑者は6歳年下の妻
通報から十数分後、警察がようやく到着。警察はすっかり衰弱した韓さんを発見。凶器も家の中から発見された。

見つかった凶器は20センチほどの鋭利なハサミ。これは韓さんの妻が子どもの布オムツを切るのに使っていたものだ。妻は家にはいない。警察は妻を容疑者とした。

・妻「切り取った局部はトイレに流しました」
すると、程なくして妻は医師を連れて帰ってきた。「救急車がうちを見つけられないと思って迎えに行ってきた」と話したという。

医師は韓さんの容態を確認。根元からバッサリ切られていたものの、6~8時間以内なら再接合が可能だ。今ならまだ間に合う。そして妻に「切り取った局部はどこですか?」と質問したところ、「トイレに流しました」と答えたそうだ。

・夫「それでも妻を愛している」
韓さんはすぐに病院に搬送。発見当時は大量出血によるショック症状を見せていたが、2日後には受け答えができるまでに回復。妻を恨んでいないこと、告訴するつもりがないとし、微笑みながら「それでも妻を愛しているし、妻も私を愛していると思います」と話したという。

・夫「妻のためなら身を投げうってもいい」
中国メディアによると、韓さんが妻のために身を犠牲にしたのは、今回が初めてではないらしい。左手の人差し指が第二関節からないのだが、これは以前、夫婦喧嘩のあと妻が「農薬を飲んで死ぬ」と騒いだ際に自分で切り落として、その愛を示したのだそうだ。「妻は16歳のときから私についてきてくれました。妻のためなら自分を犠牲にしたっていいのです」と話している。

・妻の動機は?
それにしても、こんなに仲睦まじい夫婦なのに、なぜこんな事件が起こってしまったのか。妻は動機について以下のように話している。

「携帯電話に以前の夫婦喧嘩の録音が残っていて、そのなかで夫は “離婚する” と言っていました。それを聞いた途端、怖くなったのです。近所の人が再婚したのですが、そこでは子どもが後妻に虐待を受けています。離婚して夫が別の女性と再婚したら、子どもが隣の家の子のように虐待されてしまう。でも切ってしまえば再婚なんてできないと思ったんです」

・一命をとりとめたのは不幸中の幸い
なお、重傷だった韓さんの容態は回復、尿道の再形成手術も受けたそうだ。だが今後、用を足す際はしゃがまないといけないのだという。失われたものは決して小さくはない。だが、一命をとりとめたのは不幸中の幸いだったというほかない。

はからずとも夫の愛の深さが証明された今回の事件。韓さん夫婦には仲良く暮らしてほしいものである。

まあ「切ってしまえば再婚なんてできない」という考え方には一理あるとも言えますけれども、これは心が広いというのか何ともすさまじい夫婦関係でしょうか。
ブリだけにこの程度のことは想定内と言ってしまえばそれまでなのですが、こちらあの名物会長が妙なところで男を上げた?というニュースです。

ヴァージン会長の「女装罰ゲーム」実行、エアアジアの客室乗務員に(2013年5月12日AFP)

富豪で知られる英ヴァージン(Virgin)グループのリチャード・ブランソン(Richard Branson)会長が、格安航空会社エアアジア(AirAsia)の女性客室乗務員に扮し、オーストラリア西部パース(Perth)発、マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)行きの便で、乗客に飲み物を提供するなどのサービスを行った。

ブランソン会長とエアアジアのトニー・フェルナンデス(Tony Fernandes)最高経営責任者(CEO)はそれぞれ自動車レースF1のチームの元オーナーと現オーナー。2010年シーズンの敗者が勝者の航空会社で客室乗務員になる賭けを行い、最終戦アブダビ(Abu Dhabi)GPでブランソン会長の負けが決定。この日はそれから約2年半後の「罰ゲーム」実行となった。

元記事の方ではいささか閲覧注意な画像が並んでいますけれども、しかしどうせでしたら日本人に相談していただければさらに一段階上のレベルを垣間見せることが出来たかも知れませんよね。
最後に取り上げますのは同じくブリからのニュースですけれども、意外なところで意外な人物が意外にも…という話題です。

キャメロン英首相が泥まみれの奮闘、沼にはまった羊助ける(2013年4月3日ロイター)

[ロンドン 2日 ロイター] 英国の地元メディアが、キャメロン首相が沼にはまった羊を泥だらけになって助けたと報じて話題となっている。

キャメロン首相は先月、南部オックスフォードシャーにある別宅近くの農家を訪れた帰り道で、羊の鳴き声に気付き、沼にはまっているのを見つけた。羊は2匹の子羊を連れていたという。

サン紙によると、ジーンズとゴム長靴姿のキャメロン首相はボディガード2人と共に沼に入り、羊を救助。現場を目撃したというジュリアン・タスティアンさんは、デーリー・テレグラフ紙に対し「デービッド(・キャメロン)は腰まで泥につかって、羊を助けようと一生懸命だった」と述べた。この羊はその後、元気を取り戻したが、子羊は2匹とも死んでしまったという。

キャメロン首相のこの「救出劇」について、首相官邸の報道官はエープリルフールの作り話ではなく、実際に起きた話だと認めた。

ツイッターでは、福祉予算の削減や移民対策に厳しい姿勢を見せるキャメロン首相が、羊には珍しく思いやりを見せたという皮肉のコメントも投稿されている。

日常生活で羊を助けるというチャンスは日本の場合なかなかないことでしょうが、さすがブリだけに日常の様々な局面でこうしたチャンスがあるということなんでしょうね。
しかし嘘のような本当の話と言いますが、なぜ一国の首相ともあろうものが都合良くゴム長姿だったのかということは謎のままであるようです。

今日のぐり:「塩ラーメン 嵐家 古新田店」

最近各所にチェーン展開している塩ラーメンのお店がこちらですけれども、創業平成十五年ということですからさほど歴史があるというわけでもないのでしょうね。
岡山市内の幹線道路である国道二号線沿いという交通量には不自由しない立地の割にいつも駐車場が閑散としているなと通りすがりに見ていたのですが、今回初めての訪店となりました。
そろそろ食事時ということで何組かはお客は入っているようなのですが、何か奇妙なほど静まり返っている店内が印象的で、こうしたお店には珍しく(偏見?)厨房もお姉さんたちが多く入っているのですが、その辺りがラーメン屋らしからぬよく言えば上品なお店の雰囲気にも影響してくるのでしょうか?

とりあえずは一番ベーシックな塩ラーメンを食べてみたのですが、ほどなく運ばれて来て感じたのは香りがいいということで、塩ラーメンの基本はきっちりと押さえているようですよね。
スープの具合も変なくせもなく好みに合う方向性ではあるのですが、いささか塩ダレが強いかなという印象でもあって、それを中和するようにトッピングでは白髪葱以外にキャベツざく切りが珍しいかなと思うのですが、こうした見た目的にも味の組み立て的にも焼き鳥屋の締めで出したら受けそうな味ではありますでしょうか。
メンマやチャーシューの色、味付けも同系統で、やはり塩ダレの味が強いかなとは感じるのですが色は綺麗に同系統で統一されていて見た目の印象はいいですよね。
ただこちらの場合肝腎の麺は普通と言いますか、正直さほどうまくはないなと感じてしまうもので、本来塩ラーメンというものはすっきりしたスープで麺を楽しむものと思っていたのですが、やや力の入り加減にムラがあるのかなという気もします。

塩ラーメンと言いますと福山市内の「匠」さんがなかなか評価が高くて、実際に食べて見ても味のバランスも非常に高い水準で取れていると思うのですが、それに比べるとやはりもう一歩とは感じるものの事実これだけ急展開しているわけですから、世間的には意外に人気があるということなのかよほどに資本力があるのでしょうか。
ところで最近よくある創業○○年とかいった表示、創業何十年という老舗ならともかく創業平成15年は宣伝文句になるのだろうか?とも思う一方、その割にトイレなどは古臭いつくりだなとも思うのですが、どうもこちらの場合居抜きで別店舗の後に入ったようですからその辺りの制約もあるのかも知れませんね。

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2013年6月15日 (土)

馬鹿発見器騒動 本当に問われているのはその後の対応では

先日は岩手県の小泉みつお議員のブログが話題になりましたが、今流行りだからとブログやSNSを安易に始めた結果とんでもない結果に終わってしまうというケースが非常に多いのではないかと国内外で懸念されているようです。

小泉みつお議員だけではない! ツイッターやブログで炎上する政治家に竹田圭吾さん「バカ発見器」(2013年6月12日ガジェット通信)

病院で番号で呼ばれたことに激怒し、それをブログに書いたことがきっかけで炎上騒動となった小泉みつお岩手県議会議員。6月11日のフジテレビ『とくダネ!』にはからずも出演したことで、一躍“全国区”となってしまったと思われる。
(略)
スタジオでは、参議院選挙からSNSが解禁されることに触れ、これまでに政治家が問題発言をした例を挙げる。

    「原発事故による放射能汚染に関して、
    (献血者の写真を掲載して)献血の車が止まっているけど
    放射能汚染地域に住む人の血って、ほしいですか?

と群馬・桐生市議の『Twitter』でのコメントを紹介。番組では匿名であったが、これは2012年5月25日の庭山由紀・元市議によるものである。この発言が問題となり、除名処分となった。
また、杉並区議がブログで、待機児童について

    「子育ては本来家庭で行うもの
    “お願いです。私たちの子育てをどうか手伝ってください”
    というのがマナー

と書いたことを紹介。こちらも放送では匿名であったが、今年2月の自民党の田中ゆうたろう区議のもので、現在も見ることができる。
また、堺市長が震度4の地震が発生した直後に『Twitter』にて「今日は良いお天気ですね。久しぶりにゆっくりした朝を迎えています」と自動投稿を行っていて削除し謝罪したことも伝えていた。こちらは今年4月13日のものだ。
こういったトラブルの紹介に対し、竹田圭吾さんは

    「有権者にとっては、こういうのがどんどん出てきたほうがメリットだと思うんですよ。ツイッターやフェイスブックって、世の中に有意義なのは『バカ発見器』なところだと僕は思ってるんですけど。要するに選挙のときにきれいごとを言って受かった人たちが本当は心の中でどんな人格なのかというのが全部出てくるわけですよね。
    だから、あんまり遠慮しないでどんどん自分の思ったことをこういう風に政治家は言ってもらうことが有権者にとってもメリットだと僕は思います。」

と締めくくった。

Facebookは家庭生活の脅威(2013年6月8日VOR)

  米ハワイ及びミズリー大学の心理学者らは「Facebookは家庭崩壊をもたらす」との結論に達した。

   学者達の研究によれば、一日少なくとも Facebookに1時間を費やすとするならば、家庭内での争いが本質的に増え、離婚の恐れが高まるとの事だ。実験に参加した人々のうち80%は、Facebookにアクセスした事が原因で近しい人達と衝突し始めた。まして、自分のパートナーのアカウントを見始めた場合、嫉妬が生じ、家族内でのスキャンダルは避けがたくなる。

   Facebookのユーザーは、しばしば、自分の前の恋人や愛人のアカウントを覗くが、この事も状況に悪影響を与える。

   心理学者のデータでは、昨年2012年、英国では離婚理由の3分の1が、ソシアルネットワークの過度な利用と関係があった

SNSなどはつぶやきと言えば他人に聞こえないことが前提のようで実際には全世界に向けて同時発信されているわけで、かつては多少の失言も周囲の人間の間でひとしきり噂や又聞きという形で広まっては終息していたものが今や永久保存され晒され続けるということに気付かないまま、以前と同じような感覚で不用意な発言をし炎上してしまってからその発信力の大きさに改めて気付くというケースが非常に多いように思います。
肯定的に考えるとかつてはマスコミ取材などでいわゆるオフレコでの発言でしか漏れてこなかった公人の発言が、今では一般人でも手軽に接することが出来るようになってきたという考え方も出来ますが、政治家などはむしろこれからの時代演説がうまいとかテレビ写りが良いといったことよりも、SNS等での発信力と支持が大きいということの方が有利になるという時代に移り変わっていく可能性もありそうですね。
人間の感性とはなかなかに微妙なもので、通り一遍のありきたりなコメントばかりしか書き込まないようなものは誰も相手にしませんけれども、公に出来ないぶっちゃけ話、表立って口に出来ない裏話が聞けると言えばひとつ聞いてみようかという気になりますから、世間の注目を集めたいと考えている方々は炎上ラインぎりぎりの見極め能力というものが重要になってくるはずです。
その意味で先日とある公人がとんでもない暴言を吐いたとニュースになっていましたけれども、案外これが微妙な線を付いていたんじゃないかと言う内容だったとも言えそうなんですよね。

復興庁幹部暴言ツイート「左翼のクソどもから…」担当外し事実上更迭(2013年6月13日スポニチ)

 東日本大震災の被災者支援に当たる水野靖久復興庁参事官(45)が、短文投稿サイトのツイッター上で市民団体や特定の国会議員を中傷する書き込みを繰り返していたことが13日、分かった。同庁の谷公一副大臣は「被災者、関係者に非常に不快な思いをさせた」と謝罪、担当から外し事実上、更迭したことを明らかにした。近く正式に処分する。支援の遅れが指摘される中、政府の姿勢が問われそうだ。

 水野氏は「子ども・被災者支援法」に基づく東京電力福島第1原発事故の被災者支援を担当。復興庁によると、今年3月に被災者を支援する市民団体が開いた集会に参加後、「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席」などと書き込んだ。複数の国会議員に対しても、実名を出さずに「我が社の大臣の功績を平然と『自分の手柄』としてしまう某大臣の虚言癖に頭がクラクラ」「ドラえもんの通告が遅い」などと書き込んだ。

 また昨年6月に成立した同法を運用する基本方針が決まらず、たなざらしになっていることについて水野氏は今年3月「白黒つけずに曖昧なままにしておくことに関係者が同意。こんな解決策もある」と容認とも受け取れる書き込みをした。谷氏は発言の背景を精査するとしている。

 水野氏は総務省出身で、千葉県船橋市副市長を経て昨年8月に復興庁に出向。調査に対し自分の携帯電話などを使ってツイッターに書き込んだと説明しているという。書き込みは既に自ら削除している。

 当初は実名で書き込みをしていたが昨年10月ごろから匿名に変更、批判的な発言が増えたという。

 書き込みについて根本匠復興相は13日午前の衆院東日本大震災復興特別委員会で「不快な思いをさせたのであれば率直におわびしたい」と述べた。菅義偉官房長官は同日の記者会見で「公務員法に抵触するようなことがある」と指摘、野党から「発言の背景を追及すべきだ」(民主党国会議員)などの声が相次いだ

【参考】被災者や議員へ中傷ツイート連発〜復興庁「支援法」担当(2013年6月13日Ourplanet-TV)

一連の発言の詳細は元ネタとも言える参考記事の方を参照していただくとして、直接現場で会った市民などからは「熱心に話を聞いてくれる」とずいぶん評判が良かったという同氏の発言を注意して読んでいきますと、その攻撃的な発言の対象が一部の政党議員や市民団体(苦笑)に絞られていることが理解できますし、これを「被災者を中傷」などと報道するのは明らかにミスリードだと思いますね。
騒動に火をつけて回ったに等しい毎日新聞などは「読むに耐えない悪口雑言」と散々な言いようですけれども、いずれにせよいささか品のない発言であったことは確かですし、普通こういうことは公の場で発信するようなものでもないことは言うまでもありませんから何かしらの責任を取ることになったとしても本人の選択の結果というものですが、この一連の「暴言」に対してあちらこちらから「ごもっとも」という意見も出ているということです。

「クソ左翼」の復興庁幹部、そこまで悪いか 憂鬱なる官僚の「本音暴言」に同情の声も(2013年6月13日J-CASTニュース)

 復興庁の水野靖久参事官(45)が、ツイッター上で市民団体や国会議員に対し「暴言」を吐いていたことが問題化している。報道を受け、菅義偉官房長官は2013年6月13日の記者会見で、事実確認の上で処分を行うとの見解を示した。
 特に批判が多いのは、「左翼のクソども」「虚言癖」といった中傷めいた発言だ。一方でつぶやき全体を通してみると、官僚としての率直な「愚痴」も多く、同情論も出ている
(略)
 この水野参事官の「問題発言」を大々的に報じたのは、独立系メディアの「OurPlanetTV」と毎日新聞だ。特にOurPlanetTVはツイッターでの発言や復興庁への情報請求、また当人への取材などを元に、「被災者や議員へ中傷ツイート」を連発していた、と批判した。水野参事官は11日夜にアカウントを削除していたが、毎日新聞が13日朝刊で「復興庁幹部ツイッター暴言」と一面トップで報道、根本匠復興相が同日の衆院特別委員会で「発言が事実であれば不適切」と謝罪し、なんらかの処分を明言する事態に至った。民主党の高木義明・国会対策委員長も、「行政の責任者も含めて厳しく追及していかなければ」などと息巻く。
 いったい水野参事官はどのような「暴言」を吐いていたのか。元ツイートは削除されたものの、OurPlanetTVが発言記録を保存して公開している。

被災地議会を「余りのアレ具合」と嘲笑

  「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席。不思議と反発は感じない。感じるのは相手の知性の欠除に対する哀れみのみ

 報道で特にクローズアップされたのは、2013年3月7日のこの発言だ。この日、水野参事官は「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」主催の集会に出席、政府側の代表として参加者から、市民の被ばく問題への対策を急ぐよう要求されていた。その直後に相手を裏で「左翼のクソども」と呼んでいたことになる。
 ほかにも、

  「今日は懸案が一つ解決。正確に言うと、白黒つけずに曖昧なままにしておくことに関係者が同意しただけなんだけど、こんな解決策もあるということ」(13年3月8日)

というような問題の先送りを歓迎するとも取れるつぶやき、あるいは福島県川俣町に出張した直後の、

  「今日は、田舎の町議会をじっくり見て、余りのアレ具合に吹き出しそうになりつつも我慢w」(12年11月15日)

といった発言が確認できる。
 また、答弁作成が回ってくるたびに「被弾なう」とつぶやいており、質問を行う議員に対しては辛辣な発言が目立つ。特に議員側からの質問通告の遅れに対しては、

  「労働者の党が通告を出さないため、多数の労働者が深夜残業なう」(12年10月31日)
  「20分の質問時間しかないのに29問も通告してくる某党代表の見識を問う」(13年2月6日)

などの皮肉が並び、中には「ドラえもん似の議員」(2013年3月12日)というような発言も。また安倍政権の現職大臣に対しても、「我が社の大臣の功績を平然と『自分の手柄』としてしまう某大臣の虚言癖に頭がクラクラ」(2013年2月6日)なるかなり際どい論評も見られる。

集会では参加者からヤジが飛ぶ

 「中傷」「暴言」などと大手メディアから一斉に叩かれた水野参事官の発言だが、一方でツイッターなどでは同情の声もある。たとえば「左翼のクソども」発言があった集会では、健康調査の対象となる放射線量の早期決定を参加者から求められ、

  「決めなさいよ早く! 何ぐずぐずしてんのよ!

とヤジられる場面がOurPlanetTV公開の動画から確認できる。また、「ふざけた調子」(毎日)などと批判されている国会質問への態度についても、

  「公務員の給与を引き下げろと主張する某党の代表が本会議の通告を出さないため、退庁できない職員多数。今日だけで数千万円の残業代が浪費されたものと推測」(13年1月30日)
  「部下の送別会だったのに、被弾して行けなかったよん」(13年3月23日)

といったつぶやきを見ていると、それが仕事とはいえ激務に追われる官僚の悲哀を感じさせる。ちなみに発言時間を見れば、朝は7時から、夜も9~10時、遅い日は11時ごろまで勤務していることもざら。休日を含め、多いときは週3回もの出張もこなしている。かなりの疲労やストレスが積み重なっていたであろうことがうかがえる。
 脳科学者の茂木健一郎さんもツイッターで、このように提言する。

  「水野靖久参事官のツイッターの言葉は不適切だが、そこから見える、国会や国会議員と霞ヶ関との関係は、改善すべき点も多い。たとえば国会の質問の答弁を官僚が用意すること。ある程度は必要だろうけれども、現状は行きすぎ。もっと実質的な意味のある、建設的な仕事に霞ヶ関のリソースを振り向けるべき

そもそも元記事の動画を見ても「ひたすら罵声を浴びせられる集会」であったようですし、当時からすでに多くの一般市民からも「感じるのは相手の知性の欠除に対する哀れみのみ」といった感想はありふれていたわけですから別段同氏の感覚が異常というわけでもなんでもなく、こうした「言いたい連中に言わせるだけ」のイベントが復興の役にどれほど立ったのかという視点からの検証も必要でしょうね。
ただし仮に本音の部分では妥当な発言だったとしてもモノには言い方というものがあるのも事実で、昔から良く言われるところの「豚に向かって豚だと指摘してみせることに何の意味があるのか?」という問題として捉えるならば、同氏の行為もまた結局は同様に非建設的な感情の吐露に終わったという批判は受けなければならないと思います。
ともかく発信の時点で公のものになるということに留意した適切な発言を心がけるのは当然の利用心得ですけれども、それ以上にいざ炎上?!となった時の初期対応能力こそ多くのSNS利用者が備えておくべき必須スキルというべきものであって、このところ威勢の良い発言で目立つのはいいですが初期消火に失敗するケースが目立つように感じられるのも利用技術が未だ成熟していないということの現れなのでしょうか。
特に政治に携わる者といえばいざという時の危機管理能力こそ問われるだけに、平時には威勢がいいが火急の際にはまるで役に立たない…などという悪評を頂戴することのないようSNS利用にも注意が必要でしょうし、逆にこうした身近な危機を無難に乗り越えてみせることで危機管理能力をアピールするということも可能かも知れませんね。

「チロルチョコの中に芋虫が!」写真つきツイートにチロルチョコが冷静な対応(2013年6月12日ガジェット通信)

6月11日、とある『Twitter』ユーザーが

チロルチョコの中に芋虫いた。どーゆーこと?ありえない。もう絶対食べない。

と写真つきでツイートを行った。写真には、1センチくらいのオレンジ色の小さい幼虫が包み紙を開けたチロルチョコの上に乗っているものが写っていた。
1万件以上のリツイートを集めた上記ツイート、チロルチョコ側も目にしたようだ。
同日、

    現在Twitter上でチロルチョコの中に芋虫がいたというツイートが流れている件に関しまして説明させて頂きます。現在ツイートされている商品は昨年の12月25日に最終出荷した商品で掲載されている写真から判断しますと30日~40日以内の状態の幼虫と思われます。

    詳しくはこちらのサイトをご覧下さい。
    http://www.chocolate-cocoa.com/dictionary/word/faq.html#w2_2
    お騒がせしており申し訳御座いません。

とツイートした。
リンクした先は日本チョコレート・ココア協会のサイトのよくある質問のページの「Q どこで虫が入ってくるのですか?」というところ。そこには

    A チョコレートやココアは、近代的な設備と衛生管理の行き届いた工場で生産されていますので、虫の卵や幼虫が入ることは通常ありません。ほとんどの場合、工場を出てからご家庭で消費される間に侵入するケースが多いようです。
    お菓子につく虫は、どこにでもいることが多く、一般のご家庭にも棲息し、乾燥したお菓子や食品類につきます

とあった。要するに、「5か月以上前に出荷した商品であり、出荷後の店舗もしくは購入後の家で虫がついたのではないでしょうか? つーか、たぶん家で」と暗に示しているように思われる。実際、芋虫がいたという写真の商品はクリスマス限定のガトーショコラ味というもののようだ。そして、当初の写真をアップしたユーザーは『Twitter』アカウントを消してしまった
ネット上では、会社側の冷静な対応が賞賛され、「多分、こういったクレームは多いんだろう」「買ったらすぐに食べろ」という声があがったようだ。「でも、包みを開けて入っていたらびっくりするよな」「店で虫が入ったんだとしたらかわいそう」といった同情する声も。
チロルチョコは、その後

    保存管理をしっかりしようと思いました!これからも新作チロルチョコ含め楽しみにしてます(((o(*゚▽゚*)o)))

というツイートに対して

    温かいお言葉頂き誠にありがとうございます!!!

と返信している。

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2013年6月14日 (金)

生保対策はまたも大阪から

近年の年中行事のようなものでしょうか、毎年この時期になると「今年も生活保護受給者が過去最多を更新!」なんてニュースが流れますけれども、ちなみに今年は3月時点で216万人と11ヶ月連続で過去最多を更新中なんだそうです。
もっとも高齢者世帯が約半数、けがや病気による疾病者世帯が約2割と言いますからこちらは仕方がないとして、景気も回復基調にあると言う中で残る2割の働ける生保受給者をどうするかということは雇用政策とも絡む重要な課題でしょうね。
厚労省もようやく生保受給前の人々への支援策を盛り込んだ「生活困窮者自立支援法案」を国会に提出したと言いますが、ともかく「働いたら負け」という風潮が蔓延するのは非常に危機的な状況であって、現行の生保というシステムがそれを助長しているのだとすれば早急に改めていく必要があるでしょう。
一方で昨今では国民所得減少傾向と共にその手厚い保護ぶりが知られるようになったせいか、すっかり「生保=勝ち組」という考え方が広がってきた感がありますが、こちらアメリカでも似たような状況にあるようで生保問題が本格的に議論されようとしているということです。

「することはセックスだけ。そうすれば大金が手に入る」米国よお前もか…生活保護を食い荒らす低所得者層の実態(2013年6月8日産経ニュース)

 米フロリダ州が今年4月、低所得者に対して発行する生活保護費の支給のための「デビットカード」の使用制限を条例化した。来年2月から実施され、禁止されるのはカジノやストリップ、酒屋での使用。もちろん、生活保護者がそれらを利用していい理由は一切ない。公的扶助が少ないと思われがちな米国だが、生活保護を“食い物”にしたり、まるで自身が稼いだ金のように遊興費にあてる不届き者は少なくない。それは米国だけでなく、日本に共通する問題でもある。

何でも使える“食料支援カード”

 「EBTを使用するのは自由だ
 「あなたがすることはセックスをすることだけ。そうすれば9カ月後に大金が手に入れられる
 これは、2011年夏にインターネット上で全米で話題となったビデオクリップ「Its Free Swipe Yo EBT」の歌詞だ。歌っているのは、チャプターという黒人女性歌手。EBTと呼ばれる生活保護費が振り込まれるデビットカードのありようとともに、子供を産めば働けないため低所得者として“保護”される米国の現状を揶揄(やゆ)してもいる。
 内容は過激だ。ビールを片手に、他の母親たちとタバコを吸ったり、ハンバーガーなどの高カロリーで栄養価の低いジャンクフードを買いにいく場面があったり…。「税金の行き着く先はここです」などといった指摘さえある。

 自助努力の国、低福祉国家と思われがちな米国だが、実はそうでもない。食料や住宅、医療などで支援制度は少なくない。
 そのうち食料支援は、低所得者向けの食料品購入補助制度「フードスタンプ」と呼ばれる。正式名称は「補助的栄養支援プログラム」(SNAP)。州によって基準は異なるが、目安は4人家族で月収入2500ドル(約24万円)とされ、月100ドルが支給されるという。
 この生活保護費が振り込まれるのがEBTカードだ。複数の米メディアによると、フロリダ州議会が条例で禁じたのは、ストリップやカジノなどの遊興費、ビールなどのアルコール類、タバコなどの購入にこのカードを使うことだ。
 同州議会は昨年、同様の形で、カードによるケーキやクッキーなどのお菓子類の購入を禁ずる案を提案している。いずれも栄養確保に悩む低所得者というよりは、過度な栄養摂取であったり、栄養とは全く関係のない、むしろ不健康になるための不正使用だ。

増える受給者と生活保護詐欺

 これはフロリダだけでなく、米国内で全体の問題でもある。EBTをめぐっては、食料購入時に名前や住所の提示が必要ではなく、カード転売をはかる不届き者も多いとされる。
 例えば、今年4月、フロリダ州で、客からEBTカードを購入し、商品に変えていたコンビニエンスストアのオーナーと息子が詐欺容疑で逮捕された。覆面捜査官を使った捜査では、210ドルのEBTカードを安く買い、2人はそれを使ってビールやタバコなどを購入。2人は同様のやり方で8万8千ドル(約880万円)を詐取していたとされる。
 また、今年3月にはニュージャージー州の安売り店の店主が2年半もの間、EBTでは買えないような商品を客に購入させたとして詐欺容疑で取り調べを受けた。その額は520万ドルにも及ぶという。

 確かに、フードスタンプの受給者は増えている
 受給者は2013年3月時点で4767万人。総人口が約3億1400万人で、その約15%が受給者になる計算だ。09年の受給者は3300万人だったから、約4年で1300万人も増えている
 米農務省の統計によると、その経費は12年会計年度(11年10月~12年9月)が746億ドル(約7兆6100億円)。ほぼ毎年、過去最高を更新し、13年は2月までの5カ月間で318億ドルに達した。低所得者対策が、その時の政権の政策として扱われてきたため、受給者の条件が緩和されてきたという経緯もあるが、増え方は尋常ではない。
 また、低所得者の増加は、一部の富裕層と貧困層との“格差”が広がっているという現実が理由だとしても、使い方のルールまで緩めて、甘やかす必要はない。
(略)

明らかに犯罪行為が絡むということであればこれは論外ですけれども、そもそも食糧支援の目的で支給されたものをギャンブル等に使うというのもおかしな話で、やはり現金を持たせてはいけないという現物支給派の主張が一定の理があるということなのでしょうか。
先日も兵庫県小野市で俗に言う「パチンコ禁止条例」が市民の圧倒的多数の支持のもとで成立したという話がありましたが、アメリカでもやはり同様に目的外使用と考えざるを得ない生保保護費流用問題があって、その対策に頭を悩ませているということですよね。
アメリカよりも自助努力への尊重の念が薄い日本ではどうなのかということですが、和歌山県上富田町のように生保支給の前段階として緊急的な食料現物支給を行うと共に厳密な支給審査を行うようにしたところ劇的な効果があったというケースもあり、小野市の例とも併せて全国的に有効と確認された対策は共有し運用の改善を図るべきでしょう。
その一方で医療給付が非常に生保財政上大きな支出割合を占めていることは周知の事実ですが、かねてこの方面の先進地で対策を講じると言う流れが出てきていた大阪からはこんな話が出てきたようです。

生活保護者、薬局限定制度導入へ 東大阪市、医療扶助抑制で(2013年6月12日西日本新聞)

 大阪府東大阪市は12日、生活保護を受給する市民が医療扶助で薬を受け取る際、薬局をかかりつけの1カ所に限定する制度を導入する方針を明らかにした。市によると、前例のない取り組みだという。

 8月から、生活保護受給者にかかりつけ薬局を申告するよう呼び掛け、登録作業を始める。

 生活保護受給者は、医療扶助として医療費が全額公費負担になり、窓口での本人負担がない。東大阪市では生活保護費の約40%を医療扶助費が占めている。薬を二重に受け取るなど、過度な薬の処方を防ぎ、医療費を抑制するのが狙い

 東大阪市の担当者は「受給者の健康管理のためにも重要だ」としている。

【生活保護費抑制】東大阪「かかりつけ薬局制度」導入へ(2013年6月12日ABCニュース)

東大阪市は、生活保護の受給者が薬を受け取ることができる薬局を1ヵ所に限定する「かかりつけ薬局制度」を導入すると発表しました。過剰な薬の処方を防ぎ、医療扶助費を減らす狙いです。

「かかりつけ薬局制度」は、生活保護の受給者に薬を受け取る薬局を1ヵ所、市に登録するよう指導するもので、今年8月にもスタートさせる予定です。東大阪市は人口全体のうち、生活保護受給者が占める割合が府内で3番目に高い自治体。生活保護費は今年度380億円を超える見込みで、うち医療扶助費が全体の4割を占めます。原則公費で負担する受給者の医療費の増加は大きな問題となっています。市の担当者は、「飲み切れないぐらいの薬を持ってる人もいる。それがなぜかというと(薬が)無料なので、ひとつの薬局であれば、以前に出してる分を重複して出すことはないと考えているので、(重複して薬を渡す)そういったところを極力少なくしていきたい」と話しました。一方、市民は、「困るんじゃないですかね?ひとつの場所って」「分散するよりはいいんじゃないですかね?不正に薬を手に入れることができれば、それを転売であったりとか、そういうのは納得いかないですけど」「賛成です。(生活保護を)もらったらいけないんじゃなくて、もらうんだったらありがたく正当な使い方をしてほしい」と話しました。東大阪市は、制度を導入することで過剰な診療や薬の投与を減らし、医療扶助費を抑える狙いとしています。しかし、制度に強制力はなく罰則も設けない見通しで、その効果は不透明です。

東大阪市:生活保護受給者は「薬局1カ所」 過剰処方防止(2013年06月12日毎日新聞)

 東大阪市は12日、生活保護受給者が薬を受け取る薬局を原則1カ所とする「かかりつけ薬局」制度を導入する方針を明らかにした。早ければ8月から受給者に薬局の登録を促す。過剰な薬の処方を防ぎ、生活保護費の抑制が狙いという。全国でも珍しい取り組みとしているが、生活保護受給者の支援団体からは「受診抑制が目的で、受給者の差別につながる」と制度を疑問視する声も出ている。

 市によると、同市の2012年度の生活保護受給者は2万1173人、受給者の割合は市民の4.17%でいずれも大阪府内ワースト3。生活保護費は約385億円に上り、うち43.4%を医療扶助費が占める。

 市は受給者が複数の医療機関を受診し、同じ薬を二重に処方されるケースがあるとして、かかりつけの薬局で管理すれば生活保護費の抑制につながると判断した。今後、具体的な運用方法を薬剤師などの専門家と協議する。

 一方、生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎弁護士によると、生活保護受給者の8割は高齢者や障害者などで、複数の医療機関にかかっている人が多いという。小久保弁護士は「健康と命に関わる問題。薬局ごとに品ぞろえが異なり、必要な薬が1カ所で手に入らないこともあり得る。適切な医療行為を受ける権利の侵害につながりかねない」と話している。【近藤諭】

表向きの話はともかく、生保受給者の一部で睡眠薬等を不正に取得し転売しているといった問題が出ていることは今さらの話題ですし、ジェネリック使用率も一般患者より低いなど医療費抑制に対する意識が乏しいと指摘されるだけに、気楽にあちらこちらのドクターショッピングを繰り返しては過剰な診療投薬を受けているというケースは少なくないわけです。
いくらなんでもそれはおかしいということで先発品を希望するなら後発品との差額を自己負担させようとか、医療費の一部は生保受給者も負担すべきではないかといった案が出ては進歩的な方々の反対にあって先送りになることを繰り返してきた歴史がありますが、今回のかかりつけ薬局規制はそういう面で見ると非常にうまく出来ていると思いますね。
そもそも現在のように院外薬局が導入されてきた際の理屈付けとして「各病院が好き勝手に薬を出していては重複投薬など患者様の不利益になる」と言う主張がなされていたわけで、進歩的な生保支援団体の方々が今さらその根本理念を否定するような主張をしたところで薬剤師会の方々も黙ってはいないでしょう(苦笑)。
また「薬局ごとに置いている薬が違うじゃないか」という主張なども院外薬局導入当初から言われていた話で、これも薬剤師会の方々が「いやいや、そういう場合は当方で責任を持ってすぐに手配致します」と確約してくださっているわけですから、医学的にも生保受給者の利益になることが確実なこうした政策を何故今まで先延ばしにしていたのかと行政の怠惰が問われかねない話ですよね。

大阪と言えば先頃「大阪に医療特区を」と国に要望を出していたようで、こちらは残念ながら?臨床面に関するものではなく研究等の話が主体であるようですが、ともかく言葉は悪いですが「大阪は日本じゃない」などと揶揄されるほど独特な社会慣行が存在する、言い換えれば各種社会問題においても非常に先進的な経験を豊富に持つ地域であるという言い方が出来ると思います。
別にそのことが悪いというわけではなくて、生保問題にしても国内最先進地である大阪発で様々なアイデアを試してみることでエヴィデンスを蓄積していく、そこから全国の後進地域にその知恵と経験を共有していくということが出来れば他地域にとってもメリットの大きい話ですし、大阪都だ、道州制だといった形から入る制度論以上に実利的側面から大阪の独自性をアピールするチャンスでもあると思います。
大阪では先頃から橋下市長がアメリカに行くの行かないのと騒ぎになっていますけれども、どうせ行くならお仕着せで通り一遍の場所を見回って終わりにするよりもこうした足下の問題に即応用出来るよう、あちらでの生保行政の実態などをじっくり見てこられた方がよほど有益な視察になるんじゃないでしょうか?

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2013年6月13日 (木)

医学部新設と医師再配置 どちらの話が進んでいるかと言えば

医学部新設議論はほぼ決着したものだとばかり思っていましたが、先日こんな記事が出ていまして驚いてしまいましたね。

医学部新設に猛反対する医師会に、医療現場から怒りの声…医師会、大学、自民党の攻防(2013年6月11日ビジネスジャーナル)

 今、「医学部新設」をめぐって熱いバトルが繰り広げられているのをご存じだろうか。

 きっかけは今年2月、自民党の東北選出議員や有志30人によってつくられた「東北地方に医学部の新設を推進する議員連盟」が、大学の医学部新設を目指すことを決議したことだった。

 東北が深刻な医師不足に悩んでいるのは今に始まったことではないが、震災によって、それにさらに拍車がかかっているのは間違いない。だから、医学部をつくって被災地支援をしようじゃないか--。

 特段問題なさそうな主張だが、これに「待った」をかけたのが「日本医師会」である。「医師は足りないどころか余っている。ワケのわからない医学部をつくったら、医師の質が下がる」と猛反対しているのだ。この主張に対して、某大学病院の勤務医は怒りを隠さない。

「医師会というと、なんだか医師全員の団体のように思われがちですが、実はほぼ開業医の業界団体なのです。土日休診で、地域のお年寄り相手にガッツリ稼ぐという殿様商売をしている連中の発言力があるので、商売敵を増やしたくない。そんなに余っているというなら、救急医療の現場に行ってみろと言いたい。医学部新設の話が出るのは遅すぎた」

 これまで日本の医療業界では、長く「医学部新設」はタブーだった。1979年の琉球大学で新設されたのが最後で、30年以上つくられていない。
(略)
 たしかに、自民党議連の動きは、医師会には脅威である。実は昨年から私大の雄・早稲田大学をはじめ、同志社大学、国際医療福祉大学などが「医学部新設」に色気をみせている。東北でひとつ認めてしまったら、ダムが決壊するように、これらの大学も動き出す可能性は高い。

●怪文書も飛び交う、激しい攻防

 しかし、そこは“最強の圧力団体”ともいわれる日本医師会。水面下でかなり激しい反撃に出ている。推進派を攻撃するような「紙爆弾」が、政治家やマスコミの間に飛び交っているのだ。

 医師不足を主張する専門家などを“国賊”と呼んで激しく攻撃しているほか、推進している大学が水面下でロビー活動をしているというような告発や、今回とはあまり関係ない不正を追及しているようなものもあった。たとえば、医学部新設を表明した同志社大学などの場合、現在放送中のNKH大河ドラマ『八重の桜』を引き合いに出されて攻撃されている。

「新島八重は晩年、日清戦争などで従軍看護婦として活躍したことがあるため、同志社も放映に合わせてホームページで八重を“日本のナイチンゲール”などとうたっている。反対派は、『同志社は八重を利用して“同志社=医療”というイメージを拡散させて医学部新設に向けて動き出している』と批判しているのです。そもそも八重は会津出身ですから、東北にも縁が深い。当たらずも遠からずという話です」(新聞記者)

 自民党、日本医師会、そして有名大学……さまざまな思惑が複雑にからみ合う“仁義なき情報戦”。ただ、ひとつ気にかかるのは、どこも頭から「患者」という発想がごっそりと抜けている。

 新設しようがしまいが、日本の医療の先行きは暗そうだ。

ま、記事自体は何十年前に書いたのかと思うような懐かしさすら漂う内容で、この種の話を聞くと個人的には「アラブの新聞を読むユダヤ人」という有名な小話を思い出したりもするのですが、医療現場の誰が一番大きな怒りの声を上げてるかと言えば、もちろん講演にSNSにと日々多忙だと側聞するあの人なんでしょうねえ…
閣僚が医学部新設に言及したから閣内ではすでに新設への合意がなされているとか様々な噂がありますが、注意すべきは新設をするにしても作るとすればどこに作るかということはほぼ具体的に決まっている、そして医学部全体の定員に対して新設による定員増の効果を考えればその目的は医師養成数増加などではなく、医師の地域的偏在解消に他ならないということです。
そして東北諸大学卒業生の地域内定着率がいずれも半数以下という悲しむべき現実を見れば、「東北地方が医師不足だから医学部を作ろう」などと叫んだところで他地域に流出する学生を育ててやるだけに終わることは明白ですから、まずは実質推薦入試のようになりつつあるとも言う地域枠すら充足されないのは何故なのかというところから再検討してみる必要がありそうですね。

医学部定員が大幅に増やされ順調に医師数が増えていっている中で、いずれ医師不足問題は医師偏在問題に確実にシフトしていくだろうと言う気配になってきましたが、問題はその医師偏在をむしろ積極的に推進しようとしているのが昨今の国策であるということでしょうか。
もともと基幹病院に医師を集約するという医師再配置は厚労省の悲願とも言えるものでしたが、昨今では例の新専門医制度などそのための道具立ても着々と整いつつある、そして厚労省からは急性期病院に関しては欧米並みの手厚い医師配置を実現すべきだ、それもこの10年以内に達成しようという声が聞こえてくるようになったわけですから、すでにほとんどの青写真は描かれていると見るべきでしょう。
ただそうなると国内大多数の地域では今まで以上に医師が引き上げられていくことになる道理なんですが、先日少しばかりおもしろそうな試算が出されていたことを紹介しておきましょう。

2020年、首都圏の医師数はもっと足りなくなる!?(2013年6月11日日経メディカル)

 千葉大医学部附属病院高齢社会医療政策研究部客員准教授の井出博生氏らは、2013年6月4~6日に大阪で開催された日本老年医学会学術集会のポスター発表で、2020年の東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の医師数や分布を分析した結果を発表した。

 井出氏らは、1996~2010年の1都3県の医師数に基づき、医療機関の新設に伴う医師数の急な増減などのノイズを除去するベイズ法と呼ばれる手法を用いて、2020年の医師数を推計。2010年と2020年の人口10万人当たりの医師数、65歳以上人口10万人当たりの医師数を算出した。

 その結果1都3県の全医師数は、2010年の7万6000人から2020年に9万4000人へ増加すると予想された。人口10万人当たりの医師数は、215.4人から267.6人へと増えることが分かったが、東京都を除く3県について解析すると169.4人から219.8人への増加にとどまっており、医師数が増えても2010年の全国平均(230.4人)レベルであることが明らかになった。さらに、1都3県の65歳以上人口10万人当たりの医師数は増加せず、1048.3人から997.9人へ減少すると推計された。

 市町村別に2010年と2020年医師数を分析すると、全ての地域で人口10万人当たりの医師数は増加傾向にあったが、65歳以上人口10万人当たりの医師数は東京都心部を除いて減少傾向が認められた。加えて、65歳以上人口10万人当たりの医師数の変動は、東京都心部及び各県の都市周辺部においては上下10%以内の増減に収まったが、両地域の中間に位置する多くの市町村では10%以上の減少が起きると推測された。

 井出氏は、「医師の配置を強制するのは難しいが、幅広くこの状況を知らせていくことが重要だと考えている」と話している。

統計データで見る限り東京都に医師が多いのは周知の事実ですが、実際には各大学等で研究に従事している者や厚労省で技官として働く者などいわゆる医業に従事していない者も多く、むしろ周囲地域を含めた首都圏全体では人口増加に医師数が追いつかず医師不足地域となっていることは以前から知られている通りですよね。
東京都内は原則的に医師を集約する側になると思いますが、高齢者人口も増えていくことから必ずしも人口比で見ると十分な集約化と言えるほど医師数が増えるわけではない、むしろ周辺地域では医師を集約化される側となって今以上に医師不足が目立ってくる可能性があるということでしょうか。
もちろん医師の過不足は単純に人口当たり医師数で判断出来るものではなく、地域の年齢別人口分布や病歴、そして地域の医療機関の数やその性質によっても大きく変わるもので、田舎の老人病院などでは医師数が少なかろうがのんびり定時帰りが出来る一方で都心部の急性期病院では多数の医師が集まっていても年中大忙しで寝る暇もないということが当たり前にあるわけです。
好意的に考えると厚労省などの推進する医師集約化計画は単純な人口比ではなく業務量にも考慮した医師の再配置を実現するツールになる可能性があり、また先日同じく同省から出た都市部の高齢者を地方へ送ろうなどという話も同じ文脈で考えると、何かと急患搬送などで多忙な都心部の急性期病院から老人医療問題を切り離す手段として理解できそうです。

国民皆保険制度下の日本では全国どこにいても同じ料金で同じ医療を受けられるということが建前になっていて、これはこれでひとつの立派な考えであり半世紀前のまだ医療が貴重品だった時代の日本で医療を身近なものにした功績は小さくありませんが、逆に言えば「同じ料金を払っているのに同じ医療を受けられないとは何事か!」というクレームが成立する余地があるわけですよね。
そのひとつの表れとして地方居住者およびそれを支援する良心的マスコミなどを中心に、長年「地方にもっと医者を!専門医療機関を!」と言う主張がなされてきたわけですが、全国津々浦々まで高次医療機関を整備するくらいなら二次医療圏毎に基幹病院を整備して急性期の患者を集め、落ち着けば道路網で周辺関連施設に流していくというやり方のほうがはるかに効率的かつ合理的です。
結局のところ「都会の人間は近所に立派な病院があるのになぜ田舎の人間は遠い病院まで行かなければならないのか?」と言う疑問を単なるわがままと取るか、それとも公平な料金負担を強いている以上は当然の権利主張と取るかということなんですが、聴診器一本と手洗い鉢ひとつでどこでも医療が行えた時代ならともかく、今の時代に地域性を無視した完全平等など決してあり得ないことも事実です。
現実的に同一料金同一サービスの建前が実行不可能になっているのであれば、そもそもの前提条件を変えて料金体系を変更しサービス内容に応じた格差付けをするという考え方もありでしょうが、仮にまともな急性期医療が基幹病院に集中するようになれば選定療養費等でサービス内容に応じた実質的な価格の引き上げが可能にはなるんでしょうね。

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2013年6月12日 (水)

医療事故調 正しく機能すればそれなりに有益な教訓も引き出せるはずですが

先日は掛け金をあまりに高く設定しすぎていると返還請求が起こされた産科無過失補償ですけれども、そもそも出産時に3割が何らかのトラブルを経験したという調査結果もあるように、お産を巡るトラブルは必ずしも稀なものではありません。
無過失補償制度も予想されたものよりはるかに申請の数が少ないということは幾つか理由があるのでしょうが、きちんと制度が周知徹底されていけば実はまだまだ潜在的な対象者は多くなりそうだというニュースが出ていました。

産科補償の対象件数、大幅増の見込み-医療機能評価機構(2013年6月10日CBニュース)

 日本医療機能評価機構は10日、分娩時に発症した重度脳性まひ児に補償金を支払う「産科医療補償制度」の運営委員会を開き、補償対象件数が今後、大幅に増えるとの見込みを明らかにした。昨年9月ごろに制度の周知を強化してから、問い合わせや申請書類の請求の増加傾向が続いているためで、同機構は「まだ申請されていない事案が相当数、存在している可能性がある」とみている。

 同機構によると、今年3-5月の補償申請に関する問い合わせ件数は564件で、前年同期の約3.7倍。この間の補償申請書類の請求件数は143件で、前年同期の約2.3倍に増えた。
 2009年1月の制度開始から今年5月末までに補償対象に認定されたのは501件で、09年生まれの児に限ると199件。09年生まれの児で、申請書類は請求されているものの審査が完了していない例が113件あるほか、書類の請求件数などの増加傾向が続いていることから、同機構は、補償対象件数がこれから大幅に増えると見込んでいる。

 09年生まれの児が補償を申請できるのは来年に5歳の誕生日を迎えるまでで、同機構は、申請漏れがないよう周知を強化する方針だ。

 この制度では、補償対象と認定された児に一律3000万円を支払う一方、分娩機関が1分娩につき3万円の掛け金を支払っている。これらの金額は、補償対象を年間500-800件と推計して設定された。【高崎慎也】

補償対象が増える、これ自体は制度の趣旨から考えて結構なことなんですが、問題は制度の意義を周知徹底する対象が妊婦家族なのか、それともお産を取り上げる産科医側なのかということですよね。
産科無過失補償制度は分娩時を原因とする脳性麻痺が対象で調査をしてリポートも出すと言っていることから、産科医側としてはどうしても「自分のミスを見つけ出され最悪訴訟沙汰になるのではないか」という懸念が未だに拭えないのももっともなことですが、少なくとも制度本来の趣旨としては責任追及を目的としたものではなく、あくまでも患児家族の救済と共に原因究明と再発防止を目的としたものとなっています。
この点で以前から何度も紹介している北欧諸国の無過失補償システムでは勝てば大きいが勝訴率の低い訴訟に訴えるよりもずっと低額(約100万円程度)ながら確実に一定額のお金が出るということから訴訟件数を減らしたという意義も大きいのですが、注目すべきことは制度利用の届け出をするに当たって医師や看護師ら医療側が推定40~80%ものケースで届け出の手助けをしているとされることですよね。
医師らにしても別に患者が憎くて意図的に障害をもたらす者などいないと言う点では家族と同様、意図せず望ましくない不幸な結果を甘受せざるを得なくなった立場であるわけですから、その医師ら医療関係者側が患者と対立するのではなく同じ側の立場に立って補償金を得る作業を通じ協力関係さえ構築することで関係悪化を防ぐということもまた、この無過失補償という制度の訴訟防止効果として期待されているところです。

実際に無過失補償制度が発足し検証のレポートが世に出るようになった結果、分娩施設の7割以上が「実際の事例を元にしており説得力がある」等と再発防止に役立っていることを評価していると言いますから、少なくとも症例報告や症例検討を何かしら有意義なものと考えているまともな医療従事者であれば制度の趣旨自体を否定するべきではないということになりそうです。
ただしもちろんその大前提として検証の過程で正しく関係者それぞれが事実に基づいた証言を行い、それらを元に正しい検証が行われた場合という条件がつくことは言うまでもないことで、だからこそ延々と続く事故調議論でまともな論客はこぞって「医療事故調とは責任追及とは切り離すべきだ」としつこいほどに繰り返してきた(そしてその結果、ここまで議論が長引いてきた)わけですよね。
ところが世間では未だにそういった議論の流れを把握していない人間が少なからずいたということなのか、それとも名目はともかく制度を作り事実関係を炙り出してしまえば後の責任追及などどうにでもなるという裏の意図が早くも見え隠れしているのか、日も高いうちから堂々とこんなことを公言する方々がまだいらっしゃると言うのですから驚きです。

【社説】医療事故調 信頼確立の第一歩だ(2013年05月31日毎日新聞)

 医療には予測できないことが起こる。全国の医療機関での「予期せぬ死亡事故」は推計で年間1300〜2000件ある。突然、肉親を亡くした遺族が失意と混乱の中でどうして事故が起きたのか原因解明と説明を求めるのは当然だ。医療側にミスがあれば謝罪を求め、責任追及し、金銭的な賠償が必要な場合もある。再発防止を祈念する遺族も多い。

 ところが、現実には医師から納得できる説明がなされることは多くなく、責任追及を恐れて医療側が口をつぐむと原因解明は進まず、再発防止にもつながらない。単純ミスやカルテの隠蔽(いんぺい)、同じ医師が事故を繰り返すケースもあって民事訴訟は後を絶たない。一方、刑事訴追された医師が無罪となり、医療側から強い批判が起きたこともある。医師らはリスクの高い産科や小児科を避けるようになり、病院や診療科の閉鎖の原因となっているとも言われる。いくつもの矛盾が重なって医療不信と医療崩壊の震源となっているのだ。

 航空機や鉄道事故の調査委員会のように、責任追及とは別に独立した機関による原因解明が必要だ。厚生労働省の委員会がまとめた医療版事故調査制度(医療事故調)によると、死亡事故について調査する民間の第三者機関の設置とともに、全国の病院や診療所、歯科診療所、助産施設など計18万施設に院内調査と調査結果の報告を義務づける。院内調査には外部の医師も加えて客観性を担保するが、遺族が納得できない場合は第三者機関が改めて調査する。第三者機関は警察へは通報しない。

 報告を義務づけられることに医療側から懸念の声も出ているが、患者や遺族が納得できる原因解明のためには不可避だろう。問題は第三者機関の性格だ。国内の多数の医療団体が参画して事故調査の実績を積んでいる一般社団法人「日本医療安全調査機構」(東京都港区)が検討されているが、公平性や実効性を高めるために調査権限や独立性をどう規定するかは重要だ。また、小規模病院や診療所の場合、院内調査には医師会や大学病院の協力が必要だ。調査結果の公開や捜査機関との調整、患者の費用負担をどうするかなど煮詰めるべき問題は多い。

 医療事故調は患者や関係団体が以前から必要性を訴え、厚労省は設置法案の原案も作成したが、責任追及を恐れた医療界からの反発もあり、民主党政権下で動きが止まっていた。今回の医療事故調は医師と患者双方の信頼を確立するものにしなくてはならない。第三者機関が警察へ直接通報することはないが、遺族には医師側の過失が明らかで刑事訴追の恐れがある内容も伝えるべきだ。信頼は真実を隠したところには生まれない。

ともかく今さらこんなレベルの議論をしているのかこいつらはと見るべきか、さすが天下の毎日新聞だけに確信犯的に議論の方向性をねじ曲げようとしていると見るべきなのか微妙なところですが、繰り返しになりますが事故調の創設理由はあくまでも教訓の洗い出しとその検証による同種事故の再発防止に尽きるということでコンセンサスを(少なくとも表向き)得たことになっていたはずです。
わざわざ航空機事故調までも名前を挙げているにも関わらず真逆の発想と言うのでしょうか、調査結果に処罰が絡むとなれば誰も自分が罪に問われる可能性のあることは口にしなくなるでしょうが、毎日に限らずマスコミ各社にこうした論調は少なからずあって、中には「調査は、病院が組織として責任を負い、過失があれば謝罪し、システムを改善して二度と同じような事故を起こさないためのもの」と自信満々に言い切る記事もあります。
もちろん現代社会ではマスコミの論調=世間の論調というわけでは必ずしもありませんけれども、何も考えないでマスコミ情報だけに依存して生活している一定数の方々にとっては事故調の役割とはそうしたものだという認識が固定化されてしまう危険もあるわけですから、この調子でいきますと制度の運用も果たしてどんなことになるか危惧せざるを得ませんよね。
このあたりのことを医療訴訟に詳しい井上清成弁護士はそもそも制度設計自体がおかしいと以前から主張していますけれども、こうして事を分けて説明されると声高に「医療は信頼の回復を!」と叫ぶだけのマスコミなどよりもよほどに問題点が判りやすいという気がしないでしょうか?

Vol.126 医療法改正反対―WHOガイドラインに反する厚労省案(2013年5月27日医療ガバナンス学会)より抜粋

(略)
2. 1つの制度に2つの機能は難しい
WHOガイドラインの冒頭「監訳にあたって」で、中島和江医師は次のように述べている。「医療安全のための事例収集・分析・対応を行う現行の制度は『学習 を目的とした報告制度』と『説明責任を目的とした報告制度』に大別されています。前者は医療の専門家団体により行われていることが多く、幅広く事例を収集 して得られた教訓を基に安全なシステムを構築するための制度であり、後者は主として医療に関する監督官庁などにより実施されており、国民に対して説明責任 を果たすことが目的で、当事者が懲罰や処分の対象となる場合もあります。これらの制度は目的が異なることから、1つの制度に2つの機能をもたせることは難 しいと述べられています。」
ところが、厚労省とりまとめ案では、今もって「2つの機能」をもたせようとしている。「原因究明及び再発防止を図り」とあるが、すなわち、「原因究明」と は「説明責任を目的とした報告制度」のことであり、「再発防止」は「学習を目的とした報告制度」に相当しよう。厚労省とりまとめ案は、そもそも根幹からお かしい。

3. 非懲罰と機密の保護
中島医師は続けて、「医療の安全に資する制度には、当事者に対する非懲罰(nonーpunitive)と、患者や医療従事者の個人情報を含む報告内容につ いて機密の保護(contidentiality)が保証され、そのためにも監督官庁や司法機関などから独立(independent)していることが必 要であるとされています。」と紹介している。現に、「第6章 成功する報告システムの特性」の箇所(同書45頁以下)には、非懲罰性と秘匿性が重要な特性 として挙げられているが、まさにそのとおりであろう。
・「患者安全に関する報告システムとして成功するものは、次の特性を備えています。
・報告することが、報告する個々人にとって安全でなければなりません。」
・「非懲罰性
患者安全に関する報告システムが成功する上でもっとも重要な特性は、そのシステムが懲罰を伴ってはならないことです。報告書とその事例にかかわった他の人々のいずれについても、報告したために罰せられることがあってはなりません。」
・「秘匿性
患者と報告者の身元は、いかなる第三者にも決して洩らされてはなりません。医療機関のレベルにおいては、訴訟で使われ得るような公開される情報は作成しないことで秘匿性を保ちます。」
(略)

先日も書きましたように結局事故調への届け出は全医療機関に、診療に関連した全ての予期せぬ死亡例を義務づけるということで話が決まったのですが、基本的に患者を死なせようと思って医療を行っている医師はまずいない以上考え方によっては全ての院内死亡は予期せぬ死亡と言えるわけで、下手をすると届け出件数がとんでもない数になりかねないという声もありました。
厚労省としてはどういう試算をしているのか年間対象数を1300~2000件と見積もっているそうで、おそらくまずは院内で調査をさせると言うことから各医療機関が自主的に届け出をほどほどの水準まで「自粛」するだろうと見ているはずですが、一方で届け出を行わなかった場合には当然ながら「全例届け出って言ったよね?」とばかりにペナルティーを科してくることも考えられます(いきなり処罰はしないとは言っているようですが)。
管理人としては別に事故調絶対反対の立場に立つものではありませんが、そもそも医療安全だ、信頼回復だということを第一義的な目的として言うのであれば、あり得ないような医師の過労状態を放置していることこそ最も医療のレベルを押し下げ事故の原因になると共に、現場スタッフを思いやりなど忘れた投げやりな態度にさせてしまう最大要因であって、よほど緊急性のある課題であるはずなのですね。
病院側、特に国公立病院にすればそんなことを言われれば病院の体面に傷が付く、患者様に悪評も立つとばかり医局会で事務長あたりがしゃしゃり出て「先生方、くれぐれも届け出は忘れず出してくださいね~」なんてことを言って終わりでしょうが、そもそも一番の問題は多くの現場医師が「信頼なんて無い方が患者減って楽だし、病院の体面なんて知ったことじゃないし」と士気喪失しているという現実の方にあるのではないでしょうか?

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2013年6月11日 (火)

給与増による医師労働環境改善の先送りはすでに限界?

最近ではブラック企業ということが流行語のように言われていて、ただでさえ厳しい就職活動に従事する学生達も「もしブラック企業だったらどうしよう」と戦々恐々だとも聞くのですが、そんな中でこういう記事がブラック企業のなんたるかを示していると(恐らく記者の意図したものと異なった意味で)話題になっているようです。

残業代未払い求めるドライバー「人間不信に陥る」(2013年6月3日物流ウィークリィ)

 「人間不信に陥るよ」。それまで不平不満も言わず、まじめに働いていたドライバーがある時、急に態度を変える。トラック業界における労使トラブルでよく耳にする話だ。決して労働環境が整備されているとはいえない業界にあって、こうしたトラブルはいま、現場で頻繁に起きている。今回、当事者となってしまった東京都内の事業者も、「話に聞いていたが、まさか自分がという思いだ」と打ち明ける。

 「不平不満も言わず、まじめに働くいいやつだ」。社長が最初に受けた印象で、何事もなく半年が過ぎようとしていたが、それまで何も言わなかったドライバーが有休を取りたいと申し出てきた。代わりのドライバーを用意するだけの余裕はない同社にとって、有休とはいえ休みを取られるのは痛手だ。社長は状況を説明した上で、苦肉の策として、有休を買い取ることで了承を得ようと試みた

 一時はそれでしのげたが、そのドライバーの態度は徐々に悪化。何かといえば不平不満を口にする。見かねた同社長が注意しても、態度は変わらない。

 対応に苦慮していた時、新たな問題が起きる。残業代の未払いを要求してきたのだ。払えないと諭すと、今度は弁護士を伴って荷主へ駆け込んだ。

 同業大手の仕事をしていた同社は、荷主からその事実を聞かされ慌てた。後でわかったことだが、ドライバーは入社してから、すべての日報をコピーして保管していたのだという。確信犯だった。残業代の請求は500万円に上ったが、労働調停で妥協案を示し、半分の250万円で解決を図ったという。

 しかし、問題はそれだけで終わらなかった。荷主から台数削減というおとがめが来たのだ。仕事は長時間拘束される上に、運賃も残業代までカバーできる額には程遠い。トラブルの原因は、長時間の拘束をさせた荷主にも少なからずあるのだと社長は考えていただけに、「迷惑をかけたのは事実だが、台数削減には納得はできない」のが実情だ。

 しかし、強く撤回を求めることもできず、従うしかないという。「平気で会社を裏切るドライバーや、臭いものにフタをする荷主の姿勢に、人間不信に陥った」。会社を畳むことも考えたが、残ったドライバーのためにも続ける覚悟を決めた。社長は、「自分の会社は自分で守らないといけない。不測の事態に対応できるよう、しっかりと環境を整備しなければならない」と話す。

はい、記事のタイトルから労働者がブラック企業にいじめられて心を病んだとか、そういう話なんだろうなと予想して読んでみたら全然違ってなんだそりゃ?と思った人、先生怒らないから手を挙げてください。
このトラック業界の暗部は以前から社会問題化しているところですし経営的にも非常に難しいところであることは重々承知していますが、だからといって経営者が従業員の正当な権利を守らないのでは依頼主が業者の正当な権利を守ることを要求する、その正当性そのものがなくなってしまうというものではないですかね?
あくまでも業界紙の記事ですから当然ながら経営者目線での記事になるのは避けられないとは言え、それだけに業界の自主的改善努力の限界というものを示すひとつの好例として他業種の方々にとっても参考になるケースではなかったかという気がします。

さて、法定労働時間無視で長時間拘束される過酷な労働であるとか、残業代不払い当たり前といったキーワードが続けば「それどこの医療業界?」と感じる人も少なからずいるのではないかと思いますが、その医療業界ではようやく世間の目が過酷な勤務環境に注がれるようになり、マスコミもかつてのような医療バッシング一辺倒から「医療崩壊ネタの方が売れる」と考え始めている気配がありますよね。
需給バランス崩壊や長年の不当な労使慣行など医療が崩壊してしまった原因は多々ありますが、当事者である医師が要約当たり前の労働者としての権利に目覚め始めたのみならず、こうして世間の注目と同情を集め「このままでは医療がなくなって大変なことになる」と世論も動き始めた今こそ、きちんと根本的な改革を行って長年貯まった膿を出し切ってしまう好機であるとも言えるはずです。
専門職が行うべきでもない雑用に追われて医師としての業務がおろそかになるなら改める、残業残業で労基法違反が常態化しているのであれば断固是正をしていくといったことこそ今行うべきなのに、それを放置してただひたすらOECD平均並み(苦笑)に医師を増やしさえすれば全ては解決しバラ色の未来絵図が訪れる!と主張するのは詐欺まがいの行為というものかと思います。
そんな中で先日医師の待遇改善ということで興味深い調査結果が出ていましたが、今まで待遇改善と言えば労働環境は改善できないから給料増で、とごまかしながらやりくりしてきたことはもはや限界なのではないか、とも思わされる内容なのですね。

◆日経メディカル オンライン「医師の年収調査」勤務医の6割近くが給与に満足(2013年6月7日日経メディカル)

 自分の給料に満足している医師は意外と多い!? ――日経メディカル オンラインが2013年5月に実施した、医師の年収・転職に関するアンケートの集計結果がまとまった。年齢層別にみた医師の年収、収入に対する満足度の推移のほか、医師の転職やアルバイトなどの実態について、詳しく報告する。

 日経メディカルが医師を対象に2013年5月に実施した年収についてのアンケートで、回答した勤務医(840人)の59.1%が、常勤先からの給与に満足していることが分かった(図1)。

 日経メディカルでは2008年以降、5回にわたって年収についてのアンケートを実施してきたが、常勤先からの給与について「現状で満足」と回答した医師が半数を超えたのは今回が初めてである。

勤務医840人の平均年収は1477万円

 今回の調査に回答した勤務医840人の年収総額は平均で1477万円。常勤先からの給与に限ると平均1293万円だった。2011年に実施した前回調査(年収総額平均1458万円、主たる勤務先からの年収平均1274万円)から、いずれも微増した。差額すなわちアルバイトによる年間収入は184万円で、年収総額の12.5%に相当する。

 これまでの調査結果を見ると(図2~4)、勤務医の平均年収は2009年以降、徐々に増加しており、中でも常勤先の給与の伸びが比較的大きい。そのため、総収入におけるアルバイトの割合は相対的に減少している。ただ、35歳以下の若手医師に注目すると、今回の年収総額は平均940万円で、微減もしくは横ばいといったところ。常勤先からの収入も横ばいで、アルバイト依存度にもほとんど変化はない。

満足度と年収との関係を見てみると、「もらいすぎ」と回答した医師10人の年収総額は平均で1945万円。「現状に満足」と回答した477人では同じく1563万円であった。これに対して、「不満」と回答した295人の年収は1355万円、「かなり不満」と回答した医師58人の年収は1318万円だった。1400万~1500万円付近に“満足の壁”が存在するようだ。

転職意向をもつ医師は4割弱

 収入への満足度に続いて、職探しの意向を尋ねた。回答者1001人中、「常勤の転職先を探している」のは175人。「定期的なアルバイトを探している」「不定期なアルバイトを探している」も含めると、約半数が何らかの職探しをしていることが分かる。

 常勤先を探している175人に、転職を考えている理由を尋ねたところ、ダントツに多かった回答は「給料が安いから」。次に多かったのは「休みがとれないから」だった。一方、転職先に求める条件を聞くと、順位が逆転し、「忙しすぎない」がダントツ。「給料が高い」は2位だった。また、どちらでも3位に入っているのが、「やりがいのある医療」というキーワードだ。
(略)

記事から読み取れることは色々とあって、そもそも平均年収がこの数年ようやく増えてきているんだなと改めて実感しますけれども、ただあくまでも常勤医の給与ということで国公立病院によくある「実態は常勤以上の何者でもないのに帳簿上は非常勤扱い」というとんでもない業界慣行が拾い上げられていない可能性がありますし、平均ではなく個別の状況もさらに精査する必要があると思います。
ともかくも医師が給与的に満足すると言う水準を平均的な年収総額が超えてきた、そのことが過半数の医師が金銭的には満足と答えていることの理由であることは言うまでもないのでしょうが、一方で金銭的には満足であっても未だ多くの医師が転職の意向を持っているということは注目せざるを得ません。
その理由として表向きには給料が安いということが圧倒的ですが、その一方で転職先の条件として給料よりも忙しすぎないことを基準に選ぶという声がこれまた圧倒的であることに留意すべきで、実際には単純に給料が安いというのではなく働きと給料が見合っていないことが不満なのであり、そして平均給与が上がったこともあってか今や給与向上よりも勤務状況改善を求める医師が増えているという実態が見て取れるわけです。

高度成長期の頃からバブルを経てもかれこれ30年も横ばいだった勤務医の給与はこのところ医療崩壊だ、逃散だと騒がれるようになってからやや上昇傾向に転じていると言いますが(今回の調査では2008年から5年間で約100万円の年収向上と言います)、その背景として激務を直ちには解消出来ない以上せめて働いた分は金銭的に報いることでモチベーションを維持してもらおうという経営者側の判断があったと言えそうです。
ところが多くの医師達が金銭的にはすでにそれなりの満足感を得ているということになれば、今後どうやってモチベーションを維持すべきかと経営側も頭を悩ませることになりかねず、これからは未だ先送りされてきた勤務体制の改善に手をつけて行かざるを得ない、それも別に過度に優遇しろと言うのではなくせめて法律で決まっている程度の労働環境を守るそぶりくらいは見せてくれよと言うところから手をつけなければならないわけです。
もちろん医師という商売が昔から不思議だと言われる珍現象のひとつに過酷で逃げ出したくなるような奴隷的労働環境を誇る病院ほど給料が安いという妙な逆説があって、特にこうした施設が地域の救急医療などを一手に引き受け奮闘しているという現実は全国各地で見られるのですから、まずはそうした妙な慣習を改め努力した人は相応に報われるという報酬体系に改めていく必要があるでしょう。

実はこの点で基幹病院を中心とする認定施設できちんと症例数をこなしていかなければ取得も維持も出来なくなるという新専門医システムというものは、こうした逆境にある医師に対して特別の待遇を用意するための道具としても使える可能性を秘めているものなのですが、今のところ例によって診療報酬上施設に加算するような話は漏れ聞こえて来ても、医師個人に報いるということはあまり真剣に議論されていないようです。
医師に限らずスタッフの報酬は収入の範囲で施設の経営者側が自由に設定するものであって、どうせ今時待遇が悪い施設からは医師が逃げていくのだから問題ないじゃないかという声もありますが、問題はそうした待遇が悪い施設ばかりが専門医の認定施設になってしまう、さらには一歩進んで認定施設が新専門医という公認のエサを持つことで待遇改善どころかむしろ切り下げる可能性すら否定出来ないということですね。
現実的に医師個人の待遇を担保することは難しいと言っても、すでに新臨床研修制度下で研修医には最低限これ以上という待遇を担保することが出来ているわけですから、今さら専門医にはそれが出来ないと言われても何故?技術的には同じことでしょ?と言うしかない話ですし、その程度の見返りも用意出来ない施設が専門医の認定施設となることに当事者たる医師の理解が得られるかどうかも考えるべきかも知れませんね。

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2013年6月10日 (月)

馬鹿発見器健在 小泉みつお岩手県議ブログが絶讚炎上中

SNSの類が馬鹿発見器だと言われるようになったのは昨日今日始まったことではありませんが、先日はよりにもよって主婦向け雑誌の編集部でこんな妊婦を小馬鹿にしたかのようなツイートがあったと騒がれています。

主婦向けの雑誌『VERY』編集部の妊婦に関するツイートがひどい(2013年6月5日ガジェット通信)

雑誌『VERY』の編集部の公式『Twitter』アカウントの妊婦に関してのツイートが話題になっているようだ。『VERY』は光文社の発行する月刊ファッション誌で、読者ターゲットは30代の主婦だという。ツイッターのプロフィールでは、

    「VERY」編集部の公式アカウントです。雑誌の中の、どちらかというとマイナーなページのステマを中心に、編集部内外のあれやこれや、たんなる個人的な 趣味の話、ダジャレまで、公私をわきまえず、思いつきでつぶやいては、気まぐれにRTしています。「公式」をはずされるまで、よろしくお願いします。

と説明している。そのアカウントにて、6月4日に

    7月号予告 「断乳太り」の真実! 太るとか痩せるとかはともかく、男性からみると、自分の胸でミルクが生産されるという、珍・仰天・怪奇現象に平然としている女性というものに、生物的敗北感。

とツイート。これに対し、『臨死!!江古田ちゃん』などの作品で知られる漫画家の瀧波ユカリ先生が「平然となんかしてない。可愛かったおっぱいが変わってくの悲しかった。」と返信。
VERY編集部は

    なるほど、妊娠授乳中にうかつな男が近づかないように「可愛くなく」一時的にトランスフォームするわけですね。妊婦ヌードが売れないわけです。そういう問題じゃないか。

と返信した。
瀧波ユカリ先生は、その後

    VERY編集部アカウントの言う「男性からみると、自分の胸でミルクが生産されるという、珍・仰天・怪奇現象に平然としている女性というものに、生物的敗北感」って、生理現象(母乳)に対する敗北感じゃなくて、「平然としている女性の神経」に対する敗北感ってことでしょ。何でそんなこと言うの…

    アカウントの中の人の考えが漏れちゃったんだろうけど、女性誌のアカウントに「男性からみると、自分の胸でミルク が生産されるという、珍・仰天・怪奇現象に平然としている女性というものに、生物的敗北感」って言われたのすごくショックだよ。女性誌には女性の悩みに寄り添っていてほしいよ。

とツイートした。
また、『ママはテンパリスト』や『海月姫』などの作品で知られる漫画家の東村アキコ先生は、先述の瀧波ユカリ先生へのVERY編集部の返信に対して「妊婦さんに失礼ですよ」とツイート。

    VERY編集部公式アカウント、女性誌のツイートとは思えないよ…  おっぱい出るのを怪奇現象って… さらに「可愛くなくトランスフォーム」って…

ともツイートしている。
VERY編集部は、プロフィールにて「公私をわきまえず、思いつきで」ツイートすることを公言しているようだが、多少はわきまえた方がよかったのかもしれない。

公式アカウントでの炎上事件と言いますと北海道は長万部町の毒舌系ゆるキャラ?「まんべくん」の舌禍事件がひと頃大きな話題を呼びましたが、あちらの場合はとにかく注目度を高めるための確信犯的なところもあったようで、それに対して今回は何もわざわざターゲットとも言える主婦層から反発を招くようなことを公式アカウントでつぶやかなくとも…と思ってしまいますね。
新聞にしろ雑誌にしろ紙面に出るものであれば一応は上司によるチェックが入っていることになっていて、もちろん見のがされて炎上したり上司自体がそもそもアレであったりでマスコミ=DQNの巣窟的なイメージがすっかり定着していますけれども、少なくとも意図しない出版事故の確率を下げるべくダブルチェック体制は敷いているという言い訳は立つわけです。
ところがSNS等ではいちいち上司に確認をとってから呟くということはまず考えられず、しかも炎上を恐れて当たり障りの無い広告めいたことを呟いていても誰もフォローしてくれないでしょうから、どうしてもよく言えばメリハリのあることをどんどん発信していくタイプの方が顧客受けがよいということになれば、同時にこうした事故のリスクも跳ね上がってくるのは当然なのかも知れないですね。
いずれにしても馬鹿発見器が健在だというのは世の中の馬鹿による無用の被害を避けたい人々にとっては大いなる福音なのでしょうが、雑誌なら気に入らなければ買わないですむところとして、これが選良などと言われる方々であるとすればさてどう対処したら良いのかというのがこちらの炎上事件の顛末です。

小泉みつお岩手県議会議員、病院にて番号で呼ばれたことに激怒しクレームで炎上(2013年6月8日ガジェット通信)

岩手県議会議員の小泉みつお氏のブログが批判を浴びている。

小泉みつお公式ブログ

発端は、小泉議員が公式ブログに6月5日に掲載した「俺は刑務所に来たんじゃないぞ。中央病院の責任者!」というエントリー。

    6月上旬、3日ほど県立中央病院に通い続けていますが、当職と、ひと悶着がありました。“241番”、“241番の方”、“お名前でお呼びします。241番の小泉光男さん。”
    →ん!僕を呼んでいるの?と気付いた瞬間、頭に血が上りました
    ここは刑務所か!。名前で呼べよ。なんだ241番とは!と受付嬢に食って掛かりました
    会計をすっぽかして帰ったものの、まだ腹の虫が収まりません。

と、病院で番号を呼ばれたことに激怒。会計をすっぽかして帰り、クレームの電話を入れたという。

    更に病院内対応に話しを戻します。長いうぐいす色のカウンター(二階受付⑩番 循環器系統担当のあなた達の事です!)の中に3~4名の職員が居ながら、“小泉さん。精算-会計の計算-が出来上がりました。どうぞお越しください!”
    「お越しください?」。こちらは15,000円以上の検査料を支払う、上得意のお客さんだぞ。
    そっち側から、“本日は有難うございました。”と、カウンターの外に出て、長椅子に座ってる患者の方に来るべきだろうが?。デパートでもどこでも、1万円以上のお買い物客に、“精算書を取りにこっちへ来い。”と顎でしゃくって呼び寄せますか?

と、自分は「上得意のお客さん」であるので、会計は、職員が座っている自分のところに来てすませるべきであると主張。そして

    このブログをご覧の皆さん私が間違っていますか。岩手県立中央病院の対応が間違っていると思いますか!

と読者に問いかけている。病院からは「個人情報の関係上から云々…」との説明を受けたとのことだが、

    個人情報の関係?。馬鹿言っちゃいかんよ。あんたのような個人情報の中身を知らない者が個人情報と振りかざすから、こんな窮屈な世の中になるんだ。何時何処で、私が氏名で呼んでくれるなと頼んだ?

と全く怒りは収まらなかった模様だ。
しかし、6月7日には上記のエントリーは削除し、

「岩手県立中央病院様に、ご迷惑をお掛けしました。」というタイトルで

    さて、一昨日の昼のブログで、県立中央病院に検査受信(※編注:原文ママ)した際に、不適切な表現がありましたので、削除の上お詫びします。
    日々自己犠牲も厭わず献身的に、県民医療サービスに従事され、汗を流している医療関係者の皆様が、多くいらっしゃいます。
    そうした方に対しても、配慮のない表現でした。
    重ねて深甚なるお詫びを申し上げます。今後一層勉学に励み、岩手県民のために、精一杯働いてまいる所存でございます。
    宜しくご指導の程お願い申し上げます。

と謝罪した。

削除はしたものの、当然のように有志の手でネット上の別の場所でしっかり保存されてしまっており、小泉議員への批判は続き炎上しているようである。

ま、世の中何が当たり前の常識かということは個人差も大きい問題ですけれども、まさか岩手県ではこういう感覚が当たり前だということなんでしょうかね…一応は元々の炎上記事のコピーはこちらになっていますので一読していただければと思いますが、この記事を読んで書き手が県会議員だと考える人が他県ではどれほどいるだろうかと言うことですね。
そもそも普通の人は番号で呼ばれたという事実から刑務所という発想は出てこないと思いますけれども、今時銀行だろうが役所だろうが公的な場所では大体が番号呼び出しになっていたと思ったのですが岩手県ではそうではないのか、それとも小泉議員はそういう場所で番号を呼ばれるたびに刑務所を連想して料金を踏み倒して帰っているのでしょうか。
この話が公になった途端にあっという間に炎上状態になったことは岩手県以外での社会常識の有り様を示していると思いますけれども、おもしろいのは数年前であればこういう記事が出るたびに医療擁護派と攻撃派の間でお約束のように賛否両論分かれていたのですが、今回医療云々という前提条件なしであり得ないという否定的評価の声ばかりというのは、どこの業界もこうしたモンスターに苦労しているということなんでしょうね。
ところでこの小泉議員ですが、炎上直後に当該記事を削除した上で謝罪めいたことを書いているのですけれども、現在公開されているものですとこういう内容になっています。

県立中央病院の皆様!。大変失礼致しました。(2013年6月7日小泉議員ブログ)より抜粋

(略)
 さて、一昨日の昼のブログで、県立中央病院に検査受信した際に、不適切な表現がありましたので、削除の上お詫びします。

 日々自己犠牲も厭わず献身的に、県民医療サービスに従事され、汗を流している医療関係者の皆様が、多くいらっしゃいます。
そうした方に対しても、配慮のない表現でした。

 重ねて深甚なるお詫びを申し上げます。今後一層勉学に励み、岩手県民のために、精一杯働いてまいる所存でございます。
宜しくご指導の程お願い申し上げます。

先ほどの威勢の良さはどこに行ったというほどしおらしい内容になっているこの記事が18時40分にアップされたものですけれども、実はその少し前の13時41分付けで出された記事(削除済み)では少しばかり趣が違っていたようなんですね。

県立中央病院の皆様!。大変失礼致しました。(2013年6月7日小泉議員ブログ)より抜粋

(略)
 さて、おととい岩手県立県立中央病院で診察を受けた際、番号で呼ばれたことを “刑務所か!” とブログで書きました。
 これをご覧の方から早速抗議のお電話を頂きました。県民の健康維持や貴重なお命を守るために、時には自己犠牲を投げ打っても献身的にお仕事されている方へ、大変失礼なことを書きました。
 まずもって、そうした気分を害された方々に対し、衷心よりお詫び申し上げます。

 お電話を頂いた方は、少し誤解して解釈されていた処もありましたが、実名でお電話下さって感謝申し上げます。
 患者を番号で呼ぶ理由は、病院側に取って(特にも、県内から多くの患者が押し寄せる中核医療施設にとって)それなりの訳があることも理解できます。
 それなのに、“刑務所呼ばわり”は、誠実に業務されている関係者への冒?かもしれません。重ねてお詫びを申し上げます。

 私が申し上げたかったことは、次の3点です。

その1=病院が事務的に付した番号で患者名を呼ぶのは最適な方法か。仮に業務遂行上必要でも“○○番の小泉さん”と、番号に続けて個人名を呼んではどうか。(なお、通院最終日は、名前で呼んで貰いました。)

その2=苦情または要望を電話で申し入れたのに対し、10円玉コインが3回落ちるまで、電話口に出ないのはどうしたものか。コンプライアンス重視と県民向けサービスの観点から。

その3=9時を1分半過ぎてから、「只今9時になりました。これから外来診療を始めます。」のアナウンスは適切か。

 個人的なことで恐縮ですが、当職の住所は、わずか7世帯数まで減った部落と云いますか、地区にあります。最寄りの県立一戸病院まで、優に片道40分(特に冬季)は掛かります。冬は当たり前のように、腰まで雪が積もります。
 そうした限界過疎地のため、正月明けの冬期に、心筋梗塞を発症した父は、救急車が駆けつける前に間に合わす、他界してしまいました
 あれ以来、過疎地で暮らす県民医療の問題を真剣に考えています
 そうした育った環境から、他人よりは、医師不足や県立病院の地域偏在問題を承知しているつもりです。父親を、不憫な形で死に追いやった一種の僻みもあってか、不適切な感情や思いが書かせたと、ブログ更新後、自己反省もしていました。

 いずれにしても、県民と当職のような県議でこうした意見を交わし、若しくは議論になることは大変有益なことと思います。今般ご連絡下さった方、誠に有難うございました
 当職はたかが田舎の一県議です。当然、医療や福祉の素人に過ぎません。専門的知識は勿論のこと、医療業界の慣行も存じません。
 でも、岩手県が抱える県民の医療や福祉、少子高齢化と云った重要な問題意識は持っており、常にこれからも勉強し続けて行く姿勢は、誰にも負けないつもりです。
 どうかこれからも、当職まで、忌憚のないご意見やご批判を宜しくお願いします。当職が間違っている処、改めるべき点を改めることは、しっかり改めて議員活動にまい進する所存です。

終わりに、重ね重ね、医療関係者様に深甚なる陳謝の意を表します。

まあしかし、今回批判されているのは医療業界の内部事情を知っているかどうかと言う話ではなく、今日日どこの業界でも問題になっている典型的なクレーマーのテンプレ通りの対応を、それも県会議員という言わばイメージ商売をしている人間がまるで誇らしいことでもしたかのようにブログに書き込んだ上で、なお弁解にかこつけた要求をこれまた上から目線で言っていると誰しも受け取ったようですから、それは支持者からも火に油を注ぐだけだとご注進があったのかも知れませんね。
当然ながらネット上では「小泉議員あてにに苦情または要望の電話をしようぜ。すぐに本人が出て対処してくれるらしいぞ」なんてことも言われているようですが、実は去年にもさんざんに病院を敵視するような記事を書いてこれまた料金を踏み倒したことを告白しているあたり、どうもこの御仁にとって病院という場所は「伏魔殿にしか映りませんでした」というのは本気なんでしょう。
こういう人物が「過疎地で暮らす県民医療の問題を真剣に考えています」と言うのですから岩手の過疎地の皆様方もさぞや大変だろうなとご同情申し上げますけれども、ちなみに同議員自身が告白しているように「銀行では5分以上待たされれば、通帳もお釣りも無視してさっさと帰る事に決めている」そうですから、岩手界隈で業務を営む限りどこの業界でも医療関係でないから関係ない、一安心だというわけにはいかないようですね。
それにしても全国の医療関係者にとっては、田舎公立病院でよくいる業務を妨害する厄介な患者の典型像がどのようなものであるかのテンプレがこうして示されたわけですから、他業界の方々に実情を知らしめる手間がいささかなりとも省けたという点だけは小泉議員に感謝してもいいかも知れません。

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2013年6月 9日 (日)

今日のぐり:「露菴(ろあん) 岡山清輝橋店」

大分合同新聞と言えばその独特な趣のある挿絵入りの記事と共に昨今ではすっかり「猫」でもおなじみですけれども、先日出たこんなささやかな記事がマニアの狂喜乱舞を呼んでいるようです。

落とし物は”小さな命”(2013年6月5日大分合同新聞)

▼先日の深夜、大分中央署の当直窓口に、ポリ袋を持った男性がやってきた。雨にぬれた袋の中には
小さな子猫。道端で弱っているのを見つけ、運んできたという。「とにかく温めなければ」とドライヤーで
体を乾かし、カイロの上に寝かせると、朝方には元気になった。しかし、警察署で長く預かることはできない。
そこで、勤務を終えたベテラン署員は飼ってくれる人を探すことに。心当たりの知人に電話し、無事に
引き取り手が見つかった。直接、子猫を送り届けた署員は「せっかく助かった命。大事に育ててもらい、
しっかり大きくなってほしい」。

何しろいきなり本家本元のご登場ですから「純正ヌコキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!」と話題になるのも当然なのですが、これまた当然ながら猫が増えたり違う何かに変わっていたりもするようです。
今日は顧客の需要に対して常に真摯な対応を心がけている?大分合同新聞に敬意を表して、世界各地からそれはありなのか?と思うようなちょっと変わった動物の話題を紹介してみましょう。

高速鉄道「和諧号」の“超強化”窓ガラス、ハトの衝突でひび割れ―中国(2013年6月4日新華社)

中国の高速鉄道CRH「和諧号」の“超強力防弾ガラス”をはめ込んだ窓ガラスが2日、ハトの衝突によりひび割れを起こしていたことが分かった。現代快報が伝えた。

ネットユーザーが2日正午(現地時間)ごろ、「珍事!高速鉄道に鳥が衝突して、窓ガラスが割れた!」と中国版ツイッターに投稿した。浙江省杭州から北京に向かっていた「和諧号」が江蘇省の鎮江南駅を発車した直後、ハトが車両の先頭部分に直撃し、窓ガラスが割れてハトが血まみれになっていたというもの。

これにより、乗客らは南京南駅で別の車両に乗り換えなければならない羽目になったという。このユーザーは「こんな珍しいこと、100年に1度あるかないか!」と興奮気味につぶやいていた。

同紙記者が鉄道当局に問い合わせたところ、CRH380系高速鉄道車両は「超強力防弾ガラス」を採用。国家安全ガラス・石英ガラス品質検査センターの臧曙光・副主任によると、「重さ1キロのアルミの球が速度500キロで衝突してもひびが入るだけで、完全に割れることはない」。

同列車を製造した北車集団の責任者も、「強度検査は20万回以上も実施している。窓ガラスは6層になっていて、絶対に割れることはない」と説明している。

有名な「チキンを解凍してください」というコピペを思い出すような逸話なんですが、国の威信をかけたはずの強化ガラスがあっさり破られてしまうのもチャイナ品質ということなんでしょうか?
日本でもマンションで飼えるペットとして人気が高いウサギですが、こちら果たして本当のことなのかどうかと思わず画面を見つめてしまうびっくり写真が話題になっています。

海外サイトで話題の洗面台で行水するウサギさん/「こえーよ」「ぬいぐるみ?」と日本のTwitterユーザーも注目のファニーさん(2013年6月5日Pouch)

海外サイト「izifunny.com」などで紹介されているウサギさんの画像が、日本のTwitter上でもじわじわと注目を集めています。「こえーよ」や「ぬいぐるみかも?」といった声があがっているのですが、どんな画像だと思いますか?

話題になっているのは、洗面台で行水するウサギさんの画像。別段、変わったところのない白い洗面台にお湯、もしくはお水がはってあり、そこにウサギさんが仰向けに寝そべっています。蛇口からはお湯、もしくはお水が出っ放しになっていて、ウサギさんは全身ずぶ濡れ。

どうして「こえーよ」や「ぬいぐるみかも?」といった感想が聞こえてくるかというと、そのウサギさんの様子が、あんまりにもウサギっぽくないから。

人間でいうと、お風呂にゆっくりとつかり、「あ~、極楽やわ~」といった具合のポーズなのですが……このウサギさんの場合は、とってもファニーなの。

ちゃんと耳も長いし、顔もウサギさんなんだけど、なんだか体がエイリアンみたいなの! ウサギさんの顔をした、エイリアンみたいなの! もしくは、グレムリンみたいなの!

このウサギさんがどうして洗面台で行水をしているのか、また本当にこれはウサギさんなのか、はたまた新種のクリーチャーなのか。すべては謎に包まれているんだけど……どうか、我々が知っている普通のウサギさんでありますようにと願うばかりです。

元記事の写真を見ていただければお判りでしょうが、これでグラサンにドリンクでも手にしていればまだネタと理解できるのですが、この微妙にネタかどうか判然としない写真をどう解釈すべきか、と言いますか飼い主不在の間にペットのウサギがこんなリラックスしているのかと思うと何やら薄気味悪いような話ですよね。
こちらも本物なのかどうかが話題になっている動画なのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

【衝撃動画】「中に人が入ってるだろ!」と疑われるほどハンパなく賢い熊(2013年6月3日ロケットニュース24)

みなさんにぜひ本物か偽物か判断してもらいたい “熊” がいる。ロシアで撮影したと思われるある動画には、一頭の大きな熊が登場するのだが、その熊がありえないくらい頭がいいのだ! 中に人間が入っているのではないかと疑ってしまうくらい、本当に本当に賢いのだ!

動画には、まず一人の男性が登場する。そして彼が後ろにいる熊を呼ぶと、その熊は呼び声に応じるように、こっちに向かって走って来たではないか! まっ、マジかよ! この時点で凄まじい衝撃度なのだが、ここからが熊さんショーの本番である。

男性が「ジャンプして」や「椅子に座って」など指示を出していくと、熊はなんと、その通りにパフォーマンスしていくのだ。まるで人間のように、熊は与えられた指示を次から次へと理解していく。こんな賢い熊さん、見たことない……。

現在この驚愕動画には、「これは凄すぎる!」と熊を称賛するコメントと、「これは熊のスーツを着た人間だろ!」と動画の信憑性を疑うコメントが主に寄せられている。さてみなさんは、ここに映る芸達者な熊は本物だと思う? それとも偽物だと思う? どっち?

参照元:YouTube hdonlineucozcom

動画を見た限りでは着ぐるみにも見えないかなと思ったんですが、しかし今の時代画像加工も容易であるだけに実際のところはどうなのか何とも言い難いですね。
その恐ろしい生態にも関わらず海外ではクマという生き物は非常に人気があるようですけれども、こちらは恐ろしいどころか思わず笑ってしまうこと請け合いのクマが発見されたというニュースです。

あまりに『クマのプーさん』にそっくりなアヒルが発見される(2013年6月6日秒刊サンデー)

衝撃的だった。何故このアヒルがクマのプーさんと言われるのか。その理由は彼の顔を見ていただければ判るのだが、恐らく誰も想像できないようなとんでもないオチが待っている。そもそもアヒルがドナルドダックではなく、クマのプーさんに似ているという設定も意味がよく判らないが、恐らく100人中98人ぐらいはそれをクマのプーさんだと述べるだろう。では早速見ていただきたい。

プーさんにそっくり(画像)

やぁぼくプーさん。
そんな声が聞こえてきそうなこのアヒルの顔、いや正確にはくちばしがクマのプーさん状態だと話題になっている。目の部分は鼻。鼻の部分は模様、そして口はそのまま口だが単なる口では無く、よりディズニーアニメのような可愛らしい口をしている。もちろんフォトショップなどで加工したわけでもなく、実はこのアングルが一番プーさんに見えるベストショット。

やはり全体像を見てしまうとちょっと不気味だが、ある意味キモカワイイじゃないがその手で売り込めば更なる話題性を呼び、女性にも人気が出るだろう。ちょっと昔に流行った人面魚のようなフィーバーを巻き起こすそんな可能性もなきにしもあらずだ。

―海外のネットユーザ反応
・瞬時に吹いたわ
・いとおしい
・笑った
・癒されるわ
・予想以上にプーさん
・とてもいいよこう言うのは
・ディズニーマジックです
・ディズニーが黙っていませんよ。違反です

正直この展開は予想していなかった…と言うものなのですが、それにしても見れば見るほどそっくりと言うしかないほどの他人のそら似ですね。
いささか間抜けな動物というのもそれはそれでいいものですが、こちら一体何をどうしたらそうなるのかという状況で発見されたようです。

【海外:動物】珍急出動!穴に頭を突っ込んで抜けなくなったウシが消防隊に救出される(2013年6月5日日刊テラフォー)

動物の救出に関する消防隊への通報でよくあるのは、
「ネコちゃんが、木に登って降りられなくなっちゃったの!」
「ネコちゃんが、井戸に落ちちゃった!」
というような、小さくてか弱いネコちゃんに関するものが多いが、今回イングランド・シュロプシャーの消防署が受けた通報は、大きくて丈夫そうなウシさんの救出要請だった。

(画像:Mirror)

何でも、ウシさんが、木の穴に頭を突っ込んでしまって、抜けなくなったのだという。

ウシさんには悪いが、正直「ぷっ」噴き出してしまうような、マヌケな通報だ。
きっと消防隊員たちも、こんな半分ギャグみたいな通報を受けたのは初めてだろう。

だがいざ救出を開始すると、笑ってなどいられなくなった。
身軽なネコちゃんと違って、逞しい体をしたウシさんを引っ張るのは容易ではない。
救出には、大型動物用の特殊な引き具とクレーンが用いられ、数人がかりでウシさんを引っ張って、ようやく木の穴から頭を引っ張り出した。

無事事なきを得たウシさんだが、今回に限らず、動物事件の切ないところは、一体なぜ、彼らがそんな行為に及んだのか謎に包まれたままだということだ。
今回のウシさんは、木の穴の中においしそうな草でも見つけたのだろうか。真相は誰にも分からない。

だがせめて、これに懲りて、もう同じ過ちは繰り返さないでほしいと願うのみだ。
その願いが、ウシさんにきちんと伝わっているかも分からないが。

まさか首を突っ込んでいる間に成長してしまったなんて話でもないのでしょうが、しかしこういうことは自然界で起こってしまうと悲惨な事故では済まないでしょうね。
こちらもある意味で予定通りとも言えるし、またある意味ではちょっと間抜けなんじゃないのかとも思えるような微妙に心温まるニュースです。

肉の匂いに誘われ失踪犬戻る、“庭でバーベキュー作戦”が大成功。(2013年5月26日ナリナリドットコム)

先日、米国のある女性は、動物保護団体から引き取って飼い出した犬を逃がしてしまった。団体のボランティア100人などの協力も得ながら周辺を探し、懸賞金を出して捜索に当たったものの見つけられず。誰もが途方に暮れてしまったが、そんなとき彼らの中からある提案がなされた。「子犬が姿を消した庭で、肉を焼いてみたらどうだろう」。匂いに釣られて戻って来ることを期待して実際に試してみると、本当に犬がひょっこりと舞い戻って来たそうだ。

米紙ザ・スターレッジャーや米放送局CBS系列WCBS-TVなどによると、犬を逃がしてしまったのは、ニュージャージー州リバーデールに住むエリン・アーリーさん。彼女は最近、生後6か月から9か月と見られる、メスのピットブル犬ミスティを引き取って世話をしていた。ミスティは4月初め、ニューヨークの街角で、闘犬の訓練によって傷だらけになった状態で捨てられているのを学生に見つけられた話が、欧米メディアで広く報じられて話題となった犬。当初は自暴自棄な様子だったというミスティも、拾った学生らの支援もあって元気を取り戻し、動物保護団体を通じてアーリーさんのもとで新たな生活を始めたばかりだった。

そんなミスティは5月17日、アーリーさん宅の裏庭で遊んでいる最中に、飛び立った鳥を追って迷子に。慌てたアーリーさんは、連絡をした保護団体の協力でボランティア100人と共に、辺り一帯を捜索し始めたという。ただ、ミスティが向かって行ったのはかなり木が生い茂った藪の中とあって、大勢で探したのの捜索は難航。近所の人や動物病院などにも広く情報提供を呼び掛けたほか、100マイル(約160キロ)圏内の至るところに懸賞金2,000ドル(約20万円)を謳ったポスターも貼り、ミスティの帰りをひたすら待ち侘びた。

しかし、週末の2日間を過ごしてもミスティの行方は分からず、明けて良い天気となった月曜日の5月20日。探しても見つからないなら呼び寄せてみようと、ボランティアの1人から、「裏庭で肉を焼いてみてはどうだろう」との提案が出た。「普段は肉が家にない」という菜食主義者のアーリーさんも、それで見つかるならと家族を買い物に行かせ、ベーコンを調達。そして午後2時頃、保護団体関係者らとバーベキューグリルを裏庭に用意し、ベーコンを焼き始めたそうだ。

調理は夫に任せ、すぐに見つけられるよう椅子に座って目を凝らしていたというアーリーさん。すると匂いに気付いたのか、消えた藪の方からミスティがひょっこり姿を現し、3日ぶりの再会に彼女も大喜びとなった。

実は、今回の作戦は同じように犬を誘う有名なドッグフードのCMから思い付いたそうで、見事なまでの成功に彼女も「信じられない」と驚きを隠せない様子。戻って来た瞬間の写真は「Misty's Journey」というFacebookページにも紹介され、以前の報道からミスティに心を寄せていた多くの市民も、無事発見の知らせに安堵しているようだ。

しかし件の犬もその経歴から色々と思うところがあったのでしょうけれども、自暴自棄の余り自由に走り出したくなったのであればもう少し志操堅固と言うのでしょうか、初志貫徹すべきだったのではなかったでしょうか?
最後に取り上げますのはこちらのびっくりニュースなんですが、人間こうした事態に遭遇すると思わず 「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!」と言いたくなってしまいそうですね。

【不可解】ネットでオーストラリア製の粉ミルクを買ったら “生きたカンガルー” が送られてきたでござる!?(2013年6月4日ロケットニュース24)

通信販売は商品が手元に届くまでドキドキだ。実際に商品を見て「ダマされたッ」と思うこともあれば、逆に「想像より良い商品だった」ということもある。

ある女性が、ネットでオーストラリア製の粉ミルクを注文したそうだ。すると何やらガサガサ動く箱が届いた。開けてみると中から生きたカンガルーが出てきたのである。粉ミルクを注文したのに、なぜカンガルーが!? いくらオーストラリアだからって……! 一体どういうこと!?

・中国製の粉ミルクは信用できないのでオーストラリアから取り寄せ
オーストラリア製の粉ミルクを注文したところ、カンガルーが送られてきたというのは中国山東省青島市に住む劉さんだ。以前から、中国製の粉ミルクには人体に有害な物質が混入することが頻発しており、多くの市民が外国製の安全な粉ミルクを買い求めている。劉さんも10カ月の息子のためにショッピングサイト「タオバオ」でオーストラリアから粉ミルク6缶を取り寄せた。

・粉ミルクの代わりにカンガルーが入っていた
注文して2日後、劉さんのもとに荷物が届いた。だが箱の様子がおかしい。ときどきガタガタと動いたり、かじった跡がついている。劉さんは不審に思い、業者立会いのもと箱を開けてみたところ……中には、粉ミルク2缶と共に生きた幼いカンガルーが入っていたのである!

・カンガルーは衰弱
劉さんは粉ミルクを6缶注文したはず。しかし受け取ったのは2缶のみ。残りの4缶は入っておらず、なぜかカンガルーに化けてしまった。現在、北半球は梅雨~初夏にさしかかろうとしているが南半球のオーストラリアは冬。大きな気候の変動にカンガルーはすっかり衰弱していたという。

・この事件に寄せられたネットユーザーの声
「マジかよ!」
「ウソだろ、信じられない」
「可哀想~」
「よく生きてたな……」
「税関は何をしているんだ」
「中国の税関はザル」
「タオバオは配送ミスが多いと聞くけどこんなにヒドイのは見たことがない」
「オーストラリア製だという証明だったりして」

・カンガルーが送られた理由は不明
なぜカンガルーが送られてきたのかは謎である。なお、カンガルーは現地の青島動物園に保護されていると報じられている。当初は激しい熱中症と脱水症状を見せていたが、手当ての甲斐あり元気を取り戻しつつあるそうだ。。報道によるとカンガルーの体調が完全に回復し次第検疫を行い、問題なければ青島動物園で飼育することになるというが……。このニュースは大きく報じられたが、その後、現地警察は「そのような通報は受けていない」とコメントを発表している。現在、事実確認中だというが、真相はどうなのだろうか?

オーストラリアと言えば毎年カンガルーを大量処分しているほどカンガルー余りが著しい国だそうですが、しかしいくら困ったからと言ってこんな押し売りめいたことまで手を染めるようになりましたか…
しかしそもそもの注文の意図を考えるならば、そこは牛か山羊にしとけよjkと言いたくなるのですが、やはり輸送の手間が問題だったのでしょうかね。

今日のぐり:「露菴(ろあん) 岡山清輝橋店」

岡山市中心部に位置するこちらのお店、何でも「鱧の梅肉豆腐・マグロの炊き込みご飯・トマトを使ったスイーツなど、季節の食材を露菴流にアレンジ!73種類の創作料理の数々をお楽しみください♪」なんだそうですが、実際のところは昨今良くあるシャブシャブがメインのバイキング店であるようですね。
しかし一昔前には食べ放題と言えばまずは焼き肉というイメージでしたが、それがサイドメニューの充実した店が人気を得てきたなと思っていましたらいつの間にかこうしたサイドメニュー主体の店が主流になってしまうあたり、世の肉食系から草食系への移り変わりが反映されているようでおもしろいですね。
かなり広い店内はそれなりの客入りなんですが大多数は若い人であるのはよいとして、特に女性グループの多い様子であるのはヘルシーを売りにしていることの反映なのでしょうか、これまた時代の変化を感じさせることではありますね。

さて、とりあえずお皿を片手に創作料理なるものを見て回ったのですが、さすがに肉料理は質量共にさほど目立ったものはないんですが他方で野菜系はなかなかおもしろそうなオリジナル料理が多いのは良い傾向というもので、まずは野菜系のメニューを一通り一口ずつ取ってみることにしました。
どれも創作料理ということでアレンジもおもしろいのですが、例えば畑の肉なるものは大豆らしいんですがここまで味を濃くすると何が何やらというもので、食感の方がまた懐かしのクジラ缶詰風なのが不思議な感じですね。
他におもしろかったメニューとしてヒジキのゼリー寄せは個人的にゼリー寄せが苦手なこともあって素直にひじきそのままでええやん!と思ってしまったのですが、確かにひじきという食材はそのままですとなかなかに食べにくいですからこういう方向で正しいのでしょうし、ひじき入りの卵焼きなんてシンプルながらうまいですよね。
メインに当たるシャブシャブは肉にしろ野菜にしろ腹塞ぎレベルで特にどうこうと言うものではないのですが、サイドメニューの方もバリエーションこそ豊かとは言えどれもさほどコストはかかっていないのがよく判る味で、ソフトドリンクやデザートはそこそこ充実しているのが女性客には受けそうな点でしょうか(ちなみにドリンクサーバーに炭酸水があるのは珍しいと思いますが、個人的には非常に助かりました)。

ともかくもそこそこオリジナリティあるメニューがいろいろと並んでいるのはいいんですが、何かどれもよく言えば微妙にオリジナリティのありすぎる味わいと言うのでしょうか、こういうヘルシーを売りにした野菜中心のサイドメニューは女性客を意識しているのでしょうが、アレンジしていてもベースになっているのはむしろ年寄り料理を連想させるところがあって、ここのメイン顧客である若い人たちはこういう料理をどう見ているのか興味深いですね。
一方で日本人の好む料理とはうまみがしっかりしているのが基本で、薄口の仕立てではあっても素材の味や出汁の味さえしっかりしていればいくらでもおいしくいただけるものなのですが、こちらの場合は出汁の味が立っていなくて食材自体の味も寂しい分、単に薄くて寂しいだけの味という気がします。
コストパフォーマンスということで言えばよほどの大食家はともかく、普通のまともな飯屋でこれだけのお金を出せばもっとずっとおいしいものも食べられるかな…とは思ってしまうんですが、街中で大人数にも対応出来てそこそこおしゃれでちょっと豪華な感じもあり、なおかつ定額で好きに食べられるのがこうした店舗最大のメリットでしょうから、今流行りだという女子会などでの需要は大きいものがあるのでしょうね。
トイレなど設備面はいいですし、ほとんど放置状態とは言え接遇なども悪い感じはないですから使い勝手はいいのでしょうし、とりあえず量的には野菜や繊維質のものが腹一杯食べられるというのは一人暮らしの人にとっては助かるのでしょう。

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2013年6月 8日 (土)

テレビ新聞は永久に不滅?

本日の本題に入る前に、マスコミ業界的に優れた資質とはどのようなものなのかを改めて問いかけるこんな記事が出ていたことを紹介してみましょう。

英妃入院先に「なりすまし電話」の豪ラジオDJ、表彰される(2013年6月7日ロイター)

[シドニー 5日 ロイター] - 昨年に英キャサリン妃の体調を探るため、英王室メンバーを装い病院に電話をかけた豪ラジオ局のDJの1人が、同局を運営する親会社から「トップDJ」として表彰された

サザン・クロス・オーステレオから「トップDJ」に選ばれたのは、マイケル・クリスチャンさん。もう1人との共同表彰となり、ロサンゼルス旅行も授与された。

クリスチャンさんは昨年12月に同僚のメル・グレイグさんとともに、王室メンバーになりすましてキャサリン妃の入院先に電話をかけ、体調を聞き出していた。電話を取り次いだ看護師のジャシンサ・サルダナさんはその後、死亡しているのが見つかった

偽電話をかけた当時、クリスチャンさんはシドニーのラジオ局「2Day FM」での仕事を始めて1週間目だったという。同局でプレゼンターを務める男性は「(クリスチャンさんは)良いアナウンサーだ。1度犯した間違いを永遠に責めるべきではない」と述べた。

一方、スティーブン・コンロイ豪通信相は、クリスチャンさんの表彰について「悪趣味だ」として不快感を表明。シドニーの市民らからも、「多くの人に影響を及ぼし、看護師は自殺までした。これほど間違ったことをした人を表彰することは正しくない」などとの声も聞かれた。

自殺した看護師は同僚への謝罪と感謝の言葉と共に「この行為(自殺)はオーストラリア・ラジオ局のメル・グレイグとマイケル・クリスチャンのせいです。ローンは、あの人たちに支払わせて。ごめんなさい」との呪詛の言葉をも残していたそうですけれども、当時から様々な観点からこの事件の違法性が指摘される中で、それでも顕彰に値する業績の持ち主であると判断されたということは何ともやりきれない思いもいたします。
オーソンウェルズらが「宇宙戦争」のラジオドラマを放送したところ事実と信じ込んだ市民がパニックになったと言う有名な事件がありますが、先日もアメリカで例の「DHMOジョーク」を披露して市民を混乱させたDJが処分されるという事件があり、報道業界人の公人として社会人としての責任の取り方ということについて改めて考えずにはいられません。
ともかくもマスコミ業界と言えばかねてこうした嘘や捏造を職業的に行ってきたことで知られていて、近年ではその後始末に追われる機会も増えているともっぱらの噂ですけれども、日本でも最近とあるマスコミの「嘘」とその後始末の付け方が話題になっているようですね。

フジのドッキリ企画で具志堅が警察を呼ぶも「※事前に警察に相談済み」とテロップ ネットでは「絶対ウソだろ」の声(2013年6月3日ガジェット通信)

フジテレビの人気番組『爆笑 大日本アカン警察』。日曜日の19時58分から放送されている番組で、出演者にはダウンタウンやお笑い芸人、AKB48など豪華メンバーが勢ぞろい。そんな『爆笑 大日本アカン警察』の本日の企画「アツアツ本気ダービー」という物が放送された。この企画の中で女性ADを暴走族から救うのは誰かというドッキリ仕立ての演出を行い、スタジオの出演者が回答するという物である。

ドッキリに仕掛けられたのは山田親太郎さん、具志堅用高さん、サバンナ八木さんの3名。この中で誰が女性暴走族から女性ADを救い出すことができるのか予想するという企画。そんなVTR内の具志堅用高さんの際に珍事が起きたのである。それは女性ADが暴走族グループに絡まれ出したら車の中で携帯電話をいじりだし、なにやら電話をしているもよう。スタッフが慌てて具志堅用高さんに説明に行くと「110番に電話したんだよ、おれ」と説明。ドッキリだと知らない具志堅用高さんは警察に通報してしまったようだ。

この直後にVTR下に出たテロップが問題でネット上でもちょっとした騒ぎとなった。そのテロップとは「※事前に警察とは相談の上で撮影しています」との一文。このテロップが出るとネット上では次のような書き込みが相次いだ。

・警察に相談済みってウソだろ
事前にケーサツに相談してるんならスタッフはとめません。てことで、これは後づけ
・なんか理由付けて携帯奪っておいたほうがよかったなw
警察に迷惑かけてんじゃねぇよ、ウジテレビが
110番するから気にしないで下さいなんて警察に許可なんてとれないだろwwwww
・絶対事前に警察に連絡とかしてないだろ 誰か警察に通報しろ
・事前に警察と相談てどうやんだよ。110て管轄の警察に電話かかる訳じゃなきだろ
・警察とか救急とか無駄に電話まじやめろ、こういう企画最悪
・警察に怒られたやろなー。
・スタッフは110番されたから急いで出てきたんだろうな
事前に相談したら止められるだろ。
・事前に(アカン)警察に相談したんですね。

とテロップに対しての批判だけでなく企画そのものを批判しており、更に携帯電話を取り上げなかったことにツメの甘さがあると指摘している。事前に警察に相談していたとしても110番することにより公的機関に迷惑がかかっていることは確かである。

今回、具志堅用高さんはだまされた側なので罪はないが、このような事態を招いてしまったスタッフに完全な落ち度があるのではないだろうか。テロップはこうした批判を起こさないためにスタッフが用意したものと思われるが、不自然さがあまりにも目立つために、テロップがウソと言われてしまっている

真偽不明ながら当事者に電凸したという方のコメントによりますと、警察側は確かに当日その日現地で暴走族グループが集まって撮影をするといった内容の連絡は受けたと言っているようなのですが、もちろんスタッフが慌てて止めにかかったことからも判るようにどのような企画であったのかの詳細や、出演者以外に第三者からの通報の可能性などに関しては知らされてはいなかったということのようですね。
テレビなどはすでに嘘、虚構であることを前提に視聴するメディアになってきていて、相対的にもっとも信頼性が高いとされるテレビメディアであるNHKですら実に9割以上が今の体制に問題があると感じ、8割以上が解体すべきだと考えているという調査結果がありますけれども、それよりはやや信頼性が高いと自負していただろう新聞業界にしても必ずしも高い評価を得ているわけではないことは各社の部数減が物語っていますよね。
最近では消費税増税に反対していたはずの新聞各社が突然手のひらを返したように増税賛成と主張し始めたことが記憶に新しいところで、あれも当事者的にはやむにやまれぬ大人の事情があったとも言われていますけれども、その一方で「でも新聞だけは消費税免除してね」などと特権扱いを主張しているのですから、もはや客観的報道メディアとしてはその地位をすっかり喪失していると見なされてしまうのは当然と言えば当然でしょう。
各社ともそうした世論の変化は感じてはいるようで、漠然とした危機感と同時に妙な開き直りのようなものが見え隠れしているようです。

【デスク日記】動揺したのだろう(2013年6月5日西日本新聞)

 動揺したのだろう。カメラのファインダーがぶれていた。こんな発言を聞いたからだ。

 「えー、皆さんの中で新聞を取っている方は…。まあ、いないでしょうけど

 5月初めに福岡市で開かれた広告業界のセミナー。講師役のインターネット通販企業幹部が発した言葉だ。

 聴講者約50人は、ネット関連企業や広告・営業部門で働く優秀そうな人たちばかり。講師の言葉は会場に何の違和感もなく流れ、「常識」のように共有されていた。どぎまぎしているのは自分だけのようであった。

 ジャーナリズムを守るためにも、商品やサービスを世に広めるための媒体として、新聞という存在が広く認知されなければいけないと思っている。その存在感を守るためにも、質の高い記事を書こうとも思っている。

 でも、その日肌で知ったのは、経験したことがない「孤独感」だった。 (川合秀紀)

「時間潰しの道具」か、テレビは(2013年4月24日サンデー毎日)

 いつのまにか、テレビの悪口を言い合うのが家族間の癖になった。それなら見なければいいのだが、見てしまうのも癖になっている。
(略)
 ところで、先日、『テレビの未来と可能性――関西からの発言――』という新刊本をお送りいただいた。高橋信三記念放送文化振興基金が編者で、基金二十周年の事業として編まれたものだ。

 高橋信三さん(一九〇一―八〇年)は新聞人を経て六十年前、民間放送の立ち上げに奔走し、日本放送界の興隆期を背負ったリーダーだった。「毎日放送」の社長、会長をつとめ、豊かな識見と放送事業改革への情熱は高く評価されている。七五年一月、『毎日新聞』に寄せた一文では、

〈ラジオやテレビが情報メディアとしてさらに役立つためには、まず司会者やキャスターたちがもっともっと勉強しなければならない。現在はいたずらに大衆に迎合したり、雷同したりすることが民主的だと考えているような人がいないだろうか〉

 と苦言を書いている。いまに通じることではないだろうか。
(略)
 本書で発言しているのは、識者、メディア研究者、番組制作者ら総勢六十七人、三〇〇ページに及んでいる。悲観論が目立つが、テレビこそ、と復権をめざす声も少なくない。シンポジウムで関西テレビ宣伝部長の老邑敬子さんは、

「『いま、テレビは慌てています。けれども、わくわくしています』っていうのが、私が日々感じていることです」

 と現場の不安と息吹を語っている。だが、

単なる時間潰しの道具

 になりかけているという辻さんの現状認識は当たっていると思われる。この点をもっとも痛烈に突いているのが、社会学者、加藤秀俊さん(元学習院大教授)のアンケートに対する答えだ。

〈いまテレビは日本だけでなく世界的に「荒野」どころか「砂漠」になった。文明史的にいっても、まったく不毛な荒涼たる時空間をテレビはつくった。その不気味な砂漠を跳梁跋扈するのは「タレント」という名のえたいの知れない人間たち。かれらが空虚な音声と身ぶり手ぶりで飛んだり跳ねたり、食べたり飲んだり、なにがなんやらわからない。要するにナンセンスの世界である。虚そのものである。もう、ここまで堕ちたら、堕ちようがないところまでテレビは堕ちた

 しかし、テレビはなくならない、タダで流れてくるテレビは貧者にとっての文化的空気のようなもの、虚であっても、いや虚であるがゆえに、その存在は永遠なのである、と加藤さんは続ける。

 では、どうなるか。結局のところ、言語世界、とりわけ文字世界への回帰以外に、われわれの情報生活の未来はありえない、要するに、新聞、雑誌を〈読む〉こと、それ以外に世間の動きを知る手だてはない、というのが加藤さんの結論だ。

 私もそう思う。新聞はいずれ消える、という論が少なくないが、ネット社会になって部数は減っても新聞は残る、活字は残る。テレビの早朝情報番組でも、スタジオに新聞各紙を張り出し、情報源にしているではないか。
(略)

かつては映画が世の中のニュースを伝えていた時代もあった、なんてことを言われれば「え?何それ」「情報更新遅そう」と言われそうですけれども、新聞にしろ雑誌にしろとっくの昔にネットで知っている情報を翌日以降になって初めて紙面で見ることになるというのは、考えて見ると情報の時間軸の逆転とも言うべき奇妙な現象ですよね。
もちろん今も映画というメディアはしっかりと残っていて、むしろ最近では邦画人気も再燃していると言うことですから元気もいいのでしょうが、ではそれが大画面で多くの人々を前にニュースを伝えていた時代の映画と同じものであるかと言われると、ハードウェアとしての性質はそう大きな変化はないのかも知れませんが社会的位置づけという点では全く意味の異なったものになっていることは否定出来ませんよね。
テレビにしろ新聞にしろ今後何十年たって残るか残らないかと言えばたぶん残っている、しかし同時に過去そうであったのと同じ位置づけで残っているかと言われれば大きな疑問符がつくのも当然なのであって、特に中の人にとっては残る残らないの議論よりもどのような形で残っていくのかという議論を心がけた方がより有意義なものになるかも知れませんね。

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2013年6月 7日 (金)

今度は医療特区だ、外国人医師導入だと医療改革のアイデアは盛りだくさん

本日の本題に入る前に一瞬「ネタか?!」と思うようなニュースでもあるのですが、先日非常におもしろいことを言い出したなという話がありましたので紹介しておきましょう。

日本中のニートが集まり全員が取締役に就任する「NEET株式会社」 面白法人カヤックの柳澤社長をゲストに説明会イベントを開催(2013年5月30日産経ビズ)

 中小企業経営者によるNPO組織「中小企業共和国」は、ビジネス誌出版大手の株式会社 プレジデント社とタイアップし、日本中のニートが集まり希望者全員が新しくつくる会社の取締役に就任する実験的なプロジェクト「NEET株式会社(仮称)プロジェクト」を発足し、6月11日に説明会イベントを開催します。

WEBサイト: http://neet.be/
(略)

■なぜニートが取締役なのか?
 成熟し閉塞した日本の社会を切り拓いていくためには、これからの新しいビジネススタイルやワークスタイルを自由かつ遊戯的に模索・提案できる人が必要だと考えています。そしてそれは、現状に違和感を抱き、既存の企業組織や雇用・就労の枠組みにおさまらない「進化するマイノリティ」の若者に他ならないはずです。これまでの調査活動を通じて、「ニート」と呼ばれる若者の中には、社会環境や時代の変化を敏感に感じとり、あえてそのような立場から様々な試行錯誤を重ねている人たちがたくさんいると分かりました。中小企業経営者が可能な範囲で経営資源を提供しながら、一緒に悩み、新しい組織のあり方やビジネスアイディアなどを模索していくのがプロジェクトの狙いです。
(略)
(プロジェクトを企画・運営する中小企業共和国は、MTG・ワークショップのプログラムや会場等を準備し会社設立に必要な費用は負担しますが、原則として出資は行わず、その後の報酬を保証するわけではありません。ただし、会員である中小企業経営者が可能な範囲でリソースを提供し、業務の受注やビジネスモデルの構築などをお手伝いしていきます。)
(略)

商売として直ちにうまくいくかどうかは判りませんけれども、今の時代では多くの場合NEETと言っても何らの場にも参加していないというわけでもなく、ネット等で外部とつながっていたりするわけですから、案外各人各様の得意分野を持ち合わせることで思わぬ大きな仕事が出来るようになるかも知れませんね。
旧来の日本社会を特徴付けていた新卒一括採用、終身雇用という労働形態が破綻していることは今や誰の目にも明らかになっていますが、その一方でそれに変わる自由な雇用形態の必要性が言われながら今ひとつこれぞという解が示されてはいない中で、とりあえず新しいことをやってみようという試みには無条件に賛同したくなります。
一方で新しいことをやるにあたって各方面の規制にがんじがらめになってしまいやりたくても出来ないということもままある訳ですが、昨今では特定地域内でだけ特殊ルールに従って運用される特区という制度があるわけですから、全国各地で地域の実情やアイデアに応じて様々な特区をもっと活用していくことが重要な社会実験にもなるはずですよね。
医療の世界などはもともと規制が厳しいことから小回りがきかない面があり、震災被害のあった東北地区などでは地域の実情にそった運営が出来るよう各種特区が模索されているところですが、そんな中で先日東京都知事が東京にも医療特区をと言い出しているようです。

[規制改革] 外国人医師が診療行える「特区」を東京に  猪瀬都知事(2013年5月22日メディカル情報サービス)

政府は5月22日に、産業競争力会議を開催した。この日は、菅内閣官房長官から「健康・医療戦略」に関する報告を受けたほか、成長戦略とりまとめ(6月予定)に向けた論点を整理している。

菅官房長官は、「健康・医療分野は、各省にまたがる問題であり、関係府省が一体となった戦略的な取組みが必要である」点を強調し、大きく(1)新技術の創出(研究開発、実用化)(2)新サービスの創出(健康寿命伸張産業の創出)(3)新技術・サービスの基盤整備(4)国際医療協力の推進―という4つの柱で、健康・医療関連市場を拡大していくことを報告している(p4~p5参照)。

(1)では、医学・医療を含めた科学技術研究の指令塔となる「日本版NIH(National Institutes of Health)」創設などを、(3)では、医療のICT化推進などを、具体的内容としてあげている。
(略)
さらに、この日は、東京都の猪瀬知事から、「国家戦略特区(仮称)」に関する提案も行われた。その1例として、「外国人医師(日本の医師免許なし)による医療行為」を認める特区などがあげられている(p68参照)。ちなみに、日本の医師免許を持たない外国人医師は、「臨床修練制度」により指導医の監督の下で医療行為を行うことが可能だ。
(略)

詳細(と言うほど詳しくはないですが)はリンク先のpdfを参照いただくとして、記事中にも出ている「臨床修練制度」に関しては以前にも何度か取り上げたことがありますが、段階的に拡大が図られているとは言え基本的に日本で新たに医療を学びたい医師向けに設定された制度と言え、期間も2年と限られることから活用されているのは各地の大学病院を中心でせいぜい年間数十人規模であるようです。
都知事の要望は外国人入国審査等の簡略化と同じ文脈で提出されたもので、もっと容易に外国人医師が日本の臨床現場で働けるようにしようと言う意図があるようですが、当然ながら日医(苦笑)は例によって断固反対し田村厚労相も「相当に難しいハードルがある」と難色を示しているということですから、そう簡単に実現するものかどうかは極めて微妙な情勢ですよね。
ただすでに前政権下の3年前に当時の仙谷戦略相も外国人医師の診療容認を検討云々と言及していて、こちらは日本が診療に招くようないわゆる世界的名医を念頭においた発言だと思われますけれども、近年の規制緩和の流れからすると今まで駄目だったからと無碍に否定すべきものではないようです。

こうした話題が出るたびに、よく「外国人に開放されても日本になんて来ないよ」という声があって、それは外国人看護師問題を見ても日本語というハードルも高く、また「日本人は時間を守らない」と言われてしまうほどの医療現場の粗悪な労働環境も問題ですけれども、その辺りは実のところ規制の日本流の医療システムに乗っかってしまえばという話でもあるわけですね。
現時点でも特定国の医師免許を持っていれば医師免許互換制度により極めて限定された診療なら行えるようになっていますが、東京のような大都市であれば母国語圏の患者を相手にするだけでもそれなりに商売になるはずですし、それこそ外国人相手を専門にするクリニックというのもありでしょう(もっとも診療自体は母国語でやれたとしても、いざという時の紹介先をどう確保するかが課題になりそうですが)。
日本では皆保険制度が前提で保険のルールを変更することで医療統制を行っていますが、逆に言えば保険診療でなければかなり自由が効くと言うことでもあって、自由診療クリニックでアメリカの保険会社の医療保険が使えるということになればそれは日本でいながら医療の自由化に他ならないし、場合によっては日本人からも「アメリカ式医療」を試してみたいと考える人が出てくるかも知れませんね。
2010年に日経ビジネスが行った外国人医師参入に対する調査がありますが、おもしろいことに医師は2/3がNOと答えたのに対して一般市民(患者)は7割超がYESと答えたと言い、あるいは日医などが混合診療解禁絶対反対!などと叫び続けていることに既得権益だと反感が高まりつつあるということなのか、患者の間では「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ」という考えが勢力を拡大しつつあるのかも知れません。

実のところ国民皆保険を軸とする医療制度の枠組み自体もどうなるか先行き不透明なところがあって、先の記事でも日本版NIHを創設しようなんて話が出ているように医療分野は徹底的に競争力をつけさせるよう改革を進めるべきだと言う考えも根強くあって、特に先のノーベル賞受章で一気に盛り上がりつつある再生医療に関しては現行制度のままでは日本はあっという間に世界に追い越されてしまうという危機感が強いようです。
総理がわざわざ先進医療の認定を早め、どんどん範囲も拡大していくべきだと言い出したこともこの文脈に沿って考えると非常に理解しやすい話なのですが、考えて見ますとこの先進医療というもの自体も混合診療の抜け道として日医などが医療特区や外国人医師と並んで反対の立場を示してきたもので、先日の医薬品通販解禁で薬剤師会を敵に回し、今度は日医も敵に回しでは総理も大変ですよね。
もっとも独自候補を通すことも出来ない業界団体の意向ばかり気にしていたところで政治の実は挙げられないという考え方もあるわけですし、総理も高支持率を背景に改めるべきところは毅然と改めていくという姿勢を取ることもまた、既得権益というものに人一倍敏感な現代の世相にあった政治のあり方なのかも知れません。

首相 先進医療速やかに認定し範囲拡大(2013年6月5日NHK)

安倍総理大臣は経済の成長戦略に関する5日の演説で「先進医療」について速やかに認定を行い、範囲を拡大していく方針を打ち出しました。

日本の公的医療保険制度では、医療保険が適用される診療と適用されない診療を併せて行う、いわゆる「混合診療」は認められておらず、こうした診療が実施された場合、本来は保険が適用される診療分も含め、全体が自己負担となりますが、厚生労働大臣が個別に安全性や有効性を確認した「先進医療」については、例外的に「保険外併用療養」として、保険が適用される診療と組み合わせることが認められていて、去年までに、95の技術が認定されています。
5日の演説を受け、厚生労働省は、まずは、「先進医療」の認定への要望が多い、抗がん剤治療について、ことし秋をめどに、審査期間を短縮するための新たな仕組みを整備することにしています。
具体的には、専門の外部機関による評価機関を新たに設けるなどして、審査を効率化し、医療機関の申請から認定までの期間を、現在のおよそ半分のおおむね3か月程度を目指すなどとしています。
このほか、厚生労働省は再生医療や最新の医療機器についても、同じように審査を迅速化することを検討しています。

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2013年6月 6日 (木)

医薬品ネット通販 ほぼ全面解禁

すでにマスコミ等で大々的に報道されていますけれども、先の違憲判決を受けて一気にネット販売規制解除へ動き始めていた一般用医薬品販売の件が、いよいよ「ほぼ」全面解禁で決まったということです。

<薬のネット販売>市販薬99%超解禁 政府方針(2013年6月3日毎日新聞)

 ◇1類の一部のみ除外

 政府は2日、一般用医薬品のインターネット販売に関し、現在禁じている抗アレルギー剤や一部胃腸薬などの第1類と一部解熱鎮痛薬などの第2類のうち、副作用リスクが最も高いとされる第1類の一部を除く薬について認める方向で最終調整に入った。全面解禁は見送るものの、市販の一般用医薬品約1万1400品目の99%超に当たる。安倍晋三首相が5日に東京都内で成長戦略に関して行う講演で表明することを目指し、近く田村憲久厚生労働相や稲田朋美行政改革担当相ら関係4閣僚が協議する。

 市販薬は副作用リスクの高い順に▽第1類(約100品目)▽第2類(約8300品目)▽ビタミン剤などの第3類(約3000品目)--に分類されている。厚労省は1、2類について「薬剤師などによる対面販売が不可欠」としてネット販売を認めてこなかったが、規制を違法とした1月の最高裁判決や、政府の規制改革会議などの要請を受け、政府・与党で見直しを検討。最も品目が多い第2類は全て解禁し、第1類についても、かつては医師の判断でしか使用できなかった市販薬(スイッチOTC薬)をリスクごとに分類、特に危険度の高いものを除き、解禁する方向だ。

 医薬品のネット販売を巡っては、慎重派と解禁派の対立が解けず、厚労省の有識者会議は5月31日、両論併記の報告書をまとめている。自民党内では7月に参院選を控え、慎重派の日本薬剤師連盟や日本医師連盟の反発を押し切ることには慎重な意見が強い一方、規制改革を担当する稲田氏らは全面解禁に積極的。こうした情勢を踏まえ、高リスクの第1類の一部はネット販売の規制を続ける半面、大半の市販薬については認める方向となった。【佐藤丈一】

ちょうど先日所用でとある薬局チェーン店に行った折に一類医薬品を買う機会があったのですが、こちらでは対面販売と言っても本店の薬剤師とタブレットの画面を通じて話をするだけで、こういうシステムであれば別にネット販売と何ら変わるところがないなと改めて感じました。
規制緩和の重要性が言われているのは今に始まったことではありませんが、そもそも何故ネット販売を禁止するのかについてこの文明開化の時代に店頭に出向かなければならない積極的な理由が見当たらなかった、少なくとも司法も納得出来る説得力がある見解を打ち出せなかった以上はいずれこうなることは予想されていたところで、実際にはどのようにしてネット販売の安全性を担保するかが今後問われてくると思います。
すでに大手業者などではきちんと問診等を充実させていますし、場合によっては業界自主規制等に留まらずネット販売を行う業者に対する新たなルールを整備するということも考えられますが、少なくともネット販売は危険で対面販売なら安全という根拠も示せないまま既得権益的にネット販売全面禁止を続けるというのは無理があったと言うことですね。

規制維持派の中には「対面で始めて判ることがある。ネットではいくらでも嘘がつけるじゃないか」という声もあるようですが、それでは百歩譲って対面販売でなら薬剤師は顧客の嘘を見抜ける自信があるとして、見抜いた時に「あなた嘘をついてますね。それじゃこの薬はお売りできません」と面と向かって言える薬剤師がどれほどいるのかということも考えなければならないということでしょう。
もちろんネット販売は大手に有利なシステムで、長年地域のドラッグストアを運営してきた零細個人業者にとってはますます経営環境が悪化する要因ともなり得るはずですが、10年前の常識なども時に有害無益にしかならないほど日進月歩の医療業界に連なる以上、時代についていけないということはそもそも医療に携わる資格がないというのと同じことだと深刻に受け止めてもらわなければならないでしょうね。
日々新薬も出る、病気の治療法も変わると言った情報のアップデートをきちんと行えるという前提が成立しているからこそ正しい患者指導も出来るのは当然で、その大変さに比べればシステム的な変更などいくらでも対応出来て当たり前の範疇だというくらいの気持ちでやっていかなければ、今時どんな商売でも経営がうまくいくはずがないということです。

いささか話が脱線しましたけれども、今回の大筋合意で少し気になるのが全面解禁という表現をとっているメディアもある一方で、「ほぼ」全面解禁だとか「99%」解禁だとか微妙な表現をしているメディアもあるということです。
特定方面からあれだけ根強い反対意見が続いていた問題だけに様々な議論があったのでしょうが、どうも話としてはまず全面解禁にすべきだという筋論があった、それに対して裏技的な対応で実質全面解禁という形に落とし込んだということであったようですね。

<薬ネット販売>「全面解禁」せめぎ合い 新ルール検討(2013年6月5日毎日新聞)

 政府は4日、一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売を、副作用のリスクが高い一部を除いて解禁する方針を固めた。市販薬約1万1400品目のうち99%超のネット販売が認められることになる。医師の診断と処方が求められる医療用医薬品から市販薬に転用して間もない鼻炎用薬、解熱鎮痛薬などリスクが高いとされる25品目を中心に、解禁の例外として専門家が安全性を審査し直すなど新たなルールを検討する。

 安倍晋三首相が5日、成長戦略第3弾に関する演説で表明し、政府が14日に閣議決定する成長戦略に盛り込む。

 菅義偉官房長官、田村憲久厚生労働相、甘利明経済再生担当相、稲田朋美行政改革担当相が4日、首相官邸で協議し大筋合意した。

 これに関連し、首相は4日の参院経済産業委員会で「ネット販売を広く認めることで、店頭で購入できない消費者の利便性を高める」と強調。「安全性を確保できる新たなルールを早急に策定するよう尽力する」と理解を求めた。

 市販薬は、副作用リスクの高い順に1~3類に分類されており、厚労省は1、2類のネット販売を認めていない。しかし最高裁は1月の判決で、この規制を違法と判断。ネット販売が事実上「解禁」された状態になった。首相官邸は、これを規制改革の「目玉」作りにつなげようと、厚労省を押し切った

 4日の4閣僚会合では、残る1%未満の薬の扱いをめぐる結論を持ち越したが、妥協策として、ネット販売にふさわしいかどうか、厚労省が専門家による会議を設け、決めてもらう案が浮上。「全面解禁」をアピールしたい官邸としては、ネット販売に適さないと判断された市販薬を、医療用医薬品に分類してしまえば「結果的に市販薬を100%解禁した形にできる」(首相周辺)というわけだ。

 一方、自民党内に目立った反発は出ていない。ある厚労族議員は「首相はネット業者の言い分を聞いた。ネット販売の99%解禁に踏み切れば、参院選で日本薬剤師連盟は自民党のために動いてくれないだろう」と語るが、最高裁判決に加え、7月の参院選に向けて政府・与党が「一枚岩」であることを演出する必要もあり、不満の声は大きくなっていない。

 実際、自民党を支持してきた薬剤師連盟は2007年参院選で組織内候補が落選。10年は当選したものの今回は独自候補の擁立を見送っている。同党を支持してきた団体の弱体化が総じて進むなか、首相サイドが改革姿勢のアピールを優先したとの見方も出ている。

 ただ、ネット販売解禁と成長戦略を結び付ける首相の姿勢には、自民党だけでなく政府内にも懐疑的な声がある。内閣府幹部は「これは政治銘柄だ。農業や解雇ルールなど『岩盤規制』の改革を参院選後に先送りしたため、一つは成果が必要だった」と解説してみせた。【佐藤丈一、横田愛】

具体的に例外扱いとする薬品名はまだ明らかになっていませんが、そもそもせっかく誰でも買えるようになったと大々的に売り出した薬なのですから現状維持とは言え利用者の意識の上では一歩後退したような感覚も受けるところで、この辺りは一時的な例外措置にとどめるべきだし、また市販後の期間などでなくあくまでも予想されるリスクの高低によって例外にする医薬品を選定するべきですね。
それよりも「安全性を確保出来る新たなルールを早急に策定する」ことの方がよほど現実的な必要性が高いのは言うまでもないことで、怪しい通販業者による健康被害の実例を見ても無制限にどこの誰にでも通販を認めるのがいいのか悪いのかで、店頭販売の義務付けなどよりもきちんとした商売を行う通販業者の選別の方がよほど国民の健康に重大な影響がありそうです。
その一方で既存店も全く無風とはしないところで、そもそも店頭販売とは言っても単に薬剤師がいます、一類医薬品も買えますでほとんど問診もなにもなく右から左へレジを通している販売店も現実存在している以上、店頭販売だから安全ではなくきちんと安全対策をしていることを担保する義務は実店舗側にも通販同様に存在しているはずなんですね。
近い将来通販が一般化すると否応なく店頭販売のスタイルも変化していくことになると思いますが、業界団体としても通販と店頭販売の危険性比較が可能なデータを集め公表するなど、今後はきちんとしたエヴィデンスに基づいた議論をしかけていくことが必要なんじゃないかという気がします。

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2013年6月 5日 (水)

事故調議論の影で放置され続ける本当のリスク

保険会社のアドバイザーとして働く内科医の長野展久氏が、医療事故に関わった数多の経験からこういうことを書いていますけれどもご覧になりましたでしょうか。

医療事故のケースファイルから得られる教訓 「明日はわが身」というワクチン効果(2013年6月3日医学書院)より抜粋

 病気の診断や治療を通じて安全で安心な医療の担い手となる,それが私たち医師に期待される使命です。日本人の三大死因であるがんや心疾患,脳血管疾患をはじめとして,病気の軽重や難治度にかかわらず,思いやりのある優しい気持ちで診療に臨み,患者さんが病(やまい)を克服することができればベストでしょう。

 その一方で,どんなに医療技術が進歩しても,私たちの前には「不確実な医療」という現実が立ちはだかっています。最新の医学データを駆使して最適な医療を提供することはできても,その結果までは保証し切れません。もし期待外れな医療と向き合ったとき,患者さんはどのような気持ちになるのでしょうか。悲しみや怒り,抑うつやあきらめなど,さまざまな感情が錯綜して,場合によっては責任の所在を「白黒はっきりさせる」行動へと踏み切ります。

 これまで私は損害保険会社のアドバイザーとして,数多くの医療事故を見聞きしてきました。1990年代までは本当に患者さんが気の毒に思えるような医療事故も散見されましたが,患者取り違え事件(横浜市大)や消毒薬誤注射事件(都立広尾病院)などが相次いだ1999年以降,どの施設でも医療安全対策が優先課題となり,ヒヤリ・ハットの報告書が次々と上がるようになりました。そして電子カルテの普及や医療機器の開発により,薬剤の処方間違いや与薬ミス,経口薬や消毒薬の誤注射といった事例は激減し,「うっかり型」あるいは「能力欠落型」の医療事故は少なくなったように思います。

 しかし,こうして病院全体で医療事故を防ぐ「システム」が充実してきた一方,"To err is human"という医療安全の定型句が示すように「ヒト」の間違いをゼロにすることはできません。ましてや医療ミスとまではいかなくても,ちょっとした行き違いや説明不足,頑張ったつもりでも結果的には対応が遅れたといった,まさに不運としかいいようのない「不可抗力型」の医療事故は,日常診療でも頻繁に発生しています。その多くは真摯な対応で円満に解決するのですが,患者さんやそのご家族が納得できないと,やがて億単位の賠償金請求へ……とエスカレートする可能性を秘めています
(略)
医療事故の舞台裏を知ること

 医療事故を経験した医師の多くは,まさか自分が医療事故に巻き込まれるとは思いもしなかった,という正直な感想をもっています。ひとたび紛争へ発展すると,患者さんやそのご家族から罵詈雑言を浴びることもしばしばで,病院のなかでも孤立し,やがて抑うつ状態となって診療すらできなくなる,という深刻なケースもありました。

 ではどうすれば医療事故を未然に防ぐことができるのか? その手掛かりとして,過去の医療事故を「ワクチン」と考えてはいかがでしょうか。われわれの先輩・同僚たちがこれまでに遭遇した医療事故を「疑似体験」し,どのような場面で事故が発生し,どういうやりとりを経て解決へと至ったのか,その舞台裏までのぞいてみるのです。

 過去の医療事故は決して他人事ではなく,「明日はわが身」の"自分ごと"です。大動脈解離を見逃した症例を「知る」ことにより,胸痛患者の診断力が向上しますし,酩酊患者の神経疾患を診断できなかった症例を「聞く」ことが,診察時のバイアスを排除する有効な手段となるでしょう。私自身も普段の外来診察で,これまで見聞きした医療事故をいろいろな場面で思い出し,患者さんが納得できる医療となるように「説明」,「カルテ記載」することを心掛けています

 このように過去の医療事故を「ワクチン」として接種することが,将来遭遇するかもしれない医療事故への高い免疫力となります。その結果,間違いをゼロとは言わずとも,可能な限り減らすことに結び付き,患者・医師双方にとって望ましい医療につながる。私はそう考えています。

もちろんおっしゃる通り症例検討と同様に医療訴訟もまた医師として当たり前に過去の事例を参照し学習すべき基礎的知識のひとつではあるのですが、個人的に思うことには現代の日本の医療環境で過去の医学的・司法的教訓を十分に活かそうとすれば欧米先進国の2~3倍というあまりに多すぎる患者数を妥当な水準まで制限するということが欠かせないと思います。
暇な時間帯に現れた患者に十分な対応が出来ないというのであれば単に能力あるいは意志の欠如と批判されても仕方ないかも知れませんが、患者が行列を為して待っている中でどれかは地雷症例であるかも知れない、しかしそれを迅速確実に診断するリソースも時間も不足しているという状況で、何とかそこそこの折り合いをつけることを強要されているのが日本の医師であるということですよね。
そうであるならばそうした労働環境に医師を置くことを強いている組織として医師個人を守るという姿勢が欠かせませんが、外科学会の調査でも外科医の4人に3人が当直明けに手術に参加し、20%の医師が手術の質の低下を感じているなどという状況ですから、それは当事者自身が「手術の質が低下する」「医療事故につながる恐れを感じる」というのも当然というものでしょう。
先日は医療事故調の大きな枠組みがようやく決まったと言いながら医療側、司法側そして患者側といった関係各方面いずれもが不満を感じているようですが、そんなことを急ぐくらいならさっさと医師の勤務状況を改善した方がよほど医療安全に寄与するのではという声が出てくるのも仕方がないところかと思います。

Vol.129 事故原因調査は科学者の仕事、事故発生予防こそ行政の仕事(2013年5月29日医療ガバナンス学会)

~厚労省は、拙速な医療事故調設立よりも、医師の勤務時間規制を急ぐべきである~

一般社団法人全国医師連盟会員
医療法人社団凰林会 四街道さくら病院 医員
内科医 元岡 和彦
2013年5月29日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

厚労省が医療事故案をとりまとめようとされているらしい。最終案の内容が不明であるが、報道されている情報を見る限り、私は、現段階でのとりまとめに反対 である。WHOガイドラインに反すること、また、本来は医療分野だけで無く一般的な業務上過失致死傷罪についての検討と併せて議論すべきであることなど は、他に多くから指摘されている(参考1、2)ことであるから、今回はそれは省く。
(略)
1.事故調論議について、現場の医師に伝わる体制になっていない。

日本医師会は全ての医師が所属する組織では無く、また、私が昨年の春まで日本医師会員であったときの経験からして、医師会員ですら事故調論議について充分な情報提供を受けているとは思えない。
厚労省は、インフルエンザをはじめとする感染症情報、薬剤副作用情報などについては、希望する医師に適宜こまめにメールなどで情報提供してくださっているが、事故調論議についてはそのような仕組みは無い。
現場の医師、特に急性期病院で働く医師ならば、所属学会からの主な情報には目を通していると思われるが、例えば外科学会が厚労省に医療事故調について要望を出した(
http://www.m3.com/iryoIshin/article/172003/)ことを、外科学会員のどれだけが知っているのだろうか?。
私は、自身が所属する日本内科学会・日本循環器学会のホームページを読み直してみたが、厚労省からの事故調論議についての情報は見当たらなかった。

2. 事故原因調査は科学者の仕事である。かつての原子力安全・保安院のように、医療安全の確保の全てについて責任を持つような組織を、ひとつの省だけでつくれるとは思えない。

広範な医学者・臨床医・周辺分野の科学者の協力を得た原因調査の自主的な仕組み・組織が様々につくられ、また、医師の自律的機関の創設もされることで、再発予防に役立つ原因調査が進むと考える。

3. 外科医の4人に3人が病院に泊まり込む当直明けの日に手術に参加し、このうちのおよそ20%の医師が手術の質の低下を感じているという日本外科学会の調査 結果が発表された(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130526/k10014853561000.html)。

国連は、長時間労働などが原因の過労死・過労自殺について日本政府に「懸念」を示した上で、立法措置を含む新たな対策を講じるよう勧告した (http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/130523 /wec13052313100003-n1.htm)。
国土交通省は、長時間の就労について、労基法とは別に、基準を定めたりマニュアルをつくったり、安全上支障のある事態についての注意を行っている(参考3、4、5、6)。
厚労省は、何故、医師の長時間勤務についての規制を行わないのだろうか?。
医療事故発生予防について、まず取り組むべきはこちらであると考える。
(略)

今さら「日本の医療現場は医療従事者の聖職者さながらの自己犠牲によって成立している」などというご大層な言葉を引用するまでもなく、いつでもどこでもご自由に病院にいらしてください、軽い症状のように見えても実は重い病気が隠されているかも知れませんよ、などと日医が揉み手で営業活動をしていたような時代はすでに過去のものであって、今や増え続ける医療需要とどう折り合いをつけるかが問われる時代です。
誰だって徹夜仕事をした担当医に一世一代の大手術をやってもらいたくないと思うのですから、それならば医療事故リスク低減にしろ顧客満足度向上にしろ大いに寄与する医療従事者の労働環境こそ最優先で改善すべきだし、経営者にそれが出来ないのであれば法的に何とかしましょうねというのが一般的な社会の流れであるのに、一人もっとも人の生死に深く関わる医療業界だけが蚊帳の外というのもおかしな話ですよね。
当事者である医療関係者側にももちろん問題はあって、苦労自慢の奴隷根性が未だに一定の支持を集めているというのはそこにどれだけのエヴィデンスがあるのかという話ですし、経営者側の立場にある日病協なども「医療クラーク加算の拡大を」などとぬるいことを言っていないで、過酷な違法労働を強いる施設には自主的にペナルティーを課しますくらいのことは言うべきでしょう。
いくら事故調で教訓を拾い上げたところで、それを実行に移せる環境にないのであれば絵に描いた餅どころか、「すでに事故調ではこういう結論が出ているのに何も改善されていないとは何事か!」といたずらに現場の訴訟リスクを増やすだけになってしまうかも知れないということを、当事者である医師自身がもう少し深刻に考えるべきではないでしょうか。

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2013年6月 4日 (火)

高齢者急増 様々な面で医療も介護も待ったなし

どこの業界でも顧客のモンスター化が叫ばれているのは今さらの話ではありませんが、本来社会的弱者として扱われてきたはずがいつの間にかモンスターに育っていた、などという話が聞こえてくるのがこちら介護業界のトラブルの話題です。

暴走化・トンデモ化する介護トラブル(2013年5月25日日経メディカル)

 医療トラブルのように深刻なケースは比較的少ないものの、介護トラブルもまた、トンデモ化や暴走化が進んでいるようです。

 『日経ヘルスケア』では今年3月、全国のケアマネジャーを対象に、介護保険サービスの利用者やその家族からのクレームや迷惑行為の実態についてアンケートを実施。「利用者や家族からクレームや迷惑行為を受けたことがある」との回答は4割に上りました(Q1)。

 クレームの代表例は、「スタッフの接遇・態度」(70.5%)、「サービス内容や質(転倒、誤嚥などを含む)」(50%)に関するもの。一方、迷惑行為として最も多かったのは、「過剰な(非現実的な)サービスの要求」(31.8%)。「お金を払っているのだから要求に応えるのは当然だと言い、特別扱いを迫られる」といったコメントも多数寄せられ、保険サービスへの利用者・家族の無理解に苦しめられる現場の姿が、浮かび上がる結果となりました(Q2)。

 では、アンケートや取材で明らかになった、事業者を悩ます介護トラブルの一端をご紹介しましょう。

長女と次女・三女の対立に巻き込まれ…

 介護保険外のサービスを求めてくる利用者やその家族は、決して少数ではありません。

「今日は帰りが遅くなりそうだから、私たちの食事も作っておいて
「飼っている猫の爪を切ってほしい

 訪問ヘルパーは家政婦ではないのですが…。利用者宅で1人でサービスに従事するため、不適切なサービスの強要に抗しにくい面もあるようです。

 また、利用者・家族からの迷惑行為も様々です。

他の利用者をやめさせろ」といった無茶な要求を次々出してくる。
職員の名前が気に入らない」と言い、担当ケアマネを変更させた。
訪問日にはなぜかいつも利用者の息子がいて、手伝うふりして体に触ってくる

 このほか、家族トラブルに巻き込まれるケースも結構あるようで、高齢者住宅に入居した男性の長女から「次女・三女は面会禁止にして」と言われ、次女・三女からは「父親に会わせないとは何様のつもり?」と激昂され、板挟みになって苦慮したエピソードも寄せられました。

 このほかで多いのが、物品破損や金銭紛失に関するトラブル。

「ヘルパーが来るたびに大金がなくなる
「雑な扱いで掃除機を壊された

 こうしたクレームが典型例です。責任の所在がはっきりとせず、介護スタッフ側の非が明らかでなくとも、面倒になるのを避けるために補償してしまうケースは珍しくないようです。特に、利用者側に認知症の兆候がある場合は、対応に難しさが伴います。

208万円の損害賠償を認めた判例も

 より深刻度の高い介護事故に関しては、事業者側にとって厳しい判決が多いのが最近の傾向です。リスク対策に注力していても、事故の事実があれば「結果責任」を問われ、「安全配慮義務違反」に基づく「債務不履行」を認める判決が増えているのです。2012年3月には東京地裁で、介護老人保健施設での転倒事故に関し、施設側に転倒回避義務違反による債務不履行を認め、約208万円の支払いを命じた判決が下りました。

 また、介護事故にまでは至らなくとも、利用者の病状や要介護度の進行が、加齢に伴う自然なものであっても、トラブルの火種になってしまうケースも少なくありません。

無防備な介護事業者 「対策を講じていない」が6割

 今回の調査で、「クレームや迷惑行為が増えている」との回答は3割に上りました。また、その特徴として、要求度が高く、かつ、収束が難しいと感じている事業者は少なくありません。その背景として指摘されるのが、(1)利用者やその家族の権利意識の高まり、(2)事業者数の増加、(3)自立支援へのシフト―です。

 事業者数の増加により、利用者や家族の立場は以前に比べて強くなっています。今、利用者の子世代に当たり、消費者意識が強い団塊の世代が主たるサービス利用者になるころには、「評価の眼はますます厳しくなる」との声も聞かれます。

 国の方針に沿って、従来の「お世話型介護」から「自立支援」にケアの方針を転換する事業者が増えているのもリスク要因といえます。従来型のケアを望む利用者からはともすれば、「サービスが悪くなった」と受け止められかねず、また、過剰なケアを控えるとなれば、サービス提供中の転倒事故などのリスクも高まります。

 にもかかわらず、事業者側のトラブル対策は進んでいないのが現状です。今回のアンケートでも、トラブル対策は「未整備」との回答が6割にも上りました。

医療業界では近年かなり訴訟対策が進んできましたが、介護の場合システム的な対策の不備はもちろんのこと、離職率が高いこともあって具体的なノウハウが継承されていないという側面もあるのかも知れませんね。
基本的には介護も医療と同じく今のところまだ売り手市場のはずですから、サービスがお気に召さなければ他所に回っていただくということもありだと思いますが、一方で必ずしも利益率が高いわけでもなく新規参入も増えていることから、少々の無理であれば聞いてしまうという事情もあるのかも知れません。
もちろん「患者様は弱者である」と勘違いした認識がモンスターを育てた医療同様、利用者に対する過度の配慮が間違った顧客意識を育てたということもあるはずで、このあたりは医療と同様需要に対して何よりスタッフの供給が少ないということであれば、これも医療と同様介護業者間でのスタッフ確保競争の一環として業務内容も待遇改善を目的に整理されていくことになるのでしょうか。
ともかくも厚労省の調査でも65歳以上の高齢者のうち認知症患者は15%、462万人、その前段階の軽度認知障害も400万人に上るとも言われ、もちろん身体的疾患も含めれば病気を持っていない老人の方が稀であると言っていい状況ですから、今後医療・介護需要は当分増える一方であり、それに伴い国民皆保険制度を標榜する日本の医療支出はまだまだ増加傾向が続くことは確実視されています。

先日は健保組合の代表から厚労省に高齢者医療への公費投入を拡充するとともに、消費税造精分を医療費に使うようにという要望が出されたようですが、長年続く高齢者医療費自己負担の優遇是正などとも併せて早急に改めるべきは改めないと、今後団塊世代が高齢者として社会保障を消費する側に入ってくると大変なことになりますよね。
興味深いことに先日アメリカから高齢者向け医療保険(メディケア)の財政状況がやや改善し、基金が財源不足に陥るのが従来予測より2年ほど先伸ばされる見込みだというニュースがありましたが、この背景としてオバマ大統領による「オバマケア」下での支出抑制策が奏功したことが挙げられています。
ご存知のようにアメリカの医療費は日本と比べて非常に割高で、このまま皆保険制度を導入したのでは財政負担も保険料も大変なことになるのは明白ですから、当然ながら何かしらの支払い抑制策を講じなければならないのですが、そのひとつが地域医療機関による組織The accountable care organization (ACO)で、特に高齢者に対するかかりつけ医の機能を発揮することが期待されています。

日本でも昨今メタボだなんだとうるさいのと同様こちらも入院になるような重症化を防ぐというのももちろんですが、おもしろいのは医療の質向上などで医療費を抑制できればメディケアの運営組織CMS(Centers for Medicare & Medicaid Services)から減らしたコストの一部を報酬として受け取れるということでしょうか。
今後は報酬支払いも日本のような出来高制から、イギリスの家庭医などと同じく地域内の住民数による定額性人頭払いに徐々に移行していく予定だと言うことでますます医療費抑制効果が期待されるわけですが、おもしろいのはアメリカの医師に聞いてみるとおよそ2/3ほどは「コスト削減は期待出来ない」「医療の質は向上しない」「医師の裁量権を縮小する」と否定的であるというのはまあ予想通りですよね。
その一方で半数の医師が「オバマケアで医療アクセスは改善される」と答えていて、無保険者も少なくなく治療内容の制限の厳しかった民間保険時代に比べると皆保険制度によるメリットも一定程度期待されていることが判りますが、逆にもともと皆保険制度もあり老人医療に手厚かった日本ではこうしたアクセスの改善は今さら期待出来るというものでもなさそうです。
日本の場合はすでに急性期病院を中心に定額払い方式で医療費抑制を図っていますが、逆に言えば町の開業医などは相変わらず出来高払いで無駄な医療をすればするほど患者受けもいいし儲かるというシステムになっているわけですから、恐らく次の一手としては身近な中小医療機関を「より妥当な医療を行う方向」に(より安上がりな方向に、とはさすがに言わないでしょう)誘導することになるのでしょうか。

いささか脱線しますと近年盛んに総合診療ということが推奨されジェネラリストが非常に持ち上げられている、一方で新専門医制度下では基幹施設でバリバリやっている先生でなければ専門医資格は取れないし更新も出来ないと予想されていますから、恐らく近い将来非専門医を中心に総合診療へ移行していくことが期待されるようになるんじゃないかと言う気がします。
基本的には医師全てが何らかの専門性を持つべきだ、しかしいわゆる旧来の専門医的な資格は基幹病院にいる医者だけで十分となれば、そこらの大多数の町医者としては地道な日常診療でも維持出来る総合診療医資格でも取らないことには診療報酬の割り増しも受けられず経営が立ち行かない、ということになる可能性もあるかも知れませんね。
スペシャリストとジェネラリストは本来上下の関係ではなく対等な関係であるべきだと思うのですが、医師管理に都合が良いからと全員に何かしらの資格取得を義務づけるような形になってしまうと、かえってそこに新たな上下関係が出来上がってしまうような気がしないでもありません。

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2013年6月 3日 (月)

国策によるジェネリック推進 「安いから」だけでいいんですか?

後発医薬品(ジェネリックあるいはゾロ)の使用促進が言われてすでに久しいところですが、実際のところどのくらいの費用削減効果があるのかと疑問を呈した記事が出はじめているようです。

【社説】GE薬の医療費削減効果検証を(2013年5月31日薬事新報)

 4月5日に厚生労働省が公表した「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」。この冒頭で、使用促進の必要性として、患者負担の軽減や医療保険の改善、さらには医療費資源の有効活用を図ることで、国民医療を守ることを挙げている

 昨年度末までの目標値だったジェネリック薬(GE薬)「数量シェア30%」は全ての医療用医薬品を分母としていたのに対し、今回のロードマップでは長期収載品とGE薬を含めたGE薬に置き換え可能な医薬品を分母とし、2018年3月末までの数値目標として60%達成を掲げていることが新たな特徴でもある。これは5年間で約1・5倍増を目指すことになるため、現在の普及状況を踏まえても高い目標値となる。

 併せて、業界団体に対してもGE薬供給ガイドラインの策定や、全てのGEメーカーに対する「安定供給マニュアル」の作成を課した。具体的には安定供給では品切れ状況の把握のため医療機関や保険薬局にモニタリング調査を行い公表する。GEメーカーに対しては、原薬調達や供給能力に関する計画作成を求めるほか、15年度中の品切れ品目ゼロを掲げる。GEメーカー側に対し、従来以上に、「安定供給」「品質に対する信頼性の確保」「情報提供」などの拡充を求めている格好だ。

 ただ、こうした国を挙げてGE薬使用促進策を打ち出すという方針とは別に、考慮すべき点がある。07年10月に策定し、昨年度末までの目標値を設定して取り組んできた「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」の検証だ。数量シェア30%という数値目標の未達の要因、さらには過去5年間の使用促進による対医療費削減効果については明確な検証結果は報告されていない

 この5年間、診療報酬上の様々なインセンティブを付与することで、医療関係者によるGE薬使用は進んできた。また、多くの薬学関連学会などでは、医療機関や薬局におけるGE薬の導入に伴う薬剤費削減効果なるものは報告されている。ただ、あくまで個々の施設における現状の話にしか過ぎない

 これまでのところ、国はもちろん都道府県レベルでも、GE薬数量シェアの進捗状況は大きくクローズアップされ公表されているが、GE薬使用が、医療保険財源の抑制効果にどの程度寄与したのかといった具体的な金額は示されていない

 GE薬市場に限って言えば、大手と呼ばれるGE専業メーカー各社は、これまでの使用促進が負い風となり、ここ数年間は、ほぼ増収基調で推移。今期には連結売上高1000億円を達成する企業も登場しそうな勢いにあるなど順調に拡大しているといえる。

 17年度末までの数量シェア60%を目標値として掲げ、その附帯の取り組みとしてGE薬の製配販をより盤石なものとする意味では意義あることだ。と同時に今後は、GE薬使用に伴う対医療保険財源軽減効果の現状報告が待たれるところだ。

しかし医師の処方変更が進まない原因のひとつである「ゾロはいつ供給が止まるか判らない」という不安に対して安定供給を推進させるなど、一通りの対策を講じてはいることからもジェネリック使用率はそれなりに上がってきているようですが、国が求めるような欧米諸国並みという水準に至らない理由としては幾つかが挙げられると思います。
一番の理由としてはジェネリックを出したとしてその処方を出した医師には何らのメリットもないということで、もちろん診療報酬上の手当はいくらか行われていますけれどもそれは勤務医などにとっては勤務先の儲けであって自分の儲けではなく、思いがけない副作用出現や薬効変化といった処方変更に伴うデメリットに比べてメリットが特にないわけですよね。
勤務先の病院側にしても最近では薬価引き下げと院外処方化でかつてのような薬価差で儲ける時代ではなくなっていますが、そうはいっても患者側も保険者からジェネリックへの変更を求められる事も多く、もちろん支払いも多少なりとも安くなりますからどうでもいい薬に関して処方変更を求められて断る医師も少ないとは思いますが、わざわざ進んで処方変更をさせるにはもう一押しが必要ではないかという気がします。
それ以前に本当に国が「同じ成分同じ効果」と考えているのであれば公定価格の保険診療においてメーカーによって値段が違っているということがそもそもおかしな話なのであって、特許切れした時点で先発品も後発品も全て妥当な新薬価を設定するなりして統一価格にすれば別に面倒くさいことなど何もないはずなのですが、そうしないのは本音の部分ではまた違うということなのでしょうか?

いささか脱線しましたけれども、記事中にもありますようにジェネリックのシェアが向上していることで医療費抑制にどの程度貢献しているのかを考える上で実際にどの程度薬剤費がかかっているのかが問題になるはずですが、どうも国はジェネリックの比率ばかりを気にして実際に薬剤費が安くなったのはどの程度かということはあまり気にしていないようなんですね。
医療費支出中に占める薬剤費の割合がおおむね20%強だと言いますけれどもこれは包括払い(薬剤費も含めて全部まるめ)の分を含まない数字で、実際にはそれよりもやや多く25%~27%くらいだと言う試算があるようで、金額にすると医療費36兆円の中の9兆円程度が薬剤費ということになりますが、実際にはこれに薬局での調剤に支払う技術料が1.7兆円ほど加わることになります。
ジェネリックの値段が先発品の30~70%くらいと言いますから単純に半額として計算すると、国の言うように全体の3割をジェネリックに置き換えると約1.4兆円程度が節約出来るということになりますけれども、実際にはジェネリック加算などで薬局への技術料分が増えているはずですから実質的には1兆円強くらいになるのでしょうか。
もちろん1兆円と言えば小さくない金額なのは事実ですが、日本の場合飲みきれないほどの薬をもらって捨てられる薬剤もかなり多いという事情を考えると出す薬そのものを減らして薬剤費を圧縮する方向へ持っていた方がより効率的かつ医学的にも有意義なのかも知れず、実際に担当地区内の住民数によって報酬が決まっているイギリスの家庭医システムでは薬剤費そのものが極めて低く抑えられ、国民の医療満足度も非常に高いことが知られていますよね。
別にイギリス式の医療が素晴らしいなどと日本の大多数の医師は考えもしていないでしょうけれども、医師側としては別に多く出す分には損はないのだし万一に備えてと過剰に処方する傾向がある中で、財政のみならず医学的妥当性の面からももう少し違うアプローチはないのか、ジェネリック推進は単なる医療費削減だけに使って終わりなのかと考えて見るとこんな記事も気になってきます。

◆トレンドビュー◎高齢者に優しい後発医薬品 製剤の工夫で差別化図る後発品が次々登場(2013年5月31日日経メディカル)より抜粋

 小さな錠剤に商品名を印字する、口腔内崩壊(OD)錠化や小型化で飲みやすくする──。昨今、後発医薬品(以下、後発品)の使用増加に伴って、患者や医療従事者が扱いやすい製剤が増えてきたことを、ご存じだろうか。

 10年ほど前から後発品の調査や使用推進に携わっている横浜市立大病院薬剤部担当係長の小池博文氏は、「価格が安いだけではなく、利便性を向上させた後発品が増えてきた」と指摘する。

 最近は、後発品メーカーの間だけでなく、先発医薬品(以下、先発品)メーカーと後発品メーカーの間でも、良い意味での競争が起きているという。小池氏は、「以前なら、新薬の発売後に製剤が改良されることは少なかったが、今は後発品というライバルの出現で、先発品でも製剤の改良が進んでいる」と話す。
(略)
 一方、後発品メーカーが、既存の薬剤にない規格を発売することもある。例えば、プレドハン錠2.5mg(ニプロファーマ)は、プレドニン錠5mgの半量規格として2003年に発売された。

 横浜市大病院薬剤部医療安全管理室担当の後藤洋仁氏は、「2.5mg錠が登場する前は、プレドニン錠5mgが半量処方されると、固い錠剤を潰し、半量を測って調剤していた。手間と時間が掛かる上、製剤のロスが生じるのが難点だった」と話す。初めから半量の製剤があれば、このような問題は回避することができる。

 北村氏は、「後発品の開発は、低価格を維持するため投資コストを抑えながら、先発品との生物学的同等性などを維持しつつ、いかに製剤改良を加えるかが醍醐味」と話す。ただ、そうした工夫を施した後発品があっても、医師には情報がなかなか行き渡っていないのが現状だ。沢井製薬戦略企画部広報グループの長澤彰子氏は、「後発品メーカーはMRが少ないのがネックだが、これからはMR、自社ホームページなどを使って、医師にも積極的に後発品の情報を提供していきたい」と話している。

小児や高齢者などで錠剤が飲めないからと粉砕処方しようとすると「それでは薬効が変わってしまう」と薬局から待ったがかかるという経験をした先生も少なくないでしょうが、後発品が先発品と同じものであるという国の描いた絵空事から離れ、むしろ違うものだということを追求していくことによって単に安いだけというものではない独自の価値が出てきたということですね。
もちろん先発品メーカーも同じように改良を進めているのでしょうが、単に薬の剤形を変更しただけでも吸収や薬効が以前と同じであることを証明しなければならないのですから、どうせ同じような手間が必要なら最初から新しい形で出してくる後発品メーカーにバリエーション展開は任せて自分たちは変わらないことに重点をおいた方が効率的という考えもあるでしょう。
管理人自身は別に熱心なジェネリック否定論者でもありませんが、先発品もジェネリックも同じものであると国が主張するからこそ多くの医師から「いや違うだろ実際」とツッコミが入っているのは事実であって、その違うということ自体に積極的な意味が見いだせるのであれば先発品優先で処方している医師からも「それならこういう時にはジェネリックの方がいいね」と考える人も出てくるはずですよね。
そう考えるとジェネリック普及推進で本当に改めるべきなのは単に医師も医療経済学に目覚めよといった話ではなく、医学的根拠に乏しい医師の処方行動や利用者本位の薬剤開発といった部分であるべきなのでしょうが、残念ながら「同じ成分同じ薬」という国の宣伝こそが今やジェネリック普及にとって一番の逆風になっている気がしないでもありません。

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2013年6月 2日 (日)

今日のぐり:「ステーキガスト 岡山下中野店」

先日はこういう記事が出ていたのですが、似ていると言えば似ている…のですかねえ…?

【雰囲気】えっ?やかんがヒトラーにそっくり(2013年5月29日日刊テラフォー)

アメリカ・ロサンゼルスで新しく発売されたやかんが、ナチス指導者のヒトラーに似ていると論争を巻き起こしている。

「やかんがヒトラーに似ている」とは一体どういうことか?
話題になっているJ.C.Penney社が新しく発売したやかん『Michael Graves Design Bells』と『Whistles Stainless Steel Tea Kettle』を見てみると、確かに均一なカーブを保っていない少し特徴的なやかんの取手部分がヒトラーの七三の髪型、上を向いた注ぎ口が「ハイルヒトラー!」とナチス式敬礼をしているように、見えなくもない。
だがもちろん、発売元がそんなことを意図しているはずもなく、どちらのやかんも価格40ドルで普通に売られていたのだが、一人がやかんの写真をTwitterにアップして、つぶやいたことがきっかけで、大論争へと発展した。

『J.C.Penney社のやかんを見るたびに、ヒトラーを連想させられる。マジで、このやかんはヒトラーそっくり!』
『J.C.Penney社のやかんは、お断り。ヒトラーのやかんなんて、絶対欲しいと思わない。』
『私は昨日、このやかんを見たけど、ボーイフレンドに頭がおかしいって言われた。でも、このやかんがヒトラーに見えるのは私だけじゃないって分かって、今はホッとしています。』

など、Twitterや様々なSNSに“ヒトラーのやかん”について投稿されている。
もちろん、

『私は毎日このやかんの看板広告を見ているが、ヒトラーになんかまったく見えないし、そんなこと考えたこともない。』

という意見も見られる。
やかんにまで影響力を及ぼすとは、ヒトラーの征服欲は半端ない。

リンク先の画像を見ていただきますと、言われてみればまあそう言う風に見えないこともないかな…とは思いますけれどもね。
本日は今や絶讚売り切れ中の大人気という問題のやかんに敬意を表して、世界中から似ていると言えば似ている?と言う類似性を感じさせるニュースを紹介してみましょう。

もうやだこの国・・・電車内にリアルのび太が登場し話題に(2013年4月15日秒刊サンデー)

以前も話題になりましたが、あらたな「リアルのび太」が登場し話題になっております。こちらののび太は服装はもちろん、メガネやランドセルといったアクセサリーに至るまであらゆるパーツにおいてアニメののび太を再現している。周囲にドラえもんはいないようだが、果たしてこれはどのような意図でコスプレをしているのだろうか。

写真を見ていただけると分かる通り服装、メガネ、ランドセルといったあらゆるーパーツにおいてのび太というキャラクターの再現性を高めているだけでなく、タケコプターまで装備するという徹底ぶり。ただ、タケコプターを装着しているにもかかわらず、電車にのるというのはいかがなものかという意見もあるが、それにしても以前ネットで話題になった「地下鉄ののび太」に比べ飛躍的に再現性が高くクオリティも高い。

山手線に『リアルのび太が現れた』と話題に

それにしてもこののび太のコスプレに周囲は全くお咎め無しのようで、まったくもって自然に溶け込んでいるのは素晴らしい。お咎め無しと言うよりもむしろ関わりたくはないという可能性も高いが、ネットではこののび太に多くのユーザが評価をしている。

ーTwitterの反応

・嘘だろ?!((((;゚Д゚)))))))
・うおー
・タケコプターあるなら電車に乗る必要性が・・・
・日本て素敵♡
・タケコプターつけとるがな
・もうやだこの国
・うわぁぁぁぁl
・この人加瀬亮ににてるんだよなあ
・タケコプター装備済
・かわいくて悶える

いつかドラえもん・ジャイアンなどのキャラクターとも共演し平成を装いながら地下鉄を利用していただきたいものだ。

元記事の写真に現れているように狙いすぎと言う声もありますけれども、しかし周囲の人々もリアクションに困ったのでしょうか、あえて視線をそらせているようにも思えますね。
同じく日本初の超有名キャラと言えばあのゲームのあれですけれども、それがなんと実在していたという驚くべきニュースが飛び込んできました。

リアルピカチュウは猫だった?とりあえずゲットだぜ!(2013年5月30日カラパイア)

 ポケモンマスターを名乗るからには、長年のセンター的立ち位置をキープしていたピカチュウをゲットしないことにははじまらない。というわけで2人のおにいさんが向かった先はトキワの森、じゃなくって近所の空き地だった。

 そしてとうとうリアルピカチュウをゲットすることになるのだが・・・

The Hunt for Pikachu

 リアルピカチュウはどうやら猫だったらしい。とりあえず技が出せるようなので本物には間違いがないみたいだ?

いやまあね…確かに必殺技はすごいですけど、ピカチュウってネズミじゃないの?などと野暮なツッコミをしてしまうのもいけないことなのでしょうか…
本来似せる意図もないものが思いの外似てしまうということはままあることですが、こちらどうやら観光名所にまでなってしまったという話題のものを紹介しましょう。

ニワトリの顔そっくり…フロリダの教会が「かわいらしい」とファンクラブまで作られる(2013年4月13日らばQ)

アメリカ・フロリダ州タンパベイの海辺にある教会は、ある特徴によって観光客が多く訪れるスポットとなっているそうです。

そのある特徴とは……ニワトリの顔に似ていること。

そのかわいらしさからネット上にファンクラブまで作られたと言う、ユニークな建物をご覧ください。
(略)
このかわいらしいチキンフェイス(アングリーバードに似ているとの意見もあり)がインターネット上で広まり、予想外の人気観光スポットとなっているようですが、教会の牧師さんは観光目的の写真撮影を推奨しているとのことです。

陽気なフロリダの海辺でこんなかわいらしい建物を見かけたら、余計に気分が明るくなりそうですね。

ニワトリと言うのか不思議な生物というのかは何とも言いかねますけれども、妙に愛嬌があるのは確かなようです。
こちら似てしまってはいけないものが似てしまい大変なことになったというニュースを紹介してみましょう。

靴から放屁似の音、デート失敗…販売店に慰謝料請求=中国(2013年5月21日サーチナ)

  中国の武漢市江夏区に住む男性が、買ったばかりの靴から放屁のような音がしてデートが台無しになったとして、靴の販売店に対して返品と慰謝料を請求した。行政当局が仲裁して、店は靴の中敷きの交換と見舞金を支払うことで結着した。中国新聞社が報じた。

  男性の名は楊さん。29歳になるが、これまで恋人ができなかった。そこで職場の同僚に女性を紹介してもらった。「結婚も視野」として初デートに臨むことになったという。

  中国では「男は足元、女は容貌」と、男性は靴などのおしゃれに気を使うべきとの言い方がある。楊さんは相手女性によいイメージを持ってもらおうと、デートに備えて新品の靴を買うことにした。訪れた靴屋で、店員が「通気性があり健康にもよい」と勧める革靴を購入したという。

  デートは順調だった。武漢市内でも有名な行楽スポットである譚〓培公園に行き、遊んだ。楊さんだけでなく、女性も十分に楽んだ。(〓は「品」の「口」を「金」に変える)

  ところが帰りのバスの中で思わぬ事態が発生した。靴から時おり「プー、パー」という音が響いてきた。まるで放屁のような音で、周囲の乗客はふたりを避けて移動した。楊さんに「公共の場所での礼儀を知らないのかね」と注意する乗客もいたという。

  楊さんは女性に「屁ではありません。靴から出てくる音です」と説明しようとしたが、しどろもどろになってしまった。女性は顔を赤らめ、最後には逃げて行ってしまった。

  楊さんは、「人前で濡れ衣を着せられた。結婚にも失敗した」と激怒して、靴を販売した店に怒鳴り込んだ。楊さんは返品と慰謝料を請求したが、店側は「靴の履き方が悪い」として拒絶した。

  おさまらない楊さんは、消費者のクレームを処理する行政の商工部門に訴えた。商工部門の担当者が靴販売店に足を運んだ。店側は、靴が製造品規格に合格しているとの証明書を示した。

  「異音の発生」について尋ねたところ、店側は通気機能を持たせるために中敷きに小さな穴を開けており、化学繊維の靴下を履いていた場合、静電気の関係で靴下が中敷きにへばりつき、空気の流れにともない異音が発生する場合があると説明。木綿の靴下なら、異音が発生することはないと付け加えた。

  商工部門の担当者は「店側には、販売時に使用上の注意を詳細に説明しなかった落ち度がある」と判断。店側が楊さんに謝罪するとともに見舞金を支払い、靴の中敷きを交換することを提案した。楊さんと店は、商工部門担当者の意見に従うことにした。
(略)

まあしかしお気の毒としか言いようがないトラブルですが、大事なときにははき慣れた靴を履いていくのがよろしいですな。
似ていると言えば似ているし、似て異なると言えば異なっているという、いささか強引なこちらのニュースを紹介してみましょう。

そこらへんにあるものでとりあえず間に合わせてみました画像40選(2013年4月8日Pouch)

人生において、ふいにやってくるピンチ。そんなとき必要なものがすべて手元に揃っている、なんてことはまずあり得ないと思ってよいでしょう。

海外サイト『AcidCow』には、そんな緊急事態に陥ってしまった人々がおこなった応急処置アイデアがてんこもり。人間、なきゃないでどうにかしてしまうものなのだな……としみじみ感じずにはいられない、大胆不敵な対処法が満載です。

「今この瞬間だけ役に立ってくれればよい」という程度の処置や、「もうこのまま貫き通してしまえ!」という上級者レベルの処置。しかし皆それぞれに共通しているのは、「振りきった思い切り」。ホントね、もうこのひと言に尽きます、ハイ。

身近にあるものが、いざというときあなたのピンチを救ってくれる。いつか来るその日のために、ご紹介するアイデアの数々を記憶の片隅に留めておいていただければ幸いです。
(略)

リンク先の画像から判断する限り、肯定的に考えるとよく思いついたというアイデアが多いのですけれども、なんでしょうねこの猛烈なやっつけぶりは。
最後に取り上げますのは思いがけないところで現実となった他人のそら似というものなんですが、まずは記事から紹介しましょう。

絵に描いた“理想の夫”と結婚、そっくりの男性が人生の伴侶に。(2013年5月28日ナリナリドットコム)

あるアマチュアの女性画家が独身の頃、“理想の夫”を思い描いて一枚の油絵を制作しました。そして数年後、彼女の人生の伴侶となったのは、まさにその絵にそっくりの男性だったそうです。

英紙デイリー・メールなどによると、英国出身のクロエ・マーヨさん(31歳)は、2009年のある日、「引っ越してきたばかりの家の中を、ちょっと明るくデコレーションしようと思って」と、油絵を制作することにしました。そして、マーヨさんは「夜空の下で寄り添うカップルの絵」というアイデアで絵を完成させます。そこには赤いドレスを着た女性と、ひげを生やしたダークヘアの男性が寄り添っている様子が描かれていました。

しかし、マーヨさん。完成させた絵を飾ることはせずリビングルームの一角に置いたまま、しばらくはその存在を忘れていたそう。そしてその後、オンラインの出会いサイトで知り合ったという、マイケル・ゴーマンさん(30歳)とお付き合いを始めたときも、最初は絵を意識することはなかったそうです。

ところが、何回かのデートを重ねるうち、マーヨさんは突然「あら? 彼ってあのときの絵の中の男性とそっくりじゃない!?」と気が付きました。

家に帰って絵の中の男性をまじまじと見つめたマーヨさん。本当にそっくりで、最初はとても奇妙に感じたそうです。そのため、この絵をゴーマンさんに見せたら彼も奇妙に思うのではないか……と心配し、しばらくは絵がゴーマンさんの目に触れないように、隠していました。「ストーカーと思われたら嫌だったので……」。

それからしばらくして、意を決してゴードンさんに絵のことを告白。そんな彼女に彼は変わらぬ愛情を示し、出会いから数年後、フランスでのバケーション中にプローポーズを受けた彼女は、本当に“理想の夫の絵”そっくりの男性とゴールインすることになりました。

ちなみに当の油絵は、今では隠されることも無く、彼らの家の壁に飾られているそうです。

どのくらい似ているかは元記事の画像を参照していただきたいと思いますけれども、それにしてもさすがにブリと言うべきでしょうか、男性の好みもなかなかに渋いですね。
潜在意識下での願望が実生活での恋愛行動に反映された、などと理屈付けはいくらでも出来るのでしょうけれども、ロマンチックな絵にふさわしい偶然がハッピーエンドに結びついたのだと解釈しておくべきなのでしょう。

今日のぐり:「ステーキガスト 岡山下中野店」

ファミレスの類にはあまり行かないので詳しくなかったのですが、多種多様な店舗展開をしている「すかいらーく」グループの中でもこちら「ステーキガスと」は普及価格帯のステーキ店ということになるのでしょうか。
特にランチはバイキングを中心に売り出しているようですがすぐ隣のミスターバーグも含めて近隣には似たような業態の飲食店も多いようで、周囲にはオフィス等も多いだけにこうした安価なバイキングスタイルというのは需要が堅いのでしょうね。
今回はステーキ肉切り落としの焼肉ランチにサラダバイキングをつけましたが、メインの料理を決めてサラダバー等(食べ放題または一回きり)をセットするという形で、サラダバー以外にもカレーなども用意されているようです。

とりあえずお皿を受け取ってサラダバーに行ってみたのですがなかなかラインナップが独特で、全体にコストはかけていないのはまあ仕方ないとしても、切り干し大根はまだ判らないでもないんですが豆腐ってどうなのか?と思いつつ思わず全種類少しずつとってしまいました。
ちなみにこの豆腐、木綿豆腐なのは珍しいんですがあまりうまいわけでもなく、野菜に引かれて手を出した少し酸味の強すぎるミネストローネなどを始め他のメニューも味の点では全くどうこうと言うべきものではないんですけれども、サラダバーのワンプレートだけでも結構満腹になってしまってパンやカレーなどは手が出なかったくらいですから食べ放題にしなくとも十分という気がします。
そうこうしている間に少し遅れて出てきたメインの料理はどんなものなのかと思っていましたら見るからに焼肉ランチ風の仕立てで、味の方も焼き肉屋というよりは一昔前の大衆食堂の焼肉ランチレベルなのが残念ですけれども、それでも同じ肉ならステーキよりもこちらの方が多少なりとも野菜も入るだけヘルシーでしょうか?

肉をがっつりというのには向かないにしろサイドメニュー中心に食べればそれなりのコストパフォーマンスとも言える一方、冷静になれば野菜主体のバイキングならもっと充実している店もあるわけなんですが、しかし牛肉=高級品という自由化以前の世代はともかくとして、今の若年層にこういうスタイルはどの程度魅力的に映るものなのでしょう?
ともかくも相応に需要はあることを示してか昼食時にはしっかり繁盛はしているようですが、営業時間は通常店並みなのは少し意外ですけれどもあくまでもランチ主体で低コスト運営をしているということなんでしょうか、もちろんディナーにわざわざ食べに来るような店でもないでしょうから正しい戦略だと思います。
さして広くない店内ですがきちんとテーブルに呼び出しボタンを備えているのはよいですし、接遇面は基本的には放置だとは言え特にマニュアル対応という風でもなく、特に年齢層の高い店員さんは尋ねればあけすけな本音トークで詳しくおすすめを教えてくれるのがファミレスらしくなくて面白かったですね。

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2013年6月 1日 (土)

壮大なセルフネガキャン…もとい、単なる誤解だった?

本日の本題とは関係ない話ですが、最近橋下徹大阪市長の発言が世間の注目を集めていますけれども、それとも関連してマーケッティングということにも通じるコミュニケーションの方法論とはどのようなものかということを考えさせられる興味深い記事がありましたので紹介しておきます。

【参考】市長もご覧ください 「風俗女性の素顔に世界が仰天!」タブーに切り込む本音と問題提起(2013年5月31日日経ビジネス)

生前は何度も禁煙を試みていたという作家の星新一がエッセーで世の禁煙運動なるものについて、自らの正義に酔っているかのような主張は他人の心に響かない、一見するとタバコを勧めているようでいて読み終わって「ん?」と何か引っかかるようなものがいいのだと言ったことを書いていたと記憶しますが、これもなかなかに言うは易く行うは難しというものですよね。
とりわけ理系でトレーニングを受けた人間には物事を順序立てておかなければ気持ちが悪くなる人間が多くて、「AからA'を経てBになる」とか「Cにはその前段階にpCがあった」式の話は理解しやすいのですが、一見して発想の飛躍としか思えないものを見ると思わず「何故?」と考え込んでしまいがちです。
ただ全く脈絡のないもの同士を結びつけたからといってそこに何らのマリアージュも成立するはずがないわけで、突拍子もない組み合わせに見えてもそこに心に響く何かが存在するということであれば、それは表には現れてはいなくとも背景には必ず何かしらの「理(ことわり)」が隠されているということでしょうし、誰も気づいていないその理を突き詰め意図的に顕在化させられる人間がコミュニケーションの達人と呼ばれるのでしょうか。

いささか前置きが長くなりましたけれども、ネットというものがこれだけ社会生活の中に当たり前に存在するようになってきますと、一昔前の「RPGを始める前にまず攻略本を開かなければ気が済まない」という人が結構いたというのと同様、「実生活で何かをするにあたってまずネットでの評価を確認しなければ気が済まない」という人もそれなりの数になってきているのだろうなと推測されます。
お食事会系サイトを自称する当「ぐり研」においても営業時間やメニュー等を確認するのに便利ないわゆる「口コミサイト」をよく参照しているのですが、この口コミサイトなるものが昔ながらの口コミというものとは全く違って、実際には匿名性を利用したステルスマーケッティング(ステマ)の温床となっていることはよく知られている通りですよね。
自分の好みも知っている顔見知りの口コミも実際に自分が利用してみると全然…ということが当たり前に起きるわけですから、ステマがなくとも千差万別の好みを持つネット利用者の口コミというものがどれほど信用出来るものか想像がつきそうなものですけれども、実際に当の利用者はこうした情報をどの程度信用しているものかという調査結果が先日出ていました。

「食べログ」があてになるかならぬかの約15万人調査結果発表(2013年5月31日ガジェット通信)

宴会の幹事を任されると、まず頼ってしまうのがインターネット。とりあえず、「食べログ」や「ぐるなび」などの飲食店情報サイトにエリアや予算などを入力して検索する・・・という人も多いのではないでしょうか。
「食べログ」には、★がついていて、その数によって店の評判がわかります。さらに「口コミ」欄を開けば、その店の利用者の感想が書き込まれ、店の雰囲気とか料理の傾向などを知ることが出来ます。
けれども、過去には「まずい」とのクチコミに「客が減ったから弁償しろ」と店側が提訴するなど、裁判沙汰になりました。
実は筆者も結構利用しており、書き込まれたコメントを参考にしていましたが、あることを機に口コミの不確実さ、個人差の大きさをつくづく感じ、以降、アテにしないようにしています。
さて、読者のみなさんはいかがでしょうか。「食べログ」の口コミを「あてにならない」と思ったことはありますか?アンケートでは以下の通り、「ある」と回答した人が7割を越えています。

・ある:72.5%
・ない:27.5%

(リサーチパネル調べ、14万9333人が対象)

性別世代別に見てみると、「ある」と回答した人は、

男性:10代55.10%、20代64.50%、30代70%、40代72%、50代75.10%、60代77.30%、
女性:10代58.10%、20代65.40%、30代70.90%、40代74.40%、50代77.60%、60代75.60%

と、男女とも年齢が高くなるほど「ある」との回答率が高くなります
若い人ほど「『あてにならない』と思ったことはない」というわけですが、「ない」と回答した人のコメント欄には

「そもそも『食べログ』を見た事が無い」
「『食べログ』知らん」
「もとからあてにしてない」

といった書き込みが多数あり、「『あてにならない』と思ったことはない」というよりも、「そもそも利用していないからわからない」といったニュアンスがほとんどでした。
そんな中でも、今後の参考になりそうなコメントを探してみると…。

「口コミの多い場所を選んで、評価のいいお店を選んで行ってるので失敗した経験がない。」
「何故か直観的にわかるので今迄ハズレた事はありません」

直感が働く人はともかく、サイトを利用するなら「口コミ数の多さ」が決め手のようですね。

では次に「ある」と回答した人のコメントを見てみましょう。
こちらには、以下のように経験談を踏まえて書き込まれた恨みつらみが続出しています。

「味わいは固有の感覚。他者と共通はしない。たまに東京へ出る時、情報を頼りに超有名レストランに友人のご紹介で行ったが、自分で作った方が旨いと思った」
「口コミで好い評価だったのに行ってみると清潔感の無いしかもサービスの悪い店であった経験あり。どこからあのような好評価が出て来るのか不思議であったが、やらせであればさもありなんと納得した」
「☆4つで美味しいと書いてあったので行ったがそれほどでもなかった。関東の方は京都の某氏別荘後や町家改造のというコンセプトの御料理屋さんだと点数高いようです」
「良いことが書いてあったので行ったら、まったく違ったことが数回ある。サクラ? 内容が違うことをコメントしたら2日ほどで削除され、嘘が多いことが分かった」
「かなり前の話ですが、私の知人が経営している店で、経営者や従業員が感想を書き込んでいました。本当に美味しいお店だったけど鵜呑みには出来ないなとその時に思いました」

また

味覚には個人差があるので何とも…」
「食べ物は現物を確かめなければ信用出来ない

と、至極まっとうな意見も多数ありました。

「アテにならない味の感想などはあまり見てなかったりします。その店へのアクセス、値段等を見るために使うほうが多いかな」
「店の場所と写真だけ参考にして、口コミは見てません
更新の時期が古い場合(1年以上前とか・・)の良い評価はあまり信じない。悪いのは信じる」

と、使い方を書いてくれた人も。
(略)

実際のところは少なくとも一時的にはこうした口コミサイトの影響も無視出来ないようで、例えば書き込みが集中した店舗ではリアルでもお客が殺到した結果対処能力を超えてしまい、「サービスが悪い」「料理が遅い」「盛りつけも味も手抜き」と言った口コミへの悪影響となってはね帰ってくると言いますから、シュレーディンガーの猫よろしく口コミという行為それ自体の口コミへの影響も考えないではいられません。
また飲食店の評価などは結局食い物がうまいかどうかだろうと思うのも早計で、人によってサービスや店の雰囲気、あるいは値段や待ち時間と評価基準は様々ですから、結局は数ある口コミの中から自分の役に立つ基準での評価を見つけ出すスキルというものも必要になってくるわけですが、それもこれも書き込みが各人の主観なりに真実性を保っているという担保があってこそですよね。
その意味では世に言うステマやサクラによる書き込みに対しては「元々参考にしていないからどうでもいい」という人はいても少なくとも積極的に評価するという人はまずいないわけですし、それが明らかになった時点でむしろ店や企業の側にとってもマイナスの評価がつきかねない諸刃の剣だと思っていたのですが、どうも必ずしもそう考える企業ばかりではないようなのです。

ソフトバンクが『いいね!』を金で買い自作自演をしていることが判明(2013年5月29日秒刊サンデー)

アベノミクス効果で円安や株価の上昇が取りざたされておりますが、はたして仕事の需要は増加しているのでしょうか。そんな疑問の中「面白い」仕事があるとネットで話題になっているものがあります。なんとこの仕事ソフトバンクのFacebookページにいいね!をするだけで65円という報酬を受けることができるというのだ。ということは10いいねで650円。果たしてどのような意図があるのだろうか。

「ソフトバンク」facebookキャンペーン(現在終了しております)
キャッシュ

この仕事の情報によると、ソフトバンクの公式Facebookページ上部にある「いいね!」を押すことで報酬対象となるとのこと。報酬を受けるには事前にこのサイトに登録する必要があるが、パソコン上でボタンをクリックするだけでお金がもらえるという興味深い内容。
(略)
それ以前にこの仕事の問題点は金額や仕事の内容ではない。ソフトバンクが「いいね!」数を金で買い「自作自演」を堂々と行っているという点だ。いいね!が高いことでなんとなくその企業の信頼性が高いと感じていた消費者にとってこれは「よくない」話なのかもしれない。
現在募集は終了したが、申し込みは72件あったようだ。つまりソフトバンクはこのキャンペーンで94万いいねのうち、「72いいね!」を獲得したということになる。
はたしてこの業界ではそれは常套手段なのか、ツイッターでは驚きの声があがっている。

―Twitterの反応
笑ってしまった
・あれ?掲載終了ですか?
ひどす・・
・ソフトバンクにいいね!で65円貰えるのか。
・65円貰ってソフトバンクに魂を売ろう
・こんなのアリなの??
・うははは…これはイイネ!
・こういう案件どういう経緯で発生するのかが興味あるなー
・うわぁ…これはひどい
・いいねを65円で買うのがソフトバンクかwww 
・なんだこれw
・なんじゃこりゃ…
・世の中にはこんなお仕事もあったんだ…
・これがビッグデータを解析して導き出した「顧客満足度向上」アクション?

「いいね!」をお金で買えるという事実が流布してしまえば、消費者にとってもはやそれは何の基準にもならないのかもしれない。

まあそれにしても世にステマと言いますが、まったくステルスしてないですよねこれは…
同社のサイトを見てみますと「いいね!」を押すと無料情報配信があるそうで、単純に配信対象者を増やそうという考えでやっていたのかも知れませんがすでに同サービスが終了(というより、存在自体を抹消して逃亡?)していることや、ネット上での反応を見る限りでは「こういう案件どういう経緯で発生するのかが興味ある」と言うしかない話ですが、どうも同社では類似サービスを他にも多数やっていた(そして同様に抹消した)ようですから、遅ればせながらまずいとは気づいたのでしょう。
先日コカコーラが特保でもない新商品を「トクホウ(特報)」と連呼することで売ろうとした、さらに先行する他社の特保商品にパッケージデザインまで酷似させていたということで大騒ぎになり、結局あまりに紛らわしく消費者の誤解を招くということで行政指導を受けた事件がありましたが、この一報を聞いて驚いたのがコカコーラという業界のトップブランドがわざわざこんな危ない橋を渡ってしまったという事実です。
当のコカコーラ側は「特保と誤解させる意図ではなかった」「CM中でも特保ではないと言っているのだから問題ない」「デザインが類似したのはたまたま」等々と主張しているようですが、「トクホウ」と漢字ではなく通常使わないカタカナ表記をしていることといい、大多数の消費者は単純に誤解するか誤解を狙ったあくどい商売をしていると誤解するか、いずれにせよ同社にとって売り上げ増加効果以上のデメリットが大きいように思います。
コカコーラなどは旧来型のメーカーだけにまだしも半分悪のりでやっているのか?と好意的に捉えることも出来ないでもないかも知れませんが、大手通信キャリアーでもあるソフトバンクがネット上でどのような評価を受けることになるかの事前予測も出来ないままこうした企画を見切り発射したのだとすれば、どうも大手各社の中の人のコミュニケーションスキルは大丈夫なのか?と他人事ながら心配になってしまいますね。

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