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2013年5月23日 (木)

奈良県が未成年者に禁煙支援

かつては高い高いと言われていた日本人の喫煙率も年々下がる一方だと言いますが、そんな中で未だにタバコを吸ってみたいと考える未成年者も少なくないということなのでしょうか、先日はこんなニュースが出ていました。

奈良県、未成年の禁煙支援 相談窓口を設置へ(2013年5月21日北海道新聞)

 奈良県は21日、禁煙したい未成年が、専門医による相談を無料で受けられるよう、今年夏をめどに相談窓口を設置する方針を明らかにした。厚生労働省によると、自治体が未成年の禁煙を支援するのは全国でも珍しいという。

 県や専門家でつくる「奈良県たばこ対策推進委員会」が同日開かれ、県担当者が計画を報告した。計画では、医療機関3~5カ所に相談窓口を設置。たばこをやめたい生徒のいる学校の教諭や保護者が生徒を引率し、無料で相談を受けられるようにする

 医師側に支払う相談料は県が負担するが、実際に治療を受ける場合の費用は本人負担となる。

未成年者の禁煙支援 医療機関に相談窓口 県が今年度から 奈良(2013年5月22日産経新聞)

 禁煙を希望する未成年者を対象に、県内の医療機関に相談窓口を設け、必要に応じて禁煙治療を受けるよう促す対策を、県が今年度から始める。未成年者は成年よりもたばこに依存しやすいといい、早めの禁煙を支援するのが狙い。初回の相談料は県が負担する方針で、今年度は20件程度の相談を見込んでいる。

 奈良市内で21日に開かれた県たばこ対策推進委員会で、県が報告した。

 県によると、相談窓口は禁煙治療をする県内の医療機関に設置する。児童や生徒、保護者から、喫煙に関する相談が学校に寄せられた場合、県の保健所が近くの相談窓口を紹介する。

 子供や保護者から相談を受けた医師が、必要に応じて治療にあたる。

 現在、奈良市で禁煙治療をしている奈良女子大保健管理センターに加え、県の北部、中部、南部のエリアに分けて計3~4カ所の医療機関に対し、相談窓口となるよう今後、協力を求めていく。

 県によると、平成16年の調査では、未成年者の喫煙率は、中学3年の男子が6・5%、女子が2・3%。高校3年の男子が12・3%、女子が5・3%だった。

 未成年の喫煙者から、修学旅行や受験の際に「たばこをやめたいのに、やめられない」とする相談が、学校や保健所などに寄せられたこともあるという。

 県は「興味本位で吸ってしまい、依存症になってしまう子供もいる。早めの禁煙対策が必要だ」としている。

考えて見ると未成年者の喫煙は禁止されているのですから、それを公費でどうこうするというのもずいぶんとおかしな話に聞こえますけれども、実は今の時代未成年の喫煙者は必ずしも少数派ではなくなってきているという意外な現実があります。
時折未成年の著名人がタバコを吸っていたとニュースに取り上げられますけれども、とある試算によれば未成年者喫煙本数は年間で約500億本、総販売本数の17・5%にも上ると言いますから大変なもので、せっかく自販機向けのカードが導入されても親や店がカードを子供に渡してしまうのもですから、今や未成年喫煙者の過半がカードを使ってタバコを買っていると言う話です。
そもそも喫煙率の低下にしても健康志向の高まりや相次ぐ値上げによってやめたという大人達が多い反面で、子供にとってはタバコはある種ファッションアイテムなのですから高いから、体に悪いからやめようという気にならないのは当然で、「髪が傷んで将来困るよ」なんて茶髪学生に言っても彼ら彼女らが黒髪ストレートヘアに戻す気にならないというのと同じことですよね。
こういう相談窓口もやめたい気になった人々に対してはそれなりに有効なのでしょうが、そうでない大多数の子供にとっては「だから何?」というものでしょうから、どうせ対策を講じるならもう一ひねりしてみる必要があるのかなという気もします。

未成年者喫煙禁止法というのがまた明治の時代に制定された古い法律なのですが、未成年者にタバコを売ったりするという大人の行為に対する罰則はあっても、当の未成年者に対してはタバコやライター等の没収のみが行えるという微妙に中途半端な罰則規定になっています(未成年者飲酒禁止法も同様ですが)。
もちろん考え方としてはこれはこれで正しいのでしょうけれども、昨今はいろいろな方面で犯罪行為の低年齢化が叫ばれていて、少年法を改正して未成年者の凶悪犯罪にも厳重な処罰を下せるようにしようだとかいった議論も盛んになってきている中で、本気でタバコをやめさせたいならこの辺りももう少し改善の余地があるかも知れませんね。
基本的には喫煙は個人の自由ですから刑罰とまで言うと行きすぎにしても、ひと頃から暴走族を珍走団と呼んがりで彼らを格好いいとあこがれる若者を減らそうと言う動きがあったように、未成年者がタバコを吸っているのを見つけたら町のトイレ掃除や草むしりといった地味すぎる社会奉仕活動をさせてみるといった条例もあっていいかも知れません。

しかしこういう動きが自治体レベルでも出てきたという話を聞いて思うのですが、かつて性教育に関する反対活動というものが一定の方々によって行われていて、その論拠が「性教育というとセックスを扱うことになる。余計な情報を与えるとセックスへの興味がわき、ますます性非行を助長する」といったものであったと記憶しています。
当時の学校現場では性交そのものについては一切語らないままコンドームの使い方を教えるとかいった馬鹿げたことが実際にあったそうですが、この論法を使うと「タバコについて教育することはタバコに余計な興味がわき、ますます未成年者の喫煙を助長する」なんて主張も出来てしまうということになりますね。
まあしかし冷静に考えてみれば、それなりに体も成長してそういう年齢になっているにも関わらず性のなんたるかもまるで知らない、なんて人はまさしく性犯罪者にとっては格好のカモでしかないわけですから、そもそもセックスは認めないが性犯罪の被害に遭うのは仕方がないという偏った考え方の家庭ででもなければ全く馬鹿げた話だと言う気がします。
先日の早くから妊娠、出産の正しい知識を与えるべきだという女性手帳の話についても進歩的な方面から散々な反対論があるようですけれども、何に限らず知識を伝えること自体に対して反対するということについてはどうしても「いつの時代の発想かなあ」と言う感覚を抱いてしまいます。

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コメント

他人に迷惑かけん喫煙マナーだけ仕込んであとは自己責任でええやん。あと禁煙場所の喫煙とポイ捨ては条例で厳罰な。

投稿: wanderfulboy | 2013年5月23日 (木) 08時47分

未成年ながら喫煙するような人にマナー向上ってのもなにか無理があるような…
でもポイ捨ては美観はもちろん火事の心配もあるのでぜったいやめていただきたいです。
いまだにポイ捨てで山火事ってニュースが出ますものね。

投稿: ぽん太 | 2013年5月23日 (木) 10時00分

うちの近所の山が去年タバコの投げ捨てでまるまる焼けました
いちおうは国立公園内なんですけど困ったものです

投稿: | 2013年5月23日 (木) 10時32分

今回の話は辞める気がある人だけが対象というのがポイントなんでしょうか。
本来であれば禁止されているのだから喫煙者全員が対象になるべきなのでしょうけれども、下手すると人権侵害だ!強権管理社会だ!とか何とか言われかねないということですかね。

投稿: 管理人nobu | 2013年5月23日 (木) 11時11分

どうせ彼ら隠れて吸ってるんでしょう。
辞める気がなかったらやめさせようもないんじゃないかと。

ところで禁煙の治療って効くのでしょうか?
いちどやめてもまた吸い始めたりしないですか?

投稿: てんてん | 2013年5月23日 (木) 15時38分

>ポイ捨て

釣り船で同乗者が「小さいのは逃がす。それが釣り師のマナー(キリッ」とか抜かしながら煙草ポイ捨てしやがって
「貴様のドコ押しゃマナーなんて言葉が出てくるんだ!」と喧嘩になった事がががw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2013年5月24日 (金) 10時01分

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