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2013年5月

2013年5月31日 (金)

糖尿病患者のパーソナリティー 卵が先か鶏が先か

今日は以前から興味を抱いていた話題で少しおもしろい話が出ていたので紹介してみますが、民医連と言えば共産党の支持団体としても知られていますけれども、その共産党の「赤旗」に先日こんな記事が載っていました。

2型糖尿病(20~40歳) 高度肥満74%・合併症進行(2013年5月24日しんぶん赤旗)

 全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は22日、20~40歳の2型糖尿病患者についての全国実態調査の結果を公表しました。4人に3人が著明な肥満を伴い、網膜症、腎症の合併症が高率で進行しているなど、「従来と異なる病状の大きな変化が起きていて危ぐされる状況だ」と警鐘を鳴らしました。

 調査は昨年6~7月に実施。96病院・診療所に受診している患者782人にアンケートなどを行い、雇用形態や労働時間、収入など社会・経済的な面についても聞きました。

 調査班の責任者、莇(あざみ)也寸志医師(石川・城北病院副院長)は「従来、生活習慣などが要因の2型糖尿病は多くが40歳以降に発症するとされてきたが、診療の現場では若くして肥満で、重症の合併症を伴っている症例が目立つことから、日本初の調査にとりくんだ」と話します。

 調査結果から、20歳でBMI(体格指数=体重キロ÷身長メートル÷身長メートル)が平均27~28と肥満状態で、その後さらに体重が増加し、糖尿病を発症するというパターンが分かりました。

 BMIが最大時に30以上の高度肥満になった人は男女とも74%に達します。

 合併症の網膜症がある人は23%、将来血液透析に移行する危険性の高い腎症が16%、腎不全も15人いました。

 患者の社会的な背景として「低学歴(中卒が15%など)、非正規労働者、無職が多く、発症や病状の進行に低学歴、低収入が影響している可能性がある」と指摘しています。

 2011年度国民栄養調査(20~39歳)からBMI30以上は約160万人、糖尿病患者約40万人と推定されます。一方で、30~39歳の通院継続患者は22%にすぎません。

 莇医師は、「若年者2型糖尿病の予防、早期診断、治療継続に関して社会的・経済的要因を考慮した対策が必要だ」と話します。

 調査に参加した福田洋・順天堂大学医学部総合診療科准教授(予防医学)も、ヘルスリテラシー(健康情報を上手に利用できる能力)によって肥満や糖尿病のコントロールが左右される可能性を指摘。「健康格差の解消へ向け、今までと違うとりくみが必要だ」と語りました。

 調査班は6、7月に再度調査し、解析を進めて最終的な調査結果をまとめる予定です。

最近の2型糖尿病の患者背景として若年からの肥満が顕著であり、低学歴で非正規労働者や無職が多いというのは実感としても頷ける先生方が多いのかなと思いますけれども、こうした患者背景までもぶっちゃけた調査結果が出てしまったと言うのはなかなか興味深いことだと思いますね。
和服の場合恰幅のいい人の方が見栄えがするということもあるのでしょうか、かつての日本では太っていることは裕福の象徴のように捉えられていたところもありましたけれども、基本的に痩せている国民性だからこそとも言え、アメリカなどでは富裕層はオーガニックだ、フィットネスだとうるさいもので、肥満者はハンバーガーやフライドチキンしか食べられない貧困層に目立つという悲しい事情もあります。
日本でも食生活の欧米化が定着してから肥満は増加してきているのでしょうが、それでも国際的にはまだまだ痩せている方だというのは一つには米主体の食事で太ろうとするとかなりの量を食べなければならないということと、もう一つは遺伝的にアメリカ人のようには太れない(そこまで太ると重症糖尿病になってしまう)ということもあるのでしょうね。

しかし背景事情の一つである貧困対策などはまた別の問題として、医学的に糖尿病患者の病識の乏しさ、治療に対する理解の欠如といったキャラクターの問題は多くの臨床医を悩ませずにはいられないものですが、昔から糖尿病気質などとも言われるような同疾患患者に特有のキャラクターが本当に存在するのかどうかということの前段階として、患者の社会的背景分布が一般患者と異なっている可能性もあるということでしょうか。
以前に開業医の恒川洋先生がこの糖尿病気質についてこれこれとシンポで語ったところ、同席した全国糖尿者連盟の会長から「その通り!」とお墨付きをいただいたという話を読んだことがありますが、先生方によって表現は様々ながら「のんき」「いいかげん」「独善的」などなどといったよく使われる形容からすると、総じて人の意見に耳を傾けないタイプの人物像が共通して浮かんでくるように思います。
こうした糖尿病気質の持ち主が糖尿病になりやすいのか、あるいは糖尿病によってこうした独特のキャラクターが形成されるのかは以前から一部臨床医の間で議論されてきましたけれども、今回2型糖尿病でこうした患者背景が明らかになってきたのはどちらかと言うと前者の説が優勢である傍証というように捉えてもよいものなのでしょうか。

日本人総高学歴化社会が実現して久しい一方、青少年人口が減少を続ける中で各高等教育機関はあの手この手で学生を呼び込もうと工夫を重ねていますが、それでも定員割れを起こすことがままある、すなわち逆に言えばどこそこでなければというこだわりさえ捨てるならばどこかに進学は出来る状況であるわけですから、今の時代の低学歴というのは進学できないというよりしなかったタイプが多いんじゃないかという気もします。
個人的な付き合いの範囲で考えても、若い頃からやんちゃ盛りで学校など知ったことかと言うアウトロータイプや、教室でじっと座って話を聞くなど耐えられないという方々など低学歴と言っても色々とありますが、いずれにしても黙って他人の指示に従うことが苦手そうな人が多いなと改めて思いますから、そうしたバックグラウンドによるバイアスも糖尿病気質と言われるもののかなり大きな要因を占めていたのかも知れません。
もちろん誰憚ることない立派な学歴を持ち、社会的にも立派に成功者と見なしていい地位にある方々でもむしろより顕著な糖尿病気質を発揮されている方々はいくらでも見かけますから、やはり疾患自体がキャラクターに影響を及ぼすということも否定出来ないわけですが、それでは糖尿病発症に至るような体質的な特性が個人の発達と成長にどれほどの影響を与えているのかということが今度は気になってきますよね。
例えば生後すぐに生育環境に差が出来た一卵性双生児で一方は医学的栄養学的に厳重に管理され、他方はそうした面で非常にルーズに育てられたといったケースを集めて比較検討してみると、長年の高血糖が人の人格さらには人生にどのような影響を及ぼすのかが判明するかも知れませんが、そうした症例が集まるかどうか以前に評価項目が非常に主観的なものになりそうなのが難点でしょうか。

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2013年5月30日 (木)

子宮頚癌ワクチンは義務ではありません

HPVによる子宮頚癌を予防すべく近頃では若年女性へのワクチン接種が推奨されているのは周知の通りですが、同時にその副作用が各地で話題になっています。

子宮頸がんワクチン、副作用で重篤106件(2013年5月16日朝日新聞)

 子宮頸(けい)がんのワクチンで接種後の健康被害が報告されている問題で、厚生労働省の検討会は16日、医療機関などから報告されていない例も含めて調査を進めることを確認した。因果関係を判断するための情報が不足しているためという。接種の一時中止などは必要ないとの意見で一致した。

 厚労省が検討会に示した資料によると、販売が開始された2009年12月以降、3月末時点の副作用報告は1968件。接種者数でみると、1万人に1人から2万5千人に1人の割合になる。

 同省によると、製薬会社のグラクソ・スミスクライン製造のワクチンでは、医療機関から1001件、製造販売会社から704件、別の製薬会社、MSD製造のワクチンは、医療機関から195件、製造販売会社から68件の報告があった。接種者数に対する報告の割合は0・004~0・014%。これまで報告されていた割合と、違いはなかった医療機関側が接種との関連があるとした例は733件だった。

<子宮頸がんワクチン>被害者家族「国はしっかり検証を」(2013年5月16日毎日新聞)

 「ワクチンで防げるものなら娘にとっても良いと考えた末の接種でした」。東京都杉並区の主婦、松藤美香さん(46)は、そう2年前を振り返る。

 松藤さんの中学3年生の長女(14)は2011年、ワクチンの「サーバリックス」を自宅近くの診療所で接種した。決められた接種回数は3回。異変が起きたのは同年10月、同じ診療所で2回目の接種をした時だった。

 左腕に注射をしている時、「手がおかしい」と訴え、直後に左腕が痛み出した。夜には腕の腫れや足、肩の痛みを感じた。翌日、同じ診療所を訪れたが「うちでは診られない」と断られた。その後受診した総合病院では10日間の検査入院後、痛みの原因が分からない「慢性疼痛(とうつう)症候群」と診断された。

 その後も薬を服用しながら病院を転々とした。症状が激しい時は足が勝手にばたついたり睡眠中に無意識に起きて歩き回ったりした。1月に症状が改善して登校を再開したが、再び痛み出したため3月中旬から休学。歩行時は車椅子が必要だ。

 全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会代表を務める松藤さんは「治療法を把握できる医師がおらず、患者は病院を転々としている。こうした患者は増える一方であり、国はしっかり検証をしてほしい」と話す。【細川貴代】

もちろん不幸にしてかなり重篤な副作用が出てしまったことはお気の毒と申し上げるしかありませんが、基本的にはこの予防接種も別に急いでやり始めたということではなく、むしろ欧米諸国ではとっくに「予防できる病気」になっていたものをドラッグラグの結果今になってようやく日本でも取り入れたという側面が強いわけですね。
発症原因とされているパピローマウイルス(HPV)は性行為感染症(STD)の原因だとも言われるように粘膜接触等性行為によって感染するとされる上に、そもそも感染してしまった後ではワクチンによる予防効果がありませんから性的成熟期以前の接種が推奨されるのは当然で、その結果子供が不幸な副作用に見舞われるという悲しむべき結果となっているのが現状です。
厚労省では今のところワクチンの副作用と思われる症例は諸外国におけるデータから乖離していないと言う立場から、さらに詳細なデータの収集を行いながら接種を続けると言っていますけれども、どうも一部マスコミの報道ぶりを見ると「これだけひどい副作用があるのに知らせていないのはケシカラン!」という批判が出ているのが気になるところです。

子宮頸がんワクチン副作用マスコミが取り上げはじめた舞台裏…あのCMのため?(2013年5月17日J-CASTテレビウォッチ)

  きのう16日(2013年5月)、厚生労働省で今年4月から定期接種を始めた子宮頸がんワクチンの安全性を評価する専門家検討会がひらかれた。傍聴していたある父親は「娘を早く治してくれ」と叫んだ。子宮頸がんワクチン副作用被害に関心が集まっている。

止まらない全身痙攣、運動機能喪失、「数が数えられない」

   子宮頸がんワクチンの副作用とはどんなものなのか。ある少女は肩や足が激しく痙攣して、止めようとしても止まらない。梅津弥英子リポーターはこう説明する。「ワクチン接種は3年前から始まりました。当時は子宮頸がんの発症を50%から70%防げるワクチンとして注目されましたが、副作用については触れられていませんでした
   東京・練馬区の少女は「学校からワクチン接種をするようにと言われ、ほとんどの友達が接種していました。それで自分も接種を受けたら、1週間ぐらい経ったとき身体に異変が起きました」と話す。副作用が問題にされているのは日本だけではない。2年前にアメリカのテレビで放映された少女の映像があった。少女は頭が良くスポーツも万能だったが、副作用が発症してから3か月後には「数が数えられなくなった」という。

副作用知ってた厚労省…マスコミも取り上げず

   メインキャスターの小倉智昭「これだけのひどい副作用があるのに、なぜ今まで問題にならなかったのだろう
   ゲストの伊藤隼也(医療アナリスト)は「厚労省には早い段階から副作用についての報告が上がっていたようです。でも、ひと言で言うなら、マスコミが騒がなかったので問題になりませんでした」という。
   小倉「このワクチンの存在はあまり知られていなかったが…」伊藤「子宮頸がんはいくつかのウィルスによって発症しますが、ワクチンがすべてのウィルスに効くというわけではありません。特定のウィルスだけです。また、慢性的痙攣を起こすかもしれないということを知らない医師がいます
   コメンテーターの深澤真紀(コラムニスト)は「子宮頸がんは子宮の入口にできるがんで、私も30代の時に接種を受けました。でも、接種後に入口を切除すれば大丈夫ということを知りました。ワクチン接種に力を入れるより、子宮頸がんの啓蒙に努力すべきだと思います」と話す。
   しばらく前まで、有名女優の母娘が出演する子宮頸がんのワクチン接種啓蒙のテレビCMが頻繁に流れていた。マスコミが騒がなかったのと何か関係あり? 最近見なくなったら、騒ぎ出した。

子宮頸がんワクチン 副反応が心配だが… 検診とセットで女性守る(2013年5月29日産経新聞)

 接種後の副反応をめぐる問題が大きく報道された子宮頸(けい)がんの予防ワクチン。4月から定期接種になったものの、子供への接種をためらう保護者は多い。専門家は「子宮頸がんは女性の人生に大きな影響を与える病気。ワクチンと検診で予防できることを理解してほしい」と接種を勧めている。(平沢裕子)

 ◆定期接種は継続

 厚生労働省によると、平成21年から今年3月末までに医療機関などに報告された子宮頸がんワクチンの副反応は1968件。このうち全身の痛みなど重篤だったと医療機関が報告したのは106件。内容を検討した専門部会は「すぐに接種を中止するための医学的論拠はない」とし、接種を中止せず、副反応に関する医学的なデータを収集するという方針を決定した。

 一方、ワクチン接種で重い副反応が出たとする保護者らは3月、被害者連絡会を結成。先月、厚労省にワクチン接種を中止するよう嘆願書を提出した様子が大きく報じられた。こうした報道を見て、ワクチンの安全性に不安を持った保護者も少なくない

 子宮頸がん患者らのためのサポートグループ「らんきゅう・卵宮」には、ワクチンの副反応を心配する保護者からの相談が寄せられている。同グループの穴田佐和子さんは20代で子宮頸がんと診断され、子宮と卵巣を摘出。命は助かったが、今もリンパ浮腫など手術の後遺症に悩まされている。14歳の娘の母でもある穴田さんは「母親として保護者の不安は理解できる。一方で、患者としてがんに苦しみ、たくさんの患者が苦しむのを見てきた。ワクチン接種は義務ではなく権利。いたずらに不安に思うのでなく、正しい知識を得て賢く利用してほしい」と話す。

 子宮頸がん予防の啓発活動をしている患者の難波ミチヲさんも「ワクチンのネガティブな情報に敏感な人は多い。しかし、ワクチンのおかげでどれだけの人が救われているかも知ってほしい」と訴える。

 ◆発生を70%減らす

 日本では毎年約1万5千人が子宮頸がんと診断され、約3500人が死亡している。近年、20代後半から30代の罹患(りかん)率が上昇し、命が助かっても子宮や卵巣を摘出するケースは少なくない。子宮頸がんはワクチンを接種しなくても定期的に検診を受けることでほぼ100%の予防は可能だ。ただ、欧米先進国で60~80%の検診受診率が日本では約20%にとどまる

 自治医大付属さいたま医療センター産婦人科の今野良教授は「受診率の低さが若い世代の子宮摘出や死亡の増加につながっている」と指摘する。

 子宮頸がんワクチンが広く接種されることで、将来、日本での子宮頸がんの発生を約70%減少させることが期待できるという。「ワクチンで防げるがんは防ぎたい」というのが多くの専門家の一致する考えだ。

 今野教授は「ワクチンと検診の両方を上手に組み合わせ、日本の女性と家族の健康を守ってほしい」と話している。

 ■100カ国以上、1億人以上が接種

 子宮頸がんは子宮の入り口(頸部)にできるがんで、性交渉によってヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することが原因で起こる。HPVはありふれたウイルスで、性交渉があれば誰でも感染の可能性がある

 ワクチンは2006年に米国で承認されて以降、世界100カ国以上で使用され、既に1億人以上が接種している。日本より早くワクチンを導入した国では子宮頸部の前がん病変の減少が認められている

ワクチンを打ったからと言って子宮頚癌にならないわけではなく、きちんとした健診の継続が必要であることは言うまでもないことですし、ワクチンをせずに健診を受けるといった選択肢もあることは副作用情報と共にインフォームドコンセントしなければならないのは当然ですが、一部マスコミの報道ぶりはまさに副作用渦を騒ぎ立てて日本をワクチン後進国にした一昔前と変わらず、典型的なゼロリスク症候群と言うしかありません。
特にこうした多数の対象を相手にする場合、そもそも接種後に何かが起こったからと言ってそれがワクチンの副作用なのかどうかがはっきりしない場合が多いのですが、逆に言えばワクチン接種後によく風邪を引くようになった、成績が落ちて希望校に通らなかった、何十年後には老化して認知症になったと何でもかんでも根拠なくワクチンと結びつけようとする方々の言動には注意しておかなければならないだろうと言うことです。
今後ワクチン接種者と非接種者との間で比較検討が進み、あるいは現段階で知られていなかった副作用が認められるなど情報のアップデートは当然行われていくと思いますが、その場合にも利益あるいは不利益のどちらかだけを取り上げ強調する方々の声に耳を傾けてしまうと正しい判断は出来ないはずですね。
一部ではワクチン自体そもそも効かないんじゃないかといった極論も飛び出していますけれども、基本的にはそれなりに有効性はあって安全性も全体的には優れているという評価を得ているワクチンですから、後はそれが利用者の側に受け入れ可能なリスクであるかどうかが問題ですし、ましてや一般論としては利益の方がリスクを上回るとはされていてもあくまで「義務ではなく権利」であり、最終的に決めるのは当の本人です。

しかしきちんとした情報を提供した上で自由な判断に委ねることが必須条件であることは言うまでもありませんが、ひと頃話題になった特定宗教の信徒であったため子供が輸血が出来ず亡くなった事例などと同様、未成年者の医療行為における意志決定とはどのようなものであるべきかという問題もはらんだ、実はなかなか微妙なテーマでもあるように思いますね。
何しろ大人になって自己責任で決定する年代に達してからでは遅いわけですから、後になって子供の考え方が親のそれと違っていたことが明らかになった場合には家庭内紛争の原因ともなりかねませんが、往々にしてこうした紛争は家族と医療機関との紛争に発展しやすいものでもあって、その意味ではかなりリスクの高い医療行為であるという認識は医療機関側にも必要なのでしょう。
また考えて見るとこうした予防接種を推進するということはメタボ健診を推進するのと同様に医療費削減という国策でもあるわけですから、国としても何かあった場合にはきちんと事後の面倒はみていくというのは当然ですが、医師の知識が乏しいというのであれば副作用判断などを一元化し治療の助言なども行うなどやれる対策はいくらでもあると思いますね。

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2013年5月29日 (水)

乳房予防切除は日本でも広まるか?

遺伝子診断の進歩に伴い胎児の「産み分け」が注目されるようになってきていますが、胎児のみならず成人に対してもこの遺伝子診断は有用であるのは言うまでもありません。
先日は米女優が遺伝子学的検索によって乳癌発症率が極めて高いことが判明したため、両乳房を予防的に切除したという経緯を公表し話題になっていますけれども、どうやら自ら広報塔となる決意を固めているようで、今度は卵巣摘出も計画しているというのですね。

アンジェリーナ・ジョリーさん手術経過公表 米医療機関(2013年5月21日産経ニュース)

 女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(37)が、乳がん予防のため乳房の切除・再建手術を受けたカリフォルニア州ビバリーヒルズの医療機関は手術の経過などをウェブサイト上で詳しく紹介。医療機関はピンク・ロータス・ブレスト・センター。「ある患者の旅 アンジェリーナ・ジョリー」と題し、ジョリーさんが2月2日に乳頭部分に最初の手術を受けたと明かした。パートナーで米俳優のブラッド・ピットさん(49)は、これを含む全手術に付き添ったとしている。同16日には乳房の切除手術を受けた。4日目には、壁に次の仕事の絵コンテを張り出すなど、ジョリーさんは前途に前向きな姿勢だったという。4月27日に胸の再建手術を受け、一連の処置が終了した。

 病院は「女性ごとに事情は違い、外科手術が必ずしも全員にとって正しい選択とは限らない」とも説明。「アンジェリーナが(米紙への)寄稿で言っているように、選択肢を知ることが重要だ」と訴えている。(共同)

乳房切除のアンジェリーナ・ジョリー、次は卵巣摘出を予定(2013年5月16日シネマトゥディ)

 先日、予防的乳房切除手術を受けていたことを明かした女優のアンジェリーナ・ジョリーが、次は卵巣摘出手術を受ける予定であるとPeople.comが報じた。

 アンジーは14日にNYTimes.comに寄稿したエッセイで、がん抑制遺伝子の「BRCA1」に変異があり、乳がんになるリスクが87パーセント、卵巣がんになるリスクが50パーセントと診断されていたと公表。アンジーは「この事実を知り、わたしはできる限りリスクを軽減させることを決意しました。そして予防的乳房切除手術を受けることにしたのです。両胸から始めたのは、卵巣がんよりも乳がんになるリスクの方が高く、手術もより複雑だったからです」と自ら説明していた。

 People.comによると、医師たちは、卵巣摘出手術を検討している女性たちに、40歳になるまでに同手術を受けるように勧めることが多いという。アンジーは来月4日に38歳の誕生日を迎える。

 アンジーは今年2月に乳房を切除し、4月に再建手術を受けていた。公表に踏み切ったのは「がんになる可能性におびえて暮らす女性たちに、乳房切除手術という選択肢があることを知ってほしい」という思いからだという。(朝倉健人)

それでもまだまだ「宇宙旅行1億円!」なんて話と同じで、お金持ち相手の特殊な医療だろう?と思っているとしたら時代に乗り遅れるというもので、先日は読売新聞の調査によって日本国内でも16施設が予防的な乳房切除を、また21施設が卵巣・卵管切除をそれぞれ実施または計画していることが判明したということで、希望者にとっては必ずしもやってやれないものではないという状況になってきています。
当然ながら保険診療外となるはずですから費用はいくらくらいかと気になるところで、今回のBRCA遺伝子の変異を見る検査ですと10~40万円程度と言いますから一生の問題と考えれば手が出ない金額ではありませんが、遺伝による乳癌は全体の5~10%だとも言い、さらには検査の結果異常が見つかった場合親や子も異常を持つ確率は50%ですから、芋づる式にどこまでも検査を広げていかなければならなくなります。
そもそもBRCAの場合遺伝子異常を持つ女性の比率はわずかに0.1%と言いますから費用対効果の面でもどうなのか、検査後の本人や周囲のメンタル面の変化なども含め諸外国でも遺伝子検査の扱いに未だ一定の見解が得られていないという段階ですが、もう少し身近なところでこんな問題点を指摘する声もあるようですね。

健全な乳房を切除!? 「予防的な医療行為」はどこまで許されるのか?(2013年5月27日弁護士ドットコム)

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のため、乳房を切除したことを告白したことは、日本でも大きな反響を呼んでいる。報道によると、ジョリーさんは、遺伝子検査の結果、乳がん発症リスクが87%、卵巣がん発症リスクが50%であることが判明したため、乳房切除を決めたという。手術を受けたことで、ジョリーさんの乳がんリスクは5%にまで減少したそうだ。

将来のがん予防のための乳房切除手術については、日本国内でも、がん研有明病院と聖路加国際病院が実施に向けた準備を進めている。遺伝子の異常を指摘され、発がんのリスクに怯える人には朗報かもしれない。一方で、がんの発症リスクが高いとはいえ、健康な身体を傷つけることに抵抗をおぼえる人もいるだろう。

また、病気を治療することを本来の仕事とする医師の行為としても、適正といえるのだろうか。いつか病気になるかもしれないとはいえ、いまは特に異常がない肉体にメスを入れて、その一部を切り取ってしまう。こうした行為はそもそも、医師に許された「医療行為」と言えるのだろうか。また、それは、将来の病気の発症確率によって変わってくるのだろうか。医師や医療従事者の案件を多数扱っている山田昌典弁護士に聞いた。
(略)
「刑法的な観点から言えば、人の身体を侵襲する行為(分かりやすく言えば、身体を傷つけること)が、刑法35条によって正当化されるためには、(1)治療目的、(2)医学的に承認された方法で行われること、(3)患者の同意、という3つの要件を満たす必要があると、一般に解釈されています」

つまり、このような3つの要件をクリアーしているからこそ、医師による手術が刑法35条によって適法なものとされているのだ。ただ、外科手術といっても微妙なケースがある。たとえば、「豊胸手術」がそうだ。

山田弁護士によると、かつて豊胸手術に関して争われた裁判があり、そこでは、美容整形行為は「治療目的」でないため、刑法35条では正当化されないとされたのだという(東京高判平成9年8月4日)。

このような場合は、いわゆる「同意傷害」の問題となる。つまり、被害者が身体を傷つけることに同意している場合に、はたして犯罪が成立するのか、という問題だ。

「最高裁の判断基準によれば、身体を傷つけることについての承諾の有無や、承諾を得た動機、目的、傷害の手段・方法、損傷部位、程度等の諸般の事情を総合考慮して、犯罪が成立するか否かが決まることになります(最決昭和55年11月13日)」

●治療と予防の境界は、今後ますます不明確になっていく

では、アンジェリーナ・ジョリーさんのように、乳がんの予防のために、乳房の切除手術を行った場合、どのように扱われるのだろうか。山田弁護士は次のように自らの見解を述べる。

「豊胸手術についての東京高裁の判決の考え方を形式的にあてはめれば、乳房の予防的切除は、治療目的によるものではないので、刑法35条によっては正当化されないといえるかもしれません。

しかし私は、少なくとも、医学的根拠に基づいて発症確率を算出することができ、その発症確率が高く、そのリスクが医師によって患者に適切に説明され、他の選択肢も提示されていたのに、患者が将来のリスクを避けるために手術を希望したのであれば、『治療に準ずる目的』による行為として、刑法35条により正当化されるべきだと考えます」

まだ日本では、そもそも予防目的の切除手術が問題になっていないので、裁判所がどのような判断を下すのかは不透明だ。ただ今後、ジョリーさんと同様の手術を準備している医療機関があることからすると、法律による整備が望まれているといえそうだ。

「今後、遺伝子についての研究がさらに進めば、予防的医療行為の重要性は今後さらに高まることが予想され、治療と予防の境界はますます不明確になっていくと思います。また、医師が予防的医療行為を患者に提案する際に説明すべき内容はどうあるべきかが、今後の検討事項となるでしょう。

たとえば、切除手術を選択肢として患者に提示するとしても、病気が発症した場合に予想される病状やその深刻度、切除手術以外の他の選択肢等について、どこまで詳細に説明すべきかが問題となります。このあたりの問題をきちんと検討せずに、安易に、予防的切除手術を勧めて手術した場合、患者が、『医師から、もっと適切な説明を受けていれば、切除手術を受けることを決断しなかった』と主張して、損害賠償請求の裁判を起こすこともあるでしょう」

山田弁護士はこう指摘しており、今後は、何をどこまで患者に説明すべきかが問題となりそうだ。科学の進歩とともに、医師の役割も変容を迫られているということなのだろう。そのような変化に、法律や制度も追いついていく必要があるといえるのではないだろうか。

周知の通り現代社会において医師とは日常生活の中で他人の体を合法的に傷つけることが許されている唯一の職業とも言えますが、それに対して日本の法体系ははなはだグレーゾーンが多いということも近年の医療訴訟増加とともに知られるようになっていて、いわゆるJBM、防衛医療といったことにもつながってきたわけですね。
「癌の発症確率が高くて本人も同意しているんだからいいじゃないか」と言う声もあるかも知れませんが、そもそも高い、低いということは何を基準に言っているのかということで、例えば今年話題の胃癌予防のためにピロリ菌を除菌しましょうという話にしても、慢性胃炎から胃癌になる確率はせいぜい年率1~2%程度ですからこれを誰しもが当然に「高い確率」と見なすかどうかは議論の余地があります。
訴訟ということに関して言えば、多くの場合「やってみたら期待と違う結果だった」ということがそのきっかけになりますが、予防的に臓器自体を切除してしまった場合果たしてその後癌になっていたのかどうかは検証のしようがなく、例によって例の如くの説明義務違反などはなはだ主観的な部分が問題視される可能性は高そうですよね。
「思ったほど乳房再建がきれいに出来なかった。こんなことになると知っていたら手術など受けなかったのに」といった類の訴えは美容整形などではありふれたものなのでしょうが、ともかく予防という未だ病を得る前段階での治療的行為だけに「先生のおかげで命が助かりました!」と感謝されるはずもなく、クレームをつけられるリスクばかりが高い医療行為であるという認識は担当医にも必要になってくるかも知れません。

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2013年5月28日 (火)

尾道市で「異例」の病院事業管理者罷免

医療を巡るニュースというとどうしても暗い話題が多いという印象もあるのですが、これはなかなかに明るい話題だったんじゃないかというニュースが先日出ていました。

尾道市で病院事業管理者が罷免(2013年5月24日日経メディカル)

 広島県尾道市は5月20日、尾道市民病院と公立みつぎ総合病院を統括する病院事業管理者の青山興司氏を罷免したと発表した。病院事業管理者が罷免されるのは異例のこと。

 青山氏は岡山大学卒業後、川崎医大小児外科教授、国立病院機構岡山医療センター院長などを経て、2012年4月より2016年3月末までの任期で尾道市の初代病院事業管理者に就任していた。同市は青山氏に、自治体の合併などに伴って市内に2つとなった公立病院の機能の整理や、医療スタッフの確保を期待していたという。

 だが、市によると、青山氏が就任して4カ月ほどたった頃から、病院事業のあり方などについて市民病院の病院長や行政と意見が対立。地方公営企業法の条項に基づいて罷免したという。

 青山氏は「市民病院の経営状況は繰入金なしでは赤字の状態で、改革が必要だった。信念を持って改革を行ってきた」として、同日付で広島地方裁判所に行政処分の取り消しを求める訴状を提出した。

青山興司病院管理者を罷免(2013年5月21日尾道ケーブルテレビ)

尾道市は20日、記者会見を開き、市民病院と公立みつぎ総合病院を統括する青山興司病院事業管理者を罷免したと発表。青山氏も同日会見を開きました。

青山氏は昨年4月、尾道市の要請で新設ポストの病院事業管理者に就任し、両病院の経営安定化や患者受入数のアップ、医師確保などに着手しましたが、「病院の運営や改革方法について、行政や医療スタッフとの隔たりが大きい」と尾道市が判断。平谷祐宏尾道市長と医療担当の加納彰副市長らは午後3時半に会見を開き、「このままでは多数の医師が辞めるなど病院の運営に大きな支障をきたす可能性がある」と罷免理由を述べました。しかし、青山氏の具体的な運営方法や言動については説明しませんでした

青山氏は、岡山大学医学部を卒業後、小児科の勤務医を経て、独立行政法人「国立病院機構岡山医療センター」の院長に就任し、収益を大幅に増加させるなど経営改善の実績があります。その時の手法を、病院の規模などが異なる市民病院でも適用しようとしたことに不満が募ったと尾道市は説明。昨年8月と今年の4月に文書で、手法の見直しなどを指示しましたが、応じなかったということです。

(略)

尾道市が病院事業管理者罷免(2013年5月20日NHK)

尾道市は、2つの市立病院を統括する病院事業管理者として任命した国立病院機構・岡山医療センター名誉院長の青山興司氏を病院運営の改革手法をめぐって、現場の医師らとの対立が深刻化し病院運営に支障をきたしているなどとして、20日付けで、罷免しました。これは、尾道市の平谷祐宏市長が、20日、記者会見して発表したものです。
(略)
市側の説明によりますと、青山氏が、岡山医療センター当時の改革手法を取り入れ、病院の経営体質を強化するため、患者の受け入れをもっと増やすべきだと主張したのに対し現場の医師や職員から、「立地条件などが異なり、受け入れられない」として対立が深刻化たということです。
このため、尾道市では、このままでは病院運営に支障をきたすとして、青山氏を20日付けで罷免したということです。
記者会見で、尾道市の平谷市長は、「青山氏には、これまでも改革手法の見直しをお願いしてきたが、改善が見られなかった。罷免という結果になったことは非常に残念だ」と述べました。
(略)
一方、病院事業管理者を罷免された青山興司氏は、尾道市内のホテルで記者会見を開きました。
このなかで、青山氏は、尾道市が罷免の理由として「何でも自分の思い通りにしようとしている」などと指摘したことについて、「病院改革には一定の抵抗があることをしなくてはならず、こうした指摘を受けるのは私としては非常に心外だ」と述べた上で、「罷免の理由は全く理解できない」と指摘しました。
そのうえで、青山氏は、「職員の意識改革をして病院が良い方向にいくように改革をやってきた。このような理不尽な形で罷免されると病院改革は全くできず、市の圧力でやめることはできない」と述べました。
(略)

尾道市病院事業管理者を罷免(2013年5月21日中国新聞)

 尾道市は20日、市民病院と公立みつぎ総合病院を統括する青山興司・病院事業管理者(70)を罷免したと発表した。病院運営の手法をめぐって病院スタッフから不満が出、「多数の医師やスタッフが退職する可能性があった」などの理由。青山氏は同日付で広島地裁に行政処分の取り消しを求める訴状を郵送した。

 市によると、青山氏は昨年4月に就任。病院経営安定化に向け、患者受け入れ数アップやスタッフの意識改革などに着手した。しかしその後「長時間にわたり職員に持論を述べる」「スタッフとの意思疎通がうまく取れていない」などの報告があったという。

 平谷祐宏市長はこれを受けて8月下旬、青山氏に対し、(両病院の)院長の権限と責任を最大限尊重する▽市役所本庁舎の執務室で業務する―などの指示文書を出した。

 さらに今年4月11日と、25日付で勧告書を手渡したが、青山氏はその後も「自分には責任と権限がある」などと繰り返し、指示に従わなかったという。市側は職員の就労意欲を低下させるなどしたと判断。市長に管理者を罷免することを認めた地方公営企業法を適用し、今月13日までに従わない場合は罷免すると通告していた。
(略)

経営立て直しで溝 尾道市病院管理者を罷免(2013年 5月20日TBSスーパーニュース)

    尾道市は、きょう、2つの市民病院を管理する尾道市立総合医療センターの青山興司総長を「改革のやり方が受け入れがたい」として罷免しました。会見で尾道市の平谷祐宏市長は「度重ねて改革手法の見直しをお願いしておりました病院運営方法・改革の考えには、病院職員や市行政の考えとの隔たりが大きくこのままでは、病院運営に大きな支障をきたすと判断し、罷免という措置をとらさせていただきました」と罷免の理由を述べました。
 職務を罷免されたのは、『尾道市立市民病院』と『公立みつぎ総合病院』の事業管理者で、市の総合医療センター総長・青山興司氏です。罷免の理由として尾道市は、「医師確保や職員の労働時間などの問題を含め、青山氏の改革手法が病院内に混乱を招き、業務を停滞させたため」としています。尾道市の加納彰副市長も「病院が赤字だから一生懸命がんばって働けというようなこともおっしゃって頂いたんですが、それはそれで本当にがんばれれば良かったんですが、まぁそういうことにならなかった職員の気持ちとは、かい離が出来てきたということです」と話す。(略)

尾道と言えば医療と介護を統合した「尾道方式」でも知られているように小さいながらも医療面ではなかなか頑張っている自治体という印象があったのですが、青山氏自身も尾道の出身ということで人生の晩年に故郷に錦を飾るはずが、これはとんだトラブルで晩節を気がしたということになるのでしょうか。
いずれにしてもJA尾道総合病院など民間にも立派な病院があるわけですから、市民病院という枠にこだわらず地域としての医療供給体制をきちんと整備していくことが重要なのですが、どうも記事から読む限りではそうした柔軟な考え方の出来る方ではなかったという印象を受けますよね。
実際のところどのような改革案を示し現場がどのように反発していたものか詳細がわからないので何とも言えませんが、もともと旧御調町の公立みつぎ総合病院では2007年からの4年間で医師が11人も減っていたと言い、市としては尾道市民病院と経営および人事を一本化して再生を図るという計画だったようです。
市側の罷免理由の説明も歯切れが悪いようでいて実際にはとにかく現場との(勤務状況悪化等だけでなく感情的な部分も含めての)深刻な対立があったことを濃厚に匂わせていますが、青山氏の場合は(控えめな表現をすれば)もともと出身大学の系列にこだわるところがあったと言われていたようですから、お隣広島県での病院改革ということに関しては特に医師確保の面で何かと難しいところはあったのかとも想像できます。

青山氏が院長を務めていた時代の国立岡山医療センターと言えばちょうど病院が新築移転した直後でもあり、医者が逃げ出したりメンタルな病気を発症するほどの激務で有名でしたが(今は当時よりは改善されたと当事者の先生はおっしゃっているようですが、実際どうなのでしょうね?)、記事にもあるように患者受け入れを増やすためなのかユニークな方法論を採用していたようです。
救急隊から救急搬送を受ける場合は大抵の病院ではまずは当直医なりに連絡があり、場合によっては受け入れられるかどうかの判断もこの段階で為されるのは準備の都合もあることですから当然ですけれども、この病院の場合は救急車が病院に到着してから初めて当直医に連絡があるという変わったシステムになっていて、大急ぎで救急室に走っていくと救急車が何台も列をなして並んでいるという光景もあったようですね。
絶対に救急車を断らない病院があると言えば地区の救急隊にとっては大助かりでそれは患者も増えるでしょうが、その一方で常勤医師数定員の枠を盾に名目的な非常勤医(と言ってももちろんフルタイムで残業てんこ盛りの労働を強要されることは言うまでもありません)を研修医以下の待遇で酷使して「経営が改善した」と言っていたのですから、それはよほどにマゾな体質の医師でなければ長くは保たないでしょう。
もちろん医師という人間は一般に世間に比べてマゾ気質の人間が多くて、自分が人並み外れた労働をしていてそれが当たり前だと思っているものだから他の人間にもそれを強要するということはままある訳ですが、この先生の場合はもちろん経営的な仕事が本分とは言えこんな記事が出ているくらいですから、いくらもっと働けと発破をかけても現場の心情的には「お前が言うな」と言いたくもなるでしょうね。

尾道市民病院、小児外科を休診に 罷免の青山氏担当(2013年5月23日中国新聞)

 尾道市が病院事業管理者の青山興司氏(70)を罷免したのに伴い、市民病院は22日から青山氏が担当していた小児外科を休診にした。市は「患者数が少なく、大きな影響はない」とし、廃止を含めて検討するという。廃止されれば、市内で小児外科がある総合病院は、JA尾道総合病院だけとなる。

 青山氏は新設された昨年10月から今年4月までの約7カ月間で、延べ24人を診察した。病院によると、小児外科の外来受付は毎週水曜。原則予約制で、この日を含め予約はないという。
(略)

繰り返しになりますが青山氏の方針自体が正しかったのかどうかの判断はつきかねるとは言え、記事から判断する限りでは青山氏の方法論としては昔ながらの医療の考え方に基づくやり方であるという印象も濃厚であって、そのやり方が今の時代には通用しなくなってきたのだという捉え方も出来ることなのかも知れませんね。
長年この道一筋でやってきて、世間的にはとっくに引退してもいいはずの歳になっている青山氏がわざわざ手腕を見込まれ招かれたのですから、今さら自分のやり方は間違っていると言う気にもならないのは当然で、それは犬に「ニャーと鳴け」と言うが如く職務にふさわしい仕事の出来ない方を責任ある立場に据えてしまった市側の責任の方が大きかったのではないかという気がします。
いずれにしても医療と言うものはどこでも余裕ある運用などとはほど遠いぎりぎりの体制で行われているだけに、長年うまくいっていたものが何かの外因でひとたび破綻してしまうと全面的な破局にあっさり到達してしまうことは有名な舞鶴市民病院崩壊の事例などからも明らかなわけですから、今の時代何よりもまず医療の経営責任者に求められるのは現場の空気を読む能力だというのが今回の教訓になるのでしょうか。

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2013年5月27日 (月)

奨学金とはそもそも返すべきものなのか?

国全体で学生の数が漸減していっている中で医学部定員は大幅増となっていることは知られていますけれども、この副作用として医学部生のレベル低下が深刻だと医学部教官などを中心に懸念されるようになりました。
もちろん昔とカリキュラムが異なっているのですから単純比較は出来ないですが、ついにその懸念が一般にも広まってきたかと思われるのがこちらの記事です。

偏差値60切る医学部出現 学生のレベル低く関係者は頭痛める(2013年5月22日NEWSポストセブン)

 高齢化社会を迎えた日本が抱える大きな問題の1つが医師不足である。現在、日本の医師の数は29万5079人(2010年末)。人口10万人に対して230人という割合は、欧米先進諸国と比べて最低レベルにある。しかし、これを解消しようとしてきた結果、今、新たな懸念が生じている。

『バカ学生を医者にするな!』(毎日新聞社刊)の著者で長浜バイオ大学の永田宏教授が、こう指摘する。

「医師不足の切り札として、2008年度入試から大学医学部の定員を大幅に増やした結果、医師になるハードルは年々下がっています

 2007年に7625人だった医学部定員は、2013年度に9041人にまで増加している。しかし、実は昔から、医師国家試験の合格率は90%前後で推移しており、ほぼ変わっていない。つまり、医学部さえ出ればほとんどが医師になれるのだ。

 18歳人口からみても、1960年には18歳の人口200万人に対し、医学部の定員は2840人。704人に1人しか医師になれなかった。しかし、2012年になると、132人に1人はなれるのである。

 さらに、医師不足の地域格差を解消するため、大学は、卒業後の一定期間は地元で医師をすることを条件に奨学金を出す「地域枠」を増やした。

事実上の推薦入試です。しかし、普通に入試で合格する優秀な学生は都会に出るので、定員割れを起こしている。必然的に入ってくる学生のレベルが低く、関係者が頭を痛めています」(永田氏)

 定員増とともに、医学部の偏差値も下がり始めているという。永田氏が続ける。

「AO入試や推薦で学生を確保して定員を埋めるので、見かけ上の偏差値は高いままです。しかし、実際には偏差値60を切る医学部というのはすでに出ています。熾烈な受験戦争を勝ち抜いた団塊ジュニア世代の学生と比べると、かなり“劣化”しているのは間違いない

 そうやって入ってきた学生の質の低下は、やはり問題視されているようだ。2011年、全国医学部長病院長会議の調査によれば、「学生の学力が低下している」と回答した医科大・大学医学部は93.8%にも上る。対策として、多くの大学が1年次に高校の生物などの補習を行なっているという。
(略)

最近ではセンター試験7割でも医学部に通る、などと言う風の噂は聞きますけれども、考えて見れば一昔前は私学などでは補習授業や早期からの国試対策が当たり前だったわけですから、それが国公立にまで広がってきたという考え方も出来るということなのでしょうか。
もちろん何をするにもいわゆる地頭がいいに越したことはないでしょうけれども、そもそも医師であることにどれほどの能力が必要であるかは議論のあるところですし、むしろ過去のマスコミ等による医師たたきの構図を見てみれば「世間の常識も知らないエリート共が…」式のものも多かったわけですから、偏差値50の平均的学生が医師になるということも別に悪い話ではないにかも知れません。
このあたりは国試合格率、合格者数の推移なども含めてもう少し経時的に見ていかないことには結論を出せない問題だと思っていますが、当座彼ら学生自身に大いに関係しそうな話としてこういう問題が勃発しているということは知っておいた方がよさそうですね。

日本学生支援機構が586人の奨学金取り消しを追加(2013年5月23日J-CASTニュース)

  大学生らに奨学金を貸す日本学生支援機構が2012年度に支給している学生を再調査し、「警告」を出していた学生の中から新たに586人の奨学金を取り消した

   支援機構は学生の学業が疎かだったり、留年するなどし、貸し出すことが不適格と判断した学生に対し、警告、停止、廃止の処分を大学側と協議の上で決定している。警告は、奨学金の交付を継続するが,学業成績が回復しない場合は,次回の適格認定時以後に奨学金の交付を停止するか奨学生の資格を失わせることがある措置。停止は休学したり病気などで大学に通えないものに対し一時的に支給をやめる措置。12年度は支給している全91万人余りの学生を調査し、1万846人を廃止にした。警告を出された奨学生は1万2329人いたが、支援機構はこのたび初めてこの警告を出した奨学生を再調査し、586人が廃止にあたるとの判断を下した。

奨学生600人貸与打ち切り 支援機構、大学の審査覆す(2013年5月23日朝日新聞)

 【大西史晃】大学生らに奨学金を貸している独立行政法人日本学生支援機構が昨年度、学生の所属大学などによる「適格認定」を覆し、約600人の奨学金の原則廃止を大学側に通知していたことがわかった。返還の滞納が社会問題になる中、異例の対応で奨学生の審査に厳しく臨む姿勢を示した。

 同機構から奨学金を借りている学生は毎年、新年度を迎える前に、返還義務の自覚や家計の状況を記入した「継続願」を提出する必要がある。所属する大学や専修学校が、学業への姿勢、成績などを基に貸与の継続にふさわしいかを審査。やむを得ない理由がないのに留年したり、ほとんど単位を取っていなかったりする場合は最も厳しい「廃止」と認定し、学生は借りる資格を失う。次いで、最長1年貸与を止める「停止」もある。

 昨年度の継続分についての審査は、91万人余りが対象となり、廃止は1万846人、停止1万2187人だった。一方、「このままの状況が続けば、次回の認定以後に廃止または停止する」という意味合いの「警告」となった奨学生が1万2329人いた。

まず話の前段として近年この奨学金返済が滞っている人が多いということが非常に大きな問題となっていて、この就職難の時代を反映してか10年倍の2倍にあたる実に33万人が奨学金返済不能だと言いますから制度自体が立ちゆかないと言う騒ぎになるのも当然なのですが、一方で奨学金など返す必要はないといって裏マニュアルめいたことを言い出す人も相当数いるようなのですね。
もちろん契約として返しますと約束して借りた以上はきちんと返すのが筋ですが、就職できず返せないにしろ確信犯的に返さないにしろ学生時代から講義には出ない、単位は全く取得出来ずといった人の方がよりそうした危険性は高いんじゃないだろうかと誰だって思いますよね。
考えて見れば奨学金などと言うものは勉強したいがお金がなくて断念するしかない人に学問の機会を与えるものであって、そもそもまじめに勉強する意志も能力もない人に貸し与えるというのがおかしい、受給にあたって資格審査をもっと厳しくしないと駄目じゃないかという考え方もあるはずですが、どうも今の時代そう簡単なことではないようです。

最近学生と話していても確かに奨学金を取っている人が多いとは感じていたのですが、今やなんと大学生の過半数が奨学金を利用しているというほど奨学金頼りの進学が当たり前になっている、そしてそれを嫌って高卒で就職すると言っても今度はバブル期に比べて実に9割減と言うほど求人が全く無いと、もはや「無理な金額を借りてでも進学するしか選択枝がない」という悲惨な状況にあるということなのですね。
そもそも昔は貧乏人は頑張って国公立に行け、などと言われるほど貧しくても勉強できる環境は存在していたのに、私学との格差是正などの理由で年々学費が上がりとても学業のの片手間のバイト代で払えるような金額ではなくなってしまったため親のすねかじりが出来ない人間は無理な借金を承知で奨学金に頼るしかなくなった、そしてそんな学生の足下を見るように有利子奨学金枠が近年急拡大しているのですから、これは貸す方にも社会にも問題なしとしません。
さらに言えば諸外国を見ても奨学金と言えば貸すのではなく与えられるものであって、後で返す必要があるものは学生ローンと言って奨学金とは区別されているにも関わらず、日本ではほぼ無審査で有利子の奨学金を貸し付ける、そして返せないから問題だと大騒ぎしているのですから、これは何かが少しおかしいんじゃないかという気がしますね。
一方で同じ日本でも外国人留学生には返済無用の給付型奨学金が非常に充実している、その上学費はそもそも免除で渡航のための旅費や生活費までも出してくれると言うのですからあまりに格差が激しすぎるというもので、諸外国とは全く真逆と言っていいほど自国の学生には厳しく外国人学生ばかりを優遇する方針もさすがに今の世相でどうなのかということですよね。

日本でもようやく有利子型奨学金(という名の学生ローン)から無利子型を経て給付型奨学金を拡大していこうという話が出ているようですが、まずはポストバブル世代が親となっていくこれからの時代にあわせて親の援助無しでも進学できる環境を整えることが必要で、ただ金を出すのは惜しいと思うなら例えば学生が登録した職種でのバイトをすれば国なりが割り増し料金を出すといった「努力すれば報われる」方式もありかと思います。
また時折進歩的な民間企業などが社員にお金を出して専門教育を受けさせるといった話もありますけれども、こうした制度は実のところ専門資格取得と就職とが表裏一体の関係にある医師や看護師といった職種にこそ適しているのは当然で、今まではあまり表だってやっていなかったこうした行為も同種行為が世間で美談だとされているのであれば医学教育の世界でも少なくとも「あり」であっていいはずですよね。
現実にこういうことが明るみに出るとまず間違いなく「現代の御礼奉公制度だ!」などとマスコミのバッシングを受けるのは確実という気もしますが、考えて見れば今話題の地域枠なども自治体が率先して御礼奉公システムを整備しているのも同じなのですから、別に地域枠の信奉者というわけでもありませんが官がやれば英断で民がやれば人権侵害というのも何かおかしな話だなという気もします。
いずれにしても医療系専門職の場合馬鹿だろうが一応きちんと卒業させ国試に合格させれば今のところ確実に一定の収入が得られる環境があり、当然ながら借金の返済率も高いことが期待されるのですから、まずはこのあたりのリターンが見込める領域で何かしら制度的改革を試みてみることは金を出す側にとっても悪くない話じゃないかと思うのですけれどね。

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2013年5月26日 (日)

今日のぐり:「一念天」

日常生活の中で思いがけない不運に遭遇することはままあることですが、昨今ではうっかり落とし穴に落ちたとしても孤独に救助を待つ必要はなくなったようです。

リアル脱出ゲームか?駅トイレに閉じ込められた人が話題に(2013年5月21日秒刊サンデー)

駅のトイレに閉じ込められたという信じられない事件が発生し話題になっている。どうやら駅構内に誰もいないと判断した駅員は閉館処理を行い、トイレのシャッターも締めた。ところがその中にまだ人がいたようで、取り残されたユーザが「もりえきのトイレに閉じ込められた」と冷静にツイート。そして朝まで残ることを決意した投稿者に応援のツイートが寄せられた。果たしてこの場から抜け出すことが出来るのか。
写真を見る限り完全にシャッターが閉まり出られない状態となっている。明りは付いているが全て消えるのも時間の問題だ。そんな中、いつ脱出できるのかと気になったユーザが応援メッセージを投稿者にツイート。駅員に連絡をしたほうがよいと提案するユーザもいるが「大丈夫」と強気の投稿者。
こんな経験2度とないとむしろポジティブに考えた投稿者は、脱出出来るまでの一部始終を投稿することに決めたようだ。もちろん朝まで出られないというケースも想定している様子。その間何枚も写真を投稿。顔はイケメンと好評のようだ。
だが、運悪く?この状況を見て居たユーザが通報したようで、謎を解く前に脱出が出来たようだ。朝までコースは免れたものの、一時的にトイレに閉じ込められてしまったという事故は、なかなか体験できない珍事件。
我々も閉じ込められないように、閉館前の駅構内のトイレには立ち寄らないようにしたい。

―Twitterの反応
・これは・・・・
・このあとどーなったのか気になります・・・
・マジか…
・ワロタw 
・このイケメンww勇者だwwリアルタイムで面白かった、
・無事脱出出来たらしい。良かったね!
・イケメン助かったみたいだから寝る
・盛岡駅のトイレしまってるとこはじめて見た・
・監視カメラ有るから発見されるんじゃないの?
・トイレという場所に一晩とか気が狂うわ
・私もトイレに閉じ込められたことある
・トイレって、誰かいないか最後に確認しないのか!?
・こんなことってあるの?!

駅のトイレで気をつけなければならないのは幽霊やお化けだけではないことを念頭に置きたいものだ。

しかしこの事件はネットというもののありがたみを示すものでもありますが、リアルで孤独ではあっても人間誰かとつながっていられれば案外逆境にも耐えられるという教訓なのかと言う気もしますね。
今日は無事救助された方の生還を祝して、世界中からネットまつわる様々な話題を紹介してみましょう。

Yahoo!で「死」「死ぬ」を検索すると……連動広告がアレ(2013年5月23日ねとらば)

 Yahoo!JAPANで「死」「死ぬ」といったキーワードを検索した際の関連広告がおかしいとネットで話題です。出てくるのはなんと、ヨドバシカメラの通販(5月23日11時時点)。「死はヨドバシ公式通販で日本全国無料配達 スピードお届け」と、定型文の頭を「死」に置き換えただけと思われる内容なのですが、ネットユーザーより「スピードお届けすんなwwww」と盛大なツッコミが入れられ、ネタになっています。

 ちなみに編集部で確認したところ、「死ぬ」の検索結果にはヨドバシ以外にもいくつかの通販系広告が上がってくる模様。「死通販」「死最安値通販こちら」など、身も蓋もない定型文が炸裂しております。

昨今では何でも自動でやってしまう時代ですからこういうこともあるのでしょうが、しかし下手すると壮絶な自爆ネガキャンにもなりかねないですね。
ネット上では誰が流したのかも判らないコピペが流布しているということがままありますが、こちらその中でも最近話題になっている新作のようです。

LINEやTwitterで拡散しているコピペ文章が深いと話題に(2013年4月27日秒刊サンデー)

TwitterやLINEで拡散しているコピペ文章が深いと話題になっている。その文章は、英単語にまつわるもので、believe(信じる)にはXXXがあり、lover(恋人)にはXXXがあり、next(次)にはXXXがあり・・・といったもので、答えを知るとなるほどな、と感心するもその意味の深さに真剣に考え込んでしまう内容だ。果たしてどのような言葉が隠されているのだろうか。

(画像)

believe(信じる)にはlie(嘘)があり、lover(恋人)にはover(終わり)があり、next(次)にはex(元彼)があり、life(人生)にはif(もし)があり、friend(友達)にはend(終わり)がある。つまり単語の中に含まれているキーワードが実は相反する意味合いや、隠された真実の言葉が入っているのではないかと言う言葉遊びだ。
(※元彼exはex boy friendの略)

LINEやTwitter等で拡散し、「凄い」「深い」などと話題になっている。実はこの文章、以前からも日本のみならず世界中で話題になっており、 A LIE In BELIEVEなどと言うくだりから英語バージョンが広まっている。

参考サイト
http://bit.ly/15OSdKi

そんな中、上記以外の英単語にも面白いキーワードが隠されているのではないかと、密かに探す人も出てきているようで、今後英単語を見ていくのが楽しみになりそうだ。

―ネットの反応
・これすごいー!
・でもi(愛)があるから続くんだ。
・上手いね
・heaven(天国)にはav(アダルトビデオ)がある
・ex(元彼)が苦し過ぎる
・LEGEND(俺)にもEND(終わり)がある
・すごくね?
・すごぃね、
・i以外の単語はどこ行った、
・くっせーセリフだな
・friend(友達)にはend(終わり)がある。 言葉が1番
・なにこれ超深いしすごい

同じような言葉遊びで以前このような用語も話題になった。

「Family」の語源が美し過ぎるとネットで話題に。多く拡散し感動を与える。|| ^^ |秒刊SUNDAY

まあこじつけと言えばその通りなんですけれども、何かしら一面の真実が含まれているようにも思えますから深いですね。
ネット上では様々な悩み事相談も行われていますけれども、こちらは悲劇なのかネタなのか何とも言いかねる相談でしょうか。

巨乳好きがバレて妻が「おっぱい」としか喋らなくなりました――Q&Aサイトに斬新な相談が寄せられ話題に(2013年5月16日ねとらば)

 悩めるビジネスパーソンの質問が投稿されるマイナビニュースQ&Aに、「僕の巨乳好きがバレて、妻が『おっぱい』としか喋らなくなりました」という斬新な相談が寄せられています。

 33歳男性だという質問者の奥さんは、「はっきり言ってブラジャーをつける意味がないほど小さいバストの持ち主」。ところが巨乳女性のエッチな画像が詰まった「秘密のフォルダ」を奥さんに見られてしまい、カンカンに怒った奥さんは男性が何を言っても「おっぱい」としか喋らなくなってしまったとのこと。「ごちそうさま」「おっぱい」「会社にいってくる」「おっぱい」と会話にならず、「どうすれば許してもらえるでしょうか?」と助けを求めています。

 回答者からは「ファイルを削除して、謝って誤解を解きましょう」といったアドバイスが寄せられていましたが、その一方で奥さんのあまりにユニークすぎる怒り方がTwitterで話題になっています。お二人は至って真面目に困っているのかもしれませんが、周りから見るとなんだか仲良しにも見えるエピソード。円満な解決をお祈りしております。

まあ奥様のほうもすでに引っ込みがつかなくなっているのかも知れませんから、ここは家庭内円満のためにこういうものをプレゼントしてみてはどうでしょうか?
こちらも相談系の話題なのですが、最後のどんでん返しに皆びっくり!というニュースです。

Yahoo!知恵袋の相談がどんでん返しすぎて怖いと話題に(2013年4月30日ねとらば)

 Yahoo!知恵袋に投稿された、ママ友をめぐるある質問が怖いとネットで話題になっています。

 話題になっているのは「ご近所のママ友さんに仲間はずれにされています。嫌われてしまったようなのですが…」というもの。質問者は、仲良くしていたママ友「Aさん」から嫌われたようだとし、仲直りをするにはどうすればいいかとたずねています。質問者の子どもがAさん宅へ遊びに行ったときに、お菓子を触った手で高価なピアノに触るなど言うことを聞かなかったことが原因とか。

 知恵袋には多数の回答が投稿され、「仲直りは無理」「距離を置くべき」「無理して付き合わなくてもいい」といったアドバイスが寄せられました。しかし「ベストアンサーに選ばれた回答」に付いた質問者のお礼コメントがすべてをひっくり返します。質問者は実は「Aさん」で、立場を変えて質問を投稿したと明かし、Aさんの行動を支持する回答に対して「私の行動が容認されてホっとしています」とコメント。

 質問者は自分の立場から質問するものだという先入観を利用して閲覧者を欺く心理的トラップに、ネットでは「怖すぎる」「震えた」「釣りなら見事」といった声が上がっています。

昨今ではママ友のおつきあいもなかなかに難しいのだそうですが、個人的にはこういう親身に相談に乗ってくれた他人の信頼を裏切るような行為は正直感心しませんね。
日本人は食べ物にこだわるということが最近世界的にも知られるようになってきましたが、これはいささかどうよ?という妙な食べ物?が静かなブームだという話題です。

謎の日本発キャラクター『ネコずし』が現在話題急上昇中! 海外でもファンがじわじわ増殖している模様(2013年5月6日Pouch)

みなさんは、『ネコずし』というキャラクターをご存知でしょうか。

『ネコずし』とは読んで字のごとく、お寿司の状態になっているネコ、のこと。『ネコずし』公式サイト『ネコずしニャー太』曰く、「寿司のシャリの上にネコがのっている非常に不思議な生物」であり、「昔から多数の目撃情報や研究資料が残されているが未だ多くの謎に包まれており、滅多に人前にはその姿を見せる事はない」とのこと。

そんな『ネコずし』、インターネットなどを中心に現在人気急上昇中のようで、海外でもファンがじわじわ増えている模様。ふむ……たしかにこの、ある意味「超日本人的感性」の産物ともいえる『ネコずし』が外国人の方々にウケるというのは、妙に納得してしまうものがあります。

お寿司のシャリの上にちょこんとネコが乗っている、ネコずしという名の生き物。このシュールすぎるキャラクターを生みだしたのは、『タンゲ&泣き虫ピーナッツ』さん。

見る者を一瞬、混乱の渦へと誘い込む『ネコずし』。ですが、その実キャラクター設定や世界観がしっかりと構築されているため、突っ込む隙を与えてくれないほどクオリティーが高い。そんなところもまた、とっても日本的ですよねぇ。

『ネコずし』の魅力に既にハマりかけている、というあなた。現在『ネコずし』は、iPhone /Android向けアプリを絶賛無料配信中とのことです。というわけであなたもぜひこの機会に、『ネコずし』の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

その詳細はリンク先の画像を参照いただきたいと思いますけれども、やはり寿司ネタにするのであれば毛の処理くらいは必要かと思います。
プライバシー侵害だとすっかり評判を落としているあのサービスですが、またしてもとんでもないものが発見されてしまったようです。

Googleストリートビューでぼかし処理されたものは一体何だったのかが判明(2013年5月16日GigaZine)

Googleマップのストリートビューで見られる画像はGoogleストリートビューカーで撮影されており、今ではアマゾンのジャングルやエベレスト、阿波踊りの様子までも見られるようになりましたが、まれにおかしなものが写り込んでしまうこともあります。オーストラリアのアデレード南東部を走っている道路で、ストリートビューに写り込んだ何かがGoogleによってぼかし処理されていました。

問題のシーンが撮影されたのは、デュークスハイウェーの路肩。
サテライトモードで見るたところ、問題のシーンが写り込んだ場所は道路以外何も近くにありません。
Googleストリートビューで見ると、左前方に1台の自動車が止まっているのがわかります。
近づいてみると、停車している自動車の前にはぼかし処理されている空間があり、かなり不自然。
自動車の横から見てみると、白い何かが自動車の前にあることがわかります。

実は、ぼかし処理される前はこんな感じで、手を振りながら前かがみの姿勢の女性と男性が写り込んでいます。
ズームで見ると、明らかにカップルが性行為に及んでいるように見えます。恥ずかしい行為を撮影されているにも関わらず、Googleストリートビューカーに手を振る女性は楽しそうな雰囲気。
女性が楽しそうに手を振っていたりするだけでなく、男性の腰の位置が不自然なため、どうやらGoogleストリートビューカーを見つけたカップルが先回りして、あたかも屋外でしているかのようなシーンを演出したらしいのですが、実際には事に及んでいなくても「不適切」としてGoogleにぼかし処理されてしまったようです。

しかし全世界を撮影した上でこうした処理までしているとはその壮大な無駄な努力に感心するしかありませんけれども、これを見つけた人間もよほどに暇だったのでしょうね。
最後に取り上げますのはやはりブリからの話題なのですが、例の馬鹿発見器は全世界で機能しているようです。

警察「動かぬ証拠をありがとう!」Facebookで盗品自慢をしていた車泥棒8人組が逮捕(2013年5月3日らばQ)

Twitterや掲示板などで犯罪自慢をして、それが証拠となって逮捕に至るケースが増えました。
犯罪者がそうした愚かな自慢をしたがるのは海外でも共通のようです。

イギリス・ロンドンで窃盗を繰り返していた8人組が、盗んだ車や金品をFacebookやTwitterツイッターで自慢していたことがわかり、あえなく逮捕されました。
メンバーの1人が、盗んだレンジローバーのボンネットに座って撮った写真をFacebookに投稿してしていたことが発覚し、芋づる式に8人が逮捕されました。
8人組は9台の高級スポーツカーを始め、宝石類や電化製品などを連続的に盗みを働いていたことがわかっています。
(略)
ちなみにこの8人が逮捕されてからと言うもの、ロンドン・ケンジントンの盗難が48%も減少したそうです。
犯罪者が愚か者だと、警察はかなり助かるようですね。

幸いにも馬鹿でよかったとはおかしな表現ですが、しかしどれだけの犯罪をこなしていたんだよというものですよね。
馬鹿発見器がこれだけ活用出来ることが明らかになってきているのですから、ネット規制ばかりではなくもっと積極的に有効活用することも考えてはどうでしょうね?

今日のぐり:「一念天」

倉敷市街地北側の巨大ショッピングモール近くに位置するのがこちらのうどん屋ですが、裏通りに面していることもあって地図を見ないとなかなか判りにくいですよね。
なんでも昔は市内の別な場所にあったそうなのですが、売りとしてはさぬきの純手打ちうどんの店だということで、今回久しぶりの再訪になります。
こちらの場合食券を買うと厨房にオーダーが通るシステムシステムで究極のセルフと言う感じがしますが、ある程度顧客の協力も必要なのはさぬきらしいと言えばらしいですよね。

とりあえずはぶっかけの冷を頼んで見ましたが、開店早々だったせいかまさしく打ちたて、茹でたてのタイミングだったようで、この日のうどんは表面はソフトでありながら芯はかなり硬めでしっかり腰もありと倉敷界隈の人気店によくあるうどんよりはハード方向に振ったもので、なかなかどっしりした食べ応えもあるものでしたが気がせいたのか?わずかに肌が荒れ気味なのが惜しいですよね。
これまたセルフ方式のトッピングは例によって生姜少々にネギ天かすだくで食べたのですが、しかしこのダシ自体は香川らしいものなのですが、甘辛というよりは辛口でかなり濃い味に仕立ててあるのはさぬきと言うより倉敷のぶっかけっぽいでしょうか。
もう一杯かけうどんをワカメネギ天かすのトッピングで食べて見ましたが、基本ごついうどんですからこちらかけの方がマッチングはよさそうで、これに合わせてあるのが一転してあっさり薄口のかけつゆなんですが、個人的なかけの好みからすると少し辛口に感じられました。
ちなみにセットものでバリューセットはうどんとおかず、定食はプラスご飯ということのようで、小鉢も含めておかずは十分量ありますから好みでおにぎり等合わせてもよし、いずれにしてもセルフ店にしてはうどん単価はやや高めなのに対してセットメニューの方が利幅が少なそうな気もします。
ちなみに同行者のセットメニューからトンカツをつまんでみましたが、肉は結構分厚いとんかつ店サイズですが衣の方はさすがにサクサクというよりカリカリで、肉自体も含めて全体の味としてはお総菜屋の並レベルというところでしょうか。
まあちょっとしたおかずとして付け合わせに食べるならこれで十分ですし、量的には前述の通りたっぷりありますから多くのお客がセットで頼んでいたようですが、やはりせっかくのうどん屋ですからうどんでお腹を膨らませた方が幸せではあるかも知れませんね。

相変わらず親父さん一人で営業しているようなので接遇面はほとんど会話もないような水準なのですが、入り口脇のアルバイト募集の看板が半ば以上剥がれ落ちているのは単なるメンテナンス不足なのか、開き直って一人でやるつもりなのかどちらなんでしょうね?
見ている範囲ではお客もそこそこは入っているんですが、近隣人気店のように行列待ちの大繁盛という感じでもないようで、このあたりは場所柄もあるのかも知れせんが(失礼)うどん自体は悪くないと思うのですけれどもね。
設備面ではこういう小さなセルフ店でありながらちゃんとしたトイレが備えられているのは好印象ですが、まあ親父さんにしてもなくては困るのも確かでしょう。
ちなみに券売機のメニューは限られていますが窓口でちゃんとあつひや等も選択出来るということで、そういう文化のないこのあたりの顧客にどれだけ通用しているものかは判りませんが、きちんとさぬきスタイルを守ろうとしている姿勢は敬服に値すると思います。

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2013年5月25日 (土)

朝日が国際的緊張を高めようと鋭意努力中

昨今政治の世界において歴史認識ということが盛んに言われるようになっていますが、先日こういう記事が新聞紙面に出ていたことをご存知でしょうか。

従軍慰安婦問題、河野談話で曲解広まる(2013年5月14日朝日新聞)

 従軍慰安婦問題は1992年1月に朝日新聞が「日本軍が慰安所の設置や、従軍慰安婦の募集を監督、統制していた」と報じたことが発端となり、日韓間の外交問題に発展した。

 記事中には「主として朝鮮人女性を挺身(ていしん)隊の名で強制連行した」などと、戦時勤労動員制度の「女子挺身隊」を“慰安婦狩り”と誤って報じた部分もあり、強制連行の有無が最大の争点となった。

 宮沢内閣は同年7月、軍による強制徴用(強制連行)の裏づけとなる資料は見つからなかったとする調査結果を発表した。しかし、韓国国内の日本批判は収まらず、政治決着を図る狙いから、翌93年8月、河野洋平官房長官(当時)が、慰安所の設置、管理、慰安婦の移送について軍の関与を認め「おわびと反省」を表明する談話を発表した。

 ところが、河野談話によりかえって「日本政府が旧日本軍による慰安婦の強制連行を認めた」という曲解が広まったため、第1次安倍内閣は2007年3月、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」とする政府答弁書を閣議決定している。

この一連の問題の起源の一つとも言うべき朝日新聞の捏造報道については最近ようやく公の場でも語られるようになってきていて、どうやら朝日新聞の一記者の個人的事情に基づくものであったらしいということも知られるようになってきましたが、同業他紙からも(ややぼかした表現とは言え)そもそもの両国間の緊張も同社の誤報が発端だったと書かれるようになったのは時代の変化ということなのでしょうか。
歴史認識問題そのものについては本稿の目的とするところではありませんから踏み込みませんけれども、朝日新聞と言えば先日は海上自衛隊の取材要注意ブラックリストに名指しで載せられていたと言う話が出ていたほどで、日本を代表する良心的(苦笑)メディアとして東アジア諸国においても盛んにその記事が引用されては世論を焚きつけていることは知られているところですよね。
恣意的な捏造報道によって日本と周辺諸国との緊張を高める同社のやり方は今に始まったことではありませんが、最近は「アサヒる」などと言う言葉もあるように世間も朝日と言えばまず捏造ありきでチェックする習慣が身についてきたということなのでしょう、この問題に関してもこんな話が明らかになっています。

橋下市長の慰安婦発言、米国は本当に痛烈批判しているのか? (2013年5月23日ビジネスメディア誠)より抜粋

(略)
朝日新聞記者が行った、米国務省の報道官への質問

 5月17日、新聞各社は夕刊で、橋下市長の発言に対する米国務省のコメントを一斉に掲載した。というのも、米国務省の定例会見(5月16日)で、報道官がこの発言についての見解を聞かれ、米国の立場を述べたからだ。

 定例会見で橋下市長の発言について質問したのは朝日新聞の記者。質問は2つのみだったが、どんなふうに質疑応答が行われたのか(参照リンク)。全文を極力直訳すると以下のようなものだった。

朝日新聞記者の質問: ども、私は日本の新聞、朝日のタカシです。大阪の橋下市長が最近、いわゆる「慰安婦」問題について、道徳的観点の価値からは受け入れられないが、慰安婦は戦時には欠かせないもの(necessary)だと主張する発言をしました。そして彼はまた、売春によって性的サービスを提供されていた他の国の軍もあるのだから、日本だけが米国やほかの国から批判されるのは公平ではないと主張しました。米国は彼の発言、または米国に対する批判に対してどういう立ち位置でいますか。

    Hi, my name is Takashi from Japanese newspaper Asahi. Osaka City Mayor Hashimoto recently made a comment on the so-called “comfort women” issue, arguing that even though it is unacceptable from the moral perspective value, but the comfort women were necessary during the war period. And he also argued that it is not fair that only Japan is criticized by the United States and other countries, because there are other country military that were provided sexual service by prostitute. And do U.S. has any position on his comment or criticism against the United States?

米国務省 ジェニファー・サキ報道官: 発言は、もちろん、把握しています。橋下市長の発言は言語道断(outrageous)で不快(offensive)です。前にも述べたように、当時、性的な目的で人身売買されたこうした女性に起きたことは、嘆かわしく、明らかに相当に重大な人権侵害です。被害者たちには、あらためて、心からの深く同情します。そして日本が周辺国とともに、過去からのこの問題やほかの問題について取り組み、また関係国が前進できるような関係を深めるために努めていくことを望みます。

    We have seen, of course, those comments. Mayor Hashimoto’s comments were outrageous and offensive. As the United States has stated previously, what happened in that era to these women who were trafficked for sexual purposes is deplorable and clearly a grave human rights violation of enormous proportions. We extend, again, our sincere and deep sympathy to the victims, and we hope that Japan will continue to work with its neighbors to address this and other issues arising from the past and cultivate relationships that allow them to move forward.

同じ朝日新聞記者の質問: この問題を、性奴隷または慰安婦、どう表現しますか?

    Do you describe this issue sex slave or comfort women?

サキ報道官: 再びになりますが、それを定義するかは分かりません。あなたが細かな詳細を示したようですが、われわれは過去にこの問題を慰安婦と表現しています。

    Again, I don’t know that I’m going to define it. You kind of laid out the specific details there, and we have described this issue in the past as comfort women.

 2つ目の質問には違和感を覚える。すでにある程度一般化している「慰安婦」を、「性奴隷」と呼ぶ可能性はないのかと、サキ報道官に問いかけているのだ。2つしかできない質問で、2つ目にこれをもってくる理由はよく分からない。「朝日のタカシ」氏は、この質問から何を言わせたいのだろうか。

「連れて行かれた」と「売買された」では意味が違う

 ともかく、こうしたニュースでは、外国人の発言を日本語に翻訳する際に、誤訳やニュアンスの違いが指摘されることも少なくない。サキ報道官の発言も、訳し方でニュアンスが違ってくる。

 先に紹介したサキ報道官のコメントの「当時、性的な目的で人身売買されたこうした女性に起きたことは、嘆かわしく、明らかに相当に重大な人権侵害です」という部分を、各社掲載しているが、朝日、読売、毎日の記事を見比べてみたい。明らかにそれぞれのニュアンスは異なっている

    【朝日】

    戦時中に性的な目的で連れて行かれた女性たちに起きたことは嘆かわしく、重大な人権侵害だ

    【読売】

    当時の女性たちに起きたことは悲しいことであり、重大な人権侵害だった

    【毎日】

    戦時中に性的な目的で連れて行かれた女性たちの身に起きたことは、嘆かわしく、とてつもなくゆゆしき人権侵害であることは明らかだ

    【産経】

  性を目的に売買された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、明白で並外れた人権侵害だ

 ここで特筆すべきは、「連れて行かれた」のか「売買された」かの違いだ。日本のネット上では、いち早くその部分に疑問を投げかける者もいる。サキ報道官は会見で「trafficked」と言っているのだが、産経新聞だけが「売買された」と訳しているのだ。「連れて行かれた」と「売買された」とではまったく意味が違う。こと慰安婦の問題では、ここのニュアンスは大事なところだ。

 この場合、サキ報道官の発言は「売買された」とするのが適切だろう。英英辞書などをみても、その意味は「The commercial exchange of goods; trade」または「Illegal or improper commercial activity」とある。つまり「物品の商業的なやりとり、売買」または「違法または不適切な商業活動」という意味になっている。「連れて行かれた」は弱すぎで、ニュアンスが違う。

 同じ報道機関でこうも違うと、日本の読者は何を信じればいいのか分からなくなってしまうだろう。ただこれが現在の日本のメディアの現実と知っておくことは大事なことだ。残念ながらこうした違いは、サキ報道官の発言の映像を字幕付きで流すテレビ局の間でも同じだ。とにかく鵜呑みは禁物なのだ。
(略)

元記事全文を参照していただければ、この答弁は定例会見の中でもごくごく小さな扱いで終わったことは明らかなのですが、朝日が盛んに言質を取ろうとしていることからも判るようにテレビ朝日も大々的に「米報道官が常軌を逸した不快な発言だと批判!」などと報じ紙面においても「アメリカサマもこのようにお怒りである!」とやったのですから、世間でマッチポンプと言うものではないでしょうか?
そもそも平素から反米主義を標榜することの多い朝日のような良心的メディアがこうした時だけ彼の国の権威を当てにするというのもどうかというものですが、さすがに昨今ではおかしいと考える人々も増えてきたということなのでしょうか、朝日に限らずマスメディア全般に対する信頼性が年々低下してきているようです。
先日の調査で「もっとも信頼できるメディアは何か?」と各世代にたずねたところ、あらゆるメディアを押しのけて第1位になったのは「信頼できるメディアはない」という答えだったという話がありますが、特に40歳代から下の若年層になるほどこの傾向が著しかったということは非常に示唆的ではないかと思いますね。
その大きな理由の一つに昨今ではネット等を通じて元情報に接することも多種多様なメディアの報道を比較検討することも容易に出来るようになったため、各メディアが何を報じ何を報じなかったかということが丸わかりになってしまうという現実がありますが、特にそれらに特定の傾向がありそうだと感じている人々が増えているということは実感としても感じている方々が多いのではないでしょうか?

意図的な隠蔽、過剰報道…「今のマスコミはかなりおかしい」と思う?(2013年5月21日楽天woman)

今年3月、維新の会に所属する中山成彬衆議院議員が"慰安婦問題"について質疑を行う様子がインターネット動画サイトにアップされた。しかしその動画は、なんと"NHKからの申し立て"により削除されることとなる。他の国会映像はネット上に溢れているにも関わらず…である。その後は中山議員自らが同動画をアップし話題になった。
近年、インターネットを中心に物議を醸している"偏向報道問題"。「ある事象について複数の意見が対立する状況下で、特定の立場からの主張を特に取り上げるべく直接・間接的に情報操作が行われている」。…少なくとも視聴者サイドには、その傾向を感じ問題視する流れがある。
テレビやラジオといった電波報道はもちろんのこと、新聞や雑誌も例外ではない。ジャンルも政治・経済から事件、裁判、芸能まで多岐にわたる。
そこでNewsCafeのアリナシコーナーでも「今のマスコミはかなりおかしいと思う?」という調査を実施した。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。

【アリ…92.7%】
■偏りが多く、自分達に都合の悪い事は報道しない。韓国系とか。
■犯罪被害者に対する配慮が皆無。不愉快極まりない。
報道の自由の意味を勘違いしてると思う。
■番組を見ればおかしいのは明白。
■芸能人の妊娠情報や、離婚報道いらない。
情報操作されている気がして信じられない。
■増税やむなしの洗脳報道をし続けたのはマスコミ各社です。
■マスコミは一般市民の為ではなく、スポンサーの為に仕事している。
■日本人による犯罪は増えてるの? 通名報道やめて!
■おかしい通り越して壊れてる。

【ナシ…7.3%】
■昔からおかしい。実際情報操作などは戦時中から行われてます
■都合だけ取り、不都合はデマと決め付けるネットの流れのが危険。
■NewsCafeさんが明るい話題を扱って下さればそれでいいです。
■かなりと言う程でもないだろ。所詮は経済活動の商業放送にすぎん。

結果は【アリ派】9割超と、数多いアリナシテーマのなかでもかなり圧倒的な数字となった。寄せられたコメントも、マスコミへの抑えきれない怒りをぶつけたような内容ばかりである。なかでも特に多かったのは「犯罪被害者への配慮」と「通名報道」に言及する意見。今年1月に起こったアルジェリア人質拘束事件で、朝日新聞が遺族の意向を無視して実名報道に踏み切ったのは記憶に新しい。また3月には、韓国籍の強盗強姦容疑者をNHKだけが通名報道するという騒動もあった。
一方の【ナシ派】のコメントも「昔からおかしい」「所詮は商業放送」など冷ややかな意見ばかり。マスメディア全体への払拭しがたい不信感が溢れていた。

先のアルジェリア人質事件でも話題になったように、事件被害者にどれだけ忌避されようが断固実名報道主義を報じている朝日が、何故か特定地域からの外国人に関しては断固として国籍も実名も報じないという姿勢を貫いているということはよく知られていて、激しいものになるとわずか30分で記事を書き換えるということも平気でやっているようです。
先日の生野で発生したわざわざ事前に確認してまで日本人を狙ったという特異な通り魔事件などもその異常性の割にさっぱりメディアからはスルーされていると逆の意味で話題になっていますが、とっくに実名が報じられているにも関わらずあくまでも「無職の男」で通すあたりにも朝日のポリシーが表れているとこれまた話題ですよね。
朝日の目指すところがどのような場所にあるのかは存じ上げませんけれども、こうした恣意的に偏らせた報道を積み重ねることで国民世論を操作することは同社の得意技でもあるだけに、周辺諸国との緊張感を無用に高ぶらせ日本の立ち位置を危うくするという数十年来の社是に従った遠大な計画が今回もその行動の背景にあるということなのでしょうか。

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2013年5月24日 (金)

僻地医師不足問題 そもそも本当に医師が必要なのか?

長年医師集めに関して殿様商売を続けてきた地方の自治体病院が、医局による医師配給システムの崩壊に伴って医師不足にあえいでいることは今さらの話なのですが、昨今ではこうした状況を「医療の貧困」と呼ぶようになったようです。

救急や産科、へき地の「医療の貧困」打破を-全自病が厚労省などに要望書(2013年5月17日CBニュース)

 全国自治体病院協議会(全自病)と全国自治体病院開設者協議会は17日までに、病院の勤務医・看護師確保や、ドクターヘリの運用緩和などを求める要望書を厚生労働省や総務省などに提出した。地域医療の“最後の砦”の自治体病院が抱える問題点の改善を求めたもので、良質な医療の提供を行うために欠かせない16項目の重点施策を据えた。

 要望書では、病院勤務医の絶対的な不足や、診療科・地域偏在といった「医療の貧困」が、日々悪化してきていると指摘。こうした状況を打破するため、へき地医療や救急、産科などの病院勤務医の負担軽減が不可欠とした。具体的な事例として、夜間救急への「コンビニ受診」を挙げ、「かかりつけ医療機関への受診などによる救急医療の確保や勤務医の負担軽減について、新聞・テレビなどの媒体を活用した国民への周知を継続的、強力に行う」との抑制策の導入を求めた。

 さらに、病院内で深刻化している麻酔科医不足の“対症療法”も明示。麻酔科医が足りない病院に対してドクターヘリを使って派遣することを可能にするため、ドクターヘリの使用法を限定している関連法の改正を行う必要があるとした。
(略)
 また、小児科や産科、外科、精神科などの勤務医の不足が原因で、分娩の取り扱い中止や、病床の一部休止などを余儀なくされている実態を踏まえ、勤務医の養成や支援を行う「地域医療支援センター」の全国的な展開を要望。看護師の確保対策では、休職中の看護師の職場復帰や雇用調整を行うシステムの構築などを求めた。【新井哉】

しかし「病院勤務医の負担軽減が不可欠」という理解に達しているのでしたら、今までその勤務医の負担軽減に全く意欲を示さず「医者など毎年いくらでも送られてくるもの」と言う考えで使い潰してきたからこそ田舎自治体病院など誰も行きたがらなくなったという現実にも思いを致し、自主的に改善できる数多の問題点を何とかしてみられてはどうでしょうか?
だいたいが勤務医の不足と言いますが片田舎にあっても次から次へと医師が集まってくる病院もあれば、都市圏のまっただ中にあってもまともな医師からは相手にされない病院もあるわけですから、自治体病院は全国医師達から嫌われているという現状を正しく認識し、管理職以外の医師達の給料の安さをどう解消するのかといった医師集めのための方策を自ら講じることこそ第一ではないかと思います。
とは言え全自病としては「いや私共も悪うございました」と頭を下げ悔い改める気にもならないのでしょう、近年やたらと国に働きかけて医師強制配置を実現しようと画策していますけれども、せっかく自治体が設立した病院なのですから条例で「平日営業時間内の受診は割引、夜間は割増」くらいの大胆なコンビニ受診対策でも検討してみられてはどうなのでしょうかね?

いささか前置きが長くなりましたが、そもそも僻地での勤務ということについて当事者である医師達はどのように考えているのか、表立ってではない場では様々なぶっちゃけ話も出ていますけれども、きちんとした調査になれば「条件が合い機会があればやってみたいと思います」式の模範回答でお茶を濁す場合が多いのではないかと思います。
そうした模範解答の存在を念頭に置いた上で、先日医療関係者向けのサイトを開いている会社が医師に対して僻地診療に関する意識調査をしているのですが、それを報じる記事がそれぞれ微妙にニュアンスが異なっているのが興味深いですね。

へき地医療、待遇次第で従事する医師3割強-若年層ほど検討する傾向(2013年5月22日CBニュース)

 へき地医療に携わっていない医師のうち、3割強は、勤務日数や給与次第でへき地医療に従事してもいいと考えていることが、医師・医療従事者向けサイトを運営するケアネット(東京都千代田区)の調査で分かった。若年層ほど、前向きに従事を検討する傾向が見られた。

 ケアネットは4月26日、インターネット調査で、同社サイトの会員医師1000人から回答を得た。それによると、へき地で働いている医師は、常勤(7.5%)とパートタイムなど(4.8%)を合わせて12.3%。一方、以前携わっていたのは23.9%、未経験は63.8%だった。
 現時点で従事していると答えた人以外に、へき地医療への考え方を聞いたところ、「将来的には考えたい」が7.9%、「勤務体制(期間/曜日限定、要請時のみなど)次第で考えたい」が12.1%、「待遇(報酬・休息時間など)次第で考えたい」が14.7%で、計34.7%だった。この割合を年齢層別に見ると、30歳代以下(48.9%)が最も多く、以下は40歳代(36.6%)、50歳代(31.5%)、60歳代以上(23.1%)の順だった。

■従事しない理由、「家族の事情」や「総合的な診療への不安」

 調査では、へき地医療に全く関心がないか、興味があっても携われないと答えた医師に、その理由を複数回答で尋ねた。最も多かったのは「子供の教育・親の介護などで現在の住まいを移せないため」の36.1%。以下は「多忙で他の業務に携わる余裕がないため」(32.8%)、「開業しており、自分の交代要員がいないため」(27.1%)、「診療科を問わず総合的な診療を行うことが不安なため」(21.8%)、「自分の専門科の必要性が薄いと思うため」(21.5%)などと続いた。【佐藤貴彦】

「僻地医療 関心はあるが困難」が明らかに(2013年5月18日QlifePro)

解消が急がれる僻地医療問題

株式会社社ケアネットは僻地医療についての意識調査の結果を、5月16日に発表した。この調査は4月26日に、同社の会員医師1,000人に対して行われている。

この調査の結果、僻地医療に対して関心を持っているものの実際に行動に移すとなると困難がある、と回答した医師が多数に上っていることが明らかにされた。

親の介護・子供の教育などが足かせに

この調査によると僻地医療に何らかの形で携わったことのある人は全体の26.2%で、その内訳は「以前携わっていた」が最も多い23.9%、「現在、常勤で携わっている」が7.5%、「常勤以外(パートタイム・巡回・ドクターヘリなど)で携わっている」が4.8%となっている。

考えについての質問に対する回答で最も多かったのが、「関心はあるが携われない」の48.7%で、「待遇次第で考えたい」が14.7%、「勤務体制次第で考えたい」が12.1%、「将来的には考えたい」が7.9%と続く。「全く関心がない」と回答したのは16.6%だった。

「関心はあるが携われない」と回答した医師を年代別に比較すると、30代以下では34.8%なのに対し、40代は44.1%。50代では52.6%、60代以上では64.3%となっている。理由には子供の教育や親の介護などが挙げられている。(小林 周)

基本的にいわゆる僻地に住む人口など全国全て併せてもごく限られた圧倒的少数派に過ぎないのですから、その少数派のために働いてもイイよと言っている医師が何と3割もいるというのは非常に贅沢な状況ではないかと思うのですが、この場合問題になるのがその前提条件として「待遇次第で」という文言が付いて来ていることでしょうね。
例えば同僚に各診療科専門医がそれぞれ複数いること、当直等の労働条件は労基法厳守といった僻地の小医療機関では絶対に実現不可能な「待遇」を求める人々もこの範疇に入ってくるのだとすれば、冷やかしではなく実際に「場合によっては行ってもいい」と考えている人はずっと少ないということになりますが、興味深いのは若年世代ほど僻地診療もありだと思っているということでしょうか。
僻地診療をやったことがある経験者がおよそ3割いるということですが、ローテート必修化によって若年世代では例え一ヶ月だけだとしても僻地経験者がそれなりにいるわけで、僻地診療の状況を知った上でそう言っている彼らをうまく取り込めば長期赴任は無理でも短期的にであれば、非常勤であればといった制限付きでもある程度の医師を確保出来る可能性はあるということでしょうかね。
また併せて注目したいのが中高年医師を中心になのでしょう、親の介護で無理だと言う回答が思いの外多かったことですが、先日出ましたように田舎に老人をどんどん送り込もうという話も出てきていることを考えると、これから医師招致を目指す自治体は今までの嫁・子供対策に加えて老親対策も考慮しておいた方がいいかも知れませんね。

いずれにしても医療供給の密度に濃淡が存在することは人口や地理的条件が異なっている以上当然にあり得ることで、むしろそうした前提条件の格差を無視して「全国どこでも全く同じ医療を」という皆保険制度のワンプライス思想こそ異端ではないかと思うのですが、特に医療分布密度が下がって「あるか、ないか」のレベルになっている医療過疎地域においては「オラが村にも医者を」の願いは切実なのでしょう。
えてしてそうした地域では人口も年々減少を続け医療に限らず社会資本全般の減少傾向が続いているのですが、飲食店や娯楽産業等はおろか警察・消防といった社会生活に一定程度不可欠と思われるものですら「どこに住んでいようがお金があろうがなかろうが同じサービスを受けられるのが当然」などという幻想を抱いているわけではないだろうし、事実マスコミ等も「僻地の警官不足が深刻で」などと問題視はしませんよね。
むしろ医療の場合は近年医療の標準化というものが叫ばれるようになったことに加え加古川事件を始めとするJBMが滲透した結果、本当の急病となれば昔のようにそこらの便利屋的町医者が取りあえず診るということがなく右から左へ専門医に送るしかなくなってきているわけですから、田舎に医者を貼り付けることは単に住民の利便性のためでしかなく、それだったら自治体が隣町まで送迎バスでも走らせればすむことのはずです。
逆に総合診療に通じやる気もある僻地診療のプロとも言うべき医師からは「口では先生来てくれてありがとうと言ってたところで、お前ら本当の病気になったら隣町の総合病院に行くんだろう?」と見透かされている部分もありますが、現実的に僻地に必要性が高いのは医師一人の診療所よりもずっと安く上がる特定看護師と豊富な介護スタッフのセットじゃないかという気もしています。

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2013年5月23日 (木)

奈良県が未成年者に禁煙支援

かつては高い高いと言われていた日本人の喫煙率も年々下がる一方だと言いますが、そんな中で未だにタバコを吸ってみたいと考える未成年者も少なくないということなのでしょうか、先日はこんなニュースが出ていました。

奈良県、未成年の禁煙支援 相談窓口を設置へ(2013年5月21日北海道新聞)

 奈良県は21日、禁煙したい未成年が、専門医による相談を無料で受けられるよう、今年夏をめどに相談窓口を設置する方針を明らかにした。厚生労働省によると、自治体が未成年の禁煙を支援するのは全国でも珍しいという。

 県や専門家でつくる「奈良県たばこ対策推進委員会」が同日開かれ、県担当者が計画を報告した。計画では、医療機関3~5カ所に相談窓口を設置。たばこをやめたい生徒のいる学校の教諭や保護者が生徒を引率し、無料で相談を受けられるようにする

 医師側に支払う相談料は県が負担するが、実際に治療を受ける場合の費用は本人負担となる。

未成年者の禁煙支援 医療機関に相談窓口 県が今年度から 奈良(2013年5月22日産経新聞)

 禁煙を希望する未成年者を対象に、県内の医療機関に相談窓口を設け、必要に応じて禁煙治療を受けるよう促す対策を、県が今年度から始める。未成年者は成年よりもたばこに依存しやすいといい、早めの禁煙を支援するのが狙い。初回の相談料は県が負担する方針で、今年度は20件程度の相談を見込んでいる。

 奈良市内で21日に開かれた県たばこ対策推進委員会で、県が報告した。

 県によると、相談窓口は禁煙治療をする県内の医療機関に設置する。児童や生徒、保護者から、喫煙に関する相談が学校に寄せられた場合、県の保健所が近くの相談窓口を紹介する。

 子供や保護者から相談を受けた医師が、必要に応じて治療にあたる。

 現在、奈良市で禁煙治療をしている奈良女子大保健管理センターに加え、県の北部、中部、南部のエリアに分けて計3~4カ所の医療機関に対し、相談窓口となるよう今後、協力を求めていく。

 県によると、平成16年の調査では、未成年者の喫煙率は、中学3年の男子が6・5%、女子が2・3%。高校3年の男子が12・3%、女子が5・3%だった。

 未成年の喫煙者から、修学旅行や受験の際に「たばこをやめたいのに、やめられない」とする相談が、学校や保健所などに寄せられたこともあるという。

 県は「興味本位で吸ってしまい、依存症になってしまう子供もいる。早めの禁煙対策が必要だ」としている。

考えて見ると未成年者の喫煙は禁止されているのですから、それを公費でどうこうするというのもずいぶんとおかしな話に聞こえますけれども、実は今の時代未成年の喫煙者は必ずしも少数派ではなくなってきているという意外な現実があります。
時折未成年の著名人がタバコを吸っていたとニュースに取り上げられますけれども、とある試算によれば未成年者喫煙本数は年間で約500億本、総販売本数の17・5%にも上ると言いますから大変なもので、せっかく自販機向けのカードが導入されても親や店がカードを子供に渡してしまうのもですから、今や未成年喫煙者の過半がカードを使ってタバコを買っていると言う話です。
そもそも喫煙率の低下にしても健康志向の高まりや相次ぐ値上げによってやめたという大人達が多い反面で、子供にとってはタバコはある種ファッションアイテムなのですから高いから、体に悪いからやめようという気にならないのは当然で、「髪が傷んで将来困るよ」なんて茶髪学生に言っても彼ら彼女らが黒髪ストレートヘアに戻す気にならないというのと同じことですよね。
こういう相談窓口もやめたい気になった人々に対してはそれなりに有効なのでしょうが、そうでない大多数の子供にとっては「だから何?」というものでしょうから、どうせ対策を講じるならもう一ひねりしてみる必要があるのかなという気もします。

未成年者喫煙禁止法というのがまた明治の時代に制定された古い法律なのですが、未成年者にタバコを売ったりするという大人の行為に対する罰則はあっても、当の未成年者に対してはタバコやライター等の没収のみが行えるという微妙に中途半端な罰則規定になっています(未成年者飲酒禁止法も同様ですが)。
もちろん考え方としてはこれはこれで正しいのでしょうけれども、昨今はいろいろな方面で犯罪行為の低年齢化が叫ばれていて、少年法を改正して未成年者の凶悪犯罪にも厳重な処罰を下せるようにしようだとかいった議論も盛んになってきている中で、本気でタバコをやめさせたいならこの辺りももう少し改善の余地があるかも知れませんね。
基本的には喫煙は個人の自由ですから刑罰とまで言うと行きすぎにしても、ひと頃から暴走族を珍走団と呼んがりで彼らを格好いいとあこがれる若者を減らそうと言う動きがあったように、未成年者がタバコを吸っているのを見つけたら町のトイレ掃除や草むしりといった地味すぎる社会奉仕活動をさせてみるといった条例もあっていいかも知れません。

しかしこういう動きが自治体レベルでも出てきたという話を聞いて思うのですが、かつて性教育に関する反対活動というものが一定の方々によって行われていて、その論拠が「性教育というとセックスを扱うことになる。余計な情報を与えるとセックスへの興味がわき、ますます性非行を助長する」といったものであったと記憶しています。
当時の学校現場では性交そのものについては一切語らないままコンドームの使い方を教えるとかいった馬鹿げたことが実際にあったそうですが、この論法を使うと「タバコについて教育することはタバコに余計な興味がわき、ますます未成年者の喫煙を助長する」なんて主張も出来てしまうということになりますね。
まあしかし冷静に考えてみれば、それなりに体も成長してそういう年齢になっているにも関わらず性のなんたるかもまるで知らない、なんて人はまさしく性犯罪者にとっては格好のカモでしかないわけですから、そもそもセックスは認めないが性犯罪の被害に遭うのは仕方がないという偏った考え方の家庭ででもなければ全く馬鹿げた話だと言う気がします。
先日の早くから妊娠、出産の正しい知識を与えるべきだという女性手帳の話についても進歩的な方面から散々な反対論があるようですけれども、何に限らず知識を伝えること自体に対して反対するということについてはどうしても「いつの時代の発想かなあ」と言う感覚を抱いてしまいます。

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2013年5月22日 (水)

都市部の高齢者は地方へ捨てられる時代に?

ひと頃全国最多の待機児童数を誇った横浜市がわずか三年で待機児童ゼロを達成したと話題になっていますが、こちら多数の待機が未だに続く状況に対して国がこんなことを言い出したようです。

厚労省:都市部の高齢者介護サービス 地方受け入れ協議へ(2013年5月20日毎日新聞)

 厚生労働省は20日、「都市部の高齢化対策に関する検討会」の初会合を開いた。都会で増大する介護の需要を満たすため、今後、都市部の高齢者を地方で受け入れる際の課題と対応策などを検討し、秋をめどに報告書をまとめる。

 「団塊の世代」がほぼ75歳以上に到達する2025年は社会保障費がピークに達する「2025年問題」に突き当たる。地方から都市部に出てきた同世代は都会に永住する傾向が強く、都市部での介護施設やサービス供給不足が懸念されている。政府の産業競争力会議の指摘を受け、厚労省は有識者と東京都や大阪市など都市部の自治体代表ら15人による検討会を発足させた。

 検討会では、都市部の高齢者を地方で受け入れた場合の介護・医療費を自治体間でどう負担するか、企業や住民互助などを活用したサービス提供、都市部での特別養護老人ホームや居宅サービスの推進策などを検討する。【細川貴代】

都市部→地方 高齢者受け入れ検討膨らむ医療介護需要 厚労省(2013年5月20日産経新聞)

 厚生労働省は20日、急速に高齢化が進む都市部で、社会保障の対策を探る検討会の初会合を開いた。高齢者向け住宅や医療・介護サービスなどが将来、需要に追いつかない事態が予想されるため、高齢者の地方での受け入れや、介護分野で働く人材の確保など対策を議論。9月までに具体案を取りまとめる方針だ。

 地域福祉や医療、町づくりに詳しい有識者や、東京都や横浜市、名古屋市など都市部自治体の担当者も参加。座長には東大の大森弥名誉教授が就任した。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、三大都市圏で75歳以上の高齢者が急速に増加。2010年と比べ、25年には埼玉県で2倍の117万7千人、大阪府で1・81倍の152万8千人になるなどと予想している。医療・介護サービスの需要も大幅に拡大するため、民間企業の活用などを検討。静岡県南伊豆町に特別養護老人ホームを整備する東京都杉並区などの例を踏まえ、地方での都市部の高齢者受け入れ策や課題なども議論する。

そもそも大都市圏の介護サービス不足はずっと以前から言われていて、2009年のJBpressにも「首都圏の高齢者に迫る危機、しわ寄せは地方へ」というそのものズバリな記事が出ていますけれども、以前から大都市圏では人口高齢化に伴い介護サービスが不足する、その受け皿として地方にサービス供給を求めざるを得ないという議論はあったわけですね。
大都市圏側の視点に立てばそうなるとして地方にとってのメリットは何かということが気になるのですが、基本的に高齢者とは純粋にサービスを消費する立場であって、サービス供給体制などの物理的な環境整備にもコストがかかる上に介護保険にしろ健康保険にしろ消費量が圧倒的に多く持ち出しになるわけですから、地方にとっては言葉は悪いですが都市部からの非生産者の「棄民」によって出費ばかりが増えるということになりかねませんよね。
特に地方と言えば昨今国保の財政悪化が懸念されていますが、さらに赤字を増やすことが確実になりそうな高齢者受け入れがありなのかどうか、下手をすると若くて稼ぎも納税もいい時代は都市部で過ごして、人生最後の帳尻合わせだけを地方に押しつけるのかという話にもなりかねないでしょう。
当然ながら自治体間での負担の公平化ということが今後主要な議論のテーマになるはずですが、そもそも地方と言えば都市部以上に高齢化が進んでいるわけですから労働力の確保もどうするのか、そして家族にとっては遠隔地へ老親を送り出すことへの抵抗感はないのかなど、なかなかに課題は多そうな話という気がします。

ところで冒頭の待機児童の件に戻って非常に示唆的なのは、保育所に関しても企業の経営状況で突然の閉鎖があり得ることや既存の保育所を運営する社会福祉法人への配慮などから、これだけ保育所不足が言われながら自治体によっては株式会社の参入を認めないケースがままあったと言うことで、今月も国からわざわざ要件を満たせばちゃんと認可するようにと通達が出ているほどなのですね。
医療などはそもそも株式会社の参入を認めてもいないのですが、介護領域も含めて人様の命を預かるということに対して営利的経営に対する忌避感のようなものがどうしても拭えない中で、医療や介護で食っていくことを考えるのはそんなに悪いことなのか、需要に素早く応えられるし雇用も増え景気も良くなっていいことだらけじゃないかという考え方は当然出てくるところだと思います。
今回の老人介護の件についても増え続ける需要を満足するため民間企業の活用を云々という話が出ていますけれども、その結果介護サービスによる雇用が増えるというのであればきちんと食べていけるほど儲かる報酬体系にする必要があるのは当然で、ただでさえ3Kだ、いや4Kだと逃散相次ぐ介護業界の待遇改善を一刻も早く推し進める必要があるはずです。
特に人家もまばらで移動・待機の時間が長い地方では介護サービス提供の効率が悪いことが知られていて、当然コスト高になるはずなのに報酬額は定価で決められているのですから従業員報酬が割を食うのは当然で、都市部と地方で報酬に格差をつけるなど厚労省お得意の誘導策も必要になってくるでしょうね。

ただ介護報酬に色をつけるということは介護サービスが高額化するということでもありますが、そうなりますと現状でも「施設などに入れるよりも病院に入れておくのが一番安上がり」などと言われる、日本の歪な高齢者医療・介護の報酬体系によってますます入院長期化が起こる可能性もあるでしょう。
今現在は長期入院させるほど診療報酬上病院の取り分が減っていくという形になっていて、これによって病院側に患者をさっさと追い出せと言う圧力をかけているわけですけれども、考えて見れば判る通り(実際にはほとんどの場合高額医療に引っかかって支払い額は定額ですが)患者側から見ると「長く入院させるほど安上がり」になる理屈ですから、なんだかんだと理由をつけて病院に長く居座りたくもなりますよね。
日本でも以前に長年治療費を支払わないまま病院内に居座って問題行動を続けていた患者を家族から引き取り拒否され、困り果てた職員が公園に置き去りにしたという事件が話題になりましたが、最終的には応召義務を根拠に病院が全部泥をかぶればいいという考えで社会保障体系の矛盾を解決した気になってしまうことだけは勘弁していただきたいところです。

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2013年5月21日 (火)

新出生前診断が大人気ですが

最近始まった血液検査だけで胎児の遺伝子異常が判るという新出生前診断が話題になっていますが、この出生前診断に関連して2011年に羊水検査を受けたところ検査結果を真逆に説明していたという事故が話題になっています。

出生前診断で説明ミス 子にダウン症、両親が医院提訴(2013年5月20日中国新聞)

 北海道函館市の産婦人科医院で2011年、胎児の染色体異常の有無を調べる羊水検査でダウン症と判明したのに、男性院長が妊婦への説明で誤って「異常なし」と伝えていたことが、19日までの関係者への取材で分かった。妊娠継続の判断に影響を及ぼす出生前診断でこうした問題が表面化するのは極めて異例。専門家は「あってはならないミス」としている。

 生まれたのは男児で、ダウン症の合併症のため3カ月半で亡くなった。

 両親は「妊娠を継続するか、人工妊娠中絶をするか選択の機会を奪われた」とし、院長らに慰謝料など1千万円の損害賠償を求め函館地裁に13日付で提訴した。母体保護法は障害を理由とする中絶を認めていないが、医療現場では条文を緩やかに解釈して対応している現実があり、裁判所がどう判断するか注目される。

 ミスがあったのは函館市の「えんどう桔梗ききょうマタニティクリニック」。遠藤力えんどう・ちから院長は3月、取材に「(検査報告書が)分かりづらい表現で読み間違えた」とミスを認め「裁判は弁護士に任せている。両親に苦痛を与え、申し訳ない」と話した。

 両親の話や訴状によると、母親(43)は11年3月、遠藤院長から超音波検査で胎児に障害がある可能性を指摘され、確定診断のため4月中旬に羊水検査を受けた。妊娠20週の5月上旬に遠藤院長から「結果は陰性でした」との表現で胎児に染色体異常はないと告げられた

 ところが、検査会社が作成した報告書には「染色体異常が認められた」と明記されていた。通常は2本の21番染色体が3本あり、ダウン症を示す画像もあった。転院先の病院の医師が男児の誕生後に、クリニックの診療記録を確認して判明した。

 母親は提訴について「遠藤院長の対応に誠意がみられず疑問を感じた。必死に頑張って生きた子どもの命を否定するつもりはないが、医師のミスで家族が苦しんだことを世の中に伝え、二度と起きないようにしてほしい」としている。

やる事自体にリスクがありますと散々説明された羊水検査でこういうことがあったのではそれはご家族もやってられないでしょうし、人口妊娠中絶の是非といった議論は別としてもこうした事故事例が出た以上はレポートの形式も早急に改善していただきたいと思います。
ただ今回正常だと言われて異常だったからこそニュースになったのであって、恐らくその逆の勘違いが今までにあったとしても誰も気づかないまま中絶されていただろうと考えると、やはりこうした検査は「産み分け」が前提であるという現実も考えないではいられない話ですよね(これ自体も本来認められてはいない行為なのですが)。
先日は血液によって簡便に行える新型の出生前診断が一ヶ月で440人あまりと予想を大きく超える希望者があったというニュースを紹介しましたが、検査を受けた理由として実に9割以上の人が高齢妊娠であることを挙げたということですから、特に高齢妊娠になるほど急上昇していくダウン症のリスクというものが世間では非常に深刻に受け止められているのかなという気がします。
周囲の第三者がいくら「ダウン症の子供なんてかわいいじゃないか」などと言ってもやはり当事者として一生の問題だと考えてしまう心境は十分理解出来ますが、早くも偽陽性が確認されたように精度が高いと言っても100%確実というわけではもちろんなく、医学的のみならず社会的にも慎重な対応が求められるという状況にはかわりがないようです。

「新出生前診断で異常、羊水検査で陰性」も(2013年5月16日日テレニュース)

 妊婦の血液検査だけで胎児の3種類の染色体の異常がわかる新しい出生前診断で「異常あり」とされた胎児が、異常の有無を確定する羊水検査の結果、「異常なし」だったことがわかった。

 昭和大学病院によると、4月に40代の女性が新しい出生前診断を受け、「第18トリソミー」という発達の遅れや心臓疾患が出る胎児の染色体異常について「陽性」と判定された。胎児が実際に第18トリソミーである確率はこの女性の場合42.9%で、異常の有無を確定する羊水検査を受けたところ、陰性(異常なし)とわかったという。

 新しい出生前診断について、日本産科婦人科学会の指針では、胎児の異常を確定するには絨毛(じゅうもう)検査か羊水検査が必要としており、昭和大学病院は「新しい検査法の結果は確定的なものではないと理解を求めていきたい」としている。

新型出生前診断 県内7人(2013年5月20日読売新聞)

 妊婦からの採血で胎児の染色体異常が高い精度で分かる新型出生前診断(NIPT)が4月から国内で始まった。全国15の実施施設の一つである岩手医大付属病院では1か月間で、7人が検査や事前の遺伝カウンセリングを受けた。検査を受けるには、染色体疾患の子の妊娠・出産経験などの適応条件があり、実施施設の医師らが適切な普及に取り組んでいる。同病院臨床遺伝科の福島明宗診療部長に、NIPTの現状などを聞いた。(阿部明霞)

 NIPTは検査自体が簡便なため、実施施設の増加を求める声があるが、現状では避けるべきだ。

 遺伝カウンセリングが十分にできない今の医療環境下で実施施設を増やすと、妊婦や家族への適切な説明や周知が行き届かず、混乱を招きかねないからだ。

 当科で遺伝カウンセリングを受けるにあたっては、〈1〉検査だけでは確定診断にはならない〈2〉3種類の染色体疾患以外は全く分からない〈3〉高年齢での妊娠は染色体疾患の発生率が高くなる一方、どの年齢であっても染色体疾患を含めた先天異常児を出産する可能性が3~5%ある――ことなどを十分に理解していただきたい。

 検査を受ける前に、家族のあり方、子どもを持つ意味をパートナーとの間でよく話し合い、なぜ検査を受けたいのかを考えてほしい。遺伝医療は相談者だけでなく、血縁者など周囲にも影響が及ぶため、特別な配慮が求められる。この検査の導入が、日本における遺伝診療充実のきっかけにならなければならない。

◇実施に厳しい条件

 NIPTは遺伝カウンセリングのあり方を検討するための臨床研究という位置づけで行われる。

 現在は日本医学会が認定した施設でしか実施できない。産婦人科医、小児科医が常勤し、少なくとも一方が臨床遺伝専門医であること、遺伝に関する専門外来を設置していること、遺伝カウンセリングに十分な時間をとれる体制が整っていること――などが認定基準となる。

 2011年の人口動態統計で、初産年齢の平均が初めて30歳を超えた。妊婦の高齢化に伴って胎児の染色体疾患の確率も上がる。先天性疾患の約25%にあたる染色体疾患のうち、NIPTでは約70%を占める染色体21番(ダウン症候群)、18番、13番について染色体の本数に異常があるかどうかをおおむね判定できる。

 NIPTを受けるには、出産予定日の年齢が35歳以上の妊婦であること、染色体疾患の子を妊娠もしくは出産したことがあること、産科かかりつけ医が決まっていること、母子手帳の交付や出産予定日が分かっていること――などの適応条件を原則としてすべて満たす必要がある

 事前の遺伝カウンセリングでは、本検査によって分かることや、小児科医を交えて染色体疾患の子に関する説明が行われる。

 検査の利点には、ダウン症の場合は陰性的中率がほぼ100%のため羊水検査が不要なこと、妊娠期の比較的早い段階(妊娠10週以上)で検査が可能なため、胎児に向き合う時間が多くとれること、胎児の状態を早期に把握することで、家族と医療従事者の双方が来たるべき出産に備えられること――などが挙げられる。ただ、ある年齢帯では陽性的中率が50%程度しかなく、その場合、結果が陽性なら確定検査として羊水検査が必須となる。

ちなみに記事では少し判りにくいですけれども、「ダウン症では陰性的中率がほぼ100%」というのはこの検査で陰性ならほぼダウン症ではないだろうということで、一方この検査で陽性であっても必ずしもダウン症であるとは言い切れず、確定診断のために羊水検査が必要だということですね。
人間がいつから人間扱いされるべきかという議論は時代により文化圏により様々であって、そもそも人口妊娠中絶はおろか避妊も認めないということも時と場所によってはあるそうですが、現在の日本では中絶可能な時期においては胎児の生殺与奪権を親が握っているというのは紛れもない事実ではありますよね。
知的障害などでは特別児童扶養手当等々の給付が受けられるとは言え、やはり親からしてみればこのご時世に子供にかかりっきりにならざるを得ないというのは生活破綻にも直結する悲劇で、「貧乏人は異常が判ったら堕ろさざるを得ない」と言う声が少なくないのは別にダウン症児が嫌いだからと言う問題でなく、単純に物理的に養育不能であるからという理由でもあるということです。
そうとなれば行政の立場からは障害児が生まれることによって生活上の不利益を被らないような社会保障システムを整備することが、高価な検査費用と医療現場・妊婦双方のマンパワーを省くのみならず、必ずしも100%とは言えない検査結果によってせっかく授かった胎児を間引いてしまうというリスクの軽減にも結びつくということですよね。
しかしフランスなどでは子供を多く産むほど経済的メリットがあるという制度を構築し出生率向上を果たした、などとよく言われるところですが、日本も本気で少子化対策を講じるなら制度は作りました、これで仕事はすみましたで終わるのではなく、現実に国民の行動を変えるくらいの実効性あるやり方を取らなければならないでしょうし、子供を減らす話ばかりが大きく取り上げられる現状はどうも残念と言うしかないですね。

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2013年5月20日 (月)

医療改革 ついにあの毎日からも催促を受ける

すでに久しく以前から課題と言われて久しい医療改革ですが、先日はこんな社説が掲載されていたのをご覧になったでしょうか。

社説:医療改革 腹をくくって取り組め(2013年5月18日毎日新聞)

 好きな病院を自分で選べる、お金がない人も公平に医療を受けられる、など日本の医療は世界に誇るべきものがたくさんある。その一方で医療費は増え続け、医師不足や病院の閉鎖など医療崩壊も深刻だ。政府の社会保障制度改革国民会議は8月のとりまとめに向けて議論しているが、医療・介護分野の改革案の方向性が示された。まずは医療供給体制の改革を急がねばならない

 日本の医療の特徴は病床が多く高価な医療機器も多い割に、医師などマンパワーが少ない点だ。人口1000人当たりの病床数は13.6でフランスの2倍、イギリスの4倍である。平均入院日数や外来受診回数も突出して多い。それを少ない医療スタッフで支えているのだから医師らは疲弊するわけだ。一方、長時間待たされて数分の診察に対して不満を感じる患者も多い

 医療機関の約7割は民間で、出来高払いが基本の診療報酬ではたくさん患者を診て検査や薬の処方をすればするほど収入が増える。どこで開業するか、どの診療科を専門にするかは自由で、地域や診療科による偏在は著しく、民間病院と公営病院の役割分担も不明瞭だ。

 高齢化や疾病構造の変化に合わせ、諸外国は病床を減らし医療スタッフの拡充を進めてきた。日本も1985年の医療法改正で地域医療計画を策定し病床制限が図られた。ところが、逆にかけ込み増床を招き、家族介護や福祉施設の乏しさから行き場のない慢性疾患の高齢者を多数抱え込むことになった。一般病床とは諸外国では急性の患者が入院するベッドを指すが、日本では慢性期の患者も混在している。本来は介護施設や在宅でケアされるべき人が高コストの一般病床に大勢いるのだ。

 同会議では、都道府県に病床数だけでなく専門性や機能による医療資源の再編の権限を与えることが議論されている。地域内の医療機関の機能を患者の緊急性に応じて分け、病院や診療所を合併してグループ内での役割分担も図るといい、診療報酬とは別に基金を創設して再編の原資にする。また、深刻な赤字に陥っている国民健康保険の運営を市町村から都道府県に移し、権限と財源だけでなく財政責任も都道府県に担わせようという案が有力だ。

 ハードルは高い。医療供給体制の再編は戦時下の国民総動員法によっても十分に果たせなかった難題である。実現するためには国のバックアップと都道府県の強力なリーダーシップ、地元医師会の協力が不可欠だ。超高齢社会の中で日本の医療の良い面を守るためには避けて通ることはできない。腹をくくって取り組んでもらうしかない。

ついに医療に関してはサーチアンドデストロイを以て旨とする毎日新聞にまでこんなことを書かれるようになったとは感無量というものですが、財政規律がどうこうとうるさい日経あたりが医療制度改革を主張するのは理解出来るとしても、毎日あたりまでが現状の医療制度に疑問符をつけ始めたのは隔世の感がありますね。
もっとも書いている内容といえば医療費が増え続けることに対しては危機感がまだ乏しいようですし、それに対する対案というよりも例によって医療供給体制の改善を主張する内容ですからあまり代わり映えがしないと言えばその通りなのですが、ともかくもその実現後半世紀の時を経て皆保険制度が大きな岐路に立たされているのは誰の目にも明らかになったというものでしょう。
それは生涯で医者の顔を見るといえばご臨終の宣告の時だけという人々が珍しくなかった時代に考えられたシステムが、ともすればコンビニ受診などといわれる需要過多な現在の世相に対応出来るはずもないのですが、国としてはどのような方向性での改革を目指しているのかということも次第に明らかになってきているようです。

安倍政権が描く、「医療・介護改革」の姿(2013年5月19日東洋経済)

2014年4月からの消費増税に伴い、持続可能な社会保障制度のあり方を議論している政府の社会保障制度改革国民会議(会長・清家篤慶応義塾長)。その本丸ともいえる医療・介護分野の議論が一巡し、改革案の骨格が見えてきた。
この国民会議が目指している医療・介護改革とは、増税で得られる新たな財源を元に病院・介護施設を地域の将来ニーズに合った形へと再編成。既存の病院・病床を有効活用しながら、入院期間を減らし在宅療養・介護にシフトすることで来るべき高齢化のピークを乗り切る──そんな姿だ。
問題は、目指す青写真があってもそれを具体化する策がこれまで整わなかったことにある。それが今回の国民会議では、最難関ともいえる医療・介護体制の再構築について、総合的な政策パッケージの大枠を示すところまで議論が煮詰まってきた。

改革内容は大きく分けて二つ。国民健康保険の財政基盤強化と、病院機能の抜本再編だ。それを実現する手段として、下表のような提案を8月の最終報告に盛り込む方向で調整が進められている。
(略)
そして、さらにその先に控えているテーマが病院機能の抜本再編だ。
日本の医療は、国際的に見て人口1人当たりの病院・病床数が突出している反面、病床当たりの医師・看護師数は少なく、過重労働が常態化。医療機関の役割分担があいまいで、診療科目や医師の配置が地域的に偏り、救急患者が受け入れ不能になる事態もたびたび指摘されている。さらに、リハビリや在宅療養・介護の体制整備も遅れているため、入院が長期化し、それが医療費を圧迫している。
(略)
では、どうするか。もちろん、現状維持では問題は改善しない。そのうえ、医療費は高齢化によって自然と増え続ける。そこで、あえて公費を追加投入することで、必要な医療・介護を確保し問題解決を図ることが08年の国民会議で検討され、それに必要な財源も消費税率換算で試算された。「税と社会保障の一体改革」は、これと呼応する形で行われたものであり、増税が決まった今、残された社会保障サイドの具体的な改革策を用意することが求められているわけである。
今年1月に提示された財務省の審議会報告書は、そうした経緯が表現されている。「急性期病床への医療資源の集中投入等により『高密度医療』を実現し、平均在院日数の減少等を通じて医療費の適正化につなげるという政策パッケージのためにあえて行う公費負担であり、その政策効果の発現には、診療報酬の重点配分を図るといったソフトな動機付けだけでは不十分なことは明らかである」。つまり「今回の会議は財源をどう使うかが焦点。長い議論を踏まえると、選択肢は限られている」(委員の権丈善一・慶応大学教授)。

増税財源の使い道を議論

こうした流れで提示された案が、補助金を用いて自治体や病院などに医療・介護の自発的な再編を促すスキームだ。増税財源の一部を使って基金を創設。医療・介護資源の再配分に向けてシンクタンク機能を担う専門チームを国に組織し、本気で改革に取り組む意志のある自治体を資金と知恵の両面で支援する。
さらに、医療法を改正し、医療機関の指定・取り消し権限を与えるなど都道府県の役割を拡大。医療法人の統合を促すための仕組みとして持ち株会社制の導入や、高齢者住宅の整備に向けた資金調達手段としてのヘルスケアREIT(不動産投資信託)など、各種の規制改革策も組み合わせて改革を促す方向だ。
国民会議の期限は8月21日。政府にも、その日までに「必要な法制上の措置」を講じることが法で義務づけられている。最終報告には、総報酬割の全面導入のように大企業が反発しかねない政策も盛り込まれる見通しだ。経済界の反発をはねのけ、政治的な決断を下せるか。今後はそこも焦点になってくるだろう。

経済界の反発という以前にこの医療改革というもの、高齢者の反発をどう避けるかも大きな焦点となっていることは一向に話が進まない高齢者窓口負担優遇是正の件一つとっても明らかですが、今回の青写真で注目されるのはまず財源の面から考えていくということが明確化されていることで、政治的手法としてこのアプローチはかなり本気度を感じさせるものではないでしょうか。
ただその一方で肝心の改革の内容が「旧世紀病床への医療資源の集中投入」だの「補助金を用いて自治体や病院などに医療・介護の自発的な再編を促す」だのという話くらいしか目立ったものがないようで、もちろんこれはこれで重要な話ではあるのですが、問題は集中された医療資源がどこに置かれるかということがまた巨大な利権に絡んで大荒れしそうであるということですよね。
地方自治体が平成の大合併で各地で統合されていったとき、旧自治体がそれぞれ持っていた自治対立病院をどうするかということが非常に大きな問題になったことは記憶に新しいところですが、そもそも「おらが町に病院を建てた」ということが首長選挙においても大きなポイントになってきたわけですから、それを「今度隣町の病院に統合するからそっちに通ってね」では「体育館も病院も全部隣町にとられるのか!」と住民も納得しないでしょう。
特に地方では病院の数が非常に限られているため地域に複数の病院があると言っても県立病院と市立病院であったり、あるいは公立病院と民間病院であったりとおいそれと統合が難しいケースも多いはずですが、医療費削減政策であれだけ赤字経営が続いても廃院廃業を選択しなかった各施設がおとなしく統合を考えるものかと疑問の余地が残ります。

また下世話な話ですが施設数が多ければ多いほど当然ながらポストの数も多い理屈で、鶏口となるも牛後となるなかれではないですが医局からの派遣などで医師確保をしてきた施設にとっては管理職のポストは最も大きな売り込み材料でもあるわけですし、当の医師達にとっても医長、部長で終わるよりは小なりと言えども院長にまで上り詰める方がうれしいはずですよね。
結局統廃合が実現するかどうかは一つには病院経営上のメリットがあるかどうかと共に、もう一つ現場を支える医師ら専門職スタッフにどれだけメリットがあるかということも重要で、そのうち医師向けのあめ玉として一つのポイントになるのが昨今何かと話題の新専門医制度というものなのだと思います。
ただ取得はもちろん維持ということに関しても一段と厳しくなるという新専門医をどれだけの医師が取得、維持しようとするかという点は未だ未知数ですし、かつて言われていたように診療報酬に色をつけるといったことでは結局現場ドクターにとって専門医としての責任と仕事ばかり押しつけられてさしたるメリットがないということにもなりかねず、果たして思惑通り医師配置をコントロール出来るほど皆が取得に躍起になってくれるかどうかです。
むしろ日本型医療の根本的な問題は諸外国では寿命だとして医療の対象外に置かれるような方々がいつまでも医療の中に囲い込まれているということで、際限なく増大し続けるこの辺りのコストとマンパワー消費を是正していくだけでも医療財政はずいぶん好転するんじゃないかと思うのですが、そのためにはまず国民一人一人の死生観を含めた終末期医療への認識の変化も必要になってくるでしょうね。

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2013年5月19日 (日)

今日のぐり:「きびきび亭」

先日以来一つのつぶやきが大いに話題になっているのですがご存じでしょうか。

あずきバーでは“巨人”と戦えない 井村屋 Twitter アカウントが明かす (2013年5月16日えん食べ)

あずきバーは立体機動装置に適さず、また超硬質ブレードの代わりにはならないと分かりました。奥に入り込み取れなくなる恐れがあるそうです。

立体機動装置は、人気コミック「進撃の巨人」に登場する、巨人と戦闘する際に使用する機器。“腰のベルトにあたる部分に装着するワイヤー射出機と、ワイヤーの射出及び巻取りの操作、巨人に肉薄した際に白兵戦を挑む為に使われる刀身を装着できる柄の機能を兼ね備えたグリップ、そして柄に装着する刀身を収納する大型ケースとカードリッジ式のガスボンベからなっている。”(出典:ニコニコ大百科)

井村屋公式 Twitter アカウントでは、よくある質問という「あずきバーは立体起動装置に挿せますか?」に対し、「挿せるか挿せないかでいったら挿せますが、奥に入り込んで取れなくなりますし、期待されている超硬質ブレードの代わりにはなりません」と回答しています。

あずきバーで斬りつけても“べたっ”てなるだけ?うなじの辺りから甘い香りのする巨人には会えそうにありませんね…。

いやまあ、それはもちろんその通りなのでしょうけれども、あずきバーを立体起動装置に挿せるかどうかが「よくある質問」ってどうなんですかね?
今日は単に味覚を刺激するのみならず世界平和のためにも役立つ(かも知れない)あずきバーに敬意を表して、世界各地から誰だよこんなこと考えた奴はと言う意外な無駄知識の数々を紹介してみましょう。

ちょっ…これは凄い!!午後の紅茶のパッケージをよくよく見ると、恐ろしく手の込んだ秘密が隠されていた(2013年4月22日らばQ)

最近販売されている、ディズニーデザインの午後の紅茶のパッケージ。何気なく手にとってイラストを見てみると…あれ、この番号は何…?
検索しても特にこれといった情報の見当たらないこの番号表記、一体何なのか調べてみると…そこには驚くべき秘密が隠されていました。

こちらが午後の紅茶のディズニーデザインのパッケージ。ストレートティー、レモンティー、ミルクティーにそれぞれミッキー、プーさん、ドナルドダックのイラストがあるのですが…
1ボトルにつき3点のイラストがあり、その絵の下には謎の番号が。
番号順にイラストを見てみると…あれっ!?これはもしかして…パラパラアニメ…!?
(略)
とりあえず台に置き、イラストが同じ位置になるように番号順に撮影。そして撮影した写真を動画にしてみると…
うおおぉぉ、動いてる!動いてるよ…なんだろう、この不思議な感動…!
こうも見事に動くと、ここまでの手間隙も報われるってものですよ…。

プーさんやドナルドダックも、しっかりアニメに!
アニメを完成させるのに必要な本数や手間暇を考えると、誰でも簡単にできる事じゃないどころか、ヘタすると誰も気が付かない可能性も高いにも関わらず、これだけの仕掛けを隠していたとは…!
とりあえずこの仕掛けを考えた人、そしてOKを出した人、本当にグッジョブです!
気づくと思わず得意げに人に話したくなるこうした遊び心は、ぜひ色々な製品に取り入れて欲しいものですね。

詳細は例によってリンク先の画像を確認いただくとして、これはこんな仕込みをした人間が偉いのか、その仕込みを見抜いた人間が偉いのか、いずれにせよ「だから何?」という気もしないでも(略
今や世界的に大人気のあのキャラクターですけれども、このたび驚くべき事実が発見されたのだそうです。

ピカチュウの目を白黒逆に塗ると『ふなっしー』に似ると話題に(2013年4月28日秒刊サンデー)

ポケットモンスターの人気キャラクター『ピカチュウ』の目の色を逆に塗ってしまうととんでもない状態に陥り、ピカチュウが精神崩壊を起こしたような状態になってしまうと話題になってしまう。ピカチュウの目の色・・・といえばなんとなくでしか思い出せないのかと思う。確かにいざ塗ってみるとそもそも白眼・黒眼存在したのかな?と言う疑問すら湧いてくるがどのような状態になるのだろうか。

どうやら白い部分を本来塗るべきだったが、間違えて逆に塗ってしまったようだ。しかしそれだけの違いでカワイイピカチュウが、某国にあるような似ても似つかないパクリピカチュウに見えてしまうから不思議だ。実はピカチュウは単純な形状をしているだけに、パーツやライン取りの一つに関しても誤ると別のキャラクターに見えてしまうほど似せるのが難しいキャラクター。おかげでピカチュウが「ふなっしー」になってしまっている。

このように色ひとつに関しても誤ると全く別のキャラクターに見えてしまうと言う特長を持っている。その他の体や顔の色遣いに関しては陰影をうまくつけており奇麗に仕上がっているだけに非常に残念な仕上がりだ。今後も塗り絵をする際には細心の注意を払いたいポイントだ。

―Twitterの反応
・わらたwwwww
・一気にふなっしー臭がしてくる不思議wwww
・ピカキチュウ
・強烈すぎる
・wwwww
・エッグいwwwwww
・これ見た瞬間鼻血出た
・なんか激しくじわじわ不安になるwwR
・ノンタンみたい

こんなポケモンが本当にいるのであれば、やはりふなっしーの様に奇怪な行動をとるモンスターなのだろうか。

これまたリンク先の画像を参照いただければと思いますけれども、ふなっしーはふなっしーであの逝っちゃった容貌とアクションがすてき…と思ってくれる人も増えるといいですよねえ…
鳩好きな人でなくても、もしかすると生涯に一度くらいは有用になるかも知れないというのがこちらの知識なんですが…

知らなかった……鳩ってゆうパックで送れるらしいです(2013年4月19日ITmedia)

 知らなかった……。
 生きた鳩が「ゆうパック」などの宅配便で送れることがTwitterで話題です。発端は、漫画「テルマエ・ロマエ」などの作者であるヤマザキマリさんのツイート。怪我した伝書鳩を見つけたヤマザキさんが飼い主に電話したところ「あ、ゆうパックで送って下さい」と言われたんだとか。

 結局ヤマザキさんは本当に送れるかどうか分からず、自分で届けにいったそうですが、このツイートは3000件以上リツイートされるほどに注目を集め、ヤマザキさんに複数のTwitterユーザーから「鳩、送れます」的な返信が届きます。
 実際、日本郵便のサイトにある「生きた動物をゆうパックで送れますか?」というQ&Aコーナーを見てみると、送れる生き物の例の中にズバリ、鳩が入っています。そのほかにも亀、トカゲ、カブトムシなどなどが送れることが分かりますね。
 さらに、日通には鳩専用のダンボールがあるという指摘も。日本鳩レース協会のWebページ内にある「迷い鳩を保護したら」を見てみると、日通の「レース鳩宅配サービス」というもので迷い鳩を飼い主に届けることが可能なことが分かります。

 知らない人はちょっとビックリのトリビア。もし迷い鳩を見つけることがあったら、参考にしてくださいね。

確かに知らなかったと言えばその通りなんですが、この知識をどう活用すべきかがまた難題ですよねえ…
日本でも一部地域で食用にされていますけれども、なんとこれからの時代を担う食材はこれだと公認されてしまったというのがこちらのニュースです。

昆虫類はダイエットに有効、良質な脂肪含む=FAO(2013年5月14日ロイター)

[ローマ 13日 ロイター] 国連食糧農業機関(FAO)は13日発表した報告書で、栄養価の高い昆虫類はダイエットに有効である可能性を指摘した。

アフリカやアジアを中心に世界では1900種以上の昆虫が食糧とされている。同報告書は、多くの昆虫には食肉と同量のタンパク質とミネラル成分があり、脂肪は肉よりも健康的だとしている。FAOのエバ・ミュラー氏によると、欧州では昆虫をメーンとする料理を提供するレストランも出始めたという。

世界保健機関(WHO)の統計では、世界の肥満人口は約5億人で、1980年からほぼ倍増している。

同報告書を執筆した1人であるオランダ・ワーヘニンゲン大学のArnold van Huis氏は、昆虫類を食べることについて「西側諸国では文化的偏見がある」と指摘。ただ、こうした偏見は心理的なもので、被験者に食肉100%のミートボールと、食肉とゴミムシダマシの幼虫でできたミートボールを目隠しで食べてみてもらったところ、10人のうち9人が幼虫入りのミートボールを好んだとの結果が出たという。

確かに多くの場合において食文化とは案外保守的なもので、肉はレアに限るなどと言っていた連中が生の魚を食べるようになるまでにもずいぶんかかりましたけれども、そうですかダイエットにも有効ですか…
こちらは世界中で大人気なあれに関する話題なのですが、一体誰がそんなカウントをと思ってしまう話でもありますかね。

今まで作られた世界中の全てのレゴブロックを集めると何ができる?(2013年5月16日GIZMODO)

一体ブロックいくつになるのでしょう。

1958年から2013年まで、レゴは4720億個ものレゴブロックを作ってきました。とんでもない数字ですね。では、もしこの4720億個のレゴブロックがあれば、どんなものを作ることができるのでしょう? かなり巨大な物が作れますよね。ネタ元のMovotoが、インフォグラフにまとめています。

家を建てれば4万6826世帯。ホワイトハウスならば2972。タージ・マハルなら588。バッキンガム宮殿は200。エンパイア・ステート・ビルディングなら74。世界一の高層ビルブルジュ・ハリーファは66。さらに、ギザのピラミッドなら1つ分になるというのです。

レゴ、あっぱれ!

またか?!またレゴなのか?!という話なんですが、いったい何が彼らにこうまでレゴに執着させるのでしょうかね…?
最後に取り上げますのはいささかそれはどうよ?と思う話題なのですが、彼の国の住民にとっては福音となるかも知れませんね。

衝撃の研究結果「男はノーパンでスカートをはくと精子の質がアップする」(2013年4月21日ロケットニュース24)

ある最近の研究によると、ここ50年で男性の精液の質が世界規模で下がっているという。それに伴って、工業国家では出生率が顕著に低下しており、精子の質悪化がその大きな原因だと考えられている。

それではどうしたら男性は、自分の精子の質を上げることができるのだろうか? 人類生存の鍵を握るその重大な答えが、このたびスコットランドの研究者たちによって導き出された。

彼らが導き出した答え、それはずばり「ノーパンでスカートをはく」である! えっ!? えーーーッ! 耳を疑うかもしれないが、スコットランドの研究者たちによると、その服装スタイルは精子にとって最高の環境らしいのだ。一体なぜ?

・睾丸を熱くさせちゃダメ!
実は質のいい精子を作り出すためには、睾丸(こうがん)を体温より3度低い状態にするのがいいとされている。そして下着をつけないまま、スコットランドの伝統衣装「キルト」(スカート状の衣装)をはくと、その理想の精子形成環境が生まれることが判明!

現代の男性はボクサーパンツやブリーフなど締まりが強い下着をはくことが多いが、それでは睾丸周りの空気が循環せず、睾丸周辺温度が平均で3.5度も上昇してしまう。このような生活スタイルの変化、そして悪化する環境汚染が世界の精子クオリティー低下をもたらしていると言われているのだ。なるほど、なるほど。

・ノーパンスカートで子作り準備
今回の研究に携わったErwin Kompanje博士は、男性がキルトをはくことの利点について次のように述べている。

「キルトをはくことは、生理学から見て理想的な陰嚢(いんのう)環境を作る傾向にあります。そしてその理想の環境においては、健全な精子形成や精子の質の高さをもたらす陰嚢温度が保たれるのです」

このことを踏まえて、今回の研究では「少なくとも子作りを計画している時は、男性はズボンではなく、スカートをはいた方が適切のようである」という考えに至っている。

・まだまだ効果があったノーパンスカート
また精神面でもメリットがあり、男性はキルトをはくと、男らしさと自由を強く感じられるらしいのだ。そしてさらにさらに、多くの女性がキルト姿の男性に惹かれやすいようなのである。まっ、マジかよ!!

いろいろと利点が多い男性のノーパンスカート。今回の研究結果を受けて、「よし! 俺もいっちょやってみっか!」と思う人も出てくるかもしれないが、時と場所には十分注意していただきたい。もう一度言う。ノーパンスカートを実行する際は、時と場所にはくれぐれもご注意を!!

ついにブリの時代キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!と思わず叫びそうな話題なのですが、やはりスコットランド発となるとこういうニュースになるのでしょうかね?
しかしブリだからとついつい色眼鏡で見てしまいますが、時折見かける「日本食は○○にいい」式の報道も結局これと同じようなものではあるんですよね…

今日のぐり:「きびきび亭」

備中国分寺にもほど近いJAに隣接する場所にあるランチバイキングのお店がこちら「きびきび亭」ですが、以前はまるでJA関連施設かのように隣接する即売所があった場所が、改装されてハンバーガー屋だかイタ飯屋だかになっているようです。
おかげで同部に設けられていたトイレ入り口に段差がついてしまったようなのですが、一応改装して段差のないバリアフリーのトイレも用意してあるのはあって、このトイレを見ても団体客対応という感じではありますね。
ところで相変わらず盛況なのはいいのですが久しぶりに再訪してみますと店内も配列が変わっていて、席の部分が広くなったようですが料理の並ぶエリアが狭くなったのは不便で、これでは給食の配膳のようにおとなしく一列に並んで順番にとっていくしかないですよね。

取り皿は以前のように受付兼会計で一人一枚を渡すのでなく使い放題になったようでこれはいいとして、お惣菜も地元のものだという野菜中心のメニューなのは変わりませんが、見ていますと並んでいるのは筑前煮にひじき、ゴボウのきんぴらにポテサラ、焼き塩サバに鳥唐揚げと、ひどくありきたりの惣菜メニューばかりだったのが気になりました。
一応赤米ご飯があったのですが珍しいメニューと言えたのはこれくらいで、たまたまそういう料理ばかりが並んだタイミングだったのかも知れませんが、以前来た時に野菜系オリジナルメニューが並んでいたことに比べるとちょっと残念ですね。
味の方はよく言えば家庭料理的な味と言うのでしょうか、とくに飾り気も気負いもない自然体の味わいで特記すべき美味と言うこともありませんけれども、管理人のように飯のおかずとしてでなく単品で食べるのが主体の人間にとっても一部メニューをのぞいて味付けも濃すぎないのは助かりますね。

しかしこちらのやり方として皿が空いたら順次新しい料理が出されるというスタイルですから、時間帯によってはまた面白いメニューが並ぶことももちろんあるのでしょうけれども、正直この日の内容でしたら量り売りのお総菜コーナーにでも立ち寄った方がコストパフォーマンス的にもバリエーション的にもよいかなという気もしないでもないところです(こういう店でそういうことを考えるのも無粋なんでしょうが)。
いずれにせよ相変わらず客層は近所のおじちゃんおばちゃんですからこうした野菜中心のメニューでやっていく方針でいいんだと思いますが、そうした顧客層だけに若い人のように設備に身体を合わせるというわけにはいかないのは当然で、回遊性が低いこのレイアウト変更は単純に待ち時間を減らす顧客優先のアイデアとも言い切れないようにも感じました。

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2013年5月18日 (土)

小野市の条例制定は生保改革の契機になるか?

報道以来世の進歩的な方々からさんざん批判とバッシングを集めた兵庫県小野市の俗に言うところの「パチンコ禁止条例」ですが、今年3月27日に無事原案通り可決され4月1日付けで施行されています。
市への情報提供を「市民の義務」とうたい、警察OBを調査に動員するといいますから相当に本格的な条例と言えそうですが、「小野市のヒトラー」などと一部世間であれだけ非難囂々の大騒ぎだった割には地元市民は至って冷静であるらしいというのがこちらのニュースになるでしょうか。

「生活保護でのギャンブル禁止条例」反対意見1%以下 兵庫・小野市(2013年5月14日産経新聞)

 生活保護費や児童扶養手当をパチンコなどのギャンブルで浪費することを禁止する兵庫県小野市の「市福祉給付制度適正化条例」について、市に寄せられた意見や苦情2700件あまりのうち、市民からの反対意見は1%以下にとどまっていることが、同市への取材で分かった。不正を知った場合に通報責務を課す内容が波紋を呼んだが、蓬莱務市長は「市民の圧倒的多数から支持されたと受け止めている」と話している。

他の自治体も関心、視察が続々

 ほかの自治体からも視察の申し入れが相次いでいるといい、蓬莱市長は「生活保護制度について『無関心から関心へ』という効用もあった」と話している。

 市によると、4月1日の施行から5月13日までに市に寄せられた意見や苦情は計2713件。賛成1668件、反対976と賛成が多く、さらに市民の「反対」意見はわずか23件、全体の0・84%だった。

 市は、市民から寄せられた情報を調べる「適正化推進員」の人選をこれから行うことにしており、条例は本格的なスタートを切っていない状態。生活保護の不正・不適正受給についてどのくらいの情報があったかについても、同市は「数字が一人歩きする恐れがある」として現時点では公表しておらず、蓬莱市長も一定期間後にとりまとめる意向を示している。

 「受給者の自由や尊厳を損ねる」「市民に通報の責務を課すのは“監視社会”につながりかねない」-など、施行をめぐっては反対意見が聞かれたが、受給者からの問い合わせもほとんどなく、「混乱もなく、淡々と業務に取り組んでいる」(担当の市民福祉部)状態だ。

 市民からの反対がない一方で、他の自治体からの関心が高まりつつある。市によると、現在、17自治体から視察要望が届いており、生活保護問題に悩む自治体の多さを浮かび上がらせている。

特に生保受給に関して緊急の課題もないという小野市での予防的な条例制定がこれだけ圧倒的な市民の支持を集めるとは反対派涙目というものですが、当然ながら他の自治体でもこうした状況に関心を寄せないはずもなく、結局のところ生保対策は声ばかり大きな方々の声に引きずられていては民意を誤るということが明らかになった一件だと言えそうです。
小野市市長にしても「現場に混乱は全く無い」「反対意見は団体から組織的に出されたもの」「圧倒的多数から支持されたと受け止めている」というように、お金を出す市民の側からすれば別に税金でも払わないとお金が貯まって貯まって仕方がないというわけでもない以上、馬鹿げたことに市民の金を使わせないという考え方に積極的に反対する理由もないのは当然ではありますね。
結局は生保云々と限定せずとも他人の稼ぎで自堕落な生活を続けることに社会の理解が得られる時代ではないということでしょうが、一方で「パチンコ通いはギャンブル依存症だ!無理矢理止めたら悪化するんだ!」などと言い張る方々に市長が「病気なら堂々と治療を受ければいい。医療費は無料なんだし」と反論するなど、やや大人げない議論に発展していた側面も否定出来ませんでした。
その意味では条例制定をきっかけにギャンブル依存症も治った、生保からも離脱出来た、結局みんなが幸せになったということであれば一番よいのはいうまでもないことなんですが、この一件を以て他山の石とすべき全国の生保ギャンブラーには未だにさしたる危機感もない様子なのが気になります。

ギャンブル依存深刻 推定患者200万人、国の対応鈍く(2013年5月10日西日本新聞)

 パチンコをやめたいのにやめられない-。そんな状態に陥る「ギャンブル依存症」の問題にあらためて注目が集まっている。兵庫県小野市が4月、生活保護受給者にギャンブルでの浪費を禁じ、浪費を見つけた市民に情報提供を義務付けた「福祉給付制度適正化条例」を施行。小野市には医師や弁護士から「依存症の治療を優先すべきだ」との批判が寄せられた。ただ、医療体制は全国的に貧弱で抜本的な対策を見いだせないのが現状だ。

 「たとえ生活保護を打ち切ると言われても、やめられないんです」

 保護費支給日の毎月1日、全額をパチンコなどに使い果たす福岡県内の男性(34)は、うつろな表情で打ち明けた。
 午前9時ごろ銀行で約12万円の保護費をすべて下ろし、その場で家賃や光熱水費を振り込む。近所のスーパーを2往復し、米や即席めんなど、1カ月分の食料を1万5千円分ほど購入。手元に残った約5万円を握りしめ昼前には近所のパチンコ店へ。「われに返るのは、金が尽きるか閉店するかしたときです」
 勝つことはまれにしかない。「でも打っているときは、絶対に10万円、20万円になるという根拠のない自信がある

   ◇   ◇

 父は公務員、母は専業主婦。大学時代、父に連れられて行ったボートレースで初めてギャンブルを経験した。22歳で就職後、週末にレースに通い始めた。10万円が150万円になった日もあるが、大金は無くなるのも一瞬。やがて家賃も払えなくなり、消費者金融から借りるようになった
 「負けを取り戻そう」と次はパチンコ店へ。負けてもまた借りて行った。借金を借金で穴埋めし、10年間で12社に計約900万円を借りてしまった。職場に取り立ての電話がかかり、2回転職した。親には勘当された。
 32歳のとき司法書士に返済猶予の手続きを取ってもらい、精神科病院に3カ月入院した。診断は「ギャンブル依存症」。完治してから働こうと生活保護を受けた。だが退院後2カ月で再発した。
 図書館の新聞で、小野市の条例を伝える記事を読んだ。「血税をギャンブルにつぎ込まれてはたまらない、という指摘は当然。自分でも情けない。でも支給日になると、そんな気持ちは吹き飛んでしまうんです」

   ◇   ◇

 ギャンブル依存症は、「病的賭博」として世界保健機関(WHO)が精神疾患の一つに位置付けている。専門医らは、欧米での患者の割合を参考に、日本の患者はおよそ200万人と推定する。日本にはパチンコや公営の競輪、ボートレースなど身近にギャンブルがあり、「患者の割合は海外よりずっと多い」との指摘もある。
 にもかかわらず、日本では「問題は誘惑に負ける本人の意志の弱さ」と片付けられがち。本人も家族も病気との認識がなく、問題が放置されるケースが多かった
 ギャンブル依存症に対応できる精神科病院も九州では、八幡厚生病院(北九州市)、西脇病院(長崎市)、菊陽病院(熊本県菊陽町)など各県に1、2カ所しかなく、治療体制も貧弱だ。
 厚生労働省は昨年11月、依存症者支援に関する検討会を発足させた。「まずは患者数など実態を把握したい」(精神・障害保健課)という段階で、問題の深刻さに比べると、国の対応も鈍い。

記事を読んでみますと比較的計画性?を保っているギャンブル依存症の方という印象ですから、こういうケースでは無駄な現金を持たせないという意味で現物支給化や保護費切り下げあるいは一部預かりが有効なのかなと思うのですが、もちろん大多数の依存症の方々はこうした計画性も持っておらず、軍資金が尽きれば「先生、そろそろ入院させてくれ」と各地の病院に転がり込むようなケースも少なくないわけですね。
そもそもこのご時世に働かずとも酒もギャンブルも好き放題という生活を続けている方々が本当に「弱者」なのかという議論もあり、今回の条例制定が一部でそうした弱者の定義見直し論にまで発展したことは相応に意義があることですが、根本原因に何らかの医学的な異常があるというのであれば、各種身体疾患によって就業できないで生保受給する方々と同様にこれは医学的治療の対象になってきます。
生保受給者に限らず現状ではこうした方々には適切な医療機関自体も少ない上に、十分な長期的対応が出来ておらず退院しては再発を繰り返すという状況にあることも問題ですから、例えば依存症認定された方々は同種病者を集めたグループホーム的な施設へ入居させるといった対応も検討していいかも知れません。
その点で生保受給者という収入を公費に依存している方々はそれに見合った義務を果たしていただき治療のモデルケースとして協力いただくのに適当な対象となり得ますし、また単に禁止や制限のみならず受給者には町の清掃等で一定の社会的活動を義務化していくことも彼らの社会復帰の一助にもなり、社会との間に互いにwin-winの関係を築ける契機になってくるかも知れませんね。
ともかくもどんな対策が有効なのかはまだまだはっきりした結論どころか検討が始まったばかりですが、少なくとも改善の必要性が認識され議論が始まったということは前向きに評価したいところです。

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2013年5月17日 (金)

生活習慣病急増中 悪いのはあの食べ物…?

沖縄県と言えばひと頃は伝統食が素晴らしいと日本一の長寿県として有名でしたが、近年の食生活は必ずしも健康によろしくないということが言われ健康への影響が心配されている中、先日は「やはりそうか」と感じさせるようなこんなニュースが出ていました。

糖尿起因透析が倍増 浦添・特定健康診査実施計画公表(2013年5月12日琉球新報)

【浦添】浦添市(松本哲治市長)はこのほど「第2期特定健康診査等実施計画」を公表した。同計画の中では、浦添市民の65歳未満の死亡率(早世率)が、全国で最も高い県の値を上回っていることや、糖尿病に起因する人工透析患者数が、10年で2倍に増えたことが明らかとなった。生活習慣改善など、早期の対策が求められる結果が示された。

 2010年人口動態調査で、浦添市の全死亡者数に対する65歳未満の死亡者の割合は、男性が31・3%(110人)、女性16・1%(50人)、計24・1%(160人)となっている。
 65歳未満の死亡者数割合で、全国ワーストの沖縄県は男性が27・5%(1490人)、女性13・3%(632人)、計20・9%(2122人)で、浦添は三つの割合全てで県の数値を上回った。透析患者情況(11年度浦添市障害者手帳申請台帳)は、市内の糖尿病性の人工透析患者は02年度が66人だったが、11年度には132人と倍増
 生活習慣病全体の分析(保健事業ネット11年5月診療分)では高血圧症患者が最も多く、脂質異常症、糖尿病と続く。
 市は「第2期特定健康診査等実施計画」の中で「高血圧症、糖尿病を患っていると将来、人工透析に移行する可能性が高い」と警鐘を鳴らす。

 加えて主に75歳以上が対象の後期高齢者医療の入院診療費(10年度後期高齢者医療事業年報)が、国と県を上回っており「若いころからの治療がなされておらず、合併症など重症化している現状が推測される」と解説する。
 市は同計画のほか「第2次健康増進計画・食育推進計画」(健康・食育うらそえ21)を策定。年代に合わせた食育の推進や、伝統的・健康的な沖縄の食文化継承などに取り組む考えだ。
 健康推進課の米須清隆係長は「肥満対策を強化したい」と説明。「沖縄の弁当などは気候の要因もあり、長持ちする揚げ物が目立つ。焼きそばと米が一緒に出てくるなど炭水化物の量も多い」と日々の食にも問題があることを指摘する。今後は、健康・食育うらそえ21に沿い「一人一人に合った個別支援ができればと思う。市民の健康意識を高めたい」と話した。
(普久原裕南)

それはまあ、毎日毎日Aランチ食べていたらカロリー過剰にも脂質過剰にもなるだろうなとは思いますけれども、沖縄の健康状態がこれほど短期間のうちに急激に悪化してきているということは非常に問題で、その原因として生活習慣病の管理不良が挙げられる、そしてその結果医療費も高騰しているというのは早急な対策が求められるところです。
食習慣の上で改善すべき点がはっきりしているのであれば改善すればいいのにと誰でも思うところなんですが、こうした問題は気候風土に基づく長年の習慣に根ざした文化ですから「血圧が高いから味噌汁飲むな、漬け物も食うな」と言われてはいそうですかときっぱりやめられる人間ばかりでもないということですよね。
沖縄に限らず生活習慣病が問題になっているのが香川県で、実は四国各県は軒並み糖尿病患者が多いということが知られていますけれども、中でも昨今「うどん県」として有名なあの県ではとうとうこんな対策を講じることになったというのですから驚きです。

小学生にも糖尿病検査 「うどん県」香川が実施(2013年5月11日日本経済新聞)

 香川県の全17市町が本年度、全ての公立小で小学4年生もしくは5年生の児童を対象に糖尿病を見つける血液検査を実施することが10日、県や各市町への取材で分かった。

 文部科学省は「生活習慣病の予防を目的に、都道府県単位で小学生の血液検査が実施されるのは聞いたことがない」とし、全国初とみられる。

 2011年の厚生労働省の調査では、香川県の糖尿病受療率は人口10万人に対して男性が350人で全国1位、女性が269人で全国2位。原因の一つには、県の代名詞ともいえる「うどん」など、炭水化物の過剰摂取が疑われている。

 そこで県は昨年度、子どもの生活習慣病予防を目的に血液検査を実施する市町に対し、原則として費用の半額を補助する制度を導入。高松市やさぬき市などが計約6700人の小4児童に実施したところ、今年2月の速報値で0.4%が「糖尿病の疑い」、11.1%が「脂質異常」とする結果が出ていた。〔共同〕

一説によるとうどんの中に強固に形成されたグルテンがデンプンをがっちり囲い込むことによって、うどんは腹持ちが良くダイエットにも良い食品であるという説もあるそうなんですが、もちろん同じカロリーを消費するならばそうした効果効能もある程度あるかも知れませんけれども、うどん一玉で食事を終わりにするという人はそうそうはいませんよね。
特に香川県民の常食であるさぬきうどんの場合まずうどんそのものも一玉だけでなく一玉半や二玉食べるということも当たり前に行われている、そして付け合わせがおにぎりでトッピングにも高カロリーな揚げ物が加わるとなれば、結局トータルのカロリーは決して馬鹿にならないものになっているはずです。
食の嗜好ということについて言えば実は日本人全般に炭水化物主体の食生活に慣れてしまっていて、海外などで肉と野菜といった食事を食べていると「米の飯食いて~」と思ってしまう話はよく耳にしますけれども、もともとは動物性蛋白や脂質など高カロリーの食材が乏しかった時代に必要カロリーを摂取するため行われていたことで、明治頃の一般人の米摂取量が4合/日旧軍の標準支給量が6合/日だったと言います。
今の時代の人間に一日4合、6合の飯を食えと言われたらとても食べ続けられないでしょうが、要するにそれだけ副菜類が限りなく粗末だった頃にカロリーのほとんどを米に頼るとすればそれくらいは必要だったと言うことで、今の日本人のカロリー摂取量からすればほぼ純粋なカロリー源でしかない米や小麦はほとんど摂取する必要がない計算になるはずですよね(それが体にいいか悪いかは別として)。

栄養学的な話はそれくらいとしても、ご存知のように糖尿病と言えば子供の頃から発症することで知られるⅠ型糖尿病と、過食など生活習慣に伴って発症すると言うⅡ型糖尿病とが知られていて、今回の小児健診で拾えるのは大部分がⅠ型糖尿病なんじゃないかと思っているのですが、実は小児においてもⅡ型糖尿病が大いに増加傾向にあることが世界的にも問題視されつつあります。
昨年末に米国CDCから出された推計では発症率が現状を維持したとしても「米国小児における1型糖尿病発症数は現行の16万6,000人から2050年までに20万3,000人以上に、2型糖尿病発症数は同2万人から同3万人以上になる」といい、他国並みに発症率が上昇すればそれぞれ3倍および4倍にまで増加するという「悪夢のような数値」が打ち出されています。
一般にこの手の糖尿病健診と言えば生活習慣改善で予防できるⅡ型対策に目が行きますが、生まれつき顕著な高コレステロールを示す家族性高脂血症が早ければ小児期から心筋梗塞などを引き起こしてくることを思えば、小児期から高血糖を来すⅠ型糖尿病の早期発見こそ長期的な予後改善に有効だという考え方もあるでしょうね。
うどん県の小児健診はもちろん小児期からの生活習慣改善のための有力な材料となることもさることながら、こうした早期発症の疾患の拾い上げという点でも意味があるんじゃないかと言う気がします。

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2013年5月16日 (木)

遺伝子診断は急速に普及しつつある

日本でもようやく予防医療ということに本腰を入れるようになってきたということでしょうか、メタボ健診に留まらずウイルス肝炎やピロリ菌除菌が公費も投じて大々的に行われるようになってきましたが、アメリカではさらに何歩も先を進んでいるのだなと感じさせる驚くべきニュースが出てきました。

アンジェリーナ・ジョリー、がん予防で両乳房切除を告白(2013年5月15日産経ニュース)

 米女優、アンジェリーナ・ジョリー(37)が乳がんのリスクを高める遺伝子の変異が見つかったため、予防措置として両乳房を切除する手術を受けた。14日付ニューヨーク・タイムズへの寄稿文で告白した。(サンケイスポーツ)

 それによると、医師から「乳がんになる可能性が87%」と説明され、治療を決断。母親ががんで約10年間、闘病生活を送り、56歳で他界したことも影響したという。2月に切除し、2カ月後に乳房の再建手術を受けた。パートナーの米俳優、ブラッド・ピット(49)が治療に付き添った。

 アンジェリーナは、手術で「乳がんになる可能性が5%未満まで低下した」と強調。公表した理由について「私の経験が他の女性に役立てばと思った」としている。

もちろん癌になる以前の予防段階での切除ですから綺麗に再建することは出来るのでしょうが、まだまだお若く、しかも女優業という見せる商売でありながらこうした処置を受けた上でそれを新聞紙上で告白するというのは大変な勇気がいったのではないかと言う気がします。
ここで注目すべきはこうした告白がなされる社会的土壌があるということもさることながら、癌化の確率を数字として提示されそれをもとに予防的乳房切除を行うということが実際に行われているということで、著名人に限らず一般人においてどの程度こうした考え方、やり方が彼の地で普及しているのか大変に興味深い話ですね。
ひるがえって日本では未だ乳腺外科領域ではここまでの域には達していないと思いますけれども、例えば高率に胆管癌などを発症することが知られている膵胆管合流異常などでは予防的な手術を行うことが普通に行われていますから、予防的手術がどうこうと言うよりも乳癌術式が未だに議論になるのと同じように美容的な観点からの問題が大きいのかなという気もします。
逆に言えば不利益よりも利益の方が勝っていると理解されれば新たな予防医学的技術であってもあっさり普及していく可能性が日本でもあるということだと思うのですが、こういう結果を見る限り遺伝子検査の利益が大きいと判断した方々が思いの外多かったのかなと思わされるニュースが出ていました。

新出生前検査 専門家「予想上回る」(2013年5月9日NHK)

血液を分析するだけで胎児に染色体の病気があるかどうか判定できる新しい出生前検査を受けた妊婦は、導入開始からの1か月で全国で440人余りで、専門家は「導入前の予想を上回る数で、新しい検査に対する妊婦のニーズが高いことが分かった」としています。

新しい出生前検査は妊婦の血液を分析するだけで胎児にダウン症など3つの染色体の病気があるかどうか判定できるものです。
専門家のグループが、実施施設となっている全国15の医療機関に聞き取り調査を行ったところ、導入開始から1か月に当たる先月30日までに検査を受けた妊婦は、合わせて440人余りでした。
年齢は30歳から47歳で、8割が初めての出産を予定している妊婦でした。
NHKの取材では、このうち少なくとも7人は胎児が病気の確率が高いとされる「陽性」と判定されていました。
また、検査前のカウンセリングを終えた妊婦を対象にしたアンケートで159人から得た回答を分析したところ、97%が「カウンセリングで提供された情報量は十分だった」と答えたということです。カウンセリングの所要時間は「30分以上」が半数を超えていましたが、「10分未満」も5%ありました。
カウンセリングのあと、検査に対する考えが変わったか尋ねたところ、6%に当たる10人は「受けなくてもいい」として検査を取りやめていたということです。

調査をまとめた昭和大学の関沢明彦教授は、「導入前の予想を上回る数で、新しい検査に対する妊婦のニーズが高いことが分かった。事前の説明が妊婦の選択に影響を与えていることがうかがえるので、選択を支える質の高いカウンセリングを行えるよう、課題を検討していきたい」と話しています。
この調査結果は、10日から開かれる日本産科婦人科学会で報告されます。

この新しい出生前診断については以前から何度か取り上げて来たところですが、これまでなら危険も伴う羊水穿刺という手段を用いなければ確からしい結果が得られなかったものが、普通の血液検査と同じようなやり方で簡単に調べられるようになったというのですから、それは諸外国と国内とを問わずあっという間に普及してくるのは当然だろうなと思います。
今回記事を見ていて興味深いのは検査対象者なのですが、最高齢の47歳と言えば一般的に言って厳しい不妊治療の果てにようやく妊娠が成立したといったケースなんじゃないかと想像するのですが、恐らく次に妊娠出来る可能性が極めて低いだろう状態でこうした検査を受け何かしらの異常が見つかった場合に産まないと言う選択枝があり得るのかどうか、むしろ余計な葛藤を増やすだけなんじゃないかという気もします。
その辺りはもちろん各個人や家庭内での考え方の問題でもありますが、そうでなくとも予防医学の中でもこうした出生前診断に関しては常に「親が子の命を好きに左右することが許されるのか?」と言う疑問も出てくることは周知の通りで、そうした葛藤も込みで予想よりも大きな数の検査希望者が出たと言う事実は軽くはないように思いますね。

先に述べたような利益と不利益と言う兼ね合いで考えると、言葉は悪いですが例え胎児にどのような不利益があったにせよ自分のことじゃないと利益ばかりに目が行ってしまうんじゃないかという懸念はもっともですし、指針によって可能な限り検査を抑制的に取り扱うようにと定められていることはそうした生命倫理的な懸念を反映してのものでしょう。
胎児がいつから人間になるのかという問題は未だに明確な決着を見ていない限りなくグレーゾーンな問題ですが、冒頭の遺伝子診断に基づいた予防的乳房切除の事例といい、少し前までは「近い将来こんなことになるかも知れないぞ」と言われていた近い将来が早くも来てしまったんじゃないかと感じている方々も多いのではないでしょうか?
個人的には「だから遺伝子診断などそもそもすべきではない」という立場には全く賛同できないのですが、そうは言っても簡便に高精度な遺伝子診断が一般化して事実上の産み分けによる遺伝子の選別が技術的には可能になってきたと考えると、医学的のみならず社会的に見ても考えてもいなかったような新たな問題が現実に発生してくる可能性はありそうですね。

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2013年5月15日 (水)

分娩を巡るトラブルは必ずしも稀なものではない?

多いか少ないのか判断に迷うところなのですが、先日こういうニュースが出ていました。

出産時に3割が医療上のトラブルを経験-保険会社が1000人調査(2013年5月9日CBニュース)

 出産時に女性の3割が、帝王切開による入院・手術などの医療上のトラブルを経験していたことが9日、ライフネット生命(東京都千代田区)の調査で分かった。

 調査は、2月28日から3月4日にかけてインターネット上で実施。出産から3年未満の25―39歳の女性1000人から有効回答を得た。

 調査結果によると、重度のつわりや切迫早産、帝王切開による入院・手術などのトラブルを直近の出産時に経験していたのは30.2%。これを年齢別に見ると、25―29歳(511人)が28.4%、30―34歳(417人)が31.4%、35-39歳(72人)が36.1%で、年齢が高いほどトラブルを経験している割合が高かった

■出産時の自己負担額、イメージより14万円低く
 ライフネット生命では、第1子を妊娠中の25-39歳の女性240人を対象とした調査も並行して実施。妊娠中の女性を「プレママ」として、出産から3年未満の「先輩ママ」と結果を比較した。

 それによると、健診や通院・入院・分娩などに掛かった費用をどれくらい自己負担したかを先輩ママに聞いたところ、平均は27.3万円だった。一方、どれくらい自己負担するイメージがあるかをプレママに聞いたところ、平均は41.1万円で、実際の自己負担額とイメージでは約14万円の開きがあった。【高崎慎也】

トラブルの内容がどのようなものであったのか明記されていないのでなんとも言い難いのですが、「お産は病気ではない」という認識でいるだろう一般の妊婦さん達にとっては怖い数字でしょうね。
ただあくまでも医学的には素人である妊婦さん側の主観による「医療上のトラブル」というところがポイントで、特に日本人の場合「なにか気になることがありましたか?」と問われれば例え総じて満足していても何とか「カイゼン」の余地を探してしまいがちなもので、社会的経験豊富な高年齢層ほどトラブルの経験率が高いというのもそうした事情を反映しているのかなという気もしないでもありません。
ともかくも飲食店でも料理そのものに満足出来れば「従業員の気さくな態度も好感が持てました」ですんでいただろうものが、料理がまずいわ高いわでは「接客の基本常識も知らないようで不愉快です」と言われてしまうでしょうから、特に自由診療であるお産においては顧客満足度がどうであったのかということが一層厳しく問われることになるのでしょうね。
ただいずれにしても3割がトラブルを経験した(少なくとも、そう感じている)ということは決して少なくない数字で、仮に産科診療の現場にある先生方が医療上のトラブルなんてそんな高率で発生するわけがないと認識されているのであれば、顧客満足度を大いに低下させかねないこうした認識のギャップを解消していくことが医療紛争回避の第一歩となりそうです。
その顧客満足度を測る上で究極的な指標になるのがお産そのものが満足のいくものであったのかどうかですが、産科の先生方の努力の成果か幸いにもわりあいにうまくいっているらしいということを想像させる判断材料の一つのがこちらのニュースとなるのでしょうか。

産科補償制度の掛け金一部返還申し立てへ- 28の分娩機関と千人余りの妊産婦(2013年5月13日CBニュース)

 分娩に関連して重度脳性まひを発症した子どもに補償金を支払う「産科医療補償制度」で、補償件数が当初の見込みを大幅に下回り、多額の余剰金が発生しているとして、28の分娩機関と1000人余りの妊産婦が、同制度を運営する日本医療機能評価機構を相手取り、掛け金の一部返還を求める調停を国民生活センターに申し立てることが分かった。

 同機構では、補償対象と認定された子どもに一律3000万円を支払う一方、加入分娩機関から1分娩当たり3万円の掛け金を徴収している。補償対象者を年間500人から800人と見込んで金額を設定した。
 しかし、実際に補償対象に認定されたのは、2009年1月の制度開始から今年3月までの4年余りで461件にとどまっている。

 調停を申し立てるのは、28の分娩機関と1041人の妊産婦。掛け金3万円のうち2万円分に当たる総額2082万円の返還を求める。【高崎慎也】

そもそもこの産科無過失補償制度というもの、最初から「掛け金をあまりに高く見込みすぎているのではないか?」と言う声があったことは以前にもお伝えしてきた通りで、過剰となった掛け金は保険会社に流れるという制度から「新たな利権の発生か」などとも予想された通り、当初から巨額の掛け金が行方不明になっているなどと報じられたりもしたものでした。
厚労省の予測では年間800人くらいが同制度で補償金を申請するだろうと言う計算で掛け金などを決めていたわけですが、今のところ厳しい認定条件が幸い?してか申請件数はかなり控えめな水準に留まっているということで、一つには制度の周知徹底ももちろん重要ですけれども、分娩に関連してなどと条件付けを行わず重度脳性麻痺出生児全員に補償対象を広げるといった実利ある改善策も検討していただきたいところです。
おおむね年間3000人程度と見込まれる脳性麻痺児全員が対象ということになればむしろ余るどころか掛け金引き上げも求められそうですけれども、前述の記事のように妊婦さんは平均して14万円ほど出産費用が安くすんだと言いますから、今現在最大800人を目安にやっている同制度の対象が3~4倍に増えたとしても予想した範囲内で費用負担は収まる計算ですよね。

そもそも脳性麻痺については分娩に関連してと対象を絞った無過失補償制度の申請件数が非常に少ないことからも見て取れるように、大部分は分娩時のトラブルには関係ないものだとされているようですけれども、やはり冒頭の記事にもあるように産科の現場ではかなりの人々がトラブルに遭遇したと認識している、そうなりますと実際に新生児に問題があった際には「あれが悪かったからだ」と思ってしまうのは仕方のないところです。
先日は無過失補償の対象になったケースを検証した結果3割の場合に陣痛促進剤が使用され、そのうち8割近くでは学会指針を逸脱した使用法がなされていたという記事が出ていましたが、産科の先生方にとって陣痛促進剤が親の敵のように忌避される世間の風潮はおもしろくないだろうことも想像できますけれども、何しろこういうご時世ですから少なくともきちんとした説明のもとに使用の同意を取ったという記録は必要でしょう。
使用全症例の7人に1人が同意も取られないまま陣痛促進剤を使われていた、などと言われれば今時その認識はどうなのよ?と不安を覚えますけれども、無過失補償制度が原因究明と再発防止のために行われているものなのだとすれば、単に医学的水準を云々するのみならず何かあった時に言った言わないのトラブルを招きやすいことからも、インフォームドコンセントの徹底など広い意味での接遇面においても改善を図っていかなければならないと思いますね。

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2013年5月14日 (火)

医療事故調 全医療機関に届け出義務付けへ

すでにマスコミ各社から大々的に報道されていますけれども、かねて議論が続いていた医療事故調はいよいよ法案提出に向けて本決まりになったようです。

患者死亡、届け出義務化 全施設対象、医療事故把握へ(2013年5月13日中国新聞)

 厚生労働省は医療事故の実態把握のため、国内すべての病院・診療所計約17万施設を対象に、診療行為に絡んで起きた予期せぬ患者死亡事例の第三者機関への届け出と、院内調査を義務付ける方針を決めた。関係者が12日、明らかにした。

 現在、届け出義務があるのは高度医療を提供する大学病院など約270施設だけ。新制度では中小病院や診療所も含め、死亡事例を網羅的に収集できるようになる。

 厚労省は専門家による検討部会の議論が近くまとまり次第、医療法改正に向けた作業を進め、秋の臨時国会への改正案提出を目指す。

 新制度の対象は約8500の病院と、約10万の有床・無床診療所、約6万8500の歯科診療所の計約17万7千施設(2月末時点)。診療所など小規模施設では十分な院内調査ができない可能性もあり、地域の医師会や医療関係団体、大学病院の支援を受けられる体制も構築する。

 第三者機関は行政から独立した民間組織と位置づけ、現行の「日本医療機能評価機構」や「日本医療安全調査機構」の機能を統合・一元化する案が浮上している。

 第三者機関は医療機関から寄せられた調査報告の内容を分析。共通する事故要因を洗い出すなどして注意喚起し、再発防止につなげる。必要に応じて個々の医療機関への助言もできるようにする方向だ。

 新制度は医療事故の原因究明と再発防止を主眼とするため、第三者機関から警察への通報はしない

予期せぬ死亡届け出義務 全病院・診療所に拡大 厚労省方針(2013年5月13日東京新聞)

 厚生労働省は医療事故の実態把握のため、国内すべての病院・診療所約十七万施設を対象に、診療行為に絡んで起きた予期せぬ患者死亡事例の第三者機関への届け出と、院内調査を義務付ける方針を決めた。関係者が十二日、明らかにした。
(略)
 厚労省によると、事前にリスクが分かっている手術の合併症による死亡などのケースを除き、予期せぬ患者の死亡事例があった場合、医療機関は速やかに第三者機関に届け出るとともに院内調査を実施。結果を第三者機関に報告し、遺族にも開示する。

今まで特に論点となっていたのが医療現場への警察の介入をどう抑制していくかということでしたが、結局のところは第三者機関への届け出を強制するかわりに第三者機関からは警察には通報しないということで一見すると医療現場に配慮しているように見えて、その実今まで通り医療機関から警察への異状死の届け出義務(医師法21条)は免除しないという点に注意が必要ですね。
医療側の感覚からすると第三者機関届け出例の中でも警察に届け出る例はごく一部という認識だと思いますが、仮に第三者機関に届け出たにも関わらず警察に届け出なかったとすれば世間からはあれれ?予期しない死亡なのに何で?と思われかねず、最終的に第三者機関届け出症例なら原則全例警察に届けなければならないんじゃないかといった社会的圧力がかかる可能性もあります。
すでに医師法21条の解釈変更によって警察への届け出はあまり深刻に考えなくても良いという意見もありますが必ずしも共通認識として普及しているとも思えず、そうなると現実的な対策として警察に届け出るかどうかは第三者機関の検証を待ってと言うことが考えられますが、この場合も「二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」という同法の文言が大きなハードルとなってきます。
要するにこうした制度をつくるだけでは不十分で、曖昧で対象がはっきりしないと言われ続けてきた医師法21条改正を含む諸法制の総合的な改革を含めてのものでなければどこかに大きな矛盾が発生するということなんですが、厚労省がどこまで問題意識を持って手を広げるだろうかと考えると非常に先行きは怪しいんじゃないかという気がしてなりません。

また病院のみならず診療所も含めて国内全ての医療機関を対象にし、予期せぬ死亡全例の届け出と共に院内調査を義務づけるということは症例数がどれくらいになるのかによっては大変な業務量ですけれども、例えば慢性期病床で見回りに行くとお年寄りが亡くなっていたということはままあることですが、これを異状死として捉える医師はまず普通はいないんじゃないかと思います。
慢性期の病床では一見ただ寝かせているだけに見える状態こそ医療サービスの提供ということになっているわけで、要するに脳梗塞後遺症で胃瘻を入れて寝たきりになっている人にリハビリなり栄養補給なりの医療行為提供が必要ですという名目だからこそ入院していられるのですけれども、当然この状況で患者がぽっくり亡くなってしまうことは文字通り解釈すれば医療行為提供中に起きた予期しない死亡と呼ばれることになります。
そんな話になるとお年寄りがぽっくり逝くたびに第三者機関に届け出て院内調査委員会で死因と再発防止策(それがどんなものになるかは想像したくもありませんが…)を協議して…云々と全国老人病院は大変なことになると思いますが、まさかに医療の側はおろか第三者機関側にしろ警察側にしろそんな症例までが届け出られてくるとは想像していないんじゃないかと思います。
こうしたケースを回避するには全例届け出なのですからよほどに届け出基準の定義をしっかりしておくか、あるいは第三者機関に届け出る症例=警察に届け出る症例と言うくらいの絞り込みが必要になってくるんじゃないかという気もするのですが、どうも今までの議論を見ていますとそのあたりがあいまいで特に司法畑を中心に「疑わしいものは全て広く届け出るべき」という考えが蔓延しているのは気になりますね。

ちなみに日本では全死亡の13%ほどが異状死であるとされているそうですが、その大多数はガス中毒疑いや事件性を否定しきれない死者などどこかで不自然な形で亡くなっているのが発見された方々で、病院内で亡くなった方々というのはその死因がどの程度判明しているかどうかに関わらず担当医が何とか病名をひねり出して「病死・自然死」として処理されてきたんじゃないかと思います。
このあたりは色々と認識の相違があって、世間的には警察に届ける=犯罪の可能性ありといった捉え方にもなるでしょうけれども、1994年に法医学会が発表した異状死ガイドラインでは異状死体を「確実に診断された内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外の全ての死体」と定義していて、要するに死因に確実性のないものは全て異状死だというかなり極端な立場ですから当然臨床医からの反発も強いようです。
ただ諸外国では診療関連死は予期するしないに関わらず届け出対象となっている場合が多いといい、またWHOの定めた国際疾病分類(ICD)でも手術、手技、当薬等に関連した死亡は病死・自然死ではなく外因死に分類されている、こうした状況から法医学筋では「疑われる事例を含めて広く異状死届出をし、法医解剖の対象とすべき」と言っているらしいのですね。
その理念の是非はともかく、現実的に法医学者の数を考えるとこんな解釈が社会一般に通用してしまえば彼らも年中解剖解剖で過労死しかねないどころか、過労からうっかり死因を見誤りでもすれば誰かを犯罪者にもしかねないという重大問題が発生しかねないと思うのですが、第三者機関では病理学者や外科医等々も総動員して数をこなすことになるとすればその判断の質と均質さをどう担保するかという問題があるでしょう。

現実的には届け出をするかどうかを判断するのは担当医を初めとする当該施設の医師であって、また届け出がなされなかった場合に問題化するのは(稀な内部告発などを除けば)おそらく遺族がそうと訴えた場合にほぼ限られてくるのではないかと想像するならば、現行の異状死届け出の状況から類推するに結局届け出られるのは家族との間で何かしらトラブった場合が中心になるんじゃないかという気がします。
ただ大学病院などでは前述のような法医学者も教授会などで発言権があるわけで、大学である以上は医療に対して正しき姿勢であるべきだといったタテマエ論が優勢となった場合にはどんどん第三者機関への届け出が進み、下手をすると漏れなく警察への届け出もセットでついてくるということにもなりかねませんよね。
大学はマンパワーもあるのだしこうしたことに協力し医療の安全性を高める先導的な立場に立つ義務があるはずだと言われればその通りですが、見ていただいて判る通り今回の話は大病院だろうと場末のクリニックだろうと同じように義務を課すというものになってしまいましたから、「中小医療機関の届け出漏れが目立ち」などと世間に言われ始めると日常業務で手一杯の施設では業務がパンクするということもあるかも知れないですね。
そうなるとこれまで以上に(言葉は悪いですが)「どこで患者を亡くならせるか」ということが問われるようになってくる可能性もあるかも知れず、あるいは基幹病院から末期患者が地元の小病院に逆搬送されたり、老人病院から介護施設へ看取り患者が送られていくといった馬鹿馬鹿しいケースも今後出てくるのでしょうか。

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2013年5月13日 (月)

ブラック企業にどんどん人材を送り込め?!

昨今話題になることも多いのがブラック企業というものですが、実はネットの発達で医療業界こそ壮大なブラック企業そのものではないかという認識を多くの医師が持つようになったことが医療崩壊に結びついたという説があります。
それはともかく、世間的にはブラック企業という話は旬のネタでもありますから、これまた昨今世間的注目度が高い医療崩壊ネタと絡めるとなかなかいいニュースになるのでしょうね。

ブラック企業化する医療現場 勤務医や看護師への患者の暴言・セクハラ、長時間労働(2013年5月11日ビジネスジャーナル)
より抜粋

 病院勤務医と看護師が置かれた職場環境は、ブラック企業よりも過酷かもしれない。日勤-当直-日勤で連続48時間勤務、月間労働時間が300時間超……こんな状況も決して珍しくないのだ。

 医療従事者が疲労した状態で治療や手術に臨めば、医療ミスも発生しやすい。医療従事者の健康が確保されてこそ、患者の安全も確保されるのだが、現実はそうではない。

 日本医師会(以下、日医)が2008年度に実施した調査では、医師たちの悲鳴が数多く寄せられた。「正直自分の健康に手は回らない」「超勤簿に45時間以上と書くと病院長から呼ばれるので書けない」「当直の翌日は、集中力の低下・注意散漫となり、医療事故が起こりやすい状態になっていることが自分でもわかる」

 日医が08年度に調査したところ、医師の睡眠時間は1日5時間未満が9〜10%、6時間未満が41〜44%。さらに6%の医師が、死や自殺について1週間に数回以上考えていたことが明らかになった。ところが、「同僚に知られたくない」「自分が弱いと思われたくない」などの理由で、53%が自分の体調不良についてまったく相談していないのだ。
(略)
 医師と看護師にとって過酷なのは労働時間だけではない。病院では、患者やその家族からの暴言、暴力、セクハラなどの被害を数多く受けている。

 都内の私立大学病院で構成される私大病院医療安全推進連絡会議が11年12月に実施した調査で、11病院の職員(医師、看護師、事務員など)2万2738人から得た回答は、過酷な実態を浮き彫りにした。過去1年以内に暴言を受けた職員は41.5%、暴力は14.8%、さらにセクハラを14.1%の職員が受けていた

 これは、ブラック企業をしのぐ惨状ではないのか。ある病院の副院長は、暴言の実態を次のように話す。

「ちょっとした手術ミスで、患者と家族に担当医が謝罪をしたことがあった。私も責任者として同席したのだが、患者の家族から人格を否定されるような口汚い言葉で罵倒された。それも1時間近く。ひたすら頭を下げ続けたが、心が相当へこんだ」

 長時間労働、暴言、暴力、セクハラ--医師も看護師も、これだけの惨状の中で患者の健康を支え、命を救おうと心身を削るようにして働いているのだ。
(略)
●過酷な職場環境の原因は医師不足

 シンポジウムでは日本医師会副会長の今村聡氏、厚生労働審議官の大谷泰夫氏も、それぞれ職場環境改善策の枠組みを提言したが、「正しい現状認識がされていない」と会場内から疑問がぶつけられた。

 発言したのは、埼玉県済生会栗橋病院院長補佐の本田宏氏である。本田氏は約10年前から医師不足による医療崩壊を訴え続けている、医師不足問題のオピニオンリーダーだ。

過酷な職場環境の原因は医師不足にある。シンポジウムのテーマである雇用の質ではなく、雇用の量が問題なのだ。いまの医師数では高齢化の波に追いつかない。量が問題なのに質を議論しているというボタンの掛け違いに、早く気づいてほしい」(本田氏)

 司会者に意見を求められた今村氏は今村医院の院長で、三井記念病院や神奈川県立こども医療センターで勤務医を経験している。「今日は日本医師会副会長の立場で話した」と断ったうえで、今村氏はこう答えた。

「医師不足の問題はその通りだと思うが、現状でできることがあるのではないかと思って今日は話した。ワークショップでは、質を向上させる取り組みで職場が改善されるという意見が出ている。この取り組みに一定の理解をしてほしい」

 同じく意見を求められた大谷氏は、次のように答えた。

「医師数についてはいろいろな議論がある。この5年で医学部の定員を2000人増やした。チーム医療と労務管理の改善などで、雇用の質を改善できる。量と質の両方で取り組むことだと思う」
(略)

しかし大先生もついに医師不足問題のオピニオンリーダーにまで上り詰めたとは恐れ入りましたが(苦笑)、いったい日本の医療をどんな方向にリードしていくつもりなのでしょうね。
需要と供給のバランスが崩壊しているのに、需要側対策は相変わらず放置したまま供給側ばかりをどんどん増やしていこうというのが本田氏お得意の主張ですが、勤務医ならば判る通りどこの病院でもスタッフに売り上げを増やせ増やせとハッパをかけるのは当たり前で、医療費と医師数とは連動していると言われるのはこうした理由があるわけです。
もちろん理論上は医師数を極限まで増やせばどこかで医師一人あたりの売り上げは頭打ちになることでしょうが、そんな非現実的な医師数に達する頃には医療そのものが今あるそれとは全く変わっているはずで、今後も当分の間は黙っていても医学部定員大幅増の影響で医療費はどんどん増えていくことになりそうですよね。
一方国としては医療費の際限なき増大など認めるつもりも認められる余力もないでしょうから当然各種の抑制をかけてくることになりますが、その結果スタッフ一人あたりの取り分はどんどん少なくなっていくということが予想されていて、いずれは医科も歯科と同様にワープア化が叫ばれるようになるのではないかと不安視している方々にとって医学部新設などとんでもない話ということにもなるでしょう。

もちろん一方ではそんな先の話はどうでもいい、今崩壊の危機に瀕している医療現場を救うために早急に医師数を急増させるべきだと言う意見もあるわけですが、ではそうやって需要増加に歯止めをかけないまま供給側の対策だけをどこまで続けていくのかということです。
ご存じのように皆保険制度は全国どこでも同じ医療を同じ値段で供給しますという前提で成立している制度で、日医などをはじめとして各種団体も未だに「田舎だろうが僻地だろうが医療の質が下がるのは許されない」という主張を崩していませんから、それこそ日本国中どんな僻地でも24時間365日あらゆる診療科の専門医がいつでもすぐに診てくれるのが本来あるべき医療の姿だと言うことになってしまいますよね。
別に地元でいい医療を受けたいという患者さんの素朴な要望が間違っているとは言いませんけれども、それが当たり前の医療のあるべき姿だと考えそこを目指して医療を整備していくのであれば医者など何人いたところで永遠に不足は続くだろうし、そもそもそんな医療体制を整備し維持するコストを国民が負担できるのか大いに疑問です。
それではどうするのか、需要対策など行政や住民自らがやることで現場の医師にはどうしようもないじゃないかと思うかも知れませんが、近年のいわゆる医療崩壊という現象とも絡んだ大規模な医師逃散劇が各地で頻発した結果、「馬鹿げた医療供給体制を現場スタッフの犠牲の上に強いるブラック病院には勤務しない」というシンプルな行動が実は案外有効であるらしいということが判ってきました。

医師の時間外勤務と医療崩壊を考える(2013年5月8日日経メディカル)より抜粋

(略)
医師の過労への対策は不十分

 以前は、ある程度までは医師のサービス残業が当たり前とされていました。しかし医療訴訟の急増に伴い、インフォームドコンセントの徹底による書類業務や高度な医療を行う施設への患者の集中が起こり、過重労働の“過酷さ”は一線を超えました

 そこに医師の初期臨床研修の必修化が重なり、医師を派遣する大学側の人事交代に支障を来して、さらなる労働強化が発生。当直や時間外勤務を黙って「サービス」と済ますには負荷が重くなりすぎてしまいました。我慢ができなくなった医師が病院から立ち去り、「医療崩壊」と呼ばれる診療科の閉鎖や病棟閉鎖に至ったのは、皆さんもよくご存知の通りです。

 行政も手をこまぬいていたわけではありません。2008年度の診療報酬改定より厚生労働省は、診療報酬に組み込む形で病院勤務医の負担を軽減する体制を評価し、医師の負荷軽減策を打ち出しました。2010年度の改定ではその評価対象を3項目から8項目に対象を拡大しています(参考資料がこちら)。

 さらに、同年度の改定時に厚労省は、総合入院体制加算や救命救急入院料加算、医師事務作業補助体制加算などの加算を算定する場合、「実際に病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に結び付くよう、より効果の期待できる院内体制の整備など負担の軽減及び処遇の改善に係る計画の策定と実行を求められることとなる」との業務連絡を発出しています(参考資料はこちら)。

 2012年度の診療報酬改定においても、病棟薬剤師の配置などチーム医療の推進に向けた取り組みを評価するなど、負担軽減に対する評価を15項目に拡大し、医師が診療や治療に専念できる病院を支援する仕組みを作ろうとしています。

 しかし一方で、昨年、勤務医の労働組合である全国医師ユニオンが中心となって行った勤務医労働実態調査では、「依然、当直を担う勤務医の8割は32時間連続勤務を行っている」「残業不払いが横行しており、9割の勤務医が『労働問題を話し合う場がない』と回答している」といった結果が報告されています(参考資料:『勤務医の負担増加は深刻 ~進まない負担軽減~ 勤務医労働実態調査 2012 集計結果 速報』勤務医労働実態調査 2012 実行委員会)。

 では、上記のような行政の取り組みは、現場レベルではまだ十分な効果が出ていないということなのか、というと、必ずしもそうとも言い切れません。先進的な取り組みを行っていることで知られる近森病院(高知県高知市、452床)を見学させていただき、私は考えを新たにしました。

 同院では、管理栄養士やリハビリ技師、薬剤師などをそれぞれ各病棟に配置し、医師や看護師が診療や看護に専念できるようにしています。その結果、医師や看護師の業務負担は減り、職員全体でみても残業時間が減ったそうです。

 当然、職員満足度も高く、看護師の離職率も2011年は3.5%にとどまっています。在院日数は14.1日、病床稼働率は93.4%(いずれも2012年)で、病院としてもパフォーマンスも十分です。しかも、病床稼働率は改修工事に伴ってベッドコントロールが難しくなった中での数字であり、前年度は99.7%だったそうです。

 近森病院をみていると、病院が町の真ん中にあり患者さんが集まりやすいという立地があるにせよ、今後は医局との関係が強いという理由ではなく、労働環境改善に努めた病院に、医師や看護師、さらには患者も集まる時代が来るではないかと感じました。

行政が病院の再編・集約を後押し

 また今後、団塊の世代が「癌」「脳卒中」「心筋梗塞」の三大疾病の好発年齢に入るに伴い、「癌」を中心とした外科手術の需要は急激に増えます。医師増員の議論は続いていますが、仮に医学部を新設したとしても団塊の世代への対応には間に合いません(参考記事:2012.12.18「医学部新設で医師不足を解消できるのか?」)。

 この需要増を現在の医師数で乗り切るためには、手術をする医療機関数を絞り込み、外科医をはじめとした医療資源を集約化して効率化する必要があります。集約化によって1つの医療機関に多くの医師が集まれば、完全にオンコールフリーの時間を確保できるなど、労働環境も改善しますし、医療安全の面からもそちらの方がよいのは間違いありません。
(略)
 集約化や機能分化を進めれば、従来の小規模な自治体にある僻地の急性期病院は集約化されますから、日本のすべての地域で同じ医療を提供するという考え方は成立しなくなります。入院治療などへのアクセスが不便になることについて、反対意見も多く出るでしょう。

 ですが、現状、医学部増設を行っても急速な育成数の増員が困難な現状では、産婦人科医や外科医、麻酔科医を中小規模の病院へと分散させるより、急性期医療を得意とする外科医が大勢いる病院に、医療必要度の高い患者さんを集める方がより多くの患者さんを救うことができるのではないでしょうか。これは「医師の偏在」として問題視すべきものではなく、今後さらに都市部の高齢者が増加する2025年に向けた問題の一つの解決策ではないかと思います。

 今後も潤沢に供給されるとは言いがたい外科医や産科医、救急医をサポートし、医師が治療に専念できるようにするためにも、医療機関の集約化とチーム医療の導入を進めていく必要がありますし、それに伴う痛みに対する地域住民やメディアの理解が求められているのです。

近森病院と言えば昔は医師に対するある種の福利厚生が非常に充実していると言う噂を伺ったことがありますけれども、医師をはじめとするスタッフの士気が高いということは離職率低下やスタッフの充実などに直結するのみならず、回り回って病院全体のパフォーマンスを改善し顧客満足度の向上につながるということではないでしょうか。
厚労省も医師集約化に向けて動き出しているのは例の新専門医制度などを見てもよく理解できるところですが、結局はより効率的な医療供給体制を構築し医師らスタッフの負担を減らしていくことがより永続的な医療供給体制整備にも結びつき、また無原則な医師数増加などという頭の悪いやり方よりも財政的にも優しいということだと思います。
それでは何故さっさとやらないんだと言えば、今まであった診療科がなくなるのは困る、今までいた医師がいなくなるのはイヤだ、あるいは専門医にかかるために隣町まで出かけていかなければならないのは面倒くさいというちょっとしたわがままが医療の効率的再編を阻害し、結局は地域の医療がまるごと破綻してしまうという最悪の結果にまで結びついてしまったのだとも言えるでしょうね。
「医者など毎年黙っていても医局から送られてくるもの」という認識のもとに労働環境改善など眼中にもないまま医師に逃げられた地方公立病院などを中心に未だに根強く医師強制配置論が唱えられていますが、なぜそうなったのかという考察も抜本的改善策も講じないままでは「医者が忙しいなら増やせばいい」レベルの頭の悪い対策の典型例と後世言われることになるかも知れませんね。

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2013年5月12日 (日)

今日のぐり:「活魚廻転寿司 いわ栄」

某火の国県のクマ系キャラクターが妙に人気だという今日この頃、こちらもとんでもない人気のクマがいたというびっくりニュースが出ていました。

【くまモンも真っ青】イケメンクマを巡ってメス3頭が女の戦い4時間 全員が死亡する:エジプト(2013年5月8日IRORIO)

異性を取り合って戦うのは人間はもちろん、どの世界も厳しいもの。それは動物園にあっても事情は同じであったようだ。

カイロの西部にあるギーザ動物園で、3頭のメスのアメリカグマが1頭のオスを巡って死闘を繰り広げた。彼らはおよそ1か月前から発情期に入っていた。飼育員は放水して3頭を放そうとしたが失敗。ロロ、ファラ、ナビラの3頭の戦いは4時間に及び、力尽きて土曜日に全員が死亡した。それぞれ4歳、11歳、13歳のクマ盛りであった。

火種となったオスのハニは自分の人気に気付きもせず、翌日には別のメス、ネビネと無事カップルとなったという。冷たいようだが、これが自然界の掟なのだろう。

亡くなった3頭を追悼し、ギザ動物園は哀悼声明を発表している。ちなみに動物園にはまだ4頭のアメリカグマがいるということだ。

まあしかしこういうのはどうなんでしょう、何もそこまで…と思ってしまいますけれども、それが生き物の性というものなんでしょうかね。
今日は亡くなった三頭のクマたちに哀悼の意を表して、世界中から生き物に絡んだちょっとびっくりなニュースを取り上げてみましょう。

草競馬、騎手振り落とし海に逃走…90分後御用(2013年4月29日読売新聞)

 引退した競走馬などが砂浜を駆け抜ける「さがら草競馬大会」が28日、静岡県牧之原市の相良サンビーチで行われ、家族連れらでにぎわった。

 大会ではレースに出走したオスのサラブレッドが会場から逃げ出し、約1時間半後に海で捕獲されるハプニングもあった。見物客らにけがはなかった。

 37回目の今年は、県内外からサラブレッドやポニーなど51頭が参加。砂浜に特設された1周700メートルの馬場を1~3周して順位を競った。砂を巻き上げながら疾走するサラブレッドの雄姿や、逆走するポニーのかわいらしい姿に、集まった観衆は声を上げていた。

 一方、逃げたのは引退したオスのサラブレッド「トップサンダー」(体高1メートル70、520キロ)。ゴールした直後の午前10時10分頃、騎手を振り落とし、囲いをすり抜けた。砂浜を約5キロ逃げ回ったが、最後は海の中で捕まり、同市立地頭方小学校そばの海岸に引き上げられた。馬主によると、馬は消波ブロックのウニで右脚をけがしたが、捕獲された後はおとなしい様子だったという。

しかしこの馬、現役時代は微妙に期待を裏切り続けた競走馬だったようですけれども、まさかこんなところでも予想を裏切って全国ニュースになるとは誰も思ってもいなかったのではないでしょうか。
こちら場違いなところに登場したびっくりな生き物のニュースですが、しかしこれほどのスケールになるとむしろ本来の住民である人間の方が遠慮してしまうということですかね。

ブラジルの街に巨大ゾウアザラシ、横断歩道を悠々と(2013年3月21日ロイター)

[20日 ロイター] ブラジルのリゾート地バウネアーリオ・コンボリウーで、巨大なゾウアザラシが街に現れ、道行く人や車の足を止めた。

体重は500キロ以上とみられ、ネット上でニュース映像を公開するNewsflareのビデオでは、横断歩道を悠々と這うゾウアザラシの姿が確認できる。

1時間ほど交通を止めたゾウアザラシは、その後海へと帰っていったという。

元記事の方の写真に車との対比が出ていますけれども、どこからこんなものが出てきたのかと誰でもびっくりするしかありませんね。
巨大なものネタを相次いで紹介してみますが、こちらちょっとなんだそれはという不気味な巨大生物のニュースです。

「両親の庭にナメクジが出て困ってる」衝撃的だと話題の写真(閲覧注意)(2013年3月20日らばQ)

庭つきの家に憧れる人もいると思いますが、良いことばかりとは限りません。 手塩にかけて育てた植物を、害虫や害獣などが食べ荒らしたり、枯らしたりといった被害を受けることがあります。

海外掲示板で、「両親の家ではナメクジに困っている」と投稿された写真が、あまりにすごいと話題になっていました。

閲覧注意:この記事には、食事中に適さないグロテスクな画像が含まれています。
(略)

この先はあまりにあまりな映像ですのであくまでも個人責任で閲覧していただきたいと思いますが、これはナメクジに困っているとかそういうレベルではすまないものですよね…
同じく巨大生物ネタでこちらは中国からの話題ですけれども、何やらこれもどうみても普通ではないという感じですよね。

中国四川で『超巨大おたまじゃくし』が発見される(2013年3月11日秒刊サンデー)

中国でとてつもなく巨大なオタマジャクシが発見され話題になっております。写真から察するにゆうに10センチを超え、大人が両手で持ってもはみ出るぐらいの大きさだ。オタマジャクシと言えば通常、2~3センチの小さなカエルの幼生であるが、このオタマジャクシはもはや「カワイイ」と言うレベルでは無く恐怖すら感じさせられる。果たしてこのオタマジャクシは本当に存在するのか。

中国のオタマジャクシを見ていただく前にまずは日本のオタマジャクシの最大クラスのものをみていただこう。こちらはウシガエルのおたまじゃくしで、大きさは10センチ近くある巨大な物だ。これでも「うわっ!でかっ!」と思った人はいると思うが、実は中国で発見されたものはこれをはるかに上回る巨大サイズ。

これ以上巨大なオタマジャクシがそんざいしてよいものだろうか、いや存在するからこそ今回紹介できるわけだ、と言う事でこちらが中国四川で発見された巨大オタマジャクシです。
(略)

これまた画像閲覧に関しては自己責任でお願いしたいところですが、すでにオタマジャクシと言うよりもナマズか何かの域でしょうか。
プライバシー侵害だとかいった話で話題になることの多いあのサービスですが、なんと今回はとんでもない新種生物を発見?したということで話題になっているようです。

【新種か】Googleストリートビューが「2本足のネコ」を激写していたと話題に(2013年5月8日ロケットニュース24)

この世には、まだまだ未知なる生物が存在する。深海はもちろん、ジャングルの奥深くなどでは日々ジャンジャンと新種の生物が見つかっている。人間、地球のことを分かっているようで、ほとんど何も分かっていないのさ。ハハン。

そんななか、グーグル・ストリートビュー(Google Street View)が新種のネコを激写していたとして大きな話題になっている。海外サイト「GOOGLE STREET VIEW WORLD」に掲載された衝撃の写真を見てみると……!!

こっ……これは! 2本足のネコ! 2本足の白猫ではないか! よく見ると、耳もない。両足と尻尾でバランスを取りながら2足歩行しているようすだ。なんという新発見! なんだかとってもカワイイのら!

ちなみに撮影場所は公表されていないが、カナダのオタワという説がある。また、海外には「この画像を実際のグーグル・ストリートビューで見てみたい!」という人も数多いが、いまだ詳細な場所は明らかにされてない。

なんだろう、この違和感は。Googleによって闇に葬られた可能性もゼロではないぞ。我々は見てはいけないトップシークレット生物を見てしまったのだろうか。白色の2本足ニャンコ、海外では「HALF CAT(半分ネコ)」と呼ばれている。

リンク先の画像を拝見する限りではなんなんでしょうね、とても地球上の生物とは思えないような姿が映っていますけれども…これもネコ、なんでしょうか?
最後に取り上げますのは生き物になる前段階の話ですけれども、こんなこともあるのだなという驚きのニュースです。

確率は100京分の1! 卵12個入りのパックを1つ買ったら黄身が24個入っていたでござる(2013年3月6日ロケットニュース24)

みなさんは、「二黄卵(におうらん)」をご存じだろうか。読んで字のごとく、黄身が2個入った卵のことをいい、ごく稀に産卵される。そのため、スーパーで買った卵にたまたま黄身が二つ入っていて「ラッキー!!」という経験をしたことがある方もいるだろう。

現在、海外ではこのラッキーな体験を一度に12回分も経験した女性が現れ話題になっている。驚くべきはその確率だ。一説によると、この出来事が発生する確率はなんと「100京分の1」とのこと! 凄すぎてなんだかよくわからないが、「100京」を数字のみで書くと、1の後ろに0が18個で「1000000000000000000」となる。

とてつもない確率を引き当てたのは、イギリス在住のケイティ・ヘイコックさん。オムレツを作るためスーパーで卵12個入りのパックを一つ買ってきたそうなのだが、最初の卵を割ってビックリ! 黄身が二つ出てきたのだ。

珍しいこともあるもんだと思いながら、もう1個卵を割ってみるとこれまたビックリ! 二つ目の卵からも黄身が2個出てきたという。まさかと思いつつさらにもう一個割ってみると、またまた黄身が2個入っていた。

この時点で割った卵は3個、出てきた黄身は6個だ。すでにかなりの衝撃を受けていたという彼女だが、ここまできたら残りの9個が気になるので全部割ってみることにしたそうだ。

そして、なんと! すべての卵が二黄卵であることが判明。12個の卵から黄身が2個ずつ出てきたので、全部で黄身24個になったのである! これはスゴイ!!

専門家によると、「二黄卵を1個見つけるだけでも非常に稀なことです。12個入りのパックすべてが二黄卵である確率は、100京分の1だと考えられます」とのこと。ちなみに、ご存じの方も多いかと思うが、「京」という単位は「一、十、百、千、万、億、兆、京……」という順で出てくる。つまり「兆」よりも上だ。

だが、これでも「100京分の1」という数字が凄すぎてなんだかピンと来ないという方のために、この出来事を伝えた英ニュースサイト「Mail Online」がある例えをあげている。それによると、100京分の1とは宝くじで1等を3回当てるのと同じくらいの確率だそうだ。

うーん、……わかったような、わからないような。とにかく物凄く珍しい出来事であることは確かなようだ。

その事実よりも画像の方にびっくりするという話なんですが、とりあえず全部割ってみるところがブリ的気質の存在を感じさせますでしょうかね?
しかし二つ玉は通常セレクトされてほとんど市場に出回らないと言いますが、こうまで偶然が重なるとはブリの養鶏業者のチェック体制は大丈夫なんでしょうか…

今日のぐり:「活魚廻転寿司 いわ栄」

倉敷市街地の東の外れ付近に位置するのがこちら「いわ栄」さんですが、ちゃんと寿司職人が握ると人気の店ですので久しぶりの訪店となったこの日も早めに着いたのですが大変な混雑ぶりでしたね。
と言いますか、ついに駐車場に案内人が立っているというのがとうとうここまで来たかとびっくりしますけれども、待合の順番は専属スタッフが手作業で管理しているようで、オーダリングも含めて機械力の導入は限りなくゼロです。
まあ規模自体はそう大きくないお店ですし、回転としては高価格帯になりますからしっかり人件費も使ってアナログの方が良さそうには思えますけれどもね。
ちなみに顧客層はさすがに普通の寿司屋を知っているだろう年配客が多めで、若い子供連れの夫婦などもいるが子供比率は全体に高くないのは百円系などとは違った雰囲気ですから、もともとデジタルデバイスとの相性もあまりよくないのでしょう。

例によって同行者とシェアしながら適当につまむことにして、まずはこの日のおすすめから選んでみましたが、イワシの握りはんーうまいと言うしかない今日一番の当たりでよかったのですが、ただしイワシと言っても馬鹿に出来ないくらい結構高いんですね。
ブルーラインなるものはハマチにカンパチ、ブリの食べ比べということで、まあこういうことをやってみたくなる気持ちはわかるんですが確かにこうして比べて見ると似たような魚に見えて味は結構違うものですね。
ホワイトラインの方はタイにスズキ、ヒラメの食べ比べでこれまたおもしろいですし、特にスズキの身が甘いなと思ったのですが、しかしこの店は相変わらずこのネーミングセンスは変わらないんですね…
マグロは赤身を食べて見ましたが、見た目はいささかあれですが意外にと言ったら失礼でしょうか、ちゃんとマグロの味がしましたけれども、やはり回転で原価の高いネタを選ぶのはリスキーだと思います。
定番の穴子は握りではなく押し寿司で、何でもこれが一番人気だと言うのは少なからず意外なんですが、食べて見ますと確かに穴子らしくていける味なんですが押し寿司である意味は?とも思ってしまいます。
カツオはたたきでなく生ですが、生臭みも血の風味も抑えられて思ったよりもいいカツオですし、この時期のカツオもあっさり素の味が楽しめてまたいいものですね。
アジは一匹丸ごと皿に載って出てくる派手な盛り付けで登場ですが、二カン分のネタのサイズと魚のサイズが合わないような(ちなみに見た限り他にアジを使ったネタはなさそうなんですが)気もしますが、まあそれはともかく骨の方は唐揚げにしてくれるんですが、むしろ身よりもこっちも(というか、こっちの方が)うまいですね。
回転らしいメニューとして海老フライ巻はさすがに百円系よりもまともかなという程度ですが、炙り味噌サーモンなるものはちゃんちゃん焼きから取ったのかと思われるようなおもしろい発想ですし、炙りマヨサーモンは盛りつけがとにかくものすごい高さで圧倒されますが、意外にマヨソースがすっきりしていて軽い味に仕上がっていますし、種類は乏しいながらまずまずの出来でしょうか。
締めは少しひねって玉子の握りではなく細巻きを頼んでみましたが、このサイズでは難しいんでしょうが食感のバランスからするとキュウリなどを入れても良さそうな感じですかね。

それほど大きな店というわけでもありませんが、相対的に高年齢寄りな客層に加えて待ち時間が長くなるせいかトイレの設備は非常に充実していて、エアコンからウォシュレットまで完備しているのは感心しますね。
前述のようにシステムは100パーセント人力でやっていますけれどもスタッフ数が多いせいかレスポンスはまずまずで、ネタも値段相応に普通に食べられる安心感があるんですが、何より世間一般の回転の欠点であるネタと握りの技術のアンバランスさが解消されているのがいいですね。
敢えて回転にしては、と言わずとも価格帯相応に普通の街の寿司屋としても通じる水準ではあると思いますが、今日日この水準の寿司屋でそうそうお客でいっぱいになることもないだろうなと考えると、回転寿司ブームというのも大変なものだなと改めて感じます。

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2013年5月11日 (土)

食べ歩きは楽しいものですが

当「ぐり研」はかねてお食事会系ブログとして活動してきましたが、その観点からするとなかなか見過ごしには出来ない記事が先日出ていました。

SNSで食べ物に関する内容ばかりアップしている人は心理的な問題を抱えている可能性あり(2013年5月9日IRORIO)

フェイスブックやツイッター、個人のブログで何を食べただの何を作っただの、食事や料理に関する投稿や記事がやたらと目立つ。というかほとんどがそれで、もはや社会現象となっている。巷にあふれる食べ物に関する記述には、実は投稿者の食との歪んだ関係や心理的な問題、摂食障害の可能性が秘められているという。

加トロント大学のWomen’s College Hospitalの精神科ヴァレリー・テイラー医師によれば、毎度毎度食事の内容ばかりアップしている人は、見ている人をうんざりさせるばかりでなく、本人の深刻な心理状態を暗示しているに他ならないという。現在社会的にも、文化的にも“食”は重要な位置を占め、特にSNSなどでは“食”の話題を介して他人と通じているといっても過言ではない。引きこもり気味の人にとっては、もはや外界との接点は“食”でしかない可能性が出てくるというわけ。

SNSにアップする記事は投稿者にとって大事なことを載せるわけで、食に歪んだ感情を抱く人にとっては食事がすべてという状況だ。よって次々にいつどこで何を食べた…という内容を延々とアップし続けるようになる。「人はオンライン上で美味しそうな食べ物の写真を見ると実際に食べ過ぎてしまう」との南カリフォルニア大学の調査結果もあり、“食事第一主義”的な現代の風潮に警鐘を鳴らす専門家が増えている。

まずいですな、管理人は食との歪んだ関係や摂食障害を抱え込んでいるのだそうで…いやまあ、いくらか自覚がなかったと言えば嘘になりますけれどもね…orz
ともかくもこれが素人の暇つぶしレベルであれば周囲もスルーしておけばいいのかも知れませんが、著名人ともなると個人の心理的な問題も非常に大きな社会的トラブルに結びついてくるということなのでしょうか、先日こんな炎上事件があったそうです。

「美人すぎるラーメン評論家」の発言 「休業へのイチャモン」きっかけに炎上続く(2013年5月8日J-CASTニュース)

   女性ラーメン評論家の本谷亜紀(ほんや・あき)さん(24)が、訪れたラーメン店が定休日だったことに対する「イチャモンツイート」を投稿して以来、インターネット上で彼女への非難が噴出している。
   本谷さんは問題のツイートについては謝罪したものの、騒ぎが鎮火するどころか過去の発言なども掘り返され、炎は広がる一方だ。

「おいおい臨時休業。。理由なきお休みは人を悲しくさせます」

   騒動の発端となったのは、本谷さんが2013年4月18日に投稿したこんなツイートだった。

    「おいおい臨時休業だぜ。。」「ラーメン難民」
    「鬼そば藤谷って、一階にラーメンやさんが入るビルの五階だからエレベーターでいかないといけなくて。乗り合わせた大学生と臨時休業に唖然。彼地方からここ食べに来たんだって。可哀想過ぎるから紙にこの辺のラーメン20店くらいかいてあげた。理由なきお休みは人を悲しくさせます。。」

   「鬼そば藤谷」とは東京・渋谷のセンター街に店を構えるラーメン屋で、ものまねタレントのHEY!たくちゃんさんが店主を務める。その藤谷が、本谷さんが訪れた日に臨時休業で、地方からここのラーメンを食べるためにやって来た大学生と共にがっかりした、ということらしい。
   このツイートに対し4月19日、HEY!たくちゃんさんから直々に「本日は大変申し訳ございませんでした。木曜日は定休日でして、申し訳なかったです」「定休日を無くすように、どんな理由があろうと、頑張ります!!」とのリプライが届いた。さらに従業員から、「オープン当初より定休日は木曜日です」「本当に頑張ってラーメンを作って営業してるので、あなたの軽はずみな発言で大変迷惑しております。正直スタッフ一同不愉快です」と怒りのコメントが寄せられた。
   本谷さんはHEY!たくちゃんさん、従業員のユーザーそれぞれに「すみません!昨日時点で食べログには無休とありまして」と弁解のリプライをしていた。

「ラーメン官僚」からも突き放される始末

   しかし食べログにある藤谷の口コミページの編集履歴を見てみると、最終更新日は12年9月29日となっている。本谷さんがツイートした時点で、定休日は木曜日と書かれているはずなのだ。
   この点の指摘をはじめ、本谷さんには「言い訳しすぎ。見苦しい」「社会人として失格」「モンスター評論家」などの批判が大量に寄せられた。
   さらに「ラーメン官僚」としてメディア出演し、本谷さんとも共演経験のある公務員の田中一明さんも、ツイッターで「食べログの件については咄嗟に嘘をついたと素直に謝った方が良いのではないかと私は思う。事実は言葉では曲げられない」「そもそも、20軒も店を紹介したんだよってことが書きたくてツイートしたんだろうなぁと思う」と、突き放したようなツイートをした。

   こうした指摘、批判を受け、本谷さんは4月19日と27日、藤谷への謝罪ブログを更新した。「事の発端は、私が休業日を誤解していたことにあります」とした上で、18日に食べログを見た時点で年中無休と確認したつもりだったこと、臨時休業と思い込んで問題のツイートを投稿したこと、19日朝に店側に迷惑をかけていると気付きツイッター上で謝罪したこと、その後自身の見間違いに気付いたこと、を説明している。「お許しいただけるか分かりませんが、後日謝罪にも伺いたいと思っております」とも書いている。
   そして本谷さんの誕生日前日、5月17日のイベント「本谷亜紀のゆるっとラーメンnight vol.3~ラーメン女子のお誕生日前夜祭」は中止とすることを告知した。
(略)

失礼ながら本谷亜紀氏のことは存じ上げなかったのですが、以前は大学の食べ歩きサークルに所属しラーメン女子大生としてテレビに出演するなど名の知られていた方で、現在は食品通販会社の広報室に勤務するかたわらラーメン評論家としても活躍されているということで、食品関係のお仕事までされている立場からすればいささか不用意な発言であったようにも思えますけれども、これだけですとまあうっかりの範疇ですみそうな話にも思えます。
ただ記事の後段に続いているように今回は過去の発言に遡ってまで「うっかり」の数々が晒されてしまっていますから、こうなると「言葉えらべよ おれらじゃあるまいし」「うそつきですねwww」等々と突っ込みどころには事欠かないというもので、ネットで発言する人間は将来までその発言が残っていくということを大前提として認識しておかなければならないという基本がここでも確認出来る炎上事件ではありそうですね。
むしろ今回の事件で感心したのは店長さんの懇切丁寧な事後対応で、昨今へたをすると店側の弁解がこれまた派手な炎上騒ぎを巻き起こしてしまいがちなご時世だけに、相手側の顔も立てる形できれいに納める余地を残した(結果としては収まらなかったわけですが)今回の対応は称讚されていいんじゃないかという気がします。
ただネットを利用している人間にとって今日はどこそこで飯を食べた、おいしかった(あるいはまずかった)と発言することはごく普通の行為で、日常的に行われている友人知人との世間話の延長線上にあるものという認識なのは理解出来ますけれども、場合によっては何千、何万という読者の目に触れ思いがけない問題に発展するという可能性もあるのだと改めて認識せずにはいられません。

「食べログ削除して」と提訴 札幌の店経営者(2013年5月8日47ニュース)

 飲食店の利用者が感想を投稿するサイト「食べログ」に事実と違う内容を投稿されたとして、札幌市の飲食店経営の男性が8日、運営会社のカカクコム(東京)に店舗情報の削除と220万円の損害賠償を求め、札幌地裁に提訴した。

 訴状によると、男性は北海道北広島市に店舗を持ち、取引業者の勧めで昨年2月ごろ、食べログに情報を掲載。昨年8月と今年3月に「料理が出てくるのが遅い」「おいしくない」などと投稿され、直後に客が激減したとしている。

 原告側弁護士は「真偽を問わず投稿させるのは営業権の侵害」と話し、カカクコムは「訴状を見て弁護士と協議し、適切に対応する」としている。

食べログ:店の情報削除求め提訴 札幌の会社(2013年5月8日毎日新聞)

 飲食店の情報サイト「食べログ」に事実に反する内容が投稿され、来客が激減したとして、飲食店などを経営する札幌市の会社が8日、サイトを運営する「カカクコム」(東京都)に対し、店の情報の削除と損害賠償220万円を求めて札幌地裁に提訴した。

 訴状などによると、同社は昨年2月ごろ、札幌市近郊の店の情報を食べログに登録。今年3月ごろ「出てくるのがおそい」「まずい」などとの投稿が掲載されたため、メールで同社に店の情報の削除を3、4回要求。だが、同社は「内容に違法性がないので削除には応じられない」として拒否したとしている。

 原告側の高森健弁護士は「掲載を拒絶する店の情報を掲載し利益を上げるのは不正競争にあたる。真偽を問わない口コミを投稿させる状態は営業権を侵害し、違法だ」と話している。

 カカクコムは「訴状が届き次第、適切に対応する」としている。

 食べログを巡っては、2010年に佐賀市の飲食店が、掲載の内容が更新されず客に誤解を与えるとして削除を求めて提訴。その後、カカクコムが情報を削除し、飲食店は訴訟を取り下げることで合意した。【山下智恵】
(略)

批判的な投稿で客減った…「食べログ」を提訴(2013年5月9日読売新聞)

 飲食店の口コミサイト「食べログ」に掲載された店舗情報の削除依頼に応じないのは営業権を侵害しているとして、札幌市の飲食店経営の男性が8日、同サイトを運営する「カカクコム」(東京都渋谷区)に、掲載情報の削除と220万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。

 訴状などによると、男性は昨年2月頃、札幌市近郊で経営する店の情報を食べログに登録した。同年8月と今年3月に、利用者から「料理がおいしくない」などと批判的な投稿があり、3月と4月に店名や住所、営業時間などを含む全ての掲載情報を削除するよう求めた。しかし、カカクコムは応じず男性は「批判的な投稿によって来店客が減り、営業上の利益が侵害された」と主張している。
(略)

最近ではネット上で誹謗中傷された、悪い評判を書かれたといったトラブルを解決するとうたっている会社も多数あるようで、どうも本業は弁護士さんだと言いますからなるほど、新たな仕事をこの方面で探しているのかなとも思うのですが、いずれにしても民事ですから例えどのような訴えでも訴え出る自由はあることは言うまでもありません。
ただ見ていて思いますのが掲載を拒絶する店のことまで載せるなという訴えは確かにその通りだと思いますし、批判的な書き込みが多くそれによって顧客が減ったことは残念と言うしかありませんけれども、そもそも情報は店の側から登録していたということはサイトに掲載されることによって集客上効果があると言うことを期待していたわけですよね。
それが批判的な内容が掲載されかえってお客が減ったのは嫌だから削除しろではむしろ更に輪をかけて評判を落としかねない話ですし、普通はまともな店であれば一度や二度低評価の書き込みがあったところでそれをひっくり返すような高評価の書き込みも必ず出てくるもので、どうも記事を読む限りではこうしたサイトの仕組みを理解しないまま漠然と利用していたのかなという気がしてきます。

思うにネットで情報を集めてお店に来るお客には二通りあって、一つにはネットの評判を参考に自分好みのお店を探している常連客予備軍というものがいる、そしてもう一つには単に評判がいいお店をあちこち食べ歩いてはそれこそブログなどのネタを探しているような一見客がいると思いますけれども、特に後者の場合どんなによい店であってもそこに居着くということはまず考えられません。
今回の場合一つ二つの書き込みがそれだけ客足に影響を与えたのだとすれば、この店の味や雰囲気が好きで通っている常連客はいなかったのかと思うのですけれども、もちろんサイトや雑誌に載って名前が知られれば一時的にお客も増えるのでしょうがそれはあくまでもお店にとっては臨時ボーナスのようなもので、そうした顧客からの収入を頼りに経営しても始終情報をアップデートしなければすぐに行き詰まってしまうでしょう。
最終的にはきちんと自分の舌で判断して店に居着くお客さんが一定数いないことには店としての安定的な経営は成り立たないですし、そういうお客はサイトに何を書かれようがまた来るはずですけれども、水増しされた一見さん中心の顧客数を常連客が増えたかのように勘違いしてそれが当たり前の状態なのだと思い込んでいたのだとしたら、今回の訴訟がうまく行ったとしても経営的には何ら解決にはならないでしょうね。

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2013年5月10日 (金)

混合診療導入への布石 いつでもどこでも安くて一番いいものを!は明らかに無理

ブロガーでもあり消化器外科医でもある多田智裕氏が先日医療改革に関連してこういう記事を書いているのですが、なかなか興味深い内容だったので冒頭部分だけでも紹介させていただきます。

医療への「幻想」を捨て去るときが来た(2013年5月9日JBpress)

安倍政権の産業競争力会議(成長戦略を議論する会議)において、医療では以下のようなことが検討されています。

 「疾病の種類に応じて自己負担を変える、例えば風邪の場合は自己負担7割」

 「自己負担の“最低”限度額を設定し、少額な治療費は全額患者の自己負担

 「軽度のデイサービスは全額自己負担、デイケアは3割負担」

 「(医療)市場の拡大が財政負担とならないように保険制度のあり方を見直す

 「介護予防や軽症者へのサービス、中重度の上乗せサービス(例えば配食サービス)は民間保険(自己負担)でカバーする」

 「規制撤廃により保険外併用療養費のさらなる範囲拡大

 他にもあるのですが、これら検討されていることは全て “医療の公的負担を減らし、民間に任せる”(=自己負担で受けてもらう)以外のなにものでもありません。

 私たちは、「求める医療を、いつでも好きなところで、お金の心配をせずに自由に受けられる」ことがもはや幻想だと気づいて、現実としっかり向き合う心構えをすべき時期なのではないでしょうか。
(略)

多田氏自身は医療現場の実情も十分知っているだけに(大腸癌手術のくだりなどはいかにもありそうな…という内容です)頑迷な混合診療反対派というわけではなく、タイトルや結論部分にあるように双方の弊害も含めて制度によって医療がどうなるかを十分周知徹底したい立場なのだと読んだのですが、記事全体には混合診療反対派の主張にも十分配慮した内容になっています。
例えば「 「保険外併用療養費の拡大」とは、このように保険でカバーされない医療が数多く発生するということなのです。10倍近くに医療費が跳ね上がれば、低所得者層は良質な医療が受けられなくなるのは必然でしょう。」と言い、それに対して「しかし国側の対応は、シンプルかつ反論の余地のない一言「財政が持ちません」で片付けられてしまっています。」と言うことですが、ではこの状況で国民はどうすべきかですよね。
本来これは「金がなくとも高い医療を受けたいのならちゃんと自分で民間保険に入っておけ。その自由は保障されている」で済む話であって、現状でも先進医療などは実質混合診療で行われているわけですから、そうした選択枝を望む人でなおかつ高い医療費を払う自身がなければ自ら保険料を負担するべきでしょうに、それすらもイヤだから税金で全国民に平等に払わせろでは一部の利益のために迷惑する人の方が多いでしょうね。

いずれにしてもこの問題はどちらが正しいというものでもなく、求める医療の将来像の違いと言う言い方も出来るわけですが、現状の国費投入による皆保険制度死守、混合診療絶対反対という立場に固執する限りは皆でそろって低レベルの医療に甘んじることになるんじゃないかなという予感はしています。
無論、それでも平等であれば構わないという立場が少なからず存在することは「医療崩壊」最先進国と言われた英国における国民の医療満足度の高さが示している通りですが、ただ医療の側から言えばそうした低質の保険診療ばかりという世の中になってしまうと、日本で医療を行うということ自体が時代遅れの医療に甘んじるということと同義になってしまう可能性もありますね。
昨今政府の側でも外国に日本の医療をどんどん輸出しましょうなどと音頭を取っているのも、穿った見方をすれば皆保険制度の枠外で医療技術を高める場を用意し医師のやる気を維持することにもつながってくるのかとも思えるのですが、もう一つ同じようなことを逆の形でやろうとしているのがご存知メディカルツーリズムです。
日本に外国人が少々やってきたからと言って商業的にさして儲けになるような規模にはならないだろう、むしろ医療通訳や設備投資などコスト面を考えると赤字になりかねないのでは?という懸念も一部にありますが、経済的メリットだけではなく皆保険制度下における高い技術水準とスタッフの士気の維持ということまでも考慮に入れるならば必ずしもペイしない話ではなくなってくるのでしょう。

訪日外国人に高度医療を提供 阪大が「国際センター」設立 「ツーリズム」事業展開(2013年5月9日日本経済新聞)

 訪日外国人に高度医療を提供するネットワークが関西で動き出す。大阪大学は新しい医療センターを設立。国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)やりんくう総合医療センター(同泉佐野市)と連携し、アジアや中東から患者を受け入れる。高度の医療技術を活用して「医療ツーリズム」を新事業に育て、関西経済の活性化につなげる。

 中核となる阪大は8日、4月1日付で同大付属病院(吹田市)に国際医療センターを設置したと発表した。中国や韓国、中東から年30~40人の患者を受け入れる。心臓から血液を送り出すポンプ機能が弱った患者に、心筋シートと呼ばれる筋肉の培養細胞を貼る治療などを実施。英語やアラブ諸国の言語に習熟した医療通訳者を雇う。患者の受け入れから治療、治療費の支払いまでの流れを円滑化する。

 これまでも阪大病院の医師が個人で毎年20人程度の患者を受け入れてきた。ただ、言語や文化、法制度の違いから入院中や治療費の支払時に混乱が生じることがあった。

 阪大は中国、韓国、東南アジアを中心に医師や看護師を受け入れ、医療研修も実施する。同大の外国語学部などと連携し、医療通訳者を養成する。将来は海外と共同で臨床試験を進めたり、日本の医薬品や医療機器の輸出を促したりする

 新センターはりんくう総合医療センターや淀川キリスト教病院(大阪市)と連携する。りんくうセンターでは関西国際空港への近さを生かし、長距離移動が難しい急病患者を治療。淀川病院ではイスラム教徒向けの調理所を作り、中東や東南アジアから患者を受け入れる。大阪駅北側の「うめきた」にも拠点を置く。

 日本政策投資銀行の予測では、医療ツーリズムの潜在市場規模は2020年時点で5507億円、訪問者は42万5000人。医療通訳者が不足するなど課題があり、観光庁の推計では12年は8万~9万人程度にとどまった。

 国内の他地域はこれまで、医療機関が個別に海外から患者を受け入れてきた。地域ぐるみで複数の医療機関が参加する仕組みは全国初という。

■「医療都市・関西」に厚み 経済界の後押し焦点

 大阪大学の取り組みは関西経済にも一定の追い風になりそうだ。医療などライフサイエンス分野は関西が官民で推進する関西イノベーション国際戦略総合特区の柱の一つだが、これまで認定された同分野のプロジェクトは創薬や医療機器の開発支援が中心。いわゆる医療ツーリズムが加われば「医療都市・関西」の厚みは一段と増す。

 医療ツーリズムは医療法人や製薬業界など医療に直接関連する産業以外にも恩恵をもたらすため、注目が集まっている。関西では南海電気鉄道が2010年に参入。大阪府と大阪市も今年度から、医療ツーリズムの拡大などを協議する有識者会議を開いている。

 経済団体では大阪商工会議所が「メディカル・ポリス形成プロジェクト」を今年度の事業計画に盛り込んだ。医療機器の開発支援で大商はすでに国内有数の実績を持つ。

 ただ、関西経済界は医療ツーリズムに必ずしも積極的でない。医療現場が商業主義に陥り外国人を優先すれば「国民皆保険が崩壊し、患者がデメリットを受ける可能性もある」(大商の手代木功副会頭)からだ。

 日本医師会も反対姿勢で、阪大は今回の取り組みを「医療の国際貢献」と表現した。阪大はイノベーション特区への追加申請する方向で検討しているが、関西経済界の後押しが得られるかどうかは不透明感も漂う。

5000億円市場と言えばそれなりに大きなものに聞こえますし実際にそうなのでしょうが、ここに出ているような高度医療を施すとなると一人当たり100万といったオーダーでは到底元が取れないはずですから、純粋に経済学的な効果だけを考えるとよほど高い料金設定にしないことにはペイしない可能性が高いと思いますし、その高い料金設定にも負けないブランドを維持する努力は小さなものではないはずですよね。
ただそれ以上に問題になるのが外国人が隣の病室で最高の技術とスタッフの手で高度な医療を受けているのに、ありきたりな保険診療しか受けられない日本人の患者が指をくわえて見ていられるかどうか、それも日本人の金で作られた病院内でのことですから、やはり感情的な軋轢といったものも相応に発生しないではいられないですよね。
混合診療絶対反対派の医師会などはそもそも医療格差の存在を否応なく国民に認識させてしまうメディカルツーリズムそのものに反対だと言いますから徹底していますが、大学病院などにとっては今まで研究費などという名目の持ち出しで行わざるを得なかった治療もきちんと正当な代価を払っていただけるのですから、それは自然と士気も上がろうと言うものではないでしょうか。
以前にアメリカ大統領が内視鏡で大腸ポリープの手術を受けるに当たって、全身麻酔で行うためその間の国家の全権を臨時に副大統領に委任するという話が伝わり日本でも「やはりアメリカの内視鏡屋は…」と大いに話題になりましたけれども、皆保険制度至上主義の持つ弊害を前述の多田氏はこのような実例で示しています。

 私の専門分野で言うと、胃や大腸の内視鏡検査を行う際に「眠っているうちに終わらせる」静脈麻酔の使用は、保険では認められていません。

 うとうとする程度の鎮静剤使用であれば、(私を含めて)持ち出しでやる施設もありますが、私の経営する診療所について言えば、保険診療分は赤字で、治験収入(保険外収入)で決算をなんとかプラスにしているというのが実情です。

 保険範囲内で最善の医療を提供するのは当然だとは思いますが、「保険範囲内で鎮静剤を多く使用して(その際の合併症の対応も含めて)、眠ったうちに全く何も感じない状態で検査をしてくれ」という要望に対しては、「できません」と断らざるを得ません。

蟻の一穴という言葉があって、混合診療に抜け道を一つでも認めるとその制度そのものが破綻してしまう、だから何一つ例外は認められないのだという皆保険制度至上主義の方々は医師会に限らず少なからず存在しますし、それはそれで前述のように「国民多数派の納得の上で行われているのであれば」間違ったことではないと思います。
ただその結果医療水準の発達も阻害されるわ、患者も金をケチった低質医療で我慢することを強いられるわでは結局皆がそろって貧乏暮らしの悪平等に陥ってしまうのではないかとも思うのですが、日本がまだ貧しかった皆保険制度発足当時ならともかく、超高齢化社会など様々な意味で世界の最先進国となった現状の日本でも何十年も前のやり方のほうがいいと思う人は必ずしも多数派ではない気がするのは自分だけでしょうか?
ともかくもこれだけアレルギーじみた反応が根強い以上、現実的には先進医療を順次拡大していく形で実質的な混合診療導入を図り国民と医療現場を慣らしていく形になるんじゃないかと思うのですが、とにかく一番いい医療を受けたいと望む人はこの期間を利用して民間保険の活用などにも習熟しておく必要がありそうですよね。

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2013年5月 9日 (木)

女性手帳導入に反対の声上がる

晩婚化だ、高年齢出産だと昨今お産を取り巻く話が世間の注目を浴びる機会も多くなっていますが、そんな中でこれらへの対策として政府が打ち出したごくささやかなアイデアがちょっとした話題になっています。

政府、10代から「女性手帳」導入 骨太の方針で調整 何歳で妊娠? 人生設計考えて(2013年5月5日産経新聞)

 政府が、女性を対象に10代から身体のメカニズムや将来設計について啓発する「女性手帳」(仮称)の導入を検討していることが4日、わかった。医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙いだ。6月に発表する「骨太の方針」に盛り込む方向で調整している。

 政府は少子化対策として産休や育休を取りやすくする制度改正、子育て世帯中心の施策を優先してきたが、晩婚・晩産化対策も少子化解消には必須と判断した。安倍晋三内閣はこれを重点政策に位置づけており、骨太の方針に反映させた上で、来年度予算に調査費などを計上したい考え。

 内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」(議長・森雅子少子化担当相)は、妊娠判明時点で自治体が女性に配布する「母子健康手帳」よりも、早い段階からの「女性手帳」の導入が効果的とする見解を近く取りまとめる。子宮頸がん予防ワクチンを接種する10代前半時点や、20歳の子宮がん検診受診時点での一斉配布を想定している。

 医学的に妊娠・出産には適齢期(25~35歳前後)があるとされる。加齢に伴って卵子が老化し、30代後半からは妊娠しにくくなったり、不妊治療の効果が得られにくくなることも明らかになっているが、学校教育で取り上げられていない

 女性手帳では、30歳半ばまでの妊娠・出産を推奨し、結婚や出産を人生設計の中に組み込む重要性を指摘する。ただ、個人の選択もあるため、啓発レベルにとどめる。内閣府はまた、経済事情などを理由になかなか結婚に踏み切れない状況の改善にも取り組む方針で、新婚夫婦への大胆な財政支援に乗り出す。

 日本産科婦人科学会の生殖補助医療(高度不妊治療など)の年齢別結果(平成22年)によると、35歳前後で20%台前半だった妊娠率は40歳で15%を下回った。

何しろ未だ景気も必ずしも十分改善しているとは言えない中で、ただでさえワープア化だと言われ貯蓄も厳しい上に将来は年金もどうなるか判らないという時代にそうそう思い通りに人生設計などやっていられるか、という声も聞こえてきそうですけれども、以前から当「ぐり研」でも何度も取り上げて来ましたように社会的な意味での適齢期ということはともかく、医学的に見れば明らかに出産に適した年齢というものは存在すると言えます。
特に昨今著名人の高齢出産がやたらと話題になることとも絡んで、高齢出産の持つ本質的なリスクというものが大きく注目されるようになっていますけれども、自らの体験談を公開した野田聖子氏にしても「子供がある時点で産みにくくなるとは、誰も教えてはもらわなかった。 」と仕事に明け暮れ出産の時期を逸した過去を後悔しているというほどで、ともかく知らないが故に不適切な選択をしてしまうことだけは避けるべきでしょう。
特に40歳を過ぎると自然な妊娠はなかなか期待出来ないと言いますが、経済的観点から見ても不妊治療には過半数の女性が100万円以上の大金を支出している上に、数年間にも及ぶ治療期間に心身共に疲弊して一体どこまで治療を続けたらいいのかと悩んでいると言いますから、多少産むのが遅れてもまあ何とかなるだろうという軽い気持ちでいられるような問題ではないわけです。
そうした現実を踏まえれば女性手帳がどの程度効果があるかどうかはともかくとして、何もしないよりは何かやった方が良いというのは為政者として当然の判断なのだろうと思うのですが、どうもこういう話にも早速噛み付きたがる方々はいらっしゃるようです。

女性手帳:妊娠・出産指南 政府来年度から配布へ(2013年5月7日毎日新聞)

 ◇「女性に押しつけ過ぎ」批判も

 政府は7日、少子化対策を議論する作業部会「少子化危機突破タスクフォース」(主宰・森雅子少子化担当相)の会合を開き、若い世代の女性向けに妊娠・出産に関する知識や情報を盛り込んだ「生命(いのち)と女性の手帳」を作製し、10代から配布する方針を決めた。晩婚化や晩産化が進む中、若い世代に妊娠・出産について関心を持ってもらうのが狙い。6月に発表する「骨太の方針」に反映させ、来年度からの配布を目指す。これに対し、女性団体などからは「妊娠・出産を女性だけの問題のように扱っている」など批判の声が上がっている。

 日本産科婦人科学会の調査では、2008年に不妊治療を受けた患者は30代後半が中心だが、妊娠数は35歳を境に減少。出産率は32歳から下がり始め、流産率は逆に上昇することが分かっている。

 こうした状況を受け、会合では早い時期に妊娠・出産について正しい知識を身につけてもらうことが、将来的に希望する家族の形成に効果的との認識で一致。森少子化担当相は同日、会見で「年をとってからの妊娠が非常に難しいことや、胎児と母体にリスクが高いことも知識として広まっていない。中高生くらいから知識を広め、女性が自分のライフステージを選択、設計できるようにすべきだ」と説明した。

 これに対し、昨年、交流サイトのフェイスブック上で“結党”した女性市民グループ「全日本おばちゃん党」(党員約2100人)は同日、「なんでもかんでも女性に押しつけすぎ」などとする声明を発表。同党代表代行の谷口真由美・大阪国際大准教授は「女性、男性、性的少数者を含めた全員ではなく女性だけが対象なのはおかしい。出産だけを女の価値とする価値観が透けている。成長戦略のための女性活用と言いながら『育休3年』など安倍政権の女性政策はことごとくチグハグで、女性を働けない方向に持っていくものばかり。安倍さんの頭の中の『女性』が現実とズレている」と指摘する。【山崎友記子、大迫麻記子、藤田祐子】

ちなみにこの「全日本おばちゃん党」なるものは別に政党でも何でもなく、「オッサンくさい政治はもう飽きた。おばちゃん党でも作ったろか」という代表のつぶやきに賛同したフェイスブック上のグループだということで、そもそもは多分にシャレ的な要素が強かったということなんですが、元々更年期や子育て問題が主要なテーマだったと言いますから今回のことにも関心が向いたと言うことなのでしょう。
別に全日本おばちゃん党が女性のみならず男性その他も含めて社会的啓蒙活動を十二分に果たしていただけるというのであればそれはそれでよろしいのですが、失礼ながら社会的影響力を考えると女性手帳ほどにも実効性はなさそうですから、現状では対案なき単なる批判のための批判に終わっていると言われても仕方のないところではありますね。
もちろん女性だけで子供を産むことが出来ないのは当然ですし、例えば年間20万人という少なくない数の人口妊娠中絶が行われているという現実を見れば女性だけの問題ではないというのは当然で、全日本おばちゃん党が主導して男性手帳なりを作成し全男性にも配るべきだと言うのであれば賛同したいと思いますけれども、ただ出産適齢期女性にとっての社会の現実というのはおばちゃん達とは少しばかり異なってもいるようです。
例えば先の内閣府調査でも20代女性を中心に専業主婦を希望する方々が激増し共働き希望を大きく上回ったことが報じられましたが、突然とも言える社会情勢の変化という現実にうまく対応出来ず古典的なフェミニズムを振りかざすことが人生の先輩として取るべき態度なのかどうかという疑問も持つべきで、まずは当事者たる若年女性達の意見も聞いてみてはどうでしょうか?

おばちゃん達の主張はともかくとして、実は出生率低下問題は別に日本だけの専売特許でも何でもなく、かつては人口爆発の筆頭のように言われ強力な一人っ子政策で強引に人口抑制を図ってきた中国なども今や合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの人数)がなんと1.18!だと言い、特に北京など大都市部では実に0.7まで低下していると言いますから一人っ子政策どころではないわけです。
人間富裕になるほど子供を持つことのメリットが減って育児コストのデメリットばかりが気になりがちですが、社会システムそのものは毎年一定数の新規加入者が安定的に供給されていくという前提で成り立っているものがほとんどなのですから、人口は国力、産めよ増やせよとは言わずとも最低限望まれる子供の数というものは確実にあるわけです。
先日は不妊医療への公費助成は39歳までという制限がなんだかんだと議論の末に撤回されましたが、失礼ながら極めて成功確率の乏しい高齢不妊治療を少なくない公費をつぎ込んでまで続けていくよりも、より若い世代に啓蒙を徹底して少しでも適切な時期に出産してもらうことの方がはるかに簡単かつ安上がりであるのみならず、医学的にも社会的にもより自然なあり方ではないでしょうか?
もちろん個人の主義主張として産まないという選択枝を否定することが許されないのは当然ですが、どちらでもいいという場合において何かしらの判断材料を提供されることでより健康的な人生を送ることが出来、さらには社会にとっても有益であるということであれば、予防医学として考えてもこれ以上効果的な施策はないように思いますね。

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2013年5月 8日 (水)

高齢者医療・介護制度改革は未だ慎重な足取り

すでに各方面で報じられている通り、かねてその是正が言われながら一向に話が進んでこなかったというあの優遇措置が、今回もまた先送りになったということです。

医療費:2割負担先送り 70~74歳、来年度以降へ??政府方針(2013年5月6日毎日新聞)

 政府は、70~74歳の医療費の自己負担割合(原則2割)を1割に抑えている特例措置の廃止について、2014年度以降へ先送りする方針を決めた。「ばらまき」との批判に配慮して今年度中の廃止にも含みを持たせていたが、7月の参院選もにらみ、高齢者の反発を避けることを選んだ。

 70~74歳の医療費の自己負担割合は、08年度以降、1割から2割に引き上げることが医療制度改革関連法で決まっている。しかし、当時の自公政権が直前に方針を転換し、特例措置とした約2000億円の税金を投入して1割に据え置いた。民主党政権も踏襲した。

 一方、現政権は12年度補正予算で据え置きに必要な予算枠は確保しながら、13年度の途中で廃止する可能性もあるとしていた。しかし、システム改修に時間がかかるうえ、公明党は特例を廃止する場合には、引き換えに医療費の自己負担を一定額以下に抑えている高額療養費制度を拡充するよう求めている。【佐藤丈一】

70~74歳医療費「2割負担」予算編成で検討 田村厚労相(2013年5月7日産経新聞)

 田村憲久厚生労働相は7日の記者会見で、特例措置として現在1割に据え置いている70~74歳の医療費窓口負担を本来の2割に引き上げるかどうか、平成26年度予算の編成過程で検討する考えを示した。

 田村氏は「できる限り早く(2割に)戻したいが、低所得者対策も打たないといけない。26年度予算も含めて議論する」と述べた。

 2割に引き上げれば、負担増となる高齢者の反発を招くのは必至。政府、与党は参院選への影響も懸念して、25年度は窓口負担1割を継続するための経費を補正予算に盛り込んでいる。

毎回のように選挙が、高齢者の反発がと言っては先送りになってきたこの話、それでは実際に費用の多くを負担している現役世代の反発は気にしなくても良いのか?と思うところでしょうけれども、このあたりの仕事や子供のことも手が離れそれなりにまだ体の自由も効くという年代は、投票行動というものにもっとも熱心そうではありますよね。
ただ後期高齢者になればこうした優遇措置はなくなるわけですから高齢者の反発とひとくくりにされるのもおかしな話で、先の衆院予算委で田村厚労相も「早く2割に戻すべきだ。必ず戻す」と明言している以上、少なくとも今政権のうちに何とかしていただくべき課題ではないかと思います。
その田村厚労相ですが、今回の優遇是正先送りに関連して前述のように平成26年度予算編成過程で検討すると、要するに参院選後に考えますと改めて表明した形なのですが、気になるのは先の予算委での答弁と同様ここでも繰り返し低所得者対策云々と言うことを主張しているということです。
高齢者=離職して収入が少ない人々という捉え方で口にしているのでしょうが、70歳前後と言えば退職金などの蓄えもまだまだ十分あって最も多くの資産を抱え込んでいる世代でもあるのですから、単純に所得が低いのだからいくら資産があろうが優遇すべきだという考え方を大臣が持っているのだとすれば問題なしとしないように思います。
田村厚労相と言えば生保受給者の医療費問題に関してもずいぶんと抑制的な発言をしていたことが記憶にありますが、先日社会保障制度改革国民会議の提言を受けて厚労省の方から出てきた軽症者である要支援の人は介護保険の対象から外し自治体によるサービスに移行するという方針に対しても、同省トップでありながらこういった慎重な発言をしているようです。

厚労相、介護保険「軽度」見直しに慎重姿勢- 地域格差を懸念(2013年5月7日CBニュース)

 要介護認定で「要支援」と判定された軽度の高齢者に対するサービスを、介護保険給付から市町村事業へ移行させることが社会保障制度改革国民会議で提案されたことについて、田村憲久厚生労働相は7日の閣議後の記者会見で、「受け皿がないのに事業を移していくと、地域によって(サービスの質に)差が出てくる」と述べ、慎重な姿勢を示した

 その上で田村厚労相は、市町村事業に移行させるには、地域で受け皿が整うかどうかを見極めたり、サービスを受ける高齢者の意見を聞いたりする必要があるとの認識を表明。「いずれにしても介護報酬の改定に絡む話。(社会保障審議会などで)ご議論いただいた上で検討していく」と述べた。

 市町村事業への移行は、増加が続く介護保険給付費の抑制が狙い。国民会議が4月の論点整理で、「軽度の高齢者は、見守り・配食等の生活支援が中心であり、要支援者の介護給付範囲を適正化すべき」と提起している。
(略)

もちろん厚労省の方針自体も自治体からすれば勝手に負担を押しつけられる形ですから文句の一つもあってしかるべきだと思うのですが、地域で受け皿が整うのを見てから移行をするという話であれば、自治体としてはわざわざ自分達の首を絞めるような受け皿整備に励む気になるはずもありません。
そもそもの大前提として国として介護保険も財政負担増が今後ますます厳しくなるものと予想される中で、現状のシステムのままではいずれどうしようもなくなることが判っているというのであれば、例えば認定基準を厳しくして要介護認定を実質減らしていくような形になるくらいなら、まだしも要支援を別枠でという形の方が深刻な影響は少ないかも知れませんね。
厚労省の方針はともかくとして、田村厚労相の言うことも個別に見ていればもちろんそれなりに妥当な懸念という言い方も出来るのですが、厚労省が何かしら改革を言い出すたびに省庁のトップから「いやそれは社会的影響が…ごにょごにょ」と慎重な姿勢を示してばかりいるというようにも受け取られかねないというのは、スピード感ある改革が求められている昨今の状況に照らし合わせてもどうなのかです。
選挙への影響を考慮してとにかく無難に、現状維持で既得権益には手をつけないで行こうという判断なのかも知れませんが、改革に反対する民意も存在するならば改革を望む民意もまた存在するはずで、あまり何でも先送りばかりではかえって選挙にも悪影響が出てくるということにならないでしょうかね。

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2013年5月 7日 (火)

医療の成長産業化の前提条件

最近では総理直々に日本の医療を海外展開させていくと鼻息も荒いようですが、医療機材やスタッフの輸出だけではなく皆保険制度というシステムそのものの輸出を図るという話であればおもしろいですね。
ちょうど先頃イギリスでも公的保険システムであるNHSを海外展開していくという話が出ていたことと符合しますが、ありとあらゆる国がその経済発展と相前後して医療費増加という問題に直面しつつある中で、日英両国という比較的に公的医療支出の抑制に成功している国々の方法論が商売になると考えているということでしょうか。
ただ医療費増大と言えばまるで不要支出が増えていくだけのように悪いイメージで語られる傾向も見受けられますが、実際には日本を始め高齢化が進行している国々では医療・介護領域こそ内需拡大の切り札、高齢化社会における花形産業と言っていいはずで、実際に先日もこういうニュースが出ていたことは注目しておくべきですよね。

女性の失業率、5年ぶり4%切る 医療など就業増(2013年4月30日日本経済新聞)

 総務省が30日発表した2012年度の完全失業率(平均)は男女で差が出た。男性の4.5%に対して女性は3.9%となり、5年ぶりに4%を切る低水準となった。求人が増える医療・福祉業で女性の就業が進んだためだ。一方、男性が多い製造業では新規求人が少ないまま。失業率の本格回復に向けて、新産業の成長による男性の雇用改善がカギになりそうだ。

 仕事を探していない無業者にあたる「非労働力人口」が女性は前年度から16万人減ったのに対し、男性は24万人増えた。雇用環境の厳しさから職探しを諦める男性が増える一方で、代わりに働きに出る女性が増えたとみられる。

 その受け皿となったのが、高齢化で需要が増える医療・福祉業だ。12年度の同業種の就業者は前年度と比べ29万人増え、715万人となった。増加した人の約8割(23万人)が女性だった。

 男性の多い製造業では新規求人数が3月まで10カ月連続で前年同月を下回り、苦境が続く。円安の影響でマイナス幅は縮小傾向だが、「工場などの海外移転は減っても、一度移転した拠点を国内に戻す動きはない」(日本総研の山田久調査部長)。男性の就業者を増やすには、製造業で失われた雇用を受け入れる新たな産業が必要になる。

そろそろ日本も製造業中心から第三次産業中心へと社会産業構造を変化させていくべきだと久しく言われる中で、現実的に巨大な潜在需要があるものを公的に無理矢理抑制することで成長を一生懸命鈍化させている産業があるのであれば、このまだまだ景気回復の道も遠いご時世になんとも馬鹿げた行為ではないかと言う気がします。
医療はもちろんですが特に介護領域においてその傾向があることとして、とにかく3Kだ、4Kだと悪評紛々たる職場でありながら実入りはそれに見合っていないと言いますから、それならばまずはスタッフに対するペイを改善することが人手不足解消と雇用創出の両面に有効なのは当然なのですが、問題は医療にしろ介護にしろ公費が相応に投じられているということですね。
国としては医療・介護コストを総額でしか見ない以上、その抑制策が続けば結果として限られたパイの奪い合いになるのは当然で競争相手である同僚は少ない方が良いと言うことになる、医師大幅増に対する反発が強いのもそれも大きな要因の一つでもありますが、同時に人手不足に対して仕事量は増え続ける一方ですから業務量はさらに増える、結果として逃散が進むというのはおかしな話です。
では十分にコストをかけてきちんと見返りを用意すればどうなるのかということなんですが、非常に医療費が高額であることで知られている米国では良い職業のランキング上位に医療関係職が多数顔を出しているという興味深い現象があるようです。

米職業ランキング、医療関係が上位に 最下位は新聞記者?(2013年5月2日CNN)

(CNN) 米求人サイト「キャリアキャスト」はこのほど、2013年版職業ランキングを発表した。ランキング上位には米国社会の高齢化を反映して、医療分野の職業が目立った
ランキングは米政府統計などを利用し、200の職業について職場環境、収入額、求人見通し、ストレスの度合いの4基準から作成された。
1位に輝いたのは事象のリスクや不確実性の分析などを専門とするアクチュアリー(保険数理士)。そのほかトップ10には医療関係の仕事が多く入った。高齢化が進むなかで同分野は大きな成長が見込まれている。
最下位は紙媒体の不振を反映して新聞記者だった。これに山林の伐採労働者や軍の下士官、俳優、石油掘削施設の労働者が続いた。

1位:アクチュアリー(保険数理士)
2位:医用生体工学の専門家
3位:ソフトウエア技術者
4位:聴覚機能の訓練士
5位:ファイナンシャルプランナー
6位:歯科衛生士
7位:作業療法士
8位:検眼士
9位:理学療法士
10位:コンピューターシステムのアナリスト

しかし日本ではそもそもそんな職業自体大多数の人々が知らないだろうというマイナーな(失礼)職種がランキング入りしているのが興味深いですが、ただ日本においても医療関係職は今後どんどん需要が伸びていく成長分野の筆頭格という扱いになっていて、その中でも医師や看護師など専門性が高い職種よりも周辺をサポートするコメディカル等がおすすめということになっているようですが、もちろんそれは国が健全な医療・介護領域の成長を許すならばという前提条件があるわけです。
当然ながら安定的な成長産業に育て上げていくためには他産業と同様に成長に対する不要な足かせを可能な限り排除していく必要があるでしょうが、その筆頭が日本のような公的保健医療がほぼ100%に達している国ではその保健医療システムそのもの、より正確にはそのうち公費支出分の増大ということになるわけです。
となると、医療費が増大しても公費支出が増えていかないように制度を改めるなりしなければならないという理屈ですが、その一つのやり方として現在禁止されている100%公定価格のみの医療を外れた自費医療分も保険診療と併用できる混合診療を認めるということが挙げられるのは自然の摂理であるかと思います。

最近では半世紀前に成立した皆保険制度がそろそろ時代に合わなくなってきているということが誰の目にも明らかになってきていて、何かと言えば医療改革ということが世間でも言われるようになりましたが、その考え方の一つとして医療現場はパンク寸前なのだから不要不急の医療受診はやめましょう、出来高払いから定額払いにして医療費を抑えましょうといった縮小均衡スタイルの改革が一方では唱えられています。
一見するとこれは混合診療も営利的病院経営も認めてといった拡大路線を突っ走るやり方と真逆のようにも思えますが、医療スタッフの多くが資格職である以上は無駄な部分はなるべく縮小させて、必要な部分に思い切ってリソースを集中するという考え方はどのみち必要になることで、拡大か縮小かと言うよりも取捨選択をどこまでダイナミックに行うべきかということが本当の改革なんだろうと思いますね。
そのために実は皆保険システムで国民全員が同じ医療をベースにしているという日本の医療環境は非常にコントロールが行いやすいのは事実で、世間では全く否定的な意味で語られている保険診療の範囲を縮小し混合診療を順次拡大していくという話も、使いようによっては医療の正常化と健全な成長を図る有力な道具になり得るということです。
今現在は財政的にも人材的にも需給バランスが逼迫しているのは事実ですから、まずはその事実を盾にして妥当な範囲にまで医療の贅肉を削っていく、しかる後に伸ばすべき領域においては混合診療でもなんでもありで徹底して成長させていくというやり方が望ましいと思いますが、またぞろ国民の理解が…などと言い出してこの手順を逆にしてしまうと皆保険システムそのものが破綻しかねないので要注意ですね。

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2013年5月 6日 (月)

今日のぐり:「天乃うどん店」

昨今では便所飯という言葉があるくらい一人ぼっちの若者が増えているようですが、そんな若者にも簡単に友達が出来るという「切なすぎる」方法が話題になっています。

この手があったか…「友達を作る、もっとも手っ取り早い方法」(2013年5月2日らばQ)

友達はたくさんいるほど嬉しいものですが、大人になるほど友達を作るのも大変です。
友達というのは、どんな風に作るのが1番簡単なのでしょうか。
「もっとも手っ取り早い方法」と紹介されていた1枚の画像が、やけに納得されていたのでご紹介します。

司会者:
「友達を作る1番いい方法とは、どういう方法なのでしょうか?」

回答者:
「女性に『大好きだ』と言うんだよ。そうしたら女性がこう言ってくれる。『私たちは友達でしょ』と」

これは……確実に友達であることを証明してくれる、良い方法なんだか、哀しい方法なんだかと言うところですね。
この見事な友達メソッド(?)に、海外掲示板のコメントも盛り上がっていました。

●オレはこれをフェイスブックに再投稿する。本当は全くそうでない自分のことを、面白くてオリジナリティがあると思ってほしいからね。
●↑少なくとも正直なウソつき者だ。
●↑自己中でやる気がなくもある。
●↑それぞ真の掲示板住人。
●↑大好きだよ。
●↑私たちは友達でしょ。
●アメリカ人としてそのイギリス番組を見るの好きなんだ。何が行われているかがわかる番組だからね。で、だいたいゲストが誰かさっぱりわからない。そして彼等が何をしゃべっているかさっぱりわからない。まるで外国の映画を見ているようだ。でも彼等は英語をしゃべっているんだ。でも理解はひとつも出来ず字幕もない。それがなんか面白いんだ。
●しかしその方法は痛いほど真実だ。大都市に引っ越して思う。
●その方法で毎回成功する。
●それを成功と言うんだろうか……。

男性であれば、この方法で確かに友人は増やすことが出来そうです。
ちょっと思わぬ方法ではありましたが、こうやって友達をどんどん増やしていきましょう。

いやまあ、確かに友達だと言ってくれる人は大切ですが…あれ、おかしいですね、そろそろ花粉症の季節も終わりだというのに何故か目から鼻水が…
今日はあまりにも切なすぎる友達作りのアドバイスに謝意を表して、世界中からそれはちょっと切ないなあというもの悲しい話を紹介してみましょう。

「マクドナルド理論」を使うとより優れたアイデアが出てきてプロジェクトが進行する(2013年5月2日Gigazine)

ランチタイムにどこのお店に行く?という話になった時、「マクドナルドに行こうよ」と提案すると満場一致で「マクドナルドはやめようよ」と返され、不思議とよりよいアイデアが出てくる、というのがJon Bellさんの提唱する「マクドナルド理論」。Bellさんによればこのマクドナルド理論を使うと、煮詰まりがちなビジネス会議やプロジェクトでより優れたアイデアを出すことができるそうです。

McDonald’s Theory — What I Learned Building… — Medium

Bellさんのマクドナルド理論とは「実行可能なアイデアのうち最低のもの」を提案することによって、ディスカッションが始まり、人々が急にクリエイティブになることを言います。最悪のアイデアを実行しないために、人々はよいアイデアを出そうとするのです。

このテクニックはBellさん自身が仕事においてよく使うもの。上から指示書を手渡されたり、何かが始まるといううわさを聞いて準備を開始したりと、プロジェクトのスタートはさまざまな形があります。場合によっては人々とアイデアをシェアする前に何年間も考えを練っていることもあり、クリエイティブな仕事を行う時のプロセスに定義付けはできませんが、ただ一つ、全てのクリエイティブな仕事に共通するのは「いつでも初めの1歩よりも2歩目の方が簡単である」ということです。

作家のAnne Lamottは「最悪な草稿」と言い、ナイキは「Just Do It,(行動あるのみ)」と私たちに言いますが、Bellさんが提唱するのは「人をうんざりさせてよいアイデアを生み出すためにマクドナルドを使う」ということ。この3つはいずれも「ファーストステップは私たちが思っているよりも難しくない」という意味を含んでいます。考えすぎることをやめて下さい。

今度あなたの頭に考えが浮かんだ時はそのアイディアを批判する内なる声が聞こえても、紙とペンを取り出してアイデアを書き出して下さい。「でもこんなことをしている時間はないし……」ということや「ばかばかしいアイデア」などと思うかもしれませんが、自分を否定しないこと。

グループで仕事をする際にも同じ事が言えるので、次にプロジェクトの初期段階で話し合いがなされた時はマーカーをつかみ、ホワイトボードにアイデアを書いて下さい。ばかばかしい考えになると思いますが、それでいいのです。アイデアは引き金となり、グループを活気づけます。

とにかく物事をスタートさせ、第1の障壁を取り除き、次のページに行かなければなりません。頭の中で考えているだけでなく、実際にアイデアを書き、スケッチし、行動し、そして修正していくのです。はじめのスケッチはほんの少し形を書くだけでよく、次にアイデアに名前をつけます。「これはばかげたアイデアです。しかし、もし……」と続け、スケッチしたアイデアが持つ問題点を解決しようとして下さい。あなたがアイデアをボードに書き出した瞬間、まるで魔法のように、信じられないことが起こります。プロジェクトのメンバーはあなたのアイデアを見て、自分自身のアイデアも提案し始め、あなたの考えを修正していきます。そして話し合いの最後には、大きな進歩が見られるでしょう。

いやまあ、これまた確かに一面の真理ではあるのでしょうけれども、マクドナルドってどうなんでしょうね…社員からするとあまりに切なすぎるやり方だと思うのですが。
教育番組も昨今では別な方面で注目されることが多いようなんですが、こちらなんと全世界から注目されているという話題の教育動画を紹介しましょう。

驚愕の展開を見せる日本の『フカシギの数え方』動画に世界が衝撃を受ける! 海外の声「これが “日本” だ!」(2012年9月27日ロケットニュース24)

現在、日本発のある動画が世界に衝撃を与えている。その動画のタイトルはズバリ、『フカシギの数え方』!

これは日本科学未来館が公開したもので、組み合わせの数え方について、アニメを通して解説するという内容になっている。一見、なんの変哲もない普通の教育ビデオのように感じるが、これが予想だにもしない驚愕の展開を見せるのだ。

なにがどう急展開するのは、ぜひみなさんの目で確認して頂きたいが、正直展開が衝撃的過ぎて、笑いさえこみ上げてくる人もいるだろう。現に日本のネットユーザーだけではなく、海外のネットユーザーもこのビデオに大きな衝撃を受けており、動画のコメント欄には次のような声が続々と寄せられている。

【日本ネットユーザーからのコメント】
「泣いた。お姉さんありがとう」
「クソワロタww」
「ちょいちょい謎の感動が襲ってくる…」
「『8512だってよ!』から加速してゆく謎の狂気」
「ワッショイwwww」
「思ってたより壮大なビデオコンテンツだった」
「おねさぁぁぁぁん!!!!」
「『兆ってなに〜?』『さあ次は!』教えてあげてよ!wwwww」
「シュールすぎるっwwww」
「ともあれアルゴリズムの便利さはよーくわかった」
「なんか…深いな…」

【海外ネットユーザーからのコメント】
「泣きそうになった。これはいいビデオだ!」(マレーシア)
「死ぬほど気が落ち込むビデオだった」(アメリカ)
「ハハ、計算複雑性に関する素晴らしいレッスンだ」(フランス)
「こんなの予想にもしていなかった」(イギリス)
「これは笑える(笑)」(香港)
「エンディングが悲しすぎる……お姉さんに教えてあげられていたら……彼女は優しすぎた」(不明)
「(↑のコメントに対して)もし彼女がアルゴリズムのクラスをとっていたら……」(アメリカ)
「なぜ私はこれを見ているんだ!?」(オランダ)
「私はお姉さんをずっと忘れない……」(アメリカ)
「なんてフレンドリーなビデオなんだ」(カナダ)
「めちゃくちゃ怖い」(アメリカ)
「これは一体なにって? これが “日本” なんだよ」(シンガポール)
※( )内は、コメント投稿者の居住国

世界もビックリの日本発の数え方動画。英語字幕がきちんと付けられているところを見ると、世界を視野に入れて、このビデオが作られたことが分かる。これからはこういった形で、世界の視線を日本に集めることが主流になっていくのかもしれない。もしくはすでになっているのかも?

参照元:YouTube/MiraikanChannel

なんでしょうかねこのエンディングは…いやお姉さんのひたむきな努力もそうなんですが、あまりにあまりなその人生を思うとき…切ないですね。
今や忠犬ハチ公の物語は世界的に広まっていると言いますけれども、こちらハチ公に勝るとも劣らない忠犬物語が世界中の涙を誘っています。

亡きおばあちゃんのお墓の前でひたすら「泣く」忠犬が多くの人の感動を呼ぶ(2013年5月1日ロケットニュース24)

ある一匹の犬が見せた家族を想う姿に、多くの人が感動を覚えている。ワイリーという名前のその犬は、亡き家族の一員「グラディスおばあちゃん」のお墓の前で静かに横たわっている。

そしてこれまで共に生きてきた大切な人の死を嘆くかのように、ワイリーはとても悲しげな声を上げるのだ。目を疑うかもしれないが、動画「Wiley crying over Grandma」に映るワイリーは、本当に人間のようにお墓の前で泣いているように見えるのである。

動画投稿者の話によると、ワイリーは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の退役軍人を精神的に治療する特別な狼犬の一匹だという。きっとグラディスおばあちゃんもワイリーにたくさんの元気と笑顔をもらい、そしてワイリーもグラディスおばあちゃんとの時間にたくさんの幸せを感じていたのだろう。

一部のネットユーザーからは「こんなふうに犬が泣くはずがない!」という声も上がっているが、この映像をどう見るかはあなた次第である。いろんな想いが伝わってくる忠犬動画、ぜひ一人でも多くの人に見ていただきたい。

参照元:YouTube/sarahvarley13

う~む、職業柄人間に感情移入しやすい犬ということなのかも知れませんけれども、これはまさしく鳴くのではなく泣くという感じですね…
こちらも泣いてしまった一人の男のニュースなのですが、その背後に隠されたドラマを想像するとひどく切ないという話です。

米国で「イースターバニー」検挙、着ぐるみでバイク運転(2013年4月2日ロイター)

[1日 ロイター] キリスト教の復活祭(イースター)だった3月31日、米国ではイースターバニー(うさぎ)の格好でバイクを運転していた男性が警察に捕まるという事件もあった。

カリフォルニア州ハイウエー・パトロール提供の写真には、同州ラ・メサの道路の路肩で、警察官から警告を受ける「イースターバニー」が泣く仕草が写っている。

警察が呼び止めたのは、衣装のせいで視界が遮られるおそれがあり、適切なヘルメットを着用していなかったからだという。

イースターバニーは、多産の象徴として卵(イースターエッグ)と同様に復活祭のシンボルとなっている。

元記事の写真を参照いただきたいと思いますが、何しろ年に一度のイベントに向けてこの気合いの入り方だったわけですからそれはねえ…泣きますよねえ…
最後に取り上げますのはブリの国技とも言うべきあの競技の話題ですけれども、なんとこんなことが起こってしまうというのはびっくりですね。

【海外:クリケット】アナグマにピッチを荒らされ、今シーズンの全試合が中止される(2013年4月6日日刊テラフォー)

226年の歴史あるイギリス老舗のクリケットチームが、シーズン開幕を目前に、すべての試合をキャンセルせざるを得ない状況に追い込まれた。保護動物にスタジアムの芝生を荒らされ、修復できなくなってしまったのだ。

悲劇に見舞われたのは、イギリスで最も古いクラブの一つ、リックマンズワース・クリケット・クラブ。由緒正しいスタジアムの美しい芝生が、アナグマの集団によって見るも無残に荒らされてしまった。

アナグマ達は、シーズン開幕前の手つかずの芝生を引っ掻き回し、50メートル四方の芝生を台無しにした。しかもそのアナグマは、イギリスでは特別種に指定されているため、クラブ関係者達は、まったく手出しができない。
皆、アナグマ達が芝生を荒らしていく様子を、ただ眺めていることしかできないのだ。荒らされた芝生を直すお金の余裕は、クラブにはない。

もちろん、こんなことを理由に試合がキャンセルされるなんて、前代未聞だ。
「私は25年間クラブにいますが、こんなことは初めてです。
荒らされた芝生は、歴史上の決戦の後のように、大きな穴や小山があちこちにできています。」
とクラブオーナーも頭を抱えている。

アナグマ達は、草の中に眠る幼虫を食べるために、芝生を荒らしたと考えられている。
通常は、スタジアムの芝生にはスプレーを撒いて害虫駆除を施すのだが、今年に限っては、あまりにも寒すぎた為、スプレー散布を行うことができなかった。

現在、選手達は場所を移して練習をしているが、このスタジアムで今後いつ試合が行えるかは、まったく見通しが立っていない。

今年ヨーロッパを襲った寒波の被害は、4月を迎えた今でも、様々なところで拡大している。

記事の写真を参照いただくとその恐るべき状況が理解出来ると思いますけれども、どんな競技であれいざシーズンインという時にホームスタジアムをこんな惨状にされればそれは泣くに泣けないというものでしょう。
しかも法律上の問題とは言え目の前で芝生が荒らされていくのをただ見守ることしかできなかったチーム関係者の無念を思うと、まさにこれは切なすぎるというニュースですよね。

今日のぐり:「天乃うどん店」

いわゆる製麺所スタイルの店舗は本場香川県以外では決して多いものではありませんが、それに比較的近いものがこちら倉敷市内の隠れ有名店「あまの」さんです。
どれくらい隠れているかと言えばよほど注意力を発揮しないと一度行ったくらいでは二度と訪問できないというその立地にも現れていますけれども、ともかく平日の時間の限られた営業にも関わらず始終人の耐えることのない大人気店ですよね。
この日は時間帯を外しての訪店だったせいか珍しく席に空きがありましたものでゆっくりメニューを選ぶことが出来たのですが、しかしいまだにこの券売機に二色のボタンがある意味がわからないのは自分だけでしょうか?
もしかしたら熱い、冷たいといった種類を表しているのかも知れませんが見たところ特に説明もないようですし、そもそも常連さんは券売機ではなく口頭でやっていたりもするのですからよく判りませんね。

それはともかく、いつもはぶっかけ(と言いつつ実体は醤油うどん)なのですが、今回ちょっと趣向を変えてざると肉玉を頼んでみました。
ほぼノータイムで出てくるざるの方はとにかく滑らかでつややかなうどんが非常に印象的で、この地域のうどん店に多い柔らかめな中にもしっかりしたコシがあるタイプで、見るからに色つやもよろしいという優れものです。
ところでこちらのざるのつけつゆはなみなみとつゆだくな上に、このうどん自体長いのでつかむ分量を間違えると容易にオーバーフローするのもこの地域のうどん店でしばしば見かける光景なのですが、こういうところにも伝統があるということなんでしょうかね?
そのつけつゆですが一見濃厚醤油ベースに見えて実ははっきり甘口というもので、このつゆの味にはとにかくわさびのピリリとした辛さが合いますね。
ざるを食べ終わる頃を見計らって作り始めた肉玉はまさに出来立て熱々という状態で出てきますが、見た目はいかにも一般店メニューっぽいフル装備のトッピングで、こちらは一転して薄口ベースで辛口のつゆになっているようです。
しかし今回かけうどん系のメニューを初めて食べて見て意外だったのが、こちらはかなり柔らかいうどんなのに暖かい方がむしろコシが際立つという事実で、これは前売り食券制でないと際限なく食べ過ぎてしまう悪いうどんですね(ちなみに前述の通り、食券購入はマストではないようですが)。
もちろん甘辛はっきりしたこのつゆの味には多少好みがわかれそうとは言え、つゆも含めた一杯の完成度で競える店はありますがともかくこのうどんのインパクトは凄まじいと言うしかなく、いやはや、まさに「あまの」恐るべしと感じ入るしかありません。

しかし見ていますと購入した食券のうち一部は食べて一部は持ち帰りというお客も多いのでかなり混乱しそうなんですが、それらをさばいた上でなおかつザルを食べ終えたタイミングにピタリと肉玉を出してくるのはお見事と言うしかなく、これだけ小さな店なのにスタッフは多めであることと店内を仕切るフロアマネージャー的な人がいるらしいですね。
もちろん本当の繁忙期になればミスもあるのでしょうけれども、見ていますとお客さんも本当のうどん好きが揃っているのでしょう、このうどんがあれば多少のオーダーのもたつきは許容できてしまいそうな雰囲気です。
ちなみに壁に貼ってある古ぼけたメニューをみると「ざる(かまあげ)」、「ぶっかけ(醤油)」と書いてあるのでそういう扱いなのだと思いますが、そう考えますとやはりこちらも倉敷うどんというよりは讃岐うどんの系列なんでしょうね。

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2013年5月 5日 (日)

今日のぐり:「さぬきうどん 庵」

一見するとよくある「あるある」ネタに思えて、よく考えて見ると実はそれはないだろうというのがこちらのニュースです。

【海外:イギリス】車の出入り口のど真ん中に街灯が…おばあちゃんがやらかした大失敗(2013年5月2日日刊テラフォー)

これは、誰がどう見ても大失敗だ。

イングランド・ハンプシャー州アンドバーに住むおばあちゃんキャサリンさんは、子供たちが家に遊びに来た時に車を停められるように、敷地の一部を舗装した。
だが、市が新しい街灯をキャサリンさんの家の真ん前に建てたすぐ後に、その工事を行ってしまった。

つまり、車の出入り口の真ん前に街灯が立っているにも関わらず、キャサリンさんは、そこに私有駐車場を作ってしまったのだ。
もちろん、街灯が邪魔で、車を駐車場に入れることなどできない。

「完璧に間違えちゃったわね。私は、街灯が立った後に、敷地を舗装したのよ。」
一体何をどう間違えたのか…。とにかく、このままでは敷地を舗装して駐車場にした意味がないので、キャサリンさんは市に街灯を移動してくれるよう要請し、工事費として1200ポンド(約18万円)を支払うハメになってしまった。

「工事費を支払うのは全然いいのよ。ただ、市が早めに街灯を移動してくれるといいんだけどね。これじゃ、私に会いに来てくれた家族が車を停める場所がないわ。」

市はキャサリンさんに良心的で、キャサリンさんが支払う工事費用を最小限に抑えるために、移動工事をコーディネートしている。

とんでもない大失敗で市の職員の仕事を増やしてしまったキャサリンおばあちゃんだが、何となく憎めない。
移動したランプが、車の邪魔にならないように、キャサリンおばあちゃんの憂鬱な気持ちを明るく照らしてくれることを祈ろう。

どういう状況であるかはリンク先の画像を参照いただきたいと思いますが、しかしこれを工事した人々も何も思わなかったんでしょうかね?
今日はちょっとがっかりしてしまっているキャサリンおばあちゃんを励ますためにも、全世界からまだまだ元気なご老人達のちょっとアレなニュースを紹介してみましょう。

35年間ペアルックの仲良し夫婦、同じ格好するのは「大好き」と楽しむ。(2013年4月25日ナリナリドットコム)

カップルや夫婦の“ペアルック”を見ると、お互いの気持ちが通じあう、仲睦まじい2人と思えるもの。とはいえ、特に男性の場合、いざ自分がやるとなると周囲への恥ずかしさを感じてしまい、滅多にできることではないかもしれない。しかし米国には35年間ずっと、毎日相談し合ってペアルックを続けているという、仲良しすぎる夫婦がいるそうだ。

英紙サンによると、この夫婦はマサチューセッツ州フィッチバーグに住む77歳の夫ドナルド・フェザーストーンさんと、60歳の妻ナンシーさん。2人は37年前の1976年、初めてのデートでドナルドさんがプロポーズして結婚した、17歳の年の差カップルだ。結婚から2年後、妻が夫へ同じ柄のシャツをプレゼントしたことをきっかけにペアルックを着るようになり、以来、現在でも同じ格好をするのが「大好き」と、極めて能動的に続けているという。

普通のカップルなら、いくら仲良しとはいっても、感性の違いで服の好みも変わってくるだろうし、何よりお揃いの服をいちいち揃える手間を考えただけでも、ペアルックを続けるのはなかなか難しいはず。2人が35年もの長い間続けられているのは、妻ナンシーさんの仕事にその理由がありそうだ。

彼女の職業はドレスメーカー。つまり、2人で着る服はずっと妻が仕立てて用意しており、今までに600組の洋服を自分たちのために作ってきたという。

スカートとズボンの違いくらいはあるようだが、シャツの柄や模様を揃えるだけでなく、時には帽子やコート、手袋などのアイテムも同じになるようにしているという2人。彫刻アーティストとして多忙なドナルドさんは、家を留守にする機会も少なくないそうで、そんな時は「何を着れば良いか」と必ず妻に相談の電話をする。もはや服装を合わせるのは、夫婦にとって毎日の大切な決まりごとといったところだ。

ペアルックを「お互いにどれほど近い存在なのかを示す、自分たちなりのやり方」と話すのはナンシーさん。今でも深く互いを愛し続けている結婚生活の表れであるのは間違いないが、ある意味、共にクリエイターの夫婦だからこそ、35年間もペアルックを続けて来られたのかもしれない。

これまた記事の画像を見ていただきますと見事なペアルックですけれども、さすがにこれは専門家が絡まないことには不可能なことでしょうかね。
ここからは例によってブリからの話題が続きますけれども、元気が良いご老人は一般論として良いことなのでしょうが、こちらいささか周囲の迷惑も考えて欲しいというご老人のニュースを紹介しましょう。

スウェーデンのおじいちゃん、ぶっ飛びすぎ!…シニアカーでドリフトしまくりの大暴走(2013年4月30日らばQ)

シニアカーは高齢者向けに作られた3輪または4輪の電動車両で、通常は歩行者扱いとなり歩道を走ります。

ところが、スウェーデンのおじいちゃんが運転するシニアカーらしきものは、性能からして普通ではなく、下手なバイクや車を置き去りにするほどのとんでもない改造が施されているようです。

ドリフトにジャンプしまくりの、おじいちゃんの暴走ぶりをご覧ください。

Pensionarsligan Skidbacken - YouTube

おかしいよ!

いろいろとおかしすぎて、何からツッコミを入れていいか迷うほど。

そもそもエンジン音からして電動ではなさそうですが、斜面だろうとなんだろうと、かっ飛んで行くとんでもないパワーを持っています。

こんなのに乗ろうという、おじいちゃんの性格もぶっ飛んでいますが、よくもまあこれだけ乗りこなせるものですよね。

こんな老後ならきっと毎日が楽しかと思いますが、まわりににいたらちょっと(かなり)迷惑しそうではあります。

しかしこの高重心のカートを振り回して平気というのもただものではないですが、いずれ機械的な無理がたたってぶっ壊れそうですけどね…
これまた元気と言えば元気なとも言える話なのですが、普通それは大人げないというべきではないかというニュースです。

おばあちゃん元気すぎる…80歳が72歳にパンチを見舞って警察沙汰に(2013年3月10日らばQ)

平均寿命もずいぶんと延びて、元気なおじいちゃん、おばあちゃんが増えました。一方で高齢化社会が進むにつれ、犯罪の高年齢化が問題になっています。

イギリスのビンゴ会場で、80歳のおばあちゃんが72歳のおばあちゃんにパンチを見舞うという事件がありました。

南ロンドンにあるビンゴ会場で、2人の年金受給者がランチの列に並んでいたところ、言い争いに発展しました。

警察によると、後ろから別の72歳の女性が急ぐように促したのが事の発端で、80歳に対して、「バカな年寄り女」とののしったそうです。

その無礼さに腹を立てた80歳は、言い返しただけでは飽きたらず、顔にパンチを見舞いました。

警察では、とりあえず80歳の女性に警告のみで起訴はしない方針とのことです。

80歳でそこまで元気なのかと感心していいものか微妙ですが、高齢とは言え侮れませんね。

しかし一部の人たちはビンゴゲームと言うものが大変に好きで熱中するようですけれども、あれはそこまで中毒性のあるものなのでしょうかね?
美容と健康のためにあれがいい、これがいいと言う話はいくらでもありますけれども、こちらその実践を思い立った年齢が問題という同じくブリからのニュースです。

【海外:イギリス】70年間喫煙していたおばあちゃん、102歳にしてようやく禁煙を始める(2013年2月19日日刊テラフォー)

タバコを止めるのに遅すぎるなんてことは、決してない。
2月17日に102歳を迎えたイギリス人のおばあちゃんクララ・コウウェルさんがタバコを止めたのは、わずか2週間前だ。

クララさんが初めてタバコを吸ったのは、1931年。それ以来、毎日2,3本のタバコを70年以上吸い続けた。クララさんが吸ったタバコの総計は、約6万本になる。
だが今、タバコの灰が床に落ちることを気にしていた家族の勧めで、70年間に渡るタバコの習慣を止めた。

「ママの長生きの秘訣はタバコとウィスキー入りの紅茶、それにハードワークと貧困ね。」
と娘のリンダさん(69)が話しているように、家族もクララさんの健康を心配して、タバコを止めるよう勧めたわけではないようだ。

実際、100歳を越えてもタバコを吸ってたクララさんは、まだとても元気で、去年の101歳の誕生日には、ダンスフロアでワルツを踊り、人々を熱狂させた。
そして先日の102歳の誕生日は、子供から曾々孫に至るまでの大勢の家族に囲まれて、お年寄りには似つかわしくないパブでお祝いをした。

そんなクララさんが102歳にしてようやくタバコを止めた理由が、家族からの苦言というのが面白いところだ。歳をとって丸くなり、子供達の意見を受け入れられるようになったのだろうか。
子供達の方も、クララさんが100歳を過ぎてもなお、諦めずにタバコを止めさせようとし続けたのも、凄い根性だ。

タバコを止めるのに遅すぎることはない。だが、本人と周りの根気が必要だ。
タバコを止めたクララさんは、これから益々長生きすることだろう。

百歳を超えてワルツを踊るというのも大変なものですけれども、毎日2、3本ですから案外そう大した量でもなかったということなんでしょうね。
最後に取り上げますのも同じくブリからの話題ですが、こちらはさらにお盛んな何と105歳!のお婆ちゃんの話題です。

【海外:長寿】105歳のおばあちゃん、長生きの秘訣はセクシーな男のカレンダー!(2013年2月27日日刊テラフォー)

バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスを溜めない…どれも長生きをする上で欠かせない習慣だが、先日105歳を迎えたばかりで、曾々々孫までいるデイジー・ボリルおばあちゃんの長生きの秘訣は、パンツ一丁でポーズを取るたくましい男のカレンダー!

イングランド中東部リンカンシャー出身のデイジーさんは、先日の誕生日に孫のエレインさんからセクシーな男が満載のカレンダーをもらって、ゾクゾクしていた。
「このカレンダー、大好きよ。この中の男は、ほとんど裸じゃない!この小さいトランクスも好きね。」
デイジーさん曰く、セミヌードの男の写真を毎日見ることで、若くて健康な気持ちを保っているのだという。

デイジーさんは男のセミヌード写真のほかにも、最新のファッション雑誌にも目を通す。
「私はいつも、最新ファッションのチェックも欠かさないわ。最近はあまり外に出ないけど、ファッション雑誌を見るのは楽しいわ。もちろん男のファッション・ページを見るのも好きよ。」
デイジーさんの毎日において、セクシーな男は欠かせないようだ。

デイジーさんは音楽も大好きで、映画を観て帰って来た後は、その映画の音楽をピアノで奏でて楽しむ。

さすがいつもファッション雑誌をチェックしているだけあって、デイジーさんの服装は105歳とは思えない可愛らしいものだ。ネイルもきちんと手入れをしていて、この日は誕生日パーティの為に、明るいピンク色のマニュキュアを塗った。

今年の誕生日は、100歳と105歳以上の誕生日を迎える人に毎年英国女王から送られるバースデー・カードを、デイジーさんは特に楽しみにしていた。今回2枚目の女王からのカードを手にしたデイジーさんは、もっともっと女王からのバースデー・カードを集めようと意気込んでいる。

こんなに明るくて人生を楽しんでいるデイジーさんとの日々を、73歳の娘を筆頭に家族みんなが楽しんでいる。
「母はいつも人生を楽しんでいるのです。母はいつも陽気で目一杯生きています。」
と娘さんは話す。

胸に付けた『バースディ・ガール』のバッジがとても可愛い!

そういうことであれば日本からもいろいろとお手伝い出来ることがあるのではないかと愚考いたしますが、しかし幾つになってもこうした気持ちの若さを保つことが重要だということなんでしょうか。
全世界のお爺ちゃんお婆ちゃんが健やかに楽しい日々を過ごすことを祈りたいところですが、それにしても今回妙にブリ発のネタが多かったようにも思えるのは気のせいでしょうか?

今日のぐり:「さぬきうどん 庵」

倉敷市南部の連島地区に出来た新道から少し南に入ったところ…というよりも、素直に有名ラーメン店「百万両」の斜め向かいと言った方が判りやすいのがこちらのお店です。
この界隈は他にも老舗の有名うどん店、ラーメン店があって競争が激しいところだと思いますが、こちらは立地も見た目も地味ながら安くてうまい町のうどん屋として地道に営業をされているお店と言ったところでしょうか。
今回久しぶりの訪問になりましたけれども、以前と比べるとお客が増えた?という印象があって、基本的に安くてうまいお店ですからしっかり稼いでいただきたいですね。

今回は冷たいぶっかけを大盛りで頼んでみましたが、こちらのうどんは見るからになめらかな麺肌で色艶もよく、口に入れてみますとかなりはっきりとした堅めのうどんは後にどっしりと相応の重さを胃の辺りに感じさせるヘビーデューティ仕様というところでしょうか。
名の知れた店では比較的柔らかめのうどんを出す店の多い倉敷地区では割に珍しいうどんで、このスタイルでは高梁川を挟んで対岸に位置する玉島の「あまからさん」とレベル的にも近いのかなと思っていたのですが、ただあちらの方はこのところ初期のハードタイプのうどんから脱して柔らかい中にしっかりコシを感じさせるうどんに脱皮していますから、こちらとの差異が明確になってきましたね。
ただそうして比べて見ますと硬い一方で讃岐と銘打つならコシはまだまだいけるはずで、現時点でうどんだけを見ると成長著しい「あまからさん」の方が一歩先を行ったかなという印象を受けますが、まあこのあたりは好みの問題も大きいかと思います。
こちらもぶっかけうどんとして見るとかなり甘口濃いめのうどんつゆとの相性もよく、付け合わせの薬味も王道の天かすにワサビ、ネギとばっちりで相当レベルの高いぶっかけうどんだと思っているのですが、ただ讃岐うどんと言っている割にはこのぶっかけに関しては典型的讃岐スタイルとはちょっと違うようですね。
同行者のかけうどんも少しつまんだんですが、こちらの場合温かいうどんの方が合うかな?という印象もあって、かけのうどんつゆもなかなかすっきりした後口で好印象ではありました。

定食なども決して凝ったものではないですが安い割にしっかりボリュームもあって、現状でも町のうどん屋としては十分に安くてうまいと言える水準ではあると思いますし、たまたま通りがかりに入ってみても意外にいけたなと感じるお客さんが大多数だと思いますけれども、強いて厳しめに言えば近隣に競合店もこれだけある地域柄ですから、もう一歩売りになるストロングポイントがあればいいのかなという気もします。
またこちらの接遇はしっかり丁寧めでいかにも近所のお店という風情でいいのですが、ただ連島の旧街道から離れて水島の新しい町に入っていく場所に位置していますから客層も様々に混在しているようで、外から見ていますと時々ミスマッチを感じさせることもないではありませんね(まあお店の方では慣れているのでしょうけれども)。
もっとも良くも悪くも目立つような店ではありませんから、特に奇をてらわず近所の方々を相手にこんな感じで地味に商売を続けていくというのも、それはそれでいいんでしょうかね。

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2013年5月 4日 (土)

今日のぐり:「廻鮮寿司 しまなみ イオンモール倉敷店」

長崎銘菓と言えばご存知カステラ…もとい、かすていらですけれども、彼ら長崎県民のかすていらにかける恐るべき情熱を物語る写真が話題になっています。

広島菓子博の『カステラ』が狂気じみていると話題に(2013年4月30日秒刊サンデー)

4年に1度、全国各地で開催されている日本最大のお菓子の祭典「第26回全国菓子大博覧会」にて展示されている「長崎のコーナー」に展示されているお菓子が狂気じみていると話題になっている。長崎と言えばだれしも「カステラ」を思い浮かべるのかと思いますが、こちらのカステラはあまりに自己顕示欲強すぎて話題になっております。いったいどのようなものなのか。

画像:Twitterより
http://twitpic.com/clyblr

なるほど、長崎だからカステラか。そして上もカステラ、左もカステラ・・・全部カステラ。しかも色も形も全てだいたい同じ、何もかもがカステラ。素晴らしい長崎の自己顕示欲の強さに圧倒された。いったい何を伝えたかったのか、上下左右それぞれのカステラの違いは何か。

実は製造者が微妙に異なる。写真を拡大して判明したのだがそれぞれ、カステラの製造者が異なり、よく見るとカステラの色も若干違う。ようやく理解した、これは我々素人レベルで見れば全て同じカステラに見えるが、カステラ業界の人種からしてみれば「色・カタチ・艶・食感」全ての視点から見れば全くの別物。同じ犬種の犬でも、飼い主からしてみれば顔が全く異なるように感じるのと同じく、カステラも製造者によって全く異なると言う事だろうか。

そう言った意味合いではさすがお菓子博覧会だ。レベルが違う。
もはや一般消費者向けではなく、完全に職人が楽しむレベルだ。

このカステラにネットユーザは「非常に徹底している」と感銘を受けているようだ。

―Twitterの反応
・確かにw
・これは
・知名度にしがみ付くからそうなるんだ。
・すげーな!わが地元wwwww
・かなりの本気w。
・カステラの角で攻撃されそうな勢い
・これを見るだけでも価値はあるかな
・凄いというか徹底してるというかw 
・長崎のカステラへのこだわり、誇りですね。
・ちょwwwこれはヤバいわ
・長崎はカステラ県か。
・見る人が見れば
・シュールですよね。
・味が似てるようで似てないんですよね~
・ジオラマみたい。
・なんか圧が凄いなww

菓子博は平成25年(2013年)4月19日(金)~5月12日(日)の24日間行われている。
GWに行ってみてはいかがだろうか。

昔こういう丸のまま?のかすていらを買ったことがありましたが、連日ひたすらもしゃもしゃと食べていると家庭用のものが細長く切られている理由が食べていると何となく判りましたね。
今日は長崎県の郷土銘菓に対する強烈な愛情に敬意を表して、世界中から食べ物にまつわる強烈な話題を紹介してみることにしましょう。

思わず二度見するぶっとび寿司ネタが話題に(2013年4月29日秒刊サンデー)

宮沢りえ嬢の『ぶっとびー』なんて古い流行語がありますが、まさにぶっとびな寿司ネタが話題になっております。ご確認いただけるように、そのネタは軍艦巻きとなっており緑色と黄色の寿司ネタ。まさかぶっ飛びってことはあの辛い・・・さて皆様、想像は色々お膨らみかと存じますが、大変恐縮ながらそれを遥かに凌駕するとんでもない寿司ネタが存在するのです。

その寿司ネタはなんと「抹茶アイス軍艦」それと「バニラアイス軍艦」。某寿司チェーン店でアイスクリームが回転レーンに流れてくることはあっても、まさか軍艦状になってくるという想像力にはたまげた。これはデザートとして食べればよいのか、それとも普通の変わりダネ寿司として食べればよいのか割と躊躇してしまうこのネタ。

さてこの寿司ネタは本当に存在するのだろうか。合成技術が上手な人間が作ったよくあるインターネットの巧妙な面白コラージュ画像ではないのか。様々な疑問が沸いてくるが、実はこの寿司実際に存在することが判明した。

その寿司は大分市にある「魚蔵」と呼ばれる回転寿司屋にあり、ホームページ上にそのメニューが掲載されている。そしてそのメニューの中に確かに「抹茶アイス」「バニラアイス」が存在することが確認できる。値段は160円で、普通の寿司ネタと同じ項目内にある為これはデザートではない可能性が高い。

画像:(魚蔵より)
http://www.uokura-corp.jp/uokura.html

名古屋にある喫茶マウンテンのように、全ての商品が変わりダネであるのであれば割と理解が出来る。しかし魚蔵は残念ながらそうではなく、唐突にしかも普通に抹茶アイスが軍艦になっているという、一般客にとって理解不能な展開を見せる。

ちなみにこれ以外の変わりダネは存在しない。
今後変わりダネメニューが増えていけばまだよいが、このままでは大分県のイメージが「抹茶アイス軍艦」として定着しそうだ。

大分県のイメージが定着してしまうかどうかはともかくとして、このメニューの唐突ぶりはどういう意図を持っての行動であるのかいささか理解には苦しみますね。
食べ物をおもちゃにしてはいけないとは誰しも聞いたことのある言葉だと思いますが、ここまでやられるとこれはこれで有りか?と思えて…来ますでしょうか?

「美味しそう?」あの名画をトーストで再現するとこうなる(2013年4月11日らばQ)

日本のキャラクター弁当のクオリティも年々上がっており、食べるのがもったいないほど芸術度の高いもあって、驚かされることがありますよね。

海外にもアーティスティックな食品に挑戦した人がいました。

名画をトーストで再現した11の作品をご覧ください。
(略)
食材に工夫の跡が見られるのも面白いですよね。

こんがり焼いた時の状態も見て……食べてみたくなります。

食べて見たくなるかどうかは個人差もあるとは思うのですが、しかしこれら名画の選択基準がどのようなものであったのか、少しばかり考え込んでしまいますね。
思いがけないところで思いがけない真実を知りショックを受けるということは誰しもあることだと思いますが、食べ物においても同様の現象は発生し得るようです。

背中に入れた漢字タトゥーの意味を調べてみたら「チキンラーメン」だったと欧米人ショック(2013年4月21日ロケットニュース24)

我々は「漢字」を日常的に使っているが、英語圏に住む人たちにとっては超絶クールに映るらしい。たしかに日本人であっても漢字はカッコイイと強く思うことがある。だが、それは漢字の意味も理解しているからだ。

そんななか……。「背中に入れてもらった中国語の漢字タトゥーの意味を調べてみたら、とんでもない意味だった!」という悲劇的なネタが海外サイトで話題になっているのでお伝えしたい。

背中に入っているのは、日本語漢字にすると「鶏麺湯」だ。日本人の我々ならば、パッと見ただけで大体の意味がわかる。鶏ラーメン。英語で言うならChicken Noodle Soupであり、意味だけで書くならチキンラーメンである。

おいおいウソだろ? そんなバカな……とばかりに、漢字を認識するスマホアプリなどで1文字1文字意味を調べている画像も確認できる。鶏、麺、湯……。Chicken Noodle Soup……。これはかなりショックだろう。

一体全体、どういう状況で「鶏麺湯」を入れることになったのか。だが、もしもチキンヌードルスープが大好物ならば全くノープロブレムだ。

日本のTシャツなどにも意味不明な英語?が並んでいたりしますから必ずしも笑えない話なんですが、それにしてもシャツなら着替えれば済みますがタトゥーですから、くれぐれも事前の調査が必須ということですかね。
中国と言えばもはや少々のニュースでは驚かなくなりましたけれども、続発するあの問題に対してその発症原因を示唆する一つの知見が示されたようです。

魚屋さんがビックリ!イカをさばいたら爆弾が出てきたんですが……―広東省梅州市(2013年3月25日レコードチャイナ)

2013年3月24日、大洋網は記事「魚屋さんビックリ!イカをさばいたら1.5キロの爆弾が出現」を掲載した。

【その他の写真】

広東省梅州市蕉嶺県の魚屋、黄さんの話。売り物のイカがやたらと重いのに気がついた。これは中になにか入っているなと思い、さばいてみると予想外の物が出現した。それは爆弾。映画などでみたものにそっくりだ。あわてて警察に通報した。

黄さんによると、爆弾を飲み込んでいたのは全長1メートル弱の大きなイカだった。魚と間違えて爆弾を食べたのではないかと予想している。「飲み込んだ時に爆発しなかったとは幸運なイカですね」と黄さんは話している。(翻訳・編集/KT)

いくら何でもそんなものが爆発するはずがないと思うようなものが相次いで爆発してしまうのにはちゃんと理由があったということですが、しかしこの真相を「幸運なイカ」で済ましてしまうとは中国人爆発慣れし過ぎでしょう。
ブリから二題ばかりお送りしたいと思いますが、こちら食べ物を大切にしているというべきか正しく食べ物扱いすべきだと言うべきか微妙なニュースです。

“家宝”192年前のパン受継ぐ、原形留め独特の香りは「まだする」。(2013年4月2日ナリナリドットコム)

今年は3月31日にあたる復活祭の祝日を中心に、グッド・フライデーと呼ばれる金曜日からイースター・マンデーと呼ばれる月曜日まで、4連休が設けられていた英国。グッド・フライデーには、表面に十字の模様があしらわれた「ホットクロスバン(hot cross bun)」なるパンを食べる伝統があるそうだが、昔は病気を治す“特別な食べ物”とも信じられていたという。そんなホットクロスバンを大切に保管している、94歳の女性がいる。なぜなら、彼女が保管するホットクロスバンは、192年も前に作られた“家宝”だからだ。

英ニュースサイトのオレンジニュースや英紙デイリー・メールなどによると、変わった家宝を持っているのは、リンカンシャー州ディーピング・セント・ジェームスで暮らすナンシー・ティトマンさん。現在94歳の彼女は以前、母から大事な家宝を譲り受けた。小さな箱に入れられたその家宝は、多少表面が崩れているものの、今なおしっかりと丸い形を留めているホットクロスバン。箱には「1821年3月」という製造日が記されている。

作ったのは、ティトマンさんから5代上のウィリアム・スキナーさん。彼がロンドンでパン屋を営んでいた当時、市民の間でグッド・フライデーに作られたホットクロスバンが「腐らず、特別な治癒力を持つ」ものと崇められていたそうだ。もちろん普通に作られたパンなら、数日経てばカビが生えて食べられなくなるのだが、中には「空気に触れないようパンにニスを塗って」わざと腐らせないように作られたパンもあったという。

ティトマンさんの先祖も、当時のグッドフライデーに加工して家宝のパンを作ったようで、彼女は母から当時の言い伝えを聞き「これがその証明」と譲り受けたとのこと。それからさらに月日は流れ、「ナポレオンが死んだのと同じ年」に作られてから192年経った現在でも、腐らずに形を留めている。パン自体はもはや「化石や石のように固い」といい、口に入れるのは危険なようだが、干しブドウなどが入った独特の香りは「まだする」そうで、未だパンとしての存在感を醸し出しているようだ。

そして、今年も復活祭の祝日が到来。代々受け継がれてきた家宝は箱から大事に取り出され、厳かな雰囲気の中で家族でお祝いをするという。約200年も前に作られたパンが残っているのは「聞いたことがない」と専門家も驚く、ティトマンさんの家宝。今でも形を保ち続けるパンを「誇りに思う」と話す彼女は、今後自分の娘や10歳の孫娘へ譲っていきたいと話しており、家宝のホットクロスバンが一家に務める役割は、まだまだ終わりそうもない。

いやしかし何を誇りに思うかは人それぞれなのでしょうけれども、こういうものをお宝鑑定に出すとどのような値がつくものなんでしょうね?
最後に取り上げますのもいかにもらしいというニュースなのですが、まずはこちらの記事からご紹介いたしましょう。

【海外:イギリス】「この製品にはピーナッツが含まれています」とラベルに記していなかったピーナッツが販売中止(2013年4月28日日刊テラフォー)

イギリスのスーパーマーケット・チェーンが、『モンキーナッツ』という商品名のピーナッツを店頭からすべて撤去しなければならない事態に直面している。理由は、ラベルに“ピーナッツが含まれていること”を記していなかったから。

英国北部に展開しているスーパーマーケット・チェーン『ブース(Booths)』は自社製品のピーナッツに、『この製品にはピーナッツが含まれています』と表示していなかったために、食品基準局から販売差し止め命令を受けた。

「ピーナッツにアレルギーがある顧客は、この製品を食べないようにして下さい。そしてお近くのブースに速やかに返品して下さい。店側が全額返金します。」
と、食品基準局は発表している。

ピーナッツはアレルギーを引き起こしやすい食物なので、ピーナッツが含まれている商品は、その旨をきちんと表示しなければならない。日本でも『この製品にはピーナッツ由来の成分が含まれています。』というような表示をよく目にする。

だから食品基準局が言うことはもっともなのだが、よく考えてみてほしい。今回販売差し止めになっている『モンキーナッツ』は、ピーナッツそのものだ。
ピーナッツアレルギーの人は、この製品のラベルを確認するまでもなく、ピーナッツは絶対買わないと思うのだが…。

まあ、今は科学が進んでいるので、もしかしたら遺伝子組み換えか何かで、ピーナッツ成分を含まないピーナッツがあるのかもしれない(?)。
色々とややこしい世の中になったものだ。

いやいや、そこはブリであるだけに一見ピーナッツに見せかけた聖職者サマ専用のジャガイモであったりするかも知れませんから、これは極めて妥当極まる判断と言うべきではないでしょうかブリ的に。
それにしても袋詰めならばまだしもですが、バラの量り売りピーナッツの場合はどのようにラベル記載を行うべきなのか興味深い話ですね。

今日のぐり:「廻鮮寿司 しまなみ イオンモール倉敷店」

イオンモール倉敷と言えば近隣にアウトレットモールが出来たせいか、先年また増床して構造的複雑さを増しているようですけれども、おまけに定期的に店舗の移動もあるようですからうっかりすると迷ってしまいそうですね。
そのイオンモール倉敷の一階にあるレストラン街では様々なお店が軒を連ねていますが、その中にある回転寿司屋がこちら「しまなみ」さんですが、よく見ると回転寿司としてはかなり小規模なお店なんですね。
ネタにこだわっているというくらいですから価格帯的にも昨今流行りの百円系とは一線を画していて、メニューの内容を見ても普通の寿司屋をしっている客層向けなのかなと言う内容で、実際回転寿司に多い子供連れはあまり入っていなさそうですよね

ともかく今回も同行者とシェアしながら適当につまんでみましたが、品揃えも充実している鮮魚系では定番のアジはごくわずかに生臭さを感じるが味はしっかりしているものですし、おすすめだという生カツオも意外にしっかりしたかつおで、たたきにしてみても悪くないというのは回転寿司には珍しいですね。
これから旬になってくる太刀魚があったので頼んで見ましたが、フライの握りの方は回転寿司の王道っぽいメニューで太刀魚の癖のない味と香ばしさが相まっていいのですけれども、香ばしさを加えるという炙りの方は香ばしさというよりもガスのせいなんでしょうか、もともと淡泊な風味の魚だけに余計な匂いがついたように感じられるのが少し気になりますね。
野菜系で茄子味噌田楽というものを試してみましたが、かなり甘い味噌なんですが茄子とのマッチングはまずまずで、やや茄子の皮が気になったくらいでしょうか。
サイドメニューでは定番の茶碗蒸しはまあ悪いわけでもないのですが、こういう風にトッピングで豪華さを演出するよりは中身の味にこだわってはどうかなと言う気もします。
特製たまごはノーマルのたまごと違い一皿一貫ものなんですが、こちらのたまごはやや辛口の味でそこそこふんわりは仕上がっているのですが、見た目の焼きむらがもう一つ美的にマイナスですかね。

イオン内の店らしくちゃんとカードが使えるのは助かるんですが逆に言えばその価格帯に入ってくるということで、回転寿司としてはかなり高価格帯ですから当然ネタそのものは普通の寿司屋に近い水準としても、技術の方は回転レベルなのがちょっともったいないですかね。
接遇面ではやや士気的に盛り下がっているのかなと感じないでもないのですが、それは許容範囲だとしても一番気になったのはオーダリングのシステムで、価格帯やメニュー内容を見れば子供連れの若年層よりもある程度年配客を想定していそうなのに、このシステムは文字が小さく絵も表示されない、しかもタッチパネルの反応が極端に不良でオーダーが通ったかどうかも確認できないと、これなら口頭で伝えた方が早いようです。
ちなみにオーダリングシステムだけではなくお勘定を頼みますと店員さんの機械も不調であるようですから単純に老朽化か?とも思うのですが、これくらいの規模と客層の店でしたらスタッフもそこそこ数はいるようなのですから、いっそシンプルに昔ながらのシステムで運用した方が間違いがなさそうにも感じますね。

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2013年5月 3日 (金)

朝日が安倍氏に全面降伏?巨大メディアの終焉か

もはや全くの主観の問題という気がしないでもないのですが、日本を代表するクオリティペーパー(苦笑)朝日新聞が最近「ぬるくなった」と一部で評判であるそうです。

厳しい安倍氏批判していた朝日新聞 最近は論調一変しホメる(2013年4月30日NEWSポストセブン)

 この4月1日から朝日新聞朝刊の紙面に“異変”が起きた。20年以上続く、いしいひさいち氏の名物4コマ漫画『ののちゃん』の掲載場所が、社会面の左端から右端へと移動したのだ。

ついに朝日も右寄りになったか」──そんな印象を抱いた読者は少なくないのではないか。

 これだけなら笑い話であるが、朝日の面舵(右旋回)は漫画の位置だけではない。社説を時系列で読み比べると、安倍晋三政権に対する批判姿勢を180度大きく変えていることがはっきりわかる。

 かつて朝日新聞といえば、厳しい安倍批判が売りだった。象徴的なのが、7年前に安倍氏が52歳の若さで自民党総裁に就任した際の、「安倍新総裁 不安いっぱいの船出」と題する社説(2006年9月21日付)だろう。

〈これから新時代の政治が始まるという新鮮さがあまりわきあがってこないのはなぜだろうか。安倍氏が前面に掲げたのは「戦後体制からの脱却」であり、祖父である岸信介元首相譲りの憲法改正だった。戦後生まれが戦後の歩みを否定するかのようなレトリックを駆使する。そのちぐはぐさに復古色がにじむからかもしれない〉

 そう疑問を呈し、〈首相という大きな衣に体が合わないという違和感は続くだろう〉と、まるで“首相の器ではない”といわんばかりの書き方だった。 ところが、ここにきてその朝日の論調が一変した。これを読んでいただきたい。

 安倍首相が、「強い日本。それを創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です」と国民に呼びかけた施政方針演説に対して、朝日は社説で、「施政方針演説 さあ、仕事をしよう」(今年3月1日付)とエールを送り、4月5日には、「政権100日 難所はこれからだ」という社説でこう持ち上げているのだ。

〈安倍首相が「経済再生でロケットスタートを」と宣言した通り、大規模な財政出動と金融緩和の「アベノミクス」を打ち出し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に道を開くなど、次々と手を繰り出した。首相の持論である「戦後レジームからの脱却」をひとまず封印し、最大の懸案だった経済再生に集中的に取り組んできた姿勢は評価できる

 べた褒めといっていい。朝日はまるで安倍首相の方がタカ派の持論を封印したように書いている。しかし、安倍首相は、「7月の参院選は憲法改正を掲げて戦う」と国会で答弁し、連立を組む改憲慎重派の公明党の山口那津男・代表から、「少し前のめりの感じがする」と苦言を呈されるほど意気軒昂なのだ。

 明らかに、封印したのは朝日の安倍批判の方だ。

正直内政にしろ外交にしろ朝日が安倍政権に対し批判的姿勢を続けていることは海外メディアの引用によっても明らかではないかという気もするのですが、本来あるべき立ち位置からするとこれでもずいぶんと軟化していると言うことなのでしょうかね?
朝日新聞と言えばかねてから「安倍叩きは朝日の社是」と公言してきたほどですから、仮に万に一つでも安倍氏に肯定的な文言を記載するようなことがあるだけでも大変な変化という捉え方も出来ますが、近頃では安倍氏の側でも朝日に目を通すようになり、気に入った記事にはわざわざ記者に感想を伝えるといった蜜月関係にすらあるそうです。
朝日の記者も総理が自社の紙面を読んでいると聞いて喜んでいるというのもメディアとしてどうなのかですけれども、おかげで熱心な朝日新聞愛読者からは「最近の朝日はつまらなくなった」「今は戦っている感じがしない」とすっかり評判が悪くなってきているそうですね。
メディアのバッシングに関わらず高支持率を維持している安倍政権にいつまでも重箱の隅つつきで攻撃的姿勢を示すばかりでは、メディアの側がその立ち位置と良識を疑われかねないといういささか遅きに失した判断もあるのかも知れませんが、朝日と安倍氏の間に関してはもう少し生臭いものがあったというこんな記事が出ていました。

安倍首相 朝日新聞社長と会談で詫び受け入れたと側近が証言(2013年5月1日NEWSポストセブン)

 厳しい安倍晋三首相批判が売りだった朝日新聞だが、社説で経済政策をべた褒めするなど、このところ論調が一変している。

 安倍首相と朝日には因縁がある。NHK番組改変事件だ。「朝日にとってそれが“トラウマ”になっている」(同紙政治部記者)のだという。

 この事件は、朝日新聞が2005年1月に、「NHK『慰安婦』番組改変 中川昭・安倍氏『内容偏り』前日、幹部呼び指摘」との見出しで報じた。NHKの従軍慰安婦問題番組の放映前、安倍氏が、「公平ではない」として番組内容を変えるように政治圧力をかけたという報道だ。

 当時、自民党幹事長代理だった安倍氏は報道を否定して朝日の取材を拒否する抗議の姿勢を取り、両者の関係は決定的に悪化した。その1年半後、安倍氏は首相に就任する。朝日のトラウマはそこから生まれた。同紙の政治部記者が“苦悩の安倍政権時代”を振り返る。

「当時は安倍総理だけでなく、秘書官や官房副長官ら官邸まるごとわが社の取材に協力してくれない状況だった。安倍総理に食い込んでいた社がスクープを抜く中で、うちは記者が情報をつかんでも、裏が取れないから書けない。特オチもひどかった。事務所費問題で辞任した佐田玄一郎・行革担当相の後任に渡辺喜美氏が起用されたときは、完全に他紙に抜かれた」

 記者クラブメディアにとって政権から情報を遮断されるのは死活問題だ。追い込まれた朝日は“相打ち”に持ち込もうとした。

「こっちも、“だったら政権を潰してやろう”という気になる。当時、安倍さんは公務員改革で官僚の反発を浴びていたから、政権批判の材料なら官僚からどんどんリークが来る。官僚と仲良くなって、追い落としをかけたら政権が本当に潰れてしまった」(同前)

 第1次安倍内閣では閣僚のスキャンダルが相次ぎ、「官邸崩壊」と報じられて支持率が急降下した。その背景に官邸情報から干しあげられた朝日と、公務員改革を骨抜きにしたい霞が関の共同戦線があったことを物語る証言だ。

 そんな朝日にすれば、6年後に安倍氏が再登板する情勢になったとき、“悪夢の再来”と背筋が寒くなったことは十分に想像できる。社説で安倍氏の自民党総裁返り咲きに「大きな不安を禁じ得ない」と書いたのは、自分たちへの“報復の恐怖”だったのではないか。

 そこで朝日は先手を打って、安倍氏が総理になる前に手打ちに動いた。昨年10月3日、朝日新聞に驚くべき記事が掲載された。就任したばかりの安倍総裁のインタビューが他紙にさきがけて載ったのである。「なぜあの朝日に」と他紙の記者たちを慌てさせたほどの“事件”だった。その裏では極秘会談がもたれたという。安倍側近の1人が明かす。

「なんの挨拶もないまま安倍さんが朝日のインタビューに応じる理由がない。総裁選後に朝日の木村伊量・社長が安倍さんと会談した。安倍さんにとっても、総選挙をひかえて朝日を敵に回したままではマイナスが大きい。言ってみれば朝日の詫びを受け入れたということだ」

 この会談は、朝日の政治部記者の間にも伝わった。

「政治部は総裁選の前から、安倍さんに番記者をつけて関係修復を図ってきた。その集大成がトップ会談。そこで関係修復できたから、安倍さんが一番にわが社のインタビューに応じてくれた。おかげで他紙を出し抜けたし、7年前のような取材拒否にあわなくてすむ

もちろん週刊誌ソースの話を鵜呑みにするわけではありませんけれども、仮に一部なりとも事実が反映されている内容だとすればこの記事、朝日の変節などどうでもいい話としても日本のマスメディアの持つ本質的な問題点が示されている話に見えますね。
そもそも日本のメディアが記者クラブなどという「大本営発表」頼りの政治記事しか書けなくなっている、その結果先の原発事故でも独自取材能力を喪失した日本のメディアは政府発表を垂れ流すことしかできなかった一方で、海外メディアはただの一人も政府発表の場に現れないという不気味な現象が見られたことは記憶に新しいところです。
今回の話にしても総理らが取材に協力してくれないから記事が書けない、だから詫びを入れ尻尾を振ってネタを提供してもらうようお願いしましたというのも情けない話ですし、官僚側にいいように操られ思惑通りの情報を垂れ流すというのも昔からずっと続いていることで、要するに朝日ほどの巨大メディアであってももはやジャーナリズムという言葉とは縁遠い一部の人たちの代弁機関にしか過ぎないということですよね。
朝日の側とすればこれで安倍さんとも仲直りが出来た、これからバリバリ記事を書けるぞと大喜びしているのかも知れませんが、お上から与えられたネタを待つことでしか紙面を作り上げることも出来ないクオリティペーパー(笑)に毎月高い購読料を払いたがる読者がどれだけいるのかと考えれば、いよいよ朝日終焉への道筋がついてきたと考えるべき話に思えてなりません。

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2013年5月 2日 (木)

癌治療 変わりゆくのはレジメだけではなく

家庭内の事情を仕事に持ち込むのは望ましくないことだという文化的背景のせいか産休も未だ十分に滲透していない感もある日本において、先日はこういう休職制度を設けた会社があるという興味深いニュースが出ていました。

家族が余命宣告受けたら、最長1年休職の会社(2013年4月30日読売新聞)

 製薬大手のアステラス製薬は、社員の家族や近親者ががんなどで余命宣告を受けた際に、最長1年間休職できる「寄り添い休業制度」を4月から導入した。
家族との残された時間を一緒に過ごせるようにして、社員の精神的苦痛などに配慮する。同社はがん対策の新薬開発が主な事業の一つだ。

 余命が6か月以内と宣告された配偶者や父母、子どもなどがいる社員が対象で、休職期間は1週間~6か月間。最長で6か月間延長できる。国内に勤務するグループの社員約8100人が対象で、期間中は無給となるため、どこまで利用者が広がるか不透明な部分もある。

 昨年、末期がんで余命宣告を受けた母親を持つ社員が会社に相談したことが制度を導入するきっかけとなった。その社員は、有給休暇で対応せざるを得なかったといい、「国内企業では珍しいが、製薬企業として家族や社員の支援を優先した」(広報)という。

ご存知のようにこのところ相次いで製薬会社と医師との付き合いが規制強化されていてMRなども過剰人員となっているのでしょうか、こういう話が出てくるというのもそうした背景を反映してのことなのかも知れませんが、無休とは言え地位を確保したままで1年間の休職を認めるということになればいざという時にも安心という声もあるでしょうね。
医療関係の会社だからこそ始められた制度であって、医療に対する理解のない一般企業では難しいという面もあるのでしょうが、癌治療も集学的治療の進歩で次第に長期戦が増えてきている上にひとたび退職をしてしまうと再就職も難しいという時代だけに、こうした制度の必要性は以前よりもずっと高まってきているのではないでしょうか。
とかく医療側としては癌治療の成績向上には熱心ではあったものの、控えめに言っても本人の通院の手間だとか家族の看病の都合などには必ずしも十分な目が行き届いていたとは言えず、癌そのものもさることながら癌治療によって社会性や日常生活が破壊されてしまうことが患者と家族にとっては大きな苦痛であるという側面があったことは否定出来ません。
その意味で内服中心での抗癌剤治療など日常生活をそのまま営みながら長く続けられる癌治療の意義も認識されるようになってきているのは良い傾向だと思いますが、国の方からも先日こういう話が出てきたということが報じられていました。

がん医療 患者の評価を国が初めて調査へ(2013年4月28日NHK)

がん患者の視点から診療や退院後の対応を評価し、国のがん対策に反映しようという初めての調査が、5月にも始まることになりました。

日本人の2人に1人がかかるとされるがんについて、国は、拠点病院を指定するなど医療態勢の整備を進めてきましたが、患者が納得する医療を受けているかどうか評価する取り組みは、ほとんど行われてきませんでした
このため、医療政策の専門家などでつくる厚生労働省の研究班は、がん患者の視点から、診断や治療、それに退院後の病院の対応を評価する初めての調査を、来月にも始めることになりました。

調査は、全国の拠点病院の患者1万人以上を対象に、▽治療方針の決定に自分の意見が考慮されたかどうか、▽手術の結果について納得できる説明があったかどうか、また、▽不安や心配ごとへの配慮や支援があったかどうかなど、50項目をアンケート型式で尋ねる計画です。そして、患者の納得につながっている点や改善すべき点などを分析し、それぞれの病院の改善策や国のがん対策に反映することにしています。
調査を行う東京大学の宮田裕章准教授は「患者がどのような思いや経験をしているのか明らかにすることで、日本のがん医療全体のレベルアップにつなげたい」と話しています。

調査の趣旨から少し外れることですが、医学的に見れば平均半年しか生きられない治療よりも1年生きられる治療の方が優れていると判断されるわけですが、では半年のうち5ヶ月間は普通に自宅で日常生活をそのまま営めるという治療と、1年のうち10ヶ月は病院にこもりっぱなしできつい副作用に耐えていなければならない治療と言われれば、これは少なくとも患者視点で考えればにわかにどちらがいいかとも判断しかねて当然ですよね。
もちろん何らかの理由があってどんな苦しい副作用があろうがどうしても1年先まで生きていたいといった人もいるわけですから、ただ苦しむ期間を長く引き延ばすだけの治療などいらないと簡単に断じてしまうことも出来ないわけですが、そうであるからこそやはり治療法の良い、悪いという判断には最終的に顧客満足度というファクターも含まれるべきなんじゃないかと言う気がします。
同時に患者側にもきちんと情報に精通しておくべき義務があると考えるべきで、例えば末期癌なのに大病院にも見放されたなんて話を聞くとどんな酷い医者だと思いがちですけれども、病気の進行状況や本人家族の人生観をも加味して遠くの拠点病院よりも近くのかかりつけ医でベストさポーティブケアを行う方が望ましいと判断したのだとすれば、何もおかしな話ではないわけです。
そのためにも他のあらゆる病気と同様に癌に関しても患者、家族が医師ともっと率直に話し合って情報を得、治療方針を主体的に決めていけるようになるのが理想的なのでしょうが、癌と判ればまず家族を呼んで本人に告知して良いかを決めるところから始まる古典的な日本式癌治療のあり方は、患者自己決定権の尊重という観点からはいささか時代遅れになってきているかも知れませんね。

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2013年5月 1日 (水)

医者も患者をみている

本日の本題に入る前に、こちら例によって例の如くという先日出ましたニュースから紹介しておきましょう。

岸部診療所長が辞職へ、上小阿仁村 五城目の内科医、非常勤に(2013年4月26日さきがけweb)

 上小阿仁村国保診療所の岸部陞(すすむ)所長(76)=前北秋田市長=が今月末で辞職する。北秋田市社会福祉協議会が運営する介護老人保健施設「ケアタウンたかのす」の常勤医に転じるため。

 岸部所長は平日の週5日、1人で内科診療に当たっており、辞職後は当面、村と非常勤契約を結んだ五城目町の内科医が金曜日のみ診療する。

 岸部所長によると、今年2月に市社福協から打診され、3月上旬に中田吉穂村長に辞意を伝えた。同施設の常勤医は体調を崩しているといい、岸部所長は「市長時代、ケアタウンの運営にはできる限り協力すると約束していた。小学校時代を過ごした村で診療を終えるのは心残りだ」と話した。

上小阿仁診療所長 退職へ(2013年4月26日読売新聞)

 上小阿仁村で唯一の医療機関「村立上小阿仁国保診療所」で所長を務める岸部陞(すすむ)医師(76)が、今月30日付で退職することが25日、わかった。村は後任の医師を公募中だが、応募はない。このため、5月から診療時間を大幅に縮小せざるを得ず、村民の健康への影響が懸念されている。

 元北秋田市長でもある岸部医師は昨年11月、当時所長を務めていた医師が健康上の問題を理由に退職したため、後任が見つかるまでの臨時で所長に就任。内科と外科を担当してきた。

 村によると、岸部医師は3月下旬、村長に直接辞意を伝えた。北秋田市の介護福祉施設で施設長に就任するためで、所長就任前から打診されていたという。

 加賀谷敏明・副村長は読売新聞の取材に対し、「多方面から引き合いがあるなか、村の窮状を理解して来ていただいたので、退職はやむを得ない」と話した。

 後任が決まるまで、月曜だけ診察している泌尿器科の佐々木秀平医師(70)が、臨時で所長を務める。だが、内科と外科の専門医がいないため、5月以降、毎週火曜~木曜は休診となる。金曜日は外部から医師を招き、2時間だけ内科と外科の診察をする。村民への影響を懸念し、村は希望者を北秋田市内の医療機関まで無料で送迎するバスを運行する。

 加賀谷副村長は「せめて1日おきに外部から医師が来る態勢が整うまで、送迎を続ける。できる限り柔軟に対応し、村民の健康に影響が出ないようにしたい」と話した。

 同村は人口2697人(3月末時点)で、高齢化率は県内最高の45・3%。同診療所を巡っては、2011年5月、所長の女性医師が一部村民からの中傷を受けて辞めるなど、公募で任命された所長医師4人が08年12月~12年11月、連続して自ら退職した。岸部医師は公募ではないが、4年4か月で所長医師5人が辞めることになる。

記事から読む限りでは別に喧嘩別れというわけでもない円満退職といった感じなのですが、同村に赴任する以前から関わりのあった施設で以前から就任を打診されていたというくらいですから、早晩そちらに行ってしまうことが判りきっている先生にとりあえず一時しのぎでの所長就任をお願いしていたものが結局後任が来ず時間切れという形でしょうか。
後任医師の当てはないということで当面は無料バスによる近隣医療機関への送迎でしのぐようですが、そもそも隣接する北秋田市に立派な総合病院もありそちらに通えば済む話ではないか、多額の経費を投じてまで村立診療所を運営する意味があるのかと以前から言われていたところですから、一部の村民にとってもむしろこの状況は渡りに船ではないかと思います。
コストにしろ診療体制にしろ毎日バスを走らせた方が診療所を運営するよりも断然安上がりに済むということに理解が得られれば、後任医師が一向に見つからないことをこれ幸いと診療所閉鎖に持っていくというスケジュールをすでに思い描いているのかも知れず、長年聖地としてあがめられてきた同村も最後に地元出身の先生にも立ち去られたことでいよいよ最終的な決断への踏ん切りがつくことになるのでしょうか。

上小阿仁村の件はそれとして本日の本題ですが、医師にとって患者は全て平等かと言えば全くそんなことはなく、人間である以上それぞれの医師の持つ内部基準によるランキング、序列化がなされているのは当然と言えば当然でしょう。
ただ医療業界の中でもとりわけ医師の場合、例えば「高い商品をぽんぽん買ってくれる」といった判りやすい基準で内部序列化が図られているかと言えば必ずしもそういうわけではなくて、世間的には鼻つまみ者のアウトロー的立場にある方々でも患者としては優良顧客と言うこともあり得るし、人格その他個人情報は全く無視でその医師の興味ある疾患の持ち主かどうかといった観点でのみ見られている場合もあるわけですね。
ただ最大公約数的にこれは医師から好かれ親身になって診てもらいやすいだろうなというキャラクターの患者もいればその逆も当然あるわけですが、先日出ていましたこちらの「多くの医師に嫌われやすい患者」像は一見して意外なようでいてなるほど、それはそうかも知れないと感じさせる妙な説得力がありそうにも思えます。

太った患者には医師は冷ややかに対応する傾向があると判明:アメリカ(2013年4月25日IRORIO)

医師たちは体型がスリムな患者に対しては優しく、肥満患者には素っ気ない態度となると判明した。

これは米ジョンホプキンス医科大学の研究者たちが明らかにしたもの。調査では39人の医師が、208人の患者たちとどのような関係を築いているのか見るため、会話を録音した。高血圧の治療のため訪れた患者に対し、医師として下す診断や治療、薬のアドバイスや診察時間などは患者の体型に左右されることはなかった。ただし会話においては、太り過ぎの患者に対しては言葉がずっと素っ気なくなり、健康全般に対しての気遣いにも、普通の体型の人に対するよりも配慮が欠けていた

それはなぜか。研究者たちは、医師が健康に従事するものとして、太り過ぎの患者は自分を助けるためにもっとやるべきことがあると感じてしまい、尊敬の念を持ちにくいからと考えている。一方で医師と良好な関係が結べない患者は、専門的なアドバイスがあまり響かず、医療効果が割り引かれてしまう可能性があるという。

研究を率いたKimberly Gudzune教授は、「医師と患者の絆と共感は、両者の関係にとって必要不可欠なもの」だと語る。「医師が肥満患者に共感を示せば、患者は医学的な進言に忠実になりやすい。カウンセリングに応じて生活態度を改めることが、肥満患者の体重減少と健康の向上に結びつく」とも述べている。

医師との何気ない会話が治療の鍵となる可能性を示唆したこの調査結果。医師は自らとの関係性を最も必要とし、それが治療に効果的に結びつく相手を間違ってはいけないということなのだろう。

世界に冠たる肥満大国アメリカでこんなことを言ってしまうと診る患者もいないんじゃないかと思ってしまいますが、日本でも名の知られているようなアメリカ人には案外病的肥満者を見かけないことからも判るように、やはり彼の地でも肥満者に対しては健康に関心もなくインテリジェンスも低い人、自己管理能力に欠け大事な仕事は任せられない人という予断や偏見が入ってしまいがちではあるようです。
特に今回の場合は高血圧という生活習慣病の治療目的でやってきた患者が対象ということですから、「どうせこいつに難しい生活管理の話などしても仕方がないんだろうな…」と言う意識が態度に出てしまいやすいのかも知れませんし、洋の東西を問わず肥満者は心理的外圧に鈍感でこたえないという偏見も素っ気なく配慮に欠ける言動を助長したのかも知れませんね。
日本でも例えば糖尿病患者を対象に同様の調査をすればもっとあからさまな結果が出るかも知れませんけれども、やはり医師としても治療なりアドバイスなりをした結果確実に患者がよくなったという達成感が欲しいでしょうから、最初からどうもこの人はうまく行きそうにないぞと思えてしまう患者には情熱を注ぎがたいのは仕方ないところでしょう。

お互い人間ですから「そんな偏見を持つとはケシカラン!」と憤慨するよりも、患者側としてはどうしたら医師の偏見を回避して同じ料金でより良い医療を受けるかを考えた方が効率的だと思いますが、病院にかかると思っていなかった発症直後の初診の段階では仕方ないにしても、慢性疾患で長く通院していたりした場合には患者としても指導されたもののうち何か一つでも実行するくらいの努力は見せたいですよね。
また病気ではないものの、毎年職場健診で問題点を指摘されるものの一向に改善がない、それどころか生活指導なども受けているにも関わらず年々ますます状態が悪化してついに要治療になってしまった、といったパターンは社会常識的に考えてもどうなのかというもので、その上「俺は全く健康なのに勝手にひっかけやがってコノヤロウ」などと不満たらたらな様子ではどうしたって快い対応は期待できそうにありません。
そこまで医者に媚びなければならないのかと言えば別に必須条件というわけではないのですが、医療の場合はやはり医師と患者との情報格差が大きくちょっと見ただけでは正しい治療を受けているかどうかも判りにくいところがありますから、やはり専門家が気持ちよく自分の能力を発揮出来る環境を整えていってやった方が余計な疑心暗鬼に駆られずに済むということですよね。
冒頭の上小阿仁村なども数々の医師が相次いで退職して今や押しも押されぬ聖地扱いですけれども、それでも逃散した代々の先生方からお金の支払いが渋かっただとか言う話も出ない程度にはちゃんと報いてはいたようですから、逆に言えばお金以外のちょっとした心がけで医師と気持ちよく出来ると言うことであれば老若男女誰でも自分の努力次第で良い医療を受けられるチャンスはあるということではないでしょうか。

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