« 昨今上向きだという医療業界は今も現場の献身的努力に支えられている? | トップページ | モンスター対策は適切に行うことが重要です »

2013年4月18日 (木)

断固我が道を行く患者を麻生氏が強烈批判?!

昨今有害だという声も出ていることで何かと話題になることも増えた糖質制限食ですが、そればかりに頼ることは現状おすすめ出来ないものの例えば夕食一食を糖質制限してみるといった使い方ならそれなりに有効かも知れませんね。
いずれにしても現状ではエヴィデンス不足でなんとも言い難いという段階だと思いますが、その糖質制限食を擁護する一人の糖尿病患者の「らしい」コメントがちょっとした話題になっています。

「糖質制限食」議論、学会は真実見よ 作家・桐山秀樹氏が反論(2013年4月2日ZAKZAK)

 昨今、糖尿病治療で脚光を浴びる「糖質制限食」。先頃、日本糖尿病学会が「現時点では勧められない」という提言を出したことで波紋を広げている。自ら糖尿病を患い、糖質制限食を実践しベストセラー「おやじダイエット部の奇跡」(マガジンハウス)の著者である作家の桐山秀樹氏が“反論”を寄稿した。

 「なぜ、こうした糖尿病患者置き去りの議論がいつまでも戦わされているのか。アベノミクス登場まで動かなかった日銀と同じだ」

 糖尿病患者の一人として、そんな思いを抱かずにはおれなかったのが、白米、糖類などの炭水化物を控える「糖質制限食」についての、日本糖尿病学会の提言である。昨年8月に設置した「食事療法に関する委員会」が国内外の論文を検証し、作成したもの。早速全文を取り寄せて読んでみたが、糖質制限食の提唱者である京都・高雄病院理事長の江部康二医師は「突っ込みどころ満載で、墓穴を掘ったとしか言いようがない」と言う。

 提言で「現時点では勧めず」とした糖質制限食の代わりに勧めているカロリー制限食と薬物療法の結果、糖尿病網膜症で失明する糖尿人が年間約3000人。糖尿病腎症で透析になる糖尿人が年間1万6271人もおり、糖尿病壊疽(えそ)で下肢を切断せざるを得なくなった患者も後を絶たない。

 これらは、医師や栄養士の言うことを聞かず、薬も飲まずに暴飲・暴食した結果だろうか。いやむしろほとんどの方は医師や栄養士の言う通り、カロリー制限食を実践してきた結果である。

 なぜ、こうなってしまうのか。江部医師によれば「従来のカロリー制限食(高糖質食)だと、食後高血糖および、平均血糖変動幅という最大の酸化ストレスが生じる」からだ。従って「カロリー制限食(高糖質食)で糖尿病合併症を防ぐことは極めて困難」(江部医師)と言う。

 これに対し、筆者も既に4年にわたって実践してきた1日3食の「スーパー糖質制限食」では最大の酸化ストレスリスクが大幅に改善する。これは筆者が身を持って体験した「真実」だ。
(略)
 患者をナメてはいけない。いくらでも最新の専門知識を入手できる現在、真実と逆の方向を向かせようとする今回の提言はまさしく墓穴を掘ったとしか言いようがない。糖質制限食は、糖尿病治療の「エベ(江部)ノミクス」だ。私は断固支持し、実践し続ける

ま、桐山氏の人生ですから何をどのように実施されようとも自由というしかないのですが、学会が何と言おうが「私は断固支持し、実践し続ける」という桐山氏自身の主張こそが「これらは、医師や栄養士の言うことを聞かず、薬も飲まずに暴飲・暴食した結果だろうか。いやむしろほとんどの方は医師や栄養士の言う通り、カロリー制限食を実践してきた結果である。」というご自身の発言が正しいのかどうかを端的に示しているように思いますけどね。
桐山氏の人生航路がいかなるものであっても多くの方々にとっては正直知ったことではないのでしょうけれども、各人各様に好き放題やった結果医療費の「無駄遣い」が無視出来ない金額となり、結果として本当に必要とするところにもお金が回らないようにでもなったのでは他人事とばかりも言っていられなくなります。
先日は村上智彦先生が「医療にたかるな」というこれまた物議を醸しそうな新刊を出されていて、友人で佐賀県は武雄市長の樋渡啓祐氏が「不満だけを訴えて、自らの手で健康と安心を守ることを忘れた日本人に贈る、過激かつ愛に満ちた処方箋」と絶讚していますけれども、メタボ健診などにもみられるように自分の健康は自分で守るべきだというのが現代日本の国策にもなってきていますよね。
一部の若年ワープア層のように「病気になったらあきらめるから保険料払わないよ」というのはさすがにやり過ぎだとしても、医療費もただではないのだから健康であるべく自助努力に務めている人にはそれなりの見返りがあってもいいんじゃないかという声は少なからずある中で、先日は麻生副総理がこれまた率直すぎる発言でマスコミの注目を集めています。

総理時代に批判を浴びた“麻生節”が復活!(2013年4月17日テレビ朝日)

 総理時代に批判を浴びた“麻生節”がまた復活です。麻生副総理は、衆議院の予算委員会で「いい加減に生きている人の医療費を俺が払ってると思うとバカバカしい」と語りました。

 麻生副総理:「私は72歳だが、病院に行ったことはほとんどない。そうじゃない人って世の中にたくさんいるじゃない。飲みたいだけ飲んで、やりたいだけやっていい加減に生きて、それで72でくちゃくちゃになってる人がいっぱいいるでしょ。そういう人たちが病院で払っている医療費を俺が払ってる。俺が払ってるんだと思うと、なんとなくばかばかしくなってくる
 麻生副総理は、総理大臣時代の2008年にも、経済財政諮問会議で「たらたら飲んで、食べて、なにもしない人の分の金を何で私が払うんだ」と発言して批判を浴びたことがあります。16日の委員会でも、「当時はいいようにたたかれてボロカスになった」と振り返りながらも、健康なら保険料が還元されるような制度を導入すべきだという持論を改めて主張しました。

いつもながら一言余計な麻生節の効果もあってマスコミなどにはさっそく突かれそうなネタではありますが、しかし批判を浴びたといっても批判したのはマスコミばかりで、市民の声は「当たり前だろjk」というものだったように記憶しておりますが…
いずれにしても努力に対しては相応に見返りがあっていいんじゃないかという考え方自体はあるべき人の道としては至って健全な発想と言うべきで、保険料還元がいいのかどうかは別としても一般論としてそうおかしな考え方とは思えません。
もちろん努力しても病気になったから差別するというのはこれは公的皆保険制度の根幹を揺るがす間違った考え方で、民間保険のように病気持ちは保険料が高騰して実質保険診療から閉め出されるようなことがあってはならないですが、長年一定額以下しか医療費を使ってこなかった人には一定額を還付するなり保険料を割引くなり、それなりのご褒美は健康に対するモチベーションも高めるでしょうね。
こういう考え方が出ると「医療をたくさん必要とする人々が割を食う。とんでもない話だ」と反対論が出るものなんですが、例えば自動車保険などは厳密なルールに従って運用されていますが、ご存知のように事故歴や車種によって非常に細かく保険料が区分されているというのは同様な考え方によるもので、あれに対して「事故率が高い人間ほど保険の必要性が高いのにおかしいじゃないか」と文句をつける人はいませんよね。

実際には評価すべきなのは健康であろうとして行った努力なのか、それともその結果得られた健康という結果なのかというところでまた議論は分かれそうですし、結果に反映される保証がない努力をどのように評価するかということもなかなか難しいところがありますけれども、現状のように「高い保険料を強制的に取られるのなら使わなければ損」となりがちな制度よりは多少なりとも医療費抑制効果が期待出来そうです。
医療費明細をみていただいても判る通り実際の医療費は自己負担よりもずっと大きい金額ですし、特に入院などで高額医療費の上限を超えるような場合は財政的持ち出しも大変な金額になるわけですから、例えば年間医療費がいくら以下の場合には節約した分の○割相当をキャッシュバックといった形であっても、少ない金額の支出でそれなりの効果が期待出来るかも知れませんね。
しかし病気というものには一方では生活習慣病に代表されるように不摂生によって発症したり悪化したりするものもあれば、本人がいくら努力してもどうにもならない類の病気ももちろんあるわけですが、自身が難病持ちである安倍総理はこういう考え方をどう捉えているのでしょうか?

|

« 昨今上向きだという医療業界は今も現場の献身的努力に支えられている? | トップページ | モンスター対策は適切に行うことが重要です »

心と体」カテゴリの記事

コメント

麻生さんも相変わらずだw
しかし言い方は乱暴だが言ってることはあたりまえでもある
こういうことでしか突っ込めないマスコミがいちばん寒いわな

投稿: コウちゃん | 2013年4月18日 (木) 09時23分

>長年一定額以下しか医療費を使ってこなかった人には一定額を還付するなり保険料を割引くなり、それなりのご褒美は健康に対するモチベーションも高めるでしょうね。

親父の知り合いに、病院に行ったことがなく、保険を使った事がないってんで保険協会?から表彰された、ってのが自慢な方がおられました。
…実は重度の糖尿病だったんですがw。「妙な意地張らんで早いうちに定期的に病院にかかってれば…」と、親父が嘆いてました。

麻生さんは大丈夫なんですかねえ正直本気で心配です。まあ定期健診くらいはされてるでしょうけど。

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2013年4月18日 (木) 09時36分

マスコミの標的になりやすい代表格ですね。>麻生氏
講演会などでは話もうまいし毒舌も爆笑を誘って大人気だと聞きますけど。

保険料も割り増しなら弱者切り捨てと批判されるかも知れないですが割り引くならいいんじゃないですか?
ただ本当ならさっさと治療するべき人が優遇措置欲しさに病院に行きたがらなくなるかも知れないですね。

投稿: ぽん太 | 2013年4月18日 (木) 10時02分

個人的に麻生さんは嫌いでないので、馬鹿な揚げ足取りに引っかからず頑張っていただきたいです。
ただ高齢者窓口負担優遇是正にしろ、この方面は抵抗もさぞや強いんでしょうけどね。

投稿: 管理人nobu | 2013年4月18日 (木) 11時54分

麻生家は医療コンツェルンを経営していますから、通常の政治家よりも医療に対してはシビアな視点があるのでしょうね。
生活保護者の高額な医療費を国家が負担している実態を問題視するのも当然だと思います。
糖尿病が食事制限で治ってしまって、医療機関に来なくなれば、困るのは製薬会社と癒着している糖尿病学会の糖尿病専門医たちでしょう。メシの食い上げになるわけですからね。

投稿: 逃散前科者 | 2013年4月18日 (木) 12時59分

医師の癒着は実際に多いのですか?
治る病気をわざと治さずにいたり?

投稿: てんてん | 2013年4月18日 (木) 13時03分

>麻生家は医療コンツェルンを経営していますから

しかも「あの」筑豊で、ですからねぇw

>糖尿病が食事制限で治ってしまって、

1.事実に対して仮定を持ち出す
3.自分に有利な将来像を予想する
10.ありえない解決策を図る

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2013年4月18日 (木) 13時07分

>てんてんさま
糖尿病患者は2〜3種類、ひどい場合は4種類の薬が盛られるのが常です。その上でインスリンが追加されますね。
薬を出せば出すほど製薬会社が儲かりますし、医療機関や薬局も潤うという公図です。
糖尿病に限らず、学会・講演会には製薬会社からのスポンサーがつきますね。というかそれがないともちません。
患者は食事療法や運動療法ができないタイプの人が圧倒的多数ですから、実践しやすい食事療法などを広められてしまって
患者が来なくなったり、薬が売れなければ医療界としては利益が大幅に損失しますから大変困るわけです。
患者が1000万人ほどいますから、影響は小さくはないでしょう。
医療側としては「余計なことはせずに、黙って処方する薬を飲め、打て」というのが本音でしょう。
自分で医療費が負担できない方々は薬に頼らず食事療法や運動療法でぜひ頑張ってほしいものですね。

投稿: 逃散前科者 | 2013年4月18日 (木) 14時15分

偉い先生方は多かれ少なかれ製薬会社とつながりはあるでしょうな
ただ医師一般の処方行動にどれだけ影響するかは疑問なのでは?
むしろ多くの医師が治療をやり過ぎていると問題になっているくらいだし

投稿: 元僻地勤務医 | 2013年4月18日 (木) 15時25分

ありがとうございます。
癒着はあってもその影響はさまざまで一概には言えないってとこでしょうか?
それだけ医師には裁量できる範囲が広いんでしょうかね。

投稿: てんてん | 2013年4月18日 (木) 17時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/57190678

この記事へのトラックバック一覧です: 断固我が道を行く患者を麻生氏が強烈批判?!:

« 昨今上向きだという医療業界は今も現場の献身的努力に支えられている? | トップページ | モンスター対策は適切に行うことが重要です »