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2013年1月26日 (土)

朝日がまたやった アルジェリア事件の裏騒動まとめ

先のアルジェリアでのテロ事件に際しては、人質となった方々にも不幸にして多数の犠牲者が出ましたことに哀悼の意を表したいと思います。
さて、そのテロ事件に関連して政府が未だ被害者の氏名を公式発表する以前の段階にも関わらず、マスコミ各社から被害者の実名報道が行われたことに気付かれた方々も多いと思いますが、この陰には例によってあの新聞社を筆頭とするマスコミの暴走があったようですね。

アルジェリア人質事件、実名報道に遺族関係者から異論「『実名は公表しない』と取材受けた」(2013年1月23日RBB TODAY)

 アルジェリア人質拘束事件について、犠牲者の実名を非公表とした日本政府に対し、朝日新聞が22日朝刊で実名報道を開始。メディア各社が追随したことに対し、論議を呼んでいる。

 21日深夜、日本政府は同事件で日本人犠牲者がいたことを確認し、公表した。その会見の際に菅官房長官は、会社(日揮)、ご遺族と相談の上、実名は公表しないことに決めたと、犠牲者の実名を明かさないことを表明した。

 しかし翌22日、朝日新聞は朝刊に犠牲者の実名と写真を公表。これを受けてテレビ、新聞各社も追随、実名が広く報道されることになった。

 Twitterなどでは22日午前からこの実名報道に関するツイートが増加。トレンドにも「実名」が載ったほどで、そのほとんどは実名報道を非難するものだった。午後になり各社が追随し、記者やマスコミ関係者と思われる人からの「それが何よりの弔いになる」「事件を公的なものとして歴史に刻むため」といった論拠がツイートされたが、多くの反論が寄せられたようだ。

 犠牲者の甥という本白水智也氏は23日になり、Twitterで「朝日新聞の記者は2つ約束をしておりました。『実名は公表しない』『本白水さんの許可がなければ絶対に記事にしない』。この2つの約束を破りました」と朝日新聞記者とのやりとりの一部を公表。1000件を超えるリツイートがなされている。

 本白水氏は、このほかにも叔父の家庭近辺で過剰な取材があったことなどを明かし、「今回の約束を破って実名報道した朝日新聞には抗議文を書きまして、今回の実名報道されるまでのやりとりについての取材を受けます」と言明。実名報道に端を発した取材のあり方を今後も追及していくとしている。

 新聞記者になると、まず初めにやらされるのが事件の際の被害者(場合によっては加害者)の写真集め。写真がないと叱られるといったこともある。こういった体質が実名報道を“是”とする傾向とつながっていないか。この実名報道、まだまだ論議を呼びそうだ。

報道ステーション 犠牲者の実名を報道し電凸する人も(2013年1月24日アメーバニュース)

 アルジェリア人質事件で、犠牲となった日揮の社員について報道番組『報道ステーション』(テレビ朝日系列)が1月23日に実名を報道。この報道を受け、テレビ朝日に電凸する人たちが現れている。

 犠牲者の実名について、政府はこれまで遺族への配慮などから公表を避けていたが、一方で内閣記者クラブは実名公表を政府に申し入れし、議論を呼んでいた。

 この議論について、編集者の竹田圭吾氏はツイッターで「事件を公的なものとして歴史に刻むため」など実名を報道する意義をコメント。地方紙の記者をしている人物などからも「報道機関が名前の公表要求に必死なのは、『事実を明かさない』ということをひとたび認めてしまうと、情報隠蔽の前例として利用されてしまうことを恐れている面が強いです。8年前は個人情報保護法が施行されて、行政や警察が個人情報でも何でもない情報を出さない理由に使われました」などの意見が寄せられている。

 そうした議論を呼んでいる中、『報道ステーション』が実名を報道。ネットでは実名報道について「(遺族が)マスコミ含めた野次馬や無思慮な振る舞いを受けるリスク以上の価値が実名報道にあるとは思えない」などの声も多数寄せられていることもあり、テレビ朝日に電凸する人も登場。

 ツイッターでは電凸した結果「弊社は海外の事件では実名報道をしてきたし、家族の強い希望があった場合は配慮することもある」などの回答を受けたことが報告されており、「では弱い希望のときはどうするのか?今回は家族がそっとしておいてほしいと望んでいるはずだが」との質問には「そのようなご意見があったことは伝えておきます」と回答を受けたという。また電凸した別の人物からも「テレ朝電話したら遺族が強く実名報道するのいやがってないから報道したって言ってた。誰でも実名で報道するそう。実名を調べた方法は教えられないそうだ」と同様の報告が寄せられている。

しかし実名報道に対して「それが何よりの弔いになる」とは何ともユニーク極まる感覚(注:ほめていません)と言うしかありませんが、大新聞サマに庶民風情がお名前を載せていただくだけでも恐れ多いことなのだから満足して成仏しろとでも言いたいのでしょうか?
被害者親族との約束を反故にしてまで実名報道を強行した理由が「「事件を公的なものとして歴史に刻むため」なる言い訳に至っては全く意味不明で、その後の朝日側の言い訳も何やら意味不明なことの連続で何が何やらという感じなのですが、親族側情報提供者として名前が出ている本白水智也氏がこの辺りの経緯を逐次的に語っていますので参照いただければと思います。

【参考】アルジェリアテロ被害者実名報道事件・本白水智也さんインタビュー「メディアに情報を渡すと、誰にでも起こる問題」(2013年1月24日ガジェット通信)

【参考】アルジェリアのテロ犠牲者の、朝日新聞の実名報道に対する遺族関係者のツイートまとめ。

本白水氏の説明からざっとまとめてみますと、もともと事件発生当所から政府および会社側に安否情報を早急に開示してくれとブログ等で発信していた、これに対して会社側からはまだ確実な情報を得ていないといった説明を受けて一応は納得していたということですが、この頃から報道数社から同氏に「話を聞かせてくれないか」との接触が始まったと言います。
このうち朝日新聞に対して「政府や会社からの発表があるまで実名は出さない」「記事にする際には自分に許可を取る」という二点を承諾させた上で取材に応じたということなのですが、1月21日に記者側から「今日にも政府から発表がある。その時にちゃんとしたプロフィールがなければ、週刊誌とかメディアがめちゃくちゃなこと書きますよ」という提案があり、この時点でプロフィールを手渡したと言います。
同日深夜に会社側から親族死亡が確認された旨の連絡があったそうですが、この時点では官房長官の記者会見で7名死亡の事実のみで実名公表はないという発表があった、ところが日付が変わった翌22日未明になって突然朝日側から実名入りの記事を添えて内容を確認してくれと言う連絡があり、驚きながらはっきり拒否の意向を伝えたもののそのまま事後承諾を求める連絡のみで掲載を強行されたということです。
恐らく記者側としては朝刊の締め切りに間に合わせる必要もあってこのような振る舞いに及んだと言うことなのでしょうが、朝日の実名報道によって一気に報道各社が親族宅に殺到しメディアスクラム状態になったということで、当然ながら同氏側では納得せず一連の経緯をネット上で公開したことから大きな騒動に発展したわけですね。

・叔父の子どもが住むマンションには報道各局が押し寄せ、14世帯中13世帯に取材をし、近隣に迷惑をかけております。さらに郵便受けの中身を確認していたそうです。やめてくれ。

・フジテレビが上京した親族に「ねぇ、いまどんな気持ち?」と聞いていたので、「人の心はないのか?」と言ってやりました。

・今回朝日新聞記者の約束反故による実名報道のおかげで、親族にメディアスクラムが及ぶことになり、親族たちは私に激怒し、私は面会も、葬儀も出席してはらないことになりました。結果として親族に迷惑をかけたことを深く反省し、お詫び申し上げます。

これまた興味深いことだと思いますが、この朝日の実名報道に関しては同業他社が一生懸命援護射撃を繰り返しているのは彼らに共通するポリシーとして理解出来ないではないにせよ、親族を騙してまで強行する理由として「事件の実態に迫るのに欠かせない情報だと思うから」だの「われわれマスコミは国とは違った視点で検証することも必要」などと「意味不明のことを口走っており」状態だということですよね。
同業ジャーナリストの佐々木俊尚氏もこの事件に関して意見を公表していますが、業界の中の人である同氏にしても「新聞記者の側は、「理想とすべき報道理念」を語っているけれども、遺族取材を批判する人たちは「現実の報道の姿勢」を問題にしている」と双方の認識のずれを指摘している通り、どうも業界人側からは親族や世間が何を批判しているのか理解していないような弁明ばかりがなされているようです。
今回の場合単純に考えても情報提供するかわりに実名を出さないという約束があったのにそれを破ったということで実名報道の是非などとは全く異なる次元の話ですが、仮に百万歩譲って実名報道の意義というマスコミ側の土俵に乗って考えた場合でも、この事件において親族の反対を押し切ってまで政府発表に先んじてたかだか数日早く実名報道をすることの意義がさっぱり理解出来ません。
今回朝日がスクープ?をモノにしたことで現地情勢の分析に有益であるのか?広く日本人全体への注意喚起に意味があったのか?被害者の実名が政府発表前に判らなければ事件の検証は出来なかったのか?そもそも実名を出してもらいたくないとはっきり拒否された人の実名まで出す必要があったのか?といった数々の疑問に対して、朝日の弁解は全く何の答えにもなっていないということですね。
どんなに高尚な屁理屈をこねまわしても結局は先に実名報道ありきという大方針が先にあった、そして全てはそれを押し通すための言い訳に過ぎないということが誰にでも丸判りだからこそこれだけの批判を浴びているわけですが、今回の親族による逆報道の拡散ぶりを見ていますとそろそろ無遠慮にカメラとマイクを突きつける報道陣に向かって、逆に動画撮影なりして晒すという人も現れそうな予感すらしてきます。

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コメント

この手の事件でアカヒの関与率の高さは異常
会社の体質に問題あるとしか思えん

投稿: teppei | 2013年1月26日 (土) 09時30分

マスコミのいいわけが型どおりすぎて本音が見えてきませんね。
もしかしたら朝日のすっぱ抜きは業界内でも必ずしも賛同を得てないんでしょうか。

投稿: ぽん太 | 2013年1月26日 (土) 10時28分

朝日新聞社は「実名を報じることで人としての尊厳や存在感が伝わり、
報道に真実性を担保する重要な手がかりになる」として、
事件報道では容疑者、被害者ともに実名での報道を原則にしている。

ただ、実際に記事にする際には、報じられる人が被る不利益や事件の重大性なども考慮して、
最終的に実名にするかを決めている。

今回の事件で死亡が確認された10人については、独自取材で判明した氏名を報じることにした。
http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY201301250020.html


 アルジェリアの人質事件で、死亡した日揮の木山聡さん(29)の遺族は25日、熊本県警を通じて
「アルジェリアの事件で長男を亡くしたことは非常に残念で悲しく、耐え難い」などとするコメントを発表した。

 コメントは「事件発生以来、毎日が長くつらいものでした」とした上で、「わたしどもは静かに生活を
送りたいと願っています。報道は一切望んでおりません」とメディアに要請した。
http://news.livedoor.com/article/detail/7350021/

投稿: 朝日の論理破綻w | 2013年1月26日 (土) 13時34分

報道ステーションの冒頭で名前を読み上げていたのを観てびっくりしました。
実名で報道したくて仕方がないのではと耳を疑ってしまいました。

投稿: starfield | 2013年1月26日 (土) 19時15分

繰り返すようですが、嫌がる親族の意向を無視してでも実名報道を強行しなければならなかった事情を説明する義務が朝日側にはあるはずです。
今のところ表向きの発表でも裏でのつぶやきでも何ら満足のいく説明がなされていないことが問題でしょうね。

投稿: 管理人nobu | 2013年1月26日 (土) 20時43分

知る権利?報道被害?実名報道の是非
http://news.ameba.jp/20130130-94/
>アルジェリアで起きた人質拘束事件が波紋を広げている。
>ブロガーたちは実名報道に対して反対を論じるものが多く、批判が噴出している。

今回の問題の本質は、そんなことは望んでいないとはっきり意思表示したのに
無視して実名報道されたこと。被害者は二度にわたって蹂躙された。

投稿: | 2013年1月30日 (水) 16時11分

http://www.news-postseven.com/archives/20130210_170937.html

投稿: | 2013年2月10日 (日) 18時20分

【アルジェリア人質事件】朝日新聞記者がアルジェリア被害者遺族にグロ動画を送る メールヘッダ情報の画像あり
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1360549746/

投稿: これもすごい | 2013年2月11日 (月) 11時52分

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