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2013年1月

2013年1月31日 (木)

MRは消えゆくさだめ?

なんでも医師になって初めてそれと実感したのがMRに挨拶されたときだったと言う先生も多いようですが、医師とMRとは何かと言えばつきあい方や距離感の取り方なども難しいもので、例えば昨年から学会でのメーカーからの飲料無料提供が禁止になりましたが、今年はさらに一歩進んで卸からも提供禁止になるというニュースが出ていました。
無論のこと接待だ、タダ飯だと言ったことでお金を使い放題という訳にも行かない時代ですから昔のような接待攻勢もないのでしょうが、日常的に顔を合わせ多少なりとも親しんだ関係ともなればそこは人間のやることですから、MRとの付き合いの深さによって薬の選択が変わってくるということもまあ考えられないことではありませんよね。
特に後発品(ジェネリックあるいはゾロ)と言えば先発品と違って薬自体の効き具合で選ぶというものでもないだけに、処方権を持つ医師のみならず薬剤部などにしてもともすればその他の部分での便宜や個人的な交友関係などに配慮して仕入れを決めるということが起こりえるのかも知れませんが、そうした風潮を一刀両断するかのように先日公の場でこんな身も蓋もない(失礼)発言があったということです。

聖マリアンナ医大病院・増原氏 GEメーカーに「MRいらない」(2013年1月21日医薬経済社)

聖マリアンナ医科大学病院薬剤部の増原慶壮部長は19日、都内で開催されたDPCマネジメント研究会学術大会で講演し、「後発品メーカーにMRはいらない」との持論を展開した。後発品は先発品と成分が同じため、基本的に「情報は不要」であるうえに、自社品を売り込むため「情報が中立ではない」と噛み付いた。

さすがに「情報は不要」とはいくら何でも端折りすぎだ、極論に過ぎると感じる人もいるのかも知れませんが、部分的にはうなずけるところなきにしもあらずと感じる先生方も多い発言ではあったかも知れませんね。
そもそもゾロメーカーのMRに出会うこと自体も大手を除いてはそうそうあることではないように思うのですが、話に聞くところではクレームをつけようとしても「先発品と同じものだからそちらに言ってください」などと言い逃れる剛の者?もいるとかいないとかで、とかく長年現場にも出回っている枯れた薬であるだけにメーカー期待の新薬ほど手厚い対応というわけにはいかないのも確かです。
そうは言っても後発品も配合成分など100%先発品と同じではないだけに、例えばアレルギー発生時などには情報が欲しくなることもあるんじゃないかと思いますが、ただそうしたケースでは直接会社の方に紹介すればいいだけの話だと考えればなるほど、MRに回す人件費を削って他に回せという考え方にも一理あるのかも知れません(増原部長の真意がどこにあったのかはこれだけでは何とも言えませんが)。

毎週のように医局の前の廊下に立ちんぼしては医師がやってくるたびに「弊社の○○!○○をよろしくお願いします!」と選挙カーよろしく連呼するだけのMRなどはさすがにどうかと思うにせよ、今日日各種情報などネットで幾らでもリアルタイムで手に入るし、夜毎の勉強会に行けばその道の先達から生の情報も手に入る、それならMRとは一体何の役に立っているのだろうと感じる人はそれなりにいるはずです。
かつては学会用に資料を集めたりスライドを作るのにMRの協力を仰ぐといった「目的外使用」に便利使いしていた先生方も結構いらっしゃったようですが、今の時代にそんな仕事はPCでちょちょいとやった方がずっと面倒なく早いだろうと言うものですから、心なしか彼らも手持ちぶさたに見える日が多くなってきたかも知れませんね。
今春から臨床現場に出てくる新卒の先生方にとってもMRとはなんぞや?どう付き合ったらいいの?と疑問符は尽きないところだと思いますが、先日ちょうど日経メディカルの方に開業眼科医である目黒瞳氏の視点で見たMRとの付き合い方を記した一文が掲載されていましたので引用させていただくことにしましょう。

MRさんの力(2013年1月25日日経メディカル)

 ひまな当院ではMRさんとお話するのも結構楽しみだったりします。営業ではなく、MR=medical representative(医薬情報担当者)なのだとは言うものの、あまりに薬が出ないとなんだか申し訳ないなあ、と思ってしまいます。薬が出ないのは、患者数が少ないせいもあるんだけど。後発品可の処方箋がよく出るようになり、薬の選択権は調剤薬局に移った感じもしますが、MRさんの存在が薬の処方にどう影響しているかを考えてみました。

 どのように薬を選ぶか? もちろん、効果が良く出る薬がファーストチョイスとなります。プロスタグランジン系で1日1回投与の緑内障治療点眼薬が出たときには、ご多分にもれず、私もこの薬をまず処方するようになりました。後発品が一度に十数種類出たくらい人気のあった薬です。そして効果の次には、ユニークな薬を選びます。抗菌薬の徐放型点眼薬(分類上は軟膏)や、緑内障の点眼薬で角膜上皮障害が出にくいもの、などなど。

 こうした情報をMRさんから入手することも多いわけですが、新薬が出たばかりで宣伝色が濃いときには、なんとなく眉つばでパンフレットなどを見てしまいます。ある程度の症例数がたまってからのスタディで、それもきちんとした雑誌に投稿されている論文のデータだと信用できますけど…。

 それより何より、私が一番影響されるのは先輩ドクターの発言かもしれません。「こういう症例には、これだよ!」という会話はよくあります。医局であれば、何げなく交わされる会話に薬の上手な使い方のヒントが隠されていることもしばしばです。

 この「くちこみ」にMRさんが入り込むのは無理だとしても、勉強会や講演会といった形で介入してくれるのは歓迎します。やたらに薬の宣伝色が強いと辟易としますが、最近は薬の宣伝にとどまらない講演も多く、臨床現場の本音が聞ける会はとってもためになります。

 じゃあ、MRさん個人の営業力で、処方ってどれくらい影響されるのかしら。前述の、一番よく出していたプロスタグランジン系点眼薬の会社のMRさんには、開業してから1回しか会ったことがありません。それも、ものすごく混んでいる外来中に「今、お時間ありますか?」と聞かれ、「時間はありません」と帰ってもらったら、二度と来なくなってしまいました。でも、良い薬であれば、MRさんと会わなくたって処方は出るんです。当たり前ですが。

 私は、結構MRさんの好き嫌いがはっきりしていて、これは大人げないな、と思っていました。しかも、嫌いな人にパターンが見出せないので、個人的な好みの問題かと思っていたのですが、ある日、交渉術の本を読んでいて、会って話したいと思うMRさんの方に共通項があることを発見しました。それは、彼らが皆「聞き上手」なことです。一方的に薬の宣伝をしてパンフを渡して帰っていくのではなく、私の専門分野や経歴も把握していて、それを踏まえての会話をしてくれます。

 同じような薬があったとしたら、話して楽しいMRさんの営業成績に貢献したい、という気持ちはどうしても出てきちゃいますよねえ。最近は私とMRさんとの年齢差がどんどん開いてきて、「この人のご両親と私はおそらく同じ世代だな」と思うと、ちょっとくらいポカをしても、その成長を温かく見守りたい気持ちにもなります。

結局個人対個人の関係はそれなりに重要だと言われればその通りですし人間的に好みに合うMRなら少し詳しく話を聞いていこうかと言う気になるのも確かでしょうが、目黒先生の言うように一周してそういうところはまあいいかな?という気持ちになってくるというケースもあるわけですから、それじゃMRって結局何なの?と言われれば究極的には「MRはいらない」になってしまうのかも知れませんね。
ノンポリ勤務医にすれば大学や大規模基幹病院を別にすれば大抵の病院は同じ成分の薬がそう何種類もあるわけではありませんからあるものを使う、外来患者には昨今では一般名処方やジェネリックへの変更が制度的にも推奨されていますから特にブランドにはこだわらないとなれば、忙しい中MRに捕まってくどくどと製品説明を聞かされる時間が惜しいという気にもなるでしょう。
ただ今の時代に新薬の情報をMRのみから入手するということはまずないはずで、学会や講演会、口コミなどなど様々な情報ルートで何となくそういう薬が出た、それなりに使いでのありそうな薬らしいという感触は持っている、そこに更にMRからの具体的個別的な情報提供もあって「それじゃ一度うちでも使ってみるか」という段階を踏むのであれば、これは車などを買うのと全く同じ仕組みで健全な商行為の範疇と言うべきですよね。

歴史的背景に根ざした習慣ということなのでしょうか、医師の側にもMRの側にも何かしら同じ業界の仲間的な妙な距離感の近さが当たり前であるかのような風潮がどこかにありましたが、昨今の相次ぐ接待廃止令にも見られるように大きな流れとして医師とMRの関係はユーザーとメーカー関係者という一般的な間柄に移行していくだろうし、製薬業界からしてもそうなるべきだと考えられているのは明らかですよね。
そう考えるとMRの仕事も一般のセールスマンの行動パターンが大いに参考になるはずで、例えば忙しい最中の職場に保険の外交員が押しかけてきて売り込みを仕掛けてくるといったケースで自分がどう感じるだろうかと考えて見れば、商売以前に最低限守るべきマナーというものは見えてくるんじゃないかと言う気がします。
MR側にしても昔のように体育会的に濃厚な人間関係で揉まれてきたらしい人ばかりではなく、いかにも淡泊に命じられた仕事をただ黙々とこなすだけというタイプが増えてくれば距離感が近すぎることによる軋轢は減ってくるでしょうが、接待も個人的付き合いもなくなるのならやはりMRなどいらないんじゃないかということにもなってくるのでしょうか。

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2013年1月30日 (水)

アナフィラキシーによる児童死亡事件 医療の常識は世間の非常識であるならば

昨今の核家族化の進行で家族というものの意味合いが昔とは変わってきたとはよく言われることですが、独居老人が意識も定かでない状態で救急搬送されてきますと過去の病歴を問い合わせるにも難渋するという経験は多くの臨床医がお持ちなのではないかと思います。
医療情報の共有などIT化促進によって解消していくのが本来の筋というものなのでしょうが、より現実的な効能を狙ってローテクな工夫も行われているというニュースから紹介してみましょう。

一人暮らしお年寄りらに救急医療情報キット配布 三重(2013年1月29日産経ニュース)

 ■名張市社会福祉協議会

 名張市社会福祉協議会は、一人暮らしのお年寄りらを対象に、かかりつけ医などの医療情報を記入した用紙を容器で保管する「救急医療情報キット」の無料配布を始めた。冷蔵庫内に入れておき、急病時などに駆け付けた救急隊員が的確な処置や搬送に役立てる。

 高齢者の安心につなげるための事業で、独居や高齢者のみの世帯、日中に一人になる高齢者、障害のある人などが配布の対象

 キットは、名前や生年月日、既往症や服薬の状況、かかりつけ医、緊急時連絡先などを記入する救急医療情報シートをはじめ、マグネットやシール、情報シートを入れる筒状の半透明容器で1セット。

 冷蔵庫はほとんどの家庭が日常的に使い、災害時に壊れにくいため保管庫として活用する。冷蔵庫の扉などにマグネット、玄関内側にシールを張り、救急隊員らにキットの存在を知らせる。

 7500セットを準備し、21日から希望者の申し込みを受け付けて配布を進めている。また、民生委員らによる見守り活動も定期的に行う予定で、同協議会は「もしものときにこのキットを役立ててほしい。お年寄りたちにキットの配布と見守りによる2つの安心を届けたい」と話している。

この救急医療情報キットなるもの、高齢者向けに各地の自治体で無料配布しているので是非多くの方々にご利用いただきたいと思いますが、見ていただければお判りの通りメモ書きなどを入れておける単なるプラスチックの円筒容器であって、ローテクまさにここに極まれりというしかないものですよね。
例えば最近ではカードに組み込めるような極薄型USBメモリもあるようですから、保険証などに組み込んで患者情報を書き込んでおくようにするだとか色々と工夫のしようはあるのでしょうが、結局こういうものは関係者全員がきちんと無理なく情報が更新・共有出来る簡便性が備わっていることも大事であって、手書きのメモ一枚というのが現状では最大公約数的に手っ取り早く確実な情報共有手段なのかも知れません。
さて前置きはそれくらいにして、情報共有の大切さということで先日非常に教訓的な事件が発生し検証されていることをすでに報道などでご存知のところだと思いますが、本日はこちらの記事から今回の悲劇的な事件の問題点を拾い上げてみましょう。

自己注射薬、迷ったら打て…アレルギー女児死亡(2013年1月27日読売新聞)

 東京都調布市の小学校で昨年12月20日、チーズにアレルギーのある5年生の女児(11)が給食の後に亡くなった。
 チーズ入り料理を食べたことによる「アナフィラキシーショック」の可能性が高い。この学校では9月にも、1年生の男児が給食後に救急搬送されていた。子供の命を救うことはできなかったのか。市教育委員会の調査結果から、問題点を検証する。

専用献立表

 「余っているよ、食べる人いない?」。5年生担任の男性教諭(29)はその日、給食時間の後半、チーズ入り「じゃがいものチヂミ」を持って教室内を回った。「ほしい」と声をかけたのが、その女児だった。
 女児は日頃からアレルギーに対応した特別食を食べているため、担任は「大丈夫か?」と尋ねた。
 「これ見ればわかる」。女児が担任に見せたのは、保護者が女児に持たせた献立表。食べられない料理にピンクの線が引かれていた。「じゃがいものチヂミ」には線がなかったので、担任はお代わりを渡した。
 だが、担任にはこの前に確認しなければならない別の資料があった。栄養士から渡された女児専用の献立表「除去食一覧表」だ。
 同校は女児にアレルギー原因食材を除いた「除去食」を提供しており、この日もチーズ抜きを1食分だけ調理して配膳。除去食一覧表では、女児が通常の「じゃがいものチヂミ」をお代わりできないことが、「×」印で示されていた

迷ったら

 女児は給食終了から30分とたたない清掃時間中に、体調不良を訴えた。担任は女児のランドセルから、アナフィラキシーショックを抑える自己注射薬(商品名・エピペン)を取り出し、「これ打つのか」と尋ねたが、女児が「違う、打たないで」と答えたので、注射をやめた。女児はアレルギー原因食材を食べたことに気付いていなかったようだ。
 その後、養護教諭が駆け付けて救急車を要請。女児は立てない状態で、約10分後に校長がエピペンを打ったが、まもなく到着した救急隊員から「心肺停止」を告げられた。
 食物アレルギーに詳しい昭和大医学部の今井孝成講師はエピペンについて、「呼吸困難などの重い症状が出たら迅速に注射すべきだ。副作用は小さいので、迷ったら打て、と言いたい」と指摘。今井講師は「児童100人に2人程度の割合で食物アレルギー患者がおり、どこの学校で事故が起きてもおかしくない」と注意を呼びかけている。

不幸にして亡くなられた女児の御冥福をお祈りするところですが、かつてであればこうした深刻なアレルギーを持つ児童は自分で弁当でも持ってきてくれ、あるいはせいぜい食べられないものは食べないようにしてくれで終わっていたでしょうに、わざわざ特定児童向けのアレルギー除去食を用意するという学校側の努力が仇になったとも言えそうですよね。
まず気になるのが報道などでも何度も繰り返されていた通り給食の献立表が複数存在していたらしい、そしてそのことが事故の原因にもなっていたらしいということで、報道によれば同校では16人のアレルギー児童に除去食を用意していたということですが、当然ながらこうしたアレルギー食品はあらかじめチェックされた献立表が学校側から用意されていたわけですね。
ところが児童は保護者側から渡された別の献立表を持っている、しかもその記載内容が学校側のそれと違うというのが何の事やらというものですが、賑やかな教室内で更に混乱する元になるだけなのですから公式のもの一種類に統一しておくか、あるいは藤田保衛大の宇理須厚雄教授も言うようにかわいそうですが「『除去食の子はおかわりなし』とシンプルに運用したほうがいい」と言うものです。
実際にこうしたアレルギー患児がどれくらいの比率で在籍しているのかと思って少し調べて見ましたら、つい先日も西宮の小学校7校で卵アレルギーの児童実に132人がメニュー確認の不徹底からアレルギーを発症していたというくらいで、これほどにありふれたものであるならもっとシンプルかつ誤解のしようのない運用法にしておかなければ給食時間の混乱の中で幾らでも事故が起こってしまいそうですよね。

今回の事故でもう一つ気になるのは大勢の目の前でアレルギー症状を起こし、しかも発作時向けのエピネフリン自己注射まで用意していたにも関わらずその使用が遅れたということですが、基本的に食品アレルギーなどは思いがけないところで口にしてしまったからこそ発生するものなのですから、食べた覚えがないから打たないというのでは全く本末転倒というものです。
その意味でここでも「迷ったら打て」というシンプルな情報が共有されていなかったのも根本原因だと言えるのですが、実はこの自己注射に関してはもう一つの問題点があって、本人が注射困難である時にそもそも医療専門家でもない周囲の人間が勝手に注射をしていいのか?ということが以前から議論されていたのですね。
この場合には明らかに副作用等の問題よりも利益が大きいこともあり、文科省もわざわざ2008年に「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」なるものを纏めた上で緊急時には児童に代わって教職員が注射を打っても医師法違反にならないと通達しているのですが、実際には全ての教師が打ち方を知っているわけではない上に「注射をするのは怖い」という素朴な訴えも根強くあるようです。
さらに話をややこしくしているのが今回の場合その場で最も知識を持っているはずの当の患児がはっきりと「違う。打たないで」と拒絶していたのですから、医学的妥当性を判断する知識も経験も乏しい教職員がそれを無視してまで独断で注射を打てるかと言えば、現実問題としてやれる人間はむしろ少数派だったのではないかと思いますね。

担任以外に養護教員も駆けつけて救急車まで呼んだ、さらにそこから10分もたってから(恐らく意識も失った後で?)わざわざ校長が注射を打ったというあたりに現場の葛藤がにじみ出ているように思えますが、情報一元化の不徹底に基づく現場の混乱と個々の裁量頼りの行き当たりばったりな運用こそ真っ先に改善しなければならない課題と言えそうですよね。
そしてわざわざ保護者と話し合って除去食を用意するほど緊密な連携をしていたにも関わらず、何かあった時にどうするのかという基本的な事項すら決まっていなかったらしいと言うのもずいぶんと片手間な話に見えますが、例えばこれが病院内で発生したことであればいつも通りの決まり切った対処で当たり前に片付いていただろうとも思えます。
それが何が起こったかも判っている、正しい対処法も目の前にあるのに結局命を救えなかったというのは、医療現場ならば当たり前に起こることが学校現場ではまさか起こらないだろう(と考えられる)ことであったという経験値の差が大きいのでしょうし、昨今の医療機関のように患者を入院させたらまず亡くなる時の話から始めるという一見とんでもない飛躍に見える対応も、こうした「まさか」の経験の繰り返しから生まれた対応策だと言えるのでしょう。
当「ぐり研」では「医療の常識は世間の非常識」とも言われる医療業界に世間の常識を取り入れてみれば、という視点から問題提起をさせていただくことが多かった訳ですが、こうしてみると日常的に何かが起こってしまう医療業界での経験とノウハウもまた、その他大多数の平和な世間との間で共有すべき価値があると言えそうですよね。

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2013年1月29日 (火)

医療費支出効率化 締めるところと緩めるところ

先日ちょっとした話題になりました麻生氏の終末期医療に関わる発言については、マスコミ各社がわざと主語を抜いて報道するなど例によって捏造に基づくバッシングを仕掛けたものの、結局麻生氏個人の死生観の表明であると判る元発言が明らかになったことから不発に終わったようです。
高齢者を中心とする終末期医療問題は人ならば誰しも関心を持たずにはいられないところですが、介護経験者の実感や世代間負担の公平化問題とも絡めて「麻生氏は本当のことを言っただけ」と賛同する声の方がよほどに目立つという皮肉な結果となっています。

麻生発言 ネットでは「正論」(2013年1月24日東スポ)

 財務相も務める麻生太郎副総理が終末期医療をめぐり「さっさと死ねるようにしてもらわないと」と発言したことで「安倍内閣の失言第1号」などとバッシングを浴びているが、ネット掲示板などでは「正論だ」と擁護する声も多い

 麻生氏の発言が飛び出したのは21日午前の社会保障制度改革国民会議。高齢者などの終末期医療に関し「いいかげん死にたいと思っても『生きられますから』なんて生かされたんじゃ、かなわない。しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うとますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と述べた。

 麻生氏は午後「公の場で発言したことは、適当でない面もあったと考える。当該部分については撤回する」とした。

 この発言に終末医療専門家などからは「非常に乱暴な言い方」「医療費のことを先に持ち出すと、議論の中で何が大切か分からなくなる」などと批判が相次いだ

 その一方、もともと麻生ファンが多い2ちゃんねるなどのネット掲示板では「現実問題を分かりやすく言っただけ」「年老いたオレの親も口癖のようにいつも言ってる」など麻生氏に賛同する声が多い。

 厚生労働省が2005年に公表した推計によると、死亡前1か月にかかる「終末期医療費」が年間約9000億円。終末期医療に詳しい専門家は「年間10兆円規模の高齢者医療費の10%前後で、一般の人が思っているほどウエートは高くない」と指摘する。だが、現状は死亡前1か月どころか、数年間も生命維持装置により生かされる後期高齢者の医療費は膨らみ続けている

まあおよそこの種の問題で専門家と言えばその道で食っている利害関係者でもありますから、それはもちろん「高齢者終末期医療に大金をつぎ込むなんてムダムダ」とは言えないでしょうけれどもね。
麻生氏発言の是非は本稿の目的とするところではありませんが、いわゆる終末期医療費が年間9000億円と言う算定もなかなかに微妙であって、記事にもあるようにこの算出法では高度医療を受けながらある程度長期に渡って生きているというケースにかかる膨大な医療費は算定されないことになってしまいます。
当「ぐり研」では医療財政も緊迫している折、患者や家族にしろ現場医療スタッフにしろ決して望んでいない医療であるなら社会的合意形成を積極的に推し進め中止していくべきだろうし、そうした議論を活性化するために昨今の財政的状況が逆用出来るのではないかというスタンスですから、特に高齢者終末期医療が高すぎるから止めろと主張しているわけではありません。
ただ一部の方々はこうした世間からの終末期医療に対する圧力?が気になってきているようで、例えば先日も田村厚労相がわざわざ「医療費の伸びには高齢化の進展より医療技術の進歩の方が影響が大きい」との認識を示し、再生医療などもどこまで保険適用すべきか問題視するなど医療の効率化、費用対効果の改善が昨今各方面で注目され始めています。
こうした動きは患者負担の少ない皆保険制度下でガラパゴス的進化を遂げてきた日本の医療が標準化していく好機であるとも言えそうなんですが、このところ話題になっているのはそうした支出見直しの動きが高まる中で一部領域では更に一層の手厚い保護を図る動きが出てきているということですね。

難病助成を大幅拡大、14年度スタート(2013年1月27日読売新聞)

 症例が少なく治療法が見つかっていない難病患者の支援について、厚生労働省は新法を制定し、医療費の助成対象を大幅に拡大した新制度を2014年度からスタートさせることを決めた。

 1972年度に始まった現行制度の抜本改革は初めて。懸案となっていた財源の確保について、27日に行われる田村厚労相と麻生副総理・財務相らとの大臣折衝で協議する。

 この折衝の結果、財源問題の解決に政府を挙げて取り組む姿勢が打ち出される見通しで、改革は大きく動き出すことになる。

 新制度では、医療費助成の対象となる病気を現在の56から300以上に増やす一方、助成対象を生活への支障が大きい重症患者に絞り込むほか、現在は全額公費負担の重症患者にも所得に応じて一部自己負担を求める。今後、大学教授らによる第三者組織で助成対象の病気を選定し、病気ごとの重症度の判定基準や助成の給付水準を決める。

難病支援拡大に期待…「将来の治療つながれば」(2013年1月28日読売新聞)

 症例が少なく治療法が見つかっていない難病患者の公的支援制度について、27日に行われた厚生労働相と財務相らとの大臣折衝で、大幅な見直しの方針が決まった。難病の中には医師にさえ十分知られていない病もあり、新たに光が当たれば治療の研究が進む可能性がある。「わが子には間に合わなくても、せめて将来の患者の治療につながれば」。県内の患者家族からも期待の声が上がっている。
(略)
 難病の研究に携わる東京都医学総合研究所の林雅晴・副参事研究員は「今回の見直しは、広く公平に支える発想。恩恵を受ける難病の数は広がるが、疾病ごとの研究費は減る可能性がある。対策の充実には予算の増額が不可欠」と指摘している。

助成対象56から300以上へ

 国は、新たな難病支援制度を2014年度にも始める方針だ。現行制度ができた1972年以来の抜本改革となる。

 厚労省の専門家委員会がまとめた提言では、5000~7000あるとされる難病のうち、医療費が助成される対象を現在の56から300以上に増やす。

 公平性を担保するため、生活への支障が大きい患者を重点的に支援する一方、所得に応じた自己負担を求める

 治療法や医薬品の研究開発も戦略的に進める。

難病というくらいですから完治困難な慢性疾患が対象であって、医療費負担に対して相応の助成をしていくという考え方は理解出来るのですが、一方で再生医療などは下手すれば長年苦しんできた疾患が完治できる可能性もあるというのに保険適用を制限するようなことを言っている中で、何かしら微妙にバランスを欠いた政策のようにも見えます。
もちろんその背景には同じく難病持ちである某総理の強力な後押しがある…かどうかは存じ上げませんが、そもそも対象疾患がこれだけ増えていることからも判る通り診断技術の進歩に伴い治療困難な難病は日に日に増え続けている中でどこまでを公的支援の対象にすべきなのか、難病以外の患者とのバランスはどうなのかと様々な議論を呼びそうな話でもありますね。
当然ながら国もその辺りは今後検証を進めていく予定であるようですが、例えば半ば心身症的な不定愁訴でドクターショッピングを繰り返しているような方々がレアな疾患だと判明した途端に公費で手厚く助成されますでは、逆に難病発見を目的にした不要不急の受診が増えるんじゃないかという懸念すらありそうです。
医療支出の際限なき増大にストップがかかりつつある時代であるからこそ何を削り何を守るべきかについての議論が欠かせませんが、誰しも少なからず興味のある健康に関わる問題であるだけに、他分野とのバランスを取りながらの調整が大事になってきそうですね。

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2013年1月28日 (月)

医師集団逃散で札幌市児童心療センターが頓挫

久しぶりに医療崩壊系の話題か?ということで、本日はこちらのニュースを紹介してみましょう。

札幌市の渡部副市長、退任へ(2013年1月26日読売新聞)

 札幌市の渡部正行副市長が退任することが26日、わかった。渡部副市長はすでに辞表を提出しており、上田文雄市長は近く受理して正式発表する見通し。渡部副市長は2011年7月就任で、4年の任期を半分以上残した異例の退任となる。

 渡部副市長は保健福祉分野を担当。発達障害のある子供の診療を行う市児童心療センターで昨年、常勤医が相次いで辞意を表明し、5人のうち4人が今年3月末で退職する事態となった。診療体制の維持が困難になるため、渡部副市長は北海道大医学部に医師派遣を求めたが、協議が難航。行政手腕を巡って市議会で批判が出ており、退任で責任を取るとみられる。

 渡部副市長は札幌医科大出身の精神科医で、元北海道職員。道心身障害者総合相談所長で退職して09年4月に札幌市に入り、保健福祉局医務監を務めた。

「肝いり」副市長、異例の退任…常勤医退職続々(2013年1月27日読売新聞)

 札幌市の渡部正行副市長(62)が辞表を提出していることが26日、わかった。

 上田文雄市長は近く辞表を受理する見通しだ。担当の保健福祉分野では、市児童心療センターの常勤医の大半が職場に対する不満を漏らして3月末で退職する見通しとなっており、事態打開の道筋を立てられないことから退任で責任を取るとみられる。2011年7月に副市長へ就任して以来、任期(4年)の半分以上を残した「異例の退任」となる。渡部氏の退任後、札幌市の副市長は当面、2人体制となる。

 渡部氏は札幌医科大出身の精神科医で元道職員。市関係者によると、上田市長が市長就任前の弁護士だった時代から親交を持ち、道を退職した渡部氏を上田市長は09年4月、市保健福祉局の医務監として招請、その後、副市長に抜てきした。「肝いり」の登用が挫折したことで、上田市長の任命責任が問われる可能性もある。

 同センターでは昨年、常勤医が勤務状況などに不満を述べて相次いで辞意を表明、5人中4人が3月末で退職する方向だ。4月以降の診療体制の維持が困難になるため、渡部氏は北海道大医学部に医師派遣を求めて交渉したが、現段階でも医師確保にめどがついておらず、市議会や市内部から渡部氏の行政手腕を問題視する声が出ていた。

この児童診療センター崩壊の経緯については札幌市の宮川潤市議が詳しく取り上げてくださっているので参照させていただきますが、簡単に言えばもともとは同市の市立病院に精神科専門の分院があったものを、昨2012年4月から成人と小児とに二分し前者は市立病院に統合、後者に関しては別施設とし道内唯一の児童精神科入院施設として誕生したのがこの市児童診療センターだと言うことです。
発達障害や自閉症など現代の子供達を蝕む様々な問題を扱う中核施設として新たに設立されたという形ですが、やはりこうした患児を抱える親御さんとしてはなかなかデリケートな問題でもあるだけに相応に重症者も多かったという大人の精神科患者と同じ施設で扱われることにも心理的抵抗はあったのかも知れず、医師の専門領域分けで考えてもこれ自体はそれほどおかしな政策というわけでもないように思いますね。
しかし162床の施設を二つに分け市立病院精神科が38床、児童診療センターに28床となれば形の上ではかなり減床にも見えますが、実際には老人など長期入院患者が多かったせいかセンター側では空床が非常に目立っていたということで、このためもあってか札幌市保健福祉局がここに児童福祉施設をも統合してしまおうとしたことが退職騒動の発端であったようです。
医師にすれば小児精神科の専門施設のつもりで来ていたものが児童福祉施設と一緒にされるという話が突然持ち上がった、当然身体的問題も相応に多くなるだろうこうした施設の面倒までも見ろと言われるのでは話が違うというものでしょうから辞めたくなるのも理解出来ますが、どうやらその計画をほぼ一人で推進したのが市保健福祉局医務監から副市長にスライド登板した渡部氏であったと言うことらしいですね。

2011年の市議会で市長が持ち出した渡部氏の副市長就任が特に問題もなく承認されていますが、記事にもあるとおり札幌医大出身の精神科医で北海道立心身障害者総合相談所長等を歴任、さらに前述の通り札幌市保健福祉局医務監を経て副市長に抜擢されたということですから、よく言えば専門家として元々こうした児童精神科や発達障害の領域では政策的にも一家言あった方ではあるのでしょう。
ただ同氏の副市長就任直後には札幌市で乳幼児検診の民間委託を検討するという話が持ち上がり、地元小児科医会や市民団体からの猛反発を受けて結局頓挫するという騒動があったようですが、この時にもトップダウンで突然話を持ち出した新任の副市長と現場との間で対立が激化したことが騒動の発端であったということで、どうも根回しをしたり地道に説得したりという仕事は苦手な方だったのかなという印象も受けますね。
今回の児童心療センターにしてもいきなり話を立ち上げて現場医師の逃散を招いた後で母校以外の他大学に頭を下げに行く羽目になるとは何ともちぐはぐな話ですが、やりたいことの是非はさておくとしてもやはり何度も似たような失敗を繰り返しているということになれば、残念ながら政策を実現するために求められる行政手腕という点ではいささか疑問符がつくと言わざるを得ないのでしょう。

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2013年1月27日 (日)

今日のぐり:「すし遊館 新倉敷店」

量子力学しかり、科学は時に意外な世の真実を見いだしてしまうことがありますが、先日見いだされたこちらもそうした系譜に連なる驚くべき発見と言えそうです。

衝撃的事実! 実はネズミは「チーズが苦手」らしい(2013年1月20日Pouch)

漫画やアニメで描かれるネズミといえば「チーズ」を思い浮かべる人は多いと思います。そう、彼らが血相を変えて追いかける、あの三角形にスライスされた穴の空いたチーズです。

でも、実際のネズミたちは「チーズなんて全然好きじゃない」、それどころか「むしろ苦手」と言ったら、みなさん驚くでしょうか?

これはペット店や駆除業者のあいだでは ”常識” の事実なのだそうです。いつの間にか定着したこの「チーズ=ネズミの好物」神話について、最近もイギリスのマンチェスター・メトロポリタン大学のチームが実験で検証しました。

その結果はやっぱり同じ。ときにはダンボールまで食べてしまうほどの雑食で知られるネズミですが、あきらかに彼らが好きなのは、穀物や果物、そしてチョコなどの甘いお菓子だったそうです。ある種のネズミたちは虫なども好物ですが、肝心のチーズは、よほどの空腹状態でないかぎり、むしろ積極的に避けるという結果に。

「なぜ?」と言っても、食べ物の好き嫌いに理由はないかもしれませんが、もともとネズミは嗅覚が発達しているので、「強い発酵臭を放つものが苦手なのではないか」と考えられています。さらに、「数千年前に人間がチーズを作りはじめる前から食べ慣れていた穀物などが今でも好き」という単純な側面も。

一方で、ネズミのグルメ文化にも新たなトレンドはあるようで、都会に住むネズミたちに最近人気なのがファストフード。中でもマクドナルドのハンバーガーは大好物らしいですよ! さすが……たくましい動物です。

問題の「チーズ=ネズミの好物」神話がどこから生まれたのかについては、残念ながら謎のまま。古くは数千年前の書物にもそうした言及があるのですが、どこでどう勘違いされたのか、今のところ有力な説が出ていないそうです。

古来ネズミと言えばチーズが好きということにされてきたはずですが、そうしますと世の人々はネズミ取りのエサとして何を用意すればよいと言うのでしょうか。
本日は驚くべき意外な真実を長年隠し通してきたネズミたちに敬意を表して、世の中の動物にまつわるびっくりする話題を紹介してみましょう。

ブラジル刑務所の「運び屋」ネコ、看守に見つかり御用(2013年1月6日AFP)

【1月6日 AFP】ブラジル北東部アラゴアス(Alagoas)の刑務所で5日、携帯電話やトンネルを掘るための道具など、刑務所内への持ち込みが禁止されている物を運び、受刑者に届けていたネコが捕獲された。

 日刊紙オ・グロボ(O Globo)に看守長のマルセロ・アヴェリノ(Marcelo Avelino)氏が語ったところによると、「ネコを見かけた看守の1人が、何か変だと思い、その様子を注意深くうかがった」。すると、ネコの体にバッグが縛り付けられているのに気付いたため、バッグの中を確認すると、ナイフとドリルの部品が出てきたという。コンクリートに穴を空け、トンネルを掘るための道具だった。また、携帯電話と充電器も入っていた。ネコはこれ以前にも、繰り返しこの刑務所に出入りするところを目撃されていた。

 看守組合のルイス・デ・オリベイラ・ソウザ(Luiz de Oliveira Souza)委員長はインターネットのニュースサイト、G1に対し、このネコを育てたのは受刑者たちで、面会にくる親戚らがたびたび、このネコを家に連れ帰っていたと話した。外部から刑務所に物を持ち帰るようネコを訓練した「受刑者たちの新たな戦術に、非常に驚いている」という。

事件そのものもさることながら、リンク先の元記事にある写真での捕まったネコの情けなさも大変なことになっていますが、何にしろネコも一宿一飯の恩は忘れずと言うことでしょうか。
閉鎖空間のせいか時折飛行機の中では思いがけない事故が発生するもののようですが、こちら飛行機の外で思いがけない事故が発生してしまったというニュースです。

仰天!飛行中のカンタス機の翼にニシキヘビ(2013年1月13日AFP)

【1月11日 AFP】映画『スネーク・フライト(Snakes on a Plane)』とは状況は異なるものの、10日にオーストラリア・ケアンズ(Cairns)からパプアニューギニア・ポートモレスビー(Port Moresby)に向かっていた豪カンタス航空(Qantas Airways)機で、「同乗」していた体長3メートルものニシキヘビに乗客がびっくり仰天する騒ぎがあった。

 カンタス航空広報によると、巡航高度に達した後でたまたま窓の外を見た乗客が、翼の上に大きなヘビがいるのを発見した。乗客の1人によるとそこから2時間のフライト中、機体後部の座席に座った乗客たちは全員、風も強く極寒の空の上でヘビが落ちてしまわないかとじっと見守りつつ、どうやって翼の上に登ったのかを論じ合ってたという。

 ヘビは同機がポートモレスビーに着陸したときもまだ翼の上にいたが、既に息絶えていたという。豪フェアファックス・メディア(Fairfax Media)の取材に応じた乗客の男性は「とても悲しい」と語った。

しかし何とも奇妙な状況だったのだろうなと思うのですが、変温動物のくせにかくも高空を飛んだだけに低体温症にでもやられてしまったのでしょうかね。
同じくヘビの絡んだ話題なのですけれども、こちらは人によっては怖いどころではすまないかも知れない話題です。

蛇まみれで熱唱!? アメリカのテレビ番組「Killer Karaoke」がクレイジー(2012年11月23日ITmedia)

 海外には変わったテレビ番組がありますが、アメリカのケーブルテレビTruTVで11月23日に始まる「Killer Karaoke」という番組がすごいです。

 参加者がいかにエクストリームな状況で歌い続けるかというカラオケコンテストなのですが、どのくらいエクストリームかというと、蛇がいっぱいの水槽に入ったり、頭から粉をかぶったり、何が入ってるのか分からない箱に手を突っ込んだりしながら歌うというクレイジーぶり。
Ah_karaoke.jpg 蛇がいっぱいの水槽で熱唱(番組のFacebookページより)

 既に番組の一部がYouTubeで公開されていますが、蛇まみれになって半ば叫びながらも必死で歌い続ける女性の姿に「こんな番組で大丈夫か」と思わずつぶやきたくなります。

 ちなみに番組のFacebookページには「truTVは動物の権利の問題を真剣に考えています。プロデューサーと話をして、番組制作において動物を傷つけていないことを確認しています」と書かれています。人間はどうなんでしょうか……。

リンク先に写真と動画は用意されてはいるのですが、これは見るからにヘビ嫌いな人には心臓に悪そうな番組ですよねえ…
中国という国はどうなっているんだろうと時々真剣に悩むニュースに驚かされますが、こちらも一体何をどうしたいのだという状態になっているようですね。

偽物と疑い冬眠中のワニに投石、観光客の愚行でワニ数匹が死亡―広東省深セン市(2013年1月18日レコードチャイナ)

2013年1月17日、中国・広東省深セン市光明新区にある自然公園内で飼育されているワニが、観光客が投げた石などで死亡する事故が多発している。このほど同園では、冬眠中で身動き一つしないワニを偽物だと疑った人たちが、ペットボトルや石を投げ数匹のワニの死亡を招いている。深セン新聞ネットが伝えた。

観光客の中には、ゴミをワニに投げつけるだけでなく、清掃員がゴミ拾いに使う竹の竿でワニを突っつく人もいた。園の関係者が観光客を注意しても、隙を見てまたゴミをワニに投げつけるという。そのため、ワニ園の中はゴミがあふれ、清掃が追いつかないと関係者は話している。同園は観光客に対し動物を思いやり、石を投げつけないよう呼びかけている。(翻訳・編集/内山)

動物を見にいく場所で動物を虐め殺して何が楽しいのかさっぱり判りませんけれども、別な動物園ではライオンに雪玉をぶつけるのが流行っていると言いますから、何かしら民族的文化を背景にした行動なのでしょうか?
時々遅刻の言い訳にとんでもないことを言い出す人もいるようですが、こちらブリの場合はリアルにとんでもないことが起こってしまったという嘘のようなニュースです。

ラグビーのスタープレイヤーが大事な海外試合に不参加、理由は犬にパスポートを食べられたから!/英(2013年1月15日日刊テラフォー)

ラグビー界のスター・ジェイソン・トビー選手が、飼い犬のせいで、フランスで行われる大事な試合に出場できない事態に見舞われた。彼のかわいい子犬ラブラドールのブスターが、彼のパスポートを食べてしまったのだ!

イギリスのプロラグビーチーム、カーディフ・ブルースのアウトサイドハーフとして活躍するトビー選手(23)は、1月12日に、フランス・トゥーロンで開催されるハイネケン・カップに出場するハズだった。
だが荷造りを終え、「いざフランスへ!」という段階になって、海外に行く時は必要不可欠なパスポートが噛み砕かれて、ベッドルームの床に落ちているのを発見した。

トビー選手は、実際にパスポートの写真をTwitterで公開しており、そこにはくっきりと、犬が噛んだ痕が残っていた。
「バスターはいつも物を噛むんだ。でもたいては、僕の靴下や靴を噛んでいたのに…」
と、よりにもよって海外試合を前にした今、珍しくパスポートを噛んでしまったバスターの行動には、さすがのトビー選手も驚き半分、呆れ半分なようだ。

「パスポートを見た瞬間、これじゃあ、空港のセキュリティ・チェックは通過できないなって思ったよ。
それでコーチに恐る恐る話したんだ。こんなの、『宿題はやったんだけど、犬に食べられてしまいました』っていう、小学生の言い訳みたいだよ。」

トビー選手は12日の試合には出場できないが、125ユーロを支払って、早急にパスポートを作成してもらい、出来るだけ早くチームに合流する予定だ。

飼い犬バスターのおかげで、とんだ災難に見舞われたトビー選手だが、噛まれたパスポートは、バスターの鋭い歯から得た教訓として、とっておくつもりだと言う。

飼い犬に手ならぬパスポートを噛まれてしまうというのも妙なものですが、たとえ事実であったとしても誰にも信用されそうにない話でもありますかね。
最後に取り上げるのも同じくブリからの話題ですけれども、こちらも何やら摩訶不思議とも当然とも言いかねる結果であったようです。

株取引で「プロ」「学生」「猫」が勝負、誰が1番儲けたか?イギリスで実験(2013年1月16日らばQ)

株で儲けようと思っても、なかなか簡単にいくものではありません。

イギリスで「プロ」「学生」「猫」の3グループに分かれ、それぞれに株取引をしてもらい、誰が1番儲けられるかの実験を行ったようです。

すると結果は……。

結果から言いますと、なんと猫のオーランドが5542ポンド(約80万円)で堂々の1位。

新聞社の2012年のチャレンジとして3グループに分けて実施されたものだそうです。

1つ目のグループは顧客の売買注文を取り次ぐブローカーや企業のマネージャーで普段から株取引をしている、その道の専門家たち。2つ目のグループは学生、そして猫のオーランドが参加しました。

各チームは5000ポンドを株式市場で投資し、3ヶ月おきに別の株に変えることが出来ます。9月の終わりにはプロチームが497ポンドの利益に対して、猫のオーランドは292ポンドだったのですが、最終期に入ると平均4.2%の増加となり、合計5542.60ポンドで終えてプロチームを逆転しました。

ちなみにプロチームは何十年もの経験を生かし、伝統的な株の選択方法だったのに対して、オーランドは気に入りのネズミのおもちゃを番号のマスの上に投げるというランダムな方法だったとのことです。

ちゃんと利益を出したプロの知識はさすがと言うべきで、学生よりも役立つものの、急な天候の変化や猫のランダムな選択には歯が立たないという結果に終わったようです。

しかし偶然とは言え、猫おそるべしですね。

何とも摩訶不思議とも言える結果なのですが、冷静にこの勝負で何が明らかになったのかと考えて見れば、つまりはブリの猫はブリの人間よりも優秀であると言うことが判明したと言うことですね。
なんだ、そう考えると何もおかしな話ではないようにも思えてくるのですが、ネズミのおもちゃを投げたりと余計な人件費がかかるのが実用化に当たっての問題点でしょうか。

今日のぐり:「すし遊館 新倉敷店」

最近回転寿司と言えば100円系を続けざまに利用させてもらっていたのですが、それよりはやや高価格帯で提供されているこちら「すし遊館」さんは倉敷市に本拠を置き中四国に店舗展開されているローカルチェーンだそうですね。
なんでもネタなどもさることながら特にシャリにこだわっているということなのですが、まともな定食屋がきちんとした飯と味噌汁を出してくるのと同様、こうした安価な大衆向け寿司の方針としては正しい考え方だと思います。
こちら新倉敷店にはなんでも裏メニュー?にお気に入りがあると言う同行者と連れられ何度かお邪魔したことがありますが、いつも食事時になると行列待ちになっているようですから地域の人気店と言うことになるのでしょうね。

本日のおすすめメニューを中心に例によって同行者とシェアしながら幾つかつまんでみましたが、鮮魚系では定番のアジは時期的なものか思ったよりあっさり目、一方でイワシは逆にうまみたっぷりなんですがわずかに生臭さが感じられたのが惜しかったでしょうか。
岡山県の県魚とも言うべきサワラなどはずいぶんと身割れしやすい魚できちんと扱うには包丁技も相応に求められると聞きますが、こちらのサワラは見た目はともかく味はしっかりサワラらしかったと思いますね。
海老フライ巻は今や回転の定番メニューですがこちらのものはシャリとネタとのバランスも良好、辛みそナスの握りは一見地味な野菜ネタなんですがナスの香ばしさにタレのマッチングもよく妙にハマってしまいました。
回転の鬼門であるマグロの巻物では通常の鉄火巻きとトロ鉄火巻きとがあるようなのですが、コストの制約がある中では脂が多い方がごまかしが効きやすいのでしょうか、鉄火巻きよりはトロ鉄火巻きの方がおすすめですかね。
シメのネギ焼き玉子は甘口の玉子焼きに甘辛タレとネギの辛みが加わった味ですが、玉子も冷たいよりはほんのり暖かいくらいの方がマッチングが良さそうに感じました。

テイクアウトも割合に多く出ているようでかなり繁盛しているようですが、それもあるせいかオーダーの通り自体はまずまずであるものの、ネタによっては思ったよりも長くかかってしまうということもままあるようです。
これでもかというくらいに各種メニューを取りそろえている百円系に比べれば寿司以外のメニューが少ないのがいいのか悪いのかですが、そのせいもあってか客層も高年齢層中心ですし、子供もややおとなしい気がしますね。
100円系に比べればメニューも味も客層も寿司屋らしい雰囲気が感じられるのですが、実際には大差ない価格帯になるだろう昔ながらの町の寿司屋と比べてもはるかに幅広い顧客層を取り込めるのが回転ならではの強みでしょうか。

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2013年1月26日 (土)

朝日がまたやった アルジェリア事件の裏騒動まとめ

先のアルジェリアでのテロ事件に際しては、人質となった方々にも不幸にして多数の犠牲者が出ましたことに哀悼の意を表したいと思います。
さて、そのテロ事件に関連して政府が未だ被害者の氏名を公式発表する以前の段階にも関わらず、マスコミ各社から被害者の実名報道が行われたことに気付かれた方々も多いと思いますが、この陰には例によってあの新聞社を筆頭とするマスコミの暴走があったようですね。

アルジェリア人質事件、実名報道に遺族関係者から異論「『実名は公表しない』と取材受けた」(2013年1月23日RBB TODAY)

 アルジェリア人質拘束事件について、犠牲者の実名を非公表とした日本政府に対し、朝日新聞が22日朝刊で実名報道を開始。メディア各社が追随したことに対し、論議を呼んでいる。

 21日深夜、日本政府は同事件で日本人犠牲者がいたことを確認し、公表した。その会見の際に菅官房長官は、会社(日揮)、ご遺族と相談の上、実名は公表しないことに決めたと、犠牲者の実名を明かさないことを表明した。

 しかし翌22日、朝日新聞は朝刊に犠牲者の実名と写真を公表。これを受けてテレビ、新聞各社も追随、実名が広く報道されることになった。

 Twitterなどでは22日午前からこの実名報道に関するツイートが増加。トレンドにも「実名」が載ったほどで、そのほとんどは実名報道を非難するものだった。午後になり各社が追随し、記者やマスコミ関係者と思われる人からの「それが何よりの弔いになる」「事件を公的なものとして歴史に刻むため」といった論拠がツイートされたが、多くの反論が寄せられたようだ。

 犠牲者の甥という本白水智也氏は23日になり、Twitterで「朝日新聞の記者は2つ約束をしておりました。『実名は公表しない』『本白水さんの許可がなければ絶対に記事にしない』。この2つの約束を破りました」と朝日新聞記者とのやりとりの一部を公表。1000件を超えるリツイートがなされている。

 本白水氏は、このほかにも叔父の家庭近辺で過剰な取材があったことなどを明かし、「今回の約束を破って実名報道した朝日新聞には抗議文を書きまして、今回の実名報道されるまでのやりとりについての取材を受けます」と言明。実名報道に端を発した取材のあり方を今後も追及していくとしている。

 新聞記者になると、まず初めにやらされるのが事件の際の被害者(場合によっては加害者)の写真集め。写真がないと叱られるといったこともある。こういった体質が実名報道を“是”とする傾向とつながっていないか。この実名報道、まだまだ論議を呼びそうだ。

報道ステーション 犠牲者の実名を報道し電凸する人も(2013年1月24日アメーバニュース)

 アルジェリア人質事件で、犠牲となった日揮の社員について報道番組『報道ステーション』(テレビ朝日系列)が1月23日に実名を報道。この報道を受け、テレビ朝日に電凸する人たちが現れている。

 犠牲者の実名について、政府はこれまで遺族への配慮などから公表を避けていたが、一方で内閣記者クラブは実名公表を政府に申し入れし、議論を呼んでいた。

 この議論について、編集者の竹田圭吾氏はツイッターで「事件を公的なものとして歴史に刻むため」など実名を報道する意義をコメント。地方紙の記者をしている人物などからも「報道機関が名前の公表要求に必死なのは、『事実を明かさない』ということをひとたび認めてしまうと、情報隠蔽の前例として利用されてしまうことを恐れている面が強いです。8年前は個人情報保護法が施行されて、行政や警察が個人情報でも何でもない情報を出さない理由に使われました」などの意見が寄せられている。

 そうした議論を呼んでいる中、『報道ステーション』が実名を報道。ネットでは実名報道について「(遺族が)マスコミ含めた野次馬や無思慮な振る舞いを受けるリスク以上の価値が実名報道にあるとは思えない」などの声も多数寄せられていることもあり、テレビ朝日に電凸する人も登場。

 ツイッターでは電凸した結果「弊社は海外の事件では実名報道をしてきたし、家族の強い希望があった場合は配慮することもある」などの回答を受けたことが報告されており、「では弱い希望のときはどうするのか?今回は家族がそっとしておいてほしいと望んでいるはずだが」との質問には「そのようなご意見があったことは伝えておきます」と回答を受けたという。また電凸した別の人物からも「テレ朝電話したら遺族が強く実名報道するのいやがってないから報道したって言ってた。誰でも実名で報道するそう。実名を調べた方法は教えられないそうだ」と同様の報告が寄せられている。

しかし実名報道に対して「それが何よりの弔いになる」とは何ともユニーク極まる感覚(注:ほめていません)と言うしかありませんが、大新聞サマに庶民風情がお名前を載せていただくだけでも恐れ多いことなのだから満足して成仏しろとでも言いたいのでしょうか?
被害者親族との約束を反故にしてまで実名報道を強行した理由が「「事件を公的なものとして歴史に刻むため」なる言い訳に至っては全く意味不明で、その後の朝日側の言い訳も何やら意味不明なことの連続で何が何やらという感じなのですが、親族側情報提供者として名前が出ている本白水智也氏がこの辺りの経緯を逐次的に語っていますので参照いただければと思います。

【参考】アルジェリアテロ被害者実名報道事件・本白水智也さんインタビュー「メディアに情報を渡すと、誰にでも起こる問題」(2013年1月24日ガジェット通信)

【参考】アルジェリアのテロ犠牲者の、朝日新聞の実名報道に対する遺族関係者のツイートまとめ。

本白水氏の説明からざっとまとめてみますと、もともと事件発生当所から政府および会社側に安否情報を早急に開示してくれとブログ等で発信していた、これに対して会社側からはまだ確実な情報を得ていないといった説明を受けて一応は納得していたということですが、この頃から報道数社から同氏に「話を聞かせてくれないか」との接触が始まったと言います。
このうち朝日新聞に対して「政府や会社からの発表があるまで実名は出さない」「記事にする際には自分に許可を取る」という二点を承諾させた上で取材に応じたということなのですが、1月21日に記者側から「今日にも政府から発表がある。その時にちゃんとしたプロフィールがなければ、週刊誌とかメディアがめちゃくちゃなこと書きますよ」という提案があり、この時点でプロフィールを手渡したと言います。
同日深夜に会社側から親族死亡が確認された旨の連絡があったそうですが、この時点では官房長官の記者会見で7名死亡の事実のみで実名公表はないという発表があった、ところが日付が変わった翌22日未明になって突然朝日側から実名入りの記事を添えて内容を確認してくれと言う連絡があり、驚きながらはっきり拒否の意向を伝えたもののそのまま事後承諾を求める連絡のみで掲載を強行されたということです。
恐らく記者側としては朝刊の締め切りに間に合わせる必要もあってこのような振る舞いに及んだと言うことなのでしょうが、朝日の実名報道によって一気に報道各社が親族宅に殺到しメディアスクラム状態になったということで、当然ながら同氏側では納得せず一連の経緯をネット上で公開したことから大きな騒動に発展したわけですね。

・叔父の子どもが住むマンションには報道各局が押し寄せ、14世帯中13世帯に取材をし、近隣に迷惑をかけております。さらに郵便受けの中身を確認していたそうです。やめてくれ。

・フジテレビが上京した親族に「ねぇ、いまどんな気持ち?」と聞いていたので、「人の心はないのか?」と言ってやりました。

・今回朝日新聞記者の約束反故による実名報道のおかげで、親族にメディアスクラムが及ぶことになり、親族たちは私に激怒し、私は面会も、葬儀も出席してはらないことになりました。結果として親族に迷惑をかけたことを深く反省し、お詫び申し上げます。

これまた興味深いことだと思いますが、この朝日の実名報道に関しては同業他社が一生懸命援護射撃を繰り返しているのは彼らに共通するポリシーとして理解出来ないではないにせよ、親族を騙してまで強行する理由として「事件の実態に迫るのに欠かせない情報だと思うから」だの「われわれマスコミは国とは違った視点で検証することも必要」などと「意味不明のことを口走っており」状態だということですよね。
同業ジャーナリストの佐々木俊尚氏もこの事件に関して意見を公表していますが、業界の中の人である同氏にしても「新聞記者の側は、「理想とすべき報道理念」を語っているけれども、遺族取材を批判する人たちは「現実の報道の姿勢」を問題にしている」と双方の認識のずれを指摘している通り、どうも業界人側からは親族や世間が何を批判しているのか理解していないような弁明ばかりがなされているようです。
今回の場合単純に考えても情報提供するかわりに実名を出さないという約束があったのにそれを破ったということで実名報道の是非などとは全く異なる次元の話ですが、仮に百万歩譲って実名報道の意義というマスコミ側の土俵に乗って考えた場合でも、この事件において親族の反対を押し切ってまで政府発表に先んじてたかだか数日早く実名報道をすることの意義がさっぱり理解出来ません。
今回朝日がスクープ?をモノにしたことで現地情勢の分析に有益であるのか?広く日本人全体への注意喚起に意味があったのか?被害者の実名が政府発表前に判らなければ事件の検証は出来なかったのか?そもそも実名を出してもらいたくないとはっきり拒否された人の実名まで出す必要があったのか?といった数々の疑問に対して、朝日の弁解は全く何の答えにもなっていないということですね。
どんなに高尚な屁理屈をこねまわしても結局は先に実名報道ありきという大方針が先にあった、そして全てはそれを押し通すための言い訳に過ぎないということが誰にでも丸判りだからこそこれだけの批判を浴びているわけですが、今回の親族による逆報道の拡散ぶりを見ていますとそろそろ無遠慮にカメラとマイクを突きつける報道陣に向かって、逆に動画撮影なりして晒すという人も現れそうな予感すらしてきます。

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2013年1月25日 (金)

一進一退の生活保護改革

今回の政権交代でいつの間にか一つの主要政策のようにすら扱われ始めているのが生活保護(生保)問題ですが、先日いよいよ保護費抑制が本決まりになってきたというニュースが出ていました。

生活保護費 「生活扶助」基準額、3年で最大1割削減 厚労省方針(2013年1月23日産経ニュース)

 厚生労働省は23日の自民党厚労部会で、生活保護費のうち食費や光熱費に使う「生活扶助」の基準額を、平成25年度から3年かけて段階的に最大1割削減する方針を明らかにした。同党側は引き下げ方針を了承した。

 政府は全体で8%程度、約800億円削減する方向で調整している。ただ、自民党が昨年12月の衆院選の政権公約で、生活保護について「原則1割カット」を掲げているのに対し、公明党が大幅引き下げに難色を示しているため最終調整が続いている。

 また同省は部会で、生活保護費の医療扶助(医療費)を抑制するため、受給者に価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)を使うよう医療機関が促すことを生活保護法で規定する方針も明らかにした。

 生活保護受給者は増加傾向で、昨年10月には過去最多の214万2580人になった。

当所の勢いに比べると3年で最大1割の削減というかなり控えめなものにも見えるのですが、今後言われている通りにインフレ誘導政策が続いて穏健な物価上昇が続く中で保護費削減が行われていくのだとすれば、実質的には1割以上の削減になってくるという可能性も出てくると言うことでしょうか。
もちろん公明党を初めとして未だ抵抗勢力も根強いことですから、逆にインフレ等の逆風を理由として保護費削減自体がいずれ中断あるいは骨抜きにされていく可能性もあるかと思いますが、いずれにしても生保受給者へのムチを振るうばかりではなく困窮する低所得労働者へきっちりと保護策を講じていくことこそより重要なんだろうと思いますね。
ただここで注目していただきたいのが今回削減を言われているのはあくまでも生活費の部分である点で、今までにも無料であるが故に使い放題を良いことに過剰診療になっていると批判の声もあった医療扶助に関しては抑制の対象外であるわけですね。
この医療扶助削減については先日は先発品を使った場合には差額を自己負担にするという新しいアイデアが出てきてこちらも改革が進むかと期待していたのですが、どうもその後の報道を見ていますとむしろ後退基調にあるようにも見えることが気になります。

生活保護受給者、後発薬基本に 厚労省が検討(2013年1月19日47ニュース)

 厚生労働省は19日、生活保護の医療費(医療扶助)を抑制するため、受給者に価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)の服用を基本とする方向で検討に入った。特別の理由がなく拒否した場合には、福祉事務所の保健指導の対象にする。

 一方で、現在無料になっている医療費の一部自己負担化については「必要な受診を抑制する恐れがある」として見送る方向だ。

 生活保護費の総額は2012年度当初予算で3兆7千億円。うち医療費は半分近くを占めており、抑制策が課題となっている。

生活保護医療費の自己負担に反対 審議会が表現修正(2013年1月23日47ニュース)

 厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会の特別部会は23日の会合で、前回まとめた報告書で両論併記としていた生活保護受給者の医療費(医療扶助)の一部自己負担化を「行うべきではない」と反対する表現に修正した。

 16日にまとめた報告書は「額が小さくとも一部負担を検討すべきという意見がある一方で、一部負担は行うべきではないとの意見もあった」と記述。しかし23日示した修正案では「一部負担を導入することについては、行うべきではない。なお、額が小さくとも一部負担を検討すべきという意見があった」と、否定的な姿勢を強調する形に変更した。

しかし「後発品使用を原則とする」などと玉虫色に過ぎる表現でお茶を濁しているのも気になりますが、生保患者の場合すでに一般患者よりもはるかに多い受診が問題になっているのに一部自己負担化で受診抑制でもしたら大変だと言うのは、つまりは一般患者はとっくに受診抑制をしているとも取れるのですがそちらは問題ないと考えているのでしょうかね?
おそらく今回は支給額削減が最大のトピックでそれと併せてジェネリック使用を原則化する、それもずいぶんと微妙な表現で一生懸命抜け道を用意しているようにも思えますがともかくそちらで一段締め付けるということで、バランス取りの意味で自己負担化を見送ったというところだと思いますが、考えてみれば相変わらず医療費無料である以上何ら受診抑制にはつながらないはずですよね。
それどころか過去の実例から考えれば月末になると今まで以上に早く保護費を使い果たした生保受給者が、「金がないからしばらく入院させてくれ」と今まで以上に病院に押しかけてくることすら想定できそうなのですが、結局今回の改定では医療費に関してはむしろ抑制と言うよりも増加する可能性すらあるということでしょうか。

生保受給者の急増が社会的に問題視されていますが、特にその保護費のうち約半分近くが医療扶助であるということで世間の一部には「何と生活保護費の半分を医師会がピンハネしていた」などと言っている人もあるくらいで、さすがにこれは事実関係の誤認と言うしかないとは言え「医療関係者=生保抑制に非協力的な抵抗勢力」と見なす風潮は少なからずあるようです。
日医なども国の方針もあって嫌々ながら?生保受給者の後発薬使用をもっと促進しましょう、などと会員に通知を回したりもしていますが医療費自己負担化には熱心に反対している、さらには日医に限らず他の医療系団体もおおむね自己負担化反対という姿勢をとっているのがこうした「偏見」に輪をかけているのは疑いないですよね。
一方で興味深いことに現場医師達への調査では後発品義務化、医療費一部自己負担化とも多くが賛成しているわけですから、この辺りは実際に診療の場で直接対峙している人々の実感と医療機関の経営的視点との対立という捉え方も出来るのかも知れません。
しかし反対派の医療系団体自体が主張しているように巨額の医療扶助支出の大部分は高齢者の入院費用であるのですから、一部自己負担化がなされたところで残る保護費の大部分は使われることもなく貯め込まれていくだけという現状に変わりはないはずで、どうも反対論の根拠はデータ的にも弱いんじゃないかという気がするのは自分だけでしょうか。

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2013年1月24日 (木)

まだ学生だから…は言い訳にはならない(かも知れない)

よくあることと言えばその通りなのですが、学生とは言え職業的倫理観に欠けると言われても仕方がなさそうなのがこちらの事件です。

Jリーグ「佐藤寿人のカルテみた♪住所とか番号とか」 ツイートした医療系学生、内定辞退(2013年1月22日J-CASTニュース)

   2012年のJリーグ得点王・サンフレッチェ広島の佐藤寿人選手(30)について、医療系の専門学校生が実習先の病院で「カルテみた♪住所とか電話番号とか」とツイッターに投稿し、炎上する騒ぎがあった。

 学生は処分され、病院の内定を辞退。学校と病院はサンフレッチェ広島に謝罪するという結果となった。

「病院きたときゎサインもらおっと♪」

    「あ、そゆいえば今日暇だたけ佐藤寿人のカルテみてみた♪♪♪住所とか電話番号とか… さすがに携番ゎなかったけど 病院きたときゎサインもらおっと♪♪♪」

   2013年1月16日にこんなツイートが投稿されると、すぐにサッカーファンと見られるネットユーザーに発見されてしまった。前後のツイートから「医療系の学生が実習先の病院で得た情報をツイートしている」と判断され、このユーザーあてに「あーぁ。やっちゃったーwwww」「病院クビかな?」「こんなバカは医療現場に要らない、患者情報をネットで晒すなんて言語道断」などのコメントが寄せられた。さらに2ちゃんねるにもいくつもスレッドが立てられ、炎上騒ぎとなった。

学校が下した処分の内容は非公表

   これを受けて1月17日、トリニティカレッジ広島医療福祉専門学校(広島市中区)の公式サイトに「お詫びとご報告」という文書が掲載され、「本校学生が研修中の病院様において、患者様のカルテを閲覧し、その内容を不正に個人のTwitter(ツイッター)に書き込んでいたことが、2013年1月16日夜に判明いたしました」と認めた。学生については「経緯を聴取し事実関係を調査しています。処分について、調査結果に基づき、学則に従い厳正なる処分を行います」とした。

   さらに医療法人あすか(広島市安佐南区)の公式サイトでも1月17日、「当院医療事務の実習生」としてこの問題について謝罪する文書が掲載された。

   そして1月18日、トリニティカレッジは守秘義務違反で学生を処分した。処分の内容については公表していない。学生は実習先の病院の内定を辞退、学校と病院はサンフレッチェ広島に謝罪、という結果となった。

   なお、問題の学生はすでにツイッターアカウントを削除している。

ちなみに学校側には反響に驚いた学生自らが事実関係を申し出たということですから本人も何らかの罪の意識はあったのでしょうが、いずれにしてもこのご時世にまたもや「馬鹿発見器」でまんまと人生を狂わせてしまったと考えるべきか、あるいは病院側にすればあらかじめ獅子身中の虫予備軍をピックアップ出来て良かったと見るべきでしょうか。
近年SNSの流行によってこの種の事件は幾らでも多発するようになっていますが、元々ネットに限らずこうした事件は時々発生していたことは言うまでもなく、先年も大分で看護師が身内に患者の容態を漏らしたと雇用主である病院が訴えられ裁判沙汰になったケースがありました。
さかのぼれば某総理経験者が緊急入院になった際に当該病院スタッフと思われる人物の書き込みによって極秘のはずの容態が全国に拡散するという事件がありましたが、院内ネットからの書き込みであったと考えられたため全国国立病院には院内からの書き込みログを提出すべしというお触れが出回ったようですね。

今回の事例でも書き込んだ当人としては病状など詳しいことには触れていないから構わないだろう、くらいの軽い気持ちであったのかも知れませんが、スポーツ選手が故障を抱えて病院にかかっているともなれば給与や移籍交渉などにも影響しかねないだけに、どこの施設に誰がかかっているという情報だけでも大変な影響を及ぼす可能性があるというわけです。
先年の尖閣動画流出事件などにも見られるように、社会人がリスクも何も全てを承知の上で職を賭してでも敢えて書くと言うことであれば外野が軽々に口を出せることでもありませんが、その覚悟もないまま軽い気持ちで書いてしまうことへの危機感、特に社会的制裁の怖さも理解していない学生が一瞬の過ちから人生を棒に振りかねないという恐ろしさをまず承知しておくべきでしょうね。
前置きはそれくらいにして、先日は全国医学部長病院長会議からこんなニュースが出ていたのですが、リスク軽減のための制度が新たなリスクを呼びかねないという懸念があることを承知しておかなければならないでしょうね。

共用試験合格の医学生に「学生医」資格を付与へ(2013年1月18日日経メディカル)

 全国医学部長病院長会議は1月17日の記者会見で、新たに「学生医」の制度を設けることを明らかにした。各大学における共用試験の合格者全員を同会議で「学生医」として認定するもので、臨床実習のための能力の“お墨付き”を与えることで、診療参加型実習への患者・家族の了承を得やすくする

 共用試験は、臨床実習開始前に医学生が習得すべき能力について、コンピューターを用いたCBT(医学的知識を問う試験)とOSCE(客観的臨床能力試験)で評価する仕組みで、05年に全国の医学部・医科大学で本格導入された。出題される問題は大学間で共有するが、合格基準は各大学が設定している。

 全国医学部長病院長会議は、5月に開催される総会で「学生医」創設についての同意を求め、13年度秋に共用試験を受ける学生を対象に初回の認定を行う予定だ。

 ただし、共用試験の合格基準は、これまで通り各大学が設定するため、「学生医」の質にもばらつきが生じる可能性がある。これについて同会議は、「資格の質の担保は、学生医の共用試験における最低水準を設定し、各大学の合格基準を公表することで行う」としている。また、「学生医」の名称については、法的な根拠のない資格に「医師」の呼称が付くことに対する反発もあり、今後変更の可能性があるという。

 この「学生医」の考え方は、昨年11月にまとめられた同会議の「医師養成グランドデザインへのAction Plan」で示されたもの。「学生医」の認定を第1ステップのアクションプランとし、第2ステップとして「学生医」が実施できる医行為水準を数年かけて策定する。そのほかにも、アクションプランでは知識偏重の医師国家試験の見直しや初期臨床研修の到達目標の改変、離職した医師の再教育などに言及している。

医学教育というものが座学的知識の習得と実習等による実技の習得の両輪で成り立っていることは言うまでもなく、また近年国家試験を初めとして手技的な習熟度をもっと問うていくべきではないかという流れが主導的になってきたこともご存知の通りだと思います。
一方で医師と言えば唯一合法的に他人を傷つけてもよい職業などと言われる通り、一般的にその手技の多くが程度の差こそあれ相手の心身になにがしかのダメージを与える侵襲的なものであることも理解されているところだと思いますが、そうなると国家試験に合格していない=法的に他人を傷つける特権を得ていない学生達がどうやって実技を学んでいくべきかという問題が自ずから発生するわけですね。
この辺りは医師よりも看護師教育の方がより深刻な問題となっていて、以前から学生同士で針刺しの練習をしたりといった限りなくグレーゾーンに近いことをやってお茶を濁してきたわけですが、一方では資格取得の前提条件として実技的な習熟を問うと言うのであれば、それが可能になる法的な裏付けが必要になることは言うまでもないことです。
その意味では今回の「学生医」なる制度は特に法的な根拠を伴わず実効性がどの程度あるのかははっきりしないとは言え、少なくとも知識レベルにおいてはある程度の処置を行える水準にあるということを担保する上では相応に意味のある制度的裏付けになっていく可能性はあるわけです。

ただしここで問題になってくるのが医学生と医師との意識の差というものなのですが、別に侵襲的な処置に限らず患者にかける言葉一つをとってみても一度それを為してしまえばもはや取り返しがつかないという事がままあるのが医療現場というもので、特に患者と直に接する臨床実習において指導医が最も気を遣うことの一つが学生の口から余計な事が漏れてしまわないかという危惧です。
基本的に基礎医学までの学生実習というものは正しく行えば必ずうまくいくよう管理された環境下で、結果の予想されたことを粛々と行っていくという性質のものですけれども、臨床実習ともなると相手となるのは一人一人身体の構造も疾患も社会的背景も異なっている人間であり、成功への道筋どころかこのやり方なら決して失敗しないという保証などどこにもないのが現実ですよね。
失敗したからまたやり直すということが出来ない状況も多々あるわけですから学生としても慎重に、あるいは患者に対する自らの行為にきちんと責任を持つという姿勢で実習を受けていかなければならないということですが、権限が広がるほどうっかり失敗してしまった場合により深刻な事態になりかねないのも当然で、冒頭の記事のように一つの失敗で人生を踏み外してしまうと目も当てられません。
昨今では学生時代から積極的に情報発信をしている人も少なからずいますし、もちろんそれによって得られる様々な経験も貴重なものですけれども、同時に一歩間違えば大変な騒ぎになるかも知れないという危機感を持って日々を過ごしている学生がどれほどいるだろうかと少しだけ心配になってきますね。

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2013年1月23日 (水)

開業医冷遇時代に期待される役割

本日まずは先日の日経メディカルでこんな記事が出ていましたことをざっと紹介させていただきましょう。

外来中心の開業形態では窮地に?患者減や標榜科の制限で、診療所の経営悪化は必至(2013年1月21日日経メディカル)

 診療所数は増加を続け、1軒当たりの外来患者数は減るばかり。この傾向は今後も強まり、経営不振に陥る診療所はさらに増えるとみられる。新専門医制度がこれに追い打ちをかけそうだ。
(略)
自由標榜ができなくなる?
 医療コンサルタントとして開業支援を手掛ける匠の社長の原田裕士氏は、「20年前は開業1年後にはどの診療所も1日50~60人の患者を確保できていた。しかし今は、開業して3年たっても30~40人にしかならない」と語る。

 国内の有床診療所と無床診療所を合わせた一般診療所数は増加を続け(図6)、12年4月末には10万10施設に達し、初めて10万施設を超えた。さらに、02年に長期の投薬が解禁され、05年度は16.7日だった内服薬1種類当たりの投薬日数が11年度には20.5日となり、患者の通院回数は減っている
(略)
 加えて、長引く不況により、「かぜ程度であれば市販薬で済ませたり、処方された医薬品の服用回数を減らして長期間持たせる患者も珍しくなくなった」(原田氏)。その結果、診療所の外来患者数は減るばかりだ(図6)。これに追い打ちをかけるように、近年の診療報酬改定では急性期医療の立て直しに重点が置かれ、外来中心の診療所には厳しい改定が続いている。

 さらに今後は、現在のように診療科を自由に標榜できなくなる可能性がある。専門医の質を高めることを目的に、現在検討されている新専門医制度では、専門領域を2階建てとし(図7)、学会から独立した中立的な第三者機関が資格を認定することが決まっている。それに伴い、標榜する診療科を専門医資格と連動させる案が浮上している。
(略)
 既に専門医資格を取得している医師に対しては、移行措置を設けるなど配慮がされる見通し。また、専門医資格がなくとも、新たな研修を受けることで、患者が確保しやすい総合診療科(仮称)の専門医資格も取得できることになりそうだ。ただ、専門医資格の有無によって外来患者の数が左右されるケースも考えられ、患者獲得の面で苦戦を強いられる医師も出てきそうだ。

開業医は在宅医療に活路
 外来中心の従来型開業が立ち行かなくなっている中、診療所はどうすればいいのだろうか。原田氏は「立地や職員の採用形態、資金計画について慎重に検討した上で開業することはもちろんだが、在宅医療にも目を向けるべきだ」と指南する。在宅医療は、最近の診療報酬改定で手厚く評価され、平均在院日数を減らしたい病院からの患者紹介も見込める。超高齢社会で死亡者数が増加の一途をたどる中、看取りを担う役目も期待されている。
(略)
 開業すれば悠々自適な生活が保証された時代は今は昔。在宅医療へ乗り出したり、専門医資格を取得するなどしなければ、生き残りはますます難しくなる。

まあしかし、厚労省としては医師は診療効率の良い大病院に集約化したいと考えているのが見え見えですから、これはこれで望んでいる通りということでほくそ笑んでいることでしょうし、仮にどこからか開業医の利益確保に配慮した反対意見が出たとしても今さら政策的誘導の流れは引き戻せないのではないでしょうか。
一般論としても勤務医よりも開業医の方がQOMLは高いとされているのですから、それだったら収入面では逆にしておかないとおかしいという考え方はさほど不自然なものではないし、顧客でありスポンサーでもある国民の感情としても365日24時間奴隷のように滅私奉公している基幹病院勤務医と、盆暮れ正月は長期休暇で悠々セレブ生活をエンジョイしている金満開業医のどちらにお金を出したいかということですよね。
要するに今までのように何らかの良く判らない物質的、あるいは精神的束縛から自由になり開業しさえすれば楽してウハウハの生活が送れるという時代ではないということですが、診療報酬上も専門医・標榜科といった制度上も、そして顧客の絶対数でも今後あまり目立った改善点が見込めそうにない開業医としてどこで飯の種を探していけばよいのかと悩んでしまいますよね。
もちろん開業であっても高度な専門性をアピールしたり自由診療主体にしてみたりと様々な道は考えられるでしょうが、社会的にも求められ医療資源配分最適化の面でも求められている重要な仕事がこれからの開業医にはあるだろうと言うことです。

緩和ケア促進で自宅死亡率1.9倍に-厚労省戦略研究、多職種連携がカギ(2013年1月21日CBニュース)

 がん患者への緩和ケアを推進する取り組みで、地域の自宅死亡率が1.9倍にー。多職種連携の促進など地域の資源を最大限に利用するという方針で、2008年から5年間実施された4地域での緩和ケア研究プロジェクトを通じ、自宅死亡率や「望んだ場所で最期を迎えられた」人の割合が有意に上昇し、医師の緩和ケアへの困難感が大幅に減ったことが、20日に東京都内で開かれた公開シンポジウムで報告された。この研究は厚生労働省の「第3次対がん総合戦略研究事業」の一環で、「緩和ケアプログラムによる地域介入研究(OPTIM研究)」(研究代表者=江口研二・帝京大医学部教授)として行われた。要因の分析では、多職種の「顔の見える」関係により、専門家へのアクセスを構築したことが、緩和ケア普及のカギになったと結論付けられた。

■4地域で取り組み、世界最大規模の研究

 取り組んだ地域と、拠点となった病院・団体は、山形県鶴岡市・三川町(鶴岡市立荘内病院・鶴岡地区医師会)、千葉県柏市・我孫子市・流山市(国立がんセンター東病院)、長崎市(長崎市医師会)、浜松市(聖隷三方原病院)。
 これまで十分な緩和ケア体制がなかった所では新たに築き、既に体制がある地域では総合病院やがん専門病院を中心に、研究班の作成したマニュアルなどを取り入れて体制を強化し、介入前と介入後を比較。地域緩和ケアプログラムを行うことによる成果と、それが何によってもたらされたかを分析した。医師だけでも計355人が関連の多職種カンファレンスに参加するなど、大規模なプロジェクトで、分析をまとめた聖隷三方原病院緩和支持治療科部長の森田達也氏によると、現時点で世界でも最大規模の研究だという。

 地域で強化されたのは、▽多職種カンファレンスなどの地域緩和ケアコーディネーション・連携の促進▽マニュアルの配布やセミナーによる緩和ケア技術・知識の向上▽がん患者・家族・住民への情報提供▽緩和ケア専門家による診療・ケアの提供-。研究班が介入の手順書や緩和ケアのマニュアル、患者向けパンフレット、評価ツールなどを作成し、4地域で用いた。

 介入前と介入後を比較するために用いられた主要評価指標は、▽自宅死亡率▽専門緩和ケアサービスの利用数▽通院中のがん患者による苦痛緩和の質評価▽遺族による終末期がん患者の苦痛緩和の質評価-の4つで、介入後の患者・遺族調査は計1950人が対象となった。このほか、医師や看護師の知識、困難感なども、介入前と後に聞いた。

 がん患者の自宅死亡率は、4地域で介入前(07年)は6.8%だったのが、介入後(10年)は10.5%に大幅に増加。特に浜松地域では7.0%から13.0%へと、1.9倍になった。この間、全国では6.7%から7.7%へと小幅な上昇にとどまった。自宅での看取りが増えたものの、介護負担を聞いた調査では負担の有意な増加は見られなかった
 患者が望んだ場所で最期を迎えられたかどうかを遺族に聞いた調査では、「とてもそう思う」「そう思う」の合計が、介入前の32%から41%に増えた。特に患者が自宅で亡くなった場合は、「全くそう思わない」「そう思わない」「あまりそう思わない」の割合が、10.4%から1.9%へと大幅に減った

■「ついで」に相談できる関係がカギ

 顔の見える関係ができたことで、何かの「ついで」に緩和ケア患者について相談できるようになった-。緩和ケアにより自宅での看取りが増えた要因は、多職種の緩やかなネットワークだった。
 研究班は、それぞれの地域で中核となった計101人にインタビューを行い、結果に結び付いた要因を分析。退院前カンファレンスなど、多職種が会う機会が増えたことが、他の専門職への相談事案ができてから実際の相談までの時間を短縮したり、相手の事情を知ることで調整をより適切にできるようになったとした。4地域の地域緩和ケアチームへの患者の紹介経路を分析したところ、8割が電話やメール、カルテの共有、訪問などの「ついで」にされた相談であり、正式な依頼は2割だったという。
 森田氏は、地域緩和ケアの基盤整備のためには、「専門家への緩いネットワークによるアクセスを構築する」ことなどにより、既存の医療機関や人材、地域団体などを最大限活用するよう提言。専門知識のセミナーでは地域の拠点病院が主導し、ネットワーク構築には医師会など、地域から働き掛けることが好ましいと話した。

■診療所の医師に院内緩和ケアカンファレンス開放、意識に変化

 シンポジウム後半は、4地域の担当者がディスカッションし、取り組みや工夫について意見交換した。長崎市立市民病院地域連携室・前看護師長の小川富美子氏は、診療所の医師も参加する緩和ケアカンファレンスを毎週病院で実施し、診療所の医師が参加することで、「こんな状況でも帰れるのかと、勤務医の意識が変化した」と紹介。前鶴岡地区医師会長の中目千之氏は、退院前カンファレンスを徹底させるため、最初は会員の医師に電話して頼んだことを振り返った。鶴岡市立荘内病院地域医療連携室の室長補佐、叶野明美氏は、医師が医師役、看護師が看護師役をする庄内弁の寸劇をつくり、緩和ケアを市民に広めた取り組みで、「麻薬の正しい知識が得られたという声があった」と話した。
 浜松がんサポートセンターの野末よし子氏は、多職種が集まる会議は年間計画を立て、それぞれの職種の人が時間を確保しやすいように努めたことを紹介。柏市の平和台病院副院長・在宅センター長の山本文司氏は、「(研究班が作成した)『ステップ緩和ケア』というマニュアルを実践することで、スキルアップができた」と振り返った。【大島迪子】

かねて病診連携ということを考えていく上でこの終末期看取りを誰が担当すべきかという問題は決して小さなものではなかったはずですが、そもそも急性期の基幹病院が終末期の看取りまで対応するのは明らかに医療資源の無駄遣いであり、その結果本当に急性期施設でしか扱えない重大疾患の患者に手が回らなくなっているという悲しむべき現実があるというのが議論の大前提でしょう。
無論日本では昔から主治医制が敷かれているせいか、何も出来ることがなくなった終末期だからとホスピスにでも紹介しようものなら「今になって見捨てるのですか!」と泣きつかれる場合も多いでしょうし、患者を見送る側である家族からすれば「ここらで一番の病院で最後まで診てもらった」と親族や隣近所に胸を張りやすいのかも知れませんが、それは急性期医療を担う基幹病院本来の仕事ではないということです。
医師の側にも問題は少なからずあって、例えば昨今では公立病院であってもやれ平均在院日数短縮だ、病床稼働率改善だとやたら事務方からうるさく言われますけれども、取りあえずさしてすることもない末期の看取り患者で病床を埋めておけば面倒な新患も物理的に受け入れられないのですから、対応に追われて忙しくしないで済むというものですよね。
ただそうした周囲の事情によって患者本人が本当に幸せな最後を迎えられているのかということも問題で、結局のところ急性期医療とは「何らかの医学的な成果を得るために何かを我慢してもらうもの」という性質がある以上、ただひたすら安楽であることを追求する終末期医療とは全く性質を異にするものであり、スタッフもまたそうした対応においては経験が少なく高い質が期待出来ないということです。

かねてから患者本人に希望を聞けば多くの方々が住み慣れた自宅の畳の上で死にたいという希望があった、一方で現実的には家族の負担や往診してくれる医師がいないなどという理由でそれは無理だろうと諦観し病院で死を迎えていたという現実があったわけですが、逆に言えばそれだけ深刻な需要は存在していたということでもありますよね。
国もこうした事態を想定してかすでに患者の求めに応じて往診に出かけた際の往診料を細かく決めていますけれども、若い人が身体を壊したが体力も尽きて病院に行けない、仕方がないから往診を頼んだというケースと異なってこちらは持続的な需要が期待出来、なおかつ金惜しみもあまりしないだろう上顧客であるとも考えられますから、捨て置くにはもったいない潜在需要であるとは言えそうです。
先日は麻生副総理が過剰な延命治療も希望せず死にたいと思っているものが素直に死ねないのも困りものだといった身も蓋もなさ過ぎる発言をしていましたが、どうせ逝くなら安楽に苦しむことなく逝きたいというのもこれまた人情であって、金もなく病院にかかる事自体を忌避しがちな今時の若い者を一生懸命呼び込もうとするよりはこちらの方がよほど有望な市場ではないかと言うことですね。
無論医師の側としては指示を出しさえすれば終わることであっても、その陰には訪問看護・介護など多職種に渡る緊密な連携が重要なことは言うまでもないことで、くれぐれも目端の利く開業医だけがおいしい思いをして終わるということのないよう、役割分担や報酬体系などにもさらなる工夫が必要になるでしょう。

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2013年1月22日 (火)

高齢者社会福祉 今や各国で課題に

本日のお題は表題の通りなのですが、まずは東アジア諸国の高齢者社会福祉の実態ということで最近見かけたこんな記事を紹介してみましょう。

老後資金なく…高齢でも働き続ける韓国(2013年1月14日中央日報)

  韓国の高齢者は労働市場に参加する比率が世界最高レベルで、職場から完全に引退する年齢も最も遅いことが分かった。年金など高齢者福祉システムが十分に整っていない中、子どもの教育費などのため老後生活資金を蓄えていないためと解釈される。

  経済協力開発機構(OECD)が13日に出した報告書「高齢化と雇用政策」によると、韓国高齢者(65-69歳)の2011年の雇用率(人口に対する就業者数)は41%で、OECD32カ国の平均(18.5%)の倍以上だった。この雇用率はアイスランド(46.7%)に次いで世界2番目で、日本(36.1%)はもちろん、米国(29.9%)、カナダ(22.6%)、英国(19.6%)、ドイツ(10.1%)など主要先進国を大きく上回る

  実質引退年齢も韓国は男性71.4歳、女性69.9歳で、メキシコ(男性71.5歳、女性70.1歳)とともに調査対象国のうち最上位圏だった。

  韓国はOECD加盟国のうち実質引退年齢が遅くなった唯一の国だ。統計比較が可能な27カ国のうち、高齢者の実質引退時期(男性基準)が40前の1971年より遅くなっているのは韓国(65歳→71歳)が唯一で、日本(72歳→69歳)など他国はすべて引退時期が早まっている。

  こうした現象は、退職年齢(平均53歳)が世界で最も早い韓国人が、生計を維持するために労働市場に残留するためと考えられる。しかし高齢者向けの雇用と教育・訓練プログラムが不足し、自営業に飛び込んで失敗する高齢者も多い。

  OECDは報告書で「韓国の場合、高齢に入る前の50歳代半ばで再就職のための体系的な教育・訓練プログラムを受けられるよう、政府が政策的努力をしなければならない」と勧告した。また「高齢者が産業現場で災害にあう比率が相対的に高く、高齢者の安全に政府と企業が関心を向ける必要がある」と伝えた。

生まれてすぐ申し込んでも間に合わない?北京の養老院は100年待ち―英紙(2013年1月20日レコードチャイナ)

2013年1月16日、英紙デイリー・テレグラフによると、高齢化が急速に進む中国では、養老施設の不足が深刻で、北京のある養老院では入居待ちの高齢者が100年後分まで埋まっている。18日付で環球時報が伝えた。

中国では高齢化が急速に進んでおり、15年には60歳以上の人口が2億2000万人に、今後40年以内に5億人に達し、その時の総人口約15億人の3分の1を占めると推測されている。

中国ではこれまで、年老いた親は成長した子供たちと一緒に暮らし、子供たちが親の老後の面倒をみてきた。しかし、1979年の一人っ子政策の導入によって出生率が大幅に低下し、高齢者だけでの生活を強いられるケースも急増している。

北京では現在約45万人の高齢者が一人暮らしをしている。しかし、北京には公立の養老院が215カ所、私立の養老院が186カ所があるのみで、高齢者100人につきベッド3床しかない。これに対し、北京市民政局は養老施設の大幅な拡張を表明し、15年までにベッド12万床を増床すると確約している。

上海の養老施設の状況も北京と同様に非常に逼迫しており、上海市政府は養老施設の拡張とケア人員の大幅な増員計画を打ち出している。上海のある私立養老院では、数年前まで60床のベッドをいかに埋めるかに苦労してきたが、2~3年前から状況が変化し始め、ここ数カ月間は問い合わせの電話が鳴りっぱなしだという。関係者は「昔は親を養老院に入れたりすれば近所の人から非難されたものだが、今は状況がまったく変わった。親の側も一人での生活を望むようにさえなっている」と話した。

一方、中国政府の養老政策は、高齢者の90%は家庭で、7%は公立の養老施設で、3%は私立の養老施設でというこれまでどおりの政策を継続する可能性が高いという。(翻訳・編集/HA)

年金支給開始がさらに遅れそうな日本では高齢者の働き場所をどう確保するかということに腐心しているくらいで、働き続けられるならうらやましいほどじゃないかという声も聞こえてきそうですが、老後の生き甲斐として手に職を生かすということとその日その日を食べていくために働かざるを得ないということでは全く事情が異なりますよね。
中国に至っては入居待ち100年とは何の冗談かという話ですが、彼の国ではもともと社会保障システムが未完成なところにもってきて例の一人っ子政策の影響で今後高齢者を支える若~壮年人口が著しく不足するという予測がされているほどで、特に何らかの事故や疾病で子供を失ってしまった老親にとって老後の生活に対する不安はひとかたならぬものがあるようです。
先日は中国で成人した子供に親孝行を義務化する法律が出来たと話題になっていましたが、これなども具体的内容には乏しく努力目標に近いとは言え違反した場合には訴追することもあるということですから、その背景には乏しい社会保障を親子関係強化によって何とか補おうとする行政の苦しい意図が込められていることは間違いなさそうですね。
このように最近はアジア各国でも高齢化進行に伴い老人への社会福祉が課題となってきているようで、一面ではこの道の先達である日本としても介護機器輸出など新たなビジネスチャンスにつながると見込んでいるようですけれども、その日本においてもまだまだ到底需要に対して充足している状況とは言えないというのがこちらのニュースからも判ります。

「たまゆら」火災 高桑被告に猶予付き判決 群馬(2013年1月19日産経新聞)

 ■「福祉に注力」姿勢考慮

 寛大な判決をいただき、ありがたい-。渋川市の老人施設「たまゆら」火災の18日の判決公判。元理事長、高桑五郎被告(88)は閉廷後の記者会見で犠牲者や遺族に改めて謝罪するとともに、執行猶予付き判決に対する感謝の言葉を口にした。判決では、多くの犠牲者を出しながらも、私財をなげうって福祉事業に力を入れていた被告の姿勢も考慮した。(伊藤徳裕)

 前橋地裁の半田靖史裁判長は18日の判決公判で高桑被告に禁錮2年、執行猶予4年(求刑禁錮2年6月)、元施設長、久保トミ子被告(76)に無罪(求刑禁錮1年6月)を言い渡した。
 「社会的弱者を救いたいと福祉事業に力を注いだことには、敬意を表さなければいけない。しかし、火災から入所者を守るのは施設運営の根幹。今回の教訓を忘れずに」
 半田裁判長から公判の最後にこう諭されると、グレーのスーツに茶色いネクタイ姿の高桑被告は深々と頭を下げた。
 公判後、記者会見した高桑被告は「身に余る寛大な判決をいただき、ありがたく思っている。亡くなられた方のご遺族に対し深くおわびしたい」と消え入るような声で語った。担当した猿谷直樹弁護士は「予見可能性など、こちらの主張が受け入れられなかったのは残念だが、火災実験などを実施して緻密な認定をしていただいた」と一定の評価をした。

 公判で裁判長は、火災報知機の設置▽避難訓練の実施▽必要な宿直職員の配置-などの防火管理上の注意義務を怠り、「漫然と施設を運営していた」と厳しく断罪した。
 一方で、生活困窮者ら社会的弱者を救いたいと私財を注いでたまゆらを開設し、低料金で認知症患者らを受け入れていたことに言及。「十分な資金的余裕がありながら防火管理を怠ったわけではなく、事実関係もおおむね認めており、慰霊行事も行っている」と理解を示した。
 高桑被告は今後も福祉事業に関わっていくことを明らかにし、「低所得者を受け入れる施設は満たされておらず、行政の光を当てていただきたい」と福祉事業への思いを語った。
 高桑被告は平成24年3月に支援者の協力で慰霊塔を建立しており、同被告は「月命日には余生をささげておわびを続けていきたい」とうなだれた。
(略)
 多くの傍聴者で埋まった法廷だったが、死亡した入所者は身寄りのない高齢者が多く、地裁によると、この日も遺族からの傍聴希望はなかったという。

行き場のない低所得高齢者 受け皿いまだ整わず(2013年1月19日東京新聞)

 十人が火災で死亡した群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」を運営していたNPO法人(解散)の元理事長に有罪を言い渡した十八日の前橋地裁判決。火災から三年十カ月となる今でも、身寄りのない低所得の高齢者を受け入れる認可施設は足りないままだ。たまゆらのような無届け施設が受け皿を果たしている事情は変わっていない。

 NPO法人「ふるさとの会」(東京都台東区)はたまゆら火災で行き場を失った元入所者の三人を受け入れた。林栄さん(83)は会が運営する無届け施設「自立援助ホームふるさと晃(あきら)荘」で暮らす。
 軽い認知症がある。昨夏は二度、かつて暮らした東京・錦糸町で帰り道が分からなくなった。二十代で結婚したが、長女の誕生後に離婚。二十年の独り暮らしで体調を壊し、生活保護を受けるようになった。たまゆらでは「みんなとカラオケをするのが楽しかった」とほほ笑む。
 たまゆらで亡くなった十人のうち六人は墨田区の生活保護を受けていた。特別養護老人ホームに空きがなく、有料老人ホームには生活保護費では入れない。林さんと六人も墨田区のあっせんでたまゆらに入っていた。

 ふるさとの会は二〇〇五年から、低所得の高齢者が暮らせる受け皿をつくろうと、改修済み古アパートを借り上げ、空き家をなくしたい大家と高齢者をつないできた
 入居者は六畳間を二つに仕切った個室に暮らし、必要なら訪問介護など介護保険のサービスを受けられる。さらに薬の管理や外出の付き添いなど身の回りの世話をする職員が常駐する。介護保険や生活保護に含まれない付加的な支援だ。
 しかし、入居者が生活保護費だけで暮らせるよう運営費は切り詰めざるを得ない。病気や障害が重くなると、人手に不安がある。滝脇憲常務理事は「行政には空き家などの資源を生かし生活支援する制度設計をしてほしい」と訴える。
 厚生労働省によると全国の有料老人ホームのうち二百五十九施設(一一年十月現在)が無届け。国は低所得者向けの軽費老人ホームを増やそうと設置基準を緩和し、国と都は補助制度も設けた。しかし、都内で開設されたのは十五施設二百五十一人分(一月現在)で、目標の二百四十施設二千四百人分には遠く及ばない。都の担当者は「事業が始まって間もない。失敗ではない」と話す。

判決では施設の構造、入所者の状態などから考えると、仮に有料老人ホーム並みの防火管理体制が敷かれていたとしても犠牲者は避けられなかったという判断を下したようですが、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするしかありませんね。
年金等である程度常識的な費用負担が可能であれば入所できる施設は相応にあるとは言え入所待ちの長い行列が出来ている、一方で余分にお金を出せば入所できる施設には費用面で厳しいとなると、特に低所得かつ身寄りのない高齢者においてはどうしてもこの種の脱法的な施設の需要が出てくるのは仕方のないところです。
最近ではマスコミですら高齢者医療の優遇はいい加減にしておけと言う論調が主導的ですし、実際に高齢者医療政策の見直しも始まっていますけれども、高齢者に対して積極的な医療はほどほどにするにしても同時に介護はきちんと整えておかなければ生活自体が立ちゆきませんし、介護の充実が回り回って結局は医療に対する負担軽減にもつながるというものですよね。
社会保障の全般的な見直しが進んでいますけれども、無論過剰な部分や相対的に優遇されすぎて不要不急の需要を掘り起こしている部分は見直す必要があるとして、その一方で明らかに不足がちなところにはきちんとコストとマンパワーを投じていかなければ後々かえって高く付くということにもなりかねません。

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2013年1月21日 (月)

新専門医制度 議論が進むほどに顕在化する問題点

かねて議論が続けられている新専門医制度についてですが、とりあえず当初予定から遅れて17年度から研修が始まるというスケジュールが示されたようです。

専門医の新制度、17年度に研修開始-当初の厚労省案から2年先送り(2013年1月18日CBニュース)

 厚生労働省は18日、専門医制度の見直しを協議している「専門医の在り方に関する検討会」を開き、第三者機関が運営する新制度での専門医研修を2017年度から始めるとするスケジュール案を示した。昨年7月の同検討会では、15年度から研修を開始する案を提示していたが、養成プログラムの作成などにかかる時間を考慮して、2年先送りした。

 スケジュール案によると、第三者機関は13年度に設立。各診療領域の専門医資格の認定・更新の基準を作成したり、養成プログラムを審査・認定したりする。既存の専門医の新制度への移行基準も作る。
 専門医研修は17年度から開始。研修期間については「各領域の実情に応じて別途定める」ことを提案しているが、3、4年間が想定されている。

■「新制度に先行して移行措置を」
 こうしたスケジュール案に関連して検討会では、新制度での最初の資格認定が行われる前に、既存の専門医に対する新制度への移行措置を始めるべきかどうかを議論した。その結果、移行措置を先行させるべきだとの意見が多数を占めた。

 山口徹委員(虎の門病院長)は、「新制度の資格を持っていない人が、新制度の研修で指導医になるのもおかしな話だ」と指摘。早期に移行措置を始め、新制度の専門医資格を取得した人を指導医にすべきだとの見解を示した。

■特殊領域の専門医認定に否定的意見相次ぐ
 検討会ではまた、年度内の最終取りまとめに向け、「サブスペシャルティ領域」の整理の仕方について意見交換した。この中で、疾患名や症状名を付けた専門医や、「内視鏡医」のように特殊な技能・領域の専門医を新制度の中に位置付けるかどうかが検討されたが、否定的な意見が相次いだ
 委員からは、「ごく特殊な疾患の専門医資格をつくっても、それだけを診ているわけではない。学会が認定するのはいいと思うが、第三者機関が資格を与えるのは行き過ぎではないか」といった声が上がった。

 検討会ではこれまでに、外科や小児科などの「基本領域」の資格を取った上で、より専門性の高いサブスペシャルティ領域の資格を取得する2段階制の仕組みに整理することで合意している。しかし、サブスペシャルティ領域の在り方については、ほとんど議論されていなかった。【高崎慎也】

ここまでに決まった内容として基本的に専門領域は一人につき一つだけという点はほぼコンセンサスを得ているようですが、ここで注目されるのがサブスペ分野についてもかなり整理された内容になりそうだと言うことで、少なくとも新専門医として認定されるのはサブスペの中でもかなり基本的な領域に限られることになりそうですよね。
となるとこれまで乱立気味に次々と誕生してきたマイナー領域の旧専門医資格がどのように扱われるのかということになりますが、一つの予想としては診療報酬への反映や標榜科資格など公的な扱い対象としての専門医資格は新専門医に限られるにしても、各人がプロフィールとして掲げるものとして旧専門医的なものもある程度継続していく可能性もあるのかも知れません。
例えば現状においても医学博士だとか医師会理事などという肩書きは臨床能力とは全く無関係なものですが、開業医などにおいてはこうした肩書きの有無が相応に集客にも影響があると言う現実もあるわけですから、今後特に新専門医取得資格が厳格化されていくほど研修が実質的に不可能な開業医を中心に旧専門医資格が意味を持ってくるかも知れませんね。

それとも関連してすでに旧専門医に関しては更新を厳格化することで新専門医への移行を促すという話が出ていますが、旧専門医資格保持者に新専門医への移行措置がない、あるいは厳格化されるのであれば問題になってくるのが、今まで移行措置、移行措置で大昔の認定がゆるゆるだった時代に取った専門医資格を延々と保持し続けている老医師達の身分をどうしていくのかと言うことです。
前述の記事ではあまり詳しく触れられてはいませんけれども、どうもこの辺りの資格引き継ぎに関しても賛否両論かなり意見が分かれたようで、例えば日医の小森貴構成員などは新制度はこれから医師になる人のための道だとして移行措置そのものの是非も議論すべきだと主張し、国立病院機構の桐野高明構成員なども移行措置そのものに否定的だったと言います。
新専門医が旧専門医を完全に置き換えるということになれば下手をすれば老医達がそろって専門医資格を失うということにもなりかねませんが、そうなると専門医研修施設というものはご存知のように原則専門医・指導医が存在することで認定されるわけですから、新専門医を教える人間もいなくなり研修施設認定自体が成立しなくなる可能性すらあるということになりますよね。
この辺りは施設としての移行期間を設けるなど相応の現実的対応が図られるのだと思いますが、新専門医取得が厳格なものになればなるほど移行措置で安易に旧資格からの継承を認めれば若手医師との格差、不公平感を拡大しかねず、資格継承の扱いが新たな既得権益化しかねないという懸念も出てきたように思います。

もともと新専門医と旧専門医との資格は一対一の関係にはならないことが確定的なのですから、いずれにしても新専門医の対象外となるニッチ領域の専門医を中心に旧専門医もある程度は残ることにはなるのでしょうし、そうであるなら旧専門医資格も移行措置はとらないまでも、例えば新専門医制度下での指導医資格としては今後も認めるといった対応も考えられるのかも知れません。
医師の間ではそれでいいとしても患者側からは「この先生の専門医資格とは新専門医なのか、旧専門医なのか?」と迷わしいでしょうし、さらに一歩進んで第三者機関と学会とで同じ資格名を巡ってどちらが本家だ、元祖だと言った名称の奪い合いになったりすることもあるとすれば馬鹿馬鹿しさも極まるというものですよね。
しかしそう考えていくと新専門医資格というものがどれほど必要なものなのかと改めて考えてしまいますが、診療報酬など医療制度の中で明確に資格を位置づけ差別化していくということもさることながら、やはりここでも巨大な認定機構設置に伴う各種利権の発生というものがその推進力になっているのでしょうか。

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2013年1月20日 (日)

今日のぐり:「かっぱ寿司 倉敷店」

今日も続く地雷被害には世界各国が頭を悩ませていますが、未だ多数の地雷が残るアフガニスタンからこんな画期的アイデアが生まれたと注目されています。

グッド・デザインでしかも安全かつ低コスト! シュールなオブジェのような地雷除去装置のアイデアを世界中が支持(2013年1月10日Pouch)

世界の紛争地域には、今も多数の地雷が残されています。報告によると、アフガニスタンでは “地雷があると予想されるエリア” から500メートル以内に100万人もの人々が暮らしており、ひと月に40人以上の人々が犠牲になっていると言います。なんという恐ろしい数でしょう。

そんな危険な地雷を安全かつ低コストで除去するための新しい装置、「マイン・カフォン(MINE KAFON)」が現在話題になっています。近未来SFに登場しそうな見た目、砂漠をコロコロ転がるシュールな姿はインパクト十分! 今回はこの斬新なプロダクトと、そこに託された思いをご紹介いたします。

マイン・カフォンの材料は生物分解可能なプラスチックと竹で、1体にかかるのはたったの約40ユーロ(4600円)。一般的な地雷撤去作業には、地雷1個につきおよそ100万円掛かるそうですから、比較にならないほどの低コストです。

動力が風というのも驚きです。砂漠の風力で転がるほど軽く、地雷を起爆できる程度に重いので、現地で組み立てて、あとは転がすだけ。しかも、1度地雷にヒットしても、2、3本の足を失うだけでまた転がり続けることができるというスグレモノ。

この斬新なプロダクトを開発したのは、アフガニスタン出身のデザイナー、マスード・ハサニ(Massoud Hassani)氏。動画サイトVimeoにアップされたプロモーション動画にも描かれているように、幼少期に砂漠の風を使って遊んだオモチャ・レースの思い出からアイデアを発展させたのだとか。

そんな楽しい思い出の一方で、実はハサニ氏自身も、子供の頃に父親を地雷で亡くしています。その後、母親の判断で一家は国を脱出、4年の放浪の果てにオランダに亡命者として受け入れられたいう苦しい体験の持ち主なのです。

「このプロダクトの制作を通じて、残された地雷という世界中に存在する問題に注目が集まることを願っています。地雷が1つなくなれば、1つの命が救われると私は信じています。」

自身のルーツ、体験、そして祖国と世界の問題に取り組む姿勢が反映されたこの力強いアイデアは、世界各地のデザイン祭やメディアで注目と支持を集めています。現在はまだ試作品段階ですが、”GPS機能の追加”など更なる改良と製品化を目指し、海外サイトKickstarterで融資を募っている最中ですので、是非チェックしてみてください!

風任せで転がしてどれくらい確実に地雷除去が出来るのか何とも不明ですが、安価であることとデザインの斬新さは素晴らしいですね。
今日は祖国のために新たなアイデアを生み出したマスード・ハサニ氏に敬意を表して、世界中からその発想は正直なかったという画期的なアイデアの数々を紹介してみましょう。

見えるか? いや…… ヤフオクに“バカには見えない”出品物(2012年12月3日ITmedia)

 「Yahoo!オークション」に奇妙な商品が出品されています。題して「バカには見えぬ品物」。写真に映っているのは空箱……のようですが、何か潜んでいるのかも。

 説明欄には「見える方のみご入札ください」とあり、出品者自身「お恥ずかしいのですが私には何も見えないです」と、詳細は知らない様子。おまけとして、デニーズと吉野家のクーポン券が付いてきます。ただし、出品ページの写真を見たところ有効期限が切れているような……。

 入札は1円からスタートし、12月3日午後1時の時点では1200円となっています。

出品者も見えないというのに何が入っているのかも判るはずがありませんが、しかし昨今この手のよく判らない商売が増えてきたということでしょうか。
こちらなどはより積極的にだますと言うことを前面に押し出したアイデアですが、ここまで来るともはや芸術という評価が得られるようですね。

建物の中にまた建物…?巨大だまし絵が仏マルセイユに出現(2013年1月8日AFP)

【1月8日 AFP】フランス南部・マルセイユ(Marseille)にある建物「パレドラブルス(Palais de la Bourse)」の正面が、巨大な「だまし絵」で覆われた。2013年の欧州文化首都(European Capital of Culture)に選ばれたマルセイユ・プロバンス(Provence)地方で開催されているアートイベントの一環で、芸術家のピエール・ドゥラビ(Pierre Delavie)氏が制作した。

文字だけでは何の事やらという方は是非元記事の画像を参照いただければと思いますが、町並みにそぐわない建物にこういう絵を掲げるとまた違った趣になって良いかも知れませんね。
北京の深刻な大気汚染なども連日報道されている中で、中国ではこんな妙なものが大人気になっているようです。

大気汚染を皮肉った「鼻毛地図」、ネット上で爆発的大人気に―中国(2012年12月18日レコードチャイナ)

2012年12月17日、南京紙・金陵晩報によると、中国のネット上で「鼻毛地図」が爆発的な人気となっている。

あるネットユーザーがマイクロブログ・微博上に、「あなたの住んでいる都市の大気汚染に対抗するには、これぐらいの長さの鼻毛が必要」という「鼻毛地図」を図解入りでアップした。地図上の都市をクリックすると、必要な長さの鼻毛が画像で表示されるというもの。都市の大気汚染状況が一目でわかるユーモアたっぷりの「鼻毛地図」は繰り返し転載され、瞬く間に大人気となった。

「鼻毛地図」によると、江蘇省南京市の鼻毛の長さは中レベル。上海市はそれより少し短く、風光明媚な福建省アモイ市の鼻毛はさらに短い。ダントツに長い鼻毛が必要なのは、甘粛省蘭州市。総じて中国南部の都市よりも北部の都市の方が鼻毛は長い。北部の都市の方が大気汚染はひどいということだ。

では、鼻毛は本当に大気汚染に対応できるのか?この疑問に対し、南京鼓楼医院呼吸器科の肖永龍(シャオ・ヨンロン)医師は、「鼻毛は小さな虫やほこりが体内に入るのを防ぐことはできるが、肉眼で見ることができない有害微生物や汚染物質の侵入は阻止できない」と説明した。また、鼻毛は頭髪と違い、通常は数カ月で自然脱落するため、「鼻毛地図」のように伸びることはないという。(翻訳・編集/本郷)

ま、この場合解説は蛇足というものだと思いますが、しかし中国ではあの北京ですら大気汚染はさほど深刻ではないというのが公式発表らしいですからねえ…
同じく中国からはこんなニュースもありますが、こういう職業の存在をどう解釈するべきか迷うところですよね。

他人のおならをかいで年収400万! 中国の謎の職業「きき屁師」が話題に(2012年12月4日ロケットニュース24)

今、中国である職業が話題となっている。その職業の名は「きき酒師」ならぬ「きき屁師」。他人のおならをかぐことを業(なりわい)とする職業だ。しかし、その年収はなんと日本円にして約400万円!! おならをかぐだけで400万!? 

きき屁師は、他人のおならをかいで、その香りから腸内の健康状態を職業だそうだ。たとえ健康な人であっても、おならというのは臭いものだが、病気の場合はまた特殊なにおいがするという。彼らはその特殊なにおいをかぎ分け、病気の有無を調べるのである。

例えば、

悪臭のおなら:腸が細菌感染している可能性
生臭いおなら:消化器内での出血、もしくは腸内の悪性腫瘍による出血の可能性
この世のものとは思えないほど臭いおなら:ニンニクやニラなど刺激の強い食品を大量摂取したのでなければ、腸炎や大腸がんの可能性あり

また、おならと健康の関係はにおいだけではない。回数や1回あたりの放出量からも腸内の状態がわかるそうだ。例えば、全くおならが出ない人は腸閉塞の可能性があるという。

その仕事にもびっくりだが、現地でさらに注目されたのはその報酬である。きき屁師自身が明かしたところによると年収は30万元(約400万円)だという。年収400万あれば独身なら日本でも十分生活していけるレベル。さらに物価の安い中国ならかなりの高給取りだ。

だが、採用条件のハードルは決して低くない。年齢は18~45才、「お酒・タバコは禁止」、「化粧禁止」、「嗅覚器に疾病がないこと」など。そして嗅覚テストに合格したのち、きき屁師の特殊訓練を受け、やっとプロとしてデビューできるのだ。

プロのきき屁師は花の香り、汗のにおい、中華おこげ、完熟した果物、大便の5種類のにおいがまざった気体からそれぞれをかぎ分けられるほどになるという。

一体どんな特殊訓練を積めばそこまでの嗅覚を獲得できるのだろうか……なんだか、実際にデビューしたあとより、修行中のほうが辛そうだ。こんな職業が日本にあったら、あなたはチャレンジしてみたい?

何となく枯れた怪しげな老人をイメージしておりましたら意外に普通のお姐さんで驚きましたが、確かに見ていますとそれなりに経験則として成立しそうな話ですよね。
同じく下の絡んだ話としてこちらもあまりに斬新すぎる発想ですけれども、思わずそれって誰得よ?!と言いたくもなる話ですよね。

【YouTube】トイレが詰まる⇒爆竹セット⇒ウ○コが飛び散る⇒外国人「Oh~!シット!!」(2012年11月6日日刊テラフォー)

トイレが詰まった場合。日本では”スッポン”の愛称で知られるラバーカップを用いて事態の解決を図るのが一般的だが、海外では爆竹をセットするという手荒なやり方もあるようだ。

便器に爆竹をセットしてフタを閉める。数秒後にはどんな光景が待ち受けているか。どんなオチかは薄々気が付きそうな展開だが、予想通りの結果が待ち受けている。

映し出される惨状よりも外国人の反応を楽しむのが、正しい動画の視聴方法かもしれない。

How To Unblock A Toilet

しかしまあ、爆竹によって問題の解決を図るという手法がどの程度有効なのかは存じ上げませんが、仮に完璧な成功を収めたとしても大変なことになりそうな気はしますけれどもね…
この種の話題になるとどうしても名前が出ざるを得ないのがご存知ブリというものですが、嫌がらせなのか何なのか微妙ではあるのですが、こちら完成度の高さだけは折り紙付きという妙な新商品のニュースです。

【ホラー注意】赤ちゃん型チョコレートがヤバいくらいに怖すぎる(2012年12月24日ITmedia)

 脳みそケーキに目玉キャンディー、世の中にはホラーな食べ物がいろいろありますが、さらに上を行く、赤ちゃんの頭部を模したチョコレートが作られました。

 英国のケーキショップConjurer's Kitchenがテレビ番組のために依頼されて作ったもので、衝撃的なものを求められたためこういう形になったのだとか。ホワイトチョコで作った「実物大」で、リアルなだけに恐怖感を与えます。

 このショップはほかにも、生々しい心臓そっくりカップケーキや解剖ケーキ、ローストスワン型ケーキなど恐ろしげなスイーツを作っていて、ホラー映画の小道具に使えそうなリアルな出来です。

詳細はリンク先の画像を見ていただくとして、どのような需要に基づいて制作されているのかは判りませんけれども、これを友人の出産祝いに送ってこそブリ的諧謔の健常な発露と言うべきでしょうか。
同じくこちらもブリ的発想に基づいたオリジナリティーあふれる趣向だと考えれば、むしろ今まで存在しなかったのがおかしいくらいのものですよね。

【海外:イギリス】『離婚写真のカメラマン承ります』―果たして依頼者は来るのか? (2012年12月1日日刊テラフォー)

『離婚写真のカメラマン承ります。あたなの人生で最高に幸せな日を写します。』

こんな不思議なチラシが、イギリス中のお店の掲示板に貼られている。
もちろん冗談なのだが、イギリス中にチラシをばら撒くほど手の込んだイタズラを行ったのはオックスフォードに住むプレストンさん(46)。彼は、これらのチラシの内容を本気で受け取って、連絡をくれる人を探すために、こんなチラシをイギリス中の70ヵ所に貼った。他にも、こんなのがある。

『飼い主の行方を捜しています。彼はトニーの飼い主で、メガネを掛けていて45歳です。心当たりの方は連絡を下さい。』
『魂のドナーを募集しています。あなたが亡くなった後、あなたの魂を提供する意思がある方は、ぜひ、魂ドナーカードをご記入下さい。大至急魂が必要な方に役立てます。』
『かかし募集。畑でかかしとして活動していただける方を募集しています。(活動は週末のみとなります。)しっかりとした教育制度がありますので、経験は不問です。』
『なくしたマッチ箱を探しています。1974年6月15日にオックスフォード・ハイストリートで紛失しました。見つけていただいた方には報酬を差し上げます。』
『スリ講座。新たなスキルを磨きたい人に最適です。この不況の中、お金を稼ぐのは大変ですが、この講座で伝授するテクニックを身に付ければ1日5万円なんてあっという間に稼げます!講座費用は25ポンド、70歳以上は15%オフです。』

こんなおふざけに付き合う人、あるいは本気で信じる人なんていないと思うかもしれないが、プレストンさんの元には、チラシを見た人数人から問い合わせがあった。
かかしのボランティアについての詳細を尋ねてきた人もいた。詳細を聞いて、本気でやってみようと思ったのかどうなのか分からないが、こうした問い合わせに、プレストンさんは、さらに冗談で答えているという。

プレストンさんは、よっぽど暇なのか?と思ってしまうが、彼の暇のおかげで、イギリスの笑顔が増えるなら、とても素晴らしいことだ。
日本でも誰かやってくれたら、面白いのに。

確かに「人生で最高に幸せな日」ではあるのかも知れませんが、これだけの斬新なアイデアをお持ちと言うことであればせっかくなのできちんとその成果の実も挙げて報告いただきたいように思いますね。
最後に取り上げますのもこれまたブリ一流の実用性に関してはいささかアレな講座のご案内ということなんですが、まずは記事から紹介してみましょう。

実践的に暴動について学べる「暴動トレーニング」コース開設! しかし行政関係者は「ふざけんな!」と激怒/英(2012年12月4日ロケットニュース24)

イギリスのカルチャースクール運営会社が新設した、とあるトレーニングコースが物議をかもしています。新しく設けられたコースはなんと、暴動を実践的に学ぶ「暴動トレーニング」です。最新の警護技術やけが人の救護、さらに火炎瓶の投げ方まで、暴動マスターになるためのノウハウを教えてくれるというのですが、行政関係者は激怒している様子。「暴動はゲームではない!」として運営会社を非難しているのです。

運営会社の「Wish.co.uk 」は、これまでに興味深いコースをいくつも立ち上げています。ゾンビに襲われたときの対処法を学ぶ「ゾンビ・ブートキャンプ」や、オオカミ男の襲来に備える「ウルフマン」など。いずれも冗談で開設されたコースでなく、中身は真剣です。軍が着用する防護服やアサルトライフル、手りゅう弾などを用いて、実際に戦闘を想定した訓練が行われるのだとか。ユニークな企画が人気を博して、会員数を増やし続けています。

そしてこの度、暴動トレーニングのコースがスタートしました。トレーニング内容ですが、まずは座学で、警察が採用している暴動鎮圧の技術を学び、歴史上有名な暴動を振り返ります。さらに軍隊経験者が戦術の解説を行い、警棒や盾、ヘルメットについて詳しく説明します。

そののちに参加者は警察と暴徒、ふたつのグループに分けられて、本格的な実践訓練を行うことになります。本物の火炎瓶を使っての訓練は、本当の暴動のような緊迫感があるのだとか。とにかく、徹底して実戦を再現するとのことです。モデルガンを使わず行う、サバイバルゲームのような感覚でしょうか。

募集開始から予約が殺到し、すでに募集を締め切る事態になっています。しかしバーミンガムの議員ジャック・ドロミー氏は「暴動はゲームじゃない」としたうえで、「2011年夏のイギリス暴動で、多くの人が犠牲になり、今なお爪痕が残っている。このトレーニングはまったく無責任で鈍感すぎる!」と大激怒しています。

議員が指摘するようにイギリス暴動で、2000人以上の逮捕者を出し、250億円以上の経済損失が計上されています。甚大な被害があったにも関わらず、暴動を扇動するようなトレーニングに不快感を示している人も少なくありません。はたしてこのコースは存続できるのでしょうか? もしかしたら、閉鎖することになるかもしれません。

ちなみに無駄にこだわったトレーニングの実際を示す動画なるものまで用意されているのが素敵ですが、見ている限りかなりハードな内容でもあるようで暴動対策上も有効に思えますけれどもね。
ゾンビだの狼男への対処法というのも何かしらおもしろそうですが実際応募も殺到しているようですし、これに余計なツッコミを入れるのもブリ的価値観からすれば野暮の極みと言うものではないでしょうか。

今日のぐり:「かっぱ寿司 倉敷店」

以前にもお邪魔したことがあるのがこちらのお店なんですが、このたび再訪してみますと近隣競合店も多いでしょうに以前にも増しての大行列で、この時代この種の安価な外食産業には相当な需要があるということなのでしょうね。
100円系の開店寿司というと基本的には独身者や小さな子供連れの若い家族などに向けたお店という印象を持っていたのですが、今回見ていますと案外と年配だけのグループも来ているのは意外で、本当の寿司屋の味も知っているだろうこの年代がどのように考えて来店しているのかは興味がありますね。
ところで店頭で順番待ちのために操作するこの発券機、大人と子供を分ける意味があるのだろうかと悩んでしまうのですが、ボックス席中心ですから人数的に半端な場合には意味があるのかも知れません。

例によって同行者とシェアしながら適当につまんでみましたが、おすすめというメニューの中から鮮魚系を見繕ってみますとアジは何とかアジらしいのですがイワシなどは妙に生臭いところがあって、ちょっと閉口せざるを得ませんね。
旬ブリも一応はブリっぽい味はするものの旬でもこれか…と悲しくなるような味ですし、アンキモに至ってはもはや味はどうこう言わないにしてもここまで崩壊したあんきもは初めて見たというものです。
人気メニューの一つらしい煮穴子もひたすら甘いタレの味だけで何を食べているのか判りませんし、カツオたたきもポン酢で食べてみましたがう~んこれがカツオか?と言う味と食感で、冷凍にしてももう少しらしさが欲しいですよね。
回転らしいメニューとしては海老天巻などは海老が立派というかスケキヨ状態なのがちょっと斬新なんですが、一応揚げたてなので何とか食べられますがこの状態で油きれがイマイチと感じるくらいですから、回っているものは手にしない方がよさそうです。
味はともかく唯一熱々なのは評価出来たのが豚汁ですが、締めの玉子にしてもそうですがこういうものは昨今安くてもきちんと食べられるお店が結構ありますからねえ…

味の方は正直値段相応と言いますか、コンビニでおにぎりを買うよりは量もバリエーションも自由に選べていいかなと思う程度ですが、寿司に限らずサイドメニューも色々と揃っている点で皆で安くわいわい食べる分には向いているのかも知れませんね。
ところでこちらの配送システムとして採用されている新幹線ですが、側を走り回るのは確かにうるさいんですが途中で荷物が消えるということもなく、きちんと席まで確実に届くのは助かります。
しかしこのかっぱさんは百円系の中でも特に際だった訴求点がないように思っていたのですが、今回見ていますと人件費の制約が厳しい中で百円系としては意外なほどフロアのマンパワーは豊富で初めての年配客でもまごつくということもなさそうですから、今や国民食と言っていい回転寿司としては味以外にこういう部分で訴求するのも手なんだろうなとは感じますね。

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2013年1月19日 (土)

救命救急士実証研究、中間報告出る

本日の本題に入る前に、報道にも流行というものがあることは容易に理解出来ると思いますが、数年前にはやれたらい回しだ、受け入れ拒否だと大騒ぎされていた時期があったことは未だご記憶に新しいところではないかと思います。
当時は受け入れ拒否ではなく受け入れ不能なのだという現場からの抗弁もさほど取り上げられることもなく、「またもたらい回しか!」と散々バッシングされてきたこともこれまたご記憶だと思いますが、その後いつしかたらい回しだの受け入れ拒否だのという言葉はあまり表に出てこなくなり、代わって救急崩壊などという言葉が用いられるようになってきたわけです。
何故崩壊するのかと言えば一つには過酷な救急現場の担当者が相次いで逃散していったからであり、そしてもう一つは救急の需要自体が近年急増しているからですが、このところようやくマスコミの間でも「患者側の受診態度も問題?」という論調が登場し始めているのは彼らなりに思うところがあったということなのでしょうか?

救急車“こんなことで呼ばないで”(2013年1月15日RKBニュース)より抜粋

●坂田キャスター

全国的に救急車の出動が急増しています。
まずは、こちらのグラフを見てみましょう。
これは、福岡市の救急出動件数をまとめたものなんですが、去年がおよそ6万6000件。
これは、およそ8分に1回、救急車が出動しているという計算になります。
過去4年を見てみますと、年々、過去最多を記録していまして、この4年間で、なんと9000件近くも増えているんです。
緊急性の低い安易な出動要請も少なくなく、消防は、救急車の適正利用を呼びかけています。
(略)

●神田記者

「ここが、119番の通報を受ける災害救急指令センターです。あちらの画面には、現在、出動している救急車の状況がわかるようになっています。多い時間帯には、ほとんどの救急車が出動しているということです」
福岡市の災害救急指令センターには、毎日、250件以上の119番通報があり、その7割が「救急要請」です。
去年の救急出動件数はおよそ6万6000件と、4年連続で過去最多を記録しました。
中でも、活動の妨げとなっているのが、緊急性の低い「安易な要請」です。
指令センターには、実際にこのような通報が記録されていました。

●指令センターへの通報指令
「どうしました?」
男性
「ちょっと、おなかがすいてですね」
指令
「おなかがすいて?おなかが痛くて?」
男性
「おなか痛くて」
指令
「動けないんですか?」
男性
「動けないですね」
指令
「どなたが?」
男性
「僕が」
指令
「救急車で病院に行きます?」
男性
病院は行きません
指令
「病院には行かない」
男性
「はい」
指令
「これは何の要請ですかね?」
男性
そこに食堂がありますもんね、食堂」
指令
「はいはい」
男性
そこに連れて行ってもらえます?

●福岡市消防局災害救急指令センター・四島弘指令第1係長
救急車で病院に行った方が早く診てもらえると思ったからということで呼ばれたり、あと、交通手段がないから救急車を呼んだとか、お金がないから救急車を呼んだとか、そういうこともあります。皆さんの限られた救急車ですので、適切に利用していただきたいと思っております」
同じ地区で救急要請が重なった場合、遠方にある別の救急隊が出動することになり、現場への到着が遅れてしまいます。
福岡市消防局は、この10年で救急車を5台増やしましたが、それを上回るペースで救急出動が増え、現場到着までの時間は平均でおよそ20秒遅くなっています
「本当に救急車が必要なのか」、1分1秒を争う生命の危険がある人たちの命を救うためにも、福岡市消防局は、救急車の適正利用を呼びかけています。
(略)

医療崩壊などと言う現象が顕在化し始めた時期はちょうどネットを通じて医療現場から直接情報発信をしていくことが増えた時期に重なっていますが、当初例によって医療批判に終始していたマスコミに対してネット住民を中心に現場の実情が知られ始めるにつれ、マスコミ報道があまりに偏向していると逆にマスコミ不信や批判にも結びついていったわけです。
ちょうど大野事件、大淀事件と言ったマスコミが作り上げたとも言える著名な大事件もあり医療現場とマスコミとが全面対決するに及び、最終的にそれらの裁判においても医療側の主張が全面的に認められたあたりから風向きが変わってきた感がありますが、これまた不当な報道に対しては断固抗議するなどネットを媒介とした地道な活動の成果とも言えそうですよね。
現場医師や彼らとの直接対話を通じて啓蒙された市民からの猛反撃に遭いようやく医療の実情を理解したマスコミ担当者が、「こんなに困っていたのなら、医療側からもっと早くマスコミに発信してほしかった」などと言うすばらしい迷言が飛び出したのもこの時期ですが、バッシングされた当事者にしてみれば我々の主張など最初から無視して医療=悪の巣窟と決めつけていた輩が何を言うかと言いたくもなるでしょう。
いずれにしても医療の供給がいくら増えたところで現在のように果てしなく需要が増え続けたのでは全く対応のしようがないのは明らかであり、とりわけ本来の目的から外れた不正利用が問題の背景にあるのならそれを改めよと市民に啓蒙することこそマスコミの仕事だろうと言うことで、その意味では最近ようやくマスコミ各社も仕事をするようになってきたということでしょうか。

いささか脱線しましたけれども、救急崩壊ということと絡んで救急受け入れまでの時間が次第に長くなってくるにつれ、その間に何とか出来るだけの処置を行うべきではないのかという議論も進められてきたことは周知の通りで、その代表例として昨年から各地の実証研究モデル地区で救命救急士による医療行為の拡大が図られていることは周知の通りです。
この実証研究で行われているのは特に緊急性が高いと考えられる三行為、すなわち「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与」「重症喘息患者に対する吸入β刺激薬の使用」そして「心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の実施」で、いずれもリスクに対して効果の方が劇的に大きいということを期待して検証されているわけですね。
先日この実証研究の中間解析の結果が報告されましたが、特にブドウ糖溶液の投与において大きな効果が認められたようです。

救急救命士の現場処置で低血糖意識障害改善-厚労省検討会で実証研究の中間結果報告(2013年1月16日CBニュース)

 救急救命士の現場処置によって、低血糖性意識障害の可能性がある患者の意識レベルの改善が図られたことが、厚生労働省が昨年7月から行っている実証研究で明らかになった。今後、救急救命士の業務のあり方を議論している検討会で、3月までに提出予定の同研究の最終報告を基に、現在救急救命士の処置範囲に含まれていない血糖測定やブドウ糖溶液の投与、業務拡大に伴う追加講習・実習などについての意見を取りまとめる方針だ。

 この実証研究は、各地のメディカルコントロール協議会(MC協議会)の協力を得て、救急救命士によるブドウ糖溶液などの薬剤の投与や、心肺機能停止前の輸液の実施について分析・評価を行っているもの。16日に開催された「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」(座長=島崎修次・日本救急医療財団理事長)の4回目の会合で、野口宏・藤田保健衛生大救命救急医学講座客員教授から中間解析の結果が報告された。

 今回の報告では、実証研究の中で救急救命士が行った、▽血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与▽心肺機能停止前の静脈路確保と輸液▽重症喘息に対する吸入β刺激薬の使用―の3点について、昨年7月から10月までの結果を分析し、評価項目の効果や有害事象を提示している。

 このうち血糖測定で低血糖が判明し、静脈路を確保した上でブドウ糖溶液を投与した16例のうち1例を除き、意識レベルが改善された。救急救命士が現場で処置しなかった場合の改善率が20%だったことから、「ブドウ糖溶液の投与は、有意に主要評価項目が良く、想定された以上の有害事象の発生もこれまで報告されていない」とした。

 また、心肺機能停止前の静脈路確保と輸液については、処置しなかった場合と比べ、ショックインデックスの改善効果で有意な差はなかったが、救急救命士自身による副次的評価では、皮膚の蒼白、湿潤・冷汗の改善が見られたという。

 一方、重症喘息に対する吸入β刺激薬の使用では、救急救命士が到着する前に患者自身が薬を使用したなどの理由で、処置の適応を満たす7件の事例すべてで投与が行われず、解析対象にならなかった

 この解析結果を受け、検討会で議論が行われ、委員からは「皮膚の蒼白などの副次的評価項目ではバイアスがかかってくるので、慎重な評価・分析をしてほしい」「1割以上の国民を対象にしたトライアルなので、長々とやっていては公平性に問題を来す。いったん区切って議論をした方がよい」などの意見が出された。3月に予定されている次回会合で、実証研究の最終報告を受け、救急救命士の業務拡大について検討し、方向性を示す予定。【新井哉】

しかし喘息などはおよそ診断がついて加療を受けている場合は患者自身が緊急用の薬剤も持っているでしょうから対象症例無しという結果も仕方がないかなと思いますが、一方でかねて救命救急士が盛んにやりたがっている割には効果が疑問視されてきた静脈路確保についても客観的にはあまりはっきりした効果が認められなかったというのも興味深いと思いますね。
それはさておき、今回特に劇的な効果が認められた上にさしたる有害事象もなかったと言うことで非常に有望そうに見えるブドウ糖溶液の投与ですが、以前から糖尿病患者の意識障害では血糖測定の結果を待たずにとりあえずブドウ糖を投与してみるべきであるとまで言われてきたところです。
仮に高血糖性昏睡や他の原因による昏睡であったとしても投与したブドウ糖の悪影響はほとんど考えられず、一方で低血糖であれば治療が遅れることによる不利益が非常に大きいからという判断ですが、今回の結果もこうした考え方が正しいということを裏付けるものとなっています。
一方で気になったのが血糖測定を行う対象がどの程度まで広げられているのかということですが、単に糖尿病の病歴から低血糖が疑われた場合に限らず無自覚のまま糖尿病を抱えて生活している人も多いわけですから、明らかな他の理由がなく意識障害や脱力などを呈するような症例では積極的に血糖測定を行っていくべきではないかという機がしますね。

まだまだ対象症例数が少ないこともあってもう少し長期的なデータも欲しい気がしますが、検討会ではあまり長く実証研究をすべきではないと言う意見もあるようで、三月の最終報告によってどこまでを認めていくのか最終決断が下されるということになりそうです。
こうしたものの考え方も色々とあるのでしょうが、とりあえず今回の対象症例においてさほど大きな効果は認められなかったとしても、重大な問題もなくまた原理的に特定の状況下では大きな効果を期待出来るといったものであれば、とりあえずやっていいということにしておいて少し長期的に見ていくということもありかと思いますね。
もちろん糖尿病や喘息などは普段からのコントロールがきっちりとなされていることが最低限必要であって、特に近頃では交通事故の厳罰化の影響などもあって低血糖発作を起こした患者が事故を起こして裁判になるということもあるわけですから、ここでも患者の側にどれだけ問題意識を持ってもらうかが重要であることは言うまでもありません。

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2013年1月18日 (金)

防衛相発言を巡る奇妙な展開 中国紙が「朝日がアサヒった」と報道

尖閣諸島などを巡って日中間の緊張が高まっているという報道が続いている中で、先日朝日新聞がまたアサヒったのか?と思われる話が出てきたのですが、おもしろいのがその指摘をしたのが何故か中国の報道機関だということなんですね。

防衛相「信号弾で警告」 発言の事実なし(2013年1月16日日本報道検証機構)

《注意報1》 2013/1/15 21:15

朝日新聞は、1月15日、ニュースサイトの無料版記事で、「防衛相『領空侵犯、信号弾で警告』中国メディア質問に」の見出しをつけ、小野寺五典防衛大臣が「無線での警告などに従わずに侵犯を続ければ、警告として信号弾を射撃する方針を明らかにした」と報じました。朝日の中国語版サイトでも、小野寺大臣がそのように表明した(中国語では「表示」)と報じています。

しかし、防衛省の会見録によると、小野寺大臣は「信号弾」や「警告射撃」という表現を一切使っておらず、特定の国や事案を想定した発言も行っていません。小野寺大臣の発言は、領空侵犯に対する従来の方針が変わっていないことを一般論として述べたものです。朝日の記事は、見出しにカギ括弧をつけていることから、小野寺大臣が中国側の領空侵犯事案に対し信号弾で警告射撃をする方針を明言したと誤解されるおそれがあります。

朝日新聞中国語版でもこの記事は配信されており、中国では日本の防衛大臣が尖閣問題で警告射撃に初めて言及したと大きく伝えられ、非常に大きな波紋を呼んでいます

■防衛相「領空侵犯、信号弾で警告」 中国メディア質問に(朝日新聞デジタル2013/1/15 12:57) ※2013/1/15午後10時掲載確認済

■防卫相:将发信号弹警告入侵飞机(朝日新聞中文版2013/1/15)

■防衛大臣会見概要より一部抜粋(防衛省2013/1/15)

    Q:日本側が、安倍総理が防衛大臣に対して、中国の飛行機がもしまた来た場合、警告射撃をするように検討して欲しいという報道がありました。この警告射撃というのは、具体的にどのようなことを防衛省の中で検討されているのでしょうか。

    A:これは、具体的に内部で検討するというよりは、従前からどの国であっても、我が国の領空を侵犯するという場合には、防衛省内でしっかりこれに対処すると内容が定まっておりますので、特に今回の、例えば12月13日にあった中国の政府機による領空侵犯事案を特定するわけではなくて、今まで様々な事例であった領空侵犯事案、これにしっかり対応することは、従前から方針は変わっていないと思っています。

    Q:つまり、中国の飛行機が日本のいわゆる領空に入ってきた場合、この警告射撃ということは、ありうるということでしょうか。

    A:どこの国も、それぞれ自国の領空に他国の航空機が入って来て、さまざまな警告をした中でも退去しない、領空侵犯を行った場合、これはそれぞれの国がそれぞれの対応を取っておりますし、我が国としても、国際的な基準に合わせて間違いのない対応を備えていると思っています。

《注意報2》 2013/1/16 09:20

朝日新聞は1月16日付朝刊4面で、「『領空侵犯続くなら信号射撃』 手順示し中国牽制」という見出しをつけ、小野寺五典防衛大臣が記者会見で、「尖閣諸島周辺の領空で中国機が無線などによる警告を無視して領空侵犯を続けた場合、警告のため曳光弾で信号射撃をする方針を表明した」と報じました。しかし、小野寺大臣は「警告」「曳光弾」「信号射撃」といった言葉を一切使っていません

朝日新聞2013年1月16日付朝刊4面

朝日の記事は1月15日午後から中国の主要サイトでトップ扱いで報じられています。たとえば、『環球時報』は、朝日の記事を引用する形で、小野寺大臣が香港メディアの記者の質問に対し「もし中国機が釣魚島の”日本領空”に侵入した場合は、警告に従わなければ、日本が中国機に対し曳光弾を発射して”警告射撃”を実施する」と回答したと報じています。

これに対し、小野寺大臣に質問した香港メディアの記者は、中国版ツイッター(微博)で「日本の防衛大臣は『曳光弾を発射して警告射撃する』とは答えてないし、『信号弾』や『警告射撃』といった言葉も使っていない」と指摘し、「環球の情報源は朝日であり、朝日の報道が間違っている」と書きこんでいます。

《注意報3》 2013/1/16 19:30

中国の主要メディアは、1月15日午後、朝日新聞の報道を引用する形で、日本の防衛相が中国機への警告射撃を初めて表明したと相次いで大きく報じました。しかし、16日午後になって、大手ニュースサイトの「人民網」(人民网)が「日本の防衛相は中国機への警告射撃を表明せず 日本のメディア報道に誤り」と題する詳細な検証記事を掲載。この中で、朝日の記事と防衛大臣会見録を比較検証し、朝日の記事は誤りであったと指摘しています。(*)

■日本防卫相从未表态将对中国飞机警告射击 日媒相关报道系误传(人民网2013/1/16 17:00)

ところで、朝日新聞以外にも、産経新聞が16日付朝刊で、小野寺防衛大臣が「必要に応じて曳光弾での警告射撃を行う方針を明らかにした」と報じていたほか、毎日新聞も、「警告の一環として射撃を行う可能性に言及した」と報じていました。しかし、小野寺大臣は「曳光弾」や「警告射撃」には具体的に一切言及していません。産経と毎日の記事は、いずれも16日付朝刊の雑報(いわゆるベタ記事)として掲載されていたものです。

元々をたどればこの問題、相次ぐ中国からの領海・領空侵犯を受けて安倍総理が1月5日に防衛相や海上保安庁の幹部らを招集、現場からの報告を受けると共に「航空自衛隊の戦闘機や海上保安庁の巡視船の運用の見直しを指示」したという報道に端を発しています。
さらに1月9日には産経がやや詳しい記事を掲載していますが、こちらでは先の安倍総理の指示を下敷きにした上で「具体的な措置としては、領空侵犯機が無線での警告に従わない場合、曳光(えいこう)弾を使った警告射撃を行うことや、海軍艦艇が領海付近に進出してくれば海上自衛隊の艦艇を一定の範囲内に展開させることが柱となる。」と独自の「注釈」を加えています。
これら一連の報道を受けて中国国内の報道で「日本が中国機に警告射撃を検討」といった報道が現れ始め同国世論が沸騰したわけですが、さらに15日になって冒頭にあるように朝日による「防衛相が警告射撃を表明」といった記事が登場したということですね。

しかしよく見ると防衛相の発言の引用としては従来からの基準に従って対処云々と言っているだけでどこの国と名指しすらもしていないようですし、警告射撃云々に関しても全く言及していないなど慎重に言葉を選んでいることが判りますが、おもしろいのは同じ記事を朝日が途中で書き換えたらしい形跡があることです。
当初報道では冒頭のコピーのようにごく簡単なものであったのですが、現在同じリンクでたどれるのはこちらの改変された記事となっていて、タイトルのカギ括弧が外れるなど微妙に言い訳がましい書き方になっているように思えるのは気のせいでしょうか。

領空侵犯に信号射撃 対中国で防衛相方針(2013年1月15日朝日新聞)

 小野寺五典防衛相は15日の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領空で中国機が無線などによる警告を無視して領空侵犯を続けた場合、警告のため曳光(えいこう)弾で信号射撃をする方針を表明した。領空侵犯への対処手順を示し、中国側を牽制(けんせい)する狙いだ。

 小野寺氏は会見で香港メディアから「中国機が領空に入れば警告射撃はありえるか」と問われ、「国際的な基準に合わせ間違いない対応を備えている」と語った。自衛隊は1987年に旧ソ連のTu16電子偵察機が沖縄上空を領空侵犯した際、信号射撃をしている。

 自衛隊法では、外国機が領空侵犯した場合、防衛相は自衛隊に対し、着陸か領空外に退去させるよう命令できる。自衛隊は(1)領空外に出るよう無線警告(2)機体を振り視覚信号を送る(3)曳光弾による信号射撃で警告という手順を内部で定めている。

 外国機が一連の警告に従わない場合、防衛省幹部は7日の自民党国防部会で「必ずしも撃ち落とすことにならない」と説明。出席議員から「対応には交戦ルール策定が喫緊の課題だ」との意見も出た。

繰り返しになりますが防衛相自身は警告射撃がどうこうとは一切発言しておらず、従来から中国機に限らず領空侵犯に対しては国際的なルールもあり、日本も決まり切った手順に従った対応を行ってきているということにはいささかも変わりがないのだと確認しただけに過ぎません。
それを脳内発言で補い「中国機の領空侵犯には警告射撃と防衛相が表明!」などと報道したのは朝日らマスコミの空想と言うしかありませんが、おかげで中国では元軍幹部までが「反撃だ!戦争だ!」などといささか冷静さを欠いた発言をしているというのはいただけませんね。
朝日と言えば戦前戦中には国民軍部を煽り日本を戦争に駆り立てたメディアとしても有名ですが、同時に戦後になっても文革時代に報道各社が次々と中国政府から国外退去処分になる中で唯一追放を免れ独占取材を続けられたほど、日本を代表する「良心的」報道機関として彼の地では知られてきたはずです。
その朝日が今また日中対立を煽るような報道を繰り返しているというのも同社のDNAとしか言えないことですが、その結果せっかく良好な関係を築いてきた中国からも切り捨てられたような扱いをされたのでは同社としても立つ瀬がなさ過ぎると言うものではないでしょうか。

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2013年1月17日 (木)

およそ病には二種類あります

本日の本題に入る前に、ベルギーと言えばオランダに続いて世界で二番目に安楽死を合法化した国として知られていますけれども、そのベルギーから先日こんなニュースが出ていました。

視聴覚障害で安楽死選ぶ=ベルギーの双子兄弟(2013年1月12日時事ドットコム)

 【ブリュッセルAFP=時事】ベルギー北部アントワープに住む耳の不自由な双子の兄弟(45)が、視覚にも障害を患うようになり、昨年12月に安楽死していたことが分かった。地元メディアが12日伝えた。
 報道によると、双子は数年前から視覚障害に悩まされるようになり、首都ブリュッセル市内の医師に安楽死を要求。医師は双子の求めに応じ、2012年12月14日に安楽死の措置を行った。
 ベルギーは02年、オランダに次いで世界で2番目に安楽死を認める法律を制定しており、11年には1133件の安楽死があった。大半は末期がん患者で、双子のように末期疾患を患わずに安楽死を選ぶのは珍しいという。

感覚障害や運動障害はしばしば本人の意識がしっかりしているだけに非常に苦痛が大きいということは理解出来ますが、以前にも紹介しましたように近年では運動障害の患者で意志のみで作働させることの出来るロボットアームの開発が進んでいたり、目のサイボーグ化による失明治療が開発されつつあったりと、再生医療分野で画期的な進歩が続いています。
先日も聴覚を司る内耳の有毛細胞を初めて再生させることに成功したという報道があったばかりですから、自らの人生に悲観し最終的解決を図る前に明るい将来に期待と希望を抱くことも一考していただきたいものだと思いますね。
とはいえ、実験室レベルで成功したからといってそれが実際に臨床応用されるまでにははるかな長い道のりがあることは当然ですし、また仮に技術的には実用化したとしても世界的に見れば費用などの面から治療を受けられないという人の方がずっと多いのも事実でしょう。

日本人は幸い通常の医療に関しては世界的にもコストとアクセスの両面で非常に恵まれている例外に含まれると言えそうですが、もちろん医療費も天井知らずで許容されていた時代など今や遠い昔であって、医療においてもコストパフォーマンスという概念が重要であるとはお上も主張しているところですよね。
そうした財政的な面と同時に生命倫理の観点からも現状に疑問符がもたれているのがご存知終末期医療の問題ですけれども、日本の場合幸いにもコスト面で患者負担が非常に優遇されてきたこともあって、いわゆる過剰診療と言われるほどの手厚い医療が半ばデフォルトで行われる時代が長く続いてきました。
最近になってようやくそれは何かおかしい、医療費適正化の面でも望ましい終末期のあり方という点でももう少し違った道があるのではないかという議論が始まっていますが、現場においても運用に支障がないようにどこで手を引くべきかという手順がちょうど整備されつつあるところです。

終末期の透析見合わせで手順の案(2013年1月14日NHK)

回復の見込みがない終末期の患者に、人工透析の実施を見合わせる場合の手順を、専門の学会がまとめ、提言案として公表しました。

人工透析を受ける患者は全国で30万人を超え、65歳以上の割合が年々高くなっていることから、肺炎などの重い合併症で透析の継続が難しくなるケースが増えているとされています。
このため、専門の医師で作る日本透析医学会は、回復の見込みがない終末期の患者に、人工透析の実施を見合わせる場合の手順を検討し、提言案としてまとめました。
提言案では、透析を見合わせるかどうか判断する前提として、患者や家族に医学的な情報を十分に提供する、患者の自己決定を尊重するため、あらかじめ「事前指示書」と呼ばれる文書を作るよう勧めるとしています。
そのうえで、多臓器不全などで、透析を実施すれば生命の危険があると判断した場合は、人工透析を見合わせるとしています。
また、終末期に、患者みずからか、患者に意思決定能力がない場合はその家族が、透析の導入や継続を拒否したときは、理由を十分に把握したうえで意思を尊重するとしています。
そして、患者の意向を定期的に確認し、病気の進行などで意思決定能力を失ったときには、最も近い時点での意向を尊重するとしています。
日本透析医学会は、この提言案をホームページで公表して、一般にも意見を求め、ことし6月の総会で正式に決めることにしています。

もちろん高齢者であってももともと元気な方がたまたま何らかの原因で急性腎不全に陥り、ここを乗り越えさえすればまた元気になると言った場合の話ではなく、あくまでも回復の見込みのない終末期のケースで漫然と透析導入をしたり継続したりすることに対しての話であることは言うまでもありませんよね。
海外などでは高齢者への新規透析導入は保健医療の対象外としている国々も決して少なくありませんが、やはり極めて高いコストを要することに加えてひとたび始めれば中止が出来ない終末期医療というものは議論になりやすく、過去に日本でも終末期患者への人工呼吸器装着の是非などが散々議論されてきたことは周知の通りです。
先日は「日本人の受診回数は世界一?」という記事が出ていたのですが、早期発見早期診療が結局は総医療費抑制にもつながるのだという日医の長年のキャンペーンの成果か、日本人の平均受診回数がOECD平均の2倍で世界一多いということはよく知られているところですが、その割に総医療費がそれほど高くないことを見ても判る通り診療辺りのコストはずいぶん安くついているということですね。
風邪のシーズンともなれば片っ端からインフルエンザのチェックをして高価な抗ウイルス薬を処方するのは日本だけだ、なんてことも言われますが、それでも若く健康な人が治療によって治るのであればお金の出し甲斐もあろうというものですから、コストパフォーマンスを云々するのであれば最終的な負け戦が決まっている終末期医療がやり玉に挙がるのはやむなきところではあるのでしょう。

こうした記事が出るたびに「患者の生きる権利を阻害するのか!人を死なせるためのルール作りなど認められない!」と騒ぐ人が必ずいるようですが、今の日本で例えガイドラインがあろうが本人や家族の希望に反して終末期医療を勝手に打ち切るというのはまず考えられないことで、逆に誰も望んでいないのに止め時が判らないが故に濃厚医療を続けざるを得ないという弊害の方が大きくなってきたということですね。
外国では医学的に妥当でない処置は保険の対象にならない場合も多く、アメリカなどはそれが行きすぎて医療の内容を決めるのは医師ではなく保険会社であるなどと自嘲気味に語られますけれども、日本の場合は保険診療を逸脱するようなことでも医師がかなり融通を利かせてくれますし、場合によっては最初から保険で切られるのを覚悟でやってくれるということもあるでしょう。
ただそうした行為は結局やってもさしたる意味がないからこそ認められていないということも言えるわけで、最終的には患者本人のためにというよりも出来ることは全てやったという家族の満足のためだとも言え、今後医療財政が逼迫するほどに終末期医療に関してもその妥当性がより厳しくチェックされるようになるかも知れませんね。

皆保険制度などなかった数十年前まではちょっとした田舎に行けばお医者さまを呼ぶのは看取りの時だけ、なんて集落がごく当たり前に存在していたと言いますが、そうした人達が「我々は正しい医療を受ける権利を不当に奪われている!」と憤慨していたかと言えば必ずしもそうでもなく、看取りとはそういうものなのだという社会的・地域的なコンセンサスが存在し、それに従って終末期に対応していたはずなのです。
「何でも出来ることは全部やってください」の一言で天井知らずの医療を受けられる今の人間からすると信じられない前時代性と言われかねませんが、看取りということに関して言えばどちらが幸せだったのかは微妙なところで、案外親戚一同に見守られながら静かに息を引き取っていた時代の方が死生観に合致して皆が幸せでいられたのかも知れませんね。
日本も将来的には諸外国のように「ここから先を望むなら高価な自費診療になりますが」と言われ治療継続を断念するようなことも起こりえるのかも知れませんが、医学的妥当性ではなく死生観に基づいた医療を行っているのが現状の終末期医療だとすれば、仮に経済的要請からであっても日本人の死生観自体が変化していけば終末期医療の内容が変わっていくのもまた当然のことなのでしょう。

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2013年1月16日 (水)

増える卵子提供 国内でも開始?

海外での臓器移植が問題となって久しいですけれども、昨今のトピックスとして海外での卵子提供が増えているということです。

米国、タイに殺到する「卵子提供」日本人の申し込みでゴールデンウィーク予約いっぱい(2013年1月12日J-CASTニュース)

  女性は30代後半になると卵子の老化で妊娠しにくくなる。いま6組に1組の夫婦が不妊に悩むといわれる。しかし、日本では他人の卵子提供が事実上認められていない。そこで、卵子を求めて海外に向かう女性が増えている。統計はないが、その数は半端ではないという。

1回500万円。不妊治療の末の「最後の手段」

   卵子の提供は夫の精子で受精させた胚(受精卵)を妻に移植する。生まれた子の父は夫、母は妻になるが、遺伝学上は妻と子は他人である。法制も学会の指針も整備されているアメリカでは広く行なわれていて、ドナーを紹介する業者も多い。サンフランシスコの業者には日本人スタッフもいて、「日本人の申し込みが200人、ゴールデンウイークは予約でいっぱい」という。移植は1回500万円。申し込みはかつては医師、弁護士など高額所得者が多かったが、いまは普通のサラリーマン、公務員などになった。ほとんどが不妊治療の末の「最後の手段」だ。

   タイのバンコクは費用が米国の4分の1と安いため、訪れる日本人が年間数百人にもなるという。40代の女性は9年間の不妊の治療が実らず、医者から「後は海外」といわれてネットで仲介業者をみつけた。提供女性のプロフィールが あり、同じ血液型の20代前半の女性を選んだ。移植は民間のクリニックで行なう。 診察にはタイ人の通訳がついたが、受精卵の状態など満足な説明が得られないまま移植をした。「残された時間が少ないんです」と女性はいう。

   驚いたことに、日本人のドナーも登録されていた。20代を中心に50人。日本からやってきて約10日間滞在し、排卵誘発剤で1度に数十個の卵子を採取される。報酬ではなく、滞在費用として60万円。日本人スタッフは「金銭目的ではない」というが、営利目的は明らかだ。首都圏に住む20代のドナーは、おととし採取された。「倫理的に抵抗感はあるが、困っている人を助けられたかな」と自分を納得させているという。

拒絶反応・免疫反応で早産の確率1・5倍

   こうした現状を、慶大学医学部産婦人科の吉村泰典教授は「厚生労働省の調査で、2004年から08年までは卵子提供は分娩1万件に1例だったが、09年以降は2.7件になっています。10年 間に2、3倍になった」と見る。

   一方で、高齢になってからの卵子提供のリスクも明らかになってきている。東京・港区の愛育病院で4年前、49歳の女性が妊娠高血圧症候群を発症した。子宮からの出血が止まらず大量の輸血で切り抜けた。あらためて体外受精の出産例を調べた結果、自分の卵子の場合と卵子提供では、早産の確率が29%対46%と1.5倍の差があった。また、卵子提供では癒着胎盤のリスクも高まる。卵子が他人のものなので、拒絶反応・免疫反応があるらしい。愛育病院では以来、卵子提供の妊婦にはきめ細かいケアをしている。

   卵子提供には出産後の課題もある。子どもに事実をどう伝えるかだ。韓国で卵子提供を受け、男の子を授かった夫婦は幸せな日々を送っているが、妻(46)は子の成長につれて不安を抱く。「いずれDNAが簡単にわかるときがくる。子どもが知る前に告知するべきか」と揺れる。

   吉村教授は「高齢になると卵子提供のリスクは高まります。高血圧症は3倍、 糖尿病は8倍。また双子など多胎も多くなります。これらを知ったうえで、医療者、妊婦、 社会全体が立ち向かうべき問題です」という。

   結婚年齢が高くなっているうえに、子どもを育て難い環境が少子高齢化をさらに進めている。「やっぱり子どもがほしい」と思ったときにはもう遅いのか。それでは悲し過ぎるではないか。

医療機関調査“卵子提供の出産は高リスク”(2013年1月11日NHK)

不妊に悩む女性が海外で別の女性から卵子の提供を受けて出産するケースが急増していますが、こうした妊婦は、早産や大量出血のおそれがある癒着胎盤などが起きる危険性が高いことが、東京の医療機関の調査で分かりました。

30代半ばを過ぎると妊娠しにくくなる「卵子の老化」が原因の不妊が増えるなか、自分の卵子で妊娠できない女性が、最後の選択肢として海外で別の女性から卵子の提供を受けて出産するケースが急増しています。
東京・港区にある周産期医療の専門病院「愛育病院」は、5年ほど前から卵子提供を受けた妊婦が目立つようになったことから、卵子提供を受けた26人と自分の卵子で体外受精をした47人の出産の危険性について比較しました。
その結果、予定日より1か月以上前に生まれる「早産」が起きた割合は、▽自分の卵子で体外受精した人では30%でしたが、▽卵子提供を受けた人は46%で、危険性が1.5倍に上ることが分かりました。
また、大量出血のおそれがある「癒着胎盤」は、▽自分の卵子で体外受精した人はいませんでしたが、▽卵子提供を受けた人の15%で起きていました。
この結果について、愛育病院の中林正雄院長は、「卵子提供による妊娠の場合、卵子も精子も他人のものなので、免疫の拒絶反応が起き、危険性が高くなる可能性がある。卵子提供を受けたかどうか確認し、急に容体が悪化しても対応できる態勢を取る必要がある」と話しています。

記事にもありますように倫理面など様々な問題点が考えられますが、何よりも卵子提供による出産は高リスクであるというのは厳然たる事実であるようで、以前にも紹介した調査では自分の卵子による妊娠に対して妊娠高血圧症候群になる割合は約6倍、癒着胎盤や前置胎盤など胎盤異常の発生割合は7~9倍に増加、さらに帝王切開手術で輸血が必要になる割合は10倍に達したと言います。
注意していただきたいのはこの調査の比較対象となったのが年齢階層を合わせた同年代の女性(24歳~47歳)だと言うことで、当然このような高度な不妊医療を行う人々は相対的に高年齢層が多いはずですから一般の妊娠に比べてもともと様々な妊娠合併症のリスクが高い、それに対してさらに何倍にも高くなってくるということです。
生物学的に考えればただでさえ母胎にとって胎児は半分異物のようなものですが、他人の卵子ともなれば100%異物であるわけですから様々な免疫反応も引き起こされるだろうし、それに加えて妊娠機能の低下なども進行して元々条件が悪いのですから、単純に若くて元気のいい卵子であれば誰でもうまく妊娠出来るというようなものではないわけですね。

現実問題としてはすでにビジネスとしてもこれだけ大きくなっているくらいですから需要は相当にあって、危ないから止めるべきだなどと言って終わる話ではありませんが、こうした海外渡航での卵子提供に際して一番気になるのが誰が様々なリスクも含めきちんとした情報提供をするのかということですよね。
最も理想的なコースとして日本できちんとした不妊治療の専門家が治療を行い、そこからの紹介で海外のこれまたきちんとした施設で卵子提供を受けたとすれば当然それなりに説明はあるんだと思いますが、ただでさえ高額な費用のかかる不妊医療の後でこうした卵子提供でさらに何百万も必要だと言われれば、多少怪しげでも安いルートに心惹かれる人が出てもおかしくないでしょう。
行ってみたらやはり心配になってきたと思っても高い費用もかかることですからおいそれと中止にすることも出来ないでしょうし、そうなるといっそ国内で「正規に」卵子提供の道を探るべきだという考え方が出てくるのは当然ですよね。

国内初「卵子バンク」 不妊治療、提供者募集を開始(2013年1月15日産経ニュース)

 不妊治療専門医や卵巣機能が低下する患者の関係者らでつくる民間団体「卵子提供登録支援団体」(略称・OD-NET、事務局・神戸市、岸本佐智子代表)は14日、早発閉経など卵子がない患者向けに第三者から健康な卵子の提供を募る「卵子バンク」を目指した事業を始めると発表した。

 匿名で無償のボランティアを登録し、医学的な条件が合った患者に提供する。登録の受け付けは15日に開始。海外で日本人女性らから卵子提供してもらう団体はあるが、国内での提供を目指す団体は初という。提供者の安全性の確保や生まれる子供の権利などについて議論を呼びそうだ。

 今回募集する提供者は、子供がいる原則35歳未満の女性で、配偶者の同意が必要。排卵誘発剤などによる副作用が起きた場合の医療費は患者側が負担する。

 仙台市などの5つの民間不妊治療施設が卵子の採取や体外受精を担当。早発閉経や染色体異常のターナー症候群で卵子がないと診断された患者計20人を既に登録しており、当面、患者の新規募集はしない

 同団体によると、早発閉経の女性は約100人に1人、ターナー症候群の女性は約2千人に1人で、これらのうち妊娠を希望する人は国内で数千人に上ると想定される。提供者の個人情報は患者に知らされることはない。

 ■一刻も早い法整備を

 日本生殖医学会倫理委員長の石原理・埼玉医大教授(産婦人科)の話「卵子提供を必要とする人がいることは間違いなく、日本人が海外渡航している事実がある。卵子提供の是非とは切り離し、既に精子や卵子の提供で生まれた子供の法的な地位を明確にするために、一刻も早い法整備をしてほしい。民間団体の枠組みで親子関係に関わることを進めて大丈夫なのか不安もある。卵子提供者を血縁関係がない人に広げるとの理念はよいが、実際に提供者がどのぐらい現れるか、機能するかは未知の部分がある」

法的な枠組みなど様々な問題点は専門家の議論にゆだねるしかないとして、こうした動きが出てきた背景にもやはり近年臓器移植などで主流になってきているように「自国内で必要な臓器は自国内でまかなうべきだ」という臓器ナショナリズム的な考え方も影響しているのでしょうか。
いずれにしても国内で無償ボランティアから提供を募るとなれば当然安上がりになるだろうし、また各種リスクの説明責任なども一元化されやすくなるはずですが、親子関係の認定ということに関して例えば精子も卵子も他人から提供を受けた子を産んだ場合それは果たして親子と言えるのかなど、色々と議論の種は尽きそうにないですよね。
現実に先日はアメリカで同性婚カップル向けに精子提供した男性が後日になって子供の養育費を請求されるという驚くべき事例が報道されていましたが、元々法律に想定もしていないような状況が次々と現実化している以上はこうした意外な解釈が成立する可能性は幾らでもあるはずです。

そしてもちろん、こうして生殖医療が進歩するだけ進歩していったとしても多くの場合出産の段階ではそれとは無関係な産科医が手がけるという事実には変わりがないわけで、自由診療の生殖医療でノーリスクハイリターンを謳歌している一方で過酷な産科の現場ばかりがハイリスクのババ抜きを強いられ続けるという現実に釈然としない人も少なくないのではないかと思いますね。
基本的に妊娠、出産が極めてハイリスクなものになることは最初から判っているのですから、例えば卵子提供を受けるような人は市中の開業産科医などではなく高度な対応の出来る専門的施設でお産をするべきでしょうし、いざ妊娠が成立したとしてもそうした特殊な対応が必要であるということまでもきちんと説明した上で卵子提供にかからなければならないはずです。
何らかの公的なルール作りの必要性は誰しも異論のないところですけれども、その議論するところが単に妊娠に至るまでの経過や出産後の社会的地位の確認などにのみ留まることなく、実際問題一番大変な目にあうだろうお産の現場に対しても向いていなければ片手落ちというものですし、産科医側からもきちんと声を上げていかないと後日どうなっているかも知れないというものですよね。

(追記)本日手違いで更新が遅くなり申し訳ないです。

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2013年1月15日 (火)

医薬品通販規制に違憲判決

すでに各種報道で周知の通り、医薬品ネット販売に対する国の規制が最高裁で否定されたというニュースを紹介しましょう。

医薬品ネット販売の最高裁判決でケンコーコムらが勝訴(2013年1月11日日経ドラッグインフォーメーション)

 医薬品のインターネット販売を行うケンコーコム(東京都港区)とウェルネット(横浜市)が国を相手に、一般用医薬品のネット販売を含む郵便等販売を省令で禁止したのは違憲であるなどして、医薬品のネット販売権の確認などを求めた行政訴訟の上告審が1月11日、最高裁判所であった。最高裁第二小法廷(竹内行夫裁判長)は、「店舗販売業者に対し、第1・2類医薬品の郵便等販売を一律に禁止する厚生労働省の規定は、新薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効」とし、国の上告を棄却する判決を言い渡した。これを受けてケンコーコムは同日、第1類を含む医薬品のネット販売を再開した。

 医薬品のネット販売をめぐる一連の行政訴訟は、厚労省が2009年、改正薬事法の施行に伴って発出した省令において、第1・2類医薬品の対面によらない販売を原則禁止としたことに対し、09年5月、ケンコーコムらが東京地方裁判所に提訴したことに始まった。10年3月の1審判決では、原告の請求が退けられたが、ケンコーコムらはこれを不服として東京高等裁判所に控訴。12年4月の控訴審判決では、「医薬品のネット販売を禁じる規定は、薬事法から厚生労働省令への委任範囲を超えている」として、1審判決を取り消し、ケンコーコムらのネット販売権を認めた(関連記事)。国はこれを不服として、12年12月に最高裁に上告していた。

 最高裁判決を受けてケンコーコムは1月11日、記者会見を行った。会見で同社代表取締役社長の後藤玄利氏は、「皆さんの支えのおかげで、ケンコーコムとウェルネットは医薬品のネット販売の再開を認められた。この感謝の気持ちをどう言葉に表したらいいのか分からない」とコメント。一方で、「ネットを使って国民の健康づくりを支援するのが当社の社会的使命であるにもかかわらず、この3年半の長きにわたって、『ネットは危険だ』との考えに基づく国の省令によって、当社の存在意義を否定され続けたのは大きな損失だ」と、国への不満を明らかにした。

 加えて後藤氏は、「ネット販売において、利便性と安全性はトレードオフではなく、両立できるものと考えている。今後は、特に安全性を担保する仕組みづくりを重点的に行っていきたい」と強調。現在同社に7人いる薬剤師を増員する考えも示した。

以前にも書きました通り2009年の改正薬事法施行で対面販売が必要とされた医薬品の通販に強力な指導が行われるようになった結果、初めて通販業者が摘発されたのが2年前の2011年のことですが、昨年2012年春にはこのケンコーコムらの高裁判決でネット販売を認める逆転判決が出た結果、このように最高裁にまで持ち込まれていたということですね。
ちょうど2011年に例の仕分け(行政刷新会議)によって「安全性確保の要件設定を前提にネット販売の可能性を検討すべき」という結論が出た結果、政府も早急に規制改革を検討すると言っていた矢先にこの判決ですからある程度予想されていたとは言え、司法判決によっても医薬品通販は認めるべきだと言う流れになってきた以上政府もさらなる規制緩和を求められることになりそうです。
ただしその前提条件として通販によって安全性をどう担保するかということは以前からの課題として言われていたところですが、すでに早速通販を再開したという業者の動きの早さに反対派もヒートアップしてきているようです。

<薬ネット販売解禁>早速再開…安全懸念の声も(2013年1月11日毎日新聞)

 風邪薬や頭痛薬などのインターネット販売を事実上の解禁状態に置いた11日の最高裁判決。厚生労働省は同日、緩和の方向で規制を見直す方針を打ち出し、勝訴が確定したネット薬局が販売を再開するなど、早くも影響が出始めた。ネット業界全体に期待が広がる一方、既存の業界や薬害被害者らからは安全面への懸念が聞かれた。【井崎憲、岡田悟、三島健二】

 判決を受けて原告のケンコーコムは同日午後、1類と2類のネット販売を再開。記者会見した後藤玄利(げんり)社長は「海外では認められているのに日本ではダメと言われる。新しいビジネスを国が止めており、若い人は起業できない」と、国側の対応を改めて批判。省令改正で早期にネット販売を可能とするよう求めた。

 さらに「売り上げは年5億円以上減った。ネットが危険と言われた状況は存在意義を否定されたのと同じで大きな損失だった」と強調。「医薬品のネット市場は成長している。情報技術も進歩しており、安全性と利便性を両立して販売していきたい」と述べた。現段階で国に対する損害賠償の請求は検討していないという。

 同じく原告のウェルネットは「規制は既得権益団体の圧力に屈したとしか言えない。規制強化しないよう強く訴える」とコメントした。

 インターネットモールを運営するヤフーの担当者は「規制は従来、違法と考えており原告勝訴を歓迎する」。ヤフーと共に規制見直しを求める署名をユーザーに呼びかけてきた楽天は「判決に沿った省令の見直しを国に強く求める」とのコメントを出した。

 ■ドラッグストア

 一方、顧客を奪われかねないネット通販に反対してきたドラッグストアの業界団体・日本チェーンドラッグストア協会は「判決はネット販売の安全性を認めたものではない。安全な提供方法を議論する必要がある」などとルール作りを求める声明を発表した。

 主要な販売ルートであるドラッグストアに配慮し、自らネット販売を行うことに慎重なのが大手製薬会社だ。昨年9月に3類のネット販売を始めた小林製薬は4カ月で打ち切り、今回の判決を受けても再開しない方針だ。同社は打ち切った理由を「売り上げが伸びなかった」と説明するが、ドラッグストア業界の一部で強い反発があったことも背景にあると見られる。

 ■薬害被害者ら

 日本薬剤師会は「ネット販売は医薬品の適正な選択・使用を揺るがしかねず、判決は誠に遺憾」とするコメントを発表した。同会は薬剤師による対面販売が重要として規制緩和に反対しており、関係者は「薬剤師資格を持つ国会議員や与党を中心に、対面販売の重要性を訴え続ける」と話した。

 全国薬害被害者団体連絡協議会の花井十伍(じゅうご)・代表世話人は「このまま全面解禁なら目先の利便性は高まるが安全性は損なわれる。とりわけ大手以外のネット薬局がきちんとした販売方法を取れるのか疑問だ」と懸念を示した。

もちろん記事にもありますように既存の業界との利権争いという視点も必要であって、特に供給側の製薬会社がこれら取引先に配慮して通販に消極的だというのも今後の安定供給の上でどう影響するのか気がかりですが、基本的に対面販売だろうが通販だろうが市販薬である以上100%の安全性を担保出来るものではないという点は大前提だと思いますね。
OTC薬が拡大されるにつれてその深刻な副作用も次第に明らかになった結果、薬剤師のみならず医療業界などからも「それ見たことか!だから勝手に薬を使うなど危険きわまることなのだ!」と非難囂々でしたけれども、「日本みたいに、「病気」の定義をきちんとしないで医療費をばらまく国は実は珍しい」と言われるほど医療アクセスの敷居を引き下げた結果、際限なく増え続ける医療需要により現場負担や財政負担が深刻化していることは周知の通りです。
かねてから風邪を引いたと患者が大学病院にやってくるのは日本くらいのものだといった類の批判がありましたが、風邪だろうが擦り傷切り傷だろうが病院に来れば医者はそれに対して診療を行わざるを得ないし、少なくないコストとマンパワーを消費しなければならない、その結果本当に重大な状況の患者に対する治療までも制約を受けるようになっているのが日本の医療現場であるということですね。
患者側からすれば待ち時間の長さはともかくとして、保険診療でやっていればたかだか3割程度の負担で治療が受けられるのですから近所のドラッグストアで風邪薬や消毒薬を買うよりよほど安上がりと言うものですけれども、際限なき医療給付の拡大を許していてはもう現場も財政ももたないという前提があったからこそ、諸外国並みにOTC薬を導入すべきだという意見もあったはずです。

多忙な医療の現場サイドから見ればたまに発生する副作用への対処を差し引いてもOTC薬の利用拡大によって業務負担は改善される可能性がある、それに対して病院や薬局の経営者サイドから見れば顧客がドラッグストアに流れれば売り上げが減る!大損害だ!と大騒ぎしたくなる気持ちも理解できますが、そもそも日本では医療によって儲けてはいけないとなっているのですから本来これは口にしてはならない批判でしょう(苦笑)。
無論現実的につぶれる薬局が増えてくれば特に通販の利用できない老人などを中心に患者の利便性にも影響しかねませんが、考えて見れば通販の問題点として指摘されている患者情報の確認などはかかりつけとして機能している調剤薬局が一番得意としているはずですから、むしろ新しい商売を始める好機であるとも言えますよね。
例えば思い切ったことを考えるのであれば薬剤師会などが仲立ちをして、地域の薬剤師と大手通販会社とが患者情報のやり取りをするといったシステムが構築出来れば安全性も対面販売同様に担保出来るはずですし、医療情報の共有という昨今の流れにも適合したものだと言えるはずですが、どうも反対反対ばかりで時代の流れに対応して自ら進んで変わっていこうという進取の気概に乏しいように思えてなりません。
変わるだとか新しいだとか言った言葉にアレルギーを起こすばかりで、顧客の求める時代なりの欲求と言うものに対処出来ないまま既得権益を固守するだけではいずれ業界として先細りになっていくしかありませんが、テレビ電話など各種通信手段も幾らでも使い放題という時代に、何故必ず薬局のカウンターの前まで足を運ばなければならないのかという理由を彼らは顧客に説明出来るのでしょうか?

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2013年1月14日 (月)

今日のぐり:「うどん 宥紀屋」

中国と言えば少々のことでは驚かなくなりましたが、こちら何とも珍妙な商売が実用化されているという近来のびっくりニュースがありました。

【実録中国ビジネス】割り込み・ダフ屋なんてまだまだ甘い! 中国の国際的イベントで出現した「レンタルじいさん」とは?(2013年1月6日ロケットニュース24)

2010年に行われた上海万博! 中国人客の割り込みなどが注目されたが、そこで、記者が目撃した知られざる中国ビジネスをご紹介したい。

当時、日本館やサウジアラビア館など人気パビリオンでは、待ち時間が5~6時間になることが多かった。炎天下に数時間の待ち時間は若者でもキツイ。それがお年寄りとなるとかなりキツイ。そこで各国パビリオンではお年寄りとその同伴者は優先して入場できるという規定を作った。

そこに目をつけた新しいビジネスがこの世に誕生した。「レンタルじいさん&ばあさん」だ。

■レンタルじいさん&ばあさんとは?
レンタルじいさん&ばあさん(以下レンタルじいさん)は、パビリオンに並びたくない人に、お年寄り自らが体を有料で貸し出すビジネスである。これでお年寄りと同伴者ペアができ優先通路を通ることができるのだ。

■利用したい人はレンタルじいさんを見つけて料金を払えばOK
利用は簡単。入場前にゲート付近で客引きをしているじいさん・ばあさんと交渉するだけだ。利用者はレンタル料と園内での食事などの費用を負担すればOK。あとは園内をレンタルじいさんとともに楽しめば良い。現地警備員に聞いたところによると当時のレンタル料の相場は1日200元(約2800円)ほどだという。

利用者は並ばずにパビリオンに入れてラッキー、レンタルじいさん・ばあさんはついていくだけでお金が入り、しかも食費も浮いてハッピー。まさかの両者ウィンウィンなビジネスモデルなのだ!

■とはいえルール違反はルール違反! 摘発はイタチごっこ
しかし、これでは正直に並んでいる人がバカを見ることになる。各国パビリオンは対応に追われた。あるパビリオンでは、年齢確認のために身分証の提示が必要だったので、提示された身分証にもとづき怪しい人物リストを作成したという。しかし、レンタルじいさん側も偽の身分証を用意するなど対抗。まさにイタチごっこだったという。

なお、レンタルじいさんの摘発は、利用者の事前打ち合わせができておらず、「親戚だ」と主張するのに互いの名前や誕生日が言えない、また同伴の幼児がレンタルじいさんの正体をバラしてしまうなどボロが出て御用となることが多かったようだ。何ともツメの甘い話である。

当時、レンタルじいさん&ばあさんをやっていたお年よりは今、どこで何をしているのだろうか。なお、上海では2015年オープンを目指し、ディズニーランドの建設が進められている。また新しいビジネスが生まれる予感である。

中国と言えば儒教発祥の国のはずですけれども、こういうお年寄りの使い方はありなんでしょうかね?
今日はレンタルされてしまったお年寄り達に幸いあることを願って、世界中からお年寄りにちなんだ話題を紹介してみることにしましょう。

孫娘のためなら…72歳おじいちゃんの女装が大好評、中国(2012年11月22日AFP)

中国のインターネット・ショッピングサイトに出店するファッション専門店「Yecoo」で、72歳のおじいちゃんモデルが女装を披露し、話題を呼んでいる。この男性は、劉謙平(Liu Xianping)さん。普段は湖南(Hunan)省で農業を営んでいるが、Yecooを経営するかわいい孫娘のため一肌脱いだ。

孫娘の呂(Lu)さんによると、祖父をモデルに起用してから店舗の売り上げは5倍に伸びたそうだ。中国の女性たちは特に劉さんのすらっとした体型に感心しているという。

敢えて精神的な冒険をしたいという方はリンク先の画像を参照いただければと思いますが、しかし案外おじいちゃんもノリノリでやっているんでしょうか、妙な趣味に目覚めなければよいがと思いますが…
このあたりであればそれでもまだ美談という範囲で済む可能性がありますが、こちら元気はよいとは言えいささか反社会的に逸脱しているのでは…とも受け取れるニュースです。

ドイツのおばあちゃん、警察とカーチェイス…ではなく車イスで逃走劇(2012年10月11日らばQ)

交通違反をして警察から逃げるとカーチェイスになってしまうことがありますが、ドイツで74歳のおばあちゃんが酔っ払った状態で警察から追いかけられる事件が起きました。

普通と違うのは、彼女が乗っていたのは車ではなく、電動車イスだったことです。

年金受給者だというこの女性は、アルコール血中濃度0.174%の状態で電動車イスに乗り、4車線道路を運転(?)していたそうです。

幸いにも、それを危険と感じた別の自動車の運転手が、彼女のすぐ後ろをハザードランプを点けながら走り、後方車から彼女を守ってくれたようです。

まもなく警察が到着し、女性に停止するように指示を出しましたが、彼女はそれを無視。全く止まる気配を見せずにそのまま走り去ろうとしたとのことです。

しかたないので警察は走って追いかけ、車イスのキーを取り上げてようやく止めたようです。

女性は危険運転で起訴される予定ですが、さすがに車イスの利用を禁止することは出来ないとのことで、罰金を科されることになるだろうと警察は話しています。

酔っていたとは言え、車イスで大通りを走り警察から逃げようとは、大胆なおばあちゃんです。

警官が走って簡単に追いついたところに、車イスの速度の限界が見えてちょっと面白いですね。

昨今では電動車いすだ、シニアカーだと色々とありますけれども、なるほどあれが低速に制限されているのもそういう理由があったのですね。
生涯現役と言えばある種の男のあこがれとも言いますが、こちら未だに現役バリバリというお爺ちゃんの話題を紹介してみましょう。

96歳男性に第2子誕生、インドで「世界最高齢の父親」(2012年10月17日ロイター)

[ソーニーパット(インド) 16日 ロイター] インド北部ハリヤーナー州で、96歳のラマジート・ラグハブさんにこのほど第2子が誕生し、「世界最高齢の父親」に新たな家族が加わった。

50歳代だというラグハブさんの妻は今月5日、同州ソーニーパットの病院で元気な男の子を出産。2人の間には2010年に生まれた息子がおり、今は4人で生活を送っている。

妻と出会う10年前までは独身を貫いてきたというラグハブさん。第2子の誕生については奇跡だと話した。

また、「精力増強剤などは使っていない」とし、妊娠のために特別なことはしていなかったと述べた。

元記事の写真で見る限り特別に裕福そうにも見えないご老人なのですが、この年になって若い嫁さんを娶ったという点に何かしらの羨望を感じる男性諸氏も多いのではないでしょうか。
基本的に元気であるということはよいことのはずなんですが、こちらあまりに元気すぎてしまったために悲しい結末が待っていたというニュースです。

100歳女性、「健康すぎて」ホーム入居を拒否される スウェーデン(2012年10月24日AFP)

【10月24日 AFP】スウェーデン北部ヨックモック(Jokkmokk)に住む、間もなく101歳の誕生日を迎えるアンナ・ルンドバール(Anna Lundvall)さんは、公営高齢者施設への入居を申し込んだが拒否された。ルンドバールさんが「健康すぎる」というのが拒否の理由だった。

 ルンドバールさんの73歳になる娘、グズルーン・エーク(Gudrun Ek)さんは22日、AFPの取材に応じ、自治体への怒りをあらわにした。「母はもうすぐ101歳だとは思えないほど頭はしっかりしています。でも(自宅では)自分の身が不安なんです」

 27日に101歳の誕生日を迎えるルンドバールさんは総じて健康体だが、視力が衰えているという。エークさんの説明によれば、ルンドバールさんは数か月前、転倒してけがを負い1か月以上の入院生活を送ってから、1人暮らしに不安を感じるようになった。退院後、ヨックモックの自治体が運営する老人ホームに入居申請を行ったが、自治体側はこれを拒否。代わりに毎日の自宅介護サービス時間を延ばすことを提案したという。

「自宅介護では母は全く安心感を得られません。(高齢者用の救急)警報システムはありますが、それでは十分とは言えません」(エークさん)

 母親の世話をするため、1日に少なくとも4回はルンドバールさん宅を訪れているエークさん。「私だってもう若くはないんです」と訴える。母親の入居を認めるよう提訴したが、「あきらめてください」と告げられてしまった。だが、「101歳の母を『あきらめる』ことなんてできせん」とエークさんは言う。

 そんなエークさんも、今はルンドバールさんの誕生パーティーの準備に専念していると話した。

 一方、22日の時点で自治体からのコメントは得られていない。

日本においても老人向け入所サービスは不足気味でどこもより必要度の高い人から入所させているのが現実だと思いますが、老老介護の問題は万国共通なのだろうと改めて感じる話ですよね。
こちら別な意味で現役バリバリのおばあちゃんの話題ですけれども、結果だけを見ていると一体何がどうなったと思ってしまうびっくりニュースですよね。

82歳のおばあちゃんお手柄、銀行強盗を撃退 オーストリア(2012年10月21日AFP)

【10月21日 AFP】オーストリア東部の村で、82歳のおばあちゃんが、銃と手製爆弾で武装した銀行強盗を撃退した。同国の現地紙が17日、報じた。

 このおばあちゃん、ヘルタ・ウォーレッカー(Hertha Wallecker)さんは、強盗がかぶっていた覆面を引き剥がした上、盗まれた現金入りのバッグを強盗からもぎ取り「このお金は銀行のものだよ」と一喝した。

 強盗は手ぶらで逃走したもののその日のうちに逮捕され、ゲルハルト・P容疑者(62)と判明した。

 ウォーレッカーさんは地元日刊紙に対し、「わたしはテレビの連続刑事ドラマの見過ぎかも」と冗談めかして語る一方、「現場には男性も数人いたのに、突っ立っているだけで何もしなかったわ」と皮肉った。

まあおばあちゃんに追い払われる強盗というのもどうなのかですが、すでに守るべき何者もないという捨て身の強さがこの思いがけない行動に走らせたのでしょうか。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですけれども、ニュースの対象自体はいたって健全で微笑ましいと言ってしまってもいいくらいのものです。

81歳のおばあちゃん新聞配達でギネスレコード:継続は力なり!/英(2012年9月19日日刊テラフォー)

ギネスレコードを記録したおばあちゃん!
41年間ものあいだ、同じエリアをずーーーっと回ってきた、世界最古の新聞配達少女(今はもうおばあちゃん)ジョイスピューを讃えましょう!

この素晴らしい81歳のおばあちゃんは、1971年に自分の収入の補足として、毎晩地元の新聞を配達し始めました。

それ以来、今日までジョイスは脅威の291,000枚の新聞を住人達の郵便受けに配達し続け、実に10,000マイル以上の道のりのペダルを漕き続けたのです。彼女はこの41年間の間、一度も病気をして休んだ事はありません。

そして今年、彼女は地球上で最古の新聞配達の少女としてギネスブックに認められました。

8人の孫と4人のひ孫がいるジョイスは、"私の娘と息子たちも昔は、小遣い稼ぎのために新聞配達をやりましたが、彼らは他の仕事を見つけたときに辞めました。”と語っています。

ジョイスは、新聞が出来上がる午後に新聞配達を始めます。彼女の1日の生活の中でそれは4分の3時間の部分、この時間をみんなに新しいニュースを伝えるため、自分の健康を保つために冬の最悪の天候の日以外は毎日配り続け、今後もこれは続けて行きたいと思っているのだそうです。

元気なジョイスはいまや、シュロップシャー州ホワイトグリットの住民の人気者です。
そんな彼女は 2013年版のギネスブックに"最古の新聞配達人、女性"として表示される予定です。

おばあちゃんこれからもお元気で!

リンク先の写真を見ますとごく普通のママチャリで元気に新聞配達をしているおばあちゃんの姿に和まされますし、地域住民の人気者であるということも理解出来ます。
しかし敢えて突っ込ませていただきますと現在81歳のおばあちゃんが41年前から新聞配達を始めたとして、どこをどうとったら「地球上で最古の新聞配達の少女」としてギネスブックに認定されるのでしょうね…

今日のぐり:「うどん 宥紀屋」

岡山市内の中心からやや外れた幹線道路沿いに位置するのがこちらのお店ですが、うどんも去ることながら酒のつまみや定食・セットメニューなども豊富で、純粋にうどんを求めて来る顧客にとっては意外に穴場になっているようですね。
今回は何かしらラーメンでもと思いつつうろついていましたら近隣のラーメン屋がどこも満席だったのでこちらに流れてきましたが、比較的広い店内のせいか少しばかり空きがあって待たずに済んだのは助かりました。
ざっと壁の張り紙などを見ていますと新メニューの味噌カツ丼にも惹かれるんですが、ここはレギュラーメニューの中からおろしぶっかけうどんの大盛りを冷で頼んで見ることにしました。

しかしこちらではいつもノーマルのぶっかけ冷を頼んでいるのですがこのおろしぶっかけ、当然ながらおろしというトッピングがあるのにノーマルぶっかけよりも安いというのも不思議だなと誰でも思いますよね。
実際に来てみると謎解きというほどのものでもありませんが、ぶっかけの海老天の代わりにおろし大根を載せているというものですからさっぱり夏向きのメニューと言うべきでしょうか、ただ個人的な好みとしてぶっかけと言うからには天かすは欲しかったと思いますね。
こちらのうどん自体は比較的特徴がないと言うか無個性と言うのでしょうか、かけうどんなどにして食べているとあまり印象にも残らないものなのですが、ちゃんと表面はなめらかな舌触りで軟らかめの食感でありながら噛んでいくとしっかりした歯応えも感じられるという、岡山に多いスタイルのうどんとして十分水準には達していると思いますね。
これをぶっかけにしてみるとしっかりした甘口濃いめのツユとのマッチングもいいですし、なにげに木匙が付くのもありがたいというもので、うどん自体を素直に楽しめることやコストパフォーマンスも考えて見るとこれで天かす入りならいっそこっちがデフォルトでもいいんじゃないかと言う気がします。

接遇面ではだいたいおばちゃんがやっていることもあって見た目通りに昔ながらの町の食べ物屋という感じですが、こういう緩い雰囲気があっているということなのか店内にはうどん屋にしては珍しく結構長居するお客も多いようですね。
全般的にはサイドメニューも含めて町のうどん屋としてはまずまず合格でしょうし、バランスに優れていることから個人的にぶっかけうどんのベンチマーク扱いにしているお店だったんですが、こうして久しぶりに食べて見ますと最近お気に入りにしている「あまからさん」などはよく出来ているなと改めて感じたものでした。

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2013年1月13日 (日)

今日のぐり:「長崎ちゃんめん 倉敷中島店」

先日こういう悲しむべきニュースが流れていたことをご覧になりましたでしょうか。

球体「ゾーブ」で2人死傷=スキー場から谷底転落-ロシア(2013年1月9日時事ドットコム)

 【モスクワ時事】ロシア南部カラチャイ・チェルケシア共和国のスキー場で3日、「ゾーブ」と呼ばれる透明の球体の中に入って斜面を転がるアトラクションでロシア人男性2人が死傷する事故があり、捜査当局は9日、安全管理に問題がなかったか捜査を開始したと発表した。
 発表などによると、ゾーブは直径約3.5メートル。有料のアトラクションとして2人乗りで利用したところ、雪面コース終点で停止できずに脇にそれ、谷底の凍った湖面まで転落、27歳の男性が死亡、33歳の男性も重傷を負った。事故の映像は動画サイト「ユーチューブ」に投稿された。
 ゾーブはニュージーランドで考案されたアトラクションで、日本国内にも体験できる場所がある。

実はこの事故の瞬間を撮影した動画というのがありまして、地形を見ますとこれはもう明らかに転がす場所が間違ってるだろ…と思うような状況なのですが予想通りと言うべきでしょうか、ともかく亡くなられた方の冥福を願うしかありませんね。
今日は不幸な人生の結末を迎えられた犠牲者の方に敬意を表して、世界中からいくらなんでもそりゃないぜセニョール!と言いたくなるようなもの悲しさ漂うニュースを紹介してみましょう。

下呂警察署の「ゲロッピィ」が抜け殻のように-「最大の理解者」転属で意気消沈(2012年12月20日飛騨経済新聞)

 下呂警察署のイメージキャラクター「ゲロッピィ」が現在、抜け殻のようになっている。

 ゲロッピィは、2009年8月から下呂警察署の特命係として休日の街角イベントなどに出向き、交通事故や犯罪のない地域作りを目指し活躍。悪に果敢に立ち向かう正義のヒーロー姿は、地元の子どもたちからの絶大な人気を集めてきた。

 3兄弟の末っ子でリーダーを務めるゲロッピィには、上呂の「ジョロッピィ」(長男=赤)、中呂の「チュロッピィ」(次男=黄)という2体の兄がいる。兄たちによれば、「11月に入った途端、急に弟のボリュームがなくなり抜け殻のようになった。必死の呼び掛けもむなしく意気消沈したまま沈黙を貫いている」という。

 下呂署員は「ゲロッピィを陰ながら励まし続けた男性警官が10月末をもって他署へ転属となってしまったことが直接の原因では」と話す。

 「最大の理解者」である男性警官は現在、岐阜県美濃地方で勤務。「これまで仲間と共に自分たちの給料をやりくりして装備品開発に携わったり、非番や休日にボランティアで彼らの活動を支えたりしてきた。ゲロッピィの今後が少し気掛かり。チャンスがあれば下呂署まで励ましに行きたい…」と話す。

 残された兄たちは「ゲロッピィがペッタンコになって落ち込んだ日もあったが、子どもたちの夢や希望、地域の安全を守るため立ち上がらねばならない。岐阜県警では毎年春と夏に警察官を募集しているし、再び3兄弟が正義の力を合わせて悪に立ち向かう日が来ることを信じている。その時まで、下呂署管内の平和と安全は俺たちが守り続ける」と力を込める。

どれほどに抜け殻になってしまったかはリンク先の画像を参照いただきたいと思いますけれども、地域に貢献してきたローカルヒーローのあまりに悲しい退場劇は涙なくして見られません…
同じくこちらも涙、涙という悲しむべき物語なのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

もうクリボーが踏めない クリボーの生涯を描いたCGアニメが悲しすぎる(2012年12月11日ITmedia)

 もうクリボーを踏めないよ……。マリオのザコキャラ・クリボーの人生ならぬ菌生を描いたCGアニメ「First Person Goomba」が、悲しすぎるとYouTubeで話題になっています。アニメは1匹のクリボーの視点で進み、マリオがジャンプしてくるところから始まります。
(略)

 マリオに踏まれる直前、生まれてからマリオと戦うまでを回想するクリボー。成長、父の戦死、恋、結婚、家庭……。人間と変わらないような半生を振り返った後、あっけなく踏まれて命を終えてしまいます。

 動画は67万回以上の再生回数を記録しており、海外・日本と多くのコメントが付けられています。「俺はなんてことをしていたんだ」「次からはクリボーは飛び越すようにする」など、クリボーを踏んだことを後悔したり、踏まないよう誓ったりする人が多いようです。

どれほどにもの悲しい物語であるかは是非ともリンク先の画像を参照いただければと思いますが、クリボーにもこんな人生の物語があったのではもはやマリオもおちおち遊んでいられませんね…
先日以来ネット上で大きな話題になっているのがこちらのニュースですが、特にその行為の主体に意外性があったということが注目されているようです。

ネコの墓参り、亡き飼い主に毎日「お供え」 イタリア(2013年1月6日AFP)

【1月6日 AFP】飼い主が亡くなって1年経つ今もほぼ毎日「供え物」を持って墓参りしているイタリアのネコが話題になっている。

 このネコがいるのは、フィレンツェ(Florence)に近いイタリア中部の山あいの村、モンタニャーナ(Montagnana)。

「この子は小枝だの葉っぱだの、楊枝だのプラスチックのコップだの、本当に色んなものを持って行くんです」。夫のレンツォ・イオツェッリさんを昨年亡くしたアダさんは、夫が可愛がっていた飼いネコの「トルド」について話す。「わたしと行くときもあるし、自分だけで行っているときもあります。今では街のみんながこの子のことを知っていますよ」

 トルドは白とグレーが混じった3歳の雄ネコだ。昨年レンツォさんが亡くなったときには葬儀の列についてきた。それ以来ずっと、レンツォさんの墓に通い続けている。こうした習慣は犬にはよくみられる。

「夫のことを本当に好きでしたから。ものすごく。今では私と娘、それから娘の夫だけになってしまいましたが、わたしたちのことも、とても慕ってくれています」

 アダさんによれば冬の寒さの中も毎日、墓との行き帰りを続けたせいで、トルドは少し弱ってしまったという。「最近はあまり外に出かけません。気管支炎っぽいようで、今はわたしの横で寝ています」

我が国の忠犬ハチ公をはじめとして世界中で犬について同様の話はしばしば耳にしますが、猫もこのような行動に走るというのは初めて聞いた気がします。
寒い時期になりますとこの時期特有の遊びも楽しいものですが、それが転じてこんな結末になろうとは悲しすぎるというものですよね。

氷の張ったプールに“ジャンプ→ドボン”のはずが……(2012年10月18日ITmedia)

 カチコチに凍ったプールに飛び込む気満々の男性が気合を入れているところから動画は始まります。きっと表面の氷をぶち破って、冷たい水に飛び込む予定だったのでしょう。ところが……。

Catch the Ice Dude

 想定していたよりも氷は厚く、したたかにお尻を打ちつける事態に。これには周囲の人も大爆笑。本人も尾てい骨の痛みはあれど、笑いが止まりません。それにしてもプールの水がここまで凍るなんてどれだけ寒いんですか。

いやしかし、笑っていますけれどもこれが頭からさっそうと飛び込んででもいれば洒落にならない事態だったかも知れないだけに、ご自愛いただきたいと思いますね。
こちら子供であればまだしも微笑ましいで済んだかも知れませんが、高校生にもなってこの懲罰はあまりに悲しすぎるというニュースを紹介してみましょう。

「ケンカをした者は仲良く手をつないで座りなさい!」アメリカの高校が男子に科した “罰” に物議(2012年12月5日ロケットニュース24)

中学生、高校生のとき、特に男子なら一度くらい、とっくみあいのケンカをしたことはあるのではないだろうか。友達同士のケンカは一種のコミュニケーションとも言えるが、やりすぎると学校側から「処分」を言い渡されることもある。

アメリカの高校でケンカをした男子生徒2人に「クラスメイトの前で仲良くおててつないで1時間座る」という罰を科した。すると、男子生徒はケンカの勢いもどこへやら、うなだれて大反省。しかし同時にかなりの辱めを受けた形となったそうだ。学校のこの対応に物議がかもされている。

この「効果的な罰」が執行されたのは、アリゾナ州のメサにあるウエスト・ウッド高校だ。先日、体育の授業中に14才の男子生徒2人がとっくみあいのケンカを始めたそうだ。このような行為をした者は、校則に則り、罰を受けなければならない。学校側は熟慮の末、2人に「9日間の停学処分か、1時間クラスメイトの前で手をつないで仲良く座るかいずれかを選びなさい」と選択を迫った。

停学処分になったらケンカのことが両親にバレてしまう。また成績簿への影響も必至だ。ヤンチャな高校生もさすがにそれはマズいと思ったらしい。自ら手をつなぐという罰を選んだ。素直に、仲良くおててをつないで公衆の前に座った彼ら。しかし、ここからが彼らにとって地獄だった。

「男子同士が仲良く手をつなぐ」、こんな光景は思春期の高校生から見ると「ありえない光景」である。彼らの周りにはあっという間に野次馬が群がった。笑う者、からかう者、写真を撮る者まであらわれた。その写真はFACEBOOKなど複数のSNSにアップされ拡散したという。いつもヤンチャな彼らもプライドが傷ついてしまったらしい。写真では悔しく泣いているようにも見受けられる。

罰を受けた少年は「あいつらはずっと俺のことを笑うんだ。すごく言い返してやりたかったけど、(罰を受けている最中なので)それもできない。もう下を向くしかなかった」と振り返っている。もう一人の少年は、「罰」を受けた後、恥ずかしくて学校を休んでいる。「ケンカはもうこりごりだよ……」と反省の弁を述べている。

効果だけは抜群だったようだ。だが恥ずかしい思いをした少年たちを思うと少し気の毒な気もする。地元の公立高校委員会も「委員会としては学校の措置を容認することはできません。校則や規定について見直す必要があると考えます」と批判的だ。

しかし、一方で、当のウエスト・ウッド高校では、100名以上の生徒が手をつないで校庭に集まり、この「罰」に対する支持を表したという。

ネット上でも、この罰を「少年たちの繊細な心を傷つける行為」と見るか「嫌いな相手にも愛をもって接すること」を教えたと見るか、議論が交わされている。みなさんはこの罰をどう思うだろうか。

それがどれほどにもの悲しい懲罰であったかは元記事の画像を参照していただければ一目瞭然ですが、確かにこれは著効はしそうではありますよね。
最後に取り上げますのはご存知ブリからの話題ですけれども、仮にも世を忍ぶ正義の味方にこの仕打ちは悲しすぎるというものでしょう。

忍者の姿で治安維持を志すも、誤解されてヘリ出動で逮捕=英国(2012年12月16日サーチナ)

  英国で21歳の男性が治安維持のため、夜な夜な忍者の格好で街をパトロールしていたところ、警察に誤解され、逮捕されるという事件が起きた。15日付で中国新聞社が報じた。

  男性は連日、木製の日本刀を手に防具を着込んだうえで忍者に変身、自主的に夜間パトロールをしていた。しかし、巡回中の警察官は刃物を所持している男性がいると誤解、ヘリの出動と警察犬の増援を要請、男性は公園に逃げ込んだところを逮捕されてしまった。

  男性は漫画が大好きで、特に「強きをくじき、弱きを助ける」キャラクターにあこがれていたという。男性の弁護士は「男性は以前、暴行に遭った時、警察は犯人を捜し出せなかった。男性は警察を助けるためにも近所の治安を守りたかったのだ」と説明した。

  裁判所は男性の「治安を守りたかった」という動機を理解してくれたが、方法が間違っており、少なからぬ騒動を巻き起こしたとして、60時間の社会奉仕を行うよう判決を下した。(編集担当:及川源十郎)

しかし他のことで非難するならともかく方向性が間違っていると非難するのはブリ的価値観に従ってどうなのかですが、それにしても結果として望んだように社会奉仕を行うことになったのですから結果オーライでしょうか?
それにしてもブリに限ったことではありませんが、一部外国人はどんだけ忍者が好きなんだよ…という話ですよね。

今日のぐり:「長崎ちゃんめん 倉敷中島店」

昨今各地でチェーン店の再編も進行しているようですが、こちら倉敷市街地の西部に位置する店舗は昔から地味に商売を続けられているようで感心しますね。
しかし長崎ちゃんめんというグループも毀誉褒貶が激しいところがあって、東京に進学した大学生が先輩にうまいラーメン屋があると連れて行ってもらったら同チェーンだったという伝説もあれば、別口で展開中のちゃんぽんチェーン店と比べれば味は落ちるなんて評判もあって、現時点でどのあたりに位置づけるべきなのか判りにくいところもあります。
ただ比較的安価な価格帯で野菜などそれなりにヘルシーっぽく思える食事が食べられるというのはよいことですし、近年では新メニューも投入したりしてそれなりに創意工夫は続けているようですよね。

こちら中島店さんにもメニューは色々あるんですが、今回はそういった趣旨もあって無難に野菜たっぷりちゃんめんを頼んで見ました。
その昔にノーマルの長崎ちゃんめんを食べた時の記憶と比較すると丼が浅くて大きいのも違うなという感じなんですが、久しぶりに食べて見ますとこの太麺はスープの中で煮立てるという調理法を取っているにも関わらず相応に腰も食べ応えもあって、今の時代にあっても意外に食べられるなという印象です。
トッピングの主体となっているもやしなどもしゃっきり食感を保っていて、スープ自体は基本的にノーマルちゃんめんと同じようなもののようですがそのちゃんめん自体がありなら悪くないかなと思いますね。
野菜も最近のメガ盛り系から比べるとさほどに野菜たっぷりと言うほどでもないかなという気もするのですが、それでも全体を通してみると不健康なカロリー過剰と言うほどのこともなく、そこそこヘルシーに食べられるかなという程度の分量でした。

改装してあるとはいえ基本的には古い店舗であるせいか、トイレなどは年期相応に?妙に雑然とした印象をうけるところなどはマイナス点ですが、店内には余計な仕切りなどないぶん厨房からの視界はいいらしく、隅の席もオーダーの通りはまずまずといった感じでしょうか。
接遇面ではこの辺りはアルバイト供給源となる大学などもないせいか、おじちゃんおばちゃんのスタッフばかりで回しているのが妙に印象的なのですが、時々ウォッチャーになることはあるものの相応に声は出てるし手際も悪くないですから、まあこれはこれでありなのでしょう。
しかしこの長崎ちゃんめんグループの店にはどこも大行列と言うわけでもないもののいつでもそこそこ客が入っていると言う印象があるのですが、ラーメン店などによくある常連客が集まっているという感じではなく子供連れから老人までいかにもご近所の顧客がやってきているといった感じで、近頃のラーメン屋とはちょっと違う雰囲気ですよね。

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2013年1月12日 (土)

世論調査にみるマスコミの思惑と現実世界との乖離

先日毎日新聞が掲載したこうした記事が、一部方面でちょっとした話題になっているようです。

記者の目:厳しくなる世論調査=三岡昭博(世論調査室)(2013年01月10日毎日新聞)より抜粋

 ◇存立は寛容な社会あってこそ

 名古屋市に住む年配の男性から猛烈な抗議を受けた。

 「寝ようとしたら電話がかかってきた。人の迷惑を考えないのか?」「どうして電話番号が分かったのか?

 先月8日から3日間、毎日新聞が実施した衆院選の中盤情勢を探る特別世論調査への抗議だった。「無作為に選んだ方にご協力いただいている」と説明したが、「無作為に電話をかけること自体、人権侵害だ」と収まらなかった。

 突然家に電話がかかり、「世論調査にご協力を」と言われ、「どの政党を支持しますか」と質問されれば誰でも警戒する。「おれおれ詐欺」もあるし、家族だんらんの時や忙しい時間帯ならなおさらだろう。不審を募らせ、怒りを覚えて当然かもしれない。間もなく新政権の支持率や経済政策に対する有権者の意識を探る調査を実施するが、世論調査が成り立つのは、寛容な社会と多くの人々の協力があってこそ、と改めて感じている。

 日本で暮らす私たちにとって世論調査のデータはありふれたものだ。新聞の全国紙だけでも各紙月に1回は実施・公表し、国政選挙になれば毎週のように世論のトレンドを追う新聞もある。過剰と感じる人も多いに違いない。新聞やテレビの調査の数字が政界を揺さぶり時に内閣退陣の引き金になってきたのも事実だ。
(略)
 日本でも、内閣の支持や不支持を聞く類いの調査が始まったのは1945年の終戦後だった。日本を占領した連合国軍総司令部(GHQ)が、統治上の必要から新聞社などに調査を奨励し、日本政府も国民が自由な意思を表明できることを示そうと力を入れ、世論調査が定着していった。新聞社の場合、主な調査手段は面接から固定電話へと移ったが、社会の輪郭=顔を描き出す公共財としての機能を果たしてきたと思う。

 ところが、冒頭で紹介したように、その世論調査が困難になりつつある。かつては7割、8割が当たり前だった回収率は低下し、最近は面接だと5割台、電話では6割台だ。都市部ではオートロックのマンションが増え、面接調査に行っても部屋の入り口にすらたどり着けなくなった。携帯電話が一般化し、固定電話に知らない番号や「非通知」が表示されると、「良くない電話かも」と身構えてしまう。調査のサンプル抽出に必要な住民基本台帳の閲覧に難色を示す自治体が増え、台帳閲覧料も高く設定されるようになった。

 これらは、プライバシーや安全に対する国民意識の高まりと無関係ではないだろう。個人情報への感度が高くなれば、世論調査のハードルも上がる。民主主義の進展が、民主主義のバロメーターとしての世論調査を難しくしているとすれば皮肉だが、そうした面は否定できない。だが、顔が見えない社会はつかみどころがないし、外から見れば不気味だ。調査への協力を得られるよう、一層の工夫と丁寧なアプローチに努めたい。

こうして見るとお説ごもっとも…と言いたくなるところですが、何しろ天下の毎日新聞による「調査」なるものがどのような形で世に出てくるか過去の様々な実例には事欠かないだけに、当然ながら調査を受ける側も慎重の上にも慎重を重ねて当然というものですよね。
この世論調査なるもの、かねてあまりに社会の実感とかけ離れた結果になることが世間でも問題視されてきましたがそれも当然、何しろ調査する側の恣意的な設問や事後の「調整」によって結果など幾らでも操作出来るというのですから、なんだ結局はマスコミが作り上げたい世論を捏造するために利用されてるだけじゃないか、と多くの人々が気付き始めているようです。
特に昨今ではネットというものが独自の世論を形成するようになってきていますが、どうも既存メディアにとっては自分達の仕事がやりにくくなってきたという自覚があるのでしょう、最近では「ネトウヨ」などと盛んにレッテル貼りをして「ネット世論=偏向し信憑性に欠けるもの」と言う世論を形成しようと努力しているようですね。

安倍首相支持の裏に「反日マスゴミと闘う悲劇のヒーロー」説(2013年1月11日NEWSポストセブン)

 安倍晋三氏が総選挙公示の直前まで頻繁に書き込みをしていたフェイスブック。しばしば過激な発言があり、それを称賛するユーザーの書き込みが多数あった。ネット上で何が起きているのか。ネットウォッチャーの中川淳一郎氏が解説する。

 * * *
 安倍氏のフェイスブックで頻繁に展開されているのがマスコミ批判だ。11月16日の『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)がNHKアナウンサーの痴漢行為を伝える時に間違って安倍氏の映像を流したことについて、2日後のエントリーで、

〈その日はまさに解散の日。ネガティブキャンペーンがいよいよ始まったのでしょうか?〉〈かつてTBSは、私が前回の総裁選に出た際、「731細菌部隊」の報道のなかに私の顔写真を意図的に映り込ませる悪質なサブリミナル効果を使った世論操作を行いましたが「…またか。」との思いです。これから1ヶ月こうしたマスコミ報道との戦いです。私は皆さんと共に戦います〉

と、“宣戦布告”した。ここで注目すべきなのは、マスコミが安倍氏のような“愛国者”に対して「ネガティブキャンペーン」を張り、「世論操作」を行なう、という見方だ。こうした陰謀論的な世界観こそ、ネトウヨの特徴のひとつである。安倍氏がネトウヨに人気がある大きな理由のひとつは、ネトウヨが最大の敵と位置づける「反日マスゴミ」にかつては潰され、今、立ち上がってリベンジしようとしている「悲劇のヒーロー」だからだ。

 もっと驚くべきなのは、11月4日のエントリーだ。翌日に『朝ズバッ!』への出演を控えていたのだが、まず、以前出演した時、「安倍氏には期待しない」という街の声を多く取り上げられたことを批判。続いて

積極的に番組に意見を伝えることも、草の根の声を活かしていくことに繋がるのではないでしょうか。TBSもそのために視聴者センターを設けています〉

と呼び掛け、その電話番号まで書いた。これでは支持者に対してTBSへの「電凸」(電話による攻撃)を煽っているようなものだ。「電凸」はネトウヨが気に入らない相手に対してよく使う攻撃手段である。仮にも首相候補(当時)たる政治家が「電凸」を煽るというのは、史上初である(TBS広報部は、「内容、件数ともに公表できない」と回答を拒否したが、局の関係者の話では千件単位の抗議電話が殺到したという)。

 安倍氏のフェイスブックは異様な盛り上がりを見せているとはいえ、そこに参加している(安倍氏のエントリーを読んでいる)のは多く見ても数十万人であり、国民全体からすればごく一部にすぎない。しかも、かなり偏った政治的傾向を持つ人たちが中心だ。

 一国を率いる首相は、支持者が喜ぶことさえやればいいというわけにはいかない。自分に対する反対派も含めた国民全体の意見と利益を視野に入れた政治を行なう責任を負っている。安倍氏が今後もネトウヨ的発言を繰り返してフェイスブックという“ファンサイト”で悦に入ったままなのか、それとも冷静さと大局観を取り戻して真に国益を重視する政治を行なうのか。政権の命運はそこで決まるのかもしれない。

しかしこの安倍氏対マスコミという構図も先日以来お伝えしているようにすでにテンプレ化しているようなところがありますが、いよいよ本格的に対立軸を形成していくにおいてマスコミの皆さんはネット世論=敵側という構図を印象づけたいのでしょうが、果たして彼らが味方側だと想定している?非ネット市民も思惑通り踊ってくれるかどうか、でしょうかね。
冒頭の記事にあるようにマスコミ側は市民にいついかなる時でも好きに世論調査を行えるし、それに対しては国民も積極的に協力するべきだろうと主張している、一方で国民の側が草の根の声をマスコミに伝えようとすればそれはネトウヨの暴力(苦笑)だ、相手にする価値などないと言うのですから、これは世に言うダブスタというものでしょう。
マスコミ側に民意を求める欲求があるなら市民の側にも民意を伝えたい欲求があるのは当然であって、彼らが俺は俺の聞きたい意見だけを聞く、お前らの言いたいことなど知ったことじゃないなどと考えているなら、それは独善的な思想に偏向した人間の発想と言うしかないでしょうね。

それにしてもこういう記事を見ていますと既存マスコミの方々は先の大阪市長選でまんまと橋下氏の掌中で踊らされたことに全く無自覚なままなのか、今回も似たような構図が垣間見えるというのはネット経由でのマスコミ対策という一つのテンプレが政治家の間でも確立しつつあるということなんでしょうか?
マスコミの方々は闘牛並の高尚な知性をお持ちのせいでしょうか、ひとたび自らが敵と見定めたものに対してはひたすらバッシングするしかないらしいのですが、この結果相手からすればうまいことマスコミを操作して特定方向に追い込んでいくということも簡単に出来るのでしょう、結果としてマスコミが自ら望んで世論から遠く離れていくかに見えるケースも散見される気がします。
昨今では近隣諸外国との関係など政治とマスコミとで見解が対立する局面も多いせいでしょうか、マスコミ側が盛んに世論を誘導しようと頑張っているものの、しばしばあまりに浮世離れし過ぎて世間も「は?何言ってんだこいつら?」と冷めた目で見ているというケースも目立ってきたように感じますが、その一例として先日こんな話がありました。

【社説】朝鮮学校―無償化で改善の回路を(2013年1月9日朝日新聞)
より抜粋

 安倍政権が、朝鮮学校を高校無償化の対象から外す方針を決めた。
 家庭の経済力にかかわらず、安心して高校に進み、学べる社会にする。この無償化の趣旨を考えると、例外を設けるべきではない
 教育内容に朝鮮総連の影響が及んでいること、拉致問題の進展がないことなどから、現時点では国民の理解が得られない。下村博文文部科学相はそう説明している。

 たしかに拉致に加え、事実上のミサイル発射実験などから北朝鮮への国民の不信は強い
 朝鮮学校も教育のあり方が疑念を招いてきた。北朝鮮指導者の肖像画を教室に掲げ、独裁体制を肯定するような授業をしているとすれば受け入れがたい。
 ただ、制度の対象は生徒個人であって、学校ではない。卒業後は日本の大学に進学する生徒も多い。日本社会の一員となる子どもたちだ。
 生徒たちの学びを保障し、かつ日本や国際社会の価値観をきちんと学んでもらう。両立の手立てを探りつづけるべきだ。
(略)

いや、その日本や国際社会の価値観をきちんと学べない環境だから問題になっているんですがね…
日本を代表する良心的報道勢力とも目されている朝日新聞ですから、こうして得々と御高説をぶるのは予想通り過ぎるほど当然のことなのですが、彼らが安倍内閣シンパだと勝手に見なしているネトウヨ(苦笑)は元より、一般市民がどれほどその主張について行っているかでしょう。
ご存知のように世論調査というものはその実施する主体によって大きくバイアスがかかるもので、ましてや朝日が朝日の読者を対象に調査をするともなれば世間一般の平均的な世論とはかけ離れたものになりがちなのですが、この件に関して調査を行ったところ何と朝日の読者においてさえ過半数が朝鮮学校への無償化適用に反対だった(賛成はわずかに18%!)という、笛吹けど踊らずと言うしかない結果であったと言います。
もちろんこれをもって朝日の側がさらなる国民教化の熱意に駆られるのも当然予想されることですが、こうした調査を好んで行っている以上メディアの側も単にやりっぱなし、都合の悪い結果には華麗にスルーではなく、調査した側がそれを受けて何をどう行動に移すかということも問われるのは当たり前ではないでしょうか。
世に名高い朝日新聞独特の用語に従えばこういう場合、「皆さんにはもっと真剣に考えてほしい」「冷静になるべきだ」とでも言ってお茶を濁していればよいということなのでしょうが、そうやって子供じみたごまかしばかりを続けてきたからこそ冒頭の記事にもあるように世論調査なるものへの反感が日々高まり、ひいては世論を好き放題に誘導しようとするマスコミの信用も凋落してきたという現実にそろそろ目を向けるべきではありませんか。

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2013年1月11日 (金)

医療事故調&無過失補償制度 歪んだまま実現へ?

以前から一進一退の議論が続いていた医療事故調および無過失補償制度創立の問題について、厚労省がいよいよ本腰を入れるつもりらしいという記事が出ていました。

「医療事故調」で医事紛争が急増? 無過失補償制度が設立へ、既存の産科補償は問題山積(2013年1月10日日経メディカル)より抜粋

(略)
 厚生労働省が医療事故の「無過失補償制度」の整備に向け、議論を本格化させている。被害者救済と事故原因究明・再発防止が目的だが、そのプロトタイプとなる産科医療補償制度には批判が噴出している。

今のまま制度が出来上がれば、医療者は安心して医療を提供できなくなってしまう」――。
 厚労省が設置を検討している、医療事故の原因究明・被害補償制度。この制度が及ぼす影響に不安の声を上げる医療者は多い

 医療事故の再発防止と被害者救済を担う制度の必要性は誰もが認めるところだ。しかし、制度設計次第では、医療者のミスを探し出し糾弾するシステムになる危険をはらんでいる。このため法律関係者や患者団体と医師との間で、制度構築に関する意見が激しくぶつかってきた。

 医療事故の調査と被害補償の枠組みについては、2007年に厚労省が医療事故調査委員会設置の検討会を立ち上げ、08年に第3次試案を公表してから議論がストップしていた。しかし11年、医療事故調査や無過失補償制度の枠組みを検討する会議を開催するよう政府が閣議決定したことで再び動き出した。同年8月に新たな検討会が立ち上がり、議論は事故調査体制の大枠を固める段階に近づいている。

事故報告を責任追及に使用?
 現在考えられている「医療事故調査制度」の概要は、中立的な第三者機関が事故報告書を作成し、原因分析や再発防止に役立てるというもの。一方、「無過失補償制度」は、医療者の過失の有無にかかわらず、被害者の救済を行う制度だ。本来、事故調査と補償の議論は分離して行うべきだが、原因究明を求める患者の要望などに配慮して一緒に検討されている

 そして、医療者にとって最も脅威となるのが、この事故報告書が公開され、裁判などで使用できるようになること。「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」の委員で、練馬総合病院(東京都練馬区)院長の飯田修平氏は、「第三者機関による事故報告書に医療者の過失を指摘する内容が書かれていれば、個人の責任が追及されることにつながる。これではリスクの高い医療行為を誰もやらなくなる」と懸念する。

 事故報告書が「鑑定書」として、民事だけでなく刑事訴訟でも使用されるようになれば、日常診療に悪影響を及ぼすことにもなりかねない。

報告書に異議申し立てできず
 こうした懸念は産科分野で現実に起きている。「今検討されている無過失補償制度は、09年に創設された産科医療補償制度の問題点をそのまま受け継いでしまうのではないか」と語るのは、池下レディースチャイルドクリニック(東京都江戸川区)院長の池下久弥氏だ。

 産科医療補償制度は、重度の脳性麻痺の患者を救済することを目的に作られた制度。脳性麻痺の患者が発生すると、一定の条件が満たされれば医療者の過失の有無にかかわらず、補償金(20年間で3000万円)が支払われる。それとは別に、原因分析委員会が「原因分析報告書」を作成し、患者に公開することになっている。池下氏はこの点が重要な問題だと指摘する。

 報告書は、カルテなどを基に原因分析委員会が検討し、医療行為の医学的妥当性をガイドラインなどに基づいて評価している。だが池下氏は、「ガイドラインに準拠していなければ『誤っている』『劣っている』『医学的妥当性がない』などと評価されるので、患者側には医療機関が有責であると読めてしまう部分が多々ある」と言う。「しかも、報告書の内容に対して当事者の医療機関が異議を申し立てることすらできず、なぜそのときそうしたのかといった医学的判断を説明する機会も奪われている。これでどうして公正な医学的評価が下せるのか」と訴える。

 報告書に記載される医学的評価は、「優れている」から「誤っている」まで15段階が定められている。池下氏はこのうち、評価の一番低い「誤っている」から6番目に低い「(該当の医療行為が)選択されることは少ない」までを有責と取られ得る表現と仮定して、100例の報告書を調べた。すると表1、2のように、100例中79例に上記の表現が含まれていることが分かった。また、報告書に記載された患者の意見を調べると、70例が医療機関に不満を述べていたという。池下氏は、「まるで医療機関を訴えてくれと言わんばかりだ」と語る。

 さらに、脳性麻痺の患者が裁判を起こせば、3000万円よりはるかに高額な損害賠償額を得られる可能性がある。これも訴訟を誘発する要因になっており、補償額をもっと高額にすべきとの意見もある。他にも患者が納める保険料の使途の一部が不明であるなどの指摘もあり、改善の余地は大きい。

報告書の公開は不可避か
 なお、原因分析報告書が患者に公開された187件のうち、損害賠償請求が行われた事例はこれまで7件。この中に和解した事例は含まれていないため医事紛争全体の件数は不明で、この制度によって紛争が減少しているか否かの判断はできない。

 産科医療補償制度を基に全診療科を対象とした無過失補償制度が設計されれば、リスクのある医療行為を担う多くの医師が医事紛争に巻き込まれる可能性が出てくる。飯田氏は、「これまでの検討会の議論を振り返ると、事故報告書を公開しなければ患者側の納得を得られないだろう。事故調査やその評価方法の改善を要望していくしかない」と語っている。

昨秋にも江戸川病院での患者死亡事故に関連してこの事故調問題を少し取り上げましたが、結局のところ何を目的として設立するのかという点でコンセンサスが未だに得られていないことが議論迷走の主原因となっているように思います。
以前から航空事故調などでも問題になってきたように、およそ人間というものは後日の責任追及のために用いられると判っている調査に対して真実を語るはずもなく、必ずそこには自己責任回避、保身といった思惑から来るバイアスが入り込み事故原因の解明を妨げる要因になってしまいます。
それだからこそ真実を知りたい、二度とこんな事故は起こって欲しくないと考えるならば責任追及と真相解明とは全くの別問題であるとして区別し、調査が責任追及には用いられないという免責を担保しなければならないはずですが、少なくとも現在議論されている事故調ではこのあたりが全く保証されていないどころか、敢えて混同するような制度設計を目指しているとも受け取れる状況です。

産科のように調査レポートを裁判の資料に転用できるとなれば、まずはローリスクかつ低コストに専門家の鑑定を手にしておいて、勝てそうなら裁判に持ち込んでより高額のお金を得るということも可能ですし、そもそも無過失補償で得たお金を訴訟費用の元手に使えるのであれば裁判が余計に増えるじゃないかとは、2009年の産科無過失補償設立の当初からすでに指摘されてきたところです。
この傍証として記事にもあるように無過失補償制度成立以後実際に裁判になった事例が少なからずあると言うことに加え、制度成立以後も産科医の減少ペースは全く同じように続いていることなどからも、当初期待されていたように医療訴訟を抑制することによって不足する産科医を何とか増やそうという試みとしては全く不十分な制度であったということがデータからは明らかになってきたということですね。
少なくとも先行するモデルケースでこうした構造的欠陥が明らかになってきている以上、同じような欠陥をなぞって同様の結末に至るというのでは全く意味がないことですし、そもそも患者側にしても何ら真実が記されることもない報告書をもらい見当外れな改善策が講じられるばかりでは何の為の制度かと考えざるを得ないはずです。
すでに法曹界からも訴訟や紛争を抑 止する「良い無過失補償」と、訴訟や紛争を誘発する「悪い無過失補償」があり、厚労省の主導する無過失補償とは悪い無過失補償であるという意見が出ていますけれども、誰も本当のことを話さず訴訟を誘発するだけの制度など何の意味もないと言う点について関係各方面のコンセンサスを得ることはそれほどにも難しいことなのでしょうか。

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2013年1月10日 (木)

今度はネトゲ高額課金が問題に

年末頃から急に世間でも取り上げられるようになったペニーオークション問題について、先日は公称10万人という会員のうち実際の利用者はわずか4000人で、大半が架空のものであったという報道がありました。
無論いまさらペニオクなどに引っかかるのはその程度しかいないという声も根強くあるとは言え、会員数を過大に偽ることで社会的信用があるかのように見せかけていたのだとすれば本格的な詐欺の手口と言えそうですね。
先日以来世間を賑わしている違法書き込み問題を初めとして最近ようやく一般メディアもネット問題を大きく取り上げるようになってきましたが、しかし深読みすれば今になってことさらこうした犯罪行為ばかりを報道するというのも彼らなりの方針があるということなのでしょうか。
ま、そうした憶測はともかくとして、今度はこれまたテレビ等を初めとして既存メディアに多額の広告料を払ってきた優良スポンサーであろう会社にまで問題が顕在化してきたことを紹介してみましょう。

コンプガチャ、規制後も子供の高額課金トラブル減らず 未成年の半数超は中学生以下(2013年1月5日産経ニュース)

 高額課金をはじめとするオンラインゲームの消費者トラブルが依然多いことが国民生活センターのまとめで分かった。違法性が指摘された「コンプリートガチャ」(コンプガチャ)規制後も未成年者が自覚がないまま、多額の課金をされてしまう傾向が目立つ。

 同センターによると、オンラインゲームに関する相談は増加傾向で、平成23年度は3501件と21年度から倍増。24年度も昨年11月20日時点で3107件に上る。このうち未成年者が契約当事者だった相談は548件で2割弱を占め、その半数以上が中学生以下。昨年5月に消費者庁はコンプガチャが景品表示法違反に当たると判断、業界各社は順次サービスを停止した。しかし、未成年のトラブルはほぼ横ばい。平均購入金額は小学生で約16万円、中学生で約24万円だった。

 具体的には「中2の息子が親のクレジットカードを勝手に使ったが、携帯ゲーム機がインターネットにつながるとは知らなかった」「オンラインゲーム利用料として20万円超の請求があったが、小学生の息子は『無料で遊んだつもりだった』と言っている」など。

 同センターでは、(1)大人が機器やオンラインゲームの仕組み、多様な決済手段を十分に理解していない(2)子供が意味を理解せずに決済手続きを行ってしまう(3)ゲーム会社が利用者の年齢を把握しにくい-といった特徴があると分析する。
(略)

グリー、未成年者に上限超え課金 設定ミス、4カ月公表せず (2013年1月7日東京新聞)

 ソーシャルゲームの大手グリーは7日、未成年の利用者延べ733人に昨年4~9月、同社が設けた上限を超えて計約2811万円を課金していたと発表した。

 昨年9月に超過課金の事実を内部調査で把握したが「該当者の割合が少ない」との理由で公表していなかった。今後、利用者に通知し、申し出があれば返金する。

 未成年者の高額利用が問題化したため、グリーは昨年4月から、15歳以下は月額5千円、16~19歳は同1万円を課金の上限としていたが、上限設定のプログラムミスが原因で、10万円以上課金された利用者も30人いた

グリー、未成年に上限超え課金 733人で計2811万円(2013年1月7日ITmediaニュース)

 グリーは1月7日、ソーシャルゲームサービス「GREE」で昨年、未成年ユーザーの一部で、利用上限額を超えて課金する障害が発生していたと発表した。対象となったのはのべ733人で、上限超過額は2811万4470円。対象者には個別に連絡し、「申し出があった場合は手続きに従って料金を返還する」としている。

 GREEは昨年4月26日から、未成年ユーザーの利用金額制限を導入。15歳以下は月間5000円、16~19歳は月間1万円までしか利用できないようにしたが、フィーチャーフォン向け「GREE」で、未成年ユーザーがクレジットカード決済を選んだ場合、利用金額の上限を超えて決済できる障害が、4月26日~9月7日まで起きていたという。

 フィーチャーフォンのカード決済機能で、利用上限フィルタが正しく設定されない不具合が発生したことが原因。機能の検証作業は決済機能の動作確認のみ行っており、障害が探知できなかったとしている。

 昨年9月6日、ユーザーの利用実態調査を行ったところ、上限額を超えて利用している未成年ユーザーがみつかり、調査の結果、障害を発見。7日に障害を解消し、検証ツールを強化するなどの再発防止措置を実施したという。

 同社は、「障害が発生し、また情報開示が遅延したことで、関係者にご迷惑とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪している。

しかし先のペニオク騒動で広告塔となったタレント達に世間のみならずマスコミ業界からも風当たりが相当に厳しかったことを考えると、これらの会社をスポンサーとして大々的にCMを流してきた彼らマスコミ自身の立場と言うものもどうなってくるのでしょうね。
いずれにしても無料、無料とうたいながら実際には高額の課金が実質必須となるというのは広報の妥当性としても疑問符が付きますし、それだからこそお上も規制に乗り出してきたのだと思いますが、考えて見るとこうしたものは課金するにあたってそれなりの表示が出ることが普通ですから、物心ついて以降の年代で本当に無料だと思ってやっていた人間がどれほどいるのかも疑問ですよね。
実際に記事を見てみますと親のクレジットカードを無断で使い込んでいた云々という事例もあるわけですから、むしろ本人達はカード集め等の娯楽と同様に有料制であることは把握していた、しかし親に問い詰められれば「いや無料だと思っていたから」と言い訳したという可能性も高いように思います。
また未成年ユーザーがクレジットカード決済を許されるというのも妙な話に思えますが、未成年者が利用金額上限に引っかかることを嫌って意図的に親の名義を利用したのかも知れず、簡単に遊べることとバーターだとは言え本人確認の方法などシステム上の問題点も多々ありそうに思えますね。

そもそもお金をかけるほど楽しめるというシステムであれば熱心な利用者ほど大金をつぎ込むのは当然で、しかも成人だったとしてもいずれ支払いに困窮するだろうことは想像に難くなく、規制をするならするで未成年者だけに限るというのも片手落ちに思えますが、考えて見るとこのような行為を規制する法律などはあまりないように思いますね。
例えば大金が動く娯楽と言えば先日は麻雀全自動卓製造会社社長が逮捕されたようにしばしば賭博絡みで強力な規制も行われますが、こういうゲームの場合アイドルの追っかけなどと同様にお金が出ていくだけで見返りは満足感以外には一切ないと言う点で賭博と異なり、あるいは景品表示法違反など搦め手からの規制のみならず何らかの新しい公的ルールも検討されるべきなのかも知れません。
しかし一方では趣味に没頭すれば金が出て行くのは当然、なんでもかんでも規制で楽しみを奪うな!という考え方もあるはずですから、当座はお金をつかっているという感覚もつかみやすく支払い能力も担保されるプリペイド制にするなど、地道に運用の改善を図っていくしかないのでしょうか。
まあしかし考えて見ますと、一昔前のバブル時代には当たり前だった無駄遣いの数々などこんなレベルでは全くなかったわけですから、今回のケースも遊びというものは身代相応にしておかないと後で泣きを見るという当たり前の常識を身につける授業料にはなったのかも知れませんね。

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2013年1月 9日 (水)

生活保護是正問題 ようやく出てきた具体策

本日まず初めに、近年ようやく生保不正受給と言うことが一部ゴシップ誌の専売特許から離れ一般のマスコミにも取り上げられるようになってきましたが、実際に不正対策を試みようとすると制度的な不備も大きいということが明らかになってきたというニュースを紹介してみましょう。

「生活保護」薬物密売通じ暴力団へ 支給ストップ、見極めに壁(2013年1月6日産経新聞)

 生活保護をめぐっては、暴力団組員らが身分を偽り、保護費を不正受給する詐欺事件が相次いできた。このため、各地の福祉事務所は、申請の際に不審な点があった場合、警察当局に照会。暴力団関係者と判明すれば、申請を断るといった運用がなされている。

 しかし、申請の際に覚醒剤などの薬物常習者かどうかを見極めるのは容易ではない

 厚生労働省の担当者は「違法薬物に関する照会は指示していない」と明かし、警察庁幹部も「過去に薬物事件について問い合わせがあったというのは聞いたことがない」と話す。

 福祉事務所が申請を断ったり、保護費の支給を打ち切るには、資産や収入を隠しているなど、支給の要件に反する実態が判明しなければならない。申請者が覚醒剤などの薬物事件に絡んでいたとしても、摘発されていなければ、支給が止まることはない

 そこが、公的資金の一部が暴力団に流れる温床となっている。

 困窮状態にあるのに生活保護の申請をためらって家族で餓死したとみられる問題が全国各地で相次ぐ一方、受給者が覚醒剤欲しさに強盗やひったくりなどの事件を引き起こすケースも後を絶たない

 大阪府警に平成24年3月に強盗事件で逮捕された生活保護を受けていた無職の男は、覚醒剤の購入資金を得る目的で犯行に及んでいた。警察庁幹部は「覚醒剤を買って保護費を使い果たし、さらに違法薬物を得るために窃盗や強盗事件を起こすなど一般市民の生活を脅かす二次的な被害が発生したケースは多い」と危機感を示す。そのあげく、公的資金の一部が暴力団の資金源になっている現状を、どうつぶしていくか。警察や厚労省、関係当局などに突きつけられた課題といえる。

違法行為に手を染めるなど論外であることはもちろんなのですが、例えばこうした犯罪を犯した人間は当然ながらその後正業に就く可能性は極めて低くなるはずですから、彼らが罪を償った後に再び困窮したとしてどのように遇するべきかということはなかなかに難しい課題であるように思いますね。
諸外国においても同様のジレンマはあるようですが、収入もなく日々の生活にも事欠く人間が各種犯罪に走り治安が悪化していくリスクを考えれば、ある程度最低限のお金を出しておいた方がかえって安く済むんじゃないかと言う考え方もありますよね(あまり行きすぎると某神話の国のようになってしまいますが…)。
日本の場合はもともと治安もよく民度も高いからそこまで心配しなくても…と考える人もいるかも知れませんが、一方で日本では寄付行為や宗教・NPO団体による慈善活動が諸外国よりずっと不活発だという側面もありますから、生活支援と言えば公的支援に、より正確には生活保護というシステムたった一つにほぼ完全に依存しているというリスクは指摘されるところです。
この結果せっかく出来る範囲で仕事を始めても収入分だけ保護費が削られていくので結局何もせずごろごろしているのが一番いい、なんておかしな話もあるくらいで、この生保という制度ももう少し制度を改めていく必要があるだろうという点ではようやく大方のコンセンサスが得られてきたように思います。

その実例として最近ではようやく生保の前段階として当座の食料を現物支給します、なんて試みが自治体レベルで始まっていて良い傾向だと思いますが、現政権も導入を検討しているというこの現物給付には何故か熱心な反対論者も多いといった調子で、いわゆる総論賛成各論反対の状態でこのまま改革も先送りになるんじゃないかという懸念がなしとしません。
しかし生活保護とは法的にもわざわざ「最低限度の生活需要を超えてはいけない」という規定があることも考えると、少なくともどちらでも変わりないものならより安上がりに済ませるべきだと言う考え方は妥当であって、安売りのクオーツ時計で用は足りるのに高価な機械式時計でないと満足出来ない、なんてことはやはりおかしいだろうと見るべきでしょうね(残念なことにそうした事例はしばしば散見されるようですが)。
その意味で最近議論の的になっているのが国がわざわざ「同じ成分、同じ薬」と公言している後発医薬品(ジェネリック薬)の使用率が自己負担のない生保患者で一般より低いという問題ですが、一部方面から何故か強烈な反対の続いていた後発品使用の強制化に代わって今度はこんなアイデアが出てきているようです。

生活保護受給者、後発薬に誘導「先発薬なら差額負担を」 政府検討(2013年1月6日産経新聞)

 政府は5日、増え続ける生活保護費を抑制するため、受給者が高価な先発薬(新薬)を使用する場合、安価な後発薬(ジェネリック医薬品)との差額分について自己負担を求める方向で検討に入った。

 診療や調剤など受給者の医療費は「医療扶助」として全額を公費で負担しているが生活保護費のほぼ半分を占めている。後発薬の普及を促すことで、医療扶助の適正化を図るのが狙い。生活保護費の削減は、平成25年度予算編成の焦点になっている。

 高齢化や景気の悪化を背景に、生活保護の受給者は増加傾向にあり、24年6月現在で約211万5千人に上る。

 12年度に1・9兆円(国負担は1・5兆円)だった生活保護費は、22年度に3・3兆円(同2・5兆円)まで膨らみ、国の財政を圧迫。このうち、医療扶助費は半分の1・6兆円を占める。受給者に医療費負担が免除されていることが、医療費の増加や医療機関の過剰診療につながっているとの指摘は少なくない。

 受給者の医療費が一般の人より高額であることも問題になっており、財務省の試算では、30~39歳の受給者の場合、1人当たり医療費(外来)は年間12万7千円で、一般の人(4万7千円)の2・7倍に達する。

 後発薬についても財務省が23年5~6月のデータ(数量ベース)から試算したところ、受給者の使用率は20・9%で一般の人の23・0%より使用率が低かった

 政府は先発薬を使う場合は差額を自己負担とする仕組みを導入することで、受給者に後発薬の使用を促し、医療費の増加に歯止めをかけたい考えだ。

 後発薬の義務化の議論もあるが「生活保護受給者だけが義務化されるのはおかしい」などの理由から抵抗感が根強く、田村憲久厚生労働相は「事実上(後発薬に)誘導できる政策を考える」と述べていた。

 自民党は衆院選公約で、国費ベースで8千億円の生活保護費の削減を打ち出しており、実現のために医療扶助の適正化は不可欠となっている。

 【用語解説】後発薬(ジェネリック医薬品)  新たに開発した医薬品を先発薬(新薬)と呼ぶのに対し、後発薬(ジェネリック医薬品)は先発薬の特許期間(最長25年)が切れた後に同様の有効成分でつくる医薬品を指す。開発費を大幅に圧縮できるため、先発薬より価格が2~7割安く、医療費の削減も期待できる。厚生労働省が普及に力を入れており、国内外の製薬会社の参入も増加している。

医療費自体が高額に付くことに関して言えば、生保受給者の中には当然ながら基礎疾患があって働けないという人達も相応に含まれているはずですから、厳密にはそうした補正を入れた上で比較してみないことには一概に何とも言えませんが、医療現場にとっては必要でもないのにタクシー代わりに救急車を呼ぶ、不要と思われる検査や治療を要求するといった困った患者が多いという実感はあるかも知れません。
ただ厚労省の建前としては後発品と先発品は全く同等であると主張しているわけですから、実際の医療給付の段階で選択の余地を残しているのがそもそもおかしいという意見もあって、同じ薬と言うなら薬価も全く同じにすべきだとか、一般患者も含め原則全員後発品を使用させるべきだとか、生保云々を抜きにして以前から議論されてきたところではあったわけです。
このあたりはどのように考えれば「不当な差別だ!」と言われがたい政策になるのか難しいところですが、一般患者にしてもジェネリックではなく先発品を使用することで差額を自己負担しているということを考えるならば、生保患者においても同様に差額を自己負担するのは差別どころか全く同等の扱いであるわけで、これはなかなかうまいことを考えてきたなという気がしますね。

先日も少しばかり紹介しましたように就任会見当時の田村厚労相は政権公約とも言える保護費1割引き上げは推進する意欲を示したものの医療扶助の削減には否定的、かつ後発医薬品強制化にも及び腰である様子だっただけに、こうして「事実上(後発薬に)誘導できる政策」を早々に打ち出してきたことには多少なりとも意外な気がします。
ただ記事を読んだ限りでは厚労省というよりは財務省が主導して話を進めてきているのかなという気配も濃厚で、この辺りは数字で明確に示された逆差別の実態もあるだけに、差別はせずとも少なくとも一般患者並にまでは政策誘導していかないことには国民感情としても納得しがたいところでしょう。
ただ一口に8000億円の削減と行っても国費ベースでは削ったものの、その分を結局は各自治体につけ回すようなことになっては意味がありませんし、何より生保患者の相手に疲れた医療現場などにとっても救済になるようなうまいやり方での改善策を検討していただきたいものだと思いますね。

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2013年1月 8日 (火)

意外に堅調なメディカルツーリズム 蟻の一穴になるか?

先の民主党政権では医療主導の経済成長戦略ということを掲げていたことは周知の通りで、もちろん政権担当期間中に必ずしも十分な成果が上がったとは言えませんけれども、例えば先日はイラクで日立グループが超音波診断装置の受注を逆転で獲得した背景には政府が診断技術を指導するスタッフ派遣を約束するなど後押しをした成果であると言います。
また近鉄が開発中の日本一の高層ビル「あべのハルカス」にもホテル宿泊客への医療ツーリズム対応を見据えたメディカルフロアが整備されるといった具合で、医療目的の滞在に対して専用のビザを創設するなど官のバックアップを行ってきた成果がようやく現れつつあるように見えますね。
もちろん医療業界全体の中ではごくごくマイナーなジャンルにとどまっているのも確かですけれども、前政権の掲げた医療主導による経済成長戦略の現状がどうなっているのか、メディカルツーリズムを取り上げた先日の公明新聞の記事から紹介してみましょう。

注目集める医療観光(2013年1月4日公明新聞)より抜粋

「信用できる検診で安心」
高度な技術の提供で中国人の誘致に成功
グランソール奈良

医療のグローバル化が進む中、観光と医療を組み合わせたメディカル・ツーリズム(医療観光)が注目を集めている。自国の高い医療技術による健康診断や治療を武器に、国外の患者を呼び込む取り組みだ。アジアを中心に諸外国で市場規模が拡大する中、日本でも導入する医療機関が増え始めている。主に中国人を対象に利用者の呼び込みを進めるグランソール奈良(奈良県宇陀市)の取り組みを紹介するとともに、メディカル・ツーリズムの現状と課題を探った。

ここに来れば、最高水準で信用できる検診を受けられるので安心だ」。グランソール奈良を訪れた中国人利用者は、一様に口をそろえる
同施設は、地域医療の要役であるとともに、検診専門施設としてCT(コンピューター断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)など、ミリ単位で細胞の異常を発見できる高度な医療機器を完備している。
メディカル・ツーリズム事業の対象は「中国人の富裕層」と位置付けており、宿泊施設は高級リゾートホテル並みで、同行した家族も宿泊可能だ。さらに、中国人の通訳スタッフも雇っている。
同施設の辻村勇海外事業部取締役部長は、「利用者数は月最大20人程度だが、より充実した検査サービスを提供するため、利用者数を抑えるよう心掛けている」と話す。

利用者のスケジュールは4泊5日から5泊6日が主流で、検査費用は平均25万円程度(観光費を除く)。来日した日の夕方には、担当医による問診や簡単な検査を受け、翌朝8時30分から約2時間の精密検査を受診する。その後は「昼ごろから観光名所巡りに出掛ける流れだ」(同施設スタッフ)という。
観光先は、京都や奈良にある歴史的建造物などで、「鑑真を祭る唐招提寺や京都・嵐山にある周恩来元首相の詩碑など、中国ゆかりの名所が人気だ」(同)という。
中国人の誘致に成功している要因について、辻村部長は「そもそも中国特有の医療事情が背景にある」と指摘する。実際、同施設の利用者からは「健康診断を受けたいが、自国の医療機関では1、2年は検査待ちの状態だ」「病院や担当医によって医療サービスの当たり外れが大きい。安心できる医療を受けたい」などの声が多く寄せられているという。
また、利用者が帰国後、日本での受診体験を知人に話す“口コミ”効果も大きい。辻村部長は「行政の市長クラスが視察に訪れたこともあり、日本の医療技術への関心の高さを肌身で感じている」と語る。

旅行大手や病院の参加相次ぐ
地域医療への影響に懸念

日本政策投資銀行の調査によると、日本国内のメディカル・ツーリズムの潜在的な市場規模は、2020年時点で約5500億円(観光を含む)と推計し、海外からの来日者数は年間約43万人と見込んでいる。
このため、メディカル・ツーリズムの導入や事業提携を進める日本企業や病院の動きが活発化している。

例えば、千葉県鴨川市の亀田総合病院は、日本で初めて米国の国際的医療評価機関「JCI」の認証を受けて取り組みを進めているなど、各地で外国人利用者を受け入れる態勢整備を進める医療機関が増えている。また、自治体では、北海道や福島、富山、徳島の各県などで医療観光モニターツアーを実施し、導入を進めている。
さらに、旅行会社大手のJTBグループは、メディカル・ツーリズムに力を入れる複数の医療機関と提携し、外国人患者の受け入れに本腰を入れている。13年度には1000人の外国人患者を呼び込む見込みだ。
一方、課題も残る。ビジネスを優先するあまり、「海外の富裕層を優先し、国内の地域医療に悪影響が生じるのではないか」という指摘もある。事実、メディカル・ツーリズム先進国のタイでは、外国人受け入れに熱心な民間病院は潤っているが、地方の公立病院では設備の老朽化や医師不足などに悩む現実があるという。日本でも、地域医療の存続が課題になっている中で、医療ビジネスへの偏りには注意が必要だ。
(略)

先日は訪日外国人がほぼ震災前の水準に戻ったという報道がありましたが、一方で中国人観光客全般では未だ大幅減の状況が続いていると聞いていましたので中国人顧客をメインターゲットに据えたメディカルツーリズムにどの程度の影響が出ているかと密かに注目していたのですが、興味深いことにこの方面ではほとんど昨今の日中関係の影響はなかったと言いますね。
その理由が今回の記事に端的に表れていると思いますが、まずは顧客層が日常的に広くインターナショナルな情報に接している富裕層であること、そして基本的に口コミで取引が広まっていることからも判るように彼らは実体験によって日本人を誠実な商売相手として認識し信頼していることと言った諸事情があるようです。
特に昨今増加傾向にあるのが元々大陸本土のようには政府に対して親和性を感じていない香港系の顧客であることも関係しているのでしょうが、基本的には以前にも何度か紹介したように中国国内でのかなり異常とも言える医療環境がある、それに対して日本に行けばお金を出した分以上のサービスは確実に受けられるという安心感があることが、こうして確実なリピーターを生み出していると言うことでしょうね。
メディカルツーリズム自体は未だ医療全体の中でごくごくニッチなマーケットに過ぎないとは言え、こうしてリピーター客中心の手堅い経営を続けられるということになれば参入した施設にとっては大きな経営的メリットということになりそうですけれども、一方ではこのことが以前から指摘されている問題点をさらに顕在化させる危険性もありそうです。

当初から言われていることですけれども、国民に対しては皆保険制度のもとで医療は非営利であるべき、差別なく提供されるべきというタテマエのもと画一的な診療を強要してきた結果、富裕層などからは「お金は出すからもっといい医療を」という声も実際にあがっていたわけですね。
これに対して外国人であればこれだけ至れり尽くせりのサービスが受けられる、現状では主に健診等が中心ですが将来的には各種治療も日本でという流れも出てくるかも知れず、そうなれば様々な縛りから日本人であれば受けられない治療を外国人だけが享受できるという逆転現象も生じかねません。
もちろん本当にお金を出す気があれば日本人であっても外国人同様に完全自由診療にすればいいじゃないか、という考え方もあるでしょうが、そうなればただでさえバカ高い保険料に見合った医療サービスを受け取っていると考えていない富裕層の間から皆保険制度などいらない、保険料など払わずその分は自費診療に回そうという声もあがりかねず、ただでさえ厳しい同制度の財政状況がさらに悪化していく可能性もあるわけです。
また当然ながら外国人向けに整備されたサービスはそのまま国内向けにも転用することも可能な理屈ですから、国内外医療格差がそのまま国内医療格差につながっていくことも考えられ、タイのように自由診療で儲けた施設が優良な医療資源を囲い込むということが実際に起こってくるのかも知れませんね。

もともと日本の皆保険制度は医者にかかることなど臨終の確認の時だけ、という状況が少なからずあった当時の日本の医療事情を改善する目的があったため、やはりどうしても貧困層にも最低限の医療を担保するということが主体となって整備されてきたからでしょう、現状でも「生保受給者が一番いい医療を受けられる」などと揶揄されるような状況にあるわけですね。
しかし医療技術自体は日進月歩であり新しいものほど大きなお金を必要とする、一方でお金のない人も含めて全国民に等水準の医療を保証するとなればどうしても提供される医療水準自体に一定の制約を設けるか、あるいは際限のない医療費増大を甘受するかという問題が出てくることは昨今の医療を取り巻く現状が示している通りです。
一方でイギリスなどは医療崩壊の最先進国として有名ですが、全国民に対して平等である代わりに甚だしく不満足な皆保険制度下の公的医療と、お金はかかるが充実している民間医療とを併存させている結果、医療に対する国民満足度は日本などよりはるかに高いという事実もあるわけですね。
一般論として前提条件の存在によってむしろ制度の歪みが拡大されてくるのだとすれば前提条件自体を再考する必要も出てきそうですが、折しも政権交代によって社会保障制度全体の見直しもありそうな気配も漂う中で、いわば前政権の遺産がその契機になるともなれば何ともおもしろい話だなと思いますね。

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2013年1月 7日 (月)

上小阿仁村問題 週プレが村民取材を敢行

ところでこの1月には鳥羽水族館の例のダイオウグソクムシがとうとう絶食5年目に突入したそうですが、その間ほとんど体重も減っていないと言いますから何かしら摂食以外で栄養を確保する手段でも持っているのでしょうかね?
余談はともかくとして、新春早々にあの医師が次々と逃げ出していくことで有名な秋田県は上小阿仁村について、まさにその謎を直撃取材してみたという記事が出ていましたので紹介してみましょう。
まずはつい先日たった3週間で辞任したことが大いに話題になった最後の常勤医の件に関して、一方の当事者である村側の主観ではこのようなものであるようです。

秋田県・上小阿仁村の“医者いじめ伝説”を追え!(2013年1月4日週プレNEWS)より抜粋

人口2700人、高齢化率約45%、村民の平均年収150万円弱。そして、村の診療所に医師がまるで定着しない村。それが秋田県上小阿仁村(かみこあにむら)だ。4年で4人もの医師が着任し辞めていったのは、「村の閉鎖性」「よそ者への陰湿ないじめ」が原因ではないかとの臆測が飛び交い、ネットユーザーは“現代の八つ墓村”を見つけたとばかりに大騒ぎしている。だが、そんなトンデモない場所が本当に現代日本に実在するのか? 現地に行って確認してみた!
(略)
■「マッドサイエンティスト」が抱えていたトラブル

そんな村の中心部にある上小阿仁村役場で、加賀谷敏明副村長にF医師辞任の経緯を聞いた。
「辞任理由は健康問題です。F先生が辞意を伝えてきたのは11月6日。当初は後任が見つかるまで村に残るとのことでしたが、14日に秋田市内の病院で診察を受け、手術が必要な病気を患っているとのこと、またこれ以上の診療は不可能とご本人の申告もあり、誠に残念ながら19日に正式に辞意を受け入れた次第です」
実際に診察を受けた村民らの話では、F医師は村に来た当初から歩行が困難な様子だったという。辞意を表明する直前、隣町の寿司店をF医師は訪れているが、店の店主も「確かに伝い歩きをするほど、歩くのがつらそうでした」と漏らす。

その一方で、F医師は就任直後からあるトラブルを訴えていた。
就任6日目の10月18日早朝、診療所裏の自宅(歴代医師が寝泊まりしている住居)の外で物音がするためF医師が窓の外を確認したところ、何者かが窓のすぐそばの柱によじ登って家の中をのぞこうとしていたというのだ。
さらに10月30日には自宅車庫のシャッターを一部破損させられるなどの被害を報告、村側が地元警察に被害届を提出している。
捜査をした北秋田警察署は「故意に何者かが壊したような形跡はなく、事件性はない」としている。
だが、F医師と交流のあった村民は「トラブル以降、F先生は夜も眠れなくなったと漏らしていた。でも村側は“狂言”と取り合わなかった」と証言する。この村民の話が事実なら、辞任理由は健康問題のみではない可能性もある。
しかし詳しく事情を知る村関係者や北秋田署の話を聞いた上で、実際に現場を見たが、F医師の訴えは矛盾点が多すぎる。はっきり言って彼の訴えは「人をおちょくってる」レベルの与太話の印象なのだ。どうして彼は村の人を困らせるような話をしたのか……。

実は、F医師は元通産官僚で人間行動科学の研究者の顔も持っている異色の医師だ。過去の彼の著作には、「公然と人を侮辱するとその相手はどう反応するか」といった内容のものもあるため、ネット住民からは「元官僚のマッドサイエンティストvsムラ社会の陰湿な住人」「陰湿な村民も音を上げるのではないか」と、注目を集めていたのである。
ある村民はこう漏らす。
「確かにF先生は変な人でした。楽しく話していたのに突然不機嫌になったり、同じ話を何度も繰り返したり。先生が村民の行動を研究するために演技をしていた可能性? いや、さすがにそれはないでしょう(苦笑)」
真相はわからないが、総じて村側とF医師はうまくいってなかったのは間違いない。健康問題がなかったとしても、彼は村には長くはいられなかったのではないか。

なおあらかじめお断りしておきますけれども、本日取り上げているのはあくまでも上小阿仁村と同村診療所勤務医との関係という文脈に限った話であって、例えばスキーに行くだとか観光に出かけるといった目的で同村を訪れた一般の方々にとっては素晴らしく居心地のよい最高の村であり村民であったという評価になるかも知れないし、それは医師に対する村の態度とも何ら矛盾しないことであるということです。
さて、この仮称F医師なる人物に関しては以前にも書きましたようになかなかの人物であることが知られていたのも事実ですが、記事によれば村人総出で「あの先生は嘘つき」と決めてかかっているような状況でもあったようですから、いずれにしても到底折り合いがつけられたようにも思えません。
しかし素人が一目見ても満足に歩くことも出来ないと判るような人物をわざわざ常勤医に据えておいてやっぱり駄目だったというのも釈然としない話ですが、普通であれば村の医師採用システムがどのようなものになっているのか、高い税金をつぎ込んでいい加減過ぎるじゃないかと担当者の責任問題にもなりかねない状況ではないでしょうか?
記事としても一方の当事者である医師側の声を取り上げるでもなく、村側からの主張だけをもって全て本人が悪い、最初から御縁のない人だったのだで済ますというのもどうなのかと思いますが、それでは仮称F医師以前のまともだったはずの各医師が辞めたのはどうしてなのか?これも本人のせいだと言うのか?という疑問が当然に出てきますよね。

■医師が辞めていく本当の理由

F医師のスピード辞任により、公募開始以降、4年で4人もの医師が診療所を去ってしまった。ナゼこの村から医師が逃げていくのか。ネットでいわれている村民による“医師いじめ”は本当に存在するのだろうか。
「一部でこの村が誹謗(ひぼう)中傷されているのは知っております」
本誌の取材にそう語る村役場総務課長の萩野謙一氏はこう続ける。
「まず、過去の診療所の医師についてお話しします。以前はずっと同じ先生がこの村の診療所にいたんです。20年以上の在任期間を経て、約10年前に65歳で定年退職。あの頃までは、今のようにコロコロと医師が代わっていなかったんですよ」
その後、B医師からF医師まで5人の医師が交代している。村幹部らの話によると、「歴代の先生が辞めた理由はそれぞれ違う」という。そこで、本誌は複数の村民や関係者の証言を基に、各医師の辞任理由を探ってみた。

まず07年6月末に依願退職したB医師の場合。辞任の直接の原因は「当時の村長とのあつれき」だと推察される。
「07年4月、三つ巴(どもえ)の激しい選挙戦の末、小林宏晨村長が就任。彼は徹底的に村の財政立て直しに着手し無駄を省いてきました。しかし、B医師は就任早々の小林村長に、ある高額な医療器具を購入してほしいとお願いした。ところが小林村長は、それを拒否。その対応に怒ったB医師が直後に、村に辞表を提出したというわけ」(小林前村長に近い村民)
この村民によると、B医師が購入を求めた医療器具はCTスキャンだという。地域医療に従事するある医師は「一般論だが、小さな村の診療所にCTスキャンは必要ないもの」と指摘する。
村の元幹部もこう証言する。
「これがきっかけでB先生は辞めてしまった。『高額な医療費を購入したらメーカーからキックバックがあるから、B先生はそれを狙ってたんだ』などといわれてました
B医師が辞職し、これ以降、上小阿仁村は公募で医師を募集するようになる。待遇は年収2000万円で、診療所のすぐ裏手にはB医師を呼んだときに建てられた車庫付き一戸建て住宅も。賃料も月額5000円と、かなりの高待遇だ。

こちらに応募してきたのがC医師。栃木県で20年間、地域医療に従事した後、インターネットで同村が医師を公募していることを知り、「この村が、医師として最後の勤務地。人への愛情、興味が尽きない限り、診療を続けたい」と志高く診療所にやって来るも、わずか半年で辞任している。冒頭で書いたとおり、彼は辞める直前、村の広報紙(08年9月号)で村側をこう批判している。「この村の執行部の人々の、医者に対する見方、接し方、処遇の仕方の中に医者の頑張る意欲を無くさせるものがあった。(中略)『次の医者』を見つけることは相当に困難でしょうし、かりに見つかってもその人も同じような挫折をすることになりかねないものがあります」
C医師は村の対応にかなり不満を感じていたようだ。もしかして彼には陰湿ないじめがあったのだろうか?
「一方的ないじめはないけど、村民と仲良くはなかった。とにかくC先生はお薬を出さない方針でね。前任のB先生が薬を出しまくっていたから、C先生のやり方は村民、特に一部老人たちには大不評だった。この村では薬さえもらえれば安心する老人も多い。もっと言うと、薬をたくさん出してくれる先生はいい先生だと思っている人もいる(苦笑)。でもC先生は、薬は必要最低限でいいの一点張り。そこの部分でよ~く村の老人とトラブルを起こしてたっけ。
それに、小林前村長から『村民は貧しいので安価なジェネリック医薬品を処方して』と口出しされたこともあって、それにも不満があったみたい。薬を決めるのはオレなんだから素人が口出しするなと。ちなみにC先生は辞める際、『今後は仏道を志す』というような話をされていましたよ」

続くD医師辞任の理由は、すでに述べたとおり一部の村民によるいじめだといわれている。事情を知る村民はいじめの事実を認めた上でこう続ける。
「D先生は本当に献身的に村のために頑張ってくれた方なんですよ。辞意表明をされたとき、村民から600以上の署名が集まり慰留されたほど。いじめをしていたのは5、6人らしいですが、先生は犯人が誰かを明かさなかったので、みんな真相を知らない。あといたずら電話も頻繁にあったみたいです。でも、辞めた後に『いじめくらいで辞めるなんて、これだから女は』という厳しい声もありました。この村は男尊女卑の激しい地域。女医というだけでやりづらかったと思います」(村に住む60代女性)

ネット上での「医師いじめの村」という評価を決定づけたD医師の辞任劇。だが、現地で聞き取りをする限り、明確ないじめが確認できたのはこのケースのみ。後任のE医師のケースでもいじめはまったくなかったようだ。
「E先生は強いタイプだったし、実際に辞める際にも、『マスコミはまたいじめで医者が辞めるなんて騒ぎたてるかもしれないけど冗談じゃない! いじめなんてないし、むしろオレが村民をいじめたくらいだ!(苦笑)』と言っていたほど。辞めた理由はもっぱら今の村長とうまくいかなかったからとの話。実際に、診療所でふたりが言い争う姿も目撃されてるし、オレも本人から直接、コレ(親指を立てて)とうまくいかないから辞めると聞いてる。コレ(親指)は村長の隠語だよ」(村の事情通)

今まであまりはっきりしなかった各医師の辞任理由が、一方の当事者からの主張のみだとは言えこうして明らかになったというのは興味深いと思いますが、それぞれに見ていきますとこれまた突っ込みどころが満載ですよね。
まずは初代短命医師であるB医師ですが、人口2千数百人の村の診療所にCTを導入することの是非はさておいても、医師いじめの村だと噂されていることの是非を取材に来た相手に対して元幹部がキックバックを狙って云々などと平気で語ってしまうくらいですから、実際にはさらに陰湿な噂話が幾らでも流されていただろうことは想像に難くありません。
そもそも診療所トップとは言え一介の勤務医がCT購入を断られたからと辞職というのもおよそ聞いたことのない話ですが、万一にも村の語る噂話が真相だったと言うのであれば、B医師は最初から診療所にCTがないことを確認した上で、この診療所ならCT購入で一儲け出来ると考えて赴任したという筋書きになりますけれども、さすがに無理があるように思わないでしょうか?

続くC医師と言えば例の村の広報誌への名文掲載で一躍この村の存在を全国に知らしめた方でもありますが、村側の主張を聞く限りでもまさに同医師の書き残した通り「医者のご機嫌取りなど無用、ただ根本的に医者を大切に思わない限りこの村に医者が根を下ろすことはない」という状況そのものであったことが想像出来る話です。
特にC医師は村の職員すら村外の医療機関にかかっていることが診療所の赤字を招いていると指摘するほど経営的観点からの提言も行っていますけれども、薬の処方一つでもこれだけ医師の言うことに反抗する風潮が当たり前に根付いている村だとすれば平素の診療における態度もどのようなものであったのか想像できようと言うものです。
おもしろいことに村人自身も前村長と折り合いが悪かったことが辞任の主要な原因の一つであると認識していたようですが、村民が知っているだけでもあからさまに不満に感じていたというくらいですから表立っていないところでどれだけの口出しがあったのかということもこれまた容易に理解出来る話ですね。

続くD医師は村民自らいじめが辞職の原因と言う認識でいるようですが、ここではいじめを行っていたのはほんの数人であり、それもたまたまこのD医師に対してのみいじめを繰り返していたということになっているのですが、今まで明らかになっている情報を総合しますとこの点にも大いに疑問の余地がありますね。
例えば有名なネットへの「上小阿仁診療所のヤブ医者がついに解雇らしいです。」云々の書き込みを見ますと日付が2007年5月のことになっていて、この記事で言うところのB医師のことを言っているのだと判りますけれども、当時からすでに集団で医師をバッシングするという明らかないじめ行為をやっていたことに口を拭ってこのD先生が初めてだ、などとよく公言できたものだと思いますね。
むしろ「いじめくらいで辞めるなんて、これだから女は」などと言う声が当たり前に出てくるあたり、今までの医師達は少なくともいじめでは辞めたことはなかったというだけで、この程度の軋轢は日常的に当たり前に起こっていたということを示しているのかも知れません。

いずれにしても当事者の一方からの情報だけで何が判るのかということですが、その一方的な情報だけを取り上げてみても村人と歴代医師達の折り合いは決して理想的と言えるようなものではなかった、そしてとりわけ歴代村長との関係が非常に大きな悪影響を与えていたという認識は共通しているようですから、噂されているように村内の権力争い絡みといった話が案外正解に近いのかも知れません。
そして何より重要なことは村人の言うことが全面的に正しかったとしても歴代の医師達がそれぞれに異なった理由であっという間に辞めていくということは、この村の抱えている病理は単に特定の問題を解決すればそれで終わるというような単純なものではないことの何よりの証明でもありますから、仮に今後新しい医師が赴任してきてもこれまた独創的な理由(苦笑)で追い出される可能性が極めて高いということですよね。
せっかくですから週プレさんにはもう一方の当事者である歴代医師達にも取材を敢行していただきたいと思いますが、基本的に村よりのスタンスに見える記事ですら最後には村人の独特の気質に言及しているくらいですから、この調子ですと今後事実が明らかになればなるほど(あくまで対診療所勤務医という観点からのこと、ですが)村への評価がさらに確定的になっていく気がしてなりません。

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2013年1月 6日 (日)

今日のぐり:「餃子の王将 東岡山店」&「餃子の王将 下中野店」

先日の大晦日に放送された紅白歌合戦はなかなか好評だったようですが、とある国の人から見るとこのような感じであったそうです。

日本の病理は多様性がないこと(2013年1月2日ワイアレスワイアニュース)

現在家人(イギリス人)と日本の実家に滞在中です。
実家は神奈川県の某ブルーカラータウンにあります。家人はここを「日本のニュージャージー」「日本のエセックス」と呼んでおります。この村町にぴったりなのはブルース•スプリングスティーンが延々「アメリカで生まれた、アメリカで生まれた、アメリカで生まれた、おーいいぇー」と歌う例の歌だそうであります。地元駅前で一番栄えているのはパチンコ屋、周囲に広がるのは田んぼです。
この地元において、ワタクシの同級生は一家夜逃げしたとか、30過ぎて未だに一度も定職に就いたことが無いとか、未だに改造車に乗ってるとか、子供は一歳児なのに頭髪ブリーチ済みとか、葬式の香典が盗まれるとか、そういう感じです。この地元において、「良い」と言われている仕事は、某社の飲料水製造ライン、自動車製造ライン、田んぼの中で密かにネギトロを作っている工場(ここでは日本語は通じない)であります。

そのような町にある我が実家(床が抜けており雨戸落下)にて、家人、母、ワタクシでまったりと紅白歌合戦を見ておりました。
家人はこの番組を「ジエンドオブイヤーソングショー」と呼んでおりとても楽しみにしております。
なぜなら、このショーには、ヨコハマシスターズなる歌手がでて、謎のモールス信号の様な鼻歌を「ララッラらりほーアーホヤーアギいいいいい。こけー」と歌ってくれるからだそうです。(誰やそれ)「あきょー、ごげごげ、ぴんぴんぴん、おーーーー love you happy life ぎょへーあいーSayonaraほげー」と歌ってくれるラブラブボーイズなるアイドルの登場も心待ちにしています。(誰やそれ)ちなみに、このソングショーは高須クリニックの宣伝の次にお気に入りです。家人は高須医院長を「ジャパニーズドナルドトランプ」と呼んでおります。

さて、例年の様に家人はこのソングショーのことを批評し始めました。イギリス人の生き甲斐は悪口ですから悪口を言っていないと死んでしまうのです。
「うー、このソングショーは多様性を欠いている。出演者は尻をハックされたボーイバンド(歌も踊りも酷い男のアイドルグループ)、ガールバンド(歌も踊りも酷い女のアイドルグループ)、賞味期限切れの老いぼれ歌手、マンインドラーグ(女装したオカマ)しかない。外国人歌手はいない。ロックやレゲーやオペラや伝統音楽はいない。本当に流行っている歌手はでない。つまり、多様性が無いということだ。これが国民的ショーというのは大変日本的だ。日本の病理って多様性が無いことだからね。誰もこれが変だとかつまらないと言わないんだろう。つまり、そこだ、問題は」
プラズマを発生するコピー機を上に作れと言われても誰も反撃しない、必要の無い業務まで英語で遂行されることを命令されて業務が滞っても反撃しない、大間違いなことばかり言っている経済評論家がテレビから駆逐されない、自称多国籍企業なのに外国人が全然いないばかりか中途採用すらいない、税金がバンバン浪費されても誰も怒らない。

つまり、日本の病理というのは、意見は多様でも良い、違っても良い、ということが許容されないということなのかもしれません。「ジエンドオブイヤーソングショー」にはそういう病理が凝縮されていて、その病理に誰しも気がついているのに、誰も文句を言わないのです。
つまり、言わないという所が問題なのです。

なるほど、ブリ住人の目から見ますと紅白歌合戦という番組はこのように見えているということですか(しかし一体誰のことを言っているのやら)。
今日はありふれた歌番組にも画期的な視点の転換をもたらしたブリ的精神に敬意を表して、正直その発想はなかったという思いがけない考え方を世界中から取り上げてみましょう。

彼氏のケータイに登録されてる私の名前が「納豆(遺伝子組み換えではない)」だったショック!(2012年12月27日ロケットニュース24)

あなたの恋人が、あなたの名前をケータイの電話帳にどんな名前で登録しているか知っていますか? 「そんなの本名とかニックネームに決まってるでしょ?」と思った人は平和すぎます。

とある女性インターネットユーザーは、彼氏のケータイ電話帳に登録されていた自分の名前を見てビックリ! なんと「納豆(遺伝子組み換えではない)」になっていたそうです。仮に悪ふざけだったとしても、「納豆(遺伝子組み換えではない)」はヒドイ。彼女は、以下のような状況で彼氏のケータイを見てしまったそうです。

・女性質問者の投稿
「彼氏のケータイが家のテーブルの上においてあったので、なんとなーく電話をかけてみたら、着信の表示の名前が「納豆(遺伝子組み換えではない)」となっていました」(引用ここまで)

どうやら弾みでケータイを見てしまったそうなのですが、女性はこれにショックを受けています。そして少々ご立腹で、仕返しとして彼氏を食品名でケータイ登録する決意をしています。

余談ですが、記者(私)は後輩のケータイに「カメムシ」と登録されていたことがあります。この女性は食品なのでカメムシよりはマシだと思うのですが……。皆さんは、大切な人のケータイにどんな名前で登録されていますか?

なあに心配はいらない、ナンバーワンでなくてもオンリーワンになればいいんだからHAHAHA!と言う問題ではないんでしょうねえ…
たいていの人は嫌いではないだろうなと思う食べ物はあるにせよ、ここまで逝ってしまうと好きの嫌いのと言う事件では語れそうにないのがこちらの奇想天外な新製品です。

高級品の“首に巻くベーコン”、ベーコンに包まれて幸せな気分に?/スイス(2012年12月18日ナリナリドットコム)

米国人のベーコン好きは、とても熱狂的。なにしろベーコンを食べることだけに限らず、ベーコンを模したグッズ(絆創膏、クリスマスの飾り、コスチュームなど)や、ベーコンの香りがする香水、さらにはベーコン味のお菓子(キャンディー、ガム、ジェリービーンズなど)と、不思議なアイテムがたくさん存在しています。

しかし、そんな“ベーコン愛”から生まれた妙なアイテムは、米国だけの専売特許ではありませんでした。あるスイス人のデザイナーが制作したスカーフは、なんと色も形もベーコンそっくりという驚きの品。発案者の女性デザイナー・Natalie Luderさんの公式サイトなどによると、彼女は以前から「食べ物にインスピレーションを受けて生まれた作品」を発表し続けており、今回のベーコン・スカーフもそうした作品群のひとつというわけです。

「Fou Lard」と名付けられているこのこのベーコン型スカーフ、実はそのネーミングには言葉遊びも絡んでいます。フランス語でスカーフのことを「foulard」と言いますが、この単語を途中で区切って「fou lard」にすると、「狂ったベーコン」という意味になるのです。なるほど、こんなところからもLuderさんはインスピレーションを受けたのかもしれませんね。

ちなみにこの「Fou Lard」はLuderさんの公式ページで購入も可能。商品説明によると、「クレープデシン(フランスちりめん)」という折り方で作られており、使用している素材は100%シルクの高級品です。しかも160スイス・フラン(約14,600円)と、ジョーク・グッズとしてはなかなか手を出しにくい価格。でも、ベーコンを愛してやまない人々にとっては、決して高い買い物ではないのかもしれませんね。

リンク先の見るからにご満悦と言いたげな写真の数々を見てみればいったいどこまでベーコン好きなのか?と思ってしまいますけれども、いくら何でも肉を首に巻こうとはなかなか思いつかないですね。
意外にもこの方面でたがが外れてしまっている様子なのがこちらの国ですが、先日以来論争中のあの事件に対してこんな対抗策を講じようとしているようです。

「ガンマン教師」誕生?=相次ぐ法整備の動き-米(2012年12月28日時事ドットコム)

 【ロサンゼルスAFP=時事】米北東部コネティカット州の小学校乱射事件を受け、米国で銃規制を求める声が高まる半面、教師の武装化に向けた動きも活発化している。複数の州で「武装教師」の認可に向けた法整備の動きがあるほか、射撃講習に教師が殺到する州もある。
 西部アリゾナ州では、教師に学校への武器携行を認める法案が準備されている。司法当局幹部は、全学校への武装警官配置が理想だが予算上実現は難しく、「次善の策」は教師が銃を扱えるよう訓練することだと提言する。このほか、南部フロリダ州や中西部ミネソタ州など5州で、銃支持派議員が数カ月以内に教師の武装化を認める法案を議会に提出する方針だ。

なるほどその手があったか!と思わず小膝叩いてにっこり笑…うというわけにもいきませんが、こういう考え方もまたお国柄ということなんでしょうかね。
同じくこちらもお国柄というものですが、世界最大の自販機大国日本ですらここまではやらなかったというびっくり自販機の登場です。

キャビア自動販売機が話題に、1台の中に総額400万円分をストック。/米(2012年12月5日ナリナリドットコム)

米ロサンゼルスのショッピングモールに、高級食材キャビアが購入できる自動販売機が登場し、話題を呼んでいます。

公式サイトや米放送局NBCなどによると、このキャビア自動販売機を考案したのは、カルフォルニア州にある、グルメ系食材を取り扱うビバリーヒルズ・キャビア社。米国でクリスマス商戦が始まる11月終わりに、ロサンゼルスの3か所のショッピングモールに登場し、これといった宣伝はしていないものの、口コミでどんどん注目を集めているそうです。

気になるのはそのお値段ですが、“ひとさじ”5ドル(約410円)から、大粒で知られるベルーガ種キャビア1オンス(約28グラム)500ドル(約4万1000円)と、品質や種類、量によってさまざま。自動販売機1台の中には、総額5万ドル(約410万円)のキャビアがストックされているそうです。

このビバリーヒルズ・キャビアの経営者のひとり、ケリー・スターンさんによると、キャビア自動販売機は「若い世代にもっとキャビアを知ってもらおう」との思いから設置に至ったとのこと。しかし奇抜なアイデアに、周囲の家族や知人からは「この1年半、ずっとクレイジーすぎる」と言われてきたそうです。それだけに、実際に自動販売機を世に出し、良き反応が返ってきたことに「本当に夢が叶った」と、喜びをかみしめています。

元記事の写真を見てみますと確かに高級感漂う豪華な自販機ではあるのですが、何しろキャビア自体の需要もさることながら自販機に何万円も突っ込む気になるかどうかが勝負の分かれ目でしょうかね?
過ぎたるは及ばざるがごとしと言いますが、いくら何でもそれはやり過ぎというこちらのニュースを紹介してみましょう。

【やりすぎ注意!】空港で荷物が重量オーバー! 超過料金を払いたくないので服を60枚以上着こんでみる →怪しすぎて速攻でバレる/中国(2012年12月22日ロケットニュース24)

楽しい旅の後、頭を悩ませるのがお土産がたくさん詰まった荷物。特に飛行機の場合は、重量オーバーすると超過料金を取られるので気をつかうところだ。外箱を捨てたり、手荷物に入れたりと工夫する人も多いのではないだろうか。

先日、超過料金を払いたくないがために、とんでもない方法をとった男性がいるそうだ。彼がとった方法は衣類を全て着こんでしまうということ。3~4着くらいなら可愛いものだが、彼が着込んだ衣類は60着以上! 明らかに怪しく、これには空港職員も目をつぶれなかったようだ。

場所は中国・広東省広州市の白雲国際空港。そこに、アフリカ系の巨漢が現れたそうだ。男性は手荷物検査へ。すると金属探知機ゲートのブザーが激しく鳴り、職員が手動で検査することになった。

職員が男性のもとに駆け寄ると、とてつもない違和感が! ふっくらとした体はどう見ても男性の肉体ではない。かなりの枚数を着込んでいるようなのだ。男性は別室で検査を受けることになった。

そして、男性の服を脱がせていく。1枚1枚、また1枚。はぎとってもはぎとっても服はなくならない。全てを脱がせると、そこに現れたのは先ほどの巨漢とは似ても似つかぬガリガリの男だった。なんと男性はトップスを61着、下もジーパン9本も履いていたのである。

なお、ズボンのポケットには、乾電池やUSBメモリなどが大量に入っており、ブザーはこれらに反応したものと見られている。

動機について男性は「荷物が重量オーバーしていたが、超過料金を払いたくなかった」と話しているそうだ。気持ちはわかるが、61着はいくら何でもやりすぎだ。それにしても、その61着をどうやって着込んだのかとても気になるのだが……。もし重量オーバーしてしまったら、郵送するか、超過料金を素直に払った方が良さそうだ。

それにしても金属探知機に反応しなければこのまま通過してしまっていた可能性もあるのでしょうか、こういう状態の人間を透視装置で見るとどのようなことになるのかも興味が湧きますね。
本日最後の話題として、ゴルフ場の設計というのもなかなかに難しいものなんだそうですが、ここまでやってしまうともはや一つの新境地だろうというのがこちらのケースです。

中国の奇想天外なゴルフ場 コース内にマヤ遺跡や万里の長城も/中国(2012年12月31日CNN)

(CNN) 中国に奇想天外なゴルフ場が誕生する。巨大な「丼」に浮かぶグリーン、万里の長城のハザード、マヤ遺跡を縫うように進むフェアウエー、パンダをかたどったホールなど、これはまさにありえないスケールでプレーするミニゴルフの要素を含んだゴルフだ。

2016年のリオデジャネイロ五輪でゴルフが再び正式種目として採用されるのを前に、中国がゴルフ熱に沸いている。
「従来のゴルフが好きな人たちは気に入らないかもしれない」と語るのは、シュミット・カーリー・デザイン社の主要パートナー、ブライアン・カーリー氏だ。同社は、中国海南島で開発中の世界最大のゴルフリゾート、ミッションヒルズ・ゴルフクラブの22コースの設計を担当している。
「しかし、これは本物のフェアウエーの上で本物のクラブを使ってプレーする本物のゴルフだ」(カーリー氏)

ミニゴルフはいわばゴルフの縮小版で、ミニゴルフ用コースは通常、海辺のリゾートなどに設置されている。誰でも一度は腕試しをした経験があるだろう。規模は小さいが、面白さは普通のゴルフに引けを取らない。
好スコアを出すには、ボールを真っすぐ転がしたり、障害物に当たらないように難しい角度で打ったりするなど、通常のゴルフの技術も多少必要で、さらに運も重要な要素だ。
オバマ米大統領は、休暇中はチャンスさえあればコースに出るほどゴルフ好きで知られ、2010年の休暇にフロリダで家族とミニゴルフを楽しんだ。
大統領は最初のホールをパーで終えたが、大統領の9歳の娘のサーシャさんが見事ホールインワンを決め、世界各国の報道陣の前で父親を破った。

恐らくオバマ大統領は、カーリー氏のゴルフリゾート、ミッションヒルズ・ハイコウで開発されている斬新な新コースで自分のハンデキャップを賭けてプレーしたいことだろう。
このコースは、ミニゴルフの奇抜な要素と「大人らしい」普通のゴルフを組み合わせた全18ホールのコースで、9歳の子どもが好スコアを叩き出すことはまずないが、平均的実力のあるいわゆる「アベレージゴルファー」も何度も屈辱を味わうことになるだろう。

空想的なゴルフコース

今や中国は世界で最も急速に拡大しているゴルフ市場であり、次々と新たなゴルフコースが建設されている。しかし、どのコースもどこか「似ている」印象があることから、カーリー氏のチームは、中国の幅広い層の人々やリゾートを訪れる人々の興味をそそるようなコースを作りたいと考えた。
そこでまず、400メートルのパー4のホールでバンカー、ラフ、木の代わりに、万里の長城のレプリカを採用した。
またこのコースには、米フロリダ州のゴルフコース、TPCソーグラスにある悪名高い「アイランド・グリーン」に匹敵する難ホールがある。TPCソーグラスは、アメリカPGAツアーゴルフトーナメントの1つ、ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップの開催地として知られ、アイランド・グリーンはその17番ホールにある周りが池に囲まれた浮き島のグリーンだ。
2014年にオープン予定のミッションヒルズの新コースでは、池の代わりに幅80メートルの丼が設置され、丼の上には長さ50メートルの巨大な「はし」も乗っている。

強風が吹くゴルフコース

またカーリー氏は、各ティーグラウンドに「人為的に」強風を吹かせる機能を追加すると公約している。この強風はプレーヤーの基準に応じて調整が可能で、赤いボタンを押すと風が吹く仕組みだ。
この他にも、マヤ遺跡を縫うように進むパー5のホールや、北京オリンピックのメーンスタジアム「鳥の巣」をイメージして作られたグリーン、さらに中国でも人気のパンダをかたどったホールなどがある。
従来のゴルフコースでは、ホールの難易度はどのティーグランドから第1打を打つかで決まる。一流のプロたちはホールから最も遠いティーグラウンドから打つが、高ハンデプレーヤーはホールにはるかに近いティーグランドから打てる。
しかし、ミッションヒルズコースのあるパー3のホールでは、溶岩に囲まれた非常に小さなグリーンを狙うことができる。
また溶岩をテーマにしたこのホールには小さな山があり、その山に向かってボールを打つと、まるで本物のミニゴルフのように、ボールがパイプを伝ってホールの近くまで転がってくる。

カーリー氏のチームは、費用のかかるプロジェクトに着手する前に同リゾートのオーナーたちの許可を得る必要があったが、ミッションヒルズ・グループのケン・チュー会長は、カーリー氏らの熱心な支援者だ。
カーリー氏らのプロジェクトへのチュー氏の信頼が根拠に基づくものであるか否かは時間がたたないと分からないが、ミッションヒルズ・グループはすでに世界の一流プロトーナメントの開催地としての地位を確立している。
1995年には、深センにあるミッションヒルズのコースでワールドカップが開催され、さらに昨年は海南島のコースで開催された。また深センのコースでは今年、男子ゴルフの世界選手権シリーズ、HSBCチャンピオンズが開催され、イアン・ポールター(英国)が優勝した。

実際にどのようなものであるかはこちらこちらの画像を参照いただければと思いますが、いつもながら中国ですよねえ…
しかし大統領がプレイするかどうかはともかく、案外こういうところから新規のプレイ人口が増えていくこともあるのかも知れませんね。

今日のぐり:「餃子の王将 東岡山店」「餃子の王将 下中野店」

何故か同じ系列のチェーン店に立て続けに行くことになりましたが、こちら「王将」さんでは全店舗共通のレギュラーメニューさえ用意しておけば後は何を作っても自由という、チェーン店らしからぬ経営戦略を取っていることでも有名ですよね。
そのおかげでこのご時世にも関わらず順調に業績を伸ばしているということなんですが、今回訪問した二店舗もそれぞれの持ち味があるようです。

まずは東岡山店ではオリジナルメニューの回鍋肉定食を頼んで見ましたが、おかずとしてみると甘口こってり味で油もたっぷりというこの回鍋肉、野菜は少し火が通り過ぎかなという気もするのですが飯のおかずは十分務まる味と言うのでしょうか、むしろここまでこてこてですと飯抜きではちょっとつらいかなとも思えるくらいでした。
その主食である白飯なんですが、米自体の味はともかくとしてこういう店には珍しくわりあい硬めで粒もしっかりしており、案外よかったかなと思いますね。
つけあわせの中華スープなどはいかにも王将らしいと言った感じの味で、今の時代に合わせてもう少しリファインした方がいいんじゃないかとも思うのですが、こういう昭和の時代から続いている味はそうそう変えるわけにもいかないのでしょうね。
同行者の取ったサービスランチなどを見てみますと結構なボリュームとカロリーがありそうで、全般に昼時のランチメニューとしてはそれなりに安く腹一杯食べられるという構成になっているようですが、よく見てみるとセットメニューも定番料理の順列組み合わせばかりであまり新味がないとも言え、日替わりなどでオリジナルメニューにどんどんチャレンジする店ではないらしいですね。

接遇面ではおばちゃんのチェーン店らしからぬほどまったりした接客ぶりが相応に古い店舗とあいまっていい味を出しているのですが、厨房内も全般的に年齢層高めな感じですし、そう言えば一昔以上も前に大阪あたりの下町で入った王将ってこんなだったかな…とそこはかとないノスタルジーすら感じさせました。

さて、今度はところ変わって下中野店では日替わりランチを頼んで見ましたが、あんかけラーメンに五目やきめし、野菜炒めと見るからにボリュームとカロリーてんこ盛りという点はさておき、主食系の二品ともどちらもレギュラーメニューにない品ということでその味に注目してみました。
このあんかけラーメンなるもの、あんかけになっているのは一口目までなのがとろとろ好きにはちょっと微妙にも思えますし、五目やきめしはあくまで王将レギュラーメニューのチャーハンを基準にしての五目であって、世間の水準からすると全く普通のやきめしでしかなかったりと、いささか肩すかしを食った気にならないでもありませんでした。
ただ名前との乖離はともかく割合に店頭見本通りに仕上がっているのは好印象ですし、全般的に化調控えめになった分食べやすくなったと言うのでしょうか、昔の記憶にある味と比べると無害な味だなと言う印象を受けますね。
副菜の野菜炒めは大部分を占めているもやしが一応の食感を保っているのはいいんですが、いくらランチメニューとは言ってもこういう炒め物が最初から熱くないのはどうかと思います。

この下中野店の方も相応に古くから営業されているはずですが、こちら近年の店舗改装で今風のファミリー中華っぽくイメージチェンジを図られているようで、全般の雰囲気やメニュー、味の組み立てにしても古式ゆかしい町の飯屋といった風情のある東岡山店とはずいぶんと印象が違いますよね。
しかし何も知らずに味だけを比べて見ると到底同じチェーン店とも思えないほど味も見た目も違うあたり、これだけの規模で全国展開されている割にはおもしろいものだなと感じました。

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2013年1月 5日 (土)

緊急警報!危険な殺人食品が野放しに!

年が明けるのは結構なことなんですが、この時期になると決まって大きな問題になるのがこちらの事故です。

今年も…モチの事故で7人救急搬送、1人死亡 東京消防庁が注意呼びかけ(2013年01月01日産経新聞)

 東京消防庁によると、1日午前9時ごろ、東京都品川区内の自宅で雑煮を食べていた男性(68)がモチをのどに詰まらせ、病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。

 同日午後3時までに、男性を含む都内の男女7人が同様にモチをのどに詰まらせて病院に搬送され、うち足立区の男性(76)が重体となっている。年齢別の内訳は60代2人、80代3人、70代と90代以上各1人

 東京消防庁は「モチは小さく切ってゆっくりと噛み、唾液とよく混ぜ合わせて飲み込んでほしい」と呼びかけている。

高齢者、餅の窒息事故に注意 必ず誰かと一緒に食べる(2012年12月24日産経ニュース)

応急手当ては背部叩打法

 年末年始に食べる機会が増える餅。この時期には毎年、餅を喉に詰まらせ、救急搬送される高齢者のニュースが後を絶たない。餅による窒息事故を防止するための注意事項、もし詰まった場合の応急手当てをまとめた。(清水麻子)

 ◆チョークサイン

 東京消防庁によると、平成19~23年の5年間で、東京都内で餅や団子などを喉に詰まらせて604人が救急搬送されている。月別で最も多いのは1月の220人。次いで12月が90人で、1月と12月で全体の半数を超える。救急搬送された人の大半は飲み込む力が低下する60歳以上の高齢者だ。
 昭和大学病院救命救急センター(東京都品川区)の三宅康史教授(52)は「餅が取れなければ命を落とす可能性が高い。高齢者はなるべく誰かと一緒に同席し、細心の注意を払いながら食べてほしい」と警鐘を鳴らす。
 三宅教授によると、餅を食べる際の注意点は、(1)1人で食べない(2)おしゃべりは餅を飲み込んでから(3)一口の量を多くせず、ゆっくりとよくかみ、唾液と混ぜてから飲み込む(4)酒を多量に飲みながら餅を食べない
 もし詰まって苦しがってしまったら、高齢者は必ず周囲に窒息を知らせる世界共通のサイン「チョークサイン」で知らせることが大切だ。周囲の人はまず、本人に強くせきをさせる。それでも餅が出ない場合、「詰まって5、6分で意識を失い、その後、死亡に至るか、助かっても脳などに後遺症が出る」(三宅教授)という危険な状態になる。
 周囲の人は声を掛け、呼び掛けに返事がない場合は救急車(119番)を呼ぶ。救急車が到着するまでの間、「背部叩打法(こうだほう)」と呼ばれる応急手当てで餅を出す努力をする。「背中をたたく際、かなり強く、しっかり。間を開けずに4~5回迅速にたたくこと」(三宅教授)が必要だ。
(略)
 「救急隊は喉から餅などを取り出す器具を持っており、到着次第、取り出し作業に入る。強くせきをしても出ない場合はためらわず救急車を呼んで」と三宅教授は話している。

「小さく」「薄く」「湿らせる」調理で

 餅による窒息事故を防止するための餅の調理方法について、管理栄養士、山内寿子さんは「小さく切ることはもちろん、厚さも薄くしてあげるといい」と話す。また、乾いているとくっついて危険なため、焼いた後には湿らせる。汁物の中に入れたり、大根おろしなど水分のあるものとあえたりするのもおすすめ。
 きなこや焼きのりなどは喉につきやすい。のりは、だし汁でのばしてつくだ煮のような状態に煮て、あえ衣にしてもいい。きなこは、だし汁としょうゆ、あるいはハチミツなどでのばしてつけるなど水分をプラスする。
 山内さんは「常に喉を湿らせることが必要で、お茶などを前後に飲んだり一緒にとろみのある水分を取って」とアドバイスする。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りしますが、餅による窒息事故のほぼ全例が65歳以上の高齢者であることはすでに明らかになっていて、要するに高齢者が餅を口にする時点で窒息死のリスクを覚悟しておくべきであるということですよね。
そうまでしても食べたいというのは古くからの伝統文化であり、この冬の時期と密接に関係した季節商品であるからなのでしょうが、毎年毎年これだけの犠牲が出る餅という食品がどれほど日本人の健康に大きな影響を与えているかということを端的に示すのが、記事中にもある厚労省発表による季節ごとの窒息死症例数の推移です。
最も死亡数が多いのが1月、次いで12月でいずれも他の月のおよそ倍ほどと不自然に突出しているのですが、実際に餅・団子等による窒息事故の救急搬送数では1月が36%、12月が15%を占め、年間の救急搬送数の半分がこの2か月に集中していると言い、つまりは冬の窒息における超過死亡の主因は餅であると言うことでしょうか。

以前にもこんにゃくゼリーは危険な食べ物である!断固として規制すべきだ!と一部の方々が熱心に主張して回っていた時期にも書きました通り、こんにゃくゼリーなど問題にならないほどはるかに危険なことが明確に示されているこの餅という食べ物(相対危険度はこんにゃくゼリーの実に84倍!)について、一向に規制しようとか消費者庁に訴えようという動きがないのはいささか片手落ちな印象を抱きます。
こんにゃくゼリーは一部メーカーによる寡占市場であるのに対して餅は自家生産分も多く、しかも愛好者がはるかに多いから面倒だ…という理由で危険なものを放置しているわけでもないのでしょうが、こんにゃくゼリーにしろ餅にしろそれによって命が危ういという危険年齢層はすでに明らかな訳ですから、その世代における利用を本人と周囲が注意しておけば問題ないとも言えるのではないでしょうか?
今の時代どんな小さなリスクでも大変だ!すぐに規制しなければ!と騒ぎ立てるゼロリスク症候群の虜になっている人は少なくありませんが、リスクにきちんと向き合い承知した上でそれとほどほどに付き合うことも十分に可能であることを、長年続いている餅食という伝統文化が教えてくれているようにも思えます。

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2013年1月 4日 (金)

新政権と医療費問題 どこから手をつけるべきか

すでに昨年末のことになりますが、新任の田村厚労相が就任会見でこうしたことを発言しています。

田村新厚労相、医療進歩の保険範囲議論を-就任会見、内閣の景気対策も強調(2012年12月27日CBニュース)

 安倍第2次内閣で新たに就任した田村憲久厚生労働相は27日、就任会見に臨んだ。増え続ける社会保障費について、「高齢化の伸びはある程度は仕方のない話だが、医療費の伸びでは、医療技術の進歩の部分が高い。そういうものをどこまで保険でみていくか議論が必要かもしれない」と述べ、医療技術の進歩に応じた保険適応範囲について、自らの問題意識を語った。同時に、「非常にセンシティブな問題でもある」として、幅広い意見を聞きながら検討していく考えを示した。

 社会保障費の伸びに関しては、医療保険、介護保険が財政的に厳しくなってきているという認識を基に、「これは高齢化だけではなく、景気が低迷する中で所得が上がらない、標準報酬月額が下がっているということが保険料収入を抑えている」と指摘。「景気を良くしないことには持続可能な社会保障制度は維持できないということを痛感している」と述べた。その上で、「まずはデフレ脱却、経済再生した上での雇用の増大、所得増大はわが省でも絶対に必要な部分だ」と考えを示し、内閣としての景気対策、デフレ脱却策への意欲をアピールした。

 田村厚労相は抱負として、「バランスのとれた厚生労働行政」を挙げ、具体的には「負担と給付」「世代間と世代内の負担」「政と官の立場」と3つの分野に触れた。特に「政と官の立場」では、民主党政権時代を念頭に、「あまりに政と官が乖離し過ぎると、(厚労省のような)国民の皆さんに密着した仕事では、なかなか動かなくなる」とし、バランス感覚の重要性を強調した。

 就任会見後、田村厚労相は、三井辨雄前厚労相から事務の引き継ぎを受けた。【大島迪子】

厚労省としても社会保障費抑制に前向きだという姿勢を示したものと言える内容ですが、注目すべきは保険適応範囲の制限について言及していること、そしてやはりと言うべきか高齢者医療費増に関してはひどく及び腰であるように見えることでしょうか。
ちょうど同日には生活保護費削減についても言及していて、政権公約とも言える保護費1割引き上げは推進する意欲を示したものの医療扶助の削減には否定的、かつ後発医薬品強制化にも及び腰とこちらはずいぶんと腰の引けた内容であっただけに、一般患者と生保患者の間でも今後「負担と給付」の問題が問い直されることになるのかも知れませんね。
いずれにしても厚労相の言うように所得の伸び悩みが保険料負担をさらに重いものに感じさせていることは明らかなだけに、増え続ける医療費を誰が負担すべきかという問題と同時並行で、医療費はどこまで増え続けることを許容すべきかという総額抑制論についてもそろそろ考えていかないわけにはいかないでしょう。

その点で厚労相の言及した医療技術の進歩に対する保険適用除外と言うことについて言えば、一方では評価の定まっていない新規治療法に対して保健医療の対象とすることは馴染まないという原則論には合致するとは言え、現状でさえ問題になっている海外とのドラッグラグがさらに拡大しかねないなど様々な影響が考えられますね。
そうしたものは先進医療をどんどん活用していけばいいじゃないか、同制度を活用すれば実質的に混合診療の問題も気にせずともすむという意見もあるでしょうが、ご存知のように先進医療と言うシステムはその対象もさることながら行える医療機関も極めて限定されていて、広く国民一般が利用できる制度とは到底言えないものになっています。
となるとやはり関わる金額も大きく、また社会的・道義的に見ても許容できる領域でもう少し抑制策を検討してみるべきではないかということになりますが、ちょうど先日小児科医である黒岩宙司氏がこんな記事を書いていましたことを紹介しておきましょう。

終末期の医療:「終の信託」、「平穏死、10の条件」に思うこと(2012年12月31日佐賀新聞)

 12月22日号の日本医事新報(No.4626)の「今後の死亡急増で、死亡場所はどう変わるか?」という記事が目に留まりました。日本では病院で亡くなる人が2011年で76.2%、自宅が12.5%(死亡場所別の死亡数百分率の推移、2000~2011年、厚労省)です。

 人口高齢化で死亡数が増えるのは必至だが「これ以上、病院での死亡数が増えるのは無理、かといって一人暮らしが急増する自宅での死亡が増えるのも難しい」との厚労省の認識をふまえ、これからは老人ホームや老人保健施設が死亡場所の大きな受け皿になることを示唆しています。
 僕の勤務している病院は原則として患者を断らない救急病院で、寝たきりや終末期の患者さんの死は日常のことですが、死亡場所が病院以外にシフトすることに賛成です。終末期の患者のあふれる病棟で、この患者さんは延命をせずに自宅や施設で安らかに逝くことが幸せなのではないか、と思うことが多いからです。

 延命治療とは不治、末期となった患者さんに行う医療行為のことで、人工呼吸器、人工栄養(胃瘻や高カロリー輸液)、人工透析が主なものです。治る見込みのない患者さんの家族に急変時に延命をしますかと聞くと、返答に戸惑う家族が多く、先生にお任せしますという回答は珍しくありません

 延命治療に対する意志を元気なうちに残すリビング・ウィルは、米国では国民の41%、日本では0.1%です。自然に委ねる日本の美しい文化の現れと思うのですが、生命を長引かせる手段が開発された現代では悩ましい数字です。

 全米大ヒットの医療ドラマ、グレーズアナトミーでは、家族がDNRの書面にサインし、延命措置を中止するシーン、家族の前で医師が人工呼吸器につながれた挿管チューブ(気管支に入った管)を抜き、患者が静かに心肺停止になる場面があり、羨ましいと思いました。仮に家族が高額な医療費を負担し、植物状態でも生きてほしいと望めば生命維持装置をつづければいいのです。

 日本では患者や家族の意志を尊重して延命治療はしなくとも、延命の中止(一度気管支に入れた管を抜く)となると訴訟を恐れて、ほとんどの医師が行いません

 日本の社会でタブー視されていた延命治療について、在宅医療に従事している町医者が正面から向かい合い「平穏死、10の条件」という本を出し10万部をこえるベストセラーになっています。著者の長尾先生は500人以上の患者さんを自宅で看取った経験から、終末期の患者さんの安らかな死を紹介しています。ご本人の体験、旅立った患者さんや家族の声が満載の良書です。

 餅を喉に詰まらせた100歳の患者さんに家族が救急車を呼んだ話は考えさせられました(21頁)。蘇生は成功し、病院で人工呼吸器につながれ、中心静脈栄養、次には胃瘻をつくられ、ご老人の「自然にポックリ逝きたい、自宅で家族に看取られて死にたい」という希望とはほど遠い植物状態の様相になったというのです。しかし、救急車を呼んだらこうなりますと何度聞かされても、息ができずに苦悶する身内を前に、とっさに救急車を呼ぶのは自然の行為で、責任は延命治療をやめることができない日本の制度にあると思うのです。

 周防監督の映画「終の信託」では、重症の喘息患者(役所広司)が発作を起こし、救急搬送され、苦悶する患者は挿管(気管支に管を入れる)され救命されます。そして、低酸素脳症を起こした患者の元気だったころの意志を尊重した主治医(草刈民代)が、家族の前で挿管チューブを抜いた瞬間に患者が苦しみ出し、あわてて鎮静剤を投与し、効かず、致死量まで投与したとして殺人罪で起訴されます。

 僕には役所広司の断末魔の苦しみ、声にならない叫びが観ていて辛かった。どのようにして挿管チューブを抜けば患者は苦しまずに逝けるか、というマニュアルがなく、医学教育もなく、だれもが口を閉ざすのが日本の医療現場です。

 仮に延命措置をほどこしたあとでも条件を満たせばそれを中止し、その際に起きる苦悶を和らげる幅広い緩和医療が許されるのであれば、医療従事者は限りある医療資源を有効に使い、終末期の死を安らかにしてあげることができるのです。

皆保険制度が普及し、特に高齢者に関しては様々な医療費負担緩和策が取られてきたこともあってほぼお金の心配がなくどんな医療でも受けられることになった、そのこと自体は恐らく高度先進社会としては非常に理想的なことだったのだろうとは思いますが、その結果としてもたらされた高齢者終末期医療の現実とは果たして本当に理想的なものであったのかと言えばこれは別問題なのかも知れませんね。
小児科医である黒岩氏もよくご存知でしょうが昔から小児科には「子供は小さな大人ではない」という金言があり、実際に医療を行う上でも小児科医という専門家が一般の内科・外科とは別に用意されその診療に当たっていますが、同様に「老人は単に年齢の高い青・壮年ではない」という概念には多くの臨床医のみならず、実際にこうした高齢者医療の現実を経験した国民も多く賛同いただけるんじゃないかと思います。
ところが医療の現場では未だに小児科に相当する老年科という概念は定着しているとは言えず、多くの終末期高齢者が単に年齢の高い青・壮年として対応されている現状を考えると、医療の提供側にとっても医療を受ける側にとっても特に望んでもいない医療がただ漫然と慣習的に行われているという状況が少なからずあるのではないかと想像出来ますよね。

別に高齢者は金を使わずさっさと死ねばいい、などと極端な暴論に走る必要は全くなくて、お互いやりたくもやられたくもないことに多額のお金と何より巨大な医療資源をつぎ込んだ結果、本当にしっかりとした医療が必要な若者がお金もなく病院にもかかれなくなるのは何かおかしいんじゃないの?というだけのことなんですが、そのおかしな伝統を改めていくためには何が必要なのかということをそろそろ考えて見なければならないでしょうね。
田舎に行くほど「あの家は親にろくな治療も受けさせずに死なせた」なんて世間体も気になるかも知れませんし、親の年金で一家が食べている状況で是が非でも死なせてなるものか!死なせでもしたら訴えてやる!と濃厚医療を希望する家族もいるかも知れませんが、そうした何らかの必要性のある方々にまで強制的にどうこうするというのも性急すぎると言うものでしょう。
それでも患者本人も家族も濃厚医療は望んでいない、医師らもやりたいともやるべきだとも考えていない状況で、何となく「それじゃ先生におまかせします」で誰も望まない濃厚医療を漫然と行うようなことを少しずつでも改めていけば、皆保険制度が劇的に変化させた日本人の看取り感も再び変わっていくことになるかも知れませんね。

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2013年1月 3日 (木)

今日のぐり:「きゃべつ畑」

先日はちょっと驚くようなニュースが出ていましたけれども、ごらんになりましたでしょうか?

特急がシカと3度も衝突 宗谷線 1時間10分遅れ/北海道(2012年12月24日北海道新聞)

 【中川】23日午後4時15分ごろ、JR宗谷線の筬島(おさしま)(上川管内音威子府村)―佐久(同管内中川町)間で、札幌発稚内行きの特急サロベツ(4両編成、乗客67人)がエゾシカと衝突した。

 同列車は車両点検を行い、安全を確認した後に運行再開したが、その直後に再びエゾシカと衝突、さらに佐久―天塩中川(中川町)間でもエゾシカにぶつかった。

 3回の衝突で乗客や乗員にけがはなかったが、各衝突地点で車両点検を行ったため、約1時間10分遅れで稚内に向かった。他の列車に影響はなかった。

まさかここまでシカに狙われる列車というのもそうそうはないと思いますけれども、世の中こういうことがあるのですね。
今日はよほどに特急とお近づきになりたかったらしいシカ達に哀悼の意を表して、世界中からまさかそれはないだろう?と思ってしまうネタのような本当の話というものを取り上げてみましょう。

【海外:アメリカ】公務員男性がおならが原因で戒告処分に!「手に負えないガスの放出は公務員として相応しくない」(2012年12月24日日刊テラフォー)

アメリカで、社会保険庁に勤務する男性が、職場での“手に負えないガスの放出”は、連邦政府機関に勤める者として相応しくない、と戒告処分を受けた。

報告によると、メリーランド州バルチモアのオフィスに勤務する38歳の男性は、12月10日に5ぺージに渡る戒告文を上司から受け取った。戒告文には、男性が、いつ“ひどく不快な臭いを放出したか”が克明に記されていた。

“ひどく不快なにおいの放出”とはつまり“おなら”なのだが、戒告処分を受けるだけあって、男性のおならは、かなり強烈なものだったようだ。
戒告文では、特定の17日間に男性が職場で放った60回のおならを引き合いに出し、男性がおならをしたことで、職場環境が耐え難い状態となり、同僚は彼に敵対心を持つようになっていしまったとしている。
例えば、9月19日は9:45~16:30の間に9回、おならを排出した。
確かに、6時間足らずの間に9回は多いかもしれない。しかもその臭いが強烈だったとしたら尚更だ。

男性曰く、乳糖不耐症を患っている為におならをコントロールできないのだという。
それならば、せめておならを出す前にトイレに立ってほしい、おならのおかげで他の職員達は、男性と一緒に仕事をすることを拒んでいる、という旨の警告を、上司は過去に3度行ったが、改善の余地がないために、今回の処置に踏み切ったようだ。

男性は、この件に関してコメントを控えている。

病気でおならがコントロールできないのは仕方がないし、それで戒告を受けるとは実に気の毒だが、1日の何度も強烈なおならの被害にあっている同僚もまた気の毒だ。仕事に集中しようと思ったら「ブッ!」という大きな音と共に悪臭が立ち込めるのだ。
男性には、日本で発売されているデオドラント・パンツをぜひクリスマスにプレゼントしたいところだ。

日本ではなかなかにないような話というしかありませんけれども、ここまで言われるほどですからよほどに態度の点でも承伏しがたいものがあったのでしょうか。
年末年始には何かと酒席を設ける機会も多いだろうと思いますが、こちらタイからは何故そうなる?と言うびっくりニュースが届いています。

【海外:タイ】楽しい忘年会が、酒瓶・グラス・手榴弾が飛び交う血の惨劇に!30人が負傷、1名危篤。(2012年12月19日日刊テラフォー)

忘年会シーズン真っ只中だが、企業によっては、かなりハデで大規模な忘年会を毎年行うところもあるだろう。タイのあるベンチャー企業もその一つなのだが、ハデになりすぎて、楽しいはずのパーティが、30人の負傷者(うち一人は、現在も危篤状態)を出す、血の惨劇へと発展してしまった。

その日、フォードやマツダと業務を行っているその企業は、バンコクから南東100kmのところにあるチョンブリー県のレストランで、社員総勢4000名で、毎年恒例の大忘年会を行っていた。
豪華な料理とお酒と共に和やかに進んでいたかに見えたパーティだが、会場のステージで、今年の優秀社員などの表彰が行われ始めた時に、異変が起きた。

酔っ払いすぎたのか、表彰内容が気に入らなかったのか、あるいはただふざけていただけなのか、詳細は分からないが、何人かがボトルを投げ合い始めたのだ。これに釣られるようにして、皆が様々なものを投げ始め、会場はあっという間にカオス状態に陥った。
仕舞いには、グラスや自家製手榴弾らしきものまで飛び交い、辺りには銃声まで響き渡った。

警察が駆けつけた時には、皆べろんべろんに酔っ払っていて、警察は、会場の中に入ろうにも人がごった返しすぎていて入れず、自力で外に非難してくる人達を救急車に誘導することしか出来なかった。

この惨劇により30人(ほぼ全て女性)が負傷して病院に運ばれ、うち一人は、自家製手榴弾により腹部に重篤な傷を受け、未だに危篤状態だ。
当然、400のテーブルに用意された料理も台無しになった。

警察は状況を把握する為、負傷者が運ばれた病院を訪れ、事情聴取を行っている。
他の社員達は、負傷した社員達に同情し、病院にお見舞いに訪れている。

一年に一度の大パーティ、思いっきりハメを外したいのも分かるが、これはいくらなんでもやりすぎだ。負傷しなかった社員達も、翌日、二日酔いに頭を抱えながら、惨事を反省したに違いない。

どこをどうしたら忘年会に自家製手榴弾が出てくるのかよく判りませんが、宣教師にも名高かったという日本人以上の酒乱民族がいたとはこれまた驚きです。
もはや何が起こっても不思議ではないというのがこちら中国ではありますが、どこをどうしたらこうなったというニュースはまだまだ残っているようです。

【中国】学食で飯食ってたらオカズからコンドームが出てきたでござる / 調理師は「それはソーセージの皮だ!」と言い訳(2012年12月6日ロケットニュース24)

レストランで、食堂で。オーダーした食事のなかに異物が混入していたという経験はないだろうか。
あってはほしくないことだが、野菜の皮や髪の毛くらいならまだわかる。だが、中国の大学の食堂ではオカズの中から使用済のコンドームが出てきたというのだ。それだけでもビックリなのだが、食堂側は「それはソーセージの皮だ!」と非を認めなかったという。
被害者は「大学生にもなってソーセージの皮とコンドームの区別がつなかい訳がない」と困惑しているようだ。

投稿者は性別や事件が起きた大学名を明かしていない。だが、プロフィールには、居住地を北京としているので、北京市内のどこかの大学という可能性が高いだろう。
投稿内容は以下の通りだ。
「今日、学食でスマホをいじりながら、ご飯を食べていたらこんなものが!!!! でも学食の調理師はソーセージの皮だって! アホかっ!! 大学生がソーセージの皮かどうかわからないわけないでしょうが!!!!」
中国の食堂での異物混入は、日本ほど少ない訳ではない。中国人は割と慣れている方だが、さすがに他人の使用済コンドームの混入はショックである。しかも、食堂側の言い訳も苦しすぎる。
これには、ネットユーザーも

「うええええ」
「食欲なくすわ……」
「どんな状況だよ」
「これが “ソーセージ” だって言うなら、食堂の人に食べてもらいなよ」
「なんか栄養がありそうだな(笑)」
「確実にタンパク質だ」

などとコメント。
茶化すコメントも見られるが、「気持悪い」と感じる意見が大多数である。
それにしても、使用済コンドームが食事に混入するとは一体どういう状況なのだろうか……あまり深く考えたくないのは、記者(私)だけではないだろう。

それにしても「ソーセージの皮」とは何とも言い得て妙…などと感心している場合ではありませんが、実は中国の大学ではしばらく前にも同様の事件が報じられていて、しかも写真で見る限りこれが別件のようなのですね…
ゲームなどをしていて思いがけず渾身の一撃なるものが出ると何かうれしいものですが、こちらリアルで渾身の一撃が出てしまったという驚くようなニュースです。

ロシアの56歳女性がオオカミ撃退、斧で渾身の一太刀(2012年11月13日ロイター)

[キズリャル(ロシア) 12日 ロイター] ロシア南部ダゲスタン共和国のキズリャルで、牧場の牛などを襲いに来たオオカミを、56歳の女性が手傷を負いながら斧で撃退した。

この女性の村では牛や羊を放牧しており、女性は子牛を襲っていたオオカミを追い払おうとしたが、逆に襲いかかられたという。「オオカミが口を開けて飛びかかってきた。爪が足に食い込んだ」と女性は振り返る。

オオカミは女性の腕にかみついて振り払えなかったため、女性はかみつかれたまま、もう片方の手に持った斧でオオカミの頭に一太刀を浴びせたという。絶命したオオカミの写真を見る限り、その傷の深さから女性の一撃にかなりの破壊力があったことが見て取れる。

地元では、屈強な大人でも恐れるオオカミを、いかにして56歳の女性が撃退することができたのかが今でも話題となっており、村人の中には斧の使い方を練習し始めた人もいるという。

しかしロシアというところはどうにも…やはり限界突破した寒さが人間を心身共に鍛え上げるということなんでしょうか。
世間には時々思いがけない趣味を持つ人間がいるものですが、こちらそれに対してびっくりするような判決が出たと言うニュースです。

男性「裸でジョギングをしたい」最高裁「許可する」市民「うそでしょ!?」/ニュージーランド(2012年12月3日らばQ)

白昼堂々と公共で裸になっていると、大半は通報されたり逮捕されたりします。
近代的な社会では服を着ているのが常識であり、マナーのひとつであるとされています。
ニュージーランドで靴だけ履いて裸でジョギングしていた男性が、その権利を主張し、裁判でそれが認められたというケースがありました。

裸でジョギングしていたのは47歳の男性、アンドリュー・ライオール・ポイントンさん。
去年の夏に靴のみという格好で、朝の8時30分ごろジョギングしているところを、犬の散歩をしていた女性に目撃されました。
女性は非常に不快に感じ、警察にクレームを出しました。その3日後に、再び森から裸で出てきたポイントンさんを警察は逮捕しました。
無礼なふるまいという罪で起訴され、去年の12月に地方裁判所で有罪判決を言い渡されています。
しかしその後、ポイントンさんは控訴し、「無礼ということであれば、神は生殖器を作らなかったであろう」と主張したところ、最高裁判所の判決では一転してそれを支持する判決が下されたのです。

保守的な人々には敗北を意味する判決だったようで、反発するグループも少なくないようです。仮に裁判所でストリーキングをすれば、すぐに拘留されることを考えると、2重基準になっているとも議論されているようです。
ポイントンさんはもう20年ほども自然主義者を続けており、わざわざ人気(ひとけ)のない時間帯や、目立たない草やぶを選んで走っていたことで、通報されたことに対して不適切であると不満を覚えているようです。
しばらく物議を醸しそうな問題ではありますが、やはり裸というのは公共では厳しい目を向けられるようです。

リンク先の画像を見たいという人はあまりいないかも知れませんが、しかし驚くべきなのはこんな事件が最高裁まで行ったということでしょうかね。
公共の場で驚くような振る舞いに出るということではこちらも同様ですけれども、何故そうなる?と言う意味不明度ではむしろこちらの方が上かも知れません。

【海外:ドイツ】ベルリンの地下鉄に珍客が現る!乗り込んで来たのは、女の子と馬!!(2012年12月18日日刊テラフォー)

先週木曜日にYouTubeにアップされた、ドイツ・ベルリンの地下鉄で起こったある出来事を映し出した動画が、あっという間に25万回も再生され、話題となっている。
そのある出来事とは、なんと、地下鉄の車内に「仔馬」が乗り込んで来たのだ!!
ケージに入れられた犬や猫、盲導犬が地下鉄に乗り込むことは多々あるが、馬が乗り込んでくるとは、当然誰も予期していなかった。仔馬と言えども、馬は馬、当然、犬や猫とは比べ物にならないほど大きく、場所をとる。
この珍乗客に、他の乗客達は、困惑しつつも、すかさず携帯電話を取り出し、動画や写真に収めた。

この時、同じ地下鉄に乗り合わせていたジャルコ・リイヒマキさんは、
「僕がいつも通り、地下鉄に乗り込んで1駅過ぎた時、まったく普通の見た目の女の子が仔馬を連れて乗り込んで来たんだ。仔馬だよ、仔馬!!もうびっくりして、何も言葉が出なかったよ。」
と、その時の驚きを話した。
人々を驚かせたその仔馬の乗車シーンをご覧いただこう。
Pony Travelling with S-Bahn Subway in Berlin, Germany

だが、地下鉄運営側は、この事件に怒り心頭で、警察に通報し、馬を連れていた20代と見られる金髪の女性の行方を追っている。
「この事件を、面白いと捉える人もいるでしょう。ですが、公共交通機関の規則には明らかに違反しています。馬を地下鉄に連れ込むなんて、危険な行為です。もし逃げ出したらどうするんです?ベルリンの地下鉄は、このような動物の為のスペースは用意していません。我々は、この件に関して、既に警察に通報しました。」
と、地下鉄運営側の代理人は怒りを露にしている。

地下鉄運営側は、この仔馬は、サーカス一座の馬で、チップを集める為に、地下鉄に乗り込んだと見ている。
それにしても、なぜ、地下鉄の車内に乗り込む前に、誰にも止められなかったのだろうか?地下鉄構内を馬が歩いているだけでも、十分に奇異な光景だと思うのだが…。
謎多き、珍客だ。

これはともかく画像を見ていただくしかありませんが、地下鉄に馬とは意味ないと言いますか、何とも不思議な光景というしかありませんね。
最後に取り上げますこちらのニュース、これまた何とも不思議なつながりを感じさせる話と言うしかありませんが、まずは記事をご覧いただきましょう。

美術館に“自分”の絵があった、400年前に描かれた肖像画にそっくり。(2012年11月19日ナリナリドットコム)

よく「世の中には自分にそっくりな人が3人いる」と言われるが、米国の大学生は先日、美術館へ恋人と一緒に出かけた際に、彼女から「そっくり」と指摘されるほど似ている16世紀の肖像画に出会った。半信半疑の彼をよそに、彼女がソーシャルサイト上に絵と並ぶ彼の写真を投稿すると、多くのユーザーも納得。“肖像画の生き写し”として、彼はいま、注目を集めているそうだ。

米放送局ABCや米紙ニューヨーク・デイリーニュースなどによると、この男性はニュージャージー州ブルームズベリーに住む20歳の大学生、マックス・ガルッポさん。11月11日の日曜日、彼は恋人のニッキー・カーティスさんを連れ、隣のペンシルバニア州にあるフィラデルフィア美術館へ出かけた。そして、展示されている絵を熱心に見て回る彼を追い掛ける彼女は、ある作品の前にやって来たとき、思わず声を掛けたという。

「いま、この絵見た? あなたみたいじゃない?」と話しかけた彼女が足を止めたのは、1562年にイタリアで制作された貴族の肖像画。他人から見れば、顔の作りや髪形、ひげの生やし方まで同じで、確かにそっくりに見える。しかし当の本人は「最初は多少似てるかな、くらいの感じだった」というから、それほどそっくりだと自分では思ってなかったようだ。

一方、激似ぶりを面白がったカーティスさんは、絵の前に立たせた彼の写真を撮影して、ソーシャルサイト「reddit」へ投稿。すると「彼は400歳に見えない」「何を食べて長生きしてるのか、彼に聞いてくれ」など、彼女の意見に納得する多くの書き込みが寄せられ、ガルッポさんは注目の存在となった。11月15日にはABCの情報番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演し、redditのユーザーから寄せられた要望を参考に、肖像画に似せた衣装を着て話題の絵の前に立ち、インタビューに応じている。

名前からも分かるように、実は父方のルーツがイタリアのフィレンツェにあり、しかも肖像画が描かれたとされる場所からは「10マイル(約16キロ)もない」そう。そのためガルッポさんは、絵の人物は「もしかしたら祖先じゃないか」(米放送局ABC系列WPVI-TVより)とも考えているという。

周囲で話題になったことで、“自分そっくりの肖像画”に興味を持ち始めた様子のガルッポさん。今後、絵に関する歴史的背景を探ると共に、自分と関係がある人物なのか、家系に関しても「調べてみるかも」と話している。

実際の画像を比較してみますと確かに赤の他人とは思えないほどの相似形なのですが、ご先祖が近在の出身だと言うくらいですから事実何かしらの血縁関係があったのかも知れませんね。
それにしてもこういうはるか彼方に残っている絆が思いがけず発見され結びつけられるということ自体が、何よりの奇跡的な出来事だったと言えるのではないでしょうか。

今日のぐり:「きゃべつ畑」

広島県は福山市街地から一路北上、大学やショッピングモールが点在し賑やかな郊外型中心地を形成している一角にあるお好み焼き屋がこちら「きゃべつ畑」さんです。
近隣ではそれなりに評価の高いお店だと言う話で過去に何度かお邪魔したことがあるのですが、今回は特に焼きそばを食べたいという同行者の希望に合わせてそちらをメインで試してみることにしました。

お好み焼きの方は「はたけ焼(いわゆるベーシックな肉玉)」を頼んだのですが、このはたけ焼はごくシンプルな味ではあるもののごちゃごちゃと具材が入るよりこれくらいシンプルな構成のが分かり易くていいと思いますね。
見ていますと比較的に押しを強めに加えているせいでしょうか、先日お邪魔した「月ちゃん」さんなどと比べると表面の焼きなども十分なしっかりしたものですが、そうなっても関西風のようにクリスピーというほどにもならないのは広島風の特徴でしょうか。
肝腎の焼きそばの方ですが、お好み焼きのそばと同様にその場で茹でた麺を硬めに焼いたもので、よくあるベチャベチャした水っぽい焼きそばは苦手という向きにはぴったりじゃないかと思いますね。
上に卵が載せてあるところなどはちょっとしたオムそば風なんですが、少しソースの方にケチャップでも足してあるのでしょうか、比較的すっきりした味わいでこれは結構うまいなと思います。
サイドメニューのネギ焼きも頼んで見ましたが、こちらのネギ焼きは割合いろいろと具材も入っていて十分腹に溜まる内容で、シンプルにネギぎっしりなのもいいですがこういうのもまたありかなと思います。

お好み焼きという料理もシンプルな料理のようでいて好みもかなり分かれるものですが、この界隈ではこちらも含めしっかりしたお好み焼き屋が少なからずあり、また近隣の府中なども独特なお好み焼きを発達させていたりで食べ比べするのもなかなかに楽しめますよね。
接遇面では多忙な時間帯には親父さんの忙しさも相当なものでしょうが、以前に来たときにも感じたことですがやはりここの親父さんは結構細かく客をチェックしているのでしょう、ちょっとしたところで「ほう…」と感じさせられる局面が結構あるのはおもしろい店だなと思います。

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2013年1月 2日 (水)

今日のぐり:「来来亭 岡山大安寺店」

フィンランド人の寒さへの耐性を示す有名なジョークがありますが、マイナス30度の世界とはどのようなものかということを示すこちらの動画を見れば「沸騰したお湯が一瞬にして雪のように氷結してしまう」という恐ろしさが少しはおわかりいただけるかと思います。
そうした予備知識を仕込んだ上でこちらロシアの実例をご覧いただきますと、なるほど寒いとはこういうことかとさらに理解出来るんじゃないでしょうか。

ん?どうなったの?ロシアで転ぶとこんなことになる(2012年12月23日らばQ)

お店の中から出てくるこの男性、この後ツルッとすべって転んでしまいます。
もちろん、それだけでは済みません。
さすがロシアだと驚く映像をご覧ください。

падение на 10 балов!!! - YouTube

え?ぶちまけた飲み物が……。
マイナス何十度という極寒の地では、お湯も一瞬にしてこうなってしまうようです。
濡れずに済んだとも言えますが、寒い地域ならではのハプニングでした。

フィンランド人ならずともロシア人の寒さ耐性も相当なものということでしょうか、これだけびっくりするような出来事に思えるにも関わらず平然としているようですね。
今日はこの寒いさなかに頑張るロシア人に敬意を表して、ロシアの寒さを実感させる数々の話題を紹介してみましょう。

大みそかまで待てない!凍った池に飛び込む男たち 露シベリア(2012年12月31日AFP)

【12月31日 AFP】ロシア・シベリア(Siberia)連邦管区のノボシビルスク(Novosibirsk)で30日、一足早く大みそかを祝おうと、つわものたちがサンタクロースのいでたちで凍り付いた池に穴をあけて飛び込んだ。

イベント自体の趣旨もよく判りませんが、元記事の写真を見ていただきますと何故…?と考えるしかない状況なんですが、ロシア人は凍り付いた水に何かしら特別の感情でもあるのでしょうか?
この程度であればまだしも物好きな大人の楽しみとして許容できなくもありませんが、まだいたいけな幼児達までこの悪習に染まっているとなれば問題無しとしませんよね。

マイナス25度のロシア中部、幼稚園児が日課の水浴び(2012年12月27日ロイター)

[バルナウル(ロシア) 26日 ロイター] ロシア中部アルタイ地方バルナウルにある幼稚園で26日、気温がマイナス25度という寒さの中、水着を着た児童たちが外に出て水を浴びる姿が撮影された。

この幼稚園では水浴びは日課となっているという。この日も児童たちは雪の積もる庭に元気に走っていき、バケツを使って自らに水をかけるなどしていた。

これまた元記事の画像を見ていただきますと違和感甚だしいものがありますが、一体ロシア人の身体構造はどのようなことになっているのでしょうか?
こうして寒い環境に平素から慣れ親しんでいるが故ということなのでしょうか、たまに少し暖かい日がやってくるとかえって体調を崩してしまうということもあるようです。

モスクワ たった一晩でほぼ20℃も気温が上昇(2012年12月26日ロシアの声)

水曜日、モスクワ市及びモスクワ州では、マイナス30℃近くまで下がった12月としては異常な寒さに代わり、ようやく気温が上昇したが、雪や吹雪に見舞われている。たった一晩の間に、ほぼ20℃も気温が上昇したため、住民の間には体調不良を訴える人も出ている。こうした急激な気温の変化は、敏感な体質の人々には、影響を与えないではいられない。
「気象ニュース」のインターネット・サイト情報によれば、水曜日のモスクワの天気は、次の通り―

   「一日曇り空で、湿った雪が降り、地面は所により氷結して滑りやすく、つららができる。南西の方向から突風が吹く可能性がある。気温は一日平均、市内で0℃からマイナス2℃、モスクワ郊外は0℃からマイナス5℃の見込み。」

   また専門家らは「大気圧が急激かつ本質的に下がる事で、心臓や血管の病気を持った人々にネガティブな反応を引き起こす可能性がある。また湿度の高さや突風により、風邪にかかるリスクが高まり、気管支や肺、筋骨格系器官の慢性疾患を悪化させる恐れがある」と、注意を呼びかけている。

まあ確かに、あまり寒すぎても微生物の発育好適環境を外してしまうのでしょうが、寒さ耐性というものも副作用なしとはしないということでしょうか。
フィンランドの牛は乳搾りに来た人間の手の冷たさに文句を言うと言いますが、こちらロシアではもう少し実際的な工夫をしているようです。

あまりの寒さに牛にブラジャーを付ける…マイナス55度のロシア(2012年1月13日らばQ)

ロシアと言えば寒い国ですが、極東のシベリアに位置するサハ共和国(別名ヤクーティア)は、北半球でもっとも寒い地域と記録されています。

気温がマイナス55度までに下がる永久凍土に覆われたこの地で、牛がどうにかサバイバルできるようにと、ハンドメイドの毛皮製ブラジャーを装着することにしたそうです。
身を刺すようなその寒さを耐える牛のためにと、ウサギの毛皮で作ったハンドメイドのブラジャーを着用させています。
三角形の牛用のブラジャーには3本の紐がついており、2本は牛の腰周りを、1本はしっぽの下を通します。
牛のオーナーたちは、牛乳の温度を保つため毛皮のブラジャーを付けたと言いますが、変わったファッションだと見る人もいるとのことです。

奇妙に映りますが、マイナス55度という想像を絶する寒さでは、動物が服を着るのも無理はありませんよね。

これまた元記事の画像を参照いただきたいと思いますが、考えて見ると乳牛の乳房もずいぶんと放熱性がよさそうですから寒さには弱いのかも知れませんね。
最後に取り上げますのはこちら無事で良かったという話題なのですが、やはりロシアだけにこういう手段でくるのかというニュースです。

サーカス団のゾウがウオツカで命拾いか、厳寒のシベリアで(2012年12月27日ロイター)

[モスクワ 15日 ロイター] ポーランドのサーカス団に同行していたアジアゾウ2頭が、極寒の地シベリアで命の危機にさらされながら、ウオツカを飲んで生き延びていたことが分かった。ロシア通信(RIA)が報じた。

RIAによると、アジアゾウのジェニーとマグダは、トレーラーが火事になったことで、代わりのトレーラーが到着するまで屋外で待たなければならなくなった。
調教師は、それまでに2頭が凍えて死んでしまうと絶望視していたが、近くの村でウオツカ2ケースを手に入れ、お湯で割って2頭に飲ませてみたという。すると、2頭はジャングルの中で生活しているかのようなうなり声を上げ、「幸せそうに見える」ほど元気を取り戻した。

ロシアではあらゆる病気にウオツカが効くという説があり、調教師がとっさにこの「伝統治療」を思い付いたという。
2頭は耳や鼻に凍傷を起こしていたが、14日には目的地に到着し、すでに公演に向けたリハーサルを始めている。

さすがロシアだけに「あらゆる病気にウオツカが効く」とは素晴らしい効能ですが、ちなみにロシア人曰く「飲まない奴は人間じゃない」と言いますから命の水どころではなく人間存在とは何かを問いかけられるものであるということでしょうか?
しかし厳冬のシベリアで危うく凍死しかけたところをウオトカに救われるとは、この象も何とも数奇な運命を辿っているものだなと思わずにはいられませんね。

今日のぐり:「来来亭 岡山大安寺店」

最近あちこちに出店が続いているのがこちら京都風醤油味ラーメンを名乗る「来来亭」さんですが、こちらの店舗は岡山市街地から少しばかり西に走った幹線道路沿いというなかなかの好立地にあります。
キャッチフレーズは「あっさりスープにコクある背脂」なんだそうで、トッピング等様々にカスタマイズも出来るのがこれまた一つの売りなんだそうですが、この日は初来店ということでごくベーシックそうな葱ラーメンを茹で方等はデフォルトでいただいてみることにしました。

見た目はラーメン自体はよくある背脂系醤油かなと思うのですが、トッピングのネギがよくある小口切りではなく青ネギを細く線切りにしてあるのは少しばかり意外性がありますね。
それなりにてんこ盛りになって存在感を発揮しているこのネギがまた辛いんですが、それを受け止めるべきスープの方は脂と唐辛子は強いんですがボディ自体はさして目立ったところもなく、ネギの強さに負けている気がしないでもありません。
たまたまこの日だけ特別だったのか?と思うほどかなり柔らかめの麺は味も茹で加減もちょっと好みに合いませんけれども、堅めにしゃっきり茹で上げればこのスープとの相性自体は悪くはなさそうですね。
他のトッピングを見てもチャーシューは昔風に味が抜けてるものですし、シナチクは歯ごたえは残るもののさほどの味わいもなく、全体的にみてもあまり印象の強いラーメンじゃないという気がします。

定食から酒類まで結構いろいろとそろっていますから顧客層は広そうですし、飲み会の流れで締めに来るにはこれくらいの無難な味の方がいいのかも知れませんが、ラーメンの方は様々なトッピングの方を工夫して楽しむべきということなんでしょうか。
接遇面ではオープンキッチンのせいもあって厨房が元気がいいのにごまかされますが、実はフロアの方はそこまででもないというのがもう少しアンバランスな気もしますが、昨今のチェーン店によくある暑苦しいほど濃厚な対応はちょっと苦手という向きにはこれくらいのあっさり具合がむしろいいのかも知れませんね。

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2013年1月 1日 (火)

今日のぐり:「あまからさん」

あけましておめでとうございます。
お食事会系ブログとして気楽に始まりました当「ぐり研」ですが、おかげさまを持ちまして案外地道に長続きしているようです。
本年も気楽にぐりの研究に努めたいと考える所存ですので、皆様もお気楽におつきあいいただけますと幸いです。
さて、本年最初の話題としてこういうおめでたい話題を紹介してみましょう。

静大の試験の解答が縁起が良過ぎるとTwitterで話題に(2012年12月27日秒刊サンデー)

こちらの問題は、静岡大学でかつて出た試験の問題だという。今回は何の試験なのかと言う者は問題ではなく、静岡大学で出た試験と言うところにポイントがありそうだ。問題の内容はf(x)= x^4-x^2+6 (|x|<=1), 12/(|x|+1) (|x|>1), g(x)= 1/2*cos(2x)+7/2 (|x|<=2) のグラフを描けというものだ。理系の人間でないとさっぱりわからずモヤッとするのかもしれないが、答えは晴れ晴れした答えだ。

画像:Twitterより
https://twitter.com/akrtks_hiak/status/283786347112714240

とにかく答えを教えてくれと言う方に早速答えを出すとしよう。こちらが答えのグラフのようだ。何を言ってるのだ、富士山なんてふざけた絵を魅せるのではなく『解答』をおしえてくれ!と意気込んでいる方も落ち着いてグラフを見ていただきたい。しっかりとf(x)= x^4-x^2+6 (|x|<=1), 12/(|x|+1) (|x|>1), g(x)= 1/2*cos(2x)+7/2 (|x|<=2) のグラフになっているのだという。

静岡と言えば富士山。そう静岡ならではの試験問題と言えよう。恐らくこれを作成した作成者は日夜職人のように一生懸命調整しながら作成したに違いない。学校の試験などではまれに、解答を繋げると文章になったり、逆から読むと、ある文章になったり教師のお遊び要素が取り入れられたりすることがあるが、これもその一種なのかもしれない。

Twitterでも、凄い!自分でやってみたけど。面白いなど驚きのツイートが多数見受けられる。

―Twitterの反応
・日本一の数式
・面白い!
・静岡大学で迷子になりました
・良問!
・おしゃれー!
・代ゼミでやったな
・山梨大学「解せぬ」
・教授頑張りすぎです
・おめでたい関数
・良問ってこういうことだね
・自分でもやってみたけど…スゲェw

年明けも近いことなので、この縁起の良いグラフを是非自分でも計算してみてはいかがだろうか。

一人部屋に閉じこもってこの問題を考えた先生の努力にも敬服するしかありませんけれども、正解が出なかった人にとっては「何だこれは?」という問題に終わってしまったことでしょうね。
今日は静岡大学の快挙に敬意を表して、世界中からこれは意外な優れものかも?という話題を紹介してみましょう。

オタ知識ありすぎNHKアナが話題(2012年12月29日R29)

24日、NHK-FMで、『今日は一日“歌う声優”三昧』が放送され、およそ12時間の放送時間で106曲の声優ソングを放送。しかしネット上では、本来のお目当てだったはずの声優ソング以上に、司会のアナウンサーに注目が集まっている。
この『今日は一日○○三昧』は、NHK-FMが不定期で放送している人気番組。その番組名が示すように、特定ジャンルの曲が、1日10時間前後も流される番組で、これまで「アニソン」「民謡」「なつかしのアイドル」「ハードロック・ヘヴィメタル」「童謡・唱歌」「プロレス・格闘技テーマ曲」「ゲーム音楽」「プロ野球ソング」といった幅広いジャンルが取り上げられ、すでにシリーズ通算で100回以上放送されてきた。
そして、24日放送の「今日は一日“歌う声優”三昧」で司会を務めたのは、高知放送局所属の塩澤大輔アナ。HPのプロフィール欄に「わたしの心身リフレッシュ術→漫画の全巻大人買いと一気読み」「もしアナウンサーになっていなかったら…→広告関連か声優になりたかったなあ」と記す塩澤アナの“ガチ”の知識量に対し、放送が始まるや否やツイッター上には、

「やべえ・・・司会の塩澤アナのアニメ・ゲーム・声優の知識が凄すぎる」
「塩澤アナの反応の早さが怖い」
「塩澤アナは視聴者の心を理解しすぎだと思うのです」

と、驚きと称賛のツイートが殺到し、放送が終わっても、

「次やる時も塩澤アナは採用するべき」
「今回は塩澤アナという人がNHKにいたということが一番嬉しかった」
「塩澤アナのガチっぷりがすごかったです」

と、声優・アニメファンからは絶賛の声が殺到。ツイッターまとめサイト「Togetter」にまとめられた「NHK-FM『今日は一日歌う声優三昧』司会、塩澤アナウンサーのオタ知識がヤバい」というまとめもページビューが6万件、ツイート数が900以上に達している。
今回の放送により一躍話題の主となった塩澤アナだが、高知放送局のHP内の12月6日付のブログによると、

「日頃から漫画やアニメが大好きだと公言している私ですが、この番組、なんと私、塩澤の提案した企画なんです!趣味を仕事にもいかす理想型といったところでしょうか(笑)」

と、放送が生まれた経緯が明らかにされている。放送が終わったばかりにもかかわらず、ネット上では早くも塩澤アナの再登板を期待する声が多数登場している。

さすがは天下のNHK、人材も豊富でいらっしゃるようで何よりですが、しかしこういう平素は全く役に立たなさそうな特技?が思わぬところで評価されるというのもおもしろいものですよね。
こちらは各方面で取り上げられたニュースでもありますが、しかし改めてみますとなかなかに大変な作業だなと実感出来る話題ではないでしょうか。

新幹線清掃スタッフ CNNや欧米高官から「奇跡の7分」の称賛(2012年12月16日NEWSポストセブン)

 新幹線の車両清掃を担当する「JR東日本テクノハート・TESSEI(旧鉄道整備株式会社。以下、テッセイ)」は、画期的な取り組みで世界から注目を集めている。テッセイの仕事のどこに、注目を浴びる理由があるのだろうか。ある日の清掃作業を追ってみた。

 12月某日、JR東京駅の22番線ホーム。線路側には、赤いユニフォームを着た、数十人のテッセイのスタッフが、等間隔・一列に並んで立っていた。
 そこへ東北新幹線が入線。テッセイのスタッフたちが一斉にお辞儀をして迎える。清掃作業の始まりだ。
 16時56分に到着した列車はこの後、17時8分発の「やまびこつばさ147号」として再び発車するため、東京駅での滞在時間はわずか12分間。しかも乗・降車には約5分かかるといわれるため、折り返しの準備作業時間は7分しかない。
 到着から2分後、乗客がいなくなったのを確認し、赤い軍団が車内に飛び込む。普通車客室は1人、グリーン車は2~3人で、1車両の作業に当たる。
 まずは両サイドの網棚、座席間を覗いて、忘れ物がないかチェック。座席を進行方向へ回転させながら、反対側のドアまで走り、途中、落ちていたゴミを通路に掃き出した。1車両の長さは25メートル、客席は100席。端から端を確認し終わるまで、1分30秒かかった。
“復路”では各窓のブラインドを下ろして点検。同時に全座席のテーブルを出して、窓枠と棚とともに拭き、座席カバーが汚れていれば交換する。ここまでで、3分少々。
「ピッチ上げて! あと2分で!」
 見回りに来た女性の主任が発破をかける。その間にスタッフは箒を持ち、先ほど通路に出したゴミを一気に集める。一方、2両に1か所あるトイレや洗面所でも、別のスタッフが同時進行で作業に当たっていた。
 各車両の作業が完了し、最後に主任が点検して終了。スタッフは車外に出て全員で整列、ホームで待っていた乗客に対して一礼した。時刻は17時4分。約6分で完遂した計算だ。発車3分前に乗車が始まり、列車は定刻通り出発した。

 テッセイの矢部輝夫専務が語る。
「与えられた時間は7分ですが、混雑でお客様の降車に時間がかかったりして、7分をフルに使えることは少ない。そのため常に、できるだけ早く作業を終えるようにしています」
 その言葉通り、続いて入線してきた新幹線では、5分27秒で完遂した。
 テッセイはこの清掃作業を「新幹線劇場」と呼んでいる。確かにその作業の正確さと素早さは、「劇場」の名に恥じない完成度だ。海外も彼らに注目しており、欧米の高官が視察に訪れたり、CNNでは「ミラクル7ミニッツ(奇跡の7分間)」と絶賛された。
国内でも、スタッフの奮闘ぶりを扱った『新幹線お掃除の天使たち』(遠藤功著・あさ出版)が、現在10万部のベストセラーとなっている。だがこれは、同社にとっては「当たり前の業務」なのだという。
「ただ車両を綺麗にするだけではない。清掃の遅れは新幹線の遅れに繋がる。我々には、ダイヤを守るという義務もあるのです」(矢部専務)
 東京駅の2面あるホーム(4車線)では、1日に新幹線210本が折り返し運転を行なっており、実に4分間隔で発着している。テッセイは、1チーム22人の編成で1日平均120本、ピーク時は168本にも及ぶ清掃作業を一手に引き受けている。緩慢な作業は、致命的な遅れに繋がるのだ。

実際の作業の様子を撮影した動画がこちらだということなんですが、こうしてみますとなかなかに大変な作業だと言う事が改めて判りますよね。
海外からも様々な優れものの話題が登場していますが、こちらターゲット顧客以外にも十分な訴求力がありそうな新種サービスのニュースです。

ある小児歯科医が始めた画期的なサービスが子どもたちに大人気 / 大人でもこの歯医者に行きたくなるレベル/米(2012年12月16日ロケットニュース24)

歯医者といえば「キュイィィーン」と頭に響くあの音。大人だって苦手な人はいるのだから子どもたちにとってみれば恐怖以外のなにものでもない。子どもの頃はあの音を聞くだけで恐怖と緊張でガチガチだったという方もいることだろう。
そんな子どもたちのために、アメリカのある小児歯科医が考え出した画期的なサービスが話題だ。サービス開始以降、この歯科医院は子どもたちから絶大な人気を得ているという。

ニューヨークで小児歯科医院を営むポール・ワイス医師は、歯医者を怖がる子どもたちを少しでも落ち着かせるためにある方法を考え出した。それは自身の愛犬ブルックを治療中の子どもたちのそばに付き添わせるというもの。犬が人間に与える精神的癒しによって子どもたちをリラックスさせようと思いついたのだ。
彼はブルックをトレーニングし、セラピードッグとしての認証を得た。治療中、患者が希望すればブルックがそばに寄り添ってくれ、触れていることも可能だという。
それでも万が一の時のために、ブルック担当のスタッフが常に横で様子を見守っている。また、院内を頻繁に掃除したりブルックの身体を清潔に保ったりするなど、安全面と衛生面の両方に細心の注意を払っているとのこと。

現在のところ、ブルックの付き添いサービスが行われているのは毎週木曜日のみと限られている。それにも関わらず、サービスを開始してから子どもたちのあいだで人気が広まり、希望者は増える一方だという。
ワイス医師は、「子どもたちは、治療中でもブルックに触れていられることで落ち着き、リラックスできています。患者の緊張をほぐすことができ、恐怖でいっぱいだった歯医者に安心して来てもらえるようになるなんて、歯科医としてこんなに嬉しいことはありません」と語っている。
ただ歯の治療を行うだけでなく、患者が抱く恐怖や緊張にまで配慮してくれるワイス医師。彼とブルックは、子どもたちにとってなんとも心強いコンビである。

てっきり小型の愛玩犬かと思って元記事の画像を見てみましたら案外大きな犬でびっくりしたのですが、こういう場合は大きくてどっしり構えている犬の方が頼りがいがあるということなんでしょうかね。
こちらカナダから出てきましたニュースは良くあるネタと言ってしまえばそれまでなんですが、今回はかなりなマジものであるようです。

ついに魔法のマントが完成か!? 使用者を完全に見えなくする「量子ステルスマント」が世界に衝撃を与える!/カナダ(2012年12月11日ロケットニュース24)

まさに “魔法のマント” と呼ぶべき驚異のマントが現在世界を騒がせている。
カナダの企業「Hyperstealth Biotechnology Corp」が開発しているそのマントは、「Quantum Stealth」(直訳:量子ステルス)という特殊な物質を使っており、これを着用すると、他の人から完全に見えなくなるというのだ。そんなバカなッ!
装着者の周りの光波を屈折させることにより、見えない状態にしてくれるらしいのだが、その詳細ははっきりとは明かされていない。現に同社のウェブサイトで公開されているのは、実物の量子ステルスコートの画像ではなく、単なるイメージ画像だ。
Hyperstealth Biotechnology CorpのCEO・Guy Cramerさんは、このマントを懐疑的に見ている人たちについて、気にしていないと述べている。なぜならこのマントの性能について知るべき人たちは、すでにこのマントを実際に見ているからだ。

そのことについてCramerさんは、次のように語っている。
「アメリカ軍の2つの指揮グループ、カナダ軍の2つのグループ、そしてFederal Emergency Response Team(直訳:連邦緊急処置チーム)は実物を見ており、これが単なる映像編集や画像編集したものではないことを確認しています。彼らはこのマントがきちんと機能すること、そしてカメラ、電池、ライト、鏡なしにこのマントが使えることも知っています。このマントは軽く、そして価格も全然高くないのです」
またCramerさんは、量子ステルスマントで覆われたカナダの戦車が、自分たちの位置を知られずに、敵と交戦することも想定している。そう、相手には戦車のエンジン音と銃の音しか聞こえない不気味な戦いになるのだ。そういったマントの使用方法について、Cramerさんは次のように話している。
「敵に見つからずに移動することができる不可視のカナダ軍が、新しく広がっていけば、相手に与える心理的効果は絶大なものです。敵はいつ自分たちがこの見えないカナダ軍に狙われるのか、囲まれるのか、そして今自分たちが狙われているのかすら知ることができないのです。どうやって見えない敵を狙うことができるでしょうか? どうやって見えない敵から自分を守ることができるでしょうか?」

漫画の世界から持ってきたような今回の不可視マント。しかしそれが軍事用に開発されているとなると、やはり悲しい気持ちになってしまう。もっと楽しく、そしてみんなが幸せになれる形で、この魔法のマントを活用できないものだろうか?

これも思わず「くれぐれも悪用はしないでください」と言ってしまいそうなシロモノなのですが、話半分としても安価で数もそろえられるとなれば軍事を初め各方面に需要はありそうですよね。
日本でも昨今では動物の葬儀というものもなかなかに盛んなんだそうですが、こちらそんな生やさしいものではないというド派手なサービスが登場したようです。

人生の最期は華々しく!花火散骨を行うオーストラリアのペット葬儀サービス(2012年12月13日日刊テラフォー)

ほんの十年程前までは、ペットが死んだら、亡骸は家の庭や川原に埋めたりするのが一般的だったように思う。だが最近では、ペット専門の葬儀屋があり、家族の一員として愛したペットを、人間と同じように送り出すことも多い。
オーストラリア・シドニーでは、著名人の葬式でもそんなことはしないだろう、と言うくらいハデで盛大にペットを送り出す葬儀屋がある。

『Ashes to Ashes(灰は灰に:イギリスの葬式に用いる言葉)』では、ペットの遺灰を打ち上げ花火の筒に詰めて、新年を祝うかのような盛大な花火に乗せて、ペットを天国へと送り出す。
花火を打ち上げる時は、サウンドトラックが流れ、ケータリングの食事やバーも用意される。参列者達は、亡くなった犬の写真を見たり、思い出を語り合ったりしながら、故人、ではなく、故犬を偲ぶ。
料金は950オーストラリアドル(約84万円)だ。

このサービスを行っているのは、サーカス団員で花火師のクレイグ・ハルさんだ。
3年前に自身の犬を亡くした時に、このアイデアを思いつき、実際に自分の犬の遺灰を花火筒に詰めて打ち上げた。
「遺灰をこんなふうに大空に撒くことができたら、遺灰は信じられないくらいずっと遠くまで飛んでいく。それに、愛している人を送り出した後、その人が天国に登っているのを見上げることだってできる。これって、最高の感覚だと思ったんだ。他の人も、絶対体験してみるべきだ、ってね。」

『Ashes to Ashes』は、シドニー全土のお客さんからの依頼を承っている。
希望者には4,800オーストラリアドル(約42万円)で、人間の遺灰も、同じように花火で打ち上げることもできる。
だが、人間の方は、まだ一度も依頼が来たことはない。
「万人向きではないからね。でもいつかは、人間の間でもこのやり方が一般的になる日が来ると思っているよ。」
と、ハルさんは花火散骨が広く浸透することを堅く信じている。
「そう遠くない将来、ペットを裏庭に埋めたり、人間をお墓に埋める時代は終わりになるよ。」

花火散骨とは意表をついた斬新な散骨方法だが、人生の最期に、華々しく散りたい人もいるだろう。人もペットも、いつか必ず死ぬもの。「死=悲しい」と捉える考え方は、古くなってきているのかもしれない。

元記事の画像を見ていただくだけでもその派手派手しさがおわかりいただけるかと思いますが、これが動物だけでなく人間にも同じように行えるというのもポイントなんでしょうかね。
同じく葬儀ということに関してこちらはもう少し物静かな、それでいってしっかり賑やかでもあるというサービスの話題です。

これで死んだ後も寂しくない!高性能サウンドシステム搭載の棺がスウェーデンで販売中(2012年12月20日日刊テラフォー)

「賑やかなのが好きな人だったから、静かなあの世ではきっと退屈していることだろう」という風に故人を偲ぶことがあるが、そんな人に最適な棺がスウェーデンで発売されている。

スウェーデンの首都ストックホルムにある会社ポウズ社が販売しているのは、高性能サウンドシステムを搭載した棺カタコンボ・サウンドシステムだ。
“高性能”というだけのことはあり、棺には、二方向スピーカー、ツイーター(高音用スピーカー)、アンプ、サブウーファーが搭載され、音楽にあまり興味がない筆者は、手にしたことがないようなサウンドシステムだ。
欧米では土葬が一般的だが、賑やか・音楽好きだった故人が、地中に埋められた後もなお、音楽を楽しみ、賑やかな環境の中にいられる、という優れものだ。

さらに、「いくら死人といえども、リピートで同じ曲ばかり聞いていたのでは飽きてしまう」ということで、ポーズ社は、地中の棺へ音楽を届ける為の、専用の墓石まで用意した。
墓石は4Gを利用してインターネット音楽配信サイト『Spotify(スポーティファイ)』に接続し、故人に代わって、家族や友人が音楽をアップロードすることが可能だ。

これなら、「寂しい思いをしていないだろうか」と故人を心配しなくてすむ(だろう)。
気になるお値段は、23,500ユーロ(約270万円)。だが、おそらくこれは、棺のみの値段だと思われるので、墓石とセットで購入する場合は、もっと値段は上がる。

ただ一点気になるのが、騒音問題は大丈夫なのかということだ。
一般的に、欧米で棺を埋める時は、6フィート(約1.8m)地中に埋めると言われているが、それだけ深いところでなら、地上へ音は漏れてこないのだろうか?
地上だけでなく地中の騒音問題も気になる。死んでもなお、隣の棺の中の人と、騒音問題で揉めるのは避けたいところだ。

日本では火葬ですから骨壺に同様のシステムでも組み込むか?という話になるのでしょうか、いずれにしてもここまでやれば故人以前に遺族の方も本望というものでしょう。
最後に取り上げますのは例によってブリからの話題なのですが、これは一体どう評価すべきなんでしょうねえ…?

ネット通販のサイズ不安解消、英国で家庭用全身スキャナー開発(2012年11月21日ロイター)

[ロンドン 21日 ロイター] ファッション通販サイトで服を購入する場合、サイズが合うかどうかの不安が付きまとう。そんな不安を解消する新型のボディースキャナーを英国の研究者らが開発した。

服のオンライン販売はサイズへの不安もあって、音楽や書籍、電子機器ほどの勢いはない。調査会社コムスコアによると、米国では今年6月までの1年間で、オンラインショッピングの売り上げに占める服飾品の割合はわずか14%だった。

寸法を測定する新スキャナーを開発したのは、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションやサリー大学の研究者らと「ボディーメトリックス」という企業。同社はすでに、米マイクロソフトのゲーム機「Xbox」の体感システム「キネクト」を利用した店舗用スキャナーを米国や英国、ドイツのデパートに導入している。

今回開発されたシステムでは、消費者が身長を入力した上で全身写真をウェブカムやスマートフォンで撮影。そのデータから作成された3D画像に画面上で服のデータを合わせることで、最適なサイズを選ぶことができるという。

ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションのフィリップ・デラモア氏は、オンラインで購入された服の30─60%は返品されていると指摘。「サイズが不安で、同じ商品を違うサイズで2─3個買うことはよくある」と述べ、その不安を解消する新システムの効果に期待を寄せた。

どの程度の精度があるものなのかはっきりしませんけれども、それよりもネット通販での返品率がそこまで高いというのは意外な気がしますがどうなんでしょうね?(ちなみに日本では高くても2~3%程度だと言います)
この辺りは国民性の違いや体格など様々な要因が絡むのかも知れませんが、あまり返品率が高いなど極端な顧客は取引停止となることもあるそうですので皆様くれぐれもご利用は計画的に。

今日のぐり:「あまからさん」

何であれ時々食べたくなるものは誰にでもあるのだと思いますが、最近個人的にちょいとお気に入りなのがこちらのうどんです。
なんでも地元食材にこだわった味が自慢だと言うことなんですが、このところ純粋にうどん店としての評価も上がってきているのか、安定的にお客が増えてきたようにも見えますね。
ちなみにその分待ち時間は長くなっているのですが、お待たせすることになっても茹でたてを出しますというのはいいとして、その割には何故か釜揚げではなく湯だめというのもちょっと謎ではありますね(こし優先で敢えてそうしているということなのでしょうか?)。
謎と言えば一般店スタイルなのにセルフトッピングコーナーが出来ているのも不思議なことではあるのですが、まあこれは夜にはつまみ的にも使えるということなんでしょうか。

今回もまずはいつもの通りに冷たいぶっかけから入りましたが、なんと今までこれだけはちょっと…と感じていたうずら卵がちゃんとわさびの上ではなく別容器に載せられて出てきたことは好印象です(まさか見ていたのでしょうかね?)
まあべとべとしてしまって使い勝手も悪いという実用面もさることながら、鳥類と言えば総排泄腔を持つ生き物ですからやはり感覚的にもあまり気持ちの良いことではなく、改めていただいて良かったと思います。
そうした点を改善してみれば滑らかな舌触りのうどんはますます良い仕上がりで、噛み始めの柔らかめな口当たりに加えて噛み締めた時の十分なこしも楽しめ、初期の硬くてずっしり重いうどんの面影はもはやなくて軽く幾らでも入るうどんになってきていますね。
またぶっかけとして適度なつゆの濃さとうどんのマッチングも良好で、この店名通りのあまからのつゆにはわさびが合うなと思うんですが、それに加えて天かす海苔ネギと個人的にベストなトッピングも言うことはなく、もはや目に見える欠点は消えたなと言う感じでしょうか。
岡山県下で言われているぶっかけうどんと言うものは讃岐うどんで言うところのぶっかけとは全く別物ですが、こちらは岡山スタイルのぶっかけとしてかなりハイレベルなものになったと言えそうですね。

讃岐うどんでひと頃話題になったかま玉うどんも少しばかり試してみましたが、醤油をひと回し半ほどかけて天かす、ネギそして生玉子をかき混ぜながら食べて見ますと、こちらはまったりしたコクが出ていいですね。
ただこちらの店がどうこうと言うわけではありませんが、この料理については個人的に全卵より卵黄だけでやった方がうどんも冷めず舌触りも味もよくなるんじゃないかなと常々思っているんですが、この辺りは好みの問題もあるんでしょうかね?
ちなみにサイドメニューとして用意されているおにぎり、見た目は特にどうこうと言うこともなくむしろ素人臭い感じすらしていたのですが、試しに食べてみますと意外にも(失礼)にぎり加減が絶妙で、単なる偶然だったのかも知れませんが意識してやってるものであればたいしたものですよね。

いずれにしてもうどん屋としてはかなりのレベルになってきたのは確かなんですが、接遇面では一応マニュアル対応らしい気配はあるのですが相変わらず不安定と言うのでしょうか、フロアを仕切っているらしいお姉さんと他のスタッフとに格差があるなどスタッフ個々の技量に依存しているのはマニュアル化の意味がありませんね。
この辺りはスタッフがもっと増えて教育に時間を割く余裕があればまた違ってくるのかも知れませんが、現時点では余計なもたつき感がせっかくのうどんの味をスポイルしてしまっているようにも感じられるのが残念でした。

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