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2012年12月20日 (木)

高齢者社会保障問題 結局は本人達の行動が一番重要では

先日は厚労省の補助事業による研究班が高齢者への医療提供に関する指針案を公表していましたが、団塊世代の高齢化を迎え医療需要がさらに増加していくだろうという懸念がある一方で、高齢者医療を今まで通り無制限に続ける事への是非もようやく議論されるようになってきた感があります。
そんな中で本日まずは、先日海外から興味深い話が出ていましたことを紹介しておきましょう。

<調査>人類の寿命は延びた、でも延びた分を健康に過ごせてない人多い―英誌(2012年12月17日レコードチャイナ)

2012年12月15日、AFP通信によると、世界人口の平均寿命は1970年と比べて10年以上延びたが、人々は延びた寿命の多くをガンなどの病魔との闘いに費やしている。シンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。

英医学専門誌のランセットによると、2010年の世界平均寿命は1970年と比べ、男性で11.1歳、女性で12.1歳延びた。だが、ハーバード公衆衛生大学院のジョシュ・サロモン氏によれば「ここ20年で平均寿命は5歳延びたが、そのうち健康に過ごせるのは4年だけ」だという。調査を行った研究者らは、余命延長重視の保健政策を見直し、健康維持を重視した政策に転換すべきだと主張。豪クイーンズランド大学のロペス教授は「健康維持とは単に死亡を回避することではない」と話す。

同誌に発表された調査結果は、50カ国500人近くの研究者が関わっており、187カ国で収集された291種類の疾患や傷害のデータが含まれている。がんや糖尿病、心臓疾患などの非感染性疾患による死者の割合は、1990年の2人に1人から、2010年には3人に2人にまで増加。2010年のがんによる死者数は800万人で、1990年の580万人から38%増加した。

栄養不足や感染症による死者、妊娠・出産関連の死や新生児の死者数の合計は、1990年の1590万人から2010年の1320万人へと減少。2010年の世界最大の死亡リスクは、1位が高血圧の死者940万人、2位が喫煙の死者630万人、3位が飲酒で死者500万人。また、1250万人の死亡が不健康な食生活と運動不足に関係している。(翻訳・編集/本郷)

もちろん昨今ではアンチエイジングということが大きく注目を集めているように、健康で活動的な期間をより長く続けられるという技術も相応に進歩しているはずではあるのですが、平均寿命自体がここまで長くなってしまえばどうしても晩年に当たる老年期が長く続いてしまうのもやむなき話で、長生きした分だけ不健康な時期が延びているという主張もあながち間違えではないようにも思われますね。
「東洋人は10歳若く見える」ではありませんが、日本では肥満率の低さが生活習慣病抑制に幸いしたのか比較的元気なお年寄りも珍しくないとは言え、世界トップクラスの平均寿命を考えればいずれどこかで健康を害することは避けられず、そうなった場合の長い老後の過ごし方、あるいは更に一歩も二歩も進んで自らの末期のあり方も考えておくにしくはありません。
幸いに今までは最低限の備えを担保する公的年金システムの存在と医療・介護コストの安さとで何とかなる状況であったとは言え、その両輪の一つである年金もいつ破綻するかと言われている時代にあっては先立つものの不安も拭えないのは当然でしょう。

国民年金未納者、過去最多の455万人--世帯所得1000万円以上でも3%が未納(2012年12月18日マイナビニュース)

厚生労働省は17日、「2011年国民年金被保険者実態調査」の結果を発表した。同調査は、第1号被保険者の所得の状況などを市区町村職員が転記する所得等調査(岩手県、宮城県、福島県除く)と、郵送調査(所得等調査対象者から抽出)の2種類にて実施。調査期間は所得等調査が2011年10月~2012年3月、郵送調査が2011年11月~2012年2月、有効回答数は所得等調査が12万3,128人分のうち98.2%、郵送調査が2万3,614人。

まず、第1号被保険者1,737万1,000人の保険料納付状況を調べたところ、1号期間滞納者(過去2年間まったく納めていない未納者)は455万1,000人(26.2%)で、過去最多となったことがわかった。

納付者は843万5,000人(48.6%)で、うち完納者は667万9,000人(38.4%)、一部納付者は175万6,000人(10.1%)。申請全額免除者は229万人(13.2%)、学生納付特例者は171万4,000人(9.9%)若年層納付者は38万1,000人(2.2%)となった。2008年の前回調査と比べると、納付者は5.3ポイント減少した一方、1号期間滞納者は2.6ポイント、申請全額免除者は2.0ポイントそれぞれ増加した。

年齢階級別に見た場合、納付者の割合は年齢階級が上がるにつれ高くなっており、55~59歳が66.0%でトップ。それに対して、1号期間滞納者の割合は30~34歳では35.4%と最も高く、それ以上の年代では年齢階級が上がるにつれ低くなっていた。また、1号期間滞納者の割合を前回調査と比べたところ、すべての年齢階級において増加していることが明らかになった。

保険料納付状況別に第1号被保険者の属する世帯の総所得金額の分布を見ると、納付者の平均は493万円、中位数が320万円。一方、1号期間滞納者の平均は295万円、中位数が213万円となり、低所得者の割合が納付者に比べて高くなっているものの、世帯総所得金額1,000万円以上が3.0%いることが判明した。

1号期間滞納者について、国民年金保険料を納付しない理由を尋ねたところ、圧倒的に多かったのが「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」で74.1%。次が「年金制度の将来が不安・信用できない」で10.1%だった。また、世帯総所得金額が500万円~1,000万未満でも69.7%が、1,000万円以上でも55.8%が「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」と答えていた。

保険料を納めていないことについての意識を聞くと、「もう少し生活にゆとりができれば保険料を納めたい」が最も多く63.5%。世帯総所得金額別に見ると、1,000万円未満では「もう少し生活にゆとりができれば保険料を納めたい」が大半となったが、1,000万円以上でも44.7%に上った。

年金制度不信に基づく確信犯的未納者に関してはともかくとしても、かねて低所得者の増加による年金未納者急増は生保受給者との逆転現象などとも言われて問題視されているわけですから、単に免除や減免の措置がありますで済ませるのではなく政権交代も機に早急にシステム面での抜本的な改善策を講じていただきたいものだと思います。
それはともかく、平均的水準を超える高所得者層に含まれる未納者においても経済的理由での支払い困難を訴える例が過半数というのが興味深いなと思うのですが、もちろんこうした調査に向かって「無駄金など一銭たりとも払う気はない!」などと言うのも大人げないですから、こうした選択枝を選ぶ人が多かったというだけのことなのかも知れません。
そして当然ながら高所得だとは言っても贅沢して金がないというのではなく必要経費も相応に多く余裕がない生活をしているという人もいるのでしょうが、昨今あちこちで取り上げられるようになってきたこの無年金問題に関する実態調査を見ていますと、どうも当事者に危機感が乏しすぎるのではないかという声もあるようですね。

60歳無年金時代が到来! 死を待つだけの老後難民の実態(2012年12月15日週間実話)より抜粋

 年金(報酬比例部分)をもらえる年齢が、いよいよ段階的に引き上げられる。
 来年以降60歳で定年退職を迎える人には、給料も年金支給もない無収入期間が生じる。これを『2013年問題』といい、政府は対応策として企業に対する雇用延長の義務付けを検討しているが、それが実現したとしても、あおりを受けた新卒者や若年労働者の就職機会が奪われかねない
(略)
 こうした日本の暗い未来を、老いてから迎える現役サラリーマンはどう考えているのか。外資系投資銀行傘下のフィデリティ退職・投資教育研究所が、’10年2月に行った『サラリーマン1万人アンケート』を参考に見てみよう。

 現在の公的年金制度では安心できないと考えている人は全体の約9割だが、そのほとんどが「老後の暮らしは不安だが、蓄えもなく、その準備もない」という矛盾した回答をしている。同調査はこうしたサラリーマンを『老後難民予備軍』と指摘する。
 「老後難民とは、生きている間に老後の生活資金が枯渇し生活に困窮すること。たとえ60歳の定年時に3000万円の資産があったとしても、それを運用しないで月25万円(65歳以降は年金受給が始まると仮定して10万円)ずつ使い続けると、77・5歳で資産は枯渇してしまう。老後難民にならないためには、少々のリスク覚悟でローリターンの投資や運用をするか、少ない年金で生き抜くか、突き詰めれば2つしか選択肢はありません」(同研究所)
(略)

以前から言われていることですから多くの人が老後の暮らしに危機感は抱いている、しかし実際には何ら準備をすることもなく老後を迎えるのをただ待っているだけという現実があるということで、ある意味では生命財産の保全と言った基本的な領域においてすら自己責任という考え方が極めて希釈になっている現代日本人らしい脳天気ぶりを示しているとも言えるデータなのでしょうか。
一頃には退職金を狙った投機的というにもほど遠いような金融関連商品に関わる様々なトラブルが社会を散々賑わせてきたこともあって、もちろん基本的には不用意な投機に走らない態度も尊重されるべきだと思いますが、現役時代に好景気でがっつり稼ぎ十分な退職金ももらった世代が何ら社会に還元することもなく多額の現金を抱え込んでいることにおもしろからぬ思いをしている現役世代も相応にいるだろうとも思います。
年金掛け金の支払いにすら四苦八苦している現役世代からすれば「こんな金持ち連中の老後をさらに豊かにするために自分達が一方的に搾り取られなければならないのか!」と考えるとますますモチベーションも下がろうと言うものですが、実際の老後の暮らしなるものの実例を垣間見てみるといささかの問題無しとはしないようですね。

 65歳まで働いたAさんは現在72歳。高度成長の時代を一緒に働き抜いた同僚の多くが、定年で辞めた後、やることがないので朝から酒を飲むようになった。退職後の6、7年で肝硬変、ガン、心臓病を患ってバタバタと死んでいったという。
(略)
 大阪市在住の70歳になるDさんは、市営地下鉄、バスが無料なので、ほぼ毎日出掛ける。高齢者向けの無料イベントを探し、史跡巡り、先着順の高齢者マッサージ、風邪を引いたときも市販薬を買うより病院の方がはるかに安いので、週に3回は病院通いをする。医療費の自己負担は1割だから行かなければ損と考えている。エアコンの効いた図書コーナーで読書し、時間つぶしのため成人病セミナーにも出るという。

おもしろいのは長年続いた日医的価値観に従って考えるならば、ろくに自己節制もせず好き放題やって体を壊してしまったAさんの同僚達は典型的な悪い患者であり、一方で早期発見早期治療に努め自己啓発にも余念がないというDさんは良い患者の代表例と言うことになりますが、社会保障費抑制という財政上の要請からすると全く真逆の評価もあり得るということですね。
社会保障給付のあり方に関しては様々な意見があって当然だと思いますが、共通の大前提として何も抑制策を講じなければ社会保障に対する需要は際限なく増大していくというものがあるはずで、それに対して総額に対する許容限度の議論と同時に需要抑制策を行っていくのか、あるいは給付すなわち供給の抑制策を行っていくのかと言う部分での方法論で様々なやり方が分かれるのだと思います。
そのうち医療に関しては選挙対策なのか経営的な要請なのか需要に対する抑制というものは公に語られる機会が少なかった一方で、診療報酬による政策的誘導に代表されるような現場における供給側の抑制策を主体に対応してきた、その結果一部においては患者側と医療機関側との対立の原因にもなってきたとも言えますが、本来であれば需要の側にもそれなりに限度というものがあるのは当然ですよね。
両極端とも言えるAさんとDさんのどちらが正解というわけでもなく、おそらくこの両者の間のどこかに最適解が存在しているはずなんですが、社会保障費をどう捻出するかに各方面が頭を悩ませているこの時代であるからこそ、そろそろ需要の側に対しても最適解を目指して行動してもらうように誘導していく必要があるんじゃないかという気がします。

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コメント

>風邪を引いたときも市販薬を買うより病院の方がはるかに安いので、週に3回は病院通いをする。

医師会から表彰されそうなじいさんだなw

投稿: | 2012年12月20日 (木) 08時40分

うちでも週三回くらいならべつに珍しくないけどねえ
「患者希望時点滴○○随時」で放置してる先生もいるけど監査でもノーチェックみたいだし
ああいうのって往年のデフォルト治療なのかしらん?

投稿: 元僻地勤務医 | 2012年12月20日 (木) 10時20分

「えー?でも、定年して年金も収入もない、ってなったら生活保護がもらえるじゃん」って思ってる人が相当多いと思います。

投稿: | 2012年12月20日 (木) 10時55分

>定年して年金も収入もない

逆に無資産無(低)収入高齢者は稼ぐあてもまずないのですから、遠慮なく生保のお世話になったらいいんじゃないかと思います。
老人が過度に倹約してお金を貯め込んで使わないことが社会にとって有害なら、使い切った後にはちゃんと公で面倒を見るという担保も必要でしょう。
年金問題との絡みで言えば本来年金をかけておいた方が得であるはずなのに損にしか思えないというイメージを広めてしまったのがそもそもの失敗でしたね。

投稿: 管理人nobu | 2012年12月20日 (木) 11時20分

年寄り連中って家持ちがほとんどなんだから現金いらんだろ
それより毎日宅配弁当でも配りがてら顔見にまわる方がいいぞ

投稿: アララドロン | 2012年12月20日 (木) 12時05分

食糧現物支給ってすでにどっかでやってなかった?

投稿: たまてる | 2012年12月20日 (木) 16時38分

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