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2012年12月22日 (土)

週刊朝日と病院ランキング本問題

週刊朝日と言えば先日も橋下大阪市長の出自にまつわる素晴らしい報道ぶりで自らの見識を世に示したメディアですが、次期総理就任が確実視される安倍自民党総裁がその週刊朝日に関する一つの写真をフェイスブック上でシェアしたことで再び話題になっています。
2009年と2012年の衆議院選の報道。安倍叩きを社是とする朝日のわかりやすい偏向報道です。」とそのものズバリなタイトルがつけられたこの写真、単に週刊朝日の表紙二つを並べただけのものなんですがネット上では大いに拡散しているようで、週刊朝日に限らず他メディアバージョンも作成され人気を博しているようですね。
メディアが特定のスタンスを持ち偏向すること自体は世界的に見てもごく普通のことで、日本の場合はそれを偏向していないと言い張っているから問題になるだけじゃないかとも思うのですが、さらに一歩進んで犯罪行為に自ら手を染めるということになりますとさすがにこれは公的な批判を免れないでしょう。
先日以来ネット上で大いに話題になりながら一向に世のマスコミが取り上げる気配のない週刊朝日の詐欺的行為について、ようやく当事者からの情報が集まってきたようなので改めて取り上げてみることにします。

週刊朝日が詐欺行為か!? 「100万円以上の広告料要求」 無断で名を使われた社団法人が抗議(2012年12月19日RBBTODAY)

 一般社団法人日本肝胆膵外科学会が17日、週刊誌「週刊朝日」(朝日新聞出版)が同団体の名を無断で利用し複数の病院施設に対し多額の広告料を要求していると明かし、ネット上で話題となっている。

 同団体が「緊急のお知らせ」と題して公式サイト上に掲載した告知文によると、同誌が2013年2月発売予定のムック「手術数でわかるいい病院2013全国」に掲載する広告企画の案内を、同団体および同団体の宮崎勝理事長に無断で「取材協力:日本肝胆膵外科学会 理事長 宮崎勝」と表し、多くの病院施設に広告掲載を持ちかけているという。さらに、その広告料として100万円以上を要求していることが判明したとして、同団体は「本学会および宮崎個人は、週刊朝日の同企画に対し、一切の関わりを持っておりません。その旨ご承知いただき、ご注意くださいますようお願い申し上げます」と、注意喚起するとともに、「週刊朝日に対し、抗議文の送付ともに説明を求める予定」としている。

 この件について、19日19時現在までに同誌側のコメントはないため、真偽は不明。ネット上では、「これはひどい…」「病院のランクはカネで買えるって事か?酷いなアサヒ!」「医療への冒涜だ」といった同誌へ対する非難の声のほか、「単なる詐欺グループじゃないですか」「新手の詐欺…と思いたいけどどうなんだろ」「こんなことするとは思えないが・・・もし本当だったら会社潰れてもいいレベルの話なんじゃ」「いくらなんでも、この叩かれそうな時期に、こんな杜撰(ずさん)なことはしないだろう」など、様々な反応が見られた。

「広告集めに名前を無断使用された」 肝胆膵外科学会が週刊朝日にクレーム(2012年12月20日J-CASTニュース)

   一般社団法人・日本肝胆膵外科学会と同会理事長が、週刊朝日に対して怒っている。広告募集のパンフレットに名前を無断使用されたうえ、そのパンフレットで多くの医療施設に100万円以上の広告掲載を持ちかけていたからだ。

   学会はすでに週刊朝日に抗議文を送付するとともに、経緯について詳しい説明を求めている。橋下徹・大阪市長に絡む連載の騒動があっただけに、ネット上では同誌への厳しい意見が相次いでいる。
(略)
「週刊朝日は杜撰すぎる」

   「手術数でわかる-」の広告企画に絡む日本肝胆膵学会の告知文は大きな話題となり、朝日新聞出版に多くの問い合わせが寄せられたことから同社は12月20日、報道各社にコメントを発表した。

   その内容を要約すると、朝日新聞出版が宮崎理事長に依頼したのは、「手術数でわかる-」の企画広告のページに掲載されるインタビューだったという。インタビュー取材はすでに終わっており、宮崎理事長が「一切関わりを持っておりません」としたことについて、逆に「当惑しております」と言う

   しかし、宮崎理事長は、ムック本にインタビューが掲載されることに「関わりを持っておりません」と言っているのではなく、了解なしに企画広告集めの案内文に「取材協力 日本肝胆膵外科学会 理事長 宮崎勝」と記されたことについて怒っているのであり、大きなズレがある。

   朝日新聞出版はJ-CASTニュースの取材に対し、多くの医療施設に送付した広告企画の募集案内について「朝日新聞出版の社名ではなく、広告会社の社名で送っていた」と答えた。つまり実際の営業は、広告会社に任せていたというのだ。ただし「取材協力-」と書かれた広告企画の案内文について、「(朝日新聞出版側の)担当者は文書を見ていたが、広告会社は理事長の了解を得たものだと思っていた」と回答した。

   肝胆膵外科学会と週刊朝日、朝日新聞出版のトラブルを巡り、ネットの掲示板には多くのスレッドが立ち上がり、「橋下市長の記事といい、週刊朝日はやることが杜撰すぎる」「ほとんど詐欺」「広告料払ってくれれば『いい病院』として紹介するのか?」などの冷ややかな意見が圧倒的多数を占めた。

ひとたびインタビューに応じたら一私企業による広告募集のパンフレットに勝手に名前を使われても構わない、なんて突飛なルールがこの世界に存在しているとは寡聞にして存じ上げませんでしたが、関係者それぞれによって何が問題なのかという捉え方に相違があるようだと言う点には留意いただきたいと思います。
公的な学会が公式サイトでこうした抗議文を出すことも非常に珍しいことではあるのですが、それに対して同学会宛に週刊朝日の出版母体である朝日新聞出版から一通の「おわび」が送られてきたということが再び「学会公式サイトに」掲載されています。

おわび(2012年12月20日朝日新聞出版管理統括兼管理部長井手隆司氏よりの文書)

謹啓
弊社が 2 月に刊行する予定の週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2013」(以下「本誌」といいます)に関し、宮崎先生ならびに貴学会にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
宮崎先生には、本年 11 月 2 日に広告会社メディコムアイから「特別広告企画 取材・インタビューのお願い」をお送りし、12 月 3 日に、メディコムアイの所属ライターによる取材に応じていただきました。しかしながら、広告企画による取材という趣旨を宮崎先生にきちんとお伝えできておりませんでした。また、各病院様宛てに送付した本誌の広告募集の案内書に、「取材協力:日本肝胆膵学会 理事長 宮崎勝」と表記いたしましたが、これは宮崎先生の事前了解を得ずに掲載したものでした。
宮崎先生ならびに貴学会にご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
弊社では、今回のご指摘を受け、本件企画広告の営業活動は中止させていただきました。今後、広告募集の案内書の記載方法や営業手法を見直し、再発防止を徹底いたします。
以上、このたびはご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。
何卒ご宥恕賜りますようお願い申し上げます。
謹白

要するに何ら同意も得ないまま勝手に朝日側が行ってきた行為であると自ら認めたということで、その点では学会側の主張を全面的に受け入れているかのようにも見える話なのですが、おもしろいのはこの文書一枚を学会側に送りつけただけで、自社サイトでは一切何らの言及も謝罪もないまま知らんぷりを決め込んでいるということですよね。
学会の公式サイトなど関係者以外誰も見ませんから、今回もネット上で取り上げられ炎上と言われる騒ぎにでもなっていなければこの件もまた、何も起こらなかったことであったかのように闇から闇へと葬り去られていた可能性があったとも言えそうです。
しかしまあ、アサヒさんも毎回謝罪をしもうしませんと言ってはいますが、その都度手を変え品を変えで新しい方法論を開拓してくるあたり、その前向きな精神をもっと有意義な方向に生かしていれば…と感じるのは自分だけでしょうか?

さて、残るもう一つの問題として今回明らかになったこの病院ランキングなる企画自体の存在意義というものがありますが、この種のランキング本の常とは言え「いくら何でも医療くらいは真面目な企画でやっているんだろう?」と信じ込んで購入した消費者にとっては(仮にそうした人間がいたとしたら、ですが)ずいぶんと酷な内情が明らかになってきています。
すでにamazonのレビューなどを始め各所で広告を出すよう求められた医療機関の告発めいた書き込みが相次いでいますが、要約しますと手術件数などを基準にランク付けすると言いながら広告を断るとトップクラスの症例数でもランク入りされなかった、それどころか病院の存在自体ないものであるかのように無視されたと言った話が各所で出ているようですね。
当事者自身も語っているように特集記事に見せかけた広告はカラー1ページ130万円、2ページなら90万円と、払おうとすれば払えない金額でもないという何とも微妙な設定なんですが、今回初めてこの病院ランキングの実態が明らかになったことで前述の記事にもあるように世間からはずいぶんと非難が集中しているようですね。

個人的に思うことにはこの手の話は紳士録商法など昔からあるお手軽なお金儲けの手段であり、ラーメンランキングなどグルメガイドブックの類も実際には店側が広告料を出して掲載していただくという単なる広報誌であるのが実態ですから、昔から他業界では当たり前に行われている行為に今さら何故大騒ぎするのかと不思議に思わないでもありません。
ただ仮にこれが表向き偽っているように第三者によるランキングではなく単なる広告なのだとすると、医療の世界においては他業界とは異なり広告というものに非常に厳しい規制が課せられていますから、病院紹介取材記事のタテマエで裏で広告費を募っていたのが明白になってる以上は広告制限違反と受け取られる可能性が出てきますね。

医療広告ガイドラインに関するQ&A(事例集)(2007年9月19日厚労省HP)より抜粋

Q1-2 新聞や雑誌の記事の引用として、例えば、雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」をそのまま、他の医療機関名も含めて掲載すれば、広告物に記載可能でしょうか。

A1-2 医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用又は掲載した場合、当該記事等の記述は、医療法やガイドラインの適用を受けます。例示の雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」等については、他の医療機関名も含めてそのまま掲載したとしても、雑誌社等が評価した結果は、医療法やガイドラインで示している広告が可能な事項に該当せず、また、掲載されていない医療機関よりも優れた旨を示す比較広告になることから、医療機関の広告物に記載することはできません。

Q1-5 新聞や雑誌の「記事」は、通常は、患者の受診等を誘引する意図(誘因性)がないため、広告に該当しないとされていますが、広告に該当する「記事風広告」とはどのようなものでしょうか。

A1-5 新聞や雑誌等に掲載された治療方法等に関する記事であっても、医療機関が広告料等の費用を負担する等の便宜を図って記事の掲載を依頼することにより患者等を誘引するような場合は、「誘因性」が認められ、いわゆる「記事風広告」として広告に該当します。したがって、この場合は医療広告ガイドラインを遵守する必要があります。

Q1-6 雑誌の同一紙面上の掲載物のうち、上段が治療法等に関する記事で、下段が当該治療等を実施している医療機関の広告の場合、上段と下段は異なる掲載物であるとして、上段の記事は広告に該当しないと考えてもよいのでしょうか。

A1-6 上段・下段に分離されているとの構成上の理由により、上段の記事が広告に該当しないとは判断できません。例えば、当該医療機関が費用を負担する等の便宜を図って上段の記事の掲載を依頼することにより患者等を誘引するような場合は、上段の記事についても「誘因性」が認められ、いわゆる「記事風広告」として広告に該当します。したがって、この場合は医療広告ガイドラインを遵守する必要があります。

全国に8000あるとも言う医療機関から100万単位のお金を集めて回れるなら商売としてそれなりにおいしいものであったのだろうなとは簡単に判る話ですが、今回のような事実関係が明らかになってきますと厚労省ガイドラインに抵触するものとなってしまい、お上からの指導が入るリスクも含めて経営的な損得勘定をよく考えるべきというのが医療機関側の対応ということになるのでしょうか。
一方でランキング本なるものを信じていた一般購読者からは「そんないい加減なものだとは知らなかった!金返せ!」と言いたくなるかも知れませんが、グルメランキング本等がそうであるようにこれまた商売でやっていることである以上、最終的には各人が自分の舌あるいは身体でもって判断していくしかないんじゃないでしょうか?
この点で外れ医師の見分け方にはある程度の公式はあっても名医の見分け方にこれはという確固たる方法論はなく、結局は患者と医師との相性が一番重要であるという考え方もありますが、ただあからさまにランキング本情報のみを信じてやってくる顧客に対してサービス提供側がどのような感情を抱くかに関しては、医療だろうとどこの業界だろうとそう大差はないんじゃないかという気はしますね。

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コメント

だまされてとりごろうに貢ぐバカ医者m9(^Д^)プギャーwwwwww

週刊朝日臨時増刊「いい病院2006」発売! - とりごろうblog
 ttp://d.hatena.ne.jp/torigoro/20060125
「週刊朝日」が03年から出している臨時増刊『手術数でわかる いい病院』の2006年版が発売された。僕は前年からこの企画に参加させて
もらっているが、今年は「心筋焼灼術」「前立腺がん」「近畿」「北陸・信越」「中国・四国」「脳卒中の『いい病院』」を担当した。年末年始、
取材・執筆に追われていたのは、この仕事をやっていたからだ。(以下略)

論座7月号で、鳥集徹という人が大野事件についてのレポートを書いている。
論座2006年7月号 鳥集徹「事故は避けられなかったのか 検証:福島県立大野病院事件」
レポートは全文朝日新聞社の本HPに掲載されている
http://opendoors.asahi.com/ronza/story/
鳥集氏にはブログがあり、議論がなされている。
とりごろうblog
http://d.hatena.ne.jp/torigoro/
ブログでは、レポートに対して、現場の医師たちから強い批判が寄せられている。

投稿: m9(^Д^)プギャーwwwwww | 2012年12月22日 (土) 07時53分

逆に病院にとっちゃこういう本がよい宣伝の場にもなってたはずで
こっから規制強化されちゃうと迷惑だってとこもあるんでしょうな

投稿: 元僻地勤務医 | 2012年12月22日 (土) 12時35分

素朴な疑問ってやつですが、口コミサイトって広告になるんですかね?
ステマが絡むと限りなくグレーがかってそうですが。

投稿: ぽん太 | 2012年12月22日 (土) 15時25分

ランキングと言えばこれおもしろいな
商売のネタはどこにでもあると見た
http://www.asahi.com/national/update/1222/TKY201212220359.html

投稿: | 2012年12月23日 (日) 01時22分

かなり商売っ気にあふれた本だったようですね。
しかし広告拒否すればランクに載せないとなると、ランキング上位が当たり前の施設にすれば支払い断るとネガキャン仕掛けられるも同じです。

投稿: 管理人nobu | 2012年12月25日 (火) 12時24分

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