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2012年12月 6日 (木)

近づく総選挙とネット

いよいよ公示された今回の総選挙では様々な新政党が登場していることも注目点の一つですが、脱原発票の受け皿となっているとも言われる「未来の党」に関連しておもしろい問題が発生しています。

日本未来の党がアンケートサイトを閉鎖(2012年12月4日ガジェット通信)

日本未来の党がアンケートサイトを閉鎖しました。

このアンケートサイトでは、「『脱原発』に賛成ですか?」「消費税増税に賛成ですか?」というアンケートが設置されており、投票結果がリアルタイムに公表されていました。

アンケート結果は未来の党の公約とは真逆の「脱原発に反対」「消費税増税に賛成」が多数を占めていましたが、何度かリセットを繰り返したり、設問の文章が変更されました。
そして、最終的にはアンケートサイト自体が閉鎖されてしまいました。

この件に関して3日夜に問い合わせのメールを送りましたが現時点で返事はいただいていません。

以下、アンケートサイトに掲載されていた文章を転載します。

    「ネットでプレ総選挙」のサイトに、ご投票ありがとうございました。質問方法や集計方法について、さまざまなご指摘をいただき、当サイトは、いったん閉鎖させていただきました。

    貴重なご意見、ありがとうございました。
    脱原発や、消費税増税に関する未来の党の主張に関しては、下記WEBサイトをごらんください。
    (日本未来の党 公式サイトへのリンク)

「未来の党」風は吹かず 比例投票先は3~5%にとどまる(2012年12月3日J-CASTニュース)

  衆院選の告示を2012年12月4日に控え、「第3極」の大きな受け皿になるとの声もある「日本未来の党」(嘉田由紀子代表)の支持が伸び悩んでいる。新聞の世論調査では、比例区の投票先として「未来」を選んだのは3%~5%にとどまっており、ネット上のアンケートでも低調だ。

   さらに、「未来」を名乗るアンケートサイトが登場し、「未来」の主張とは反対の投票結果が出るなど、逆風が吹いている。
(略)
「未来」を名乗るアンケートサイト

   「未来」を名乗るアンケートサイトも登場し、投票結果がネット住民に「もてあそばれている」との見方も出ている。サイトでは、「プレ総選挙」と称して、「『脱原発』に賛成ですか?」という問いでアンケートを設定したところ、13時30分時点で約2万票が集まり、そのうち65.3%が「反対です。」を選択。「賛成です。」の34.7%を大きく上回った。

   ところが、サイトに書かれた説明によると、設問が分かりにくかったとして、この結果は14時30分にリセットされた。アンケートは「原発推進に賛成ですか?」というシンプルな設問で再開されたが、16時30分時点で1万1000票程度集まったうち、賛成と反対の割合は7対3。ことごとく、党の方針と逆の選択肢に対して大量の投票が行われた形だ。

   「未来」では、「そのようなサイトのことは聞いていない」と話しており、「未来」の公式サイトからも、この投票サイトにリンクは貼られていない。だが、「未来」公式サイトに載っていない嘉田代表の写真が使われていたり、ヤフーに掲載されている「未来」の広告から投票サイトにリンクされていることなどから、「偽物だとは言えないのでは」との声も出ている。

まるで「未来の党」の存在意義を失わせるかのようなアンケート結果が出た途端に雲隠れしたようにも見えること、そして記事にもありますように公式サイトに出される以前に同じ画像が使われていたことなどもあって、同党の否定にも関わらず「やはりあれは未来の党がやったのだ」「都合の悪い結果になったからなかったことにしたらしい」等々といった噂も飛び交っているようです。
もちろんネット調査、ひいてはネット世論というもの自体に大きくバイアスがかかっているとは前回総選挙の際にも散々に言われたことですから、このアンケート結果一つをとって国民の意思がどこにあるのかということは到底言えないわけですが、今回の総選挙においては前回以上にネットと言うものの存在がクローズアップされることになるのは間違いありません。
先日安倍自民党総裁に絡んだネガキャンめいた報道を取り上げた際にも書きました通り昨今マスコミ業界内部においてすらテレビというメディアの地盤沈下が進行していて、低予算バラエティーばかりという現状に嫌気がさした有能な人材がどんどんネットに流出しているという状況にあって、前回は「しょせんネット風情が何するものぞ」との姿勢を隠そうともしなかった既存メディアも風向きの変化を感じているようですね。

<党首討論会>賛同に「8888」 動画140万人超が視聴(2012年11月30日毎日新聞)

 衆院選(12月4日公示、同16日投開票)を前に、野田佳彦首相、自民党の安倍晋三総裁ら10政党の党首が参加した討論会が29日、インターネット動画サイト「ニコニコ動画」の主催で行われた。16日の衆院解散後、首相と安倍氏が直接討論するのは初めて。首相は自民、公明両党との合意で進める消費増税について「負担だけでなく(社会保障の)給付もある。その面も考えてもらいたい」と理解を求めたが、安倍氏は「デフレが進行していく中では消費税は上げない」と増税凍結の可能性に言及。3党合意をめぐる温度差が出た。
(略)
 インターネットの動画サイトが主催する党首討論会は初めてで、会場のライブハウスには360度の大型モニターが設置され、視聴者が書き込んだ感想やメッセージがリアルタイムで表示された。各党首の発言に対し、賛同の拍手を意味する「8888」(パチパチパチパチ)というネット独特の表現や、「もう何言ってもムダだ」などと批判するコメントが次々と流れた。同サイトによると、140万3551人が視聴したという。

 もともとは民主党が首相と安倍氏の1対1の公開討論を呼びかけたのがきっかけ。これに対し安倍氏が逆提案したのが動画サイトでの討論だった。安倍氏は「インターネットなら(他党に配慮する)制約は少なくなる」と説明したが、民主党が「ネット右翼と言われる人たちが書き込みをして問題になっており、(安倍氏にとって)自分の都合のいい土俵で待っているみたいな話はよくない」(安住淳幹事長代行)などと難色を示す論争に発展していた。

 結局、民主党側が受け入れて討論会が実現したが、10党首が参加する形になり、「2大政党対決」をアピールして第三極勢力に対抗しようとした民主党側の思惑は外れた。10党首がそれぞれの主張を一方的に展開する場面が目立ち、党首間の討論は深まらなかった。【小山由宇、鈴木美穂】

党首激論ネット中継!書き込みで視聴者参加―ちっとも盛り上がらないテレビ討論(2012年11月30日J-CASTニュース)

   「見れば見るほどわからなくなってきたという視聴者の方が多いかもしれません」と司会の小倉智昭はいう。衆院選の各党公約がきのう29日(2012年11月)にほぼ出そろったが、脱原発、TPP、消費税、景気対策、外交…と、似たようでもあり違うようでもあり、たしかに見極めが大変だ。
(略)
   そんな中、昨夜、東京・六本木に各党の党首が続々と集まった。ニコニコ動画の「ネット党首討論会」だ。維新の会と新党改革をのぞく10党が激論を交わした。ただ、配信はネットだけ。ニコニコ動画は視聴者の書き込みが画面にリアルタイムで流れるのが売りで、さあこれをどう伝えるか。朝日新聞までが「140万人キタ~~」(社会面)などと、これまでの選挙報道とは大変な様変わりだが、中身は「垂れ流し」だから、どう要約するか。テレビは中身を出せないから、既存メディアも新時代を感じざるをえない

「民主・細野VS公明・山口」ほとんど違わない公約に退屈な「朝から生討論」

   「とくダネ!」は先週からつづきの「選挙スペシャル」で、きょう30日(2012年)は民主党の細野豪志政調会長と公明党の山口那津男代表だ。日米問題、子育て、復興などで意見を戦わせたが、騒々しい会見やニコニコ動画に比べると、なんとも地味に見えるから不思議だ。

   「TPP」「脱原発」「消費税」について「○×△」で問うと、民主がTPPを空白にした。細野は「全体的な貿易構造の中の選択肢のひとつだから」と今後の検討をいう。公明はこれに△で、「いま選挙で争点にするのは時期尚早だ」と野田首相をけん制した。他は両者とも当然○だ。
(略)
   ほかに基地問題、被災地の復興、子育て支援などを論じたが、盛り上がったのは復興予算の流用問題くらい。テーマを長々と論ずるのはどうしても平板になる。真面目な話ほどそうなる。むしろ、遊説や記者会見での発言のつまみ食いの方が印象は強い。その並べ方ひとつで特定の方向へ誘導することだって可能だろう。視聴者はそれを拾い読む。投票に反映する…。あらためて、テレビの選挙報道はきわどいなと考え込まされた。

[大弦小弦]ツイッターなどソーシャルメディアの…(2012年12月2日沖縄タイムス)

 ツイッターなどソーシャルメディアの利用者がけた外れの勢いで増えている。ネット社会の進展はめざましい。最近は視聴者の投稿を同時進行で流すテレビ番組も出てきた。多様な意見にうなずくケースも多い

▼4日公示の衆院選へ向け、インターネットの大手が党首討論会を生中継し、140万人以上が視聴したそうだ。録画も再生され、政策などへの投稿は50万件を超えたという。この反応は驚き

▼いまや国民の75%がネットを利用している、といわれる。選挙の投票率が軒並み下がる中、数字だけを見れば、有権者の政治に対する関心は決して低くはないといえようか

▼今後、大手各社はサイトを拡充、政党と有権者の対話や意識調査、特集ページなど双方向性を生かした企画を打つという。広告収入増の狙いもあるが、政治参加を促す新たな波に関心は尽きない

▼「ウェブで政治を動かす!」を書いた津田大介さんは著書で、これまで国民が容易に声を発信し、政治も効率的に受け取る仕組みがなかったと指摘する。各社の動きがどう影響するのか注目されるところだ

▼ネットは社会と暮らしに切っても切れない存在となった。ただ多くの情報を得たとしても、誤った政治へ導かれては意味がない。有権者は自ら学んで未来像を描き、大切な一票へつなげたい。(中島一人)

個別選択可能であるとか即時性が高いといった利点に加えて、既存メディアに対するインターネット最大の長所と言えば何と言っても双方向性ではないかと思いますけれども、既存メディア自体が双方向性を活用したネットに対して自らの報道が地味であると自覚し始めたということでしょうか。
そもそも民主主義社会における最大のイベントであるべき選挙という行為自体が、現代社会では唯一政治に対して国民の双方向性を保証する手段だとも言えますが、そうであるなら選挙とネットとはもともと極めて親和性の高い関係にあるとも言えるのかも知れませんね。
もちろん前回総選挙でも見られたようなネット世論と選挙結果の乖離ということは今後もあるでしょうが、そもそも世論調査というもの自体が既存メディアによる世論誘導の一手段であるとは知られた事実であり、先日などは当の既存メディア自身が調査結果など質問の仕方で幾らでも操作出来ると自白?してしまったほどです。
ネットの影響力がメジャー媒体にも匹敵するものになってきた事が明らかになってきた以上は、ネット自身も過去に繰り返されてきたこうした愚行の轍を踏まないようにしなければならないと言う重要な教訓が、まさしく冒頭に取り上げた不可解な事件にも現れているように思いますね。

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コメント

「公約の存在を台無しにしたのは、大手新聞ですよ。消費税増税も民主党はマニフェストに書いてなかったが、朝日新聞は何と書いたか。『時として政治の考え方は変わる。選挙で審判を受ければいい』だって。マニフェスト作ったって意味ないですよ。今、みなさんは細かく文言がどうだとか聞いてますけど、(中身を)変えたっていいんでしょ!? どんだけ批判を受けようが、細かな文言を詰めるつもりはありません」
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/59037/

この部分はハッシーに賛成
けんか腰になってんのはマスゴミ相手であって国民相手ではないし

投稿: たてボン | 2012年12月 6日 (木) 08時32分

未来のアンケートはやっぱり公式でやってたものだって認めたらしいですね。

投稿: ぽん太 | 2012年12月 6日 (木) 09時55分

こちらの記事ですね。

やはり「未来」が開設、「脱原発」アンケートサイト ネット住民にからかわれて閉鎖
http://www.j-cast.com/2012/12/04156728.html

いちおうは流行りに従ってネット対応をうたってみたものの、旧時代の感覚が露呈して自爆したというところでしょうか。

投稿: 管理人nobu | 2012年12月 6日 (木) 11時00分

日医とか保険医協会は「反TPP」「脱原発」「反消費税」を懸命にアピールしてましたね。
とくにTPPと消費税は個人開業医の経営を直撃して地域医療を崩壊させると必死で危機感を煽っています。
このスローガンに忠実であれば、開業医や高齢者は「自民」「民主」「維新」ではなく、「未来」その他に投票すべきでしょう。医師会や保険医協会にどれほどの影響力があるか知りませんが。
現実的に60歳以上の爺個人開業医が多くの割合を占めますし、既得権益を死守するべく先頭に旗を振るのも彼らでしょう。若年〜青年層の病院勤務医からすれば他人事かもしれませんが。
地域の爺個人開業医がバタバタ潰れたらどうなるでしょう。かかりつけの高齢者の多くが行き場を失いますね。
外資系会社のクリニックチェーンなどが主流となって新たな医療再編になるかもしれません。
医療費増大の主因である高齢者の過剰医療を一挙に削減するには都合いい方法かもしれませんね。

投稿: 逃散前科者 | 2012年12月 6日 (木) 17時07分

爺医が時代遅れのテキトーな治療してるおかげで発生してる間引き効果もバカにならんと思う
厚労省は爺医をもっと大事にしといたほうがいいぞw

投稿: ぶっちゃけ | 2012年12月 6日 (木) 22時47分

選挙中は厚生労働省のHPを閉鎖するべきでは

http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/symbol/
ひと、くらし、みらいのために

一官庁が特定の政党を応援してはいけないのでは?

投稿: 京都の小児科医 | 2012年12月 7日 (金) 05時23分

投稿: 村石太ダー&コピペ星人 | 2012年12月11日 (火) 19時07分

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