« 2012年11月 | トップページ | 2013年1月 »

2012年12月

2012年12月31日 (月)

今年最後の記事はあの業界の話題です

今年最後の更新となりますが、皆様風邪などひかれず健やかな新年を迎えられることを祈念しております。
さて、少し前に総選挙がありましたが、その頃にこんな記事が出ていました。

再び始まるマスコミの“安倍晋三バッシング”、なぜ?(2012年12月18日ビジネスメディア誠)より抜粋

 衆議院の総選挙が終わった。フタを開ければ戦後史上最低の投票率だった。
 誰に首班指命を入れます、どこと組みますというオッサン同士のしょうもない「三国志」みたいなパワーゲームを連日報じることが、すでに若者たちの激しい拒否反応を招いているということを、各局の政治部記者たちはそろそろ真剣に受け止めなくてはいけない。
 こりゃ次の参議院選挙も厳しい投票率だろうなあと思うとともに、そんな報道を見比べていると「あー、また始まるのかあ」とややウンザリした気持ちになる。
 自民党政権の話ではない。マスコミ各社の“安倍晋三バッシング”だ。

 なんてことを言うと「愛国主義者め」とそれこそこちらがバッシングされそうなので、ハッキリ断っておくが、特に安倍さんのことは好きでも嫌いでもない。
 というよりも総理時代は、よく悪い話を書かせていただいた。お母さまともどもお世話になっている某新興宗教とのホニャララな話だとか、福岡県中洲のママとのアレな噂とか。ただ、それはあくまでたまたまそういうネタが舞い込んできたからであって、特別な感情はない。
 ここで言う“安倍晋三バッシング”とはもう、安倍さんを親の仇がごとく憎んでいて、テレビに出て何かしゃべっているだけでも虫酸が走るというマスコミ人が、繰り広げるかなり感情的な攻撃のことだ。

 そんなヤツいねえだろ、と思うかもしれないが、みなさんが想像している以上に多い。例えばちょっと前、某キー局の元アナウンサーが教えてくれたのだが、報道局の人間が安倍さんのことをとにかく嫌いでたまらなく、総理時代にわざと記者の質問をはぐらかしているシーンばかりを十数カットつないで放映した。ワイドショーなどではわりとよくある“印象操作”だが、驚いたのはそれを番組と番組の間に流す5分ほどのスポットニュースの中でやったということだった。
 その苦心の作品をつくりあげた局員は、周囲にこんなことを言ったという。
 「オレが安倍を辞任させてやる」――。
 元アナウンサーから一緒に話を聞いていた人たちは、報道機関の人間がそんな非常識なことをするわけがないだろうと半信半疑だったが、私からするとごく普通の「マスコミ業界あるある」だ。マスコミの友人たちと飲むと、必ずこういう人がいる。なにか特別な思想をもっているわけではないが、「安倍晋三」という響きを耳にした途端、「あんなのが総理になったら日本は終わりだ」と鼻息が荒くなる。で、だいたいその理由を聞くと「右翼だ」とか「政権を投げ出した」とか確たる論拠がなかったりすることが多い。この感覚は、『ドラえもん』に出てくるジャイアンが「むしゃくしゃしたから殴らせろ」とのび太のところにやってくるのとよく似ている。だから、ジャイアンが根っからのいじめっ子ではないのと同じで、アンチ安倍の方たちも悪い人ではない。
(略)
 そんな思い出にふけりながら、各局の選挙報道を見ていたら、自民の296議席を前にした論説委員たちが口をそろえてこんなことを言っていた。
 「この結果は、決して自民が支持されたわけではありません
 確かに「風」はなかった。だが、民主が同じぐらいの議席をとった時、「ついに二大政党制がやってきました」なんてみなさんが無邪気にうかれていたのを覚えているだけに、冷静な分析というよりも「政治の素人どもの民意なんかあてになるか。オレは認めねえぞ」と拗(す)ねるガンコオヤジに見えてしまう。

 マスコミも人間だから嫌いものはしょうがない。いくら言ったところで、しばらくしたら安倍晋三の失言を取り上げたり、靖国に行くなんて非常識だとか騒ぐのだろう。ま、それはしょうがないとして、坊ちゃんだとか腹をくだしたとか、呂律がまわらないだとか、あまりにしょうもないことは目をつぶっていただけないだろうか
 これは自民党のためではない。先ほども言ったように、若者たちはオッサンたちが「三国志」みたいな話を嬉々と語り合っている姿になんの魅力も感じていない。そこへダメ押しで、感情丸出しで罵り合うオッサンたちの姿を見せたらどうなるだろう。
 もうこれ以上、戦後最低の投票率を更新させないためにも、そこだけはぜひご協力をお願いしたい。

新政権が誕生した際にはしばらくはマスコミも批判的な論調を控えるハネムーン期間なるものがあると言うことが先の民主党政権誕生の頃から言われるようになっていて、そうしますと今回の政権交代においても当然しばらくは抑制的な表現が続くのかと思いましたら、すでに衆目の一致するところそんなものはないらしいという気配で盛んな政権批判が繰り広げられていますよね。
ちなみに以前から朝日新聞が社是として安倍氏バッシングを繰り広げてきたことは周知の通りですが、今回はむしろ朝日以外との折り合いの方が悪いんじゃないかという予測も一部にあったようで、どこが一番熱心に批判を繰り広げているのかと言う視点で各紙を読み比べてみるのも一興だと思います。
そんな中で中日新聞グループのとある記事がなかなかに攻撃的だと一部方面で注目を集めていたのですが、どうやら同様の見解を共有する人が思いの外多かったようで炎上状態になっているとのことです。

「ネトウヨ内閣」「国防軍オタク内閣」… 東京・中日新聞新内閣記事に苦情電話が殺到(2012年12月28日J-CASTニュース)

   東京新聞と中日新聞が2012年12月27日付朝刊に掲載した安倍内閣に関する特集記事が、「最低すぎる」「便所の落書きレベルだ」と読者やネットユーザーから厳しい批判を浴びている
   各界有識者に新内閣の印象を閣僚人事などから語ってもらうという内容だが、「ネトウヨ内閣」「厚化粧内閣」など紙面の大半を否定的な評価で埋めてしまったからだ。中日新聞名古屋本社には27日だけで100本近くの電話が殺到し、担当者は頭の下げっぱなしだったという。

「『敗者復活』の『逆戻り』」「『改憲』狙いの『厚化粧』」

   「安倍新内閣 名付けるなら」というメーン見出しの特集記事にコメントを寄せた識者は、慶応大教授の金子勝さん、エッセイストの北原みのりさん、作家の宮崎学さんら計10人。それぞれのネーミングを紹介すると、「戦争ごっこで遊びたい『ネトウヨ内閣』」と名付けたのは北原みのりさん。宮崎学さんは「国防軍オタク内閣」と評し、政治評論家の森田実さんは、閣僚メンバーに極右が目立つとして「極右はしゃぎすぎ内閣」と名付けた。
   慶応大の金子勝教授は甘利明氏を経済再生担当相に起用したことを問題視し、脱原発に逆行する「逆戻り内閣」とネーミングした。高崎経済大の國分功一教授は、憲法改正や日銀法改正に絡む安倍首相の発言などから「学力低下内閣」と命名し、元沖縄県知事の大田昌秀さんは「新内閣は『改憲内閣』になりかねない」。人材育成コンサルタントの辛淑玉さんは、党役員に女性を起用してタカ派の素顔を隠す「厚化粧内閣」と指摘した。
   このほか、作家の高村薫さんはそこそこの優等生を集めた点で「そつなくまとめてみました内閣」、脱原発デモ主催者の松本哉さんは「まぐれ敗者復活内閣」「期待度ゼロ内閣」、市民団体「子供たちを放射能から守る福島ネットワーク」世話人の椎名千恵子さんは「福島圧殺内閣」と名付けている。
   ちなみに東京新聞のサブの見出しは、太い黒文字で「『敗者復活』の『逆戻り』」「『改憲』狙いの『厚化粧』。中日新聞のレイアウトは、右手を挙げて官邸入りする安倍首相の全身写真の周りを「ネトウヨ」「改憲」「学力低下」などのネーミングが取り囲んでいた

「記事擁護の電話は皆無だった」

   東京新聞(中日新聞東京本社発行)と中日新聞によると、物議を醸したこの特集記事は、東京新聞特報部が取材・執筆した。特報部の記事は東京新聞だけでなく、中日新聞にもレイアウトや一部見出しを変えて掲載されており、発行部数270万部を誇る中日新聞の名古屋本社には掲載日の27日早朝から抗議の電話が殺到した。
   名古屋本社読者センターによると、電話は27日だけで100本近くになり、数は減ったとはいえ28日も相次いでいるという。ほぼすべてが怒りの電話で、「よく書いた」という声はほとんどなかった。「余りにも偏った記事」「評価する声を敢えて無視したのか」といった意見が多かったという。
   発行部数約55万部の東京新聞への苦情電話は27、28日を合わせて10本程度だった。東京新聞特報部に「なぜ否定意見ばかり載せたのか」と質問したところ、「他にも多くの人に依頼したが断られるなどしてこの10人になった」と回答した。「結果として『バランスを欠いている』と指摘されれば否定はできないし、もう少し(表現について)オブラートに包むべきだったかもしれない」とも答えた。

   一方、この記事を巡っては当然のようにネットユーザーも燃え上がった。
    「便所の落書きレベル」「ユーモアに昇華させるセンスも無いのか」「マスゴミ…さすがに品がなさすぎるぞ」「中日新聞を命名するとお下劣新聞だ」「赤旗のほうがなんぼかマシだ」「中日新聞、徹底的に叩くぞ」
   こうした意見がネットの掲示板やツイッターに途切れることなく書き込まれた
    「思想の左右は置いておくとして、いくらなんでもこれは報道ではないだろう」「この新聞壊れてしまったの?」「さすがにこれは言論の自由を履き違えてはいないか
言論機関としての基本姿勢に疑問符をつけるコメントも多かった。
   記事を評価する意見はないかと目を凝らして探したものの、見つけることはできなかった。

正直なところ朝日なども似たような記事を出しているんじゃないかと思わないでもないのですが、一部には中日掲載の記事に添付されている安倍氏の写真(これは東京版にはないようです)すら画像編集によって頭身を縮められているという疑惑もあるようで、一体中日新聞にそこまでさせるどんな事情があったのかと思わず考え込んでしまいますよね。
安倍内閣も参院選に向けて早速ネット選挙活動解禁を目指すと言っているように、今回の総選挙においてはネットvs既存マスコミという構図が前回同様大きくクローズアップされることになりましたが、前回と異なりネット上と既存マスコミ双方が支持する勢力のうちで今回は前者が大勝したというところに既存マスコミにとって不愉快な点があったのでしょうか。
先日も書きましたように安倍氏批判のためであれば捏造であれ何であれ好き放題やっていいと考えているらしい節がマスコミにはあり、最近では右傾化なる言葉が彼らのお気に入りのフレーズとなり海外でも取り上げられていますが、これまた日本の良心的報道勢力のやり口が逆輸入されているだけであるという声もあるようです。
新聞発行部数やテレビ視聴率の推移、あるいは今回の選挙報道とその結果を見ても判るように国民は必ずしもマスコミの期待した通りの行動を取らなくなってきているとすれば、彼らの溜まりに溜まったストレスのはけ口が政権批判に向くのも仕方がないのかも知れませんが、まだ何もしないうちからいきなり批判一色というのは彼らを選んだ国民に対してもずいぶんと失礼な話ではないでしょうか。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年12月30日 (日)

今日のぐり:「お好み焼・鉄板焼 月ちゃん」

先日行われた一大イベントがクリスマスですけれども、遠くアメリカからこんな不思議なニュースが飛び込んできました。

クリスマスツリー界の新星!? 頭ひとつ抜きん出たイカしたクリスマスツリーが激写される!!/米(2012年12月24日ロケットニュース24)

他のクリスマスツリーを圧倒する、頭ひとつ抜きん出たクリスマスツリーが現在注目を集めている。

そのクリスマスツリーは、アメリカ・シアトルにあるPatrick Krugerさん宅で激写された。Krugerさんは、高さ約4.3メートルもあるそのクリスマスツリーを、高さ約2.4メートルしかない家の中に立ててしまったのだ。結果として、どうなったかはご察しの通り。クリスマスツリーは家の屋根を突き破り、頭ひとつ抜きん出る結果となってしまった。

と言いたいところだが、実はこのクリスマスツリー、家の天井を本当に突き破っているわけではない。Krugerさんがツリーのてっぺんだけを切り取って、屋根の上から貼り付けているのだ。

なるほど、そういうことだったのか! ということは、本当に頭ひとつ抜きん出ていたのは、Krugerさんの想像力のほうだったというわけか。これは恐れ入った。記者もこのようなユーモアを持って、世界中の人に笑顔を届けてみたいものである。

詳しくはリンク先の画像を参照していただくとして、近所の家にこんなツリーが飛び出していれば誰でも二度見してしまうと言うものですよね。
今日は世界各国からクリスマスにこんなことが!というちょっとしたニュースを取り上げていきたいと思いますけれども、やはり時節柄?あのお方にまつわるニュースがほとんどであるようです。

イブの夜に「クリスマス廃止」を訴える青年が出現( 2012年12月25日 トピックニュース)

24日夜、渋谷駅前に「クリスマスの廃止」を訴えるサンタクロース姿の青年が出現したとツイッター上で話題になっている。

一連のツイートをまとめた「togetter」によると、渋谷駅ハチ公前の近くで、サンタクロースの衣装に身を包んだ青年が、拡声器を通じて「有権者の皆様にお伝えします」「クリスマスの廃止を憲法9条に!!」「孤独な男性が1人で苦しんでる」などと繰り返し叫んでおり、その後、警察がやってきて、青年にきつく説教をしたものの、青年は負けじと抵抗していたという。

この青年の姿にツイッターでは「これ政治犯じゃんwwしかも渋谷にサンタ多すぎて埋もれてるし。企画として成功とは言い難いな」「日本は宗教の自由があるから、まあ無理だねww」と呆れた声が多かったが、その一方では「憲法9条にクリスマス廃止を盛り込めとかwwこういうの好きだな」「この青年はもっと評価されるべき!!」と賛同する声もあり、全体的には突然現れたサンタの主張を面白がって見ている人が多かったようだ。

まさに全俺が泣いたというべき魂の叫びなのでしょうけれども、そこでサンタクロースの衣装に身を包んでしまうところがまだ未練を捨て切れていなかったとも言えるのかも知れませんね。
サンタの正体と言えば永遠の謎ということになっていますけれども、こちら見てはならないものを見てしまったとき人はどう反応するものかというなかなかに示唆的な話題でもあります。

見た?見てない?「サンタの正体」/大分(2012年12月24日大分合同新聞)

23日昼のこと。大分南署員は小学3年生の息子が遊びに出たすきにクリスマスプレゼントのカードゲームをこっそり包装していた。
すると突然、息子が帰宅。慌ててカードを隠したものの、隠し忘れた1束が見つかってしまった。ところが息子は無反応のまま再び外出。
帰宅した息子に「何も気付かなかった?」と確認してみたものの、「何も見なかった」の一点張り。
署員は、妻が「サンタを信じない子どものところにサンタは来ない」と息子に言い聞かせていたことを思い出した。
息子もサンタの正体に気付いたのだろうが、指摘するとサンタを信じていないことになり、プレゼントがもらえなくなると思ったのだろう。
「わが子ながらけなげだ」と署員。

無論例によって大分合同ソースですから早速にネコまっしぐらと言うものなんですが、しかし小学生にしてこの気まずさを体験してしまう子供も不憫というものでしょうか。
同じくネタバレ系ということでこちらのニュースも取り上げてしまいますが、さすがブリだけに正直が美徳と考える我々とはいささか異なる価値観を所有しているということでしょうか。

サンタは正直?=子供に正体明かしクビ-英(2012年12月24日AFP)

 【ロンドンAFP=時事】25日のクリスマスを前に、英中部オックスフォードの大型店で、サンタクロースに扮(ふん)した男性が、自分は本当のサンタではないと子供に告げ、クビになった。
 子供らの母親が地元紙に語ったところでは、ライアン君(10)ら3きょうだいに、サンタは「世間には悪い人もいるし、悪いこともある。米国の子供らみたいなこともあるわけだ」と14日に米コネティカット州の小学校で起きた乱射の話を始めた。聞いていたライアン君は突然駆け出し「サンタ本人が本物じゃないと言った。サンタの正体は父ちゃんだ」と叫んで回った。
 母親は地元紙に「腹の底から怒っている。子供たちは今も泣いている」と訴えた。店側は、男性について「10年間、不平も言わず一緒にやってきた。彼とよく話し合いたい」と述べている。

どういう文脈でこういう話になったのかよくわかりませんけれども、いずれにしても疲れていたということなんでしょうかねえ…
同じくブリ絡みの話題でこういうものもありますけれども、こちらある意味ごもっともと言うところでもありますが偽サンタさんの心境的にはどうなんでしょうか?

「サンタさん、これ要らない!」全英中で欲しくないプレゼントに消費された金額は2900億円!/英(2012年12月27日日刊テラフォー)

クリスマスや誕生日、退職祝いや栄転祝いなどで、気持ちはありがたいんだけど、実のところ、欲しくも何ともないプレゼントをもらい、捨てるわけにもいかず、扱いに困った経験は誰にでもあると思う。
クリスマスは親戚中で祝い、親戚中からプレセントをもらう欧米諸国では、そんな経験をする回数は圧倒的に多い。

WEB広告代理店のGumtree.comが行った調査によると、イギリスでは、今年だけで21億ポンド(2900億円)が、“欲しくないプレゼント”に消費され、大人1人当たり平均2個の“欲しくないプレゼント”を手にした。
欲しくないプレゼントのベスト3は、服(30%)、化粧品などのコスメ用品(29%)、アクセサリーやオーナメント(19%)だ。どれも個人の好みが大きく反映される物である為、こうしたプレゼントをもらっても、自分の好み・サイズなどに100%マッチしていなければ、使い道がないのだ。

欲しくないプレゼントをもらった時に「何コレ!?こんなの、要らね~!」と正直に答える人はわずか2%で、「ありがとう。でもこれは必要ないな、ごめんね。」と丁寧に本心を伝える人は4%に留まった。

実に3分の2以上の人が、本心は言えない。
ではそうした望まれないプレゼントはどこへ行くかというと、5分の1の人が、戸棚やクローゼットの奥深くに仕舞い、再び目にすることはない。22%は、贈り主とは別の友人にプレゼントし、捨てて処分するのは、わずか2%だけだった。
最近では、約半数の人が、要らないプレゼントをネットで販売し、自分が本当に欲しいものを買う足しにしている。

裏を返せば、大勢の人が相手が望まない困ったプレゼントを贈っているということだが、ほとんどの人が本心を言わない為、多くの人が自分が困ったプレゼントをしたことに気づいていない。そしてまた、来年のクリスマスに、相手が欲しくない物をプレゼントしてしまうのだ。

この記事を書いていると、筆者のスペイン人の義母が「プレゼントよ」と言って、中学生が着るみたいなツンツルテンのワンピースをくれた。筆者も多分に漏れず、本心は言えなかった為、クローゼットの奥深くにしまい、二度と目にしない予定だ。

ちなみに同じくブリでは子供達を対象にクリスマスに本当に欲しいプレゼントは何か?という調査をやっているのですが、興味深いことに上位に名を連ねたのはおよそおもちゃ屋では買えそうもないものばかりだったと言いますね。
つらい浮き世の暮らしには先立つものが重要であることは洋の東西を問いませんが、こちらあまりに露骨すぎるのはさすがにどうなのよという話題を紹介してみましょう。

財政難のウクライナ政府、「サンタ業も納税必要」とクギ/ウクライナ(2012年12月27日ロイター)

[キエフ 26日 ロイター] ウクライナ政府は26日、同国版サンタクロースとされるジェド・マロースに扮(ふん)して収入を得た人に対し、所得税を納めるよう呼びかけた。

国税当局によると、インターネット上に掲載された広告を調べた結果、首都キエフではクリスマスの時期に登場するジェド・マロースらに扮するエンターテイナーが、時給250─3500フリブナ(約2600─3万8000円)を稼いでいることが明らかになった。

当局は声明で、こうしたエンターテイナーたちについて、「納税の必要がある」とした。

ウクライナ政府は、90億ドル(約7700億円)に上る対外債務の支払いが来年に迫っているなど、財政難に陥っている。

日本では何となくサンタ=無償の奉仕者的なイメージもありますが、考えて見れば仕事としてやっている方々であれば相応の報酬も発生するというのは当然ではありますけれども、ねえ…
最後に取り上げますのはいろいろな意味で突っ込みどころ満載な話題なのですが、その心意気だけは買うと言うところでしょうか?

ドイツでクリスマス寒中水泳、全裸にサンタ帽で湖に飛び込む/ドイツ(2012年12月26日ロイター)

[ベルリン 25日 ロイター] クリスマスを迎えた25日、ドイツの首都ベルリンで寒中水泳同好会のメンバーが集まり、サンタクロースの赤い帽子をかぶって湖に飛び込むなどして真冬の水泳を楽しんだ。

メンバーらは気温11度の中、市内の湖で寒中水泳を行った。中には全裸にサンタの帽子という格好の男性も多く見られた。

現在はメンバー数約60人という同好会「Berliner Seehunde」は、1979年に当時の東ドイツで設立されたという。

思わず無茶しやがって…(AA略)と言いたくなるようなイベントなのですが、元記事の写真を見てみますともう少しなんと言いますかゲルマン的美的感覚というものも尊重していただきたいかなという気もしますね。
それにしてもこんな同好会がすでに30年以上も続いているというのが何とも驚くしかありませんが、旧東独というところはよほどに娯楽に飢えていたのでしょうかね…?

今日のぐり:「お好み焼・鉄板焼 月ちゃん」

広島市街地からやや北に外れた住宅街の一角という、気をつけて見ないとなかなかに気づきがたい場所にあるのがこちらのお店なんですが、見た目通り基本的に近隣客相手の商売をされているお店のようですね。
気の良いご夫婦二人で切り回されている店内はガラス面積が広いこともあって採光も良く、老舗に良くある油の染み込んだ暗さ…といった体でもない明るさを保っていますが、メニューを見ますとお好み焼きに焼きそば以外に鉄板焼き各種も取りそろえてあって、夜の需要にも対応出来るといった感じなんでしょうか。

今回はごく無難にそば肉玉を頼んでみましたが、下からキャベツにもやし、そばと言った順で積み上げられふんわりと生地で覆われた形のこちらのお好み焼き、そばをあまり焼かないこともあってか見た目も食感もどこかオムそば風といった雰囲気がありますね。
ほとんど押しをかけていないこともあって全体の一体感はあまりないですが、キャベツの甘みはちゃんと出ているし何ともマイルドな味わいが印象に残るというところで、テーブルに用意された普通と辛口二種類のおたふくソースは追加せずにこのまま味わう方がこの雰囲気に合うようにも思います。
ただ最後まで食べていてもどうももう一つピンと来ないのは全体にメリハリと言うのでしょうか、食感にしろ味にしろもう一つコントラストがないからか?とも感じたのですが、そういう意味ではトッピングの刻みネギは意外に効いてるなと思いますね。

全体的に見ると遠くから指名でやってくる店のようにこれはという強い特徴もないですが、毎朝の飯と味噌汁的な構えない味がなんとも普段着のようなと言うのでしょうか、ちょうどこれくらいがターゲットとする客層に見合った味なんでしょうかね。
街中の相場を考えると広島モダンにしては安いのかな?とも感じたのですが、帰りがけに見かけた近隣他店も似たような価格設定のようですから、このあたりの相場がこんなものなのかも知れません。
昼の時間帯はあまり大繁盛…という感じではないですが、お二人の雰囲気的にはあまり殺気だった状況よりもこれくらいののんびりした商売の方が合うようにも思いますし、そういう意味では味も雰囲気も全てが首尾一貫している見た目通りのお店ということでしょうか。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2012年12月29日 (土)

終末期医療問題 突き詰めてみればこれまたお金?

国民皆保険制度が完成して以来ある種タブー視されてきた感のある終末期医療問題に関して、昨今様々な方面から議論が深まりつつあることは何度かお伝えしてきたところです。
その背景にはひと頃盛んだった過剰医療批判の延長線上にある生命倫理的な議論とともに、どうしても高齢者終末期医療を中心とした財政的な観点も見逃すことは出来ませんが、ちょうどタイムリーな意識調査が厚労省によって行われるというニュースから紹介してみましょう。

終末期医療の意識調査、施設長も対象に- 厚労省検討会、来年1月下旬にも実施へ( 2012年12月27日CBニュース)

 厚生労働省の「終末期医療に関する意識調査等検討会」(座長=町野朔・上智大生命倫理研究所教授)は27日に初会合を開き、一般の国民や医療・介護従事者を対象とした終末期医療に関する意識調査を年度内に行うことを決めた。同調査は1992年以降、5年ごとに実施されており、今回で5回目。今回の調査から、病院や診療所、介護老人福祉施設(介護老人保健施設を除く)の施設長も対象となる。同省では、来年1月下旬にも対象施設などに調査票を送付する見通しだ。

 この日の会合で厚労省が示した調査票案では、同省の研究班が今年3月にまとめた報告書を踏まえ、調査項目が簡素化されたほか、「リビングウィル」を「どのように治療を受けたいか、あるいは受けたくないかなどを記載した書面」とするなど、専門用語がより平易な表現に改められた

 前回からの主な変更点としては、▽末期がん▽慢性の重い心臓病▽進行した認知症▽交通事故後の意識不明―のそれぞれの病状について、医師が「回復の見込みがない」と判断した場合、経鼻栄養や胃ろうなど具体的な治療や、療養場所の希望に加え、医療・介護従事者に対しては、末期がんの終末期患者にどのような治療を勧めるかどうかも尋ねるとした。

 一方、今回から調査対象に加わる施設長に対しては、延命治療の不開始や中止について話し合う倫理委員会や「コンサルテーションチーム」の有無や、厚労省や各学会が作成した終末期医療に関するガイドラインの使用状況などを聞くとしている。

 この日の会合では、過去の調査で病院ごとに回答する医師、看護師の専門領域に、ばらつきがあったことから、各病院で調査対象となる医師、看護師それぞれ2人のうち、各1人を終末期医療に従事していることを条件とする一方、回答者の重複を避けるため、これまで対象だった「緩和ケア」を外すことを決めた。

 委員からは、急性期や慢性期、「ケアミックス型」といった、さまざまなタイプの病院が存在することから、調査で回答者の属性を明らかにするよう求める意見が出た。また、認知症については、「自分の居場所や家族の顔が分からず、食事や着替え、トイレなど身の回りのことに手助けが必要な状態にまで衰弱が進んでいる」状態を、終末期と定義付けることを疑問視する声もあった。

 最終的な調査票は、この日の意見などを踏まえて年明けに確定する。【敦賀陽平】

今回特に調査対象、あるいは調査内容が変更されているということが目に付きますが、お役所仕事として考えるならばこうした調査は毎回同じ文面で同じ対象に行った方が過去データとの比較も簡単なはずですから、厚労省としても今回それなりに調査の実を求めていると言うことなのでしょうか。
おもしろいことにお隣韓国でも近年同様の終末期医療に関する議論が盛り上がっていて、やはりこの場合も発端は延命医療を中止した医師が殺人幇助で有罪になると言う司法判断があったからだと言うのですから似たような状況ですが、先年最高裁で回復不能な状態になった場合には延命医療を中止できるという判断が下されたと言うことですからこれからどんどん制度化が進んでいきそうですよね。
やはり延命医療中止とはすなわち人の死ということに直結する以上、医療現場からすればきちんと制度的に担保された状態でなければ家族の希望だけでは行い難いものであって、厚労省にしてもそうした点を見越しているからこそこうして民意形成を急いでいるのかなと言う印象を受けます。

医療財政的な観点が必要だと言うほどに延命医療とはそれだけ金がかかる以上、経営的にも厳しい病院側からすればそこでガンガンお金を使わせていけば大幅な売り上げアップに結びつくはずなんですが、おもしろいことに常日頃から「先生~売り上げもっと頑張ってもらわないと困りますよ~」なんて始終医師の尻を叩いている病院ですらこの辺りにはあまり口を出してきたという話を聞きませんよね(中にはあるのかも知れませんが)。
一方で先日は医師を対象とした調査によって「自分がそうなった場合は延命医療は控えて欲しい」という声が7割にも達したという記事が話題になりましたが、ネットなどで見ていますと「自分は患者相手に延命医療で儲けてるくせに」などといったちょっと的外れにしか思えない批判が少なからず出ているというのも、これまた専門家と一般大衆の認識の違いというものを物語る興味深い現象だなと思いますね。
いずれにしても延命医療とはそれだけ高額の費用がかかっているということがようやく国民にも知られてきているということであり、かりに患者家族の自己負担は高額医療の上限で定額払いで済んだにせよ残りの支出は保険財政を圧迫しているのは間違いないわけですから、ある程度公共の視点からも何らかのルール作りは必要だと言うことでしょうが、お金のかかることは何も延命医療だけではないと言うのもまた当然です。

くらしの明日:私の社会保障論 精神病棟から町に出る=大熊由紀子(2012年12月14日毎日新聞)より抜粋

◇欧州の博物館に日本の「今」が−−国際医療福祉大大学院教授・大熊由紀子

 その国の社会保障がどの程度ホンモノかを見破るノウハウがありました。その土地の平均的な精神科病院を訪ねてみる、という方法です。

 72年にスウェーデンの医療を取材した時、日本では想像できない光景に出会いました。精神科病院が町の公園の中にあるだけでなく、厚生省の計らいで、隣に母子保健センターや歯科診療所が建てられていたのです。わけを尋ねたら、こんな答えが返ってきました。

 「初めは町の人たちも怖いと思ったようです。でも、ここに来れば、偏見だったと分かります。それが伝わって、みんな安心して訪れるようになりました」
(略)
 93年に再びスウェーデンを訪ねたら、ここでも精神科病院はなくなり、博物館になっていました。博物館で再現されていた「かつての精神病棟」は、今の日本の精神病棟そのものでした。

 今月、イタリアの脱精神科病院改革の担い手の一人、T・ロザービオ教授が来日。長崎で開かれた「福祉のトップセミナーin雲仙」で「治療からケアへ」の道筋を語りました。これを機に日本でも「施策改革全国ネットワーク」が発足。同ネットワークは今回の衆院選にあたり、各政党に質問状を送りました。

 「日本の精神病床は、人口あたり諸外国の3〜10倍と圧倒的に多く、海外から奇異の目でみられています。諸外国なら退院可能な人々が精神科病院への長期入院を余儀なくされ、認知症の人々が精神科病院に多数入院しているからです」。こんな文章で始まる質問状に、各党がどう答えるか。認知症になっても心を病んでも、住み慣れた土地で安心して暮らせる社会にしていくつもりがあるのかどうか。それが問われています。

まあ大熊記者(現在は教授だそうですが)の現状認識はともかくとして、何故日本で精神病床が際だって多いのか、認知症の人々が多数入院しているのかということを考えて見ないことには、またぞろ「医者がまた不必要なことをして儲けやがって」で話が終わってしまうというものですよね(苦笑)。
今どき純然たる認知症患者を好んで引き受けたがる精神科などあまり聞いたことがないのですが、それでも地域に対する社会的責任として一定数を引き受けざるを得なかったというのは、一にはそうした認知症老人をきちんと引き受けられる施設が日本にはなかったことに尽きると思います。
きちんと設備を整えて十分なスタッフを配置しておけば認知症老人の扱いなど何も怖くはないと主張する方々も一定数いて、マスコミなどにはたいそう受けがいいようですしそう言われれば確かにその通りなのかも知れませんが、現実問題それが出来る施設がどれほど日本にあるのか、日本全体がそのやり方でいけるほどのリソースをどうやって捻出するのかと言う問題がありますよね。
それならばマスコミにしたって医者ばかり悪者にせずとも住み慣れた土地で暮らしていけるよう地域の方々に協力するよう世論を喚起していけばいいのでは?とも思ってしまいますが、残念ながら「介護施設が不足している!これは政府の怠慢だ!」と批判する記事は載っていても「認知症老人の地域への受け入れが足りない!これは地域住民の誤解と偏見によるものだ!」なんて記事はおよそ見たことがありません。

前述の記事でも認知症患者を終末期と言っていいものかどうかが議論になっていましたが、何らの社会的活動が果たせず回復の見込みもないという点でやはりこれは人としての死であり、いかに逝くべきかという終末期医療問題として取り扱うべきではないでしょうか。
ちょうど今年になって厚労省がこうした長期入院患者の精神科への入院は一年以内に限る、なんてことを言い出していますが、社会がこうした人々を受け入れようとしない以上は結局どこかに囲い込んで飼い殺し…という現象は全く変わりがないんじゃないかと思えますよね。
入院させていると在宅よりも何倍もコストがかかる、だからこそ病院から施設へ、そして最終的には在宅へという流れを何とか定着させようと国を挙げての絶讚キャンペーン中であるわけですが、家族からすれば金銭および労力の両面で自己負担はこの真逆になっているのですから、日本人全体が「聖職者さながらの自己犠牲の精神」でも持っていないことにはうまく話が進んでいくはずもありません。
これが諸外国であれば入院コストは高いのが当たり前で「もうこれ以上は俺たちの生活が成り立たないし…」と自然に一定のところで経済的側面から抑制がかかっていたはずですが、日本ではむしろ長く入院させるほど年金差益で儲かるという特殊事情があったわけですから、過去半世紀でがっちり強固に構築されてしまった国民意識を変えていくのはなかなかに容易ならざるものだと想像はつきますよね。
となれば、その根本的な解決策として国民意識を変えていく原動力になるのもやはり金銭的なモチベーションであるはずだとも推測出来るのですが、とっくに決まった高齢者自己負担一割の特権廃止すら遅々として進まないこの国でそこに切り込む覚悟があるのかどうかも新政権の見所の一つではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月28日 (金)

今流行りのタブレット・スマホにまつわる二つの話題

スマホがこれだけ普及しますと単に電話として使うだけでなく様々に応用が利きそうですが、中には妙なことを言い出す人もいるようですね。
本日まず最初に、先日誰もが「えっ?!」と驚くようなニュースが出てきたことを紹介させていただきましょう。

超進化型コンピューターウイルスが、人間の脳に感染する?(2012年12月8日週プレニュース)

インターネットなどを経由して、自己増殖し続けるコンピューターウイルス。ハードディスク内のファイルを消去したり、データを外部に自動送信するなど危険性の高いものも多く、日頃のセキュリティ対策が大切だ。

そのウイルスが、なんとPCやスマホを通じて人へと感染するという。 そんなバカな!と笑い飛ばせない事態が、ついに現実になるのだろうか?

人間の脳は、神経細胞(ニューロン)を通じ、電気信号で記憶や情報を伝達する生体コンピューターだと考えていい。この脳をすみかとするウイルスに、電磁波という新たな感染ルートが加わる可能性があるというのだ。

脳の仕組みに詳しい米国コネチカット州のバリー・リード博士は「まるでパソコンでデータをコピーするように、瞬時で無限の自己コピーを行ない、人の脳内の記憶データを破壊する危険性がある」と警鐘を鳴らしている。

感染ルートとしてはスマホやWindows8などのタッチスクリーンが危険とのことだが、

「そのほか、静電気を通じて指先から他人への感染も避けられません。電気の流れるすべての機械や金属が感染源になり得る」(リード博士)とか。

その増殖は、電気が流れる神経を遮断しない限り、一瞬で黒一色の盤面を白く変えるように正常な細胞をウイルスが侵し尽くし、脳の記憶が完全に白紙になってしまうという。生き残るのは、IT嫌いのアナログ脳人間だけかも……?

バリー・リードと言えば先年亡くなられたベストセラー作家…と言うわけではないようですが、ざっと検索してみた範囲ではこれという該当人物が見当たらず経歴等が全くはっきりしませんし、記事から見る限りではいかにもそちら方面か…というトンデモ臭がぷんぷん漂ってきます。
ともかくPC用のプログラムであるコンピューターウィルスが、人間など生物に感染するウイルスとは名前以外全く無関係なものであることは周知の通りであり、また宿主特異性が極めて高いというウイルス自身の性質を考えるとちょっと眉唾どころではない珍説と言うしかありませんが、コンピューターウイルスが人間に何らかの影響を与えうるか?と幅広く命題を捉え直せば可能性がないわけではありませんよね。
画面を見つめることでの人体への悪影響と言えば一頃話題になったポケモンショックの原因となった光過敏性てんかんなどがありますが、仕事などでディスプレイを見つめ続けることが心身に大きな影響を与え得ることは周知の通りですから、これをより積極的に利用して画面や音声等の出力を介してPC利用者に悪影響を与えるプログラムというのは原理的に十分作成可能なはずです。
もちろん「静電気を通じて指先から感染する」などという与太話は論外ですし、そうしたプログラムが脳内で「瞬時で無限の自己コピーを行な」う可能性など全く考えられませんが、こうした目的のプログラムであれば通常のアプリやスクリーンセーバーなどに組み込んでいてもPC自体には何ら悪影響を及ぼすものではないわけですから、既存のウイルス対策では全く対応出来なくなるだろうと考えると厄介ですよね。

続いてもう一つ、こちらは各方面で応用が利きそうなサービスが人気を博しているというニュースをお伝えしましょう。

iPad経由で専属の通訳を呼び出せる「リアル通訳」が人気(2012年12月24日産経新聞)

 アールシステム(神戸市)が開発した、タブレット型情報端末「iPad(アイパッド)」と高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」を活用したリアル通訳サービスの利用者が全国的に広がっている。

 同社は田中良二社長が大手外資系商社をスピンアウトし、平成18年5月に設立した。田中社長は商社で海外出張を重ねたが、その度に悩まされたのが言葉の壁。「安く、簡単に通訳が受けられるサービスがあれば、多くの人が助かる」との思いから通訳サービスを自らの仕事に選んだ。

 最初に手がけた「テルテルカード通訳」サービスは、困ったときに電話をするだけでオペレーターとつながり、通訳や翻訳のサービスが受けられる。購入したカードに記載された9けたの番号を押すとサービスが始まり、料金は時間制ではなく回数で決まる。対応言語は英語、中国語と韓国語。海外旅行に不慣れな高齢者や飲食店での外国人対応サービスとして旅行会社などで取り扱いが増え、同社の経営基盤を確立した。

 急成長を確実にしたのは昨年10月に販売を始めた「テルテルコンシェルジュ」だ。iPadやiPhoneのアプリ(応用ソフト)から同社専属の通訳オペレーターを呼び出し、通訳してもらう。ホテルのフロントに端末を1台置いておくと、外国人客が来たときにアプリを呼び出して外国人客と会話してもらうだけで済む。iPadやiPhoneの「AppStore(アップストア)」に登録されており、無料でダウンロードできるのも強みといえる。

 需要に火をつけたのは東京メトロでの採用だった。まずサービスマネジャーが持つiPad23台にテルテルコンシェルジュが導入された。利用者に好評だったことで現在は主要157駅で使われている。評判が評判を呼び、私鉄、JRのほかホテル、家電量販店、旅行会社、自治体、携帯電話ショップなどで利用者が急増。さらに京都・平安神宮での使用や明治神宮への導入など、外国人観光客の人気スポットでも使用や導入検討が行われている

 このため同社の業績も急伸しており、25年3月期の売上高は2億円の見込みだが、26年3月期は6億円、27年3月期は12億円を予想。田中社長は「目標としている株式上場も早い段階で実現できそうだ」と声を弾ませる。

 携帯端末で築いた会話システムは今後、ビジネスの裾野を広げそうだ。医療施設と患者、薬局をネットワークで結合。iPadで画像診断や医薬品宅配を行う「メディカルコンシェルジュ」も開発ずみで、「今後、国内5地域でテスト導入も始まる。高齢者の通院負担を軽減したり、病院の医療サービス向上のため積極的に普及させたい」と田中社長は意気込んでいる。

最近では海外の製品などもネットで簡単に取り寄せられるようになっていますがそれだけ情報流通のボーダーレス化が進んできたということで、ホテルや飲食店など接客業界のみならず中小企業のちょっとした海外取引などにも応用が利きそうなサービスですよね。
実際の利用動画を見てみますとテレビ電話機能を使って通訳を介在させるという形ですが、利用者の声も非常に好評だと言いますから今後は提供言語数の拡大や利用時間の延長などといったサービス拡充も進んでいくのでしょう。
医療の方面でもご存知のように民主党政権では医療主導の経済成長を目指す方針の一環としてメディカルツーリズムというものを推進しようとしていましたけれども、いずれにしても日本を訪れる外国人が少なからずいる以上は彼ら向けにも的確な医療翻訳サービスを提供していくことが不可欠ですから、安価に利用できるなら検討したいという人は多いはずです。
また医薬品宅配などは厳密に言えば処方薬を得るためには必ず通院という外出行動が必要なのですから高齢者の利便性という点ではいささか微妙ですが、薬局に立ち寄って待たずとも家に届けてもらえるとなるとその時間に買い物など他の作業も行えそうですから、むしろ若い人にとってもメリットが大きいサービスかも知れませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月27日 (木)

続く医学部新設論争 でもそれよりも先にやることがあるかも?

日経メディカル主催のディベート第四弾として行われてきた「医学部新設、是か非か」という企画が26日で投票締め切りとなりましたが、新設賛成派の論者が東大医科研の上昌広特任教授だと言うのが本気度の高さを感じますね。
一般論としてはディベートというものは討論の技術を競うものであって、別に論者がその主張の信奉者である必要性はないわけですけれども、上氏の場合は以前からの熱心な新設論者であることが知られているだけに、ディベートの主張にも熱が入ろうと言うものでしょう。
上氏の奮闘にも関わらず中間集計の段階では世論を反映してか新設反対派が圧倒的多数を占めるという状況のようですが、寄せられたコメントの中から幾つか引用させてもらいましょう。

【第4回 中間集計結果】医学部新設、8割超が「反対」(2012年12月21日日経メディカル)より抜粋

(略)
◆地域枠の定着率から考えると100%残るような仕組みであれば、いいのであるが、現時点では地域枠は埋まらない、卒業後、他県に出る事例も認められる。医学部増員だけでは効果として乏しく、またこれを新設したからと行って効果を発揮するかと考えると疑問である。また既に設立している大学が有力病院を押さえている現状を考えると、これからの新設医学部に残留しても、あまりメリットもなく、場合によってはキャリア形成に大きな問題を呈する可能性がある。(略)
(略)
◆これ以上、底辺私立を増やしてどうするのでしょう。誰のため?(略)

医師の人数に眼が行き過ぎている。何故、「足りない」のか。仕事量なのか、それとも金銭的な問題や、社会からの扱いなどの問題なのか。現在医師である人たちの視点をみな話し合っていないのが、医療や医師数の問題の根本ではないか。(略)
(略)
◆今の問題(医師の偏在、職種の偏在、労働環境の問題)を解決しないで、医学部だけを増やす事の意義があまり感じられない。(略)

◆私が医学部入学した昭和44年は、いわゆる新設医大は有りませんでした。その後、1県1医学部の構想の基に各県に医学部ができました。しかし、医師偏在は無くなりませんでした。(略)
(略)
◆地域偏在と診療科偏在、女性医師の活用不足を解消すれば、あと数年で好転すると思います。例えば病院保育士1人増員で、女医さん3名はカバーできます。その方が効率的です。
(略)
◆吉村氏の議論は、地域偏在(とくに東西差)について、全く論じていません。東に医師の存在が薄いのは、議論の余地のない事実です。また今、医師がやらされている無駄な仕事についても、考えていません。医師数を増加させ、その中で医師の役割分担を進めない限り、解決の道はないと考えます。
(略)
◆既婚・子持ち女医ですが、最小限の産休以外は男性医師と同等に働いています。結婚、子育てをきっかけに常勤を退く若い女医が多いことには憂慮していますが、医学部定員をこれ以上増やすよりも、既に多くの税金をかけて育った女医を社会で有効に活用できる社会をつくった方がずっと効率がいいと思います。医学部新設より、保育所新設の方が安いですし、他の職種で働く女性にもメリットがあるのではないでしょうか?(略)
(略)
◆医師の偏在が医学部の偏在に依存するなら、東京大学がまず田舎にいったら?でしょ! 医療の作業効率を上昇させるには医学部を論じても無意味ですよ。日本に必要な医療のminimum requirementとは?のコンセンサスの民意誘導が無いと日本の医療は変わらない。(略)
(略)
◆医師は十分いるが、コメディカルがやるべき仕事までさせられているため足りないようにみえる。

◆医学部を新設しても問題の解決にはならないであろう。卒業生が地元に残るような方策をとらないと意味がない
(略)
◆医療に投じられる公的資金が限られていて、もしそれ以上の利用を希望するなら自費という条件を加えて推計すると医療需要は今の予測よりかなり減るのではないかと思います。
(略)
◆18歳人口の700人に1人から130人に1人と医学部入学者の門戸が拡がっているという吉村氏の主張には説得力がある.医師国家試験に合格できない学生が増えてきていること,また最近の研修医のレベルにも反映されていると思う.(略)
(略)
◆尊敬する上先生の主張ではありますが、これから国の財政を考えると、医療、特に高齢者に対するそれは、量および質的に減らしてゆかざるを得ないと考えています。現在と同じレベルの医療水準を維持することは、30年後には不可能となってゆくでしょう。(略)
(略)
◆今後、医療需要が急増する中で、勤務医を増やすための施策を議論すべき。個人的には自由開業制の制限はやむを得ないと考えます。可能であれば、勤務医を続けることで制度上、経済上の優遇策を行うべき。(略)

一頃には医師不足なのか医師偏在なのかという議論が盛んだったことがありますが、医療資源が需要と供給との間に何らかのミスマッチが存在するのは事実であり、その意味では医師不足の有る無しに関わらず医師偏在というものは確かに存在する、ただしそれは単に田舎に医師がいないというレベルの問題ではなく診療科間、施設間、そして基礎と臨床といったあらゆる方面で起こっている現象だということだと思いますね。
管理人個人としては原因が医師不足であると言うのであれば医学部増員で十分対応出来るはずであり、一方単なる増員では医師偏在には対応出来ないと言うのであれば例えば特定地域に対象を限った自治医大方式にしなければ無意味だろうと考えていますが、これとても卒後一定期間の間は多少の強制力を発揮する程度で永続的な医師配置是正につながるものではありません。
また今後高齢者医療がどんどん大変になっていくから医療需要は増える一方だよと言う予測が当たり前のように提示されてきた中で、ようやく「でもそれなら医療給付抑制策を講じるのが先じゃね?」という主張が増えてきた、そして国も看取り促進など高齢者医療のダウンサイジングを図ろうとしている中で現状の濃厚医療路線を前提に医療需要予測を語るのはおかしいと考える人も少なくないわけですね。

そもそも偏在解消策としてしばしばしば登場する「今後現場に出てくる医師には○○させろ」式の主張などはさすがに好き放題やってきた現役医師の既得権益と言われても仕方がないところで、そうであるからこそ医師の仕事量を軽減するための努力こそまず必要なのではないかという「皆が平等に幸せになろうよ」式の主張が増えているのだと思いますし、チーム医療推進やNP制度なども本来その文脈で進められるべきはずですよね。
実際に医師が医師でしか出来ない仕事に専念するためにサポートスタッフを増員し、そして昨今では看護師業務に対してもサポートを行うことで病院全体での症例数も大きく増やしながらスタッフの時間外業務自体はどんどん減っている(当然これは病院にとっても割高な専門職時間外給与削減というメリットをもたらします)という好循環に入っている、福井県済生会病院のような例も出てきているわけです。
要するに一頃は「そんなの人も金もないし無理。診療報酬も下がる一方だし…」と後ろ向きに語られることの多かった医療現場の業務改善というものが、実際にやってみると案外うまくいくどころか各方面に非常に好意的に迎えられているという実例が増えてきているというわけで、当然ながらこうした施設には医師ら専門職スタッフもよろこんで行きたい!ということになりますよね。

また待遇改善ということでは先日青森県は十和田市立中央病院の例が紹介されていましたが、一般に業務実績ではなく医師免許取得後年数など「年功序列」で画一的に決まることの多い医師給与に、診療報酬の10%に相当する手当を加算するようにしたところうまくいっていると言います。
もちろん待遇改善=給与引き上げという単純な図式もどうかとは思うのですが、現実的に勤務状況の改善が困難な施設では仕方がないところではあるのでしょうし、バリバリ働いている先生の不公平感是正解消のみならず、実はあまり働きたくない人間にとっても「もっと働け!売り上げを伸ばせ!」と迫られるより安心してマイペースで仕事が出来るというメリットも期待出来そうですね。
また同病院で研修医手当を削ってその分を指導医につけるようにしたところ一時的に研修医募集が減ったものの、指導医が熱心に教えるようになった結果むしろ研修医が増えてきたというのも興味深い話なんですが、先日出ていましたスタンフォード大とユタ大の「上司達の価値」を検討した共同調査によってこんな話が明らかになったという記事を紹介してみましょう。

やる気を引き出す良い上司の“素質”とは?(2012年12月10日X BRAND)より抜粋

(略)部下の生産性を引き上げる「良い上司」の重要な特質は、ビジネス書などでよく取り上げられる「やる気を引き出す」能力や、「チームを細かく管理する」能力ではないということが判明した。本当に良い上司とは、部下たちに仕事のやりかたやさまざまなスキルを教える能力の高い「良い教師」であるという結果が出たのだ。つまり、上司と部下の理想的な関係とは上司が教えて、部下が学習するというもの。良いボスになるには、ムチを振るったり、アメを与えたりするだけではダメで、部下たちにどうすれば仕事をこなすことができるのかを具体的に教える必要がある。

また、この調査では下位10%の「ダメな上司」を上位10%の「良い上司」と入れ替えたところ、9人のチームが10人目のスタッフを加えたのと同じくらいの生産性の向上が見られたという。「自分でやったほうが早い」と思っても、結局は親切に部下に教えることが能率アップへの近道なのだ。

医師不足解消のためにひたすら数の議論に終始するだけではどうしようもないということはそろそろ多くの人達が気づいてきていると思いますが、同じ人材であっても適材適所の配置最適化を行うことで非常に生産性を高めることが出来るとなれば、これはコストも手間もほとんどかけず簡単確実に皆が幸せになれる可能性があるということですよね。
医師と言う人種は理系最高峰と自負するほど平均知的水準は高く、また多くの場合力押しで正面突破出来てしまう力量を持っているため「俺のやり方が一番正しい」的な思考に陥ってしまいがちですけれども、目の前に次々と現れる業務をひたすら力尽くで片付けているばかりですと案外楽な脇道があることを見過ごしているのかも知れません。
ここらで一歩を引いた目で全体を俯瞰し、ごくごく平凡な人材も数多く抱えながら世界一の工業立国を築き上げてきた他業界でのちょっとしたコツのようなものをうまく取り入れることも出来るようになれば、今まできついきついと思っていた日々の業務も意外に楽にこなせるようになるかも…と夢も膨らむ気がしないでしょうか。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

2012年12月26日 (水)

蔓延するノロウイルス感染症 「ノロを疑ったらすぐに病院へ」?!

全国的にノロウイルス感染症が大変な流行を見せていますが、急性期の施設は元より高齢者対象の慢性期施設なども大変な勢いで病床が埋まっていっているようですね。
そんな中で一つのテレビ番組の中での医師のコメント、そしてそれを紹介したとある記事が話題になっているようですが、まずはこちら問題の記事を紹介してみましょう。

ノロウイルス感染の疑いが出た場合に 「病院に行ってはいけない」は本当か?(2012年12月8日J-CASTニュース)

  感染性胃腸炎のノロウイルスが猛威をふるい、大阪の病院では2人の死者が、広島市では弁当を食べた1381人が集団感染するなど史上最悪になりつつある。感染すると激しい下痢と嘔吐を伴い悶えるほどの苦しさだというが、感染の疑いがある人は「病院に行ってはいけない」のだそうだ。
   それは、感染力が強力なためと、ノロウイルスと診断されたところで特効薬などは無く、結局は自宅のトイレで耐えるしかないからだそうだ。果たして本当なのだろうか。

ノロと診断されること自体にも意味は無い?

   フジテレビの朝のワイドショー「とくダネ!」では2012年12月18日にノロウイルスにかかったらどうすればいいか、の特集を組んだ。厚生労働省の調査では感染が確認されたのは12月11日現在で2467人と史上2番目の最悪に近い数字で、これからますます増えていくと予想した。
   予防するには石鹸を付け流水でよく手を洗うことと、食器は塩素系漂白剤で消毒するか、85度以上のお湯で1分以上の加熱が必要。ただし感染力が強いため、例えば、ノロウイルスにかかった人の後にトイレを利用するのも危険だと説明した。

   番組コメンテーターで産婦人科医の宋美玄さん(36)は、1週間前にノロウイルスにかかり、その辛さを「つわりの再来」「おむつが必要なほど」と表現した。ノロウイルスには抗生物質も下痢止めも効かず、特に下痢止めを使ってしまうとウイルスの排出を妨げる。特効薬などは無いため、イオン飲料と糖分を摂取し、ひたすらトイレで耐えるしかなかった、という。そしてこう語った。
    「時々、ノロウイルスかどうか診断してもらって来い、という学校や職場があるけれども意味が無い。ノロと診断されること自体にも意味は無く、病院に行くのはやめたほうがいい
   つまり、ノロウイルスだった場合は、病院に来ている人は弱っているため感染しやすく迷惑。通院すること自体も辛いし、お金もかかる。特効薬もないわけだから自宅で耐えるしかなく、症状が酷かったり、ぐったりした場合を除いての通院は無意味だというのだ。番組全体でも、病院に行ってもしょうがない、という論調だった。

感染が疑われた場合は病院に来てください

   確かにノロウイルスの感染力は強く、06年に東京・池袋のホテルでノロウイルスに感染したという事案では、感染者の吐しゃ物の処理が充分でなかったため、乾燥した吐しゃ物が空気ダストを通じホテル内に広がり300人以上の人々が感染したと報道されている。感染者はむやみに出歩かないほうがいい、ということも考えられる。
   しかし病院に行かないほうが本当にいいのだろうか。都内にある2つの大学病院に問い合わせたところ、担当者は驚いていて
    「ノロウイルスに感染したのか、それともインフルエンザなのか、単なる胃腸炎なのかはご自身では判断できませんから、病院で診断を受けるのは当然です。また、ノロウイルスの場合は、感染経路を知る必要もありますので、『病院に行くな』はありえません
   2つの大学病院ともにテレビの内容を全面否定した。そして、厚生労働省のサイトの「ノロウイルスに関するQ&A」には、「感染が疑われた場合、どこに相談すればいいのですか?」という項目があり、回答が「最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい」と掲載されているため、病院や医師はいつでもノロウイルスの相談を受けるはずだ、と話していた。

しかし門外漢のコメンテーターなる人物がずらりと並んで的外れなコメントをつけることは日本のテレビ番組独特の慣習なんだそうですが、宋先生には失礼ながら普通まともな知性の持ち主であればノロの特集と題して産科医に語らせようとは思わないはずですけども、「専門家」と称して皮膚科医に内視鏡を語らせるのが当たり前というのがマスコミの感覚らしいですからねえ…
それはともかく、記事の文面だけを見ていますと何となく言いたいことが判るような判らないような不可思議な内容で、それもあってか医療従事者も含めてコメントが多数ついているようなんですが、この報道に関する宋医師のツイッター発言を見ますと例によっての報道の切り貼りで余計に判りにくくなっている部分もあるようですね。

ということをとくダネで言ったのです。“@NATROM: 「ノロウイルスに感染したのか、それともインフルエンザなのか、単なる胃腸炎なのか」は患者さんはご自身では判断できないけれども、症状が軽微であれば別に判断する必要はないのだよ。どうせ医師も正確に判断できない。”

この記事は余りに酷い。私がコメントした内容は多くの臨床医が同じように考えていることですし、重症なら病院に行くよう言いました。取材先の大学病院の名前と担当者の役職を記載して下さい。医師とは思えないので。タイトルにも悪意があり抗議します。そちらの見解を求めます@jcast_news

しかしまあ、「ノロを疑ったらすぐに病院へ!」などとコメントして医療関係者から遭う袋叩きを想像すれば、ネットニュースに歪曲記事を書かれることくらい「予想された合併症」だが。

この種の大規模感染症についてはどう対応するかということに関して偉い先生方のかくあるべし論と現場の感覚とが乖離してしまうというケースがしばしば見られるものですが、ノロウイルスは怖い怖いと言われていても症状に個人差が大きく、軽症例なら水分補給で自宅療養で十分な場合も多いでしょうから、確かに単に「ノロを疑ったらすぐに病院へ!」などと言って終わるよりはよほど議論の広がりそうなコメントではありましたよね。
最近ではどこのマスコミも「ノロは怖い!死ぬ!疑わしきはすぐ病院へ!」と個々の症例の軽重や患者の状態も無視した事ばかり言うし、コメントを求められた大学の先生方にすればそう言っておけば責任を問われることもないですからそう答えるでしょうが、現実問題として軽症患者までも殺到してパンク寸前の末端医療現場にはまた別な言い分があるんじゃないかという気もします。
それでもインフルエンザなどは特効薬とも言うべき抗ウイルス薬が登場してから幾分か事情が変わりましたが、特別の治療法のないノロの場合何が何でも病院にかかって全例確定診断する必要があるのかどうかと言われればこれもまた極端な話で、つまりはマスコミが求めるような「一言きりのコメントで全てを語り尽くせる」といった類の問題ではなかったということでしょうか。

もちろん施設内での大規模発生に関しては感染防御対策や公衆衛生学的な対応も必要になってしまい全く事情が変わりますから、一般人が特に集団発生を疑う状況でもなく家庭内で発症したという孤発発生例だけを対象にして考えて見ましょう。
「疑わしくは病院へ」というシンプルな方針はどこの保健所や大病院も言っていることですが、一方では国立感染症研究所の予防マニュアルにも「医療機関・施設においてはノロウイルスを持ち込ませないようにすることが重要」と書かれているように、重症患者も多いのにむやみやたらとウイルスを持ち込んで欲しくないと言うのも現場の本音ではあるでしょう。
それだけに患者側にとっては病院に行くべきかどうか迷わしいところですが、特に脱水など体調変化に弱い乳幼児や高齢者で重症感のある場合はもちろん、若年健康者であっても嘔吐や下痢が続き水分も取れずぐったりしているというケースについては直ちに受診していただくべきだろうことは、多くの医療従事者にも異論がないところだと思います。
それではどこで意見が分かれるかと言えば、例えば軽い軟便やちょっとした下痢程度で特に全身状態にも問題なく元気な人の場合、あるいはそうした軽微な症状のみで自然軽快してしまったという方々が記事にもあるように後日になって「ノロでないと証明してもらわないと出勤できない」などと言って来院するケースでしょうか。

基本的に元気であれば特別な対応はなく、下痢などもむやみに止めることは薦められないという疾患ですから、特に多忙な夜間・時間外救急に従事している先生方が前者のような不要不急の症例に遭遇すると「そんなもんスポーツドリンクでも飲んでおとなしくしてろ!」と言いたくなるのは理解できることで、その意味ではノロウイルス感染が疑われるからと全例病院にかからなければならないというわけではないと思いますね。
ただウイルス排泄は症状消失後も一週間ほどは続く(一ヶ月続いたという話もあるようです)となると二次感染のリスクは常にあるのですから、その意味では後者の例に見られるようにノロであるか、そうでないかということで社会的活動の再開時期が大きく変わってくる可能性はあるということです。
そう考えると医学的に「ノロと診断されること自体にも意味は無」いと考えられる状況であっても社会的には相応に意味はあるケースは少なからずあると思われ、特に大勢の顧客に多大な被害を及ぼす可能性がある食品産業従事者や、医療・介護領域で全身状態の悪い患者さんと濃厚な接触が避けられないといったケースでは積極的に診断を確定していくことにも相応の意味はあるとは言えそうです。
もちろんそうした意味も意義もなくただ単にマスコミ報道を真に受けて「気になるから来ました」といった軽症例が多数病院に殺到しているからこそ「病院に行くのはやめたほうがいい」と言いたくもなる先生方が増えているのでしょうから、こうした安心を求めて来院する方々は殺気だった現場の空気を読んでいただいて、まずは電話等で相談してみるということも一つの手ではないでしょうか。

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2012年12月25日 (火)

新政権の医療政策 公約から想像する問題点

近く新政権発足が確実視される自民党ですが、今回の総選挙において掲げられた医療政策のまとめがありましたので紹介します。

政権復帰した自民党が掲げる今後の医療政策を読み解く(2012年12月22日QLifePro)

地域による医療格差の是正、いつでもどこでも高品質な医療サービスを

12月16日に投開票が行われた衆議院選挙。地滑り的に全国で大勝し、3年ぶりに政権与党として復帰する。同党が掲げた総合政策集「J-ファイル2012」の中の医療や福祉に関する公約を見てみよう。
発足が確実視されている安倍政権は、「地域による医療格差をなくし、国と自治体が連携して、日本全国どこででも均一な医療サービスが受けられる社会の実現を目指していく」としている。

その実現のために、有床診療所をはじめとする診療所の機能の強化・充実や、地域産業保健センターの強化、救急医療体制作りの強化などを行っていくとある。

また、医療費の問題については、高額医療費の限度額を引き下げるとともに、医療と介護の総合合算制度を創設することで、高額医療費の負担を抑え、誰でも安心して医療サービスが受けられる体制を整えるとした。

医療関連従事者の確保や役割の拡大

医療関連従事者の確保や役割の拡大も重要な医療政策の1つとして挙げているのも特徴だ。具体的な政策としては、医師の科目別・地域別の偏在の解消、必要な医学部定員の確保、総合診療医の育成とかかりつけ医およびかかりつけ薬局の導入・強化などをかかげている。

さらに、かかりつけ薬局の充実・強化は、薬剤師の業務拡大や基礎的医薬品の安定供給などとともに、セルフメディケーション(自己健康管理)の推進などを目的としている。

また、高齢化の進行に備えて、介護サービスの充実にも取り組んでいく。介護サービスの効率化・重点化を行い、公費の負担を増大させていくことで、介護保険料の増大を抑え、介護従事者の処遇改善を進め、質が高く、必要な介護サービスが受けられる体制を整える。

さらに、介護支援専門員(ケアマネジャー)を国家資格化し、特養・老健などの「介護保険施設」においての専従化を進めることで、高齢者が高品質な介護サービスを受け、住み慣れた街で自立した生活を営むことができる社会システムの構築を行うという。

3年ぶりに政権復帰した自民党。これら政策が単に選挙のための絵に描いた餅にならず、キチンと実行されるかどうか有権者としては引き続き注視していきたい。

介護も含めた高齢者対策がかなり大きな比重を占めているのは高齢化社会が進んでいく中で選挙対策としても当然のことなのですが、特に繰り返し出てくるキーフレーズとして医療格差の解消ということを挙げていることが注目でしょうか。
医療格差ということはすでに各方面で言われていることですけれども、例えば「日本全国どこででも均一な医療サービスが受けられる社会の実現」などと言うことを文字通りに解釈するとド田舎にも集学的治療が受けられ各科専門医も取りそろった総合病院がないといけないと言うことになり、これは限りある医療資源のリソース配分を考えた場合に逆格差と言われることにもなりかねません。
そう思いつつ実際の格差解消策として並べられているものを見ますとこれが厚労省の規定の方針通りといった感じで特に新味があるものでもないのですが、逆に言うとこうした政策を地道に推進していくことが格差解消に結びつくと言う考えなのであれば「均一な医療サービス」という言葉の定義を巡って異論が出ないでもなさそうに思います。

偏在解消ということに関連してもう一つ、最近では医療の費用対効果ということも言われるようになってきていますが、医療格差とは費用対効果あるいは経済原則から形成されてきたという側面もあって、例えば人口集積度の低い田舎での医療充実はこの費用対効果の改善という観点からは全く真逆の方向への迷走とも言えるものですよね。
一頃から田舎にタヌキやイノシシしか通らない道路をばんばん作っていると土建行政がさんざん悪者にされてきましたが、実は医療の費用対効果という観点から言えば医療券の中心に医療資源を集中し、周辺部からは整備された道路網で患者の行き来を容易にするというスタイルが一番効率が良いという意見も出ているように、地域格差はむしろ積極的に活用した方がいい部分もあるはずです。
この点で実は医療と介護と言う二大分野は一見して密接な関係にあるようにも見えながら患者動線の点では動的、静的という大きな違いがあって、例えば急性期医療と療養型病床を含む慢性期医療・介護とはリソースの地域配分に格差を設けた方がより効率的で、後者が外来では地域の総合医としても働くと言うのであれば一石二鳥ですよね。
この辺りは折から言われている医師強制配置計画とも絡むところなのですが、この方式の欠点は下手をするとジェネラリストが僻地巡りを続けることを余儀なくされかねない一方、片田舎で役に立たなそうなニッチな専門領域を目指すことで都市部定着を目指すという発想が出てきかねないことで、どのような制度設計を行っていくのかが改めて注目されます。

格差解消と並んで気にかかるのが高額医療費限度額の引き下げや医療と介護の総合合算制度創設、さらに介護領域における公費負担の増大などに見られるように医療アクセスの改善を追求する施策が並んでいることですが、悲しいことに患者の自由度が極めて高い日本の医療制度でこうしたアクセス改善策を講じれば際限なく医療需要が増大していくということは過去の歴史が証明していると思います。
ちょうど先日は横倉日医会長が安倍氏と会談した折、かつての第一次安倍政権でも継承された頃と違って社会保障費の自然増は圧縮しないという手応えを得たように言っていますが、同会長の感触が正しかったとしても何らの需要制限策も取らないままこうした方針を貫けば早晩国として耐え難い規模にまで医療費が自然増加してしまうでしょう。
先の格差解消の話とも絡めて考えて見るならば、例えば国民全てが医療アクセスに不自由しているという往年のイギリス式の悪平等主義とも言える体制を目指すのであれば全ての話が矛盾なく成立する可能性がありますが、さすがに地滑り的大勝が黙っていてもほぼ約束されていた状況でそこまで深く考えて公約を書いたと言うことでもないのでしょうね(苦笑)。
となると逆に国民受けがよい当たり障りの無い政策を羅列しただけという可能性が高そうですが、そう思ってみると特権数多の高齢者医療問題に対してより深刻さを増している若年ワープア層対策がすっぽり抜け落ちていることが気になってくるというもので、やはりこの辺りは世代間の人口差と投票率の格差とが公約のターゲットにも反映されているのだと捉えるべきなのでしょうか。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年12月24日 (月)

今日のぐり:「北海ラーメン」

しばしば一般マスコミすら釣られてしまうと噂の虚構新聞において、先日こんな信じがたいニュースが掲載されていましたがこれがなんと「本当の記事」だと言うことです。

本紙「虚構新聞」が文化庁メディア芸術祭で受賞(2012年12月19日虚構新聞)

 文化庁が主催する文化庁メディア芸術祭実行委員会は13日、ウェブサイト「虚構新聞」(本社・滋賀県大津市)など34作品をエンターテインメント部門審査委員会推薦作品として選出した。計741作品にも上る応募作品の中から選ばれたという、まさかの事態にネット上では「また虚構か」との声が多く聞かれている。

 1997年に始まった「文化庁メディア芸術祭」は、漫画・アニメ・ゲームなどにおいて優れた作品を顕彰する「メディア芸術の総合フェスティバル」として位置づけられ、過去にはソニーの犬型ロボット「AIBO(アイボ)」や、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」などが大賞を受賞している。

 第16回となる今回は過去最多となる3503作品が参加。本紙が選出された「エンターテインメント部門」には741作品、さらにウェブ媒体に限ると124作品の応募があった。

▲審査委員会推薦作品(一部抜粋)

 今回の受賞について、本紙社主のUK氏は「デビューのときから10年来のファンだった漫画家の岩岡ヒサエ先生が昨年大賞を受賞されたので、うまくいけば何かの機会でお会いできるかもしれないという下心で応募した。せいぜい芸術祭の賑やかしのつもりで参加したはずが、こんな大事になってしまって申し訳ない」と供述。加えて「先日のテレビ出演といい、今年は悪目立ちしている気がしてならない。おとなしく『中の人』に戻りたい」とも話していると言う。

 本紙では推薦作品選出を記念して、18日夜、虚構新聞本社内で受賞記念パーティーを開催したが、誰一人として出席者はなく、会場は星飛雄馬のクリスマス会の様相を呈していた。

 なお、本紙を含む受賞作品は来年2月13日から24日まで、東京・六本木にある国立新美術館をメイン会場に作品展が開催される予定。

文化庁のサイトから辿ってみても虚構新聞の名が見えるので本当らしく思えてしまうのですが、かねてネットリテラシーを学ぶ学習教材にも使われることがあるという虚構新聞であるだけに今年の顔の一つとして成立するという判断なのでしょうか。
今日は虚構新聞の思いがけない壮挙?に敬意を表して、年末恒例今年のランキングの中でもやや微妙に思えるネタを様々取り上げてみたいと思いますが、まずはかなりマイナーっぽい選手権もあったものだなというこちらのランキングです。

東京国立博物館が「仏像選手権」-暫定1位は「日光菩薩坐像」(2012年11月26日上野経済新聞)

 東京国立博物館(台東区上野公園)のホームページ上で現在、「トーハク仏像選手権」が行われている。

 9月25日から行われている特集陳列「館蔵仏像名品選」で展示されている仏像のうち12組の仏像を「出場選手」として、インターネット上で投票を受け付け、集計結果も確認することができる。

 11月26日現在の暫定首位は「日光菩薩坐像(ぼさつざぞう)」、2位に「愛染明王坐像」が、続いて「菩薩立像」がランクインしている。「今のところ当初の予想通りの結果」と広報の奥田緑さん。人気の仏像の傾向については、「かっこいい仏像や、いかつい仏像の人気が高い」とも。

 投票について「来館してから投票していただいても、投票してから来館していただいてもどちらでも構わない。今回の展示では、照明にもこだわり、仏像の細部まで際立つように工夫している。ぜひ、実物を見に足を運んでいただければ」とアピールする。投票結果については、「まだ具体的には決まっていないものの、何らかの形で活用していきたい」とも。

 個人的な「推し仏」として「阿弥陀如来立像」を挙げる奥田さん。「13世紀に宋から伝来したもの。蒔絵(まきえ)によるつやつやとした質感が特徴」と話す。同じく「一押し」の「千手観音菩薩坐像」については、「ため息がでるほどのイケメン」とも。
(略)

ちなみにすでに終了しているというこの選手権、最終的にも日光菩薩座像が選ばれたということなんですが、 しかし仏像に興味を持ってやってくる客層とネット投票という媒体との間の親和性はどうなんでしょうね?
年末恒例と言えば各種歌番組ですが、ある意味こちら「裏」番組の方がむしろおもしろそうなんじゃないか?と言う声もある調査結果です。

川越シェフが歌い、仕出しはもこみち&園山真希絵? ネットユーザーが考えた「裏紅白歌合戦」(2012年11月26日ねとらば)

 第63回NHK紅白歌合戦の出場者の発表が近づく中、ネットユーザーが考えた「第63回裏紅白歌合戦」が発表された。
 2012年に話題になった人をラインアップしており、総合司会は痴漢事件で世間を騒がせた森本健成アナウンサーといきなり飛ばしている。白組・紅組それぞれの司会は離婚裁判で話題になった高嶋政伸さんと美元さんと危険な香りが漂う。

 出演者と曲目は川越シェフ「お米のおはなし」、剛力彩芽さん「ジョアのうた」など、話題の人が並ぶ。二股騒動の塩谷瞬さんは「I LOVE YOU」、Twitterで過激な発言をした鬼束ちひろさんは「POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は」と時事ネタもカバー。和田アキ子さんは安定の白組入りで、女装写真のスクープが報じられたジョン・トラボルタさんは紅組入りしている。

 出場者以外の部分もネタ満載で、審査員には「ヘンリー王子」「森口尚史ハーバード大講師」が名を連ね、仕出しの担当は速水もこみちさんと園山真希絵さんだ。

 サイトの管理人によると、「『ことしの振り返り』的なものとして、見ていただく方が増えているようなので、そっち方向に寄せている」という。裏紅白歌合戦は1998年から毎年発表している。

まさに今年を象徴する時の人がずらりと並んで壮観!と言ったところなんですが、しかしこんな企画がすでに十数年も続いているということにも驚きますね。
今年はノーベル賞でiPS細胞が取り上げられたこともあって日本でも大いに話題となりましたが、こちらの発明もインパクトという点ではそうそう劣らないんじゃないかというニュースをお伝えしましょう。

凄い! 部屋の中に「本物の雲」を発生させる2012年最高の発明&サイエンスアート(2012年11月22日GIZMODO)

かなり凄い。これ、本物の雲です。

cloud in room」は、Berndnaut Smilde氏によって制作された、本物の雲が室内に展示されたアート作品。

誰もが想像はするけど、実現できなかった不思議な世界。ちょうビックリ。

湿度、温度、光を調節して、フォグマシン(霧発生装置)を用いて室内に人工的な雲をつくっちゃったらしい。まさに科学とアートの融合ですね。TIME誌の「2012年最高の発明品」の一つに選ばれたそうです。

他にも作品の写真が見れるのでこちらのリンクからご覧あれ。一度実際に見てみたいなぁ。

なにそのリアル筋斗雲!といった風情なんですが、しかし温度湿度は理解出来るとして光の調節も必要だったとは、雲道というものもなかなかに奥が深そうですよね。
最後に取り上げますのはこちらとは真逆の発想で、今年一番くだらないアート作品とは何かというランキング結果です。

今年のカブ賞がいよいよ発表!世界一くだらないアート作品はどれだ!/英(2012年12月2日日刊テラフォー)

12月4日月曜の夜、イギリス・サマセット州のサマセットパブで発表されるアートの賞を、おそらくイギリス中のアート愛好家達が、今か今かと待っている。
その賞とは、『カブ賞(Turnip Prize)』だ。今年で14回目を迎えるこの賞は、最も最悪なモダンアートに贈られる。
ハリウッドのその年、最も最悪な映画に贈られる『ラズベリー賞』のアート版だと考えると分かり易い。

カブ賞
栄えあるカブ賞に輝く為には、下記の3つの条件をクリアしていなくてはならない。
1、努力不足であること
2、作品のタイトルに韻かだじゃれを使用していること
3、う○こくらい最悪なこと

努力の結晶や、う○こより素晴らしいと判断された作品は、当然優勝することはできない。
優勝者には、15cmの錆びた釘に突き刺されたカブが贈られ、翌年、新たな優勝者の為に、新しいカブを釘に刺す作業を行う。1年の間に干からびた古いカブは、所有することが許される。
この由緒正しいカブ賞に、今年もたくさんの人がエントリーしている。
女性の生理用品をただくしゃくしゃにしただけのものや、壁に貼ったくしゃくしゃのティッシュ、パンの生地のようなものに小さな人形をたくさん指した少しはアートっぽいものもあるが、ほとんどは、う○こに等しい最悪さだ。
今年もかなりハイレベルな最低な戦いが繰り広げられることだろう。
(略)

リンク先の画像を見てももはやどれ一つとってもいずれ劣らぬ脱力具合といったものばかりなんですが、しかしこれらあまりにあまりな作品群に優劣をつけるというのも相当に難しい作業ではないかと思いますね。
それにしても賞を取るためには努力をしなければならないはずですが努力をしてしまうと受賞基準から外れてしまうという、実は意外に難しい条件を備えた賞らしいというのがブリ流の諧謔というものなんでしょうか。

今日のぐり:「北海ラーメン」

井原市内の幹線道路沿いにひっそりとたたずむのがこちら「北海ラーメン」さんですが、外見にしろ店内にしろスタッフの方々にしろ(失礼)どこもかしこも油と年季が染み付いた…という感じのお店ですよね。
それほど広いわけでもない店内に入ると何かとにかくスペースに椅子を詰め込んでいる感じなんですが、時間帯によってはこれだけの集客があるということなんでしょうか?
メニューを見ても昔ながらのお店らしくラーメン以外の単品料理や定食もかなり豊富にそろっているのですが、おもしろいのはラーメン自体も醤油メインらしいのに味噌にトンコツ、塩にチャンポンと沢山揃ってるようなのですね。

今回は人気メニューだという若鶏の唐揚げ定食(ラーメン小付き)を頼んでみましたが、見た目は唐揚げが結構たっぷりある点などかなりボリュームはありそうですよね。
まずはラーメンから箸をつけてみましたがよく言えばあっさり癖がない、普通に言ってボディの弱さを脂で補ったようなスープはむしろ自家製っぽいのですが、しかし業務用ではないならトンコツ等はどうしてるんだろう?と改めて気になります。
味の方は醤油ダレに特徴があるわけでもなく平凡な昔風ラーメンですし、麺も茹で加減はまずまずかという程度で特にどうこうというラーメンでもないのですが、セットメニューの中で出しゃばらない程度のほどよい加減か?と言う気もします。
しかし小と言っても結構量はあるなと思いながら今度は唐揚げに取りかかってみましたが、こちらクリスピーなタイプですが下味がもう少し欲しいかなと感じるところを添付のタレで調節する感じで、これまた出しゃばらない味と言う事になるんでしょうかね?
飯の方は米は値段相応のものなんですが硬めできちんと粒の立った炊き具合は好みですし、こうした安価な大衆店ではこの扱いは比較的珍しいですよね。

値段等を考えると特にどこが悪いというほどの欠点もなく癖がないのが特徴という感じなんですが、わざわざこの味を求めて遠くからやってくるというタイプの店ではないにしても、立地や顧客層などを考えるとこういう無難な味の方が需要はあるんでしょうかね。
接遇面では家族営業らしく多忙なことからもほとんど会話もないんですが、強いて言えば効率重視で同一メニューのオーダーがまとまるまで待ちたい気持ちは判るのですが、ある程度グループ内での提供の時間差ということにも配慮していただきたいというところでしょうか?
外見から想像された通りトイレは期待に違わず?半屋外の簡易水洗式かつ簡易洋式と、味のみならずこの辺りのハードウェア面も含めて実に昭和っぽいレトロ風味を感じさせるお店だったと思ったのですが、考えて見ると近隣笠岡ラーメンの人気ラーメン店にも結構こういうスタイルが多いですよね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2012年12月23日 (日)

今日のぐり:「ステーキハウス楽園」

先日はフィンランド政府公認のサンタクロースが被災地の保育園を訪問し被災園児達にプレゼントを配ってまわったという心温まるニュースが出ていましたが、それと相前後してこんなつぶやきがちょっとした話題になっています。

「フィンランド政府公認サンタは存在しない」 フィンランド大使館のつぶやきが話題に(2012年12月19日ITmedia)

 サンタクロースの故郷として知られているフィンランド。北部の町・ロヴァニエミにあるサンタクロース村は、クリスマス前になると特別にぎわいをみせています。ところで、駐日フィンランド大使館のTwitter(フィンたん)が“フィンランド政府公認サンタは存在しない”とつぶやいて、話題になっていました。

 なんでも「自称:政府公認サンタ」が時々出現するそうで、フィンたんは注意を呼びかけています。ただし、「フィンランド国内自治体および団体公認のサンタクロースは存在します」とのこと。公認サンタといえば、グリーンランド国際サンタクロース協会の認定試験が有名ですね。

 フィンたんは「僕は、サンタクロースはみなさんそれぞれの心の中にいるものだと思っています。フィンランドからやってきたサンタさん、グリーンランドからやってきたサンタさん、街角のサンタさん…みなさんがどこかで出会ったサンタクロースこそが、きっと本物なのです」ともツイートしています。

フィンランド大使館と言えば日本の萌え文化に妙に精通していたり、国土の擬人化キャラを公募したりとかねて独特のつぶやきで話題になっているところですが、そうですか公認は存在しませんか…
本日は「みんなの心の中にあるサンタこそ本物」なクリスマスシーズン到来にちなんで、世界中からちょっと微妙に残念な感じもするクリスマス絡みの話題を紹介してみましょう。

日本の走り屋が排気音でジングルベルを鳴らしている動画が外国人ユーザーの間で話題に(2012年12月9日ロケットニュース24)

海外で日本のことが話題になっているのに、なぜか少し恥ずかしい気持ちになってしまう動画が話題になっている。その動画の名前は「GX71マークⅡツインカム ジングルベル」だ。

その内容とは、日本の走り屋が高速道路で爆走しつつ、排気音で「ブンブンブーン、ブンブンブーン、ブンブンブンブンブーン♪」とクリスマスソングである『ジングルベル』を奏でているというもの。

動画のコメント欄には、まず日本人ユーザーからの「日本の恥」というコメントが見える。“これは日本の一般的な光景ではありません!” というメッセージであろう。一方、海外ユーザーからは「ナイス!」、「うまいね」、「これは伝説」と絶賛コメントが相次いでる。

また、海外ユーザーだけではなく他の日本人ユーザーからも「こいつ上手いなぁ〜♪」、「うまい!!音にキレがある。」と純粋にテクニックのみを評価する声も高い。「もうそんな季節になったんだなぁ^_^;」という声もあるように、あといくつ寝るとクリスマス。ジングルベルの音が鳴り響く。

参照元:Youtube Ryukunworks

様々な意味で残念度はかなりのものですが、個人的に一番残念なのはせっかくの旧車なのにドアミラーに改変済みという点でしょうか。
クリスマスと言えばビジュアルにこだわっている方々も多いんじゃないかと思いますが、最終的に問題になるのは当人のやる気ではないかと思わせるのがこちらの記事です。

「猫とクリスマスの美しい写真を撮ってみた、その結果がこれ」

すっかりクリスマスの季節。シーズンの思い出にペットの写真を撮ってみるのはいかがでしょうか。ただし相手は動物、思ったような写真はなかなか難しいもの。
「クリスマスツリーとトナカイの格好した猫の、最高に美しい写真に挑戦してみた」という写真をご紹介します。

[画像を見る]

猫やる気なし!
全くポーズとる気なし!
「ツリーと猫の最高の美しい写真」はとりあえずダメでしたが、これはこれでジワッと来ます。

「このツノ、重すぎるニャ……」
「やる気?それって美味しいの?」
「文句ある?」

と思ってるかは定かではありませんが、なかなかすばらしいクリスマス写真ではないかと思います。
ただ、この猫にはクリスマスのごちそうは少しは控えたほうがいいかなと思いました。

いやまあ、それでもおとなしく協力はしたのですからごちそうくらい分け与えてやってもいいんじゃないかと思うのですが、昨今むしろこれくらいのゆるさ加減の方がアピールするという考え方もあるでしょうしね。
この状態からさらに強要が進むとさすがに温厚なネコも切れるということなんでしょうか、こちらのネコも密かな話題になっています。

クリスマス中止にゃ! クリスマスソングが嫌いなネコ(2012年12月15日ITmedia)

 クリスマスが近づくこの時期、諸事情によりクリスマスソングを聴きたくないという人もいますが、人間だけでなくネコの中にも聴きたくない子がいるようです。

 「クリスマスソングを嫌う猫」という動画では、開くとクリスマスソングが流れるカードに子猫が嫌そうな反応を見せています。音楽が流れはじめると、開かれたカードをぱたりと閉じます。飼い主がカードを開くと、またぱたり。飼い主が何度カードを開けても即座に閉じる様子はかわいいながらも、断固とした意思を感じます。

むろん確固たる信念で行っていることなのでしょうが、まだ生まれてから何度もクリスマスを経験したわけでもないだろう彼の猫生に一体何があったのか気になりますね。
同じく人間にもクリスマス嫌いがいるということなんでしょうか、こちらカナダからこんなニュースが届いています。

【ネットトレンド】街中で子ども達に「サンタなんかいないんだぜ」と言って回った男、逮捕/カナダ(2012年12月3日日刊テラフォー)

カナダ・オンタリオ州キングストンの街で、24歳の男が逮捕された。
男は、毎年恒例となっていたサンタ・クロース・パレード中に列とともに歩きながら、子どもたちに「サンタなんていないんだぜ」と言って回ったそうだ。
飲酒も行なっており、公共の場所での飲酒を禁じる法律にも違反したことから逮捕となった。男は別件でも逮捕歴があり、現在保護観察中だったとの事だ。
警察の発表によれば、男は髪を固めてツノのように突き出すヘアスタイルだったと言う。

これによるまとめサイトなどの反応

「これ犯罪なの?」
「こういうのは何罪って言うんだろうな」
「カナダはこういう事には厳しい国だからな」
「え?正論言ってるだけなのになんで逮捕されるの?」
「むしろサンタがいると言ってる奴らを詐欺罪で全員逮捕しろよ」

これは犯罪になるのか、むしろサンタがいると言ってる人間達を詐欺罪にするべきでは、などの声が寄せられているようだ。
名目上は飲酒による逮捕となるのだろうか。”サンタクロース”もビジネスの一翼を担っているので、一概に「存在する」が正解とも言いがたいかもしれない。

記事だけを見ていますと単に残念な人で終わってしまうのですが、ちょいと日本風に「サンタなんか…いないんだぜ…(泣)」と表記してみると途端に哀愁漂い始めるのも何か不思議な感じですかね。
同じくカナダからは一見すると心からの善意に基づいた行為のようでいて、実はかなり痛いというこちらのニュースを紹介してみましょう。

【海外:カナダ】警察から犯罪者たちに励まし?のクリスマスカード!「今からでも遅くない。来年は心を入れ替えろよ」(2012年12月12日日刊テラフォー)

師走の時期に入り、街が本格的なクリスマスモードに突入しているが、大切な人へのクリスマスカードの準備はできているだろうか?
なんとカナダのブリティッシュコロンビア州・アボッツフォード警察は、警察にお世話になった累犯者、ギャングのメンバーや麻薬のディーラーなど犯罪歴のある者(また再犯の可能性のある前科者など)たちにクリスマスカードを送るという。

カードには日本の某元テニスプレイヤー並みの熱意が込められた、熱いメッセージ。
「悪い子だったか?それともいい子にしていたか?
とにかく、君の家族のためにも、君自身のためにも、来年は自分がよりよく生きることを考えろよ!さあ、新年の抱負をしっかり考えろ!なんなら俺たちが助ける!」
・・・といったような言葉が並べられ、
「自分の人生を変えられるのは、いつだって君自身しかいないんだ!今からでも遅くないって俺たちは信じてるよ!」
と続き、
「来年は、悪い子のリスト入りか?それともいい子のリスト入りか?」と若干の脅し文句も添えられ、カードの表紙には機関銃と防弾チョッキでタイマンを張る気満々のサンタクロースの写真がプリントされている。
「人生これからだからがんばれよ!」と励ましつつも、武器と防弾チョッキをちらつかせる演出などは、「何かまたやらかしても、絶対捕まえるからな」という宣戦布告のメッセージを感じざるを得ないこのクリスマスカード。

警察側は「人々の気持ちを考えるのにはうってつけの季節だから」と効果に自信があるようだが、このクリスマスカードにキレたのは送られた犯罪者ではなく、「善良な」一般市民だったようだ。
「これを送るのにどれだけのお金がかかってるの?」
「どうせ、くっだらねぇ!の一言で捨てられちゃうよ」
「税金のムダ!」
等、正直評判はあまりよくないようだ。

しかしこの半角カナでニヤリと笑った顔が想像出来るような残念ぶりというのも、さすがにブリの血統を引く英連邦諸国一流の…ということなんですかね。
最後に取り上げますのはこちら本家ブリからの話題ですが、まずは記事から紹介してみましょう。

「完璧なツリー」作る方程式、英大が考案/英(2012年12月7日AFP)

【12月7日 AFP】「完璧なクリスマスツリー」の作り方を導き出す方程式を、英シェフィールド大学(University of Sheffield)が発表した。

 同大の数学協会が考案したこの方程式を使えば、ツリーの枝葉の緑と飾りのオーナメントが最も調和する比率が分かり、寂しすぎず派手すぎることもない完璧なツリーが作れるという。以下がその方程式。(長さや高さの単位はセンチメートル)

■オーナメントの数 = 17の平方根 ÷ 20 × ツリーの高さ
■モールの長さ = 13 × π(パイ、3.1415) ÷ 8 × ツリーの高さ
■電飾の長さ = π × ツリーの高さ
■ツリー最上部に乗せる星の直径 = ツリーの高さ ÷ 10

 例えば、高さ180センチのツリーの場合、オーナメントは37個、モールは全長9メートル19センチ、電飾は同5メートル65センチ、そして星の直径は18センチが最適だそうだ。

 計算が面倒なら、同大ウェブサイト(http://bit.ly/SRJ7U0)で簡単に使える計算ツールが提供されている。

しかし世の中に解き明かすべき謎は幾らでもあるでしょうに何故よりにもよって完璧なツリーの公式なのか、このあたりにブリ流の斜め上への迷走ぶりが現れているということなのでしょうか?
試みに同公式を用いて計算されたツリーを用意されたという奇特なお方がいらっしゃったなら、是非とも写真を公開していただければと思いますね。

今日のぐり:「ステーキハウス楽園」

倉敷市から少し西に進んでイオンモールにほど近い田園風景の中に位置する老舗ステーキハウスがこちら「楽園」さんですが、いらかの波の合間に看板だけは見えているのになかなかたどり着くことが難しいという謎めいたお店でもあります。
焼き肉等も一応はやっていらっしゃるようなのですが、こちらに来れば名物のボリューミーなステーキを食べずして!と言うもので、今回も同行者ともどもステーキをいただいて参りました。

ちなみにこちらのステーキは大ぶりの鉄板で一気に焼き上げるスタイルなんですが、焼いている最中には大丈夫なのか?!と思うほどに炎が上がる上がる!このフランベだけでも室温が上がるのを実感するほどです。
ただ古風な鉄皿に乗せてサーブされるのはいいのですがこれも十分に加熱されてジュージュー言っていますから、ミディアムでもウェルダンになりウェルダンになるともはや硬くなってしまうというもので、このあたりは普段の好みよりも少し抑えめでオーダーしていく必要がありそうですね。
肉の方はあまりサシも入らず脂身部分も取りのけてある赤身主体で、しっかり肉の味がする上に脂の味が強すぎないため案外するすると胃袋に収まっていきます。
1ポンドというボリュームもあって食べごたえも十分にあるのですが、すでに肉自体に味も十分につけられていますから添付のタレはなくてもいい感じですね。
付け合わせの野菜炒めはもやしたっぷりでこれまた今風に言うところのメガ盛り系なんですが、単品で飯のおかずにするにはちょうどいい具合とは言えこのしっかりした味の肉に付け合わせるには少し濃い味かと言う気もします。

接遇面ではそれほど大勢のお客が殺到するわけでもないのでしょう、いかにも家族経営と言う感じののんびりしたものですしおばちゃんのノリはほとんど関西のそれに近いので、今日は本気出すぞと張り切って出かけるタイプのお店を期待する向きには向かないのは確かでしょう。
しかし長年地域に根付いている店だけあって価格的に見ても日常生活の中でちょっと贅沢して外食するのに手頃なところですし、近頃の肉は何かというとサシばかりでちゃんとした赤身の肉を腹一杯食べたい!という実質本意を求める向きにはちょうどいい選択枝になるんじゃないかと思いますね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月22日 (土)

週刊朝日と病院ランキング本問題

週刊朝日と言えば先日も橋下大阪市長の出自にまつわる素晴らしい報道ぶりで自らの見識を世に示したメディアですが、次期総理就任が確実視される安倍自民党総裁がその週刊朝日に関する一つの写真をフェイスブック上でシェアしたことで再び話題になっています。
2009年と2012年の衆議院選の報道。安倍叩きを社是とする朝日のわかりやすい偏向報道です。」とそのものズバリなタイトルがつけられたこの写真、単に週刊朝日の表紙二つを並べただけのものなんですがネット上では大いに拡散しているようで、週刊朝日に限らず他メディアバージョンも作成され人気を博しているようですね。
メディアが特定のスタンスを持ち偏向すること自体は世界的に見てもごく普通のことで、日本の場合はそれを偏向していないと言い張っているから問題になるだけじゃないかとも思うのですが、さらに一歩進んで犯罪行為に自ら手を染めるということになりますとさすがにこれは公的な批判を免れないでしょう。
先日以来ネット上で大いに話題になりながら一向に世のマスコミが取り上げる気配のない週刊朝日の詐欺的行為について、ようやく当事者からの情報が集まってきたようなので改めて取り上げてみることにします。

週刊朝日が詐欺行為か!? 「100万円以上の広告料要求」 無断で名を使われた社団法人が抗議(2012年12月19日RBBTODAY)

 一般社団法人日本肝胆膵外科学会が17日、週刊誌「週刊朝日」(朝日新聞出版)が同団体の名を無断で利用し複数の病院施設に対し多額の広告料を要求していると明かし、ネット上で話題となっている。

 同団体が「緊急のお知らせ」と題して公式サイト上に掲載した告知文によると、同誌が2013年2月発売予定のムック「手術数でわかるいい病院2013全国」に掲載する広告企画の案内を、同団体および同団体の宮崎勝理事長に無断で「取材協力:日本肝胆膵外科学会 理事長 宮崎勝」と表し、多くの病院施設に広告掲載を持ちかけているという。さらに、その広告料として100万円以上を要求していることが判明したとして、同団体は「本学会および宮崎個人は、週刊朝日の同企画に対し、一切の関わりを持っておりません。その旨ご承知いただき、ご注意くださいますようお願い申し上げます」と、注意喚起するとともに、「週刊朝日に対し、抗議文の送付ともに説明を求める予定」としている。

 この件について、19日19時現在までに同誌側のコメントはないため、真偽は不明。ネット上では、「これはひどい…」「病院のランクはカネで買えるって事か?酷いなアサヒ!」「医療への冒涜だ」といった同誌へ対する非難の声のほか、「単なる詐欺グループじゃないですか」「新手の詐欺…と思いたいけどどうなんだろ」「こんなことするとは思えないが・・・もし本当だったら会社潰れてもいいレベルの話なんじゃ」「いくらなんでも、この叩かれそうな時期に、こんな杜撰(ずさん)なことはしないだろう」など、様々な反応が見られた。

「広告集めに名前を無断使用された」 肝胆膵外科学会が週刊朝日にクレーム(2012年12月20日J-CASTニュース)

   一般社団法人・日本肝胆膵外科学会と同会理事長が、週刊朝日に対して怒っている。広告募集のパンフレットに名前を無断使用されたうえ、そのパンフレットで多くの医療施設に100万円以上の広告掲載を持ちかけていたからだ。

   学会はすでに週刊朝日に抗議文を送付するとともに、経緯について詳しい説明を求めている。橋下徹・大阪市長に絡む連載の騒動があっただけに、ネット上では同誌への厳しい意見が相次いでいる。
(略)
「週刊朝日は杜撰すぎる」

   「手術数でわかる-」の広告企画に絡む日本肝胆膵学会の告知文は大きな話題となり、朝日新聞出版に多くの問い合わせが寄せられたことから同社は12月20日、報道各社にコメントを発表した。

   その内容を要約すると、朝日新聞出版が宮崎理事長に依頼したのは、「手術数でわかる-」の企画広告のページに掲載されるインタビューだったという。インタビュー取材はすでに終わっており、宮崎理事長が「一切関わりを持っておりません」としたことについて、逆に「当惑しております」と言う

   しかし、宮崎理事長は、ムック本にインタビューが掲載されることに「関わりを持っておりません」と言っているのではなく、了解なしに企画広告集めの案内文に「取材協力 日本肝胆膵外科学会 理事長 宮崎勝」と記されたことについて怒っているのであり、大きなズレがある。

   朝日新聞出版はJ-CASTニュースの取材に対し、多くの医療施設に送付した広告企画の募集案内について「朝日新聞出版の社名ではなく、広告会社の社名で送っていた」と答えた。つまり実際の営業は、広告会社に任せていたというのだ。ただし「取材協力-」と書かれた広告企画の案内文について、「(朝日新聞出版側の)担当者は文書を見ていたが、広告会社は理事長の了解を得たものだと思っていた」と回答した。

   肝胆膵外科学会と週刊朝日、朝日新聞出版のトラブルを巡り、ネットの掲示板には多くのスレッドが立ち上がり、「橋下市長の記事といい、週刊朝日はやることが杜撰すぎる」「ほとんど詐欺」「広告料払ってくれれば『いい病院』として紹介するのか?」などの冷ややかな意見が圧倒的多数を占めた。

ひとたびインタビューに応じたら一私企業による広告募集のパンフレットに勝手に名前を使われても構わない、なんて突飛なルールがこの世界に存在しているとは寡聞にして存じ上げませんでしたが、関係者それぞれによって何が問題なのかという捉え方に相違があるようだと言う点には留意いただきたいと思います。
公的な学会が公式サイトでこうした抗議文を出すことも非常に珍しいことではあるのですが、それに対して同学会宛に週刊朝日の出版母体である朝日新聞出版から一通の「おわび」が送られてきたということが再び「学会公式サイトに」掲載されています。

おわび(2012年12月20日朝日新聞出版管理統括兼管理部長井手隆司氏よりの文書)

謹啓
弊社が 2 月に刊行する予定の週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2013」(以下「本誌」といいます)に関し、宮崎先生ならびに貴学会にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
宮崎先生には、本年 11 月 2 日に広告会社メディコムアイから「特別広告企画 取材・インタビューのお願い」をお送りし、12 月 3 日に、メディコムアイの所属ライターによる取材に応じていただきました。しかしながら、広告企画による取材という趣旨を宮崎先生にきちんとお伝えできておりませんでした。また、各病院様宛てに送付した本誌の広告募集の案内書に、「取材協力:日本肝胆膵学会 理事長 宮崎勝」と表記いたしましたが、これは宮崎先生の事前了解を得ずに掲載したものでした。
宮崎先生ならびに貴学会にご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
弊社では、今回のご指摘を受け、本件企画広告の営業活動は中止させていただきました。今後、広告募集の案内書の記載方法や営業手法を見直し、再発防止を徹底いたします。
以上、このたびはご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。
何卒ご宥恕賜りますようお願い申し上げます。
謹白

要するに何ら同意も得ないまま勝手に朝日側が行ってきた行為であると自ら認めたということで、その点では学会側の主張を全面的に受け入れているかのようにも見える話なのですが、おもしろいのはこの文書一枚を学会側に送りつけただけで、自社サイトでは一切何らの言及も謝罪もないまま知らんぷりを決め込んでいるということですよね。
学会の公式サイトなど関係者以外誰も見ませんから、今回もネット上で取り上げられ炎上と言われる騒ぎにでもなっていなければこの件もまた、何も起こらなかったことであったかのように闇から闇へと葬り去られていた可能性があったとも言えそうです。
しかしまあ、アサヒさんも毎回謝罪をしもうしませんと言ってはいますが、その都度手を変え品を変えで新しい方法論を開拓してくるあたり、その前向きな精神をもっと有意義な方向に生かしていれば…と感じるのは自分だけでしょうか?

さて、残るもう一つの問題として今回明らかになったこの病院ランキングなる企画自体の存在意義というものがありますが、この種のランキング本の常とは言え「いくら何でも医療くらいは真面目な企画でやっているんだろう?」と信じ込んで購入した消費者にとっては(仮にそうした人間がいたとしたら、ですが)ずいぶんと酷な内情が明らかになってきています。
すでにamazonのレビューなどを始め各所で広告を出すよう求められた医療機関の告発めいた書き込みが相次いでいますが、要約しますと手術件数などを基準にランク付けすると言いながら広告を断るとトップクラスの症例数でもランク入りされなかった、それどころか病院の存在自体ないものであるかのように無視されたと言った話が各所で出ているようですね。
当事者自身も語っているように特集記事に見せかけた広告はカラー1ページ130万円、2ページなら90万円と、払おうとすれば払えない金額でもないという何とも微妙な設定なんですが、今回初めてこの病院ランキングの実態が明らかになったことで前述の記事にもあるように世間からはずいぶんと非難が集中しているようですね。

個人的に思うことにはこの手の話は紳士録商法など昔からあるお手軽なお金儲けの手段であり、ラーメンランキングなどグルメガイドブックの類も実際には店側が広告料を出して掲載していただくという単なる広報誌であるのが実態ですから、昔から他業界では当たり前に行われている行為に今さら何故大騒ぎするのかと不思議に思わないでもありません。
ただ仮にこれが表向き偽っているように第三者によるランキングではなく単なる広告なのだとすると、医療の世界においては他業界とは異なり広告というものに非常に厳しい規制が課せられていますから、病院紹介取材記事のタテマエで裏で広告費を募っていたのが明白になってる以上は広告制限違反と受け取られる可能性が出てきますね。

医療広告ガイドラインに関するQ&A(事例集)(2007年9月19日厚労省HP)より抜粋

Q1-2 新聞や雑誌の記事の引用として、例えば、雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」をそのまま、他の医療機関名も含めて掲載すれば、広告物に記載可能でしょうか。

A1-2 医療機関の広告に新聞や雑誌の記事等を引用又は掲載した場合、当該記事等の記述は、医療法やガイドラインの適用を受けます。例示の雑誌に掲載されていた「日本が誇る50病院の一覧」等については、他の医療機関名も含めてそのまま掲載したとしても、雑誌社等が評価した結果は、医療法やガイドラインで示している広告が可能な事項に該当せず、また、掲載されていない医療機関よりも優れた旨を示す比較広告になることから、医療機関の広告物に記載することはできません。

Q1-5 新聞や雑誌の「記事」は、通常は、患者の受診等を誘引する意図(誘因性)がないため、広告に該当しないとされていますが、広告に該当する「記事風広告」とはどのようなものでしょうか。

A1-5 新聞や雑誌等に掲載された治療方法等に関する記事であっても、医療機関が広告料等の費用を負担する等の便宜を図って記事の掲載を依頼することにより患者等を誘引するような場合は、「誘因性」が認められ、いわゆる「記事風広告」として広告に該当します。したがって、この場合は医療広告ガイドラインを遵守する必要があります。

Q1-6 雑誌の同一紙面上の掲載物のうち、上段が治療法等に関する記事で、下段が当該治療等を実施している医療機関の広告の場合、上段と下段は異なる掲載物であるとして、上段の記事は広告に該当しないと考えてもよいのでしょうか。

A1-6 上段・下段に分離されているとの構成上の理由により、上段の記事が広告に該当しないとは判断できません。例えば、当該医療機関が費用を負担する等の便宜を図って上段の記事の掲載を依頼することにより患者等を誘引するような場合は、上段の記事についても「誘因性」が認められ、いわゆる「記事風広告」として広告に該当します。したがって、この場合は医療広告ガイドラインを遵守する必要があります。

全国に8000あるとも言う医療機関から100万単位のお金を集めて回れるなら商売としてそれなりにおいしいものであったのだろうなとは簡単に判る話ですが、今回のような事実関係が明らかになってきますと厚労省ガイドラインに抵触するものとなってしまい、お上からの指導が入るリスクも含めて経営的な損得勘定をよく考えるべきというのが医療機関側の対応ということになるのでしょうか。
一方でランキング本なるものを信じていた一般購読者からは「そんないい加減なものだとは知らなかった!金返せ!」と言いたくなるかも知れませんが、グルメランキング本等がそうであるようにこれまた商売でやっていることである以上、最終的には各人が自分の舌あるいは身体でもって判断していくしかないんじゃないでしょうか?
この点で外れ医師の見分け方にはある程度の公式はあっても名医の見分け方にこれはという確固たる方法論はなく、結局は患者と医師との相性が一番重要であるという考え方もありますが、ただあからさまにランキング本情報のみを信じてやってくる顧客に対してサービス提供側がどのような感情を抱くかに関しては、医療だろうとどこの業界だろうとそう大差はないんじゃないかという気はしますね。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2012年12月21日 (金)

MJKY~?!テロ組織シーシェパードに活動禁止の仮処分下る!

さかなクンが魚の食べ過ぎで入院?!などというとんでもないニュースを聞くと思わずMJKY?!と叫んでしまった人も多いのではないかと思いますが、何事にもほどほどが重要だということですかね?
さてそれはさておき本日のお題ですけれども、こちらご存知テキサス親父の動画でほとんど全て終わってしまいます。

【参考】字幕【テキサス親父】親父爆笑!シー・シェパードに米国の高裁から命令(2012年12月18日youtube)

【参考】字幕【テキサス親父】テキサス親父の別れの挨拶SAYONARA (2012年12月18日youtube)

しかし寝起きでテンション高いこともあるんでしょうが、親父笑いすぎ…(苦笑)
ま、これだけではさすがにどうなのかということで一般報道からも引用してみることにしますが、シーシェパード(SS)自体の活動が先のワトソン被告逃亡によって一気に下火になってきているという話もある中で、あるいはこれが最後のとどめということにもなるのでしょうか。

シー・シェパードの捕鯨妨害を禁止、米裁判所が仮処分(2012年12月19日AFP)

【12月19日 AFP=時事】日本鯨類研究所(Institute of Cetacean Research)と共同船舶(Kyodo Senpaku)が反捕鯨団体のシー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)が行う妨害をやめさせるよう米国の連邦地裁に求めていた裁判で、第9巡回控訴裁判所は17日、同団体に日本の調査船の500ヤード(約460メートル)以内に近づくことを禁ずる仮処分命令を出した。

 裁判所はこのほか、シー・シェーパードと反捕鯨活動家で国際刑事警察機構(ICPO、インターポール、Interpol)の指名手配を受けている同団体の創設者ポール・ワトソン(Paul Watson)容疑者に対し、日本鯨類研究所の調査船などへの「物理的な攻撃」、さらには「安全な航行に支障をきたすような方法での航海」についても禁じた。この仮処分命令は、正式な判決が出るまでのあいだ有効となる。

 日本鯨類研究所と共同船舶は、仮処分命令を「歓迎する」との共同声明を発表。一方、シー・シェパード側の代理人は18日、AFPへの電子メールでこの仮処分命令について「非常に残念」であるとし、今後も戦いを続けると表明した。

 ワトソン容疑者は数年にわたり日本の調査船の妨害を続けてきたが、コスタリカのサメ漁をめぐる容疑で今年5月、ドイツで逮捕された。自身にかけられた容疑についてワトソン容疑者は、日本政府の政治的動機に基づいたものであると主張している。

 9回目となるシー・シェパードの今季の妨害活動は「ゼロ容認作戦(Operation Zero Tolerance)」と名付けられ、4隻の船とヘリコプター1機、無人機3機と乗組員100人以上が参加する過去最大規模となっている。船3隻は既に出港しているが、残る1隻についてはその所在について公表されていない。

アメリカの司法制度は日本とは結構違っているのですが、この第9巡回裁判所というのは控訴審を扱っている高裁レベルの法廷だということで、未だ仮処分とは言え今年の春に出された日本側の主張を棄却した第一審の結果をひっくり返した形です。
特に親父も言及していますように第9巡回控訴裁判所というところは「合衆国中で最もリベラル」な判決を出すと言うことですから、当然今回の判決でもそうしたシンパシー?を期待していたのだろうSSにとってはすっかり当てが外れたという形でしょうが、世界各地で相次いできたSS相手の法廷戦術がようやく効果を発揮し始めたというところでしょうか。
もちろん今後の判決次第でさらに二転三転する可能性も残されてはいるとは言え、すでに逃亡中のワトソン容疑者は今シーズンもバリバリテロ活動に励むぜ!と公言してしまったわけですから、今さら罪の上塗りを恐れて裁判所命令に唯々諾々と従うような腰抜けな振る舞いには及ばないことを期待しましょう(苦笑)。
このあたりの予想される展開についていつものように産経の佐々木記者がまとめてくださっていますので引用させていただこうと思います。

シー・シェパード崩壊のシナリオ 米裁判所で日本側の主張認める (2012年12月19日佐々木記者ブログ)より抜粋

(略)
 私が考えるシー・シェパード崩壊のシナリオは以下の通りです。

① 仮処分命令に反して、ワトソン集団は捕鯨船への過激な妨害を強行

② その結果、上級審の本訴訟でシー・シェパード敗訴。米国の法律の縛りで、捕鯨船への妨害が禁止される(ただし、ワトソン集団は米国の司法判断などお構い無しに、日本の捕鯨やイルカ漁は標的にし続けるだろう)

③ 裁判結果が加味され、シー・シェパードの団体成長の大きな利点となっている米国の税控除特権を剥奪される(これは、日本側の外交要請や米担当省庁、米議会への働きかけが必要。安倍新政権の課題)

④ 団体の収入が減り、右肩上がりの成長がストップ。これまでのような過激な活動はできなくなる。

⑤ ワトソンへの求心力、カリスマ性が失われ、団体が衰退する。

 ①から⑤の間に、ワトソンはどこかの国で拘束され、逮捕状が出ているコスタリカや日本に強制送還、裁判を受け、長期間、リーダーなしの活動を余儀なくさせられる可能性も高いでしょう。
 シー・シェパードはワトソン抜きでは「烏合の衆」とも言われてきましたが、最近では、右腕の若手活動家が育って来ており、そうとも言えなくなってきました。
 彼らは、ワトソン不在の間も団体をしきって、なんらかのアクションを起こすでしょうが、ワトソンとは役者が違い、パンチ不足は否めない。つまりは、このやり方も、衰退していくシナリオと見ます。
(略)

ゴキブリでも何でもそうですがおよそ世の中で嫌われているものというのはそのしぶとい生存性もまた嫌われる一因となっている側面がありますから、今回の仮処分一つでキレイさっぱり駆除完了!とは言いませんけれども、そうであればあったで有益な結果が期待出来るというのが今回の仮処分のポイントであるということです。
当然ながらSS側としては南極海での非米国船籍間のことにアメリカの裁判所が口を出す話ではない云々と主張し判決には従う意志がないと言っているようなので、従うなら当然妨害活動が行えない、そして従わなければアメリカでの特権取り消しによって活動のよりどころ消滅と、日本にとってはどちらに転んでも一向に悪い話ではないかなとも思える状況ですよね。
仮に判決を無視してNPO資格も取り消されれば税の特権の消失のみならず財産差し押さえの可能性も出てくるということで物理的な打撃も当然ながら大きい、そして団体という庇護が外れ個人が直接責任を問われるようになれば犯罪者として裁かれることになるわけですから、親父の言うように今までサークル活動のようなノリで気楽に参加していたメンバーの心境にどの程度の変化があるのかも注目でしょう。
それにしても一連の対SS闘争もいろいろと行われてはきたもののどれもさほどに著効した印象がなかった中で、結局一番効果的だったのは粛々と正攻法に訴えるということだったというオチなんでしょうかね?

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2012年12月20日 (木)

高齢者社会保障問題 結局は本人達の行動が一番重要では

先日は厚労省の補助事業による研究班が高齢者への医療提供に関する指針案を公表していましたが、団塊世代の高齢化を迎え医療需要がさらに増加していくだろうという懸念がある一方で、高齢者医療を今まで通り無制限に続ける事への是非もようやく議論されるようになってきた感があります。
そんな中で本日まずは、先日海外から興味深い話が出ていましたことを紹介しておきましょう。

<調査>人類の寿命は延びた、でも延びた分を健康に過ごせてない人多い―英誌(2012年12月17日レコードチャイナ)

2012年12月15日、AFP通信によると、世界人口の平均寿命は1970年と比べて10年以上延びたが、人々は延びた寿命の多くをガンなどの病魔との闘いに費やしている。シンガポール華字紙・聯合早報が伝えた。

英医学専門誌のランセットによると、2010年の世界平均寿命は1970年と比べ、男性で11.1歳、女性で12.1歳延びた。だが、ハーバード公衆衛生大学院のジョシュ・サロモン氏によれば「ここ20年で平均寿命は5歳延びたが、そのうち健康に過ごせるのは4年だけ」だという。調査を行った研究者らは、余命延長重視の保健政策を見直し、健康維持を重視した政策に転換すべきだと主張。豪クイーンズランド大学のロペス教授は「健康維持とは単に死亡を回避することではない」と話す。

同誌に発表された調査結果は、50カ国500人近くの研究者が関わっており、187カ国で収集された291種類の疾患や傷害のデータが含まれている。がんや糖尿病、心臓疾患などの非感染性疾患による死者の割合は、1990年の2人に1人から、2010年には3人に2人にまで増加。2010年のがんによる死者数は800万人で、1990年の580万人から38%増加した。

栄養不足や感染症による死者、妊娠・出産関連の死や新生児の死者数の合計は、1990年の1590万人から2010年の1320万人へと減少。2010年の世界最大の死亡リスクは、1位が高血圧の死者940万人、2位が喫煙の死者630万人、3位が飲酒で死者500万人。また、1250万人の死亡が不健康な食生活と運動不足に関係している。(翻訳・編集/本郷)

もちろん昨今ではアンチエイジングということが大きく注目を集めているように、健康で活動的な期間をより長く続けられるという技術も相応に進歩しているはずではあるのですが、平均寿命自体がここまで長くなってしまえばどうしても晩年に当たる老年期が長く続いてしまうのもやむなき話で、長生きした分だけ不健康な時期が延びているという主張もあながち間違えではないようにも思われますね。
「東洋人は10歳若く見える」ではありませんが、日本では肥満率の低さが生活習慣病抑制に幸いしたのか比較的元気なお年寄りも珍しくないとは言え、世界トップクラスの平均寿命を考えればいずれどこかで健康を害することは避けられず、そうなった場合の長い老後の過ごし方、あるいは更に一歩も二歩も進んで自らの末期のあり方も考えておくにしくはありません。
幸いに今までは最低限の備えを担保する公的年金システムの存在と医療・介護コストの安さとで何とかなる状況であったとは言え、その両輪の一つである年金もいつ破綻するかと言われている時代にあっては先立つものの不安も拭えないのは当然でしょう。

国民年金未納者、過去最多の455万人--世帯所得1000万円以上でも3%が未納(2012年12月18日マイナビニュース)

厚生労働省は17日、「2011年国民年金被保険者実態調査」の結果を発表した。同調査は、第1号被保険者の所得の状況などを市区町村職員が転記する所得等調査(岩手県、宮城県、福島県除く)と、郵送調査(所得等調査対象者から抽出)の2種類にて実施。調査期間は所得等調査が2011年10月~2012年3月、郵送調査が2011年11月~2012年2月、有効回答数は所得等調査が12万3,128人分のうち98.2%、郵送調査が2万3,614人。

まず、第1号被保険者1,737万1,000人の保険料納付状況を調べたところ、1号期間滞納者(過去2年間まったく納めていない未納者)は455万1,000人(26.2%)で、過去最多となったことがわかった。

納付者は843万5,000人(48.6%)で、うち完納者は667万9,000人(38.4%)、一部納付者は175万6,000人(10.1%)。申請全額免除者は229万人(13.2%)、学生納付特例者は171万4,000人(9.9%)若年層納付者は38万1,000人(2.2%)となった。2008年の前回調査と比べると、納付者は5.3ポイント減少した一方、1号期間滞納者は2.6ポイント、申請全額免除者は2.0ポイントそれぞれ増加した。

年齢階級別に見た場合、納付者の割合は年齢階級が上がるにつれ高くなっており、55~59歳が66.0%でトップ。それに対して、1号期間滞納者の割合は30~34歳では35.4%と最も高く、それ以上の年代では年齢階級が上がるにつれ低くなっていた。また、1号期間滞納者の割合を前回調査と比べたところ、すべての年齢階級において増加していることが明らかになった。

保険料納付状況別に第1号被保険者の属する世帯の総所得金額の分布を見ると、納付者の平均は493万円、中位数が320万円。一方、1号期間滞納者の平均は295万円、中位数が213万円となり、低所得者の割合が納付者に比べて高くなっているものの、世帯総所得金額1,000万円以上が3.0%いることが判明した。

1号期間滞納者について、国民年金保険料を納付しない理由を尋ねたところ、圧倒的に多かったのが「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」で74.1%。次が「年金制度の将来が不安・信用できない」で10.1%だった。また、世帯総所得金額が500万円~1,000万未満でも69.7%が、1,000万円以上でも55.8%が「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」と答えていた。

保険料を納めていないことについての意識を聞くと、「もう少し生活にゆとりができれば保険料を納めたい」が最も多く63.5%。世帯総所得金額別に見ると、1,000万円未満では「もう少し生活にゆとりができれば保険料を納めたい」が大半となったが、1,000万円以上でも44.7%に上った。

年金制度不信に基づく確信犯的未納者に関してはともかくとしても、かねて低所得者の増加による年金未納者急増は生保受給者との逆転現象などとも言われて問題視されているわけですから、単に免除や減免の措置がありますで済ませるのではなく政権交代も機に早急にシステム面での抜本的な改善策を講じていただきたいものだと思います。
それはともかく、平均的水準を超える高所得者層に含まれる未納者においても経済的理由での支払い困難を訴える例が過半数というのが興味深いなと思うのですが、もちろんこうした調査に向かって「無駄金など一銭たりとも払う気はない!」などと言うのも大人げないですから、こうした選択枝を選ぶ人が多かったというだけのことなのかも知れません。
そして当然ながら高所得だとは言っても贅沢して金がないというのではなく必要経費も相応に多く余裕がない生活をしているという人もいるのでしょうが、昨今あちこちで取り上げられるようになってきたこの無年金問題に関する実態調査を見ていますと、どうも当事者に危機感が乏しすぎるのではないかという声もあるようですね。

60歳無年金時代が到来! 死を待つだけの老後難民の実態(2012年12月15日週間実話)より抜粋

 年金(報酬比例部分)をもらえる年齢が、いよいよ段階的に引き上げられる。
 来年以降60歳で定年退職を迎える人には、給料も年金支給もない無収入期間が生じる。これを『2013年問題』といい、政府は対応策として企業に対する雇用延長の義務付けを検討しているが、それが実現したとしても、あおりを受けた新卒者や若年労働者の就職機会が奪われかねない
(略)
 こうした日本の暗い未来を、老いてから迎える現役サラリーマンはどう考えているのか。外資系投資銀行傘下のフィデリティ退職・投資教育研究所が、’10年2月に行った『サラリーマン1万人アンケート』を参考に見てみよう。

 現在の公的年金制度では安心できないと考えている人は全体の約9割だが、そのほとんどが「老後の暮らしは不安だが、蓄えもなく、その準備もない」という矛盾した回答をしている。同調査はこうしたサラリーマンを『老後難民予備軍』と指摘する。
 「老後難民とは、生きている間に老後の生活資金が枯渇し生活に困窮すること。たとえ60歳の定年時に3000万円の資産があったとしても、それを運用しないで月25万円(65歳以降は年金受給が始まると仮定して10万円)ずつ使い続けると、77・5歳で資産は枯渇してしまう。老後難民にならないためには、少々のリスク覚悟でローリターンの投資や運用をするか、少ない年金で生き抜くか、突き詰めれば2つしか選択肢はありません」(同研究所)
(略)

以前から言われていることですから多くの人が老後の暮らしに危機感は抱いている、しかし実際には何ら準備をすることもなく老後を迎えるのをただ待っているだけという現実があるということで、ある意味では生命財産の保全と言った基本的な領域においてすら自己責任という考え方が極めて希釈になっている現代日本人らしい脳天気ぶりを示しているとも言えるデータなのでしょうか。
一頃には退職金を狙った投機的というにもほど遠いような金融関連商品に関わる様々なトラブルが社会を散々賑わせてきたこともあって、もちろん基本的には不用意な投機に走らない態度も尊重されるべきだと思いますが、現役時代に好景気でがっつり稼ぎ十分な退職金ももらった世代が何ら社会に還元することもなく多額の現金を抱え込んでいることにおもしろからぬ思いをしている現役世代も相応にいるだろうとも思います。
年金掛け金の支払いにすら四苦八苦している現役世代からすれば「こんな金持ち連中の老後をさらに豊かにするために自分達が一方的に搾り取られなければならないのか!」と考えるとますますモチベーションも下がろうと言うものですが、実際の老後の暮らしなるものの実例を垣間見てみるといささかの問題無しとはしないようですね。

 65歳まで働いたAさんは現在72歳。高度成長の時代を一緒に働き抜いた同僚の多くが、定年で辞めた後、やることがないので朝から酒を飲むようになった。退職後の6、7年で肝硬変、ガン、心臓病を患ってバタバタと死んでいったという。
(略)
 大阪市在住の70歳になるDさんは、市営地下鉄、バスが無料なので、ほぼ毎日出掛ける。高齢者向けの無料イベントを探し、史跡巡り、先着順の高齢者マッサージ、風邪を引いたときも市販薬を買うより病院の方がはるかに安いので、週に3回は病院通いをする。医療費の自己負担は1割だから行かなければ損と考えている。エアコンの効いた図書コーナーで読書し、時間つぶしのため成人病セミナーにも出るという。

おもしろいのは長年続いた日医的価値観に従って考えるならば、ろくに自己節制もせず好き放題やって体を壊してしまったAさんの同僚達は典型的な悪い患者であり、一方で早期発見早期治療に努め自己啓発にも余念がないというDさんは良い患者の代表例と言うことになりますが、社会保障費抑制という財政上の要請からすると全く真逆の評価もあり得るということですね。
社会保障給付のあり方に関しては様々な意見があって当然だと思いますが、共通の大前提として何も抑制策を講じなければ社会保障に対する需要は際限なく増大していくというものがあるはずで、それに対して総額に対する許容限度の議論と同時に需要抑制策を行っていくのか、あるいは給付すなわち供給の抑制策を行っていくのかと言う部分での方法論で様々なやり方が分かれるのだと思います。
そのうち医療に関しては選挙対策なのか経営的な要請なのか需要に対する抑制というものは公に語られる機会が少なかった一方で、診療報酬による政策的誘導に代表されるような現場における供給側の抑制策を主体に対応してきた、その結果一部においては患者側と医療機関側との対立の原因にもなってきたとも言えますが、本来であれば需要の側にもそれなりに限度というものがあるのは当然ですよね。
両極端とも言えるAさんとDさんのどちらが正解というわけでもなく、おそらくこの両者の間のどこかに最適解が存在しているはずなんですが、社会保障費をどう捻出するかに各方面が頭を悩ませているこの時代であるからこそ、そろそろ需要の側に対しても最適解を目指して行動してもらうように誘導していく必要があるんじゃないかという気がします。

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2012年12月19日 (水)

調剤薬局に絡んで思わぬ遺恨発生?

政権交代によって診療報酬の扱いがどうなるのかは未だ何とも言えませんが、増減いずれにしても厳しい財政状況を考えればコンマ以下数%を争っての小さな小さな攻防になるだろうことは想像に難くありませんよね。
ところが同じ医療費に含まれていながらとんでもない勢いで急増している領域があるということが、このところにわかに注目されるようになってきているようです。

調剤医療費の伸び率・質の議論を- 日病・堺会長(2012年12月17日CBニュース)

 日本病院会の堺常雄会長は17日の定例記者会見で、6兆円以上とされる調剤医療費について、「びっくりするくらいのものだ」と述べ、調剤医療費の伸び率や、院外処方に対する患者の満足度などの質について、調査して議論すべきとの考えを示した。

 厚生労働省の調査では、昨年度の調剤医療費(全数)は、前年度比4779億円増の6兆5601億円。また、同省の別の調査では、昨年度の医療費が前年度比約1.1兆円増の37.8兆円だったとされている。
 堺氏は、「6兆円というと、36兆円の6分の1だ。われわれが、なけなしの知恵を絞って30兆円の配分を考えていることを考えると、本当に看過できない」と述べた。さらに、「そもそも、医薬分業が患者さんの利益になっているのか」と、院外調剤の質を検証する必要性を強調した。【佐藤貴彦】

「医薬分業が患者さんの利益になっているのか」とはあ~あ、とうとう言っちゃったよこの人はという感じではありますが、ねえ…
医薬分業が推進されるようになってから、この調剤医療費というものが気がつけば10年間で実に2倍にも急増しているというのは、同時期の医療費全体の伸び率がせいぜい4割程度にとどまっている(これもこれでデフレ時代にあってなかなかの急増ぶりではあるのですが…)ことと比較してもいかにも多いなと言う印象をうけますよね。
新薬の高価格化ももちろんですが、日本の医療の特徴として長年言われてきたのが誰でもが気軽に病院にかかれるのはよいとして、その結果どうでもいい薬でもちょこちょこと処方されてしまうという問題があって、一頃病院待合の老人サロン化が言われていた時代には毎回飲みもしない多量の薬をどっさり受け取ってはゴミ箱にぽいと捨てている、なんて笑い話のような話もあったと言います(おそらく今も類似のケースはあるのでしょうが)。
「風邪?そんなものに効く薬はない。家でおとなしく寝ていなさい」で患者を追い返す海外のジェネラリストに比べて日本の医者は大量の薬を処方するのも悪いのでしょうが、国際比較で見ると日本の調剤比率の高さは際立っていて諸外国の2~3倍にもなると言うのですから、そもそもジェネリック普及が遅れているのどうのと言う以前に根本的な問題が隠れていそうですよね。
長年の念願叶って医科からの独立を果たした格好の薬科にすればこれが正常!今まで不当に地位が低すぎたのだ!と言う意見もあるのかも知れませんが、かつての薬価差益で大儲けしていた時代を覚えている人々の目から見ると調剤薬局は不当に儲けすぎているのでは?という疑惑もあるようですね。

薬剤師の給与、病院と薬局で比較「面白い」- 堺・日病会長、実調の項目追加で(2012年12月17日CBニュース)

 2014年度の診療報酬改定の基礎資料となる次回の医療経済実態調査(実調)で、保険薬局に勤める薬剤師の給与を新たに調査項目に含める案を厚生労働省が示していることについて、日本病院会の堺常雄会長は17日の定例記者会見で、「病院薬剤師の給与と単純に比較すると、面白いのではないか」と述べた。

 堺氏は、「われわれ(病院)は、職員採用の際、職員全体の中で薬剤師だけの給与を上げるわけにはいかないということで、非常に苦労している」と明かした。薬局に勤める薬剤師の給与は、病院より高い傾向にあるという。【佐藤貴彦】

調剤医療費の適正化云々はともかくとしても調剤薬局に関してはもう一つ話題があって、医療に営利企業の参入は認められないとは日医等も熱心に主張してきたところですが、実は調剤薬局の方では中小薬局が相次いで資本力のある大手チェーン店に身売りしているという現実があり、すでに相当の上場企業が多数店舗を連ねて大規模経営を行っているという状況にあります。
そもそもの原因としては調剤薬局の数がコンビニよりも多い5.3万軒と元々非常に多く、個人経営の零細薬局を中心におよそ半数が後継者難にあえいでいたことに加えて、近年いわゆるドラッグストアとして経営体力を持っている大規模量販店との競合も激化した結果買収が進んできているという事情もあるようですね。
利用者側とすればコンビニ化、ミニスーパー化しているドラッグストアが調剤もやってくれれば利便性は高まるし、調剤単独ではやっていけない地域にも経営機会が増えるというならよいことですが、医科の側から見れば自分達は混合診療は駄目、広告も不可、営利追求なんでとんでもないとやたら厳しく締め付けられているのにあいつらだけ好き放題儲けやがって…と考えたくもなるのかも知れません。
気持ちの上で割り切れないというだけならまだしも、ちょうど今は薬学部が4年制から6年制への移行期で新規供給が途絶えた結果空前の売り手市場と言いますから、待遇の悪い病院など飛び出してさっさと外に出てしまおうと考える薬剤師が増えてくると思わぬ遺恨の元にもなりかねませんし、前述の記事の堺会長のコメントにもそのあたりの微妙な陰影が現れているように思いますね。

| | コメント (14) | トラックバック (0)

2012年12月18日 (火)

出生前診断の指針公表

個人的なことですがすっかり体調を崩してしまいまして、いささか困ったことになってしまっているとこですが、本日はこちらのニュースを照会してみましょう。

新出生前診断の実施「第三者機構が認定」- 日産婦学会、指針案をパブコメへ(2012年12月16日CBニュース)

 日本産科婦人科学会は15日、母体血を用いた新しい出生前診断に関する指針案を発表した。同学会と関連学会などで第三者機構をつくり、実施する医療機関を認定することや、臨床遺伝専門医資格のある産婦人科医か小児科医の配置など、実施体制を細かく規定。当面は、診断に関する「遺伝カウンセリングの臨床研究」として認める。1か月ほどパブリックコメントを行うため、実施は早くても来年3月の同学会理事会以降となる見込み。

 指針は、遺伝カウンセリングを重視し、「十分な遺伝カウンセリングの提供が可能な限られた施設において、限定的に行われるにとどめるべき」とした。実施要件では、▽出生前診断に精通し、豊富な診療経験を有する産婦人科常勤医師と小児科常勤医師が在籍し、いずれかが臨床遺伝専門医の資格がある▽専門外来の設置▽検査前の遺伝カウンセリング体制の整備▽検査後に妊娠経過観察が可能-などを定めた=表、クリックで拡大=。
 対象は、米国の産科学会に倣い▽出産時35歳以上の高齢妊娠の人▽超音波検査で胎児の染色体異常の可能性が示唆された人-などに限る

 実施施設の医師にかかわらず、すべての医師に対し、診断について「医師が妊婦に積極的に知らせる必要はない」「妊婦に対して安易に勧めるべきではない」と明記。検査会社にも、診断を勧める文書などを作成し、不特定多数の妊婦に配布することは「望ましくない」とした。

 実施施設を認定する第三者機構は、要件を満たしているかどうかを審査するほか、申請医療機関と検査会社の契約書の写しや、被験者に対する遺伝カウンセリングの際の説明文書の写しの提出を求め、診断結果やその後の経過の報告も義務付ける。
(略)

検査の実施自体に相応のリスクのある羊水検査と異なり、今回話題になっている血液検査では採血をするだけと極めて検査のリスクが低い上に精度の高い検査法であることから、ひとたび検査を実施すればほぼ白黒がついてしまうということですね。
他社の報道などを見ましても特に35歳以上の高齢妊娠に限るといった制限が注目されているようですが、ダウン症に関して言うと35歳付近を境にして発生率が急カーブを描いて上昇していくことが知られていて、逆にリスクが高くない間は無用な妊娠中絶の葛藤を持ち込まないようにという考え方なのでしょう。
このダウン症という病気、発生頻度も相応に高く一般人でも遭遇する可能性も高いことから先天異常の代表のように取り上げられていますが、以前に同検査を取り上げました際にコメント多数が寄せられましたように実際に患者に接してみれば子供らしいかわいらしい人達であることがすぐに判りますから、正直何故ダウン症ばかりがそうまで目の敵にされなければならないのかと疑問を抱いている方々も多いんじゃないかと思います。
思うにダウンの子を持つと言うことは高齢出産である可能性が高いということでもあり、親としては自分達が先に死んだ後に子供の将来を考えると不安になる気持ちも理解出来ないわけではありませんが、高齢妊娠・出産を望みあまつさえこうした検査を希望する方々にはまず障害というものの実態をよく承知しておいていただきたいと思いますね。

一方で海外などでは選挙のたびに中絶の是非が議論になるなど宗教的な観点から語られることも多いのがこの中絶問題ですが、幸いにも日本においてはそうした社会的に根深い対立にまで至ることは少ないようで、主に個人レベルでの道徳観・倫理観といった点から比較的冷静に議論されていることは幸いではないかと思います。
先日はカソリック国であるアイルランドで医師が危険な状態に陥った妊婦の中絶手術を拒否した結果、不幸にも妊婦が亡くなり大きな騒動になったという衝撃的な事件が報道されていましたが、宗教的対立の少ない日本だからこそ医学的妥当性を最優先で確保した上でのルール作りが求められている気がしますね。
ダウン症のハイリスク層である高齢出産希望者は高価な不妊治療を受けている可能性も高いわけですから、繰り返しになりますが担当医は事前にきちんとしたインフォームドコンセントを行い十分な理解を得た上で話を進めていくことが必要でしょうし、産科医療の崩壊が言われている中で不妊医療専門医も妊娠させれば終わりではなく、実際に難しい分娩を担当する産科医達への配慮も求められているように思います。

| | コメント (15) | トラックバック (0)

2012年12月17日 (月)

メタボ健診受診の強制は意味があるか?

俗にメタボ健診とも言われる特定健診について、先日相次いで受診率の低さを指摘する報道がなされていました。

メタボ健診の受診率43% 10年度、目標に遠く(2012年12月12日47ニュース)

 厚生労働省は12日、40~74歳を対象とした特定健康診査、いわゆる「メタボ健診」の2010年度の受診率(確報値)が前年度から1・9ポイント上昇し、43・2%になったと発表した。対象者数は約5219万人で、受診者数は約2255万人。政府目標の受診率70%には程遠い結果だった。

 健診の結果、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まるとされるメタボリック症候群やメタボ予備軍と指摘され、保健指導が必要とされた人は約413万人。このうち指導を受けた人は約54万人にとどまった。

”日曜健診 国保加入者が殺到”(2012年12月8日読売新聞)

40歳以上の国民健康保険加入者の特定健診受診率を上げようと、前橋市が募集した今冬の「日曜総合健診」に申し込みが殺到した。市では「平日に休みを取りにくい自営業者などの国保加入者の現状に配慮したことなどが功を奏した」としている。

特定健診は、生活習慣病予防のために、2008年度から国が自治体や健康保険組合などに義務づけている。対象は、医療保険に加入している40~74歳の男女。同市の国保加入者の特定健診受診率は08~11年度まで、30%台で推移しており、国が市町村に求める受診率の目標65%を下回っている。

同市では原因として、国保の主な加入者である自営業者や農家らが、病院が開いている平日は仕事が忙しくて健診を受けられないためと分析。日曜日に複数のがん検診と合わせた健診を行うことで、受診率を上げようと、今回の健診を企画した。

市健康増進課によると、更新された保険証を郵送する際に受診を呼びかけるチラシを同封。9月20日から、今月2日と来年1月20日の2日間で先着計400人を募集したところ、すぐに定員を超え、締め切り後も200人以上から問い合わせがあったという。応募者の6割以上が健診を初めて受ける市民で、同課は「受診者の掘り起こしにもつながった」としている。

健診で引っかかった人のうち、きちんとその後のフォローアップを受けている人がわずか一割ほどで、大多数は受けっぱなしで放置しているという事実に留意いただきたいと思います。
一般論としては企業勤務者よりは平日休業の多い自営業や農家の方がまだしも時間の都合がつきそうな気もするのですが、サラリーマンにしても会社から強力に受診を指導されているから受診しているだけという人も多いでしょうし、ましてやそうした強制力の働かない自営業では受診するモチベーションが低くなるのも仕方のないことなのでしょうか。
厚労省では受診率向上のために健診時の面接をネットで行うことも認めるという方針のようですが、一方で健診後の指導についてはさらに厳しくする方針でもあるようで、これだけ未受診者が多いこともあわせるとペナルティーを恐れる企業側からの締め付けは今まで以上に厳しいものになってくるはずですよね。
一方では今もメタボの診断基準について異論が示されるなど必ずしも健診そのものに完全なコンセンサスが得られているとも言い切れない状況でもあるのですが、そんな中で今度はこんな話が出てきているということが注目されます。

特定健診の医療費削減効果を検証へ- 厚労省検討会がWGを設置 (2012年12月12日CBニュース)

 厚生労働省保険局の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」は12日の会合で、内臓脂肪型肥満に着目した特定健診と保健指導による医療費の削減効果などを、国のデータベースを活用して学術的に検証するワーキンググループ(WG)の設置を決めた。来年3月ごろまでに検証の方法や進め方を決め、その後、検証作業に着手する予定だ。

 この「特定健診・保健指導の医療費適正化効果等の検証のためのWG」では、特定健診と保健指導により、血圧や血糖値などの検査値や、食習慣が改善されたかどうか、生活習慣病を予防することで、どれほど医療費が削減されたか、などを検証する。委員は、検討会の座長を務める多田羅浩三・日本公衆衛生協会長のほか、▽津下一代・あいち健康の森健康科学総合センター長▽福田敬・国立保健医療科学院上席主任研究官▽三浦克之・滋賀医科大教授―の計4人で構成し、必要に応じて追加する。

 WGは非公開で開催。検証結果は、同検討会に報告するとともに、適時公表するという。【高崎慎也】

すでに今年の夏には社会保障審議会の主導で医療にも費用対効果の概念を導入していくべきだという方針がまとめられたところであり、例えば喫煙対策なども都道府県が達成すべき目標の一つに掲げられていたくらいですから違和感はないのですが、しかしこの特定健診というものの費用対効果を検証するとなると大もめしそうですよね。
もともとは病気になる前に予防していくことで医療費を削減できるという考え方で行われているのがこの特定健診ですが、実際にやってみますと生活習慣病などと呼ばれている通り各個人の暮らし方に由来すると思われる異常値が毎年引っかかってくる、そして相変わらず改善する兆しもないまま健診と精査、指導を繰り返されているというケースも少なからずあるわけですね。
もちろん何もせず放置しているよりは将来の大病発生のリスクは減るのかも知れませんが、健診業務自体もそれなりに手間暇もコストもかかる一方でどうもあまりはかばかしい成果を上げているようにも思えない節もあり、一般の疾患を対象にするだけでも十分に多忙な医療現場のリソースをこれ以上割いてまで得られるメリットがどれほどあるのかと言う疑問を抱く人も相応にいるのではないでしょうか?

思うに特定健診の制度設計における最大のミストは国民は等しく健康になりたいと願っているものであり、そのために自らの健康上の問題を指摘してあげる機会さえあれば誰しも健康になろうと努力するなり治療を受けるなりするだろうという、今時ちょっとないような不自然な性善説に基づいているところにあるように感じます。
実際には健診で異常値でも出そうものなら「どういうことだ!正常値に書き直せ!」と怒鳴り込んでくる人間など珍しくないですし、要精査で引っかけようものなら「検査も治療もする気ないから。さっさと仕事に支障なしって証明だけ書いて」と言い放つ人間も日常茶飯事で、そうした自ら望んで健康になりたいとなにがしかの労力を払おうと言う意志のない人々にとって健診など単なる余計なコストにしか過ぎないということでしょう。
その意味では単純に健診関連業務だけでの費用対効果で比べて見るのではなく健診患者の治療率や、リソース不足な医療現場に対する負担とその結果起こるだろう一般患者への悪影響という部分までも含めて考えて見ないことには正確な検証は出来ないだろうし、どうせ引っかかっても何もする気のない人に受診を強要することも少なからぬ手間暇とコストをかける意味があるのかとも思えてきますね。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2012年12月16日 (日)

今日のぐり:「天乃うどん店」

先日はこんな記事が出ていたのですが、ご覧になりましたでしょうか。

あと少し! 頑張って!! 猛烈に応援したくなるアヒルの道路横断動画が話題に/カナダ(2012年12月13日ロケットニュース24)

「あと少し! 頑張って!!」と猛烈に応援したくなる動画が現在話題になっている。

CNN Distraction: Family of ducks tries to cross highway」という動画には、カナダ・トロントにある高速道路を、命がけで横断するアヒルの家族が登場する。家族の先頭を歩くのは、もちろんお母さんアヒル。その後ろには、可愛い赤ちゃんアヒルがピョコピョコとついてきている。

家族が渡ろうとしている高速道路では、何十台もの車が猛スピードで走っており、人間ですらそう簡単に横断できるような道路ではない。しかしアヒルの家族は、懸命に前に進む。車にぶつかりそうになりながらも、懸命に前に進む。

何が彼らをここまで奮い立たせているのかは分からない。きっと道路を渡った先に、何か大切な物があるのだろう。そんな勇ましい姿を見せるアヒルの家族は、無事に高速道路を渡りきれるのだろうか? その気になる結末は……ぜひ動画を見て、みなさんの目で見届けていただきたい。

リンク先の動画を見ていますと通りがかりの大型車の風圧に吹っ飛ばされるアヒル達にドキドキなだけに、ラストの字幕がなんとも良い味を出してますよね。
今日は思いがけない大冒険をするハメになったアヒルたちに敬意を表して、世界中からちょっと変な?動物たちの話題を取り上げてみましょう。

泣いてる赤ちゃんにお菓子をあげようとする犬がけなげ(2012年12月2日ITmedia)

 以前に泣いてる赤ちゃんをなでなでするネコの動画を紹介しましたが、今度は泣いてる赤ちゃんをなだめようとしている(?)犬の動画がほっこりするので紹介します。

 激しく泣く赤ちゃんのもとに、「これあげるから泣かないで」というようにお菓子を持ってくるわんこ。もちろん赤ちゃんは食べられないので、母親は「食べていいよ」とお菓子を犬に返すのですが、そのあとも犬は赤ちゃんのところへお菓子を置きます。赤ちゃんを気遣うわんこのけなげさに心が温まります。

これまた詳細はリンク先の動画を参照いただきたいと思いますが、動物の世界でも泣く子には食べ物で機嫌を取るという文化?が存在するということなんでしょうかね?
同じくこちらも子供をそっと見守る健気な犬の話題ではあるのですが、状況によってはこれがトンデモニュースになってしまうという悲しい記事です。

育児放棄男逮捕 10カ月の赤ちゃん置いてバーへ「犬が見張っていた」/米(2012年12月6日スポニチ)

 生後10カ月の赤ちゃんの育児を放棄した疑いで米フロリダ州の男(41)が逮捕された。

 赤ちゃんの母親はこの男に子守を頼み、仕事に出掛けたが、帰宅してみると、なぜか外出先から帰ってきた男と遭遇。問い詰めるとバーで飲んできたことを認めた。

 「赤ちゃんは独りじゃない。犬が見張っていた」というのが男の説明。保安官によると、赤ちゃんの泣き声が響く部屋の外で、確かにピットブルが座っていた。

どうせなら部屋の中に入れておいてやればよかったのに…とも思ってしまいますが、その場の光景を想像すると何とも途方に暮れた犬の顔が浮かんでくるようですね。
動物たちが家族のいないときに何をしているのかということは飼い主にとって永遠の謎でもありますが、こちらの犬はどうやらとんでもないことをやっていたことが発覚したようです。

「うちの犬を隠し撮りしたら、2本足で立って踊り続けてた」(2012年11月24日らばQ)

人間が見ていない間、ペットがどんな行動をとっているのか気になるかと思います。
とある家で飼われているチワワを、隠し撮りしてみたところ……なんと2本足で踊り続けていたことがわかりました。
映像をご覧ください。

SLOOPY THE DANCING CHIHUAHUA - YouTube

確かに踊ってる……。
それも2本足で背筋を伸ばしてクネクネと。

実はカウンターの上に置いてある、感謝祭のための七面鳥が気になっていたとのことです。
できれば人間が見ている時も踊ってほしい、見事なステップですよね。

飼い主がいるいないに関わらずこれはないから!と言いたくなるような奇妙な光景なのですが、一朝一夕に身につくステップとも思えないだけに普段から鍛錬をしてきていたということなんでしょうかね?
こちらも芸達者な犬として話題になっているものですが、この場合むしろ周囲の人間の方に問題があるようにも思えます。

犬の「運転手」、動物愛護キャンペーンで腕前披露/ニュージーランド(2012年12月6日ロイター)

[オークランド 5日 ロイター] ニュージーランドの動物虐待防止協会(SPCA)が企画したキャンペーンの一環で、ドライバー席に座って車を運転する犬の姿が披露された。犬の知能の高さについて知ってもらい、里親を増やすことが目的だという。

「ドライバー」に選ばれたのは、18カ月のジャイアント・シュナウザーの「モンティ」など3匹。9月から運転の訓練を続けており、初めは脚をシフトレバーに載せる練習や、運転席に座ることから始めた。現在では、車にエンジンをかけてアクセルを踏み、運転できるレベルに達したという。

トレーナーの男性は「スピードが出過ぎたり、訓練士がひかれそうになるなどのハプニングがあったが、今は大丈夫」とコメント。モンティたちは来週、テレビの生放送で運転スキルを披露する予定だという。

いやいやいや、「スピードが出すぎたり、訓練士がひかれそうになる」ってそうそう看過できない大問題に思えるんですが、それを公衆の面前でやらせますかそうですか。
日本でもこだわりの…と名の付く方々は少なくありませんが、こちら中国のこだわりもなかなかに徹底したものだと思わせるのがこちらの記事です。

ベーコンが美味しくなるから?ブタに飛び込みさせる中国の農夫(2012年11月18日らばQ)

家畜の飼育方法は国や地域により異なるものですが、中国で変わったブタの取り扱いをしているとニュースになっています。

なんとおいしいベーコンになるという理由で、飛び込み台から飛び込みをさせているのです。

その根拠のほどは定かではありませんが、少なくとも農夫コウ・デミンさんは、「ブタにダイビングをさせることで病気に対する免疫がつき、ポークの質がよくなる」と主張しています。

飛び込み台は木製で3メートルの高さがあり、自作したという気合いの入りようで、ちょっとした観光名所になっているとのこと。

当然ブタたちは嫌がるのですが、そこをデミンさんが無理矢理押して飛び込ませていきます。

その結果、豚たちはよく食べるようにもなり、よく成長するので、通常の豚より飛び込みをした豚は3倍の値段で売られているそうです。

丸々と成長するのもストレス太りではないか、と思うほどのスパルタではありますが……。

Chinese Farmer trains pigs to jump from height into water - YouTube

映像を見るからに、飛び込むことそのものより、純粋に運動不足を解消させている気はします。

リンク先の画像を参照する限りではこれだけ身軽に動けるのであれば肉も締まっているんじゃないかと思うのですが、それにしても何故普通に運動させるのではなく飛び込みなんでしょうね。
最後に取り上げますのは非常に珍しい猫だと言うことなんですが、まずは記事の方を紹介してみましょう。

「今までこんなにバットマンそっくりの猫は見たことない」(2012年12月1日らばQ)

世の中は猫好きが圧倒的に多いので、自然とかわいい猫写真がたくさん出回りますが、たまに風変わりな猫も出てきます。
今日は一段と変わった、「バットマンに似た猫」と題された猫が人気を呼んでいましたので、ご紹介します。

似てる…というか本人ではないのか?と思うほど。
2度見してしまう、そしてちょっと怖さも感じてしまうこの猫に、海外サイトの反応もたくさん出ていました。

●鳴き声が、少し苦悩を含んだディープなしわがれ声であって欲しい。彼こそが救い主なのだ。
●この猫にはなんだか心を乱されるものがある。
●この猫にぞっとした。
●自分もなぜか見ていて心が落ち着かない。半猫で半人といった、ハイブリッドのようだ。
●日本のアニメとかで出てきそうな、心をかき乱す写真だ。
●だから怖いってば。
●これがバットマンだろ?
●これがバットマンかどうかなんて誰が気にするんだ。それよりこの写真は猫自身が撮ったようだ。
●きっと新しいプロフィールが必要だったんだろう。
●グレーフォックスめ。そこまでだ。

確かに猫自身が自分で撮った写真かと思えるほど。そのうちどこかのプロフィールで本当に出てくるかもしれません。

いやしかし、リンク先の画像から判断する限り確かに看板に偽りなしだとは思うのですが、正直だから何?と感じてしまうのは自分だけでしょうか?
そしてこの写真のじっとこちらを見つめる目線が何かしら次第に空恐ろしいものを感じさせてくるほどの悪人顔なんですが、バットマンって悪役でしたっけね…?

今日のぐり:「天乃うどん店」

知る人ぞ知るを通り越して口コミで聞いてもなかなかたどり着けないとも言われるのがこちら倉敷市内の名店「天の」さんで、この店頭に立っても一向にうどん屋らしくは見えない構えは香川辺りの流儀なんでしょうかね?
もっとも今の時代はカーナビという便利なものがありますから存在さえ知ってしまえば何とか訪問することは可能になったわけで、そのおかげか相変わらずお客も多いようなんですが、この狭い店内によくもと思うほど店員も多いのもおもしろいですね。
ちなみにこんな状況できちんと接遇が成立しているのは顧客の協力も大きいんじゃないかと思えるのですが、うどん好きが集まって奇妙な秩序が成り立っているのもこの界隈では珍しいことで面白いなと思います。

多くの人々が二品以上を注文するお店でこの日はごくベーシックにぶっかけうどんの冷を頼んで見ましたが、待つほどもなく出てきたのは味も素っ気もない丼に盛られたうどんで、この時点で見た目の色つやはなかなかにいいですよね。
これにテーブルの醤油をかけまわして食べるというスタイルで、揚げ玉やネギなど薬味は確かにぶっかけ風ではあるんですが、これは醤油うどんではないか?といつも思うのは自分だけでしょうか?
うどん自体はこの界隈に多いタイプのぷるぷる高加水率のうどんで腰の強さを前面に出した香川のスタイルとはまた違いますが、このどこまでもなめらかな食感でありながら噛みしめていくとしっかり歯を受け止めプツンと切れるというのは、まさに柔らかく腰のあるうどんそのものですね。
こういううどんを出すにはタイミングもかなりシビアだと思うのですが、見ていますとカウンターに食券2枚を出してもどちらを先にするかを聞かれ、必ず一品ずつサーブされているようですから、さすがにお店の方でもきちんと気を遣っているようで安心感があります。

味もさることながら香川のセルフ店の水準にちかい値段も財布にやさしいのもありがたいことで、これだけ気安くうまいうどんを食べられるのですからおかわりが続出するのも当然なのですが、狭い店内で自然に譲り合いの誠心が発揮されているらしいのもこれまた興味深い現象ですよね。
このあたりもある意味非常にお客を選んでいるからこそ存続しているスタイルという点では、この分かりにくい立地があるからこそ成り立っているお店の伝統ということなのかなとも思えますし、今の時代であってもいつまでも隠れた名店であった方が熱心な顧客にとっても幸いなことなのかも知れずですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月15日 (土)

かねて問題視されてきたペニーオークション ようやく摘発を受ける

表題の件に絡んでタレントによる詐欺サイト宣伝問題はすでに格好のワイドショーネタになっているようですが、すでにネット上では「安値で競り落とした」と書き込んだタレントの名が列挙されるなどちょっとした祭り状態になっているようです。
いずれそれらの真贋が明らかになっていくにつれ社会的責任も云々されることになるのかなとは思いますが、こうして大騒ぎになったことでこの問題を社会的に周知徹底していく上では結果的によいきっかけになったんじゃないでしょうか。

ほしのあき「30万円」で詐欺サイト広告塔(2012年12月13日日刊スポーツ)

 タレントほしのあき(35)が、入札のたび手数料がかかり、問題視されていたペニーオークションのサイト「ワールドオークション」について、落札していない商品を落札したかのようにブログに書き込み、同サイトの宣伝に関与していたことが12日、分かった。所属事務所によると、友人のタレントに勧められ、アルバイトとして30万円受け取っていたという。同サイト運営者の男らが今月7日に詐欺容疑で京都、大阪両府警に逮捕されている。

 京都府警などによると、ペニーオークションは入札のたび少額の手数料がかかる。今回、運営者が逮捕された「ワールドオークション」のサイトは「最新家電を激安で落札できます」などとうたっておきながら実際は、会員の入札額を自動的に上回るシステム「ボット」やサクラによって、入札のたびに高値が更新され、ほとんど落札できない仕組みになっていた。ほしのは、10年12月27日付のブログに、「プラズマクラスターをオークションでゲット」というタイトルで記事を投稿。新品の空気清浄機を実際は落札していないのに、写真とともに「1080円で落札したの」「すごいよ-」などと書き込み、「ワールドオークション」を利用したと記していた

 同サイトを運営するネット関連会社役員らが7日に両府警に詐欺容疑で逮捕された。ほしのは同日、京都府警から事情を聴かれた。所属事務所によると、ほしのは、友人のタレント松金ようこ(30)から「30万円あげるから、こういうブログを書いてほしい」と「アルバイト」として書き込みを持ちかけられ、指示された文面をブログに掲載したと説明。サイト運営者とも面識がない状態だったため、松金に教えた口座を通じて現金30万円を受け取ったという。
(略)
 京都府警はほかのタレントもブログなどに書き込んでいた可能性もあるとみて調べている。

 ◆ペニーオークション 入札のたびに数十円の手数料が取られるインターネットオークション。開始価格が低く、格安で商品を落札できることを売りにしている。小銭という意味もある英国の通貨単位「ペニー」が由来。05年ごろドイツで考案され、国内では09年末から業者が増え始めた。独立行政法人国民生活センターなどによると、10年半ばから「何回入札しても落札できず、手数料だけとられてしまう」などの苦情や相談が急増している。景品表示法に抵触する恐れがある。

ほしの詐欺オク謝罪 熊田、小森も…(2012年12月14日日刊スポーツ)

 タレントほしのあき(35)が13日、約2年前に自分のブログにペニーオークションで落札していない商品を落札したとうその記述をした件についてブログで謝罪した。タレント熊田曜子(30)も同時期に、うその落札をブログに掲載していたことを認めた。2人ともタレント松金ようこ(30)から依頼されたと説明している。
(略)
 ほしのと同様に、ペニーオークションの「宣伝」をブログに記載したタレントがほかにもいた。熊田はこの日、所属事務所を通じて、10年12月23日にブログにペニーオークションのサイト「わくわくオークション」で、実際に落札していないにもかかわらず、オーブンを5220円で落札したと掲載したことを認めた。所属事務所によると、松金から依頼を受けた熊田は事務所スタッフに報告した上で掲載したという。当時のマネジャーが退社しており、謝礼金や商品を受け取ったかなど詳細は分からず、確認中という。関係者は「当時このようなサイトだとは思っておらず今思うとより注意をしなければいけなかった」と話した。

 さらに、やはり同時期にペニーオークションのサイトと思われる「ギャルオークション」でアロマ加湿器を225円で落札したとブログに掲載しているタレント小森純(27)がこの日、都内で行われたイベントに出席した。当初予定されていた囲み取材をキャンセルし、写真撮影時に取材陣からネットオークションについて聞かれたが、無言のまま会場を後にした。

ピース綾部も ペニーオークションでブログに書き込み「軽率でした」(2012年12月14日スポニチアネックス)

 入札のたびに手数料がかかるペニーオークションを利用して商品を落札したかのように、ブログに書き込んでいた「ピース」の綾部祐二(35)が13日、「知り合いに頼まれ断りきれなかったとはいえ、軽率でした」とコメントした。

 約2年前、ブログに「初めてペニーオークションで電化製品を買いました。超安く買えてラッキーです」などと掲載。所属の吉本興業によると、世話になっている知人に頼まれ書き込み「謝礼はいらない」と伝えたが、5万円を受け取った

 掲載直後に問題視されているオークションだと指摘され、約25時間で記事は自ら削除。商品はオークションで購入したものではないという。吉本興業は、綾部本人とオークションとの直接の関わりはないとしている。

このタレントの絡んだ騒動については記事にある「広告塔」という表現がまさに事件の本質なんだろうと思いますが、単純に金をもらって嘘の書き込みをしたのが悪いのかということになれば嘘にまみれたCM出演なども悪なのかということにもなりかねず、この場合世間がどれほどそれをフィクションだと感じていたかも問われることになるのでしょうね。
逆に言えば元々そうした胡散臭さを感じ取っていた人々にとっては今さら何を言っているのかと言う話で、特にこのペニーオークションに関してはすでに以前から国民生活センター等からも警告が出ているなど限りなく黒に近い灰色であることは知られていたわけですから、幾ら世間知らずとは言え客商売が今時そんなものの宣伝に関わっていたことは何とも間抜けな話だと言うしかなさそうです。
それよりも社会的害悪としてのこうした悪質サイトが今回ようやく初めて摘発されたというニュースの方に驚きを感じた人も多かったのでしょう、当然ながらネット上では摘発が遅すぎるという声も多いようですね。

「ペニーオークション」詐欺で初摘発 ネットでは「ようやくか・・・・・・」の声(2012年12月8日J-CASTニュース)

   「ペニーオークション」のサイトを開設して、参加者が商品を落札できないシステムを作り、手数料をだましとったとして京都・大阪両府警は2012年12月7日、運営会社の男ら4人を詐欺容疑で逮捕した。ペニーオークションサイト詐欺の摘発は全国で初となる。

「ボット」を仕組み、値段をどこまでも吊り上げ

   「ペニーオークション」は、通常のネットオークションと比べてスタート時の価格が低く設定され、入札単位も数円単位に固定されていることから、「格安で落札できる」ことを謳っている。しかし、入札するごとに手数料が必要となり、最終的に落札できなかった場合でも手数料が返金されない。サイト上には残り時間が表示されるが、終了間際に誰かが入札するたびに数十秒ずつ延長されていく仕組みで、入札が続く限りどこまでも延長され、手数料が商品自体の値段を上回ってしまう場合もある。国民生活センターには「こんなに手数料がかかるとは思わなかった」といった相談が以前から寄せられていた。

   また、多くの場合、オークションサイトの運営業者と商品の出品者が同一であるから、入札しているユーザーに「サクラ」がいるのではという指摘もあった。

   今回の事件では、運営会社がサイトに自動入札を行う「ボット」を仕組み、値段をどこまでも吊り上げ、利用者が入札をしても最終的に落札がほぼ不可能なシステムにしていたとみられている。

   この報道を受けてネットでは、

    「ようやく初逮捕。問題になっていたころが懐かしい
    「やっと立件って感じ… てか、まだ存在してたんだね

以前から問題とされていながらも、摘発されてこなかったことを指摘する書き込みが多かった。

   また、ペニーオークション詐欺をより強力に取り締まるため

    「ペニーオークションて言うシステム自体が詐欺を行いやすいシステムだし、法整備して取り締まった方がいいんじゃないかなぁ」

との、法整備を求める書き込みもあった。

以前にも紹介しましたようにペニーオークションを導入しようとした会社に違法性を訴えた社員が干された、なんて話もあるくらいですから、法の網をくぐるような形で儲かる商売だとしてそれだけ社会的認知度も上がっていたでしょうに、今回初めての逮捕と言うのですからやはり遅いなとは思いますよね。
もともとこの種のサイトに関しては「そもそも商品自体を用意していないのではないか?」と言う疑惑すらあって、実際には約款上どこまでの義務が求められているのかは検討してみないことには判りませんが、とにかくやろうと思えば幾らでも悪どく儲けられる巧妙なシステムであることは確かです。
サクラによる落札阻止を避けるために例えば簡単な規制法として落札終了期限を厳密に設定し再延長は認めないというルールを設ける、といった規制も考えられますが、システム的に一般入札を締め切った直後にそれを上回る空入札を入れるようにしておけば表からは容易に区別出来ず、疑って詳しく捜査してみないことには違法性がはっきりしないということなのでしょう。

ネット上でのオークションが一律に悪いということではなく、またオークションを利用して転売し儲ける行為も控えめに言っても「転売厨」などとあまりよい評判ではないとは言え、正常な商行為としての範疇であるならこの社会の中で決してやっていけないというものではなく、業者に儲けさせるのが気に入らないなら利用しないという自由もあるわけですしね。
その意味では一つにはペニーオークションというシステム自体が持つギャンブルとしての性質が許されるものなのかどうか、そしてもう一つには最終的に誰かの手に賞品が渡るという担保がないことが問題なんじゃないかと思います。
ただ今回初めてとは言えようやく摘発が行われたということで、今後は類似サイトには次々と同様な捜査の手が及んでくるだろうことは想像出来るだけに、逆に言えばそうした追求の中でも変わらず営業を続けているサイトは相対的に真面目なサイトとは言えるのかも知れませんね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年12月14日 (金)

産科無過失補償 結果を踏まえ改訂へ

本日の本題に入る前に、以前から言われていた詐欺行為についてとうとう逮捕者が出たというニュースをお伝えしましょう。

難病女児利用し募金詐欺 容疑のNPO役員ら逮捕 大阪府警(2012年12月10日産経新聞)

 ■数百万円集金か

 大阪府内に実在する難病の女児(5)への支援を訴える街頭募金活動を行い、通行人から現金をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課が詐欺容疑で、大阪市内のNPO法人「W.S.A」役員、中村穣次容疑者(32)ら5人を逮捕していたことが10日、分かった。中村容疑者らは1年数カ月前から大阪市内の繁華街や大阪府泉佐野市内などで嘘の募金活動を繰り返し、数百万円の募金を集めていたとみられる。

 府警によると、ほかに逮捕されたのはいずれも同府内の19~58歳の男4人。逮捕容疑は今年11月上旬、泉佐野市内の街頭で、厚生労働省が小児慢性特定疾患に認定している「骨形成不全症」を抱える女児への支援名目で募金活動を行い、数人から寄せられた計千円を詐取したとしている。

 府警によると、中村容疑者らは2~4人で街頭募金を実施。逮捕者以外にも活動していた人がいるという。NPO法人は慈善団体を装うため、難病患者の支援を事業目的として今年8月に設立されていた。

 骨形成不全症は骨の主要成分であるコラーゲンの異常で骨が極端に弱い先天性疾患。骨折が多発したり、骨が変形したりする症状が出る。

 厚労省が原則18歳未満の患者に、症状や所得に応じて医療費の一部を助成している。女児は重症のため全額補助を受けていたという。
(略)

俗に「難病詐欺」などと呼ばれるこうした詐欺行為には様々なやり方がありますし、過去のケースでは実際に難病であり治療行為も行っているような場合でも必要以上と思われる募金を募った上で用途も公表しないといった場合にも詐欺まがいの行為だとして容易に炎上してしまうようですから、どこまでが許容される行為なのかは非常に微妙なところがありますね。
ただ今回の場合は医療費全額が公費補助される対象ということですからお金は何に使っていたのかということにもなったわけで、以前から言われているように今後この種の募金活動は個別に好き勝手なことを行うのではなく、きちんとした公的団体に資金をプールして必要なだけを支給を受けて活用するといった明朗なやり方も必要になってくるのかなと思います。
いずれにしてもこうした詐欺行為が成立するのも対象が「気の毒な子供」であるからというのは一面の真理で、例えばこれが「うちの寝たきり爺ちゃんの介護費用をカンパしてくださ~い」では集まるものもそうそう集まらないでしょうから、小さく弱いものに対する保護衝動とは子孫を残そうとする本能にもつながる人間の根源的欲求の一つに数え上げてもいいものなのかも知れませんね。
そうした観点からも産科無過失補償制度が未だ実現のきざしも見えてこない他の医療補償制度に先駆けて運用されているのも納得出来る話なのですが、運用開始からここまでのデータが最近になって相次いで発表されたことが報道されていますので取り上げてみましょう。

産科補償制度開始から414件が対象に- 11月末現在、1年で168件増(2012年12g1つ11日CBニュース)

 分娩に関連して一定の条件下で重度脳性まひを発症した児に補償金を支払う「産科医療補償制度」で、制度が始まった2009年1月から12年11月末までに414件が補償対象に認定されたことが11日、日本医療機能評価機構のまとめで分かった。11年11月時点から168件増えた。

 414件を児が生まれた年別に見ると、09年生まれが185件、10年生まれが151件、11年生まれが69件で、12年生まれが9件。この1年で新たに認定されたのは、09年生まれが29件、10年生まれが62件、11年生まれが68件だった。このほか23件が、現時点では障害の程度の予測が難しく、補償対象かどうか判断できないものの、適切な時期に再診断などが行われれば認定できる可能性があるとして、「再申請可能」となっている。
 414件のうち、損害賠償請求が行われたのは23件(5.6%)で、うち4件が解決済みという。

 この制度の補償申請期限は5歳の誕生日までで、09年に生まれた児は14年の誕生日まで補償を申請できる。【高崎慎也】

むしろ年々申請が減ってるじゃないか!という人もいるでしょうが、誕生直後には判断のしにくい場合もままあることから、最終的にはある程度長期間の経過を見た後でないと申請がどれくらいの比率になるのかは判断出来ないでしょうね。
ただ補償対象を相当に絞り込んだこともあって申請されたケースの大多数が認められたのはいいとして、もともと年間3000人という脳性麻痺児のうちでもごく限られた対象のみに補償するということで厚労省も500~800人程度と非常に控えめな予想を打ち出してきていましたが、現状ではその予想すらはるかに下回る低調さでほとんどの脳性麻痺児は華麗にスルーされているということですよね。
この制度に関しては例によって様々な問題点が指摘されながらも無いよりは断然あった方がいいと考えているところですが、制度自体の認知度が上がってくればもう少し申請件数も増えてくるだろうとは言え、やはり脳性麻痺という重い障害を抱えた患児と両親にすれば「何故全員が補償されないの?」と言う素朴な疑問はあるのではないでしょうか?
特にこの制度で期待されていた柱の一つとして周産期医療事故に関わる医療訴訟を減らせるのかという命題がありましたが、補償される対象かどうかを医師が判断するともなればまたそこで係争化の下地が形作られてしまうことは避けられず、実際に損害賠償請求も発生している点を見てもやはり北欧型のような医師と家族が協力して広範な無過失補償を目指すというスタイルがよいのではないかと思います。

また、すでに余剰金280億円が行方不明?になっていると報じられるなど制度の運用面で数々の課題を抱えていることは明らかになっているところで、天下の天下り団体である医療機能評価機構も来春から見直し作業に取りかかるというスケジュールを公表していますが、補償水準や補償対象の議論と並んで未だに根強く残るのが医師へのペナルティー導入の是非です。
何らペナルティーがなければ医療技術向上へのモチベーションも湧きようがなく、研修参加など最低限の教育的ペナルティーは職業人の義務として必要だろうということを言う人も未だにあり、今後の議論の進展次第でこの辺りの話が煮詰まってくるようですとより広範な医療無過失補償の導入や医療事故調創設の議論へも影響を与えずにはいられませんよね。
ただそもそも現行の補償対象が極めて限定的なものになっているのも出産時の事故に関連すると推測される症例に対象を絞っているためですが、分娩を原因とする脳性麻痺はせいぜい10~20%とも言われ、有名なところとして一頃医療訴訟に恐れをなしてアメリカでは帝王切開率が急上昇した、ところが脳性麻痺は一向に減らなかったという話にもあるように「脳性麻痺=医療ミス」的な捉え方には非常に問題がありそうです。
もともと脳性麻痺は過失度合いと賠償額のミスマッチが極めて大きいと言われ、ただでさえ各種リスクを忌避して産科医が不足を極める事態にもなりかえって母子の健康に悪影響を及ぼしているという状況が先にあったわけですから、制度を改めるにしても医師と家族とに新たな対立要因を持ち込むような方向での改訂は避けた方が結局は利が多いのではないでしょうか。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年12月13日 (木)

医学部新設問題 いずれにしてもタイミングは今?

本日の本題に入る前に、先日ニュースを見ていてなるほどそういうことがあるのかと感じたのがこちらの記事です。

東北薬科大 来年4月、大学病院開業へ(2012年12月12日河北新報)

 東北薬科大は11日、東北厚生年金病院(仙台市宮城野区)を所有する厚生労働省の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)と、病院の土地建物を取得する売買契約を結んだ。病院スタッフもそのまま引き継ぎ、来年4月に「東北薬科大学病院」として開院させる。
 薬科の単科大が総合病院を所有するのは全国で初めて。付属病院化によって、2006年度に6年制に移行した薬学教育の充実を図る。
 契約額は宿舎の土地建物も含めて、7億7330万円。医療設備は別に譲渡を受ける。
 大学は、病院職員685人の希望者全員をいまの雇用条件のまま引き継ぐ。東日本大震災で被災した病棟は、今後10年程度をめどに現在地で建て替えるとしている。費用の100億円超は自己資金で賄う方針。
 東北薬科大学長も務める高柳元明学校法人理事長は大学で記者会見し、「薬学教育の6年制移行を機に病院取得の検討を始めた。地域医療に貢献しながら、実務実習のモデルとなる病院をつくりたい」と語った。
 同席した東北厚生年金病院の田林晄一院長は「病院の自立につながり、医療研究の促進も期待できる。大学の意向に協力したい」と話した。
 東北薬科大はことし9月、厚労省に同病院譲渡の要望書を提出。同省は11月に譲渡候補先に同大を選んだ。RFOは(1)病床や診療科の維持(2)地域医療支援病院や災害拠点病院の指定継続-などの条件を最低10年間は満たすよう求めた。
 東北厚生年金病院は診療科21、病床数466床で、県の災害拠点病院やがん診療連携拠点病院に指定されている。

もちろん需要と供給が一致したというのが最大の理由なのでしょうが、同じ仙台市内では仙台厚生病院と東北福祉大がタッグを組んで医学部新設を目指していることはよく知られているところですよね。
医学部新設に当たってはよく教育や付属病院に必要な大量のスタッフをどう確保するのかが一番の問題だと言われますが、今回のように大学病院保有の前提条件として別に医学部医学科を持っている必要性はないということであれば、昨今各地で申請が出ている医学部新設が認められる前段階として既成事実を積み上げていく一つの方法論ともなり得るやり方かなという気もします。
いずれにしても近年医学部定員が大幅に拡大され医師養成数が急増している中で、新設医学部を認めるべきかどうか未だはっきりしたコンセンサスが得られていないという状況ですが、逆に言えばこのまま歳月が経過し医師が順調に増えていくほど新設を求める声に説得力が失われていきそうだとも言えますよね。
そういう意味では新設推進派、反対派双方ともにここ数年が勝負所だと見極めているのでしょうか、各方面からそれぞれ盛んに声を上げているようです。

医師増えても「20年後も不足」 東大研究所が予測(2012年12月7日朝日新聞)

 今の医師の増やし方では20年後も医師不足――。こんなシミュレーション結果を東京大学医科学研究所のグループが1日、米科学誌プロスワンに発表した。医学部増員により医師数は増えるが、高齢化で死者数も増えるため、負担は変わらない可能性が示唆された。

 国の人口推計や医師数調査のデータをもとに2035年の状況を解析した。医師数は39万7千人で、10年より1.46倍に増えるが、死者数も1.42倍に増加。3人に1人の医師が60歳以上になるため、年齢や性別を考慮した医師の勤務時間あたりの死者数は現在と変わらなかった

 同研究所の湯地晃一郎助教は「死者の大半は病院で死亡している。現状では勤務状況が改善されない」と指摘する。12年度の医学部の定員は約9千人で、07年度より約1400人超増えている。

同志社の医学部計画に反対声明 京都府医師会(2012年12月11日朝日新聞)

 学校法人同志社(京都市)が大学に医学部や医科大学を設置する検討チームを発足させたことを受け、京都府医師会(森洋一会長)は11日、「新設には断固反対していく」との声明を発表した。

 京都府庁で会見した森会長は、同志社側が医師不足の解消を掲げていることについて、「(既存の)医学部定員枠の増大で十分、対応できている」と反論した。また、新設によって学生や教員を取り合う市場原理が持ち込まれると、医学生の質が低下したり既存大学の経営が圧迫されたりする、と訴えた。

 そのうえで「現代の医療状況などを顧みておらず、良識の府の見識にも関わる」などと同志社側を批判した。

個人的にはここまで医学部定員が急増してしまうと今さら巨額のコストとマンパワーを投入して医学部を新設することにはあまり意味がないかなと思っていますが、一方では医師総数の増加とは別に地方を中心に医師分布の偏在の問題が盛んに言われていますよね。
その抜本的解消策として医学部新設しかないという主張も相応に説得力がありますが、それなら例えば大都市部に複数が集中している医学部の移転なども検討すべきかとも思うのですが、現実的には医学部とは地域の系列病院ヒエラルキーの頂点でもありますから難しいのでしょうね。
医師会が既存大学の経営を云々するというのも何やらおもしろいなと思うのですが、ただ法科大学院や歯学部など先行して新設増員を行ってきた有資格専門職が軒並み崩壊し今や学生確保にすら四苦八苦している状況を考えると、現行の定員増加方式で対応出来ないことが明らかにならない限りは新設は行いにくく、また行うべきでもないと言う気はします。

ただそれとは別に今回の東大医科研の話を聞いてちょっと考え方が違うのでは?と感じたのは、老人の大半が病院で亡くなっているから医師が多忙だと言うなら、まずそのその状況を改善する方がよほど即効性もあるだろうということです。
老人の看取りについて昨今ではあまり手をかけないということがようやく広まってきていて、実のところ看取りの数が多い割にそれほど業務量は多くない(あくまでも医師については、ですが)とも言えますが、老人に限らず何かあればとりあえず病院にという風潮が過剰な医療需要を招いていることもようやく注目されるようになってきていますよね。
国民皆保険制度が導入されて以来日本では誰でもいつでも好きなだけ医療にかかれるのが当たり前であり、お金のあるなしで受けられる医療に差がつけられるなどあってはならないことだというタテマエが主導的になってきましたが、このタテマエが続く限り医療需要に対する抑制因子としては地域の住民自身の自己抑制しか存在しないということになってしまいます。
国が右肩上がりで豊かになっていく過程ではそれも成り立っていたことなのかも知れませんが、すでに医療・介護に対する国の支出はほぼ上限に迫りつつあることは明らかで、一方日医(苦笑)を初めとして皆保険制度絶対死守、混合診療などとんでもないという方々も未だに一定の力を持っている以上は、国の支出の上限がすなわち医療全体のパイの大きさを規定しているとも言えることですよね。

つまり現行の保健医療制度を大幅に変えない以上は際限なく増え続ける需要に対して際限ない供給の増加で対応しようというのは無謀きわまるというもので、医療全体を妥当な水準に抑えると同時に医療資源をどこにどれだけ配分するかというパイの切り分け方についての議論も必要になるはずですが、当然ながらその過程で誰かにとっては受けたかった医療が受けられなかったという状況が発生するはずです。
その意味では長年悪化する一方の財政危機が増税という痛みに対する推進力になったように、医療の世界においても需給バランスが崩壊し供給過少に陥っている今のタイミングだからこそ、国民に対して医療の抑制をお願いするにもひときわ説得力があると言えるんじゃないでしょうか?
現状の路線を維持していくだけでも何年か経てば何となく医師も増えて現場もそれなりに回るようになるかも知れませんが、そのときになっても国民が「不要不急の救急受診は控えましょう」なんて呼びかけに素直に賛同し自己規制してくれるものかどうか、あまりに高すぎる民度を前提としてものを考えるのもいささかリスクが高すぎるようにも感じられます。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2012年12月12日 (水)

救急搬送 さらに増える

本日まずは順調に利用者が増えているという話題を紹介してみましょう。

救急車の出動件数、搬送人員共に最多- 消防庁調査 (2012年12月4日CBニュース)

 救急車の昨年の出動件数は570万7655件で、過去最多を記録したことが、総務省消防庁の集計で分かった。前年比24万3973件(4.5%)の増。搬送人員も20万3192人(4.1%)増えて518万2729人となり、過去最多を更新した。

 前年に比べ、出動件数の増加率が最も高かったのは宮城県(13.4%増)で、次いで岩手県(11.3%増)、鳥取県(7.8%増)の順だった。
 救急車の搬送者を傷病別に見ると、急病(322万8856人)が最も多く、次いで一般負傷(73万9910人)、交通事故(55万3796人)と続いた。

 119番通報があってから救急車が現場に到着するまでの時間は、全国平均で8.2分(前年8.1分)で、統計を取り始めた1985年以降、過去最長だった。通報から病院収容までの時間も、過去最長だった前年の37.4分から0.7分延びた

 昨年に救急隊が搬送した心肺機能停止傷病者(12万7109人)のうち、家族など一般市民によって応急手当てが行われた5万4652人の1か月後生存率は6.2%で、行われなかった7万2457人の5.1%に比べて約1.2倍高かった。

 また、一般市民がAED(自動体外式除細動器)を使ったのは1433件で、前年に比べ135件増えた。公共施設などさまざまな場所に配備されてきたことが、AEDの使用件数増に結び付いたとみられる。【新井哉、兼松昭夫】

以前から救急搬送が絶讚急増中であり、またその大多数が入院等必要がないような軽症例であるということが問題視されてきましたが、消防庁の偉いところは組織として救急搬送改革を目指し動いてきたということ、その試みの一環としてたとえば救急搬送の統一基準を作るなどしてきたわけです。
不要不急の救急車利用はやめようという呼びかけがなされるたびにマスコミなどからは「救急搬送拒否で患者死亡!」といった事例が報道されてきましたが、救急・医療の領域は人間相手の不確実なものである以上は一定のレアケースは発生するものであり、なおかつ万に一つもそのレアケースが発生しないよう100%の安全を目指そう!などと言うことが成立しないものでもあります。
このあたりの「医療に100%はありえない」ということは最大多数の最大幸福ということにも大いに関連していて、例えば近年では国の強力な政策誘導もあって病院の平均在院日数はどんどん短縮されてきている、一方で早期退院をしたはいいが何かしらトラブルが発生したためまた病院に舞い戻ってしまうという症例も必ず発生するわけですよね。
患者からすれば「もう少し長く病院においてくれたらこんなことにはならなかったのに…」と思いたくもなる話ですが、そうやって各患者をもう少し長く病院におく設備やマンパワーを使えば圧倒的多数の患者にさらなる医療を施せるとなれば、結局どちらが社会全体にとって得であるかということは明らかです。

救急も全く同じ理屈であって、何でもかんでもとりあえず何かを感じたら救急車を呼べと言うのでは現場が疲弊し本当の救急が受けられない、いやそれを見越して供給体制を整えておくべきでは?という意見もあるかも知れませんが、救急など不採算分野は経営厳しい市中の病院にとってお荷物以外の何物でもなく、そろそろ需要の側を抑制すべきだと言う意見が昨今ようやくコンセンサスを得つつあるということです。
無論こうした話には見込み違いなど一定のリスクは最初からあるものと見込んだ上で制度を整えておかなければならないのは当然で、運悪く万一に当たってしまった人にはきちんと対応出来るようにしておかなければならないのは言うまでもありませんが、それもこれも現場が万一が起こった時のための余力を相応に残しておけるからこそということですね。
その意味で気になるのが特に改善したという話も聞かない割に一頃ほど報道されることもなくなったのが救急受け入れ困難というケースですが、これだけ救急搬送が増えている以上当然医療の側でもあっぷあっぷしているのではないかと言う想像の通り、こちらも非常に逼迫した状況が続いているようです。

医療機関の救急搬送拒否、最多に 11年、3回以上受け入れず(2012年12月7日47ニュース)

 2011年に重症患者の救急搬送で医療機関から3回以上受け入れを拒否されたケースが、過去最多を更新する1万7281件に上ったことが7日、総務省消防庁の集計で分かった。前年に比べ900件の増加で、消防庁は高齢化に伴うお年寄りの搬送増加に加え、救急病院の減少が理由とみている。

 3回以上の受け入れ拒否を都道府県別にみると、東京が3500件で最も多く、次いで埼玉2448件、千葉1114件の順だった。

 10回以上拒否されたケースも753件あり、最多は大阪府の事例で41回だった。

 集計結果は、消防庁が7日開いた有識者検討会で報告された。

もちろん消防庁としては救急の現場がこれだけ需給逼迫して余力がないということを裏付けるためのデータとして採取しているのでしょうが、こういう話を単に数字だけで捉えても仕方がないことで、どういう症例が受け入れ困難なのかを検証しないと何の意味もないですよね。
以前にこれまた消防庁の調査で急性アルコール中毒や精神疾患の患者、未受診妊婦などが特に搬送先探しに苦労するという結果が出ていましたが、何故苦労するかと言えばそうした症例は様々な意味で現場が対応に苦慮するというケースが非常に多いからという当たり前の理由があるわけです。
アル中や未受診妊婦などは自己責任以外の何物でもありませんからきちんと社会的な予防策を講じるのも必要ですが、心肺停止患者などのように多くのマンパワーや高度な設備が必要な症例であるから受けられる施設が限られてくるのであれば、そうした対応が可能な施設が不要不急の患者への対応で追われないように環境を整えることも必要でしょうね。
近年では脳梗塞や緊急帝王切開など極めて時間要件の厳しいガイドラインが整備されるようになった結果、最初から最短経路で専門施設に搬送されなければ時間切れになってしまうという懸念からも専門外の患者に手を出すことは難しくなってきていますが、そうであるからこそ専門性の高い医療が出来る施設をどう温存していくかと言う配慮も求められるはずです。

またこれは昔から言われていることですが、搬送困難というケースは単純に医療資源が不足しているから起こるという訳ではなく、例えば地域内に病院が一つしかないような田舎では搬送困難などまず発生しない一方で、先の記事にもあるように東京都内のように医療機関が幾らでもあるような地域でこそ多発しているという現実があります。
もともとどこの医療機関も法定労働時間の上限を超えてスタッフを働かせているのが常ですから、受ける側の心理としてこれだけ病院があるのだからうちだけが更に頑張ることはないだろうと考えているのでは?という推測もありますが、同時に明らかにそれはうちの施設では無理だと言う専門外あるいは対応困難な症例が照会されて来た場合、いくら受ける気満々でも物理的に受け入れ不能となってしまいますね。
救急隊の側からすれば病院まで搬送するのが仕事ですから、快く受けてくれる施設があればとりあえずそちらに送っておくのが一番面倒がないのかも知れませんが、地域内での搬送先の選択は当然ながら一義的に救急隊の責任であるはずですから、各施設の専門性や負担の公平化も考慮した賢い受け入れ要請を行っていくことも最低限必要ですよね。
未だに詐欺まがいのことを告げても患者を引き取らせようとする救急隊もあるようですが、ただのアル中親父を「意識障害です!」などと称して脳卒中専門施設に押し込むようなことをしていたら、いざ本物の脳卒中患者が出た時に手が空いている専門施設が一つも残っていなかった、なんてことになっては目も当てられません。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年12月11日 (火)

特定看護師問題 さらにじわじわと後退?

特定看護師問題に関連して、先日厚労省でこういう会議が開かれたと言うニュースが出ています。

看護師の特定行為、22項目を対象外に- 厚労省が修正案 (2012年12月6日CBニュース)より抜粋

 厚生労働省は6日、「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(座長=有賀徹・昭和大病院院長)を開き、医師の指示の下、看護師(いわゆる「特定看護師」)が実施する特定の医療行為(特定行為)について、これまでの議論を踏まえた修正案を示した。原案では、94項目を特定行為として位置付けていたが、修正案では他の職種が行っているものなど、そのうち22項目を対象外とした。

■特定行為の定義に「病態の確認」を追加
 この日の会合で厚労省は、特定行為の考え方について、これまでの技術や判断の難易度に加え、対象となる病態の変化に応じた行為の内容を事前に明示したプロトコルに沿って、「看護師が患者の病態の確認を行った上で実施する行為」とすることを提案した。

 修正案は、その新たな考え方を踏まえたもので、原案で特定行為とした94項目のうち、「直接動脈穿刺による採血」や「腹部超音波検査の実施」など47項目については、看護師による病態の確認を要する「特定行為」とする一方で、「手術前検査の項目・実施時期の判断」や「直腸内圧測定・肛門内圧測定の実施」といった15項目に関しては、今後、病態の確認を伴う行為かどうかを検討した上で、最終的に特定行為とすべきかどうかを判断するとしている。

 また、看護師による病態確認が想定されなかったり、他の職種が実施していたりする13項目については、特定行為の対象外としたほか、「手術時の臓器や手術器械の把持・保持」や「在宅で終末期ケアを実施してきた患者の死亡確認」(「患者の死の三徴候の確認」に改称)など9項目を「一般の医行為」に修正。また、「実施時期の判断」と「実施」が分かれていた10項目については、一つの行為に統合するとした。

 特定行為の対象外となった項目に関しては、技術や判断の難易度の高い行為が多いことから、厚労省の担当者は、「通知等で診療の補助に入っていることを明示した上で、院内研修などの研修が必要だと考えている」と述べた。
(略)

特定看護師問題ではその業務対象をどこまでとするかで長い議論が続いていますが、範囲を明確化するほどに総論賛成だった議論が各論反対であることが明らかになってきた感があります。
実際にどのような行為が分類されているのかについては厚労省のHPに掲載された資料を参照いただきたいと思いますが、結局のところ特定看護師に何をさせたいのかということに関しても微妙に意見が食い違っていて、看護師サイドにおいても医師抜きで特定行為をどんどん推進したい積極派と、業務を増やすのは嫌だという消極派に二分されているようです。
特に医師と看護師の業務分担に関する議論などは、どこか大学病院の病棟での議論を見ているかのような感もありますね。

医師と看護師の役割分担めぐる議論が大詰め(2012年12月10日日経メディカル)より抜粋

(略)
看護師の裁量は?
 「看護師の裁量はどこに反映されるのか? 『病態の確認』は単なるスクリーニングだけではないのか?」。東京医科歯科大大学院教授の井上智子氏が厚労省案にかみついた。厚労省の担当者は、「病態の確認をした上で、あらかじめ定められた『プロトコール』の範囲に合致しているかの確認をする点がポイントだ。この場合には医師の具体的指示を求めないので、看護師の裁量と言える」と答えたが、他の委員から「病態の確認は、看護師がいつもやっている行為ではないか」との声も出た。

 厚労省が示したフロー図では、医師の指示が出されてから特定行為などが行われるまでの流れが詳細に書かれている。大きな議論になったのは、「B分類の行為」のうち、「包括的指示」で特定の看護師のみができる流れと、「具体的指示」で一般の看護師が行う流れとの違い。「包括的指示」で行う流れには、「プロトコールに規定された病態の範囲にあるか」という確認と、「患者の病態がその範囲に合致しているか」の確認という「2つの確認行為」があるが、「具体的指示」の流れにはない。

 特定の看護師と一般看護師の業務範囲を分けるのは「2つの確認行為」だが、プロトコール自体は「医師をはじめとするチームで決める」(厚労省)ため、特定の看護師がその裁量を発揮する場面がないのではないか、というのが井上氏の疑問だ。これに対し、有賀座長は、「プロトコールをチームで決める中で看護師に活躍してもらう。医師にも看護師にも他の医療者にも裁量がある」と返した。星総合病院理事長の星北斗氏は、「特定行為の考え方を変えるセンセーショナルな資料だ」として、「B分類の行為」を一般の看護師にも解放する点を評価した。

医師の業務は軽減されるのか?
 「今回のフロー図を見せられた現場はものすごく混乱してしまう。医師が看護師に『やっておいてね』と言ってやってもらうのが『包括的指示』だと思っていた」。恵寿総合病院の理事長で全日本病院協会副会長の神野正博氏は、こう不満を漏らした。厚労省案によると、特定の看護師に「丸投げ」ではなく、医師との連絡を緊密にしながら業務を進めていくことが示されている。

 フロー図では、医師が指示を出してから看護師が業務を実施するまでの流れは一方通行ではなく、時折ループして医師に戻ってくる。有賀座長は、「行ったり来たりを繰り返す」と説明。厚労省の担当者は、「病態の確認をやりながら、医師との連携が随時行われるべき」と説明した。一般の看護師が「B分類の行為」を行う場合には、「医師が患者のベッドサイドに行って病態の確認を行う」(厚労省)としている。星氏が「指定研修を受けた看護師でも、具体的指示を受けて実施するのか」と質問したところ、厚労省の担当者は「そういう理解だ」と答えた。

 厚労省案では、「包括的指示」で実施する場合には、「必要に応じて、医師に再確認や提案を行う」としている一方、「具体的指示」で実施する場合には、「看護師が医師に随時報告を行いながら、具体的指示を求める」と記載されている。しかし、「包括的指示」で実施する場合でも、具体的指示を受けながら実施するという解釈を示したため、両者の違いをめぐって議論が一時錯綜した。
(略)

一般の看護師の業務が増える?
 厚労省の提案に対し星氏は、「もう少し削ればコアになるものが見えてくる」と指摘し、「B分類の行為」のうち研修を義務付ける47行為をさらに減らすよう求めた。星氏は、「病院を離れて研修に行かなければできない行為が多くなればなるほど、地域の医療機関に与える影響が大きい」と語気を強めた。しかし、難易度の高い「特定行為」とされている「B分類」の枠組みを維持したまま絞り込むと、一般の看護師が「具体的指示」で行う業務の範囲が拡大する可能性もある。

 医療法人鉄蕉会医療管理本部の前看護管理部長である竹股喜代子氏は、「この流れは限りなく『B』(特定行為)が『C』(一般の医行為)になっていく。ナースがどんどん業務を引き受けることになり、現場の混乱を生じる」と星氏に反論。「日本の病院の7割は200床以下の中小病院で、現在の環境でも看護師にかなりの無理を強いている。『特定行為』は難易度が高い行為ばかり。これを一般の看護師が引き受けるのは、私が考えるレベルを超えている」と声を荒らげた。

 一方、ケアーズ白十字訪問看護ステーション統括所長の秋山正子氏は、「医療現場では医師が足りない。看護師がすぐにやることで、患者さんのQOLが上がるという状況が在宅医療でもある。議論を前に進めていくべきだ」と厚労省案を支持した。他の委員からも「皆さんの意見は、大きな方向性は違っていない」との発言もあり、議論は収束した。
(略)

そもそも特定看護師なるものについては必ずしも医師側からは積極的導入論者は多くなく、むしろ看護師サイドの地位向上を目指して提唱されてきたものであったように理解しているのですが、一方で医師の側にも日常診療でルーチンワークとして行われている業務の一部なりと看護婦がやってくれれば助かるという期待感もあったわけです。
しかし特定看護師が自ら判断をしながら特定行為を行えるとしても、一般看護師も医師の判断に従ってなら特定行為を行える、しかも特定看護師であっても行為の最中にたびたび医師に確認する必要があるとなれば、わざわざ研修など面倒な手順が必要な特定看護師などに頼らずとも…と考えてしまう先生方も多いのではないでしょうか?
これに加えて今でさえ忙しいのに仕事が増えるのは困る、なんてことを言い出す看護側代表まで出てくるというのでは、結局は責任を持って仕事をする意志などなく単に特定看護師という肩書き?だけが欲しかったんじゃないかと誤解される恐れすら出てきそうですね。

この仕事の振り分けの問題は結局医師と看護師のどちらが多忙かということにも結びついてくるわけですが、医師の側からすればチームで業務を分担しきちんとローテーションを組みながら仕事をしている看護師が、勤務時間などあってなきがごとしで30時間、40時間の連続勤務は日常茶飯事という医師より忙しいなど考えられない、という見方もあるでしょう。
無論、定型的な業務がほとんどの慢性期の施設などでは医師は指示だけ出しておけばほとんど看護師がやってくれるというケースもあるわけですから、最終的には個々の現場での実情に即して相談して決めるしかないはずなんですが、いざ業務分担をしようと思ってもやっていいかどうか判らないから出来ませんと言われるのが一番困るはずです。
何より看護と医師の仕事の範囲とは実に曖昧に流されてきた領域でもありますから、こうしていざその範囲を明確化するに当たって「それは私が考えるレベルを超えている」ばかりでは、一部施設では今までも当たり前に行われてきた業務ですら何かしらの掣肘が加えられることにもならないかと危惧してしまいます。
その意味ではひとまず看護師が何らかの前提条件付きででもやっていい範囲はなるべく幅広く取っておく、そしてその実施にあたっては施設のレベルやいざというときの対応能力なども含めて個別に判断していくということにしないと、大病院も小病院も急性期基幹病院も療養型もひとまとめにして全国一律の基準で決めようというのはさすがにまとまるものもまとまりませんよね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2012年12月10日 (月)

後発品問題 こだわるなら安定供給は必須の条件ですが

最近では生活保護受給者にその使用を義務化するかどうかでも注目されている後発医薬品(ジェネリック)問題ですが、こうした議論がなされる元々の背景としては未だに日本では後発品使用率が高くはないという現実があることは言うまでもありませんよね。
そんな中で先日の中医協ではジェネリックのさらなる普及を目指してこんな新ルールが打ち出されたというのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

後発医薬品普及へ新ルール=薬価で中間報告-中医協部会(2012年12月5日時事ドットコム)

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)薬価専門部会は5日、割安な後発医薬品のある先発医薬品の薬価に関する中間報告をまとめた。後発医薬品の普及に向け、一定期間を経ても後発医薬品への切り替えが適切に進んでいない場合、薬価を引き下げるルールを導入する方針を盛り込んだ。次期診療報酬改定に反映させる。

 後発医薬品は、先発医薬品と成分などは同じだが、開発費を抑えられる分、薬価が安い。厚労省は、患者の負担軽減や医療保険財政の改善を進めるため、2012年度までに後発医薬品の数量割合を30%以上(11年9月現在で22.8%)に引き上げる目標を設定し、利用促進に取り組んでいる。

どうも今ひとつこの新ルールの効果というものが判らないと言いますか、処方する医師の側からすれば値段も大差なくなるのであれば使い慣れた先発品を優先したいだろうし、患者にとってもジェネリックを希望するメリットが乏しくなる気もするのですが、おそらくは厚労省あたりから出てきた何かしらのデータなりに基づくことなんでしょうね。
ジェネリックに関しては当「ぐり研」でも繰り返し取り上げて来た通り「同じもの」だと偽って売るから問題で、最初から違うもの(類薬)として加減しながら扱うのであれば問題ない範疇だとは思うのですが、一方で同じ薬と言いながら効果は元より副作用の出方が違う、そして何より適応症が違うという厄介な問題がある点は制度的な課題としてはっきり明示的に解消していただきたいと思いますね。
そしてもう一つ、先日は薬剤師である熊谷信氏がこんな問題提起をしていますけれども、これまたはるか以前から「後発品メーカーは安定供給に問題が…」とかねて現場臨床医から不安視されていたことが現実になっているという話ですよね。

相次ぐ後発品の販売休止、問題点はどこにある?(2012年12月4日DIオンライン)

 先月11月初旬から、一部の後発医薬品の供給が不安定になっています。最初に名前が挙がってきたのは、確かシルニジピンだったでしょうか。その後、ビソプロロールやリスペリドン、マニジピンなどについても、一部メーカーが供給制限や一時販売休止を発表しています。

 各メーカーの報道発表によると、原因は、それらの後発品の原薬の入手が困難になったことにあるようです。RISFAXや日刊薬業は、「原薬を調達している韓国の原薬メーカーがGMP不適合を指摘され、原薬を出荷できなくなった」と報じており、当該企業が関わっている医薬品や日本企業に影響が出ているとみられます。

 私は、この問題に対しては、様々な見方ができるのではないかと考えています。GMP違反をした韓国企業の責任はもちろんですが、日本の後発品メーカーに対しても厳しい目が向けられています。

 もっとも、日本の後発品メーカーが、国内ではなく韓国から原料を調達していたことを問題視する人もいるかもしれませんが、そこは感情論的な部分で、あまり目を向けるべきではないと思います。一番の問題点は、日本の後発品メーカーのリスクマネジメントの“甘さ”ではないでしょうか。

 つまり、医薬品の原薬を調達するのに、単一のソースしか持たないからこのようなことが起こるわけです。原薬調達、製造、流通など、医薬品が患者さんの手元に届くまでには多くの過程を経るわけですが、色々なケースを想定した上で、それに対する個々のリスクマネジメントを行うことが必要とされます。

 こうしたことが大きな問題として認識される背景には、もちろん、後発品使用の拡大があります。一部の銘柄とはいえ、医薬品の供給が滞ることで影響を受ける患者さんの数も、以前とは比較にならないほどの規模なのかもしれません。

 これに対して沢井製薬の社長・澤井光郎氏は、全品目を対象に原料の調達先を複数化していく姿勢を示しています。原料調達の複数ソース化を行うことで、今回のような事態を避けることは、後発品メーカーとしても考えていかなければならない問題です。

 ただ、個人的には、そのような取り組みをどこまで行うべきなのか、疑問に思うところもあります。今回のケースでいえば、原料調達の複数ソース化を行うことで、後発品の最大のメリットの一つである「価格」が高止まりし、享受できなくなる可能性が出てくるからです。

 「安価であることを求めるなんて浅ましい。医薬品は安定供給あってこそのものだ」という反論はごもっともですし、私もそうあるべきだと考えます。しかし、全ての後発品に対して、いわゆる“フルサービス”を求めることは、本当に必要なのでしょうか

 “べき論”だけでなく、現状を見据え、必要に応じて妥協し、実現可能な方法について模索していくことも大切なのではないかと感じています。

リスクマネージメントと言えば以前にもアメリカで企業相手の保険ブローカーをしている方から、あちらに進出している日系企業の保険に対する考え方は総じて甘いが、特に製薬メーカーなどはあまりにお寒い内容の保険しか用意しておらず何かあれば撤退すればいいくらいに甘く考えているのでは?という指摘を受けたことがありますが、契約というものに対してある意味甘い日本企業という言い方も出来るのかも知れませんね。
有名なジョークにも「アメリカの会社が日本とロシアの企業に同じ部品の発注をしたところ…」という話がありますが、日本人の性質として契約通りに仕事をすればいい、ではなく契約以上に自然と頑張ってしまう、その結果普段の仕事をしていく上で契約というものを意識することが自然と少なくなってしまうのかも知れません。
しかし先の震災でも被災地内の一カ所でしか生産していなかった部品供給が滞ったために軒並み大企業の生産がストップしてしまったという事例が問題になったくらいで、今時の企業は生産効率を追求して世界中に工場を分散させているようでいて、実は突発的な災害等に対する脆弱性は地域の町工場に分散発注していた時代よりもはるかに劣ってしまっている可能性はありそうですね。

熊谷氏はこのリスク細分化ということに関して元々ジェネリックの優位性であるコストとの兼ね合いから、あまり過剰な対策を行うこともどうなのかと問題提起していますが、確かにジェネリックはどれも名前が違うだけで同じものであるという大前提を受け入れる限り一社が消えても他社製品で代替すればいいという発想は合理的と言うしかありません。
先日も格安航空会社が運行開始早々にトラブルが続発して顧客から呆れられたという報道がありましたが、そうしたリスクも込みで安い選択枝を提示されるということは資本主義社会としては全くおかしな話ではありませんよね。
ただ現実的には前述の通りジェネリックは先発品とも違う、そして他社のジェネリックとも違う「同系統の類薬」というレベルにとどまっているわけですから、現場臨床医からは「そんな不安定なものに頼るくらいなら最初から先発品が安心」という声が出るだろうことは想像できますよね。

この点に関してはどちらの主張にも一理あるとは思いますが、思うにかつては同種類薬の中でもこの会社の薬が一番効くんだ!と言った情報に精通し、一見すると似たような治療をしているのに他の先生よりも患者の経過がよいという先生が「治療がうまい先生」として一目置かれるようなところもありました。
ただ治療の標準化が叫ばれガイドライン(これは当然ながら製品名ではなく一般名で薬剤がリストアップされています)に従った治療をまずはやってみましょうという流れで医学教育も行われるようになっている時代にあって、そういう表だってのものではない経験的なコツに頼った治療スタイルはやや古いものになってきているのかも知れませんね。
国がこうも大々的に後発品、後発品と言うことの裏を返してみれば、ただでさえ多忙極まりない医療現場にそこまでの職人芸的精密さに基づいた医療は求めませんよ、もっと大ざっぱな医療でも構わないんですよという暗黙のメッセージであるとも言えるのでしょうか。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2012年12月 9日 (日)

今日のぐり:「焼き肉ハウス 香洛園」

オリンピックを追い風に久しぶりに?ブリに世間の目が集まっている中で、先日はこんな目を疑うようなニュースが出てきました。

英国、20年の日本人訪問者数30万人めざす-業界向け予算増加も(2012年11月26日トラベルビジョン)

 英国政府観光庁は、2020年までに日本人訪問者数を2011年比26%増の29万8000人に増やす目標だ。11月22日に開催したジャパン・ミッション2012で、同庁海外統括局長のキース・ビーチャム氏は弊社取材に応え、20年の目標達成のため、旅行業界との関係強化、イメージの訴求、アクセスの改善、商品の強化の4点に取り組んでいく方針を示した。
(略)
 イメージの訴求では、今年開始した「GREAT」キャンペーンを継続。このほど日本代表に就任したアシュリー・ハーヴィー氏は「日本ではショッピングとフードの部分がまだ弱い。価値観を変化させていきたい」方針を述べた。食に関しては大使館などと協力し、食の魅力を訴える「Food is Great(仮)」キャンペーンを実施する計画だ。また、円高ポンド安を押し出し、「バリュー・フォー・マニー」としてショッピングの値ごろ感をアピールしていく。
(略)
 なお、英国政府観光庁によると、日本人訪問者数は2001年は50万人台だったが、2002年から30万台に減少。2009年は23万4000人まで減少したが、2011年は23万7000人まで回復した。今年はイベント需要に加え円高ポンド安が奏功し、1月から9月までの累計で前年比11%増と増加。ビーチャム氏は世界全体からの訪問者が1%増と微増だったことと比較すると良い状況で推移しており、今後の増加に期待がかかるとした。

ブリの暗黒面に転落していく日本人が年々減っていくのはよい傾向と言えますが、しかし食の魅力を訴えるキャンペーン云々を見るとさすが苦み走ったジョークの本場だけにでしょうか、ブリでは官公庁と言えどもなかなか洗練されたジョークを言うものだなと感心してしまいますね。
今日はブリ官公庁に敬意を表しブリに関する巷間数多の誤解を正すべく、本日は「これぞ真実のブリ」とも言えるニュースの数々を取り上げてみることにしますが、まずは昨今の風俗からです。

“街角で牛乳かぶる”妙な流行、大学生が始めた行動が英国で話題に。(2012年11月27日ナリナリドットコム)

英ニューカッスル大学に通うトム・モリスさんは、友人らとの会話が盛り上がって思い付いた、街角で頭から牛乳をかぶる「Miliking」なるパフォーマンスを実行している。その様子は動画にしてYouTubeに投稿。Facebookなどで紹介すると予想以上の注目を集め、中には真似をする他大学の学生も現れたそうだ。

この動画は11月21日付でYouTubeに投稿された「milking newcastle」(http://www.youtube.com/watch?v=qtJPAv1UiAE)。英紙デイリー・メールなどによると、モリスさんはある日、友人たちとの会話の中で「スターバックスの外でやったら、絶対面白いよね」と、牛乳を頭からかぶるパフォーマンスのアイデアで盛り上がったという。

そこで大学の在校生と卒業生からなる仲良しグループは、即このアイデアを実行。ニューカッスルの街中へと繰り出し、「4パイント(約2.3リットル)」のボトルに入った牛乳をただ頭からかぶるだけの“おふざけ”を繰り返した。これを何も知らない市民が大勢いる公共の場所でやるのが、彼らのこだわりであり流儀。スーパーで牛乳を買ったと思ったら、店を出た途端にまずは景気づけの1回、さらには電車を降りた直後や、店やパブの前など荒唐無稽な暴れっぷりを見せている。

中には大きなゴミ箱から飛び出して浴びたり、玄関先でシリアルを食べながら上からかけられたりとシュールな“プレー”も。日本人の感覚からすれば「もったいない」「食べ物で遊ぶな」が真っ先に来そうだが、牛乳をかぶりまくる彼らの姿は清々しいほどに躊躇がない。当初、彼らは親しい仲間内で楽しむつもり見せるつもりでFacebookに動画を公開したが、やがて「大笑いした」友人たちが次々と広め、多くの反響が寄せられるようになったそうだ。

その結果、多くの英メディアでも注目されてさらに話題となり、彼らが考えた「Milking」は特に若者の間で評判に。英大学の学生紙「ザ・タブ・ニューカッスル」によれば、エジンバラやノッティンガム、オックスフォードなどいくつかの大学版サイトでも、すでに彼らの真似をした動画が紹介されているという。もちろん、飲み物の無駄遣いを懸念する声が地元政治家からも寄せられるなど、彼らのパフォーマンスを否定的に見る人も少なくない様子。ただ、メディアの論調や意見の数を見る限り、今のところ英国内では彼らの動画を好意的に捉えている人の方が多く、さらに真似をする大学生が現れそうだ。

リンク先の画像の数々も参照いただきたいところですがまあ何というのでしょう、正統派のブリ紳士であればそこはミルクではなくミルクティーにしておくべきだったのではありませんか?
ブリと言えば閣僚が自らの性癖を告白するといったように独特の性慣習でも有名ですが、その影響か昨今妙なことが盛んになっているそうですね。

「縮胸手術」受ける男性増加 5年前の2倍超に=中国報道/英(2012年12月3日毎日中国経済)

【新華網】 女性の豊胸手術が流行る一方で、英国では「縮胸手術」を受ける男性が増えている。英国美容整形外科医師協会によると、過去1年間に英国では790人の男性が縮胸手術を申し込んでおり、その数は5年前の2倍以上。今も増加傾向にある。環球時報が伝えた。

BBCの28日付の報道によれば、胸の大きい男性は少なくない。思春期に大きくなり、一部の男性は大人になっても胸の発育が続くという。一般的に胸の大きな男性は肥満によるものと考えられるが、一部の当事者はこれを非常に恥ずかしく思い、ビーチやパートナーの前でも上着を脱がない。

男性の胸が大きくなる原因はさまざまで、医学的にこうした状況は「女性化乳房症」などと呼ばれる。多くの場合、男性ホルモンが減り、女性ホルモンが多くなることが原因だ。

縮胸手術を受ける男性が多いにもかかわらず、「この種の手術は人々の弱い心理に付け込むもので、人々はそれを拒否するべきだ」との声もある。

日本の場合も「人々の弱い真理に付け込む」かのような美容整形手術はそれなりに流行っているようですが、しかし縮胸手術などというものがそんなに希望者がいるというのもある種の女嫌い的なブリ的潜在意識の現れでもあるのでしょうか?
ブリと言えば有名なスパイ映画を取り上げるまでもなく昔から諜報活動の盛んな国としても知られていますが、かれこれ半世紀以上も昔からその能力はすでに人智を越えていたというニュースが話題になっています。

解読不能な伝書鳩のメッセージ発見、英情報機関(2012年11月24日AFP)

【11月24日 AFP】英国の政府通信本部(Government Communications Headquarters、GCHQ)は23日、イングランド南東部サリー(Surrey)州の民家で発見されたハトの死骸の脚に付けられていた暗号メッセージについて、判読は不可能との見解を明らかにした。

 暗号メッセージは第2次世界大戦中のものとみられ、5文字を1つのまとまりとした27の文字列が手書きで記載されている。「伝書鳩サービス」のヘッダーが入った小さな紙切れには、差出人が「Sjt W Stot」、受取人が「X02」と書かれており、ハトの脚に取り付けられた、小さな赤い容器に入っていたという。

 この暗号メッセージは、改修工事が行われていた民家で見つかった。民家の住民は今月初め、この紙をGCHQに提出。その後、専門家が解読にあたっていたが、「日付も入っておらず、コード一覧表なしでの解読は不可能」との結論に至ったようだ。

 GCHQの報道官は、「勇気ある伝書鳩が持ち帰った暗号を解読できないのは非常に残念だ。しかしそれは、厳しい圧力の下で働きながら、当時も今も解読できない暗号を作成した当時の暗号作成者の技能に対する賛辞といえる」と話した。

 英国は第2次世界大戦中、約25万羽のハトを軍の使者として使っていた。

先の大戦で英国は大量の数学者らを動員して敵国の暗号解読に努めたと言いますが、その成果が自分達にすらも解読できない暗号として示されるとはなんと究極的でしょうか。
同じく戦争に絡んでの話題を一つ取り上げてみますが、まさにこのこだわりこそがブリのブリたる所以というところでしょうか。

英国の歴史研究家、自宅の裏庭に第1次大戦の塹壕を再現(2012年11月13日ロイター)

[サリー(英国) 10日 ロイター] 英国に住む歴史研究家の男性が、第1次世界大戦当時の兵士の生活への理解を深めるため、自宅の裏庭に18メートルの塹壕(ざんごう)を完成させた。

元教師でもあるアンドリュー・ロバートショーさんは昨年夏、ボランティアやアフガニスタンからの帰還兵らとともに、実際に使用された設計図を基にして塹壕を掘った。周りには有刺鉄線と砂袋を用意し、内部には台所、歩兵部隊の部屋、防空壕も完備させた。

塹壕の完成後には、ロバートショーさんは考古学者ら10人を塹壕で24時間生活させるという実験を行った。10人は兵士の姿をして参加し、ガスマスクなども使用したという。

ロバートショーさんは戦争をテーマにした本を多数執筆しているほか、スティーブン・スピルバーグ監督の映画「戦火の馬」では歴史コンサルタントとして衣装などについてアドバイスを提供した。

その素晴らしい再現状況は別ソースの画像を参照いただきたいと思いますが、かれこれ100年も前の生活の一部を経験させるためにここまでの情熱を傾けるということが古典を重視するブリらしさということなのでしょう。
しばしば他国の人間から見れば何が何やら判らないというのもブリ流の特徴ですが、こちら画期的なブリ的ゴミ箱設置法が話題になっているようです。

【海外:イギリス】地上2mの位置に設置されたゴミ箱がバカすぎると非難殺到(2012年11月18日日刊テラフォー)

イギリス中部のストーク・オン・トレントに、たった1日だけ設置された幻のゴミ箱がある。そのゴミ箱にゴミを捨てるには、バスケットボールのダンクシュート並みに手を思いっきり伸ばしてジャンプしなければならない。なぜなら、そのゴミ箱は地上から2.1mの高さに設置されているから。

黒い公共のゴミ箱は、水曜日に、電柱の中程、バス停の標識の近くに設置された。ここにゴミを投げ入れられる市民は、そうそういない。地元のプロサッカーチーム、ストロークシティに在籍している身長2mのペーター・クローチ選手ですら、やっとだ。
そんな不便なゴミ箱には、当然、直ちに市民から苦情が寄せられ、設置からわずか24時間以内で、取り外されてしまった。
なぜ市が、こんな無謀なところにゴミ箱を設置したのかは分からないが、電柱の低い位置がガラ空きの為、おそらく、エンジニアが内部の配線にアクセスし易くする都合上、こうなったのだと思われる。

この幻のゴミ箱を目撃した市民の感想は、
「エイプリルフールの冗談かと思った。」
「これからはゴミをゴミ箱に捨てるのに、バスケットボール選手が必要だと思った。」
「信じられない。ほとんどの人がゴミ箱に手が届かないよ。」
「バスを待っている時に、このゴミ箱に頭をぶつけた人が何人かいた以外は、面白いと思う。それにしても、ひどい不覚だね。まったく役に立たないから、そこにゴミ箱がある意味がないよ。」
「私は160cmしかないから、このゴミ箱にゴミを捨てるには、爪先立ちをしなきゃならないわ。子供は絶対に無理よ。」
「バス停の近くに設置したかったのは分かるけど…ちょっとバカよねぇ。」
と散々だ。

実際、市も、このゴミ箱の設置場所については、“バカ”だったと認め、謝罪している。
「これは明らかにバカな間違いです。正しい位置に設置されるべきでした。今後二度とこのようなことがないよう、徹底します。」

まったく役に立たないゴミ箱だが、地元のおもしろ名物として、もう少しの間、そのままにしておいても良かったのに、とも思う。
ゴミを捨てる役には立たないが、見た人を笑顔にする役には立つだろう。

さすがにこれはブリ的解釈によっても失敗だったようで、無論本物のブリ流なら地下に埋め込んで掘り出さなければ捨てられないくらいの仕様になっていたはずですから、こんな半端仕事をしてしまったのはバカだったと謝罪しているということでしょうね。
最後に取り上げますのはこちらの記事ですが、ブリと言えばやはり世界に冠たるその「食の魅力」を伝えることなしでは済まされないはずですよね。

【衝撃】イギリスの病院食はマックやケンタッキーより健康に悪い―英調査(2012年5月21日IROIRO)

イギリスの病院食は、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンのメニューよりも脂肪分や塩分が高く不健康であることがわかった。

ある調査によると、イギリスの国営医療制度ナショナル・ヘルス・サービス(NHS)が提供する病院食の75%は、マックの代表メニュー、ビッグマックよりも脂肪分が多く、60%は同メニューより塩分が高いそう。また、病院食のカレーはKFCのバーガーとポテトのセットより脂肪分が6倍も多いほか、パスタプレートにいたっては、一日の推奨摂取量を脂肪分が3倍、塩分は2倍も上回っているという。

入院患者が口にする病院食が、マックやKFCなどより健康に悪いとは衝撃的。もしイギリスの病院に入院するようなことになった場合は、脂肪分や塩分が原因とされる心臓病や脳卒中になる危険性も考慮しなくてはいけない。

以前から有名なその病院食の恐るべき…もとい、素晴らしい実態はこちらのレポートも参照いただきたいと思いますが、しかし「ある患者は食事のことを「ひどく不快なもの(repulsive)」だと表現」したというくらいですから、彼らが街角で普通に手にすることの出来る大好物のフィッシュアンドチップスなど足下にも及ばないような画期的な内容であるのでしょうね…
しかしブリと言えば医療崩壊先進国としてもつとに有名でしたが、日本の厚労省も患者の早期退院を追い求めるならいっそブリ流のやり方を参考にしてみるというのも一つの手かも知れませんね(?!)。

今日のぐり:「焼き肉ハウス 香洛園」

以前から倉敷市内にうまい焼き肉屋があるという噂だけは聞いていて、一度訪れてみたいと思っていたのがこちら「香洛園」さんですが、このたびようやく訪問する機会を得ました。
どうやら最近になって新装開店したようで焼き肉屋らしからぬ小綺麗な店内になっているのはいいのですが、個人的には惜しくもガス火焼きである点はせっかくの改装ですから改められればよかったのに…とも思ってしまいました(あくまで個人的好みですが)。
この日は同行者とシェアしながら、と言いますか同行者のオーダーを横からつまむ形であれこれと試してみたのですが、食べている間にも席が空き次第次から次へとお客が入ってくるというのはなかなかの人気ぶりであるようです。

肉の方はまずはベーシックな塩焼セットですが、塩タンや地鶏も決して悪くないんですがミノが妙にうまい、基本的にあまり好きなネタでもないんですがこれならおいしくいただけましたね。
定番ネタではカルビのタレはごく普通、一方でホルモンのタレは結構うまいと、これまた内臓系はお得な感じがしますが、逆にヒレなどは見るからにステーキ!と言う感じの厚切りで、サシが少なく噛みしめた時に肉の味がしっかり楽しめるのはいいですね。
ただしこれが特上になりますと例によってサシが入りまくったマーブルになってしまいますから、赤身中心で楽しみたいという向きにはお値段も圧倒的にお得になっている並肉の方がおすすめであるようですし、ちゃんとこうして選択枝を用意してもらっているのはありがたいですね。
サイドメニューではキムチ盛り合わせは日本式の浅漬けタイプでチゲ共々ごく平凡、チヂミもニラだけのシンプルかつベーシックな味でさくさくモチモチした食感を楽しむものという感じですが、特製野菜サラダも味自体はごくごく普通ながら上と下とでドレッシングが二種類使ってあるのが面白い工夫でした。

それなりに値が張るのかと思っていましたら年配客ももちろんですが学生さんっぽい若いお客も多いのをちょっと不思議に感じていましたが、並から特上までかなり価格帯が広いしサイドメニューも豊富と、懐具合や好みに応じてオーダーできるようになっているらしいのは好印象ですね。
接遇面ではさすがにせせこましい感じはなくて全般に鷹揚なものですが、一部スタッフに教育が行き届いていないのか雰囲気を壊してしまう場面もあったのと、少人数客には広いテーブルの端でわざわざ手の届かないところに置いていかなくてもいいんじゃないかなとも感じました。
前述のように意外に客層を選ばず入りやすい雰囲気もありますしサイドメニュー豊富で焼き肉以外でも退屈せずに済みそうですから、ご家族で今日はちょっと奮発してちゃんとした肉が食べたいと思った時にはこれくらいがちょうどいい感じでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月 8日 (土)

社会のために日々身を削る努力を続ける人々

かつて福島県は大野病院事件において、マスコミのカメラが立ち並ぶ中を医師が逮捕され連行されていくシーンが話題になりましたが、あれも事前にマスコミ各社へのリークがなければ存在し得ないはずの画像であることは言うまでもありませんよね。
先日某大手掲示板の捜査が行われたという報道がありましたが、これも同様にマスコミと警察との間に何らかのやり取りがあったのだろうなと思わせるケースであったようです。

【ガジェ通日誌】捜査情報を事前に漏らして2ちゃんねる捜査を演出? あの報道の謎と捜査の予兆(2012年12月2日ガジェット通信)

先月26日、PC遠隔操作事件に関連し2ちゃんねるへの書き込みについて調べるため、という理由(たぶん)で北海道にあるIT企業の「強制捜査」がおこなわれたとの報道がされてましたが、あいかわらず警察は捜査の情報ダダ漏れのようです。

今回の報道をご覧になった方はピンとくると思いますが、警察は捜査関係者が北海道のIT企業の中に立ち入るところを、あえて一部メディアに撮影させています。あらかじめ強制捜査がおこなわれていることを知っていなければ撮れない映像です。

つまり警察は強制捜査がおこなわれることを事前にメディアへ伝え、これらの写真・映像を撮らせ、記事を書かせるよう誘導しているということです。

今回の場合捜査情報のダダ漏れも問題ではありますが、テレビ・新聞とともに、警察が報道を『演出』したという点も大きな問題だと思います。

これは警視庁の捜査手法の問題であると同時に、それに呼応して警察の演出に乗っかるメディア側の問題でもあります。

あの不自然極まりない報道は、警察とメディアの共同作業によって演出され生み出されたニュースであり、写真・映像を観る視聴者・読者を馬鹿にし、裏切る行為でもあると思います。
(これらの報道に対して、その北海道のIT企業自身「強制捜査ではなく間違った報道がなされている」というコメントを即日発表しています)
(略)

ご存知のように近年警察や検察と言った業界でもマスコミの盛んなバッシングにさらされていて、何かというと「また警察が!」などとやられてしまうものですから、こうしたところで恩を売っておきたいという素朴な感情もあったのだろうなとは想像出来ることですが、それが恩になるということが知られているほどマスコミのネット憎しの感情は周知の事実であるということでしょうか。
もちろんどの業界であれプロフェッショナルと呼ばれるような職業人であれば自らの仕事に相応の誇りを持っているものでしょうから、「ネトウヨ」からバッシングされれば反動として自画自賛的なことを口にしてしまいたくなるのも理解出来ない話ではありませんが、昨今マスコミ業界を見ていますとこうした自画自賛傾向と平行して、まるでセットになっているかのように「ネットは駄目」と言う定型句が出てくるようになっているのがおもしろいですね。
それだけ彼らにとってネットなるものが重要な対立軸であり公敵、そして大きな飯の種でもあるということなのかも知れませんが、そんな彼らの昨今お気に入りのフレーズが「ネット依存症」なんだと言うのですから「それお前らのことやんか」と突っ込みたくもなろうというものです。

「ネット依存症」深刻化 スマホなど携帯型端末も要因(2012年12月4日産経新聞)

 オンラインゲームやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの利用が広がる中、過度のインターネット利用で日常生活に支障が生じる「ネット依存症」が問題となっている。スマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)などが普及し、「いつでもどこでも」ネットに接続できる環境が問題を深刻化させているという。(竹岡伸晃)

 ◆携帯型端末も要因

 今夏、東京都内の私立高3年の男子生徒が両親に連れられ、成城墨岡クリニック(東京都世田谷区)を訪れた。中学生の頃からオンラインゲームに熱中し始め、昼夜逆転の生活になり、パソコンのある自室に引きこもりがちとなった。
 学校にも「行ったり行かなかったり」の状態が続き、成績は急落。今年に入り、両親の説得で学校に行くようになったが、今度は授業中にスマホでゲームをするようになった。その後、公園や喫茶店などでゲームに興じるようになり、再び不登校状態に。スマホのゲームなどに毎月約6万円も費やしていた。
 同病院の墨岡孝院長(社会精神医学)によれば、ネット依存症とは「ネットを使い過ぎることで日常生活や社会生活に障害が起こっている状態」。
 墨岡院長は「ネット依存症の患者は着実に増えている」と警鐘を鳴らす。同病院で昨年、ネット依存症と診断して治療を行った患者は153人で、平成19年の81人からかなり増えた。今年は昨年をさらに上回る見通しという。
 背景にあるのが、スマホやタブレット端末などの急速な普及。墨岡院長は「携帯型端末で、時や場所を問わずネットに常時接続できるようになり、依存症に陥るリスクが増した。パソコンと異なり、『引きこもり』などの状態にならないため、周囲が気づきにくくなっているのも問題だ」と話す。
 依存症になると、勉強や仕事が手に付かない▽家族や友人、同僚と疎遠になる▽子育てがおろそかになる-などの弊害が生じる。「仕事や家庭を失ったり、母親が育児を放棄したりするケースも少なくない」ため、事態は深刻だ。

 ◆2時間以内になれば

 対策の第一歩は「周囲が気づき、医療機関などの専門家に相談すること」(墨岡院長)。カウンセリングを繰り返すことにより治療を行う。
 カウンセリングではまず、現在の「困っている状況」を示し、本人に依存症であることを認識させる。その後、1日の総利用時間を決め、「2週間で1時間減らす」程度のペースで徐々に利用時間を減らしていく。その際、日記や行動記録を書かせ、行動を客観的に把握。家族や友人と交流したり、体を動かしたりする時間を持つことなどもアドバイスする。
 墨岡院長は「プライベートでのネット使用が2時間以内になれば正常」と説明する。
 絶対にやってはいけないのは、「スマホなどをいきなり取り上げ、ネットから強制的に引き離す」行為だ。「パニック状態になり、家庭内暴力などにつながることもある」(墨岡院長)ため、注意したい。
(略)

しかしマスコミと言えば一昔前には漫画依存症のようなことを主張して散々日本の誇る文化を誹謗中傷にこれつとめていましたが、彼らの主張を聞いていますとテレビ視聴が2時間以上ならテレビ依存症で異常と言うことで治療を受けさせた方がいいということにもなるんでしょうね?
別にこれは伊達や酔狂で言っていることでもなく、例えば先日には親がテレビのワイドショーやバラエティー番組をよく見る家庭ほど子供の学力が低いという文科省の調査結果が明らかになったように、以前からテレビの有害性を指摘する声は事欠かないにも関わらず彼ら自身は決してこうした声を取り上げることがありませんよね。
各メディアが節電、節電と連日うるさく連呼していた今年の夏には「家庭内電力消費の中で大きな比率を占めているテレビこそ真っ先に消すべきだ。いっそ電力ピーク時にはテレビ放送を休止してはどうか」なんて学識者の意見も出ていましたが、これまたテレビ業界は黙殺するのみで何一つ節電対策を講じないまま終わったと言います。
もっとも今時まともなコンテンツもないテレビなど視聴者離れが加速度的に進行しているという声もあって、実際に身の回りを見ても「ネットで十分」とテレビ自体見なくなった、そもそも置いていないという家庭が増えてきましたから、「我々は自ら血を流す覚悟で不幸なテレビ依存症患者を減らすために日々努力しているのだ」とかの業界も誇りに思うべきなのかも知れませんね。

| | コメント (14) | トラックバック (0)

2012年12月 7日 (金)

高齢者終末期医療問題 もう一つのハードル

昨今経済的・財政的な側面から高齢者医療問題が取り上げられることが珍しくなくなりましたが、先日日経に掲載されたこの記事もそうした文脈に沿った内容になっているようですね。

高齢者「病院から施設へ」進まず 介護入院、最長に 医療費の膨張招く(2012年12月3日日本経済新聞)

 入院の必要がない高齢者を病院から介護施設へ移す政策が進んでいない。2011年度末に全廃する方針だった病院内の介護療養病床は、廃止を決めた06年度の68%がなお残る。一方で介護が目的の高齢者の入院日数は11年に平均311日と過去最長となった。対応を先送りすれば、医療費の膨張や不十分な介護体制が続く。衆院選を控え現実を見据えた政策の練り直しが迫られる。

 自民、公明両党は政権の座にあった06年、介護保険を使って入院する介護療養病床を11年度末までに廃止すると決めた。特別な治療が要らない高齢者を病院から施設に移し、医療費を抑える目的だった。ただ医療機関に義務はなく取り組みが停滞したため、民主党政権は17年度末まで廃止期限を延長した。

 06年度末の介護療養病床は11万5千床だった。11年度末時点で68%の7万8千床が残り、秋田県は93%がそのままだ。富山県や京都府も転換率は2割に満たない。県の積極的な呼びかけで、最も転換が進んだ山形県でも22%の病床が残る。

 厚生労働省によると、介護療養病床から老人ホームへの転換で老人1人当たりの医療費は月額40万円前後から30万円に、100床当たりの医師の配置は3人から1人に、それぞれ減らせる。厚労省は12年度以降、介護療養病床の新設を認めていない。病院から老人ホームへの転換を促すため1床ごとに助成する制度を設けたが、効果は薄い。

 病院側では医師と収入の減少に警戒感が強い。秋田県内の病院は「転換のシミュレーションはするが、配置基準の見直しを理由に看護師に退職を勧めるわけにいかない」と慎重な姿勢を示す。
 都市部の介護施設を中心に、受け皿不足も深刻だ。11年の介護療養病床の平均在院日数は311日で、5年前の269日から42日も延びた
 10年の介護療養病床の平均要介護度は最高の5に近い4.39と、重度な場合が多い。「4や5の人が自宅で療養するのは難しく、入院しながら老人ホームの空き待ちをしている」(西日本の病院)状況は全国に広がっている

 医療、介護ともに現場の動きが鈍い中で、10年に介護療養病床にいたまま亡くなった人は全体の3割を超えた。

 関係者が多い高齢者の社会保障の難題を前に、政策論争は深まらない。衆院選の公約で在宅介護の充実をうたう民主党に対し、自民党は介護療養病床の廃止方針の見直しを探る。各党の主張は利用者や施設の運営者らの反発を嫌い、具体策を欠いてきた。終末期のサービスと負担の全体像が見えないと、国民の不安は和らぎそうにない。

以前から国が推し進めているこの「医療から介護へ」という問題、一向に国の思惑通りには進みませんけれども、国にとっては安上がりについても利用する側にとっては決してそうではないということも一つの理由になっているかと思います。
医療費自己負担の上限に引っかかって月額7万円程度の負担で済む病院に比べると大部屋に雑魚寝でもこれと同等以上の費用はかかる、まして個室など希望しようものならずっと割高につくということになれば「それなら何かあっても安心な病院がいい」と考えるのも当たり前の人情ですよね。
国としては病院の病床を減らし介護施設に転換していくことで強制的に介護施設に老人を追い出す戦略であったようですが、介護施設の方がコストが安いということはそれだけ収入が少なくなるということでもありますから経営厳しい昨今の医療機関にとっては介護への転換はそれだけリスクが大きい、そして新規業者の参入にとってもハードルが高いということでもあるわけです。

ひとたび資本主義社会に働く当然の節理を離れて社会文化的な背景を考えて見ても、日本人のほとんど全員が病院のベッドで亡くなっているという現実が一方ではある、そして他方では根強く「死ぬときは自分の家で」という願望が残っている中で、ホームで赤の他人に看取られて死にたいという希望者がそう大勢いるとも思えませんよね。
その結果終末期の手当を希望して介護施設から急性期の病院へ患者が運ばれてくる、本来ならば何もせず看取るべき患者であったとしてもわざわざそうした病院に搬送されて来た以上は積極治療を望んでいるのだろうということで医師らもそれなりに頑張ってしまう、そして仮に運良く?回復したとしても後に残るのは「こんなに状態が悪くなってはうちじゃ引き取れませんね」と言う無情な介護施設の通告と難民化した老人だけでしょう。
こうした老人達がいずれまた療養病床に転院し行く当てもないままベッドを塞いでいくのですから、結局は終末期の看取り方・看取られ方とはどうあるべきかという認識が変わっていかなければどうしようもない問題だとも感じるのですが、それに絡んでもう一つの問題点を咨嗟するという点からこういう記事を取り上げてみましょう。

連載:開業の落とし穴 一瞬にして患者30人を失う羽目に!(2012年12月5日日経メディカル)

 H医師は、在宅診療を通じて地域医療に貢献しようと、24時間対応の在宅医療専門クリニックを開設しました。開業場所は、勤務していた病院からさほど遠くない住宅地にあるマンションの1室です。外来診療を中心にした一般のクリニックよりもコストをかけずに開業できました。

 最初は、病院に勤務していた時の受け持ち患者を数人、在宅でフォローするところから始めました。その後、広告は特に出しませんでしたが、H医師の親身な対応が患者の家族や地域のケアマネジャーに受け入れられ、口コミで在宅患者が増えていきました。

 開業して半年が経過した頃、近隣の高齢者住宅から入居者30人に対する訪問診療の依頼が来ました。医療ニーズを調査したところ、重度で頻回に訪問しなければならない入居者が結構多く、H医師1人で診るのは難しいことが分かりました。そこで、知人のI医師にお願いしてアルバイトに来てもらい、高齢者住宅の入居者への訪問診療は順調にスタートしました。

 ところが、数カ月が経過した頃、小さなトラブルが頻発するようになりました。H医師の診療や処方の内容に対して、介護スタッフが口を出すようになってきたのです。

 「以前の薬の方が効いていたみたいですから、切り替えてもらえませんか」「患者が喉の渇きを訴えるので、点滴を再開してもらえないでしょうか」などなど…。

 もちろん、各患者への診療内容についてはH医師とI医師がしっかり協議して決めており、医師ではない介護スタッフが意見するようなものではありません。H医師は、「薬は切り替える必要はありません」「点滴をしたからといって、状態が改善するわけではないのです」と介護スタッフに簡単な説明をして対応していました。

 こうしたやり取りをしているうちに、H医師と介護スタッフの関係はますますギクシャクしていきました。すると、しばらくして高齢者住宅の管理者がH医師に対して、「訪問診療は他の医療機関に依頼することになりましたので、もう来ていただかなくて結構です」と、一方的に言い渡してきました。H医師は、一瞬にして30人の在宅患者を失ったことに、ただ茫然とするしかありませんでした。

 原因は、患者のケアに対するH医師と介護スタッフの認識の差にありました。介護スタッフは患者に苦痛なく生活してもらうことを常に考えますが、一方で医師は、病気を治すために時には患者に我慢を強いることもあります。この意識の違いが、今回の問題を招いたのです。

 介護スタッフは患者の家族に対して、「H先生が点滴をしてくれればいいのですが…」「H先生が処方薬を見直してくれないのです」と、頻繁にぼやいていたようです。日常の世話をしてもらっている介護スタッフの訴えなので、家族もH医師に不満を抱くようになってしまい、高齢者住宅側からの担当医師交代の提案を承諾してしまったようです。

 H医師が患者への診療内容について、介護スタッフにも時間をかけて説明していれば、今回の事態を避けられたかもしれません。在宅医療は、医師や看護師、介護スタッフなどが共同で行うチーム医療です。様々な職種のスタッフが一緒に仕事をするので、それぞれの立場によって意見が異なる場合もあることを理解しておく必要があります。

こうした行き違いはよくあることでもありますし、記事の趣旨としてはタイトル通り開業医が陥りやすい経営上の落とし穴について注意を促すというものであるのですが、実はこうした医師とスタッフとの認識の差というものは往診に限らず病院内での日常業務でも当たり前に存在しているものです。
例えばコメディカルスタッフの代表である看護師という職業は何よりも目の前の患者が抱える苦痛を除くことを考える人種であって、それがために唯一合法的に他人を傷つけられる商売である医師などよりもずっと患者にとって身近であり信頼もされる存在でもあるわけですが、逆に言えばその対応は極めて逐次的、刹那的であるとも言えます。
経口摂取をしている患者に誤嚥があれば食事はやめて点滴にしませんかと進言する、認知症の患者が点滴や経鼻移管を自己抜去して危ないから胃瘻にした方がいいのではと提言する、これらはそれぞれ患者の当座の苦痛を除くという視点で見れば決して間違っている行為ではありませんが、その結果長期的に見れば寝たきり患者が身動きもせずじっと横たわっているだけの植物園が全国に量産されていくことにつながっていくわけですね。

一方で医師と言う専門家は医学的知識、技能はもちろんですが、何よりも病院内外での医療行為を統括し方針を定める司令塔の役割が求められますから、人が誰しも死を免れない以上極端に言えば目の前の患者を診ながら「この人はどうやって見送ればいいだろうか」と看取り方というゴールを見据えてシナリオを描くことこそが最大の仕事であるとも言えます。
その過程では例えばここで濃厚医療を行えば目の前に存在する状況が改善する可能性があっても敢えて攻めないという選択肢も当然あるわけですが、あまりにも先を見据えすぎてそうしたことばかりやっていると「あの先生は患者が苦しんでいるのに何も指示を出してくれない」などと詰め所で陰口を叩かれることにもなりかねませんよね。
看取り方に対するコンセンサスが必要であることは昨今盛んにチーム医療を標榜するようになった医療現場の内部においても全く同様であるということですが、こちらの場合下手に各スタッフがそれぞれ専門家であると自負しているだけに国民一般におけるそれよりも合意形成には難渋することになるのかなと、こうしてみると一抹の不安を感じないでもないですね。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2012年12月 6日 (木)

近づく総選挙とネット

いよいよ公示された今回の総選挙では様々な新政党が登場していることも注目点の一つですが、脱原発票の受け皿となっているとも言われる「未来の党」に関連しておもしろい問題が発生しています。

日本未来の党がアンケートサイトを閉鎖(2012年12月4日ガジェット通信)

日本未来の党がアンケートサイトを閉鎖しました。

このアンケートサイトでは、「『脱原発』に賛成ですか?」「消費税増税に賛成ですか?」というアンケートが設置されており、投票結果がリアルタイムに公表されていました。

アンケート結果は未来の党の公約とは真逆の「脱原発に反対」「消費税増税に賛成」が多数を占めていましたが、何度かリセットを繰り返したり、設問の文章が変更されました。
そして、最終的にはアンケートサイト自体が閉鎖されてしまいました。

この件に関して3日夜に問い合わせのメールを送りましたが現時点で返事はいただいていません。

以下、アンケートサイトに掲載されていた文章を転載します。

    「ネットでプレ総選挙」のサイトに、ご投票ありがとうございました。質問方法や集計方法について、さまざまなご指摘をいただき、当サイトは、いったん閉鎖させていただきました。

    貴重なご意見、ありがとうございました。
    脱原発や、消費税増税に関する未来の党の主張に関しては、下記WEBサイトをごらんください。
    (日本未来の党 公式サイトへのリンク)

「未来の党」風は吹かず 比例投票先は3~5%にとどまる(2012年12月3日J-CASTニュース)

  衆院選の告示を2012年12月4日に控え、「第3極」の大きな受け皿になるとの声もある「日本未来の党」(嘉田由紀子代表)の支持が伸び悩んでいる。新聞の世論調査では、比例区の投票先として「未来」を選んだのは3%~5%にとどまっており、ネット上のアンケートでも低調だ。

   さらに、「未来」を名乗るアンケートサイトが登場し、「未来」の主張とは反対の投票結果が出るなど、逆風が吹いている。
(略)
「未来」を名乗るアンケートサイト

   「未来」を名乗るアンケートサイトも登場し、投票結果がネット住民に「もてあそばれている」との見方も出ている。サイトでは、「プレ総選挙」と称して、「『脱原発』に賛成ですか?」という問いでアンケートを設定したところ、13時30分時点で約2万票が集まり、そのうち65.3%が「反対です。」を選択。「賛成です。」の34.7%を大きく上回った。

   ところが、サイトに書かれた説明によると、設問が分かりにくかったとして、この結果は14時30分にリセットされた。アンケートは「原発推進に賛成ですか?」というシンプルな設問で再開されたが、16時30分時点で1万1000票程度集まったうち、賛成と反対の割合は7対3。ことごとく、党の方針と逆の選択肢に対して大量の投票が行われた形だ。

   「未来」では、「そのようなサイトのことは聞いていない」と話しており、「未来」の公式サイトからも、この投票サイトにリンクは貼られていない。だが、「未来」公式サイトに載っていない嘉田代表の写真が使われていたり、ヤフーに掲載されている「未来」の広告から投票サイトにリンクされていることなどから、「偽物だとは言えないのでは」との声も出ている。

まるで「未来の党」の存在意義を失わせるかのようなアンケート結果が出た途端に雲隠れしたようにも見えること、そして記事にもありますように公式サイトに出される以前に同じ画像が使われていたことなどもあって、同党の否定にも関わらず「やはりあれは未来の党がやったのだ」「都合の悪い結果になったからなかったことにしたらしい」等々といった噂も飛び交っているようです。
もちろんネット調査、ひいてはネット世論というもの自体に大きくバイアスがかかっているとは前回総選挙の際にも散々に言われたことですから、このアンケート結果一つをとって国民の意思がどこにあるのかということは到底言えないわけですが、今回の総選挙においては前回以上にネットと言うものの存在がクローズアップされることになるのは間違いありません。
先日安倍自民党総裁に絡んだネガキャンめいた報道を取り上げた際にも書きました通り昨今マスコミ業界内部においてすらテレビというメディアの地盤沈下が進行していて、低予算バラエティーばかりという現状に嫌気がさした有能な人材がどんどんネットに流出しているという状況にあって、前回は「しょせんネット風情が何するものぞ」との姿勢を隠そうともしなかった既存メディアも風向きの変化を感じているようですね。

<党首討論会>賛同に「8888」 動画140万人超が視聴(2012年11月30日毎日新聞)

 衆院選(12月4日公示、同16日投開票)を前に、野田佳彦首相、自民党の安倍晋三総裁ら10政党の党首が参加した討論会が29日、インターネット動画サイト「ニコニコ動画」の主催で行われた。16日の衆院解散後、首相と安倍氏が直接討論するのは初めて。首相は自民、公明両党との合意で進める消費増税について「負担だけでなく(社会保障の)給付もある。その面も考えてもらいたい」と理解を求めたが、安倍氏は「デフレが進行していく中では消費税は上げない」と増税凍結の可能性に言及。3党合意をめぐる温度差が出た。
(略)
 インターネットの動画サイトが主催する党首討論会は初めてで、会場のライブハウスには360度の大型モニターが設置され、視聴者が書き込んだ感想やメッセージがリアルタイムで表示された。各党首の発言に対し、賛同の拍手を意味する「8888」(パチパチパチパチ)というネット独特の表現や、「もう何言ってもムダだ」などと批判するコメントが次々と流れた。同サイトによると、140万3551人が視聴したという。

 もともとは民主党が首相と安倍氏の1対1の公開討論を呼びかけたのがきっかけ。これに対し安倍氏が逆提案したのが動画サイトでの討論だった。安倍氏は「インターネットなら(他党に配慮する)制約は少なくなる」と説明したが、民主党が「ネット右翼と言われる人たちが書き込みをして問題になっており、(安倍氏にとって)自分の都合のいい土俵で待っているみたいな話はよくない」(安住淳幹事長代行)などと難色を示す論争に発展していた。

 結局、民主党側が受け入れて討論会が実現したが、10党首が参加する形になり、「2大政党対決」をアピールして第三極勢力に対抗しようとした民主党側の思惑は外れた。10党首がそれぞれの主張を一方的に展開する場面が目立ち、党首間の討論は深まらなかった。【小山由宇、鈴木美穂】

党首激論ネット中継!書き込みで視聴者参加―ちっとも盛り上がらないテレビ討論(2012年11月30日J-CASTニュース)

   「見れば見るほどわからなくなってきたという視聴者の方が多いかもしれません」と司会の小倉智昭はいう。衆院選の各党公約がきのう29日(2012年11月)にほぼ出そろったが、脱原発、TPP、消費税、景気対策、外交…と、似たようでもあり違うようでもあり、たしかに見極めが大変だ。
(略)
   そんな中、昨夜、東京・六本木に各党の党首が続々と集まった。ニコニコ動画の「ネット党首討論会」だ。維新の会と新党改革をのぞく10党が激論を交わした。ただ、配信はネットだけ。ニコニコ動画は視聴者の書き込みが画面にリアルタイムで流れるのが売りで、さあこれをどう伝えるか。朝日新聞までが「140万人キタ~~」(社会面)などと、これまでの選挙報道とは大変な様変わりだが、中身は「垂れ流し」だから、どう要約するか。テレビは中身を出せないから、既存メディアも新時代を感じざるをえない

「民主・細野VS公明・山口」ほとんど違わない公約に退屈な「朝から生討論」

   「とくダネ!」は先週からつづきの「選挙スペシャル」で、きょう30日(2012年)は民主党の細野豪志政調会長と公明党の山口那津男代表だ。日米問題、子育て、復興などで意見を戦わせたが、騒々しい会見やニコニコ動画に比べると、なんとも地味に見えるから不思議だ。

   「TPP」「脱原発」「消費税」について「○×△」で問うと、民主がTPPを空白にした。細野は「全体的な貿易構造の中の選択肢のひとつだから」と今後の検討をいう。公明はこれに△で、「いま選挙で争点にするのは時期尚早だ」と野田首相をけん制した。他は両者とも当然○だ。
(略)
   ほかに基地問題、被災地の復興、子育て支援などを論じたが、盛り上がったのは復興予算の流用問題くらい。テーマを長々と論ずるのはどうしても平板になる。真面目な話ほどそうなる。むしろ、遊説や記者会見での発言のつまみ食いの方が印象は強い。その並べ方ひとつで特定の方向へ誘導することだって可能だろう。視聴者はそれを拾い読む。投票に反映する…。あらためて、テレビの選挙報道はきわどいなと考え込まされた。

[大弦小弦]ツイッターなどソーシャルメディアの…(2012年12月2日沖縄タイムス)

 ツイッターなどソーシャルメディアの利用者がけた外れの勢いで増えている。ネット社会の進展はめざましい。最近は視聴者の投稿を同時進行で流すテレビ番組も出てきた。多様な意見にうなずくケースも多い

▼4日公示の衆院選へ向け、インターネットの大手が党首討論会を生中継し、140万人以上が視聴したそうだ。録画も再生され、政策などへの投稿は50万件を超えたという。この反応は驚き

▼いまや国民の75%がネットを利用している、といわれる。選挙の投票率が軒並み下がる中、数字だけを見れば、有権者の政治に対する関心は決して低くはないといえようか

▼今後、大手各社はサイトを拡充、政党と有権者の対話や意識調査、特集ページなど双方向性を生かした企画を打つという。広告収入増の狙いもあるが、政治参加を促す新たな波に関心は尽きない

▼「ウェブで政治を動かす!」を書いた津田大介さんは著書で、これまで国民が容易に声を発信し、政治も効率的に受け取る仕組みがなかったと指摘する。各社の動きがどう影響するのか注目されるところだ

▼ネットは社会と暮らしに切っても切れない存在となった。ただ多くの情報を得たとしても、誤った政治へ導かれては意味がない。有権者は自ら学んで未来像を描き、大切な一票へつなげたい。(中島一人)

個別選択可能であるとか即時性が高いといった利点に加えて、既存メディアに対するインターネット最大の長所と言えば何と言っても双方向性ではないかと思いますけれども、既存メディア自体が双方向性を活用したネットに対して自らの報道が地味であると自覚し始めたということでしょうか。
そもそも民主主義社会における最大のイベントであるべき選挙という行為自体が、現代社会では唯一政治に対して国民の双方向性を保証する手段だとも言えますが、そうであるなら選挙とネットとはもともと極めて親和性の高い関係にあるとも言えるのかも知れませんね。
もちろん前回総選挙でも見られたようなネット世論と選挙結果の乖離ということは今後もあるでしょうが、そもそも世論調査というもの自体が既存メディアによる世論誘導の一手段であるとは知られた事実であり、先日などは当の既存メディア自身が調査結果など質問の仕方で幾らでも操作出来ると自白?してしまったほどです。
ネットの影響力がメジャー媒体にも匹敵するものになってきた事が明らかになってきた以上は、ネット自身も過去に繰り返されてきたこうした愚行の轍を踏まないようにしなければならないと言う重要な教訓が、まさしく冒頭に取り上げた不可解な事件にも現れているように思いますね。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2012年12月 5日 (水)

医療訴訟リスク ただ観念的な文言を連ねても…

インターネットから発足し、医師会に対する第二の医師団体として期待されながら今ひとつ影の薄い(あるいは、やや迷走している?)全医連ですが、先日こんなことをやっていたようです。

医療事故調査の制度設計を議論- 東京でシンポジウム (2012年12月3日CBニュース)

 医療事故の真相究明と責任追及は両立するのかをテーマにしたシンポジウムが2日、東京都内で開催され、国会議員や医師が参加し、医療従事者の権利を守ることや、医学的・科学的な検証を基にした制度設計などについて議論した。

 シンポジウムは、全国医師連盟(全医連)が主催したもので、医療事故の刑事裁判で無罪判決を受けた医師や国会議員ら各パネリストが登壇し、それぞれの立場から主張を展開した。

 警察への届け出を明記した医師法21条について、自民党の古川俊治参院議員は、同法改正私案を示し、医療関連死については医師法から外し、1回目の違反は行政処分として、医療法に規定すべきと提言。医療事故調査制度については、▽医療の透明性の確保▽施設内における事故調査の拡充・活用▽担当医師の説明責任の強化▽医療に対する刑事司法の無秩序な介入の抑制▽再発防止策の策定と公表▽医療界における自浄機能の育成―を挙げ、「まずは制度を創設し、変える所は変える必要がある」と指摘した。

 昭和大学付属病院の有賀徹院長は、医療機関で現在広く行われているチーム医療は、一人の責任となり難いため、「システムエラー」という理解が求められると指摘。医療事故対応の基本的な考え方や、日常診療の延長線上に、クライシス・マネージメントがあることを説明した上で、「業務上過失傷害・致死は本当に私たちの業務に合うのか」と疑念を示した。

 また、全医連の新田清明副代表理事は、医学の特殊性として、不確実なエラーが避けられないことや、医学・医療の発展にある一定の犠牲が避けられないとの見方を示し、「医療事故当時者といっても、自己の不利益を被る供述を強制することはできない。事故調査の当事者や協力者が不利益にならない制度設計が必要」と強調した。

■「無罪医師」が問題点や改善案を提示

 浜松医科大医学部の大磯義一郎教授は、WHO(世界保健機関)が2005年に発表した医療安全に関する勧告を取り上げ、日本の医療事故調査の在り方を批判。WHOが掲げる▽不可罰性▽秘匿性▽独立性▽専門家―の4つのコンセプトを取り上げ、「医療安全のための医療事故調査機関は、WHOの勧告に従って創設しなければならない。紛争防止を目的とした無過失補償制度は有害無益だからつくらない方がいい」と述べた。

 患者が死亡した東京女子医大事件で、人工心肺装置の操作に過失がなかったとして無罪判決を受けた同大元助手の佐藤一樹医師は、「私がたちの悪い代理人(弁護士)だったら」と題して、病院の出した報告書を受け取り莫大な示談金を要求し、さらに報告書をメディアに暴露するとともに警察にも告訴する―との示談を有利に進める“スキーム”を提示。病院の事故調査によって医師が被る問題点を浮き彫りにした。その上で、事例の調査を終える前に当事者から意見を聞く機会を設けることや、事故調査委員会の意見と当事者の意見が異なる場合、その要旨を別に添付することなどが必要とした。

 また、医療事故の解決を願う患者側の視点として、NPO法人医療制度研究会の中澤堅次理事長が、院内調査の問題点や、患者へのインフォームドコンセントの重要性について解説。「医療側が病人の権利擁護の立場で問題解決を図り、努力を重ねることなくしては、今医療が抱える信頼喪失という重大な局面は打開されない」と訴えた。【新井哉】

医療リスクに関する前段部分に関しては全くその通りであると思うのですが、後半に取り上げられている東京女子医大のケースは当「ぐり研」でも取り上げましたように当時から医療に関わるリスクというものがどれほどに広範なものであるかを思い知らされるものであっただけに、このシナリオも非常に生々しい内容でドキリとせざるを得ませんね。
ただこうした現実的なリスクマネージメントの検討が進んでいる中で末尾に登場した患者側NPO代表のコメントが失礼ながらいささか浮いているような気がしないでもないのですが、もちろん大多数のごく普通に善良な医療関係者とて患者側と無用なトラブルを起こしたいとは望んでもいなければ、出来れば穏やかな善隣関係を維持したいとも願っていることは言うまでもありません。
しかしながら近年あまりに需要と供給のミスマッチが拡大した結果多くの医療現場でキャパシティーを超えた患者が殺到するようになった結果医療の質も低下せざるを得なくなり、それが余計なトラブルを招き患者自身の不利益にもなり、いわゆる医療不信にもつながっているという事実もあるわけですね(当時報道された多くのケースがいい加減な町医者などではなく、立派な医療を行っているはずの大病院中心であったこともご記憶でしょうか?)。

そうした事から奴隷医と呼ばれる方々を中心に医療需要と給付の抑制策に対する要求が高まり、また永続的医療を求める市民も自主的に受診抑制を呼びかけることで地域医療を共にもり立てようという機運が盛り上がっている中で、言葉は悪いですが「信じられないくらいなら無理に利用するな。不要不急の患者が減った方が我々はもっとよいサービスを提供できる」と考える医療従事者も増えてきている訳です。
先日は「お医者さんの最も好きな医療マンガ」という調査で手塚治虫氏の「ブラックジャック」が圧倒的支持を得て1位になりましたが、巨額の支払いを渋る顧客には徹底して冷淡であるのと対照的に「一生かかっても支払う!」と言う顧客には「その言葉が聞きたかった」とニヤリと笑う有名なシーンなども、本当に必要としている人間にだけ利用してもらいたいという考えを象徴する描写なのかも知れませんね。
いささか脱線しましたが、医療訴訟の意外なリスクという観点から先日なかなか興味深い話が日経メディカルに掲載されていましたので紹介しておきたいと思います。

病院と医師が貧乏なら、医療訴訟は起こらない?(2012年12月4日日経メディカル)より抜粋

 アメリカの救急医学界で非常に有名な、グレッグ・ヘンリーという先生がいます。特に救急医学の医療訴訟分野で有名ですが、歯に衣を着せない、ちょっとビートたけしを思わせるような毒舌で、面白い話をすることでも知られています。

そこに金がある限り、医療訴訟はなくならない?

 ヘンリー先生いわく、「極論すれば、病院や医師がお金を持っている限り、不幸なアウトカムが起こったときに、そのお金を求めて弁護士が医療訴訟を起こすことは不可避」。アメリカでは、医療訴訟と言えば民事訴訟のことを指すので、こういうことが言われるのだと思います。逆に、医療過誤の可能性がある場合でも、そこに“悪意”が証明されない限り、アメリカでは刑事事件になることはないとされています。
(略)

幕末には始まっていた、アメリカの医療訴訟

 アメリカの医療訴訟は1970年代の初め頃から始まったという意見があります [1]。しかし、むしろこの頃から「歯止めが効かないような状態になった」と理解するのが妥当なようです。同様の流れは医療分野以外でも強まってきて、1992年には有名な「マクドナルド・コーヒー事件」が起こっています。

 この事件はドライブスルーでホットコーヒーを注文した79歳の女性が、誤って自分の膝にこぼして熱傷を負い、治療費の一部の補償を求めてマクドナルド社を訴えたもの(III度熱傷による皮膚移植を含む多額の治療費がかかったという事情もあったようですが)。結局、同社が60万ドルに及ぶほどの賠償金を支払ったと言われています。また、ハンバーガーの食べ過ぎで病的肥満になった人がマクドナルド社を訴え、こちらは敗訴したということもありました。

 アメリカの医療訴訟の歴史を文献[2]で振り返ってみると、始まりは1840年頃のようです。新興国のため、専門職に制約が少なく(専門家にやりやすい状況があり)、特権階級による専門職の独占を嫌う風潮の中で「市場原理に委ねた専門職の形成」(market place professionalism)が起こりました。その影響を最も受けた専門職が医療者(代替医療も含む)と法律関係者だったとのことで、結果として猫も杓子も医療者となり、医療訴訟の対象になっていったそうです。

 当初、高名な医師たちは「訴訟が増えることで悪徳医療者を排除できる」と思ったようですが、実際は逆で、高名な、すなわちお金のありそうな医師が医療訴訟の対象になることが多かったようです。そこから今に至るまで、状況は徐々にエスカレートを続けているといえるでしょう。医療訴訟が盛んになった背景として、医療側の事情で指摘されるのは、(1)医療の進歩、(2)医療の標準化、(3)医療訴訟保険の普及。法曹側の事情で指摘されるのは、(4)成功報酬、(5)一般市民陪審員、(6)民事上の不法行為(tort)です。

訴訟の抑制に有効だったのは、賠償金額の上限設定…

 この国の救急医の約半数は、そのキャリアにおいて一度は医療訴訟に関与することになるという統計があります[3、4]。つい最近、医師のバーンアウト率を調査した文献[5]もありましたが、救急医は残念ながらダントツで一番ということで、医療訴訟が少なくともその遠因になっていることは容易に想像できます。

 日本で言うところの「モンスターペイシェント」に、患者満足度や提訴といった“錦の御旗”を振り回されて不要な検査をすることになったり、他科の医師からおそらくは医療訴訟防止の目的で患者を送られる。定量的に把握することは難しいものの、こうした救急部の境遇は、医療訴訟のリスクとも絡み合って医療費高騰の大きな要因の一つとも考えられています[6]。残念ながら、アメリカの医療訴訟はコストがかかり、必ずしも合理的ではありません(医学的にも経済的にも)。

 一方で、ヘンリー先生をはじめとするACEPの先生方や、救急医療領域で著名なメディアである「EMERGENCY PHYSICIANS MONTHLY」のマーク・プラスター氏により、非常識な医療訴訟を防ごうという草の根の活動も行われています。ただ、今までで一番有効だったのはどうやら、州法において賠償金額に上限が設けられたこと。この結果、カリフォルニア州などでは訴訟の件数も医師の医療訴訟保険のプレミアム(掛金)も下がったようです。

 日本では法律家の絶対数が少ないこともあり、アメリカのようなことにはならないと思いますが、今後も注視が必要でしょう。アメリカでは、医療訴訟が医療過誤の防止のためにならないことが認識されてきている[7]のと同時に、何らかの医療賠償制度の確立が検討されていることは明るい材料です。とはいえ、残念ながら医療訴訟はあまりにも大きな“ビジネス”になってしまっているので、どこまで改革できるか難しいようですが…。

もちろん「訴訟大国アメリカと日本では全く状況が違うだろう!」と言う考え方ももっともなんですが、まさしく日本はアメリカのように気楽に訴訟が起こせる環境を目指して弁護士数を絶讚急拡大中であり、その結果今やワープアに転落しつつあるとも言う弁護士達が食うために新たな需要を掘り起こしていくことになるだろうと危惧されているわけですから、決して人ごととは言えない状況だと思いますね。
医療訴訟の賠償金に上限を設けることがもっとも有効であったという点は極めて示唆的だと思うのですが、例えばスウェーデンなどでは過誤や不作為に関係なく医療の場で何らかの健康被害を被った場合にはどんどん賠償金を出す、ただし金額自体はごく低額であるというやり方で医療訴訟が激減したことでも知られています。
この場合医師としても患者が賠償金を得るために証明書を一筆書くことで同じ目的に向かっての協力関係を構築出来るわけで心情的にも敵対的関係から同士的関係へと自然に移行できる、そして患者側にしても手間も暇もかかれば勝てる保証も全く無い医療訴訟に持ち込むよりは低額でも確実にもらえるお金を得た方が助かると、お互いにとってよい仕組みになっていると言えそうです。
無論日本の場合は医療の規模も大きいですし、何より業務上過失傷害といった罰則があるように専門家がミス(と思われる行為)をした場合に極めて厳しいという社会風土もあるわけですが、結局のところそれによって最終的な不利益を被っているのは誰かということを考えて見れば、顧客の側としても一方的に求めるばかりではなく改めて冷静な損得勘定をしてみる意味も見えてくるでしょうね。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

2012年12月 4日 (火)

政権交代を見据え勢力拡大を画策する日医

ほぼ確実に政権交代が起きるだろうと期待されている今度の総選挙ですが、そうなりますと予想される新政権でどのような医療政策が考えられているのかにも注目が集まるというものです。
先日自民党の政権公約が公表されましたが、そこにはこんな話が出ていたということなんですね。

診療所や病床の適正配置、かかりつけ医の導入も?自民党が政権公約、消費税は全額を社会保障に投入(2012年11月22日日経メディカル)

 自由民主党(総裁:安倍晋三氏)は11月21日、衆議院議員選挙に向け、「マニフェスト」ならぬ「政権公約」を発表した。消費税は全額社会保障に使うと明示にしたほか、TPPに関しては聖域なき関税撤廃を前提とした交渉参加に反対するとした上で、交渉参加の判断基準の1つに、国民皆保険制度の堅持を盛り込んだ。医療に対する消費税の課税については、医療機関や薬局の税負担を検証し、「引き続き検討を行う」という表現にとどめた。

 自民党の公約は「復興と防災」「経済成長」「外交・安全保障」「社会保障・財政」「憲法・国のかたち」など12テーマ、328項目から成る。「社会保障・財政」については、経済を成長させ雇用を確保する中で、納税し、社会保険料を負担する者があってはじめて成り立つものとした上で、「自助」「自立」を第一に、「共助」「公助」を組み合わせ、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を目指すとしている。

 社会保障制度についての公約は43項目。小児の医療に関わる公約としては、「感染症の拡大防止システム構築や小児医療の充実など乳幼児の命を守る仕組みの構築」や「子どもの医療費無料化を検討」を挙げた。

 また、地域医療の関連では、「医師の科目別、地域別偏在を是正するとともに必要な医学部定員の確保」「臨床研修医制度の見直し」「勤務医の処遇改善」「地域の医療の必要性の調査などに基づく、診療科目ごとの診療所数や病床数、及び高度医療機器等の適正配置、医療機関の連携体制の充実」「総合診療医の育成とかかりつけ医の導入」などを列挙。検診など予防医療に力を入れ、疾病の予防や早期発見を促進する一方で、後発医薬品の使用拡大、二重診療の抑制、保険給付の対象となる療養範囲の適正化を図り、保険料など国民負担の増大を抑制するとした。

 ただし、これら多くの医療に関する公約について、実現の具体策やスケジュールについては明示していない。

 このほか、「がん対策の充実」や「ワクチン施策の推進」、「医療安全の確保に資する死因究明制度の検討」「認知症対策の推進」「ヒトT細胞白血病ウイルス・難病・結核・腎疾患対策の推進」「漢方医学の推進」「運動器リハビリテーションの充実とロコモティブシンドロームの早期発見」なども盛り込まれた。

見たところあまり具体性のある話とも思えませんが、とりあえず読み取れる傾向としては社会保障全般は拡大路線には否定的な方向性、そして医療について言えばいわゆる医師計画配置なども含めた医療資源の効率的活用を目指すというところでしょうか。
何となくどこかで見たようなと言うのでしょうか、従来から続いている厚労省等関連省庁の持論などもその背景に見え隠れするような気もしているのですが、昨今の医療の世界はトップダウンで何を言おうが現場がついてこなければ何ら意味がないということがようやく知られるようになってきましたし、今後もう少し具体的な話が出てくるまでは当面判断を保留するしかなさそうですね。
さて、日本医師会の政治団体である日医連が総選挙で特定政党を支持しないということを打ち出して、結局のところ先の総選挙での支持政党鞍替えに関わる一連の大騒ぎはなんだったのかという気がしないでもないのですが、そもそも医療団体が自前の候補を立てるというならまだしも、特定政党支持を打ち出すということもどうなのかという考え方もありますね。
いずれにしても日医としてはすっかり低下しきった政治的影響力を再び回復したいという野望を捨てきれないし、今度こそ支持政党選びで失敗したくもないということなのでしょうが、その一環として先日はこんな話が出ていました。

勤務医の日医加入率を高めるには?- 都道府県連絡協でシンポ ( 2012年11月30日CBニュース)

 日本医師会(日医)は30日、都道府県医師会の勤務医担当理事を集めた連絡協議会を開いた。この中で、「勤務医の組織率(加入率)向上に向けた具体的方策」をテーマにシンポジウムが行われ、加入率が高い府県の医師会から、金銭的なメリットの付与や、委員会活動の充実などの取り組みが報告された。

 日医によると、全国の医師に占める日医会員の割合は56.2%で、特に勤務医では39.7%にとどまっており、勤務医対策が課題になっている。また、日医加入率は都道府県によってばらつきがあり、90%を超える県がある一方で、40%に満たない県もある

 日医加入率が95%に達する鹿児島県の中村一彦常任理事は、金銭的なメリットの付与が奏功しているとの見方を示した。県医師会員の勤務医のうち69%が勤務医生活協同組合に加入しており、これに入ると、デパートの「ドクターズカード」がもらえ、買い物が5%割引になったり、駐車場を3時間無料で使えたりすることを、医師会員になった理由に挙げる声が寄せられているという。
 ただ、他県の医師会理事からは、「お金があっても使う暇がない」との声が聞かれるとして、金銭的なメリットの効果を疑問視する意見もあった。

 また、日医加入率が71%の大阪府の上田真喜子理事は、部会や委員会の開催など医師会活動の充実に取り組んでいることを紹介した。府医師会の勤務医部会では、月2回の常任委員会や、年1回の研修会などの会合を開いたり、府医師会の会報で、同部会の活動を広報したりしているという。
 上田氏は、「医学・医療の諸問題を解決するには、開業医と勤務医の両方の連携を基盤にした、医師会の部会・委員会活動が極めて重要だ」と強調した。

■「日医は開業医の団体」とのイメージがネック―今村副会長

 日医の今村聡副会長は、加入率向上を考える理由を「加入数が増えれば、組織全体の発言力、国を動かす力が強くなる」と説明。これに関連して、会場から「郡市医師会に入っているということでは駄目なのか」との質問があった。
 今村副会長は、「地域医療を復興させるためには、まず郡市医師会の活性化が大事。郡市医師会に入っていただくことが第一」としながらも、「日医がいろいろな活動をしている中でネックになっているのは、『開業医の団体』というイメージ」と述べ、勤務医の日医会員を増やす必要性を強調した。【高崎慎也】

いやしかし相変わらずモノで釣ってだますような話で加入率だけを追い求めるのもどうなのかですが、それ以前にこれだけ現場の医師からダメ出しが続いているというのに全く日医自身の改革をしようという話が出てこないというのはすごいなと思いますね。
組織として話にならないから加入しないというだけであるのにその駄目な部分は改善せず政治権力発揮のための員数合わせとして勤務医の動員を画策する、そしてやっていることと言えば何ら勤務医の労働環境改善にもキャリアアップにも貢献しないことばかりと言えば、誰が好きこのんでこんな団体に協力したいという気になるものでしょうか?
先日も日医が保険診療への消費税非課税は困る、さっさと改善してくれと財務省に要望書を出したという報道がありましたが、もともとこの消費税非課税化という話は当時日医が強硬に課税に反対したことから決定されたものであって、今さら口を拭って我こそ医療業界の代弁者のような顔をする前にまず損税問題に悩んでいる全国医療機関を回って謝罪するべきではありませんか?
日医が長年現場に余計な負担ばかりを強いる中で全く改善の兆しすらなかった医療現場の労働環境が、近年ネットなどを通じた情報共有と逃散といった地道な活動によってようやく上向き始める気配が見えている時、負の実績にだけは事欠かない団体にわざわざ余計な権力を握らせることで誰にどんなメリットがあるのかを日医自身が明確に示す必要がありそうですね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年12月 3日 (月)

高齢者医療給付の制限がいよいよ始まる?

先日は年金や医療費の増加によって社会保障給付が100兆円を突破したというニュースが流れていましたが、高齢化社会がますます進展してくるにつれてどうしても給付の抑制、特に高齢者に対するそれが議論になって来ざるを得ない状況です。
今まで医療現場からは主に生命倫理という観点から終末期医療のあり方が語られる傾向にありましたが、最近は経済的な要請によってこの方面の改革への要求が日増しに高まっているということなのでしょうか、最近相次いでこんな記事が出てきました。

医療・年金の高負担から若者を救え(2012年11月27日日本経済新聞)

 医療・年金制度の最大の問題点は若い人ほど保険料や税負担が重く、将来の給付水準は高齢者に比べて恵まれていない世代間格差だ。各党は衆院選でこの格差をどう緩和するかを競うべきだ。それが医療・年金制度への国民の信頼を取り戻す近道と考えるからだ。
 しかし国政選挙の投票率は高齢層が若者層より高いこともあり、与野党ともに高齢者の負担引き上げや給付抑制を真正面から打ち出そうとしていない

高齢者医療に税投入を

 改革を先延ばしすれば制度の持続性は損なわれ、近い将来さらに大きな負担を国民各層に強いることになる。欧州の債務危機をみるまでもなく、それは明らかだ。
 医療改革の課題は高齢者医療の財源確保だ。年13兆円(2012年度)の75歳以上の給付費のうち、約半分は公費で支えているが、その大半は国債を発行して負担を先送りしている。4割は企業の健康保険組合などの保険料、1割は高齢者の保険料で賄っている。
 大企業の社員らが加入する全国約1400の健保組合をみると、保険料収入の46%は高齢者の医療費に召し上げられている。民主党政権は、財政難の中小企業が主体の協会けんぽを支援するために企業健保に新たな負担を求める制度を導入した。これによって企業健保の財政は急速に悪化し、約9割が赤字に陥った
 このままでは健保組合の存続が危ぶまれる。各党は現役世代の負担を和らげる策をもっと積極的に示してほしい。
(略)
 民主、自民両党への注文は特例で1割に据え置いている70~74歳の窓口負担を本則の2割にすることだ。08年の制度導入時に1割への据え置きを決めたのは、当時の自公政権であり、民主党政権もそれを漫然と踏襲してきた。
 野田政権は13年4月から5年かけて2割にする方針だが、逼迫する保険財政を考えると悠長なことをしている余裕はない。来年4月に全対象者を2割にすべきだ。
(略)

「論説」 健康保険制度の維持へ 高齢者の医療改革は待ったなし(2012年 11月30日中部経済新聞)

 国民皆保険制度などセーフティネットの維持が危うくなっている。全国健康保険協会(協会けんぽ)は財政収支の悪化から保険料率が10%にのぼり、中小企業の従業員に過重な負担を強いている。大手企業の健康保険組合(健保組合)の財政状況も厳しい。働く者が安心して生活できてこそ、デフレから脱却できる。だから健康保険制度の維持が大切だが、そのためには高齢者の医療改革が待ったなしと言える。
 健康保険制度の維持のために、高齢者の医療改革が必要な理由はこうだ。高齢化に伴い、高齢者医療を現役世代がより支えることになり、協会けんぽ、健保組合とも収入のうち4割程度が高齢者医療への拠出金となっている。両健康保険の財政が悪化した背景には、労働者の収入減少と反比例して1人当たりの医療費が増加していることもあるが、高齢者医療拠出金が重く圧し掛かっている。

 ところが、高齢者の医療は「メタボ化」が止まらない。70歳以上の高齢者の年間受診回数は40回ほどにのぼり、後期高齢者(75歳以上)への医療支出は国民全体の3分の1を占める。
 先進各国は家庭医制度を設けるなど、医療費圧縮に取り組んできたが、我が国は先送りを続けてきた。在宅死亡率が10%強と低く、大半の日本人は病院で人生を終えるが、こうした国は珍しい。スウェーデンは半分の人が自宅で最期を迎える。
 一方で、人口の高齢化は加速し、国の財政は破綻寸前だ。2060年の人口予測によると、15歳から64歳の生産年齢人口と65歳以上の人口がほぼ同じになる。現役世代1人が65歳以上の1人を支える「肩車社会」になる。消費税率を10%に引き上げても解決にはならない。

 健康保険制度に国の支援強化が必要なことは言うまでもない。それに加え、高齢者医療を改革しないと、現役世代の負担増になるだけでなく、高齢者医療も存続できなくなる。思い切った対策を打つ必要に迫られている。
(略)
 健康保険制度が維持されていればこそ、将来の見通しが立ちデフレから抜け出せる。

かつては後期高齢者医療制度の導入でマスコミ野党を挙げて政権バッシングが行われたことを思うと隔世の感がありますが、いずれにしても財政面から見ても進み続ける高齢化社会という現実を考えれば、今まで通り実質定額負担で上限なしの医療給付を続けていては到底永続性は担保出来ないということは明らかです。
先日は社会保障制度改革国民会議の初会合が開かれ社会保障の将来像についての議論が始まっていて、こちらでも医療の充実を求める医師側と高齢者の負担増を容認する学者との間で意見が分かれているというのですが、こうした場に出てくる医師代表の方々と言えばおよそ医療現場というよりも大きな組織の管理職としての性格が強いという点には注意が必要でしょう。
とにかく搬送されてきた患者の命を助けることが仕事の救命センターの救急担当医でさえ過半数が高齢者終末期の治療手控えをしているという時代にあって、医療の充実という言葉を全年齢均等に何でも出来ることは出来るようにという方向で解釈するのは敢えて行う恣意的な解釈というのでもなければ、現場の実情を反映しないものになってしまう危険性が少なからずあると思いますね。
そしてそうした医療側の事情もさることながらちょうど総選挙を前にして政策的な面からもこの高齢者医療の給付抑制ということが大きな争点になってきそうな勢いですけれども、一足早く逼迫著しい地方行政の現場からこんなニュースが飛び出しているということを紹介しておきましょう。

高齢者医療費助成:甲府市が廃止方針 /山梨(2012年12月01日毎日新聞)

 甲府市は、低所得の高齢者向けに医療費を助成する「老齢者医療費助成制度」を14年度末で廃止する方針を決めた。住民税非課税となっている低所得世帯の65〜69歳は自己負担を1割に軽減していたが、廃止で3割負担になる。高齢者の急増による財政負担増大などが理由という。12月定例市議会で制度廃止の条例改正案を提出する。

 宮島雅展市長が11月29日の定例記者会見で明らかにした。制度は1968年創設。現行では65〜74歳は自己負担が1割となるよう助成。このうち70〜74歳は国の軽減措置で、65〜69歳は県や市が負担している。【屋代尚則】

高度成長期まっただ中の1968年創設の制度が今も生き残っているということがまさに時代の流れに取り残されているということでもあったのでしょうが、およそ国民皆保険制度導入から半世紀を経て、こうした旧時代の遺物的な制度のほころびがあちらこちらで顕在化しつつあるのも確かです。
世間の反発を避けるためにはいきなり1割から3割に戻す前に2割負担くらいにクッションを挟む道もあったのかなとも思うのですが、国政の場においても優遇措置がなかなか是正されない現実を考えると下手に延命を図るよりも一気に廃止に持ち込んだ方がよいという判断もあったのかも知れませんね。
当然ながら関係各方面から反対の署名などが相次いでいるようですが、甲府市独自の助成が廃止されると言っても全国一般の水準に戻るというだけですからむしろ不公平是正とも言えるものですし、どうしても困るというケースに関しては一律補助ではなく個別の支援策を考えていくべき時期なのでしょう。

いずれにしても一自治体の決断とは言え高齢者医療に関してこうもあからさまな「後退」が実現するということは久しくなかったことだと思いますけれども、すでに後期高齢者医療制度という名称が気に入らないなどと言って政局に結びつくという時代ではなく、むしろ今後各地の自治体あるいは国政の場において相次ぎ打ち出されてくるだろう優遇是正策のさきがけになってくるのかも知れません。
こうしたことは高齢者に限らず現に困窮している者に対して保護策を講じるということが問題なのではなく、画一的予防的に投網を投げかけるような広範な保護策を講じることが許容される状況ではなくなったということですから、今後は一律の保護策の廃止と同時に個別の状況に応じた保護策を工夫していくことも必要なんだろうと思いますね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年12月 2日 (日)

今日のぐり:「荒木屋」&「羽根屋 大津店 」

何やら内柴被告の裁判がとんでもないことになっていると密かに話題になっている中で、先日「正直その発想はなかった」と言うしかないとんでもない記事が出ていました。

Excelのアイコンは、何故EではなくXなのか? その本当の理由はとんでもないシモネタだった!(2012年11月14日GIZMODO)

おわかりいただけたであろうか?

Word、Outlook、PowerPoint...マイクロソフトOffice製品は、その頭文字がアイコンになっていることがほとんど。しかし、Excelはアイコンが「E」でなく「X」。なぜに...?

その理由が判明。最初の写真をよく見て。XをEに変えたら...とんでもないことになるでしょ?

誰だよこんな馬鹿げたことを言い出した奴は…とも思ってしまいますが、言われてみれば確かに何故エクセルだけが頭文字ではないのでしょうね?
本日はマイクロソフト社の遠大な陰謀?を警戒する意味も込めて、世界中から「その発想はなかった」と思ってしまう想定外のシモネタの数々を紹介してみましょう。

中学生の目の前で性行為 逮捕のカップル「性教育のため勉強させた」(2012年11月29日産経ニュース)

 面識のない中学生に路上で性行為を見せたとして、埼玉県警子ども女性安全対策課と行田署は、県青少年健全育成条例違反容疑でアルバイト、向野直樹(62)=東京都板橋区双葉町=と交際相手、藤波千絵(26)=川口市芝=の両容疑者を逮捕し、29日にさいたま地検熊谷支部に送検した。2人は容疑を認め、向野容疑者は「性的欲求にかられた」、藤波容疑者は「性教育のために勉強をさせてあげた」と供述しているという。

 逮捕容疑は6月30日午後7時ごろ、羽生市の駐車場で、14歳と13歳の男子中学生に対し、性行為を見せたなどとしている。

 同課の調べでは、両容疑者は路上で見かけた生徒らを駐車場に誘い、性行為を見せたうえ、藤波容疑者の胸を触らせるなどした。向野容疑者が生徒らに携帯電話のメールアドレスを教えており、関与が浮上した。

世の中にはそういう趣味の方々もいらっしゃるのかも知れませんが、先日はイタリアでも人前で行為に及んだカップルが妙な言い訳をして結局有罪判決を下されていましたけれども、やはり見苦しいとしか言いようがありませんね。
一方ではこちら望まずして思いがけない性教育?を受けてしまった子供がトラウマを抱え込んでしまったという深刻なニュースです。

【こんなの絶対おかしいよ】『まどかマギカ』のDVDを買ったらAVが収録されていた → 知らずに見た11才少女が深刻なトラウマに/中国(2012年11月22日ロケットニュース24)

2011年に放送されたアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。現在、公開中の映画も好評で、日本だけでなく海外でも人気の作品だ。

海外で販売されていたまどかマギカのDVDにアダルトビデオが収録されているという事件が発生した。しかも、何も知らない11才の少女がそれを見てしまったのである。彼女は強いショックを受け、食事が喉を通らず、不眠症に陥るなど深刻なトラウマになっているそうだ。

事件が起こったのは中国広東省。2012年11月初旬、現地の女の子(11才)が母親に『まどかマギカ』のDVDを買ってもらったそうだ。DVDを買って帰ったあと、母親はまた買い物へ。女の子は待ちきれず、早速買ったDVDを見始めた。

母親が買い物から帰ると、大好きなアニメを見ていたはずの女の子は妙にふさぎこんでいた。夕食の時間になっても一言も話さず、食事も全くとろうとしない。当初、母親は「ダイエットでも始めたのだろう」と思っていたそうだ。

だが翌日になっても様子がおかしい。そして3日目、心配になった母親が問い詰めると、女の子は「お母さんに言おうかどうか迷った」と泣きじゃくりながら話したという。なんと、まどかマギカのDVDにAVが入っていたというのだ。

母親が確認したところ、DVDは前半は確かにまどかマギカが収録されていた。しかし、後半には確かにAVが収録されていたのである。何も知らない無垢な少女にはかなりショッキングな内容だ。女の子は話している最中も「気持ち悪い」「気持ち悪い」と繰り返していたという。

調べによると、このDVDは海賊版であった。販売店は「中身についても確認したことはない」「知っていたら売ったりしない」と関与を否定している。海賊版はそれだけでも著作権を侵害しているのに、こんな形で子どもの心を傷つけるとは、とんでもない弊害である。

なお、知らずにAVを見てしまった女の子は1週間経っても気持ちが落ち着かず、夜も眠れない情況が続いている。母親は販売店に慰謝料は求めないというが、いまだに同じ商品が並んでいることに怒りを感じているそうだ。「このようなことが二度と起きないようにしてほしい。早く商品を棚からさげてほしい」と店側に求めている。

海賊版という時点でどうなのかという気もするのですが、しかし違法コピーをするにしてもせめてオリジナルを尊重すればよいでしょうにねえ…
ある意味で非常に心情的には共感できるところもあるのですが、その悲しい末路に全世界が涙した(ただし男性限定)というのがこちらのニュースです。

増大求め男性器にオリーブオイル注射、5年後に陰茎がん/タイ(2012年11月14日ニュースクリップ)

【タイ】男性器を大きくするため5年前に男性器にオリーブオイルの注射を受けたタイ人男性(50)が陰茎がんを発症し、7日、バンコクのタイ警察病院で陰茎の切除手術を受けた。タイ字紙デーリーニュースなどが報じた。

 男性は友人4人とともにクリニックで注射を受けた。その後、性交に支障はなかったが、半年前から陰茎の皮膚に裂傷ができ、異臭を放つようになり、診察で陰茎がんと診断された。警察病院では、無許可のクリニックでこうした措置を受けることは危険をともなうとして、注意を呼びかけている。

しかし失礼ながらタイと言えば大きくするよりもむしろ小さくする需要の方がありそうにも感じていたのですが、まさかこの男性もこれをきっかけに…ということはないですよね?
その方面では世界各地で話題が多いのですが、まずはこちらのびっくりニュースから紹介してみましょう。

スウェーデン若者の売春、男性が女性の2倍以上/スウェーデン(2012年11月13日AFP)

【11月13日 AFP】スウェーデンで、売春をしている16~25歳の男性の数は同年齢層の女性の2倍以上という調査結果を12日、同国の国家青年委員会(Swedish National Board for Youth Affairs)が発表した。

 2254人を対象にした研究調査によると、16~25歳のスウェーデン人男性のうち2012年に売春をしたことがあると回答したのは2.1%で、女性の0.8%の2倍を上回った。

 同委員会のマリー・ナイマン(Marie Nyman)広報担当によると、26歳未満の男女の売春の「顧客」の半数は同じ26歳未満だという。同氏は「これらの数字の後ろには、助けを必要としている約2万人がいる」と述べつつ、「なぜ男性のほうが女性よりも多いのか理解に苦しんでいる」と述べた。

 また、この研究ではスウェーデンの16~25歳の若者の21.9%が「他人が報酬と引き換えに性的関係を持つことは許容できる」と回答しており、概して若い男性のほうが若い女性よりも寛容であることが示された。

 スウェーデン性教育協会(Swedish Association for Sexuality Education)のあるメンバーはスウェーデン通信(TT)に対し、若年層の男性同性愛者は「例えば2、3杯のビールとかテレフォンカードのチャージ代など、何かとの交換であれば自分たちのセクシュアリティを受け入れやすい」と推測できるかもしれないと述べた。

 一方、米国の性感染症専門の医学誌で2006年に発表された「世界地域別に見た性産業に従事する女性の推定人口」と題する研究では、スウェーデン人女性の売春率は世界でも最も低いグループに入る0.1%だった。

どこから突っ込むべきなのか困るような突っ込みどころ満載のニュースなのですが、さすがに性の先進国と言われた北欧の伝統未だ衰えずということなのでしょうか?
その近隣諸国でもこういうニュースが流れていますが、これも傍目にはとんだ喜劇でも当人にとっては大変な悲劇でしょうね。

夫に衝撃…19年連れ添った妻が元男性だった/ベルギー(2012年11月28日らばQ)

結婚生活というのは長く経つほど、いろいろあるものです。
妥協したり過去を受け入れたりと、波瀾万丈な夫婦関係も多いですが、ベルギーで結婚19年目を向かえる男性が予想だにしない現実と直面することになりました。
妻が元男性だと知ったのです。

ベルギーの男性(64歳)がインドネシア出身のモニカさんと結婚したのは19年前の1993年のこと。男性は再婚だったのですが、最初の結婚のときのベビーシッターという関係でした。
しかし最近になって、その妻が実は生まれたときは男性で、その後性転換手術を受けていたということを知り、結婚の取り消しを求めています。
結婚した際には、妻をインドネシア国籍からベルギー国籍へ移すのにかなり手間取り、出生証明書などの書類についてベルギー政府はかなり疑問を抱いたようでしたが、最終的には許可が下りたとのことです。
男性によれば、妻のことは完全に女性だと思いこんでいたそうで、現在は侮辱されたような気持だと伝えています。

1度目の結婚相手との間には子供が2人いたことから、モニカさんとは「もう子供は作らない」と話し合い、さらに生理用品を使っているふりなど事実の隠蔽を行ってきました。そのため全く何も気づかず、何年も普通の夫婦としての生活を営んできたそうです。
モニカさんがフルタイムの仕事を始めてから、生活に変化が見られるようになりました。ナイトクラブで派手に遊んだり、露出の多い服を着たりするようになったのです。
また、彼女のパソコンには、男性たちからの誘いメッセージも多く来るようになり、ときには警察を呼ぶほどの激しい喧嘩をしたそうです。
そしてその頃、男性はモニカさんが性転換をしているとの噂を耳にしました。
そのことについてモニカさんを壁に押しつけて詰め寄ったところ、「男性として生まれたけれど女性に変わったので、男性だった過去を言う必要はない」と答えたそうです。
その後は警察騒ぎとなり、現在男性は精神科の治療を受けているとのことです。

現在のところ、裁判ではモニカさんを家から追い出すことを許可しないとの判決が下されていますが、男性のほうは騙されていたと反論しています。
今後2人がどうなるかはわかりませんが、少なくとも19年は完璧な女性でいられたことは確かなようです。

しかしこれまた妙な男出入りがなければ一生そのままだったかも知れないということなんですが、最近は何かと高性能になってきているということなんですかね(なにがだ)。
一方で動物の世界でも同種の問題は少なからずあるようですが、こちらの場合何故か微笑ましくも感じられると言うのは何故なんでしょうね?

世界初、ゲイのペンギンカップル、卵を温め孵化させることに成功(デンマーク)(2012年11月13日カラパイア)

 動物の同性愛は自然界においてそう珍しくはないそうで、社会性鳥類および哺乳類、特に海洋哺乳類および霊長類において広く観察されているそうだ。(wikipedia)これまではあまり調査されてこなかったが、比較的観察がしやすい動物園では、特にオス同士のペンギンのカップルが世界各地で確認されている。
 そんな中、デンマーク、オーデンセ動物園で愛を育んできたゲイのペンギンカップルが卵を抱いて温め、孵化させることに成功したそうだ。ちなみにゲイのキングペンギンが卵からヒナを返したのは世界初となる。

 このカップルは前々から子どもが欲しくてしかたがなかったようで、隙を見ては他のカップルの卵を盗もうとしたり、繁殖シーズンには、死んだニシンを卵代わりに温めていたりしていたそうだ。
 「どうやらこのカップルは本気である。」動物園の飼育員さんたちがそう実感していた矢先、ゲイのカップルに幸運が訪れた。園内のペンギンのメスが、卵を産んだものの、夫以外のオスに恋をしてしまい、我が子(卵)と夫を捨て、愛に走ってしまったのである。そして新しい男(オス)と速攻で結ばれ、新たに卵を産んでしまったのだ。
 不倫に走った母親により放置されてしまった元夫との間に生まれたひとつの卵。ここで代理パパたちの登場だ。動物園側は人工卵をゲイカップルに与え、訓練させた上でこの卵を与えることにした。そして見事、かわいらしい赤ちゃんが誕生したのである。

 ヒナは1か月前に生まれたそうだが、ペンギンは生後8か月になるまでその性別はわからないという。お父さんとお父さん、おめでとう!死んだニシンを温めてたくらいだもの、ほんとうに子どもが欲しかったんだね。愛情たっぷり注ぎ込んで、きっと立派に育て上げてくれるよね。

しかしいくら偶然が重なったとは言え、本気だと感じてそういう手配をしてしまうというのが芸に寛容なお国柄故ということなんでしょうか?
こちらも一見すると単に無分別なカップルの痴話喧嘩なのですが、よくよく読んでみますとあれ…?と疑問符が付く内容になっているのがミソです。

「私の(大人の)おもちゃがない!」と逆上した女性が、ガールフレンドにアイロン台を投げつけ、逮捕/米(2012年11月29日日刊テラフォー)

大人のおもちゃが見つからないことに腹を立てた女性が、腹いせにガールフレンドを攻撃し、逮捕された。

『大人のおもちゃ行方不明闘争』は、11月22日、アメリカ・サウスカロライナ州のロックヒルで勃発した。

被害者のハドソンさんが警察に話したところによると、アーティシャ・ドナルドソン容疑者はその日、彼女の「取り外し可能なラテックスのペニス」を探し始めた。
切実にソレが必要だったのか、しばらく探しても見つからないと、ドナルドソン容疑者は怒りだし、その矛先を、ガールフレンドのハドソンさんに向け、2人は口論になった。

「アンタ、私の「おもちゃ」を勝手に使ったでしょ!どこにやったのよ!!」
「知らないわよ、そんなもの。」
「そんなものって何よ!あれは私の大事なおもちゃなの!!」
という口論の内容は、筆者が勝手に想像しただけで、実際にはどのような口論がなされたのかは不明だが、ヒートアップしたドナルドソン容疑者は、ハドソンさんに向かってアイロン台を投げつけた。

ドナルドソン容疑者は、床に投げつけただけで、ハドソンさんを狙った訳ではないと弁明しているが、兎にも角にも逮捕され、暴行過失罪に問われている。

こうして、ドナルドソン容疑者のおもちゃは行方不明のまま、彼女の逮捕で『大人のおもちゃ行方不明闘争』は幕を閉じた。

恋人間での大人のおもちゃを巡った事件は、過去にも起きている。
2011年、フロリダ州の男性が、大人のおもちゃを使って彼を起こしたガールフレンドに怒り、彼女を殴打して逮捕された。
同じくフロリダ州で、女性用の大人のおもちゃで、ガールフレンドを殴ろうとした女性が逮捕された。

小さい頃教わったように、やはり、おもちゃは正しい使い方をし、使い終わったら所定の場所に戻さなくてはいけない。

いや、元に戻すとかそういう問題か?とも思うのですが、何にしろアイロンを投げるというのはよろしいことではありませんよね。
最後に取り上げますのはゲイの超大国と言われてきたあの国の話題なのですが、すでにそのレベルは超越しているとも言いたげなこんなニュースがあるようです。

全裸男が銅像の上に3時間、英ロンドンの首相官邸近く/英(2012年11月26日AFP)

【11月26日 AFP】英ロンドン(London)中心部の首相官邸に程近い大通りで23日、中央分離帯に立つ銅像に全裸の男がよじ登り、付近の交通を3時間にわたって遮断する事件があった。

 男は正午ごろ、政府機関が建ち並び、英首相官邸のあるダウニング街(Downing Street)にも近いホワイトホール(Whitehall)にあるケンブリッジ公(Duke of Cambridge)ジョージ・ウィリアム・フレデリック・チャールズ(George William Frederick Charles)の銅像に上ると、寒空やあっけに取られる通行人の視線をものともせず、さまざまなポーズを披露。ふらつきながら「ケンブリッジ公」の頭上に座るなどしてみせた。

 通報を受けて駆け付けた警察は、男が刃物を持っているとの情報もあったことから現場付近の道路を封鎖。男に銅像から降りるよう説得を続けた。結局、午後3時ごろになって男は精神保健法に基づき身柄を拘束され、警察車両に乗せられてその場を去った。

こちらなんと見たくもないのに動画まで用意されているというのがブリ一流の嫌がらせらしいのですが、すでに同性愛など超越して無生物愛に走ってしまったというのがブリのブリたる所以でしょうか。
それにしても日本も世界的にはその方面でそれなりに有名になってきているのですが、世界各国まだまだ侮れない性風俗があるものだなと改めて実感しますね。

今日のぐり:「荒木屋」&「羽根屋 大津店

何なんでしょう、いわゆる時節柄ということなんでしょうか、出雲大社界隈は大変な人手で改めてメジャー観光地であるということを再認識させられますね。
そんな中でこの界隈の老舗人気蕎麦屋であるこちら「荒木屋」さんも大行列で、さすがにお隣「かねや」さんまでも回る気になれないのですが、見ていますとお客の大部分は若い観光客らしいのが今の時代らしいですね。
この日は二階の座敷席まで満席だったようですが、片付けが手早いのか回転効率はそこそこいいようで、とりあえず席についたところでいつものように割子蕎麦を頼んでみました。

ところでこちらの蕎麦、相変わらず細打ちのものをしゃっきり硬めに茹で上げているのはいいのですが、さすがにこの大混雑のせいか洗いは少し乱暴か?という印象で、表面のわずかな荒れも気になりますしちょっと乾きすぎの気もしますね。
これに合わせる甘辛濃厚な蕎麦つゆはちょっとかければ十分というもので、盛り的に食べてもいいし薬味と合わせて食べてもいいというなかなかよいバランスだと思います。
ところでこちらの場合薬味がよくあるトッピングではなく別容器に入っているのは美点と思っていたのですが、こうして混雑どきを経験してみますとこの方がいちいちトッピングするより手間暇かからない利点もありそうですね。
蕎麦湯は本来すっきりしたナチュラルタイプのようですがこの日に関しては何しろお客の数が数ですから、一見すると粉でも溶かしたのかというくらいに沈殿が凄いことになっていますけれども、上澄み部分は非常にいい具合でした。

食べ終わった後で同行者の残りを一枚もらったんですがこれがすっかり伸びていて残念だったのですが、改めて蕎麦というものは微妙な食べ物だなと再確認した感じでしたね。
今回の様子からしても蕎麦の味が優先ならさすがに混雑時は外した方がよさそうなんですが、基本的にはこの界隈の数ある蕎麦屋の中でもコントロールとして扱える店なのかなと言う気がします。
ちなみに観光地の店らしく老舗であるにも関わらずトイレは身障用からおしめ台まできちんと整備されているのも地味にポイント高いですね。

さてもう一件、本日は「羽根屋大津店」さんにもお邪魔いたしましたが、相変わらず古びた蕎麦屋の体そのものという風情がいいですよね。
ただこんな小さなお店ですが地味にトイレがウォッシュレットに進化しているというのは、やはり観光客需要がそれなりにあるからということなのでしょうか。
もっとも食事時もすっかり外した時間帯のせいもあるのでしょうが、店内は大社界隈の賑わいが嘘のような静けさですから、やはり純粋に蕎麦を食べたいなら観光地は外した方がいいのでしょうか。

さてこちらのざるそばも基本的にいい蕎麦のはずなんですが、この日に関しては切りの不揃いもさることながら茹で方がよろしくなかったのか、蕎麦同士がくっつきあって茹でムラが生じているというのはせっかくのいい蕎麦がもったいないですよね。
辛口濃いめのそばつゆは自分好みの味でちょいつけで十分なのはいいのですが、蕎麦湯は湯のみに入ったナチュラルタイプでうまいんですが蕎麦つゆが盛り切りでたっぷりですから、ちょっとどう扱ったものかと躊躇してしまいます。
もちろん必要に応じて湯飲みにちょいと蕎麦つゆを移せばいいわけですが、このあたり出雲蕎麦は割子などの食べ方も含めてちょっとワイルドな感じがしないでもない?!ですかね。

ここ「羽根屋大津店」さんは以前もこの時期に来た時に出たざるそばが蕎麦も蕎麦つゆもまさしく絶品で、それ以来こちら方面に来た際にはかなりの高確率で寄らせていただいていたんですが、今回ちょっと残念な仕上がりだったのは親父さんが不在であったせいもあるのでしょうかね?
ラーメンなどにしても一見してシンプルな料理ほどいつも同じ味を出すのが難しいと聞きますが、これまた商売の難しさというものを考えさせてくれる一枚の蕎麦ではありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月 1日 (土)

もはや手段は選ばず 公然と捏造報道に手を染めるマスコミ

先日はマスコミ各社によってかなり大々的かつ批判的に取り上げられていた記事について、実はそもそも誤報であったらしいという話がにわかに浮上しています。

「日銀引き受け」は誤報だった/池田 信夫(2012年11月29日週間アゴラ)

ツイッターで教えてもらったが、先週大騒ぎになった安倍総裁の「日銀引き受け」発言は、マスコミ各社の誤報だった。上の動画でわかるように、彼は17日の熊本市での講演で「買いオペ」と言っている(2分18秒前後)。私の記事でも産経の記事を根拠として「引き受け」と書いたが、これは誤りである。訂正して、安倍総裁におわびしたい。

これはマスコミ各社がいっせいに「日銀引き受け」と報じたからだ。17日の15:30に日経はこう報じている。

    自民党の安倍晋三総裁は17日、熊本市内で講演し、衆院選後に政権を獲得した場合、金融緩和を強化するための日銀法改正を検討する考えを重ねて表明した。「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう。新しいマネーが強制的に市場に出ていく」と述べ、日銀が建設国債を全額引き受けるのが望ましいとの考えを表明した

私がリンクを張った産経も15:38にほぼ同じ表現で報じ、毎日、朝日、共同、読売、NHKも17日の夜から翌朝にかけて追いかけた。おそらく日経の記事が情報源だと思われ、各社がすべて日経と同じ表現になっている。

安倍氏が「買いオペ」と言ったのを省略して、日経の記者が「建設国債を全額引き受ける」と言い換えたのは明白な誤報だ。日銀に強制的に国債を引き受けさせることは財政法で禁じられているが、買いオペ(公開市場操作)は日銀の通常業務である。安倍氏は「新しいマネーが強制的に市場に出て行く」と誤解をまねく表現をしているが、「建設国債を全額引き受ける」とは言っていない

この報道が世界の市場に伝わり、日銀総裁が(「一般論」と断ってだが)反論するなど大騒ぎになったが、安倍氏は20日にFacebookで反論している。

    私は物価目標について、「名目2~3%を目指す。私は3%が良いと思うが、そこは専門家に任せる」「建設国債の日銀の買い切りオペによる日銀の買い取りを行うことも検討」と述べている。国債は赤字国債であろうが建設国債であろうが同じ公債であるが、建設国債の範囲内で、基本的には買いオペで(今も市場から日銀の買いオペは行っているが)と述べている。直接買い取りとは言っていない

これを共同やNHKなどは「発言修正」と報じたが、これも間違いだ。彼は最初から「買いオペ」と言ったのである。混乱の責任は、誤解をまねく発言をした安倍氏にもあるが、第一義的には発言を確認しないで日経の記事を孫引きしたマスコミ各社にある。各社は安倍氏に謝罪すべきだ。

マスコミ各社が一斉に誤報に飛びついたと言えば先日はiPS細胞に絡んだ壮大な論文捏造問題が発覚したばかりで、よくも懲りずに同じようなことを繰り返すものだと思いますけれども、どうもこうして特定の人物にだけ不利益となるような事件が重なるというのも偶然で済むことなのでしょうか?
先日もこれまたTBSが「たまたま」安倍氏に対してネガキャンめいた誤報をしてしまった件を紹介したばかりなのですが、以前にも全く同様のネガキャンを仕掛けていた上に今回も当事者に説明も何もしていないうちからこの件は謝罪し了承を得ましたなどと誤報の上に誤報を塗り重ねる有様で、仮に今回は本当にうっかり間違いだったとしてもとても誠意ある対応とは思えませんよね。
そうかと思えば経済評論家がテレビ局から安倍氏の経済政策を批判するようなコメントを出すよう依頼されたという話も飛び出してきて、こちらはその後当の評論家からは誤解である、そうした依頼はなかったと言う発言が出ていますけれども、例の潰瘍性大腸炎に絡めた個人攻撃が人権侵害だ、患者差別だとあれだけ叩かれたにも関わらず未だに続けているのですから本当はどうなのか?と誰しも感じてしまうところでしょう。

安倍晋三 再発し始めたもう1つの「病気」(2012年11月30日ゲンダイネット)

  自民党の安倍総裁を異常なまでに称賛した本「約束の日 安倍晋三試論」が売れている。

  発売は8月末。なのにいまだに、紀伊国屋書店新宿本店の総合ランキング(11月5~11日)1位、アマゾンの社会・政治・政治家部門(11月21日)で1位とか。

  本を開いてみると、「戦後歴代首相の誰一人として所信表明で国家像を提出した首相はいない」と大絶賛。朝日新聞の偏向報道を叩き、自殺した松岡農相の起用も「内閣支持率より松岡のリスクを選んだ」と高評価である。

  こんなトンデモ本も、アマゾンのレビューでは「参院選に大敗し、病で倒れる安倍氏と三島由紀夫を重ね合わせるシーンでは、正直泣かされた」「こんな政治家、他にいるか? 失礼ながら、石原氏や橋下氏とは格が違う」とほとんどが5つ星だ。

  これが安倍を勘違いさせているらしい。党首討論を申し入れた民主党に、「インターネット動画サイトで受ける」と言い出した。もともとネットでは人気がある。だから、気分よくやれると思っているのだろう。ほめられる媒体を重用し、批判する媒体を毛嫌いする。お腹と同じ安倍の“持病”が再発だ。

 「お腹をチャカしたフジの『とくダネ』にかみつき、痴漢アナ報道で誤って安倍の顔写真をカットインしたTBSの『朝ズバッ!』もネチネチと批判。首相までやった政治家なんだからデンと構えていればいいのに、すぐにカリカリする。器が小さいのです」(政界関係者)

  ところがネットでは、これらの番組がやり玉に挙げられている。吉祥寺で応援演説をする安倍の取材に来たTBSのテレビクルーが“ファン”から罵声を浴びる光景も目についた。これでは安倍も反省しない。

 「安倍さんは首相時代にメディア選別をして失敗している。仲が良かったのは“1(NHK)、6(TBS)、産経”。自分にとって有利な報道をするメディアとは懇意にするが、それ以外は排除していた。当然、外されたところは面白くない。連日、『お友達内閣』『学級崩壊』と叩かれたのは、安倍の政権運営が稚拙だったからだけではないのです。メディア戦略で失敗した。それなのにまったく懲りていません」(メディア関係者)

 学習能力のないお坊ちゃまだ。

当事者が自ら白状しているのですからこれ以上の証拠もないというものですが、要約すると「気にくわないからやった。反省はしていない」というところでしょうか(苦笑)。
今さら「椿事件」を持ち出すまでもなくマスコミの特定政治団体への偏向報道は大変なもので、「安倍叩きは社是」だと明言した新聞社もあるくらいですから今さら改められても気持ちが悪いというものですが、安倍氏しかり橋下氏しかり昨今は直接ネット経由で国民に生情報を発信する政治家も増えていますから、不用意なネガキャンはかえってマスコミ各社に跳ね返ってくる次第です。
マスメディアへの信頼が過去五年間で最低値を更新しただとか、マスメディアの報道レベルが下がったと感じる人が6割で残り3割も「悪い意味で変わらない」と言う答えが寄せられただとか、このところマスメディアへの信頼低下がようやく表に出てくるようになった背景にもこうした一次情報の流通が一般化してきた事情もあるのだと思いますね。
日本では放送法でマスコミは不偏不党を義務づけられていることから、いっそ外国のように自ら旗幟を鮮明に出来るようこの義務を撤廃すべきだという声も内部から出てきているようですが、当のマスコミ各社は質の高い報道よりも電波利権をフル活用した金儲けの方にご執心なようですから何ら意味がないかも知れませんね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2012年11月 | トップページ | 2013年1月 »