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2012年11月30日 (金)

ブラック企業こそが当たり前?!某業界の非常識とは

本日はちょっとしたネタとして、労働環境に関する話題を取り上げてみます。
まずは福島で除染作業に従事する方々の苦労は様々に報道されてきた中で、それに対して十分に報われていないどころの騒ぎではないという悲しむべきニュースを紹介してみましょう。

除染作業員 怒りの訴え 「危険手当ピンハネされた」(2012年11月26日東京新聞)

 東京電力福島第一原発の収束作業をする作業員や除染作業員を支援しようと、労働問題に取り組む「被ばく労働を考えるネットワーク」が二十五日、福島県いわき市で第一回の相談会を開いた。除染作業員の男性らが訪れ、「国から支払われた特殊勤務手当(危険手当)がピンハネされている」と訴えた。

 労働相談に訪れたのは、福島県田村市の国が除染を進める地域で、除染をした青森県の五十八~六十一歳の男性作業員五人。男性らは九月から約二カ月、約八百人の作業員とともに山の草刈りなど除染作業をした。国が除染を進める年間放射線量が高い地域では、危険手当が一日一万円ほど出るが、五人には支払われていなかったという。

 五人は大手ゼネコンの三次下請け会社に勤務していた。「危険手当があるのを知った時は驚いた。どこでピンハネされているか分からない。健康診断も除染の講習も自費。当初はマスクの支給もなかった」と説明した。

 会場では、阪南中央病院の村田三郎副院長が原発作業員らの被ばく問題について講演。「長期にわたる作業員の徹底した被ばく線量と健康管理が必要。被ばくとの関係が否定できない健康被害が出た時は、国と東電が補償すべきだ」と話した。

 会場では生活相談も行われ、避難生活をする人や地元住民も訪れた。大熊町の女性は「収束作業をする作業員は、国が年金まで補償すべきだ」と話した。

ちなみに賭け事でも「1」を意味する言葉として「ピン」と言う言葉を使うように、元々はピンハネという言葉も一割を取り上げるという意味だったはずなのですが、全額を取り上げるというのではピンハネどころの騒ぎではありませんよね。
いずれにしてもこうした悪徳業者の存在が近年大きな社会問題となっていて、派遣業界などを初めとして様々な規制が必要だという声が高まっていますけれども、そんな中で近年各方面で批判されるようになってきているのが「ブラック企業」なるものの台頭です。
労働関連法規などを無視して労働を搾取するといった意味で使われている言葉ですからこれまた会社ぐるみの壮大なピンハネ行為と言えますが、幾ら就職厳しい時代とは言え何故そんな企業が存続できるのか?と言う素朴な疑問に対して、当事者である経営者側の弁はこんなものだということです。

現役ブラック企業社長が、社員を安くこき使う華麗な手口を暴露!(2012年10月30日Business Journal)より抜粋

 給与、勤務時間、休日など労働条件が労働法に違反している、もしくはその企業が行っている事業そのものがなんらかの法令に違反しているなど、決して他人に入社を勧められない企業のことを「ブラック企業」という。そんなブラック企業の実態に迫ってみた。

●入社して、この会社おかしいと思ったなら?

 どのような会社でも、入社前、外からでは、その内情をうかがい知ることはできない。では、もしブラック企業に入社してしまった場合は、どうすればいいのだろうか。できるだけ早く、まっとうな企業に転職するしかないだろう。決して我慢して長く勤めようと考えてはいけない
 なぜなら、そもそもブラック企業の経営者は、社員の人生を背負っているという発想がないのだ。労働の対価である給与もできるだけ安く抑え、なんだかんだ理由をつけて、踏み倒すことさえ厭わない。
 事実、従業員30名程度を擁するあるIT企業経営者のA氏は、自らをブラック企業経営者と認めたうえで、「従業員は敵だと思っている。いかに安くこき使い。文句を言わせず、上手に辞めさせるかだ」と言い切る。従業員サイドに立ってみれば、こんな企業に長居し、忠誠を誓ったところで人生を空費するだけだ。
 A氏は採用時、労働時間、待遇などに文句を言わず、黙々と働きそうな「使い勝手のいい人材」のみを採用するという。A氏に詳しく話を聞いてみた。

●使い勝手のいい人間を採用して、こき使う

ーー「使い勝手のいい人材」の基準というか、見分け方は?
A氏 人の上に立とうとか、そういう野心がない人間。人に使われるしか能のない人間だ。学歴はあまり関係ない。真面目で、人を疑うことを知らず、そこそこ育ちがよくて、素直に人の言うことを聞く、それでいて責任感が強いかどうかだ。
ーー御社における社員の待遇は? 給与や、勤務時間、休日などを教えてください。
A氏 給与は月に13万5000円。残業代はない。勤務時間は一応、朝9時から夕方5時まで。昼休みも1時間ある。しかし社員はみんな、自発的に朝は8時には会社に来ている。夜も自発的に終電に乗れるまでは働いている。泊まり込みも自発的に行ってくれている。月2回は土曜日も出勤。そうしないと仕事が回らないからね。
ーー本当に、それだけの勤務時間を要するほどの仕事があるんですか?
A氏 ない。意図的に「仕事のための仕事」をつくって、長時間働かせているだけだ。
ーーなぜ、そのようなことを?
A氏 長時間働かせ、ピリピリした社内の空気に長く触れさせることで、余計なことを考えさせないようにするためだ。今の言葉でいえば「社畜」というのかな。そうすることが目的だな。
ーーそれにしても、条件面ではかなり厳しいですよ。社員の方は文句を言わないですか?
A氏 文句を言うような人間は採用していない。文句や不満を言わせないよう、社内の雰囲気を日頃からつくっている。また最初にガツンとやっているので、社員から不満だの文句だの出ない
ーー最初にガツンとやるとは、どういうことをやるのですか?
A氏 仕事でミスがなくても、些細なことで厳しく叱責する。そしてそれをしばらく続け「このような仕事ぶりでは給与は払えない」と言う。「お前はこんなにミスが多いが、それでも給料を払ってやってる」と刷り込む。つまり経営者である私を怖いと思わせることだね。
ーーミスは徹底的に責めるというわけですね?
A氏 ミスに限らない。勤務時間中の私用メールや電話、新聞など読んでいても「私用」としてどやしあげる。これで社員へのにらみは利く。もっとも、褒めるときには褒める。「アメとムチの使い分け」も重要だ。
(略)

ここでは厳しい環境にも文句を言わず黙って耐える人材を選ぶ、入社早々の自身のない時期に徹底して厳しく叱責し上下関係を叩き込む、余計なことに頭を回させないためにも仕事はとにかく大量に与えるといった他にも「長く居座られて変に仕事に自信が付き口出しされたり給料ばかりが高くなられても困るから、数年で退職するように追い込む」といったノウハウ?も語られています。
こうなるとほとんど洗脳と言ってもいいようなやり方ですが、考えて見ると世間知らずで責任感の強い若者を研修だ、症例検討会だと称してよってたかって厳しくしつける、何ら建設的な思考を巡らせられないほど大量の仕事を与えあり得ない安月給でこき使う、そして長く常勤として居座られることのないようさっさと退職させるというやり方は、はてさてどこかの業界で長年当たり前に行われてきたことと全く同じ行為ではないでしょうか?
そしてこのブラック企業に間違って就職してしまった時にどうするかというノウハウもあるそうなのですが、これまた某業界の現状に照らし合わせて考えると中々に興味深いものなのですね。

ブラック企業は今すぐ辞めないと、人生でこんなに大損失を!?(2012年11月6日Business Journal)より抜粋

(略)
●ブラック企業で思考停止する人たち

 周りの人に「なんで辞めないんですか?」と聞いても、あまり明確な答えは得られなかった。「辞めると生活できないでしょ」とも言われたが、社員ならまだしも、バイトにもかかわらずほかで働くという選択肢が頭にないようだった。「休憩時間や時間外に働かされてもおかしいと思わないのか?」と聞くと、「仕事が終わらないから仕方ない」と言う。「いや、それは違うでしょう」と言いかけてやめた。

 ブラック企業で辞めずに働く人の思考停止状態というのは、こういうものなんだなと、ある意味で勉強になった(当時はまだ、ブラック企業という言葉はなかったが)。残っている人は「2000円くらいの時給を払ってもいいのでは」と思うほどバリバリ働いている人ばかりだったが(どう考えても、1人で2人分以上働いていたので)、明らかに心を病んでいそうな人もいた。

 自分は現在、個人事業主として独立して働いているくらいなので、理不尽を通り越して違法な環境で黙々と働くほど従順でもお人よしでもない。そのアルバイトも、働き始めてから1カ月後には「辞める」と経営者に伝えた。議論するのも面倒なので、体調が悪いとか資格の勉強が忙しくなったとか、何か適当な理由を伝えたと思う。その時に経営者からは、松下幸之助の本に書いてあるような立派な人生訓と一緒に、「自分に甘えるな」といった意味不明な説教を受けたことは覚えている。「違法状態で働かせて文句を言わないバイトに甘えてるのは、お前だろう」と言おうと思ったが、給料を払わないなどと言われたら面倒なので、適当に流した。

 今思い返しても笑える話だが、このなんとも恥ずかしい経営者は、冒頭の記事の経営者とはさぞかし話が合うに違いない。これが自分の唯一のブラック企業(?)での勤務経験だ。

 うつ病になって自殺する社員が出るような真っ黒な会社と比べれば、自分のバイト先は薄いグレー程度の企業かもしれないが、ブラック企業で働く人にファイナンシャルプランナー(FP)としてアドバイスしたいのは、「すぐに辞めろ!」ということだ。ブラック企業で働き、精神的に追い詰められて一度うつ病になってしまうと、その後の人生でさまざまな不利益が発生するからだ。
(略)

ブラック企業に我慢して勤める人間がいるほどそうした企業が存続する、だから唯一の正しい方法論は心身を病む前にさっさと辞めろ!と言うのですが、特にこの心の健康こそが一番大事であるという提言は「体力の消耗は寝ていれば回復するけど、うつで精神的に消耗すると、何もしなくてもどんどん悪化する」という経験談とも併せて非常に納得できるものですよね。
ひるがえって某業界の話題ですが、まさに前述のようなブラックな施設では近年労働者移動の自由化と相まって相次いで逃散という現象が発生していて、破綻寸前に追い込まれているブラック施設も少なからずあるということは良い傾向ではないかと思います。
ただし一方ではそうした古き良き労働慣習が素晴らしいものだったと今も言っている年配者の方々も大勢いらっしゃって、「研修医に休みなど不要、3時間も寝させてやれば十分」だの「本物の外科医になりたければ40までは親に養ってもらう覚悟でいろ」だのと無茶苦茶を言う人がともすれば何か業界の偉人のように称揚される傾向すら残っていると言うのも、社会正義の実現上も職業平等の達成上もどうなのかですよね。
ちなみに某業界のブラック施設では「これじゃ人材が集まらないじゃないか!国が強制的に人材を送り込んでくれないと困る!」などと無茶苦茶なことまで言い出したり業界内の制度を変えてまで人材を囲い込もうとしているようですが、今さら「某業界の常識は世間の非常識」などと言われないためにも、まずは当たり前の労働環境改善という自助努力こそが最優先の課題となることは明らかではありませんか?

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コメント

近年、ネットで奴隷自慢する某業界人はめっきり減ったような気がしているのですが、私の回遊範囲が狭いからでしょうか。

投稿: JSJ | 2012年11月30日 (金) 08時11分

若い先生の意識改革は着実に進んでいるのでいいのですが、お年を召された方々はこのままキセキに入られるのを待つしかないかと。
なにかにつけ「俺たちの若い頃は」と言い出す人は医療水準も昔もままでやっていらっしゃるものとみなしてます。

投稿: ぽん太 | 2012年11月30日 (金) 08時41分

やっぱりボクは間違ってなかったんだ(ドヤ顔

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年11月30日 (金) 09時54分

その道のプロが逃散こそ唯一の正解であると言っているわけですから、やはり近年の潮流は正しい方向へ向いていたということですね。

投稿: 管理人nobu | 2012年11月30日 (金) 12時36分

学生は増えてるのに運動部加入者が減ってるのも関係あるのかしら?

投稿: 安藤 | 2012年11月30日 (金) 14時28分

特別講義に来た学外OBが「おまえら何講義室来てんだ!練習しろ練習!」と声を荒げる光景も今や昔となりました・・・・

投稿: いっちゃん | 2012年11月30日 (金) 17時02分

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ここに地雷を埋めておきますね。 とある東証一部上場企業、某大手のゼネコンに入社して10年ちょっと。 この間に関わってきたこの会社のダークサイドを、今回、つらつらと書き連ねました。 全て実際に自らが関わった実話のみを、第三者の方々に楽しんで読んでもらえる記事となるよう(つまらない犯罪自慢・誹謗中傷・愚痴にはならぬよう)努めて書きました。 うまくいっていると良いのですが。...... [続きを読む]

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