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2012年11月21日 (水)

生保支給水準切り下げ 総選挙の結果如何を問わず確定的?

民主党政権になって3年間で生活保護(生保)受給者が175万人から212万人に急増したと言う記事が先日出ていましたが、その民主党の岡田副総理が先日こんなことを言っていたそうです。

生活保護受給者は後発薬使用を 刷新会議でとりまとめ(2012年11月17日産経ニュース)

 政府の行政刷新会議は17日、増え続ける生活保護費の事業仕分けで、受給者にジェネリック医薬品(後発薬)の使用を原則化すべきだとの意見を取りまとめた。岡田克也副総理は「医療が受けられなくなる問題とは違う。一歩踏み込むべきだ」と述べ、義務化に前向きな考えを示した。
(略)
 ただ衆院解散・総選挙に伴い、仕分けの結果をどれだけ来年度の予算編成に反映させられるかは未知数。事業仕分けは16日に始まり、18日までの3日間行われる。

すでに民間有識者を交えた今回の「新仕分け」において、生保について「今の支給水準は経済状況を考えると高すぎるのではないか」等の厳しい意見が相次ぎ、「低所得者との比較を厳密に行い、就労意欲をなくさない程度の水準にするべきだ」との結論が出たと言うことですが、岡田副総理の発言はさらに踏み込んでのものとなっています。
当然ながら各方面からの反発も承知した上でそれでも断固やるべきだという同氏なりに筋を通した形なのでしょうが、現実問題としては衆院選も間近に迫り政権交代が確実視される中で、当事者である厚労省からも見直しは衆院選後に先送りするという話が出ていますから、結局は新政権の考え方次第ということになりそうですよね。
その衆院選後の次期政権担当をほぼ確実視されているのが自民党ですが、こちらはこちらでさらに一歩を踏み込んだかのような生保見直し案をすでに打ち出してきていますから、形の上では次期政権がどのような方向に転んだとしても生保見直しは既定路線であるということになるのでしょうか。

食費など現物給付可能に 生活保護基準下げ方針 自民PT、改正案了承(2012年11月20日産経ニュース)

 自民党の生活保護プロジェクトチーム(PT)は20日、自治体が食費などを現物給付することを可能とする制度導入を盛り込んだ生活保護法改正案の骨子を了承した。世耕弘成座長は光熱水費や食費に充てる生活扶助に関し、衆院選後に自民党が政権を担った場合、平成25年度予算編成で基準を引き下げる方針を示した。改正案は衆院選後、PTの上部組織である社会保障制度特命委員会や厚生労働部会などに諮られる予定だが、受給者に厳しい内容が含まれており、原案通りに了承されるかどうかは不透明だ。

 医療費にあたる医療扶助の適正化では、受給者の需要を踏まえて月ごとの受診回数制限を設定し、それを超える場合は再申請させることで不要な受診を防ぐ。親族が受給者を扶養できない場合、その理由を親族に求め、無回答や虚偽報告に対する罰則を設ける。不正受給の返還金にはペナルティーとして40%程度の加算金を上乗せする。

生活保護 現物支給も 自民が法改正案(2012年11月20日東京新聞)

 自民党の生活保護プロジェクトチーム(世耕弘成座長)がまとめた生活保護法改正案の骨子が十九日、判明した。生活保護受給者への食費などで、自治体が現金給付か現物給付かを選択できる制度の導入が柱。ジェネリック医薬品(後発薬)の原則使用も医師に求める。二十日の会合に提示する。

 生活保護は医療扶助(医療費)などを除き原則、現金で給付。しかし、保護費を搾取する貧困ビジネスが社会問題となっており、現物給付活用を盛り込んだ。

 対象は、食費や衣服代に充てる生活扶助など。具体的には受給者に現金の代わりに食品と交換できるクーポン券を配ったり、電子マネーなどの形で生活費を支給し、使途を限定したりすることを検討。食品などを直接配るわけではないが、使途を限定したクーポン券などは現物給付の一種とされる。

 また、医学的な事情がある場合を除き、後発薬の原則使用を医師に求めることや、過剰診療の抑制策を盛り込んだ。医療扶助の自己負担導入は見送った。生活保護制度の見直しは、衆院選の争点の一つ。

さりげなく医療費の自己負担導入を見送ると言っていますが、まあステップバイステップで次回以降の改訂に先送りということなんでしょうか…
ここで注目したいのは現物支給と言っても弁当を配るといったものではなく、使途を限定したクーポン券や電子マネーといった形で行うと言っていることですが、貧困ビジネスに関しては現物支給だろうが電子マネーだろうが換金性がある以上はいずれ新しい形で出てくることは必死だと思いますし、すでに類似の方式をとっているアメリカでも不正が横行しているという現実があります。
一方でかねて問題視されているのが生保受給者が朝から喫茶店でモーニングを食べパチンコに行くだとか、好き放題飲んだくれて金がなくなれば入院させろと病院に押しかけてくるといったケースが少なからず見られることで、これに対して金券方式であれば仮に換金したとしても100%元金が回収出来るはずもなく、結果として彼らの生活が多少なりとも健全になるという効果は期待出来るかと思いますね。
生保のお金は決して食料だけに使っているわけではないという意見もあるかも知れませんが、先日もご紹介しましたように和歌山の自治体のケースで食料現物支給を行うことにしたところ生保申請自体が激減したという実例があるわけですから、逆に言えば生保の多数は食糧支援で十分ということが言えそうです。
もちろん例によって自称支援者なる方々が「こんなことでは健康で文化的な生活は送れない!」と大きな声を出して妨害してくることが予想されますが、彼らの言うところのぎりぎりまで切り詰めた生活以下の生活をしている国民が多数いるという現実を考えれば、何らの前提条件も設定せずに支給される水準として今の支給額が妥当だと考える国民は決して多くはないでしょうね。

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コメント

総論見直しは皆賛成なのに各論でまとまらずに結局また流れるんじゃないかw

投稿: aaa | 2012年11月21日 (水) 09時40分

そういう恐れはありますね。

投稿: 管理人nobu | 2012年11月21日 (水) 11時58分

現物給付には賛成ですけど、電子マネーだと取り扱い店舗がどうなるでしょうね?
全小売り店に対応を強いるなら手間とコストが膨大でしょうに。

投稿: ぽん太 | 2012年11月21日 (水) 13時32分

健康で文化的な最低限度の生活水準って難しいね。
デフレが進んでるから昔より金はかからないはずだけど。
生保がどんな生活してるか実態調査したらどうかな?

投稿: いけや | 2012年11月21日 (水) 14時44分

いやー生保患者は嫌ですね。正直言って診たくない。タダほど高くつくものはないと言いますが。
TPPの参加はほぼ決定的な状況ですから、真っ先に生保患者が抹消されるのは間違いないでしょう。生保のモンスターやDQNの時間外受診などで荒廃した救急医療の現場も多少改善される事を望みたいものです。
生保であぶく銭稼いでいる医療機関は存続が危ぶまれるでしょうが。

投稿: 逃散前科者 | 2012年11月22日 (木) 11時45分

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