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2012年11月

2012年11月30日 (金)

ブラック企業こそが当たり前?!某業界の非常識とは

本日はちょっとしたネタとして、労働環境に関する話題を取り上げてみます。
まずは福島で除染作業に従事する方々の苦労は様々に報道されてきた中で、それに対して十分に報われていないどころの騒ぎではないという悲しむべきニュースを紹介してみましょう。

除染作業員 怒りの訴え 「危険手当ピンハネされた」(2012年11月26日東京新聞)

 東京電力福島第一原発の収束作業をする作業員や除染作業員を支援しようと、労働問題に取り組む「被ばく労働を考えるネットワーク」が二十五日、福島県いわき市で第一回の相談会を開いた。除染作業員の男性らが訪れ、「国から支払われた特殊勤務手当(危険手当)がピンハネされている」と訴えた。

 労働相談に訪れたのは、福島県田村市の国が除染を進める地域で、除染をした青森県の五十八~六十一歳の男性作業員五人。男性らは九月から約二カ月、約八百人の作業員とともに山の草刈りなど除染作業をした。国が除染を進める年間放射線量が高い地域では、危険手当が一日一万円ほど出るが、五人には支払われていなかったという。

 五人は大手ゼネコンの三次下請け会社に勤務していた。「危険手当があるのを知った時は驚いた。どこでピンハネされているか分からない。健康診断も除染の講習も自費。当初はマスクの支給もなかった」と説明した。

 会場では、阪南中央病院の村田三郎副院長が原発作業員らの被ばく問題について講演。「長期にわたる作業員の徹底した被ばく線量と健康管理が必要。被ばくとの関係が否定できない健康被害が出た時は、国と東電が補償すべきだ」と話した。

 会場では生活相談も行われ、避難生活をする人や地元住民も訪れた。大熊町の女性は「収束作業をする作業員は、国が年金まで補償すべきだ」と話した。

ちなみに賭け事でも「1」を意味する言葉として「ピン」と言う言葉を使うように、元々はピンハネという言葉も一割を取り上げるという意味だったはずなのですが、全額を取り上げるというのではピンハネどころの騒ぎではありませんよね。
いずれにしてもこうした悪徳業者の存在が近年大きな社会問題となっていて、派遣業界などを初めとして様々な規制が必要だという声が高まっていますけれども、そんな中で近年各方面で批判されるようになってきているのが「ブラック企業」なるものの台頭です。
労働関連法規などを無視して労働を搾取するといった意味で使われている言葉ですからこれまた会社ぐるみの壮大なピンハネ行為と言えますが、幾ら就職厳しい時代とは言え何故そんな企業が存続できるのか?と言う素朴な疑問に対して、当事者である経営者側の弁はこんなものだということです。

現役ブラック企業社長が、社員を安くこき使う華麗な手口を暴露!(2012年10月30日Business Journal)より抜粋

 給与、勤務時間、休日など労働条件が労働法に違反している、もしくはその企業が行っている事業そのものがなんらかの法令に違反しているなど、決して他人に入社を勧められない企業のことを「ブラック企業」という。そんなブラック企業の実態に迫ってみた。

●入社して、この会社おかしいと思ったなら?

 どのような会社でも、入社前、外からでは、その内情をうかがい知ることはできない。では、もしブラック企業に入社してしまった場合は、どうすればいいのだろうか。できるだけ早く、まっとうな企業に転職するしかないだろう。決して我慢して長く勤めようと考えてはいけない
 なぜなら、そもそもブラック企業の経営者は、社員の人生を背負っているという発想がないのだ。労働の対価である給与もできるだけ安く抑え、なんだかんだ理由をつけて、踏み倒すことさえ厭わない。
 事実、従業員30名程度を擁するあるIT企業経営者のA氏は、自らをブラック企業経営者と認めたうえで、「従業員は敵だと思っている。いかに安くこき使い。文句を言わせず、上手に辞めさせるかだ」と言い切る。従業員サイドに立ってみれば、こんな企業に長居し、忠誠を誓ったところで人生を空費するだけだ。
 A氏は採用時、労働時間、待遇などに文句を言わず、黙々と働きそうな「使い勝手のいい人材」のみを採用するという。A氏に詳しく話を聞いてみた。

●使い勝手のいい人間を採用して、こき使う

ーー「使い勝手のいい人材」の基準というか、見分け方は?
A氏 人の上に立とうとか、そういう野心がない人間。人に使われるしか能のない人間だ。学歴はあまり関係ない。真面目で、人を疑うことを知らず、そこそこ育ちがよくて、素直に人の言うことを聞く、それでいて責任感が強いかどうかだ。
ーー御社における社員の待遇は? 給与や、勤務時間、休日などを教えてください。
A氏 給与は月に13万5000円。残業代はない。勤務時間は一応、朝9時から夕方5時まで。昼休みも1時間ある。しかし社員はみんな、自発的に朝は8時には会社に来ている。夜も自発的に終電に乗れるまでは働いている。泊まり込みも自発的に行ってくれている。月2回は土曜日も出勤。そうしないと仕事が回らないからね。
ーー本当に、それだけの勤務時間を要するほどの仕事があるんですか?
A氏 ない。意図的に「仕事のための仕事」をつくって、長時間働かせているだけだ。
ーーなぜ、そのようなことを?
A氏 長時間働かせ、ピリピリした社内の空気に長く触れさせることで、余計なことを考えさせないようにするためだ。今の言葉でいえば「社畜」というのかな。そうすることが目的だな。
ーーそれにしても、条件面ではかなり厳しいですよ。社員の方は文句を言わないですか?
A氏 文句を言うような人間は採用していない。文句や不満を言わせないよう、社内の雰囲気を日頃からつくっている。また最初にガツンとやっているので、社員から不満だの文句だの出ない
ーー最初にガツンとやるとは、どういうことをやるのですか?
A氏 仕事でミスがなくても、些細なことで厳しく叱責する。そしてそれをしばらく続け「このような仕事ぶりでは給与は払えない」と言う。「お前はこんなにミスが多いが、それでも給料を払ってやってる」と刷り込む。つまり経営者である私を怖いと思わせることだね。
ーーミスは徹底的に責めるというわけですね?
A氏 ミスに限らない。勤務時間中の私用メールや電話、新聞など読んでいても「私用」としてどやしあげる。これで社員へのにらみは利く。もっとも、褒めるときには褒める。「アメとムチの使い分け」も重要だ。
(略)

ここでは厳しい環境にも文句を言わず黙って耐える人材を選ぶ、入社早々の自身のない時期に徹底して厳しく叱責し上下関係を叩き込む、余計なことに頭を回させないためにも仕事はとにかく大量に与えるといった他にも「長く居座られて変に仕事に自信が付き口出しされたり給料ばかりが高くなられても困るから、数年で退職するように追い込む」といったノウハウ?も語られています。
こうなるとほとんど洗脳と言ってもいいようなやり方ですが、考えて見ると世間知らずで責任感の強い若者を研修だ、症例検討会だと称してよってたかって厳しくしつける、何ら建設的な思考を巡らせられないほど大量の仕事を与えあり得ない安月給でこき使う、そして長く常勤として居座られることのないようさっさと退職させるというやり方は、はてさてどこかの業界で長年当たり前に行われてきたことと全く同じ行為ではないでしょうか?
そしてこのブラック企業に間違って就職してしまった時にどうするかというノウハウもあるそうなのですが、これまた某業界の現状に照らし合わせて考えると中々に興味深いものなのですね。

ブラック企業は今すぐ辞めないと、人生でこんなに大損失を!?(2012年11月6日Business Journal)より抜粋

(略)
●ブラック企業で思考停止する人たち

 周りの人に「なんで辞めないんですか?」と聞いても、あまり明確な答えは得られなかった。「辞めると生活できないでしょ」とも言われたが、社員ならまだしも、バイトにもかかわらずほかで働くという選択肢が頭にないようだった。「休憩時間や時間外に働かされてもおかしいと思わないのか?」と聞くと、「仕事が終わらないから仕方ない」と言う。「いや、それは違うでしょう」と言いかけてやめた。

 ブラック企業で辞めずに働く人の思考停止状態というのは、こういうものなんだなと、ある意味で勉強になった(当時はまだ、ブラック企業という言葉はなかったが)。残っている人は「2000円くらいの時給を払ってもいいのでは」と思うほどバリバリ働いている人ばかりだったが(どう考えても、1人で2人分以上働いていたので)、明らかに心を病んでいそうな人もいた。

 自分は現在、個人事業主として独立して働いているくらいなので、理不尽を通り越して違法な環境で黙々と働くほど従順でもお人よしでもない。そのアルバイトも、働き始めてから1カ月後には「辞める」と経営者に伝えた。議論するのも面倒なので、体調が悪いとか資格の勉強が忙しくなったとか、何か適当な理由を伝えたと思う。その時に経営者からは、松下幸之助の本に書いてあるような立派な人生訓と一緒に、「自分に甘えるな」といった意味不明な説教を受けたことは覚えている。「違法状態で働かせて文句を言わないバイトに甘えてるのは、お前だろう」と言おうと思ったが、給料を払わないなどと言われたら面倒なので、適当に流した。

 今思い返しても笑える話だが、このなんとも恥ずかしい経営者は、冒頭の記事の経営者とはさぞかし話が合うに違いない。これが自分の唯一のブラック企業(?)での勤務経験だ。

 うつ病になって自殺する社員が出るような真っ黒な会社と比べれば、自分のバイト先は薄いグレー程度の企業かもしれないが、ブラック企業で働く人にファイナンシャルプランナー(FP)としてアドバイスしたいのは、「すぐに辞めろ!」ということだ。ブラック企業で働き、精神的に追い詰められて一度うつ病になってしまうと、その後の人生でさまざまな不利益が発生するからだ。
(略)

ブラック企業に我慢して勤める人間がいるほどそうした企業が存続する、だから唯一の正しい方法論は心身を病む前にさっさと辞めろ!と言うのですが、特にこの心の健康こそが一番大事であるという提言は「体力の消耗は寝ていれば回復するけど、うつで精神的に消耗すると、何もしなくてもどんどん悪化する」という経験談とも併せて非常に納得できるものですよね。
ひるがえって某業界の話題ですが、まさに前述のようなブラックな施設では近年労働者移動の自由化と相まって相次いで逃散という現象が発生していて、破綻寸前に追い込まれているブラック施設も少なからずあるということは良い傾向ではないかと思います。
ただし一方ではそうした古き良き労働慣習が素晴らしいものだったと今も言っている年配者の方々も大勢いらっしゃって、「研修医に休みなど不要、3時間も寝させてやれば十分」だの「本物の外科医になりたければ40までは親に養ってもらう覚悟でいろ」だのと無茶苦茶を言う人がともすれば何か業界の偉人のように称揚される傾向すら残っていると言うのも、社会正義の実現上も職業平等の達成上もどうなのかですよね。
ちなみに某業界のブラック施設では「これじゃ人材が集まらないじゃないか!国が強制的に人材を送り込んでくれないと困る!」などと無茶苦茶なことまで言い出したり業界内の制度を変えてまで人材を囲い込もうとしているようですが、今さら「某業界の常識は世間の非常識」などと言われないためにも、まずは当たり前の労働環境改善という自助努力こそが最優先の課題となることは明らかではありませんか?

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2012年11月29日 (木)

終末期医療 ガイドラインは滲透したが

先日は高齢者の救急搬送患者に対して救命センターでも過半数の医師が延命治療を差し控えた経験があるというニュースを紹介しましたが、高齢者に限らず終末期医療の問題は医療訴訟のリスクとも密接に結びついてくるだけに法的に万全な対応をしなければならないと考える医師も多く、本当は無駄、無意味だと感じていながら治療を行ってきた経験を多くの医師が持っているものと思われます。
近年そうした風潮に対してガイドラインというものを用意することで一定の効果が見られているようですが、先日は救急医学会がこんな調査結果を発表していました。

ガイドライン、終末期診療への導入進む- 日本救急医学会が調査(2012年11月22日CBニュース)

 日本救急医学会が2007年に公開した「救急医療における終末期医療に関する提言(ガイドライン)」を、患者の終末期の診療に取り入れている救急科専門医が増えていることが、同学会のアンケート調査で分かった。ガイドラインは、救急医療で直面する終末期医療に関する諸問題を検討するために組織された、同学会特別委員会がまとめたもので、主に救急科専門医や臨床救急看護師らが使用している。

 この調査は、2012年5月8日から同20日までの13日間、救急科専門医らを対象に実施。救急科専門医658人から回答を得た。ガイドライン公開後の08年に行われた調査では、救急科専門医の73.3%がガイドラインの内容を認識していたが、今回は、その比率が82.4%まで上昇。ガイドラインを終末期の医療に取り入れている専門医も3.1ポイント増の24.8%となり、ガイドラインに則った実践が徐々に浸透していることがうかがえる。

 一方、ガイドラインにより、専門医の7.4%が「暗黙のうちに行われてきた治療の撤退がかえってしづらい」、4.3%が「主治医の判断が軽視されているように感じる」と回答。説明責任を重視することや、チーム医療で終末期医療に当たることに何らかの疑問を持つ専門医が、ガイドライン作成後も一定数いることが明らかになった。

 終末期症例に関するウェブサイトについての専門医の認知は、約半数にとどまっており、実際に症例を登録したのは、1.7%にすぎなかった。ガイドラインを診療に適用したものの、結局反映できなかった理由として、「家族らの意見がまとまらなかった」が最も多く、次いで「法的な問題が未解決である」、「終末期の問題について、社会の合意が得られていない」などの回答があった。日本救急医学会は、「今後、救急医療における終末期医療の在り方を検討していく上で、なぜガイドラインを適用する意図がなかったのかについて、分析を行う必要があると考えられる」としている。【新井哉】

ガイドラインの内容についてはこちらのリンクを参照いただくとして、「そのまま辿れば何らかの目的に至るような」ものではなくあくまで「”考える道筋”を示したもの」だとうたわれてはいても、やはり何かあったときに「ガイドラインに則って対応しましたが何か?」と言えるだけのマニュアルめいたものとして期待してしまうのが人情と言うものですよね。
逆にガイドラインの言うように考える道筋として一つの例を示しただけだったとしても、こうしたものの存在によって担当医の判断が掣肘されてしまうのもやむなきところで、それが「治療の撤退がかえってしづらい」「主治医の判断が軽視されている」といった答えにも現れているのではないかと思います。
さて、医療現場を実際に担当する多くの人間がその存在を知るようになったガイドラインによって医療がどのように変わってきたのかですが、実のところやはり積極的な治療中止については未だに躊躇せざるを得ないというのが現実であるようです。

人工呼吸の中止、水分・栄養補給の制限や中止に依然抵抗感(2012年11月26日日経メディカル)

 日本救急医学会救急医療における終末期医療のあり方に関する委員会は11月5日、「救急医療における終末期医療に関する提言(以下、ガイドライン)」に対する救急医療従事者の意識の変容について、アンケートの結果を発表した。ガイドラインを出してから5年が経過し、認知度は高まっているものの、現場での適用については依然課題が残る状況が明らかになった。
(略)
 同学会のガイドラインでは、終末期と判断される患者については、家族の総意などを確認した上で延命措置を中止することができるとしている。その上で、延命措置の中止や積極治療をしない方法として、人工呼吸の中止、人工透析を行わないなど4つの方法を提示している。「こういった方法について許容できるか」を聞いた設問では、方法によって許容できる度合いが異なる傾向が示された。

 具体的には、「人工透析、血液浄化などを行わない」「人工呼吸器設定や昇圧薬投与量など、呼吸・循環管理の方法を変更する」については、許容できると肯定的に回答した救急科専門医は多く、それぞれ83.2%、76.9%を占めた。一方で、「人工呼吸、ペースメーカー、人工心肺などを中止、または取り外す」「水分や影響の補給などを制限するか、中止する」という方法については、許容できると肯定的に回答した救急科専門医が、それぞれ42.5%、67.0%。抵抗感を持つ救急科専門医が少なくないことが分かった。こうした傾向は、08年の調査時と大きく変化していなかった

 これまでの5年間にガイドラインを適用しようとした症例があるかどうか聞いた設問には全体の20.5%が「適用しようとした症例があった」と回答。08年の調査時の13.8%に比べて増加した。

 ただし、「適用しようとした事例がなかった」と答えた471人(71.6%) のうち、253人(53.7%)は「適用する意図がなかった」と回答した。
(略)
 今回の調査では、ガイドラインの認知度は高まっているものの、現場への浸透には課題が残る結果が示された。

何であれ治療を行わないという行為に関しては肯定的意見が多い一方で、ひとたび始めていた治療を中止することには抵抗感が強いという傾向が見て取れますが、ガイドラインが着実に滲透している中でこうした意識はほとんど変化していないということにも留意ください。
例えば目の前に死にかけた人が運ばれて来て、積極的な延命処置を講じないまま亡くなったとあればこれは自然死と捉えられますが、現に濃厚治療が行われ当面の維持管理が出来ている人の治療手段を中止した結果亡くなったとなれば、これは人為的な死ではないかと感じられるのはもっともですよね。
百歩譲ってそれを行う医師自身は中断行為に納得出来ているとしても、周りで見ている家族やその場にいない遠い親戚の全てまでが同じように納得出来ているかどうかは判らない以上、後日何かのはずみで係争化したときに余計な火種になりかねないことには手を出したくないと言うのは当然の人間心理です。

係争化のリスクなどを抜きにしても自分の手で人の命を積極的に終わらせるというのは心理的重圧も当然大きく、例えば死刑執行などは執行される側は元より執行する側にも大きなストレスだと言いますが、まして医師と言えば人の命を救うことを目指して仕事をしている人間も多いわけですから、言ってみれば聖職者に自ら聖典を焼けと言うようなものではないでしょうか。
このあたりは例えば日本でも尊厳死、安楽死というものが合法化されたとして、ではそれを誰が実際に行うのかという実行の部分で押し付け合いが起こるだろうとは誰でも想像出来るところで、海外などで定期的に「素人でも安全?確実に実行出来る安楽死装置」なるものが登場してくることもそのあたりと無関係ではなさそうです。
医療行為を行うというのであればこれは法的にも技術的にも医療専門職でなければ無理かも知れませんが、例えば人工呼吸器のスイッチを切ることにどんな専門知識が必要なのかと言われれば誰でも操作出来るはずですから、積極的治療中止が違法行為ではないというならご家族が納得した上で自らスイッチを切るということでも何ら不都合はないはずですし、それによって後の不毛なトラブルも多くが回避できそうですよね。
終末期の議論のたびに「法的整備が必要だ」という声が出るのは今さらではありませんが、どうせなら「複数の医師によって判断され家族の同意を得た治療中止は違法な行為ではない」式のことではなくて、現場がどこに引っかかっているのかをよく見極めた上での整備を目指してもらった方がより実用的なものになるんじゃないかという気がします。

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2012年11月28日 (水)

生保医療費自己負担化問題は総選挙の争点に?

総選挙の足音が近づくにつれて各種政策論争も盛んになっていますが、各党共に総論賛成という点ではほぼ一致しているのが生活保護受給者の支給切り下げ問題です。
その中でも医療費の一部自己負担化やジェネリック義務づけなど医療領域でも幾つかの課題が挙げられていますが、実際にその財政を負担している各自治体首長においても賛成多数というのがこちらの調査結果です。

医療費自己負担に賛成半数 生活保護で首長意識調査(2012年11月23日47ニュース)

 生活保護受給者の医療費について、都道府県庁所在地と政令指定都市の首長の57%が一部自己負担の導入に賛成していることが22日、共同通信のアンケートで分かった。ジェネリック医薬品(後発薬)使用の原則化を求める意見は63%に上った。

 過去最多の更新が続く生活保護費は2012年度当初予算ベースで約3兆7千億円。うち半分を医療費(医療扶助)が占めており、無料で受診できる現状の見直しを求める声が地方自治の現場に根強いことが浮き彫りになった。民主、自民両党は制度見直しを検討中だが主張に隔たりもあり、衆院選の争点に浮上する可能性がありそうだ。

もちろん財政も逼迫している中でお金を出す側である首長がこういうのは極めて当然とも言えますし、今までマスコミ等の言論に押されて遠慮していた部分をまとめて精算しようという気になっているのかも知れませんが、一方で医療を行う側の医師と言えばかつては金銭的負担の心配をせず好きな医療が行え、厳しい保険のチェックも入らない生保患者を歓迎していた面もあったと言われていました。
ところがこちらも近年の風向きの変化が影響しているのでしょうか、現場医師の間でも自己負担化やむなしという論調が大きく広がってきているのですから孤高の反対路線を貫く日医のスタンスが余計に際立つというものですよね。

生活保護受給者の医療費無料は不公平か 医師の7割以上が医療費の一部負担に賛成(2012年11月25日サーチナ)

  生活保護受給者の医療費の多くが、医療扶助で賄われている。医療費の一部負担を導入するべきとの意見もあるが、賛否両論あるようだ。

  生活保護受給者の多くが国民健康保険の被保険者から除外されており、その医療費の全額が医療扶助で負担されている。その1人当たりの医療費についてみると、市町村国保の被保険者などと比べて、生活保護受給者のほうが高く、適正化のための取り組みを強化すべきだという声が上がっている。

  そんな中、生活保護の医療扶助の悪用で逮捕者も出ている。大阪市は今年7月、生活保護受給者の処方箋を複製して、複数の薬局から向精神薬を不正に入手した罪で、有印私文書偽造並びに詐欺罪で逮捕者が出たことを明らかにした。このケースでは、生活保護受給者が受け取った処方箋をカラーコピーし、複数の薬局に提出して、各薬局から向精神薬である「ハルシオン」などを入手していた。

  このような現状について、生活保護受給者を実際に診察している医師は、どのように感じているのだろうか。

  ケアネットが運営するサイトの会員医師1,000名を対象に、10月26日に実施した「生活保護受給者の医療扶助に関する意識調査」によると、医療費適正化のために生活保護の医療費の一部を受給者に負担させることをどう考えるか聞いたところ、全体の73.1%の医師が、医療費一部負担案に賛成した。

  その理由として、「年金生活者や、働きながら保険料を納め医療費の一部負担をしている低所得者がいることを考えると、生活保護受給者のみ全て無料というのは不公平」などといった意見が寄せられた。

  また「違った方法を考えるべき」と答えた医師は15.6%、「現状のままで良い」と答えた医師は11.3%だった。「現状のままで良い」と答えた医師は、「生活保護の本質まで変えるべきではない」「受給認定を厳格にすることで対応すべき」などの理由を上げたほか、「支払いができなければ病院の負担になるのが見えている」といった意見が寄せられた。

  一方、三井辨雄厚生労働相は、生活保護受給者の医療費一部負担について、医療費の自己負担を導入すれば、必要な受診を抑制する恐れがあり、慎重な検討が必要と述べている。

  生活保護受給者の医療費の一部負担については賛否両論あるが、不正が行われないような仕組みづくりが期待される。(情報提供:MONEYzine)

数の大小を問わなければ確かに賛否両論あるとは言え、実際には文字通りの反対意見というものはかなり少数派であって、反対するにしても「支払い拒否をされた場合に医療機関が損をかぶることになるから反対」といった意見も含まれているようです。
自己負担化に伴う窓口トラブルについて言えば、本来は窓口負担というものは保険者の行うべき業務を医療機関が代行しているというタテマエですから、この生保自己負担化に際しても医療機関の窓口では自己負担なし、しかし自治体側から支給する段階で自己負担分を差し引くという形にしておけば何らの問題もないはずですが、実際に自己負担化が成立すれば今後各地で自治体と交渉する必要が出てくるのでしょうか。
経営的な視点で言えば応召義務との絡みもあって多くの医師が失念していることですが、全ての医療機関が必ずしも生保受給者の受診を引き受けなければならないわけではなく、どうしても折り合いが悪ければ生保受給者の診療を行わなければよいだけのことで、これまた現場スタッフと施設の経営者側との間に話し合いの余地がありそうですよね。
とかく日医がその権益を代弁しているような経営者サイドの考え方と、現場スタッフの考え方とが異なっているということはどこの業界にも当然にあることですが、今の時代に医療の安定経営を行う上で欠かせないのが現場スタッフのマンパワーであるということを考える時、その大きなストレスとなっている要因は経営者側としても無視は出来ないだろうと言うことです。

内科医「生保患者のおかげで、辞めたい」(2012年11月22日YUCASEEmedia)

 厚生労働省がまとめたところによると、生活保護受給者数は213万人(8月末時点)となった。医療費でも補助を受けることができるために、医療現場では勘違いした生活保護患者の存在を聞くことがある。そうした様子を現場の医師は辟易としているが、はてなブログにも医師と名乗る人物が「辞めたい」という心情を吐露している。

 ブログによると、「生保患者診たくないんで、内科医辞める」「問題は彼らの受診行動。病院でみる生保患者の素行は、とにかく目に余る」と本音から書き出し、かなり手を持て余していることはわかる。

 「生保患者は時間外に来る」として、先月の3連休時の夜間の来院割合が36分の5、29分の2、25分の3だったという。その市の生保受給者は人口の1.5%程度だが、夜間の来院数が多いのがわかる。また、時間外に救急車で来る割合も高いそうだ。

 また、来院回数も週に3回などはふつうで、1日に2回ということもあるという。1日に複数施設をハシゴする場合もあるそうだ。 

 「最近、悪質生保の受診行動を福祉事務所や民生委員に通報すべく、資料集めを開始したところ」

 ゆかしメディアでも過去に、生活保護でホテルと化した病院として取り上げたことがある。

 今後も現場の医師からは、様々な告発、意見が出てくるだろう。

生保受給者の使う医療費が多いことからしても受診が多いことは当然ですが、何しろ自己負担もないものですから時間外だろうが夜間だろうが好き放題に受診し ていることがデータの上からも裏付けられ、またそれが現場スタッフの疲弊を招き一般の患者さんにも大いに迷惑がかかっているということですね。
医療という業界は社会のあらゆる階層が利用するという性質もあって大抵の人間があまり関わる機会のない多種多様な人々の実態に触れる機会が非常に多いわけですが、とりわけ最も生保受給者の実態を知っているという点でその声に耳を傾けておいて損はないと思いますね。
生 保と言えば体をこわして働けなくなった人達が受給するものというイメージもありましたが、体をこわした人々が受診するはずの医療現場であってさえ疾患のた めに働けない受給者は限りなく少数派であって、またそうした方々は仕事の都合ということがないため多くは真面目に受診しているものです。
一方で夜間救急に高級外車で乗り付けてくるような筋金入りの「ナマポ」の受診態度の悪さは昔から現場の常識であったものですが、当時と今とで何が違うかと言えば単にそうした現場の声がマスコミ等によっても取り上げられるようになったというだけでしょう。

こうした社会保障の問題は洋の東西を問わないようで、かのテキサス親父も母国アメリカの現状を評して「働かない方が良い生活が出来る不思議な国」と語っていますけれども、その結果税負担も増し低所得者層を中心に勤労意欲も低下し更に生保受給者が増えていくと、下手をすれば際限のない悪循環にもなりかねません。
本来医療費無料化などは必死で働いているにも関わらずどうしても病気になってしまった、しかし仕事を休むわけにもいかずお金もないという勤労低所得者層に対して行われるべきもので、保護費がなくなれば入院させてもらえばいいという考えでいる方々にばかり優遇措置を講じても過剰診療の温床にもなろうというものですよね。
今回の総選挙ではにわかにこの生保問題が大きな争点になってきたとも言われていますが、ただでさえ志気崩壊著しい医療現場がこれ以上盛り下がらないためにも早急な改善が必要とされそうです。

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2012年11月27日 (火)

上小阿仁村後任医師決定 当事者の声は

先日は新任の先生がわずか3週間で辞めてしまったという記事をお伝えしました「聖地」上小阿仁村ですが、幸いにしてと言うべきか残念ながらと言うべきかあっけなく後任が見つかったそうです。

前北秋田市長が診療再開、上小阿仁 医師辞職で休診/秋田(2012年11月23日さきがけweb)

 医師の突然の辞職で休診していた上小阿仁村国保診療所の医師に、前北秋田市長の岸部陞(すすむ)・旧北秋中央病院名誉院長(76)=同市住吉町=が22日に就任、診療を再開した。村は後任が決まるまで当分の間、診療を続けてもらう方針だ。

 診療所の内科は先月12日に所長として着任したばかりの男性医師(71)が体調不良を理由に辞職、15日から休診していた。

 診療初日は早速70人近くの村民が詰め掛けたという。岸部医師は「患者のほとんどが高齢者で、村外で受診する交通手段もなく大変困っていると聞いた。小学校時代を過ごした村で、自分でよければ役に立ちたい」と語った。

71歳が体調不良で辞めて今度は76歳が後任にというのは、それなりに不安を感じないでもない話ですが、一応は同村の出身者ということで部外者でもないという意味では非常によい人選になったのではとも思います。
しかし以前にもお伝えしたような経緯を考えるとかつて高齢者の交通手段の確保に反対したのも自分達自身だったはずではないかとも思ってしまうのですが、いずれにしても毎回のようにこうやってすぐに後任が見つかるというその交渉力は素晴らしいものがあると思いますね。
役場の方々のそうした努力には率直に頭が下がりますし、それだけ熱心な方々も事実いらっしゃるということなんだと思いますが、一方でかねてこの問題は町内での政争に端を発しているという観測が根強くあったわけです。
一般紙などもようやくこの異常事態に興味が向いてきているようですが、こちらNEWポスの村長へのインタビュー記事を見ましてもやはり何となく歯切れの悪いものを感じてしまうのは自分だけでしょうか?

ネットで「悪の村」と指弾された上小阿仁村長が「いじめ」に反論(2012年11月25日NEWSポストセブン)

悪の村」「村民全員が意地悪い」。診療所の医師が辞職するたびにネットでそんな風評を立てられて苦しんでいる村がある。秋田県中央部に位置する上小阿仁(かみこあに)村だ。なにが原因なのか、どのような被害が起きているのか。村長のインタビューを中心に、村の現状をリポートする。(取材・文=フリーライター・神田憲行)

 * * *
 上小阿仁村は人口約2700人、65歳以上の高齢者が人口に占める割合の高齢化率45%(秋田県の自治体で最高水準)。村民の年間平均所得は143万3000円、県下で下から2番目に低い。村の総面積の90%以上は山林原野だ。

 ことの発端は、この村で公募した村の診療所勤めの医師が、08年からの4年間で4人とも短期間で辞めていったことである。とくに2011年5月30日に2番目に辞めた女性医師に対して一部村民から言いがかりのようなクレームがあったことを、前村長が村の広報誌で紹介した。

《まったく「いじめ」と思われる電話もあるそうですが、このような不心得者は、見つけ出して、再教育の必要があるようです》
《このような不心得者は、わずか5~6人に過ぎないことを確認しております》

 その後も医師が辞職するたびに、「いじめがあった」とネットに書き込まれるようになった。

「ネットの書き込みを見て、村に『悪の村』とかメールや電話が掛かってきています。これはもういじめですよ。あんな思い込みの書き込みを本気にするなんて、ちょっとおかしいんじゃないか」

 上小阿仁村の中田吉穂村長(61歳)はそういって顔をゆがめる。

--しかし4年間で4人とも短期間で次々と辞めるというのは不自然ではないでしょうか。

中田:どうして? 体調不良であればしょうがないですよ。

--2番目の女性医師に関しては、前村長が広報誌で村民の「いじめ」のようなものがあったことを指摘しています。

中田:うん、その文章は重い。でも当時町議だった私はこの女の先生が辞めて帰られる前に1時間ほど話をしたのよ。「上小阿仁のことは忘れない」と言ってくださったし、「(広報誌で)本意ではないことを書き残されて、私としては悔やみきれない」と話されていたんですよ。

──この文章では「不心得者が5~6人」と具体的です。

中田:これは、これはよ……(首をかしげて)前の村長がどういう意味で書いているのか……

──では中田さんは、辞めていく理由についてどのように分析されていますか。

中田:それは個別に、いろんな事情が重なっていると思います。たとえばこの女の先生は本当に熱心で、午前中に診療所の診察が終わると、昼休みに兼務している村の特別養護老人ホームに自発的に様子を見に行くような人なんですよ。そうすっと午後の診察開始が遅れることもある。待っている人はイライラしてっから、不満をぶつけることもあったんじゃないか。そういう忙しさとストレスから体調を崩されたんだと思います。心臓にペースメーカーを入れているような人だったから。

──そのあと2011年6月1日に来た3人目の40代の男性医師も、今年12年10月12日に、「水が合わない」と言い残して辞められています。

中田:それはたぶん気候なんですよ。このへんは天然の秋田杉の名産地で、シーズンは空が真っ白になるくらい花粉が舞う。鼻水が出たり大きなマスクしてたから「先生、大丈夫ですか」と聞いたら、「気候が合わない」とおっしゃっていましたから。

──だとしたら「花粉症で」と言えば済むのではないでしょうか。なにも「水が合わない」という含みを残した言い方をしなくても……。

中田:まあ……それは体調が最悪の時期だったぺ。あとたぶん、若い先生にしたら、この村での地域医療はやり甲斐がないと思う。診療所には入院施設もないし、薬を出す以外はたいした治療もできずに秋田市内の大病院に紹介状を書くことが多い。ただの紹介屋さんみたいになってしまうんだな。若い村民は自分で車運転して最初から他の病院に行ってしまうケースもある。そうするとほとんどお年寄りしか病院に来ない。そういう先生の「想い」と現実の差がストレスになっているんかなあ……。この先生は「自分はまだ若いから、医師としての腕を磨きたい」と帰られる前におっしゃっていました。

──そのあと直近で今年10月に来られた71歳の医師はひと月で辞職されました。

中田:ご本人が「80歳まで頑張る」というので来ていただいたんだが、残念ながら自己管理ができてなかったす。たちまち体調を崩されて心臓が弱り、もう故郷に帰られました。

──医師たちが次々と辞めていくのは、ちょうど激しい選挙戦で当選した前村長が就任した翌年の2008年から始まっています。選挙を巡って村内の対立がこの問題に影響を与えているのではないでしょうか。

中田:それは憶測です。選挙に絡めた方が(メディアは)話題性はあるわね。選挙のたびに医者が代わるとか、(話を)作ろうと思えばいくらでも作れる。なんでそんな勝手な憶測ばかりするのかなあ……よぐわがんねぇ。もしそうなら、村長選挙に「新しい医者を連れてくる」とか公約に掲げればいいけど、そんなことしていない。

 前村長の小林宏晨氏は、女性医師への「クレーム」については、「これは実際にこの女性の先生と話をして、彼女から聞いたことです。ただ5、6人の名前は教えてもらえませんでした」と語る。クレームを付けていた「不心得者」は小林氏への反対派ではないかという質問には「そういうことは私の口からは言えない」として、女性医師が辞職した理由についてこう述べた。

「彼女は医師として熱心で、土日でも深夜の1時2時でも求められると診察していました。私はそれは止めた方がいいと言ったんだが……そうやって熱心に診察してても(クレームが来て)無力感を覚えたのではないかな。また村民の中には『男尊女卑』というのか、女性の医師について無理解な人もいたと思う。都会と地方の文化的な落差があった」

 村の広報誌で書かれたように、女性医師への「過度のクレーマー」と呼ぶべき村民が一部いたことは事実のようだ。しかし一方で、この女性医師の辞職願に対して「辞めないで」と村民の5分の1を超える600人の嘆願書が集まったことも事実である。また彼女以外の医師について村民とのトラブルは、今回の取材では1件も出てこなかった

 診療所で診察をまっていた80歳の男性は、ネットの「風評」について「聞いたことがある」と頷いて、うなだれた。

上小阿仁の者が、先生をいづめるってことはねぇべや……」

すでに知られているように何人も医師が赴任しては辞任していく中で、それでも初期には比較的あけすけに村側の問題点が広報誌などにおいても語られるようなところがあった、ところが最近では離村に際しても単に体調不良であるなどと口を濁している印象で、いったい現地で何が起こっているのかということがさっぱり見えてこなくなってきています。
そうなると村ぐるみで口封じも含めたいじめが行われていたのか…という疑惑も出てくるでしょうし、実際に同村に絡んだ各種BBS等では必ずと言っていいほど村外者から真実の開示を求める声が出てきていますけれども、これに対してあまり具体的にこんな問題があったといった情報が帰ってくることもなく、書き込みを信用する限りでは現地住民の大部分も何が起こっているのか理解していないという状況にあるようです。
かねてから「これだから閉鎖的な田舎者は…」という批判的論調も根強くありましたが、ちょうど近隣の秋田県内に住む方のブログ記事を拝見していて確かにと気づかされたのですが、同村では以前にも取り上げましたように住み込みで村内の雑用を手伝う「地域おこし協力隊員」として村外の若者2名を募集していたという経緯があり、ちょうど医師に対する嫌がらせが言われていた時期に同村に赴任してきています。
当然ながらこちらも余所者には違いないはずなのですが、このたび特にトラブルもなく契約を延長したということですから単純に部外者は排除するというような話ではなく、やはり特定のターゲットを狙っての行動であると考えるべきなのでしょうか。

広報誌で書かれていたようにどうやらクレームや問題行動といったトラブルを起こしているのは数人の人間らしい、そして当時から晒されているようにネット上で医師叩きの書き込みをしていた若者も数人だということで、行動の背景がどんなものであるにせよ大部分の村民にとっては本当にあずかり知らぬところで異常事態が発生している可能性は確かにあるわけですね。
そして事実かつては町内の政争に端を発したことなのかも知れませんが、その後は政権交代もあり町内の勢力図も変わっているにも関わらず同じような医師の離職が続いているということは、間接的にですが何かしら他の要因が主因となっている可能性を示唆しているのかも知れません。
その点でやはり注目されるのが辞めていく医師達がこのところ口を濁しているかに見えるということなのですが、本当にはっきり口に出来ないような事情が隠されているのだとしたら、現在の契約内容などにも何かしらこうした異常事態を誘発する理由があるのかも知れないですね。

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2012年11月26日 (月)

権利と責任 専門家としての関わり方も問われるようになる?

通学途中の児童の列にクレーン車が突っ込んで6人が死傷した栃木の事故では、運転手がてんかん発作による事故を繰り返していながら服薬を怠った上に運転を継続していたことが社会的にも大きな問題になりました。
遺族は母親と勤務先を訴えての民事訴訟を継続中ですが、先日その公判で母親側の尋問が行われたというニュースを紹介しましょう。

母親「私が止めても運転」 鹿沼6児童賠償訴訟で尋問(2012年11月22日下野新聞)

 鹿沼6児童死亡事故で、遺族計34人がクレーン車を運転していた日光市大沢町、無職柴田将人受刑者(27)=自動車運転過失致死罪で懲役7年確定=と母親、勤務先だった鹿沼市の重機会社に計約3億7770万円の損害賠償を求めた民事訴訟の第5回口頭弁論が21日、宇都宮地裁(岩坪朗彦裁判長)で開かれ、母親と遺族の尋問が行われた。事故について母親は「申し訳なかった」と謝罪する一方、「私が止めても(柴田受刑者は)クレーン車を運転した」などと主張。遺族は「(母親は)事故を防ぐことができた」と訴えた。

 裁判で原告側は母親の責任について「違法な運転を助長し、事故当日も運転を制止すべき注意義務を怠った」などと主張。これに対し母親側は「柴田受刑者は成人で、親に注意義務違反はない」と全面的に争っている。

 この日の尋問で母親は、柴田受刑者が中学2年ごろから暴力を振るうようになったことや、2011年1月にてんかんの薬を飲み忘れたことを注意した際に殴る蹴るの暴行を受けたことなどを説明。

 母親は事故について道義的な責任を認めつつ、当時は柴田受刑者が言うことを聞く状況ではなく「私が止めてもクレーン車を運転した」などと強調した。

 遺族側の弁護士は、柴田受刑者が事故前にてんかん発作が原因とみられる事故を複数起こしながらも、母親がクレーン車の免許取得に協力したり、車を買い与えたりしていたことを指摘。「運転をやめさせる機会は何度もあったのでは」などと母親を追及した。

当の運転手は過去の記事を読む限りでも必ずしも志操堅固、品行方正というタイプの人物ではなかった印象を強く受けますし、母親としては注意義務違反の有無はともかくとして物理的に制止は不可能であったという主張にもある程度理解はできるのですが、その結果過去に何度も他人を傷つけてきた経緯を思えば警察に相談するなど何らかの行動は取れなかったものだろうかとも思えてなりません。
ちょうど先日は一昨年に引きこもりを続けてきた無職青年がプロバイダー契約を解除されたことに腹を立て家族5人を殺傷した凄惨な事件に懲役30年の有罪判決が出たところで、やはり今の時代下手に家族内で問題を抱え込むことは結局かえって世間にも自分達自身にとってもよい結果にならないと考えるべきなのでしょう。
てんかん患者による運転の是非についてもたびたび取り上げて来た中で、先日も運転免許取得に関して医師からの届け出を促すなど規制強化がほぼ決まったという話を紹介しましたが、いたずらに個人の権利を抑制すべきではないと考える立場に立つ人々ほど、やはり社会的に妥当性を感じさせるような自律ということをも重視してもらわなければなりません。
自由主義社会における自由という権利は一定の社会的義務と表裏一体の関係にあって、社会からこいつらは適切な義務を果たしていないのでは?と見なされた場合ほど本来の水準を超えて厳しい反動が発生しがちであるということを考えておかなければならないということですが、そうした観点から見てなかなかに興味深い裁判が現在進行中であるというニュースが出ていました。

「心神喪失状態」と無罪主張 傷害容疑で不起訴後に2人刺殺の男(2012年11月20日産経ニュース)

 平成22年に知人男性2人を刺殺したとして、殺人の罪に問われた矢野裕一被告(47)の裁判員裁判初公判が20日、大阪地裁(岩倉広修裁判長)で開かれ、弁護側は「心神喪失状態だった」と無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、矢野被告が20年以上前から傷害事件などを繰り返し起こしていたと指摘。20年にも傷害容疑で逮捕されたが心神喪失を理由に不起訴処分となり、約4カ月前まで医療観察法に基づく入院治療を受けていたと述べた。

 その上で、「退院後に暴力団組長を自称していたが、間違いを指摘され激怒し、その場にいた2人を殺害した。病気の影響は少なく、完全責任能力があった」と主張した。

 起訴状によると、矢野被告は22年5月14日夕、大阪市西淀川区の自宅を訪問した稲塚和広さん=当時(41)=と真鍋英士さん=同(37)=をペティナイフで刺殺したとしている。

【大阪】「命を狙われていた。やられる前に殺した」 西淀川マンション男性2人刺殺 無職男(44)を逮捕(2010年5月15日神戸新聞)より抜粋

(略)
捜査1課によると、矢野容疑者は容疑を認め「2人は暴力団関係者で顔見知り。遊びに来させたがトラブルになった。命を狙われていたので、自分がやられる前に殺した」と供述。同課はトラブルの原因を調べている。

逮捕容疑は14日午後0時半ごろから午後5時10分ごろまでの間に、自宅の部屋で、いずれも住所、職業不詳の稲塚和広さん(41)と真鍋英士さん(37)の胸や背中などをナイフで刺し、殺害した疑い。

捜査1課によると、稲塚さんらには、それぞれ10カ所以上の刺し傷があった。

矢野容疑者は手にけがをした状態で自ら通報。駆けつけた西淀川署員に「3人でいたら黒人が入ってきた」などと説明していた。

ぱっと見ではまた例によって心神喪失者の凶悪犯罪か…と思ってしまいそうな話なんですが、行きずりの他人を刺したのではなく知人の間違い指摘に逆上したということで、必ずしも何故そうなる?と了解不能な事件でもなさそうにも思えます。
当時おかしな説明をしていたようですが被害者は加害者宅に遊びに来ていたといい、そもそも暴力団組長を名乗るというくらいですから一定の社会性はあったでしょうに何度も無罪放免になっているとは?と釈然としないものを感じておりましたら、以前の記事からこんな話が出ていたので驚きますよね。

殺人罪で男起訴 西淀川2人刺殺事件(産経関西)過去に精神鑑定で不起訴(2012年12月10日産経ニュース)より抜粋

(略)
 起訴状などによると、矢野被告は5月14日午後5時ごろ、ともに住所・職業不詳の真鍋英士さん=当時(37)=と稲塚和宏さん=同(41)=の胸などをナイフで刺し、殺害した。

 矢野被告は平成13年にも知人男性=同(47)=に対する殺人・死体遺棄罪で懲役8年の実刑判決を受けたが、被告人質問で「統合失調症の者は人を殺しても罪に問われない。今回も免責されると期待して自首した」と供述したという。

 矢野被告は7年に銀行への強盗未遂容疑で、また9年に航空機のハイジャック処罰法違反容疑でそれぞれ逮捕されたが、いずれも精神鑑定の結果、起訴猶予や不起訴処分となっていた

「どうせ罪に問われないから自首してきた」とはとんでもない放言というもので、今回の「黒人が入ってきた」云々の話も何らかの計算に基づいたアリバイ発言か?とも思えてしまいますし、過去にも様々な事件を起こしていながら統合失調症であることを理由に罪に問われずに来たことが同被告の現在を形成してしまっただろうことは想像に難くありません。
こうした話を聞けば誰でも権利と義務とのバランスが崩れているのでは?と疑念を抱かずにはいられないものですが、記事を見ていただくとおり過去には実刑判決を受けた経歴もあるということで、病気であることそのものに責任能力がないと判断されたわけではなく、最近入院していたなどそのコントロールの状況がどうであったのかが問われることになりそうですね。
先のてんかん運転免許厳格化規制の際にも医師によるコントロール不良患者の届け出を義務化すべきかどうかという点が議論になったようですが、医療従事者としても「いわき病院事件」のような形で患者の管理責任を問われるということがすでに発生しており、今後それがさらに一般化、大規模化していく可能性もあるとは考えておくべきでしょう。
とくにてんかんなどは患者数に対して専門医が決して多くなく、他疾患を診ている専門外の一般臨床医がそのまま担当医のような形になっている場合も多いと思いますが、こうなると以前にも紹介しましたように「どうしても手に余る患者はさっさと放り出せ」とも受け取れるような判決も出ていることも忘れるべきではないかも知れませんね。

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2012年11月25日 (日)

今日のぐり:「中華園」

ネットニュース界で知らぬ者とていないあの大分合同新聞で、先日こんな公募が発表され話題になっています。

「投稿!ミニ事件簿グランプリ」がオープン(2012年11月20日大分合同新聞)

 例えばこんな「マイ事件簿」待ってます

 ごまの“ウルトラC”こりゃ縁起がいい!?
 ▼先日、大分市内の会社員Aさん(45)が、ラーメン店で注文した塩バターラーメンにごまを振り掛けたところ、そのうちの1粒が縦方向の姿勢を保ったままバターの上にトンと着地。見事に立った(写真)。「こりゃ茶柱が立つより縁起がいいぞ」と大喜びのAさん。

 これは特設ウェブサイト「ミニ事件簿ワンダーランド」(minijikenbo.com)編集室のA記者に実際に起きた“ミニ事件”。きょう20日午前9時、県内外の皆さんから、こんな記事を受け付ける「投稿!ミニ事件簿グランプリ」がオープン。皆さん自身や、周囲で起きた笑える話、ほのぼのとした話、珍事などを募ります(写真やイラストの添付もOK)。「グランプリ」の投稿フォームに沿って記事を書いて送信を。順次サイトにアップし、優秀作品は表彰した上で、夕刊紙面にも掲載します。さあ、難しく考えないで気軽にチャレンジ!

1億二千万の日本国民の中で「ネコか!?またネコなのか?!」と思わずにいられた者は推定1000人にも満たなかったのではないでしょうか?(ちなみに万に一つの偶然が重なり大分合同新聞とネコの関係をご存じない方はこちらの記事を参照ください)
本日は不肖管理人としても大分合同新聞の心意気に答えんがために、世界中からネコにまつわる小ネタを紹介してみることにしようではありませんか。

湖南で「こにゃんサミット」 イヌやネコと幸せに生きる 滋賀(2012年10月20日産経ニュース)

 インターネット上のネコの仮想都市「こにゃん市」やイヌの仮想都市「こわん市」の市長らが集まり、人と動物の共存について考える「こにゃんサミット」が20日、湖南市の雨山文化運動公園で開かれ、人と動物が幸せに暮らせる社会を目指す「こにゃん宣言」を採択した。

 こにゃん市長のクースや前市長のぎん、同市議のネコ5匹と、こわん市長でイヌのゴンが参加した。サミットにはそれぞれ飼い主が秘書役として参加。飼い主が代弁して会議が進行し、人と動物の共存方法について協議。クースの飼い主の庄司武治さんは「愛情を注いであげることが一番大切なのでは」と提案した。

 一方、サミットでは、こにゃん、こわん両市の合併が発表され、調印式が行われた。新市はこにゃん市に統一され、市長はクースが引き続き担当することになった。

今回の唐突な合併劇の背景には一部勢力の蠢動があったようにも噂されていますが、古来続くイヌネコ論争に一つの決着がついたということにこれはなるのでしょうか?
過ぎたるは及ばざるがごとしという言葉もありますが、こちらいささか過ぎてしまったかも知れないという新製品の話題です。

世界初、ネコ用のヘッドフォン登場(2012年8月20日ねとらば)

 世界初のネコ用ヘッドフォン――そんなジョークのような製品が発売されました。

 ネコ用ヘッドフォンを発売したのはオーディオ関連品を扱うSOL REPUBLIC。音楽プロデューサーDeadmau5とネコのProfessor Meowingtonsの協力で開発し、犬隔離テクノロジーという謎の技術も搭載。999ドルと値段はかなりお高いですが、10台限定で売りだして既に完売したとか。収益は米動物虐待防止協会に寄付されるそうです。

SOL REPUBLIC x PROFESSOR MEOWINGTONS -- WORLD'S FIRST CAT HEADPHONES EXTENDED

いやすでに製品紹介ビデオの時点でどうなんだと言いますかね、世界一であることを考える前になぜ今まで存在しなかったのかにも思いをはせるべきだったかも知れませんね。
ネコと言えば様々な場所に収まった状態で発見されることがままあり、思わず「どうしてこうなった?」のAAを貼り付けたくなりますが、例外的にこちらのケースでは誰しもその選択に納得するのではないでしょうか?

あまりにも居心地が良すぎる場所でマッタリするニャンコ写真が猛烈な勢いで世界中に拡散中(2012年11月15日ロケットニュース24)

寒い時にはポカポカエリア、暑い時にはヒンヤリ場所と、ニャンコはいつもマッタリくつろげる場所を探している。ニャンコがグテーっとしている場所の多くは、人間にとってもナイスな場所である。

そんななか! あまりにも居心地が良すぎる場所でマッタリするニャンコの写真が、欧米は無論、中国に台湾にロシアに……と、なぜか猛烈な勢いで世界中に拡散している。さすがはニャンコ、全世界から愛される動物である――と思いきや!

おそらく拡散している理由は、ニャンコはもちろん、“マッタリしているその場所” である。飼い主なのかどうなのかは定かではないが、女性の胸の上である。直立不動の女性の胸の上であるッ! まるで、まるで京都の清水寺の舞台のような出っ張り具合である!

なんというボリュームとハリであろうか。もしもニャンコサイズに小さくなれるのであれば、この場所で思い切り「ワーイ、ワーイ!」とトランポリンしてみたい。そしてその後、谷間に落ちてフガフガと苦しみつつ、スポッと抜けて転落したい。そんな気持ちにさせる一枚である。

その詳細は是非リンク先の画像を参照していただくとして、しかしネコと言ってもキログラム単位の重量があるでしょうにねえ…
同じく乗っている系のニュースとなるのがこちらですが、先のニュースと比べると我も我も…と希望者が殺到ということにはならないいかも知れませんね。

子猫を肩に乗せて自転車を駆る配達人、目標は一緒に160km走ること(2012年11月12日Gigazine)

生後6カ月の子ネコを肩に乗せて自転車で配達の仕事をしてるRudi Saldiaさんが話題になっています。これまでに愛猫のMary Jane(MJ)と旅した距離は25マイル(約40km)で、Rudiさんは1年以内に一緒に100マイル(160km)を走ろうと考えています。

Real-life Postman Pat: Courier who delivers parcels with his cat companion | Mail Online

Rudiさんが肩にMJを乗せたまま走り回る自分撮りムービーはこちら。

My cat can ride a bike better than you can - YouTube
(略)
MJは4月1日にRudiさんの部屋のクローゼットの中で生まれました。あるとき、MJのお気に入りの場所が肩の上だと気付いたRudiさんは、以前飼っていたフクロモモンガのときにもやっていたように、配達時に肩に乗せておくことを思いつきました。

「最初の日は1ブロックだけ、次の日は2ブロックと距離を伸ばして、これまでにだいたい25マイル(約40km)ぐらい走りました」とRudiさん。次の目標は来年の9月までに100マイル(約160km)走ることだそうです。

いや、フクロモモンガを肩に乗せて配達するというのも相当なものだと思いますが、状況的にネコの方でも思わずすり寄らずにはいられないというのがポイントなんでしょうかね?
そもそもキャットフードのレビューとはネコに代わって人間が書くのが当然ですが、こちらはどういうわけかネコ以外の目的外使用をされそうな勢いだと言いますから驚きます。

見ちゃいけなかったかもしれない…… キャットフードのレビューが怖いと話題に(2012年7月9日ねとらば)

 楽天市場で販売されている、とあるキャットフードのレビューが「怖い」「ホラーすぎる」と話題になっています。書き込まれたのは2010年5月ですが、なぜか最近になって発掘されたようでネットで注目を集めています。「怖い」ワケを早速確かめてみましょう。

 商品は白身魚&まぐろ味の子ネコ用フードで、缶詰めタイプ。全部で5件のレビューが投稿されており、総合評価は5点満点中4.00点となかなかの高評価です。注目を集めているのは星4つを付けているこちらのレビュー。「猫は飼っていないのですが、送料対策で購入しました」との書き出しで始まります。ネコを飼っていないだと……? 若干の疑問を覚えますが、まあヨシとしましょう。続く2文目がもっとすごいのです。

 「美味しそうなので、サラダに混ぜて旦那に食わせようと思います」。な、なんだってー! ネコ用なのにまさかの旦那用として購入されたようです。ブラックジョークにしてもこれは……この後旦那さんはどうなったのか気になります。もしくは飼っていないといいつつ実は「旦那」という名前のネコがいるのかしら……。

 このレビューを読んで2人が参考になったと回答。これを知ったネットユーザーからは「見ちゃいけないレビューをみてしまった……」「ひでぇwww」「こんなにコワイレビュー初めて」といった戦慄の声が寄せられています。良い子の皆さんは真似しないでくださいね。

そこはネコに!ちゃんとネコに食べさせてあげて!と言いたくなる話ですが、ネコとかみさんだけは怒らせてはならないという世の男性諸氏への警告に、これはなっているのでしょうか…
先日は一心不乱に皿洗いをするネコが「ついに水嫌いという最大の弱点を克服か?!」と大いに話題になっていましたが、こちら最後に取り上げますのは同じ清潔好きのネコ…というわけでもなかったようです。

ネコを乾燥機で回す動画投稿、男に禁錮56日 英国(2012年11月14日AFP)

【11月14日 AFP】英国で13日、衣類乾燥機にネコを入れて回す様子を撮影し、動画サイトのユーチューブ(YouTube)に投稿した男に、禁錮56日の有罪判決が言い渡された。また男は生涯、動物を飼うことを禁じられた。英王立動物虐待防止協会(RSPCA)が発表した。

 イングランド東部ハンティンドン(Huntingdon)在住のアラン・ストートン(Alan Staughton)被告(23)は今年6月、ネコの「プリンセス」を乾燥機の中に入れ、「回転するよ」と言ってから乾燥機を12秒間回し続けた。この行為によりネコは歯を折り、舌にけがをした。

 ストートン被告は治安判事裁判所で開かれた審理の中で、ネコに不必要な苦痛を与えたことを認めた。ネコは当時の恋人のペットだったが、この事件で恋人と別れたという。

いやまあ、終生飼育禁止はやむなきところかと思いますが、しかし電子レンジネコは都市伝説だったと聞きますが乾燥機ネコは実在した!というホラーじみたオチになるのでしょうかね…

今日のぐり:「中華園」

倉敷市内の一角に位置するこちら「中華園」さんには実は大昔に来たことがあって、特に繁盛している様子もなければ味の方もありふれた町の中華料理屋レベルで特にまた来るような理由もないかなと思っていました。
ところが近年わりあい小綺麗に改装されたようで、それに伴い案外お客も入るようになっている様子ですから、さては味が変わったのか?と期待して再訪してみたわけです。
入って見ますとやはり結構繁盛している様子で内外装と併せて変化に驚きますが、メニューはそこそこ面白いオリジナルなものもあるようで面白そうではあるのですが、とりあえずこの日は先入観なしにということで同行者のオーダーしていくものを脇からつまむという形でいくつかの料理を試してみました。

前菜的に頼んで見たグリーンサラダは小綺麗な見た目もそうなんですが、ゴマドレッシング主体の味付けにしてもあまり中華でないかなという気がしますね。
これまた前菜の定番とも言うべき棒々鶏はタレが少し弱いようで、一方玉子スープは味加減はいい頃合いなんですがベースになっているスープ自体は少し弱いかなという印象を受けます。
酢豚は黒酢主体のマイルドな味付けで野菜はしゃっきりしていて合格、なぜか中華らしからぬサーロインステーキオニオンドレッシングなるものも試してみましたが、てっきりシャリアピンステーキのようなものかと思っていましたら全然別物で、焼き加減は幸い好みなんですがこのタレはちょっと微妙ですかね。
独創的で面白いなと思ったのが麻婆茄子の石焼きご飯なるもので、汁が多いので焼けきらないまま半雑炊状になっている見た目からすると濃厚味かと思っていましたら、こってりではあるのですが案外マイルドで食べやすい味付けも意外性があって、消去法で今日一番の一皿というところでしょうか?
若鳥四川風味揚げ炒めはとにかく個人的には香草が強いなあ…という印象が強くてちょっとダメだったのと、春巻の皮が何かよく判らない変な食感でどうなっているのか?と疑問符だったのが妙に記憶に残りました。

設備面ではトイレはウォシュレット改装済みできちんとしていますし、さほど大きな店ではなくともテーブルごとに呼び出しのボタンを用意しているのはいいんですが、オペレーションが回ってない感じであまり意味をなしていないようにも感じますね。
またたまたまこの日が悪い日だったのかも知れませんが接遇は見るからにバイトレベルなのは仕方がないとして、さしてモチベーションも高くない様子なのがあまり好印象を得られませんでした。
メニュー自体は工夫もあって面白そうなものもあるようですし、全体に薄口の味付けに仕上げてあるのはいいんですが、味の骨格になるスープが弱くて物足りないと感じるのは化調使用はキッパリやめましたという中途半端に本格化した店にありがちなパターンなのでしょうか?
もちろんボディの弱さをやたらに調味料の強さでごまかすよりはずっといいし、王○などより害はない味だからこそこれだけお客も入っているのでしょうが、それでもこれで値段はあちらの2~3倍となるとすぐ近所にスープのしっかりした「娘娘」などもあるだけに、ちょっと考えてしまいますね。
ここよりもっと安い大衆店である「香徳園」などもごくベーシックな料理ばかりなのに、スープがしっかりしているからこそあれだけ人気を博しているとも言えるのですから、これだけコストをかけられればもう少しやりようはあるんじゃないかなと思うのですが…

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2012年11月24日 (土)

すでにお約束?総選挙を前にTBSがまたも安倍氏にネガキャンを仕掛ける

本日はTBS「朝ズバ!」の引き起こしたあの事件に関してお伝えしたいと思いますが、まずは第一報から紹介してみましょう。

TBSが自民党ネガキャンペーン?? 痴漢報道中になぜか安倍総裁の笑顔が…(2012年11月19日J-CASTニュース)

  自民党の安倍晋三総裁(58)が、TBSに怒り心頭のようだ。

 痴漢のニュースを放映中に安倍氏の映像を流したのだ。総裁は「いよいよネガキャンが始まったか」と憤り、また多くのネットユーザーもTBSに怒りをぶちまけている。

「私のところに謝罪があってしかるべきだが、何もない」

   2012年11月16日放送の「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)で、電車内で女子大生の胸を触ったという、NHKニュースキャスターの森本健成容疑者(47)についてのスポーツニッポンの紙面を紹介する場面でのできごとだ。

   アナウンサーが痴漢の状況を説明したのだが、「東急田園都市線の急行電車内で…」と読み上げる間、スポーツ紙を映していた画面がなぜか安倍氏が談笑している映像に切り替わったのだ。

   この後アナウンサーが「先ほど関係のない映像が流れてしまったということで、失礼しました」とあっさり謝罪、司会のみのもんたさんはすぐに次の話題へ移った

   これがインターネット上で話題になり、安倍氏の耳にも入ったらしい。安倍氏は11月18日、自身のFacebookにこう書き込んだ。

    「11月16日放送のTBS『みのもんたの朝ズバ!』で、NHKキャスターの痴漢行為を、ニュースとして流す中で、なんと私の顔写真が写し出されたそうです。ネットの指摘で明らかになりました。その日はまさに解散の日。ネガティブキャンペーンがいよいよ始まったのでしょうか?もし事故なら私のところに謝罪があってしかるべきですが、何もありません。『はい、先ほど、あの関係のない映像が出てしまったという事ですが、大変失礼しました。』と番組内で女性アナウンサーが言ったきりです」

「731部隊」特集に安倍氏写真で行政指導の「前科」も

   安倍氏はさらに、過去のTBSの「前科」についても触れている。

    「かつてTBSは、私が前回の総裁選に出た際、『731細菌部隊』の報道のなかに私の顔写真を意図的に映り込ませる悪質なサブリミナル効果を使った世論操作を行いましたが『・・・またか。』との思いです。これから1ヶ月こうしたマスコミ報道との戦いです。私は皆さんと共に戦います」

   安倍氏が書いているように、TBSは06年7月21日、旧日本軍の生物戦部隊「731部隊」に関する特集の中で、内容とは関係のない安倍氏の写真を映した。安倍氏はその後記者会見で「意図的であれば恐ろしいと思うし、政治生命を傷つけようということであれば問題だ」と発言。TBSは7月26日に「誤解を与えかねない映像」として謝罪、総務省から8月11日に厳重注意の行政指導を受けた。

   こんな「前科」もあったことから、インターネット上では怒りが爆発している。安倍氏のFacebookには、「悪意がみえみえですね。頑張って下さい!」「影響力を失ったマスゴミなど、虫けらのごとく無視しましょう」「安倍さんは敵が多いですが、その分支援しています」など、TBSへの怒り、安倍氏への応援など、2000件を超えるコメントが書き込まれている。

   ツイッターや2ちゃんねるでも、「絶対わざとだろ」「このやり方は卑怯すぎる」など怒っている人が圧倒的多数だ。また、「マスゴミは本当に安倍さんが嫌いなんだな こりゃ絶対に投票に行かないとw」といった、「安倍氏に投票したい」という声も上がっている。

安倍氏自身のFacebook書き込みについたコメントを見ていただいても判る通り、世間の反応は「またか」「予想の範囲内」と言ったところが大勢を占めるようですが、何しろTBSと言えば記事中にもありますように同様の前歴がありますからあまりに予想通り過ぎて、むしろ言い訳をどう取り繕うかの方に興味がわく程度であったわけですね。
これだけでしたらいつもの事としてむしろ事態はすぐに沈静化していたのかも知れませんし、当のTBSの方でも例によって「うっかり間違えましたわ。えろうすんません」で済ますつもりだったようですが、これまたとんでもないねつ造の二段構えで仕掛けてきたということでいよいよ本格的に炎上してしまったようなのですね。

痴漢報道中に安倍総裁の笑顔放送でTBS謝罪 ただ、「嘘に嘘の上塗り」も判明、また批判浴びる(2012年11月21日J-CASTニュース)

  「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)で痴漢のニュースを放映している最中に自民党の安倍晋三総裁(58)の映像を流した件で、「朝ズバッ!」公式サイトにお詫びが掲載された。

   安倍氏のFacebookページでは秘書が「インターネット時代の勝利!」と書き込んだが、支持者のTBSへの怒りはおさまらないようだ。

衆院解散等の記事を紹介するためのビデオだった

   この問題は12年11月16日放送の「朝ズバッ!」で、NHKの森本健成アナウンサー(47)の痴漢事件について報じている最中、なぜか安倍氏が談笑している映像が数秒間流れたというものだ。この後アナウンサーが「先ほど関係のない映像が流れてしまったということで、失礼しました」と謝罪したが、司会のみのもんたさんがすぐ次の話題に移り、実にあっさりと流されてしまっていた

   安倍氏はこれに怒り、Facebookで「ネガティブキャンペーンがいよいよ始まったのでしょうか?」「これから1ヶ月こうしたマスコミ報道との戦いです」などと書き込んでいた。

   「朝ズバッ!」は11月20日、公式サイトのトップページに「お詫び」と題した文を掲載した。

    「11月16日(金)の放送で、NHKのアナウンサーが痴漢の疑いで逮捕された新聞記事を紹介した際、誤って安倍晋三・自民党総裁の映像を約2秒間放送しました。衆院解散等の記事を紹介するために用意していた安倍総裁のビデオを誤って再生したものです。安倍総裁はじめ関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
    なお、この放送について、当方の手違いから一部メディア、並びに視聴者からのご質問に対して、当方がすでに謝罪しご了解をいただいたという説明を致しておりましたが、現在、経緯の説明とお詫びをさせていただくべく、安倍総裁側と話をさせていただいているところです」

「皆様の呼応が謝罪につながったと確信しております」

   安倍氏のFacebookでは11月21日、秘書がお詫びを受けて投稿をしている。

    「まさに、インターネット時代の勝利、皆様の一人一人の呼応が今回の『謝罪』という結果を生み出したのだと確信しております。是非『朝ズバ』ホームページご一読ください」

   陣営はひとまず胸をなでおろしているようだが、支持者は「当方の手違いから一部メディア、並びに視聴者からのご質問に対して、当方がすでに謝罪しご了解をいただいたという説明を致しておりました」という文に強い不信感を抱いたようだ。「嘘に嘘の上塗りとは。本当にもう見る価値もない」「お詫びをねつ造ってすごいですねー。解散後から選挙までにこういう確信的な行為をすると、10日間ぐらいの放送免許停止で良いと思います」など、秘書の投稿に怒りのコメントを書き込んでいる。

TBSまた放送事故! NHK森本アナの痴漢ニュースに安倍氏挿入 安倍氏は怒り心頭(2012年11月19日zakzak)より抜粋

 自民党の安倍晋三総裁(58)がTBSの失態に怒り心頭だ。NHKアナウンサーによる痴漢事件のニュースの際に、なぜか安倍氏の映像が流れたのだ。自身のフェイスブック上で「謝罪があってしかるべき」と猛抗議している。
(略)
 TBSは19日午前、夕刊フジの取材に対し、「16日正午過ぎにご本人に経過を報告した。18日になって再度謝罪したら『謝罪を受け入れる。何もしなくていい』とのことだった」とコメント。一方、安倍氏の事務所は「TBSからは何の謝罪も受けていない」と話している

TBSの公式サイトの謝罪文も時々刻々と変わっているようで、11月23日現在では「また、この放送について、当方の手違いから一部メディア、並びに視聴者の皆様からのご質問に対して、安倍総裁側にすでに謝罪し、ご了解をいただいたという説明を致してしまいました。この点についても、お詫び申し上げます。」と表記されています。
いずれにしても世間で騒ぎになり安倍氏側の抗議を受けてから「謝罪し了解をいただいた」という説明を撤回し「話をさせていただいているところ」だと言い換えているのですから謝罪していないことは認めているわけで、傍目にはどう見ても「何の謝罪も受けていない」という安倍氏側のコメントの方を信用したくなるところではないでしょうか。
前回の731部隊に絡めたネガキャンでも実際に謝罪を行ったのは数日後と言いますから、この程度の遅延はTBSにとっては通常進行なのかも知れませんが、他人に対して常に「さっさと頭を下げろ!」とバッシングしまくっている連中がこうまで頭を下げたがらない、そして嘘をついてまで誤魔化そうとするのはどうなのかということです。
安倍氏側も書いているようにネットでの生情報の開示と支援の広がりがなければTBSの思惑通り単なる放送事故で終わっていたかも知れず、ましてや「もう謝罪しましたから終わった問題ですよ」というTBS側の嘘を鵜呑みにしていた可能性も高いわけですから、時代もずいぶんと変わったものだと改めて感じざるを得ませんね。

彼らに同情的な点をあえて探してみますと、テレビ業界と言えば昨今ずいぶんと不景気なのだそうで、局内での給与カットも着実に進んで女子アナが副業に精出しているだとか、製作予算の削減の結果ますます番組の質が落ちているとも言い、このままでは復興予算が流用されたりホテル業界から全室分受信料を強制徴収したりで収入源を確保しているNHKの一人勝ちが続きそうな勢いです。
かねて言われているようにこの業界では実際に番組を作っている下請けの製作会社は低賃金で過酷な労働にあえぎ、その上に高給取りのテレビ局正社員があぐらをかくという構図が続いてきましたが、この結果製作現場から逃散が多発しやる気のある人間ほどネットメディア等へ移行していくという現象も起きているようですね。
そしてますます突っ込みどころ満載の○○のような番組ばかりが垂れ流されるようになり、視聴者もテレビから離れていくという好循環が続いているわけですが、10年前と比較して各局の平均視聴率が1~2%程度下落しているという一方で、平均視聴時間が伸びているという不思議な現象の背景にはテレビ視聴者のほとんどがテレビしか情報源のない高齢者であるという事情があるようです。
そう考えると水戸黄門に代表されるような伝統的老人番組が相次いで終了していく現在の番組編成はテレビ業界にとって自殺行為にも等しいと言えそうなんですが、いわゆる大御所役者が多数登場し制作費も安くない時代劇が今後おいそれと増えてくるとも思われず、いよいよかねてから言われているように「ゴールデンタイムでの水戸黄門再放送計画」が現実味を帯びてきたということですかね。

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2012年11月23日 (金)

問題なのは特定看護師ではなく特定行為?

一体いつになったら話がまとまるのかと言う特定看護師/特定行為問題ですが、先日の会合ではこういうまとめが出たそうです。

特定行為が実施されるまでの流れを整理- 厚労省・看護業務WG(2012年11月20日CBニュース)

 厚生労働省は20日、「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(WG、座長=有賀徹・昭和大病院院長)を開き、医師や歯科医師の指示の下、看護師が特定の医療行為(特定行為)を実施する際の流れについて、これまでの議論の内容を整理した。

 これまでに厚労省が示している制度の枠組みに関する試案では、厚労相の指定機関で研修を修了した看護師について、医師・歯科医師の「包括的指示」(プロトコルなど)で特定行為が可能となる一方、研修を受けていない一般の看護師に関しては、安全管理体制を整備した上で、医師・歯科医師の「具体的指示」を受けて特定行為を実施できる

 同日のWGで厚労省が示した整理案では、包括的指示の場合、看護師がプロトコルに沿って患者の病態を確認し、特定行為を実施する流れだが、具体的指示では、医師・歯科医師が患者の病態を確認した上で、特定行為が行われる。対象患者は、医師・歯科医師が特定する。
 一方、看護師が患者の病態の確認のみを行う場合、医師・歯科医師が特定した患者に対して、プロトコルで規定された病態かどうかを確認し、その内容を医師・歯科医師に報告。その報告を受けた医師・歯科医師が、他の医療専門職に診療の補助を実施するよう指示する。患者の病態がプロトコルの範囲内であれば、看護師が診療の補助の実施を伝達する場合もあるとした。

■医療関係の11団体からヒアリング
 この日のWGでは、医療関係の11団体からヒアリングを行った。
 日本臨床工学技士会の川崎忠行会長は、臨床工学技士の場合、その行為の危険度に応じて、医師の指示の具体性が政省令で定められているとした上で、「(特定行為に関する)この包括的指示の考え方とは違う」と指摘。臨床工学技士も日常的に患者の病態を確認し、医師に報告している実態があると説明して、「もう少し柔軟に考えていただきたい」と求めた。
 また、日本作業療法士協会の中村春基会長は、「リハ(リハビリテーション)に関しては 指示ではなく、カンファレンスで日常的にチーム医療が実施されている。それぞれの専門職が意見を言い合って目標を確認しているので、そういう意味では、特定看護師がリハでどう機能をするのか非常に疑問を感じている」と述べた。【敦賀陽平】

しかし最近の議論の流れをみていますと誰でも特定行為をやれるとなれば、結局のところ特定看護師という資格は必要ないという話になりそうなのが興味深いですよね。
医師の業務にしても専門医などの資格の有無に関わらずなんでもやっているということから考えると妥当なところかなとも思うのですが、こういう話になってくると各施設での判断の余地が非常に大きくなってきそうですし、当初から続いていた「ここまではやっていいという明確な基準がないと現場はやりにくい」という声にどう答えを出すのかも疑問です。
いずれにしても見ていただければ判る通り、こうしたことが認められるとなれば医師が直接患者に対面せずとも特定行為が行えるようになってくるのですから、例えば僻地など医師不足地域で数少ない医師をあちらこちらに往診させるといった非効率な業務が改善される可能性はあるわけで、実際議論の中心はこうした状況を想定して行われているようですね。

在宅の特定行為、医師の指示どう考える?- 厚労省・チーム医療推進会議(2012年11月21日CBニュース)

 厚生労働省は21日、チーム医療推進会議(座長=永井良三・自治医科大学長)を開き、特定の医行為(特定行為)を担う看護師の能力認証に関する同省の試案について、これまでの論点を整理した。厚労相の指定研修を受ける看護師に関しては、プロトコルに従って特定行為を実施しようとする看護師など、要件を具体化することが提案されたが、医師が常駐しない在宅医療の現場で、医師の指示と認証制度の関係をどう考えるかが課題の一つとして挙がった。

 試案では、厚労相の指定機関で研修を修了した看護師は、医師・歯科医師の「包括的指示」(プロトコルなど)で特定行為が可能となる一方、研修を受けていない一般の看護師に関しては、安全管理体制を整備した上で、医師・歯科医師の「具体的指示」で特定行為を実施するとしている。

 一方、厚労省は前日に開いた同会議の作業部会で、看護師が特定行為を実施する際の流れについて、これまでの議論の内容を整理した。同省の整理案では、包括的指示の場合、看護師はプロトコルに沿って、患者の病態を確認した上で特定行為を実施するが、具体的指示では、医師・歯科医師が患者の病態を確認し、看護師は特定行為のみを行う。対象患者はいずれも、医師・歯科医師が特定するとした。

 意見交換で太田秀樹委員(全国在宅療養支援診療所連絡会・事務局長)は、医師が常駐しない在宅医療の現場では、医師が包括的指示を出している一方、看護師からの電話連絡を受け、行為の実施を判断する場合もあるとして、「看護師が医師に指示をしている。そういう場合は在宅が多い」と主張した。

 論点整理では、特定行為の定義について、「医師または歯科医師の指示の下、診療の補助のうち、高度な専門知識と技能をもって行う必要のある行為」とする修正案も示された。
 これに対して藤川謙二委員(日本医師会・常任理事)は、「看護師が高度な知識を持って判断するということは、医行為の中でも絶対にしてはいけないことだ」と強調し、行為の実施の判断はあくまで医師が行うべきとの考えを強調。一方、藤本晴枝委員(NPO法人「地域医療を育てる会」理事長)は、「高度な理解力、判断力こそ、特定行為の要素として必要ではないか」と述べた。

 このほか、特定行為の研修への国の関与については、藤川委員が医療機関の裁量に任せるよう求めたのに対し、大久保清子委員(日本看護協会副会長)は「安全性を担保するためには、研修が必要。国の認定の関与が不可欠だ」などと述べ、この日も主張は真っ向から対立した。【敦賀陽平】

こうした話を聞きますと結局のところ、特定行為を巡る導入積極派、反対派の主眼とは「医療に誰がどこまでの責任を持つか」という点での意見の相違なのかなと思うのですがどうでしょうね?
前世紀末頃からすでに顕著になっていた医療の大きな傾向として専門分化ということがあって、もちろん医療が高度化し人間の限られた能力では特定領域を一つ二つ極めるのが精一杯になったという事もありますが、それ以上に医療事故などが起こるたびに「何故こんな経験も乏しい者にやらせたのか!?」と世間から盛んにバッシングされてきた、その結果誰もが手慣れた領域しか手を出さなくなったという背景もあるわけですね。
その結果一人の患者を診るのに何人もの専門家を必要とするようになり不必要に手間取る上に、医師数の乏しい地方などでは診療そのものが回らなくなった結果このところ国が音頭を取って総合医なるものを盛んに持ち上げようとしていることは周知の通りですが、要するに責任の取れる範囲の仕事しかしませんという近来の医者のやり方はうまくいかなかった、社会からは受け入れられなくなってきたとも言えそうですよね。
他人が下手打ったことの責任まで押しつけられるのは嫌だ、それなら最初から全部自分でやる方がいいという声は助産師騒動の際にもよく言われたことですが、それでは困ると社会的要請が変化してきたのであれば保険診療である以上はやらざるを得ないでしょうし、やる場合の責任のあり方について徒に個人追求にならないようきちんとルールを定めていく方が建設的なのかなという気はします。

プライマリ領域では専門外でなくても常識的な医学的知識があれば出来る仕事と言うのは数多くあって、また沖縄などでは長年医介補という代用医システムが地域の中で一定の役割を果たしてきたことを考えると、赤の他人相手ではなく濃厚な地域コミュニティーの中である意味馴れ合いでやれる地域診療からスタートしてみるというのは悪くない考えかなとも思います。
ただし他方では多忙な急性期基幹病院で何でも医師を呼んでやらせるのは非効率だ、出来ることは看護師がやってくれという要望もあったわけですが、例えば大学病院のように点滴も採血も「それはセンセイのお仕事でしょ?私たちは看護研究で忙しいんです」と医者任せにしているケースなどは、そもそも特定行為云々という遙か以前の問題ですよね。
その意味では特定行為を定めていくと言う行為とはすなわち、難しいことを言わずとも当たり前に看護師の日常業務として行われるべき範囲を定めていくことにもつながるはずですし、その結果現場での業務分担が改善されることの方がはるかに実際の影響は大きいんじゃないかという気がします。

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2012年11月22日 (木)

医師不足と女医問題 早計な戦力外通知はもったいない

本日まずは妥当と言えそうなこちらの調査結果を紹介してみましょう。

小児、産婦人科18年連続減=医師数トップは高知-厚労省調査(2012年11月20日時事ドットコム)

 病院の小児科と産婦人科(産科)が18年連続で減っていることが20日、厚生労働省の2011年の全国調査で分かった。同省は「医師不足や少子化の影響とみられ、産婦人科は訴訟リスクの高さや夜間集中などの厳しい勤務状況も一因」としている。
 小児科がある病院は前年から63減の2745施設、産婦人科は同37減の1395施設だった。
 東京電力福島第1原発事故で警戒区域に指定された福島県双葉町など相双地区では、病院の医師や看護師の数が一時的に半減した。
 人口10万人当たりの病院の医師数(非常勤は常勤に換算)が最も多いのは高知県(221.2人)で、最少は埼玉県(108.8人)だった。全国平均は156.1人。
 高知県は10万人当たりの病院の数も最多。同省によると、共働きの家庭が多く、病院が介護の受け皿となっている可能性があるという。埼玉県は、病院が多い東京都に近いことが影響しているとみられる。

記事に添付のグラフを見ますと以前から言われているように西高東低の傾向が見て取れるのですが、東北諸県は元より首都圏や中京圏といった大都市圏において顕著な不足傾向が見られるというのも特徴でしょうか。
もちろん単純な人口比での数字だけでは地域内の医療受給は評価出来ず、諸施設感の連携や集約の程度、あるいは交通網や救急隊の整備状況といった諸要因も大いに関係してくるわけですが、特にこの二診療科に関して言えば女医の需要が非常に大きいという点も挙げられると思います。
小児科などは女医比率が非常に高い診療科で需要と供給がマッチしていると言えますが、婦人科領域などはその性質上患者側から女医を期待する声が多かったにも関わらず、とかく厳しい勤務環境等もあってか平均をやや上回るという程度で、慢性的な人材不足のみならず昨今こうした面からも女医の動員を図ろうという動きが全国的に出てきていることは当然の流れですよね。
産科医などはあまりに多忙なために他人のお産は幾らでも取り上げているのに自分は生んだことがない女医もいるなどと笑い話のような話も少なくありませんが、近年医学部学生においても高まり続ける女性比率をどのように臨床現場に活用していくべきか、幾つかの課題が挙げられています。

医師カップル「チームで子育て乗り越える」- 保団連、女性医師の企画開催 (2012年11月19日CBニュース)

 全国保険医団体連合会(保団連)女性部は18日、東京都内で女性医師・歯科医師学習交流会の特別企画「医師カップルに聞く!これからの生き方、働き方」を開催し、2組の医師夫妻から、仕事と家庭の両立についての考え方を聞いた。いずれの夫妻とも、「チームの意識で子育てを乗り越えてきた」などと、具体的なエピソードを交えて話した。
 この日の特別企画に招いたのは、主婦会館クリニック(千代田区)の堀口貞夫・雅子夫妻と、吉田敦(独協医科大感染制御・臨床検査医学講座准教授)・穂波(国立保健医療科学院生涯健康研究部主任研究官)夫妻。
 堀口夫妻は、共に産婦人科医。1968年に結婚し、翌年に第1子をもうけたころの苦労談を披露した。貞夫さんは、「子どもが熱を出した時に、保育所が受け入れてくれなくて困った」と当時を振り返った。雅子さんは、貞夫さんを夫に選んだ理由について、「(貞夫さんが)仕事をする女性と結婚したいという考えを持っていたので決めました」と話した。また雅子さんは、「女性、妻、母の体験は、患者を理解し、男性の産婦人科医にも女性の目線の必要性を多少は伝えられたと思います」とした。
 一方、吉田夫妻は、穂波さん自身が複数のメディアを通じて、子育てをしながら海外留学したエピソードなどを紹介している。穂波さんは、子どもがいたからこそ習得できたこととして、タイム・マネジメント力などを挙げた。「不合理で、予測不可能なのが子育て。それに対処するために、忍耐力も付いた」。また、穂波さんは、「わたしたちの共通のゴールは、2人とも幸せになり、子どもにたっぷり愛情を注いであげることです。お互いが感謝しつつ、認め合いつつ、同じゴールに向かうチームなのだと思っています」とも語った。

■周囲への感謝の気持ちが大事

 この日の特別企画の参加者には、子育てをしながら医師や歯科医師を続ける女性も少なくなく、2組の夫妻の講演に熱心に聞き入っていた。
 講演の後には、演者らと参加者との意見交換会が行われた。1人の女性が、「わたしは、勤め先に理解があり、比較的恵まれた環境で子育てをしながら、仕事をしています。一方で、子どもを持たずに働いている女性医師もたくさんいます。本人の意思もあるし、子どもができない人もいます。そういう人たちに対し、わたしたちは、子どもがいて、子育てをしなくてはいけないなどと強く主張してしまうことは、少し考えなくてはいけないと感じています」と問題提起をした。
 これに対し、吉田穂波さんが、「まず周囲に対して、感謝の気持ちが大事だと思います。女性同士で仲良くなる時に、子育て同士だから仲がいいとかではなく、違う境遇の人とも仲良くなることで、将来にわたって、助け合っていけるのかなと思っています」と応じた。
 また堀口貞夫さんは、昔、勤務していた病院でのエピソードを紹介した。「当時、看護婦さんや助産婦さんには、40代でシングルが多かった。そうした中で、若い人で結婚して、妊娠する人が出てきた時、そこの院長が、妊娠したとか、おなかが張るとかで当然のように休んでいる人たちに対し、『これまで、職業か結婚かのどちらかを選ばなくてはならず、職業を選んできた人たちがあなたを支えるのですよ』と言ったのを覚えている」と話した。
 この日の司会を務めた保団連理事の板井八重子さんは、「相手への感謝の言葉の大切さが話題になりました。相手に対して、心を込めて伝えていくというのは、女性が得意にしていることだと思います。ここでの話を、さざ波や波紋のように伝えていくことが大事だと感じています」と述べて、この日の特別企画を締めくくった。【君塚靖】

以前に行われた調査では「女性医師の増加が、いわゆる『医療崩壊』の一因になっていると思うか?」という質問に対して、男性医師の実に4割超が「そう思う」と回答したという結果が出ていましたが、当事者である女医自身が最大の課題として仕事と家事の両立を挙げているように、医師であることと家庭人であることは両立しがたいものであったと言えますよね。
女医増加という現象に関しては必ずしも好意的ではないものも含め様々な意見があり、男性に比べると女性の戦力は2~3割引という試算もあるようですが、こうした感覚の及ぶところ多くの女医が女性であるよりも医師であることを優先する場合が多く、また周囲も女医であるよりも単に医師であることを暗黙のうちに求めて来たように思います。
女医がまだ少なく例外的な存在であった頃はそれで済んでいたかも知れませんが、今後長期的に見れば医学部の男女比率は限りなく50:50に近づいていくとすれば、いつまでも女医に私生活を捨てた特殊な女性であることを求めるよりは、安心して妊娠・出産も行った上で長期的に働ける環境を用意した方が人材確保の面でも有利に思えます。

今後新卒医師の女医比率がどんどん上がっていく中で、やはり性差というものは歴然とあるという大前提に立って女性に働きやすい環境を整えていくことは、少なくとも「男並みに働けない女医などいりません!」なんて旧態依然とした施設よりも確実に新卒者の半数にアピール出来る理屈ですよね。
まして昨今では家庭人として成立し得ない医師の労働環境こそ諸悪の根源であって早急に是正すべきだと言う考え方が次第に主導的になっているのですから、急性期基幹病院で休日なしの奴隷労働が出来なければまともな医師ではない!という風潮こそまず改めるべきでしょうし、そうした時代錯誤な施設は男にとってもろくな環境ではないだろうと容易に想像出来るわけです。
医師確保に様々なアイデアが出ていますけれども、やはり働きやすい職場環境というものは最も普遍的な魅力を発信出来るものであるようですから、うちは忙しい病院だから仕方がないで終わらせずきちんと対策を講じスタッフを守る手立てを取っていけば、自ずから士気も上がり患者からの評判も良くなっていくかも知れませんね。
もちろんその過程で男女間にいらぬ不公平感が生じ新たな溝などを作ることがないよう、融和と相互理解のための努力が男女双方に必要であることも言うまでもありませんし、思わず「これだから女医は…」などと言いたくなった時には使えないその他大勢の医師を見た時と同様、「たいていの医者はいないよりはいた方がマシである」という大原則を思い出して見るべきなのでしょう。

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2012年11月21日 (水)

生保支給水準切り下げ 総選挙の結果如何を問わず確定的?

民主党政権になって3年間で生活保護(生保)受給者が175万人から212万人に急増したと言う記事が先日出ていましたが、その民主党の岡田副総理が先日こんなことを言っていたそうです。

生活保護受給者は後発薬使用を 刷新会議でとりまとめ(2012年11月17日産経ニュース)

 政府の行政刷新会議は17日、増え続ける生活保護費の事業仕分けで、受給者にジェネリック医薬品(後発薬)の使用を原則化すべきだとの意見を取りまとめた。岡田克也副総理は「医療が受けられなくなる問題とは違う。一歩踏み込むべきだ」と述べ、義務化に前向きな考えを示した。
(略)
 ただ衆院解散・総選挙に伴い、仕分けの結果をどれだけ来年度の予算編成に反映させられるかは未知数。事業仕分けは16日に始まり、18日までの3日間行われる。

すでに民間有識者を交えた今回の「新仕分け」において、生保について「今の支給水準は経済状況を考えると高すぎるのではないか」等の厳しい意見が相次ぎ、「低所得者との比較を厳密に行い、就労意欲をなくさない程度の水準にするべきだ」との結論が出たと言うことですが、岡田副総理の発言はさらに踏み込んでのものとなっています。
当然ながら各方面からの反発も承知した上でそれでも断固やるべきだという同氏なりに筋を通した形なのでしょうが、現実問題としては衆院選も間近に迫り政権交代が確実視される中で、当事者である厚労省からも見直しは衆院選後に先送りするという話が出ていますから、結局は新政権の考え方次第ということになりそうですよね。
その衆院選後の次期政権担当をほぼ確実視されているのが自民党ですが、こちらはこちらでさらに一歩を踏み込んだかのような生保見直し案をすでに打ち出してきていますから、形の上では次期政権がどのような方向に転んだとしても生保見直しは既定路線であるということになるのでしょうか。

食費など現物給付可能に 生活保護基準下げ方針 自民PT、改正案了承(2012年11月20日産経ニュース)

 自民党の生活保護プロジェクトチーム(PT)は20日、自治体が食費などを現物給付することを可能とする制度導入を盛り込んだ生活保護法改正案の骨子を了承した。世耕弘成座長は光熱水費や食費に充てる生活扶助に関し、衆院選後に自民党が政権を担った場合、平成25年度予算編成で基準を引き下げる方針を示した。改正案は衆院選後、PTの上部組織である社会保障制度特命委員会や厚生労働部会などに諮られる予定だが、受給者に厳しい内容が含まれており、原案通りに了承されるかどうかは不透明だ。

 医療費にあたる医療扶助の適正化では、受給者の需要を踏まえて月ごとの受診回数制限を設定し、それを超える場合は再申請させることで不要な受診を防ぐ。親族が受給者を扶養できない場合、その理由を親族に求め、無回答や虚偽報告に対する罰則を設ける。不正受給の返還金にはペナルティーとして40%程度の加算金を上乗せする。

生活保護 現物支給も 自民が法改正案(2012年11月20日東京新聞)

 自民党の生活保護プロジェクトチーム(世耕弘成座長)がまとめた生活保護法改正案の骨子が十九日、判明した。生活保護受給者への食費などで、自治体が現金給付か現物給付かを選択できる制度の導入が柱。ジェネリック医薬品(後発薬)の原則使用も医師に求める。二十日の会合に提示する。

 生活保護は医療扶助(医療費)などを除き原則、現金で給付。しかし、保護費を搾取する貧困ビジネスが社会問題となっており、現物給付活用を盛り込んだ。

 対象は、食費や衣服代に充てる生活扶助など。具体的には受給者に現金の代わりに食品と交換できるクーポン券を配ったり、電子マネーなどの形で生活費を支給し、使途を限定したりすることを検討。食品などを直接配るわけではないが、使途を限定したクーポン券などは現物給付の一種とされる。

 また、医学的な事情がある場合を除き、後発薬の原則使用を医師に求めることや、過剰診療の抑制策を盛り込んだ。医療扶助の自己負担導入は見送った。生活保護制度の見直しは、衆院選の争点の一つ。

さりげなく医療費の自己負担導入を見送ると言っていますが、まあステップバイステップで次回以降の改訂に先送りということなんでしょうか…
ここで注目したいのは現物支給と言っても弁当を配るといったものではなく、使途を限定したクーポン券や電子マネーといった形で行うと言っていることですが、貧困ビジネスに関しては現物支給だろうが電子マネーだろうが換金性がある以上はいずれ新しい形で出てくることは必死だと思いますし、すでに類似の方式をとっているアメリカでも不正が横行しているという現実があります。
一方でかねて問題視されているのが生保受給者が朝から喫茶店でモーニングを食べパチンコに行くだとか、好き放題飲んだくれて金がなくなれば入院させろと病院に押しかけてくるといったケースが少なからず見られることで、これに対して金券方式であれば仮に換金したとしても100%元金が回収出来るはずもなく、結果として彼らの生活が多少なりとも健全になるという効果は期待出来るかと思いますね。
生保のお金は決して食料だけに使っているわけではないという意見もあるかも知れませんが、先日もご紹介しましたように和歌山の自治体のケースで食料現物支給を行うことにしたところ生保申請自体が激減したという実例があるわけですから、逆に言えば生保の多数は食糧支援で十分ということが言えそうです。
もちろん例によって自称支援者なる方々が「こんなことでは健康で文化的な生活は送れない!」と大きな声を出して妨害してくることが予想されますが、彼らの言うところのぎりぎりまで切り詰めた生活以下の生活をしている国民が多数いるという現実を考えれば、何らの前提条件も設定せずに支給される水準として今の支給額が妥当だと考える国民は決して多くはないでしょうね。

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2012年11月20日 (火)

医師業務改善に思いがけない伏兵?

世の中には時々よく判らないニュースも流れていますが、先日出ていたこちらのニュースなどもその一つになるのでしょうか。

研修医の給与が高過ぎる病院に批判相次ぐ(2012年11月14日CBニュース)

2015年度からの新たな臨床研修制度の導入に向け、現行制度を検証している医道審議会臨床研修部会のワーキンググループ(WG)は14日の会合で、年内の取りまとめに向けて、基幹型臨床研修病院の指定基準などをめぐって議論した。この中で、臨床研修医の年間給与が1000万円ほどに上る病院が一部にあることについて、研修医が過酷な労働を強いられている恐れがあるなどとして、批判が相次いだ

厚生労働省の調査によると、臨床研修医の年間給与は、ほとんどの基幹型臨床研修病院で320万―720万円の範囲内にあるが、一部では920万円超に上る
これについて岡留健一郎委員(済生会福岡総合病院長)は、「1000万円近くもらっている研修医がいること自体が非常にナンセンス。研修ということと、労働力をはき違えているのではないか」と厳しく批判した。神野正博委員(董仙会恵寿総合病院理事長)は、「当直回数や時間外勤務が多く、過酷な労働があるから元が取れる病院なのかと思う」との懸念を表明。こうした病院に対して第三者が調査を行う仕組みを提案した。
(略)

昨今大人気?の僻地枠などで卒業後一定年限を指定病院で働かなければ補助金分を返済しなければならないというルールがありますが、全国各地の病院経営者からは「そんな借金くらい肩代わりするからうちに来てくれ」という公然たる声もあるようで、そう考えると普通に考えて研修医に高給を出すと言えば囲い込みたいのだろうなと想像出来るわけですね。
医療現場に限った話でもないのでしょうが、一般論として給料の高い人間よりも安い人間の方がこき使われることは国公立大学病院における研修医と看護師・事務員との関係を見ても判ることで、逆に考えればわざわざ高い金を払ってまで研修医集めをしているような病院がせっかく集めた人材を使い捨てにして終わりにしているとはちょっと考えにくいところがあります。
ところが記事を読んでみますと「研修医に高給を出す=きっと重労働をさせているに違いない=とんでもない病院!」という妙な三段論法が出ていて驚くのですが、さらに驚いたのはネット上でも一般人らしい方々から「その通り!なんとひどい病院だ!」という声が少なからずあることで、これも時代が変わったというべきなのかも知れませんが何とも不思議な感じがしないでもありません。

いずれにせよ本当に主張したい部分は後半の部分だと思われ、うがった見方をすればこうした会議に出ているのは各地の病院のトップですから、自分たちのところでは到底そんなお金は出せないから金満病院を公権力で潰しにかかっているとも言えるし、研修医は需要と供給の経済原理から隔絶しているべきだという主張は裏を返せば研修医は計画的に配置されるべき共有財産であるという考え方にも通じていると言えそうです。
そして臨床研修制度が変わって以来昔のように研修医=タダ同然で働く奴隷という存在ではなくなってきたことは事実で、研修医が9時5時で終わる結果その上の年代にしわ寄せが来ているという声も一部にありますけれども、先日こんな記事も出ていたことを紹介しておきましょう。

勤務医の半数に健康不安 長時間労働、強いストレス 労組が2千人調査(2012年11月19日47ニュース)

 医療機関で働く勤務医の47%が健康に不安を覚えたり、病気がちだったりすることが「全国医師ユニオン」(東京)などが約2千人を対象に行ったアンケートで18日、分かった。

 71%はストレスを抱え、そのため投薬などの治療を受けている人もいたほか、62%は「最近辞めたいと思うことがあった」と回答。当直明けに、そのまま終日勤務している人は79%に上った。

 全国医師ユニオンは「過酷な長時間労働が常態化している。医師不足を解消し、勤務状態を改善する必要がある」としている。

 調査は6~10月、小児科学会など4学会や医療団体を通じて実施。全国の2108人から回答があった。勤務地別では「都市部」が55%、「過疎地」が4%、その他の「一般地域」が41%。勤務形態別では常勤が82%、非常勤が8%でその他は研修医などだった。

 健康状態に関しては「不安」が38%、「大変不安」が5%、「病気がち」が4%。ストレスについては「強く感じている」が13%、「感じることが多い」は54%、「(ストレスのため)投薬などの治療を受けている」は4%だった。

 「最近、職場を辞めたいと思うことはあったか」との質問には8%が「いつもあった」、26%が「時々」、28%が「まれに」と答えた。

 「あなたの病院で医師不足を感じているか」には「はい」が83%、「いいえ」が17%だった。

 また患者側との医療トラブルをめぐっては「診療に支障を来すストレスがある」が18%、「かなりストレスがある」が41%、「多少ある」が41%で「ない」は0%だった。

記事を見てみますとかつては実に96%に上るとも言われた当直開けの終日勤務がわずか?79%にまで減少していると考えるべきか微妙なのですが、やはり客観的に見れば多くの医師は未だに日常的に過酷な勤務条件の中にあり、そして相応に多くの医師達がその状況に疲れ不安を覚えているということは言えそうです。
ただたとえ過酷な労働でも給料が高ければいいという先生や、安月給でもまったり出来るのがいいという先生もいて、今現在はかつての医局人事による強制配置から各人が自ら適材適所の環境を求めて流動しつつある過渡期とも言え、その意味では医師個人個人が自分の望む労働環境を考え求めていくという自助努力が必要になるはずです。
そしてもちろん職務上やむを得ないという労働は逃散等で対応するしかないケースもありますが、最近この季節になって意外にこれは大変なのではないか?という新たな業務が、それも全国的にかなり広範囲にわたって発生しそうだというニュースが出ています。

新型インフル予防接種、医療者負担に懸念も- 有識者会議 (2012年11月12日CBニュース)

 政府の新型インフルエンザ等対策有識者会議「医療・公衆衛生に関する分科会」の12日の会合で、全国民に対し、新型インフルエンザワクチンを予防接種する際に必要な医療従事者の業務量に関する試算結果を厚生労働省が公表した。それによると、全国の内科や小児科などの医師が1人当たり61時間、看護師や保健師などは1人当たり14時間、接種業務に当たる必要があることが分かった。同省は全国民への接種を3か月程度で完了することが望ましいとしているが、意見交換では、通常の診療業務と併せ、医療従事者の負担の大きさを懸念する声が上がったほか、「現実的でない」といった意見も出た。

 試算では、医師2人、看護師や保健師などの補助者2人と、事務従事者で構成されたチームが、1時間当たり40人に接種すると仮定。
 新型インフルエンザワクチンの接種回数を国民1人当たり2回とすると、総接種回数は2億5552万回。医師1人が1時間に20回、接種を実施すると仮定した場合に、総接種回数をこなすためには1277万6000時間が必要になる。この時間を全国の内科系や小児科、外科系、産科婦人科系、救急・麻酔科系の医師と臨床研修医を合わせた21万1121人で割ると、60.52時間となる。例えば、約3か月の接種期間中に、医師1人当たり1日6時間ずつ10日間程度、接種業務に当たる計算になる。

 試算結果に対し、小森貴委員(日本医師会常任理事)は「『国民全員に接種する。しかも3か月以内に』と想定して数字を出すのは構わないが、これはできないという結論しかない」と指摘。
 また、坂元昇委員(川崎市健康福祉局医務監)は「医療従事者の派遣をお願いする医療機関との調整は最も重要。かなりの準備期間や訓練を行う必要がある」と強調。さらに、「患者が発生する中で、医師が予防接種のために診療所を空けられるかどうか。また、長時間、集団接種に拘束した場合に、診療所で患者を診ない分、かなりの損害が生じるが、それをどうするか」などの課題を指摘した。【津川一馬】

そういえばこの新型インフルエンザ対策というもの、いざというときには国民にワクチン緊急投与を行うといったことを確かに聞いたような気もしていましたが、実際にその仕事量を考えてみるとこれは大変だなと思われる話ですよね。
本気で全国民に一斉接種を行うなら単純計算で国民600人に一人の医師がいるわけですから、二回打ちを行うならざっと医師一人が1200回の予防接種を担当する計算になりますが、日常臨床でいくら予防接種に力を入れている先生方でもこれだけの数をこなしている先生はまずいないでしょうね。
しかもそれが一年を通じてというわけでなく短期間で集中的にこなさなければならないのですから、これは物理的に今のやり方ではちょっと不可能なのではないかと考えざるを得ないニュースですし、このままの形で計画だけが進んでいくようではいざというとき大変なことになってしまいますよね。

昨今ちょうど予防接種後の重大な副作用発生というケースが報道されていて、あらためてワクチンというものには相応の危険性があるということが注意喚起されていますけれども、個人防御のために行う任意接種ならともかく、この場合は集団での流行の抑制を狙ったものですからとにかく接種率を引き上げないことには話になりませんよね。
もともとインフルエンザワクチンはそれほど深刻な危険性もない比較的安全なものと見なされていて、卵アレルギーの除外など最低限の注意事項さえ守っていればまず大過なく行えるはずですから、ただでさえ新型出現!とパニックになって押しかけてくる患者で右往左往しているはずの医療現場に無理や無茶を押しつけるぐらいなら、あらかじめ実効性ある対策を講じておかなければなりません。
ちょうど昨今ナースプラクティショナー等の議論も盛り上がっていて、以前に取り上げた特定行為のガイドライン案にはこの予防接種の可否の判断などは特に取り上げられていないのですが、本当にこうした大量投与を必要とするのであれば例えば緊急時に医師が対応出来る等の条件下で問診から実際の接種までを看護師以下で行えるようにしておけばまだしも話は簡単になりそうですが…

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2012年11月19日 (月)

高齢者医療・介護問題 ベストな距離感

先日は保険を支払う側である健康保険組合連合会(健保連)の白川修二専務理事が前期高齢者の窓口負担1割という特例が続いている件に関して、「法治国家なのだから、法律の通りしっかり実施してほしい」とかなり強い口調で早期に2割負担に是正することを主張していましたけれども、財政面でも年々厳しさを増しているのが高齢者の医療と介護の問題です。
何しろ団塊世代の高齢者仲間入りに代表される高齢者人口増加に加えて、その財政を担保するべき若年者は人口減少と所得減少のダブルパンチで自らが口を糊するだけでも精一杯という状況ですから、ここで下手な舵取りをすれば国全体が大変なことになってしまいかねません。
それでも医療の面では結局担当医の裁量権が非常に大きいわけですから最低限の部分に関しては何とかなるだろうという淡い期待感がありますが、一方でそうした強権的な権力者が不在の介護領域では利用者自身が主体的に問題と向き合わないことには大変なことにもなりかねません。

保険料納付者の8割余りが介護に「不安」 (2012年11月15日CBニュース)

介護保険料を納める世代のうち、家族や自分の介護について不安を感じている人は8割余りに達することが、オリックス・リビングの調査で分かった。また、不安を感じる一方、将来の介護について、まだ何も考えていない人が7割近くいることも明らかになった。

オリックス・リビングでは、今年10月4日から5日にかけ、全国の40歳以上の男女1238人を対象に、介護に関する意識調査を実施した。

このうち、家族の介護に関する不安の有無について尋ねた質問では、不安(「不安を感じる」と「やや不安を感じる」の合計)と回答した人が全体の86.0%に達した。また、自分の介護についての不安の有無については、86.1%が不安と答えた。一方、自分に介護が必要となった時について尋ねた質問では、68.4%が「まだ何も考えていない」と回答。「考えているが、家族には伝えていない」(23.9%)という回答と合わせると、「介護保険料を納める人のうち、92.3%が将来の介護に不安を抱えながらも、実質的には何の対応もしていないことになる」(オリックス・リビングの入江徹企画チーム長)。
(略)

介護人材確保、小規模自治体ほど困難?(2012年11月14日CBニュース)

人口規模が小さい自治体ほど、高齢化が進み、介護人材の確保に苦労している可能性がある-。そんな調査結果を、ニッセイ基礎研究所の進藤由美研究員がまとめた。調査結果によると、人口5000人未満の小規模自治体では、平均して3人に1人が65歳以上の高齢者となっている上、平均年齢も52.3歳に達している。進藤研究員は、さらに高齢化が進むと、小規模な自治体では、ある程度の体力が不可欠な介護人材を確保するのがより難しくなるとし、自治体間の積極的な連携などの工夫が必要と訴えている。

進藤研究員は、2010年の国勢調査を基に、全国1750か所の市町村の人口構成を分析した。各自治体を人口規模別に7つに分類し、それぞれのグループの高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)の平均を算出したデータでは、「5000人未満」の自治体の高齢化率が35.5%で最も高く、以下は「5000人以上1万人未満」が31.6%、「1万人以上3万人未満」が28.7%、「3万人以上5万人未満」が26.1%、「5万人以上10万人未満」が24.1%、「10万人以上30万人未満」が22.6%、「30万人以上」が21.5%となった。

既に4人に1人が高齢者となっている自治体の割合は、「5000人未満」の自治体では92%に達したほか、「5000人以上1万人未満」は86%、「1万人以上3万人未満」は73%、「3万人以上5万人未満」は58%、「5万人以上10万人未満」は41%、「10万人以上30万人未満」は23%で、「30万人以上」では7%にとどまった。進藤研究員は、小規模な自治体では、高齢者に向けたサービスだけでなく、障害者や子どもに向けたサービスを提供するための人的資源も確保しにくくなっていると指摘。その上で、「例えば、高齢者と障害者と子どもへ向けたサービスを一元的に提供できるような仕組みづくりが必要ではないか」としている。【多●正芳、●は木へんに朶】

しかし介護スタッフも高齢化しているとはまさに老老介護の現実が拡大再生産されたような気がしますが、それでも個々の家庭がバラバラに家庭内での介護に直面していた時代に比べると、地域内でサービスとして共有されるようになっただけ効率化し状況も改善してきているはずだと考えるべきなのでしょうか。
高齢者自身までも介護スタッフに駆り出すと言えば何か悪いことのようにも聞こえますが、昨今シルバー人材センターなどというものがあるくらいで高齢者と言えど労働力としても期待出来ると見なされている、そして何より介護職などは若年者から大いに忌避されているという現実もあるわけですから、年金財政も怪しい折に介護する側、される側双方にメリットのある解決策ではあるのかも知れません。
ところでよく雇用不安などに関連して介護領域に若い人材をという提案はなされるし、実際不景気の世で確実に需要のある業界に求職者を吸収するということは大事な事ですが、一方でこうした介護問題ということになると子や孫世代も含めた家族をどう巻き込んでいくかという議論につながりやすいという点は少しばかり危惧しています。
田舎などでは未だに施設や病院に老親を預けるのは親不孝、最後まで自宅で看取ることこそ親孝行であるという考え方が残っているところもあり、国の「家に帰れる高齢者はなるべく家に帰す」という政策がその価値観を後押ししている部分もあるのですが、先日出ていたこういう調査結果をまず取り上げてみましょう。

県民意識調査:48%、自宅で死にたい 在宅困難、8割「家族に負担」??医療福祉に関する回答 /滋賀(2012年11月08日毎日新聞)

 県は20歳以上の県民を対象に、在宅看(み)取りの取り組みの参考にする「滋賀の医療福祉に関する県民意識調査」の結果を発表した。1775人が回答し、48%が自宅での最期を希望。自宅療養が困難な理由として、8割近くが「家族に負担がかかる」を挙げている

 調査は7月25日?8月13日、無作為抽出した男女3000人に実施。最期を迎えたい場所は自宅に次いで病院が22・6%で「わからない」も21・7%を占めた。また、自宅療養は55・7%が「実現困難」と答えた

 自宅療養が困難な理由(複数回答)としては、家族の負担のほか▽「症状が急に悪くなった時の対応に不安」(60・7%)▽「経済的負担が大きい」(35・1%)▽「往診してくれる医師がいない」(28・9%)??という回答が多かった。延命治療については「望まない」「どちらかというと望まない」の回答が合わせて8割以上となった。

 充実を求める医療分野(複数回答)は、がん対策が46・9%と最も多く、次いで救急医療33・7%、認知症対策31%など。在宅医療は28・9%だった。【姜弘修】

人間誰しも平等に避けられないのが最終的な死である以上、生活に余裕のある先進諸国ほどいかに生きいかに死んでいくかということに関心が高まってくるのも当然と言えば当然で、社会が発達してくるほど医療費もどんどんかかるようになることは当たり前の結果ではありますよね。
日本の場合は心身ともに穏やかな最後を迎えるということを表現する慣用句として昔から「畳の上で死にたい」と言う言葉がありますが、実際問題として今日日本人のほとんど全員が病院内でなくなっているという現実を思うとき、平和な時代でありながら実は実現困難な夢になってきたと考えざるを得ません。
その理由として挙げられている家族に負担がかかるということの背景には病院に入れておくのが一番安上がりで手間暇がかからないという日本の特殊事情もありますが、心身の負担が双方に過重なものとなった結果、「自宅で家族に看取られ安らかに死にたい」という願望とは正反対の結果にすらなりかねないということも考えておかなければならないでしょう。

家族介護者の26%が虐待経験あり!虐待の種類は心理的虐待が80%以上(2012年11月4日@DIME)

株式会社エス・エム・エス(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:諸藤周平)が運営する、介護の悩みを介護の専門家に無料で相談できるQ&Aサイト「安心介護」は同サイトの「安心介護」会員を対象に介護現場における虐待の実態調査を実施。結果を公開した。高齢者による介護や、周囲に協力者がいないため一人で介護をしている方などが増加し、介護疲れ等が原因による虐待がメディアで取り上げられるようになっているが、そのような中、本調査では全体の26%が日々介護する中で虐待をしてしまったと回答し、また全体の30%が虐待をしそうになったと回答した。実に56%もの家族介護者が、介護による精神的・肉体的疲労、周囲に協力者がいない等、過酷な介護状況におかれていることがうかがえる調査結果となっている。詳細は以下の通り。

【家族介護者の26%が虐待経験あり!虐待の種類は心理的虐待が80%以上】

 日常的に介護をしている方の26%は、虐待経験ありと回答。虐待の種類では、「暴言や、いやがらせ」などの心理的虐待が85%と最も多く、次いで被介護者に「暴力的な行為」などの身体的虐待が42%、介護放棄・放任が17%という結果となった。虐待をしてしまった主な理由としては、「1日に何度も何度も同じ話を繰り返すので、無視したり、暴言を吐いた。(心理的虐待)」、「認知症とわかっていても、暴言、強い反抗、親戚への虚偽の話につい手がでてしまった。(身体的虐待)」、「精神的疲労や介護に対する親族の理解・協力が得られなかったため介護放棄した。(介護放棄・放任)」
などの意見が目立った。

【家族介護者の30%が「虐待しそうになったことがある」】

 虐待経験なしと答えた方(全体の74%)に、虐待をしそうになったことはあるかの調査を行なった結果、41%が「虐待をしそうになったことがある」と回答した。つまり、全体の30%が「虐待をしそうになったことがある」という結果になった。また「虐待をしそうになったことがある」頻度としては、「1か月に1回以上」と回答した割合が59%と高く、「週に1 回以上」と回答した割合で見ても30%と高い傾向がみられた。虐待をしそうになってしまった主な理由としては、「寝ずに、何回も大声で叫び、暴れられたとき」、「文句を言われたり、激しく罵られたとき」、「スムーズに介護ができなかったり、介護サービスを受けたがらなかったりするとき」などの意見が目立っている。

医療の世界で厄介事の代表格としてたびたび取り上げられる「遠い親戚」問題ですが、日頃から身近に接していない人間ほどたまに会いに来たときには優しく出来るものだとすれば、常時介護や看病に汗水垂らしている人間にとっては「もういい加減にしてくれ…」と感じてしまうのも無理からぬことかなと思います。
となれば、亡くなる場所が自宅の畳の上であれ病院のベッドの上であれ、家族との良好な関係を最後まで維持出来るような適当な距離感を保っておくことが重要なのであって、物理的に近くあればあるほど親密になると言うのは一方的な依存関係になりがちな高齢者介護の領域では必ずしも通用しないということです。
医療現場でもどちらかと言えば延命治療に消極的な現場スタッフと千代もと願って積極治療を希望する家族という構図がしばしば見られますが、これも日常的に患者を間近に見て過去の類似の症例が辿った経過を知っているスタッフからすれば、とかく濃厚な対応をすることが必ずしも良い結果にならないと理解できるのは当たり前のことですよね。
ただ考えようによっては家族介護に飽き飽きすることで「先生!お爺ちゃんを一日でも長く生きさせてあげてください!」などと強硬な要求をしてくる家族も減ってくるでしょうから、あるいは高齢者医療費削減まで考えての自宅誘導政策であったのだとすれば日本の政治も案外先の先を見据えているのだとも言えるのでしょうか?

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2012年11月18日 (日)

今日のぐり:「ひるぜんジャージーランド」

先日はアメリカ大統領選挙がありましたが、それに絡んでこんなニュースがあったそうです。

「米大統領選はもう嫌」、4歳女児の涙の訴えが話題に/米(2012年11月5日ロイター)

[4日 ロイター] 6日に行われる米大統領選の投票が目前に迫る中、コロラド州の4歳の女児が、選挙はうんざりと泣きじゃくる様子を撮影した動画がユーチューブに投稿され、選挙に飽きてしまった多くの米国人の共感を呼んでいる。

この短い動画では、「どうしたの」と尋ねる母親に対し、アビゲイルちゃんが泣きながら「ブロンコ・バマ(バラク・オバマ)とミット・ロムニーばっかりでもう嫌だ」と答えている。ユーチューブでの視聴回数は、1000万回を超えている。

母親によると、アビゲイルちゃんは米公共ラジオ(NPR)の報道を車内で聞いていたところ、突然泣き出したという。NPRは「正直、われわれにとっても選挙キャンペーンは長すぎた」などと、アビゲイルちゃんに公式に謝罪した。

日本でも近々国政選挙が予定されていますけれども、一度これくらい国中が真剣に盛り上がってみれば投票率も上がるでしょうにねえ。
今日は思いがけない悲運に見舞われたアビゲイルちゃんに哀悼の意を表して、世界中から「その気持ちは判る」というニュースを紹介してみましょう。

「東原亜希はブログに柔道のこと書かないで」と柔道関係者懇願(2012年11月13日NEWSポストセブン)

 夏のロンドン五輪で史上初の金メダル「ゼロ」に終わった男子柔道。辞意を表明した篠原信一(39)に代わり、男子日本代表監督にこの度就任が決まったのが2000年のシドニー五輪100キロ級金メダリストの井上康生(34)だ。
 運動部記者はこう話す。
「井上は面倒見がよいので後輩からの人望も厚い。もともと、東京も候補地になっている2020年へ向けて登板の予定だったのですが、今回の惨敗を受けて4年繰り上がったという形です。既にコーチを階級ごとにつけるという、これまでの柔道界になかった発想も柔軟にとりいれていて、これからが期待されています」

 一方、このニュースを暗澹たる想いで受け止めているのが全国のネットユーザーたち。というのも、井上の妻、東原亜希(30)のブログは、書かれたものによからぬことが起きる「デスブログ」として知られており、今回のニュースにも、
「デスブログに柔道の話題がでないことを祈る」「奥さんのブログには細心の注意を払ってください」
 と、ものすごい心配のされようなのだ。ちなみに、このブログの「伝説」をざっと紹介すると、

●スカイツリーについて言及→スカイツリーのエレベーター強風で停止
●小倉優子への応援メッセージを載せる→焼肉小倉優子でボヤ騒ぎ
●子供が夜中にブランコで遊びだすのが恐いと記述→中日ドラゴンズの“ブランコ”骨折で全治2か月
●パンダの育児放棄について触れ、子供たちが8時半に寝たと記述→翌朝8時半にパンダの赤ちゃん永眠
●娘がスギちゃんのまねをすると報告→スギちゃん骨折で全治3か月

 などと枚挙に暇がない。こうした数々の「伝説」は当然柔道関係者の耳にも届いている。
「関係者から『頼むから柔道に関することは書かないで』という声が上がっており、そのことは旦那を通じて東原にも伝わっているはずです」(スポーツ紙デスク)

不肖管理人も井上康生氏就任のニュースが決まった瞬間真っ先に思い出したのがこの奥方の件ですけれども、確かに関係者一同の心配も判るというものですよね。
最近では何でもディスカウントだ、価格破壊だと安いのが正義のように言われていますが、故なく?安すぎるというのも何かしら気持ちが悪いものです。

「たぶん世界一安いウィスキー! …だけど飲むのが怖い」(2012年11月11日らばQ)

インターネット検索で、「一番安いウィスキーはないものか」と探してみたところ、とんでもなく安いウィスキーを見つけたそうです。
なんと5リットルでたった、3ドル65セント(300円弱)。
「安いけど飲むのが怖い」と海外サイトの話題となっていたウィスキーとはどんな商品なのか……。写真をご覧ください。

容器からして、ただならぬ雰囲気が……。

いかにもそれらしい名前が付いてはいるものの、怪しいオーラ全開です。
実際に飲んだことのある人はいるのか、どんな味がするのか、そして飲んでも無事だったのか、気になる海外掲示板のコメントをご紹介します。

●Googleでさえ検索できないブランドだぞ。どれだけ無名なのかわかる。
●これこそ本物のヒップスター・ウィスキーだ。
●ガソリン容器に入ってることは偶然ではないだろう?
●かつ、ラベルはセロテープで貼ってある。
●不凍液剤のようだ。結構おいしいと聞いたことがある。
●それはない。不凍液剤はもっと高価だ。
●ぜひ飲んで、俺らに専門家としての意見を教えてくれ。
●確かにそれは不凍液剤の容器だぞ。
●賞味期限が2012年12月と書いてある。ということは21日かけて飲める。だいたい1日238ミリリットルだ。きっとがんばればできるよ。毎日画像入りのブログをアップして進行状況を知らせるべきだ。
●42%もアルコールが入ってるものに、賞味期限があるのか?十分なアルコール度数だろ。
●「21日目。顔の左半分は完全に機能しなくなった。コントロールできる筋肉は全く存在していない。まるで意思があるかのように痙攣と弛緩を繰り返し、体毛の長さと量は3倍にもなった。かゆみは今朝になって止まった。
 視覚と聴覚への幻覚は、頻度も強さも増す一方だ。一日に何度もスペイン語しか話せない、黒い巨漢馬がオレを訪ねてくる。何を考えているのか察することはできないが、暴力的なまでの怒りと深い悲しみが交錯しているように思える。
 ウィスキーは空になり、気が楽になるのかと思っていたが、卑しい渇きが襲ってくる。心を静めるものが何もないまま目を覚ますことに恐れを抱いている。これ以上不安定になる前に、もっと見つけなければいけない。馬が要求するのだ」
●ちょびっとだけ飲んでみよう、そして次はコーラを混ぜてみよう。それで10ショットほと飲んだら、風呂に入れてみよう。
●視力以外で何か失うものがあるのかい?
●弱気になるな。しっかりプレミアム・クオリティと書いてあるじゃないか。嘘はつかないだろ。
●新しいスローガン、「ようやく人に対しても安全に」
●容器が、これはペンキ薄める液だと叫んでる。

残念ながら(?)、これを飲んだという人は見当たりませんでしたが、かなり想像をかきたててくれる飲み物ではあるようです。
体を壊す人が出ない事を祈ります。

うっかりするとメチルじゃないかと思うような怪しげな容器なんですが、何故よりにもよって見るからに怪しげなパッケージを選択したのかも謎なら、飲む勇気がないという声にも理解出来るというものです。
あまり感心できる話ではないのはもちろんなんですが、その気持ちは判らないでもないというニュースを紹介してみましょう。

「ごみをポイ捨てした」 逆上清掃員が女性の手指を包丁で切断―中国・湖南省(2012年11月6日新華網)

【新華網】中国・湖南省株洲県で3日午前、ライトバンに乗っていた女性が、清掃作業員の男に包丁で中指を切断された。紅網が報道した。

事件は株洲県内の交差点で発生。被害者の周ティンさんは夫や友人とライトバンに乗っていた。すると清掃作業員がいきなり助手席のドアを開けて侵入、包丁で夫に襲いかかろうとした。周さんはとっさに手で夫の胸をかばい、左手の中指を切断された。右腕も切られて血まみれになり、夫も腕と臀部を刺された。

目撃者によると、清掃作業員は、朝食のゴミを車外に捨てた周さんらに拾うように注意し、口論となり、いきなり包丁を振るったという。

清掃作業員はその後、変形した包丁を腰に差し入れて、ごみを拾い始めた。警察が駆けつけた時には、近くの14階建のビルの屋上に上っており、警察の説得で地上に降りた。

その2時間後、清掃作業員は手錠をされ、株洲葦淞区建寧派出所の椅子に座っていた。名前は郭能芳(33歳)。清掃員の仕事を初めて20日ほどで、それ以前はホームレス生活を送っていた。郭能芳容疑者はまだ興奮した様子で、「きれいに掃除したんだ。少なくとも尊重されるべきだ」、「ごみをポイ捨てする奴らを強く制裁しなければならない」などと語った。

さすがにこれはいささか短気であったとは思いますが、この記事を読んで真っ先にあのネコのコピペを思い出したのは自分だけでしょうか?
同じく中国からはこんなニュースも届いていますが、こちらまさしく「全世界が泣いた」級の事件となったようです。

ラブレター16万字綴るも玉砕、残念な男性に中国全土から激励の声。(2012年11月14日ナリナリドットコム)

中国のある大学生は、好きな女性に告白するため、200日以上かけて壮大なラブレターを執筆した。そこにつづられた文字数はなんと16万字。400字詰め原稿用紙なら400枚分に相当するボリュームで、製本しなければならないほどだったという。

中国紙長江日報などによると、この膨大な文字数のラブレターを執筆した“ツワモノ”は、湖北省武漢市にある華中科技大学4年生の王文瑾さん。羅さん(仮名)という名の女子大生に密かに恋心を抱いていた彼は、ラブレターを書いて彼女に手渡すことを今年はじめに決意し、準備を進めてきた。

しかし、当初は1万字程度と考えていたラブレターも、書けば書くほど想いは募り、一向に終わる気配がない。執筆は今年2月から始めたが、最も多い日には7,000字にもなり、気が付けば詩や散文、短編小説も盛り込まれた合計16万字もの“大作”が出来上がっていた。

そして迎えた11月11日、中国の光棍節(独身者のための記念日)。王さんは自身のラブレターを胸に、いよいよ羅さんへの告白の瞬間を迎えた。ラブレターはきちんと製本され、表紙デザインも作成。タイトルは「僕はあなたを一人にしない」だ。

しかし、運命は残酷だった。16万字ものラブレターを手渡したところで、相手にその気がなければどうしようもない。羅さんは“16万字のラブレター”自体にはいたく感動してくれたものの、結局、王さんの愛を受け入れるには至らなかった。

王さんは「恋愛感情というものは縁も大事です。努力しても難しいときがある」と話し、結果には納得しているというが、失恋のショックから立ち直るには、ラブレターの長さ同様、しばらく時間が必要かもしれない。ただ、幸いにもこの一件がさまざまなメディアで報じられたことで、王さんのもとには激励や称賛が中国全土から届いているそうだ。

しかしまあ、非常に悲しむべきニュースであるのはもちろんですが、そもそもラブレターを豪華製本した状態で渡すというのもどうなんだと感じる、まさに残念な男性でしたね。
こちら台湾のニュースですが、これまたいやしくも男たるもの誰しも判る!と叫びたくなるような悲しい物語です。

AV買ったら全部「微乳」 AV業者、訴えられる/台湾(2012年11月11日フォーカス台湾)

(台北 11日 中央社)台湾北部・新北市に住むBカップフェチのある男性は先月、購入したアダルトビデオのほとんどがAカップだったとして行政院消費者保護会に通報、契約違反として調査を要求した。

「リンゴ日報」が先週報じたところによると、この男性は9月初旬に通信販売で14枚のDVDを購入、注文の際にBカップの女優を指定し、業者側はなるべく希望に合わせることを約束、男性は先払いで700台湾元(2000円)を支払った。

たが、届いた14枚のうち13枚は全てAカップで、憤慨した男性は返品を申し出たものの、業者は「一度鑑賞したものの返品は不可」としてこれを拒否。男性の怒りは収まらず、消費者保護会の新北市政府窓口に届けを出した。

保護会の担当者はこれについて、ブラジャーカップの大きさの認定は人によって異なるため、業者にミスを認めさせるのは難しいと困り顔で、消費者はこのような特殊な要求がある場合、書面でその旨を提出するか、電話注文の際の録音記録を残すよう勧めている。

あるAV業者はこの騒動について、業界の売れ筋は巨乳で、微乳ものはそもそも多くないと指摘。Aカップであれば微乳マニアのニーズも多少あるが、Bカップというのは中途半端で見つけるのは難しいのではないかとコメントしている。

AとBとでそれほどに異なるのかと試しにネットで検索してみたところ正直自分にははっきり区別をつけられる自信がありませんが、しかしその憤りだけは理解出来るというところでしょうか。
最後に取り上げますのはこちらご存知ブリ初のニュースですが、一見するとえ?なんで?と思ってしまうような意外性ある話かも知れません。

アルシャビン、クーポン持参でマック通い/英(2012年11月13日日刊スポーツ)

 週給8万ポンド(約1060万円)を稼ぐアーセナルのロシア代表FWアンドレイ・アルシャビン(31)が、家族を食事に連れていく先はもっぱらマクドナルドだと、12日付英サン紙が報じた。アルシャビンは、ハンバーガーのセットが1ポンド99ペンス(約265円)になるクーポン持参で、ロンドンのマクドナルドに現れるという。すでに店員に覚えられるほどの常連で、サン紙は「(牛肉よりヘルシーな)フィレ・オ・フィッシュを注文してアーセナルの栄養士を喜ばせる」と記している。

何も家族そろってファーストフードなどに行かずとも…と誰しも思ってしまうところですが、これが他ならぬブリでの出来事であって、マクドナルドが世界中どこででも同じ味を保証しているという点に意味があるわけですね。
思えば先の五輪期間中も選手団は食事の味に大いにストレスを感じていて、一説によると連日ファーストフード店に繰り出していたと言いますから、アルシャビン選手の気持ちにも大いにうなずけるところがあるのではないでしょうか?

今日のぐり:「ひるぜんジャージーランド」

蒜山高原にもかつてのいかにも観光地然としたレストラン群が一通り整理されてきた一方、昨今色々と楽しみな料理店が増えているのは良い傾向だと思いますが、しかしやはり表通りとも言えるあたりに閉鎖店舗が並んでいるのは雰囲気的にはどうなんでしょうね?
そんな中でこちら「ひるぜんジャージーランド」さんはその名の通り農協直営の体験牧場的な施設ですが、ソフトクリームやジンギスカン以外にもおしゃれなレストランも併設されているようです。
昨今話題の蒜山焼きそばはすでに売り切れになっている一方、見ていますと場所柄チーズフォンデュが人気らしく多くの人たちがオーダーしているのですが、ここはごく普通の食事メニューを見繕ってみました。

メインとなったのは数量限定だという「チーとろジャージー丼」なんですが、一体どのようなものなのかと想像を膨らませていましたらどうも牛丼プラスチーズのトッピングといったもののようですね。
もちろんコストがかかっているだけに牛丼部分に関しては牛丼屋よりもよほどにまともな味なんですが、このチーズのトッピングも特に合わないというほどではないものの特にメリットがないと言いますか、正直いらなくね?と感じないでもありません。
もちろん場所柄ただのジャージー牛丼では雰囲気も合わないということなんでしょうが、こういう場所で出すためのアレンジならいっそ牛丼自体をもっと洋食風に仕上げていたら合ってたかも知れませんね。

いわゆるセットメニューとなるジャージーランドセットは牛もも肉のにんにく醤油マスタード添えがメインディッシュですが、ジャージー牛の味には正直食用肉としてはあまり期待していないんですが、仔牛などさっぱりな味が好きだという向きにはこういうのもいいのかも知れませんね。
ただソースまでもがこうもあっさりだとさすがに物足りなさがないでもないんですが、それ以上に驚いたのがメインの皿がいきなり冷たい状態でサーブされたということで、食事時で焼き野菜などは作り置きだとしてもさすがにこれはどうなのよと思います。
少し水の味が独特だなと感じたのと、盛り付けなどを見ると一応本格洋食風を装っていますし味の組み立てもまずまずまともな方かなとは思うのですが、正直この内容に対してこの値段を見るとまたびっくりというもので、あくまでも観光地だから成立する店という位置づけでしょうか。
もっとも蒜山高原と言えば関西圏の顧客に人気だと言いますが、以前にお邪魔した六甲ビューパレスさんなどを考えるとこんなものと納得出来る範囲なんですかね。

設備の方は併設の施設なども含めてそれなりに整ってはいるのですが、こういう場所の宿命として顧客が集中する観光シーズンにはどうしても設備のキャパシティ不足になってしまいますね。
接遇面では教育自体はまともな研修は受けている気配があるのですが、手が足りていないのと機敏さは全くないのとでずいぶんと印象を悪くしているところもあって、農協が運営する半公的施設だからなのかいわゆる公務員的というのでしょうか、全体にモチベーションは低そうですよね。
とはいえ顧客数変動が大きそうなので繁忙期には仕方がないという部分も多いのかも知れませんが、逆に言えば一年分の収入を限られた時期と時間帯で稼ぎ出す訳ですからその部分では手を抜かないで欲しいと思います。
しかしこのお店、かなりグラスエリアが広く開けた作りになっているのですが、立地から考えると表側の駐車場に向けるよりも裏側に向けて開けていた方が牧場と蒜山三座が間近に迫って眺めが良かったような…?

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2012年11月17日 (土)

医師数増加 見る側の視点で異なる評価

先日も医学部定員上限引き上げの話題をお伝えしたところですが、全国医学部長病院長会議からちょうどこんな話が出ているようです。

学生の学力「低下」の医学部が9割超- 医学部長病院長会議が調査 (2012年11月15日CBニュース)

 全国医学部長病院長会議は15日の定例記者会見で、医学部がある全国の国公私立80大学の9割以上に当たる75大学で、教員から「学生の学力が低下している」といった意見があるとの調査結果を発表した。学力の低下が懸念される原因としては、「医学部定員の増加」を挙げる大学が「小中高のゆとりカリキュラム導入」の次に多く、同会議の吉村博邦顧問は「これ以上急激な定員増を続けると、深刻な事態になりかねない」と危機感を表明した。

 調査は、80大学の医学部長か教育担当責任者を対象に、昨年3月-今年4月に実施した。
 調査結果によると、学生の学力が低下しているという意見が教員からあったり、そうした傾向があったりするかを尋ねたところ、75大学(93.8%)が「ある」と回答した。2010年12月-昨年1月に行った前回調査で「ある」と回答したのは、79大学のうち68大学(86.1%)だった。

 今回の調査ではさらに、「『学生の学力低下』が懸念される場合、その原因としてどのような事項が考えられるか」と聞いたところ(複数回答)、65大学が「小中高校の、いわゆる『ゆとりカリキュラム』導入」を挙げた。「医学部定員の増加」は58大学で2番目に多かった。【兼松昭夫】

これまた前回のコメント欄でも話題になったようにあくまでも主観的なイメージということで、カリキュラムも違う以上厳密な年代間比較は難しいと思いますけれども、興味深いのはこちらの調査ではその原因として医学部定員増加よりもゆとり教育の成果という声が高かったという点でしょうか。
医学部定員増で優秀な学生が底をついているというのであればどうしようもありませんが、単なる教育の失敗であたら学生の能力をスポイルしているだけであれば改善のしようはあるという理屈で、自らこういう結論を出した以上は今後使えない研修医が増えてくると全国医学部教員の教育法が未熟だったからだと言われるようになるのでしょうか(苦笑)。
いずれにしても学生気質が変化していることは誰しも異存がないところでしょうが、教育する側の主観としてはこれ以上定員を増やすなどとんでもない、勘弁してくれといったところが実感なのだとしても、医師不足が伝えられる医療現場からはまた別な意見もあるのではないかと誰でも思いますよね。
もちろんどうしても必要なものであれば教員の手配をするなりしてでも定員を増やさざるを得ないのは当然ですが、最近では臨床と教育のそれぞれの立場で若干の温度差が見られるようにも感じられるのは、教育の現場ではすでに限界まで学生が増えているのに対して臨床の現場にその結果が反映されるのはまだ先であるからでしょうか。

メディカルスクール開設前に需給予測を- 法科大学院踏まえ大磯氏 (2012年11月12日CBニュース)

 「医師養成大学院(メディカルスクール)を考える」と題したシンポジウムが11日、東京都内で開かれ、メディカルスクール開設のメリットとデメリットをめぐって医師や弁護士らが意見を交わした。この中で、医師と弁護士の両方の資格を持つ浜松医科大の大磯義一郎教授は、法科大学院(ロースクール)の開設により弁護士が余る状況になったことを踏まえ、メディカルスクールでは開設前に需給予測をすべきだと強調した。

 メディカルスクールは、4年制大学を卒業した人に対し、4年間の医学教育を行う大学院レベルの医師養成機関で、米国などで導入されている。

 聖路加国際病院の福井次矢院長は、北米型のメディカルスクールを開設することで、優れた臨床医を育てられるようになるとの期待感を表明。その理由として、▽単に成績が良い人でなく、医師になりたい人が入学する▽大学で医学以外の学問に触れており、幅広い教養が身に付いている▽大学医学部に付属病院をつくるのではなく、病院に医学部を付設することで、臨床重視の教育ができるようになる―などを挙げた。
 また、杉原正子氏(慶大病院研修医)は、社会人経験を経て6年制の大学医学部に入学した経験から、4年制のメディカルスクールを導入すれば、医師養成費にも、時間にも無駄がなくなるとの考えを示した。

 一方、大磯氏は、法科大学院の開設後は弁護士が余る状態になっていると指摘した。これにより、「毎年、わたしの所に来る修習生が希望する就職の条件が悲惨になっている」「医師で司法試験に受かった人でも、専門知識を法曹業務の中で生かしづらくなっている」といった問題が起きているとした上で、その原因は「希望的観測に基づく需給予測だ」と批判。「メディカルスクールにおいては、きっちりとシミュレーションをやっていただければと思う」と強調した。
 一方で、法科大学院について「4年制大学を卒業し、社会経験を持った人がモチベーションを持って来ているので、教育の質はものすごく高い」とも述べ、一定の評価を示した。

 これに対し井上清成弁護士は、法科大学院ができたことで、地方の弁護士不足が一気に解決したと説明。「デマンドサイド(需要側)から見れば、ロースクールは成功。どれだけ弁護士が悲惨であるかは、国民には関係ない」と語った。【高崎慎也】

さすがに某大先生など一部の例外を除いて今さらメディカルスクール導入論者にも勢いはありませんが、見ていますと成績よりもやる気の方が重要だ、だから社会人になってまで医師を目指して入学してくるような人材は素晴らしいのだと、妙にヨイショしているようにも感じられるところでしょうか。
個人的にも社会人入学というと受験一直線で世間知らずのまま医師になったストレート組と比べて良くも悪くも世渡り上手と言うのでしょうか、少なくとも自ら艱難辛苦を求めるような求道タイプはお目にかかった記憶がないのですが、それ故にか一昔前には社会人入学組=厳しい医療現場では使えない人材という偏見も確かにあったように思います。
法科大学院の実例を挙げて社会人入学組は「教育の質がものすごく高い」と言っていますけれども、以前よりもずっと簡単になったはずの国試ですら法科大学院組の合格率は低迷し学校によっては一人も通らないところもある、一方でストレート大学生の迂回路となっている予備試験組の合格率が極めて高いと言う現実をどう考えるべきだと言うのでしょうか?
そういう意味でどうも志の高い学生が集まる云々という主張には眉に唾をつけたくなってしまうのですが、ただ考えて見ますと医療の永続性を担保するためにも労基法無視の奴隷労働などとんでもない、むしろ人の命を預かる仕事だからこそパイロットなどに見られるような厳しい労働管理が必要なのだという流れが近年出来上がってきている訳ですよね。
その点で彼らを一つの目安にして医療現場の無理や無茶を洗い出すということはそれなりに意味があるのかも知れませんが、そうした人材が大勢増えるほどに一般入試組の定員を圧迫する形になりますから、これまた短期的にみますと臨床現場では医師数が増えたほどには手不足感が解消しないということもあるかも知れませんね。

ところで井上弁護士の指摘は非常に重要な点をついていて、弁護士にしろ歯科医にしろ余りまくって食うにも困るような状況に追いやられている方が利用者の側からすると競争原理でサービスもよくなった、待ち時間も減ったと良いことずくめにも見えるはずですが、これに対して医師の側から見るとどうなのかも考えておかなければならないでしょう。
医師の待遇をどのように評価するかは人によって様々な指標が考えられますが、例えば給与面で見ると経済成長だ、バブルだと浮かれる世の中を尻目にかれこれ30年間も横ばいを続けてきた医師給与が、このところの医師不足騒動もあってか地味に上がってきていると言います。
一方で労働環境という点ではさほど改善が見られないどころか、厳しい状況にある施設では逃散が相次いで残ったものも辞め時を探しているような状況だとすれば、結局は給与や労働時間など様々な要素のバランスをどのように求めていくかというコンセンサス不在で医師数をどこまで増やすべきかという話など出来ないはずですよね。
一般的に病院の売り上げは医師数に応じて決まるとも言われる以上、医師数を増やしていけばどこかで診療報酬をさらに切り下げ医療費を抑制すべきだという話にもなってくるはずですが、その頃には若くて給料の安い先生が来てくれるからと高給を取るばかりで働きの悪い老医達がどんどん淘汰されるようにもなっているのでしょうか。

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2012年11月16日 (金)

朝日による橋下氏出自叩きは朝日側の全面敗北

先日も紹介したように週刊朝日による橋下氏攻撃報道に絡んで橋下氏が朝日系列各社を取材拒否したという問題で、マスコミ側からは逆にこんな抗議が出ていたというニュースからお伝えしましょう。

取材拒否に抗議 マスコミ労組「言論統制」(2012年10月31日産経ニュース)

 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長が自身の出自を題材にした週刊朝日記事をめぐり朝日新聞の取材を一時拒否した問題で、新聞労連や民放労連の近畿地連などが加盟する関西マスコミ文化情報労組会議(森川啓一議長)は31日、「取材に対する差別的な取り扱いは言論統制にあたる」との抗議文書を発表した。

 文書は10月27日の同会議の定期総会で採択した特別決議。

 橋下氏の一連の対応を「メディア取材の許認可権を持つかのような振る舞い」だと指摘。「首長であり国政政党代表の橋下氏が自己の裁量で取材の可否を決めることに強く抗議する」とした。

当然ながらこの「差別的な取り扱い」云々に対して世間からは「おまえが言うな」の大合唱ですが、朝日と言えば先日は朝日新聞の公式アカウントが中国の中国版ツイッターに「日本人は蔑称で呼ぶべきだ」とつぶやいて話題になっている真っ最中で、どうも世間一般との間には差別的という言葉の意味合いに関していささか認識の相違があるようですね。
さて、そもそもの問題の発端は以前からマスコミ各社が橋下氏の出自を批判的に取り上げる記事を繰り返し報道していたところにあるのですが、今回はとりわけ差別的な内容に踏み込んでいることが明白であったため、同業者の間からも「なぜこんな記事が通ったんだ?」と疑問の声が上がるほどでした。
それに対して当初は冒頭の記事にもあるような業界内での後押しも得て断固徹底抗戦の構えすら見せていた朝日側でしたが、唐突と言っても良いほど態度が豹変したことが報じられています。

発行元の社長、異例の引責辞任 週刊朝日問題(2012年11月12日産経ニュース)

 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長の出自を題材とした「週刊朝日」の連載問題で、出版元の朝日新聞出版の篠崎充社長代行ら3人が12日、大阪市役所で、橋下氏への謝罪や連載経緯の説明を行い、同日午前の臨時取締役会で神徳(こうとく)英雄社長の辞任などを決めたことを明らかにした。掲載記事をめぐり発行元の社長が辞任するのは極めて異例

 面会は橋下氏の意向で公開で行われ、篠崎社長代行らは「市長とご家族、多くの関係者にご迷惑をかけ深く反省している」と謝罪、深々と頭を下げた

当時の編集長と副編集長を停職・降格

 続いて、親会社の朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」がまとめた連載経緯を検証した報告書を橋下氏に提出。同委の見解によると、記事は「橋下氏の出自を根拠にその人格を否定するという誤った考えを基調としている」とし、「報道機関として、あってはならない過ち」と指弾。

 記事の主要部分が信憑(しんぴょう)性の疑わしい噂話で構成され、編集部でのチェック態勢が的確に機能していない点も指摘し、さらに、執筆者のノンフィクション作家、佐野真一氏についても「人権や差別に対する配慮の足りない点があった」と批判した。

 朝日新聞出版は同日午前の臨時取締役会で「人権を傷つけたことを重大に受け止めたい」として神徳社長の辞任のほか、河畠大四前編集長と記事を担当した副編集長をそれぞれ停職3カ月と降格処分とすることを決めた。

 説明を受け、橋下氏は「すべて理解し、すべて納得できた」と答えた。ただ、連載が問題化した後も幹部が掲載号を宣伝していたことが報告書に触れられていないことに対しては、「不十分だと思う」と苦言を呈し、篠崎社長代行らも「ご指摘の通りだと思う」と応じた。

橋下氏VS朝日 佐野氏「配慮欠いた」 朝日新聞社「再発防止策、厳しく求める」(2012年11月12日産経新聞)

 週刊朝日の連載問題について、執筆者のノンフィクション作家、佐野真一氏と発行元の朝日新聞出版の親会社である朝日新聞社が12日、それぞれコメントを発表した。

 佐野氏は「私の至らなかった最大の点は、現実に差別に苦しんでおられる方々に寄り添う深い思いと配慮を欠いたこと」とし、「それらの方々をさらなる苦しみに巻き込んでしまったことは否めません」と陳謝した。

 朝日新聞社広報部は「差別を許さず、人権を守ることは朝日新聞社の基本姿勢であり、当社グループ全体が共有すべきものです。再発防止策が確実に実行されるよう、厳しく求めていきます」などとした。

【社説】週刊朝日問題―報道の自覚に欠けた(2012年11月14日朝日新聞)

 橋下徹大阪市長をめぐる週刊朝日の記事について、外部識者でつくる朝日新聞社の「報道と人権委員会」が見解を出した。
 記事は、出自を根拠に人格を否定するという誤った考えを基調としており、人間の主体的尊厳性を見うしなっている――ときびしい批判が並んだ。
 小紙社説の執筆を担当する論説委員室も、指摘はもっともだと考える。すぐちかくで働く仲間がおこした過ちであり、痛恨の極みというほかない。

 橋下氏は国民が関心をよせる公人のひとりだ。生い立ちや親族を取材・報道すること自体は否定されるものではない。
 だが、委員会の見解を引くまでもなく、生まれで人格が決まるような考えは明らかな間違いだ。また、一般にふれてほしくない事実を取りあげる場合は、必要性が伝わり、そこに踏み込むだけの説得力が求められる。ところが、記事からそれを読み取ることはできない
 具体的な地名をあげ、被差別部落があると書いたのも配慮を欠く。差別事件が題材のときなど、必然性があって明示する場合もある。しかし今回、言及した理由はどこにあったのか

 タブーを恐れず本音で切り込むことこそ、メディアの使命であり、雑誌の役割も大きい。だからといって記事の精度が低かったり、人権をないがしろにしたりする行いが許されるわけではない。当然の理だ。
 私たちはこれまで社説で、表現・言論の自由の大切さを繰りかえし唱えてきた。
 知識や意見、それに対する反論を伝えあい、共有することによって、ものごとを考え、議論を深める土台が形づくられる。民主主義を、強く、たしかなものにするために最も大切なものが、表現の自由である。
 マスメディアだけの権利でないのはもちろんで、社会全体で守り、育てていくものだ。

 一方で表現の自由は、名誉やプライバシーなど他の重要な価値としばしば衝突する。
 その調和をどこに求めるか。表現にたずさわる者が悩んできたテーマであり、これからも悩み続ける課題だ。そこにしっかりと向きあわず、今回のようなひとりよがりの表現行為に走れば、人びとの批判を呼び、やがては公権力による介入など、深刻な事態を招く
 読者から「新聞と週刊誌で会社が別だといって他人事の顔をするな」との声も数多く届く。
 この過ちをわが問題と受けとめ、社会の期待に応える報道とは何か、足元をかためて、その実現に取り組んでゆきたい。

第三者機関による検証を携えて社長が直接出向いて頭を下げたのみならず、記事を書いた作家から親会社に至るまで「わが問題と受けとめ」謝罪したと言うのですから朝日系列を挙げて橋下氏に完全屈服の形ですが、あそこまで激情して見せた橋下氏側もこれを受けて「全て理解し、納得できた」と一転して矛を下ろしたという形なのは、市長選挙戦の際と同様にマスコミを手玉にとっての戦術ということにもなるのでしょうか。
しかし今回の件に関して親会社である朝日新聞が見解を公表していますけれども、この中で公表されている記事掲載に至る一連の経緯を見てみますとどうもたまたま偶然そうなったという話でもなさそうに思われますね。

橋下氏VS朝日 「書いていいのか!」締め切り間際の攻防、時間切れで掲載(2012年11月12日産経新聞)

 「こんなことを書いていいと思っているのか」。掲載前、連載記事の原稿を見た朝日新聞出版の雑誌担当幹部は河畠大四・週刊朝日編集長(当時)に電話でまくし立てた-。週刊朝日の連載問題を検証した「報道と人権委員会」の報告書では締め切り前日に社内で疑問の声が上がる中、河畠氏が掲載を決断する経緯が記され、同委は「最後は『時間切れ』の状況で掲載」と指摘した。

 報告書などによると、連載は日本維新の会代表、橋下徹大阪市長の人物評伝として検討され、部数増対策の一環に位置づけられた。橋下氏の政治信条や人格に出自が投影していると考え、出自を記事にすることを決めたといい、担当デスクは「他誌がどんどん報じており、自分の中で(書くことの)ハードルが下がった」と振り返った。

 発売日1週間前の10月9日、ノンフィクション作家の佐野真一氏が執筆した原稿が担当デスクに届けられた。河畠氏が目を通したのは締め切り前日の12日。河畠氏は部落差別に関する複数の問題点をデスクに指摘するとともに、原稿を雑誌担当の幹部にメールで送った。

 「掲載できると思っているのか」。幹部は河畠氏に電話を入れたが、幹部と河畠氏は「激しくやり合った」(報告書)。この幹部は雑誌編集の経験が長い社員に原稿を見せ、「出自が悪い者はろくなやつがいないという考えが誤り。完全な差別表現で、ダメだ」との意見を得た上で、再び河畠氏に迫った。

 河畠氏はデスクに佐野氏と交渉して原稿の直しを検討するよう指示し、13日夕に数点の修正が入った。幹部はさらに文章の一部削除を求めたが、最後は河畠氏が「これは佐野さんの原稿です。これでいかせてください」と押し切った

 締め切り間際の修正をめぐり、佐野氏は同委に「(週刊朝日から)指摘があったところで飲めないところはなかった」と説明しているといい、同委は報告書で「言い分が食い違っており、社内の指摘が佐野氏に的確に伝えられたか疑問」と指摘している。

ネット媒体に慣れ親しんだ人間の目からすると、そもそも速報性という点で圧倒的に劣る週刊誌というメディア、そして別に何ら緊急性もない内容の記事で締め切りの時間切れがチェックが不十分となった理由という結論も釈然としないものがありますが、編集部では他紙が類似の報道を出していることに橋下氏から特に抗議がなかったことから問題ないと判断したと主張しています。
社会通念上も許容されざる差別であっても当事者の抗議さえなければやってもいいと判断するのも相当おかしな話ですが、おもしろいのは当初の各紙の記事ではまるで当事者意識も何もなく編集部側に丸投げのようなコメントばかりが報じられていた執筆者の佐野氏側では「指摘があったところで飲めないところはなかった」と言っているということです。
一方で編集部側の主張では佐野氏側に差別的表現の削除などかなり抜本的な記事内容の修正を要求したものの、当時同氏が多忙だったためか「締め切り日である13日夕刻,数点の修正を行った」のみで、さらに繰り返して地区特定部分などの「削除を強く求めたが訂正されなかった」ためやむなくそのまま掲載したと言っているのですから、どうも双方の言い分に食い違いがありますよね。

原稿自体はかなり早い段階で届いており修正の機会は十分あったものを、表紙の校了日まで担当デスクレベルで留め置かれたことが判明しており、当然ながらこれをそのまま掲載するのは無理だと突っ返した雑誌統括に対して最後は「これは佐野さんの原稿です。これで行かせてください」と編集側が押し切ったとされていますが、確信犯的に修正削除の余地がない「時間切れ」となるまで放置していたとも受け取れる話です。
前述のような食い違いもあって検証では「編集部はデスクを通じて佐野氏にすべて伝えたとしているが(中略)佐野氏に的確に伝えられていたかどうか疑問」とわざわざ書いているくらいで、掲載に至る一連の流れは問題のある記事を通すために意図的に行われたのだとすれば非常に納得がいくのですが、弁護士としてこの種の謎解きには慣れているはずの橋下氏も「全て納得した」とツッコミもせずに終わったことも興味深いですね。
いずれにしても各メディアは専属チームまで結成して橋下氏のゴシップ探しをしていると言いますから今後も同種の事件は発生しそうですが、相手が反撃の手段も能力も持っている橋下氏であるだけにいつもの調子でやるたびにまた大きなカウンターパンチを食らうことにもなりかねず、結局は橋下潰しを狙っているようでまたぞろ気がつけば同氏の戦略に乗せられていたということになるのかも知れません。

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2012年11月15日 (木)

自由診療に絡んだ話題二題

医療機関の消費税損税問題というものが早急に是正すべきだと言われていますが、一方で益税問題というものも是正が検討されているというニュースからお伝えしましょう。

医療機関の「益税」是正へ 政府税調、自由診療多い機関対象 (2012年11月12日日本経済新聞)

 政府税制調査会は12日の会合で、医療機関の税負担が減る「益税」の原因とされる納税制度を見直すことで合意した。社会保険の対象にならない自由診療で多額の収入がある医療機関は、実際よりも多く経費が計上できる可能性がある「概算経費」の適用から外す。収入の大きな医療機関が税負担で優遇される事態を回避する。

 医療機関が収入から差し引く経費を計算する際に、一定の「概算経費率」を適用する対象から自由診療の多い医療機関を外す。厚生労働省の提案に沿って調整を進めることにした。2013年度税制改正での実現を目指す。

 現行の制度は社会保険の診療報酬による収入が5000万円以下の小規模な医療機関が対象。事務負担を軽くするのが目的だが、実際の経費を概算の経費が上回れば、課税対象の所得が減って税負担が抑えられることになる。

 医療機関には診療報酬が少なくても、自由診療で多額の収入のある場合がある。厚労省の調査では制度を適用された医療機関のうち総収入が7000万円を超える層では4割以上が自由診療の収入だった。規模の大きな医療機関は経費率が低い傾向にあり、概算経費を適用すれば「益税」となっている可能性がある。

 制度の問題点は会計検査院も指摘していた。ただ、概算経費率そのものが実際の経費率に比べて高すぎるのではないかという指摘に対しては、厚労省が実態に近いとする調査結果を提示した。今後、詳細なデータを追加して議論を進める。

この診療報酬5000万以下の医療機関に概算経費率を認めるという制度、昔からマスコミなどは「医師優遇税制だ!」などと盛んにバッシングを繰り返してきましたけれども、医師一人あたり平均の診療報酬収入が1億円という日本の保険診療においては、これは経費計算など到底出来ないような老医が奥さんを事務員にして細々と続けているような零細開業医の救済を念頭に置いた制度だったわけですね。
ところが以前にもお伝えした通りこの「診療報酬5000万以下」というくくりが最近また問題になってきていて、記事にもあるように保険外診療でがっぽり儲けている自由診療クリニックなどが保険診療分は5000万以下だからとこの制度で過剰な経皮を認めさせるということも理屈の上では可能ですよね(幸いにも報道などから見る限り、実際にそうした行為に走っている金満クリニックはほとんどいないようですが)。
いずれにしても制度の趣旨も考えれば保険外が主体の自由診療クリニックに対しての対策は当然必要だとは思いますが、この自由診療クリニックの問題に絡めてもう一つこういう記事も紹介してみましょう。

不妊治療保険、金融審で議論…合意得られず(2012年11月13日読売新聞)

 金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会は12日、不妊に悩む人を対象にした「不妊治療保険」を認めるかどうかを議論した。

 不妊治療には、健康保険の対象外も多いため、経済的な負担を軽くする狙いだ。しかし、商品設計が難しいことなどから慎重な意見もあり、合意は得られなかった。金融庁は今後、合意が得られれば、来秋にも関連法令の改正を目指したい考えだ。

 不妊治療では、体外受精では1回あたり30万~40万円が必要とされる。公的な助成制度も一部あるが、治療を受けるカップルにとっては大きな経済的負担だ。

 不妊治療保険が実現したとすると、治療にかかった費用の一部を事後的に補償する形になるとみられる。

 ただ、事前に不妊であることが分かっている人に対してどのように対応するかや、男性も対象にするかなど、クリアすべき課題も多い。参入には消極的な保険会社もある。

不妊治療に関わる一つの問題は非常に高額の費用がかかってしまうことで、体外受精や顕微授精などの治療を受けるごとに大きな金額が飛んでいく、しかも保険がきかないわけですから全額自己負担で、先日は金融庁がこの方面に民間保険を使えるように出来ないか検討しているというニュースが出ていたことはお伝えした通りですが、どうもうまくいかないらしいというところでしょうか。
一方では高齢化著しい昨今の妊娠・出産年齢とも絡んで、どう見ても今さら妊娠は無理だろうという高齢出産希望者に経済的制約が自然と治療終了の目安を伝える役に立っているという意見もありますが、金銭負担の面で大きなアドバンテージを持っている著名人高年齢者が相次いで不妊治療に成功したというニュースがこうした一般人希望者を呼び込んでいることを考えると、何やらうまく宣伝に乗せられてるようで釈然としない思いもします。
前回コメント欄にも意見が寄せられましたように、不妊治療のみを対象にするとなると保険料を払う人がほぼそのまま保険を利用する人になるはずですから保険としての扱いが難しい、そして不妊治療以外も対象にした一般の民間保険に組み込んでしまうと大多数の利用者は自分と関係のないところで保険料負担が引き上げられる可能性が出てくると、制度設計は確かに難しそうですね。

少子化が叫ばれて久しく、不妊治療も年々利用者が増えているわけですから国としても何らかの助成措置などは考えているはずですが、こうした保険外診療が増えれば増えるほど当然一部の自由診療クリニックが大きな収入を得るようになる、その結果冒頭に挙げたような益税問題もますます顕在化してくる可能性が出てきますね。
そしてより大きな問題としてはこうした不妊専門のクリニックはお産そのものにはタッチしていない場合が多いのですが、高齢妊娠・出産の増加に伴い様々な合併症トラブルも増えてくることが明らかになっていて、母胎の健康は元より例えば胎児異常に伴う人口妊娠中絶が倍増しているといった、妊娠後のフォローアップの方が大変だという現実があるわけです。
近年崩壊が叫ばれているほど過酷な産科の現場から見れば、自由診療で好き放題にお金を稼いだ不妊クリが一番面倒でトラブルにもなりやすいところだけを押しつけてきているようにも見える形ですから、このままイケイケで前のめりに進ませるばかりではいずれ格差の拡大から「やってられない」ということにもならないかと心配になってきます。

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2012年11月14日 (水)

変わりつつある高齢者救急医療

先日こういう記事が出ていましたが、ご覧になりましたでしょうか。

「延命治療せず」救命センター6割経験 搬送の高齢者に(2012年11月11日朝日新聞)

 【辻外記子、月舘彩子】全国の救命救急センターの6割以上が、過去1年間に高齢者に対して人工呼吸器や人工心肺などの装着を中止したり、差し控えたりした経験のあることが、朝日新聞社の調査でわかった。救命医療で「最後の砦(とりで)」とされる救命センターでも、回復が見込めない患者に対し、家族や本人の希望があれば、延命治療を控える動きが広がっていた。

 最も重症の患者を診る3次救急を担う全国254の救命救急センターに10月、高齢者への終末期医療の実態を聞いた。57%の145施設から回答があった。

 この1年に救急搬送された65歳以上の高齢者に、人工呼吸器や人工心肺、人工透析などの積極的な治療を中止したり差し控えたりした経験の有無と件数を尋ねた。この結果、63%にあたる91施設が「ある」と回答した。呼吸器の中止・差し控えは計302件あり、このうち、患者の年齢や病気名など具体的データを挙げた中止例は14件あった。人工心肺の差し控え・中止は37件あった。

思えば昨年末の厚労省の指針案を受けて今年初めに老年医学会が終末期高齢者に治療差し控え、中止もあり得るという見解を示したように、この一年ほどで長年の懸案となっていた高齢者終末期医療が大きく動き始めた感がありますが、やはりその背景にあるのは過度の医療に対する違和感が医療現場のみならず国民の間にもようやく滲透しつつあるということなのでしょうか。
特に今回の記事で注目していただきたいのが救命救急センターという特殊環境であってもこうした動きが広がってきているということで、当然ながら日常的に高齢者医療に従事して「引き時が判っている」市中病院であればさらに一般化してきている対応だと考えられそうですね。
ひと頃は何にでも対応出来るだけの設備とマンパワーを持つ高次医療機関が高齢者にも後先を考えずフルコースの濃厚治療を行った結果、かろうじて命だけは取り留めたものの他施設に引き受けてももらえない状態になって苦労しているというケースがまま見受けられましたが、当然ながら救命救急センターのような施設のベッドがこうした高齢者で埋まっているというのは救急崩壊とも呼ばれるこのご時世に全く望ましくないことです。
もちろん経営側にしてみても平均在院日数やDPCによる顧客単価引き上げなどから入院期間短縮を望んでいるはずですし、素朴な国民感情にも合致すると基本的に良いことずくめに思える話ではあるのですが、こうした情勢変化と関連して高齢者救急の変化を伝えるこちらの記事も紹介してみましょう。

高齢者救急が敬遠されなくなったワケ(2012年11月13日日経メディカル)

 少々古い話で恐縮だが、私が所属する『日経ヘルスケア』では1999年に、「救急こそが中小病院の生き残り策」と題したリポートを掲載したことがある。

 「救急医療は不採算なのになぜ『生き残り策』?」と思われるかもしれないが、救急の採算性は救急外来だけでなく、そこから入院に至ったケースまで含めて考える必要がある。

 急性期病院は、平均在院日数を短縮させつつベッドを空けずに埋めていく、つまり病床回転率を高める努力が求められている。救急患者は入院に移行するケースが多いから、救急を強化することは新規入院患者を増やしベッドの回転率を高める上で有効だ――。99年の記事を要約すれば、こんな内容になる。

 この構造は今も全く変わっていない。ただ、当時、中小病院が確保しようとしていたのは、若年層を中心とした入院診療単価が比較的高い患者だ。疾患にもよるが、高齢者は診療単価が低くなりやすい上、入院期間が長期化するリスクがあるため敬遠されがちだった。

 ところがここ数年、風向きが明らかに変わりつつある。地域密着型の中小病院が、高齢者救急に積極的に取り組み始めているのだ。

 大きな理由は、高齢救急患者の増加。小児や成人の救急搬送数は2005年をピークに減少傾向にあるのに対し、75歳以上の高齢者は年々増加しており、2010年にはついに小児・成人を上回った(図1)。

図1 救急搬送された高齢者(75歳以上)の数と重症度の内訳(消防庁の「救急・救助の現況」による)(*クリックすると拡大表示します)

 一方で、平均在院日数短縮への圧力が一層強まり、大病院がこぞって救急に力を入れた結果、中小病院は若年層の患者を確保しにくくなった。こうした事情から、「急性期病院として生き残っていくため、高齢者救急に取り組まざるを得ないと腹をくくった一般病院が増えている」(全日本病院協会常任理事の猪口正孝氏)わけだ。

病院長が介護施設に「トップ営業」

 高齢者の救急受け入れを増やすとなると、入院期間の長期化を防ぐ対策が不可欠。そこで重要になるのが、退院後の受け皿となる施設の確保だ。特に、在宅医療を手がける診療所や介護施設は、退院後の受け皿となる上、患者の“供給源”にもなる

 そのため、高齢者救急に舵を切った中小病院は、診療所や介護施設との連携強化に動き出した。その動向は『日経ヘルスケア』11月号で紹介したが、関東地方の100床規模の病院では、院長自らが周辺地域の介護施設を訪問する「トップ営業」で介護施設側との信頼関係を築き、急性増悪したり外傷を負った入所者の受け入れを着実に増やした。病院長が介護施設を回って営業するというのは、一昔前では考えられなかったが、中小の急性期病院の入院患者確保はそれだけ厳しくなっているということなのだ。

 本来であれば重症患者を診るべき高次救急医療機関に、高齢者をはじめとする軽~中等度の患者が多数搬送されている需給のミスマッチの問題は、依然解消していない。だが今後、高齢救急患者の受け入れに注力する中小病院が増えれば、この問題も改善に向かうかもしれない。「腹をくくった」経営者たちの取り組みは、中小病院の生き残り策という枠組みにとどまらず、「救急再生」の観点からも大いに注目される。

もちろん経営者が一生懸命「うちに患者を送ってください」と営業活動をしてまわっても、現場の医師が必ずしもそれを喜んでいるかはまた別の問題ですし、あまりその乖離が激しくなれば逃散等の行動を招くのだと思いますが、以前のように高齢者=治療後も面倒くさいと敬遠=どこにも搬送先がないという高齢者救急受け入れ困難のケースが妙なところから解消傾向にあるということでしょうか。
高齢者にしてももちろん着実に治療効果が上がり、予定通りに退院に持って行けるようなケースでは特に面倒もないのですが、例えば施設から搬送されてきた難しい患者を一生懸命治療して何とか一命は取り留めた、しかしADLが低下して「こんな状態じゃうちでは引き取れません」と施設側から帰還を拒否され困っているという場合もありえますよね。
若い人であれば「病気が良くなる=前と同様元気になる」の関係がおおむね通用しますが、高齢者になると病気が良くなっても体力は確実に落ちるし全身状態も悪化していくしで元通りになることの方がむしろ少ない、そして国からは入院はとにかく短くしろと圧力がかかっている医療現場にいくら家族が「前と同じになるまで入院させろ!」などと言ったところでそれは無理というものです。
そんな中でもし明らかにこれは命を保つのも難しい症例だ、仮に運良く助かっても極めて不安定な状態にしかならないだろうという症例だけでも最初の段階できちんと見極め対処出来るならば、見込みの乏しい症例に多大な労力をつぎ込んで結局報われないまま現場の疲弊と切りまくられたレセプトの山だけが残ったというケースは確実に減らせそうに思えます。

無論のこと、人が人の寿命を決めるという事に抵抗感があるのは当たり前で、例えば高福祉で有名な北欧諸国などでは「自力で食事が食べられなくなったら何もせずに看取る」という対応が社会的に当然のことと認められているくらいですから、日本からすると終末期医療というものに極めてドライな感覚を持っているようにも見えます。
安楽死が認められている米国はオレゴン州などではがん患者に対して「抗がん剤治療の公的保険給付は認められないが自殺幇助なら給付を認める」という趣旨の通知が届くと言いますし、同じく安楽死が合法化されているオランダには25歳以上の重症脳損傷患者を治療するための専門医療機関が存在せず、ナーシングホームでは高齢認知症患者に積極的安楽死も行われていると言います。
日本ではそうした国々の現状に対して「さすがにそこまでは…」と控えめな死生観を持つ人々が主流派だと考えられますが、逆に言えばそうした控えめな日本人の死生観から見ても「それはちょっとやり過ぎでは…」と思われるような延命治療の横行とは、世界的基準から見ればまさにあり得ないレベルだと言うことになるのでしょうか。
多くの諸外国では延命医療を規制する第一の要素は医療費負担で、何しろ残された家族が物理的に治療費を払えない以上は延命治療の打ち切りや延命治療そのものを受けないという選択肢も当然のものとして社会的にも許容されていますが、老人は長く入院させておくほど年金との差額で儲かるという日本のシステムでは気長に医療現場と国民認識の変革を待っていくしかないのでしょうか。

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2012年11月13日 (火)

医学部定員上限が140人まで引き上げに

何気なくニュースをチェックしていましたら、先日こんなびっくりするようなニュースが目に入りました。

なんと東大法学部が初の定員割れ 法曹志望、公務員志望減少が影響か(2012年11月7日週刊ダイヤモンド)

 今年、東京大学法学部が初めて定員割れした。最難関の大学、そのなかでも看板学部の定員が割れた。こう聞くと、驚く人もいるかもしれない。

 ただ、これは東大特有の仕組みがあるがゆえの話。決して入学試験の定員が割れたのではない。東大は、文科I、II、III類、理科I、II、III類という区分けで入試を行う。入試時点では学部の枠で募集をしないのである。専門課程の学部に入るのは大学3年からだ。

 文科I類(以降、文I)は、入学者の多くが法学部に行く。実は定員割れをしたのは文Iではなく、専門課程としての法学部である。なんだと思う人もいるだろう。しかし、法学部の定員割れの裏には、司法試験離れ、公務員離れがあると推測されるから、事情は単純ではない。

 まず、東大における3年以降に所属する学部学科を決める仕組み、進学振り分け制度を説明しよう。2段階に分けて、選抜をしていくのだが、大学2年の6月時点で学部学科の志望を第1段階、第2段階に分けて登録し、9月上旬に第1段階、同下旬に第2段階の進学内定者が決定される。

 法学部の場合、文Iからの受け入れ人数が圧倒的に多いのだが、文科I類以外からの受け入れ枠もある。今回、定員割れをしたのは、第2段階の文Iからの受け入れ枠である。118人の枠に対し113人にしか志望者がいなかった

 文Iであるから、ほとんどの学生が入学時には法学部を志望していたはずである。文Iの入学者数は440人強。一方、文Iからの法学部の受け入れ枠は、第1段階と第2段階会わせて395人と文Iの入学者数は40人強少ない。入学当初から法学部以外に進学すすることを予定している学生もいるにしても、定員割れをしたという事実は文I生における法学部人気の陰りを意味していると言える。

 東大法学部は、法曹志望者、公務員志望者が多いのは言うまでもない。授業もきびしく、履修者の4分の1が単位を落とす科目もある。法曹や公務員志望者ではない民間企業への就職志望者を下に見る風潮があるという。当初から民間企業に就職するつもりあれば、わざわざ授業が厳しい法学部に行かなくてもよいと考えても不思議はない。

 今や司法試験に合格しても、弁護士として就職するのは楽ではない。財政危機ゆえに公務員の人件費削減が声高に叫ばれ、いわゆるキャリア公務員の天下りに対する目は厳しくなっている。そうであれば、東大生であっても法曹や公務員志望が減るのは無理もない話だ。法学部の定員割れはそうした志向が端的に表れたケースと言えよう。

記事にもあるように東大法学部と言えば官僚予備校的な側面もあり単純に法曹離れとは言い切れないところがありますが、司法の道に進むにしても法科大学院が余りすぎて定員縮小が言われている中、わざわざ留年のリスクが高い東大でなくとも良いという考えも影響していたであろうことは想像に難くありませんね。
先日も書きましたが高い学費と長年の年月を費やして法科大学院に進んでも合格率は低い、一方でやる気のある優秀な学生には予備試験経由での司法試験合格というバイパスルートが用意されているため、今年の国試では法科大学院修了者の合格率が24%にとどまったのに対して今年初めて参加した予備試験組は実に合格率68%と、圧倒的な格差がついたという事実があります。
元を正せば弁護士人口を増やすということで始まった現在の新司法試験制度ですが、そもそも「目標と実績の乖離が大きい」と総務省からもチェックが入るような見通しの甘さが顕在化していて、しかもすでに弁護士過剰で就職もままならないと現場が悲鳴を上げているとなれば、結局制度改革の意味とは何だったのかと言われかねませんよね。

以前にも何度か取り上げて来たところですが、近年弁護士のみならず歯科医公認会計士など相次いで定員を増やしてきた、そしてその結果だぶつきが発生し歯科などすでにワープア化しているとも言われている中で、今最も注目されているのが医師もその後を追うのかどうかと言う点ではないでしょうか?
すでに医学部定員が大幅に増やされ「そろそろこれくらいにしておいては…」という声もある中で、地方からは医師数地域格差是正のためという名目でさらに医学部新設も図るべきだという声も根強くありますが、地域の医大卒業者の過半数が県外に出て行くような状況でさらに新設をしたところで必ずしも偏在が解消するという保証もありません。
新設にかかるコストやその効果を考えれば国にしても今さらおいそれと新設を認める機運にはないらしいとは感じられるのですが、その代償的行為というべきなのでしょうか、以前にその概略が伝えられてきたあの話がいよいよ本決まりになったというニュースをお伝えしましょう。

医学部「入学定員」の上限は、“125人”から“140人”へ(2012年11月5日旺文社教育情報センター)

「地域枠」定員増を対象に、25 年度~31 年度までの臨時的措置

文科省はこの程、地域の医師確保と地域医療向上のため、都道府県の「地域医療再生計画」に位置づけられる医学部入学定員の「地域枠」における定員増を対象に、現行の入学定員125 人の上限を140 人に引き上げる大学設置基準の改正を固めた。
今回の大学設置基準の改正は、25 年度から31 年度まで適用される臨時的な規定である。また、定員増に伴い、十分な教育体制が確保できるように入学定員数(収容定員数)に応じて、専任教員数等も改正される。

<医学部の定員数等に関する規定>
○ 大学設置基準改正の背景
医学部(医学科。以下、同)の入学定員数(収容定員数)については、現行の大学設置基準上、“原則120 人”(収容定員数720 人)までとされている。
このような原則規定を維持しつつ、「地域の医師確保、地域医療の向上」のための定員増に資するよう臨時的な措置や制度改正も行われている。

① まず、22 年度の「地域の医師確保対策」に対応して、22 年度~31 年度までの10 年間、「地域枠」の入学定員を増員する場合、入学定員を“暫定的に125 人”(収容定員750 人)まで増員できるとされた(21 年、大学設置基準改正)。
② 上記①の定員増措置から3 年目を迎えた24 年度現在、医学部を設置する国公私立79大学のうち、入学定員が既に125 人に達している大学は、弘前大/岩手医科大/東北大/秋田大/山形大/福島県立医科大/新潟大/山梨大/三重大(地域順)の9 大学で、東北地方の大学が多い

ところで、文科省は先ごろ、25 年度の医学部入学定員増について、22 年度~24 年度と同様の枠組み、つまり、「地域枠」「研究医枠」「歯学部振替枠」の3 つの枠組で臨時的に医学部入学定員増を行うことを発表した(後述)。このうち、都道府県の定める「地域医療再生計画」に基づく「地域枠」による定員増については、もともと医師が少なく、高齢化が進んでいて、東日本大震災の被災地でもある東北地方の各県からの更なる定員増の要望が高いという。
こうした状況から、文科省は、上記①の臨時的定員増と同様、「地域枠」の入学定員を増員する場合、25 年度から31 年度までの臨時的措置として、医学部入学定員の上限を現行の“125 人”(収容定員750 人)から“140 人”(収容定員840 人)に引き上げるために大学設置基準を改正する。
(略)

○ 25 年度定員増に向けたスケジュール
中教審の大学分科会(第110 回、24 年10 月29 日)は、今回の大学設置基準の改正諮問を田中眞紀子文科大臣から受けて審議し、了承可決(10 月29 日)、答申した(10 月30 日)
医学部入学定員増の認可申請(申請期限の特例:24 年11 月12 日~11 月16 日)を行った大学は、24 年11 月中に予定されている大学設置基準の法改正(公布日=施行)の後、大学設置・学校法人審議会の審議・答申、文科大臣の認可を経て、24 年12 月中には医学部の定員増が決まる予定である。
(略)

しかし最近話題の某文科相の名前が出ていますが、今の情勢で本当にすんなり決まるものだろうかと一縷の不安はありますけどね…
上記の「入学定員が既に125 人に達している大学」の顔ぶれを見ても判る通り、東北を初めとするいわゆる医療過疎地域からの強烈な突き上げが背景にあったということなのでしょうし、いわゆる医師余りへの懸念に対する答えが地域枠限定ということなのでしょう。
「都道府県の定める地域医療再生計画に位置づけられる医学部定員増の場合、一定の要件の下、これまでの臨時的定員増と同様に平成31年度までの間臨時的に医学部収容定員を840人(入学定員140人)とすることを可能とする。」という文言通り自治体のバックアップの元で運用するようですが、この地域枠というものは地域で一定期間就業する代わりに学費は負担しますという制度になっているわけですね。
せっかく定員を増やしても地域に残らなければ意味がない以上これは当然の流れにも思えますが、教員増加や奨学金支給等々といった応分の負担が発生するわけですから、関連する諸経費をどのように分担するかで今後は摺り合わせが必要でしょうし、いずれどこかの議会でも取り上げられることになるのかも知れません。
また卒後数年間の御礼奉公を果たした後はむしろ今まで以上に県外脱出が増えてくるかも知れず、長期的に地域の医師数が本当に増えるのかどうかは今後野検証を待たなければならないところです。

この地域枠問題も以前から何度か取り上げて来たところですが、やはりもともと医師が行きたがらない地域で勤務を義務づけるという関係上応募してくる学生は地元の人間が多いというのは良いとして、多くの大学で地域枠定員割れを起こしていることからも判る通り、医学部人気の今の時代にあっても決して一般入試ほどに多くの志願者を得ているわけではないようです。
これに対して大学側は合格基準を引き下げてでも確保に努めたいと考えているようですが、その結果学生の質が低下し講義について行くこともままならない、留年者・休学者も増えてきていると言われると、このままでは一般入試組の入学者との間で同じ教育を受けることも出来なくなるのではないかと危惧されますよね。
もちろん医師国家試験というものがあって最低限の知識レベルは担保されているじゃないかと言われるかも知れませんが、国試に通りさえすれば何とかなると在学中ひたすら国試予備校まがいの勉強ばかりしてようやく国試に合格した学生がそれほどに質の高い医師に育つとも思えず、結局こうした医師不足地域の医療は今後そうした医師達によって占められていくのでしょうか。
医学教育は基本的に学部内の学生の質が大きく変わらないという前提の元に行われてきたわけですが、これからは卒業後の進路なども含めた多面的なファクターを考慮に入れた上での各人なりの最適な教育プログラムを組んでいかないことには、最終的にそのツケを支払うことになるのは彼らの教育にお金を出した地域住民ということになりかねませんね。

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2012年11月12日 (月)

医療費自己負担是正 日医と現場の温度差拡大

本日の本題に入る前に、ようやくと言うべきでしょうか、先日こういう報道があったのをご存じでしょうか。

年金過払い分:減額、来年10月から…民主案成立へ(2012年11月9日毎日新聞)

 本来より2.5%高い公的年金の支給水準の是正に関し、民主党は8日、当初案より1年遅らせて13年10月から減額する方針を固めた。14年度末まで3段階で計2.5%引き下げ、本来水準に戻す。カットを1年延期すると約1兆円の「払い過ぎ」となるものの、減額に反対する公明党に配慮し、次期衆院選や来年夏の参院選後に先送りした。民主党は政府提出の国民年金法改正案を修正する意向。自民党も応じる方向で、同法案は15日に衆院を通過し、今国会で成立する見通しだ。

 公的年金の支給額は物価の変動などに連動して決まる。だが、00〜02年度は物価が計1.7%下がったのに、当時与党だった自民、公明両党は高齢者への配慮から年金額を据え置いた

 現在の年金額は本来より2.5%高く、累積の過払い額は約7兆円に達した。政府は今年10月から3年で2.5%減額する方針を決定。12年度は0.9%、13、14年度は0.8%引き下げるとし、先の通常国会に同改正案を提出したが継続審議となっている。

 その後、民主党は来年4月からの引き下げも模索したが、結局来年10月からとした。13年度後半と14年度前半に1%ずつ、14年度は後半にさらに0.5%引き下げる。時期を遅らせる分、本来水準に戻す期間を3年から2年に短縮し、年金財政への影響を抑える。

 1%の減で支給月額は国民年金(満額約6万5000円)で約650円下がり、最終的には1600円程度の減額となる。

 厚生年金(標準世帯の夫婦2人分、約23万円)は1%減なら月に約2300円の減で、最終的には約6000円の引き下げとなる。【鈴木直】

現在の状況ではまだ予断を許しませんが、主要政党が合意したということで基本的には過払い分を是正するということは決定的となったと見るべきでしょうか。
年金生活者と言えばバブル以前には社会的弱者の典型のように言われていましたが、近年の平均所得の低迷と共に現役労働者層の貧困化が進んできますと、過去の資産蓄積がある高齢者は一転して最も資産を多く持つ富裕層と見なされるべき存在になってしまいました。
これに加えてデフレ下での支給額是正が政治的配慮から延び延びになってきたことから、年金生活者や生保受給者といった定額収入が担保されてきた人々が優遇された形になっていて、例えば各種公的負担が免除されている生保受給者は実質年収400万相当の生活水準だと言いますから、社会情勢の変化に応じて適宜是正すべき点は是正しようという声が出るのも当然です。
医療の世界においても各方面での声の高まりを受けて高齢者や生保受給者対策が様々に議論されている中で、先日以来お伝えしているように日医や一部政治家による抵抗が根強いことは先日お伝えした通りですが、実は医療の現場に近い人々の間ではいささか異なった見解を持っているらしいという調査結果が出てきました。

生活保護者の後発品「義務化」に賛成過半数- 医師向け調査 (2012年11月7日CBニュース)

 生活保護受給者に後発医薬品の使用を義務付けることについて、医師の54.1%が賛成していることが7日、医師・医療従事者向けサイトを運営するケアネット(東京都千代田区)の調査で分かった。

 調査は10月26日にインターネットを通じて実施。会員医師1000人から有効回答を得た。それによると、「生活保護受給者に後発品の使用を(今後)義務付けること」に関して考えを尋ねたところ、「賛成」は54.1%、「現状のままで良い」は28.9%、「違った方法を考えるべき」は17.0%だった。

 回答者にコメントを求めたところ、「(後発品は)認可されている薬品なので義務付けてもいいのではないか」などと義務化を求める意見がある一方で、「先発品と後発品の効果がまったく同じと保証できない現状では、義務化は困難」などの慎重論も寄せられた。

 そのほかの肯定的な意見としては、「後発品の使用を国策として促進するのであれば、先発品にこだわる必要はない」「経済的な理由から後発品を希望する人が多い中、全額免除の人だけが高い薬を使うのはヒトとして納得できない」などがあった。これに対し慎重論では、「先発品と後発品両方をそろえるのは、医療機関の負担」などの指摘があった。

 また、後発品の中でも、使用を義務付ける対象を限定すべきとの声や、薬代の一部を自己負担にすることで、生活保護受給者が自主的に安価の後発品を選ぶのを促すべきだとの提案もあった。【佐藤貴彦】

医師の7割超、医療扶助の一部自己負担を- ケアネット調査 (2012年11月7日CBニュース)

 生活保護受給者の医療扶助について、医師の7割超が、医療費の一部を受給者に負担させる制度を導入すべきだと考えていることが7日、医師・医療従事者向けサイトを運営するケアネット(東京都千代田区)の調査で分かった。賛成派からは、生活保護を受けていない低所得者との公平性を指摘する意見が寄せられた一方、現状維持を求める医師からは、受診抑制や、医療費の支払いを拒否された場合に医療機関が負担することを懸念する声などが上がった。

 同社は10月26日、インターネットを通じて医療扶助に対する意識調査を行い、会員医師1000人から有効回答を得た。それによると、「医療費適正化のため、生活保護の医療費の一部を自己負担にすること」について聞いたところ、73.1%が「賛成」で、「違った方法を考えるべき」は15.6%、「現状のままで良い」は11.3%だった。

 自由回答では、「少額でも一部負担にすれば、不要な点滴をしたりする人は減る」「(負担がないと)無駄な薬や検査など、何でも要求してくる。医療費の抑制になる」などと負担導入に賛成する声や、「受診抑制を心配するのであれば、その前に、保険料をきちんと納めているのに窓口負担を心配して受診できないワーキングプアと呼ばれる方々に補助すべき」といった公平性を求める意見があった。また、「原疾患で働けなくて生活保護になっている人は、別に扱うことが必要」「軽症疾患には自己負担を導入し、慢性疾患や重症疾患はこれまで通りにしてはどうか」といった提案もあった。

 一方、自己負担導入への慎重論としては、「受診抑制につながる」「一部の不心得者のために必要な人への援助を削るべきでない。不正をなくすために、役人がきっちり精査すべきだ」といった意見のほか、「結局支払われずに病院の負担になる。(病院への)責任転嫁だ」などの指摘もあった。「一部負担にしたとして、お金を払ってくれない人を診療拒否できるなら良い」との声も寄せられた。【佐藤貴彦】

見てみますとかなり赤裸々な意見も出てきているようですが、やはり自己負担が低いことが過剰受信を招き医療現場の疲弊を招いているという共通認識が背景にあるようで、少なくとも際限のない過剰受信は抑制し得る程度の自己負担引き上げはやむなしという意見は妥当なものに思えます。
ただ先日三井厚労相および日医がこれら諸是正策に対して(控えめに表現すれば)慎重な見解を述べたというニュースを紹介しましたが、政治家が選挙も念頭にこうした反対論を主張することは理解出来るとしても、現場医師の代弁者のような顔をして政治とも関わり合っている日医が断固反対を叫び続けているというのはどうなのかです。
もちろん日医会員と言えば開業医および病院の経営に近い上級勤務医が主体で、彼らからすれば生保受給者=取りっぱぐれのない上顧客という認識であるのかも知れませんが、現場で多忙な医療活動を行っている中堅・若手勤務医にすればこうした客層が増えてくるほどに勤労意識を削がれていくわけですよね。
日医の運営が民主的であるとは過去も現在も一度として聞いたことのない話ですが、こうまで現場との意識に乖離を来している組織が現場の代弁者のように振る舞うというのもどうなんでしょうか?

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2012年11月11日 (日)

今日のぐり その1:「ぼっこうそば水仙亭 本店」&「じくや」

エ○画像などネットで幾らでも拾い放題というこの時代、若人が如何ともしがたい煩悩を抱えて一人むらむらしているということ自体があまりなくなっているのかなと思っておりましたら、先日こんなびっくりするようなニュースが出ていました。

17歳少年が自分の陰茎切り落とす 「いつも勃起」が嫌で=中国(2012年11月8日新華網)

【新華網】中国福建省安渓県でこのほど、17歳の少年が自らの陰茎を包丁で切り落としてしまい、病院で縫合手術を受ける騒ぎがあった。少年は医師に対して「いつも勃起しているので恥ずかしい。ずっと悩んでいた」と明かした。東南網が伝えた。

少年は福建医科大学附属第2病院で縫合手術を受けた。手術は夜に始まり、終了したのが翌日明け方。医師は「手術はうまくいった。性機能も時間と共に回復するだろう」と話している。

少年の母によると、少年は成績が良くなかったことから中学2年から学校に行かなくなった。その後、パソコンの教室に通ったがしばらくしてやめ、家に引きこもるようになった。普段はまじめで料理もできるが、人との交流は嫌いで内向的。家でもほとんどしゃべらないという。

心理カウンセラーの葉彦琪氏は「17歳の少年がいつも勃起しているという状況はおかしくない。この少年は誤った知識を持ってしまったために極端な行動に出たのだろう。いつも勃起しているのは良くないこと、不道徳で不潔だと考えていた可能性がある。友達や家族、医師とのコミュニケーションもなかったため、自らを傷つけるしかなかったと考えられる」と指摘した。

色々と本人なりに悩むこともあったのかも知れませんが、しかしこれぞまさしく若さ故の煩悩という感じでしょうかね。
今日は危ういところで難を逃れた少年の息子に祝意を表する意味で、世界各国からこれぞ煩悩!とも言うべきニュースの数々を紹介してみましょう。

104に2700回電話 52歳男逮捕「女性と話がしたかった」(2012年9月20日スポニチ)

 警視庁愛宕署は20日までに、約2700回にわたりNTTの電話番号案内(104)に迷惑電話をかけたとして、業務妨害の疑いで新潟県上越市の無職男(52)を逮捕した。

 逮捕容疑は5月1日から7月29日にかけて、自宅からNTTの番号案内に約2700回電話し、オペレーターが対応するとすぐに切ってまたかけ直すことを繰り返したり、実在しない住所を尋ねたりして業務を妨害した疑い。

 愛宕署によると、男は「女性と話がしたかった」と容疑を認めている。

一体どんだけ寂しいんだよ!と突っ込みたくなるような事件なんですが、しかし人恋しいというのはこういうものなんでしょうかねえ…
「ビタミン?それって禁句!」な偉いお医者サマと言えばご存じ森鴎外ですけれども、彼の若き日の煩悩の後日譚が思いがけず判明したというのがこちらのニュースです。

鴎外「舞姫」モデルの晩年明らかに=ベルリン在住のライターが調査/ドイツ(2012年11月6日時事ドットコム)

 文豪、森鴎外の小説「舞姫」のヒロインのモデルになった元恋人は、地元男性と結婚して第2次世界大戦を生き延び、86歳でベルリンで亡くなった。同地在住のライター、六草いちかさんの調べで5日明らかになった。
 ベルリンに赴いた官吏と踊り子エリスの悲恋を描く「舞姫」は、ドイツ留学した鴎外の体験を反映した作品とされる。1888年に帰国した彼を追うようにドイツ人の恋人が船で来日。鴎外の親族らに説得され、離日したことが知られている。
 六草さんは乗船者名簿の名前と一致する当時21歳の女性エリーゼ・マリー・カロリーネ・ヴィーゲルトの存在を教会簿の出生記録などから割り出した。彼女は66年9月15日、現在のポーランド生まれ。帽子職人として働いていた1904年までの足取りが分かり、昨年単行本にまとめた。
 その後も調査を続け、役所の記録などからエリーゼが05年7月15日に2歳年上のドイツ人男性と結婚したことが判明。男性は18年に死去し、彼女は53年8月4日に老人ホームで亡くなっていた。

しかし幸いにもごく普通の生涯を送っていたようでまずはよかったですけれども、この場合彼の煩悩が後世に残る文学作品に結びついたというのも良かったのか悪かったのか…
ギリシアと言えば財政破綻で国が大変なことになりかねないと大騒ぎしている最中ですが、やはりこういう業界は不景気の波も比較的穏やかなのでしょうか?

ギリシャのサッカークラブ、財政難で売春宿とスポンサー契約/ギリシア(2012年10月24日ロイター)

[アテネ 23日 ロイター] 欧州債務危機の発端となり経済が悪化しているギリシャでは、新たなスポンサーとして売春宿や葬儀場と契約するサッカークラブも出ている。

ギリシャ中部ラリッサでアマチュアリーグに加盟するVoukefalasというクラブは、このほど財政難から地元の売春宿に支援を要請。Yiannis Batziolas代表は、「非常に深刻な財政問題を抱え、(売春宿との契約が)なぜ駄目なんだと考えた」と明かした。

新たなスポンサーは3軒の豪華な売春宿を経営する67歳の女性。クラブの全経費を拠出する見返りに、選手らは売春宿の名前などが入ったピンク色のシャツを着用している。ただ、リーグ側は、このシャツを試合で着ることを認めておらず、現在クラブと協議しているという。

他にも、Voukefalasと20日に対戦したHerculesというクラブも風俗店とスポンサー契約を結んでいるほか、北部のトリカラには葬儀場をスポンサーに迎えたクラブもある。

日本でもパチンコ屋が格闘技のスポンサーをしていたくらいですからさほどに違和感がない気もしますが、やはりサッカーの場合は全年齢オーケーということが重要なんでしょうかね?
その気持ちは全く理解出来ることは出来るとして、本当にやってしまっていいのか少しは迷えよと言いたくなるのがこちらのびっくりサービスです。

ハンバーガーチェーンのちょっとユニークな秘密の割引制度 「美人割引」「いいお尻割引」など/米(2012年9月19日ロケットニュース24)

米テキサス州で店舗展開をしているハンバーガーチェーン「Twisted Root Burger」が、海外ネットユーザーの間で注目を集めている。というのも、このチェーンはお客さんの知らない秘密の割引制度を採用しているからだ。最近とあるネットユーザーによって投稿された画像によると、「美人割引」や「いいお尻割引」などが存在する。そのほかにも以下のようなものが確認されている。

・Twisted Root Burgerの秘密の割引
「素敵なヘアースタイル割引」
「最高の笑顔割引」
「セクシー割引」
「最高の人柄割引」
「超面白い人割引」
「大笑い割引」
「素敵な目割引」

……などなど。全部で20個あるとのことだが、そのすべてはお店の人間しかわからないようである。

なお、割引は一項目につき2セント(約1.5円)となっている。金額は微々たるものだが、こっそり店員に褒められたと思えば、かなり嬉しいに違いない。女性であればセクシー割引や美人割引が適用されれば、なおのこと嬉しいのではないだろうか。

もちろんあくまで洒落っ気からのもので済む程度の割引なのですが、これは割引サービスが沢山適用出来る顧客を集めようという遠大な計画の一端なのでしょうか?
昨今の日本では少々のフェチズムには驚きませんけれども、こちら海外においても意外なフェチズムが思いがけない効能を生んでいるようです。

“ビンタ女性”雇い仕事効率UP、時給8ドルの求人に20人以上問い合わせ。/米(2012年10月23日ナリナリドットコム)

大事な仕事をしている最中でも、ふとした瞬間に集中力が途切れてしまうこともある。そんな時にちょっとした息抜きをして気分転換を図るのは効果的だが、だからといって仕事に支障をきたすほど息抜きの回数が多く、時間が長くなるのも問題だ。仕事中についインターネットを覗いてしまうという米国のある男性は、自分が普段どれほど仕事をさぼっていたのかを計測できるソフトで時間を弾き出したところ、あまりにも多くの時間を息抜きに割いていたことに気が付いてしまった。そこで奮起し、自分が仕事をさぼったら即座にビンタをしてくれる人を雇うことで、仕事の効率を激的に改善させたそうだ。

米ニュースサイトのハフィントンポストや米紙ニューヨーク・デイリーニュースによると、この男性はニューヨークに住むインド系米国人のマニーシュ・セシさん。彼はパソコンに向かう時間が仕事の大半を占めているが、長時間にわたって集中し続けるのはなかなか難しく、気が付くと「Facebookやreddit」などのネットサービスを眺めて時間を過ごしてしまうことも少なくないという。

そんな日々を過ごしていたあるとき、現状に危機感を抱いた彼は「趣味に費やして、生産性の無い時間」を測ってみることにした。すると、1週間で「30時間」もインターネットに費やしていることが分かり、「とても憂鬱になった」そうだ。自営業のため、会社のように上司に管理されないのも問題と考えた彼は、以前放送されていた米国のコメディドラマからヒントを得て、問題を解決してくれる人を雇おうと決めた。

そして彼は、米コミュニティサイト「クレイグスリスト」を使って、「私が仕事をさぼったらビンタしてくれる人」を募集。常に彼の隣に座り、仕事に関係ないサイトを覗いたらビンタをするだけという時給8ドル(約640円)の仕事には、すぐに「20人以上」の人から問い合わせが来た。実際に彼と雇われた人との様子が、YouTubeに「Slapped by Craiglister」(http://www.youtube.com/watch?v=OHGt0_t7Heo)との動画で公開されているが、この時はビンタをしてくれるのが若い女性で楽しんでいたのか、セシさんが満更でもない表情を浮かべているのがまた面白い。

ただ、「有無を言わさず叩いてもらうのは、驚くほど難しかった」というから、“殴り役”は内容を分かって来ているつもりでも、最初は彼にビンタをお見舞いするのに戸惑っていたようだ。

しかしながら、しっかり監視と罰を与えてくれる人を雇ったおかげで、彼の仕事は飛躍的に効率アップした。「RescueTime」というアプリを使って、仕事をした時間とさぼった時間を測ったところ、以前は多かった無駄な時間が激減。週の総労働時間中、以前は仕事をしている時間は「38%」という衝撃的な結果だったが、“殴り役”を配置した際には「98%」になっていたという。

こうして、彼の問題は無事に解決。今回の雇用はあくまでも実験で、今後も継続的に“ビンタをしてくれる人”を雇い続けていくのかは不明だが、彼にとっては罰を与えてくれるという直接的なアクションだけでなく、監視の目がある環境下に置かれたことも、改善の一因になっていたのかもしれない。

実際の状況は是非リンク先の動画を確認いただきたいと思いますが、これが実際に効果があることもさることながら応募が殺到しているというのも持ちつ持たれつと言うことなんですかねえ…
煩悩に揺れるその気持ちは大いに理解出来ることとは言え、その言い訳はどうなんだと思ってしまうのがこちらのニュースです。

ルームメイトの女性のシャワー姿を盗撮していた男「水の消費量を調べていた」/UAE(2012年11月6日らばQ)

カメラの小型化・高性能化が進み、どんな場所でも盗撮の危険がある時代です。
ドバイに住む男性が、ルームメイトの女性のシャワーを隠し撮りしたことで通報されたのですが、その言い訳は変わったものでした。

裁判によると、この男性はカメラを設置して女性のルームメイト2人の隠し撮りをしたことを認めていますが、「あくまで水の消費量を見るためだった」と主張しているとのことです。
ルームメイトの1人であるフィリピン女性(32歳)は、シャワーを浴びた後で、円いディスクを見つけたそうです。
不審に思った彼女は、もうひとりのルームメイトの女性(33歳)に連絡し、ふたりでディスクを開けて中を確認したところ、中にはカメラが入っていました。
メモリーカードをカメラから取り出し、内容を確認してみると、自分たちがシャワーを浴びている姿が写っていたのです。

ふたりが帰ってきた男性ルームメイトに詰め寄ると、男性は認めて謝罪し、口外しないようにと泣き出したそうです。
結局警察に通報され、さらに女性たちのシャワー中の記録は2008年から続いていることがわかりました。
男性は、裁判で「水をどれくらい消費するのかを見たかったから」と答えていますが、現在裁判は係争中で、この言い分が通るかどうかはまだわかっていません。
しかし、水のメーター見るのではダメだったのでしょうか。

言い訳よりも何よりも記事のシャワーの写真が何これ?と言う状態になっているのですが、実際にドバイではこうした感じなんでしょうか?
人間歳をとると枯れてくるという話もありますが、こちら生涯現役を貫き偉大な成果を達成したという人物のニュースです。

性学の研究に没頭した79歳男性が見つけた精力を保つ秘訣 ポイントは「ソフトに」/中国(2012年11月8日新華網)

【新華網】 湖北武昌市に住む79歳の農学専門家である趙さんは、定年退職後に「性学」の研究に没頭し、漢方医薬雑誌で『性学革命』をテーマとした1万字の論文を発表した。趙さんいわく精力を保つ秘訣は、毎日睾丸を1時間ずつマッサージするとのこと。おかげで今でも10歳年下の奥さんと規律的な性生活を送っているとしている。武漢晩報が伝えた。

趙さんによると、睾丸をマッサージするときのポイントは「ソフトに」。まずは両手をさすって暖め、へその辺りに重ねて順番に左右を向き50回ずつマッサージする。それから、親指と人差し指で生殖器のつけ根の左右にある精索を50回ずつひねる。これもあくまで「ソフトに」だそうだ。最後に、生殖器を100回引っ張る。もちろん、「ソフトに」だ。

睾丸を常にマッサージすることは精力をつけるのによい方法とのこと。余談だが、今年6月の健康診断では、趙さんの体は実際の年齢より10歳若いと診断されている。

まさにこれこそ中国四千年の歴史の成果か?!とも言いたくなるような話なんですが、こうした自ら実践し有効活用出来る研究こそ実学と言うべきなんでしょうね。
最後に取り上げますのは平素より大変お世話になっているあの先生が思わぬ煩悩を抱え込んでいる?という話題です。

グーグル先生曰く「女性は狂ってる。あと、ぱんつはいちゃだめ」(2012年10月16日GIZMODO)

性に対するインターネット上の認識は、いろいろな意味で深刻なようです。
過去の履歴やよく検索される言葉をもとに、検索フレーズの候補を自動表示してくれるオートコンプリート機能。ここにはインターネットの姿がもっとも端的に凝縮されているといっても過言ではありません。
ではここで質問してみましょう。グーグル先生、女性について教えて!

...。
「女性は... 狂ってる」
「女性は... 男性より賢い」
「女性は... ぱんつはいちゃだめ」

ちょっ... 先生、今なんておっしゃいました?
疑いつつも結果を再確認してみると、うわーやっぱり書いてありますよ。でもこれ、グーグル先生が悪いんじゃないんだからねっ。だ、だって検索窓にみんながこんな言葉を入力するんだもん。
ちなみに、米ギズモードでケイシー記者のツボに入った検索候補はこちら。

「女性は船乗りと交わらないと思う」
「自分より背の高い女性が好き」
「オレの女が独身なのはいやだ」
「Skyrim内で僕が結婚できる女性はどれ」
「なぜ女性はダンクシュートを打たないのか」
「女性はなぜ男性用ロゲイン(育毛剤)を使えないのか」

思わず、何を検索したかったのか忘れてしまいそうですね。それにしてもスゴいフレーズが並ぶなあ...。

いやまあ…世の中様々な煩悩を抱え込んでいる人間がこれほどに多いということの現れなんでしょうが、それにしてもみんな寂しいんですかね?
ちなみに日本語版のグーグル先生で「女性」と入力してみますと、なぜか候補語に「女性鬼」と表示されあqwrtyふじこ…

今日のぐり その1:「ぼっこうそば水仙亭 本店」

この時期蕎麦屋には「新蕎麦始めました」の掲示が出る頃ですが、こちら岡山市北部にある水仙亭さんでも新蕎麦の季節に入ったようです。
ちょうど開店後間もない時期とあって目の前で蕎麦を切っているのですが、これなら間違いなく打ちたて茹でたての蕎麦が出てくるというものですよね(ちなみに蕎麦職人に言わせると本当の打ちたてをすぐに茹でるとうまく茹で上がらないそうですが)。
しかし壁に貼ってあるお品書きを見てみますと、蕎麦メニュー自体ももそうなんですがサイドメニューも色々と豊富で、しかも一見よくわからないメニューも多いというのが妙に居酒屋っぽい気配もあるんですが、串カツやカキフライ、揚げ出し豆腐まであってもベーシックな天ぷら盛り合わせは掲示されていないというのもどうなんでしょうね。

ちなみに店名にもなっている「ぼっこう蕎麦」とはちょうど割子蕎麦のような感じに盛られた蕎麦のことらしいのですが、今回はごくベーシックにざる蕎麦を注文しました。
やはり蕎麦屋には蕎麦茶だなとすすりながら待っていますとなかなかに雰囲気のある蕎麦が出てくるのですが、しゃっきりしながらもちもちした食感もある蕎麦はもう少し切れ味があってもいいかなとも思うのですが、まずまずの仕上がりだと思いますね。
こちらのかえしも出汁も濃厚な蕎麦つゆはなかなかに好みの加減なのはいいのですが、何しろこの濃い蕎麦つゆが例によって大ぶりの器に盛りきりになっていますから、開店直後ですからあからさまな濃厚タイプの蕎麦湯は仕方ないとしても、それでもつゆの味に完全に負けてしまうのは残念ですよね。

接遇面は特に可もなく不可もなくですが、もう少し混んできた時にどういう風になっていくのかですかね。
それよりも気になったのが創業ウン十年とそこそこの老舗になっている上に元々古民家風の店構えですからそれなりに古式ゆかしいのに、トイレは店舗に似合わず近代的デザインであったりとか(これ自体はまあ、機能面では悪いことではないのですが)、一見アンティーク風な壁掛け時計なのに振り子が止まっていて実はクオーツだと丸わかりだとか、やや詰めが甘い気がする部分でしょうか。
ところで単品千円超えの蕎麦メニューが並んでいて単価はかなり高い店のように感じていたんですが、どうもこのざる蕎麦だけなら決して高くないようでこの辺りはシンプルに蕎麦をたぐりたい向きにも配慮しているということなんでしょうか?

今日のぐり その2:「じくや」

岡山駅西口近くにある古ぼけた(失礼)商店街「奉還町」と言えば、大政奉還で失業した武士達がニワカ商売を始めたのが始まりというなかなかに歴史ある商店街です。
その商店街のメインストリートから少し外れた非常に判りにくい(一見さんはほぼ通りすがることは不可能でしょう)場所にあるのがこちら、江戸前の手打ち蕎麦が売りだという「じくや」さんですが、今時珍しいほど大衆的な価格設定にも関わらず非常にしっかりした蕎麦を食べさせるという隠れた名店です。
本日はこれまたベーシックに「せいろ」と「さらしな」という2種類の盛りを食べ比べてみました。

まずは出てきたのがせいろですが、この蕎麦は硬めなんですがどこまでも滑らかな舌触りといい、しゃっきりした喉越しと共に鼻に抜ける蕎麦の香りといいなかなかにいいですね。
ちなみに蕎麦つゆの方は江戸風のから汁と言っていますが、蕎麦つゆ単独で舐めてみてもこの蕎麦に対して使ってみても気持ち物足りなさが残る程度で、もちろん藪系のような辛口というものではありません。
さらしなの方はスッキリ甘い後口がなんとも心地よいんですが、この蕎麦つゆとのマッチングはこちらの方が上かなと感じられました。
ちなみにこちらの蕎麦つゆはちゃんと徳利に入れてサーブされますが、ナチュラルに近い軽めの蕎麦湯もこれでこそ楽しめるというものですね。

相変わらず昭和スタイルというのでしょうか、全く蕎麦屋の気配も感じられないアンティークカフェ風の内装は店の方針ということでいいのですが、それでも何故蕎麦屋でオールディーズ?とはちょっと思ってしまいますね。
こちらの壁掛け時計はちゃんと本物のゼンマイ式で、さすがにわずかに時間がずれているんですがあのチクタク音はやはりいいですね(もっとも夜間オフになる今時の賢いクオーツと違って、こいつらは昼も夜も構わずボンボンとうるさいんですが…)。
接遇面では見た目通りと言うのでしょうか、いかにも商店街のお店という雰囲気のおばちゃんもいい味出していますし、この蕎麦にこの値段なら十分お値打ち感がありますが、なんでも売り切れ次第で午後も早い時間に営業終了してしまうらしいのは町の蕎麦屋として考えると少し残念でしょうかね。

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2012年11月10日 (土)

医師転職事情 やはり情報開示が大事

医療機関は広告の規制がありますけれども、それでも近年は様々な情報を発信していることは皆さんもご存じの通りだと思います。
先日医療施設の広報活動を評価するコンクールがあったというのですが、最優秀に輝いたのは医師向けの広報だったそうです。

病院職員の“顔が見える広報”を- 病院広報コンクール、医師獲得にも意欲(2012年11月7日CBニュース)

 医療・福祉施設の広報活動を評価するコンクール「BHI賞2012」(The Prize For Best Healthcare Information)がこのほど長野市で開催され、医師獲得に向けた広報活動に力を入れてきた「地方独立行政法人岡山県精神科医療センター」(岡山市)が大賞を受賞した。発表では、病院職員の“顔が見える広報”を目指す事例も見られた。

 「BHI賞」はNPO法人「日本HIS研究センター」(石田章一代表理事)が毎年開催するフォーラムの中で実施している。今年は56件の応募があり、最終審査には13件が残った。
 審査では各施設が10分間で報告を行い、▽新規性とアイデア▽戦略性と経済効果▽広報の意義と社会性▽プレゼンスキル―の視点で評価された。

 大賞に選ばれた岡山県精神科医療センターは、医師獲得に向けた広報活動について報告した。
 同センターでは、新たな施設の開設や研究部門の設立に伴って人員を確保する必要があり、「一人でも多くの仲間をつくる」ことを目標に取り組んだという。
 発表者の西本佳乃さん(経営戦略課)は、これまで医師募集に向けて思うようなPRができていなかったほか、募集や見学の問い合わせがあっても迅速に対応できず、意識は低かったと言う。このため、魅力的な媒体をつくり、医師にも本気で採用に協力してもらおうとした。
 媒体については、チラシ、ウェブ、DVDの役割を明確にした。チラシには医師の本音を載せて興味を持ってもらい、研修内容などの詳細はウェブで見てもらうようにした。DVDではまず、病院の雰囲気を知ってもらおうとした。
 医師もチラシ作りに積極的に参加し、自院の強みは何かを考えながら、一緒に納得のいくものを作り上げようとした。また、合同就職説明会にも参加してもらい、医師自ら「病院の歩く広報誌」として動いてもらった。ブースでも積極的に呼び込みを行いながら、自分の言葉で病院の良さをアピールしていた。
 フォロー体制については、見学の申し込みがあれば、迅速対応を心掛けた。事前に「どの分野に興味を持ったか」などをメールで質問し、それに合わせて見学スケジュールも組んだ。見学後にも、病院のイメージや今後の方向性を尋ねている。
 西本さんは「一人でも多くの仲間をつくるには、媒体だけでなく、医師の本気度も不可欠」とし、医師が病院の魅力を自信を持って伝えてくれたと言う。取り組みによって、ウェブへのアクセスや見学も増え、来春には現時点で医師9人の採用が決まっているという。
(略)

入賞施設の実際の発表内容についてはこちらで参照できますが、患者向けの広報活動を抑えて医師向けの広報が最優秀に選ばれるというあたり、時代を感じさせる気がしませんでしょうか。
以前であれば医師と言えば大学医局から派遣されてくるものという考え方で実際の待遇などどうでもいい、大学にどれだけ話を通しておくかで決まるのだという考え方の施設も多かったものですが、今の時代そんな施設は大学からも切られ、もちろん自前で医師が来るはずもなく、もはや国に泣きついて医師強制配置でもしてもらわなければ…などと叫んでいるのが現状です。
新卒医師が自分で研修先を探す新臨床研修制度の導入と立ち去り型サポタージュなどと呼ばれた医師逃散減少とが車の両輪となって医師の流動化を促進していく中で、折からのネットの発達が労働環境に関する情報収集を極めて容易にしてしまった結果、俗悪な環境しか用意出来ない施設は淘汰されつつあるというのは当然のことだとは思います。
ただ必ずしも噂と実情が一致しないことは世の習いというもので、思わず「あるある」と言いたくなるようなこんな話があったそうです。

転職したい病院に悪い噂が…、諦めたほうがいいの?(2012年11月7日日経メディカル)

質 問

 転職活動中に、医師紹介会社から私の希望条件にぴったりの病院を紹介されました。しかし、友人の医師にその話をしたら、「あそこは何かと問題の多い病院だっていう噂だぞ。やめたほうがいい」と言われて悩んでいます。ほかの医師からも同じ噂を聞いたので、あながち嘘ではないようです。諦めて他の病院に行ったほうがいいのでしょうか。(卒後18年目、43歳男性、消化器外科医)

回 答
噂だけで判断するのは危険。まずは病院の診療方針を確かめよ

 もしも給料を払ってくれない、長時間労働が常態化している…といった事実があれば、それは明らかに問題のある病院です。ただし、そういった実態の根拠がなく、単に噂が立っているだけなら、問題のある病院と思うかどうかは人それぞれの主観にすぎません。いい噂にせよ悪い噂にせよ、それだけで判断するのは危ないと思います。

 私は医師の転職を支援するエージェントの仕事をしていますが、転職の相談に乗る場合、まずドクターに希望条件をお聞きし、それに見合う病院を転職先の候補として提示します。この時、条件面では合致しているものの、「あそこだけは勘弁してくれ。いい噂を聞かないから」と難色を示されるケースがあります。

 きちんと実情を把握しているのなら構わないのですが、そうおっしゃる先生のほとんどが実態を知らず、噂だけで判断しているようです。転職先の選択肢がたくさんあるならまだしも、そうでない場合はとてももったいないことになります。

 とはいえ、誰だって就労環境が悪い病院で働きたくはありません。ではどうしたら自分にとっていい病院かどうかを見極められるのでしょうか。

自分にとって譲れない線はどこかを見極めよ

 まず、病院の診療方針を確認することです。ホームページに診療理念などを掲載している病院もありますが、それだけでは判断できません。病院見学などをして自らの視点や感覚で病院を見ることが大事です。面接時には必ず自分の診療方針と、院長や理事長の診療方針が合うかどうかをチェックしてください。医療に従事している方々は、皆それぞれ自分にとって理想の医療のビジョンをお持ちだと思います。それを話してみて、彼らに理解を示してもらえるかどうか反応を見るのです。

 例えば、「患者に金銭的な負担をかけずに診療したい」というスタンスのドクターの場合はどうでしょうか。「消化のいいものを食べて、ゆっくり休めば治るから」と注射1本せずに、患者を帰すような先生のケースです。もし転職を希望している病院の院長や医師が利益重視の姿勢で、お金のことしか頭にない人物であれば、その病院で働くことになったとしても長続きしないでしょう。

 極端な例かもしれませんが、病院の中には診療行為をお金に換算して管理しているところもあります。「先生、血液検査を○件、レントゲン撮影は○人分行って、1日に最低でも○円くらいの診療報酬は稼いでください。そうしてくれれば、最低年収の1200万円に、売り上げに応じた歩合給を上乗せするので、年収2000万円も夢じゃないですよ」などと指示してくる病院です。

 いい悪いは別にして、そうした病院の診療方針をどう考えるかは、先生によって個人差があると思います。頑として「絶対にそんな医療はやりたくない」と拒絶する人もいれば、「ここまでだったら許容できる」という人もいるでしょう。自分に100%合う病院はありません。自分の中の「ここだけは絶対に譲れない」という線を見極め、それを守れる病院を選びましょう。

 職場の雰囲気を見たいなら、一度アルバイトで勤務してみるのもいいかもしれません。実際、転職を希望する先生方と条件面だけで話がまとまらない時に、私のほうからアルバイト勤務を勧めることもあります。これなら病院のスタッフの様子を見たり、働きやすさを確認したりすることが可能です。ただし、自分が病院をチェックできるのと同様、病院側からも自身の立ち居振る舞いを見られていることを忘れないでください。

良い、悪いという評価の基準は人それぞれですから、ある人にとっては仕事も楽で給料もいい老健施設常勤医などは楽園のように思えるかも知れませんし、別な人にとっては自分の専門分野の症例が幾らでもやってくる多忙な地域基幹病院こそやり甲斐があるということもあるでしょう。
また自分一人で何でもするから周囲のことなど気にしないよというタイプもいれば、看護師が点滴もとらないのは我慢がならないという人もいるでしょうから単なる良い病院、悪い病院という噂だけでは意味のないことで、最低限どこがどう良い(悪い)のか、院内ルールなどはどうなっているのかといった情報が欠かせません。
その意味ではとりあえず非常勤で経験してみて、水が合うようなら常勤にというやり方は確かに理想的でしょうが、今のご時世にひとたび脈ありと見ればどこの施設も必死に追い込みをかけてくるでしょうから、押し売りを断れないタイプの先生にはこういうのもストレスではあるのかも知れませんね。

しかし考えて見ればこのアルバイトで実際の状況を経験するというやり方、一昔前ならばほとんどの先生が大学時代に代診だ、当直アルバイトだとあちらこちらの病院に出かけていくのが当たり前で、それだけ多数の病院の内情が自分や身近な先生の実体験としてあったわけですから、いざと言うときにも幾らでも生情報が手に入っていたわけですよね。
それに比べると今の先生はネット等での情報収集は進んでいるかも知れませんが、こういう実体験の機会はむしろ減ってきていると言えそうですから、必ずしもどちらが良いとも言えないことなのかも知れません。
医局制度の崩壊に伴って昨今では民間医局や転職コンサルタント、あるいは医師派遣会社など様々な仲介業が盛んになっていますが、病院側にしても冒頭の記事のように自主的な努力も必要でしょうから、環境整備はもちろん例えば学生や研修医の病院見学のように気軽に実情を体験できるコースを用意しておけば案外軽い気持ちでの応募も来るようになるのかも知れませんね。

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2012年11月 9日 (金)

マスコミだけに与えられた特権的地位?

「ジャーナリズムがエンターテインメントになってしまった」という痛烈な批判とともにスーパーマンが勤務先の新聞社を退社したと話題になりましたが、現代のマスコミはエンターテインメントとしても成立しているのかどうかですよね。
歴史ある週刊誌の廃刊などはいまさらの話題ですが、比較的新しいメディアと認識されてきたテレビにしても先日は7割超の視聴者が「昔よりつまらなくなった」と回答するなど、とても娯楽としても上等なものとは認められない現状があります。
凋落の結果やむなくということなのでしょうか、彼らが長年俗悪なものとして遠ざけてきたヲタク文化を取り上げて生き残りを図ろうとしているのでしょうが、それがかえって当事者の怒りと反発を招いているというのですから仕方がないですね。

フジテレビ「Mr.サンデー」の女性オタク特集に怒りのコメント殺到(2012年10月15日ライブドアニュース)

14日、情報番組「Mr.サンデー」(フジテレビ系)で放送された特集「彼女が仮想カレシに夢中になる理由」の内容が「酷すぎる」と、ツイッター上に怒りの声が殺到している。

放送によると、最近女性向けの恋愛ゲーム「ときメモ」「うたプリ」に出てくる登場人物を「仮想カレシ」にしている女性が急増しているという。実際に「仮想カレシ」のグッズに囲まれた部屋や、恋愛ゲームに夢中になる女性の様子が公開された。この映像を見た番組の出演者たちは「ゲームばかりしていたら立ち直れなくなる」「女性が臆病だから乙女ゲームに逃げるんでしょう」などとコメント。オタクの女性を哀れむかのような番組の視点に、違和感を感じた視聴者が多かったようだ。

番組を受け、ツイッター上では「乙女ゲームを晒すのやめてほしい。解説者やアナウンサーとか薄笑いしてたし」「一般の人から見たら、乙ゲーしてる人全員が現実と二次元の区別がついてないと誤解される内容」「オタクを特集するなら、アニメやゲームを知らない人が興味を持てる様な内容にしてほしい。腫れ物にさわるような表現の仕方は、一生懸命作った人やファンがかわいそう」と怒りのコメントが相次いでいた

また、この件に関して怒りの声を上げたユーザーの間で、「番組に直接抗議をするための有効な方法」と題した文書が出回り、一部はすでに番組スポンサーへの問い合わせを行うなど、騒動は今後さらに拡大しそうな勢いである。

テレビの乙女ゲーム特集に「馬鹿にしてる」と非難殺到(2012年10月15日アメーバニュース)

 10月14日放送の情報番組で、「彼女が仮想カレシに夢中になる理由」と題し、「乙女ゲーム」にはまる女性たちについての特集が放送され、ネットでは非難する声が殺到している。

 「乙女ゲーム」とは「イケメン」が登場する女性向け恋愛ゲーム。同番組では、ゲームに登場する男の子を「仮想彼氏」と表現し、『うたの☆プリンスさまっ♪Repeat』や『薄桜鬼』というゲームにハマっている女性たちの様子を放送。一人の女性は、付き合っていた彼氏と別れてしまったことから乙女ゲームにハマっていったとのことで、番組では仕事が終えて自宅に帰るなり部屋着に着替えて乙女ゲームを始める様子を放送。部屋も乙女ゲームのポスターや抱き枕などで装飾されている様子が紹介された。別の女性の場合は、彼氏もいるが「乙女ゲーム」にハマっているという。

 視聴者からはツイッター上で「スタジオではドン引きしていましたね」などスタジオの出演者が放送内容に引いていたことが報告されており、「『女子が臆病だから乙女ゲームに逃げるんでしょうね』って言ったぞ」「内容がひどい」など番組が批判的だったと受け取った人が多数

 ツイッター上でも怒りの声が殺到しており、「やめてぇーーーーーーーーー!だからさぁ、こういうことは、触れないでほしいんですが…」「腫れ物にさわるような、異色な物をみるような表現の仕方は、一生懸命作った人や大好きだっていってくれてる人がかわいそうだ」「解説者のおじさんにもちょっとイラッ」「馬鹿にしてるとしか思えないです…」「やっべ私ガチでキレてるかも」「軽くヲタ否定してましたね」「馬鹿にするだけなら最初から特集組むな!!」などの声が寄せられている。

わざわざこんな喧嘩を売るようなことをするために取り上げている訳ですからこの反応も狙い通りということなのでしょうが、まさに異質なモノはケガレとして排除するという彼らの差別的思想が見え隠れするような話ではありましたね。
彼らテレビ局としてはこうした内容の方が自分たちの利益に叶うと判断し放送しているわけですから、その判断が正しいかどうかは消費者としての国民の行動一つにかかっているのではないかという気がします。
ともかくもフジテレビと言えば「またフジか」で有名なテレビ局としても有名ですが、確かにそう言われるだけのことはあると思わされるのが続いて発生したこちらの事件です。

フジテレビが無断撮影を開き直る?「黒子のバスケ」イベントに脅迫文が届いた報道で思わぬ余波(2012年10月25日ライブドアニュース)

人気スポーツ漫画「黒子のバスケ」の作者・藤巻忠俊氏の母校や出版社に脅迫文が届く事件が相次いでいる。
今月21日、フジテレビは脅迫文が届いていたことが判明した、同日開催の「黒子のバスケ」のイベント会場の様子を報じたが、22日に、この報道は「フジテレビによる無断撮影」だったとイベント主催者の「スタジオYOU」がツイッターで明かし、ネット掲示板やツイッターでは驚きの声があがっている。

24日、イベントの主催者は、フジテレビに対し無断撮影への抗議と、画像の削除を要求したやりとりを公式サイトに掲載した。
これによると、21日の12時頃、主催者はイベントの会場前で、取材を申し込んできたフジテレビの取材班と接触し、取材を断ったという。また、主催者は取材班を会場には入れていないとしている。
しかし、同日の20時20分頃、フジテレビ系のニュースでは、取材を断ったにも関わらず、会場の内部や参加者が報道されていたと判明。これを知った主催者側が、21時にフジテレビに抗議。フジテレビの担当者は「事件になっている。視聴者に注意喚起のため報道した。敷地外からの撮影なので、報道として間違っていない」と回答したという。
主催者とフジテレビのやりとりは平行線になり、一旦電話を切ったとしているが、21時40分頃、主催者はフジテレビと二回目の電話でのやりとりを行う。主催者は、厳重な警備を敷いた結果、イベントが無事に終わったのに、ニュースで取材を拒否したイベントをことさら取り上げる必要があるのかと抗議した。

    フジ担当「今後事件にならないためにも報道した。理解して欲しい
    弊社広報「こちらは、会場、警察とともに協力して警備強化等、事件に対する対応を行った。参加者も手荷物検査にも文句ひとつ言わず協力してくれた。そして、イベントは無事終了した。ことさら報道する理由があるのか」
    フジ担当「事件になっている。理解して欲しい
    弊社広報「弊社は取材、撮影を断っている。イベントも無事終了した。理解できない。フジテレビのサイト内(FNN)の画像も今すぐ削除して欲しい」
    フジ担当「その件については、社で今から検討する」

さらに、主催者は、無断に撮影された参加者が映った画像の削除を、フジテレビに依頼する。
しかし、その依頼は断られることになってしまったようだ。21時52分にフジテレビの担当者から電話があり、三回目のやりとりを行う。

    フジ担当「画像の削除はできない
    弊社広報「困る。削除を望んでいる」
    フジ担当「報道としてはステップを踏んでいるし、間違っていない。参加者にもそのことを伝えてほしい」
    弊社広報「取材、撮影を断っているのにステップ云々はおかしい。重ねて、削除の再検討をしてほしい。また、プライバシーの面からも報道姿勢に問題があると考える」

このように、フジテレビは、参加者の映った画像の削除を拒否。21時55分、ここで主催者は弁護士に相談したという。
ツイッターやネット掲示板では「これはひどい」「フジTVひどいよ…」「フジ隠し撮り開き直りか」「こういうことをするから不信感が募る」とフジテレビの行動を非難する声が殺到。また、フジテレビが参加者に直接画像が削除できない理由を伝えるのではなく、主催者に「参加者にそのことを伝えてほしい」と頼んだことにも疑問の声があがっているようだ。
また、フジテレビの取材方法をめぐって、「注意喚起のために取材するなら、参加者の姿を撮影する必要はないよな」「報道の自由とは言ってもプライバシーは保護されるべきだよな。同人誌即売会なんて行ってる事を知られたくない人は多いだろうし」と、取材対象に配慮し報道する必要性を指摘する声が多く見られた。

またフジテレビ! 『黒子のバスケ』同人イベントを盗撮放送→削除の騒動に(2012年11月2日サイゾー)

 フジテレビの報道番組をめぐって、一騒動が巻き起こっていた。10月21日の『FNNニュース』で放送された「イベント会場でも脅迫 『黒子のバスケ』」というニュースに使用された映像が盗撮であるとして、イベント主催者がフジテレビに動画と静止画の削除を求めていたのだ。

 問題の映像は、10月21日に東京ビッグサイトで開催された『黒子のバスケ』(集英社)の「同人誌イベント」の模様。『黒子のバスケ』は、「週刊少年ジャンプ」で連載中の漫画で、アニメ化もされた人気作品だ。今月12日、原作者・藤巻忠俊さんの在籍していた高校や大学に、「俺は藤巻忠俊が憎い」と脅迫する文章と薬品が送り付けられるという騒動が起こった。そして、今回のイベント会場・東京ビッグサイトへも、「『黒子のバスケ』のイベントをやめなければ薬物をばらまく」という内容の脅迫状が送り付けられていたのだ。

 フジテレビは同イベントを取材しようと、主催の「スタジオYOU」に依頼したが断られたため、敷地外から撮影し放送したが、その映像にはイベントを楽しむ女性ファンの姿や、販売されていた同人誌等が映っていたため、事態は混乱。「フジテレビによる無断撮影」だったと、TwitterでスタジオYOUが明かすと、ネットやTwitterで「フジ隠し撮り開き直りか」「これはヒドい」など批難の声が殺到する事態となった。『FNNニュース』サイト上にアップされた同映像の削除を求めフジテレビに掛け合うも、「今後事件にならないために報道した。理解してほしい」などと主張したため、主催者側は27日付で内容証明を送付していた。

 その後、フジテレビからの返答についてスタジオYOUに問い合わせたところ、「お答えできない」ということだったが、問題の動画については、
「削除するという連絡がなかったため、明確な日付はわからないが、10月21日にテレビで放送後、2~3日以内に削除されたと思われる」
 とのこと。一応は解決となったが、アニメファンのフジへの不信感は、今後も拭われないだろう。

 フジテレビは以前も、『知りたがり!』で「週刊添い寝CD」(BlackButterfly)という人気声優のCDを紹介した際、「気持ち悪い」などとコメントをしたことで、番組出演者の田村淳が謝罪する騒ぎとなっていた。また『Mr.サンデー』では、「彼女が仮想カレシに夢中になる理由」という特集内で、大人気の乙女ゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪』(ブロッコリー)にハマる女性を取り上げ、「現実から逃げるためにゲームに逃げるのでしょう」とコメントし、ゲームファンの批難を浴びている。

 オタク文化の取り上げ方が問題視されていた中での、今回の盗撮騒動。フジテレビの今後の姿勢が問われることとなりそうだ。

一般論としても肖像権というものがあるんだと思いますが、無許可でイベント参加者の画像を流すことにどんな社会的意義があったというのかも説明しないままただ「理解してほしい」では、社会人としての基本的な素養も疑われて仕方がないところでしょう。
フジテレビの場合は先日もツタンカーメン展に絡んで疑惑が報道されていたように、別に相手がヲタク文化だからというわけでもなく常にフジテレビなのだという声もありますけれども、同社に限らずマスコミ全般に見られるこうした相手に対して全く礼を欠く態度は何様なのかと誰しも不快感を覚えるのは当然で、彼らに対する検証の場としてのネットが一般化して以来市民からの不快感は募る一方と言えそうです。
先日まで横浜市長を務めていた中田宏氏も週刊文春の捏造記事に憤慨して「大手マスコミの無責任体質を問う――週刊文春の捏造記事について」という記事を上げていますが、これまた一昔前なら一方的なマスコミの垂れ流し情報だけしか判断材料がなかったのだと改めて考えて見ると、何とも空恐ろしいような気がしてくるのではないでしょうか?

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2012年11月 8日 (木)

上小阿仁村医師 今度は3週間で逃散

一部では「最低vs底辺の究極ドリームマッチか?!」などとも騒がれ新たな展開を予想されていた秋田県上小阿仁村唯一の医師赴任のニュースですが、意外にもあっけなく優劣決したということです。

またも常勤医が辞意、上小阿仁村 着任1カ月足らず/秋田(2012年11月7日さきがけweb)

 先月12日に上小阿仁村国保診療所長として着任したばかりの西村勇医師(71)が、「体調が思わしくないので、後任を探してほしい」と村に辞意を伝えていたことが6日分かった。

 村内唯一の医療機関である同診療所はただ1人の常勤医の所長が定着せず、前任を含む3人は連続していずれも1年ほどで辞意を示し、今回は1カ月足らずでの辞意となった。

 中田吉穂村長は秋田魁新報社の取材に「健康面を心配したが、本人が健康に自信があると言っていたし自己管理できていると思っていた。突然で驚いた」と話した。西村医師は取材を拒否し、病名などを明らかにしていない。

今夏に前任者辞任のニュースをお伝えしたときにコメント欄に各種情報をいただきました通り、今回着任した西村先生はかなりのマッド…もとい、周囲の社会現象そのものを研究テーマとされているという剛の者だと聞いておりましたから、もう少し斜め上方向に爆走していただけるものと期待していたのですがねえ…
まあしかし、急に辞めるとなれば健康面を理由にしておくのが一番角が立たないのも確かでしょうから、実際のところはどうなのかはっきりしませんけれども、しかしこのところ辞任していく医師達がいずれも事情をはっきり言わないままになっていることは気になりますね。
前回にも書いたことですけれども、どうも風の噂で聞く限りではしつこい嫌がらせなど医師追い出しを繰り返しているのは現在30歳前後の若年世代が中心だということだそうで、もちろん単純に村一番の高給取りに対するやっかみもあるのでしょうけれども、基本的には診療所なんていらない若年世代vs自前の診療所が欲しい高齢世代という世代間対立が背景にあるようです。
高速のICもあり、隣町の総合病院まで車で20分ほどだと言いますから若年者にとっては多額の税金を使って老医師を雇うことにさほどの意義は認められないというのは理解できる話ですが、前回も紹介しましたように代替で乗り合いタクシーを運行しようと有志が組織を立ち上げたところ「病院帰りにスーパーで買い物されると、村内の店が売れなくなる」からと村議会で反対されたというのですから、そういう土地柄なのでしょうね。
ただいずれにしてもこうした逃散劇を繰り返した結果、今や日本一有名な村と言ってもいいこの上小阿仁村なんですが、どうも見ていて不思議だなと感じたのがこちらの記事です。

次々と医師が消える曰くつきの村『上小阿仁村』に電話取材してみた(2012年10月9日マイナビニュース)

「医師への嫌がらせで退職へ追い込んだ」として話題になったとある地域で、2度ならず3度までも医師に逃げられることとなり、再び募集をしていることが話題となっています。話題となっているのは、秋田県内の市町村の中で最も人口が少なく、高齢化・過疎化・空洞化がもっとも進む地域上小阿仁村。同村では、2008年以降3名の医師が相次いで赴任後一年程度で辞意を示すという異常な状況が相次いでいることは皆さんご承知の通り。高齢化が進む現代において、僻地医療は大きな課題のひとつ。
しかしながら、2008年以降3名の医師が相次いで赴任後一年程度で辞意を示すという異常な状況が相次いている上小阿仁村では、村内での嫌がらせにより医師が定着しないとも言われており、ネット上では「医者イジメの村」として悪名高い地域となってしまっています。

今回、2011年6月に赴任した医師が、2012年5月に辞意を伝えたことを受けて出された募集は更新日が2012年7月24日。これを見たネットユーザーからは

・なお陰湿ないじめつき
・75歳までおkというのが泣ける...
・なお休むと叩き起こされた挙句に文句言われる模様
・2012年だというのに村八分を公然と繰り替えす畜生の聖域
・いじめ用のおもちゃを募集ってことか
・村長派と反村長派の政争のダシにされる畜生な職場
・見捨ててしまえ・医者嫌いなのになんで募集しとるんや?
・もうその村、檻かなんかで囲んで隔離しよう
・村民以上のクズ医者を派遣すればいいよ

と、追加の待遇が書き込まれたり同村非難が書き込まれたりと散々な言われよう。
ちなみにネット上では、現在は閉鎖されているものの、過去、某大手SNSに開設されていた上小阿仁コミュニティ上でのこれらの件に関する発言なども取り上げられており、上小阿仁のイメージは益々悪化する一方。
しかし、医師募集の件がネット上で大きく話題となった9月28日の翌日には同ページは削除

そこで、電話にて上小阿仁村役場に直接取材をさせて頂いた所

「現在、交渉中の方がいるので取り下げました。ネット上で話題になったこととは関係ありません。もし、交渉がまとまらなければ再掲します」

と、今回の取り下げについてコメントを頂くことが出来ました。

募集ページ上部には「地域医療を支えていただく医師を心よりお待ちしております」の一文もありましたが、「村執行部の医師に対する見方、接し方、処遇の仕方の中に医師の頑張る意欲をなくさせる」と医師の一人に言わしめた執行部や村は、自分達が変わったことを前提にこのようなことを提示しているのでしょうか?

ただ単に、自分達は変わらずに同村と相性の良い医師が来るのを待ち続けて募集→退職を繰り返しているだけだとすれば、地元の気質を理解している地元出身の方が医師になるほか手立てはなさそうな気もします。

山深い同村ではネットなど縁遠いのではなどと思えばさにあらず、ちゃんとネットをきちんと活用して医師募集もかけているし毎年成果も上がっている(考えて見るとこれはすごいことです!)くらいですから相応のネットリテラシーもあり、当然ながら数々の悪評や件の若者たちがネット上で晒し挙げられていることも承知しているらしいと伺えますよね?
ところが記事を見る限りでは悪評の高まりにあまり危機感もないように思えるのも違和感がありますが、そもそも普通の田舎の集落であれば誰が追い出しにかかっているかなどすぐ判る、まして30やそこらの若造がこんなことを繰り返していれば村の長老たちに吊し上げられてしかるべきだと思えるのに、どうも腫れ物に触れるかのような対応で終わっているという点が気になります。
一つには同村では歳入の9割を交付金が占めるというほど財政基盤が弱い(過去にも医師に住民票を移せと言ったなどという話がありました)、そして極端な高齢化で人口減少も急速に進行し「どうせ遠からず村ごとなくなる」とまで言われているくらいですから、あるいは村外から金を稼いで来られるような若年世代は公的にあまり厳しいことを言うわけにもいかないのかも知れません。
もう一つの可能性は一部でささやかれているようにこれらの手合いが何らかのアンタッチャブルな存在であるという可能性ですが、すでに中心人物の少なくとも一人は村外に出ていったという中でこうした逃散劇が繰り返されているのですから、やはり特定個人なり集団に依存した行為ではない可能性が高いのかなという気もします。
それにしても、今回の赴任は西村医師にとっても貴重なデータ収集のチャンスになったはずですから、あるいは単純に必要なデータを集め終わったがための予定通りの円満退村?であったということであるならばもちろんのこと、そうではなくとも出来るだけ早い時期に論文なり体験手記なりの形でご自身の成果を公のものにしていただきたいですよね。

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2012年11月 7日 (水)

胃瘻造設は是か非か 反対派が多数を占める

先日も少しばかり取り上げました日経メディカルのディベート企画「胃瘻の造設、是か非か」の最終集計結果が発表されましたが、おそらくは大方の予想通り68.3%と多数派が反対票を投じる結果となったようです。
ディベートというものに慣れていない日本人の故か、コメントを見ていますと双方の論者の説得力の是非を判断すると言うよりも「終末期はどうあるべきか」という自らの思想や信念に基づいての判断も少なからず混じっているようにも感じられますが、おそらく賛成か反対かと問われれば積極的に賛成するという人は一般人、医療関係者問わず決して多くはないのではないでしょうか?
無論現状では「PEGの造設を差し控えたり、或いは中止したりするには、倫理的な更には法的な問題がからむ」ことも確かですから観念論的に良い、悪いを決められるというものでもありませんし、「一概に反対するというのではなく、症例ごとに対処すべき」問題であることは言うまでもありませんが、そうした視点から見て幾つか目立ったコメントを引用させていただくことにしましょう。

第2回 胃ろうの造設、是か非か ~最終集計結果~高齢者への“安易”な胃ろう造設に反対!(2012年11月5日日経メディカル)より抜粋

医療費の有効利用や人間の尊厳を考えると、認知症で寝たきり患者さんに画一的にPEG造設するのはもうやめたほうが良いと思います。 [ペンネーム:きのこ-10月29日15時13分]

◆胃瘻ははっきり延命治療である内容が9割で、残り1割は若い方にはある程度の効果は評価出来ます。しかし、寿命だけはなぜ日本人が重視するのか分りません。まず、意思疎通も出来ない寝たきりの経管栄養はやめるべきです。国もそれを国民にはっきりと伝えなければなりません。人間は動物である以上、死ぬのが当たり前ではないでしょうか!意味のない延命は国を破壊してしまいます。 [ペンネーム:宇宙人-10月29日16時38分]

◆(略)新田氏の指摘のごとくPEGを造設する理由には大きく2つあり、それは緊急の救命的なものと延命的なものである。前者は将来の管理の問題があるにしても、多くは行なわざるを得ない。後者は全く管理の問題であって、意識もなく経口的には水分補給も必要な投薬も経口的に不可能となった場合、何らかの方法で補給の道を確保しなければならず、IVHを行うか、単に末梢の静脈確保だけにするか、経鼻管を挿入して消化管に投与する道を確保するか等の1つの選択肢としてPEGもあるだけのことで、その状況や状態、家族との相談等などでいずれが選択されるべきか十分に検討して決めるべきことである。
 この様な状況でPEGが選択されることはかなり少ないだろうとは考えるが、ここでもしPEGが選択された場合には、その後の管理が問題で、PEG造設後の栄養補給を一把ひとからげに考えるのではなく、その時どきの患者の状態に応じた補給を考えるべきで、無用に栄養補給をすべきではない。何も抜去まで考えなくとも、最小限度の水の補給やきちんと説明して家族の十分な理解の上で何も入れないということでも全く問題はないのである。要するにPEGを延命治療として忌み嫌ったり敵視したりする問題ではなく、管理の問題だけなのである。

◆胃瘻の適応患者というものは必ずいると思いますが、現状では大部分の医療従事者が、適応外にもかなり造設・継続されていると感じております。症例をしぼって行うのが宜しいのではないでしょうか?(1. 家族3名、医療従事者3名の同意、2.自宅での療養、3.自費などのうちいくつかの基準を満たすなど)。やはり医療資源(予算)には限界があるので、胃瘻にまわすべきか、もっと他にまわすべきかを議論すべきです。逆に医療費を削減していくならどの分野からか、という質問にすると、間違いなく胃瘻関連予算の削減は上位に来ると思います。胃瘻は予算に糸目を付けなければ是でありますが、要は優先順位の問題だと思います。 [ペンネーム:Golgo-10月30日07時16分]

◆胃瘻は単に経管栄養の経路選択にすぎません。問題は、経管栄養を選択するかどうかです。経鼻胃管を使うくらいなら胃瘻が優れています。胃瘻可能な患者でそれをしないということは経管栄養をしないことと同義ととらえられます。それが望むことなのであれば、それはそれでよい。経管栄養を望むなら、胃瘻は選択肢として大きな選択肢です。 [ペンネーム:sugimaro-10月30日09時05分]

◆画一的な判断は難しいです。人間ひとりひとり人生観は異なり、胃ろうで生きたい人もいると思います。しかし、社会保障費という公的資金を投入し、自分の意思を表明できないレベルの人間をただペットや植物のように栄養を与え生かしておく胃ろうには違和感を感じています。どこかで保険適応には線引きが必要です。社会全体として高齢者の医療費抑制は必要と思います。今のままでは若い世代が被害者になり、社会が破たんを来すのも時間の問題です。 [ペンネーム:rounen-ishi-10月30日21時27分]

◆胃瘻造設施行後に胃瘻チューブより経管栄養施行の場合、経鼻経管での経管栄養施行では受け入れ不可の特養で受け入れるケースもあるのが現状。このため胃瘻造設ができない場合、その患者が生活の場を失うこともある。経鼻経管栄養でも受け入れ先が確保できるのであれば、胃瘻造設を必ずしも施行しなくてもよい。しかし患者本人にしてみれば、胃瘻造設時の侵襲はあるもののその後の苦痛を考えると、胃瘻造設を施行した方がよいと考える。無為な延命に関しては、患者本人に判断できるケースは極めて稀で家族の意見による依存となるため見解 [ペンネーム:アルファルド-10月31日09時48分]

◆栄養を入れて「生きているだけ」の状態を目の前にすれば「やらなきゃ良かった」と思うし、食えなくなってきた患者を目の前にすれば「胃ろうを造ろうか」と思う。金の話が絡まなければ結論は出ないんじゃないかと思う。 [10月31日15時03分]

◆認知症、寝たきり、陳旧性脳梗塞有、嚥下障害から肺炎、心不全を繰り返す超高齢者。看取りの選択をしても、転院受け入れ先が見つからず、やむなく胃瘻を作って転院。胃瘻を作らずに看取りをすることに対して、受け入れ側のメリットがなければ(点数をつけなければ)現状はかわらないかと。 [ペンネーム:院生-10月31日15時18分]

◆医学としての正しさはどちらにも理があるが、経済への影響も考慮する必要がある。 [ペンネーム:gem-10月31日18時22分]

◆一概には決められない問題だと思います。であれば、現時点での日本の社会状況から見れば、PEGを選択せざるを得ないと考えます。議論が深まり、社会全体での意識の変化が起これば、真の意味での選択ができると考えます。 [ペンネーム:消化器外科医-11月1日18時25分]

◆PEGの造設を差し控えたり、或いは中止したりするには、倫理的な更には法的な問題がからむ。広く意見を集約して、社会が納得する選択の仕方を決めていく必要があると思われる。 [11月2日09時38分]

◆最近胃瘻造設が反省され中心静脈栄養が増加して困っています。 [ペンネーム:ヒロシ-11月2日13時04分]

◆自然界でも食べれない動物は死んでゆきます。必ずしも人間をそこに当てはめる必要はありませんが、予後よりは患者、家族の満足度と現在の社会保障制度に十分照らしあわせて総合的に有益性を判断するべきだと思います。 [ペンネーム:一般動物-11月2日21時58分]

◆当施設の機能の限界から、5人までしか受け入れられないが、PEG利用者のADLはかなり良いレベルに保たれていて、コミュニケーションも十分に維持できている人もいる。PEG反対の人に見て貰いたいものである。 [ペンネーム:田舎の老健施設長-11月4日11時39分]

投稿時系列順なのでやや議論が散乱して見えますが、限定的に胃瘻の良い適応という状況はあるとは言え少なくとも終末期高齢者の延命目的で胃瘻造設を行うことはあまり意味がないという点ではほぼ意見の一致を見ている、一方で現在の社会状況や法体系などを考えると実際には作りたくなくとも作らざるを得ない現実も確かにあるというところでしょうか。
ただ現実という点からすると寝たきり老人がどんどん増加し、ただでさえ逼迫している医療・介護のコストとマンパワーを圧迫することは決してほめられたものでもありませんし、ちょうど一年ほど前から厚労省が突然のように「胃瘻ってやめちゃってもよくね?」なんてことを言い出した背景にもやはり医療経済学的な圧力があったのではないかと推測出来るところですよね。
医療費が伸び続けるのを抑制するためにも無駄はなるべく削るべきだと言われれば、やはりどうしても「年寄りは無駄なお荷物扱いか」と角も立ちますけれども、先ほども言いましたようにこの問題に関しては国民にしろ正直あまりやり過ぎるのもどうなのか…と考えている訳ですから、むしろもう一歩の決断の後押しをするように制度面を改正していくと考えていくべきなのでしょう。

その意味で極めて現実的なことを言えば患者(実際には家族ですが)の費用負担の問題がありますが、一例として現在入院患者で胃瘻等の経管栄養を行うことの手技料が一日60点(3割負担で月額5400円程度)と定められているのがまず安すぎるという気がします。
実際には長期入院しているような患者では月額自己負担の上限に確実にかかりますからこの辺りの算定額が幾らであろうが関係ないですし、ましてやあまり高く設定しますと悪徳病院が何でもかんでも胃瘻を導入して好き放題稼ぐようになりかねないのも確かですが、例えば現在介護施設で胃瘻患者の受け入れを渋る、上限を設けるというのも手間暇がかかるからという理由が大きいわけですね。
特に夜間の場合(今春から研修によって介護スタッフでも扱えるようになりましたが)胃瘻の付け外しを行う看護師がいないから無理だという施設も多い訳ですが、そうした人材不足に対する金銭的な裏付けとしてなにがしかの自己負担を考慮することはあってもいいのではないでしょうか。
医療も大局的に見れば経済的制約によって動向が左右されていくのは否めない事実ですから、胃瘻を作ると経口摂取よりもこれだけ余分にお金がかかりますよと言われれば胃瘻希望者も次第に減っていくとすれば、長い目で見ると医療側のみならず患者にも家族にも悪い話ではないように思います。

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2012年11月 6日 (火)

特定看護師問題 それだけで終わっていいのか?

さて、近年看護師の世界で特定看護師問題というものが議論されてきたわけですが、いざ導入も間近かと思われた現在になっても相変わらず議論が錯綜しているようです。
無論最終的な責任は各個人ではなく組織がとるのだと徹底されることが大前提としても、どうも見ていますと責任ある医療行為と言う言葉の受け取り方にかなり個人差があるように感じられます。

特定行為の意見募集の結果を公表- 看護業務WG・「個別対応は困難」との声も ( 2012年10月25日CBニュース )

厚生労働省は23日、チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)を開き、特定の医療行為(特定行為)を担う看護師、いわゆる「特定看護師」について、特定行為の分類案に関する意見募集の結果を公表した。関係学会などから120件の電子メールが寄せられたが、特定行為に関しては、医師に限定すべきとする声と、一般の看護師の行為に改めるよう求める意見に分かれた。委員からは、医療現場の実情によって見方が異なるため、個別の対応は困難との指摘が相次いだ

意見募集の対象となったのは、特定行為(技術、または判断の難易度でそれぞれB1、B2)の96項目のほか、医師だけが行う「絶対的医行為」(A)の8項目と、看護師が実施可能な一般の医行為(C)の70項目(複数評価を含む)を合わせた174項目。このうち特定行為については、学会や団体などによって、評価が大きくAとCの2つに分かれた。

具体的には、侵襲性の高い特定行為のうち、分類案でB1だった「胸腔ドレーンの抜去」では、「抜去後の縫合手技や再挿入、病態評価の難易度から医師が実施すべき」とする声が上がる一方、「プロトコルが詳細に定められ、適切な教育訓練がなされていればよい」と、Cへの修正を求める意見もあった。同じくB1の「皮下組織までの表創(非感染創)の縫合」に対しても、「侵襲性、危険性から考えて医師が実施すべき」との意見と、一般の医行為に改めるべきとの意見に分かれた。
また、分類案でB1またはB2だった「血糖値に応じたインスリン投与量の判断」に関しても、絶対的医行為への修正を求める声と、「血糖値を確認し、プロトコルに基づいた調整は比較的リスクが低く、看護師が行うメリットは大きい」とする意見が混在した。

このほか、分類案全体について、「医療が提供される場所や患者の状況によって相違があるため、一定の判断が困難」「小児患者や、慎重な判断を要する慢性疾患、合併症、複数の疾患を併せ持つ患者等をどのように識別するのか分からない」と、行為の標準的な場面や対象患者が不明確との指摘もあった。

特定行為の分類案への意見が分かれた点について、委員からは「どちらもその通りだと思う。いろんな考え方がある中で、何らかの見方をつくっていかないと、これがAだCだと個別にやっても難しいのではないか」「全部のシチュエーションを考えて(医行為を)分類しようとすると、かなり混乱を招くと感じた」などの意見が出た。
有賀座長は、「ここでAとすべき、Bじゃないからといって、Cの場面もあるというのが、わたしたちの医療の現場。どのように医行為の分類を上手に、現場感覚に合わせていくかという話になっていくと思う」と述べた。【敦賀陽平】

同じ行為でもすぐ隣にいつでも専門医が控えている基幹病院の病棟と、直近の医師まで車で1時間というド田舎の訪問看護で全く事情が違うというもので、こういう十把一絡げな議論の仕方自体に意味があるのかなという気はします。
それはともかく、特定行為というものの分類に関しては以前に紹介したところを参照いただきたいと思いますが、過去の議論は大きく各々の特定行為を看護師に許すのかどうかという点と、もう一つはそもそも特定行為を行えるのは特定看護師に限定すべきかどうかという点に二分されますでしょうか。
率直に申し上げて各施設、各個人毎に看護師と言ってもレベルは全く異なりますし、例えば消化器の病棟看護師が呼吸器の処置が出来るかと言われても無理がありますから、最終的には個々の施設なり個人なりの実情に応じて判断していくしかないのかなという気がします。

その意味では一律の基準によって認定される特定看護師に限ってというよりは、個別に能力を見極めながら現場で行為の是非を決めていくというやり方の方がよほど実際的だろうとは思うのですが、何かあった場合に判断を問われるという点からは公的にここまではやっていいという資格を決めておいてくれよと言いたくなるのも人情なのでしょうね。
ただ医療現場が人手不足だと言っているのであれば、原則医師は医師にしか出来ないことを、看護師は看護師にしか出来ないことをというように、専門性の低い仕事はどんどん専門性ヒエラルキーの下位に回していくのが業務分担の大原則だと思うのですが、どうもこうした公の議論の歯ではそうした大原則が必ずしも徹底されているというわけでもないようです。

明日の医療 特定行為は、どうして看護師にだけ認められるのか(2012年10月24日JBPress)より抜粋

(略)
 今回、看護師の役割拡大を特に推進しているのは、「(看護師は)患者に一番近い存在であり、チーム医療のキーパーソンだから」と有識者は言う。
 厚労省の資料には、看護師以外の職種の役割拡大については、2010年4月30日付医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」で、役割を拡大したとされている。
 だが、「医師の包括的指示による特定行為」がチーム医療を推進するための制度設計であるならば、当然、すべての職種が対象になり、同じように議論されるべきだ。
 2年半、ほとんど毎回の検討会をメディアとして傍聴してきたが、「チーム医療だから、すべての職種のことを視野に入れる」という話は出ても、具体的な他職種の医行為や制度設計の話に触れられたことはない
 「医行為の選別は省令で決める」ということになっているので、後回しになっていると思っていたが、このままでは話が終わってしまうのではないか。そう思い始めて、講演や記事などで発言することにした。
 この検討会に対して、とても興味深いデータが出ているからだ。

 2010年6月の第2回看護業務検討WGで初提出された「看護業務実態調査」案には203項目の医行為が書かれていた。日本理学療法士協会の半田一登会長がその医行為を分類したところ、観血的処置が44項目。
 一方、非観血的処置が159項目あり、そのうち、医師と看護師でしかできない業務は25項目に過ぎなかった。つまり、医行為分類のたたき台になっている203項目のうちの7割弱は、看護師以外の職種が臨床現場で中心になって実施している業務という、驚くべき結果だったのである。
 誰がどの業務を担当するかは、施設による違いは生じる。だが、いろいろな職種のアイデンティティを踏みにじるような資料だったことは間違いない。
 半田会長はこの資料を厚労省や民主党などに提出して訴えたが、黙殺され、公表されることはなかった

 そこで前北村善明代表のもと、「チーム医療推進協議会」(厚労省の検討会とは別の組織。各職能団体・患者会・メディアが集まり、チーム医療の普及促進をする目的で活動する)では、その203項目のうち「各職種が医師の包括的指示でできる業務」を仕分けし、一覧表にしてホームページで発表した。だが、この資料も日の目を見ることが、ほとんどなかった(その後、203項目の行為の文言が変わったので、現在はこの一覧表の掲示はしていない)。
 9月、NPO法人医療再生フォーラム主催の「看護と医療再生~特定看護師はどう医療を変えるのか?」の講演登壇時、私はこの資料のことを思い出し、あらためて医師の包括的指示でできる業務」について各職能団体に独自に再調査し発表した。
 その結果は次の通りだ(No .は看護業務実態調査の番号)。

 記号のうち、B判定とは今回認証制度の対象になる特定行為、C判定とは一般の医行為、D判定は検討が必要、E判定とは医行為に該当しない、という意味である。
 特に臨床工学技士や診療放射線技師からの聞き取りには、B判定が多く見られる。特定行為の行為者の対象が看護師とは限らないことを示す。
 また、E行為が医行為に該当しないなら、すぐにでも医師の包括的指示でできる業務として認めたらどうだろうか。毎回、医師を探して指示を仰ぐ必要がなくなり、現場がよりスムーズに動き出すだろう。E判定項目は一般の看護師でも実施できるという意味だ。
 だが、実際にはE判定の医行為ではないと仕分けされている項目でも、「相応の教育と実践を積まなければ、医療安全上、実施できない項目がある」と職能団体は口を揃えて指摘する。
 特定行為ができる認証制度の仕組みづくりが、検討会名の「チーム医療」の言葉にふさわしい形になることを心から期待している。
(略)

詳細はリンク先の元記事を参照いただきたいとして、要するにチーム医療と業務分担ということを考えていくと現在の医療現場の業務分担はどうも昔からの慣習によってか非合理的な割り当てが続いてしまっている、その中で看護師の業務拡張一つだけを取り上げて延々と議論していることにさしたる意味があるのだろうか?という問題提起だと思います。
現実に冒頭の記事にも見られるように強固な反対論者とも呼ぶべき方々は一定数いらっしゃるようで、「これは危ないから専門家が行わないといけない仕事だ」の考えを突き詰めていけば結局は「採血はセンセイの仕事ですからby大学病院茄子」になってしまうわけですが、そう考えますとこうした公の議論の場に参加しているのが大学などの偉い先生方ばかりだというのも意味があることなんでしょうかね。
もちろん前述のように何をどう業務分担するべきかは最終的に各現場の実情が反映されるべきなのは当然ですが、例えば訴訟大国と言われるアメリカで看護師や救命救急士が日本よりもずっと大きな権限を与えられていることを考える時、「それは危ないから」「万一の時に責任が取れないから」式の論法はどうも違うんじゃないかなと言う気がしてきます。
先日心臓外科医の津久井宏行氏が日本では最先端デバイスの導入が遅れがちであるという事に関連して、ドイツと比較してこんな指摘をしていましたけれども、結局のところ「それは危ないから君にやらせるわけにはいかないよ」というのは専門職としてチームのメンバーを尊重する姿勢とは真逆にあるということでしょう。

Professionへの信頼と尊重、果たして日本には?(2012年10月31日日経メディカル)より抜粋

(略)
 どうして日本では、新しいデバイスの導入がこうも遅いのか? まず一つは、医療機器を審査できる知識や経験を有した人が少ない(いない?)ことが原因といわれています。この点に関しては改善されてきているようですが、今後もいっそうの改善が必要でしょう。
 さらに考えてみると、承認する側の心理として、新しいデバイスを認可して不具合が発生したら、責任問題になって困る。だから、諸外国での臨床成績が出そろうまで待とう。こういった後ろ向きな風潮が挙げられるのではないでしょうか。それでは、いつになっても世界のトップを走れるようにはなりません

先進医療を後押ししているのは信頼と尊重

 どうして日本ではこういった後ろ向きな風潮が蔓延してしまうのでしょうか? 滞在中、紙谷先生との会話の中で、思いがけないヒントが見つかりました。
 そのヒントとは、「ドイツでは、Professionへの信頼が篤く、その意見がとても尊重される」ということです。

 Professionに対する尊敬の念の強さは、一つに国の教育システムに由来するそうです。ドイツではギムナジウムという教育制度があり、中等教育レベルで将来の専門家を育成するシステムが確立されていることが大きいそうです。いわゆるホワイトカラー以外にも、マイスター制度や職業訓練システムの充実により専門家に対する尊敬の念が醸成されるとのことでした。
 横並びの教育を受ける日本と違い、若いころから自分が将来、何になるかを考えさせるシステムの中で教育を受ける。だからこそ、多くの人が自分の仕事に誇りを持っているし、他人の職業を尊敬するという意識も高いといえるようです。
 医療についても、「100%安全・確実」とは言わないけれど、「今できる治療の中から、患者にとっての利益が見込める」と、その道のprofessionalが判断した。ならば、その判断を信頼してやってもらおうじゃないか!
 患者からのこういった信頼がドイツの先進医療を後押ししているようです。どのデバイスも、使用は臨床研究そして治験から始まりますので、その間にいろいろな合併症が発生することもあるでしょう。しかし、ネガティブな結果も含めて信頼するという文化が根付いているようです。

日本で尊重されるのは「ガイドライン」

 翻って日本では、Professionに対する信頼、尊重はどれだけあるでしょうか。「一分たりともミスは認めない」という風潮は年々強くなっています。医療は完全なものであって、「治療不成功=医療ミス」というような意識を持った患者さんは少なくありません。
 日常診療においてはガイドラインが重用されていますが、ふと考えると、ガイドラインに従うのは何のためでしょうか? 治療が不成功となったときに、「ガイドラインに従って治療したのだから、仕方がない」という根拠を確保するためだけに、ガイドラインを眺めてはいないでしょうか
 ガイドラインとはそもそも、長年のtrial and errorの末に、現時点でベストと考えられる治療法をまとめただけのものです。数年後には内容がガラリと変わることもあり得ます。なのに、自分で考えることなく、ただひたすらガイドラインに従って治療していれば安泰だ。今の日本では、こんな風潮が当たり前になってきているように思います。
 既存の枠の中に収まっている限り、新しい発見や成功は起こり得ません。ただ、その枠を超えるためには、Professionに対する信頼や尊重がベースになければならないでしょう。医療者への信頼と尊重を回復するために、日本の我々がすべきことは何なのだろう?と考えさせられる訪問でした。

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2012年11月 5日 (月)

医学部新設 意外な方向から否定される?!

研修医のマッチング結果が先日発表されましたが、岩手県では募集124人に対して実際の受け入れ人数が59人と前年より8人の減少、特に岩手医大付属病院はわずかに4人というのですから厳しい状況は相変わらずのようです。
そんな東北地方において先日こんな座談会が開かれたというのですが、記事から引用させていただきましょう。

座談会「地域医療-震災後の新たなモデルを目指して」/医師確保へ医学部を(2012年10月30日河北新報)

 東日本大震災が発生する以前から医療資源の乏しかった東北の被災地で、医師の不足傾向に拍車が掛かっている。河北新報社は震災からの東北再生に向けた提言「地域の医療を担う人材育成」で、仙台に臨床重視の大学医学部を新設する必要性を訴えた。仙台市内では仙台厚生病院と東北福祉大(ともに青葉区)が医学部新設構想を打ち出しているが、医師会などの反対も根強い。河北新報社が設置した東北再生委員会の委員を務めた増田寛也氏ら被災3県の医療事情に詳しい3氏に「地域医療-震災後の新たなモデルを目指して」をテーマに話し合ってもらった。

◇座談会出席者
 元総務相・前岩手県知事  増田 寛也氏
 元東北大医学部長     久道  茂氏
 東大医科学研究所特任教授 上  昌広氏
【コーディネーター】
 一力雅彦 河北新報社社長

新設こそが偏在を解消/上氏

 -地域医療と医師不足の現状から伺いたい。
 増田寛也氏 岩手県では127の医療機関が被災した。約9割の102が再開したが、このうち37が仮設診療だ。仮設はいずれ常設に戻すかどうか決断を迫られる。相当な個人負担があり、考えあぐねている開業医が多いようだ。
 被災直後、全国から災害派遣医療チームが県内に入ってきた。この年末を節目に派遣を引き揚げる動きがあり、その後をどう手当てするかが課題だ。来年以降の医療体制をどう確保するか大きな不安を抱いている。
 上(かみ)昌広氏 震災前、日本の医師(医療施設従事者)数は人口10万当たり219.0人(2010年)で、08年のデータでは経済協力開発機構(OECD)の加盟国30カ国中、下から4番目。フランス、ドイツは約350人、英国、米国も約250人いる。
 福島県浜通り地方は約100人で、中東とほぼ同じレベルだった。浜通りの医師数は震災後に半分にまで減り、この1年間で震災前の水準以上に増えた。私が支援している南相馬市立総合病院は常勤医が16人だったが、今は20人いる。東京、京都、九州からドクターが続々と入った。それでも絶対数がまだ足りない。せめて日本の平均にするためには倍増しなければならない。一朝一夕では達成できず、医学部の定員増だけでは難しい
 久道茂氏 宮城県の人口10万当たり医師数は222.9人で、47都道府県の中で27位と中位に位置する。しかし平均値では見えないことがたくさんある。登米医療圏は101.2人で、仙台市の326.7人の3分の1以下だ。気仙沼圏は121.0人、石巻圏も156.2人。宮城は医師の地域偏在がひどく、医療崩壊の寸前にある。
 もう一つ大きいのは診療科の偏在だ。登米医療圏にはお産を扱う医師がいない。地域住民は他地域と同じように健康保険料を納めているのに、医療が受けられない不公平が生じている。勤務医と開業医の差も問題だ。都市部には開業医がたくさんいるが、地方は少ない上に高齢化している。
 上氏 地域の医師数に最も影響するのは医学部があるかないかだ。福岡県では、いずれも医学部のある北九州市と久留米市に医師が多い。横浜市は横浜市大医学部がある南部に医師は多いが、北部は少ない。
 増田氏 厚生労働省の調査によると、全国で約2万4000人の医師が不足している。都道府県別では岩手の医師不足が最も深刻で、必要な医師数を満たすには現状の1.4倍を確保する必要がある。
 上氏 1970年代に当時の厚生省と日本医師会が将来医師が過剰になると主張し、医師数を抑制したため現在の医師不足を招いた。人口1300万の九州には医学部が11校あるが、同規模の千葉、埼玉両県は計2校しかない。900万の神奈川県も4校。医学部の新設が許認可制になっている点が問題だ。

固有の事情、地域で解決/増田氏

 -医学部新設には、全国医学部長病院長会議も反対している。一方で全国市長会が医学部新設を決議し、宮城、新潟、神奈川、静岡の4県知事が国に要望書を出した。
 上氏 医師は高齢になると働けない。これに対し患者は高齢化に伴い疾患が増え、医療需要は指数関数的に増える。医療安全の観点から、勤務医の労働時間に規制をかける動きもある。私たちの研究室のシミュレーションでは、関東圏は2050年ごろまで医師不足が続く。東北の医師不足も35年まで悪化する
 仙台市に医学部を新設すべきだ。人口200万を超える大きな県である宮城の中心に位置し、旧七帝大に数えられる東北大という研究志向の高い大学もある。旧帝大のある都市で医学部が1校しかないのは仙台市だけだ。地域医療と研究を分業した方がいい
 -全国の医学部入学定員はかつての約7600人が現在は約8900人にまで増えている
 久道氏 確かにここ数年間の定員増は、医学部を10校以上新設したのに等しい。しかし定員増は卒業生が地域医療に従事することを担保していない。1973年の国の無医大県解消構想で、各都道府県に医学部・医大が1校以上置かれた。新設された大学のほとんどは地域医療を担う構想でつくられた。北海道大と札幌医大、大阪大と大阪市大、京都大と京都府大など、旧七帝大のある地域には地域医療を担うための大学が必ずある。
 東北大は歴史的に宮城県の地域医療を担ってきただけではなく、東北各地の基幹病院に医師を派遣してきた。その一方で研究もしなくてはならない。東北大は入学定員(12年度125人)の約半数が研究職に就く。宮城県には地域医療を担う、または臨床を重視する医師養成機関が必要だ。
 増田氏 医学部新設に反対する意見の多くが全国の医師需給の観点から議論している。私はこの問題は「被災によって加速度的に地域医療の崩壊が進行している東北につくる」という視点をまずは押さえなければならないと思う。東北の医療、大学関係者には考えてもらいたい。地域の医師不足は地域で解決する地産地消の発想が必要だ。自分たちで医師を養成し、東北の若い人材を地域に投入したい。

複数科勤務、義務付けも/久道氏

 -医学部新設の動きは民主党が政権交代を果たした09年の総選挙で、マニフェスト(政権公約)に医師養成数を1.5倍に増やすと掲げたのが発端。今後、運動論をどう展開するべきか。
 久道氏 「地域医療を担う使命」。これを医学部新設の条件にするのがいい。仙台厚生病院と東北福祉大の構想には、卒業後に地域医療への従事を義務付ける奨学金など具体的な方策が組み込まれており、医学部新設の申請があれば許可を出してほしい。
 全国の自治体病院の約7割は赤字で、最大の原因は医師不足にある。東北に医学部を新設しても卒業生が一人前になるまでに10年近くかかる。それまでに、例えば宮城県内の自治体病院を一つの地方独立行政法人に統合し、調達コストの削減や人事の迅速化を図る手法もある。診療科偏在は、外科志望の医師には麻酔科や産婦人科、内科志望には精神科や小児科に何年間か勤務を義務付けるなどすれば、ある程度解消できる。
(略)

それぞれに真実の一端は突いたコメントが並んでいるのですが、まずは地域医療が破綻しつつある中で医師の囲い込みが起きている、それならば医師不足の地域にはもっと医学部を作るべきだという論点が一つ挙げられています。
確かに人口比で医学部定数の多い、少ないが地域の医療需給バランス是正を妨げているという声には一定の説得力があって、かねて医学部を新設するなら千葉や埼玉だろうという声があったことも事実なんですが、その一方で医学部定員125名を誇る岩手医大を擁しながら県内研修希望者がその半数以下という現実が示しているように、単に学部定員を増やすだけでは意味がありません。
失礼ながら県内卒業生の過半が県外逃亡するような地域を基準にして医学部を造設していったのではコストの面でもさることながら、全国的に医師過剰になっても特定地域では医師不足だからと医学部定員を増やし続けるということにもなりかねず、あまり現実的な話ではありませんよね。
実効性ある解消策としては単に学生の総数ではなく卒後の定着率の方が問題なのだとすれば、究極的には特定地域内でしか診療を行えない自治体内限定の医師免許をという話にもなりかねませんが、さすがにそれも無理だと言うことで現在は奨学金や授業料免除によって卒業生の進路を地域に縛り付ける「地域枠」というものが拡大しつつあるわけです。

他方では臨床医と研究医の区分、診療科毎の偏在といった問題も提起されていますが、これなどはまさしく今議論されている新専門医認定システムによって診療科毎の医師数から地域内での定数までコントロール可能になるのでは…とも期待されて?いるところですよね。
逆に言えば医学部定員の大幅増で医師数がどんどん増えてきている中で、総数だけを取り上げてどんどん医学部も新設しろでは非常に非効率ですから、より効率よく安価に問題を解決出来るのであれば財政上もこれに超したことはないのは当然です。
そうした目で見ますと先日就任早々の田中真紀子文科省が突然に鶴の一声でこんなことを言い出したというのも、実は単なる思いつきではない深慮遠謀が隠されているのかもしれません。

田中文科相:3大学の新設認めず…審議会の答申覆す(2012年11月02日毎日新聞)

 田中真紀子文部科学相は2日、閣議後の記者会見で「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」と述べ、認可を厳格化する方針を示した。また、大学設置・学校法人審議会が1日に来春の開学認可を答申していた秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大(愛知県)の3件の4年制大学を不認可とした。文科相が審議会答申を覆したのは、省内に資料が残る30年間で初めてで、極めて異例の判断

 学校法人が大学を開校したり学部を新増設したりする場合、文科相は審議会にその可否を諮問し、答申を受けて決定する。田中文科相は全国に4年制大学が780(国公立181、私立599)校あることに触れ「大学教育の質が低下している。そのために就職できないことにもつながっている」とし、当面は新設を認めない方針を示した。今後、検討会を設け、メンバーの多くが大学の学長や教授で占められている審議会の在り方を見直す。

 1日に答申された学部の開設(16件)、大学院の開設(13件)は答申通り認可した。【石丸整】

ルールに則って粛々と準備してきた各大学にすれば寝耳に水の話ですから、すでに関係各方面に大いに波紋が広がっているのも当然の話なのですけれども、元々は財務相を希望していたという田中大臣が単なる思いつきでこんなことを言い出したのでしょうか?
このニュースと相前後するかのように、今度は財務省筋からこんなニュースが出てきていますけれども、並べて見比べてみると興味深いですよね。

“教職員定数 5年で1万人削減”案(2012年11月2日NHK)

財務省は、文部科学省が目指している少人数学級の実現は必ずしも教育の向上につながらないとして、公立の小中学校の教職員を5年間で1万人削減する案をまとめ、来年度予算案の編成作業では、増員を要望している文部科学省との間で、教職員の定数をどう取り扱うかが焦点の1つとなりそうです。

この案は、財務省が1日に開かれた財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会で示したものです。それによりますと、文部科学省が教職員の増員によって実現を目指している少人数学級について、必ずしも教育の向上につながらず、少子化が進んでいることもあって、公立の小中学校の教職員の定数を逆に5年後の平成29年度までに毎年2000人ずつ、合わせて1万人削減すべきだとしています。定数の削減で、650億円の事業費を減らせるとしており、この財源を全国学力調査やスクールカウンセラーなど外部の人材活用、それに財政の健全化に充てるべきだとしています。
一方、文部科学省は、公立の小中学校で1学級の児童や生徒数を35人以下にするという少人数学級を実現するためには教職員を5年間で2万7800人増やす必要があるとして、来年度予算案の概算要求でそれに必要な予算を要望しています。
このため来年度予算案の編成作業では、小中学校の教職員の定数をどう取り扱うかが焦点の1つとなりそうです。

いくら少子高齢化が言われていると言ってもゆとり教育の見直しが叫ばれる中で、いきなり教職員を1万人も減らすのでは国民的にも納得出来ないのではないかと思いますけれども、支出削減ということに関してここまで財務省が文科省に圧力をかけてきているということでしょうか。
前述の記事にある通り新設が認められなかった三大学の中には公立大学も含まれていますが、私立大学であっても国からの補助金は入っており、ましてや今の時代に医学部新設ともなれば自治体からはたっぷりと補助金が付くだろうことは想像に難くないだけに、この一手は従来からコスト面で非効率的過ぎるという指摘が多かった新設に新たなネガティブ要因が加わったという形です。
すでに医学部新設に関してはほぼないだろうというのが大方の予想になってきていますが、ここまで厳しいことを要求されるのであれば新設どころか今後は一足先に破綻しつつある歯学部や法科大学院と同様、国試合格率や留年率など教育公立にまで踏み込んでの大学の査定も行われていくことになるのでしょうか。

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2012年11月 4日 (日)

今日のぐり:「丸源ラーメン 福山神辺店」

先日は中国人作家の莫言氏がノーベル文学賞を受賞しましたが、にわか観光名所と化した同氏の旧宅では大変なことになっているようです。

ノーベル賞・莫言氏の旧居に観光客殺到、それはいいが中庭の大根などすべて持ち去る―中国(2012年10月31日レコードチャイナ)

2012年10月30日、ノーベル文学賞を受賞した中国人作家・莫言(モー・イエン)氏の山東省高密市にある旧居に観光客が殺到、莫氏の才能にあやかろうと、中庭の苗木や農作物が持ち去られ、荒地のように一変してしまったという。河南省のニュースサイト・河南―百度が伝えた。

莫氏がノーベル文学賞を受賞すると、その旧居がにわかに注目を集め、多くのメディアや観光客が訪れるようになった。週末には200~300人規模に膨れ上がることもあり、莫氏の2番目の兄・管謨欣(グワン・モーシン)氏が臨時のガイド役を買って出て、観光客の応対をしている。

管氏は「ここが、彼が生まれて、結婚するなど、20数年を過ごした場所です。チャン・イーモウ(張芸謀)監督が『紅いコーリャン』を撮影した当時、彼はこの中庭で、監督や主演俳優のチアン・ウェン(姜文)、コン・リー(鞏俐)と一緒に食事をしたこともあります」と紹介する。

人が大勢訪れるようになったことで、中庭の芝は荒れ、植えてあった大根や苗木も根こそぎ持ち去られてしまった。今では中庭の様子が一変し、荒地のように。こうした“お持ち帰り”は子どもを持つ親に多いようだ。莫氏の文才に少しでもあやかり、有名大学に合格させたいということらしい。

中には、大根や苗木の代金を渡そうとする律儀な人もいるが、管氏は「皆さんわざわざ遠くから出向いて来てくれているのだから」と頑として受け取らない。“お持ち帰り”についても、「親が子どもの大成を願う気持ちは十分理解できる」ととがめる様子もない。

莫氏もこうした状況を知っているそうだが、特に何のコメントも発表していない。旧居は依然として観光客に公開されており、今も多くの人で賑わっている。(翻訳・編集/HA)

日本でもかつて大阪花博で大規模な集団持ち帰り事件が発生したと話題になりましたが、まあどこの国にもこういう人々は少なからずいるものですかねえ…
今日は思わぬ被害にあった莫言氏旧宅に哀悼の意を表して、世界中からそれはちょっとトホホではないかと思われるニュースを紹介してみましょう。

「裏ビデオ購入、告訴取り消しに手数料」 82歳男性、振り込め詐欺1700万円被害「妻に知られたくなかった」(2012年10月31日産経ニュース)

 東京都北区の無職男性(82)が弁護士を装った男らから刑事告訴を取り消す名目で現金計約1700万円をだまし取られていたことが31日、警視庁王子署への取材で分かった。実際には刑事告訴されておらず、同署は振り込め詐欺事件として捜査している。

 同署によると、昨年12月下旬、男性方に「少年犯罪レポートセンター」という架空の団体を名乗る男から「裏ビデオを購入したため少年犯罪の告訴状が出ている。取り消すためには手数料が必要だ」などと電話があり、手数料約12万円を指定された口座に振り込んだ。

 その後も今年10月までに架空の女性団体の職員や弁護士を名乗る男から「告訴を取り下げるには手数料が必要」などと繰り返し電話があり、男性は9回にわたり口座に振り込んだり、自宅を訪れた関係者を名乗る男に手渡すなどし、計1700万円をだまし取られた。

 男らと連絡が取れなくなったのを不審に思い、同署に届け出た。男性は「20~30年前に裏ビデオを1回購入したことがあり、妻に知られたくなかった」と話しているという。

一度支払えば末永くカモ扱いされてしまうという典型的なケースですが、しかし大昔の過ちがここまで尾を引くとは何というべきでしょうかね…
こちらも高齢者が絡んだニュースですが、金儲けを図るにしてもいくら何でももう少し手段を選べよと言いたくなります。

盗んだ入れ歯に「名前」 介護士"御用" 熱海(2012年10月30日アットエス)

 熱海市の老人介護施設で金歯1本を含む入所者の入れ歯を盗み、質屋に持ち込んだとして熱海署は29日、窃盗の疑いで同市西熱海町、同施設職員の介護士の女(69)を逮捕した。入れ歯の裏側に持ち主の名が刻まれていたことが質屋での盗難品発見につながり、逮捕の決め手となった。
 逮捕容疑は8日ごろ、入所者の女性(90)が施設食堂に日用品と一緒に保管していた入れ歯1個を盗んだ疑い。同容疑者は女性の介護を担当していた。
 同署によると、逮捕に貢献した県東部の質屋は、換金を依頼しに来た容疑者と入れ歯に刻まれた氏名が違う点を不審に思い、「査定にかける」と説明してその場で現金化せずに入れ歯を預かり、同署に連絡した。
 同容疑者は「盗んだことは間違いない」と大筋で容疑を認めている。

しかし虫歯などオーダーメードで流用も出来ないでしょうに質入れできるということにびっくりしましたが、流れた場合にはちゃんと換金できるんですかね?
世の中には遅れては絶対ダメな局面というものがままありますが、そういう場合にこそ人は誘惑に駆られがちであるというのがこちらのニュースです。

駅の営業開始が遅れた原因「二度寝」 JRのプレスリリースが他人事とは思えない件(2012年10月31日ねとらば)

 いやー布団が恋しい季節になりました。記者も今朝はうっかり寝過ごしてしまいました。ん? なんでこんな話をするかって? まずはこちらをご覧ください。JR西日本のプレスリリースです。タイトルは「奈良線 六地蔵駅の営業開始が遅延した事象について」。下まで読んで行くと「原因 六地蔵駅の社員が起床後に二度寝したためです」……マジか!

 発表によると10月29日早朝、京都市にある奈良線六地蔵駅の係員さんが寝坊したため、営業開始の準備作業が遅れる――というトラブルが発生。本来は午前5時15分までに宇治駅に起床の報告をしなければならない決まりですが、起きたのがなんと午前5時15分ごろだったそうです……。これはやばい。冷や汗ものです。だって始発の時間が迫っているッ。

 自動改札機と券売機を使用開始したのは午前5時30分ごろ。奈良駅を午前4時50分に出発した始発電車は六地蔵駅に午前5時32分に到着しました。そして50人のお客さんが乗車。乗り遅れた人は……いませんでした!!!! うおおおおセーフ! 大きなトラブルにならずに済んだようです。ちなみに、きっぷを購入できなかった5人のお客さんには着駅で精算するよう案内したとのことなので、本当にギリギリだったのかもしれませんね。

 営業開始の遅延について詳しく報告しているこのプレスリリースはネットユーザーのあいだでも話題に。といっても問題視しているひとは少なく、どちらかと言うと「二度寝なら仕方ない」「にんげんだもの」「駅員さん乙」「この時期のおふとんの魅力は異常だからね」などと暖かいコメントが多く寄せられていました。

 今後同社では対策として「指導教育を徹底し、同様の事象を二度と発生させないよう努めてまいります」とのこと。果たして、二度寝の誘惑を断つという人類史上最も難解な課題を克服することはできるでしょうか……!

JRと言えば以前に「絶対に起きられる目覚まし」が話題になりましたが、さしもの秘密兵器も二度寝には負けましたか…仕方ないですむんでしょうかね?
料理番組と言えば時間短縮のためもあって完成品が用意されているのはお約束ですが、たった3分間の番組だけに起こった悲劇といえるのがこちらです。

「キューピー3分クッキング」の厚焼き卵があまりに焦げすぎだと話題に! ネットの声「放送事故だ」(2012年10月29日ロケットニュース24)

毎日のメニューを考える上で、そして料理の基礎を学ぶ上で非常に助かるテレビ番組「キューピー3分クッキング」。その人気番組の本日10月29日の放送が、通常よりはるかに大きな注目を集めている。なぜなら番組中の料理が「焦げすぎている!」と話題になっているからだ。
その話題となっている放送分のメニューは、ズバリみんな大好き「厚焼き卵」! それも甘くてしょっぱい関東風の厚焼き卵なのである。

まず最初に、料理の先生は厚焼き卵の卵液(らんえき)の準備からとりかかった。ボウルにだし汁大さじ4杯を入れ、そして砂糖を大さじ2杯……大さじ2杯!? 先生ちょっと、砂糖の量多くないですか? しかし先生は「ちょっと多めですよ」とニコニコしながら、砂糖を入れている。そうだ、そうだ。今日は甘くてしょっぱい関東風の厚焼き卵を作るんだった。
そして強火で熱したフライパンに油をひき、卵液を注ぎ込んだ。卵液の色がうっすら変わり始め、先生も「ちょっと甘辛い、いい香りがしてきました」とその香りのよさをアピール。これはおいしいに違いない! そしてフライパンの上の卵を先生がひっくり返す! んっ!? これは!?
黒い! 黒いぞ、これは! 先生、これっていわゆる「焦げている状態」じゃないんですか?

アシスタントをつとめるアナウンサーも同じような疑問を抱いたらしく、卵の色を見て、「これぐらいしっかり焼き色が……?」と先生に不思議そうに質問。すると先生は、「そうなんです!」と質問にかぶせ気味に即答した。
そっか、こういう焼き色の料理なんだ。先生も「どうしても今日しっかり砂糖が入って、醤油も入っている味付けなので、色はこういうふうにつくんですよ。でもね、これがまたおいしいんです!」と説明している。どうやら記者(私)のとりこし苦労のようである。そして料理は無事完成し、放送はいつも通り終了した。
しかしこの放送を見たネットユーザーたちからは、次のような声が上がっており、大きな盛り上がりを見せている。

「ワロタwwwwwwww ちょっと焦げすぎだろw」
「これたまたま見て超笑ってましたw」
「これかww砂糖とかいれすぎたんかねwwwww 」
「oh……3分クッキング放送事故」
「これ、映像がかなりジワジワくるな…」
「3分クッキング、笑いすぎて咳が止まらないwwwww」
「海苔入りかと見紛うほどの黒さ」
「生じゃないんだし、やり直しさせてあげたら良いのに」
「この3分クッキング、リアルで見てて『焦げてるやん…』って何回つっこんだかwwww」

しかしその一方で、次のような声も上がっている。

「あれくらいだったら何ら問題ないけどw」
「予想以上に焦げすぎワロタ。でもばあちゃんの卵焼きってこんな感じなの思い出して泣いた…」
「逆に美味しそう」
「厚焼き卵というか母の作る卵焼きてこんなんだったなあ。甘くて美味しいけど不格好なの」

どうやらネット上では、「あれは焦げすぎ!」という意見と「厚焼き卵では、これが普通!」という意見の2つに分かれているようだ。みなさんは今回の厚焼き卵、どう見る?

どれくらいの焼け具合であったかはリンク先の画像を元に判断いただきたいと思いますが、第一段階の焼き具合と仕上がりの焼け具合が大いに違う時点で…
海外からも様々なトホホニュースが飛び込んできていますが、再び中国からそれはちょっとどうなのよ?という窃盗犯をご紹介しましょう。

“気合い酒”飲み窃盗後に爆睡、犯行前に1リットルの酒で眠気に負ける。/中国(2012年10月28日ナリナリドットコム)

勝負ごとに臨んだり、勇気が必要な場合などに、お酒を飲んで“気合い”を入れることがあるが、中国のある窃盗犯は、自身を鼓舞するために犯行前に飲酒。強い眠気に襲われて犯行現場のそばで熟睡してしまい、逮捕されたという。

中国メディア青島新聞網などによると、窃盗事件が起きたのは10月16日、青島市の徳興路にある物流会社の社員寮でのこと。寮で暮らす社員の劉さんは15日の深夜、枕元に置いていたケータイと財布が盗まれていることに気が付いた。寮内にはほかの人もいたが、みんな熟睡していたため、窃盗犯の侵入には誰ひとり気付かなかったそうだ。

劉さんは警察に通報したが、これといった手掛かりは見つからない。そうこうしているうちに、翌日の夜、再び窃盗事件が起きてしまう。やはり劉さんと同様、就寝時に枕元に置いていた社員のケータイと財布が消失。同じ寮で、しかも2日連続で窃盗事件が起きたことから、警察も捜査に本腰を入れるようになり、現場検証が入念に行われることになった。

すると、警察がまだ現場検証をしている最中に、「酔っ払いの男が会社の倉庫で寝ている。まったく起きないので見て欲しい」との一報。警察が倉庫を訪れてみると、確かに男性が大いびきをかいて熟睡しており、従業員の話から、この男性はかつてこの会社で働いていて、解雇された元従業員だと判明した。

警察と従業員はひとまず男性を起こそうと、身体を担いで倉庫の外に出たが、その際に男性のズボンのポケットから1台のケータイが落下。それは先ほど「盗まれた」と通報があったばかりのケータイで、これを怪しんだ警察がポケットを探ると、中からは盗まれた財布も見つかった。

目を覚ました男性を警察が事情聴取したところ、しっかりと“物的証拠”を押さえられていることもあり、あっさりと犯行を自供。張という名のこの31歳の男性は、故郷から出稼ぎにきてこの会社で働いていたものの、無断欠勤などですぐに解雇され、その後、日雇い労働者として食いつないでいた。ところが、あるときに寮のカギがまだ自分の手元にあることに気が付き、窃盗を決意するに至ったそうだ。

ただ、いざ窃盗に入るとなると急に怖くなり、寮近くのレストランで1リットルの酒を飲んで“気合い”を注入。第一の犯行が思いのほかうまくいったことから、翌日も酒を飲んで犯行に及んだのだが、そのときは前日以上に酒を飲み、犯行後に強い眠気に襲われて敷地内にあった倉庫で眠りについてしまったという。

あまりに情けない仕事ぶりといえそうですけれども、半ば素人であったが故のお粗末さということなのでしょうか、これに懲りて改心することを願うのみです。
パチンコガンダム駅」などの出現で国内各方面でも話題になっているiPhone用地図の問題ですが、全世界的に話題になっていることを示すこんなニュースがあります。

iPhone5内蔵の地図がひどすぎてレイチェルを救出できないバットマンのパロディ動画が笑えてしょうがない!!(2012年10月28日Pouch)

先日、発売されたiPhone5。待望の新モデルですが、搭載されている地図機能については精度が低いとの声が上がっています。それは日本だけでなく海外でも同じ。今回は、そんな地図アプリへの不満を逆手に取ったバットマンのパロディ動画をご紹介します!

バットマンといえば、クリストファー・ノーラン監督の『バットマン・ビギンズ』から始まる映画3部作を思い浮かべる人も多いでしょう。中でも2作目の『ダークナイト』は秀逸! ヒース・レジャーが演じたジョーカーのピエロ姿、あまりに怖すぎて鳥肌モノでした。
動画はそんな『ダークナイト』からのパロディ。ゴッサム・シティを守るバットマン。ジョーカーを追い詰め、ガールフレンドのレイチェルの居場所を聞き出します。これ、映画でもありましたよね。彼女を無事救出できるかどうかは大きな見どころ。手に汗握る展開でした!
バットマン、自身のバイク「バットポッド」に乗り込み救出に向かうのですが、イマイチ道がわからない様子。行き方はiPhone頼み。うわー、何だか嫌~な予感がする……。
地図のナビゲートにしたがってバイクを飛ばしていくバットマン。しかし、「左に曲がれ」という音声に従うと、ドカーーーン!! いきなり車の群れに激突! 「お前、嘘つきやがったな!」とiPhoneに毒づく悲しきヒーロー。
再び音声の通りにバイクで疾走。今度こそレイチェルのもとにたどり着けるか!? モール(?)の中に突入しちゃったけど大丈夫でしょうか? 音声はそのまま飛ばせと言うておりますが……。
「レイチェーーーーーール!!」と叫びながらそのまま全力でバイクを飛ばすバットマン。「目的地到着です」の音声に従い、バイクを停めます。おお、よかった! 無事たどり着いた!! 最愛のガールフレンドの名を呼びながら建物の中に駆け込みます。ゼイゼイ息が切れているけど大丈夫か(もともとゼイゼイした声なんだけど)。
やっとの思いでドアを開けると、そこには一人のホームレスらしき男性が……!! これ、レイチェルやない! 愕然とするバットマンの後ろで、少し先にある建物がドガーーーンと爆発! レイチェルがいるのはそっちの建物だったかぁーーーー!!

というわけで、iPhone5の地図の性能が悪すぎてぜんぜんゴッサム・シティを守り切れないバットマンでしたとさ、ちゃんちゃん……ってひどすぎるよ!!
この動画、音楽がiPhoneのCMで流れているような曲でまた笑いを誘います。この他、YOU TUBEには「ハンガー・ゲーム」や「シャイニング」のパロディ版もありますので、興味がある人はぜひご覧になってみてくださいね。皆さんも、最愛の人を救出に行く際には不確かな地図アプリに頼り切らないようご注意あれ!

まあガジェットと言うものは本来それくらいの信頼性であると覚悟しておくべきだという意見もあるのでしょうが、当面は社外品の地図アプリを用意しておいた方がよさそうですよね。
最後に取り上げますのはこちらブリからの話題ですが、これまた健全なブリ的精神の発露と言ってしまってよいのでしょうか?

おかしなケータイの故障理由、英国の保険会社に寄せられた珍エピソード。/英(2012年10月19日ナリナリドットコム)

携帯電話はもはや現代の必需品となっているだけに、もしも壊れて使えなくなれば、すぐに新たな端末を手に入れたいと思うはず。日本では、携帯各社が用意している有料の補償サービスに入れば、安く次の端末を購入できるようになっているが、問題は故障した原因が適用に値すると認められるかどうかだ。英国では先日、携帯電話向け補償サービスを行っているインターネット保険会社が、この1年間に寄せられた「顧客からのおかしな故障理由」を発表。ズラリと並ぶ不思議な説明の数々が話題を呼んでいる。

英紙デイリー・テレグラフやサンなどによると、この発表を行ったのは携帯電話の補償サービスを専門に扱っている「MobileInsurance.co.uk」。同社では、機種やサービス内容に応じたさまざまな補償サービスを英国で展開しており、多くの顧客を抱えている。日々、「端末が壊れたので補償を受けたい」とする顧客からの問い合わせの対応に追われているが、その中には故障した原因について耳を疑う“怪しい弁解”も少なくないという。今回同社は、中でも特に「おかしい」と感じた説明のいくつかを公開した。

「トイレに落とし、流してから気が付いた」「彼に嘘をつかれて怒り、投げつけたら壁に当たって壊れた」と、いかにも有り得そうなパターンもあるが、普通では考えられないような話も少なくない。ある牧場主の男性は、牛の出産に際して照明代わりにiPhoneを活用。ところが使用していると「偶然にも」iPhoneが牛のお尻の中に入ってしまい、後で引き抜けたものの、端末は壊れていたと主張したという。

ある花火大会で、イベントを行った後に自分のiPhoneが無くなっていることに気が付いたのは花火職人の男性。彼は、自分の端末が花火筒の中に誤って入ってしまい、「空中に発射されて」壊れたと主張し、補償を求めた。また、大好きなミュージシャンのライブ会場へと足を運んだ男性は、チケットが売り切れていたために中へ入れず、近くの木に登ってライブを自分のiPhoneで撮影しようと挑戦。しかし、ステージ上にミュージシャンが現れた瞬間に「少し興奮した」彼はiPhoneを木の下に落としてしまい、肝心な場面を撮影する前に端末を壊してしまったそうだ。

ほかにも「船の上で“タイタニックポーズ”を試みる自分たちを撮影しようして、海に端末を落としたカップル」「浜辺を歩いていたらカモメにGALAXYを持ち去られた女性」「“大人のおもちゃ”として振動機能を使っていたら壊れてしまった女性」など、いろいろな原因を主張した人たちが紹介されている。ただし「MobileInsurance.co.uk」では、今回明かした全員が補償されたわけではないとも話し、すべてのケースにおいて「厳しい調査が行われる」との注意も忘れていない。今回紹介した中では、花火職人とライブ撮影失敗の男性、“大人のおもちゃ”の女性は補償を拒否され、ほかの人たちは調査の結果、それぞれの説明が認められたという。

「補償を受けるためのさまざまなシナリオ」が顧客から寄せられると話す関係者。どこまで嘘の申告をする人がいるのかは分からないが、せめて過失で壊すことがないように、日頃から自分の携帯電話を大切に扱う意識を利用者も持たなくてはいけない。ちなみに同社の関係者は、補償を要求するなら「電話は電話として使って欲しい」と話し、便利だからと無茶な使い方は控えるよう呼びかけている。

しかし「偶然にも」iPhoneが牛のお尻の中に入ってしまいなどと、まるで偶然ジャガイモが尻に入ってしまった牧師様を思わせるような奇妙なブリ的一致と言うべきでしょうかね。
それにしても厳しい調査が行われた結果、これら大多数では補償が認められたというのですからいやはや、さすが常識の斜め上をいくブリらしい話ではありました。

今日のぐり:「丸源ラーメン 福山神辺店」

先日は同じ系列の倉敷店にお邪魔しましたこちら「丸源ラーメン」さん、今回は立て続けに福山の店舗に入店する機会がありました。
さすがに倉敷店よりは一回りほど小さいですがラーメン店としては収容力は相当なもので、トイレや待合といった公共スペースも全般に小振りにはなっているものの同系統の作りで、チェーン全店で統一デザインなんでしょうかね。
ちなみにこの辺りは最近どんどん郊外型の店舗が増えてきているところで、近隣に競合店も数ある中客の入りはまずまずという感じでしょうか。

今回頼んでみましたのは野菜たんめんを麺は硬めで、野菜はしゃっきりとした仕上がり具合ですし麺の茹で加減もちょうどいい(デフォでは少し柔らかめ?)と、調理自体はちゃんと行われているようです。
スープの方では胡麻油の風味がかなり目立ったアクセントになっていて、この塩味も悪くないんですが前回食べた醤油ダレのキレも捨てがたいものを感じますね。
ちなみに店内の掲示等が結構目立っていて、各メニューの食べ方指南まで用意されているのがちょっとうるさい気がしないでもないんですが、見ていますと大多数のお客さんはごく当たり前に食べていらっしゃるようです。
全般的には最近のチェーン店のラーメンらしく特にどこといって悪くもないとは思うのですが、やはり前回も感じたようにセットの一品ならともかくメインメニューとして少し引きが弱い気はしますでしょうか。

倉敷店よりもこちらの方が先発なのでしょう、接遇は多少なりとも手慣れた感じで気配りもまずまず出来ている点は好印象なのですが、後はフル操業の状態でこの水準を維持出来るかどうかでしょうか。
この界隈にはラーメン屋だけでも何種類も出店していますし、その他外食産業各種が集積しつつあるのはいいのですが、位置的には市街地の間の移動を司る郊外幹線道路沿いですから、指名でやってくる常連よりは一見さんに近い顧客が多いんでしょうかね。
そう考えるとこの地域のラーメンの主流とは少し外れている気がするのがいいのか悪いのかですが、全国展開しているくらいですからその辺りの集客ノウハウはきっちりと用意しているのでしょうか。

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2012年11月 3日 (土)

今日のぐり:「はま寿司 倉敷連島店」

世界に冠たる温水洗浄式トイレの発明を見るまでもなく日本人のトイレ好きは相当なものですが、思わず「どんだけウンコ好きなんだよ」と言いたくなるこんな雑誌が発売されたそうです。

「ひよこクラブ」の荒ぶるレイアウト! 50人の赤ちゃんとうんちを並べる(2012年10月30日サイゾーウーマン)

 今月の「ひよこクラブ」は、「赤ちゃん50人の健康うんち大公開」特集が話題になっています。「健康のバロメーターの一つであるうんち、だけど他の子のうんちを見る機会はない。そこで50人の赤ちゃんの健康なうんちを大公開。参考にしてね」という主旨の記事で、見開きページに50人の赤ちゃんが出したうんちの写真(広げた使用済みおむつを激写したもの)がギッチリ整然と並んでいます。その横には、出した赤ちゃん本人の顔写真が配置されているという、かなりショッキングな誌面展開!
 卒業アルバムの顔写真の横にそれぞれが出した大便画像が載っているみたいな感じですよ!
 保健所の冊子とかに、「健康なうんち」の写真が参考として載ってますけど、「このうんちは私がしました」みたいに顔写真までは載ってないんですよ。「顔写真いらなくね?」「さすがにひいたw」「うんちばかり見てたら吐き気がしてきた」など、全国のママたちがその動揺をネット上につづっています!
 普段はおしとやかなのによくわからないポイントで突然生々しく語り出しみんなを驚かす「ひよこクラブ」、7カ月の女児をもつママライターが読んでいきます!
(略)

まあ、もちろん目的としては健全なものであるのでしょうけれども、やはり顔写真まではいらないですよねえ…?
本日は世界各地から人間にとっての永遠不滅の話題、排泄ということに関連するびっくりニュースを取り上げてみたいと思いますけれども、まずはこんな驚く記事からいってみましょう。

ズボラの最終形か? オムツ女子の生態(2012年9月28日日刊SPA!)

 草食系男子の増加とともに、“女性の男性化”も叫ばれて久しい昨今。「部屋の片付けをしない」、「下着は上下バラバラ」、「ムダ毛の処理もさぼる」などと、“外見こそキレイでも実はズボラ”という女性が、増えているようだ。
 そんなズボラ女子の最終形とも言えそうな、驚くべき生態があった。都内の不動産企業に勤めるOLの足立香織さん(仮名・25歳)が得意げに話す。
「私、ここ半年くらい、使い捨てオムツを使ってるんですよ。生理用品の代わりとかじゃなく、普通に穿いています」
 なんと、彼女は尿を吸収させるためにオムツを普段から着用するという。尿漏れ対策とかいうレベルではなく、“トイレに行く代わり”として使用しているのだ。「ほとんど毎日穿いている」という彼女に、なぜオムツを使うのか聞いた。
「私は普段、外回りで営業もするんです。前に訪問先で営業していたら突然、オシッコしたくなって、『ココで席を立ったらマズイよな~』と思ってガマンしてたら、帰り際に漏らしちゃったんです……。それ以来、急にオシッコしたくなってもいいようにオムツを穿くようにしたんですけど、使い始めたらコレ、超便利! 会社の飲み会とかでも、上司の話の最中って席を立ちづらいじゃないですか? そんな時もこっそり、ショ~って。生理用品だと何回も吸収できないんで、やっぱりオムツのほうがイイんです」
 ちなみに、「念のために普通の下着も持ち歩いている」という彼女。パンツスタイルだとオムツを着けていることがバレるので、装着時にはスカートを穿くようにしているのだとか。
「もちろん、彼氏と会う日とかには履かないですよ(笑)。その日の予定によります」
 これは、過酷なビジネスの世界に身を置く女性が、突然変異しただけなのだろうか……。ズボラ飯は流行っても、ズボラオムツは流行ってほしくないと思う、今日この頃だ。 <取材・文・撮影/日刊SPA!取材班>

いやしかし人生いつ何があるか判りませんし、まさかに急な事故にでもあった時にはベッドの下の趣味のアイテムよりもずっと恥ずかしい記憶を後代に残すことになりかねないと思うのですが…
終わっているという点では海外の方々も大概であるようですが、こちら中国の女子も相当なことになっているようです。

エレベーター内で放尿、中国人女性の行為が物議/マレーシア(2012年10月28日JST配信)

【ジョージタウン】 ペナン州のアパート「スリ・サウジャナ・フラット」のエレベーター内で放尿する若い中国人女性の防犯カメラの映像が公開され、その公衆道徳を無視した行為が物議を醸している。

問題の映像は10月10日午前6時ごろに録画されたもので、帰宅してきた女性はエレベーターに乗り込むと、我慢できない様子で防犯カメラの方をちらっと見た後、いきなりショートパンツを降ろしてしゃがみ込んで床に放尿。何食わぬ顔で目的の階で降りた。13階に住む中国人とみられているが、毎日午後に外出し早朝に帰宅するのが常で周囲の住民は何の仕事をしているか知らないという。

アパートの管理組合は、問題の映像の連続写真にして警告の意味でアパートのロビーにある掲示板に貼り出した。同アパートでは外国人がゴミを散らかしたりするトラブルも度々起きており、住民からは衛生面での懸念の声が上がっている。

こんなものを張り出されてしまった日にはもはや人として終わっているというものですが、いくら我慢できないと言ってもせいぜい数十秒のことでしょうに、やはり人間最後にもう一歩の努力が重要だということでしょうか。
こちらは昔ながらのわらべ歌で誰がどこで始めたのか判らないまま全国に広がっているという、あの伝説の一曲を思い出させるようなニュースです。

韓国で話題の駐車場糞塗り男/韓国(2012年10月29日朝鮮日報)

屋外駐車場の片隅で密かに用便を試み、他人の車に汚物をつけたある男の非常識な行動に対してネチズンが激怒している。車のオーナーは全ての情況が撮影された監視カメラの映像を公開した。

26日、自動車関連のインターネットコミュニティサイト『お宝ドリーム(仮名)』には、6月30日に屋外駐車場での監視カメラの映像が公開された。投稿者は、「雨の日の駐車場でとんでもない事が起きた。いくら急だとはいえ紙無しで用を足したらしいが、決して許す事は出来ない」とコメントした。

映像には、中年と思われるある男が傘を差したまま駐車場を見回して場所を探し、一番隅の投稿者の白い車横に腰を降ろした。車の横で用便した男性は紙が無かったのか、素手で汚物を処理しようとした。助手席のドアノブで手を拭いた男性は、地面にたまっている雨水で手を洗って消えた。

映像を見たネチズンは、男性を『駐車場(チュチャジャン)糞塗り男(トンチルナム)』と呼びながら非難した。あるネチズンは、「本当に急ならばそんなケースもあるが、なぜ車で拭いた」とし、「他人の大事な車にこんな事するなんて許せない」と指摘した。また別のネチズンは、「もしかすると精神的に問題がある人では?」、「あえて車に擦ったのを見れば意図的である」などのコメントをつけて激怒した。

これがまたリンク先に動画まで用意されているというのが正直遠慮願いたい気もする話題なのですが、やはりここでもまず後先を考えてみるという慎重な態度が望まれるということでしょうか。
どのように評価すべきなのか微妙な発明品というのは数あるものですが、まずはこちらから紹介してみましょう

【絶景】 解放感満点! 中からも外からもスゴイ眺めのトイレ / 外からは完全に丸見え/米(2012年9月20日ロケットニュース24)

トイレの個室といえば、四方を壁とドアで囲まれた小さなスペースであるため圧迫感を感じる方もいることだろう。しかし、ニューヨークのとあるホテルには圧迫感や窮屈さを微塵も感じさせないトイレがある。そこには、ニューヨークの街並みが目の前に広がる眺めの良い個室があるのだが、このトイレのスゴイところは中からの眺めだけではないのだ。

場所は、「スタンダード・ホテル」の18階にあるBoom Boom Room clubというバー。このバーの中に設けられたトイレが凄い。個室の一方向がガラス張りになっており、用を足しながらニューヨークを一望できるのだ。解放感はバツグンであり、悠然とした気分で一息つくことができる。

……と思っているのは、何も知らずに個室に入った人だけ! 実はこのトイレ、中から景色を見ることができるだけでなく “外からも” 見えてしまうのだ。前述のとおり天井から床までガラス張りであるため、道路を行き交う人々からは完全に丸見え。他人にいちばん見られたくない姿が男女関係なく見られてしまい、落ち着いて用を足せるような雰囲気ではないのだ。

それぞれの眺めは、個室内からとホテルの外からの両方で撮影した動画で確認することができる。

トイレには特に注意書きなどされていないとのこと。そのため、利用者のなかにはガラスではなくマジックミラーだと勘違いし、「内側からだけ絶景が望める素敵なトイレ」だと思い込んでしまう人もいるようだ。

中からは言葉にならないほどの素敵な景色、外からは言葉を失うほどの驚愕の景色。どちらからの眺めも凄いこのトイレを利用する際は、見られているかもしれないことをお忘れなく。

どんなトラップなんだよ!と思うようなトイレなんですが、リンク先の画像を見てみますとまんざら事情を知らずに利用している人ばかりでもないようで、時々夜道などで見かけるアレな方々にとっては合法的にナニ出来る素晴らしいトイレという評価も可能なんですかね…
こちらも一見すると素晴らしい発明品なんですが、よく考えてみると実用性という点では「?」というところでしょうか。

映画鑑賞中に「どのタイミングでトイレに行けばいいのか」を教えてくれるアプリ(2012年10月30日ロケットニュース24)

目の前に広がる巨大スクリーン。振動を感じるほどの大音量。映画館での映画鑑賞の魅力は、なんといっても自宅のテレビの前では味わえない臨場感だろう。ただし、映画館ゆえに困ることもある。トイレに行きたくなったときだ。
読者のなかにも、映画館でモーレツな尿意や便意と闘ったことがある人がいるのではないだろうか? 内容に集中できなかったとか、トイレに立った間に重要なシーンを見逃してしまったという経験が一度はあるはず(たぶん)。
そんな問題を解決してくれるアプリが登場した。『RunPee(オシッコ行っといで)』という名称のこのアプリ、見逃しても問題にならないシーンをユーザーに知らせ、かつ席を立った間に進んだストーリーを教えてくれるというのだ。

『RunPee』の使い方はいたって簡単。アプリをダウンロードし、映画のタイトルと本編開始時間を設定すると、上映中に席を外すのに適したシーン(3~5分)の最初と最後をケータイの振動が教えてくれるのだ。また、事前にタイミングをチェックしておくことも可能だ。たとえば「ケイトとアダムが顕微鏡を覗いた時から3分間」というように具体的なシーンと時間を教えてくれる。
「トイレに行く」とか「飲み物やポップコーンを買う」などの用事を済ませながら、その間に進んだ分のストーリーを読むことができるので、席に戻った後も安心して続きを楽しめる。「ねえ、どうなった?」などと連れに聞かなくても済むというわけだ。
『RunPee』を考案したのはダン・フロリオさんという男性。映画が公開されると同時に家族で手分けして観に行き、各作品の比較的重要でないシーン=「トイレタイム」を決めるという。映画の長さや内容により回数は異なるが、本編開始後約30分から終了前20~30分の間に、3~5分間のトイレタイムを最低1回設定する。『RunPee』では他に、次のような情報も提供されている。

■開始後3分間のストーリー説明(本編開始に間に合わなかった人向け)
■エンドロールの後の「おまけ映像」の有無
■どのトイレタイムが最も適切だったかなど、実際にアプリを使用したユーザーからのコメント
■映画の評価と感想

暗い館内でケータイを見ていても極力他の人の邪魔にならないよう、アプリ画面は黒い背景になっているという。長編映画を観る時には役立つかも知れないが、やっぱりトイレは上映前に済ませておこう。

詳細はリンク先を参照いただきたいと思いますが、ものすごく工夫していらっしゃるのは重々承知の上で、さて実際これを利用してみようという人がどれほどいらっしゃるんでしょうかね?
錬金術といえば洋の東西を問わず多くの者を魅了してきた禁断の秘儀ですが、どうやら現代科学は錬金術をついに実用化しつつあるらしいというニュースがこちらです。

【錬金術】純金のウンコを出す生物が発見される/米(2012年10月8日ロケットニュース24)

錆びることなく永遠の光を放つ鉱物・金(ゴールド)。人類は金に魅了され、ヨーロッパでは金を生み出そうと本気で研究されたこともあった。結局、金を生成することはできなかったが、この錬金術が今日の科学の根底にあるとも言われている。
そして科学が発展した現在。ついに金を生み出す方法が見つかったそうだ! なんとある細菌が純金のウンコを出すことがわかったのである。

金のウンコを出す細菌について発表したのはアメリカのミシガン州立大学の研究チームだ。微生物学専門のKazem Kashefi教授と電子工学が専門のAdam Brown助教授がこの細菌を発見したという。細菌が出すウンコは24K。つまり純金である。
細菌の名前はCupriavidus metallidurans。この細菌は自然界に存在する毒物「塩化金」を消化し純金を排泄することがわかった。細菌の存在は知られていたが、毒劇物に対する抵抗力がここまで強いというのは知られていなかったそうだ。かつて考えられていた強さの25倍だという。
実験で、細菌に塩化金を食べさせたところ、細菌は1週間後に金を排泄。教授らは「我々はいかなる操作もしていません。菌は自然の過程として金を排泄するのです」と話しているそうだ。

過去の錬金術師は科学・魔法と様々な方法で金を生み出そうとしたが、まさか錬金術の秘密をこんな小さな生物が握っていたとは思いもしなかっただろう。自然の力は人智をはるかに超えているのである。

リンク先を参照いただきますと確かにこれは紛れもなく金だなと思われるのですが、しかし金以外にもこうした細菌を応用して色々と画期的なことが出来るのかも知れませんね。
最後に取り上げますこちらもまた海のものとも山のものとも言い切れない開発途上の発明品ですが、それ以前に何かが違うという気がしてならないニュースです。

便器がゴールキーパー!?-TOTOがトイレ型サッカー用マシンを開発(2012年11月1日マイナビニュース)

住宅設備機器などを製造するメーカーのTOTOは、日本スポーツ振興センターが運営しているサッカーくじ「toto」とコラボした環境キャンペーン「トートートトト」を実施。10月28日、同キャンペーンの宣伝大使として制作されたマシン「S.G.T.K(スーパー・グレート・トイレ・キーパー)」を、福岡県北九州市八幡西区の本城陸上競技場で公開した。
同マシンは、ゴールに2カ所設置したカメラでシュートの軌道を読み込み、さまざまなシュートを止めるというトイレ型のマシン。ボールを認識した瞬間体を傾け、グローブを射出しボールを止める。

デビューとなった「J2ギラヴァンツ北九州戦vs京都サンガF.C」の前座では、カメラが太陽や風など天候の影響を受けたためか、ボールの阻止率はふるわなかったという。
同社ではこの結果を受け、今後ともたくさんの挑戦を受けていき、阻止率を上げていきたいと考えているとのこと。
詳細は、同キャンペーン公式サイト、および、公式Facebookにて。

なお、キャンペーンは両社の名前が似ていることを出発点として、同社のCO2を50%減らすための活動「TOTO GREEN CHALLENG」と、「toto」が行っている「収益の一部をグラウンドの芝生化にあてる」活動をPRするために行われているとのこと。

いやまあ、どこから突っ込んでいいやら迷うようなニュースなんですが、それにしても何故シュートを止めるのがトイレなんでしょうね…
ちなみに記事中にも名前が出ているようにTOTOはJ2ギラヴァンツ北九州のスポンサーでもあるのですが、当の選手たちはどのような思いでこの試みを見ていたのでしょうか。

今日のぐり:「はま寿司 倉敷連島店」

倉敷市南部の水島工業地帯に程近いあたり、こちらドライブスルーもありという新しい回転寿司屋が出来ているということでお邪魔していました。
今まではお邪魔したことがなかったのですがこの「はま寿司」さん、東京を本社に全国各地に手広く展開されているようなんですが、もともと105円と言う値段に加えて平日はさらに一割引と言いますから大変な安価で、単純に価格だけで考えてもコンビにおにぎり代わりに利用できそうなものですよね。
例によって同行者とシェアしながら色々とつまんでみたのですが、こちら何と醤油皿を置いていない(滴下式の醤油容器が各テーブルに置いてありますが…)という点にまずびっくりです。

まずはさんまとかんぱち、アジといった生のネタから入ってみたのですが、どれも劇的に美味というわけではもちろんないものの嫌味もなくそれぞれのネタらしい味もちゃんと感じられ、意外にまともな味と言っては失礼ですが100円系にしては妙に普通に食べられる点にまず驚きました。
締めのイワシ、シメサバなどもさすがに価格的限界は感じるものの酢の加減、ネタの按配ともにまずまずで、鮮魚ネタは150円くらいの店で出していてもそう違和感はなさそうに感じました。
一方で味自体は好みなんですがサイドメニューのエビとブロッコリーのタルタルサラダはいかにも作り置きで萎びているのは残念ですし、炙り玉子チーズというちょっと変わった玉子の握りはガス臭さが鼻について味わう以前にきついと、意外にも100円系の得意領域ではもうひとつかなと言う感じでしょうか。
とはいえ握り自体はあくまで100円水準なんですが、酢飯も含めて調味料の塩梅がいいのか意外にどれも味に破綻はないし、ネタそのものも食べていますと100円というよりも150円くらいの店でも出してきそうなものに思えますから、前述の割引共々回転直後の一時的サービスと言うのでなければ競争力は十分にありそうですね。

接遇面は見た限り店内にいるのが一人、二人ですから、会計以外ほぼ何も接点がないのは仕方ないかなと思いますが、トイレなども広くはないが今風に設備は完備してあったりと、ファーストフードに慣れ親しんだ今の人間にはこれくらいで問題ないんでしょうね。
注文画面がランダムアクセス出来ないらしいのでちょっと面倒なんですが、こういう方式のほうが年配層にはかえっていいかも知れませんし、今のところお客は決して多くないせいか回っている寿司も少ないですが、いずれ多くのネタが回るようになればそれでおおむね事足りるということなんでしょうか。
しかし食べ方自体変わってしまうでしょうに醤油皿がないというのも寿司の新しい境地を開拓する意気込みの表れなのかも知れませんが、この種の店の常でだだっ広い店内に職人の姿もなくカウンターと椅子だけが並んでいるというのは未だに慣れませんね…

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2012年11月 2日 (金)

医療費自己負担 世代間格差問題

しかし全く今日の話題とは関係のない話ですが、いろいろとアレなトラックバックもいただいてその都度確認しながら適正に処理させていただいているつもりですが、何故か全く取り上げたこともない某大学の公式サイトからトラックバックが来てたというのはどういうわけなんでしょうね?(記事の内容とも関係がなさそうですが…)
それはともかく、先日は各方面からの格差是正の圧力に抵抗するかのように、日医と三井厚労相がそろって高齢者の窓口負担軽減の特例措置廃止をまた先送りすべきであると主張したことが伝えられていましたが、読売新聞がこれに対して社説で異を唱えています。

【社説】高齢者の医療費 「世代間格差」の改善が必要だ(2012年10月31日読売新聞)

 高齢化で膨らむ医療費の負担を世代間で公平にすることが急務だ。
 政府の財政制度等審議会が、70~74歳の医療費の窓口負担を1割に抑える特例措置を廃止し、法律の規定通り2割負担にすべきだとの見解で一致した。財務相に近く措置の見直しを提言する。
 医療費の大半を賄う現役世代の負担が過重になるのを防ぐため、高齢者に応分の負担を求めることはやむを得ない。

 後期高齢者医療制度が始まった2008年、医療機関で払う窓口負担は70~74歳がそれまでの1割から2割に、75歳以上は従来通り1割とすると法律で決まった
 だが、当時の自公政権は国民の反発を恐れ、70~74歳の負担を1割に抑える特例措置を決めた
 民主党政権も継続している。
 この結果、1人当たりの平均収入に占める患者負担割合は、65~69歳の3・8%、75歳以上の4・6%に対し、70~74歳は2・4%と、格段に低い。歪(ひず)みが広がっていると言えよう。

 三井厚生労働相は、この問題について、記者会見で、特例措置の見直しに慎重な姿勢を示した。次期衆院選を控えて、高齢者に新たに負担を求めることは避けたいからだろう。
 だが、特例措置を維持するため、毎年約2000億円の国費が投入されている。財政赤字を拡大させる要因になっており、そのツケは将来世代へ回ることになる。
 高齢世代は、若い世代に比べて、税や保険料の負担を上回る年金や医療サービスを受けることができる。窓口負担の特例措置は、世代間の格差も助長するものだ。
 やはり、特例措置を見直し、負担の引き上げを決断すべきだ。政府は、負担を引き上げる場合は、今後70歳になる人から順次行い、既に70歳を超えた人は対象にしないことを検討している。

 日本人の外来受診回数は、英米を大きく上回り、医療費の増加や医師不足につながっている。窓口負担の引き上げで、不要不急の受診を防ぐ効果も期待できよう。
 無論、症状が重く、通院を減らせない人もいる。その場合には、75歳未満であっても、75歳以上が対象の後期高齢者医療制度に移行し、負担を抑える仕組みを活用してはどうか。
 一方、公的年金も、本来より高い給付水準に据え置く特例措置により、過払いになっているという問題もある。医療、年金財源の負担を将来世代に先送りし続けることは、もうやめるべきである。

日医などの長年の主張の甲斐あってか日本では医療給付は量的拡大の一途をたどってきたわけですが、右肩上がりの経済成長が終わりむしろ財政的には縮小傾向にまで転じるようになった時代にあっては、単に医療の量的拡大の抑制を図るため診療報酬一律○○減などというやり方ではなく、本当に必要なものには手厚くそうでないものは抑制するということが求められるはずです。
最近厚労省が検討を進めているという医療への費用対効果という評価軸の導入なる考え方もその延長線上にある話ですし(もっとも、これまた面倒くさい話でもあって当面導入は先送りされそうですが)、また元を正せば後期高齢者医療制度なども高齢者自身に医療費の無駄遣いを抑制させるべくコストを自覚してもらうということを言っていたはずです。
最近では維新が高齢者も含めて医療費自己負担は同率にすべきだと主張するなど、この医療の世代間格差是正という問題もにわかにトピックの一つに取り上げられそうな勢いですが、何しろ極めて多数に上る老人票の行方もさることながら、マスコミ諸社にしても今までさんざん高齢者優遇措置を推進せよと煽ってきただけに今更口を拭って是正、是正とも言いにくいところがあるのでしょうね。
そんな中で高齢者医療の適正化ということについて大変に地道な作業が行われているというニュースが地方から出ていますが、こちらの記事を紹介してみましょう。

後発薬だといくら安い? 高齢者に差額通知/佐賀(2012年10月27日佐賀新聞)

 佐賀県後期高齢者医療広域連合は被保険者に対し、先発薬から後発薬(ジェネリック医薬品)に切り替えた場合の自己負担軽減額を通知する。後発薬への変更を促し、医療費を抑制する狙いで、月当たり約800万円の削減効果を見込む。30日の定例議会に約130万円の関連補正予算案を提出する。

 県内の全市町が加入する同連合は、75歳以上の高齢者を被保険者とする後期高齢者医療制度を運営。全体の薬代の中で後発薬のシェアは10・4%にとどまる一方、後発薬に代替可能な新薬のシェアは38・2%に上る。

 差額通知する薬剤は、がんや精神疾患など告知の問題が生じる薬を除き、生活習慣病や眼科、耳鼻科の用剤など12薬効を予定。1回目の通知書は来年1月に送付、対象者約1万6千人の中から差額の大きい1万人を抽出して送る。

 通知者の20%が切り替えた場合、月当たり約800万円の削減効果が生まれる。通知書は、処方されている先発薬の名称と現在の自己負担額、後発薬に切り替えた場合の差額を記載。年2回の送付を予定している。

 後発薬は、薬の特許が切れた後に同じ成分で安く販売される薬。国は患者の負担軽減や医療費抑制のために普及を進めている。差額通知は協会けんぽが全国的に実施、国民健康保険でも武雄市と白石町が実施している。

ちなみに参考までにですが、日本全体での後発品のシェアは数量ベースで23%(2011年)と言いますから、長年の経過で煮詰まった症例が多いとは言え10.8%はやはり低いという印象は受ける数字ですよね。
先日これまた三井厚労相が抵抗勢力化していると話題になった生保受給者の医療費一部自己負担化や後発医薬品(ジェネリック)使用の義務付けなどに関しても、元々と言えば自分でお金を払わなくていい生保受給者で医療費が非常に多く使われている(一般の2.7倍)、ジェネリック使用率も低いという事実がその前提として存在していたわけですね。
昨今ようやくマスコミによっても報道されるようになった通り、生保受給者の病院受診回数が非常に多い、そして「どうせタダなんだから高い薬にして」と要求したり、場合によってはご近所さんの薬まで不正に取得したり向精神薬を転売したりといったケースも見られることから、そもそも自己負担がないことがモラルハザードの原因では?という意見が、財務省などからも強力に主張されるようになってきています。
医療費自己負担で優遇されてきた高齢者の場合も同様の構図があることは、すでに久しく以前から「病院待合室が高齢者のサロン化している」などと控えめに批判?されてきたことからも明らかなのですが、景気が良く年金生活者が弱者だと言われていた時代はそれを厳しく追求することが憚られていたとしても、現在の財務状況は元よりワープア化著しい現役世代の不公平感著しい点からも、その是正が喫緊の課題になっていると言う事です。

無論、こうした差額通知や様々な啓発活動によって自主的に高齢者医療の適正化が成されるのであればそれはそれで評価すべきことですが、特に後期高齢者の場合是正すべきは高齢者本人よりも家族の受診行動である場合も多く、最終的には高齢者医療とはかくあるべしという国民的コンセンサスの行方にもかかっていると言えそうですね。
一般的に諸外国では積極的治療を行うわけでもない患者を漫然と長期間病院に入院させておくなどということはモラルや社会的要請以前に医療費の面で到底行い得ないことですが、日本の場合は長く入院させるほど入院コストと年金支給額の差額でどんどん貯金が増えていくのですから、生保患者が月末になると金がない、入院させてくれと言ってやってくるのと全く同様のモラルハザードが発生し得る制度になっているわけです。
とすれば制度の方を何とか改めていかなければ抜本的な解消は難しいと考えるのが自然ですが、その結果経済的要因が国民の行動様式を次第に変容させていき、昨今たびたび話題になる「末期高齢者をどのように看取るべきか?」という問題にも一定の答えが出てくるようになるのかも知れませんね。
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2012年11月 1日 (木)

インフルエンザシーズンを前に

インフルエンザが心配される基節になってきましたが、先日こんなちょっとびっくりするような話が出ていました。

インフルエンザ対策? 保育園で次亜塩素酸ナトリウム溶液を加湿器噴霧(2012年10月22日日経メディカル)

 医療機関や介護施設では、さまざまな感染症対策が施されているが、なかには的はずれだったり、逆に悪影響が懸念されるものもある。山口大学医学部附属病院薬剤部の尾家重治氏は、例えばインフルエンザ対策においては、感染経路として飛沫感染のみならず、近年関与が否定できないとされている空気感染(飛沫核感染)のリスクも考慮する必要はあるものの、空気中の噴霧消毒は意味がないだけでなく、危険であることを、第23回全国介護老人保健施設大会 美ら沖縄(ちゅらうちなぁ)(10月3~5日、開催地:沖縄県宜野湾市)の初日に行われた第6回老健医療研究会のシンポジウム「エビデンスに基づいた感染症対策」(座長:医療法人和香会・江澤和彦理事長)で指摘した。 

 医薬品、医療器材の微生物汚染とその対策や消毒薬、抗菌薬の抗菌効果と適正使用を専門とする尾家氏のもとには、感染症対策に関する多くの相談が持ち込まれる。シンポジウムでは、一部の相談事例が紹介された。

 ある保育園から相談されたのは、超音波加湿器による室内空気の噴霧消毒の是非。現場に行ってみると、強アルカリ性消毒薬の次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする哺乳瓶消毒剤の希釈溶液を超音波加湿器に入れ、園児のいる保育室空中に噴霧していた。理由は「インフルエンザ予防のため」。確かに、インフルエンザウイルスに対して次亜塩素酸ナトリウムは有効な消毒薬の1つだが「毒性を考えると、噴霧は非常に危険と思われ、すぐに止めてもらった」と尾家氏。「消毒剤と加湿器がセットになっている商品も売られているようだが、噴霧してどれほどの効果があるかは疑問だし、何より人体への悪影響が心配される。基本的に消毒剤の噴霧は望ましくない」と注意を呼びかけた。「もしインフルエンザ感染予防のために室内消毒するのであれば、次亜塩素酸ナトリウムと同じくインフルエンザウイルスに有効で、毒性は低い消毒用エタノールを使ってテーブルなどの上を清拭するのは効果があると思われる」とした。
(略)

いやあそれにしても、同保育園ではさぞや目がチカチカしてたんじゃないでしょうかね…
何も知らなければ人間こういう振る舞いに及ぶこともあるんだなと感じるようなびっくりする話なんですが、ちなみに器具の消毒に用いる次亜塩素酸ナトリウムは濃度や量にもよりますが人体には重大な症状を招く恐れがありますので、くれぐれもこうした使用法はなさらないよう強く推奨いたします。
冬のシーズンになってきますとどこの医療機関や介護施設でもこのインフルエンザ対策に頭を悩ませるもので、一般外来においては感染症患者の隔離など小児科での対策を参照してもう少し工夫してもいいんじゃないかという気もするのですが、それ以上にやっかいなのが入院患者、入所者への蔓延ですよね。
近年インフルエンザに関してはワクチンの見直しや抗ウイルス薬の登場によってその対処法が次第に積極的なものになってきていますけれども、やはり発症してから必死に治療するよりは発症させないことを優先すべきであるのは当然で、先日日経メディカルで出ていた感染予防の記事を引用してみましょう。

インフルエンザ発症14時間後に個室隔離 高齢者施設で他入所者の発症、不顕性感染を阻止(2012年10月26日日経メディカル)

 高齢者施設で入所者1人がインフルエンザを発症した。標準予防策に加え、発症14時間後に個室隔離とするなどの対策をとった結果、その後施設内の発症、不顕性感染は見られず、感染拡大を阻止できた――。さいたま市の介護老人保健施設うらわの里施設長の五島敏郎氏が、第23回全国介護老人保健施設大会 美ら沖縄(ちゅらうちなぁ)(10月3~5日、開催地:沖縄県宜野湾市)で報告した。

 インフルエンザウイルスの感染経路は、基本的には飛沫感染とされる。つまり、くしゃみや咳、あるいは話をするときに出る唾液飛沫によって伝播、感染する。ウイルス量が多いほど、また距離が短いほど伝播しやすい。伝播したウイルスは、気道粘膜に感染し、増殖する。感染後1~4日、最長7日の潜伏期間を経て発症する。ウイルスを排泄する可能性がある期間は一般に、発症前日から発症後7日間の計8日間と考えられている。患者との距離が2~3m以内の接触者は飛沫感染の可能性がある。また、接触者の20~30%は不顕性感染を起こし、新たな感染源になるとも言われている。ワクチンによる発症予防効果は必ずしも高くないため、速やかに飛沫感染対策や発症者・非発症者の動線・空間分離、個室隔離、抗インフルエンザ薬投与などを行うことが望まれる。

 高齢者施設は、病院に比べ、入所者間の接触機会が多く、インフルエンザが発生した際、より蔓延しやすい傾向にある。また、高齢者はしばしば症状が明確に現れず、このことが発見を遅らせ、蔓延を助長する。2011~2012年シーズンにおいては、各地の高齢者施設6施設でインフルエンザ集団感染が発生し、なかには職員含め、70人以上の患者が出た施設もあった。死亡は全国で10例以上に及んだ。

 このように蔓延しやすい高齢者施設では、より早期の対策着手が求められる。今年8月、日本感染症学会は「インフルエンザ病院内感染対策の考え方について(高齢者施設を含めて)」という提言を発表したが、そのなかでも、抗インフルエンザ薬の使用に関して「フロア全体や入所者全員の予防投与を病院の場合よりもさらに早期から積極的に実施することを提案」している。

 五島氏らの施設では、今年2月、入所者1人がインフルエンザを発症した。80歳代の女性で、入所1日半後の夜間より咳嗽、その約6時間後に体温上昇(38℃)が認められた。咳嗽の程度は軽かった。感染拡大を阻止するため、発症14時間後に個室隔離し、マスク着用とした。発症(咳嗽)19時間後(発熱13時間後)の迅速検査で、A型インフルエンザと診断された。

 感染の可能性がある入所者は、患者と同室であった2人、ホールで3m以内にいた接触者4人の計6人。この6人中5人と患者は、前年秋にワクチン接種を受けている。6人はいずれも、その後、発熱や上気道症状を呈することなく経過した。患者の血清抗体価を調べると、H1N1抗体価はほぼ不変だったが、H3N2抗体価は1280倍に上昇していたため、H3N2ウイルス感染と判断した。これに対して、同室者や接触者(脳梗塞で転院した1例除く)はH1N1抗体価、H3N2抗体価とも上昇が見られず、不顕性感染も否定された。他の入所者、職員においても発症は認められなかった。

 感染拡大を阻止できた理由について、五島氏は「標準予防策に加え、発症14時間で早期隔離を行ったこと、さらに発端者の咳嗽が軽度であったこと、不顕性感染者がいなかったことなどが考えられた」と指摘した。

しかしこうして見ると一見発症者もなく感染拡大を阻止できているようでも、発症者周囲には思いがけずに大勢の不顕性感染が発生しているのだなということがよく判る報告ですよね。
別の高齢者施設では来所者全員に対して職員が玄関に出向いて確認しながら手洗いを行わせ、さらに有症状者のマスク着用や立ち入り禁止を求めるなどしたところ、インフルエンザの発生が6シーズンでわずか4件に留まったと言いますから、持ち込み対策としては単に掲示等で済ませるのではなくきちんとマンパワーを使って強制力を発揮していくことも必要だと言えそうです。
いざ患者が出た場合もまずは隔離がよいと判っていても部屋の都合などもあってなかなか難しいという施設も多いのではないかと思いますが、とりあえず個室とは言わず大部屋であっても感染症部屋を用意しておくこと、そして早期からの治療介入や場合によっては抗ウイルス薬の予防投与を行っていくことも望ましいでしょうね。
今年の夏に感染症学会の提言があって、病院や高齢者施設では積極的に抗ウイルス薬を予防投与していくべきだということになっているのですが、一つ気になるのは近年耐性化が進んでいるというタミフルなど抗ウイルス薬の製剤別の効果がどれほど差があるのかという点も気になりますよね。

今年のシーズン始めに分離した株による検討ではいずれの抗ウイルス薬に対しても感受性低下は認められなかったということでまずはよかったというところですが、一般的な感染症治療の原則に従って考えても単一の薬剤に偏っていてはいずれ耐性化が進行してくることは目に見えています。
ひと頃は猫も杓子もタミフル、タミフルという感じでしたが、耐性の問題もあってか昨シーズンの使用実績ではタミフルが約半分にまで減り、その分イナビル、リレンザが増加しつつあるようで、こうした実態も反映してか先日は厚労省から抗ウイルス薬のストックについては現状で8割を占めるというタミフル以外の備蓄も増やしていくようにという提案が成されたと言います。
ただ世界的に見るとここまで抗ウイルス薬使用に偏重した対策を取っている国はむしろ例外的で、特に若年健常者の軽症例まで全例抗ウイルス薬を含めたフルセットの治療を行っていくべきなのかどうか、耐性化以外にも医療財政上の観点からも検討していくべきなのかなという気もしますね。
インフルエンザの場合最も周囲への感染力が高いのは発症前から発症後ごく早期の時期とも言うだけに、特に昨今の厳しい世情ではとりあえずは市販薬で様子を見てみるという方々も多いはずですが、今後は周囲への感染リスク評価に基づいた治療法選択やOTC薬の活用など、コストやアクセス面にも比重を置いた対策が望まれるところかも知れませんね。

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