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2012年9月12日 (水)

NHK受信料問題 新たなステージへ突入?

最近ではNHKが受信料支払いを求めて訴訟を起こすということも決して珍しいニュースではなくなってきましたが、今回とうとうこうした大口訴訟にまで発展したかと感じる話が出ています。

<NHK受信料訴訟>東横イン、未払い争う姿勢 初弁論(2012年9月10日毎日新聞)

 NHKがビジネスホテル「東横イン」(本社・東京都大田区)と関連会社に未払いの受信料約5億5000万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、東京地裁(白井幸夫裁判長)であった。ホテル側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 NHKの規約ではホテルの受信料は主に部屋ごとに計算しており、東横インは今年1月から7月までに全国の宿泊施設で未契約となっている計約3万3700件分の支払いを求められている。ホテル側は「空室やテレビを見ない人のことを考えておらず、納得できない」としている。

 NHKは09年以降、事業所を相手に受信料支払いを求める訴訟を5件起こしている。裁判になるのは今回が初めて。うち2件は請求額が数百万円で相手側が支払いに応じて訴えを取り下げた。別のホテル事業者2社に対しても同様の訴訟を起こしている。一般世帯は1件が訴訟中。【土屋渓】

ホテル全室に受信料「高過ぎ」 裁判で東横インが反論(2012年9月11日朝日新聞)

 ホテルの各室にテレビがあるのに、受信料が払われていないとして、NHKがビジネスホテルチェーン大手「東横イン」(本社・東京都大田区)とグループ会社に約5億5千万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、東京地裁であった。東横イン側は「空室やテレビを見ない客もおり、全部屋分は高額すぎる」と争う姿勢を示した。

 NHKによると、大規模なホテルチェーンに受信料の支払いを求めた訴訟は初めて。訴訟の行方によっては、同業他社に影響がありそうだ。

 訴状によると、NHKは同グループの236のホテルにある約3万4千部屋について、受信料契約が結ばれていないとして、今年1~7月分の約5億5千万円の支払いを求めている。

 東横イン側によると、これまではNHKの請求通り、全客室の約25%分について契約を結び、年間約2億3千万円を支払ってきたという。代理人の弁護士は「急に全室分の支払いを求められても、納得できない。稼働率なども考えた適正額であれば、話し合いに応じたい」としている。

東横インのNHK受信料未払い訴訟「携帯・PCから徴収」に波及も(2012年9月11日NEWSポストセブン)

 未払い料金5億5000万円の賠償を請求――。NHKがビジネスホテル「東横イン」を相手に訴訟を起こした一件は、今後、受信料制度の見直しや再定義といった方向へ進むきっかけとなるのか。

 9月10日に開かれた第1回口頭弁論で、東横イン側は未契約と指摘された約3万3700件分について、「空室やテレビを見ない人のことを考えておらず、納得できない」と、NHKと徹底抗戦する構えを見せている。「テレビはあるけど昼間は仕事だし、夜は民放しか観ていないから、一律で徴収されるのはおかしい!」(30代男性)といった多くの個人視聴者の訴えにも通じる反論だ。

 立教大学社会学部(メディア社会学科)の服部孝章教授はいう。

「いまや病院にだって患者1人につき1台のテレビがついていますし、ホテルでも東横インのような稼働率が高いところもあれば、地方の空室が目立つ旅館もある。それぞれ業種によって視聴環境が異なる中で、受信料をどう払うべきなのか。今回はたまたま東横インが“人身御供”にされた形ですが、NHKは裁判で争うだけでなく、もっと広く社会に問うべきです」

 いまさらだが、日本には放送法があり、「NHK(日本放送協会)の放送を受信できるテレビを設置している人は、放送受信契約を結ぶことが義務づけられ、受信料を払わなければならない」旨の条項(第64条)が定められている。つまり、NHKを視聴するしないにかかわらず、テレビ1台につき、地上波なら月額1345円、衛星放送の受信可能世帯なら月額2290円の支払い義務がある

 NHK調べによると、受信契約率は約8割ということになっているが、実際の数値は地域や居住環境(戸建て、マンション)によってもまちまち。そこで、NHKは契約率をさらに上げるべく、2010年から全国で不払いを続ける世帯に受信料の“強制執行の通告”という実力行使に出ている。8月末時点で通知を送付したのは125人、そのうち90人に強制執行の手続きが申し立てられている。

 9月にも愛媛・松山市内の男性が簡易裁判所の第1回口頭弁論に臨み、5年4か月分の受信料約8万6000円の支払いを分割で行う“和解”勧告をされたばかり。

 こうした裁判は今後も続くと見られており、家庭のみならず東横インなど法人契約の徹底、強化が図られていく見込みだ。そして、テレビの契約だけでは終わらない事態も想定されている。

 テレビが見られるワンセグケータイやカーナビ、番組の配信サービスを行うパソコンなど通信端末もそれぞれ“受信可能な設備”に入る。これらにいちいち受信料の支払い義務が課せられたら、月にいくら徴収されるか分からない。

「小さな携帯画面でテレビを観ている人と60インチの大画面でテレビを観ている人が同じ受信料でいいのかという問題は当然出てきますよね。料金形態はメディアの特性に合わせたものにすべきです。そんな公平性を担保するための根本的な受信料改革をせずに、見せしめ的な裁判を続けていても逆効果。NHK離れが起こるだけです」(前出・服部氏)

 NHKは10月から月額最大120円の受信料値下げを行う方針になっている。だが、小手先の改革だけでは不払い問題は終わりそうにない。

どこまで話が広がるのかは現時点では何とも言いかねるとしても、一つ言えることは受信料を素直に支払ってくれない対象が増えるほど回収コストが跳ね上がり、契約率の如何を問わずNHKの利益は目減りしていくだろうということで、「国が決めてるんだから払って当然」で済むことでもないだろうと言うことです。
この受信料に関しては誰でも一度くらいは「何かおかしいんじゃないの?」と感じたことがあるはずで、特に興味を持って調べ始めると色々とおかしなことだらけでますます疑問符だらけにもなろうというものなんですが、結局は一家に一台レベルの古い時代の規定をそのまま引きずっていることに遠因があるのでしょうか。
ちなみにご存知の通りNHKの受信料については放送法の第六節によって規定されていますけれども、その第六十四条には受信料支払いの義務についてこのように書かれていて、文字通りに受け取れば受信料支払い義務とはNHKを受信出来るかどうかに依存しているという点に留意ください。

(受信契約及び受信料)
第六十四条  協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

とにもかくにもNHKを受信出来る受像器を設置した時点で実際に使用する、しないに関わらず設置者には受信料支払いの義務が発生するということなんですが、ややこしいのはこの受信料契約を結ぶ実際の基準で、NHKでもよくトラブルになっているためか事例毎に詳しくQ&Aにまとめています。
ごく簡単に言えば一般家庭の場合は世帯ごとになっていて、テレビが何台あろうが同じ家で生活している同一世帯に関しては一契約になる一方、家計を別にする二世帯同居などの場合はテレビが一つでも二契約が必要になるとまたなんとも面倒くさい話なんですが、この基準から考えるとカーテレビや携帯など移動式受像器は一世帯一契約に含めるのが筋という感じでしょうか。
これが企業などが相手になるとまた違っていて、受信機を設置してある一部屋ごとに一契約が必要という妙な話になっているのですが、今回裁判になっているように利用していない客室の分まで支払わせるというのはどうなのよと感じてしまいますし、実際に今まではそういう形では支払っていなかったのに今回突然全室分の支払いを求められるようになったことが裁判の原因となっているようです。

ここからはどうも本当かどうか判断し難い風の噂レベルの話ですけれども、当然ながらホテル側としても価格競争厳しい今の時代に余計な費用支出は避けたい、一方でNHKとしては少しでも多く受信料契約を取りたいということで、結局どれだけ払うかはホテル側とNHKの現場担当者との間の交渉で決まっていたということです。
この契約は全客室数の○パーセント分だけ支払うという形であったようなんですが、東横インと言えばそのあたりのコスト管理は非常に厳しいと言われている会社ですから現場も少しでも安く上げようと努力したのでしょう、どうも一部のホテルで「相場」よりも突出して低い比率でしか契約していなかったところがあったらしいというのですね。
もちろん現場の当事者同士が談合?してそれでやってきたのが良いのか悪いのかは一概には言えませんが、今回たまたま会計検査院の方がこの突出して低い率での契約に気付いてしまったことでNHK側も動かざるを得なくなり、いきなり全客室分の受信料を支払えと言われることになったのだという噂です。
どこまでが本当なのかは判りませんけれども、世間の常識的に考えても大口契約の場合は交渉によって契約の条件が変化するというのはままある話ですし、その程度の弾力的運用は行える程度の「ゆるさ」をこの受信料の規定は内包しているのなら、それをどう応用して着地点を見つけていくかということでしょうね。

例えばホテルであれば客室にお客が入る時点でテレビを受信可能にするという形にして(入室した時点でカードを入れさせるようになるのでしょうか)、顧客自身が設置者という形になってしまえば契約対象は顧客ということになりますから、ホテル側がその代理として受信料を預かっておくということに出来そうに思います。
実際に医療費公定価格制度のせいでこのあたりの雑費が正規料金から取れない病院などはそれに近い形でやっていますし、家具一式そろえていますが売りの賃貸マンションなども「放送契約はあくまで入居者各人が結んでください」と言われるということですから、必ずしも出来ないことでもなさそうですよね。
価格競争の激しいホテル側にしても今どきLAN回線くらいはどこでも用意してあるわけですから、チェックイン時に無料のネットTVか有料の地上波かを選択出来るようにすればいいだけのことで、お金にシビアな今どきの顧客がわざわざ余計な料金を払ってまで地上波をみたいと思うかと言えば、たぶんほとんどの方はテレビなど無くてもいいと言うんじゃないでしょうか。
しかし考えて見ればデジタル放送では元々受信者を限定することが簡単に出来るのですから非契約受信機にはスクランブルをかければいいし、間違ってもNHKだけは絶対に受信出来ないようになっている受信料不要仕様のテレビなど簡単に作れそうに思うのですが、そのあたりもCM自動カット機能付きレコーダーが一斉に消えてしまったのと同じような業界事情でもあるんでしょうかね?

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コメント

うちはテレビねえから関係ねえ~!!!

投稿: | 2012年9月12日 (水) 08時49分

NHK改革を言い出す政治家がいないのは妙ですね
支持集めに手っ取り早そうなのに

投稿: | 2012年9月12日 (水) 10時28分

なんでも利権がぐちゃぐちゃにこんがらがっていてどこから手をつければいいのか判らないんだとか。
なにかと非効率にも思える受信料を集める仕事にしたって結構な雇用ですからね。

投稿: 管理人nobu | 2012年9月12日 (水) 10時50分

NHKなんて巨大利権なんだから木っ端政治屋風情が手出せるわけないw

投稿: aaa | 2012年9月12日 (水) 11時07分

NHKは受信料をとるのをやめて、民間放送になりましょう。

投稿: | 2012年9月13日 (木) 11時17分

税金で賄うようにしてBBCみたいな「真の」国営放送ってのもアリかも。もちろんそうなったら韓流なんて禁止なw

投稿: 10年前にドロッポしました。 | 2012年9月14日 (金) 10時35分

日本の公営放送、NHKが取材目的を正確に明らかにしない状態で天安(チョンアン)のある小学校
で進行中の独島(トクド)教育を取材して、歪曲報道が憂慮されるという忠清(チュンチョン)トゥデー
の報道に対し、日本のネチズン(ネット市民)たちが敏感な反応を見せている。

日本の大型インターネットコミュニティ『2ちゃんねる』では12日、日本語に翻訳された本報の記事
(9月11日付・3面)を搭載して激しい討論が起きた。

この日一日の間に書かれた150件余りのコメントのうち、ほとんどは『小学校での独島教育』に対
する批判的なコメントであり、一部のヌリクン(ネット利用者)たちはNHKの取材を非難する珍しい
光景が演出されたりもした。

ID:w6n***は、「韓国の国営放送NHKなら心配するな。彼らなら韓国に有利な報道の方向を取って
くれるから」と皮肉り、ID:z9a3***も、「“偉大な韓国マンセー”を叫ぶNHKなら韓国賛美だろう。
こんな放送に受信料を支払ったら売国奴だ」という鋭いコメントを書いた。

ID:7Yy***もやはり、「心配いらない、NHKの記者は“独島は韓国の領土と認める”と宣言させら
れた」と冷やかした。

一方でID:FQH****は、「この映像はコメントなしでも充分にインパクトある。画面(授業光景)だけ
で日本人にはかなり衝撃的だろう。そして今日本がどのような相手と戦っているかを直視する
きっかけにしなければいけない」と言う扇動的な意見を提示した。

ID:y63S***は 、「どの国も領土問題は資源と直結されていて非常に重要だ。むしろこんな重要な
問題を軽視している日本の戦後教育が問題だ」と指摘した。

また ID YNp***は、「敵対的感情を表出するための韓国的な発想の授業」と書いたし、ID:JDji***
も、「拗くれた民族主義教育だ。旧帝国日本と北朝鮮を批判する癖に奇人している」という驚きの
意見を出した。

過激な意見も見えた。

「キチガイ洗脳教育だ。韓国は変な国(ID:ZB***)」、「子どもにこんな教育を・・・。北朝鮮とまったく
同じだ(ID:AHQ***)」、「韓国人の教育は権力者によって利用されている(ID:gWL***)」などの
コメントが上がった。

ソース:忠清トゥデー(韓国語)
http://www.cctoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=723745

投稿: | 2012年9月14日 (金) 12時51分

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