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2012年9月

2012年9月30日 (日)

今日のぐり:「六甲ビューパレス」

人間何かと嘘くさい言い訳をしがちなものですが、こちら嘘のような本当の話だったというニュースが話題になっています。

部下「リスの尻尾がほどけないので遅刻します」上司「そんなわけあるか!…え?ホント?」(2012年9月16日らばQ)

部下から仕事に遅れるとの連絡が入ることがあります。
病気や急用と理由はさまざまですが、海外の上司の元に「リスのしっぽがもつれていて、ほどかなければならないので遅れます」と、部下からメールが届きました。
「それなら写真を送れ」と返したところ……次のような写真が送られてきたそうです。

ホントだ……。

確かにもつれてる。
しかも5匹も!

こんな嘘のような本当の話があるのですね。メールの文面だけだと失笑されそうな言い訳ですが、これを見せられたら納得するしかありません。
この冗談のような言い訳に、海外掲示板も盛り上がっていました。
抜粋してご紹介します。

●(本人)部下のメールは以下の文面だった。
「ちょうど朝に出かけようとしたときにリスの救助を頼まれました。ご近所さんの庭で、小さな5匹のリスがクリスマスライトに絡まっていたのです。とりあえず照明は外しましたが、しっぽは大きく1つに結ばれてしまっていて、どうにか助け出すことになりました。このしっぽをほどく装備がないので、今日は午後からの出社になると思います」

●今まで聞いた言い訳で1番だな。
●絶対にこれオレも使う。
●この写真は未来のために残しておく。
●上司が掲示板を見ていたらクビだろう。
●しかしきっと華々しく再雇用され、昇級するだろう。もし社長がリスの母親だったらね。
●なぜ君の近所の人は、9月にクリスマスのライトを飾っているんだ?
●前に、オバマ大統領の乗る車の一行が自分の走っていた高速道路を閉鎖した。出口も閉鎖していたので、15分くらい抜け出られなかった。そのときは上司に電話して、オバマ大統領がオレを遅刻させてると言った。
●どうしたらこんなことが起こりうるんだ。
●結成されたリス部隊が、こんな風に360度の円を作って、防御しながら歩くところを見てみたい。
●驚くほど多かった。
●リス・キングだ。

このリスたちが無事に救出されたのかとても気になりますが、会社を午前休にしてまで奮闘したようなので、きっとうまくいったのではと思います。
それにしても、こんな遅刻の理由もあるんですね。

しかし写真を見てそうした事実があったということは判るにしても、一体何がどうなってこのような自体に至ったのかはさっぱり判りませんね。
今日は偉大なる奇跡を達成したリス達に敬意を表して、世界中から動物が絡んだちょっとそれは本当?と言いたくなるようなニュースを紹介してみましょう。

マジかよ! 犬みたいに人間の言葉がわかるカメが話題に / しかも体は白檀のイイにおい/中国(2012年9月27日ロケットニュース24)

ペットの主流はやはり犬猫だが、それに負けないくらいキュートでプリティな動物といえばカメだ。もっさりした動きに、クリンとした目が超カワイイ! かと思えば、キリっと甲羅干しをする姿はまるで獅子のように威風堂々である。カメは魅力にあふれた生物なのである。

そのカメとコミュニケーションをとることができたら……そんな夢のような映像が話題だ。カメは飼い主に「おいで」と言われたらついていき、「止まれ!」と言われたらピタッと静止。人の言葉がわかるのだ。しかも体から白檀の香りがする珍しいカメ様なのである。

中国の武漢市のある公園。現れたのは中年男性と真っ黒なカメである。男性は犬を散歩させるかのようにカメを散歩に連れて来ているのだ。このカメが人の言葉がわかるというのである。早速動画を確認すると――

確かに、飼い主が「過来(おいで)」というとカメはチョコチョコと飼い主に着いていっている! 「立定!(止まれ!)」という背伸びの体勢でピタッ! そして飼い主の「斉不走!(前進!)」の掛け声で再び歩き出した。このほかにも「休め」「回れ後ろ」も披露だぞ。

このカメは、中国名を「墨亀(もしくは檀香亀)」という珍しいカメだ。名に「墨」とつくように全身真っ黒。そして体からは白檀(ビャクダン)の香りがするそうだ。公園に集まった人たちも口々に「白檀だ!」「とてもいい香り」とカメのにおいをかぎまくっている。さすがのカメもこれはちょっと迷惑そうだ。

希少種でしかも人の言葉がわかるということから15万元(約185万円)で売ってほしいという話もあったそうだ。しかし飼い主の男性はあっさりと断ったという。

男性は「私がカメを育てている理由は動物にも心があるって皆に知って欲しいからなんだよね。人間はねぇ、動物を愛さないといけないんだよ」と熱く語っている。彼のカメへの愛情は相当深い。カメにも男性の熱い気持ちがビシバシ伝わっているのだろう。今日も男性の後をチョコチョコとついていくのである。

参照元:Sina video

リンク先の動画を見ていただきますとその恐るべき状況がお判りいただけるかと思うのですが、亀の場合は長生きですから仲良くなるにはいいですよね。
同じく中国からもう一つ話題を取り上げてみますが、これは無駄に高等テクニックを披露していると言うべきなんでしょうか?

【動物のおトイレ事情】パンダは “逆立ちション” をする / 専門家「かなり高度なテクニックです」/中国(2012年9月2日ロケットニュース24)

コロコロもふもふ、暇さえあれば笹をモシャモシャ食べているパンダ。赤ちゃんはもちろん、大人も可愛いパンダだが、そのパンダの排泄する姿はあまり知られていない。

先日、中国の山の中でパンダの排泄風景の撮影に成功したそうだ。そこに写っていたパンダのおしっこスタイルはなんと「逆立ち」であったという。

オスのパンダの「逆立ちション」の様子がとらえられたのは中国中部を東西に走る秦嶺山脈である。映像では、パンダは地面に手をつき、地面を蹴りあげると盛大におしっこを始めた。両足は完全に地面から離れている。まさに逆立ちだ。

この行為は犬など他の動物の雄にも見られる「縄張りの主張」である。しかしなぜわざわざ逆立ちポーズでマーキングするのだろう。それはにおいをより広い地域に拡散させるためである。

また、においの拡散をより効果的に行うため、逆立ちションスポット選びにもかなりうるさいそう。最も理想的な木は、幹が太く、樹皮が荒い木なのだそうだ。おしっこが付着する表面面積は広ければ広いほど良い。樹皮が乾燥しているとなおのこと良いとのことである。

パンダもかなり考えているようだ。しかし、マーキングを成功させるためには逆立ちの状態で木の幹に確実におしっこをヒットさせなければならない。人間に同様の技ができるだろうか。研究員も、これはかなり高度なテクニックだと話している。

マーキングはオスに対する縄張り主張であるとともに、メスへのアピールでもある。現在、地球上のパンダの数は約1600頭だと言われている。このままいくと今後70年以内に絶滅する可能性もあるとのことだ。より広範囲へのにおいの拡散はパンダの種の保存のためでもあるだろう。

参照元:Youtube JohnDownerProd

なんでも小便は高いところにかけた方がより大きい個体だと見せかけられて有利だからと言う説もあるようですが、何しろ最初にこんなことをやり始めたパンダが周囲の連中からどういう視線で見られたか興味がありますね。
こちらは何やら横暴な連中が大挙して押しかけてきたということなんですが、その発端を見ますと多少なりとも同情の余地もあったようです。

ヒツジの群れがスポーツ店に押し寄せる、オーストリア(2012年9月23日AFP)

9月23日 AFP】オーストリアで、ヒツジの群れが夏の牧草地から戻る途中で道を誤り、スポーツ用品店に入り込んだ。地元メディアが22日、報じた。

 オーストリア西部の村サンクト・アントン・アム・アールベルク(Sankt Anton am Arlberg)で、1頭のヒツジが、スポーツ店「インタースポーツ(Intersport)」のスライドドアのガラスに自分の姿が映っているのを見て、そのまま店内に入り、群れの残りのヒツジもそれに続いた。

 ヒツジたちは店内の自転車、靴、スキー用品、スポーツ用品の中をさまよい歩き、店内は大混乱となった。多数のヒツジの鳴き声が響く中、羊飼い2人はやっとの思いでヒツジたちを店外に出すことに成功した。

「ヒツジたちはサングラスを壊し、店内をかなり汚して行った。掃除が大変だったよ。このようなことは経験したことがない」と店長のミヒャエル・エス(Michael Ess)さん(42)は、オーストリアの日刊紙エスタライヒ(Oesterreich)に語った。

 この騒動をとらえた動画はhttp://bit.ly/RLdz4Tで見ることができる。

まさにちょっとした勘違いが大惨事に結びついたということなんですが、しかし本当に鏡を見て勘違いということはあるんですねえ。
こちらちょっと不思議なことが起こったと話題になっていたニュースなんですが、まずは記事を引用してみましょう。

「たすけて…」カヌーで川を下っていたらコアラが泳いでやってきた/オーストラリア(2012年8月29日らばQ)

オーストラリア・ゴールドコーストのタルバジェラ川をカヌーで下っていると、なんとコアラが泳いできたそうです。

かわいい途中乗船の様子をご覧ください。

Kanu Koala- YouTube

コアラって泳げるんだ?と驚きの目で見ていると、やはりちょっと危なっかしい感じで、カヌーに到着するやいなや引き上げられました。

「このコアラどうする?」「かわいい!!」など、突然のハプニングに盛り上がるカヌーの一行。

コアラは溺れることもあり積極的に泳ぐことはないそうですが、このコアラは満潮で取り残されたことから、助けを求めたのではないかと見られています。

P8250277- YouTube

無事に「連れて帰ってあげなくちゃね」と助けられたコアラ。この後、生息地のゴルフ場の土手に帰されたとのことです。

いや、確かにかわいいけれども!仮にも野生動物としてその軟弱な態度はどうなんだと思わずツッコミを入れたくなるような振る舞いでもありますね。
日本でも忠犬ハチ公の話は今に至るも知らぬ者がいないほど有名ですが、こちらアルゼンチンにもハチ公がいたというニュースを紹介しましょう。

主人の墓に6年間寄り添う忠犬、“アルゼンチンのハチ公”が話題に。/アルゼンチン(2012年9月17日ナリナリドットコム)

飼い主からたっぷりと愛情を注がれ育てられた犬が、人間の想像を超える“忠誠心”を示し、世間を驚かすケースは少なくない。アルゼンチンには2006年に亡くなった一家の主を慕い、これまでの6年間、毎日墓に寄り添って過ごしている犬がいる。家族の話によれば、この犬は葬式直後に家から姿を消すと、なぜか主人の墓を探し当て、そこから離れずに過ごし始めたそうだ。

アルゼンチン紙ラ・ボス・デル・インテリアなどによると、この犬は、コルドバ近郊の街ビジャ・カルロス・パスで暮らすダミアン・グスマンくん(13歳)が飼っているキャピタン。2005年、父ミゲルさんがダミアンくんへのプレゼントとして、ジャーマン・シェパードのキャピタンを購入して家に連れて来たという。キャピタンは一家に大切に育てられたようだが、残念ながらその幸せは長くは続かなかった。

Capitán y su historia de gran fidelidad

キャピタンが家にやって来た翌年の2006年3月、突然ミゲルさんが倒れ急逝。しかも葬式の直後、家族の深い悲しみに追い討ちをかけるように、キャピタンまで家から姿を消してしまった。愛犬の失踪に、残された母子は懸命に周辺を探し回ったものの結局見つけられず、母ヴェロニカさんは「車に轢かれて死んだに違いない」と思うようにしたという。

ところがキャピタンがいなくなって迎えた最初の日曜日、2人は父が埋葬された墓地へ向かうと、そこには見慣れた愛犬の姿があった。すでに6年が経過した今となっても、ヴェロニカさんはこのときのことを「(キャピタンを)墓地に連れて来たことがなかったのに、どうして主人の墓が分かったのかはミステリー」と不思議に思っている。しかしキャピタンは、土の下に眠る主の状態が分かっていたようで、2人のもとに近寄ると「泣いているかのように」吠え続けたそうだ。

そして、墓参りを済ませた2人が家に戻ろうとすると後を追いかけ、一旦は一緒に家に戻ってきたキャピタンだったが、外が暗くなり始めると再び家を飛び出して墓へ。以来、彼は主の墓を離れずに生活するようになった。

墓地の関係者によると、昼間にときどき周辺を散歩することもあるそうだが、基本的には毎日6時には墓の上で横になり、一晩中主のそばで過ごすとのこと。以前に何度か家へ連れ戻そうと試みたというダミアンくんも、連れてきては父の墓へと戻っていくキャピタンの気持ちを理解し、尊重するようになった。

父を慕って6年間も寄り添い続けているキャピタンに、ダミアンくんは「彼は父の世話をしてくれているんだ」と感謝。現在は墓地の関係者も食事などの世話の面で協力してくれているそうで、自らの命が潰えるまで「(キャピタンは)居続けるんじゃないかな」とも話している。

なお、この話を伝える各国のメディアの大半は、忠犬ハチ公の逸話も併せて紹介しており、“アルゼンチンの忠犬ハチ公”として、多くの人に感動を与えているようだ。

動物にはしばしば人間にはない感覚が備わっているという声がありますが、ハチ公は習慣を続けたということで理解出来ても、こちらはどういうしくみで墓地のありかを知ることが出来たんでしょうかね?
同じく超自然的とも言える能力を発揮した犬の話題ということで、こちら大変なお手柄だったというニュースを取り上げてみましょう。

犬の嗅覚は腫瘍をも嗅ぎわける! 飼い主の乳がんを発見したお手柄ワンコ/英(2012年8月11日ロケットニュース24)

犬の嗅覚は人間の10万倍とも、それ以上とも言われる。そのすさまじい感覚で飼い主の体内に潜む癌(がん)を発見し命を救ったワンコが話題だ。

イギリス在住のシャロンさん(43)は、愛犬ペニーの妙な行動に悩まされていた。その行動とは、彼女の左胸に顔をすり寄せてにおいを嗅ぎ続けたり、まるで何かを取り出そうとするかのように前足で優しく引っかいたりすることだ。不思議なことに、ペニーがこのような行動をとるのは常に左胸であり、右胸や他の部分には反応を示さなかったという。

ペニーの妙な行動が数週間続いたある日の睡眠中、突然激しい痛みがシャロンさんの胸を襲った。異変を感じ、翌日病院で検査を受けると胸に腫瘍があることが判明。乳がんだった。その後、彼女が癌治療を受け始めると、ペニーの妙な行動はおさまったという。

「ペニーのあの行動がなければ病院で検査を受けていなかったかもしれません。ペニーは私の守護天使です」と彼女は語っている。

ドイツで行われたある研究によると、「特別に訓練された犬は71パーセントの確率で腫瘍を嗅ぎわけられる」という結果が出ている。日本でも “がん探知犬” として犬を訓練している実例があり、犬は癌細胞が発する何らかの化学物質のにおいを嗅ぐことができるのではないかと考えられているようだ。

しかし、動物生物学の専門家ジャクリーン・ボイド博士によると、「トレーニングを受けた犬が腫瘍を嗅ぎわけられることは様々な実験により証明されていますが、訓練を受けていないペットの犬が腫瘍を発見した実例はほとんどありません」とのこと。

産まれてすぐシャロンさんに引き取られたペニーは、もちろん訓練など受けたこともない。だが、もともと持っている鋭い嗅覚と自分を可愛がってくれる飼い主への想いが腫瘍の発見を可能にしたのかもしれない。

何でも最近はこうした犬の行動を臨床応用できないものかと研究している人もいるそうですが、人間との関係に左右されず安定した成績を収められるかどうかが鍵ですかね。
最後に取り上げますのは同じくブリからの話題ですけれども、さすがにこれはちょっとどうなのよ?と思うような話でしょうか。

イギリス人が書いたという「迷い猫」のチラシの難易度が高すぎる / ネットの声「本当に見つかるか心配だ」/英(2012年9月9日ロケットニュース24)

可愛いペットが迷子になってしまった! どうしよう! 最近ではTwitterなどSNSを使った捜索もよく見られるが、近所にチラシを貼って情報を集めるというのが最も多く用いられる対処法である。

それは海外でも同じであるようだ。イギリスである「迷い猫」のチラシが撮影された。類を見ないほど難易度が高すぎると話題になっている。

木に貼られた1枚の迷い猫のチラシ。そこにはこう書かれている。

「誰かこの猫を見ませんでしたか?」
「猫の名前は“Toots”、痩せ型のブチ猫です」
「8月15日(水)から姿が見えなくなりました」
「首輪はつけていませんが、マイクロチップをつけています」
「(見かけた方は)連絡ください。エミリー」

この文面から飼い主の心配する様子が手にとってわかるようだ。

そして、Tootsの似顔絵が描かれているのだが、やけにシンプルなのだ。使われている画材は黒のサインペンのみ。一筆書きされた輪郭に目、目、鼻、口、そしてヒゲが書き足されている。

Tootsはブチ模様の猫ではなかったのだろうか。とにかく探すにはヒントが少なすぎるのだ。ネットユーザーも「これは見つかるかな」と心配しているようである。

もしかしたら小さな子どもが描いたのかもしれない。そうなら決して笑い事ではない。しかし、これではいくらなんでも難易度が高すぎる。写真を添付するか、もう少し特徴をビジュアル化したほうが見つかりやすいと思われるのだが……行方不明になって1カ月近く経っている。見つかっていることを願うばかりだ。

ともかくその壮絶な手配書きの有様はリンク先の画像を参照いただきたいと思いますが、これで本当に見つかったとしたら我々はまたしてもブリを見くびっていたということになるのでしょうか。
ちなみに記事中に書かれているマイクロチップ云々という話ですが、何でもEU諸国間をペットが移動する際には検疫等の都合上このマイクロチップ埋め込みが必要なのだそうで、これがあれば似たような猫の中から確実に個体識別は可能であるということですから安心?ですね。

今日のぐり:「六甲ビューパレス」

この時期散策にもちょうどいい気候になってきている六甲山頂には幾つかの施設がありますけれども、どうやら主要施設は同じレジャー会社が運営しているようですね。
こちらはその中でもセルフスタイルのカジュアルレストランということなんですが、とにかく唯一最大の売りは一面の窓ガラスから見下ろす神戸市街地の眺望でしょうか。
カウンターに並んで料理を受け取り最後に精算するというありふれたスタイルで、見てみますと何やらおもしろそうな独自メニューもあるんですが、ここはごく無難に鳥のグリルに大根サラダを取ってみました。

メインの「淡路鶏のグリル 雑穀米入り有機トマトソース」は「地元・兵庫県産のジューシーで肉厚な淡路鶏を香ばしく焼き上げました。雑穀米入りの有機トマトソースとバジルソースでお召し上がりください。」なんだそうですが、セルフとは言え盛りつけも美しく整っているので一見するとまともな料理に見えます。
ただしその分お値段は相応に高くついていて、ちんまりした盛りつけのメイン料理が一皿1000円あたりからが相場のようですから、これにパンやスープのセットをつけて食事らしく整えていくと結構なお値段になってしまいセルフのカジュアルレストランと言うにはどうなのかな…と言う気がしてしまいます。
味の方は鳥の焼き具合がちょうど好みの加減だったこともあって、そこらのファミレスの飯などよりはよほど普通に食べられましたが、ソースの案配や付け合わせの大根サラダなどを見てみましても別に高級路線というほどのことはないようで、このあたりやはり都市圏での物価差というものを感じさせられますね。
カツカレーやハッシュドビーフなども味見してみたが、これらも洋食屋というよりホテル飯系の味の組み立てで本格風ではあるのはいいんですが、それならそれで何故安っぽいプラスチックのトレーを抱えてうろうろしなければならないのかとちょっともの悲しくなります。

しかし最近田舎暮らしが続いていて街の飯を久しく忘れていたのでコストとクオリティーのアンバランスさが何とも気になるのですが、そこらの店にひょいと入ってランチが1000円オーバーでも違和感を抱かない環境にあれば別にどうということはないのでしょうね。
価格は別にしても場所を考え合わせるともう少しBグル系も入れた庶民的な内容でもよかったのかなとも感じるのですが、こういう店でもそれなりに経営が成り立つほどお客が来るのも神戸市街地近郊という土地柄故なのでしょうか(もっとも見ていますとほとんどは安価なデザート系メニューやドリンクバーだけの利用であったようですが)。
もちろん観光地なのだから多少割高でも構わないという人も多いのだろうし、食べて見ればそれほど悪い内容というわけでもないのでまあこんなものかなと納得はするのですが、昼に食べるにはちょっと牧場風景とイメージが違う気がするし夜景を楽しみながら食べるには安っぽさがムード台無しだしと、何か方向性がよく判らないと感じてしまいます。
ちなみに接遇面ではセルフなので特記すべきほどの接点はないんですが、一応最低限のトレーニングはされている感じで繁忙期でなければ成立していると思う一方、施設面はかなり貧弱で多様な顧客が来るでしょうにそれこそ街中のチープな店と比べても全く論外なのは残念なところでしょうか。

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2012年9月29日 (土)

世界で最も自由のない国からきたアグネスが教える真実

日本がアジアでトップの22位に挙げられたという2011-2012年版「世界報道自由度ランキング」において、アメリカが韓国(44位)と同レベルの47位に留まったということには意外と感じるべきか、もっともだと感じるべきか意見が分かれるところなのかも知れません。
伝統的に二大政党制を敷いている彼の国において、特に政治と絡んでの偏向報道が歴史的に続いているということはご存知テキサス親父もかねて指摘しているところですが、すでに多くの国民がその実態に気付き始めているというニュースが先日出ていました。

米国民のメディア不信、最高の60%に 大手メディアの民主党支持で(2012年9月22日産経ニュース)

 【ワシントン=古森義久】米国民の新聞やテレビなどメディアに対する不信がこれまで最高の60%という水準に達したことを示す世論調査結果が21日、発表された。大統領選挙を中心とする国政ニュースの報道を不公正、不正確とみなす国民が増えており、特に共和党支持者が、大手メディアの民主党支持偏向を指摘する向きが多いという。

 米国の大手世論調査会社ギャラップが発表した調査結果によると、メディアの主に国政ニュースに関して、その報道を「完全、正確、公正」の基準からみて「ほとんど信用しない」「まったく信用しない」と答えた人が合わせて全体の60%に達した。「大いに信用する」と「かなり信用する」と答えた人が合計40%と、不信用・信用の差は20ポイントとなった。

 調査は大統領選で共和、民主両党がともに全国大会で候補を正式に決めて間もない9月上旬に全米規模で実施された。

 この60%というメディア不信は、ギャラップ社が同種の調査を始めた1970年代以来、最高の水準。前回大統領選の2008年では56%だったという。

 米国の政治報道ではニューヨーク・タイムズ、CBSといった大手メディアは年来、民主党寄りで、大統領選でも社説では民主党候補の支持を打ち出すうえ、報道記者たちも民主党支持が圧倒的に多いことは公然の事実となっている。

 このため、共和党側からは選挙のたびに「大手メディアの民主党支持偏向」を非難する声が出る。今回の調査でも「メディア信用」の答えが全体では40%だったのに対し、共和党支持者では26%、無党派が31%、民主党支持者が58%という数字が出ており、共和党側の大手メディア不信はさらに強まったことが判明した。

メディアが偏向しているというと日本ではとんでもないことだ、公正中立であるべきではないかという声も出そうですが、世界的に見ると基本的にメディアというものはそれぞれが自らの主義主張を持った偏向した存在であることの方が当たり前であって、ただそうした偏向をしているにも関わらず公正中立であるかのように偽っているのが問題だと言うことでしょうね。
そもそも偏向している、していないという判断をするためには偏向したメディアの報道だけを見ていても難しいものですが、昨今ではネットと言う新聞、テレビに続く第三のメディアの発達もあって、彼らが既存メディアが敢えて報道しない、あるいは事実の一部のみを取り上げて誘導しようとするといった手慣れた手法には即座にチェックが入るようになっています。
それだけ既存のメディアにとってはやりにくい時代になってきたということですが、偏向するならするで自らの立ち位置をきちんと表明した上で意見を述べることは何ら問題がないはずですから、そろそろ報道する側も自分達は全知全能、無知な民草を導く社会の木鐸であるといった妙な特権意識を変えていく必要があるということではないでしょうか。

さて、北朝鮮(178位)などと並んで報道自由度では世界最底辺グループに位置づけられているのが174位の中国(中華人民共和国)で、こちらは元々底辺グループに属していたものが年々その地位を深化させ今や最底辺王座を争っているというのもなかなか興味深い現象なんですが、他の最底辺諸国と違う特異な性質がこの国にはあります。
先だって吹き荒れた中東諸国の政変劇にも見られるように、現代社会においてはひたすら権力者側の主張だけを垂れ流す既存のマスコミに対して庶民の生の声を拾い上げるSNS等のネットワークという対立的な存在があるわけですが、中国という国の賢いところは国家がマスコミのみならずネットワークまでをも非常に強力に統制しているという点です。
その方法は検索語彙の削除など単なる情報遮断のみに留まらず、工作員による強力なネット世論誘導など多岐に渡ると言い、実生活では「共産党の言うことなど信用出来るか!」などと言っている人達が何故か官製デモに踊らされているという奇妙な現象が見られるということは周知の通りです。

もちろん中国においてもきちんとした知識階級はそうした事情に気づいていて、インテリが多く海外事情にも通じている富裕層を中心にどんどん海外流出が続いているのもそうした背景も関連していると思いますが、たとえ長年海外に出ていたとしても何らかの理由でネットと対立せざるを得なくなった方の場合は未だに官製情報だけをソースにして生活しているケースもあるようです。
先日のフジテレビ「なかよしテレビSP 緊急大激論!日中韓&いじめ問題!もう限界!怒りが収まらない」なる番組において、ご存知アグネスチャン氏がこんなことを発言していたということが話題になっていますが、動画と該当部分の抜粋をご紹介しましょう。

【参考】【動画】なかよしテレビSP 2/2 (緊急大激論!日中韓&いじめ問題!もう限界!怒りが収まらないSP) 2012.09.25

アグネス・チャン
「反日教育のこと、今日でもうはっきりしましょう。」
(中国は)反日教育はしてないんです。反日教育はしてない。歴史を教えてるだけです。」
中国が教えてる歴史も、韓国が教えてる歴史も、アメリカで私が学んだ中国とアジアの歴史も一緒なんです。
日本の歴史だけが違うんです。」
(日本人は)真実を教えてもらってないんです。」

ご興味のある方はちょいとググっていただければ中国韓国始め諸外国の教科書の内容はすぐに知れることですから参照いただければと思いますが、しかしこの種の「同じ歴史」妄想は例えば関係諸国間で朝鮮戦争に関する認識を再確認してみるだけでも幻想に過ぎないことは明らかだと思うのですがね…
中国では単に歴史の真実を教えているだけで他の国と同じなのだと言うのであれば、日本でも韓国でも米国でも同じように報道されている天安門事件に関して中国国内では話題にも出来ないという事実に対してアグネスはどう説明するのか、本当に真実を教えてもらっていないのが誰なのかということはすぐに判りそうなものです。
最近ではようやくこうした国々の教科書が実際どのようなものであるのかということが日本国内でも知られるようになってきて、多くの日本人も納得するやら呆れるやらでさすがにアグネスに同意するような人間も減ってきましたけれども、正直まだこういうことを言っている人がいるんだなとちょっとノスタルジーすら感じてしまいます。
ちなみに先頃の衝突に絡んで中国国内では日本の書籍を禁書にする指示が国から出され、当の中国人ですら「反日に名を借りた洗脳教育だ」と言う批判の声があるそうですが、世界で唯一正しい歴史を教えてもらっていない日本人の書いたものなどアグネスであれば即座に火の中に投じて悔いるところがないのでしょうかね。

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2012年9月28日 (金)

政界報道に見るマスコミの人権感覚

本日の本題に入る前に、何かとマスコミとの対決姿勢が話題になる橋下大阪市長ですけれども、最近は折からの政権交代機運もあってそのキーパーソンとしてマスコミ各社の集中砲火を浴びるシーンも多いようです。
先日はその橋下市長に対してわざわざこんな放言を繰り出してきた記者もいたということですが、マスコミ業界ではいざ知らず世間では真っ当な社会人として口にしていい台詞ではないように思えますね。

「記者ってそんなに偉いんですか」 「ふざけんな。出て来い!」朝日女性記者に猛反撃(2012年9月25日J-CASTニュース)

   大阪市の橋下徹市長が休日を理由に元従軍慰安婦の女性と面会しなかったことを、朝日新聞の記者が「ふざけんな。出て来い!」などとツイッターで批判した。
   これに対して、橋下市長も2012年9月25日夜、「それは偉そうすぎるだろ」などと猛反撃した。記者は、記者会見で論戦を挑む構えだ。

「僕がこれまで接した朝日新聞の記者の中では最悪に質が悪い」

   橋下市長が批判しているのは、朝日新聞大阪本社の阿久沢悦子記者。阿久沢記者は、橋下市長が元慰安婦の女性と面会しなかったことについて、ツイッターで、
    「86歳がわざわざ韓国から来たのに、橋下市長は同時刻に自宅でツイッター三昧。記者を外れるけど、人間としての怒りが抑えられません。ふざけんな。出て来い!
と批判していた。この発言をJ-CASTニュースが報じたところ、橋下氏がツイッターで記事を紹介した上で、同記者について、
    「僕がこれまで接した朝日新聞の記者の中では最悪に質が悪い」
と批判。「出て来い!」発言についても、
    「記者ってそんなに偉いんですか?以前、読売新聞の記者が、記者会見で常識はずれの態度をとって叩かれた。阿久沢記者は、完全にその路線です
    「阿久沢記者にとっては、元慰安婦の金さんは僕が絶対に会うべき人物なのだろうが、この人に会うべきだという提案は、たくさん頂いている。阿久沢記者が会えという人に僕が絶対に会わないといけないということか。それは偉そうすぎるだろ」
と噛みついた。また、
    「朝日にしてはほんと質が悪い。例のMBSの記者と同じ感じ」
とも書いており、総じて朝日新聞の記者は質が高いと評価しているようだ。
(略)

ま、朝日の記者さんの質云々はどうなのかは知りませんが、ちなみにこうまで言うからには朝日の社長さんは全国どこから誰が尋ねてきても24時間365日いつでもお会いいただけるという解釈でよろしいんですよね?
市長がアポも取らずにやってくる人々のためにいちいち顔を出していたら仕事も回らないのは当然で、このあたりは休日になるとやってくる遠い親戚とやらに「今すぐ出てきて説明しろ!お前らが休んでいいとでも思ってるのか!」なんて理不尽なことを言われる某業界の先生方もつくづく身に染みているところではないでしょうか。
同記者の発言は朝日のツイッターガイドラインにも違反していることは明白で、この後同記者は謝罪とツイッター休止に追い込まれたということですけれども、とかくツイッターの類を馬鹿発見器とはよく言ったもので、このように様々な埋もれていた偉材?の実態を自ら世の中に明らかにしてくれるという点でこれ以上のものはありません。
公人相手ならどんなに口汚く罵倒しても許されるという彼らの感覚は決して見ていて気持ちいいものではありませんが、もちろん社会的にこうした態度は全く許容されるものではなく、例えば先日徳島からこういうニュースが出ていましたけれども、まさにこの種の情報流出が訴訟沙汰になったという例もあるだけに雇用者側の管理責任も問われかねないですよね。

看護師 患者写真をフェイスブック掲載…同僚は嘲りの書き込み/徳島(2012年9月26日スポニチ)

 徳島県つるぎ町の町立半田病院に勤務する20代の女性看護師が、認知症の疑いのある患者の写真を無断で交流サイト「フェイスブック」に載せていたことが26日、病院への取材で分かった。病院は看護師と、写真にコメントを書き込んだ同僚を厳重注意処分とした。

 病院によると、23日午後の勤務中、ナースステーションにいた男性患者の後ろ姿を携帯電話で撮影し、フェイスブックに掲載。同僚数人があざけるような書き込みをした。病院名や患者名は記されていなかった。

 24日、フェイスブックを見た人から病院と町に「患者の写真が載せられ、中傷する書き込みがある」と通報があり、病院が確認すると看護師は事実を認めた。写真は24日午後に削除されるまで閲覧可能だったという。

 病院の調べに看護師は「仲間内のやりとりで、外部に公表するつもりはなかった。申し訳なかった」と反省しているという。

 鎌村俊博事務長は「患者の人権を侵害し、本人や家族にご迷惑を掛けた。今後このようなことがないよう対応したい」と話した。

こうして一個人の話として見れば非常にわかりやすいかと思いますが、患者にしても別になりたくて病人になったわけではなく、病人であることを理由に公の場で嘲笑されるというのでは全く立つ瀬がありませんし、個人情報保護云々といった問題以前にそもそもそうした個人攻撃的行為に走る側の品格こそが問われるのではないでしょうか?
さて、先日自民党総裁に返り咲き次期首相就任がほぼ確実視される安倍氏ですけれども、実は以前に総理をやっていたときの体調不良の原因が難病「潰瘍性大腸炎(UC)」であったということを最近カミングアウトされています。
このUCなど炎症性腸疾患というものも長年難病として患者と医師とを煩わせているもので、特に安倍氏自身の告白にもあるようにその症状が非常に厄介であることからコントロール不良の時期にはおよそ仕事にならず、特に一家の家計を支える人がこうした病気に罹患してしまうと大変なことになるケースがままあったものでした。
最近でこそ各種新薬の登場によって非常によい結果が得られるようになってきていますけれども、とかくいつ症状が激化するか判らない、仕事も十分にこなせなくなるというプレッシャーの中で患者が様々なストレスを抱えてきたことは言うまでもありませんが、そうした病気を抱える今回の安倍氏再登壇に対してマスコミの方々はこう評価しているようです。

【社説】安倍新総裁の自民党―不安ぬぐう外交論を(2012年9月27日朝日新聞)

 自民党総裁選は、40年ぶりの決選投票をへて、安倍晋三元首相が当選を決めた。
 5年前の参院選で惨敗後、首相だった安倍氏は突然、政権を投げ出した
 その引き金となった腸の難病は新薬で克服したというが、政権放り出しに対する批判は安倍氏の重い足かせだった。それが一転、結党以来の総裁再登板を果たしたのはなぜなのか。

 もともと安倍氏は本命視されていなかった
 ところが、谷垣禎一前総裁を立候補断念に追いやる形になった石原伸晃幹事長がまず失速。決選投票では派閥会長や古参議員に嫌われている石破茂前政調会長に競り勝った。いわば消去法的な選択といっていい。
 さらに領土問題で中韓との関係がきしんでいなければ、再登板はなかったかもしれない。
(略)
 ナショナリズムにアクセルを踏み込むような主張は、一部の保守層に根強い考え方だ。
 だが、総選挙後にもし安倍政権ができて、これらを実行に移すとなればどうなるか。
 大きな不安を禁じえない
(略)

余録:明治時代には政治を扱った絵すごろくがあった。(2012年09月27日毎日新聞)

(略)さて念願の政権奪還が上がりの自民党すごろくである。ようやく上がりが見えてきて、着いたマスが安倍晋三新総裁の選出だった。党員投票で圧勝した石破茂氏は国会議員の投票で逆転された。草の根と永田町の支持のねじれがもたらした史上初の総裁再登板である
 ただ首相がほぼ1年ごとに代わる日本政治の迷走が始まったのは5年前の安倍首相の政権投げ出しからである。国民にすれば「エッ、また振り出しに戻るのか」と驚く向きもあろう。ご当人もその辺は意識して「自らの経験、責任を胸に刻み国難にあたる」と語った
 総裁選では領土や歴史認識での対外強硬姿勢を説き、保守色を強めた安倍氏である。この返り咲き総裁の再登板バージョン、駒を上がりへと大きく進めるのか、あれあれ逆に戻してしまうのか。

あくまでもこれらは典型例ということで別に朝日さんや毎日さんに含むところがある訳ではないということにしておきますが、彼らが枕詞のように愛用する「政権放り出し」というフレーズ、当時はともかくその事情が明らかになった後になっても平気で多用しているという点にご注目ください。
なんでも朝日新聞いわく安倍氏叩きは朝日の社是なのだそうで、社の幹部自ら「安倍の葬式はうちで出す」と放言し仮に良いことをやったとしても絶対に認めることはないと息巻いているそうですが、だからといって病人が病人であることを理由に公の場で個人攻撃に走っていいのだという感覚が21世紀にもなって許されるのかどうかということです。
時期が時期だけに安倍氏再登壇では外交関係ばかりが注目されている印象もありますけれども、実はこうした素朴な人権感覚に関しても思わぬゴ○○リホイホイとして機能することになるのではないかと、個人的にはその方面でも大いに楽しみにしています。

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2012年9月27日 (木)

特定看護師問題 安全の担保が錦の御旗化?

先日もじわじわと議論が進んでいるということを紹介した特定看護師問題ですが、ここに来て再び振り出しに戻ったかのような一進一退の状況になっているようです。

特定行為、在宅医療での安全管理が課題に- 厚労省・看護業務WG(2012年9月24日CBニュース)

 厚生労働省の「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)は24日に会合を開き、いわゆる「特定看護師」が担う特定の医療行為(特定行為)の実施体制について議論した。委員からは、医師が常駐しない在宅医療の現場で、どのように安全管理体制を確保するかが課題として指摘された。

 看護師の能力認証に関する厚労省の試案では、同省が指定する研修機関での研修を修了した「特定看護師」について、医師の包括的な指示(入院診療計画書など)で特定行為を実施できるとする一方、それ以外の看護師の場合は、医療機関側が実施体制(院内での研修を含む)を整備した上で、医師の具体的な指示によって、特定行為の実施が可能とされている。

 医療法では、診療所や病院などの安全管理体制について、▽指針を整備する▽医療の安全管理に関する委員会を開く▽職員研修を実施する▽医療安全を確保する目的で、事故報告など改善のための方策を講じる―ことを求めている。

 星北斗委員(財団法人星総合病院・理事長)は、「起こり得る危険性や、その後の対応はどちらも同じと考えるべきだ」と述べ、能力認証の有無に関わらず、安全管理体制を構築する必要性を指摘する一方、在宅医療に関しては、医療機関とは異なる視点で検討する必要性を示した。
 在宅医療に従事する英裕雄委員(医療法人社団三育会・理事長)は、「診療所や病院のように、チームがしっかりいる体制に比べると、(在宅医療の現場では)かなり希薄な状況の中でやらざるを得ないのが実情だ」とし、医療法による体制の整備を在宅医療に導入することに懸念を表明。その上で、「院内の場合と、院外の連携によってつくる場合、(医療機関の)財政も少し考えて、多岐にわたるシチュエーション(状況)を考慮した上で、考える必要があると思う」と述べた。
 神野正博委員(社会医療法人財団董仙会・理事長)は、「在宅の患者さんへの指示は、かなり具体的になるのではないか」とし、「院内や訪問看護ステーションでの研修や安全管理体制を充実させれば、具体的指示で(特定行為の)かなりの範囲をカバーするのではないか」と問題提起した。

 一方、大滝純司委員(東京医科大教授)は、「安全管理の面も大事だが、研修の内容について、どのくらい習得できたかどうかの確認が、在宅も含めて重要になるのではないか」と述べた。
(略)

どうも制度設計を見ていますと医師もあまりいないような環境で半ば独立して働く看護師には特定看護師を取得させて自主的に特定行為を行わせる、一方で身近に医師が揃っている病院内では体制整備の上で一般看護師に特定行為を行わせるということを考えているようにも見えます。
しかし在宅であれ今どき何かあれば医師に電話をして具体的な指示を受けることが可能なのですから、それなら特定看護師の必要性などないのでは?という話にもなってしまいかねませんね。
一般看護師であっても体制整備と「具体的指示で特定行為のかなりの範囲をカバーする」ということになれば、特定看護師の存在意義とはそれこそ医師の いない環境での医介補的準医師ということになりますが、医療現場の需要を見ると院内での業務を看護師にしっかり務めてもらいたいという要求も大きいはずですから、両者を不可分のもののように議論していくことはどうなんでしょう?
まして今までの議論を見ると特定看護師資格を取得するためにはかなりの学歴が必要になりそうですから、どうも大学など大きな施設の看護師が資格を取得しに行きそうな印象を持っているのですが、実際のところ需要と供給のミスマッチが発生しないのかです。

いずれにしても今回も安全性が大きな議論になっているように、特定看護師制度導入への反対意見としてどうしてもこの安全性問題が最大の懸案となっているのは確かであって、この部分が最初から最後まで大きなハードルとなっていることは間違いありません。
しかし仮に何らかの対策を講じたとして、それで安全性が担保出来るのか?と言われれば、逆にどうすれば安全性が担保出来るのか、今看護師がやっている行為なら絶対に安全なのかという話になってしまい、最終的には点滴採血全部医者がやれの世界になってしまいますから、業務分担を進めていく上ではどこかで割り切りということが必要になるはずです。
とりわけ昨今医療現場は慢性的に人手不足で各人が出来ることをやっていかないことには仕事が回らない状況ですが、リスク云々を言うなら特定看護師ばかりではなく他にもリスク要因は幾らでもあるということは承知しておかなければならないですよね。

緊急度判定支援システムの指導者を育成- 医師ら対象に講習会(2012年9月24日CBニュース)

 病院の救命救急部門を中心に導入が進んでいる緊急度判定支援システム「JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)」の指導者講習会が23日、東京都内で開催された。同システムの指導者を育成するコースの開催は初めてで、修了者は今後、JTASの普及や、医療関係者への教育を担うという。

 緊急度判定(院内トリアージ)は、診察前の患者の症状を評価し、緊急度・重症度を見極め、治療の優先順位を判断すること。救命救急の医療現場では、患者が到着した際、専門的な教育を受けた経験豊富な看護師らが、(1)現在の症状を評価し、緊急度を決定する(2)患者の緊急度判定のカテゴリーに当てはめる(3)適切な治療を受けるまでの過程を決定する(4)効果的・効率的な業務遂行のため、適切な人的医療資源を割り当てる―などを迅速に行う必要がある。判定をするスタッフには、対外的な業務、問診、記録、批判的思考法、コミュニケーション能力などのトリアージ業務に必要な看護技法の理解が不可欠とされている。

 こうした一連の医療業務を支援しようと、日本臨床救急医学会の奥寺敬理事(富山大医学部教授)らが中心となり、医療現場にトリアージを積極的に取り入れているカナダのCTAS(Canadian Triage and Acuity Scale)を参考に、熱中症などの日本国内の特徴を加味して、病院内で使う緊急度判定支援システムを構築。今年4月から、iPodやパソコンで専用サイトにアクセスが可能な体制を整えるとともに、各地で講習会を開き、専門知識を持ったインストラクターが、医療関係者らに重症度・緊急度の判定方法やJTASの使い方などを教えている。

 この日行われた講習会では、まず、5段階の緊急度判定レベルなどについて、インストラクターが受講者に解説。レベル1(蘇生)、同2(緊急)、同3(準緊急)、同4(低緊急)、同5(非緊急)の分類や、患者到着から治療室へ移動するまでの過程、緊急度判定を行うスタッフの専門職としての役割について、「いかに分かりやすく伝えるかが重要」と強調した。

 さらに、緊急度判定を実施する利点や、混雑時の緊急判定度の重要性と限界の理解、救急患者の特徴などについて、受講者はグループに分かれて指導方法を学習。その後、インストラクターから「患者の状態から症状を探る」「定義をしっかりと理解した上で判定する」などと助言を受けながら、実際にiPodを使って治療判定に挑戦した。

 「18歳の女性、エンジンがかかったままの車内で発見された。視線も合わさず、質問に対する返答もしない。来院時主訴は?」などといった例題について、画面に映し出された呼吸障害などの項目の中から、患者に当てはまりそうな症例を選択。「重度:過度の呼吸努力のため疲労、チアノーゼ、単語のみ話せる状態」「中等度:呼吸努力が増加した状態、とぎれとぎれの会話」「軽度:呼吸苦、頻呼吸、労作時息切れ、呼吸努力の増加は認められない」との判定度が画面に現れると、受講者はそれぞれの所見に基づき、患者の具体的な障害レベルを選定した。

 JTASに対する参加者の期待は大きく、武蔵野赤十字病院救命救急センターの西塔依久美救急看護認定看護師は、「今までは、現場の看護師らが経験則で症例を判定してきたが、このシステムを使えば、経験の浅い若い看護師でも判定が可能」と評価。また、近江八幡市立総合医療センター救命救急センターの鶴田宏史救急診療科部長は、「地元の滋賀県内で広めたいと考え、参加した。講習で指導する際のコツが具体的に学べて参考になった」とし、日本医科大付属病院高度救命救急センターの佐藤憲明看護師長は、「システム的には、よくまとまっている。判定の履歴をデータとして保存し、判定のプロセスが後で検証できればなお良い」と感想を述べた。

 長年にわたり、医療現場における緊急度判定システムの普及に取り組んできた奥寺理事は、「病院に院内トリアージがあることを前提に、救急救命システムが変わろうとしている。少しでも多くの患者の命を救うため、JTASのような判定支援システムが普及することが重要。より多くの指導者を育成し、普及を図っていきたい」と話している。【新井哉】

日常診療の救急外来でも行列待ちが出てきた場合、重症を後回しにして順番通り軽症患者を延々と診察しているというケースはままあるもので、それだけに緊急事態に限らず患者の振り分け作業とは治療行為そのものと同等以上に重要になってくる仕事です。
しかし難しいのは一見重症に見えても意外に軽症である場合、また軽症に見えても重症である場合が入り乱れていることに加え、それを判断する人間によって重症、軽症の基準が異なるということで、早い話が医師が明らかに重症だと考えて誰かを優先しようとしても「そんな奴たいしたことないじゃないか!俺は脚の骨が折れてるかも知れないんだぞ!」なんて騒ぎ出す人が必ずいるということですね。
まずは医師の前に連れてこないことには治療が始まらないことを考えれば、誰を先に連れて行くかこそは最も重要な医療行為とも言えるはずですが、夜間救急が混雑するような大きな病院ほど受付の事務や専門的トレーニングを受けていない看護師などが「経験則で症例を判定」してきたというのは、考えようによってはこれ以上ない危険な状況ではないでしょうか?

無論、「だからトリアージから治療まで医療の全ての過程を医師が自ら責任を持ってやるべきだ」なんてことを言い出せばそれこそ現場を知らない空論になってしまいますが、医療行為のどこまではスタッフに委任しても安全だという線引きなど実際にはほとんど不可能であって、また現実的に線引きが曖昧なまま今も日常臨床が行われているという事実を抜きに重箱の隅ばかり突いていても仕方がないというものでしょう。
最終的にはまずは限定的に試行してみて、その結果のデータ解析を元にフィードバックしていくということを繰り返していかなければ何が安全で何が危険なのかは判らないはずですが、特に一部医療機関の現状を見ていると恐らくこのくらいまでは大丈夫なのでは…という段階のはるか手前で「もしかしたら危険なのかも知れないから」とストップがかけられているようで、医師にとって大きな心身のストレスとなっているのも事実でしょう。
無論、看護師も医師同様多忙で人材不足なのが実情ですから、看護師業務のうち専門的知識、技能をさほど要求しないものを非専門職にどんどん移譲していく作業も並行して進めていく必要がありますけれども、まずは特定地域なり施設なりに限定してでも実際にやってみないことには議論の結論など出ようがない問題じゃないかと思いますね。

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2012年9月26日 (水)

繰り返される偽医師騒動 いくらなんでも無防備すぎる?

先日東京でまたもや偽医師が逮捕されたという報道がありましたが、相変わらず杜撰な資格確認が原因であったようです。

医師法違反容疑:板橋区民の健康診断、43歳ニセ医師逮捕(2012年09月24日毎日新聞)

 東京都板橋区の民間病院「高島平中央総合病院」で医師免許がない男が非常勤医師として区民向けの健康診断をしていた問題で、警視庁は24日、世田谷区中町1、無職、黒木雅(みやび)容疑者(43)を詐欺と医師法違反(名称使用制限)、公文書偽造などの疑いで逮捕した。

 逮捕容疑は10年5月〜11年11月、都内の医師専門の人材紹介会社を通じて偽造した医師免許証のコピーを同病院に渡し、医師であると信じ込ませ、健康診断を担当する非常勤医師として雇用契約。計44日勤務し、報酬として計262万円をだまし取ったなどとしている。「生活費が欲しかった。健康診断ならやれると思った」と容疑を認めている。

 生活環境課によると、黒木容疑者は同じ名字の実在する医師の名前をインターネットで知り、免許証を偽造した。大学の教育学部を中退後、過去に3カ月、医療事務の勤務経験があるが、医療の知識は「看護師の勉強を独学でした程度」と説明している。ほかに長野県などの病院でも医師の名をかたり、健康診断に従事した可能性があるとみて調べる。

たかが健診と言うなかれ、健診業務を担当するということは異常があるか無いかを引っかける役でもあったと言うことですから、これによって患者側が大きな不利益を被った可能性が否定出来ません。
しかし事情を聞いてみますと金が必要だからやったと随分とあっさりしたものですけれども、こういうお気楽な犯行が実際に通用してしまうということはそれだけ医療業界が今まで性善説で杜撰な管理を行ってきたということでもありますね。
厚労省では今回の事件に対する対策として原本による資格確認の徹底に加え、同省の運用している資格確認システムを活用すべきだと通知を出しているようですが、どうも実際の状況を知るほど二週遅れの対策という気がしてきます。

<ニセ医師逮捕>黒木容疑者 医師資格確認システムを悪用(2012年9月25日毎日新聞)

 東京都板橋区の高島平中央総合病院で、医師免許がないのに健康診断を行ったなどとして警視庁に詐欺などの疑いで逮捕された黒木雅容疑者(43)が医師免許証を偽造する際、厚生労働省が導入した「医師等資格確認検索システム」を参照していたことが捜査関係者への取材で分かった。医師の資格確認のシステムが悪用された形だ。

 捜査関係者によると、黒木容疑者はインターネットで医師免許証のコピーを入手。ネットで同姓の医師を探した上で、検索システムに名前を打ち込んで医師登録年を確認し、コピーした偽造免許証の名前と登録年を書き換えていたという。

 検索システムは07年に医師の資格確認ができるように導入され、名前を入力すると性別、医師登録年、行政処分歴が閲覧できる。だまされた病院は黒木容疑者を採用する際、システムを確認したが、偽造免許証にある名前と登録年に食い違いがなく、偽造に気付かなかった

 厚労省は事件を受けて24日、医師免許証の原本確認の徹底など都道府県に通知した。検索システムが悪用されたことについて、同省は「システムは補助的な手段として活用してほしい」と話している。【黒田阿紗子】

まさしく厚労省の言う対策が逆用されたような有様なんですが、そもそもあのシステムにしてもかねて問題点ばかりが指摘されてきたようなもので、何かしら役に立ったという話はあまり聞いた記憶がないのですがね…
今回の場合人材派遣会社経由であったということで、何らかの損害が発生したとすれば医師でない者を医師として派遣してきた同社が負うべきものだと考えられますけれども、例えば民事で患者側から慰謝料請求などを行われる可能性も十分にあるでしょう。
それだけに医療現場のみならず派遣業界にも危機感を持って対策を講じていただきたいのですし、社会常識としても資格が必要な専門職なのに資格の有無をまともに確認もしないとはどうなんだと感じるところですが、どうも未だに杜撰なことが行われている背景には相応に事情というものがあるようなのですね。

ニセ医師逮捕:背景に、ずさんな本人確認(2012年09月24日毎日新聞)

 今回の事件では、紹介会社を通じて医師を採用する際、厳格な本人確認が行われていない実態が浮かんだ。

 国内の病院の医師は従来、大学病院を中心に組織される「医局」からの派遣が主流だった。だが、04年に始まった現場での臨床研修制度をきっかけに医局の統制力が弱まり、民間の紹介会社の需要が急速に高まった。社団法人・日本病院会の11年3月の調査では、全国557病院のうち紹介会社を利用すると答えたのは56%に上る。

 厚生労働省は、医師の採用では医師免許証と大学の卒業証書の原本を必ず確認するよう求めてきた。だが、ある病院の関係者は「原本を求めると『面倒くさいので別の病院に行く』と医師に言われたこともある。医師の供給が潤沢でない中、原本提出を言いにくい雰囲気はある」と明かす。容疑者を紹介した会社も「この業界で原本確認する社は聞いたことがない」と証言した。

 こうしたことから厚労省は07年、「医師等資格確認検索システム」を導入。医師登録年と行政処分歴がインターネットで確認できるようになった。しかし、このシステムも実在する医師の名前をかたられた場合はうそを見抜けない。生年月日や勤務先などは未開示で、顔写真は同省自体が所持していない。

 別の紹介会社の経営者は「いずれまた同じことが起こる。免許を顔写真入りにするなど新たな対策が必要だ」と訴えた。【黒田阿紗子】

根本的には医療の世界が総じて売り手市場であることからこれで通用しているということなんですが、失礼ながら医師資格確認を「面倒くさいから別の病院に行く」などと言い出すような相手はいずれにしてもろくな人材ではない可能性が高いと思えますけれどもね。
そもそもネット上で様々な情報が入手できる時代だからこそこうした詐欺が働けるようになったという一面もあって、一昔前なら一般人が医師免許証の実物などどんなものかも知らなかったものが、今では検索をかけるだけでフルカラーの画像が手に入るのですからそれは偽造も容易ですよね。
完全にオープンにしているあの検索システムにこれ以上の個人情報を垂れ流されるのもこれまた困りものですから、当面は免許証の現物確認というローテクに頼るしかないということになるのですが、何しろ単なる紙切れ一枚ですからその道のプロが本気になって偽造にかかってくればむしろ余計に面倒なことにもなりかねません。
そのため運転免許など写真入りの公的身分証明と併用しながらの対応も必要になりそうですが、医師の側にしても嵩張るばかりで扱いも面倒な証書類を毎回用意するのは面倒なことこの上ないわけですから、これだけ偽医師事件が起こる以上は国としても早急に抜本的対策を講じていただきたいものです。

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2012年9月25日 (火)

司法試験予備試験はホントは予備ではない?

先日司法試験の結果が発表されたのですが、今年は色々と変化の年であったようです。

司法試験:合格率25.1% 新試験導入後、初めて上昇に(2012年09月12日毎日新聞)

 法務省は11日、法科大学院7件修了者と予備試験合格者を対象とした司法試験の合格者を発表した。合格者数は06年に始まった新試験では過去最多の2102人(昨年比39人増)。全体の合格率は25.1%(昨年比1.6ポイント増)で新試験導入後、初めて上昇に転じた

 政府は02年の閣議決定で合格者の目標値を3000人としているが、今回も遠く及ばなかった

 新試験が導入されてから、新旧両試験が並行実施されてきたが、旧試験は昨年で終了。新試験7回目となる今回は予備試験の合格者が初めて新試験に挑み、58人が合格。合格率は68.2%だった。

 一方、法科大学院修了者は2044人が合格し、合格率は24.6%。政府の規制改革会議(当時)は09年、「予備試験合格者と法科大学院修了者の合格率を均衡させる」と提言しており、次回は予備試験自体の合格者数を増やすなどの調整がされるとみられる。

 修了者の合格者のうち、法学部出身者向けのコース(2年)の合格率は36.2%だったが、法学部出身者以外向けのコース(3年)は17.2%にとどまり、法科大学院制度が理念とする「多様な人材の確保」の難しさを示した。

司法試験、「予備試験」通過者は合格率68%(2012年9月11日読売新聞)

 法務省の司法試験委員会は11日、今年の司法試験合格者を発表した。

 合格者は前年比39人増の2102人。法科大学院修了生の合格率が24・62%にとどまる一方で、法科大学院を修了しなくても受験資格が得られる予備試験を通過した受験生は68・23%と高い合格率を記録した。構想段階で7~8割の合格率が想定されていた法科大学院に対し、一層失望感が広がる可能性がある。

 予備試験ルートの受験生が参加したのは今回が初めて。合格者は、2006年から始まった法科大学院修了生を対象とした新司法試験では最多。全体の合格率は前年比1・53ポイント増の25・06%と、5年連続で更新した過去最低に歯止めがかかった

 今年の受験者は、昨年より378人少ない8387人で、新試験開始以降、初めて減少した。学生の法科大学院離れを反映し、定員を削減した大学院が増えたことが原因で、これが合格率の微増にもつながった。

 大学院別に見ると、全74校中、最も合格者が多かったのは中央大の202人で、東京大の194人、慶応大の186人が続いた。上位10校の合格者数が全体の約6割を占めた。

記事にもありますように旧試験はもう終了したということで、すでに合格者過剰も言われ始めている中で過去最高の人数が合格したという点も注目なのですが、今回初めて予備試験合格者からの合格者が出たという点に留意いただきたいと思います。
この予備試験なるもの、本来は経済的事情等から法科大学院を受験できない人に対する救済措置として、これに合格すれば司法試験の受験資格を与えるということになっているわけですが、今回初めて参加した予備試験組の合格率は実に法科大学院の3倍近くと、非常に高率であったことが明らかになったわけですね。
もちろん様々な制約もある中でそれでも司法試験を目指したいという人々の方がより向学心に燃えているといった事情もあるのかも知れませんが、どうも内情を見てみますとそうした単純な話ばかりでもないようです。

新司法試験 法科大学院離れ拍車(2012年9月24日東京新聞)

 十一日に合格発表があった新司法試験で、法科大学院修了を受験の条件としない予備試験組の合格率が68%に上り、関係者に衝撃を与えている。経済的事情などを考慮して設けられた「例外ルート」だが、どの法科大学院よりも高かったからだ。これをきっかけに法科大学院離れが進み経営悪化に拍車が掛かるとの見方も出ている。

 「厳しい結果だ。優秀な人材が予備試験を目指す流れができかねない」。文部科学省の幹部は暗い表情でつぶやいた。

 二〇一二年度の法科大学院受験者は、制度が始まった〇四年度の約四割。七十三校中六十三校で定員割れとなり、地方を中心に経営を圧迫している。今年は合格率10%未満の学校が二十校に上り、厳しい現状に追い打ちを掛けた。

 予備試験の目的は、学費が払えない、仕事を辞められないといった事情で法科大学院に通えない人の救済。初めて行われた昨年は六千四百七十七人が受験し百十六人が通過。うち八十五人が今年の司法試験を受け、五十八人が合格。狭き門をくぐり抜けた受験者とはいえ、合格率はトップの一橋大(57%)を10ポイント以上上回った

 予想外だったのは、五十八人のうち二十六人が大学生、八人が法科大学院生だったことだ。法務省幹部は「合格率が高いことは予想できたが、学生がこれほど多いとは…」と驚きを隠さない。

 政府が法曹養成の中核と位置付ける法科大学院は「人間的に豊かな法曹」を育てるのが目的とされるが、生き残りをかけて受験対策に重点を置いたため「予備校化」している大学も散見される。

 今回の試験結果は、そうした現状の法科大学院すら迂回(うかい)し、予備試験を「金と時間を節約する抜け道」(法務省幹部)として利用した受験生がいる可能性を浮かび上がらせた。

 「仕事を辞めることは全く考えていなかったので、予備試験があってよかった」。東京都文京区の投資運用会社社員(40)は、予備校の通信教育で勉強。法科大学院には通わず念願をかなえた。

 一方で「早く合格して、社会に出たかった」と予備試験を選んだ理由を話すのは東京大法科大学院の男子学生(22)。「法科大学院の授業は丁寧だけど、司法試験にはプラスにならない」と話す。

 司法試験向け予備校「伊藤塾」の佐藤修一執行役員は「大学生は在学中に予備試験に挑戦し、駄目なら法科大学院に行けばいいと考える。予備試験を目指す学生は今後増えるだろう」と分析。

 日弁連の中西一裕事務次長は危機感を募らせる。「法科大学院は、実務家のため必要な教育を行う場所。『早く受かりたい』という理由で予備試験を選ぶという態度は、制度の趣旨と懸け離れている」

ご存知のように新司法試験では受験資格として予備試験合格あるいは法科大学院修了を必要とするのですが、どちらも5年間で3回司法試験を受験出来ると言う決まりになっていて、しかもこの3回の受験に失敗してしまった場合は別な方法で受験資格を得ることが出来るというルールになっています。
すなわち法科大学院修了者であれば予備試験に合格を、予備試験合格者であれば法科大学院を終了すれば再び司法試験に挑むことが出来る理屈ですが、法科大学院を修了し3回の受験に失敗した上でさらに予備試験に合格してとなれば、年齢的にも経済的にも非常にハードルが高くなりそうだと想像出来ますよね。
ところがこの予備試験なるもの、「司法試験予備試験には,受験資格及び受験回数の制限はありません。(厚労省)」と言い切っているわけですからいつでも誰でも受けられるというわけで、しかも司法試験自体には前述の通り受験資格は二つだけで年齢等は問われていないということですから、その気になれば高校生でも弁護士になれるということでしょうか。
こうなると記事にもあるようにやる気も能力もある人間は学部生など早い段階で予備試験をクリアして3度の挑戦をしておき、それに通らなかった場合にはそのまま法科大学院に進んで新たな受験資格を得れば一番効率がいいということになるでしょうし、今年の合格率を見る限りでも今後予備試験経由での国試合格者の低年齢化は十分に考えられると思われますね。

司法制度改革というものはとにかく法曹人口を増やして司法に対する国民のアクセスを容易にしようというのがそもそもの理念であったそうで、司法試験の間口を広げるということはそのための手段であったわけですから合格者が増えるのは何も問題ないはずですが、不景気な時代である以上やはり大学院を出てまでダラダラと試験勉強を続けるのは経済的なプレッシャーも大きいはずですよね。
今後親のスネを囓ることが社会的にも許容される若年層がこの予備試験ルートでどんどん弁護士になっていくケースが増えるのだとすれば、当然そうした人々は若くて能力もある優秀な人材が多いのだろうし社会的には良いことなんでしょうけれども、現状ですら国試合格も覚束かず授業料詐欺だ!なんてことを言われている法科大学院に通う人達はいわば負け組としてますます肩身が狭くなりそうです。
しかしもともと新司法試験では合格率7割が目標だ!と言っていて、法科大学院組が相変わらず低迷しているのに反して予備試験組がそれに匹敵する数字を叩き出してしまったことは何とも象徴的に感じられるのですが、もし今後は予備試験ルート経由者の方がむしろ司法試験合格者の主流になっていくのだとすれば予備も何もないものですし、結局のところ法科大学院って何だったの?と言う話にもなりかねない気もします。

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2012年9月24日 (月)

史上初の快挙!?大学病院が保険指定取り消し

こういうこともあるんだなというニュースが全国を駆け巡っていますが、これは処分する方もよく思い切ったなと思いますね。

東京医大茨城医療センター、保険指定取り消し(2012年9月22日読売新聞)

 厚生労働省関東信越厚生局は21日、総合病院「東京医科大茨城医療センター」(茨城県阿見町)が診療報酬約8285万円を不正請求していたとして、同病院の保険医療機関指定を取り消す処分を発表した。

 期間は12月1日から5年間。厚労省によると、記録が確認できる1998年以降、大学病院の指定取り消しは初めてという。

 同局の発表によると、同病院は2008年4月~09年5月、必要な基準を満たさずに入院や手術に伴う診療報酬の加算分を算定したり、実際に働いていない事務作業員を配置しているように偽ったりして、診療報酬を不正に請求した。

 同病院は501床、29診療科を擁し、外来患者は1日平均1000人。県の地域がん診療連携拠点病院などに指定され、救急車も年間約3300台を受け入れるなど地域医療の中核を担っている。保険診療ができなくなると、患者側の自己負担額が大幅に増えるため、転院せざるを得なくなる入院・外来患者が相次ぐことが予想される。地域医療への影響が大きいことから、県は対策を検討する。

東京医大指定取り消し 県南部の医療影響大(2012年9月22日読売新聞)

 東京医科大茨城医療センター(阿見町)が診療報酬不正請求により、関東信越厚生局から保険医療機関の指定取り消し処分を受けたことで、県南部の地域医療に影響が出そうだ。12月以降、保険診療ができなくなると、転院を余儀なくされる入院・外来患者が相次ぐ可能性がある。県は「地域医療に影響が出ないよう、週明けにもセンター側と協議を始めたい」としている。

 不正発覚は2009年7月。センター側が自ら公表した。21日、県庁で記者会見した松崎靖司・同センター病院長は、保険医療機関の取り消しについて、「考えていなかったと言えばうそになる。覚悟はしていた」と述べ、想定内の処分内容との認識を示した。今後の対応については「我々は処分を受けた立場。県や関係機関の指示で動かざるを得ない」と明言を避けた。

 県の医療関係者も、「センターが不正を自ら公表したので、情状酌量があると楽観していた。保険医療機関の指定取り消しは非常に厳しい」と困惑気味だ。だが、不正発覚から3年、最悪のケースが想定できたにもかかわらず、センターも県も、具体的な善後策を検討してこなかった

 12月以降は、このままの形でのセンター存続は難しくなるとみられる。周辺の病院も受け入れ態勢に限界があり、400人の入院患者や1日平均1000人の外来患者は行き場を失う恐れもある。

 過去の事例では、経営権の移譲、あるいは処分期間の短縮など特例を求めることで、影響を最小限に抑える可能性も残されてはいるが、県保健福祉部の森戸久雄次長はこの日、「病院の現状維持を目指したい」と述べるのにとどめ、具体的な方策は示さなかった

 センターを利用する患者からは驚きの声が上がった。内科に通院する阿見町の無職男性(77)は「医療費全額が自己負担になると家計がパンクする」と困惑し、糖尿病治療で入院している牛久市の主婦(60)は「3年前の不祥事の責任を、今の医師たちに負わせるのは納得できない」と話した。

 阿見町の天田富司男町長は「多くの町民が通う大事な病院。このままでは地域医療が崩壊する。取り消し期間を短くしてほしいと国にお願いしたい」と話した。

東京医大茨城医療センター不正請求:指定取り消し 「医療成り立たない」 県、処分までに対応検討 /茨城(2012年9月22日毎日新聞)

 県南地域の主要な医療20+件機関として多くの患者を受け入れている大学病院が、極めて異例の保険医療機関指定取り消し処分を受けた。今回処分を受けた東京医科大茨城医療センター(阿見町中央3)は、がんや肝炎の診療病院にも指定されている地域の拠点病院。保険診療ができなくなれば、患者が全額自己負担することになり、病院の存在意義はないも同然となる。県の森戸久雄保健福祉部次長は記者会見で「患者が必要な医療を受けられるよう全力を尽くす」と述べ、処分が実施される12月1日に間に合うよう対応策を早急に検討する姿勢を強調した。【酒井雅浩、鈴木敬子、杣谷健太】
(略)

保険医療機関取り消しへ 東京医大茨城(2012年9月22日朝日新聞)

 地域の中核病院で保険診療ができなくなる――。東京医科大茨城医療センター(阿見町)の保険医療機関の指定が、12月1日に取り消されることが21日発表された。「保険が使えなければもう来られない。路頭に迷うよ」と困惑する患者たち。県は「地域医療が途切れないよう全力を尽くす」と言うが、具体策は示されていない

 この日、処分をする側の厚生労働省関東信越厚生局と、される側の茨城医療センターの幹部らが、相次いで県庁で会見した。

 不正請求が明らかになったのは2009年。約3年後の取り消し処分決定について、厚生局は「入院患者が全県にわたり、資料も膨大。多くの人に聴取しなければならなかった」としたうえで、「故意による不正請求を重視した」と説明した。

 医療センターの松崎靖司病院長は「患者や家族、地域、関係者らに多大なるご迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる」と陳謝した。

 患者らにはおわびの文書を院内に掲示して知らせるほか、問い合わせ対応に専念するスタッフ10人を配置したという。

 取り消し後、原則5年間は再指定できない。このままなら患者は12月1日から医療費を全額自己負担しなければならなくなる。

 医療センターは現在、外来患者が1日1千人、入院患者は1カ月でのべ1万1千人。救急車の受け入れは年3300台に上る。

 県の森戸久雄・保健福祉部次長は「具体的なことは現時点で何も言えないが、関係機関と相談しながら、センターの医療を維持できるよう最善の努力をする」と語った。

判っていて悪事を働いたことで当事者の側に同情の余地はないとは言え、実際問題として医師らスタッフはその気になればどこの病院にでも働き口はあるわけですから、病院への処分と言いつつ何も知らずにいた患者側だけが迷惑を被る形になるのは何とも釈然としません(まさか大学内に澱む○○職員を一掃するため、などという裏目的でもあったのなら別ですが…)。
とはいえ、いずれにしてもひとたび保険指定を外されると原則5年間は再指定されず、その間は保険診療が行えないわけですから、「センターの医療を維持できるよう最善の努力をする」と言われたところで具体的にどのような努力が出来るのかです。
特に大学病院ということになれば高度な医療を必要とする難症例が集まってくるはずなのですが、保険が使えないということは単に窓口での負担金額が数倍になるのみならず、高額医療費の上限も当てはまらなくなってくる訳ですから、下手をすると毎月数百万、数千万という単位での請求が届く患者さんも出てくるということですよね。
当然多くの患者さんはそんな医療についていけるはずもなく、単に大学病院の受け入れ能力が事実上消滅するのみならず多数の患者が逆紹介されてくることは必至で、地域の診療体制に絶対的な影響を与えずにはいられないだろうと予想される大変な事態なのですが、実際のところどういう不正をやったのかということをCBニュースから引用してみましょう。

東京医大茨城医療センター、指定取り消しへ- 保険医療機関、大学病院では異例 (2012年9月20日CBニュース)より抜粋

(略)
 問題になっているのは、08年4月から09年5月ごろにわたる診療報酬の不正請求。「医師事務作業補助体制加算」や「入院時医学管理加算」など3つの加算を、要件を満たさないのに請求したというもので、同センターでは同年7月、不正請求額を約1億1870万円と発表した。

 「医師事務作業補助体制加算」では、医師の指示で事務を行う職員は「専従」が算定要件だが、申請した7人はいずれも専従ではなかった。「入院時医学管理加算」については、治癒したかどうか分からない退院患者についても「治癒」と数え、算定要件である治癒患者の割合を大幅に水増ししていた。
(略)

大学病院の診療規模からすると約1年間で1億余という不正請求の金額事態は驚くほどのものでもないような気もしますが、記事にもあるように今回故意に不正請求をしたという事実を重視したようです。
時にこの不正請求による指定取り消しのニュースが流れてきますけれども、例えば同様に故意の不正によって今春指定取り消しとなった大阪の小規模病院のケースでは使っていない薬剤を請求した、高額な薬剤を使ったように見せかけたといった手口を使っていたということなんですが、その金額としては驚くことにわずか246万円だったと言うのですね。
無論、犯罪行為はやったかやらないかが重要で金額の大小は必ずしも重視すべきではないのかも知れませんが、こうして見ると従来の処分とバランスを取る形で周囲への影響には目をつぶってでも処分を下さざるを得ないというケースもあるいは多々あるのかも知れません。

ただ地域の中核病院が突然(実質的には、ですが)消えてしまったという現象面だけを見れば、例えば有名な銚子市立市民病院なども全く同様の状況であったとも言えますし、やや小ぶりながら岩槻脳神経外科病院の突然の閉鎖などもニュースになったことがあり、決して先行事例が存在しないというわけではありません。
少なくとも逆紹介の患者をどのようにさばくかといったことに関してはこれらの事例が参考になるはずですから、最高学府らしく過去の市中病院のケースよりもスマートにトラブルを解消していっていただけるものと期待しておいていいのでしょうか?
ちなみに一般的にはこうした指定取り消しの場合には経営母体を変えてしまうことで実質的な処分逃れをするというケースが多いようですが、今回大学側ではこのままの体制で行くつもりだと言っているようですから、こちらも今後どのような対応をしてくるつもりなのかには注目しておきたいですね。

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2012年9月23日 (日)

今日のぐり:「うなぎ なか勝」

コンビニ入店音が思いがけない物語の導入となるのが野尻抱介氏の傑作短編集「南極点のピアピア動画」に収録された「コンビニエンスなピアピア動画」ですが、先日出ていましたこちらのニュースはそのものズバリ入店音がテーマの作品です。

もしもモーツァルトがファミマ入店音を作曲したら……壮大すぎる動画がYouTubeに(2012年9月20日ねとらぼ)

 もしもモーツァルトがファミリーマートの入店音を作曲したら――そんな風に想像して作った楽曲がYouTubeに投稿されています。交響曲第41番「ジュピター」をモチーフにしており、入店音の軽やかさは残しつつ、途中からかなり壮大な仕上がりとなっています。気に入ったらこちらで楽譜を購入することもできます。

 モーツァルト風入店音を投稿したのはHideo1991さん。2010年5月に公開し、約5万1000回再生されています。「長年の構想を経て」今年8月にはベートーヴェンバージョンも制作。今度は第九の第1、2、4楽章をモチーフにしています。苦悩から歓喜へ――あまりにドラマチックな入店音は必聴です。

ちなみに作者のHideo1991氏はかねてクラシックとのクロスオーバーなど非常に精力的に動画をあげられている方ですが、ファミマの実際の入店音と比べて見ますとこれはヨゼフ二世でもお迎えしないことには釣り合わないような立派な音楽に変貌していますね。
今回はHideo1991氏の素晴らしい仕事ぶりに敬意を表して、世界各国から正直その発想はなかったという取り合わせの妙を誇るニュースの数々を紹介してみましょう。

「Excelのできる子はいねえがー」 ハローワークでなまはげの募集開始/秋田(2012年9月11日ねとらぼ)

 秋田県男鹿市の伝統行事として知られるなまはげ。男鹿市観光協会がハローワークになまはげの求人を掲載して話題になっています。

 なまはげ求人は今年3月にも話題になりましたが、今回新たにもう1人なまはげを再募集。採用者はなまはげの成り手として秋田県内外の観光PRを行います。1カ月に21日、午前8時30分から午後5時15分までのフルタイム勤務で月給は20万5800円。男鹿市在住者限定での募集となっています。

 必要な経験・資格の項目には「パソコン(エクセル、ワ一ド)が出来る方」「普通自動車免許」とあります。なまはげと聞くとアナログなイメージがありますが、最近のなまはげはPCも操作するんですね。自ら営業車で現場に行き、悪い子や泣く子の数をグラフや関数を駆使して管理するのでしょうか……。意外と頭脳労働なのかもしれません。

 なまはげ求人を見たネットユーザーからは「なまはげやるにもワード、エクセルができないとダメな時代か……」「時代の流れは厳しいな」といった声が上がっていました。

確かにいろいろと業務があるのは理解出来ますが、しかしなまはげがワードはともかくエクセルを使って何を管理するのか、本当に泣く子の数でも勘定するつもりなのでしょうかね…?
宇宙と言えば様々な面で非常に制約の厳しい環境の代表とも言える場所ですが、そんな場所でそれはどうなのよというスポーツに励んでしまったのがこちらの人物です。

宇宙ステーションでトライアスロン、NASA飛行士が初完走/米(2012年9月19日CNN)

(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している米航空宇宙局(NASA)のサニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士が、エクササイズサイズマシンを使って宇宙で初のトライアスロンを完走した。

現在ISSの船長を務めるウィリアムズさんは、水泳、自転車、マラソンの3種目をこなすトライアスロンに挑戦。自転車はISSに搭載されているエアロバイクを、マラソンにはランニングマシンを使用した。ただ、プールの設備は備えていないため、水泳はウエートリフティングマシンでシミュレーションしたという。

ウィリアムズさんはNASAテレビを通じ、自分の腕時計で計測したタイムは1時間48分43秒だったと話し、1つの種目から別の種目への切り替えは、地球とは少し違ったと報告。「簡単ではなかったけれど、完走できてうれしい」と感想を語っている。

もちろん宇宙滞在中の運動の必要性は言うまでもありませんが、しかし数ある手法の中でも何故もっともハードルの高いトライアスロンなのか、そもそも始終遊泳しているはずの宇宙で今さらエアー水泳もどうなのかと、様々な疑問はつきませんよね。
奇妙な取り合わせと見るか必然的と見るかは人それぞれですが、少なくとも今まで誰もそれは考えつかなかっただろうと思えるのがこちらの新商品です。

食パンに天気予報がプリントされる機械が間もなく登場か(2012年9月19日秒刊SUNDAY)

朝は忙しくてわざわざ天気予報を見ている暇もなく家を飛び出し、周囲が割と傘を持っていることに気づいてようやく「今日は雨なのか」と気付くことが多い人には朗報。なんと食パンに直接天気予報を焼いてくれる夢のような機会が間もなく登場するとのこと。従って遅刻遅刻といいながらパンを咥え、家を飛び出してもパンを見れば天気予報が判ると言う訳だ。いずれにせよ間に合わないが。

(画像)

天気予報を確認する方法は主に3つ。新聞を見る、テレビを見る、アプリを見る。ただいずれにせよ一長一短があり、例えばテレビは天気予報を待たなければならないし、新聞は天気予報のページを把握していなければならない。また、リアルタイムではないので若干ロスが生じる。アプリの場合は、そもそもスマホを持っていないユーザにとってコストがかかり過ぎる。

そこで登場したのがこちらのトースター。
食パンの表面に焦げ目をつけて、本日の天気を表示してくれる優れモノ。パンを食いながら天気予報を知るもよし、加えながら家を飛び出してその途中に見るもよし。自由だ。

さて、この天気予報だが技術的にどのように取得するのか。まさかアプリ連動?いやそんなことはない。単純にトースター内に、温度計と気圧計があるだけのようだ。

しかもこちらのトースター。コンセプトデザインなので商品化には至っていない。
ただ、そのうち商品化されるのではないかとみられていることから、せっかちユーザには間違いなく必須アイテムとなりそうだ。

画期的というのかどうかはともかく、構造を見てみますとこれが何ともローテクだなオイと言うものなんですが、せめてもう少し今風に予測精度にも工夫してみた方が良かったんじゃないですかね?
海外では一部の人々に熱狂的に支持されているアレですけれども、まさかそこまでやるかというのがこちらの記事です。

レゴブロックで作った自動でパンケーキが焼けるロボット「パンケーキ・ボット」/ノルウェー(2012年9月12日GIGAZINE)

NXTと呼ばれるマイクロプロセッサーが内蔵されたレゴブロックにプログラミングをすることで丸い形はもちろん、マウスや星の形のパンケーキを焼くロボットが「パンケーキ・ボット」。ノルウェーに住むミゲル・バレンズエラさんが開発したもので、世界中から科学や芸術などに関する作品が集う「Maker Faire New York」に出展するそうです。

MAKE | Maker Faire New York: Lego Pancake Bot Interview

Pancake Bot - YouTube

女の子が触っているのはレゴブロック。
スイッチをポチッ。
とても楽しそうな表情ですが……
実はこのレゴブロックはパンケーキを焼くロボット。開発者のミゲルさんは2人の娘のために、このレゴブロックでパンケーキが焼けるロボット「パンケーキ・ボット」の開発を始めたそうです。

ミゲルさんは「パンケーキ・ボット」の開発の過程を「D&F&R&D」、つまり開発(Development)、フラストレーション(Frustration)、研究(Research)、開発(Development)と表現しており、NXTを一つしか持っていないなどの制約がありながらも、少しずつ改良させながら作ってきたとのこと。
パンケーキのもとが入っているボトルの位置も変更できるのですが、移動のための歯車ももちろんレゴブロック。
子どもなら誰もが知っている、なんだか見たことのある形が完成しました。
動力部も見えるようになっていて、見ているだけでも楽しめます。

プログラムで作動するようになっており、同じような形をいくつも作ることが可能です。
レゴブロックを料理と組み合わせ、ロボット工学を研究所では無くキッチンで行えるものとすることで、子どもがより親しみやすい実際の世界を通してロボット工学に触れることができる、とミゲルさん。
「パンケーキ・ボット」について大人に話すと笑われるそうですが、子どもに話すと彼らは目を見開き「ワオ!」と言うそうです。

この「パンケーキ・ボット」を今年の9月29日、30日にニューヨーク科学ホールで行われる「Maker Faire New York」に出展するそうで、SketchUpファイルやDWGファイルを「パンケーキ・ボット」で再現できるようなヒントを得られることを期待しているとのこと。そして、また「Maker Faire New York」のネットワークを通して、いずれは人々が購入して使えるまでのレベルに持っていけたらとミゼルさんは言います。

思わずお前らどんだけレゴ好きなんだよ!と言いたくなるような装置なんですが、しかしこの子供達の何とも楽しそうな表情を見ると実用化の意義はあるのでしょうね。
ハイテクとローテクの組み合わせということで、こちらもまた意外性のある組み合わせというニュースを紹介してみましょう。

馬に乗って携帯を使用していた男性、交通違反のチケットを切られる…オーストラリア(2012年9月19日らばQ)

運転中にしてはいけないことがあります。携帯電話の使用もそのひとつですが、オーストラリアで携帯電話を使用して交通違反のチケットを切られた人がいました。
普通と違うのは、乗っていたのは車ではなく馬だったのです。

ロス・ガンドリーさん(56歳)が手綱を握っていた馬は馬車になっており、乗客を乗せていました。
するとオートバイに乗った警察が、ランプをピカピカ照らしながらやってきて、馬車を止めたのです。
そして、馬車を操縦しながら携帯電話を使用していたとして、250ドル(約2万円)の罰金チケットを切られました。
ガンドリーさんは時速2kmほどのスピードであったことと、この25年間、1度も問題にならなかったことから、この違反金に仰天しています。

実は、2011年の3月に「モーターの付いた乗り物を運転中に携帯電話の使用を禁止する」から、「乗り物の運転中に携帯電話の使用を禁止する」に法律が変更されていたとのことです。
車やバイクでダメだったことは、他の乗り物でもすべてダメになったということのようです。
さすがに時速2kmでこの罰金は痛いところですが、それだけ携帯電話による、よそ見が増えているということなのでしょうね。

馬に乗っていて違反切符を切られるというだけでも今どき稀少なケースですが、それ以前に今どきかくあることを予測して?法律を改めていた議員達もどうなのかです。
動物ネタではこちらもちょっと見かけない組み合わせですが、何とも良かったんじゃないというニュースを紹介しましょう。

子ヤギが溺れた!それを助けたヒーローはなんと「ブタ」(2012年9月20日らばQ)

水の中でメエメエと泣き叫ぶ赤ちゃんヤギ。このままでは溺れてしまう!
そんなとき、さっそうと泳いで現れ救出してあげたのは、なんと1匹のブタでした。
映像をご覧ください。

Pig rescues baby goat - YouTube

なんて勇敢で、なんてやさしいブタでしょうか。こんなにブタが恰好よく見えたのは初めてかもしれません。
撮影者の男性が「ヒーローピッグ」とつぶやいていますが、まさにヒーローですね。ブタに対する認識がかなり変わりました。
ちなみにブタは泳ぐのはかなり得意な生き物です。
(参考:ブタの泳ぐ能力をなめてはいけない

いや、豚が戦闘飛行艇に乗っていた時代から勇敢であったことは承知していましたけれども、まさに猫ならぬ豚まっしぐらという感じの泳ぎっぷりには改めて惚れ惚れしますね。
最後に取り上げますのはお馴染みこちらブリからの話題ですけれども、まずは記事から紹介してみましょう。

大学教授が車に落書きして逮捕される…ただし言葉づかいが丁寧/英(2012年9月2日らばQ)

時折、駐車してある車に傷を付ける悪い輩がいます。
そう言った落書きにはだいたい知性のなさが表れるもので、ののしり言葉や不適切な絵などが描かれるものですが、イギリスのニューキャッスルで起きたケースは少し違うものでした。
24台もの高級車に傷が付けられたのですが、書いてあった文字は低俗な言葉ではなく、やたら丁寧だったのです。
逮捕されたのはニューキャッスル大学の教授、スティーブン・グラハム(47歳)で、近所に駐車されている車に傷をつけたとされています。

ほとんどの車はBMW520やベンツSLKと言った高級車で、損害額は合計2万ポンド(約250万円)に及ぶとみられています。
黒いジャケットに短パン姿で、かがんで傷をつけているところを近隣住民が目撃し、逮捕に至りました。
スクリュードライバーを使い車に文字を書いたとのことですが、その内容は「非常に不謹慎」、「専横的」、「真に間違っている」と言ったような、丁寧でインテリジェンスを感じる語であったとのことです。

今のところ動機などの詳しい事情は判明していませんが、職業病とも言える知性が犯罪行為にまで出てしまったと言うことでしょうか。
ただし落書きの内容がいくら丁寧であっても、損害額は変わらないようです。

ま、書き込んだ文言からしていかにも真正なブリ的精神の発露とも言うべき内容で、これは意外性ある取り合わせと取るかいかにもブリらしいと取るかは微妙なところでしょうかね?
しかしこの事件、それぞれ書き込んだ文言と車の生産国との間の関係なども追求してみるといかにもブリ的な相関が見いだせるかも知れませんね。

今日のぐり:「うなぎ なか勝」

もともと庶民の食べるジャンクフード扱いだったうなぎも高級食材化して久しいですが、今年は特に例の値上がり騒動できちんとしたうなぎにこだわる店ほど確保に四苦八苦しているようですね。
福山市街地の南部に位置するこちら「なか勝」さんはうまいうなぎを食わせる店として行列をつくる人気店ですが、久しぶりに訪店してみますと土用の頃のシーズンを過ぎているにも関わらず相変わらず入荷に苦労しているようです。
元々遅い時間帯になると品切れ御免になるような人気店だけに、特上などを全廃してメニューを整理するのもやむを得ざるところですが、それにしてもかつての倍ほどにも高騰しているんじゃないでしょうか?ちょっと晩ご飯にというには躊躇するような値段になってしまいましたね。

主要なメニューはひつまぶしにうな重、うな丼の三つだけ、グレードは廃止と極めてシンプルで選びようもないのですが、一応長焼きは残っているのでどうしてもなら自作で特上仕様に仕立て上げることは可能なようです。
とりあえずはうなぎが焼けるのを待つ間にうざくをつまんでいましたが、こちらのそれはちょっと甘口なんですが酢がきつくないのは好みの仕上がりで、来るうなぎの味に期待が高まりますよね。
うな重の方はさすがに並み仕様ということでかつての特上のようにぎっちりうなぎがてんこ盛り!という見た目の楽しさは希薄なんですが、相変わらずの焼き加減はまさに関西の王道というもので、蒸し行程の入っていない焼きだけでの仕上げなのに脂の落ち加減が何とも絶妙と言うしかありません。
粒の立った硬めの飯もよい案配ですが、並み仕様のせいもあるんでしょうがかつてと比べるとデフォルトでのタレの量は全般に控え目になっている気がするところで、これならわざわざタレ控えめと注文せずとも済みますね。
ひつまぶしの方はそのままでも薬味を使ってもおいしくいただけるというこれまた絶妙の仕上がりですが、ただお茶漬けにするよりダシをかける方が個人的には好みなのと、薬味の刻みネギが乾きすぎなのは人手の問題なんでしょうかね?
ちなみに関西圏ではうなぎの付け合わせには赤だしの味噌汁に奈良漬けという組み合わせも多いと言うのですが、こちらはオーソドックスな浅漬けに肝吸いの組み合わせで、貴重な肝はこうして澄ましに入れるよりは串焼きにして楽しみたい気もします。

値段はともかくうなぎの味自体は大きく変わってない印象で、とにかく絶品の焼きがありますから多少質が変わっていてもおいしくいただけるんだと思いますが、やはり不満と言えば以前からの事ですが白焼きがないということですかね?(ただしこの白焼き、時にあったりなかったりと変動しているようなのが謎ですが…)。
相変わらず行列はあるもののさすがに多少待ち時間が短くなっているように思えるのは食べる側としては有り難いのですが、しかし見ていますと一人当たりのオーダーはかなり減っている様子で、原価上昇もありますから顧客あたりの利益率は相当落ちていそうなんですが、相場が落ち着くまで何とか踏ん張ってもらいたいものです。
こちらの唯一最大の欠点だった接遇面では少しまともになったと言うのでしょうか、待っている間にオーダーをとるのは改善ですし顧客の様子を見ながら一応の配慮も出来るようになっていますから、まだまだ値段相応とは程遠いにしろ不快感は随分と減った印象があります。
しかし以前からこの価格帯の店で待ち合いスペースもないのは気忙しいなと思っていたとは言え、さすがに今の価格で来てくださるお客さんへのこの待遇はちょっとどうなのよ?と感じてしまうのですが、ひと頃は携帯を使っての呼び出しをやっていたと思ったのですがやめてしまったのでしょうかね?
ともかくうなぎ屋も当分は苦労するご時世だと思いますが、見ていますとネット経由なのでしょうか連れだって若い方々も大勢来ているようで、とかく質を問わず安ければいいという時代にあってこういうお店に若いお客さんが集まるのは心強いことだと思いますね。

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2012年9月22日 (土)

また警察権力による不当な市民への横暴が?!

マスコミ報道の悪いところは肝心な背景を往々にして飛ばしてしまうところにあると思っているのですが、こちらの記事などもタイトルだけ見ていると何の事やら?と思うような話ですよね。

給食の献立表を破った生徒を学校が通報、逮捕/沖縄(2012年9月20日沖縄タイムス)

 教室内に張られた給食献立表を破ったとして18日に宜野湾署が本島中部の中学校に通う男子生徒(15)を逮捕した事件で、同中学校の校長が19日取材に応じ、「ほかの生徒の安全確保のためには(逮捕は)やむを得ない判断だった」と述べた。宜野湾署は同日午後、那覇地検沖縄支部に男子生徒を送検した。

 校長によると、男子生徒は日ごろから教諭の指導に従わないことが多かったといい、18日も朝から教室内で担任の注意に反発して机を蹴るなどしていた。周囲の生徒にも危害が及ぶ恐れがあったため、警察へ連絡したという。

 校長は「警察の介入は最後の選択肢。逮捕は苦渋の選択で残念」とした上で、「戻ってきたときにはしっかりと向き合い関わっていきたい」と述べた。同校は近く保護者説明会を開く予定だという。県教育庁義務教育課は、「教育的配慮から警察と連携したことは適切な判断だった」とコメントした。

 一方、宜野湾署は19日、逮捕に至った理由について、生徒の行為がエスカレートすると、傷害事件などに発展する恐れがあったと説明。学校に着いた時には、破れた献立表しか証拠がなかったため、器物損壊容疑で逮捕したとしている。同署の糸数昌宏副署長は「被害申告を受け、適切な捜査をし、法と証拠に基づいて厳正に対処した」とした。

 日弁連子どもの権利委員会委員の横江崇弁護士(沖縄弁護士会)は、成人でも逃亡や罪証隠滅の恐れがなければ逮捕、勾留はできないと前置きした上で、少年法の趣旨や警察の犯罪捜査規範などから、精神的に未熟な少年の身柄拘束は抑制されるべきだと指摘。「仮に過去に少年の行動で問題があったとしても、今回、献立表1枚を破るという微罪で逮捕、勾留するというのは法の趣旨などからも極めて問題だ」と批判し、逮捕の目的にも疑問を呈した。警察の逮捕、勾留の請求を認めた裁判所の判断も問題だと指摘した。

要するに日頃からどうにも手に負えない暴力行為が続いている生徒がいた、それがいよいよ対応不能になったためやむにやまれず警察に連絡したということで、事情を知ってみれば昨今ごく当たり前になってきているモンスター対策の一連の流れで理解出来る話なんですが、これが何故「献立表を破って逮捕」と言う要約になってしまうのかです。
後段はその理由を説明すべく一生懸命印象操作を図っていて、なるほどこれが沖縄タイムス流かと一読理解出来るような記事に仕上がっているのですが、現に暴れ回り学校側に対応出来ないから警察に連絡していることを無視して問題だ問題だと叫び立てるというのは、あるいは自傷他害の恐れ有りということで保護入院にでもしてしまえばよかったと言いたいのでしょうか?
昨今では様々な方面で顧客のモンスター化が話題になっていて、これを放置し深刻化させることは結局周囲にとっても本人にとっても何ら益がないことだと言う理解が広がった結果、まだしも厳重注意程度の微罪で済む段階で警察を介入させた方が結局はいいのではという早期対処の考え方も次第に台頭してきています。
警察の方でもひと頃から続く「警察はいったい何をやっていたんだ!?」式のバッシングがよほどに堪えてきているのでしょうか、最近は何かと早めに動く傾向になってきているようですが、先日奈良で起こった一見すると不思議な逮捕劇などもそうした流れの一貫なのでしょうか。

軽犯罪法違反で男を逮捕《田原本署》./奈良(2012年9月19日奈良県警 Weekly News)

6月下旬ころから9月16日深夜までの間、田原本町内において、働く能力がありながら収入もないのに仕事もせず一定の住居を持たないでうろついていた男(54歳)を、軽犯罪法違反で現行犯逮捕しました。

この田原本町というところは地図で見ますといかにも田舎らしい古い町並みという印象を受けるのですが、何気なく読んでいると「定職も持たずにぶらぶらしていると罪なのか?!」と世のニートが戦々恐々としそうな話ですよね。
軽犯罪法という中のは各種微罪に対する取り決めがあって、その中にはまさしくこうしたケースに対する罰則規定もあるのですが、今回罪状となったのはこちら第一条四号がそれに相当しているようです。

軽犯罪法
第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する

四 生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの

実際に条文を見てみますとさすがに細かすぎるのでは?と思えるようなものもあるのですが、こちら第一条四号も実際には極めて例外的にしか用いられていないようで、現実的にほとんどこうした記事が出てくることも目にしませんよね。
今回のポイントとしては特に「一定の住居を持たないでうろついていた」という点、そして逮捕が深夜であったという点からして、あるいは想像するに地方でよく見かける流れ者のおじさんで、連日深夜に及ぶ徘徊に何らかの脅威を感じた住民が通報したといったところなのでしょうか?
地方では時折道を尋ねるような体であちこちの家々に顔を出しては「ところで…」と物乞いめいた行為に及ぶ方々も時に見かけることがありますが、元々同法第一条にも「二十二  こじきをし、又はこじきをさせた者」と拘留対象として挙げられていますし、物騒な昨今の世相では見慣れない怪しい風体の人間が夜ごとに町内を徘徊しているというのも気味が悪いのも事実ではあったのでしょう。

ネット上では「俺達もひとたび家を失えば逮捕か」「今どき住所不定の54歳無職に仕事なんてあるかよ」と結構な騒ぎになっている一件ではあるのですが、実際にはもちろん警察としても事情を聞いて場合によっては相談にも乗るだろうし、あるいは何らかの疾患等があってやむなくうろついていた者を保護しただけなのでは?と言う推測もあるようです。
こうしたケースにおいても「また警察が微罪で善良な市民を犯罪者に!」などとバッシングすることは簡単ですけれども、前述のように昨今何かと警察に相談すべきかどうか迷う境界症例が増えてきている世の中にあっては、もう少し警察側にも自由に動けるよう世論等の環境を整えておくことが結局は市民のためになるんじゃないかと思いますね。
かつては「やたらとオイコラ!と言う」などと官の権力の象徴のように言われ、最近では身内に甘いなどと正直さほどに印象のよくもない警察という組織ですが、近年災害派遣などで自衛隊のイメージが劇的に好転していることを見ても、一見どうでもいいような本業以外の仕事の中に案外イメージアップの大きな鍵が隠されているのかも知れませんね。

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2012年9月21日 (金)

聖地三重 また新たな伝説が1ページ

三重県と言えば「3000万も出せば大学の助教授クラスが飛んでくる」発言で有名な尾鷲を抱える医療崩壊の聖地としても知られていますけれども、伊賀、名張両市を抱える伊賀地方も医療崩壊先進地として有名なのは以前にも取り上げた通りで、これまた「医師の確保なら金で何とかなる。救急に十分対応できるかという医師の質が問題だ」など数々の名言?で知られている土地柄でもあります。
さすがに三重大からも手を引かれて焦りもあるのでしょうか、お得意の札束攻勢で医師確保に邁進してきた様子ですけれども、お金だけではどうしようもないこともあるのだということをまた思い知らされるような事件が起きていたようです。

不適切発言:治療巡り 議会、名張市議の処分検討 /三重(2012年9月18日毎日新聞)

 浦崎陽介・名張市議(38)が1月、市応急診療所で、治療を巡って30代の男性医師に大声を上げるなどのトラブルを起こしていたことが分かった。医師は診察を休止しており、事実関係を調査した市は「トラブルが、医師が辞めた要因の一つ」としている。浦崎市議は、この件に絡み市議会本会議で不適切発言を繰り返した。市議会は一連の言動について処分を検討している。

 市によると、微熱があった浦崎市議は1月21日夜、発熱した6歳の子どもと一緒に市応急診療所で診察を受けた。その際、インフルエンザ治療薬「タミフル」の処方を医師に要望。検査で陰性だったため、医師は一般の感冒薬を処方した。

 浦崎市議は「検査の手法が悪い」などと大声を出し、再検査を要求。後日、医師が所属する大学にクレームの電話を入れるなどした。

 4日の本会議で、診療所医師の負担軽減を目的とした条例改正案が提出された際、市は「一部患者からの暴言などで医師が辞めた」と説明した。浦崎市議は質疑で「それは私のことか」などと述べ、経緯の説明を始めた。このほか複数回の不適切発言をした。議長はこれらの発言を受け、議会運営委員会に調査を諮問した。

名張市のHPにもまだ今回の本会議の議事録等が掲載されていないのでこれ以上は何とも言えませんが、記事から見る限りでも外来でよくあるトラブルの一つという感じですよね。
ちなみにタミフルの処方にはインフルエンザ迅速陽性と言う結果はおろか検査自体も別に必要ではなくて、単に医師が診察してこれはインフルエンザだろうと確信した場合にも処方できることになっているはずですが、逆にそうした裁量が認められていることでしばしば要らぬトラブルに発展するケースもあるようです。
このあたりは言わばどこの土地でも一定確率で起こりえる話ではあるもので、そうした患者を適当にあしらうスキルを磨いたりDQN患者のあぶり出し法として利用したりと先生方それぞれ様々な対処法があると思いますけれども、今回大人と小児がそろって受診ということで内科医だったにしろ小児科医だったにしろ専門外で対応に不慣れなところもあったのでしょうか?
いすれにしても素人である市議が市の設営している診療所で医師の診療に大声を上げて自分の要求を強要する(報道されないような言動もあったのでしょう)、あまつさえ大学にまでクレームの電話を入れるという時点で尋常ではありませんが、ましてやわざわざ議会で自ら立って説明するに当たっても「複数回の不適切発言をし」た結果、議長直々に調査や処分を検討するということになったわけですから反省しているしていないという問題ではありませんね。
無論、今回の市議がもともと田舎議会にありがちな「そうした人」だったということも確かなのでしょうが、どうも地元タウン情報誌の投稿などを見てみますと一介の市議の個人的資質に帰して終わりに出来る問題でもないようです。

名張市立病院 小児科医の過酷な労働  市長や院長何を? (伊賀タウン情報YOU投書欄より転載)

 〒…名張市立病院の小児科の件で、「異常な勤務形態」について、市長ならびに病院長に対して、一言いわせてもらいたいと思い投稿しました。

 市立病院の小児科の先生方は、30時間勤務という違法なまでの過酷な労働を強いられた上に、24時間体制での対応との指示があったと聞きます。
  また、疲労が蓄積された上に、患者の親に診察するのに「寝ている子を起こして泣かすな」と怒鳴られ、ネクタイをつかまれ、うつ病になって辞めてしまった若い医師もいたと聞きました。

 何人もの若い医師が自分の身体、精神を壊してしまう状況が続いた結果が、小児科への医師の派遣をしないということなのではありませんか?
  こんな大変な状況になっているにもかかわらず、市長や院長は何をしていたのですか?何も理解せず動いてくれなかったから、こんな事態になったのではありませんか?
  もし救急の場合、これからどのように市民を説得されるつもりなんですか? 何のための市立病院で何が必要でつくられたのかをもっと深く受け止めて考えてもらいたいものです。
(名張市、女性)

一応市立病院を弁護しておきますと、30時間勤務などというのは「日勤→当直→日勤」という勤務体系を日常的に強いられている医師と言う商売柄別に珍しくも何ともないもので、むしろ全国96%の病院で当直明けは通常勤務を行っていると言う状態からすると翌日勤務を本当に6時間に制限しているということであればむしろ配慮している方?だと言えなくもないのですが、実際のところどうなのでしょう?
そうした配慮の有無はともかく、もちろん「違法なまでの過酷な労働を強いられ」ている状況であることは言うまでもないのですけれども、それに加えて市立病院においても「患者の親に診察するのに「寝ている子を起こして泣かすな」と怒鳴られ、ネクタイをつかまれ」うつ病に追い込まれてしまう状況にあるというのであれば、やはりそんな土地に進んで赴任したがる医師などいるはずもありませんよね。
一昔前なら医局が無理矢理医者をこうした土地にも送り込んでいたものですが、今どきそんなことをやれば医局事態が医師達からそっぽを向かれ崩壊してしまう、まして三重大もご多分に漏れず医師不足で関連病院も優良物件から優先していかないと維持すらままならない状況にある中で、敢えて大学からも街からも遠い僻地かつ民度も悪い土地に医師を送り込む意味はないでしょう。
こうした情報は今の時代あっという間に広がりますから、大学医局を離れてのフリーの医師も当然こうした事情はすぐに承知することになるでしょうし、そうした中でなおそこでで働きたいというのはよほど人並み外れた熱意にあふれる先生か、それとも顧客のことなど知ったことじゃない、金さえたっぷりもらえればそれで満足という先生かになるのでしょうか。

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2012年9月20日 (木)

あり得ない?!ワトソン容疑者に「二枚目のレッドカード」

先日ドイツ同局に逮捕されてから仮釈放中に逃亡していたテロ団体シー・シェパード(SS)のワトソン容疑者ですが、テロ活動を生業とする同容疑者にとってはまた新たな勲章が付け加わったということです。

反捕鯨団体代表の身柄拘束を要請 ICPOが国際手配(2012年9月14日47ニュース)

 反捕鯨団体シー・シェパードによる2010年の調査捕鯨船妨害事件で、国際刑事警察機構(ICPO)は14日までに、国際手配中の同団体代表ポール・ワトソン容疑者(61)について、各国に身柄拘束を要請する「赤手配」を実施した。海上保安庁が同日発表した。

 ICPOは10年6月、海保の請求に応じ、所在など情報を求める「青手配」を実施。今年5月、ワトソン容疑者は中米コスタリカ当局が出した危険航行容疑の逮捕状により、ドイツで逮捕されたが、保釈中に出国して所在不明となった。

 このため海保は、各国が身柄拘束など強い対応をできるようにICPOに赤手配をあらためて請求した。

シー・シェパード代表の身柄拘束を各国に要請 ICPO(2012年9月14日産経ニュース)

 反捕鯨団体シー・シェパードによる2010年の調査捕鯨船妨害事件で、国際刑事警察機構(ICPO)は14日までに、国際手配中の同団体代表、ポール・ワトソン容疑者(61)について、各国に身柄拘束を要請する「赤手配」を実施した。海上保安庁が同日発表した。
(略)
 国際手配の容疑は10年2月11日、抗議船の元船長(47)=有罪確定=と共謀し、日本の調査捕鯨船に異臭を放つ酪酸入り瓶を投げて妨害行為をするなどした疑い

前回出されたのがコスタリカでの事件に対してのもので、今回追加で出されたのが日本捕鯨船への酪酸撃ち込みと第二昭南丸侵入事件に対してのものということで、SSの「犯罪行為?なにそれ受けるんですけどww」というトンデモ主張が公式に否定されたということですが、残念ながら?今のところSS側からはろくな反論も出てきてはいないようです。
現在も逃亡中のワトソン容疑者の行方は今も知れませんが、SSの得手勝手な主張を完全に打ち砕く形で思わぬ成果となったこの一連の騒動が、元をたどればコスタリカという一小国の出した逮捕状に端を発しているという点はご記憶いただきたいと思いますね。
さて、以前から彼らテロ団体のターゲットの一つとなっている和歌山県太地町では捕鯨シーズンを前に県警や海保も交えてその対策が練られているところだと言いますが、その最中にあって当のSS側からはこんなメッセージが出ているということです。

シーシェパード「イルカが水族館やスーパーに送られている」(2012年9月15日The Voice of Russia)

  日本の和歌山県太地町の入り江で、生体捕獲の上水族館に売り、または屠殺の上肉食に供するため、漁師たちがイルカ漁を再開した。これに対して過激な反捕鯨団体「シーシェパード」の活動家らは「入り江の守護者(Cove Guardian)」を自称する船団を派遣。作戦の詳細について、「ロシアの声」による独占インタビューの中で団長のメリッサ・セガール氏が語った。
   今年最初のイルカ漁は9月7日に行われた。太地町の入り江はイルカたちの移動経路に当たる。イルカたちは全く無防備であり、日本の漁師たちは容易にこれを捕えることが出来る。シーシェパードの活動家であり、「入り江の守護者」の団長を務めるメリッサ・セガール氏によれば、日本におけるイルカ漁は、自然保護団体にとっては悪夢のような話であるが、ここに至るも全く合法なのである。

   ―我々は、ここ太地で起きていることを、世界中の人々に伝えようとしている。毎年9月と5月に、イルカの群れは日本を通る。これを幸いに、日本の漁師たちは大量の漁獲を行っているのだ。彼らは長大なバリケードを築き、我々の撮影行為を妨害している。それは、彼らが自分たちの行為を隠ぺいしたいからだ。

   入り江での屠殺を監視・撮影しようと狙うシーシェパード(ならびにその他の自然保護団体)に対し、丘陵を越えて入り江に至る道沿いは、まさに9月の漁再開に向けて、太地町長により覆いが設置された。道沿いにはさらに、増員された警官たちが配置されている。一方、地元住民の大多数は、現状に何の疑念も抱かず、あるいは関心を示していない。

   ―日本で毎年1回、イルカの日が催されるが、実際、地元の日本人が抗議に参加すると、惨めなことになりかねない。反捕鯨的な発言をすると、簡単に社会から放逐されてしまうのだ。漁の一番の目的は、金銭だ。太地で獲られたイルカたちは世界中の水族館に売られ、数百、数千ドルの収益をもたらす。群れの中で、展示やイルカ・ショーに適さないものは、解体されて世界中の市場に並ぶ。

   今回シーシェパードには、漁師たちへの実力行使・侵害的行為による逮捕者も出ているが、しかし「情報戦争を続けていく」構えだ。

   ―我々はソーシャル・ネットワークを使ったり、YouTubeに映像を載せたりして、情報を伝えていく。これらを押し隠し、閲覧を制限し、至る所に警官を立たせることで、日本人は金を浪費していくのだ。実際、太地には非常に多くの警官がいる。

   和歌山県太地町の入り江では、毎年数十頭のイルカが漁獲されている。しかしシーシェパードやその他の環境保護団体、またマスメディアの圧力によって、漁獲頭数は低下している。

世の中には多種多様な考え方があって、自由主義社会にあっては誰でも自分の主張に沿わない他人の考えに対して異を唱える権利は保障されていることは確かですから、多くは欧米先進国出身である彼らテロ組織の構成員にも反捕鯨を唱える権利はあるはずです。
しかし一方で自由主義社会の当然の大原則として他人の自由を尊重する義務もあって、だからこそインドのヒンズー教徒達はアメリカ人に牛肉を食うなど許せない!などと言わない(アメリカと対立するシーンの多いムスリムですらそうした類の主張はしていません)ということですね。
この種の活動家を自称するテロリストにも中にはそうした社会の当たり前のルールを理解する事の出来ない信仰とも言うべき考えに染まっている真性の主義者もいるのでしょうけれども、ワトソン容疑者など幹部連中は主義主張よりも単に金になるからという理由で活動を行っている人間が多いと予想され、そうした手合いに対して正しい、間違っているという論点からの主張をしても意味がありません。
ある意味で極めてリアリストでもあると言える彼らに対して有効なのは現世世界における御利益を絶っていくという地道な作業ですけれども、その点で冒頭に取り上げたような事例は非常に大きな意味を持ってくるのではないかと言うことですね。

客員論説委員・千野境子 小さな1隻を大きな飛躍へ(2012年9月8日産経ニュース)

 ◆ミクロネシア協働事業

 一国の大統領が竹島によじ登り、運動家たちが大旗を掲げて尖閣諸島に侵入する。日本の領海・領域で見たくない光景が現実となり、危機管理能力や外交の戦略が問われた夏だった。
 だが同じ頃、太平洋を南下したミクロネシア海域では日米豪が手を携え、ミクロネシア連邦(FSM)との協働プロジェクトが4年の準備期間を経て緒に就いた。
 海洋資源への世界的関心の高まり、中国の西太平洋への進出が顕著となる折も折、タイムリーなこの展開は、ミクロネシア三国の海上保安能力強化支援プロジェクトという。三国とはFSMとパラオ、マーシャル諸島である。

 皮切りとなったFSMのポンペイ島では8月17日、港に近い海上警察の敷地で小型艇1隻の引き渡し式が行われた。
 主催のFSM政府や船を提供した日本財団だけでなく、海上保安庁の国際・危機管理官、さらに米沿岸警備隊(USCG)と豪州海軍の制服組も見守る中、FSMの警察官が国旗を掲げて入場、民族衣装姿の女性たちの斉唱する国歌が波穏やかな湾内に響き渡った。
 ロンドン五輪開会式とは比ぶべくもないけれど、こちらも記念すべき国家行事。時おり降り注ぐ南国特有のスコールをよそに式典はつつがなく進み、希望者を乗せたピカピカの小型艇が港内航海デモンストレーションを行った。
 実は私も乗船者の一人で、宇宙飛行士アームストロング船長ではないが、「この1隻は小さいが、三国には大きな飛躍」かもしれないと思った。全長15メートル、速力30ノットでしぶきを上げ全力疾走する小型艇は、特注の高性能通信設備を備え東京とのホットラインも首尾よく機能した。これなら違法船舶の取り締まりや人命救助にも迅速に力を発揮しそうだ。10月にはパラオ、続いてマーシャル諸島にも供与される。

 ◆広い海域に手薄な警備

 ミクロネシア三国は陸地面積がわずか1389平方キロに対して、排他的経済水域(EEZ)は米豪に次ぐ世界3位の広さを持つ。
 だが三国にはそれが悩みともなっていた。三国は自由連合盟約を結ぶ米国に安全保障を委ね、海軍を持たない。海上警備は自力ではとても無理なのにもかかわらず、先述のように地域情勢の変化でその重要性は高まる一方だった。
 パラオが悪名高い反捕鯨団体シー・シェパードの警備の申し出に一旦は傾いたのも思いあまってのことだし、今年3月に同国北部海域で密漁中の中国小型船を逮捕した際には、現場へ急行した軽飛行機が計器不良で消息を絶った。
 事件はパラオの海上保安能力の脆弱(ぜいじゃく)さを示しただけでなく、近くの中国母船がなぜ火災を起こし沈没したか謎のままで、この海域の今後の安全保障にあらためて懸念を抱かせたのだった。

 これまで同海域の安全は三国の後見役である米国と太平洋地域が「前庭」の豪州が担ってきた。
 とはいえ米国が本腰を入れ始めたのは、8月末にクック諸島で開かれた太平洋諸島フォーラム(PIF)にクリントン国務長官が代表団を率いて出席したことが象徴するように、近年にすぎない。
 一方豪州は長年、太平洋巡視船計画(PPBP)で巡視船を12カ国に供与、海軍がアドバイザーを派遣するなど最大支援をしてきたが、船は交代期を迎え将来に向けて岐路にさしかかっていた
 ポンペイ島の港に係留されていた1隻も日本財団が贈った小型艇の倍以上の堂々たるものだが、稼働率は低い。操縦者も燃料も不足し常時動かせないのである。

 ◆日本の出番ここにあり

 地球の約3分の1を占める太平洋。中印の再興隆や東南アジア諸国の勢力伸長は、ここでも戦後長く続いた米国の一極支配を変えようとしつつある。
 「小さい1歩だが、人類には大きな飛躍」をつい連想したのも、支援プロジェクトが多国間協力の一つのモデルになりうるのではと考えたからだ。しかも連携の仲介役を官でなく民(日本財団)が果たすのも、裾野を広げるように思える。そして突出した単独行動で域内外に不安を抱かせる中国が、多国間の結束をどう受け止めるかもある意味で挑戦である。
 小型艇は宝の持ち腐れとならぬよう、2020年までの維持管理や燃料など運用経費を保証している。これも米豪がプロジェクトを評価し参加した点だという。
 今後の課題の一つは人材育成である。操縦ぶりに専門家らは「技術はまだまだ」と言っていた。
 これこそ日本の出番。きめ細かく忍耐強い技術指導は現地でも好評で、米豪にはない強みである。海上保安庁に余力がなければ、OBの出番があってよい。歓迎されること間違いなしだと思う。(ちの けいこ)

ご存知のようにパラオがSSに海上警備活動を委任するといった話が以前に話題になりましたけれども、同国にとっては選択肢に乏しい中での申し出であったことは想像に難くないとは言え、SS側にとっては広大な海洋上での活動に数々の実利も名目も得られるという非常においしい話であったことは言うまでもありません。
仮にパラオなどに対して適切な支援を行うことでSSに対する便宜供与の根源を絶つことにつながれば日本にとっても直接的に大きな利益ですが、同時にIWCのような場においては大国であれ小国であれ一国は一国であるという大原則があるわけですから、この面でも非常に心強い支援を期待出来るということでもある訳ですね。
特にこれら太平洋の島嶼国家は元々漁業で成立していることもあって捕鯨支持国がほとんどであった訳ですが、例えばパラオなどは近年観光誘致の観点から反捕鯨側に転じるなどその動向が注目されていただけに、こうした絡め手からの地道な活動もまた非常に重要な意味を持ってくるだろうと言う気がします。

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2012年9月19日 (水)

パワハラが成立する愛媛大医学部

少し以前にこういうニュースが出ていたのですが、ご記憶でしょうか?

「長時間労働のうえ暴力」 院生が愛媛大を提訴/愛媛(2012年8月10日長崎新聞)

 長時間勤務を強要され、暴力をふるわれた結果うつ病になったとして、愛媛大大学院の男子学生(31)が愛媛大と指導担当医師の准教授に慰謝料など計1800万円の損害賠償を求め、10日までに松山地裁に提訴した。

 訴状によると、男性は准教授に早朝から深夜までの労働を強制され、帰宅できず大学病院のいすで寝ることもあった

 准教授は男性の腹部を蹴ったり頭を殴ったりしたほか、2009年6月ごろ、男性のミスを理由に支払いの義務がないのに、実験で使う器具や試薬の費用計約25万円を無理やり支払わせた

確かにこうして書くとなんとも酷い扱いだなと思う一方で、それぞれ見ていきますとなんだ、一昔前なら当たり前にあったことばかりじゃないかという気がしないでもないというニュースで、こういうことがきっちり裁判にまでなっているあたりに時代の変化を感じたものでした。
もちろんパワハラ、アカハラが許されざる行為であることは言うまでもありませんが、もともと外科系などではアホ、バカ、シネが日常茶飯事で手の代わりに足が出る(手は消毒しているため)などと言われたくらいですし、院生が法的?根拠の怪しい研究費なるものを徴収されるのもお約束です。
そうした訳でこういう裁判になるのも昔であればなかったことなのかも知れませんが、ともあれ先日その裁判の初公判が開かれたということでこれまた記事から引用してみましょう。

暴力振るわれ、うつ病に…パワハラ訴訟初公判 愛媛大准教授vs学生/愛媛(2012年9月18日産経ニュース)

 長時間勤務を強いられた上、暴力を振るわれ、うつ病になったとして、愛媛大大学院医学系研究科の男子学生(31)が、愛媛大と指導担当医師の准教授を相手に計1800万円の損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が18日、松山地裁(加島滋人裁判長)で開かれる。

 訴えによると、学生は入学後、付属病院で医療実務に関わり、医局員としても大学に雇用されている

 学生側は、准教授に早朝から深夜までの労働を強制されたほか、腹を蹴られたり頭を殴られたりしたと主張。さらに2009年6月ごろには、支払いの義務がないのに、実験器具などの費用約25万円を無理やり支払わされた、としている。

 学生はうつ病と診断され、09年8月から休学している。

はっきり口座名は出ていないということでここでも特に明らかにしないまま話を進めますけれども、愛媛大医学部と言えばつい先年も女性研究員との間にアカハラ問題で訴訟沙汰になったばかりで、しかも当の女性研究員を雇い止めした大学側は「問題とは思っていないので謝罪はしていない」の迷言?を吐いたことでも注目されたものでした。
ただ愛媛大学の名誉のために弁護するならば、少しばかりググってみれば全国実に多くの大学で同種の問題が報じられていることも事実であって、特に学閥内での人間関係が将来を左右しかねないような状況にあっては隠れた同種の事件が幾ら存在しているものやら想像もつきませんよね。
一方で今回の事件を見てみますと大学病院での勤務をしていることから被害者も医師であったはずなんですが、そうなると一般的なアカハラ問題とは少しばかり状況が違うんじゃないかと感じる人もいるかも知れません。

一般にハラスメントが成立する条件として特殊な例外を除けば「耐え難い苦痛があるけれども逃げ出すことも難しい」という二律背反があるはずなんですが、そもそも今どき大学離れ著しい医療の世界でここまでの仕打ちを受けてうつ病で休学になるまで追い込まれてもまだ大学に固執していたという点で「それってどうなの?」と思ってしまいますよね。
それも入局希望者の殺到して狭き門になっている名門大学などというのであればまだしも話は判るのですが、よりにもよって失礼ながら医局員を集めるのにも四苦八苦していそうな愛媛大にと言われると誰しも「え?なんで?」と疑問に感じざるをえないのではないでしょうか。
一昔前であれば医局の権威というのはまだしも相応なものがあり、その権威に裏付けられた強制力があったからこそ僻地医療などもきちんと医師が派遣されていたという実態があるわけですが、今どきちょっとでも医局員の気に沿わないことを言い出せば「あ、それじゃボク医局辞めますから」でさっさと逃散していくという時代に、むしろこれだけの権威を未だ保持している愛媛大も偉いと捉えるべきでしょうか?

大学院ということですから研究希望であればあったで幾らでも研究する先は選べる立場でしょうし、将来その世界で生きていく希望があったにしても愛媛大に留まるよりは(重ね重ね失礼)よりよい選択は幾らでもあったと思うのですが、新臨床研修制度導入以来こうした損得勘定には長けているはずの若い先生にしては昔気質であった方なのでしょうか。
年齢的には外の病院でしばらく臨床をやってから大学に戻ってきたのでしょうか、ほとぼりを冷ますためにもしばらく臨床をやってから改めて研究生活に戻っても全く遅くないと思うのですけれども、異常な環境の中でそうした視野が確保出来なかったというのであれば残念なことだったと言うしかありませんね。
大学側が今後どのような主張を展開するのか公判の行方を見守るしかありませんけれども、こういう話を聞くと医者も白い巨塔にばかり籠もっていないで広く世間に出て見聞を広めるべきだという意見にも、それなりに首肯すべき点はあるんだろうなと思ってしまいます。

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2012年9月18日 (火)

忙しいなら他人を使うことも考えるべきでは

以前から言われてきたことですが、救命救急士による医療行為がモデル事業として各地で始まることになっていて、本日まずはこちらのニュースを紹介してみましょう。

湖北地域消防本部:救命率UPへ、処置拡大 国のモデル事業、11月から /滋賀(2012年9月17日毎日新聞)

 湖北地域消防本部は、救急救命士が現場や救急車内で医療行為の一部を行う国のモデル事業を11月から試験実施する。急患の糖尿病患者へのブドウ糖溶液の投与や肺機能停止前の点滴など、医師ら医療資格者しかできない医療行為に当たる処置で、同本部は「救急救命士の急ぎの処置により助かるケースも出てくるはず」という。【桑田潔】
 厚労省などが進める「救急救命士の処置範囲拡大」事業の一環で、全国では39地域129消防本部が指定され、県内では7局・本部のうち唯一、長浜・米原両市の広域エリアを担当する湖北地域消防本部で実施する。同本部の救急救命士37人が研修を受けて認定された。
 救急現場や救急車内で処置を行う医療行為は、▽意識障害のある低血糖性の患者にブドウ糖溶液を投与▽重症のぜんそく患者に吸入薬を投与▽心臓停止の危険性がある患者に点滴を行う--の3行為で、いずれも搬送中などに、電話や無線で病院の医師から指導を受けて行い、付き添う家族らの同意も取る。
 同本部は11月から来年1月までの3カ月間、このモデル事業を実施して厚労省に報告する。同本部は「救急救命士の処置拡大で、救命率が上がり、後遺症を防げるケースが出てきそう。山奥に暮らす住民など、病院までの搬送に時間がかかるケースなどに有効なのでは」と話している。

先日も山梨や千葉でも同事業が行われることを紹介しましたが、当面11月から3ヶ月全国各地で行ってみてどのような問題があるのか、効果がどの程度あるかを見極めていくという、今も異論数多あるこの種の行為としてはまずまず妥当なスタートではないかと思います。
実際のところ今回行われる行為がどの程度有効なものなのかははっきりしていませんし、救急隊は余計なことをせずに最速で病院に送ることだけを考えていればいいのだという身も蓋もない意見も根強くありますけれども、そもそも賛否両論で議論になるという点である程度はやらないよりはやった方が良いというケースがあるんだろうなという事を示唆しているのでしょうね。
リスクに比べてベネフィットが大きい場合に医師に制限されてきた行為を他業種に開放していくということは、特に医療資源の限界がよく知られるようになってきた現代日本では必ず議論が必要になってくるところでしょうが、それはこうした時間的制約がある場合のみならず、能力や人員的な制約がある場合においても言えることでしょう。
例えば久しく議論されている特定看護師なども結局は医師が足りないというなら他のスタッフが代用すればいいじゃないか、という考え方の延長であると要約できるものですが、そもそも医師でなければ絶対に駄目な医療行為とは何なのかということをきちんと定義してこなかったことも医療現場の抱える諸問題の根源の一つでもあるんでしょうね。
そうした中で先日何気なく出ていたこちらの記事ですけれども、妙なところから規制緩和?の要望が出てきているらしいということが注目されます。

経団連、規制改革180項目を要望 週明けにも政府に(2012年9月14日日本経済新聞)

 経団連は14日、2012年度の規制改革要望を公表した。東日本大震災の復興や政府の日本再生戦略に沿った規制緩和策など180項目で週明けにも政府に申し入れる。東北地方に滞在する中国人観光客への査証(ビザ)の発給要件の緩和、医師が不足している地域での医療業務に医師以外の労働者を派遣することなどを要望した。天然ガス自動車や燃料電池自動車の普及策も盛り込んだ。

注目していただきたいのは経団連が代用医師を求めているとも受け取れるような妙に畑違いのことを言い出しているところなのですが、例えば看護師単独で行える業務というのは本来であれば相応に限りがありますけれども、後方に控える医師と連携を保ちつつある程度の裁量を持って主体的に医療業務を行うということは日常診療の中でもよく行われることですよね。
一般に医療行為とは患者がいて、医師がそれに対して判断を行い看護師らに指示を出して行うという過程を経ていますけれども、例えば当直業務などで簡単なガーゼ交換作業や継続的に行われている点滴なども全てこの手順を厳密に求められるとなると、交代制の看護師と違って翌日も通常勤務を控えているのに医師は寝る暇もなくなってしまいます。
僻地などで行われているような在宅医療ではもっとややこしい話で、今までは看護師らスタッフが巡回して何か問題があった時に医師の指示を仰ぐというスタイルでやっているものを、まず医師が全患者を診察してから必要に応じて指示を出すということになればとても時間が足りませんよね。
そうした現場で当たり前に行われてきた慣行をさらに推し進め、さらに場合によっては特定看護師制度などとも組み合わせていけば、日常的な医療業務のかなりの部分を医師抜きで行えるようになるのでは?と考えるようになるのもごく当たり前のことだと思います。

しばしばこうした「規制緩和」的な話になると一部の先生方が「誰が責任を取るんだ!」と反対論を主張するケースが後を絶たないのですが、結局何かあればその責任は医師にかかってくるということがその最大要因であることは、世にトンデモと言われる「カリスマ助産院」が数多くあるにも関わらず何故か訴えられるのは最後に引き受けた産科医であるというケースがままあることからも推察されるところです。
ただ一方では業務過多による医師の過労が医療ミスの原因になるということも知られていますから、他人に委任することによるリスクと過労によるリスクとをきちんと比較検討した上で、リスクが最小化する妥協点を探っていくのが筋なのかなと思いますね。
こういう業務委託、分業の推進のような話になりますとよく「そんな医師ならぬ医介補紛いの連中に対応されて患者が満足出来るはずがない」という意見も必ず出てくるのですが、先日ちょうどこんな調査結果が出ていたことを紹介しておきましょう。

病院に満足している患者は外来で50%、入院で64%(2012年9月13日日経メディカル)より抜粋

 厚生労働省は9月11日、2011年の受療行動調査の概況を公表した。これは全国の医療施設を利用する患者に対し、受療の状況や受けた医療に対する満足度を調査したもの。

 それによると、外来を受診した患者のうち、病院に「非常に満足」あるいは「やや満足」(以下、「満足」)しているとの回答は49.7%。「やや不満」あるいは「非常に不満」(以下、「不満」)は4.4%だった。病院の種類別にみると、「満足」との回答は特定機能病院が57.1%と最も多く、小病院(52.2%)、大病院(51.1%)と続いた。「不満」との回答は、中病院が5.2%と最も多く、次いで大病院(5.1%)、特定機能病院(4.6%)だった。

 外来患者の項目別の満足度をみると、「満足」の割合が最も多いのは「医師以外の病院スタッフの対応」で49.3%。以下、「医師との対話」(48.8%)、「医師による診療・治療内容」(46.7%)と続く。一方、「不満」の割合が最も多いのは「診察までの待ち時間」(25.3%)で、「診察時間」(7.8%)、「精神的なケア」(6.0%)と続いた

 入院患者では、「満足」が64.1%、「不満」は4.5%。病院の種類別では「満足」との回答は、特定機能病院が72.6%と最も多く、大病院が69.1%、小病院が65.4%。「不満」との回答は、療養病床を有する病院が4.9%と最も多く、小病院が4.6%、中病院が4.5%だった。

 入院患者の項目別の満足度では、「満足」の割合は「医師による診療・治療内容」(68.1%)、「医師以外の病院スタッフの対応」(67.1%)、「医師との対話」(63.0%)の順で多かった。一方、「不満」の割合が最も多いのは「食事の内容」で14.5%。「病室・浴室・トイレ」(11.2%)、「病室でのプライバシー保護の対応」(7.5%)と続く。
(略)

特に外来患者の回答に注目いただきたいのですが、実は外来患者の満足度を左右する大きな部分に肝心の治療内容以外の接遇面での問題があって、しかもそのほとんどは医師そのものと言うよりコメディカルも含めた施設全体の対応が問われているということです。
入院患者においてはさすがにより重症化した患者が中心になるだけに医師が直接関わってくる要因が主体になってきますけれども、この調査結果から推察されることは医師の技量などがほとんど問われない、あるいはぶっちゃけ誰がやってもさして結果に変わりがないような軽微な症例においては、医師(あるいは、治療を行う主体と言うべきでしょうか?)の技量そのものはさして患者側が重視する評価項目とはならないということではないでしょうか?
こうして見てみると経団連がどのようなことを考えて前述の要望を出してきているのか詳細はまだ判りませんけれども、この分野においても冒頭の救急隊の業務拡大の事例と同様、まずは限定的に試してみるというくらいの価値は十分にあるかなと思いますね。
無論、その場合いわば知らない間に勝手にババを引かされていたということにならないよう、誰か不運な個人ではなく国なりがきちんと公的に責任を取るところからスタートしていくのが望ましいはずです。

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2012年9月17日 (月)

今日のぐり:「楽丸」

シンデレラガールという言葉がありますけれども、ここまで予想外な登場ぶりはまさしく原典に忠実なのではないかと思うような話があったようです。

観客なのにサッカー代表招集、急遽女子代表入りして同点ゴール決める。/英(2012年9月11日ナリナリドットコム)

先日、英国のある女子サッカーの選手は、国際親善試合を観客として観戦していたところ急遽関係者に呼ばれ、思わぬ形で代表デビューを飾った。しかも、格上相手に同点ゴールまで決め、一躍“時の人”になったそうだ。

英紙スコティッシュ・サンや英放送局STVによると、この選手はスコットランド地方カールークで暮らす女子大生のサラ・クリリーさん(20歳)。ハミルトン・アカデミカルという地元クラブの女子チームに所属する彼女は、8月29日に試合に臨む代表チームのトレーニングを手伝い、翌30日は国際親善試合スコットランド代表vs.ノルウェー代表の試合をスタンドから観戦していた。

2013年に開かれるUEFA欧州女子選手権の予選2試合を9月に控え、この日の試合を最終調整と位置づけ、世界ランキング13位のノルウェーをホームに迎えた22位のスコットランド。しかし本番に向けた意気込みとは裏腹に、試合は不運が相次いだ。前半のうちにケガで2人の選手がピッチを去ると、後半にはさらに2人が負傷交代を余儀なくされる状況に。すると後半途中、「親善試合だから」とする審判の判断もあり、スコットランド代表はケガをしたFW選手に変え、観客席にいたはずのクリリーさんをピッチに送りだした。

実は前半終了後、ケガ人続出で選手不足に陥る可能性を感じていた代表チーム関係者が、練習相手で来ていたクリリーさんを代役に起用する案を検討。そんな緊迫した事態になっているとはつゆ知らず、ハーフタイム中にお茶を買おうと友人と一緒に店で並んでいた彼女は、突然やって来た関係者に「スパイクを持っているか」と尋ねられ驚いたそうだ。そのまま更衣室に連れていかれると、大き過ぎる背番号14のユニフォームを渡され、ウォーミングアップを開始。借りたスパイクも「ソックスを3枚重ね履き」してサイズを合わせたという。

こうして思わぬ形で代表デビューを飾ったクリリーさんは、1-2と劣勢だったチームに勢いを与えると、終了5分前に負けを免れる同点弾を決めるなど大活躍。代表初ゴールも「信じられない」と語った彼女だが、何より「友だちと1日過ごすつもりが、気付いたらピッチに立っていたなんてクレージー」と、一連の出来事すべてに驚いているようだ。

通常はいくら親善試合と言えども、代表クラスの試合で招集外の選手を出場させることはなく、彼女のケースは極めてまれ。突然与えられた機会をきっちり活かした彼女には、代表監督も「とても満足」と話しているそうで、これから活躍の舞台が大きく広がっていくかもしれない。

観客に向かって「スパイクを持っているか」もないものですけれども、こういう話を聞くとサポーターがレプリカユニフォームを着込んでおくことも決して意味のないことではないんでしょうかね?
今日はさすがフットボールの母国とも言うべきデビューを飾ったサラさんに敬意を表して、世界中からスポーツにまつわる意外な話題を取り上げてみましょう。

【衝撃サッカー動画】敵や味方はもちろんシュートする本人でさえも予想だにしない展開になったフリーキック(2012年9月5日ロケットニュース24)

サッカーの試合において、直接ゴールを狙える位置でのフリーキックは見所のひとつである。敵は自らの身体を盾にしての「壁」を作り、ボールを蹴る者はその「隙」を狙う。

選手も監督も観客たちも固唾を飲んで見守る緊張の一瞬であり、まさかのミラクルプレイが生まれることも数多い。一方、敵や味方はもちろん、シュートする本人でさえも予想だにしない展開になったフリーキックも存在する。

どんなプレイだったのかは、YouTubeにアップされた動画「フリーキック 全員フェイント Free Kick Awesome Trick Play」を見ればよく分かる。ボールを蹴るのは、3人の選手のいずれかだ。

ホイッスルが鳴る。真っ先に飛び出したのは左側の選手である。ボールに向かってダッシュするが、おそらくこれはフェイントだ。と同時に、真ん中の選手も動き出している。蹴るのは彼か? いや、右側の選手も動き出している! どっちだ? どっちが蹴るッ!?

……と思いきや、誰も蹴らなかったのである! きちんと話し合いがされていなかったのか、キッカー全員がボールを素通りし、誰も蹴らなかったのである!

このプレイ直後、客席からはワッハッハーと笑い声が。「複数人で何かをするときには、話し合いは重要である」ということがよく分かる大変貴重なプレイである。参考にしよう。

リンク先の動画を見ていると笑いすぎというものですけれども、下手すると遅延行為も取られかねないリスクを負ってまで一笑を得た彼らの努力を是とするべきでしょうか?
お次もフットボール関連の話題ですが、これはさすがに配慮が行き届きすぎてどうなのよ…というニュースです。

「ゴールはここだから!」弱小サッカーチームにサポーターが矢印で教えてあげる/独(2012年8月19日らばQ)

常に結果を求められるのが厳しいプロスポーツの世界。

サッカーチームでは負けが続くと、サポーターたちから野次やブーイング、ひどいときには応援拒否さえ受けることがあります。

ドイツ4部のチームで、あまりに点を取れないことに業を煮やしたサポーターたちが、なんとゴールの位置を矢印で教えてあげることにしたそうです。

1.FC Magdeburg - Berliner AK 1-2 Coole Pfeil Choreo 20120325.m2ts- YouTube

ドイツ4部のレギオナルリーガに所属するFCマクデブルクは、24試合で15点と深刻な得点不足に陥り、18チーム中最下位と低迷していました。

「このままでは降格してしまう、きっと選手たちはゴールがどこにあるか見えていないのだろう」と親切心(?)から、サポーターたちが矢印を持ってゴールを指し示すことにしたそうです。

コーナーキックのサイドが変わると、矢印も大挙して移動する様子がユーモラスですよね。

スタンドがガラガラな4部リーグの弱小チームだから実現できたアイデアですが、ここまでされては選手たちも奮起したに違いありません。

ちなみにこの試合では1点取れたそうですが、残念ながら1-2で負けてしまったそうです。

その状況はリンク先の動画を参照していただくとして、これを親切心というのか何と言うのか…ドイツ人達も容赦ないですが、とりあえず一点取れたことで効果はあったということなんでしょうか?
バスケットという競技はあり合わせの簡単な道具で出来ることが人気の秘密でもあると言いますが、いくらなんでもあり合わせすぎるだろうと言うのがこちらの記事です。

バスケでシュートしようとしたらゴールが便座だったでござる(2012年9月5日ロケットニュース24)

世界中の人気スポーツと言えばバスケットボール! 専用の道具がほとんど必要ないことからサッカーと並び広く普及しているスポーツだ。

あるバスケットボールのゴールが激写された。板に白い輪っかがついた手作りのゴールのようだ。だがよく見てみると……ゴールリングがどうみても便座なのである。

この「便座ゴール」は中国とロシア圏で拡散中だ。おそらくいずれかの地域で撮影されたものだと考えられる。そんなに……そんなにバスケがしたかったんだ……シュールながらも何か熱いものがこみあげてくる光景である。

この画像にネットユーザーは

「すげぇ!!」
「アイディアがすばらしい」
「洗ってるよね?」
「あまりダンクシュートはしたくないな」
「思いついた人は天才かもしれない」

と驚きを隠せない。誰もがこんなゴールを見たのは初めてのはずだ。

ちなみに、便座の裏側は尿が飛び散りやすいことでもよく知られている。そのくせ凹凸があるためなかなか掃除がゆきとどきにくい。とくに尿のゴム部分への付着はこすってもこすってもなかなか取れないのが悩みの種である。心なしかこのゴールも黄色く変色しているように見えるのだが……。

手に入るものでみんなが楽しめるものを作るというアイディアは素晴らしい。素手で触りたいかというと……ちょっと遠慮したいところである。

これまたリンク先の画像を参照いただきたいと思いますけれども、それにしても便座について事細かに解説をしていただかずとも…ねえ…
こちらは少し古い記録が発掘されたというニュースなのですが、何故今になって?という疑問に答えるためには是非とも画像を参照いただかなければならないでしょう。

「ダイナミックすぎる…」1948年にバイクの最高速度を更新したときの写真/米(2012年9月3日らばQ)

記録を破りたいと思うのは、人間が持つ根源的な欲求なのかもしれません。
1948年にアメリカで、バイクの最高速度の記録が破られたのですが、そのチャレンジする姿が話題になっていました。
ダイナミックすぎる写真をご覧ください。

1948年のバイク速度記録

がんばりすぎ!
乗っていると言うべきなのか、飛んでいると言うべきなのか、いずれにしてもダイナミックと言わざるをえません。
「なぜ裸なの?」「なぜこのポーズなの?」とツッコミを入れたい気持ちが湧きあがってくるかもしれませんが、この時代に空気抵抗を減らす方法としては有効だったのでしょう。
この写真に対する海外サイトの反応をご紹介します。

●この方法は考えつかなかった。
●いいかい、安全は二の次だ。
●少なくともヘルメットはかぶってるよね。
●きっと水泳帽なんだよ。
●それにしてもセクシーなバイクだね。
●これはスーパーマンがバイクを押してる図に違いない。
●押しているにしては、手を放しすぎだと思う。
●もし転倒したら、彼は塩の上を200フィート(約60m)ほどスライディングすることになるな。
●シャツなしではこれは恐怖だな。
●きっとしばらくは何も感じないと思うよ。
●時速150kmで走っているなら、もう何を身につけていても落ちたら一緒さ。

真剣であるからこそ、無茶している姿が滑稽に映るのかもしれませんが、記録のために、ここまでやったというのは称賛に値しますね。。

いやもう、どこから突っ込んで良いのか判らないような写真が全てを物語っていますけれども、何と言いますかアメリカが本当に自由を謳歌していた古き良き時代の反映、とでも言うのでしょうかねえ…
こちらも夏の時期に人気のものですけれども、ここまで来ると別な意味で涼しさを感じられそうです。

こんなの落ちちゃうよ! ブラジルの世界一高いウォータースライダーの角度があり得なすぎる!/ブラジル(2012年8月22日Pouch)

みなさん、今年の夏はプールに行きましたか? プールでスライダーを楽しむときには、夏の暑さも大歓迎したいような気持ちになりますよね。そんなわけで、今日はスライダーが好きな方にぜひ知っていただきたい、ブラジルのスライダーを紹介します。

そのウォータースライダーはブラジルの巨大なビーチパークの中にあります。名前はINSANO(インサーノ)。ためしに翻訳機にかけてみたところ、意味はどうやら「狂気」らしい。そしてインサーノは、「狂気」の名前にふさわしいスライダーなのです。

見てください、この高さ。地上41メートル。14階建ての建物に相当する高さだというから驚きです。もちろん世界一の高さ。しかも、あり得ない角度ではないですか?  ほとんど垂直のようですよ!

実際に行ってみた人いわく、トップの画像のように滑り始めは空と、遠くの景色しか見えないんですって。ここからスタートするなんて、14階の建物から飛び降りるような気持ちになりそう。アドレナリンがじゃんじゃん出てきてしまいますよね。

このスライダー、この急な角度なだけに、滑り降りるのもあっという間。なんと、4、5秒で滑り降りるらしいです。その速度、時速105キロメートルにもなるとのこと。記者は車で高速道路を運転するのでも100キロになると怖いので、生身の体で105キロの速度で滑り降りるだなんて、信じられません! 

紐なしのバンジージャンプを、水着という心もとない布切れ一枚付けて行なうようなものです。もはや、「滑り降りる」と言うよりも、「滑り落ちる」と言った方が正しそうですよね。ビキニとか、うっかり脱げちゃわないのかしら。

多くの人がYouTubeでインサーノを試した動画をUPしています。ちょっと音楽は合っていない気もしますが、迫力は十分伝わります! ご興味のある方はぜひごらんあれ!

ブラジルは南半球の国。日本の年末年始のお休みがちょうど夏のシーズンですよ! 今年の年末年始にはブラジルで「狂気」のウォータースライダーを試してみるのはいかがでしょうか。

リンク先には写真と動画もありますのでご参照いただければと思いますが、ウォータースライダーではなくただの滑り台だったとしたら多くの人々がちょっと躊躇していたのではないでしょうか?
オリンピックの体操では日本選手団も活躍していましたけれども、こちらテレビの前にも意外な名選手?がいたという話題を紹介しましょう。

体操競技を見ていたネコ、夢中になりすぎて……?(2012年8月13日ねとらぼ)

 連日盛り上がっていたオリンピックもついに閉幕ですが、それはさておき体操競技をテレビで見ているネコの動画がかわいらしいです。

 「gatinho ginasta(子ネコの体操)」という説明のついた動画では、子ネコが平均台の演技をしている体操選手をじっと見ています。夢中になりすぎたのか、選手が平均台からジャンプすると一緒にジャンプ! 乗っていた台から落っこちてしまいます。選手のように華麗な演技とは行かなかったようです。

動物も二次元画像に反応するらしいということが最近数々の実例によって証明されてきていますが、さすがにいきなり素人ならぬ素猫が無茶をしてはいけないということでしょうか。
最後に取り上げますのはこちらのニュースなんですが、リチャード・バックマンの名作「The Long Walk」を思い出させるようなシビアな現実とも言えそうですね。

世界一速いカタツムリ決める「命がけ」レース、敗者は食材に/フランス(2012年8月14日ロイター)

[ラガルデール(フランス) 12日 ロイター] 熱戦が繰り広げられたロンドン五輪が閉幕したのも束の間、フランス南部のラガルデールでは、世界一速いカタツムリを決めるレースが開催された。

この大会は毎年行われており、今年で49回目。ルールは、円形のテーブルの真ん中に複数のカタツムリを置き、一番速くテーブルの縁に到達したカタツムリが勝ちとなる。

ただ、カタツムリは単に優勝をかけて争っているわけではない。負けたカタツムリはレース後、ハムやニンニクなどと一緒に調理され、「本日の特別メニュー」として観客に振る舞われる運命にある。

レース後が終わり夜になると、お腹をすかせた観客らは、あえなく敗れたカタツムリをおいしそうに平らげていた。食べたカタツムリの総重量は170キロにもなったという。

しかしこうして足の速いカタツムリばかりが生き残っていくということになりますと、将来的に食材としての管理に支障を来すようなことになりはしないかという心配も出てきますが、この調子でいきますとやはりはるか未来には一本足で砂漠を跳ね回るような妙なカタツムリが登場することにもなるのでしょうか?

今日のぐり:「楽丸」

酒を飲まない人間が居酒屋系の店をわざわざ選ぶとなると、やはりおもしろそうな料理があるかどうかという点がポイントになってきます。
そんなわけで今日はこちら倉敷市街地南部にある、瀬戸内の魚や地元の野菜、地鶏などを中心としたメニューを取りそろえているという「楽丸」さんにお邪魔しました。
商業ビルの一階に構えている店ですが、居酒屋と言いつつ狭いながらも駐車場はそこそこ数を揃えているようなのがいかにも地方の店という感じですよね。

同行者数人でシェアしながら、特にどうという方向性も定めず適当に目に付いたものを片っ端から頼んで見るというスタイルでやってみました。
売りの一つであるらしい刺身なんですが、とにかくこの日のおすすめだというカツオが大変によろしいというのでしょうか、他にもカンパチやサーモンもいけるんですがとにかくこれが今日一番の当たりで、こういうのをうまいこと叩きにして食べて見たいですね。
瀬戸内は明石や瀬戸田などそれぞれタコ料理を名物としている土地が多いですけれども、こちらのタコ唐揚げも酒にも飯にも合いそうななかなかによい一品ですし、定番の揚げ出し豆腐は寄せ豆腐を使っているのでしょうか、表面はサクサクカリカリであるにも関わらず中はとろとろと食感の対比も楽しいもので、厚揚げ豆腐も方向性は揚げ出しと同じなんですがこの一口大の形が何か妙に楽しいですね。
海鮮太巻は全般にあっさり味にまとめてあるものを醤油でいただくというものなんですが、酢飯の味が弱いので魚介の味が前面に出てくることもあって海鮮丼っぽい味わいが興味深いですし、細巻きのカッパはキュウリに一手間細工をしているのが珍しい、同じく細巻きの玉子もなかなかにいけると、それぞれの味が楽しめます。
もう一方の主役と言うべき地鶏料理では定番の焼鳥はほぼ素焼きのものを塩をつけていただくというスタイルなんですがなかなかにいい焼き加減で、鶏皮サラダはカリカリした食感の対比が楽しいんですが好みから言えばわずかにタレの味が強かったでしょうか?
鶏叩きもなかなか微妙な焼き加減でまさに叩き!という感じですし、鶏のステーキは親鳥を使ってあるようでしっかりした噛み応えに加えて香草のアクセントもいい感じと、どれもなかなかに楽しめるものでした。
その他のメニューでは牛ステーキはまぁ普通なんですが、ごぼうの唐揚げはやはり塩をつけて食べるスタイルなんですがうまくアクを抜いてなかなか美味、海老蓮根挟み揚げもぶりぶりサクサクの食感のコントラストが楽しい一品ですし、海老マヨネーズは焼きがちょうど良い具合でソースの案配もよし、茶碗蒸しの蒸し加減もばっちりと、とにかく料理の面では居酒屋というには似つかわしくないくらい楽しめますね。

全般的に魚など食材にも間違いはないし、料理の細かい工夫なども色々とあって何かそういう面でもおもしろい店だなと思うのですが、これでもう一方の主役の鶏がさらに一段とレベルアップすれば席を取るのにちょいと苦労する店ということになりかねません(と言いつつ、今回はちゃんと予約していきましたがずっと満席状態でした)。
強いて言えばダシを細かく使い分けているのはいいとして料理との組み合わせ方に個人的には少し違和感があったのと、味全般が居酒屋というより料理屋のそれを思わせるもので、各自好みで塩加減を調節してねというスタイルを取っているのが少し目立つのですが、あるいは店の方向性に迷うところがあってのことなのでしょうかね?
接遇面では多忙なせいもあってかオーダーの通りは少し悪いんですが、それなりに丁寧にはしているところは好印象ですし、トイレなども狭い店内でそれなりに綺麗に整えてあるのも好印象で、居酒屋らしく遅い時間までやっているという点でも何かと使いでのありそうなお店ではなりますね。

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2012年9月16日 (日)

今日のぐり:「活魚廻転寿司 いわ栄」

びっくりするのはその数というニュースがありましたが、ご覧になりましたでしょうか。

兵庫・川西市 市営住宅にネコ62匹 愛護団体が保護(2012年9月13日MBS)

 兵庫県川西市の市営住宅で62匹のネコを飼っている住民に対し、臭いや鳴き声への周囲の苦情が高まり、動物愛護団体がネコを保護する騒ぎに発展しています。
 襖の裏に・・・ ネコ。
 流し台の下にも・・・ ネコ。
 この部屋にいるネコは、全部で60匹以上。
 飼い主から相談を受けた動物愛護団体が一時、保護しているのです。
 「びっくりしましたね。とにかく歩けない状態なんです、床が。猫のうんちだらけ」(川西TNR・地域ねこの会 船本尚子さん)
 ネコたちは、先月末まで兵庫県川西市の市営住宅の一室で飼われていましたが、近所では臭いや鳴き声の苦情が相次いでいました。
 「ネコがおしっこするでしょ。臭いがきついから窓開けられない」(近所の人)
 飼い主の60代の男性は、5年前に拾ったネコが子どもを産んでいき、増えたといいます。
 「子どもが小さいときに学校から連れて帰ってきた。7匹連れてきた。今になってこうなった」(飼い主の男性)
 男性は市から部屋の明け渡しを求められ、動物愛護団体に相談しました。
 当初、男性は飼っているネコは26匹と思っていましたが、愛護団体が訪ねて調べたところ、押し入れや天袋からも次々と見つかり、結局62匹が保護されました。
 撮影中にも…
 (Q.何匹出てきました?)
 「2匹また出てきてん」「迷惑かけたと思うよ」(飼い主の男性)
 動物愛護団体はネコの引き取り手を探していて、これまでに1匹が引き取られたということです。

リンク先に動画があるのですけれども、そもそも動物飼育禁止の市営住宅で猫を飼うことの是非は置いておくとしても、飼い主すら知らぬ間にどんどん増え続ける猫パねえ…
今日はこの驚くべき成長ぶり?を示した猫たちに敬意を表して、世界各国からどうしてこうなった?という話題を紹介していきたいと思いますけれども、まずはこちらの記事からいってみましょう。

モヒカン世界一の渡辺さん、高さ113センチ(2012年9月13日スポニチ)

 さまざまな世界一の記録を集める「ギネス世界記録」は12日、ファッションデザイナーの渡辺一祐さん(40)を「世界一高いモヒカン刈り」に認定したと発表した。髪の高さは3フィート8・6インチ(約113センチ)。13日に米国などで出版される2013年版ギネスに収録される。

 渡辺さんはニューヨークで開いた記者会見で、15年かけて伸ばした自慢のモヒカンを披露し「(伸ばし続けるのが)大変だったけど、世界一になれてとてもうれしいです」と喜びを語った。

 髪を固めて立てるのに3人のスタイリスト、ヘアスプレー3本、ジェル1本が必要といい、渡辺さんは「毎日モヒカンにするとお金がかかりすぎるので、こういうイベントやパーティーの時だけです」と説明。20歳のころにギネスを知り「何でもいいから世界一になりたい」と切望したのがきっかけという。

 渡辺さんはモヒカンで困ることとして「室内ではしゃがんで歩かなくてはいけない」「毎日の洗髪」「室内を動くとドアノブなどいろいろなものに引っかかる」ことなどを挙げた。

 いつまで髪を伸ばすつもりかとの質問には「(世界一を達成したので)いつ切ってもいいですけど。多分、来年いっぱい」と意外にこだわりがない様子だった。(共同)

その恐るべき状況は是非ともリンク先の写真を参照いただきたいと思いますけれども、しかしこういうことになるともはやモヒカンとも認識されがたいようにも思いますがどうでしょうね?
ありそうでなかったと言うべきか、なさそうで意外にあったと言うべきか、ともかく思いがけない被害を被った方がいたそうです。

爪楊枝飲み込み肝臓に刺さる、同様のケースは過去に日本含め世界17例。/カナダ(2012年9月13日ナリナリドットコム)

カナダ・ダルハウジー大学医学部のBassam Abu-Wasel氏らは、うっかりのみ込んだつまようじが元で肝切除術を受けた女性の症例を、9月10日付の英医学誌「BMJ Case Reports」(電子版)に発表した。この女性は、高熱を伴う上腹部痛、悪心(吐き気)、嘔吐(おうと)、低血圧などで救急部門に入院。その後の検査で肝臓に膿(うみ)がたまる「肝膿瘍(のうよう)」と診断され、集中治療室での治療の後、肝臓の一部を切除する手術を受けたという。

◎過去、世界で17例の報告

肝膿瘍は肝臓に膿がたまる病気で、大腸炎や虫垂炎(盲腸)などでアメーバや細菌が肝臓の中で増殖して起こる。症状は、発熱や全身の倦怠(けんたい)感、右上腹部痛、黄疸(おうだん)などが挙げられる。診断が遅れると敗血症や多臓器不全などで命に関わることもあるが、他の病気との見分けが難しいともいわれている。

Abu-Wasel氏らが遭遇した症例は38.9度の高熱を伴う上腹部痛、悪心、嘔吐、血圧低下を繰り返して救急部門に入院した45歳の女性。この女性には子宮内膜剥離術以外の手術歴はなく、肥満、逆流性食道炎、2型糖尿病などの既往があった。入院前日の受診では目立った異常は見つからなかったという。

入院後の腹部エコー(超音波検査)から、肝臓につまようじが刺さっていることが判明。誤飲したつまようじが食道を貫通し、肝臓に達していたとみられる。女性はその後、呼吸困難や多臓器不全を引き起こし、集中治療室で治療を受け、症状が回復した時点で肝臓の部分切除術が行われた。

Abu-Wasel氏らの調べでは、これまでつまようじの誤飲による肝膿瘍の症例報告は世界で17例あり、2003年に報告された日本からの1例も含まれている。今回の症例は肝膿瘍から敗血症および多臓器不全を引き起こし、腹腔鏡下肝部分切除術が行われた初めてのケースではないかとしている。

食道を貫通したと言うことであれば他に妙なところに刺さらずに済んでまだしも幸いだったとも思えるのですが、とにもかくにも妙なものを飲み込むのはなるべくおやめになった方がよろしいということですかね。
これまたよくよく事情を聞けばそういうこともあるかと思うような話なのですが、実際に目の前で遭遇するとどうしてそうなった?と言うしかなさそうなケースでしょうか。

凍らせたタオルのはずがそこにはイカが……!? リアル「イカ娘」のツイートが話題に(2012年9月4日INTERNET Watch)

 バレエのレッスンに行くにあたり、冷凍庫から凍らせたタオルを取り出したはずがなぜか「イカ」をバッグの中に入れてしまった女性のツイートがものすごい勢いでRTされていた。写真を見る限り確かにそっくりで、明かりを付けずに適当に取り出した結果間違えたのにも納得の外観だが、普通には考えにくい取り違えにギャラリーは大受けで、Togetterのまとめは数時間で1000RTを突破していた。もっともご本人ことツージーさんは「私やったらもっと他の人の感想とか盛り込んで面白くできるわ!」とTogetterでのまとめられ方にご不満な様子。リアル「イカ娘」としてすっかり有名になってしまった彼女によるディレクターズカット版も見てみたいものだ。

実際の写真比較は元ネタの方で行っていただきたいのですが、確かに凍った状態ですと見分けが付きにくいでしょうかね?
先日からウクライナの美術館でちょっとしたイベントが開催されていたのですが、それが思いがけない結末を迎えてしまったという続報が入っています。

「眠れる森の美女展」でハプニング、女性のキスで美女目覚める/ウクライナ(2012年9月11日ロイター)

[キエフ 10日 ロイター] ウクライナの首都キエフで、実際に眠っている美女が来場者のキスで目覚めれば、美女と来場者が結婚するという「眠れる森の美女展」が開催された。しかし美女役の女性が、男性ではなく女性の来場者のキスで目を覚ますという「珍事」が発生し、話題を呼んでいる。ウクライナでは同性婚は認められていない。

「眠れる森の美女展」は、アーティストのタラス・ポラタイコ氏が開いたもので、会場のベッドで眠っている女性に来場者が目覚めのキスをし、女性が目を覚ませば結婚するというもの。事前に美女役の女性と来場者は、キスで目覚めたら結婚するという誓約書にサインしているという。

8月22日から開かれていた展示会だったが、今月6日に女性来場者の1人が美女役の女性にキスしたところ、美女が目を覚ましてしまった。展示会を開いたポラタイコ氏は「こんな結果は望んでいなかった」とコメント。報道によれば2人の女性は同性愛者ではないという。

ポラタイコ氏は、2人は結婚のために他国に亡命することも検討していると話した。

いったい何故こうなったと言う話なんですが、そもそも同性愛嗜好もないのにわざわざそうして事に及ぶという時点で何かしら間違っているのではないかという気もします。
何かが間違っている気がするという点ではこちらも負けず劣らずなのですが、まずは記事から紹介してみましょう。

上腕二頭筋ばかり鍛えて世界一の太さになった男の写真が猛烈な勢いで世界に拡散中/エジプト(2012年9月13日ロケットニュース24)

何ごとも「継続は力なり」であり、「どうせやるなら世界一を目指せ」である。今回ご紹介したいのはエジプト生まれのボディービルダー、ムスタファ・イスマイル氏(24)。ボディビル歴は10年だが、彼はギネス世界記録を持っている。

その記録とは……世界最大の上腕二頭筋を持っていることである。いわゆる「力こぶ」の部分である上腕二頭筋の裏側にある上腕三頭筋を含めた太さは約79センチ。このブットイ腕で約227キログラムのモノを持ち上げることもできるのだ! とんでもない太腕を持った彼の写真は世界中で話題となり、瞬く間に世界中に拡散されているところである。

なぜ彼の上腕二頭筋がここまで太くなったのか。その答えは、過去に上腕二頭筋を褒められまくったことがきっかけで、「上腕二頭筋を集中的にトレーニングしよう!」と決意したからだという。現在、筋トレやウエイトなどのトレーニングを1日2回行っているらしい。

まるで「ポパイ」のような彼だが、ほうれん草は大嫌い。毎日、鶏を約1.3キログラム、ステーキや魚を約450グラム、アーモンドを4カップ、プロテインを3リットル、水を約7.5リットル、そして炭水化物などを摂取してるそうな。極めれば世界一。継続は力なりである。

どうしてこうなったというその恐ろしい上腕二頭筋は是非ともリンク先の写真を参照いただきたいのですが、しかし腕というよりももはや何か別のもののようにも見えますかねえ…
こちら何故そうなのかはともかくとして、見た目のインパクトがとにかく問答無用で大きいというニュースです。

「お、落ちる!」文字通りの崖っぷちの家が建てられる(2012年9月8日らばQ)

屋上に建てられたこちらの家、ちょっと傾いているようにも見えますが、実はそれどころの騒ぎではないんです。

今にも落ちそうな、恐ろしい光景をご覧ください。

一体何がどうなったらこうなるんだというびっくり画像の数々をネタバレとともに参照いただければと思いますが、しかしまあ世の中には何とも妙な事を考えつく人間もいるのだなと思います。
皇族がシモネタなど我が国ではちょっと考えられませんけれども、こちらブリの場合王族が率先してブリのブリたる所以を示しているというのですから大変なものです。

ヘンリー王子、チャリティイベントに出席 全裸スキャンダルでジョークも/英(2012年9月4日AFP)

【9月4日 AFP】英国のヘンリー王子(Prince Harry、27)が3日、米ラスベガス(Las Vegas)のホテルで女性たちと全裸ではしゃぐ写真がインターネットなどに出回った後としては初めて公の場に姿を現した。

 ヘンリー王子は難病の子供たちと家族を支援する慈善団体「ウェルチャイルド(WellChild)」の受賞式典に出席。「ウェルチャイルド」は王子が後援者を務めるNGOだ。

 式典でのあいさつで、ヘンリー王子は病気と闘う子どもたちや彼らを支える全ての人たちの素晴らしさは言葉では言い表せないとたたえた後、「人前に出るのを恥ずかしがってはいけません。ぼくは思い切ってそうします」と言って来場者を笑わせた。

 あいさつの後、ヘンリー王子は式典に出席していたアレックス・ローガン(Alex Logan)くん(6)に言葉をかけた。実はアレックスくん、式典に先立ち放映された英テレビITVニュースのなかで、王子に会ったら何を話したいかと聞かれて「今日は服を着ていてくれてうれしいです」と言いたいと答えていたのだ。

 その場で王子とアレックスくんの会話を聞いていた母親のデビー・ローガン(Debbie Logan)さんによると、王子は「ずっとママのことを見ていたね。ぼくに言いたいことがあるけど、言ったらママに叱られるかなと気にしているみたいだったよ」とアレックスくんに話しかけた。続けて王子は「ITVテレビで何か面白いことを話したんだってね。でもここでそのことを話すのはやめようね」とアレックスくんを思いとどまらせたという。

いやしかしヘンリー王子もさることながらこのアレックス君、わずか齢6歳にしてブリの精髄を会得しているとは全く関心するしかありませんね。
王族がこうして範を示しているのですから下々がそれに倣わずしてどうするというものなんですが、最後にこちらブリの日常風景をお伝えしてみましょう。

「あれは何?」イギリスに植木鉢をかぶった謎の女性が出没しているとの目撃例が多発/英(2012年9月13日らばQ)

世の中いろんな恰好をした人がいますが、たまにファッションの域を超えているのではと思える人もいます。
イギリスのセント・パンクラス駅では、個人の主張とも、ちょっとしたパフォーマンスとも説明がつかない変わった女性が歩いていると話題になっているようです。
どんな風に変かと言いますと……。

なんと植木鉢をかぶって歩いているのです。
ロンドンのセント・パンクラス駅で見かけたと、数人がツイッターで報告しています。
当然「これは誰で何のため?」との疑問が浮かぶわけですが、ツイッター情報によると、パフォーマンス・アーティストのグループによるオリンピック訪問者を楽しませるための一環だろうとの説明がされていました。
おもしろいことに植木鉢の上の花は、白いデイジーになったり、赤いバラになったりと、単なる植木鉢なだけではなく花の内容が変わるこだわりがあるようです。
手には傘を持ち、真面目にスーツを着て、普通に何気なく歩いているあたり、目立ち方が尋常ではありません。

誰がやっているのか、詳しいコンセプトが知りたくなりますね。

詳細はリンク先の写真を参照いただきたいと思いますけれども、周囲の人々が全く我関せずという様子であることがいかにも、でしょうかね。
しかしブリ相手に何故こうなった?と問いかけること自体が無意味であるというのでしょうか…

今日のぐり:「活魚廻転寿司 いわ栄」

倉敷市東部の住宅地の中に位置するこちら、寿司職人が握る回転寿司として人気を博しているお店ということで、以前に続いて二度目の訪問になりました。
相変わらず満員御礼の盛況ぶりで結構なことなんですが、しかし店内にやたらと顧客?の写真が飾ってあるのはセンス的にどうなんだろうと思ってしまうのは自分だけでしょうか?

今回も同行者と適当にシェアしながらいろいろとつまんでみたのですが、まずはおすすめという季節ネタを幾つか頼んで見たところ、サンマなどはこの時期安くてうまいというありがたいネタですし、アジは尾頭付きの盛りつけにちょっとびっくりしますが食べて見るとすっきりうまく本日一番の当たり、またそろそろ季節になってくる秋サバもいい感じの締め具合ですね。
季節の戻りカツオは叩きではなく生で、魚は決して悪くないんですがカツオらしい食感を楽しみたいのでもう少し厚切りがいいのかなと感じたり、炙りエンガワもエンガワ自体の質以前にガス臭い?と言うのでしょうか、どうも他の炙りもの全般に同様の風味があるようでちょっと個人的にはパスという感じでしょうか。
今年は何かと話題になることも多いうなぎは意外に(寿司屋)悪くない出来で、握る前に軽く暖めればさらにいいかなと思う一方、穴子キュウリ巻の穴子の方はまぁ普通の回転寿司レベルかなと感じてしまいます。
回転らしいネタとしては海老フライ巻はごく普通、びっくり巻なるものは皿一杯の海鮮巻なんですが、ここまでのサイズになってしまうと巻き寿司の意味はない上にとにかくこれ以上ないほどガチガチに巻いてあるというのもどうなのかで、定番の茶碗蒸しは保温時間が長すぎたせいかちょっと期待はずれのものでした。
ちなみに玉子の握りはノーマルのものとLというのがあって比べてみたのですが、卵焼きがLの方は当社比五割増しくらいに大きく切っただけというもので、シャリとのマッチングからするとむしろノーマルの方がいいようにも思います。

全体的に見ると鮮魚系のネタは普通に寿司としても食べられるくらいのレベルにはなっていて年配客も多いという事情が理解出来るのですが、以前にも感じたところですが回転寿司らしいネタになるとあしらいが下手というのでしょうか、一転しておもしろくも何ともなくなってしまうのはやる気がないということなんでしょうか。
一応は「ねばスリー(ねばねば系ネタ三種盛り)だの「ブルースリー(青魚三種盛り)だのネーミングで努力?している気配は見えるのですが、出てくるネタはさしておもしろみのないものばかりとなると、主に回転寿司らしい部分に期待して来る人にとってはコストパフォーマンス的にもさほどありがたみはないかも知れませんね。
接遇面ではこちらの場合トイレが広々としていて設備面でも非常に整っているのが好印象なのですが、逆に待合スペースなどはもう少し工夫があってもいいかも知れませんし、フロア担当がどうも立っているだけになりがちで厨房内にその分の負担がつけ回されているようにも見える点も気になりました。
それにしても似たような値段で似たような寿司を出している一般の寿司店が軒並み閑古鳥が鳴いている現状を思えば、回転寿司並みの気軽さでそこそこまともな寿司を楽しみたいという顧客はそれなりにいるのでしょうが、こうした店から普通の寿司店へと顧客をどう誘い入れるかが寿司業界の課題なんでしょうかね。

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2012年9月15日 (土)

マスコミの言う取捨選択 それは世に言う偏向か、それとも洗脳か?

そんなことを書いてしまえば突っ込まれるに決まっているのに、敢えて書いてしまうという人々がネット時代になりますと速攻でさらし上げられるようになりましたけれども、先日某新聞社の掲載したこの記事にも案の定様々な意見が噴出したということです。

憂楽帳:石の上にも30年(2012年07月31日毎日新聞)

 「石の上にも30年ですか」。と言ったら怒られるだろうか。福岡の専業出版社「石風社」が創業30年を迎えた。同社代表の福元満治さんが今月上梓(じょうし)した「出版屋(ほんや)の考え休むににたり」を読み、頭を垂れた。「やはりただの焼酎喰(ぐ)らいではないな」と。

 行きつけの居酒屋でたまに一緒になることがあって、焼酎を飲みながら話が夜ふけに及ぶ。新聞の世界しか知らない私には、痛烈で目が覚めるように刺激的な言葉が次々に飛び出す。自分が乱読の質なので、その読書指南は特に参考とさせていただいている。

 石風社の30年は、活版からデジタルへという出版界の激動期と重なる。難局を打開し、ペシャワール会関連書をはじめ、さまざまなテーマでキラリと光る良書を世に問うてきた「出版屋」の知恵と情熱が新著にあふれている。

 福元さんは書く。デジタル化とネット通信で大量の情報の収集と蓄積が可能になっても、「取捨選択して統一的な意味を与える『編集』という身体的でアナログな力が必要になる。逆説的だが、それがなければ思考が深まり定着することもない」と。新聞屋の端くれもそう思いたい。【下薗和仁】

無論のこと、マスコミという業界において何より編集という立場が非常に重きを置かれているということは周知の通りなんですが、今の時代彼らが何をどう取捨選択しているのかということにこそ世間の厳しい目が向いているのだということをそろそろ理解いただかなければならないはずですよね。
一見して中立をタテマエにしているかに見えるマスコミが実は自らの主張に沿うように事実を取捨選択していることはネットと言う新たな媒体の台頭によって明らかになってきましたが、芸能人の開いた店をアピールするなどという露骨なやり方はむしろ可愛げのある方で、宅配水業者の経営者一族に一般人のような顔をして「水道水は放射能が不安なので宅配水を使っている」などと言わせるのは癒着以外の何物でもありませんよね。
あるいは今夏は鰻が高い高いと盛んに報道されていましたけれども(おかげで鰻屋さんは商売あがったりだったそうですが)、実際に鰻屋に取材したところ「もうほとんど去年並みですよ?」と言われたテレビ局が「それでは番組の趣旨と違うから別な店に行きます」と立ち去ったなどという話を聞けば、彼らの行っている行為は事実の取材などではなく単なる創作活動であると理解せざるを得ないでしょう。
こうした彼らの行動そのものがネタとして騒がれるようになってきているのが昨今の特徴ですけれども、最近大きな話題になったことと言えば先日タクシー運転手と通行人とが女児をバッグ詰めした犯人逮捕に活躍したというあの事件についての報道ぶりです。

女児バッグ監禁犯「成城大でプリキュア好き」に声優・池澤春菜「私、成城大。プリキュアも出てた」(2012年9月6日J-CASTニュース)

   広島県の小6女児を連れ去った疑いで成城大学2年の小玉智裕容疑者(20)が逮捕された事件で、日刊スポーツの9月6日(2012年)の記事にツイッター批判が噴出している。「小6女児監禁男はプリキュア好き」という見出しの記事には、小玉が居合同好会の幹事だったことや、女児向けアニメ「プリキュア」や秋葉原のメイド喫茶が好きだったことが証言されている。これにツイッターでは「悪意のある見出し」「『オタクは犯罪起こしやすい』みたいな事言いたそう」などの声が上がった。

   「プリキュア」シリーズに出演したことがある声優の池澤春菜も9月6日(2012年)のツイッターで、「……私、成城大。で、プリキュア出てた。でも、だから私も犯罪を犯す可能性が高いかと言うと、そうではない。何が言いたいかというと、そこ、全く関係ないよね?(出てたと、好きだが、違うのは承知の上で)」と意見し、「わかりやすい目印をつけたい、という思いが、わかりやすいものだけあればいいや、になっちゃう気がする」とツイートした。

プリキュア好きで何が悪い!新聞見出しに大きなお友達大激怒(2012年9月6日秒刊サンデー)

小6女児かばん監禁容疑で小玉智裕容疑者(20)が逮捕された事件で、小玉智裕容疑者が人気アニメプリキュアをこよなく愛していた事がメディアで大きく取りざたされていることにネットユーザは怒りを隠せない。なぜなら解釈の仕方では「プリキュア=犯罪の温床」だと勘違いされてしまう恐れがあるからだ。ネットでは「納得いかない」「恣意的だ」などと怒りをぶつけている。

Twitterにアップされている新聞の切り抜きを見ると「小6カバン監禁男はプリキュア好き」との記載がある。本来ならば多くの趣味のうちの一つとして片づければよいものの、何故プリキュアだけが大きく取りざたされているのかと、多くのネットユーザが疑問をぶつけている。また、小玉智裕容疑者は秋葉原のメイド喫茶にも通い詰めていることを告白していることも記載されているようだ。

これら掲載方法について、客観的に見ても「小6少女」とアニメ・オタクを結び付けようとしているという印象をうけかねないし、ここまで大きな見出しにする必要はあったのだろうかと言う声も見受けられる。万が一、趣味が『切手集め』だったら大きな文字で『切手集め好き』と書いてもらえるのだろうか

ネットでは本件に関し様々な意見が交わされている

―Twitterの反応

・犯人が韓流やK-POP大好きだったら完全スルーしてたよな
・大きなお友達は、プリキュアみんな大好きです(笑)
・ これに、真っ先に反応した妹w
・なんでそんなどうでもいい情報が見出し?
・プリキュア製作陣、訴えてもいいんじゃない?明らかに悪意があるよ
・ プリキュアは悪くない
・プリキュアは二十歳過ぎが観るアニメじゃない。ただのロリ。
・マスゴミ様の程度が覗えるなぁ。
・これプリキュア関係の人営業妨害で訴えられるのでは
・またメディアの魔女狩りがはしまる
・ 『プリキュア』ってよりこの手の事件はいつもアニメ、ゲームを強調し過ぎ
・おいプリキュア好きを何だと思ってやがる
偏向報道甚だしいね!好きな対象の種類によって犯罪と結びつけようとするのは幼稚極まりない。
・警視総監あたりが「私は娘と一緒にプリキュアを見るのが好きでね」とか男前な発言はまだですかね。
・こういう風に書くからオタク非難されるんだよね前な発言はまだですかね。

メディアにとって、アニメ・ゲーム・オタク=犯罪という図式は食いつきが良く、しかもリスクの少ない材料の一つなのかもしれない。もちろんそのネタに興味を持ちやすい、視聴者側の立場も忘れてはならない。

女児アニメと性犯罪との因果関係巡りネット上で大激論(2012年9月8日J-CASTニュース)

  女児をバックに詰め込んでいたずらしようとしたとされる成城大男子学生(20)が女児アニメ好きと報じられたことを巡り、ネット上で激論になっている。犯行との因果関係は果たしてあるのか、といったことだ。

   論議の導火線になったのは、日刊スポーツの2012年9月6日付記事だ。「小6カバン監禁男はプリキュア好き」などと大見出しを打ったことで、アニメ愛好者らからの強い反発の声がネット上に渦巻いた。

40年で強姦被害は10分の1に?

   確かに、容疑者の男子学生は、ツイッターやブログなどでそうした嗜好を示していたようだ。しかし、だからと言って、それが犯罪に結びつくわけではないと言いたいらしい。

   アニメ好きなどと結びつけようとした夕刊フジの6日付記事にも、激しい反発が起きている。「幼児性愛をテーマにしたゲームや漫画に刺激されて現実世界と混同し、犯行に及ぶケースがある」とする精神科医のコメントを紹介したからだ。

   そんな中で、元国会議員政策担当秘書の中迎聡さんが6日、性犯罪増加はデータ的には見られないとツイートし、ネット上で注目を浴びた。

   中迎さんは、「少年犯罪データベース」のサイトを運営している男性が集めたデータを紹介し、女児の強姦被害件数はむしろ減ってきているとした。それは、警察庁の犯罪統計書によるものだといい、1960年代中ごろに比べ、小学生以下の被害は、40年ほど経った2006年現在で10分の1ほどに減っているというのだ。06年は、小学生が46件、未就学児が3件としている。アニメなどの愛好者が増えたからといって、女児への性犯罪は増えているわけではないと言いたいようだ。

   警察庁の広報課に取材すると、60年代中ごろの数値は確認できなかったが、06年の件数はその通りだった。2011年は、小学生が41件、未就学児が1件で、強姦だけ見れば、性犯罪は最近減っている。強制わいせつやわいせつ目的略取誘拐についても、ここ10年ほどは小学生以下の被害が減少傾向にはある

「犯罪に走る必要条件になっている」

   とはいえ、一方で、少子化も進んでおり、こうした要素を考えると、犯罪割合は激減しているとまでは言えないようだ。

   また、女児への性犯罪で、アニメなどの愛好者がどれだけの割合でいるのか分からず、愛好者が多くないとは断定できないのも事実だ。最近は、事件も相次いでおり、名古屋市内で2012年9月3日、若い男が自分の父親を殺してまで女児を監禁するケースがあり、神奈川県内では5日、大学院生が女子中学生に痴漢したとして逮捕された。大学院生の場合は、アニメ好きとも報じられている。

   アニメ好きについて、IT会社社長の生島勘富さんはツイッターで6日、犯罪に走る必要条件になっているとまで主張した。「少なくとも私はプリキュアとか見ないし、見ない成人男性は多いはず。 統計をとったわけでも、統計を見たわけでもないけれど、そういう犯罪を犯す人は、相当高い確率で、そういうアニメが好きなんじゃないかな?」というのだ。もちろん、アニメ愛好者らからは反論も相次いでいるが、生島さんは「是非、アニメを守りたいと思う人達は、アニメを見る見ないで、幼女に対する犯罪の割合は変わらない。って証拠を出して欲しい」とさえ言っている。

   この問題を巡っては、ネット上は、なかなか決着がつかずに激論が交わされている。「ロリコン漫画は過激な描写が増えすぎてロリコンの範囲を超えてるよな」「さっさと規制しろよ!」といった声もある一方、「風俗と一緒、必要悪もあるよ」「規制しすぎて ガス抜き出来ないから問題になってると思う」との見方もあるようだ。

ちなみに問題の番組の内容については残念ながら存じ上げないので何ともコメントのしようがないのですが、以前にも少女向け番組のような体を取っていながら実際のターゲット層は実は大人のアニメファンらしいという記事が出ていたことがあって、その意味で今回の件はまさにスズメバチの巣に自ら望んで喧嘩を売ったような状況とも言えますよね。
すでに一昔前からこうしたマスコミお得意のレッテル張りは揶揄の対象になっていて、かつて幼女殺害犯が怪しげなビデオ数千本を所有していた!と大々的に報道された際にも「ボクもレコード数千枚持ってるから判るけれども」と得々と語る評論家を揶揄した風刺漫画が登場したのを見たことがあります。
そもそも事実そんなに危険な衝動を喚起する番組であるならそれを堂々と放送している当のテレビ局が一番の悪の根源だろうという話なんですが、では何故彼らマスコミがこんな自爆めいたことを盛んに言い立てるのかということを考えれば、結局は彼らの望む特定の方向に世論を誘導したいという気持ちの現れであるということなんでしょう。

記事中にも警視庁の統計が示されていますが、客観的な事実として過去にこうしたアニメが性犯罪を増加させるというデータが示されたことはなく、むしろそういう事実はないというデータが次々と蓄積されつつあることを大前提としておかなければ「統計をとったわけでも、統計を見たわけでもない」人々が根拠もない想像をまき散らす状況に歯止めがかかりません。
先日も紹介しましたように海外でも児童を扱ったアニメ等が実際に児童犯罪に結びつく根拠はないと言う見解が公になってきていて、少なくとも現状でエビデンスに基づいて危険性を云々できるような状況にはないはずなのですが、事実はどうあれ彼らお得意の「識者によれば…」「…という声もあり」式の情報操作にはそもそも客観的な根拠など必要とされていないわけです。
こうした誘導の最も成功した典型例の一つとしてしばしば取り上げられるのが日本人の大好きな?血液型診断というものですが、何ら科学的根拠のないことが繰り返し示されているにも関わらずこうまで巷間に定着しているように見えるというのは、偶然の一側面だけをしつこく取り上げ強調すればどんなものでも真実であるかのように見せかける事が出来るという人間心理を示しているのでしょうね。
彼らマスコミが総力を挙げて掘り下げ続けているそうした陥穽に嵌らないようにするためには、見る側も平素からよほどに意識してかからなければならないということでしょうか。

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2012年9月14日 (金)

医師偏在解消へ新専門医制度の役割

先日も医学部定員をさらに増やすというニュースをお伝えしたばかりで、医師の数は毎年4000人ずつ増えているという状況ですけれども、不足だ不足だと言われる診療科では必ずしも順調に人手が増えてきてはいないというニュースが先日出ていました。

産婦人科医の現状認識、「停滞局面」に移行- 日産婦会の意識調査(2012年9月10日CBニュース)

 日本産科婦人科学会はこのほど、現場の産婦人科医に現状認識などを尋ねた「産婦人科動向意識調査」の結果を公表した。調査結果によると、1年前に比べて産婦人科の状況が「良くなっている」は30%で、「悪くなっている」の10%を大きく上回った。しかし、2008年の調査開始時と比べると、「変わらない」がほぼ倍増した一方、全体で見ると、昨年から「良くなっている」の割合が減少し続けており、同学会は、産婦人科の状況が「足踏み状態」から「停滞局面」に移ったとみている。

 調査では、08年から毎年、産婦人科専門医研修指導施設の産婦人科責任者を対象に質問をしている。5回目となる今年の調査では、対象723施設のうち349施設から回答を得た。回答率は48%。

 調査結果によると、産婦人科全体の状況が1年前より「良くなっている」と答えたのは30%(「良くなっている」2%、「少し良くなっている」28%)で、10年に43%の最高値を記録して以来、2年連続で減少している。一方、「悪くなっている」と答えたのは11%(「悪くなっている」1%、「少し悪くなっている」10%)で、08年の47%以来、毎年減少している。

 良くなっていると感じる理由(複数回答)は、「志望者増」が37施設で最も多かった。以下は「人員増」28施設、「地域医療システムの改善」9施設、「待遇改善」6施設などが続いた。

 一方、悪くなっていると感じる理由(同)は「産婦人科医師数減」が12施設で最も多く、「地域格差拡大」が6施設、「産婦人科新規専攻医減」「分娩施設減」が共に4施設の順となった。このほか、「女性医師の増加・男性医師の減少」と「周産期高次施設減」をそれぞれ3施設が理由として挙げた。

 同学会では、「学会として優先的に取り組む課題」に▽産婦人科医を増やすための努力▽勤務医の労働条件および処遇の改善▽女性医師の勤務環境改善▽地域偏在対策―を挙げる回答が多かったことから、今後もこの4点が活動の中心軸となると考えられる、と分析。また、「専門医申請要件・指導施設要件の厳格化」への批判的な意見が目立ち、「大学産婦人科への囲い込みを図るもの」との批判が認められたという。【新井哉】

しかし素直に調査結果を見れば産科医の集約化が進んだ結果、勝ち組と負け組が固定化してきているということに感じられますが実際のところはどうなんでしょうね?
世の中の少子化進行などを見れば産科や小児科は先のない衰退産業であるという意見も一部にありますが、産婆が適当に(失礼)取り上げていた時代と違って今の時代お産と言えば医療安全を非常に重視しなければならない分野の筆頭であり、まして妊産婦の高齢化で各種リスクも跳ね上がっていることから必要とするマンパワーは決して減ってはいないと思われます。
一方では診療報酬上は優遇されてきていると言っても正常分娩なら自費診療ですからコスト無視のダンピングを続ける公立病院が地域の価格決定を主導していて、産科という商売自体昔のように儲けにならないという状況が続いている訳ですから、多忙な割に実入りが少ない、そして訴訟リスクだけは極めて高いと言われればそれはよほどに変わった感性の持ち主しか産科には行かないでしょう。
ところが一方で順調に増え続けているどころか、すでに地域によっては過当競争によるワープア化著しい歯科のようになってきている診療科もあるようで、例えばあまりに数が増えすぎている都内眼科開業医の場合など保険収入は全国平均の2/3にまで低下していると言いますから、高い家賃を払った上でどうやって食っていくべきかと工夫を凝らさなければならない時代になってきているということですね。
こうした状況を見ればそろそろ医師は不足というより偏在なのでは?という声がまたぞろ勢力を得て来そうな気配なのですが、以前から言われているような大都市圏の集中などに象徴される地域的な偏在に加えて、今後は診療科毎の偏在ということもポイントになってくると思われ、その点で厚労省が絶賛推進中の新専門医制度というものはこの両者をまとめて一挙解決し得る妙案?にもなる理屈ですよね。

専門医の「集約」容認する声も- 厚労省検討会(2012年9月7日CBニュース)

 厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」(座長=高久史麿・日本医学会長)の会合が7日に開かれ、専門医の「地域偏在」をめぐり、さまざまな意見が出た。制度設計によっては、地域偏在が助長されるとの懸念の声が上がった一方で、「地域にどうしても専門医が必要と言われると、無理が出てくる」として、専門医の「集約」を容認した上で、医師間の連携を構築することなどが重要だとする意見も出た。

 この日の会合では、前回会合で了承された中間まとめで「引き続き議論が必要」とされた、▽専門医の資格を認定・更新する仕組み▽専門医を認定する第三者機関の在り方―などについて、自由に意見交換した。

 この中で山口徹委員(虎の門病院長)は、診療実績を資格更新の要件にすべきだと主張。「少し勉強すれば、診療を全然していない状況でも資格を更新できるのはおかしい」とした上で、「専門領域における能力だけを認定するのでなく、その領域の診療に社会的責任を持っているという意味合いを付けていただきたい」と求めた。
 この提案に強い反対は出なかったが、藤本晴枝委員(NPO法人地域医療を育てる会理事長)は、診療実績が問われることで、患者が多い都市部に医師が集中するとの懸念を示した。

 これに対し池田康夫委員(日本専門医制評価・認定機構理事長)は、患者数に比べて医師数が過剰になれば、都市部の医師は資格を更新できなくなると説明。医師数と患者数の関係で資格更新の可否が決まるよう制度設計をすれば、地域偏在の助長を防げるとの見方を示した。
 一方、金澤一郎委員(国際医療福祉大大学院長)は、「地域にどうしても専門医が必要と言われると、無理が出てくる」と主張。「専門医の集約は当然起こる」とした上で、医師間の連携構築などが重要だと訴えた。

 また、こうした議論に関連して、地域偏在の解消と、新たな専門医制度を併せて検討することへの慎重論も出た。桃井真里子委員(自治医科大教授)は、「当然、地域偏在は考慮して制度設計をしなければならない」としながらも、「専門医制度によって(地域偏在を)抜本的に是正するのは無理がある」と指摘した。

 高久座長は、最終取りまとめに向けて、いわゆる「総合医」と、従来の領域別専門医の連携などについて議論する中で、地域偏在についても「ある程度は議論せざるを得ないだろう」との認識を示した。【高崎慎也】

今まで学会が認定してきた専門医制度というものはいわば名誉称号のようなもので、大学などで行うような特殊な治療など限定された用途以外では無くて困るというものではありませんでしたし、また一定の技量を担保すると言うより認定する学会へのお布施の多寡で手にするものという側面も少なからずありました。
新専門医制度は表向きそうした旧弊を打破するということで第三者機関による統一感を持った基準での認定を行っていくという話なんですが、当然ながら専門医資格を与えられるというのは大変な利権でもあって、認定研修施設をどのように設定するかによって医師達の配置をかなり管理することが出来るようになってきます。
それに加えて今まで自由であった標榜診療科を専門医取得をその要件にするという話もありますが、長期的には専門医の数を診療科毎あるいは地域毎に細かく設定していくことによって、医師の就職先や進路までも間接的にコントロール出来るようになるということですよね。
前述の記事を見ていると地域偏在を助長するかも知れないという懸念が表明されたということですが、厚労省としては識者の間にこうした意見が根強くあるという言質を手に入れた格好ですから、今後如何様にも管理を強化していく大義名分を得たということになるでしょう。

もちろんこうした会合に出てくる人達というのは厚労省の意に添って選任されていると見なされるものですから当然なのですが、しかし山口委員の言うところの「診療実績を資格更新の要件にすべき」「その領域の診療に社会的責任を持つべき」云々の発言は、取りようによっては非常に恣意的に引用されかねない文言ですよね。
将来的に標榜診療科が専門医必須となれば、特に日医支持母体である全国開業医の先生方にとっては死活問題ともなりかねませんけれども、仮に○○科が専門だと名乗ることがその科の診療に社会的責任を持つこととイコールで結ばれるようになれば、ろくな診療機材を持たない開業医にとっては大変に高いハードルになるだろうことは容易に想像出来ます。
結果として「いや、うちでは到底責任を負いかねますので」と責任を引き受けたがらなくなる開業医が増えれば、当然ながら大病院に患者が集中することになる理屈なんですが、いわばこうした部分を厳しく追及しすぎないことで辛うじて維持されてきた日本の医療そのものにとって、この新制度が大きなダメージを与えるということにもなりかねません。
厚労省としてはその対案としてそうした責任を持たない「総合医」なるものをセットで出していますという腹づもりなのでしょうが、面倒な患者が集中し社会的責任までも押し付けられるということになれば、わざわざ国の思惑に乗ってまで苦労して専門医を取ることへのメリットやモチベーションを彼らがどう担保していくつもりなのかも気になりますね。

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2012年9月13日 (木)

さらなる医学部定員増が意味するもの

かねて医師不足が言われている中で医学部定員が近年大幅に増やされていることは周知の事実ですが、その割には医師不足が解消されたという声はさほどに挙がっていない印象があります。
もちろん定員増の効果が本格的に現れるにはまだ時間がかかるのは当然なんですが、単純に定員を増やせば全体に医師の数が均一に増えていくというわけではなく、やはり従来から医師不足が言われていた現場には相変わらず人手が集まっていないという状況から見る限り、医師の情報収集能力もそれなりに高まってきたということなんでしょうか?
臨床の第一線におけるいわゆる現場仕事以外にも研究職や公衆衛生関連など、医師という人材が求められている潜在需要がそれだけ大きかったということもあるのでしょうが、そんな状況の中で特に医師不足が言われる地域からの突き上げが続いているのでしょうか、先日こんな記事が出ていました。

医師不足解消狙い定員増へ 東北などの医学部(2012年9月10日東京新聞)

 文部科学省は10日、医師不足や地域による偏在を解消するため、1校当たり125人が上限の医学部の入学定員を一部の大学に限り、来年度から増やす方針を固めた。

 対象は東北地方などで定員が120~125人の国公私大で、増加人員は全体で数十人程度。10月末ごろまでに対象校や人数を決める。今春、国公私大79校で8991人だった医学部定員は、増員によって今後、9千人以上になる見込み。

 65歳以上が日本の人口に占める高齢化率は2060年に約40%に達し、医療ニーズが広がる見通しだが、東北地方を中心に医学部定員が上限に達し、医師確保策を望む声が高まっていた。(共同)

医学部定員上限引き上げる方針取りまとめ- 厚労・文科省(2012年9月10日CBニュース)

 厚生労働省と文部科学省は10日、地域の医師不足を解消するための方針の「地域の医師確保対策2012」を取りまとめた。同方針には、十分な教育環境が整っている場合に限り、13年度の医学部の定員を、暫定的に126人以上に引き上げることを認めることなどが盛り込まれた。

 医学部の入学定員は、08年度から毎年増加。卒業後に地域医療に従事することを条件付ける「地域枠」を設置する場合や、複数の大学で連携して研究医の養成拠点をつくる場合などに増員が認められたことで、07年度に7625人だった医学部全体の定員は、12年度に8991人まで増えた。
 一方、同省の省令は、大学医学部の定員数を1校125人までと定めており、12年度は、東北地方を中心に、9大学の定員数が上限に達していた。両省は同方針の中で、「十分な教育環境が整った大学」に「125人を超える定員増を可能とする」ことを明記した。

 また、出産や育児などで離職している女性医師などの復職支援策を強化し、▽医学生へのキャリア教育の導入▽病児・病後児保育、0歳児保育、24時間保育の推進▽複数主治医制の導入推進-などで、文科省が来年度に1億5000万円程度ずつの予算事業を実施するなどとした。
 このほか、方針には、今後の社会保障全体の在り方の検討や、これまでに医学部定員を増やした効果の検証結果などを踏まえて、医学部新設やメディカルスクールについて引き続き検討することや、地域の病院や「地域医療支援センター」と連携して医師養成などを行う大学の支援を検討することなどが盛り込まれた。【佐藤貴彦】

記事中にあるように厚労省と文科省が共同で取りまとめた「地域の医師確保対策2012」についてはこちら同省HPを参照いただきたいと思いますけれども、その冒頭部には「基本的な考え方」としてこんな文言が掲載されています。

地域の医師確保のためには、文部科学省・厚生労働省の密接な連携の下、医師養成の現状や高齢化等の社会構造の変化を踏まえた取組が必要。このため、医師のキャリア形成支援という視点に基づき、医師の偏在解消の取組、医師が活躍し続ける環境整備及び医療需要の変化に対応した人材育成を行うとともに、医学部定員の増を行う。あわせて、東日本大震災の被災地における医師確保の支援を行う。

すなわち今回の対策においては偏在解消や医療需要の変化に対応して医師を育てていく手段として医学部定員増を行うということですけれども、中でも特記して被災地支援という文言が盛り込まれていることからも当面まずは東北諸県での医学部定員増ということになったということで、今後さらに自治医大など全国の「十分な教育環境が整った大学」で定員増が認められる事になるのでしょうか。
定員増については地域や大学からの要請上も可能な大学には認めるというのは妥当なところかなとも思うのですが、偏在解消を目的とするのであれば単に地域の医学部定員を増やしただけでは全く不十分であるということはすでに明らかになっている中で、どのように増えた定員を地域に還元していくのかが最大の課題になってきます。
「対策2012」ではこれに対して1)地域枠の活用、2)入試等で地域医療を志す学生を選抜、3)地域医療に情熱を燃やせる教育の充実などの露骨な(苦笑)学生囲い込み策と平行して、専門医取得などに配慮した研修プログラム等地域医療従事者に魅力ある体制構築を求めていて、特に随所に出てくる「優れた取組を行う大学に対する支援を検討」という文言が何を意味するのかが気になりますね。
仮に大学の間でも地域医療に対する貢献度に応じて何らかの格差が設けられていくということになると、例えば「おたくの大学は地域医療頑張っていないから定員減らしてね」なんてことを言われれば関連病院が悲惨なことになるのは明らかですけれども、逆に言えば文科省とタッグを組めば厚労省単独で行う以上に医療現場に強力なプレッシャーをかけられるということでもあります。

その他には例によって女性医師らの復職を容易にするだとか、チーム医療を推進し勤務医負担を軽減するための方策を考えるといった以前から言われてきた対策も列挙されていますけれども、これらはどうやってそれを実現するのかというところですっかり足踏みしている話ばかりですから、まずは実効性あるプランを練り上げていかないことにはいつまでも画餅のままというものですよね。
なお、今回の「対策2012」中では「今後の社会保障全体の在り方の検討や、これまでの定員増の効果の検証等を踏まえ、引き続き検討する」こととされている医学部・メディカルスクール新設に関して、むしろ注目すべきなのはこちらのニュースなのかなと思うのですが、平野文科相のコメントを記事から紹介してみましょう。

当面の医師不足解消に「医学部新設ない」-平野文科相(2012年9月11日CBニュース)

 平野博文・文部科学相は11日の閣議後の記者会見で、地域偏在による当面の医師不足解消策について、医学部を新設せず、育児などで現場を離れている女性医師を復職させたり、医学生の教育体制が整っている大学医学部などの定員を増やしたりすることで対処する考えを示した。

 平野文科相は、医学部の新設に賛否両方の声が上がっていることを指摘。当面の医師不足解消のため、「むやみな定員拡大は、質の問題を含めて慎重にしなければならない」とした上で、「それぞれの大学における設備、教授陣等々の内容が、可能なキャパシティーの所。ならびに、地域における偏在を解消できるという所については、定員枠を広げて対処する」と述べた。また、医療現場で働いていない医師の復職を促すため、医師の働きやすい環境づくりも併せて行うとした。

 同省が前日、厚労省と合同で取りまとめた「地域の医師確保対策2012」では、現行の1校125人の定員上限を超える定員増を、十分な教育環境が整っている大学には来年度から認めたり、出産や育児で離職している女性医師などの復職支援のための取り組みを、より充実させたりする方針を盛り込んだ。医学部新設やメディカルスクール創設については、今後の社会保障全体の在り方の検討状況や、これまでの医学部定員増の効果の検証結果などを踏まえ、引き続き検討することとした。【佐藤貴彦】

もちろん終わりつつある政権の大臣が何をコメントしたところで次の政権ではひっくり返る可能性も少なからずありますけれども、失礼ながら医療行政に通じているとも思えない大臣がいきなりこうしたデリケートなテーマに独断で言質を与えるとも思えないところですから、これは厚労省内で検討された結果の反映であると考えておくべきなのでしょう。
医学部新設については様々な議論があるのは周知の通りですが、少なくとも毎年4000人という単位で医師が増えている中でたかだか新設によって定員100人程度が増えたところでさしたる劇的な影響はないはずで、それよりも医師の就労先を実質的にコントロールするための対策が優先されるべきだというのは(彼らの立場からすれば、ですが)全く妥当な判断だとは思います。
その意味でも「地域医療への従事を条件とした奨学金、選抜枠の設定(地域枠)を行う大学の入学定員の増員」だとか、「歯学部入学定員を減員する大学についての医学部定員の増員」など露骨な文言が並んでいるというのは、彼らが公的な医師配置の管理に対して並々ならぬ決意を持って当たってきているということを示してもいるのでしょうね。
こうなると現場で働く医師達にしても何故こういう事態になっているのか、それを解消するためにどこをどう改めてもらえばいいのかということをきちんと意見していかないと、意味不明で実効性にも乏しい医師不足解消策なるものを押し付けられさんざん振り回された挙げ句、最後にはこれだけやってもダメだったのだからと公権力による医師強制配置を押し付けられて終わりということになりかねません。

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2012年9月12日 (水)

NHK受信料問題 新たなステージへ突入?

最近ではNHKが受信料支払いを求めて訴訟を起こすということも決して珍しいニュースではなくなってきましたが、今回とうとうこうした大口訴訟にまで発展したかと感じる話が出ています。

<NHK受信料訴訟>東横イン、未払い争う姿勢 初弁論(2012年9月10日毎日新聞)

 NHKがビジネスホテル「東横イン」(本社・東京都大田区)と関連会社に未払いの受信料約5億5000万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、東京地裁(白井幸夫裁判長)であった。ホテル側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 NHKの規約ではホテルの受信料は主に部屋ごとに計算しており、東横インは今年1月から7月までに全国の宿泊施設で未契約となっている計約3万3700件分の支払いを求められている。ホテル側は「空室やテレビを見ない人のことを考えておらず、納得できない」としている。

 NHKは09年以降、事業所を相手に受信料支払いを求める訴訟を5件起こしている。裁判になるのは今回が初めて。うち2件は請求額が数百万円で相手側が支払いに応じて訴えを取り下げた。別のホテル事業者2社に対しても同様の訴訟を起こしている。一般世帯は1件が訴訟中。【土屋渓】

ホテル全室に受信料「高過ぎ」 裁判で東横インが反論(2012年9月11日朝日新聞)

 ホテルの各室にテレビがあるのに、受信料が払われていないとして、NHKがビジネスホテルチェーン大手「東横イン」(本社・東京都大田区)とグループ会社に約5億5千万円の支払いを求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、東京地裁であった。東横イン側は「空室やテレビを見ない客もおり、全部屋分は高額すぎる」と争う姿勢を示した。

 NHKによると、大規模なホテルチェーンに受信料の支払いを求めた訴訟は初めて。訴訟の行方によっては、同業他社に影響がありそうだ。

 訴状によると、NHKは同グループの236のホテルにある約3万4千部屋について、受信料契約が結ばれていないとして、今年1~7月分の約5億5千万円の支払いを求めている。

 東横イン側によると、これまではNHKの請求通り、全客室の約25%分について契約を結び、年間約2億3千万円を支払ってきたという。代理人の弁護士は「急に全室分の支払いを求められても、納得できない。稼働率なども考えた適正額であれば、話し合いに応じたい」としている。

東横インのNHK受信料未払い訴訟「携帯・PCから徴収」に波及も(2012年9月11日NEWSポストセブン)

 未払い料金5億5000万円の賠償を請求――。NHKがビジネスホテル「東横イン」を相手に訴訟を起こした一件は、今後、受信料制度の見直しや再定義といった方向へ進むきっかけとなるのか。

 9月10日に開かれた第1回口頭弁論で、東横イン側は未契約と指摘された約3万3700件分について、「空室やテレビを見ない人のことを考えておらず、納得できない」と、NHKと徹底抗戦する構えを見せている。「テレビはあるけど昼間は仕事だし、夜は民放しか観ていないから、一律で徴収されるのはおかしい!」(30代男性)といった多くの個人視聴者の訴えにも通じる反論だ。

 立教大学社会学部(メディア社会学科)の服部孝章教授はいう。

「いまや病院にだって患者1人につき1台のテレビがついていますし、ホテルでも東横インのような稼働率が高いところもあれば、地方の空室が目立つ旅館もある。それぞれ業種によって視聴環境が異なる中で、受信料をどう払うべきなのか。今回はたまたま東横インが“人身御供”にされた形ですが、NHKは裁判で争うだけでなく、もっと広く社会に問うべきです」

 いまさらだが、日本には放送法があり、「NHK(日本放送協会)の放送を受信できるテレビを設置している人は、放送受信契約を結ぶことが義務づけられ、受信料を払わなければならない」旨の条項(第64条)が定められている。つまり、NHKを視聴するしないにかかわらず、テレビ1台につき、地上波なら月額1345円、衛星放送の受信可能世帯なら月額2290円の支払い義務がある

 NHK調べによると、受信契約率は約8割ということになっているが、実際の数値は地域や居住環境(戸建て、マンション)によってもまちまち。そこで、NHKは契約率をさらに上げるべく、2010年から全国で不払いを続ける世帯に受信料の“強制執行の通告”という実力行使に出ている。8月末時点で通知を送付したのは125人、そのうち90人に強制執行の手続きが申し立てられている。

 9月にも愛媛・松山市内の男性が簡易裁判所の第1回口頭弁論に臨み、5年4か月分の受信料約8万6000円の支払いを分割で行う“和解”勧告をされたばかり。

 こうした裁判は今後も続くと見られており、家庭のみならず東横インなど法人契約の徹底、強化が図られていく見込みだ。そして、テレビの契約だけでは終わらない事態も想定されている。

 テレビが見られるワンセグケータイやカーナビ、番組の配信サービスを行うパソコンなど通信端末もそれぞれ“受信可能な設備”に入る。これらにいちいち受信料の支払い義務が課せられたら、月にいくら徴収されるか分からない。

「小さな携帯画面でテレビを観ている人と60インチの大画面でテレビを観ている人が同じ受信料でいいのかという問題は当然出てきますよね。料金形態はメディアの特性に合わせたものにすべきです。そんな公平性を担保するための根本的な受信料改革をせずに、見せしめ的な裁判を続けていても逆効果。NHK離れが起こるだけです」(前出・服部氏)

 NHKは10月から月額最大120円の受信料値下げを行う方針になっている。だが、小手先の改革だけでは不払い問題は終わりそうにない。

どこまで話が広がるのかは現時点では何とも言いかねるとしても、一つ言えることは受信料を素直に支払ってくれない対象が増えるほど回収コストが跳ね上がり、契約率の如何を問わずNHKの利益は目減りしていくだろうということで、「国が決めてるんだから払って当然」で済むことでもないだろうと言うことです。
この受信料に関しては誰でも一度くらいは「何かおかしいんじゃないの?」と感じたことがあるはずで、特に興味を持って調べ始めると色々とおかしなことだらけでますます疑問符だらけにもなろうというものなんですが、結局は一家に一台レベルの古い時代の規定をそのまま引きずっていることに遠因があるのでしょうか。
ちなみにご存知の通りNHKの受信料については放送法の第六節によって規定されていますけれども、その第六十四条には受信料支払いの義務についてこのように書かれていて、文字通りに受け取れば受信料支払い義務とはNHKを受信出来るかどうかに依存しているという点に留意ください。

(受信契約及び受信料)
第六十四条  協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

とにもかくにもNHKを受信出来る受像器を設置した時点で実際に使用する、しないに関わらず設置者には受信料支払いの義務が発生するということなんですが、ややこしいのはこの受信料契約を結ぶ実際の基準で、NHKでもよくトラブルになっているためか事例毎に詳しくQ&Aにまとめています。
ごく簡単に言えば一般家庭の場合は世帯ごとになっていて、テレビが何台あろうが同じ家で生活している同一世帯に関しては一契約になる一方、家計を別にする二世帯同居などの場合はテレビが一つでも二契約が必要になるとまたなんとも面倒くさい話なんですが、この基準から考えるとカーテレビや携帯など移動式受像器は一世帯一契約に含めるのが筋という感じでしょうか。
これが企業などが相手になるとまた違っていて、受信機を設置してある一部屋ごとに一契約が必要という妙な話になっているのですが、今回裁判になっているように利用していない客室の分まで支払わせるというのはどうなのよと感じてしまいますし、実際に今まではそういう形では支払っていなかったのに今回突然全室分の支払いを求められるようになったことが裁判の原因となっているようです。

ここからはどうも本当かどうか判断し難い風の噂レベルの話ですけれども、当然ながらホテル側としても価格競争厳しい今の時代に余計な費用支出は避けたい、一方でNHKとしては少しでも多く受信料契約を取りたいということで、結局どれだけ払うかはホテル側とNHKの現場担当者との間の交渉で決まっていたということです。
この契約は全客室数の○パーセント分だけ支払うという形であったようなんですが、東横インと言えばそのあたりのコスト管理は非常に厳しいと言われている会社ですから現場も少しでも安く上げようと努力したのでしょう、どうも一部のホテルで「相場」よりも突出して低い比率でしか契約していなかったところがあったらしいというのですね。
もちろん現場の当事者同士が談合?してそれでやってきたのが良いのか悪いのかは一概には言えませんが、今回たまたま会計検査院の方がこの突出して低い率での契約に気付いてしまったことでNHK側も動かざるを得なくなり、いきなり全客室分の受信料を支払えと言われることになったのだという噂です。
どこまでが本当なのかは判りませんけれども、世間の常識的に考えても大口契約の場合は交渉によって契約の条件が変化するというのはままある話ですし、その程度の弾力的運用は行える程度の「ゆるさ」をこの受信料の規定は内包しているのなら、それをどう応用して着地点を見つけていくかということでしょうね。

例えばホテルであれば客室にお客が入る時点でテレビを受信可能にするという形にして(入室した時点でカードを入れさせるようになるのでしょうか)、顧客自身が設置者という形になってしまえば契約対象は顧客ということになりますから、ホテル側がその代理として受信料を預かっておくということに出来そうに思います。
実際に医療費公定価格制度のせいでこのあたりの雑費が正規料金から取れない病院などはそれに近い形でやっていますし、家具一式そろえていますが売りの賃貸マンションなども「放送契約はあくまで入居者各人が結んでください」と言われるということですから、必ずしも出来ないことでもなさそうですよね。
価格競争の激しいホテル側にしても今どきLAN回線くらいはどこでも用意してあるわけですから、チェックイン時に無料のネットTVか有料の地上波かを選択出来るようにすればいいだけのことで、お金にシビアな今どきの顧客がわざわざ余計な料金を払ってまで地上波をみたいと思うかと言えば、たぶんほとんどの方はテレビなど無くてもいいと言うんじゃないでしょうか。
しかし考えて見ればデジタル放送では元々受信者を限定することが簡単に出来るのですから非契約受信機にはスクランブルをかければいいし、間違ってもNHKだけは絶対に受信出来ないようになっている受信料不要仕様のテレビなど簡単に作れそうに思うのですが、そのあたりもCM自動カット機能付きレコーダーが一斉に消えてしまったのと同じような業界事情でもあるんでしょうかね?

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2012年9月11日 (火)

医師の労働環境はまだ改善の余地あり

先日こういう記事が出ていましたが、ご覧になりましたでしょうか。

病院病床数、1年で1万床近く減少- 医療施設動態調査6月末概数(2012年9月3日CBニュース)

厚生労働省が3日に発表した医療施設動態調査(6月末概数)によると、全国の病院の6月末現在の病床数は157万8502床で、前月から623床減った。前年同月からは9760床の減だった。

病床数を種類別に見ると、一般病床が89万7394床(前月比115床減)、精神病床が34万2818床(16床減)、療養病床が32万9112床(470床減)、結核病床が7390床(20床減)、感染症病床が1788床(2床減)と、前月から軒並み減っていた
診療所の病床数は、前月から393床減って12万7717床。前年同月からは5200床の減だった。

全国の病院数は8567施設、診療所の数は10万112施設で、前年同月からはそれぞれ63施設の減と167施設の増。前月からは、▽一般病院が1施設減▽有床診療所が31施設減▽無床診療所が73施設増-だった。(略)

厚生労働白書によると病院は減り続けている一方で一病院当たりの病床数は徐々に増加する傾向にあるようで、単純に読めば小病院が淘汰され大病院中心になってきているということなのですが、それ以上に医師がどんどん増えている中でベッド数が減れば医師一人当たりの入院患者数は減っていく計算です。
となると近年世間を賑わせてきた医師の過労問題は解消しつつあるのか?と言うことになるのですが、実際のところはまだまだ大変らしいというニュースが最近出ていました。

過酷な「勤務医」の実態--4割が"週60時間以上"労働、半数が年休"3日以下"(2012年9月6日マイナビニュース)

労働政策研究・研修機構(JILPT)は5日、全国の20床以上の病院に勤務する24歳以上の医師(医院・クリニックの院長は除外)を対象に実施した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」の結果を発表した。同調査は、2011年12月1日~9日の期間にインターネット上で行われ、3,467名から有効回答を得た。

それによると、職場の医師の不足感について、68.6%が「感じる」(「非常に感じる」27.8%、「まあ感じる」40.8%)と回答。一方、「感じない」(「ほとんど感じない」11.5%、「あまり感じない」2.7%)は14.2%だった。

診療科別に見てみると、「感じる」の割合が最も多かったのは「麻酔科」で81.7%。以下、「救急科」77.8%、「小児科」70.7%、「整形外科」70.6%と続いた。また、過疎地域かどうかの別で見た場合、過疎地域に所在する病院に勤めている医師の方が「感じる」と答えた割合が高く、78.5%を占めた。

主たる勤務先での1週間当たりの実際の労働時間は、平均46.6時間。詳細は、「60時間以上」が27.4%(「60~70時間未満」15.5%、「70~80時間未満」6.6%、「80時間以上」5.3%)、「40~50時間未満」が26.6%、「50~60時間未満」が23.5%、「60~70時間未満」が15.5%となっている。

他の勤務先を含めた1週間当たりの全労働時間の平均は53.2時間で、「60時間以上」の割合は40.0%(「60~70時間未満」20.0%、「70~80時間未満」10.0%、「80時間以上」10.0%)に上った。このほか、「50~60時間未満」が24.4%、「40~50時間未満」が21.8%、「60~70時間未満」が20.0%となった。

主たる勤務先の週当たり労働時間と他の就労先を含めた週当たり全労働時間(出典:労働政策研究・研修機構Webサイト)

昨年1年間に実際に取得した年次有給休暇の取得日数は、「4~6日」が25.8%でトップ。次いで、「1~3日」が24.9%、「0日」が22.3%となり、約半数の47.2%が「3日以下」(「0日」22.3%、「1~3日」24.9%)と回答した。

医師のうち、60.3%が「疲労感」を、45.5%が「睡眠不足感」を、49.2%が「健康不安」を感じていることが判明。さらに、医療事故につながりかねないような「ひやり」あるいは「はっと」した体験「ヒヤリ・ハット体験」があるか尋ねると、68.0%が「ときどきそうである」、8.9%が「ほとんどそうである」と回答し、合わせて76.9%が「何らかのヒヤリ・ハット体験がある」と答えたことが分かった。睡眠不足感に対する認識別にみても、睡眠不足を感じている医師ほど「ほとんどそうである」の割合が高く、15.2%に上った。

勤務医の勤務環境を改善するための方策について聞いたところ、最多は「医師数の増加(非常勤・研修医を含む)」で55.4%。以下、「当直明けの休み・休憩時間の確保」53.4%、「他職種(看護師、薬剤師等)との役割分担の促進」50.8%、「診療以外の業務の負担軽減」45.9%と続いた。

どうも元データを当たっていないので恐縮なのですが、勤務医平均で総労働時間51時間というのは当直や研修を含めての数字というよりも除外しているのではないかという気がします。
例えば週40時間フルタイムで働いた上で週一回当直に入ればだいたい60時間になりますから、暇を持て余しそうな場末の病院であってもなかなかクリアが難しそうな数字と言えそうですし、実際に当直や研修のための時間を入れて平均週70時間という数字が出ているわけですから、この点は注意しておく必要があるでしょう。
しかし一昔前にはどうでもいい患者を「教育入院」などと称して大勢入院させてベッドを埋め「いやあ、ボクもう患者が多すぎてこれ以上は無理ですよハハハ」などと暇そうにしている剛の者?も見かけましたが、さすがに最近ではそういうことは許されない時代になりました。
何しろ病床数が減った中で平均在院日数を下げながら病床利用率を上げようとするとかなりシビアな入退院の管理が要求されますが、ご存知のように最近では患者さん一人入退院するだけで多種多様な書類を書かされる訳ですから、そうなりますとむしろ病床数にゆとりのあった頃よりも医師は多忙になりがちです。

日本だけで見ているとどうもイメージが湧きにくいのですが、主要国では医師の労働時間に上限を設けている国もあって、例えばEU諸国では年間平均で48時間とされていることもあってか日本の平均70時間に対してドイツ・フランスは40~50時間、また少し違った規制方法をとっているアメリカなどでも50時間と言いますから、日本人医師は全般に働きすぎと言えそうです。
その結果何が起こるか、例えば過労などによって引き起こされる自殺の発生率で医師は一般の3割増し、多くの医師が過労死水準を超える労働をこなしていると言われるのですから、やはり医療を行う側も働き方を自ら考えていかないことには患者さんの命以前に自分の命を守れません。
幸いにも近年ではあまりに過酷な職場からは逃散が進んだ結果、そうした職場の労働環境もようやく改善が進みつつあるようですが、医療の効率と言う点から考えても下手に延命させるよりも潰してしまってスタッフを再配置するということも一つの方法論という意見もあるでしょうね。

また昨今医師らの増員が続いていますが、医療現場が現在のままでは医師数を幾ら増やしても単に新たな需要を掘り起こすだけになりかねませんから、適正な医療とは果たしてどのようなものなのかという議論も今この時期にきちんと行っておかないと後々大変なことになりかねません。
日医などは「早期受診による早期発見が重症化を防ぐのだ!」と主張し何か感じたらすぐ病院へ行けと言い、また世間でも様々な方面で「万一のことがあるかも知れませんのでとりあえず医師に相談を」式の文言を見かけますが、医療がそうした需要のことごとくに答え続けることが本当に国民医療水準の向上を意味するのかということでしょう。
いずれにしても過労がミスを誘発するという厳然たる事実がある以上は業務改善として過労解消策を進めることはもちろんですが、まずは当事者が「これはおかしいのでは?」という問題意識を持たないと話にならないというものですから、「ワシらが若い頃はこんなものじゃなかった!」などと後ろ向きな事ばかり主張して改善の足を引っ張らないように注意しなければならないでしょうね。

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2012年9月10日 (月)

高齢出産時代に向けた技術的進歩は何をもたらすのか

医療の世界も技術は日進月歩ですが、安全性評価等でなにかと時間のかかりがちな治療技術に比べますと、診断技術の方は開発されてから臨床現場で行われるまでのサイクルが随分と短く、特に元々自費診療の出産関係では保険収載されずとも自費でという需要がそれなりにあるのでしょうね。
高齢出産全盛期になってそれだけ需要が増しているということなのでしょうか、先日は採血一つでダウン症がたちどころにピタリと診断出来るという新検査法が登場したと紹介したところですが、本日まずはこれまた微妙に議論を呼びそうな新しい検査法が臨床現場で用いられるようになっているというニュースを紹介しましょう。

あなたは何歳まで子供産めるか?残り卵子を1分で検査―妊娠限界年齢判定(2012年9月6日J-CASTニュース)

「女性のみなさん、自分が何歳まで子どもを産むことができるか考えたことがありますか」。キャスターの菊川怜が真剣な表情で語りかける。検査によって、女性それぞれの持っている卵子の数が分かるようになってきたのだ。その最前線をレポートした。

女性一人一人で違う減少スピード

独身女性のAさん(32)は「結婚してすぐに子どもが産めるかどうか、一度測ってみたかった」と不妊専門クリニックを訪ねた。Aさんが測ってもらうのは卵子の数。アンチミューラリアンホルモン(AMH)を調べるこことで、自分に残された卵子の数がわかるのだ。それによって、自分が何歳ぐらいまで子どもが産めるか知ることができる。検査の方法は血液の採取だけなので約1分で終わる。結果が分かるのは1週間後である。

一般的に女性は200万個の卵子を持って生まれてくる。しかし、そこからは減少する一方で、初潮が始まる12歳では30万個、その後も1回の月経周期に約1000個ずつ減っていく。子どもを産むには数だけでなく、質も重要だ。卵子は年齢とともに古くなり、20代前半を境に妊娠する可能性も低下していく。

Aさんの結果は「AMHの値1.77ng/ml」。個人差があるが、適正値は2.8~5.6ng/mlといわれ、Aさんの卵子の数は同年代の約半分だった。32歳の一般的な女性の卵子の数は約6万個だが、Aさんは約3万個。子どもを産める時間がそれだけ短くなるということだ。医師は37~39歳を妊娠の限界と考えてほしいアドバイスする。

不妊専門クリニックで5000円~1万円

こうした検査を受ける女性が増えている背景には、晩婚化による高齢出産の増加がある。夫婦でクリニックを訪れた人もいる。仕事を持っている34歳の妻がまだ仕事を続けるべきか、それとも出産を先にすべきか知りたかったためだ。

アナウンサーの森本さやかが言う。「いま高齢出産が当たり前みたいになって、有名人の高齢出産のニュースが伝えられますと、それを見て、私も、と思っても、そうできない人もいるわけです。この検査はいつ子どもを産むか、人生設計を考える目安になります」

司会の笠井信輔が菊川に聞く。「あなたは何歳まで産めます。あなたの卵子は多いです、少ないですって、知りたい?」

菊川「いやあ、正直、今わからないですよ」

「日経ウーマン」発行人の麓幸子さんは「まず正しい知識と情報を知ることが一番大切です。それによって、人生の選択肢や優先順位を考えることができる。これまで望まない妊娠をしないための情報はいっぱいあったが、望んだ場合の情報があまりなかった」という。

この検査は全国の不妊専門のクリニックで受けることが可能で、費用は5000円~1万円で、保険適用なしだそうだ。

試みに「アンチミューラリアンホルモン」でググってみますと、検査をやっていらっしゃるクリニックのサイトと並んで「AMHがゼロと言われた!もう妊娠できないってこと?!」なんて切実な疑問も出ていて何とも言いがたいのですが、正直本当にギリギリのところにいらっしゃる方々にとってはなかなかに微妙な問題をはらんだ検査という気もします。
補足するならば卵子の数の目安となる検査がこのAMHですが、妊娠のしやすさはもう一つ卵子の質と言うことも重要で、仮にAMHがまだ高く年齢不相応に(失礼)卵子の数は多くとも質が悪ければ妊娠しづらい、一方比較的若年からAMHが低くなってくる人もいますが質が保たれていれば案外妊娠は出来たりと、これ一つで妊娠可能性を全て説明出来るというものでもないようです。
いずれにしても「際限なくお金がかかる。いつまで続ければいいのか」と言う声もある生殖補助医療において一つの目安になる指標であるはずですが、実際にこうしたことを気にする人達というのは当然自然妊娠が厳しい状況であるにも関わらず出産希望の方が多いと思われますから、「あなたはちょっと厳しいですよ」と言われてそれじゃもうやめときますという気にはならないかも知れません。

さて、一般論として診断技術というものはそれが治療に関与するようになって初めて意味が出てくるものであって、例えば何ら積極的治療を希望されない寝たきりの御老人の肝腫瘤が原発性肝癌なのか転移性肝癌なのかと各種検査を駆使して鑑別を試みたところで、余計な医療費と患者さんご家族さんの心身の負担が増すだけと言うものですよね。
その意味ではこうした不妊関連の諸検査もそれによってどのような治療法が選べるのかという段階に至って初めて本当に意味が出てくるのだと思いますし、検査結果によってそれぞれこうした方針が取り得るという情報提示なくして無闇に行われるべきものでもないと思いますが、先日のダウン症出生前診断においてもまさしくその部分の徹底が必要だと言う意見が多数派であったようです。
そうした大前提に同意した上で、ということなのでしょうか、先日医師専門サイト「メドピア」でこうした調査が行われたのですけれども、結果だけを見ますと思わぬ大差がついたという形だったと言う点は意外と受け取るべきなのでしょうか。

新出生前診断に80%肯定的 医師向けネット調査で(2012年9月7日47ニュース)

 医師向けコミュニティーサイトを運営するメドピア(東京)は7日、おなかの中の子どもが染色体異常のダウン症かどうか、妊婦の血液で高精度に判定する新しい出生前診断の普及に、約80%の医師が肯定的だったとするネット調査の結果を発表した。

 サイトに登録する医師約5万人のうち、呼びかけに応じて8月31日~9月4日に回答した2353人分のデータを集計した。同社は「自主的に回答した一部の医師の考えで、医学界全体の声を反映したものではない」と断りつつも「これまで実施したネット調査と比べて回答の集まりが非常に良く、関心の高さがうかがえた」と話している。

サイト自体は医師限定の会員サイトですので直接一般の方が閲覧することが出来ませんがこの調査、「新型の出生前診断の国内への導入・普及を、どのように考えますか?」というかなり自由回答に近い形式であったようなんですが、反対は全体のわずか6%であったと言いますから圧倒的と言っていい結果ですよね。
正直もう少し意見が割れるものかと予想していたのですが、わざわざネットでこうしたサイトに登録するような方々という点で多少なりともバイアスがかかったということなのでしょうか、ともかくも別ソースから結果を引用させていただきましょう。

メドピア、医師対象に「新型の出生前診断」に関する調査結果を発表(2012年9月7日日経プレスリリース)より抜粋

(略)
調査内容:妊婦の血液から胎児の染色体異常を判断する「新型の出生前診断」に関する調査
調査期間:2012年8月31日~2012年9月4日
有効サンプル数:2,353サンプル
対象:医師(全診療科目対象、MedPeer会員医師、全国の医師)

<調査結果(要旨)>
 ・約8割は、国内導入・普及に肯定的な見解(「賛成」、「一定の条件を設けたうえで、賛成」)
 ・約4割は、検査条件は可能な限り緩和されるべき等、積極的な賛成意見(「賛成」)
 ・「反対」は5%未満に留まる

 ※グラフ資料などは添付の関連資料「リリースの詳細」を参照

(産婦人科医のみ抜出)
 ・90%(84人)は、導入・普及に肯定的な見解(「賛成」、「一定の条件を設けたうえで、賛成」)
 ・44%(41人)は、検査条件は可能な限り緩和されるべき等、積極的な賛成意見(「賛成」)
 ・「分からない、きめかねる」「反対」は10%(9名)
(略)

これこれの検査をしていいか?してはならないか?と言われれば、個人の選択の自由を保障する意味でもそれは一律に禁止するのもおかしいだろうと言うもので、一般論として考えても反対とも言いにくいだろうなとも思うのですが、賛成意見を見てみますとどうせ希望者はやるのだし、羊水穿刺よりもリスクがないのだからいいじゃないかという現実的な声も多いようです。
結局のところ医療側が何と言おうが障害者の親となるのは妊婦の側ですから、産まれた後の事を考えると様々な事情を承知した上でそれでもと言う希望者にまで無碍に拒否するのは難しいのも事実ですが、そうした点を考えるとむしろ数少ない反対意見の論点がどこにあるのかが気になりますよね。
見ていておもしろいのは内科など他診療科の医師は「胎児の権利」だとか「親の責任」といった倫理面からの反対意見が並んでいるのに対して、当の産科医の意見はやはり現場でどうするかという判断に直結するためかずいぶんと即物的に見えるということでしょうか。

「判らない、決めかねる」より抜粋

偽陽性の多さを皆さんがどれくらい認識して検査を希望するか、そこらが非常に危うい気がします。本当は陰性なのに偽陽性だったと言うだけで中絶したりしそうで。(50代、産婦人科)
・ 精度が高いことは、本当は異常がないのに中絶されていたケースも多々あることを思うとよいと思います。ただ、このような検査、異常のある場合の中絶が普通になっていくのがよいのかどうかはわかりません。(30代、産婦人科)

「反対」より抜粋

・ 出生前診断はやむを得ないが、今回のターゲットはダウンと他2種類のみで、意図するかは別であっても明らかにダウンがメインターゲットになってしまうから。(50代、産婦人科)
・ 料金が高すぎるし、3種だけで良いとは思えない。(50代、産婦人科)

数ある異常の中でもダウンだけをという点にひっかかりを覚えるのも確かなんですが、実際問題妊婦の高齢化が進んでダウンのリスクが上がっているというのもあるでしょうし、何しろ有名な異常だけにどうしても注目を浴びざるを得ないということはあるかと思います。
ただダウン症児などは知的障害を持つとは言えいかにも子供らしい子供達なのに、何もそんなに目の仇にせずとも…という声も根強くあるわけですから、当面ごく限定的に対象を絞って検査を行っていくということであれば可能な限り障害児の実際というものをも理解してもらった上で判断出来ればいいですよね。
一番良くないことはこうした出生前診断が過度に行われた結果世の中から障害児というものの存在自体が表立って見えなくなってしまい、その実態を知らないことの結果として彼らに対する妙な誤解や偏見が蔓延してしまうことではないかと思います。

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2012年9月 9日 (日)

今日のぐり:「あっぱれ すし丸 鶴新田店」

最近はどこの業界でもクレームには悩まされるところでしょうが、かねてクレームについては一家言あると評判の中国消費者の中でもこれはどうなんだろう?と思うようなニュースが出ていました。

マックの商品が辛過ぎて通報、客の態度を中国ネットユーザーが猛批判。(2012年8月26日ナリナリドットコム)

中国のマクドナルドで先日、商品を巡るちょっとした騒動があった。ある客が、注文したメニューの味が「いつもより辛い」と、警察に通報したのだ。ネットではこの客に「大げさだ」などと批判が殺到する一方、「中国のマックはときどき味が違う」と理解を示す声も一部で挙がっている。

中国メディア金融網などによると、この騒動が起きたのは8月中旬のこと。夕飯を食べに広東省広州市のマクドナルドを訪れたある客が、スパイシーチキンバーガーセットを注文したところ、以前食べたものと味が異なると感じたという。スパイシーチキンバーガーはもともと辛さが売りのメニューだが、その辛さが妙に強い印象を受けたことから、最終的に警察へ通報するという行動に出たそうだ。

結果、店では騒動となり、当時現場にいたほかの客によって微博(中国版ツイッター)を通じて拡散。多くの人が知るところとなった。

同店のマネージャーが地元紙に明かした話では、「確かに騒動はあった」とのこと。通報した客は警察に「以前食べたスパイシーチキンバーガーはそれほど辛くなかったが、今回食べたものは辛過ぎる」と事情を説明したという。

それにしても、なぜ味が異なることの通報先が警察だったのだろうか。この客は「マクドナルドやケンタッキーのような世界的なファストフード店は、味や量、品質が必ず統一されていなければならない。食材の加工過程などで問題が起きたのではないか」との考えから、警察に訴えたものと見られている。

ちなみに、「味が違う」との指摘に対し、店側はセットの交換を申し出ているが、客はこれを拒否。微博や報道などにより一連の話がネットユーザーの知るところとなると、「たかだか17.5元(約215円)のセットなんだから、味が気に入らないならば帰ればいいだけだろ」「警察を何だと思っているんだ」と、客への批判が殺到した。

それでも、中国のマクドナルドの品質に疑問を投げかけながら、客を擁護する声も一部ではある。あるネットユーザーは「確かにポテトとかすげぇしょっぱいときあるな」、また別のユーザーも「ときどき肉の硬さが違う」と不満を告白。さらには「ここが中国である以上、外国ブランドと言えども品質なんて期待するほうがおかしい」などと、自虐的な声も挙がっている。

実際に味が違っていたのかどうかはともかくそれが警察への通報につながるというロジックがどうもよく判らないんですが、しかし中国の警察当局と言うとどうも傍目にあまり信頼のおけそうな組織ではないイメージがあるのですが、当の中国人にとってはそうでもないということなんですかね?
今日は勇気と男気あふれる?この消費者に敬意を表して、最近は東の横綱とも言われるほどネタ大国化している中国からちょっとそれはどうなのよ?と思うニュースの数々を取り上げてみましょう。

中国の駅弁があまりに悲し過ぎると中国サイトで話題に(2012年9月6日秒刊SUNDAY)

電車旅行の楽しみといえばなんと言っても『駅弁』だ。とはいうものの、最近ではコンビニで簡単におにぎりを買ってしまえばそれで済むのかもしれない。だがそれは旅行を本当に楽しんでいない。お世辞にも安いとはいえない駅弁を、電車が発車して30分ぐらい・・・一息ついた際に景色を眺めながら食べる弁当は格別。そんな日本の駅弁はある意味恵まれているのかもしれない。
(略)
日本の弁当は見た目が豪華、そして味も良しと言った感じで食欲をそそられる弁当である。対して中国の弁当は、盛り付けには一切こだわっていない、バイキング形式のレストランで適当に具材を盛り合わせたようなそんな感覚の弁当だ。もちろんコスト的には中国の弁当のほうが安いように感じられるが、安さを求めるのであれば別に駅弁を買う必要もないのかもしれない。

中国のサイトではこの実態を受けて、悲しい・ショックだ・食べたくないなどの意見が飛び交っている。自国だけで見れば確かに他国の弁当を意識する必要もないのだが、このように並べてしまうと「隣の芝は青い」じゃないが、どうしても日本がうらやましく感じてしまうのは言うまでもない。

とはいえ、弁当の立ち位置が日本と中国では違うのかもしれない。あくまで空腹を満たすだけのものであればもちろんこれで十分であると感じる。

その詳細はリンク先の比較画像を見ていただくとして、一応弁護しておきますと中国では冷や飯が囚人飯として忌避されることから駅弁も暖かい状態でサーブされるもので、原則的に冷食が前提の日本とは内容が異なっていて当然とはいえ、もう少し見た目にもこだわっておいてもよかったでしょうかねえ…
見た目と言えばかの「先行者」以来ちょっと見た目的にどうなのよ?と評判になる事も多い中国ロボット事情ですが、このたびその系譜に新たなる伝説が加わったようです。

自作のトランスフォーマー!半年かけ変形ロボットを制作―山東省済南市(2012年9月5日レコードチャイナ)

2012年8月30日、中国・山東省済南市に住む男性は、半年かけ制作した変形する自動車をお披露目した。チャイナフォトプレスが伝えた。

男性は4年前に見たハリウッド映画の「トランスフォーマー」に触発され、変形できる車を作りたいと考えていた。そして2011年から自動車修理や電子技術に彫刻などの専門家に教えを請い、毎日仕事から帰った後に制作に励んだ。完成までに半年を要し、費用は約7万元(約86万円)かかったという。

車はボタンを押すと高さ4.8m、肩幅2mのロボットに変形し、直立や歩行が可能。もちろん車としても走行でき、最高速度は時速15kmほど。4年越しの夢がかなったが、今後も作品を改善するとともに、より多くの人に自分の制作に参加してほしいと語った。最終目標は変形ロボットのテーマパークだという。(翻訳・編集/内山)

その素晴らしすぎる全貌は是非ともリンク先を参照いただくとして、こうなると変形ロボットとは変な形のロボットという意味か?とか、この構造でどうやって歩行するのか?とか、様々な疑問が尽きることがありませんよね。
日本でも一昔前はこういうこともあったんでしょうが、その時代を経験した人達にはちょっと懐かしさすら覚えるようなニュースがこちらです。

アングル:中国で高まる「クルミ」投資熱、富裕層のステータスシンボルに(2012年8月28日ロイター)

[北京 28日 ロイター] 中国では低迷する株式市場を横目に、クルミなど「文化的玩具」と呼ばれる小物への投資熱が高まっている。株式や不動産など伝統的な資産への投資リターンが低迷し、場合によってはマイナスとなっていることに業を煮やした資産家らが多額の資金を投入。年代物で大きく均整の取れたクルミには、数万ドルの値がつく場合もある。

クルミは手のひらで触っていれば血行を良くする効果があるとされ、中国の歴代皇帝らに愛用されてきた。一時は人気が離散したものの、最近になって富裕層の間で再びブームが起こり、投資対象としてばかりでなく、クルミ保有が「ステータスシンボル」にもなっている。

北京に住むクルミ収集家のKou Baojun氏によると、価値が高いのは大きく、古く、均整のとれた形のクルミ。Kou氏が持っているクルミの一部は1世紀前のもので、長年に渡って多くの人々に触られてきたため赤い輝きを放っている。

「この古さをご覧なさい。こうしたクルミで遊ぶなんて、普通の人にはできっこない」と満足の様子だ。

クルミ投資熱の高まりを受け、クルミビジネスに参入する者もいる。北京で小売店を経営するHu Zhenyuan氏は、収穫期を前にクルミの木を丸ごと買い取り、クルミを自分の店で売る腹づもりだ。

Hu氏は「クルミ投資は毎年人気が高まっている。10年前は350元(55ドル)だった1組のクルミが、今では3500元、モノによっては2万―3万元で売れる」と話す。
(略)

もちろん何にどれだけお金をつぎ込むかは全く個人の自由ではあるのですが、しかしひとたびクルミバブルが崩壊してしまうと相当に大変なことになりそうですね。
中国は法治ではなく人治の国であるとはしばしば耳にするところですが、いくらなんでもそれでいいの?と思ってしまうような風習もあるようです。

【中国】何でもお金で解決! 刑務所に入りたくない金持ちは「金」で代理人をぶち込む(2012年8月26日ロケットニュース24)

日本では到底考えられないことなのだが、中国では服役に関して、驚くべき制度が設けられている。それは「交代囚人制度」というものだ。あまり一般的ではないものなのだが、実際に制度は存在しているという。

交代囚人、つまり服役を命じられた人物が、お金を払って代理人を雇い、自分の身代わりに刑期に服してもらうというもの。中国の富裕層人口は、1パーセントしかいない。そのわずかな金持ちが、お金を使って他人を刑務所に入れるのである。

交代囚人の情報は、あまり中国でも表立って報じられることがない。というのも、なかば「都市伝説」程度にしかしらない人が多いからだ。公になれば、金持ちだけが優遇されているとして、当局や政府に批判が殺到することになるだろう。したがって、誰がどの事件の代理人なのかは、明るみにはならない。

しかし近年はインターネットが普及し、この制度に気付く人が増えている。当事者(法を犯した人物)と裁判所に出廷した人物を比較して、異なる点を指摘する中国ネットユーザーも少なくない。

たとえば公道でドラッグレースをしていた裕福な家庭の20歳の男が、通行人をひき殺す事件が起きた。事故を起こした人物と、出廷した「被告人」は明らかに別人。中国ネットユーザーはそのことをいち早く指摘していたのだが、結局被告人は禁固3年を命じられて服役することになっている。本来であれば、交通死亡事故は死刑を宣告されてもおかしくないのだが、代理人が出廷したことにより、刑期が軽減された可能性があるとのこと。

別のケースでは、有名病院の院長が交通事故を起こした際に、病院に勤める人物の父親を代理人にしたと噂されている。また、交通死亡事故を起こしたバイクレーサーが無免許の人物を8000ドル(約63万円)で雇ったり、摘発された建築解体業者が、刑期一日につき31ドル(約2400円)で従業員を服役させるということもあるそうだ。

実のところ中国において交代囚人制度の歴史は古く、中国刑法の学者アーネスト・アラバスターは1899年に、その報告を行っている。その当時からしばしば利用されている制度だったようである。

この制度がなくならない背景には、中国の激しい格差がある。服役しているだけでお金がもらえるのであれば、請け負う側としては有難いからだ。そして、中国の権威者は「効果的である」と捉えている。なぜなら犯罪当事者は代理人に支払うお金で、経済的な罰を科せられたことになるからだ。

とはいえ、罪に対する社会的な処罰感情は消えることなく、また富裕層にのみ認められた特権であることに違いはない。これからも「暗黙の了解」として、この制度は生き続けるのだろう。

こういうシステムがありなら最初から罰金刑にしておけばいいんじゃないかという気もするのですが、そこは代理人として入獄する人にも相応にメリットがあるという持ちつ持たれつなんでしょうかねえ?
気持ちは判らないのでもないのですが、いくらなんでも分別が足りなかったと言うのがこちらの男性です。

「彼女にサプライズだゾ☆」 自分を箱に密閉して宅配発送 → 酸素不足になり箱内で気絶 → 死体が送りつけられたような体裁に(2012年9月3日ロケットニュース24)

郵便物を開けてみると「プレゼントはわ・た・し♪」と可愛くラッピングされた彼女が出てくる。というシーンを漫画やアニメで見かけることがある。

そんなサプライズプレゼントに憧れた男性が、自分を梱包して彼女あてに宅急便で送ってみたそうだ。宅急便は無事に彼女のもとへ、彼女は開けてビックリ!

中にはすっかり土気色になった男性がグッタリと横たわっていたのだ! 彼は箱の中で呼吸できずに気絶していたのである。

とんでもないサプライズプレゼント劇があったのは中国だ。ある男性が彼女をビックリさせようと思い立ち、箱の中に入り通常の宅配便として発送したそうだ。宛先は彼女の会社である。

やけに大きい荷物。受け取った彼女はそのままオフィスの中に持ち込み、開封した。すると中には見覚えのある男性が体を丸くして入っていた! しかも顔色は土気色、グッタリとていて、これではまるで……。

彼女はさぞかし驚いただろう。しかし幸い男性はまだ息があり、死んでいるわけではなさそうだ。報道によると、男性は自分を梱包する際、空気孔を空けるのを忘れていたとのこと。それが原因となり、箱の中で酸素不足になり気を失っていたのだという。

このニュースにネットユーザーは

「笑い死ぬ!」
「何なの? バカなの!?」
「愛は人を盲目にさせるのだよ」
「生存能力低すぎ」
「理想と現実は違うもんだ」
「気失う前に何とかできなかったのかよ」

とコメントしている。

彼女に別の意味で最大級のサプライズを与えてることになってしまった。彼女はこのプレゼントをどう思っただろう。心配しただろうか、怒ってしまっただろうか。それにしても命の危険がなくてよかった。

なお、写真については、彼女が喜ぶ様子を写真に収めようとあらかじめ友人がカメラを持って会社にスタンバイしていたそうだ。きちんと空気の通り道を確保することはもちろん、最初から業者でなくこの友人に託したほうが良かったのでは……そう思ったのは記者(私)だけではないだろう。

リンク先の写真を見ても判るようにきちんと密閉し発送して証拠写真も撮ったと言えばその場に共犯者がいたはずですが、もしかすると洒落にならないことになっていたかも知れませんからよほどに青くなっているのでしょうか。
中国と言えば割合にお下劣なものに関しては当局の規制が厳しいようなイメージもあるのですが、一般人も通る往来でそれはありなの?と思ってしまうようなケースもあるようです。

エッチなケーキに保護者困惑、店頭ショーケースでの展示で物議。(2012年8月31日ナリナリドットコム)

街中にあるケーキ店のショーケースに、もし、エッチなデザインのケーキが並んでいたら――。先日、中国のあるショッピングモールでは、歩いていた親子が偶然“おっぱいケーキ”などのエッチなケーキに遭遇してしまった。その気まずい雰囲気を微博(中国版ツイッター)でつぶやいたところ、多くの保護者から支持の声が上がったという。

中国紙銭江晩報などによると、ある母親が微博で「昨日、2人の子どもを連れてある商城(ショッピングモール)に行ったのだけれど、『Michel Courcelle』という名のケーキ店で売られていたケーキに、子どもたちは目を奪われたの。12歳の娘からの質問に私は言葉に詰まってしまって……。写真をアップするからみんな見てみて。こんな場面に遭遇したら、どう対処すればいいのかしら」とつぶやき、写真を掲載した。

写真にはショーケースに入ったお祝い用のホールケーキが映っており、「裸の男女が絡み合っている」「おっぱいが強調された下着姿の女性」といったデザインの、エッチなケーキが並べられていた。母親は続けて、「今の時代は何ごともスピードが速くて、メディアやネットが子どもに与える精神的影響も本当に大きい。だからこそ、性教育の面でも早めにする必要があるけど、大切なのは保護者や学校がきちんとした方法で子どもたちに教育することだと思う。(ここで売られているケーキのような)低俗な商品が公衆の場にあるなんて、こういうものを管理する人たちっていないのかしら?」とつぶやき、不満を表明。フォロワーに意見を求めた。

すると、この女性同様、子どもを持つ保護者からは「こういう低俗なケーキはショーケースに入れること自体おかしい」「下着姿のケーキはまだしも、男女裸のケーキはちょっとやりすぎかな……」「まさかこんなケーキに遭遇するなんて予想すらしていなかったでしょうから、気持ちはよくわかるわ」などと、支持や理解を示す声が多数届くことになった。一方で、主に若者からは「面白いからいいじゃん」「客のリクエストで作っただけなんだから、気にすることはない」など、女性の反応を“過剰”ととらえる意見もある。

地元メディアがこの話題を聞きつけ、問題のケーキ店に向かったところ、すでに“男女裸のケーキ”はなくなっていた。店員曰く「すでに客が持ち帰った」そうで、エッチなケーキは「客のリクエストがあって作ったもの」とのことだ。なお、そうしたデザインで注文するのは、ほとんどが若い客だという。

これまたリンク先の写真を参照していただくとして何と言うのでしょう、ロボット工学などにも応用されている中国特有の美意識が微妙におかしな感じでいい味を出しているようにも思えるのは自分だけでしょうか?
ヒッチコック監督の「鳥」では襲いかかる鳥の恐ろしさに戦慄を覚えざるを得ませんでしたが、同じような状況でもむしろ鳥の方に共感を覚えそうなのがこちらのニュースです。

仇討ち!?「痔に効く」とワシの雛を食べ続けた男性、ワシに襲撃され大ケガ―黒竜江省(2012年8月16日レコードチャイナ)

2012年8月14日、黒龍江晨報によると、痔の治療に効果があると信じられていることから、黒竜江省牡丹江市に属する穆●(=木偏に稜のつくり)市に住む男性が数年にわたって子どものイヌワシを食べ続けていたところ、ワシの逆襲に遭い頭に計12針を縫う大ケガを負った。

8月11日、男性が小麦畑で農作業をしていると、突然空から1羽のイヌワシが男性めがけて舞い降りてきて襲い始めた。男性はとっさに積んであったワラ山に逃げ込んだ。その後もワシは飛び去らず、執拗にワラ山の上を旋回、再度の襲撃のチャンスをうかがっていたが、近くにいた村人たちが応援に駆けつけ、男性を助け出した。しかし、男性は腕に5針、頭に12針を縫うケガを負った。

実は男性は数年前から「痔」の治療薬としてイヌワシの子どもを食べていた。昨年もワシに襲われ、21針を縫う大ケガを負っているが、懲りずに食べ続けていたという。村では同じ理由でワシを食べていた別の男性が昨年、やはりワシに襲われ40針を縫う大ケガを負い、恐ろしくなって引っ越していったという。村の責任者は「ワシは知性が高いので、仇の相手を記憶しているのだろう」と話している。(翻訳・編集/岡田)

そこまでして食べたいほど効果があるのか、そもそも治療代を考えると素直に痔の手術を受けていた方が良かったんじゃないかとか様々な疑問が湧くニュースですが、猛禽類も昨今生息状況が厳しいというだけに感心する習慣ではありませんね。
最後に取り上げますのはこちら、よく言えばちょっとした良い工夫とも言えなくもないんですが、まずは記事から紹介してみましょう。

「学校で見分けがつかないかも」 4つ子ママが大胆行為! 息子の頭を「1、2、3、4」と刈り上げにして話題に(2012年9月6日ロケットニュース24)

何もかもソックリな4つ子ちゃん。どんなにソックリでも当人らはもちろん、親もひとりひとりの見分けがつくものだ。しかし、他人から見ると全員同じように見えてしまう。

そんな4つ子の男の子を持つ母親が大きな悩みを抱えていた。「学校で先生がうち子たちを見分けられないかもしれない。お友達がとまどってしまうかもしれない」。そこで母親があるアイディアを決行。4つ子ちゃんの髪をそれぞれ「1」「2」「3」「4」と刈り上げてしまったのである。

話題の4つ子は中国広東省深セン市に住む4つ子の男の子・蒋雲龍くん、雲嘯くん、雲翰くん、雲霖くんだ。4人はソックリ。一重まぶたの子と二重の子がいるので、よく見るとわからないわけでもなさそうだ。

しかし、母親の譚さんも「1才半ごろまでは私も名札がないと見分けがつきませんでした。出稼ぎに出ている父親は今でも見分けがつきません」という。その父親が次男を怒るはずが間違って3男を怒って叩いてしまったそうだ。

可哀想なことに無実の罪で叩かれてしまった3男。それ以来、譚さんは4つ子が学校で間違って叱られては大変だと真剣に考えるようになったそう。その結果、髪型を数字にしてしまうという結論に至ったのである。理容師も事情をくんでくれたそう。40分後、4人の髪型はそれぞれ「1、2、3、4」とキレイに刈り上げられた。

ネットユーザーからは「可愛い!」「お母さん頭いい!」という声があがる一方、「これはないなぁ」「それって虐待にならないの?」という声も出ている。本人たちがどう思っているかはわからないが、今のところ4人は楽しそうに登校しているそうだ。

その素晴らしき?状況はリンク先の写真を参照していただくとして、しかしどう考えても級友達には名前ではなくイーアルサンスーで呼ばれそうな勢いですよね。
しかしいくら四つ子とは言え「区別がつかないから」とは親としてどうなのよ?という話なんですが、一人っ子政策の影響で子供を甘やかしすぎるとも側聞する昨今の中国ではこれくらいの方がたくましい子が育つのかも知れません。

今日のぐり:「あっぱれ すし丸 鶴新田店」

何故かこちらを強く推す方がいらっしゃったので、今回は倉敷市南部は水島コンビナートのほど近くにある回転寿司「すし丸 鶴新田店」にお邪魔させていただきました。
全然関係ないですが寿司屋と言えば海産物がネタになることも多いだけに海に近いと言うと何となくイメージがいいはずなんですが、こちらのように海とは言ってもコンビナートの場合イメージは上がるのでしょうか下がるのでしょうか?
回転寿司と言えば昨今価格の二極化が進んでいますけれども、こちらは高価格帯に属するようで、見てみますと寿司以外に単品メニューも結構充実していてちょっとした小料理屋的な品揃えになっているのはいいとして、グラタンとかはちょっと違うかな…とも感じてしまいます。

まずはこの日のおすすめというネタから頼んで見ましたが、サンマはたっぷり肉厚で脂も味も十分に乗っていて、まあこういう魚は原価も安いし鮮度さえちゃんとしていれば外れのない魚ということで有り難いですよね。
シメサバは書いてある通りごく浅く締めてあって生の風味も残しているんですが、そのせいか心持ち生臭い後味も残っている気がしたのですが、一方でアジはさっぱり嫌みのない味で食べるならサバよりもこっちかなと思います。
定番のメニューとして海老フライ巻は海老フライ自体はまずまずいいのですが、やや飯が多いのでバランスが崩れ気味なのがマイナスポイント、千両ナスの揚げ出しは中途半端な揚げ上がりのせいか少し皮が残るような感じもあって、いっそ薄切りをもっとクリスピーに揚げてもよかったかも知れませんね。
エンガワはからすがれいだと言うことで、もちろん大きいだけの百円よりはいいんですがすごくうまいと言うほどでもなく、名物だという海老天握りは天むすのような感じで楽しめるんですがふり塩が少し強い、ネギ入り玉子の握りはたっぷりした玉子が二カンで食べごたえはあるんですがやはり塩加減がきつめと、酒の入る顧客に配慮しているのかな?とも思える仕上がりです。

全体に季節の鮮魚ネタはまずまず合格水準なんですが、料理とシャリは少し好みと合わないかなと感じるところで、特にシャリは味もさることながら今どき珍しいくらいガチガチに固まっているものですから、パラリと口の中でほぐれるどころか飯粒が半ば融合してしまっているのは寿司としては勿体ないですよね。
ざっと見たところ意外とこのあたりは回転寿司が出店していないようなので、それなりに食べられるとなればそれだけでも十分お客は入ってくるのでしょうけれども、昨今はこの業界もどんどん競争が激しくなってきていますし長期的にはどうなんでしょう?
接遇面では奥の厨房にもスタッフがいるらしいとは言え、それなりにお客も入っているように見える割には随分とスタッフが少ないなという印象で、そのせいか活気もなければ反応もやや鈍いようなのが少しばかり気になりました。

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2012年9月 8日 (土)

日医にとっての理想的な医療は社会にとって?

先日は患者側も医療費負担で苦労しているという話を紹介しましたが、実際のところどの程度の影響があるのかを日医がこのたび調査したという記事が出ています。

経済的理由による受診控え、3割負担患者の1割が経験(2012年9月6日日経メディカル)

 日本医師会は9月5日の定例会見で、患者の窓口負担に関するアンケート結果を公表した。調査では、3割負担の患者の7割近くが窓口での支払いに負担を感じており、過去1年間に経済的な理由で受診しなかったことがあると回答した患者も約1割いたことが明らかになった。受診しなかった患者の半数以上は、受診控えによる症状悪化を経験していた。

 日医常任理事の石川広己氏は「患者負担割合と受診行動が密接に関係していることが分かった。診療へのアクセスを妨げられないよう、今後も患者負担の引き上げには反対していく」と話した。

 調査は、日医が会員の中から医療機関の開設者、管理者を地域ブロックごとに無作為に抽出して調査票を発送。各会員が外来患者に調査票の記入を依頼した。調査票は診療所765施設、病院74施設に配布し、回答率はそれぞれ43.9%(336施設)、41.9%(31施設)だった。

 外来受診の窓口での支払いについては、3割負担の患者の66.5%、2割負担の患者の58.3%、1割負担の患者の38.2%が「負担」と感じていた。過去1年間に経済的な理由で受診しなかったケースは、3割負担の患者では11.5%、2割負担の患者では10.2%、1割負担の患者では6.6%が「あった」と回答した。受診を控えた結果、症状が悪化したことが「ある」と答えたのは3割負担の患者の6.5%、2割負担の患者の7.1%、1割負担の患者の3.4%で、いずれもその過半数が受診控えによる症状の悪化を経験していた。

 今後、窓口での支払い額が増えた場合には、3割負担の患者の50.8%、2割負担の患者の52.7%、1割負担の患者の33.0%が「受診回数を減らしたい」と答えた。特に、これまでに一度でも受診を控えたことがある患者では、「受診回数を減らしたい」と回答した人が79.7%に上った。受診を控えたことのない患者で「受診回数を減らしたい」と回答したのは40.5%だった。

 調査結果を踏まえ、石川氏は「1割負担と2、3割負担の患者では負担感や受診行動に明らかな違いがある」と指摘。特に2、3割負担の患者では経済的な理由による受診控えを1割以上が経験していたことや、一度でも受診控えを経験した患者では今後の負担額が増えた場合も受診回数を減らしたいという回答が多かったことから、「受診時定額負担をはじめとする患者の負担額の引き上げにより、患者の受診抑制が広がる可能性もある。さらなる負担引き上げは慎重に検討しなければならない」と訴えた。

しかしこの調査、1割負担や2割負担の患者というと企業等が補助を出しているといった例外的なケースを除けば高齢者だったのではないかと思うのですが、年齢と共に有病率も高くなるのですからきちんと年齢補正しないことにはまともな結果は出ないんじゃないかと思いますけどね。
特に日医の場合は「だから窓口負担を減らして治療費は公費負担とするべきだ」と主張しているわけですが、そうであるならこの調査は「窓口負担は減らす代わりに税金や保険料は今まで以上に沢山とりますがよろしいですか?」という話も合わせて行わなければならないはずなのに、単に「窓口負担が高くなったら病院にもかかりにくいですよね?」と言われればそれは誰だって「まあそうですよね」と答えるのは当たり前のことです。
元々受診するような金も暇もない若年層の中には近年「何故使いもしない保険証のために毎月高いお金を支払わなければならないのか」という不満が鬱積し、場合によっては国民皆保険制度の破綻にもつながりかねないと危惧されている中で、日医のこうした姿勢は主義主張のためとは言え何とも中途半端あるいは為にする議論のための恣意的調査と言われても仕方がないでしょうね。

さてそんな日医ですが、記事中にもあるようにこうした調査を行う意図として「診療へのアクセスを妨げられないよう」にとはっきり明言しているのはよいことで、結局窓口負担が増えるとお客さんが減ることが彼らにとっての大問題であると言うことなんですが、しかしそもそも医学的に適正な受診回数と患者にとって望ましい受診可能数とが必ずしもイコールであると考える根拠はないわけです。
それは誰だって料金が高いよりは安い方がいいでしょうし、窓口負担が高ければそれだけ不要不急の受診を控えようかと考えるのは当然ですが、医療費無料の生活保護受給者などは常識的にもあり得ないような過剰診療が問題化してきている一方、高齢者による病院外来の集会所化も長年の懸案とされている中で、そもそもどのくらいが適正な受診と言えるのかという評価抜きに議論するのは不可能でしょう。
例えば日医が利益を代弁してきた開業医などでは、未だに安定期の慢性疾患持ちの高齢患者に二週間処方などを続けていたりしますが、本来ならばより不安定な患者が多く密な診療が必要なはずの基幹病院があまりに多忙すぎて二ヶ月、三ヶ月毎の受診にせざるを得ないといった状況にあることを思う時、何かがおかしいと言わざるを得ないですよね。
一方で国の方も国の方で医療費抑制という自らの主義主張実現のために為にする議論を繰り返してきた訳ですからどっちもどっちですが、そんな国と顧客を増やし医療費を沢山使いたい日医との間で話が合うはずもなく、先日の厚生労働白書にこんなことを言ってかみついています。

日医、厚生労働白書の問題点を指摘- 「社会保障に関する国民意識調査」引用で(2012年9月5日CBニュース)

 日本医師会(日医)の石川広己常任理事は5日の記者会見で、8月28日に発行された厚生労働白書で引用している「社会保障に関する国民意識調査」の「所得の高い人は、所得の低い人よりも、医療費を多く払って、よりよい医療を受けられる」との考え方が正しいとする国民が半数近くに達しているとの記述について、「公的医療保険の給付の範囲縮小に向けて、調査が恣意的に活用されたものと考えざるを得ない」と述べ、調査手法などに問題点があるとの認識を示した。

 厚生労働白書と同じ28日に発表された「社会保障に関する国民意識調査」と白書について、石川常任理事は、▽医療を直接的に質問した項目はほとんどないにもかかわらず、白書は、国民が所得の違いによって医療に格差が生じることを容認しているという結果を強調▽民間会社のネットリサーチに登録したモニタに回答を依頼しており、このサイトの登録者が国民を代表しているか疑問▽先進諸国との比較と日本の経年比較が掲載されているが、その調査と今回の調査は手法が異なる―などの問題点を列挙した。

 石川常任理事は、「手法が異なる調査結果を一つのグラフにして比較したり、各国で公的医療保険制度が大きく異なるにもかかわらず表面的かつ第三者的な考察を行うなど、初歩的な課題がある」と指摘。さらに、今年4月に発表された日医総研の「日本の医療に関する意識調査」を引用し、「所得の高い低いによって、受けられる医療の中身が異なるのはやむを得ないという考え方に賛同する国民は1割強にとどまっており、増加傾向は見られない。日本人は、所得によって受けられる医療に格差のない社会を望んでいることは明らかである」と述べた。【新井哉】

この「社会保障に関する国民意識調査」はこちら厚労省のHPから参照いただけますが、無論医療のみを対象にしたものではないのはその通りとして、日医が噛みついているのはその中の「所得の高い人は、所得の低い人よりも、医療費を多く払って、よりよい医療サービスを受けられる」という問いに賛否を回答した部分であるようです。
諸外国と比べると「正しい」という回答が多かったというのですが、よく見ると注釈部分で「日本では約5割の高所得者が良い医療サービスを受けられるのは正しいと思っており、先進諸国で最も多く、背景には、医療の平等性に関する意識の違いがあると考えられる」と書いてあって、どうもこれ自体は「生保受給者が一番良い医療を受けられる」という現状への不満でもあるようなんですね。
先日紹介しましたように「自腹を切ってでもよい医療を受けたい」という高額所得者向けの医療サービスが徐々に増えてきていることを考えるとき、日医の考える「誰も彼も全く同じ医療しか認めない。お金を余計に払ってよりよい医療を望むなど以ての外」という考え方が果たして国民の望むところとなっているのかどうか、もう一度再検討された方がよろしいのではないでしょうか。
ところでこの意識調査、社会保障全般について高齢者ほど負担を増やしても給付の充実をと訴える一方、特に若年者ではこれ以上の負担増は許さないという声が強いということなんですが、実際に負担をする者とその恩恵にあずかる者が誰なのかということを考えた場合になかなか興味深い結果でもありますよね。

いずれにしても厚生労働白書にもあるように日本の医療費は公的負担はOECD諸国並み、一方で民間負担は低く全体としてはやや低めという水準なんですが、逆に言えば日医の言うように現状でもすでに多めになっている公的負担のみをどんどん肥え太らせるというのもおかしな話で、何か別の方向を模索しなければならないのではないかと思われるところです。
医療費が非常に高くついていることで有名なアメリカなどは医療のコスト意識が非常にシビアになっていて、今春に米国9学会がお金がかかるばかりで有益でないばかりか時に有害ですらあるという「不要な検査リスト」なるものをリストアップしていたりもするのですが、そういう意味で日本ではまだ医療コストということに現場も患者も意識がおいついていないところがありますよね。
その理由が誰でも好きに病院に受診でき、望むだけの医療を上限定額で受けられる国民皆保険制度そのものにあるのだとすれば、日医の考えている「理想的な医療」とは無駄なコストの削減とは全く真逆に向いているように感じられますし、結果として必要な部分にコストが十分回らないということにつながっているとも言えそうです。

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2012年9月 7日 (金)

難病との戦いにこそ先立つものと正しい知識が重要

必ずしも治る訳ではない難病患者にとって治療費の捻出も時として大きな問題になることがありますが、日本では国民皆保険制度とともに保険や助成など各種の補助的システムが存在していることもあって「金の切れ目が医療の切れ目」な諸外国と比べれば多くのケースで何とかなっているのは幸いですよね。
ただ中にはせっかく利用できるはずのものを知識の欠如から利用できなくなってしまう場合もあるということを、先日掲載されていた日経メディカルの記事から紹介してみましょう。

治療費に困り、もらえるはずの生命保険を解約(2012年8月8日日経メディカル)

 在宅医療の重要性が年々増している。ただ、患者が最期まで自宅で暮らすには在宅医療による支えだけでは難しく、介護や家族の支援体制など様々な環境整備が必要だ。医師には、そうした全てに目を配る“総合力”が求められる。

 中でも、患者やその家族の経済状況への配慮は欠かせない。これは在宅医療に限らず、多額の費用がかかる入院医療でも同様だ。長い療養生活を送る中で少しでも経済的負担を減らせれば、患者はより手厚い医療・介護を受けられるし、家族の生活への影響も最小限に抑えられる。私がそれを痛感したのは、今から10年ほど前、在宅医療専門クリニックを開設して数年がたった頃だった。

 ある日、大阪から患者の奥さんとケアマネジャーの2人が来院した。大学の教授を務めていた患者は講義をしていたさなか、喘息の重責発作で呼吸停止。救急搬送されて一命は取り留めたものの植物状態になり、その後、3病院を転々としていた。患者夫婦はもともと仙台出身だったため、余生を地元で過ごそうと考えた奥さんが、ケアマネジャーを伴って当クリニックに在宅医療の要請と介護の相談に訪れたのだ。

 当然、話題はお金のことにも及んだ。患者は当時58歳。高齢患者とは違い、まだ生命保険に加入している年齢だろうと考え、私はなにげなく「保険金は全額もらえましたよね」と尋ねた。すると、奥さんはいぶかしげな表情を浮かべ、「それは何のことですか」と聞き返してきた。

 生命保険の保険金は死亡時にしかもらえないと思っている人が多い。しかし、「言語または咀嚼の機能を全く永久に失った状態」「中枢神経系・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する状態」などの高度障害に陥ったときにも死亡時と同額を受け取れる

 保険金について尋ねたのはまずかったかなと思いつつ、この仕組みを奥さんに説明すると、案の定、「解約しました」と無念そうにポツリとつぶやいた。患者は倒れてから数カ月間ICUに入院して入院費用が数百万円に達したため、生命保険を解約して払戻金を支払いに充当したのだそうだ。

 さらに詳しく聞くと、本来ならもらえた高度障害保険金は5000万円。これに対して解約払戻金はたったの80万円だった。入院していた大阪の3病院では、ソーシャルワーカーや医師、看護師の誰も、こうしたアドバイスはしてくれなかったという。もちろん、保険会社が自主的に保険金の請求を勧めることもなかった。

 患者夫婦は、自治体の助成制度などを利用して医療・介護費を減免できたものの、貯金と退職金をはたいて仙台に土地と建物を購入していたため、医療・介護に充てる資金は決して十分ではなかった。一方で、世間には日々の生活費にも困っている健常な人が少なくなく、こうした人たちが高度障害になった際に今回のような事態に陥ったら、悔やんでも悔やみきれないだろう。

 私はこの事例以来、「医師は疾病や症候だけを患者や家族に説明すればいい」と考えるのは大間違いであることを肝に銘じ、当院のウェブサイトに生命保険の知識をまとめた患者向けのページを設けた。患者の生活内容を把握し、生命保険などの知識を有して初めて、本当のプライマリケアに当たれると感じている。

高齢者などの場合ですと最近ではケアマネージャーなどが司令塔役となって色々と相談に乗っているというケースも増えてきましたが、なまじそうしたことから縁遠い健康だった青~壮年期の方々ですといざというときとっさに何をどうして良いものやら判断がつかず、結果として思いがけない不利益を被ってしまうということもままあるようです。
保険会社なども商売でやっていることですから少しでも保険金の支払いを少なくするのが仕事だとは言え、解約するなら事情くらい承知しているでしょうに何一つ助言もなかったというのはずいぶんと不親切だなと思ってしまいますが、恐らく今後こうしたケースはますます増えてくるのではないかなと思いますね。
従来であれば保険と言えば保険屋がやってきて説明を受け契約するものというのが常識でしたが、今はネット上でここが安い、これが評判が良いと聞きつけて自ら契約してくる顧客が増えているわけで、そうした契約スタイルの場合今までのように「そんな話は聞いていないぞ」と担当者にクレームをつけるというのも難しいでしょう。
保険や医療などは契約や法的規制などできっちり縛られているだけに、その気になればあれがこれがと理由をつけて何かと制約を加えるということは十分に可能なものですから、最終的にはそうした公式通りの対応を越えた人と人の関係というのも決して馬鹿にしたものではないという気がします。
何にしろ病気と闘うにもまず先立つものは最低限必要であり、そのためにもきちんとした関連知識を身につけていなければ病気自体の治療にも悪影響が出かねないということなんですが、この不景気かつ就職の困難なこの時期にあって、先日厚労省からこういう話が出てきたことをご覧になりましたでしょうか。

重病患者に就労支援 厚労省、病院に職安職員派遣へ(2012年9月4日日本経済新聞)

 がんや肝炎、糖尿病など重い病気にかかって仕事を辞めた人が治療を受けながら働けるようにするため、厚生労働省は来年度から、東京など大都市圏の病院に公共職業安定所(ハローワーク)の職員を派遣して就労支援を始める方針を決めた。医療技術の進歩で、長期治療が必要な病気を抱えていても働ける人が増えたことに対応する。

 就労支援事業は、大都市圏の「がん診療連携拠点病院」と協力。まず5カ所程度で先行実施し、患者への就労支援のデータやノウハウを蓄積した上で全国に広げることを検討している。

 拠点病院の最寄りのハローワークに「就職支援ナビゲーター」を配置。ナビゲーターが病院に出向いて相談を受け付けたり、病院の相談支援センターを通して就労希望者の紹介を受けたりする。

 ナビゲーターは治療状況を考慮した上で、患者が希望する労働条件に合った仕事を紹介。就職後は患者が職場に定着できるよう支援するほか、患者の希望する労働条件に合う求人の開拓や、企業側には求人条件の緩和も指導する。

 現在、がんや肝炎といった病気を抱える人は、各都道府県にある「難病相談・支援センター」や「肝疾患相談センター」で日常生活の悩みや就労、福祉に関する相談もできる。しかし、各センターだけでは就労相談への対応が不十分なため、支援体制強化が必要と判断した。

 同省研究班が公表した調査では、がんと診断されたときに働いていた人の23.6%が退職、そのうち9.7%が再就職できなかった。診断された年齢は、30~59歳が約9割を占めた。

 一方、厚労省の検討会は8月、がんや精神疾患などの治療を続けながら円滑な職場復帰ができるよう、職場内での理解促進などを柱とする報告書を公表した。職場復帰に向けて治療を続ける労働者を100万人と推計。平日でも通院しやすいように時間単位の有給休暇制度の導入なども求めていた。

厚労省では以前から難病患者の就労支援を行ってきたわけですが、ハローワークでの相談や就労に備えた職業訓練、あるいは事業主への雇用対策といったものが主体で、わざわざ病院にまで出向いて相談に乗るということはかなり思い切ったことをしてきたなという気がしますね。
このあたりは癌患者など患者団体も以前から支援の必要性を主張してきたところなのでしょうが、例えば2011年末の調査では癌患者の過半数が退職や転職と言った就労への影響があったと答えていて、特に中小企業や非正規雇用者ほどその影響が大きいと言う結果が出ています。
記事中にも出ているように厚労省の「働くがん患者と家族に向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究」班の 「治療と就労の両立に関するアンケート調査」結果報告書というものが今年の8月に公表されていますが、この調査の対象患者の7割が30~40歳代、大半の方の通院間隔は月一回ないしはそれ以下と言うことですから、十分就労可能な状況にあると推察されます。
こちらもやはり以前と同じ状況で勤務を続けられたという人は半数ほどなのですが、おもしろいのは勤務先や勤務形態が変わっても業種はほとんど変わっていないということで、常識的に考えても体力的な不安等もある中で全くの異業種に鞍替えするよりは、給与など待遇面で劣っても同じ仕事を続けたいという人が多いのだろうなと思います。

こうした就労支援もなかなか微妙なところがあって、例えば対象が数が少なく通常の就労が出来ないということであれば、下手な対策にコストと人手をかけるよりも就労先に補助金でも出して雇用を続けさせた方が安上がりだろうし、新たに教育を行う必要がない雇用主にしても転職を強いられずに済む当の本人にとっても満足度が高くなるんじゃないかという気がします。
その点で医療が進歩し多くの患者がいわゆる難病をコントロール出来るようになってくればこうしたケースはどんどん増えていくわけですから、例えば最近では障害者雇用の義務化ということで精神障害者も含めての雇用の義務づけを図っていますけれども、難病患者などもこれに準じた扱いをしていくというのも労使双方にメリットがあるという点で一つの道かも知れませんね。

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2012年9月 6日 (木)

無用のトラブルを避ける接遇術

この夏に成立した日本医療接遇協会なる団体が先日初めてのフォーラムを開いたのですが、そこでこんなことを言っていたということです。

患者に対する態度から接遇を考える- 医療接遇協会がフォーラム(2012年9月3日CBニュース)

 日本医療接遇協会(近藤和子理事長)はこのほど、東京都内で初のフォーラムを開いた。ここでは、患者に対してどのような態度を取るべきかを考えながら、医療における接遇の在り方を話し合った。

 上智大グリーフケア研究所の高木慶子教授は、「医療の接遇には“喪失と悲嘆”のグリーフケアが欠かせない」と題して講演した。
 高木氏は医療者として、医療だけでなく、接遇においてもプロであってほしいと語った。そして、患者や家族に対する尊敬と信頼を持つように努め、そのことを態度で示すことも大事と指摘。また、言葉遣いや服装、相手にふさわしい態度も重要とした。
 高木氏は、対応困難な患者への接し方についても語った。患者は、心と身体を病んでおり、弱くなっているために「わがまま」になるが、患者自身が身勝手な言動を慎むべきことを十分知っているのではないかという。
 高木氏は、「対応困難な患者の姿は、もしかしたら対応する医療者自身の姿なのかもしれない」と指摘。また、自分がこうあってほしいという姿を、その患者に押し付けてはいないだろうかと問い掛けた。
 そして、医療者の対応で患者の対応も変わってくるほか、対応する医療者が患者に寄り添うことによって、患者の心身が癒やされるケースも多いのではないかとした。
(略)

医療者の対応で患者の対応も変わってくるという点には完全に同意いたしますが、しかし21世紀にもなってこうした水準での事態把握が医療接遇の最先端?であるということをどう評価すべきなのか、なかなかに微妙なところではありますね。
先日は日経メディカルを見ていて、意思疎通が不能となって暴れている精神障害患者を収容するため往診医が鎮静剤を投与したところ後に当の患者から訴えられ、しかもきっちり敗訴したという興味深い判例の紹介を拝見したのですが、これなどもとかく対応困難な患者の姿に対して「自分がこうあってほしいという姿を、その患者に押し付けて」いた医療従事者の末路と言うべきでしょうか?
司法の判断によればこのケースでは違法な医療行為であり注射など行うべきでなかったということになりますが、当該行為の是非はともかくとして同じような侵襲的行為を行っていても一方では訴訟沙汰になるほど恨まれ、他方ではさしたるトラブルもなく終わることがあるというのは、唯一合法的に他人への傷害的な行為を許されている医療の場において極めて大切な分岐路になることは間違いありません。
その意味では医学的なトラブルの有無とは全く別に対人関係、特に顧客との関係においてトラブルになるかどうかはコミュニケーション術ということが非常に重要となってくるわけですが、一例として先日見かけたこういう興味深い記事から一部を引用させていただきましょう。

◆岡野龍介の「麻酔科医が見たアメリカ」インディアナ州で医療訴訟が少ない理由(2012年8月20日日経メディカル)より抜粋

(略)
うわさに聞いたメディカルレビュー・パネルの委員に

 インディアナ州で医療訴訟が提起されようとする場合、法廷に直接持ち込まれるのではなく、まずは「メディカルレビュー・パネル」と呼ばれる委員会で審議されます。このパネルは、当該訴訟に関する医療分野の専門医3人と、原告・被告双方の弁護士、審議を取りまとめる窓口の役目を果たす中立の弁護士で構成されます。ここで少なくとも2対1で「起訴相当」との結論が下されなければ、通常は裁判には進みません。インディアナ州では、提起されようとした医療訴訟の約80%がメディカルレビュー・パネルによって棄却されています。

 「君をメディカルレビュー・パネルの委員として推薦したいんだけれど、いいかね?」。ある日、唐突に職場の先輩医師から尋ねられた私は、すぐさまこれを承諾しました。うわさに聞いていたメディカルレビュー・パネルです。このときは詳細なプロセスなどは全く知りませんでしたが、「いい経験になるだろう」と思って引き受けました。
(略)
 この事案は麻酔科管理の全身麻酔を受けた30歳代の女性による訴えでした。麻酔後に発作性心房細動を繰り返すようになったのは、麻酔科医の責任だとしたものです。資料の出だしを読んだだけで、何だか的外れな訴えのような気もしましたが、裏にどんな事実が隠れているか分かりません。慎重に読み進めていきます。(守秘義務の観点から、症例の内容は訴えのポイントを変えない程度に改変しています)

 聞き取り調査記録は出席者一人ひとりの発言を忠実に書き起こしてあるだけあって、とても迫力があります。双方の文書を突き合わせて読んでいると、怒りに震える患者、冷や汗を流しながら質問に答える医師、会話に割って入る相手方の弁護士など、それぞれの息遣いが聞こえるようです。

弁護士A (原告患者に向かって)「あなたは、確かにそうおっしゃったのですね?」
原告患者 「はい。心臓が悪いなどと言われたことは、生まれてこのかた一度もありませんでした。『でも、今日は何だか胸がドキドキします』と手術前の診察で訴えたのに、『大丈夫、大丈夫。緊張しているんだね』と言われて無視されました。麻酔から覚めてみたら、やっぱりこんなことに。何週間も入院したあげくにこんな後遺症まで残って…。許せない(涙をぬぐう)」
弁護士B (被告医師に向かって)「患者は術前に『気分が悪い』と訴えましたか?
被告医師 「いいえ。何も言いませんでした。何事もなく導入でき、手術中も安定していました。術後はリカバリーでやや気分が悪そうにしていましたが、バイタルも落ち着いていました
弁護士B 「これはリカバリーでのカルテの写しです。何が書いてありますか?」
被告医師 「あ、えーと、処置の内容です…かね?」
弁護士B 「処置の内容ですか? そうではないのですか? どちらですか?」
被告医師 「…あ、はい。処置の内容です」
弁護士B 「ここにあるサインを読んでください。誰のものですか?」
被告医師 「えーと、S、T、E…、汚くてよく読めないのですが…、ナースのものだと思います。私のものではありません」
弁護士A 「サインが読める読めないはどうでもいいことでしょう。先に進めてください」

 まるで自分がその場にいて責め立てられているようで、読んでいるだけで胃が痛くなります。数時間をかけて一気に文書を読み終え、私は青ざめた顔を上げました。この麻酔科医は悪くない。たぶん…。いや、もう少し患者の訴えを聞いてあげるくらいのことはすべきだったかもしれない。しかし、少なくとも、この麻酔科医の行った医療行為と患者の症状との間に明らかな因果関係があるとは思えない。特におかしなことをしたわけでもないし、麻酔記録の記述もしっかりしている…。
(略)
 あまり厳しい質問もないままに、弁護士たちは私たちの所見を「はい、はい」と書き留めていきます。今回は、医師の過失は認めがたいということが比較的明らかなケースだったからでしょうか。1時間ほど議論を尽くした結果、3対0の全会一致で「本件は棄却相当」と結論され、「医療行為と患者の訴えに明らかな因果関係は認められず、特段の過失も認められない」「standards of careからの逸脱も見られない」という理由が付記されました。

 このような審議を経て下された裁定は、原告・被告双方に伝えられます。棄却相当との結論が出された場合、原告は訴えを取り下げるのが普通ですが、パネルの裁定を覆せるだけの専門家を証人として用意できれば、再提訴ができないわけではありません。再提訴があった場合、今度はメディカルレビュー・パネルは開かれず、いきなり裁判になります。

 ただし、いったんメディカルレビュー・パネルで出された棄却裁定は、被告医師側に有利な証拠として採用されます。逆に、メディカルレビュー・パネルが起訴相当の裁定を下した場合は、原告患者側に有利な証拠として採用されます。裁判になったら、メディカルレビュー・パネルの医師委員も、法廷で証言を求められる可能性があります。

 私がかかわった今回の事案では、いったんは原告患者側が再提訴したものの、ほどなくして取り下げられました。私の医学的常識に照らしても妥当と思われる結果が出たのは幸いでした。
(略)

記事の前半部分、何故インディアナ州でこうしたシステムが導入され医療訴訟が少なくなったのかという部分も非常に貴重な話ですので是非全文をご一読いただきたいと思いますが、手術場に限らずこうした「ここの病院で○○を受けたら××になった!どうしてくれるんだ!」という訴えは非常に日常診療の場においてもありがちですよね。
もちろん双方に何らかの関連性がありそうな場合であれば適切な対応を取れるはずですし、誠意を持ってしかるべき対応を取るべきなんですが、今回のケースのようにどうも関連性が薄いと思われる場合も全く無関係と断言することはなかなかに難しいもので、日本でも過去によく判らない理由とともに見舞金的な金額の支払いを命じるような判決が結構あったようです。
もちろん事件の全体像は判らない状況ですが、結局のところこのケースでひっかかりがあるとすれば患者側が術前に(おそらく不安から?)「今日は何だか胸がドキドキします」と訴えた(と患者側は主張している)ことに対して「大丈夫、大丈夫。緊張しているんだね」と答えてしまった(と患者側は主張している)部分だったんだろうなという気がします。
JBM的に「a)直ちに手術を延期し徹底した循環器系の精査を行う」が正解とまでは言わずとも、こうした訴えのあった時点で安易に大丈夫などという言葉を発してしまったのは(事実そうだったとすれば)不用意だったなと思うのですが、さすが医療訴訟大国アメリカということでしょうか、こうしたリスクもきちんと取り入れた対応を取るようになってきているようです。

医療ミスの防ぎ方を他業界に学ぶ あなたの“コミュニケーション”、ちゃんと伝わっていますか?(2012年8月29日日経メディカル)より抜粋

(略)
「相手がどう受け取ったか」が大事

 さて皆さん、医療の世界におけるミスの原因、第1位は何かご存知ですか? 知識欠如? 技術不足? 疲労? 機器の故障? どれもミスの原因としては間違いありませんが、最も悪名高く第1位とされるのはコミュニケーションの問題です[3]。

 まず肝に銘じておくべきは「コミュニケーションの成否は『伝えた程度』ではなく『伝わった程度』に依存する」という点。「とりあえず話したのだから相手は理解しただろう」というのは、まったくの勘違いです。皆さんにも経験ありませんか? 膨大な量の情報を押し付けようとして話し続ける人の講演や授業を聞き、頭がいっぱいになったことが…。

 医療の世界では多くの情報が取り扱われ、何が重要なのかはっきりしないこともしばしばあります。その中から意味のある情報をつかみ出し、それを解釈して申し送る(コミュニケーションする)ことは、一朝一夕でできる技ではありません。ただ、比較的簡単にコミュニケーション・ミスを防止するためのツールはいろいろと工夫されているので、以下にご紹介します。必要な情報を過不足なく正確に伝える力は、申し送りの際だけでなく、他科へコンサルトする際にも役立ちます。
(略)
申し送りの様式を標準化―SBAR

 必要な情報を端的に遺漏なく伝えるためアメリカ海軍で開発された、SBARという情報伝達法があります。アメリカの医療保険グループKaiser Permanenteは、これを医療現場で活用しています[6]。例えば、シフト交代時の医師同士の申し送りでは、次のように伝達します。

Situation=「○○さんは、冷や汗と吐き気を伴う胸痛で来院しました」
Background=「既往歴として高血圧と糖尿病があります。心電図で特にST上昇はありませんが、アスピリンとニトログリセリンを与えました。今は胸部X線と心筋酵素の結果待ちです」
Assessment=「来院状況から、虚血性心疾患に由来する胸痛ではないかと気になります
Recommendation=「たとえ検査結果で異常なしでも、経過観察入院をさせて循環器科に診てもらった方がいいと思います」

 現在、申し送り時にSBARを取り入れているアメリカの病院は非常に多いです。実際、SBARによって申し送りのミスが減ったという報告もあり[7]、私がかつて勤務していた病院もこれを活用していました。SBARが最も優れているとは限らず、ほかにもSIGNOUT、I PASS the BATON、5Psなど、多くの情報伝達法があります。要は、コミュニケーションの方法を統一してルーチン化することにより、情報伝達ミスを防ぐことが最も大切なのです[8]。
(略)

これまた極めて示唆に富む内容の多い記事で是非全文を一読いただきたいのですが(特に「私が患者に挿管しようとしているまさにその時、看護師が声をかけてきました。「(別の患者に与える)薬剤のオーダーがないので、記入お願いします」。開いた口がふさがりませんでした。」の下りは傑作でした)、ここで注目すべきは事実と主観とをきちんと区別しているということではないでしょうか。
前述の訴訟沙汰になったケースでも恐らく実際には術前に「どきどきしている」と言うのは事実緊張のためであったのだろうし、不幸な偶然が重なっただけというのが事実であったのかも知れませんが、事実はどうあれ患者の主観を無視した形になったことが最終的に訴訟につながるリスクとなったわけですね。
日本でも医学とはサイエンスの一分野であるべきだと言う考え方が主流で、特に医師同士のコミュニケーションではどちらかというと主観的なものは不確かなものとして排除され客観的事実の積み重ねの方を優先しがちですけれども、やはりスタッフ側が患者の主観をきっちりと把握しているからこそ事実とは別に主観そのものに対する対応も出来るようになるのだと思います。
強いて冒頭の記事に立ち返って考えるならば病態はシンプルで美しく解明されるべきであるとか、鑑別を全部つけていくのも大変そうな不定愁訴はなるべくスルーしておきたいといった様々な思惑が医師の側にもあるのは当然としても、「自分がこうあってほしいという姿を、その患者に押し付けて」しまってはどこかで思わぬ落とし穴にはまるということでしょうかね。

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2012年9月 5日 (水)

消費税増税 弱者虐待にならないために

そろそろ総選挙も近いかという時期で、各党とも選挙を睨んだ政策というものを用意している時期だと思いますけれども、近来の政策上のトピックスと言えばやはり消費税増税問題になるのかという気がします。
基本的に社会保障の財源として増税は必要であるという認識はそれなりに多くの人々が共有しているものの、相変わらず支出の方を削減するという話は全く進んでいないだけに、このままですと新たなバラマキを繰り返すことになるだけでは?という声は当然ながら根強いものがありますよね。
特に負担だけが増える一方で給付の面では一向に顧みられることのない若年世代において、今やその我慢も限界に達しつつあるという状況にあるようです。

若者の負担、もはや限界に 高齢者のスリム化を(2012年9月3日産経ニュース)

 若い世代の生活が安定しない。文部科学省の学校基本調査(速報値)によると、今春大学を卒業した人のうち、22・9%もが非正規雇用や進路未定だ。実数にして約12万8千人である。4人に1人が安定した職に就いていない異常な事態となっている。
 内訳は、派遣や契約などが2万1990人、アルバイトといった一時的な仕事が1万9596人、進学も就職もしていない進路未定者は8万6638人だ。さらに、進路未定者のうち3万3584人は進学、就職のどちらの準備もしていない「ニート」である。
 職が安定しなければ、結婚は難しい。厚生労働省が2010(平成22)年に実施した「社会保障を支える世代に関する意識等調査」によると、非正規雇用の30代男性の75・6%が未婚だ。前回2004年の45・5%に比べ、30ポイントも増加した。正規雇用者の未婚率は30・7%だから、明らかに不安定な雇用が結婚を遠のかせている

大命題は置き去り

 若者が生き生きと暮らすことができない社会は活力が生まれない。税収は落ち込み、社会保険料を負担することがままならない人も出てくる。すでに国民年金の保険料納付率は低下し、生活保護に頼る若者も増えている
 消費税増税法が成立したことで、社会保障財源は一息つくことになったが、若者の雇用環境が改善されなければ、やはり制度は続かない。
 そうでなくとも、今回の社会保障と税の一体改革は増税を優先し、「年金、医療、介護費をいかに抑制していくのか」という、社会保障制度改革に求められていた大命題は置き去りにされた。むしろ、有権者の反発を恐れてサービスの拡充を図った。それどころか、消費税増税による税収増を当て込んで、「防災・減災」の名の下に公共事業を増やそうとさえしている。改革の方向が反対になりつつあるのだ。
 このまま、社会保障の膨張を加速させたり、公共事業に大盤振る舞いしたのでは、再増税の時期が早まる。若い世代の負担は限界に近付きつつある。ただでさえ、少子化で社会の支え手が減っているのに、その足腰は脆弱(ぜいじゃく)なのだ。少しでも再増税の引き上げ幅を抑える必要がある。

高齢者のスリム化

 いますべきことは、はっきりしている。「支えられる側」である高齢者をスリム化することだ。
 現在の社会保障給付費の70%は高齢者向けで、子供や子育ては4%にすぎない。高齢者向けのサービスに切り込まない限り、社会保障制度は維持できなくなるのである。
 具体的な切り込み策については、「社会保障制度改革国民会議」で議論することになるが、今回の一体改革で棚上げにされた抑制策を実現することから始めることだ。
 手始めに、年金支給開始年齢の引き上げや、デフレ経済下でも年金額を減らす自動調整制度を導入する。政治判断で本来より2・5%高止まりしている年金支給額も直ちに本来の水準に戻さなくてはならない。これだけで累計7・5兆円である。
 70~74歳の医療費窓口負担も2割に引き上げるべきだが、さらに踏み込んで、負担割合を現行のような「年齢」でなく、「所得水準」で区分するよう改めたらよい。若者よりも所得が多い高齢者は少なくない。高所得の高齢者にはしっかり負担してもらい、所得の少ない若者の負担は軽くするのだ。
 間違っても、次期衆院選での社会保障のバラマキ競争などあってはならない。(論説委員兼政治部編集委員)

特に注目していただきたいのが社会保障関連の支出の大半が高齢者向けに用いられていて、若年者向けの支出は極めて限られているという現状ですが、世代間の所得格差がますます拡大し若年層の所得が減り続ける一方で、現役時代に高度成長やバブルで稼ぎまくり今また手厚い高齢者保護政策の恩恵に浴する高齢者が本当に弱者なのか?ということです。
記事にもあるように先日は30代非正規労働者の実に3/4が未婚のままであるという調査がありましたが、若年世代が求める子育て関連の支出への補助に比べて高齢者向けの医療や介護、年金などが圧倒的に充実したまま是正される気配もない中で、さらに負担ばかりが増えていくというのは若年世代には到底納得出来る状況にはありませんよね。
そしてその負担が「本来よりも高い」年金支給額だとか、「本来よりも割安な」医療費窓口負担に消えていくとなれば、せめて世代間の不公平くらいは是正して平等な負担にしてくれよと言いたくもなるでしょう。
特に今の若年層は90年代以降の不景気にどっぷりと浸かりきって人生に何ら良いことがないまま生きてきた年代などと自虐的に言う人もいますが、自分達の知らないところで老人達が既得権益を強固に守るシステムを作り上げてきた世の中でこれからずっと彼らの為に一生奴隷働きをして行けと言われれば、それは勤労意欲も湧きようがないはずです。
いずれにせよ次に選挙があればこうした世代間格差の是正、利権の打破といったことも大きな争点にならざるを得ない状況だと思いますが、そんな中で新たな利権の温床になりかねないとも一部方面でささやかれているのが先日以来日医が一生懸命是正を主張している消費税村税問題解消策についてです。

利権の場になりかねない消費税軽減税率(2012年8月31日日経ビジネス)

 景気と政局の成り行き次第でまた後戻りしかねないものの、ともかく方向は決まった消費税引き上げ。だが、道筋が見えたところで今度は、その「通り」の中で新たなぶつかりあいが激しさを増してきた。
 食料品など生活に密着した分野の消費税率を本則(2014年4月から8%、2015年10月から10%へ)とは別に低く抑える軽減税率の導入を巡る対立である。軽減税率は、食品などの消費は誰にも一定程度必要になるため、収入の低い人ほど、所得に対する消費税負担が重くなる逆進性対策になるとされているが、これが利権争いの舞台になりかねなくなってきたのだ。
 元々、民主党は野党時代から軽減税率とは別の逆進性対策である給付付き税額控除の導入を主張してきた。こちらは、消費税の税率をいじるのではなく、所得が一定の水準を下回る層への支援額を決め、その分の所得税を軽減する。所得税額が少なく、支援額に届かない場合は、その不足分を現金給付するというものだ。
 軽減税率は、(1)企業が取り引きをする際、税額が明示された仕入れ業者からのインボイス(送り状)が必要になる上に、仕入れ品の税率が複数になるため、事務負担が大きくなる、(2)消費税率1%に相当する2.5~3兆円もの消費税収が減少する、といった問題からこれを否定してきたのだ。

「消費税で損をしてきた」と医師会

 ところが、消費税引き上げを通すために民主党が今年6月、自民、公明党と行った3党協議で軽減税率が急浮上。給付付き税額控除と合わせて、消費税引き上げ法案成立後にどちらを採用するか詰めることとなった。
 軽減税率を巡る水面下の暗闘は、この3党協議の頃から急激に激しくなっていった。1つは、マイナンバー制を導入しても、給付付き税額控除の前提となる個人の所得のうち、預金利子・株式投資の利益といった金融所得や、中小企業経営者らの所得を捕捉するのが難しいといった点が改めて指摘され始めたこと。2つ目は、軽減税率導入を見越したかのようにその適用に食品以外の分野からも名乗りが上がり始めたのである。
 とりわけ目立つのが、病院や開業医など医療機関の動き。診療費は現在、消費税が非課税となっているが、日本医師会は「これを課税扱いにした上で、ゼロ税率か軽減税率にすべき」(三上裕司・常任理事)と、強く主張し出したのだ。
 これも少し説明が必要だろう。診療費は消費税非課税だが、病院・開業医の仕入れや設備投資には当然、消費税がかかり、価格に含まれている。通常なら仕入れ税額分は価格に転嫁して、最終的に消費者に負担して貰うことになるのだが、医療や介護、学校教育などには消費税がかからないことになっている。
 ただし、診療費の場合はその分、「消費税導入(1989年)と、引き上げ時(97年)の診療報酬改定時に、薬価や診療報酬本体を引き上げることで対応している」(財務省)とされてきた。通常なら企業自身が価格に仕入れ税額を転嫁するところを、公定の診療報酬引き上げで賄っているというわけだ。
 だが、日医はこれに強く反発する。日医の調べによれば、医療機関が仕入れや設備投資で負担する消費税は収益の2.2%。一方、診療報酬で補填したとされる分は1.53%しかなく、「差額の0.67%分は持ち出し、“損税”になっている」(三上常務理事)というのである。
 だからこそ、診療費への消費税を現在の非課税から課税にすることで「仕入れ税額の還付を受けて“損税”を解消」(同)できるとし、税率も軽減税率かゼロ税率にすれば、患者負担も少なくなると主張する。

対立深める財務省と医師会

 この辺りはほとんど泥仕合の様相を呈している。日医はこれ以外にも、「仕入れにかかった消費税を診療費本体の引き上げに回したのは医療項目のうち、36項目だけであり、不透明」「一旦引き上げた報酬もその後、下げられたりしたものがある」などと反発を強めている。
 しかし、財務省側は「36項目は、仕入額が大きいもので仕入れ消費税額のほとんどをカバーできるものとして選ばれた」「その後、仕入れ消費税額分を診療報酬から下げたことはない。損税とされる部分は、デフレで価格が下がったことで診療報酬が下げられたり、医療機関の仕入れ構造が変わったことなどによるもの。かつて仕入れ消費税額に応じて引き上げた部分を下げたりしたことはない」と主張。両者の溝は深まり、広がるばかりだ。
 だが、こうした対立は引き上げが決まったばかりの消費税の税制構造に、新たな歪みと不透明さを増していきかねない。
 「(党の厚生労働部門会議などで)診療報酬引き上げの意見を言って欲しい」。昨年末、診療報酬改定議論がヤマ場を迎えようとする頃、日医本部や都道府県医師会から、民主党国会議員に徹底した陳情攻勢が行われた。日医自身は「通常の要請をしただけ」とするが、間もなく、多数の民主党議員が診療報酬引き上げを叫び始め、結果は引き上げとなっている。
 社会保障と税の一体改革で当初、社会保障の効率化対策として検討されていた「受診時定額負担制度」(外来窓口での受診時に、患者が100円を一律上乗せ負担する仕組み)や、70~74歳の高齢者の医療費の窓口負担を現在の1割から2割に引き上げる案などもこの時、次々と先送りされている。
 かつて自民党に強い影響力を持った日医が、再びその傾向を帯び始めているといわれ、今回も3党協議の段階から公明党、自民党に要請を繰り返していた。
 仮に消費税を非課税から課税に変えることとなれば、現在、診療報酬の中に含まれている仕入れ消費税額分は、次かその次の改定から引き下げざるを得なくなるはずだが、日医はそれでも問題はないと言い切る。軽減税率かゼロ税率化を獲得して、患者負担増による来院者減を防ぎながら、仕入れ消費税額の還付も得られるという自信の表れと見られるが、そうなれば影響は大きい。

他業界にも連鎖しかねない軽減税率

 「医療の軽減税率化が認められれば、介護や電気代、外食…など次々広がりかねない」(財務省のある官僚)からだ。軽減税率の利権化である。野党時代には、それを指摘して軽減税率に反対していた民主党も、党利党略の中で、自公の主張に理解を示し始めている。
 ただ、軽減税率の実施となると、前述のインボイス問題で中小企業が強く反発すると見られる。だから、「軽減税率の実施は難しい」(同)ということになるのか、医療など軽減税率要求業界にも中小企業にも損にならないような新たなバラマキに変わるのか。
 政治に弱くなる一方の官僚の抵抗力は限られるばかりだし、一部業界の理解者になる省庁・部局が少なくないことも考え合わせれば、後者に傾く恐れは否定できない。少なくとも歴史はそう動いてきた。
 消費税引き上げは起点に過ぎない。社会保障を初め、ここからニッポンの改革が本番を迎えなければならないはずだ。

最近は虐げられていると感じる人々を中心に何であれ「特例扱い」ということには非常に敏感になっていて、何かしら特権的待遇を持っていると言われ始めるとあっという間にバッシングが集中するようになっていますけれども、そんな時代にあって医療の分野は近年特権云々以上に虐げられ厳しい状況にあるのだということが理解されるようになっていました。
ひと頃は相次ぐ医療訴訟報道などでも「また藪医者が!」「医療は腐ってる!」などと言われたい放題でしたが、長年にわたって関係者が地道な啓蒙活動を続けてきた結果現場の実態が知れ渡り、そして何より司法やマスコミ報道の問題点も併せて理解されるようになってきたわけです。
最近ではネット上のBBS等の流れを見ていてもむしろ医療に理解があり過ぎるかのような意見ばかりが並んでいて逆に驚くのですが、こうしたことも医療がさんざん泥をかぶってきたからこそ、せめて世間並みの水準にまで是正されてしかるべきだろうという声に理解が高まってきたということの現れですよね。

そんな中で今回日医は敢えてゼロ税率などという特権的待遇を損税是正の方法論として主張しているわけですけれども、事務手続き上の複雑さ等もさることながらただでさえ世間的イメージが必ずしもよろしくない日医などがこんなことを言い出せば、必ず「また日医か!」などと言われる羽目になるのは容易に予想されることでしょう。
無論のこと、財務相自らが「(医療機関に)適切なある程度の負担だけはぜひお願いしたい」などと馬鹿げたことを言って損税解消に消極的であるだけに、損税問題解消は社会正義の上でも早急に果たさなければならない重要課題ですけれども、国が特別に医療機関だけに損を被らせようということに対して日医が医療機関だけは特例を認めろで対抗するというのも筋が通らない話ではないでしょうか?
別に何も面倒なことをせずとも、ただ単に医療も他の諸業界と全く平等に同じ扱いにしていただくよう主張するのみで損税問題など一気に解決するのですから、わざわざ世間の反感を買い現場に面倒を強いるようなことを求める意味が判りませんが、その目的が日医の言うように上得意であるお年寄りの患者様方の御負担を避けるためにということであれば、ますます世間の感覚とずれているとしか思えません。

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2012年9月 4日 (火)

市販薬=安全な薬ではない

すでに一部報道などでご存知の通り、市販薬の副作用で重大な障害を負うことになった方々が意外なほど多かったということがニュースとなっています。

市販薬で副作用か 5年間で24人死亡(2012年9月2日NHK)

かぜ薬などの市販薬を服用したあと、副作用で死亡したとみられる患者が、この5年間で24人に上ることが、厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省は、薬の服用後に体調が悪化した場合は、早めに医師や薬剤師に相談するよう呼びかけています。

これは、厚生労働省が医療機関や製薬会社からの報告をまとめたものです。
それによりますと、ことし3月までの5年間に、薬局などで処方せんなしに購入できる一般用医薬品を服用したり使ったりしたあと、副作用で死亡したとみられる患者は、合わせて24人に上るということです。
このうち半数の12人は、かぜ薬を服用した患者で、服用後に肝障害や肺炎などを起こして死亡したということです。
このほか、痛み止めを服用したあとにぜんそく発作が起きたり、漢方薬を飲んだあとに肺炎を起こたりして死亡したケースも報告されているということです。
市販薬による副作用は、年間およそ250件ほど起きていると報告されているということです。
厚生労働省は市販薬でも重い副作用が出る場合があるとして、薬の服用後に体調が悪化した場合は、早めに医師や薬剤師に相談するよう呼びかけています。

大衆薬で24人死亡の可能性 過去5年の副作用で(2012年8月29日産経ニュース)

 厚生労働省は29日、医師の処方箋がなくても購入できる一般用医薬品(大衆薬)の副作用で平成23年度までの5年間に24人が死亡した可能性があると発表した。因果関係が不明なケースも含んでいるという。

 製薬会社からの報告を集計。かぜ薬が最も多く12人で、皮膚が壊死したり肝機能に障害が生じたりするなどの症状が出た。軽い症状も含めると副作用の報告は大衆薬すべてで計1220人。そのうち15人では、死亡には至らなかったものの重症化して後遺症があった

 厚労省安全対策課は「容易に手に入る大衆薬でも重い副作用が起きる恐れはある」と指摘。「薬の説明をしっかり確認し、異変を感じたら早めに医療機関に相談してほしい」と呼び掛けている。同課によると、大衆薬でも入院治療が必要なほどの副作用があれば、公的な救済制度を利用できる場合がある

アレルギーなどもありますからどのようなものであれ重大な副作用が発生する可能性があるということはもちろんその通りなのですが、市販品であっても比較的安全性が高い成分を主体にしているというだけで、特に用法・用量を守らずに大量服用することで容易に重大な副作用を来す可能性のある成分があることは従来から知られています。
ただそれが一般に必ずしも十分に承知されていないということもあるようで、その昔市販薬を「まあこのぐらいだろう」と全く用法・用量を無視して使っている人を実際に見て驚いたのですけれども、どうも病院で出す薬はきつい、怖いという意識の裏返しなのか、「市販薬は何をどうやっても安全」と考えている人も一定数いらっしゃるようですね。
最低限正しく使うというのは薬に限らない常識であるし、最近は市販薬のCMなどにおいてもお定まりのテロップ表示に留まるのみならず、きちんと俳優が出てきて直接「用法・用量を守ってお使いください」などとメッセージを発するようになってきたのは良い傾向だと思いますけれども、実際のところこうした市販薬による副作用がどれほど正しく拾い上げられているのかということも問題でしょう。

例えば外来に感冒様の症状を訴えて来る人々は非常に沢山いて、どうも悪そうなので検査をしてみますと思いがけないほど大きな異常値を示すということも時折ありそこから様々な疾患が見つかる可能性がありますけれども、「頭が痛かったので市販の薬を飲んでいたが…」と言われてその用法・用量まで確認する先生はさほど多くは無さそうですよね。
市販の鎮痛剤などは中毒量と含有量から考えればパッケージ丸々一気飲みするくらいの量が必要になるはずですが、実際にそうしたケースがたびたびあるというのは平素から日常的に過剰摂取が行われていたと疑われるケースもあるようで、特に自分が間違った使い方をしていると自覚している患者の場合それを隠すこともあり得ますから注意が必要です。
ともあれ、これだけ重大な副作用があるというデータが出てくれば必ず安全性が議論になってくるはずで、特に以前から異論も多々ある薬の通信販売の拡大であるとか、処方箋無しで買えるOTC薬をもっと大々的に活用していこうという動きに対して一定の掣肘を加えるということになるかも知れません。

最近ではドラッグストアチェーン店などで薬剤師の進出が進んでいて、いずれ全ての薬局薬品店に薬剤師が配置されるようになればある程度きちんとした患者教育が出来るようになるのでは…と期待している人もいるかも知れませんが、そもそもそうした店舗を利用している方々は病院や院外調剤薬局で長々と手間取ることを嫌っている人々も多いでしょうから、どの程度の指導・教育が行えるものかは疑問です。
何しろ24時間の店などでは入れ替わり立ち替わりであれだけ大勢のお客さんがやってくる、そして薬というものはどんなに安全性が高いものであっても使用者の絶対数が増えれば副作用の数も増えてくるものですから、なんでもかんでもきちんとした説明をしてから購入をさせるなんてことは実際問題として不可能ですよね。
そういう点でテレビや新聞といった大衆を相手にするメディアが「あなたが普段何気なく使っている薬にはこんな恐ろしい副作用があるんですよ!」なんて広報活動をするのが一番効率的なはずなんですが、連日あれだけ広告費を出している一大スポンサーの売り上げを落とすようなことを彼らに求めるのはいささか無理がありそうでしょうか。

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2012年9月 3日 (月)

特定看護師 認定法を議論中

このところ厚労省内で特定看護師についての議論が進んでいるところなのですが、様子をみてみますとやはり実現に向けては相当な高さのハードルがありそうですよね。
まずはこちら22日の会合なんですが、こんな妙な事を言い出していたようです。

「特定看護師」制度、国は研修機関を指定- 能力認証を修正、厚労省(2012年8月24日CBニュース)

厚生労働省は22日、チーム医療推進会議(座長=永井良三・自治医科大学長)を開き、特定の医療行為(特定行為)を担う看護師、いわゆる「特定看護師」の制度の枠組みに関する試案を示した。これまでに提案している厚労相による能力認証を改め、国は研修機関を指定し、研修の修了者を看護師籍に登録するというもので、医師の臨床研修制度と同様の仕組み。この日の会合では、今後、試案を基に議論を進める方向性を確認したが、日本医師会(日医)は同案にも反対の立場を示した。

昨年秋の会合で厚労省が示した制度の骨子案では、特定行為に関する規定を、保健師助産師看護師法(保助看法)で位置付けた上で、5年以上の実務経験を持ち、国が指定したカリキュラムを修了した看護師が、国家試験に合格後、厚労相から能力認証を受けるという内容だった。

これに対し、今回の試案では、特定行為に関する規定を保助看法上で定める一方、国は研修機関を指定するだけにとどまり、能力認証のための国試も行わない。特定行為に応じた研修の教育内容や単位などについては、医師や看護師らによる審議会で話し合った上で、研修機関の指定基準として省令などで定める。同審議会では、特定行為に関する規定の追加・改廃のほか、厚労相の諮問を受け、指定研修機関の妥当性も検討。同省では、既存の医道審議会の活用を視野に入れている。

研修を受けない一般の看護師については、十分な安全管理体制を確保した上で、医師や歯科医師の「具体的な指示」の下、特定行為の実施が可能で、こちらは骨子案と同様となっている。
(略)

厚労省の元々の試案では一定の実務経験を持つ看護師に試験を課した上で特定看護師になるというものであったものが、今回は単に一定の研修を受ければ特定看護師になれる、そして研修を受けなくとも医師らの指示を受ければ特定医療行為が行えるという、実質的に資格職としての特定看護師を完全に骨抜きにしかねないような話になっています。
これに対する各方面の反応ですが、日医などは単に研修を受けて認証するだけであってもきちんと特定医療行為の範囲を法で定めておけば安全性は担保出来るという一方で、看護系大学協議会代表からは研修を受けていない看護師による特定行為には反対の声が、また看護協会からは国試も無しで安全性が担保出来るのかという疑問が提示されています。
特定看護師に求められる予定の能力とは以前にも紹介したことがありますが、座学的知識ももちろんですが動脈採血や褥創デブリードマンなど実戦的能力に類するものも多く、正直どのような研修を行ってそれらの能力を担保していくつもりであるのかも興味が湧くところですよね。
実際に引き続き30日に行われた討論でもそのあたりの教育課程に異論山積といった状況であったようで、こちらの記事から様子を紹介してみましょう。

「特定看護師」、2年課程で議論が紛糾- 厚労省が原案提示も平行線(2012年8月30日CBニュース)

 厚生労働省は30日の「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(WG、座長=有賀徹・昭和大医学部教授)で、特定の医療行為(特定行為)を担う看護師、いわゆる「特定看護師」について、教育内容や単位数などに関する基準の原案を示した。しかし、幅広い特定行為の習得を目指す大学院の修士課程の是非をめぐって、この日も議論が紛糾。同省側は、特定行為の原案と併せて同基準案についても、関係団体や学会などに意見を求める予定だったが、一部で反対意見も出たため、対応は有賀座長に一任された。

 上部組織のチーム医療推進会議で厚労省が示している試案では、国は研修機関を指定し、その研修の修了者を看護師籍に登録することで、「特定看護師」の能力を認証。特定行為に応じた研修の教育内容や単位などについては、研修機関の指定基準として省令などで定めるとしている。

 この日のWGで厚労省が出した基準の原案では、能力認証のために最低限必要となる単位数や臨床実習の時間数が示された。大学院の修士課程を想定した「2年課程」は48単位、630時間とし、研修機関などでの「8か月課程」は23単位、270時間を必須と定め、幅広い特定行為を実施するための修業期間を「2年以上」、特定の領域では「8か月以上」と幅を持たせた

 研修を修了した時点の到達度は、特定行為の実施に必要な基礎的な知識や実践能力などを習得することを目標とし、修了時に一定の到達度に達しているかどうかを確認。その後、医療現場での修練を経て、対象となるすべての特定行為の実施を想定している。

 厚労省が示した基準の原案に対し、WGでは前回に引き続き、急性期と慢性期にわたる特定行為の習得を目指す2年課程の是非をめぐって、激しい意見の応酬となった。

 井上智子委員(東京医科歯科大大学院教授)は、「(48単位は)大学院教育では重過ぎる」と指摘。基盤となる部分は共通であるとし、それぞれの単位数に差があることを問題視した上で、「(基礎部分を)少なくして厳選し、専門領域の中で積み重ねていくという議論をしてほしい」と求めた。また、小松浩子委員(慶大教授)は、「看護籍に入れる能力認証を進めるのであれば、専門領域を無視できない」と、改めて2年課程に反対の立場を表明した。

 これに対し、英裕雄委員(医療法人社団三育会理事長)は、「医療と介護の両方の知識を持って生活者に寄り添う特定看護師は、ゼネラリストのイメージ。あくまで2年コースが中心になるべきだ」と発言。竹股喜代子委員(医療法人鉄蕉会・医療管理本部看護管理部長)は、両方の課程で必修となる「3P科目」(フィジカルアセスメント、病態生理学、臨床薬理学)に触れ、「コアプラス、専門の部分と、ゼネラルな部分が負荷されていると考えると理解しやすい」との認識を示した。

 一方、神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は、「2年間なりの卒後教育、OJT(現場での訓練)を終えて、ここまでできたので、正式なお墨付きを与えるといった制度設計が必要ではないか」と問題提起。有賀座長は、「2年コースと8か月コースの考え方は、ディメンションが違うという視点も必要ではないか」と述べた。【敦賀陽平】

厚労省の目指すところとしては研修医の初期研修のようなものをイメージしているのでしょうが、これだけバラエティーに富んだ?研修形態でどうやって同じ能力を担保するつもりなのかは相変わらず理解しがたいと言うしかなく、そもそも2年コースと8ヶ月コースでディメンションが違うなどと言い出しては特定看護師の中に更に特定資格を設けるようなことになってしまいませんか。
個人的に非常に気になっているのですが、この場合臨床実習的な部分が重要視されるというのは当然として、おそらく指定研修機関になるのは大学病院や地域の公立基幹病院などではないかと予想しているのですが、そもそもこれらの施設では下手をすると留置針での点滴ルート確保すらままならないなんちゃって看護師の方々が闊歩している場所でもあるわけですよね。
特定看護師研修の受講希望者もこうした施設の出身者が多数を占めることになるのだろうと思うのですが、人並みの業務もこなせない方々が一足飛びに人並み以上を目指すというのもどうにも妙なことで、そうした方々が特定看護師資格を取ったところで元の施設に帰って今度は世間の看護師並み(以上とまでは言わないにせよ)の業務をちゃんとこなしていくという担保はあるのでしょうか?

これらのなんちゃって看護師がまともな業務がこなせないという理由として組織内での内規のようなものがしばしば取り上げられるのですが、そうであるならまず制度がどうこうと言う以前に内規の方を改め世間並みの水準に引き上げることを目指した方が話が早いはずですよね。
仮に特定看護師資格が何かしらステータスや名誉職のようなものになり、例えば病棟に一人いれば何かしら診療報酬上の加算が得られるので誰か取ってこいと言われるような資格で終わるのであれば、そんなものは医療の実質的な向上には何の役にも立たないんじゃないかなと言う危惧を抱かざるを得ません。

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2012年9月 2日 (日)

今日のぐり:「漁火大名」

埼玉10区選出の衆議院議員で、先頃民主党から国民の生活が第一(しかしこの政党名何とかならないんでしょうかね…)に鞍替えした松崎哲久氏のツイッターが何故が突然話題になっています。

衆院議員埼玉10区/松崎哲久より。(2012年8月24日ツイッター発言)

文科委、会期末を控え実質最後となる質問に立ち、いじめに関連して教育委員会制度およびロンドン五輪と民主党のスポーツ政策について。新聞TVは開会式の退場問題を報じないだけでなく、史上最多のメダルが政権交代の成果という事実にも触れません。詳細は後日。

いやまあ、ネット上では当然のことながら色々と言われている松崎氏ですが、ここは敢えて突っ込まずにそっとしておいてやるのが武士の情け?なんでしょうかね…
今日は史上最多のメダル獲得に大いなる貢献を果たしたと主張される松崎氏とその古巣民主党に敬意を表して、世界中からいくらなんでもそれは痛すぎるだろうというニュースを紹介していこうかと思いますけれども、まずはこんなところから逝って…もとい、いってみましょう。

「ストッキングで遊ぶ時間を」 全国の高校に電話300件(2012年8月16日岐阜新聞)

◆岐阜羽島署、容疑の男性書類送検

 岐阜羽島署は15日、軽犯罪法違反の疑いで、岐阜市の無職男性(44)を岐阜区検に書類送検した。

 送検容疑は6月25日午後2時ごろ、県内の高校に電話し、いたずら目的で「高校生にもストッキングで遊ぶ時間をつくってほしい」などと話し、同校の業務を妨害した疑い。

 同署によると、学校側に電話番号が表示されたことから男性を割り出した。男性はこれまでにも、北海道から鹿児島県まで全国各地の高校に同様の電話を非通知で300件ほど掛けているといい、各高校から県警本部に情報が寄せられていた。

 男性は容疑を認めており、「自分の性欲を満たすためにやった」と供述している。

それはどこの誰であれストッキングが好きで悪いという訳ではありませんが、そこで何故全国の高校生達を自分の趣味に巻き込もうとする?と言うかその電話攻撃でいったいどんな性欲が満たされる?と思わず突っ込みたくなります。
それでも日本人の奥ゆかしさということなんでしょうか、岐阜の症例ではまだ外側の部分が対象になっているだけ実害が少ないとも言えますけれども、何事にも率直を旨とするヤンキーとなると当然その中身に向けて欲望一直線ということになるようです。

【海外:アメリカ】女子高生に足フェチ男がひれ伏す!「いくらでも出す!」 (2012年8月6日日刊テラフォー)

アメリカ、ニューヨークのクイーンズ区でなんとも言えない騒動が起こった。

教育熱心な世帯が多い、このニューヨークの名門校、ラガーディアミドルカレッジ高校に通う女子校生が「足フェチの男につきまとわれてる」と学校と警察に通報。その後、ようやく男のつきまといは止んだという。

この女子高生は、2011年11月当時にこの高校の守衛(29)であった男にデートに誘われ、「君の足にキスさせてくれないか」と頼み込まれたという。もちろん断ったが、再三に渡り「お願い」されたので今度はきつく断ると、

「わかった、じゃあ100ドルあげるから」と持ちかけてきた。
この足フェチ男のあまりの気色悪さに「イヤですから!」と再度断ると、この男、財布を取り出しながら

「君の望む額をあげよう」と言い出す始末。それも断ると、なんとATMに連れていこうと大暴れ。

そのままこの女子高生が断り続けると、男の態度が急変!
「こっち来いよ!」とばかりに女子高生の手首をつかみ、
「誰もいないところ行こう・・・」と連れだそうとした。
ここで危機を感じた女子高生がこの男の手を振り切り、事なきを得たという。
騒動後、この男は解雇された。

学校内で起こったこの騒動に、周辺では「守衛さんなのに何やってるの」と批判集中。
この守衛を派遣していた警備会社は「採用前に信用調査をしていなかった」とのコメントを出しているが、信用調査で「足フェチの性癖あり」まではわからないであろう。

しかし日夜女子高生達の生足に身近に接するという特権的地位にあるだけでケシカランと考える人も多いでしょうが、それに加えてこのような凶行に及んだというのですからこれは同情の余地はありませんね。
どこからどう突っ込んだものかと思うような事件と言えば昨今の本場はご存知中国ですけれども、一体何がしたかったのかというニュースがこちらです。

女性が居眠りで川に転落、40分間も水面で眠りっぱなし!/中国(2012年8月17日exciteニュース)

2012年8月16日、都市快報によると、浙江省温嶺市で12日、川に若い女性が浮かんでいるのが見つかった。女性は仰向けに浮かび、水面から半分出た顔の目は閉じており、両手はお腹の上に握られていた。発見した人が警察に「女性の死体が浮かんでいる」と通報したが、実は女性は生きていた。

女性は夫と口論になり、怒りの勢い余って風邪薬を20錠ほど飲んだ後、1人で外出。その後猛烈な眠気に襲われ、ウトウトしながら歩いていたところ川に転落してしまった。女性は記憶が曖昧だが、川に落ちた際にせき込みながらもそのまま眠ってしまったのだけは覚えていると、救助された後に話している。しかも、女性は泳げないにもかかわらず、およそ40分間にわたってそのまま水面に浮かんでいたという。

専門家は、脂肪の多い人ほど水に浮きやすく、女性は男性よりも脂肪が多いことからこの女性も助かったのだろうと話す。また、仰向けになって安定した状態で水面に浮かんでいたことについては、意識がもうろうとしていたことで体に余計な力が入らなかったことが幸いしたのだろうと指摘。通常なら恐怖心からそのようにはできないという。(翻訳・編集/岡田)

この件については是非ともリンク先の写真を参照いただきたいと思いますけれども、事情を聞いてみてもいったい何がしたかったのかよく判らないという点でもポイントが高いですね。
先日大いに話題になったスペインの例のキリスト肖像画の修復事業?、現地では連日大勢の観光客が見学に押し寄せたりネット上ではコラ画像が大量発生したりと大変なブームになっているようですが、また新たな伝説の1ページが加わったようです。

【キリスト画】ついに「世界最悪の修復画メイク」をした女性が登場!(2012年8月28日ロケットニュース24)

世界最悪の修復画として大ブレイク中のスペイン・ボルハ市の教会にあるキリストのフレスコ画。劣化している壁画を80代の女性が勝手に修復し、一度見たら絶対に忘れられないインパクトをほこる迷画になってしまったという騒動である。

事件発覚直後、地元では苦情が殺到したものの、結果として同教会は有名になり見学者も殺到中。ネット上では「原状回復しないで!」と署名活動まで始まったり、コラ画像やグッズが作られたりと、熱烈な支持者も数多い。

そんななか……この歴史的アートともいえる史上最悪の修復画を、メイクとして昇華した女性が登場した。

ビフォー写真は、黒縁メガネが特徴のアジア系女性。しかし、史上最悪の修復画メイクをほどこしたアフター写真を見てみると……おおっ! 史上最悪の修復画を完全レベルで再現しているではないか!

特筆すべきは、史上最悪の修復画のキモともいえる “口元” の処理である。描いている最中にめんどくさくなったのかどうかは定かではないが、テキトーすぎる口元の処理もメイクとして見事に再現しているのである。

これほどまでに人の心を惹きつける世界最悪の修復画。歴史ある壁画を潰してしまったのは事実であるが、新たな歴史が生まれたのもまた事実である。もしかすると、美術書に載る名画として語り継がれるのかも知れない。

その素晴らしき再現ぶりは是非リンク先の画像を参照していただくとして何と言うんでしょう、世の中これ以下はないように思えても二次元だからこそまだしも許されているものって確かにあるんだなと改めて思わずにはいられませんね…
痛いというのかむずかゆいというのか、とにかくとんでもない行為に及んだのがこちらの輩ですけれども、まずは記事から紹介してみましょう。

使い道にもびっくり…空港で15kgの毛虫の死骸を密輸した男が捕まる/スイス(2012年8月27日らばQ)

国際空港では、あの手この手で密輸しようする者が後を絶ちません。

スイスの空港で密輸が見つかったのですが、なんとスーツケースの中に隠し持っていたものは、15kgもの毛虫の死骸だったのです。

※モザイク無し画像はこちら

スイスのユーロエアポート(バーゼル空港)で捕まった男の名前は、アフリカのトーゴから到着したアドリアン・オノバンジョー(47歳)。

15kg以上もある毛虫の死骸をビニール袋に入れ、スーツケースに隠し持っていました。

スーツケースがX線に通されたことで発覚しましたが、ありとあらゆるものを没収している国境警備員でさえ、このケースにはショックを受けたとスポークスマンが伝えています。

スーツケースの手の届かない底に隠していたことから、本人も持ち込んではまずいものと認識していたようです。当初は特別な根であると主張していたようですが、何匹か動いていたことから直ぐに没収となりました。

さて、これを何にするつもりだったのかという理由なのですが、「大好きなおやつ」だと主張し、個人で消費するものなので持ち込みが許可されるべきという要求をしたようです。

また、警備員たちによると、この毛虫たちの臭いは耐え難いものだったと言い、ただし男は全く気に留めていないようだったとのこと。

この死骸は空港が没収しその後処分されると聞くと、男はつかめるだけつかんで本当に食べ始めたそうです。

その際「美味なものなので無駄にはできない」と言い放ったそうです。

国境を渡れる食品や文化にも限りがあるという例ですね。毛虫は理解はしがたいですが、日本の食材を海外に持ち込みたいという感覚ならわかる気はします。

無論のこと、敢えて元画像にチャレンジしたいという方をお止めはしませんけれども、しかしこんなものが食道をちくちくした日には文字通り痛すぎるというものではないでしょうか…
世の中に様々な形で抗議の意思を表す人には事欠きませんけれども、こちらさすがにそれはちょっとどうなのよ?と言う痛さが漂ってきます。

冬の豪州ビーチで便器に座り抗議、公共トイレの設置訴え/豪(2012年8月20日ロイター)

[アデレード 19日 ロイター] オーストラリア南部アデレードのビーチで19日朝、12人の「紳士」が自ら持参した便器に座り込み、公共トイレの設置を訴えた。

山高帽をかぶったスーツ姿の12人は、冬のビーチに一列に便器を並べ、ズボンを下して新聞を読むなどして公共トイレの設置をアピール。参加者の1人、ボブ・フランシスさんは「今日は素晴らしい日曜の朝だけど、夏だったらよかった。寒いなんてもんじゃない」と語った。

この抗議方法を考えたのは、地元写真家のアンドリュー・ベインズさん。「こうした問題を広く社会に訴えるのもアーティストの仕事」だと語る。ベインズさんはこの日のパフォーマンスを写真に撮って絵にし、来年1月に発表する予定。

オーストラリア放送協会(ABC)の報道によると、地元当局がトイレの設置場所について現在、協議中だという。

これまたリンク先の画像が何ともいい味?を出しているのですが、とりあえず突っ込んでおきますがこうした行為に及ぶ方々をかの国では紳士と称するのでしょうかね?
この方面ではあまりにネタが多すぎてむしろ選ぶのに迷うというのがご存知ブリですけれども、まずはこちらの方から紹介させていただきましょう。

バスの座席を“食べた”男逃走、妙な事件に英国のバス会社困惑。/英(2012年8月1日ナリナリドットコム)

英国で先日、変わった行動でバス会社に迷惑をかけた男が現れた。男はバスに乗車していた20分間に、自分が座っていた座席を噛むなどして一部を破壊。警察は防犯カメラに写っていた男の写真を公開して行方を追っているが、バス会社は妙な事件に巻き込まれ困惑しているという。

英紙ガーディアンやデイリー・メールなどによると、事件が起きたのは5月25日午後8時頃のこと。英南西部の街ペイントンでバスに乗った「10代後半から20代前半くらい」の男は、20分間の乗車中に周りの人に声を掛けるなどの行動を見せた後、突然自分が座っていた座席を噛み始めたという。そして出来た穴をさらに手で広げた後、降車して逃走した。

被害を受けたバス会社から通報を受けた警察は、事件の捜査を開始。防犯カメラの解析から「身長175センチ程度のがっちりした体型」の男とまでは分かったが、事件に関する有力な情報がなく、未だ犯人の特定には至っていない。そこで警察は、先日になって防犯カメラが捉えた男の写真を公開。バスの車内で起きた今回の事件が明るみになり、一部英メディアの間で“変わった男”として紹介され話題を呼んでいる。

バス会社の話では、男が噛み切った座席の一部を飲み込んだり吐き出したりしたかは「不明」とのこと。しかし写真では男がコーラを片手に持っている点から、「男は車内で座席を噛み、炭酸飲料と一緒に飲み込んだ」(デイリー・メール紙より)と、すっかり“食べた”ように報じるメディアもある。

座席を壊されたバス会社の被害額は「200ポンド(約2万5,000円)程度」と大きくはないが、あまり例を見ない事件だけに、困惑している様子だ。

今回の写真公開で、警察は犯人に結びつく情報の提供を市民に呼び掛けている。防犯カメラの写真では多くが空席となっているが、少なくとも男の後ろに1人か2人ほど座っていることから、こうした乗客や男の顔を知る近隣住民などからの声に期待しているという。

その問題の画像はリンク先で後悔されていますけれども、しかしこの場合の問題は日本選手団も散々に苦しめられたというブリ食とバスの座席と、どちらがより健全な食生活と呼ぶべきものであるかということではないでしょうか?
最後に取り上げますのも同じくブリから、先日は思わぬところでかなりアレな写真が流出して国論を二分するような大騒ぎになり、ひるがえって一部方面からスカウトの腕が伸びているとも言われるあのお方に忠誠を誓うべく、真の英国紳士達が立ち上がったというニュースをご紹介しましょう。

全裸になって敬礼 写真流出のヘンリー王子を応援する人々が続々と登場/英(2012年8月29日ねとらば)

 全裸写真が流出し、諸々の物議をかもしているイギリス王室のヘンリー王子。そんな騒動の渦中にいる王子を応援しようと、全裸になって敬礼する人々が現れている。

 キリッ(`・ω・´)ゞ

 ヘンリー王子は現役の軍人でもあることから、一部の兵士が全裸になって敬礼し、王子への支援を表明していたところ、Facebookを通じて爆発的に拡大。専用のグループアカウントには多くの全裸で敬礼する姿が投稿されている。

 当初の予想では、集まって75人だろうと思われていたが、現在はなんと2万人突破……。Twitter上でもハッシュタグ「#Salute4Harry」で盛り上がりをみせている。一連の写真は、ファンサイトで見られるよう準備しているとのこと。

その詳細を敢えてご覧になりたいという勇気あるお方は是非ともリンク先の写真をご参照いただければと思いますが、そう言えばかの国では先の五輪期間中もそちら方面は変わりなくお盛んであったと言いますからねえ…
それにしても当初の予想の75人というハンパな数字も一体どこから出たのかというものですが、あっという間に2万人突破とは何ともすさまじいと言うべきでしょうか、何かこう改めて大英帝国の結束の硬さを思い知らされるような何ともすがすがしいばかりのニュースと言えましょう。

今日のぐり:「漁火大名」

倉敷駅から駅前の大通りをまっすぐ南に下っていきますと、商業施設が集積する繁華なあたりを越えやがて水島の工業地帯の方へと抜けていく峠道にさしかかるのですが、ちょうどその登り口に立っているのがこちら「漁火大名」さんです。
以前からこのあたりを通りかかるたびに結構目立つお店だなと思っていて、何しろ海から遠く離れたこんな山際の立地、しかも天領で有名な倉敷のお店であるのに「漁火」で「大名」とはどういうことなんだと思わず突っ込んでしまいがちなんですが、このたびとうとう実際に訪問することになりました。
ちなみに相当な大店でもあって一歩脚を踏み入れると旅館にでも来たのかと思うような雰囲気もあるのですが、店内の真ん中カウンター席の前に大きな生け簀が用意されていて、こちらの水音があることと何しろ広い店内ですので隅の方で子供が賑やかでもまぁ許せるかなという気持ちになってきます。

メニューを見てみますと単品の方が明らかにおもしろそうなものが並んでいて、一方で売れ筋であるだろうセットメニューはあまり目立ったところのない定番の品ばかり取りそろえましたという感じなんですが、とりあえず今回のところは一番無難そうな海鮮丼御膳を試してみることにしました。
メインとなるこの海鮮丼、ぱっと見はどこにでもあるもののようでゴマだれを使わせるというところがいささか意表をつくんですが、個人的にはコクを増すというよりも何か脂のせいで散漫な味になってしまうような気がして、どうせなら醤油ダレと選択制にしてもらってもよかったかなという気がしないでもありません。
トッピングの方は値段相応と言うのか回転寿司レベルと言うのか、コスト的制約上いかにもな赤身やサーモンが泣かせるんですが、付け合わせの刺身にしてもそうなんですが今どき地の魚でも安くてもうまいネタはあるしそっちの方がお客の受けもいいでしょうに、何か判で押したような定番のネタばかりを取りそろえているというのは無個性な感じですよね。
これでせめてネタに一仕事でもしてあればまだよかったというものですが、茶碗蒸しなども出汁の味は立ってないわ立派にスが入っているわ、天ぷらにしてもネタも味もどこにでもあるようなありきたり過ぎだわで、そこそこ品数も多くて一見豪華にも見えるのにどうもこれぞという印象的な仕事にはついに出会えないままとなってしまいました。
同行者のものを少しつまませてもらった瀬戸御膳なども全く同じ印象を受けたのですが、よく言えばお客の嗜好を選ばない無難な組み合わせとも言えるにせよ、このあたりどうも個人客向けというよりも団体客向けのお店のような雰囲気を感じてしまいます。

見た目の印象を補強するように接遇はそれなりに丁寧でしっかりしているのはいいんですが、見ていますとさほど気がつく訳ではなく受動的と言いますか、何人も並んで立っているだけという光景が目立つのはあまりいい印象がありませんし、カードは5千円以上からのみokなどこれだけの大店の割に露骨にセコいことをしているのもどうなのかですかね。
価格的には見た目の豪華そうな印象に比べれば大衆的な設定で、食べて見てもそれなりに量も多いので特に高いという感じはしないんですが、ここがうまいからと通う店と言うよりは雰囲気込みで安いランチ狙いならまぁありかなというところでしょうか。
ところでこういう店に来るたびにこの生け簀というものの存在意義は何なのかなと思うのですが、顧客や仕入れの変動に対応出来るストックという以上に積極的な意義もあるんでしょうかね?

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2012年9月 1日 (土)

児童ポルノ規制 争点の所在はどこか

新聞沙汰になるというと一般にあまり良い意味で使われる表現ではありませんが、先日こういうニュースが出て一気に8人もが新聞沙汰になっていました。

児童買春:容疑で8人逮捕 出会い系サイト使う??県警 /愛媛(2012年8月28日毎日新聞)

 県警少年、生活環境両課と新居浜署など5署の合同捜査本部は27日までに、18歳未満の少女の買春をあっせんしたとして、新居浜市新須賀町2、無職、柴淳也被告(21)=県青少年保護条例違反などの罪で起訴=を児童買春・ポルノ禁止法違反(周旋)の疑いで再逮捕した。また、柴容疑者に紹介された少女にみだらな行為をしたとして、香川県丸亀市飯山町、同県観音寺市職員、平井和剛容疑者(31)ら7人を同法違反(買春)の疑いで逮捕した。

 他に逮捕されたのは岡山市中区、派遣社員、宇田直也(27)▽西条市丹原町、ガソリンスタンド店員、千葉遼(25)▽新居浜市喜光地町1、運転手、伊藤義孝(38)▽同市西喜光地町、会社員、黒田千浩(23)▽徳島市上八万町、同、島田克也(41)▽今治市片山1、同、林拓馬(27)−−の6容疑者。

メール履歴で芋蔓だったのでしょうか。ここまでさらされてしまうと恥ずかしいどころで済む話でもないでしょうが、ちょっとググってみただけでも昨今同種のニュースは全く珍しいものでもないようで、近年は未成年者に関するこの種の取り締まりが非常に厳しくなっているのが実感できます。
こうした明らかな違法行為は論外としても、最近青少年保護育成条例云々が厳しすぎるんじゃないかという声は時に聞くところで、例えば先日は女子高生とよい仲になった大学生が相手方の親から訴えられ逮捕された、なんてケースもあって、もちろん家庭内での諸事情も影響はしていたのでしょうけれどもある程度分別のつく年頃にまで行くと自由恋愛でいいのでは?という気もしますね。
ただ一方で年端もいかない子供達を素材にしたいわゆる児童ポルノなるものに対して徹底的な弾圧を行っていくというのは世界的な潮流で、特に多くのケースで児童虐待とも結びつくとされることからネット上でもその種の画像は速攻で削除されるようになっていますけれども、ここ日本においてもそうした戦いに身を投じているあのお方が吠えていらっしゃいます。

アグネス・チャンさんインタビュー やらなきゃ気が済まない(2012年7月7日時事ドットコム)より抜粋

 社会貢献活動の中でも、「児童ポルノの根絶」はアグネスさんの大きなテーマの一つだ。

 ユニセフ大使として初めての海外視察は「児童買春問題」がテーマで、行き先はタイでした。その時、「日本は(児童買春に)関係ある」と言われ、とても胸が痛みました。性的な欲望を子供たちに向けるのは、日本の法律上も許されていないし、絶対にやめてほしい。

 児童ポルノの問題にしても、日本ではいまだに単純所持は違法とはされていません。ということは、政府としては「(児童ポルノは)悪いことではない」と考えているのでしょうか。政府には、この問題に責任を持って対応してもらわないと困ります。

 私が児童ポルノ根絶に取り組むようになってから、特にインターネットで攻撃を受けていて。でも、私を攻撃しても、子供たちの叫びは無視できないので、この問題が消えることはありません。悔しい思いをしても、私は一歩も引きませんよ

これだけ読むと正義の味方に悪のインターネットが一方的なテロをしかけているようで、一体どこにそんな反対を受ける要素があるのかさっぱりわからない記事ですよね。
ま、かのお方に関して言えばかねて某集金団体の看板として活躍されているのは周知の通りで、それだけにネットに限らず幾らでも批判されるネタには事欠かないかと思いますけれども、この問題に関しては確かに判断力もつかない子供を騙したり脅したりといった手口で違法な性風俗などに従事させているようなとんでもない事例も存在しているのは事実です。
そしてその延長線上として実写による児童ポルノというものには必ず誰かしら生身の被写体があるわけで、その対象がまだ自分の行為を正しく判断する分別がない年齢である以上は、そうした実際の被害対象が存在するものについては法的規制やむなしという点に関してはほぼ世界的コンセンサスとなってきていると思います。
問題は被害を受ける実際の対象が存在しないはずのアニメや漫画などの創作物に関してもこの延長線上で取り締まろうという規制派の方々がいらっしゃるということで、「エ○漫画好きなヲタクなど認知障害だ」などと暴言言いたい放題の彼ら差別主義者に対してそれは違うだろう、そもそも表現の自由の侵害じゃないかと多くの良識ある人々も含めて声を挙げているのが現在の最前線であるわけです。
さて、何故実際の児童の被害もない創作物まで取り締まるのかという反論に対する彼ら規制派の主張の眼目として、そうしたものに手を出すような「認知障害」の輩はいずれ本物の子供にも手を出す「に違いない」という根強い偏見があったわけですが、それに根拠がないということを示すこういうレポートがにわかに注目を集めています。

【レポート】児童ポルノ漫画は無害(2012年8月23日コペンハーゲンポスト)

児童ポルノ漫画や図画は現実世界での子供への性的いたずらを促さない、と専門家が結論づけました。

社会民主党の児童ポルノ禁止要求に反対して、前法務大臣Lars Barfod(保守党)がRigshospitalet専門病院のSexologisk Klinicに調査を依頼しました。
当時、現在の社会福祉大臣(Karen Haekkerup(社会民主党))は、児童ポルノ漫画やアニメが実際の児童虐待を誘発する可能性を主張し、新聞に「小児性愛者はそれらを見ているだけでは満足できなくなり、実際に手を出すようになるのではないか」とコメントしました。
しかしSexologisk Klinicから法務省に提出された調査結果では法務大臣への報告書では「児童ポルノ図画での妄想が単独で実際の子供への性的暴力につながるという証拠はない」と否定的でした。

リベラルのシンクタンクであるCeposのJacobMchangama法務担当は答申を肯定的に見ており、情報筋に「児童ポルノ図画と実際の犯罪の間には関係がないことを示す調査結果が出たことは、この領域を新たな犯罪領域にしなくて済み、うれしいことだ。この一連の流れは、何かあると事実を見ずに法改正したがるような政治家の典型例を見ているようだ」と話しました。
社会民主党の文化スポークスマンFlemming Moeller Mortensenも「この調査結果を歓迎する。児童ポルノ図画が犯罪を助長する証拠が示されない限り、言論や芸術的表現の自由は守られるべきだ」 と報告を肯定的に見ています。
児童ポルノ図画は、スウェーデンやノルウェーでは違法ですが、デンマークでは合法です。

ちなみにこうした創作物に関しても規制を広げるべきかどうかという話は世界中で議論になっていますが、とりあえず言えることとしては実写に対するのと同様の規制が漫画・アニメに適用された場合、過去に日本において名作とされてきた漫画やアニメのうち多くのものがその規制に引っかかるだろうと言うことです。
例えば現在検討中の規制案では単にそれを持っているというだけで処罰対象とする「単純所持の規制」が言われていますけれども、そうなると例えばうちにも置いてある「ドラえもん」も「タッチ」も「となりのトトロ」も「ブラックジャック」も本やDVDを持っているだけで即逮捕!ということになってしまう理屈ですね。
さらにおもしろいことに政府ではこの件に関して例によってたびたび「世論調査」を行っているようですが、その調査というのが当事者によると(控えめに表現すれば)ずいぶんと恣意的なもののようで、これによって「国民の大多数はこの通り!児童ポルノ規制に賛成している!」という結論に持っていきたいのが見え見えであるようです。
この種の問題についてはいつも誘導質問で簡単に結果が逆転しがちなものですけれども、賛成するにしても反対するにしてもきちんと事情を知った上で、何が問題になっているのかを理解してから判断していきたいものだと思います。

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