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2012年8月17日 (金)

グルーポンだけでない クーポン売りつけ問題

以前にすかすかおせち問題で話題になったのがこちらグルーポンというネット上で割り引きクーポンを販売している会社ですが、その本社である米グルーポンが何やら行き詰まって来ているようです。

米グルーポンの収入が予想割れ、株価は時間外で20%急落(2012年8月14日ロイター)より抜粋

[13日 ロイター] 米クーポン共同購入サイト運営のグルーポンが13日発表した第2・四半期決算は、収入が予想に届かなかった
それに加え、同社が示した第3・四半期の見通しも市場の期待を裏切る内容だったことから、同社株は時間外取引で一時20%安と急落した。
米国のインターネットおよびソーシャルメディア・セクターでは、ジンガやフェイスブックなど、投資家の高い期待を集めて上場した銘柄が急落するケースが相次いでおり、グル―ポンに対する期待もはげ落ちてきた
(略)
サスケハナ・フィナンシャル・グループのアナリスト、ハーマン・ラング氏は「収入はガイダンスの下限近くだった」と指摘し、同社の利益見通しも市場予想を下回っている、と述べた。
ラング氏によると、第3・四半期の営業利益に関する市場予想は約7000万─8000万ドルだった。
Bリレイのアナリスト、サミート・シンハ氏は「彼らはビジネスのさまざまな側面を十分コントロールできていないようだ。年末までに状況を是正できなければ、2013年は成長ペースが著しく鈍化するだろう」との見方を示した。

クーポンを提供する「デイリーディール」ビジネスは鈍化の兆しが現れているため、同社は消費関連製品の販売やマーチャントサービスなど、新たな事業に進出。それらの一部は急成長を遂げているが、「デイリーディール」ビジネスほど収益性は高くない可能性がある。
ベンチマーク・カンパニーのアナリスト、クレイトン・モラン氏は「柱となるデイリーディール・ビジネスは予想以上に鈍化している」とした上で、同社はそれを補うためディスカウント価格で消費関連製品を販売する「グルーポン・グッズ」ビジネスを拡大しているが、それは利益率が低いと指摘した。
クーポンを購入した顧客から支払われた代金の総額は第2・四半期に12億9000万ドルとなり、第1・四半期の13億5000万ドルから減少した。

グルーポンのジェイソン・チャイルド最高財務責任者(CFO)は、欧州経済の低迷や為替変動が収益を圧迫したと説明。第3・四半期の業績見通しがアナリスト予想を下回った理由も欧州の不透明感を反映したものだとして、欧州での収益改善に取り組んでいると明らかにした。
同CFOによると、同社は最近、欧州の経営体制を変更し、潜在的な顧客を引きつけるために新たなテクノロジーを導入した。ただ、新テクノロジー導入を完了するには「今年いっぱい」かかるとしている。
一方、欧州では顧客へのクーポンのディスカウント幅縮小を計画していることを明らかにした。
また、アンドリュー・メイソン最高経営責任者(CEO)は「われわれは北米で、総収入を最大限に高める最善の方法は、消費者と販売側の価値の適切なバランスを見つけ出すことであることを学んだ。欧州でもそうすることによって成長を遂げる明確な機会があり、北米で成し遂げたようにインターネットユーザーの間に浸透することができる」と述べた。

いや、「われわれは北米で、総収入を最大限に高める最善の方法は、消費者と販売側の価値の適切なバランスを見つけ出すことであることを学んだ」って、それは店の側が決めることじゃないのか?と思うのですけれども、何しろ店に断りもなく勝手にクーポンを売るなどと言われるほど自社の総収入を最大限に高める最善の方法を熟知しているであろう同社にしてこの業績悪化です。。
ともかく日本でグルーポンと言えば顧客にとっては到底高いお金に見合わない腐りかけのすかすかおせちで認知され、店舗側からは詐欺紛い商法で悪どく儲けている怪しい会社と認識されとろくなイメージがありませんが、ようやくそうした世間の認識が業績という形で反映され始めたのだとすれば今後も業績改善への道のりは遠そうですよね。
グルーポン自体はピンハネ率が高すぎるなどの批判に対し、あくまでも有料の広告であると考えるべきだというスタンスを崩していませんが、もともとネットで検索して安いというだけでやってくるクーポン客は固定客としての定着率が著しく悪いという声もありますから、広告だと言うならそれがどれだけ顧客の業績向上に寄与しているのか、コストパフォーマンスとしてどうなのかという実績を地道に示していくことが信頼回復に必要でしょう。
ただグルーポンの名誉のために申し上げて置きますと、近ごろではこのあたりのネットを対象としたクーポン販売というものが(ごく控えめに表現すれば)必ずしも顧客である店舗側からよい印象を持たれていないようで、少し以前ですがこちらリクルートの記事を紹介してみましょう。

顧客に「営業妨害」とまで言われたリクルート(2012年11月16日日経ビジネス)
より抜粋

 リクルートが宿泊予約サイト「じゃらんnet」の集客力拡大に向けて、急ピッチで進めた大手SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「フェイスブック」の活用策に、同サイトを利用するホテル・旅館が「待った」をかける異常事態が起きている。
 利用者に周知徹底しないままフェイスブック上にホテルや旅館の「公式ページ」を一斉公開している――。リクルートのこうした手法に「強引だ」と不満を募らせた国際観光旅館連盟近畿支部(大阪市)が、これまでリクルートと結んでいた契約そのものについて「営業妨害につながる条項があり、独占禁止法違反に当たる」として、代理人の弁護士を通じて公正取引委員会に排除措置命令を出すよう申し立てたのだ。
 従来ならば、宿泊予約サイトの集客増につながる取り組みは顧客であるホテル・旅館にとってもメリットがあったはず。それが今回、双方の利害が対立したのはなぜか。同連盟側の主張などを基にその理由を探ると、リクルートに対する鬱積した不信感が浮かび上がる。

無断で「公式ページ」を開設

 じゃらんnetの約款の中で、同連盟が特に問題視しているのは、ホテル・旅館から提供された情報をリクルートが外部サイトやパンフレットなどに自由に転載できることを定めた条項だ。
 リクルートはこの条項に基づき、じゃらんnetの写真や文字情報などを転載する形で今年7月1日からフェイスブック上に各施設の「公式ページ」(以下、FBページ)を開設した。対象となった約1万6000軒のホテル・旅館には公開の前日にファックスで通知しているが、FBページの開設についての同意を得ることはなかった
 FBページの開設そのものは無料だったため、大半のホテル・旅館にとっては歓迎すべき取り組みだったかもしれない。ただ問題は、この時点ですでに自らの努力でFB上やインターネット上に宿泊予約が可能なページを公開しているホテル・旅館があったことだ。ホテル・旅館のページとリクルートが作成したFBページが一時的に並存し、予約客を奪い合う構図になってしまった。
 リクルートが作成したFBページであっても、ホテルが自主作成した宿泊予約サイトに消費者を誘導することができれば問題はなかった。ただ、約款にはじゃらんnet以外の宿泊予約サイトの利用や宣伝を禁止する条項があり、FBページからリンクが張られていたのはじゃらんnetだけだった。
 申告書によると、じゃらんnet経由で予約があった場合、ホテル・旅館側はリクルートに対して宿泊代金の8%を報酬として払うことになっている。このため一部のホテル・旅館から「フェイスブックの閲覧者をじゃらんnetに誘導して報酬を得ようとするものだ」との批判が高まり、リクルートはすべてのFBページを一時閉鎖しなければならない事態に陥った。

歩み寄りの姿勢は見られず

 同連盟の代理人を務める壇俊光弁護士は問題の条項について「ホテルや旅館はどのような媒体に掲載されるか予測できない上に、特定の媒体への掲載を拒否することもできない」と指摘。「そもそもこんな条項があること自体がおかしい」と批判し、約款から削除するよう求めている。
 また、リクルートはFBページについて大規模なSEO(検索エンジン最適化)対策を実施しており、検索エンジンではホテル・旅館が作成したページよりも上位に表示されることが多いという。壇弁護士は「ホテル・旅館が細々とチラシを配っている横で、リクルートが巨大広告を掲げているようなものだ」と主張する。
 リクルートは「申し立ての事実を確認できないので、コメントは差し控えさせる」としつつも、「我々の事業活動に独禁法違反に当たる行為はないと捉えている」と話す。今のところ、両社に歩み寄りの姿勢は見られず、今後は公取委の判断を待つことになりそうだ。

 リクルートはじゃらんnetだけでなく、グルメ情報サイト「ホットペッパーグルメ」で今年7月から実施しているフェイスブック活用策に対しても、一部の飲食店経営者から周知不足だったと批判を受けている。フェイスブック上でのクーポン配布を知らせるダイレクトメール(DM)が飲食店経営者の手元に届かなかったため、来店客にクーポンを示されて、初めて飲食店側がリクルートの取り組みを知るケースもあったようだ。
 宿泊予約サイトやグルメ情報サイトなどのプラットフォーム型ビジネスにとって、利用者であるホテル・旅館や飲食店に居心地のいい環境を作り上げ、ウィン―ウィンの関係を構築することがなによりも重要とされる。もし仮に同連盟の主張通り、リクルートがネット上の消費者を自社に有利なように誘導して「1人勝ち」しようとしたのであれば、独禁法違反に問われずとも、利用者の不信を招く可能性は否定できない。
 ただでさえリクルートの高い利益率は、低収益にあえぐホテル・旅館や飲食店にとって羨望の的となっている。リクルートの2011年3月期決算によると、じゃらんnetやホットペッパーグルメを含む販売促進支援事業全体の売上高は2418億8600万円、営業利益率は33.2%だった。
(略)

いやしかし、このご時世に利益率33%とは全くうらやましい限りですが、ここでもクーポン配布の周知徹底がなされておらず、お客さんが来てから始めて知ったというケースがまま見られるというのは先のグルーポンと全く共通の構図で、この業界のお約束ででもあるのでしょうか?
それに加えて今回は検索エンジン対策まで駆使して顧客を奪い取っていった、そしてそれを楯に一方的に報酬を要求しているというのですから自前のサイトなどを開いて熱心に広報をしてきたホテルほど大迷惑というものですが、リクルート側の言い訳を聞いてみますとずいぶんと一方的なことを言っているようです。
例えばクーポン問題にしても「DMを送りつけた約4万店のうち、サービスを辞退した店舗を除く約3万7千店を対象にクーポン配布を行った」というのですが、この種のサービスにありがちな「なお、期日までに掲載拒否の通知がない場合は同意されたものと見なします」なんて強引な押し売り手法がまだ行われているということなんでしょうかね。
個人経営の店ならともかく、チェーン店などでは経営者と雇われ店長は全く別で広告など店舗側に全く決定の権限はないケースも多いでしょうが、それを知っているはずでありながら店側に送りつけてくるというのは確信犯と言われても仕方がないところでしょう。

ホテルの予約問題に至ってはもっと悪質極まるもので、「旅館やホテルは、宿泊予約を確認するために、必ずファックスに目を通す」のだから「約1万6000にのぼる顧客に対してサービス開始の前日にファクスで通知」することでよしとしたというのですから、これで後からやってきて「俺達の働いた分金を出せ」ではそこらの押し売りよりもたちが悪いというものでしょう。
同社に対しては「消費者の方ばかりを向いていて、顧客である飲食店をないがしろにしている」という批判があるようですが、先のグルーポン問題で販売店側から問題提起をされたように勝手にクーポンを掲載されお客が集中する、その結果通常通りのサービスが提供できず結果としてかえってお客に悪印象ばかりを与えてしまうのでは店側のみならずお客の側にとっても全くいいことではありませんよね。
リクルート側は他の無料クーポン配布サービスの台頭について「焦りがあったわけではない」と答えていますが、この種のネットサービスは多少の内容の良い、悪いよりも早く大きなシェアを握った方が圧倒的に有利であることは言うまでもありませんから、少しでも早く実績を上げたいという気持ちがあったことは想像に難くありません。
近年ではあまりにネット上での検索が発達しすぎた結果、本当に良いものであればむしろ誰にも知られていない穴場の方が人気が出るなんてこともありますから、顧客であるお店の側にしても新聞にチラシを挟んでいた昔のような感覚でひたすらより手広く大勢にというやり方を続けていくのもどうなのかなと思うのですがね。

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コメント

いまどきこんなのちょいとググればすぐ評判なんてわかるんだし
それでもひっかかる情弱はさっさと逝ってよし!

投稿: あかん兵衛 | 2012年8月17日 (金) 10時32分

まあ情報格差につけこむのがこの種の商売の常套手段ですし。

投稿: 管理人nobu | 2012年8月17日 (金) 11時15分

いや、最近ではどんな商売でも悪評が引っ掛かりまくるので、ネット検索が役立たなくなってるんですよ。
悪評がヒットするサービスを回避すると、何一つ利用できなくなってしまう。
本当に価値あるのは「○○が悪い」ではなく「○○が良い」という情報なんだけど、ネットではそれは手に入らない。

投稿: | 2012年8月17日 (金) 11時39分

話題になったグルメ批評サイトの情報なんかも実際行ってみると当たり外れが大きいですしねえ。
それでも食べものくらいならよく読めばある程度当たり外れの想像はつくんですけど、全く知らないジャンルだととてもとても真贋の区別なんてつかないでしょう。
最終的には批評者を見る目が試されるのだったら、取引先を見る目が試されるのと同じことだし。

投稿: ぽん太 | 2012年8月17日 (金) 12時40分

自分の場合は批評で飯を食ってるプロ評論家はどうしても業界との癒着もあるだろうし割引いて見ちゃいますな
それと記名の批評を沢山読み込んでその人がどういう視点で批評してんのかを理解できれば自分の評価と比べやすいかなと
そこまで手間暇をかけられないって言われりゃそれまでですが訳わかんないまま飛びつくのもやっぱリスク高いでしょうよ

投稿: 元僻地勤務医 | 2012年8月17日 (金) 15時00分

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